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3 防衛隊・男子学徒隊

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 防衛隊員の実態

 防衛隊員はそれぞれの配属部隊に入隊した後、軍服(中には半袖、半袴(はんばかま)の防暑服、又は略衣ともいった服)や靴それに戦闘帽、編上靴または地下足袋等を支給され、一応、兵隊のなりはしていた。しかし、一般に未訓練兵で、銃器等が支給されたのはごく一部で、直接戦力として前線に投入された例は少ない。多くは陣地構築、弾薬・糧秣運搬等の軍夫代用として使われた。
 こうして大多数の武器も持たない兵隊たちは、後に自嘲気味に自らを「ボーヒータイ(棒兵隊)」といったが、それでも身分は一応軍人であり、最後まで部隊に従属しなければならなかったので、混乱した戦場で砲爆撃の犠牲になった者が多く、一般防衛隊員の二万二〇〇〇人のうち約六割に当たる一万三〇〇〇人が戦死しており(前
掲『県史』四九五頁)、大田著『これが沖縄戦だ』では二万八二二八人が犠牲になっているとされているが(二四八頁)、それはすべての防衛隊員中の戦死者の数だろう。

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