一月十七日、米機動部隊数群が台湾周辺に行動中との情報があったため、南西諸島方面は警戒を厳重にしていた。軍司令官は諸情報を総合して二十一日九時十五分、南西諸島全域に対し警戒警報を下命した。次いで十一時五分、與座岳の海軍電波探信儀が「南西一四五キロに編隊群沖縄本島に接近中」を探知、報告したため、軍司令官は十一時十分全地域に対し、空襲警報を発令した。
この日の沖縄本島への敵機来襲は、十一時五十二分から延べ約二〇機。主として小禄飛行場や那覇を銃爆撃したが、短時間の空襲であった。北飛行場北側の字座喜味石根原に布陣していた野戦高射砲第七十九大隊第一中隊は、高射砲の威力圏外に十二時二分と同二十分の二回にわたって敵機を発見したが、幸いにも、読谷山村には空襲がなかった。十二時二十五分、空襲警報は解除された
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「四周ノ警戒ヲ厳ニ実施中 東方ニ高度三五〇〇〜四〇〇〇米南進中ノ敵二機ヲ発見ス全将兵敵機ノ射程内来襲ヲ待チタルモ 遂ニ敵機ハ北飛行場ニ来タラズ十二時二十七分 空襲警報解除」