第五節 読谷村「戦災実態調査」の分析


<-前頁 次頁->

五 読谷山村出身「軍人・軍属・その他」について

 「戦災実態調査」の総数一万九一三三人に占める軍人・軍属の人数はどれくらいになるのだろうか。「戦災実態調査」の「兵隊・防衛隊・学徒隊・その他」の項目の総数は二九八七人であるが、そのうち県内在住の「戦闘参加者」(すべて死亡)が四七一人含まれている。前述したように「戦闘参加者」の行動は一般住民と同じであるという理由から、本稿では前節までに記述した県内在住の一般住民の項に含めた。残り二五一六人について、ここで記述する。
 在住地別にみると、県内一六二五人、本土一七五人、海外七〇二人、在住地不明一四人となる(表―11〔在住地と生存・死亡(軍人)〕参照)。二五一六人のうち、約六六%にあたる一六七〇人が戦死である。「死亡」の在住地内訳は、県内一一一八人、本土四一人、海外五〇七人、在住地不明四人となっており、米軍との戦場となった県内、海外での戦死が多いのがわかる。
 次に海外の項目をさらに詳しくみると、フィリピン、中国、南洋での戦死者が多い(表―12〔在住地と生存・死亡(海外・軍人)〕参照)。南洋での戦死はほとんどが昭和十九年であり、フィリピンでの戦死はほとんどが昭和二十年である。また中国での戦死は昭和十三年から昭和二十年にまたがっている。
表−11 在住地と生存・死亡(軍人)
在住地 生存 死亡 不明 合計
県内 505 1,118 2 1,625
本土 133 41 1 175
海外 194 507 1 702
不明 1 4 9 14
合計 833 1,670 13 2,516
表−12 在住地と生存・死亡(海外・軍人)
在住地 生存 死亡 不明 合計
フィリピン 20 181 0 201
中国 45 105 0 150
満州 30 0 0 30
南洋 16 106 0 122
ソロモン 1 41 0 42
台湾 20 2 0 22
不明・その他 62 72 1 135
合計 194 507 1 702
<-前頁 次頁->