くぬ瀬名波ぬウグヮンぬ後んかい、ムイヌカーでぃぬカーぬ在しが、うぬ名ぁ付きたしぇー、ちゃーし付きたがりでー。
昔や、今ぬぐとぅし機関船とぅか何とぅか無らんよーくー、帆船し、くぬ沖縄や離島やぐとぅ、旅渡たい、旅渡たいし。やしが、海とーてぃ災難に遭たてぃやー。あんし、船割てぃ流りてぃ来っ、着ちゃん所が、ムイヌカーぬ下ってぃ着ちよー。
其処んかい来っ、其処から泉、水ぇ湧ちゃぐとぅ、うぬ水飲らーに息ぇ返てぃ、命助かてぃ付きたしが、ムイヌカーでぃちょーしが。あんしくれー、本当でぃねー、物思たるウムイヌカー。
瀬名波のウガンの後方に、ムイヌカーという湧泉があるが、なぜその名が付いたかというとね。
昔は、今のように機関船などはないから、離島である沖縄は帆船で島々を行き来していた。そんな時、船が遭難して流れ着いた所が、ムイヌカーの下の方だった。
流れ着いた所には泉があって、水が湧いていたので、その水を飲んで息を吹き返し、命が助かったということでムイヌカーと付けたそうなんだ。水を飲んで人心地ついたという意味で、本来なら物を思ったウムイヌカー(思いの湧泉)ということさ。