読谷村しまくとぅば「むんがたい」

トーフバクバク とーふばくばく

話者 仲宗根カマ(1906・M39) 地域 渡具知 時間 00:54
  • しまくとぅば
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 あぬー、何処(まー)んくぃ、くれーしぐ山原船(やんばるせん)()っち、彼処(あま)からん此処(くま)からぬ(ちゅ)()んちゃーひんちゃーし()とーる(ふに)やるばー。


 あぬー、(かじ)(あらし)はっちゃかやーにや。はっちゃかやーに、うぬ(ふに)()りたくとぅ、其処(ぅんま)かい(ちゅ)ぬる(なが)りてぃ(ちゃ)がやー。()じぇーんてー、()()てぃ(ちゃ)くとぅ、渡具知(とぅぐち)部落(ぶらく)かかてぃどー。部落(ぶらく)かかてぃ(ちゃ)くとぅ、なー区長(くちょう)議員(ぎいん)なーうれー()たい(めー)やしぇーやー、部落(ぶらく)んかい()てぃ(ちゅー)しぇー。


 あんひちゃくとぅ、其処(ぅんま)人達(しんか)(とぅ)(とぅどぅ)きひちぇーるぐとーん、うぬ洞窟(がま)んかい。あんさーに、今度(くんど)(こつ)其処(ぅんま)てぃ(とぅ)やーに、くっぴびかーそーる(はく)ぐゎーぬ()んよー。うぬ(はく)んかいいっぱい(ふーに)()さ、(なま)ん。(いくさ)ねーやんらってーをぅらん、()んどー。


 うりんかい、豆腐箱(とーふばく)んかい()ちょーんでぃやーにトーフバクバクーでぃちょーるばー。

 あのう、その山原船はね、あちらこちらの人たちが一緒に乗っている船だったようだ。



 ある時、航海中に嵐にあってしまった。船は壊れて渡具知の浜に人が流されて来たんでしょうね。遭難して亡くなった人たちが、渡具知に流れ着いた。そしたら、区長や議員は当然世話をしないといけないでしょう。




 そういうことで、渡具知の有志が片付けて、そこの洞窟に葬ったようだ。その後(何年かして遺体が朽ちてから)、遺骨を拾って、適当な箱に収めた。その箱にはいっぱいの骨が入っているさ、今でも。去る戦争にも壊れず、そのまま残っているよ。


 その箱が豆腐箱に似ているということで、トーフバクバクーと呼んでいるわけさ。

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