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- しまくとぅば単語帳:サ
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サ(~サ) 儀間,楚辺,古堅
~さ。~よ。
- 用例
- ナマネー ワカトーサ(今度こそ分かったよ)。アイネーンッシ シムサ(あり合わせの物でいいよ)。ムッチ ケーイサ(持って帰るさ)。
サー 渡慶次,儀間,瀬名波
生まれ。生まれつきの性格。天性。性質。
- 用例
- イャーヤ ヌー サーヤガ(お前はなんの生まれね〈生まれ年はなにね〉)。アッター タイヤ ユヌ サーヤグトゥ アタランルアンレー(彼ら二人は同じ性質だから、合わないんだよ)。
サー~ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,古堅
少しの意を表わす。
- 用例
- サーハゴーハン(薄汚い)。サーフー(ほろ酔い加減)。
サー(~サー) 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
~なあ。
- 用例
- ヰーゴーサッサー(痒いなあ)。
サー(~サー) 喜名,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾,古堅,大木,比謝矼
~する人。
- 用例
- カシーサー(加勢をする人。手伝い人)。ウヮークルサー(豚を解体する人)。
- メモ
- →~ア(~ー)。
サーイ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,大木,長田
①障り。支障。②つわり。悪阻。
- 用例
- ①ヌーヌ サーイン ネーンサ(何の支障もないよ)。②ナー イクチチェー ナトーガ、ヤガテー サーイン ウサマイサ(もう何か月になったか、やがてつわりも治まるよ)。
サーイ 伊良皆,楚辺
日照り。旱魃。
- 用例
- クジュヌ サーイヤ、ヲゥーギカラ ヤシェーカラ ムルガリー ッシ デージヤタン(昨年の日照りでは、キビや野菜も全部枯れて大変だった)。
- メモ
- 音2:ヒャーイ。
サーイ(~サーイ) 宇座
~で。
- 用例
- ハーマヌ イシェー ユーチサーイ チッチャン(浜の石を石斧で切った)。
- メモ
- 音1:サーニ。類:~シ・~ッシ。使用する道具・材料を表わす。
サーイマキ 喜名,渡慶次,儀間
つわりが重いこと。重症悪阻。
- 用例
- サーイマキ チューサヌ、ムヌン カマン ヨーガリトーン(つわりがひどくて、食事もとれずに痩せている)。
サーイン 喜名,渡慶次,儀間
触る。
- 用例
- チュヌ ムノー、サーイン ナラン(人のものは、触ることもできない)。否:サーラン(触らない)希:サーイブサン(触りたい)過:サータン(触った)継:サートーン(触っている)。
サーカ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,楚辺,古堅,大木
①釈迦。サーカ神。②小利口。小賢しい。
- 用例
- ①サーカディル カメー クサミチ イェンチュ チュクイルバーテー(サーカという神は怒って鼠をつくるわけだ)。②ワラビヌ ルク サーカ ナティ、デージヤン(子どもがあまりにも小賢しくて、大変だ)。
サーカー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大木
小利口者。小賢しい者。
- 用例
- ウヌ サーカーヤ、ウフッチュヌ ムヌ イーンネー スッサー(その小利口者は、大人がものを言うみたいだなあ)。
サーカンケー 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,古堅,長田
境迎え。祭事や勤め、旅などの際にムラの境界で出迎えること。またその場所のこと。
- 用例
- タビカラ ケーティ チーネー、サーカンケーディチ ンナシ ンケーイタン(旅から帰って来ると、サーカンケーといって皆で迎えよった)。
サークー 波平,都屋
病人や離乳期の粥を作る時に使った手つき土鍋。
サーケー 喜名,渡慶次,儀間,長田
境界。境。
- 用例
- イカナ チョーデー ヤラワン、ジーヌ サーケーヤ リッパ シービチー ヤサ(例え兄弟でも、土地の境界はちゃんとやるべきだよ)。
サーサー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
①やりたがる様。②そわそわ。
- 用例
- ①チュガ ソーシ サーサー ッシ、ジャーフェー ヤッサー(人がやっているのをやりたがって、やっかいだ)。②ゥンマヲゥティ サーサーシーネー、ワンマリ ウティチカンサ(そこでそわそわしていると、私まで落ち着かないさよ)。
サーザートゥ 大木
さっぱり。すっきり。はっきり。清々しい。
- 用例
- イミンカイ サーザートゥ ゥンジトータン(夢にはっきりと出ていた)。
- メモ
- 音1:サージャートゥ。類:サッパツ・ミジタリティ。
サーシ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
①鍵。錠前。②墓口を開けるための穴。
- 用例
- ①クミグランカイ サーシ カキーン(米倉に鍵をかける)。
サージ 喜名,親志,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,牧原,長田
手拭い。タオル。
- 用例
- チラ ススイグトゥ、サージ ムッチ クーワ(顔を拭くから、手拭いを持ってきなさい)。アカサージ(赤手拭い)。
- メモ
- 音2:ティーサージ。
サーシディー 瀬名波
子どもの遊び。水鉄砲の造り方で、木の実を入れて飛ばした。
サーシヌクヮ 瀬名波,楚辺
{じょうまへのこ(錠前の子)}。錠前を開ける鍵。
サージャー 喜名,座喜味,伊良皆,渡具知,大湾,古堅
鳥名。サギ。鷺。
- 用例
- ターブックヮンケー、サージャーヌ ヲゥタグトゥヤー(田んぼに、鷺がいたからね)。
- メモ
- 痩せて首の長い人にもそういった。
サージャートゥ 喜名,都屋,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
さっぱり。すっきり。はっきり。清々しい。
- 用例
- アンシ サージャートゥ ソール ニーセー ヤルヤー(なんてすがすがしい青年だね)。スージン ウチナチ サージャートゥ ナタン(お祝いも終わってすっきりした)。
- メモ
- →音1:サーザートゥ。
サーシルー 楚辺
具のない汁。
- 用例
- ヤシェーヌ ネーンネー、チャー サーシルービカーン ヤタン(野菜がないと、いつも具のない汁だけだった)。
- メモ
- 音2:サビジル・ンナシルー。
サースーサースー 大湾
幼児語。撫でる様。さする様。
サースン 喜名,渡慶次,儀間
準備する。作る。
- 用例
- アチャ チカイシ サースン(明日使うのを準備する)。メームッティ シー サーチョーチュン(前もって準備しておく)。否:サーサン(準備しない)希:サーシーブサン(準備したい)過:サーチャン(準備した)継:サーチョーン(準備している)。
サーター 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
{さたう(砂糖)}。白糖。黒糖。

- 用例
- コーヒーンカイ サーター イリランレー、ワンネー ヌミーサン(コーヒーに白糖を入れないと、私は飲めない)。
- メモ
- 戦前は一般に黒糖のことをいった。
サーターアンダギー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
{さたうあぶらあげ(砂糖油揚げ)}。菓子名。小麦粉に砂糖や卵を加えて丸めて、油で揚げた菓子。

- 用例
- サーターアンダギーヤ カミーヤッサヌ グトゥ シ、イフェー グナク アギーシェー マシ ヤサ(サーターアンダギーは食べやすいように、少し小さめに揚げた方がいいよ)。
- メモ
- →アンダギー。瀬名波の事例は、「*マーアンダは高くて買えなかったので、豚の脂であげていた。甘味料は、サトウキビを絞って布でこした汁を利用していた」とのこと。
サーターアンダユー 楚辺
{さたうあぶらゆ(砂糖脂湯)}。黒糖と豚脂に湯をかけて混ぜたもの。
- メモ
- 子どもが風邪を引いたときに飲ませた。
サーターウーサー 波平,高志保
砂糖運搬人。
サーターガーミ 楚辺,大湾
{さたうがめ(砂糖甕)}。民具。自家消費用の黒糖を保存した甕。
サーターカバサギー 長浜
植物。ネズミモチ。
- メモ
- 音2:サーターギー。葉を揉むと黒糖の匂いがする。
サーターギー 座喜味,楚辺,大湾
植物。ネズミモチ。
- 用例
- サーターギーヌ ハー ムミーネー、サーターカバ スン(ネズミモチの葉を揉むと、甘い香りがする)。
- メモ
- →サーターカバサギー。
サーターグミ 伊良皆
製糖組。共同で製糖作業をするために組織された組。
- メモ
- *ヒーメーサー(火廻りの係)1人、*シージョー(製造)1人、*ヲゥージクヮーサー(キビを圧搾機に差し込む係)2人など6名から7名が、朝3時頃から午後7時頃まで作業をし、1日6丁から7丁製造した。サトウキビの収入は大きいので、製糖時期になると数名でひと組になって製糖を行った。
サーターグルマ 喜名,座喜味,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
{さたうくるま(砂糖車)}。甘蔗の圧搾車。
- 用例
- サーターグルマンカイ ティーンレー ハサミーネー、デージドー(砂糖車に手でも挟んだら、大変だよ)。
- メモ
- 読谷村では1882年(明治15年)に移入された圧搾車を喜名村の上地加那が使用したのが最初。
サーターコーヤー 大湾
砂糖商。砂糖を買う人。
サーターザキ 座喜味
{さたうざけ(砂糖酒)}。甘酒。
- メモ
- *ジュールクニチャー(旧1月16日)に男性はサーターザキ(甘酒)を持ち寄った。
サーターシー 喜名,楚辺
製糖作業のこと。
- 用例
- アチャヤ、シージャヌ サーターシー カシー シンガ イクン(明日は、兄の製糖作業を手伝いに行く)。
サータージル 大湾
サトウキビの汁。
サーターダーグ 牧原
{さたうだんご(砂糖団子)}。盆に仏壇へ供える砂糖の入った団子。
- メモ
- 旧盆のウークイの昼に牧原では、砂糖の入った団子を供える。→ウークイダーグ。
サーターダムン 親志,座喜味,伊良皆,上地,瀬名波,楚辺,古堅,牧原,長田
{さたうだもの(砂糖炊物)}。製糖作業に使う薪。
- メモ
- 長浜の山の木々はサーターダムンに使っていたので、日常生活用の燃料には枯れ葉や蕨〔わらび〕を使うことが多かった。
サーターダル 親志,座喜味,伊良皆,上地,瀬名波,楚辺,古堅,牧原,長田
{さたうだる(砂糖樽)}。黒糖を詰める樽〔たる〕。
- メモ
- 音2:タルガー。
サーターティンプラー 渡慶次,儀間,古堅,長田
{さたうてんぷら(砂糖天婦羅)}。菓子名。小麦粉に砂糖や卵を加えて丸めて、油で揚げた菓子。
- メモ
- →アンダギー。
サーターデー 親志,座喜味,伊良皆,上地,瀬名波,楚辺,古堅,牧原,長田
製糖代。
- メモ
- 昭和初期までは砂糖商人と農家の直接取引だった。
サーターナービ 親志,座喜味,伊良皆,上地,瀬名波,楚辺,古堅,牧原,長田
{さたうなべ(砂糖鍋)}。民具。黒糖を製造するときに使う大鍋。
サーターマール 親志,座喜味,伊良皆,上地,瀬名波,楚辺,古堅,牧原,長田
{さたうまはる(砂糖回る)}。製糖作業の順番が回ってくること。
サーターヤー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,古堅,牧原,長田
{さたうや(砂糖屋)}。製糖小屋。
- 用例
- キリストヤ ハナリテー ナランリチ、ドゥークルー サーターヤーン チュクタンドー(キリスト教信者は離れてはいけないといって、独自に製糖小屋も造ったよ)。
- メモ
- 喜名には12軒のサーターヤーがあり、そのうち10軒が組で経営し、あとの2軒は個人経営であった。長浜には8軒のサーターヤーがあり、1組6,7軒で構成されていた。
サーターヤーウガン 比謝
{さたうやおぐゎん(砂糖屋御願)}。行事。12月吉日に行われた製糖小屋での御願。
サーターヤーマカネー 座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
{さたうやまかなひ(砂糖屋賄ひ)}。製糖時の賄い。
- 用例
- サーターヤーマカネーヤ アンダカシートゥ トーフ、ンスナバー イッティ シル ワカチ マカナイタン(製糖時の賄いはアンダカシーと豆腐、フダン草を入れて汁を作って賄いよった)。
サーターヤーモー 瀬名波,長浜
{さたうやまう(砂糖屋毛)}。製糖小屋のある広場。
- メモ
- 音2:サータイモー。
サーターヤシチ 波平
{さたうやしき(砂糖屋敷)}。製糖作業敷地。
- 用例
- ドゥークルー、サーターグルマン サーターヤシチン ムッチョータンドー(自分たちで、圧搾機も製糖作業敷地も持っていたよ)。
サーターヤシチバル
{砂糖屋敷原}。高志保の小字。
サーターユー 座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
{さたうゆ(砂糖湯)}。サトウキビの汁を沸騰させたもの。砂糖を混ぜた水。
- 用例
- サーターユーヤ ヒーハイネー、ジコー ヌクタマイタン(サーターユーは寒いときには、とても体が温まりよった)。
サータイモー 瀬名波
製糖小屋のある広場。瀬名波の小地名。
- メモ
- →サーターヤーモー。
サーダカサン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
{せいだかさあり(精高さあり)}。霊力が高い。またはその人。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ サーダカサン(隣のおばあさんは霊力が高い)。
サーダカゥンマリ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
霊力高く生まれた人。
- 用例
- ウヌ ワラベー サーダカゥンマリ ナティ、ワンネー シワレー(その子どもは霊力が高く生まれて、私は心配だよ)。
サーダキ 村史
よく熟した竹。
- メモ
- 紙鉄砲を作るのにも用いられた。
サーダマギー 長浜
植物。サンゴジュ。
- メモ
- 類:ササガー・タマグヮーギー。*ササ(魚をとるための毒)として川に流した。
サーナーゲーリー 瀬名波
{さながへり(逆返リ)}。でんぐり返り。
- メモ
- 類:チンターゲーイ・チンプルゲーイ。
サーニ(~サーニ) 喜名,儀間,楚辺,古堅
~で。
- 用例
- ダキグヮーサーニ フス チヂュタン(竹で臍の緒を処理していた)。ワラサーニ ガントゥ チュクトーン(藁で輪型の敷物を作っている)。
- メモ
- →音1:~サーイ。使用する道具・材料を表わす。
サーハゴーハン 楚辺
薄汚い。
- 用例
- アリガ ヤーヤ ティーチン ソージェー ヒチェー ネーラン、サーハゴーハヌ ヒサン イリララン(彼の家はちっとも掃除がされてなく、薄汚くて足も入れられない)。
サーフー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,古堅
ほろ酔い加減。ほろ酔いの様。
- 用例
- イッター スーヤ、アマカラ サーフー シ アッチ ハイタンドー(お前の親父は、あそこからほろ酔い加減で歩いていきよったよ)。
- メモ
- 音2:サーフーフー。
サーフーフー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
ほろ酔い加減。ほろ酔いの様。
- 用例
- サーフーフー シ、アンシ イーヤンベーギサルヤー(ほろ酔い加減で、とても気持ちよさそうだね)。
- メモ
- →サーフー。
サーフン 長浜
すり鉢。
- メモ
- 各家にあった線の入った赤い色の鉢で普段は使わないが、*シチビ(節日)に、少量の餅や*ウチャヌクを作るときに使った。
サーヤーサーヤー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
{さわりあさわりあ(触りあ触りあ)}。撫でまわす様。
- 用例
- アンチュカナー サーヤーサーヤー サンケー(そこまで撫でまわすな)。
サーユー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
白湯〔さゆ〕。
- 用例
- クチニーサヌ ムヌン カマランラー、サーユー ヤティン ヌメー(食欲がなく食事も取れないなら、白湯でも飲みなさい)。
サーラ 座喜味,瀬名波
ささら。たわし。
サーラ 高志保,渡慶次,儀間,楚辺
魚名。サワラ。
- 用例
- サーラヤ サシミシン マーサンドー(サワラは刺身にしても美味しいよ)。
サーラカハン 楚辺
霊力が高い。またはその人。
- 用例
- ワラビヌ サーラカハヌ シワヤサ(子どもが霊力が高くて心配だ)。
サーラクヮッタイ 喜名,渡慶次,儀間
さっさと。
- 用例
- サーラクヮッタイ カタヂキラニ(さっさと片づけないか)。
- メモ
- →ガサナイ。
サーラナイ 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾
勢いよく。物事がはやく進む様。勢いよく流れる様。
- 用例
- ナーファンカイン マーンカイ ヤティン、シグ サーラナイ ヤサ(那覇にでもどこにでも、さっと行ってくるさ)。カーラヌ ミジヌ サーラナイ ナガリトーン(川の水が勢いよく流れている)。
サールー 喜名,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
猿〔さる〕。
- 用例
- サールーヤ チブルヌ チリトーグトゥ、ミークゲーン ナラン(猿は頭がいいから、目も離せない)。
- メモ
- サルのように木登りが上手な人にもいった。
サーレー サングヮン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{さわればさんぐゎん(触れば3貫)}。少し触るだけですぐに泣くこと。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ サーレー サングヮン、ムヌン イララン(その子どもは触っただけで泣くから、物も言えない)。
サーンパー 喜名,渡慶次,儀間
やりたがらない様。
- 用例
- ムル サーンパー シーネー ターガ スガ(皆やりたがらないんなら誰がやるか)。
サイ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,古堅
もし。目上の人への呼び掛けや話の最後に添える語。
- 用例
- ターリー サイ(お父さん)。エー サイ(もしもし)。
- メモ
- 類:タイ。男性はサイ、女性はタイを使うといわれているが、読谷では男女の区別なく、サイを使うという地域が多い。
サイタムン 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾
愚か者。変な人。
- 用例
- ドゥーヌ クトゥン ワカラン、ミッタ サイタムン ヤッサー(自分がやっていることも分からないで、本当に愚かな人だ)。
サカ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
逆さ。
- 用例
- キーカラ サカ ナティ ウティータン(木から逆さになって落ちよった)。
サカイガフー 高志保
{さかえがほう(栄え果報)}。繁栄。
- 用例
- サカイガフー シ(繁栄して)。
サガイグヮー 座喜味
低くなった所。
サガイティーダ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{さがりてだ(下がり太陽)}。落日。西日。落陽。夕日。
- 用例
- ワームン ジャーヤ サガイティーダヌ チューサヌ、アチサヌ フシガラン(私の部屋は西日が強く、暑くてたまらない)。
- メモ
- 対:アガイティーダ・アガイティーラ(朝日)。
サガイティーラ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
{さがりてだ(下がり太陽)}。落日。西日。落陽。夕日。
- 用例
- サガイティーラヌ ミンチラサヌ、ムヌン ミーラン(夕日が眩しくて、何も見えない)。
- メモ
- 音1:サガイティーダ。対:アガイティーラ(朝日)。
サガイマチ 村史
店じまいが近づく時間帯。
- メモ
- サガイマチには値段を負けてくれる店が多かった。
サガイン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
下がる。ぶら下がる。
- 用例
- キーヌ ユダンカイ サガイン(木の枝にぶら下がる)。否:サガラン(下がらない)希:サガイブサン(下がりたい)過:サガタン(下がった)継:サガトーン(下がっている)。
- メモ
- 音2:ヒッサガイン。対:アガイン(上がる)。
サガイン 喜名,渡慶次,儀間
掛で買う。
- 用例
- ジノー ネーラングトゥ シナムン サガティ コーイン(お金がないから品物を掛で買う)。
サカジチ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
盃。
- 用例
- ワームン サカジチン ウキトゥティ トゥラシ(私の盃も受け取ってくれ)。サカジチ ウキティ クーワ(盃を受けて来なさい)。
サカスン 比謝
拵〔こしら〕える。捌〔さば〕く。
- 用例
- イユ サカチ トゥラシェー(魚を捌いてくれ)。
- メモ
- →クシレーイン。
サカドゥミ 儀間
{さかどめ(逆止め)}。坂止め。
- メモ
- 荷馬車のハンドブレーキに該当する箇所。
サカナヤー 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
肴屋。料亭。
- 用例
- チャクシヤ ソーン イラン サカナヤービカーン カユティ、ジン ムル ウッチカティ ネーラン(長男は性根もなく料亭ばかり通って、お金を全部使い果たしてしまった)。
- メモ
- 1922年(大正11年)に比謝矼に*ウシマチが開設されると、各地から牛買いが押し寄せ彼等に食事を提供する*マカネーヤー(飲食店)もでき、牛売買の*ムイスー(売買契約宴)の場としてサカナヤー(料亭)もあった。
サカマチギ 喜名,渡慶次,儀間
逆まつげ。
- 用例
- サカマチギヌ ミーンカイ イッチ ヤムン(逆まつげが目に入って痛い)。
サカミジ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
{さかみづ(逆水)}。逆湯。湯灌〔ゆかん〕に使うための水に湯をつぎ足したもの。
- 用例
- ヘーク サカミジン シコーリヨー(早く逆水も準備しなさいよ)。
- メモ
- 音2:サカゥンベー。湯灌に使う水は*ゥンブガーから汲んできて、ヤカンの蓋を開けて湯を沸かした。
サカムニー 喜名,渡慶次,儀間
{さかものいひ(逆物言ひ)}。あべこべに言うこと。反対の事ばかり言う人。
- 用例
- サカムニービカーン スグトゥ、ソーチモー ワカラン(反対のことばかり言うから、本心は分からない)。
- メモ
- 心にもないことを言い、実際に自分が思っていることを言わないこと。
サカヤ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,長浜,大湾
酒屋〔さかや〕。酒造所。
- 用例
- アマー サカヤシ モーキトータン(あそこは酒屋で儲けていた)。
サガヤーギンジュー 村史
昆虫。トンボの一種。竹によく下がっていた。
サガリバナ 座喜味
植物。サガリバナ。サワフジ。
- メモ
- 田の畦〔あぜ〕を支えるためにも植えた。
サカワイ 楚辺,大湾
馬具名。鞦〔しりがい〕。鞍から尻尾にかける緒。
- メモ
- 競馬用の馬には紐を編んで飾り付けた。
サカンキ 楚辺
逆剥け。ささくれ。さかむけ。
- 用例
- イービヌ アルッサ サカンキ ナトーン(指全部にささくれになっている)。
サカングヮ 喜名,渡慶次,儀間
逆子。
- 用例
- サカングヮ ヤティカラ、イサヌヤー カカイシル マシヤル(逆子なら、病院で診てもらった方がいいよ)。
サカンジェーク 瀬名波
左官大工。
サカゥンベー 渡慶次,儀間,楚辺
{さかおばい(逆御水)}。逆湯。湯灌〔ゆかん〕に使うための水に湯をつぎ足したもの。
- 用例
- サカゥンベーヤ ヒジュルミジ イッティカラ、ユー ゥンベーイン(逆水は冷たい水を入れてから、お湯を足す)。
- メモ
- →サカミジ。
サキ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
酒。

- 用例
- サキ コーティ ッチ、ンナシ ヌムン(酒を買ってきて、皆で飲む)。
サキ 楚辺
先。
- 用例
- ウリガ サケー ハジヌクトー ムル ウマーンタンディ(その前は恥ということは全く思わなかったって〈知らなかったって〉)。
- メモ
- 音1:サチ。
サキアブシバレー 楚辺
{さきあぶしばらひ(先畦払ひ)}。行事。旧4月15日、16日の2日間にわたって行なわれる畦払いの初日、15日に行なわれる畦払い。
- 用例
- サキアブシバレーヤ シングヮチジューグニチ ヤサ(先畦払いは旧4月15日だよ)。
- メモ
- →アブシバレー。
サキーン 喜名,渡慶次,儀間
避ける。
- 用例
- アヌ ヒャーヤ イチャイブサー ネーンル アラー ワン サキーンドー(あいつは会いたくないのか私を避けるよ)。否:サキラン(避けない)希:サキーブサン(避けたい)過:サキタン(避けた)継:サキトーン(避けている)。
サギーン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾
下げる。ぶら下げる。
- 用例
- ナー イフェー シチャンカイ サギティンリ(もう少し下に下げてごらん)。否:サギラン(下げない)希:サギーブサン(下げたい)過:サギタン(下げた)継:サギトーン(下げている)。
- メモ
- 対:アギーン(上げる)。
サギーン 喜名,渡慶次,儀間,大湾
下痢する。腹を下す。
- 用例
- ドゥク ヒジュルムン カミーネー サギーンドー(あんまり冷たい物を食べると腹を下すよ)。継:サギトーン(下痢をしている)。
- メモ
- →クス ヒーン。
サキガーミ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾,古堅
民具。酒甕〔さけがめ〕。
- 用例
- アレー、サキガーミ イクチン アチミトーン(彼は、酒甕をいくつも集めている)。
サキガク 喜名,親志,渡慶次,儀間
{さけがく(酒がく)}。アルコール依存症。アルコール中毒。
- 用例
- ワー ヲゥトー サキガク ナティ ヤクン タッタン(私の夫はアルコール依存症で役も立たない)。
サキカジャ 喜名,渡慶次,儀間,長浜
酒の匂い。
- 用例
- サキカジャ シーネー、シクチカイヤ イカランドー(酒の匂いがすると、仕事には行けないよ)。
サギガタミ 喜名
{さげかつぎ(下げ担ぎ)}。龕に乗せずに棺桶に綱を通して担ぐこと。
- メモ
- *クンチャーが亡くなった場合にはサギガタミをして本墓には入れずに仮墓に入れた。
サキクェー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
{さけくひ(酒喰ひ)}。酒飲み。飲んだくれ。
- 用例
- サキクェー スーヤ、チューン シクチ ユックトーン(飲んだくれの親父は、今日も仕事を休んでいる)。
サキグシ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
酒癖。
- 用例
- サキグシ ワッサイネー、ドゥシサーン ヲゥラン ナインドー(酒癖が悪いと、友達する人もいなくなるよ)。
サギグスイ 喜名,親志,渡慶次,儀間,大湾
{さげぐそり(下げ薬)}。熱やのぼせ等を和らげる薬。
- 用例
- ニチヌ チューサヌ、サギグスイ ヌマチャン(熱が高くて、熱を和らげる薬を飲ませた)。
サキグヒン 楚辺
{さけごへん(酒小瓶)}。酒瓶。
- 用例
- イッスビヌンカイ イッチョール サキヤ、ゥンマンカイ アヌ サキグヒヌンカイ ワキティ ウッチョーケー(一升瓶に入っている酒は、そこにある小瓶に分けておきなさい)。
サキジャー 喜名,儀間,古堅
酒の座。
- 用例
- サキジャーヲゥティ、ウタタイ モータイ ソータン(酒の席で、歌ったり踊ったりしていた)。
サギジャラ 大湾
{さげざら(下げ皿)}。ご飯を碗から碗に移すこと。
- 用例
- サギジャラ シェー ナランドー(ご飯を碗から碗に移してはいけないよ)。
- メモ
- 托鉢に来た者にほどこすように、食卓でご飯を碗から碗に移すことは嫌われた。
サギジョーキ 座喜味
{さげざる(下げ笊)}。民具。柄がついた蓋付きザルで胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げる。

- メモ
- 音1:サギジョーキー。音:ティージョーキー。
サギジョーキー 親志,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
{さげざをけ(下げ笊)}。民具。柄がついた蓋付きザルで胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げる。

- 用例
- フミチヌ チューサグトゥ、トーホー ヘーク サギジョーキーンカイ イッティ サギトーキヨー(暑気が強いから、豆腐は早くサギジョーキーに入れて下げておきなさい)。
- メモ
- 主に豆腐や天ぷらなどの保存に使用され、風邪通しのよい場所に吊り下げられた。また、食べ物を虫や鼠などの被害にあわないようにするためのものでもあった。→音1:サギジョーキ。
サキジョーグー 喜名,親志,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
酒上戸。酒好き。
- 用例
- ジコー イーニーセー ヤシガ、サキジョーグー ナティヤー(とてもよい青年だけど、酒好きになってね)。タンメーヤ サキジョーグー ヤミシェータン(おじいさんは酒が好きでした)。
サキチューカー 楚辺
{さけちょか(酒ちょか)}。酒を入れる急須。
- 用例
- サキチューカーヤ カラ ナトーシガ(サキチューカーは空になっているよ)。
サギディール 渡慶次,儀間,楚辺
{さげでろ(下げ手籠)}。民具。蓋付きカゴで胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げる。
- 用例
- サギディールンカイ トーフソーナ ムン イリータン(サギディールに豆腐ようなものを入れよった)。
- メモ
- 音2:フタディール。
サキトゥジ 楚辺
{さきとじ(先刀自)}。先妻。
- 用例
- アヌ サキトゥジヌ ヤーンカイ クーヤーニ(あの先妻の家に来て)。
- メモ
- 音1:サチトゥジ。音2:サチドゥミ・サキドゥミ。
サギトゥバスン 喜名,渡慶次,儀間
ひどく腹を下している様。
- 用例
- チヌーカラ サギトゥバチ アンマサン(昨日から下げっぱなしで気分が悪い)。否:サギトゥバサン(下さない)過:サギトゥバチャン(下した)継:サギトゥバチョーン(下している)。
サキドゥミ 楚辺
先妻。
- 用例
- チャクシェー イーヌンシェー サキドゥミヌ クヮ(長男はいわば先妻の子)。
- メモ
- →音1:サキトゥジ。
サキナラメーナラ 楚辺
{さきならむまえならむ(先成らむ前成らむ)}。人より先に出ようとすること。
- 用例
- アレー チャー サキナラメーナラ ヒチ、ミートー ネーン(彼はいつも人より先になろうとして、みっともない)。
- メモ
- 音2:サチナイメーナイ・サチナラナラ。
サキヌハナ 座喜味
{さけのはな(酒の端)}。泡盛の出来立ての最初の酒。
サキヌマー 高志保
酒飲み。
サキビン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
酒瓶。
- 用例
- クチャカイ イクチン サキビンヌ ナラビラットーン(裏座にい幾つも酒瓶が並べられている)。
サキホー 楚辺
先方。相手方。
- 用例
- マジェー サキホーンカイ トゥーティカラ、キミラリーハニヤー(まずは先方に確認してから、決められるんでしょうね)。
サキムイ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,比謝矼,牧原,長田
{さけもり(酒盛り)}。結納。嫁乞いが済んで、双方の親戚一同が婚約を確認する儀式。
- 用例
- イャームン サキムイネー、カンナジ ワッター ヤーニンジュン アビティ アヤカーラシヨーヤー(お前の結納のときには、必ず私たち家族も招待してあやからせてね)。
- メモ
- 類:クファンムイ。結納が済むと婚姻が成立したとみなされ、男が女の家に通って労働力を提供すしたり、男が女を迎えて家に泊め、翌朝、女は婚家の朝食を準備してから実家に帰ることもあった。
サキムイチンムー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- 用例
- サキムイチンムーッシ、ウミナーク ナタン(結納と結婚式を一緒にやって、ほっとした)。
- メモ
- →クファンムイニービキ。
サキムイニービチ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
{さけもりねびき(酒盛り根引き)}。結納と結婚式を一緒に行うこと。
- 用例
- ソーグヮチメー ナティ イチュナサヌ、サキムイニービチ サナ(正月前になって忙しくて、結納と結婚式を一緒にしよう)。
- メモ
- →クファンムイニービキ。
サキムイヌクヮ 楚辺
先妻の子。
- 用例
- チーグーヤルバーテー サキムイヌクヮトー(唖なんだよ、先妻との子は)。
- メモ
- →サキトゥジ。
サキヤー 大湾
酒屋。
サキヤマベニ 楚辺
植物。甘藷の品種名。
- メモ
- 沖縄県の奨励品種。
サキヲゥトゥ 楚辺
先夫。
- 用例
- アンシ ウヌ サキヲゥトー ナー ティールバーキチュクヤーヒチ(そうしてその先夫はザルやカゴ作りをして)。
サク 喜名,瀬名波
酌。
- 用例
- サク カミーン(酌をいただく〈お神酒をいただく〉)。
サク 喜名,親志,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,大木
加減。頃合い。程度。
- 用例
- サクン ワカラン シーヨー シェー、ンナンカイ ヌラーリーサ(加減も分からないやり方では、皆に叱られるよ)。
サク 親志,座喜味,大湾
癇癪〔かんしゃく〕。癪。
- 用例
- サク ゥンジヤーイ(癪にさわって)。
サグ 座喜味,儀間
大きなカゴを編む途中で四隅に継ぎ足していくもの。
サグイ 楚辺
夜這い。
- 用例
- サグイ シーネー、ワレームンル ナインドー(夜這いをすると、笑いものになるんだよ)。
サクー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
癇癪持ち。
- 用例
- ワン ヲゥトー サクー ナティ、ハナシン ナラン(私の夫は癇癪持ちで、話もできない)。
- メモ
- 音2:サクムチ。
サクガー 波平,高志保,楚辺,渡具知,長田
植物。甘藷の品種名。佐久川。比謝の佐久川清助が品種育成した甘藷。
- メモ
- →サクガーゥンム。サクガーは、皮も中も白く、味は淡白だった。沖縄一号のこと。
サクガーゥンム 座喜味,伊良皆,宇座,楚辺,渡具知
植物。甘藷の品種名。佐久川芋。品種育成者佐久川清助の姓をとって名付けられた甘藷の品種。
- メモ
- 音2:サクガー。比謝生まれの佐久川清助(1850~1911年)は、1894年頃に既存の3品種の甘藷を混植栽培した畑で自然結実した種子から新品種「*サクガー」種を生み出し、明治末期から昭和にかけて主要品種、優良品種として栽培され、沖縄農業の発展に大きく寄与した。その業績が評価され、1968年の明治 100 年記念祭に農林大臣から顕彰を受けた。翌年、比謝に「佐久川いも発祥の地」頌徳碑が建立され、さらに頌徳碑は2001年に佐久川清助生誕150年記念事業により改修された。
サクグミ 都屋,楚辺
植物。粳米〔うるちまい〕。
- 用例
- サクグミン トゥッティ ウワトーグトゥ、クヮゥンマガンチャー ヘーク ナーメーメーヌ ブノー トゥンガ クーヨー(粳米の収穫も終わったから、子や孫たちは早くそれぞれの分を取りにきなさいよ)。
- メモ
- 音2:サクメー。
サクサン 渡慶次,儀間,楚辺
粘り気がない。
- 用例
- チューヌ メーヤ サクサン(今日のご飯は粘り気がない)。
サクサン 座喜味,長浜
裂けやすい。折れやすい。
- 用例
- タマグヮーギーヤ サクサグトゥ、カジフチネー ムル ヲゥーリーン(サンゴジュは折れやすいから、台風にはみな折れる)。
サクジュク 高志保
作得〔さくとく〕。地主が小作人から取る小作米のこと。
- 用例
- ヰキガングヮー、イナカンカイ サクジュクヌ セージュク シーガ イチュル トゥチ ヤグトゥ(男の子は、田舎に作得の催促しに行くときだから)。
サクチ 古堅
魚名。ボラ。
- メモ
- 出世魚で成長するにしたがって、チクラ、ボラ、サクチと呼び名が変わる。
サクッチュ 長浜
皮膚が乾燥し、しわなどにそって裂けること。
サクドゥー 長浜
乾燥肌。
- 用例
- ワンネー サクドゥー ヤンドー(私は乾燥肌だよ)。
サクナ 楚辺,古堅,大木
植物。ボタンボウフウ。長命草。

- 用例
- サクナヤ、チャー チュクティ ヌムシン マンドーン(ボタンボウフウは、お茶作って〈にして〉飲む人も多い)。
- メモ
- →チョーミーグサ。
サクバル
{佐久原}。比謝の小字。
サクムチ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
癇癪持ち。
- 用例
- イャーヤ サクムチ ナイネー、ンナカラ シカン サラリンドー(お前は癇癪持ちになると、皆から嫌われるよ)。
- メモ
- →サクー。
サクメー 波平,楚辺
植物。稲の品種名。粳米〔うるちまい〕。
- 用例
- クンドー サクメーン ディキティ、クヮゥンマガンチャーンカイ ワキーシン アサ(今年は粳米も豊作で、子や孫に分ける分もあるよ)。
- メモ
- →サクムチ。
サグヤー 楚辺
よく夜這いをする人。
- 用例
- サグヤー ナイネー、トゥギン カメーイ スンナー(夜這いばかりしていたら、妻も探せるか)。
サクル 喜名,伊良皆
神御願のひとつ。
- メモ
- 喜名では、白装束に草冠のノロや*カミンチュらが御嶽で祭祀を行い、村の弥栄〔いやさか〕を祈願した。その後、旧家の代表や字の当役たちと酌を交わした。伊良皆では、旧家の代表と字の当役が*トゥヌガキ(ノロが管掌字のトゥン(殿)を巡回して祭祀を行う)に来た喜名ノロを迎え、豊年を祈願して酌を交わすことをサクルといった。
サクル 古堅
ノロや神人たちが馬を繋ぐ場所。
- メモ
- 古堅公民館敷地内在。かつて、喜名、伊良皆、大湾、渡具知などのノロや神人たちの馬を繋ぐ場所だったとのこと。
サクルウガミ 古堅
神御願のひとつ。
- メモ
- 旧9月吉日に、白装束に白手拭いを前結びにして草冠を被った大湾ノロが参加して行った、大湾ノロ殿内、古堅のサクル松、渡具知の根所、伊良皆のジョーグチを馬に乗って巡拝したという。
サクルウガン 瀬名波
神御願のひとつ。
- メモ
- 旧5月15日と6月15日に瀬名波ノロらが、馬を7、8頭つらねてカガンジ御嶽から崎原御嶽まで行き来していたという。
サクルガミ 古堅
サクル神。ティーラ(太陽)神とも称す。
- メモ
- サクル神拝所は、14世紀頃、喜如嘉大奴留〔うふぬる〕の提言で構築されたとの伝えがある。長雨続きで困ったとき、晴天祈願の拝所だった。
サクルトーフ 楚辺
醤油で煮しめた豆腐。
- 用例
- サクルトーフヤ ソーユーニー スタン(サクルトーフは醤油で煮しめた)。
- メモ
- 旧2月のウマチーに神人の拝みが終わった後に、醤油で煮しめたサクルトーフを供え、線香を灯して*ウマチーが無事に済んだことを報告した。
サクルマーチ 古堅
サクル松。サクル拝所の側にある松のこと。
- メモ
- 公民館敷地内在。戦前まで、*サクルの側にサクルマーチと称する松の大木とガジュマルがあったが、松は焼失し、1989年に二代目のサクル松が植樹された。
サクルゥンマ 瀬名波
サクル馬。ノロを乗せた馬のこと。
- メモ
- ノロ殿内の神屋に、首里から贈られたサクル馬の絵があり、馬具をかけた白馬に*ミンタリー笠(深編み笠)を被ったノロの絵が描かれていた。瀬名波の初代ノロ(サチバルノロともいう)は、首里から残波に下るのをごねたので、ミンタリー笠を被せて、サクル馬に乗せて、鼓や鉦を打ち鳴らし、供をつけて下ったという伝承がある。
サケーイン 渡慶次,儀間
栄える。
- 用例
- アヌ ヤーヤ クヌウチ サケーイン(あの家は近いうちに栄える)。否:サケーラン(栄えない)過:サケータン(栄えた)継:サケートーン(栄えている)。
- メモ
- 対:ウチブリーン(衰える)。
サケーハンジョー 大木
{さかえはんじゃう(栄え繁盛)}。栄えること。繁栄。
- 用例
- ムラヌ サケーハンジョー ニガイン(村の繁栄を願う)。
ササ 座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,古堅
魚を捕るために水中に入れる毒物。
- 用例
- カーランカイ ササ イッテーシガ、チャー ナトーガヤー(川にササを入れてあるが、どうなっているのかな)。
- メモ
- イジュの木の皮、*ササメンナなどを使った。長浜では魚を捕るために生芋をかみ砕いて吐き出し、まき餌をしササを入れて漁をした。
ササイリ 伊良皆,宇座
漁法。ササ入れ。毒流し。植物から出る毒液を流して魚を取る。
- メモ
- 漁業が盛んだった宇座では旧3月2日にササイリの行事があり、字中の人が石臼に搗いた*ササメンナを漁師のところへ持っていった。取れた魚はササメンナを持ってきた分量に応じて分配した。伊良皆では*ミンナがある春は忙しいので、ササイリは6月に*ササガーの葉を使って行った。
ササガー 伊良皆,大湾
植物。サンゴジュ。
- メモ
- 木の皮をむいて叩いたり、葉を揉んで入れて*ササ(魚を捕るための毒)にした。→サーダマギー。
ササグサ 喜名
植物。ルリハコベ。
- メモ
- →アラミンナー。
ササミンナー 大湾
植物。ルリハコベ。
- メモ
- →アラミンナー。
ササメンナ 渡慶次,宇座,大湾
植物。ルリハコベ。

- メモ
- →アラミンナー。
サジ 喜名,波平,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
佐事。使丁。用務員。
- 用例
- ワッター スーヤ ガッコーヌ サジ ソータン(私の父は学校の用務員をしていた)。
- メモ
- 役場や事務所(現在の公民館)などの使丁。役員集会などには太鼓で合図し、佐事が字内のめぼしい通りから声をあげて回った。
サジ 喜名,渡慶次,儀間
匙〔さじ〕。
- 用例
- サジェー マーンカイガ ウチャラー、ミーランシガ(匙はどこに置いたのか、見えない〈見当たらない〉けど)。
サシアイコー 古堅
昆虫。刺し蟻。蟻。
- メモ
- 音2:サシナー。黒色で約1センチで、刺されると非常に痛かったが最近は見られなくなった。
サシイシ 村史
{さしいし(差石)}。力石。青年たちが力試しで頭上に差し上げる石。
- メモ
- 読谷山村では主に黒色で堅い石が使われたので*マーイサーとも呼んだ。または*チチイシとも呼ぶところもある。→カタミイシ。
サシカ 波平
庇〔ひさし〕。
- メモ
- 夏は風に当てるためにサシカ(庇)の下に芋や大根を広げて置いた。
サジカイン 喜名,渡慶次,儀間
授かる。
- 用例
- ヰナグングヮ サジカイン(女の子を授かる)。否:サジカラン(授からない)希:サジカイブサン(授かりたい)過:サジカタン(授かった)継:サジカトーン(授かっている)。
サシカサ 座喜味,儀間,楚辺
差し傘。日傘。
- 用例
- ヰナグンチャーガ サシカサ サチ アッチュンディシェー、イナカヲゥテー アンチュカ ヲゥランタン(女性が日傘をさして歩くというのは、田舎ではそんなにいなかった)。
サジキーン 喜名,渡慶次,儀間,大木
授ける。
- 用例
- シートゥンカイ フービ サジキーン(生徒に褒美を授ける)。否:サジキラン(授けない)希:サジキーブサン(授けたい)過:サジキタン(授けた)継:サジキトーン(授けている)。
サシグサ 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅,大木
植物。センダングサ。

- 用例
- フチャーリーミーヤ、ムル サシグサル ヤル(茂みの中は、みんなセンダングサだ〈センダングサだらけだ〉)。
- メモ
- 類:ハンチューヤーマー。
サシクムン 喜名,渡慶次,儀間
差し込む。
- 用例
- グナ アナンカイ ボー サシクムン(小さな穴に棒を差し込む)。否:サシクマン(差し込まない)希:サシクミーブサン(差し込みたい)過:サシクラン(差し込んだ)継:サシクローン(差し込んでいる)。
- メモ
- 音2:サシンチュン。
サシジャーガー 伊良皆
伊良皆にある井泉の名称。
- メモ
- 湧泉〔ゆうせん〕。伊良皆ではイーヌカーと呼ぶ。集落の北側(上側)にあるのでそのように呼ぶ。イーヌカーの前はサシチムイ(佐敷森)と呼ばれ、尚巴志、平田子、屋比久子の墓がある。そのため佐敷の井泉、サシジャーあるいはサシジャーガーと呼ばれるようになったと思われる。水量豊富で水質も良いので、かつては飲料水として利用され、現在も農業用水として活用されている。
サシジョーバル
{差門原}。古堅の小字。
ザシチ 喜名,渡慶次,儀間
座敷。寝間。
- 用例
- タンメー ザシチ ヒコーイン(おじいさんの寝間の準備をする)。
- メモ
- →ウジャ。
サシチケー 喜名,渡慶次,儀間
差し支え。
- 用例
- サシチケー ネーンラー ワンニンカイン ハナシー チカシェー(差支えないなら私にも話を聞かせて)。
サシナー 楚辺
昆虫。刺し蟻。蟻。
- 用例
- サシナーンカイ クーラッティ、ヤリ フシガラン(刺し蟻に噛まれて、痛くてたまらない)。
- メモ
- →サシアイコー。
サシミヤー 喜名,渡慶次,儀間
{さしみや(刺身屋)}。魚屋。
- 用例
- サシミヤーンカイ イユ コーイガ イチュン(魚屋に魚を買いに行く)。
サシムンウジン 喜名
指物御膳〔さしものおぜん〕。指物師が作る御膳。
サシワキ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
差し分け。分別。区別。
- 用例
- サシワキン ネーン シーヨー シ、イフェー チュガ イーシン チカンネー(分別のないやりかたをして、少しは人の言うことも聞かないと〈いけない〉)。
サシン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
写真。
- 用例
- ンカシヌ サシン アチミティ、ンナシ ンジュン(昔の写真を集めて、皆で見る)。
サシンアガイ 瀬名波
写真写りが良いこと。
サシンチュン 喜名,渡慶次,儀間
差し込む。
- 用例
- ハーヤヌミーンカイ カビ サシンチュン(柱の穴に紙を差し込む)。否:サシンカン(差し込まない)希:サシンチーブサン(差し込みたい)過:サシンチャン(差し込んだ)継:サシンチョーン(差し込んでいる)。
- メモ
- →サシクムン。
サシンヤー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
写真屋。
- 用例
- サシンヤーヲゥティ ヤーニンジュ サシン ヌジュン(写真屋で家族写真を写す)。
サスイン 喜名,渡慶次,儀間
誘う。
- 用例
- ワンガ アチャ サスイサ(私が明日誘うよ)。否:サスラン(誘わない)希:サスイブサン(誘いたい)過:サスタン(誘った)継:サストーン(誘っている)。
サスイゥンジャスン 喜名,渡慶次,儀間
誘い出す。
- 用例
- アバー サスイゥンジャチ アシビーガ イチュン(姉さんを誘い出して遊びに行く)。否:サスイゥンジャサン(誘い出さない)希:サスイゥンジャシーブサン(誘い出したい)過:サスイゥンジャチャン(誘い出した)継:サスイゥンジャチョーン(誘い出している)。
サスン 喜名,渡慶次,儀間
刺す。
- 用例
- バッペーティ ティー サスン(間違って手を刺す)。否:ササン(刺さない)希:サシーブサン(刺したい)過:サチャン(刺した)継:サチョーン(刺している)。
サスン 喜名,渡慶次,儀間
挿す。
- 用例
- ハナイチーンカイ アカバナー サスン(花瓶にハイビスカスを挿す)。否:ササン(挿さない)希:サシーブサン(挿したい)過:サチャン(挿した)継:サチョーン(挿している)。
サタ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
沙汰。うわさ。音信。
- 用例
- ナマル イャームン サタ ソータルムン、ケーティチェーサヤー(今お前の沙汰をしていたのに、帰ってきたんだね)。
サダミ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
定め。運命。
- 用例
- チュヌ サダミディシェー、ゥンマリーニカラ キミラットーンディ(人の運命というのは、生まれるときから決められているって)。否:サダミラン(定めない)希:サダミーブサン(定めたい)過:サダミタン(定めた)継:サダミトーン(定めている)。
サダミーン 喜名,渡慶次,儀間
定める。
- 用例
- ンナシ ジンミシ サダミーン(皆で吟味して定める)。
サチ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,古堅,大木
先。
- 用例
- ワンネー サチ ナインドー(私は先に行くよ)。ウンジュヤカ ワンガル サチ ナイル ハジドー(あなたより私が先になるはずだよ〈逝くはずだよ〉)。
- メモ
- →音1:サキ。
サチカンジュン 喜名,渡慶次,儀間
{さきかぶる(咲き被る)}。咲き誇る。咲きこぼれる。
- 用例
- クジュ イーテーヌ ハナヌ サチカントーン(昨年植えた花が咲き誇っている)。継:サチカントーン(咲き誇っている)。
サチグシク 座喜味
座喜味城ができる前のグシク。
- メモ
- タカヤマグシクのこと。
サチグチ 喜名,渡慶次,儀間
先口〔せんくち〕。
- 用例
- ワンガル サチグチ イッテールムン、ウレー ワームンル ヤル(私が先口を入れたんだから、それは私のものだよ)。
サチザチ 喜名,渡慶次,儀間
先々。
- 用例
- サチザチヌ クトゥン ユー カンゲーティル、シクチヤ スンドーヤー(先々のこともよく考えて、仕事はするんだよ)。
サチシデー 喜名,渡慶次,儀間
先次第。先着順。
- 用例
- サチシデール フービヤ クィーンディ(先着順に褒美を呉れるそうだよ)。
サチディー 喜名,渡慶次,儀間
先手。
- 用例
- サチディー ウティワル、アリカイヤ カナイル(先手を打ってこそ、彼には勝てるんだよ)。
サチトゥジ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,牧原
{さきとじ(先刀自)}。先妻。
- 用例
- サチトゥジトー クヮー ヲゥランタン(先妻とは子どもはいなかった)。
- メモ
- →音1:サキトゥジ。
サチドゥミ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,古堅
先妻。
- 用例
- サチドゥミトー イチャイブクン ネーラン(先妻とは会いたくもない)。
- メモ
- 音1:サチトゥジ。→サキトゥジ。
サチナイメーナイ 喜名,渡慶次,儀間
{さきなりまえなり(先成り前成り)}。人より先に出ようとすること。
- 用例
- ワカサヌ ムンガ サチナイメーナイ シ、フージン ネーン(若者が人より先になろうとして、みっともない)。
- メモ
- →サキナラメーナラ。
サチナラナラ 喜名,渡慶次,儀間
人より先に出ようとすること。
- 用例
- アレー サチナラナラ ッシ、メーンカイ ハイタン(彼は人より先に出ようとして、前に行きよった)。
- メモ
- →サキナラメーナラ。
サチバイ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間
先駆け。人より先に行くこと。
- 用例
- アレー チャー サチバイ ソーン(彼はいつも先駆けている)。サチバイ ナティ ゥンジャン(先になって行った)。
サチバルヌール 瀬名波
崎原ノロ。瀬名波ノロのこと。
サチバルモー
崎原野。残波岬に広がる野原。
- メモ
- 戦前は牛が放牧されており、その様子が子守歌にも歌われている。残波岬のあるところをサチバルといい、そこに広がる芝のこと。イーヌモーともいった。
サチバルヤードゥイ
崎原屋取。残波岬の近くにあった宇座の寄留集落。
サチフイ 長浜
先振り。長浜棒の演武のひとつ。
- メモ
- 長浜棒の演武の際、2列縦隊になった時、槍と薙刀を持った先頭の2人がサチフイの手合わせをし、その後、組棒に入る。→ナガハマボー。
サチフクイン 渡慶次,儀間
咲き誇る。
- 用例
- ヤマヌ イジュヌ ハナガ サチフクトーシヨ(山のイジュの花が咲き誇っていることよ)。継:サチフクトーン(咲き誇っている)。
サチフル 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
先ほど。
- 用例
- サチフル、シンシーカラ ハナシヌ アタン(先ほど、先生から話があった)。サチフル クチョーサンカラ、フニヌ ハナシーンサギーシガ(先ほど区長さんから、船の話もしよるが)。
サチマーイ 喜名,渡慶次,儀間
先回り。抜け駆け。
- 用例
- サチマーイ シ トゥッカチミラナ(先回りして捕まえよう)。
ザチミ 座喜味
地名(読谷村座喜味)。
ザチミイビー 村史
字民性。座喜味イビー。
- メモ
- 座喜味の人が「イビー(ええっ)」という感動詞をよく使うのを、からかってそう言った。
ザチミススチリー 村史
{ざきみすそきれ(座喜味裾切れ)}。字民性。座喜味の人は、裾が擦り切れた着物を着るほど倹約家であること。
ザチミトゥイクェー 村史
{ざきみとりくひ(座喜味鶏食ひ)}。字民性。座喜味鶏食い。
- メモ
- 音2:トゥイクェー ザチマー。座喜味では、字内規(鶏法度)にそって鶏を捕らえ、飼い主が現れなかったときに、みんなで鶏を潰して食したことからそう呼ばれた。
ザチミヌール 座喜味
座喜味ノロ。
- メモ
- 波平、座喜味、上地を管掌していた。
ザチミボー 座喜味
座喜味棒。
- メモ
- 多幸山近くで炭焼きをしていた津堅島出身の*タンヤチャー(炭焼)をしてい爺さんから習ったと伝承され、現在は座喜味棒保存会を中心に継承に取り組まれている。
ザチミミチ 伊良皆
座喜味道。伊良皆から座喜味へ通じる道。
ザチミンチュ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
座喜味の人。
サチュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
咲く。
- 用例
- チュラバナヌ サチョーン(きれいな花が咲いている)。否:サカン(咲かない)過:サチャン(咲いた)継:サチョーン(咲いている)。
サチュン 喜名,渡慶次,儀間
裂く。
- 用例
- ヌヌ ターチンカイ サチュン(布をふたつに裂く)。否:サカン(裂かない)過:サチャン(裂いた)希:サチーブサン(裂きたい)継:サチョーン(咲いている)。
サチヲゥトゥ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,比謝矼
先夫。
- 用例
- サチヲゥトー ケーマーチ ヲゥラン(先夫は亡くなってしまった)。
ザチンガー 座喜味
座喜味井泉。
- メモ
- ザキミガーのこと。座喜味で最初の*ニーブガー(柄杓で汲む井泉)で*ゥンブガーとして使っていたといわれる。
サチゥンジー 喜名,渡慶次,儀間
フライング。不正出発。徒競走のスタ-トで号砲より先に出ること。
- 用例
- サチゥンジー サシガ、ムルカイ ヌガッティ ネーン(スタートで号砲より先に出たが、皆に抜かれてしまった)。
- メモ
- 対:アトゥゥンジー(出遅れること)。
サチゥンジャスン 喜名,渡慶次,儀間
咲き始める。
- 用例
- ナーヌ ハナヌ サチゥンジャスン(庭の花が咲き始める)。否:サチゥンジャサン(咲き始めない)過:サチゥンジャチャン(咲き始めた)継:サチゥンジャチョーン(咲き始めている)。
サッキー 大湾
咳。
- メモ
- 音2:サックィー・サックイ。
サックイ 喜名,渡慶次,儀間
咳。
- 用例
- サックイ スシガ ハナヒチル ヤンテー(咳をするが、風邪じゃないのか)。
- メモ
- 音1:サックィー。→サッキー。
サックィー 座喜味,大湾
咳。
- メモ
- 音1:サックイ。→サッキー。
サックィーヒミチ 大湾
咳喘息〔ぜんそく〕。
- メモ
- 音2:シミチ・ヒミチ・ヒミキ。
サックイオホオホ 喜名,儀間
咳き込んでいる様。
- 用例
- ゥンマヲゥティ サックイオホオホ スシヤカ、ヘーク ヤーカイ ケーイシェー マシヤサ(そこで咳き込むより、早く家に帰った方がいいよ)。
サックイジーラー 渡慶次,儀間
よく咳き込む人。
- 用例
- ワッター アバーヤ、サックイジーラー ヤタン(私の姉は、よく咳き込む人だった)。
- メモ
- 音2:サックイブクラー。
サックイジラー 瀬名波,大湾,古堅
よく咳き込む人。
- 用例
- ユールナーカラ カラジ アライネー サックイジラー ナインドー(夜に髪を洗うとよく咳き込む人になるよ)。
サックイブクラー 楚辺
よく咳き込む人。
- 用例
- ユル ニッカカラ カラジ アライネー サックイブクラー ナインドー(夜遅くから髪を洗うと、よく咳き込む人になるよ)。
- メモ
- →サックイジーラー。
サックヤー 座喜味
よく咳をする人。
サッコー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
とても。ものすごく。非常に。大変。
- 用例
- チューヌ ハンメーヤ、サッコー スージューサヌ カマランタン(今日の食事は、とても塩辛くて食べれなかった)。
- メモ
- →イッペー。
サッコービ 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
しゃっくり。
- 用例
- キッサカラ、サッコービヌ トゥマランル アンレー(さっきから、しゃっくりが止まらないんだよ)。
サッスー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,大湾,古堅
出しゃばり。おませ。
- 用例
- ウットゥヤ サッスー ヤン(妹は出しゃばりだ)。アンシ サッスー ワラビ ヤル(とてもおませな子だね)。
サッスン 喜名,渡慶次,儀間
察する。
- 用例
- ウリカラ カンゲーティ サッスンテー(それから考えて察するさあ)。
サッタカ 喜名,高志保,渡慶次,儀間
いち早く。さっと。
- 用例
- ムンディ イーネー、サッタカ チョーサ(ご飯だというと、いち早くきているさ)。ウリル サッタカ ンージュル(それを直ぐに見るんだよ)。
サッティムサッティム 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
さてもさても。それにしてもまあ。まったく。
- 用例
- サッティムサッティム、イャー ウングトーヌ クトゥン スンナー(さてもさても、お前はそんなことをするのか)。サッティムサッティム、イャーリヌ ムノー ヌー シーゥンジャチャガ(それにしてもまあ、お前という者は何をしでかしたのか)。
サッパツ 儀間,瀬名波,楚辺,古堅
さっぱり。美しい。可愛らしい。清々しい。
- 用例
- アンシ サッパツナ ワラビ ヤルヤー(なんて可愛らしい子どもなんでしょうね)。
- メモ
- →サーザートゥ。
サティ 喜名,渡慶次,儀間
さて。次の行動に移る時に相手に呼び掛けたりする語。
- 用例
- サティ チャー サレー シムガヤー(さて、どうしたらいいのかな)。
サティサティ 渡慶次,儀間,牧原
さてさて。
- 用例
- サティサティ、ミジラシームン(さてさて、珍しいこと)。サティサティ、チャー サレー マシガヤー(さてさて、どうしたらよいのかな)。
サトゥイン 喜名,渡慶次,儀間
悟る。感じ取る。
- 用例
- ワラビヌ カノー チューサヌ、ウヤー マーンカイ ヲゥンディチ スグニ サトゥイン(子どもの感は強く、親がどこに居るのか直ぐに感じ取る)。継:サトゥトーン(悟っている)。
サトゥイン 高志保,大木,比謝矼,長田
たどる。
- 用例
- ウヌ ヲゥー サトゥティヨー(その芭蕉をたどってね)。
サナースン 楚辺
調べる。整える。
- 用例
- サンミンヌ アタラングトゥ、ナー チュケーン サナースン(計算が合わないから、もう一回調べる)。
サナギ 楚辺
褌〔ふんどし〕。
- 用例
- ンカシヌ ゥンメーターヤ、サナギ ハチョータン(昔のおじいさんたちは、褌をはいていた)。
- メモ
- →音1:サナジ。
サナゲー
民具。杓子〔しゃくし〕。
- 用例
- 「サナゲーヤ」ンチ オカーサンガ イチャグトゥ(「杓子は」とお母さんが言ったら)。
サナジ 喜名,親志,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾,長田
褌〔ふんどし〕。
- 用例
- トゥナイヌ タンメーガ、サナジ ハチメータシ ウビトーン(隣のおじいさんが、褌をはいていたのを覚えている)。
- メモ
- 音1:サナギ。男の子は13歳を期にサナジをはいた。それまでは着ないのが普通だった。
サナジアジマー 大湾
褌〔ふんどし〕の結び目。
- メモ
- 3尺のさらし木綿を腰と尻の中間あたりで結んだ。
サニ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,長田
種。
- 用例
- ヤシェーヌ サニヤ ウチョーキヨー(野菜の種は取って置いておきなさいよ)。
サニ 楚辺
蚕の卵。
サニ(~サニ) 喜名,儀間,古堅
~でしょう。~よねえ。
- 用例
- イャーヤ チャンテーマン、カシーヤ サンサニ(お前は来たところで、加勢はしないでしょう)。イェーリン アン ヤテーサニ(たぶんそうだったでしょう)。
- メモ
- 音1:~サミ。
サニウルシ 座喜味
種下ろし。種籾を苗代に蒔くこと。
- メモ
- 音1:タニウルシー。
サニチガイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{さねちがひ(種違ひ)}。異父きょうだい。
- 用例
- アヌ タイヤ、サニチガイ ヤティル ニチェーヲゥランテーサヤー(あの二人は、異父きょうだいだから似てなかったんだね)。
サニムン 喜名,座喜味,上地,渡慶次,儀間,古堅,大木
種物。種子類。
- 用例
- サニムンフーサーグヮー(種を干すもの)。
- メモ
- 類:ムンチャニ。
サニムンガーミ 渡慶次,儀間,長浜
民具。種物甕。種子を入れる甕。
- メモ
- 類:ムンチャニガーミ。
サニムンディール 渡慶次,儀間
民具。種物カゴ。農作業時に種蒔きに使用した小型なカゴ。
- 用例
- サニムンディールンカイ マーミヌ サニ イッティ、マチーガ イチュン(種物カゴに豆の種を入れて、蒔きに行く)。
サバ 長浜,大湾,古堅
魚名。鮫〔さめ〕。
- メモ
- →イノーサバ。
サバ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,大湾,大木,比謝矼
草履。
- 用例
- ミーサバ クリ、スーヤ マーカイ ハミシェーガヤー(新しい草履を履いて、お父さんはどこに行かれるのかね)。
サバ(~サバ) 渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
助数詞。~足。
- メモ
- チュサバ(1足)、タサバ(2足)、ミサバ(3足)と数える。
サバアンダ 都屋,宇座
鮫脂。
- メモ
- 船体の浸水や腐食予防、防虫のため年1回船全体に鮫脂を塗って手入れをした。
サバキ 楚辺
櫛〔くし〕。
- 用例
- ヒンスーヤ ヒチョーティン、ヰナグヤ サバキ ムッチョータンドー(貧乏はしていても、女性は櫛を持っていたよ)。
- メモ
- 音1:サバチ。
サバクイ 村史
捌理〔さばくり〕。間切番所の村役人、役職名。
サバクン 楚辺
拵〔こしら〕える。捌〔さば〕く。
- メモ
- 音1:サバクン。→クシレーイン。
サバチ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾
櫛〔くし〕。
- 用例
- マチカイ サバチ コーイガ イチュン(町へ櫛を買いに行く)。
- メモ
- 音1:サバキ。
サバチュン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
①捌〔さば〕く。処理する。②片付ける。③整える。
- 用例
- ①ダテーンヌ イユ サバチュン(たくさんの魚を捌く)。②ウッサヌ シクチ ヒッチー ッシ サバチュンナー(それだけの仕事を1日で片付けるのか)。③カラジ リッパニ サバチュン(髪をきれいに整える)。否:サバカン(さばかない)希:サバチーブサン(さばきたい)過:サバチャン(さばいた)継:サバチョーン(さばいている)。
- メモ
- 音1:サバチュン。→クシレーイン。
サバニ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,古堅
刳舟〔くりぶね〕。松を使った刳舟。
- 用例
- カジヌ チューク ナトールムンヌ、サバニン アギンカイ アギレー(風が強くなっているから、サバニも陸にあげなさい)。
- メモ
- 戦前は松の刳舟、戦後は杉板の接〔は〕ぎ舟などが見られた。
サバヌヤー 村史
鮫の入るヤナ。
サバヤー 宇座
{さばや(鮫家)}。宇座の海浜地名。鮫の棲息場所。
- メモ
- 宇座の漁場にある鮫の棲息場所の名。
サビーナイン 喜名,渡慶次,儀間
白け。
- 用例
- ハナシーサーン ヲゥラン、サビー ナティ ケーティ チャン(話をする人もいなくて、白けて帰ってきた)。
サビーン 儀間,大湾,古堅
スン(する)の敬語。
- 用例
- ユヌグトゥ サビーンドー(同じようにしますよ)。ヒンケー サビラン(口答えしません)。ウニゲー サビラ(お願いいたします)。
サビクーイン 喜名,渡慶次,儀間
錆つく。
- 用例
- ジテンサガ サビクートーン(自転車が錆びついている)。否:サビクーラン(錆びつかない)サビクータン(錆びついた)継:サビクートーン(錆びついている)。
サビサビートゥ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
{さびさびと(寂々と)}。ひっそりと。とても静かな様。
- 用例
- ゥンマガンチャーガ ケーティ アトー、サビサビートゥ ッシヤー(孫たちが帰った後は、ひっそりとしてね)。
サビサン 喜名,渡慶次,儀間
寂しい。
- 用例
- ヰナグングヮガ ユミカイ ハチカラ、ユルナー ナイネー サビサンヤー(娘が嫁に行ってから、夜になると寂しいね)。
- メモ
- 音2:サビッハン。
サビジューグヮチ 大木
{さびじふぐゎつ(寂び十月)}。特に節句のない10月。
- メモ
- →アキハティジューグヮチ。
サビジル 渡慶次,儀間,比謝矼
{さびじる(寂汁)}。具のない汁。
- 用例
- シクチサンヌーヤ、サンドゥ サビジルル アタイサ(仕事しない者は、三食とも具のない汁をあたるさ〈汁だけだよ〉)。
- メモ
- →サーシル―。
サビッハン 楚辺
寂しい。
- 用例
- ワランチャー フルイーティ ターン ヤーンカイ ヲゥラン、ジコー サビッハン(子どもが成長して誰も家に居ないので、とても寂しい)。
- メモ
- →サビサン。
サビムン 親志,長浜
{さびもの(寂物)}。味気の無いもの。
- 用例
- サビムノー ヌマン(味気の無いものは飲まない)。
サビリーン 喜名,渡慶次,儀間
寂れる。すたれる。
- 用例
- チュガ ヲゥラン ナイネー マチヤン サビリーン(人がいなくなると店もさびれる)。継:サビリトーン(さびれている)。
サブイチ 渡慶次,儀間,楚辺
三分の一。
- 用例
- ワッターヤ サブイチシェー タラーンデー(私たちは三分の一では足りないよ)。
サフン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
石鹸〔せっけん〕。
- 用例
- サフンシ ティーヒサン アラティ、ヘーク ウチンカイ イレーワ(石鹸で手足も洗って、早く家に入りなさい)。
- メモ
- 石鹸は大正初期頃から使用されるようになった。それ以前は石鹸の代わりはなく、ユウナの葉のガサガサしている裏面で垢を落としたという。乾燥させたヘチマを使うこともあった。
サフンギー 伊良皆,大湾
植物。クスノハカエデ。
- メモ
- 類:マーミク・マーミークーギ・マミク。葉を揉むと泡立つことからサフン(石鹸)の木と言われた。
サベー 楚辺
昆虫。甘蔗の害虫名。カンシャワタアブラムシ。
- メモ
- 葉の裏に群がる1.8ミリ内外の昆虫。石油乳剤を染み込ませたボロ布を手に巻いてすり殺したり、被害葉を切り取って焼却した。また、甘蔗の葉を折って束ねたもので虫の入った葉をこすり落とした。
サボーリーン 渡慶次,儀間
荒れ果てる。
- 用例
- ヤー ンジャーン ヲゥラン、ヤーヤシチン サボーリトーン(家を見る人もいない、家や屋敷も荒れ果てている)。否:サボーリラン(荒れ果てない)継:サボーリトーン(荒れ果てている)。
サマ 渡慶次,儀間
しらふ。
- 用例
- サキン ヌレー ネーン サマニ、オーインディチン アンナー(酒も飲んでないしらふに、喧嘩するってこともあるか)。
サマウチャギ 楚辺
つんつんしていること。気取っていること。偉そうにすること。
- 用例
- ヰナグヌ ミチカラ サマウチャギシ アッキーネー、ターン チカユランサ(女が道から気取って歩くと、誰も近寄らないよ)。
- メモ
- 音2:タカウチャギ・タカウチャガイ。
サマガサン 喜名,渡慶次,儀間
物騒だ。騒がしい。
- 用例
- チカグロー ヌスルン マンディ サマガサンヤー(近頃は盗人も多く物騒だね)。
サマスン 渡慶次,儀間
①覚ます。②醒ます。
- 用例
- ①ニントール ワラビガ ミー サマスン(寝ている子が目を覚ます)。②カジ カイ アタティ ヰー サマスン(風に当たって酔いを醒ます)。否:サマサン(さまさない)希:サマシーブサン(さましたい)過:サマチャン(さました)継:サマチョーン(さましている)。
サマスン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
冷ます。冷やす。
- 用例
- ニチ チャーキ ヤグトゥ、ナー イフェー サマスン(炊いたじきなので、もう少し冷ます)。否:サマサン(冷まさない)希:サマシーブサン(冷ましたい)過:サマチャン(冷ました)継:サマチョーン(冷ましている)。
- メモ
- 対:アチラスン(温める)。
サマタギ 喜名,渡慶次,儀間
妨げ。
- 用例
- トゥーイミチカイ シナムン ウチーネー、アッチュル サマタギ ナイシガ(通り道に品物を置くと、歩く妨げになるよ)。
サマチャサン 喜名,渡慶次,儀間
やんちゃだ。よく動き回る性質だ。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウティチチン ネーラン、ターヤカ サマチャサン(その子どもは落着きない、誰よりもやんちゃだ)。
サミ(~サミ) 渡具知
~でしょう。~よねえ。
- 用例
- シジョーシガル アチマティ チョーサミ(亡くなった人が、集まってきたんでしょう)。ママングヮディシェー フクターヂンル チチョーサミ(継子というのはボロの服を着ているんでしょう)。
- メモ
- →音1:~サミ。
サムレー 座喜味,伊良皆,瀬名波
侍。士族。
サムレーギー 長浜
植物。ゴモジュ。
サラ 渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
①皿。②助数詞。~皿。
- メモ
- チュサラ(1皿)、タサラ(2皿)、ミサラ(3皿)と数える。
サラ~ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知
まったくの。
- 用例
- サライナカルヤグトゥ(まったくの田舎だから)。
サライ 渡慶次,儀間,楚辺
さても。情けなくも。本当にもう。
- 用例
- シクチシ ニッカ ナトールムン、サライ ワンガ カムシェー ヌクチェー ネーンタン(仕事で遅くなっているのに、情けなくも私が食べるのは残してなかった)。
- メモ
- 当然そうすると思われる行動が行われなかった時に用いる。
サラカチャー 渡慶次,儀間,楚辺
植物。サルカケミカン。
- 用例
- サラカチャーヤ、ハーマカイ ユー ミートーン(サルカケミカンは、浜辺によく生育している)。
- メモ
- サラカチャーは棘のある木で、婿入りの模擬馬などに使われた。
サラゲー 座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,比謝矼
杓子〔しゃくし〕。
- 用例
- サラゲー トゥティ チャーニ、ソーソー シルン イッティ カマシェー(杓子を取ってきて、さっさと汁も入れてあげなさい)。
- メモ
- 音2:ナビゲー。
サラゲーヂチ 村史
{さらがひづき(皿匙月)}。杓子の形に似た半月の呼称。
サラジャラートゥ 楚辺
まんまと。みごとに。
- 用例
- サラジャラートゥ ウリンカイ マチウタッティ ネーンシェー(まんまとあいつにやられてしまったさ)。
- メモ
- 類:マーマートゥ。
サラシンピン 喜名,渡慶次,儀間
真新しい。
- 用例
- イャームノー サラシンピンル ヤンムナー(お前のは真新しいんだね)。
- メモ
- 音2:サラミームン。
サラスン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
晒す。漂白する。
- 用例
- ヰェーズミヤ、イクケーヌン ミジンカイ サラスンドー(藍染は、何度も水に晒すよ)。
サラタティー 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
{さらたて(皿立)}。人生儀礼。ニ月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- アイナー、サラタティー ヤテーサヤー(あれまあ、サラタティーだったんだね)。
- メモ
- 類:ヒンガンボージ・ヒンガンボージャー・ボージナディー・ミーチボージャー。男児は頭頂部分を3本の指で隠せるくらいの四角の形に残して、周囲を刈り上げた。女児は耳の上から短めにおかっぱ頭にして、残りは剃刀で剃った。その頭部の髪が皿に似ていることからサラタティーといわれたという。当日はご馳走を作り家族で祝った。
サラバンジ 喜名,座喜味,儀間,大湾,古堅
真っ盛り。最も勢いがある状態。絶頂期。
- 用例
- ウニーマングラヤ サラバンジル ヤグトゥ、ヌー ヤティン サンドー(その頃は絶頂期だから、何でもやったよ)。
- メモ
- 音2:バンジ。類:マサカイ。
サラバンジャー 座喜味,古堅
真っ盛りの人。
- メモ
- 音2:バンジャー。
サラフリムン 喜名,渡慶次,儀間,古堅,大木
大馬鹿者。
- 用例
- サラフリムンヤ、ヤーカラ ゥンジティ イケー(大馬鹿者は、家から出て行け)。
- メモ
- →ウーサラフリムン。
サラミームン 喜名,渡慶次,儀間
真新しい。
- 用例
- ワー ムノー サラミームンヤグトゥ ユグサンキヨー(私のものは真新しいから汚すなよ)。
- メモ
- →サラシンピン。
サラランシー 喜名,渡慶次,儀間
いやいやながら物事をする様。
- 用例
- チュヌ メーヲゥティ サラランシー スルサク ヤラー、アマンカイ イチクヮレー(人の前でいやいやながらするくらいなら、あそこに行きやがれ)。
サラランビービー 楚辺
余計なこと。いらぬこと。
- 用例
- サンティン シムルムンヌ、サラランビービー シチ(しなくてもいいのに、余計なことをして)。
- メモ
- 音2:サラランワジャ。類:サンビービー・ウヮーバグトゥ。
サラランワジャ 喜名,渡慶次,儀間
余計なこと。いらぬこと。
- 用例
- サラランワジャ シ、メーニン アガカン(余計なことをして、前にも進めない)。
- メモ
- →サラランビービー。
サリー 宇座,大湾
もし。呼び掛けの語。
- 用例
- サリー、チャービラサイ(もし、ごめんください)。「サリー、サリー」シ アビティ、イッチ チューシガ ヲゥタンリ(「もし、もし」と言って、入ってくる人がいたって)。
サリーン 座喜味,古堅
さらされる。漂白される。
サリーン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,比謝矼
①される(面倒を見てもらう)。②やられる。
- 用例
- ①ニーカヤ ヰナグングヮンカイ サリーンディチル ヤンレー(老後は娘に面倒を見てもらうつもりだよ)。②チューヤ アリンカイ サリーンテー(今日は彼にやられるよ)儀否:サララン(やられない)過:サッタン(やられた)継:サットーン(やられている)。
サリサリ 渡慶次,儀間,宇座,渡具知
さあさあ。もしもし。
- 用例
- サリサリ、ウダンナサイ(もしもし、ご主人様)。サリサリ、イメンソーリ(さあさあ、いらっしゃい)。
サル 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
申。十二支のひとつで第9番目に数えられる。
サルドゥシ 喜名,渡慶次,儀間
申年。
- 用例
- サルドゥシヤ クジュル ヤタガヤー(申年は去年だったかな)。
サルヌッチュ 喜名,渡慶次,儀間
申の人。申年生まれの人。
- 用例
- サルヌッチュヤ イキラサヌ、イクタイニンジュル ヲゥルハジ ヤッサー(申年生まれの人は少なくて、数人しかいないはずだよ)。
サレーイン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
浚える。
- 用例
- クムインカイ タマトール ドゥル サレーイン(溜池にたまっている泥を浚える)。否:サレーラン(浚えない)希:サレーイブサン(浚えたい)過:サレータン(浚えた)継:サレートーン(浚えている)。
サワグン 楚辺
騒ぐ。
- 用例
- サワギン スナケー、マジ マッテー サワギン スナヨー(騒ぎもするな、まず待て騒ぎもするなよ)。
サワジャーモージャー 宇座
騒ぎ立てている様。
- 用例
- フナクブリ シーギサー ナティ、サワジャーモージャー ソーン(船が転覆しそうになって、騒ぎたてている)。
サワジュン 喜名,渡慶次,儀間
騒ぐ。
- 用例
- ウッサヌ シンカ アチマイネー、チャーシン サワジュンドー(それだけの人が集まると、どうしても騒ぐよ)。否:サワガン(騒がない)希:サワジーブサン(騒ぎたい)過:サワジャン(騒いだ)継:サワジョーン(騒いでいる)。
サン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,渡具知,大湾,大木
ススキなどを結んで作る呪具。

- 用例
- ヤナムンヌ チーネー、サン ユーティ イーホーレー(悪者がきたら、サンを結って追い払いなさい)。ナトール クヮッチーヤ サングヮー ウチキトーキヨー(出来上がったご馳走はサンを置いておきなさいよ)。ミジェー イリヤーニ サン イッティ、カマヌ メーンカイ ユル ヰシータンディ(水を入れてサン入れて、竈の前に夜据えよったって〈置きよったって〉)。
- メモ
- サンは悪霊を退散させる力があると信じられている。魔物が穢〔けが〕すのを防ぐために、神仏への供え物や重箱など食べ物の上に置く。サンの信仰は現在も残っていて、祭日のご馳走や日常の弁当などにもサンを置く。また、お守りとしても使われている。→ゲーン。
サン 喜名,楚辺,渡具知
山。丘。
- 用例
- クガニムインチ、クングトーヌ サノー ネーランディヌ ハナシーテー(黄金森といって、このような山〈形のよい地形〉はないという話さあ)。
- メモ
- 単なる山をいう時は「ヤマ」だが、御嶽など拝所に相当するような山には「サン」という。
サン 渡慶次,儀間
桟。戸締まりを強化するための横棒。
- 用例
- カジ フチュグトゥ、サン イットーカナ(台風がくるから、桟を入れておこう)。
- メモ
- 以前は木造住宅が多く、台風の時には戸が動かないように、角材を横に入れてきつく結んだ。
サン~ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,長田
数詞。3~。
- 用例
- サングヮチ(3月)。サンメー(3枚)。
- メモ
- 類:ミ~・ミッ~。
サンカクー 喜名,渡慶次,儀間
三角。
- 用例
- ワッター ハルヤ、アマンカイ サンカクー ナトーシ ヤサ(私の畑は、あそこに三角の形をしたものさ)。
サンカクナー 村史
針突文様の名称。
- メモ
- 左手甲の*マルブシ或いは*アマングヮーと呼ばれる模様を49歳、60歳、または孫ができたときに大きくしたものの呼称。→アマングヮー。
サンガマチャー 喜名,渡慶次,儀間
{さんがまちあ(桟あ框)}。角材。
- 用例
- サンガマチャー カメーティ クーワ(角材を探してこい)。
サンクミヌウガン 伊良皆,大湾,古堅
行事。サンクミの御願。部落の繁栄を祈願する。
- メモ
- 旧6月25日に字民総出で*カーサレーを終えた後、字民の数を結んだ藁算を供え、子孫繁栄を祈願した。
サングヮチ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
数詞。3月。
- 用例
- チチヌ ヘーサヤ、ナー サングヮチ ナトーサヤー(月の速さは、もう3月になったんだね)。
サングヮチウマチー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,渡具知,古堅,長田
{さんぐゎつおまつり(三月御祭)}。行事。旧3月15日に行われる麦の収穫祭。
- メモ
- かつては字行事としても行われていたが、現在では門中行事として行っている字が多い。→ウマチー。
サングヮチウユミ 喜名,座喜味,渡慶次,宇座,長浜,楚辺
{さんぐゎつをりめ(三月折目)}。行事。
- 用例
- サングヮチウユミネー、ヰキガン ヰナグン シクチェー ユクイタン(三月折目には、男も女も仕事を休みよっだ)。
- メモ
- 旧3月14日はサングヮチウユミといい、男性は肥やしや堆肥の持ち出し、女性は針仕事や畑仕事に出ることが禁じられた。
サングヮチグヮーシ 喜名,渡慶次,儀間
{さんぐゎつくゎし(三月菓子)}。菓子名。三月三日に作る揚げ菓子。
- 用例
- サングヮチグヮーシ ムッチ、ハーマアシビ シーガ イチュタン(三月菓子を持って、浜遊びに行きよった)。
サングヮチサンニチー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
{さんぐゎつさんにち(三月三日)}。行事。三月三日の節句。
- 用例
- サングヮチサンニチーネー、ミヤラビンチャーヤ ハーマアシビ スタン(三月三日の節句には、娘たちは浜遊びをしよった)。
- メモ
- 音2:サングヮチャー。旧3月3日に御重を準備して浜に出て遊ぶこと。長浜では朝早く、誰も歩いていない浜から*イシダニを拾ってきて、*ヤナムン *ナガムン *イーホーイン(悪い者、長いものを追い払う)といって屋敷やその周囲に撒いた。
サングヮチサンニチウジュー 喜名,渡具知,長田
{さんぐゎつさんにちおぢゅう(三月三日御重)}。三月三日浜遊びの御重。
- メモ
- 喜名や渡具知では海のものを入れた三月御重を、子どもたちそれぞれにいきわたるように人数分作って海へ遊びに行った。
サングヮチシーミー 瀬名波
3月清明祭。
- メモ
- →ウシーミー。
サングヮチハチカーグヮー 楚辺
{さんぐゎつはつかごら(三月二十日小)}。行事。旧3月に行った若者同士の交流。
- 用例
- サングヮチハチカーグヮーネー ヰナグンチャーガ クヮッチー スガティ、ヰキガンチャーハタカイ アシビーガ イクタン(サングヮチハチカーグヮーには女性がご馳走を準備して、男性の所に遊びに行った)。
- メモ
- 楚辺では若い娘たちがご馳走を作って男友達の家へ行き、皆で集まって遊んだ。
サングヮチャー 喜名
{さんぐゎつあ(三月あ)}。行事。三月三日。
- 用例
- サングヮチャーヤ ヰナグヌ アシビルヤルヨー(サングヮチャーは女の節供なんだよ)。
- メモ
- →サングヮチサンニチー。
サングヮナー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知
{さんぐゎんあ(三貫あ)}。三貫の人。街娼〔がいしょう〕。尻軽女のこと。
- 用例
- アンネール サングヮナー、トゥジ シェー ナランドー(あんな尻軽女、妻にしてはいけないよ)。
- メモ
- 3貫で売春したことに由来する言葉で、現在では身持ちの悪い女を罵倒する語に使われる。
サンサナー ①喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田②座喜味
①昆虫。蝉。クマゼミ。②おしゃべり。

- 用例
- ①イーナナー サンサナーヌ ナチハジミトールヤー(こんなに早くクマゼミが鳴き始めているね)。ユンタクジョージーヤ サンサナートゥ ユヌムン(おしゃべり上手はクマゼミと同じ)。②ウティチチガ ネーランシン、サンサナーディ インドー(落ち着きがない者にも、サンサナーというよ)。
- メモ
- ①→アササー。②大きな声で鳴くクマゼミのことだが、転じて落ち着きがなくうるさい者や、おしゃべりな女性にもいった。→アビヤー。
サンサナギー 伊良皆
植物。センダンの木。
- メモ
- *サンサナー(クマゼミ)がよくとまるので、サンサナギーとも呼んだ。→センダンギー。
サンサン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
クマゼミのように落ち着きがなくうるさい様。
- 用例
- ワラビガ サンサン ソーン(子どもが落ち着きがなくうるさくしている)。
サンシクヮン 喜名,儀間,宇座,長浜,比謝,牧原
三司官。琉球王国時代の首里王府の役職名。
- 用例
- イールンシェー、サンシクヮンリーネー ナマヌ ナイクヮク(言うなれば、三司官といったら今の内閣)。
サンジヂャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
{さんじぢゃ(三時茶)}。間食。午後3時のおやつ。
- 用例
- サンジヂャーヤ ソーミン イリチェーンドー(三時茶は素麺を炒めてあるよ)。
- メモ
- →アーシー。
サンジハガーバル
{山路波加原}。高志保の小字。
サンジャーグヮー 楚辺
ムラアシビの挙行の可否を決める集い。
- 用例
- アシビヌ メー ナイネー、サンジャーグヮーヤ ジコー マチカンティー ヤタン(村芝居の前になると、アシビをやるかどうかを決める日がとても待ち遠しかった)。
- メモ
- 旧7月20日に字の役員や*ニーセースーデー(二才総代)らが*アシビの衣裳や小道具を保管している*ナービナク(鍋之甲)でアシビ神を拝む御願アシビのこと。字の役員や青年代表らによる*アシビ神への御願が終わると、アシビの衣裳に着替え、旗頭を先頭に鉦鼓を鳴らしながら*ミチジュネーで*アシビナーに向う。アシビナーでは*イリベーシで座を清め2、3の雑踊が演じられ獅子舞で締めくくった。
サンジャクグヮー 喜名
3勺入る盃。
- 用例
- チブグヮーンカイヤ サンジャクグヮーンディ イータンレー(盃にはサンジャクグヮーといっていいよったよ)。
- メモ
- 類:チブグヮー。
サンジャンクンジャン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
散々。めちゃくちゃ。
- 用例
- マシヤヌ グトゥ チカーチャレー、サンジャンクンジャン チラカチ カタヂキーン ナラン(好きなように使わせたら、散々散らかして片付けもできない)。
サンジューサミ 楚辺
法事。三十三年忌。三十三回忌。
- 用例
- サンジューサミネー ウワイジューコー ナイグトゥ、スージヌ グトゥル アル(三十三年忌には最後の法要になるから、お祝いのようだよ)。
- メモ
- →ウワイジューコー。
サンジューサンカジャイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
33飾り。ウチカビ1組3枚の33組。
- 用例
- サンジューサンニンチネー、ウチカビン サンジューサンカジャイ ウサギーン(三十三年忌には、ウチカビも33組供える)。
サンジューサンニンチ 喜名,渡慶次,儀間
法事。三十三年忌。三十三回忌。
- 用例
- ハーメー サンジューサンニンチン ユークル ナトールムン、ウヌグトゥ ククリトーキヨー(おばあさんの三十三年忌もそろそろなっているから、そのように心得ておきなさいよ)。
- メモ
- →ウワイジューコー。
サンジュダチー 喜名,渡慶次,儀間
{さんじょうたき(三升炊き)}。鍋の大きさ。3升炊き用の鍋。
- 用例
- サンジュダチーンカイ ニリワル、ウッサヌ シンカ マカナイシェー アンドー(3升炊きに炊かないと、それだけの人数は賄えるのはあるんだよ)。
サンシン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
三線。
- 用例
- ワンネー アチャカラ サンシン ナライン(私は明日から三線を習う)。
サンジンソー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知
三世相〔さんぜそう〕。易者。
- 用例
- ニービチヌ ヒドゥイ トゥイガ、サンジンソーンカイ イチュン(結婚式の日取りを決めに、三世相に行く)。
サンジンマシ 宇座
三間四方。三間真四角。
- 用例
- サンジンマシヤー(三間四方の家)。
サンタキ 渡具知
山嶽。御嶽拝所。
- 用例
- サンタキ ウガミーガ イチュン(御嶽を拝みに行く)。
サンチナ 楚辺
植物。サンキライ。
サンナン 大湾
3男。
サンニチ 渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
数詞。3日。
サンニン 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,古堅
植物。月桃。サンニン。
- 用例
- ナーンカイ サチョール サンニンヌ カバサヨー(庭に咲いている月桃のいい匂いだこと)。
サンニン 喜名,渡慶次,儀間
数詞。3年。
- 用例
- イャーガ シクチ アッチーハジミティカラ、ヤガティ サンニン ナインドー(お前が仕事に歩き始めて〈出るようになって〉から、やがて3年になるよ)。
- メモ
- 類:ミトゥ・ミチュ。
サンニンガーサ 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木
月桃の葉。ゲットウの葉。
- 用例
- ニジリメー サンニンガーサンカイ チチミーネー、イッペー カバササ(握り飯をゲットウの葉に包むと、とても香りが良いよ)。
- メモ
- 旧盆のとき、サンニンガーサは皿代わりとして供えた。
サンニンチ 喜名,渡慶次,儀間
法事。三年忌。三回忌。
- 用例
- トゥナイヤ サンニンチ ヤグトゥ、ヌバガリワル ヤンドー(隣は三年忌だから、顔を出さないといけないよ)。
- メモ
- 類:ンチュヌミー・ンチュヌヰヌイ・ンチュヌユニー。
サンバッチウヮー 村史
300斤の豚。
- メモ
- 新しく購入した豚を豚舎に入れるとき、左に綯ったボロ布に火をつけ豚小屋で振りまわしながら「300斤の豚にしてください」と願った。
サンバヌヤー 喜名,渡慶次,儀間
産婆の家。産院。
- 用例
- ワッター シマンカイヤ サンバヌヤーヤ ネーランタン(私の字には産院はなかった)。
サンビービー 楚辺
余計なこと。いらぬこと。
- 用例
- ヌー イーチキティン サンビービービカーン ヒチ、ヤクン タッタン(何を言いつけても余計なことばかりして、役も立たない)。
- メモ
- →サラランビービー。
サンピン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
お茶の名。サンピン茶。香片茶〔しゃんぺんつぁ〕。
- 用例
- ナマー イルンナ チャーガ アシガ、ワッタガ グナサイネー サンピンチャーガル マンドータル(今は色々なお茶があるが、私が幼いころはサンピン茶が多かった)。
- メモ
- 中国の香片茶(シャンピェンツァ)が沖縄で「さんぴん茶」と転じ、親しまれるようになったそうです。
サンブンウコー 喜名,渡慶次,儀間,古堅,長田
3本御香。平御香1片(6本)を半分に分けたもの。
- メモ
- 一般的に仏壇には3本線香を立てた。
サンマール(~サンマール) 喜名,渡慶次,儀間
~しないうちに。
- 用例
- ヌーン サンマール、イチュシェー マシヤサ(何もしないうちに、行った方がいいよ)。
サンマイニク 座喜味
三枚肉。皮付き豚バラ肉。
- メモ
- 類:ナナイェージャー・ハラガー。
サンマグヮー 楚辺
妻がいてもモーアシビに来る男のこと。
サンミナク 長浜,大湾
三線と鳴子。
- メモ
- 悪疫を追い払うためにサンミナク(三線や鳴り物)で座を浄めた。
サンミン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,古堅
計算。算段。
- 用例
- イャームノー ティーチン サンミンヌ アタランシガ、チャー ナトールバーガ(お前のはちっとも計算が合わないが、どうなっているんだ)。マカスル サンミンシ(負かすつもりで)。サンミノー イッテー ネーン(数に入れてない)。
サンミンジョージ 喜名,儀間,宇座,瀬名波,古堅
計算上手。計算が上手な人。
- 用例
- アチネーサーヤ サンミンジョージ アラントー ナラン(商売人は計算上手じゃないとならない)。
サンミンバッペー 喜名,渡慶次,儀間
計算違い。
- 用例
- クレー ユカイウッサ、サンミンバッペー ソーンドー(これはかなり、計算違いしているよ)。
サンミンユーエー 楚辺
{さんみんゆはひ(算みん祝ひ)}。計算祝い。製糖作業を数名で行い、その砂糖代を配分した後の祝い。決算の事。
- 用例
- サーターデーン イッチャルムン、サンミンユーエー サナ(砂糖代も入ったことだし、お祝いしよう)。
サンムユー 喜名,渡慶次,儀間,比謝
産催し。産気づくこと。
- 用例
- サンムユー ソーグトゥ、ヤガテー ゥンマリーンデー(産気づいているから、やがて生まれるよ)。サン ムユースン(産気づく)。
サンメーナービ 渡慶次,儀間
{さんまいなべ(三枚鍋)}。民具。鉄鋼製の大鍋。
- 用例
- クンドゥヌ スージネー、サンメーナービ チカイン(今度のお祝いには、サンメーナービを使う)。
- メモ
- →シンメーナービ。
サンヨークー(~サンヨークー) 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
~せずに。
- 用例
- ヌーン サンヨークー、ナランディ イーンナー(何もせずに、できないと言うのか)。

読込中...