龍とぅよ、鶏でぃーねーあぬハートゥヤーて、うりが話やしがよ。うぬ龍ぬ耳ぬ中んかいよ、あぬンカジよ、ムカデ、ありがへーりんちぇーるふーじ、龍ぬ耳ぬ中んかい。へーりんちゃぐとぅ、なー痛りふしがらん、後ぉ、あれー噛いんすしぇーや痛りふしがらん。なー逃ぎーん、其処から出じーぬ所ぉ道ばっぺーてぃねーらんよ、あまんくまん全部噛ちきやーち。
あんさぐとぅ、今度ぉまた医者ぬ家かい、なー人間んかい化きてぃ行ぢぇーんて、なーうぬ龍や。医者ぬ家かい行ぢゃぐとぅ、あんさぐとぅ、お医者さのーなーまた、「これー人間ではない。化き物ぬる来る。ぃやー正体現わさん限れーぃやー耳ぇ治さんどー」でぃちゃぐとぅよ、「私ねー龍るやいびる」でぃ言ちゃれーよ。あんさぐとぅ「私騙しーるんさーなー治ちぇーとぅらさんどー」でぃちさぐとぅ。「なー、私ねー龍やいびん」でぃやーに言ちゃれー。
今度ぉ、うぬお医者さのーよ、知恵ちかやーいて、うぬハートゥヤー持ち来いよ、うぬ龍ぬ耳んかい入ってーるふーじ。うんぐとぅハートゥヤーが入っち行ぢゃーいや、なーあれーまた喰物るやぐとぅンカジぇ、鶏のー。咥やーい出じてぃ来ぐとぅよ、「とーくりやさ」んち。あんしされーなーまた、うぬお医者さぬんかい御礼しっよ、「いっぺーにへーでーびる」んち龍や、しっ。うりからよ、あぬー龍のーいっぺーなー崇みてーるばーて、うぬハートゥヤーや。
あんしるよ、ハーリー船やてぃん、龍ぬ型ぁかんし前んかい造てーしぇーや。あんしハーリーぬあぬ旗振やーぬ旗よ、あぬマンサン旗ふーじーぬ三角旗ぬよ、ありんかいや側ぁンカジぬ型描ちゃーいや、中ぁまた鶏ぬ型し。あんし艫にぬ方んかい、またあぬー鶏しぎてーしぇーよ、うぬ謂れから来しやんでぃぬ話やるばーよ。
龍とハートゥヤーという鶏の話だよ。その龍の耳にムカデが入りこんでしまい、もう痛くてたまらない。ムカデが耳から出ようとしても道を間違えてしまい、しまいにはあちこち噛みついたものだから、龍は痛くてどうにも我慢ができない。
それで、龍は人間に姿を変えて医者に行ったようだ。お医者さんは、「おまえは人間ではないな、化け物だな、私を騙せると思っているのか、おまえが正体を現さない限り、耳は治してやらないぞ」と言ったって。すると、「実は、私は龍です」と、龍が正直に話した。
そこで、お医者さんは知恵を使って、ハートゥヤーを持ってきて、龍の耳の中に入れた。ムカデはハートゥヤーの食い物だからね、ムカデをくわえてハートゥヤーが竜の耳から出てきた。「こいつの仕業だったんだよ」と・・・。痛みがとれた龍はお医者さんに、「どうもありがとうございました」とお礼を言い帰って行った。それから、龍はハートゥヤーをあがめるようになったわけさ。
それで、爬龍船の前の方は龍をかたどって造ってあるんだってさ。三角旗には、ムカデと鶏の型を描いているでしょう。そして、船尾の方にも鶏をつけてあるのは、そういう理由なんだってさ。