読谷村しまくとぅば「むんがたい」

スーフチガマ すーふちがま

話者 新城平永(1921・T10) 地域 宇座 時間 01:15
  • しまくとぅば
  • 和訳を表示

 (かじ)(にし)んかい(みぐ)いねーよ、なー(なみ)(ちゅー)さぬよ、あれー(すー)ぬる()ちふがちぇーんでぃぬ(はなしー)るしみしぇーたんど。自然(しぜん)によ、なーうぬ(しお)がよ、バンバン()がやーいて、たったいたったいふがちゃーいてうんぐとぅし、(あと)()ちふがちゃーいよ、(たー)ちあんよ、あれー、(あな)ぁ。


 私達(わった)学校(がっこう)あっちーねー其処(ぅんま)から()りてぃ()ちゅたんど、草刈(くさか)いが()ちーねーよ、「スーフチガマから()りらやー」んち、(うみ)んかい()みーがよ(しちゃ)ん。其処(ぅんま)ふきらりんど、(しちゃ)んかい。あれー、あんすぐとぅかーま(んかし)からやぐとぅて、なーあれー何千年(なんぜんねぬ)んないるしーさに。


 あんし、なーありが(すー)()がいねーよ、竜巻(たつまき)ぬぐとぅるあんよ。暴風(ぼうふう)場合(ばあい)はちゃんぎん()がいぐとぅ、(たー)ちからよ、ちょうどぅ(くじら)潮吹(すーふ)ちゅんねーして、ちゃんぎん()がいんよ。


 あんしる、彼処(あま)(やま)やたる(はじ)で、(まーち)(みー)てぃ、()(まーち)んちゃーが()たんよ。

 風が北に廻ると、もう波も強くて、あれは潮の勢いで穴があいたという話をなさっていたよ。自然にね、その潮がバンバンと打ちつけて、だんだんと岩が削られてね、しまいには二つの穴があいたわけだ。


 私たちが学校へ通う年頃には、草刈りに行く時や泳ぎに行く時など、「スーフチガマから下りよう」と言って、そこから下りて行ったよ。スーフチガマから海に下りることができるよ。ずっと昔からそうだったから、スーフチガマはもう何千年にもなるんでしょうね。


 そこから潮が上がる様子は竜巻のようだよ。暴風の時にはとても高く上がるよ、二つの穴から、ちょうど鯨が潮を吹いているように、とても高く上がるよ。



 潮風を防ぐために松が植えられていたのか、その周辺は大きな松の木でいっぱいだった。

videocam
theaters
location_on
picture_as_pdf

解説

海に通じる竪穴の洞穴で、海が荒れると空高く潮を吹き上げた。(「宇座ガイドマップ」宇座の拝所、潮吹穴)

字マップ 字マップ

アクセスマップ