あぬーくぬ女ん子ぬよ、なーいっぺー屁放やーやたんでぃ。あんさーなかい、今度ぉうりが夫持っち行ちゅる事なてぃさぐとぅ。「踵どーやー、ハールー」んでぃ、男ぬ親ぬ言みそーちゃぐとぅ。またうぬハールーんりる人ぉ、「覚とーんたいターリー」んたんでぃ。
あんし、行ぢゃーに、夫持っち行ぢゃーなかい、其処ぬ家んじぇーなー、いっぺー黒しび痩がりし、痩がりたぐとぅ。「ぃやーやなー、あんし病ぬる有るい、あんし黒しび痩がりそーる」んり言ちゃれー、うぬ姑ぬあん言みそーちゃぐとぅ。「私ねーなー病んちん無びらんしが、私ねー屁ぃにじてぃるあんし痩がりとーびんどーやー」んり言ちゃくとぅ。「ちゃーん無んさ、放り飛ばしぇー」んちゃぐとぅ、なー直ぐ親ん放り捨てぃてぃ、夫ん放り捨てぃてぃさーなかに。
「あーくれー妻ぇならんぐとぅ、なー嫁んならんぐとぅ添てぃ行き」んち、行ちゅる途中なかに、今度ぉあぬー道中をぅとーてぃ、木ぬ生い物ぬなとーし、うぬ生い物むいる為なかに、なー大変うふーし皆なー、ちゃーしんうぬ生いや、むりわるやしがんり言ちそーいねー。今度ぉ夫婦家かい添てぃ行ちゅしはっちゃかたぐとぅ、「あぬー何が何んちが」んちゃぐとぅ、「いぇーあぬ生い物落とぅすんちやしがやー、誰がんなーむいうーさん。登てぃん登ららん、あぬうりるやんどーやー」でぃ言ちさぐとぅ。「あんしぇー私落とぅちんーじゅみ」んち、うぬ女ぬ言ちゃくとぅ、ハールーが。
今度ぉうりが屁放やーなかい、うぬ生い物全部放り落とぅちさーなかにやー、「とーくれー宝物やぐとぅ」んでぃやーに、「宝ぬ女やぐとぅ」んち、今度ぉ家んかいまた引ち戻ち、親ぬ家ねー帰さんよーい家んかい引ち戻ちっ来ぃ妻ぇさんり。
あのう、その娘はね、もう大変な屁こきだったそうだ。その娘が嫁ぐことになり、父親は屁が出そうになったら踵で尻の穴を押さえなさいと教えた。人前では気づかれないように「踵だよ、忘れるなよハールー」と注意したら、娘のハールーは「覚えていますよ、お父さん」と答えたんだって。
そして、ハールーは嫁いで行ったものの、婚家ではもう、顔色も悪くなり痩せてきた。それで、姑が「お前はこんなに顔色も悪く痩せているが、どこか悪いところでもあるの?そんなに痩せてしまって」と言った。姑にそう聞かれたので、「私はどこも悪くはありませんが、屁を我慢してこんなに痩せているのですよ」と答えた。そしたら、「気にしなくていいよ、思い切りしなさい」と言ったので、もう、その姑や夫を吹き飛ばすほどの大きな屁を放ったそうだ。
さすがに「ああ、こんな女は妻にできない、嫁にもできないから、実家へ戻しなさい」ということになったそうだ。実家へ連れていく途中の道に、実をいっぱいつけた木があって、その実を取ろうと人が集まっていた。どうしたらその木の実を取ることができるか皆いろいろ苦労していたそうだね。妻の実家へ行く途中に、そうしているところに出くわしたわけだ。「何をしているのか」と聞いたら、「あの木の実を取ろうとしているのだが、誰も取ることができない、木に登っても届かず困っているのだよ」と言ってきた。「それでは、私が木の実を落としてみようか」と、ハールーが言ってね。
そして、ハールーが屁を放って、木の実を全部落とすことができたそうだ。それを見た夫は、「ああ、もう、これは宝物だ。この女は大切にしなくては」と思って、実家へ戻すことはせずに、また家へ連れ帰って妻にしたということだよ。