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- しまくとぅば単語帳:ア
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
アー
粟。
- メモ
- 音1:アワ。
粘り気の少ない粳粟〔うるあわ〕と粘り気の多い糯粟〔もちあわ〕の2種類があり、混ぜご飯や餅を作った。
アー
ああ。物事に対して何かを感じたときに発する語。
- 用例
- アー、アンル ヤティナー(ああ、そうだったのか)。
アー
泡。あぶく。
- 用例
- アーガ ブクナイ フチョーン(泡がブクブク吹いている)。
- メモ
- 音2:アーブク。類:アブクー・アブカー。
アーアー
ああああ。喘いでいる様。気持ちにゆとりがなく、辛い状態。
- 用例
- ワランチャー スダティーンディ、アーアー ソーン(子どもたちを育てるって、喘いでいる)。
アーイナー
ああ。失敗したり、まずいことをした時に発する語。
アーイヤッカイ
それ大変だ。他人の失敗などを冷やかしたりする時に発する語。
- メモ
- 類:ウリヒャックヮイ。
アーキー
再会の場面。もとは感動詞で、三線音楽の「東江節」を呼称するときに用いられた。その語が名詞に転じたもの。
- 用例
- シバヤヲゥティ ウヤックヮガ アーキー スシェー ミグトゥ ヤタン(芝居で親子が再会する場面は見事だった)。
- メモ
- アーキーの東江節は、芝居などで親子や兄弟が再会し、感情が高ぶる場面で使われることが多い。
アーギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アーゲ
もう。
- 用例
- アーゲ、マタン ハジマトーセー(もう、またも始まったよ)。
アーケージュー
トンボの総称。
- 用例
- ウッサヌ アーケージューヌ アチマティ チョールヤー(たくさんのトンボが集まってきているね)。
- メモ
- アーケージューがたくさん飛び交うのは、暴風の予兆といわれた。
アーケージューグサ
植物名。クマツヅラ。野原に自生する多年草。
- メモ
- 葉の形状がトンボに似ていることから付いた名前か。腹痛にはその煎じ汁を飲んだ。
アーゲーナー
もう。
アーサ
あおさ。ヒトエグサ。近海で採れる緑藻〔りょくそう〕。
- 用例
- クンドゥヌ アーサヤ イークェー ナインドー(今年のアーサは良い肥料になるよ)。
ハマウイネー アーサ トゥイガ ゥンジャン(浜下りにはアーサを採りに行った)。
- メモ
- 乾燥させて汁物に入れるのが一般的な調理法。和名の「アオサ」とは異なる。海藻(緑藻・褐藻・紅藻)は食用だが、海草は畑の肥料等として使われ、食用と区別した。
アーサジル
アーサ汁。ヒトエグサと島豆腐を使った汁物。
- 用例
- アーサジルンカイヤ トーフン イリーンドー(アーサ汁には豆腐も入れるよ)。
- メモ
- 乾燥させたアーサと豆腐を入れ、薄い醤油味や味噌仕立てにしたもので、家庭料理として親しまれている。
アーサムーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アンスカナー、アーサムーサ ナチ トゥラチェール(こんなにまで、めちゃくちゃにしてくれたね!)。
- メモ
- 音1:アーサモーサ。類:アジャマークジャマー。
アーサモーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アーサモーサ ナティ、ヌール ナトーラー ワカラン (めちゃくちゃになって、どうなっているのか分からない)。
- メモ
- →音1:アーサムーサ。
アーシ
地名(沖縄市泡瀬)。
アーシー
間食。午後3時のおやつ。
- 用例
- ヤーク ナトーシガ、アーシーヤ ナーマル ヤリー(腹がへったが、3時のおやつはまだねぇ)。
- メモ
- 音1:アシー。類:サンジヂャー・ヒルマムン。
楚辺では農繁期には粟雑炊や黍雑炊、ラッキョウの漬物やユーヌク(麦こがし)等が出された。
アーシームーチー
盆の中日14日の午後に、仏壇へ供える団子。
- 用例
- サンジ ナトールムン、アーシームーチーン ヘーク ウサギレーワ(3時になっているのに、アーシームーチーも早く供えなさい)。
- メモ
- 音2:アシーダーグ。
アーシギン
袷の着物。
- 用例
- ワンネー アーシギン ニンメー ムッチョーン(私は袷の着物を2枚持っている)。
- メモ
- 音1:アーシヂン。
アーシヂン
袷の着物。
- 用例
- アンマーヤ アーシヂン チチ、マーカイ ハイガヤー(お母さんは袷の着物を着て、どこに行くのかねぇ)。
- メモ
- 音1:アーシギン。
アースン
合わせる。
- 用例
- チンガ シアガトーグトゥ、アチャー アースンディ(着物が仕上がっているから、明日合わせるそうだ)。
否:アーサン(合わせない)希:アーシーブサン(合わせたい)過:アーチャン(合わせた)継:アーチョーン(合わせている)。
アースン(~アースン)
~し遂げる。~し終える。
- 用例
- ナマヌグトゥシェー シーアーシー サンデー(今のやり方では終われないよ)。
ヒンギアースン(逃げおおす)。
アータ
①両生類。カエルの総称。②は虫類。キノボリトカゲ。③アータにグヮーをつけて軽蔑して呼ぶときにも使った。
- 用例
- ①アータ イクチン トゥッカチミタン(アオガエルを何匹も取っ捕まえた)。③ヤナヤー アータグヮー(いやな奴)。
- メモ
- ①類:アタビー・アタビカー・アタビコー。
②類:アタカー・ウヮータ・カンジャー・キーマー・キーマーユー・キーマーラー・クースークェー・コーレーグースークェー・シゴーアタカー・ソーガークェー・チジロークェー・マースクェー・マーター・マータク・マータクヤー・マータクラー・ヤマータ・ヤマアータ。
アータ ナイン
疲れてぐったりする。
- 用例
- アータ ナティ ニンジクローン(疲れ果てて寝入っている)。
アータバイ
がに股歩き。よたよた歩き。
- 用例
- アバーヤ アータバイ ッシ アッチ ハイタン(姉さんは疲れ果てた足取りで歩いて行った)。アッチハジミ ナティ アータバイ ッシ アッチョーン(歩き始めでよたよた歩きをしている)。
- メモ
- 歩き方がキノボリトカゲに似ていることに由来する。疲れた時の歩き方や、幼児のよたよた歩きを表すにも用いる。
アーッサ
もう。納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- アーッサ!アン ソール シーヨーン アンナー(はぁー!そんなやり方ってもあるの)。
アーッサビヨー
もう、本当に。あれ、まあ。
アーッサヨー
もう。もう、本当に。あれ、まあ。納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- アーッサヨー、デージ ヤタンドー(もう、大変だったよ)。
アーティンプー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- イャーヤ イチグ、アーティンプームヌイー ッシ(お前はいつも、あてずっぽうな物の言い方をして)。
- メモ
- 音2:アーラッパー・アーランカー。
アートー
ああ、もう。
アーハー
ああ、なるほど。理解した時に発する語。
アーハーハー
ああ、なるほど。
アーバサーバ
余計な口出しをする様。
- 用例
- チュヌ クトゥカイ アーバサーバ サンキヨー(他人の事に余計な口出しはするなよ)。アーバサーバ ムン ユムン(余計な噂話をする)。
アーヒャー
ああ、もう。投げやりになったり、否定する時に発する語。
- 用例
- アーヒャー ヲゥタティ ウッチャンナギレー(ああもう 疲れたほっとけ)。
アーヒャー アネー アランタルムン(ああもう、そうではないのに)。
アービヨイ
ええっ。あら。
アービヨー
ええっ。驚いた時に発する語。
アーファ
魚介名。アンコウ。
- 用例
- アーファヌシル ウサガミソーレー(アンコウの汁を召し上がってください)。
アーブク
泡。あぶく。
- 用例
- アーブクヌ タッチョーン(泡が立っている)。
- メモ
- 音1:アブクー。→アー。
アーマークー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- 音1:アーマーコー・アーメークー。類:アーミンボー・アーメーバー・アーメンボー・アメージャー・イチカマドー・カーカマロー・カーガニモー・カーガリモー・カーラマカラー・ターガニモー・タージョージョー・トゥヌジャー・トントンミー。
アーマーコー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーマン
甲殻類。ヤドカリ。
- 用例
- ハーマヌ アーマンヌ マンドーシヨー(浜辺のヤドカリの多いことよ)。
- メモ
- 音1:アマン。
アーマンチュー
創造神の呼称。天の人。
- メモ
- 音1:アマンチュー。世の中の様子を見に天から下りてきた神。高志保では最初に国頭に下りてきたとの伝承がある。
アーミックヮー
両生類。オタマジャクシ。
- 用例
- アーミックヮー スクレー(おたまじゃくしを掬〔すく〕え)。
- メモ
- 音1:アーミヌックヮー・アミックヮー・アミヌックヮー。音2:アーミナクー・アミヌックヮグヮー・アミヌミーックヮ。類:アタビーングヮ・アミジャー・アミダカーアミナー。
アーミナクー
両生類。オタマジャクシ。
- 用例
- アーミナクーガ ダテーン シリトンドー(おたまじゃくしがたくさん孵っているよ)。
- メモ
- →アーミックヮー。
アーミヌックヮ
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- 音1:アーミックヮー・アミヌックヮー。→アーミックヮー。
アーミンボー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーメークー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーメージャー
節足動物。ヤスデ。
- 用例
- アーメージャーガ マンドーグトゥ ヘーク トゥティ ドゥキレー(ヤスデが多いから早く取り除きなさい)。
- メモ
- 類:アマダイムシ・アミダムシ・ヤンバラームシ・ヤンバルムシ・アマデームシ。
アーメーバー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーメンボー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーモーモー
壊して使えない様。
- 用例
- アンスカナー アーモーモー ナチェーサヤー(あんなにまで壊してくれたな)。
アーラッパー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- アーラッパーシーヨー シェー ナランドー(いい加減なやりかたではいけないよ)。
- メモ
- →アーティンプー。
アーラミーバイ
魚介名。ヤイトハタ。
アーランカー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- アレー ユカイ アーランカードー(彼はかなりいい加減な奴だよ)。
- メモ
- →アーティンプー。
アイ
あら。おっと。
- 用例
- アイ!イャー マーカイガ?(あら!君はどこにねぇ?)。
アイ バッペータン(おっと間違えた)。
アイエー
ああ。ええっ。ああもう。驚いたり、予想に反していた時などに発する語。
- メモ
- 類:アイエ・アイエーナー・アイエーヨー・アイエナー・アイエヨー。
アイエーナー
ええっ。ああもう。困った時に思わず発する語。
- 用例
- アイエーナー!イャーヤ ナー チャー スガ(あれまあ!お前はもうどうするのか)。
アイエーナー!デージ ナタン(ああもう!大変なことになった)。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーヨー・アイエナー・アイエヨー。
アイエーヨー
ああ。おいおいと嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
- 用例
- アイエーヨー、アイエーヨー、ワン チュイ ヌクチ、 チャー スガヤー(ああ、ああ、私一人残して、どうしよう)。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエナー・アイエヨー。
アイエナー
ええっ。ああ。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエーヨー・アイエヨー。
予想に反していた時に発する語。
アイエヨー
ああ。嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエーヨー・アイエナー。
アイク
漁法名。川で行う網代〔あじろ〕漁法。
- メモ
- 川の流れにそって漏斗状に編んだ竹を入れ、下流の出口に置いた籠〔かご〕に入ってくる蟹〔かに〕や鮒〔ふな〕を捕った。
アイクバーキ
漁具名。竹で編んだ網代籠。
- メモ
- 音2:アニク。
籠の口は漏斗状になっていて入り込んだ獲物が出られないようになっている。それを川の流れに沿って設置し、そこまで石などを積み、エビや蟹などを誘い込めるようにした。字伊良皆ではアイクバーキを設置して田蟹や鮒、蟹などを捕った。川の竹で囲うのをヒシクミアイク、川の中に打ち込むのをウチクミアイクといった。
アイコー
昆虫類。蟻。
- 用例
- ナーヌ アイコーヌ マンドーシヨー(庭の蟻の多いことよ)。
- メモ
- 類:アナー。
アイコーカタ
蟻が歩いたような形跡。まだら模様。
- 用例
- ルク アシ ハティ、アイコーカタ イッチョーン(余りにも汗をかいたので、汗染みができている)。
- メモ
- 服に汗染みが残っている様にもいう。
アイター
あ痛。痛い。痛い時に発する語。
- 用例
- アイター!ヤムグトゥ サーランケー(あいたた!痛いから触るな)。
- メモ
- 類:アガー。
アイターヨー
痛いよ。痛い時に発する語。
- メモ
- 音2:アガヨー。
アイナー
あれまあ。ああ。
- 用例
- アイナー、チャーン ネービランタガヤー(あれまあ、大丈夫でしたかね)。
アイナー ワシトータン(あれまあ、忘れていた)。
アイネーン
あり合わせ。
- 用例
- チューヌ ユーバノー アイネーンッシ シムサ(今日の夕飯はあり合わせの物でいいよ)。
アイムンネーンムン
ある物ない物。ありったけ。すべて。
- 用例
- アイムンネーンムン ムル ムタシェー(ありったけすべて持たせなさい)。
アイムンネームン ウムトールクトー ムル アビレーワ(すべて、思っていることは吐き出しなさい)。
アイヤー
ああ。あら。あれ。おっと。思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
- メモ
- 音:アイヤ。
アイヤナー
ああもう。思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
- メモ
- 音:アイヤナ。
アイヨー
ええっ。あれっ。
- 用例
- アイヨー! アネー アランタルムン(あれっ!そういうはずじゃなかったのに)。
アイヨーアイヨー
おいおいと泣く様。
- メモ
- かつては葬式の時、泣女が「アイヨーアイヨー」「アイエナーアイエナー」と泣いていた。
アカ
身体や衣服の汚れ。垢。
- 用例
- チンヌ アカ ウトゥシェー(着物の汚れを落としなさい)。
アカ~
まったく。本当に。
- 用例
- アカヤナワラビヤ、ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ!(まったく嫌な子は、そこで何をしているのか!)。
アカー
赤。赤いもの。
- 用例
- ウヌ アカー ソーシェー ワームン ヤサ(あの赤くしているのは私のだよ)。
アカーグヮードゥ ヤイビールイ(赤いものですか)。
アガー
あ痛。痛い。痛い時に発する語。
- 用例
- アガー!ヒサ クンピランケー(あいたた!足を踏むな)。
- メモ
- →アイター。
アカアカートゥ
赤々と。
- 用例
- ヤマヌ アカアカートゥ メートーン(山が赤々と燃えている)。
アカーヌバン
能率が上がらない。捗らない。
- 用例
- アン ソール シーヨーシェー、イチマディ タッチン アカーヌバンサ(そんなやり方では、いつまで経ってもうまくいかないよ)。
- メモ
- 対:ハカドゥイン・ハバチュン(捗る)。
アカイ
障子。
- 用例
- アヌ アカイ アキティ ナカ ンチンディ(あの障子を開けて中を見てごらん)。
- メモ
- 類:ソージ。
アガイウマチー
行事名。その年の最後の御祭。
- メモ
- 宇座では5月・8月のウマチー(稲穂の大祭)に山内・与久田門中のニッチュ(根人)・ニガン(根神)と部落当役が祭祀を行った。→ウマチー。
アガイスージ
上がり祝儀。入学祝い。
- メモ
- →音1:アガイスージー。
アガイスージー
上がり祝儀。入学祝い。
- 用例
- クンドー ゥンマガヌ アガイスージーガ アンドー(今年は孫の入学祝いがあるよ)。
- メモ
- 音1:アガイスージ。音2:フディカチミスージ。
喜名では旧2月の彼岸頃に行なわれた。
アガイスーブー
上がり勝負。進級式。進級祝い。
- 用例
- イャームン アガイスーブーネー マギスージ サーヤー(君の進級祝いには大きなお祝いをしようね)。
- メモ
- 戦前は、学力不振や家庭の事情から進級することができず、各学年で数名の落第生が出た。それで、無事に進級を祝うことをアガイスーブーといった。
優秀者には担任から褒美があったが、褒美をもらえるのはアガイスーブーの時だけなので、その日に休む者はいなかったという。
アガイティーダ
東から昇る太陽。朝日。
- 用例
- アガイティーダ ウガムン(朝日を拝む)。
- メモ
- 音1:アガイティーラ。対:サガイティーダ・サガイティーラ(夕日)。
東から昇る太陽は縁起が良いとされ、産児の胞衣の処理、命名、産着を着せる際に重視された。
アガイティーラ
東から昇る太陽。朝日。
- メモ
- →音1:アガイティーダ。
アガイナー
その年最後の闘牛大会。
- 用例
- アガイナーネー イッペー ハネーチュタン(最後の闘牛大会はとても賑わった)。
- メモ
- 楚辺では旧5月から9月までの農閑期を利用して、毎月1回闘牛が行われた。最後の旧9月9日にはアガイナーとしての闘牛が行われた。
アカイユー
魚介名。赤い魚の総称。イットウダイ属の総称。
- 用例
- アカイユー アギティ カムン(赤魚を揚げて食べる)。
アガイヱイサー
上がりエイサー。青年会を終える人たちが演ずるエイサー。
- メモ
- 楚辺ではヱイサーが演じられる旧盆の16日に、青年会を卒業する25歳の人たちがお互いの家を巡回して演じる。
アカイラブチャー
魚介名。アカブダイ。
アカイン
赤犬。
アガイン
①上がる。昇る。②終わる。上がる。
- 用例
- ①ティーダヤ アガリカラ アガイン(太陽は東から昇る)。
否:アガラン(上がらない)希:アガイブサン(上がりたい)過:アガタン(上がった)継:アガトーン(上がっている)。②チーヌ アガイン(乳が出なくなる)。マチヌ アガイン(市場が終わる)。
アカインコ
{あかいぬこ(赤犬子)}。歌三線の始祖で五穀豊穣の神。
- メモ
- →アカヌクーウグヮン。
アカインドゥー
赤豌豆。えんどう豆の種類。
- メモ
- 花実が赤く、1月頃に播種し、4、5月頃に収穫した。
アカウブク
{あかおぶく(赤御仏供)}。神仏に供える赤飯。
- メモ
- 比謝矼では、61歳の祝いに小豆ご飯を小さな茶碗に円錐状に盛って、火の神に供えた。
アカガーラー
赤瓦。
- 用例
- チカグロー アカガーラーチュクヤーン イキラク ナティヤー(近頃は赤瓦職人も少なくなったね)。
アカガイ
明かり。明るい所。
- 用例
- アヌ アカガイヤ マー ナトーガヤー(あの明るい所はどこなのかな)。
- メモ
- 音2:アカガイミー・アカサンミー。対:クラガイ・クラガイミー・クラシン(暗い所)。
アカガイミー
明るい所。
- 用例
- ユルナーヤ アカガイミー カラル ケーティチュールヨー(夜は明るい所から帰ってくるんだよ)。
- メモ
- →アカガイ。
アカガイン
明るくなる。
- 用例
- ヤガテー ユー アキティ アカガインドー(やがて夜が明けて明るくなるよ)。
過:アカガタン(明るくなった)継:アカガトーン(明るくなっている)。
アカガシチー
小豆を入れたおこわ。
- メモ
- 旧8月は一般に悪霊が多い時期と信じられ、それらを払うために家の周囲にシバ(柴)を差して、アカガシチーを供えた。
アカカビ
{あかがみ(赤紙)}。正月に仏壇や火の神に飾る赤い紙。
- メモ
- 正月にはアカカビと木炭3個を昆布で巻いたものと塩や火の神や仏壇に飾った。
アカガヤー
魚介名。蟹の種類。
アカガラスン
明るくする。
- 用例
- テービーシ アカガラスン(松明で明るくする)。否:アカガラサン(明るくしない)希:アカガラシーブサン(明るくしたい)過:アカガラチャン(明るくした)継:アカガラチョーン(明るくしている)。
アガカランアガキ
無駄な足掻〔あが〕き。
- 用例
- アガカランアガキ サンテーン、 チャーン ナランサ(どんなに足掻いても、どうしようもないよ)。
- メモ
- 音1:アガカランアガチ。
アガカランアガチ
無駄な足掻〔あが〕き。
- 用例
- ヒンスーヤ チャー ヒンスール ヤンムンヌ、アガカランアガチ シ(貧乏はいつまでたっても貧乏なのに、そんなに足掻いて!)。
アガカランアガチ、トゥイヌアガチ(どんなに足掻いても、鶏が足掻くようにちっとも良くならない)。
- メモ
- 音1:アガカランアガキ。
アカガンター
赤髪。赤毛が伸びている様。
- 用例
- アマンカイ ヲゥヌ アカガンター ワラビ ヤサ(あそこにいる赤毛の子どもだよ)。
- メモ
- 音2:アカブー・アカブサー・アカブシ。
アカギ
赤木。トウダイグサ科の常緑高木。
- 用例
- アカギヤ イルガ アカー ソーグトゥ アン イラットーンディ(赤木は色が赤いことからそう言われているそうだ)。
- メモ
- 樹皮が赤味を帯び、樹液が赤いことから名前が付いた。拝所近くに多く、現在では公園などに植栽されている。
アカギンジュー
トンボの一種。
アカグー
食紅。
アカグチャファ
皮膚病の一種。たむし。
アガクン
足掻く。働く。頑張る。精を出す。
- 用例
- ナーヒン アガクンナー(もっと頑張るのか)。
- メモ
- 音1:アガチュン。
アカコージメー
{あかこうじまい〔赤麹米 )}。赤飯。
- メモ
- 赤麹で着色したご飯で、祝いの膳に出た。
アカサビ
赤錆。
アカサン
赤い。
- 用例
- ウヌ イルヤ イッペー アカサン(この色はとても赤い)。
- メモ
- 音1:アカハン。
アカサン
明るい。
- 用例
- ナマ ヌミーガ イチュシェー アカサンデー(今飲みに行くには明るいよ)。
- メモ
- 対:クラサン(暗い)。
アカサンミー
明るい所。
- 用例
- クヮックィランヨークー、アカサンミーカイ ゥンジティ クーワ(隠れていないで、明るい所に出てきなさい)。
- メモ
- →アカガイ。
アカジナアヤー
オキナワシャリンバイで染めた濃褐色の縞模様。
- メモ
- 音1:アカズミアヤー。
アカシヌシー
地名。渡具知の海浜地名。
- メモ
- 港の入り口近くにある岩で、アカシグヮーともいう。アカシヌシーでは、干満に関係なく魚が捕れたという。
アカジン
魚介名。スジアラ。
- メモ
- 音2:アカジンミーバイ。
アカは魚の色。赤い着物の意味のアカヂンか、金になるとの意味合いでのジン(銭)か。
アカジンミーバイ
魚介名。スジアラ。
- メモ
- →アカジン。
アカスビ
魚介名。マグロの一種。
アカズミ
赤染め。染色のひとつ。茶褐色。
- メモ
- 主に芭蕉布をティカチャー(オキナワシャリンバイ)の樹皮や根っこを染料にして染めた。
アカズミアヤー
オキナワシャリンバイで染めた濃褐色の縞模様。
- メモ
- 音1:アカジナアヤー。
アカズミイーチリー
オキナワシャリンバイ染めの絣。
アカスン
①離す。②剥がす〔はがす〕。
- 用例
- ①ウヤックヮ ウシムリニ アカスン(親子を無理矢理に離す)。
否:アカサン(離さない)希:アカシーブサン(離したい)過:アカチャン(離した)継:アカチョーン(離している)。対:ソーラスン(添わせる)。②ウシヌクスー アカシーネー マシェー アランドー(乳児の頭のかさぶたを剥がすと良くないよ)。否:アカサン(剥がさない)希:アカシーブサン(剥がしたい)過:アカチャン(剥がした)継:アカチョーン(剥がしている)。
- メモ
- ②類:ハガスン。
アカスン
①明かす。夜を明かす。②明かす。物事を明らかにする。
- 用例
- ①チューヤ ナー ヤーカイヤ ケーラン ゥンマヲゥティ ユー アカスンテー(今日はもう家には帰らないでそこで夜を明かすさあ)。
否:アカサン(明かさない)希:アカシーブサン(明かしたい)過:アカチャン(明かした)継:アカチョーン(明かしている)。
②シワグトゥヌ アラー、ムンシリヲゥティ アカスンテー(心配事があるなら、物知りの所で明らかにしてもらうさ)。
否:アカサン(明らかにしない)希:アカシーブサン(明らかにしたい)過:アカチャン(明らかにした)継:アカチョーン(明らかにしている)。
アガタ
あちら。向こう。
- 用例
- アガタナーリー マーレー(あちら側へ回りなさい)。
アガター
私たち。我々。
- 用例
- アガター ヤーニンジョー マーンカイ トゥマイガヤー(私たちの家族はどこに泊まるのかな)。
- メモ
- 音1:イガター・ヰガタ・ンガター。音2:ドゥーナーター・ワッター。類:イガルー・ドゥーナー・ワンナー・ワッテー。
アカターザチ
地名。アカター崎。都屋の海浜地名。
- メモ
- 現在の都屋漁港内に海に向かってせり出した小さな岬があり、アカターザチと呼ばれている。アカターと呼ばれる白い鳥がこの岬に群れをなしたことに由来している。漁港整備で先端部の一部などは削られたが、それ以前は岬には原っぱがあり、漁に使う網干し場として利用されたため、アミフシモーと呼ばれた。戦前は美しい芝生が広がり、十五夜などには青年たちが集まって三線などを弾き遊ぶ憩いの場でもあった。松葉を焚きのろしを上げて県外へ行く船を見送るフナウクイもここで行われた。
アガタヌカー
地名。伊良皆の井泉の名称。
- メモ
- 「向こうの井泉」という意味の井泉。イーヌカーと水源が同じといわれるが、クムイ(溜池)のようであまり利用されなかった。石で囲み目印としていたという。
アガタムティー
あちら側。あそこの方。
- 用例
- アガタムティーカイ イチュタサ(あちら側に行ったよ)。
- メモ
- 音2:アマムティー・アマムティ。
アカチキ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチキナーリー ウキティ ハイタンデー(朝の早い時間に起きて行ったよ)。
- メモ
- 音1:アカチチ。音2:アカトゥンチ。
アカチキオーファングヮー
植物名。ウスベニニガナ。
- 用例
- アネッ アマンカイ ミートシガ アカチキオーファングヮー ヤサ(ほら、あそこに生えているのがウスベニニガナだよ)。
アカチキミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アネヒャー、ニーブイカーブイシ、アカチキミークファヤー カマーニ ヘーク ヒージャークサ カティ クーワ(こら、眠たそうにしないで、おめざでも食べて早く山羊の草を刈ってきなさい)。
- メモ
- 音1:アカチチミークファヤー。音2:ミークハヤー・ミークファヤー。類:アサマカネー。
アカチチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチチナーリーヤ チュヌ ヤーカイヤ イカランサ(朝の早い時間には人の家には行けないよ)。
- メモ
- →アカチキ。
アカチチミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アカチチミークファヤーディチ パーパーガ ゥンムニー シコーテーサ(おめざにお婆さんがゥンムニーを準備してあるよ)。
- メモ
- →アカチキミークファヤー。
アガチャー
足掻く人。働き者。頑張り屋。
- 用例
- アンシ アガチャー ヤル(あんなに働き者だね)。
- メモ
- 類:カナヤー・ハガナー・ハガニー・ハガニムン・ハタラカー・ハタラチャー・ハマヤー。対:アカヒチムン・ウフゲンナー・オーヒチムン・オーヒチャー・フユーナー・フユーナムン(怠け者)。
アガチュン
足掻く。働く。頑張る。精を出す。
- 用例
- チュヌ バイナー アガチュン(人の倍も頑張る)。
アガキワル カマリール(働けばこそ食っていける)。
否:アガカン(頑張らない)希:アガチーブサン(頑張りたい)過:アガチャン(頑張った)継:アガチョーン(頑張っている)。
- メモ
- 音1:アガクン。
アカヂラー
赤い顔。赤面。
- 用例
- ハジカサヌ、チュラーク アカヂラー ナティネーンサ(恥ずかしくて、すっかり顔が赤くなってしまったさ)。
- メモ
- 音2:アカンバチャー。
アガッタムン
赤い顔。赤面。
- 用例
- フユーナムンガ ゥンジトーティ、ジン モーキティ アガッタムン ヤサ(怠け者のくせに、お金を儲けて大れた奴だ)。
アガトゥー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- 用例
- アガトゥーンカイル イチュンナー(あんな遠い所に行くの?)。
- メモ
- 音1:アガトー。音2:アガトゥーナー。対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近く)。
アガトゥーナー
あの遠さ。ずっと遠い所を強調した言葉。
- 用例
- アガトゥーナーンカイル アティナー?(あんな遠い所にあったの?)。
- メモ
- →アガトゥー。
アカトゥンチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカトゥンチナーリー ヌー サワジョーガ?(朝っぱらから何を騒いでいるの)。
- メモ
- →アカチキ。
アガトー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- メモ
- →アガトゥー。
アカナバー
赤紫蘇。赤じそ。
- メモ
- 漬け物にするだけで調理はしなかった。
麻疹患者にアカナバーの煎じ汁を与えた。
アカヌクー
{あかいぬこ(赤犬子)}。楚辺の拝所の名称。
- メモ
- 歌と三線の始祖とされる赤犬子終焉の地を、楚辺ではアカヌクーと呼び、崇めている。
アカヌクーウグヮン
行事名。{あかいぬこおがん(赤犬子御願)}。
- メモ
- 赤犬子は、楚辺の守り神で五穀豊穣の神ともされ、旧9月20日に赤犬子御願を行う。この時、五穀のゥンバン(米・粟・黍・小豆・唐黍を混ぜたご飯)を供える。戦前はムラヤー(現公民館)からアカヌクー(赤犬子宮)まで、ホラ貝や鉦、太鼓を打ち鳴らしながら練り歩いたが、道中参加した子どもたちには一切れの餅が配られた。
→アカヌクスーギ。
アカヌクウスメー
{あかいぬこうしゅまい(赤犬子御主前)}。赤犬子の尊称。
- メモ
- →アカインコ。
アカヌクーバル
{赤犬子原}。楚辺の小字。
アカヌクスーギ
{あかいぬこしゅうぎ(赤犬子祝儀)}。赤犬子祭。
- 用例
- アカヌクスーギネー、ジムスカラ アカヌクーマディ スネーティ イクン(赤犬子祭には、公民館から赤犬子宮まで行列をつくって行く)。
- メモ
- この御願は現在も行われており、拝みを終えた後に、「かぎやで風」や「イリベーシ」などの踊りを奉納する。→アカヌクーウグヮン。
アガネー
節約。倹約。
- 用例
- ユー アガネー シーヨーヤー(ちゃんと節約しなさいよ)。
- メモ
- 対:ウヮーバヂケー(浪費)。
アガネーイン
節約する。
- 用例
- ユー アガネーティ ジノー チカリヨー(よく節約してお金は使いなさいよ)。継:アガネートーン(節約している)。
- メモ
- 類:クバメースン。対:チカイホーイン(使いっぱなし)。
アカバカマ
赤袴。
- メモ
- 女性教員は正月、天長節、紀元節には赤袴と呼んだえんじ色の袴に下駄の礼装であった。
アカバク
{あかばこ(赤箱)}。葬儀用具を収める箱。
- 用例
- ダビニ チカイル ドーグヤ アカバクンカイ ウサミテーサ(葬式に使う道具は赤箱に収めてあるよ)。
- メモ
- 龕の装飾品や葬列に使う天蓋・葬式旗等の葬儀用具を収めた赤い木箱のこと。
アカバクー
{あかばこ(赤箱)}。肉の行商人。
- 用例
- アカバクーガ チューンドー(肉の行商人が来るよ)。
- メモ
- 赤い箱に肉を入れて行商していたことから、そう呼ばれた。
アカハジ
赤っ恥。赤面するほどの恥ずかしさ。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ アカハジ カカチ(人前で赤っ恥をかかせて)。
アカハチマキ
{あかはちまき(赤□)}。赤い□〔はちまき〕。
- メモ
- □〔はちまき〕は王府時代の礼装時の冠に相当するもので、位階によって色が違った。
アカバチャー
昆虫名。スズメバチ。
- メモ
- 子どもが蜂を退治する山遊びの中で、大きくて強いアカバチャーの巣を壊した者は勇気があると一目置かれた。
アカバナー
仏桑花。ハイビスカス。
- 用例
- アカバナーヌ ユー サチョーン(仏桑花がよく咲いている)。
- メモ
- 類:グソーバナ。
アカハン
赤い。
- メモ
- 音1:アカサン。
アカビー
赤い火。真っ赤な火。
- 用例
- アカビー ナルカ イシ ヤクン(真っ赤になるまで石を焼く)。
アカヒジー
稲の種類。芒〔のぎ〕が赤っぽい在来種の米。
- メモ
- →ヒジメー。
アカヒチムン
怠け者。無精者。
- 用例
- アカヒチムン ナテー ナランデー(怠け者になってはいけないよ)。
- メモ
- 音2:オーヒチムン・フユーナムン。類:ウフゲンナー・オーヒチャー・フユーナー。対:アガチャー・カナヤー・ハガナー・ハガニー・ハガニムン・ハタラカー・ハタラチャー・ハマヤー(働き者)。
アカブー
赤髪。茶髪。赤毛の人。
- 用例
- アンシ アカブー ヤル(とても髪の毛が赤いね)。
- メモ
- →アカガンター。
アカブサー
赤髪。茶髪。赤毛の人。
- 用例
- アヌ アカブサー ワラビ ヤサ(あの髪の毛が赤い子どもだよ)。
- メモ
- →アカガンター。
アカブシ
赤髪。茶髪。赤毛の人。
- 用例
- アカブシ ワラバー(赤毛の子ども)。
- メモ
- →アカガンター。
アカブックイ
赤みがかっていること。
アカフリムン
馬鹿なことをする者。
- 用例
- ヤナ アカフリムン(なんて馬鹿な奴)。
アカベー
皮膚病の一種。
- メモ
- 皮膚が赤くなるのでそういった。
アカマーミー
赤豆。小豆。
- 用例
- アカマーミー ニチェーンドー(小豆を炊いてあるよ)。
- メモ
- 類:アジチャー。
アカマーミーゴハン
小豆入りご飯。赤飯。
- 用例
- スージネー アカマーミーゴハン ニラヤー(お祝いには赤飯を炊こうね)。
- メモ
- 音2:アカメー。
アカマカー
アカマタ。夜行性で無毒の蛇。
- 用例
- ナー アカマカーヤ ヲゥランタンディ(もうアカマタはいなかったそうだ)。
- メモ
- 音1:アカマター。
カマンタ(鍋蓋)を伏せて置くと中でアカマタが孵化するといわれた。美男子に姿を変えたアカマタの子を宿した娘が、海水に浸って清められたことから、旧3月3日の浜下り行事が始まったという話が村内外で流布している。
アカマク
腕白。
- 用例
- ルク アカマク ナティ デージ ヤサ(余りにも腕白で大変だ)。
- メモ
- 音2:ウーマク・ウーマクー・シティマク・ハティマク・マク。類:チリハブ。
アカマター
アカマタ。夜行性で無毒の蛇。
- 用例
- アカマターンカイ ダマサットーン(アカマタに騙されている)。
- メモ
- 音1:アカマカー。
アカマチ
魚介名。ハマダイ。
- 用例
- アチャヤ スージデームン、アカマチ コーティ チャン(明日はお祝いだから、ハマダイを買ってきた)。
アカマッカーラ
真っ赤に。
- 用例
- トマトーヌ アカマッカーラ ソーシヨー(トマトが真っ赤なこと)。
- メモ
- 音2:マッカーラ・マッカーラー。
アカマッカーラー
真っ赤なもの。
- 用例
- アンシ、アカマッカーラー ヤルヤー(なんて、真っ赤なものなんでしょう)。
アカミー
卵黄。黄身。
- 用例
- シルミービカーン カリ、アカミーヤ ヌクチェーンデー(白身だけ食べて、黄身は残してあるよ)。
- メモ
- 音2:キーミー。対:シルミー(卵白)。
アカミー
赤眼。
- 用例
- ミーンカイ グミヌ イッチ、アカミー ソーン(目にゴミが入って、目が赤くなっている)。
アガミーン
崇める。
- 用例
- イクチ ナティン、ウヤー アガミリワル ナイル(幾つになっても、親は崇めないといけない)。アガミシェービリ(崇めてくださいませ)。
否:アガミラン(崇めない)希:アガミーブサン(崇めたい)過:アガミタン(崇めた)継:アガミトーン(崇めている)。
- メモ
- 「アガミシェービリ」は士族が用いていた言葉。対:ウシェーイン(馬鹿にする)。
アカミンタマー
地名(読谷村座喜味の喜名田原にある小地名)。
アカムサー
昆虫名。テントウムシの総称。
- 用例
- クンドー アカムサーガ ウーサンヤー(今年はテントウムシが多いね)。
アカムヤー
高志保の地名。
- メモ
- 沖縄戦後、避難先から字高志保の東原(アガリバル)の北側に、主に長浜区民が帰村したところ。そこは赤土の国頭マージにおおわれ小高い丘状になっており、赤い丘(ムイ)という意味でそう呼ばれた。読谷初等学校渡慶次分校もここに位置した。
アカムル
魚介名。フエフキの一種。
アカムン
赤くなる。熟する。
- 用例
- キンブヌ ヤガティ アカムン(ミカンがやがて熟する)。ルゲーティ ティー シリハジ、アカドーン(転んで手を擦りむいて、赤くなっている)。継:アカドーン(赤くなっている)。
アカメー
赤飯。
- メモ
- →アカマーミーゴハン。
アガヤーグヮー
大根の種類。浦添小湾から入ってきた小ぶりの大根。
- メモ
- 音2:クワンアガヤーグヮー。
アカユクシムニー
真っ赤な嘘。大嘘つき。
- 用例
- アカユクシムニーヤ、イャーガ イーシェー シンヨー ナラン(真っ赤な嘘つきめ、お前が言うのは信用できない)。
アガヨー
痛いよ。痛い時に発する語。
- メモ
- →アイターヨー。
アカラーグヮー
乳離れした子豚やウサギなど。
- メモ
- 類:アカラーウヮー・アカリーウヮー。
アカラーウヮー
乳離れした子豚。
- 用例
- アカラーウヮー イクチ ナチェーガ(子豚を何頭産んであるか)。
- メモ
- →アカラーグヮー。
アカラフタラ
きらびやかな様。
- 用例
- アカラフタラ イスガラチ ソーティ イチュタン(きれいに着せて連れて行った)。
- メモ
- 音1:アカルフタル。
アガリ
東。
- 用例
- アガリンカイ イチュタン(東に行った)。
- メモ
- 対:ニシ(北)。
アガリイーバル
{東上原}。楚辺の小字。
アカリーウヮー
乳離れした子豚。
- メモ
- →アカラーグヮー。
アカリーン
離れる。分かれる。家畜等の乳離れや幼鳥が巣立つこと。
- 用例
- ユークル フルイートーグトゥ、ヤガテー アカリーンテー(ほどよく大きくなっているから、やがて乳離れするよ)。
否:アカリラン(離れない)過:アカリタン(離れた)継:アカリトーン(離れている)。
- メモ
- 器物などが壊れて剥がれている状態や、くっついていた状態が分かれることにもいう。
アガリウガン
拝所名。東御願。楚辺の七御嶽のひとつ。
- メモ
- ウガンヒラー・アガリウタキともいう。雑木林に覆われた小高い丘の中にある。楚辺の守り神として拝まれ、戦時中は出征兵士の武運長久を祈願し拝んだ。戦前は石でできた祠があった。
アガリウマーイ
{あがりおまわり(東御廻り)}。島尻南部東側の旧知念村・玉城村を巡拝する門中行事。
- メモ
- 音1:アガリマーイ。
7年ごとに旧8月から10月頃にかけて行なわれる。
アガリカタ
東の方。東方面。
- 用例
- アレー アガリカタンチュル ヤンドー(彼は東方面の人だよ)。
アガリカミアサギグヮー
拝所名。楚辺集落東側にある拝所。
- メモ
- アガリカミアサギ・カミーアサギグヮー・アガリカミサギグヮー・ヌファカミアサギグヮーともいう。
昔は東がヌファ(禰覇)村、西がスビ(楚辺)村であったとの伝承がある。
アガリカミザ
東側に設けた一番座。
- メモ
- 音2:イリカミザ。類:イチバンザー・ウフグイ・イージャー。
東側に一番座を設けるのが一般的だが、地形によって西側に設ける場合もあった。床の間や仏壇が設けられ、日常は客間として使われたが、冠婚葬祭などには年配の男性が座す上座となった。
アガリクシバル
{東後原}。伊良皆の小字。
アカリクチ
引き剥がす糸口。
- 用例
- チャーサラー シニッチュトゥヌ アカリクチェー スガヤー(どうしたら死者の霊魂を引き離すことができるだろうか)。
ウヌ アカリクチェー マーガヤー(その剥がし口はどこかね)。
アガリグミ
東組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- 他にイリグミ・メーグミ・クシグミがある。
アガリサクバル
{東佐久原}。伊良皆の小字。
アガリサチバル
{東崎原}。宇座の小字。
アガリジャチミバル
{東座喜味原}。座喜味の小字。
アガリジョー
{あがりじょう(東門)}。波平集落の東側入り口にある広場の呼称。
- メモ
- 農閑期における豊年祈願や娯楽の場として使われ、アガリウフナー(東大庭)と呼ばれたという。そこに植えられた松やガジュマル(2002年沖縄県の銘木に認定)の下で、7月16日の棒術や八月十五夜アシビが盛大に催され、現在ではそこをアガリジョーと呼んでいる。
アガリスバー
東側。
- 用例
- ヤシチヌ アガリスバーンカイ、ヤシェー イーテータン(屋敷の東側に、野菜を植えてあった)。
アガリニンジュ
東の人たち。
- メモ
- 対:イリニンジュ(西の人たち)。
主として綱引きなどで集落全体を二分した際の東側の人たちのこと。渡慶次ではナカミチ(中道)を境にして、アガリニンジュ(東)が雄綱、イリニンジュ(西)が雌綱と分けた。アガリンダカリ・イリンダカリ、メーンダカリ・クシンダカリと分ける所もある。
アガリバル
{東原}。喜名、座喜味、伊良皆、上地、波平、高志保、宇座、瀬名波、長浜、楚辺、渡具知、大湾の小字。
アガリマーイ
{あがりまわり(東廻り)}。島尻南部東側の旧知念村・玉城村を巡拝する門中行事。
- 用例
- トゥーサグトゥ アガリマーイヤ メーニノー イチーサンタン(遠いので東御廻りは毎年は行けなかった)。
- メモ
- →アガリウマーイ。
アガリムティー
東側。東方。
- 用例
- ワランチャーヤ アガリムティーヲゥティ アシドーン(子どもたちは東側で遊んでいる)。
- メモ
- →アガリスバー。
アガリムティーバル
{東表原}。長浜の小字。
アガリムティチャンプルー
婚礼当日、東側の縁側で食した豆腐炒め。
- メモ
- 楚辺では豆腐を油で炒めたアガリムティチャンプルーを、提灯持ちなど参会者にふるまった。
アガリメーバル
{東前原}。楚辺の小字。
アガリンケー
東向き。
- 用例
- ハーメーヤ アガリンケー シ、ニントーン(おばあさんは東向きになって、寝ている)。
- メモ
- 対:イリンケー(西向き)。
アガリンダカリ
地名(字における区分)。東村渠。東組。
- メモ
- 対:イリンダカリ(西村渠・西組)。
主として綱引きなどで集落全体を二分する時の組の名。他に、イリンダカリ・メーンダカリ・クシンダカリという呼び名もある。
アカルヒル
白昼。真昼間。
- 用例
- アカルヒル ヤグトゥ、ハジカサヌ アッカラン(真っ昼間なので、恥ずかしくて歩けない)。
- メモ
- 類:マッピルマ。
アカルフタル
きらびやかな様。派手な様。
- 用例
- アカルフタル スガティ(派手に着飾って)。
- メモ
- 音1:アカラフタラ。
アカングヮ
赤子。赤ん坊。
- 用例
- ナマ、アカングヮ ニンシトーン(今、赤ん坊を寝かせている)。アカングヮンカイ ウヮーユー ヌマスン(赤子に重湯を飲ませる)。
- メモ
- 類:イーヨーグヮー・クガナーグヮー・ボージャー・ボーボー・ボーボーグヮー。
「アカングヮヤ、ミルクグヮチン ユチ フラスン(赤子は、6月の暑い時でも雪を降らせる)」外気に触れさせないよう、大切に育てなさいという意味の諺がある。
アカングヮーイユ
哺乳類。ジュゴン。
- 用例
- アカングヮーイユヤ ユー ンジーネー ウジラーハンドー(ジュゴンはよく見ると可愛いよ)。
アカンクヮーラ
色鮮やかで派手な様。赤々として豪華な様。
- 用例
- アカンクヮーラ シ ミーチラサヨー(赤々として眩しいことよ)。
アカンチャー
赤土。
- 用例
- アカンチャーブッター ッシ ヘーク チン ケーレー(赤土だらけで早く着替えなさい)。
- メモ
- 類:ンチャ・ンーチャ。石けん類がない頃はアカンチャーで洗髪した。
アカンナグヮー
魚介名。貝の種類。赤貝。
- メモ
- 赤貝か。
アカンバチャー
赤い顔。赤面。
- 用例
- チラー アカンバチャー ッシ ハイタン(顔を真っ赤にして行ってしまった)。
- メモ
- →アカヂラー。
アカンミー
赤い実。
- 用例
- ウッサ アカンミーヌ チチョール(あんなに赤い実がついているね)。
アカゥンマー
龕〔がん〕。棺を運ぶ朱塗りの輿。
- 用例
- アカゥンマーガ トゥーティ ハイタン(龕が通って行った)。
- メモ
- 類:ガン・コー。
龕の周囲は僧や花などの仏画が描かれ、朱塗りなのでアカゥンマー(赤馬)と呼んでいた。野辺送りの際、遺骸の納まった棺箱を入れて4人で担ぎ、墓まで運んだ。7歳未満で亡くなった子は龕には入れずに抱いて運んだ。読谷では火葬が普及する昭和30年代まで使用していた。
アギ
陸。
- 用例
- カーミーガ アギンカイ アガティ チューン(亀が陸に上がってくる)。
アギンジ ウクリ(陸で葬りなさい)。
- メモ
- 音2:ジギ。対:ウミ(海)。
アキーン
開ける。
- 用例
- アチサグトゥ ハシル アキティ トゥラシェー(暑いから戸を開けてくれ)。
否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)過:アキタン(開けた)継:アキトーン(開けている)。
- メモ
- 対:ミチーン・クーイン・シミーン(閉じる)。
アキーン
空ける。空にする。
- 用例
- ヤー アキーン(家を空ける)・古。イッスビン アキーン(一升瓶を空にする)・木。
アキーン
夜が明ける。
- 用例
- イチバンドゥイヌ ナチーネー、ユー アキーンドー(一番鶏が鳴くと、夜が明けるよ)。
- メモ
- →アケーイン。
アギーン
①上げる。物を上に上げる。位を上げる。②楽器や声を上げる。③揚げる。④吐く。もどす。
- 用例
- ①ニムチ ウヮービンカイ アギーン(荷物を上に上げる)。シクチ ハマイネー、イーンカイ アギーサ(仕事を頑張ったら、昇格させるよ)。否:アギラン(上げない)希:アギーブサン(上げたい)過:アギタン(上げた)継:アギトーン(上げている)。
②ナー イヘー クィー アギレーワ(もう少し、声を上げなさい)。③ティンプラー アギーン(天ぷらを揚げる)。④アンマサヌ ムン ハカハカーッシ アギーン(具合が悪くてむかむかし、食べ物を吐く)。
否:アギラン(吐かない)希:アギーブサン(吐きたい)過:アギタン(吐いた)継:アギトーン(吐いている)。
- メモ
- 対:サギーン(下げる)。
アキガタ
明け方。
- 用例
- ワンガ ケーティ チーネー、アキガタ ナトータン(私が帰って来る時には、明け方になっていた)。
アギサギ
上げ下げ。
- 用例
- ニムチ アギサギ シーネー、キー チキリヨー(荷物を上げ下げするときは、気をつけなさいよ)。
アキサミヨー
ええっ。きゃあ。
- 用例
- アキサミヨー! チャー スガ(あれまあ!どうしようか)。
- メモ
- 類:アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
とても驚いたときや悲しいとき、助けを必要とするときなどに発する語。
アキサミヨーナー
ええっ。ああもう。
アギジェー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジェ! ヌグヮ アン ナトール?(あーぁ!なぜそういうふうになっているの?)。
- メモ
- アギジェともいう。
類:アキサミヨー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギジャバ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
アギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
アギジャビヨイ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨイ!アン ソール クトゥン アル(あーぁ!そんなことってあるか)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨー・アギジャベ。
何かし損ねた時などに発する。
アギジャビヨー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨー! デージ ナトーン(あれまあ!大変な事になった)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャベ。
びっくりした時、何かし損ねた時、予想に反した時などに発する語。また驚いた時や助けを必要とするときに発する叫び。
アギジャベ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャベ アンル ナトーティナー?(あーぁ!そんなことになっていたのか)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー。
何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギター
私たち。我々。
- 用例
- アギター ザキミンジェー(我々、座喜味では)。
- メモ
- 類:アガター・イガター・イギター・ゥンガター・ワッター・ワッテー。
アギドーフ
厚揚げ豆腐。
- 用例
- アヌ マチヤヌ アギドーフヤ、イッペー マーサン(あそこの店の厚揚げ豆腐は、とても美味しい)。
アギヌフリムン
陸の触れ者。女郎にうつつを抜かしている男のこと。
アキネー
商い。商売。
- 用例
- アヌ チョー アキネー ッシ モーキトーサ(あの人は商売で儲けているさ)。
- メモ
- 音1:アチネー。
アキバカ
空き墓。
- 用例
- ルクジューカラー、アキバカンカイ ソーティ イチュタンディ(60歳からは、空き墓に連れて行ったそうだ)。
アキハタキーン
開け肌蹴〔はだけ〕る。衣類が はだけている様。
- 用例
- チヌン アキハタキティ フージン ネーン(着物を肌蹴てみっともない)。否:アキハタキラン(開け肌蹴ない)希:アキハタキーブサン(開け肌蹴たい)過:アキハタキタン(開け肌蹴た)継:アキハタキチーン(開け肌蹴ている)。
アキハティジューグヮチ
{あきはてじゅうがつ(飽き果て十月)}。特に節供のない10月。
- 用例
- ジューグヮチェー アキハティジューグヮチディチ、シチベー ヌーン ネーンタン(10月はアキハティジューグヮチといって、行事は何もなかった)。
- メモ
- 音1:アチハティジューグヮチ。音2:カリジューガチ・サビジューガチ。
旧10月は1年の中でも行事がなく、御馳走もないつまらない月という意味で、飽き飽きする10月といわれた。
アキヒルギーン
開け広げる。
- 用例
- アチサグトゥ ハシル アキティトゥラシェー(暑いから戸を開けてくれる)。
否:アキヒルギラン(開け広げない)希:アキヒルギーブサン(開け広げたい)過:アキヒルギタン(開け広げた)継:アキヒルギトーン(開け広げている)。
- メモ
- 音2:アキフィラキーン・ワイアキーン。
対:クーイミチーン(閉め切る)。
アキフィラキーン
開け広げる。
- 用例
- ビントー アキフィラキティ ウチャン(弁当は開け広げておいた)。
- メモ
- →アキヒルギーン。
アギマースン
急かす。急き立てる。
- 用例
- ジカヌンカイ ウクリトーグトゥ アギマーチョーン(時間に遅れているから急かしている)。
否:アギマーサン(急かさない)希:アギマーシブサン(急かしたい)過:アギマーチャン(急かした)継:アギマーチョーン(急かしている)。
- メモ
- 音2:アワティラカスン。
アキマドゥシ
明くる年。新年。
- 用例
- アキマドゥシン ガンヂューサ アラチ クィミソーリ(明くる年も健康にしてください)。
- メモ
- 音2:ミードゥシ。大晦日の晩に1年の加護を感謝し、翌年の健康と繁栄を祈願した。
アキミックヮー
あき盲。目はあいているが見えない人。探し物が苦手な人にもいう。
- 用例
- アキミックヮーヤ、ミーヌメーンカイ アシン ミーランルアリー(あき盲め、目の前にあるのも見えないのか)。
- メモ
- 音1:アチミックヮー。
アギムン
揚げ物。
- 用例
- チューヌ ビントーヤ アギムンヌ ウーサル(今日の弁当は揚げ物が多い)。
アギヤー
漁法名。追い込み網漁。
アギヤーシンカ
追い込み網漁仲間。
アキヨ
あら。あれ。
- メモ
- 類:アッキヨ。
アギヨ
あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨイ
あらまあ。あれまあ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨーナー
あれまあ。ああ、もう。
アギヨーナー
ええっ。ああもう。
アギンチュ
陸の人。陸育ち。
- 用例
- ワッター アギンチュ ヤクトゥ、ウミヌ クトー ワカラン(私たちは陸育ちだから、海のことはわからない)。
- メモ
- 対:ウミンチュ(漁師)。
アク
灰。
- 用例
- チナ ウヌママ メーチ、アク ナチ(綱をそのまま燃やして、灰にして)。
- メモ
- 類:カラフェー・カラヘー・フェー・ヘー。
沖縄に古くから伝わる民話のモーイ親方の話に、薩摩から琉球に「灰で縄を綯ってこい」という難題がある。「モーイ親方の難題」『古堅の民話』より。
アク
灰汁。
- メモ
- 藁灰や木灰を水に浸して上澄みをすくったアルカリ性の液で、洗濯や沖縄そばを作るのにも使われる。
アクー
悪。悪者。悪い行いをする者。
- 用例
- アレー テーゲーネー アクードー(彼は相当な悪者だよ)。
シトゥウヤンカイ アク サリーン(姑に意地悪される)。
- メモ
- 類:ヤナッチュ。対:イーッチュ(善人)。
アグー
沖縄在来の黒豚。
- 用例
- アグーヤ アグニカラ チョーンディンドー(アグーは粟国産だというよ)。
- メモ
- 沖縄在来の豚にはシマウヮー(島豚)と、アグーと呼ばれた黒豚と、白い色の入ったアヨーがあった。
アクゲーシ
悪返し。災厄防除。
- 用例
- ムーチーヌ ニージル ヤシチンカイ マチャーニ、アクゲーシ スン(鬼餅の煮汁を屋敷に撒いて、災厄除けをする)。
- メモ
- 音2:アクフーゲーシ・フーチゲーシ・ヤナカジゲーシ・ヤナムンゲーシ。
旧12月に作る鬼餅の蒸し汁を、屋敷の周囲に悪返しとして撒いた。災厄防除のことで鬼餅やカンカーなどの行事も悪風返しのひとつである。
アクシン
悪い心。
アクスーユクスー
悪くて欲深い性根。
- 用例
- チャッサ イェーキンチュ ヤティン、アクスーユクスー ムッチェー ナランドー(どんなに金持ちでも、欲深く悪い心をもってはならないよ)。
アクタ
{芥(あくた)}。{塵(ちり)}。
- 用例
- アクタビケーン トゥイアチミティ、チャー スヌ チムエーガ(使えないものだけ拾い集めて、どうするつもりか)。
アクタチクタ
塵芥〔ちりあくた〕。
- 用例
- マーカラン、アクタチクタ ムッチッチ メーチャン(あっちこっちから、塵芥を持ってきて燃やした)。
- メモ
- 音2:チリアクタ。
アクタヤーグヮー
ボロ屋。みすぼらしい家。
- 用例
- アクタヤーグヮーヤティン アミチユ フシゲー シムサ(ボロ屋でも、露をしのげばいいさ)。
アクタンチクタン
塵も芥も。何でもかんでも。
- 用例
- アクタンチクタン、ムル アチミレー(何でもかんでも、すべて集めなさい)。
アクヂナ
灰綱〔はいつな〕。灰縄〔あくぢな〕。藁を綯(な)ったまま焼いて縄の形を残した灰のこと。
- 用例
- クージカラ アクヂナ グユーヌ チャンディ(公儀から灰縄御用がきたそうだ)。
- メモ
- 音2:ヘーチナ。
アクトゥイ
あか取り。船底にたまった水を汲み出す道具。
- メモ
- 音2:ユートゥイ。
アクビ
{欠伸(あくび)}。
- 用例
- アクビグヮー サギール ムンヌ、ナー ニンジュンテー(あくびをしているようだから、もう寝るだろう)。
アクビー
悪日。厄日。
アクフー
悪風。悪い風。霊気。
- メモ
- →ヤナカジ。
アクフーゲーシ
悪風返し。災厄防除。
- 用例
- アクフーゲーシ ンチ、ムラヲゥティ ウシ クルスタン(悪風返しということで、字で牛を潰した)。
- メモ
- 「カンカーの話」『古堅の民話』より。→アクゲーシ。
アクブチ
腕などの皮膚が乾燥して皮がむけること。
アクミ
ふけ。
- メモ
- 類:イリチ・ガファラ。
アクミ
胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- 類:カヤ。アクミが早く取れるようにと、産湯の中に盃一杯の酒を入れたる、浴びせた後はガサガサした肌触りの芭蕉布にくるんだ。
アゲー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アケーイン
夜が明ける。
- 用例
- ユー アケーイシガ ヘーク ナトーン(夜が明けるのが早くなった)。
ユーヌ アケーイシトゥ マンジュン ヤーカラ ゥンジーン(夜が明けると同時に家から出る)。
継:アケートーン(夜が明けている)。
- メモ
- 類:アキーン。対:ユックィン(日が暮れる)。
アコー
ああ。
- 用例
- アコー、アンル ヤンナー(ああ、そうなのか)。
- メモ
- 音1:アゴー。
アコー
毛色の赤い闘牛の名前。
- 用例
- オーヤーウシヌ アカギー ソーシカイ、 アコーディ イータン(闘牛で赤い毛をしているのに、アコーといっていた)。
- メモ
- 闘牛の名前を付けるには牛の得意技、角の形や色、体の色や特徴が元になった。
アゴー
ああ。
- 用例
- アゴー、アンル ヤティナー(ああ、そうだったのか)。
- メモ
- 類1:アコー。
アコークロー
黄昏時。夕暮れ時。
- 用例
- アリトゥ イチャタシェー アコークロージブン ヤタサ(彼と会ったのは夕暮れ時だったよ)。
- メモ
- 類:ユックイガタ・ユマングィ。物が判別しにくい夕方の薄暗い時間帯。
アサ
朝。
- 用例
- アサ ヘーク ウキティ、ハルカイ ゥンム フイガ イチュン(朝早く起きて、畑へ芋堀りに行く)。
アザアガリバル
{字東原}。楚辺の小字。
アザイリバル
{字西原}。楚辺の小字。
アサイン
漁〔あさ〕る。探し回る。
- 用例
- マーカイガ アラー ワカラングトゥ、アマクマ アサイン(どこにあるのか分からないから、あちこち探し回る)。
否:アサラン(探し回らない)希:アサイブサン(探し回りたい)過:アサタン(探し回った)継:アサトーン(探し回っている)。
- メモ
- 音1:アサグイン。類:キジーン。
アサウキ
{あさおき(朝起き)}。早起き。
- 用例
- アヒーヤ マーカイガ ヤラー、アサウキ シ ゥンジティ ハイタン(兄さんはどこにやら、早起きして出て行った)。
- メモ
- 対:アサナー・アサニ(朝寝)。
アサウグヮン
{あさおがみ(朝御願)}。朝一番に神仏を拝むこと。
- 用例
- アチャ、アサウグヮン ウサギーン(明日、朝一番に拝みをする)。
- メモ
- 元旦は、火の神と仏壇、床の間を拝するが、伊良皆では門と屋敷の四隅も拝したという。また、トゥシビースージ等のときにもアサウグヮンと称して、火の神や仏壇を拝する。
アサカーギ
朝の日陰。朝の陽ざしが弱い時間帯。
- 用例
- アサカーギヌ エーマ ハルカイ イチュン(朝の陽ざしが弱いうちに畑へ行く)。
- メモ
- 対:ユーカーギ(夕方の日陰)。
アサギ
家の前庭にある離れ。
- 用例
- ドゥシンチャー アチマティ、アサギヲゥティ ボーシ クローン(離れで集まって、友達が帽子組みをしている)。
- メモ
- 類:メーヌヤー。
帽子組みの場所としても使われ、友達が集まって夜なべをしたり、雑談を楽しんだりした。
アサギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所、建物。
- メモ
- 音1:アシャギ。本来は祭祀を行う場所や小さな建物のことを指すが、カミアサギそのものが拝する対象として拝所になっている事例も多い。
字座喜味では七柱それぞれの前に七つの門中の代表が座り、協議する場だったと伝えられている。
アサグイン
漁る。探し回る。
- 用例
- ハジナーリー アサグイン(端っこから探す)。
- メモ
- →アサイン。
アササー
昆虫名。蝉。クマゼミ。
- 用例
- ヤマカイ アササー トゥイガ イチュン(山にクマゼミを取りに行く)。
- メモ
- 類:サンサナー・シラギサンサナー。
アサジー
浅地。薄い藍色の着物や布。
アザシーミー
行事名。字清明。字が主体となって行う清明祭。
- 用例
- アザシーミーヤ アザヌ ヤクミンチャーガ ウガムタン(字清明は字の役員たちが拝んでいた)。
- メモ
- 音2:ムラシーミー。楚辺では旧3月の清明の入日に、字の役員が瓶子(びんし)と重箱を持って、按司墓、大城の墓、ノロ墓を拝む。
アサタビ
首里勤め。政務を司る役。
- メモ
- 音1:アシタビ。
アサヂクン
朝飲むお茶は気力が出るという意味。
アサティ
明後日〔あさって〕。
- 用例
- アサティ、ガッコーヲゥティ イチャラナ(明後日、学校で会おう)。
アサティヌナーチャ
明後日の翌日。明々後日〔しあさって〕。
- 用例
- ナーファカイ コーイムンシーガ イチュシェー、アサティヌナーチャドー(那覇に買い物に行くのは、明々後日だよ)。
- メモ
- 明後日の翌日。明々後日〔しあさって〕。
アサナー
朝寝。朝寝坊。
- 用例
- ヲィナグヌ アサナー ナイネー ナナヒヌカン ウガマー ナイン(女が朝寝坊だと、7つのヒヌカンを拝むことになる)。
- メモ
- 音2:アサニ。対:アサウキ(朝起き)。
女が朝寝坊だと三行半〔みくだりはん〕を下されて婚家を7回変わるといわれている。
アサナーリー
朝っぱらから。
- 用例
- アサナーリー チュヌヤーカイ イチュンナー(朝っぱらから人の家に行くの)。
- メモ
- 音2:アサンナーラ・アサナゲーイ。対:ユルナーリー(夜から)。
アサナゲーイ
朝っぱらから。朝なのに。
- 用例
- アサナゲーイヤ チュヌ ヤーカイ イカンケー(朝っぱらから人の家には行くな)。
- メモ
- →アサナーリー。
アサニ
朝寝。朝寝坊。
- 用例
- アサニ シーネー ドゥーヌ スンル ヤンドー(寝坊したら自分の損だよ)。
- メモ
- →アサナー。
アサヌマール
朝の間。午前中のちょっとした時間帯。
- 用例
- アサヌマールヲゥティ ゥンジチューシェー マシ ヤサ(朝の間に行って来たほうがいいよ)。
- メモ
- 音1:アサヌマル。
アサヌマル
朝の間。午前中のちょっとした時間帯。
- 用例
- アサヌマルネー ウチナスサ(午前中では終わるよ)。
- メモ
- 音1:アサヌマール。
アサハン
浅はかである。軽率である。
- 用例
- アヌ ヰナゴー、イッペー アサハンヤー(あの女は、とても浅はかだね)。
アサバン
昼飯。昼食。
- 用例
- アサバン シコーティカラ イチュサ(昼ご飯を準備してから行くね)。
- メモ
- 類:メーシー。
アサバンスガイ
朝食の支度。
- 用例
- ヘークナー、アサバンスガイ サントー ナラン(早く、昼飯の支度をしないといけない)。
アサバンヲゥイ
昼食時。
- 用例
- ナー アサバンヲゥイ ナトーンドー(もうお昼時だよ)。アサバンヲゥイ ナタグトゥ ケーティチョーン(昼飯時になったから、帰って来た)。
アザブー
{あざぶ(字賦)}。賦役〔ぶえき〕。
- 用例
- アザブーヤ ゥンジランアレー ナランドー(字の作業には出なければならないよ)。
- メモ
- 字への労働提供をアザブーといい、伊良皆では、旧10月のヒーゲーシ(火返し)行事の祈願人夫として、年配男性2人をアザブー(字賦役)として頼んだ。
アサマカネー
おめざ。目覚めに軽く取る朝食。
- 用例
- アサマカネーヤ ユークル ゥンムトゥ アンダンスー ヤタン(朝賄いはほとんど芋と油味噌だった)。
- メモ
- →アカチキミークファヤー。
アサマサン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- イャームン シーヨーヤ アサマサン(お前のやりかたは卑劣だ)。
- メモ
- 音1:アサマハン。
アサマシムン
浅ましい奴。卑劣な奴。
- 用例
- アンシ アサマシムン ヤル(なんて卑劣な奴なんだ)。
アサマハン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- アヌ チョー ヤバン ナティ アサマハン(あの人は野蛮で卑劣だ)。
- メモ
- 音1:アサマサン。
アザマンサン
{あざまんさん(字満産)}。字全体の製糖が終了する祝い。
- 用例
- アザマンサヌン ウワティ ユルットゥ ナティヤー(字の製糖も終わってほっとしたね)。
- メモ
- 旧4月下旬には各組の製糖が終わるので、日を決めて字で無事に製糖が終わったことを祝った。
アサミーグチ
{あさみぐち(朝の口)}。朝の口開け。
- 用例
- アチネーシンカヤ アサミーグチ デーイチ ヤサ(商売人にとっては朝の口開けは大事だよ)。
- メモ
- 商売人にとって、朝の口開けは縁起の良いものとして喜び、おまけを付けたりした。地域によっては、朝一番のお客は男性だと縁起が良いが、女性だと縁起が悪いとされている。
アサミジ
{あさみず(朝水)}。人が亡くなった翌朝から3日間墓に供える水。
- 用例
- チュガ マーシーネー サンニチビカーン、ハカンカイ アサミジ マチンガ イクン(人が亡くなったら3日間ほど、墓に水を供えに行く)。
- メモ
- →ナーチャミー。
アサメークサメー
ちょこちょこ動き回って落ち着きがない様。
- 用例
- クヌ ワラベー アサメークサメー ッシ、アンシ ウティチチン ネーンル(この子どもはちょこちょこ動き回って、なんて落着きがないんだ)。
アサユサ
朝夕。
- 用例
- アサユサ ヒジュルク ナティヤー(朝夕冷たくなったね)。
アザワレー
あざ笑い。嘲笑。
- 用例
- チュ アザワレー シェー ナランサ(人をあざ笑ってはいけないよ)。
アサンナーラ
朝っぱらから。
- 用例
- アサンナーラ ミンチャサン(朝っぱらからうるさい)。
- メモ
- →アサナーリー。
アサンユサン
朝も夜も。
- 用例
- ワンネー サビサヌ、アサンユサン ナチ クラチョーサ(私は寂しくて、朝も夜も泣いて暮らしているさ)。
アシ
①汗。②時間が経った餅や芋などの表面に出る水滴。
- 用例
- ①アンスカ アシ ダラダラ シ ヌー ソータガ?(そんなに汗だくになって何をしていたの?)。
②ウレー アシ ハトーグトゥ ナー カマランドー(それは汗をかいているからもう食べられないよ)。
アジ
味。味見。
- 用例
- マジェー アジ ッシンディ(まずは味見してごらん)。
アジ
鰓〔えら〕。
- 用例
- クヌ イユヌ アジヌ マギサヨ(この魚のエラの大きいことよ)。
アジ
口蓋〔こうがい〕。
- 用例
- アジンカイ タンナファクルーヌ タックヮトーン(口蓋にタンナファクルーの菓子がくっついている)。
アジ
按司。
- 用例
- その土地を治めた有力者や発祥に関わった人物のことを広く按司といった。
アシー
間食。午後3時のおやつ。
- 用例
- チューヌ アシーヤ、ヌー シコーテーガヤー(今日の3時のおやつは、何を準備してあるのねぇ)。
- メモ
- →音1:アーシー。
アシーダーグ
盆の中日14日午後に仏壇へ供える団子。
- メモ
- →アーシームーチー。
アジーン
十字にする。交差する。
- 用例
- マンナカヲゥティ チューク アジーン(真ん中で強く結ぶ)。否:アジラン(十字にしない)希:アジーブサン(十字にしたい)過:アジタン(十字にした)継:アジトーン(十字にしている)。
アジウシーミー
行事名。{あじおんせいめい(按司御清明)}。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- クンドゥヌ アジウシーミーヤ、タートゥ ターガ イチュガヤー(今度の按司御清明は、誰と誰が行くのかな)。
- メモ
- 音2:イチムンシーミー・カミウシーミー・ムンチューシーミー。
アシウトゥ
足音。
- 用例
- クヮヌ ニントーグトゥ、アシウトゥ タティンナヨー(子どもが寝ているから、足音を立てるなよ)。
- メモ
- 音1:アシトゥ。
アシガ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- ワン アシガー アシガ(私の下駄はあるよ)。
- メモ
- 音1:アシジャ。
アジガー
地名(読谷村大湾の小地名。拝所のひとつ)。
アジカイグヮンス
預かっている位牌。本来祀るべきではない位牌を預かっていること。
- 用例
- ブチダヌンカイ アジカイグヮンスヌ マチラットーン(仏壇に他系の位牌を預かって祀っている)。
アジカイディマ
{あずかりてま(預かり手間)}。預かり賃。
- 用例
- アジカイディマヤ ハラティー(預かり賃は払ったね)。
- メモ
- 対:アジキディマ(預け賃)。
アジカイン
預かる。
- 用例
- ウヌ ジノー ワンガ アジカイン(そのお金は私が預かる)。
否:アジカラン(預からない)希:アジカイブサン(預かりたい)過:アジカタン(預かった)継:アジカトーン(預かっている)。
アジカイングヮ
預かって育てている子ども。
- 用例
- アジカイングヮガ ミッチャイ ヲゥタン(預かって育てている子どもが3人いた)。
アシカチャー
汗かき。
- メモ
- 音2:アシハヤー。
アシガチャー
せっかちな人。
- 用例
- イャーヤ ルク アシガチャー ナティ(お前はあまりにもせっかちで)。
アシガチュン
焦る。やきもきする。
- 用例
- ナー ナイネー アシガチュンドー(いざとなったら焦るよ)。
否:アシガカン(焦らない)過:アシガチャン(焦った)継:アシガチョーン(やきもきしている)。
アジキーン
預ける。託す。
- 用例
- ユービンチクンカイ ジン アジキーン(郵便局にお金を預ける)。
否:アジキラン(預けない)希:アジキーブサン(預けたい)過:アジキタン(預けた)継:アジキトーン(預けている)。
アジキディマ
{あずけてま(預け手間)}。預け賃。
- 用例
- チナ アジカイル ヤーネー、アジキディマ クィタン(綱引きの綱を預かってくれる家には、謝礼をあげた)。
- メモ
- 対:アジカイディマ(預かり賃)。
アジクーター
①こくがあり、味わい深いもの。②人生経験豊富な人の味わい深い話や芸にもいう。
- 用例
- ①アンシ アジクーター ッシ マーサルヤー(とても味にコクがあって美味しいね)。②タンメー ハナシーヤ、アジクーター ヤンヤー(お祖父さんの話は、味わい深いね)。
アシクシ
足腰。
- 用例
- トゥシェー カサニティン、アシクシ ガンジューサ アリワル ナインデー(年は重ねても、足腰が頑丈でないといけないよ)。
アシクミ
足慣らし。
- 用例
- ウマハラセー メーニ、アシクミ スタン(競馬の前に、足慣らしをした)。
- メモ
- 競馬を始める前の足慣らしで場内を1、2周した。
アシグン
足踏み。
- 用例
- キーヌファー アシグン ッシ ケーイン(落ち葉を踏んで帰る)。
アジケー
魚介名。シャコ貝。
- メモ
- アジケーは邪気を払うといわれ、門柱に設置して魔除けにした。
アシジャ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- アシジャ クリ マーカイ メンシェーガ(下駄を履いてどこに行かれるの)。
- メモ
- 音1:アシガ。
アジスガイ
{あじふんそう(按司扮装)}。
- 用例
- アジスガイ ッシ、シバヤ スタン(按司の扮装をして、芝居をした)。
アシダクダク
汗だくな様。
- メモ
- 音1:アシダクダクー。
アシダクダクー
汗だくな様。
- メモ
- 音1:アシダクダク。
アシタビ
首里勤め。政務を司る役。
- 用例
- ヤマトゥンカイ アシタビ シミシェール ッチュ(大和との政務を司る役職の人)。
- メモ
- 音1:アサタビ。
アジチャー
小豆。
- メモ
- →アカマーミー。
アジヂューサン
味が濃い。
- 用例
- アジヂューサグトゥ、ナー イフェー ミジグヮー ゥンベーレー(味が濃いから、もう少し水で薄めなさい)。
アシティビチ
豚足料理。
- 用例
- ナービヌミー アシティビチ ニチェーサ(鍋いっぱいに豚足料理を炊いてあるよ)。
- メモ
- 音1:アシテビチ。音2:ティビチ。一般的には大根や昆布と味噌汁仕立てにして食べるが、煮つけにすることもある。
アシテビチ
豚足料理。
- 用例
- チージンジ アシテビチ カラン(辻で豚足料理を食べた)。
- メモ
- 音1:アシティビチ。音2:ティビチ。
アシトゥ
足音。
- 用例
- アシトゥ クラグトゥ、ヤナマヤーヤ ヒンギティ ハイタン(足音を立てたら、どら猫は逃げていった)。
- メモ
- 音1:アシウトゥ。
アシバー
遊び人。
- 用例
- シクチン サン、アシバー ナテー ナラン(仕事もせずに、遊んでばかりではいけない)。
アシハイミジハイ
汗水流している様。
- 用例
- ジノー、アシハイミジハイ ソーティル モーキールヨー(お金は、汗水流して稼ぐものだよ)。
アジバカ
按司墓。使われなくなった古い墓の呼称。
- メモ
- その土地を治めた有力者や発祥に関わった人物のことを広く按司と言い表し、彼らを祀った墓をいう。具体的に「大湾按司之墓」(大湾)や「前田按司之墓」(喜名)と名称を伴う墓もあれば、単に「アジバカ」と呼称される古墓が村内各地にある。多くは各字の清明祭で拝されている。
アシハヤー
汗かき。
- 用例
- ワンネー アシハヤー ヤグトゥ、スバンカイ クーンナケー(私は汗かきだから、側に来るな)。
- メモ
- 類:アシカチャー。
アシビ
遊び。村芝居や芸能など。
- 用例
- ルク アシビジチ ナティ、シクチン サン ナトーサ(あまりにも芝居好きで、仕事もしなくなっているさ)。
ジューグヤアシビヌ シバイヤ ヌー スガ(十五夜遊びの村芝居は何の演目にするか)。
- メモ
- 元は神事・歌舞をいったが、次第に歌三線、踊りや芝居などを演じるムラアシビや若い男女が遊ぶモーアシビにもいうようになった。
アシビイリミ
村芝居などの経費。
- 用例
- アシビイリミヤ、ヌチ ウワトーミ(村芝居に使う経費は、徴収し終わったか)。
- メモ
- 音1:アシビイルミ。
ムラアシビを行うときの経費として、15歳から50歳の人から徴収した。その金は他所の部落を招待したときの経費や小道具等の購入費に充てられた。
アシビイルミ
村芝居などの経費。
- メモ
- →音1:アシビイリミ。
アシビガシラ
村芝居や祭りの責任者。
- 用例
- アシビガシラ アタトーティカラ、ハマラントー ナランサ(祭りの責任者に当たっているなら、頑張らないといけないよ)・楚。
- メモ
- アシビガシラは配役や踊りの指導はもちろん、ムラアシビに関することの面倒をみた。
アシビクェークェー
働いて得た金を遊興〔ゆうきょう〕に散財する者。
- メモ
- 類:クェークェー。
アシビグヮーセー
村芝居ごっこ。ムラシバイを子どもが真似て遊ぶこと。
アシヒサ
足。足の卑語。
- 用例
- ワン ミーヌ クルサヌ ウチェー、イカナシン ヤーンカイ アシヒサ イリラサン(私の目が黒いうちは、絶対にこの家の敷居をまたがせない)。
アシビトゥイケー
村遊び・村芝居の交流。芸能の交流。他所の字を招いて、お互いで得意としている芝居や踊り等の芸能を披露すること。
- 用例
- スビヤ アシビトゥイケー シーガ ナガハマ マディン イクタン(楚辺は村遊びの交流をしに長浜までも行った)。
- メモ
- 招待された側が芸を披露し、招いた側が経費を負担した。招待した字は、各家族から徴収した米や油、豆腐などを、一か所に集めて炊いて御馳走した。招待された側は次回には相手方の村芝居を招待したが毎年行うわけではなかった。
アシビドゥシ
遊び友達。
- 用例
- アヌ タイヤ イッペーヌ アシビドゥシ ヤサ(あのふたりはとても良い遊び友達だよ)。
アシビナー
村芝居などを行う広場。
- 用例
- チューン アシビナーカイ アチマラヤー(今日も広場に集まろうね)。
アシビブラ
祭り用の法螺(ほら)。
- メモ
- 伊良皆では音が大きく鳴るミーブラ(雌の法螺)を用いた。
アシビブリ
遊ぶのに夢中になること。
- 用例
- アシビブリ ッシ ジカヌン ワカラン、ウクリティ ネーンサ(遊びに夢中になって時間が経つのも分からず、遅れてしまったさ)。
アシビモー
若者が遊んだ野原。
アジヒャー
あまのじゃく。反対ばかりする者。
- メモ
- 音2:アジヤー。
アシビングェー
遊び食い。遊び食べ。
- 用例
- ワター ミッチル ヲゥラー アシビングェー ッシ、イチマディン カローサ(お腹がいっぱいなのか遊び食いして、いつまでも食べているさ)。
アシビングヮ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシェー アシビングヮヌ マンドータンヤー(昔は婚外子が多かったね)。
- メモ
- 音2:カキヌミーングヮ・カチヌミーングヮ・カチミングヮ・ヘージュリングヮ・モーアシビーングヮー・モーキングヮ・ヤグサミングヮ・ヤマングヮ。類:カチンミー・ガンマリヌクファイ・ヤマダニー。
アシブ
汗疹〔あせも〕。
- 用例
- アチサヌ フシガラン、ワランチャーン アシブ フチタックヮチョーン(暑くてたまらない、子どもたちも汗疹だらけだ)。
- メモ
- 子どもに汗疹が出ると、ヨモギやニガウリの葉を湯に入れ浴びせた。
アシブミイシ
足踏み石。ノロが馬に乗る時の踏み石。
- 用例
- アシブミイシヤ、ナマン ヌクティル ヲゥサニ(足踏石は、今も残っているでしょう)。
- メモ
- 音2:ゥンマヌイイシ。
楚辺では、飾りつけをした神馬がノロ殿内から祭りを行う広場まで来て、足踏石に横付けし、ノロがその石を踏み台にして馬に乗った。
アシブン
遊ぶ。
- 用例
- ウヤヌ ティガネーン ウワトーグトゥ、ナマカラ ドゥシンチャートゥ アシブン(親の手伝いも終わったから、今から友達と遊ぶ)。
否:アシバン(遊ばない)希:アシビーブサン(遊びたい)過:アシダン(遊んだ)継:アシドーン(遊んでいる)。
アシベー
遊び。遊ぶこと。
- 用例
- ワランチャーガ、ナーヲゥティ マーイ アシベー ソーン(子どもたちが、庭で毬遊びをしている)。
アジマー
①十字路。四つ角。②桶の上に石臼をのせるための十字に組んだ台木。
- 用例
- ①アマヌ アジマー、ニジリンカイ マガレー(あそこの十字路を、右に曲がりなさい)。
- メモ
- ②豆腐や餅などを作るのに用いた。
アジマームスビ
十字結び。
- 用例
- リッパ アジマームスビ シーヨー(ちゃんと十字に結んでね)。
アシミジ
汗水。
- 用例
- ニンジノー アシミジ タラチ シクチン シワル、モーキラリルヨー(人間は汗水垂らして働いてこそ、儲けることができるんだよ)。
アジムークー ウンチケーサビラ
予祝の言葉。按司の婿をお迎えしましょう。
- メモ
- 大晦日に箒を使う時に「アジムークー ウンチケーサビラ」と言いながらゴミを外へ掃き出した。
アジャ
ほくろ。
- 用例
- ハナヌ ウヮービヌ アジャグヮーヌ ウジラーサヨー(鼻の上のほくろの可愛いこと)。
アジヤー
あまのじゃく。反対ばかりする者。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ウヤヌ イーシン チカン アジヤー ヤテーンテー(その子どもは、親の言うことも聞かないであまのじゃくだったんでしょうね)。
- メモ
- 音2:アジヒャー。
アシャギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所、建物。
- メモ
- →アサギ。
アジャナ
あだな。
- 用例
- アリガ アジャナヤ ヌーンリ イータガ(彼のあだ名は何と言ったか)。
アジャマークジャマー
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- チュラーサ アジャマークジャマー ッシ トゥラチェーサヤー(見事にめちゃくちゃにしてくれたな)。
- メモ
- →アーサムーサ。
アジラーサン
味があって美味しい。
- 用例
- ウヌ シルヌ アジラーサシヨ、アンシ マーサルヤー(その汁の味があることよ、とても美味しいね)。
アシレーイン
あしらう。軽んじた扱いをすること。
- 用例
- ワラビトゥ ユヌムン アシレーイン(子どもと同じようにあしらう)。
否:アシレーラン(あしらわない)過:アシレータン(あしらった)継:アシレートーン(ああしらっている)。
アジン
竪杵〔たてぎね〕。搗〔つ〕き臼に穀物を入れて搗くのに使う木製の道具。
- 用例
- ウーシェー アティン アジンヌ ネーンレー チャーン ナランサ(臼はあっても杵がなければどうしようもないさ)。
- メモ
- 音:アージン。
結婚式の婿いじめのひとつで、ドードーゥンマの模擬馬として使われた。
アシゥンマ
{あしうま(足馬)}。竹馬。
- メモ
- 類:キービサー・ババーヌエー。
アシゥンマ
墓の中で棺をのせるための台。
- メモ
- 棺をのせた台の足から、蟻や虫などが上がってこないように、水を入れたミジクブサー(手水鉢)などを置いた。
アダ
徒〔あだ〕。無駄。
- 用例
- チュ タシキテー アダー ナラン(人を助けて無駄になることはない)。
- メモ
- 「情けは人の為ならず」の意味。
アタイ
くらい。ほど。
- 用例
- ウヌ アタイヌ クトー ナイサ(そのくらいのことはできるよ)。
- メモ
- 「モーイ親方」『比謝矼の民話』より。
アタイ
屋敷内の菜園。
- 用例
- アタインカイ ビラ イーテーン(菜園に葱を植えてある)。
メーヌ アタイカラ、ヤシェー ヒチヌジ クーワ(前の菜園から、野菜を引き抜いて来なさい)。
- メモ
- 音1:アッタイ。
家の後ろや左右などにあり、葉野菜やネギ類などを植えた。
アタイ(~アタイ)
~係。~担当。
- 用例
- アマヌ ファーフジヤ、コーサクアタイ ヤミシェータンディドー(向こうのおじいさんは、農事係であられたそうだよ)。
ムラアシビネー、ワンヤ ランプアタイ イーチキラッタン(村芝居の時、私は照明係を言いつけられた)。
アタイガフー
思いがけない果報。幸運。
- 用例
- チュヌ フーヤ ターガン ワカラン、ウレー アタイガフール ヤル(人の幸運は誰にも分からない、それは時の運だよ)
クンドゥヌ シケノー アタイガフー チキティ クィミソーリ(今度の試験は合格しますように)。
アタイダカ
配分。
- 用例
- アタイダカヌ ブンッシ シムサニ(与えられた分でいいでしょう)。
アタイバル
集落内にある字有地の畑。
- 用例
- アタイバルンデー カジーガ イカナ(畑でも耕しに行こう)。
アタイメー
当たり前。当然。
- 用例
- ウレー アタイメーヌ クトゥル ヤルヨー(それは当前のことだよ)。
アタイメーヌウケーメー
{あたりまえのおかゆ(当たり前のお粥)}当たり前をより強調した言葉。当然。
- 用例
- ウレー カンゲーランティン ワカイル スル、アタイメーヌウケーメー ヤサ(それは考えなくても分かるでしょう、当前のことだよ)。
アタイン
当たる。配分される。
- 用例
- クンドー シバイヌ ウフヤク アタインドー(今年は芝居の大役に当たるよ)。
否:アタラン(当たらない)希:アタイブサン(当たりたい)過:アタタン(当たった)継:アタトーン(当たっている)。
- メモ
- 対:ハンリーン(外れる)。
アタイン
食あたりする。
- 用例
- タク カディ、アタトーン(タコを食べて、食あたりしている)。
アタイン
合う。うまくいく。
- 用例
- サンミンヌ アタイン(計算が合う)。否:アタラン(合わない)継:アタトーン(合っている)。
アタカー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
アタガイン
身に降りかかる。体験する。
- 用例
- ドゥーヌ ミーンカイ アタガイン(自分の身に降りかかる)。アタガリワル チュヌ ナンジクンジン ワカイル(我が身にふりかけてこそ、人の難儀や苦労を知るのだよ)・木。
否:アタガラン(降りかからない)過:アタガタン(降りかかった)継:アタガトーン(降りかかっている)。
アタトー
ノロ。
- メモ
- 類:アタトーメー・ヌール。
アートートゥ(ああ尊し)という語が変化したものと思われ、ノロのことをアタトー或いは美称辞をつけてアタトーメーといった。これは瀬名波ノロのカキジマ(管掌地)である瀬名波・高志保・宇座・儀間・渡慶次・長浜で聞く呼称で、他の字ではあまり聞かない。
アタトーウガミ
旧6月15日にノロが巡回するウマチーのこと。
- メモ
- 儀間ではノロが祈願巡回するウマチーをアタトーウガミ、あるいはアタトーといった。
鉦鼓の鳴る中、白衣装の瀬名波ノロが来るのを宗家の戸主と字三役が迎えた。
アタトーメー
ノロ。
- 用例
- アタトーメーガ メーンドー(ノロがおいでになるよ)。
- メモ
- 類:アタトー・ヌール。
字長浜では12、3歳の子どもが20銭ぐらいの手間賃を貰って、太鼓と鉦をポン クヮーン ポン クヮーンと鳴らしながらノロが来るのを知らせたという。
メー(前)は美称辞。
アタトーヤー
ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- メモ
- →アサギ。
アダナシ
アダンの気根。またその繊維で作った縄。
- 用例
- アダナシッシ チューク クンレーワ(アダンの縄できつく縛ってよ)。
- メモ
- 音:アラナシ。
字都屋では荒天時や夜にアダンの繊維を裂いて漁に使う縄を綯った。
アダニ
アダン。アダンの実。
- メモ
- 音2:アダン・アダンナイ・アラン。
お盆にアダンの実を供えた。
アダニガーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アダニガーサバヤ クミヤッサン(阿旦葉草履は履きやすい)。
- メモ
- 音1:アラニガーサバ。音2:アダンバーサバ・アランバーサバ。
アダニバー
アダンの葉。
- メモ
- 音2:アダンバー・アランバー。
アダニバギー
アダンの木。
アダニウヮーセー
アダンの実をぶつけ合って割る遊び。
- メモ
- ウークイ(精霊〔しょうろう〕送り)のお下がりのアダンで遊んだ。
アタビー
両生類。カエルの総称。
- 用例
- アタビー スグイガ イカナ(カエルヲ取りに行こう)。
- メモ
- →アータ。
アタビーディール
捕らえたカエルを入れる籠。
- メモ
- 高さが60センチぐらいの徳利のような形の籠で、獲物が逃げ出せないようになっていた。
アタビートゥヤー
カエルを捕って売る商売人。
- メモ
- 伊良皆では3つの溜池で鯉を養殖していた。その鯉を仕入れに那覇のドーグヮーヤシチ(堂小屋敷)の人たちが来た。そのなかにはアタビートゥヤーもいた。
アタビーングヮ
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アタビカー
両生類。カエルの総称。
- 用例
- アタビカー トゥンガ イカナ(カエルを取りに行こうよ)。
- メモ
- 音1:アタビコー。→アータ。
アタビコー
両生類。カエルの総称。
- メモ
- 音1:アタビカー。→アータ。
アタビチ
両生類。①カエルの総称。②カエルの意だが、相手を軽蔑した時にも使われる。
- 用例
- ②チュヌ イーシン チカン、ヤナ アタビチヤ!(人の言うことも聞かない、いやな奴め!)。
- メモ
- ①→アータ。②音2:アタビチャー。
アタビチャー
両生類。①カエルの総称。②カエルの意だが、相手を軽蔑した時にも使われる。
- 用例
- ①アタビチャー トゥティ ガッコーンカイ ムッチ イチュン(カエルを取って学校に持って行く)。
②ヤナヒャー アタビチャーヤ(いやな奴め)。
- メモ
- ①→アータ。②→アタビチ。
アタビチャーグチ
{かえるのくち(蛙の口)}。洋服の袖口についたフリル。
- メモ
- 女性の外出用肌着の袖口のフリルが、カエルの口に似ていることからアタビチャーグチといった。
アタマニ
頭から。根っから。生来。
- 用例
- アレー、アタマニ フユーナムンル ヤンデー(彼奴は、根っからの怠け者だよ)。
アタラ
可惜(あたら)。大切な。惜しくも。
- 用例
- アタラ ワカサヌ ヌチ ウシナティ!(あたら若い命を失って!)。
- メモ
- 音2:アッタル。
アタラサン
可惜(あたら)しい。惜しい。大切である。
- 用例
- ドゥークル モーキテーヌ ジンシ コーテーシヤ、イッペー アタラサン(自分で稼いだお金で買ったのは、とても大切だ)。
ヌチ アタラサ サーイ(命を大切にして)。
アタラシ ナシグヮ(大切な我が子)。
- メモ
- 音1:アタラハン。
アタラハン
可惜(あたら)しい。惜しい。大切。
- 用例
- ウレー ウヤヌ ユジリヤグトゥ、イッペー アタラハン(それは親の譲りだから、とても大切だ)。
- メモ
- 音1:アタラサン。
アダン
アダン。アダンの実。
- 用例
- シチグヮチネー、ブチダヌンカイ アダヌン ウサギータンドー(お盆には、仏壇にアダンも供えたよ)。
- メモ
- →アダニ。
アタンガー
屋敷内にある溜池。
- 用例
- ハルカラ ケーティ キーネー、アタンガーンジ ティー ヒサン シミヤーナカイ、ソーソー ウチンカイ イレーワ(畑から帰って来たら、溜池で手足を洗って早く家に入りなさい)。
- メモ
- 音1:アタンジャー。音2:アナガー。
楚辺の事例では、門を入った左側にあり、大きいのは9尺(270㎝)×1間(182㎝)で3畳程もあった。深い所は4.5尺(135㎝)もあり、降り口は階段状になっていた。
アタンジャー
①屋敷内にある溜池。②雨降りの時にできる水たまり。
- メモ
- ②大湾・古堅では溜池はクムイといい、アタンジャーは水たまりのことを指す。
→音1:アタンガー。
アダンナイ
アダンの実。
- メモ
- →アダニ。
アダンバー
アダンの葉。
- 用例
- アダンバーッシ ヰーリムン チュクイン(アダンの葉で玩具を作る)。
- メモ
- 音1:アランバー。→アダニバー。
アダンバーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- ナチ ナイネー アダンバーサバガル シラサル(夏はアダン葉草履が涼しいんだよ)。
- メモ
- 音1:アランバーサバ。→アダニガーサバ。
アダンバーボーシ
アダン葉帽子。アダンの葉で作った帽子。
- 用例
- アダンバーボーシェー アンシ チュサラル(アダン葉帽子はとてもきれいだね)。
- メモ
- 音1:アランバーボーシ。
アダンバームスル
アダン葉筵。アダンの葉を細く裂いて、乾燥させて編んだ筵。
- 用例
- ナマン アダンバームスル チカイシン ヲゥガヤー(今もアダン葉筵を使う人がいるかね)。
- メモ
- 音1:アランバームスル。
アチアチートゥ
厚々と。厚めに。
- 用例
- シシェー アチアチートゥ チッチ ゥンジャシェー(肉は厚めに切って出しなさい)。
- メモ
- 対:ヒシビシートゥ(薄めに)。
アチカイグリサン
扱いにくい。使いにくい。
- 用例
- アヌ タイヤ イーシン、チカン、イッペー アチカイグリサン(あの2人は言うことも聞かない、とても扱いにくい)。
- メモ
- 音1:アチケーグルサン。
アチカイン
扱う。物事をとりさばく。
- 用例
- アマヌ ヌーシェー、 ンジャックヮ、ウシ ゥンマヌグトゥ アチカイン(あそこの主人は、下男を、牛馬のように扱き使う)。
否:アチカーン(扱わない)希:アチカイブサン(扱いたい)過:アチカタン(扱った)継:アチカトーン(扱っている)。
アチカジ
熱風。熱い風。
- 用例
- トー アキティン、アチカジヌル イッチ チュール(戸を開けても、熱い風しか入って来ない)。
- メモ
- 対:ヒジュルカジ・ヒグルカジ(冷風)
アチキ
湯気。蒸気。
- 用例
- イーサク アチキン タッチョーンドー(ほどよく湯気が立ちこめているよ)。
アチグー
熱々なもの。
- 用例
- トートーメーンカイヤ、ナンドゥチ ヤティン アチグーママ ウサギーンドー(仏壇には、いつでも熱々を供えるんだよ)。
- メモ
- 音2:アチコーコー。
アチクヮンクヮン
とても暑い様。
- 用例
- ハシルン ミチークジティ、アチクヮンクヮン ッシ(戸も閉め切って、こんなに暑くして)。
- メモ
- 音2:アチプープー・アチヤーフーヤー。対:ヒーサガタガタ(とても寒い様)。
アチケー
扱い。
- 用例
- ワリムンヌ アチケーヤ、キー チキリヨー(割れ物の扱いは、気をつけなさいよ)。
アチケーグルサン
扱いにくい。使いにくい。
- 用例
- クヌ ドーグヤ、アチケーグルサン(この道具は使いにくい)。
- メモ
- 音1:アチカイグリサン。
アチケーヨー
扱い用。扱い方。
- 用例
- アチケーヨー バッペーイネー ジャーフェードー(扱い方を間違えたら厄介だよ)。
アチコーコー
熱々。
- 用例
- ヘークナー アチコーコー イッティ、カムンレー サン(早く熱々のうちに入れて、食べようとしない)。
- メモ
- →アチグー。
アチサカマラサー
暑がり。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アチサカマラサー ヤル(お前はなんて暑がりなんだ)。
- メモ
- 音2:アチサミー。対:ヒーサミー(寒がり)。
アチサクリサ
{あちさくるしさ(暑さ苦しさ)}。とても暑い様。
- 用例
- アチサクリサン、ナー イットゥチグヮー ヤサ(とても暑いのも、もういっときだよ)。
- メモ
- 対:ヒーサ クリサ(寒さ 苦しさ)
アチサミー
暑がり。
- 用例
- イャー アンチュカナー アチサミー ヤル(君はこんなにも暑がりだね)。
- メモ
- →アチサカマラサー。
アチサミーヌ ヒーサミー
暑がりで寒がり。
- 用例
- アチサミーヌ ヒーサミー ヤレー、チャーン ナランサ(暑がりで寒がりだったら、どうにもならんよ)。
アチサン
厚い。分厚い。
- 用例
- ウヌ スムチヤ、デージ アチサン(その本は、とても分厚い)。
- メモ
- 音1:アチハン。対:ヒッサン(薄い)。
アチサン
①暑い。②熱い。
- 用例
- ①クンドゥヤ クジュヤカ アチサンヤー(今年は昨年より暑いね)。②ウヌ チャーヤ、ジコー アチサンドー(そのお茶は、とても熱いよ)。
- メモ
- 音1:アチハン。対:ヒーサン・ヒーハン(寒い)。
アチナービナクー
鋳〔い〕掛け屋。鞴〔ふいご〕を使って穴が開いた鍋などを修繕すること。
- 用例
- アチナービナクー サレー、ミーナービヌ グトゥ ナトーサ(鋳掛け屋を頼んだら、新品の鍋のようになったさ)。
- メモ
- →ナービナクー。
アチネー
商い。商売。
- 用例
- アヌ チョー アチネーッシ モーキトーン(あの人は商売で儲けている)。
- メモ
- 音1:アキネー。
アチネーサー
商いをする人。商売人。
- メモ
- 類:アチネーシンカ・アチョールー。
婦人は頭上に荷を載せ、男性は天秤棒で荷を担いで、各集落に入って商売をしていた。
アチネーシンカ
商いをする人たち。商売人たち。
- 用例
- マチカイ イチーネー、ウッサヌ アチネーシンカガ ヲゥルヤー(町に行くと、たくさんの商売人がいるやー)。
- メモ
- →アチネーサー。
アチネームン
{あきないもの(商い物)}。商品。
- メモ
- 読谷山からは芋や大根などの産物を町方へ売りに行き、帰りには田舎では入手しにくい品物を仕入れるのが主だった。その品物には鰹節や素麺、昆布などの乾物、小間物があった。
アチハティーン
呆れ果てる。ひどく嫌になること。
- 用例
- イッター シーヨー ンジーネー、ター ヤティン アチハティーサ(君たちのやり方を見たら、誰でも呆れ果てる)。
過:アチハティタン(呆れ果てる)継:アチハティトーン(呆れ果てている)。
- メモ
- 類:ニリクサリーン・ユンチリーン。
アチハティジューグヮチ
{あきはてじゅうがつ(飽き果て十月)}。特に節供のない10月。
- 用例
- アチハティジューグヮチヤ、クヮッチーン カマランタン(アチハティジューグヮチは、御馳走も食べられなかった)。
- メモ
- →音1:アキハティジューグヮチ。
アチハン
厚い。分厚い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ アチハンヤー(お前のは私の物より分厚いね)。
- メモ
- →音1:アチサン。
アチハン
①暑い。②熱い。
- 用例
- チューヤ カジ ティーチン ネーン、 カワティ アチハンヤー(今日は風ひとつなく、いつになく暑いね)。
- メモ
- →音1:アチサン。
アチビー
柔らかいご飯。お粥とご飯との中間ぐらいの柔らかさ。
- メモ
- 音2:アチビーメー。
、子どもや病人などに食べさせた。
アチビー
熱しやすいこと。熱くなりやすい性格。
- 用例
- アレー アチビー ヤグトゥ、ヌーン イラランドー(彼は熱しやすいから、何も言えないよ)。
アチビーメー
柔らかいご飯。お粥とご飯との中間ぐらいの柔らかさ。
- 用例
- アチビーメー ニチェービーグトゥ、ウサガミソーレー(柔らかめのご飯をたいてありますから、召し上がってください)。
- メモ
- →アチビー。
アチビーヤン
(患部)が熱を持って痛むこと。ずきずき痛むこと。
- 用例
- キジヌ アチビーヤン ッシ、フシガラン(傷が熱をもって痛くて、たまらない)。
アチビタターヤン
(患部)が熱を持って痛むこと。ずきずき痛むこと。
- 用例
- アチビタターヤン ッシ、デージ ナトーサ(熱っぽい痛みで、大変だ)。
アチプープー
とても暑い様。
- 用例
- ウッサヌ チュガ イッチョーグトゥ、アチプープーシ フシガラン(多くの人が入っているから、とても暑くてたまらない)。
- メモ
- →アチクヮンクヮン。
アチマイ
集まり。集会。
- 用例
- チューヤ ヌーヌ アチマイ ヤタガ(今日は何の集まりだったの)。
- メモ
- 類:スリー。
アチマイン
集まる。
- 用例
- ナー チュケーノー アチマインテー(もう1回は集まろうよ)。
否:アチマラン(集まらない)希:アチマイブサン(集まりたい)過:アチマタン(集まった)継:アチマトーン(集まっている)。
- メモ
- 類:スリーン。
アチミーン
集める。
- 用例
- フルガニ アチミーン(古鉄〔ふるてつ〕を集める)。
アチミックヮー
あき盲。目はあいているが見えない人。探し物が苦手な人にもいう。
- メモ
- 音1:アキミックヮー。
アチムン
熱いもの。
- 用例
- ワラビンカイ アチムンヤ サーラサンケー(子どもに熱い物は触らすな)。
- メモ
- 対:ヒジュルムン(冷たい物)
アチャ
明日。
- 用例
- アチャヌ ユロー ムル アチマティ アシバナ(明日の夜は皆集まって遊ぼう)。
- メモ
- 音1:アチャー。
アチャー
明日。
- 用例
- アチャーヤ アミ フインディンドー(明日は雨が降るってよ)。
- メモ
- 音1:アチャ。
アチヤーフーヤー
とても暑い様。
- 用例
- アチサレー カジンカイ アタランレーネーン、アチヤーフーヤー ッシ(暑いなら風に当たればいいのに、こんなに暑そうにして)。
- メモ
- →アチクヮンクヮン。
アチャヌヒー
明日の日。明日という日。
- 用例
- ニービチェー、アチャヌヒー ナトーンドー(結婚式は、もう明日になっているよ)。
- メモ
- 明日をより強調している。
アチユー
熱い湯。熱湯。
- 用例
- アチユー イッティ クーワ(熱い湯を入れて来なさい)。
アチュン
開く。
- 用例
- マチヤー ヒルマカラ アチュン(店は昼から開く)。
否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)過:アキタン(開けた)継:アチョーン(開いている)。
- メモ
- 対:シマイン(閉まる)。
アチョールー
商いをする人。商売人。
- 用例
- イユ アチョールー(魚の行商人)。
- メモ
- →アチネーサー。
アチラシケーサー
同じことを何度もくり返すこと。何度も温めなおした食べ物のこと。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン アチラシケーサー サンケー(同じことばかり何度も蒸し返すな)。
ユヌムンビカーン アチラシケーサー カマサッティ、ニリトーッサー(同じものばかり何度も温め直して食べさせられて、飽きたなあ)。
- メモ
- 音2:タギラシケーサー・タジラシケーサー。
アチラスン
温める。
- 用例
- ヒジュリトーグトゥ、ナー チュケーン アチラスン(冷めているから、もう1回温める)。
否:アチラサン(温めない)希:アチラシーブサン(温めたい)過:アチラチャン(温めた)継:アチラチョーン(温めている)。
- メモ
- 対:サマスン(冷ます)。
アチラン
一向に。ちっとも。
- 用例
- マッチョーシガ、アチラン チュールグトー ネーン(待っているが、ちっとも来る様子がない)。
- メモ
- 類:イッチン・ティーチン。
アチリーン
熱くなる。
- 用例
- ティーラカイ アティーネー アチリーンドー(太陽に当てると熱くなるよ)。イユヌ シルヌ アチリトーン(魚の汁が熱くなっている)。否:アチリラン(熱くならない)継:アチリトーン(熱くなっている)。
アチレーイン
あつらえる。
- 用例
- ソーグヮチヂン アチレーイン(正月用の着物をあつらえる)。
否:アチレーラン(あつらえない)希:アチレーイブサン(あつらえたい)過:アチレータン(あつらえた)継:アチレート―ン(あつらえている)。
アッカアッカ
歩きだそうとする様。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ナマニン アッカアッカ ソーンデー(その子は、今にも歩き出そうとしているよ)。
アッカサーウヮー
種豚。種付け用の豚。
- メモ
- 音2:アッチャーウヮー。
主がムチを持って豚を歩かせて、依頼された所の豚に種付けに行ったことからアッカサーウヮーといわれた。
アッカスン
①歩かせる。②走らせる。
- 用例
- ①トゥーサカラ ワラバー アッカスン(遠いところから子どもを歩かせる)。否:アッカサン(歩かせない)希:アッカシーブサン(歩きたい)過:アッカチャン(歩かせた)継:アッカチョーン(歩かせている)。②クルマ アッカスン(車を走らせる)。否:アッカサン(走らせない)希:アッカシーブサン(走らせたい)過:アッカチャン(走らせた)継:アッカチョーン(走らせている)。
アッカランアッキ
歩きにくそうに歩くこと。無理に歩くこと。
- 用例
- ヒサ ヤマチ、アッカランアッキ ソーン(足を痛めて、歩きにくそうにしている)。
- メモ
- 音1:アッカランアッチ。
アッカランアッチ
歩きにくそうに歩くこと。無理に歩くこと。
- 用例
- イクサネー、ヤマヌミーカラ ユールナー アッカランアッチ シル、ヤンバルンカイ ゥンジャル(戦争の時は、山の中を夜中歩いて、山原へ行ったのだよ)。
- メモ
- 音1:アッカランアッキ。
アッキ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキ、アレー ニンジノー アラン(ああもう、あれは人間ではない)。
- メモ
- 類:アッキヨー。
アッキサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッキトー
ええっ。ああ、もう。
アッキヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨー!コーイシ ワシティネーン(あーぁ!買うのを忘れてしまった)。
- メモ
- 音:アッキヨ。
何かしそこねた時に発する。
アッキヨーナーナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨーナーナー、デージ(あらあらもう大変)。
アッキョッキョ
ええっ。ああもう。
- 用例
- アキョッキョー、アン ヤタン(ああ、もう、そうだった)。
- メモ
- 音:アッキョッキョー。
アッギヨナー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アック
叱責。いじめ。
- 用例
- ルク アック サッティ、ナラン(あまりにもいじめられて、うしようもない)。
アックカタ
{あるくかた(歩く方)}。行く先々。
- 用例
- アックカタ、ムル ジンル チカイル(行く先々、どこに行っても金を使うばかりだ)。
- メモ
- 類:イクサチザチ。
アックン
歩く。
- 用例
- ヤーカラ ガッコー マディ アックン(家から学校まで歩く)。
- メモ
- 音1:アッチュン。
アッケーヒッケー
あちこち行き来して忙しい様。
- 用例
- アッケーヒッケー、ヌー ッシ アッチョーガ(あちこち駆け回って、何をして歩いているのか)。
アッコッコー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコッコー!イチデージ ヤサ(えぇっかわいそうに!一大事だ)。
- メモ
- 類:アッコナー。
アッコナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコナー!アンル ヤティー(えぇっかわいそうに!そうだったの?)。
- メモ
- 類:アッコッコー。
アッコンテーグヮー
ままごと遊び。
- メモ
- アハコー(サザエ)を碗に見立てて遊んだのでそういった。
アッサ
あれだけ。
- 用例
- アッサル トゥティチェール(あれだけしか取ってきてないよ)。
- メモ
- 音1:アッピ。音2:アヒ。
アッサイヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサイヨー チビラーサヌ(ああもう、素晴らしい)。
- メモ
- 類:アッサミヨー・アッサヨー。
アッサキー
あんなにたくさん。
- 用例
- アッサキー トゥティッチッ(あんなにたくさん取ってきて)。
- メモ
- 音2:ウサキー・ウッサキー。対:アッサグヮー・アッピグヮー・アヒグヮー。・アンチェングヮー・アフィグヮー(少々)。
アッサキーナー
あんなにたくさんの。135
- 用例
- アッサキーナー、チャーシ カタジキーヌ チムエーガ(あんなにたくさんの、どうやって片付けるつもりなの)。
- メモ
- 対:アッサグヮー・アッピグヮー・アフィグヮー・アヒグヮー・アンチェングヮー(たったあれだけ。)。
アッサグヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- アッサグヮーシェー、ヌーン ナランサ(たったあれだけじゃあ、何にもならないよ)。
- メモ
- 音1:アッピグヮー・アヒグヮー・アフィグヮー。音2:アンチェングヮー・アフィグヮー。対:アッサキー・アッサキーナー(あんなにたくさん)。
アッサビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- アッサミヨーともいう。
アッサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサミヨー!アン ソール クトゥン アル(大変だ!あのようなこともあるね)。
- メモ
- 類:アッサイヨー・アッサヨー。
アッサヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサヨー!アン ソール クトゥ シーゥンジャチ(大変だ!あんなことをしでかして)。
- メモ
- 類:アッサミヨー。
アッサン
浅い。
- 用例
- ゥンマー アマヤカ アッサンドー(ここはあそこより浅いよ)。
- メモ
- 対:フカサン(深い)。
アッサンミー
浅い所。
- 用例
- アッサンミーカラ イージ クーワ(浅い所から泳いで来なさい)。
- メモ
- 対:フカイ・フカサンミー(深い所)。
アッシェ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッシェ ナー、ウヮーバグトゥ シ(ああもう、余計なことをして)。
アッシャビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッシャヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッタ
- 用例
- トゥマティル ヲゥタシガ アッタニ トゥリ ハイタン(止まっていたんだが急に飛んで行った)。
アッター
彼等。彼女等。
- 用例
- ゥンマンカイ ヌクトーシェー、アッター ムン ヤサ(そこに残っているのは、彼等の物だよ)。
アッタイ
屋敷内の菜園。
- メモ
- →アタイ。
アッタニ
急に。にわか。突然。
- 用例
- トゥマティル ヲゥタシガ、アッタニ トゥリ ハイタン(止まっていたんだが、急に飛んで行った)。
- メモ
- 音2:アッタングヮー。
アッタバイ
急に出て行くこと。
- 用例
- マーカイガ ゥンジャラー、 アッタバイ ッシ トゥンジティ ハイタン(どこに行ったのか、急に飛び出して行った)。
アッタバジョー
見た瞬間は美人だが大したことはない。
- 用例
- アレー ンジーシンレー、アッタバジョー ナティ(彼女はよく見たら、そんなに美人ではない)。
アッタプットゥカシ
急に発言したり、行動したりすること。
- 用例
- アレー アッタプットゥカシ ムヌイーヨーシ、チャーン ナラン(彼は思いつきで言うから、どうしようもない)。
アッタマーシ
急死。
- 用例
- アンシ ワカサルムンヌ、アッタマーシ ッシヤー(あんなに若いのに、急死してね)。
アッタル
可惜〔あたら〕。大切な。惜しくも。
- 用例
- アッタル カナサル トゥジ(あたらな愛しい妻)。アッタルクヮ(大切な子)。
- メモ
- →アタラ。
アッタングヮー
急。突然。
- 用例
- ナママディ ウマウティ アシドータシガ、アッタングヮーニ ヲゥランナトーン(今までそこで遊んでいたんだが、急にいなくなっている)。
- メモ
- →アッタニ。
アッチカタ
歩き方。
- 用例
- ゥンマハラセーヤ、アッチカタル ンージュタンドー(琉球競馬は、歩き方を見たんだよ)。
アッチカンティー
歩きにくい。
- 用例
- タカアシジャシェー アッチカンティー スンドー(高下駄では歩きにくいよ)。
アッチナレー
歩き慣れ。歩行練習。
- 用例
- ウンナゲー チャーニンジ ソーテーグトゥ、 アッチナレーン サントーナランドー(長いこと寝たきりだったから、歩く練習もしないといけないよ)。
アッチハジミーン
歩き始める。
- 用例
- タンカーンナイルムン、ヤガティ アッチハジミーサ(満1歳になるんだから、やがて歩き始めるさ)。
アッチャー
足が速い人。
- 用例
- アッピーヤ アッチャー ナティ、ハーエースーブーネー チャー イチバン ヤタン(兄は足が速くて、かけっこではいつも一番だった)。
アッチャー(~アッチャー)
~する人。
アッチャーアッチャー
あちこち歩き回る様。
アッチャーグヮー
よく出歩く人。
- 用例
- アレー アッチャーグヮー ナティ、マーマディン アシビーガ ハイン(彼はよく出歩く人なので、どこまでも遊びに行く)。
アッチャーウヮー
種豚。種付け用の豚。
- 用例
- アッチャーウヮーガ チャーギンデー(種付け豚がやってくるよ)。
- メモ
- →アッカサーウヮー。
アッチャメーグヮー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- スージン ハネーチーネー、アッチャメーグヮー スタン(お祝いも華やぐと、テンポの速い雑踊りをした)。
- メモ
- 主に男性が踊ることが多かった。
アッチュン
①歩く。行く。進む。②いつも~する。~して暮らす。③元気である。達者である。
- 用例
- ①トゥーサー アシガ、ドゥーチュイシ アッチ イチュン(遠いけど、ひとりで歩いて行く)。
否:アッカン(歩かない)希:アッチーブサン(歩きたい)過:アッチャン(歩いた)継:アッチョーン(歩いている)。②ヤマガッコー アッチャン(山学校した)。
トーフウヤー ッシ アッチュン(豆腐売りをして生活している)。③チューン ガンジュー アッチョーミ(今日も元気でやっているか)。
- メモ
- 音1:アックン。
アッチヨー
歩きよう。歩く様。
- 用例
- アヌ ワラビヌ アッチヨーヌ ウジラーサヨー(あの子の歩く様子のかわいいこと)。
アットーメー
奥様。士族の奥様の呼称。
- 用例
- スイヌ アットーメー(首里の奥様)。
- メモ
- 下位の者が上位の者に対して使う。
アッパーヤー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッパーヤー、ウレー シワ ヤサ(ええっ、それは心配だ)。
アッパヤー
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパヨイ
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパンガラー
自暴自棄。やけくそ。
- 用例
- ウヤンカイ ヌラーッティ アッパンガラー ナティ、 ヤーカラ ゥンジティ ハイタン(親に叱られ自暴自棄になって、家を出て行った)。
アッピ
あれだけ。
- 用例
- イャーガ ムッチ チャシェー、タダ アッピ ヤサ(お前が持って来たのは、たったあれだけだよ)。
- メモ
- →アッサ。
アッピー
兄。兄さん。
- 用例
- ワッター アッピーヤ フユーナムン ナティ、ムットゥ シクチン サン(私の兄さんは怠け者で、全く仕事をしない)。
- メモ
- 音2:アッピーグヮー。類:アヒー・アフィー。
実の兄以外にも、年上の人に~アッピー(~兄さん)ともいう。
アッピーグヮー
兄。兄さん。次兄以下の兄さんにいう。
- メモ
- →アッピー。
アッピグヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- タダ アッピグヮーシェー、ジョーイ タラーンデー(たったあれだけでは、とうていたりないよ)。
- メモ
- →アッサグヮー。
アッピナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- 用例
- イャー アッピナーヌ ムン ムッチースミ(君はあんな大きな物を持てるか)。
- メモ
- 音1:アヒナー・アフィナー。音2:ウヒナー。
アッビヨイ
あらまあ。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アップアップー
あっぷあっぷと苦しくもがいている様。
- 用例
- ゥンブクティ アップアップー ソータン(溺れてあっぷあっぷしていた)。
アップリ
飴。あめ玉。
- 用例
- アップリンデー カマシーネー、ナチュシン トゥマイサ(飴でも食べさせたら、泣くのもやむさ)。イッセン ッシ、アップリグヮー コーティ クーワ(1銭で、あめ玉を買っておいで)。
アティ
当て。目当て。覚え。
- 用例
- ワッターン アテー アン(私たちも覚えている)。アテー ネーラン(覚えていない)。
ヤーカラ トゥンジタシガ、イクアティン ネーン(家から飛び出したが、行く当てもない)。
- メモ
- 音2:アティムン・ミアティ。
アティーン
当てる。
- 用例
- キーヌ ユダカイ イシ アティーン(木の枝に石を当てる)。
ワームン ノージ、マジェー アティティンリ(私の名前を、まずは当ててごらん)。
否:アティラン(当てない)希:アティーブサン(当てたい)過:アティタン(当てた)継:アティトーン(当てている)。
アティナシ
あどけない。無邪気。
- 用例
- ヌーガ イャーヤ ウマンカイ チュール アティナシ(どうしてお前はここに来たのか)。
アティムン
当て。目当て。目印。
- 用例
- ニヌファブシ アティムンニ ッシ(北極星を目当てにして)。
- メモ
- →アティ。
アトゥ
後。後方。
- 用例
- ワームン アトゥ、ウーティクーワ(私の後ろを、ついて来なさい)。
- メモ
- 音2:アトゥジー・クサー。対:メー(前)。
アドゥ
踵〔かかと〕。
- 用例
- アドゥヌ ユグリトーグトゥ ヒサダカー シ アッチュン(踵が汚れているから、つま先立ちで歩く)。
- メモ
- 音1:アル。
アトゥアトゥ
後々。
- 用例
- ウレー アトゥアトゥヌ タミニ マシェー アラン(それは後々のために良くない)。
アトゥアブシバレー
行事名。{あとあぶしばらい(後畦払い)}。旧4月16日に行なわれる畦払い。
- 用例
- アトゥアブシバレーネー、ビントー ムッチ、ゥンマハラセー ンージーガ イクタン(アブシバレーの2日目には、弁当を持って、琉球競馬を見に行った)。
- メモ
- →アブシバレー。
アトゥウーイ
後を追い。後を追って見届けること。
- 用例
- マジェー アトゥウーイ シ ゥンジンリ(まずは後を追って行ってごらん)。
- メモ
- 音2:アトゥミ。
アトゥカタ
跡形。形跡。
- 用例
- ヌーヌ アトゥカタン ヌクトー ネーン(何の跡形も残っていない)。
アトゥカタヂキ
後片付け。
- 用例
- アトゥカタヂケー リッパ シッカラル、アシブンディチン アル(後片付けはちゃんとしてから、遊ぶんだよ)。
アトゥガマ
後がま。後任。後妻。後夫。
アトゥグングヮチャー
行事名。旧5月に行われた若者同士の交流。
- メモ
- 古堅では旧5月6日をアトゥグングヮチャーといい、青年たちがアシビナーに竈〔かまど〕を作り、持ち寄った豆腐や肉などを調理し、アトゥハチカーグヮーに御馳走になったお返しとして、娘たちを招待しもてなした。
アトゥサー
後継者。跡継ぎ。
- 用例
- ヤーヌ アトゥサーヤ キマトーミ(家の後継者は決まっているか)。
- メモ
- 音2:アトゥミ。
アトゥサチ
後先。前後。
- 用例
- アトゥサチン ワカラン シーヨー ッシ(後先も分からないようなやり方をして)。
アトゥジー
後。後方。
- 用例
- アトゥジーカイ ヲゥル バーヨ(後方にいるわけよ)。
- メモ
- →アトゥ。
アトゥシンカー
後退〔あとずさ〕り。
- 用例
- アトゥシンカー ッシ ヒンギティ ハイタン(後退りして逃げて行った)。
- メモ
- 音1:アトゥシンチャー。
アトゥシンチャー
後退〔あとずさ〕り。
- 用例
- アトゥシンチャー ッシ、メーカイ アッチュンデー サン(後退りして、前に歩こうとはしない)。
- メモ
- 音1:アトゥシンカー。
アトゥチビ
後尻〔あとじり〕。最後尾。
- 用例
- アトゥチビ ウーイン(後尻を追う)。
アトゥトゥジ
後妻。
- メモ
- 音1:アトゥドゥミ。音2:アトゥドゥミアンマー。
アトゥドゥミ
後妻。
- 用例
- トゥジ ウシナティ ナゲー ナイグトゥ、アトゥドゥミ カメーイシェー マシ ヤサ(妻を亡くして長いことなるから、後妻を迎えた方がいいよ)。
ワッター タンメーヤ アトゥドゥミ カメータン(うちのおじいさんは後妻を娶〔めと〕った)。
- メモ
- →音1:アトゥトゥジ。→
アトゥドゥミアンマー
後妻。継母。
- 用例
- ワッター アトゥドゥミアンマーヤ イッペー ハタラチャー ヤン(うちの後妻はとても働き者だ)。
- メモ
- →アトゥトゥジ。
アトゥナイサチナイ
相前後する様。
- 用例
- アトゥナイサチナイ ッシ ハイタン(相前後して出て行った)。
アトゥナイナイ
だんだん後退〔あとずさ〕りする様。
- 用例
- アトゥナイナイ ッシ ヒンギティ ハイタン(だんだん後退〔あとずさ〕りして逃げて行った)。
- メモ
- 対:メーナイナイ(前に出て行くこと)。
アトゥナイメーナイ
前後する様。
- 用例
- アトゥナイメーナイ ッシ、ヌー ソーガ(後になったり前になったりして、何をしているか)。
アトゥヌ ゥンジミ
しまいには。結局。あげくの果て。
- 用例
- アトゥヌ ゥンジミネー(しまいには)。
- メモ
- 音1:アトゥヌ ゥンズミ。
アトゥヌ ゥンズミ
しまいには。あげくの果て。結局。
- 用例
- アトゥヌ ゥンズミネー ヒンギティ ヲゥラン ナトータン(あげくの果てに、逃げていなくなっていた)。
- メモ
- 音1:アトゥヌ ゥンジミ。
アトゥハチカーグヮー
行事名。旧1月に行なわれた若者の交流。
- メモ
- 古堅では旧1月20日をアトゥハチカーグヮーといい、娘たちが御重を作って、男友達に御馳走した。
アトゥバレー
後払い。
- 用例
- ジノー アトゥバレーシ シマビーミ(お金は後払いでいいですか)。
- メモ
- 対:メーバレー(前払い)
アトゥビサ
後ろ足。
- 用例
- ゥンマヌ アトゥビサシ キラッタン(馬の後ろ足で蹴られた)。
- メモ
- 対:メービサ(前足)
アトゥマサイガフー
後の方が優っていること。残りものに福。
- 用例
- アトゥマサイガフーディチ アグトゥ、ヌクヤー ヤティン ムッチ イケー(残りものに福があるというから、残りものでも持って行きなさい)。
アトゥミ
後を追って見届けること。
- 用例
- チャール ソーラー、アトゥミ ッシ ンチ クーワ(どうしているのか、後を追って見て来なさい)。
- メモ
- →アトゥウーイ。
アトゥミ
跡目。後継者。跡継ぎ。
- 用例
- ナームン アトゥミヤ キマトーミシェーミ?(貴方の跡継ぎは決まっていますか?)。
- メモ
- →アトゥサー。
アトゥムドゥイ
後戻り。
- 用例
- アトゥムドゥイ ッシ ケーティ ハイタン(後戻りして帰って行った)。
アトゥン サチン
後にも先にも。
- 用例
- アトゥン サチン、サントー ナランヌール ヤル ムンヌ(後にも先にも、やらなくちゃいけないものなのに)。
アトゥンジンケー
後ろ向き。
- 用例
- タンメーヤ アトゥンジンケー ッシ(おじいさんは後ろ向きになって)。
- メモ
- 音2:クサーンケー。対:メーンケー(前向き)。
アトゥゥンジー
徒競走のスタートで出遅れること。
- 用例
- アトゥゥンジー ッシ ネーン、オーピリ ナタン(出遅れてしまって、ビリになった)。
- メモ
- 対:サチゥンジー(フライング)。
アナー
昆虫名。蟻。
- 用例
- サーターンカイ アナーガ シガトーン(砂糖に蟻がたかっている)。
- メモ
- →アイコー。
アナガー
屋敷内にある溜池。
- 用例
- トゥティチェール ヤシェーヤ、アナガーヲゥティ アラレー(取ってきた野菜は、溜め池で洗いなさい)。
- メモ
- 屋敷内の西南に設けられた、2間×1間半ほどの溜池。手足や農具、野菜などを洗った。→アタンガー。
アナガチサン
懐かしい。
- 用例
- タンメー ゥンーメーヌ シャシン ンーチャレー、アナガチサヌ ウビゥンジャチャン(祖父母の写真を見ていたら、懐かしく思いだした)。
アナギ
あの長さ。あのぐらいの長さ。
- 用例
- ユヌ ナガサ ナイヌ グトゥ、アナギンカイ チレー(同じ長さになるように、あの長さに切りなさい)。
アナギナー
あれほどの長さ。
- 用例
- アナギナーヌ ムンシェー、ナガサヂューサヌ チカーラン(あんなに長い物では、長すぎて使えない)。
アナグイン
物事をほじくり返す。詮索する。
- 用例
- ンカシヌ ヤナクトゥビケーン、アナグイン(昔の悪いことだけを、ほじくり返す)。ジコー アナグイタン(しつこく詮索された)・座。
否:アナグラン(詮索しない)希:アナグイブサン(詮索したい)過:アナグタン(詮索した)継:アナグトーン(詮索したい)。
アナグー
魚介名。シャコ貝。
- メモ
- 類:アファクー・アファケー。
アナクジ
潮干狩り。
- 用例
- ハーマンジ アナクジ ッシ、ンナグヮー トゥッタン(浜で潮干狩りをして、貝を取った)。
- メモ
- 干潮時などに、岩礁をほじくり潮干狩りをした。
アナヤー
掘っ建て小屋。穴を掘り、石柱や木柱を使って建てた粗雑な小屋のこと。
- 用例
- アミヌ フイネー、アナヤーンカイ カックィタン(雨が降ったら、掘っ立て小屋に隠れた)。
- メモ
- 農業や林業を営む人たちは、近くにアナヤーを造って休憩場にしていた。
アニ
あるか。
- 用例
- アマンカイ アニ(あそこにあるねぇ)。
- メモ
- 音1:アミ。
アニク
漁具名。竹で編んだ網代籠〔あじろかご〕。
- 用例
- アニクンカイ カカレーカラー、イヨー ヒンギラランサ(網代にかかったら、魚は逃げられないよ)。
- メモ
- →アイクバーキ。
アヌ
あの。
- 用例
- ワッターヤーヤ アヌ ヤー ヤサ(私の家はあの家だよ)。
アヌー
あのね。あのう。
- 用例
- アヌー、ナマカラ イチュル トゥクローヨー(あのう、今から行くところはね)。
アヌーカヌー
しどろもどろで何を言っているか分からない様。
- 用例
- アヌーカヌー ッシ、ヌール イチョーラー ワカラン(しどろもどろで、何を言っているのか分からない)。
アヌグトゥ
あのように。あんなに。
- 用例
- アヌグトゥ シル シクチヤ スンドー(あのようにして仕事はするんだよ)。
- メモ
- 音1:アングトゥ。
アヌクル
あの頃。
- 用例
- アヌクルヌ クチサヤ、ヌーディン イララン(あの頃の苦しかったことは、何とも言えない)。
アヌッチュ
あの人。
- 用例
- アヌッチュヌ イーヌトゥーイ ヤサ(あの人の言う通りさ)。
アヌトゥチ
あの時。
- 用例
- アヌトゥチヌ シンカンチャーヤ、ナマン ガンヂュー ソーガヤー(あの時の仲間は、今も元気にしているかな)。
アヌヒャー
彼奴〔あいつ〕。
- 用例
- アヌヒャーヤ、 チューヤ ヌガーラチェー ナラン(彼奴は、今日は許してはならない)。
アヌヒン
あの辺。
- 用例
- アヌヒンマディ イチーネー、ミールスラー ワカランサ(あの辺まで行ったら、見えるかもしれないよ)。
アヌフージー
あのようなもの。
- 用例
- ワンガ キサ イチャシェー、アヌフージー ヤサ(私がさっき言ったのは、あのようなもんだよ)。
- メモ
- 類:アングトールー。
アヌママ
あのまま。
- 用例
- アヌママ、ンカシトゥ ティーチン カワラン(あのまま、昔と何も変わらない)。
アヌユー
あの世。死後の世界。
- 用例
- アヌユー ゥンジマディン、イャー ウンジヤ ワシリランサ(あの世に行っても、貴方の恩は忘れないよ)。
アヌヨー
あのね。
- 用例
- アヌヨー、チュガ イーシェー ユー チキヨー(あのね、人が言うのは良く聞きなさいよ)。
アヌヨー
あのよう。
- 用例
- アヌヨーナ クトゥヌ、アテー ナランサ(あのようなことが、あってはいけないさ)。
アネ
ほら。
- 用例
- アネ、アリ ヤサ(ほら、あれだよ)。
アネアネ
あれあれ。
- 用例
- アネアネ、ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ(あれあれ、そこで何をしているの?)。
アネー アラン
そうじゃない。
- 用例
- アネー アランドーレー(そうじゃないってば)。
アネー サン
そうはしない。そうはせず。
- 用例
- アリヤレー、アネーサーンサ(彼なら、そうはしないよ)。
アネー ヤシガ
そうなんだが。
- 用例
- アネー ヤシガ、チャーン ナランル アンデー(そうなんだが、どうしようもないんだよ)。
- メモ
- 音2:アン ヤシガ。
アネヒャー
ええっ。ほら。
アハー
ああ。そうか。そうですか。
- 用例
- アハー アンル ヤティナー(ああそうだったのか)。
アバー
姉。姉さん。
- 用例
- ワッター アバーヤ ユー ハタラチュン(私の姉はよく働く)。
- メモ
- 音2:アワー・ゥンミー。
アバーグヮー
姉。姉さん。次姉以下の姉。
アハーッ
ああ、そうか。
- 用例
- アハーッ、アンドゥ イービルイ(ああ、そう言うんですか)。
アバイチリーン
ひどい目にあう。大変な目にあう。
- 用例
- ドゥーヤカ マギサヌ ムン ムタサッティ、アバイチリタン(自分の体より大きいものを持たされて、ひどい目にあった)。
過:アバイチリタン(ひどい目にあった)継:アバイチリトーン(ひどい目にあっている)。
- メモ
- 本来の意味は「出産時に会陰が裂ける」ことで、その際の大変さを表現したもの。
アハコー
魚介名。サザエ。
アバサー
おてんば。手に余ること。
- 用例
- クヌ ワラベー、ルク アバサーナティ(この子は、あまりにもおてんばで)。
- メモ
- 類:トゥンバー。
アバサー
魚介名。ハリセンボン。
アバサーヰナグ
いい加減な女。
- 用例
- アバサーヰナグ ナテー ナランドー(いい加減な女になってはいけないよ)。
アバシ
魚介名。ハリセンボン。
- 用例
- ウヌ アバシヌ ハーイ ンチンディ(そのハリセンボンの針を見てごらん)。
アバチュン
持て余す。着物などがだぶつくことにもいう。仕事等を持て余す。
- 用例
- シージャカラ ヰーテーヌ チン ヤグトゥ、アバチョーン(姉からもらった着物なので、だぶついている)。マギシクチ ドゥーチュイシ スンディ ッシ、 アバチョーン(大仕事を一人でやろうとして、持て余している)。
継:アバチョーン(持て余している)。
アハハー
声をあげて笑う様。
- 用例
- アハハー シ ウーワレー ソータン(声を上げて大笑いしていた)。
アバラー
大食いな人。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ムル アバラーヤン(私の家族は、みんな大食いだ)。
- メモ
- 類:ウフワター。
アバラガミ
大食い。
- 用例
- アンスカ アバラガミ シーネー、ワタ ヤンジュンドー(そんなに大食いすると、お腹をこわすよ)。
- メモ
- 音2:バーキガミ・フリガミ・ジャーマカミ。
アバリーン
暴れる。
- 用例
- ワンガ カラトール ゥンマー、ユー アバリーン(私が飼っている馬は、よく暴れる)。
否:アバリラン(暴れない)希:アバリーブサン(暴れたい)過:アバリタン(暴れた)継:アバリトーン(暴れている)。
アヒ
あれだけ。
- 用例
- イャー ムノー、アヒ ヤサ(お前の物は、あれだけさ)。
- メモ
- →アッサ。
アビ
ええっ。あら。
アヒー
兄。兄さん。
- 用例
- アヒーヤ シクチン サンヨーイ、アシビーガ イチュタン(兄さんは仕事もせずに、遊びに行った)。
- メモ
- 音1:アフィー。→アッピー。
アビーウドゥルカスン
大声で驚かす。大声でびっくりさせる。
- 用例
- ウッピナー アビーネー、アビーウドゥルカスンドー(そんなに大声出したら、びっくりさせるよ)。
アビーグィー
呼び声。
- 用例
- アビーグィーヌ チカリーシガ、ター ヤガ(呼び声が聞こえるが、誰かな)。
アビーチラカスン
大声を出して騒ぎ立てる。
- 用例
- チュヌヤーヲゥティ アンシ アビーチラカスンディチン アンナー!(人の家でそんなに大声を出して騒ぎ立てるってこともあるか!)。否:アビーチラカサン(大声を出さない)希:アビーチラカシブサン(大声を出したい)過:アビーチラカチャン(大声を出した)継:アビーチラカチョーン(大声を出している)。
アビーヤースン
①喋りまくる。わめく。②鳴きまくる。
- 用例
- ①タイナムン アマヲゥティ アビヤーチョーンドー(ふたりの者が、あそこでわめき始めているよ)。②ヘーク ムン クィランネー ウヮーヌ アビヤースンドー(早く餌をやらないと、豚が鳴きまくるよ)。
アビーン
①呼ぶ。わめく。大声で喋る。②話す。声をかける。招待をかける。③大声で歌う。④家畜や犬・猫などが鳴く。
- 用例
- ①イャーヤ アンスカナー アビーンナケー(お前はそんなにわめくな)。
②タンメー アビティクーワ(おじいさんを呼んできなさい)。
②ヤガティ アビーハジミーンドー(やがて話し始めるよ)喜。
③ウタ ティーチェー アビティンディ(歌を一つ歌ってごらん)
④スージネー ケートゥナイ アビーン(お祝いには隣近所を招待する)。
否:アビラン(招待しない)希:アビーブサン(招待した)過:アビタン(招待した)継:アビトーン(招待している)。
⑤イチムシヌ アビヤーチ(動物が鳴き出して)・牧。
アヒグヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- イャーガ トゥティチェーシェー、アヒグヮール ヤンナー(お前が取って来たのは、たったあれだけなのか)。
- メモ
- 音1:アフィグヮー。→アッサグヮー。
アヒナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- 用例
- イッター ウヤヌヤーヤ、アヒナーヌ ヤシチ ヤル(君の実家は、あんなに大きな屋敷だね)。
- メモ
- →音1:アッピナー・アフィナー。
アビビー
ええっ。きゃあ。
- メモ
- びっくりした時に発する語。
アヒャー
母豚。繁殖用雌豚。
- 用例
- アヒャー ソーティ アッチョーン(繁殖用の雌豚を連れて歩いている)。
- メモ
- 音2:アヒャーウヮー。類:ナサーウヮー。
アビヤー
よくしゃべる人。おしゃべり。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アビヤー ヤル(お前はとってもおしゃべりだね)。
- メモ
- 対:ダマヤー(言葉数の少ない人)。
アビヤーアビヤー
声高に叫ぶ様。
- 用例
- アビヤーアビヤー ソーン(声高に叫んでいる)。
アビヤークィーヤー
わいわい騒ぐ様。
- 用例
- アビヤークィーヤー ソーシガ、ヌー ヤガ(わいわい騒いでいるが、どうしたの)。
アビヤーティーヤー
喧喧ごうごう。言い争う様。
- 用例
- アビヤーティーヤー ソーシガ、マーン ヤマサンガヤー シワ ヤサ(言い争っているが、怪我でもしないか心配だ)・儀。
アヒャーウヮー
母豚。繁殖用雌豚。
- メモ
- →アヒャー。
アビヨイ
えっ。あらまあ。
アビヨー
えっ。あらまあ。
- 用例
- アビヨー デージ(あらまあ、大変)。
- メモ
- アビヨともいう。
驚いた時に発する語。
アヒラー
鳥名。アヒル。
- 用例
- ヒミチンカイヤ、アヒラージル クスイ ヤンディサ(喘息には、アヒル汁が効くそうだよ)。
アヒラーバイ
アヒルのように体を左右に揺らして歩くこと。
アヒラーマジムン
アヒルの妖怪。
- 用例
- アヒラーマジムンヌ ゥンジータシェー アマ ヤサ(アヒルの妖怪が出たのはあそこだよ)。
- メモ
- 読谷に伝承される動物の妖怪のひとつ。
アビラウンケン
渡具知の拝所の名前。梵字碑のこと。
- メモ
- 「ア ビ ラ ウン ケン」と読める梵字五文字が刻まれた石碑。「地・水・火・風・空」を意味し、防災厄除の働きがあるともいわれた。建立の詳細は不明であるが、16世紀前半琉球で布教した僧侶日秀上人に関連すると推測されている。石碑は津口、海を見渡せる位置にあり、航海安全の祈願のため建立されたとも考えられる。
アビンナ
喋るな。黙れ。
- 用例
- ウヌ クトー ターニン アビンナヨー(そのことは誰にも喋るなよ)。
アビンナ ディーグトゥ、アビラランサ(黙れと言うから、話せないさ)。
アブ
洞穴〔ほらあな〕。
- 用例
- アブンカイ カーブヤーヌ マンドータン(洞穴にコウモリがたくさんいた)。
- メモ
- 類:ガマ。
アファー
白け。気まずい様。
- 用例
- アファー ナティ ケーティ チャン(白けて帰って来た)。アン イラッティ アファー ナタン(そう言われて気まずかった)。
アファクー
魚介名。二枚貝。
- 用例
- アファクーグヮーヌ シル チュクタン(二枚貝の汁を作った)。
- メモ
- 音1:アファケー。→アナグー。
アファグチャー
薄口。薄味を好む人。
- 用例
- ルク アファグチャー ナティ、ナー イフェー ソーユーンデー イリレーワ(あまりにも薄口だから、もう少し醤油でも入れなさい)。
ワー トゥジェー アファグチャー ヤン(私の妻は薄味を好む)。
- メモ
- 対:スーヂューグチャー(濃口)。
アファケー
魚介名。二枚貝。
- 用例
- ハーマカイ イチーネー ムル アファケール ヤタル(浜に行くとハマグリだらけだった)。
- メモ
- 音1:アファクー。→アナグー。
アファサン
味が薄い。
- 用例
- ウヌ シロー アファサンレー、ナー イフェー ンス イリレー(その汁は味が薄いよ、もう少し味噌を入れなさい)。
- メモ
- 類:アワハン。対:スーヂューサン(味が濃い)。
アファナカーニンジ
仰向けで寝ること。
- 用例
- クサミチ、アマヲゥティ アファナカーニンジ ソーサ(怒って、あそこで仰向けに寝ているよ)。
- メモ
- 音1:アファナチャーニンジ。対:ウッチンカーニンジ(うつぶせ寝)。
アファナチャーニンジ
仰向けで寝ること。
- メモ
- →アファナカーニンジ。
アファナチュン
ふて寝する。「寝る」の卑語。
- 用例
- サンラーヤ アマウティ アファナチョーン(三良は向こうでふて寝している)。
アファムン
薄味の物。味気のない物。
- 用例
- メーナチ、アファムンビカーン カマサットーン(毎日味が薄いのだけ食べさせられている)。
アブイ
馬具名。鐙〔あぶみ〕。
アフィー
兄。兄さん。
- メモ
- 音1:アヒー。→アッピー。
アフィグヮー
少々。たったあれだけ。
- メモ
- 音1:アヒグヮー。→アッサグヮー。
アフィナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- メモ
- →音1:アヒナー。
アブー
大きい蠅〔ハエ〕。虻〔アブ〕。
- 用例
- ウヒナーヌ アブー ヤル(こんなにも大きな虻だね)。
アブカー
泡。あぶく。
- 用例
- クヌ サフンヤ アブカーン ゥンジラン(この石鹸は泡も出ない)。
- メモ
- 音1:アブクー。→アー。
アブクー
泡。あぶく。
- 用例
- アブクーガ ウスマサ ゥンジトーン(泡がとってもよく出ている)。
- メモ
- 音1:アーブク・アブカー。→アー。
アブクン
息切れする。物事の途中で力尽きる。
- 用例
- アンシ ハーエー シーネー、 ヤガテー アブクンドー(そんなに走ると、やがては息切れするよ)。
アブシ
畦〔あぜ〕。田や畑の境に土を盛り上げて、仕切りにした所。
- 用例
- アブシヲゥティ イフェー ユックラナ(畦で少し休もうよ)。
アブシガタミ
畦固め。水が漏れないように田圃の周囲の畦を固めること。
- メモ
- 田拵えの一連の作業のひとつで、荒起こしを済ませたあとに行った。
アブシヌアムトゥ
土手。
- メモ
- 類:アボーチ・アムトゥ・アモーチ。
アブシバレー
行事名。畦払い。旧4月15日、16日に行われる虫払いの行事。畦の除草、田畑の害虫駆除、農作祈願を行う。
- 用例
- アブシバレーネー クヮッチーン マンディ タヌシミ ヤタン(アブシバレーには、御馳走もたくさんあって楽しみだった)。
アブシバレーネー ハルシクチェー ユックティ スビガニクンカイ ゥンジャン(アブシバレーには畑仕事を休んで楚辺兼久に行った)。
- メモ
- 音2:シングヮチアブシバレー。4月15日をサチアブシバレー(畦払い)、16日をアトゥアブシバレー(後畦払い)といった。当日は物忌みで、肥料の扱いや畑仕事、針仕事、山に行くことが禁じられ、禁を犯すとハブが入るといわれた。楚辺や座喜味では、バッタなどの虫を麦の殻や青葉に乗せて、海や川に流した。スビガニク(楚辺兼久)では、2日間にわたってゥンマハラセー(競馬)が行われ、村内外から見物客が訪れ、多くの出店で賑わった。また、楚辺ポーポーを作って、親戚や友人をもてなし、夜は青年達による沖縄角力も行なわれた。海に近い渡慶次、儀間、渡具知では舟遊びをする者も多かった。伊良皆では、15日はスビガニクへ競馬を見に行き、16日は字内で闘牛大会を催した。
アブシバレーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- メモ
- 音2:ゥンマミーヂン・カタノーヂン。
アブシバレーの時に行われる競馬を見に行くための着物を、新調する者もいた。
アブシマックヮ
{あぜまくら(畦枕)}。
- 用例
- ゥンニヌ アブシマックヮ スカ ユカトーン(稲穂が畦にもたれかかるほど実っている)。
- メモ
- 稲穂が畦に枕をしているかのように垂れていること。
アブシミチ
畦道。
- 用例
- ゥンマヌ アブシミチンジ ユックトーケー(そこの畦道で休んでいなさい)。
- メモ
- 音2:ハルミチ。
アブチュン
蒸し暑い。
- 用例
- カジ ティーチン ネーン、アブチュンヤー(風ひとつもなく、蒸し暑いね)。継:アブチョーン(蒸し暑くなっている)。
- メモ
- 音2:フミチュン。類:シプタイアチサン・フミクン。
アブチュン
吹きこぼれる。
- 用例
- ヘーク フタ アキレー、アブチョーンドー(早く蓋を開けなさい、吹きこぼれているよ)。
継:アブチョーン(吹きこぼれている)。
アブナサン
危ない。
- 用例
- ゥンマー ユク アブナサン(そこはかえって危ないよ)。
- メモ
- 類:ウカーサン・ウッカーハン。
アブン
窪〔くぼ〕み。
- 用例
- アブンカイ ヒサ チックリカラヤー(窪みに足を突っ込むんじゃないよ)。
- メモ
- 音1:クブン。類:クブー。
アベアベ
あらあら。
- 用例
- アベアベ イャーヤ ゥンマンカイル ヲゥティナー(あらあら、あなたはそこにいたの?)。
- メモ
- 類:イビイビー。
アベー
ええっ。あら。あれ。ああもう。
- 用例
- アベー!アン イチン アンナー(ああ!そんなこともあるのか)。
アベー、ウドゥルチヨー(ああもう、驚いてね)。
- メモ
- 音:アベ。
予想に反した時に発する語。
アベッ
ええっ。あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アボーチ
土手。
- 用例
- ハルヌ アボーチヌ カタハラ(畑の土手の片側)。
- メモ
- 音1:アモーチ。→アブシヌアムトゥ。
アマ
あそこ。あっち。あちら。
- 用例
- ドゥーチュイ アマンカイ イチュシェー マシ ヤサ(一人であそこに行ったほうがいいよ)。ヤクン タッタンシェー、アマンカイ イチクヮレー(役に立たない奴は、あそこに行きやがれ)。
アマイ
余り。
- 用例
- チカティ アマイヤ ムッチ ケーイサ(使って余ったのは持って帰るさ)。
- メモ
- 対:フスク(不足)。
アマイカンジュン
有り余る。
- 用例
- アマイカンティ ジャーフェー ナトーン(有り余って厄介なことになっている)。
ユカイ アマイカントーン(かなり有り余っている)。
継:アマイカントーン(有り余っている)。
アマイヌクサー
余り物。
- 用例
- ニッカ チューグトゥ、アマイヌクサール アタイサ(遅く来るから、余り物しかないよ)。
- メモ
- 音2:アマヤー。
アマイユ
魚介名。ミナミクロサギ。
- 用例
- ワッタヤ ユー アマイユ トゥイガ イチュタン(私たちはよくアマイユを取りに行った)。
アマイン
余る。
- 用例
- ムルカイ ハジン アマイン(皆に配っても余る)。
ムルカイ ハジーネー フスクル スル アマランサ(皆に配ったら不足するのであって余らないよ)。
否:アマラン(余らない)希:アマラシーブサン(余らせたい)過:アマタン(余った)継:アマトーン(余っている)。
アマカー
嘉手納の湧泉の名称。
アマカービラ
天川坂。嘉手納の地名。
- メモ
- 湧泉アマカーにちなんだ坂道の名称。戦前は石畳の急な坂道で明治期に県道が開通した際に迂回路が造られた。1609年薩摩の侵攻の際には、神女の指揮下に嘉手納の夫人たちが熱いおかゆを炊いて坂の上から熱々のおかゆを流し、薩摩軍の侵攻を防ごうとしたと言い伝えられる。
アマガカー
両生類。アマガエル。
- 用例
- アマガカーガ ナチョールムン、ヤガティ アミ フイサ(雨蛙が鳴いているから、やがて雨が降るよ)。
- メモ
- 類:アマガク。
あまのじゃくな人に対しても使われる。沖縄の民話に親の言うことに反対ばかりする『雨蛙不孝』がある。
アマカカイクマカカイ
あちこちに助けを求める様。
- 用例
- イサヌヤー アマカカイクマカカイ シン、イッチン マシェー ナラン(病院をあちこちかかっても、ちっとも良くならない)。
アマガカラー
両生類。アマガエル。
- 用例
- アネッ!アマガカラーヌ ナチャギーンドー(ほら!雨蛙が鳴いているよ)。
- メモ
- 類:アマガカー・アマガク。
アマガク
両生類。オキナワアマガエル。アマガエル。
- メモ
- →アマガカー。
アマガサ
雨傘。
- 用例
- アミ フトールムン、クヌ アマガサ カンティ イケー(雨が降っているから、この雨傘を被って行きなさい)。
アマガシ
あまがし。沖縄風ぜんざい。
- 用例
- グングヮチグニチネー、アマガシ チュクティ ウサギーン(五月五日の節供には、あまがしを作って供える)。
- メモ
- 旧5月5日の菖蒲の節供に、大麦と小豆を煮て、団子と黒糖を加えたアマガシを食した。
アマクマ
あちこち。
- 用例
- アマクマカイ ウチャレー、マーンカイガ ウチャラー ワカラン ナトーン(あちこちに置いたら、どこに置いたのか分からなくなった)。
アマサー
持て余している人。暴れん坊。やんちゃ坊。
- 用例
- ワラビヌ アマサー ナティ、アジカヤーン ヲゥランサ(子どもがやんちゃ坊主なので、預かる人もいないよ)。
- メモ
- 男の子に対して使うことが多い。
アマサーイクマサーイ
あちこち触っている様。
- 用例
- クヌ ワラベー、アマサーイクマサーイ ッシ(この子どもは、あっちこっち触りまくって)。
アマザキ
{あまざけ(甘酒)}。酢。
- 用例
- サーター チクティヌ アトゥヌ ナービシ ヘーイヤ チュクタン(製糖した後の鍋で酢を作った)。
- メモ
- 類:シー・ヘーイ。
製糖後の大鍋に水を入れて鍋肌に付いている黒糖を溶かすように煮詰めた後、甕に入れて酢を作った。
アマサグイクマサグイ
あちこち探っている様。
- 用例
- アマサグイクマサグイ、ヌー カメートーガ(あっちこっち探って、何を探しているか)。
アマサン
甘い。
- 用例
- クヌ クヮーシェー イッペー アマサン(このお菓子はとても甘い)。
- メモ
- 音1:アマハン。対:カラサン・カラハン(辛い)。
アマシタムン
度を越した者。手に負えない者。
- 用例
- アンチュカ アマシタムン ヤル(なんて手に負えない奴だ)。
アマスン
持て余す。手を焼く。やんちゃ。
- 用例
- クヌ ワラベー アマスンヤー(この子どもは手の焼ける子だね)。
ウヤヤ デージ アマチョーン(親は手を焼いている)。継:アマチョーン(手を焼いている)。
- メモ
- 音2:ムティアマスン。
アマダイ
軒。
- 用例
- アミ フイグトゥ、アマダインカイ ヲゥトーキヨーヤー(雨が降るから、軒下にいなさいよ)。
- メモ
- 音1:アマライ・アマデー。
アマダイヌシチャ
軒下。雨落ち。
- メモ
- 音1:アマレーヒチャ・アマレーヌシチャ。
産後の胞衣を軒下に埋めると赤子の目が悪くなると言われた。
アマダイミジ
雨垂れ水。軒から落ちる雨水。
- 用例
- ミジヌ フスクシ、アマダイミジ タミティ チカトーン(水が不足して、雨水を溜めて使っている)。
- メモ
- 音1:アマライミジ。
アマダイムシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- 音1:アマデームシ。→アーメージャー。
アマチカンクマチカン
あちこち動きまわって落ち着きがない様。
- 用例
- クヌ ワラベー アマチカンクマチカン、ウティチチン ネーン(この子どもはあちこち動きまわって、落ち着きがない)。
アマデー
軒。
- メモ
- 音1:アマダイ・アマライ。
アマデームシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- 音1:アマダイムシ。→アーメージャー。
アマナシクマナシ
物をあちこち動かす様。
- 用例
- ニムチェー アマナシクマナシ サンケー(荷物はあちこちに動かさないで)。
アマニンクマニン
あっちにもこっちにも。
- 用例
- アマニンクマニン ハンナギランケー(あっちこっち放り投げるな)。
- メモ
- 音2:マーニンクィーニン。
アマヌブイクマヌブイ
あっちに登ったりこっちに登ったりしている様。
- 用例
- アマヌブイクマヌブイ ッシ、アブナサヌ(あっちこっち登って、危ないよ)。
アマハイクマハイ
あっち行きこっち行きする様。
- 用例
- イャーヤ アマハイクマハイ ッシ、マー アッチョーガ(お前はあっちこっち行って、どこをほっつき歩いているのか)。
- メモ
- →アマゥンジャイクマゥンジャイ。
アマハジ
{あまはじ(雨端)}。軒。軒下の空間部分。
- 用例
- イャームン チノー、アマハジカイ フーチェーサ(お前の着物は、軒下に干してあるよ)。
アマハン
甘い。
- 用例
- ウヌ ムーチーヤ アマハンデー(その餅は甘いよ)。
- メモ
- →アマサン。
アマヒンギクマヒンギ
あっちこっち逃げ回る様。
- 用例
- アレー アマヒンギクマヒンギ ソーンドー(彼はあっちこっちに逃げ回っているよ)。
アママガイクママガイ
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- イャー ムノー、アママガイクママガイシ チカーランサ(お前の物は、あちこち曲がって使えないよ)。
- メモ
- 音2:マガイヒガイ・マガヤーマガヤー・マガルーヒガルー。音:ヨーガーヒーガー。
アマミークマミー
あちこち見回している様。
- 用例
- アマミークマミー ッシ、ヌー ンチョーガ(きょろきょろして、何を見ているのか)。
アマミジ
雨水。
- 用例
- アマミジヤ タミトーキヨーヤー(雨水は溜めておきなさいよ)。
アマムイ
雨漏り。
- 用例
- アマムイ ッシ、ユカン ンリトーン(雨漏りして、床も濡れている)。
アマムティ
あちら側。あそこの方。
- メモ
- 音1:アマムティー。→アガタムティー。
アマムティー
あちら側。あそこの方。
- 用例
- アマムティーンカイ ヤティン、ウッチャンナギトーケー(あそこの方にでも、放っておきなさい)。
- メモ
- 音1:アマムティ。→アガタムティー。
アマムン
甘い物。
- 用例
- マルケーテー アマムン フーサンヤー(たまには甘い物が欲しいね)。
- メモ
- 対:カラムン(辛い物)。
アマムンジョーグー
{あまものじょうご(甘物上戸)}甘い物が好きな人。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ、アンシ アマムンジョーグー ヤル(女の人たちは、なんて甘い物好きなんでしょう)。
- メモ
- 対:カラムンジョーグー(辛い物のが好きな人)。
アマヤー
余り物。
- 用例
- アマヤーヤ アマンカイ ウッチェーサ(余り物はあそこに置いてあるよ)。
- メモ
- →アマイヌクサー。
アマヰークマヰー
あちこちに座って落ち着かない様。
- 用例
- アマヰークマヰー サンヨークー、ヘーク チュトゥクマンカイ ヰラニ(あちこちに座らないで、早くひと所に座らないか)。
アマユミクマユミ
あっち読みこっち読み。飛ばし読み。
- 用例
- アマユミクマユミ サレー、イミクジン ワカラン ナトーン(あっちこっち飛ばし読みしたら、意味が分からなくなってしまった)。
アマラ
漁〔いさ〕りランプのひとつ。
- メモ
- 柄杓状の金網に松の芯を入れて燃やし、漁りの灯りにした。
アマライ
軒。
- メモ
- 音1:アマダイ・アマデー。
アマライミジ
雨垂れ水。軒から落ちる雨水。
- 用例
- アマライミジ、ミジガーミンカイ タミトーン(軒から落ちる水を、水甕に貯めている)。
- メモ
- 音1:アマダイミジ。
アマリカー
あの辺り。あちら辺り。
- 用例
- ワランチャーヤ、アマリカーヲゥティ アシドーン(子どもたちは、あの辺りで遊んでいる)。
アマリカーンカイ ヒンギティ ハイタン(あちら辺へ逃げて行った)。
- メモ
- 音2:アマンデー。類:アリカー。
アマルカ
余るほど。
- 用例
- カムシェー アマルカ アイル スル(食べる物は余るほどあるよ)。
アマルカナー
有り余るほど。
- 用例
- アマルカナー ムッチ チューンディチン アンナー(有り余るほど持って来るってこともあるか)。
アマレーヌシチャ
軒下。雨落ち。
- 用例
- アマレーヌシチャヲゥティ アミ ハラサヤー(軒下で雨宿りしようね)。
- メモ
- 音1:アマダイヌシチャ・アマレーヒチャ。
アマレーヒチャ
軒下。雨落ち。
- メモ
- 音1:アマダイヌシチャ・アマレーヌシチャ。
アマン
甲殻類。ヤドカリ。
- 用例
- アキサミヨー!アマンガ マンドーシヨー(きゃああ!ヤドカリの多いこと)。
- メモ
- 音1:アーマン。
アマングヮー
丸い形のハジチ文様の名称。
- メモ
- 類:マルブシ。
アマンジャナー
阿麻和利。
- メモ
- 15世紀中頃に勝連按司として活躍し、「護佐丸・阿麻和利の変」を題材とした組踊では敵役として有名である。
アマンジャナーセー
子どもの遊び。阿麻和利に扮しての闘いごっこ。
アマンチュー
創造神の呼称。天の人。
- メモ
- →音1:アマンチュー。
アマンデー
あの辺り。あちら辺り。
- 用例
- ネーランラー、アマンデー カメーティンディ(ないんだったら、あそこら辺を探してごらん)。
- メモ
- →アマリカー。
アマゥンジャイクマゥンジャイ
あっち行きこっち行きする様。
- メモ
- 音2:アマハイクマハイ。
アミ
あるか。
- 用例
- フントー アマンカイ アミ(本当にあそこにあるか)。
- メモ
- 音1:アニ。
アミ
雨。
- 用例
- アミ フイギサーッシ、ヘークナー ヤーカイ ケーラナ(雨が降りそうだから、早く家に帰ろう)。
アミ
網。
- 用例
- ウリカーンジ、アミ シカキーシェー マシ ヤサニ(そこら辺で、網を仕掛けたらいいんじゃない)。
アミアンダー
網脂〔あみあぶら〕。豚や山羊などの内臓をおおっている網状の脂。
アミーン
浴びる。
- 用例
- チューヤ ルク イチュナサヌ、ナマカラ アミーン(今日はあまりにも忙しくて、今から浴びる)。
否:アミラン(浴びない)希:アミーブサン(浴びたい)過:アミタン(浴びた)継:アミトーン(浴びている)。
アミカジ
雨風。
- 用例
- マギキー イートーチーネー、アミカジ フシジュン(大きな木を植えておくと、雨風を防ぐ)。
アミクェームージ
虹。
- 用例
- アミアガイヌ アミクェームージヌ チュラサヨー(雨上がりの虹のきれいなこと)。
- メモ
- 音2:ムージ。類:ヌージ・ノージ・ノージャ。
アミグム
雨雲。
- 用例
- アミグムヌ ゥンジトーグトゥ、ヤガティ アミ フインドー(雨雲が出ているから、やがて雨が降るよ)。
- メモ
- 音2:アミヌミーグム。
アミコーイン
調合する。
- 用例
- ティンプラー アギーグトゥ アミコーイン(天ぷらを揚げるから衣を準備する)。否:アミコーラン(調合しない)希:アミコーイブサン(調合したい)過:アミコータン(調合した)継:アミコートーン(調合している)。
- メモ
- 石灰に藁・水を混合して漆喰を作ることにもいう。
アミシーン
浴びせる。沐浴〔もくよく〕させる。
- 用例
- フーチバー イッティ ワラビ アミシーン(よもぎ湯で子どもを浴びせる)。否:アミシラン(浴びせない)希:アミシーブサン(浴びせたい)過:アミシタン(浴びせた)継:アミシトーン(浴びせている)。
アミジャー
ミミズに似た小さな虫。触ると青白く光り、湿地に生息している。
アミジャー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミスミヤー
魚網の染料。魚網の強度を上げるために使った豚の血のこと。
- メモ
- 都屋の漁師は、雇っていた子どもたちを比謝矼の屠殺場へ豚の血を買いに行かせた。
アミダカー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミタボリ
{あめたぼれ(雨たぼれ)}。雨乞い。
- メモ
- 「アミ タボリ(雨を降らせてください)」と言って、雨乞いをした。
アミタマグ
魔除けとして投げ網や使い古した網に卵を入れたもの。
- 用例
- ンカシェー クヮ ナシーネー、アミタマグ サギータン(昔は子どもが生まれると、網に入れた卵を下げていた)。
- メモ
出産後に魔除けとして、産室の周囲に張り巡らした左縄にアミタマグを下げ、歌三線で夜伽をした。
アミダムシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- →アーメージャー。
アミチユ
雨露。
- 用例
- ヤーヤ グナサティン、アミチユ シヌゲー スムサ(家は小さくても、雨露を凌げばいいさ)。
アミチュージ
湯灌〔ゆかん〕。遺体を荼毘〔だび〕に付す前に浴びせ清めること。
- 用例
- ンカシェー、アミチュージヤ イェーカンチャーシル スタンドー(昔は、湯灌は身内でやったんだよ)。
- メモ
- 湯灌に使う水を男性2人で汲みに行き、水にお湯を継ぎ足して使った。
アミチュクヤー
網繕いをする人。
アミックヮー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミナー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌックヮー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌックヮグヮー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌミーグム
雨雲。
- 用例
- ンーチンディ、アミヌミーグムガ マックール ソーサ(見てごらん、雨雲が真っ黒くしているよ)。
- メモ
- →アミグム。
アミヌミーックヮ
両生類。オタマジャクシ。
- 用例
- アミヌミーックヮ トゥティ アシドーン(オタマジャクシを取って遊んでいる)。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌムー
馬具作りの際に帆布など厚手の物を縫うときに使った糸。
アミフイ
雨降り。
- 用例
- アミフイ ナティ、マーニン イカランサ(雨降りなので、どこにも行けない)。
アミフイネー、トゥイヌン カックィン(雨降りには、鳥でも隠れるのに〈雨に濡れるか〉)。
アミフイギサー
雨が降りそうな天気。
- 用例
- マックールー ッシ、ナマニン アミフイギサー ソーン(〈空が〉真っ黒になって、今にも雨が降りそうだ)。
アミフイグマイ
雨降りに家に籠ること。
- 用例
- アミフイグマイヤ、イーニーブイ ッシヤー(雨降りに家に籠もっていると、うとうと眠くなるね)。
アミフイゲーイ
雨降りだというのに。
- 用例
- アミフイゲーイ、アシビーガ イチュンナー(雨降りだというのに、遊びに行くのか)。
- メモ
- 音1:アミフイゲーナー。
アミフイゲーナー
雨降りだというのに。
- メモ
- 音1:アミフイゲーイ。
アミムユー
雨模様。
- 用例
- アミムユー ソータルムンヌ、ティーチン フランタン(雨模様だったのに、ちっとも降らなかった)。
アムトゥ
土手。
- 用例
- ヲゥタヤーマ、アムトゥヲゥティ ユックトーン(疲れて、土手で休んでいる)。
- メモ
- →アブシヌアムトゥ。
アムン
編む。
- 用例
- アミフイネー ハルカイン イカラングトゥ、ヤーヲゥティ アミ アムン(雨降りには畑にも行けないから、家で網を編む)。
否:アマン(編まない)希:アミブサン(編みたい)過:アラン(編んだ)継:アローン(編んでいる)。
アメーイン
蔓延する。はびこる。のさばる。
- 用例
- ヤナムシヌ アメーイン(害虫が蔓延する)。ヌスルヌ アメートーンドー(盗人がはびこっているよ)。
アメージャー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アメリカパンツ
カーキ色の男物ズボン。
- メモ
- 終戦直後、米兵の洗濯を職業にしている婦人たちから流入した。野良着として女性が着ることもあった。
アメリカヤー
米軍関係者向けに建てた住宅。通称外人住宅。
アモーチ
土手。
- 用例
- アモーチンカイ アサバン ウッチェーンドー(土手に昼飯を置いておくよ)。
- メモ
- 音1:アボーチ。→アブシヌアムトゥ。
アモーラ
魚介名。ベラ類。
アモーラビキ
アモーラ曳き。20人ほどが両手に分かれて網で雑魚を囲い込む漁法。
アモールングヮー
魚介名。近海で捕れる雑魚の総称。
- 用例
- チカサヲゥティ トゥラリヌ イユンカイヤ、アモールングヮーディ イタン(近くで捕れる魚には、アモールングヮーといった)。
アヤ
綾。模様。柄。
- 用例
- ニービチヂンヌ アヤヌ チュラサヨー(花嫁衣装の柄がきれいなこと)。
アヤー
お母さん。士族が使う母の呼称。
- 用例
- アヤーヤ チューン マーンカイ メンシェーガヤー(お母さんは今日もどこにいらっしゃるのかねぇ)。
- メモ
- 音2:アヤーメー。
アヤーメー
お母さま。
- メモ
- →アヤー。
アヤカーイ
あやかり。
- メモ
- 音1:アヤカイ。渡具知では七十三歳祝で出される赤飯をアヤカーイとして土産に持ち帰った。
アヤカーイン
あやかる。
- メモ
- 音1:アヤカイン。
アヤカイ
あやかり。
- メモ
- →アヤカーイ。
アヤカイン
あやかる。
- 用例
- ワッタン ゥンマガ フサグトゥ、アヤカイビラナ(私たちも孫が欲しいから、あやかりましょう)。
否:アヤカラン(あやからない)希:アヤカイブサン(あやかりたい)過:アヤカタン(あやかった)継:アヤカトーン(あやかっている)。
- メモ
- 音1:アヤカーイン。
アヤカキコーカキ
色が混ざりあっている様。
- 用例
- アヤカキコーカキ ッシ、ヌーガヌーヤラ ワカラン(いろんな色が混ざりあって、何が何だか分からない)。
アヤカチコーカチ
まだらに汚れた様。
- 用例
- アシ ハティ アトー、クルーヤ アヤカチコーカチ スタン(汗をかいたあとは、黒い服は汗の跡が白くまだらに残った)。
アヤダナシ
縞模様の礼服。芭蕉で作った嫁入り支度の着物。
- メモ
- 音1:アヤラナシ。
アヤヂン
縞模様の入った着物。
アヤヌナーカー
縞の中に絣模様のある着物。
- 用例
- スージネー アヤヌナーカール チチ イチュンドー(お祝いには上等な着物を着ていくんだよ)。
アヤバサー
縞模様がはいった芭蕉布の着物。
- メモ
- 主として外出用の着物。
アヤマイン
①謝る。②誤る。
- 用例
- ①ワンガル ワッサグトゥ アヤマイサ(私が悪いから謝るさ)。
否:アヤマラン(あやまらない)希:アヤマイブサン(あやまりたい)過:アヤマタン(あやまった)継:アヤマトーン(あやまっている)。②チュヌミチ アヤマイン(人の道を誤る)。
アヤマチ
過ち。
- 用例
- アヤマチヤ ニドゥトゥ ウクスナ(過ちは二度と起こすな)。
アヤムン
こいつ。投げやりに言う言葉。
- 用例
- アヤムン!ヨーイ シミトーケー(こいつは!勝手にさせておけ)。
アヤヤージュートゥイグヮー
は虫類。アオカナヘビ。
- メモ
- 体色によって呼び分けていた。
アヤラナシ
縞模様の礼服。芭蕉で作った嫁入り支度の着物。
- メモ
- →アヤダナシ。
アヨー
縞模様をした牛や豚の呼称。
- 用例
- オーヤーウシヌ キーンカイ シルーガ イッチョーシェー、アヨーディ イータン(闘牛用の牛の毛に白い模様が入っているのには、アヨーといった)。
- メモ
- 闘牛用の牛には毛の色や角の形、得意技の特徴で名前が付けられた。
アラ
粗。雑な物。穀物等に混じったくず。魚肉を捌いたあとの少し身のついた骨。
- 用例
- アラー ジョーブニ トゥリヨー(雑な物はちゃんと取りなさいよ)。イユヌ アラシ シル チュクイネー マーサンドーヤー(魚のアラで汁を作ったら美味しいよね)。
アラーパンヤー
蟻が群がる様。
- 用例
- アラーパンヤー スカ、チュヌ アチマトータン(蟻が群がるように、人が集まっていた)。
アラアラ
おおよそ。大まか。
- 用例
- アラアラー キミテー アシガ、チャーガ ナイラー ワカラン(おおよそは決めてあるが、どうなるかは分からない)。
- メモ
- 類:テーゲー。
アラアラザンミン
概算。おおよその計算。
- 用例
- アラアラザンミンシ ウッチョーケー(おおよその計算をしておきなさい)。
- メモ
- 音2:テーゲーザンミン。
アライン
洗う。
- 用例
- ムン カリ ウワティカラ、マッカイヤ アライサ(ご飯を食べ終わってから、お腕は洗うさ)。
否:アララン(洗わない)希:アライブサン(洗いたい)過:アラタン(洗った)継:アラトーン(洗っている)。
アライゥンパナ
御願事や法事の時などに使う7回洗った米。
アラウーシ
目の粗い石臼。
- メモ
- 大豆を割るために使った大きな臼。
アラサン
荒い。粗い。雑。
- 用例
- アレー ティーヌ アラサン(あいつは手が雑だ)。
- メモ
- 音1:アラハン。対:クマサン(細かい)。
アラシグトゥ
荒仕事。力仕事。肉体労働。
- 用例
- ワッター スーヤ アラシグトゥ ソーン(私の父は肉体労働をしている)。
- メモ
- 音2:アラワジャ。
アラジュールクニチ
後生の正月。前年に亡くなった者に対する旧1月16日に行われる法事。
- 用例
- トゥナイヤ アラジュールクニチドー(隣は旧十六日の法事だよ)。
- メモ
- 音2:ミージュールクニチ。類:ミーサ。
→ジュールクニチー。
アラスン
荒らす。
- 用例
- ヤマシシガ ゥンジティッチ、ハルル アラスンデー(猪が出て来て、畑を荒らすんだよ)。
否:アラサン(荒らさない)希:アラシーブサン(荒らしたい)過:アラサッタン(荒らされた)継:アラチョーン(荒らしている)。
アラゾーロー
{あらしょうりょう(新精霊)}。新仏〔あらぼとけ〕。前年の盆からその年の盆に亡くなった人の霊。
- 用例
- チュガ ケーマーチ ハジミティヌ シチグヮチンカイ、アラゾーローディ イータン(人が亡くなって初めての盆に、アラゾーローといった)。
- メモ
- 音2:ミーゾーロー。あらしょうりょう。にーじょうろう。
アラダティーン
荒立てる。
- 用例
- イチュナサイニ、クトゥ アラダティーンナー(忙しいときに、事を荒立てるのか)。
否:アラダティラン(荒立てない)希:アラダティーブサン(荒立てたい)過:アラダティタン(荒立てた)継:アラダティトーン(荒立てている)。
アラタミーン
改める。
- 用例
- クンドゥカラ キスク アラタミーン(今年から規則を改める)。
否:アラタミラン(改めない)希:アラタミーブサン(改めたい)過:アラタミタン(改めた)継:アラタミトーン(改めている)。
アラトゥ
粗砥〔あらと〕。砥石〔といし〕。
- メモ
- 音2:トゥシ・トゥイシ。
アラドゥメーイ
男性の最初の結婚。
- メモ
- 対:アラニービチ(女性の最初の結婚)。
アラナシ
アダンの気根。またその繊維で作った縄。
- メモ
- 音1:アダナシ。
アラニ
霰〔あられ〕。
アラニービチ
女性の最初の結婚。
- メモ
- 対:アラドゥメーイ(男性の最初の結婚)。
アラニガーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アラニガーサバ ハチ、マーカイ メンシェーガヤー(アダン葉草履をはいて、どこにいらっしゃるのかな)。
- メモ
- →音1:アダニガーサバ。
アラバ
8月後の時化。
- メモ
- 鮫(さめ)しめ縄漁の好機だった。
アラバーキ
目の粗い笊〔ざる〕ザル。目の粗い竹製の笊で農作物の運搬に使った。
- 用例
- ゥンモー アラバーキンカイル イリール(芋は目の粗いザルに入れるんだよ)。
アラバサー
繊維の粗い芭蕉衣。
- メモ
- 夏の仕事着として着た。
アラハン
荒い。粗い。雑。
- 用例
- ティーヌ アラハン(手作業が荒い)。
- メモ
- →アラサン。
アラビ
祟り。
- 用例
- ヌーヌ アラビガヤー(何の祟りかな)。
アラブイ
大雨。
- 用例
- ヤガティ アラブイ ナイグトゥ、ヘーク ヤーカイ ケーレー(やがて大降りになるから、早く家に帰りなさい)。
- メモ
- 音2:ウーブイ。類:ウーアミ。
アラボーシクマー
目の粗い帽子を組む人。
- 用例
- ヤガマーヲゥティ ボーシクマーガ アチマトーン(離れに帽子を組む人が集まっている)。
アラマカイ
汁用の碗。
- 用例
- アラマカイン ワリティ イキラク ナトーグトゥ、コーリワル ヤサ(汁用のお碗も割れて少なくなっているから、買わないといけない)。
- メモ
- 音2:アラマカヤー・シルマカイ。
米食が少ない時代にあっては明確に飯碗、汁碗と区別はしなかった。壺屋焼の碗でお汁を入れるのに使った。
アラマカヤー
汁用の碗。
- メモ
- →アラマカイ。
アラミ
霊感の強い人。
- メモ
- 音1:アラミー。
ヤナムンを見る人や、吉凶など聞くことのできる霊感の強い人にもいう。
アラミー
霊感の強い人。
- 用例
- アレー ユカイ アラミードー(彼はかなり霊感が強いよ)。
- メモ
- →音1:アラミ。
アラミンナー
植物名。ルリハコベ。
- 用例
- アラミンナー ヒージャーンカイ クヮースナヨー(ルリハコベは山羊に食べさせるなよ)。
- メモ
- 音1:アラメンナー。
音2:ササミンナー・パラパラミンナ。
類:ササメンナ・メンジャナサ・メンナ・ウミメンナ・ササグサ・パーラーメンナ。魚を捕るときの毒(ササ)として使った。
アラメンナー
植物名。ルリハコベ。
- 用例
- アラメンナー クヮーシーネー クスヒーンドー(ルリハコベを食わせると下痢をするよ)。
- メモ
- →音1:アラミンナー。
アラモーキ
荒稼ぎ。
- 用例
- ワッター スーヤ、アラモーキ シ ヤー チュクタン(私の父は、荒稼ぎして家を建てた)。
アラユイ
目の粗いふるい。
- メモ
- 大豆や米の選別などに使った。
アラユーチ
石工〔いしく〕道具名。石斧〔せきふ〕。主に大きな石を切るのに使う。
アラワジャ
荒仕事。力仕事。肉体労働。
- 用例
- アラワジャ シーネー、ユー キー チキリヨー(肉体労働をするときには、よく気をつけなさいよ)。
- メモ
- →アラシグトゥ。
アラワリーン
現れる。
- 用例
- アンマー シガタガ イミ ナティ アラワリーン(母の姿が夢になって現れる)。
否:アラワリラン(現れない)過:アラワリタン(現れた)継:アラワリトーン(現れている)。
アラン
アダン。アダンの実。
- 用例
- ヤマカイ アラン トゥイガ イチュン(山にアダンを取りに行く)。
- メモ
- 音1:アダン。→アダニ。
アラン
ない。違う。
- 用例
- ウレー アランヨークー ビチヌ ムン ムッチ クーワ(それではなくて別の物を持って来なさい)。
イカナシン アネー アランドーレー(絶対にそうではないってば)。
アネーアランドーレー(そうではないってば)。
- メモ
- 対:ヤン(である)。
アラングヮ
初めての子。初産〔ういざん〕にもいう。
- 用例
- アラングヮ ヤティカラ、キー チキリヨー(初産だから気をつけなさいよ)。
アランバー
アダンの葉。
- 用例
- アランバー トゥッティッチ フースン(アダンの葉を取ってきて干す)。
- メモ
- 音1:アダンバー。→アダニバー。
アランバーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アミフイニ、アランバーサバソーナムン チュクイタン(雨降りに、アダン葉で草履などを作っていた)。
- メモ
- 音1:アダンバーサバ。→アダニガーサバ。
アランバーボーシ
アダン葉帽子。アダンの葉で作った帽子。
- 用例
- アランバーボーシ イクチン ムッチョーン(アダン葉帽子をいくつも持っている)。
- メモ
- 音1:アダンバーボーシ。
アランバームスル
アダン葉筵。アダンの葉を細く裂いて、乾燥させて編んだ筵。
- 用例
- ナカメーンカイ、アランバームスル ヒチョーケー(居間に、アダン葉筵を敷いておきなさい)。
- メモ
- 音1:アダンバームスル。
アリ
あれ。彼。
- 用例
- アリンカイ ムル イットーケー(あれに全部入れておきなさい)。ワカランラー、アリンカイ トゥーレー(分からないなら、彼に聞きなさい)。
アリアリ
ほらほら。
- 用例
- アリアリ、ムタビーネー コースンドー(ほらほら、いじったら壊すよ)。
アリアリー
あれよあれよ。何だかんだ。
- 用例
- アリアリー ソール エーダニ、ウワトーシェー(何だかんだしているうちに、終わっているさ)。
アリイークリイー
あれこれ言って話がまとまらない様。
- 用例
- アリイークリイー スグトゥ、ヌーガ イチョーラー ワカラン(あれこれ言うから、何を言っているのか分からない)。
アリーン
荒れる。
- 用例
- カジヌ チューサヌ、チューヌ ウメー アリーンドー(風が強いから、今日の海は荒れるよ)。
否:アリラン(荒れない)過:アリタン(荒れた)継:アリトーン(荒れている)。
アリウミークリウミー
あれこれ思い悩んでいる様。
- 用例
- アリウミークリウミー ッシ、ティーチン ニンララン(あれこれ思い悩んで、ちっとも眠れない)。
アリカー
あの辺り。
- 用例
- ゥンマンカイ ヲゥランラー、アリカーンカイ ゥンジ ンディ(そこに居ないなら、あちら辺に行ってごらん)。
- メモ
- →アマリカー。
アリカンゲークリカンゲー
あれこれと考えこんでいる様。
- 用例
- アリカンゲークリカンゲー シーガーチール、アトー ワカイルヨー(あれこれ考えながら、後は分かるんだよ)。
アリク
植物名。アデク。
- メモ
- 弾力のある木で金槌〔かなづち〕の柄に使った。
アリクリ
あれこれ。
- 用例
- アリクリ カンゲーティ、ニンダラン(あれこれ考えて眠れない)。
アリクル
彼自身。彼女自身。
- 用例
- アリクルル、 シー ゥンジャチェール ワジャル ヤル(彼自身が、やり始めたことだよ)。
アリサーイクリサーイ
あれこれ触ること。
- 用例
- アリサーイクリサーイ ッシ、 ヘーク トゥラニ!(あれこれ触ってないで、早く取らないか!)。
アリサマ
ありさま。
- 用例
- クヌ アリサマ ヤサ(このありさまだ)。
アリシークリシー
あれこれする様。
- 用例
- アリシークリシー シーネー、メーネー アガカンドー(あれもこれもやっていたら、前に進まないよ)。
アリハティーン
荒れ果てる。
- 用例
- ヌーシヌ ヲゥラン ナイネー、ヤシチン アリハティーン(主が居なくなると、屋敷も荒れ果てる)。継:アリハティトーン(荒れ果てている)過:アリハティタン(荒れ果てた)。
アリヒャー
それ。ほら。
- 用例
- アリヒャー!デージ ナトーンドー(ほら!大変なことになっているよ)。
アリマサラークリマサラー
あれが良い、これが良いと迷っている様。
- 用例
- アリマサラークリマサラーッシ、イッチン イラビーサン(あれが良いこれが良いと迷ってばかりで、ちっとも選べない)。
アリヤークリヤー
あれやこれや。あれこれ。
- 用例
- アリヤークリヤー、イチュナサヌ フシガリヌ サコー アラン(あれこれ、忙しくてたまったもんじゃない)。
アリワル
あればこそ。
- 用例
- ジンヌ アリワル ヌーン ナイルヨー(金があってこそ何でもできるんだよ)。
アリンクリン
あれもこれも。
- 用例
- ヌー ヤティン シムグトゥ、アリンクリン ムル アチミトーケー(何でもいいから、あれこれ全部集めておきなさい)。
アル
踵〔かかと〕。
- 用例
- ヒサヌ アル(足の踵)。
- メモ
- 音1:アドゥ。
アルッサ
ありったけ。
- 用例
- ジンヌ アルッサ ムッチ イケー(お金のあるだけって行きなさい)。
アルムン
あるもの。あり合わせもの。
- 用例
- チューヌ ユーバノー、アルムンシ シマサナ(今日の夕飯は、あり合わせのものですまそう)。
アレーガミ
洗い髪。
- 用例
- アバーヤ、アレーガミヌ ママ ゥンジティ ハイタン(姉さんは、洗い髪のまま出て行った)。
アレームン
洗い物。
- 用例
- ヤーニンジュガ ウーサグトゥ、アレームンヌ マンリ(家族が多いから、洗い物も多い)。
アワ
粟。
- 用例
- アワ マンキティ、アワメーン ユー カムタン(粟を混ぜて、粟ご飯もよく食べた)。
- メモ
- →アー。
アワー
姉。姉さん。
- 用例
- アワートゥ マジョーン コーイムン シーガ イクン(姉さんと一緒に買い物に行く)。
- メモ
- →アバー。
アワウケーメー
粟のお粥。
- 用例
- チューヌ アーシーヤ、 アワウケーメー シコーテーン(今日の3時のおやつは、粟のお粥を準備してある)。
- メモ
- 楚辺では農繁期のおやつに粟のお粥(あわのおかゆ)やマーギンウケーメー(黍のお粥)を食べることもあった。
アワガーミ
粟を保存した甕〔かめ〕。
アワサン
間に合わない。追いつかない。つり合わないこと。
- 用例
- ワランチャー マンディ、チャッサ モーキティン アワサン(子どもが多くて、どんなに儲けても追いつかない)。
アワシリ
稲や粟を精製する木製の、上下2段の挽き臼。
アワティーカーティー
慌てふためいている様。
- メモ
- 音1:アワティーハーティー・アワティーマーティー。
アワティーハーティー
慌てふためいている様。
- 用例
- アワティーハーティー ッシ ゥンジティ ハイタサ(慌てふためいて出て行ったよ)。
- メモ
- 音1:アワティーカーティー・アワティーマーティー。
アワティーマーティー
慌てふためいている様。
- 用例
- ウンジョー アワティーマーティー ッシ、マーカイ メンシェーガ(貴方は慌てふためいて、どこに行かれるの)。
- メモ
- 音1:アワティーカーティー・アワティーハーティー。
アワティーン
慌てる。急ぐ。
- 用例
- ヘーク シコーランネー アワティーンドー(早く支度しないと慌てるよ)。
イェーヒャー ニッカナトールムン アワティレー(おいこら!遅くなっているのに急ぎなさい)。
アンシ アワティティ マーカイ イチュヌ チムエーガ(そんなに急いでどこへ行くつもりか)。
否:アワティラン(慌てない)過:アワティタン(慌てた)継:アワティトーン(慌てている)。
アワティガミ
急いで食べること。
- 用例
- アンスカ アワティガミ サンケー(そんなに急いで食べるな)。
アワティラカスン
急かす。急き立てる。
- 用例
- ウガニッカ ナティ、マニアーランギサー ヤグトゥ アワティラカスン(こんなに遅くなって、間に合いそうもないから急かす)。否:アワティラカサン(急かさない)希:アワティラカシーブサン(急かしたい)過:アワティラカチャン(急かせた)継:アワティラカチョーン(急かしている)。
- メモ
- →アギマースン。
アワハン
味が薄い。
- 用例
- ゥンマヌ ハンメーヤ ムル アワハン(そこの食事は全部味が薄い)。
- メモ
- →アファサン。
アワヒチャー
粟を挽く石臼。
アワムーチー
粟餅。
- メモ
- もち米と混ぜて作った。
アワメー
粟飯。
- メモ
- 米と混ぜてて炊いた。
アワリ
哀れ。苦労。
- 用例
- アンシ アワリ ヤルヤー(こんなにも哀れだこと)。
イルイル アワリ サビタン(色々苦労しました)。
アワリクチサ
辛く苦しいこと。
- 用例
- アン ソール アワリクチサン アタルヤー(あんなにも辛く苦しいこともあったね)。
- メモ
- 音1:アワリクリサ。
アワリクリサ
辛く苦しいこと。
- 用例
- ナマカラー アワリクリサン シミランサ(これからは難儀や苦労をさせないよ)。
- メモ
- 音1:アワリクチサ。
アワリサー
苦労人。不憫な人。
- 用例
- グナサイニカラ、チャー アワリサー ヤサ(小さい頃から、ずっと苦労ばかりしている人だ)。
- メモ
- 音2:アワリナムン。
アワリナムン
苦労人。不憫な人。
- 用例
- アンシ イャーヤ アワリナムン ヤル(なんてお前は哀れな人だ)。
- メモ
- →アワリサー。
アワゥンバギー
出産祝いに作る粟の産飯。
アワゥンバン
粟おこわ。
- 用例
- クミヌ イキラハイネー、アワゥンバン ニータン(米が少ないときには、粟おこわを炊いていた)。
アン
ある。
- 用例
- チュー コーテーヌ チノー、タンシヌ ナカンカイ アン(今日買った着物は、箪笥の中にある)。
ワン タマシマディ アンナー(私の分まであるねぇ)。
否:ネーン(ない)過:アタン(あった)。
アン
そう。
- 用例
- チヌー、イャーヤ アン イータシェー(昨日、君はそう言っていたさ)。
アン ヤタンナー、ワンネー ティーチン ワカランタサ(そうだったのか、私はちっとも知らなかった)。
アン
餡。
- 用例
- ウッサキーナーヌ アン シコーティ、ターガ カムガ(そんなにたくさんの餡を作って、誰が食べるの)。
アン サワン カン サワン チャー サワン
ああしようがこうしようがどうしようが。
- 用例
- アン サワン、カン サワン チャー サワン、イャー カッティ ヤサ(ああしようが、こうしようがどうしようが、お前の勝手だよ)。
アン スン
そうする。
- 用例
- ナマカラー アン スンテー(今からはそうするさ)。
アン ヤン
そうなんだ。
- 用例
- アン ヤン、イャーガ イーシェー アタトーテーサ(そうなんだ、君が言うのは間違いなかったね)。
アンアン
そういうこと。このようにして。
- 用例
- アンアンル ナトーンデー(そういうことになっているんだよ)・儀。
- メモ
- 類:カンカン。
アンイーカンイー
何だかんだとへりくつをこねている様。
- 用例
- アンイーカンイー ッシ、ムル イーシェー チカン(何だかんだ言って、ちっとも言うことを聞かない)。
アンイチャレー
そういえば。
- 用例
- アンイチャレー、イャーヤ チヌーン チョータンドーヤ(そういえば、君は昨日も来ていたよね)。
アンイルカ
思ったより。思っている以上に。
- 用例
- アンイルカヌ ヤッケームン ヤンディサ(思っている以上に厄介者だそうだ)。
アンエーヌ
あのような。
- 用例
- アンエーヌ イシグヮー(あのような石)。
- メモ
- 音2:アングトール・アンネール。
アングトゥ
あのように。あんなに。
- 用例
- アングトゥ シェー、チョー チカイサンデー(あのようにしては、人を使えないよ)。
- メモ
- 音1:アヌグトゥ。
アングトーヌ
あのような。あんなに。
- 用例
- アングトーヌ チュ リチェー ウマーンタン(あんな人だとは思わなかった)。
アングトール
あんな。あのような。
- 用例
- アングトール トゥクルンカイ イチュンナー(あのような所に行くの)。
アングトール ムン ユルチェー ナラン(あのような奴は許してはならぬ)。
- メモ
- →アンエーヌ。
アングトールー
あのようなもの。
- 用例
- アングトールーガン チカーリーミ(あのようなものが使えるか)。
- メモ
- →アヌフージー。
アングヮー
若い女性の名称。
- 用例
- アングヮー モーイヌ チュラサヨ(若い娘の踊りの美しいこと)。
アングヮーモーイ
娘踊り。
アングヮーユイ
髪の結い方の一種。未婚女性の髪型。
アンサーイ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーイ チャー ナタガ(そうしてどうなったの)。
- メモ
- 音1:アンサーニ・アンサーマ。音2:アンサーナカイ・アンサーナカニ。
アンサーナカイ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーナカイ ヤーカイ ケータルバーテー(それで家に帰ったわけさ)。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサーナカニ
そうして。それで。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサーニ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーニ ドゥーチュイ ケーティ チャン バオヨー(それで自分一人で帰って来たわけさ)。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサーマ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーマ ゥンジャルバーテ(それで行ったわけさ)。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサクトゥ
そうしたから。そういうことをしたから。
- 用例
- アンサクトゥル、ヤーカラ ゥンジトーサ(そうしたから、家から出て行ったんだよ)。
- メモ
- 音1:アンサグトゥ。
アンサグトゥ
そうしたから。そういうことをしたから。
- 用例
- アンサグトゥ ヤンメーソーサ(だから病気になったんだよ)。
- メモ
- 音1:アンサクトゥ。
アンサンテーン
そうであっても。
- 用例
- アンサンテーン、カタヂキランネー ヌーヌ ワジャン ナランサ(そうであっても、片付けないことには何の仕事もできないよ)。
アンサンレー
そうしなければ。
- 用例
- アンサンレー、チャーン ナランテーサニ(そうしなければ、どうにもならなかったんでしょう)。
アンシ
①それで。②なんて。そんなに。
- 用例
- ①アンシ、ウヌ アトー チャーサガ(それでその後はどうしたの)。②アンシ チュラサルヤー(なんてきれいなんでしょうね)。アンシ マーサルヤー(なんておいしいね)。
アンシーカンシー
そうこうしながら。
- 用例
- アンシーカンシー ソーティン、サントー ナランサ(そうこうしながらでも、やらなくちゃいけないでしょう)。
アンシーネー
そしたら。そうすると。
- 用例
- アンシーネー チャー スガ(そうしたらどうするか)。
- メモ
- 音2:アンスラー。
アンシェー
そうしたら。それなら。それでは。
- 用例
- アンシェー、イャーガ イチュシェー マシ ヤサ(それなら、お前が行ったらいいさ)。
- メモ
- 音1:アンセー。
アンシガ
だけど。
- 用例
- アンシガ ワンネー イカンドー(だけど私は行かないよ)。
- メモ
- 音2:ヤシガ。
アンジュン
炙る〔あぶ〕る。
- 用例
- シチグヮチネー ウチカビ アンジュン(お盆には打ち紙を炙る)。否:アンラン(炙らない)希:アンジブサン(炙っている)過:アンタン(炙った)継:アントーン(炙っている)。
アンシル
それで。そういうわけで。そういう理由で。
- 用例
- アンシル、アマンカイ ゥンジャンナー(そういうわけで、向こうに行ったのか)。
アンシン
それでも。
- 用例
- アンシン チカンル アンレー(それでも聞かないんだよ)。
アンシン、ヤマトゥヌ ヒーサヌ グトー ネーンサ(それでも、大和の寒さほどではないさ)。
アンシン ナーヤ アラン、ヤーマディ ウーティ チョータサ(それでも気持ちがおさまらず、家まで追って来ていたさ)。
アンシンカンシン
そうはいっても。
- 用例
- アンシンカンシン、クヮー ウヤ ワンライシェー アタイメー ヤサ(そうはいっても、子は親の面倒を見るのは当り前さ)。
アンスカ
それほど。そんなに。そこまで。
- 用例
- ワラバー アンスカ ヌラーンケー(子どもをそんなに叱るな)。
アンスカ イスガンケー(そんなに急ぐな)・木。
- メモ
- 音2:アンチューカ・アンチュカ。
アンスカナー
そんなにまで。そこまで。
- 用例
- イャーヤ、アンスカナー シワル ナイディー(お前は、そこまでしなくちゃいけないの)。
アンスクトゥ
そうだから。だから。
- メモ
- 音1:アンスグトゥ。
アンスグトゥ
そうだから。だから。
- 用例
- アンスグトゥ、イチャノー アラニ、イャーヤ(だから、言ったでしょうお前は)。
- メモ
- 音1:アンスクトゥ。
アンスシヤカ
そうするよりは。
- 用例
- アンスシヤカ、ワンガ イチュシェー マシ ヤタルムン(そうするよりは、私が行った方が良かったのに)。
アンスラー
そしたら。そうすると。
- 用例
- アンスラー、ワーガ イチュサ(そしたら、私が行くよ)・木。
- メモ
- →アンシーネー。
アンスルサクヤラー
そうするくらいなら。
- 用例
- イャーヤ、アンスルサクヤラー、イカンケー ヤテーサ(お前は、そうするくらいなら、行かなければ良かったさ)。
アンスルムンヌ
そうなのに。それなのに。
- 用例
- アンスルムンヌ、イチュンディチン アンナー!(それなのに、行くってもあるか!)。
- メモ
- 音2:アンソーティ。
アンセー
そうしたら。それなら。それでは。
- 用例
- アンセー、ワンガ トゥティチューサ(それなら、私が取ってくるよ)。
- メモ
- 音1:アンシェー。
アンソーシガ
そうしているが。
- 用例
- ウシダマティ アンソーシガ、チャー サル バーガヤー(押し黙ったままだけど、どうしたのかな)。
アンソーティ
そうなのに。それなのに。
- 用例
- アンソーティ、クヮ ウッチャンナギティ チューンディチン アミ!(それなのに、子どもを置いて来るってこともあるか!)。
- メモ
- →アンスルムンヌ。
アンソール
あんな。
- 用例
- アンソール クトゥン アタルヤー(あんなこともあったね)。
アンソール ムン、アマンカイ ムッチ イケー(あんな物、あそこに持って行きなさい)。
アンダ
①油。脂。②髪油。
- 用例
- ①アチャー チカイル アンダヤ、コーティ ウッチェーミ(明日使う油は、買っておいてあるねぇ)。
- メモ
- 音1:アンラ。
②嫁入り支度のひとつとして着物や櫛と合わせて髪油も準備した。
アンダー
植物名。白大豆。
- 用例
- アンダー イフェー ワキティ トゥラシェー(白大豆を少し分けてちょうだい)。
- メモ
- 音1:アンラー。
→ウフチジャー。
アンダークビ
竹で編んだ壁。
- 用例
- アンダークビ チュクイ ケーイン(竹壁を作り替える)。
- メモ
- 音1:アンラークビ。
アンダウヤー
石油や整髪油などを行商する者。
- 用例
- アンダウヤーガ ムラウチカラ アッチョータン(油売りが集落内で行商していた)。
- メモ
- 音1:アンラウヤー。
アンダガーミ
油甕。食用油を入れる甕〔かめ〕。
- 用例
- アンダガーミヤ クチャカイ ウッチョーケー(油甕は裏座に置いておきなさい)。
- メモ
- 音1:アンラガーミー・アンラガーミ。
豚の脂を入れる甕で、両側に耳が付いた壺屋焼きであった。
年の瀬にはほとんどの家で豚を潰し、約1年分の豚の脂をとって、油甕に保存した。
アンダカシー
{あぶらかす(脂かす)}。豚の脂身を炒めてできたかす。
- 用例
- アンダカシーン マンドーグトゥ、ワキティ ムッチ イケー(アンダカシーもたくさんあるから、分けて持っていきなさい)。
- メモ
- 音1:アンラカシー。
塩をふって保存し、炒め物や汁物などに入れた。
アンタキ
あの高さ。
- 用例
- アヌ ワラベー アンタキ ヌブティ ハイサ(あの子どもは、あんなに高い所まで登っていくさ)。
アンダギー
菓子名。小麦粉に砂糖や卵を加えて丸めて、油であげた菓子。
- 用例
- アンシ マーサギサヌ アンダギー ヤル(なんて美味しそうなアンダギーだ)。
- メモ
- 音1:アンラギー。音2:サーターアンダギー。類:サーターティンプラー。
戦前は裕福な家では生年祝いにサーターティンプラーを作りふるまった。
アンタキグヮー
たったあれだけの高さ。
- 用例
- アンタキグヮー、 ヌブイサンディチン アンナー(たったあれだけの高さを、登れないってこともあるか)。
アンタキナー
あんなに高く。
- 用例
- アンタキナー チュクテール(あんなに高く造ってあるさ)。
アンダクェー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダグェーイ
脂肪太り。
- 用例
- ワカサルムンガ アンダグェーイ シ、フージンネーラン(若者が脂肪太りして、みっともない)。
アンダクェーボージャー
は虫類。オキナワトカゲ。
- 用例
- キーヌ ユラカイ、アンダクェーボージャーガ シガトーン(木の枝に、オキナワトカゲが止まっている)。
- メモ
- 音1:アンダケーボージャー。体が油を塗ったように光っている。
アンダグチ
お世辞。おべっか。
- 用例
- ユヌナカヤ、アンダグチビカーンシェー ワタテー イカランサ(世の中は、お世辞ばかりでは渡っていけないよ)。
- メモ
- 音1:アンラグチ。
アンダグチャー
お世辞のうまい人。お世辞ばかり言う人。
- 用例
- アンダグチャーヤ、ウチクンジョー(お世辞ばかり言う人は根性が悪い)。
アンダグチャーヤ、チュカラ シカン サリーンドー(お世辞ばかり言っていたら、人から嫌われるよ)。
- メモ
- 音1:アンラグチャー。
アンダケーボージャー
は虫類。オキナワトカゲ。
- メモ
- 音:アンダクェーボージャー。
アンダジシ
脂身の多い肉。
- 用例
- シンジントゥ、アンダジシビカーン ヌクチェーサ(よくまあ、脂身だけ残してあるさ)。
- メモ
- 音1:アンラジシ。
類:シルビー。対:マシシ・マシサー(赤肉)。
アンダチブ
油壺。女性の整髪油を入れる掌ほどの大きさの壺。
- 用例
- ワームン アンダチブヤ、マーカイ ウッチャガヤー(私の油壺は、どこに置いたのかねぇ)。
- メモ
- 音1:アンラチブ。
アンダチャー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダチャーラー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダヂューサン
脂っこい。
- 用例
- ウレー、ルクカラ アンダヂューサヌ(それは、あまりにも脂っこい)。
- メモ
- 音1:アンラヂューサン。
アンダデー
女性の整髪油代。
- メモ
- 音1:アンラデー。
嫁入り前に姉妹や友人からアンダデーと称して祝儀を貰った。
アンダナービ
{あぶらなべ(油鍋)}。揚げ物用の鍋。
- 用例
- アンダナービ ウヌママ シェーシガ、チャーン ネーニ(油鍋をそのままにしてあるが、大丈夫ねぇ)。
- メモ
- 音1:アンラナービ。
鉄製で弦〔つる〕が付いており、豆腐や天ぷらを揚げるのに使った。
かつてはアンダナービを持っている所は数えるくらいで、行事の時は持っている家から借りた。
アンダハブグヮー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダプットゥルー
脂っこい食べ物。脂身。
- 用例
- アーキサミヨー!アンダプットゥルーシ ティーチン カマラン(ああもう!脂っこくてちっとも食べられない)。
- メモ
- 音1:アンラプットゥルー。
アンダマース
豚脂と塩を混ぜたもの。
- メモ
- 座喜味では治療薬として、できものに塗ったり、下痢の時におへそに塗ったりした。
アンダミー
{あぶらめ(脂目)}。目が潤んでいること。
- 用例
- アンダミー ソーシガ、アンマサル アリー(目が潤んでいるが、具合でも悪いの)。
アンダムチヒャーガー
法事用の菓子。小麦粉に油を入れこね、丸型、三日月型、輪っか型に焼いた菓子。
- メモ
- 3種を揃えないと法要を済ませたことにはならないといわれた。
アンダムン
油を使った料理。油っこい食べ物。
- 用例
- マルケーテー アンダムン フーシク ナインヤー(たまには油っこいものが欲しくなるね)。
- メモ
- 音1:アンラムン。
アンダムンジョーグー
脂っこい食べ物が好きな人。
- 用例
- アンダムンジョーグー ナテー ナランデー(油っこい物好きになってはいけないよ)。
- メモ
- 音1:アンラムンジョーグー。
アンダヰー
油酔い。揚げ油の匂いや油っこい物を食べ過ぎて気分が悪くなること。
- 用例
- アンダヰー ッシ アンマサン(油酔いして気分が悪い)。
アンダンスー
油味噌。味噌に細切れ肉や貝、砂糖を加え油で炒めたもの。
- 用例
- アンダンスー イッティ、ニジリメー チュクイサ(油味噌を入れて、お握りを作るさ)。
マーサマーサ アンランスー チュクテーン(油味噌をおいしく作ってある)。
- メモ
- 音1:アンランスー。音2:タマゴアンダンスー。
お茶請けや握り飯の具にする。油味噌は日持ちがするので、保存食としても重宝されている。昔は、芋を2、3個とアンダンスーを弁当にして学校へ持って行った。
アンチェングヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- アンチェングヮーヌ クトゥシ クサミカンケーワ(たったあれだけのことで怒るなよ)。
- メモ
- →アッサグヮー。
アンチャ
そうだ。そういえば。
- 用例
- アンチャ、アン ヤタサ(そうだ、そうだったよ)。
アンチューカ
それほど。そんなに。そこまで。
- 用例
- アンチューカ マディ イラッティ、ニジラリンナー(そんなにまで言われて、我慢できるか)。
- メモ
- 音1:アンチュカ。→アンスカ。
アンチュカ
それほど。そんなに。そこまで。
- 用例
- アンチュカ ハマラン(それほどは働かない)。
- メモ
- 音1:アンチューカ。→アンスカ。
アンチョー
ふくらし粉。食用重曹。
- 用例
- アンチョー コーティ クーワ(ふくらし粉を買って来なさい)。
アンティックトゥ
それほどのこと。そういうほど。
- 用例
- アンティックトー ネーンタン(それほどのことではなかった)。
アンテーカンテー
あれかこれか迷う様。
- 用例
- アンテーカンテー ッシ、チャー スシェー マシガヤラ ワカラン(あれかこれかと迷って、どうしたら良いか分からない)。
アンナイカンナイ
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンナイカンナイ カンゲーイガチー ッシ、ハインテー(あれこれ考えながら、進めていくさ)。
- メモ
- 音1:アンナシカンナシ・アンナリカンナリ。音2:アンニーカンニー。
アンナシカンナシ
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンナシカンナシ ッシ、ティーチナー シーアースサ(あれこれやりながら、ひとつずつやり終えていくさ)。
- メモ
- →音1:アンナイカンナイ・アンナリカンナリ。
アンナリカンナリ
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンナリカンナリ シーガチール、 ヌーン ナイサ(あれこれやりながら、何でもやっていくんだよ)。
- メモ
- →音1:アンナイカンナイ・アンナシカンナシ。
アンニーアンニー
そのように。
- 用例
- アンニーアンニー シ、ハルマーイドゥ シミシェータン(こんなふうに、畑を廻っていました)。
アンニーカンニー
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンニーカンニー スル エーカネー、ウワイサ(あれこれやっていくうちに、終わるさ)。アンニーカンニー シル、シクチェー ウビールヨー(あれこれやっていきながら、仕事は覚えるんだよ)。
- メモ
- →アンナイカンナイ。
アンニンカンニン
どうにもこうにも。
- 用例
- アンニンカンニン ナラン(どうにもこうにもならない)。
アンネー
案内。招待。
- 用例
- アチャヌ アンネーヤ、ワンガ サビーサ(明日の案内は、私がしますよ)。
アンネール
あのような。あんな。
- 用例
- アンネール クトゥン アンナー(あんなこともあるのか)。
アンネール ムンヤ ヤーカイ イリランケー(あんな奴は家に入れるな)。
- メモ
- →アンエーヌ。
アンビン
綱引きの人数をほどよく調整するため、毎年東西に組み分けを調整される家。
アンビン
陶器製の水差し。薬缶などの形をした大きい水差し。
- メモ
- 大きくて広口なので水甕代用にもなった。
家人が畑などへ出払って年寄り1人のときは、土間にある水甕まで足を運ばなくてすむように、水を入れたアンビンをジール(地炉)の側に置いて出た。
アンフィリーン
ありふれる。
- 用例
- ナマー ナー アンフィリトーシェーヤー(今はもう、ありふれているでしょう)。
アンブシ
漁法名。定置網。
アンブシアミ
アンブシ網。定置網漁に使う網。
アンベー
按配。塩梅。
- 用例
- チョードゥ イー アンベー ヤサ(ちょうど良い塩梅だよ)。
アンマー
母。お母さん。
- 用例
- ワンネー アンマートゥ マジョーン イチュン(私はお母さんと一緒に行く)。
アンマーウーヤー
母親の後ばかり追う子ども。
- 用例
- イャーヤ、イクチマディ アンマーウーヤー スガ(お前は、幾つまで母親の後を追って歩くの)。
アンマークートゥー
まじないの言葉。呪文。
- 用例
- アンマークートゥー、ターガン ンーランドー、アンマー チュイガル ンージュンドー(アンマークートゥー、誰がも見てないよ、お母さんひとりが見ているんだよ)。
- メモ
- 幼児を連れて夜道を行く時に、子どもの額に唾を3度つけて唱えた。
アンマーコーヤク
塗り薬の一種。膏薬〔こうやく〕。
- 用例
- アンマーコーヤクンデー タックヮーチョーケー、スグ ノーイサ(膏薬でも塗っておけば、直ぐに治るさ)。
- メモ
- 音1:アンマーゴーヤク。
アンマーゴーヤク
塗り薬の一種。膏薬〔こうやく〕。
- メモ
- 音1:アンマーコーヤク。
アンマーチーカー
植物名。イヌビワ。
- 用例
- アンマーチーカーヤ マーコー ネーラン(イヌビワは美味しくない)。
- メモ
- 音1:アンマーチーチー。
ビワに似た果実。
アンマーチーチー
植物名。イヌビワ。
- メモ
- 音1:アンマーチーカー。
アンマーユイ
髪の結い方の一種。既婚婦人の髪型。
アンマク
甲殻類。ヤシガニ。
アンマサン
①気分が悪い。具合が悪い。②面倒くさい。厄介。
- 用例
- ①チューヤ、チヌーヤカ アンマサン(今日は、昨日より気分が悪い)。②フユーナートゥ シクチ スシェー、アンマサン(怠けものと仕事をするのは、面倒くさい)。
- メモ
- ①音1:アンマハン。
アンマハン
気分が悪い。具合が悪い。
- 用例
- アミンカイ ンリタレー、アンマハン(雨に濡れたので、具合が悪い)。
- メモ
- 音1:アンマサン。
アンマヨー
あれまあ。困った時などに発する語。
- 用例
- アンマヨー、チャー スガヤー(ああもう、どうしよう)。
アンムチ
餡〔あん〕の入った餅。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ、ジコーヌ アンムチ ジョーグー ヤタン(私たちのおじいさんは、とても餡餅好きだった)。
アンヤグトゥ
そうだから。だから。
- 用例
- アンヤグトゥ、イチャノー アラニ(だから、言ったでしょう)。
アンヤシガ
そうなんだが。
- 用例
- アンヤシガ、チュケーノー イキワル ナイル(そうなのだが、一度は行かないといけない)。
- メモ
- →アネー ヤシガ。
アンヤティカラ
そういうことなら。
- 用例
- アンヤティカラ、イチュシェー マシテー(そういうことなら、行ったほうがいいよ)。
アンラ
油。脂。
- 用例
- クーブトゥ アンラトゥ ムジナクー コーイガ ゥンジャン(昆布と油とメリケン粉を買いに行った)。
- メモ
- 音1:アンダ。
アンラー
植物名。大豆の品種のひとつ。
- メモ
- 音1:アンダー。→ウフチジャー。
アンラークビ
竹で編んだ壁。
- 用例
- アンラークビン フルクドーン(竹壁も古くなっている)。
- メモ
- 音1:アンダークビ。
アンラウヤー
石油や整髪油などを行商する者。
- メモ
- 音1:アンダウヤー。
アンラガーミ
油甕。食用油を入れる甕〔かめ〕。
- 用例
- アンラガーミヌ ワリトーン(油甕が割れている)。
- メモ
- 音1:アンダガーミ・アンラガーミー。
→アンダガーミ。
アンラガーミー
油甕。食用油を入れる甕〔かめ〕。
- メモ
- 音1:アンダガーミ・アンラガーミ。
→アンダガーミ。
アンラカシー
豚の脂身を炒めた残りかす。
- 用例
- アンラカシー チュクティ タブイン(アンラカシーを作って保存する)。
- メモ
- →音1:アンダカシー。
アンラギー
菓子名。小麦粉に砂糖や卵を加えて丸めて、油であげた菓子。
- 用例
- アンラギー ワップー シ カムン(アンラギーを分けあって食べる)。
- メモ
- →音1:アンダギー。
アンラグチ
お世辞。おべっか。
- 用例
- アンラグチビカーン シ ヤクン タッタン(お世辞ばかりで役に立たない)。
- メモ
- 音1:アンダグチ。
アンラグチャー
お世辞のうまい人。お世辞ばかり言う人。
- 用例
- アレー ルク アンラグチャー ナティ、ナランシガ(彼はあまりにもお世辞ばかり言う人だから、付き合いきれない)。
- メモ
- 音1:アンダグチャー。
アンラジシ
脂身の多い肉。
- 用例
- アンラジシ ビカー カミーネー、クェーインドー(脂身ばかり食べていたら、太るよ)。
- メモ
- →アンダジシ。
アンラチブ
油壺。女性の整髪油を入れる掌ほどの大きさの壺。
- 用例
- ワームン アンラチブヤ ンランティー(私の油壺を見なかったねぇ)。
- メモ
- 音1:アンダチブ。
アンラヂューサン
脂っこい。
- 用例
- チューヌ チャンプルーヤ アンラヂューサン(今日の炒め物は脂っこい)。
- メモ
- 音1:アンダジューサン。
アンラデー
女性の整髪油代。
- メモ
- →アンダデー。
アンラナービ
{あぶらなべ(油鍋)}。揚げ物用の鍋。
- 用例
- アンラナービ シキーン(油鍋を据える)。
- メモ
- →音1:アンダナービ。
アンラプットゥルー
脂っこい食べ物。脂身。
- 用例
- アンラプットゥルー シ マーサーネーン(脂っこくておいしくない)。
- メモ
- 音1:アンダプットゥルー。
アンラムン
油を使った料理。油っこい食べ物。
- 用例
- マルケーテー アンラムンヤ クヮッチーヤサ(たまには脂っこいものも御馳走だよ)。
- メモ
- 音1:アンダムン。
アンラムンジョーグー
脂っこい食べ物が好きな人。
- 用例
- アンシ、アンラムンジョーグー ヤル(なんて、油物が好きなんでしょう)。
- メモ
- 音1:アンダムンジョーグー。
アンランスー
油味噌。味噌に細切れ肉や貝、砂糖を加え油で炒めたもの。
- 用例
- マーサマーサ アンランスー チュクテーン(おいしそうに油味噌を作ってある)。
- メモ
- →音1:アンダンスー。
アンリーン
溢れる。
- 用例
- ウッサ チュバチニ イリーネー、アンリーンドー(そんなに一度に入れると、溢れるよ)。否:アンリラン(溢れない)過:アンリタン(溢れた)継:アンリトーン(溢れている)。
アンリクヮンクヮン
溢れかえっている様。
- 用例
- ウッサナー アンリクヮンクヮン シミティ、チャー スガ(こんなに溢れかえらせて、どうするの)。
- メモ
- →アンリコーコー。
アンリクヮンリ
溢れかえっている様。
- 用例
- アンリンクヮンリ スカ、ターグンカイ ミジ カタミトーン(溢れかえるほど、水桶に水を担いでいる)。
- メモ
- →アンリコーコー。
アンリクンリ
溢れかえっている様。
- 用例
- クミヌ アンリクンリ イッチョーン(米が溢れるほど入っている)。
- メモ
- →アンリコーコー。
アンリコーコー
溢れかえっている様。
- 用例
- アンリコーコー ミジ イッティ、ヤー チチュル エーマネー、アンリティ ネーンル ナイサ(溢れかえるほど水を入れて、家に着くまでには、こぼれてなくなってしまうよ)。
- メモ
- 音2:アンリクンリ・アンリクァンクヮン・アンリクヮンリ。
アンル ヤティナー
そうだったのか。
- 用例
- アンル ヤティナー、イャーカラ チカンネー ワカランサ(そうだったのか、お前から聞かないと分からないさ)。
アンル ヤルイ
そういうことか。
- 用例
- アハーッ、アンル ヤルイ(ああ、そういうことか)。
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