第六章 証言記録


<-第五章 次頁->

はじめに

 読谷村史編集室では、戦時記録上下巻を編集するにあたり、昭和十九年当時の全世帯についての戦災実態調査、各字ごとの概況調査、個人の戦争体験の聞き取り調査、また村民にとどまらず、当時読谷と関わった人々の証言を広く収集することに努めた。戦時記録関係の調査テープおよびMDは二〇〇三年十一月現在で八七二本である。
 多くの村民が調査員として、証言者として、また避難壕などの現場案内人として協力して下さった。戦争体験者との交流の中で、収集したたくさんの声は、まず事務局でテープ起こしをして文章化した。そして証言者本人と何度か事実確認を繰り返したのち、証言記録としてまとめた。証言者本人に内容の了承を得た後、監修委員会においてチェックして、一つの原稿として完成させた。証言記録の多くはこのような方法で出来ている。紙幅の都合上、掲載することのできなかった証言もある。
 この章では戦火を生き抜いた村民一〇〇人余、および村と関わった元軍属、元日本兵の証言を採録している。前述の聞き取り調査だけでなく手記、座談会、日記等にもよっている。事務局で収集した証言記録は、男性・女性・子どもたちに分けて掲載した(「子どもたちの証言」は当時十五歳以下を原則とした)。
 「いくさ場の人間模様」は渡久山朝章氏が、一九七九年(昭和五十四)二月から村民の証言を聞き書きした大学ノート三冊分より摘録、掲載したものである。
<-第五章 次頁->