読谷村史　「戦時記録」上巻　第二章　読谷山村民の戦争体験　第一節　読谷山村における沖縄戦

　収容所（地）から市町村への移動

　米軍政府では、さきに沖縄本島全域に市制を施行し、市長選挙を行ったが、その第一回市長会議を一九四五年（昭和二十）十月二十三日、石川市在の沖縄諮詢会堂で開催した。全島一二市の市長と沖縄諮詢委員全員、米軍政府よりハセ中尉が出席した。
　ハセ中尉は沖縄諮詢会の地位と権限について説明し、沖縄諮詢会は執行機関ではないので命令権はない。命令系統はムーレー大佐が最高で、政治部長はストリート少佐、その命令が各地区隊長に伝わり、市長はその命令によって行政を行なうことになると通達した。
　その際、住民移動に言及し、「住民が早く元の居住地に移動したいということを、米軍政府はよくわかっているが、海軍が飛行場及び海軍用地を作るため当分むつかしい。米軍政府では、住民移動についての計画は立てているが、もし無理をすると海軍が不許可にする。殊に移動ができないといって越境する者が多く出ると、軍部の感情を害して遅れる虞れがあるから、各地区の隊長とよく協議して越境者を充分取り締まり、住民を指導してもらいたい」との旨があった。

　米軍政府と沖縄諮詢会の住民移動方針

　第一回目の市長会議に早くも住民移動を主題とした米軍政府の発表が出た。そしてその後、米軍政府と諮詢会との間にまとまった移動方針は、「（イ）できる限り旧町村旧部落に移動させる。（ロ）もしできない場合は、可能な限り旧町村旧部落に近い場所に移動させる。（ハ）移動には先発隊を派遣して仮小屋と食糧の準備をさせる」であった。

　米軍政府の各地区隊長への指示

　米軍政本部では沖縄住民を可及的速やかに元居住所に移すべく計画を立て、一九四五年（昭和二十）十月二十三日に、各地区隊長に次のような指示を与えている。概要は次のとおりである。

移動目的
　沖縄島の住民を従前の居住地区に移すことであり、できるだけ皆を従前の屋敷と土地に帰し、能う限り仮小屋を与えるが、できるだけ永久的な家屋（自分で建てたもの団体作業で建てたもの）に住まわせ軍政府許可によって得られる耕作適格地を耕作させること。

住民委員会を設け割り当ては公平を期すること
　住民委員会を設け、この割り当てをなすに当たっては、その地区に以前住居を有していた者の移り来ることを予想しておくこと。このようにした割当は、将来の法律上の所有権に影響を与えない。以前に所有していた土地にある個人を割当、さらに他の人々をその土地に住まわせ、あるいは仕事に協力させて差し支えない。そして、住宅、土地の割当および作業の割当はできるだけ公平を期すること。

米軍移動後のキャンプの使用
　米軍移動後のキャンプおよび使用に可能の家屋のある村は受け入れキャンプとして使用してよい。このようなものが利用できない時はテントを当本部より支給するものとする。永久的家屋建設計画に基づく不足資材用に当本部所有の資材を提供し、輸送力の範囲内で運送する。

地区間の移動
　軍本部より別命がない限り隣接せざる地区間の移動はトラックによってなされるものとする。住民はその有するあらゆる入用な道具を持参することができる。
　隣接地区間は徒歩移動も地区隊長相互の申し合わせにより行うことができる。重い道具や老人、薄弱者、病人はトラックで運ぶこと。

南部地区に配慮
　南部地区ではいまだに弾薬、地雷、擬装した手榴弾等があるからよく住民にこれを警戒せしめ、かつこれらの発見報告に協力させること。

　各収容所（地）からの移動

　各収容所から故郷への移動は、意外にも早く、第一回市長会議の開催一週間後に許可された。一九四五年十月三十日、北部地区から知念地区と中城村安谷屋部落への移動を皮切りに開始された。
　その後、逐次各市町村が開放になり、翌四六年四月までには移動も一段落を告げるに至った。このように住民の元居住地への復帰に伴い、市町村機構も早急に整備しなければならないので、米軍政府は原則的に戦前の市町村長をそれぞれ当該市町村長に任命し、移動後の市町村の安定化を図った。
　人々は戦後一時の仮住まいの収容所生活ではあったが、たがいに別れを惜しみつつ、一方では郷里に帰る歓喜と、再出発の希望に燃えて移動した（ここまで『沖縄市町村三十年史』上巻通史編　二八～三八頁を抜粋要約）。

　読谷山村への帰村と戦後の復興

　一九四五年（昭和二十）八月、日本の無条件降伏によって、中北部の収容所（地）に居た人々は、それぞれ自分の村に復帰を始めた。しかし読谷山には飛行場をはじめ、米軍の施設が多かったため、村民の復帰は許されなかった。

第九代村長　知花英康（1946年４月～1947年９月）

　一九四六年（昭和二十一）四月、戦後初代の村長に任命された知花英康は、胡差（現沖縄市）に読谷山村仮役所を設置、東恩納（石川市）にあった「沖縄民政府」に読谷山村民の村への復帰を要請した。同時に、各地の収容所（地）に散在している村民と連絡をとり、移動の準備を整えた。戦災でほとんど破壊されたとはいえ、当時村内には残存家屋もかなりあり、畑には芋も沢山あったので、近くの収容所（地）に居た人達がトラックで乗り込んで、これらの家屋を崩して持ち去ったり、農作物も荒らされていた。そこで、当時の仮役所はこれらの資材・家屋・食糧などを保護することに力を注ぎ、胡差や石川から交替で監視員を出すことにした。

　戦後の読谷村再建の歩みとしての行政文書は種々あるが、その中でも「村民ノ移動促進方ニ関スル請願」の文書は村民の心情を訴えるに切々たるものがあり、戦後の村の復興を知る上で極めて重要な文書と思われるので敢えて原文（全文）を掲げることにする。以下、この項の記述は戦後の行政文書の一部を整理し収録した『平和の炎』（第一一集　一九九八年発行）と『読谷村誌』（昭和四十四年発刊）よりの抜粋要約である。

　村民ノ移動促進方ニ関スル請願

　先般全沖縄ノ各市町村長ガ任命セラレ今ヤ各市町村ガ非常ナル意気込ミヲ以テ産業、教育、衛生、其他総ル方面ニ至リ其ノ復興建設ニ邁進セラレツツ有之候事ハ洵ニ御同慶ノ至リニ存ジ申候　然ルニ読谷村ハ今マデ約半歳ニ至リ村民ノ移動促進方ヲ哀訴歎願致候ヘ共今ニ其ノ見透シサヘ付カズ、戦前ヨリ戦後ニカケテ全沖縄中最大ノ犠牲ヲ払ハサレタル読谷一万三千有余ノ村民ハ今尚各地ニ散在シテ所謂避難民扱ヒ（表面ハ合法的ナルモ事実ハ厄介者扱ヒ）サレツツアルハ実ニ遺憾ノ極ミニテ一視同仁ヲ政治ノ要諦トセラルル今日看過スベカラザル重大事ト存ジ候
　惟フニ其ノ移動遅延ノ理由トシテ「受入地区隊長ハ海軍デアリ読谷駐屯軍ハ陸軍ナルガ故交渉困難トカ、爆発物埋蔵ノ為危険トカ、或ハ今尚米軍駐在セルガ為トカ」其ノ理由ハ種々有之候ハンモ如何ニ接渉ガムズカシクトモ其ノ労ヲ惜マズ度重ヌレバ遂ニ諒解セラルル事有之、爆発物ノ危険モ其ノママ放置セズ取リ除キ方ヲ講ズレバ敢テ不可能ノ事モ無之
　尚又米軍駐在ノ為到底村民ノ移動不可能トアレバ読谷ニ近キ越来、美里ノ一地域ヲ画シテ切メテ国頭方面ニ居ル五千五百余ノ読谷村民ヲ其ノ方ニ移動シテ安住セシムル事モ一策カト存ジ其ノ方法ハ多々可有之ト愚考仕リ候
　若シ彼モ出来ズ之ヲ不可能ト現在ノママニ放置セラレンカ　読谷村民ハ益々精神、物資両方面ノ生活苦ガ増大スルノミ　斯クテハ村長ノ任命モ無意義タルノミナラズ延イテハ沖縄ノ政治上将タ人道上由々敷キ問題ヲ惹起セヌトモ限ラレズ洵ニ憂慮ニ堪エザル次第ニ御座候　就テハ御繁忙中甚ダ恐縮ノ至リニハ存ジ候ヘ共戦前カラ全島無比ノ大犠牲ヲ払ハサレタル読谷村民ノ憊情御諒察ノ上一日モ早ク其ノ移動促進方御取計相成度此段伏シテ及梱願候
　　頓首再拝
一九四六年四月三十日
　　読谷村民総代　村長　知花英康
　沖縄民政府知事　志喜屋孝信　殿

　かくして村民の切なる訴えが功を奏し、一九四六年（昭和二十一）八月六日、波平と高志保の一部に全村民待望の移住許可がおりた。同年八月十二日、知花英康村長は六〇〇人の「読谷山村建設隊」を編成し、戦後の復興に着手した。
　当時の読谷山村は見渡す限りの米軍施設で、戦前の面影は全く消え失せ、大方の家屋は倒壊しあるいは焼失し、石垣は崩れ木は倒れて、その跡は雑草がはびこり道路もない有様であった。
　このように廃墟と化した故郷を目のあたりにして、勢い込んでやってきたさすがの建設隊も茫然自失の思いであったという。しかも、移住許可地域は僅かに波平と高志保の一部に限られていたので、何から手をつけてよいのか分らない状態だったが、気をとりなおして、建設隊は「協力して村再建に挺身し、理想郷を建設する」ことを誓い合い、村長のもとに総務・建築・農耕・衛生・食糧の五つの部を設け、それぞれ戦後の復興にとりかかった。

　読谷山村建設隊の誓約と綱領

　　誓約

我等茲ニ郷土建設ノ重任ヘ就クニ當リ其ノ職責ヲ完フスベク左記綱領ノ実行ヲ誓約ス
　　綱　領

一、	我等ハ協力一致以テ郷土讀谷ノ建設ニ挺身セントス
一、	我等ハ公正明朗誠實ヲ旨トシ以テ村民ノ信倚ニ應ヘントス
一、	我等ハ篤実剛健責任ヲ重ンジ謙譲親和以テ理想郷ノ建設ヲ期ス
	以上

　　　
一九四六年四月五日

（宣誓）
　戦いに追われ、村を出てからすでに一年有半、今月許されて村に入り、村再建の仕事に取りかかることを考えると誠に感慨深いものがあります。われら建設隊員一同は、村長殿のご意志をくみ、各部長の注意を守り、誠心誠意、村再建の仕事にあたり、ひとつには戦争の犠牲になって死んだ人々に対する務めを果たし、ひとつにはいまなお各地に散在して、村に帰る日を毎日待ちわびている村民の期待にそいたいと決心しています。以上決意を述べて宣誓といたします。
一九四六年八月十二日　村建設隊長　山内※※
　（＊注「村建設隊長」は村長であり、また山内※※は編成表では建築部長配下の輸送班に名を連ねていることなどから、ここでは建設隊全体に代わって宣誓したものと思う。）

戦後復興は、このような茅葺の小さな家から始まった

　斯くて建設隊員は各字別に分かれて先ず手始めに残存家屋を応急修復し、隊員の宿舎にあて合宿生活で作業に当たった。建設部員は、これら散乱したものを取り片付けながら使用できそうな家屋を修復し、また屋敷を整理した。そして、その跡に規格住宅を建てた。
　井戸も多くは埋もれていたので、衛生部員はそれを浚渫（しゅんせつ）し、屋敷ごとに便所を造った。農耕部員は野生の甘藷や野菜を採集して建設隊員の食糧に供しながら、移住して来る村民のために農耕計画を立てた。また、監視部員は村内を巡察し村内に在る資材の保全と食料の確保に努めた。このようにして、秩序正しく各部が一致協力し漸く建設の曙光を見んとするとき、突然八月三十一日、建設中止の命令に接し、村長はじめ隊員の失望、落胆ぶりはその極に達したという。
　九月十一日、中止命令の解除と移住許可の再指令を受ける間の知花村長の苦悩の様子等は紙幅の都合で割愛するが、一難去れば又一難来るで実に多事多難の中を切り抜けたことが『村の歩み』（一九五七年発行）、『村治十五年』（一九六二年発行）に詳細に記述されている。
　終戦直後の混沌とした社会状況の中で、あらゆる生活の不自由さと病魔と闘いながら、建設と復興に励んだ村長を中心とする建設隊員の労苦は、筆舌に尽くせないものがあった。
　戦後の復興と新たな村づくりに向けて人心を一新しようと、知花英康村長は村名を「読谷山村」から「読谷村」に変更することを発議し、村政委員会の同意を得て、沖縄県知事に申請した。そして、一九四六年（昭和二十一）十二月十六日付けで認可された。
　なお、読谷山村建設隊の編成は次表のとおりである。

表７　読谷山村建設隊編成表　＜一九四六年八月十二日＞

　次に村民の移動状況について見ると、幾つかの部落で一部移住許可、退去命令、全面移住許可と繰り返されるなど、容易ならぬ苦労の跡が記述されている。その大まかな点を年表形式でまとめることにする。

註記
米国陸軍省編・外間正四郎訳、『沖縄―日米最後の戦闘』四頁
『平和への証言　沖縄県平和祈念資料館ガイドブック』沖縄県生活福祉部援護課編集　六頁。
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研修所戦史室著　四〇、四一頁
『喜名誌』三四二頁
米国陸軍省編『沖縄・日米最後の戦闘』五二頁
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研修所戦史室著、一二〇頁
大城将保著『沖縄戦』高文研　一〇一頁
『沖縄県史　第８巻各論編７　沖縄戦通史』二四七頁
『喜名誌』三五〇～三五一頁
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研修所戦史室著、一一八頁
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研修所戦史室著、一三〇頁
保坂廣志「沖縄県民と疎開」『沖縄戦研究Ⅱ』所収　一四九頁・一五〇頁
『読谷村誌』二二四頁
『楚辺誌「戦争編」』五四頁
『読谷村誌』二七六頁
『鉄の暴風』沖縄タイムス社編、二八二頁
『読谷村誌』二七六頁
『国頭村史』五四三頁
『沖縄県史　第10巻各論編９　沖縄戦記録２』五六一～五六二頁
米国陸軍省編『沖縄・日米最後の戦闘』一〇一頁
米国陸軍省編『沖縄・日米最後の戦闘』四三頁
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研究所戦史室著、二一一頁
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研究所戦史室著、二六九頁
《記録写真第２集》『沖縄戦と住民』月刊沖縄社発行、三八頁
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』防衛庁防衛研究所戦史室著、二六九頁

＊参考文献等
『読谷村誌』（読谷村役所　昭和四十四年発行）
『村の歩み』（読谷村役所　一九五七年）
『村治十五年』（読谷村役所　一九六二年四月）
『喜名誌』（読谷村字喜名公民館　一九八八年発行）
『戦史叢書　沖縄方面陸軍作戦』（防衛庁防衛研修所戦史室著　昭和四十三年）
「第32軍の沖縄配備と全島要塞化」（大城将保『沖縄戦研究Ⅱ』所収　一九九九年沖縄県教育委員会）
米国陸軍省編『沖縄　日米最後の戦闘』外間正四郎訳
『沖縄戦　民衆の目でとらえる戦争』大城将保著
『沖縄県史８　沖縄戦通史』
『沖縄県史10　沖縄戦記録２』
「沖縄県民と疎開」（保坂廣志『沖縄戦研究Ⅱ』所収　一九九九年　沖縄県教育委員会）
『楚辺誌「戦争編」』（読谷村字楚辺公民館）
『鉄の暴風』（沖縄タイムス社編）
『国頭村史』（一九六七年発行）
『沖縄市町村三十年史』（上・昭和五十八年発行）
《記録写真第２集》『沖縄戦と住民』（月刊沖縄社）
『戦争と平和の事典』（高文研　一九九五年）
『平和への証言』沖縄県立平和祈念資料館ガイドブック

<-前頁　第二章一節・おわり

住民に告ぐ（五二七号）住民はこの戦争に対してどんな義務がありますか。
一、	皆さんは戦争に行きたかったのですか。
二、	皆さんは勝つ見込みのない戦争をしたいのですか。
三、	戦争に負けて貧乏で暮らしたいのですか。
四、	戦争で死んで行きますが、これらの若い人びとをなくして皆さんはこれからどうして暮らしていきますか。
五、	皆さんはこの戦争で何かを得ることがありますか。
六、	日本の軍部は、皆さんの島を安全に守ってくれていますか。また少ししか残っていない男の人を戦争に送っているのではありませんか。

市名	市長
石川市	横田英
辺土名市	山城東栄
田井等市	平良辰雄
漢那市	新垣実
宜野座市	安里源秀
古知屋市	金城増太郎
久志市	仲里松吉
瀬嵩市	瀬長清
前原市	当銘由伸
胡差市	仲地庸之
知念市	親川栄蔵
平安座市	山城金造

一九四六年（昭和二十一）
八月六日	波平、高志保の一部に居住許可
八月十二日	読谷山村建設隊を組織し復興に着手
八月三十一日	移動中止命令により、いったん建設隊引き揚げる
九月十一日	移動中止命令解かれる
九月十六日	建設隊再び復興に着手
十一月十五日	楚辺、大木地区に居住許可
十一月二十日	村民の第一次受入開始（十二月十二日完了。辺土名、田井等、久志方面から約五、〇〇〇人が帰村。高志保以北の村民は高志保へ、波平以南の村民は波平へ、を原則とした）
十二月一日	読谷山役所開設
十二月十六日	村名を「読谷山」から「読谷」へ改称

一九四七年（昭和二十二）
一月二十八日	建設隊南部支隊を楚辺に置き、楚辺、大木方面の復興に着手
二月二十一日	第二次受入開始（三月六日完了。主に宜野座方面から）
四月十一日	波平に移住していた南部地区（現古堅中校区）の住民が楚辺、大木方面へ移動開始
五月一日	第三次受入開始（六月二十四日完了。漢那、中川、城原方面から）
六月七日	戦没者慰霊祭を読谷初等学校校庭で行なう
八月十四日	第四次受入開始（胡差方面から）
十月十六日	瀬名波、渡慶次、儀間方面への居住許可
十一月九日	第五次受入開始（石川から。一万四千余の村民の移動ほぼ完了。）

一九四八年（昭和二十三）
四月十五日	移動完了祝賀会

波平	一九四六年（昭和二十一）八月一部開放、九月全面開放
高志保	右同
大木	一九四七年（昭和二十二）四月居住許可
楚辺	一九四七年（昭和二十二）四月旧部落に移動したが、一九五二年（昭和二十七）五月再び米軍に接収され、現在地に移住。旧集落地は未開放
座喜味	一九四七年（昭和二十二）八月東川に移った後、一九五二年（昭和二十六）旧部落大部分を開放、その後徐々に復帰
渡慶次	一九四七年（昭和二十二）十月居住許可が下り移動を始めたが、一九四八年五月に米軍から立ち退き命令が出されて再び瀬名波、高志保へ移動。一九五四年に全面開放になり移住
儀間	渡慶次とほぼ同じ
瀬名波	一九四七年（昭和二十二）十月宅地部分開放
喜名	一九四八年（昭和二十三）十二月に一号線（現国道五十八号）以西に移動
親志	喜名とほぼ同じ時期に現共同販売センター付近に移るが、米軍が近くにまだ駐屯していたため、現親志公民館付近に移った。旧集落地は未開放
上地	一九五〇年（昭和二十五）六月宅地部分開放、移住す
都屋	一九五〇年（昭和二十五）六月宅地部分開放、移住す
渡具知	一九五〇年（昭和二十五）五月旧部落に移住したが、一九五四年（昭和二十九）六月に再び接収され、比謝西原に移住
伊良皆	一九五一年（昭和二十六）五月宅地部分開放、移住す
比謝	一九五一年（昭和二十六）五月住宅部分開放、移住す
大湾	一九五一年（昭和二十六）五月住宅部分開放、移住す
長浜	一九五一年（昭和二十六）旧宅地部分開放
古堅	一九五四年（昭和二十九）六月旧部落の北側に集団移住
牧原	旧集落地は未だに未開放。大木地域に居住していたが、一九六一年（昭和三十六）初めに比謝伊保堂原と伊良皆西佐久原に敷地を共同購入。一九六二年（昭和三十七）から新部落建設に着手し、一九六五年（昭和四十）までに移動完了
宇座	一部は長浜の地籍である高志保西北一帯にややまとまって移住比謝矼　大木地域に居住し、大湾、比謝とともに国道五十八号東側の開放を関係当局に再三陳情するが軍施設の関係で未開放。逐次大木に落ち着く。一九五五年頃から旧比謝矼の一部に移住する者あり
長田	旧集落地は未だに未開放。大木地域などに分散居住