読谷村しまくとぅば「むんがたい」

フチャギ由来 ふちゃぎゆらい

話者 古堅セツ(1912・M45) 地域 都屋 時間 00:47
  • しまくとぅば
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 其処(ぅんま)(やー)ぬ、(たび)どうしぇーさにやーうぬ旦那(だんな)さんが。あんさぐとぅなー、なー(うみ)(ちゅ)やみしぇーてーんやー、(たし)かに。


 あんさぐとぅなー、なー台風(たいふう)さぐとぅな、てぃーちん(けー)てぃんめんそーらんなたぐとぅ。(ひるま)さ、なー(まー)しるうさやーんちなー、(なげ)(けー)てぃめんそーらんたぐとぅなー、いぇりん焼香(すーこー)んでーうさぎーんち、うりしぇーんてー、七日(なんか)んでーうさぎーんち。


 あんさーに、さぐとぅ(むち)(ちゅく)てぃなー()ぐ、うんぐとぅーし七日(なんか)うさぎーんちそーぬ(ばー)に、なーうぬ本人(ほんにん)(けー)てぃ(ちゃ)ぐとぅよー。なーありんかい(もう)(わけ)ねーんしぇーやー。あんさーなかい、うぬ(むち)(ちゅく)いぬ(しる)(むち)()赤豆(あかまーみ)()やーに、うぬ(むち)んかいたっくゎーさーに、お(いわ)いぬフチャギなさーによ、うりなたんりち。うぬ八月(はちがつ)十五夜(じゅーぐやー)ぬうり、うんなうりどぅ()ちゃんで(はなしー)


 その家の旦那さんが、旅に出たんでしょうね。おそらくその人は漁師だったのでしょうね、きっと。



 旅に出たあと台風になった。それで、いっこうに帰って来なかった。どうしたのかな、長いこと帰って来なかったので、もう亡くなったのだろうと、法事の準備をしたんでしょうね。



 そこで、仏壇にお供えする餅を作っていたら、亡くなったと思っていた旦那さんが帰ってきた。もう旦那さんの法事の準備をしていたなんて気まずいでしょう。それで、直ぐに小豆を煮て、法事用に作っていた白餅に、その小豆をくっつけてお祝いのフチャギ餅にしたんだって。その日が八月十五日だったのか、それから、八月十五夜にはフチャギを作るようになったという、そんな話を聞いたよ。

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