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 国民精神総動員運動の実施

 一九三七年(昭和十二)九月、政府は官民一体となった一大国民運動として「国民精神総動員運動」の実施を決定した。この運動は「挙国一致」「尽忠報国」「堅忍持久」の三つのスローガンを掲げ国民を戦争遂行に協力させようとしたもので、十月には運動の推進を図るため、政府の外郭団体として「国民精神総動員中央連盟」が各方面の有力団体の参加を得て結成された。
 当初この運動が主眼をおいたのは国体観念の明徴、日本精神の昂揚といった精神的な教化宣伝であったが、戦争が長期化の様相をみせはじめると、「消費節約、廃品回収、貯蓄奨励、国債購入、生活刷新、生産増強」など戦時下の財政経済政策に対する国民の協力を引き出すことに主力が注がれるようになった。
 そして戦意昂揚の標語として「贅沢は敵だ!」「欲しがりません勝つまでは」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」等と国民に耐乏生活を強いたのである。このころ「パーマネントはやめましょう」「日の丸弁当」奨励などが叫ばれた。

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