読谷村しまくとぅば「むんがたい」

ムイヌカー由来 むいぬかーゆらい

話者 屋良朝助(1907・M40) 地域 瀬名波 時間 00:55
  • しまくとぅば
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 くぬ瀬名波(しなは)ぬウグヮンぬ(くし)んかい、ムイヌカーでぃぬカーぬ()しが、うぬ()()きたしぇー、ちゃーし()きたがりでー。


 (ぅんかし)や、(なま)ぬぐとぅし機関船(きかいしん)とぅか(ぬー)とぅか(ねー)らんよーくー、帆船(ふーぶに)し、くぬ沖縄(うちなー)離島(りとう)やぐとぅ、(たび)(わた)たい、(たび)(わた)たいし。やしが、(うみ)とーてぃ災難(さいなん)()たてぃやー。あんし、(ふに)()てぃ(なが)りてぃ()っ、()ちゃん(とぅくる)が、ムイヌカーぬ(しちゃ)ってぃ()ちよー。


 其処(ぅんま)んかい()っ、其処(ぅんま)から(いずみ)(みじ)()ちゃぐとぅ、うぬ(みじ)()らーに(いーち)(けー)てぃ、(ぬち)(たし)かてぃ()きたしが、ムイヌカーでぃちょーしが。あんしくれー、本当(ほんとう)でぃねー、(むん)(うむ)たるウムイヌカー。

 瀬名波のウガンの後方に、ムイヌカーという湧泉があるが、なぜその名が付いたかというとね。



 昔は、今のように機関船などはないから、離島である沖縄は帆船で島々を行き来していた。そんな時、船が遭難して流れ着いた所が、ムイヌカーの下の方だった。




 流れ着いた所には泉があって、水が湧いていたので、その水を飲んで息を吹き返し、命が助かったということでムイヌカーと付けたそうなんだ。水を飲んで人心地ついたという意味で、本来なら物を思ったウムイヌカー(思いの湧泉)ということさ。

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解説

シナハウガンの北側の断崖下にあるカーである。昔、ここの水によって、漂流した人が命拾いした、あるいは戦乱の世に逃れてきた按司が命拾いしたともいわれる。それを由来として、ウムイヌカー(思いのカー)とも呼ばれる。海岸側からは大潮の干潮時にしか行くことはできないので、現在は遙拝されることが多い。大御願に拝される。旧暦1月4日のミジナリーで遙拝する門中、家庭もある。(「瀬名波ガイドマップ」瀬名波のカー、ムイヌカー)

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