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- しまくとぅば単語帳:カ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
カー
井戸。わき水。湧泉〔ゆうせん〕。
- 用例
- ンカシェー イェーキンチュヌル カーン フイスタル(昔は 金持ちしか 井戸も 掘れなかった・造れなかった)。
- メモ
- 形状や用途などで呼び分ける。イジュンジャー(泉)。ヒージャー(樋のある井戸)。チンガー(掘り抜き井戸)。クルマガー(滑車のある井戸)。ニーブガー(ひしゃくで汲めるくらい浅い井戸)。ヌーリガー(ため井戸)。ヌールガー(ノロが用いる井戸)。ウブガー(産湯をつかう井戸)。
カー
皮。皮膚。
- 用例
- ウヌ デークネー アチャヌ スージンカイ チカイグトゥ カーハジョーケー(その 大根は 明日の お祝いに 使うから 皮をむいておきなさい)。
カー ハゲー(面の皮を剥げ〔脅し文句〕)。
ガー
意地。我。
- 用例
- ガーハテー ヌーンナランドー(我を張っては 何もできないよ)。ガーハティ(我を張って)。
ガーイムヌイー
ほらを吹くこと。
- 用例
- ガーイムヌイーシーネー ドゥシェー ヲゥランナイン(ほらを吹いたら 友達は いなくなる)。
ガーイン
意地を張る。
- 用例
- ドゥーヌ ウムイ トゥースヌタミニ マーマディン ガーイン(自分の 思いを 通すために どこまでも 意地を張リ通す)。
カーウガミ
行事名。井泉拝み。
- メモ
- 井泉での拝みで、水撫でを行なう。
門中や字で行われる行事。
カーウガン
行事名。井泉御願。
- メモ
- 井泉での拝みで、水撫でを行なう。
カーウビー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 9月に行なう水への感謝祈願。
カーウビナディ
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 井泉での拝みで、水撫でを行なう。
門中や字で行われる行事。
カーウリー
行事名。井泉下り。川下り。
- 用例
- クヮナシーネー ユグリムン アライガ イチュシンカイ カーウリーディイータン(出産後に 汚物を 洗いに 行くことを カーウリー・川下りといっていた)。
- メモ
- 「ウマリビータンドー(生まれましたよ)」と報告のためカーウリーした。
座喜味では、赤子が生まれたら、当日の早いうちに産婦の母や姉妹など近しい者がイラナ(鎌)、シーグ(小刀)などを持って、お産時の汚れ物を洗いに近くの海へ行く。各班で決められたカーから汲んできた水で産婦の手足や顔を洗うが、赤子を浴する水は各戸の井戸を使用した。
喜名では、観音堂近くのンブガーでカーウリーした。ウブガーであるシチャワタンジャーから水を汲んできて、ウバギー(産飯)を作った。ウブガーの水を持ち帰って、赤子の額を水撫でしたり、お産の汚物を洗った。
カーウリグムイ
出産時の汚物を洗うところ。
- メモ
- 伊良皆にあったクムイ(池)。
カーゥンナジ
【魚】鰻〔ウナギ〕。カー(湧泉)の鰻。
ガーエー
威勢よく声を張り上げること。
- メモ
- いがみ合い怒鳴り立てる様。綱引きの際、威勢をつけるため相手をけなす歌を歌いながらがなり立てること。
ガーエーモーイ
我張り踊り。
- 用例
- チナヒチヌ ガーエーモーイヤティカラ オーエーヌグトゥルアタル(綱引きの ガーエーモーイは 喧嘩のようだった)。
- メモ
- 綱引きの合間に相手に対して敵意をむき出しにし、扇子を持って囃し立てながら踊ることをガーエーモーイといった。意地を張り合って踊る。
カーカー
猫(ネコ)を呼ぶ掛け声。
カーガー
影。
- 用例
- カーガークンピエーシ アシブタン(影絵踏みをして 遊んだ)。
カーカスン
乾かす。
- 用例
- ンリトーヌ チン カーカスン(濡れている 着物を 乾かす)。
過:カーカチャン(乾かした)否:カーカサン(乾かさない)希:カーカシーブサン(乾かしたい)継:カーカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 対:ンラスン(濡らす)。
カーカマロー
【虫】アメンボ。

- 用例
- カーカマローンカイ スンカリンドー(アメンボに引きずられるよ)。
カーギ
陰。
- 用例
- ティーラヌ チューサヌ カーギンカイイッチ アシベー(太陽が 強いから 日陰に入って 遊びなさい)。
カーギ
容姿。容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- カーギル チュラサル シクチェー ヤクンタッタン(容姿は 美しいが 仕事は 役に立たない)。
カーギヤ カードゥ ヤル。ククル デーイチ(容姿は皮だ。心が第一)。カーギヌワッサヌ(顔が悪い)。
カーキー
賭け。指切り。
- 用例
- ジンカキティヌ カーキーヤ スシェーアラン(お金をかけての賭けは するものではない)。
カーキーサーニ(賭けて)。カーキーシ(賭けをして)。
カーキーン
乾く。
- 用例
- イーウヮーチチヤグトゥ ウビジ カーキーン(良い天気だから すぐに 乾く)。
過:カーキタン(乾いた)否:カーキラン(乾かない)希:カーラカシーブサン(乾かしたい)継:カーカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 対:ンリーン(濡れる)。
カーギシガタ
容姿。容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- カーギシガタ ウチャティ トゥジサー マンドーサニ(容貌も兼ね備わっていて 嫁にしたい人も 多いでしょう)。
カーギシガタ ウチャトーサー(容姿が兼ね備わっている)。
カーギダックイ
美形の血筋。
カークーカークー
カエルの鳴き声。
カアグバル
嘉阿護原(大木の小字)。
カーグフヮー
顔の皮がかたい人。
- メモ
- 表情がかたく、気むずかしそうな人。面の皮の厚い人。人相が悪い人。
カーグフヮサン
顔の皮がかたい。
- メモ
- 表情がかたく、気むずかしそうな様子。
カーサ
芭蕉や月桃などの幅の広い葉。
- 用例
- ウラヤマカイ イチーネー ジャッサヤティン カーサ トゥラリン(裏山に 行けば 幾らでも 月桃の葉が 取れる)。
- メモ
- 祝いの前日には、土産を包むウーガーサ(芭蕉の葉)を取って、火にあぶって破れにくくするなど準備した。
他にサンニンガーサ(月桃)、ユーナガーサ(オオハマボウ)など葉の広い植物を、食べ物を盛ったり包んだりするのに使った。芭蕉の葉は弁当を包んだり、サンニンガーサー(月桃の葉)はムーチー(餅)を包んで蒸すのにも使われた。
カーサバ
革草履。
- 用例
- イナカンジェー カーサバ ハチョーシェー ヲゥランタン(田舎では 皮草履を 履いている人は いなかった)。
- メモ
- 男物の革草履は歩くとパチパチと音がした。
靴や靴下は戦前からあったが、大方は兵隊に召集された時に初めて履いた。
カーサバクマー
革草履を履いている人。
- メモ
- 革草履の音が夜は不気味に聞こえたので、カーサバクマーが来るよと泣いている子をなだめた。
カーサベントー
芭蕉や月桃の葉で包んだ弁当。
- 用例
- ガッコーカイ イチーネー チャー アンマーガ カーサベントー チュクティ ムタスタン(学校に 行く時には いつも お母さんが 月桃の葉で包んだ弁当を 作って 持たせてくれた)。
- メモ
- 部落ではワカリアシビ(別れ遊び)などをするときには、御馳走やカーサベントー(芭蕉の葉で包んだ弁当)を準備した。炙〔あぶ〕った芭蕉の葉で包んだ。
カーサムーチー
月桃の葉で包んだ餅。
- 用例
- カーサムーチーヤ アンシ イーカバスルヤー(カーサムーチー・月桃の葉で包んだ餅は なんて 良い匂いなんでしょうね)。
カーサレー
井戸の掃除。井戸(井泉)浚い。
- 用例
- カーサレーネー メーニン ルクグヮチニ カーヌマンマール ソージスン(カーサレー・井戸浚いは 毎年 6月に 井戸の周囲を 掃除する)。
- メモ
- 水への恩義として旧6月に行う行事で、字民総出で近くのカー(泉井)の掃除をした。カーサレーの日は、字によって6月15日頃、24日、25日などと決めて字民総出で行なった。
カージ
~より。
- 用例
- チュカージェー ジンブンムチ(人よりは利口)。
- メモ
- 比較するときに用いた語。
カージ
ごと。たび(に)。つど。
- 用例
- ヤーカイ チュールカージ ムンイミースン(家に 来るたびに 物をねだる)。
イチュルカージ(行く度に)。チュールカージ(来るたびに)。
カージェー
~よりも。
- 用例
- ティーチナー カムシカージェー、トゥッティ アチミティカラ カミーネー マーサン(ひとつずつたべるよりも、とって集めてから食べるとおいしい)。
カージシ
皮付きの肉。
ガージャ
地名(西原町我謝)。
ガージャ アムル
地名(西原町の我謝と安室)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ガージュー
我の強い者。強情者。意地っ張り。
- 用例
- ドゥク ガージューナティ ハナシンナランサ(余りにも 我が強くて 話もできない)。
- メモ
- 我の強い人。言い出したことはなかなか曲げない。我の強い者。強情者。意地っ張り。どこまでも自分の意地を通そうとする人。
カーゼー
~よりも。
- 用例
- イチュルカーゼー チトゥグヮー ムタサリーン(行くたびにお土産をもたされる)。
カーソージ
井泉の掃除。
- メモ
- 古堅では4月15日にフルギンガーの掃除が行なわれた。
妊婦のいる家では主人が渡具知の浜から拾ってきた荒砂利を自宅の井戸に入れた。
カーター
子どもの遊びのひとつ。片足ずもう。
- メモ
- 比謝矼での呼名。
ガーターマーター
肩車。

カータキウガン
行事名。
- メモ
- 2月と5月のウマチーに行なう拝み。拝すべき井戸を「カータキ」と称している。
伊良皆ではカーウリグムイからメーヌカー、ウフカー、トーヌカー、イーヌカー(サシジャー)、アガタヌカー、シチャデーヌカーの七か所を拝む。
カーチーベー
6月頃の南から北へ向かって吹く風。夏至南風。
ガーティー
威張った者。
ガートゥイ
【鳥】鴨。
- 用例
- ドゥシクェーガートゥイ(友を喰う鴨〔友人に迷惑をかけて平気でいること〕)。
ガートゥヤー
【鳥】鴨。
ガーナー
瘤〔こぶ〕。たんこぶ。
- 用例
- チブル ウッチ ガーナー ゥンジトーン(頭を 打って たんこぶが できている)。
- メモ
- 打ち付けてできる瘤。
カーナベーナ
【植物】アオビユ。
- 用例
- カーナベーナヤ マーンカイヤティン ミーヤッサン(アオビユは どこにでも 生えやすい)。
カーニーバチャー
【虫】スズメバチ。
カーニーベンサー
【虫】コガネムシの一種。
カーヌイーヌイシヤ
川之上の石屋。波平の拝所名。
- メモ
- お盆と十五夜に拝む。十五夜には午前中にカーヌイーヌイシヤで拝みをしてから、そこで予行演習をした。ハタスガシーの時も同様に拝みをしてアガリジョーへ行列して行った。イシヤの項も参照。
カーヌイーヌカー
川之上の井戸。波平の井泉の名称。
- メモ
- 波平のカーヌイー(川之上)は十五夜アシビ上演の会合やスーダチグヮー(予行演習)を行った場所だった。その下方にあるのがこのカーである。ワンダガー(湾田ガー)と同じく飲料水として利用された。近くには沖縄戦時に掘られた壕跡も見られる。
カーヌチカー
読谷山で織られた絣文様の名前。
カーハイ
干からびること。
- 用例
- イャームン チラー カーハイソーシガ チラン アラランルアティー(お前の 顔は ひからびているが 顔も 洗わなかったのか)。
カーハイン
皮が張る。
- 用例
- アンスカマディッシ カーハインナー!(そこまでして 面の皮を厚くするのか!)。継:カーハトーン(干からびている)。
- メモ
- 干からびて皮が張っている意味もあるが、人に使う場合には恥もなく面の皮が厚いという意味にも使われる。
カーハヤー
しぶといやつ。意地っ張り。
ガーハヤー
我を張る人。意地っ張り。
カーハラガーゥンム
砂を混ぜて足で踏んで皮を剥いた小芋。
- 用例
- カーハラガーゥンムヤティン ニーネー ジャッサ マーサグトゥ(カーハラガーゥンム・小芋でも 炊いたら どんなに 美味しいから)。
カービラ
地名(読谷村瀬名波の屋取集落、川平)。
カービラバル
川平原(瀬名波の小字)。
カービラヤードゥイ
地名(読谷村瀬名波の屋取集落、川平)。
- メモ
- 川平屋取。瀬名波カービラの寄留集落。
カービランチュ
川平の人(読谷村瀬名波の屋取集落)。
カーブイ
頭を横に振ること。拒否、否定。
- 用例
- ヌー チュクティン カーブイシ ティーチン カマン(何を 作っても 首を振って ちっとも 食べない)。
カーブイ
味噌や醤油に出るカビ。
- メモ
- カビが生えることにカーブイ クユン或いはカーブイ スンと言った。
カーブイ カーブイ
赤ちゃんをあやすかけ声。
- メモ
- 「いやいや」をするように頭を横に振りながら、歌うようにあやす。
カーブイカーブイ
頭を横に振る。かぶりをふる。
カーフスクー
過不足を清算すること。
- メモ
- 製糖や道普請などの共同作業の際、特定の者に利益がいかないように清算すること。
現場の状況をみて作業を割り振りし、平等に出るようにしたが、出ない場合はカーフスクーで精算した。クヮーフスクーともいう。
カーブチー
ミカンの種類。
- 用例
- クンドゥヌ カーブチーヤ ムル ムシカイ クヮーティ ウインナラン(今年の カーブチーは 全部 虫に 食われて 売り物にならない)。
- メモ
- 沖縄在来のミカンの一種で皮が厚い。
カーフヤー
井戸を掘る人。井戸掘りを専門にしている人。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ トゥシトゥティマディ カーフヤーソータン(私の 祖父は 年を取ってまで 井戸掘りをしていた)。
カーブヤー
【哺乳類】蝙蝠〔コウモリ〕。
- 用例
- ガマカイ イーネー アマクマカイ カーブヤーン マンドータン(洞窟の中に 入ると あちこちに コウモリも 多かった)。
- メモ
- 波平では、子どもたちがシムクガマでキビのシブイガラ(搾りカス)を束ねたものに火を点けて、カーブヤー(蝙蝠)を取りに行って遊んだという。
ガーブラチュン
あんぐり開ける。
- 用例
- クチェー ガーブラチ(口はあんぐり開き)。
カーマ
遠く。遠方。ずっと。
- 用例
- カーマ アマンカイ ハイタン(ずっと あそこに 行った)。
カーマトゥーサ(ずっと遠く)。カーマハンタ(遠い崖)。カーマヤマから(遠い山から)。カーマカーマ シチャウティ(ずっとずっと下で)。
カーマニッカ(夜も遅くまで)。カーマメーヌ ハナシ(ずっと前の話)。
- メモ
- 時間的、距離的な隔たりが大きいこと。
カーマ ニッカ
ずっと遅く。ずっと後に。
- 用例
- カーマ、ニッカカラ、クヌユーナティカラ、ソータル(ずっと後に、戦後になってからやっていた)。
カーマ ヘーク
ずっと早く。ずっと前に。
- 用例
- カーマ、ヘークドーヤー、ウー(とても、早い時期ですよね)。
カーマイー
ずっと上。
- 用例
- カーマイー カメーティンディ(ずっと上を 探してごらん)。
- メモ
- 対:カーマシチャ(ずっと下)。
カーマウーク
ずっと奥。
- 用例
- カーマウークンカイ カジミテーサ(ずっと奥に 隠してあるよ)。
カーマウチ
ずっと内・中。
- 用例
- カーマウチンカイ イットーケー(ずっと中に 入れておきなさい)。
カーマウヮービ
ずっと上・上部。
- 用例
- カーマウヮービ カメーティンディ アヌハジドー(ずっと上を 探してごらん あるはずだよ)。
- メモ
- 類:カーマイー(ずっと上)。対:カーマシチャ(ずっと下)。
カーマシチャ
ずっと下。
- 用例
- カーマシチャンカイ イッテータシガ ネーンナトーサー(ずっと下に 入れてあったが なくなっているよ)。
- メモ
- 対:カーマイー(ずっと上)。
カーマトゥーサ
ずっと遠く。
- 用例
- クスイウヤーヤ カーマ トゥーサカラル チューンドー(薬売りは ずっと 遠くから 来るんだよ)。
カーマフカ
ずっと外。
- 用例
- カーマフカンカイ ムッチイケー(ずっと外に 持って行きなさい)。
カーミ
【民具】甕〔かめ〕。骨壺。
カーミ
【爬虫類】亀〔カメ〕。
- メモ
- トゥシヌクーヤ カーミークー(年の功は亀の甲)。
カーミー
【虫】タガメか。
- メモ
- ゲンゴロウよりも一回り大きかった。捕まえて背中に土をつけ、グーシ(串、竹串)を曲げてそこにさし、もう一方を固定してくるくる歩いて回るのを楽しんだ。
カーミー
【爬虫類】亀〔カメ〕。
- 用例
- カーミーンカイ タシキラッタン(亀に 助けられた)。
カーミジナリー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 大歳の晩にカーから水を汲んできて、若水を迎えた。
カーミチビ ティーチ
甕〔かめ〕の底はひとつ。
- メモ
- 夫婦の骨をひとつの甕に納めること。夫婦は死後も一緒であるという意味。
カーミナクー
亀の甲。亀甲墓。
カーミナクージーファー
べっ甲の簪〔かんざし〕。
- メモ
- ウワイニンキ(終わり年忌・33年忌)やスーギ(祝い)にはおばあさん達は必ず花織を着て、カーミナクージーファー(べっ甲の簪)を差していた。
ジーファー(簪)は牛の角で作られたようなカブの大きいジーファーで普段はやらず、保管していた。25年忌や33年忌には、そういうおばあさん達が来て必ずチヂン(鼓)を打って歌った。
カーミナクーバカ
墓の一種。亀甲墓。
- 用例
- カーミナクーバカヌ ナカヤ イッペー ヒルサン(亀甲墓の 中は とても 広い)。
- メモ
- 類:カーミヌクーバカ(亀甲墓)。
屋根の部分が亀の甲羅に似ていることから亀甲墓と呼ばれている。
カーミヌクージーフヮー
べっ甲の簪〔かんざし〕。
カーミヌクーバカ
墓の一種。亀甲墓。
- 用例
- ウチナーヌ カーミヌクーバカヤティカラ チャッピナーソーグトゥ(沖縄の 亀甲墓は どんなに大きいことか)。
- メモ
- 類:カーミナクーバカ(亀甲墓)。
屋根が亀の甲の形をした墓。百姓が造ることは許されなかった。
カーミヌシシ
カメの肉。
- メモ
- カーミヌシシーとも言う。
カーミヌチビ ティーチ
甕〔かめ〕の底はひとつ。
- 用例
- ミートゥンダヤ カーミヌチビティーチヤサ(夫婦は 同じ厨子甕に入るんだよ)。
- メモ
- 夫婦の骨をひとつの甕(同じ厨子甕)に納めること。夫婦は死後も一緒であるという意味。
カーミンジャーラ
【爬虫類】アオカナヘビ。
- メモ
- 子どもの遊びの指遊び歌イッポーカッポーで歌われている。
カーミンジャーリ
とかげ。
カーミンジャーリー
割れた瓶(陶製品)。
- 用例
- カーミンジャーリーヤ カタジキランネー(割れた瓶は 片付けないと)。
カーミンジャールー
【爬虫類】キノボリトカゲ。

- 用例
- ゥンマナカイ カーミンジャールーガヲゥサ(そこに キノボリトカゲがいるよ)。
カーミンチャブルー
蔓〔つる〕で作った冠。
- メモ
- カニクサともいう三味線蔓で作ったカーミンチャブルーを被ったノロが拝んでいた。
つる草の冠をミンチャーブイ(御+冠)。チャーブイは冠のこと。
カームシ
【虫】イモサルハムシ。甘藷の害虫の名。
- メモ
- 幼虫のことをヒームサー或いはカームサーと言う。
カームヌメー
お水撫で。
- 用例
- カームヌメーヤ クングヮチジューグニチニ ムンチューガシラガ アチマティ ウガムン(カームヌメー・お水撫では 9月15日に 門中頭が 集まって 拝む)。
- メモ
- 類:ミジナリー(お水撫で)。
神聖な水を中指で額に3回つける作法で、若返りの水を浴びた効果があるといわれた。
カーメー
井泉廻。行事名。
- メモ
- 類:カーウガン(井泉御願)・カーウガミ(井泉拝み)。拝すべき共同井戸などをまわり祈願する行事。
カーラ
瓦。
カーラ
川。小川。
- 用例
- カーラカラ ヲゥーキンカイ ミジ クリクーワ(川で 桶に 水を 汲んできなさい)。
- メモ
- カー(井泉)での洗濯は禁じられていたので、カーラ(川)で洗濯や水浴をした。対:ヤマ(山)。
ガーラ
【魚】カイワリ。ヒラアジ。
- 用例
- ガーラヤ ゥンマンデーヌ ウミヲゥティン ユートゥラリサ(カイワリは そこら辺の 海でも よく釣れるよ)。
カーラー
瓦。
- 用例
- チカグルシェー カーラーヌ ウホーコー シマジリヲゥティ チュクトーサニ(近頃では 瓦の 多くは 島尻で 作っているんでしょう)。
カーラゥンナジ
【魚】鰻〔ウナギ〕。カーラ(川)の鰻。
カーラカンジャー
【鳥】カワセミ。

カーラカンジュイ
【鳥】カワセミ。

カーラカンジュー
【鳥】カワセミ。

カーラカンジュヤー
【鳥】カワセミ。

- 用例
- カーラカンジュヤーヤ ヌーンチ チュラヂンチチ カーラナーリー ムンクヮティアッチュンディチ ワカイミ?(カワセミは どうして 綺麗な着物を着て 川べりで 餌を取って食べているか 分かるね?)。
カーラガンター
【鳥】カワセミ。

- メモ
- カーラガンターはきれいな着物をきているが親不孝という民話がある。
カーラグヮー
小川。
- メモ
- カーラグヮーで洗濯などの洗い物をした。
カーラチュン
乾く。
- 用例
- カジカイ スガシーネー タレーマナカイ カーラチュン(風に 当てると あっという間に 乾く)。
過:カーラチャン(乾いた)否:カーラカン(乾かない)希:カーラカシーブサン(乾かしたい)継:カーラカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 対:ンラスン(濡らす)。
カーラチンジュヤー
【鳥】カワセミ。

カーラトゥンジュヤー
【鳥】カワセミ。

ガーラナイ
水が勢いよく流れるさま。
カーラヌチン
瓦の着物。
- メモ
- 瓦の成型時にカーラバクに被せる布。
カーラバク
瓦箱。雌瓦を成型するための木型。
カーラバタ
川端。
- 用例
- カーラバタカラ アッチーネー ウティーンドー(川端から 歩くと 落ちるよ)。
カーラバター
【鳥】カワセミ。

カーラパタパター
川端できれいな姿で飛ぶ鳥。
カーラフチャー
瓦葺き職人。
- メモ
- カーラヌシヤー(瓦を乗せる人)ともよんだ。
カーラフチャーがシーシグヮー(屋根獅子)も造っていた。
カーラマカラー
【虫】アメンボ。

- 用例
- カーラマカラーンカイ ヒッパラリンドー(アメンボに引っぱられるよ)。
カーラヤー
瓦葺きの家。瓦家。
- 用例
- チカグロー カーラヤーン イキラクナティヤー(近頃は 瓦葺の家も 少なくなったね)。
カーラヤーグヮー
瓦葺きの家。瓦家。
カーラヤーヌタンメーグヮー
【虫】ハンミョウ。
- 用例
- カーラヤーヌタンメーグヮー カチミタン(はんみょうを 捕まえた)。
カーラヤチャー
瓦を焼く職人。
カイ
~へ。~に。
- 用例
- ヤマンカイ(山へ)。
カイ
甘蔗の病気。
- メモ
- 甘蔗の葉が赤くなり枯れる病気。
カイ
羊水。出産直後の赤子についている羊水。
- メモ
- アクミ・ホーヤーとも称した。
カイギーン
からげる。
- 用例
- ンリラングトゥシ スス カイギーン(濡れないように 裾を からげる)。
- メモ
- 類:カナギーン(からげる)。
カイクバーラ
蚕〔カイコ〕を養う目の粗い網。
- メモ
- 上に餌のクワの葉を置き、蚕の糞は網目から下に落ちた。
カイクミ
同じ干支生まれ。
- メモ
- ワラビナーの命名は、祖父母や伯父伯母に同じ干支の人がいればその人の名をあやかって付けることがあり、それをカイクミといった。
ワラビナーをつける時、ンブガー(産井)から水を汲んで、家の庭でミージョーキグヮー(箕)を立てて、カカン(女性用下着)を被って、「何年のトゥシビーカイクディ ンマリトーン」と水撫でする。
カイクミアタトーン
同じ干支生まれで相性が合っていること。
カイクン
開墾。
- 用例
- フチャーリミー ヤーニンジュシ カイクンサン(荒れ果てた所を 家族で 開墾した)。
カイシーブジョー
改正奉行。
- メモ
- 昔、カイシーブジョーが来て「某日はジークミ(地組・地割)だから畑を耕してはいけない、作ってある肥やしも畑に入れるな。やがてジークミがあるから、自分らの土地はどこのものになるか分からない」という話があったとのこと。
カイシキ
会席御膳。
- メモ
- 一般の家庭にはなかった。
脚付きの膳でお祝いや行事などに使った。
カイシキウジン
会席御膳。
- メモ
- 一般の家庭にはなかった。
脚付きの膳でお祝いや行事などに使った。
カイシキグヮー
会席御膳。
- メモ
- 正月のニントゥーにはカイシキグヮーに御馳走を入れて持って行った。
カイジョーミマイ
会場見回り。アシビの際の場内整理係。
- メモ
- 長い竹をもって立ち上がっている子どもたちを座らせたり会場内を静めたりした。
ガイダー
【虫】カンシャコバネナガカメムシ。甘蔗の害虫。
カイチ
開地。
- 用例
- マチバル、クルク、ギークカイチリセー、ンカシヌルーチューオーフヌジールヤグトゥ(牧原、久得、越来開地は昔は琉球王府の土地だから)。
カイバカ
仮墓。
- メモ
- 数え6歳までの幼児を葬る仮の墓でユシリとも称す。
本墓の袖垣や山の斜面に造り葬っておき、2、3年後の七夕に洗骨をして、本墓が開くときに祖先の側に安置した。
カイマタ
ハジチの文様の名称。
- メモ
- 左手人差し指から小指までの4本の根元にある文様。
カイムン
借り物。
- 用例
- クンドー コーランヨークー カイムンシ シマサナ(今度は 買わずに 借り物で 済まそう)。
カイヤ
仮墓。
- 用例
- ナーダ ハカー チュクテーネーン ナマー カイヤンカイル イッテール(まだ 墓を 造ってなくて 今は 仮墓に 入れてあるんだよ)。
- メモ
- 類:カイバカ(仮墓)。
墓が準備されてない時に、岩穴等を利用して仮に墓を造った。
比謝矼では、墓を開く機会がないと納骨できないので、側にカイヤ(仮墓・仮屋)させ、ユンヂチに本墓に入れることができた。
カイヤー
仮屋。
- メモ
- 葬式の翌日、墓口に造った茅のアマダイ(軒先)のこと。
死者は49日までは墓と家を行き来していると考えられ、このカイヤーで日向ぼっこをしたり涼んだりするといわれている。
カイヤー
借家。
- 用例
- ワッターヤ カイヤーヲゥティル スダチャル(私たちは 借家で 育ったんだよ)。
カイヤグヮー
仮屋。
- メモ
- 比謝矼では、墓を開く機会がないと納骨できないので、側にカイヤ(仮墓・仮屋)させ、ユンヂチに本墓に入れることができた。
カイン
借りる。
- 用例
- スージニ チール チンガ ネーングトゥ チュカラ カイン(お祝いに 着る 着物が ないから 人から 借りる)。
ビンシーヤ カテー ナランディ インドーヤ(ビンシー〔祈願用の道具〕は人のを借りてはいけないというよね)。
過:カタン(借りた)否:カラン(借りない)希:カイブサン(借りたい)継:カトーン(借りている)。
- メモ
- 対:ケースン(返す)。
カウ
顔。
カカイサーラキ
関わること・差し障り。
- 用例
- チュヌクトゥンカイ イチマディン カカイサーラキシーネー アトー シーライーンドー(人のことに いつまでも 関わってばかりいると 後は 苦労するよ)。
カカイシガイ
うるさくすがりつく様子。
- 用例
- カカイシガイサッテイ チャーンナラン(うるさくすがりつかれて どうしようもない)。
カカイマチブイ
うるさくつきまとう様子。
- 用例
- カカイマチブイッシ カシマサヌ(うるさくつきまとわれて うるさい・邪魔だ)。
カカイムン
(悪者や霊が)憑りついていること。憑き物。
- 用例
- イサ カカティン マシェーナランティカラ ウレー ヌーガラ カカイムンルヤル(医者に 診てもらっても 良くならないんだったら それは 何かに 憑りつかれているんだ)。
- メモ
- 御嶽から一切のものを採ってはいけない。取るとカカイムンにあう。
楚辺人は、楚辺の御嶽から何も取ってはいけないといわれ、枯れ枝や葉1枚はおろか雑草を抜くことも許されなかった。別の字の人が木を倒して取っても何事もないが、シマンチュがそんなことをすると、すぐカカイムン、カゼヒチ(たたられて風邪ひいた)。水を供えて「ワッサイビータン(悪うございました)」と謝りに行くと治ったという。
カカイン
かかる・要する。
- 用例
- イャーンカイ シミーネー ジカン カカイン(お前に させると 時間が かかる)。
過:カカタン(かかった)否:カカラン(かからない)継:カカトーン(かかっている)。
カカワイ
関わり。
- 用例
- ムチカシークトゥンカイヤ カカワイヤ ムッタンシェーマシ(難しいことには 関わりは 持たないほうがいい)。
カカワイン
関わる。
- 用例
- チュヤーカラ チュイヤ アザグトゥンカイ カカワイン(一家から 一人は 字行事に 関わる)。
過:カカワタン(関わった)否:カカワラン(関わらない)希:カカワイブサン(関わりたい)継:カカワトーン(関わっている)。
カカン
女性の腰巻。女性用下着。
- 用例
- ンカシヌ ヰナグンチャーヤ シルカカン ハチョータン(昔の 女性は 白い腰巻を 巻いていた)。
- メモ
- ワラビナーをつける時、ンブガーから水を汲んで、家の庭でミージョーキグヮーを立てて、カカンを被って、何年のトゥシビーカイクディ ンマリトーンと水撫でした。
赤子の命名はナーチキカカンと称した新調した大きめのカカンをナーチキヤー(名づける者)が被って儀式を行なった。
楚辺では殆んどが里帰り出産で大方その日で婚家へ戻った。実家から帰る時は、夫とクヮダチャー(赤子を抱く者)が迎えにきたが、魔よけとして新しいカカンを被って抱いて帰った。そのカカンをホーイガカンといった。
カガン
鏡。
- 用例
- チラカイ ヌーガチチョーガ カガン ユーンチンディ(顔に 何がついているか 鏡を よく見てごらん)。
カガンイシ
鏡石。亀甲墓の部分名称。
- メモ
- 墓口の上部がジョーカブイ、その上をカガンイシという。
カガンウチャナク
丸く平たい餅を大中小と3つ重ねたもの。
- メモ
- 9月15日ナーウガン、12月24日フトゥチウガンの供物に使った。
カガングヮー
鏡。
カガンジウグヮン
鏡地御願。カガンジウタキ。瀬名波の拝所。
- メモ
- カガンジウタキとも呼ばれる。『琉球国由来記』に「カガミ瀬嶽」と見え、これがカガンジウタキに相当すると考えられている。かつては、木々が生い茂っており、ノロや神人が木陰で一時休憩する場所でもあったという。戦後、米軍基地、瀬名波通信所建設のため移転されたが、昭和40年頃には現在地に安置された。大御願、フトゥチ御願に拝される。
カガンジウチャヌク
旧12月24日の煤払いの別名。
- 用例
- カガンジウチャヌクヤ ススバレーヤグトゥ ヒヌカンヌ ソージスン(カガンジウチャヌクは 煤払いだから 火の神の 掃除をする)。
- メモ
- 類:シーシミチ(煤払い)。
煤払いをした後に火の神に朝御願として拝む。由来は、ある女が坊主を好きになるが受け入れられずに、心の中で思っているだけで子を身ごもってしまい、「坊主の子」として産んだ。それから、その赤ん坊が生まれたことを報告する意味で、火の神にウチャヌク・大中小3段重ねの供餅を供えるようになったそうだ。
カガンジデークニ
鏡水大根。在来の島ヤサイのひとつ。
- メモ
- シマデークニにはカガンジとワインチャーデークニがあった。
カガンヂウリグチバル
鏡地折口原(瀬名波の小字)。
カガンヂバル
鏡地原(瀬名波の小字)。
カカンパー
書きたがらない。
- 用例
- メーリカラ カチトゥラシディチ タヌデーシガ カカンパールスンデー(以前から 書いて欲しいと 頼んであるが 書きたがらないんだよ)。
カガンムチ
鏡餅。丸く平たい大小の餅を重ねたもの。
- メモ
- カガンムチ(鏡餅)とは鏡のように丸く平たく作った餅。大小2個を重ねて、神仏に供える正月飾り。
長浜では、2月ウフウガン(大御願)には各戸から徴収した米でカガンムチを作って瀬名波ヌンドゥンチへもっていった。
カキアースン
間に合わせる。
- 用例
- カキアーサンネーナラン(間に合わせなければならない)。
カキーン
掛ける。馬に荷車をとりつける。
- 用例
- チン ハーヤンカイ カキーン(着物を 柱に 掛ける)。
バシャ カキヤーイ(馬に荷車をとりつけて)。
過:カキタン(掛けた)否:カキラン(掛けない)希:カキーブサン(掛けたい)継:カキトーン(掛けている)。
カキーン
賭ける。
カギーン
欠ける。不足する。欠席する。
- 用例
- チューヤ ユージュガアグトゥ ガッコー カギーン(今日は 用事があるから 学校を 欠席する)。
- メモ
- カキーン(欠ける・損じる)とは別。
カキエー
掛け合い。
- メモ
- 酒を飲んだらどこででもカキエー(腕ずもう)が始まった。
カキオーラン
間に合わない。
- 用例
- ミーウティーヤ カキオーランタンリ(臨終に間に合わなかったって)。
カキジマ
領地。
- メモ
- ノロが管轄している集落。ウマチーの時に管轄の集落へ出向く時に使われる。シマ カキユン=領土を支配する。カキジマ=カケイジマ=領土。
伊良皆では、ウマチーには喜名と大湾からノロが来た。
カキジャー
【民具】鉤〔かぎ〕。
- メモ
- 自在鉤:ジール(地炉)の上につるし、鍋などをかけるためのもの。
漁の道具:渡具知では仕掛けの籠〔かご〕を引き上げたり、都屋では穴からでてくるエビをひっかけて捕った。籠をカキジャーで引き上げた。
カキダミシ
力勝負。力比べ。
- 用例
- カキダミシスン(力勝負する)。
カキヂャワン
欠けた茶碗。
- 用例
- ウチャクンカイヤ カキヂャワンヤ ゥンジャサンキヨー(お客さんには 欠けた茶碗は 出さないでよ)。
カギナ
【植物】メヒシバ。
- 用例
- カギナヤ トゥッティントゥッティン マタ ミーティチューサ(メヒシバは 取っても取っても また 生えてくるさ)。
- メモ
- 勢力の強い雑草としても知られる。
カキニオーラン
間に合わせなくてはならない。
- 用例
- カキニオーラン(間に合わせなくてはならない)砂糖上納。
- メモ
- 類:カキアースン(間に合わせる)。
カキニンウーラン
比べ物にならない。
- 用例
- ワームン チノー アリガムントー カキニンウーランサ(私の 着物は 彼女の物とは 比べ物にもならないよ)。
カキヌミー
藪の中。
- 用例
- カキヌミーンカイ ヒンギティ ハイタン(薮の中に 逃げて 行った)。
- メモ
- 類:カチャヌミー(藪の中)。
カキヌミージンナン
藪の中に多くみられるカタツムリ。
- 用例
- カキヌミージンナンガ ウホーク イッチョーン(カタツムリが たくさん 入っている)。
カキヌミーチョッチョロー
【鳥】ウグイス。

- 用例
- カキヌミーチョッチョロー ナチギィーヌ チュラサヨー(ウグイスの 鳴き声の 綺麗なことよ)。
カキヌミーパーパーグヮー
【爬虫類】アオカナヘビ。
- 用例
- カキヌミーパーパーグヮーヤ アヌ ナガーグヮーヤサ(アオカナヘビは あの 長いのだよ)。
カキヌミーングヮ
婚外子。私生児。
- 用例
- ヰキガヌウヤー ターガヤラ ワカランシェー カキヌミーングヮディン イータン(父親が 誰か 分からないのは カキヌミーングヮとも いっていた)。
- メモ
- 類:モーキングヮ(私生児)・ヘージュリングヮ(私生児)・ガンマリヌクファイ(私生児)。
カキバイ
沖縄式競馬の走法。駆歩。
- 用例
- カキバイディネー ゥンマスーブヌ ヘーサスーブテー(カキバイ・駆歩というのは 競馬の 速さを競うことさ)。
- メモ
- 四つ足が代わる代わる地面を踏み歩幅を短く駆けさせる走法。一般に大和で行なわれる前後の足を揃えて一時宙に浮く走法をムルカキバイといい、沖縄競馬ではそれをすると失格になった。
カキマッカイ
欠けたお椀。
- 用例
- トゥラワントゥラワン ムル カキマッカイビカーン(取っても取っても 全部 欠けたお椀だけだ)。
カキマバル
嘉喜真原(親志の小字)。
カキメー
まだ取ってない模合。
- 用例
- クンドゥヌ ソーグヮチヤ カキメーシ ハンスンテー(今度の 正月は 模合を取って 間に合わせるさ)。
カキヤー
闘牛の技名。掛け技。
- メモ
- 掛け技の得意な牛には○○カキヤーと名づけることもあった。
カキヤー
闘牛用の牛の名前。
- 用例
- カキワジャガ ジョージヤシカイ カキヤーディイータン(掛け技が 得意な牛に カキヤーといっていた)。
カギン
加減。
- 用例
- ワラビンカイヤ イフェー カギンシールスル ウフッチュトゥ ユヌグトーナランドー (子どもには 少しは 加減するんであって 大人と 同じようにはいかないよ)。
カクイン
囲う。
- 用例
- ヤシチヌ マンマール フクギッシ カクイン(屋敷の 周囲を 福木で 囲う)。
過:カクタン(囲った)否:カクラン(囲わない)希:カクイブサン(囲いたい)継:カクトーン(囲っている)。
カクグ
格護。守る。
カクグ
覚悟。
- 用例
- ヰキガヌウヤ イッぺー クサミカチネーン チューヤ カクグサンネーナラン(父親を とても 怒らせてしまって 今日は 覚悟しなくちゃいけない)。
カクゴ
格護。守る。
カグサミーン
監視する。
- 用例
- ルク カナサヌ マーニン イカングトゥ カグサミーン(あまりにも 愛おしくて どこにも 行かないように 監視する)。
カクジ
顎〔あご〕。
- 用例
- カクジガ ガクガクスン(顎が ガクガクする)。
- メモ
- 類:ウトゥガク(顎)・アグ(顎)。
クンチャマ(12月29日)には豚のウトゥガク(下顎)を料理した。
カクジシミ
破傷風にかかること。
- 用例
- カクジシミシ ヲゥランナトーン(破傷風で 亡くなった)。
ガクジショーレイカイ
学事奨励会。
- メモ
- 学事奨励会の歴史は古く、読谷山尋常小学校区の学事奨励会は1914(大正3)年発足。初代会長は読谷山尋常小学校長の八巻太一(現在も歌い継がれる読谷小学校校歌の作詞者でもある)が務めた。字での学事奨励会としては渡慶次の歴史が古く、1922(大正11)年に発会、教育の振興を図ると同時に、貧しいために上級の学校に進学できない子女のために育英事業も行った。
カクシマーシ
人に知られないように隠す様子。
- 用例
- カクシマーシシ ワンニンカイ ティーチン ミシテートゥラサン(隠してばかりで 私に ちっとも 見せてくれない)。
カクジャー
えらが張った顔。
カクスン
隠す。
- 用例
- チュガ チーネー ミシラングトゥニ ヰーリムンヤ ムル カクスン(人が 来たら 見せないように おもちゃを 全部 隠す)。
過:カクチャン(隠した)否:カクサン(隠さない)希:カクシーブサン(隠したい)継:カクチョーン(隠している)。
- メモ
- 類:カックヮスン(隠す)。
カクバーヤ
角柱。
カクランプ
角ランプ。
- メモ
- ムラアシビの舞台照明に使った。カクランプーとも言う。
カクン
書く。
- 用例
- チョーミヌンカイ ジー カクン(帳面に 字を 書く)。
- メモ
- 類:カチュン(書く)。
カクン
掻く。
- 用例
- ムシカイ ササッティ ヰーゴーサグトゥ カクン(虫に さされて 痒いから 掻く)。
- メモ
- 類:カチュン(掻く)。
カゲー
領地。所有地。
- 用例
- サツマヌカゲーウチヤクトゥ(薩摩の支配下にあり)。
- メモ
- 支配・保護の許にあるもの。領地。支配圏。勢力圏。また配下にある者。
カゲーウヤ
保護者。身元引き受け人。
- メモ
- 廃藩置県以後、寄留民が喜名に移住するにあたっては、ジーチュ(地人、地元の人)2人の身元引受人が必要で、その引受人をカゲーウヤと称していた。
カケージャー
掛け竿。
カコー
おしめ。
- メモ
- 古い着物でおしめを作った。
長浜や楚辺では新しく購入した豚を豚舎に入れる時は、カコーなどのボロ布を左に綯って火をつけたものを豚小屋で振りまわしてから入れた。
カサ
かさぶた。
- 用例
- カサガ ヰジトーン(かさぶたが できている)。
- メモ
- 類:カサンタ(かさぶた)。
腫れものや傷が治って、その上にできる皮。
ガサガサー
がさがさ、もののふれあう音など。
ガサガサーアビー
がさがさした声、かすれ声で話すこと。
カサギーン
石垣の積んだ石がくずれかけて、その一部が腹がふくれたように出てきた様子。
- 用例
- イシガチヌ カサギトーンドー(石垣が崩れかけているよ)。
カサギーン
担ぐ。
- 用例
- ゥンムバーキ カサギーン(芋の入ったザルを 担ぐ)。
- メモ
- 類:カタミーン(担ぐ)。
カサギーン
妊娠する。
- 用例
- イャーヤ ニービチンサンマール カサギーンディチンアンナー!(お前は 結婚もしないうちに 妊娠するってこともあるか!)。
カサギトール
妊娠している。
カサギトーン
妊娠している。
- 用例
- ワッターヰナグングヮヤ カサギトーン(私の娘は 妊娠している)。
- メモ
- 類:ウフワタソーン(妊娠している)・ワタブトゥソーン(妊娠している)・ムッチョーン(妊娠している)・ハラドーン(妊娠している)・ムチカサギソーン(妊娠している)。
カサギラスン
孕ませる。
カサギンチュ
妊婦。妊娠している人。
- 用例
- カサギンチュカイヤ ゥンブムノー ムタスナ(妊婦には 重たいものは 持たすな)。
- メモ
- 1年以内に一家から続いて死者が出ると「二度あることは三度ある」ということで、鶏や人形などを身代わりとして小箱に納めて模擬葬式をしたが、カサギンチュが亡くなった時も人形を入れる。
カサグイ
痰〔たん〕。
カサジュン
木の葉等(枝)を取る。
- 用例
- フチャーリトーグトゥ ンナシ キーヌファー カサジュン(生い茂っているから 皆で 木の葉を 取る)。
過:カサジャン(取った)否:カサガン(取らない)希:カサジーブサン(取りたい)継:カサジョーン(取っている)。
ガサナイ
がさっと。
- メモ
- ものがすれあったり、切りつけるようにぶつかったりするさま。
カザニ
風の根。
- メモ
- 東の海にはカザニがあり、そこから風が吹く。
アガリヌウミヌ ナチネー カジフチュン(東から海鳴りがしたら風が吹く)といわれた。
カサニガサニ
重ね重ね。
- 用例
- カサニガサニ ウニゲーサビラ(重ね重ね お願いします)。
カサビーン
重ねる。
- 用例
- マルヌネーングトゥ チュトゥクマカイ イクチン カサビーン(空きがないから 一か所に 幾つも 重ねる)。
過:カサビタン(重ねた)否:カサビラン(重ねない)希:カサビーブサン(重ねたい)継:カサビトーン(重ねている)。
カサビウバギー
産飯の上にさらに小さなお握りをのせたもの。
- メモ
- 重ね+産飯。出産が終わると字内の妊婦へのあやかりとして配った。
カサビヂン
死装束を重ね合わせて着せること。
- メモ
- 重ね+着物。死装束の一番上にはシルニーを着せたが、総枚数は奇数枚にした。
カサビンバギー
産飯の上にさらに小さなお握りをのせたもの。
- メモ
- 重ね+産飯。出産が終わると字内の妊婦へのあやかりとして配った。
ガサミ
【甲殻類】ガザミ(ワタリガニ)。
- 用例
- カーランカイ ガサミヤ マンドータン(川にワタリガニがたくさんいた)。
ガサミ
【甲殻類】ワタリガニ。
- 用例
- ガサミン マーサムンヤサ(ワタリガニも 美味しいよ)。
カサンタ
瘡蓋〔かさぶた〕。
- 用例
- カサンタガ ヰジトーン(かさぶたが 出きている)。
- メモ
- 類:カサ(かさぶた)。
カシ
【民具】綛〔かせ〕。綛糸。経糸〔たていと〕。経糸を巻きつける器具。
- 用例
- カシ カキーママ マーカイガ?(綛を かけたまま どこにねぇ?)。
カシ
麹〔こうじ〕。
- 用例
- カシヌ タッティワル ンスヤ ナイル(麹が できてから 味噌は できるんだよ)。
カジ
うなじ。えりくび。くびすじ。
- 用例
- カジ クラミレー(くびねっこを踏みつけろ。馬鹿にして、やっつけてやれという喧嘩言葉)。
カジ
すじ。繊維質のもの。
- 用例
- ハナ アガイネー カジ イッチョーンロー((大根などは)花茎がのびるとかたいすじが入っているよ)。
カジ
筋〔すじ〕。腱〔けん〕。
- 用例
- カジ ヤマチネーン シクチカイン イカラン デージナトーン(筋を 痛めてしまって 仕事にも 行けなくて 大変だ)。
カジヌ チューサン(腱が強い。体の筋や腱が丈夫なこと)。
カジ
数。
- 用例
- ウッサヌムン カジアースシン ウーシグトゥヤサ(そんなにたくさんの物 数を合すだけでも 大変な仕事だよ)。
カジニチカサッティ(よく聞かされて)。
カジ
度。たび。
- 用例
- トゥーイルカジグトゥニ(通る度に)。
カジ
風。
- 用例
- ヒジュルカジヌ イーヤンべーヤシヨ(冷たい風が 気持ち良いこと)。
アガリヌ ウミヌ ナイネー カジ フチュンドー(東の海が鳴ると暴風が吹くよ)。
カジ
聞き分け。強情。
- 用例
- ジャッサ ハナシーシン カジンチカン チャーンナラン(どんなに 話しても 聞き分けがない どうしようもない)。
カジ
融通。
- 用例
- カジェチカン(融通のきかない)馬鹿。
カジ ハイン
意地をはる。
- 用例
- カジ ハトーン(意地を張っている)。
ガシ
餓死。飢饉。
- 用例
- カムシンネーンネー ガシ ゥンジーンドー(食べ物がないと 餓死〔飢饉〕が 出るよ)。ガシナトールバーニ(飢饉のときに)。
カシー
加勢。手伝い。
- 用例
- ヒマヤラー ウヤヌ カシーシックヮー(暇なら 親の 手伝いをして来なさい)
ミートゥンダシ ウヤヌカシー シーガイチュン(夫婦で 親の手伝いに 行く)。カシースンドー(手伝うよ)。
- メモ
- 類:ティーガネー(手伝い)。
カシーカシー
さっさと。
- 用例
- イスジョーグトゥ カシーカシー カミヨー(急いでいるから さっさと 食べなさいよ)。
カジーン
耕す。
- 用例
- チューヤ アンマートゥ マジョーン ハル カジーン(今日は 母と 一緒に 畑を 耕す)。
アッピーヤ ナー ハタケ カジランヨーイ ハタキマーイル ムル スグトゥ、ヰナゴー カジラサーイ(兄さんはもう畑を耕さないで畑の見回りばかりするから、女は耕させて)。
過:カジタン(耕した)否:カジラン(耕さない)希:カジーブサン(耕したい)継:カジトーン(耕している)。
カシウージ
サトウキビの種類。
- メモ
- お盆にトーウージ(赤いサトウキビ)とカシウージを仏壇へ供えたが、無い時はユンタンザウージ(読谷山種)を供えた。
カシガー
粗布。麻袋。目の粗い袋。
- 用例
- カシガーヌミー ゥンム フティチャン (麻袋のいっぱい 芋を 掘ってきた)。
カシガー ハチ(木の繊維で作った粗布を着て)。
- メモ
- 木の繊維で作り、穀物や農産物、塩などを入れて使った。叺〔かます〕。
ヒジメーをウブガーの水に入れて、早く沈む良い種を選び、カシガーに広げて発芽させた。
米俵のカシガーを店から2銭で買って、半分を中に折り曲げて三角形にして雨具にした。
カジガー
うなじ。えりくび。首筋。
- 用例
- カジガー ムリトゥラシェー(首筋を 揉んでちょうだい)。
カジガー カチミレー(襟首を捕まえろ。子どもを捕まえる時などに言った)。
カジガーシシ
食肉の部分。首の部分の肉。
カシカキ
綛かけ。整経。
- メモ
- 布を織る時に経糸の本数や長さを整えること。
カジカキーン
念を押す。
- 用例
- ウヤンカイ シランフーナーシ アシビーガ イカングトゥ カジカキーン(親に 内緒で 遊びに 行かないように 念を押す)。
カジガタカ
風を遮ること。
- 用例
- ゥンマンカイ ウッピナーヌチュヌ タッチーネー カジガタカシ アチサン(そこに 大きな人が 立つと 風を遮って 暑い)。
カシキーゥンバン
新米で炊いたおこわ。強飯。
- 用例
- カシキーゥンバンヤ ダテーンナーニチ ヰナグングヮンチャーンカイ ワキータン(カシキーゥンバン・強飯は 沢山炊いて 娘達に 分けた)。
- メモ
- カシキーとはおこわのことで、その年に収穫された新米でたくさん作って、嫁いだ娘にも分けた。
カシギーン
妊娠する。
- 用例
- カシギトール(妊娠している)・カシギタグトゥ(妊娠したから)・カシギラサーイ(妊娠させて)。
カシグイ
痰〔たん〕。
- 用例
- カシグイヤ ゥンジャシンソーリヨー(痰は 出してくださいよ)。
カジグェー
堆肥。
- 用例
- スーヤ カジグェー ゥンジャシーガ イチュタン(父は 堆肥を 出しに 行った)。
- メモ
- 枯れ葉等で作る。
カジグトゥ
いろんな。
- 用例
- カジグトゥウタティ(いろんな歌うたって)。
カジゲー
堆肥。
- メモ
- ウマチーには針仕事、カジゲーを担いで畑へ行ってはいけない。
カジゲェー
堆肥。
- メモ
- カジゲェー(堆肥)やミジゲェー(水肥)を畑に入れていた。
カシジェー
酒粕〔さけかす〕。
- 用例
- カシジェー コーティチャーニ、ウヮーンカイ クヮーシェー(酒粕を買ってきて、豚に食わせなさい)。
- メモ
- 酒を醸造する際のもろみを圧縮した固形物。
カシジェー
鎹〔かすがい〕。
カジジル
筋〔すじ〕。腱〔けん〕。繊維〔せんい〕。
カシチー
おこわ。もち米を蒸した飯。
カシチーウユミ
行事名。強飯折目。
- メモ
- 6月24日、新米にアカマーミ(赤豆)や黍・粟を混ぜてカシチー(強飯)を作った。6月25日に行う豊年満作の祈願。
新米でカシチー(強飯)を炊き神仏に供え、豊作を感謝し来期の豊年を祈願する行事。『球陽』によれば尚敬23(1735)年に6月25日に固定化されたようだが、読谷山で25日に行なったのは喜名、儀間、牧原で、伊良皆、宇座、高志保、長浜、比謝、古堅、波平、楚辺は24日であった。また読谷山では新米だけではなく、粟、黍、豆などを加えて炊く所(喜名・古堅・伊良皆・喜名・長浜)もあった。楚辺、波平では6月24日に綱引きも行なった。伊良皆では8月9日のシバサシウユミにもカシチーウユミと言った。
カシチーメー
おこわ。もち米を蒸した飯。
- メモ
- 6月24日がカシチーウユミで、長浜では新米、一般には粟や麦の混ぜ御飯を霊前に供え豊作を祈願した。翌25日はトケシカタノー(渡慶次潟野)へ馬勝負を見物に行った。
カジトゥイ
舵取り。
- 用例
- カジトゥイヤ チュイシシムン(舵取りは 一人でいい)。
カシトゥイグヮー
読谷山で織られた絣文様の名前。経鳥グヮー。
ガシドゥシ
餓死年。飢饉の年。
- 用例
- アンソーヌ ガシドゥシンアタルヤー(あんなにひどい 餓死年もあったね)。
カシドーフグヮー
料理名。
- メモ
- トーフヌカシー(おから)を搾らずに挽いたものを蒸して、味噌を加えて炊いたものを食べた。それはカシドーフーグヮーといった。
カジニ
数あるだけ。
- 用例
- ヤシェーヌ サニヤ カジニ ワキティトゥラシヨー(野菜の 種は 数あるだけ 分けて頂戴ね)。
カジヌニー
東から西に雲が棒状に出ること。
- 用例
- カジヌニー ゥンジトーサヤ(棒状の雲が 出ているね)。
カジバーバー
風がビュービュー吹くさま。風が強く吹くさま。
- 用例
- フカー カジバーバーソーン(外は 風が激しく吹いている)。
カジハイ
意地っ張り。強情。
カジハイワラバー
意地っ張りな子。強情な子供。
カジハヤー
意地っ張り。融通のきかない人。強情な人。
- 用例
- チュヌ イーシン ムルチカン カジハヤーヤ!(人の 言うことも 全く聞かない 強情者は!)。
ガシバンメー
救荒食。餓死+飯米。
- メモ
- 蘇鉄や乾燥保存していた蚕豆の葉、ターチーメーを食べていた。
カジヒチ
風邪ひき。
カジフキ
台風。
- 用例
- カジフキヌ キーネー ムル サラリンレー(台風が 来たら 全部 やられるな)。
- メモ
- 類:カジフチ(台風)。
カジフキアーケージュー
台風の前に出る赤とんぼ。
- 用例
- カジフキアーケージューヌ ウッサトゥディ ウレー ウーカジフチュンレー(赤とんぼが あれだけ飛んでいるが これは 大きな台風になるぞ)。
- メモ
- 類:カジフチアーケージュー(台風の前に出る赤とんぼ)。
カジフチ
台風。暴風。
- 用例
- クンドゥヤ カジフチガ ウーサタンヤー(今年は 台風が 多かったね)。
- メモ
- 類:カジフキ(台風)。
カジフチアーケージュー
台風の前に出る赤とんぼ。
- 用例
- カジフチアーケージューヌ アチマティチョーン(赤とんぼが 集まってきている)。
- メモ
- 類:カジフキアーケージュー(台風の前に出る赤とんぼ)。
カジフチアケー
台風前の赤やけ。
- メモ
- 西の空がカジフチアケー(赤く)なると台風の前兆。
カジフチギンジュー
【虫】暴風の前触れのように群れで飛んでいるトンボ。
カジフチトンボ
【虫】暴風の前触れのように群れで飛んでいるトンボ。
- メモ
- カジフチトンボが群れをなして飛ぶのは台風。
カジフチマッタラー
【鳥】ツバメ。暴風の前触れのように低く飛んでいるツバメ。
- 用例
- カジフチマッタラー、マタ カジ フチュンテー(風吹きツバメ、また暴風が吹くぞ)。
カジマーイ
突風。風向きの急変。
- 用例
- ニングヮチネー ニングヮチカジマーイディチアンドー(2月には 突風が吹くことがあるよ)。
カジマキ
竜巻。
- 用例
- カジマキシ ムル フットゥバサッティ(竜巻きで 全部 吹っ飛ばされた)。
カシマサン
かしましい。うるさい。
- 用例
- ワランチャーガ アビヤーアビヤーシ カシマサン(子どもたちが わいわい騒いで うるさい)。
カジマチ
竜巻。
カジマチャー
うなじの近くにある旋毛〔つむじ〕。
カジマヤー
十字路。四つ角。十字形。
- 用例
- アマヌ カジマヤーヲゥティ アシドーン(あそこの 十字路で 遊んでいる)。
- メモ
- 風車と同じ十字の形からきた呼称と思われる。
カジマヤー
数え97歳の祝い。
- メモ
- 客にみやげとしてカジマヤー(かざくるま)を贈る。本来は九十九歳の九月九日に祝うものだが、九十七歳の成年祝いにあたる歳に祝われるようになったという。
カジマヤー
風車。風でまわるもの。
- 用例
- アダンバー トゥティッチ カジマヤー チュクティ アシブタン(アダンの葉を 取ってきて 風車を 作って 遊んだ)。
- メモ
- カジマヤーの祝いに来た客への土産に配る。
カジマヤースージ
数え97歳の祝い。
- メモ
- 数え97歳。8回目の生まれ干支がめぐった97歳の祝い。
カジマヤーユーエー
数え97歳の祝い。
- 用例
- カジマヤーユーエーネー シマジューマーティ スージディキラスン(97歳のカジマヤー祝いには 字中回って 祝いを盛りあげる)。
- メモ
- 類:カジマヤースージ(カジマヤー祝い・数え97歳の祝い)。
ガジマル
ガジュマル。榕樹。
- 用例
- アヌ ガジマルヌ シチャヲゥティ イフェー ユクラナ(あの ガジマルの 下で 少し 休もう)。
- メモ
- ガジマルの大木が5、6本生えているところがアシビナーで、上は全部覆いつくされぐらい木が茂っていた。
ガジマルジー
ガジュマル(榕樹)の木からとる粘液。
ガジマン
ガジュマル。榕樹。
- 用例
- ガジマングヮーサーニ(ガジマルで)。
カジミーン
秘蔵する。大事にしまう。大切にしてかわいがり育てる。隠す。
- 用例
- カジミティウチュン(大事にしまっておく)。トゥダナンカイ クヮーシ カジミーン(戸棚に お菓子を しまう)。カジミティ(隠して)。
過:カジミタン(しまった)否:カジミラン(しまわない)希:カジミーブサン(しまいたい)継:カジミトーン(しまっている)。
カジミクヮックヮスン
大事にしまい込む。
- 用例
- ターニン ミシラングトゥ カジミクヮックヮスン(誰にも 見せないように 大事にしまい込む)。
過:カジミクヮックヮチャン(大事にしまい込んだ)否:カジミクヮックヮサン(大事にしまい込まない)希:カジミクヮックヮシーブサン(大事にしまい込みたい)継:カジミクヮックヮチョーン(大事にしまい込んである)。
カジャ
臭い。匂い。
- 用例
- ヌーガラ クサリカジャスシガ ヌーヤガヤー(何か 腐れた臭いがするが 何だろう)。
カジャシ(臭いがシて)。カジャセー(匂いをかげば)。フルカジャ(豚小屋の臭い)。
カジャイ
飾り。装飾。
- 用例
- ワランチャークルル アンリッパ カジャイ チュクテーンナー?(子どもたちだけで そんなにきれいに 飾りを 作ったの?)。
カジャイン
飾る。
- 用例
- ムルシ ハナ チュクティ カジャイン(皆で 花を 作って 飾る)。
過:カジャタン(飾った)否:カジャラン(飾らない)希:カジャイブサン(飾りたい)継:カジャトーン(飾っている)。
ガジャン
【虫】蚊〔カ〕。
- 用例
- ガジャンガ ウーサヌ クーラッティネーラン(蚊が 多くて 刺されてしまった)。
カジューイン
数える。
- 用例
- 年ヤユイカジューティ若クナイン(歳を重ねるごとに若くなる)。
カジョーサン
風が強い。
- 用例
- ルク カジョーサヌ ミチン アッカランシガ(あまりにも 風が強くて 道も 歩けないよ)。
カジョーラー
蕁麻疹〔じんましん〕。発疹〔ほっしん〕。湿疹。
- メモ
- 豚舎近くに行き、湯で温めた草履で患部をこすり「三尺の穴を掘って埋めてしまうぞ」と唱え、フーと息を吹きかけた。
カジョーラマキ
蕁麻疹〔じんましん〕。発疹〔ほっしん〕。湿疹。
- 用例
- ハジヌキーヌ スバ トゥータレー カジョーラマキソーン(ハゼの木の 側を 通ったら 湿疹ができてしまった)。
- メモ
- 類:カジョーラムン(湿疹・悪風に出会った時に出るといわれている)。
カジョーラムン
蕁麻疹〔じんましん〕。発疹〔ほっしん〕。湿疹。
- 用例
- カジョーラムンヌ ゥンジティ ヰーゴーサヌ フシガラン(湿疹が 出て かゆくて たまらない)。
カジョーラムンディチ、ヤナカジ アタテーサ リーテール(カジョーラムンといって〔発疹ができると〕、悪風にあたったんだよと言っていた)。
- メモ
- 類:カジョーラマキ(湿疹・悪風に出会った時に出るといわれている)。
カシラ
髪。
- 用例
- タンメー カシラ ユーイン(お爺さんの 髪を 結う)。
カジラ
家の周囲の軒下に石を並べた部分。犬走り。
- メモ
- 水はけを良くするために、家の軒下を石や土で盛り土し、地面より高くした。
カジライシ
カジラマーイ(家の周囲の軒下)に使われている石。
カジラマーイ
家の周囲の軒下に石を並べた部分。犬走り。
- 用例
- カジラマーイヤ ガンジューラシヨー(家の周りは 頑丈にしなさいよ)。
- メモ
- 水はけを良くするために、家の軒下を石や土で盛り土し、地面より高くした。井戸にもカジラマーイを造った。
カシラヤク
頭役。
- 用例
- カシラヤクンデー アタイネー イチュナサヌ デージドー(頭役でも 当たったら 忙しくて 大変だよ)。
カジランパー
耕したがらない。
- 用例
- クェーヤ ムッチョーティ カジランパースンナー(鍬は 持っているのに 耕したがらないのか)。
カジリ
限り。
- 用例
- ウニーカジリ ヌーヌ アティンネーン(それっきり・それ限り 何の 音沙汰もない)。
カジワーラ
風上。
- 用例
- イャーガ カジワーラカイ タッチョーグトゥ ワンハタマディ カジェークーランサ(お前が 風上に 立っているから 私の所まで 風が来ないさ)。
カスリ
絣。
- メモ
- 男の子は絣の着物で通学していた。
【絣(かすり)】文様の図案に従って経糸か緯糸,または両方の糸を前もって染めておき,これを用いて織った織物。文様の輪郭部がかすれて見えるのが特徴。
カゾーラムン
蕁麻疹〔じんましん〕。発疹〔ほっしん〕。湿疹。
- メモ
- 豚舎近くに行き、湯で温めた草履で患部をこすり「三尺の穴を掘って埋めてしまうぞ」と唱え、フーと息を吹きかけた。
カタ
肩。
- 用例
- カタガ クヮティ フシガラン イヘー ムリトゥラシェー(肩が 凝って どうにもならないから 少し 揉んでくれ)。
- メモ
- 類:カタバイ(肩)。
ガタ
接尾辞。
- 用例
- リッパ ワンダイガタ スン(ちゃんと面倒はみる)。リッパ コームイガタ シチャン(ちゃんと葬式をした)
- メモ
- ~ガタで名詞になる。
ガター
~しそう。
- 用例
- シニガター(死にそう)。アミヌフイガターネー(雨が降りそうな時)。
- メモ
- ~ギサーと同義。
カタアシブッター
フィラリア症で片足がはれて大きくなった状態。
カタイグチ
告げ口。
- 用例
- アリカインレー ハナシーシーネー スグ カタイグチスン(彼にでも 話したら 直ぐに 告げ口する)。
カタイグチャー
よく告げ口をする人。
- 用例
- アレー キーチキランネー ジコーヌ カタイグチャードー(彼は 気をつけないと 非常に 告げ口をする人だよ)。
- メモ
- 類:カタヤー(よく告げ口をする人)。
カタイン
告げる・話す。
- 用例
- ハナシー チチャガヤーディ ウムイネー スグ カタイン(話を 聞いたかと 思ったら 直ぐに 人に話す)。
過:カタタン(告げた・話した)否:カタラン(告げない・話さない)希:カタイブサン(告げたい・話したい)継:カタトーン(告げている・話している)。
カタウシー
瓦を作る際に粘土を切る道具。
カタウディ
片腕。
- 用例
- ウッサヤレー カタウディシヤティン ムッチースン(それだけなら 片腕でも 持てるよ)。
カタウマ
肩車。

カタウミー
片思い。
- 用例
- カタウミーソーシガ ウチアキーサンルアンデー(片思いしているが 打ち明けきれないんだよ)。
カタウムイ
片思い。
- 用例
- ナゲー カタウムイソーン(長いこと 片思いしている)。
カタウヤ
片親。
- 用例
- カタウヤスダチヤティン ソーイッチョーヌ ワラビン マンドーン(片親育ちでも しっかりした 子も 多い)。
カタゥンマ
肩車。

- 用例
- ワランチャー アチミティ カタゥンマッシ アシバシェー(子どもたちを 集めて 肩車で 遊ばしなさい)。
- メモ
- 類:ユーイゥンマ(肩車)。
カタカ
さえぎる。目隠し。
- 用例
- ヌーガラ ムッチッチ カジガタカサントーナラン(何か 持ってきて 風をさえぎらないといけない)。
カタカヌ シジガ ヤタラ(目隠しのつもりだったのか)。
カタガキ
不公平。
- 用例
- カタガキ サングトゥニ ムルンカイ ユヌグトゥ クヮーシェー ワキリヨー(不公平にならないように 皆に 同じように お菓子は 分けなさいよ)。
- メモ
- 類:カタハジ(不公平)・カタジー(不公平)。
カタカシ
【魚】ヒメジ科。
- 用例
- カタカシンカイヤ オジサングヮーンディ イータンヤー(ヒメジには オジサングヮーと 言っていたね)。
カタカシラ
欹髻〔かたかしら〕。成人男子の髪型。
- 用例
- カタカシラ チラングトゥ ムラハチブ サッティ、カーヤ ウッターヤ チカーサン(〔断髪令に違反して〕カタカシラを切らないので村八分にされて、井戸はその人たちは使わせない)。
カタカシラ ユーティドゥ、メンシェーテーグトゥ、タンメーターヤ(おじいさん達はカタカシラを結っていましたので)。
- メモ
- 明治以前まで成人男性が行なっていた結髪法のひとつで、髪を頭上に束ねたもの、またはその部分。
牧原は首里から下りてきた者たちで、ほとんど断髪していた。なかには断髪に賛成しない者もおり、カンプーだった。断髪をした者は牧原のナカミチ(中道)の側、クシグヮーの前のウフミチ(大道)に石でカタカシラを納める所を造り、無下に捨てることはしなかった。
カタカシラスージ
行事名。欹髻〔かたかしら〕祝儀。欹髻寄り合い。
- メモ
- かつてはカタカシラスージ・カタカシラユーレーといってお祝いをした。青年の仲間入りだということで大きなお祝いだった。
字波平では男子が15歳になると、大人の仲間入りとして元旦か2日の日にカタカシラを結い祝った。
カタカシラユーレー
行事名。欹髻〔かたかしら〕祝儀。欹髻寄り合い。
- メモ
- かつてはカタカシラスージ・カタカシラユーレーといってお祝いをした。青年の仲間入りだということで大きなお祝いだった。
字波平では男子が15歳になると、大人の仲間入りとして元旦か2日の日にカタカシラを結い祝った。
カタガタ
方々。人々の尊敬語。
ガタガター
がたがたと震えるさま。
- 用例
- アミンカイ ンリタレー ヒーサヌ ガタガターソーン(雨に 濡れたら 寒くて ガタガタ震えている)。ヒーサヌ ガタガターシ(寒さにぶるぶる震えて)。
カタガタミー
棒の両端に荷物をつるし、片方の肩にのせて担ぐこと。
カタカルグヮー
片隅。
- 用例
- ヌラーッタレー カタカルグヮーンカイ クマトーン(叱られたので 片隅に 籠っている)。
カタグー
片方。一対あるものの片方。
- 用例
- ワームン ゾーレー カタグーヤ ネーンナトーシガ インヌル クーティ ハチャガヤー(私の 草履が 片方は なくなっているが 犬が 咥えて 行ったんだろうか)。
カタグーマジラー
左右不揃い。一対あるものの片方が不揃い。
- 用例
- フカカラ ゾーリタルムン カタグーマジラーシ クリアッチュンナー(外から 草履を 片ちんばで 履いて歩くのか)。
カタグーマンチャー
靴や箸など一対の物の片方が別の物とまざっていること。
カタクチワレー
片口笑い。ほほえみ。
- 用例
- アヌ ヰナグワラビヌ カタクチワレースシガ ウジラーサヨ(あの 娘の 微笑みが 可愛いことよ)。
カタゲー
肩。
カタサン
濃い。
- 用例
- イャーガ イッテーヌ チャーヤ カタサン(君が 入れた お茶は 濃い)。
カタジキーン
片付ける。
- 用例
- チューヤ シムンカイ チラカトーシ カタジキーン(今日は 台所に 散らかっているのを 片づける)。
過:カタジキタン(片づけた)否:カタジキラン(片づけない)希:カタジキーブサン(片づけたい)継:カタジキトーン(片づけている)。
- メモ
- 対:チラカスン(散らかす)・カチホーイン(散らかす)。
カタジキランパー
片付けたがらない。
- 用例
- ドゥーガ チラカチェーシンチョー カタジキランパーシェー チャースガ!(自分が 散らかしたのさえ 片づけたがらなかったら どうするか!)。
カタシビー
【軟体動物】貝の名。タカラガイ。
カタスディヌチャーシー
踊りなどで片袖を通していること。
- 用例
- シバインカイ ヰジートーヌ ミヤラビヌ カタスディヌチャーシーガ ウチャトータシヨー(芝居に 出ていた 若い娘の 片袖を抜いている姿が 似合っていたことよ)。
カタダーカー
肩車。

カタダチャー
役目の名。肩を抱く人。
- メモ
- 野辺送りの際、バサーヂンを被って号泣する身内婦人の両脇を抱える役目。
その役目はビンス(隣近所)の婦人があたった。
カタチ
敵。仲が悪い相手。
- 用例
- アッタータイヤ カタチナティ マジョーノー ヰシララン(あの二人は 仲が悪くて 一緒には 座らせられない)。
カタチキーン
格好をつける。
- 用例
- チュヌメーヲゥテー カタチキーン(人前では 恰好をつける)。
カタチヌメー
枕飯。
- 用例
- カタチヌメーヤ ヲゥランナトールチュヌ マックヮバヌンカイ ウチュン(カタチヌメーは 亡くなった人の 枕元に 置く)。
- メモ
- 死者の枕元に供える盛飯のこと。碗に飯を大きく盛り上げた上に箸を十字或いは真っ直ぐに立て死者の枕元に供える。
座喜味でのカタチヌメーは一杯分を作り、箸は側に揃えておき、野辺送りが出発して家に残る者が食べた。
カタチヌメーウガン
模擬葬式。
- メモ
- トーカチ祝いの前夜か当日早朝にトーカチを迎える者を死者にみたて行なう模擬葬式。読谷ではイチジューコーと呼んでいる所が多い。
カタチブルヤン
頭痛の一種。偏頭痛。片頭痛。
- 用例
- チヌーカラ カタチブルヤンシ ユックティルヲゥンレー(昨日から 片頭痛がして 休んでいるんだよ)。
カタヂャー
濃いお茶。
- 用例
- カタヂャー ヌミーネー ミーグフヮイシ ニンラランナイン(濃いお茶を飲むと 目がさえて 眠れなくなる)。
カタティー
片手。
- 用例
- ウッピグヮーヤラー カタティーシ ムッチ イカリーサ(それだけなら 片手で 持って 行けるよ)。
カタティマ
片手間。
- 用例
- ウヌワジャヤ カタティマニルソーグトゥ アンスカ ニノーイランサ(その仕事は 片手間にしかしてないから そんなに 一生懸命ではないよ)。
カタトゥチ
片時。
- 用例
- アンマークトー カタトゥチヤティン ワシランサ(母のことは 片時も 忘れないよ)。
カタドードー
肩車。

- メモ
- 座喜味・波平での肩車の呼称。
カタニンブー
片方が重いこと。
- 用例
- ナーヒン リッパ チマレーサン カタニンブーシン ムッチ イカリンナー(もっと ちゃんと 積もうとしないで 片方の荷が重くては 持って 行けるか)。
カタノージマ
渡慶次カタノーで競馬の後に行なった角力。
カタノーヂン
渡慶次カタノーでの競馬へ着ていく着物。
- メモ
- カタノーでの競馬に合わせて着物を新調した。
カタノーバル
潟野原(渡慶次の小字)。
カタノーンマバ
潟野馬場。渡慶次の地名。
- メモ
- 6月25、26日に競馬が行われ、中部各地から飾りつけされた馬が集まり、読谷中から大勢の見物客や出店で賑わった。それが終わると若者によるカタノージマ(沖縄角力)も行なわれた。
喜名は8月17日。楚辺は4月アブシバレーの日に競馬があった。
カタノーンマミー
渡慶次カタノーでの競馬見物。
カタバーキ
笊〔ザル〕の呼称。目の細かい笊。
- 用例
- マーミヤ カタバーキンカイ イリレー(豆は 目が細かいザルに 入れなさい)。
カタバーキチュクヤー(カタバーキを作る者)。
ガタバーキ
笊〔ザル〕の呼称。目の細かい笊。
- メモ
- 渡具知・宇座での呼称で、一般にはクマバーキという。竹の皮で編んだ。
カタバイ
肩。
- 用例
- カタバイヌル ヤムンレー(肩が 痛いんだよ)。
- メモ
- 類:カタ(肩)。
カタハジ
不公平。
- 用例
- ムルンカイ ユヌグトゥル ハジュル カタハジ シミテーナラン(皆に 同じように 配るんであって 不公平になってはいけない)。
- メモ
- 類:カタガキ(不公平)。
カタハラ
脇。片端。片側。
- 用例
- ニムチェー カタハラカイ ユシティ ウッチョーチーネー トゥーイヤッササ(荷物は 脇に 寄せて 置いておくと 通りやすいさ)。
カタハラゥンブー
片側が重い状態。
カタハラゥンーブー
料理名。片方が膨らんでいる天ぷら。
- 用例
- ウヌ カタハラゥンーブーヤ ユーアギラットール(このカタハラゥンーブーは 良く揚げられている)。
- メモ
- 楕円形で片方が膨らみ、反対が薄くなっている天ぷらで、鍋を滑らせるように生地を落として揚げる。カタハラは「片腹」、ゥンブー「重い」という意味である。
カタハラメー
線香が片方だけ勢いよく燃える様子。
- メモ
- 線香が片方だけ勢いよく燃えるのは願い事が叶わないといわれた。
カタハランブー
料理名。片方が膨らんでいる天ぷら。
- メモ
- 「片側が重い」という意味。
小麦粉と塩、卵の生地を鍋肌から滑り込ませて入れ、その名のとおり片方は厚く、もう片方は薄く揚げたもの。結納などお祝いに作られる。88歳の祝いにはニンゴームイ(二合盛り)でハクヌジしたアカコージメー(赤飯)と豆腐、肉、昆布、カタハランブーをウジングヮームイして、チトゥ(苞)にした。
カタバル
潟原。渡具知の小地名。干潟。
- メモ
- カタバルに渡具知の集落があった。現在では満潮時に海になるが、昔はカタバルといって御嶽の下方に集落があった。海ではなかったが、比謝川から流れてくる水が入り込んだりしたので、現在地に移った。
カタヒギガーキー
肩ひじをつくこと。
- 用例
- カタヒギガーキーシ ニントーン(肩ひじをついて 寝ている)。
- メモ
- 類:カタヒジガーキー(肩ひじをつくこと)。
カタヒサ
豚を4等分したうちの1分量。
- 用例
- ウヮークルシーネー カタヒサナー ワキラナ(豚潰しの時には 4分の1ずつ 分けよう)。
- メモ
- 豚を潰したときに、豚一頭に対して、4分の1の量をカタヒサといった。
カタヒサ
片足。
- 用例
- ヒサヤマチ カタヒサシェー アッチーグリサン(足を怪我して 片足では 歩きにくい)。
カタヒジガーキー
肩ひじをつくこと。
- 用例
- アマヲゥティ カタヒジガーキーソーシヤサ(あそこで 肩ひじをついている人だよ)。
- メモ
- 類:カタヒギガーキー(肩ひじをつくこと)。
カタヒチムン
奇形の者。片輪者。
- 用例
- ドゥーガナイブサヌ カタヒチムンナトールムノーアラン(自分で好き好んで 片輪者になったわけじゃない)。
カタブイ
かたしぐれ。片時雨。片降り。
- 用例
- ティンヌ マックールシ カタブイソーンテー(空が 真っ黒くしているが カタブイ・片時雨しているね)。
カタマイ
固まり。
- 用例
- ナービヌチビヌ カタマイン ムル ハジトゥリヨー(鍋底の 固まりも 全部 そぎ取りなさいよ)。
カタマイン
固まる。
- 用例
- ヘーク カチャーサンネー カタマインドー(早く 混ぜないと 固まるよ)。
過:カタマタン(固まった)否:カタマラン(固まらない)希:カタマイブサン(固まりたい)継:カタマトーン(固まっている)。
- メモ
- 類:クヮイン(固まる)。
カタミアキネー
荷を担いでの行商。また肩に物を担いで商いをしている男性。
- 用例
- ナゲー カタミアキネーソータンレー(長いこと 行商をしていたよ)。
- メモ
- 対:カミアキネー(頭に荷物を載せて商いをしている女性)。
カタミアチネー
荷を担いでの行商。また肩に物を担いで商いをしている男性。
- メモ
- 行商人はカタミティ(荷を担いで)、女たちはカミアチネー(頭上に荷をのせての商い)で喜名に入ってきた。
カタミー
片目。
- 用例
- ワッタースーヤ イクサヲゥティ カタミー ウシナタン(私の父は 戦争で 片目を 失った)。
カタミイシ
担ぎ石。
- メモ
- 青年たちが力比べをした重量のある石。
渡具知のものは真っ黒い石でマーイサーといって95斤あった。マーイサーというのはムラ(字)のフンシ(風水)ともいわれた。
カタミーヒバクー
【魚】ヒラメやカレイ。
カタミーヒビキ
【魚】ヒラメ。
- 用例
- カタミーヒビキヤ アヌ ヒラターグヮーソーヌイユテー(ヒラメは あの 平べったい魚さ)。
カタミーン
担ぐ。
- 用例
- ゥンムバーキ カタミーン(芋の入ったザルを 担ぐ)。カタミティ クーラリンナー(担いで来られるか)。
過:カタミタン(担いだ)否:カタミラン(担がない)希:カタミーブサン(担ぎたい)継:カタミトーン(担いでいる)。
カタミショーバイ
担ぎ商売。行商人。
- メモ
- カタミショーバイ(行商人)は他所から、シチビに合わせて線香やウチカビ、石油、マッチなどを売って歩く人がいた。
カタミスーブ
担ぎ勝負。
- メモ
- 二才達が夕食後、勝負しようとカタミスーブ(担ぎ勝負)をした。
カタミランパー
担ぎたがらない。
- 用例
- ゥンブサシェー ターン カタミランパースサ(重いのは 誰も 担ぎたがらないよ)。
カタヤー
よく告げ口をする人。
- 用例
- カタヤー ナイネー ハナシーサーン ヲゥランナインドー(直ぐ告げ口をすると 話をする人も いなくなるよ)。
- メモ
- 類:カタイグチャー(よく告げ口をする人)。
カタヤックヮヌン
フィラリア症で片方の睾丸〔こうがん〕が大きくなった状態。
カタヤックヮン
フィラリア症で片方の睾丸〔こうがん〕が大きくなった状態。
カタレー
語らい。
- 用例
- ユーバノー ウチナチカラ ヤガマーヲゥティ カタレーサナ(夕飯を 済ませてから 離れで 語り合おう)。
- メモ
- ブラを鳴らして、青年をみな集めたカタレー(話し合い)で、八月十五夜のアシビをやるか否かを話し合った。
カタレーグファン
ニービチの具体的な相談をすること。
- メモ
- サキムイとニービチの間に婿側から少しばかりの御馳走を作って、両親が嫁方に出向いた。インジョージン(結納金)もその時に届けられることが多かった。女の家ではそのお金でニービチの準備をした。
語らい+籠飯。籠飯(こはん)とは祭祀の場合の花米を盛る器。祭礼の時にふるまう料理一式。
カダン
食べた。
カタンクン
傾く。
- 用例
- ウーカジフチ ヤーガ カタンクン(大きな台風で 家が 傾く)。
- メモ
- 類:カタンチュン(傾く)。
カタンチャー
傾き。傾倒する人。
- メモ
- イランマカタンチャーという気質。
1人がこうすると、同じようなことをするという気質が伊良皆にある。
カタンチュン
傾く。
- 用例
- ウッサヌムン チュバチニ ヌシーネー カタンチュンドー(そんなにたくさん 一度に 乗せると 傾くよ)。
過:カタンチャン(傾いた)否:カタンカン(傾かない)希:カタンカシーブサン(傾かせたい)継:カタンチョーン(傾いている)。
- メモ
- 類:カタンクン(傾く)。
ガチ
餓鬼。
ガチ
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- ムヌイミービカーンシ ヤナ ガチヤ!(食べ物だけせがんで 嫌な 食いしん坊め!)。
- メモ
- 類:ガチクェー(食いしん坊)・ガチマヤー(食いしん坊)。
カチ~
~を強調する接頭辞。
- 用例
- カチヤティ(引き破り)。
- メモ
- カチ~(~を強調する接頭辞)ともいう。
カチアキーン
こじ開ける。
- 用例
- サーシ カチアキヤーニ(鍵をこじ開けて)。
ガチアジャ
口の側のほくろ。
- メモ
- ガチ(食いしん坊)の印としてそう呼んだ。
カチアライン
きれいに洗う。
- 用例
- カチアラティ(きれいに洗って)。
ガチー
~しながら。~しつつ。~がてら。
- 用例
- イチャガチー(行きながら)。イユトゥイガチ-(魚を取りながら)。
カチウトゥスン
書き写す。
- 用例
- チューヲゥティ ムル カチウトゥスン(今日で 全部 書き写す)。
ガチェータカリティ
食いしん坊の強調した言い方。
- 用例
- ウヌ ワラベー ガチェータカリティ カミムノー ミシララン(その 子は とても食いしん坊で 食べ物は 見せられない)。
ガチガチー
怒っている心情・苛立つ。
- 用例
- アリガ シーヨーンジーネー ガチガチースン(彼の やりかたを見ていると いらいらする)。
カチカラアッチャー
垣から歩く人。海に入らずに貝採りをする者。
ガチクェー
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- ムンヌ メーヲゥティ タッチョーチーネー ガチクェーラーサヌ アマンカイ ゥンジョーケー(食べ物の 前で 立っていたら 食いしん坊みたいで あっちに 行きなさい)。
- メモ
- 類:ガチ(食いしん坊)・ガチマヤー(食いしん坊)。
カチクジーン
引っ掻き回す・ひどくかき回す。
- 用例
- ヌール カメートーラー グミヌ アルッサ カチクジーン(何を 探しているのか ゴミの ありったけ 引っ掻き回す)。
過:カチクジタン(引っ掻き回した)否:カチクジラン(引っ掻き回さない)希:カチクジーブサン(引っ掻き回したい)継:カチクジトーン(引っ掻き回している)。
カチクジティ
引っかきまわして。
- 用例
- ワラバーターガ、チャーイ、カチクジティ(子ども達が来て引っかき回して)。
- メモ
- 抉(くじ)るとは棒などで、穴の中をかきまわすこと。えぐって中の物を取り出す。堅い物を突き刺して穴をあける。うがつ。
カチグヮー
垣根。
ガチグヮーガーサ
ゆうなの葉に似た大きな葉。
- 用例
- ハルヌ ハタカイ ガチグヮーガーサン マンドータン(畑の 側に ガチグヮーガーサも 多かった)。
ガチグヮーグサ
リュウキュウハリギリ。
- 用例
- ガチグヮーグサヤ キーヌユダカイ ンジガアタン(ガチグヮーグサは 小枝に トゲがあった)。
カチケーラスン
ひっくり返す。
- 用例
- カチケーラチネーンナタン(ひっくり返してしまった)。
カチシガイン
すがりつく。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウヤ ンジーネー カチシガイン(その 子どもは 親を 見ると すがりつく)。
過:カチシガタン(すがりついた)否:カチシガラン(すがりつかない)希:カチシガイブサン(すがりつきたい)継:カチシガトーン(すがりついている)。
カチシブイ
冬瓜を削ったもの。
- 用例
- シブイガ マンドーネー カチシブイシ カムタン(冬瓜が たくさんある時には カチシブイにして 食べた)。
- メモ
- 冬瓜を2つに割って、その中身をスプーンで削っておやつとして食べる。水分が多く夏場に良く食べられ、少量の砂糖を混ぜることもあった。
カチタックヮスン
掻きむしる・引っ掻く。
- 用例
- ヰーゴーサヌ フシガラン チュラーク カチタックヮスン(痒くて たまらず ひどく 掻きむしる)。
過:カチタックヮチャン(掻きむしった)否:カチタックヮサン(掻きむしらない)希:カチタックヮシーブサン(掻きむしりたい)継:カチタックヮチョーン(掻きむしっている)。
ガチチ
魚介類。ウニ。
- メモ
- ガチチャーとも言う。干潮時にガチチを捕ってきて汁にして食べた。籠にガチチャーを砕いたものを入れて誘い込む漁法に使った。
カチヌハチ
毬作りの仕上げ模様の名。
- メモ
- 色糸でかがる。
カチヌハムチグヮー
餅を小さく切ったもの。
- メモ
- 2月1日の大御願がノロ殿内で終了すると子ども達に分け与えた餅の呼称。
字の役員が各戸から徴収した米や大豆で餅や豆腐を作り、重箱料理を持って各拝所を廻った。
カチヌファムチ
餅を小さく切ったもの。
- メモ
- 2月1日の大御願がノロ殿内で終了すると子ども達に分け与えた餅の呼称。
字の役員が各戸から徴収した米や大豆で餅や豆腐を作り、重箱料理を持って各拝所を廻った。
カチヌミー
垣の中。
- 用例
- (箸は)カチヌミーンジダキグヮーウーティチャーニ、ウリドゥ、シコーティチュクイタル、イークル(無いときは大方は竹垣から竹を折って作ったさ)。
カチヌミーチョッチョイ
【鳥】ウグイスの幼鳥。

カチヌミーチョッチョロー
【鳥】ウグイスの幼鳥。

カチヌミーチョッチョロー
鳥の一種。
- メモ
- チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥。
カチヌミーパーパー
【爬虫類】アオカナヘビ。
カチヌミーホロホロー
夜に女の家の垣根をこそこそ歩き回る男。
カチヌミーングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- モーキングヮ・ヘージュリングヮ・アシビングヮ・ヤグサミングヮともいう。
カチホーイン
散らかす。
- 用例
- ワランチャーガ アチマイネー アルッサ カチホーイン(子どもたちが 集まると ありったけ・あちこち 散らかす)。
過:カチホータン(散らかした)否:カチホーラン(散らかさない)希:カチホーイブサン(散らかしたい)継:カチホートーン(散らかしている)。
- メモ
- 類:チラカスン(散らかす)。対:カタジキーン(片づける)。
カチホーリー
散らかしっぱなしの状態。
- 用例
- イッター ヤーヤ イチュルカージ カチホーリーソーサ(お前の 家は 行くたびに 散らかしっぱなしだ)。
カチマール
製糖時の相互扶助。キビ刈り取りの当番。
- メモ
- スブイマール(黒糖製造)、ユックイマール(休み)と交代制を採用した。
カチマキ
勝ち負け・勝敗。
- 用例
- ツギェー カチマキ チキラヤー(次は 勝敗を つけようね)。
ガチマヤー
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- イャーヤ アンシ ガチマヤーヤテール(お前は なんて 食いしん坊なの)。
- メモ
- 類:ガチ(食いしん坊)・ガチクェー(食いしん坊)。
カチミー
垣根。
カチミーチョッチョラー
鳥の一種。
- メモ
- チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥。
カチミーチョッチョロー
【鳥】ウグイスの幼鳥。

カチミーチョッチョロー
鳥の一種。
- メモ
- チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥。
カチミーパーパー
【爬虫類】アオカナヘビ。
カチミーホロホロー
夜に女の家の垣根をこそこそ歩き回る男。
カチミーン
捕まえる。捕らえる。
- 用例
- ヌスル カチミーン(泥棒を 捕まえる)巡査がカチミテールフージ(巡査に捕まえられているようだ)。カチミーサン(捕まえられない)。カチミラリーン(捕まえられる)。
過:カチミタン(捕まえた)否:カチミラン(捕まえない)希:カチミーブサン(捕まえたい)継:カチミトーン(捕まえている)。
- メモ
- 対:ハナスン(放す)。
カチミラッタン
捕まえられた。
- 用例
- ヤナクトゥサーマ カチミラッタン(悪い事をして 捕まえられた)。
カチミランパー
捕まえたがらない。
- 用例
- トゥッカチミリディ イチョールムン カチミランパーシ(捕まえなさいと 言っているのに 捕まえたがらないで)。
カチミングヮ
婚外子。私生児。
カチミングヮスン
ひっかきまわす。
- 用例
- アリガチーネー カチミングヮスンドー(彼が来ると ひっかきまわすよ)。
過:カチミングヮチャン(ひっかきまわした)否:カチミングヮサン(ひっかきまわさない)希:カチミングヮシーブサン(ひっかきまわしたい)継:カチミングヮチョーン(ひっかきまわしている)。
カチャ
蚊帳〔かや〕。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー カチャ ヒチ ニンジュタンヤー(私たちが 小さい頃は 蚊帳を 張って 寝ていたね)。カチャ ヒケー(蚊帳を張れ)。
- メモ
- 死者の家では2、3人で幕を張ることから、蚊帳は1人で張るものだと言われた。アシビの際、地謡と舞台の間には演者の所作が見えるように蚊帳が張られた。
カチャーシー
雑踊り。
- 用例
- チヌーヌ ボージャースージェー カチャーシーンディキティ イッぺーハネーチョータン(昨日の 出産祝いは カチャーシーも上出来で とても盛況だった)。
- メモ
- テンポの速い三線の曲に合わせて踊る即興で祝いの座の最後に自由自在に踊る踊り。
カチャースン
かき混ぜる。
- 用例
- ナービヌ ゴーヤーチャンプルー カチャースン(鍋の ゴーヤーチャンプルーを かき混ぜる)。カチャーチ(かき混ぜて)。
過:カチャーチャン(かき混ぜた)否:カチャーサン(かき混ぜない)希:カチャーシーブサン(かき混ぜたい)継:カチャーチョーン(かき混ぜている)。
カチャグヮー
蚊帳〔かや〕。
- メモ
- アシビの際、地謡と舞台の間には演者の所作が見えるように蚊帳が張られた。
カチャヌミー
婚外子。私生児。
カチャヌミー
藪の中。
- 用例
- カチャヌミーンカイ ヒンギティハイタン(薮の中に 逃げて行った)。
- メモ
- 類:カキヌミー(藪の中)。
カチャヌミーチョッチョレー
鳥の一種。
- メモ
- チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥。
カチャミーチョッチョレー
【鳥】ウグイスの幼鳥。

カチャムン
ひっかく。爪でかきむしる。
- 用例
- サールーヤ ガンマリシーネー カチャムンドー(猿に(は) 悪戯すると ひっかくよ)。
過:カチャマッタン(引っ掻かれた)否:カチャマン(引っ掻かない)希:カチャミーブサン(引っ掻きたい)継:カチャドーン(引っ掻いている)。
カチュー
鰹。鰹節。
- 用例
- カチューヤ ルクグヮチマングラ ユートゥラリサ(カツオは 六月頃に 良く 釣れるよ)。
ナー カチューウヤーン ミグティチューヌジブンヤシガヤー(そろそろ 鰹節売りが 回ってくる頃だがね)。
- メモ
- 嘉手納市で甘藷を売って後はソーミングヮー(素麺)やカチューグヮー(鰹節)を買って帰った。
カチューグヮー
鰹。鰹節。
- メモ
- 嘉手納市で甘藷を売って後はソーミングヮー(素麺)やカチューグヮー(鰹節)を買って帰った。
カチューユー
鰹節と味噌をお湯でといた汁物。
- 用例
- クチニーサンディグトゥ カチューユー チュクイサ(食欲がないというから カチューユーを作るさ)。
- メモ
- 類:ユーカキー(鰹節、味噌にお湯をかけた汁物)。産婦や病人に飲ませた。
カチュン
書く。描く。
- 用例
- ンナシ ヰー カチュン(皆で 絵を 書く)。
過:カチャン(書いた)否:カカン(書かない)希:カチーブサン(書きたい)継:カチョーン(書いている)。
- メモ
- 類:カクン(書く)。
カチュン
掻く。
- 用例
- ムシカイ ササッティ ヰーゴーサグトゥ カチュン(虫に さされて 痒いから 掻く)。
過:カチャン(掻いた)否:カカン(掻かない)希:カチーブサン(掻きたい)継:カチョーン(掻いている)。
- メモ
- 類:カクン(掻く)。
ガチュン
【魚】メアジ。
- 用例
- ユーバノー ガチュン アギーン(夕飯は メアジを 揚げる)。
ガチュンアミ
ガチュン網。
- メモ
- 宇座では各戸に1ケタずつのガチュンアミが常備されていた。ガチュンが寄ると海佐事(使丁)が各戸に告げて廻った。
ガチラーサン
食いしん坊のようだ。
- 用例
- ムンビカーン メーナチョーチーネー ガチラーサン(食べ物だけを 前にしていたら 食いしん坊のようだ)。
ガチングェー
つまみ食い。
- 用例
- イャーリヌムノー ガチングェービカーンッシ!(お前というやつは つまみ食いばかりして!)。
カチンミ
垣根。
カチンミー
婚外子。私生児。
カチンミーチョッチョロー
【鳥】ウグイスの幼鳥。

カチンミーパーパー
【爬虫類】アオカナヘビ。
カチンミチョッチョロー
【鳥】ウグイスの幼鳥。

カッカイマチブイ
あちこちに絡まっている様子。
- 用例
- カッカイマチブイシ ティーチン メーネー アガカン(あちこちに絡まって ちっとも 前に 捗らない)。
カッキーン
隠れる。
カックヮスン
隠す。
- 用例
- ワランチャーガ ンラントゥクルカイ クヮーシ カックヮスン(子どもたチが 見えない所に お菓子を 隠す)。カックヮチ(隠して)。
過:カックヮチャン(隠した)否:カックヮサン(隠さない)希:カックヮシーブサン(隠したい)継:カックヮチョーン(隠している)。
- メモ
- 類:カクスン(隠す)。
カックンゴーリー
子どもの遊びのひとつ。かくれんぼ。
- メモ
- トールガックイ・トーイガックイともいった。
カッケームッケー
あれこれものを言うこと。
- 用例
- カッケームッケー イーブサヌカッティー ヌール イチョーラー ワカラン(あれこれ言いたい放題で 何を 言っているのか 分からない)。
カッコー
おしめ・ぼろ布。
- 用例
- ユグリムノー カッコーシ チチメー(汚れた物は ぼろ布で 包みなさい)。
- メモ
- 昔はオムツがなく古い着物やボロ布で作った。
長浜や楚辺では新しく購入した豚を豚舎に入れる時は、カコーなどのボロ布を左に綯って火をつけたものを豚小屋で振りまわしてから入れた。
カッコーヒッコー
ぼろ切れ。
- 用例
- カジフチナティ ウチアミスグトゥ カッコーヒッコームルアチミレー(台風で 雨が入り込むから ぼろ布のありったけ集めなさい)。
ガッサン
軽い。
- 用例
- イャームノー ジョーイ ワームンヤカ ガッサン(お前の物は ずっと 私のより 軽い)。
- メモ
- 対:ゥンブサン(重い)。
カッシン
合戦。大会。
カッチーブサン
勝ちたい。
- 用例
- クンドゥヌ ウンドーカイヤ チャーシン カッチーブサン(今年の 運動会は どうしても 勝ちたい)。
カッチャーシクジーン
ひっかきまわす・めちゃめちゃにする。
- 用例
- アリカイ サーラシーネー ムル カッチャーシクジティ ワカランナインドー(彼に 触らせると 全部 ひっかきまわして 分からなくなるよ)。
カッチュン
勝つ。
- 用例
- クンドゥン イリヌシンカガル カッチュサニヤー(今年も 西の人たちが 勝つんでしょうね)。
過:カッチャン(勝った)否:カッチーサン(勝てない)希:カッチーブサン(勝ちたい)継:カッチョーン(勝っている)。
- メモ
- 対:マキーン(負ける)。
カッチン ヘーバル
地名(うるま市の勝連と南風原)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
カッティ
勝手。手慣れた者。熟練者。
- 用例
- ヌー スンディン カッティガ ヲゥイビシェーヤ(何をするにも熟練者がいますでしょう)。
- メモ
- お産などは経験豊富なカッティの手を借りた。
カッティな二才たちが三線、踊りを披露した。
カッティー
勝手。手慣れた者。熟練者。
- 用例
- ンカシェー クヮナシーニン カッティール タヌムタンドー(昔は 子どもを産むときにも 勝手な・手慣れた人を 頼んだんだよ)。
ガッティン
合点。
- 用例
- アンシェー ガッティンヤサンサ(それでは 合点がいかないよ)。
ガッティングヮー
軽々と。
- 用例
- マギサヌ イシ ガッティングヮー ムッチュタン(大きな 石を 軽々と 持ち上げた)。
カッパー
乾燥してかたくなっていること。
- 用例
- カッパー ナトーンドー(乾燥してかたくなっているよ)。
カッパー
杵。横杵〔よこぎね〕。
ガッパー
杵。横杵〔よこぎね〕。
ガッパイ
額や後頭部がとがっていること。頭の形がいびつな人。頭が大きい人。
- 用例
- アリガ ガッパイヨー(彼の 頭のいびつなこと)。
カッパヤー
杵。横杵〔よこぎね〕。
- 用例
- ゲンノーヌグトゥシカッパヤーヌアイビーシェー。ウリサーニ、チチュントゥクルンアイビーシェー(ゲンノウのようなカッパヤーで米を搗くところもあります)。
ガッパヤー
額や後頭部がとがっていること。頭の形がいびつな人。頭が大きい人。
- 用例
- アヌ ガッパヤーガ シーンジャチェールワジャヤサ(あの いびつ頭が しでかしたことだよ)。
カツン
掻〔か〕く。
- 用例
- ドゥー カツン(体を掻く)。
カティ
食べて。
カディ
食べて。
カティムン
おかず。
- 用例
- シルビカーンシェー ワターミッタン カティムン ゥンジャシェー(汁だけでは 腹いっぱいにならないから おかずを 出しなさい)。
- メモ
- 行事のおかずが入った重箱にもカティムンと言った。
カティムントゥエー
行事の前の小規模な漁。
- メモ
- 御馳走の材料にするため数人で行なった。
カテーナムン
困ったもの。
- 用例
- ウレー ミッタ カテーナムンレー(それは 本当に 困ったものだな)。
カテーバル
片江原(儀間の小字)。
カデナー
地名(嘉手納町嘉手納)。
カドゥ
角。
- 用例
- カドゥヤ リッパ トゥリヨーヤー(角は きちんと 取りなさいよ)。
- メモ
- 集落を構成する組織で、何組かに分けてカドゥ(角)と呼ばれていた。組や班と同様。
カドゥカイ
角会。
- メモ
- 宇座では地域組織、扶助組織である隣組を角会といっていた。後に組会と呼ぶようになり4組に分かれた。
カドゥシンカ
同じ組の仲間。隣組。
- メモ
- 葬式の際は葬式や喪家の家畜の世話、芋掘りなどをカドゥシンカで扶助した。
カドゥタッチュン
角が立つ。
- 用例
- オーイネー カドゥタッチュンドー(喧嘩をすると 角が立つよ)。
カナ
綛(かせ)にかける前の一束にした糸。
- 用例
- カナスミーン(糸を染める)。
ガナー
~しながら。
- 用例
- アシバガナー(遊びながら)。
カナーサラン
噛めない。
- 用例
- ハーンネーラン ムヌン カナーサラン(歯がなくて 食事も 噛めない)。
カナースン
噛む。咀嚼〔そしゃく〕する。
- 用例
- シシヌ クフヮサヌ イクケーヌン カナースン(肉が 固くて 何度も 噛む)。豆カナーチ(豆を噛んで)。カナーサラン(噛めない)。
過:カナーチャン(噛んだ)否:カナーサン(噛まない)希:カナーシーブサン(噛みたい)継:カナーチョーン(噛んでいる)。
- メモ
- 類:カンチキーン(噛む)。
カナーン
敵わない。
- 用例
- カナーンシェー(敵わないサア)。ィヤーネー カナーンサー(お前にはかなわないなあ)。ワラビヌ チブルンカイ カナーン(童の知恵にかなわない)。ウチナーノー カナーン(沖縄では勝てない)。フェーライネー カナーン(フェーレーには勝てなかった)。スビトゥ ヒジャバシディチ、チャー カナーンシェー(楚辺と比謝矼にはいつもかなわない)。ドゥーヌ カナーン(体が丈夫でない)。
カナイジューサン
達者でよく働けるようす。
- 用例
- 「チャー ガンジュー ヤミセーミ(お元気でしたか)」、「ドゥク カナイジューサヌヨ、ジャーフェー ナトービルムン(とても元気に働けて、〔いろいろ忙しくて〕厄介ですよ)」。
カナイン
元気である。達者である。
- 用例
- ワッター スーヤ ナマヤティン デージカナイン(私の 父は 今でも とても元気だ)。
武勇ン ヌーンクイ カナティ(武勇も何でも達者で)。
- メモ
- 類:カネーイ(元気)・ガンジュー(元気)。
カナカ
鉄床。鉄敷。鍛冶道具のひとつ。
- メモ
- 横にした丸太に埋め込んで使った。
カナガナートゥ
仲の良い様子。
- 用例
- チョーデーヤ イチマディン カナガナートゥシーヨー(姉妹は いつまでも 仲良くしなさいよ)。
カナギーン
からげる。まくり上げる。
- 用例
- ンリラングトゥシ スス カナギーン(濡れないように 裾を からげる)。スディ カナギーン(袖をまくり上げる)。チブイ カナギーン(裾をまくり上げる)。
過:カナギタン(からげた)否:カナギラン(からげない)希:カナギーブサン(からげたい)継:カナギトーン(からげている)。
- メモ
- 類:カイギーン(からげる)。
カナクジ
金釘。
カナグシク
瀬名波にある遺跡。地名伝承。
- メモ
- 野原で墓がいっぱいあった。
カナサシチャン
恋愛した。
- 用例
- 橋奉行トゥ カナサシチャン(橋奉行と恋愛した)。
カナサスン
可愛がる。
- 用例
- カナサシミソーリ(可愛がってください)。
カナサン
愛しい。愛おしい。かわいい。
- 用例
- ドゥシンチャーヤ ウフッチュナティン カナサンヤー(友達は 大人になっても 愛しいものだ)。
カナサシ ミートゥナトーン(愛し合って夫婦になった)。カナサルアシェーヤ(可愛いからね)。ターヤカナサガ(誰が好きか)。カナサシ(可愛がって)。イッペー カナサンロー(とても愛おしいよ)。
- メモ
- 類:カナハン(愛しい)。
ガナシー
~様〔さま〕。
- 用例
- シージャガナシー(お兄様)。
- メモ
- 敬称につく接尾辞。
カナシドゥシ
仲の良い友人。
- 用例
- ワントゥ アリトー イッペーヌ カナシドゥシヤン(私と 彼女は とても 仲の良い友人だ)。
カナシドゥシンチャー
良い友人たち。
- 用例
- マルケーテー カナシドゥシンチャー アチマティ アシビーガ イカヤー(たまには 仲の良い友達で 集まって 遊びに 行こうね)。
カナバ
【民具】農具のひとつ。稲の脱穀をする道具。
- メモ
- カナバーとも言う。
カナハン
愛しい。
- 用例
- ドゥシンチャーヤ カナハン(友達は 愛しい)。
- メモ
- 類:カナサン(愛しい)。
カナミ
要。念。
- 用例
- バッペーラングトゥ カナミカキーン(間違えないように 念を押す)。
- メモ
- 重要なことや肝心なことに念を押す。
カナムン
金物。金属製の物。
- 用例
- カナムンヤ チュトゥクマカイ アチミティ ウッチョーケー(金物は 一か所に 集めて おきなさい)。
カナムンヤー
金物屋。
- 用例
- クジヌネーンラー カナムンヤーヲゥティ コーティクーワ(釘がないなら 金物屋で 買って来なさい)。
カナヤー
働き者。
カナヨー
甘藷の品種名。
- メモ
- スビクラガーに似た美味しい甘藷。
ガナラサン
けなげである。
- メモ
- 嫡子ヌクヮグヮーター、チャッサ、ガナラサン(長男の子はけなげだ)。
カナワイン
叶う。
- 用例
- ウムトータルグトゥ ヌジュミ カナワイン(思っていた通りに 望みが 叶う)。
過:カナワタン(叶った)否:カナワラン(叶わない)希:カナワイブサン(叶えたい)継:カナワトーン(叶っている)。
カニ
金。金属。鉦。鐘。
- 用例
- カニヤ チュトゥクマカイ アチミトーケー(金・鉄は 一か所に 集めておきなさい)。
カニガ ナイネー ヤーカイ ケーラヤー(鐘が 鳴ったら 家に 帰ろうね)。
- メモ
- 類:チヂンカニ(鼓鉦)。
カニ
理性。常識。
- 用例
- チョー トゥシ トゥッティン カニハンリランケーシムサ(人間は 年を 取っても 常識をはずさなければいいさ)。
ガニ
【甲殻類】カニ。川のカニ。

ガニ
ケチ。
- 用例
- アレー ドゥクガニナティ チュンカイ ウグインディシン シラン(彼奴は あまりにもケチで 人に ご馳走する・おごるってことも 知らない)。
カニー
庚。
- 用例
- カニーヌヒーニ スージサナ(庚の日に 祝いをしよう)。
カニーグヮー
芯が強い女性。利発な女性。
- 用例
- ウレー カニーグヮー ヤンドー(その人は利発な女性だよ)。
カニウッチャー
鉦を鳴らす者。
- メモ
- ニンブチャーは念仏歌を歌いながら鉦を叩くのでカニウッチャーともいった。
カニガラ
石工道具のひとつ。
- メモ
- カニビチともいう。
カニクサ
【植物】蟹草〔カニクサ〕。
- メモ
- 別名シャミセンヅルともいう。
つる性の多年草のシダでノロのミンチャーブイが作られていた。
カニグサ
【植物】蟹草〔カニクサ〕。
- メモ
- 別名シャミセンヅルともいう。
カニクジ
金釘。鉄製の釘。
- 用例
- ゥンマリカーヤ カニクジガ マンドーグトゥ ヒサムトゥ キーチキリヨー(そこら辺は 釘が 多いから 足元に 気をつけなさいよ)。
カニクス
金屎。
カニコーヤー
金属類を買い集めている商売人。
- 用例
- チカランナトーシェー アチミティ カニコーヤーンカイ ウイサ(使わなくなったのは 集めて カニコーヤー・金属類を買い集める商売人に 売るさ)。
- メモ
- 類:フルガニコーヤー(金属類を買い集めている商売人)。
カニジーファー
鉄製の簪。
- 用例
- ワッター パーパーヤ カニジーファー ウホーク ムッチョータン(私の 祖母は カニジーファー・鉄製の簪を たくさん 持っていた)。
カニチグチ
閂+口・閂+所。
- メモ
- カニチグチはカニチドゥクルともいい、綱引きの中心で閂棒を通す場所。カナチグチ、カヌチグチとも言う。
渡慶次はカナチグチと称する。旧6月14日、集落の中道を境に「アガリニンズ(東組)」と「イリニンズ(西組)」に分かれ綱引を行った。東が雄綱、西が雌綱で、両綱のつなぎ目にカナチ棒を通すところをカナチグチといった。棒係はアガリニンズから権威と腕力がある者が選ばれた。
カニチドゥクル
閂+口・閂+所。
- メモ
- カニチグチはカニチドゥクルともいい、綱引きの中心で閂棒を通す場所。
カニチヌチャー
閂棒を通す役目の者。
- メモ
- ニーセースーチチ(青年総聞。青年の代表者)が受け持った。
カニチボー
閂棒。
- メモ
- 綱引きの綱の先は輪になっており、雌綱の輪に雄綱を入れて雄綱の輪に閂棒を通した。カヌチボーとも言う。
古堅はクシナリグヮーの後ろカニチグチにあった石をカニチボーと言っていた。カニチボーの代わりに石を建てた。
カニヂューカー
鉄製の急須。
カニティ
前から・以前から。
- 用例
- カニティカラ ワンガ イチャノーアラニ(前から 私が 言ったでしょう)。
カニナービ
鉄鍋。
カニハンディーン
ぼける。もうろくする。
カニハンリーン
ぼける。もうろくする。
- 用例
- トゥシトゥッティ カニハンリーネー ヤッケーヤサ(年を取って ボケたら 厄介だ)。カニハンリティ(耄碌して)。
カニビン
錫製の瓶。
- 用例
- ニービチネー カニビンカイ サキイリータンヤー(結婚式の時には カニビン・錫製の瓶に 酒を入れたね)。
- メモ
- 錫製の瓶で対になっていて、祝い事などに使う。
カニビンクンダ
形の良いふくらはぎ。
- 用例
- ナガハマヌ ミヤラベー カニビンクンダグヮー(長浜の娘は金属瓶のようにしまったふくらはぎだ)。
- メモ
- 金属製の瓶のように細くしまり美しいふくらはぎ。
カニビンクンダグヮー
形の良いふくらはぎ。
- 用例
- アンシ イー カニンビンクンダグヮーソール(何て きれいな ふくらはぎをしているんだろう)。
カニベンサー
【虫】コガネムシの一種。
- 用例
- カニベンサー カチミタン(黄金虫を 捕まえた)。
カヌチャ
雄綱と雌綱を繋ぐ箇所。
- 用例
- カヌチャヤ ナカジンヲゥティ ヌチュタサ(雄綱と雌綱は 真ん中で 貫いたさ)。
カネー
小作。小作料。使用料。借地料。
- 用例
- イッター カネーヤ ニンニ ジャッサ ハラトーガ?(貴方たちの 土地代は 一年に 幾ら 払っているの?)。
ハルカネーシミタイ(小作をさせたり)。
- メモ
- ジークミが進んでいない時代、ヌールジーやウフヂネー(篤農家)は、他人に小作させることが多く、それをカネーカキーンといい、賃金ないしそれに相当する作物を小作人に支払った。また土地の割り当てを受けていない次男三男など分家の者が本家の畑を小作させることにもカネーカキーンといった。逆に小作する立場からはカネーカカインという。小作を意味するカネーが小作料や借地料の意味をももち、小作人たちは年に1回カネーヌチャーイ(小作料徴収)の日に地主へ支払いに行き、地主はまた御馳走を準備し労をねぎらった。長田では豚を潰して会席を出しお土産まで持たせたという。
カネーという言葉は畑の耕作だけでなく、次のような事例もあり現在でもよく聞く語彙である。
製糖小屋周辺など字の共有地から草刈りをする場合にはカネー(小作料)を支払った。牧原では大部分の人が台南製糖にカネー(小作料)を払って畑を使っていた。都屋には残波沖から向こうには漁業権が無かったので、入漁漁業料という名のカネー(使用料)を払ったなど。
カネーイ
元気。
- 用例
- チャーカネーイ ヤンシェーンナー?(ずっとお元気ですか?)。
- メモ
- 類:ガンジュー(元気)・カナイン(元気)。
カネーイン
取り囲む。
- 用例
- マーニン ヒンギラングトゥ ンナシ カネーイン(どこにも 逃げないように 皆で 取り囲む)。
カネーガキ
小作をさせること。小作契約。
- メモ
- 小作をすることにはカネーガカイ・カネーカカインといった。渡慶次・儀間・宇座などは塩屋真栄田と年間30円で契約し薪を採集した。
ヌンドゥンチなどウフヂネー(大所帯)は、その殆どをカネーを掛けていた。
カネーグヮー
小作料。使用料。借地料。
- メモ
- 牛の餌の草を刈るためにカネーグヮー(小作料)して谷茶まで行った。
カネーヌチャーイ
小作料金の徴収。
- メモ
- 1年に1回、小作料や貸金を支払いに来る者には、豚を潰して会席を出し、お土産まで持たせていた。
カネーモー
小作地。
- メモ
- カネーモーから無断で草を刈ってはならない。
カバ
匂い。
- 用例
- ウヌ ウコーヤ アンシ イーカバッシ(その 線香は とても 良い匂いがする)。
カバウコー
香りの良い御香。竹芯御香。
- 用例
- カバウコーカラ コーティクーヨー(良い匂いのする線香を 買って来なさいよ)。
- メモ
- 盆にはヒラウコー(平御香)は使わない。
カバクイ
楚辺の屋号。
- メモ
- 楚辺のカバクイはウマチーの時に、酒壺をもってノロに捧げる役目の人だった。
カバグー
香しい粉。
- メモ
- 3月3日の浜下りにはカバグーを付けたクーンムニーを持って浜へ下りた。
カバサン
香ばしい・良い匂い。
- 用例
- ンカシヌ サフノー ジコー カバサンヤー(昔の 石鹸は とても 良い匂いがするね)。
- メモ
- 類:カバハン(香ばしい・良い匂い)。
カバッチュ
香しい人。
- 用例
- カバッチュ(薫り高い人)。
カバハン
香ばしい・良い匂い。
- 用例
- ランパチシッアトゥ アンダグヮー ナシーネー イッペー カバハタンヤー(散髪後 髪油をつけると とても 良い匂いがしたね)。
- メモ
- 類:カバサン(香ばしい・良い匂い)。
カビ
紙。
- 用例
- ウッサキーヌ カビ アチミティ チャースヌバーガ(そんなに沢山の 紙を 集めて どうするつもりか)。
カビアンジ
銭紙を炙ること。
- 用例
- ンナ スリティカラ カビアンジスン(皆が 揃ってから 銭紙を炙る)。
- メモ
- 盆や彼岸をはじめとする法事に、祖霊が後生で困らないようにと、お金をさしあげるという意味で、お金をかたどったウチカビ(紙銭)を炙ることをいう。カビアンジをするのは一般に世帯主の役目である。寄留士族の家では、カビアンジのことをンチャビというところもある。また彼岸にウチカビを炙ることから、彼岸そのものを指して言うところもある。
カビイシ
壁石。
カビギ
【植物】カジノキ。楮の木。
- 用例
- カビギヤ ヤマカイ イチーネー マンドータン(カジノキは 山に 行くと たくさんあった)。
カビギー
【植物】カジノキ。楮の木。
カビギンガー
カビギの井泉。楚辺の井泉の名称。
- メモ
- 楚辺のナナウタキ(七御嶽)のひとつ。イーガーとも言う。暗川発見以前、集落の人々はこの井泉を頼りに生活したといわれる。付近一帯にカビギ(カジノキ、クワ科の落葉高木)が多かったのでカビギンガーと呼ばれる。
カビシ
石壁。
- 用例
- カビシディシェー イシシ チュクラットール クビヌクトゥヤサ(カビシというのは 石で 造られた 壁のことさ)。
- メモ
- 海岸の石を切り取って造る壁用の石のこと。昔は海岸の石にクサビを打ち込んで、専門の人がそれぞれの用途に合わせて石を切り取っていた。
カビシ
壁石。
カビジリー
紙切れ。
- 用例
- ヌーンネーンラー ゥンマリカーンカイアル カビジリーンカイ カチョーケー(何もなければ そこら辺にある 紙切れに 書いておきなさい)。
カビバクー
紙箱。
- メモ
- 我が家では着物はカビバクに入れていた。
カブ
かんざしの端のしゃくし型の部分。
- 用例
- ジーファーヌ カブシ クーグヮー イッティ(かんざしのカブで粉を少し入れて)。
カフーシ
ありがとう。
- 用例
- チャー ティガネーシトゥラチ カフーシドー(いつも 手伝ってくれて ありがとうね)。
カフーナチュ
果報な人。幸せな人。
- メモ
- 結婚式の際の夫婦固めの儀式で、カフーナチュ(果報な人)が新夫婦にミジナディー(水撫で)して、タカウブン(高御盆)に載ったハナビーダク(蒸し蛸)とスンカンに盛ったアカメー(赤飯)を一箸ずつ夫婦の口に運んだ。
カフームッチョーン
果報を持っている。
- メモ
- 妊娠していることをいった。
カブラー
闘牛用の牛の名前。
- 用例
- ウシヌ チヌヌ シチャ ンカトーシカイ カブラーディイータン(牛の 角が 下を 向いているのに カブラーといっていた)。
ガフヮラ
ふけ。
カマ
竈〔かまど〕。
ガマ
洞窟。洞穴。
- 用例
- ウルルチャーニ ドゥーチュイ ガマカイ ヒンギティハイタン(驚いて 一人で 洞窟に 逃げて行った)。
ガマク
腰。
- 用例
- ゥンブムン ムッチャレー グテーヌカナーン ガマクヌ ヤムン(重いのを 持ったら 力がなくて 腰が 痛い)。
カマサー
【魚】かます。
- 用例
- カマサーヤ ナガイユグヮーナティ ウルクヤ マンドータヌハジドー(カマスは 長い魚で うろこが多かったはずだよ)。
カマサギ
神アサギ。
- メモ
- ノロや神人が祭祀を執り行う神アサギ、トゥン(殿)の別称。
カマシ
【魚】かます。
カマジー
かます。藁で編んだ目の細かい袋。
- 用例
- サーターヤ カマジーヌジャッサ バサンカイ ヌシーガ?(砂糖は カマスの幾つ分 馬車に 載せるの?)。
- メモ
- 穀類や塩などを入れた。かますとは、わらむしろを二つ折りにし、縁を縫いとじた袋。穀類・塩・石炭・肥料などの貯蔵・運搬に用いる。
カマジーシバイ
かます芝居。
- メモ
- 芝居小屋ではなく広場や家の庭を借用し、かますで囲ったような粗末な舞台で行われたもの。雨が降ると演じられなかった。
カマジェー
【虫】コオロギ。
- 用例
- カマジェーヤ ナマヤティン ナチギー チカリーシェーヤー(コオロギは 今でも 鳴き声が 聞こえるさあね)。
カマジサー
苦虫をかみつぶしたような顔または人。不愛想な人。
- 用例
- イャーヤ アンシ カマジサーナティ(君は ひどく 不愛想だ)。
カマジシ
不愛想。
- 用例
- カーゲーチュラサシガ カマジシクートーン(美人だが 不愛想だ)。
カマドゥ
竈〔かまど〕。
カマヌイビー
竈塗り日。土で竈を作る日。
- メモ
- カマヌイビー(竈塗り日)の日取りは何月でもよいが、日は戊か庚に塗った方が良いと言われた。
ガマバカ
洞窟墓。洞穴墓。
- 用例
- ウミヌハタヤ ガマバカガ ナラドータン(海側は 洞窟墓が 並んでいた)。
- メモ
- 洞窟を利用して、穴を掘って造った墓。
ガマブー
ガマ+帆。
- メモ
- サバニの木綿帆以前はガマブーだった。
カマブク
カマボコ。
- 用例
- カマブク コーイブサシガ マーヌムンガ マーサガヤー?(カマボコを 買いたいが どこのが 美味しいかね?)。
カママーイ
行事名。竈廻り。
- メモ
- 10月吉日に行われる火の用心、火難防止のための行事、祈願。ヒーマーチヌウガンとも言う。各戸の竈(かまど)を見て廻ったのでカママーイと称される。
長浜、儀間ではククヌトゥグンジュー(49歳)のウガンウスメー、ウガンメーと呼ばれる初老の男性たちが火災防止の祈願を行った。。
伊良皆では、ヒーゲーシ(火返し)といい、カータキ(川嶽〔聖地となる井泉〕)とジトゥーヒヌカン(地頭火の神)を拝した後に各戸のヒヌカン(火の神)を拝む。拝みが終わると各戸の茅葺き屋根から茅一本を抜き取り、瓦葺の家屋からは何でも燃えるのを取って、集めたそれらで小屋を造った。各戸から人を集めて、その小屋に火を放ち、鳴り物をならし「ホーハイ、ホーハイ」といいながら水をかけて小屋を消火する。
カマラー
気難しい人。
カマラサン
気難しい。
カマラサン
煩わしい・うるさい。
- 用例
- ワッター トゥジェー イッペー カマラサン(私の 妻は とても うるさい)。
カマラシムン
気難しい者。
- 用例
- イフェーカマラシムン(ちょっと気難しい者)。
カマン
食べない。
カマンタ
【魚】エイ。
- 用例
- ウッピナーヌ カマンタ ユートゥッテール(そんなに大きな エイを よくぞ捕ったもんだ)。
- メモ
- カマンタの子が漁師の釣り針にかかると親の陰部に逃げ込む。それで親まで一緒に釣り上げられるので、「カマンタの子は親を喰う」という糸満の人の話がある。
カマンタ
【民具】大鍋の蓋〔ふた〕。
- 用例
- カマンタ チュクイシ、マカヤードーヤ(カマンタをつくるのはチガヤだよ)。
カミアキネー
女性が商品を頭に載せて売り歩くこと。行商。
- 用例
- ワッター オバーヤ センゼノー マチンカイ カミアキネーシ イチュタンディサ(私の 祖母は 戦前は 町に 頭上に物を載せて行商に 行っていたそうだ)。
- メモ
- 類:カミアチネー(頭に物をのせて商いをしている女性)。
カミアサギ
集落の神を祀る建物。
- メモ
- 座喜味では七柱それぞれの前に七つの門中の代表が座り、協議する場だったと伝え聞いている。
カミアサギ
神アサギ。祭祀をなす建物。
- 用例
- カミアサギヲゥティ ウグヮンウサギトーン(カミアサギで 御願をしている)。
- メモ
- ノロや神人が祭祀を執り行う場所で、トゥン、カミサギ、カマサギ、アタトーヤーとも言う。古くからある集落にはほとんどあった。本来は祭祀をなす場所や小さな建物(アサギ、アシャギ)のことを指すが、カミアサギそのものが拝する対象として拝所になっている事例も多い。
カミアサギモー
神+アサギ+モー(毛、野)。瀬名波の拝所。
- メモ
- カミサギモーとも言う。ノロや神人たちが神を招請して祭祀する場所であった。かつては、近辺に松の木やマーニ(黒ツグ)などが生い茂っており、相当な面積であったが、現在は祠に霊石が安置されているのみである。大御願、ウマチー(旧暦3月15日、5月15日、6月15日、8月15日)に拝す。
カミアチーネー
女性が商品を頭に載せて売り歩くこと。行商。
カミアチネー
女性が商品を頭に載せて売り歩くこと。行商。
- 用例
- ワッター アンマーヤ トゥーチ カミアチネーッシ アッチュタン(私の 母は いつも 頭に荷物をのせて 行商していた)。
- メモ
- 類:カミアキネー(頭に物を乗せて商いをしている女性)。
カミアチネーの女性が着物などを売って歩いていた。
カミアチネーサー
女性が商品を頭に載せて売り歩くこと。行商。
カミーウワランマール
食べ終わらないうちに。
- 用例
- ムンカミーウワランマール ウビジ ヒンギティハイタン(食べ終わらないうちに すぐに 逃げて行った)。
カミーニーブク
食べると同時に。
- 用例
- カミーニーブク シグトゥ イーチキーンリチンアンナー(食べると同時に 仕事を言いつけるってこともあるか)。
- メモ
- 類:カムシトーマジョーン(食べると同時に)。
カミーハンスン
食べ損ねる。
- 用例
- ユンタクビカーンシーネー マーサムヌン カミハンスンドー(おしゃべりばかりしていたら 美味しい物も 食べ損ねるよ)。
過:カミーハンチャン(食べ損ねた)否:カミーハンサン(食べ損ねない)継:カミーハンチョーン(食べ損ねている)。
カミーリクチ
食べるコツ・食べる術。
- 用例
- カミーリクチヌアレーカラー マーカイヲゥティン ヤーサーサンサ(食べる術があるなら どこにいても ひもじい思いはしない・食べるのに事欠かない)。
カミーン
頂く。敬意を表して、頭上に捧げ持つ。
- 用例
- ハナグミ カミーン(花米を 押し頂く)。ヌブシヌ タマ カミティ(ヌブシの玉を頭に載せ)。シラギカミトーティ(白髪の)。
- メモ
- 物をもらって、うやうやしく頭の上にささげ持つ。
カミーン
頭の上に載せる。(荷運びのため)頭に載せる。
- 用例
- ゥムバーキ カミーン(芋を入れたザルを 頭に載せる)。
過:カミタン(載せた)否:カミラン(載せない)希:カミーブサン(載せたい)継:カミトーン(載せている)。
カミーン
突きあげる。
- 用例
- フルヌ タカサヌ ティンジョー チチカミーン(背が 高くて 天井を 突き上げる)。
カミウーキ
運搬用の桶。頭上運搬用の桶。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ カミウーキ カミティ ミジ クミーガ ハイタン(女性は 桶を 頭に乗せて 水を 汲みに 行った)。
- メモ
- 主に水桶として使用した。カミウーキとは木製の桶で、主に水を運ぶ時に女性が頭に載せて運んだ。
カミウクイ
神送り。
- メモ
- 楚辺のウマチーは2、3、5、6、8月に行われるが、8月が1年で最後だということでカミウクイといわれている。
カミウコール
神御香炉。
- メモ
- 当世代より上代の祖先を祀った香炉。
カミウシーミー
神清明祭。神御清明。
- 用例
- カミウシーミーヤ ムンチューシンカシ ウガムン(カミウシーミー〔神清明祭〕は 門中の人たちで 拝む)。
- メモ
- 類:アジウシーミー(按司清明祭)。門中や字で行う清明祭のこと。
長浜では清明の入り日に行う。午前中は門中の人が集まって墓を掃除し、午後は重箱料理を供えて皆で拝んだ。
カミウンケー
神迎え。
- メモ
- 類:ウマチー(氏神祭り)。
集落にある拝所へ、村の祭祀を司るノロを頂点とした神役と集落の代表、集落内宗家の代表などが神酒や供物を供え、豊穣祈願・感謝、集落の繁栄祈願を行う行事である。また、この日は、一門、一族が宗家に集合し祖霊を拝み、一族の繁栄を祈願する。
カミオーキバル
上大木原(大木の小字)。
カミグシンジュ
神御墓。使用しなくなった古い墓の呼称。
カミグリサン
食べにくい。
- 用例
- ヤーサーアティン チュヌメーヲゥテー カミグリサン(お腹はすいていても 人前では 食べにくい)。
カミサギ
神アサギ。
- メモ
- カミアサギの項参照。
カミジバル
亀地原(大湾の小字)。
カミジバル
亀地原(波平の小字)。
カミジューサン
食べすぎ。
- 用例
- ナー ウッサカメー チューヤ カミジューサンドー(もう それだけにしなさい 今日は 食べすぎだよ)。
カミジョージ
食べ上手。
- 用例
- ウヌワラビヌ ムンカミジョージヤシヨー(その子の ご飯の食べ上手なこと)。
カミズク
食べていく術。生活力。
- 用例
- カミズク ナラン(生活できない)。
- メモ
- ムヌカミジュク、ムヌケェージクと同義。
カミダーリ
神がかり。
- 用例
- トゥナイヌ ヰナグングヮガ カミダーリ ソーンディシェー フントーヤンナー?(隣の 娘が 神がかりしているって 本当ねぇ?)。カミダーリ ソールチュ(神がかりしている人)。
カミチキーン
食べきる。
カミドゥステール
食べていたのに。
カミトゥバスン
食べ尽くす。
カミヌクサー
食べ残し。
- 用例
- クヮヌ カミヌクサーヤ ウヤガ カムシェー アタイメーヤサ(子の 食べ残しは 親が 食べるのは 当然だよ)。
カミバカ
神墓。使用しなくなった古い墓の呼称。
カミブー
食の果報。食べ物にありつく幸運。
カミムン
食べ物。
- 用例
- ウーヤーニンジュヤグトゥ チャー カミムノー タラーンルアル(大家族だから いつも 食べ物は 足りないんだよ)。
カミムンヤー
食べ物屋。食堂。
カミヤーウシ
よく突く牛。
- 用例
- カミヤーウシヌ スバカラー アブナサグトゥ アックナヨー(よく突く牛の 側からは 危ないから 歩くなよ)。
カミユー
馬具の名称。
カミラリーン
下から突き上げられる。
- 用例
- チムグチ カミラリーン(みぞおちの辺りがぎゅっと突き上げられるように痛む)。
- メモ
- カミユンの受け身形。
カミヲゥーキー
【民具】桶〔おけ〕。
- メモ
- 女の人が水汲みの時に頭に載せて運んだ。
カミンチュ
神人。
- メモ
- ウマチーなどの祭祀をノロとともに行なう役目の者。
カミンマリ
神生まれ。
- 用例
- カミンマリソール イナグ(霊力のある女)。
カムイン
構う。ちょっかいを出す。立ち入る。
- 用例
- チャー チュヌクトゥンカイ カムイン(いつも 人の事に 立ち入る)。
カムシトーマジョーン
食べると同時に。
- 用例
- ムンカムシトーマジョーン ニントーサ(ご飯を食べると同時に 寝ているさ)。
- メモ
- 類:カミーニーブク(食べると同時に)。
カムン
食べる。
- 用例
- ヤーニンジュ スリティ アサバン カムン(家族 揃って 昼飯を 食べる)。
カレー カマリンナ(食べれば食べられるのか)。カマラン(たべられない)。
過:カラン(食べた)否:カマン(食べない)希:カミーブサン(食べたい)継:カローン(食べている)。
カメー
食べなさい。
- 用例
- キサカラ ヌーソーガ ヤーサラー ヘーク ムヌン カメー(さっきから 何をしているか 腹が減っているなら 早く ご飯も 食べなさい)。
カメーイガメーイ
探しながら。
- 用例
- ヤーン ワカランダー カメーイガメーイ イチュサ(家も 分からないなら 探しながら 行くさ)。
カメーイン
探す。
- 用例
- マーカイガ ゥンジャラー ワカラン アマクマ カメーイン(どこに 行ったのか わからず あちこち 探す)。
過:カメータン(探した)否:カメーラン(探さない)希:カメーイブサン(探したい)継:カメートーン(探している)。
カメーティンカメーララン
どんなに探しても見つからない。
- 用例
- マーカイル カックヮチャラー カメーティンカメーララン(どこに 隠したのか どんなに探しても見つからない)。
カヤ
茅。
カヤ
胞衣〔えな〕。
- メモ
- 胎児を包んでいる膜および胎盤の総称。出産が終わると、胞衣は藁束やボロ布に包んで、夫が屋敷裏の雨垂れが落ちない所に埋めた。
胞衣〔えな〕をヤーヌクシー(家の後ろ)に埋める時に、隣近所の子を笑わせながら、「ワラーシンソーリ(笑わせてください)」と生まれた子がよく笑う子になるようにと願った。
ガヤ
茅。
- 用例
- ガヤ カティ ヤーフチュル ジュンビスン(茅を 刈りて 家を造る 準備を する)。
カヤースン
運ぶ。持ち運ぶ。
- 用例
- アママディ オーダーシ カタミティ カヤースン(あそこまで もっこで 担いで 運ぶ)。
ムヌン カヤーチ(食べ物も運んで)。フニカラ カヤーチ(船から運んで)。ヤーンカイ カヤーシェー(家に運べ)。
過:カヤーチャン(運んだ)否:カヤーサン(運ばない)希:カヤーシーブサン(運びたい)継:カヤーチョーン(運んでいる)。
ガヤイーマール
屋根葺き作業時の労働力の相互扶助。
- メモ
- 組の人の屋根葺きがある時は、各戸から茅を持ち寄って葺いた。
ガヤカヤー
茅刈り人。
- メモ
- 16歳までガヤカヤーをしていた。
カヤブチ
茅葺き。
ガヤブチ
茅葺き。
- メモ
- 百姓はククヌチブ(9坪)以上は造ってはいけなかった。3間×3間で当時は全部ガヤブチ(茅葺き)。
ガヤブチヤー
茅葺きの家。
- 用例
- ガヤ カティチッ ガヤブチヤー フチュン(茅を 刈りてきて 茅葺家を 葺く)。
ガヤヤー
茅葺きの家。
- 用例
- ガヤヤー ツクイネー ヤンバルカイ キタ コーイガリチ(茅葺きの家を造るときはヤンバルに桁を買いにといって)。
カユイン
通う。
- 用例
- ウヤミーメーシーガ メーナチ カユイン(親の様子を見に 毎日 通う)。
過:カユタン(通った)否:カユラン(通わない)希:カユイブサン(通いたい)継:カユトーン(通っている)。
カライリチー
から煎〔い〕り。
カライン
(家畜などを)飼う。
- 用例
- ワンネー ウヌジンシ トゥイ コーティ カラインディチルヤンレー(私は その金で 鶏を 買って 飼うつもりだよ)。
イチムシ カラトーン(家畜を飼っている)。トゥイ カラトーテールバー(鶏を飼っていたわけさ)。
過:カラタン(飼った)否:カラーン(飼わない)希:カライブサン(飼いたい)継:カラトーン(飼っている)。
カラカラ
【民具】酒器の一種。酒を入れる器。
- メモ
- 急須の形をした陶器。
カラカラー
【民具】酒器の一種。酒を入れる器。
- 用例
- チュー ヌムル サケー キッサ カラカラーンカイ イッテーサ(今日 飲む 酒は すでに カラカラーに 入れてあるよ)。
- メモ
- 沖縄~九州南部特有の酒器。基本的には吸□型だが、膨らんだもの、平べったいもの、角張ったものとある。
ガラガラー
がらがら、かすれた声。
カラクイ
絡繰り。策略。
- 用例
- カラクイシ(策略シて)。
カラクイポーポー
【料理名】菓子の一種。
- 用例
- アレー マチェーシンカラ カラクイポーポーリチョール バーテー(あれは巻いているからカラクイポーポーと言っているんだよ)。
- メモ
- スビポーポー、カラマカーポーポーともいう。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。旧暦四月のアブシバレー(行事)には楚辺でゥンマハラシー(競馬)があり、楚辺に親戚がいる人は各家自慢のスビポーポーを食べるのが楽しみだったという。
カラマカーポーポー項も参照。
カラクイン
絡みつく。
- 用例
- イーチューヌ カラクトーン(糸が絡みついている)。
ガラサー
【鳥】カラス。
- 用例
- ガラサーヌ トゥディアッチュシガ ヌーガラ ヤナクトゥヌル アガヤー(カラスが 飛んでいるが 何か 悪いことでも あるのかな)。
- メモ
- 烏が鳴くと厄。
ガラサーカーチョービーグヮー
【植物】ほおずきに似ている植物。
- 用例
- ガラサーカーチョービーグヮーガ ダテーン サチョーン(ガラサーカーチョービーグヮーが たくさん 咲いている)。
ガラサータマシ
カラスへの分け前。
- 用例
- ウヮークルチアトゥヌ カマランヌーヤ ガラサータマシディチ ウミンカイ ナギータン(豚を 潰した後の 食べられない部分は カラスへの分け前として 海に 投げていた)。
- メモ
- 豚を潰した時に首辺りの食べられない部分を取って、ガラサータマシ(烏の分け前)といって海に向かって東西南北の四か所に向かって投げた。
ガラサーチョーバングヮー
子どもの遊びのひとつ。
- メモ
- お金の代わりに貝を使ってのチャンクルー遊びの呼称。
貝殻の種類によってソーチョーバングヮー・ガラサーチョーバングヮーと呼んだ。
カラサン
辛い。
- 用例
- イャーガ スガイルムノー チャー マースガラサンレー(お前が 作る食事は いつも 塩辛いよ)。
- メモ
- 類:カラハン(辛い)。
カラサンパー
貸したがらない。
- 用例
- アチャ ケースンディ イチョールムン カラサンパースン(明日 返すって 言っているのに 貸したがらないんだよ)。
カラジ
髪。
- 用例
- チューヤ スージカイ イチュグトゥ カラジ ユーイン(今日は お祝いに 行くから 髪を 結う)。
ユーテール カラジ(結ってある髪)。カラジ カチアキヤーニ(髪をかき開けて)。
カラジ ギー
髪。
ガラシ
【鳥】カラス。
- 用例
- ガラシェムヌシリンディ(烏は物知りだって)。
カラジー
出なくなった乳。
- 用例
- カラジー ナトーン(お乳が空になっている)。カラジー ヌマシェー(空のお乳を飲ませなさい。空のお乳でも吸わせておきなさい)。
カラジギー
髪。
- 用例
- カラジギー カンシ ウシワキヤーニ(髪の毛をこうして押し分けて)。
カラシニ
脛〔すね〕。むこうずね。
- 用例
- カドゥカイ カラシニ チッカキティネーン(角に 脛を 引っ掛けてしまった)。
アッギヨナー、カラシニ ヤマチ、ウッチヨー(ああもう、脛を痛めて、打ってね)。
カラジヌキー
髪の毛。
- 用例
- カラジヌキーヌ ウーサヌ アラインディチ デージヤン(髪の毛が 多くて 洗うのに 大変だ)。
- メモ
- 類:カラジブチカー(髪の毛)。
ガラシネー
足が痙攣すること。
- 用例
- チカグロー ニントーイニ ユーガラシネーッシ(最近は 寝ている時に よく足が痙攣する)。
- メモ
- 類:ガラスマガイ(こむら返り)。
ガラシヒーバー
【爬虫類】ガラスヒバァ。ナミヘビ科。
カラジブチカー
抜け落ちた髪の毛。抜け毛。
- 用例
- カラジブチカーガ ウティトーシガ ヘーク トゥッティ カタジキレー(髪の毛が 落ちているが 早く 取って 片づけなさい)。
- メモ
- 類:カラジヌキー(髪の毛)。
カラジボーサー
ぼさぼさ頭。髪の毛が乱れていること。
カラジムシエー
髪のむしりあい。女性のけんか。
- 用例
- ヰナグンチャー オーエーヤ カラジムシエー ソータン(女の人たちのけんかは髪のむしりあいをしていた)。
カラス
【魚】アイゴの稚魚。
- 用例
- 「スクヌ ユティチューンドー」スシガ、アギティ ウイネー カラスグヮー(「スク〔アイゴの稚魚〕が寄ってきたぞ」というが、陸揚げして売るときにはカラスグヮーという)。
- メモ
- スクともいう。カラスはもとは塩漬けの意だが、常備食スクガラス(アイゴの稚魚の塩漬け)から、カラスといえばアイゴの稚魚をさすようである。
カラスグヮー
【魚】アイゴの稚魚。
- 用例
- シチグヮチマングラナイネー ウミカイ カラスグヮーガ ウスマサ ユイタサ(七月頃になると 海岸に カラスグヮー・アイゴの稚魚が 沢山 寄ってきたものだ)。
カラスグヮー
アイゴの稚魚の塩漬け。
- 用例
- カラスグヮー、スクグヮー シチュルバーヨ(アイゴの稚魚を取るわけよ)。
- メモ
- モーアシビには誰かがカラスグヮーを持ってくる。
ガラスマガイ
こむら返り。
- 用例
- ナゲー ガラスマガイッシ ナマン ジュノーアラン(長いこと 足が痙攣して まだ すっきりしない)。
- メモ
- 類:ガラシネー(こむら返り)。手足の指などの筋肉がひきつって痛むこと。
カラスン
枯らす。
- 用例
- ミジン カキラン アッタヌ キー カラスンナー(水も かけないで 大切な 木を 枯らすのか)。
カラスン
貸す。
- 用例
- ウットゥンカイ チン カラスン(妹に 着物を 貸す)。
過:カラチャン(貸した)否:カラサン(貸さない)希:カラシーブサン(貸したい)継:カラチョーン(貸している)。
- メモ
- 対:カイン(借りる)。
カラタ
体。
- 用例
- ナイチカイ ハラワン チャー カラタ テーヒチニシーヨー(内地に 行っても いつも 体を 大切にしなさいよ)。カラタ ガンジュー(体頑丈)。
カラタニングヮン
体念願。健康願い。
- メモ
- 体念願(健康祈願)や御願い事には線香は12本。
カラタヌニングヮン
体念願。健康願い。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ メーアサ ティーウサーチ カラタヌニングヮンソーン(火の神に 毎朝 手を合わせて 健康願いをしている)。
カラヂ
髪。
カラチクミソーリ
貸して下さい。
- 用例
- イットゥチャー、カラチクミソーレー(一時だけ貸してください)。
カラティ
何ももっていない。
ガラナサン
テキパキとしている・機敏に動く。
- 用例
- ワッター シンカンチャーヤ ムル ガラナサン(私の 仲間は 皆 テキパキしている・よく動く)。
ガラナハン
テキパキとしている・機敏に動く。
- 用例
- アヌ ワラビヤ ターヤカ ガラナハン(あの 子は 誰よりも テキパキとしている)。
- メモ
- 類:ガラナサン(テキパキとしている・機敏に動く)。
カラハーイ
羅針盤。
- 用例
- ヌーンネーントゥチヤ カラハーイ アティティル フネー ハラスタル(何もない時代には 羅針盤を 当てて 船を 走らせたものだ)。
- メモ
- 唐針。
カラバニー
理由も言わずに拒絶すること。
- 用例
- カラバニーサッティ イミン ワカラン(理由も言わずに断られて 意味も 分からない)。
カラハン
辛い。
- 用例
- ウヌ スーチカラーヤ ルク カラハン(その 塩漬けの肉は あまりにも 辛い)。
- メモ
- 類:カラサン(辛い)。
カラバンキ
弦の調整。
- 用例
- サンシンヌ カラバンキソーン(三線の 弦の調整をしている)。
カラヒサ
裸足〔はだし〕。
- メモ
- 昔の子どもたちは皆裸足で、学校へも裸足で通った。カラヒサーとも言う。
カラビサー
裸足〔はだし〕。
- 用例
- カラビサーシ ヤーヌウチカイヤ イランキヨー(裸足のままでは 家の中には 入るなよ)。
- メモ
- 昔の子どもたちは皆裸足で、学校へも裸足で通った。カラビサとも言う。
カラフェー
薪〔たきぎ〕の灰。木灰。
- 用例
- ムン ニーウワティアトー カラフェーヤ リッパ カタジキリヨー(食事を 作った後は 灰は きれいに 片づけなさいよ)。
カラブチ
乾いた雑巾で拭くこと。
- 用例
- アンスカ ユグレーミーラングトゥ カラブチソーケー(そんなに 汚れが分からないから 乾いた雑巾で拭きなさい)。
カラブチカー
抜け落ちた髪の毛。抜け毛。
- 用例
- カラブチカーヌ イッチョーン(抜け落ちた髪の毛が入っている)。
カラブニ
骸骨。
カラフヮーフー
唐破風〔からはふ〕。首里城正殿の屋根。首里城正殿。
カラヘー
灰。薪〔たきぎ〕の灰。木灰。
- メモ
- 死者が出るとカラへーを撒く家もあった。
ガラマーミングラサイ
子どもの遊びのひとつ。箍〔たが〕を転がす遊び。
- メモ
- 先に釣り針のような物を付けた竹の棒で押して走らせた。比謝矼での呼称。
喜名ではゴールマーミングヮセーといった。
カラマカーポーポー
料理名。
- メモ
- 類:カラマチーポーポー
水と砂糖を入れた麦を薄くのばして焼いた物をくるくると巻いたのでその名がある。
楚辺ではアブシバレーによく作りカラマカーポーポーといった。長浜ではカーポーポーといい平たく作った。
カラマチーポーポー
料理名。
- メモ
- 類:カラマカーポーポー。
水と砂糖を入れた麦を薄くのばして焼いた物をくるくると巻いたのでその名がある。
楚辺ではアブシバレーによく作りカラマカーポーポーといった。長浜ではカーポーポーといい平たく作った。
カラマチャーポーポー
料理名。
- メモ
- 昔は採りたての麦でカラマチャーポーポーを作ったので、今のと違いムチミ(粘り気。もっちりとした食感)があった。
カラマチュン
絡まる。巻きつける。
- 用例
- イン クンチェーヌ チナガ ハーヤンカイ カラマチュン(犬を 括ってある 綱が 柱に 絡まる)。カラマチ(巻きつけて)。
過:カラマチャン(絡まった)否:カラマカン(絡まない)継:カラマチョーン(絡まっている)。
カラミーン
捕まえる。
- 用例
- ヤナクトゥシーネー ジュンサガ カラミーン(悪い事をしたら 巡査が 捕まえる)。
過:カラミタン(捕まえた)否:カラミラン(捕まえない)希:カラミーブサン(捕まえたい)継:カラミトーン(捕まえている)。
カラムン
乾物。
- 用例
- 大麦はちゅカラムンヤクトゥ(乾いているから)。
カラムン
辛い物。
- 用例
- イチグ カラムンビカーン カリ(いつも 辛い物ばっかり 食べて)。
カラムンジョーグー
辛い物が好きな人。
- 用例
- アッピーヤ カラムンジョーグーヤン(兄は 辛い物が好きだ)。
カラユカ
何も敷いてない床。
- 用例
- カラユカー ヒジュルサイビンドー(何も敷いてない床は 冷たいですよ)。
カラン
食べた。
カランパー
借りたがらない。
- 用例
- ネーンソーティ チュカラ カランパースンナー(ないくせに 人から 借りたがらないのか)。
カリ
食べて。
カリー
嘉例。縁起が良い。吉例。
- 用例
- アチャーヤ タビカイ イチュルムンヌ ンナシ カリーチキティ ヤラサナ(明日は 旅に 出るんだから 皆で 嘉例・吉例をつけて 送ろう)。
ムーチーやカリーナムン(餅は縁起の良い物)。
- メモ
- 火の神にはウブク(ご飯)とカリーな(縁起の良い)塩を供える。正月の朝に男が家を訪ねるとカリー(嘉例)だが、女が行くと縁起悪いと言われた。三月三日はカリー(縁起が良い)から。
カリーチラー
縁起の悪いもの。
- 用例
- イッターカリーチラーヒャー(お前たちはどうしようもない)。
カリーナムン
縁起物。縁起がいい物。嘉例なもの。
- 用例
- ハジチヤ イッペー カリーナムン(針突はとても縁起の良い物)。クラーヤ カリーナムン(雀は縁起が良いもの)。
- メモ
- 子どもが生まれて最初のムーチーを迎える家はたくさん作って、親戚や隣近所にカリーナムン(縁起物)として配った。
チャーギ(イヌマキ)の枝はカリーナムン(縁起物)といって、それを御馳走の真ん中に立てて、生け花のようにシンムイを作った。
カリーン
枯れる。
- 用例
- ウヌキーヤ ヤガティ カリーンデー(その木は やがて 枯れるよ)。
過:カリタン(枯れた)否:カリラン(枯れない)希:カラシーブサン(枯らしたい)継:カリトーン(枯れている)。
カリウヤ
仮親。
- 用例
- クヮヌ ドゥク ナチブサーナティ ソー アティティ カリウヤ ムタチャン(子どもが あまりにも 泣き虫なので 相性を 当てて 仮親を 持たせた)。
- メモ
- ヤシネーウヤと同義。体の弱い子や夜泣きがひどい子は親との相性が悪いということで、なるべく身内から相性の良い人を仮親にした。
カリジューガチ
枯れ10月。特に節供のない10月の意味。
- メモ
- アチハティ10月とかサビ10月ともいう。
カリチラー
嘉例切れ。縁起が悪い。
- メモ
- 左縄を巻いた桶で男子2人が死に水を汲むのに出会うと、他の水汲みの者はカリチラーと称し、その場に水をこぼし、もう一度汲み直した。
カリバー
枯葉。枯れ葉。
- 用例
- カリバー アチミティ メーシェーワ(枯れ葉は 集めて 燃やしなさい)。
カリバカ
仮墓。
- 用例
- ハカーネーラングトゥ ンナシ カリバカ チュクトーカヤー(墓がないから 皆で 仮墓を 造ろうね)。
- メモ
- 類:カイヤ(仮墓)。
カリフス
臍の緒が乾燥しておちたもの。
- メモ
- 無くすとウフソーやソーヌガーになるといわれた。
カリユシパーパー
縁起の良いお婆さん。嘉例吉婆さん。
- 用例
- カリユシパーパーヤ カリーナムントゥシ ニービチネー カカサランタン(嘉利吉婆さんは 縁起が良いものということで 結婚式には 欠かせなかった)。
- メモ
- 類:ミサライハーメー(縁起の良い婆さん) 。
結婚祝いに嫁ぎ先で花嫁を迎える役目で、縁起が良いのでカリユシパーパーと呼ばれている。花嫁を迎えた後に行う儀式も、カリユシパーパーが執り行う。
カリユシハーメー
縁起の良いお婆さん。
- メモ
- 字波平の芸能「長者の大主」に登場する役。
カル
角。組。
- メモ
- 現在の地域区分「班」の昔の呼称。
喜名ではクシヌイリカル(後の西角)、メーヌイリカル(前の西角)、メーヌアガリカル(前の東角)、クシヌアガリカル(後の東角)と分けられていた。他に寄留集落の大通り・イリバル・アガリバルの計7組。
瀬名波は5組まであって、1号角から5号角までカル(角)と呼んでいた。
長浜は集落を4つの角に組み分けされ、クシリンス(後隣所)、メーリンス(西隣所)、ナカリンス(中隣所)、イリリンス(西隣所)と呼んでいた。
綱引きにはカンカーマーチューのある道から東西に分かれて引いた。
カルク
家禄。
- メモ
- 田舎下りした士族はカルクで当面暮らしたという。
カルクナスン
軽くする。洗骨する。
- 用例
- シンクジンカイ カルクナスンディンイタンヤー(洗骨に カルクナスン・軽くするともいっていたね)。
- メモ
- 類:ギレーイン(洗骨)・シンクジ(洗骨)・クチギレー(洗骨)・チュラクナスン(洗骨)。他にチュラクナスン・ギレーユン・クチギレーともいう。
洗骨は数年経って死体が朽ちた頃に行った。棺箱を外に出すのは男性の役目で、洗骨は女性の役目であった。
カルタ
子どもの遊び用具。
- メモ
- 3㎝×7㎝で兵隊や自動車などが描かれ、比謝矼の雑貨店で買うことができた。
遊ぶのは10歳くらいの子ども達で、比謝矼や大湾で用いられた。
カワイン
変わる。
- 用例
- ナゲーンランネー マーンクィン カワイン(長いこと 見なかったら どこもかも 変わる)。
カワッタムン
変わった物。
- 用例
- ヌーガラ カワッタムンヤ ネーラニ?(何か 変わった物は ないか?)。
- メモ
- 直訳は変わった物。同じ物に飽きて、他に変わった物はないかなどという使い方をする。食べ物に飽きたときにも使われる。
カワティ
よりによって。
- 用例
- カワティ ウヤヌ ヲゥランニ ニチ ゥンジトーサ(よりによって 親が いないときに 熱が 出ているさ)。
カン
こう・かように。
- 用例
- カンシェー ワジャーナランシガ チャースヌバーガヤー(こんなでは・このようにしては 仕事にならないが どうするつもりなのかな)。
ガン
龕〔ガン〕。
- 用例
- ガンガ ミチカラ トゥーイネー ウトゥルサタン(龕が 道から 通ると 恐かった)。
- メモ
- アカウマー、アカンマ、アカンマー、コーともいう。
野辺送りの際、遺骸の納まった棺箱を入れて4人担ぎで運ぶ朱塗りの輿。龕と獅子はミートゥンダ(夫婦)と言われ、龕が雌で獅子は雄だと言われている。
龕や墓に指差しすると指が切れるから、指差ししてはならないと言われた。
ガンウサギヤー
野辺送りの道中、龕の手綱を掴まえる役目の子どものこと。
カンエーヌムン
こんな奴。
- 用例
- カンエーヌムヌンカイヤ ヰナグングヮヤ クィラン(こんな奴には 娘は やらない)。
カンエールムン
こんな奴。
カンカ
役立たず。
- 用例
- ワン ワラべーヤシガ アンシ カンカナムンヤルヤー(自分の 子どもではあるが 何て 役立たずなんだろうね)。
カンカー
年中行事のひとつ。悪除けの行事。
- 用例
- カンカーネー ワランチャーン シシ アタイタン(カンカーには 子どもも 肉が 貰えた)。
- メモ
- 悪疫が集落に入ってくるのを防ぐために行なわれる行事。牛を屠りその骨片を左縄に結んで集落の入り口などに張り、各家では、その血をつけたギチチャー(ゲッキツ)やトゥビラ(とべら)などの枝を家の角に差してフーチゲーシ(防災厄除)にした。大方が10月庚の日に牛を屠っていたが、2月と師走、8月と11月、4月と8月というように年2回行なう字や、屠る動物も牛、豚、鶏など所、時期によって変わった。シマクサラシという地域もある。
カンカーウスメー
カンカー行事を執り行った翁の呼称。
- メモ
- 座喜味では数え56歳から68歳の男性がカンカー行事を執り行った。
カンカーダマシ
カンカー行事の肉の配当分。
カンカームーチー
カンカー餅。カンカーの日につくる餅。
- 用例
- カンカーヌヒーネー カンカームーチーン チュクイタン(カンカーには カンカー餅も つくった)。
- メモ
- 類:カンカー(8月と12月に行われる悪除けの行事)。字行事のカンカーと同日に行なう各家の行事。カンカーと鬼餅の行事を統合したものと思われる。
カンカーモー
カンカー行事に関する地名。
- メモ
- カンカーの祈願後、直会〔なおらい〕をした広場。カンカーの供物を屠り調理し、集落の出入り口で祈願した後、直会をした広場。
昔、座喜味にあった鍛冶屋の上をカンカーモーといった。カンカーモーと神アサギ、キジャマガー近くのヒラマーチョーの三か所で、数え56歳から68歳の翁がカンカーウスメーとしてカンカーを執り行なった。部落の出入り口に張った綱に潰した豚の血をつけ、顎骨などを綱に挟んで張っての悪風返しだった。明治末頃から、衛生上悪いということでやらなくなった。
ガンカタミヤー
龕を担ぐ者。
- メモ
- 妻が妊娠している人は龕を担がなかった。龕は4人で担ぐが、大湾の龕は300斤あったから、ガンカタミヤーは大変だった。
戦前は、大木、古堅の人も大湾や嘉手納の警察から龕を借りていた、借り賃は70銭だった。
龕が傾くと厄だと言われていた。
カンカナー
空き缶。
- 用例
- ゥマカラ カンカナー ヒルティ アッチュタン(そこから 空き缶を 拾って 歩いていた)。
- メモ
- 類:カンカン(空き缶)。
カンカラ
空き缶。
カンカラー
空き缶。
- 用例
- イクサユーネー ヌーンネーン カンカラーンカイ フーニ イッタンディヌ ハナシンアタン(戦世には 何もなく 空き缶に 遺骨を 入れたという 話もあった)。
ガンガラー
ブリキ製の玩具。
- 用例
- ガンガラー ムッチョーヌ ワランチャーヤ ジコーヌ ジマンヤタン(ブリキ製の玩具を 持っている 子どもたちは とても 自慢だった)。
- メモ
- 昔はブリキ製のおもちゃが多く、行事などでは出店でいろいろなブリキ製の玩具が売られていた。
カンカラサンシン
カンカラ三線。
- 用例
- イクサウワティ シューヨージョヲゥティ カンカラサンシンヌ へートータン(戦争が終わって 収容所で カンカラ三線が 流行っていた)。
- メモ
- 終戦後、何もない時代に空き缶を利用して作った三線。
カンカン
空き缶。
- 用例
- カンカン アチミティ ウティチューサ(空き缶を 集めて 売って来るさ)。
- メモ
- 類:カンカナー(空き缶)。
カンカンバカイ
製糖会社にあったという秤。
- メモ
- 肉を人数割り当てするから、何斤何斤と量る様子から、カンカーというようになったという。
カンギ
とさか。
- 用例
- アヌトゥイヌ カンギヌ チビラーサヨ(あの鶏の トサカの 見事なことよ)。
- メモ
- 鶏などの頭の上にある、羽毛の無い柔らかな肉質の突起。
カンクーイン
噛みつく。
- 用例
- ウヌ ワラビ ワチャクシーネー カンクーインドー(その 子を いたずらすると 噛みつくよ)。
過:カンクータン(噛みついた)否:カンクーラン(噛みつかない)希:カンクーイブサン(噛みつきたい)継:カンクートーン(噛みついている)。
カンクラチュン
噛み砕く。
- 用例
- クルザーターガ クヮーサヌ カンクラチュン(黒糖が 固いので 噛み砕く)。
過:カンクラチャン(噛み砕いた)否:カンクラカン(噛み砕かない)希:カンクラチーブサン(噛み砕きたい)継:カンクラチョーン(噛み砕いている)。
カンゲー
考え。
- 用例
- チャーサレーマシガヤー ヌーガラ イー カンゲーヤネーラニ(どうしたらいいか 何か 良い 考えはないか)。
カンゲーイン
考える。
- 用例
- チャーサレーマシガヤー ンナシ カンゲーイン(どうしたらいいか 皆で 考える)。
過:カンゲータン(考えた)否:カンゲーラン(考えない)希:カンゲーブサン(考えたい)継:カンゲートーン(考えている)。
カンゲーグトゥ
考え事・悩み。
- 用例
- トゥルバトーシガ ヌーガラ カンゲーグトゥヌルアリー?(ぼんやりしているが 何か 考え事・悩みがあるのか?)。
カンゲーヒンゲー
思案するさま。あれこれ考えている様子。
- メモ
- 畳語。
カンゲームンゲー
思案するさま。あれこれ考えている様子。
- 用例
- ヲゥタルカ カンゲームンゲーサンティン シムサ(疲れるほど あれこれ考えこまなくてもいいよ)。カンゲームンゲーし(いろいろ考えたりして)。
ガンサ
蕪や大根の根と葉の間の固く食べられない部分。
- 用例
- ウイティ ハナサチュル ンディーガンサ(老いらくの恋)。
- メモ
- 転じて頑固者にもいう。
ガンサジ
龕佐事。
- メモ
- 龕佐事はティンゲーカタミヤー(葬具の天蓋を担ぐ役目)。シマミシ(島見せ)も龕佐事が御願を行ない、シンカと一緒に龕を取りに行ったり、喪家に旗を立てたりした。
カンサリーン
疑われる。
- 用例
- ワンニンカンサリールムン(私も疑われるもの)。
- メモ
- カントゥラリーン(悟られる)。
カンシ
このように。
- 用例
- ウレー カンシル スンドーヤー(それは このように するんだよ)。
カンジ
たてがみ。
- メモ
- 競馬が近づくとヌインマ(乗馬用の馬)のカンジを短く刈り込んで準備した。
カンシーン
被せる。
- 用例
- ニントーヌ ワラビンカイ ウール カンシーン(寝ている 子に 布団を 被せる)。
過:カンシタン(被せた)否:カンシラン(被せない)希:カンシーブサン(被せたい)継:カンシトーン(被せている)継:カンシトーン(被せている)。
カンジェーイシ
踏み石。
- 用例
- ヲゥタヤーニ カンジェーイシカイ ヰシカカトーン(疲れて 踏み石に 座り込んでいる)。
- メモ
- 類:クラミイシ(踏石)。縁側に上がる時の踏石のことで、海岸から切り取ってきた石でできている。
カンジェーク
鍛冶屋〔かじや〕。鋳掛け屋〔いかけや〕。
- メモ
- カンジェークという屋号があるが、それは元々鍛冶屋であったのでカンジェークという屋号がついたといわれる。
カンジェークー
鍛冶屋〔かじや〕。鋳掛け屋〔いかけや〕。
- メモ
- 巡回してきた。指輪やジーフヮー(かんざし)など金属の装飾品を作る人もカンジェークーといった。
ガンシナ
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷物の下に敷く輪型の道具。
- 用例
- バーキ カミーラー ウヌメーニ ガンシナカラ チブルンカイヌシレー(ザルを 頭に載せるなら その前に ガンシナを 頭に載せなさい)。
- メモ
- 類:ガントゥ(女性が頭に物を載せる時の輪型の道具)。頭上に荷物を載せて運ぶ時に、その下に敷く藁などで編んだ丸い輪。荷物の座りを良くし頭の痛みを軽減できた。
(ノロは)ミンチャーブイでガンシナを作って被っていた。
ガンシナグヮー
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷物の下に敷く輪型の道具。
- メモ
- お盆には藁で作った小さいガンシナグヮーを7つ供えた。
カンジムン
被り物。
- 用例
- チヌーヤ カンジムヌンネーン ユル ニントーイニ ヒーサタン(昨日は 被るのもなくて 夜 寝ている時に 寒かった)。
カンジャー
鍛冶屋〔かじや〕。
- 用例
- カニグェーヌ チカーランナティ カンジャーヲゥティ ノーチクーリワルヤサ(鉄の鍬が 使えなくなっているから 鍛冶屋で 直してこないといけない)。
- メモ
- 類:カンジャーヤー(鍛冶屋)。
カンジャーガマ
鍛冶屋洞窟。長浜にある洞窟名。
- メモ
- 昔、鍛冶屋がいたことに由来する呼称。カンジャーヤーガマとも言う。沖縄戦時、字民の防空壕として使われた。
カンジャーベー
【虫】ハンミョウ。
- 用例
- カンジャーベーディシヨ、ワッター ムラウチ マンドービタンヨ(ハンミョウというのはね、私たちの集落内にたくさんいましたよ)。
カンジャーヤー
鍛冶屋〔かじや〕。
- 用例
- ゥンカシェー ムラハジサカイ カンジャーヤーガ アタン(昔は 村外れに 鍛冶屋があった)。
- メモ
- 類:カンジャー(鍛冶屋)。
カンジャーヤーメーウチ
鍛治屋+前打ち。
- メモ
- 使用人がカンジャーヤーメーウッチャーをしていた。
鍛治作業で親方と相対して大きな金槌で叩き助手を務める者。
ガンジュー
頑丈。強健。丈夫。元気。
- 用例
- ガンジューヂュクイ(丈夫に作られている)。チャー ガンジュー ヤミセーミ(お元気ですか)。マーヲゥティ スダカワン ガンジューシーヨー(どこに 住もうと 元気でいなさいよ)。
- メモ
- 類:カネーイ(頑丈・元気)・カナイン(頑丈・元気)。ガンジューイ?(元気か?)と挨拶にも用いられる。
ガンジューサン
頑丈な。丈夫な。
ガンジュージュクイ
頑丈なつくり。がっちりして強そうな体つき。
- 用例
- ガンジュージュクイ ソーッサー(がっちりして強そうな体つきをしているなあ)。
ガンジューニーセー
頑丈な青年。
ガンジュームン
頑丈な人。強健な人。
- 用例
- ワッター パーパーン ウスメーン ガンジュームンナティ カジ ティーチヒカン(私の 祖母も 祖父も 健康な人で 風邪 ひとつひかない)。
ガンジュームンヌチャー(頑丈な者たち)。でーじなガンジュームン(とても強い人)。
- メモ
- 人間に対して言う場合は体格が立派な様。対:ヤファラムン(病弱)。
カンジュヤー
【鳥】カワセミ。

- メモ
- カーラカンジュイともいった。
カンジュン
かぶる。
- 用例
- アミカイ ンリーネー カジ ヒチュグトゥ カサ カンジュン(雨に 濡れたら 風邪を ひくから 傘を 被る)。
過:カンタン(被った)否:カンラン(被らない)希:カンジーブサン(被りたい)継:カントーン(被っている)。
カンジュン
被る・負う。
- 用例
- ウッカ カンジュン(負債を 被る・負う)。
- メモ
- 損害が身にふりかかること。
カンシランパー
被せたがらない。
- 用例
- ヒーサヌハジヤシガ ウヤガル カンシランパースンデー(寒いはずだが 親が 被せたがらないんだよ)。
カンシリハーメー
勘の鋭いお婆さん。
- 用例
- けー隣ぬ カンシリハーメーガメンシェーティ(隣のカンシリハーメーがいらっしゃて)。
カンスイ
剃刀〔カミソリ〕。
- 用例
- カンスイヤ チカティ ウワイネー カタジキラニ!(カミソリは 使い 終わったら 片づけないか!)。
カンセイナムン
感の鋭い人。
- 用例
- カンセイナムンヤテーンテ(感の強い人だったのでしょうね)。
カンゼーイシ
踏石。
- 用例
- カンゼーイシヤ イシチヤーガ ウミカラ チッチチェータン(カンゼーイシは 石切職人が 海から 切ってきた)。
- メモ
- 類:クラミイシ(踏石)。
カンゾー
甘草。
- メモ
- 出産直後の赤子に乾燥させた甘草の根に湯をかけたものを与えた。
カンダ
かずら。サツマイモの葉。

- 用例
- クンドゥヌ カンダヤ ユーユカティ ゥンムン ダテーン イッチョーンテー(今年の かずらは よく実っているから 芋も たくさん ついているでしょうね)。
- メモ
- 類:カンダバー(サツマイモの葉・かずら)。
カンター
髪。髪が伸びたぼさぼさ頭。
- 用例
- アマカラ アッチアッチュル カンターニーシェーヤサ(あそこから 歩いていく 髪がボサボサの青年だよ)。からぢんカンターし(髪もボサボサで)。
- メモ
- ボサボサで手入れをしてない髪のこと。
カンターモーサー
髪。髪が伸びたぼさぼさ頭。
カンターモーヤー
髪。髪が伸びたぼさぼさ頭。
- 用例
- カンターモーヤーシ カラジカラ チッチクヮー(髪が長く乱れているから 髪の毛から 切ってきなさい)。
カンダイシ
踏石。
- メモ
- クダミイシが一般に使われている。
カンダバー
かずら。サツマイモの葉。

- 用例
- カンダバーイッティ ジューシー チュクイン(かずらを入れて 雑炊を 作る)。
- メモ
- 類:カンダ(サツマイモの葉・かずら)。家畜の餌の上にカンダバーなど人間が食べる物を置いて一緒に炊いた。
カンダはかずらの意味。カンダバーといえば甘藷の葉を指す言葉。
カンダバージューシー
甘藷の葉を入れた雑炊。

カンダバーズネー
かずらの和え物。
カンダブーニ
甘藷のつる。
カンタン
かぶった。
カンダン
かぶらない。
カンチェーバク
棺〔ひつぎ〕。
カンチキーン
噛む。
- 用例
- チュヌ ティー カンチキーン(人の 手を 噛む)。
過:カンチキタン(噛んだ)否:カンチキラン(噛まない)希:カンチキーブサン(噛みたい)継:カンチキトーン(噛んでいる)。
カンチキムンチキ
よく噛むこと。
- 用例
- クヮーサラー カンチキムンチキシ カメー(固いなら よく噛んで 食べなさい)。
カンチゲー
勘違い。
- 用例
- イャーヤ デージナ カンチゲーソーサ(お前は 大変な 勘違いをしているよ)。
カンチチュン
感づく。
ガンチブラー
大きい頭。
ガンチブラー
頭蓋骨〔ずがいこつ〕。
ガンチョー
眼鏡。
- メモ
- 水中眼鏡をガンチョーとも言い表した。
カンティ
~しかねて。
- 用例
- ゥンジカンティ(出かねて)。
カンティ
かぶって。
カンティー
~しかねる。~しかねること。
- 用例
- カミカンティー(食べにくいこと)。ムッチカンティー(持ちきれない)。アッチカンティー(歩きづらい)。
ナマナマーシ マニアーシカンティー ソーン(急に〔やろうとするから〕間に合わなくなってるよ)。
カントゥ
髪。
- 用例
- ヰキガラーシク イフェー カントゥン インチャク チミレー(男らしく 少しは 髪も 短く 切りなさい)。
- メモ
- 類:カラジ(髪)。
ガントゥ
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷物の下に敷く輪型の道具。
- 用例
- バーキ カミーラー ウヌメーニ ガントゥカラ チブルンカイ ヌシレー(ザルを 頭に載せるなら そのまえに ガントゥを 頭に 載せなさい)。
- メモ
- 類:ガンシナ(女性が頭に物を載せる時の輪型の道具)。
カントゥー
髪。
- 用例
- カントゥー チミティクーワ(髪を切ってこい)。カントゥー クヮースン(髪を切る)。
- メモ
- カラジ(髪)の卑語。前髪が長く乱れていることはメーガントゥー、その状態にある者にメーガンターという。
カンドゥーサン
鈍感な。勘が鈍い。
- 用例
- ジャッサ イチン ワカラン アンシ カンドゥーサンリチンアル(どんなに 言っても 分からない 何て 鈍感なんでしょう)。
- メモ
- 類:カンドゥーハン(鈍感)。
カンドゥーハン
鈍感な。勘が鈍い。
- 用例
- イャートゥ ハナシーシン カンドゥーサヌ チャーンナラン(お前と 話しても 勘がにぶくて どうしようもない)。
- メモ
- 類:カンドゥーサン(鈍感)。
カンドゥク
勘。
- 用例
- シーヨーヌワカランラー カンドゥクシ スシヤカ フカーネーンサ(やり方が分からないなら 勘で やるより 他はないさ)。
カンドゥクジューハン
敏感な。勘が鋭い。
- 用例
- ウヌワラべー ドゥク カンドゥクジューサグトゥ キーチキリヨー(その子は あまりにも 敏感だから 気をつけなさいよ)。
ガントゥグヮー
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷物の下に敷く輪型の道具。
- メモ
- ガンシナのこと。お盆の供物。仏壇の前に、ソーローボーチと一緒にガントゥグヮー(ガンシナ)を供えた。
カントゥバーバー
髪の毛がぼさぼさ乱れていること。
- 用例
- カントゥバーバーシ アッチョータン(髪をボサボサにして 歩いていた)。
カントゥムシエー
髪を引っ張りあうこと。
- 用例
- ヰナグンチャー オーエーヌ ハジマイネー カントゥムシエースタン(女の 喧嘩が 始まると 髪を引っ張り合っていた)。
- メモ
- 類:カントゥムシバーエー(髪を引っ張りあうこと)。
カントゥムシバーエー
髪を引っ張りあうこと。
- 用例
- ドゥシンチャー カントゥムシバーシ オートーン(友達で 髪を引っ張りあって 喧嘩している)。
- メモ
- 類:カントゥムシエー(髪を引っ張りあうこと)。
カントー
勘当。
- 用例
- カントーサッティ ヤーカラ ンジャサッタン(勘当されて家から出された)。カントー アティラッティ ヒトゥバシラナタルハナシ(罰されて人柱になった話)。
- メモ
- 勘当(かんとう)とは、法にあわせ勘(かんが)えて罪に当てること。責めてしかること。
カントー
乱れ髪。
- 用例
- カントーワーワーシ(髪を振り乱して)。
カントーン
かぶっている。
カンナージ
必ず。
カンナイ
雷。
- 用例
- チューヌ カンナイヌ ウトゥルサヨー(今日の 雷の 恐いことよ)。
- メモ
- 類:ガンナイ(雷)。雷がなるとクヮーギヌマーター クヮーギヌマーター(桑木の股)と唱えた。
ガンナイ
雷。
- 用例
- アネッ!ナチーネー ガンナイゴロゴロスンドー(ほら!泣いたら 雷が鳴るよ)。
- メモ
- 類:カンナイ(雷)。
カンナジ
必ず。
- 用例
- アチャーヤ ワッターヤーカイ カンナジ クーヨーヤー(明日は 私の家に 必ず 来なさいよ)。
カンニーカンニー
こんなこんな。こうやってこうやって。こんなふうに。畳語。
カンヌー
肝要。
- 用例
- ヲゥジャサーガ カンヌーナ ハナシガ アンディグトゥ イチュター ゥンジクーラナ(叔父さんが 肝要な 話が あるというから ちょっと 行って来よう)。
ガンヌスージ
龕の祝儀。
- メモ
- 龕を共有した比謝・大湾・古堅・渡具知の4字は、13年に1度龕の修繕をして集まって拝みをした。龕の神はマササン(霊力高い)ということで、卯年と子年の8月15夜までの吉日を選んで龕の修繕をおこない祈願した。
カンヌンアヒル
【鳥】アヒルの一種。白くて大きい。
カンネール
こんな・かような。
- 用例
- カンネールクトー アテー ナラン(こんなことが あっては いけない)。
カンネールーカンネールー
こんなこんな。こうやってこうやって。こんなふうに。畳語。
- 用例
- カンネールーカンネールーグヮー シル、アットータンド(こうやってこうやって、歩いていたよ)。
カンネールムン
こんな奴。
- 用例
- カンネールムンヤ チューヤ ヌガーラチェーナラン(こんな奴は 今日は 許すわけにはいかない)。
カンノンドー
観音堂。
- メモ
- カンヌンドーとも言う。喜名の観音堂のこと。戦前から瓦葺きの堂宇があり四周の壁は石積みで中には千手観音像を祀っていた。観音像は、1841年旧暦9月18日金武の観音寺から勧請されたといわれる。
それ以前の観音にも触れた興味深い伝承は以下の通りである。座喜味のトーガーに入港した唐船によってもたらされた最初の観音は、喜名のクシマディラ(ティラガマともいう)に安置され、屋号花城の屋敷に、その後、現在地に移されたが無くなったので、後年金武の観音堂から勧請してきた。
カンノンドーウガミ
観音堂拝み。
- メモ
- カンノンドーウガン(観音堂御願)ともいう毎年旧暦9月18日には、読谷村主催で催され、村の繁栄と健康を祈願し、翌19日には喜名自治会が拝む。観音堂が所在する喜名2班は独自で家族の健康祈願を行っている。
子孫繁栄・家庭安泰・無病息災などを願い、ムヌメーやジューハチヤに個人で拝む者も多い。
カンバク
棺箱。
- メモ
- カンバク(棺箱)は板を買ってきて作った。
カンパチ
ケロイド状の表面のつやつやした傷跡。
- 用例
- チランカイ カンパチ ナシェー、ウーマク ヤタンディ イタンヨ。ウレ オーヤー ヤテーサリチヨ(顔に傷跡をつくると、暴れん坊だったと言ったよ。その人は喧嘩好きだったんだろうといってね)。
カンパチ
禿〔ハゲ〕の一種。頭の傷跡。
- 用例
- チブルカイ カンパチヌ ヰジトーン(頭に ハゲが できている)。
カンパチヒンパチ
ハゲが多いこと。
- 用例
- カンパチヒンパチ イャームン チブルヌ ウカサヨー(カンパチヒンパチ・ハゲだらけで お前の 頭の 可笑しいことよ)。
カンパチャー
頭に傷跡の禿〔ハゲ〕がある人。
- メモ
- 悪口の一種。
カンプー
結い髪。髪を結ったもの。
- 用例
- カンプー ソーン(結髪している)。チューヤ アバーガ カンプー ユーティトゥラサヤー(今日は 姉さんが カンプーを 結ってあげようね)。
- メモ
- 大和はカンプー。
沖縄のカタカシラ。カンプーユー(世)に私は生まれた。結婚式にはカンプーを結った。
成人女性が結う沖縄式の髷をウチナーカラジ或いは(ウチナー)カンプーといい、昭和30年代までは随所で見られた。
カンプーユー
髷を結っていた時代。
ガンマリ
いたずら。悪戯。
- 用例
- ワランチャー アチマイネー ガンマリジューサヌ キーチキリヨーヤー(子ども達が 集まると 悪戯をすることが多いから 気をつけなさいよ)。
ガンマリシ(いたずらシて)。ガンマリシチェール(いたずらシて)。
ガンマリヌクファイ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシヌ ヰキガヌウヤガ タールヤラー ワカランシカイヤ ガンマリヌクファイディイータンヤー(昔の 男親が 誰なのか 分からないのには ガンマリヌクファイといっていたね)。
- メモ
- 類:カキヌミーングヮ(私生児)・モーキングヮ(私生児)・ヘージュリングヮ(私生児)。
ガンマリヒンマリ
悪戯ばかりしていること。
- 用例
- ガンマリヒンマリヌ ドゥク チューサヌ ヌラティトゥラチャサ(悪戯が 余りにも ひどくて 叱ってやった)。
カンムクン
勘が鋭い。
ガンヤー
龕屋〔がんや〕。龕を納める小屋。
- 用例
- ユーユックィネー ガンヤーヌ スバー アンシ ウトゥルサタルヤー(日が暮れると 龕屋の 側は とても 怖かったね)。
- メモ
- 龕を保管している小屋。
カンラン
かぶらない。
カンルーヤンリー
寒露+破れ。
- メモ
- 9月頃渡り鳥のサシバの小便みたいな小雨が降る時期をいう。

読込中...