読谷村しまくとぅば「むんがたい」

喜名タカハンジャーとフェーレー退治 きなたかはんじゃーとふぇーれーたいじ

話者 松田ウト(1901・M34) 地域 喜名 時間 00:58
  • しまくとぅば
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 喜名(ちなー)タカハンジャー、「あっ、(うた)しんでぃるばーなー?」何処(まー)からが(ちょー)らー()からんくとぅやー、「多幸山(たこうやま)(やま)(しし) (うるる)くな(やま)(しし) 喜名(ちなー)タカハンジャーが (あし)でぃ(むる)い」、うりるやんでぃ。


 多幸山(たこうやま)(やま)んかい、其処(ぅんま)多幸山(たこうやま)んでぃちうみちっちぬ、くひなーなーそーる(きー)ぬかんしうちゃーりたくとぅ、(みち)ぇかんし(うす)らっとーるばーてー、うぬ(みち)ぇ。(うす)らったくとぅ、うぬ(みち)ぬかんしさくとぅ、あぬー(ぬー)やてぃんかみてぃ(ちゅー)(ちゅ)ぉ、カケージャーさーに(とぅ)いたんでぃるばーてー。


 あん、(とぅ)いたんでぃしが、くぬタカハンジャーが、喜名(ちなー)しんかんたーかい(ぅん)ぢゃーに、「あんし、山原(やんばる)んかい()ちゅる(ちゅ)、かんししみてーならんむん」でぃち。(ゐなぐ)んかい道中(みちなか)から(しな)かみらち、(たーら)んかい()ってぃ(しな)かみらちゃーに。うぬ(しな)かみてぃ(あっ)ちーに、うぬ盗人(ぬする)(きー)(いー)からカケージャーし、うぬ(しな)()っちょーくとぅ(ちから)(うゆ)ばらんしぇーやー。うぬ盗人(ぬする)(じー)()てぃやーに、うんにーに(かち)みたんでぃ。

 喜名タカハンジャーが、なぜそこを通っているのか知らせるために、「多幸山の山猪 驚くな山猪 喜名タカハンジャーが 遊んで帰るところだよ」と、多幸山を通りながら歌ったということさ。


 多幸山はとても物騒な所で、こんな大きな木が生い茂っていて、その木が道に覆いかぶさっていた。そんな所だったので、そこを通る人の荷物を、追い剥ぎが掛け竿で引き上げて盗ったそうなんだ。




 そこで、喜名タカハンジャーが、喜名の人たちの所へ行って、「山原(北部)に行き来する人を、そんな目にあわせてはいけない」と相談した。そして、女の人の頭に砂俵を載せて歩かせた。そうとは知らない追い剥ぎは木の上から掛け竿で、その荷物を取ろうとするが、砂が重すぎて引き上げることができないわけだ。逆に木から落ちたので、追い剥ぎを捕まえることができたんだって。

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