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マ~ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,渡具知,古堅,大木,比謝矼,長田
①真~。真の~、純粋の~などの意を表わす。②名につける美称辞。
- 用例
- ①マヂム(真心)。②ウチャタイマグラー。
マ(~マ) 高志保,儀間,大木
~してから。~して。
- 用例
- ヲゥタヤーマ(疲れて)。ハンダイ ナシヤーマ(鼻水をなすりつけて)。ムル チヤーマ(全部着けて)。
- メモ
- →~ナカイ。
マー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
どこ。
- 用例
- マーカイル ゥンジャラー、カメーティン ヲゥランレー(何処に行ったのか、探してもいないよ)。マーンケー アガ、ウヌ ハカー(どこにあるのか、その墓は)。ヤー カイブサシガ、マーガラ イー トゥクロー ネーンガヤー(家を借りたいが、どこかいいところはないかね)。イャーヤ ンチャルウビガ アシガ、マーヌガヤー(お前は見覚えがあるが、どこのかね)。
マー(~マー) 儀間,比謝矼
~てごらん。~てみろ。
- 用例
- クリ シマー(これしてごらん)。カリマー(食べてごらん)。
マーアンダ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,長田
植物油。菜種油。大豆からしぼった油。

- 用例
- ワッタガ グナサイネー ウヮーヌアンダガル ウーサル、マーアンダ ディシェー アンスカ ネーンタン(私が小さい頃までは豚の油が多かったんであって、植物油はそんなになかった)。
マーイ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
毬〔まり〕。
- 用例
- ソーグヮチネー、アバーガ マーイ コーティ トゥラスサ(正月には、姉さんが毬を買ってあげるさ)。
マーイ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
①回り。周り。②助数詞。~回り。~周。
- 用例
- ①ヤーヌ マーイヌ クサ ハラレー(家の周りの草を取り払いなさい)。②タマーイヌ ウービヌ、ミマール ナトーサ(2回りあった帯が、3回りになっているさ)。
- メモ
- チュマーイ(1回り)、タマーイ(2回り)、ミマーイ(3回り)と数える。
マーイアシベー 喜名,渡慶次,儀間
子どもの遊び。毬遊び。
- 用例
- フカヲゥティ マーイアシベー シッ クーワ(外で毬遊びをしてきなさい)。
マーイウッチェー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
子どもの遊び。毬つき。
- 用例
- マーイウッチェーヤ フカヲゥティル スンドー(毬つきは外でやるんだよ)。マーイウッチェー シ アシバ(毬つきをして遊ぼう)。
マーイサー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,大木
{まいし(真石)}。力石。力比べ用の石。黒色の堅い石。
- 用例
- チャヌアタイヌ マーイサー ヤレー、ムッチー スガヤー(どのくらいの力石なら、持てるのかね)。マーイサー ヤチ(固い石を焼いて)。ヤチェール マーイサーヌ ウィーンカイ ヰヤーニ、チベー アカー ナタン(焼いた真石の上に座って、尻は赤くなった)。
- メモ
- 青年たちが夕食後に担ぎ勝負をした。→カタミイシ。
マーイシ 古堅
{まいし(真石)}。力石。力比べ用の石。黒色の堅い石。
- メモ
- →カタミイシ。
マーイナギエー 喜名,渡慶次,儀間
子どもの遊び。毬投げ。
- 用例
- アブナサグトゥ、マーイナギエーヤ フカヲゥティ ッシクヮー(危ないから、まり投げは外でやってきなさい)。
マーイニー 長浜
料理。豚の腸に米を入れて炊いたもの。
- メモ
- 前夜から水につけておいた糯米を豚の腸に入れて炊いた。あまりたくさん入れるとはち切れるので、*トーカチで加減しながら糯米、水と塩を入れて炊く。
マーイン 喜名,渡慶次,儀間
①回る。②訪ねる。
- 用例
- ①ワンネー ヒジャインカイ マーイン(私は左に回る)。否:マーラン(回らない)希:マーイブサン(回りたい)過:マータン(回った)継:マートーン(回っている)。②シージャヌヤー マーティカラ ケーイサ(兄の家を訪ねてから帰るさ)。
- メモ
- 類:ミグイン。
マーオーハー 座喜味,大湾
植物。ハルノノゲシ。
- メモ
- 音1:マーオーファー。類:フクリーラー。
マーオーファー 座喜味,古堅
植物。ハルノノゲシ。
- メモ
- →マーオーハー。
マーガチュー 村史
魚名。鰹類。
マーキダムン 瀬名波
本当の木の薪という意味か。正月の薪。
- メモ
- マーキダムンは正月の時だけ買った。乾燥されたものが束ねられていた。薪の積み高さが裕福の象徴であった。
マーギン 楚辺
黍〔キビ〕。
- 用例
- マチヤヲゥティ マーギン コーティ クーワ(店で黍を買ってきなさい)。
- メモ
- 音1:マージン。黄色く色づいた頃に収穫した黍穂を、足で踏んでもみ落として脱穀した。米に混ぜて黍飯にしたり、黍餅を作って食べた。
マーギンウケーメー 楚辺
黍のお粥。
- 用例
- ハルシクチガ イチュナハイネー、アシーヤ マーギンウケーメー カムル バーン アタン(畑仕事が忙しい時には、3時のおやつは黍のお粥を食べることもあった)。
マーギンゥンバン 楚辺
{きびおばん(黍御飯)}。黍ご飯。
- 用例
- クミヌ イキラハイネー、マーギンゥンバン ニータン(米が少ない時には、黍御飯を炊いていた)。
- メモ
- 祝い事にも米が少ない時はマーギンゥンバンを炊いた。
マーグ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
嫁入り道具のひとつ。女性の下着入れ。
- 用例
- ヰナゴー ヤータッチイチーネー、マーグン ムッチ イチュタン(女は嫁に行く時には、下着入れも持って行った)。
マーグーヒーグー 渡慶次,儀間
しわくちゃ。
- 用例
- アンスカ、マーグーヒーグー シ トゥラチェーサヤー(そこまで、しわくちゃにしてくれたな)。
- メモ
- 類:マージュー・ワージュー・ワージューマージュー。
マーサカジャ 喜名,渡慶次,儀間
美味しそうな匂い。
- 用例
- マーサカジャ スシガ、ヌー ニチョーガ(美味しそうな匂いがするが、何を炊いているのか)。
マーサマーサ 喜名,渡慶次,儀間
美味しそうに。
- 用例
- ムノー、チャー マーサマーサ スガラットーン(食事は、いつも美味しそうに準備されている)。
マーサムン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,大湾
美味しいもの。うまいもの。
- 用例
- マーサムンビカーン カミーネー、アトゥシンカヌ ムノー ネーンル ナイサイ(美味しいものばかり食べると、後からくる人の分はなくなるでしょう)。
- メモ
- 対:ニージャムン(不味い物)。
マーサムンジョーグー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
美味しいのだけ食べる人。美味いもの上戸(好き)。
- 用例
- マーサムンジョーグー ナテー ナランドー(美味いもの上戸になってはいけないよ)。
マーサン 喜名,親志,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,比謝,古堅
美味しい。
- 用例
- チャー ヲゥガリティル ヲゥグトゥ、ヌー ヤティン マーサタン(いつもお腹を空かせているんだから、何でも美味しかった)。アヌ ゥンモー、アンシ マーサタルヤー(あの芋は、とても美味しかったね)。ジコー マーサイビン(とってもおいしいです)。マーサーネーン(おいしくない)。アチャーヤ マーサン(明日になれば美味しい)。
- メモ
- 音1:マーハン。対:ニーサン(不味い)。
マージェー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
昆虫。バッタ。
- 用例
- ワランチャーガ、マージェー トゥバシェー シ アシドーン(子どもたちが、バッタ跳ばしをして遊んでいる)。
マーシガター 渡慶次,儀間
死にそうな様。
- 用例
- インガ ムヌン カマン ナティ、マーシガター ナトーン(犬が餌を食べなくなって、死にそうになっている)。
マーシミジ 楚辺
死に水。末期の水。湯灌。清拭〔せいしき〕。
- メモ
- →シニミジ。
マージュー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大湾
しわ。しわくちゃ。しわだらけ。
- 用例
- アンスカ マージュー ナチ(あんなにしわだらけにして)。
- メモ
- →マーグーヒーグー。
マージン 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,大湾
黍〔キビ〕。
- 用例
- マージンヌ ユカティ、ウホーク トゥイネー ムルカイ ワキーサ(黍が豊作で、たくさん収穫したら皆に分けるさ)。
- メモ
- →マーギン。
マージンガーミ 喜名,儀間
{きびがめ(黍甕)}。民具。収穫した黍を保存する甕。
マース 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
塩。

- 用例
- ウミカラ ウス クリッチ、マース チュクイン(海から潮水を汲んできて、塩を作る)。マース フチョン(塩が吹いている〈汗が乾いて塩分が白く残っている〉)。
マースウヤー 喜名,渡慶次,儀間
塩売り。
- 用例
- マースウヤーヤ アーシカラ チュータン(塩売りは泡瀬からきていた)。
マースガラサン 喜名,渡慶次,儀間
塩辛い。
- 用例
- イャーガ スガイル ムノー、チャー マースガラサンレー(お前が作る食事は、いつも塩辛いよ)。
- メモ
- →シプカラハン。
マースクェー ①伊良皆,長浜,大湾②伊良皆
爬虫類。①アオカナヘビ。爬虫類。②キノボリトカゲ。

- メモ
- →アヤヤージュートゥイグヮー。
マースダーラ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
塩俵。
- 用例
- ヘーク マースダーラ カタミティ ムッチ イケー(早く塩俵を担いで持って行きなさい)。マースダーラヌ ウヮービンカイ サギトーギサシガ(塩俵が上に下げていたようだが)。
マースヂキ 喜名,渡慶次,儀間
塩漬け。
- 用例
- シシェー マースヂキ シ ウッチュサ(肉は塩漬けしておくさ)。
マースデー 喜名,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波
{しおだい(塩代)}。出産祝いにあげる御祝儀。
- 用例
- スージカイ イチュシガ、マースデーヤ シコーテーミ(お祝いに行くが、マースデーは準備してあるねぇ)。マースデーグヮー ヰーラセー(出産のお祝いをあげなさい)。
- メモ
- 以前は祝儀として縁起の良い塩を芭蕉の葉等に包んであげたことから「*マースデー(塩代)」といわれている。
マースニー 喜名,渡慶次,儀間
料理。塩煮。塩で味付けた料理。
- 用例
- イユ マースニー シ カムン(魚を塩煮にして食べる)。
マースミジ 喜名,渡慶次,儀間
塩水。
- 用例
- ムンヌキムントゥシ、マースミジ ヤシチヌ マンマールカイ ハンチュン(魔除けとして、塩水を屋敷の周囲に撒く)。
マースヤー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
製塩業。塩屋。
- 用例
- マース チュクトーテーグトゥ、ヤーンナーヤ マースヤーディ イータン(塩を作っていたから、屋号はマースヤーといっていた)。
マースユー 親志,座喜味
にがり。
- 用例
- マースユーシ、トーフォー シーマスタン(塩汁で、豆腐は固めさせた)。
- メモ
- 海の遠い親志ではマースユーと呼ばれるにがりを使って豆腐を作った。
マースン 喜名,渡慶次,儀間
回す。
- 用例
- サーターグルマ ウシンカイ ヒカチ マースン(砂糖車を牛に引かせて回す)。否:マーサン(回さない)希:マーシーブサン(回したい)過:マーチャン(回した)継:マーチョーン(回している)。
マースン 喜名,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,牧原
死ぬ。亡くなる。
- 用例
- イチュクガ マーヒチャイ ヒチ(いとこが亡くなったりして)。チュー アサ ヘーク、タンメーヤ マーヒチャン(今朝早く、おじいさんは亡くなった)。イャーヤ ウンナ ワジャ シ、マースンディチル ヤリー(お前はそんなことをして、死ぬつもりか)。チークェーワラバー ナギティ マーヒチョール ワカヰナグ(乳飲み子を残して亡くなっている若い女)。否:マーサン(死なない)希:マーシーブサン(死にたい)過:マーチャン・マーヒチャン(死んだ)継:マーソーン・マーヒチョーン(死んでいる)。
- メモ
- →ケーマースン。
マーソーガー 楚辺
植物。生姜〔しょうが〕。

- 用例
- マーソーガー イリージューサヌ、カマラン ナトーン(生姜を入れすぎて、食べられなくなっている)。
- メモ
- →ショーガー。
マーター 長田
爬虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マーターガーター 長浜
肩車。

- メモ
- 音1:マータガータ。→ウマドードー。
マータガーター 伊良皆,瀬名波,大湾
肩車。
- メモ
- 音1:マータガータ。→ウマドードー。
マータク 高志保,渡慶次,儀間
{まだけ(真竹)}。植物。竹の一種。タイサンチク。孟宗竹。

- 用例
- ヤマカイ イチーネー、チャッサ ヤティン マータクヌ ミートータン(山に行けば、いくらでも孟宗竹が生えていた)。
- メモ
- 高さ10メートル近くにもなり、竹の子は食用、幹は竿・建築用材などにする。
マータク 親志,大木
爬虫類。キノボリトカゲ。茶色のキノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マータク 村史
魚介名。蛸類。
- メモ
- 昼間獲れる。14、5斤までなり、夜は足で蛸穴をふさいでいる。
マータクヤー 楚辺
爬虫類。キノボリトカゲ。

- 用例
- ワンネー マータクヤーヤ サーイ サンタン(私はキノボリトカゲは触れなかった)。
- メモ
- →アータ。
マータクヤーオーラセー 楚辺
キノボリトカゲの喧嘩。

- 用例
- マータク トゥッカチミティッチ、マータクヤーオーラセー スタン(キノボリトカゲを捕まえてきて、喧嘩をさせてきた)。
マータクラー 伊良皆
爬虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マーチ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
植物。松。
- 用例
- マーチ トゥティ ッチ タムン スン(松を取ってきて薪にする)。マーチヌ ハナンカイ サギーシ(松の先に下げること)。
マーチカスー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
植物。松ぼっくり。
- 用例
- クシヌ ヤマンカイ、マーチカスー トゥイガル ンジャンレー(後の山に、松ぼっくりを取りに行ったんだよ)。
マーチガマーバル
{松蒲原}。古堅の小字。
マーチヌ シン 大湾
松の芯。
マーチバー 喜名,渡慶次,儀間
植物。松の葉。松葉。
- 用例
- マーチバー ホーチュシェー、ワランチャー シクチ ヤタン(松の葉を掃くのは、子どもの仕事だった)。
マーチバーホーチャー 瀬名波
松葉を掃き集めること、またその人。
- メモ
- マーチバーホーチャーは子どもの仕事のひとつだった。*クサカチャーで集めた。
マーチブニ 都屋,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知
{まつぶね(松船)}。松材の刳船〔くりぶね〕。
- 用例
- マーチブニ シ ニムチ ハクブン(松船で荷物を運ぶ)。
- メモ
- 漁業で用いる*サバニのひとつで運搬用としても使っていた。琉球松の大木を刳り抜いて造った船で、松は5、6メートル真っすぐな木でないと立派な船はできなかった。刳り抜かれた松船は、仕上げの防虫、防蝕として船の周囲を焼いた。
マーチベンサー 楚辺
昆虫。カミキリムシ。
- メモ
- 松の木についていることが多いことからそう呼ばれていた。→イーチュークェー。
マーチムム 座喜味,長浜
植物。ヤマモモ。
- メモ
- 音2:ムム・マーチムム。
マーチュー 高志保
松林。
- メモ
- 音1:マーチョー。
マーチュー 座喜味
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音1:マチュー。類:マチ・マチャー。
マーチユカ 喜名
松材の床。
マーチョー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
松林。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー、マーチョーヤ イー アシビドゥクル ヤタン(私たちが幼い頃は、松林はいい遊び場だった)。
- メモ
- 音1:マーチュー。
マーチンニーバル
{松根原}。座喜味の小字。
マーニ 喜名,座喜味,大湾,古堅,比謝矼
植物。クロツグ。
- 用例
- マーニシ シミナー チュクティ、クースークェー クンジャーニ オーラセー スタン(クロツグでしめ縄を作って、キノボリトカゲを括って戦わせた)。スルガー マンドーシガ、マーネー イキラサン(棕櫚は多いが、クロツグは少ない)。
- メモ
- *ウガンジュ(拝所)によく生えていた。
マーニ(~マーニ) 喜名,渡慶次,儀間,古堅
~てごらん。~てみろ。
- 用例
- イャー ゥンマンカイ チマーニ(お前ここに来てみろ)。
- メモ
- 音2:~マー。
マーニンクィーニン 喜名,渡慶次,儀間
あちこちに。
- 用例
- グミヤ マーニンクィーニン ヒティランキヨー(ゴミはあちこちに捨てるなよ)。
- メモ
- →アマニンクマニン。
マーハン 高志保,楚辺
美味しい。
- 用例
- トーフチャンプルーヤ イッペー マーハン(豆腐チャンプルーはとても美味しい)。
- メモ
- →音1:マーサン。
マーマー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,古堅
何処何処。
- 用例
- マーマー イチュガ(何処何処に行くか)。マーマーンカイ ウッチュガ(何処何処に置くの)。
マーマートゥ 喜名,渡慶次,儀間
まんまと。みごとに。
- 用例
- ドゥシンカイ マーマートゥ サッティ ネーン(友達にまんまとやられてしまった)。
- メモ
- →サラジャラートゥ。
マーマカスン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
きちんと取っておく。確保しておく。
- 用例
- チカイ ウワイネー、リッパ マーマカシヨー(使い終わったら、ちゃんと取っておきなさいよ)。否:マーマカサン(取っておかない)希:マーマカシーブサン(取っておきたい)過:マーマカチャン(取っておいた)継:マーマカチョーン(取っておいてある)。
マーマチ 渡慶次,儀間,楚辺
魚名。オオヒメ。クロマツ。
- 用例
- マーマチ ヤティカラ、ジコーヌ マーサ イユ ヤサ(オオヒメだったら、とても美味しい魚だよ)。
マーマリン 喜名,渡慶次,儀間
何処までも。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ、マーマリン ウーティ チューンドー(その子どもは、何処までも追ってくるよ)。
マーマングラ 喜名,渡慶次,儀間
どの辺り。
- 用例
- アッピーヤ マーマングラ ゥンジョーガヤー(兄さんはどの辺りまで行っているのかな)。
- メモ
- 音2:マーリカー。
マーミ 親志,都屋,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,長田
植物。豆。

- 用例
- バーキヌミー マーミ トゥッティ ッチ、カー ハジュンディ デージ ヤサ(カゴのいっぱい豆を取ってきて、皮を剥くのに大変だ)。マーミヌ ナトーン(豆がなっている)。
マーミークーギー 座喜味
植物。クスノハカエデ。
- メモ
- →サフンギー。
マーミーサートゥー 座喜味,波平,瀬名波,長浜
昆虫。カマキリ。

- メモ
- 音1:マーミサートゥー。音2:マーミヌハートゥー・マーミナサートゥー・マーミナトゥー。→イサトゥー。
マーミイリチー 楚辺
料理。豆をゆで、油で炒めて軽く塩をふったもの。
マーミガーミ 喜名,儀間
{まーみがーみ(豆甕)}。民具。収穫した豆を保存する甕。
- 用例
- クチャカラ マーミガーミ ゥンジャシェー(裏座から豆甕を出しなさい)。
マーミク 座喜味
植物。クスノハカエデ。
- 用例
- マーミコー ミーラン ナトーンヤ(クスノハカエデは見かけなくなったね)。
- メモ
- 音1:マミク。→サフンギー。
マーミグー 長浜
豆粉。
マーミグサーグヮー 楚辺
植物。カラスノエンドウ。
- 用例
- マーミグサーグヮーヌ ハナヤ、チュラムンヤン(カラスノエンドウの花は、きれいなもんだよ)。
マーミグヮーギー 楚辺,大湾
植物。ギンネム。
- 用例
- マーミグヮーギーヤ ワラビヌ アシビンカイ ユー チカイタン(ギンネムは子どもの遊びによく使った)。
- メモ
- 実をお茶にした。
マーミサートゥー 上地,渡慶次,儀間,宇座
昆虫。カマキリ。

- 用例
- キーンカイ マーミサートゥーヌ シガトーン(木にかまきりが止まっている)。
- メモ
- 音1:マーミーサートゥー。→イサトゥー。
マーミタタチャー 大湾
{くるまぼう(車棒)}。農具。唐竿〔からさお〕。
- メモ
- →クルマボー。
マーミナー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
植物。もやし。

- 用例
- マーミナーヤ、ヤーヲゥティン チュクラリンドー(もやしは、家でも栽培できるよ)。
マーミナクー 伊良皆
きな粉。
マーミナサートゥー 大湾
昆虫。カマキリ。
- メモ
- →イサトゥー。
マーミナトゥー 座喜味
昆虫。カマキリ。
- メモ
- →イサトゥー。
マーミナハートゥー 楚辺
昆虫。カマキリ。
- メモ
- 音1:マーミヌハートゥー。→イサトゥー。
マーミヌカー 喜名,渡慶次,儀間
豆の皮。
- 用例
- マーミヌカーヤ、メーヌ アタインカイ ホートーケー(豆の皮は、前の畑に撒いておきなさい)。
マーミヌハートゥー 楚辺
昆虫。カマキリ。

- 用例
- キーンカイ マーミヌハートゥーヌ シガトーン(木にかまきりが止まっている)。
- メモ
- 音1:マーミナハートゥー。カマキリにイボを食べさせると治るといわれた。→イサトゥー。
マーミヌハートゥーオーラセー 楚辺
カマキリの喧嘩。
- 用例
- マーミヌハートゥー ターチ トゥティッチ、マーミヌハートゥーオーラシェー スタンヤー(カマキリを2匹取ってきて、マーミヌハートゥーオーラシェーしたね)。
マームスビ 喜名,渡慶次,儀間
真結び。
- 用例
- アンスカナー マームスビ シェーグトゥ、ハンリグリサン(そんなにきつく真結びにしてあるから、外しにくい)。
マームティー 喜名,渡慶次,儀間
どの辺。どこら辺。
- 用例
- マームティーンカイガ ウチェーラー カメーイサンレー(どこら辺に置いてあるのか探せないよ)。
マーヤークィーヤー 楚辺
何処もかしこも。
- 用例
- マーヤークィーヤー イキワル、ゥンジ ンリワル ワカインドー(何処もかも行ってみないと、世の中のことが分かるんだよ)。
マーユーイ 渡慶次,儀間,大湾
{まるゆひ(丸結ひ)}。成人前の男子の髪型。
- 用例
- ワカムンヤ、マーユーイビカーン シン チュラサル アル(若者は、髪を丸く結っただけでもきれいだよ)。
マーラン 高志保,楚辺
馬艦。馬艦船。
- 用例
- マーランヌ ミー(馬艦船にいっぱい)。
- メモ
- 国頭から木材や薪を運搬していた。
マーリカー 喜名,渡慶次,儀間
どの辺。どの辺り。
- 用例
- マーリカー ゥンジョーガヤー、ウーティ ゥンジンディ(どの辺りまで行っているか、追って行ってごらん)。
マール 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,渡具知,古堅,大木
①~間(に)。~する前(に)。②助数詞。~回。
- 用例
- ①ティーダヌ ウティラン マール(太陽が落ちないうちに)。カミーウワラン マール、ウビジ ヒンギティ ハイタン(食べ終わらないうちに、すぐに逃げて行った)。②ミジ クミーガー、タマールヤ イキワル ナインテー(水汲みには、2回は行かなくちゃいけないよ)。
- メモ
- ②チュマール(1回)、タマール(2回)、ミマール(3回)と数える。
マールー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
丸。円形。
- 用例
- マールー ウブヌンカイ イッティ ムッチ クーワ(丸いお盆に入れて持ってきなさい)。
マールーヰー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
円座。車座。
- 用例
- マールーヰー シ ハナシー ソーン(円座になって話をしている)。
マーワタ 楚辺
真綿。蚕の繭を煮た物を引き伸ばして綿にしたもの。
マーヲゥー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
幼児語。猫。
- 用例
- マーヲゥー サーイネー カチャマリンドー(猫を触ると引っかかれるよ)。
マーヲゥー 大湾
{まお(真苧)}。植物。苧麻。カラムシ。麻の一種。
マーンクイ 伊良皆,大湾
どこもかも。どこもかしこも。至る所。
- 用例
- マーンクイ アッチ(どこもかも歩いて)。
マーンクィン 座喜味,渡慶次,儀間
どこもかも。どこもかしこも。至る所。
- 用例
- マーンクィン クーイ ミチティ、アチサー ネーンナー(何処もかも閉め切って、暑くはないねえ)。
マイコーマイコー 大木
ひらひらと舞う様。
- 用例
- ハーベールヌグトゥ マイコーマイコー シ(蝶のようにひらひら舞って)。
マイヌガスン 親志
脱肛。肛門、直腸の粘膜が体外に脱出している状態。
マイホーイン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
所構わず放りちらかす。糞を撒き散らかす。
- 用例
- クスヒリーシ マイホーテータン(下痢をして糞を撒き散らかしてあった)。シゼンニ マイホーティ ウルスグトゥ(自然に糞を撒き散らして胎すから)。否:マアイホーラン(撒き散らかさない)希:マイホーイブサン(撒き散らしたい)過:マイホータン(撒き散らした)継:マイホートーン(撒き散らかしている)。
マイン 喜名,渡慶次,儀間,古堅,大木,比謝矼
(糞を)する。
- 用例
- クス マイン(糞をする)。カーミーヌ イーンカイ クソー マタグトゥ、ウヌ カーミーヤ アッチェール フージテー(亀の上に糞をしたら、その亀は歩いたようだね)。クス マティ(糞をして)。フル イーブサヌ クサンミーンカイ クス マイン(便所に行きたくて、草むらに糞をする)。否:マラン(糞をしない)希:マイブサン(糞をしたい)過:マタン(糞をした)継:マトーン(糞をしている)。
マカイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,大湾,古堅,大木
①椀。お椀。碗。②助数詞。~碗。
- 用例
- ①チャワンバーキンカイ ウスバチェーヌ マカイ ゥンジャシェー(茶碗カゴに伏せてあるお碗を出しなさい)。マカイ ムヤーギ ンス ムタチャグトゥ(碗に大盛して味噌を持たせたから)。②ンス チュマカイ ムタスグトゥ(味噌を1碗持たすから)。
- メモ
- 音1:マッカイ。②チュマカイ(1碗)タマカイ(2碗)、ミマカイ(3碗)と数える。
マガイ 座喜味
関節。
- メモ
- →グーイ。
マガイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
曲がっていること。曲がっているところ。
- 用例
- イヒヌ マガイヤ、ヌバチ チカーリーサ(少しだけ曲がっているなら、伸ばして使えるよ)。
マカイアラヤーウーキグヮー 喜名
お椀を洗う桶。大きめの桶。
マカイダナ 渡慶次,儀間
食器棚。
- 用例
- アライ ウワタラー マカイダナンカイ カタヂキレーワ(洗い終わったら、食器棚に片づけなさい)。
マガイヒガイ 渡慶次,儀間,楚辺
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- ウヌ ボーヤ、マガイヒガイシ チカーランサ(その棒は、曲がりくねっていて使えないよ)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マガイン 喜名,渡慶次,儀間
曲がる。
- 用例
- ナー イフィ イチーネー ニジリンカイ マガイン(もう少し行くと右に曲がる)。否:マガラン(曲がらない)希:マガイブサン(曲がりたい)過:マガタン(曲がった)継:マガトーン(曲がっている)。
マカスン(~マカスン) 座喜味,高志保,長浜
~と。~という音を立てる。
- 用例
- バンマカチ トーリタン(バンと倒れた)。
- メモ
- 音2:~ミカスン。擬声語や擬態語につく。
マカターマージェー 楚辺
昆虫。トノサマバッタ。
- 用例
- マカターマージェーヤ ゥンブラーサタン(トノサマバッタは威厳があった)。
- メモ
- →ターマーアーケージュー。
マカネー 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
賄い。
- 用例
- チューヌ マカネーヤ イクタイブンガ(今日の賄いは何人分ねぇ)。
マカネーヤー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
{まかなひや(賄ひ屋)}。食堂。飲食店。
- 用例
- マカネーヤーヌ ネーサントゥ、イーナカ ナトーンディサ(食堂の姉さんと、いい仲になっているらしいよ)。
マガハン 高志保,長浜,楚辺
大きい。
- 用例
- アマヌ ヤーヌ マガハヨー(あそこの家の大きいことよ)。
- メモ
- 音1:マギハン。音2:マギサン。対:クーサン・クーハン・グナサン・グナハン・グマサン・グマサン(小さい)。
マカヤ 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,大湾,大木
植物。チガヤ。真茅。

- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョーン、マカヤ カイガ イチュン(友達と一緒に、チガヤを刈りに行く)。
- メモ
- 音1:マカヤー・マッカヤー。家畜の飼料や鍋蓋の材料として使われた。
マカヤー 大湾
植物。チガヤ。真茅。

- 用例
- カマンタ チュクイシ、マカヤードーヤ(大鍋の蓋を作るのは、チガヤだよね)。
- メモ
- →音1:マカヤ・マッカヤー。
マガヤーマガヤー 喜名,渡慶次,儀間
くねくね。あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- ルク マガヤーマガヤー ッシ、ノーサリン ナランサ(あまりにも曲がりすぎて、直すこともできないさ)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マガラ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
間柄。
- 用例
- イェーカン マンディ、チャヌフージー マガラル ヤラー ワカランサ(親戚も多く、どういった間柄なのか分からないさ)。
マカラー 大湾
賢い人。
- 用例
- サンナン マカラー(三男は賢い人)。
マガルーヒガルー 喜名,渡慶次,儀間
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- イャームノー アンシ マガルーヒガルー ソール(お前のはとても曲がりくねっているね)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マキ 楚辺
巻き。面。回りを強化するための面。
マギ 渡慶次,儀間,楚辺
木製の深みのある大きな丸い容器。
- 用例
- スージネー、マギカイ クヮッチー ムイタン(祝いには、マギにご馳走を盛った)。
マギアケージュー 高志保
昆虫。ヤンマ。
- メモ
- →キーラーマートンボ。
マギアビー 喜名,渡慶次,儀間
大声。
- 用例
- マギアビー シーネー、ニントール ワラビガ ウキーシガ(大声を出すと、寝ている子が起きるよ)。
- メモ
- →ウフアビー。
マギー 喜名,座喜味,都屋,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,比謝矼
①大きいもの。②位の高い者。
- 用例
- ①ヌーヤティン マギーカラ トゥティ クーワ(何でも大きいものから取ってきなさい)。
- メモ
- ①クーテー・グナー・グマー(小さいもの)。
マギイービ 座喜味
親指。
- メモ
- →ウフイービ。
マキイクサ 喜名,渡慶次,儀間
負け戦。
- 用例
- ハジミカラ ワカトール マキイクサヤ、サンシェー マシヤタン(最初から分かっている負け戦は、しない方がよかった)。
- メモ
- 対:カチイクサ(勝ち戦)。
マキーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
負ける。
- 用例
- クンドゥヌ ヤマゥンムヤ ディキラン、ヤマゥンムスーブヤ マキーンレー(今年の山芋は不出来で、山芋勝負は負けるね)。否:マキラン(負けない)希:マキーブサン(負けたい)過:マキタン(負けた)継:マキトーン(負けている)。
- メモ
- 対:カッチュン(勝つ)。
マギーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
曲げる。
- 用例
- クルマンカイ イラングトゥ、ターチンカイ マギーン(車に入らないから、2つに曲げる)。否:マギラン(曲げない)希:マギーブサン(曲げたい)過:マギタン(曲げた)継:マギトーン(曲げている)。
- メモ
- 対:ヌバスン(伸ばす)。
マギサン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原
大きい。高い。
- 用例
- ワッター ワラビヌル フロー マギサンデー(私の子の方が背は高いよ)。クリヤカ マギサンドー(これより大きいよ)。
- メモ
- 音1:マギハン。→マガハン。
マギスージ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間
{まげしうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- マギスージン シーアーチ、ウミナーク ナタン(大きなお祝いもやり終えて、ほっとした)。
- メモ
- →ウースージ。
マギッチュ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
大柄な人。大きな人。
- 用例
- イャー シージャヤ、アンシ マギッチュ ヤテール(お前の兄さんは、とても大きな人だったんだね)。
マキバカ 楚辺
巻き墓。
- 用例
- マキバカヤ、フィンチャーバカンカイ ヤーヌイー マキ カキテータン(巻き墓は、掘り込み墓の屋根に巻きをかけてあった)。
- メモ
- 音1:マチバカ。
マギハン 高志保,楚辺
大きい。
- 用例
- イャームンヤカ、ワームノー ジョーイ マギハンテー(お前のものより、私のがずっと大きいよ)。
- メモ
- 音1:マギサン。→マガハン。
マキホーイン 楚辺
撒き散らす。
- 用例
- ムンチャネー マキホーラヤーンチ、アヌー ワカインソーチャグトゥヨー(種は撒き散らかそうねぇと、あのうお分かりになったからね)。否:マキホーラン(撒き散らさない)希:マキホーイブハン(撒き散らしたい)過:マキホータン(撒き散らした)継:マキホートーン(撒き散らせている)。
- メモ
- 音1:マチホーイン。
マギマギートゥ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間
大きく。
- 用例
- ヤー チュクイラー マギマギートゥ チュクレー(家を造るなら大きく造りなさい)。マギマギートゥ スージ スン(大きくお祝いする)。
- メモ
- 音1:マギマギトゥ。対:クーグートゥ(小さく)。
マギマギトゥ 楚辺
大きく。
- メモ
- →音1:マギマギートゥ。
マギユージュ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
大事に至る用事。
- 用例
- ヌーン チネー サンタシガ、マギユージュ ナティ ネーン(何も気にはしていなかったが、大事に至ってしまった)。
- メモ
- 対:グマユージュ・ユージュグヮー(ちょっとした事)。
マギイェーカ 喜名,渡慶次,儀間
近い親戚。
- 用例
- マギイェーカヤルムンヌ、ナー イフェー ユー ヒラリヨーヤー(近い親戚だもの、もう少しはよく付き合いなさいよ)。
- メモ
- →ウフイェーカ。
マク 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
幕。
- 用例
- マク アキーシェー、ナマー マッチョーキヨー(幕を開けるのは、今は待っていてよ)。
マク 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
腕白。
- 用例
- アマヌ ワランチャーヤ、ムル マク ナティ(あそこの子どもたちは、みんな腕白ばかりだ)。
- メモ
- →アカマク。
マクアタイ 座喜味,長浜
幕引き係。ムラアシビの幕係。
マグイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
皺。しわ。
- 用例
- トゥシ トゥイネー チラヌ マグイヤ シカター ネーンサ(年を取ると顔の皺は仕方がないさ)。
マクトゥ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大木,長田
誠。誠実。真面目。
- 用例
- チュニンジノー チャー マクトゥ ソーケー、アトー イークトゥン アサ(人間はいつも誠であれば、後はよいこともあるさ)。ナグウェーカター、ジコーナー マクトゥナチュ ヤミシェータン(名護親方は、とてももう誠実な人だった)。
マクトゥナムン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,比謝矼
誠な者。正直者。誠実な人。
- 用例
- ルク マクトゥナムン ナティ、ティーチン ユダノー サン(あまりにも正直者で、ちっとも気をゆるすことはない)。マクトゥナムン ナヤーニ、シーティン カテーヤーリーシェーソーネーラン(誠な者なので、強いて勝とうとはしないで)。トゥグチクラニーヤ マクトゥナムン ヤンシェーテールバーテー(渡具知倉根〈屋号名〉は正直者だったんでしょうね)。
- メモ
- 音2:マクトゥンチュ。類:マットーバー。
マクトゥンチュ 高志保
誠な人。正直者。誠実な人。
- 用例
- ヘンスーナムン タシキールアタイヌ マクトゥンチュ(貧乏者を助けるくらいの正直者)。
- メモ
- →マクトゥナムン。
マクブ 渡慶次,儀間,楚辺,古堅
魚名。ベラ科。鯛に類する上等な魚。
- 用例
- マギスーギ ヤティン、マクブヤ コーイ サンタン(大きな祝いでも、マクブは買えなかった)。
マグラー 楚辺
分からず屋。
- メモ
- 音2:マグリムン。
マグリーン 大湾
紙、布、皮膚などが皺〔しわ〕になる。
- 用例
- チンヌ マグリティ(着物が皺になって)。
マグリムン 大木
義理や道理が分からない者。分からず屋。
- 用例
- アレー マグリムン ヤグトゥ、ナー ジノー カラサン(あいつは義理や道理が分からない者だから、もう金を貸さない)。
- メモ
- →マグラー。
マクン 楚辺
巻く。
- 用例
- チナー ノーヤーニ マカーニ ヤチャクトゥ(綱は綯って巻いて焼いたから)。否:マカン(巻かない)希:マキブハン(巻きたい)過:マチャン(巻いた)継:マチョーン(巻いている)。
- メモ
- 音1:マチュン。
マコー 瀬名波
眉間。
- メモ
- →ヒッチェイ。夜、赤子を連れて歩くときは、魔除けとして眉間に*ナービヌヒングをつけた。
マサイン 喜名,渡慶次,儀間
勝る。優る。
- 用例
- チュヌ バイ ハタラケーカラー、ウッサヌ ブノー シクチン マサイン(人の倍働いたら、その分は技術も優る)。継:マサトーン(優っている)。
マサカイ 古堅
真っ盛り。
- 用例
- ジューグニチヌ チチヌ マサカイ ソーニ ヤタン(十五日の月が満月のときにだった)。
- メモ
- →サラバンジ。
マサグトゥ 比謝
案の定。
- 用例
- ンチャ、マサグトゥ ハナ フィッチャンディ(ほら、案の定くしゃみをしたそうだ)。
マササン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,古堅,大木
崇高な。崇高である。霊力高い。霊験あらたかである。
- 用例
- ウティントーヤ マササ ミシェーンドー(お天道は崇高なお方だよ)。マササ アミシェーン(霊験あらたかであられる)。マササ アミソーチ(霊験あらたかで)。
マシ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
好き。良い。まし。
- 用例
- マシ ヤラー ドゥークルル イールヨー、チュ タルガキテー ナラン(好きなら自分で言うんであって、人を当てにしていたら駄目だよ)。ワンネー ヒージャージロー、ヒージャーカジャ スシガ マシ ヤサ(私は山羊汁は、山羊の臭いがする方がいい)。マシ ヤンドー(好きだよ)。
マジ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
まず。
- 用例
- クトゥワラッティン シムグトゥ、マジ タヌリンディ(断られてもいいから、まず頼んでごらん)。ナティン ナランティン、マジェー シンダナ(出来てもできなくても、まずはやってみよう)。
マシシ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
赤肉。脂身のない肉の部位。
- 用例
- ウヮーヌ シシヤ マシシビカーンヤカ、イフェー アンラジシン マンチョーシェー マシ(豚肉は赤肉だけより、少しは脂身のある肉も混ざっていた方がいい)。
- メモ
- 対:アンダジシ・アンラジシ・シルビー(脂肉)。
マシドゥイ 喜名
枡取り。
- メモ
- 上納の穀物の量に不正がないように各字に役職があった。喜名ではグーフンニーに、そのマシドゥイを務めた人が祀られているという。正月三日に区民揃って「子孫繁盛、イェーキ繁盛、健康繁盛させてください」という祈願をした。
マジナクトゥ 楚辺
本当のこと。
- 用例
- マジナクトゥ アリガ ネービ シチンダリヤーニ(実際にあれの真似をしてみようと)。
- メモ
- →ソークトゥ。
マジムン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,波平,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,大湾,比謝矼
魔物。もののけ。霊的なもの。
- 用例
- マジムンヌ ゥンジーンドー スグトゥ、ユックィランマール ヘーク ケーラナ(魔物が出るというから、日が暮れないうちに早く帰ろう)。マジムンヌ タッチュンドー(魔物が立つ〈現れる〉よ)。
マジュン 楚辺,大湾
一緒に。
- 用例
- スリーカイ ヤラー マジュン イシェー マシ(集まりになら一緒に行く方がいい)。
- メモ
- 音2:マジョーン・マジョーイ・マジョーン・マンジュン・マンジョーン。
マジョーイ 座喜味
一緒に。
- メモ
- →マジュン。
マジョーン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
一緒に。
- 用例
- ワンニン マジョーン イチュグトゥ、シコーイル エーダヤ マッチョーケー(私も一緒に行くから、準備するまでは待っていて)。マジョーン アッチ イチャビラ(一緒に歩いて行きましょう)。
- メモ
- →マジュン。
マジョーンシンカ 座喜味,大湾
一緒に何かをするグループ。
マジリ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
間切。琉球王国時代の行政区分。
- メモ
- おおよそ現在の市町村域に相当する。
マジリムン 渡慶次,儀間
何か足りない時に補うもの。
- 用例
- ヌーガラ イキラサンネー シ、アトゥ ティーチェー マジリムン イリレーワ(何か物足りないような気がして、あとひとつは何か補うものを入れなさい)。
マジワイ 喜名,渡慶次,儀間
交わり。交際。
- 用例
- ドゥシンチャー マジワイヤ、ジフィ シワル ナイル(友達との交際は、是非やらなくちゃいけない)。
マジン 波平,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,古堅
①稲むら。②助数詞。~山。
- 用例
- ②ウヌ イニヤ チュマジンシ チャッサー アガヤー(その稲は、ひと山でどのくらいあるかな)。
- メモ
- ①音2:ゥンニマジン。②チュマジン(ひと山)、タマジン(ふた山)と数える。
マタ 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
股。ふたつにわかれているところ。
- 用例
- マタカイ ヌーガラ クヮーチョーシガ ヌー ヤガヤー(股に何か挟んでいるが何かな)。
- メモ
- 音2:マタバシ。
マタイチク 渡慶次,儀間,楚辺
親族語彙。またいとこ。はとこ。
- 用例
- アリトー マタイチクル ヤシガ、チョーデーヌグトゥ ヒラトーン(彼とはまた従兄弟なんだが、兄弟のように付き合っている)。
- メモ
- 音1:マタイチュク。
マタイチュク 座喜味
親族語彙。またいとこ。はとこ。
- メモ
- 音1:マタイチク。
マタガーバル
{又川原}。波平の小字。
マタガニー 瀬名波
がに股。
- メモ
- →ハッチャー。
マダク 村史
魚介名。マダコ。真蛸。
マタグルシ 渡具知,比謝
二度と起き上がれないほど懲らしめられる。
- 用例
- マタグルシ サリーン(叩きのめされ、二度と起き上がれないようにされる)。
- メモ
- 音2:マタシニ。
マタサカー 村史
針突文様の名称。
- メモ
- 類:ヤイヌサチ。5本の指に施された文様で槍の形をし、下の方で裂けている。→アマングヮー写真参照。
マタサン 喜名,渡慶次,儀間,牧原
まともな。上等な。
- 用例
- イクサユーネー、マタサル チン チチョーシェー チュイン ヲゥランタン(戦世には、まともな着物を着ているのはひとりもいなかった)。
マタシニ 渡具知
また死に。二度死に。二度と起き上がれないほど懲らしめられる。
- 用例
- マタシニ スンロー(また死にするよ)。
- メモ
- →マタグルシ。
マタトゥ 喜名,渡慶次,儀間
二度と。
- 用例
- ヤナクトー マタトゥ サンキヨー(悪いことは二度とするなよ)。
マタハーフジ 瀬名波
親族語彙。曾祖父。
マタバシ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾,大木
股ぐら。股。
- 用例
- マタバシンカイ、ニーブターガ ゥンジティ フックトーン(股ぐらに、おできができて腫れている)。
- メモ
- →マタ。
マタバシゴーヤク 座喜味,渡慶次,儀間,長浜,古堅
内股膏薬〔うちまたこうやく〕。
- 用例
- アレーナー マタバシコーヤクルヤルヨー(彼女はもうあっちについたりこっちについたり節操がないよ)。
- メモ
- 内股に貼った膏薬のように、あっちについたりこっちについたりして、節操のない人。
マタファーフジ 瀬名波,大湾
親族語彙。曾祖父。
マタンカー 喜名,渡慶次,儀間
真向かい。真正面。
- 用例
- マタンカーンカイ ヰッチョーシガ、ワッター ハーメー ヤサ(真正面に座っているのが、私のおばあさんだよ)。
- メモ
- →タンカー。
マタゥンマガ 喜名,波平,都屋,渡慶次,儀間
親族語彙。ひ孫。曾孫。
- 用例
- クリヲゥティ マタゥンマガヤ イクタイ ナトーガ(これで曾孫は何人ねぇ)。
- メモ
- →ヒゥンマガ。
マチ 大湾,古堅
してやられた。欺く。騙す。
- 用例
- マチウタッタサヤー(してやられたなあ)。マチウタットータン(してやられていた)。マチウタッタルムン(してやられてたな)。チュ マチウッチ(人を欺いて)。
マチ 喜名,楚辺
市。市場。
マチ 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
旋毛〔つむじ〕。
- 用例
- マチカイ、ニーブターヌ ゥンジトーン(つむじに、おできができている)。
- メモ
- →マーチュー。
マチ ウッチュン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
してやる。相手を仰向けにたたきつける。また、転じて相手を騙す。してやる。遣ってやる。思い通りにうまく片付ける。
- 用例
- チャー サットータルムン、チューネー マチ ウッチャンドー(いつもやられていたのに、今日こそはしてやったぞ)。チュラーサ マチ ウタッタン(完全に騙された)。
マチウキーン 喜名,渡慶次,儀間
待ち受ける。
- 用例
- ハナシヌ アグトゥ、シグトゥカラ ケーイニ チカク ヲゥティ マチウキーン(話があるから、仕事から帰る時に近くで待ち受ける)。否:マチウキラン(待ち受けない)希:マチウキーブサン(待ち受けたい)過:マチウキタン(待ち受けた)継:マチウキトーン(待ち受けている)。
マチカーバル
{松川原}。喜名の小字。
マチガイン 喜名,渡慶次,儀間
間違える。
- 用例
- クラサヌ ムヌン ミーラン、ミチ マチガタン(暗くてものも見えずに、道を間違えた)。否:マチガラン(間違えない)希:マチガイブサン(間違えたい)過:マチガタン(間違えた)継:マチガトーン(間違えている)。
- メモ
- →バッペーイン。
マチガタ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
町方。町。
- 用例
- コーイムン スラー、マチガター マシ ヤサ(買い物するなら、町の方がいいよ)。
マチカンティー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,大木,比謝矼
待ちかねること。
- 用例
- イャーガ ケーティ チューシ、チャッサ マチカンティー ソータグトゥ(あなたが帰ってくるのを、どんなに待ちかねていたことか)。クヮーシヌ ハイキュー マチカンティーソーン(お菓子の配給を待ちかねている)。
マチギ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,古堅
まつ毛。まつげ。
- 用例
- マチギヌ ミーンカイ イッチ カシマサン(まつ毛が目に入って違和感がある)。ケラマー ミーシガ、マチゲー ミーラン(慶良間島は見えるが、まつ毛はみえない〈灯台もと暗し〉)。ターンカイガ ニチャラー マチギヌ ナガハヨー(誰に似たのかまつ毛の長いこと)。
- メモ
- この場合の*カシマサンは違和感があるという意味で使われる。
マチゲー 喜名,渡慶次,儀間
間違い。誤り。
- 用例
- ウリンカイ マチゲーヤ ネーラニ(それに間違いはないでしょうね)。
- メモ
- →バッペー。
マチサージ 渡慶次,儀間,楚辺
薄めのタオル。
- 用例
- チブルカイ マチサージ マチュン(頭に薄いタオルを巻く)。
- メモ
- 対:ブクトーサージ(厚めのタオル)。
マチジ 長浜
長浜の地名。
- メモ
- マテージミチを歩いてきたら、マチジという休憩所で荷を下ろし休憩し、ムラを眺めた。ここは馬車は通れないくらい細い道。
マチジ 渡慶次,儀間,楚辺
頭上。真上。頂上。
- 用例
- マチジヤ ウッタンキヨー(頭のてっぺんは打つなよ)。
マチヂカサ 高志保
高志保の古い呼称。
- メモ
- 高志保は、マチヂカサ→ウチドゥマイ→タカムチ→タカシップと名称が変遷したとの伝承もある。
マチバーキ 渡慶次,儀間,楚辺
民具。小さなカゴ。
- 用例
- マチバーキカイ ゥンム イッティ ゥンジャスン(小さなカゴに芋を入れて出す)。
- メモ
- 直径20~30センチの小さな*バーキ、芋を量り売りする時に*カタバーキの上にマチバーキをのせて行った。
マチバカ 瀬名波
巻き墓。
- メモ
- 音1:マキバカ。
マチバル
{牧原}。牧原の小字。地名(読谷村牧原)。
マチバル ミーゥンマ 大湾,牧原
{まきばるめうま(牧原牝馬)}。字民性。牧原の人は雌馬のようにおとなしいこと。
- メモ
- 牧原は首里から移住させられた人達の集落で、50年したら帰すといわれたが、戦争になってしまった。言葉がゆっくりで、丁寧。あまりにもおとなしいので、「牧原雌馬」と言われた。
マチバルハンクー 伊良皆,大湾,古堅
植物。野牡丹〔のぼたん〕。
- メモ
- 実は完熟するとおいしかった。男子の亀頭に似て、実の皮が剥〔は〕げ中身があらわれることからそう呼ばれたのだろう。→ヌブタン。
マチバルンチュ 長浜
牧原の人。
マチブイカーブイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
巻きつき絡みつく様。うるさくつきまとう様。
- 用例
- クサヌ マチブイカーブイ シ(草が絡まって)。ワラビヌ マチブイカーブイ シ、ティーチン シクチェー メーネー アガカン(子どもがうるさくつきまとって、ちっとも仕事が捗らない)。
マチブイン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾
纏わりつく。絡み合う。複雑に入り込む。
- 用例
- マチブトークトゥ(まとわりついているので)。ワラビガ ティーガンマリ シ、イーチューガ マチブトーン(子どもが悪戯をして、糸が絡み合っている)。否:マチブラン(絡み合わない)過:マチブタン(絡み合った)継:マチブトーン(絡み合っている)。
マチボー 喜名,瀬名波
{まきぼう(巻き棒)}。棒術の一種。
- メモ
- 薙刀と槍が先頭に立って、そこを中心にして二手に分かれて巻いて行く。
マチホーイン 喜名,渡慶次,儀間
撒き散らす。
- 用例
- ワランチャーンカイ クミ アラーシーネー、スバヒランカイ マチホーインドー(子どもたちに米を洗わせたら、周辺に撒き散らすよ)。否:マチホーラン(撒き散らさない)希:マチホーイブサン(撒き散らせたい)過:マチホータン(撒き散らせた)継:マチホートーン(撒き散らせている)。
- メモ
- 音1:マキホーイン。
マチマーイ 高志保
練り歩き。
- メモ
- 波の上祭にはジュリ馬がマチマーイした。
マヂム 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
真心。
- 用例
- ワンネー チャー、マヂムカラ イャークトゥ ウムトーンドー(私はいつも、真心からお前のことを想っているよ)。イクチ ナティン、チョー マヂムル テーヒチ ヤル(幾つになっても、人間は真心が大切なんだよ)。
- メモ
- 対:アクシン・ヤナヂム(悪い心)。
マヂムン 比謝,大湾,古堅
積む。積み上げる。
- 用例
- ジョーグチンカイ ゥンニ マジムン(門の入り口に稲を積む)。マヂマットータン(積まれていた)。否:マヂマン(積まない)希:マヂミーブサン(積みたい)過:マヂダン(積んだ)継:マヂドーン(積んでいる)。
マチヤ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅,牧原
店。雑貨店。
- 用例
- アンマーヤ、ナゲーサ マチヤ ソータン(母は、長いこと店をやっていた)。ンカシェー クマー マチヤン ネーン、ナーファンカイル(昔はここは店もない、那覇へ<行っていた>)。
- メモ
- 音1:マチヤグヮー・マチヤー。
マチヤー 古堅
店。雑貨店。
- メモ
- 音1:マチヤ・マチヤグヮー。
マチャー 座喜味,古堅
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- →マーチュー。
マチャーシクジーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
まわりを掻き乱す。
- 用例
- ワランチャー ソーティ イチーネー、マチャーシクジーンドー(子どもたちを連れて行くと、まわりを掻き乱すよ)。
マチャースン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,比謝矼
立ち込める。まとわりつく。群れ集まる。
- 用例
- クルキブシ マチャーチョータン(黒煙を巻き上げていた)。マーチバーヌ オーサル アタラー、キブシ マチャーチョーン(松の葉が青かったのか、煙が立ち込めている)。クヮーシンカイ アイコーヌ マチャーチョーン(お菓子に蟻がたかっている)。ウッサヌチュヌ マチャーチョータルヤー(あんなに大勢の人がまとわりついていたね)。否:マチャーサン(まとわりつかない)継:マチャーチョーン(まとわりついている)。
マチヤグヮー 喜名,渡慶次,儀間
店。雑貨店。
- 用例
- マチヤグヮーヲゥティ アップリ コーティ トゥラスサ(雑貨店で飴玉を買ってあげるさ)。
- メモ
- 音1:マチヤ・マチヤー。
マチヤグヮーセー 村史
子どもの遊び。お店ごっこ。
マチヤヌバーン 喜名,渡慶次,儀間
店番。
- 用例
- ユージュカイ イチブサシガ、ターガラ マチヤヌバーン タヌマランガヤー(用事に行きたいんだが、誰か店番を頼めないかな)。
マチュー 大湾,古堅
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音1:マーチュー。
マチュン 伊良皆
待つ。
- メモ
- 音1:マッチュン。
マチュン 喜名,渡慶次,儀間
巻く。
- 用例
- イーチューガ マチブラングトゥ ヨンナー マチュン(糸が絡まらないようにゆっくり巻く)。否:マカン(巻かない)希:マチブサン(巻きたい)過:マチャン(巻いた)継:マチョーン(巻いている)。
- メモ
- 音1:マクン。
マチュン 喜名,渡慶次,儀間,大湾
①撒く。②蒔く。
- 用例
- ①ハルカイ ヤシェーヌ サニ マチュン(畑に野菜の種を蒔く)。②ナーンカイ ミジ マチュン(庭に水をまく)。否:マカン(まかない)希:マチブサン(まきたい)過:マチャン(まいた)継:マチョーン(まいている)。
マッカーラ 喜名,渡慶次,儀間
真っ赤。真っ赤に。
- 用例
- アカバナーヌ、マッカーラ サチ チュラサシヨー(ハイビスカスが、真っ赤に咲いて綺麗だことよ)。
- メモ
- 音1:マッカーラー。→アカマッカーラ。
マッカーラー 喜名,渡慶次,儀間
真っ赤。真っ赤なもの。
- 用例
- ティーヌ マッカーラー ナトーン(手が真っ赤になっている)。
- メモ
- 音1:マッカーラ。→アカマッカーラ。
マッカイ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
茶碗。お碗。
- 用例
- アンスカ ヤーサーネーングトゥ、グナマッカインカイ イリレー(そんなにお腹はすいてないので、小さなお碗に入れなさい)。
マッカイジューネー 儀間
碗に肉を入れて、親や叔父や叔母の家へ年の暮れの挨拶に行くこと。
マッカヤー 座喜味,長浜
植物。チガヤ。真茅。

- メモ
- →音1:マカヤ・マカヤー。
マックール 喜名,渡慶次,儀間,長浜
真っ黒。
- 用例
- ヒーカイ ヤキティ、マックール ナトーン(陽に焼けて、真っ黒になっている)。
- メモ
- 音1:マックールー。
マックールー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
真っ黒。真っ黒なもの。
- 用例
- マックールー ソーシ ムッチ クーワ(真っ黒くしたものを持ってきなさい)。
マックラシン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
真っ暗闇。
- 用例
- デンキン ネーランル アグトゥ、ユル ナイネー マックラシン ナイタン(電気もないんだから、夜になると真っ暗闇になった)。
- メモ
- →ウーグラシン。
マックヮ 喜名,高志保,渡慶次,儀間
枕。
- 用例
- ワンネー マックヮヌ ネーンネー ニンララン(私は枕がないと寝れない)。ユトール キーンカイ、アヌー マックヮヒチ(寄っている木に、あのう枕して)。
- メモ
- 枕は、建築中の家からセンダンやガジマルの木の切れ端を貰って作った。他に袋に籾殻を入れたものや、竹を編んで作った枕もあった。
マックヮバン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,古堅,大木
枕元。
- 用例
- マックヮバヌンカイ ハサングヮー ウチョーチーネー、マジムノー クーンサ(枕元にハサミを置いていたら、魔物はこないよ)。
マッコー 座喜味,伊良皆,都屋,楚辺,古堅
植物。ハリツルマサキ。
- 用例
- マッコーヤ、ヤシキンカイ ユー イーラットータン(ハリツルマサキは、屋敷によく植えられていた)。
マッコー 長浜
植物。ヒメクマヤナギ。
- メモ
- 熟した実は渋かったが、子どもたちがよく食べた。→ミジシップー。
マッコーヂャー 大湾
マッコー茶。
- メモ
- 終戦直後、香りがよいので煎ってお茶がわりにした。
マッサチ 喜名,渡慶次,儀間
真っ先。
- 用例
- ヌーガラ アイネー、マッサチニ ウヤカイル シラスルヨー(何かあったら、真っ先に親に知らせるんだよ)。
マッシーラ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,長田
真っ白。
- 用例
- アンシ ユグリトータルムン、アラタレー マッシーラ ナトーン(あんなに汚れていたのに、洗ったら真っ白くなった)。マッシーラ ナティ(真っ白になって)。マッシーラグヮー ソール(真っ白になっている)。
- メモ
- 音1:マッシーラー・マッシールー。
マッシーラー 喜名,渡慶次,儀間
真っ白。真っ白なもの。
- 用例
- イルヌ ハギティ、マッシーラー ソーン(色が抜けて、真っ白くなっている)。
- メモ
- 音1:マッシーラ・マッシールー。
マッシールー 喜名,渡慶次,儀間
真っ白。真っ白なもの。
- 用例
- アンスカ マッシールーヤ アランタヌ ハジ ヤシガヤー(そんなに真っ白なものではなかった筈だがなぁ)。
- メモ
- 音1:マッシーラ・マッシーラー。
マッスーグ 喜名,渡慶次,儀間
真っ直ぐ。
- 用例
- マッスーグ タッチョーケー(真っ直ぐ立っていろ)。
マッスーグー 喜名,渡慶次,儀間
①真っ直ぐなもの。②真っ直ぐな人。誠実な人。
- 用例
- ①ボーヤ、マッスーグー ソーシカラ ムッチ クーワ(棒は、真っ直ぐなものから持ってきなさい)。②アンシ マッスーグー ヤルヤー(とても誠実な人だね)。
マッタクー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
凧。
- 用例
- アチャヤ、マッタクー チュクラヤー(明日は凧を作ろうね)。
マッタラー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
鳥名。ツバメ。

- 用例
- ウッサヌ マッタラーガ、トゥリ チョールヤー(そんなにたくさんのツバメが、飛んできているね)。
マッチール 喜名,渡慶次,儀間
真っ黄色。
- 用例
- アヌ マッチール ソーシェー ヌー ヤガ(あの真っ黄色しているのは何ねえ)。
マッチールー 喜名,渡慶次,儀間
真っ黄色。真っ黄色なもの。
- 用例
- シバインカイ チカイヌ ヌヌ マッチールーンカイ スミーン(芝居に使う布を真っ黄色なものに染める)。
マッチャグヮー 座喜味
店。雑貨店。
- メモ
- 音2:マチヤ・マチヤー・マチヤグヮー。
マッチュン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
待つ。
- 用例
- ウヤヌ ケーティ チーガーター ナイネー、フカンカイ ゥンジティ マッチョーン(親が帰る頃になると、外に出て待っている)。否:マッタン(待たない)希:マッチーブサン(待ちたい)過:マッチャン(待った)継:マッチョーン(待っている)。
- メモ
- 音1:マチュン。
マットーバ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,渡具知,古堅,大木,比謝矼
真っ直ぐ。真っ当に。まともに。
- 用例
- マットーバ イチーネー、ワッター ヤーンカイ チチアタイサ(真っすぐに行くと、私の家に突き当たるよ)。マットーバ イチ(正直に言って)。マットーバ ナタン(まともになった)。クリンカイ マットーバ イーネー ナランムン(これにまともに言ったらいけないから)。マットーバ イレー(正直に言え)。
- メモ
- 音1:マットーバー。
マットーバー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
真っ直ぐな。正直者。誠実な人。
- 用例
- ヤーニンジョー、ムル マットーバー ヤサ(家族は、全員正直者だよ)。
- メモ
- →マクトゥナムン。
マッパダカ 喜名,渡慶次,儀間
裸。真っ裸。
- 用例
- マッパダカ ナティ、アマカイ ハイシェー ター ヤガ(真っ裸になって、あそこに行くのは誰ね)。
マッピルマ 喜名,渡慶次,儀間
真昼間。
- 用例
- アチサン アレー、マッピルマナーリー アッチ イチュンナー(暑いのに、真昼間から歩いて行くの)。
- メモ
- →アカルヒル。
マディ(~マディ) 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
~まで。
- 用例
- アママディ アッチ イチュン(あそこまで歩いて行く)。ウヤガ ケーティチュールマディ マッチュン(親が帰って来るまで待つ)。
- メモ
- 音1:~マリ。到達点(場所・時間など)を示す。
マディー(~マディー) 大湾
~を失って惑うこと。
- 用例
- ウヤマディー(親がどこにいるかと探し迷うこと)。ヤーマディー(迷子になること)。
- メモ
- 音1:~マリー。*ウヤ(親)や*ヤー(家)などの語の後ろについて、迷ってわからなくなった状態をあらわす。
マティグトゥ 瀬名波
待つこと。我慢すること。
- 用例
- トゥシ トゥイネー マティグトゥン チカン(年を取ると我慢することができない)。
マテーシ 長田
植物。甘藷の品種名。
マテージビラ 長浜
地名。坂の名。長浜の地名で急な坂。
- メモ
- サーターヤーモー付近からマテージビラという。
マテージミチ 長浜
長浜の道の名称。
- メモ
- 馬車も通れないような細くて急な坂道で、マテージビラともいう。
マテーシゥンム 楚辺
植物。甘藷の品種名。
マトゥ 喜名,渡慶次,儀間
的。
- 用例
- マトゥ ミガキティ ヤー ハンチュン(的をめがけて矢を射る)。
マトゥマイン 喜名,渡慶次,儀間
まとまる。
- 用例
- チューネー、ハナシーン マトゥマイサ(今日には、話もまとまるさ)。否:マトゥマラン(まとまらない)過:マトゥマタン(まとまった)継:マトゥマトーン(まとまっている)。
マトゥミーン 喜名,渡慶次,儀間
まとめる。
- 用例
- チューヲゥティ、ハナシー マトゥミーン(今日で、話をまとめる)。否:マトゥミラン(まとめない)希:マトゥミーブサン(まとめたい)過:マトゥミタン(まとめた)継:マトゥミトーン(まとめている)。
マニチャ 楚辺
まな板。
- メモ
- →マルチャ。
マヌジバル
{真之地原}。高志保の小字。
マヌチュン 大木
招く。
- 用例
- サンサーニ マヌチ(ススキを結んで作った呪具で招いて)。
マブイ 喜名,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,渡具知,比謝矼
魂。霊魂。
- 用例
- マブイル ウトゥチャラー、ウートゥルバイ ソーン(魂を落としたのか、気が抜けたようにぼんやりしている)。クスケーリーネー、マブイヤ トゥラランリヨー(クスケーと言ったら、魂は取られないってよ)。ワン マブイ トゥインチル ヤルイ(私の魂を取るってか)。
- メモ
- 音2:マブヤー。
マブイ ヌギーン 渡慶次,儀間,楚辺
魂が抜ける。たまげる。びっくりする。
- 用例
- スーガ ウビジ トーリティ マブイ ヌギタン(お父さんが急に倒れて、びっくりした)。
- メモ
- →タマシ ヌギーン。
マブイアカシ 瀬名波,長浜,楚辺
{まぶりあかし(魂離し)}。死者の霊魂を現世から引き離す儀式。
- メモ
- 音1:マブイワカシ。音2:マブイワカリ。葬式3日後か四十九日が終わった後に、近親者が集まり行う。餅や豆腐、水を供え、ススキ3本で*サンを作り、これで*ヤナムンを払い、外に投げる。そして水を3回額につけると*アカリトーン(分かれる)といわれた。または行うところもある。
マブイウシー 座喜味,波平,渡慶次,儀間,宇座,楚辺
背守〔せまも〕り。

- 用例
- アカングヮヌ チヌンカイ、マブイウシー チキーン(赤子の着物に、背守りをつける)。
- メモ
- 音2:マブヤーヲゥー。子どもの着物を仕立てる時は、魔除けとして背縫いの中央に赤布か赤糸で印を付けた。四角に縫い、中央を蝶型になるように縫い縮めた。
マブイウティ 親志,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大木,比謝矼
魂が体から抜け落ちて元気の無い様。
- 用例
- ヰーソーヌ ワラビ カマデーヤ マブイウティ ソーンディヌクトゥ ヤイビーグトゥ(亥年生まれの子カマデーは魂が抜け落ちたようですので)。マブイウティルソーラー トゥルバティ ムヌン イランナトーン(魂が抜け落ちているのか、黙り込んで物も言わなくなっている)。
- メモ
- 音2:マブイヌギ・マブヤーウティ。対:マブイグミ・マブヤークミ・マブヤーグミ(魂を取り戻すこと)。
マブイグミ 喜名,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,大木,牧原
{まぼりごめ(守り籠め)}。体から抜け落ちた魂を、再び体に取り戻すこと。
- 用例
- カマデーヌ マブイグミ スグトゥ、マブヤーメー シコーリ(カマデーの魂込めをするので、汁とご飯を準備しなさい)。マブヤー マブヤー ウーティクーヨー、タークー メーメー、タークー メーメー(魂よ魂よ追ってきなさい、蛸ご飯、蛸ご飯〈あげるよ〉)。
- メモ
- 音2:マブヤーグミ・マブヤークミ。対:マブイウティ・マブイヌギ・マブヤーウティ(魂が落ちること)。魂を落とした場所にその人の着物を持って行って、*イチチグン(5品)を供えて拝んだ。*マブイを落とした人の名前を呼んで呪文を唱え、*サン(ススキの呪具)でマブイを着物に拾い上げるような仕草を3回行う。その着物をマブイを落とした人に着せてから夕飯をあげた。
マブイヌギ 喜名
魂が体から抜け落ちて元気の無い様。
- 用例
- ヌーガラ ダティ、マブイヌギ ソーンネー アン(何かだるくて、魂が抜けているようだ)。
- メモ
- →マブイウティ。
マブイワカシ 喜名,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,大木
{まぶりわかし(魂分かし)}。{守り別し(まぼりあかし)}。死者の霊魂を現世から引き離す儀式。
- 用例
- マブイワカシヤ イチミトゥ グソーヤ ワカリーグトゥ、マブヤーヤ ナー ウーティアックナヨー(マブイワカシは生霊と死霊とは別れますので、魂はもう追い回して歩きますな)。マブイワカリヤヨ、イチミトゥ グソーンチュ ワカスルバー(マブイワカシはね、生きている人と死者を離すわけさ)。
- メモ
- 音1:マブイワカリ。→マブイアカシ。
マブイワカリ 渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
{まぶりわかれ(魂別れ)}。死者の霊魂を現世から引き離す儀式。
- 用例
- マブイワカリヤ、シジュークニチガ ウワティカラ ウヌユル スン(魂別れは、四十九日が終わった日の夜に行う)。
- メモ
- 音1:マブイワカシ。→マブイアカシ。
マフェー 長浜
真南。
- 用例
- 歌:ニシカジヌ フチネ マフェーヌ アブシマクラ、マフェカジヌ フチネ ニシヌ アブシマクラ(北風が吹いたら真南の畦を枕〈にして稲穂が垂れている〉、真南風が吹いたら北の畦を枕)。
- メモ
- 用例は*チクタルメーの5番と6番の歌詞。
マフクジヌヘイチョー 瀬名波
{まふくじのはいちゃう(真福地の盃)}。芸能。瀬名波に伝わる芸能で、四つ竹を持ち、紅型衣装を着て踊る。
- メモ
- 中国と交易があった頃、貿易船を持っていた儀保家の三男カナミは那覇に行き来していたので、そこで侍と一緒に歌舞の手ほどきを受け、後に後儀保家に養子になり、嫡子に歌、三線、孫に踊りを教えた。それが、瀬名波のしゅん童、笠踊り、手踊り、四つ竹(マフクジヌヘイチョー)であると伝えられている。
マフックヮ 座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
夏の暑い真昼。真昼間。
- 用例
- マフックヮゲーイ、アシビーガ イチュンナー(真昼間なのに、遊びに行くの)。
- メモ
- →ウーマフックヮ。
マブヤー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大湾,大木
{まぼりあ(守りあ)}。魂。霊魂。生きている人の魂。
- 用例
- マブヤーチキーン(魂を付ける)。ウヌ ワラベー マブヤール ウトゥチャガヤー(その子どもは魂を落としたのかな)。マブヤークミヤーヤ、マーヌ シマンカイン ヲゥタンド(魂込めをする者は、どこの集落にもいたよ)。
- メモ
- →マブイ。
マブヤー マブヤー ウーティクーヨー 喜名,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大木
魂よ魂よ、追ってきなさい。魂込めの呪文。
- 用例
- カマデー カマデー マブイ、ユーバン シコーテンドー、イユン メーン ムッチ チェーンドー、チューヌ ヒーネー カンナジ マブヤー チキーグトゥ クヌ ユーバン カミヨー、マブヤー マブヤー ウーティクーヨー(カマデーの魂よ、夕飯を準備してあるよ、魚も米も持ってきているよ、今日のうちには必ず魂を付けるからこの夕飯を食べてよ、魂よ魂よ追ってきなさい)。
マブヤーウティ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
魂が抜け落ちること。
- 用例
- ルク ウドゥルカシーネー、マブヤーウティ スンドー(余り驚かすと、魂が抜け落ちるよ)。
- メモ
- →マブイウティ。
マブヤークミ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大木
{まぼりあごめ(守りあ籠め)}。魂込め。体から抜け落ちた魂を、呪文を唱えるなどの祈願によって再び体に取り戻すこと。
- 用例
- マブヤークミ シーネー、チノー サンニチガ エーカー ケーランタン(マブヤークミをしたら、着物は3日間は着替えなかった)。
- メモ
- →音1:マブイグミ。
マブヤーグミ 喜名,長浜,大木,牧原
{まぼりあごめ(守りあ籠め)}。魂込め。体から抜け落ちた魂を、呪文を唱えるなどの祈願によって再び体に取り戻すこと。
- 用例
- マブヤーグミネー ユレーユーバンシ、バーケー ッシ カランドー(魂込めには寄り合い夕飯をして、皆で奪いあうようにして食べたよ)。
- メモ
- →マブイグミ。
マブヤーメー 喜名,波平,高志保,渡慶次,儀間,牧原
{まぼりあまい(守りあ米)}。魂込めをした時に食べさせる飯や汁、ご馳走のこと。
- メモ
- 魂込めをした後、皆揃ってマブヤーメーを食べると、マブヤーは喜んで帰ってくるという。
マブヤーヲゥー 村史
{まぼりあをぅ(守りあ苧)}。背守〔せまも〕り。

- メモ
- →マブイウシー。
ママ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
①まま。自由。思う通り。②共。一緒。③~まま。同じ状態であること。
- 用例
- ①ユヌナカネー、ママ ナラン クトゥガル ウーサル(世の中には、自由にならないことの方が多い)。②ワンネー、アンマートゥル ママ ナインドー(私は、お母さんと一緒になるんだよ)。③キサカラ ヰーママ、ヌーン スンデー サン(さっきから座ったまま、何もやろうとはしない)。タッチママ ヰジチンサン(立ったまま動きもしない)。
ママ~ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾,古堅
継〔まま〕~。
- 用例
- ママウヤ(継親〔ままおや〕)。ママチョーデー(義姉妹〔ぎしまい〕)。ママックヮ(継子)。
- メモ
- 血縁のない親子、兄弟姉妹の関係を意味する。
ママウヤ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
継親〔ままおや〕。
- 用例
- ワンネー ママウヤカイ スダティラッタシガ、イッペー カナサ サッタン(私は継親に育てられたが、とても可愛がられた)。
ママチョーデー 喜名,渡慶次,儀間
親族語彙。{ままきゃうだい(継兄弟)}。義姉妹〔ぎしまい〕。
- 用例
- ワッターヤ ママチョーデー ヤシガ、イッペー ナカー ユタサンドー(私たちは義理のきょうだいだが、とても仲はいいよ)。
ママックヮ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,古堅
継子。
- 用例
- ママックヮン ジチックヮン、ユヌグトゥ カナサ シ スダティーン(継子でも実子でも、同じように可愛がって育てる)。
マミク 楚辺,大湾,古堅
植物。クスノハカエデ。
- 用例
- マミクヤ、アンスカ ンチェー ンランサー(マミクは、そんなに見たことはないね)。
- メモ
- 音1:マーミク。→サフンギー。
マミクヮースン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
ごまかす。
- 用例
- チンスー ハカイヌ カージ、チュヌ ミー マミクヮースン(重量を測るたびに、人の目をごまかす)。否:マミクヮーサン(ごまかさない)希:マミクヮーシーブサン(ごまかしたい)過:マミクヮーチャン(ごまかした)継:マミクヮーチョーン(ごまかしている)。
マムイン 喜名,渡慶次,儀間
守る。護る。
- 用例
- ヰナグヌウヤ ヤレー、チャーシ ヤティン ドゥーヌ クヮ マムイン(女の親なら、どんなことをしても自分の子を守る)。否:マムラン(守らない)希:マムイブサン(守りたい)過:マムタン(守った)継:マムトーン(守っている)。
- メモ
- →カグサミーン。
マメー 喜名,渡慶次,儀間
真ん前。
- 用例
- マメーンカイ アシン カメーイサンナー(真ん前にあるのも探せないのか)。
マヤー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,大湾,古堅,大木,比謝矼,長田
猫。

- 用例
- マヤーヤ ニン ヒーネー、アトー ヌーシヌ ヌチ トゥインディ スンディ(猫は年月が経つと、後は主の命を取ろうとするらしい)。マヤーグヮーヤ シジャクトゥ(猫は死んだのでね)。
マヤーウスメー 瀬名波
子どもの遊び。かくれんぼ。着物に隠れて、人数と誰が入っているか言い当てる遊び。
- メモ
- →チンウスメー。5名5名のふたグループが、それぞれ2人を着物で隠し、その中に誰が入っているかを相手側にあてさせる。じゃんけんで負けた人が、着物で覆って隠れている人をあてっこした。
マヤーグチャー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
猫舌。
- 用例
- マヤーグチャー ヤグトゥ、シルヌ サマティカラ ヌムサ(猫舌だから、汁が冷めてから飲むよ)。
マヤーコートゥ 座喜味,長浜,大湾
猫の爪先。
マヤージク 楚辺
ふくろう。
- 用例
- マヤージクヤ、ユル ナイネー ゥンジティ チューン(ふくろうは、夜になると出てくる)。
- メモ
- 音1:マヤージクク。
マヤージクク 大湾
①フクロウ。②怒っているような仏頂面。フクロウのような無愛想で不気味な顔。
- 用例
- ①キーヌ イーンカイ、マヤージククヌ ヰチョーンドー(木の上に、フクロウがいるよ)。②マヤージククヌ グトーサ(〔仏頂面をして〕フクロウのようだ)。
- メモ
- 音1:マヤージク。
マヤースン 高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大木
惑わす。洗脳する。
- 用例
- アカマターヌ マヤーチヨー(アカマターが惑わしてね)。ミール マヤーサットーグトゥ(目を惑わされているんだから)。ウヮーン ナガカレー シーネー、アトー チュ マヤースンディ(豚も長いこと飼うと、後は人を惑わすそうだ)。否:マヤーサン(惑わさない)希:マヤーシーブサン(惑わしたい)過:マヤーチャン(惑わした)継:マヤーチョーン(惑わしている)。
マヤーヌジュークェー 渡具知
子どもの遊び。鬼ごっこ。
- メモ
- →イヌジュークェー。
マヤーンナ 村史
貝名。
マユ 高志保,渡慶次,儀間
墓の部分名称。雨垂にあたる部分。
- 用例
- ハカヌ マユヌ カキトーン(墓のマユが欠けている)。
- メモ
- 音2:ミーマユ。
マユジバル
{真与地原}。波平の小字。
マユナカ 喜名,渡慶次,儀間
真夜中。
- 用例
- チヌーヤ、マユナカル ケーティ チャル(昨日は、真夜中に帰ってきたんだよ)。
- メモ
- 音2:ユルユナカ。
マユヌタナカー 瀬名波
眉と眉との中間。眉間。
マリ(~マリ) 儀間
~まで。
- 用例
- ウンメーカラ ウスメーマリ ナゲー トゥンジャク サン(おばあさんからおじいさんまで、長いこと看病した)。
- メモ
- →~マディ。
マリー(~マリー) 喜名,渡慶次,儀間
~を失って惑うこと。
- 用例
- イーチマリー(窒息。息が詰まること)。
- メモ
- →~マディー。
マル 渡慶次,儀間,渡具知,比謝,大木
暇。時間。空いている空間、場所。
- 用例
- イャーガ マルヌ アイニ、カシー シーガ クーワ(お前が時間がある時に、加勢しにきてね)。マルヌ ネーン サク(暇もないくらいに)。アシブル マルヌ ネーン(遊ぶ時間が無い)。ハンター クシナチ ウヌ ウネー ヰシヤーニ、ドゥーヤ ウフマルヤン トゥクルンカイ ヰチ(崖を後ろにしてその鬼を座らせて、自分は広い所に座って)。マルヌ アル トゥクル(空いている所)。
マル 親志,古堅
普段。平常。
- 用例
- イャー ヰナグヌ ウヤーヤー、マルネー ウガマラン(お前の女の親はね、普段は会えない)。イャー ウヤヤー、アヌー マルネー ウガマランドー(お前の親はね、あのう普段は拝まれないよ<会えないよ>)。
マル~ 喜名,親志,渡慶次,儀間,渡具知,比謝,牧原,長田
①丸い。円形の。②丸ごと。すっかり。
- 用例
- ①マルヲゥーキ(丸い桶)原。②マルイユ ウサギーン(丸ごと魚を差し上げる)。マルゴーシ シ ムッチ クーワ(まるごと壊して持ってきなさい)。
マルイサー 渡具知
黒く固い石。
- 用例
- マルイサー フィーンカイ チューク ヤチャーニ(黒く固い石を火に強く焼いて)。
マルウブン 喜名,渡慶次,儀間
丸いお盆。
- 用例
- ワッタヤ マルウブン ティーチル アタル(私たちは丸いお盆一つしかなかった)。
マルケーティ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
まれに。たまに。
- 用例
- イチュナサグトゥ マルケーティル ウヤヌヤーンカイン イチー スンデー(忙しいから、たまにしか実家にも行けないよ)。
マルジケー 親志
普段づかい。
- 用例
- マルヂケーヤ サン(普段は使わない)。
マルジン 比謝
まとまった金。大金。
- 用例
- ナー ニヒャクエンリーネー マルジンヤグトゥ(もう二百円といったら大金だから)。
- メモ
- 音1:マルチジン。
マルチジン 親志
まとまった金。大金。
- メモ
- 音1:マルジン。
マルチャ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
まな板。

- 用例
- チカイ ヂューサヌ、マルチャン タッピラカー ナトーン(使いすぎて、まな板もぺしゃんこになっている)。
マルチャゲー 伊良皆
大晦日に食する大きく切られた肉。
- メモ
- 音2:マルチャジシ。類:トゥシトゥイジシ。大晦日に*ヤーヌヌーシが分厚く切った肉を二枚皿に入れて、家族それぞれに出し、家族が食べた後に仏壇に供えた。それで年越しをしたので*トゥシトゥイジシともいった。
マルチャジシ 喜名,親志,上地,渡慶次,儀間,瀬名波,大湾
大晦日に食する大きく切られた肉。
- 用例
- トゥシヌユールーネー、ティーヂカーンッシ マルチャジシ カムタン(大晦日には、手づかみでマルチャジシを食べた)。
- メモ
- →マルチャグェー。
マルッテン 喜名,渡慶次,儀間
丸っこく。丸々と。
- 用例
- フルン グナサヌ、マルッテン シ クェートーン(背も小さくて、丸っこく太っている)。
マルヌムン 喜名,渡慶次,儀間
間食。食間のおやつ。
- 用例
- タンメーンカイ、マルヌムン ウサギレー(おじいさんに、おやつを差し上げなさい)。
マルバイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜
まる出し。陰部などを露出していること。
- 用例
- ワラビ ヤティン、マルバイ シーネー ハジカサンドー(子どもでも、陰部を出していたら恥ずかしいよ)。
マルヒージー 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
常平生〔つねへいぜい〕。常日頃。
- 用例
- トゥナイヤ マルヒージーカラ、チャー マーサムン ビカーン カローン(隣は常平生から、いつも美味しい物ばかりを食べている)。
- メモ
- →チニヒーギー。
マルブシ 村史
針突文様の名称。
- メモ
- 丸い形をしているのでマルブシといわれた。→アマングヮー。
マルマル 喜名,渡慶次,儀間
合間。
- 用例
- シクチヌ マルマルニル、ウンナ ワジャー スルヨー(仕事の合間に、そんなことはするんだよ)。
マルワシリ 喜名,渡慶次,儀間
ど忘れ。すっかり忘れてしまう。
- 用例
- マルワシリ ッシ イカンタン(すっかり忘れてしまって行かなかった)。
マルヲゥーキー 牧原
{まるおけ(丸桶)}。豆腐を入れる大きな丸い桶。
マルンリー 喜名,渡慶次,儀間
ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- マルンリー シ、ヘーク チンケーレー(ずぶ濡れになって、早く着換えなさい)。
- メモ
- →シップートゥ。
マルゥンジャシ 喜名,渡慶次,儀間
丸出し。
- 用例
- イャーヤ、ウチナーグチ マルゥンジャシ ヤンヤー(お前は、ウチナーグチ丸出しだね)。
マンカーヒンカー 楚辺
まぜこぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- イルヌ マンカーヒンカー シ、ミーヌ イホーナー ナイン(色が混ざり合って、目が変になる)。
- メモ
- 音1:マンチャーヒンチャー。音2:マンキーマンキー。
マンガタミー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
しっかり荷物を肩に担ぐこと。
- 用例
- ニムチ ゥンブサギサ、マンガタミー シ ハイタン(荷物を重そうに、しっかりと肩に担いで行きよった)。
- メモ
- 仕事などを抱え込むことにもいう。
マンキーマンキー 親志
混ぜ混ぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- マンキーマンキー シーガーチー(混ぜ合わせながら)。
- メモ
- →マンカーヒンカー。
マンキーン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
混ぜる。
- 用例
- ヤマトゥグチ ヌーン マンキテー シーシー サンレー、ジョーイ ムスビー サビランドー(標準語なんかでも混ぜたりしてやらないと、とても理解し合えないよ)。ンチャンカイ シナ マンキーン(土に砂を混ぜる)。否:マンキラン(混ぜない)希:マンキーブサン(混ぜたい)過:マンキタン(混ぜた)継:マンキトーン(混ぜている)。
マングーイ 喜名,渡慶次,儀間
丸かじり。切らずにそのまま食べること。
- 用例
- トマトー マングーイ ッシ カロータン(トマトを丸かじりして食べていた)。
- メモ
- 音2:マングーチャー。
マングースヤーマ 座喜味,大湾
民具。マングースをとる仕掛け。
マングーチャー 古堅
丸かじり。切らずにそのまま食べること。
- 用例
- マンゴー マングーチャー シ カムン(マンゴーを丸かじりして食べる)。
- メモ
- →マングーイ。
マングラ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,牧原
頃。辺り。
- 用例
- ウヌ マングラヌ ムン(その頃のもの)。ユーフルヤーヌ マングラ(銭湯の近辺)。アヒーヤ アサ ヘーク ゥンジティ ハイタシガ、マーマングラ ゥンジョーガヤー(兄さんは朝早く出て行ったが、どこら辺りまで行っているのかな)。ワッターガ ジューハチマングラ アランタガヤー(私たちが18歳の頃じゃなかったかな)。
マンサージ 高志保,儀間,長浜
頭巾の一種。細長い布を後頭部から巻いて、前頭部で交差させて後ろで結ぶ。
- メモ
- かつては士族の被り物であったが、現在では*ヱイサーや棒術などの際にマンサージを巻いている。
マンサン 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大木
{まんさん(満産)}。出産祝い。
- 用例
- チャクシボージャー マンサンネー、ンナ メンソーリヨー(長男坊の出産祝いには、みんないらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 母子の体調に合わせて1週間後に行うところが多かった。親戚や隣近所の人たちは金品を持ち寄って家族と一緒に祝った。儀礼の終了を意味する仏教用語の「満散(まんさん)」の字を用いる場合もある。→クヮナシスーギ。
マンサン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{まんさん(満産)}。製糖作業の終了後の慰労会。
- 用例
- マンサングヮー サビーグトゥ、ユーサンレー ワッターンカイ メンソーリヨー(製糖終了祝いをしますから、夕方は私たちの家にいらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 音2:マンサングヮー・アザマンサン・ヲゥージマンサン・クミマンサングヮー。製糖が終わると字で豚をつぶして盛大に慰労会をした。字で行われる全体の製糖終了後の慰労会。闘牛なども行われた。個人の場合は*マンサングヮーといった。
マンサングヮー 伊良皆,楚辺
個人の製糖作業の終了祝い。
マンサンスージ 伊良皆,楚辺
{まんさんしゅくぎ(満産祝儀)}。出産祝い。
- メモ
- →クヮナシスーギ。
マンサンユーエー 大木
{まんさんいはひ(満産祝ひ)}。出産祝い。
- メモ
- →クヮナシスーギ。
マンジャーカーカー 喜名,渡慶次,儀間
物欲しそうにしている様。
- 用例
- ワランチャー マンジャーカーカー シミティ、ンナンカイ ワキティ トゥラシェー(子どもたちを物欲しそうにさせて、皆に分けてあげなさい)。
- メモ
- 類:ミミンジカカヤー。
マンジューウイ 波平
植物。パパヤ。
マンジュン 喜名,渡慶次,儀間,大木
物欲しげ。羨む。
- 用例
- ムヌ マンジュン(物欲しげに)。ヌーン ネーン、チャー チュヌムン マンジュン(何もなく、いつも人の物を羨む)。クヮーシ カローシ、ワランチャーガ マントーン(お菓子を食べているのを、子どもたちが物欲しげにしている)。
マンジュン 座喜味,楚辺,大木
一緒に。
- 用例
- マンジュン グー ナトーン(一緒に仲間になっている)。アンマサヌ、カムシトゥ マンジュン ハチ ネーラン(気分が悪くて、食べると同時にもどしてしまった)。
- メモ
- →マジュン。
マンジョン 楚辺
一緒に。
- 用例
- マンジョン ヤシガテー(一緒なんだがね)。
- メモ
- →マジュン。
マンズリー 長浜
勢ぞろい。
- 用例
- マンズリー シ メンソーチ ニフェーデービル(勢ぞろいしていただいて、ありがとうございます)。
マンダーチー 喜名,渡慶次,儀間
しっかりと抱く。抱きしめる。
- 用例
- クヮ マンダーチー シ、ソーティ ハイタン(子どもを抱きかかえて、連れて行った)。
- メモ
- 音1:マンラーキー。
マンタキ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
全部。丸ごと。
- 用例
- ワキランヨークー、マンタキ フーサン(分けずに、丸ごと欲しい)。
マンチャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
混ざっている様。
- 用例
- イルヌ マンチャー ッシ、シカンサー(色が混ざっていて、好きじゃないな)。マンチャー ヤティン シムン(混ざっていてもいい)。
マンチャーヒンチャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,渡具知
まぜこぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- ヌーンクィ マンチャーヒンチャー シ、ヌーガ ヌー ヤラ ワカラン ナトーン(何もかも混ざり合って、何が何だか分からなくなっている)。
- メモ
- →音1:マンカーヒンカー。
マンチュン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大木,長田
混ざる。
- 用例
- ヌーヤー マンチョーシェーヤー(何やら混ざっているさあね)。マッシールカイ アカーガ マンチュン(真っ白に赤が混ざる)。ヌーヤークィーヤー マンチョーンデー(色々混ざっているよ)。
マントーヲゥイ 楚辺
植物。ハヤトウリ。
- 用例
- マントーヲゥイヤ、イリチャー シ マーサタン(ハヤトウリは、炒めて美味しかった)。
- メモ
- →チャヨテ。
マンドーン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅,比謝矼
たくさんある。たくさんいる。
- 用例
- シシン マンドーン(肉もたくさんある)。ジンブノー マンリ(知恵があって)。ヤマカイ イチーネー、キーヌナイン マンドーン(山に行ったら、木の実もたくさんある)。否:マンドーネーン(たくさんない)過:マンドータン(たくさんあった)。
マンニー 喜名,渡慶次,儀間
{まるに(丸似)}。瓜ふたつ。そっくり。よく似ている。
- 用例
- ミッチャイチョーデー マンニー ソーン(三姉妹瓜ふたつだ)。
- メモ
- →チラティーチ。
マンヌムン 喜名,渡慶次,儀間,大木
丸飲みする。
- 用例
- マンヌマラン(飲み込めない)。クスイヤ ンジャサクトゥ、チュバチニ マンヌムン(薬は苦いので、一度に飲み込む)。否:マンヌマン(飲み込まない)希:マンヌミーブサン(飲み込みたい)過:マンヌダン(飲み込んだ)継:マンヌドーン(飲み込んでいる)。
マンハナチャー 大木
仰向け。
- 用例
- マンハナチャー シ ニントーン(仰向けに寝ている)。
- メモ
- 音1:マンハラチャー。対:ウッチントゥー(うつ伏せ)。
マンハラチャー 喜名,渡慶次,儀間
仰向け。
- 用例
- アカングヮヤ、マンハラチャー シ ニンシリヨー(赤子は、仰向けに寝かしなさいよ)。
- メモ
- →音1:マンハラチャー。
マンビカー 伊良皆,渡慶次,儀間,古堅
魚名。シイラ。
マンビラカー 喜名,渡慶次,儀間
尻をつけてべったり座り込む。
- 用例
- ヲゥタティル ヲゥラー、アマヲゥティ マンビラカー ソーン(疲れているのか、あそこで尻をつけて座り込んでいる)。
- メモ
- 音2:マンヒラキー・マンビラキー。
マンヒラキー 楚辺
尻をつけてべったり座り込む。
- 用例
- マンヒラキー シ チベー ドゥルブッター ソーン(尻をつけて座り込んだら、尻は泥だらけになっている)。
- メモ
- 音1:マンビラキー。→マンビラカー。
マンビラキー 喜名,渡慶次,儀間
尻をつけてべったり座り込む。
- 用例
- ジーカイ マンビラキー ソーン(地面に座り込んでいる)。
- メモ
- 音1:マンヒラキー。→マンビラカー。
マンブリ 喜名,渡慶次,儀間
すっかり惚れること。惚れ込むこと。
- 用例
- ワッター アッピーヤ、トゥナイヌ ネーサヌンカイ マンブリ ソーン(私の兄は、隣の姉さんにすっかり惚れ込んでいる)。
- メモ
- →ウチフリーン。
マンボーヤー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
腹這い。
- 用例
- アカングヮガ、マンボーヤー ソーン(赤ん坊が、腹這いになっている)。
- メモ
- 戦前の運動会の演目で、3年生以上は、木の鉄砲を持ってマンボーヤーになって進む(匍匐前進)のがあった。
マンマール 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大木
回り。周囲。
- 用例
- ドゥーヌ マンマール ユー カメーティ ンディ(自分の周囲をよく探してごらん)。
マンマールー 喜名,渡慶次,儀間
まん丸。
- 用例
- アンリッパ マンマールー カチェール(あんなにきれいにまん丸を書いたね)。
マンマン 喜名,座喜味,都屋,渡慶次,儀間,古堅
幼児語。ご飯。
- 用例
- マンマン カマヤー(ご飯を食べようね)。
マンラーキー 楚辺
しっかりと抱く。抱きしめる。
- 用例
- クヮーシ マンラーキー ソーン(お菓子をしっかり抱きしめている)。
- メモ
- 音1:マンダーチー。
マンリグヮサグヮサ 喜名,渡慶次,儀間
物が有り余っている様。
- 用例
- マンリグヮサグヮサ、ヌール トゥティ シムラー ワカラン(あり余るほどあるから、何を取っていいのか分からない)。

読込中...