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2 女性たちの戦争体験

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 はじめに

 現代社会の中では、女性団体の活動や個人としての社会進出が目覚しく、各分野で活躍する女性たちは多い。戦前、本来あるべき社会貢献への女性パワーを、戦争遂行へと巧みに利用した軍国主義体制下の組織的な動きがあった。沖縄戦にいたるまでに沖縄の女性たちが、如何にして戦争体制に組み込まれていったのか、そして実際どういう活動をしたのか、これが本稿のテーマである。
 沖縄の女性たちには、地上戦に巻き込まれることで他府県の女性たち(婦人会)とは大きく異なった役割が課せられた。その意味で本土決戦のための実験場とも考えられた沖縄戦で、女性・女子学徒の戦時動員が先例として思考され、いかにして具体化されたのかを振り返ることにしよう。
 なお、本稿の婦人会の国内及び県内の変遷などについては宮城晴美氏の論文「女たちの戦争参加」―戦時体制下の婦人会活動―(『沖縄県史研究紀要』第二号所収)にその多くを負っている。さらに稿末に掲げた参考文献からも多くの示唆を得た。

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