読谷村史編集委員会
委員長 宮城傳
読谷村史編集室では、戦争編(『戦時記録』)の編集作業と並行して、「村内戦争遺跡(戦跡)」の調査を行いました。現在、村史編集室で把握している戦跡は、主なもので33箇所、村内に散在する大小のガマ、壕及び慰霊碑等を含めると、80余箇所にも及びます。
これら戦跡を整理して、この度、小冊子にまとめることにしました。
本小冊子は、村内外の児童生徒の平和教育、歴史学習の資料として供し、更に県内外の修学旅行生や一般旅行者(観光客)に、平和学習資料として手軽に活用していただくために刊行するものです。
沖縄戦で、読谷村は多数の尊い人命や多くの財産を失い、あまつさえ、座喜味城跡をはじめとする多くの有形文化財が破壊し尽くされました。
沖縄戦から半世紀を経た今日、戦争の記憶もうすれ、風化の危機にさらされております。しかし、戦跡は歴史の事実を証す資料であります。現存するトーチカや構築壕、さらに住民の避難壕やガマ跡等はかつて苛酷な戦争が行われた確かな証明であり、これら戦跡を訪ねることによって戦争を実感し、いささかなりとも追体験ができるものと思います。
なお、本書は編集室の踏査資料等を参考に、渡久山朝章氏が執筆致しました。「平易な文章で」という編集室の要請で、要点を押え簡潔にまとめてくださいました。末筆ながら、感謝申し上げ発刊のご挨拶と致します。
2003年3月
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