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- しまくとぅば単語帳:ハ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ハー
歯。
- 用例
- ハーヌ ヤリ、チヌーヤ ニンラランタン(歯が痛くて、昨日は眠れなかった)。
アシジャヌ ハー(下駄の歯)。
- メモ
- すり臼の歯にもいう。
ハー
刃。
- 用例
- イラナヌ ハー(鎌の刃)。
ホーチャーヌ ハーガ カキトーン(包丁の刃が欠けている)。
ハー
へえ。感心した時に発する語。
ハー
葉。
- メモ
- 音1:ファー。
ハーイ
①針。②鍼。③針数を数える数詞。
- 用例
- ①ハーイヤ アブナサグトゥ、チカイネー カタジキリヨー(針は危ないから、使ったら片づけなさいよ)。
②ハーイ タティーン(鍼を打つ)。
③ウッピナー ヤリティ、ミハーイヤ ノーリワルナインデー(そんなに大きく破れて、3針は縫わないといけないよ)。
- メモ
- チュハーイ(1針)、タハーイ(2針)、ミハーイ(3針)と数える。
ハーイ
柱。
- 用例
- ワランチャー フル ハカインディ、ハーインカイ キジ チキテーン(子どもたちの背をはかるって、柱に傷をつけてある)。
- メモ
- 音2:ハーヤ。
ハーイヌミー
針の穴。
- 用例
- トゥシ トゥティ ミーン ワッシク ナティ、ハーイヌミーン トゥーシーサン ナトーン(年を取って目も悪くなり、針の穴も通せなくなっている)。
ハーイユ
魚介名。サヨリ。
- 用例
- ハーイユヤ トゥビイユカイ ニチョーン(サヨリはトビウオに似ている)。
ハーエー
かけっこ。かけ足。走ること。
- 用例
- アマカラ ハーエー シ チューシガ、ワー ゥンマガ ヤサ(あそこから走って来るのが、私の孫だよ)。
ハーエーハーエー シ(走って)。
ハーエーゴンゴン
勢いよく走ること。
- 用例
- ワランチャーガ、ハーエーゴンゴン シ ハイタン(子どもたちが、勢いよく走って行った)。
ハーエースーブ
かけっこ。走り競争。徒競走。
- 用例
- ヒサー ヘーサテーグトゥ、チャー ハーエースーブヤ イチバン ヤタン(足が速かったから、いつもかけっこは一番だった)。
ハーガー
車輪。歯車。
- 用例
- ハーガーヌ カタンチョーン(車輪が傾いている)。
ハーカキムニー
歯欠けのような話し方。
- 用例
- ハーカキムニー スグトゥ、マットーバー チカラン(はっきり言わないから、まともに聞けない)。
- メモ
- ①思ったことをはっきり言わないこと。ためらったものの言い方。(儀・瀬)②筋の通らない、でたらめなことを言うこと。(湾・座)
ハーガラ
甘蔗の葉。
ハーガラー
枯れ葉。
- 用例
- ハーガラー アチミティ メースシェー マシ ヤサ(枯れ葉を集めて燃やした方が良いよ)。
- メモ
- 音1:ハーガラ・ファーガラ・ファーガラ。
ハーガラムスル
甘蔗の葉で編んだムシロ。
- 用例
- ヒーサイネー、ハーガラムスル シチャンテーン、ドゥーヤ クヮイヌ グトゥル アタル(寒い時には、甘蔗の葉で編んだムシロを敷いても、体は凍るようだった)。
- メモ
- 甘蔗の葉で編んだムシロで、寒い時にはその上にトゥナミムシル(藺草で編んだムシロ)を敷いて温かくした。
ハーガラヤー
甘蔗の葉で造った家。
バーキ
①カゴ。ザル。②笊数を数える数詞。
- 用例
- ①チューン、バーキヌミー ゥンム フティ チェーンドー(今日も、バーキいっぱいに芋を掘って来たよ)。
②トゥヤーカラヨー、バーキ カミティ イユ ウイガ チュータンヨー(都屋からね、バーキを頭に載せて魚を売りに来ていたよ)。
③ゥンム ミバーキ フティ チャン(芋を3笊掘ってきた)。
- メモ
- ③チュバーキ(1笊)、タバーキ(2笊)、ミバーキ(3笊)と数える。バーキは竹などで編んだ深みのあるもので、主に持ち運ぶのに使う。
バーキガミ
大食い。必要以上に大食いすること。加減を知らない食べ方。
- 用例
- イャーヤ サクン ワカラン、バーキガミ ッシ!(お前は加減も分からず、大食いして!)。
- メモ
- →アバラガミ。大きな深みのあるバーキに相当するぐらいに大食いをすること。
ハーキサミヨー
あれまあ。驚いた時やあきれたときなどに発する語。
- メモ
- 類:アキサミヨー。
ハーギシー
歯ぎしり。怒りや悔しさで歯をかみしめること。
- 用例
- ワラビヌ ハーギシーシ ニナラランタン(子どもが歯ぎしりして寝れなかった)。ハーギシー スン(怒りで歯ぎしりする)。
ハーギシギシー
歯ぎしりする様。怒りや悔しさで歯をかみしめる様。歯がゆい様。
- 用例
- ハーギシギシー スッサー(怒りで歯がギシギシするよ)。
- メモ
- 音1:ハーギチギチー。
ハーギチギチー
歯がゆい様。
- メモ
- 音1:ハーギシギシー。
バーキツクヤー
籠〔かご〕をつくる人。
ハーク
①百。②100文。2厘。
- メモ
- 音1:ヒャーク。
ハークイチー
よく嘘をつく人。いい加減で百にひとつしか本当のことを言わないような人。
- メモ
- 類:ヒャークニティーチー。
パークー
1斗缶。
- 用例
- パークーンカイ シチタンユー コーティ クーワ(1斗缶に石油を買って来なさい)。
- メモ
- 類:ヒチタンパークー。
パークー
おしゃべりな人。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ パークー ナティ、トゥーチ ムヌ ユリ アッチュサ(隣の婆さんはおしゃべりで、いつも噂話をしているさ)。
- メモ
- 類:ベーラー・ムンユマー・ユンタクー。
ハークガニー
お年玉。
- 用例
- ワランチャーンカイ ハークガニー ヰーラシヨー(子どもたちにお年玉をあげてね)。
ハークス
歯垢。
- 用例
- ハークスヌ タックヮトーン(歯垢がついている)。
バーグヮー
おばさん。叔母。
- メモ
- 類:バーチー・バーバー。
バーケー
奪い合い。
- 用例
- ウフッチュガ ワラビトゥ、クヮーシ バーケー ソーン(大人が子どもと、お菓子の奪い合いをしている)。
- メモ
- 類:ケートゥイバーケー。
ハーシシ
歯茎。
- 用例
- ハーヤミ シ、ハーシシマディ ハリトーン(歯痛で、歯茎まで腫れている)。
- メモ
- 類:ハシシ。
ハージャー
竹製の平たいザル。
- 用例
- ナーヲゥティ ハージャーンカイ マーミ フースン(庭でハージャーに豆を干す)。
- メモ
- 豆類や切り干し大根を干すときに使った。
ハーシャビヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハッサビヨ。
いろいろな場面で使われる。
ハーダーリー
いい加減。
- 用例
- アヌ ヰキガヤ ハーダーリー ナティ、シカンサー(あの男性はいい加減で、好きじゃない)。
ハーダムン
葉薪。葉もついたままの小枝を薪用として使う。
- 用例
- ハーダムン トゥイ アチミティ ヒー メースン(ハーダムンを取り集めて火を燃やす)。
ハーダリー
何も持っていない状態。手ぶら。
- 用例
- ハーダリール ヤンデー(何も持っていない、手ぶらだよ)。ハーダリーシル チョーンドー(手土産も持って来てないよ)。
- メモ
- 類:ンナディー・ンナルー・ハーラリー・ンナティ・カラティ・カラディー。
ハーチ
鉢。大皿。平たくて口径が広く浅い器。
- 用例
- ゥンム ハーチヌミー イッテータシガ、ウビジ ネーンナトーン(芋を大きな皿のいっぱい入れてあったが、あっという間になくなっている)。
バーチー
おば。叔母。父母の妹。親よりも年下のおばさん。平民のおばの呼称。
- 用例
- ワカサイネー、バーチーンカイ ユー タシキラッタン(若いころは、叔母によく助けられた)。
- メモ
- 類:ヲゥバマー・オホンマー・ウフーアンマー・ウフンマー。
バーチーグヮー
父母の妹。叔母さん。
- メモ
- 類:ヲゥバマーグヮー。
ハーチグヮー ムッチャー
(供え物の入った)鉢を持つ役割の者。
バーチラー
下品な女。あばずれ。
ハーッサビヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハーシャビヨー・ハーッシ・ハーッシャビヨー。
いろいろな場面で使われる。
ハーッシ
もう。思っているよりも大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハーッサビヨー参照。
いろいろな場面で使われる。
ハーッシャビヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハーッサビヨー参照。
いろいろな場面で使われる。
ハーッシャヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- 用例
- トゥメイカンドー シ、ハーッシャヨー(探しあぐねて、もう大変だ)。
- メモ
- 類:ハーッサビヨー参照。
いろいろな場面で使われる。
ハートゥヤー
大型の鶏〔ニワトリ〕の一種。
- 用例
- ハートゥヤーヌ ミミンカイ、ンカジヌ イッチャンディヌ ハナシガ アタン(鶏の耳の中に、ムカデが入ったという話があった)。
- メモ
- 羽が小さい名古屋コーチンなどの卵を代わりに抱卵〔ほうらん〕させた。
ハートー
ああもう。あきれた時に発する語。
- 用例
- ハートー、アン ヤタン(ああもう、ああいうことだった)。
ハートートゥ
驚きの感嘆詞。
ハーナー
ああもう。思っているよりも大変そうだという時に発する語。
- 用例
- ハーナー、デージ(ああもう、大変)。
ハーナーナー
それはそれは。もう大変だという時に発する語。
- 用例
- ハーナーナー、アン ヤレー アマンケー イカンケー(それはそれは、そうならあそこには行くな)。
ハーヌヤリー
歯痛。
- メモ
- 類:ハーヤミー。
ハーバー
端々。枝葉。本筋や中心からはずれたところ。末節。
バーバー
おばさん。叔母。父母より年下のおばさん。
パーパー
おばあさん。祖母。
- 用例
- パーパーンカイ クヮーシ ムッチ イチュン(おばあさんにお菓子を持って行く)。
- メモ
- ハーメーよりも敬った言い方。
→オバー。
パーパークーギ
植物名。イタチガヤ。お婆さんの陰毛の意味。
- メモ
- 類:ハーメークーギ・ハーメークーギー。
高さ10~30㎝、枯れたような色で細く、すぐに抜くことができた。川端や崖などに生えていた。
ハーバーハーバー
急かしている様。
- 用例
- ハーバーハーバー ヌー イスジョーガ(そんなに急かして何を急いでいるの?)。
パーパーフージョー
煙草入れ。
- 用例
- アマンカイアヌ パーパーフージョー トッティ クーワ(あそこにある煙草入れを取って来なさい)。
- メモ
- 音1::ハーメーフージョー。音2:フージョー。
ハーヒャー
へえ。驚いた時に発する語。
ハーフーバカ
墓名。破風墓。
- メモ
- 音1:ハフーバカ。
破風墓とは、沖縄特有の墓の形式のひとつで、屋根が破風形となっているものである。
ハーフジ
祖父母。
- メモ
- 音:ファーフジ。
ハープチナイ
歯を食いしばっても我慢できないほど憤る様。
- 用例
- ヰキガ ヤレー、ハープチナイ ソーティン ニジワル ヤンドー(男だったら、歯を食いしばっても耐えるものだよ)。
- メモ
- 類:ハープチプチー。
ハープチプチ
冷たいものが歯にしみること。
- 用例
- ヒジュルムン カミーネー ハープチプチ スン(冷たいものを食べると歯にしみる)。
ハープチプチー
歯を食いしばっても我慢できないほど憤る様。
- メモ
- 類:ハープチャイ。
ハーベールー
蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。
- 用例
- ニンジジャーンカイ ハーベールーガ イッチョーン(寝室に蛾が入っている)。
- メモ
- 音1:ハベール・ハベルー。
ハーマ
浜。
- 用例
- ハーマカイ ウリティ ンナ ヒルイン(浜に下りて貝を拾う)。
ハーマアシビ
浜遊び。3月3日に若い娘が浜に下りて、砂を踏んで遊ぶこと、。
- 用例
- ワッタン ワカサイネー、ウジュー シコーティ ハーマアシビカイ ゥンヂャン(私たちも若い頃は、お重を作って浜遊びに行った)。
ハーマイリキ
<浜炒め。豚を潰して浜で炒めた肉。
- 用例
- ウヮー クルチ アトー、ハーマンジ カマ チュクティ ハーマイリキ スタン(豚を潰した後は、浜で窯を造ってハーマイリキーをした)。
- メモ
- 音2:ハーマイリキメー。
ハーマイリキメー
浜で炒めた豚肉を入れて作ったお粥。
- 用例
- ヤーヲゥテー ハーマイリキメー タクタン(家ではハーマイリキメーを炊いた)。
- メモ
- →ハーマイリキ。
ハーマジー
浜地。
ハーマジューコー
<浜焼香。身内が海で遭難したり、旅先で亡くなった場合、清明祭の日に墓での祈願を終えた後、海に向かって拝むこと。
- 用例
- アヒー ハーマジューコー ウサギーン(兄の浜焼香をささげる)。
- メモ
- →ウミジューコー。
ハーマヤー
浜番。字からの依頼で浜の番をする人。
- 用例
- ハーマヤーヌ スーヤ、ガンジュー ソーガヤー(浜番のお父さんは、元気にしているかな)。
- メモ
- →ハマバン。
ハーメー
おばあさん。祖母。
- 用例
- シバイ ミーガ、ハーメー ソーティ イキワル ヤッサー(芝居を観に、おばあさんを連れて行かなくちゃ)。
- メモ
- 平民の呼称としても使われる。
→オバー。
ハーメークーギ
植物名。イタチガヤ。
- メモ
- 音:ハーメークーギー。類:パーパークーギ。パーパークーギ参照。
ハーメークーギー
イタチガヤ。
- メモ
- 音:ハーメークーギー。類:パーパークーギ。パーパークーギ参照。
ハーメーフージョー
煙草入れ。
- 用例
- ワッター タンメーヤ、チャー ハーメーフージョー ヒサギトータン(私のおじいさんは、いつも煙草入れを下げていた)。
- メモ
- →パーパーフージョー。
ハーモー
歯が欠けている人。歯がない人や状態。
- 用例
- メーバ ヌジャレー、ハーモー ナトーン(前歯を抜いたら、ハーモーになっている)。
ハーヤ
柱。
- 用例
- ウヌ ハーヤヌ キジェー ターガ チキテーガ?(その柱の傷は誰がつけたの?)。
- メモ
- 類:ハーイ。
ハーヤー
えっ。えーまさか。
- 用例
- ハーヤー ナイガヤー(えっー本当にできるかな)。
ハーヤー
歯医者。歯科医院。
- 用例
- ハーヌ ヤリ、ハーヤーカイル ゥンヂチャンレー(歯が痛くて、歯医者に行ってきたんだよ)。
ハーヤシェー
葉野菜。なっぱ。
- 用例
- ハーヤシェー イッティ シル ワカスン(葉野菜を入れて汁を作る)。
- メモ
- →ウズル。
ハーヤミー
歯痛。
- 用例
- ハーヤミー シ フシガラングトゥ、ハーヤーカイ ゥンヂクーヒー(歯が痛くてたまらないから、歯医者に行って来るね)。
- メモ
- 類:ハーヌヤリー。
パーラー
下痢。水のような便が勢いよく出ること。
- メモ
- 音2:パーラークスマヤー。→クスタリー。
パーラークスマヤー
下痢。
- メモ
- 音2:クスタリー・クスパーラー・クスヒリー・クスマヤー・パーラー。
パーラーメンナ
植物名。ルリハコベ。
- メモ
- 魚を捕る毒として、ルリハコベを突いて潮だまりに入れ、浮いてきた魚をとった。
→アラミンナー。
ハーラーリー
いい加減。だらしないこと。
- 用例
- アヌ ヰキガヤ、ハーラーリーナティ シカンサー(あの男性は、いい加減で好きじゃない)。
- メモ
- 類:ハーダーリー。
パーラナイ
勢いよく。一目散に。
- 用例
- ヌーカイル ウヮーットーラー パーラナイ ヒンギティ ハイタン(何に追われているのか、一目散に逃げて行った)。
- メモ
- 音2:ブールナイ。
ハーラリー
何も持っていない状態。手ぶら。
- メモ
- 類:ンナディー・ンナルー・ハーダリー・カラティ・カラディー。
パーランクー
片面だけに牛皮を張った小太鼓。
- 用例
- ウスメーガ パーランクー チュクティ トゥラスサ(お祖父さんがパーランクーを作ってやるよ)。
パーランクー
降雨後、土をこねて平皿を作り地面に投げつけてパーンとかポンと音を立てて遊ぶ遊び。
- メモ
- 類:ボントゥシェー。
ハーリー
爬竜船競争。航海の安全や豊漁を祈願し、伝統漁船のサバニで競漕を行う行事。
- 用例
- ヤガテー チユン アキティ、ハーリーン ハジマインドー(やがて梅雨も明けて、ハーリーも始まるよ)。
ハイイチャイン
ばったり出会う。出会う。
- 用例
- ハイイチャイネー(ばったり出会ったら)。ドゥシトゥ ハイイチャティネーン(友達とばったり出会ってしまった)。
- メモ
- 音1:ハイチャイン。類:ハッカカイン・ハッチャカイン。
ハイウスイン
連れ去る。
- 用例
- モーアシビ スン トゥクルカラ ハイウスティサグトゥ、オクサノー ワーチンカイ ヒックヮーサーイ(モーアシビをしている所から連れ去った、奥さんは脇に抱えて)。
- メモ
- 「喜屋武ミーぐゎー」『高志保の民話』より。
ハイカカイン
さしかかる。
- 用例
- タコーヤマ ハイカカタグトゥ(多幸山にさしかかったから)。
ハイカラー
ハイカラ。おしゃれ。
- 用例
- ハイカラーネーネー、チュラスガイ シ マーカイガヤー?(ハイカラな姉さんよ、おしゃれしてどこに行くのかねぇ?)。
ハイクシガー
地名。
ハイクヮースン
通り越す。通り過ぎる。
- 用例
- ユンタク スンディチ ハイクヮーチネーラン(おしゃべりをしていて通り過越してしまった)。
過:ハイクヮーチャン(通り越した)継:ハイクヮーチョーン(通り越している)。
ハイクヮースン
通り過ぎる。
- 用例
- アイヒャー!ハイクヮーチャシェー(あれまあ!通り過ぎてしまったさ)。
ハイケーイン
張り替える。
- 用例
- アカイン フルク ナトーグトゥ ハイケーイン(障子が古くなっているから、張り替える)。
否:ハイケーラン(張り替えない)希:ハイケーイブサン(張り替えたい)過:ハイケータン(張り替えた)継:ハイケートーン(張り替えている)。
- メモ
- 類:ハイノースン。
ハイケーニーケー
度々。何回も。
- 用例
- ハイケーニーケー チェールフージ ヤシガ、ヌー ユージュ ヤタガヤー?(何回も来たようだが、何の用事だったのかな?)。
ハイサーリー
ごめんください。
- 用例
- ハイサーリー、ターガラ ヲゥイビガヤー?(ごめんください、誰かいますか?)。
ハイサイ
こんにちは。
- 用例
- ハイサイ、マーカイ メンシェーガ?(こんにちは、どこへいらっしゃるんですか?)。
ハイタックヮスン
必要以上に張りつける。
- 用例
- ヌーヤークィーヤー、カンゲーランヨークー ハイタックヮチェーサン(何やかや、考えずに張りつけてあるさ)。
否:ハイタックヮサン(張りつけない)希:ハイタックヮシーブサン(張りつけたい)過:ハイタックヮチャン(張りつけた)継:ハイタックヮーチョーン(張りつけている)。
ハイチャイン
ばったり出会う。出会う。
- メモ
- →音1:ハイイチャイン。
ハイドードー
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
ハイノースン
張り直す。
- 用例
- アンシェー トゥーランリーグトゥ ナー チュケーン ハイノースン(それではいけないというから、もう1回張り直す)。
- メモ
- 類:ハイケーイン。
ハイバンユー
廃藩世。廃藩の時代。
ハイミグイミグイ
機会を作って立ち寄ること。
- 用例
- チャー ソーガヤーディチ、ハイミグイミグイ マーティ イチュン(どうしているのかと、機会あるごとにまわって行く)。
- メモ
- 類:トゥンマーイマーイ・トゥンミグイミグイ。
ハイミングヮスン
張り巡らす。
- 用例
- ゥンマカラ アママディ ハイミングヮスン(そこからあそこまで張り巡らす)。
否:ハイミングヮサン(張り巡らせない)希:ハイミングヮシーブサン(張り巡らせたい)過:ハイミングヮチャン(張り巡らせた)継:ハイミングヮチョーン(張り巡らせている)。
ハイヤー
へえ。意外なことを聞いた時に発する語。
ハイヤンジュン
張り損ねる。
- 用例
- チュガ スシ ンジャガチー サンネー、アカイ ハイヤンジュンドー(人がするのを見ながらしないと、障子を張り損ねるよ)。
ハイヨー
ちょっと待てよ。
- 用例
- ハイヨー、アネー アランタルムン チガトーサ(ちょっと待てよ、そうするつもりじゃなかったのに間違ってしまったさ)。
ハイン
①行く。去って行く。走る。②(汗や血が)流れる。
- 用例
- ①ガッコー ウワイネー ンナ ヤーカイ ケーティ ハイン(学校が終わると、皆家に帰って行く)。ハイギーン(行こうとしている)。ヤーカイ ハチェール バー(家に帰ったわけさ)。イッチ ハイタン(入って行った)。イスジョーラー イャーヤ ヘーク サチ ナティ ハレー(急いでいるなら、貴方は早く先に行きなさい)。
②アシ ハトーン(汗をかいている)。
過:ハイタン(行った)。
ハイン
①張る。②大きく開ける。③あらわにする。むき出しにする。
- 用例
- ①ジー カチ ハーヤンカイ ハイン(字を書いて柱に張る)。
②チン ハトーティ(着物をはだけて)
③ホー ハイン()。チビ ハイン()。
否:ハラン(張らない)希:ハイブサン(張りたい)過:ハタン(張った)継:ハトーン(張っている)。
- メモ
- 対:ハガスン(剥がす)。
ハインマ
走り馬。よく走る馬。駿馬。〔しゅんめ〕。
- 用例
- トゥシヌ ハイシェー、ハインマヌ ハインネール アル(年が過ぎるのは、足の早い馬が駆け抜けるようだ)。
ハウイ
羽織。
- 用例
- スージ カイ ハウイ チチ イチュン(お祝いに羽織を着て行く)。
ハカ
墓。
- メモ
- →シンジュ。
ハガー
禿げている人。
- 用例
- ワカサヌ ムンヌ、キー ヌギティ ハガー ナトーン(若いのに、毛が抜けて禿げになっている)。
- メモ
- 類:ハギー・フディー。
ハガー
配る人。配達人。
- 用例
- ムラジュー クバイグトゥ ハガーヤ ウーサシェー マシ(村中に配るから、配る人は多い方が良い)。
ハカームシ
昆虫名。シャクトリムシ。
- メモ
- 類:ハカヤームシ。
ハカイ
秤。
- 用例
- ハカイッシ ハカティカラ ワキーサ(秤で量ってから分けるよ)。
ハカイヌミー
秤目。
- 用例
- ハカイヌミー バッペーイネー アトッシ デージ ナインドー(秤目を間違えたら後で大変だよ)。
ハカグチ
端緒。糸口。畑の鍬入れ。仕事などの始め。
- 用例
- ハカグチ アキレーカラー、サーラナイ チョー イッチ チューンドー(糸口を開ければ、直ぐに人は入って来るよ)。
ハル ワキーグトゥ、ハカグチ アキティ ヤシェーン ヌーン イーリワ(畑を分けてあげるから、畑の鍬入れをして野菜なども植えなさい)。
ハカグヮーチュクエー
墓作りごっこ遊び。
- メモ
- マッチ箱の棺に死んだ蛙やバッタを入れて葬式ごっこをした。墓は盛り上がった所に横穴を掘って作った。屋敷内でやると怒られるので、山や畑でやった。
ハカジェーク
墓細工。墓大工。
- 用例
- アヒーヤ ハカジェークシ ムンクェージク ソーン(兄は墓大工をして生活している)。
ハカシチ
墓敷地。
ハカスン
あく抜きする。
- 用例
- ミジカイ チキティ アク ハカスン(水に浸してあく抜きをする)。
ハガスン
剥がす。
- 用例
- ハーヤカイ ハテーヌ カビ ハガスン(柱に張ってある紙を剥がす)。
否:ハガサン(剥がさない)希:ハガシーブサン(剥がしたい)過:ハガチャン(剥いだ)継:ハガチョーン(剥がしている)。
- メモ
- 対:ハイン(張る)。
ハカドゥイン
捗る。
- 用例
- タイミッチャイシ ヤレー シクチン ハカドゥイン(2、3人だったら仕事も捗る)。
- メモ
- 類:ハバチュン。対:アカーヌバン(捗らない)。
ハカナー
墓庭。墓の敷地内にある広場。
- 用例
- ハカナーヲゥテイ ウジューヤ ヒラチュサ(御重は墓庭で開くさ)。
- メモ
- 類:ハカヌメー。
ハガナー
きれ者。賢い者。器用な者。働き者。
- 用例
- ハガナー ナティ、ヌー ヤティン ノーチ トゥラスン(器用な人で、何でも直してくれる)。
- メモ
- 音1:ハガニー。→アガチャー。
パカナイ
どんどんと。次々に。
ハガナハン
物足りない。不足。
- 用例
- ウッサグヮー ムッチ ゥンヂェー、ハガナハンレー(たったそれだけ持って行っては、物足りないよ)。
ハガニ
鋼〔はがね〕。刃物の刃の部分。
- 用例
- ハガニ シミレー(鋼の継ぎ足しをやってもらえ)。
ハガニヌ ヲゥーリティ チカーラン ナトーン(刃が折れて、使えなくなっている)。
- メモ
- 鍬〔くわ〕の具合が悪くなると、鍛冶屋で鋼を継ぎ足してもらった。
ハガニー
きれ者。賢い者。器用な者。働き者。
- 用例
- ワッター ユメー イッペー ハガニーグヮー ヤン(私の嫁はとてもよく働く)。
- メモ
- 音1:ハガナー。→アガチャー。
ハガニサッスー
出しゃばりで口が悪いこと。また、その人。
ハガニムン
きれ者。賢い者。器用な者。働き者。
- 用例
- ハガニムン ナティヨ(頭が切れてね)。
- メモ
- →アガチャー。
ハカヌスーギ
墓の祝い。
- 用例
- ハカヌスーギヤ、ヤーヌ スーギトゥ ユヌグトゥ マギードー(墓の祝いは、新築祝いと同じように盛大にやるよ)。
- メモ
- 音1:ハカヌスージ。
家を新築する時と同じように、墓の祝いは盛大に行う。その日は墓の庭で三線を弾いて嘉例をつけ、色々な供え物をする。また、年忌は人が亡くなった時と同じように、一年忌、三年忌・・・三十三年忌まで行う。
ハカヌスージ
墓の祝い。
- 用例
- ハカヌスージネー、ハカヌ ナカヲゥティン サンシン ヒチ モーイン スンドー(墓の祝いには、墓の中でも三線を弾いて踊りもするよ)。
- メモ
- 音1:ハカヌスーギ。
ハカヌナー
墓の庭。墓の敷地内にある広場。
- メモ
- 音1:ハカナー。
ハカヌメー
墓前。
- 用例
- シーミーネー ハカヌメーヲゥティ ジューバク ヒラチュン(清明祭には墓前で重箱を開く)。
- メモ
- 音1:ハカヌナー。
ハカバーン
墓番。
- メモ
- 字渡具知では死者の着ている着物を盗まれないようにと、死後3日ほど親戚の人が夜通し番をした。
ハカブシン
墓普請。
- 用例
- ニッター ハカブシンヤ イチカラ ハジマイビーガ?(貴方達の墓普請は何時から始まるんですか?)。
ハカマ
女性の下着。
- メモ
- →カカン。
ハガマ
羽釜。鍋。
- 用例
- チカイヂューサヌ ハガマヤ アナ アチョーン(使いすぎて、羽釜は穴が開いている)。
ハカメー
墓参り。
- 用例
- ウヤヌ ハカメー(親の墓参り)。ヤーニンジュッシ ハカメーカイ イチュン(家族で墓参りに行く)。
ハカヤームシ
昆虫名。シャクトリムシ。尺取り虫。
- 用例
- チヌンカイ ハカヤームシガ シガトーン(着物に尺取り虫がついている)。
- メモ
- 類:ハカムシ。
ハカレー
計らい。計画。処置。
- 用例
- イー ハカレーヌ アン(良い考えがある)。
ハカレーグトゥ
計らい事。はかりごと。計略。
ハギー
禿げた人。
- 用例
- ワッター タンメーヤ、ハギータンメーディチ アジャナ チキラットータン(私たちのおじいさんは、ハギータンメーとあだ名をつけられていた)。
- メモ
- 類:キーハガー・ハギヤー。
ハギーダックイ
禿の血筋。
バキーン
化ける。
- 用例
- アカマターガ チュラヰキガンカイ バキヤーナカイ(アカマタが美男子に化けて)。
- メモ
- 「アカマタ婿入り」『大木の民話』より。
ハギジ
禿げ地。荒地。
- 用例
- ヤマヌミーヌ ハルヤ ハギジ ナティ、ヌーン イーララン(山の中の畑は荒れ地で、何も植えられない)。
- メモ
- 音:ハギジー。
ハギジー
禿げ地。荒地。
- メモ
- 音:ハギジ。
ハギジャビヨー
ああ、もう(大変)。
- メモ
- 類:ハーシャビヨー参照。
ハギチブラー
坊主刈り。丸刈り。
- 用例
- ハギチブラー サレー サージャートゥ ナトーン(丸刈りにしたらすっきりした)。
ハギナー
平等に与えること。
- 用例
- ムットゥンカイ ハギナー スンディチ デージ ヤサ(全員に平等に配るって大変だ)。
バキムン
化け物。お化け。
- 用例
- アネアネ、ユル ナチーネー バキムンガ ゥンジティ チューンドー(ほらほら、夜泣くとお化けが出て来るよ)。
- メモ
- 類:インマユー。
ハギモー
禿げ野原。
ハギヤー
禿げた人。
- メモ
- 類:ハギー・キーハガー。
ハキラリーン
(罰則札を)かけられる。
ハク
①箱。②箱数を数える数詞。
- 用例
- ①ハクヌ ナカカイ イェンチュヌ イッチョーン(箱の中に鼠が入っている)。②タハコー ムッチ イキワル マニアーランドー(2箱は持って行かないと、間に合わないよ)。
- メモ
- ②チュハク(1箱)、タハク(2箱)、ミハク(3箱)と数える。
ハクゴーイ
箱買い。品物を箱ごと買うこと。
- 用例
- ンカシェー ソーミン ハクゴーイ スタン(昔は素麺を箱ごと買っていた)。
バクジマ
サザエのふた。
バクジマクヮーエー
バクジマ(サザエのふた)を賭ける遊び。
- メモ
- 地面にお碗大の穴を掘り、小石を集めて穴の前に置き、サザエのふたを転がして小石に当て、穴に落とすのを競った。
ハクソー
百姓。農業を主としている人。
- 用例
- ハクソーン ヲゥグトゥル、ワッター シクチアッチャーン ムノー カマリンドー(農業をする人がいるから、私たち勤め人もご飯が食べられるんだよ)。
ハグチ
唇。
- 用例
- ミヤラビンチャーヌ、ワライハグチヌ チュラハヨ(若い娘たちが、笑った時の唇の美しいこと)。
ハクヂミ
箱詰め。
- 用例
- ニムチェー ハクヂミ ッシ ウカットーン(荷物は箱詰めにして置かれている)。
バクチャーガマ
博打打洞窟。渡具知にある洞窟名。チャンクルーで博打をして遊んだ。
- メモ
- トゥージヌサチの下にある。
パクナイ
パクッと食いつく様。躊躇〔ちゅうちょ〕なく食べる様。ためらうことなく食いつく様。
- 用例
- ユカイ ヤーサルアタラー、パクナイ カロータン(よっぽどお腹がすていいたのか、ためらうことなく食いついていた)。
ハクヌジ
箱抜き。
ハクヌメー
毎日のように。
- 用例
- コーリガシーガ ハクヌメー ジン イミーガ チューン(高利貸しが毎日のように取り立てに来る)。
パクパク
口を開け閉めしている様。口をパクパクしている様。
- 用例
- クチ パクパク ソーシガ ヌール イチョーラー ワカラン(口をパクパク動かしているが、何を行っているか分からない)。
バクヨー
博労。家畜の売買をする人。
- 用例
- ンカシェー、ウヮーバクヨー ウシバクヨーディチ マンドータン(昔は、豚博労や牛博労がたくさんいた)。
- メモ
- 類:ウシバクヨー・ゥンマバクヨー・ウヮーバクヨー。
ハクラン
コレラ。
- 用例
- ハクランヌ ヘートーグトゥ、キー チキリヨー(コレラが流行っているから、気をつけなさいよ)。
ハクランソーカン
コレラによる下痢や嘔吐。
- 用例
- ハクランソーカン ナティ、ヤーカラン ゥンジラランサ(下痢や嘔吐で、家から出ることもできないさ)。
- メモ
- 乾燥させたセンブリを飲むと下痢によいとされていた。
ハクン
(首等に)かける。はく。
- 用例
- クビカジャイ クビンカイ ハクン(首飾りを首にかける)。
- メモ
- 音1:ハチュン。
ハクン
吐く。もどす。
- 用例
- サキ ヌミーヂューサヌ ハクン(酒を飲み過ぎてもどす)。
- メモ
- 音1:ハチュン。→アギーン。
ハグン
配る。
- 用例
- イユ チャッサン トゥティ チェーグトゥ、ケートゥナイカイ ハグン(魚をたくさん取って来たから、隣近所に配る)。
- メモ
- 音1:ハジュン。→イェースン。
ハゴーウミー
くすぐったがりや。
ハゴーギー
植物名。サルスベリ。
ハゴーギサン
汚らしい。
- 用例
- ユーフルン イラングトゥ、チヌン ユグリティ ハゴーギサン(風呂も入らないから、着物も汚れて汚らしい)。
ハゴーサン
汚い。
- 用例
- グミ ゥンマンカイ ウチョーチーネー ハゴーサンドー(ごみをそこに置いていたら汚いよ)。
- メモ
- 類:ハゴーハン。対:チュラハン・チュラサン(きれい)。
ハゴーハン
汚い。
- 用例
- ヤーヌ ジコー ハゴーハン(家がとても汚い)。
- メモ
- 類:ハゴーサン。対:チュラハン・チュラサン(きれい)。
ハゴーミー
きれい好き。少しでも汚れているのを嫌がること。
- 用例
- ルク ハゴーミー ナティン ヤッケー ヤサ(余りにもきれい好きになっても厄介だ)。
ハゴーミー
くすぐったがりや。
- メモ
- 音:ハゴーウミー。
ハゴームン
汚い奴。また汚いもの。厄介者。
- 用例
- アレー チュヌ ムヌン トゥラトゥラ シ、ミッタ ハゴームン ヤッサー(あいつは人の物を取りたがって、ほんとに汚い奴だ)。
- メモ
- 音2:ハゴーリーッチュ。
ハゴーリ
大げさな。
- 用例
- ハゴーリ ッチュ ヤッサー(大げさな人だなあ)。
ハゴーリーッチュ
汚い奴。
- 用例
- アリサク ハゴーリーッチョー ヲゥラン(彼ほど汚い奴はいない)。
- メモ
- →ハゴームン。
バサ
①馬車。②馬車数を数える数詞。
- 用例
- ①イクサユーニ ヤンバルカイ ヒナン スンディチ、 バサ カキティ ゥンヂャン(戦世に山原に避難しようと、馬車で行った)。②ウッサヤレー チュバサンカイ ヌインテー(それだけなら馬車1台に載るでしょう)。
- メモ
- 音1:バシャ。②チュバサ(1馬車)、タバサ(2馬車)、ミバサ(3馬車)と数える。
バサー
芭蕉。芭蕉布〔ばしょうふ〕。
- 用例
- ンカシェー アタイグヮーンカイ、バサーン イーテータンドー(昔は屋敷内の畑に、芭蕉も植えてあったよ)。
バサーギン
芭蕉の着物。
- メモ
- 音:バサーヂン。
バサーヂン
芭蕉の着物。
- 用例
- ナチヌ バサーヂンヌ シラサヨー(夏のバサーヂンの涼しいことよ)。
- メモ
- 音:バサーギン。
バサナイ
芭蕉の実。バナナ。
- 用例
- ンカシェー、ヤシチンカイ バサナイギーン イーテータン(昔は、屋敷内にバナナの木も植えてあった)。
バサナイヲゥー
芭蕉。
- メモ
- 類:バサヲゥー。
バサムッチャー
馬車持ち。馬子。馬方。
- 用例
- チャンミーヤ、バサムッチャー ッシメータンディサ(喜屋武ミーは、馬車引きをしていらっしゃったそうだ)。
- メモ
- 音1:バシャムッチャー。→チャンミーグヮー。
ハサムン
挟む。
- 用例
- ハンリラングトゥ、ジョーブニ ハサムン(外れないように、しっかり挟む)。
否:ハサマン(挟まない)希:ハサミーブサン(挟みたい)過:ハサダン(挟んだ)継:ハサドーン(挟んでいる)。
バサヤドゥ
馬車宿。馬車ムッチャーが那覇への往復途中に休憩するところ。
- メモ
- 宿の前に馬車を何台か停めて、馬にハミ(食み→飼料)をやり、馬車ムッチャーは中で雑炊やカラスグヮー(アイゴの稚魚の塩漬け)をのせた豆腐などの食事をとっていた。一般の人は入ることはなく、馬車ムッチャーだけが利用した。読谷では喜名にあった。
バサヲゥー
芭蕉。糸芭蕉。
- メモ
- 類:バサナイヲゥー・シマヲゥー・トーヲゥー・トーバナナ・ヲゥー・バサー・バサナイ。
ハサン
ハサミ。
- 用例
- ワラビンカイ ハサン チカーシーネー アブナサンドー(子どもにハサミを使わせると危ないよ)。
- メモ
- 病人の枕元にはハサミなどの刃物を魔除けとして置き、ヤナムンが入ってこないようにサンを結んでおいた。また赤児のハチアッチーには魔除けとしてハサミを持って行った。
ハシ
橋。
ハシ
箸。箸数を数える数詞。
- メモ
- 数詞は(~箸)はチュハシ(1箸)、タハシ(2箸)、ミハシ(3箸)と数える。
ハジ
水甕。水を溜める大きな口をした円形の甕。
- 用例
- ヤーヌ メーカイ チャッピナーヌ ハジヌ ウカットータン(家の前には大きな水甕が置かれていた)。
- メモ
- 雨水などを貯めるため、家の前の方に置いていた。
ハジ
恥。
- 用例
- チュニンジノーハジ シランネー イチカランドー(人間は、恥を知らないと生きていけないよー)。
- メモ
- 音2:チラハジ。
ハジ
筈。はず。
- 用例
- クヮー チュイル ヤタル ハジ ヤッサー(子どもは一人だった筈だよ)。
ハジーン
脱ぐ。
- 用例
- ンリトーグトゥ ウヮービヌ チン ハジーン(濡れているから、上の着物を脱ぐ)。
否:ハジラン(脱がない)希:ハジーブサン(脱ぎたい)過:ハジタン(脱いだ)継:ハジトーン(脱いでいる)。
ハジガーバル
{萩川原}。長浜の小字。
ハジカサウミーグヮー
恥ずかしがりや。
- メモ
- 類:ハジカサミー。
ハジカサミー
恥ずかしがりや。
- 用例
- ハジカサミー ナティ、チュヌメーヲゥティ ハナシー ナイガヤー(恥ずかしがり屋で、人前で話せるかな)。
- メモ
- →ハジカサウミーグヮー。
ハジカサワレー
恥ずかしげに笑うこと。
- 用例
- トゥーチ ワジカサワレービカーン シ ムヌン イランサ(いつも恥ずかしげに笑ってばかりで、話もしないさ)。
ハジカサワレー
恥ずかしげに笑うこと。
- 用例
- トゥーチ ワジカサワレーbカーンシ ムヌン イランサ(いつも恥ずかしげに笑ってばかりで、話もしないさ)。
ハジカサン
恥ずかしい。
- 用例
- チュヌメートゥティ ウタタイ モータイ スシェー、イッペー ハジカサン(人前で歌ったり踊ったりするのは、とても恥ずかしい)。
ハジキ
ハジチ。針突。
- 用例
- ワンネー ヰナグヌ ウヤカイ ソーラッティ、ユルカラ ハジキ チキーガ ゥンヂャン(私は母親に連れられて、夜から針突を突きに行った)。
- メモ
- 音1:ハジチ。
ハジキーン
損なう。物などを当たり(もらい)損なう。~し損なう。
- 用例
- ニッカ イチーネー フービ ハジキーンドー(遅く行くと褒美をもらい損ねるよ)。
ウヤヌ ミーウティー ミー ハジキタンディ(親の死に目を、見ることができなかったそうさ)。
- メモ
- 音1:ハジャキーン。
「雀孝行」『古堅の民話』より。
ハジサ
端の方。
- 用例
- ハジサカイ ヰーネー ウティーンドー(端の方に座ると落ちるよ)。
ハシシ
歯茎。
- 用例
- ハシシヌル フックティ ヤムンデー(歯茎が腫れて痛いんだよ)。
ハジチ
ハジチ。針突。
- 用例
- ンカシヌ ハーメーター ハジチェー チュラサンヤー(昔のお婆さんたちの針突はきれいだね)。
- メモ
- 音1:ハジキ。
ハジチガサ
ハジチの瘡。
ハジチャー
針突を専門に突く人。針突の施術師。
- 用例
- ワッター シマネー、ハジチャーヤ ヲゥランタン(私の村には、針突を専門に突く人はいなかった)。
ハジチラー
恥知らず。
- 用例
- シキヌン シラン ハジチラーヤ(世間も知らない恥知らずめ)。
ハシットゥ
元気に。すっきり。
- 用例
- クスイン ヌレーティカラ、ナマネー ハシットゥ ナイサ(薬も飲んだんなら、すぐに元気になるよ)。
ハジマイ
最初。始まり。
- 用例
- ハジマイヤ ンナ、ワカランル アルヨー(最初は皆、分からないんだよ)。
- メモ
- 対:ウワイ(終わり)。
ハジマイン
始まる。
- 用例
- ナー ヤガティ シバイン ハジマインドー(もうやがて芝居も始まるよ)。
否:ハジマラン(始まらない)過:ハジマタン(始まった)継:ハジマトーン(始まっている)。
- メモ
- 対:ウワイン(終わる)。
ハジマカー
ハゼノキにまけて皮膚病になること、人。漆〔ウルシ〕かぶれ。
- 用例
- ハジマカーヌ ヰーゴーハヌ、ニジララン(ハゼノキかぶれが痒くて、我慢できない)。
- メモ
- 音2:ハジマキ。
ハジマカーギー
櫨〔はぜ〕の木。ハゼノキ。ウルシ科の落葉高木。
ハジマキ
ハゼノキかぶれ。漆〔ウルシ〕かぶれ。
- 用例
- ハジマキシ、ドゥーイッペー フチゥンジトーン(ハゼノキかぶれで、体中に湿疹が吹き出ている)。
- メモ
- →ハジマカー。
ハジミ
初め。最初。
- 用例
- ハジメー ターン ワカランル アル(最初は誰も分からないんだよ)。
ハジミーン
始める。
- 用例
- ジカン ドゥーイ ハジミーン(時間どおり始める)。ハジミービラ(始めましょう)。
否:ハジミラン(始めない)希:ハジミーブサン(始めたい)過:ハジミタン(始めた)継:ハジミトーン(始めている)。
- メモ
- 対:ウワイン(終わる)。
ハジミティ
初めて。
- 用例
- ワンネー アッタートー ハジミティル イチャイル(私は彼等とは初めて会うんだよ)。
バシャ
馬車。
- 用例
- バシャ カキティ(馬車に荷車をつけて)。
- メモ
- 音1:バサ。
ハジャキーン
損なう。物などを当たり(もらい)損なう。~し損なう。
- 用例
- チュヌ ウーサイネー ハジャキーンテー(人が多いと当たり損ねるよ)。
否:ハジャキラン(損なわない)過:ハジャキタン(損なった)継:ハジャキトーン(損なっている)。
- メモ
- 音1:ハジキーン。
バシャジェーク
馬車大工。
バシャムッチャー
馬車持ち。馬子。馬方。
- メモ
- 音1:バサムッチャー。
ハジュン
配る。
- 用例
- シンシーカラ アジカトール チョーミン ンナカイ ハジュン(先生から預かった帳面を皆に配る)。
- メモ
- 音1:ハグン。→イェースン。
ハシリ
雨戸。戸。
- 用例
- ニンジュグトゥ、ハシリン ミチレー(寝るから、雨戸も閉めなさい)。
- メモ
- 音1:ハシル。
ハジリーン
外れる。
- 用例
- タイヤ ナー ウヤヌコーヤ ハジリトールバーテー(二人はもう、親孝行から外れているんだよ〈親孝行ではなかったんだよ〉)。
- メモ
- 音2:ハンリーン。
「子供の肝」『大湾の民話』より。
ハシリグチ
戸口。
- 用例
- ハシリグチンカイ タッチョーシェー ター ヤガヤー(戸口に立っているのは誰かな)。
- メモ
- 音1:ハシルグチ。
ハシリミチ
戸道。
- 用例
- ハシリミチンカイ ヒッカカティ、トーン アチーカンティー スン(戸道に引っかかって、戸も開けにくい)。
- メモ
- 音1:ハシルミチ。
ハシル
雨戸。戸。
- 用例
- ヒーサグトゥ ハシル ミチレー(寒いから戸を閉めなさい)。
- メモ
- 音1:ハシリ。
ハシルグチ
戸口。
- 用例
- ハシルグチカイ ヰラヤカ ウチカイ イレー(戸口に座るより中に入りなさい)。
- メモ
- 音1:ハシリグチ。
ハシルミチ
戸道。
- 用例
- ハシルミチンカイ グミヌ イッチョーン(戸道にゴミが入っている)。
- メモ
- 音1:ハシリミチ。
ハジヲゥーキ
大きめの桶。
- メモ
- 味噌を作るときや、そら豆を漬けるときに使った大きめの桶。女性用の頭上運搬具としても使われた。
バス
場合。とき。
- 用例
- ナン アタイル バス(災難に遭う場合)。カユイル バスネー(通うときには)矼。
ハタ
はた。近く。そば。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ハタンカイ ヤー チュクイン(実家の近くに家を造る)。
パタイ
死。
- 用例
- アマヲゥタイ パタイ ソーン(あそこで死んでいる)。
- メモ
- 戦後フィリピン出身の在沖兵隊らから入った外来語といわれている。
ハタカイン
開〔はだ〕かる。立ちはだかる。
- 用例
- ウニヌ ハタカトーン(鬼が立ちはだかっている)。
ミチヌ マンナカンカイ ハタカイン(道の真ん中に立ちはだかる)。継:ハタカトーン(立ちはだかっている)。
ハダカユー
裸世。太古の昔。はるか昔、人間が裸で暮らしていた頃。
ハダカンボー
裸。裸ん坊。裸の人。裸の子ども。
- メモ
- 音2:マッパダカ。
ハダカゥンマ
裸馬。馬具を着けてない馬。
- 用例
- ハダカゥンマンカイヤ ヌイグリサン(裸馬には乗りにくい)。
ハタキ
畑。
- メモ
- 類:ハル。
ハタキ
①畑。②畑数を数える数詞。
- メモ
- 数詞(~畑)はチュハタキ(1畑)、タハタキ(2畑)、ミハタキ(3畑)と数える。
ハタキアーサ
ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタキエーサ・ハタケアーサ。
ハタキーン
広げる。
- 用例
- ティー ハタキレー(手を広げなさい)。ターチヌ ヒサ ハタキティ ヌー ソーガ(両足を広げて、何をしているのか)儀。
ハタキエーサ
ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタキアーサ・ハタケアーサ。
ハタクンジマーチ
一番旗を括った松。
- メモ
- 多くのムラ(字)にはアシビで掲げる旗頭がある。アシビの際にそれをくくりつける松をハタクンジマーチと呼んだ。
ハタケアーサ
ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタキアーサ・ハタケアーサ。
ハタスガシー
行事名。アシビの衣装や旗頭を出して虫干しにする行事。
- 用例
- ブラヌ ウトゥン チカリーンムン、ヤガティ ハタスガシーガ チャーギンドー(ボラの音が聞こえるから、やがてハタスガシーの行列が来るよ)。
- メモ
- 字の旗頭やムラアシビに用いる衣装、獅子などを虫干しにする行事。読谷村では旧盆後の7月16日に行う字が多い。喜名では旧7月16日にアシビの衣装や旗頭を保管しているヌンドゥンチを拝んでから衣装等を出した。その後、旗を持って鉦や太鼓をたたいて字内を練り歩いた。
ハタゾー
旗竿。
ハタハター
何かしようとして焦る様。
- 用例
- シクチ マニアースンディ ハタハター ソーン(仕事を間に合わせるのに焦っている)。
パタパター
痛くてもがいている様。もだえ苦しむ様。
- 用例
- カラシニ チッカキティ、パタパター ソータン(脛をひっかけて、痛みでもがいていた)。
ハダムチ
肌の感触。気候が肌に与える感触。堆肥を作るのに丁度良い気候にもいう。
- 用例
- クングヮチ ナタレー、ハダムチヌ ユク ナトーン(9月になったら、肌もちが良くなった)。
ハダムチ ユタハヌ、イー クェー ナイサ(気候もいいから、良い堆肥ができるさ)。
ハタムッチャー
旗持ち。葬列の時に葬式旗を持つ役目の人。
- 用例
- ソーシキネー、ハタムッチャーン マジョン ハカマディ スネーイ シ イチュタン(葬式には、旗持ちも一緒に墓まで行列を組んで行った)。
ハタラカー
働き者。
- 用例
- ハタラカーヌ イーニーシェー ヤン(働き者の良い青年だ)。
- メモ
- 音1:ハタラチャー。→アガチャー。
ハタラチャー
働き者。
- 用例
- ヰキガヤ ハタラチャー アラントー ナランサ(男は働き者でなければいけないよ)。
- メモ
- 音1:ハタラカー。→アガチャー。
バチ
罰。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、カンナジ イチカー バチ アタインドー(悪いことをしたら、必ずいつかは罰が当たるよ)。
ハチアギー
正月3日に豚小屋の掃除をすること。
ハチアッチー
<初歩き。産婦が赤子を連れて初めて里帰りすること。
- 用例
- ハチゥンマガヌ ハチアッチーヤ イッペー マチカンティー ヤタン(初孫が初めて家に来るのは、とても待ち遠しかった)。
ハチウガミ
年中行事のひとつ。初拝み。正月年初の吉日に字の拝所を拝む行事。
- メモ
- 伊良皆では正月3日に字のハチウガミがある。ニーヤ(根家、根屋)も全員そろってカー、ウタキを拝む。昔は役員たちが各戸を廻って夜遅くまでやった。晩はユナサモーに集まって、各役員の家を廻っていた。
ハチウガン
初御願。年初めの拝み。
ハチウクシー
初起こし。仕事始め。
- 用例
- ハチウクシーネー カリー チキーン(初起こしには嘉例をつける)。
- メモ
- 儀間では、有志役員が3日に字のムートゥドゥクルとンブガーなどの井泉で1か年の健康などを祈願する。長浜では「手足を頑丈にしてください」と祈願してから、鍬やヘラを持って畑へ行った)・浜。
ハチウグヮン
初御願。年初めの拝み。
- 用例
- ハチウグヮンヤ アザヌ ヤクミ スリトーティ ウグヮン スン(初祈願は字の役員が揃って祈願する)。
- メモ
- 字民の無事・安泰・豊作を祈願する。字によって日は異なるが正月1日から9日の間に行われる。
ハチウビー
正月4日に行う門中行事。
- メモ
- 門中が集まって、ウガンガー、ウブガー、イリガー、瀬名波ガー、イージョーガー(又はムイヌウカー)を拝み、その後酒食した。
ハチウンチ
年の初めに運勢を占いに行くこと。初運気。
- 用例
- トゥシ アキーネー ソーソー ハチウンチ ゥンヂ チューサ(年が明けたら、さっさと運勢占いに行って来るよ)。
- メモ
- 音2:ハチシムチ・ハチヂー。
ハチカー
年中行事のひとつ。二十日。
- メモ
- 塩をすりこんでいる豚足を縄でくくり、囲炉裏の上に二十日に使う肉として(燻製)保存していた。ハチカーは男が女にシチビ(節日)として御馳走するので、「ハチカーヤナー ヲィキガヌムン カムン、ジュールクニチャーヤ ウジューグヮー ヲィナグヌムン カムン(20日は男が作る物を食べる、16日は女たちが作る御重を食べる)」といった。
ハチカーグヮー
正月20日に行った若者同士の交際。
- メモ
- 20日で正月は終わりだということで拝み事はなく、各家で夕食をとる。若者たちは重箱を持ちよって友人たちと交際した。
ハチカソーグヮチ
二十日正月。旧暦の正月二十日。正月最後の行事。
- 用例
- ハチカソーグヮチネー、ブチダヌンカイ クヮッチーン ウサギータン(20日正月には、仏壇にご馳走も供えた)。
ハチカソーグヮチネー、ウヮーヌヒサ シジーン(二十日正月は豚足を煮込む)。
ハチガタノー
初ガタノー。その年に生まれた赤子を連れて、渡慶次の潟野馬場に馬競争の見物に行くこと。
- メモ
- 対:アカヒチムン・ウフゲンナー・オーヒチムン・オーヒチャー・フユーナー・フユーナムン(怠け者)。
ハチカヂチ
二十日月。陰暦20日の月。
- 用例
- ハチカヂチェー ヒルマ アガインディ(二十日月は昼間上がるそうだ)。
ハチガニク
初ガニク。その年に生まれた赤子を連れて、楚辺兼久の馬競争見物に行くこと。
ハチガリー
初嘉例。
- メモ
- 13歳のお祝いでは特段客を招待しないが、近所や親戚は初トゥシビーということでお祝いをあげた。
バチカンジャー
罰当たり者。
- 用例
- ヌーヌ ゥンマリル ヤラー、ムルトー チガティ バチカンジャー ヤサ(どういう生まれなのか、皆とは変わって罰当たり者だ)。
ハチクニチ
初九日。
- メモ
- 高志保では、正月9日にウグヮンウスメーと称される50歳以上の男子が公民館に集まり、1年間の村の繁栄を祈願する。
バチクヮースン
痛い目に会わす。
- 用例
- チューネー、バチクヮーサヤー(今日こそ、痛い目に合わせてやるぞ)。
バチクヮイ
上出来。でかすこと。思う通りに物事が進む時に使う。
- 用例
- イッター ヰナグングヮヤ イー ムーク アタティ、バチクヮイ ヤサ(お前の娘は良い婿を取って、上出来だ)。
- メモ
- →ディカシ。
ハチグヮチ
8月。
- 用例
- ハチグヮチマディル ウーアチサ ヤル、クングヮチカラー イフェー シラク ナイサ(8月までが猛暑で、9月からは少し涼しくなるさ)。
ハチグヮチカンカー
8月カンカー。悪除け行事。
- 用例
- ハチグヮチカンカーニン ウシ クルチャン(8月カンカーにも牛を潰した)。
- メモ
- →カンカー。
ハチグヮチジューグヤ
八月十五夜。
- 用例
- ハチグヮチジューグヤヌ ウチチューヌ アカガトーシヨー(八月十五夜のお月様の明るいこと)。
- メモ
- 旧8月15日に各家庭で酒、線香、花米を持って屋敷のウグヮンをする。その後、月が上がった頃に庭に出てウチチューウグヮンをした。
ハチグヮチヒンガン
八月彼岸。
- 用例
- ハチグヮチヒンガンネー ブチダヌンカイ チャーン シキーンドー(八月彼岸には仏壇にお茶も供えるよ)。
- メモ
- 秋の彼岸で8月彼岸は入日から7日間仏壇にお茶を供えて拝む。
ハチグヮチャー
ササゲ。インゲン豆の一種で炒めて食べることが多い。
- 用例
- ハチグヮチャーン ニチ ウサギレー(ササゲも炒めて差し上げなさい)。
- メモ
- 音2:ハチグヮチャーマーミ。
ハチグヮチャーマーミ
ササゲ。8月に収穫できるインゲン豆の一種。
- メモ
- →ハチグヮチャー。
ハチケーシ
初返し。供物の一部を取り替えること。お次返し。
- メモ
- 類:ウチジヘーシ。ウチジヘーシ参照。供物の一部を別に取ってお初として御願する。複数個所拝む場合はその都度、取った分は新たに補充し同様に御願する。
ハチケーラスン
ひっくり返す。
- メモ
- 音1:カチケーラスン。→ウッケースン。
ハチコーイン
人の言うことを聞かない犬。人によくかみつく犬。
ハチコーサン
①肌にあたるとかゆい。②気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けがない。人と調和できない。
- 用例
- ①ナガリヌ ハチコーサグトゥ、カチ トゥラシェー(背中が痒いから、かいてくれ)。②ワラビヌ、クチビカーンカナティ イッペー ハチコーサン(子どもが、口答えばかりしてとても気が強い)。
②アレ ハチコーサンドー(あいつは人の言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音1:ハチコーハン。言行がなめらかでない、角のある者などにも言う。
ハチコーハン
①肌にあたるとかゆい。②気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けがない。人と調和できない。
- 用例
- ②トゥナイヌ ワラバーヤ ハチコーハンドー(隣の子は気が強い)。
- メモ
- 音1:ハチコーサン。
ハチコームン
気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けのない者。人と調和できない者。
- 用例
- アレー デージナ ハチコームン ヤサ(彼は大変な気が強い人だ)。
クヌ イングヮーヤー ハチコームン(この犬は人の言うことを聞かないやつ)。
ハチコーゥンム
クワズイモ。
- メモ
- 類:ヰーゴーラーゥンム・ゥンバシ・ヰーゴーゥンム・ヰーゴーダーゥンム。
ハチシムチ
年の初めに運勢を占いに行くこと。
- メモ
- →ハチウンチ。
ハチジューゴーヌスーギ
八十五歳祝。生年祝いのひとつ。
- 用例
- ンカシヤ、ハチジューゴーヌスーギ ンケーイル チョー イキラハタン(昔は、八十五歳の祝いを迎える人は少なかった)。
- メモ
- かつては、7回目の生年祝である八十五歳祝を迎える人は少なく、次の生年祝の九十七歳祝まで長生きしたら、「子孫ヌ分ルウサガトール(子や孫の分を生きている)」といって、それ以上の長命を願わなかったという。
→音1:ハチジューゴーヌスージ。
ハチジューゴーヌスージ
八十五歳の祝い。生年祝いのひとつ。
- 用例
- ワッターン、ハチジューゴーヌスージ アヤカーイビラ(私たちも、八十五歳の祝いをあやかりましょう)。
- メモ
- 音1:ハチジューゴーヌスーギ。
ハチヂー
年の初めに運勢を占いに行くこと。
- 用例
- ソーグヮチ アトゥ ヘーベートゥ ハチジー タティーガ イチュン(正月後に、早めに初占いに行く)。
- メモ
- →ハチウンチ。
ハチトゥシビー
<初年日。新年最初に迎えるその年の干支の日。
- 用例
- ハチトゥシビーネー、ヒヌカンカラ ウガムン(ハチトゥシビーには、火の神から拝む)。
- メモ
- 正月を迎えて最初の干支に当たった日を、ハチトゥシビーとしてありあわせの物で御馳走を作って祝った。元日から家族のトゥシビーの日のたびに、お米と一緒にウブクや御馳走を供えて拝む。
パチナイ
パチパチと。バシっと。どんどん。いきごんでする様。
- 用例
- スルバン パチナイ スン(算盤をパチパチとはじく)浜。
ゥンマー ヲゥージ パチナイ クヮイン(馬はキビをすごく喰う)。
ハチナンカ
初七日。
- 用例
- ハチナンカネー、アサヌマールヲゥティ ハカニン イキワル ナインドー(初七日には、朝のうちに墓にも行かないといけないよ)。
ハチニチ
8日。
ハチハル
<初畑。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチバル・ハチハルー。類:ハチウクシー。
正月4日に鎌や篦〔ヘラ〕などの農具を揃えて手足に怪我のないよう健康祈願した後に畑へ出た。
ハチバル
<初畑。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチハル・ハチハルー。
正月3日の初仕事の儀式。仏壇にチャワキを供え手を合わせ、実際には仕事をしない。
ハチハルー
<初畑。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチハル・ハチバル。
大晦日の晩にシム(台所)で鍬や鎌に酒を供え「ティーヂューサ ヒサヂューサ アラシンソーリ(手足を強くあらせてください)」と祈願した。その鍬や鎌を、正月2日のハチハルー(初畑)に畑へ持って行き3回畑に入れる仕草をする。3日のハチハルーをしないうちは鍬、ヘラ等の農具は出さなかった。「ティーヒサ ジョーグシ ヌードゥシン シミティクィミソーリ(手足を丈夫に、何年も頑丈にあらせてください)」と御願してから農具を使った。
ハチブラー
仮面。
- 用例
- ハチブラー カンティ、ワランチャー ウドゥルカサンケー(仮面を被って、子どもたちを驚かすな)。
ハチマールー
初回り。輪番制で行う最初の製糖作業のこと。
- メモ
- 組単位で輪番制で製糖作業を行うが、製糖作業が始まると、ハチマールーに当たった家は、全員の食事の準備をし、製糖小屋で一緒に食した。
ハチマキ
鉢巻。
パチミカスン
パチンとたたく。
ハチムーチー
初餅。子どもが生まれて初めてのムーチー行事。
- 用例
- ハチムーチーヤ、チュケートゥナインカイン クバリヨーヤー(初ムーチーは、隣近所にも配りなさいよ)。
- メモ
- 子どもが生まれて最初のムーチーの行事を迎える家では、たくさん作って、親戚や隣近所にカリーナムン(縁起物)として配った。
ハチムン
履物。
- 用例
- ユージュカイ イチュンディチ ヤシガ、ハチムンガル ネーン ナトーンレー(用事に行こうとしているが、履物がなくなっているんだよ)。
ハチャー
ハチ。蜂。
- 用例
- ハチャーンカイ ササッティ アカブックイ ソーン(蜂に刺されて赤く膨れている)。
ハチャーガマク
蜂のようにくびれた腰。
ハチャーヌシー
蜂の巣。
- 用例
- アマンカイ、チャッペーヌ ハチャーヌシーガ アン(あそこに、大きな蜂の巣がある)。
ハチャイヒッチャイ
吐いたり下したり。嘔吐と下痢を繰り返すこと。
- 用例
- ワタ ヤンティ、ハチャイヒッチャイ ソーン(お腹をこわして、吐いたり下したりしている)。
ハチャグイン
はち切れる。はじける。
- 用例
- マーミン ヘーク ムランネー、カマン マール、ハチャグインドー(豆も早く収穫しないと、食べないうちに、はじけるよ)。
- メモ
- 類:ハッチーン・ハッチリーン。
ハチャグミ
菓子名。米で作った沖縄風おこし。
- 用例
- ムチグミシ ハチャグミ チュクイン(餅米でおこしを作る)。
- メモ
- 米を炒ってはじけさせ、溶かした砂糖でからめて丸く固めたもの。蒸した餅米を乾かして炒り、砂糖を入れて固めた物。
ハチュン
(首等に)かける。
- 用例
- クビカジャイ ハチュン(首かざりをかける)。
否:ハカン(かけない)希:ハチブサン(かけたい)過:ハチャン(かけた)継:ハチョーン(かけている)。
- メモ
- 音1:ハクン。
ハチュン
吐く。もどす。
- 用例
- ニチヌ チューサヌ ハチュン(高熱で戻している)。
否:ハカン(吐かない)希:ハチブサン(吐きたい)過:ハチャン(吐いた)継:ハチョーン(吐いている)。
- メモ
- 音1:ハクン。→アギーン。
ハチュン
弁償する。
- 用例
- ウリキテーヌ ブノー、ワッターガ ハチュンテー(損した分は、私たちが弁償するさ)。
否:ハカン(弁償しない)希:ハチブサン(弁償したい)過:ハチャン(弁償した)継:ハチョーン(弁償している)。
ハチュン
履く。
- 用例
- カタヒサー アシジャ クリ、カタヒサー サバ ハチュン(片足は下駄を履き、片足は草履を履く)。カーハジュン(皮を剥ぐ)。
否:ハカン(履かない)希:ハチーブサン(履きたい)過:ハチャン(履いた)継:ハチョーン(履いている)。
- メモ
- →クムン。
ハヂュン
①剥ぐ。②取り消される。
- 用例
- ①イラナシ キーヌ カー ハジュン(鎌で木の皮を剥ぐ)。②メンキョ ハヂュン(免許を取り上げる・剥奪する)。
ハチランパチ
初散髪。子どもが生まれて初めて髪を切ること。
- 用例
- ハチランパチヤ、ナー ウワティー(初散髪は、もう終わったねぇ)。
ハチングヮ
初めての子。
- メモ
- →アラングヮ。
ハッカカイン
ばったり出会う。出会う。
- 用例
- ハッカカトール バーヨー(出会ってしまったわけさ)。
- メモ
- →ハイイチャイン。
ハッキサミヨー
驚いた時に発する言葉。
- メモ
- 類:ハッサイナー・ハッサイヨー・ハッサミヨー。
ハッケーヒッケー
何度も行き来している様。
- 用例
- ハッケーヒッケー、ヌー シ アッチョーガ?(何度も行き来しているが、どうして歩いているの?)。
- メモ
- →イチムリケームリ。
ハッサイナー
驚いた時に発する言葉。
- メモ
- 類はハッキサミヨー参照。
ハッサイヨー
驚いた時に発する言葉。
- メモ
- 類はハッキサミヨー参照。
ハッサビヨ
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- いろいろな場面で使われる。類はハーシャビヨー参照。
ハッサミヨー
驚いた時に発する言葉。なんということだ。
- 用例
- ハッサミヨー!イャーガ スルクトゥヨー、アンソール シーヨーン アンナー!(はぁもう!お前のすることよ、そんなやり方もあるか!)。
ハッサミヨー、タマシ ヌギティ(ああもう、びっくりした)。
- メモ
- 類はハッキサミヨー参照。
ハッサミヨーナーナー
ええっ。ああ、もう。しまった。
ハッサヤー
それはもう。大変だ、すごいということを話している相手に伝える時に発する語。
- メモ
- 類はハーシャビヨー参照。
ハッサヨー
それはもう。大変だ、すごいということを話している相手に伝える時に発する語。
ハッシェ
はあ。ええっ。それは違うと反対する気持ちを強く主張したい時に発する語。
- 用例
- ハッシェ、ムノー ウマーン(はあ、ものを思わない〔思慮がない〕非常識だ)。
パッタイパッタイ
バタバタ。動物が死にかけてバタバタと苦しそうに暴れる様。
- 用例
- ウヮーグヮー ヤティン、ウチヤンジーネー、ナゲー パッタイパッタイ スン(豚でも、打ちそこなうと、長い間バタバタと苦しんで暴れる)。
- メモ
- 類:パッタラケー。
パッタラケー
バタバタ。動物が死にかけてバタバタと苦しそうに暴れる様。
- メモ
- →パッタイパッタイ。
パッタラケーパッタラケー
癲癇〔てんかん〕の発作でバタンバタンと倒れる様。倒れて手足をばたつかせている様。
パッタリゲーヤー
手足をばたつかせている様。
- 用例
- アマヲゥティ、パッタリゲーヤーシ ナチョータン(あそこで、手足をばたつかせて泣いていた)。
バッタンコー
メジロ落とし籠。メジロを捕るためにわらびや竹で作った籠。
- メモ
- →ソーミナーヤーマ。
パッチー
めんこ。
- 用例
- ヰキガ ワランチャーガ パッチー ッシ アシドーン(男の子が面子をして遊んでいる)。
ハッチーン
はち切れる。
- 用例
- ナイヌ ハッチヤーニ(実が破裂して)。
- メモ
- →ハッチャグイン。
ハッチャー
がに股。
- メモ
- 類:マタガニー。対:チンシトーブー(足が真っすぐなこと)。
ハッチャカイン
出くわす。出会う。
- 用例
- チュクェー イチムシンカイ、ハッチャカイシェーヤー(人を喰うような生き物に、出くわすさあね)
イチャイブサーネーン チュトゥ ハッチャカイン(会いたくない人と出くわす)。
- メモ
- 「お茶二杯」『高志保の民話』より。→ハイイチャイン。
ハッチリーン
はち切れる。はじける。
- 用例
- カミヂューサイネー ワタガ ハッチリーンドー(食べすぎると腹がはちきれるよ)。
否:ハッチリラン(はち切れない)過:ハッチリタン(はち切れた)継:ハッチリトーン(はち切れている)。
- メモ
- →ハッチャグイン。
バッチン
罰金。
- 用例
- バッチン ウサミーヌ ジンヌル ネーンレー(罰金を納めるお金がないんだよ)。
ハットゥ
法度。
- 用例
- トゥイオーラシェーヤ ハットゥ ナトーグトゥ、シェーナランサ(闘鶏は法度になっているから、やってはいけないよ)。
ハットゥバスン
吹き飛ばす。
- 用例
- バクダノー ウティティ、ミミン ハットゥバチ(爆弾が落ちて、耳も吹き飛ばして)。
パッパー
おばあさん。祖母。
- メモ
- →オバー。
ハッパイン
張る。開く。大きく開くこと。
- 用例
- カー ハッパティ(皮を張って)。アカングヮガ ヒサ ハッパトーン(赤子が大きく足を大きく開いている)。
ハップガスン
①穴を開ける。②内情を他人にもらす。暴露する。
- 用例
- ①ナー クヌ チワネー ムル ハップガスン(もう、この際全部暴露する)。否:ハップガサン(暴露しない)希:ハップガシーブサン(暴露したい)過:ハップガチャン(暴露した)継:ハップガチョーン(暴露している)。
②ブーカー ハップガスン(風船に穴をあける)
否:ハップガサン(穴を開けない)希:ハップガシーブサン(穴を開けたい)過:ハップガチャン(穴を開けた)継:ハップガチョーン(開けている)。
- メモ
- ①→チップガスン。
バッペー
間違い。誤り。
- 用例
- イクケーヌン バッペーテー ナランドー(何回も間違えてはいけないよ)。
- メモ
- 類:マチゲー。
バッペーイン
間違える。間違う。
- 用例
- バッペーティン シムグトゥ、マジェー ゥンヂンラナ(間違えてもいいから、まずは行ってみよう)。
イチムシトゥ バッペーティ(動物と間違えて)。
否:バッペーラン(間違えない)過:バッペータン(間違えた)継:バッペートーン(間違えている)。
- メモ
- 類:マチガイン。
ハティ
果て。終わり。
- 用例
- ハティン ネーン シクチ ハジミテーサヤー(終わりのない仕事を始めたね)。
ハティー
①命知らず。終わりがないこと。②厄介。厄介者。
- 用例
- ①ドゥク ハティー ナティ(あまりにも命知らずで)。
ハティー ヤイビッサー(終わりがないですね)。
②クヮヌ ハティーナティ ウヤー チャー シワソーン(子どもが厄介者で、親はいつも心配している)。
- メモ
- ②→クーエームン。
ハティグトゥ
困ったこと。
- 用例
- ヤッケーグトゥ ウクチ ハティグトゥ ナトーサー(厄介なことを起こして、困ったことになったな)。
- メモ
- →ジャーフェー。
ハティチガイ
かなり違っていること。かなり可笑しくなること。
- 用例
- パーパーヤ ハティチガイ ソーン(お祖母さんはかなり可笑しくなっている)。
ハティッチュ
あさましい者。限界を知らない者。悪い意味で使われる。
- 用例
- ハティッチュ ヤグトゥ、ターン チカユランサ(あさましい奴だから、誰も近寄らない)。
ハティマク
腕白。
- 用例
- ワラビヌ ハティマク ナティ、ティーン チキララン(子どもがすごい腕白で、手がつけられない)。
- メモ
- →アカマク。
ハティムン
大変なこと。困ったこと。
- 用例
- ハティムン ヤテーンデー(大変なことだったろう)。ハティムン ヤンドー(困ったもんだよ)。
- メモ
- →ジャーフェー。
ハティルカ
果てなく。存分に。たくさん。
- 用例
- ハティルカ アマイカンティ、チャーサレー マシガヤー(たくさん有り余っているが、どうすればいいかねぇ)。
ハナ
①花。②寸志。おひねり。
- 用例
- ナーヌ ハナヌ チュラサヨーヤー(庭の花が美しいことよ)。
ハナ
端。
- 用例
- シーヌ ハナ(岩の先端)。
ハナ
鼻。
- 用例
- ハナヌ サチカイ ガジャンヌ シガトーン(鼻の先に蚊が止まっている)。
ハナグヮーン タカダカートゥグヮー ソーセー(鼻も高々としているね〔赤ちゃんを褒めるときにいう〕)。
ハナ ウシチーン
鼻を切り落とす。鼻を削ぐ。
- 用例
- ハナ ウシチヤーニ ヤナカーギー ナタンディ(鼻を切り落として醜くなったそうだ)。
- メモ
- 音2:ハナ ウスジュン。「逆立ち幽霊」『古堅の民話』より。
ハナ ウスジュン
鼻を切り落とす。鼻を削ぐ。
- 用例
- ハナ ウスジ ヤナカーギー ナテールバーテー(鼻を切り落として醜くなったわけさ)。
- メモ
- →ハナ ウシチーン。「逆立ち幽霊」『高志保の民話』より。
ハナ タイン
鼻水がたれる。
- 用例
- ハナ タトーン(鼻水が垂れている)。
ハナ ハンクン
①人の鼻を指ではじく。②悪臭などが鼻をつく。
- 用例
- ①マキーネー バチトゥシ ハナ ハンクン(負けたら罰として鼻をはじく)。
②イユヌ クサリティ、ハナ ハンクン(魚が腐れて、鼻をつく嫌な臭いがする)。
- メモ
- 音1:ハナハンチュン。
ハナ ハンチュン
①人の鼻を指ではじく。②悪臭などが鼻をつく。
- 用例
- ①アシベーシ タゲーヌ ハナ ハンチュン(遊びで互いの鼻をはじく)。
②ヌーガル クサリトーラー、ハナ ハンチュンヤー(何が腐れているのか、鼻につく臭いだね)。
- メモ
- 音1:ハナハンクン。
ハナ ヒーン
くしゃみをする。
- 用例
- ターガ ヤティン、ハナ ヒーネー 「クスクェー」ディ イリヨーヤー(誰がでも、くしゃみをしたら「クスクェー」と言うんだよ)。ハナ ヒール トゥチネー 「クスクェー」ディ イリヨーヤー(くしゃみをしたら、「クスクェー」と言うんだよ)。
ハナ フチュン
いびきをかく。
- 用例
- ワンネー ユル ニントーティ、ジコー ハナ フチュンディ(私は夜寝ていて、ひどくいびきをかくそうだ)。
ハナ フラチュン
いい気になる。
- 用例
- チュケーン カッチャンディチ、ハナ フラチュンナー(1回勝っただけで、いい気になるのか)。
ハナ ゥンジーン
鼻水がでる。
- 用例
- ハナ ゥンジトーイビンレ(鼻水が出ていますよ)。
ハナイカ
花イカ。赤く染めたイカ。沖縄料理のひとつ。
- メモ
- イカを赤粉で染め、糯米をひいたものに入れ、餅のようにしたものを平たくして油で焼いた。裕福な家ではムイチリー(祝い膳)にハナイカを入れた。
ハナイチー
花生け。花瓶。
- 用例
- ハナイチー コーティ チェーンドー(花瓶を買ってきたよ)。
ハナウッチャー
<綿花打ち。布団の打ち直しをする職人。
- 用例
- ハナウッチャーガ ヤーヌ カージ マーティ チュータン(布団打ちが各家を回っていた)。
- メモ
- 古くなって硬くなった布団を解体し、綿をほぐしながらゴミや塵などを取り除いて元に戻すこと。
ハナガサヤーエー
子どもの遊び。ガジマルの落ち葉で作った笠の取り合いをして遊ぶこと。
ハナカタマイ
鼻づまり。
- メモ
- 音2:ハナカタマヤー・ハナピーピー。
ハナカタマヤー
鼻づまり。鼻づまりの人。
- 用例
- ハナカタマヤーシ イーチン シーグリサン(鼻づまりで息苦しい)。
- メモ
- →ハナカタマイ。
ハナガチャー
植物名。ムクゲ。
ハナギタ
鼻骨の部分、鼻梁。
- 用例
- ハナギタ ヲゥーレー(鼻をへし折れ〔脅し文句〕)。
ハナキンブギー
柾。正木。
- メモ
- 音1:ハナキンブンギー。
クロキやシークヮーサーの木に似たもの。ニシキギ科の常緑低木。
ハナキンブンギー
柾。正木。
- 用例
- ハナキンブンギーヤ ヤシチガクインカイン チカートータン(柾は屋敷の囲いにも使われた)。
- メモ
- 音1:ハナキンブギー。
ハナグニ
遊びが盛んな村。
- 用例
- ハナグニシンカー シバヤン ジコー ジョージ ヤタン(遊びが盛んな村は、芝居もとても上手だった)。
- メモ
- 若者のモーアシビや村芝居等が盛んなシマのことを花の国(華やかな国・ハナグニ)といっていた。
ハナグミ
花米。神仏に供えるお米。
- 用例
- ハナグミ カミーン(花米を押しいただく)。
ハナゴーゴー
いびきをかいている様。
- 用例
- ハナゴーゴー ッシ ニントーン(いびきをかいて寝ている)。
ハナザキ
酒造りで最初に出てくる酒。
ハナシ ハンガク
話半学。人の話を聞けば、半分学問したようなものだということ。
ハナシークヮッチー
ご馳走の話を聞くこと。
- 用例
- 「アシティビチディチヨ、ウヮーヌヒサヨー マーサンドー」ディチ、ハナシークヮッチー ソービータン(「アシティビチといってね、豚の足はおいしいよ」と、話ばかりご馳走になっていました)。
ハナシガレー
放し飼い。ほったらかすこと。
- メモ
- 音2:ユルシガレー。
ハナシキ
風邪。
- 用例
- アカングヮヌ ハナシキ カカトーン(赤子が風邪をひいている)。
- メモ
- 音1:ハナヒチ。→カジヒチ。
ハナシジ
鼻筋。
- 用例
- ウヌ ワラバーヤ ハナシジ トゥーティ、アン リッパ ウマリトール(その子は鼻筋が通って、あんなに立派に生まれている)。
ハナシチ
風邪。
- 用例
- アチャカラー シグトゥ ヤルムンヌ、ヘーク ハナシチカラ ノーサンネー(明日からは仕事というのに、早く風邪から治さないと)。
- メモ
- 音1:ハナシキ。→カジヒチ。
ハナスン
①離す。②放す。
- 用例
- タイ グーナイネー ヤナクトゥビカーン スグトゥ ハナスン(二人一緒にすると、悪い事ばかりするから離す)。
イン カチミタシガ ヲゥタトーグトゥ ナー ハナスン(犬を捕まえたが、疲れたのでもう放す)。
- メモ
- ②ユルスン。対:カチミーン(捕まえる)。
ハナスン
話す。
- 用例
- シンシーガ アトゥカラ ハナスンディ(先生が後から話すそうだ)。
- メモ
- →カタイン。
ハナダイ
鼻水。
- 用例
- アネアネ、ハナダイ タトーシガ(ほらほら、鼻が垂れているよ)。
- メモ
- →ハナミジ。
ハナタカー
①鼻が高い人。②いばっている者。
ハナタカサン
いばっている。
ハナダヤー
鼻水をたらしている者。鼻たれ。
- 用例
- フルイーティ マディン ハナダヤー ヤタン(大きくなってまでも鼻たれだった)。
ハナダヤーヤ、カジヒチル ヤリー(鼻たれめ、風邪をひいているのか)。
- メモ
- 音1:ハンダヤー。
ハナダヤーワラビ
はなたれ小僧。
ハナヂー
鼻血。
- 用例
- キーサカラ ハナヂーヌ トゥマラン(さっきから鼻血が止まらない)。
ハナバーチ
花鉢。
- 用例
- ハナバーチンカイ ミジ カキーン(花鉢に水をかける)。
ハナハガー
鼻がはげていること。鼻のはげた人。
- 用例
- カジ ヒチ ハナミジ、ゥンジージューサヌ ハナハガー ナトーン(風邪をひいて、鼻水が出すぎて鼻がはげになっている)。
- メモ
- 悪口にもなった。
ハナビーダク
蒸した蛸〔タコ〕。ニービチの儀式に使われた。
ハナピーピー
鼻づまり。
- 用例
- カジ ヒチ ハナピーピー ソーン(風邪をひいて鼻が詰まっている)。
- メモ
- →ハナカタマイ。
ハナヒチ
鼻引き。風邪。
- 用例
- ハナヒチ カカイン(風邪をひく)。
ヘーク ハナヒチ ノーシェー(早く風邪を治しなさい)。
- メモ
- 音1:ハナシキ。→カジヒチ。
ハナビラー
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- 用例
- ワッター ゥンマガー ハナビラー ヤシガ イッペー ウジラーサンドー(私の孫は鼻は低いが、とても可愛いよ)。
- メモ
- 音1:ハナビルー。
ハナビラーダックイ
鼻がひしゃげた血筋。鼻が低い血筋。
ハナビルー
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- メモ
- 音1:ハナビラー。
ハナプーカー
鼻提灯。鼻ちょうちん。
- 用例
- ハナプーカー ゥンジャチ ニントーサ(鼻提灯を出して寝ているさ)。
- メモ
- 鼻汁がふくらんで、鼻から出たものが風船や提灯に似ていることからそう言われている。
ハナブックヮ
鼻のふくらむ部分。尾翼(小鼻)。
- 用例
- ハナブックヮ チケー(鼻を突け〈脅し文句〉)。ハナ ハンカッティ、ハナブックヮヌ フックトーン(鼻をはじかれて、鼻が膨れている)。
ハナマチガー
甘藷の品種名。
- メモ
- タードーシ(田倒し・排水して畑にする)後に植える甘藷は、葉が大きくて家畜にもあげるハナマチガーだった。
ハナミジ
鼻水。
- 用例
- ハナミジ タトーグトゥ、ヘーク ヌグレーワ(鼻水が垂れているから、早く拭きなさい)。
- メモ
- 音2:ハナダイ・ミジハナダイ。
ハナムジュムジュ
鼻がむずむずする様。
- 用例
- ハナ ガンマリサレー、ハナムジュムジュー シッチョーン(鼻をいじったら、鼻がむずむずしてきた)。
ハナムニー
風邪などで鼻が詰まっているときの話し方。鼻声。
- 用例
- ハナヒチ カカティ ハナムニー ナトーン(風邪をひいて鼻声になっている)。
- メモ
- 音1:ハナムヌイー。
ハナムヌイー
風邪などで鼻が詰まっているときの話し方。鼻声。
- 用例
- ハナムヌイー ソーン(鼻が詰まったような話し方をしている)。
- メモ
- 音1:ハナムニー。
ハナモー
鼻の欠けた者。
- 用例
- バサンカイ ヒカッティ ハナモー ナトーン(馬車にひかれて鼻が欠けてしまった)。
ハナモームニー
鼻の欠けた者のような話し方。
- 用例
- ハナモームニースグトゥ ヌール イチョーラー ワカランサ(鼻の欠けたような話し方をするから、何を言っているのか分からないよ)。
ハナライポロポロ
鼻を垂らしている様子。
- 用例
- アイナー! ハナダイポロポロ シミティ(あれまあ!鼻をだらだら垂らして)。
ハナリ
離れ。離れた所。離れ島。
- 用例
- タビ ハナリンカイ ナガサリーシガヤー サイ(遠く離れ島に島流しにされるんですがね)。
- メモ
- 音2:ハナリジマ。
「松川童」『高志保の民話』より。
ハナリガナサ
離れ愛しさ。腫れているほど愛しいということ。
- 用例
- ハナリガナサディチ、チカサヤカ トゥーサーカイ ヲゥシェー マシ ヤサ(離れているほど愛しいということもあるから、近くより離れている方が良いよ)。
ハナリジーグヮー
離れ岩。
ハナリジマ
離れ島。
- 用例
- ハナリジマカイ ワタティ イチュン(離れ島に渡って行く)。
- メモ
- →ハナリ。
ハナリダカシ
離れにある高い岩。
ハナワライ
相手を軽蔑した笑い。
ハナヲゥー
鼻緒。下駄の前の緒。
- 用例
- ハナヲゥーヌ チリトーン(鼻緒が着れている)。
ハナン トーカチ
鼻が低い様。斗掻きで米を切ったように鼻が低くなること。
- 用例
- ハナン トーカチ ナティ(鼻も低くなって)。
ハニ
羽。翼。
- 用例
- ハニ チキティ トゥーサマディ トゥバスン(羽根を付けて遠くまで飛ばす)。
ハニーン
拒否する。受け付けない。
- 用例
- ガッティノー アラングトゥ、クンドー ハニーン(合点がいかないから、今回は拒否する)。
ハニゲー
羽交(はが)い。左右の翼の付け根部分。羽。翼。
- 用例
- ハニゲー ダトーン(翼がだれている)。
ハニヂバル
{羽地原}。長浜の小字。
ハニムシ
羽虫。羽蟻。交尾期の羽がついたアリやシロアリ。
- 用例
- ハニムシヌ トゥビネー、イーヒー ヤサディタン(羽蟻が飛ぶと、いい日だと言った)。
ハニムシヌ トゥビーネー シライヌ ヲゥンドー(羽アリが飛ぶとシロアリがいるよ)。
ハネーカスン
賑やかにする。華やかにする。盛り上げる。
- 用例
- ヤーニンジュシ スージ ハネーカスン(家族でお祝を盛り上げる)。
チョーデー タイシ、ウスマサ ジャー ハネーカスン(兄弟二人で、とても座を賑やかにする)。
ハネーチュン
華やぐ。盛り上がる。
- 用例
- アッターンカイ シミーネー、ジコー ハネーチュンドー(彼等にさせたら、とても盛り上がるよ)。
ババーヌエー
竹馬。
- メモ
- →アシゥンマ。
ハバカイ
忙しさ。
- 用例
- ハバカイヂューサヌ、ムヌカンゲーン ナラン(忙しすぎて、考え事もできない)。
ハバカユン
広い場所をとってのさばる。
- メモ
- 幅をきかす。幅があって入りかねる。気兼ねする。
ハバクヮスン
混乱させる。
- 用例
- チュガ イーシェー チカングトゥ、アリガ チーネー ハバクヮスンドー(人の言うことを聞かないから、彼が来たらまた混乱させるよ)。
ハバチクン
幅が利く。顔が利く。
- 用例
- ワッター シマヲゥテー、アリガル ハバチクンドー(私の村では、彼が顔が利くんだよ)。
- メモ
- 音1:ハバチチュン。
ハバチチュン
幅が利く。顔が利く。
- 用例
- アヒーヤ グテーン カナイシナカイ チブルン ユタサグトゥ ハバチチュン(兄は、力も強ければ頭もいいので顔が利く)。
- メモ
- 音1:ハバチクン。
ハバチュン
①捗る。進む。作業が片付く様。②食べつくす。食べ切る。よく食べること。
- 用例
- ①シンカヌ ウーサグトゥ、シクチン ハバチュンテー(人数が多いから、仕事もはかどるさ)。
②ドゥーテーガ マギサル ウッサー、ユー ハバチュン(体が大きいだけあって、良く食べる)。
チーニーブク カミムンヌ アルッサ ハバチチキーン(来ると同時に、食べ物のありったけ食べつくす)。
ウッサ ヲゥグトゥ、イットー クルチン ハバチュンデ(それだけいるから、一頭殺してもすべて食べきるよ)。
- メモ
- ①→ハカドゥイン。
パパヤー
パパイヤ。
- 用例
- ハルカイ ダテーンマ パパヤー イーラットーン(畑にたくさんのパパイヤが植えられている)。
ハブ
ハブ。ヘビの総称。
- 用例
- チャッピナーヌ ハブヌ トゥーティ ハイタン(とても大きなヘビが通っていった)。
ハブ ニーネー フカウティ ニリ、ティンジューヌ シーシガ ナビンカイ ウティーネー ドゥク ナイン(ハブを煮るなら外で煮ろ、天井の煤が鍋に落ちると毒になる)。
ハフーバカ
墓名。破風墓。
- 用例
- ンカシェー ノーミノー ハフーバカヤ チュクラランタン(昔は農民は破風墓は造れなかった)。
- メモ
- →音1:ハーフーバカ。
ハブカクジャー
顎が大きい人。顎〔あご〕がハブのように張った人。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーヤ ハブカクジャー ヤン(隣の青年は顎が大きい)。
ハブグサ
植物名。ツルソバ。
- 用例
- ハブグサヤ カマランディ(ツルソバは食べれないそうだ)。
- メモ
- →シービー。
ハブチャ
植物名。エビスグサ。
- 用例
- ハブチャヤ チールーハナヌ サチュン(エビスグサは黄色い花が咲く)。
ハブチョーギン
渡具知のムラアシビの演目。ハブ狂言。
ハブヂンナン
カタツムリの一種。畑などにいる平たい殻のカタツムリ。先の尖った紫色のカタツムリ。
- メモ
- 食用にはできない。チンナンオーラセーをして遊んだ。
ハブトゥヤー
ハブを捕る人。
ハベール
蝶〔ちょう〕。
- メモ
- 音1:ハーベールー・ハベルー。
ハベルー
蝶〔ちょう〕。
- メモ
- 音1:ハーベールー・ハベール。
ハマイン
励む。頑張る。
- 用例
- チューヲゥティ ウワラスヌカンゲーシ、ムルシ ハマインテー(今日で終わらせる考えで、皆で頑張るさ)。
ハマティ シクチ ソーン(頑張って仕事をしている)。ハマティ カムン(頑張って食べる)。ハマイヌムン ヤレー(頑張るのであれば)。
否:ハマラン(頑張らない)希:ハマイブサン(頑張りたい)過:ハマタン(頑張った)継:ハマトーン(頑張っている)。
- メモ
- 音1:ハマユン。→キバイン。
ハマウイ
浜下り。浜に下りて厄払いをすること。
- 用例
- トゥイヌ ヤーンカイ イーネーヤ、ハマウイ サーンネー ナランドー(鳥が家に入ったら、浜下りしなければならないよ)。
- メモ
- 野鳥が家に入ると不吉とされ、家を開け放して浜に下りそこで過ごして厄払いをした。サングヮチャーにはハマウイ(浜下り)をする女性が、アーサやンナグヮーを採った。浜へ下りて海水で身を清める。楚辺や都屋の海に浜下りして遊び、帰りは潮水を汲んで帰った。
ハマウリ
浜下り。浜に下りて厄払いをすること。
- 用例
- アングヮーターガ スルティ ハマウリ ソーン(娘たちがそろって浜下りをしている)。
- メモ
- 三月御重と蓬餅などを作り、浜に出て、汚れを払い健康を祈願する行事。
字楚辺では、3月3日にティールを持って楚辺の浜へ貝を採りに行った。帰りには、豆腐作りや肥やしに使うために潮水を汲んで頭上に載せてきた。
ハマガー
長浜の井泉の名称。
- メモ
- 海岸近くに位置し海水が混じっているので、甘藷などは洗ったが、農具は洗わなかった。
ハマスーキ
植物名。モンパノキ。モンパの木。
- 用例
- ハマスーキヤ シルハナグヮーガ サチュン(モンパの木は白い花が咲く)。
ハマバン
浜番。
- メモ
- 類:ハーマヤー。
字瀬名波には、首里王府からの役職であるのか、海岸の見張りをする役目があり、ウミバン(海番)と呼ばれた。はじめ、渡慶次の城間門中に海番の役目をする人がおり、トキシヤーと呼ばれた。その後、この役目は、首里から来た祖慶(スーキ)に引き継がれたという。
ハマホーギ
植物名。ハマゴウ。
- メモ
- 音2:ホーギ。類:フコーガ・ホーゲーラー。
カンカーの時、牛の血をつけたゲッキツやハマゴウの枝葉を、集落の入口や各家の門や軒に差して魔除けにした。
ハマヤー
働き者。よく励む人。頑張り屋。没頭する人。
- 用例
- イャームン ヲゥトー アンシ ハマヤー ヤル(貴方の夫はとても働き者だね)。
- メモ
- →アガチャー。
ハマヤーバル
{浜屋原}。宇座の小字。
ハマユン
励む。頑張る。
- メモ
- 音1:ハマイン。→キバイン。
ハミ
<食み。家畜などの飼料。
- メモ
- 古語「食む」。
ハラ
鼻。
ハラ
側。方。
- 用例
- アガタヌ ハランカイ ハーエーシ ハイタン(あそこの方に駆け足で行った)。
ハライメー
払うべきお金。模合等でまだ払ってないお金。
- 用例
- イャーヤ ハライメーヤ ウビテーヲゥミ?(お前は払うべきお金があるのを覚えているか?)。
- メモ
- 対:トゥイメー。
ハライヤッサン
安産である。
- 用例
- ワンネー クヮ ナスヌカージ チャー ハライヤッサタン(私は子どもを産むたびに、いつも安産だったよ)。
- メモ
- 対:ハラヂューサン(難産である)。
ハライン
①取り除く。草を払う。②払う。お金を払う。借金を払う。
- 用例
- ①ヤナクサヌ ミーカントーグトゥ クサ ハライン(雑草が生い茂っているから、草を取り除く)。
否:ハララン(取り除かない)希:ハライブサン(取り除きたい)過:ハラタン(取り除いた)継:ハラトーン(取り除いている)。
②ヤーヌヌーシンカイ ヤーデー ハライン(家主に家賃を払う)
否:ハララン・ハラーン(払わない)希:ハライブサン(払いたい)過:ハラタン(払った)継:ハラトーン(払っている)。
ハライン
払う。
- 用例
- コーテーヌ ウッサヌ ブン ジン ハライン(買った分のお金を払う)。否:ハラーン(払わない)過:ハラタン(払った)。
ハラウービ
腹帯。
- 用例
- ワタン マギク ナトーグトゥ、ハラウービ スシェー マシテー(お腹も大きくなってきたから、腹帯をした方が良いね)。
ハラガー
側面。傾斜面。
ハラガー
①三枚肉。豚バラ。②横っ腹。
- 用例
- ①ハラガーシ アンダンスー チュクイサ(豚バラで油味噌を作るさ)。②ハラガー キラッティ パタパターソーン(横っ腹を蹴られてもだえ苦しんでいる)。
- メモ
- ①→サンマイニク。
ハラゴー
魚の腹の部分。
- 用例
- ハラゴーヤ ティンプラー シーネー マーササ(魚の腹の部分は、天ぷらにしたら美味しいよ)。
ハラゴー
罰金札を清算した。規則違反の取り締まりや風紀取り締まり。
- メモ
- 他所の畑から農作物、カズラ、松の下枝やソテツを取った時はイックヮンブダ(一貫札)が課せられ、また未成年者が煙草を吸った場合にはタバクブダ(煙草札)、鶏を放し飼いしたらトゥイブダ(鶏札)と罰金もするし鶏も取り上げた。そうして集めた罰金で豚を潰して、家族割り当てで肉を分配した。
字古堅には、ムラの掟を制定し遵守せしめる場所として「ハラゴーモー」という、全字民が集まれるほど広い原っぱがあった。またこの場所は高台に位置するため、ヨーカビー(旧暦8月8日)にタマガイ(火の玉)が集落で上がらないか見張った。
ハラスン
(汗や血を)流す。(汗を)かく。出す。
- 用例
- チー ハラサビンドーヤ(血を流しますよ。脅し文句)。
ティー アライグトゥ ミジ ハラスン(手を洗うから水を流す)。
否:ハラサン(流さない・出さない)希:ハラシーブサン(流したい・出したい)過:ハラチャン(流した・出した)継:ハラチョーン(流している・出している)。
- メモ
- 類:ゥンジャスン。
ハラスン
晴らす。雨・気持ち・恨みを晴らす。
- 用例
- ンリラングトゥシ アミ ハラスン(濡れないように、雨が晴れるのを待つ)。
ナママディ ウムトータシ アンマーンカイ ハナシーシ、チム ハラスン(今まで思っていたことを母親に話して、気持ちを晴らす)。
チャーシン ウラミ ハラサントー ナラン(どうしても恨みを晴らさないといけない)。
ハラダチ
腹立ち。怒り。
- 用例
- ハラダチン シミソーランキヨーヤー(怒らないでくださいね)。
ハラヂューサン
難産である。
- 用例
- ワー トゥジェー クヮナスヌカージ ハラヂューサン(私の妻は子を産むたびに難産だ)。
- メモ
- 対:ハライヤッサン(安産である)。
ハラトゥイ
腹取り。闘牛用の牛の名前のひとつ。
- 用例
- ワッター ウシェー ハラトゥイディ イラットータン(私の牛は、腹取りと言われていた)。
- メモ
- 闘牛用の牛の得意技による牛の名前で、腹取りが得意な牛のことをハラトゥイといった。
パラパラーミンナ
植物名。ルリハコベ。
- メモ
- ヤギやウサギにたくさんやると下痢をした。音1:アラミンナー。
ハラミ
魚の卵。
- 用例
- ハラミン カマリーグトゥ ヒティンナヨー(魚の卵も食べられるから、捨てるなよ)。
ハラムン
孕む。妊娠する。
- 用例
- ヰナグングヮヤ タイミー ハラドーン(娘は、2人目を妊娠している)。
- メモ
- →カサギーン。
ハララー
魚介名。ヤクシマイワシ。
- 用例
- ハララーン ンジガ ウーハグトゥ、ワランチャーンカイヤ カマサラン(屋久島イワシもトゲが多いなら、子どもたちには食べさせられない)。
バラン
ススキの葉。
- メモ
- →ガラマー。
ハランサーイ
つわり。悪阻。
- 用例
- ハランサーイン ヤガティ ウワイサ(つわりもやがて終わるよ)。
ハリーン
晴れる。
- 用例
- クンドゥヲゥテー ヌーンクィ ウチナチ ヤクン ハリーサ(今年中には何もかも終わって、厄も晴れるさ)。
ヤガテー アミン ハリーンテー(やがて雨も晴れるさ)。
チューヤ アミン ハリトーンムンナー(今日は雨も晴れているね)。
否:ハリラン(晴れない)継:ハリトーン(晴れている)。
ハリヤク
晴厄。厄が晴れること。
- 用例
- クジュ トゥシビー ヤテーグトゥ、クンドー ハリヤクヤサ(昨年は生まれ年だったから、今年は晴厄さ)。
- メモ
- 牧原ではハリヤクの時は客を招く大きな祝いだった。ハリヤクには枚重ねたウチャヌクを火の神に供えた。
ハル
畑。
- 用例
- ハルン ルク ウーサイネー カジーンディチ デージル ヤル(畑もあまり多いと耕すのに大変だ)。
ハル アキーン(開墾する)。
- メモ
- →ハタキ。
ハル
立春。
ハル アシバスン
畑を遊ばせる。作物を作らず、畑を放置する。
- 用例
- フユー ッシ、ハル アシバスンナー(怠けて、畑を遊ばせているのか)。
ハルカイキヤー
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイチヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルカイチヤー
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイキヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルガチャー
畑仕事に精を出す者。
ハルカラー
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ウスメーヤ ハルカラー チチル ハイタンドー(お祖父さんは野良着を着て行ったんだよ)。
- メモ
- →ハルカラアッチャー。
ハルカラアッチャー
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ウスメーヤ ハルカラアッチャー チチル ハイタンドー(おじいさんは野良着を着て行ったんだよ)。
- メモ
- 音2:ハルカラチヤー・ハルカイキヤー・ハルカイチヤー・ハルカラー・ハルギン。
ハルカラチヤー
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイチヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルギン
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- →ハルカラアッチャー。
ハルサー
農民。農業をしている人。畑仕事を主にする者。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ンカシカラ ハルサー ッシ ムヌクェージク ソーン(私の家族は昔から、農業をして生計を立てている)。
ハルシクチ
畑仕事。
- 用例
- ナチヌ アチサイネー ハルシクチン ヲゥタイン(夏の暑い時は畑仕事も疲れる)。
ハルジタク
野良着姿。
- 用例
- スーヤ、ハルジタクシル ゥンジティ ハイタンドー(お父さんは、野良着姿で出て行ったんだよ)。
- メモ
- 音2:ハルスガイ。
ハルスーブ
農事奨励の行事。原勝負(畑の勝負)。
- メモ
- 音2:ハルヤマスーブ。
ハルスガイ
野良着姿。
- 用例
- ハーメーヤ ハルスガイ ッシ ゥンジティ ハイタン(お祖母さんは野良着姿で出て行った)。
- メモ
- →ハルジタク。
ハルナー
小字名。
- 用例
- ンカシヌ ハルナーヤ、ムサットゥ ワカラン ナトーン(昔の小字名は、まったく分からなくなっている)。
ハルヌシチ
春の節。
ハルブクター
古着の破れた箇所をつぎはぎして厚めになった着物。冬物の野良着。
- メモ
- →ウシマー。
ハルマーイ
畑の見回り。
- 用例
- ウスメートゥ マジョーン ハルマーイカイ イチュン(お父さんと一緒に畑の見回りに行く)。
ハルミチ
畦道。
- 用例
- ハルシクチガ イチュナサイネー、ハルミチヲゥティル アサバヌン カムタル(畑仕事が忙しい時には、畦道で昼ご飯を食べていた)。
- メモ
- →アブシミチ。
ハルヤー
畑の作業小屋。
ハルヤマスーブ
農事奨励の行事。原勝負(畑の勝負)。
- 用例
- センゼンヌ ハルヤマスーブヤ、イッペー タヌシミ ヤタンヤー(戦前の原山勝負は、とても楽しみだったね)。
- メモ
- →ハルスーブ。
ハルイェンチュ
畑にいるネズミ。
ハレイチ
払い地。
- メモ
- 渡慶次や恩納村の宇加地、与久田、ビル(美留)、仲泊まで長浜の田圃があった。
ハワイー
甘藷の品種。
ハワイイチー
ハワイへ行ってきた人。
ハンクン
<半組。重箱の餅1箱・おかず1箱のこと。
- 用例
- ジューバコー ハンクンシ シマビーミ?(重箱は半組でいいですか?)。
- メモ
- →ジューバク。
ハンケークー
植物名。ノボタン。
- メモ
- 実は完熟するとおいしかった。男子の鬼頭に似て、実の皮がむけ中身があらわれることからそう呼ばれたのだろう。
ハンシ
一時的な処置。一時しのぎ。間に合わせ。
- メモ
- →トーイヌハンシ。
ハンジ
判じ。易者。占い師。
- 用例
- イサヌヤー カカティン マシェー ナランティカラ、ハンジン カカリワル ヤンテー(病院に行っても良くならないんだったら、易者にも見てもらった方が良いね)。
ハンジ コーイン(易者の判じを買う)。
バンジ
真っ盛り。たけなわ。丁度。絶頂期。最中。
- 用例
- アッターヤ バンジル ヤグトゥ ヌー ヤティン ナイサ(彼らは絶頂期だから何でもできるよ)。ナマン バンジ ヤサ(今も盛りだ)。ナー バンジ ユチン フイニ(もう丁度雪がふっている時に)。
ハンシー
おばあさん。祖母。
- メモ
- →オバー。
ハンジャ
地名(読谷村波平)。
ハンジャ イガルー
字民性。波平イガルー。波平の人の字民性を現す言葉。
- メモ
- 波平では「我々を「イガルー」と言ったことからそう呼ばれる。
ハンジャ クーブー
字民性。波平昆布。波平の字民性を表す言葉で「昆布の結び目のような締まり屋」の意味で用いられた。
- 用例
- ワランチャーグヮー ヤイニーネー、「ハンジャクーブーヤ」リチ オーイテールムン(子どもの頃は、「波平昆布め」といって喧嘩していたもの)。
ハンジャンチュヤ、ティー タッピラカチン ハナサンドー(波平の人は、手を叩きつけても握ったものは離さないよ)。
- メモ
- 自治会や集会で昆布、豆腐、肉の三種を出した、アシビトゥイケーの場合に、波平の昆布は美味しいと評判になったという。
バンジャー
真っ盛りの人。絶頂期の人。
- メモ
- 類:サラバンジャー・関:サラバンジ・バンジ・マサカイ。
ハンジャムンドー
波平問答。
ハンジャンチュ
波平の人。
バンジョーガニ
番匠金。かね尺。さしがね。
ハンジリー
底の浅い桶〔おけ〕。盥〔たらい〕。桶を半分に切ったような形。半切り。
- 用例
- トーフ シーネー、ハンジリー チカイビタン(豆腐を作る時に、底の浅い桶を使っていました)。
ハンジリーッシ アライムン ソーナムヌン スタンヤー(たらいで、洗濯などもしていたね)。
- メモ
- →ターレー。
バンシルー
バンジロウ。グヮバ。
- 用例
- バンシルーヌ ユカイカントーシヨ、マーサギサンヤ(グヮバの実がいっぱいついていること、美味しそうだね)。
- メモ
- 音:バンスルー。類:バンソーリ・バンソーリー・ベンシルー・ベンスルー。
バンスルー
バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音:バンシルー。類:バンソーリ・バンソーリー。バンシルー参照。
ハンスン
①外す。免れる。②責務を果たす。処理する。
- 用例
- ①チカーランヌー ネシ ハンスン(使えないネジを外す)。ヤク ハンスン(災いを免れる)。
②クチヌメー ハンスン(自分が食べる分の働きを果たす)。
バンソーリ
バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音:バンソーリー。類:バンスルー・バンシルー参照。
バンソーリー
バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音:バンソーリー。類:バンスルー・バンシルー参照。
ハンタ
崖。
- 用例
- ハンタ クシ ナチ ヰーネー アブナサヌ(崖を背にして座ったら危ない)。
- メモ
- 音2:チリバンタ・フチバンタ。→スギバナ。
ハンダイ
飯台。
- 用例
- ムヌン ナラン マール、ハンダイ メー ナチョーン(食事ができないうちに、飯台を前にしている)。
パンタタカー
漁法のひとつ。海面を棒でパンパン叩きながら魚を網に追い込む漁法。小規模な追い込み網漁。
- 用例
- パンタタカーシ イユ トゥイン(パンタタカーで魚を取る)。
- メモ
- 音2:タタカー。
ハンタバル
{坂田原}。波平の小字。
ハンタバル
{半多原}。瀬名波の小字。
ハンタバル
{繁多原}。座喜味の小字。
ハンダマ
スイゼンジナ。水前寺菜。
- 用例
- ハンダマヤ、ンカシカラ ウチナーヲゥテー ユー カマットーン(水前寺菜は、昔から沖縄ではよく食べられている)。
ハンダヤー
鼻水をたらしている者。鼻たれ。
- メモ
- 音1:ハナダヤー。
ハンチキーン
(水などを)引っかける。
- 用例
- シーバイ ハンチキーグトゥ(おしっこをひっかけるから)。
- メモ
- 音2:ヒッチャキーン。
ハンチケーラスン
跳ね返す。
- 用例
- ヒサシ ハンチケーラスン〈足で跳ね返す)。
ハンチャーガーミー
昆虫名。タガメ。
- メモ
- ゲンゴロウよりも一回り大きかった。捕まえて背中に土をつけ、グーシ(串、竹串)を曲げてそこにさし、もう一方を固定してくるくる歩いて回るのを楽しんだ。
ハンチュン
①はじく。はじき飛ばす。②射る。弾く。
- 用例
- ①マースミジ ハンケー(塩水をはじけ)。グムカン ハンチュン(ゴムカンを弾く)。
②ユミ ハンチュン(弓を射る)。
バンティ
番手。番。
- 用例
- ジョーヌ バンティ サグトゥ(門番をしていたら)。ンナガ チュールマディ バンティ ソーチュン(皆が来るまで番をする)。
ハンディムン
外れ者。はみ出し者。
- メモ
- 音1:ハンリムン。音2:ハンティンムン。
ハンティンムン
外れ者。はみ出し者。
- メモ
- →ハンディムン。
ハンドゥー
水甕〔みずがめ〕。
- メモ
- 類:ハンドゥーガーミ。
ハンドゥーガーミ
水甕〔みずがめ〕。
- 用例
- ンカシェー ナマヌ グトゥシ スイドーン ネーンル アグトゥ、チャー ハンドゥーガーミンカイ ミジェー タミティウチュタン(昔は今のように水道もないから、いつも水甕に水を溜めておいた)。
- メモ
- 類:ハンルーガーミ・ハンドゥー。
バントー
番頭。
- 用例
- マチヤヌ バントー(雑貨店の番頭)。
バンナイ
どんどんと。次々に。テキパキと物事を進める様。バンバンと。
- 用例
- スーヌ バンナイ アガイン(潮が勢いよく上がる)。
チャッサ アティン フスクル グトゥ、バンナイ ハクベー(いくらあっても不足するんだから、どんどん運べ)。
ハンナギーン
放り投げる。放っておく。
- 用例
- ハンナギテー イカランサ(放り投げて行けない)。ウレー、アマンカイ ハンナギトーケー(それは、向こうに放っておきなさい)。イャーガン ナランラー ハンナギレー(君でもできないのなら、放っておきなさい)。
- メモ
- →ウッティラカスン。
バンバトゥグヮー
玩具名。鳩の形をした笛。
- メモ
- 類:ヒリヒリーグヮー。4月アブシバレーの時の楚辺兼久と、6月の渡慶次潟野で行われる馬競争の時に、玩具が売られていた。
バンバラー
がらんどう。広い家に何もない様。
- メモ
- →ウーガーガー。
バンバラグィー
乱暴な声。
パンパングヮーヨー
まりつき歌のひとつ。
- メモ
- 歌いながら座ってまりをつき、歌い終わったら次の人に渡して、また初めから歌う。
ハンブヌー
半分のもの。
- 用例
- ハンブヌーヤ ワンガ カムサ(半分のは私が食べるよ)。
ハンブンカーキー
生乾き。
- 用例
- ウヮーチチヌ ワッサヌ ハンブンカーキール ソール(天気が悪くて、生乾きだよ)。
バンマカスン
バンと強く打つ。
- メモ
- 相手にパンと強い衝撃を与える。
ハンメー
飯米。食糧。食事。餌。
- 用例
- メーナチヌ ハンメーヤ ヌー チュクイガヤーシ カンゲーイシン ナンジ ヤサ(毎日の食事は、何を作ろうかと考えるのも難儀だよ)。
ゥンマヌ ハンメー(馬の餌)。
バンメーイチ
喜名番所の前にあった池の名称。
- メモ
- 池は人手で土を運び出して造った。近郊でも大きな池として知られ、農具を洗ったり、子どもらが水浴びをしたり、大変利用度が高かった。現在は埋め立てられ、野外ステージが建ち、敷地には石碑が建立されている。
ハンメースガヤー
食事の世話をする人。
- 用例
- ウッサヌ シンカヌ ハンメースガヤーヤ、デージナ シクチ ヤサ(こんなに大勢の食事の世話は、大変な仕事だ)。
ハンメーデー
飯米代。食事代。
- 用例
- ハンメーデーヤ ムルカラ ヌチャーサンネー(食事代は皆から徴収しないと)。
ハンリーン
外れる。
- 用例
- クンドゥヤ ヤクミカラ ハンリーン(今年は役目から外れる)。
否:ハンリラン(外れない)希:ハンリーブサン(外れたい)過:ハンリタン(外れた)継:ハンリトーン(外れている)。
- メモ
- 類:ハジリーン。対:アタイン(当たる)。
ハンリムン
外れ者。はみ出し者。
- 用例
- ハンリムンヌン シクチヌ チトゥマイミ(はみ出し者に仕事が務まるか)。
- メモ
- 音1:ハンディムン。→ハンディムン。
読込中...