読谷村しまくとぅば「むんがたい」

大湾のビジュル おおわんのびじゅる

話者 山城幸成(1915・T4) 地域 大湾 時間 01:09
  • しまくとぅば
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 大湾(おおわぬ)んかいビジュルでぃる(かみ)ぬ、石仏(いしぶとぅき)ぬめんしぇーてーるぐとーしが。うりいっぺー大湾(おおわん)部落(ぶらく)とぅし、()(ぐゎ)繁盛(はんじょう)(たい)する神様(かみさま)なたぐとぅ。


 うりある部落(ぶらく)ぬいっぺー(うらや)まさし、うぬうり(ぬす)でぃ(ぅん)ぢさぐとぅ。あんさーい、また(ぬす)まったん(とぅくる)大湾(おおわん)部落(ぶらく)ぉ、うり(とぅ)めーいんが(あっ)ちゃぐとぅ。(とぅ)めーやーが(あっ)ちゅんでぃやーい、(あじゃ)溜池(ためいけ)んかい()とぅちゃぐとぅ。さぐとぅ、うぬ(ほとけ)さのー其処(ぅんま)から(とぅ)めーやーが(ちゃ)ぐとぅ、ブルブルブルーし、さん。あんさーい(とぅ)めーたんでぃる(つた)(ばなし)


 (いけ)んかい()てぃらっとーし、其処(ぅんま)から(とぅ)めーやーが(あっ)ちゃぐとぅ、かんし、この(みず)(あわ)、ブルブルブルーし。あんさぐとぅ、「うねっ、此処(くま)(ぬー)が、(ひるま)しむん」んちさくとぅ、其処(ぅんま)んかい()たんでぃる(つた)(ばなし)。そういうこと、また昔話(んかしばなしー)

 大湾にビジュル(賓頭慮(びんずる))という神、石仏があるが、昔からそのビジュルを子宝の神として崇めている。



 昔、それをある人が羨ましく思って盗んで行った。それで、盗まれた大湾の人たちは、ビジュルを探し廻った。盗んだ人はそのことを知って、ビジュルを自分の字の溜池に捨ててしまった。そしたら、ビジュルを探している大湾の人たちが、そこを通りかかると、泡がブルブルと噴き出たそうだ。そうして捜しだしたという伝え話。


 ビジュルを探している人たちが通ったら、池の中から泡がブルブルと噴き出たんだって。それで、「あれっ、これは何だ、不思議だな」と思い、池を探したら、そこにあったという伝え話。そういうことさ、それも昔話ね。

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解説

字に男子が恵まれない時期があり、お告げにより、山田(現在は恩納村)からビジュル神を招請した。その後双子の男児を授かり、以来子孫繁栄の神として信仰するようになったという。(「大湾ガイドマップ」大湾の拝所・名所、ビジュル)

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