第五節 読谷村「戦災実態調査」の分析


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六 本土および海外在住の一般住民について

 「戦災実態調査」に記載された本土在住者の総数は九六〇人であるが、うち一七五人は前項で述べた軍人・軍属であるから、残り七八五人が本土在住の一般住民となる(表―13〔在住地と生存・死亡(本土・一般住民)〕参照)。一般住民七八五人のうち二六五人は昭和十八年から十九年に本土に疎開した人たちで、一二一人が死亡となっている。主に昭和十八年の嘉義丸および湖南丸遭難、昭和十九年の対馬丸および台中丸遭難などによるものである。
 次に「戦災実態調査」に記載された海外在住者の総数は一四八六人であるが、うち七〇二人は前節で述べた軍人・軍属であるから、残り七八四人が海外在住の一般住民となる。その内訳は南洋四七〇人、フィリピン一七〇人、台湾七一人、満州三一人、中国一〇人、南米一三人、北米九人、その他一〇人であった(表―14〔在住地と生存・死亡(海外・一般住民)〕)。南洋、フィリピンが圧倒的に多いが、死亡者もそれぞれ一一九人、六五人と多くの犠牲者を出している。台湾は、昭和十九年八月の沖縄から台湾への疎開者二八人を含んだ人数である。
表−13 在住地と生存・死亡(本土・一般住民)
在住地 生存 死亡 不明 合計
本土 482 27 11 520
本土疎開 143 121 1 265
合計 625 148 12 785
表−14 在住地と生存・死亡(海外・一般住民)
在住地 生存 死亡 不明 合計
南洋 348 119 3 470
フィリピン 105 65 0 170
台湾 54 17 0 71
満州 20 11 0 31
中国 6 4 0 10
南米 13 0 0 13
北米 9 0 0 9
その他 8 2 0 10
合計 563 218 3 784
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