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- しまくとぅば単語帳:カ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
カー
- 用例
- ンカシェー イェーキンチュヌル カーン フイスタル(昔は金持ちしか井戸も造れなかった)。
カー
皮。皮膚。
- 用例
- ウヌ デークネー アチャヌ スージンカイ チカイグトゥ カー ハジョーケー(その大根は明日のお祝いに使うから皮をむいておきなさい)。
ミジ チカイジューサヌ ティーヌ カーヌ ハギトーン(水を使いすぎて手の皮がむけている)。
カー ハイン
皮が張る。
- 用例
- アンスカマディ ッシ カー ハインチ アンナー!(そこまでして面の皮を厚くするのか!)。
継:カー ハトーン(干からびている)。
ガー
意地。我。
- 用例
- ガー ハテー ヌーン ナランドー(我を張っては何もできないよ)。
アレー ガーヌ チューサンドー(彼は意地が強い)。
ガー ハイン
我を張る。
- 用例
- ヤッチーヤ イチマディ ガー ハイヌ チムエーガ(兄さんはいつまで我を張るつもりなんだ)。
- メモ
- 類:ガーイン。
ガー ヲゥーリーン
我が折れる。譲歩する。根負けする。
- 用例
- アリンカイヤ ガー ヲゥーリタン(彼には根負けした)。
ガーイムヌイー
傲慢な物言い。
- 用例
- ガーイムヌイー シーネー ドゥシェー ヲゥラン ナインドー(傲慢な物言いをしたら友達はいなくなるよ)。
ガーイン
我を張る。
- 用例
- ドゥーヌ ウムイ トゥースヌ タミニ マーマディン ガーイン(自分の思いを通すためにどこまでも意地を張リ通す)。
- メモ
- 類:ガーハイン。
カーウガミ
行事名。井泉拝み。
- メモ
- 類:カーウガン。
門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。
カーウガン
行事名。井泉御願。
- メモ
- 類:カーウガミ。
門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。
カーウビー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウビナディ・カーミジナリー・カームヌメー・カーメー。
門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。
カーウビナディ
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウビー。・カーミジナリー・カームヌメー・カーメー。門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。ウビナディ参照。
カーウリー
出産儀礼のひとつ。川下り。出産時の汚物を洗いに行くこと。
- 用例
- クヮ ナシーネー ウマリビータンドーディチ カーウリー シーガ イチュタン(出産後は生まれましたと言って井泉に汚物を洗いに行った)。
クヮ ナチアトゥネー ユグリムン アライガ イチュシンカイ カーウリーディ イータン(出産後に汚物を洗いに行くことをカーウリーといっていた)。
- メモ
- 字座喜味では、赤子が生まれたら、当日の早いうちに産婦の母や姉妹など近しい者が、魔除けのために鎌や小刀などの刃物を持って、汚物を洗いに行った。
カーウリグムイ
伊良皆にあった出産時の汚物を洗った池。
- メモ
- 伊良皆にあったクムイ(池)。
ガーエー
威勢よく声を張り上げること。
- 用例
- チナヒチーネー ガーエー スーブスタン(綱引きには威勢良く声を張り上げて勝負した)。
- メモ
- 綱引きなどで威勢をつけるために敵方に大声をあげたりして挑発したりすること。
字長浜では綱引きのとき、イリンダカリ ダイジナバー、アガリンダーカリ カニバイヤー、カミティ モーヤビラー(西の綱はだれた綱、東は鉄の柱、頭上に掲げて踊りましょう)とガーエー歌を歌った。
ガーエーモーイ
威勢良く声を張り上げて踊りながら挑発すること。
- 用例
- チナヒチヌ ガーエーモーイ ヤティカラ オーエーヌ グトゥル アタル(綱引きのガーエーモーイは喧嘩のようだった)。
- メモ
- 綱引きの合間に相手に対して敵意をむき出しにし、扇子を持って囃し立てながら踊ることをガーエーモーイといった。
カーカー
猫を呼ぶ掛け声。
- メモ
- 類:トゥカー・トゥカートゥカー。
カーガー
影。
- 用例
- ミジンカイ カーガーヌ ウチトーン(水に影が写っている)。
カーガークンピエー
遊びのひとつ。陰踏み。
- 用例
- カーガークンピエー ッシ アシブタン(影踏みをして遊んだ)。
カーカスン
乾かす。
- 用例
- ンリトーヌ チン カーカスン(濡れている着物を乾かす)。
否:カーカサン(乾かさない)希:カーカシーブサン(乾かしたい)過:カーカチャン(乾かした)継:カーカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 類:カーラカスン。対:ンラスン(濡らす)。
カーガニモー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- 音1:ターガニモー。→アーマークー。
カーカマロー
昆虫名。アメンボ。
- 用例
- カーカマローンカイ スンカリンドー(アメンボに引きずられるよ)。
- メモ
- →アーマークー。
カーガリモー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- 音1:ターガリモー。→アーマークー。
カーギ
陰。
- 用例
- ティーラヌ チューサヌ カーギンカイ イッチ アシベー(太陽が強いから日陰に入って遊びなさい)。
カーギ
容姿。容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- カーギル チュラサル シクチェー ヤクン タッタン(容姿は美しいが仕事は役に立たない)。
カーギヤ カードゥ ヤル。ククル デーイチ(容姿は見てくれにすぎないよ。心が第一)。
- メモ
- →ウチカイ。
カーキー
賭け。指切り。
- 用例
- ジン カキティヌ カーキーヤ スシェー アラン(お金をかけての賭けはするものではない)。
カーキー シ マキタン(賭けをして負けた)。
カーキーン
乾く。渇く。
- 用例
- イーウヮーチチ ヤグトゥ ウビジ カーキーン(良い天気だからすぐに乾く)。
ヌーリー カーキーン(喉が渇く)。
否:カーキラン(乾かない)希:カーラカシーブサン(乾かしたい)過:カーキタン(乾いた)継:カーカチョーン・カーラカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 対:ンリーン(濡れる)。
カーギシガタ
容姿。容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- カーギシガタ ウチャティ トゥジサー マンドーサニ(容姿も良くて嫁にしたい人も多いでしょう)。
カーギシガタン マンドーン(容姿がきれい)。
- メモ
- →ウチカイ。
カーギダックイ
美形の血筋。
カーキヌミーパーパーグヮー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。子どもがよく捕まえて、けんかをさせたり、逃げる際に切れた尻尾をくねらせて遊んだりした。
カークーカークー
カエルの鳴き声。
カアグバル
{嘉阿護原}。大木の小字。
カーグファー
表情がかたく、気難しそうな人。
カーグファサン
気難しそうな。
- メモ
- 表情がかたくいこと。
カーサ
芭蕉や月桃などの幅の広い葉。
- 用例
- ウラヤマカイ カーサ トゥイガ イチュン(裏山に月桃の葉を取りに行く)。
- メモ
- 月桃やオオハマボウなど葉の広い植物に、食べ物を盛ったり包んだりした。芭蕉の葉は弁当を包んだり、月桃の葉は餅を包んで蒸すのにも使われた。
カーサバ
革草履。
- 用例
- イナカンジェー カーサバ ハチョーシェー ヲゥランタン(田舎では革草履を履いている人はいなかった)。
カーサバクマーガ チューンドー(革草履を履いた人が来るよ)。
- メモ
- 革草履の音がパチパチと不気味に聞こえたので、カーサバクマーが来るよと泣いている子をなだめた。
カーサベントー
芭蕉や月桃などの幅広の葉で包んだ弁当。火で炙って破れにくくして包んだ。
- 用例
- ガッコーカイ イチーネー チャー アンマーガ カーサベントー チュクティ ムタスタン(学校に行く時にはいつもお母さんが月桃の葉で包んだ弁当を作って持たせてくれた)。
カーサムーチー
月桃の葉で包んだ餅。鬼餅。
- 用例
- カーサムーチーヤ アンシ イーカバ スルヤー(月桃の葉で包んだ餅はなんて良い匂いなんでしょうね)。
- メモ
- →ウナームーチー。
カーサレー
井泉浚い。井泉の掃除。
- 用例
- カーサレーネー メーニン ルクグヮチニ カーヌ マンマール ソージ スン(井泉浚いは毎年6月に井泉とその周囲を掃除する)。
- メモ
- 水への恩義として旧6月に行う行事で、字民総出で共同の井泉を掃除した。類:カーソージ。
カージ(~カージ)
~ごと。~たび。~つど。
- 用例
- ヤーカイ チュールカージ ムンイミー スン(家に来るたびに物をねだる)。
ユサンディヌカージ ナチュル ワラビ(夕方にはいつも泣く子ども)。
イチュルカー チトゥグヮー ムタサリーン(行くたびにお土産をもたされる)。
- メモ
- 音:~カジ。
カージェー(~カージェー)
~よりも。
- 用例
- ティーチナー カムシカージェー、アチミティカラ カミーネー マーサン(ひとつずつ食べるよりも、集めて食べるとおいしい)座。
チュカージェー ジンブンムチ(人よりは利口)。
カージシ
皮付き肉。
ガージャ
地名(西原町我謝)。
ガージャ アムル
地名(西原町の我謝と安室)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
カーソージ
井泉の掃除。井泉浚い。
- メモ
- 字古堅では旧4月15日にフルギンガーの掃除が行われた。類:カーサレー。
カーター
子どもの遊び。片足ずもう。
- メモ
- 類:ゲットゥー・センソーウヮーセー・セントー・ヒサゲットゥー。
片足になり、上げた足と同じ側の手で足の指先をつかみ、反対の手は水平に胸にあてる。そのままの状態で片足飛びをしながら、互いにぶつかり合って遊び、上げた足を先に地につけた方が負け。
カーター
肩車。
- 用例
- カーター サー(肩車しよう)。
- メモ
- →ウマドードー。
ガーターマーター
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
カータキウガン
行事名。井泉嶽の拝み。
- メモ
- 字伊良皆では2月と5月のウマチーに7か所の井泉を拝む。
カーチーベー
夏至の頃に吹く南風。
ガーヂュー
我の強い者。強情者。意地っ張り。
- 用例
- ルク ガーヂュー ナティ ハナシン ナランサ(あまりにも我が強くて話もできない)。
ガーティー
威張った者。
ガートゥイ
鴨。
- 用例
- ドゥシクェーガートゥイ(友を喰う鴨〔友人に迷惑をかけて平気でいること〕)。
ガートゥヤー
鴨。
ガーナー
瘤〔こぶ〕。たんこぶ。
- 用例
- チブル ウッチ ガーナー ゥンジトーン(頭を打ってたんこぶができている)。
カーナベーナ
アオビユ。
- 用例
- カーナベーナヤ マーンカイヤティン ミーヤッサン(アオビユはどこにでも生えやすい)。
カーニーバチャー
スズメバチ。
カーニーベンサー
コガネムシの一種。
- メモ
- 音:カニベンサー。
カーヌイーヌイシヤー
拝所名。川之上の石屋。
- メモ
- お盆と十五夜に拝む。十五夜には午前中にカーヌイーヌイシヤで拝みをしてから、そこで予行演習をした。ハタスガシーの時も同様に拝みをしてアガリジョーへ行列して行った。イシヤー参照。
カーヌイーヌカー
井泉名。川之上の井戸。
- メモ
- 屋号川之上(カーヌイー)は十五夜アシビ上演のための会合や予行演習を行った場所だった。その下方にあるのがカーヌイーヌカーである。ワンダガー(湾田ガー)と同じく飲料水として利用された。近くには沖縄戦時に掘られた壕跡も見られる。
カーヌチカー
読谷山で織られた絣文様の名前。
カーハイ
表面がひび割れそうなほど乾いて固くなっていること。
- 用例
- イャームン チラー カーハイ ソーシガ チラン アラランル アティー(お前の顔はひからびているが顔も洗わなかったのか)。
ウヌ ワラビヤ ハンダイ ナシヤーマ カーハイ ソーン(その子は鼻水をなすりつけて顔がカピカピしている)。
カーハヤー
しぶといやつ。
- 用例
- イャーヤ アンシ カーハヤー ヤル(お前はなんてしぶとい奴だな)。
ガーハヤー
我を張る人。意地っ張り。
カーハラガーゥンム
小芋に水と砂を混ぜて足で踏み込んで洗ったもの。
- 用例
- カーハラガーゥンム ヤティン ニーネー マーハン(カーハラガーゥンムでも炊いたら美味しい)。
カービラ
地名。川平。字瀬名波の屋取集落。
カービラバル
{川平原}。瀬名波の小字。
カービラヤードゥイ
地名。川平屋取。字瀬名波カービラの寄留集落。
カービランチュ
川平の人。瀬名波の屋取集落の人、川平の人)。
カーブイ
首を横に振ること。不承知の意。
- 用例
- ヌー チュクティン カーブイ シ ティーチン カマン(何を作っても首を振ってちっとも食べない)。
カーブイ
味噌や醤油に出るカビ。
- 用例
- カーブイ クーユン(カビが生える)。カーブイ スン(カビが生える)。
- メモ
- カビが生えることにカーブイ クユン或いはカーブイ スンと言った。
カーブイカーブイ
赤ちゃんをあやすかけ声。
- メモ
- 頭を横に振りながら、「カーブイカーブイ」と歌うように乳児をあやした。
カーフスクー
過不足を清算すること。
- メモ
- 音:クヮーフスクー。類:グドゥナミー。
製糖や道普請などの共同作業の際、特定の者に利益がいかないように清算すること。
現場の状況をみて作業を割り振りし、平等に出るようにしたが、出ない場合は「カーフスクー」で精算した。
カーブチー
皮分厚い。沖縄在来のミカンの一種で皮が厚い。
- 用例
- クンドゥヌ カーブチーヤ ムル ムシカイ クヮーティ ウイン ナラン(今年のカーブチーは全部虫に食われて売り物にならない)。
カーフヤー
井戸を掘る人。井戸掘りを専門にしている人。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ チカグルマディ カーフヤー ソータン (私の祖父は最近まで井戸掘りをしていた)。
カーブヤー
蝙蝠〔コウモリ〕。
- 用例
- ガマカイ イーネー アマクマカイ カーブヤーン マンドータン(洞窟の中に入るとあちこちにコウモリも多かった)。
- メモ
- 字波平では、子どもたちがシムクガマでキビの搾りがらを束ねたものに火を点けて、カーブヤー(蝙蝠)を取りに行って遊んだという。
カーポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- メモ
- 類:カラマカーポーポー・カラクイポーポー・カラマチャーポーポー・ポーポー・スビポーポー。スビポーポー参照。
カーマ
ずっと。
- 用例
- アンマーヤ カーマ ニッカル ケーティチョータル(お母さんはずっと遅くに帰ってきたんだよ)。
カーマ ニッカカラル デンワー ゥンジトーンドー(ずっと後から電話は出ているんだよ)。
カーマ イー カメーティンディ(ずっと上を探してごらん)。
クスイウヤーヤ カーマ トゥーサカラル チューンドー(薬売りはずっと遠くから来るんだよ)。
- メモ
- 時間的、距離的な隔たりが大きいこと。
カーミ
甕〔かめ〕。
- 用例
- カーミヤ ウホーク アタン(甕はたくさんあった)。
カーミー
魚介名。タガメか。
- メモ
- ゲンゴロウよりも一回り大きかった。捕まえて背中に土を載せつけ、そこに串を曲げて挿し、もう一方を固定してくるくる歩いて回るのを楽しんだ。
カーミー
魚介名。亀〔カメ〕。
- 用例
- カーミーンカイ タシキラッタン(亀に助けられた)。
トゥシヌクーヤ カーミヌクー(年の功は亀の甲)。
- メモ
- 音:カーミ。
カーミジナリー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウビナディ・カーウビー・カームヌメー・カーメー。
カーミナクージーファー
べっ甲の簪〔かんざし〕。
- メモ
- 音:カーミヌクージーファー。
33年忌や祝いにはおばあさんたちは必ず花織を着て、カーミナクージーファーを挿し、鼓を打って歌った。
簪は牛の角で作られたようなカブの大きいもので日用使いはしないで保管していた。
カーミナクーバカ
亀甲墓。
- 用例
- カーミナクーバカヌ ナカヤ イッペー ヒルサン(亀甲墓の中はとても広い)。
- メモ
- 音1:カーミヌクーバカ。
亀の甲の形をした墓で、瓦屋根の家と同様、百姓が造ることは許されなかったという。
カーミヌクージーファー
べっ甲の簪〔かんざし〕。
- メモ
- 音:カーミナクージーファー。
カーミヌクーバカ
亀甲墓。
- 用例
- ウチナーヌ カーミヌクーバカヤティカラ チャヒナーソーグトゥ(沖縄の亀甲墓はどんなに大きいことか)。
- メモ
- →音1:カーミナクーバカ
カーミヌシシ
亀の肉。
- メモ
- カーミヌシシーともいう。
カーミヌチビ ティーチ
死後ひとつの甕〔かめ〕に骨を納めること。
- 用例
- ミートゥンダヤ カーミヌチビ ティーチ ヤサ(夫婦は同じ厨子甕に入るんだよ)。
- メモ
- 夫婦は死後も一緒であるという意味。
カーミヌミミ
何を言っても聞かない人。
- メモ
- 類:チカンヌー。直訳は甕の耳。
カーミンジャーラ
牧原の地名。
- メモ
- カーミンジャーラの橋の下から髪洗い粉にするための土を取った。
カーミンジャーラー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。音:
カーミンジャーリ
は虫類。トカゲ。
- メモ
- 音:カーミンジャールー。
カーミンジャーリー
割れた瓶(陶器)。
- 用例
- カーミンジャーリーヤ カタジキランネー(割れた瓶は片付けないと)。
カーミンジャールー
は虫類。トカゲ。
- 用例
- ゥンマナカイ カーミンジャールーガ ヲゥサ(そこにトカゲがいるよ)。
- メモ
- 音:カーミンジャーリ。
カーミンチャブルー
ノロが被った蔓〔つる〕草製の冠。
- メモ
- つる性シダ植物のカニクサ シャミセンヅルで作った。
つる草の冠をミンチャーブイ(御+冠)。チャーブイは冠のこと。
カームシ
イモサルハムシ。甘藷の害虫名。
カームヌメー
行事名。井泉水撫で。
- 用例
- カームヌメーヤ クングヮチジューグニチニ ムンチューガシラガ アチマティ ウガムン(カームヌメーは旧9月15日に門中頭が集まって拝む)。
- メモ
- 類:カーウビー・カーウビナディ・カーミジナリー・カーメー。
カーメー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウガン・カーウガミ・カームヌメー・カーメー。
拝すべき共同井泉などをまわり祈願する行事。
カーラ
川。小川。
- 用例
- カーラカラ ヲゥーキンカイ ミジ クリクーワ(川で桶に水を汲んできなさい)。
- メモ
- カー(井泉)での洗濯は禁じられていたので、カーラ(川)で洗濯や水浴をした。
ガーラ
魚介名。ヒラアジ。カイワリ。
- 用例
- ガーラヤ ゥンマンデーヌ ウミヲゥティン ユートゥラリサ(カイワリはそこら辺の海でもよく釣れるよ)。
カーラー
瓦。
- 用例
- チカグルシェー カーラーヌ ウホーコー シマジリヲゥティ チュクトーサニ(近頃では瓦の多くは島尻で作っているんでしょう)。
- メモ
- 音:カーラ。
カーラガニ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- 音2:キミーガイ・キーミーガサミ・キーミーガニ・チーガニ。類:ターガイ・チーガニ。長田川では、旧12月の雨の後、アイクという竹で編んだ仕掛けでよく捕れたという。臼で細かく砕き煮て、殻を濾したものをカニウブルといい、ご馳走だった。字長田ではガニともいい、「ガニンカイ クーラリーネー カンナイヌ ウティティン ハナサンロー(蟹に挟まれると雷が落ちても離さないよ)」といわれていた。
カーラカンジャー
カワセミ。
- メモ
- 類:カーラカンジュイ・カーラカンジュー・カーラカンジュヤー・カーラガンター・カーラチンジュヤー・カーラバター・カーラパタパター・カンジュヤー・カーラカンスイ・カーラカンスヤー・カーラジューサー・カーラチジュヤー・カーラチンジュイ・カーラチンチン・カーラバタチンチン・カワセミはきれいな着物をきているが親不孝という民話がある。
カーラカンジュイ
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンジュー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンジュヤー
カワセミ。
- 用例
- カーラカンジュヤーヤ ヌーンチ チュラヂンチチ カーラナーリー ムンクヮティ アッチュンディチ ワカイミ?(カワセミはどうして綺麗な着物を着て川べりで餌を取って食べているか分かるね?)。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンスイ
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンスヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラガンター
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラジューサー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチュン
乾く。
- 用例
- カジカイ スガシーネー タレーマナカイ カーラチュン(風に当てるとあっという間に乾く)。
否:カーラカン(乾かない)希:カーラカシーブサン(乾かしたい)過:カーラチャン(乾いた)継:カーラカチョーン(乾かしている)。
カーラチンジュイ
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチンジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチンチン
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラトゥンジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
ガーラナイ
がらがらと。勢いよく開けたり移動させる様。
- 用例
- ガーラナイ ハシル アキーン(勢いよく戸を開ける)。
カーラヌチン
瓦の成型時にカーラバクに被せる布のこと。
カーラバク
瓦を成型するための木型。
カーラバタ
川端。
- 用例
- カーラバタカラ アッチーネー ウティーンドー(川端から歩くと落ちるよ)。
カーラバター
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラバタチンチン
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラパタパター
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラフチャー
瓦葺き職人。
- メモ
- 類:カーラヌシヤー。茅葺き職人が屋根獅子も造っていた。
カーラマカラー
昆虫名。アメンボ。
- 用例
- カーラマカラーンカイ ヒッパラリンドー(アメンボに引っぱられるよ)。
- メモ
- →アーマークー。
カーラヤー
瓦葺きの家。瓦家。
- 用例
- チカグロー カーラヤーン イキラク ナティヤー(近頃は瓦葺の家も少なくなったね)。
カーラヤーヌタンメーグヮー
ハンミョウ。
- 用例
- カーラヤーヌタンメーグヮー カチミタン(はんみょうを捕まえた)。
カーラヤチャー
瓦を焼く職人。
カーラゥンナジ
魚介名。鰻〔ウナギ〕。川鰻。
カーゥンナジ
魚介名。鰻〔ウナギ〕。川鰻。
カイ
甘蔗の病気。
- メモ
- 甘蔗の葉が赤くなり枯れる病気。
カイ
胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- 類:アクミ・カヤ。
カイ(~カイ)
~へ。~に。
- 用例
- ヤマカイ タムン トゥイガ イチュン(山へ薪を鳥に行く)。
カイギーン
からげる。
- 用例
- ンリラングトゥ ヒチ スス カイギーン(濡れないように裾をからげる)。
- メモ
- 類:カナギーン。
カイクバーラ
養蚕に使う目の粗い網。
- メモ
- 上に餌のクワの葉を置き、蚕の糞は網目から下に落ちた。
カイクミ
同じ干支。
- 用例
- カイクミ アタトーン(同じ干支生まれで相性が合っている)。
パーパー トゥシビー カイクディ ンマリトーン(おばあさんと同じ干支に生まれている)。
- メモ
- ワラビナーの命名は、祖父母や伯父伯母に同じ干支の人がいればその人の名をあやかって付けることがあり、それをカイクミといった。
カイクン
開墾。
- 用例
- フチャーリミー ヤーニンジュシル カイクン サンドー(荒れ果てた所を家族だけで開墾したんだよ)。
カイシーブジョー
役職名。改正奉行。
- メモ
- 地租改正の際にやってきた役人の呼称。
カイシキ
会席。脚の付いた四角い御膳。
- メモ
- 音1:クヮイシキ。音2:クヮイシキウジン。一般の家庭にはなかった。
カイジョーミマイ
会場見回り。
- メモ
- アシビの際の場内整理係で、長い竹をもって立ち上がっている子どもたちを座らせたり会場内を静めたりした。
ガイダー
カンシャコバネナガカメムシ。甘蔗の害虫。
カイチ
開地。
- 用例
- マチバル・クルク・ギークカイチリセー、ンカシヌ ルーチューオーフヌ ジール ヤグトゥ(牧原・久得・越来開地は昔は琉球王府の土地だから)。
カイバカ
仮墓。
- メモ
- 音1:カリバカ。音2:カイヤ。
本墓の袖垣や山の斜面に葬っておき、2、3年後の七夕に洗骨をして、本墓が開くときに祖先の側に安置した。
カイボー
棒。荷を担ぐ棒。
- メモ
- 音2:トゥジャクボー。木製で長さ約6尺5寸で両端は尖り、両先端から約5寸内側に止め釘がある。
カイマタ
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 左手人差し指から小指までの4本の根元にある文様。
カイムン
借り物。
- 用例
- クンドー コーランヨークー カイムンシ シマサナ(今度は買わずに借り物で済まそう)。
カイヤ
仮墓。
- 用例
- ナーダ ハカー チュクテーネーン ナマー カイヤンカイル イッテール(まだ墓を造ってなくて今は仮墓に入れてあるんだよ)。
- メモ
- →カイバカ。
墓が準備されてない時に、岩穴等を利用して仮に墓を造った。
比謝矼では、仮墓に遺骸を入れ、墓を開く機会に納骨した。
カイヤー
仮屋(かりや)。軒。
- メモ
- 死者は49日までは墓と家を行き来していると考えられ、このカイヤーで日向ぼっこをしたり涼んだりするといわれている。
カイヤー
借家。
- 用例
- ワッターヤ カイヤーヲゥティル スダチャル(私たちは借家で育ったんだよ)。
カイン
借りる。
- 用例
- スージニ チール チンガ ネーングトゥ チュカラ カイン(お祝いに着る着物がないから人から借りる)。
ビンシーヤ カテー ナランディ インドーヤ(祈願用の瓶子は人のを借りてはいけないというよね)。
否:カラン(借りない)希:カイブサン(借りたい)過:カタン(借りた)継:カトーン(借りている)。
- メモ
- →イラーユン。
カカイサーラキ
関わること。差し障り。
- 用例
- チュヌクトゥンカイ イチマディン カカイサーラキ シーネー アトー シーライーンドー(人のことにいつまでも関わってばかりいると後は苦労するよ)。
カカイシガイ
うるさくすがりつく様。
- 用例
- カカイシガイ サッティ チャーン ナラン(うるさくすがりつかれてどうしようもない)。
カカイマチブイ
まとわりつく様。
- 用例
- カカイマチブイ ッシ カシマサヌ(つきまとわれて、うるさい)。
カカイムン
憑き物。
- 用例
- イサ カカティン マシェー ナランティカラ ウレー ヌーガラ カカイムンル ヤル(医者に診てもらっても良くならないんだったら、それは何かに憑りつかれているんだ)。
- メモ
- 御嶽から一切のものを採ってはいけないといわれている。
字楚辺では枯れ枝や葉1枚はおろか雑草を抜くことも許されなかった。別の字の人が木を倒して取っても何事もないが、シマンチュがそんなことをすると、すぐたたられて風邪をひいた。その場合、水を供えて謝りに行くと治ったという。
カカイン
かかる。要する。
- 用例
- イャーンカイ シミーネー ジカン カカイン(お前にさせると時間がかかる)。
否:カカラン(かからない)過:カカタン(かかった)継:カカトーン(かかっている)。
カガムン
屈む。
- 用例
- ナー イフェー カガメー(もう少し屈みなさい)。否:カガマン(屈まない)希:カガミーブサン(屈みたい)過:カガラン(屈んだ)継:カガローン(屈んでいる)。
カカワイ
関わり。
- 用例
- ムチカシークトゥンカイヤ カカワイヤ ムタンシェー マシ(難しいことには関わりは持たないほうがいい)。
カカワイン
関わる。
- 用例
- チュヤーカラ チュイヤ アザグトゥンカイ カカワイン(一家から一人は字行事に関わる)。
否:カカワラン(関わらない)希:カカワイブサン(関わりたい)過:カカワタン(関わった)継:カカワトーン(関わっている)。
カカン
女性の下着。女性の腰巻。
- 用例
- ンカシヌ ヰナグンチャーヤ シルカカン ハチョータン(昔の女性は白い腰巻を巻いていた)。
- メモ
- 類:シマダチー・ハカマ・メーチャー。
カガン
鏡。
- 用例
- チラカイ ヌーガ チチョーガ カガン ユー ンチンディ(顔に何がついているか鏡をよく見てごらん)。
カガンイシ
鏡石。亀甲墓の部分名称。
- メモ
- 墓口の上部がジョーカブイ、その上をカガンイシという。
カガンウチャナク
大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。
- メモ
- 音1:カガンジウチャヌク。旧9月15日ナーウガンや旧12月24日フトゥチウガンの供物に使った。→ウチャナク。
カガンジウグヮン
鏡地御願。瀬名波にある拝所名。
- メモ
- 類:カガンジウタキ。カガンジウタキ参照。
カガンジウチャヌク
大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。旧12月24日の煤払いに供えた餅。
- メモ
- 音1:カガンジウチャナク。→ウチャナク。
カガンジウリグチバル
{鏡地折口原}。瀬名波の小字。
カガンジデークニ
鏡水大根。在来の大根。
カガンジバル
{鏡地原}。瀬名波の小字。
カガンムチ
鏡餅。
- メモ
- 字長浜では、旧2月ウフウグヮン(大御願)には各戸から徴収した米で鏡餅を作って瀬名波ヌンドゥンチへもっていった。
カキ
切れ。食べ物などの切った数を数える数詞。
- メモ
- 数詞(~カキ)はチュチキ(1切れ)、タカキ(2切れ)、ミカキ(3切れ)と数える。
カキアースン
期限に間に合わせる。
- 用例
- ウヌ チノー ソーガチマディニ カキアーサンネー ナラン(その着物は正月までに間に合わせなければならない)。
カキーン
賭ける。
- 用例
- イラナナギエー ッシ タムン カキーン(採ってきた薪を賭けて鎌を投げあった)。タウチーオーラセー シ ジン カキーン(闘鶏をしてお金を賭ける)。
- メモ
- 。
カキーン
掛ける。
- 用例
- チン ハーヤンカイ カキーン(着物を柱に掛ける)。
バシャ カキヤーイ(馬車に載せて)。ウヮーヌ ドゥーミ カキーン(豚の重量を秤に掛ける)。
否:カキラン(掛けない)希:カキーブサン(掛けたい)過:カキタン(掛けた)継:カキトーン(掛けている)。
カキーン
欠ける。足りない。
- 用例
- チャワンヌ ウトゥシーネー カキーンドー(茶碗を落とすと欠けるよ)。チュイ カキトーン(一人欠けている)。
カギーン
欠席する。欠番する。
- 用例
- チューヤ ユージュガ アグトゥ ガッコー カギーン(今日は用事があるから学校を欠席する)。
否:カギラン(欠席しない)希:カギーブサン(欠席したい)過:カギタン(欠席した)継:カギトーン(欠席している)。
カキエー
掛け合い。
- 用例
- ワランチャーガ ミジカキエー ッシ アシドーン(子どもたちが水掛けをして遊んでいる)。
カキオーイン
間に合う。
- 用例
- ウヤヌ ミーウティーヤ カキオーランタンリ(親の臨終に間に合わなかったって)。
カキジマ
領地。ノロが管掌している集落。
- 用例
- シマ カキユン(領土を支配する)。
イランマヤ チナーヌールヌ カキジマ ヤン(伊良皆は喜名ノロが管掌している)。
カキジャー
鉤〔かぎ〕。自在鉤。鈎。
- 用例
- カキジャーヤ ジールンカイ カイラットータン(自在鉤は地炉にかけられていた)。
- メモ
- ジール(地炉)の上につるし、鍋などをかける自在鉤や漁などに使う鉤竿がある。
カキダミシ
賭け試し。
- 用例
- カキダミシッシ ジノー カキンナヨー(賭け試しをして金は賭けるなよ)。
カキヂャワン
欠けた茶碗。
- 用例
- ウチャクンカイヤ カキヂャワンヤ ゥンジャサンキヨー(お客さんには欠けた茶碗は出さないでよ)。
- メモ
- 類:カキマッカイ。
カギナ
メヒシバ。
- 用例
- カギナヤ トゥッティン トゥッティン マタ ミーティチューサ(メヒシバは取っても取ってもまた生えてくるさ)。
- メモ
- 勢力の強い雑草としても知られる。
カキニン ウーラン
比べ物にならないほど良い。及ばない。
- 用例
- ワームン チノー アリガムントー カキニン ウーランサ(私の着物は彼女の物とは比べ物にもならないほど上等だよ)。
カキヌミー
垣の中。藪の中。
- 用例
- カキヌミーンカイ ヒンギティ ハイタン(薮の中に逃げて行った)。
- メモ
- 音1:カキンミー・カチヌミー・カチャヌミー。類:シクンカー。
カキヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- 用例
- カキヌミーチョッチョロー ナチグィーヌ チュラサヨー(ウグイスの鳴き声の美しいことよ)。
- メモ
- 音1:カチヌミーチョッチョイ・カチヌミーチョッチョロー・カチミーチョッチョラー・カチミーチョッチョロー・カチャミーチョッチョレー・カチンミーチョッチョロー・カチンミチョッチョロー・カキヌミーチョッチョロー・カチヌミーチョッチョレー・カチヌミーチョッチョロー・カチャヌミーチョッチョレー・カチンミーチョッチョラー・カチンミーチョッチョレー・カックヌミーチョッチョロー・カッチンミーチョッチョラー。
音2:チョッチョイグヮー・チョッチョレー・チョッチョロー・ガチチョッチョイ・チョッチョイ・チョッチョラー。
カキヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カキヌミーヂンナン
藪の中に多くみられるカタツムリ。
- 用例
- カキヌミーヂンナンガ ウホーク イッチョーン(カタツムリがたくさん入っている)。
カキヌミーパーパーグヮー
アオカナヘビ。
- 用例
- カキヌミーパーパーグヮーヤ アヌ ナガーグヮー ヤサ(アオカナヘビはあの長いのだよ)。
- メモ
- 類:カチヌミーパーパー・カチミーパーパー・カチンミーパーパー・クミルー・ジュートゥイ・ジューミー・ソーガークェー・タバククェー・マースクェー・カーキヌミーパーパーグヮー・カーミンジャーラー・カチヌミーパーパー・カミンジャールー・コーレーグースー・ジューチラー・クースークェー。音:カチヌミーパーパー・カーキヌミーパーパーグヮー。
カキヌミーングヮ
婚外子。私生児。籔の中の子。
- 用例
- ヰキガヌウヤー ターガヤラ ワカランシェー カキヌミーングヮディータン(父親が誰か分からないのはカキヌミーングヮともいっていた)。
- メモ
- →アシビングヮ。
カキバイ
琉球競馬の走法。駆歩。
- 用例
- アヌ ゥンマヌ カキバイヌチュラサヨー(あの馬の走法の美しいこと)。
- メモ
- 四つ足が代わる代わる地面を踏み、歩幅を短く駆けさせる走法。一般に大和で行われる前後の足を揃えて一時宙に浮く走法をムルカキバイといい、琉球競馬ではそれをすると失格になった。
カキマッカイ
欠けたお椀。
- 用例
- ムル カキマッカイビカーン ナティ チカーラン(全部欠けたお椀だけになって使えない)。
- メモ
- 類:カキヂャワン。
カキマバル
{嘉喜真原}。親志の小字。
カキメー
模合の掛け金。受け取る権利のある掛け金。
- 用例
- クンドゥヌ ソーグヮチヤ カキメーシ ハンスンテー(今度の正月は模合を取って間に合わせるさ)。
- メモ
- 対:ウクイメー(模合の送り分・未支払いの模合)。
カキヤー
掛け技の得意な牛の名前。
- 用例
- カキワジャガ ジョージヤシカイ カキヤーディ イータン(掛け技が得意な牛にカキヤーといっていた)。
カギン
加減。
- 用例
- ワラビンカイヤ イフェー カギン シール スル ウフッチュトゥ ユヌグトー ナランドー (子どもには少しは手加減するんであって大人と同じようにはいかないよ)。
カキンミー
垣の中。薮の中。
- 用例
- カキンミーカラ ゥンジティ チュータン(薮の中から出てきた)。
- メモ
- 音1:カキヌミー・カチヌミー・カチャヌミー。→カキヌミー。
カクイン
囲う。
- 用例
- ヤシチヌ マンマール フクギッシ カクイン(屋敷の周囲を福木で囲う)。
否:カクラン(囲わない)希:カクイブサン(囲いたい)過:カクタン(囲った)継:カクトーン(囲っている)。
カクグ
格護。守る。
- 用例
- ヰナグングヮ カクグ スン(娘を大切に守る)。
ヌチェー ドゥークル カクグ スン(命は自分で守る)。
カクグ
覚悟。
- 用例
- ヰキガヌウヤ イッペー クサミカチネーン チューヤ カクグ サンネー ナラン(父親をとても怒らせてしまって今日は覚悟しなくちゃいけない)。
カグサミーン
格護する。守る。
- 用例
- ルク カナサヌ マーニン イカングトゥ カグサミーン(あまりにも愛おしくてどこにも行かないように守る)。
希:カグサミーブサン(守りたい)継:カグサミトーン(守っている)。
カクジ
顎〔あご〕。
- 用例
- カクジガ ガクガク スン(顎がガクガクする)。
- メモ
- 類:ウトゥガク。
カクジシミ
破傷風。
- 用例
- カクジシミシ ヲゥラン ナトーン(破傷風で亡くなった)。
ガクジショーレイカイ
学事奨励会。
- メモ
- 学事奨励会の歴史は古く、読谷山尋常小学校区の学事奨励会は1914(大正3)年発足。初代会長は読谷山尋常小学校長の八巻太一(現在も歌い継がれる読谷小学校校歌の作詞者でもある)が務めた。字での学事奨励会としては渡慶次の歴史が古く、1922(大正11)年に発会、教育の振興を図ると同時に、貧しいために上級の学校に進学できない子女のために育英事業も行った。
カクシマーシ
隠すこと。
- 用例
- カクシマーシー シ ワンニンカイ ティーチン ミシテートゥラサン(隠してばかりで私にちっとも見せてくれない)。
カクジャー
えらが張った顔。
カクスン
隠す。
- 用例
- チュガ チーネー ミシラングトゥニ ヰーリムンヤ ムル カクスン(人が来たら見せないようにおもちゃを全部隠す)。
否:カクサン(隠さない)希:カクシーブサン(隠したい)過:カクチャン(隠した)継:カクチョーン(隠している)。
- メモ
- 類:カジミーン・カックヮスン。クヮッカスン。
カクバーヤ
角柱。
ガクブリ
学問に夢中になること。学問だけして社会生活に馴染めない、または完全に触れてしまうこと。
- 用例
- ガクブリ シ ヤーヌ ティガネーヤ ムル サン(学問に夢中になって、家の手伝いは全くしない)。シクチンサン ガクムンビカーンシ、アトー ガクブリソーン(仕事もせずに学問ばかりして、しまいにはおかしくなっている)。
カクランプー
角ランプ。
- メモ
- 音:カクランプ。ムラアシビの舞台照明に使った。
カクン
書く。描く。
- 用例
- チョーミヌンカイ ジー カクン(帳面に字を書く)。
- メモ
- 類:カチュン。
カクン
掻く。
- 用例
- ムシカイ ササッティ ヰーゴーハグトゥ カクン(虫にさされて痒いから掻く)。
- メモ
- 類:カチュン。
カゲー
領地。所有地。
- 用例
- サツマヌ カゲー ウチ ヤクトゥ(薩摩の支配下にあるので)。
ンカシ ウチナーヤ トーヌ カゲール ヤタンドー(昔、沖縄は唐の配下にあったんだよ)。
- メモ
- 支配・保護の下にあるもの。
カゲーウヤ
保護者。身元引き受け人。
- メモ
- 廃藩置県以後、寄留民が喜名に移住するにあたっては、ジーンチュ(地元の人)2人の身元引受人が必要で、その引受人をカゲーウヤと称していた。
カケージャー
鉤竿。
カコー
おむつ。古い着物やボロ布で作ったおむつ。
- メモ
- 音:カッコー。
字長浜や楚辺では新しく購入した豚を豚舎に入れる時は、カコーなどのボロ布を左縄して火をつけたものを豚小屋で振りまわしてから入れた。
カサ
かさぶた。
- 用例
- カサガ ゥンジトーン(かさぶたができている)。
- メモ
- 類:カサンタ。
ガサガサ
がさがさ、もののふれあう音など。
- 用例
- ティンジョーヲゥティ ヌーガラ ガサガサスシガ、イェンチュルヤガヤー(天井でガサガサ物音がするがネズミかな?)。
ガサガサーアビー
かすれ声。かすれ声で話すこと。
- メモ
- 類:キーカサーアビー。
カサギーン
担ぐ。
- 用例
- ゥンムバーキ カサギーン(芋の入ったザルを担ぐ)。
- メモ
- 音:カタミーン。類:カシギーン。
カサギーン
妊娠する。
- 用例
- イャーヤ ニービチン サンマール カサギーンディチンアンナー!(お前は結婚もしないうちに妊娠するってこともあるか!)。
継:カサギトーン(妊娠している)。
- メモ
- 音1:カシギーン。類:ハラムン・ムッチュン。
カサギンチュ
妊婦。妊娠している人。
- 用例
- カサギンチュカイヤ ゥンブムノー ムタスナ(妊婦には重たいものは持たすな)。
- メモ
- ひとつの家に妊婦が複数生活することはよくないといわれた。また、1年以内に一家から続いて死者が出ると「二度あることは三度ある」ということで、鶏や人形などを身代わりとして小箱に納めて模擬葬式をしたが、妊婦が亡くなった時も人形を入れる。
カサグイ
痰〔たん〕。
カサジュン
草、木を切り取る。
- 用例
- フチャーリトーグトゥ ンナシ キーヌファー カサジュン(生い茂っているから皆で木の葉を切り取る)「。
ヲゥージヌ ファー カサジュン(サトウキビの葉を刈り取る)。
否:カサガン(取らない)希:カサジーブサン(取りたい)過:カサジャン(取った)継:カサジョーン(取っている)。
ガサナイ
せかせか。さっさと。
- 用例
- ガサナイ カタヂキランネー ジカノー ネーンシガ(さっさと片付けないと、時間がないよ)。
- メモ
- 類:カシーカシー・サーラクヮッタイ・ソーソー。
カサニガサニ
重ね重ね。
- 用例
- カサニガサニ ウニゲーサビラ(重ね重ねお願いします)。
カサビ(~カサビ)
重ね。重ねた数の数詞。
- メモ
- チュカサビ(1重)、タカサビ(2重)、ミカサビ(3重)と数える。
カサビーン
重ねる。
- 用例
- マルヌ ネーングトゥ チュトゥクマカイ イクチン カサビーン(場所がないから一か所に幾つも重ねる)。
否:カサビラン(重ねない)希:カサビーブサン(重ねたい)過:カサビタン(重ねた)継:カサビトーン(重ねている)。
カサビカサビ
重ね重ね。
- 用例
- ヒーサヌ チン カサビカサビ チチョーン(寒くて、着物を何枚も重ねてきている)。
カサビヂン
死者に重ね合わせて着せる着物。
- メモ
- 一度に袖が通せるように奇数枚重ね合わせた着物で、一番上には白衣装がくるようにした。
カサビゥンバギー
産飯の上に小さなお握りをのせたもの。
- メモ
- 出産が終わるとあやかりとして字内の妊婦たちに配った。
ガサミ
魚介名。ワタリガニ。
- 用例
- ガサミン マーサムン ヤサ(ワタリガニも美味しいものだよ)。
カーランカイ ガサミヤ マンドータン(川にワタリガニがたくさんいた)。
カサンタ
瘡蓋〔かさぶた〕。
- 用例
- キジヌ カサンタ ナトーン(傷がかさぶたになっている)。
- メモ
- 類:カサ。
カシ
織機道具の名。綛〔かせ〕。経糸を巻きつける器具。
- 用例
- カシ カキーママ マーカイガ?(綛をかけたままどこにねぇ?)。
カシ
麹〔こうじ〕。
- 用例
- カシヌ タティワル ンスヤ ナイル(麹ができてこそ味噌はできるんだよ)。
カジ
すじ。鬆〔す〕。
- 用例
- グンボーヤ カジヌ イレーワカラー マーサーネーン(牛蒡はすじが入るとおいしくない)。
カジ
うなじ。えり首。首すじ。
- 用例
- カジ ヤマチネーン シクチカイン イカラン デージ ナトーン(首筋を痛めてしまい仕事にも行けなくて大変だ)。
ニンジチゲー ッシ カジヌ ヤムン(寝違いして首が痛い)。カジ クラミレー(首根っこをおさえろ)という使い方もある。
- メモ
- 類:カジガー。
カジ
数。
- 用例
- ウッサヌムン、カジ アースシン ウーシグトゥ ヤサ(そんなにたくさんの物、数を合すだけでも大変な仕事だよ)。
カジ
風。
- 用例
- ヒジュルカジヌ イーヤンベー ヤシヨ(冷たい風が気持ち良いこと)。
アガリヌ ウミヌ ナイネー カジ フチュンドー(東の海が鳴ると暴風が吹くよ)。
カジ
聞き分け。強情。
- 用例
- ヰキガヌウヤガ ハナシーシン カジン チカン、チャーン ナラン(父親が話しても聞き分けがなくて、どうしようもない)。
カジ ハトーン(意地を張っている)。
- メモ
- 音2:ギカジ・ジーカジ・イシカジ。類:チチワキ。
カジ(~カジ)
~度。たび。
- 用例
- トゥーイルカジ グトゥニ(通る度に)。
- メモ
- 音:~カージ。
ガシ
飢饉。
- 用例
- カムシン ネーンネー ガシ ゥンジーンドー(食べ物がないと飢饉が出るよ)。
ガシナトール バーニ(飢饉のときに)。
カシー
加勢。手伝い。
- 用例
- ヒマヤラー ウヤヌ カシー シックヮー(暇なら親の手伝いをして来なさい)。
カシー スンドー(手伝うよ)。
- メモ
- 類:ティガネー。
カシーカシー
さっさと。急いで。
- 用例
- イスジョーグトゥ カシーカシー カミヨー(急いでいるからさっさと食べなさいよ)。
- メモ
- →ガサナイ。
カシーサー
加勢をする人。手伝い人。
- 用例
- カシーサーン マンディ、チューヲゥテシ スビナイサ(加勢する人も多くて、今日で終わるさ)。
- メモ
- 音2:ティガネーサー。
カジーン
耕す。
- 用例
- チューヤ アンマートゥ マジョーン ハル カジーン(今日は母と一緒に畑を耕す)。
否:カジラン(耕さない)希:カジーブサン(耕したい)過:カジタン(耕した)継:カジトーン(耕している)。
カシガー
叺〔かます〕。麻袋。目の粗い袋。
- 用例
- カシガーヌ ミー ゥンム フティチャン(麻袋のいっぱい芋を掘ってきた)。
- メモ
- 穀物や農産物、塩などを入れて使った。米俵のカシガーを店から2銭で買って、半分を中に折り曲げて三角形にして雨具にすることもあった。
カジガー
うなじ。えり首。首筋。
- 用例
- カジガー ムリトゥラシェー(首筋を揉んでちょうだい)。
ワラビヌ カジガー カチミレー(子どもの襟首を捕まえろ)。
- メモ
- 類:カジ。
カジガーシシ
豚の首肉。
カシカキ
綛かけ。整経。
- メモ
- 布を織る時に経糸の本数や長さを整えること。
カジカキーン
念を押す。
- 用例
- ウヤンカイ シランフーナー シ アシビーガ イカングトゥ カジカキーン(親に内緒で遊びに行かないように念を押す)。
否:カギカキラン(念を押さない)希:カジカキーブサン(念を押したい)過:カジカキタン(念を押した)継:カジカキトーン(念を押している)。
カジカジ
数々。
- 用例
- カジカジヌ クヮッチーヌ ゥンジトータン(数々の御馳走が出ていた)。
カジガタカ
風を遮ること。
- 用例
- ゥンマンカイ ウッピナーヌ チュガ タッチーネー カジガタカ シ アチサン(そこに大きな人が立つと風を遮って暑い)。
カシギーン
妊娠する。
- 用例
- カシギトーン(妊娠している)。カシギタグトゥ(妊娠したから)。カシギラサーイ(妊娠させて)。
- メモ
- →音1:カサギーン。
カシギーン
担ぐ。
- 用例
- タムン カシギーン(薪を担ぐ)。
カシキーゥンバン
おこわ。強飯。
- 用例
- カシキーゥンバンヤ ダテーンナー ニチ ヰナグングヮンチャーンカイ ワキータン(カシキーゥンバンはたくさん炊いて娘たちに分けた)。
- メモ
- 類:カシチー・カシチーメー。
その年に収穫された新米で強飯を作って、嫁いだ娘にも分けた。
カシギンチュ
妊婦。
- メモ
- 音:カサギンチュ。類:ウフワタムン。
カシグイ
痰〔たん〕。
- 用例
- カシグイヤ ゥンジャシンソーリヨー(痰は出してくださいよ)。
カジグェー
堆肥。枯れ葉等で作った堆肥。
- 用例
- スーヤ カジグェー ゥンジャシーガ イチュタン(父は堆肥を出しに行った)。
- メモ
- 音:カジゲー。
カジグトゥ
いろんな。数字。数あること。
- 用例
- カジグトゥ ウタティ(いろんな歌うたって)。
カジゲー
堆肥。
- メモ
- 音:カジグェー。ウマチーには針仕事、カジゲーを担いで畑へ行ってはいけないといわれている。
カシジェー
酒粕〔さけかす〕。酒を醸造する際のもろみを圧縮した固形物。
- 用例
- カシジェー コーティチャーニ、ウヮーンカイ クヮーシェー(酒粕を買ってきて、豚に食わせなさい)。
カシジェー
鎹〔かすがい〕。
カジジル
筋〔すじ〕。腱〔けん〕。繊維〔せんい〕。
カシチー
おこわ。強飯。
- 用例
- ボージャースージニ ダテーンヌ カシチー ニーン(出産祝いにたくさんのお強を炊く)。
- メモ
- 類:カシキーゥンバン・カシチーメー。
カシチーウユミ
行事名。強飯を神仏に供え豊作を感謝し、来期の豊年を祈願する。
- メモ
- 新米に赤豆や黍・粟を混ぜてカシチー(強飯)を作った。
『球陽』によれば尚敬23(1735)年に旧6月25日に固定化されたようだが、読谷山で25日に行なったのは字喜名・儀間・牧原で、伊良皆・宇座・高志保・長浜・比謝・古堅・波平・楚辺は24日であった。翌25日はトケシカタノー(渡慶次潟野)へ琉球競馬を見物に行った。また読谷山では新米だけではなく、粟や黍、豆などを加えて炊く所(喜名・古堅・伊良皆・長浜)もあった。字楚辺、波平では旧6月24日に綱引きも行なった。伊良皆では旧8月9日のシバサシウユミにもカシチーウユミと言った。
カシチーメー
おこわ。強飯。
- メモ
- 類:カシキーゥンバン・カシチー。
カジトゥイ
舵取り。
- 用例
- カジトゥイヤ チュイシ シムン(舵取りは一人でいい)。
カシトゥイグヮー
絣文様の名称。
ガシドゥシ
飢饉の年。
- 用例
- アンソーヌ ガシドゥシン アタルヤー(あんなにひどい飢饉の年もあったね)。
- メモ
- 干ばつなどが続き、作物が収穫できないときにいう。
カシドーフグヮー
料理名。おからに味噌を加えて炊いたもの。
カジニ
数あるだけ。
- 用例
- ヤシェーヌ サニヤ カジニ ワキティ トゥラシヨー(野菜の種は数あるだけ分けて頂戴ね)。
カジニ チカサッティ(良く聞かされて)。
カジヌニー
風の根。棒状の雲。
- 用例
- カジヌニー ゥンジトーサヤ(棒状の雲が出ているね)。
カジバーバー
風が強く吹く様。
- 用例
- フカー カジバーバー ソーン(外は風が激しく吹いている)。
カジハイワラバー
意地っ張りな子。強情な子。
カジハヤー
意地っ張り。融通のきかない人。強情な人。
- 用例
- チュヌ イーシン ムル チカン カジハヤーヤ!(人の言うことも全く聞かない強情者め!)。
ガシバンメー
救荒食。
- メモ
- 蘇鉄や蚕豆の葉を乾燥保存していた。
カジヒチ
風邪。
- メモ
- 類: ハナシキ・ハナシチ。
カジフキ
台風。暴風。
- 用例
- カジフキヌ キーネー ムル サラリンレー(台風が来たら全部やられるな)。
- メモ
- 類:カジフチ。
カジフキアーケージュー
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- 用例
- カジフキアーケージューヌ ウッサ トゥディ、 ウレー ウーカジ フチュンレー(赤とんぼがあれだけ飛んでいるが、これは大きな台風になるぞ)。
- メモ
- 音1:カジフチアーケージュー。音2:カジフチギンジュー・カジフチトンボ。
カジフチ
台風。暴風。
- 用例
- クンドゥヤ カジフチヌ ウーサタンヤー(今年は台風が多かったね)。
- メモ
- 類:カジフキ。
カジフチアーケージュー
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- 用例
- カジフチアーケージューヌ アチマティチョーン(赤とんぼが集まってきている)。
- メモ
- →カジフチアーケージュー。
カジフチアケー
台風前の赤やけ空。
カジフチギンジュー
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- メモ
- →カジフチアーケージュー。
カジフチトンボ
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- メモ
- →カジフチアーケージュー。
カジフチマッタラー
台風の前に低く飛んでいるツバメ。
- 用例
- カジフチマッタラーヌ トゥドーグトゥ カジ フチュンテー(ツバメが低く飛んでいるから台風が来るぞ)。
カジマーイ
風向きの急変。風が回ること。
- 用例
- ニングヮチネー ニングヮチカジマーイディチ アンドー(2月には旧2月風廻といって突風が吹くことがあるよ)。
カジマキ
竜巻き。
- 用例
- カジマキシ ムル フットゥバサッタン(竜巻きで全部吹っ飛ばされた)。
- メモ
- 類:カジマチ・ブラーカジ。
カシマサン
かしましい。うるさい。
- 用例
- ワランチャーガ アビヤーアビヤーシ カシマサン(子どもたちがわいわい騒いでうるさい)。
カジマチ
竜巻。
- メモ
- 類:カジマキ・ブラーカジ。
カジマチャー
うなじの近くにある旋毛〔つむじ〕。
カジマヤー
十字路。四つ角。十字形。
- 用例
- アマヌ カジマヤーヲゥティ アシドーン(あそこの十字路で遊んでいる)。
カジマヤー
風車。
- 用例
- アダンバー トゥティッチ カジマヤー チュクティ アシブタン(アダンの葉を取ってきて風車を作って遊んだ)。
カジマヤースージ
九十七歳祝。
- 用例
- ウスメー カジマヤースージネー クヮゥンマガンチャーシ ハネーカサヤー(お爺さんの97歳のカジマヤー祝いには子どもや孫たちで盛り上げようね)。
- メモ
- 類:カジマヤーユーエー。
8回目の生年祝にあたる九十七歳祝・カジマヤーは、97歳にもなると童心に戻り、カジマヤー(風車)を持って遊ぶという意味からきた名称だといわれている。祝いに来た客への土産として風車を配る。
カジマヤーユーエー
数え97歳の祝い。
- 用例
- カジマヤーユーエーネー シマジュー マーティ スーギ ディキラスン(97歳のカジマヤー祝いには字中回って祝いを盛りあげる)。
- メモ
- 類:カジマヤースージ。
ガジマル
ガジュマル。榕樹。
- 用例
- アヌ ガジマルヌ シチャヲゥティ イフェー ユクラナ(あのガジマルの下で少し休もう)。
ガジマルジー
ガジュマル(榕樹)の木からとる粘液。
ガジマン
ガジュマル。榕樹。
- 用例
- ガジマングヮーヌ アタン(ガジマルがあった)。
カジミーン
大事にしまう。隠す。
- 用例
- カジミティ ウチュン(大事にしまっておく)。トゥダナンカイ クヮーシ カジミーン(戸棚にお菓子をしまう)。
否:カジミラン(しまわない)希:カジミーブサン(しまいたい)過:カジミタン(しまった)継:カジミトーン(しまっている)。
カジミクヮックヮスン
大事にしまい込む。
- 用例
- ターニン ミシラングトゥ カジミクヮックヮスン(誰にも見せないように大事にしまい込む)。
否:カジミクヮックヮサン(大事にしまい込まない)希:カジミクヮックヮシーブサン(大事にしまい込みたい)過:カジミクヮックヮチャン(大事にしまい込んだ)継:カジミクヮックヮチョーン(大事にしまい込んでいる)。
カジミフックヮスン
大事にしまい込む。
- 用例
- カジミフックヮチ マーンカイガ ナタラ ワカラン ナトーン(大事にしまい込みすぎてどこにしまったのか分からなくなっている)。
カジャ
臭い。
- 用例
- ヌーガラ クサリカジャ スシガ ヌー ヤガヤー(何か腐れた臭いがするが何だろう)。
フルカジャ スンデー(豚小屋の臭いがするよ)。
カジャイ
飾り。装飾。
- 用例
- ワランチャークルル アン リッパ カジャイ チュクテーンナー?(子どもたちだけでそんなにきれいに飾りを作ったの?)。
- メモ
- 数詞としてもチュカジャイ(1飾り)、タカジャイ(2飾り)、ミカジャイ(3飾り)と数える。
カジャイン
飾る。
- 用例
- ムルシ ハナ チュクティ カジャイン(皆で花を作って飾る)。
否:カジャラン(飾らない)希:カジャイブサン(飾りたい)過:カジャタン(飾った)継:カジャトーン(飾っている)。
ガジャン
蚊〔カ〕。
- 用例
- ガジャンガ ウーサヌ クーラッティネーラン(蚊が多くて刺されてしまった)。
ガジャンヌクェー
蚊に刺された痕。
- 用例
- マーアッチャガ ガジャンヌクェー チュクティ(どこを歩いたの?こんなに蚊に刺されて)。
ガジャンヌシー
蚊の巣。
- 用例
- タマイミジ ウッチョーチーネー ガジャンヌシー ナインドー(たまり水を置いていたら、蚊の巣になるよ)。
カジューイン
数える。増える。
- 用例
- トゥシヤ ユイ カジューティ ワカク ナイン(歳を重ねても若い)。ナー イフェー カジョラーラチ クィリ(もうちょっと増やしてくれ)。
イクチ アガ カジユティンーレー(いくつあるか数えてごらん)。
カジョーサン
風が強い。
- 用例
- ルク カジョーサヌ ミチン アッカランシガ(あまりにも風が強くて道も歩けないよ)。
カジョーラー
蕁麻疹〔じんましん〕。草木かぶれ。
- 用例
- ドゥーイッペー カジョーラー ゥンジトーン(体中蕁麻疹が出ている)。
- メモ
- 類:カジョーラムン。カジョーラー カジョーラー イャーヤ ヤナムン チリムン ヤグトゥ カカティチーネー サンジャクアナ フティ ウスラリーンドー(カジョーラーよ、お前は悪いもの、嫌われ者だから、おそってきたら三尺穴を掘って埋めてやるぞと字長浜では、豚舎近くに行き、湯で温めた草履で患部をこすり、唱えながらフーッと息を吹きかけた。
カジョーラマキ
蕁麻疹〔じんましん〕。草木にかぶれること。
- 用例
- ハジヌキーヌ スバ トゥータレー カジョーラマキ ソーン(ハゼノキの側を通ったら蕁麻疹ができてしまった)。
- メモ
- 類:カジョーラムン・ハジマキ。
カジョーラムン
蕁麻疹〔じんましん〕。草木かぶれ。
- 用例
- カジョーラムンヌ ゥンジティ ヰーゴーサヌ フシガラン(蕁麻疹が出てかゆくてたまらない)。
ヤナカジ アタレー カジョーラムンヌ ゥンジーンドー(悪風に触れたら蕁麻疹が出るよ)。
- メモ
- 類:カジョーラー。
カシラ
髪。
- 用例
- タンメー カシラ ユーイン(お爺さんの髪を結う)。
カジラ
犬走りに使っている石。
- メモ
- 水はけを良くするために、家の軒下を石や土で盛り土し、地面より高くした。
ガジラー
がりがりに痩せた者。痩せ細った者。
ガジラーシー
波に浸食された岩の呼称。
- メモ
- 岩が長い年月のうちに浸食され、海面に近い部分が痩せ細り、キノコのような形になった岩。字瀬名波・渡具知に存在する。
カジライシ
犬走りに使っている石。
カジラマーイ
犬走り。
- 用例
- カジラマーイヤ ガンジューラシヨー(家の周りは頑丈にしなさいよ)。
- メモ
- 水はけを良くするために、家の軒下を石や土で盛り土し、地面より高くした。井戸にもカジラマーイを造った。
カシラヤク
頭役。
- 用例
- カシラヤクンデー アタイネー イチュナハヌ デージドー(頭役でも当たったら忙しくて大変だよ)。
カジリ
限り。
- 用例
- ウニー カジリ ヌーヌ アティン ネーン(それっきり何の音沙汰もない)。
ガジリーン
がりがりに痩せ細る。
ガジリムン
がりがりに痩せた者。痩せ細った者。
カジワーラ
風上。
- 用例
- イャーガ カジワーラカイ タッチョーグトゥ ワンハタマディ カジェー クーランサ(お前が風上に立っているから私の所まで風が来ないさ)。
カシヲゥージ
サトウキビの種類。
- メモ
- お盆にトーウージ(赤い甘蔗)とカシヲゥージを仏壇へ供えたが、無い時はユンタンザヲゥージ(読谷山種)を供えた。
カステラアガララサー
カステラを作る蓋付きの容器。
- 用例
- カステラアガララサー カティ クーワ(カステラアガララサーを借りて来なさい)。
カタ
肩。
- 用例
- カタガ クヮティ フシガラン イヘー ムリトゥラシェー(肩が凝ってどうにもならないから少し揉んでくれ)。
- メモ
- 類:カタバイ・カタゲー。
カタ(~カタ)
~方。
- 用例
- クラシカラ(暮らし方)。ナレーカタ(習い方)。
ウヤヤ リッパ ワンダイガタ シーヨー(親はちゃんと面倒を見なさいよ)。
リッパ コームイガタ シチトゥラチャン(ちゃんと葬式をしてあげた)。
トーンカイ ナレーガタ シーガ ゥンジャン(唐へ習いに行った)。
- メモ
- ~ガタで名詞になる。
カタ(~カタ)
~の方。
- 用例
- イスジ ニシカタンカイ ハイタン(急いで北の方へ行った)。
ガター(~ガター)
~しそう。
- 用例
- ワラビヌ ナチガター マートーン(子どもが泣きそうになっている)。アミフイガター マートーン(今にも雨が降りそうになっている)。
- メモ
- 類:~ギサー。
ガター(~ガター)
~しそう。
- 用例
- ナチガター マートーン(泣きそうになっている)。アミ フイガター マートーン(今にも雨が降りそうになっている)。
カタアシブッター
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:ヒサブタ・ヒサブッター・フィサブー。
カタイイラタイ
繰り返し物を借りる様。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ カタイイラタイ フシガラン(隣のお婆さんは、しきりに物を借りにきて、たまらない)。
カタイグチ
告げ口。
- 用例
- アリカインレー ハナシー シーネー スグ カタイグチ スン(彼にでも話したら直ぐに告げ口する)。
カタイグチャー
よく告げ口をする人。
- 用例
- アレー キー チキランネー ジコーヌ カタイグチャードー(彼は気をつけないとよく告げ口をする人だよ)。
- メモ
- 類:カタヤー。
カタイン
告げる。話す。
- 用例
- ハナシー チチャガヤーディ ウムイネー スグ カタイン(話を聞いたかと思ったら直ぐに人に話す)。
否:カタラン(話さない)希:カタイブサン(話したい)過:カタタン(話した)継:カタトーン(話している)。
- メモ
- 類:ハナスン。
カタウシー
瓦を作る際に粘土を切る道具。
カタウディ
片腕。
- 用例
- ウッサ ヤレー カタウディシヤティン ムッチー スン(それだけなら片腕でも持てるよ)。
カタウミー
片思い。
- 用例
- カタウミー ソーシガ ウチアキー サンル アンデー(片思いしているが打ち明けきれないんだよ)。
- メモ
- 類:カタウムイ。
カタウムイ
片思い。
- 用例
- ナゲー カタウムイ ソーン(長いこと片思いしている)。
- メモ
- 類:カタウミー。
カタウヤ
片親。
- 用例
- カタウヤスダチ ヤティン ソー イッチョーヌ ワラビン マンドーン(片親育ちでもしっかりした子も多い)。
カタカ
さえぎる。目隠し。
- 用例
- ヌーガラ ムッチ ッチ カタカ サントー ナラン(何か持ってきてさえぎらないといけない)。
カタカヌ シジガ ヤタラ(目隠しのつもりだったのか)。
カタガキ
不公平。
- 用例
- カタガキ サングトゥニ ムルンカイ ユヌグトゥ クヮーシェー ワキリヨー(不公平にならないように皆に同じようにお菓子は分けなさいよ)。
- メモ
- 類:カタハジ・カタチー。
カタカシ
魚介名。ヒメジ科の魚。オジサン。
- 用例
- カタカシンカイヤ オジサングヮーンディ イータンヤー(ヒメジにはオジサングヮーといっていたね)。
カタカシラ
欹髻〔かたかしら〕。成人男子の髪型。
- 用例
- カタカシラ チラングトゥ ムラハチブ サッタン(〔断髪令に違反して〕カタカシラを切らないので村八分にされた)。
タンメーターヤ カタカシラ ユーティ メンシェータン(おじいさん達はカタカシラを結っていました)。
- メモ
- 明治以前まで成人男性が行なっていた結髪法のひとつで、髪を頭上に束ねたもの、またはその部分。
字牧原の首里から下りてきた者たちは、ほとんど断髪していたが、なかにはカンプーの者もいた。追って断髪をした者は牧原の道の側にカタカシラを納める所を造って、無下に捨てることはしなかった。
字伊良皆では明治29年にほとんどの男性が断髪した。
カタカシラスージ
人生儀礼。男子が成人になったことを示す儀式。
- メモ
- 字波平では男子が15歳になると、大人の仲間入りとして元旦か2日にカタカシラを結い祝った。
カタカシラユーレー
人生儀礼。男子が成人になったことを示す儀式。
- メモ
- 明治24年生は青年の仲間入りだということで、カタカシラユーレーをしたとの伝承がある。
カタガタートゥ
濃い目に。
- 用例
- カタガタートゥ チャー イッテービンドー(濃い目にお茶を入れてありますよ)。
カタガタミー
片方の肩で担ぐこと。
カタカル
片隅。
- 用例
- ヌラーッタレー カタカルンカイ ヒンギティ ハイタン(叱られたので片隅に逃げて行った)。
カタグー
片方。片組。
- 用例
- ワームン ゾーレー カタグーヤ ネーン ナトーシガ、 インヌル クーティ ハチャガヤー(私の草履が片方はなくなっているが、犬が咥えて行ったんだろうか)。
カタグーマジラー
箸や履き物等が左右不揃い。一対あるものの片方が不揃い。
- 用例
- フカカラ ゾーリタルムン カタグーマジラー シ クリ アッチュンナー(外から草履を片ちんばで履いて歩くのか)。
- メモ
- 音:カタグーマンチャー。
カタグーマンチャー
箸や履き物等が左右不揃い。一対あるものの片方が不揃い。
- メモ
- 音:カタグーマジラ。
カタクチワレー
微笑み。
- 用例
- アヌ ヰナグワラビヌ カタクチワレー スシガ ウジラーサヨ(あの娘の微笑みのが可愛いことよ)。
カタゲー
肩。
- メモ
- 類:カタ・カタバイ。
カタサン
濃い。
- 用例
- イャーガ イッテーヌ チャーヤ カタサン(君が入れたお茶は濃い)。
カタシビー
魚介名。タカラガイ。
カタスディヌチャーシー
踊りなどで片袖を通していること。
- 用例
- シバインカイ ゥンジートーヌ ミヤラビヌ カタスディヌチャーシーガ ウチャトータシヨー(芝居に出ていた若い娘の片袖を抜いている姿が似合っていたことよ)。
カタダーカー
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
カタダーチー
肩を抱いている様。
- 用例
- カタダーチー ッシ アッチョーン(肩を抱いて歩いている)。
カタチ
敵。仲が悪い相手。
- 用例
- アッター タイヤ カタチ ナティ マジョーノー ヰシララン(あの二人は仲が悪くて一緒には座らせられない)。
カタチ
不公平。
- 用例
- カタチ サンヨークー ンーナンカイ ワキティ カマセー(不公平にならないように、みんなに分けて食べさせなさい)。
- メモ
- 類:カタガキ・カタハジ。
カタチキーン
格好つける。
- 用例
- チュヌメーヲゥテー カタチキーン(人前では格好をつける)。
カタヂキーン
片付ける。
- 用例
- チューヤ シムンカイ チラカトーシ カタヂキーン(今日は台所に散らかっているのを片付ける)。
否:カタヂキラン(片付けない)希:カタヂキーブサン(片付けたい)過:カタヂキタン(片付けた)継:カタヂキトーン(片付けている)。
- メモ
- 類:シジミーン・スジュミーン・ヒジミーン。対:チラカスン・カチホーイン(散らかす)。
カタチヌメー
人生儀礼。枕飯。死者の枕元に供える盛飯のこと。
- 用例
- カタチヌメーヤ ヲゥラン ナトール チュヌ マックヮバヌンカイ ウチュン(枕飯は亡くなった人の枕元に置く)。
- メモ
- 碗に飯を大きく盛り上げた上に箸を十字或いは真っ直ぐに立て死者の枕元に供える。
字座喜味でのカタチヌメーは、野辺送りに出発して後、家に残る者が食べた。
カタチヌメーウガン
人生儀礼。模擬葬式。
- メモ
- 類:イチジューコー。
読谷山ではイチジューコーと呼んでいる所が多い。
カタチブルヤン
片頭痛。
- 用例
- チヌーカラ カタチブルヤン シ ユックティル ヲゥンレー(昨日から片頭痛がして休んでいるんだよ)。
カタチム
心の片隅。少し心に思うこと。
- 用例
- カタチモー アン ウムトーシガルー(少しはそう思っていたんだけどね)。
カタヂャー
濃いお茶。
- 用例
- カタヂャー ヌミーネー ミーグファイ シ ニンララン ナイン(濃いお茶を飲むと目がさえて眠れなくなる)。
カタディー
片手。
- 用例
- ウッピグヮーヤラー カタディーシ ムッチ イカリーサ(それだけなら片手で持って行けるよ)間。
カタティマ
片手間。
- 用例
- ウヌ ワジャーヤレー カタティマニ ナイン(その仕事なら片手間にできる)。
カタトゥチ
片時。
- 用例
- アンマークトー カタトゥチン ワシランサ(母のことは片時も忘れないよ)。
カタドードー
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
カタニンブー
片方が重いこと。
- 用例
- ナーヒン リッパ チマレーサン カタニンブー シン ムッチ イカリンナー(もっとちゃんと積もうとしないで片方の荷が重くては持って行けるか)。
- メモ
- 類:カタハラゥンブー。
カタノージマ
渡慶次カタノーで競馬の後に行なった角力。
- メモ
- 旧6月25、26日に競馬が行われ、中部各地から飾りつけされた馬が集まり、大勢の見物客や出店で賑わった。それが終わると若者によるカタノージマ(沖縄角力)も行なわれた。
カタノーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- メモ
- 音2:アブシバレーヂン・ゥンマミーヂン。
渡慶次カタノーでの競馬に合わせて着物を新調する者もいた。
カタノーバル
{潟野原}。渡慶次の小字。
カタノーゥンマバ
潟野馬場。渡慶次の地名。
カタノーゥンマミー
渡慶次カタノーでの競馬見物。
カタバーキ
目の細かいカゴ。
- 用例
- マーミヤ カタバーキンカイ イリレー(豆は目が細かいカゴに入れなさい)。
カタバーキチュクヤー(カタバーキを作る者)。
- メモ
- 類:クマバーキ。対:アラバーキ(目の粗いザル)。
カタバイ
肩。
- 用例
- カタバイヌル ヤムンレー(肩が痛いんだよ)。
- メモ
- 類:カタ・カタゲー。
カタハジ
不公平。
- 用例
- ムルンカイ ユヌグトゥル ハジュル、 カタハジ シミテー ナラン(皆に同じように配るんであって、不公平になってはいけない)。
- メモ
- 類:カタガキ・カタチ。
カタハラ
傍ら。
- 用例
- ニムチェー カタハラカイ ウッチョーケー (荷物は傍らに置いておきなさい)。
カタハラメー
線香が片方だけ勢いよく燃えること。
- メモ
- 線香が片方だけ勢いよく燃えるのは願い事が叶わないといわれた。
カタハラゥンブー
片方が重いこと。
- 用例
- カタハラゥンブーシェー ニムチェー ハクバランシガ(片方が重くては荷物は運べないよ)。
カタハラゥンブー
料理名。片方が膨らんでいる天ぷら。
- 用例
- ウヌ カタハラゥンブーヤ ユー アギラットール(このカタハラゥンブーは良く揚げられている)。
- メモ
- 「片方が重い」という意味の天ぷら。小麦粉と塩、卵の生地を鍋肌から滑り込ませて入れ、その名のとおり片方は厚く、もう片方は薄く揚げたもの。結納など、お祝いに作られる。
カタバル
潟原。渡具知の小地名。干潟。
- メモ
- カタバルに字渡具知の集落があった。現在では満潮時に海になるが、昔はカタバルといって御嶽の下方に集落があった。海ではなかったが、比謝川から流れてくる水が入り込んだりしたので、現在地に移った。
カタビーチ
えこひいき。
- メモ
- 類:イルワキ・ムンヌヒーキ。
カタヒギガーキー
肩肘。頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- カタヒギガーキー ヒチ ニントーン(ほほずえをついて寝ている)。
- メモ
- 音1:カタヒジガーキー。音2:ヒジガーキー。
カタヒサ
豚を4等分した分量。
- 用例
- ウヮークルシーネー カタヒサナー ワキラナ(豚潰しの時には4分の1ずつ分けよう)。
- メモ
- 豚を潰したときに、豚1頭に対して、4分の1の量をカタヒサといった。
カタヒサ
片足。
- 用例
- ヒサ ヤマチ カタヒサシェー アッチーグリサン(足を怪我して片足では歩きにくい)。
カタヒジガーキー
肩肘。頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- アマヲゥティ カタヒジガーキー ソーシ ヤサ(あそこで頬杖をついている人だよ)。
- メモ
- 音1:カタヒギガーキー。音2:ヒジガーキー。
カタヒチムン
片輪者。
- 用例
- ドゥーガ ナイブサヌ カタヒチムン ナトールムノー アラン(自分がなりたくて片輪者になったわけじゃない)。
カタブイ
かたしぐれ。片時雨。
- 用例
- ティンヌ マックール シ カタブイ ソーンテー(空が真っ黒くしているが向こうは雨が降っているだろうね)。
カタフィサマンチャー
履き物が左右不揃いなこと。
- メモ
- 音2:カタグーマンチャー・カタグーマジラー。
カタマイ
固まり。
- 用例
- ナービヌチビヌ カタマイン ムル ハジトゥリヨー(鍋底の固まりも全部そぎ取りなさいよ)。
カタマイン
固まる。
- 用例
- ヘーク カチャーサンネー カタマインドー(早く混ぜないと固まるよ)。
否:カタマラン(固まらない)過:カタマタン(固まった)継:カタマトーン(固まっている)。
- メモ
- 類:クファイン。
カタミ(~カタミ)
担ぎ。数詞とも使われる。
- メモ
- チュカタミ(1担ぎ)、タカタミ(2担ぎ)、ミカタミ(3担ぎ)と数える。
カタミアキネー
荷を担いでの行商。
- 用例
- ヲゥジャサーヤ ナゲー カタミアキネー ソータンレー(叔父は長いこと行商をしていたよ)。
- メモ
- 類:カタミアチネー。
カタミアチネー
荷を担いでの行商。
- メモ
- 類:カタミアキネー。
カタミー
片目。
- 用例
- ワッター スーヤ イクサヲゥティ カタミー ウシナタン(私の父は戦争で片目を失った)。
カタミイシ
力石。
- メモ
- 類:マーイシ・マーイサー・サシイシ・チチイシ。
青年たちが力比べをした重量のある石。
カタミーヒバクー
魚介名。ヒラメやカレイ。
カタミーヒビキ
魚介名。ヒラメ。
- 用例
- カタミーヒビキヤ アヌ ヒラターグヮーソーヌ イユテー(ヒラメはあの平べったい魚さ)。
カタミーン
担ぐ。
- 用例
- カタミティ クーラリンナー(担いで来られるか)。
ゥンブサシェー ターン カタミランサ(重いのは誰も担がないよ)。
否:カタミラン(担がない)希:カタミーブサン(担ぎたい)過:カタミタン(担いだ)継:カタミトーン(担いでいる)。
カタミショーバイ
荷を担いでの行商。
- メモ
- 類:カタミアキネー・カタミアチネー。
行事に合わせて線香や打ち紙、石油、マッチなどを売りに来た。
カタミスーブ
担ぎ勝負。
- メモ
- 青年達が夕食後、勝負しようと力石を担ぎに集まった。
カタヤー
よく告げ口をする人。
- 用例
- カタヤー ナイネー、 ハナシーサーン ヲゥラン ナインドー(告げ口ばかりすると、話をする人もいなくなるよ)。
- メモ
- 類:カタイグチャー。
カタヤックヮン
フィラリア症の後遺症で陰のうが肥大した状態。象皮病。
- メモ
- 類:クーガグサ・ヤックヮングサ。
カタレー
語らい。
- 用例
- ユーバノー ウチナチカラ ヤガマーヲゥティ カタレーサナ(夕飯を済ませてから離れで語り合おう)。
カタレーグファン
人生儀礼。語らい+籠飯。
- メモ
- 婿側から嫁側に少しばかりの御馳走を持って婚礼の相談に行くこと。
カタンクン
傾く。
- 用例
- ウーカジ フチ ヤーガ カタンクン(大きな台風で家が傾く)。
- メモ
- 類:カタンチュン。
カタンチャー
傾き。傾倒する人。
カタンチュン
傾く。
- 用例
- ウッサヌムン チュバチニ ヌシーネー カタンチュンドー(そんなにたくさん一度に乗せると傾くよ)。
否:カタンカン(傾かない)希:カタンカシーブサン(傾かせたい)過:カタンチャン(傾いた)継:カタンチョーン(傾いている)。
- メモ
- 類:カタンクン。
カタゥンマ
肩車。
- 用例
- ワランチャー アチミティ カタゥンマ ッシ アシバシェー(子どもたちを集めて肩車で遊ばしなさい)。
- メモ
- →ウマドードー。
カタゥンマオーラシェー
肩車勝負。騎馬戦。
- 用例
- ヰキガンチャーヤ ウンドーカイニ カタゥンマオーラシェーヌ アタン(男生徒は運動会に騎馬戦があった)。
カチ~
~を強調する。
- 用例
- カチヤンジュン(引き破る)。
サーシ カチアキヤーニ(鍵をこじ開けて)。
カチアライン(さっさと洗う)。
- メモ
- カチ~(~を強調する接頭辞)ともいう。
ガチ
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- ムヌイミービカーン シ ヤナガチヤ!(食べ物だけせがんで嫌な食いしん坊め!)。
- メモ
- 類:ガチクェー・ガチマヤー。
ガチアジャ
口元のほくろ。
ガチー(~ガチー)
~しながら。~しつつ。~がてら。
- 用例
- イチャガチー(行きながら)。イユ トゥイガチ-(魚を取りながら)。
- メモ
- 類:~ガナー。
カチウトゥスン
書き写す。
- 用例
- チューヲゥティ ムル カチウトゥスン(今日で全部書き写す)。
ガチェー タカリティ
食いしん坊の強調した言い方。
- 用例
- ウヌ ワラベー ガチェー タカリティ カミムノー ミシララン(その子はとても食いしん坊で食べ物は見せられない)。
ガチガチー
苛立つ様。いらいら。
- 用例
- アリガ シーヨー ンジーネー ガチガチー スン(彼のやりかたを見ているといらいらする)。
ガチクェー
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- ムンヌ メーヲゥティ タッチョーチーネー ガチクェーラーサヌ アマンカイ ゥンジョーケー(食べ物の前で立っていたら食いしん坊みたいであっちに行きなさい)。
- メモ
- 類:ガチ・ガチマヤー。
カチクジーン
引っ掻き回す。ひどくかき回す。
- 用例
- ヌール カメートーラー グミヌ アルッサ カチクジーン(何を探しているのかゴミのありったけ引っ掻き回す)。
ワラバーターガ チャーイ カチクジティ(子どもたちが来て引っかき回して)。
否:カチクジラン(引っ掻き回さない)希:カチクジーブサン(引っ掻き回したい)過:カチクジタン(引っ掻き回した)継:カチクジトーン(引っ掻き回している)。
カチグヮー
垣根。
ガチグヮーグサ
リュウキュウハリギリ。
- 用例
- ガチグヮーグサヤ キーヌユダカイ ンジガ アン(ガチグヮーグサは小枝にトゲがある)。
カチケーイン
書き換える。
- 用例
- アンマーガ カチェーシ カチケーイン(お母さんが書いたのを書き換える)。
カチケーイン
書き換える。
- 用例
- アンマーガ カチェーシ カチケーイン(お母さんが書いたのを書き換える)。
カチケーラスン
ひっくり返す。
- 用例
- ヌヌママ ソーチーネー ヒサシ カチケーラスン(そのままにしていたら足でひっくり返すよ)。
- メモ
- 音1:ハチケーラスン。→ウッケースン。
カチシガイン
すがりつく。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウヤ ンジーネー カチシガイン(その子どもは親を見るとすがりつく)。
否:カチシガラン(すがりつかない)希:カチシガイブサン(すがりつきたい)過:カチシガタン(すがりついた)継:カチシガトーン(すがりついている)。
カチシブイ
冬瓜を削ったもの。
- 用例
- シブイガ マンドーネー カチシブイ シ カムタン(冬瓜がたくさんある時にはカチシブイにして食べた)。
- メモ
- 冬瓜を2つに割って、その中身をスプーンで削っておやつとして食べる。水分が多く夏場に良く食べられ、少量の砂糖を混ぜることもあった。
カチタックヮスン
掻きむしる。引っ掻く。
- 用例
- ヰーゴーサヌ フシガラン チュラーク カチタックヮスン(痒くてたまらずひどく掻きむしる)。
否:カチタックヮサン(掻きむしらない)希:カチタックヮシーブサン(掻きむしりたい)過:カチタックヮチャン(掻きむしった)継:カチタックヮチョーン(掻きむしっている)。
ガチチ
魚介名。ウニ。
- メモ
- 類:ガチチャー。
ガチチャー
魚介名。ウニ。
- 用例
- ガチチャー トゥイガ イチュン(ウニを採りに行く)。
- メモ
- 類:ガチチ。
ガチチョッチョイ
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。仕掛けの餌によく食いついたので、ガチ(食いしん坊)と呼んだ。籠に入れると餌を食べなくなり長くは飼えなかった。
カチトゥミーン
書き留める。
- 用例
- ワンガ イーシ、カチトゥミレー(私が言うのを、書き留めなさい)。
カチヌファムチグヮー
餅を小さく切ったもの。
- メモ
- 旧2月1日の大御願がノロ殿内で終了すると子どもたちに分け与えた餅の呼称。
カチヌミー
垣の中。藪の中。
- 用例
- カチヌミーンジ ダキグヮー ヲゥーティチャーニ、メーシ チュクイタン(竹垣から竹を折ってきて箸を作った)。
- メモ
- 音1:カキヌミー・カキンミー・カチャヌミー。→カキヌミー。
カチヌミーチョッチョイ
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーパーパー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
カチヌミーパーパー
アオカナヘビ。
カチヌミーホロホロー
物陰でこそこそしている様。
- 用例
- マーン チュガヤラ ユールナーカラ カチヌミーホロホロー ソーンデー(どこの人なのか、夜中から、垣根でこそこそ歩いているよ)。
- メモ
- 類:カチミーホロホロー。
カチヌミーングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
カチホーイン
散らかす。ばらまく。
- 用例
- ワランチャーガ アチマイネー アルッサ カチホーイン(子どもたちが集まるとありったけ散らかす)。
否:カチホーラン(散らかさない)希:カチホーイブサン(散らかしたい)過:カチホータン(散らかした)継:カチホートーン(散らかしている)。
- メモ
- 類:チラカスン。対:カタヂキーン・シジミーン・ヒジミーン・スジュミーン。
カチホーリー
散らかしっぱなしの状態。
- 用例
- イッター ヤーヤ イチュルカージ カチホーリー ソーサ(お前の家は行くたびに散らかしっぱなしだ)。
カチマール
製糖時の相互扶助。砂糖キビの刈り取りの相互扶助。
- メモ
- 関:ガヤヰーマール・ユー・ヰーセー・・ヰーマール・スーゲー。
カチマキ
勝ち負け。勝敗。
- 用例
- ツゲー カチマキ チキラヤー(次は勝敗をつけようね)。
ガチマヤー
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- イャーヤ アンシ ガチマヤー ヤテール(お前はなんて食いしん坊だったんだね)。
- メモ
- 類:ガチ・ガチクェー。
カチミー
垣根。
カチミーチョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥にもいった。
カチミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥にもいった。
カチミーパーパー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
カチミーホロホロー
物陰でこそこそしている様。
- メモ
- 類:カチヌミーホロホロー。
カチミーン
捕まえる。捕らえる。掴む。
- 用例
- ヌスル カチミーン(泥棒を捕まえる)。ジュンサガ カチミテールフージ(巡査が捕まえたようだ)。
イットゥチェー ヒージャー カチミトーケー(一時は山羊をつかまえておいて)。
否:カチミラン(捕まえない)希:カチミーブサン(捕まえたい)過:カチミタン(捕まえた)継:カチミトーン(捕まえている)。
カチミラリーン
捕まえられる。
- 用例
- ヤナクトゥサーマ カチミラリーン(悪い事をして捕まえられる)。
否:カチミラン(捕まえない)過:カチミラッタン(捕まえられた)継:カチミラットーン(捕まえられている)。
カチミングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
カチミングヮスン
かきみだす。人の話や決まったことに横やりを入れる。
- 用例
- アリガ チーネー カチミングヮスンドー(彼が来るとかき乱すよ)。
否:カチミングヮサン(かき乱さない)希:カチミングヮシーブサン(かき乱したい)過:カチミングヮチャン(かき乱した)継:カチミングヮチョーン(かき乱している)。
カチャ
蚊帳〔かや〕。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー カチャ ヒチ ニンジュタンヤー(私たちが小さい頃は蚊帳を張って寝ていたね)。
- メモ
- 葬式蚊帳はは2、3人で張ることから、日常の蚊帳は1人で張るものだといわれた。また、アシビの際には、演者の所作が見えるように地謡と舞台の間に蚊帳が張られた。
カチャーシー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- チヌーヌ ボージャースージェー カチャーシーン ディキティ イッペー ハネーチョータン(昨日の出産祝いはカチャーシーも上出来でとても盛況だった)。
- メモ
- 祝いの座の最後にテンポの速い三線の曲に合わせて即興で自由自在に踊る踊り。
カチャースン
かき混ぜる。
- 用例
- ナービヌ ゴーヤーチャンプルー カチャースン(鍋のゴーヤーチャンプルーをかき混ぜる)。カチャーチ(かき混ぜて)。
否:カチャーサン(かき混ぜない)希:カチャーシーブサン(かき混ぜたい)過:カチャーチャン(かき混ぜた)継:カチャーチョーン(かき混ぜている)。
カチャヌミー
垣の中。藪の中。
- 用例
- カチャヌミーンカイ ヒンギティ ハイタン(薮の中に逃げて行った)。
- メモ
- 音1:カキヌミー・カキンミー・カチヌミー。→カキヌミー。
カチャヌミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。仕掛けの餌は潰した芋に花や赤い唐辛子など色の付いたものをさすと、よく獲れた。鳥籠に入れると暴れて怪我をするので長くは飼えなかった。
カチャミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチャムン
引っ掻く。かきむしる。
- 用例
- サールー ガンマリ シーネー カチャムンドー(猿を悪戯すると引っ掻くよ)。
否:カチャマン(引っ掻かない)希:カチャミーブサン(引っ掻きたい)過:カチャマッタン(引っ掻かれた)継:カチャドーン(引っ掻いている)。
カチュー
鰹。鰹節。
- 用例
- カチューヤ ルクグヮ チマングラ ユー トゥラリーサ(カツオは六月頃に良く釣れるよ)。
カチュー ヒジュン(鰹節を削る)。
カチューウヤー
鰹売り。鰹節行商人。
- 用例
- カチューウヤーヤ、ウカジカラ アチネーシーガ チュータン(鰹節売りは、宇加地から行商人が来ていた)。
- メモ
- 女性が盥に鰹節を入れて、頭に乗せて行商していた。渡慶次・儀間近辺には恩納村から鰹節売りが来ていた。
カチューユー
鰹節と味噌をお湯で溶いた汁。
- 用例
- クチニーサンディグトゥ カチューユー チュクイサ(食欲がないというからカチューユーを作るさ)。
- メモ
- 類:ユーカキー。
カチュン
書く。描く。
- 用例
- ドゥーヌ ノージ カチュン(自分の名前を書く)。ンナシ ヰー カチュン(皆で絵を描く)。
否:カカン(書かない)希:カチーブサン(書きたい)過:カチャン(書いた)継:カチョーン(書いている)。
- メモ
- 類:カクン。
カチュン
掻く。
- 用例
- ムシカイ クヮーッティ ヰーゴーサグトゥ カチュン(虫にさされて痒いから掻く)。
チュヌメーヲゥテイ ハジ カチュン(人前で恥を掻く)。
否:カカン(掻かない)希:カチーブサン(掻きたい)過:カチャン(掻いた)継:カチョーン(掻いている)。
- メモ
- 類:カクン。
ガチュン
魚介名。メアジ。
- 用例
- ユーバノー ガチュン アギーン(夕飯はメアジを揚げる)。
ガチュンアミ
漁具名。魚網。
- メモ
- 字宇座では各戸に網が常備されていた。漁の季節になると海佐事(使丁)が各戸に告げて廻った。
ガチラーサン
食いしん坊にみえるようだ。
- 用例
- ムンビカーン メー ナチョーチーネー ガチラーサン(食べ物だけを前にしていたら食いしん坊にみえる)。
カチリーン
飢える。
ガチングェー
つまみ食い。
- 用例
- イャー リヌムノー ガチングェービカーン ッシ!(お前という奴はつまみ食いばかりして!)。
- メモ
- 音2:ヒルイングェー・ヌスルングェー。
カチンミー
垣根。
カチンミー
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
カチンミー
垣根。
カチンミー
生け垣の中。
カチンミーチョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチンミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチンミー(藪の中)にいて、チョッチョッチョと鳴いた。春にはホーホケキョーと鳴く。
カチンミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチンミーパーパー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。カチンミーは藪の中、パーパーをお婆さんの意味。
カチンミチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カッカイマチブイ
まとわりつく様。
- 用例
- カッカイマチブイ シ ティーチン メーネー アガカン(あちこちに絡まってちっとも前に捗らない)。
- メモ
- 類:カカイマチブイ。
カックィーン
隠れる。
カックヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カックヮスン
隠す。
- 用例
- ワランチャーガ ンラン トゥクルカイ クヮーシ カックヮスン(子どもたチが見えない所にお菓子を隠す)。
否:カックヮサン(隠さない)希:カックヮシーブサン(隠したい)過:カックヮチャン(隠した)継:カックヮチョーン(隠している)。
- メモ
- 類:カクスン。
カックンゴーリー
子どもの遊び。かくれんぼ。
- メモ
- 類:トゥールクヮクェー・クヮッキントールー・トーイガックイ・トールガックイ。
カッケームッケー
あれこれものを言う様。言いたい放題。
- 用例
- カッケームッケー イーブサヌカッティー ヌール イチョーラー ワカラン(あれこれ言いたい放題で何を言っているのか分からない)。
カッコー
おしめ。
- 用例
- ユグリムノー カッコーシ チチメー(汚れた物はおしめで包みなさい)。
- メモ
- 類:カコー。
ガッコーアッチャー
学生。
- 用例
- ナマン ミッチャイ ガッコーアッチャーガ ヲゥン(今も3人の学生がいる)。
カッコーヒッコー
ぼろ布。
- 用例
- カジフチ ナティ ウチアミ スグトゥ カッコーヒッコー ムル アチミレー(台風で雨が入り込むからぼろ布のありったけ集めなさい)。
ガッサン
軽い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ ジョーイ ガッサン(お前の物は私のよりずっと軽い)。
- メモ
- 対:ゥンブサン(重い)。
カッシン
合戦。大会。
カッチャーシー
雑踊り。
- メモ
- 類:カチャーシー。
カッチャーシクジーン
ひっかきまわす・めちゃめちゃにする。
- 用例
- アリカイ サーラシーネー ムル カッチャーシクジティ ワカラン ナインドー(彼に触らせると全部ひっかきまわして分からなくなるよ)。
否:カッチャーシクジラン(ひっかきまわさない)希:カッチャーシクジブサン(ひっかきまわしたい)過:カッチャーチャン(ひっかきまわした)継:カッチャーチョーン(ひっかきまわしている)。
カッチャースン
かき混ぜる。
- メモ
- 類:カチャースン。
カッチュン
勝つ。
- 用例
- クンドゥン イリヌシンカガル カッチュサニヤー(今年も西の人たちが勝つんでしょうね)。
クンドゥヌ ウンドーカイヤ チャーシン カッチーブサン(今年の運動会はどうしても勝ちたい)。
否:カッチーサン(勝てない)希:カッチーブサン(勝ちたい)過:カッチャン(勝った)継:カッチョーン(勝っている)。
- メモ
- 対:マキーン(負ける)。
カッチン ヘーバル
地名(うるま市の勝連と南風原)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
カッチンミーチョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カッティー
勝手。手慣れた者。熟練者。
- 用例
- ドゥー カッティー シーネー バッベーインドー(自分勝手にすると間違えるよ)。ンカシェー クヮナシーニン カッティール タヌムタンドー(昔は子どもを産むときにも手慣れた人を頼んだんだよ)。
ヌー スンディン カッティガ ヲゥイビシェーヤ(何をするにも熟練者がいますでしょう)。
- メモ
- お産などは経験豊富なカッティーの手を借りた。音:カッティ。
ガッティン
合点。
- 用例
- アンシェー ガッティンヤ サンサ(それでは合点がいかないよ)。
ガッティングヮー
軽々と。
- 用例
- マギサヌ イシ ガッティングヮー ムッチュタン(大きな石を軽々と持ち上げた)。
- メモ
- 類:カルガルートゥ・ヤシヤシートゥ。
カッパー
乾燥してかたくなっている様。
- 用例
- カッパー ナトーンドー(乾燥してかたくなっているよ)。
ガッパー
杵。横杵〔よこぎね〕。
- メモ
- 類:カッパヤー。
ガッパイ
額や後頭部が出ていること。
- 用例
- アリガ ガッパイヨー(彼の頭のいびつなこと)。
カッパヤー
杵。横杵〔よこぎね〕。
- 用例
- ゲンノーヌ グトゥ ソール カッパヤーッシ チチュン トゥクルン アイビーシェー(ゲンノウのような横杵で搗くところもありますよ)。
- メモ
- 類:ガッパー。
ガッパヤー
額や後頭部が出ている人。
- 用例
- アヌ ガッパヤーガ シーンジャチェール ワジャ ヤサ(あのでこっぱちがしでかしたことだよ)。
カティムン
おかず。
- 用例
- シルビカーンシェー ワター ミッタン カティムン ゥンジャシェー(汁だけでは腹いっぱいにならないからおかずを出しなさい)。
- メモ
- 行事のおかずが入った重箱にもカティムンといった。
カティムントゥエー
行事の前の小規模な漁。
- メモ
- 行事の前に、御馳走の材料調達のために数人で行なった小規模な漁のこと。
カテーナムン
困ったもの。厄介もの。
- 用例
- アレー ミッタ カテーナムンレー(彼は本当に困った者だな)。チャッサ カンゲーティン カテーナムン ヤッサー(どんなに考えても困ったものだな)。
カテーバル
{片江原}。儀間の小字。
カデナー
地名(嘉手納町嘉手納)。
カドゥ
角。組。集落を構成する組織。
- メモ
- →音1:カル。
何組かに分けてカドゥ(角)と呼ばれていた。
カドゥカイ
角会。
- メモ
- 宇座では地域の扶助組織である隣組を角会といっていた。後に組会と呼ぶようになった。
カドゥシンカ
同じ組の仲間。隣組の構成員。
- メモ
- 葬式の際は、葬式や喪家の家畜の世話、芋掘りなどを扶助した。
カナ
綛(かせ)にかける前の一束にした糸。
- 用例
- カナ スミーン(糸を染める)。
ガナー(~ガナー)
~しながら。~しつつ。~がてら。
- 用例
- アシバガナー(遊びながら)。
カナースン
噛む。咀嚼〔そしゃく〕する。
- 用例
- シシヌ クファサヌ イクケーヌン カナースン(肉が固くて何度も噛む)。
否:カナーサン(噛まない)希:カナーシーブサン(噛みたい)過:カナーチャン(噛んだ)継:カナーチョーン(噛んでいる)。
カナイヂューサン
達者でよく働けるようす。
- 用例
- ドゥク カナイヂューサヌヨ、ヤーネー カカランル アル(とても元気すぎて家にじっとしていないよ)。
カナイン
①達者である。働ける。自由がきく。②かなう。
- 用例
- ①クチ カナイン(口答えをする)。ドゥーヌ カナーン(体がきかない)。イャーネー カナーンサー(お前にはかなわないなあ)。
②イャーネー カナーンサ(お前にはかなわないなあ)。イャーヤ アリンカイ カナインナー(お前は彼に勝てるか)。
ワラビヌ チブルンカイヤ カナーン(子どもの知恵にはかなわない)。
否:カナーン(かなわない)。
カナイン
元気だ。達者だ。
- 用例
- ワッター スーヤ ナマヤティン デージ カナイン(私の父は今でもとても元気だ)。
ブユーン ヌーンクイ カナトーン(武勇も何でも達者である)。
ドゥーヌ カナーン(体が丈夫でない)。
継:カナトーン(元気である)。
- メモ
- 否:カナーン。
カナカ
鍛冶道具のひとつ。鉄床。
カナガナートゥ
仲の良い様。
- 用例
- チョーデーヤ イチマディン カナガナートゥ シーヨー(姉妹はいつまでも仲良くしなさいよ)。
カナギーン
からげる。
- 用例
- ンリラングトゥシ スス カナギーン(濡れないように裾をからげる)。
否:カナギラン(からげない)希:カナギーブサン(からげたい)過:カナギタン(からげた)継:カナギトーン(からげている)。
- メモ
- 類:カイギーン。
カナクジ
金釘。
- メモ
- 音1:カニクジ。音2:クジ・グジ。
カナグシク
瀬名波にある遺跡。地名伝承。
- メモ
- 野原で墓がいっぱいあった。
カナサ スン
可愛がる。
- 用例
- カナサ シミソーリ(可愛がってください)。カナサシ ミートゥ ナタン(愛し合って夫婦になった。イッペー クヮ カナサスン(とても子どもを可愛がる)。
カナサン
愛しい。かわいい。
- 用例
- ドゥシンチャーヤ ウフッチュナティン カナサンヤー(友達は大人になっても愛しいものだ)。
カナサシ ミートゥナタン(愛し合って夫婦になった)。ターヤ カナサガ(誰が好きか)。イッペー カナサンロー(とても愛おしいよ)。
- メモ
- 音1:カナハン。
ガナシー(~ガナシー)
~様〔さま〕。
- 用例
- シージャガナシー(お兄様)。
- メモ
- 敬称につく接尾辞。
カナシドゥシ
親友。
- 用例
- ワントゥ アリトー イッペーヌ カナシドゥシ ヤン(私と彼女はとても仲の良い友人だ)。
マルケーテー カナシドゥシンチャー アチマティ アシビーガ イカヤー(たまには仲の良い友達で集まって遊びに行こうね)。
- メモ
- 類:クビチリドゥシ。
カナバー
農具名。稲の脱穀をする道具。
- メモ
- 音:カナバ。
カナハン
愛しい。
- 用例
- ドゥシンチャーヤ カナハン(友達は愛しい)。
- メモ
- 音1:カナサン。
カナミ
要。念。
- 用例
- バッペーラングトゥ カナミ カキーン(間違えないように念を押す)。
カナムン
金物。金属製の物。
- 用例
- カナムンヤ チュトゥクマカイ アチミティ ウッチョーケー(金物は一か所に集めておきなさい)。
カナムンヤー
金物屋。
- 用例
- クジヌ ネーンラー カナムンヤーヲゥティ コーティクーワ(釘がないなら金物屋で買って来なさい)。
カナヤー
働き者。元気者。
- メモ
- 音2:ハマヤー。→アガチャー。
カナヨー
甘藷の品種名。
- メモ
- ンムに似た美味しい甘藷。
ガナラサン
かいがいしい。よく立ち働く様。
- 用例
- ワッター ユミヤ ジッコー ガナラサン(うちの嫁はとてもてきぱきと働く)。
- メモ
- 類:ガラナハン・ガラナサン。
カナワイン
叶う。
- 用例
- ウムトータルグトゥ ヌジュミ カナワイン(思っていた通りに望みが叶う)。
否:カナワラン(叶わない)過:カナワタン(叶った)継:カナワトーン(叶っている)。
カニ
理性。常識。
- 用例
- チョー トゥシ トゥッティン カニ ハンリランケー シムサ(人間は年を取っても常識をはずさなければいいさ)。
カニ
金属製の物。
- 用例
- カニヤ チュトゥクマカイ アチミトーケー(鉄は一か所に集めておきなさい)。
カニガ ナイネー ヤーカイ ケーラヤー(鐘が鳴ったら家に帰ろうね)。
カニ
鉦。鐘。
- 用例
- カニガ ナイネー ヤーカイ ケーラヤー(鐘が鳴ったら家に帰ろうね)。
ガニ
カニ。蟹。
- 用例
- クーサイネー シージャンチャートゥ マジョーン カーラカイ ガニ トゥイガ イチュタン(小さいころは兄さんたちと一緒に川に蟹を取りに行った)。
ガニ
ケチ。
- 用例
- アレー ドゥク ガニ ナティ チュンカイ ウグインディシン シラン(彼奴はあまりにもケチで人にご馳走するってことも知らない)。
- メモ
- 類:イビラー・グマイ・グンジューグマー・ニジヤー。
カニー
庚。十干のひとつ。
- 用例
- カニーヌ ヒーニ スージ サナ(庚の日に祝いをしよう)。
- メモ
- 吉日とされ、物事を執り行うのに良いとされている。
カニーグヮー
芯が強い女性。利発な女性。
- 用例
- ウレー カニーグヮー ヤンドー(その人は利発な女性だよ)。
カニウッチャー
鉦を鳴らす者。念仏者。
- メモ
- 類:ニンブチー・ニンブチャー。
カニガラ
石工〔いしく〕道具名。墓造り等に用いる。
- 用例
- →イシガナ。
カニグサ
蟹草〔カニクサ〕。シャミセンヅル。
カニクジ
金釘。
- 用例
- ゥンマリカーヤ カニクジガ マンドーグトゥ ヒサムトゥ キー チキリヨー(そこら辺は釘が多いから足元に気をつけなさいよ)。
- メモ
- 音1:カナクジ。→カナクジ。
カニクジー
砂地。
- 用例
- ゥンマヰーヤ カニクジー ヤタン(馬場は砂地だった)。
- メモ
- 類:シナジ。
カニクス
金屎。
カニジーファー
金属製の簪。
- 用例
- ワッター パーパーヤ カニジーファー ウホーク ムッチョータン(私の祖母は金属製の簪をたくさん持っていた)。
カニチ グチ
閂口。綱引きの雌雄の綱を結合させる場所。綱を引く場所の中央部分。
- メモ
- 類:カニチドゥクル。
カニチドゥクル
閂所。綱引きの雌雄の綱を結合させる場所。綱を引く場所の中央部分。
- メモ
- 類:カニチグチ。
カニチヌチ
閂通し。綱引きの雌雄の綱を結合させること。
- メモ
- 雌雄の綱の先端は輪になっており、雌綱の輪に雄綱の輪を入れ、その雄綱の輪に丸木棒を通し結合させること。
カニチヌチャー
閂抜き。綱引きの雌雄の綱を結合させる者。
- メモ
- 綱引きの雄綱と雌綱を、綱を引く場所の中央に寄せてきたとき、閂棒を綱に貫き通す役の者で、大力の者が選ばれる。
カニチボー
閂棒。綱引きのとき、雌綱と雄綱とのつなぎ目に通す丸木棒。
- メモ
- 音:カヌチボー。
カニヂューカー
金属製の急須。
カニティ
前から。以前から。
- 用例
- カニティカラ ワンガ イチャノー アラニ(前から私が言ったでしょう)。
カニナービ
鉄鍋。
カニハンリーン
ぼける。もうろくする。
- 用例
- トゥシ トゥッティ カニハンリーネー ヤッケー ヤサ(年を取ってボケたら厄介だ)。
- メモ
- 類:ローマチリーン。
カニビン
錫製の酒器。対になっている、祝い事などに錫製の酒器。
- 用例
- ニービキネー カニビンカイ サキ イリータンヤー(結婚式の時には錫製の瓶に酒を入れたね)。
カニビンクンダグヮー
錫製の酒器のような形の良いふくらはぎ。
- 用例
- アンシ イー カニンビンクンダグヮー ソール(何てきれいなふくらはぎをしているんだろう)。
ナガハマヌ ミヤラベー カニビンクンダグヮー(長浜の娘は酒器のようにしまったふくらはぎだ)。
カニベンサー
コガネムシの一種。
- 用例
- カニベンサー カチミタン(黄金虫を捕まえた)。
カヌチャ
綱引きの雄雌の綱を結合させる箇所。
- 用例
- カヌチャヤ ナカジンヲゥティ ヌクタン(雄綱と雌綱は真ん中で貫いた)。
カネー
小作。小作料。使用料。借地料。
- 用例
- イッター カネーヤ ニンニ チャッサ ハラトーガ?(貴方たちの土地代は一年に幾ら払っているの?)。
ハルカネー シミタイ(小作をさせたり)。ワッターヤ ジーン ネーラングトゥ カネーカカトーン(うちは土地もないので小作をしている)。
- メモ
- 小作を意味するカネーが小作料や借地料の意味をももつ。
カネーは畑の耕作だけでなく、次のような事例もある。
製糖小屋周辺など字の共有地から草を刈る場合にはカネー(小作料)を支払った。字都屋には残波沖から向こうには漁業権が無かったので、漁漁業料という名のカネー(使用料)を払った。次男三男など分家の者が本家の畑を小作することにカネーカカインといった。字長浜では家畜の餌の草を刈るために隣村の谷茶まで行った。
カネー カカイン
小作する。
- 用例
- ワッターヤ ヒンスー ヤグトゥ カネー カカイン(うちは貧乏なので、小作をしている)。
- メモ
- 次男三男など分家の者が本家の畑を小作することにカネーカカインといった。
カネー カキーン
小作をさせる。
- 用例
- ウフヂネーヤ テーゲー カネー カキトータン(豪農はだいたい小作させていた)。
- メモ
- ウフヂネー(篤農家)や働き手のいない家は、他人に小作させることが多く、それをカネー カキーンといい、賃金ないしそれに相当する作物を小作人に支払った。
カネー ママヌチャーイ
小作料金の徴収。
- メモ
- 小作人たちは年に1回カネーヌチャーイ(小作料徴収)の日に地主へ支払いに行き、地主はまた御馳走を準備し労をねぎらった。字長田では豚を潰して会席を出しお土産まで持たせたという。
カネーイ
元気。達者。
- 用例
- チャー カネーイ ヤンシェーンナー?(変わりなくお元気ですか?)。
カネーイン
取り囲む。
- 用例
- マーニン ヒンギラングトゥ ンナシ カネーイン(どこにも逃げないように皆で取り囲む)。
カネーガキ
小作をさせること。小作契約。
- 用例
- サンジューエンシ カネーガキシ タムン トゥトータン(30円の小作料で薪を取った)。
- メモ
- 字渡慶次・儀間・宇座などは隣村塩屋・真栄田と年間30円の契約で薪を採集した。
カネーグヮー
小作料。使用料。借地料。
カネーモー
小作地。
- メモ
- カネーモーから無断で草を刈ってはならない。
カバ
香り。
- 用例
- ウヌ ウコーヤ アンシ イーカバ スル(その線香はとても良い匂いがするね)。
カバ
香り。
- 用例
- ウヌ ウコーヤ アンシ イーカバ スル(その線香はとても良い匂いがするね)。
カバ
ビニール。
- 用例
- ンリラングトゥッシ カバ カキトーケー(濡れないようにビニールを被せておきなさい)。
- メモ
- 新語
カバウコー
香りの良い線香。竹芯線香。
- 用例
- カバウコーカラ コーティクーヨー(良い匂いのする線香を買って来なさいよ)。
カバグー
香しい粉。
- メモ
- きな粉やすり胡麻などの香りにいう。
カバサン
芳しい。香ばしい。
- 用例
- ンカシヌ サフノー ジコー カバサタンヤー(昔の石鹸はとても良い匂いがしたね)。
- メモ
- 類:カバハン。
カバッチュ
薫りたつような人。
カバハン
芳しい。良い匂い。
- 用例
- ランパチ ヒチ アトゥ アンダグヮー ナシーネー イッペー カバハタンヤー(散髪後髪油をつけるととても良い匂いがしたね)。
- メモ
- 類:カバサン。
カバヤー
テント小屋。屋根にビニールを掛けた小屋。
- 用例
- アミ フトールムン、カバヤーヲゥティ アミ ハラサナ(雨が降っているから、テント小屋で雨を晴らそう)。
カビ
紙。
- 用例
- ウッサキーヌ カビ アチミティ チャー スヌ バーガ(そんなにたくさんの紙を集めてどうするつもりか)。
カビアンジ
銭紙を炙ること。
- 用例
- ンナ スリティカラ カビアンジ スン(皆が揃ってから銭紙を炙る)。
- メモ
- 類:ンチャビ。
盆や彼岸をはじめとする法事に、祖霊が後生でお金に困らないようにと、お金をかたどったウチカビ(紙銭)を炙った。カビアンジをするのは一般に世帯主の役目である。
カビウチ
打ち紙にお金の型を押す鉄製の道具。
- メモ
- →ウチカビウッチャー。
カビギ
カジノキ。楮の木。
- 用例
- カビギヤ ヤマカイ イキーネー マンドータン(カジノキは山に行くとたくさんあった)。
カビギンガー
カビギの井泉。楚辺の井泉の名称。
- メモ
- 楚辺のナナウタキ(七御嶽)のひとつでイーガーともいう。暗川発見以前、集落の人々はこの井泉を頼りに生活したといわれる。付近一帯にカビギ(カジノキ、クワ科の落葉高木)が多かったのでカビギンガーと呼ばれている。
カビシ
壁石。
- 用例
- カビシシ カママーイヤ チムタン(石で竈周りを積んだ)。
カビシディシェー イシシ チュクラットール クビヌ クトゥ ヤサ(カビシというのは石で造られた壁のことさ)。
- メモ
- 海岸の石を切り取って造る壁用の石のこと。昔は海岸の石にクサビを打ち込んで、専門の人がそれぞれの用途に合わせて石を切り取っていた。
カビジリー
紙切れ。
- 用例
- ヌーン ネーンラー ゥンマリカーンカイ アル カビジリーンカイ カチョーケー(何もなければそこら辺にある紙切れに書いておきなさい)。
カビジン
紙銭。札。紙のお金。
- 用例
- カビジン チカイシェー マシ ヤサ(札を使った方が良いよ)。
カビバク
紙箱。
カビブクル
紙袋。
- 用例
- カビブクルンカイ クヮーシヌ イッチョーン(紙袋にお菓子が入っている)。
ガファラ
ふけ。
- メモ
- →アクミ。
カブイン
欠損する。失敗する。被る。
- 用例
- マギモーキ スンディ シーネー カブインドー(大儲けをしようとしたら失敗するよ)。
- メモ
- 類:ウルキーン。
カフー ムッチョーン
妊娠している。
- メモ
- →ウフワタ ソーン。
カフーシ
ありがとう。
- 用例
- チャー ティガネー シ トゥラチ カフーシドー(いつも手伝ってくれてありがとうね)。
- メモ
- 目下への感謝の言葉。
カフーナチュ
果報な人。幸せな人。
カブグヮー
かんざしの端のしゃくし型の部分。
- 用例
- ジーファーヌ カブグヮーシ クーグヮー イッティ(かんざしのカブで粉を少し入れて)。
カブラー
闘牛用の牛の名前。
- 用例
- ウシヌ チヌヌ シチャ ンカトーシカイ カブラーディータン(牛の角が下を向いているのにカブラーといっていた)。
カマ
竈〔かまど〕。
- メモ
- 類:カマドゥ。
ガマ
洞窟。洞穴。
- 用例
- ウルルチャーニ ドゥーチュイ ガマカイ ヒンギティ ハイタン(驚いて一人で洞窟へ逃げて行った)。
- メモ
- →アブ。
ガマク
腰。
- 用例
- ゥンブムン ムッチャレー グテーヌ カナーン ガマクヌ ヤムン(重いのを持ったら力がなくて腰が痛い)。
カマサー
魚介名。カマス。
- 用例
- カマサーヤ ナガイユグヮー ナティ イリチヤ マンドータヌ ハジドー(カマスは長い魚でうろこが多かったはずだよ)。
- メモ
- 類:カマシ。カマジー。
カマサギ
祭祀を行う場所。ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- メモ
- 音1:カミサギ。音2:アサギ・カミアサギ。→アサギ。
カマシ
魚介名。カマス。
- メモ
- 類:カマサー。カマジー。
カマジー
かます。藁で編んだ目の細かい袋。穀類や塩などを入れた。
- 用例
- サーターヤ カマジーヌ チャッサ バサンカイ ヌシーガ?(砂糖はカマスの幾つ分馬車に載せるの?)。
- メモ
- 類:カマサー・カマジ。
カマジーシバイ
かますで囲った小屋掛け芝居。
- メモ
- 広場や家の庭を借用し、かますで囲ったような粗末な舞台で行われた芝居。
カマジェー
コオロギ。
- 用例
- カマジェーヤ ナマヤティン ナキギー キカリーシェーヤー(コオロギは今でも鳴き声が聞こえるさあね)。
カマジサー
不愛想な人。
- 用例
- イャーヤ アンシ カマジサー ナティ(君はひどく不愛想だ)。
カマジシ
不愛想。
- 用例
- カーゲー チュラサシガ カマジシ クートーン(美人だが不愛想だ)。
カマスン
食べさせる。
- 用例
- ゥンマガンカイ ムン カマスン(孫に食事をさせる)。否:カマサン(食べさせない)希:カマシーブサン(食べさせたい)過:カマチャン(食べさせた)継:カマチョーン(食べさせている)。
カマドゥ
竈〔かまど〕。
- メモ
- 類:カマ。
カマナー
台所。
- メモ
- →イーウスントゥー。
カマヌイビー
竈の土を塗り替える日。戊か庚の日に塗った方が良いといわれた。
ガマバカ
洞窟墓。洞穴墓。洞窟を利用して、穴を掘って造った墓。
- 用例
- ウミヌ ハタヤ ガマバカガ ナラドータン(海側は洞窟墓が並んでいた)。
カマブク
カマボコ。
- 用例
- カマブク コーイブサシガ マーヌ ムンガ マーサガヤー?(カマボコを買いたいがどこのが美味しいかね?)。
カママーイ
行事名。火難防止祈願。
- メモ
- 旧10月吉日に行われるヒーマーチヌウガンともいう行事。各戸の竈(かまど)を見て廻ったのでカママーイという。
字長浜・儀間ではククヌトゥグンジュー(49歳)のウガンウスメー、ウガンメーと呼ばれる初老の男性たちが火災防止の祈願を行った。
字伊良皆では、ヒーゲーシ(火返し)といい、カータキ(井泉や御嶽)とジトゥーヒヌカン(地頭火の神)を拝した後に各戸の火の神を拝む。拝みが終わると、茅葺き家から茅を抜き取り、瓦葺の家屋からは燃える物を集めて、小屋を造った。各戸から人を集めて、その小屋に火を放ち、鳴り物をならし「ホーハイ、ホーハイ」と言いながら水をかけて小屋を消火する。
カマラー
気難しい者。
- メモ
- 類:カマラシムン。
カマラサン
気難しい。
- 用例
- ワッター トゥジェー イッペー カマラサン(私の妻はとても気難しい)。
カマラシムン
気難しい者。
- 用例
- アレー カマラシムン ヤンヤー(彼は気難しい人だね)。
- メモ
- 類:カマラー。
カマランカミ
無理に食べること。
- 用例
- カマランカミ スル サクヤラー カマンケー(無理に食べるくらいなら食べるな)。
- メモ
- 類:クヮーランクェー。
カマランカミ
無理に食べること。
- 用例
- カマランカミ スル サクヤラー カマンケー(無理に食べるくらいなら食べるな)。
- メモ
- 類:クヮーランクェー。
カマンタ
茅などの植物で編んだ大鍋の蓋〔ふた〕。釜蓋。
- 用例
- カマンタヤ マーニン ヒティンナヨー(鍋蓋はどこにも捨てるなよ)。
カマンタヤ キーンカイ サギトーケー(鍋蓋は木に吊しておけ)。
- メモ
- 茅を細く束ねて竹や蔓で巻いて編んだ鍋の蓋。ススキや藁を竹ひごを円錐形に編んで作られていた。
釜蓋を伏せておくとアカマタが孵化するので伏せて置いてはいけない、地にそのまま置いてはいけないなどといわれた。
カマンタ
魚介名。エイ。
- 用例
- カマンター ウヤ クェームン(エイは親を喰う)。
ウッピナーヌ カマンタ ユー トゥッテール(そんなに大きなエイをよくぞ捕ったもんだ)。
- メモ
- エイの子が漁師の釣り針にかかると親の陰部に逃げ込む。それで親まで一緒に釣り上げられるので、「エイの子は親を喰う」という話が糸満にある。
カミアキネー
荷を頭に載せての行商。
- 用例
- ワッター オバーヤ カミアキネー ヒチョータン(私の祖母は頭上に物を載せて行商していた)。
- メモ
- 類:カミアチネー。
カミアサギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- 用例
- カミアサギヲゥティ ウグヮン ウサギトーン(カミアサギで御願をしている)。
- メモ
- 音2:アサギ・カマサギ・カミサギ。→アサギ。
カミアサギモー
カミアサギに隣接する広場。
- メモ
- 音:カミサギモー。
字瀬名波ではノロや神人たちが神を招請して祭祀する場所であった。かつては、近辺に松の木やマーニ(黒ツグ)などが生い茂っており、相当な面積であったが、現在は祠に霊石が安置されているのみである。アサギ参照。
カミアチネー
荷を頭に載せての行商。
- 用例
- ワッター アンマーヤ トゥーチ カミアチネー ッシ アッチュタン(私の母はいつも頭に荷物をのせて行商していた)。
- メモ
- 類:カミアキネー。
カミアチネーサー
荷を頭に載せて行商する者。
カミーグルサン
食べ難い。
- メモ
- 音1:カミグリサン・カミグルハン。
カミーン
荷を頭に載せる。
- 用例
- ゥムバーキ カミーン(芋を入れたザルを頭に載せる)。
トゥヤーカラヨー バーキ カミティ スクグヮー ウイガ チュータンヨー(都屋からね、ざるを頭に載せてアイゴの稚魚を売りに来ていたよ)。
否:カミラン(載せない)希:カミーブサン(載せたい)過:カミタン(載せた)継:カミトーン(載せている)。
カミーン
押しいただく。
- 用例
- ハナグミ カミーン(花米を押しいただく)。ヌブシヌ タマ カミティ(ヌブシの玉を頭に載せ)。シラギ カミトーン(白髪になられている)。チジナカ カミトーン(ありがたく思っている)。
継:カミトーン(押しいただいている)。
カミウクイ
神送り。1年で最後に行われる8月のウマチー。
カミウコール
神御香炉。
- メモ
- 宗家にある上代の祖先を祀った香炉。
カミウシーミー
《一門清明》行事名。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- カミウシーミーヤ ムンチューシンカシ ウガムン(神御清明は門中の人たちで拝む)。
- メモ
- 音2:アジウシーミー・イチムンシーミー・ムンチューシーミー。
長浜では清明の入り日に行う。午前中は門中の人が集まって墓を掃除し、午後は重箱料理を供えて皆で拝んだ。
カミウンケー
行事名。神迎え。
- メモ
- 類:ウマチー。
集落にある拝所へ、村の祭祀を司るノロを頂点とした神役と集落の代表、集落内宗家の代表などが神酒や供物を供え、豊穣祈願・感謝、集落の繁栄祈願を行う行事のこと。
カミオーキバル
{上大木原}。大木の小字。
カミカンティー
①食べがたい。腹がいっぱいでこれ以上食べれないこと。②食べ物に困ること。生活に困ること。
- 用例
- ①ワタ ミッチ カミカンティーソーン(お腹いっぱいで食べきれない)。②イクサユーネー チャー ムヌン カミカンティー ソータン(戦争の時にはいつも食べ物に困っていた)。
- メモ
- 類:クェーカンティー。
カミグシンジュ
神御墓。使われなくなった古い墓の呼称。
- メモ
- 類:カミバカ。
カミグリサン
食べ難い。
- 用例
- ヤーサー アティン チュヌメーヲゥテー カミグリサン(お腹はすいていても人前では食べにくい)。
- メモ
- 音1:カミグルハン。
カミグルハン
食べ難い。
- メモ
- 音1:カミグリサン・カミーグリサン。
カミサギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- メモ
- 音1:カマサギ。→アサギ。
カミジバル
{亀地原}。波平、大湾の小字。
カミジョージ
食べ上手。
- 用例
- ウヌワラビヌ ムン カミジョージ ヤシヨー(その子のご飯の食べ上手なこと)。
カミズク
食べていく術。生活力。
- 用例
- カミズク ナラン(生活できない)。
- メモ
- 音2:ムヌカミジュク・カミリクチ。類:ムヌクェージク。
カミダーリ
神がかり。
- 用例
- トゥナイヌ ヰナグングヮガ カミダーリ ソーンディシェー フントー ヤンナー?(隣の娘が神がかりしているって本当ねぇ?)。カミダーリ ソール チュ(神がかりしている人)。
カミチキーン
食べ尽くす。
- メモ
- 類:カミトゥバスイン・ハバチチキーン。
カミヂューサン
食べすぎ。
- 用例
- ナー ウッサ カメー チューヤ カミヂューサンドー(もうそれだけにしなさい今日は食べすぎだよ)。
カミトゥバスン
食べ尽くす。
- メモ
- 類:カミチキーン・ハバチチキーン。
カミヌクサー
食べ残し。
- 用例
- クヮヌ カミヌクサーヤ ウヤガ カムシェー アタイメー ヤサ(子の食べ残しは親が食べるのは当然だよ)。
カミバカ
神墓。使われなくなった古い墓の呼称。
- メモ
- 類:カミグシンジュ。
カミハンスン
食べ損ねる。
- 用例
- ユンタクビカーン シーネー マーサムヌン カミーハンスンドー(おしゃべりばかりしていたら美味しい物も食べ損ねるよ)。
否:カミハンサン(食べ損ねない)過:カミハンチャン(食べ損ねた)継:カミハンチョーン(食べ損ねている)。
カミブー
食果報。食べ物にありつく幸運。
- 用例
- イャーヤ カミブーヌ アテーサ(お前は食果報があったね)。
- メモ
- 類:クェーブー。
カミムン
食べ物。
- 用例
- ウーヤーニンジュ ヤグトゥ チャー カミムノー タラーンル アル(大家族だからいつも食べ物は足りないんだよ)。
- メモ
- 音2:クェームン。
カミムンヤー
食べ物屋。食堂。
- メモ
- 類:クェームンヤー。
カミヤーウシ
よく突く牛。
- 用例
- カミヤーウシヌ スバカラー アブナサグトゥ アックナヨー(よく突く牛の側からは危ないから歩くなよ)。
カミユー
馬具の名称。
カミリクチ
食べる術。食べるコツ。
- 用例
- カミリクチヌ アレーカラー マーカイ ヲゥティン ヤーサー サンサ(食べる術があるならどこにいてもひもじい思いはしないよ)。
- メモ
- →カミズク。
カミヲゥーキ
頭上運搬用の木桶。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ カミヲゥーキ ムッチ ミジ クミーガ ハイタン(女性たちは頭上運搬用の木桶を持って水を汲みに行った)。
カミンジャールー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。よく捕まえて遊んだ。尻尾は切れてもすぐに生えてくるといわれた。
カミンチュ
神人。ウマチーなどの祭祀をノロとともに行う役目の者。
カミンマリ
神生まれ。神仏に従事しないといけない生まれの霊力のある人。
- 用例
- カミンマリ ソール ヰナグ(神生まれしている女・霊力のある女)。
カムイン
構う。ちょっかいを出す。立ち入る。
- 用例
- チャー チュヌ クトゥンカイ カムイン(いつも人の事に立ち入る)。
カムシトゥ マンジュン
食べると同時に。
- 用例
- アンマサヌ カムシトゥ マンジュン ハチネーラン(気分が悪くて、食べると同時にもどしてしまった)。
- メモ
- 類:カムシトー マジョーン・カミーニーブク。
カムシトー マジョーン
食べると同時に。
- 用例
- ムン カムシトー マジョーン ニントーサ(ご飯を食べると同時に寝ているさ)。
- メモ
- 類:カミーニーブク・カムシトゥ マンジュン。
カムン
食べる。
- 用例
- ヤーニンジュ スリティ アサバン カムン(家族揃って昼飯を食べる)。
カレーンチャシガ カマランタン(食べてはみたが食べられなかった)。
ヤーサラー ヘーク ムヌン カメー(腹が減っているなら早くご飯も食べなさい)。
否:カマン(食べない)希:カミーブサン(食べたい)過:カラン(食べた)継:カローン(食べている)。
カメーイガメーイ
探しながら。
- 用例
- ヤーン ワカラングトゥ カメーイガメーイ イチュサ(家も分からないから探しながら行くさ)。
- メモ
- 類:トゥメーイドゥメーイ。
カメーイン
探す。求める。拾う。見つける。
- 用例
- マーカイガ ゥンジャラー ワカラン、 アマクマ カメーイン(どこに行ったのかわからず、あちこち探す)。
イャー カメーティ クーワ(お前探してこい)。
否:カメーラン(探さない)希:カメーイブサン(探したい)過:カメータン(探した)継:カメートーン(探している)。
- メモ
- 類:トゥメーイン。
カメーティン カメーララン
どんなに探しても見つからない。
- 用例
- マーカイル カックヮチャラー カメーティン カメーララン(どこに隠したのかどんなに探しても見つからない)。
カヤ
胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- →アクミ。
ガヤ
茅。
- 用例
- ガヤ カティ ヤー フチュル ジュンビ スン(茅を刈りて家を造る準備をする)。
- メモ
- 音:カヤ。
カヤースン
運ぶ。持ち運ぶ。
- 用例
- アママディ オーダーシ カタミティ カヤースン(あそこまでもっこで担いで運ぶ)。
フニカラ カヤースン(船で運ぶ)。ヤーンカイ カヤーシェー(家に運びなさい)。
否:カヤーサン(運ばない)希:カヤーシーブサン(運びたい)過:カヤーチャン(運んだ)継:カヤーチョーン(運んでいる)。
ガヤカヤー
茅刈り人。
ガヤブチ
茅葺き。
- メモ
- 百姓は9坪以上は造ってはいけない決まりで、3間×3間で茅葺きが多かった。
ガヤブチヤー
茅葺き家。
- 用例
- ガヤ カティッチ ガヤブチヤー フチュン(茅を刈りてきて茅葺家を造る)。
- メモ
- 類:ガヤヤー。
ガヤヤー
茅葺き家。
- 用例
- ガヤヤー ツクイネー ヤンバルカイ キタ コーイガ ゥンジャン(茅葺き家を造るときはヤンバルに桁を買いに行った)。
- メモ
- 類:ガヤブチヤー。
ガヤヰーマール
屋根葺き作業時の労働力の相互扶助。
- メモ
- 関:カチマール・ユー・ヰーセー・ヰーマール・スーゲー。
カユイン
通う。
- 用例
- ウヤミーメーシーガ メーナチ カユイン(親の様子を見に毎日通う)。
否:カユラン(通わない)希:カユイブサン(通いたい)過:カユタン(通った)継:カユトーン(通っている)。
カラ
空。
- 用例
- サケー カラ ナトーンドー(酒は空になっているよ)。
- メモ
- 類:ンナムン。
カライリチ
から炒り。素材そのものだけを炒めること。
- 用例
- タマナービカーン カライリチ シン マーサンドー(キャベツだけを何も入れずに炒めても美味しいよ)。
- メモ
- 音:カライリチー。
カライリチー
から煎〔い〕り。他の物をいれずに炒めること。
- 用例
- タマナー ビカーン カライリチーシン マーサンドー(キャベツだけ何も入れずに炒めても美味しいよ)。
- メモ
- 音:カライリチ。
カライン
飼う。
- 用例
- ワンネー ウヌ ジンシ トゥイ コーティ カラインディチル ヤンレー(私はその金で鶏を買って飼うつもりだよ)。
イチムシ カラトーン(家畜を飼っている)。トゥイ カラトーテール バー(鶏を飼っていたわけさ)。
否:カラーン(飼わない)希:カライブサン(飼いたい)過:カラタン(飼った)継:カラトーン(飼っている)。
カラカラー
酒器の一種。沖縄~九州南部特有の酒器。基本的には吸□型で、膨らんだもの、平べったいもの、角張ったものがある。
- 用例
- チュー ヌムル サケー キッサ カラカラーンカイ イッテーサ(今日飲む酒はすでにカラカラーに入れてあるよ)。
- メモ
- 音:カラカラ。
カラクイ
絡繰り。策略。
- 用例
- カラクイ スン(策略する)。
カラクイポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- アレー マチェーグトゥ カラクイポーポーリチョール バーテー(あれは巻いているからカラクイポーポーと言っているんだよ)。
- メモ
- 類:スビポーポー・カラマカーポーポー・カラマチャーポーポー・ポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
カラクイン
絡みつく。
- 用例
- イーチューヌ カラクイン(糸が絡みつく)。
カラグチャー
②辛口な人。辛い食べ物を好む人。②辛口な性格の人。思ったことをはっきり言う人。
- 用例
- ①ルク カラグチャー ナイネー ドゥー ヤンジュンドー(あまりにも辛口になると、体をこわすよ)。②カラグチャーナティ ターンカイヤティン ヌーディン イーン(はっきり物を言う性格で、誰にでもなんとでも言う)。
ガラサー
カラス。
- 用例
- ガラサーヌ トゥディアッチュシガ ヌーガラ ヤナクトゥヌル アガヤー(カラスが飛んでいるが何か悪いことでもあるのかな)。
- メモ
- 類:ガラシ。
ガラサーカーチョービーグヮー
ほおずきに似ている植物。未詳。
- 用例
- ガラサーカーチョービーグヮーヌ ダテーン サチョーン(ガラサーカーチョービーグヮーがたくさん咲いている)。
ガラサータマシ
カラスへの配分。お金を出し合い、掌を裏返してお金がこぼれないように受け取る遊び。
- 用例
- ウヮー クルチ アトゥヌ カマランヌーヤ ガラサータマシディチ ウミンカイ ナギータン(豚を潰した後の食べられない部分はカラスの分け前として海に投げていた)。
- メモ
- 豚を潰した時に首辺りの食べられない部分を、ガラサータマシ(烏の分け前)といって海に向かって東西南北の四か所に投げた。
ガラサーチョーバングヮー
子どもの遊び。
- メモ
- お金の代わりに貝を使って遊ぶ。
カラザキ
空酒。酒を肴無しで飲むこと。
- 用例
- カラザキヤ ヌマンシェー マシ(空酒は飲まない方が良い)。
カラサン
辛い。
- 用例
- イャーガ スガイル ムノー チャー マースガラサンレー(お前が作る食事はいつも塩辛いよ)。
- メモ
- 音:カラハン。対:アマサン・アマハン(甘い)
カラジ
髪。
- 用例
- チューヤ スージカイ イチュグトゥ カラジ ユーイン(今日はお祝いに行くから髪を結う)。
ガラシ
カラス。
- 用例
- ガラシェー ムヌシリ ヤンディ(烏は物知りだって)。
- メモ
- 類:ガラサー。
カラジー
出なくなった乳。
- 用例
- カラジー ナトーン(お乳が出なくなっている)。
カラジー
空地。地べた。
- 用例
- カラジーンカイヤ ヰランサ(地べたには座らないよ)。
カラジギー
髪の毛。
- 用例
- カラジギー カンシ ウシワキヤーニ(髪の毛をこうして押し分けて)。
カラジクェー
甲虫名。カミキリムシ。
- メモ
- →イーチュークェ-。髪の毛を食いちぎるといわれ、よく人の頭においていたずらをした。
カラジクェームシ
甲虫名。カミキリムシ。
- 用例
- カラジクェームシガ シガトーン(カミキリムシがついている)。
- メモ
- →イーチュークェー。
カラシニ
脛〔すね〕。むこうずね。
- 用例
- カドゥカイ カラシニ チッカキティネーン(角に脛を引っ掛けてしまった)。
アッギヨナー、カラシニ ウッチ ヤマチネーン(ああもう、脛を打って痛めてしまった)。
ガラシネー
こむら返り。手足の筋肉が痙攣すること。
- 用例
- チカグロー ニントーイニ ユー ガラシネー スン(最近は寝ている時によく足が痙攣する)。
- メモ
- 類:ガラスマガイ。
ガラシヒーバー
ガラスヒバァ。ナミヘビ科。
カラジブチカー
抜け毛。
- 用例
- カラジブチカーガ、 ウティトーシガ ヘーク トゥッティ カタジキレー(髪の毛が落ちているが、早く取って片づけなさい)。
- メモ
- 音:カラジブチカー。
カラジブチキー
抜け毛。
- メモ
- 音:カラジブチカー・カラブチカー。
カラジボーサー
ボサボサ髪。
- メモ
- 類:カントゥバーバー。カンター。カンターモーサー・カンターモーヤー・モーサー。
ガラシマガイ
手足の指が痙攣すること。
- 用例
- アイアイ ガラシマガイ ッシ ヰービヌ イジカン(あれあれ、痙攣して指が動かない)。
カラジムシエー
髪を引っ張り合うこと。
- 用例
- カラジムシエー ッシ オートータン(髪のむしりあいをしてけんかしていた)。
- メモ
- 類:カントゥムシエー・カントゥムシバーエー。
カラジャックイ
空咳。痰が出ない乾いたような咳。
- 用例
- ハーメーヤ カラジャックイ ッシ、クチサギサン(お祖母さんは空咳をして、苦しそうだ)。
カラスグヮー
アイゴの稚魚の塩辛。
- 用例
- スクヌ ユティチーネー マースジキ シ カラスグヮー チュクティ ウイタサ(アイゴの稚魚が寄ってきたら塩辛を作って売っていたよ)。
カラスグヮートゥ トーフォー グートゥミートゥ ヤサ(アイゴの塩辛と豆腐は食べ合わせがいいよ)。
- メモ
- 類:スク・スクガラス。
ガラスマガイ
こむら返り。手足の筋肉が痙攣すること。
- 用例
- ナゲー ガラスマガイ ッシ ナマン ジュノー アラン(長いこと足が痙攣してまだすっきりしない)。
- メモ
- 類:ガラシネー。
カラスン
枯らす。
- 用例
- ミジン カキラン アッタヌ キー カラスンナー(水もかけないで大切な木を枯らすのか)。
否:カラサン(枯らせない)希:カラシーブサン(枯らせたい)過:カラチャン(枯らした)継:カラチョーン(枯らしている)。
カラスン
貸す。
- 用例
- ウットゥンカイ チン カラスン(妹に着物を貸す)。
イットゥチャー カラチ クミソーレー(一時だけ貸してください)。
否:カラサン(貸さない)希:カラシーブサン(貸したい)過:カラチャン(貸した)継:カラチョーン(貸している)。
- メモ
- →イラースン。
カラタ
身体。体。
- 用例
- ナイチカイ ハラワン チャー カラタ テーヒチニ シーヨー(内地に行ってもいつも体を大切にしなさいよ)。カラタ ガンジュー ソーンナー(元気にしているか)。
- メモ
- 類:ドゥー・ドゥーテー・ドゥームトゥ。
カラタヌニングヮン
身体念願。健康願い。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ メーアサ ティーウサーチ カラタヌニングヮン ソーン(火の神に毎朝手を合わせて健康願いをしている)。
カラチブル
頭蓋骨。
- メモ
- 類:チブルブニ。
カラティ
手ぶら。
- メモ
- 音:カラディー。
カラディー
手ぶら。
- 用例
- カラディーシェー チュヌヤーカイ イカランサ(手ぶらでは人の家に行けないよ)。
- メモ
- 音:カラティ。類:ンナティ・ンナディー・ンナルーハーダリィー。
ガラナサン
かいがいしい。
- 用例
- ワッター シンカンチャーヤ ムル ガラナサン(私の仲間は皆かいがいしい)。
- メモ
- 音:ガナラサン・ガラナハン。
ガラナハン
かいがいしい。
- 用例
- アヌ ワラビヤ ターヤカ ガラナハン(あの子は誰よりもかいがいしい)。
- メモ
- 音:ガナラサン・ガラナサン。
カラハーイ
唐針。羅針盤。
- 用例
- ヌーン ネーン トゥチヤ カラハーイ アティティル フネー ハラスタル(何もない時代には羅針盤を当てて船を走らせたものだ)。
- メモ
- 唐針。
カラバニー
理由も言わずに拒絶すること。
- 用例
- カラバニー サッティ イミン ワカラン(理由も言わずに断られて意味も分からない)。
カラハン
辛い。
- 用例
- ウヌ スーチカーヤ ルク カラハン(その塩漬けの肉はとても辛い)。
- メモ
- →カラサン。
カラバンキ
調弦。
- 用例
- サンシンヌ カラバンキ ソーン(三線の弦の調整をしている)。
- メモ
- 類:チンダミ。
カラヒサー
裸足〔はだし〕。
- メモ
- 類:カラビサー。カラヒサともいう。
カラビサー
裸足〔はだし〕。
- 用例
- カラビサーシ ヤーヌウチカイヤ イランキヨー(裸足のままでは家の中には入るなよ)。
- メモ
- 音:カラヒサー・カラビサ。
カラファーフー
唐破風〔からはふ〕。
カラフェー
灰。
- 用例
- ムン ニー ウワティ アトー カラフェーヤ リッパ カタジキリヨー(食事を作った後は灰はきれいに片付けなさいよ)。
- メモ
- 音1:カラヘー。→アク。
カラブチ
乾拭き。
- 用例
- アンスカ ユグレーミーラングトゥ カラブチ ソーケー(そんなに汚れてないから乾拭きしなさい)。
カラブチカー
抜け毛。
- 用例
- カラブチカーヌ イッチョーン(抜け毛が入っている)。
- メモ
- 類:カラジブチキー・カラジブチカー。
カラブニ
骸骨。
カラヘー
灰。
- メモ
- 音1:カラフェー。→アク。
ガラマー
滑車。
- 用例
- ウティントーカラ チャッペーヌ ガラマーヌ ウリティクーヤーニヨー(天から大きな滑車が降りて来てね)。
ガラマー
ススキの葉。
- メモ
- 類:バラン。
ガラマー
ススキの葉。
- メモ
- 類:バラン。
カラマーイ
空回り。
- 用例
- トゥーチ カラマーイ ソーサ(いつも空回りしているさ)。
ガラマーミングラサイ
子どもの遊び。箍(たが)を転がす遊び。
- メモ
- 類:ゴールーマーセー・ゴールマーミングヮセー・ミングラサー。
ガラマーミングラシェー
子どもの遊び。箍〔たが〕を転がす遊び。
- メモ
- 音2:ゴールマーミングヮセー。
自転車のリームや古くなった太鼓の輪っか、樽や桶の箍(タガ)を転がして遊んだ。字比謝矼ではガラマーミングラサシェーといい、曲げた針金を竹の棒の先につけたミングラサーを輪っかにうまく当てて走りながら転がして遊んだ。
カラマカーポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- ヤチチャーキヌ カラマカーポーポーヌ カバハタシヨーヤー(焼きたてのカラマカーポーポーの香ばしかったことよ)。
- メモ
- 類:カラクイポーポー・カラマチャーポーポ-・スビポーポー・ポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
カラマチャーポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- ンカシヌ カラマチャーポーポーヤ ムチミヌ マンディ マーサタルヤー(昔のポーポーは、とてももっちりとしておいしかったね)。
- メモ
- 類:カラクイポーポー・カラマチポーポー・スビポーポー・ポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
カラマチュン
絡まる。巻きつく。
- 用例
- イン クンチェーヌ チナガ ハーヤンカイ カラマチョーン(犬を括ってある綱が柱に絡まっている)。
否:カラマカン(絡まない)過:カラマチャン(絡まった)継:カラマチョーン(絡まっている)。
カラミーン
捕まえる。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー ジュンサンカイ カラミラリンドー(悪い事をしたら巡査に捕まえられるよ)。
否:カラミラン(捕まえない)希:カラミーブサン(捕まえたい)過:カラミタン(捕まえた)継:カラミトーン(捕まえている)。
カラムン
辛い物。
- 用例
- イチグ カラムンビカーン カリ(いつも辛い物ばっかり食べて)。
- メモ
- 対:アマムン(甘い物)。
カラムンジョーグー
辛い物が好きな人。
- 用例
- アッピーヤ カラムンジョーグー ヤン(兄は辛い物が好きだ)。
- メモ
- 音1:カラムンジョーグ。
カラユカ
何も敷いてない床。
- 用例
- カラユカー ヒジュルサイビンドー(何も敷いてない床は冷たいですよ)。
カラワタ
空腹。空きっ腹。
- 用例
- カラワタンカイ ミジ ヌミヂューサヌ、ムン ハカハカー ソーン(空きっ腹に水を飲みすぎて、吐きそうになっている)。
- メモ
- 音2:ヤーサワタ・ンナワタ。
カリー
嘉例。縁起が良い。吉例。
- 用例
- アチャーヤ タビカイ イチュンリル ムンヌ ンナシ カリー チキティ ヤラサナ(明日は旅に出るというので皆で景気よく送ろう)。
ムーチーヤ カリーナムン(餅は縁起の良い物)。
カリー チリーン
縁起が悪くなる。
- メモ
- 正月の朝に男が家を訪ねるとカリーだが、女が行くと縁起が悪いといわれた。
カリーチラー
縁起を悪くする者。
- 用例
- イッター カリーチラーヒャー(お前たちは縁起悪くして)。
- メモ
- 左縄を巻いた桶で男子2人が死に水を汲みに行くのに出会うと、他の水汲みの者はカリーチラーと称し、その場に水をこぼし、もう一度汲み直した。
カリーナムン
縁起物。縁起の良いもの。
- 用例
- ハジチヤ イッペー カリーナムン(針突はとても縁起の良いもの)。
クラーヤ カリーナムン(雀は縁起が良いもの)。マースヤ カリーナムンヤン(塩は縁起が良い)。
カリーン
枯れる。
- 用例
- ウヌ キーヤ ヤガティ カリーンデー(その木はやがて枯れるよ)。
否:カリラン(枯れない)過:カリタン(枯れた)継:カリトーン(枯れている)。
カリウヤ
仮親。
- 用例
- クヮヌ ドゥク ナチブサー ナティ ソー アティティ カリウヤ ムタチャン(子どもがあまりにも泣き虫なので相性を当てて仮親を持たせた)。
- メモ
- 体の弱い子や夜泣きがひどい子は親との相性が悪いということで、なるべく身内から相性の良い人を仮親にした。
カリギー
枯れ木。
- 用例
- カリギーヤ ムル トゥッティ ヒティーン(枯れ木は全部取って捨てる)。
カリジューガチ
{かりじゅうがつ(枯り果て十月)}。特に節供のない10月。
- メモ
- →アキハティジューグヮチ。
カリバー
枯れ葉。
- 用例
- カリバー アチミティ メーシェーワ(枯れ葉を集めて燃やしなさい)。
- メモ
- 類ハーガラー・ファーガラ・ファーガラー。
カリバカ
仮墓。
- 用例
- ハカー ネーラングトゥ ンナシ カリバカ チュクトーカヤー(墓がないから皆で仮墓を造ろうね)。
- メモ
- →カイバカ。
カリハティーン
枯れ果てる。
- 用例
- ナーヌ キーン ハナン ムル カリハティーン(庭の木も花も全部枯れ果てる)。
カリフス
臍の緒が乾燥したもの。
- メモ
- 無くすと間抜け者になるといわれて、大事にとっておいた。
カリユシパーパー
結婚式を先導する縁起の良いお婆さん。
- 用例
- カリユシパーパーヤ カリーナムントゥシ ニービチネー カカサランタン(嘉利吉婆さんは縁起が良いということで結婚式には欠かせなかった)。
- メモ
- 類:ミサライハーメー。
結婚祝いに嫁ぎ先で花嫁を迎える役目で、縁起が良いのでカリユシパーパーと呼ばれていた。花嫁を迎えた後に行う儀式も、カリユシパーパーが執り行う。
カリユシハーメー
縁起の良いお婆さん。
- メモ
- 字波平の芸能「長者の大主」に登場する役。
カル
角。かど。
- 用例
- カルヤ リッパ トゥリヨーヤー(角はきちんと取りなさいよ)。
カル
昔の地域区分の呼称。角。組。
- メモ
- 音1:カル。喜名ではクシヌイリカル(後の西角)・メーヌイリカル(前の西角)・メーヌアガリカル(前の東角)・クシヌアガリカル(後の東角)と分けられていた。寄留集落は単に大通り・イリバル・アガリバルと呼ばれた。
瀬名波は1号角(カル)から5号角(カル)まであった。
カル タッチュン
角が立つ。
- 用例
- オーイネー カル タッチュンドー(喧嘩をすると角が立つよ)。
カルガルートゥ
軽々と。
- 用例
- グテーン マンディ カルガルトゥ ムチアギータン(力も強くて軽々と持ち上げた)。
- メモ
- →ガッティングヮー。
カルク
家禄。
- メモ
- 田舎下りした士族はカルクで当面暮らしたという。
カルク ナスン
洗骨する。
- 用例
- シンクジンカイ カルク ナスンディン イタンヤー(洗骨にカルク ナスンともいっていたね)。
- メモ
- 類:ギレーイン・ギレーユン・シルヒラスン・チュラクナスン。
洗骨は数年経って死体が朽ちた頃に行った。棺箱を外に出すのは男性の役目で、洗骨は女性の役目であった。
カルタ
子どもの遊び用具。
- メモ
- 戦前は兵隊や自動車などが描かれ、字比謝矼の雑貨店で買うことができた。
主に10歳くらいの子どもたちが遊んだ。
カワイ
代わり。代理。
- 用例
- ウヤヌ カワイ、ワーガ ゥンジ チューサ(親の代わりに、私が行って来るよ)。
カワイン
①変わる。②代わる。交代する。
- 用例
- ①ナゲー ンランネー マーンクィン カワイン(長いこと見なかったらどこもかも変わる)。
②ダー、ワンガ カワラナ(どれ、私が代わろう)
否:カワラン(変わらない)希:カワイブサン(変わりたい)過:カワタン(変わった)継:カワトーン(変わっている)。
カワッタムン
変わった物。
- 用例
- ヌーガラ カワッタムンヤ ネーラニ?(何か変わった物はないか?)。
- メモ
- 同じ物や食べ物などに飽きたときに使われる。
カワティ
よりによって。
- 用例
- カワティ ウヤヌ ヲゥランニ ニチ ゥンジトーサ(よりによって親がいないときに熱が出ているさ)。
カン
こう。このように。
- 用例
- カンシェー ワジャー ナランシガ チャー スヌ バーガヤー(このようにしては仕事にならないがどうするつもりなのかな)。
カンシン ナランバーイ(こんなにしてもできないのか)。
カン
勘。感。
- 用例
- ワラビヌ カンヌル チューサンレー(子どもの勘が強いんだよ)。
カン
こう。
- 用例
- カンル ナトーテーサヤー(こうなっていたんだね)。
ガン
龕〔がん〕。棺を運ぶ朱塗りの輿。
- 用例
- ガンガ ミチカラ トゥーイネー ウトゥルサタン(龕が道から通ると恐かった)。
- メモ
- →アカゥンマー。
カンエーヌムン
こんな奴。
- 用例
- カンエーヌムヌンカイヤ ヰナグングヮヤ クィラン(こんな奴には娘はやらない)。
- メモ
- 類:カンエールムン。
カンエールムン
こんな奴。
- メモ
- 類:カンエーヌムン。
カンカー
年中行事。悪除け行事。悪疫が集落に入ってくるのを防ぐために行なわれる行事。
- 用例
- カンカーネー ワランチャーン シシ アタイタン(カンカーには子どもも肉が貰えた)。
- メモ
- 牛を屠りその骨片を左縄に結んで集落の入り口に張り、その血をつけたゲッキツやトベラなどの枝を各家の角に差して防災厄除にした。大方が旧10月庚の日に牛を屠っていたが、旧2月と師走、旧8月・11月、4月・8月というように年2回行う字や、屠る動物も牛や豚、または鶏など、場所や時期によって変わった。
カンカーウスメー
カンカー行事を執り行った翁の呼称。
- メモ
- 座喜味では数え56歳から68歳の男性がカンカー行事を執り行った。→カンカー。
カンカーダマシ
カンカー行事の肉の配当分。
- メモ
- →カンカー。
カンカームーチー
カンカーに作る餅。
- 用例
- カンカーヌヒーネー カンカームーチーン チュクイタン(カンカーにはカンカー餅も作った)。
- メモ
- 字行事のカンカーと同日に行う各家の行事。伊良皆・楚辺では鬼餅の日に合わせて、字行事としてのカンカーも行った。カンカーと鬼餅の行事を統合したものと思われる。→カンカー。
カンカーモー
カンカーの祈願後、直会〔なおらい〕をした広場。
- メモ
- →カンカー。
ガンカタミヤー
龕を担ぐ者。
- メモ
- 妻が妊娠している人は龕を担がなかった。龕は4人で担ぐが、字大湾の龕は300斤あったから、ガンカタミヤーは大変だった。
龕が傾くと厄だといわれ、肩を変えることも許されなかった。
カンカナー
空き缶。
- 用例
- ゥンマカラ カンカナー ヒッティ アッチュタン(そこから空き缶を拾って歩いていた)。
- メモ
- 音:カンカラー・ カンカラ。
類:カンカン。
カンカナムン
役立たず。
- 用例
- ワン ワラベー ヤシガ アンシ カンカナムン ヤルヤー(自分の子どもではあるが何て役立たずなんだろうね)。
カンカラ
空き缶。
- メモ
- 音:カンカラー・カンカラー。
類:カンカン。
カンカラー
空き缶。
- 用例
- イクサユーネー ヌーンネーン カンカラーンカイ フーニ イッタンディヌ ハナシン アタン(戦世には何もなく空き缶に遺骨を入れたという話もあった)。
- メモ
- 音:カンカナー・カンカラ。
類:カンカン。
ガンガラー
ブリキ製の玩具の総称。
- 用例
- ガンガラー ムッチョーヌ ワランチャーヤ ジコーヌ ジマン ヤタン(ブリキ製の玩具を持っている子どもたちはとても自慢だった)。
- メモ
- 昔はブリキ製のおもちゃが多く、行事などでは出店でいろいろなブリキ製の玩具が売られていた。
カンカラサンシン
カンカラ三線。
- 用例
- イクサ ウワティ シューヨージョヲゥティ カンカラサンシンヌ ヘートータン(戦争が終わって収容所でカンカラ三線が流行っていた)。
- メモ
- 終戦後、何もない時代に空き缶を利用して作った三線。
カンカン
空き缶。
- 用例
- カンカン アチミティ ウティチューサ(空き缶を集めて売って来るさ)。
- メモ
- 類:カンカラー・カンカナー・カンカラ。
カンカン
こういうこと。このようにして。
- 用例
- カンカン シル ヤーカラ ゥンジティ ゥンジョーンデー(このようにして、家から出て行ったんだよ)。
チヌーヌ ハナシーヤ カンカンル ヤタンレー(昨夜の話はこういうことだったんだよ)。
- メモ
- →アンアン。
ガンガン
金属音を叩く音。
- 用例
- アンチュカナー ヌー ガンガンソーガ(そんなに何をガンガン叩いているの)。
カンカンバカイ
秤のひとつ。
- メモ
- 製糖会社にあったという秤。未詳。
カンギ
とさか。たてがみ。
- 用例
- アヌ トゥイヌ カンギヌ チビラーサヨ(あの鶏のトサカの見事なことよ)。
- メモ
- 音:カンジ。
ガンクー
頑固者。
- 用例
- ガンクー ナイネー、ワランチャーン イーシン チカンサ(頑固者になったら、子どもたちも言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音1:グヮンクー。音2:ガンチブラー。類:クファチブラー。
ガンクー
頑固者。
- 用例
- ガンクーナイネー 、ランチャーン イーシン チカンサ(頑固者になったら、子どもたちも言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音2:グヮンクー。類:ガンチブラー・クファチブラー。
カンクーイン
噛みつく。
- 用例
- ウヌ ワラビ ワチャク シーネー カンクーインドー(その子をからかうと噛みつくよ)。
否:カンクーラン(噛みつかない)希:カンクーイブサン(噛みつきたい)過:カンクータン(噛みついた)継:カンクートーン(噛みついている)。
カンクラチュン
噛み砕く。
- 用例
- クルザーターガ クヮーサヌ カンクラチュン(黒糖が固いので噛み砕く)。
否:カンクラカン(噛み砕かない)希:カンクラチーブサン(噛み砕きたい)過:カンクラチャン(噛み砕いた)継:カンクラチョーン(噛み砕いている)。
カンゲー
考え。
- 用例
- ヌーガラ イー カンゲーヤ ネーラニ(何か良い考えはないか)。
カンゲーイン
考える。
- 用例
- チャーサレー マシガヤー ンナシ カンゲーイン(どうしたらいいか皆で考える)。
否:カンゲーラン(考えない)希:カンゲーブサン(考えたい)過:カンゲータン(考えた)継:カンゲートーン(考えている)。
カンゲーグトゥ
考え事。悩み。
- 用例
- トゥルバトーシガ ヌーガラ カンゲーグトゥヌル アリー?(ぼんやりしているが何か悩みがあるの?)。
カンゲーヒンゲー
思案する様。
- 用例
- アリクリ カンゲーヒンゲー シ メーンカイ アガカン(あれこれ考えて前に進めない)。
カンゲーマンゲー
思案する様。
カンゲームン
考え物。考えるべきこと。
- 用例
- ウレー ミッタ カンゲームンヤッサー(それは本当に考え物だ)。
カンゲームンゲー
思案する様。
- 用例
- ヲゥタルカ カンゲームンゲー サンティン シムサ(疲れるほどあれこれ考えこまなくてもいいよ)。
ガンサ
蕪や大根の根と葉の間の固く食べられない部分。転じて頑固者にもいう。
- 用例
- ウィーティ ハナサチュル ンディーガンサ(老いらくの恋)。アレー ルク ガンサー ナヤーナカイ シカン サットーン(彼はあまりにがさつなので、嫌われている)。
ガンサジ
龕佐事。葬儀に関わる役職。
- メモ
- 字内に死者が出ると、龕の準備や喪家に旗を立て、葬列では天蓋を持った。字伊良皆では、トゥヌチヒヌカンの松にカラスが止まって鳴くと、字に死者が出ないよう朔日15日に、そこでガンサジが祈願した。
カンサリーン
疑われる。
- 用例
- アンシーネー ワンニン カンサリールムン(そんなことをしたら私も疑われるのに)。
- メモ
- 類:カントゥラリーン。
カンシ
勘。感。
- 用例
- ワラビヌ カンシ トゥイン(子どものことを察する)。ヰナグヌウヤヌ カンシ トゥテールバーテー(母親が感づいたわけだ)。
- メモ
- 類:カンドゥク。
カンジ
たてがみ。とさか。
- メモ
- 競馬が近づくと馬のカンジを短く刈り込んで準備した。音:カンギ。
カンシーン
被せる。
- 用例
- ニントーヌ ワラビンカイ ウール カンシーン(寝ている子に布団を被せる)。
否:カンシラン(被せない)希:カンシーブサン(被せたい)過:カンシタン(被せた)継:カンシトーン(被せている)。
カンジェーイシ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
- 用例
- ヲゥタヤーニ カンジェーイシカイ ヰシカカトーン(疲れて踏み石に座り込んでいる)。
- メモ
- 類:クラミイシ。縁側に上がる時の踏石のことで、海岸から切り取ってきた石でできている。
カンジェークー
金細工職人。
ガンシナ
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷座りを良くする輪型の敷物。
- 用例
- バーキ カミーラー ウヌメーニ ガンシナカラ チブルンカイ ヌシレー(ザルを頭に載せるならその前にガンシナを頭に載せなさい)。
- メモ
- 類:ガントゥ。
頭上に荷物を載せて運ぶ時に、その下に敷く藁などで編んだ丸い輪。荷物の座りを良くし頭の痛みを軽減できた。
カンジムン
被り物。
- 用例
- チヌーヤ カンジムヌン ネーン ユル ニントーイニ ヒーサタン(昨日は被るのもなくて夜寝ている時に寒かった)。
カンジャー
鍛冶屋〔かじや〕。
- 用例
- カニグェーヌ チカーラン ナティ カンジャーヲゥティ ノーチクーリワル ヤサ(鉄の鍬が使えなくなっているから鍛冶屋で直してこないといけない)。
- メモ
- 類:カンジャーヤー。
カンジャー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。青くて大きいものをオールーカンジャー、茶色で小さいものをワタブトゥカンジャーグヮーとよんだ。
カンジャーガマ
鍛冶屋洞窟。長浜にある洞窟名。
- メモ
- 昔、鍛冶屋がいたことに由来する呼称。沖縄戦時、字民の防空壕として使われた。
カンジャーベー
ハンミョウ。
- 用例
- カンジャーベーディシヨ、ワッター ムラウチ マンドービタンヨ(ハンミョウというのはね、私たちの集落内にたくさんいましたよ)。
カンジャーヤー
鍛冶屋〔かじや〕。
- 用例
- ンカシェー ムラハジサカイ カンジャーヤーガ アタン(昔は村外れに鍛冶屋があった)。
- メモ
- 類:カンジャー。
カンジャーヤーガマ
鍛冶屋窯。
カンジャーヤーメーウチ
鍛冶屋+前打ち。鍛冶作業で親方と相対して大きな金槌で叩き助手を務める者。
ガンジュー
元気。強健。頑丈。
- 用例
- チャー ガンジュー ヤミセーミ(お元気ですか)。
ガンジューイ?(元気か?)。マーヲゥティ スダカワン ガンジュー シーヨー(どこに住もうと元気でいなさいよ)。
ヤー チュクイラー ガンジューク チュクリヨー(家を造るなら、頑丈に造りなさいよ)。
- メモ
- 類:カネーイ・カナイン。
「ウガンジュ アミシェービーティー」は士族間で話される挨拶。
ガンジューサン
頑丈である。丈夫である。堅固である。
- 用例
- パーパーヤ ナママデー ガンジューサン(おばあさんはまだまだ元気だ)。
ガンジュームン
頑丈な人。強健な人。
- 用例
- ワッター パーパーン ウスメーン ガンジュームン ナティ カジ ティーチ ヒカン(私の祖母も祖父も健康な人で風邪ひとつひかない)。
- メモ
- 対:ヤファラムン(病弱)。
カンジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジュイ。
カンジュン
被る。
- 用例
- アミカイ ンリーネー カジ ヒチュグトゥ カサ カンジュン(雨に濡れたら風邪をひくから傘を被る)。
否:カンラン(被らない)希:カンジーブサン(被りたい)過:カンタン(被った)継:カントーン(被っている)。
カンジュン
被る。負う。損害が身にふりかかること。
- 用例
- ウッカ カンジュン(負債を負う)。
否:カンラン(負わない)過:カンタン(負った)継:カントーン(負っている)。
カンシリハーメー
勘の鋭いお婆さん。
- 用例
- ケートゥナイヌ カンシリハーメーガ メンシェーティ(隣のカンシリハーメーがいらっしゃって)。
カンスイ
剃刀〔カミソリ〕。
- 用例
- カンスイヤ チカティ ウワイネー カタジキラニ!(カミソリは使い終わったら片づけないか!)。
カンセイナムン
勘の鋭い人。
- 用例
- カンセイナムン ヤテーンテ(勘鋭い人だったのでしょうね)。
イャーヤ カン ヂチャンナー(お前は気付いたか)。
カンゼーイシ
踏石。
- 用例
- カンゼーイシヤ イシキヤーガ ウミカラ チッチ チュータン(カンゼーイシは石切職人が海から切ってきた)。
- メモ
- 類:クラミイシ。
カンゾーユー
甘草湯。乾燥させた甘草の根に湯をかけたもの。
- メモ
- 出産直後の赤子に与えた。
カンダ
かずら。サツマイモの葉。
- 用例
- クンドゥヌ カンダヤ ユー ユカトーン(今年のかずらはよく実っている)。
- メモ
- 類:カンダバー。
カンター
ボサボサ髪。
- 用例
- アマカラ アッチアッチュル カンターニーシェー ヤサ(あそこから歩いていくボサボサ髪の青年だよ)。
カラジン カンター シ(髪もボサボサで)。
- メモ
- 類:カラジボーサー・カンターモーサー・カンターモーヤー・カントゥバーバー・モーサー。
カンターモーサー
ボサボサ髪。
- メモ
- 類:カンター・カラジボーサー・モーサー・カントゥバーバー。音:カンターモーヤー。
カンターモーヤー
ボサボサ髪。
- 用例
- カンターモーヤー リーグトゥ カラジカラ チッチ クヮー(髪がボサボサだから髪の毛から切ってきなさい)。
- メモ
- 類:カンター・カンターモーサー。
カンダイシ
踏石。
- メモ
- 類:クダミイシ。
カンダバー
かずら。サツマイモの葉。
- 用例
- カンダバー イッティ ジューシー チュクイン(かずらを入れて雑炊を作る)。
カンダバージューシー
甘藷の葉を入れた雑炊。
- 用例
- アチコーコー カンダバージューシー ウサガミソーレー(熱々のカンダバージューシーを召し上がってください)。
カンダバーズネー
かずらの和え物。
- メモ
- 関:イェーイ・イェームン・スーネー・ニンブトゥカーズーネー。
カンダブーニ
甘藷のつる。
カンチキーン
噛む。強く噛む。
- 用例
- ヲゥージ カンチキーン(サトウキビを強く噛む)。
否:カンチキラン(噛まない)希:カンチキーブサン(噛みたい)過:カンチキタン(噛んだ)継:カンチキトーン(噛んでいる)。
カンチキムンチキ
よく噛むこと。
- 用例
- クヮーサラー カンチキムンチキ シ カメー(固いならよく噛んで食べなさい)。
カンチゲー
勘違い。
- 用例
- イャーヤ デージナ カンチゲー ソーサ(お前は大変な勘違いをしているよ)。
カンヂチュン
感付く。気付く。
- 用例
- イャーヤ カンヂチャンナー(お前は気付いたか)。
ガンチブラー
頭の大きい人。頑固者。
- 用例
- スーヤ ガンチブラー ナティ チャーン ナラン(お父さんは頑固者でどうしようもない)。
- メモ
- →ガンクー。
ガンチブラー
頭蓋骨〔ずがいこつ〕。
- メモ
- 類:カラチブル。
ガンチョー
眼鏡。メガネ。
- 用例
- ワームン ガンチョー ンランティー?(私のメガネを見なかったねぇ?)。
カンティー(~カンティー)
~しかねる。~しかねること。
- 用例
- ムッチカンティースカ ウフゴーイ シェーン(持ちきれないほど大量に買ってある)。
ナマナマー シーネー マニアーシカンティー スンロー(急にやろうとしたら間に合わせきれなくなるよ)。
カントゥ
髪。
- 用例
- ヰキガラーシク イフェー カントゥン チミレー(男らしく少しは髪も切ってこい)。
- メモ
- 類:カラジ。
ガントゥ
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷の座りを良くする輪型の敷物。
- 用例
- バーキ カミーラー ウヌ メーニ ガントゥカラ チブルンカイ ヌシレー(ザルを頭に載せるならそのまえにガントゥを頭に載せなさい)。
- メモ
- 類:ガンシナ。
カンドゥーサン
鈍感である。勘が鈍い。
- 用例
- チャッサ イチン ワカラン アンシ カンドゥーサンリチン アル(どんなに言っても分からない何て鈍感なんでしょう)。
- メモ
- 音:カンドゥーハン。
カンドゥーハン
鈍感である。勘が鈍い。
- 用例
- イャートゥ ハナシーシン カンドゥーハヌ チャーン ナラン(お前と話しても勘がにぶくてどうしようもない)。
- メモ
- 音:カンドゥーサン。
カンドゥク
勘。感。
- 用例
- シーヨーヌ ワカランラー カンドゥクシ スシヤカ フカー ネーンサ(やり方が分からないなら勘でやるより他はないさ)。
- メモ
- 類:カン・カンシ。
カンドゥクヂューハン
敏感である。勘が鋭い。
- 用例
- ウヌ ワラベー ドゥク カンドゥクヂューハヌ キー チキリヨー(その子はとても敏感だから気をつけなさいよ)。
カントゥバーバー
ボサボサ髪。
- 用例
- カントゥバーバー シ アッチョータン(ボサボサ髪で歩いていた)。
- メモ
- 類:カラジボーサー。
カントゥムシエー
髪を引っ張りあうこと。
- 用例
- ヰナグンチャー オーエーヌ ハジマイネー カントゥムシエー スタン(女の喧嘩が始まると髪を引っ張り合っていた)。
- メモ
- 類:カントゥムシバーエー・カラジムシエー。
カントゥムシバーエー
髪を引っ張りあうこと。
- 用例
- ドゥシンチャー カントゥムシバーエーシ オートーン(友達で髪を引っ張りあって喧嘩している)。
- メモ
- 類:カントゥムシエー・カラジムシエー。
カントー
勘当。
- 用例
- カントー サッティ ヤーカラ ゥンジャサッタン(勘当されて家から出された)。
カントー アティラッティ ヒトゥバシラ ナタル ハナシ(罰されて人柱になった話)。
- メモ
- 勘当(かんとう)とは、法にあわせ勘(かんが)えて罪に当てること。責めてしかること。
カンナイ
雷。
- 用例
- チューヌ カンナイヌ ウトゥルサヨー(今日の雷の恐いことよ)。
- メモ
- 音:ガンナイ。
ガンナイ
雷。
- 用例
- アネッ!ナキーネー ガンナイ ゴロゴロ スンドー(ほら!泣いたら雷が鳴るよ)。
- メモ
- 音:カンナイ。
カンナイゴロゴロ
雷ゴロゴロ。雷が鳴る音。雷が鳴る。
- 用例
- アネッ!カナナイゴロゴロ ソーンドー(ほら!雷がゴロゴロ鳴っているよ)。
カンナジ
必ず。
- 用例
- アチャーヤ ワッターヤーカイ カンナジ クーヨーヤー(明日は私の家に必ず来なさいよ)。
カンナン
雷。
カンニーカンニー
こうこう。こんなふうに。
- 用例
- カンニーカンニー シル スタンドー(こんなふうにしたんだよ)。
カンヌー
肝要。
- 用例
- ヲゥジャサーガ カンヌーナ ハナシガ アンディグトゥ イチュター ゥンジクーラナ(叔父さんが肝要な話があるというからちょっと行ってみよう)。
ガンヌスージ
龕の祝い。龕の修繕。
- メモ
- 龕を共有した字比謝・大湾・古堅・渡具知の4字は、12年に1度午年に龕の修繕や造り替えをして、祈願をした。類:コーヌスージ。
カンヌンアヒル
観音アヒル。
カンヌンドー
観音堂。
- メモ
- 類:クヮンヌンドー。
字喜名にある観音堂のこと。戦前から瓦葺きの堂宇があり四周の壁は石積みで中には千手観音像を祀っていた。観音像は、1841年旧暦9月18日金武の観音寺から勧請されたといわれる。
それ以前の観音にも触れた興味深い伝承は以下の通りである。字座喜味のトーガーに入港した唐船によってもたらされた最初の観音は、喜名のクシマディラ(ティラガマともいう)に安置され、屋号花城の屋敷に、その後、現在地に移されたが無くなったので、後年金武の観音堂から勧請してきた。
カンヌンドーウガミ
観音堂拝み。
- メモ
- 類:クヮンヌンドーウガミ。
現在でも毎年旧暦9月18日には、読谷村主催で催され、村の繁栄と健康を祈願し、翌19日には喜名自治会が拝む。観音堂が所在する喜名2班は独自で家族の健康祈願を行っている。
子孫繁栄・家庭安泰・無病息災などを願い、個人で拝む者も多い。
カンネール
このような。
- 用例
- カンネール クトー アテー ナラン(このようなことがあってはいけない)。
カンネール ムンヤ チューヤ ヌガーラチェー ナラン(こんな奴は今日は許すわけにはいかない)。
カンネールーカンネールー
こうこうやって。こんなふうに。
- 用例
- カンネールーカンネールーグヮー シル、アッチョータンド(こうやってこうやって、歩いていたよ)。
カンバク
棺箱。
- メモ
- 音1:クヮンバク。音2:クヮンチェーバク・クヮンチャーバク・タカラバク・クヮンチャイバク。
大人は棺を使うが、子どもの場合は大和から入る素麺箱で代用した。
カンパチ
ハゲ。ケロイド状の傷跡。
- 用例
- チブルカイ カンパチヌ イジトーン(頭にハゲができている)。
チランカイ カンパチヌ アシェー、ウレー ウーマク ヤテーサリチ イタンヨ(顔に傷跡があると、暴れん坊だったんだろうといっていたよ)。
カンパチヒンパチ
ハゲが多い様。
- 用例
- カンパチヒンパチ イャームン チブルヌ ウカサヨー(ハゲだらけでお前の頭の可笑しいことよ)。
カンパチャー
〔ハゲ〕がある人。
- 用例
- カンパチャー ナティ ボーシ カントーン(ハゲがあるから帽子を被っている)。
カンプー
結い髪。髪を結ったもの。
- 用例
- カンプー ソーン(結髪している)。チューヤ アバーガ カンプー ユーティトゥラサヤー(今日は姉さんが髪を結ってあげようね)。
- メモ
- 成人女性が結う沖縄式の髷をウチナーカラジ或いはカンプーといい、昭和30年代までは随所で見られた。
カンプーユー
髷を結っていた時代。
- 用例
- ワネー カンプーユーニ ウマリタン(私は髷を結っていた時代に生まれた)。
ガンマラー
悪戯者。悪戯っ子。
- 用例
- ガンマラーガ イクタイン アチマトーン(悪戯っ子が何人も集まっている)。
- メモ
- 類:ティークサー・ティンチャマー。
ガンマリ
いたずら。悪戯。
- 用例
- ワランチャー アチマイネー ガンマリヂューサヌ キーチキリヨーヤー(子どもたちが集まると悪戯をすることが多いから気をつけなさいよ)。
- メモ
- 類:ワチャク。
ガンマリヌクファイ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシヌ ヰキガヌウヤガ タール ヤラー ワカランシカイヤ ガンマリヌクファイディ イータンヤー(昔の男親が誰なのか分からないのにはガンマリヌクファイといっていたね)。
- メモ
- →アシビングヮ。
ガンマリヒンマリ
悪戯ばかりしていること。
- 用例
- ガンマリヒンマリヌ ドゥク チューサヌ ヌラティ トゥラチャサ(いたずらが余りにもひどくて叱ってやった)。
ガンヤー
龕屋〔がんや〕。龕を納める小屋。
- 用例
- ユーユックィネー ガンヤーヌ スバー アンシ ウトゥルサタルヤー(日が暮れると龕屋の側はとても怖かったね)。
- メモ
- 龕は日常動かすのを忌み嫌い丁重に祈願して龕屋に納めていた。
ガンリーン
体や頭に衰えがある様。
- メモ
- 音:ガンルイン。
ガンルイン
体や頭に衰えがある様。
- 用例
- オバーヤ ユッカイ ガンルトーッサー(祖母はだいぶ衰えているね)。
- メモ
- 音:ガンリーン。
カンルーヤンリー
寒露破れ。9月頃渡り鳥のサシバの小便みたいな小雨が降る時期。
- メモ
- 類:タカヌシーバイ。
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