イエーヌガマとアバシヌンジ [マップ]


イエーヌガマ外観
(中央暗いところが出入口の一つ)

 これらの洞窟は先に述べた「瀬名波ガー周辺の洞窟群」の中の主なものですので、そこへの案内は、前項をご覧下さい。
 「イエーヌガマ」は自然の洞窟を利用した避難壕で、主に瀬名波の上川平(イーカービラ)の人たちが利用していました。やがて空襲が激しくなるにしたがって、渡慶次や宇座、その他の字の人々も避難してきました。
 ガマは、海に向かった巨大な巌((いわお)*の根元に口を開いており、写真で見る左側の洞口から出入りできます。中はかなり広い空間があり、写真右側の洞窟口に出ることができます。
     *巌:高く突き出た大きな石。
 一方、瀬名波ガーの手前にある天然洞窟は、「アバシヌンジ」という名が付いています。その名は、食べた後の魚類の骨や貝殻を捨てていた所ということからついた名だったのでしょうか。「アバシヌンジ」とは、沖縄方言では、「針千本(魚の名)の刺(とげ)」ということです。
 しかし、集落を離れたここまで、わざわざ魚の刺や貝殻を捨てに来るとは考えられません。あるいはここは、先人たちの穴居生活の跡地で、彼らの採集生活の名残りをしめす貝塚のようなものではなかったかと思われます。
 この洞窟には下川平(シチャカービラ)の人たちと、その親戚の人々が入っていたと言っています。
 その洞窟の上に爆弾が落ちたことがありましたが、巨大な巌はびくともせず、避難していた人たちは全員無事だったと言います。
 近くには、先にも述べたとおり多くの自然洞窟があり、瀬名波の字民をはじめ他字の人々も入っていました。


アバシヌンジと呼ばれるガマ

 


イエーヌガマ出入口を海側から写す

イェーヌガマ内部(その1)

イェーヌガマ内部(その2)

イェーヌガマ内部(その3)

アバシヌンジ入り口に面した坂道

イェーヌガマ入り口