第一節 防衛庁関係資料にみる読谷山村と沖縄戦
空襲と艦砲射撃


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5 一月二十一日の空襲(読谷山村は空襲無し)

(天気 晴、雲量六、雲高一五〇〇〜二〇〇〇米、静穏)
 一月十七日、米機動部隊数群が台湾周辺に行動中との情報があったため、南西諸島方面は警戒を厳重にしていた。軍司令官は諸情報を総合して二十一日九時十五分、南西諸島全域に対し警戒警報を下命した。次いで十一時五分、與座岳の海軍電波探信儀が「南西一四五キロに編隊群沖縄本島に接近中」を探知、報告したため、軍司令官は十一時十分全地域に対し、空襲警報を発令した。
 この日の沖縄本島への敵機来襲は、十一時五十二分から延べ約二〇機。主として小禄飛行場や那覇を銃爆撃したが、短時間の空襲であった。北飛行場北側の字座喜味石根原に布陣していた野戦高射砲第七十九大隊第一中隊は、高射砲の威力圏外に十二時二分と同二十分の二回にわたって敵機を発見したが、幸いにも、読谷山村には空襲がなかった。十二時二十五分、空襲警報は解除された
第一〇五機関砲大隊(飛行場南側の字楚辺在)の戦闘詳報
 「〇八〇七小禄飛行場上空ニB29旋回中トノ情報ヲ受領シ至厳ナル警戒ヲ続行中」「一一一〇戦闘姿勢ヲ命ゼラレ」「逐次敵機近接シ一一五一那覇上空にグラマン九機侵入ス 一一五四軍高射砲隊長ヨリ左記注意アリ
    記
各隊ハ落着イテ初弾必墜ヲ期セヨ
敵機ハ射撃ヲ為セバ不規(則)行動ヲトルニ依リ注意スベシ
那覇方向ニ気ヲトラレテ東方及北方ノ警戒ヲ怠ルナ」
 「四周ノ警戒ヲ厳ニ実施中 東方ニ高度三五〇〇〜四〇〇〇米南進中ノ敵二機ヲ発見ス全将兵敵機ノ射程内来襲ヲ待チタルモ 遂ニ敵機ハ北飛行場ニ来タラズ十二時二十七分 空襲警報解除」
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