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2009(平成21)年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、世界で約2500に上る言語が消滅の危機にあると発表しました。日本国内では、アイヌ語、八重山語(八重山方言)、与那国語(与那国方言)、八丈語(八丈方言)、奄美語(奄美方言)、国頭語(国頭方言)、沖縄語(沖縄方言)、宮古語(宮古方言)の8言語・方言が消滅の危機にあるとされています。読谷村が位置する沖縄本島中南部で使われている「沖縄語」(沖縄方言)もそのうちの1つに挙げられています。

それぞれの地域で語り継がれてきたことばである「しまくとぅば」は、文化の基層であり、人びとのアイデンティティの拠り所でもあるとし、沖縄県では、2006(平成18)年に「しまくとぅばの日に関する条例」を公布し、毎年9月18日を「しまくとぅばの日」と制定しました。また、2013(平成25)年に公布された「沖縄県文化芸術振興条例」においても、しまくとぅばの普及、継承などを県の重点施策と位置づけ、様々な活動を展開しています。

読谷村でも「沖縄語(しまくとぅば)保存継承事業」を計画、実施しており、2018(平成30)年度に『読谷村のしまくとぅば~子どもの成長~』、2019(平成31・令和元)年度には『読谷村のしまくとぅば おばあが語る どぅーよーじょー』と題した小冊子を発行しました。2020(令和2)年度は、発刊した前述の冊子や、これまでの調査で得られた各地域での言い方の違いを可視化した「しまくとぅばマップ」(*①)、各地域の方々にしまくとぅばで語ってもらった「むんがたい」(*②)などをホームページで公開しました。

しまくとぅばにはその地域の歴史や文化、これまで営まれてきた経験や知識、地域の人びとの想いが込められています。それらを大切に受け継いでいくために使われるのも全てことばです。ことばを失えば、地域の歴史や文化、そこで暮らす人びとの経験や知識を伝えていくことが難しくなってしまいます。しまくとぅばが持つ豊かな表現やユニークな言い回しは味わい深く、形のない大切な宝物です。紹介したしまくとぅばをきっかけに、多くの方がしまくとぅばに興味を持ち、世代を超えて家族で話題にし、地域に目を向ける機会が増えることを願っています。

読谷村教育委員会
文化振興課 村史編集室

*①「しまくとぅばマップ」は、2014(平成26)~2020(令和2)年度、読谷村の各字、読谷村文化協会「読谷山シマクトゥバ愛さする会」にご協力いただき、調査した結果をもとに作成しました。
*②「むんがたい」は、1973(昭和48)~1977(昭和52)年に調査・収録された伝承民話の音声資料をもとに選定・構成した民話に、村山友江氏・知花孝子氏が翻字・共通語訳を付しました。また、島袋圭代氏の挿絵を使用させていただいています。

このほか、ご不明な点につきましては、読谷村史編集室までお問い合わせください。