第六章 証言記録


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読谷村民の戦争体験の特徴

 本書第三章第四節において、読谷村における戦没者の統計・分析をしている。ここでは、体験談の分類に沿って男女別、年齢別による戦没状況を見てみる。表―1及びグラフで特徴的なことは、男性の戦没者が多いことと、その中でも特に青年の戦没者が突出していることである。また男女を問わず、乳幼児の死亡が多いこともわかる。
 男子青壮年の戦死者の多くは、召集を受けた現役兵、若くして海軍の志願兵になった青少年、学徒動員により学生の身分で戦闘に参加することになった鉄血勤皇隊員、昭和二十年一月から三月にかけての大々的な防衛召集(根こそぎ動員)を受けた十七歳以上四十五歳までの防衛隊員などが、その大部分である。
読谷村における男女及び年齢別戦没者(表−1)
年齢
0〜5歳 286 220 506
6〜10歳 85 83 168
11〜15歳 68 65 133
16〜20歳 451 96 547
21〜25歳 354 63 417
26〜30歳 221 53 274
31〜35歳 234 38 272
36〜40歳 217 50 267
41〜45歳 207 51 258
46〜50歳 75 53 128
51〜55歳 85 47 132
56〜60歳 65 54 119
61〜65歳 74 47 121
66〜70歳 63 71 134
71〜75歳 63 65 128
76〜80歳 31 52 83
81歳以上 13 21 34
年齢不明 104 92 196
性別不明     7
2696 1221 3924

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 表―2は、軍人・軍属二一六七人・一般住民一七五七人、計三九二四人の戦没状況である。最も多いのは、「砲爆撃他」の戦没だが、これは砲爆撃直撃、飛び散る破片、そして爆風による戦没などであり、軍人・軍属であった人がその八割を占めている。一般住民では「栄養失調・病死」による戦没がその半数以上を占めている。続いて、「船舶遭難」戦没者が一九八人おり、その中には学童疎開船遭難での戦没者も含まれている。続いて「集団強制死」(「集団自決」)が一三〇人という数字が出ている。
 これらの数字一つ一つに、住民の置かれていた苛酷な状況がこめられている。
読谷村民の戦没状況(表−2)

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