
- ホーム
- しまくとぅば単語帳:ア
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
アー
粟。
- メモ
- 類:アワ。 粘り気の少ない粳粟と粘り気の多い糯粟の2種類があり、混ぜご飯や餅を作った。
アー
ああ。
- 用例
- アー アンル ヤティナー(ああ、そうだったのか)。
- メモ
- 物事に対して何かを感じたときに発する。
アー
泡。
- 用例
- アーガ ブクナイ フチョーン(泡がブクブク吹いている)。
- メモ
- 類:アーブク・アブクー・アブカー。
アーイナー
ああ。
- メモ
- 失敗したり、まずいことをした時に発する語。
アーキー
再会。
- 用例
- シバヤヲゥティ ウヤックヮガ アーキー スシェー ミグトゥ ヤタン(芝居で親子が再会する場面は見事だった)。
- メモ
- 芝居などで親子や兄弟が再会し、感情が高ぶる場面で使われることが多い。
アーギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アーゲ
もう。
- 用例
- アーゲ、マタン ハジマトーセー(もう、また始まったよ)。
アーケージュー
トンボの総称。

- 用例
- ウッサヌ アーケージューヌ アチマティチョール(たくさんのトンボが集まってきているね)。
- メモ
- アケージューともいう。 トンボの種類には竹に下がるサガヤーギンジュー、夕方群れて飛ぶ目の大きいユールミーギンジュー、大きい羽が美しいオクサンギンジューがあり、その特徴から名が付いた。アーケージューがたくさん飛び交うのは暴風の予兆といわれた。
アーケージューグサ
クマツヅラ。
- メモ
- 腹痛にはその煎じ汁を飲んだ。 野原に自生する多年草。その葉の形状がトンボに似ていることから付いた名前か。
アーゲーナー
もう。
アーサ
あおさ。ヒトエグサ。近海で採れる緑藻。
- 用例
- クンドゥヌ アーサヤ イークェー ナインドー(今年のアーサは良い肥料になるよ)。 ハマウイネー アーサ トゥイガ ゥンジャン(浜下りにはあおさを採りに行った)。
- メモ
- 乾燥させて汁物に入れるのが一般的な調理法。畑の肥料としても使われた。
アーサジル
アーサ汁。
- 用例
- アーサジルンカイヤ トーフン イリーンドー(アーサ汁には豆腐も入れるよ)。
- メモ
- 乾燥させたアーサと豆腐を入れ、薄い醤油味にしたもので、家庭料理として親しまれている。
アーサムーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アンスカナー アーサムーサ ナチ トゥラチェール(こんなにまでめちゃくちゃにしてくれたね!)。
- メモ
- 類:アーサモーサ・アジャマークジャマー。
アーサモーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アーサモーサ ヌール ナトーラー ワカラン ナトーン(めちゃくちゃになってどうなっているのか分からなくなっている)。
- メモ
- 類:アーサムーサ・アジャマークジャマー。
アーシ
地名(沖縄市泡瀬)。
アーシー
間食。
- 用例
- ヤーク ナトーシガ アーシーヤ ナーマル ヤリー?(腹がへったが3時のおやつはまだねぇ?)。
- メモ
- アシーともいう。類:マルヌムン。 字楚辺では農繁期には粟雑炊や黍雑炊、ラッキョウの漬物やユーヌク(麦こがし)等が出された。
アーシームーチー
お盆の3時頃に仏壇に供える団子の呼称。
- 用例
- サンジ ナトールムンヌ アーシームーチーン ヘーク ウサギレーワ(3時になっているのにアーシームーチーも早く供えなさい)。
- メモ
- 旧盆の中日にあたる14日の3時頃、団子を仏壇に供えた。
アーシギン
袷の着物。
- 用例
- ワンネー アーシギン ニンメー ムッチョーン(私は袷の着物を2枚持っている)。
- メモ
- 類:アーシヂン。
アーシヂン
袷の着物。
- 用例
- アンマーヤ アーシヂン チチ マーカイ ハイガ?(お母さんは袷の着物を着てどこに行くの?)。
- メモ
- 類:アーシギン。袷の着物で外出用。
アースン
合わせる。会わせる。
- 用例
- チンガ シアガトーグトゥ アチャー アースンディ(着物が仕上がっているから明日合わせるんだって)。 ウヤンチュー ドゥーサー アースン(親同士を会わせる)。
- メモ
- 否:アーサン(合わせない)希:アーシーブサン(合わせたい)過:アーチャン(合わせた)継:アーチョーン(合わせている)。 着物などを仕立てたものを合わせる。音を合わせるなど。
アースン(~アースン)
~し遂げる。
- 用例
- シーアースン(やり遂げる)。ナマヌグトゥシェー シーアーシー サンデー(今のやり方では終われないよ)。 ヒンギアースン(逃げおおす)。ヌブイアーチ(上り終えて)。ヌガイアーチャン(免れることができた)。
アータ
キノボリトカゲ。

- 用例
- ヤナヤー アータグヮー(いやな奴)。
- メモ
- グヮーをつけて軽蔑して呼ぶときにも使った。
アータ
アオガエル。カエルの総称。

- 用例
- アータ イクチン トゥッカチミタン(アオガエルを何匹も取っ捕まえた)。
- メモ
- 類:アタビー・アタビチャー・アタビカー。
アータ ナイン
疲れてぐったりする。
- 用例
- アマヲゥティ アータ ナティ ニンジクローン(あそこで疲れ果てて寝入っている)。
アータバイ
股ぐらを広げて歩く様。
- 用例
- アバーヤ アータバイ ッシ アッチ ハイタン(姉さんは疲れ果てた足取りで歩いて行った)。
アーッサ
もう。
- 用例
- アーッサ! アン ソール シーヨーン アンナー(はぁー!そんなやりかたってもあるの?)。
- メモ
- 納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
アーッサビヨー
もう、本当に。あれ、まあ。
アーッサヨー
もう。もう、本当に。あれ、まあ。
- 用例
- アーッサヨー、デージ ヤタンドー。(もう、大変だったよ)。
- メモ
- 納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
アーティンプー
あてずっぽう。いい加減な。
- 用例
- イャーヤ イチグ アーティンプームヌイー ッシ(お前はいつもあてずっぽうな物の言い方をして)。
- メモ
- 類:アーラッパー・アーランカー。
アートー
ああ、もう。
アーハー
ああ、なるほど。
- メモ
- 類:アーハーハー。 理解した時に発する語。
アーハーハー
ああ、なるほど。
- メモ
- 類:アーハー。
アーバサーバ
余計な口出しをする様。
- 用例
- チュヌ クトゥカイ アーバサーバ サンキヨー(他人の事に余計な口出しはするなよ)。
アーヒャー
ああ、もう。
- 用例
- アーヒャー! ナー ヲゥタティ ウッチャンナギレー(はぁー!もう疲れたほっとけ)。 アーヒャー アネー アラン(いやいや、そうではない)。
- メモ
- 投げやりになったり、否定する時に発する語。
アービヨイ
ええっ。あら。
アービヨー
ええっ。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アーファ
魚の名。アンコウ。
- 用例
- アーファヌシル ウサガミソーレー(鮟鱇汁を召し上がってください)。
アーブク
泡。
- 用例
- アーブクヌ タッチョーン(泡が立っている)。
- メモ
- 類:アー・アブカー・アブクー。
アーマークー
アメンボ。

アーマーコー
アメンボ。
アーマン
ヤドカリ。

- 用例
- ハーマヌ アーマンヌ マンドーシヨー(浜辺のヤドカリの多いこと)。
- メモ
- アマンともいう。
アーマンチュー
創造神の呼称。
- メモ
- アマンチューともいう。世の中の様子を見に天から下りてきた神。字高志保では最初に国頭に下りてきたとの伝承がある。
アーミックヮー
オタマジャクシ。

- 用例
- アーミックヮー スクレー(おたまじゃくしを掬〔すく〕え)。
- メモ
- 類:アーミナクー・アーミヌックヮー。
アーミナクー
オタマジャクシ。

- 用例
- アーミナクーガ ダテーン シリトンドー(おたまじゃくしがたくさん孵っているよ)。
- メモ
- 類:アーミックヮー・アーミヌックヮー。
アーミヌックヮー
オタマジャクシ。

- メモ
- アーミヌックヮともいう。 類:アーミックヮー・アーミナクー。
アーミンボー
アメンボ。
アーメークー
アメンボ。
アーメージャー
ヤスデ。
- 用例
- アーメージャーガ マンドーグトゥ ヘーク トゥティ ドゥキレー(ヤスデが多いから早く取り除きなさい)。
- メモ
- 類:アマダイムシ・アミダムシ・ヤンバラームシ・ヤンバルムシ
アーメーバー
アメンボ。
アーメンボー
アメンボ。
アーラッパー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- イャーヤ チャー アーラッパームヌイー ッシ(お前はいつもいい加減な物の言い方をして)。
- メモ
- 類:アーランカー・アーティンプー。
アーラミーバイ
魚の名。ヤイトハタ。
アーランカー
あてずっぽう。いい加減な。
- 用例
- アレー ユカイ アーランカードー(彼はかなりいい加減な奴だよ)。
- メモ
- 類:アーラッパー・アーティンプー。
アイ
あら。おっと。
- 用例
- アイ! イャー マーカイガ?(あら!君はどこにねぇ?)。 アイ バッペータン(おっと間違えた)。
アイエー
ええっ。ああもう。
- メモ
- 類:アイエ・アイエーナー・アイエーヨー・アイエナー・アイエヨー。 驚いたり、予想に反していた時などに発する語。
アイエーナー
ええっ。ああもう。
- 用例
- アイエーナー イャーヤ ナー チャー スガ!(あれまあお前はもうどうするのか!)。 アイエーナー デージ ナタン(ああもう、大変なことになった)。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーヨー・アイエナー・アイエヨー。 困った時に思わず発する言葉。
アイエーヨー
ああ。
- 用例
- アイエーヨー アイエーヨー ワン チュイ ヌクチ チャー スガヤー(ああ、ああ、一人残されてどうしよう)。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエナー・アイエヨー。 おいおいと嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
アイエナー
ええっ。ああ。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエーヨー・アイエヨー。 予想に反していた時に発する語。
アイエヨー
ああ。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエーヨー・アイエナー。 嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
アイク
漁法のひとつ。川で行う網代漁法。
- メモ
- 川の流れにそって漏斗状に編んだ竹を入れ、下流の出口に置いた籠〔かご〕に入ってくる蟹〔かに〕や鮒〔ふな〕を捕った。 字伊良皆ではアイクバーキを設置して田蟹や鮒、蟹などを捕った。川の竹で囲うのをヒシクミアイク、川の中に打ち込むのをウチクミアイクといった。
アイクバーキ
漁具の名前。竹で編んだ網代籠。
- メモ
- 類:アニク。 川漁に使った。籠の口は漏斗状になっていて入り込んだ獲物が出られないようになっている。それを川の流れに沿って設置し、そこまで石などを積み、エビや蟹などを誘い込めるようにした。
アイコー
蟻〔アリ〕。
- 用例
- ナーヌ アイコーヌ マンドーシヨー(庭の蟻の多いこと)。
- メモ
- 類:アナー。
アイコーカタ
蟻が歩いたような形跡。まだら模様。
- 用例
- ルク アシ ハティ アイコーカタ イッチョーン(余りにも汗をかいたので汗染みができている)。
- メモ
- 服に汗染みが残っている様にもいう。
アイター
あ痛。痛い。
- 用例
- アイター ヤムグトゥ サーランケー(あいたた!痛いから触るな)。
- メモ
- 類:アイターヨー・アガー・アガヨー。 痛い時に発する語。
アイターヨー
あ痛。痛いよ。
- メモ
- 類:アイター・アガー・アガヨー。 痛い時に発する語。
アイナー
あれまあ。
- 用例
- アイナー チャーン ネービランタガヤー(あれまあ、大丈夫でしたかね?)。 アイナー ワシトータン(ああ、忘れていた)。
アイネーン
あり合わせ。
- 用例
- チューヌ ユーバノー アイネーンッシ シムサ(今日の夕飯はあり合わせでいいよ)。
アイムンネーンムン
ありったけ。
- 用例
- アイムンネーンムン ムル ムタシェー(ありったけ全部持たせなさい)。 アイムネームン アビレーワ(思っていること全て吐き出しなさい)。
- メモ
- 直訳すると「有る物無い物」
アイヤー
ああ。あら。あれ。おっと。
- メモ
- アイヤともいう。 思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
アイヤナー
ああもう。
- メモ
- アイヤナともいう。 思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
アイヨー
ええっ。あれまあ。
- 用例
- アイヨー! ウレー アネー アランタルムン(あれ!それはそういうはずじゃなかったのに)。
アイヨーアイヨー
おいおいと泣く様。
- メモ
- 葬式の時の泣女の泣き声。
アカ
頭髪や衣服の汚れ。
- 用例
- チンヌ アカ ウトゥシェー(着物の汚れをおとしなさい)。
アカー
赤。色の名。赤いもの。
- 用例
- ウヌ アカー ソーシェー ワームン ヤサ(あの赤くしているのは 私のだよ)。 アカーグヮードゥ ヤイビールイ(赤いものですか?)。
- メモ
- アカともいう。
アガー
あ痛。痛い。
- 用例
- アガー! ヤムグトゥ サーランケー(あいたた!痛いから触るな)。
- メモ
- 類:アイター・アイターヨー・アガヨー。 痛い時に発する語。
アカアカートゥ
赤々と。
- 用例
- ヤマヌ アカアカートゥ メートーン(山が赤々と燃えている)。
アカーヌバン
能率が上がらない。捗らない。
- 用例
- アン ソール シーヨーシェー イチマディン アカーヌバンサ(そんなやり方ではいつまでもうまくいかないよ)。
- メモ
- 対:ハカドゥイン・ハバチュン(捗る)。
アカイ
障子。
- 用例
- アヌ アカイ アキティ ナカ ンチンディ(あの障子を開けて中を見てごらん)。
アガイー
上がり。乳の出が悪くなった乳牛。
- メモ
- アガイン(上がる。終わる。)の名詞形。 アガイウマチー、アガイエイサー、アガイスージ、アガイナーなどの表現もある。
アガイウマチー
その年の最後の御祭。
- メモ
- 2、3、4、5、6、8月と年6回あるウマチーのうち、字喜名ではシバサシウユミの翌日8月10日に行なわれた。
アガイエイサー
上がりエイサー。
- メモ
- 青年会を終える者たちが演ずるエイサー。字楚辺ではエイサー当日の午前中、25歳に達する者たちは青年会を卒業するので、その人達だけでお互いの家を巡回し演じている。
アガイスージー
入学祝い。
- 用例
- クンドー ゥンマガヌ アガイスージーガ アンドー(今年は孫の入学祝いがあるよ)。
- メモ
- アガイスージともいう。 類:フディカチミスージ。 字喜名では2月の彼岸頃に行なわれた。
アガイスーブー
上がり勝負。進級式(修了式)。進級祝い。
- 用例
- イャームン アガイスーブーネー マギ スージ サーヤー(君の進級祝いには大きなお祝いをしようね)。
- メモ
- 戦前は学力不振や家庭の事情で欠席が多い子は、進級することができず各学年で数名の落第生が出た。それで、無事に進級を祝うことをアガイスーブーといった。 ディキヤー(優秀者)には担任から褒美があったが、褒美をもらえるのはアガイスーブーの時だけなので、その日に休む者はいなかったという。
アガイティーダ
東から昇る太陽。朝日。
- 用例
- アガイティーダ ウガムン(朝日を拝む)。アサ ヘーク ウキティ アガイティーラ ウガムン(朝早く起きて朝日を拝む)。
- メモ
- アガイティーラともいう。対:サガイティーダ(夕日)。 東から昇る太陽は縁起が良いとされ、産児の胞衣の処理、命名、産着を着せる際に重視された。
アガイナー
その年最後の闘牛大会。
- 用例
- アガイナーネー イッペー ハネーチュタン(最後の闘牛大会はとても賑わった)。
- メモ
- 字楚辺では5月から9月までの農閑期を利用して、毎月1回闘牛が行われた。最後の9月9日にはアガイナーとしての闘牛が行われた。アガイは上がる、終了の意味がある。ナーは広場を意味する。
アカイユー
赤い魚の総称。
- メモ
- アカイユともいう。
アカイラブチャー
魚の名。赤いブダイ。
アカイン
赤犬。
アガイン
終わる。
- 用例
- チーヌ アガイン(乳が出なくなる)。マチヌ アガイン(市場が終わる)。
アガイン
上がる。
- 用例
- ティーダヤ アガリカラ アガイン(太陽は東から上がる)。 否:アガラン(上がらない)希:アガイブサン(上がりたい)過:アガタン(上がった)継:アガトーン(上がっている)。
- メモ
- 対:サガイン(下がる)。
アカインコ
《赤犬子》。
- メモ
- 歌三線の始祖で五穀豊穣の神。アカヌクー参照。
アカインドゥー
赤豌豆。えんどう豆の種類。
- メモ
- 花実が赤く、1月頃に播種し、4、5月頃に収穫した。
アカウブク
赤御仏供。神仏に供える赤飯。
- メモ
- 字比謝矼では61歳の祝いに小豆ご飯を小さな茶碗に円錐状に盛って火の神に供えた。
アカゥンマー
《赤馬》。龕〔がん〕。棺を運ぶ朱塗りの輿。
- 用例
- アカゥンマーガ トゥーティ ハイタン(龕が通って行った)。
- メモ
- アカウマ・アカンマともいう。 類:ガン・コー。 周囲は僧や花などの仏画が描かれ、朱塗りなのでアカゥンマー(赤馬)と呼んでいた。7歳未満で亡くなった子はアカゥンマーに乗せられなかったので、抱いて運んだ。読谷では火葬が普及する昭和30年代まで使用していた。
アカガーラー
赤瓦。
- 用例
- チカグロー アカガーラーチュクヤーン イキラク ナティヤー(近頃は赤瓦職人も少なくなったね)。
- メモ
- アカガーラともいう。
アカガイ
明かり。明るい所。
- 用例
- アカガイクラン(とても明るくなった)。 ユル ナイネー アカガイカラル アッチチューンドー(夜になったら明るい所を歩いて来るんだよ)。
- メモ
- 類:アカガイミー・アカサンミー。対:クラガイ・クラガイミー・クラシン(暗闇・暗い所)。
アカガイミー
明るい所。
- 用例
- ユルナーヤ アカガイミーカラ アッチル ケーティチュール(夜は明るい所を歩いて帰ってくるんだよ)。
- メモ
- 類:アカガイ・アカサンミー。対:クラガイ・クラガイミー・クラシンミー(暗い所)。
アカガイン
明るくなる。
- 用例
- ヤガテー ユー アキティ アカガインドー(やがて夜が明けて明るくなるよ)。
アカガシチー
小豆を入れたおこわ。
- メモ
- 8月は一般に悪霊が多い時期と信じられ、それらを払うために家の周囲にシバ(柴)を差して、アカガシチーを供えた。
アカカビ
《赤紙》。正月に仏壇や火の神に飾る赤い紙。
- メモ
- 正月にはアカカビと木炭3個を昆布で巻いたものと塩を火の神や仏壇に飾った。
アカガヤー
蟹の種類。
アガカランアガキ
足掻いても足掻いてもどうしようもない状態。
- 用例
- アガカランアガキ サンテーン チャーン ナランサ(どんなに足掻いてもどうしようもないよ)。
- メモ
- 類:アガカランアガチ。
アガカランアガチ
足掻いても足掻いてもどうしようもない状態。
- 用例
- ヒンスーヤ チャー ヒンスール ヤンムンヌ アガカランアガチ シ(貧乏はいつまでたっても貧乏なのにそんなに足掻いて!)。 アガカランアガチ トゥイヌアガチ(どんなにあがいても、ちっとも良くならない)。
- メモ
- 類:アガカランアガキ。
アカガンター
赤髪。赤毛が伸びている様子。
- 用例
- アマンカイ ヲゥヌ アカガンター ワラビ ヤサ(あそこにいる赤毛の子どもだよ)。
- メモ
- 類:アカブサー・アカブー。
アカギ
赤木。
- 用例
- アカギヤ イルガ アカー ソーグトゥ アン イラットーンディ(赤木は色が赤いことからそう言われているんだって)。
- メモ
- トウダイグサ科の常緑高木、樹皮が赤味を帯び、樹液が赤いことから名前が付いた。拝所近くに多く、現在では公園などに植栽されている。
アカギンジュー
トンボの一種。
アカグー
食紅。

アカグチャファ
皮膚病の一種。たむし。
アガクン
足掻く。働く。精を出す。
- 用例
- ナーヒン アガクンナー(もっと頑張れるか)。
- メモ
- 類:アガチュン。 手足を振り動かしてもがく、じたばたする、必死になって働く、あくせくする等。
アカコージメー
赤麹米。
- メモ
- 赤麹で着色した御飯で、祝いの膳に出た。
アカサビ
赤錆。
アカサン
赤い。
アカサン
明るい。
- 用例
- ナマ ヌミーガ イチュシェー アカサンデー(今飲みに行くには明るいよ)。
- メモ
- 対:クラサン(暗い)。
アカサンミー
明るい所。
- 用例
- クヮックィランヨークー アカサンミーカイ ゥンジティ クーワ(隠れないで明るい所に出てきなさい)。
- メモ
- 類:アカガイ・アカガイミー。対:クラガイ・クラガイミー・クラシンミー(暗い所)。
アカジナアヤー
オキナワシャリンバイ染めの濃褐色縞模様の着物。
- メモ
- 類:アカズミアヤー。
アカシヌシー
渡具知の海浜地名。
- メモ
- 港の入り口近くにある岩でアカシグヮーともいう。アカシヌシーでは干満に関係なく魚が捕れたという。
アカジン
魚の名。スジアラ。
- メモ
- アカは魚の色。赤い着物の意味のアカヂンか、金になるとの意味合いでのジン(銭)か。
アカジンミーバイ
魚の名。スジアラ。
- メモ
- 飛び出た大きな目の赤い魚。
アカスビ
魚の名。
アカズミ
赤染め。染色のひとつ。茶褐色。
- メモ
- 主に芭蕉布をティカチャー(オキナワシャリンバイ)の樹皮や根っこを染料にして染めた。
アカズミアヤー
オキナワシャリンバイ染めの濃褐色縞模様。
- メモ
- 類:アカジナアヤー。
アカズミイーチリー
オキナワシャリンバイ染めの絣。
アカスン
剥がす〔はがす〕。
- 用例
- ウシヌクスー アカシーネー マシェー アランドー(乳児の頭のかさぶたを剥がすと良くないよ)。
アカスン
物事を明らかにする。
- 用例
- シワグトゥヌ アラー ムンシリヲゥティ アカスンテー(心配事があるなら物知りの所で明らかにしてもらうさ)。 否:アカサン(明らかにしない)希:アカシーブサン(明らかにしたい)過:アカチャン(明らかにした)継:アカチョーン(明らかにしている)。
- メモ
- ユタや物知りに判断してもらう場合にも使うが、そのことを クチ イチャーシーガ イチュン(死者の言い分を聞きに行く)という。
アカスン
明かす。
- 用例
- チューヤ ナー ヤーカイヤ ケーラン ゥンマヲゥティ ユー アカスンテー(今日はもう家には帰らないでそこで夜を明かすさあ)。 否:アカサン(明かさない)希:アカシーブサン(明かしたい)過:アカチャン(明かした)継:アカチョーン(明かしている)。
アカスン
離す。
- 用例
- ウヤックヮ ウシムリニ アカスン(親子を無理矢理に離す)。 否:アカサン(離さない)希:アカシーブサン(離したい)過:アカチャン(離した)継:アカチョーン(離している)。
- メモ
- 対:ソーラスン(添わせる)。
アガタ
あちら。向こう。
- 用例
- アガタナーリー マーレー(あちらへ回りなさい)。
アガター
我々。
- 用例
- アガター チネー(私たちの家庭)。アガター ルーチューヤ(我々琉球は)。
- メモ
- 類:アギター・イガター・ゥンガター・ワッター・ワッテー。
アカターザチ
アカター崎。都屋の海浜地名。

- メモ
- 現在の都屋漁港内に海に向かってせり出した小さな岬があり、アカターザチと呼ばれている。アカターと呼ばれる白い鳥がこの岬に群れをなしたことに由来している。漁港整備で先端部の一部などは削られたが、それ以前は岬には原っぱがあり、漁に使う網干し場として利用されたため、アミフシモーと呼ばれた。戦前は美しい芝生が広がり、十五夜などには青年たちが集まって三線などを弾き遊ぶ憩いの場でもあった。松葉を焚きのろしを上げて県外へ行く船を見送るフナウクイもここで行われた。
アガタヌカー
伊良皆の井泉の名称。
- メモ
- 「向こうの井泉」という意味の井泉。イーヌカーと水源が同じといわれるが、クムイ(溜池)のようであまり利用されなかった。石で囲み目印としていたという。
アガタムティー
あちら側。
- 用例
- アガタムティーカイ イチュタサ(あちら側に行ったよ)。
- メモ
- アガタムティともいう。
アカチキ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチキナーリー ウキティ ハイタンデー(朝の早い時間に起きて行ったよ)。
- メモ
- 類:アカチチ・アカトゥンチ。
アカチキオーファングヮー
ウスベニニガナ。
- 用例
- アカチキオーファングヮーディシェー ワンネー チチェーンラン(ウスベニニガナというのは私は聞いたことがない)。
アカチキミークファヤー
朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アネヒャー! ニーブイカーブイシ アカチキミークファヤー カマーニ ヘーク ヒージャークサ カティクーワ(こら!眠たそうにしないで、おめざでも食べて早く山羊の草を刈ってきなさい)。
- メモ
- 類:アカチチミークファヤー。 ミークファヤー参照。
アカチチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチチナーリーヤ チュヌ ヤーカイヤ イカランサ(朝の早い時間には人の家には行けないよ)。
- メモ
- 類:アカチキ・アカトゥンチ。
アカチチミークファヤー
朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アカチチミークファヤーディチ パーパーガ ゥンムニー シコーテーサ(おめざにお婆さんがゥンムニーを準備してあるよ)。
- メモ
- 類:アカチキミークファヤー。 ゥンムニーはサツマイモを煮て練ったもの。 ミークファヤー参照。
アガチャー
足掻く人。働き者。
- 用例
- アンシ アガチャー ヤル(あんなに働き者だね)。
- メモ
- 類:ハタラチャー。
アガチュン
足掻く。働く。精を出す。
- 用例
- チュヌ バイナー アガチュン(人の倍も頑張る)。 アガチワル カマリール(働かないと食っていけない)。 否:アガカン(頑張らない)希:アガチーブサン(頑張りたい)過:アガチャン(頑張った)継:アガチョーン(頑張っている)。
- メモ
- 類:アガクン。 手足を振り動かしてもがく、じたばたする、必死になって働く、あくせくするなどの意。また、働き者にはアガチャーという。
アカヂラー
赤い顔。赤ら顔。赤面。
- 用例
- ハジカサヌ チュラーク アカヂラー ナトーサ(恥ずかしくて本当に赤面したさ)。
アガッタムン
大した奴。
- 用例
- フユーナムンガ ジン モーキティ アガッタムン ヤサ(怠け者がお金を儲けて大した奴だ)。
- メモ
- 嫌味を込めた言い方。
アガトゥー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- 用例
- アガトゥーンカイル イチュンナー(あんな遠い所に行くの?)。 アガトゥー スインカイ(あんなに遠い首里まで)。
- メモ
- 類:アガトー。対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近い所)。
アガトゥーナー
あの遠さ。ずっと遠い所を強調した言葉。
- 用例
- アガトゥーナーンカイル アティナー?(あんな遠い所にあったの?)。
アカトゥンチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカトゥンチナーリー ヌー サワジョーガ?(朝っぱらから何を騒いでいるの?)。 ソーグヮチヌ アカトゥンチゲーナー(正月の暁早々に)。
- メモ
- 類:アカチキ・アカチチ。
アガトー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- メモ
- 類:アガトゥー。
アカドーン
赤みがかっている。
アカナバー
赤紫蘇。赤じそ。
- メモ
- 漬け物にするだけで調理はしなかった。 麻疹患者にアカナバーの煎じ汁を与えた。
アカヌクー
《赤犬子》。楚辺の拝所の名称。

- メモ
- 歌と三線の始祖とされる赤犬子終焉の地を楚辺ではアカヌクーと呼び崇めている。 アカヌクーウグヮン参照。
アカヌクーウグヮン
《赤犬子御願》。

- メモ
- 類:アカヌクスーギ。 赤犬子は、楚辺の守り神、五穀豊穣の神ともされ、9月20日に赤犬子御願を行う。この時五穀のゥンバン(米・粟・黍・小豆・唐黍を混ぜたご飯)も供えられる。戦前はムラヤーとアカヌクーの間をホラ貝や鉦、太鼓を打ち鳴らしながら練り歩いた。道中参加した子どもたちには一切れの餅が配られた。
アカヌクウスメー
《赤犬子御主前》。赤犬子の尊称。
- メモ
- アカヌクー・アカヌクーウグヮン・アカヌクスーギ参照。
アカヌクーバル
赤犬子原(楚辺の小字)。
アカヌクスーギ
赤犬子祝儀。赤犬子祭。

- 用例
- アカヌクスーギネー ジムスカラ アカヌクーマディ スネーティ イクタン(赤犬子祭には、公民館から赤犬子宮まで行列をつくって行った)。
- メモ
- 類:アカヌクーウグヮン。 毎年9月20日に、村の守り神として崇拝している赤犬子の歌と三線の偉業を称え、また豊作を祈願しアカヌクスーギを行う。公民館から、ドラや太鼓を鳴らしながら、赤犬子宮へ向かった。そこで赤犬子への拝みを終えた後に、「かぎやで風」や「イリベーシ」などの踊りを奉納する。
アガネーイン
節約する。
- 用例
- ユー アガネーティ ジノー チカリヨー(よく節約してお金は使いなさいよ)。
- メモ
- 対:チカイホーイン(使いっぱなし)。
アカバカマ
赤袴。
- メモ
- 女性教員は正月、天長節、紀元節には赤袴と呼んだえんじ色の袴に下駄の礼装であった。
アカバク
《赤箱》。葬儀用具入れ箱。
- 用例
- ダビニ チカイル ドーグヤ アカバクンカイ ウサミテーサ(葬式に使う道具は赤箱に収めてあるよ)。
- メモ
- 赤い木箱のことで、龕の装飾品や葬列に使う天蓋や葬式旗等の葬儀用具を収めた。
アカバクー
赤箱。肉の行商人。
- 用例
- アカバクーガ チューンドー(肉の行商人が来るよ)。
- メモ
- 赤い箱に肉を入れて行商していたことから、そう呼ばれた。
アカハジ
赤っ恥。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ アカハジ カカチ(人前で赤っ恥をかかせて)。
- メモ
- 人前で赤面するほどの恥ずかしさ。
アカバチ
魚の名。
アカハチマキ
《赤□》。赤い□〔ハチマキ〕。
- メモ
- □は王府時代の礼装時の冠に相当するもので、位階によって色が違った。
アカバチャー
スズメバチ。ハチの一種。
- メモ
- 子どもが蜂を退治する山遊びの中で、大きくて強いアカバチャーの巣を壊した者はイジバー(勇気がある)と一目置かれた。
アカバナー
仏桑花。ハイビスカス。

- 用例
- アカバナーガ ユー サチョーン(仏桑花がよく咲いている)。
- メモ
- 類:グソーバナ。 仏壇に供えるのでグソーバナ(後生花)ともいう。生垣として植えられていた。
アカハン
赤い。
アカビー
赤い火。
- 用例
- アカビー ナルカ イシ ヤチュン(真っ赤になるまで石を焼く)。
アカヒジー
稲の種類。
- メモ
- ヒジメーと呼ばれる在来種で芒〔のぎ〕が赤っぽいもの。他にシルヒジーやコージャーがあった。
アカヒチムン
怠け者。
- 用例
- アカヒチムン ナテー ナランデー(怠け者になってはいけないよ)。
- メモ
- 類:ウフゲンナー・オーヒチャー・フユ―ナー・フユ―ナムン。対:アガチャー・ハタラチャー(働き者)。
アカブー
赤毛。茶髪。またその人。
- 用例
- アンシ アカブー ヤル(とても髪の毛が赤いね)。
- メモ
- 類:アカブサー・アカガンター・アカブシ。
アカブサー
赤毛。茶髪。またその人。
- 用例
- アヌ アカブサー ワラビ ヤサ(あの髪の毛が赤い子どもだよ)。
- メモ
- 類:アカブー・アカガンター・アカブシ。
アカブシ
赤毛。茶髪。またその人。
- 用例
- アカブシ ワラバー(赤毛の子ども)。
- メモ
- 類:アカガンター・アカブー・アカブサー。
アカブックイ
赤みがかっている様。
アカフリムン
馬鹿なことをする者。
- 用例
- ヤナ アカフリムン(なんて馬鹿な奴)。
アカベー
皮膚病の一種。
- メモ
- 皮膚が赤くなるのでそういった。
アカマーミー
赤豆。小豆。
- 用例
- アカマーミー ニチェーンドー(小豆を炊いてあるよ)。
- メモ
- アカマーミともいう。 類:アジチャー。 色味からアカマーミと称している。
アカマーミーゴハン
小豆入りご飯。赤飯。
- 用例
- スージネー アカマーミーゴハン ニラヤー(お祝いには赤飯を炊こうね)。
- メモ
- 類:アカメー。
アカマカー
ヘビ。ハブ。
- メモ
- 類:アカマター。
アカマク
腕白。
- 用例
- ルク アカマク ナティ デージ ヤサ(余りにも腕白で大変だ)。
- メモ
- 類:ウーマク・シティマク・ハティマク・マク。
アカマター
ヘビの一種。アカマタ。
- 用例
- アカマターンカイ ダマサットーン(アカマタに騙されている)。
- メモ
- アカマタともいう。 類:アカマカー。 夜行性で無毒の蛇。 美男子に姿を変えたアカマタの子を宿した娘が、海水に浸って清められたことから、3月3日の浜下り行事が始まったという話が村内外で流布している。
アカマチ
魚の名。ハマダイ。浜鯛。
- 用例
- アチャヤ スージデームン アカマチ コーティチャン(明日はお祝いだからハマダイを買ってきた)。
アカマッカーラー
真っ赤。
- 用例
- トマトーヌ アカマッカーラ ソーシヨー(トマトが真っ赤なこと)。
- メモ
- アカマッカーラともいう。 真っ赤をより強調した言葉。
アカミー
卵黄。黄身。
- 用例
- シルミービカーン カリ アカミーヤ ヌクチェーンデー(白身だけ食べて黄身は残してあるよ)。
- メモ
- 類:キーミー。対:シルミー(卵白)。
アカミー
赤眼。
- 用例
- ミーンカイ グミヌ イッチ アカミー ソーン(目にゴミが入って目が赤くなっている。)
アガミーン
崇める。
- 用例
- イクチ ナティン ウヤー アガミリワル ナイル(幾つになっても親は崇めないといけない)。アガミシェービリ(崇めてくださいませ)。 否:アガミラン(崇めない)希:アガミーブサン(崇めたい)過:アガミタン(崇めた)継:アガミトーン(崇めている)。
- メモ
- 「アガミシェービリ」は士族が用いていた言葉。対:ウシェーイン(馬鹿にする)。
アカミンタマー
地名(読谷村座喜味の喜名田原にある小地名)。
アカムサー
テントウムシの総称。
- 用例
- クンドー アカムサーガ ウーサンヤー(今年はテントウムシが多いね)。
アカムヤー
高志保の地名。
- メモ
- 沖縄戦後、避難先から字高志保の東原(アガリバル)の北側に、主に長浜区民が帰村したところ。そこは赤土の国頭マージにおおわれ小高い丘状になっており、赤い丘(ムイ)という意味でそう呼ばれた。読谷初等学校渡慶次分校もここに位置した。
アカムル
魚の名。
アカメー
赤飯。
- メモ
- 類:アカマーミーゴハン。
アガヤーグヮー
大根の種類。
- メモ
- 浦添小湾から入ってきた小ぶりの大根で、クワンアガヤーグヮーとも呼んでいた。
アガヨー
あ痛。
- メモ
- 痛い時に発する語。
アカラーウヮーグヮー
産まれたての子豚。
- 用例
- アカラーウヮーグヮー イクチ ナチェーガ?(子豚を何頭産んであるか?)。
- メモ
- アカラーウヮーともいう。
アカラーグヮー
産まれたての子豚やウサギなど。
アカラフタラ
きらびやかな様。
- 用例
- アカラフタラ イスガラチ ソーティ イチュタン(きれいに着せて連れて行った)。
- メモ
- 類:アカルフタル。
アガリ
東。
- 用例
- アガリンカイ イチュタン(東に行った)。
アガリイーバル
東上原(楚辺の小字)。
アカリーウヮー
乳離れした子豚。
- メモ
- アカリウヮーグヮーともいう。
アカリーン
離れる。分かれる。
- 用例
- ユークル フルイートーグトゥ ヤガテー アカリーンテー(ほどよく大きくなっているからやがて乳離れするよ)。 否:アカリラン(離れない)希:アカリーブサン(離れたい)過:アカリタン(離れた)継:アカリトーン(離れている)。
- メモ
- 器物などが壊れて剥がれている状態やくっついていた状態が終わって分かれること。家畜等の乳離れや幼鳥が巣立つ時にもいう。
アガリウガン
拝所名。東御願。楚辺の七御嶽のひとつ
- メモ
- ウガンヒラー・アガリウタキともいう。雑木林に覆われた小高い丘の中にある。楚辺の守り神として拝まれ、戦時中は出征兵士の武運長久を祈願し拝んだ。戦前は石でできた祠があった。
アガリウマーイ
東御廻り。
- メモ
- 類:アガリカタウマーイ・アガリマーイ。 先祖が暮らしていたと伝わる土地へ行き、使用していたであろう井泉や住居跡、墓などを拝む門中行事。島尻南部東側の旧知念村・玉城村を巡拝するコースがアガリウマーイで、7年ごとに8月から10月頃にかけて行なわれる。
アガリカタ
東の方。東方面。
アガリカタウマーイ
東方御廻り。
- メモ
- 類:アガリウマーイ・アガリマーイ。 一般にはアガリウマーイ(東廻り)という。
アガリカミアサギグヮー
楚辺集落東側にある拝所。
- メモ
- アガリカミアサギ・カミーアサギグヮー・アガリカミサギグヮー・ヌファカミアサギグヮーともいう。 昔は東がヌファ(禰覇)村、西がスビ(楚辺)村であったとの伝承がある。
アガリカミザ
東側に設けた一番座。
- メモ
- 地形によって西側に設けたイリカミザもあった。
アガリクシバル
東後原(伊良皆の小字)。
アカリクチ
引き剥がす糸口。
- 用例
- チャーサラー シニッチュトゥヌ アカリクチェー スガヤー(どうしたら死者の霊魂を引き離すことができるだろうか)。 ウヌ アカリクチェー マーガヤー(その剥がし口はどこかね)。
アガリグミ
東組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- 集落の行政組織及び地域区分の名称。他にイリグミ(西組)、メーグミ(前組)・クシグミ(後組)、一番組、イチゴーガル(一号角)、一班などがある。
アガリサクバル
東佐久原(伊良皆の小字)。
アガリサチバル
東崎原(宇座の小字)。
アガリジャチミバル
東座喜味原(座喜味の小字)。
アガリジョー
東門。波平の地名。

- メモ
- 字波平集落の東側入り口にある広場の呼称。1609年の慶長検地で割り当てられた土地で、農閑期における豊年祈願や娯楽の場として使われ、アガリウフナー(東大庭)と呼ばれたという。そこに植えられた松やガジュマルの下で、7月16日の棒術や八月十五夜アシビが盛大に催され、現在ではそこをアガリジョーと呼んでいる。アガリジョーのガジュマルは、2002年に沖縄県の名木として認定された。
アガリニンジュ
東の人たち。
- メモ
- 対:イリニンジュ(西の人たち)。 主として綱引きなどで集落全体を二分した際の東側の人たちのこと。アガリンダカリ・イリンダカリ、メーンダカリ・クシンダカリなどと分ける所もある。 字渡慶次ではナカミチ(中道)を境にして、アガリニンジュ(東)が雄綱、イリニンジュ(西)が雌綱と分けた。
アガリバル
東原(伊良皆の小字)。
アガリバル
東原(宇座の小字)。
アガリバル
東原(喜名の小字)。
アガリバル
東原(高志保の小字)。
アガリバル
東原(座喜味の小字)。
アガリバル
東原(上地の小字)。
アガリバル
東原(瀬名波の小字)。
アガリバル
東原(楚辺の小字)。
アガリバル
東原(大湾の小字)。
アガリバル
東原(長浜の小字)。
アガリバル
東原(渡具知の小字)。
アガリバル
東原(波平の小字)。
アガリマーイ
東御廻り。
- 用例
- トゥーサグトゥ アガリマーイヤ メーニノー イチーサンタン(遠いから東御廻りは毎年は行けなかった)。
- メモ
- 類:アガリウマーイ・アガリカタウマーイ。 島尻の聖地を巡拝する行事。玉城には斎場御嶽や、米の発祥地といわれる受水走水など巡拝する所が多い。戦前は1泊拝みになることも多く、若者は喜んで参加したという。
アガリムティー
東側。東方。
- 用例
- ワランチャーヤ アガリムティーヲゥティ アシドーン(子どもたちは東側で遊んでいる)。
- メモ
- アガリムティともいう。対:イリムティ(西側)。
アガリムティーバル
東表原(長浜の小字)。
アガリムティチャンプルー
婚礼当日、東側で食した豆腐炒め。
- メモ
- 字楚辺では豆腐を油で炒めたアガリムティチャンプルーを提灯持ちなど参会者にふるまった。
アガリメーバル
東前原(楚辺の小字)。
アガリンケー
東向き。
- 用例
- ハーメーヤ アガリンケー シ ニントーン(おばあさんは東向きになって寝ている)。
アガリンダカリ
地名(字における区分)。東村渠。東組。
- メモ
- 対:イリンダカリ(西村渠・西組)。 集落全体を東西に二分する時の組の呼称。
アカルヒル
白昼。昼間。
- 用例
- アカルヒル ヤグトゥ ハジカサヌ アッカラン(真っ昼間なので恥ずかしくて歩けない)。
アカルフタル
きらびやかな様。
- 用例
- アカルフタル スガティ(派手に着飾って)。
- メモ
- 類:アカラフタラ。
アカングヮ
赤ちゃん。

- 用例
- ナマ アカングヮ ニンシトーン(今、赤ん坊を寝かせている)。
- メモ
- アカングヮーともいう。 類:ボージャー・イーヨーグヮー。 「アカングヮヤ ミルクグヮチン ユチ フラスン(赤子は、6月の暑い時でも雪を降らせる)」 外気に触れさせないよう、大切に育てなさいという意味の諺がある。
アカングヮーイユ
ジュゴン。
- 用例
- アカングヮーイユヤ ユー ンジーネー ウジラーサンドー(ジュゴンはよく見ると可愛いよ)。
- メモ
- 類:ザン。
アカンクヮーラ
色鮮やかで派手な様。豪華な様。
- 用例
- アカンクヮーラ シ ミーチラサヨー(赤々として眩しいことよ)。
アカンチャー
赤土。
- 用例
- アカンチャーブッター ッシ ヘーク チン ケーレー(赤土だらけで早く着替えなさい)。
- メモ
- 石けん類がない頃はアカンチャーで洗髪した。
アカンナグヮー
貝の種類。
- メモ
- 赤貝か。
アカンバチャー
赤面する様。
- 用例
- チラー アカンバチャーッシ ハイタン(顔を真っ赤にして行ってしまった)。
アカンミー
赤い実。
- 用例
- ウッサ アカンミーヌ チチョール(あんなに赤い実がついているね)。
アギ
陸。
- 用例
- カーミーガ アギンカイ アガティ チューン(亀が陸に上がってくる)。 アギンジ ウクリ(陸で葬りなさい)。アギンカイ ウクラン(陸に葬らない)。
- メモ
- 類:ジギ。対:ウミ(海)。 女郎にうつつをぬかす男を女性がアギヌフリムン(陸の気の触れた者)と揶揄した。
アキーン
開ける。
- 用例
- アチサグトゥ ハシル アキーン(暑いから戸を開ける)。 否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)過:アキタン(開けた)継:アキトーン(開けている)。
- メモ
- 対:シミチーン(閉める)・クーイン(閉じる)。
アキーン
空ける。空にする。
- 用例
- ヤー アキーン(家を空ける)。イッスビン アキーン(一升瓶を空にする)。
アキーン
明ける。
- 用例
- ユー アキーン(夜が明ける)。
- メモ
- 対:ユックイン(日が暮れる)。
アギーン
上げる。
- 用例
- ニムチ ウヮービンカイ アギーン(荷物を上にあげる)。 シグトゥ ハマイネー イーンカイ アギーサ(仕事を頑張ったら昇格させるよ)。 否:アギラン(上げない)希:アギーブサン(上げたい)過:アギタン(上げた)継:アギトーン(上げている)。
- メモ
- 対:サギーン(下げる)。
アギーン
食べ物を吐く。
- 用例
- アンマサヌ ムン ハカハカーッシ アギーン(具合が悪くてむかむかして食べ物を吐く)。 否:アギラン(吐かない)希:アギーブサン(吐きたい)過:アギタン(吐いた)継:アギトーン(吐いている)。
- メモ
- 類:ハチュン。対:ヌミンチュン(飲み込む)。
アキガタ
明け方。
- 用例
- ワンガ ケーティチーネー アキガタ ナトータン(私が帰って来る時には明け方になっていた)。
アキサミヨー
ええっ。きゃあ。
- 用例
- アキサミヨー! チャー スガ(あれまあ!どうしようか)。
- メモ
- 類:アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。 とても驚いたときや悲しいとき、助けを必要とするときなどに発する語。
アキサミヨーナー
ええっ。ああもう。
アギジェー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジェ! ヌグヮ アン ナトール?(あーぁ!なぜそういうふうになっているの?)。
- メモ
- アギジェともいう。 類:アキサミヨー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。 何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギジャバ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
アギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
アギジャビヨイ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨイ!アン ソール クトゥン アル(あーぁ!そんなことってあるか)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨー・アギジャベ。 何かし損ねた時などに発する。
アギジャビヨー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨー! デージ ナトーン(あれまあ!大変な事になった)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャベ。 びっくりした時、何かし損ねた時、予想に反した時などに発する語。また驚いた時や助けを必要とするときに発する叫び。
アギジャベ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャベ アンル ナトーティナー?(あーぁ!そんなことになっていたのか)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー。 何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギター
我々。
- 用例
- アギター ザキミンジェー(我々、座喜味では)。
- メモ
- 類:アガター・イガター・イギター・ゥンガター・ワッター・ワッテー。
アキチャーアキチャー
熱がっている様。
- 用例
- アキチャーアキチャー ッシ(あっちっちと)。
アギドーフ
厚揚げ豆腐。
- 用例
- アヌ マチヤヌ アギドーフヤ イッペー マーサン(あそこの店の厚揚げ豆腐はとても美味しい)。
アキネー
商い。商売。
- 用例
- アヌ チョー アキネー ッシ モーキトーサ(あの人は商売で儲けているさ)。
- メモ
- 類:アチネー。
アキハティジューグヮチ
飽き果て10月。特に節供のない10月。
- 用例
- ジューグヮチェー アキハティジューグヮチディチ シチベー ヌーン ネーンタン(10月は呆れ果てる10月といって行事は何もなかった)。
- メモ
- アチハティジューグヮチともいう。類:カリジューガチ・サビジューガチ。
アキヒルギーン
開け広げる。
- 用例
- アチサグトゥ ハシル アキヒルギーン(暑いから戸を開け広げる)。 アキフィラキーンともいう。ビントーヤ アキフィラキッシッ ウチャン(弁当を開け広げておいた)。 否:アキヒルギラン(開け広げない)希:アキヒルギーブサン(開け広げたい)過:アキヒルギタン(開け広げた)継:アキヒルギトーン(開け広げている)。
- メモ
- 戸や窓などを開け放すこと。 対:クーイミチーン(閉め切る)。
アギマースン
急かす。急き立てる。
- 用例
- ジカヌンカイ ウクリティ ニッカ ナトーグトゥ アギマースン(時間に遅れて遅くなっているから急かす)。 否:アギマーサン(急かさない)希:アギマーシブサン(急かしたい)過:アギマーチャン(急かした)継:アギマーチョーン(急かしている)。
アキマドゥシ
明くる年。新年。
- 用例
- アキマドゥシン ガンジューサ アラチ クィミソーリ(明くる年も健康にしてください)。
- メモ
- 大晦日の晩に1年の加護を感謝し、翌年の健康と繁栄を祈願した。
アキミックヮー
あき盲。目はあいているが見えない人。
- 用例
- アキミックヮーヌ グトー ネーンヤー(目が不自由な人にはみえないね)。
- メモ
- 類:アチミックヮー。 見えている人に対して悪口として使う場合もある。
アギムン
揚げ物。
- 用例
- チューヌ ビントーヤ アギムンヌ ウーサル(今日の弁当は揚げ物が多い)。
アギヤー
漁法のひとつ。追い込み網漁。
アギヤーシンカ
追い込み漁業を一緒にやる仲間。
アキヨ
あら。あれ。
- メモ
- 類:アッキヨ。
アギヨ
あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨイ
あらまあ。あれまあ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨーナー
あれまあ。ああ、もう。
アギヨーナー
ええっ。ああもう。
アギンチュ
陸の人。陸育ち。
- 用例
- ワッター アギンチュ ヤクトゥ、ウミヌ クトー ワカラン(私たちは陸育ちだから、海のことはわからない)。
- メモ
- 対:ウミンチュ(漁師)。
アク
灰。
- 用例
- アクシン チナヌ ノーラリーミ(灰で綱が綯えるわけがない)。
- メモ
- 類:フェー・ヘー・カラフェー。
アク
灰汁。
- メモ
- 藁灰や木灰を水に浸して上澄みをすくったアルカリ性の液で、洗濯や沖縄そばを作るのにも使われる。
アグ
顎〔あご〕。
- 用例
- ウスメーヤ アグンカイ アジャガ アサ(おじいさんは顎にホクロがあるよ)。
- メモ
- 類:カクジ。ウトゥガク・ウトゥゲー(下顎)。
アクー
悪。悪者。悪い行いをする者。
- 用例
- アレー テーゲーネー アクードー(彼は相当な悪者だよ)。 シトゥウヤンカイ アク サリーン(姑に意地悪される)。
- メモ
- アクともいう。 類:ヤナッチュ。対:イーッチュ(善人)。
アグー
強健多産系の黒豚。

- 用例
- アグーヤ アグニカラ チョーンディンドー(アグーは粟国産だというよ)。
- メモ
- 沖縄在来の豚にはシマウヮー(島豚)と、アグーと呼ばれた黒豚と、白い色の入ったアヨーがあった。
アクゲーシ
悪返し。災厄防除。
- 用例
- ムーチーヌ ニージル ヤシチンカイ マチャーニ アクゲーシ スン(鬼餅の煮汁を屋敷に撒いて災厄除けをする)。
- メモ
- 類:アクフーゲーシ・フーチゲーシ。
アクシン
悪い心。
アクスーユクスー
悪い性根、欲深い性根。
- 用例
- チャッサ イェーキンチュ ヤティン アクスー ユクスー ムッチェー ナランドー(どんなにお金を持っていても 欲深く悪い心をもってはならないよ)。
アクタ
芥〔あくた〕。塵〔ちり〕。
- 用例
- アクタビケーン トゥイアチミティ チャー スヌ チムエーガ(使えないものだけ拾い集めてどうするつもりか)。
アクタチクタ
塵芥。
- 用例
- マーカラン アクタチクタ ムッチッチ メースタン(あっちこっちから塵芥を持ってきて燃やした)。
アクタンチクタン
塵も芥も。何でもかんでも。
- 用例
- アクタンチクタン ムル アチミレー(何でもかんでも全て集めなさい)。
アクヂナ
灰綱。灰縄。
- メモ
- 藁を綯〔な〕って焼き、縄の形を残したままの灰。
アクトゥイ
あか取り。

- メモ
- 類:ユートゥイ。 船底にたまった水を汲み出す道具。
アクビ
欠伸〔あくび〕。
- 用例
- アクビグヮー サギール ムンヌ、ナー ニンジュンテー(あくびをしているようだから、もう寝るだろう)。 イーチン アクビンシミラン(息つく間も与えない)。
アクビー
悪日。厄日。
アクフー
悪風。霊気。
- メモ
- 類:ヤナカジ。
アクフーゲーシ
悪風返し。災厄防除。
- メモ
- 類:アクゲーシ・フーチゲーシ。 12月に作る鬼餅の蒸し汁を、屋敷の周囲に、悪風返しとして撒いた。災厄防除のことで鬼餅やカンカーなどの行事も悪風返しのひとつである。
アクミ
ふけ。
- メモ
- 類:イリチ。
アクミ
胞衣。胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- 産湯の中に盃一杯の酒を入れるとアクミが早く取れると言われ、浴びせた後はガサガサした肌触りの芭蕉布にくるんだ。
アゲー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アケーイン
夜が明ける。
- 用例
- ユー アケーイシガ ヘーク ナトーン(夜が明けるのが早くなった)。 ユーヌ アケーイ シトゥ マンジュン ヤーカラ ゥンジーン(夜が明けると同時に家から出る)。 ユー アケーイン(夜が明けて明るくなる)。
- メモ
- 対:ユックィン(日が暮れる)。
アコー
ああ。
- 用例
- アコー アンル ヤンナー(ああそうなのか)。
- メモ
- アゴーともいう。
アコー
毛色の赤い闘牛の名前。
- 用例
- オーヤーウシヌ アカギー ソーシカイ アコーディ イタン(闘牛で赤い毛をしているのにアコーといっていた)。
- メモ
- 闘牛の名前を付けるには牛の得意技、角の形や色、体の色や特徴が元になった。
アコークロー
黄昏時。
- 用例
- アリトゥ イチャタシェー アコークロー ジブン ヤタサ(彼と会ったのは夕暮れ時だったよ)。
- メモ
- 類:ユマングィ。 人の顔が判別しにくい夕方の薄暗い時間帯のこと。
アサ
朝。
- 用例
- アサ ヘーク ウキティ ハルカイ ゥンム フイガ イチュン(朝早く起きて畑へ芋堀りに行く)。
アザアガリバル
字東原(楚辺の小字)。
アザイリバル
字西原(楚辺の小字)。
アサイン
漁る。あさって探す。
- 用例
- マーカイガ アラー ワカラングトゥ アマクマ アサイン(どこにあるのか分からないからあちこち探す)。
- メモ
- 類:アサグイン。
アサウキ
早起き。
- 用例
- アヒーヤ マーカイガ ヤラー アサウキ シ ゥンジティ ハイタン(兄さんは早起きしてどこか出て行った)。
- メモ
- 対:アサナー・アサニ(朝寝)。
アサウグヮン
朝御願。朝一番に神仏を拝むこと。
- メモ
- 元旦は、火の神と仏壇、床の間を拝するが、字伊良皆では門と屋敷の四隅も拝したという。字渡慶次では一番鶏が鳴く前に朝御願をした。 生年祝いには当日早朝、火の神、仏壇の順に健康祈願をした。
アサカーギ
朝の日陰。朝の陽ざしが弱い時間帯。
- 用例
- アサカーギヌ エーマ ハルカイ イチュン(朝の陽ざしが弱いうちに畑へ行く)。
- メモ
- 対:ユーカーギ(夕方の日陰)。
アサギ
家の前庭にある離れ家。
- 用例
- アサギヲゥティ アチマティ ドゥシンチャー ボーシ クローン(離れで集まって友達が帽子組みをしている)。
- メモ
- 類:メーヌヤー。 かつては、門中の宗家にあった離れで、そこには香炉が置かれ祖先神を祀っていた。それが次第に、裕福な家でも造られるようになった。後年は、客間や帽子組みの場所として使われたり、貸し宿にした。また、友達が集まって夜なべをしたり、雑談を楽しんだりした。喜名小学校や古堅小学校では教室が足りなくて、近隣のアサギを分教場として利用したこともあった。
アサギ
祭祀を行う建物、場所。
- メモ
- 類:アタトーヤー・アシャギ・カマサギ・カミアサギ・カミサギ・トゥヌ・トゥン。 字座喜味では七柱それぞれの前に七つの門中の代表が座り、協議する場であったと伝えられる。
アサグイン
漁る。あさって探す。
- 用例
- ハジナーリー アサグイン(端っこからあさる)。
- メモ
- 類:アサイン。
アササー
蝉。クマゼミ。

- 用例
- ヤマカイ アササー トゥイガ イチュン(山にクマゼミを取りに行く)。
アサジー
浅地。薄い藍色の着物や布。
アザシーミー
字清明。字で行う清明祭。
- 用例
- アザシーミーヤ アザヌ ヤクミンチャーガ ウガムタン(字清明は字の役員たちが拝んでいた)。
- メモ
- 類:ウシーミー・ムラシーミー。 字が主体となって行う清明祭。字楚辺では3月の清明の入日に、字の役員が瓶子と重箱を持って、按司墓、大城の墓、ノロ墓を拝む。
アサタビ
首里勤め。政務を司る役。
- メモ
- 類:アシタビ。
アサティ
あさって。
- 用例
- アサティ ガッコーヲゥティ イチャラナ(あさって学校で会おう)。
アサティヌナーチャ
しあさって。
- 用例
- ナーファカイ コーイムンシーガ イチュシェー アサティヌナーチャドー(那覇に買い物に行くのはしあさってだよ)。
アサナー
朝寝坊。
- 用例
- ヲィナグヌ アサナーナイネー ナナヒヌカン ウガマーナイン(女が朝寝坊だと、七つのヒヌカンを拝むことになる)。
アサナー
朝寝。朝寝坊。
- 用例
- ヰナグヌ アサナー ナイネー ナナヒヌカンウガマー ナイン(女が朝寝坊だと、七つのヒヌカンを拝むことになる)。
- メモ
- 三行半を下されて婚家を七回変わることになる。
アサナーリー
朝っぱらから。
- 用例
- アサナーリー チュヌヤーカイ イチュンナー?(朝っぱらから人の家に行くの?)。
- メモ
- 類:アサンナーラ・アサナゲーイ。対:ユルナーリー(夜から)。
アサニ
朝寝。寝坊。
- 用例
- アサニ シーネー ドゥーヌ スンル ヤンドー(寝坊したら自分の損だよ)。
- メモ
- 対:アサウキ(朝起き)。
アサヌマール
朝の間。午前中のちょっとした時間帯。
- 用例
- アサヌマールヲゥティ ゥンジチューシェー マシ ヤサ(朝のうちに行って来たほうがいいよ)。 アサヌマルネー ウチナスサ(朝のいっときでは終わるよ)。
- メモ
- アサヌマルともいう。
アサハン
浅はか。軽率。
- 用例
- ヰナグヌ アサハシンカイ サングヮナーンリ イーン(女の軽率な者にはサングヮナーという)
アサバン
昼飯。昼食。
- 用例
- アサバン シコーティカラ イチュサ(昼ご飯を準備してから行くね)。
- メモ
- 類:メーシー。
アサバンヲゥイ
昼飯時。
- 用例
- ナー アサバンヲゥイ ナトーンドー(もうお昼時だよ)。
アザブー
字賦。
- 用例
- アザブーヤ ゥンジランアレーナランドー(字の作業には出なければならないよ)。
- メモ
- 部落への労働提供にアザブーと言い、字伊良皆では、10月のヒーゲーシ(火返し)行事の祈願人夫として、年配男性2人をアザブー(字人夫)として頼んだ。 ブー参照。
アサマカネー
朝食の準備。またその料理。
- 用例
- アサマカネーヤ ユークル ゥンムトゥ アンダンスー ヤタン(朝賄いはほとんど芋と油味噌だった)。
- メモ
- 目覚めに軽く取る朝食を準備すること。
アサマサン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- イャームン シーヨーヤ アサマサン(お前のやりかたは卑劣だ)。
- メモ
- 類:アサマハン。
アサマシムン
浅ましい奴。卑劣な奴。
- 用例
- アンシ アサマシムン ヤル(なんて卑劣な奴なんだ)。
アサマハン
浅ましい。卑劣な。
- 用例
- アヌ チョー ヤバン ナティ アサマハン(あの人は野蛮で卑劣だ)。
- メモ
- 類:アサマサン。
アザマンサン
《字満散》。字全体の製糖が終了する祝い。
- 用例
- アザマンサヌン ウワティ ユルットゥ ナティヤー(字の製糖も終わってほっとしたね)。
- メモ
- 4月下旬には各組の製糖が終わるので、日を決めて字で無事に製糖が終わったことを祝った。
アサミーグチ
口開けの客。
- 用例
- アサミーグチヤ アチネーシンカンカイヤ カリーナムンドー(朝一番の客は商売人にとっては縁起の良いものだよ)。
- メモ
- 商売人は縁起の良いものとして喜び、おまけを付けたりした。地域によって(特に商売人)は、朝一番のお客は男性だと縁起が良いが、女性だと縁起が悪いとされている。また、正月にも朝早く、男性が実家へ行くことが縁起が良いとされていた。
アサミジ
人が亡くなった翌朝から3日間墓に供える水。
- 用例
- チュヌ マーシーネー サンニチビカーノー ハカンカイ アサミジ マチーガ イチュン(人が亡くなったら3日間ほど墓に水を供えに行く)。
- メモ
- 類:ミジマチー。 ナーチャミー参照。
アサメークサメー
子どもがちょこちょこ動き回る様子。
- 用例
- クヌ ワラベー アサメークサメー ッシ!(この子どもはちょこちょこ動き回ってなんて落着きがないんだ!)。
アサユサ
朝夕。
- 用例
- アサユサ ヒジュルク ナティヤー(朝夕冷たくなったね)。
- メモ
- 類:アサンユサン。
アザワレー
あざ笑い。嘲笑。
- 用例
- チュ アザワレー シェー ナランサ(人をあざ笑ってはいけないよ)。
アサンナーラ
朝っぱらから。
- 用例
- アサンナーラ ミンチャサン(朝っぱらからうるさい)。
- メモ
- 類:アサナーリー。対:ユルナーリー。
アサンユサン
朝も夜も。
- メモ
- 類:アサユサ。
アシ
汗。
- 用例
- アンスカ アシ ダラダラ シ ヌー ソータガ?(そんなに汗だくになって何をしていたの?)。 ウレー アシ ハトーグトゥ ナー カマランドー(それは汗をかいているからもう食べられないよ)。
- メモ
- 長時間置いた餅や炊いた芋などの表面に出る水滴にもいった。
アジ
味。
- 用例
- マジェー アジ ッシンディ(まずは味見してごらん)。
アジ
鰓〔エラ〕。
- 用例
- クヌ イユヌ アジヌ マギサヨ(この魚のエラの大きいことよ)。
アジ
口蓋。
- 用例
- アジンカイ タンナファクルーヌ タックヮトーン(口蓋にタンナファクルーの菓子がくっついている)。
アシー
午後のおやつ。
- 用例
- チューヌ アシーヤ ヌー シコーテーガヤー?(今日の3時のおやつは何を準備してあるのねぇ?)。 アシー ゥンジャセー(おやつを出しなさい)。
- メモ
- 類:アーシー。
アシーダーグ
盆の中日14日午後に仏壇へ供える団子。
- メモ
- 類:アーシームーチー。
アジーン
十字にする。交差する。
- 用例
- マンナカヲゥティ チューク アジーン(真ん中で強く結ぶ)。
アジウシーミー
《按司御清明》。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- クンドゥヌ アジウシーミーヤ タートゥ ターガ イチュガヤー?(今度の按司御清明は誰と誰が行くのかな?)。
- メモ
- 類:イチムンシーミー・カミウシーミー・ムンチューシーミー。 各家の代表が集まって行う。
アシウトゥ
足音。
- 用例
- クヮヌ ニントーグトゥ アシウトゥ タティンナヨー(子どもが寝ているから足音を立てるなよ)。
アシゥンマ
《足馬》。竹馬。
- メモ
- 類:キービサー・ババヌエー。 字伊良皆では竹馬のことを言った。
アシゥンマ
墓の中の棺をのせる台。
- メモ
- 台から蟻が上がってこないように、水を入れた碗などを置いた。
アシガ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- ワン アシガー アシガ(私の下駄はあるよ)。
- メモ
- 類:アシジャ。
アジガー
地名(読谷村大湾の小地名。拝所のひとつ)。
アジカイグヮンス
預かっている位牌。
- メモ
- 本来祀るべきではない位牌を預かっていること。
アジカイディマ
預かり賃。
- 用例
- アジカイディマヤ ハラティー?(預かり賃は払ったね?)。
- メモ
- 対:アジキディマ(預け賃)。
アジカイン
預かる。
- 用例
- ウヌ ジノー ワンガ アジカイン(そのお金は私が預かる)。 否:アジカラン(預からない)希:アジカイブサン(預かりたい)過:アジカタン(預かった)継:アジカトーン(預かっている)。
アシカチャー
汗かき。
- メモ
- 類:アシハヤー。
アシガチャー
せっかちな人。
- 用例
- イャーヤ ルク アシガチャーナティ(お前はあまりにもせっかちで)。
アシガチュン
焦る。やきもきする。
- 用例
- ナー ナイネー アシガチュンドー(いざとなったら焦るよ)。 過:アシガチャン(焦った)継:アシガチョーン(やきもきしている)。
アジキーン
預ける。託する。
- 用例
- ユービンチクンカイ ジン アジキーン(郵便局にお金を預ける)。 否:アジキラン(預けない)希:アジキーブサン(預けたい)過:アジキタン(預けた)継:アジキトーン(預けている)。
アジキディマ
預け賃。
- 用例
- チナ アジカイル ヤーネー アジキディマ クィタン(綱引きの綱を預かってくれる家には 謝礼をあげた)。
- メモ
- 対:アジカイディマ(預かり賃)。 物品を預かってくれる相手へあげる謝礼。
アジクーター
こくがあり、深い味わいのあるもの、こと。

- 用例
- アンシ アジクーター ッシ マーサル(とても味にコクがあって美味しいね)。
- メモ
- 人生経験豊富な人の味わい深い話や芸にも言う。
アシクシ
足腰。
- 用例
- トゥシェー カサニティン アシクシ ガンジューサ アリワル ナインデー(年は重ねても足腰が頑丈でないといけないよ)。
アシクミ
足慣らし。
- 用例
- ウマハラセーメーニ アシクミ スタン(競馬の前に足慣らしをした)。
- メモ
- 競馬を始める前に、足慣らしをすることをアシクミといって、場内を1、2周した。
アシグン
足踏み。
- 用例
- キーヌファー アシグン ッシ ケーイン(落ち葉を踏んで帰る)。
アジケー
シャコ貝。
- メモ
- アジケーは邪気を払うと言われ、門柱に設置して魔除けにした。
アシジャ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- アシジャ クリ マーカイ メンシェーガ?(下駄を履いてどこに行かれるの?)。
- メモ
- 類:アシガ。
アジスガイ
按司扮装。
- 用例
- アジスガイ ッシ シバヤ スタン(按司の扮装をして芝居をした)。
アシダクダクー
汗だくな様。
- メモ
- アシダクダクともいう。
アシタビ
首里勤め。政務を司る役。
- 用例
- ヤマトゥンカイ アシタビ シミシェール ッチュ(大和との政務を司る役職の人)。
アジチャー
小豆。
- メモ
- 類:アカマーミー。
アジヂューサン
味が濃い。

- 用例
- アジヂューサグトゥ ナー イフェー ミジグヮー ゥンベーレー(味が濃いからもう少し水で薄めなさい)。
- メモ
- 類:ダシヂューサン。
アシティビチ
豚足料理。
- 用例
- ナービヌミー アシティビチ ニチェーサ(鍋いっぱいに豚足を炊いてあるよ)。
- メモ
- 一般的には大根や昆布と味噌汁仕立てにして食べるが、煮つけにすることもある。
アシテビチ
豚足料理。
- 用例
- チージンジ アシテビチ カラン(辻で豚足料理を食べた)。
アシトゥ
足音。
- 用例
- アシトゥ クラグトゥ ヤナマヤーヤ ヒンギティ ハイタン(足音を立てたら、どら猫は逃げていった)。
アシバー
遊び人。
- 用例
- シクチン サン アシバー ナテー ナラン(仕事もせずに遊んでばかりではいけない)。
- メモ
- 一定の職業をもたず、ぶらぶらと世渡りしている人。畑仕事を嫌ってアシビ(娯楽)に夢中になる者。
アシハイミジハイ
汗水流している様。
- 用例
- アシハイミジハイ ソーティル ジノー モーキールヨー(汗水流してお金を稼ぐものだよ)。
アジバカ
按司墓。
- メモ
- その土地を治めた有力者や発祥に関わった人物のことを広く按司と言い表し、彼らを祀った墓をいう。具体的に「大湾按司之墓」(大湾)や「前田按司之墓」(喜名)と名称を伴う墓もあれば、単に「アジバカ」と呼称される古墓が村内各地にある。多くは各字の清明祭で拝されている。
アシハヤー
汗かき。
- 用例
- ワンネー アシハヤー ヤグトゥ スバンカイ クーンナケー(私は汗かきだから側に来るな)。
- メモ
- 類:アシカチャー。
アシビ
遊び。村芝居や芸能など。
- 用例
- ルク アシビジチ ナティ シクチン サン ナトーサ(あまりにも芝居好きで仕事もしなくなっているさ)。 ジューグヤアシビヌ シバイヤ ヌー スガ(十五夜遊びの村芝居は何の演目にするか)。
- メモ
- 元は神事・歌舞をいったが、次第に歌三線、踊りや芝居などを演じるムラアシビや若い男女が遊ぶモーアシビにもいうようになった。
アシビイリミ
村芝居などの経費。
- 用例
- アシビイリミヤ ヌチ ウワトーミ?(村芝居に使う経費は徴収して終わったか?)。
- メモ
- 類:アシビイルミ。 ムラアシビを行うときの経費として、15歳から50歳の人から徴収した。その金は他所の部落を招待したときの経費や小道具等の購入費に充てられた。
アシビイルミ
村芝居などの経費。
- メモ
- 類:アシビイリミ。
アシビガシラ
村芝居や祭りの責任者。
- 用例
- アシビガシラ アタトーティカラ ハマラントー ナランサ(祭りの責任者に当たっているなら頑張らないといけないよ)。
- メモ
- アシビをやることが決まると、アシビガシラが法螺貝を吹いて皆に合図した。 30歳前後から40歳前後の者の中から、芸達者な数人をアシビガシラにした。アシビガシラは配役や踊りの指導はもちろん、ムラアシビに関することの面倒をみた。
アシビグヮーセー
村芝居遊び。
- メモ
- 大人達が演ずるムラアシビの芝居を子どもが真似て遊んだ。
アシヒサ
足。
- 用例
- ワン ミーヌ クルサヌ ウチェー イカナシン ヤーンカイ アシヒサ イリラサン(私の目が黒いうちは絶対にこの家の敷居をまたがせない)。
- メモ
- 足の卑語。
アシビトゥイケー
ムラアシビの交流。芸能の交流。
- 用例
- スビヤ アシビトゥイケー シーガ ナガハマ マディン イチュタン(楚辺は村遊びの交流をしに長浜までも行っていた)。
- メモ
- 他所の字を招いて、お互いで得意としている芝居や踊り等の芸能を披露すること。その場合、招待された側が芸を披露し、招いた側が経費を負担した。招待した字は、各家族から徴収した米や油、豆腐などを、一か所に集めて炊いて御馳走した。招待された側は次回には相手方の村芝居を招待した。毎年行うわけではない。 字長浜ではアシビトゥイケーが盛んで、宇座・渡慶次・高志保・座喜味・瀬名波と交流し、その際は豆腐を集めて青年たちが調理したという。字座喜味は宇座・渡慶次・長浜と交流した。
アシビドゥシ
遊び友達。
- 用例
- アヌ タイヤ イッペーヌ アシビドゥシ ヤサ(あの2人はとても良い遊び友達だよ)。
アシビナー
村芝居などを行う広場。
- 用例
- チューン アシビナーカイ アチマラヤー(今日も広場に集まろうね)。
アシビブラ
祭り用の法螺。
- メモ
- 字伊良皆では音が大きく鳴るミーブラ(雌の法螺)を用いた。
アシビブリ
遊ぶのに夢中になること。
- 用例
- アシビブリ ッシ ジカヌン ワカラン ウクリティ ネーンサ(遊びに夢中になって時間が経つのも分からず遅れてしまったさ)。
アシビモー
若者が遊ぶのに適した野原。
アジヒャー
あまのじゃく。反対ばかりする者。
- メモ
- 類:アジヤー
アシビングェー
遊び食い。
- 用例
- ワター ミッチルヲゥラー アシビングェー ッシ イチマディン カローサ(お腹がいっぱいなのか遊び食いしていつまでも食べているさ)。
アシビングヮ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシェー アシビングヮヌ マンドータンヤー(昔は婚外子が多かったね)。
- メモ
- 類:モーキングヮ・ヘージュリングヮ・ヤグサミングヮ・カチヌミーングヮ・カヤヌミーングヮ・ガンマリヌクファイ・カチミングヮ・ヤマングヮ・ヤマダニー・モーアシビングヮー。
アシブ
汗疹〔あせも〕。
- 用例
- アチサヌ フシガラン ワランチャーン アシブ フチタックヮチョーン(暑くてたまらない子どもたちも汗疹だらけだ)。
- メモ
- 子どもに汗疹が出ると、ヨモギやニガウリの葉を湯に入れ浴びせた。
アシブミイシ
足踏石。
- 用例
- ンカシヌ アシブミイシヤ ナマン ヌクティル ヲゥサニ?(昔の足踏石は今も残っているでしょう?)。
- メモ
- 類:ゥンマヌイイシ。 字楚辺では、ノロ殿内から飾りつけをした神馬が祭りを行う広場まで来て、足踏石に横付けすると、ノロがその石を踏み台にして馬に乗った。
アシブン
遊ぶ。
- 用例
- ウヤヌ ティガネーン ウワトーグトゥ ナマカラ ドゥシンチャートゥ アシブン(親の手伝いも終わったから今から友達と遊ぶ)。 否:アシバン(遊ばない)希:アシビーブサン(遊びたい)過:アシダン(遊んだ)継:アシドーン(遊んでいる)。
アシベー
遊ぶこと。
- 用例
- ワランチャーガ ナーヲゥティ マーイアシベー ソーン(子どもたちが庭で毬遊びをしている)。
アジマー
豆腐を作る時の道具。
- メモ
- 2本の板を十字に組んだもの。桶〔おけ〕の上に置き、その上に石臼を据〔す〕えた。
アジマー
十字路。四つ角。交差したもの。
- 用例
- アマヌ アジマー ニジリンカイ マガレー(あそこの十字路を右に曲がりなさい)。
- メモ
- 十字路や、紐などの結び目のこと。
アジマームスビ
十字に結ぶこと。
- 用例
- リッパ アジマームスビ シーヨー(ちゃんと十字に結んでね)。
アシミジ
汗水。
- 用例
- ニンジノー アシミジ タラチ シクチン シワル モーキラリルヨー(人間は汗水垂らして働いてこそ儲けることができるんだよ)。
アジムークー
按司の婿。予祝のひとつ。
- 用例
- アジムークー ウンチケー サビラ(按司の婿をお迎えしましょう)。
- メモ
- 大晦日に箒を使う時は「アジムークー ウンチケーサビラ」と言いながらゴミを外へ掃き出す。
アジャ
ほくろ。
- 用例
- ハナヌ ウヮービヌ アジャグヮーヌ ウジラーサヨー(鼻の上のほくろの可愛いこと)。
アジヤー
あまのじゃく。反対ばかりする者。
- 用例
- ウヌ ワラべー ウヤヌ イーシン チカン アジヤー ヤテーンテー(その子どもは親の言うことも聞かないであまのじゃくだったんでしょうね)。
- メモ
- 類:アジヒャー。
アシャギ
祭祀を行う建物。
- メモ
- 類:アサギ・アタトーヤー・カマサギ・カミアサギ・カミサギ・トゥヌ・トゥン。
アジャナー
渾名〔あだな〕。
- 用例
- アリガ アジャナヤ ヌーンリ イータガ?(彼のあだ名は何と言ったか?)。
- メモ
- アジャナともいう。
アジャマークジャマー
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- チュラーサ アジャマークジャマー ッシ トゥラチェーサヤー(見事にめちゃくちゃにしてくれたな)。
- メモ
- 類:アーサモーサ・アーサムーサ。
アジラーサン
味があって美味しい。

- 用例
- ウヌ シルヌ アジラーサシヨ アンシ マーサルヤー(その汁の味があることよ、とても美味しいね)。
アシレーイン
あしらう。
- 用例
- ワラビトー ユヌムン アシレーイン(子どもと同じようにあしらう)。
- メモ
- 馬鹿にしていい加減に扱うこと。
アジン
竪杵〔たてぎね〕。
- 用例
- ウーシェー アティン アジンヌ ネーンレー チャーン ナランサ(臼はあっても杵がなければどうしようもないさ)。
- メモ
- アージンともいう。 食物調整用具のひとつで、搗き臼に穀物を入れて搗くのに使う木製の道具。中央部は両手で握られるように細くなっており、その中央部を持ち上下に振り下ろして玄米や麦などを精製した。 結婚式の婿いじめのひとつ、ドードーゥンマの模擬馬として使われることもあった。
アダ
徒。無駄。
- 用例
- チュ タシキテー アダー ナラン(人を助けて無駄になることはない)。
- メモ
- 「情けは人の為ならず」の意味。
アタイ
くらい。ほど。
- 用例
- ムッチーサン アタイ(持てないぐらい)
アタイ
屋敷内の菜園。
- 用例
- アタインカイ ビラ イーテーン(菜園に葱を植えてある)。 メーヌ アタイグヮーカラ ヤシェー ヒチヌジ クーワ(前の菜園から野菜を引き抜いて来なさい)。
- メモ
- 類:アタイグヮー・アッタイ。 屋敷内にある野菜畑のことで、家の後ろや左右など、炊事をしながら利用できる近さにあり、葉野菜やネギ類などを植えた。
アタイ(~アタイ)
~係。~担当。
- 用例
- アマヌ ファーフジヤ コーサクアタイ ヤミシェータンディドー(向こうのおじいさんは、農事係であられたそうだよ)。 ムラアシビネー ワンヤ ランプアタイ イーチキラッタン(村芝居の時、私は照明係を言いつけられた)。
アタイガフー
思いがけない果報。幸運。
- 用例
- チュヌ フーヤ ターガン ワカラン ウレー アタイガフール ヤル(人の幸運は誰にも分からない、時の運だよ)。 クンドゥヌ シケノー アタイガフー チキティ クィミソーリ(今度の試験は合格しますように)
アタイダカ
配分。
- 用例
- アタイダカヌ ブンッシ シムサニ(与えられた分でいいでしょう)。
アタイバル
集落内にある字有地の畑。
- 用例
- :楚 アタイバルンデー カジーガ イカナ(畑でも耕しに行こう)。
- メモ
- 字有地の畑があって、字民が共有で使用していた。
アタイメー
当たり前。当然。
- 用例
- ウレー アタイメーヌ クトゥル ヤルヨー(それは当たり前のことだよ)。
アタイメーヌウケーメー
当たり前をより強調した言葉。
- 用例
- ウレー カンゲーランティン ワカイル スル アタイメーヌウケーメー ヤサ(それは考えなくても分かるでしょう、当たり前のことだよ)。
- メモ
- 直訳すると「当たり前のおかゆ」となる。
アタイン
当たる。配分される。
- 用例
- クンドー シバイヌ ウフヤク アタインドー(今年は芝居の大役に当たるよ)。
- メモ
- 対:ハンリーン(外れる)。
アタイン
食あたりする。
- 用例
- タク カディ アタトーン(タコを食べて、食あたりしている)。
アタイン
合う。うまくいく。
- 用例
- サンミンヌ アタイン(計算が合う)。
アタイン
当たる。
- 用例
- ドゥーヌ チムンカイ アタイン(自分の心に思い当たる)。 否:アタラン(当たらない)過:アタタン(当たった)継:アタトーン(当たっている)。
アタカー
キノボリトカゲ。

- メモ
- 類:アータ・アータグヮー・ウヮータ・カーミンジャールー・クースークェー・マースクェー・マータクヤー・マータク・クースーケー・チジョローケー・マータクラー・ヤマアータ。
アタガイン
身に降りかかる。
- 用例
- ドゥーヌ ミーンカイ アタガイン(自分の身に降りかかる)。 否:アタガラン(降りかからない)過:アタガタン(降りかかった)継:アタガトーン(降りかかっている)。
- メモ
- アタガリワル ナンジクンジン ワカイル(我が身にふりかけてこそ、人の難儀や苦労を知るのだよ)。
アタトー
ノロ。
- メモ
- 類:アタトーメー・ヌール。 アートートゥ(ああ尊し)という語が変化したものと思われ、ノロのことをアタトー或いは美称辞をつけてアタトーメーといった。これは瀬名波ノロのカキジマ(管掌地)である字瀬名波・高志保・宇座・儀間・渡慶次・長浜で聞く呼称で、他の字ではあまり聞かない。
アタトーウガミ
6月15日にノロが巡回するウマチーのこと。
- メモ
- 字儀間ではノロが祈願巡回するウマチーをアタトーウガミ、あるいはアタトーといった。 鉦鼓の鳴る中、白衣装の瀬名波ノロが来るのを宗家の戸主と字三役が迎えた。
アタトーメー
ノロ。
- 用例
- アタトーメーガ メーンドー(ノロがおいでになるよ)。
- メモ
- 類:アタトー・ヌール。 字長浜では12、3歳の子どもが20銭ぐらいの手間賃を貰って、太鼓と鉦をポン クヮーン ポン クヮーンと鳴らしながらノロが来るのを知らせたという。 メー(前)は美称辞。
アタトーヤー
祭祀を行う建物。
- メモ
- 類:アサギ・アシャギ・カミアサギ・カミアシャギ・カミサギ・カマサギ・トゥヌ・トゥン。
アダナシ
アダンの気根。またその繊維で作った縄。
- 用例
- アダナシッシ チューク クンレーワ(アダンの縄できつく縛ってよ)。
- メモ
- アラナシともいう。 字都屋では荒天時や夜にアダンの繊維を裂いて漁に使う縄を綯った。
アダニ
アダンの実。

- メモ
- 類:アダン。 お盆の供物にした。
アダニウヮーセー
子どもの遊びのひとつ。アダンの実をぶつけ合って割る遊び。

- メモ
- ウークイ(精霊送り)のお下がりのアダンで遊んだ。
アダニガーサバ
アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アダニガーサバヤ クミヤッサン(阿旦葉草履は履きやすい)。
- メモ
- アラニガーサバともいう。 類:アダンバーサバ・アダンバーゾーリ・アランバーゾーリ。
アダニガーサバ
アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アダニガーサバヤ クミヤッサン(阿旦葉草履は履きやすい)。
- メモ
- アラニガーサバともいう。 類:アダンバーサバ・アダンバーゾーリ・アランバーゾーリ。
アダニバー
アダンの葉。

- メモ
- 類:アダンバー・アランバー。
アダニバギー
アダンの木。

アタビー
カエルの総称。

- 用例
- アタビー スグイガ イカナ(蛙を取りに行こう)。
- メモ
- 類:アタビカー・アタビチ・アタビチャー。
アタビーディール
捕らえたカエルを入れる籠。
- メモ
- 高さが60センチぐらいの徳利のような形の籠。獲物が逃げ出せないようになっていた。
アタビートゥヤー
カエルを捕って売る人。
- メモ
- 字伊良皆では3つの溜池で鯉を養殖していた。その鯉を仕入れに那覇のドーグヮーヤシチ(堂小屋敷)の人たちが来た。そのなかにはアタビートゥヤーもいた。
アタビーングヮ
オタマジャクシ。
アタビカー
カエルの総称。

- 用例
- アタビカー トゥンガ イカナ(蛙を取りに行こうよ)。
- メモ
- 類:アタビー・アタビチ・アタビチャー。
アタビコー
カエルの総称。
アタビチ
カエルの総称。
- 用例
- チュヌ イーシン チカン ヤナ アタビチヤ!(人の言うことも聞かないいやな奴め!)。
- メモ
- 類:アタビー・アタビカー・アタビチャー。 カエルの意だが、相手を軽蔑した時にも使われる。
アタビチャー
カエルの総称。

- 用例
- アタビチャー トゥティ ガッコーンカイ ムッチ イチュン(蛙を取って学校に持って行く)。 ヤナヒャー、アタビチャー(いやな奴め)。
- メモ
- 類:アタビー・アタビカー・アタビチ。 カエルの意だが、相手を軽蔑した時にも使われる。 子どもを叱るときに、「ヤナ アタビチャーヤ」と言った。
アタビチャーグチ
フリルの呼称。
- メモ
- 女性の外出用肌着の袖口のフリルがカエルの口のようだということでアタビチャーグチといった。
アタマニ
根っから。頭から。
- 用例
- アレー アタマニ フユーナムンル ヤンデー(彼奴は根っから怠け者だよ)。
アタラ
可惜。惜しくも。
- 用例
- アタラ ワカサヌ ヌチ ウシナティ!(惜しくも若い命を失って!)。
- メモ
- 類:アッタル。
アタラサン
可惜しい。惜しい。大切。
- 用例
- ドゥークル モーキテーヌ ジンシ コーテーシヤ イッペー アタラサン(自分で稼いだお金で買ったのはとても大事にする)。 ヌチ アタラササーイ(命を大切にして)。 アタラシ ナシグヮ(大切な我が子)。
- メモ
- 類:アタラハン。
アタラハン
可惜しい。惜しい。大切な。
- 用例
- ウレー ウヤヌ ユジリヤグトゥ イッぺー アタラハン(それは親の譲りだからとても大切だ)。 アタラハ ヒチ(大切にして)。 アタラハ ソール(大切にしている)。
- メモ
- 類:アタラサン。
アダン
アダン。

- 用例
- シチグヮチネー ブチダヌンカイ アダヌン ウサギータンドー(お盆には仏壇にアダンも供えたよ)。 アラン トゥイガ イチュン(アダンを取りに行く)。
- メモ
- アランともいう。類:アダニ。
アタンガー
屋敷内にある溜池。
- 用例
- ヤシキンカイ アタンガーガ アタンヤー(屋敷内に溜池があったね)。 ハルカラ ケーティキーネー アタンガーンジ ティーヒサン シミヤーナカイ ソーソー ウチンカイ イレーワ(畑から帰って来たら 溜池で 手足を 洗って 早く 家に 入りなさい)。
- メモ
- 類:アタンジャー・アナガー。 字楚辺の事例では、門を入った左側にあり、大きいのは9尺(270㎝)×1間(182㎝)で(3畳程)もあった。深い所は4.5尺(135㎝)もあり、降り口は階段状になっていた。
アタンジャー
雨降りの時にできる水たまり。
- メモ
- 類:ミジタマイ。
アタンジャー
屋敷内にある溜池。
- メモ
- 類:アタンガー・アナガー。 手足や農具、野菜を洗った。
アダンナイ
アダンの実。

- メモ
- お盆の供え物にアダンの実を飾っていた。
アダンバー
アダンの葉。

- 用例
- アダンバーッシ ヰーリムン チュクイン(アダンの葉で玩具を作る)。 アランバー トゥッティッチ フースン(アダンの葉を取ってきて干す)。
- メモ
- アランバーともいう。類:アダニバー。 帽子の原料にもなった。
アダンバーサバ
アダンの葉で作った草履。
- 用例
- ナチ ナイネー アダンバーサバガル シラサル(夏は アダン葉草履が 涼しいんだよ)。 アランバゾーリ ハチ アッチュン(アダン葉草履を履く)。
- メモ
- アランバーゾーリ・アラニガーサバともいう。類:アダニガーサバ・アダンバーゾーリ・アダニガーサバ・。
アダンバーボーシ
アダンの葉で作った帽子。
- 用例
- アダンバーボーシェー アンシ チュサラル(アダン葉帽子はとてもきれいだね)。 アランバーボーシ イクチン ムッチョーン(アダン葉帽子をいくつも持っている)。
- メモ
- アダンバボーシ・アランバーボーシともいう。
アダンバームスル
アダンの葉で作った筵。
- 用例
- ナマン アダンバームスル チカイシン ヲゥガヤー(今もアダン葉筵を使う人がいるかね)。 ナカメーンカイ アランバームスル ヒチョーケー(居間にアダン葉筵を敷いておきなさい)。
- メモ
- アランバームスルともいう。 細かく裂いて陰干ししたアダン葉で作った筵。
アチアチートゥ
厚々と。厚めに。
- 用例
- シシェー アチアチートゥ チッチ ゥンジャシェー(肉は厚めに切って出しなさい)。
- メモ
- 対:ヒシビシートゥ(薄めに)。
アチカイグリサン
扱いにくい。
- 用例
- アヌ タイヤ イーシン チカン イッペー アチカイグリサン(あの2人は言うことも聞かないとても扱いにくい)。 クヌ ドーグヤ アチケーグルサン(この道具は使いにくい)。
- メモ
- アチケーグルサンともいう。
アチカイン
扱う。物事をとりさばく。
- 用例
- アマヌ ヌーシェー ンジャックヮ ウシゥンマヌグトゥ アチカイン(あそこの主人は下男を牛馬のように扱き使う)。 否:アチカーン(扱わない)希:アチカイブサン(扱いたい)過:アチカタン(扱った)継:アチカトーン(扱っている)。
アチキ
湯気。蒸気。
- 用例
- イーサク アチキン タッチョーンドー(ほどよく湯気が立ちこめているよ)。
アチグー
熱々。
- 用例
- トートーメーンカイヤ ナンドゥチ ヤティン アチグーママ ウサギーシ ヤンドー(仏壇にはいつでも熱々を供えるんだよ)。
アチクヮンクヮン
とても暑い様。
- 用例
- ハシルン ミチークジティ アチクヮンクヮン ッシ(戸も閉め切ってこんなに暑くして)。
アチコーコー
熱々。
- 用例
- へークナー アチコーコー イッティ カムンレーサン(早く熱々のうちに入れて食べようとはしない)。
- メモ
- 料理などができたてで熱いこと。
アチサカマラサー
暑がり。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アチサカマラサー ヤル(お前はなんて暑がりなんだ)。
- メモ
- 類:アチサミー。対:ヒーサミー(寒がり)。 暑さを感じるのが普通の人より強いこと。
アチサクリサ
暑苦しさ。
- 用例
- アチサクリサン ナー イットゥチグヮー ヤサ(暑いのももうすぐ終わるよ)。
アチサミー
暑がり。
- 用例
- イャー アンチュカナー アチサミー ヤル(君はこんなにも暑がりだね)。
- メモ
- 類:アチサカマラサー。対:ヒーサミー(寒がり)。
アチサミーヌヒーサミー
暑がりの寒がり。
- 用例
- アチサミーヌヒーサミー ヤレー チャーン ナランサ(暑がりの寒がりだったらどうにもならんよ)。
- メモ
- 暑さや寒さを感じるのが普通の人より強いこと。
アチサン
厚い。分厚い。
- 用例
- ウヌ スムチヤ デージ アチサン(その本はとても分厚い)。
- メモ
- 類:アチハン。対:ヒッサン(薄い)。
アチサン
暑い。
- 用例
- クンドゥヤ クジュヤカ アチサンヤー(今年は昨年より暑いね)。 チヌーヤ イチヤカ アチサタンヤー(昨日はいつもより暑かったね)。
- メモ
- 類:アチハン。対:ヒーサン・ヒーハン(寒い)。
アチナービナクー
鋳掛け屋。
- 用例
- アチナービナクー サレー ミーナービヌ グトゥ ナトーサ(鋳掛け屋を頼んだら新品の鍋のようになったさ)。
- メモ
- 類:ヒジュルナービナクー。 鞴を使って穴が開いた鍋などを修繕する者。 ナービナクー参照。
アチネー
商い。
- 用例
- アヌ チョー アチネーッシ モーキトーン(あの人は商売で儲けている)。
- メモ
- 類:アキネー。
アチネーサー
商いをする人。商売人。
- メモ
- 類:アチョーラー・アチョールー。 頭上に荷を載せる婦人や天秤棒で荷を担ぐ行商人のことで、各集落に入って商売をした。
アチネーシンカ
商いをする人たち。商売人たち。
- 用例
- マチカイ イチーネー ウッサヌ アチネーシンカガ ヲゥル(町に行くとたくさんの商売人がいるね)。
アチネームン
商い物。商品。
- メモ
- 読谷山からは芋や大根などの産物を町方へ売りに行き、帰りには田舎では入手しにくい品物を仕入れるのが主だった。その品物には鰹節や素麺、昆布などの乾物、小間物があった。
アチハティーン
呆れ果てる。呆れ返る。
- 用例
- イッター シーヨー ンジーネー ター ヤティン アチハティーン(君たちのやり方を見たら誰でも呆れ果てる)。 継:アチハティトーン(呆れ果てている)。
アチハティジューグヮチ
飽き果て10月。特に節供のない10月。
- 用例
- アチハティジューグヮチヤ クヮッチーン カマランタン(行事がない10月は御馳走も食べられなかった)。
- メモ
- 類:アキハティジューグヮチ・カリジューガチ・サビジューガチ。 10月は1年の中でも行事がなく、御馳走もないつまらない月という意味で、飽き飽きする10月といわれた。
アチハン
厚い。分厚い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ アチハンヤー(お前のは私の物より分厚いね)。
- メモ
- 類:アチサン。
アチハン
暑い。
- 用例
- チューヤ カジ ティーチン ネーン カワティ アチハンヤー(今日は風ひとつなくいつになく暑いね)。ジコー アチハタサ(大変暑かったさ)。
- メモ
- 類:アチサン。対:ヒーサン・ヒーハン(寒い)。
アチビー
柔らかいご飯。
- メモ
- 類:アチビーメー。 お粥とご飯との中間ぐらいの柔らかさで、子どもや病人などに食べさせた。
アチビー
熱しやすいこと。
- 用例
- アレー アチビー ヤグトゥ ヌーン イラランドー(彼は熱しやすいから何も言えないよ)。
- メモ
- 熱くなりやすい性格。
アチビーメー
柔らかいご飯。
- 用例
- アチビーメー イッテービーグトゥ ウサガミソーレー(柔らかめのご飯を入れてありますから召し上がってください)。
アチビーヤン
患部が熱を持って痛むこと。
- 用例
- キジヌ ニチ ムッチ アチビーヤン ッシ フシガラン(傷が熱をもって痛くてたまらない)。
アチビタターヤン
傷口が熱くなるような痛み。
- 用例
- アチビタターヤン ッシ デージ ナトーサ(たまらなく熱っぽい痛みで大変だ)。
アチマイ
集まり。集会。
- 用例
- チューヤ ヌーヌ アチマイ ヤタガ?(今日は何の集まりだったの?)。
- メモ
- 類:スリー。
アチマイン
集まる。
- 用例
- ナー チュケーノー アチマインテー(もう1回は集まろうよ)。 否:アチマラン(集まらない)希:アチマイブサン(集まりたい)過:アチマタン(集まった)継:アチマトーン(集まっている)。
- メモ
- 類:スリーン。対:ワカリーン(別れる)。
アチミーン
集める。
- 用例
- フルガニ アチミーン(古鉄を集める)。
アチミックヮー
目はあいているが見えないこと。またその者。
- メモ
- 類:アキミックヮー。
アチャー
明日。
- 用例
- アチャヌ ユロー ムル アチマティ アシバナ(明日の夜は皆集まって遊ぼう)。 アチャーヤ アミ フインディンドー(明日は雨が降るってよ)。
- メモ
- アチャともいう。
アチヤーフーヤー
とても暑がっている様。
- 用例
- アチサレー カジンカイ アタランレーネーン アチヤーフーヤー ッシ(暑いなら風に当たればいいのにこんなにフーフー暑そうにして)。
アチャヌヒー
明日の日。
- 用例
- ニービチェー アチャヌヒー ナトーンドー(結婚式はもう明日になっているよ)。
- メモ
- 明日をより強調している。
アチュン
開く。
- 用例
- マチヤー ヒルマカラ アチュン(店は昼から開く)。 否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)過:アキタン(開けた)継:アチョーン(開いている)。
- メモ
- 対:シマイン(閉まる)。
アチョーラー
商いをする人。商売人。
- メモ
- 類:アチネーサー・アチョールー。
アチョールー
商いをする人。商売人。
- メモ
- 類:アチネーサー・アチョーラー。
アチョールグニ
商売人の多い地域。
アチラシケーサー
同じ事を何度もくり返すこと。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン アチラシケーサー サンケー(同じことばかり何度も蒸し返すな)。 ユヌムンビカーン アチラシケーサー カマサッティ ニリトーッサー(同じものばかり何度も温め直して食べさせられて飽きたなあ)。
- メモ
- 類:タジラシケーサー。 何度も温めなおした食べ物のことで、何度も同じ事を繰り返す時にも使う。
アチラスン
温める。
- 用例
- ヒジュリトーグトゥ ナー チュケーン アチラスン(冷めているからもう1回温める)。 否:アチラサン(温めない)希:アチラシーブサン(温めたい)過:アチラチャン(温めた)継:アチラチョーン(温めている)。
- メモ
- 対:サマスン(冷ます)。
アチラン
いっこうに。ちっとも。
- 用例
- マッチョーシガ アチラン チュールグトーネーン(待っているが、ちっとも来る様子がない) アチラン ミーラン(いつまでたっても見えない)。
- メモ
- 類:イッチン。
アチレーイン
あつらえる。注文する。
- 用例
- ソーグヮチヂン アチレーイン(正月用の着物を注文する)。 否:アチレーラン(注文しない)希:アチレーイブサン(注文したい)過:アチレータン(注文した)継:アチレート―ン(注文している)。
アッカサーウヮー
種豚。
- メモ
- 類:アッチャーウヮー。
アッカランアッキ
歩きにくそうに歩くこと。無理に歩くこと。
- 用例
- ヒサ ヤマチ アッカランアッキ ソーン(足を痛めて歩きにくそうにしている)。
- メモ
- 塁:アッカランアッチ。
アッカランアッチ
歩けないような所を歩くこと。
- 用例
- イクサネー ヤマヌミーカラ ユールナー アッカランアッチ シル ヤンバルンカイ ゥンジャル(戦争の時は山の中を夜中歩いて、山原へ行ったのだよ)。
- メモ
- わざわざ難儀をして、あるいは追い込まれてそうせざるを得なかった時などに使う。
アッキ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキ、アレー ニンジノー アラン(ああもう、あれは人間ではない)。
- メモ
- 類:アッキヨー。
アッキサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッキトー
ええっ。ああ、もう。
アッキヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨー!コーイシ ワシティネーン(あーぁ!買うのを忘れてしまった)。
- メモ
- アッキヨともいう。 何かしそこねた時に発する。
アッキヨーナーナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨーナーナー、デージ(あらあらもう大変)。
アッキョッキョ
ええっ。ああもう。
- 用例
- (渡慶次)アキョッキョー、アン ヤタン(ああ、もう、そうだった)。
- メモ
- アッキョッキョーともいう。字渡慶次の人の特徴的な言葉。
アッギヨナー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アック
叱責。
- 用例
- ルク アック サッティ ナラン(あまりにも虐められてどうしようもない)。 ジコー アック サッティ(たいそう叱責されて)。
アックカタ
歩く先々。行く先々。
- 用例
- アックカタ ムル ジンル チカイル(どこに行っても金を使うばかりだ)。
- メモ
- 類:アッチュルカタ。
アックン
歩く。
- 用例
- ゥンマカラ アママリ アックン(ここから向こうまで歩く)。
- メモ
- 類:アッチュン。
アッケーヒッケー
あちこち行き来して忙しい様。
- 用例
- アッケーヒッケー ヌー ッシ アッチョーガ(あちこち駆け回って何をして歩いているのか)。
アッコッコー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコッコー!イチデージ ヤサ(えぇっかわいそうに!一大事だ)。
- メモ
- 類:アッコナー。
アッコナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコナー!アンル ヤティー(えぇっかわいそうに!そうだったの?)。
- メモ
- 類:アッコッコー。
アッコンテーグヮー
ままごと遊び。
アッサ
あれだけ。
- 用例
- アッサル トゥティチェール(あれだけしか取ってきてないよ)。
- メモ
- 類:アッピ・アヒ。
アッサイヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサイヨー チビラーサヌ(ああもう、素晴らしい)。
- メモ
- 類:アッサミヨー・アッサヨー。
アッサキー
あんなにたくさん。
- 用例
- アッサキー トゥティッチッ(あんなにたくさん取ってきて)。
- メモ
- 類:アッサキーナー・アッサナー。対:アッサグヮー・アッピグヮー・アヒグヮー(たったあれだけ)。
アッサキーナー
あんなにたくさん。
- 用例
- アッサキーナー チャーシ カタジキーヌ チムエーガ?(あんなにたくさんの物どうやって片付けるつもりなの?)。
- メモ
- 類:アッサキー・アッサナー。
アッサグヮー
たったあれだけ。
- 用例
- アッサグヮーシェー ヌーン ナランサ(たったあれだけじゃ何にもならないよ)。
- メモ
- 類:アッピグヮー・アヒグヮー。対:アッサキー・アッサキーナー・アッサナー(あんなにたくさん)。
アッサビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- アッサミヨーともいう。
アッサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサミヨー!アン ソール クトゥン アル(大変だ!あのようなこともあるね)。
- メモ
- 類:アッサイヨー・アッサヨー。
アッサヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサヨー!アン ソール クトゥ シーゥンジャチ(大変だ!あんなことをしでかして)。
- メモ
- 類:アッサミヨー。
アッサン
浅い。
- 用例
- ゥンマー アマヤカ アッサン(ここはあそこより浅い)。
- メモ
- 対:フカサン(深い)。
アッサンミー
浅い所。
- 用例
- アッサンミーカラ イージ クーワ(浅い所から泳いで来なさい)。
- メモ
- 対:フカイ・フカサンミー(深い所)。
アッシェ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッシェ ナー、ウヮーバグトゥ シ(ああもう、余計なことをして)。
アッシャビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッシャヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッタ~
にわか~。突然(の~)。
- 用例
- アッタマーシ(急死)。 アッタバイ(急に走り出すこと)。 アッタトゥンジー(急に逃げ出すこと)。
- メモ
- 不意・突然を表す接頭辞。
アッター
彼等。彼女等。
- 用例
- ゥンマンカイ ヌクトーシェー アッター ムン ヤサ(そこに残っているのは彼等の物だよ)。
アッタイ
屋敷内の菜園。
- メモ
- 類:アタイ。
アッタニ
急に。
- 用例
- トゥマティル ヲゥタシガ アッタニ トゥリ ハイタン(止まっていたんだが急に飛んで行った)。
アッタバジョー
ぱっと見美人。
- 用例
- アレー ンジーシンレー アッタバジョー ナティ(彼女はよく見たらそんなに美人ではない)。
- メモ
- 見た瞬間は美人だが大したことはない。
アッタプットゥカシ
急にすること。思いつき。
- 用例
- アレー アッタプットゥカシ ムヌイーヨーシ チャーン ナラン(彼は思いつきで言うからどうしようもない)。
- メモ
- 急に何か発言したり、行動したりすること。
アッタル
可惜。大切な。
- 用例
- アッタル カナサル トゥジ(大切な愛しい妻)。アッタルクヮ(大切な子)。
- メモ
- 類:アタラ。
アッタングヮー
急。突然。
- 用例
- アッタングヮー ケーマーチネーン(突然亡くなってしまった)。
アッチカタ
歩き方。
- 用例
- ゥンマハラセーヤ アッチカタル ンージュタンドー(琉球競馬は歩き方を見たんだよ)。
アッチカンティー
歩きにくい。
- 用例
- タカアシジャシェー アッチカンティー スンドー(高下駄では歩きにくいよ。)
アッチャー
足が速い人。
- 用例
- アッピーヤ アッチャー ナティ ハーエースーブーネー チャー イチバン ヤタン(兄は足が速くてかけっこはいつも一番だった)。
アッチャー(~アッチャー)
~する人。~して暮らす人。
- 用例
- ウミ アッチャーソーン(漁師をしている)。スイジアッチャー(米軍施設の炊事関係の仕事をしている人)。
アッチャーアッチャー
あちこち歩き回る様。
アッチャーウヮー
種豚。
- 用例
- アッチャーウヮーガ チャーギンデー(種付け豚がやってくるよ)。
- メモ
- 類:アッカサーウヮー。 ウヮーアッカサー参照。
アッチャーグヮー
よく出歩く人。
- 用例
- アレー アッチャーグヮー ナティ マーマディン アシビーガ ハイン(彼はよく出歩く人なのでどこまでも遊びに行く)。
アッチャメーグヮー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- スージン ハネーチーネー アッチャメーグヮーモーイ スタン(お祝も華やぐとテンポの速い雑踊りをした)。
- メモ
- 主に身近な男性が踊ることが多かった。
アッチュルカタ
歩く先々。行く先々。
- 用例
- アッチュルカタ ムル シッチョールービカーン(行く先々、皆知っている人ばかりだ)。
- メモ
- 類:アックカタ。
アッチュン
歩く。
- 用例
- トゥーサー アシガ ドゥーチュイシ アッチュン(遠いけど1人で出歩く)。 否:アッカン(歩かない)希:アッチーブサン(歩きたい)過:アッチャン(歩いた)継:アッチョーン(歩いている)。
- メモ
- 類:アックン。
アッチュン
~する。~して暮らす。
- 用例
- ヤマガッコー アッチャン(学校へ行かずに学校以外の所で遊んだ)。
アッチヨー
歩きよう。歩く様。
- 用例
- アヌ ワラビヌ アッチヨーヌ ウジラーサヨー(あの子の歩く様子のかわいいこと)。
アットーメー
奥様。
- 用例
- スイヌ アットーメー(首里の奥様)。
- メモ
- 士族の奥様の呼称。下位の者が上位の者に対して使う。
アッパーヤー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッパーヤー、ウレー シワ ヤサ(ええっ、それは心配だ)。
アッパヤー
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパヨイ
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパンガラー
自暴自棄。やけくそ。
- 用例
- ウヤンカイ ヌラーッティ アッパンガラー ナティ ヤーカラ ゥンジティ ハイタン(親に叱られ自暴自棄になって家を出て行った)。
アッピ
あれだけ。
- 用例
- イャーガ ムッチチャシェー タダ アッピ ヤサ(お前が持って来たのはたったあれだけだよ)。
- メモ
- 類:アッサ・アヒ。
アッピー
兄。兄さん。
- 用例
- ワッター アッピーヤ フユーナムン ナティ ムットゥ シクチン サン(私の兄さんは怠け者で全く仕事をしない)。
- メモ
- 呼称にもなる。実の兄以外にも、年上の人に~アッピー(~兄さん)とも言う。
アッピーグヮー
長兄以外の兄。
- メモ
- 呼称にもなる。
アッピグヮー
たったあれだけ。
- 用例
- タダ アッピグヮーシェー ヌーン ナランサ(たったあれだけではどうにもならないよ)。
- メモ
- 類:アッサグヮー・アヒグヮー。
アッピナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- 用例
- イャー アッピナーヌ ムン ムッチースミ(君はあんな大きな物を持てるか)。
- メモ
- 類:アヒナー。
アッビヨイ
あらまあ。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アップーアップー
あっぷあっぷと苦しくもがいている様。
- 用例
- ゥンブクティ アップーアップー ソータン(溺れてあっぷあっぷしていた)。
アップリ
飴。あめ玉。
- 用例
- アップリンデー カマシーネー ナチュシン トゥマイサ(飴でも食べさせたら泣くのもやむさ)。 イッセン ッシ アップリグヮー コーティ クーワ(1銭であめ玉を買っておいで)。
- メモ
- アップリグヮーともいう。
アティ
当て。目当て。心当たり。
- 用例
- ワッターン アテー アン(私たちも覚えている)。アテー ネーラン(分からない)。 ヤーカラ トゥンジタシガ イクアティン ネーン(家から飛び出したが行く当てもない)。
アティーン
当てる。
- 用例
- キーヌ ユダカイ イシ アティーン(木の枝に石を当てる)。 ワームン ナー マジェー アティティンリ(私の名をまずは当ててごらん)。 否:アティラン(当てない)希:アティーブサン(当てたい)過:アティタン(当てた)継:アティトーン(当てている)。
アティナシ
あどけない者。無邪気な者。
- 用例
- アティナシングヮ(あどけない子ども)。
アティムン
当て。目当て。目印。
- 用例
- ニヌファブシ アティムンニ ッシ(北極星を目当てにして)。
アトゥ
後。
- 用例
- ワームン アトゥ ウーティクーワ(私の後ろをついて来なさい)。
- メモ
- 類:アトゥジ・アトゥジー・クシ・クサー。
アドゥ
踵。
- 用例
- アドゥヌ ユグリトーグトゥ ヒサダカー シ アッチュン(踵が汚れているから背伸びして歩く)。
- メモ
- アルともいう。
アトゥアトゥ
後々。
- 用例
- ウレー アトゥアトゥヌ タミニ マシェー アラン(それは後々のために良くない)。
アトゥアブシバレー
行事名。畦払いの2日目。
- 用例
- アトゥアブシバレーネー ビントー ムッチ ゥンマハラセー ンージーガ イクタン(アブシバレーの2日目には弁当を持って琉球競馬を見に行った)。
- メモ
- 4月15日・16日に行われるアブシバレーの2日目、16日のことを字楚辺ではアトゥアブシバレーといった。 アブシバレー参照。
アトゥウーイ
後追い。
- 用例
- マジェー アトゥウーイ シ ゥンジンリ(まずは後を追って行ってごらん)。
アトゥカタ
跡形。
- 用例
- ヌーヌ アトゥカタン ヌクトー ネーン(何の跡形も残っていない)。
アトゥカタジキ
後片付け。
- 用例
- アトゥカタジケー リッパ シッカラル アシブンディチン アル(後片付けはちゃんとしてから遊ぶんであって)。
アトゥガマ
後がま。後妻。後夫。
アトゥグングヮチャー
5月に行われた若者同士の交流。
- メモ
- 字古堅では5月6日をアトゥグングヮチャーといい、青年たちがアシビナーに竈を作り、持ち寄った豆腐や肉などを調理し、アトゥハチカーグヮーに御馳走になったお返しとして、娘たちを招待しもてなした。
アトゥサー
後がま。後継者。
- 用例
- アトゥサーヤ カメーティカラ ヤミレー(あとがまを見つけてから辞めなさい)。
アトゥサチ
後先。
- 用例
- イャーガ スヌ ムノー アトゥサチン ワカラン(お前のやることは後先も分からない)。
アトゥジー
後。
- 用例
- マーシ アトゥジーヤ(亡くなった後には)。 アトゥジーカイ ヲゥル バーヨ(後方にいるわけよ)。 ナマカラ アトゥジー(今後)。
- メモ
- アトゥジともいう。
アトゥシンカー
後ずさり。
- 用例
- アトゥシンカー シ ヒンギティ ハイタン(後ずさりして逃げて行った)。
- メモ
- 類:アトゥシンチャー。
アトゥシンチャー
後ずさり。
- 用例
- アトゥシンチャー シ メーカイ アッチュンデー サン(後ずさりして前に歩こうとはしない)。
- メモ
- 類:アトゥシンカー。
アトゥチビ ウーイン
後を追う。
アトゥトゥジ
後妻。
- メモ
- 類:アトゥガマ・アトゥドゥミ・アトゥドゥミアンマー。
アトゥドゥミ
後妻。
- 用例
- トゥジ ウシナティ ナゲー ナイグトゥ アトゥドゥミ カメーイシェー マシ ヤサ(妻を亡くして長いことなるから後妻を迎えた方がいいよ)。 ワッター タンメー アトゥドゥミ カメータン(うちのおじいさんは後妻を娶った)。
- メモ
- 類:アトゥガマ・アトゥトゥジ・アトゥドゥミアンマー。
アトゥドゥミアンマー
後妻。
- 用例
- ワッター アトゥドゥミアンマーヤ イッペー ハタラチャー ヤン(私の後妻はとても働き者だ)。
- メモ
- 類:アトゥガマ・アトゥトゥジ・アトゥドゥミ。
アトゥナイサチナイ
相前後して。
- 用例
- アトゥナイサチナイ ッシ ハイタン(相前後して出て行った)。
アトゥナイナイ
だんだん後ずさりして退くこと。
- 用例
- アトゥナイナイ ッシ ヒンギティ ハイタン(だんだん後に退いて逃げて行った)。
アトゥナイメーナイ
後になったり前になったりする様。
- 用例
- アトゥナイメーナイ ッシ ヌー ソーガ(後になったり前になったりして何をしているか)。
アトゥヌ ゥンジュミ
しまいには。
- 用例
- アトゥヌ ゥンジミネー(しまいには)。
- メモ
- 類:アトゥヌウズミ・アトゥヌゥンズミ・アトゥヌンジミ。
アトゥハチカーグヮー
1月に行なわれた若者の交流。
- メモ
- 字古堅では1月20日をアトゥハチカーグヮーといい、娘たちが御重を作って、男友達に御馳走した。
アトゥマサイガフー
後の方が優っていること。残り物に福。
- 用例
- アトゥマサイガフーディチ アグトゥ ヌクヤー ヤティン ムッチ イケー(残りものに福があるというから、持って行きなさい)。
アトゥミ
跡見。後を追って見届けること。
- 用例
- チャール ソーラー アトゥミ ッシ ンチ クーワ(どうしているのか後を追って見て来てごらん)。 アトゥミ シチャグトゥ(後を追っていくと)。
アトゥミ
跡目。跡継ぎ。
- 用例
- ナームン アトゥミヤ キマトーミシェーミ?(貴方の跡継ぎは決まっていますか?)。
アトゥムドゥイ
後戻り。
- 用例
- アトゥムドゥイ ッシ ケーティ ハイタン(後戻りして帰って行った)。
アトゥン サチン
後にも先にも。
- 用例
- アトゥン サチン サントー ナランヌール ヤル ムンヌ(後にも先にもやらなくちゃいけないものなのに)。
アトゥンジンケー
後ろ向き。
- 用例
- タンメーヤ アトゥンジンケー シ(おじいさんは後ろ向きになって)。
- メモ
- 類:クサーンケー。
アナー
蟻。
- 用例
- サーターンカイ アナーガ シガトーン(砂糖に蟻がたかっている)。
- メモ
- 類:アイコー。
アナガー
屋敷内にある溜池。
- 用例
- トゥティチェール ヤシェーヤ アナガーヲゥティ アラレー(取ってきた野菜は溜め池で洗いなさい)。
- メモ
- 類:アタンガー・アタンジャー。 屋敷内の西南に設けられた、2間×1間半ほどの溜池。手足や農具、野菜などを洗った。
アナガチサン
懐かしい。
- 用例
- タンメー ゥンーメーヌ シャシン ンーチャレー アナガチサヌ ウビゥンジャチャン(祖父母の写真を見ていたら、懐かしく思いだした)。
アナギ
あの長さ。
- 用例
- ユヌ ナガサ ナイヌ グトゥ アナギンカイ チレー(同じ長さになるようにあの長さに切りなさい)。
アナギナー
あれほどの長さ。
- 用例
- アナギナーヌ ムンシェー ナガサヂューサヌ チカーラン(あんなに長い物では長すぎて使えない)。
アナグイン
物事をほじくり返す。詮索する。
- 用例
- ンカシヌ ヤナクトゥビケーン アナグイン(昔の悪いことだけをほじくりかえす)。 ジコー アナグイタン(しつこく聞かれた)。
アナグー
二枚貝。
- メモ
- 類:アファクー・アファケー。
アナクジ
穴をほじくること。
- 用例
- ハーマンジ アナクジ ッシ ンナグヮー トゥタン(浜で貝を取った)。
- メモ
- 干潮時などに岩礁をほじくり潮干狩りをした。
アナヤー
掘っ建て小屋。
- 用例
- アミヌ フイネー アナヤーンカイ カックィーン(雨が降ったら掘っ立て小屋に隠れる)。
- メモ
- 土台を置かず穴を掘り、石柱や木柱を使って建てた粗雑な住居のこと。農業や林業を営む人たちは、近くにアナヤーを造って休憩場にしていた。
アニ?
あるね?
- 用例
- アマンカイ アニ?(あそこにあるかい?)。
- メモ
- 類:アミ?。
アニク
漁具の名前。竹で編んだ網代籠
- 用例
- アニクンカイ カカレーカラー イヨー ヒンギラランサ(網代にかかったら魚は逃げられないよ)。
- メモ
- 類:アイクバーキ。 魚が入ると出られないように返しをつけた籠の中に餌を仕掛け海中に下ろして漁をする。
アヌ
あの。
- 用例
- ワッターヤーヤ アヌ ヤー ヤサ(私の家はあの家だよ)。
アヌー
あのね。
- 用例
- アヌー ナマカラ イチュル トゥクローヨー・・・(あのう今から行くところはね・・・)。
アヌーカヌー
しどろもどろで何を言っているか分からない様。
- 用例
- アヌーカヌー ッシ ヌール イチョーラー ワカラン(しどろもどろで何を言っているのか分からない)。
アヌグトゥ
あのように。
- 用例
- アヌグトゥ シル シクチヤ スンドー(あのようにして仕事はするんだよ)。
アヌクル
あの頃。
- 用例
- アヌクルヌ クチサヤ ヌーディン イララン(あの頃の苦しかったことは何とも言えない)。
アヌッチュ
あの人。
- 用例
- アヌッチュヌ イヌトゥーイ ヤサ(あの人の言う通りさ)。
アヌトゥチ
あの時。
- 用例
- アヌトゥチヌ シンカンチャーヤ ナマン ガンジュー ソーガヤーヤー?(あの時の仲間達は今も元気にしているかな?)。
アヌヒャー
彼奴。
- 用例
- アヌヒャーヤ チューヤ ヌガーラチェー ナラン(あいつは今日は許してはならない)。
- メモ
- 類:アヌムン。
アヌヒン
あの辺。
- 用例
- アヌヒンマディ イチーネー ミールスラー ワカランサ(あの辺まで行ったら見えるかもしれないよ)。
アヌフージー
あのような。
- 用例
- ワンガ キサ イチャシェー アヌフージー ヤサ(私がさっき言ったのはあんなものだよ)。
アヌママ
あのまま。
- 用例
- アヌママ ンカシトゥ ティーチン カワラン(あのまま昔と何も変わらない)。
アヌムン
あいつ。
- 用例
- ウレー アヌムンヌ シワザ ヤサ(それはあいつの仕業だよ)。
アヌユー
あの世。死後の世界。
- 用例
- アヌユー ゥンジマディン イャー ウンジヤ ワシリランサ(あの世に行っても貴方の恩は忘れないよ)。
アヌヨー
あのね。
- 用例
- アヌヨー、チュガ イーシェー ユー チキヨー(あのね、人が言うのは良く聞きなさいよ)。
アネ
ほら。
- 用例
- アネ アリ ヤサ(ほらあれだよ)。
アネアネ
あれあれ。
- 用例
- アネアネ ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ(あれあれそこで何をしているの?)。
アネー アラン
そうじゃない。
- 用例
- アネー アランドーレー(そうじゃないってば)。
アネー サン
そうはしない。そうはせず。
アネー ヤシガ
そうなんだが。
- 用例
- アネー ヤシガ チャーン ナランル アンデー(そうなんだがどうしようもないんだよ)。
- メモ
- 類:アン ヤシガ。
アネヒャー
ええっ。ほら。
アハー
ああ。そうか。そうですか。
- 用例
- アハー アンル ヤティナー(ああそうだったのか)。
アバー
姉。姉さん。
- 用例
- ワッター アバーヤ ユー ハタラチュン(私の姉はよく働く)。
- メモ
- 類:アワー。
アバーグヮー
姉さん。長姉以外の姉。
- メモ
- アバグヮーともいう。 姉妹の中で年下の姉さん。親族名称、呼称にもなるが、他人への呼びかけにも使う。
アハーッ
ああ、そうか。
- 用例
- アハーッ アンドゥ イービルイ(ああ、そう言うんですか)。
アバイチリーン
ひどい目にあう。大変な目にあう。
- 用例
- ドゥーヤカ マギサヌ ムン ムタサッティ アバイチリーン(自分の体より大きいものを持たされてひどい目にあう)。 過:アバイチリタン(ひどい目にあった)継:アバイチリトーン(ひどい目にあっている)。
- メモ
- 本来の意味は「出産時に会陰が裂ける」ことで、その際の大変さを表現したもの。
アバサー
おてんば。手に余ること。
- 用例
- クヌ ワラべー ルク アバサーナティ(この子はあまりにもおてんばで)。
- メモ
- 類:アマサー。
アバサー
ハリセンボン。
- メモ
- 類:アバシ。
アバサーヰナグ
いい加減な女。
- 用例
- アバサーヰナグ ナテー ナランドー(いい加減な女になってはいけないよ)。
アバシ
ハリセンボン科の魚。
- 用例
- ウヌ アバシヌ ハーイ ンチンディ(そのハリセンボンの針を見てごらん)。
- メモ
- 類:アバサー。
アバチュン
物を持て余す。
- 用例
- シージャカラ ヰーテーヌ チン ヤグトゥ アバチョーン(姉からもらった着物なのでだぶつく)。 継:アバチョーン(持て余している)。
- メモ
- 類:ムティアマスン。
アバラー
大食い。
- 用例
- ワッターヤーニンジョー ムル アバラーヤン(私の家族は皆、大食いだ)
- メモ
- 類:ウフワター。
アバラガミ
必要以上に大食いすること。
- 用例
- アンスカ アバラガミ シーネー ワタ ヤンジュンドー(そんなに大食いするとお腹をこわすよ)。
アバリーン
暴れる。
- 用例
- ワンガ カラトール ゥンマヤ ユー アバリーン(私が飼っている馬はよく暴れる)。 否:アバリラン(暴れない)希:アバリーブサン(暴れたい)過:アバリタン(暴れた)継:アバリトーン(暴れている)。
アヒ
あれだけ。
- 用例
- イャー ムノー アヒ ヤサ(お前の物はあれだけさ)。
- メモ
- 類:アッサ・アッピ。
アビ
ええっ。あら。
アヒー
兄さん。
- 用例
- アヒーヤ シクチン サンヨーイ アシビーガ イチュタン(兄さんは仕事もせずに遊びに行った)。
- メモ
- 類:アッピー・アフィー。 親族名称。呼称にもなる。
アビーグィー
呼び声。
- 用例
- アビーグィーヌ チカリーシガ ター ヤガ?(呼び声が聞こえるが誰かな?)。
アビーチラカスン
大声を出して騒ぎ立てる。
- 用例
- チュヌヤーヲゥティ アンシ アビーチラカスンディチン アンナー!(人の家でそんなに大声を出して騒ぎ立てるってこともあるか!)。
アビーン
呼ぶ。叫ぶ。喋る。
- 用例
- スージネー ケートゥナイ アビーン(お祝いには隣近所を招待する)。 ウヮーヌ アビヤーチョーン(豚が鳴き出している)。 タンメー アビティクーワ(おじいさんを呼んできて)。 否:アビラン(呼ばない)希:アビーブサン(呼びたい)過:アビタン(呼んだ)継:アビトーン(呼んでいる)。
アヒグヮー
たったあれだけ。
- 用例
- イャーガ トゥティチェーシェー アヒグヮール ヤンナー?(お前が取って来たのはたったあれだけなのか?)。
- メモ
- 類:アッピグヮー・アッサグヮー・アフィグヮー。対:アッサキー(あんなにたくさん)。
アヒナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- 用例
- イッター ウヤヌヤーヤ アヒナーヌ ヤシチ ヤル(お前の実家はあんなに大きな屋敷だね)。
- メモ
- 類:アッピナー・アフィナー。
アビビー
ええっ。きゃあ。
- メモ
- びっくりした時に発する語。
アヒャー
家畜などの母体。母豚。
- 用例
- アヒャー ソーティ アッチョーン(繁殖用の雌豚を連れて歩いている)。
アビヤー
よくしゃべる者。声高に叫ぶ者。またその行為。
- 用例
- アビヤー スン(喋りまくる)。 イャーヤ アンチュカ アビヤー ヤル(お前はとってもおしゃべりだね)。
- メモ
- 対:ダマヤー(言葉数の少ない人)。
アビヤーアビヤー
声高に叫ぶ様。
- 用例
- アビヤーアビヤー ソーン(声高に叫んでいる)。
アヒャーウヮー
母豚。繁殖用雌豚。
- メモ
- 類:ナサーウヮー。
アビヤークィーヤー
大勢がわいわい騒ぐ様。
- 用例
- アビヤークィーヤー ソーシガ ヌー ヤガ?(何やかんや喋りまくっているがどうしたの?)。
アビヤーティーヤー
喧喧ごうごう。
- 用例
- アビヤーティーヤー ソーシガ マーン ヤマサンガヤー シワ ヤサ(言い争っているが怪我でもしないか心配だ)。
アビヨイ
えっ。あらまあ。
アビヨー
えっ。あらまあ。
- 用例
- アビヨー デージ(あらまあ、大変)。
- メモ
- アビヨともいう。 驚いた時に発する語。
アヒラー
アヒル。
- 用例
- ヒミチンカイヤ アヒラージル クスイ ヤンディサ(喘息にはアヒル汁が効くそうだよ)。
- メモ
- アフィルーともいう。
アヒラーバイ
アヒルのような歩き方。
- メモ
- アヒラーアッチともいう。 アヒルのように体を左右に揺らして歩くこと。
アヒラーマジムン
アヒルの妖怪。
- 用例
- アマ ヤサ、アヒラーマジムンヌ ゥンジータシェー(アヒルの妖怪が出たのはあそこだよ)。
- メモ
- 読谷に伝承される動物の妖怪のひとつ。
アビラウンケン
渡具知の拝所の名前。梵字碑のこと。

- メモ
- 「ア ビ ラ ウン ケン」と読める梵字五文字が刻まれた石碑。「地・水・火・風・空」を意味し、防災厄除の働きがあるともいわれた。建立の詳細は不明であるが、16世紀前半琉球で布教した僧侶日秀上人に関連すると推測されている。石碑は津口、海を見渡せる位置にあり、航海安全の祈願のため建立されたとも考えられる。
アビンナ
喋るな。黙れ。
- 用例
- ウヌ クトー ターニン アビンナヨー(そのことは誰にも言うなよ)。 アビンナディーグトゥ アビラランサ(だまっておけというので話せないさ)。
アブ
洞穴〔ほらあな〕。
- 用例
- アブンカイ カーブヤーヌ マンドータン(洞穴にコウモリがたくさんいた)。
アファー
しらける。気まずい様。
- 用例
- アファー ナタン(しらけた)。 アン イラッティ アファー ナタン(そう言われて気まずかった)。
アファクー
二枚貝。
- 用例
- アファクーグヮーヌ シル チュクタン(二枚貝の汁を作った)。
アファグチャー
薄口。薄味を好む人。
- 用例
- ルク アファグチャー ナティ ナー イフェー ソーユーンデー イリレーワ(あまりにも薄口だからもう少しは醤油でも入れなさい)。 ワー トゥジェー アファグチャー ヤン(私の妻は薄味を好む)。
- メモ
- 対:カラグチャー・スージューグチャー(濃口を好む人)。
アファケー
二枚貝。
- 用例
- ハーマカイ イチーネー ムル アファケール ヤタル(浜に行くとハマグリだらけだった)。
- メモ
- 類:アナグー。
アファサン
味が薄い。

- 用例
- ウヌ シロー アファサンレー。ナー イフェー ンス イリレー(その汁は味が薄いよ。もう少し味噌を入れなさい)。
- メモ
- 類:アワハン。対:スーヂューサン(味が濃い)。
アファナカーニンジ
仰向けに寝ること。
- 用例
- クサミチ アマヲゥティ アファナカーニンジ ソーサ(怒って、あそこで仰向けに寝ているよ)。
- メモ
- 類:アファナチャーニンジ
アファナチャーニンジ
仰向けに寝ること。
- メモ
- 類:アファナカーニンジ
アファナチュン
ふて寝する。
- 用例
- サンラーヤ アマウティ アファナチョーン(三良は向こうでふて寝している)。
- メモ
- 「寝る」の卑語。
アファムン
薄味の物。味気のない物。
- 用例
- メーナチ アファムンビカーン カマサッティ(毎日味が薄いのだけ食べさせられて)。
アブイ
鐙〔あぶみ〕。馬具のひとつ。
アフィー
兄さん。
- メモ
- 類:アヒー・アッピー。 親族名称。呼称にもなる。
アフィグヮー
たったあれだけ。
- メモ
- 類:アッサグヮー・アッピグヮー・アヒグヮー。
アフィナー
あれほどの大きさ。
- メモ
- 類:アッピナー・ウフィナー。
アブー
大きい蠅〔ハエ〕。虻〔アブ〕。
- 用例
- ウヒナーヌ アブー ヤル(こんなにも大きな虻だね)。
アブカー
泡。
- 用例
- クヌ サフンヤ アブカーン ゥンジラン(この石鹸は泡も出ない)。
- メモ
- 類:アー・アーブク・アブクー。
アブクー
泡。
- 用例
- アブクーガ ウスマサ ゥンジトーン(泡がとってもよく出ている)。
- メモ
- 類:アー・アーブク・アブカー。
アブクン
息切れする。物事の途中で力尽きる。
- 用例
- アンシ ハーエー シーネー ヤガテー アブクンドー(そんなに走るとやがては息切れするよ)。
アブシ
畦〔あぜ〕。
- 用例
- アブシヲゥティ イフェー ユックラナ(畦で少し休もうよ)。
- メモ
- アブシグヮーともいう。 田や畑の境に土を盛り上げて、仕切りにしたところ。
アブシガタミ
あぜ固め。
- メモ
- 田拵えの一連の作業のひとつ。荒起こしを済ませると、水が漏れないように田圃の周囲の畦を固めた。
アブシヌアムトゥ
土手。
- メモ
- 字楚辺では幼児墓をアブシヌアムトゥに作った。
アブシバレー
畦払い。
- 用例
- アブシバレーネー クヮッチーン マンディ タヌシミ ヤタン(アブシバレーには、御馳走もたくさんあって楽しみだった)。 アブシバレーネー ハルシクチェー ユックティ スビガニクンカイ ゥンジャン(アブシバレーには畑仕事を休んで楚辺兼久に行った)。
- メモ
- 虫が多く発生する季節に、農作物を害虫から守るために田畑の虫を払い、豊作を祈願する行事。当日は、物忌みで肥料の扱いを初めとする畑仕事や針仕事が禁じられた。笹などの木の葉にバッタを乗せ海や川に流した。読谷山では畦払いに対応する行事をヘンサーアシビ・フェンサーアシビ・ムシヌアシビ・ムシアシビ・ムシバレー・ムシバレーアシビ(それぞれの項参照)と呼んでいることが多く、アブシバレーは、スビガニク(楚辺兼久)で行なわれるゥンマハラセー(琉球競馬)を指すことが多い。4月15日、16日の2日間にわたって行なわれたゥンマハラセーでは、夜も青年達の沖縄相撲が行なわれるなど、1年の中でもっとも盛大な娯楽行事となっていた。2日間とも村内外から見物客が訪れ、そして、その見物人をあてこんだ多くの出店があり賑わった。 字楚辺では2日間のうち15日をサチアブシバレー、16日をアトゥアブシバレーと呼び、各家では近隣の字や遠路から訪れる客にはポーポーなど自家製のお茶請けでもてなし、また弁当を持って競馬を見物した。
アブシバレーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- メモ
- 類:ウマミーヂン・カタノーヂン。 アブシバレー時に行われる競馬を見に行くための着物で、新調する者もいた。
アブシマックヮ
畦枕。
- 用例
- ゥンニヌ アブシマックヮ スカ ユカトーン(稲穂が畦にもたれかかるほど実っているね)。
アブシミチ
畦道。
- 用例
- ゥンマヌ アブシミチンジ ユックトーケー(そこの畦道で休んでいなさい)。
アブチュン
蒸し暑い。
- 用例
- カジ ティーチン ネーン アブチュンヤー(風ひとつもなく蒸し暑いね)。
- メモ
- 類:フミクン・フミチュン。
アブチュン
吹きこぼれる。
- 用例
- ウケーメーガ アブチュン(おかゆが吹きこぼれる)。 ヘーク フタ アキレー アブチョーンドー(早く蓋を開けなさい吹きこぼれているよ)。 継:アブチョーン(吹きこぼれている)。
アブナサン
危ない。
- 用例
- ゥンマー ユク アブナサン(そこはかえって危ないよ)。
- メモ
- 類:ウカーサン・ウッカーハン。
アブン
窪み〔くぼみ〕。
- 用例
- アブンカイ ヒサ チックリカラヤー(窪みに足を突っ込むんじゃないよ)。
- メモ
- 類:クブン。
アベー
ええっ。あら。あれ。ああもう。
- 用例
- アベー!アン イチン アンナー(ああ!そんなこともあるのか)。 アベー、ウドゥルチヨー(ああもう、驚いてね)。
- メモ
- アベともいう。 予想に反した時に発する語。
アベッ
ええっ。あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アボーチ
土手。
- 用例
- ハルヌ アボーチヌ カタハラ(畑の土手の片側)。
- メモ
- 類:アムトゥ・アモーチ。
アマ
あそこ。あっち。あちら。
- 用例
- ドゥーチュイ アマンカイ イチュシェー マシ ヤサ(1人であそこに行ったほうがいいよ)。 アママディ ドゥーチュイ イチー スンナー?(あそこまで1人で行けるの?)。 ヤクン タッタンシェー アマンカイ イチクヮレー(役に立たない奴はあっちに行きやがれ!)。
アマイ
余り。
- 用例
- チカティ アマイヤ ムッチ ケーイサ(使って余ったのは持って帰るさ)。
- メモ
- 対:フスク(不足)。
アマイカンジュン
有り余る。
- 用例
- メーニン アマイカンジュン(毎年有り余っている)。 アマイカンティ ジャーフェーナトーン(有り余って厄介なことになっている)。 ユカイ アマイカントーン(かなり有り余っている)。 継:アマイカントーン(有り余っている)。
アマイヌクサー
余り物。
- 用例
- ニッカ チューグトゥ アマイヌクサール アタイサ(遅く来るから残り物しかないよ)。
- メモ
- 類:アマヤー。
アマイユ
オオクチサギ。
- 用例
- ワッタヤ ユー アマイユ トゥイガ イチュタン(私たちはよくオオクチサギを取りに行った)。
アマイン
余る。
- 用例
- ムルカイ ハジン アマイン(皆に配っても余る)。 ムルカイ ハジーネー フスクル スル アマランサ(皆に配ったら不足するのであって余らないよ)。 否:アマラン(余らない)希:アマラシーブサン(余らせたい)過:アマタン(余った)継:アマトーン(余っている)。
- メモ
- 対:フスク スン(不足する)。
アマゥンジャイクマゥンジャイ
あちこち行き来する様。
- メモ
- 類:アマハイクマハイ。
アマカー
嘉手納の湧泉の名称。
アマカービラ
天川坂。嘉手納の地名。
- メモ
- 湧泉アマカーにちなんだ坂道の名称。戦前は石畳の急な坂道で明治期に県道が開通した際に迂回路が造られた。1609年薩摩の侵攻の際には、神女の指揮下に嘉手納の夫人たちが熱いおかゆを炊いて坂の上から熱々のおかゆを流し、薩摩軍の侵攻を防ごうとしたと言い伝えられる。
アマガカー
アマガエル。カエルの一種。
- 用例
- アマガカーガ ナチョールムン ヤガティ アミ フイサ(雨蛙が鳴いているからやがて雨が降るよ)。
- メモ
- 類:アタビー・アタビカー・アタビチャー・アマガク。 あまのじゃくな人に対しても使われる。民話には親の言うことに反対ばかりする「雨蛙不孝」がある。
アマカカイクマカカイ
あちこちに助けを求める様。
- 用例
- アマカカイクマカカイ シン イッチン マシェー ナラン(あちこちかかってもちっとも良くならない)。
アマガク
オキナワアオガエル。アマガエル。カエルの一種。
- メモ
- 類:アタビー・アタビカー・アタビチャー・アマガカー。 アマガク-ともいう。木の上にいて、逃げる時に小便をひっかける習性がある。字儀間では変わったことや人と反対のことをする人をアマガクーと呼んだ。 アマガカー参照。
アマガサ
雨傘。
- 用例
- アミ フトールムン クヌ アマガサ カンティ イケー(雨が降っているからこの雨傘を被って行きなさい)。
アマガシ
あまがし。沖縄風ぜんざい。
- メモ
- 5月5日の菖蒲の節供に、大麦と小豆を煮て、団子と黒糖を加えたアマガシを食した。
アマクマ
あちこち。
- 用例
- アマクマカイ ウチャレー マーンカイガ ウチャラー ワカラン ナトーン(あちこちに置いたらどこに置いたのか分からなくなった)。
アマサー
暴れん坊。持て余している人。
- 用例
- ワラビヌ アマサー ナティ アジカヤーン ヲゥランサ(子どもがやんちゃ坊主なので預かる人もいないよ)。
- メモ
- 類:アバサー。 男の子に対して使うことが多い。
アマサーイクマサーイ
あちこち触っている様。
- 用例
- クヌ ワラベー アマサーイクマサーイ ッシ(この子どもはあっちこっち触りまくって)。
アマザキ
《甘酒》。酢。

- 用例
- サーター チクティヌ アトゥヌ ナービシ ヘーイヤ チュクタン(製糖した後の鍋で酢を作った)。
- メモ
- 類:ヘーイ。 製糖後の大鍋に水を入れて鍋肌に付いている黒糖を溶かすように煮詰めて後、甕に移し入れておくと酢になる。
アマサグイクマサグイ
あちこち探っている様。
- 用例
- アマサグイクマサグイ ヌー カメートーガ(あっちこっち何を探しているか)。
アマサン
甘い。

- 用例
- クヌ クヮーシェー イッペー アマサン(このお菓子はとても甘い)。
- メモ
- 類:アマハン。対:カラサン・カラハン(辛い)。
アマシタムン
度を越した者。手に負えない者。
- 用例
- アンチュカ アマシタムン ヤル(なんて手に負えない奴だ)。
アマスン
度を越す。手に負えない。
- 用例
- クヌ ワラベー アマスンヤー(この子どもは手に負えないね)。 ウヤヤ デージ アマチョーン(親は手を焼いている)。
アマダイ
軒。
- 用例
- アミ フイグトゥ アマダインカイ ヲゥトーキヨーヤー(雨が降るから軒下にいなさいよ)。
- メモ
- アマライともいう。類:アマデー。
アマダイヌシチャ
軒下。雨落ち。
- メモ
- 類:アマレーヒチャ・アマレーヌシチャ。 産後の胞衣を軒下に埋めると赤子の目が悪くなると言われた。
アマダイミジ
雨垂れ。軒から落ちる雨水。
- 用例
- ミジヌ フスク シ アマダイミジ タミティ チカトーン(水が不足して雨水を溜めて使っている)。
- メモ
- アマライミジともいう。
アマダイムシ
ヤスデ。
- メモ
- アミダムシ・アミデームシともいう。類:ヤンバラームシ・ヤンバルムシ。
アマチカンクマチカン
あちこち落ち着きがない様。
- 用例
- クヌ ワラベー アマチカンクマチカン ウティチチン ネーン(この子どもは落ち着きがない)。
アマデー
軒。
- メモ
- 類:アマダイ・アマライ。
アマナシクマナシ
物をあちこち寄せている様。
- 用例
- ニーヤ アマナシクマナシ サンケー(荷物をあっちこっちに動かさないで)。
アマヌブイクマヌブイ
あっちに登ったりこっちに登ったりしている様。
- 用例
- アマヌブイクマヌブイ ッシ アブナサヌ(あっちこっち登ったら危ないよ)。
アマハイクマハイ
あちこち行き来する様。
- 用例
- イャーヤ アマハイクマハイ ッシ マー アッチョーガ(お前はあっちこっちどこをほっつき歩いているのか)。
- メモ
- 類:アマゥンジャイクマゥンジャイ。
アマハジ
《雨端》。軒。軒下の空間部分。
- 用例
- イャームン チノー アマハジカイ フーチェーサ(君の着物は軒下に干してあるよ)。
アマハン
甘い。

- 用例
- ウヌ クヮーシェー アマハン(そのお菓子は甘い)。
- メモ
- 類:アマサン。対:カラサン・カラハン(辛い)。
アママガイクママガイ
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- イャームノー アママガイクママガイ ッシ チカーランサ(お前の物はあっちこっち曲がって使えないよ)。
アマミークマミー
あちこち見回している様。
- 用例
- アマミークマミー ッシ ヌー ンチョーガ(きょろきょろして何を見ているのか)。
アマミジ
雨水。
- 用例
- アマミジヤ タミトーキヨーヤー(雨水は溜めておきなさいよ)。
アマムティー
あちら側。あそこの方。
- 用例
- アマムティーンカイ ヤティン ウッチャンナギトーケー(あそこの方にでもほっときなさい)。
- メモ
- アマムティともいう。
アマムン
甘い物。

- 用例
- マルケーテー アマムン フーサンヤー(たまには甘い物が欲しいね)。
- メモ
- 対:カラムン(辛い物)。
アマムンジョーグー
甘いものが好きな人。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ アンシ アマムンジョーグー ヤル(女の人たちはなんて甘い物好きなんでしょう)。
- メモ
- 対:カラムンジョーグー(辛いのが好きな人)。
アマヤー
余り物。
- 用例
- アマヤーヤ アマンカイ ウッチェーサ(余り物はあそこに置いてあるよ)。
- メモ
- 類:アマイヌクサー。
アマユミクマユミ
読み飛ばし。
- 用例
- アマユミクマユミ サレー イミクジン ワカラン ナトーン(あっちこっち読み飛ばしていたら意味が分からなくなってしまった)。
アマラ
漁り〔いさり〕ランプのひとつ。
- メモ
- 柄杓状の金網に松の芯を入れて燃やし漁りの照明にした。
アマリカー
あの辺り。
- 用例
- ワランチャーヤ アマリカーヲゥティ アシドーン(子どもたちはあの辺りで遊んでいる)。 アマリカーンカイ ヒンギティ ハイタン(あちら辺へ逃げて行った)。
- メモ
- 類:アマンデー。対:クマリカー・クマンデー(こちら辺)。
アマルカ
余るほど。
- 用例
- カムシェー アマルカ アイル スル(食べる物は余るほどあるよ)。
アマルカナー
有り余るほど。
- 用例
- アマルカナー ムッチチューンディチン アンナー(有り余るほど持ってくるってこともあるか)。
- メモ
- アマルカを強調。
アマレーヌシチャ
軒下。雨落ち。
- 用例
- アマレーヌシチャヲゥティ アミ ハラサヤー(軒下で雨宿りしようね)。
- メモ
- 類:アマダイヌシチャ・アマレーヒチャ。
アマレーヒチャ
軒下。雨落ち。
- メモ
- 類:アマダイヌシチャ・アマレーヌシチャ。
アマヰークマヰー
ひと所に落ち着いて座らない様。
- 用例
- アマヰークマヰー ッシ ヘーク チュトゥクマンカイ ヰラニ(あっちこっちに座らずに早くひと所に座らないか)。
アマングヮー
ハジチの模様の名前。
- メモ
- 左手首にある模様。丸い形からマルブシとも言う。
アマンジャナー
阿麻和利。
- メモ
- アマンジャラーともいう。 字楚辺にはヤイバカあるいはヤラバカと呼ばれる阿麻和利の墓がある。
アマンジャナーセー
阿麻和利ごっこ。
- メモ
- 子どもの遊びのひとつ。 阿麻和利に扮しての闘いごっこ。
アマンデー
あちら辺り。
- 用例
- ネーランラー アマンデー カメーティンディ(ないんだったらあそこら辺を探してごらん)。
- メモ
- 類:アマリカー。
アミ
あるね?
- 用例
- フントー アマンカイ アミ?(本当にあそこにあるか?)。
- メモ
- 類:アニ。 返事を求めて聞くこと。
アミ
雨。
- 用例
- アミ フイギサー ッシ ヘークナー ヤーカイ ケーラナ(雨が降りそうだから早く家に帰ろう)。
アミ
網。
- 用例
- ウリカーンジ アミ シカキーシェー マシ ヤサニ(そこら辺で網を仕掛けたらいいんじゃない)。
アミアンダー
網脂〔あみあぶら〕。
- メモ
- 豚や山羊などの内臓をおおっている網状の脂。
アミーン
浴びる。
- 用例
- チューヤ ルク イチュナサヌ ナマカラ アミーン(今日はあまりにも忙しくて、今から浴びる)。 否:アミラン(浴びない)希:アミーブサン(浴びたい)過:アミタン(浴びた)継:アミトーン(浴びている)。
アミカジ
雨風。
- 用例
- マギキー イートーチーネー アミカジ フシジュン(大きな木を植えておくと台風には雨風を防ぐ)。
アミクェームージ
虹。
- 用例
- アミアガイヌ アミクェームージヌ チュラサヨー(雨上がりの虹のきれいなこと)。
- メモ
- 類:ヌージ・ノージ・ノージャ・ムージ。
アミグム
雨雲。
- 用例
- アミグムヌ ゥンジトーグトゥ ヤガティ アミ フインドー(雨雲が出ているからやがて雨が降るよ)。
- メモ
- 類:アミヌミーグム。
アミコーイン
調合する。
- 用例
- ティンプラー アギーグトゥ アミコーイン(天ぷらを揚げるから衣を準備する)。
- メモ
- 石灰に藁・水を混合して漆喰を作ることにもいう。
アミシーン
浴びせる。沐浴〔もくよく〕させる。
- 用例
- フーチバー イッティ アミシーン(蓬湯で浴びせる)。
アミジャー
ミミズに似た小さな虫。
- メモ
- 触ると青白く光る。湿った場所にいた。
アミジャー
オタマジャクシ。
アミスミヤー
魚網の染料。
- メモ
- 魚網の強度を上げるために使った豚の血のこと。字都屋の漁師は雇っていた子どもたちに比謝矼の屠殺場へ豚の血を買いに行かされた。
アミダカー
オタマジャクシ。
アミタボリ
雨たぼれ。雨乞い。
- メモ
- 「アミ タボリ(雨を降らせてください)」と言って、雨乞いをした。
アミタマグ
網に入れた卵。
- 用例
- ンカシェー クヮ ナシーネー アミタマグ サギータン(昔は子どもが生まれると卵を網に入れて下げていた)。
- メモ
- アミタマグとは投げ網や使い古した網に卵を入れたもの。 出産後に魔よけとして、産室の周囲に張り巡らした左縄にアミタマグを下げ、歌三線で夜伽をした。
アミダムシ
ヤスデ。
- メモ
- アマダイムシ・アミデームシともいう。類:ヤンバラームシ・ヤンバルムシ。
アミチユ
雨露。
- 用例
- ヤーヤ グナサティン アミチユ シヌゲースムサ(家は小さくても雨露を凌げばいいさ)。
アミチュージ
湯灌〔ゆかん〕。遺体を荼毘に送る前に浴びせ清めること。
- 用例
- ンカシェー アミチュージヤ イェーカンチャーシ スタン(昔は湯灌は身内でやったんだよ)。
- メモ
- 湯灌に使う水を男性2人で汲みに行き、水にお湯を継ぎ足して使った。
アミチュクヤー
網繕いをする者。
アミックヮー
オタマジャクシ。

- メモ
- 類:アミヌミーックヮ。
アミナー
オタマジャクシ。
アミヌックヮー
オタマジャクシ。
アミヌックヮグヮー
オタマジャクシ。
アミヌミーグム
雨雲。
- 用例
- ンーチンディ アミヌミーグムガ マックール ソーサ(見てごらん、雨雲が真っ黒くしているよ)。
- メモ
- 類:アミグム。
アミヌミーックヮ
オタマジャクシ。

- 用例
- アミヌミーックヮ トゥティ アシドーン(オタマジャクシを取って遊んでいる)。
- メモ
- 類:アミックヮー。
アミヌムー
糸の一種。
- メモ
- 馬具作りの際に帆布など厚手の物を縫うときに使った糸。
アミフイ
雨降り。
- 用例
- アミフイ ナティ マーニン イカランサ(雨降りなのでどこにも行けない)。 アミフイネー トゥイヌン カックィン(雨降りには鳥でも隠れるのに、雨に濡れるか)。
アミフイギサー
雨が降りそうな天気。
- 用例
- マックールー ッシ ナマニン アミフイギサー ソーン(空が真っ黒になって今にも雨が降りそうだ)。
アミフイグマイ
雨降りに家に籠ること。
- 用例
- アミフイグマイヤ イーニーブイ ッシヤー(雨降りに家に籠もっていると、うとうと眠くなるね)。
アミムユー
雨模様。
- 用例
- アミムユー ソータルムンヌ ティーチン フランタン(雨模様だったのにちっとも降らなかった)。
アムトゥ
堤。土手。
- 用例
- ヲゥタヤーマ アムトゥヲゥティ ユックトーン(疲れて土手で休んでいる)。
- メモ
- 類:アボーチ・アモーチ。
アムン
編む。
- 用例
- アミフイネー ハルカイン イカラングトゥ ヤーヲゥティ チナ アムン(雨降りには畑にも行けないから家で綱を編む)。 否:アマン(編まない)希:アミブサン(編みたい)過:アラン(編んだ)継:アローン(編んでいる)。
- メモ
- 類:ノーイン。
アメーイン
蔓延する。
- 用例
- ヤナムシヌ アメーイン(害虫がいっぱい広がる)。
- メモ
- 草木などが生い茂っている様子にもいう。
アメージャー
アメンボ。
アメリカパンツ
カーキ色の男物パンツ。
- メモ
- 終戦直後、米兵の洗濯を職業にしている婦人たちから流入した。字座喜味では女性が着た事例もあった。
アメリカヤー
米軍関係者向けに建てた住宅。
- メモ
- 通称外人住宅。
アモーチ
堤。土手。
- 用例
- アモーチンカイ アサバン ウッチェーンドー(土手に昼飯を置いておくよ)。
- メモ
- 類:アボーチ・アームートゥ・アムトゥ。
アモーラ
魚の名。ベラ類。
- メモ
- 類:クサバー。
アモーラビキ
アモーラ曳き。漁法のひとつ。
- メモ
- 20人ほどが両手に分かれて網で雑魚を囲い込む漁法。
アモールングヮー
近海で捕れる雑魚の総称。
- 用例
- チカサヲゥティ トゥラリヌ イユンカイヤ アモールングヮーディ イタン(近くで捕れる雑魚にはアモールングヮーといった)。
アヤ
綾。模様。
- 用例
- ニービチヂンヌ アヤヌ チュラサヨー(花嫁衣装の柄がきれいなこと)。
アヤー
お母さん。
- 用例
- アヤーヤ チューン マーンカイ メンシェーガヤー?(お母さんは今日もどこにいらっしゃるのかね?)。
- メモ
- 類:アヤーメー。 士族が使う母の呼称。
アヤーメー
お母さま。
- メモ
- 類:アヤー。呼称にもなる。メーは美称辞。
アヤカーイ
あやかり。
- メモ
- アヤカイともいう。73歳の生年祝いで出される赤飯をアヤカーイとして土産に持ち帰った。88歳のトーカチ祝いからは通りすがりの知らない人でも、祝儀をもってあやかりに来るのが普通だった。
アヤカイン
あやかる。
- 用例
- ワッタン ゥンマガ フサグトゥ アヤカイビラナ(私たちも孫が欲しいからあやかりましょう)。 否:アヤカラン(あやからない)希:アヤカイブサン(あやかりたい)過:アヤカタン(あやかった)継:アヤカトーン(あやかっている)。
- メモ
- アヤカーインともいう。名詞形はアヤカイ。 73歳の生年祝いで出される赤飯をアヤカイとして土産に持ち帰った。88歳のトーカチ祝いからは通りすがりの知らない人でも、祝儀をもってあやかりに来るのが普通だった。
アヤカキコーカキ
色が混ざりあっている様。
- 用例
- アヤカキコーカキ ッシ ヌーガヤラ ワカラン(いろんな色が混ざりあって何が何だか分からない)。
アヤカチコーカチ
まだらに汚れた様。
- 用例
- アシ ハティ アトー、クルーヤ アヤカチコーカチ スタン(汗をかいたあとは、黒い服は汗の跡が白くまだらに残った)。
アヤダナシ
縞の入っている礼服。
- メモ
- アヤラナシともいう。 芭蕉で作った結婚式の嫁入り支度の着物。
アヤヂン
縞模様の入った着物。
アヤヌナーカー
縞の中に絣模様のある着物。
- 用例
- スージネー アヤヌナーカール チチ イチュンドー(お祝いには上等な着物を着ていくんだよ)。
アヤバサー
縞模様がはいった芭蕉布の着物。
- メモ
- 主として外出用の着物。
アヤマイン
謝る。
- 用例
- ワンガル ワッサグトゥ アヤマイン(私が悪いから謝る)。 否:アヤマラン(謝らない)希:アヤマイブサン(謝りたい)過:アヤマタン(謝った)継:アヤマトーン(謝っている)。
アヤムン
こいつ。
- 用例
- アヤムン! ヨーイ シミトーケー(こいつは!勝手にさせておけ)。
- メモ
- 投げやりに言う言葉。
アヤヤージュートゥイグヮー
アオカナヘビ。

- メモ
- 体色によって呼び分けていた。
アヨー
縞模様をした豚や牛の呼称。
- 用例
- オーヤーウシヌ キーンカイ シルーガ イッチョーシェー アヨーディ イータン(闘牛用の牛の毛に白い模様が入っているのにはアヨーと言った)。
- メモ
- 闘牛用の牛には毛の色や角の形、得意技の特徴で名前が付けられた。
アラ
粗。雑な物。
- 用例
- アラー ジョーブニ トゥリヨー(雑なのはちゃんと取りなさいよ)。
アラーパンヤー
人が群がっている様。
- 用例
- アラーパンヤー スカ チュヌ アチマトータン(蟻が群がるように人が集まっていた)。
アラアラ
おおよそ。大まか。
- 用例
- アラアラー キミテー アシガ チャーガ ナイラー ワカラン(おおよそ決めてはあるが、どうなるかは分からない)。
アラアラザンミン
概算。おおよその計算。
- 用例
- アラアラザンミン ッシ ウッチョーケー(おおよそ計算しておきなさい)。
アライゥンパナ
7回洗った米。