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- しまくとぅば単語帳:ア
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ア ハァーッ
ああ、そうか。
- 用例
- ア ハァーッ アンドゥ イービルイ(ああ、そう言うんですか)。
- メモ
- 納得できた時に出る言葉。
アー
【植物】粟〔アワ〕。
- メモ
- 粘り気の少ないサクアー(粳粟)と粘り気の多いムチアー(糯粟)の2種類があり、混ぜご飯や餅を作った。
アー
ああ。
- 用例
- アー アンルヤティナー(ああ そうだったのか)。
- メモ
- ため息。物事に対して何かを感じたときに発する。
アー
泡。
- 用例
- アーガ ブクナイ フチョーン(泡が ブクブク 吹いている)。
- メモ
- 類:アーブク(泡)・アブクー(泡)・アブカー(泡)。
アーイナー
ああ。
- メモ
- 失敗したり、まずいことをした時に発する語。
アーイン
会う。
- 用例
- ワンネー アチャー ドゥシトゥ アーイン(私は 明日 友達と 会う)。
過:アータン(会った)否:アーラン(会わない)希:アーイブサン(会いたい)継:アートーン(会っている)。
- メモ
- 類:イチャイン(会う)。対:ワカリーン(別れる)。
アーキー
再会。
- 用例
- シバヤヲゥティ ウヤックヮガ アーキースシェー ミグトゥヤタン(芝居で 親子が 再会する場面は 見事だった)。
- メモ
- 組踊などで親子や兄弟が再会し、感情が高ぶる場面で使われることが多い。
アーゲ
もう。
- 用例
- アーゲ、マタン ハジマトーセー(もう、また始まったよ)。
アーケージュー
【虫】アカトンボ。
アーケージュー
【虫】トンボの総称。

- 用例
- ウッサヌ アーケージューガ アチマティチョール(たくさんの トンボが 集まってきているね)。
- メモ
- トンボの種類には竹に下がるサガヤーギンジュー、夕方群れて飛ぶ目の大きいユールミーギンジュー、大きい羽が美しいオクサンギンジューがあり、その特徴から名が付いた。アーケージューがたくさん飛び交うのは暴風の予兆といわれた。
日本の古語で「あきづ」はとんぼの意。
アーケージューグサ
【植物】クマツヅラ。
- メモ
- 腹痛にはその煎じ汁を飲んだ。
野原に自生する多年草。その葉の形状がトンボに似ていることから付いた名前か。
アーサ
あおさ。ヒトエグサ。
- 用例
- クンドゥヌ アーサヤ イー クェーナインドー(今年の アーサは 良い 肥料になるよ)。
- メモ
- 近海で採れる緑藻。サングヮチャーにハマウイ(浜下り)した女性がアーサやンナグヮー(貝)を採った。
乾燥させて汁物に入れるのが一般的な調理法。畑の肥料としても使われた。
アーサジル
アーサ汁。
- 用例
- トーフ イッティ アーサジル チュクイン(豆腐を 入れて アーサ汁を作る)。
- メモ
- 乾燥させたヒトエグサと豆腐を入れ、薄い醤油味にしたもので、家庭料理として親しまれている。
アーサムーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アンスカナー アーサムーサナチ トゥラチェール(こんなにまで めちゃくちゃにしてくれたね!)。
- メモ
- 類:アーサモーサ(めちゃくちゃ)・アジャマークジャマー(めちゃくちゃ)。
アーサモーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アーサモーサ ヌールナトーラー ワカランナトーン(めちゃくちゃになって どうなっているのか 分からなくなっている)。
- メモ
- 類:アーサムーサ(めちゃくちゃ)・アジャマークジャマー(めちゃくちゃ)。
アーサンパー
会わせたがらない。
- 用例
- ヌール カンゲートーラー ウヤトゥ アーサンパースン(何を考えているのか 親と会わせたがらない)。
アーシ
地名(沖縄市泡瀬)。
アーシー
間食。
- 用例
- ヤークナトーシガ アーシーヤ ナーマルヤリー?(腹がへったが 3時のおやつは まだねぇ?)。
- メモ
- 類:アシー(3時のおやつ)。
午後3時頃、アーシーといって軽く食事をとった。農繁期には粟雑炊や黍雑炊、ラッキョウの漬物やユーヌク(麦こがし)等が出された。
アーシームーチー
お盆の3時頃に供える餅。
- 用例
- サンジナトールムンヌ アーシームーチーン ヘーク ウサギレーワ(3時になっているのに アーシームーチーも 早く供えなさい)。
- メモ
- 旧盆の中日にあたる14日の3時頃、団子より少し大きめのアーシームーチーに、お箸に見立てた粟の茎を2本立てて仏壇に供えた。
アーシギン
袷の着物。
- 用例
- ワンネー アーシギン ニンメー ムッチョーン(私は 袷の着物を 2枚 持っている)。
- メモ
- 類:アーシジン(袷の着物)。
アーシジン
袷の着物。
- 用例
- アンマーヤ アーシジン チチ マーカイハイガ?(お母さんは 袷の着物を 着て どこに行くの?)。
- メモ
- 類:アーシギン(袷の着物)。袷の着物で余所行き用。
アージン
竪杵〔たてぎね〕。
- メモ
- 食物調整用具のひとつでチチウーシ(搗き臼)と対で使う。中央部は両手で握られるように細くなっており、その中央部を持ち上下に振り下ろして玄米や麦などを精製した。
結婚式の婿いじめのひとつドードーウマの模擬馬として使われることもあった。
アースン
合わせる。
- 用例
- チンガ シアガトーグトゥ アチャー アースンディ(着物が 仕上がっているから 明日 合わすんだって)。
過:アーチャン(合わせた)否:アーサン(合わせない)希:アーシーブサン(合わせたい)継:アーチョーン(合わせている)。
- メモ
- 着物などを仕立てたものを合わせる。音を合わせるなど。
アータ
【爬虫類】キノボリトカゲ。

アータ
アオガエル。

- 用例
- アータ イクチン トゥッカチミタン(アオガエルを 何匹も 捕まえた)。
- メモ
- 類:アタビー(アオガエル)・アタビチャー(アオガエル)・アタビカー(アオガエル)。
アオガエル科に属する緑色のカエルの総称。
アータ
疲れてぐったりしていること。
- 用例
- アマヲゥティ アータナティ ニンジクローン(あそこで 疲れ果てて 寝入っている)。
アータグヮー
【爬虫類】キノボリトカゲ。

- 用例
- ヤナヤー アータグヮー(いやな奴)。
- メモ
- 相手を軽蔑して呼ぶ時にも使った。悪口の一種。
アータバイ
足(股ぐら)を広げて疲れた様子の歩き方。
- 用例
- アバーヤ アータバイッシ アッチ ハイタン(姉さんは 疲れ果てた足取りで 歩いて 行った)。
- メモ
- キノボリトカゲのように股を横に広げたままの歩き方や滑稽〔こっけい〕な歩き方にいった。
アーッサ
もう。
- 用例
- アーッサ! アンソール シーヨーン アンナー(はぁー! そんな やりかたっても あるの?)。
アーッサ、デージ ヤタンドー。(もう、大変だったよ)。
- メモ
- 納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
アーッサヨー
もう。もう、本当に。あれ、まあ。
アーティンプー
あてずっぽう。いい加減な。
- 用例
- イャーヤ イチグ アーティンプー ムヌイーッシ(お前は いつも あてずっぽうな 物の言い方をして)。
- メモ
- 類:アーラッパー(あてずっぽう)・アーランカー(あてずっぽう)。
アートー
ああ、もう。
アーハー
ああ、なるほど。
- メモ
- 理解した時に発する語。
アーハーハー
ああ、なるほど。
アーバサーバ
余計なお節介。
- 用例
- チュヌクトゥカイ アーバサーバ サンキヨー(他人の事に 余計なお節介は 焼くなよ)。
アーヒャー
ああ、もう。
- 用例
- アーヒャー! ナー ヲゥタティ ウッチャンナギレー(はぁー! もう 疲れた ほっとけ)。
- メモ
- 投げやりになった時に発する語。
アービヨー
ええっ。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アーファ
鮟鱇〔あんこう〕。
- 用例
- アーファヌシル ウサガミソーレー(鮟鱇汁を 召し上がってください)。
アーブク
泡。
- 用例
- アーブクヌ ブクブクソーン(泡が ブクブクしている)。
- メモ
- 類:アー(泡)・アブカー(泡)・アブクー(泡)。
アーマークー
【虫】アメンボ。

アーマン
【甲殻類】ヤドカリ。
- 用例
- ハルヌ アーマンヌ マンドーシヨー(畑の ヤドカリの 多いこと)。
- メモ
- 類:アマン(ヤドカリ)。
主として巻貝の貝殻に体を収め、貝殻を背負って生活する甲殻類にいった。
アーマンチュー
天の人。
- メモ
- 世の中の様子を見に天から下りてきた神。
アーミックヮー
【両生類】オタマジャクシ。

- 用例
- アーミックヮー スクレー(おたまじゃくしを掬〔すく〕え)。
- メモ
- カエルの幼生。
アーミナクー
【両生類】オタマジャクシ。

- 用例
- アーミナクーガ ダテーン シリトンドー(おたまじゃくしがたくさん孵っているよ)。
- メモ
- カエルの幼生。
アーミヌックヮ
【両生類】オタマジャクシ。

- メモ
- カエルの幼生。
アーミヌックヮー
【両生類】オタマジャクシ。

- メモ
- カエルの幼生。
アームートゥ
土手。
- 用例
- アームートゥヌ カタハラ(土手の片側)。
アーメージャー
ヤスデ。
- 用例
- アーメージャーガ マンドーグトゥ ヘーク トゥティドゥキレー(ヤスデが 多いから 早く 取り除きなさい)。
- メモ
- 細くて短い多数の歩脚がある。
アーラッパー
あてずっぽう。いい加減な。
- 用例
- イャーヤ チャー アーラッパー ムヌイーシッ(お前は いつも いい加減な 物の言い方をして)。
- メモ
- 類:アーランカー(あてずっぽう)・アーティンプー(あてずっぽう)。
アーラミーバイ
魚の名。ハタ類。
- メモ
- 和名ヤイトハタ。
アーランカー
あてずっぽう。いい加減な。
- 用例
- アレー ユカイ アーランカードー(彼は かなり いい加減な奴だよ)。
- メモ
- 類:アーラッパー(あてずっぽう)・アーティンプー(あてずっぽう)。
アーランパー
会いたがらない。
- 用例
- ヌーンチルヤラー ワントゥ アーランパールスンレー(なぜか 私と 会いたがらないんだよ)。
アイ
あら。おっと。
- 用例
- アイ アンシェー ジナノー ハナドゥ ソービールイ(あら、そしたら 次男は 花卉栽培を しているんですか?)。
アイ! イャー マーカイガ?(あら!君は どこにねぇ?)。
アイ バッペータン(おっと間違えた)。
アイエー
ええっ。あれまあ。
- メモ
- 驚いたり、予想に反していた時などに発する語。
アイエーナー
ええっ。あれまあ。
- 用例
- アイエーナー イャーヤ ナー チャースガ!(あれまあ お前は もう どうするのか!)。
アイエーナー チャーンネービラニ(ああもう、大丈夫でしたか?)。
アイエーナー デージナタン(ああもう、大変なことになった)。
- メモ
- 困った時に思わず発する言葉。
アイエーヨー
ああ。おいおい。
- メモ
- 嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
アイエナー
ええっ。ああ。
- メモ
- 予想に反していた時に発する語。
アイエヨー
ああ。おいおい。
- メモ
- 嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
アイク
漁法のひとつ。
- メモ
- 川で行なう網代漁法。川の流れにそって漏斗〔ロウト〕状に編んだ竹を入れ、下流の出口に置いた籠〔カゴ〕に入ってくる蟹〔カニ〕や鮒〔フナ〕を捕った。イシンジャーガーラ(伊良皆の川名)にアイクバーキを設置してターガニ(田蟹)、ターイユ(鮒)、ガサミ(蟹)などを捕った。川の竹で囲うのをヒシクミアイク、川の中に打ち込むのをウチクミアイクといった。
アイクバーキ
漁具の名前。
- メモ
- 竹で編んだ網代籠のことで川漁に使った漁具のこと。籠の口は漏斗状になっていて入り込んだ獲物が出られないようになっている。それを川の流れに沿って設置し、そこまで石などを積み、エビや蟹などを誘い込めるようにした。
アイコー
【虫】蟻〔アリ〕。
- 用例
- ナーヌ アイコーヌ マンドーシヨー(庭の 蟻の 多いこと)。
- メモ
- 類:アナー(蟻)。アリ科の昆虫の総称で、人家の近くに多く身近な昆虫のひとつ。
アイコーカタ
蟻が歩いたような跡形が残ること。まだら模様。
- 用例
- ルク アシハティ アイコーカタ イッチョーン(余りにも 汗をかいたので 〔服に〕まだら模様が できている)。
アイター
あいた。痛いよ。
- 用例
- アイター ヤムグトゥ サーランケー(あいたた! 痛いから 触るな)。
- メモ
- 類:アガー(痛いときに発する)。痛い時に発する語。
アイターヨー
あいた。痛いよ。
- メモ
- 痛い時に発する語。
アイナー
あれまあ。
- 用例
- アイナー チャーンネービランタガヤー(あれまあ、大丈夫でしたかね?)。
アイネー
あったら(物)。
- 用例
- ワンガ カメーティ アイネー チャースガ?(私が 探して 見つかったら どうするの?)。
アイネーン
あり合わせ。
- 用例
- チューヌ ユーバノー アイネーンムンッシ シムサ(今日の 夕飯は あり合わせの物で いいよ)。
アイムンネーンムン
ある物ない物全部。有りったけ。
- 用例
- アイムンネーンムン ムル ムタシェー(ある物ない物・ありったけ 全部 持たせなさい)。
アイヤ
ああ。あら。あれ。おっと。
- メモ
- 思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
アイヤー
ああ。あら。あれ。おっと。
アイヤナ
ああもう。
- メモ
- 思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
アイヤナー
ああもう。
- メモ
- 思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
アイヨー
ええっ。あれまあ。
- 用例
- アイヨー! ウレー アネーアランタルムン(あれ! それは そういうはずじゃなかったのに)。
アイヨーアイヨー
ああ。おいおい。
- メモ
- 葬式の時の泣女の泣き声。
アカ
垢。
- 用例
- アカ ウトゥシェー(垢をおとしなさい)。
アカ
赤。色の名。赤いもの。
アカー
赤。色の名。赤いもの。
- 用例
- ウヌアカーソーシェー ワームンヤサ(あの赤くしているのは 私のだよ)。アカーグヮードゥ ヤイビールイ(赤いものですか?)。
アガー
あいた。
- 用例
- アガー! ヤムグトゥ サーランケー(あいたた! 痛いから 触るな)。
- メモ
- 類:アイター(痛いときに発する)。痛い時に発する語。
アカアカートゥ
赤々と。
- 用例
- ヤマヌ アカアカートゥ メートーン(山が 赤々と 燃えている)。
アカーヌバン
能率が上がらない。捗らない。
- 用例
- アンソールシーヨーシェー イチマディタッチン アカーヌバンサ(そんなやり方では 何時まで経っても うまくいかないよ・捗らないよ)。
- メモ
- 対:ハカドゥイン(捗る)。
アカーハン
赤い。
アカイ
障子。
- 用例
- アヌ アカイ アキティ ナカ ンチンディ(あの 障子を 開けて 中を 見てごらん)。
アガイー
上がり。乳の出が悪くなった乳牛。
- メモ
- アガユン(上がる。上達する。終わる。かえって悪い。)の名詞形。
アガイウマチー、アガイエイサー、アガイスージ、マチヌアガタン(市場が終わった)などの表現もある。
アガイウマチー
上がり御祭。
- メモ
- その年の最後のウマチー。2、3、4、5、6、8月と年6回あるウマチーのうち、一年最後のウマチーはシバサシウユミの翌日8月10日に行なった。
アガイエイサー
上がりエイサー。
- メモ
- 青年会を終える者たちが演ずるエイサー。エイサー当日の午前中、25歳に達する者たちは青年会を卒業するので、その人達だけでお互いの家を巡回し演じる。
アガイスージ
上がり祝儀。進級式(修了式)。進級祝い。
- メモ
- 2月の彼岸頃に行なわれた。
アガイスーブー
上がり勝負。進級式(修了式)。進級祝い。
- 用例
- イャームン アガイスーブーネー マギ スージサーヤー(君の 進級祝いには 大きな お祝いをしようね)。
- メモ
- 戦前は学力不振や家庭の事情で欠席が多い子は、進級することができず各学年で数名の落第生が出た。それで、無事に進級を祝うことをアガイスーブーといった。
ディキヤー(優秀者)には担任から褒美があったが、褒美をもらうのはアガイスーブーの時だけなので、その日に休む者はいなかった。
アガイティーダ
上がり太陽。東にある太陽。朝日。
- 用例
- アガイティーダ ウガムン(朝日を 拝む)。
- メモ
- 類:アガイティーラ。対:サガイティーラ・サガイティーダ(夕日)
東から昇る太陽は縁起が良いとされている。
アガイティーラ
上がり太陽。東にある太陽。朝日。
- 用例
- アサ ヘーク ウキティ アガイティーラ ウガムン(朝 早く 起きて 朝日を 拝む)。
- メモ
- 類:アガイティーダ。対:サガイティーラ・サガイティーダ(夕日)
東から昇る太陽は縁起が良いとされ、産児のイーヤー(胞衣)の処理、ナージキー(名付け)、ウブジン(産着)を着せる際に重視された。
アカイナー
赤犬。
アガイナー
9月に行われる最後の闘牛大会。
- 用例
- アガイナーネー イッペー ハネーチュタン(アガイナー・最後の闘牛大会には とても 賑わった)。
- メモ
- 旧暦9月に行われるその年最後の闘牛大会。字楚辺では旧5月から9月までの農閑期を利用して、毎月1回闘牛が行われた。5月~8月と続き、最後の9月9日にはアガイナーとしての闘牛が行われた。アガイは上がる、終了の意味がある。ナーは広場を意味する。
アカイユー
魚の名。いっとうだい類。
アカイラブチャー
魚の名。赤い色のぶだい。
アガイン
終わる。
- 用例
- ティーチ サニ ウティーサヤー、ナー ウレー アガランサ、チャーヒルガイ(一粒種が落ちるとね、もうそれは終わらないよ、ずっとはびこる)。
アガイン
上がる。
- 用例
- ティーダ(ラ)ヤ アガリカラ アガイン(太陽は 東から 上がる)。
過:アガタン(上がった)否:アガラン(上がらない)希:アガイブサン(上がりたい)継:アガトーン(上がっている)。
- メモ
- 対:サガイン(下がる)。
アカインコ
赤犬子。
- メモ
- 歌三線の始祖で五穀豊穣の神。楚辺に赤犬子を祀った拝所、アカヌクー(赤犬子宮)がある。楚辺では旧暦9月20日にアカヌクースーギ(赤犬子祭)、アカヌクーウグヮン(赤犬子御願)を行う。
アカインドゥー
赤豌豆。えんどう豆の種類。
- メモ
- 花実が赤く、1月頃に播種し、4、5月頃に収穫した。
アカウブク
赤御仏供。
- メモ
- 61歳の祝いに小豆ご飯のウブクをヒヌカンに供えた。
アカウマ
赤馬。龕〔がん〕。
- メモ
- アカウマー、アカンマー、コーともいう。
葬式の際、棺を入れて4人担ぎで運ぶ朱塗りの輿。周囲は僧や花などの仏画が描かれている。7歳未満で亡くなった子はアカウマーに乗せられなかった。龕と獅子はミートゥンダ(夫婦)と言われ、龕が雌で獅子は雄だと言われている。
アカゥンマー
赤馬。龕〔がん〕。
- 用例
- アカゥンマーガ トゥーティ ハイタン(龕が 通って 行った)。
- メモ
- 類:コー(龕)・ガン(龕)。
死者を乗せて墓まで運ぶ。読谷でも火葬が普及する以前、昭和30年代まで使用していた。赤馬は4人の男性で担ぎ、地域によっては途中でシマミシー(島見せ)として、死者に最後にシマを見せるために休んだ。朱塗りなので赤馬(アカゥンマー)と言われた。
アカガーラー
赤瓦。
- 用例
- チカグロー アカガーラーチュクヤーン イキラクナティヤー(近頃は 赤瓦職人も 少なくなったね)。
アカガイ
明かり。明るい所。
- 用例
- ユルナイネー アカガイカラル アッチチューンドー(夜になったら 明るい所から 歩いて来るんだよ)。
- メモ
- 類:アカガイミー(明るい所)・アカガインミー(明るい所)。対:クラガイ(暗がり・暗い所)・クラガイミー(暗い所)・クラシン(暗い所)。
アカガイミー
明るい所。
- 用例
- ユルナーヤ アカガイミーカラ アッチル ケーティチュール(夜は 明るい所を 歩いて 帰ってくるんだよ)。
- メモ
- 類:アカガイ(明るい・明るい所)・アカガインミー(明るい所)。対:クラガイ(暗がり・暗い所)・クラガイミー(暗い所)・クラシン(暗い所)。
アカガイン
明るくなる。
- 用例
- ヤガテー ユーアキティ アカガインドー(やがて 夜が明けて 明るくなるよ)。
- メモ
- 対:クラクナイン(暗くなる)。
アカガシチー
小豆を入れた強飯。
- メモ
- 8月は一般にマジムン、ヤナムンが多い時期と信じられ、ヨーカビーの出るその頃は家の周囲にシバを差して、アカガシチー(小豆ご飯)を供えた。
アカカビ
赤紙。正月に仏壇や火の神に飾る赤い紙。
- メモ
- 正月にはアカカビと木炭3個を昆布で巻いたものと塩をヒヌカンや仏壇に飾ったが、床の間には飾らなかった。
アカガヤー
蟹の種類。
アガカラン アガチ トゥイヌアガチ
あがけないあがき、鳥のあがき。
- メモ
- どんなに一生懸命やっても効果がでない、足踏み状態を意味する。
アガカランアガキ
足掻いても足掻いてもどうしようもない状態。
- 用例
- アガカランアガキサンテーン チャーンナランサ(どんなに足掻いても どうしようもないよ)。
- メモ
- 類:アガカランアガチ(足掻いても足掻いてもどうしようもない状態)。
アガカランアガチ
足掻いても足掻いてもどうしようもない状態。
- 用例
- ヒンスーヤ チャーヒンスールヤンムンヌ アガカランアガチシ(貧乏は いつまでたっても貧乏なのに そんなに足掻いて!)。
- メモ
- 類:アガカランアガキ(足掻いても足掻いてもどうしようもない状態)。
アカガンター
赤髪。赤毛が伸びている様子。
- 用例
- アマンカイヲゥヌ アカガンター ワラビヤサ(あそこにいる 赤毛の 子どもだよ)。
- メモ
- 類:アカブサー(赤い髪)・アカブー(赤い髪)。
アカギ
【植物】赤木。
- 用例
- アカギヤ イルガ アカーソーグトゥ アンイラットーンディ(赤木は 色が 赤いことから そう言われているんだって)。
- メモ
- トウダイグサ科の常緑高木、樹皮が赤味を帯び、樹液が赤いことから名前が付いた。拝所近くに多く、現在では公園などに植栽されている。
アカギンジュー
【虫】トンボの一種。
アカグー
食紅。
- メモ
- アカグーグヮーと同じ。グヮーは接尾辞。
アカグチャファ
皮膚病の一種。たむし。
アガクン
足掻く。
- 用例
- ナーヒン アガクンナー(もっと 足掻くのか・頑張れるか)。
- メモ
- 類:アガチュン(足掻く)。
手足を振り動かしてもがく、じたばたする、必死になって働く、あくせくする等。
アカコージメー
赤麹米。
- メモ
- 赤麹で赤く色を付けた御飯。トーカチスージの膳に出た。アカコージメーと豆腐、肉、昆布、カタハランブーをウジングヮームイして、チトゥ(苞)にした。
アカサン
赤い。
アカサン
明るい。
- 用例
- ナマ ヌミーガ イチュシェー アカサンデー(今 飲みに 行くには 明るいよ)。
- メモ
- 対:クラサン(暗い)。
アカサンミー
明るい所。
- 用例
- クヮックィランヨークー アカサンミーカイ ゥンジティ クーワ(隠れないで 明るい所に 出て きなさい)。
- メモ
- 類:アカガイ(明るい・明るい所)・アカガイミー(明るい所)。対:クラガイ(暗い所)・クラガイミー(暗い所)・クラシン(暗い所)。
アカシ
証。
- メモ
- ユタや物知りのところへ死者のアカシに行く。クチイチャーシーガイチュン(死者の言い分を聞きに行く)とも言う。
アカジナアヤー
オキナワシャリンバイ染めの濃褐色縞物。
- メモ
- アカズミアヤーと同義。
アカシヌシー
アカシの岩。渡具知の地名。
- メモ
- ンナトゥ(港)の入り口近くにある岩でアカシグヮーとも言う。アカシヌシーは干満に関係なく魚が取れたという。
アカジン
魚の名。スジアラ。
- メモ
- アカは魚の色、ジンは銭で、金になるとの意味合いか。
アカジンミーバイ
魚の名。
- メモ
- 赤い飛び出た大きな目をした魚。
アカスビ
魚の名。
アカズミ
赤染め。染色のひとつ。茶褐色。
- メモ
- 主に芭蕉布をティカチャー(オキナワシャリンバイ)の樹皮や根っこを染料にして染めた。
アカズミアヤー
オキナワシャリンバイ染めの濃褐色縞物。
アカズミイーチリー
オキナワシャリンバイ染めの絣。
アカスン
剥がす〔はがす〕。
- 用例
- ウシヌクスーヤ アカシーネーヨ チブル ヤムングトゥ(乳児の頭のかさぶたは剥がすと痛むから)。
アカスン
物事を明らかにする。
- 用例
- シワグトゥヌアラー ムンシリヲゥティ アカスンテー(心配事があるなら 物知りの所で 明らかにしてもらうさ)。
シムチヌ アカスン(易者が当てる)。
過:アカチャン(明かした)否:アカサン(明かさない)希:アカシーブサン(明かしたい)継:アカチョーン(明かしている)。
- メモ
- ユタや物知りに判断してもらう場合にも使う。
アカスン
明かす。
- 用例
- チューヤ ナー ヤーカイヤ ケーラン ゥンマヲゥティ ユー アカスンテー(今日は もう 家には 帰らないで そこで 夜を 明かすさあ)。
過:アカチャン(明かした)否:アカサン(明かさない)希:アカシーブサン(明かしたい)継:アカチョーン(明かしている)。
- メモ
- 夜を過ごして朝を迎えること。
アカスン
離す。
- 用例
- ウヤックヮ ウシムリニ アカスン(親子を 無理矢理に 離す)。
過:アカチャン(離した)否:アカサン(離さない)希:アカシーブサン(離したい)継:アカチョーン(離している)。
- メモ
- 対:ソーラスン(添わせる)。
アガタ
あちら。
- 用例
- アガタナーリー マーレー(あちらへ 回りなさい)。
- メモ
- あの方向。向こうのほう。
アガター
我々。
- 用例
- アガターチネー(私たちの家庭)。アガタールーチューヌ(私たち琉球の)。
アカターザチ
アカター崎。都屋の地名。
- メモ
- 現在の都屋漁港内に海に向かってせり出した小さな岬があり、アカターザチと呼ばれている。アカターと呼ばれる白い鳥がこの岬に群れをなしたことに由来している。漁港整備で先端部の一部などは削られたが、それ以前は岬には原っぱがあり、漁に使う網干し場として利用されたため、アミフシモーと呼ばれた。戦前は美しい芝生が広がり、十五夜などには青年たちが集まって三線などを弾き遊ぶ憩いの場でもあった。松葉を焚きのろしを上げて県外へ行く船を見送るフナウクイもここで行われた。
アガタヌカー
伊良皆の井泉の名称。
- メモ
- 「向こうの井泉」という意味の井泉。上ヌカーと水源が同じといわれるが、クムイ(溜池)のようであまり利用されなかった。石で囲み目印としていたという。
アガタムティー
あちら側。
- 用例
- アガタムティーカイ イチュタサ(あちら側に 行ったよ)。
アカチキ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチキナーリー ウキティ ハイタンデー(朝の早い時間に 起きて 行ったよ)。
- メモ
- 類:アカチチ(暁)。
アカチキオーファングヮー
薄紅苦菜。ウスベニニガナ。
- 用例
- アカチキオーファングヮーディシェー ワンネー チチェーンラン(薄紅苦菜というのは 私は 聞いたことがない)。
アカチキミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アネヒャー! ニーブイカーブイシ アカチキミークファヤー カマーニ ヘーク ミークファレー(こら!眠たそうにして おめざでも 食べて 早く 目を覚ましなさい)。
- メモ
- 類:アカチチミークファヤー(朝の目覚めの食べ物)。
アカチチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチチナーリーヤ チュヌヤーカイヤ イカランサ(朝の早い時間には 人の家には 行けないよ)。
- メモ
- 類:アカチキ(朝の早い時間)。
アカチチミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アカチチミークファヤーディチ パーパーガ ゥンムニー シコーテーサ(おめざに お婆さんが ゥンムニー〔芋煮〕を 準備してあるよ)。
- メモ
- 類:アカチキミークファヤー(朝の目覚めの食べ物・おめざ)。
ゥンムニーはサツマイモを煮て練ったもの。
アガチャー
足掻く人。働き者。
- 用例
- アンシ アガチャーヤル(よく働くね・こんなに 働き者だね)。
アガチュン
足掻く。働く。精を出す。
- 用例
- チュヌバイナー アガチュン(人の2倍も 足掻く・頑張る)。
アガチワル カマリール(働いてこそ食べることができる・生活できる)。
過:アガチャン(足掻いた)否:アガカン(足掻かない)希:アガチーブサン(足掻きたい)継:アガチョーン(足掻いている)。
- メモ
- 類:アガクン(足掻く)。
手足を振り動かしてもがく、じたばたする、必死になって働く、あくせくするなどの意。また、働き者にはアガチャーという。
アカヂラー
赤い顔。赤ら顔。赤面。
- 用例
- ハジカサヌ チュラーク アカヂラーナトーサ(恥ずかしくて 見事に 顔が赤くなったさ)。
アガッタムン
大した奴。
- 用例
- フユーナムンガ ジン モーキティ アガッタムンヤサ(怠け者が お金を 儲けて 大した奴だ)。
- メモ
- 嫌味を込めた言い方。
アガトゥー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- 用例
- アガトゥーンカイル イチュンナー(あんな遠い所に 行くの?)。
アガトゥー スインカイ(あんなに遠い首里まで)。アガトゥーカラ(あんな遠くから)。
- メモ
- 類:ウガチカサ(そんなに近い所)。
アガトゥーナー
あの遠さ。ずっと遠い所を強調した言葉。
- 用例
- アガトゥーナーンカイル アティナー?(あんな遠い所に あったの?)。
- メモ
- 類:ウガチカサグヮー(そんな近い所)。
アカトゥンチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカトゥンチナーリー ヌー サワジョーガ?(朝っぱらから 何を 騒いでいるの?)。
ソーグヮチヌ アカトゥンチ ゲーナー(正月の暁早々に)。
アガトー
あの遠さ。ずっと遠い所。
アカドーン
赤みがかっている。
アカナバー
赤紫蘇。赤じそ。
- メモ
- 漬け物にするだけで調理はしなかった。
イリガサ(麻疹)患者にアカナバーの煎じ汁を与えた。
アカヌクー
赤犬子。楚辺の拝所の名称。
- メモ
- 歌と三線の始祖とされる赤犬子終焉の地を楚辺ではアカヌクーと呼び崇めている。赤犬子は、楚辺の守り神、五穀豊穣の神ともされ、旧暦9月20日に赤犬子御願(アカヌクスーギ)を行う。この時五穀のンバン(米・粟・キビ・小豆・トウキビを混ぜたご飯)も供えられる。戦前はムラヤーとアカヌクーの間をホラ貝やカネ、太鼓を打ち鳴らしながら道ジュネーし、道中参加した子供たちには一切れのムリムチ(餅)が配られ大いに賑わった。
アカヌクーウグヮン
赤犬子御願。
- メモ
- 戦前から9月20日に拝んでいるアカヌクを祀る行事のこと。役目の人たちがグククヌンバン(五穀米のおにぎり)を作って、ついて来る子ども達に配った。アカヌクーの前では三線奉納し、この日にはムラアシビ(村芝居)も開催された。アカヌクーの項も参照。
アカヌクウスメー
赤犬子御主前。
- メモ
- 赤犬子の尊称。アカヌクーの項参照。
アカヌクーバル
赤犬子原(楚辺の小字)。
アカヌクスーギ
赤犬子祝儀。赤犬子祭。
- 用例
- アカヌクスーギネー ジムスカラ アカヌクーマディ スネーティイクタン(赤犬子祭には 公民館から 赤犬子宮まで 行列をつくって行った)。
- メモ
- 毎年、旧暦9月20日に、村の守り神として崇拝している赤犬子の歌と三線の偉業を称え、また豊作願いを込めてアカヌクスーギを行う。公民館から赤犬子宮まで、ドラや太鼓を鳴らしてパレードし、赤犬子宮を拝んだ後に、「かぎやで風」や「イリベーシ」などの踊りを奉納する。アカヌクーの項も参照。
アガネーイン
節約する。
- 用例
- ユーアガネーティ ジノー チカリヨー(よく節約して お金は 使いなさいよ)。
- メモ
- 対:チカイホーイン(使いっぱなし)。
アカバカマ
赤袴。
- メモ
- 正月、天長節、紀元節にはアカバカマを着て下駄を履いていた。
アカバク
赤箱。
- 用例
- ダビニ チカイル ドーグヤ アカバクンカイ ウサミテーサ(葬式に 使う 道具は 赤箱に 収めてあるよ)。
- メモ
- 板で造られた赤い箱で、中には龕の装飾品や葬列に使う天蓋や葬式旗・葬儀用具などが収められている。
アカバクー
肉の行商。
- 用例
- アカバクーガ チューンドー(肉の行商が来るよ)。
- メモ
- アカバク(赤い箱)に肉を入れて行商していたことから。
アカハジ
赤っ恥。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ アカハジカカチ(人前で 赤っ恥をかかせて)。
- メモ
- 赤面するほどのひどい恥。人前で受けるとんでもない恥ずかしさ。
アカバチ
魚の名。
アカハチマキ
赤□。赤い□〔ハチマキ〕。
アカバチャー
【虫】ハチの一種。スズメバチ。
- メモ
- 子どもが蜂を退治する山遊びの中で、大きくて強いアカバチャーの巣を壊した者はイジバー(勇気がある)と言われた。
アカバナー
仏桑花。ハイビスカス。

- 用例
- アカバナーガ ユーサチョーン(仏桑花が よく咲いている)。
- メモ
- 類:グソーバナ(仏桑花・ハイビスカス)。
トートーメーに供えるのでグソーバナ(後生花)ともいう。生垣に使われていた。
アカハン
赤い。
アカビー
赤い火。
- メモ
- アカビーグヮーともいう。キジムナーを呼ぶとブーブーと音を立てアカビーグヮーが出て来たとの伝承がある。
アカビーグヮー
赤い火。
- メモ
- アカビーと同じ。グヮーは接尾辞。キジムナーを呼ぶとブーブーと音を立てアカビーグヮーが出て来たとの伝承がある。
アカヒジー
稲の種類。
- メモ
- ヒジメーと呼ばれる在来種で芒〔のぎ〕が赤っぽいもの。他にシルヒジー、コージャーがあった。
アカヒチムン
怠け者。
- 用例
- アカヒチムン ナテー ナランデー(怠け者に なっては いけないよ)。
- メモ
- 類:オーヒチャー(怠け者)・フユ―ナー(怠け者)・フユ―ナムン(怠け者)。対:ハタラチャー(働き者)。
アカブー
赤毛。茶髪。またその人。
- 用例
- アンシ アカブーヤル(とても 髪の毛が赤いね)。
- メモ
- 類:アカブサー(赤毛)・アカガンター(赤毛)。
アカブサー
赤毛。茶髪。またその人。
- 用例
- アヌ アカブサー ワラビヤサ(あの 髪の毛が赤い 子どもだよ)。
- メモ
- 類:アカブー(赤毛)・アカガンター(赤毛)。
アカブシ
赤毛。茶髪。またその人。
- 用例
- アカブシワラバー(赤毛の子ども)。
アカフリムン
馬鹿なことをする者。
- 用例
- ヤナ アカフリムン(なんて馬鹿な奴)。
アカベー
皮膚病の一種。
- メモ
- 真っ赤になった。
アカマー
【爬虫類】ヘビ。ハブ。
アカマーミ
赤豆。小豆。
- メモ
- 色味からアカマーミと称しているが、アジチャー(小豆)ともいう。
アカマーミー
赤豆。小豆。
- 用例
- アカマーミー ニチェーンドー(小豆を 炊いてあるよ)。
アカマーミーゴハン
小豆入りご飯。豆御飯。
- 用例
- スージネー アカマーミーゴハン ニラヤー(お祝いには 豆ご飯を 炊こうね)。
アカマク
腕白。
- 用例
- ルク アカマクナティ デージヤサ(余りにも 腕白で 大変だ)。
- メモ
- 類:ウーマク(腕白)。
アカマタ
【爬虫類】ヘビの一種。アカマタ。
- メモ
- カマンタ(鍋蓋)を伏せて置くと中でアカマタが孵化するといわれた。
美男子に姿を変えたアカマタの子を宿した娘が海水に浸って清められたことから3月3日の浜下り行事が始まったという話が村内及び本島では流布している。
アカマター
【爬虫類】ヘビの一種。アカマタ。
- 用例
- アカマターンカイ ダマサットーン(アカマタに 騙されている)。
- メモ
- 夜行性で無毒の蛇。沖縄の民話にアカマタが美男子に化けて女を騙すという話がある。
アカマチ
ハマダイ。浜鯛。
- 用例
- アチャヤ スージデームン アカマチ コーティチャン(明日は お祝いだから ハマダイを 買ってきた)。
アカマッカーラ
真っ赤をより強調した言葉。
- 用例
- トマトーヌ アカマッカーラソーシヨー(トマトが 真っ赤なこと!)。
アカマッカーラー
真っ赤をより強調した言葉。
アカマックヮ
赤枕。赤塗りにした木の枕。
- メモ
- 枕は建築中の家からセンダンやガジマルの切れ端を貰って作った。他に袋に籾殻を入れたものや竹を編んで作った枕があった。
アカミー
卵黄。黄身。
- 用例
- シルミービカーン カリ アカミーヤ ヌクチェーンデー(白身だけ 食べて 黄身は 残してあるよ)。
- メモ
- 類:キーミー(黄身)。対:シルミー(卵白)。
アガミーン
崇める。
- 用例
- イクチナティン ウヤー アガミリワルナイル(幾つになっても 親は 崇めないといけない)。
過:アガミタン(崇めた)否:アガミラン(崇めない)希:アガミーブサン(崇めたい)継:アガミトーン(崇めている)。
- メモ
- 対:ウシェーイン(馬鹿にする)。
アガミシェービリ
敬いくださいませ。
- メモ
- 士族で用いる言葉。
アカミンタマー
地名(読谷村座喜味の喜名田原にある小地名)。
アカムサ
【虫】テントウムシの総称。
アカムサー
【虫】テントウムシの総称。
- 用例
- クンドー アカムサーガ ウーサンヤー(今年は アカムサー〔虫〕が 多いね)。
アカムヤー
高志保の地名。
- メモ
- 沖縄戦後、避難先から高志保の東原(アガリバル)の北側に、主に長浜区民が帰村したところ。そこは赤土の国頭マージにおおわれ小高い丘状になっており、赤い丘(ムイ)という意味でそう呼ばれた。読谷初等学校渡慶次分校もここに位置した。
アカムル
魚の名。
アカメー
赤米。赤飯。
- メモ
- 結婚式でひとつの膳、器から共食するユレーヌウブンと水撫での夫婦固めの儀式が行なわれていた。カフーナチュ(果報な人)が新夫婦にミジナディー(水撫で)して、タカウブン(高御盆)に載ったハナビーダク(蒸し蛸)とスンカンに盛ったアカメー(赤飯)を一箸ずつ夫婦の口に運んだ。
楚辺ではナナチレーヌブン(七品の盆)という言い方もする。
アガヤーグヮー
大根の種類。
- メモ
- 浦添小湾から入ってきた小ぶりの大根で、クワンアガヤーグヮーとも呼んでいた。
グヮーは接尾辞。
アガヨー
あいた。
- メモ
- 痛い時に発する語。
アカラー
乳離れした豚やウサギなど。
アカラーウヮー
乳離れした子豚。
アカラーウヮーグヮー
乳離れした子豚。
- 用例
- アカラーウヮーグヮー イクチ ナチェーガ?(子豚を 何頭 産んであるか?)。
- メモ
- 生まれたての子豚。
アカラーグヮー
乳離れした子豚。
- メモ
- アカリーン(離れる。剥がれる。主として家畜などが乳離れする)の名詞形。子豚の場合アカリウヮーグヮーとも言う。
アガリ
東。
- 用例
- アガリンカイ イチュタン(東に 行った)。
- メモ
- 四方位のひとつで、極地以外でおおよそ太陽が昇る方位のこと、地球の自転する方位である。
アガリイーバル
東上原(楚辺の小字)。
アカリーウヮー
乳離れした子豚。
アカリーン
乳離れする。
- メモ
- 主に家畜の豚やウサギなどが成長して親から乳離れするときに使用する。幼鳥が巣立つ時にも使う。
アカリーン
離れる。
- 用例
- ユークル フルイートーグトゥ ヤガテー アカリーンテー(ほどよく 大きくなっているから やがて 乳離れするよ)。
カマンター アカリワカラ(エイは親から生まれ落ちたら)。
過:アカリタン(離れた)否:アカリラン(離れない)希:アカリーブサン(離れたい)継:アカリトーン(離れている)。
- メモ
- くっついていた状態が終わって分かれる。離れる、乳離れ(家畜等)するという意味がある。
アガリウガン
東御願。
- メモ
- ウガンヒラー、アガリウタキともいう楚辺の七御嶽のひとつ。雑木林に覆われた小高い丘の中にある。楚辺の守り神として拝まれ、戦時中は出征兵士の武運長久を祈願し拝んだ。戦前は石でできた祠があった。
アガリウマーイ
東方御廻り。
- メモ
- アガリカタウマーイと同じ。
祖先が暮らしていたと伝わる土地へ行き、使用していたであろう井泉や住居跡、墓などを拝む門中行事。島尻南部東側の旧知念村・玉城村を巡拝するコースがアガリウマーイで、7年ごとに旧暦8月から10月頃にかけて行なわれる。
アガリカタ
東の方。東方面。
- 用例
- アレー アガリカタンチュ ヤサ(彼は 東方面の人だよ)。
アガリカタウマーイ
東方御廻り。
- メモ
- 一般にはアガリウマーイ(東廻り)という。
アガリカミアサギグヮー
楚辺集落東側にある拝所。
- メモ
- アガリカミアサギ、カミーアサギグヮー、アガリカミサギグヮーとも呼ぶ。
昔は東がヌファ(禰覇)村、西がスビ(楚辺)村であったとの伝承がある。
アガリカミザ
東側に設けた一番座。
- メモ
- 地形によって西側に設けたイリカミザ(西上座)もあった。
アガリクシバル
東後原(伊良皆の小字)。
アカリクチ
引き剥がす糸口。
- 用例
- アカリクチェー スガヤー(引き離す方法をするか)。
アガリグミ
東組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- ムラ(字)の行政組織及び地域区分の名称。ムラによって他にイリグミ(西組)、メーグミ(前組)、クシグミ(後組)、一番組などがある。また行政組織・地域区分の名称としてはカル(角)、ハン(班)がある。
アガリサクバル
東佐久原(伊良皆の小字)。
アガリサチバル
東崎原(宇座の小字)。
アガリジャチミバル
東座喜味原(座喜味の小字)。
アガリジョー
東門。波平の地名。
- メモ
- 波平集落の東側入り口にあり、昔から綱引や角力大会などの豊年祈願、いこいの広場として大切にされてきた。ここは、1609年の慶長検地で割り当てられた土地で、農閑期における豊年祈願奉納や娯楽の広場として大事にされ、アガリウフナー(東大庭)と呼ばれたといわれる。1780年には松とガジュマルの下にアシビナーができ、東門と呼ぶようになったという。現在も、旧暦7月16日にはボーチカエー(棒術奉納)、旧暦8月には十五夜(観月会)が盛大に開催されている。東門にあるガジュマルの大木は、古いもので樹齢150年と推定され、2002年に沖縄県の名木として認定された。
アカリトーン
分かれている。離れている。
- メモ
- 器物などが壊れて剥がれている。家畜などが乳離れすることにアカリーンといった。
また、マブイワカシ(葬式のあった家で、まだ漂っている死者の霊を現世から引き離す儀式)の際の表現にも使う。儀間では餅・豆腐・水を供え、ススキ3本でサンを作り、これでヤナムンを払い、外に投げる。そして水を3回額につけるとアカリトーン(分かれる)といわれた。
アガリニンジュ
東組の人たち。
- メモ
- 主として綱引きなどで集落全体を二分する時の組の名。アガリ・ニシ、アガリンダカリ・イリンダカリ、メーンダカリ・クシンダカリなどと呼ぶ所もある。
渡慶次の組分けはナカミチを(中道)を境にして、アガリニンジュ(東)が雄綱、イリニンジュ(西)が雌綱と分けた。
アガリバル
東原(伊良皆の小字)。
アガリバル
東原(宇座の小字)。
アガリバル
東原(喜名の小字)。
アガリバル
東原(高志保の小字)。
アガリバル
東原(座喜味の小字)。
アガリバル
東原(上地の小字)。
アガリバル
東原(瀬名波の小字)。
アガリバル
東原(楚辺の小字)。
アガリバル
東原(大湾の小字)。
アガリバル
東原(長浜の小字)。
アガリバル
東原(渡具知の小字)。
アガリバル
東原(波平の小字)。
アガリマーイ
東御廻い。
- 用例
- トゥーサグトゥ アガリマーイヤ メーニノー イチーサンタン(遠いから アガリマーイ・東御廻いは 毎年は 行けなかった)。
- メモ
- 島尻の霊地を巡拝する行事。玉城には聖地斎場御嶽や、米の発祥地と言われる受水走水など巡拝する所が多い。戦前は1泊拝みになることも多く、若者は喜んで参加したという。
アガリムティー
東側。東方。
- 用例
- ワランチャーヤ アガリムティーヲゥティ アシドーン(子どもたちは 東側で 遊んでいる)。
アガリムティーバル
東表原(長浜の小字)。
アガリムティチャンプルー
婚礼当日、東側(一番座)で食した豆腐炒め。
- メモ
- 豆腐を油で炒めたアガリムティチャンプルーをチョーチングヮームッチャー(提灯持ち)などニービキニンジュにふるまった。
アガリメーバル
東前原(楚辺の小字)。
アガリンケー
東向き。
- 用例
- ハーメーヤ アガリンケーシ ニントーン(おばあさんは 東向きになって 寝ている)。
アガリンダカリ
地名(字における区分)。東村渠。
- メモ
- 主として綱引きなどで集落全体を二分する時の組の名。アガリ・ニシ、アガリニンジュ・イリニンジュ、メーンダカリ・クシンダカリなどと呼ぶ所もある。
楚辺、座喜味、長浜ではアガリンダカリ・イリンダカリと集落を分けて綱引きをした。
アカルヒル
白昼。昼間。
- 用例
- アカルヒル ヤグトゥ(真っ昼間なので)。
アカルフタル
きらびやかな様。
- 用例
- アカルフタル スガティ(派手に着飾って)。
アカングヮ
赤ちゃん。
- 用例
- ナマ アカングヮ ニンシトーン(今 赤ん坊を 寝かせている)。
アカングヮー
赤ちゃん。
アカングヮーイユ
【哺乳類】ジュゴン。海生哺乳類。
- 用例
- アカングヮーイユヤ ユーンジーネー ウジラーサンドー(ジュゴンは 良く見ると可愛いよ)。
- メモ
- 海洋哺乳類で体はクジラ類に似ており、上唇は非常に厚く、先は平らで丸い形をしている。また、耳の穴は小さく、目も小さい。
アカングヮーイユで、人魚のことをさすこともあった。
アカンクヮーラ
色鮮やかに赤々としていること。
- 用例
- アカンクヮーラシ ミーチラサヨー(赤々として 眩しいこと)。
アカンクヮーラ
派手なさま。絢爛〔けんらん〕たるさま。豪華なさま。
アカングヮヤ ミルクグヮチン ユチフラスン
赤子は5、6月の暑い時でも雪を降らせる。
- メモ
- 外気に触れさせないよう大切に育てなさいという意味の諺。
アカンチャー
赤土。
- 用例
- アカンチャーブッターシッ ヘーク チンケーレー(赤土だらけで 早く 着替えなさい)。
- メモ
- 沖縄では土壌の約7割が赤色系の特殊土壌だといわれている。アカンチャーで洗髪した。
アカンナグヮー
貝の名。
- メモ
- 赤い貝か。グヮーは接尾辞。
アカンバチャー
真っ赤に。
- 用例
- チラー アカンバチャーシ(顔を真っ赤にして)。
アカンマ
赤馬。龕〔がん〕。
- メモ
- アカウマー、アカンマ、アカンマー、コーともいう。
葬式の際、棺を入れて4人担ぎで運ぶ朱塗りの輿。周囲は僧や花などの仏画が描かれている。7歳未満で亡くなった子はアカウマーに乗せられなかった。龕と獅子はミートゥンダ(夫婦)と言われ、龕が雌で獅子は雄だと言われている。
アカンミー
赤い実。
- 用例
- ウッサ アカンミーヌ チチョール(あんなに 赤い実が ついているね)。
アギ
陸。丘。
- 用例
- カーミーガ アギンカイ アガティチューン(亀が 陸に 上がってくる)。
アギンヂ ウクリ(陸に葬って)。アギンカイ ウクラン(陸に葬らない)。
- メモ
- 類:ジギ(陸)。対:ウミ(海)。
女郎にうつつをぬかす男を女性がアギヌフリムン(陸の気の触れた者)と揶揄した。
アキーン
開ける。
- 用例
- アチサグトゥ トー アキーン(暑いから 戸を 開ける)。
過:アキタン(開けた)否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)継:アキトーン(開けている)。
- メモ
- 覆っていたものを取り除く。閉じていたものをひらく。
対:シミーン(閉じる)・クーイン(閉じる)。
アギーン
位を上げる。階級を上げる。
- 用例
- シグトゥ ハマイネー イーンカイアギーサ(仕事を 頑張ったら 上に上げるさ)。
アギーン
上げる。
- 用例
- ニムチ ウヮービンカイ アギーン(荷物を 上にあげる)。
過:アギタン(上げた)否:アギラン(上げない)希:アギーブサン(上げたい)継:アギトーン(上げている)。
- メモ
- 低い所から高い所に持っていく。
対:サギーン(下げる)。
アギーン
食べ物を吐く。
- 用例
- アンマサヌ ムンハカハカーシ アギーン(具合が悪くて むかむかして 食べ物を吐く)。
過:アギタン(吐いた)否:アギラン(吐かない)希:アギーブサン(吐きたい)継:アギトーン(吐いている)。
- メモ
- 対:ヌミンチュン(飲み込む)。
アキガタ
明け方。
- 用例
- ワンガ ケーティチーネー アキガタナトータン(私が 帰って来る時には 明け方になっていた)。
アキサミヨー
ええっ。きゃあ。
- 用例
- アキサミヨー! チャースガ(あれまあ! どうしようか)。
- メモ
- 類:アギジャビヨー!(びっくりした時などに発する)。
とても驚いた時や悲しい時などに発する語。驚いた時や助けを必要とするときに発する叫び。
アギジェ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジェ! ヌグヮ アンナトール?(あーぁ! なぜ そういうふうになっているの?)。
- メモ
- 類:アギジャビヨイ!(びっくりした時などに発する)・アギジャベ!(びっくりした時などに発する)。
何かし損ねた時などに発する。
アギジェー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギジャバ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アギジャビヨイ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨイ!アンソールクトゥンアル(あーぁ! そんなことってあるか)。
- メモ
- 類:アギジェ!(びっくりした時などに発する)・アギジャベ!(びっくりした時などに発する)。何かし損ねた時などに発する。
アギジャビヨー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨー! デージナトーン(あれまあ! 大変な事になった)。
- メモ
- 類:アキサミヨー!(びっくりした時などに発する)。
びっくりした時、何かし損ねた時、予想に反した時などに発する語。また驚いた時や助けを必要とするときに発する叫び。
アギジャベ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャベ アンルナトーティナー?(あーぁ! そんなことになっていたのか)。
- メモ
- 類:アギジャビヨイ!(びっくりした時などに発する)・アギジャベ!(びっくりした時などに発する)。
何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギター
我々。
- 用例
- アギター ザキミンジェー(我々、座喜味では)。
アキチャーアキチャー
熱い熱い。
- 用例
- アキチャーアキチャーシ(アッチッチと)。
アギドーフ
揚げ豆腐。厚揚げ豆腐。
- 用例
- アヌ マチヤヌ アギドーフヤ イッペー マーサン(あそこの 店の 厚揚げ豆腐は とても 美味しい)。
アキネー
商い。商売。
- 用例
- アヌチョー アキネーッシ モーキトーサ(あの人は 商売で 儲けているさ)。
- メモ
- 類:アチネー。
アキハティジューグヮチ
飽き果て10月。
- 用例
- ジューグヮチェー アキハティジューグヮチディチ シチベー ヌーンネーンタン(10月は アキハティジューグヮチといって 節日行事は 何もなかった)。
- メモ
- 類:アチハティジューグヮチ(アキハティ10月・飽き果て10月)。
10月は行事のない月で、何もないことからアキハティ(飽き果て)10月といわれた。
アキヒルギーン
開け広げる。
- 用例
- アチサグトゥ トー アキヒルギーン(暑いから 戸を 開け広げる)。
過:アキヒルギタン(開け広げた)否:アキヒルギラン(開け広げない)希:アキヒルギーブサン(開け広げたい)継:アキヒルギトーン(開け広げている)。
- メモ
- 物(戸や窓など)を開け放すこと。
対:クーイミチーン(閉め切る)。
アギマースン
急かす。急き立てる。
- 用例
- ジカヌンカイウクリティ ニッカナトーグトゥ アギマースン(時間に遅れて 遅くなっているから 急かす)。
過:アギマーチャン(急かした)否:アギマーサン(急かさない)希:アギマーシーブサン(急かしたい)継:アギマーチョーン(急かしている)。
アキマドゥシ
明くる年。新年。
- 用例
- アキマドゥシン イートゥシ アラチウタビミソーリ(明くる年も 良い年に してください)。
- メモ
- 大晦日の晩に、「アキマドゥシン ガンジューサ アラチクィミソーリ(明くる年も健康にしてください)」と、一年のお礼を言いながら拝んだ。
アキミックヮー
開き盲。目は開いているが見えないこと。またその者。
- 用例
- アキミックヮーヌグトー ネーンヤー(目が不自由には みえないね)。
アギムン
揚げ物。
- 用例
- チューヌ ベントーヤ アギムンヌル ウーサル(今日の 弁当は 揚げ物が 多い)。
アギヤー
漁法のひとつ。追い込み網漁。
アギヤーシンカ
追い込み漁業を一緒にやる仲間。
アキヨ
あら。あれ。
- メモ
- アッキヨと同じ。
アギヨ
あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨイ
あらまあ。あれまあ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨーナー
あれまあ。ああ、もう。
アキランパー
開けたがらない。
- 用例
- ヌーガラ カクチルアラー トー アキランパースン(何か 隠してあるのか 戸を 開けたがらない)。
アギンチュ
陸の人。農民。
- 用例
- ワッター アギンチュ ヤクトゥヨー、ウミヌ クトー ワカラン(私たちは陸の人間だから、海のことはわからない)。
- メモ
- ウミンチュ(海の人。漁師)に対する語。
アク
灰。灰汁。
- 用例
- アクヂナ(灰綱)。アクシン チナヌ ノーラリーミ(灰で綱が綯えるものか〔できないよ〕)。
- メモ
- 藁灰や木灰を水に浸して上澄みをすくったアルカリ性の液で、洗濯や沖縄そばを作るのにも使われる。
アグ
顎〔あご〕。
- 用例
- ウスメーヤ アグンカイ アジャガアサ(おじいさんは 顎に ホクロがあるよ)。
- メモ
- 類:カクジ(顎)・ウトゥガク(下顎)。
アクー
悪。悪者。悪い行いをする者。
- 用例
- アレー テーゲーネー アクードー(彼は 相当な 悪者だよ)。
- メモ
- 類:ヤナッチュ(悪人)。対:イーッチュ(善人)。
アグー
粟国産の強健多産系の黒豚。
- メモ
- 沖縄在来の豚にはシマウヮー(島豚)と、アグー(粟国産)と呼ばれた黒豚と、白い色の入ったアヨー(綾もよう)があった。
アクゲーシ
悪返し。
- メモ
- 12月に作るウニムーチーの蒸し汁をムーチーシルヤ ウトゥルムンドー(餅の汁は恐いものだよ)と言いながら、アクゲーシ(悪返し)として屋敷の周囲に撒いた。
アクサリーン
意地悪される。
アクシン
悪い心。
アクスーユクスー
悪い性根、欲深い性根。
アクタ
芥〔あくた〕。塵〔ちり〕。
- 用例
- アクタビケーン トゥイアチミティ チャースヌチムエーガ(ゴミ・使えないものだけ 拾い集めて どうするつもりか)。
アクタンチクタン
あれもこれも。何でもかんでも。
- 用例
- アクタンチクタン ムル アチミレー(何でもかんでも・芥も塵も 全て 集めなさい)。
- メモ
- 類:アリンクリン(あれもこれも)。
アクヂナ
灰綱。灰縄。
- メモ
- 藁縄を綯〔な〕って焼いたままの灰の綱。
アクトゥイ
【民具】あか取り。
- メモ
- 船底にたまった水を汲み出す道具。
アクビ
欠伸〔あくび〕。
- 用例
- アクビグヮー サギール ムンヌ、ナー ニンジュンテー(あくびをしているようだから、もう寝るだろう)。
アクビー
悪日。厄日のこと。
アクフー
悪風。
アクフーゲーシ
悪風返し。
- メモ
- 12月に作るウニムーチーの蒸し汁を屋敷の周囲にアクフーゲーシ(悪風返し)として撒いた。厄災防除のことで鬼餅やカンカーなどの行事もアクフーゲーシである。
アクミ
ふけ。
アクミ
胎児を包んでいる羊水。
- メモ
- ウブミジ(産水)の中に盃一杯の酒を入れるとアクミが早く取れると言われ、浴びせた後はガサガサした肌触りの芭蕉布にくるんだ。
アクムシバライ
悪虫払い。
- メモ
- 楚辺ではアブシバレーにアクムシバライ(悪虫払い)といって甘藷のヘンサー虫を取って流した。
アケーイン
明るくなる。
- 用例
- ユー アケーイシガ ヘークナトーン(夜が 明けるのが 早くなった)。
- メモ
- 対:ユーグミー(暗くなる)。
アケージュ
【虫】トンボの総称。

アケージュー
【虫】トンボの総称。

アコー
ああ。
- 用例
- アコー アンルヤンナー(ああ そうなのか)。
- メモ
- 類:アゴー(ああ)。
アコー
闘牛の名前。闘牛の体の色。赤っぽい毛の牛。
- 用例
- オーヤーウシヌ アカギーソーシカイ アコーディイタン(闘牛で 赤い毛をしているのに アコーといっていた)。
- メモ
- 闘牛の名前を付けるには牛の得意技、角の形や色、体の色や特徴が元になった。
アゴー
ああ。
- 用例
- アゴー アンルヤティナー(ああ そうだったのか)。
- メモ
- 類:アコー(ああ)。
アコークロー
夕暮れ時。黄昏時。
- 用例
- アリトゥ イチャタシェー アコークロージブン ヤタサ(彼と 会ったのは 夕暮れ時分 だったよ)。
アコークローグヮーニ(夕暮れ時に)。
アサ
朝。
- 用例
- アサヘーク ウキティ ハルカイ ゥンムフイガ イチュン(朝早く 起きて 畑に 芋堀りに 行く)。
- メモ
- 夜明けからしばらくの間。
アザアガリバル
字東原(楚辺の小字)。
アザイリバル
字西原(楚辺の小字)。
アサイン
漁る。あさって探す。
- 用例
- マーカイガアラー ワカラングトゥ アマクマ アサイン(どこにあるのか 分からないから あちこち あさる・探す)。アサティ クヮイン(漁って喰う)。
- メモ
- 類:アサグイン(あさる・探す)。
アサウキ
早起き。
- 用例
- アヒーヤ マーカイガヤラー アサウキシ ゥンジティハイタン(兄さんは どこに行くのか 早起きして 出て行った)。
- メモ
- 対:アサニ(朝寝)。
アサウグヮン
朝御願。
- メモ
- 正月一日の御願で、ヒヌカン、仏壇、床の間を拝する。伊良皆では門と屋敷の四隅も拝したという。渡慶次では鶏が鳴く前に朝御願をした。
トゥシビースージ(生年祝い)当日の朝、ヒヌカン、トートーメーの順に小豆ご飯のウブクを供え健康祈願することへも朝御願という。
アサカーギ
朝の日陰。朝の陽ざしが弱い時間帯。
- 用例
- アサカーギヌアルウチニ ハルカイ イチュン(朝の陽ざしが弱いうちに 畑へ 行く)。
- メモ
- 朝の陽ざしが弱い時間帯。朝の日陰のある時刻。
対:ユーカーギ(夕方陽が落ちて陰になること)。
アサギ
家の前庭にある離れ家。
- 用例
- アサギヲゥティ アチマティ ドゥシンチャー ボーシクローン(離れで 集まって 友達が 帽子組みをしている)。
- メモ
- 主に裕福な家の前庭に作った離れで、メーヌヤーとも呼ばれ、客間や帽子編みの場所として使われたり、貸し家にした。離れで友達が集まって、夜なべをしたり雑談を楽しむのも娯楽のひとつだった。
また、かつて喜名小学校が狭くて、喜名のムラウチのヌンドゥルチ(屋号)のアサギ(離れ)で1~2年は勉強した。古堅校でも教室が足りなくて、古堅にあるアサギを分教場として利用した。
門中の宗家のアサギには香炉が置かれ神を祀っていた。
アサギ
集落の神を祀〔まつ〕る建物。
- メモ
- 座喜味では七柱それぞれの前に七つの門中の代表が座り、協議する場であったと伝えられる。
アサグイン
漁る。あさって探す。
- 用例
- ハジナーリー アサグイン(端っこから あさる・探す)。
- メモ
- 類:アサイン(あさる・探す)。
アササー
【虫】地上に出てきたセミのさなぎ。
アササー
蝉。クマゼミ。

- 用例
- ヤマカイ アササー トゥイガ イチュン(山に クマゼミを 取りに 行く)。
アサジーグヮー
浅地。薄い藍色(の着物)。
- メモ
- ウシマグヮーは綾を入れ、アサジーグヮー、シルー、ムルアヤーグヮーなど綾(模様)を入れたりした。戦前はフクギ染め、アカギ染めなどがあった。
アザシーミー
字清明。
- 用例
- アザシーミーヤ アザヌ ヤクミンチャーガ ウガムタン(字清明は 字の 役員たちが 拝んでいた)。
- メモ
- 字が主体となって行う清明祭。字楚辺では3月の清明の入日に、字の役員が瓶子と重箱を持って、按司墓、大城の墓、ヌール墓を拝んだ。
アサタビ
首里勤め。
- メモ
- 政務を司る役。三司官ともいう。明治の中ごろから末期ごろにはすでにあまり用いられなくなっていた語か。
アサヂチアカガイ
朝焼け。
アサティ
明後日。
- 用例
- アサティ ガッコーヲゥティ イチャラナ(明後日 学校で 会おう)。
アサティヌナーチャ
明明後日。
- 用例
- ナーファカイ コーイムンシーガ イチュシェー アサティヌナーチャドー(那覇に 買い物に 行くのは 明明後日だよ)。
アサナーリー
朝っぱらから。
- 用例
- アサナーリー チュヌヤーカイ イチュンナー?(朝っぱらから 人の家に 行くの?)。
- メモ
- 対:ユルナーリー(夜から)。
アサニ
朝寝。
- 用例
- アサ二シーネー ドゥーヌ スンルヤンドー(朝寝したら 自分の 損だよ)。
- メモ
- 対:アサウキ(朝起き)。
アサヌマール
朝の間。午前中の早い時間帯。
- 用例
- アサヌマールヲゥティ ゥンジチューシェー マシヤサ(朝のうちに 行って来たほうが いいよ)。
アサバン
昼飯。昼食。
- 用例
- アサバン シコーティカラ イチュサ(昼ご飯を 準備してから 行くね)。
- メモ
- 類:メーシー(昼食)。
アサバンヲゥイ
昼ご飯時。
- 用例
- ナー アサバンヲゥイ ナトーンドー(もう 昼ご飯時 なっているよ)。
アザブー
字賦。
- メモ
- 賦(ふ)は労力や物品を提供すること。部落からの依頼にはアザブーと言った。他にグングヮチャーブー(波平)、ンナブー(楚辺)などがある。
伊良皆では、10月のヒーゲーシ(火返し)の役目として部落が年配の男の人2人をアザブー(字賦)で雇った事例がある。
アサマカネー
朝賄い。
- 用例
- アサマカネーヤ ユークル ゥンムトゥ アンダンスーヤタン(朝賄いは ほとんど 芋と 油味噌だった)。
- メモ
- 朝早く起きて、目覚めに軽く取る朝食を準備すること。お茶、芋、油味噌が主だった。
アサマサン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- イャームン シーヨーヤ アサマサン(お前の やりかたは 浅ましい・卑劣だ)。
- メモ
- 類:アサマハン(浅ましい)。
アサマシムン
浅ましい奴。
- 用例
- アンシ アサマシムンヤル(なんて 浅ましい奴なんだ)。
- メモ
- ひどく嘆かわしい奴。
アサマハン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- アヌチョー ヤバンナティ アサマハン(あの人は 野蛮で 浅ましい・卑劣だ)。
- メモ
- 類:アサマサン(浅ましい)。
アザマンサン
字満産。字全体の製糖が終了する祝い。
- 用例
- アザマンサヌン ウワティ ユルットゥナティヤー(字満産も 終わって ほっとしたね)。
- メモ
- 4月下旬には各組の製糖が終わるので、日を決めて字で無事に製糖が終わったことを祝った。 。
アサミーグチ
朝の口あけ。朝一番の客。
- 用例
- アサミーグチヤ アチネーシンカンカイヤ カリーナムンドー(朝の口あけは 商売人にとっては 縁起の良いものだよ)。
- メモ
- 商売人は縁起の良いものとして喜び、シーブン(おまけ)を付けたりした。地域によって(特に商売人)は、朝一番のお客は男性だと縁起が良いが、女性だと縁起が悪いとされている。また、正月にも朝早く、男性が実家へ行くことがカリー(嘉例)とされている地域もある。
アサミジ
人が亡くなった時に、朝早く墓に水を撒きに行く事。
- 用例
- チュヌマーシーネー サンニチビカーノー ハカンカイ アサミジ マチーガイチュン(人が亡くなったら 3日間ほど 墓に 朝水を 撒きに行く)。
- メモ
- 人が亡くなったら、葬式の翌日にナーチャミー(翌日墓参り)といって、墓前に水を供えに行く。地域によっては午前1回と、午前・午後の2回行くところもある。
アサメークサメー
子どもがちょこちょこ動き回る様子。
- 用例
- クヌワラベー アサメークサメーッシ!(この子どもは ちょこちょこ動き回って なんて落着きがないんだ!)。
アサユサ
朝夕。
- 用例
- アサユサ ヒジュルク ナティヤー(朝夕 冷たく なったね)。
アザワレー
あざ笑い。
- 用例
- チュ アザワレー シェーナランサ(人を あざ笑っては いけないよ)。
- メモ
- 見下した気持ちで笑うこと。
アサンナーラ
朝っぱらから。
- 用例
- アサンナーラ ミンチャサン(朝っぱらからうるさい)。
アサンユサン
朝も夕も。
アシ
汗。
- 用例
- アンスカ アシダラダラシ ヌーソータガ?(そんなに 汗だくになって 何をしていたの?)。アシ ハチョーン(汗をかいている)。
アシ
長時間置いた餅や炊いた芋〔イモ〕などの表面に汗のように出た水分。
- 用例
- アシ ハトーグトゥ ナー カマランドー(〔食べ物が〕汗をかいている〔表面に水分が出ている状態〕からもう食べられないよ)。
アジ
味。
- 用例
- マジェー アジッシンディ(まずは 味見してごらん)。
アジ
鰓〔エラ〕。
- 用例
- クヌイユヌ アジヌ マギサヨ(この魚の エラの 大きいことよ)。
アシー
間食。
- 用例
- チューヌ アシーヤ ヌーシコーテーガヤー?(今日の 3時のおやつは 何を準備してあるのねぇ?)。
アシー ゥンジャセー(〔働いている人のために〕おやつを出しなさい)。
- メモ
- 類:アーシー(3時のおやつ)。
食事の合間、午前10時や午後3時頃に食べるもの。3時頃になるとアシーといって、軽く食事をとった。
アシーダーグ
盆の中日14日午後に仏壇へ供える団子。
アジーン
十字にする。
- 用例
- マンナカヲゥティ チューク アジーン(真ん中で 強く 十字にする)。
過:アジタン(十字にした)否:アジラン(十字にしない)希:アジーブサン(十字にしたい)継:アジトーン(十字にしている)。
アジウシーミー
按司御清明。門中清明。
- 用例
- クンドゥヌ アジウシーミーヤ タートゥターガ イチュガヤー?(今度の 按司御清明は 誰と誰が 行くのかな?)。
- メモ
- 類:カミウシーミー(神御清明・門中清明)。
門中で行う清明祭のことで、3月に行う。午前中は門中の人が集まって墓を掃除し、午後は重箱料理を供えて皆で拝んだ。
アシウトゥ
足音。
- 用例
- クヮヌ ニントーグトゥ アシウトゥ タティンナヨー(子どもが 寝ているから 足音を 立てるなよ)。
アシウマ
足馬。伊良皆の呼称で竹馬のこと。
- メモ
- 瀬名波、渡慶次ではキービサー(木の足)といった。
アシガ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- ワン アシガー アシガ(私の 下駄は あるよ)。
- メモ
- 類:アシジャ(下駄)。
用例の文が楚辺で笑い話として語られている。
アジガー
地名(読谷村大湾の小地名。拝所のひとつ)。
アジカイグヮンス
預かり元祖。
- メモ
- 本来自分が祀るべきではないグヮンス(元祖→位牌=仏壇)を仮に預かっていること。
アジカイディマ
預リ賃。
- 用例
- アジカイディマヤ ジャッサカカトータガ?(預かり賃は 幾らかかったの?)。
アジカイン
預かる。
- 用例
- ウヌジノー ワンガ アジカイン(そのお金は 私が 預かる)。
過:アジカタン(預かった)否:アジカラン(預からない)希:アジカイブサン(預かりたい)継:アジカトーン(預かっている)。
アシカチャー
汗かき。
アシガチャー
焦っている人。あくせくしている人。
- 用例
- イャーヤ ルク アシガチャーナティ(お前は あまりにも あくせくして)。
アシガチュン
焦る。
- 用例
- ナーナイネー アシガチュンドー(切羽詰まったら 焦るよ)。
ユークルアシガチョーン(そろそろ焦ってきた)。
過:アシガチャン(焦った)否:アシガカン(焦らない)希:アシガチーブサン(焦りたい・急ぎたい)継:アシガチョーン(焦っている)。
- メモ
- あせる。気を揉む。やきもきする。
アジカランパー
預かりたがらない。
- 用例
- イチュタルヤシガ アジカランパースン(少しの間なのに 預かりたがらない)。
アジキーン
預ける。託する。
- 用例
- ユービンチクンカイ ジン アジキーン(郵便局に お金を 預ける)。
過:アジキタン(預けた)否:アジキラン(預けない)希:アジキーブサン(預けたい)継:アジキトーン(預けている)。
アジキディマ
預け手間。
- メモ
- 物品を預かってくれる相手へあげる謝礼。
アジキランパー
預けたがらない。
- 用例
- ジノー ヰーヤーニ ウヤンカイ アジキランパースサ(お金は 貰ったのに 親に 預けたがらないさ)。
アジクーター
こくがあり、深い味わいのあるもの。
- 用例
- アンシ アジクーターッシ マーサル(とても 味にコクがあって 美味しいね)。
- メモ
- 味の良い物。深い味わいのある物。徳のある者。
アシクシ
足腰。
- 用例
- トゥシェー カサニティン アシクシ ガンジューサアリワルナインデー(年は重ねても 足腰が 頑丈でないといけないよ)。
アシクミ
足慣らし。
- 用例
- ウマハラセーメーニ アシクミスタン(競馬の前に 足慣らしをした)。
- メモ
- 競馬を始める前に、足慣らしをすることをアシクミといって、場内を1、2周した。
アシグン
足踏み。
- 用例
- アマンカイ アシグンシ アシドーン(あそこで足踏みして遊んでいる)。
アジケー
シャコ貝。
- メモ
- アジケーは邪気を払うと言われ、門柱に設置して魔除けにした。
妊婦がアジケーを食べるとシベー(口唇裂)の子が生まれると言われた。
アシジャ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- アシジャ クリ マーカイ メンシェーガ?(下駄を 履いて どこに いらっしゃるんですか?)。
- メモ
- 類:アシガ(下駄)。
雨の日などにはく、高い歯の下駄のことを足駄(あしだ)という。
アジジューサン
味が濃い。
- 用例
- アジジューサグトゥ ナーイフェー ミジグヮー ゥンベーレー(味が濃いから もう少し 水で 薄めなさい)。
- メモ
- 類:ダシジューサン(味が濃い)。
アジスガイ
按司のような装束。
アシダクダクー
汗だくなさま。
アシダン
遊んだ。
アジチャー
小豆。
- メモ
- 楚辺では作らなかった。
アシディ
遊んで。
アシティビチ
【料理名】豚足料理。
- 用例
- ナービヌミー アシティビチ ニチェーサ(鍋いっぱに 足ティビチ・豚足煮込みを 炊いてあるよ)。
チージンジ アシティビチ カラン(辻でアシティビチを食べた)。
- メモ
- 一般的には大根や昆布と味噌汁仕立てにして食べるが、その他に煮付けにすることも多い。戦前は辻などで食べられる高級な料理だった。
アシテビチ
【料理名】豚足料理。
- メモ
- 戦前は辻などで食べられる高級な料理だった。
アシバー
遊び人。
- 用例
- シクチンサン アシバー ナテーナラン(仕事もせずに 遊び人に なってはいけない)。
- メモ
- 一定の職業をもたず、ぶらぶらと世渡りしている人。畑仕事を嫌ってアシビに夢中になる者。
アシハイミジハイ
汗水流して。畳語。
- 用例
- アシハイミジハイソーティル ジノー モーキールヨー(汗水流しながら お金は 儲けるんだよ)。アシハイミジハイシ(汗水流して)。
- メモ
- 汗を水のように流している様子。
アジバカ
按司墓。
- メモ
- その土地を治めた有力者や発祥に関わった人物のことを広く按司と言い表し、彼らを祀った墓をアジバカという。具体的に「大湾按司之墓」(大湾)や「前田按司之墓」(喜名)と名称を伴う墓もあれば、単に「アジバカ(按司墓)」と呼称される墓が村内各地にある。多くは各字の清明祭で拝されている。
アシハヤー
汗かき。
- 用例
- ワンネー アシハヤーヤグトゥ スバンカイ クーンナケー(私は 汗かきだから 側に 来るな)。
アシバン
昼飯。
- メモ
- アサバン(昼飯・昼食)に同じ。
アシバン
遊ばない。
アシバンパー
遊びたがらない。
- 用例
- ヤーヌウチカイ クマティ フカヲゥティ アシバンパースン(家の中に 閉じこもって 外で 遊びたがらない)。
アシビ
遊び。芝居。祭り。
- 用例
- ルク アシビジチナティ シクチンサンナトーサ(あまりにも 芝居好きで 仕事もしなくなっているさ)。アシビ シチ(芝居をして)。
- メモ
- 村芝居や芸能など。野原や海浜,庭などで連れだって遊楽すること。
元は神女の歌舞や船遊びや祭りの踊りなど神事的な歌舞・行事に言ったが、次第に歌三線、踊りや芝居などを演じるムラアシビやモーアシビ(野遊び・若い男女が野原で遊ぶこと)にもいうようになった。
他にもアシビドゥシ(遊び友達)、アシビナー(遊び庭・遊びの広場)、サングヮチアシビ(三月遊び・3月3日の娘たちの遊びのこと)などの語がある。
アシビイリミ
村芝居などの経費。
- メモ
- 入り目とは費用のこと。ここではムラアシビにかかる経費のこと。アシビを催す青年会員や各世帯から15銭~30銭を徴集した。
アシビイルミ
村芝居などの経費。
アシビガシラ
村芝居や祭りの責任者。
- 用例
- アシビガシラ アタトーティカラ ハマラントーナランサ(アシビ頭に 当たっているなら 頑張らないといけないよ)。
- メモ
- 字で芝居を行う時に中心になる役。アシビをやることが決まると、アシビガシラが法螺貝を吹いて皆に合図した。
30歳前後から40歳前後のチューロースー(中老衆)或いはニーセージュー(二才衆)と呼ばれる者の中から、芸達者な数人をアシビガシラにした。アシビガシラは配役や踊りの指導はもちろん、ムラシビに関することの面倒をみた。
アシビグヮーセー
子どもの遊び。
- メモ
- 大人達が演ずるムラアシビの芝居を真似て遊んだ。
アシヒサ
足の卑語。
- 用例
- ワンミーヌ クルサヌウチェー イカナシン ヤーンカイ アシヒサ イリラサン(私の目が黒いうちは・私が生きている間は 絶対に この家の敷居をまたがさない・足を入れさせない)。
アシビトゥイケー
村芝居の交換。芸能の交換。
- 用例
- スビヤ アシビトゥイケー シーガ ナガハマ マディン イチュタン(楚辺は 村遊びの交換をしに 長浜までも 行っていた)。
- メモ
- 他所の字を招いて、お互いで得意としている芝居や踊り等の芸能を披露すること。アシビヌトゥイタカテーともいう。その場合、招待された側が芸を披露し、招いた側が経費を負担した。招待した字は、各家族から米や油、豆腐などを徴収して、一か所に集めて炊いて御馳走した。招待された側は次回には相手方の村芝居を招待した。毎年行なうわけではない。
長浜ではアシビトゥイケーが盛んで、宇座、渡慶次、高志保、座喜味、瀬名波とアシビトゥイケーし、その際は豆腐を集めて二才たちが調理したという。座喜味は宇座、渡慶次、長浜と交流した。
アシビドゥシ
遊び友達。
- 用例
- アヌ タイヤ イッペーヌ アシビドゥシヤサ(あの 2人は とても良い 遊び友達だよ)。
アシビナー
村芝居などを行う広場。遊び庭。
- 用例
- チューン アシビナーカイ アチマラヤー(今日も 遊び場に 集まろうね)。
- メモ
- 村芝居などをする場所。
アシビヌイリミ
村芝居などの経費。
- 用例
- アシビヌイリミヤ ヌチ ウワトーミ?(村芝居に使う経費は 徴収して 終わったか?)。
- メモ
- ムラアシビを行うときの経費(アシビヌイリミ)として、15歳から50歳の人から1人当たり約50銭を徴収した。その金は他所の部落を招待したときの経費や小道具等の購入費に充てられた。
アシビヌトゥイタカテー
村芝居の交換。芸能の交換。
- メモ
- トゥイタカテーとは子どもを甘やかして育てることを言うが、ここでは丁重に扱う意味になっている。
アシビブラ
祭り用の法螺。
- メモ
- ミーブラ(雌の法螺)で大きい。
伊良皆ではソーシキブラ(葬式用の法螺)はウーブラ(雄の法螺)で小さかった。
アシビブリ
遊ぶのに夢中になること。
- 用例
- アシビブリシ ジカヌンワカラン ウクリティネーンサ(遊びに夢中になって 時間が経つのも分からず 遅れてしまったさ)。
アシビモー
村芝居や祭りをする野原。
アシビングェー
遊び食べ。のらりくらり食べている様子。
- 用例
- ワターミッチルヲゥラー アシビングェーシ イチマディン カローサ(お腹がいっぱいなのか 遊び食いして いつまでも 食べているさ)。
アシビングヮ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシェー アシビングヮヌ マンドータンヤー(昔は 婚外子が 多かったね)。
- メモ
- 他にモーキングヮ・ヘージュリングヮ・ヤグサミングヮ・カチヌミーングヮという呼称があった。
アシブ
汗疹〔あせも〕。
- 用例
- アチサヌ フシガラン ワランチャーン アシブフチタックヮチョーン(暑くて たまらない 子どもたちも 汗疹だらけだ)。
- メモ
- 汗のために皮膚にできる赤い小さな吹き出物。子どもに汗疹が出ると、フーチバー(ヨモギ)やゴーヤー(ニガウリ)の葉を湯に入れ浴びせた。
アシブミイシ
足踏石。
- 用例
- ンカシヌ アシブミイシヤ ナマン ヌクティルヲゥサニ?(昔の 足踏石は 今も 残っているでしょう?)。
- メモ
- 類:ウマヌイイシ(馬乗り石・足踏石)。
字楚辺ではその昔、ノロ殿内から金銀の飾りつけをした神馬が祭りを行う広場まで来て、足踏石に横付けすると、ノロがその石を踏み台にして馬に乗った。
アシブン
遊ぶ。
- 用例
- ウヤヌ ティガネーン ウワトーグトゥ ナマカラ ドゥシンチャートゥ アシブン(親の 手伝いも 終わったから 今から 友達と 遊ぶ)。
過:アシダン(遊んだ)否:アシバン(遊ばない)希:アシビーブサン(遊びたい)継:アシドーン(遊んでいる)。
アシベー
遊び。
- 用例
- ワランチャーガ ナーヲゥティ マーイアシベーソーン(子ども達が 庭で 毬遊びをしている)。
アジマー
【民具】豆腐を作る時の道具。
- メモ
- 2本の板を十字に組んだもの。桶〔おけ〕の上に置き、その上に石臼を据〔す〕えた。
アジマー
十字路。四つ角。交差したもの。
- 用例
- アマヌ アジマー ニジリンカイ マガレー(あそこの 十字路を 右に 曲がりなさい)。
- メモ
- 道路が十字路になった所や、紐などの結び目のこと。紐などを十字に結ぶことをアジマームシビと言う。
アジマームスビ
十字にきっちり結ぶこと。
- 用例
- リッパ アジマームスビ シーヨー(ちゃんと 十字に結んでね)。
アシミジ
汗水。
- 用例
- ニンジノー アシミジ タラチ シクチンシワル モーキラリルヨー(人間は 汗水 垂らして 働いてこそ 儲けることができるんだよ)。
アジムークー ウンチケーサビラ
按司の婿をお迎えしましょう。
- メモ
- 年の夜に箒を使う時は「アジムークー ウンチケーサビラ」と言いながらゴミを外へ掃き出す。予祝のひとつ。
アジャ
ほくろ。
- 用例
- ハナヌウヮービヌ アジャグヮーヌ ウジラーサヨー(鼻の上の ほくろの 可愛いこと)。
アジヤー
あまのじゃく。へそ曲がり。反対ばかりすること。
- 用例
- ウヌワラべー ウヤヌ イーシン チカン アジヤーヤテーンテー(その子どもは 親の 言うことも 聞かないで あまのじゃくだったんでしょうね)。
アシャギ
集落の神を祀〔まつ〕る建物。
アジャナ
渾名〔あだな〕。
- 用例
- アリガ アジャナヤ ヌーンリ イータガ?(彼の あだ名は 何と 言ったか?)。
アジャナー
渾名〔あだな〕。
アジャマークジャマー
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- チュラーサ アジャマークジャマーッシ トゥラチェーサヤー(見事に めちゃくちゃにして くれたな)。
- メモ
- 類:アーサモーサ(めちゃくちゃ・しっちゃかめっちゃか)・アーサムーサ(めちゃくちゃ・しっちゃかめっちゃか)。
アジラーサン
味があって美味しい。
- 用例
- ウヌシルヌ アジラーサシヨ アンシ マーサルヤー(その汁の 味があることよ とても 美味しいね)。
アシラン
遊んだ。
アシリ
遊んで。
アシレーイン
あしらう。
- 用例
- ワラビトー ユヌムン アシレーイン(子どもと 同じように あしらう)。
- メモ
- 馬鹿にしていい加減に扱うこと。
アジン
竪杵〔たてぎね〕。
- 用例
- ウーシェー アティン アジンヌ ネーンレー チャーンナランサ(臼は あっても 杵が なければ どうしようもないさ)。
- メモ
- 食物調整用具のひとつで、チチウーシ(搗き臼)に穀物を入れて搗くのに使う木製の道具。中央部は両手で握られるように細くなっており、その中央部を持ち上下に振り下ろして玄米や麦などを精製した。
杵で餅を搗く音が聞こえるとタマガイ(厄)だと言われた。死者が出ると餅を作ったことに由来する。
結婚式の婿いじめのひとつ、ドードーウマの模擬馬として使われることもあった。
アシンマ
棺箱をのせる台。
- メモ
- その脚から蟻が上がってこないように水をいれた椀などを置いた。
アダ
損。
- 用例
- チュ タシキテー アダー ナラン(人を助けて損になることはない)。
アタイ
くらい。ほど。
- 用例
- ウヌ アタイ(それぐらい)。
アタイ
屋敷内の菜園。
- メモ
- アッタイと同じ。屋敷内にある野菜畑のことで、家の後側や左右など、炊事をしながら利用できる近さにあり、葉野菜やネギ類などを植えた。
アタイガフー
当たり果報。
- 用例
- チュヌ フーヤ ターガンワカラン ウレー アタイガフールヤル(人の 運は 誰にも分からない それは 当たり果報・当たり運だよ)。
- メモ
- 何かが当たるのはその人の運次第である。
アタイグヮー
屋敷内の菜園。
- 用例
- メーヌ アタイグヮーカラ ヤシェー ヒチヌジクーワ(前の アタイグヮー・畑から 野菜を 引き抜いて来なさい)。
- メモ
- 昔は、家はそう大きくはないので、屋敷内に小さな畑があって、日常的によく食する野菜を植えていた。
アタイダカ
割り前。与えられた分。
- 用例
- アタイダカヌ ブンッシ シムサニ(与えられた 分で いいでしょう)。
アタイバル
集落内にある畑。
- 用例
- アタイバルンデー カジーガ イカナ(アタイバル・畑でも 耕しに 行こう)。
- メモ
- 昔は字有地にも畑があって、そこは字民がお互いで使用していた。
アタイメー
当たり前。当然。
- 用例
- ウレー アタイメーヌクトゥルヤルヨー(それは 当たり前のことだよ)。
- メモ
- そうあるべきこと、当然であることを意味する。
アタイメーヌウケーメー
当たり前をより強調した言葉。
- 用例
- ウレー カンゲーランティン ワカイルスル アタイメーヌウケーメーヤサ(それは 考えなくても 分かるでしょう 当たり前のことだよ)。
アタイン
当たる。うまくいく。
- 用例
- クンドー シバイヌ ウフヤク アタインドー(今年は 芝居の 大役に 当たるよ)。
ドゥーヌ ククルンカイ アタトーン(自分の心に思い当たっている)。
タク カディ アタトーン(タコを食べて、食あたりしている)。
過:アタタン(当たった)否:アタラン(当たらない)希:アタイブサン(当たりたい)継:アタトーン(当たっている)。
- メモ
- (思い)当たる・食べ物に当たる・配分されるなどの意味もある。
対:ハンリーン(外れる)。
アタカー
【爬虫類】キノボリトカゲ。

- メモ
- 長浜はチジョーローケー、伊良皆はマータクラー、渡慶次・宇座はヤマアータ、古堅ではクースーケーと呼んでいた。
アタガイン
降りかかる。
- 用例
- ドゥーヌ ミーンカイ アタガイン(自分の 身に ふりかかる)。
過:アタガタン(降りかかった)否:アタガラン(降りかからない)継:アタガトーン(降りかかっている)。
- メモ
- 災いなどが身に及ぶ。
アタシガ
あったが。
アタトー
ノロ。
- メモ
- アートートゥ(ああ尊し)という語が変化したものと思われ、ノロのことをアタトー或いは美称辞をつけてアタトーメーといった。これは瀬名波ノロのカキジマ(領地)である瀬名波・高志保・宇座・儀間・渡慶次・長浜で聞く呼称で、他の字では聞かない。アタトーメーと同じ。
アタトーウガミ
6月15日のウマチーにノロが来ること。
- メモ
- ノロが祈願巡回するウマチーをアタトーウガミ、あるいはアタトーと言った。
儀間では瀬名波ノロが、鉦の鳴る中、白衣装を着て来るのをムトゥドゥクルのおじいさんと三役がお迎えに出た。
アタトーメー
ノロ。
- メモ
- アタトーの項参照。
アタトーメーガ メーンドー
ノロがいらっしゃるよ。アタトー様がいらっしゃるよ。
- メモ
- 鳴り物は12、3歳の子どもが20銭ぐらいの手間を貰って、太鼓1回、鉦1回ポン クヮーン ポン クヮーンと鳴らしながら「アタトーメーガ メーンドー」と知らせていたという。
メー(前)は美称辞。
アタトーヤー
アタトー屋。神アサギのこと。
- メモ
- ノロ、神人が祭祀を執り行う場所でカミアサギとも殿(トゥン)ともいう。渡慶次では拝所として整備され現在も字によって拝されている。首里王府によって編纂された地誌である『琉球国由来記』(1713年)には、「渡慶次之殿」とみえる。かつては、「崎原巫」(瀬名波ノロ)によってここで祭祀が行われた。
高志保にはカミアサギモーにアタトーヤーという祠があったという。
アダナシ
アダンの気根。
- メモ
- アダナシのヒゲを切って来て、それを裂いて、夜の暇なときに漁に使う縄を綯った。
アダナシ
アダンのツルで作った縄。
- 用例
- アダナシッシ チューク クンレー(アダンの縄で きつく 縛ってよ)。
- メモ
- アラナシと同じ。
アダニ
アダンの実。
- メモ
- お盆の供物にした。
アダニウヮーセー
アダンの実の闘い。
- メモ
- 子どもの遊びのひとつ。ウークイが終わって供物のウサンデーでアダニを貰った子どもたちが、それをぶつけ合い割る遊び。
アダニガーサバ
アダンの葉で作った草履。
アダニバー
アダンの葉。
- メモ
- アダニバー(アダンの葉)を薪にしていた。
アダニバギー
アダンの木。
アタビー
【両生類】カエルの総称。

- 用例
- アタビー スグイガ イカナ(蛙を なぐりに・取りに 行こう)。
- メモ
- 類:アタビカー(蛙)・アタビチャー(蛙)。
アタビーディール
捕らえたカエルを入れる籠。
- メモ
- 高さが60センチぐらいで下は大きく、上は獲物が逃げ出せないように小さくなった徳利のような形の籠。
アタビートゥヤー
カエルを捕る人。
アタビカー
【両生類】カエルの総称。

- 用例
- アタビカー トゥンガ イカナ(蛙を 取りに 行こう)。
- メモ
- 類:アタビー(蛙)・アタビチャー(蛙)。
アタビチ
【両生類】カエルの総称。

アタビチ
悪口の一種。
- 用例
- チュヌ イーシン チカン ヤナ アタビチヤ!(人の 言うことも 聞かない いやな 奴め!)。
- メモ
- 和訳は蛙のことだが、転じて、人を愚弄する言葉として使われる。相手を軽蔑した時につかう呼称。話を聞かずにすぐに逃げてしまうような人。
アタビチャー
【両生類】カエルの総称。

- 用例
- アタビチャー トゥティ ガッコーンカイ ムッチ イチュン(蛙を 取って 学校に 持って 行く)。
- メモ
- 類:アタビー(蛙)・アタビカー(蛙)。
アタビチャー
悪口の一種。
- 用例
- ヤナヒャー、アタビチャー(いやな奴〔カエル〕め)。
- メモ
- カエルの意だが、相手を軽蔑した時につかう呼称。
アタビチャーグチ
カエルの口。
- メモ
- 女性用の外出用肌着の袖口はアタビチャーグチというフリルにして作った。
アタマニ
根っから。
- 用例
- アレー アタマニ フユーナムンルヤンデー(彼奴は 根っからの 怠け者だよ)。
アタラ
可惜。惜しくも。もったいない。
- 用例
- アタラ ワカサヌ ヌチ ウシナティ!(惜しくも 若い 命を 失って!)。
アタラシ ナシグヮ(大切な我が子)。アッタル サムレー(もったいない 侍の身分の)。
アタラサ
可惜。惜しくも。もったいない。
- 用例
- アタラサ ヒチ(大切にして)。アタラサ ソール(大切にしている)。ヌチ アタラササーイ(命が惜しくなり)。
アタラサン
可惜しい。惜しい。大切。
- 用例
- ドゥークル モーキテーヌ ジンシ コーテーシヤ イッペー アタラサン(自分で 儲けた お金で 買ったのは とても 大切・大事だ)。
ジチックヮヤ アタラサシ(実子を大事にして)。
- メモ
- 類:アタラハン(大切)。
アタラシ
可惜。惜しくも。もったいない。
- 用例
- アタラシークヮ(大切な子)。
アタラハン
可惜しい。惜しい。大切。
- 用例
- ウレー ウヤヌ ユズリヤグトゥ イッぺー アタラハン(それは 親の 譲りだから とても 大切だ)。
- メモ
- 類:アタラサン(大切)。
アタン
あった。
アダン
アダン。
- 用例
- シチグヮチネー ブチラ(ダ)ヌンカイ アダヌン ウサギータンドー(お盆には 仏壇に アダンも 供えたよ)。
- メモ
- 亜熱帯植物の一種。アランと同じ。県下各地に自生するタコノキ科の常緑木。
アタンガー
屋敷内にある溜め池。
- 用例
- ヤシキンカイ アタンガーガ アタンヤー(屋敷内に 溜池が あったね)。
ハルカラケーティキーネー アタンガーンジ ティーヒサン シミヤーナカイ ソーソー ウチンカイ イレーワ(畑から帰って来たら アタンガーで 手足を 洗って 早く 家に 入りなさい)。
- メモ
- 門を入った左側にあり、大きいのは9尺(270㎝)×1間(182㎝)で(3畳程)もあった。深い所は4.5尺(135㎝)もあり、降り口は階段状になっていた。
アタンジャー
雨降りの時にできる水たまり。
アタンジャー
屋敷内にある溜池。
- メモ
- 手足や農具、野菜を洗った。アナガーという地域もある。
アダンナイ
アダンの実。
- メモ
- お盆の供え物に、地人集落はアダンナイを飾っていた。ナイムン(生り物)の前にアダンが付いたことでムンが省略されたと思われる。
アダンバ
アダン葉帽子。
- メモ
- アダンバボーシと同じ。アダン葉を原料とする夏帽子のこと。
アダンバー
アダンの葉。
- 用例
- アダンバーッシ ヰーリムン チュクイン(アダンの葉で 玩具を 作る)。
- メモ
- アランバーと同じ。帽子の原料にもなった。
アダンバーサバ
アダンの葉で作った草履。
アダンバーゾーリ
アダンの葉で作った草履。
- 用例
- ナチナイネー アダンバゾーリガル シラサル(夏は アダン葉草履が 涼しいんだよ)。
- メモ
- 類:アダ二ガーサバ・アランバーゾーリ(アダン葉草履)。
アダンバーボーシ
アダンの葉で作った帽子。
- 用例
- アダンバーボーシェー アンシ チュサラル(アダン葉帽子は とても きれいだね)。
- メモ
- アランバーボーシと同じ。
アダンバームスル
アダンの葉で作ったゴザ(筵)。
- 用例
- ナマン アダンバームスル チカイシン ヲゥガヤー(今も アダン葉筵を 使う人が いるかね)。
- メモ
- アランバームシルと同じ。
細かく裂いて陰干ししたアダン葉で作った筵。裕福な家はヤンバルダキで作ったイヌマン床の上にニクブクやアダンバームスルを敷いた。筵を作るときにはそのトゲで怪我が絶えなかったという。
アダンバボーシ
アダンの葉で作った帽子。
アダ二ガーサバ
アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アダニガーサバヤ クミヤッサン(阿旦葉草履は 履きやすい)。
- メモ
- 類:アダンバーゾーリ・アラ二ガーサバ(アダン葉草履)。
アダンの葉を乾かして細く裂いて作る。
アチアチートゥ
厚々と。厚めに。
- 用例
- シシェー アチチートゥ チッチ ゥンジャシェー(肉は 厚めに切って 出しなさい)。
- メモ
- 対:ヒシビシートゥ(薄々と・薄めに)。
アチカイグリサン
扱いにくい。
- 用例
- アヌ タイヤ イーシン チカン イッペー アチカイグリサン(あの 2人は 言うことも聞かない とても 扱いにくい)。
アチカイン
扱う。物事をとりさばく。
- 用例
- アマヌ ヌーシェー ンジャックヮ ウシウマヌグトゥ アチカイン(あそこの 主人は 下男を 牛馬のように 扱き使う)。
過:アチカタン(扱った)否:アチカーン(扱わない)希:アチカイブサン(扱いたい)継:アチカトーン(扱っている)。
アチキ
熱気。湯気。蒸気。
- 用例
- イーサク アチキン タッチョーンドー(ほどよく 湯気が 立ちこめているよ)。
- メモ
- 製糖工場の機械から出るアチキ(蒸気)。
カマンタがアチキ(蒸気)を吸収している。
アチグーママ
熱いまま。
アチクヮンクヮン
とても暑い様子。
- 用例
- ハシルン ミチークジティ アチクヮンクヮンシ(戸も 閉め切って こんなに暑くして)。
アチコーコー
熱々。
- 用例
- へークナー アチコーコー イッティ カマレーサン(早く 熱々のうちに 入れて 食べようとはしない)。
- メモ
- 料理などができたてで熱いこと。煮えたばかりのほやほや料理。
アチサカマラサー
暑がり。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アチサカマラサーヤル(お前は こうも 暑がりだね)。
- メモ
- 暑さを感じるのが普通の人より強いこと。
アチサクリサ
暑さ苦しさ。
- 用例
- アチサクリサン ナーイヒグヮーヌ シンボーヤサ(暑苦しいのも もう少しの〔辛抱〕だよ)。
- メモ
- 暑くて苦しいこと。我慢しかねるような暑さ。
アチサタン
暑かった。
- 用例
- チヌーヤ イチヤカ アチサタンヤー(昨日は暑かったね)。
- メモ
- 対:ヒーサタン(寒かった)。
アチサミー
暑がり。暑さに弱い。
- 用例
- イャー アンチュカナー アチサミーヤル(君はこんなにも 暑がりだね)。
- メモ
- 対:ヒーサミー(寒がり)。
アチサミーヌヒーサミー
暑がりの寒がり。
- 用例
- アチサミーヌヒーサミーヤレー チャーンナランサ(暑がりの寒がりだったら どうにもならんよ)。
- メモ
- 暑さや寒さを感じるのが普通の人より強いこと。
アチサン
厚い。分厚い。
- 用例
- ウヌスムチヤ デージナ アチサン(その本は とても 分厚い)。
- メモ
- 類:アチハン(厚い)。物の厚みにいう。
アチサン
暑い。
- 用例
- クンドゥヤ クジュヤカ アチサンヤー(今年は 昨年より 暑いね)。
- メモ
- 類:アチハン(暑い)。対:ヒーサン(寒い)。
アチナービナクー
鋳掛け屋。修繕をすること。
- 用例
- アチナービナクーサレー ミーナービヌグトゥナトーサ(穴の開いた鍋を修繕したら 新品の鍋のようになったさ)。
- メモ
- 穴が開いた鍋などを修繕した。鞴で少量の鉄を溶かして、破損している部分にのせて癒着させ、やすりでこすった後、芋でふさいでいた。
アチネー
商い。
- 用例
- アヌチョー アチネーッシ モーキトーン(あの人は 商売で 儲けている)。
アチネーサー
商いをする人。商売人。
- メモ
- 頭上に荷を載せる婦人や天秤棒で荷を担ぐ行商人のことで、各集落に入って商売をした。
アチネーシンカ
商いをする人。商売人。
- 用例
- マチカイ イチーネー ウッサヌ アチネーシンカガヲゥル(町に 行くと たくさんの 商売人がいるね)。
アチネームン
商い物。商品。
- メモ
- 田舎の産物を那覇などの町方へ、町方からは田舎では入手しにくい品物を仕入れて田舎で売るのが主で、読谷山には鰹節や素麺、昆布などの乾物や小間物を売った。
アチハティーン
呆れ果てる。呆れ返る。
- 用例
- イッター シーヨー ンジーネー ターヤティン アチハティーン(君たちの やり方を 見たら 誰でも 呆れ果てる)。
継:アチハティトーン(呆れ果てている)。
アチハティジューグヮチ
飽き果て10月。特に節供のない10月。
- 用例
- アチハティジューグヮチヤ クヮッチーン カマランタン(行事がない10月は 御馳走も 食べられなかった)。
- メモ
- 類:アキハティジューグヮチ(アキハティ10月・飽き果て10月)。
10月は行事のない月で、何もないことからアチハティ(飽き果て)10月といわれた。
アチハン
厚い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ アチハンヤー(お前のは 私の物より 分厚いね)。
- メモ
- 類:アチサン(厚い)。物の厚みにいう。
アチハン
暑い。
- 用例
- チューヤ カジ ティーチンネーン カワティ アチハンヤー(今日は 風 ひとつなく いつになく 暑いね)。ジコー アチハタサ(大変暑かったさ)。
- メモ
- 類:アチサン(暑い)。対:ヒーハン(寒い)。
アチビー
柔らかいご飯。
- メモ
- お粥とご飯との中間ぐらいの柔らかさ。アチビーメーとも言い、子どもや病人などに食べさせた。
アチビー
熱しやすいこと。
- 用例
- アレー アチビヤグトゥ ヌーン イラランドー(彼奴は 熱しやすいから 何も 言えないよ)。
- メモ
- 熱くなりやすい性格。
アチビーメー
柔らかめのご飯。
- 用例
- アチビーメー イッテービーグトゥ ウサガミソーレー(柔らかめのご飯を 入れてありますから 召し上がってください)。
アチビーヤン
患部が熱を持って痛むこと。
- 用例
- キジヌ ニチムッチ アチビーヤンッシ フシガラン(傷が 熱をもって 痛くて たまらない)。
アチビタターヤン
傷口が熱くなるような痛み。
- 用例
- アチビタターヤンッシ デージナトーサ(たまらなく熱っぽい痛みで 大変だ)。
アチマイ
集まり。集会。
- 用例
- チューヤ ヌーヌ アチマイヤタガ?(今日は 何の 集まりだったの?)。
アチマイン
集まる。
- 用例
- ナー チュケーノー アチマインテー(もう 1回は 集まろうよ)。
過:アチマタン(集まった)否:アチマラン(集まらない)希:アチマイブサン(集まりたい)継:アチマトーン(集まっている)。
- メモ
- 対:ワカリーン(別れる)。
アチマランパー
集まりたがらない。
- 用例
- ヤクミ キミーンディチヤシガ ンナ アチマランパールスンデー(役員を 決めようとしてだが 皆 集まりたがらないんだよ)。
アチミックヮー
目はあいているが見えないこと。またその者。
アチャ
明日。
- 用例
- アチャヌ ユロー ムル アチマティ アシバナ(明日の 夜は 皆 集まって 遊ぼう)。
アチャー
明日。
アチヤーフーヤー
とても暑がっている様子。
- 用例
- アチサレー カジンカイ アタランレーネーン アチヤーフーヤーシ(暑いなら 風に 当たればいいのに こんなにふうふう暑そうにして)。
アチャヌヒー
明日の日。
- 用例
- ニービチェー アチャーヌヒーナトーンドー(結婚式は 明日の日になっているよ・もう明日だよ)。
- メモ
- 明日をより強調している。明日なんだよ。
アチュン
開く。
- 用例
- マチヤー ヒルマカラ アチュン(店は 昼から 開く)。
過:アキタン(開けた)否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)継:アチョーン(開いている)。
- メモ
- 対:シマイン(閉める)。
アチョールー
商いをする人。商売人。
- メモ
- アチネーサーと同義。
アチョールグニ
商売人の多い地域。
アチラシケーサー
同じ事を何度もくり返すこと。
- 用例
- ユヌクトゥ ビカーン アチラシケーサーサンケー(同じこと ばかり 何度も温め直すな・蒸し返すな)。
- メモ
- 同じことを何度もくり返し言ったり、食べ物を何度も温め直すことなど。
アチラスン
温める。
- 用例
- ヒジュリトーグトゥ ナーチュケーン アチラスン(冷めているから もう1回温める)。
過:アチラチャン(温めた)否:アチラサン(温めない)希:アチラシーブサン(温めたい)継:アチラチョーン(温めている)。
- メモ
- 熱を加えて温める。
対:サマスン(冷ます・冷やす)。
アチラチケーサー
同じ事を何度もくり返すこと。
- メモ
- 何度も温めなおした食べ物で、タジラシケーサーとも言う。何度も同じ事を繰り返す時にも使う。
アチラン
いつまでも。ちっとも。
- 用例
- ジャッサ マッチン アチラン チュールグトーネーン(どんなに 待っても ちっとも くる様子がない)。アチラン ミーラン(いつまでたっても見えない)。
アチレーイン
あつらえる。注文する。
- 用例
- ウヮーヌムン アチレーイン(豚の餌を 注文する)。
過:アチレータン(注文した)否:アチレーラン(注文しない)希:アチレーイブサン(注文したい)継:アチレート―ン(注文している)。
アッカサーウヮー
種豚。
アッカン
歩かない。
アッカンパー
歩きたがらない。
- 用例
- ヲゥタヤーマ アッカンパースン(疲れて 歩きたがらない)。
アッキ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキ、アレーニンジノー アラン(ああもう、あれは人間ではない)。
アッキサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッキトー
ええっ。ああ、もう。
アッキヨ
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- アキヨと同じ。
アッキヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨー! コーイシ ワシティネーン(あーぁ! 買うのを 忘れてしまった)。
- メモ
- 何かしそこねた時に発する。
アッキヨーナーナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨーナーナー、デージ(あらあらもう大変)。
アッギヨナー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アック
叱責。ののしる。虐める。
- 用例
- ルク アックサッティ ナラン(あまりにも 虐められて どうしようもない)。
ジコーアックサッティ(たいそう無下にされて)。
アックカタ
歩く先々。行く先々。
- 用例
- アックカタ ムル ジンル チカイル(行く先々・何処に行っても みんな 金を 使う)。
- メモ
- 類:アッチュルカタ(歩く先々・行く先々)。
アックン
歩く。
- 用例
- ゥンマカラ アママリ アックン(其処から 彼処まで 歩く)。
- メモ
- 類:アッチュン。
アッケーヒッケー
あちこち行き来して忙しい様子。
- 用例
- アッケーヒッケー ヌーッシ アッチョーガ(あちこち駆け回って 何をして 歩いているのか)。
アッコッコー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコッコー! イチデージヤサ(えぇっかわいそうに! 一大事だ・おお、おお! 大変だ)。
- メモ
- 類:アッコナー!(同情したときに使う)。
アッコナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコナー! アンルヤティー(えぇっかわいそうに! そうだったの?)。
- メモ
- 類:アッコッコー(同情したときに使う)。
アッコンテーグヮー
ままごと遊び。
- メモ
- 渡慶次や儀間でよく言われる。アハコー(さざえ)を碗に見立てて木の葉や実で遊んだことからその名がある。
アッサ
あれだけ。
- 用例
- アッサル トゥティチェール(あれだけしか 取ってきてないよ)。
- メモ
- 類:アッピ(あれだけ)・アヒ(あれだけ)。
アッサイヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサイヨー チビラーサヌ(ああもう、素晴らしい)。
アッサキー
あんなにたくさん。
- 用例
- アッサキー トゥティッチッ(あんなにたくさん 取ってきて)。
- メモ
- 類:ウッサキー(あんなにたくさん・量)。対:アッサグヮー(たったあれだけ)・アッピグヮー(たったあれだけ)・アヒグヮー(たったあれだけ)。
アッサキーナー
あんなにたくさんの物。
- 用例
- アッサキーナー チャーシ カタジキーヌチムエーガ?(あんなにたくさんの物 どうやって 片付けるつもりなの?)。
- メモ
- 類:ウッサキーナー(そんなにたくさんの物)。
アッサグヮー
たったあれだけ。
- 用例
- アッサグヮーシェー ヌーンナランサ(たったあれだけじゃ 何にもならないよ)。
- メモ
- 類:アッピグヮー(たったあれだけ)・アヒグヮー(たったあれだけ)。対:アッサキー(そんなにたくさん)。
アッサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサミヨー! アンソールクトゥンアル(大変だ! あのようなこともあるね)。
- メモ
- 類:アッサヨー(ああ!・大変だ)。驚いた時に発する語。
アッサヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサヨー! アンソールクトゥ シーゥンジャチ(大変だ! あんなことを しでかして)。
- メモ
- 類:アッサミヨー(ああ!・大変だ)。
アッサン
浅い。
- 用例
- ゥンマー アマヤカ アッサン(其処は 彼処より 浅い)。
- メモ
- 対:フカサン(深い)。
アッサンミー
浅い所。
- 用例
- アッサンミーカラ イージ クーワ(浅い所から 泳いで 来なさい)。
- メモ
- 対:フカサンミー(深い所)。
アッシェ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッシェ ナー、ウヮーバグトゥシ(ああもう、余計なことをして)。
アッシャビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッシャヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッタ~
にわか。突然。
- 用例
- シグ アッタニ(直ぐ急に)。
- メモ
- 不意・突然を表す接頭辞。
アッター
彼等。彼女等。
- 用例
- ゥンマンカイ ヌクトーシェー アッター ムンヤサ(そこに 残っているのは 彼等の 物だよ)。
アッタイ
屋敷内の菜園。
- メモ
- アタイと同じ。屋敷内にある野菜畑のことで、家の後側や左右など、炊事をしながら利用できる近さにあり、葉野菜やネギ類などを植えた。
アッタニ
急に。
- 用例
- トゥマティルヲゥタシガ アッタニ トゥリ ハイタン(止まっていたんだが 急に 飛んで 行った)。
アッタバジョー
ぱっと見美人。見た瞬間は美人だが大したことはない。
- 用例
- アレー ンジーシンレー アッタバジョーナティ(彼女は 見れば見るほど そうたいした美人ではなかった)。
アッタプットゥカシ
急に何か発言したり、行動したりすること。
- 用例
- アリガイーシェー アッタプットゥカシムヌイーヨーシ シンヨーナラン(彼が言うことは 思い付きもの言いで 信用できない)。
アッタル
可惜。大切な。
- 用例
- アッタル カナサル トゥジ(大切な愛しい妻)。アッタルクヮ(大切な子)。
アッチカタ
歩き方。
アッチャー
足が早い人。
- 用例
- アッピーヤ ユーアッチャーナティ ハーエースーブーネー チャー イチバンヤタン(兄は 足が速くて かけっこは いつも 一番だった)。
アッチャーアッチャー
あちこち歩き回ること。畳語。
アッチャーウヮー
種豚。
- 用例
- アッチャーウヮーガ アッチチャーギンデー(種付け豚が やって〔歩いて〕くるよ)。
- メモ
- 種付け豚は、飼い主と一緒に道路を歩いて行って種付けをしていたことからアッチャーウヮー(歩く豚)といわれた。
アッチャーグヮー
よく出歩く人。
- 用例
- アレー アッチャーグヮーナティ マーマディン アシビーガ ハイン(彼は よく出歩く人なので どこまでも 遊びに 行く)。
アッチャメー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- スージンハネーチーネー アッチャメーグヮーモーイスタン(お祝も 華やぐと テンポの速い雑踊りをした)。
- メモ
- 主に身近な男性が踊ることが多かった。
アッチャメーグヮー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- スージンハネーチーネー アッチャメーグヮーモーイスタン(お祝も 華やぐと テンポの速い雑踊りをした)。
- メモ
- 主に身近な男性が踊ることが多かった。
アッチュタン
歩いた。
- 用例
- ドゥーチュイ アッチュタン(1人っきりで歩いた)。
アッチュルカタ
歩く先々。行く先々。
- 用例
- アッチュルカタ ムル シッチョールービカーン(行く先々 皆 知っている人ばかりだ)。
- メモ
- 類:アックカタ(歩く先々)。
アッチュン
歩く。行く。~する。~して暮らす。~している。
- 用例
- トゥーサーアシガ ドゥーチュイシ アッチュン(遠いけど 1人で 出歩く)。
ウミ アッチャーソーン(漁師をしている)。ヤマガッコー アッチャン(山学校に行った→学校以外の所で遊んだ)。
過:アッチャン(歩いた)否:アッカン(歩かない)希:アッチーブサン(歩きたい)継:アッチョーン(歩いている)。
- メモ
- 類:アックン(歩く)。
アッチヨー
歩き方。
アットーメー
士族の奥様の呼び名。
- 用例
- スイヌ アットーメー(首里の奥様)。
- メモ
- 目下の者が按司の奥方等へ敬って言うときに使う。
アッパヤー
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパヨイ
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパンガラー
自暴自棄。やけくそ。
- 用例
- ウヤンカイ ヌラーッティ アッパンガラーナティ ヤーカラ ゥンジティ ハイタン(親に 叱られて 自暴自棄になって 家を 出て 行った)。
アッパンガラーサーニ(自暴自棄になって)。
アッピ
あれだけ。
- 用例
- イャーガ ムッチチャシェー タダアッピヤサ(お前が 持って来たのは たったそれだけだよ)。
- メモ
- 類:アッサ(あれだけ)・アヒ(あれだけ)。
アッピー
兄。兄さん。
- 用例
- ワッター アッピーヤ フユーナムンナティ ムットゥ シクチンサン(私の 兄さんは 怠け者で 全く 仕事をしない)。
- メモ
- 類:ヤッチー(兄)。
呼称にもなる。実の兄以外にも、年上の人に~ヤッチー(~兄さん)とも言う。
アッピーグヮー
長兄以下の兄。
- メモ
- 呼称にもなる。
アッピグヮー
たったあれだけ。
- 用例
- タダ アッピグヮーシェー ヌーンナランサ(たった あれだけでは どうにもならないよ)。
- メモ
- 類:アッサグヮー(たったあれだけ)・アヒグヮー(たったあれだけ)。
アッピナー
あんな大きな。
- 用例
- イャー アッピナーヌムン ムッチースミ(君は あんな大きな物を 持てるか)。
- メモ
- 類:アヒナー(あんなに大きな)・アヒナー(あんなに大きな)。
アッビヨイ
あらまあ。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アップーアップー
必死にもがいている様子。
- 用例
- ゥンブクティ アップーアップーソータン(溺れて 必死にもがいていた)。
アップリ
飴。あめ玉。
- 用例
- アップリンデー カマシーネー ナチュシントゥマイサ(飴でも 食べさせたら 泣くのもやむさ)。
アップリグヮー
飴。あめ玉。
アテ
当て。目当て。心当たり。
- 用例
- アテーネーン(心当たりがない)。アテーネーラン(分からない)。
アティ
あって。
アティ
当て。目当て。心当たり。
- 用例
- ヤーカラ トゥンィジタシガ イクアティンネーン(家から 飛び出したが 行く当てもない)。アティヌアン(心当たりがある)。
アティーン
当てる。
- 用例
- キーヌ ユダカイ イシ アティーン(木の 枝に 石を 当てる)。
過:アティタン(当てた)否:アティラン(当てない)希:アティーブサン(当てたい)継:アティトーン(当てている)。
アティティンリ
当ててごらん。
- 用例
- ワームンナー マジェー アティティンリ(私の名を まずは 当ててごらん)。
アティナシ
あどけない。
アティムン
当て。目当て。心当たり。
- メモ
- 山の角度をアティムンにした。
アテーネーン
あては無い。
- 用例
- アテーネーンガアラナ(覚えてないかもな)。
アトゥ
後。
- 用例
- ワームン アトゥ ウーティクーワ(私の 後を 追って来なさい)。
アドゥ
踵〔かかと〕。
- 用例
- アドゥヌ ユグリトーグトゥ ヒサダカーシ アッチュン(踵が 汚れているから 背伸びして 歩く)。
アードゥードー マージュー(踵だよ、マージュー〔人名〕。「屁ひり嫁」の民話で、屁が出そうになったら踵で尻に栓をするよう促した言葉からきている)。
アトゥアトゥ
後々。
- 用例
- ウレー アトゥアトゥヌ タミニ マシェーアラン(それは 後々の ために 良くない)。
アトゥアブシバレー
後畦払い(行事名)。
- 用例
- アトゥアブシバレーヤ カニクヌ ババヲゥテイ ゥンマハラセーガアタン(後畦払いには カニクの 馬場で 競馬があった)。
- メモ
- 旧暦4月15日アブシバレーの翌16日をアトゥアブシバレーといった。アトゥ(後)、アブシ(畦)、ハレー(払い)の意味で、農作物に付く虫を払うことで豊作祈願をする。アトゥアブシバレーの日には、肉や豆腐、山芋の入った弁当重を作ってカニクの馬場に馬ハラセ―(競馬)を見に行った。
アトゥウーイ
後追い。
- 用例
- マジェー アトゥウーイシ ゥンジンリ(まずは 後を追って 行ってごらん)。
アトゥカタ
跡形。
- 用例
- ヌーヌ アトゥカタン ヌクトーネーン(何の 跡形も 残っていない)。
アトゥカタジキ
後片付け。
- 用例
- アトゥカタジキェー リッパシッカラル アシブンディチンアル(後片付けは ちゃんとしてから 遊ぶんであって)。
アトゥガマ
後妻、後夫。
アトゥグングヮチャー
後五月グヮー。
- メモ
- 古堅では5月6日をアトゥグングヮチャーといった。前日に引き続き青年たちがアシビナーに竈を作り、持ち寄った豆腐や肉などを調理し、二十日正月のお返しとして娘達を招待しもてなした。
アトゥサー
後がま。後継者。
- 用例
- アトゥサーヤ カメーティカラ ヤミレー(あとがまを 見つけてから 辞めなさい)。
アトゥサチ
後先。
- 用例
- イャーガ スヌムノー アトゥサチン ワカラン(お前の やることは 後先〔何を優先するべきか〕も 分からない)。
- メモ
- 場所や時間の前後。やるべきことの順序。
アトゥジ
後。
- 用例
- ナマカラアトゥジー(今後)。アトゥジヤナ(後には)。アトゥジルエンドー(後でだよ)。
アトゥジー
後。
- 用例
- マーシ アトゥジーヤ(亡くなった後には)。アトゥジーカイ ウルバーヨ(後方にいるわけよ)。
アトゥシンカー
後ずさり。
- 用例
- アトゥシンカーシ ヒンギティ ハイタン(後ずさりして 逃げて 行った)。
- メモ
- 類:アトゥシンチャー(後ずさり)。
アトゥシンチャー
後ずさり。
- 用例
- アトゥシンチャーシ メーカイ アッチュンデーサン(後ずさりして 前に 歩こうとはしない)。
- メモ
- 類:アトゥシンカー(後ずさり)。
アトゥトゥジ
後妻。
アトゥドゥミ
後妻。
- 用例
- トゥジ ウシナティ ナゲーナイグトゥ アトゥドゥミ カメーイシェー マシヤサ(妻を 亡くして 長いことなるから 後妻を 迎えた方がいいよ)。
ワッター タンメー アトゥドゥミ カメータン(うちのおじいさんは後妻を娶った)。
アトゥドゥミアンマー
後妻。
- 用例
- ワッター アトゥドゥミアンマーヤ イッペー ハタラチャーヤン(私の 後妻は とても 働き者だ)。
アトゥナイ サチナイ
後なり、先なり。
- メモ
- 後になったり先になったり。前後して。
アトゥナイサチナイ
後なり、先なり。
- 用例
- アトゥナイサチナイシ(相前後して)。
アトゥナイナイ
だんだん後ずさりして後ろに退くこと。
- 用例
- アトゥナイナイッシ ヒンギティ ハイタン(だんだん後に退いて 逃げて 行った)。
アトゥナイメーナイ
後になったり前になったりする様子。
- 用例
- アトゥナイメーナイッシ ヌー ソーガ(後になったり前になったりして 何を しているか)。
アトゥヌンジミ
しまいには。
- 用例
- アトゥヌウズミネー(しまいには)。
アトゥハチカーグヮー
後二十日グヮー。
- メモ
- 古堅では1月20日をアトゥハチカーグヮーといった。娘達が御重を作って、男友達に御馳走した。
アトゥマサイ
後の方が優っていること。
- 用例
- アトゥマサイ ディチアグトゥ ヌクヤーヤティン ムッチ イケー(後の方に果報が残っている・優っている ということもあるから 残り物でも 持って 行きなさい)。
アトゥミ
後を追って見届けること。
- 用例
- チャールソーラー アトゥミッシ ンチ クーワ(どうしているのか 後を追って 見て 来てごらん)。
アトゥミ シチャグトゥ(後を追っていくと)。アトゥミー サグイン(後をつけて確かめる)。
アトゥミ
跡目。跡継ぎ。
- 用例
- ナームン アトゥミヤ キマトーミシェーミ?(貴方の 跡継ぎは 決まっていますか?)。
アトゥムッテー
後には。
アトゥムドゥイ
後戻り。
- 用例
- アトゥムドゥイッシ ケーティ ハイタン(後戻りして 帰って 行った)。
アトゥンサチン
後にも先にも。
- 用例
- アトゥンサチン サントーナランヌールヤルムンヌ(後にも先にも やらなくちゃいけないものなのに)。
アトゥンジーンケー
後ろ向き。
- 用例
- ウシェー アトゥンジーンケー シミティ(牛を後ろ向きにさせて)。
アナー
蟻。
- 用例
- サーターンカイ アナーガ シガトーン(砂糖に 蟻が ついている・縋っている)。
- メモ
- 類:アイコー(蟻)。
アナガー
屋敷内にある小さめの溜め池。
- 用例
- トゥティチェール ヤシェーヤ アナガーヲゥティ アラレー(取ってきた 野菜は アナガーで 洗いなさい)。
- メモ
- 昔は、ほとんどの家の屋敷内に小さなアナガー(溜池)があった。西南に設けられ、2間×1間半、膝丈の深さあった。
畑仕事からの帰り、手足や農具、野菜などを洗った。
アナギ
あの長さ。
- 用例
- ユヌ ナガサ ナイヌグトゥ アナギンカイ チレー(同じ 長さに なるように あの長さに 切りなさい)。
アナギナー
あんなに長い。
- 用例
- アナギナーヌムンシェー ナガサジューサヌ チカーラン(あんなに長い物では 長すぎて 使えない)。
アナグイン
物事をほじくり返すこと。
- 用例
- ンカシヌ ヤナクトゥビケーン アナグイン(昔の 悪いことだけを ほじくりかえす)。
- メモ
- 終わったことを取り上げて、再び追及する。
アナグー
【軟体動物】しゃこ貝。
アナクジ
漁法のひとつ。潮干狩り。
- メモ
- 夏の昼間の大干潮時に行なわれ、主な漁獲物はマダク(真蛸)や貝類である。
クジユン(ほじくる)のクジが穴に付いてできた語。
アナヤー
掘っ建て小屋。
- 用例
- アミヌ フイネー アナヤーンカイ カクイン(雨が 降ったら アナヤーに 隠れる)。
- メモ
- 簡単に造った粗末な建物。農業や林業を営む人たちは、近くにアナヤーを造って休憩場にしていた。土台を置かず穴を掘って立てた粗末な住居のこと。
アニ?
ある?
- 用例
- アマンカイ アニ?(あそこに あるねぇ?)。
- メモ
- 類:アンナー?(あるねぇ?)。
アニク
魚を取る漁具名。
- 用例
- アニクンカイ カカレーカラー イヨー ヒンギラランサ(アニクに かかったら 魚は 逃げられないよ)。
- メモ
- 魚が入ると出られないように返しをつけたカゴの中に餌を入れて海中に下ろして漁をする。そのカゴのことをアイクという。
アヌ
あの。
- 用例
- ワッターヤーヤ アヌ ヤーヤサ(私の家は あの 家だよ)。
- メモ
- 物を指し示すときに使う。
アヌー
あのね。
- 用例
- アヌー ナマカラ イチュルトゥクローヨー・・(あのう 今から 行くところはね・・)。
アヌーカヌー
しどろもどろで何を言っているか分からない様子。
- 用例
- アヌーカヌーッシ ヌールイチョーラー ワカラン(あのうこのうとしどろもどろで 何を言っているのか 分からない)。
アヌグトゥ
あのように。
- 用例
- アヌグトゥシル シクチヤ スンドー(あのようにして 仕事は するんだよ)。
アヌクル
あの頃。
- 用例
- アヌクルヌ クチサヤ ヌーディン イララン(あの頃の 苦しかったことは 何とも 言えない)。
- メモ
- 過去の特定の時点を指す表現。
アヌッチュ
あの人。
- 用例
- アヌッチュヌ イヌトゥーイヤサ(あの人の 言う通りさ)。
アヌトゥチ
あの時。
- 用例
- アヌトゥチヌ シンカンチャーヤ ナマン ガンジューソーガヤーヤー?(あの時の 仲間達は 今も 元気にしているかな?)。
- メモ
- 比較的遠い過去の特定の時点を指す。
アヌヒャー
彼奴。
- 用例
- アヌヒャーヤ チューヤ ヌガーラチェーナラン(彼奴は 今日は 見逃しては・許してはいけない)。
- メモ
- 類:アヌムン(彼奴)。
アヌヒン
あの辺。
- 用例
- アヌヒンマディ イチーネー ミールスラー ワカランサ(あの辺まで 行ったら 見えるのか 分からないよ)。
アヌフージー
あのような。
- 用例
- ワンガ キサ イチャシェー アヌフージーヤサ(私が さっき 言ったのは あのようなことだよ)。
アヌママ
あのまま。
- 用例
- アヌママ ンカシトゥ ティーチン カワラン(あのまま 昔と 何も 変わらない)。
アヌムン
彼奴。
- 用例
- ウレー アヌムンヌ シワザヤサ(それは 彼奴の 仕業だよ)。
- メモ
- 類:アヌヒャー(彼奴)。三人称の人称代名詞。
アヌユー
あの世。死後の世界。
- 用例
- アヌユー ゥンジマディン イャー ウンジヤ ワシリランサ(あの世に 行っても 貴方の 恩は 忘れないさ)。
アヌヨー
あのね。
- 用例
- アヌヨー チュガ イーシェー ユー チキヨー(あのね 人が 言うのは 良く 聞きなさいよ)。
- メモ
- 話しかける時に発する語。アヌヨとも言う。
アネ
ほら。
- 用例
- アネ アリヤサ(ほら あれだよ)。
- メモ
- 注意をむけさせる時に発する語。
アネアネ
あれあれ。
- 用例
- アネアネ ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ(あれあれ そこで 何を しているの?)。
アネーアラン
そうじゃない。
- 用例
- アネーアランドーレー(そうじゃないってば)。
- メモ
- 否定するときの表現。
アネーサン
そうはしないで。そうはせず。
アネーヤシガ
そうなんだが。
- 用例
- アネーヤシガ チャーンナランルアンデー(そうなんだが どうしようもないんだよ)。
アハー
ああ。そうか。そうですか。
- 用例
- アハー アンルヤティナー(ああ そうだったのか)。
- メモ
- 納得した時や感心した時に発する語。
アバー
姉。姉さん。
- 用例
- ワッター アバーヤ ユー ハタラチュン(私の 姉は よく 働く)。
- メモ
- 類:アワー(姉)。呼称にもなる。
アバーグヮー
姉さん。
- メモ
- 未婚の女性を愚弄〔ぐろう〕して呼ぶ時にいう。姉妹の中で年下の姉さん。長姉以下の姉。呼称にもなる。
アバイチリーン
ひどい目にあう。大変な目にあう。
- 用例
- ドゥーヤカ マギサヌムン ムタサッティ アバイチリーン(自分の体より 大きいものを 持たされて ひどい目にあう)。
過:アバイチリタン(ひどい目にあった)継:アバイチリトーン(ひどい目にあっている)。
- メモ
- 元々の意味は「出産時に会陰が裂ける」ことで、その際の大変さを表現したもの。
アバグヮー
姉さん。
アハコー
サザエ。
アバサー
おてんば。手に余ること。
- 用例
- クヌワラべー ルク アバサーナティ(この子は あまりにも おてんばで)。
アバサー
【魚】ハリセンボン。
アバサーヰナグ
いい加減な女。
- 用例
- アバサーヰナグ ナテー ナランドー(いい加減な女に なっては いけないよ)。
アバシ
ハリセンボン科の魚。
- 用例
- ウヌ アバシヌ ハーイ ンチンディ(その ハリセンボンの 針を 見てごらん)。
アバチョーン
持て余している。手に余っている。
- 用例
- シージャカラ ヰーテーヌチンヤグトゥ アバチョーン(姉から もらった着物なので 大きい)。
- メモ
- 洋服等が大きい時にも使う。
アバラー
大食い。
- 用例
- ワッターヤーニンジョー ムル アバラーナティ ムノー ジャッサチュクティン アワサン(私の家族は 皆 大食いなので 食事を どんなに作っても 足りない)。
- メモ
- 類:ウフワター(大食い)。
アバラガミ
必要以上に大食いすること。
- 用例
- アンスカ アバラガミシーネー ワタ ヤンジュンドー(そんなに 大食いすると お腹を こわすよ)。
アバリーン
暴れる。
- 用例
- ワンガ カラトール ゥンマヤ ユー アバリーン(私が 飼っている 馬は よく 暴れる)。
過:アバリタン(暴れた)否:アバリラン(暴れない)希:アバリーブサン(暴れたい)継:アバリトーン(暴れている)。
アヒ
あれだけ。
- 用例
- イャー ムノー アヒヤサ(お前の 物は あれだけさ)。
- メモ
- 類:アッサ(あれだけ)・アッピ(あれだけ)。
アビ
ええっ。あら。
- 用例
- アビ、イャー、ウチナーカラジ ユティアッチェーサヤー(あら、あなたはウチナーカラジをゆっていたんですね)。
アヒー
兄さん。
- 用例
- アヒーヤ シクチンサンヨーイ アシビーガ イチュタン(兄さんは 仕事もせずに 遊びに 行った)。
- メモ
- 呼称にもなる。
アビーグィー
呼び声。
- 用例
- アビーグィーヌ チカリーシガ ターヤガ?(呼び声が 聞こえるが 誰かな?)。
アビーチラカスン
大声を出して騒ぎ立てる。
- 用例
- チュヌヤーヲゥティ アンシ アビーチラカスンディチン アンナー!(人の家で そんなに 大声を出して騒ぎ立てるってことも あるか!)。
アビーン
呼ぶ。招待する。喋る。
- 用例
- スージネー ヤーニンジュ ムル アビーン(お祝いには 家族 全員に 声をかける・招待する)。
イチムシヌ アビヤーチ(声を揃えて鳴き出し)。アビティチ(呼んできて)。
過:アビタン(呼んだ)否:アビラン(呼ばない)希:アビーブサン(呼びたい)継:アビトーン(呼んでいる)。
アヒグヮー
たったあれだけ。
- 用例
- イャーガ トゥティチェーシェー アヒグヮールヤンナー?(お前が 取って来たのは たったあれだけなのか?)。
- メモ
- 類:アッピグヮー(たったあれだけ)・アッサグヮー(たったあれだけ)。対:アッサキー(あんなにたくさん)。
アヒナー
あんなに大きな。
- 用例
- イッター ウヤヌヤーヤ アヒナーヌ ヤシチヤル(お前の 実家は あんなに大きな 屋敷だね)。
- メモ
- 類:アッピナー・アフィナー(あんなに大きな)。
アヒャー
家畜などの親。母体。
- 用例
- アヒャー ソーティ アッチョーン(繁殖用の雌豚を 連れて 歩いている)。
- メモ
- 雌豚・繁殖用の雌豚。母牛。
アビヤー
よくしゃべる者。叫ぶ者。わめく者。またその行為。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アビヤーヤル(お前は とっても おしゃべりだね)。アビヤー スン(叫ぶ。大声で話す)。
- メモ
- 対:ダマヤー(言葉数の少ない人)。
アビヤーアビヤー
声高に叫ぶさま。畳語。
アヒャーウヮー
母豚。繁殖用雌豚。
- メモ
- ナサーウヮーともいう。
アビヤークィーヤー
何やかんや喋りまくっている様子。
- 用例
- アビヤークィーヤーソーシガ ヌーヤガ?(何やかんや喋りまくっているが どうしたの?)。
アビヤーティーヤー
言い合って喧嘩している様子。
- 用例
- アビヤーティーヤーソーシガ マーンヤマサンガヤー シワヤサ(言い争っているが 怪我でもしないか 心配だ)。
アンシ アビヤーティーヤーシ(そんなに鳴いて)。
- メモ
- わめき散らす様。大勢がわいわい騒ぐ様。喧喧ごうごう。
アビヨ
えっ。あらまあ。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アビヨイ
えっ。あらまあ。
アビヨー
えっ。あらまあ。
- 用例
- アビヨー デージ(あらまあ、大変)。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アヒラー
【鳥】アヒル。
- 用例
- ヒミチンカイヤ アヒラージル クスイヤンディサ(喘息には アヒル汁が 効く〔薬だ〕そうだよ)。
アヒラーアッチ
アヒルのような歩き方。
- メモ
- アヒルのように体が左右に揺ゆれながら歩くこと。
アヒラーバイ
アヒルのような歩き方。
- メモ
- アヒルのように体が左右に揺ゆれながら歩くこと。
アヒラーマジムン
アヒルの妖怪。
- 用例
- アマヤサ アヒラーマジムンヌ ゥンジータシェー(あそこだよ アヒラーマジムン・アヒルの妖怪が 出たのは)。
- メモ
- 沖縄に伝承される動物の妖怪のひとつ。
アビラウンケン
渡具知の拝所の名前。梵字碑のこと。
- メモ
- 「ア ビ ラ ウン ケン」と読める梵字五文字が刻まれた石碑。「地・水・火・風・空」を意味する。悪風ゲーシであり、悪いものが入ってくることを防ぐともいわれた。建立の詳細は不明であるが、16世紀前半琉球で布教した僧侶である日秀上人に関連すると推測されている。石碑は津口、海を見渡せる位置にあり、航海安全の祈願のため建立されたとも考えられている。
アビラン
喋らない。
- 用例
- アビララン(喋れない)。
アビランパー
呼びたがらない。
- 用例
- ヌラーリン ディチルヤラー アビランパースンデー(怒られる といってなのか 呼びたがらないんだよ)。
アビンナ
言うな。
- 用例
- ウヌクトー ターニン アビンナヨー(そのことは 誰にも 言うなよ)。
アブ
洞穴〔ほらあな〕。
- 用例
- ウミヌ アブカラ バンナイ アッチャギビセーヤ、アヌ キジムナービー(海の洞穴にたくさん行き交っていますよね、あのキジムナービー〔キジムナーの火。鬼火〕)。
アファグチャー
薄味を好む人。
- 用例
- ルク アファグチャーナティ ナーイフェー ソーユーンデー イリレーワ(あまりにも 薄口だから もう少しは 醤油でも 入れなさい)。
- メモ
- 対:カラグチャー(辛口の人)。
アファケー
【軟体動物】二枚貝。はまぐり。
- 用例
- ハーマカイ イチーネー ムル アファケールヤタル(浜に 行くと みんな ハマグリだった=ハマグリだらけだった)。
- メモ
- 昔は外で行事があるときには、浜からハマグリを取って来て盃代わりにした。
アファサン
味が薄い。
- 用例
- ウヌシロー アファサンレー ナーイフェー ンス イリレー(その汁は 味が薄いよ。もう少し 味噌を 入れなさい)。
- メモ
- 類:アワハン(味が薄い)。対:スージューサン(味が濃い・しょっぱい)。
アファチャーカマー
鬼餅由来で鬼になる兄の名。
アファナカーニンジ
仰向けに寝ること。
- 用例
- アマヲゥティ アファナカーニンジソーサ(あそこで 仰向けに寝ているよ)。
アファナチュン
横になる。
- 用例
- アファナチャーシ(横になって)。
- メモ
- 「寝る」の卑語。
アファムン
薄味の物。味気のない物。
- 用例
- メーナチ アファムンビカーン カマサッティ(毎日 味が薄いのだけ 食べさせられて)。
アブイ
鐙〔あぶみ〕。
- メモ
- 船のユートゥイの形をしていて真鍮製。
アフィー
兄さん。
- メモ
- 呼称。
アフィルー
【鳥】アヒル。
アブー
大きい蠅〔ハエ〕。虻〔アブ〕。
- 用例
- ウヒナーヌ アブーヤル(こんなにも大きな 虻だね)。
アブカー
泡。
- 用例
- クヌサフンヤ アブカーン ゥンジラン(この石鹸は 泡も 出ない)。
- メモ
- 類:アー(泡)・アーブク(泡)・アブクー(泡)。
アブクー
泡。
- 用例
- アブクーガ ウスマサ ゥンジトーン(泡が とってもよく 出ている)。
- メモ
- 類:アー(泡)・アーブク(泡)・アブカー(泡)。
アブクン
息切れする。物事の途中で力尽きる。
- 用例
- アンシ ハーエーシーネー ヤガテー アブクンドー(そんなに 走ると やがては 息切れするよ)。
アブシ
畦〔あぜ〕。
- 用例
- アブシヲゥティ イフェー ユックラナ(畦で 少し 休もうよ)。アブシヌ シチャ(畔の下)。
- メモ
- 類:アブシミチ・アブシグヮー(畦)。
田や畑の境に土を盛り上げて、しきりにしたところ。
アブシガタミ
あぜ固め。
- メモ
- 田拵えの一連の作業のひとつ。荒起こしを済ませると水が漏れないように田圃の周囲の畔を固めた。
アブシグヮー
畦〔あぜ〕。
- メモ
- アブシと同じ。田や畑の境に土を盛り上げたところ。
アブシヌアムトゥ
畦〔あぜ〕の土手。
- メモ
- 楚辺では幼児墓をアブシヌアムトゥに穴を掘って作りミーグヮーと呼び、地主は黙認した。墓口や屋根は藁やクバの葉で葺いた。
アブシバレー
畦払い(行事名)。
- 用例
- アブシバレーネー クヮッチーン マンディ タヌシミヤタン(アブシバレー・畦払いには 御馳走も たくさんあって 楽しみだった)。
- メモ
- 類:シングヮチアブシバレー(4月畦払い)。
年中行事のひとつ。田畑の害虫を祓い、豊作を祈願する年中行事。
シングヮチアブシバレー(4月畦払い)は旧4月15・16日に行ない、15日のサチアブシバレー(先畦払い)は家族のみで簡単な御馳走を作って供え、16日のアトゥアブシバレー(後畦払い)は弁当重を作って、ゥンマハラセ―(競馬)を見に行った。
旧暦4月15日、楚辺でのゥンマハラセー(競馬)には、方々から人が訪れ賑わった。家では自家製の小麦で作ったヒラポーポーなどのチャワキグヮー(茶受け)を準備し供え、紺地を着け、馬場であるスビガニク(馬場)へ出かけた。アブシバレーというのは虫払いのことで、そこに行かず針仕事や肥やしを運んだりしたら、キビや作物はシェーグヮー(バッタ)に喰われ、また田圃に植えた米(稲)も害虫に喰われてしまうよと言って、2日間は畑仕事を休んで遊びに出かけた。子どもたちは海でフニグヮークージェー(舟漕ぎ)などをして遊んだ。
アブシバレーヂン
畦払い着物。
- メモ
- アブシバレーの競馬を見に行くときに着る着物(都屋)。芭蕉布の紺地で作った。
アブシマックヮ
畦枕。
- 用例
- アブシマックヮスカ アンシ ユカトール(稲穂が畦道にもたれかかるほど こんなに 実っているね)。
- メモ
- 豊作で稲穂が畦〔あぜ〕にもたれかかっている様子。
アブシミチ
畦道。
- 用例
- ゥンマヌ アブシミチンジ ユックトーケー(そこの 畦道で 休んでいなさい)。
- メモ
- 類:アブシ(畦道)。
お腹が空いた時に芋2個包んだ弁当をアブシミチで食べた。
アブチュン
蒸し暑い。
- 用例
- カジ ティーチンネーン アブチュンヤー(風 ひとつもなく 蒸し暑いね)。
アブチュン
吹きこぼれる。
- 用例
- ウケーメーガ アブチュン(おかゆが 吹きこぼれる)。
アブチョーン
吹きこぼれている。
- 用例
- ヘーク フタ アキレー アブチョーンドー(早く 蓋を 開けなさい 吹きこぼれているよ)。
アブナサン
危ない。
- 用例
- ゥンマー ユク アブナサン(そこは かえって 危ないよ)。
アフヮケー
【軟体動物】二枚貝。
アフヮサン
味がうすい。
アフヮナチュン
寝やがる。
- メモ
- 「寝る」の卑語。
アブン
窪み〔くぼみ〕。
- 用例
- アブンカイ ヒサ チックリカラヤー(窪みに 足を 突っ込むんじゃないよ)。
アベ
ええっ。あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アベー
ええっ。あら。あれ。
- 用例
- アベー!アンイチン アンナー(ああ! そんなことも あるのか)。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アベッ
ええっ。あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アボーチ
土手。
- 用例
- ハルヌ アボーチヌ カタハラ(畑の土手の片側)。
アマ
あそこ。あっち。あちら。
- 用例
- ドゥーチュイ アマンカイ イチュシェー マシヤサ(1人で あそこに 行ったほうが いいよ)。
アマー
あそこは。あっちは。あちらは。
アマイ
余り。
- 用例
- チカティ アマイヤ ムッチ ケーイサ(使って 余ったのは 持って 帰るさ)。
- メモ
- 対:フスク(不足)。
アマイカンジュン
有り余る。
- 用例
- メーニン アマイカンジュン(毎年 有り余っている)。
- メモ
- 類:アマイカンティ(有り余っている)・アマイカントーン (有り余っている)。
アマイカンティ
有り余って。
- 用例
- アマイカンティ ジャーフェーナトーン(有り余って 厄介なことになっている)。
アマイカントーン
有り余っている。
- 用例
- ユカイ アマイカントーン(相当 有り余っている)。
- メモ
- 類:アマイカンジュン(有り余っている)。
アマイヌクサー
余って残った物。余り物。
- 用例
- ニッカ チューグトゥ アマイヌクサール アタイサ(遅く 来るから 残り物しか 当たらないよ)。
- メモ
- 類:アマヤー(余り物)。
アマイユ
【魚類】オオクチサギ。
- 用例
- ワッタヤ ユー アマイユ トゥイガ イチュタン(私たちは よく オオクチサギを 取りに 行った)。
アマイン
余る。
- 用例
- ムルカイ ハジン アマイン(皆に 配っても 余る)。
過:アマトータン(余っていた)否:アマラン(余らない)希:アマラシーブサン(余らせたい)継:アマトーン(余っている)。
- メモ
- 対:フスクスン(不足する)。
アマゥンジャイクマゥンジャイ
あっち行ったり、こっち行ったりするさま。畳語。
アマカー
天川。嘉手納の湧泉の名称。
アマカービラ
天川坂。嘉手納の地名。
- メモ
- 湧泉アマカー(天川)にちなんだ坂道の名称。戦前は石畳の急な坂道で明治期に県道が開通した際には迂回路(シボヤマガイ)が造られた。1609年薩摩の侵攻の際には、神女の指揮下に嘉手納の夫人たちが熱いウケーメー(おかゆ)を炊いて坂の上から熱々のおかゆを流し、薩摩軍の侵攻を防ごうとしたと言い伝えられる。
アマガカー
アマガエル。カエルの一種。
- 用例
- アマガカーガ ナチョールムン ヤガティ アミフイサ(雨蛙が 鳴いているから やがて 雨が降るよ)。
- メモ
- 雨降り前に蛙に似た声でカークーカークーと鳴く虫のことだといわれている。また、あまのじゃくのことで、人のいうことに反対ばかりしていることにも使われている。民話には親の言うことに反対ばかりする「雨蛙不孝」がある。
アマカカイ クマカカイ
あそこで躓き、ここでも躓き。
アマガク
アマガエル。カエルの一種。
- メモ
- 雨降り前にカークーカークーと鳴く。アマガクはあまのじゃく。
アマガサ
雨傘。
- 用例
- アミ フトールムン クヌ アマガサ カンティ イケー(雨が 降っているから この 雨傘を 被って 行きなさい)。
アマガシ
甘がし。
- メモ
- 5月5日グングヮチグニチの菖蒲の節供に、ウニゲーシ(鬼返し)として食した。
煮て粥状になった大麦に米麹を入れ2、3日おいて発酵させた。アカマーミ(小豆)を煮て、団子と麦、砂糖を入れて作った。少しシーヌカカリワル(発酵したら)美味しいと言っていた。
昔はアマガシをウヤフジ(親祖先⇒仏壇)に供えた。
アマクマ
あちこち。
- 用例
- アマクマカイ ウチャレー マーンカイガ ウチャラー ワカランナトーン(あちこちに 置いたら どこに 置いたのか 分からなくなった)。
アマサー
暴れん坊。持て余している人。
- 用例
- ワラビヌ アマサーナティ アジカヤーン ヲゥランサ(子どもが 暴れん坊・やんちゃ坊主なので 預かる人も いないよ)。
- メモ
- 子どもに対して使うことが多い。
アマサーイクマサーイ
あちこち触っている様子。
- 用例
- クヌ ワラベー アマサーイクマサーイッシ(この 子どもは あっち触りこっち触りして)。
アマザキ
甘酒。酢。
- メモ
- ヘーイともいう。製糖後の鍋に水を入れて鍋肌に付いている黒糖を溶かすように煮詰めて後、甕に移し入れておくと酢になる。
アマサグイクマサグイ
あちこち探っている様子。
- 用例
- アマサグイクマサグイ ヌー カメートーガ(あっち探りこっち探り 何を 探しているか)。
アマサン
甘い。
- 用例
- クヌ クヮーシェー イッペー アマサン(この お菓子は とても 甘い)。
- メモ
- 類:アマハン(甘い)。対:カラサン(辛い)・カラハン(辛い)。
アマシタムン
度を越した者。手に負えない者。
- 用例
- アンチュカ アマシタムンヤル(なんて 手に負えない奴だ)。
- メモ
- ふざけが調子に乗り過ぎた人。手に負えない人のこと。
アマスン
度を越す。手に負えない。
- 用例
- クヌ ワラベー アマスンヤー(この 子どもは 手におえないね)。
アマダイ
軒。
- 用例
- アミ フィグトゥ アマダインカイ ヲゥトーキヨーヤー(雨が 降るから 軒下に いなさいよ)。
- メモ
- 類:アマライ(軒下)・アマレーヌシチャ(雨垂れの下・軒下)。
アマダイヌシチャ
軒下。
- メモ
- 産後のイーヤー(胞衣)をアマダイヌシチャに埋めると赤子の目が悪くなると言われた。
雨落ちのこと。
アマダイミジ
雨垂れ。軒からおちる雨水。
- 用例
- ミジヌ フスクシ アマダイミジ タミティ チカトーン(水が 不足して 雨水を 溜めて 使っている)。
- メモ
- アマライミジと同じ。
アマダイムシ
【虫】ヤスデ。
アマチカンクマチカン
あちこち落ち着きがない様子。
- 用例
- クヌ ワラベー アマチカンクマチカン ウティチチンネーン(この 子どもは あっち付かずこっち付かずで 落ち着きがない)。
アマデー
軒。
- 用例
- アマデーシチャ・アマデーヒチャ(軒下)。
アマナシクマナシ
物をあちこち寄せている様子。
- 用例
- アンチュカナー アマナシクマナシ サンケー(こんなにも あっちに置いたりこっちに置いたり しないで)。
アマヌブイクマヌブイ
あっちに登ったりこっちに登ったりしている様子。
- 用例
- アマヌブイクマヌブイッシ アブナサヌ(あっちに登ったりこっちに登ったりして 危ないよ)。
アマノジャクシ
天邪鬼。
アマハイクマハイ
あちこち行き来して落ち着かない様子。あちこちかげずりまわるさま。畳語。
- 用例
- イャーヤ アマハイクマハイッシ マー アッチョーガ(お前は あっち行ったりこっち行ったりして どこを ほっつき歩いているのか)。
アマハジ
雨端。軒。
- 用例
- イャームン チノー アマハジカイ フーチェーサ(君の 着物は 軒下に 干してあるよ)。
- メモ
- 類:アマレーヌシチャ(雨垂の下・軒下)。
軒に差し出したひさし、またはその下の空間部分。
アマハン
甘い。
- 用例
- ウヌ クヮーシェー チヌー カラシヤカ アマハン(その お菓子は 昨日 食べたのよりも 甘い)。
- メモ
- 類:アマサン(甘い)。対:カラハン(辛い)。
アママガイクママガイ
あちこち曲がりくねっている様子。
- 用例
- イャームノー アママガイクママガイッシ チカーランサ(お前の物は あっち曲がりこっち曲がりして 使えないよ)。
アママディ
あそこまで。
- 用例
- アママディ ドゥーチュイ イチースンナー?(あそこまで 1人で 行けるの?)。
アマミークマミー
あちこちきょろきょろ見回している様子。
- 用例
- アマミークマミーッシ ヌー ンチョーガ(あっち見こっち見して 何を 見ているのか)。
アマミジ
雨水。
- 用例
- アマミジヤ タミトーキヨーヤー(雨水は 溜めておきなさいよ)。
アマムティー
あちら側。あそこの方。
- 用例
- アマムティーンカイヤティン ウッチャンナギトーケー(あそこの方にでも ほっときなさい)。
アマムン
甘い物。
- 用例
- マルケーテー アマムン フーサンヤー(たまには 甘い物が 欲しいね)。
- メモ
- 対:カラムン(辛い物)。
アマムンジョーグー
甘いものが好きな人。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ アンシ アマムンジョーグーヤル(女の人たちは なんて 甘い物好きなんでしょう)。
- メモ
- 対:カラムンジョーグー(辛いのが好きな人)。
アマヤー
余り物。
- 用例
- アマヤーヤ アマンカイ ウッチェーサ(余り物は あそこに 置いてあるよ)。
- メモ
- 類:アマイヌクサー(余り物)。
アマユミクマユミ
あちこち飛び飛びに読んでいる様子。
- 用例
- アマユミクマユミサレー イミクジン ワカランナトーン(あっち読みこっち読みしたら 意味が 分からなくなってしまった)。
アマラ
漁り〔いさり〕ランプのひとつ。
- メモ
- 柄杓状の金網にトゥブシ(松の芯)を入れて燃やしたもの。夜のイザリにテービ(ススキなどを束ねた松明)やアマラを照明に使った。
アマライ
軒。
- 用例
- アミ フィグトゥ アマラインカイ ヲゥトーキヨーヤー(雨が 降るから 軒下に いなさいよ)。
- メモ
- 類:アマダイ(軒)・アマレーヌシチャ(雨垂れの下・軒下)。
アマライミジ
雨垂れ。軒からおちる雨水。
- 用例
- ミジヌ フスクシ アマライミジ タミティ チカトーン(水が 不足して 雨水を 溜めて 使っている)。
- メモ
- アマダイミジと同じ。
アマラン
余らない。
- 用例
- ムルカイ ハジーネー フスクルスル アマランサ(皆に 配ったら 不足するんであって 余らないよ)。
アマリカー
あの辺り。
- 用例
- ワランチャーヤ アマリカーヲゥティ アシローン(子どもたちは あちら辺で 遊んでいる)。
- メモ
- 類:アマンデー(あちら辺)。対:クマリカー(こちら辺)・クマンデー(こちら辺)。
アマリカーンカイ
あの辺りに。
- 用例
- アマリカーンカイ ヒンギティ ハイタン(あちら辺に 逃げて 行った)。
アマルカ
余るほど。
- 用例
- カムシェー アマルカ アイルスル(食べる物は 余るほど あるよ)。
アマルカナー
有り余るほど。
- 用例
- アマルカナー ムッチチューンディチン アンナー(余るほど 持ってくるっても あるか)。
- メモ
- アマルカを強調。
アマレーヌシチャ
軒下。
- 用例
- アマレーヌシチャヲゥティ アミハラサヤー(雨垂の下・軒下で 雨を晴そうね・雨宿りしようね)。
- メモ
- 類:アマハジ(雨端)。
アマレーヒチャ
軒下。
アマヰークマヰー
あっちに座ったりこっちに座ったり落ち着きがない様子。
- 用例
- アマヰークマヰーッシ ヘーク チュトゥクマンカイ ヰラニ(あっちに座ったりこっちに座ったりして 早く ひとつ所に 座らないか)。
アマン
【甲殻類】ヤドカリ。
- 用例
- アキサミヨー! アマンガ マンドーシヨー(きゃああ! ヤドカリの 多いこと)。
- メモ
- 類:アーマン(ヤドカリ)。
アマンカイ
あちらに。
- 用例
- ヤクンタッタンシェー アマンカイ イチクヮレー(役に立たない奴は あっちに 行きやがれ!)。
アマングヮー
ハジチの模様の名前。
- メモ
- 左手首にある模様。丸い形からマルブシとも言う。
アマンケークマンケー
あちこちに。畳語。
アマンジャナーセー
阿麻和利ごっこ。
- メモ
- 子どもの遊びのひとつ。
阿麻和利に扮しての闘いごっこ。
アマンジャラー
阿麻和利。
- メモ
- 勝連按司。嘉手納の屋良出身といわれ「ヤラヌアマンジャラー」とも言われる。楚辺にヤリバカ、ヤラバカ(屋良墓)と呼ばれる阿麻和利の墓がある。
アマンチュー
天の人。
- メモ
- 最初に天から国頭に降りてきたといわれる。
アマンデー
あちら辺り。
- 用例
- ネーランラー アマンデー カメーティンディ(ないんだったら あそこら辺を 探してごらん)。
- メモ
- 類:アマリカー(あちら辺)。
アミ
ある?
- 用例
- フントー アマンカイ アミ?(本当に あそこに あるか?)。
- メモ
- 返事を求めて聞くこと。
アミ
雨。
- 用例
- アミフイギサーッシ ヘークナー ヤーカイ ケーラナ(雨降りそうだから 早く 家に 帰ろう)。
アミ
網。
- 用例
- ウリカーンジ アミ シカキーシェー マシヤサニ(そこら辺に 網を 仕掛けたら いいんじゃない)。
- メモ
- 魚などをとるために、糸などを粗く編んで作った道具。
アミアンダー
網脂〔あみあぶら〕。
- メモ
- 豚や山羊などの内臓をおおっている網状の脂。
アミーン
浴びる。水浴びをする。
- 用例
- チューヤ ルク イチュナサヌ ナマカラ アミーン(今日は あまりにも 忙しくて 今から 浴びる)。
ウレ ミジグクチャー ヤグトゥ、アミンガー ソーティ イカンキヨー(その人は水を見ると癲癇〔てんかん〕を起こす人だから、水浴びには連れていくなよ)。
過:アミタン(浴びた)否:アミラン(浴びない)希:アミーブサン(浴びたい)継:アミトーン(浴びている)。
アミカジ
雨風。
- 用例
- マギキー イートーチーネー アミカジ フシジュン(大きな木を 植えておくと 台風には 雨風を 防ぐ)。
アミクェームージ
虹。
- 用例
- アミアガイヌ アミクェームージヌ チュラサヨー(雨上がりの 虹の きれいなこと)。
アミグム
雨雲。
- 用例
- アミグムヌ ゥンジトーグトゥ ヤガティ アミフインドー(雨雲が 出ているから やがて 雨が降るよ)。
- メモ
- 類:アミヌミー(雨雲)。
アミコーイン
調合する。
- 用例
- ティンプラー アギーグトゥ アミコーイン(天ぷらを 揚げるから 〔衣を〕準備する)。
アミシーン
浴びせる。沐浴〔もくよく〕させる。
- 用例
- フーチバーシ アミシタン(蓬湯で浴びせた)。
- メモ
- 湯灌や七夕に仏壇を掃除することもアミシーンと言った。
アミシヌウガン
浴みしの御願。
アミジャー
【虫】ミミズに似た小さな虫。
- メモ
- 触ると青白く光る。湿った場所にいた。
アミスミヤー
網の染料。
アミタボリ
雨たぼれ。雨乞い。
アミタマグ
網に入れた卵。
- 用例
- ゥンカシェー クヮ ナシーネ- アミタマグ サギータン(昔は 子どもが 生まれると アミタマグ〔網卵〕を 下げていた)。
- メモ
- アミタマグとは投げ網や使い古した網に卵を入れたもの。
出産後に魔よけとして、産室の周囲に張り巡らしたヒジャイナー(左縄)にアミタマグをぶら下げた。古いチチャンアミ(投げ網)に卵を入れてジール(地炉)の周りに下げた。座喜味、楚辺に伝わるもので、赤子の健康と産婦を称えた歌が歌われた。
アミダムシ
【虫】ヤスデ。
アミチユ
雨露。
- 用例
- ヤーヤ グナサティン アミチユ シヌゲースムサ(家は 小さくても 雨露を 凌げばいいさ)。
アミチュージ
湯灌〔ゆかん〕。
- 用例
- ゥンカシェー アミチュージヤ イェーカンチャーシ スタン(昔は 湯灌は 昔は 親戚・身内で やったんだよ)。アミチュージ シミラッティ(湯灌をさせられて)。
- メモ
- 類:ウビーミジエースン(湯灌)。アミチュージ(湯灌)とは、亡くなった人を荼毘に送る前に浴びせ清めること。
水は男性2人で汲みに行き、湯灌に使う水は最初に冷水を入れてからお湯を継ぎ足した。
アミツクヤー
網作りをする者。網繕い〔あみつくろい〕。
- メモ
- 雇い親である主人は漁には出ず、網の繕いや新しい漁場を捜す役目だった。
アミックヮー
【両生類】オタマジャクシ。

- メモ
- カエルの幼生。
アミヌミー
雨雲。
- 用例
- ンーチンディ アミヌミーグムガ マックールソーサ(見てごらん 雨雲が 真っ黒くしているよ)。
- メモ
- 類:アミグム(雨雲)。
アミヌミーックヮ
【両生類】オタマジャクシ。
