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- しまくとぅば単語帳:ウ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ウアチミシェーン
いらっしゃる。
- 用例
- ウタッサニ、ウアチミシェービーンナー(お達者でいらっしゃいますか)。
- メモ
- 士族間で話される挨拶。
→アッチュン。
ウイ
瓜。キュウリやモーウイなどのこと。
- 用例
- ウイ トゥッティッチ、イェームン シ カムン(瓜を取ってきて、和え物にして食べる)。
ウイ(~ウイ)
~したりして。何度もくり返す様。
- 用例
- キーヌ ファーヌ ウティテーウイ、ウティテーウイ ッシ(木の葉が落ちては、また落ちたりして)。サーター ナミテーウイウイ ソーン(砂糖を舐めたりしている)。
ウイヌクサー
売れ残り。
- 用例
- ニッカ ゥンジャレー、ウイヌクサーシカ ネーランタッサー(遅く行ったので、売れ残りしかなかったよ)。
ウイミ
{おりめ(折目)}。神仏に関する四季折々の節供。
- メモ
- →音1:ウユミ。
ウイムン
売り物。
- 用例
- ウイムン ヤグトゥ、ウリカラヤ トゥランケー(売り物だから、それからは取るな)。
ウイムンウヤー
物売り。出店。
- 用例
- スビガニクヌ アブシバレーネー、ウイムンウヤーン マンドータン(楚辺兼久のアブシバレーには、出店も多かった)。
ウイン
売る。
- 用例
- チュー トゥッテーヌ ヤシェー ウイン(今日取った野菜を売る)。
否:ウラン(売らない)希:ウイブサン(売りたい)過:ウタン(売った)継:ウトーン(売っている)。
- メモ
- 対:コーイン(買う)。
ウー
はい。目上に対する応答。
- 用例
- ウー、ウンジュガ イミシェーシェー ワカトーヤビン(はい、貴方がおっしゃるのは分かっています)。
- メモ
- 音2:ウーフー。
ウーアカガイ
すっかり明るくなること。とても明るいこと。
- 用例
- ウーアカガイ ッシ、ミーチラサル アル(すっかり明るくなって、眩しいほどだ)。
- メモ
- 対:ウーグラシン・マックラシン(真暗闇)。
ウーアチサ
暑さが厳しいこと。
- 用例
- ウーアチサン、クヌウチ ヤサ(暑さが厳しいのも、もうすぐ終わるよ)。
ウーアミ
大雨。
- 用例
- ナマニン ウーアミ フイギサー ッシ、イスジ イカナ(今にも大雨が降りそうだから、急いで行こう)。
- メモ
- →アラブイ。
ウーイカキーン
追いかける。
- 用例
- クヮーシヌスル ウーイカキーン(お菓子泥棒を追いかける)。
否:ウーキカキラン(追いかけない)希:ウーイカキーブサン(追いかけたい)過:ウーイカキタン(追いかけた)継:ウーイカキトーン(追いかけている)。
ウーイチラスン
追い散らす。
- 用例
- ササリーネー デージ ヤグトゥ、ハチャー ウーイチラスン(刺されたら大変だから、蜂を追い散らす)。
否:ウーイチラサン(追い散らさない)希:ウーイチラシーブサン(追い散らしたい)過:ウーイチラチャン(追い散らした)継:ウーイチラチョーン(追い散らしている)。
ウーイマースン
追い回す。
- 用例
- ウッチャンナギラリーネー デージディチ、ウヤビカーン ウーイマースン(置いて行かれたら大変だと、親だけを追い回す)。
否:ウーイマーサン(追い回さない)希:ウーイマーシーブサン(追い回したい)過:ウーイマーチャン(追い回した)継:ウーイマーチョーン(追い回している)。
- メモ
- 音1:ウィーマースン。
ウーイメーシ
{おりはし(折り箸)}。竹を折った簡単な箸。
ウーイン
追う。
- 用例
- カチミーンディチ、マーマディン ウーインドー(捕まえようとして、どこまでも追って行くよ)。
否:ウーラン(追わない)希:ウーイブサン(追いたい)過:ウータン(追った)継:ウートーン(追っている)。
ウーエークィーエー
追いかけ回している様。
- 用例
- ワランチャーガ ウーエークィーエー ッシ、アシドーン(子どもたちが追いかけっこして、遊んでいる)。
ウーガーガー
がらんどう。空っぽ。
- 用例
- ウーガーガー ッシ ヌーン イッチョーネーン(空っぽで何も入ってない)。
- メモ
- 音2:ウーガンガラー。類:バンバラー。
ウーカジ
大風。台風。
- 用例
- ウヮーチチヌ ワッサヌ、クヌウチ ウーカジ フチュンドー(天気が悪いから、近いうちに大きな台風が来るよ)。
ウーガンガラー
がらんどう。空っぽ。
- 用例
- ウーガンガラー ッシ ヌーン ネーンタン(がらんどうで何もなかった)。
- メモ
- →ウーガーガー。
ウーク
奥。
- 用例
- イリーシェー マンドーグトゥ、ナーヒン ウークカイ イリレー(入れるのが多いから、もっと奥に入れなさい)。
ウークイ
{おおくり(お送り)}。精霊送り。旧盆最終日の旧7月15日のウークイに祖霊を送ること。
- 用例
- ウークイネー、クヮゥンマガンチャーン アチマティ ンナシ ウクイン(精霊送りには、子や孫も集まって皆で祖霊を送る)。ウークイネー「クヮンマガ ミーマンティクィミソーリ。ヤーヌン メンソーチ クィミソーリ」リチ、ウクタン(精霊送りには「子孫を見守ってください。来年もいらしてください」と言って、送った)。
- メモ
- 祖霊との別れを惜しむ意味で、ウークイは夜遅く行なうのが一般的である。仏壇に重箱料理や果物、夕飯を供え、線香を焚いて拝し、祖霊を見送る時には、ウチカビを焚き、その上に仏壇に供えていたお茶や酒、花米などをかける。それから供え物を全部庭に出し、線香を焚いて拝んで祖霊を送る。
ウークイズーネーグヮー
旧盆最終日の旧7月15日のウークイに供える和え物。
- 用例
- ウークイズーネーグヮーディチ、ウッピグヮーヌ サラヌ ミーナー シキータンヨーヤー(ウークイズーネーグヮーといって、小さな皿に入れて供えていたよ)。
ウークイダーグ
旧盆最終日の旧7月15日のウークイに供える団子。
- 用例
- ウークイダーグヤ チュクテーンナー(仏壇に供える団子は作ってあるね)。
- メモ
- 団子をサンニンの葉に乗せて作り、御馳走と一緒に仏壇に供える。
ウーグトゥ
ありがたいこと。嬉しいこと。
- 用例
- イートゥジ カメーティ、アンシ ウーグトゥヤル(良い嫁を貰って、なんてありがたいこと)。
ウングトール ウーグトゥン アル(こんな嬉しいこともあるものだ)。
ウーグラシン
真暗闇。
- 用例
- ウーグラシンナティ、ヌーン ミーラン(真っ暗になって、何も見えない)。
- メモ
- 音2:マックラシン・クラガイ・クラシン。対:ウーアカガイ(とても明るいこと)。
ウークヮジ
大火事。大火。
- 用例
- クジュヤ ウークヮジ ゥンジティ デージヤタンヤー(昨年は大火事があって大変だったね)。
ウーゴーイ
大きい買い物。
- メモ
- 外出用の着物などたくさんの買い物をするときは那覇へ行き、少しの買い物のときは泡瀬や嘉手納へ行った。
ウーサー
運搬人。
- 用例
- ヲゥージ ウーサー ソータン(キビの運搬人をしていた)。
ウーサニカタヂキルー
多い方に片付ける。多数決。
- 用例
- アンシェーナー ウーサニカタヂキルーシ キミラナ(それなら多数決で決めよう)。
- メモ
- 子どもの遊びなどで、多数決をとる時に右手を左脇にはさんで「ウーサニカタヂキルー(多い方が勝ちよ)」と言いながら手のひらか甲を上にして出し、多い方に決める。→イキラサニカタヂキルー。
ウーサラフリムン
大馬鹿者。
- メモ
- 音2:サラフリムン。
ウーサリアーサリ
人にへつらう様。媚びる様。
- 用例
- ウヮービヌチュンカイ ウーサリアーサリ スンディ、デージヤン(上の人に媚びないといけないので、大変だ)。
- メモ
- 相手の機嫌をとろうとして、やたらに頭を下げたり言いなりになったりすること。
ウーサン
多い。
- 用例
- チヌーヤカ ユカイ ウーサンドー(昨日よりかなり多いよ)。
トゥイヒレーヌ ウーサン(交際が多い)慶。
- メモ
- 音1:ウフサン。類:ウフハン。対:イキラサン・イキラハン(少ない)。
ウーシ
臼。
- 用例
- ウーシン フルク ナティ、トゥイケーリワル ナインテー(臼も古くなって、取り替えないといけないね)。
ウーシ
奥歯。
- 用例
- チヌーヤ ウーシヌ ヤリ、ニンラランタン(昨日は奥歯が痛くて、眠れなかった)。
- メモ
- 音2:ウーシバー。
ウーシアラサー
臼の目立て屋。
- 用例
- ナー、ウーシアラサーン ヲゥランナティヤー(もう、臼を目立てる人も居なくなってね)。
- メモ
- 「ウーシ アラサビラー(臼の目立ていたします)」と徒歩や自転車でまわってきた。
ウーシーン
①負わせる。人のせいにする。②載せる。
- 用例
- ①ワッサヌクトゥシ チュンカイ ウーシーン(悪い事をして人のせいにする)。②ウーサグトゥ ツギニ ウーシーンテー(多いから次に載せるさ)。
否:ウーシラン(載せない)希:ウーシーブサン(載せたい)過:ウーシタン(載せた)継:ウーチョーン(載せている)。
- メモ
- 音1:ウースン
ウーシウーシ
なすりあい。
- 用例
- チュ ウーシウーシ シ(人に押しつけて)。
ウーシギー
サトウキビ圧搾時に製糖車を回すための棒。
- 用例
- ウーシギーヤ ウシカイ ヒカスン(製糖車を回す棒は牛に引かせる)。
ウーシバー
奥歯。
- 用例
- チヌーカラ ウーシバーヌ ヤリ、フックトーン(昨日から奥歯が痛くて、腫れている)。
- メモ
- →ウーシ。
ウーシベー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- メモ
- 音1:ウシベー。音2:ウシクェーバー・ウシクェーベー・ウシクェームシ。
ウージャ
地名(読谷村宇座)。
ウージャ ガーガー
字民性。{うざがーがー(宇座我々)}。宇座字民の気質を表わした言葉。負けず嫌いで自己主張が強いこと。
ウージャ スーテー
字民性。{うざしょたい(宇座所帯)}。宇座字民の気質を表わした言葉。接客に金品を惜しまない気質。
- メモ
- →スーテー。
ウージャトゥキシ
地名(読谷村宇座と渡慶次)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ウージャバル
{宇座原}。宇座の小字。
ウージャンチュ
宇座の人。
ウージワ
{おおしんぱい(大心配)}。とても心配なこと。
- 用例
- ウージワ ソータン(大変心配していた)。
ウースージ
{おおしゅうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- ルクジューイチカラー ウースージ ヤタンドー(61歳からは大きなお祝いだったよ)。
- メモ
- 音2:ウフスージ・マギスージ。
ウースン
①負わせる。人のせいにする。②載せる。
- 用例
- ①ドゥーガル シェーシガ、ウットゥンカイ ウースン(自分がやったのに、弟のせいにする)。②バサンカイ ヲゥージ ウースン(馬車にキビを載せる)。
②ゥンマンカイ ターラ ウーチ(馬の背に俵を載せて)。
否:ウーサン(載せない)希:ウーシーブサン(載せたい)過:ウーチャン(載せた)継:ウーチョーン(載せている)。
- メモ
- 音1:ウーシーン。
ウースン(~ウースン)
~出来る。
- 用例
- イーウースミ(言えるか)。イチウースンバーイ(行けるものか)。トゥイウーサン(取ることができない)。カミウーサン(食べきれない)。ムッチ チーウーサン(持って来ることはできない)。カンゲーヤ シーウーサン(考えることができない)。
- メモ
- 音1:~ユースン。
ウーティクェー
後からついて行って、ただ飯を食うこと。ただ飯食い。
- 用例
- ウーティクェービカーン ッシ、ヌーン ヤクン タッタン(ただ飯食いばかりして、何の役にも立たない)。
ウードゥシ
卯年。うさぎ年。
- 用例
- ワンネー ウードゥシニ ウマリタン(私は卯年に生まれた)。
ウートゥスイ
大年寄り。
- メモ
- 音2:ゴートゥスイ。
ウートゥルバイ
ぼんやりすること。無反応。何を言っても反応がないくらいにぼんやりすること。
- 用例
- ヌーヌル アタラー、ウートゥルバイ ッシ ムヌン アビランナトーン(何があったのか、ぼんやりして物も言わなくなった)。
- メモ
- 音1:ウフトゥルバイ。
ウートートゥ
あな尊し。神仏や先祖を拝むときに唱える言葉。
ウーニービチ
盛大な結婚式。
- メモ
- 音1:ウフニービチ。音2:ミジムイニービチ。→ニービチ。
ウーヌチュ
卯年の人。
- 用例
- ウーヌチュヤ マクトゥナムンガ ウーサンディ(卯年の人は真面目な人が多いそうだ)。
- メモ
- →ウードゥシ。
ウーヌファ
卯の方。東の方角。
- 用例
- ヤシチヌ ウグヮンネー ウーヌファン ウガムン(屋敷の御願には卯の方も拝む)。
ウーハマイ
一生懸命励むこと。
- 用例
- フミタレー、ウーハマイ ソーンドー(褒めたら、一生懸命頑張っているよ)。
ウービ
帯。
- 用例
- ウービ ムッチ クヮー、ワン ウファ スサ(帯を持ってきなさい、私がおんぶするさ)。
ウービーサ
二十四節気のひとつ。大寒。
ウーヒラ
{おひら(大平)}。浅くて底の平たい漆器の皿。
- メモ
- 裕福な家にしかなかった。お祝や行事の時に、茶請けや御馳走を入れて客人をもてなした。
ウーブ
出来物の一種で、夏の暑い時に子どもの頭にできる。
- 用例
- ルク アチサヌ、ウーブヌ ゥンジトーサ(あまりに暑くて、頭に出来物ができているさ)。
- メモ
- 類:チナブー・チンカーミー。
ウーファ
おんぶ。
- 用例
- ワラバー ウーファ スン(子どもをおんぶする)。
- メモ
- 音1:ウファ。
ウーブイ
大降り。大雨。
- 用例
- ヒルマカラ ウーブイ ッシ、ハルン イカランタン(昼間から大降りになって、畑にも行けなかった)。
- メモ
- →アラブイ。
ウーブイコーコー
荷物を重そうに担いでいる様。
- 用例
- ウガヨーナ ワラビンカイ、ウーブイコーコースカ ニムチ カタミラチ(そんな小さな子に、荷物を無理に担がせて)。
ウーフー
はい。目上の人に対する応答。
- メモ
- 対:イーヒー(目下に対する応答)。→ウー。
ウーブシ
武芸に優れた者。
- 用例
- ジッコーヌ ウーブシ(とっても武芸に優れた者)。
ウーベー
植物名。カラムシ。
- 用例
- ウーベーヤ モーンカイ マンドータン(ノカラムシは、原野に多く自生していた)。
ウーマク
腕白。腕白者。
- 用例
- アレー、グナサイネー ウーマク ヤタンドー(彼は、小さいころは腕白だったよ)。
- メモ
- 音1:ウーマクー。→アカマク。
ウーマクー
腕白。腕白者。
- 用例
- トゥナイヌ ワラビヤ ルク ウーマクー ナティ、ティーン チキララン(隣の子はあまりにも腕白者で、手もつけられない)。
- メモ
- 音1:ウーマク。→アカマク。
ウーマクワラバー
腕白な子ども。
- メモ
- 音1:ウーマクワラビ。
ウーマクワラビ
腕白な子ども。
- 用例
- ウーマクワラビヌ ウッサ アチマティ、ヌー ガンマリ ソーガ(腕白な子が大勢集まって、何をいたずらしているか)。
- メモ
- 音1:ウーマクワラバー。
ウーマフックヮ
夏の暑い真昼。真っ昼間。
- 用例
- ウーマフックヮニ、ハルカイ イチュンディチン アミ(真昼間の暑いときに、畑に行くってこともあるか)。
- メモ
- 音2:マフックヮ。マフックヮは太陽が照りつける夏の真昼のことで、語頭にウー(大)を付けて強調している。
ウームジャー
大麦。
- メモ
- 音2:ウフムジャー・ウフムジ。類:ウフムギ。
読谷山では小麦より大麦の方がよく作られていた。
ウーイェーキンチュ
大金持ちの人。
ウール
布団。
- 用例
- ウール カンランアレー ヒーサンドー(布団を被らないと寒いよ)。
ウールク
力持ち。
- 用例
- イッター スーヤ、デージナ ウールク ヤタンヤー(お前のお父さんは、大変な力持ちだったね)。
ウールワヤー
重りの一種。
- メモ
- 碇としても利用するが、主にテーブルサンゴを打ち砕いて、隠れている小魚を追い出すのに使った。
ウーワァ
昆虫名。ツクツクボウシ。
- メモ
- 夏の終わり頃に鳴く。
ウーワレー
大笑い。
- 用例
- ルク シーヨーヌ ウカサヌ、ウーワレー ソーサ(あまりにも仕草が可笑しくて、大笑いしたさ)・儀。
ウーン
斧。
- メモ
- 音:1
ウーンカシ
大昔。
- 用例
- ウーンカシヌ ハナシ(大昔の話)。
- メモ
- 音2:デーンカシ。類:デーユー。
ウーンナ
{おおつな(大綱)}。大綱引き。
- 用例
- ジューサンニンニ チュケーン、チャタンヲゥティ ウーンナヌ アタン(13年に1回、北谷で大綱引きがあった)。
ウカー
井泉の名。楚辺の七御嶽のひとつ。
- メモ
- 旧集落地にある、神人たちが手足を浄めた井泉。旧2月から8月までのウマチーには、役目の者が太鼓をポンポンポンと打ち、「ティーフィサ アレンガ モーリヨー(手足を洗いにいらしてください)」と神人たちに声をかけ、次には「シタク シンソーリヨー(支度してください)」と、3回目は神アサギに「ウリジミソーリヨー(お集まりください)」と打った。
ウカー
御井泉。牧原の井泉の名称。
- メモ
- 別名ボージガー(坊主井泉)。坊主御主が飲んだと伝えられている。終戦当時まで残っていた小さなニーブガー。ボージガー参照。
ウカーサン
危ない。
- 用例
- ゥンマカラ ヘーク ドゥキナレーワ、ウカーサンドー(そこから早く退きなさい、危ないよ)。
- メモ
- →アブナサン。
ウカザイ
{おかざり(御飾り)}。供物。供え物。
- 用例
- トートーメーンカイ、ジューバク ウカザイ スン(仏壇に、重箱を供える)。
ウカサン
おかしい。滑稽〔こっけい〕である。
- 用例
- イャームン チン チーヨーヤ、ウカサン(お前の着物の着方は、おかしいよ)。
- メモ
- 音1:ウカハン。
ウカジ
お陰。
- 用例
- ワンガ ヤー チュクイ アーチャシェー、ウンジュガ ウカジ ヤイビーン(私が家を造ることができたのは、貴方のお陰です)。
ウカジ
地名(恩納村宇加地)。
ウカスン
犯す。
- 用例
- アヤマチ ウカスン(過ちを犯す)。否:ウカサン(犯さない)。過:ウカチャン(犯さない)。
ウガチカサ
そんなに近く。
- 用例
- イッター ヤーヤ、ウガチカサル ヤティナー(貴方の家は、そんなに近かったの)。
- メモ
- 音1:ウガチチャサ。対:ウガトゥー(そんなに遠い)。
ウガチチャサ
そんなに近く。
- 用例
- ウガチチャサンカイ アルムンヌ、カメーイサンティナー(そんなに近くにあるのに、探せなかったの)。
- メモ
- →ウガチカサ。
ウカットゥ
うっかり。
- 用例
- ウカットゥ ワシリティ イカンタン(うっかり忘れて行かなかった)。
ウカットゥー
うっかりしている人。うっかり者。
- 用例
- イャーヤ、アンシ ウカットゥー ヤル(君は、なんてうっかりしているんでしょう)。
ウガットーイビーン
分かりました。承知しました。
- 用例
- ウレー アタトービーンドー。ウガットーイビーンドー(それは合っていますよ。承知していますよ)・伊。
- メモ
- 音2:ウガドーヤビン・ウガドーイビン・ウガドービーン・ウガドービン。
ウガトゥー
そんなに遠く。
- 用例
- ウガトゥーマディ カユティ、ヒキアーインナー(そんなに遠くまで通って、採算は取れるの)。
- メモ
- 対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近く)。
ウガドーイビン
分かりました。承知しました
- 用例
- ウヌ ハナシーヤ、キッサ ウガドーイビサ(その話は、既に承知していますよ)。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガドービーン
分かりました。承知しました。
- 用例
- ウヤヌチャーガ イル クトー、ヌー ヤティン ウガドービーンリ イータンドー(親の言うことは、何でも「分かりました」と返事した)。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガドービン
分かりました。承知しました。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガドーヤビン
分かりました。承知しました。
- 用例
- ナーガ イミシェーシェー、ウガドーヤビンドー(貴方がおっしゃることは、承知していますよ)。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガニッカ
そんなに遅く。
- 用例
- ウガニッカカラ、マーカイ イチュル チムエーガ(そんなに遅くから、どこに行くつもりか)。
- メモ
- 対:ウガヘーサ・ウヌヘーサ(そんなに早く)。
ウカハン
おかしい。滑稽〔こっけい〕である。
- 用例
- イャームン アビーヨーヤ、テーテームニー ヒチ ウカハン(お前のしゃべり方は、舌足らずでおかしい)。
- メモ
- 音1:ウカサン。
ウカビーン
浮かべる。
- 用例
- キージラー ミジンカイ ウカビーン(木切れを水に浮かべる)。
否:ウカビラン(浮かべない)希:ウカビーブサン(浮かべたい)過:ウカビタン(浮かべた)継:ウカビトーン(浮かべている)。
- メモ
- 対:シジミーン(沈める)。
ウカブン
浮かぶ。
- 用例
- ミジンカイ キージラー イリーネー ウカブン(水に木切れを入れると浮かぶよ)。
否:ウカバン(浮かばない)希:ウカビーブサン(浮かびたい)過:ウカダン(浮かんだ)継:ウカドーン(浮かんでいる)。
- メモ
- 対:シジムン(沈む)。
ウガヘーサ
そんなに早く。
- 用例
- ウガヘーサナーカラ フカンカイ ゥンジティ、ヌー ソーガ(そんなに早くから外に出て、何をしているの)。
- メモ
- 音1:ウヌヘーサ。
対:ウガニッカ(そんなに遅く)。
ウカマ
{おかま(御竃)}。火の神。竈神〔かまどがみ〕
- 用例
- チータチ ジューグニチヤ、ウカマ ウガディカラル ブチダノー ウガムンドー(1日と15日は、火の神を拝んでから仏壇を拝むんだよ)。
- メモ
- 音2:ウカマガナシー。類:ウミチムン・ヒヌカン。
→ヒヌカン。
ウカマウガマシ
竈神〔かまどがみ〕を拝むこと。火の神を拝むこと。
- メモ
- 音2:ヒヌカンウガマシ。赤子の名付けが終わった後、火の神にビンシー(瓶子)を供え、健やかな成長を祈り、額に鍋煤を3回つける。
ウカマガナシー
竈神。火の神。
- メモ
- →ウカマ・ヒヌカン。
ウカミ
御神。神様。
- 用例
- アヌ チュヤ ウカミヌ グトゥル アル(あの人は神様のようだ)。
ウカミグトゥ
{おかみごと(御神事)}。神の知らせ。神のお告げで神事を行うこと。
- メモ
墓にジーバチャー(蜂)が巣を作ったら厄、ウカミグトゥ(神の知らせ)といい、早く壊せといわれた。
ウカミヤー
{おかみや(御神屋)}。集落や門中、ムートゥヤー(本家)などで神を祀った建物。
- 用例
- ヤシチンカイ ウカミヤーヌ チュクラットーン(屋敷内にウカミヤーが造られている)。
ウガムン
①拝む。②拝見する。手にする。
- 用例
- ①シーミーネー ハカヌナーヲゥティ、ジューバク シキティ ティー アーチ ウガムン(清明には墓の庭で重箱を供えて手を合わせて拝む)。
①ワッターヤンジ、ウガドールバーテー(私の家で拝んでいるわけさ)・木。
②タイガ ウカオ ウガリナービラワ(ふたりの顔を見てみれば)。
②ユカイ ジン ウガランリンドー(けっこうなお金を手にしたんだってよ)。
否:ウガマン(拝まない)希:ウガミーブサン(拝みたい)過:ウガラン(拝んだ)継:ウガドーン(拝んでいる)。
ウガヨーナ
そんなに幼い。
- 用例
- ウガヨーナ ワラビ、ドゥーチュイ ヤラスンディチン アンナー(そんなに幼い子を、ひとりでやるってこともあるか)。
ウガン
{おねがい(御願)}。祈願。
- メモ
- 音1:ウグヮン。
ウガン
御嶽〔うたき〕。拝所。
- 用例
- ウガンナカ、チャッピナーヌ アカギヌ アタサ(拝所に、大きな赤木があったよ)。
ウガンアシビ
行事名。アシビ神を拝む行事。
- メモ
- 楚辺では旧7月20日に字の役員や青年代表が、アシビの衣裳や小道具が保管されている屋号ナービナクー(鍋之甲)を拝む。→サンジャーグヮー。
ウガンウサギヤー
物知りで祈願を先導して行う人。
- 用例
- アマヌ ゥンメーヤ、ウガンウサギヤー ヤイビーサ(向こうのおばあさんは、ウガンウサギヤーですよ)。
- メモ
- 音1:ウグヮンウサギヤー。
ウガンウスメー
集落の祈願を担う50代の男性。
- メモ
- 音1:ウグヮンウスメー。音2:ウガンゥンメー。
波平では、56歳から70歳までの男性が部落の諸行事の祈願を行った。
高志保では51歳から60歳までの男性をウガンウスメーと呼び、字の初御願をはじめほとんどすべての祈願をした。現在では、その役目を老人会が引き継いでいる。
→音1:ウガンウスメー。
ウガンジュ
御願所。拝所。
- 用例
- ワッタガ ウガムヌ ウガンジュヤ、マー ナトーガ(私たちが拝む拝所は、何処か)。
- メモ
- 音1:ウグヮンジュ。
ウガンヒラー
楚辺の七御嶽のひとつ。ウガン辺りの坂のこと。
- メモ
- アガリウタキともウガンとも呼ばれた。雑木林に覆われた小高い丘の中にある。楚辺の守り神として拝まれ、戦時中は出征兵士の武運長久を祈願し拝んだ。ウガンの辺りが坂になっているためにそう呼ばれた。
ウガンヒラーガッコー
古堅学校分教場。
- メモ
- 1907(明治40)年ウガンヒラー西側にハーガラ(キビの葉)屋根の古堅尋常小学校分校が設置され、2か年だけではあるが、字楚辺や付近の屋取集落の子どもが通った。
ウガンヒラガー
御願坂井戸。楚辺の井戸の名称。
- メモ
- ウガンガーともいう。明治44年にウガンヒラー北西に掘られたチンガー(つるべ井戸)。深さは20尋(30m)以上といわれる。
ウガンブトゥチ
行事名。{おがんほとき(御願解き)}。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み。
- メモ
- 音1:ウグヮンブトゥチ。音2:フトゥチウガン・フトゥキウグヮン・フトゥチヌウグヮン。類:シーシミチ。
竈周りを掃除し、火の神にウチャヌク、花米、酒を供え1年の加護を感謝し、翌年の健康を祈願する。その際に、竈周りで女達が話した悪い話を天上では披露してくれるなと火の神に願う。
ウガンゥンメー
集落の祈願を担う50代の男性。
- メモ
- 宇座・長浜・儀間ではウガンゥンメーが各戸を廻り歩いて、火の用心の祈願を行なった。
→ウガンウスメー。
ウキーカンティー
起きずらい。
- 用例
- チューヤ ヲゥタティ、ウキーカンティー ッシ(今日は疲れて、起きずらかった)。
ウキーン
起きる。
- 用例
- チューヤ アサ ヘーク ウキタン(今日は朝早く起きた)。
否:ウキラン(起きない)希:ウキーブサン(起きたい)過:ウキタン(起きた)継:ウキトーン(起きている)。
- メモ
- 対:ニンジュン(寝る)。
ウキーン
受ける。
- 用例
- チャクシヤ、アチャ シケン ウキーン(長男は、明日試験を受ける)。
ナサキ ウキタン(親切にされた)。
否:ウキラン(受けない)希:ウキーブサン(受けたい)過:ウキタン(受けた)継:ウキトーン(受けている)。
ウキオーイン
受け入れる。
- 用例
- チャクシヤ ウリ ウキオーランシガ、ジナンヤ ウキオーティ スル クトゥ ナタン(長男はそれを受け入れないが、次男は受け入れてすることになった)。
ウキクサ
植物名。ホテイアオイ。
- 用例
- ウキクサヌ ハナヌ チュラサヨー(ホテイアオイの花がきれいなことよ)。
ウキジ
請地。百姓が耕作できなくなって取り上げた百姓地を、士族へ払い下げた土地。
ウキトゥイン
受け取る。
- 用例
- ウヤカラヌ ティガミ ウキトゥイン(親からの手紙を受け取る)。
否:ウキトゥラン(受け取らない)希:ウキトゥイブサン(受け取りたい)過:ウキトゥッタン(受け取った)継:ウキトゥットーン(受け取っている)。
- メモ
- 対:ウクイン(送る)。
ウキノースン
置き直す。
- 用例
- イバハヌ、アマンカイ ウキノーセー(狭いから、あそこに置きなおしなさい)。
- メモ
- 音1:ウチノースン。
ウキヒントー
受け答え。
- 用例
- マーカイ ゥンジン、ウキヒントーヤ リッパシーヨーヤー(どこに行っても、受け答えはちゃんとしなさいね)。
ウギミーン
追加する。補う。
- 用例
- タラーン ブノー、ンナッシ ウギミーサ(足りない分は、皆で補うさ)。
- メモ
- →ウヮースン。
ウキムチ
受け持ち。
- 用例
- クンドゥヌ ウキムチヌ シンシーヤ、イッペー ワカサンディ(今度の受け持ちの先生は、とても若いそうだ)。
ウキムルー
魚介名。カンパチ。
ウキラン マール
起きない間。
- 用例
- ワラビヌ ウキラン マール、ハルカイ ゥンジ クーヒー(子どもが起きない間に、畑に行ってくるね)。
ウキリ
おき火。種火。残り火。
- 用例
- ウキリ トゥティ ウチェーン(種火を取っておいてある)。
- メモ
- 音1:ウチリ。音2:ウッチリグヮー・ウチリビ。
ウキリウキリ
起き抜け。起きがけ。
- 用例
- ウキリウキリ タルムン、ムヌン カマリンナー(起き抜けなのに、ご飯が食べれるか)。
ウキン
植物名。ウコン。
- 用例
- ウキンヤ ドゥーカイ マシヤグトゥ、イートーカナ(ウコンは体に良いから、植えておこう)。
- メモ
- 音2:ウッチン。
ウクイケースン
送り返す。
- 用例
- コーイヤ サシガ、アンチュカ ジョートー アラングトゥ、ウクイケースン(買ったものの、あまり良くないから、送り返す)。
否:ウクイケーサン(送り返さない)希:ウクイケーシーブサン(送り返したい)過:ウクイケーチャン(送り返した)継:ウクイケーチョーン(送り返している)。
ウグイシ
鳥名。ウグイス。
ウクイメー
模合のお金を取った人が、その後納めるべきお金。
- 用例
- ウクイメーヤ、ワシラングトゥニ ハラリヨー(模合のお金は、忘れないように払いなさいよ)。
- メモ
- →トゥイメー。
ウクイン
①送る。贈る。②葬送する。
- 用例
- ①ワラビンカイ ティガミ ウクイン(子どもに手紙を送る)。
ウンジ ウクランデー ナラン(恩返しをしなければならない)。
否:ウクラン(送らない)希:ウクイブサン(送りたい)過:ウクタン(送った)継:ウクトーン(送っている)。
②アンマーヤ アチャ ウクイン(お母さんは明日荼毘に付す)。
カサギママ ウクタン(妊娠したまま葬った)・木。グソーンカイ ウクラッティ(後生に送られて)。
過:ウクタン(葬送した)。
ウクイン
ウグイン
おごる。御馳走する。
- 用例
- チューヤ ティマ トゥッテーグトゥ、ムルカイ ウグイン(今日は手間賃を貰ったから、皆におごる)。
否:ウグラン(おごらない)希:ウグイブサン(おごりたい)過:ウグタン(おごった)継:ウグトーン(おごっている)。
ウクク
地名(南城市佐敷の小谷)。
ウクク シンザトゥ
地名(南城市佐敷の小谷と新里)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ウクスン
起こす。
- 用例
- ナー ジカン ナトーグトゥ、ワランチャー ウクスン(もう時間だから、子どもたちを起こす)。トーリトール キー、ンナシ ウクスン(倒れている木を、皆で起こす)。
否:ウクサン(起こさない)希:ウクシーブサン(起こしたい)過:ウクチャン(起こした)継:ウクチョーン(起こしている)。
- メモ
- 対:ニンシーン(寝かせる)
ウクディー
奥の手。
- 用例
- ウクディー チカティ(奥の手を使って)。
ウクディングヮ
門中の祖先神に仕える神人。
- 用例
- ナマー、トゥヌガキ ナイル ウクディングヮヌチャーヤ ゥンソーラン(今は、各字の拝所巡りできる神人はいない)。
- メモ
- 音2:クディングヮ。
霊力高い者が神霊のお告げで選ばれた。
ウクネー
行い。
- 用例
- ウクネーヌ ワッサヌ シンカヤ、ヤーカイ ケースンドー(行いが悪い人たちは、家に帰すよ)。
ウクブバル
{久保原}。古堅の小字。
ウグマ
植物名。胡麻。
- 用例
- ウグマカラ アンダ トゥイン(胡麻から油をとる)。
ウグマバンヤクー
菓子名。胡麻菓子。
- 用例
- アンマーガ チュクイル ウグマバンヤクーヤ、イッペー マーハタン(お母さんが作る胡麻菓子は、とても美味しかった)。
- メモ
- 少量の水で溶いた黒糖を、飴状になるまで煮詰め、油で炒った胡麻に混ぜる。それを冷ましてから適宜に切っておやつにした。楚辺では家普請の差し入れとして重宝された。
ウグママースグヮー
胡麻炒め。薄く油をしいて胡麻に少量の塩を振って炒めたもの。
- 用例
- ヌーン チャワキヌ ネーンネー、ウグママースグヮー ナミータサ(何も茶請けがない時には、胡麻炒めをなめたよ)。
ウクリーン
起こる。盛り上がる。
- 用例
- ニーシェーターガ ウクリーン(青年たちが決起する)。
イクサヌ ウクリラングトゥ スン(戦争が起こらないようにする)。
ウクリーン
遅れる。
- 用例
- ユージュヌ アティ、ムエーカイ ウクリーン(用事があって、模合に遅れる)。
否:ウクリラン(遅れない)希:ウクリーブサン(遅れたい)過:ウクリタン(遅れた)継:ウクリトーン(遅れている)。
ウクリーン
剥〔は〕げる。剥がれる。
- 用例
- ユカヌ ウクリーン(床が剥げる)。
カサンタヌ ウクリーン(かさぶたが剥げる)。
ウグリーン
再発する。
- 用例
- ヤンメーヌ ウグリーン(病気が再発する)。継:ウグリトーン(再発している)。
ウグヮン
{おねがい(御願)}。祈願。
- 用例
- アチャ ウグヮン ウサギーン(明日御願をする)。
- メモ
- →音1:ウガン。
ウグヮンウサギヤー
物知りで祈願を先導して行う人。
- 用例
- ウグヮンウサギヤー ウンチケーシ チャービタン(御願をする人をお連れしました)。
- メモ
- →音1:ウガンウサギヤー。
ウグヮンウスメー
集落の祈願を担う男性たち。
- メモ
- →音1:ウガンウスメー。
ウグヮンジュ
御願所。拝所。
- メモ
- 音1:ウガンジュ。
ウクヮンシンウドゥイ
{おかんせんおどり(御冠船踊)}。
- メモ
- 首里王府時代に演じられた宮廷芸能のこと。
瀬名波では、川平屋取の儀保カナミが首里から習い伝えた御冠船踊が演じられている。
ウグヮンダティ
{おがんだて(御願立て)}。
- メモ
- 親志では旧2月2日の土帝君拝みをウグヮンダティ、あるいはハチウガンといった。また、新築時の屋敷の吉凶や日取りなどを決め、建築工事の安全祈願にもいう。
ウグヮンヌクシバル
{拝之後原}。瀬名波の小字。
ウグヮンヌメーバル
{拝之前原}。瀬名波の小字。
ウグヮンブスク
{おがんぶそく(御願不足)}。祈願が足りないこと。
- 用例
- イサヌヤー カカティン ノーランティカラ、ウレー ウグヮンブスクル ヤル(医者に罹っても治らないなら、それは御願不足だよ)。
ウグヮンブトゥチ
行事名。{おがんほとき(御願解き)}。12月24日に1年の加護を感謝する拝み。
- 用例
- アチャヤ ウグヮンブトゥチ ヤグトゥ、ヒヌカヌン リッパ ソージシワル ナインドー(明日は御願解きだから、火の神もきれいに掃除しないといけないよ)。
- メモ
- →音1:ウガンブトゥチ。
ウクン
置く。
- 用例
- アチミヤーニ ゥンマンカイ ウクンテー(集めてそこに置くさ)。
- メモ
- 音1:ウチュン・ウッチュン。
ウクンケー
接待。応対。
- 用例
- ルク チャクヌ ウーサイニン、ウクンケー スンディ デージ(あまり客が多くても、接待するのに大変だ)。
シンシーリチン ウマーン、ウカットゥニ ウクンケー ソーサ(先生とも思わないで、簡単に応対してしまった)。
ウケー
お粥〔かゆ〕。
- 用例
- ムヌカミアンマサラー、ウケー ニチ カマシェーワ(食欲がないなら、お粥を炊いて食べさせなさい)。
- メモ
- 類:ウケーメー。
主に病人や産婦が食したが、夏の暑い日にお粥を食することもあった。
ウケーメー
お粥〔かゆ〕。
- 用例
- ウケーメー ニチェーサ、ヘーク アチサイニ カメー(お粥を炊いてあるよ、早く温かいうちに食べなさい)。
- メモ
- →ウケー。
ウコー
御香。線香。
- 用例
- ウコーカイ ヒー チキティ、ウコールンカイ タティレー(線香に火をつけて、香炉に立てなさい)。
ウコー カミレー(線香を押しいただきなさい)。
ウコール
御香炉。
- 用例
- クンドー ウコール コーイケーイン(今年は香炉を買い替える)。
- メモ
- 音2:コール。
ウコールイシ
御香炉石。墓の部所名のひとつ。
ウコーレー
{おこうだい(御香代)}。御香典。
- 用例
- ハチナンカヌ ウコーレーヤ、チャッサナー チチメー シムガヤー(初七日の香典は、幾ら包んだらいいのかな)。
- メモ
- 音2:コーデー。類:ウスデー・スデー。
ウサーサー
抱卵〔ほうらん〕させる鶏。
- メモ
- 類:シダサー。卵を孵化させるのが上手な種類の鶏。他の鶏の卵を抱かせた。
ウサースン
合わせる。合掌する。合祀する。
- 用例
- ティー ウサースン(手を合わせる)。
チュトゥクマカイ ウサースン(遺骨を一か所に合祀する)。
ウサーマートゥーニンジ
雑魚寝。
- 用例
- ユル ニッカ ナイネー、アサギヲゥティ ウサーマートゥーニンジ スタン(夜遅くなると、離れで雑魚寝した)。
- メモ
- 音2:ウヮーグヮーニンジ。
ウサーリーン
襲われる。押さえつけられる。下敷きになる。
- 用例
- ンカシェー、キジムナーンカイ ウサーリーンディヌ ハナシン、ユーアタンヤー(昔は、キジムナーに襲われるという話も、よくあったね)。
キジムナーンカイ ウサーリヤーニ イジカラン(キジムナーに襲われて動けない)。
マギイシンカイ ウサーットーン(大きな石の下敷きになっている)
否:ウサーラン(押さえつけられない)希:ウサーリーブサン(押さえつけたい)過:ウサーッタン(押さえつけられた)継:ウサーットーン(押さえつけらている)。
- メモ
- 音2:ウスラリーン。
ウサガイン
召し上がる。
- 用例
- ウシル マーサギサ ウサガイン(御汁を美味しそうに召し上がる)。
ウサガミソーレー(お召し上がりください)。
否:ウサガラン(召し上がらない)過:ウサガミソーチャン(召し上がった)継:ウサガトーン(召し上がっている)。
- メモ
- 音1:ウサガユン。類:ミシェーン・ミセーン。
ウサカティ
門中行事の経費。
- 用例
- ウサカティヤ、ムンチュー シンカシ ワップーシ アチミーン(門中の経費は、門中の人たちで分担して集める)。
- メモ
- ウサカティは、1年に一回ムートゥヤー(本家)が徴収する。
ウサカティワップー
門中行事の経費を各戸あるいは頭割りで分担すること。
- メモ
- 喜名では墓の改修、清明祭、アガリウマーイなどの門中行事の経費を各戸あるいは頭割りで分担することをウサカティワップーといった。ワップーは「割り当て、配分」の意味。
ウサガユン
召し上がる。
- メモ
- →音:ウサガイン。
ウサキー
そんなにたくさん。
- 用例
- ウサキーナー ムッチチェーサ(そんなにたくさん持ってきてあるさ)。
- メモ
- 音1:ウサキー。対:ウッピグヮー・ウヒグヮー(そんなにたくさん)。
ウサギーン
差し上げる。供える。
- 用例
- ①ウチャクンカイ チャワキ ウサギーン(お客さんに茶請けを差し上げる)。②ブチダヌンカイ ジューバク ウサギーン(仏壇に重箱を供える)。
ウサギヌミミー
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- 用例
- ウサギヌミミーヤ トゥイヌ ムヌン ヤタン(龍舌菜は鶏の餌でもあった)。
- メモ
- 音1:ウサジヌミミー。類:チーグサ・フクリーラー。
ウサギムン
供え物。捧げ物。
- 用例
- チャクガ メンシェーヌ メーニ、トートーメーンカイ ウサギムン ウサギレー(お客さんがいらっしゃる前に、仏壇に供え物をお供えしなさい)。
ウサジ
兎〔うさぎ〕。
- 用例
- ウサジグヮー ニチ カマシェー(〔子が授かるように〕ウサギを煮て食べさせなさい)。
ガッコーヲゥティ ウサジ カラトーン(学校でウサギを飼っている)。
ウサジヌミミー
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- メモ
- →音1:ウサジヌミミー。
ウサチ
酢の物。
- 用例
- シチグヮチ ナカヌヒーヤ、ウサチ シキータン(旧盆の中日には酢の物を供えた)。
- メモ
- 旧7月14日は素麺のシームン(汁物)やウサチ等を供えた。
ウサディンプー
結婚式の道化役。ウサディンプーは婿側から酒の強い男性を頼み、その妻は豆腐泥棒の道化役に当てられた。
- 用例
- ウサディンプーガ「サリー サリー サリー、ミーユミヌ アヤーメー ウンチケー アギヤビラ」ディ ミケーン イチ、アンネー スタン(結婚式の道化役が「さあさあさあ、花嫁さんを御案内しましょう」と3回口上を述べ、花嫁の出立を促した)。
- メモ
- 音2:ウサリーヲゥンプー。
ウサミーン
①収める。②納める。③治める
- 用例
- ①トゥダナンカイ スムチ ウサミーン(戸棚に本を収める)。
②クィー ウサミーン(税金を納める)。
③ムラ ウサミーン(ムラを治める)。
否:ウサミラン(おさめない)希:ウサミーブサン(おさめたい)過:ウサミタン(おさめた)継:ウサミトーン(おさめている)。
ウサリーヲゥンプー
結婚式の道化役。ウサリーヲゥンプーは婿側から酒の強い男性を頼み、その妻は豆腐泥棒の道化役に当てられた。
- 用例
- ウサリーヲゥンプーヤ、サキジョーグーカラ イラブタン(結婚式の時の道化役は、酒の強い人を選んだ)。
- メモ
- →ウサディンプー。
ウサン
胡散〔うさん〕。あやしい様。
- 用例
- ウサンナ ムン(あやしい者)。
ウサン ウムヤーナカイ(あやしく思って)。
ウサンデー
直会〔なおらい〕。供え物のお下がり。神仏へ供えた後のお供え料理などをいただくこと。
- 用例
- ウサギムヌン サギティ、ウサンデー スシェー マシ ヤサ(供え物を下げて、いただいた方が良いよ)。
ウサンミ
{おさんみ(御三味)}。神仏にお供えする重箱料理。
- 用例
- ウサンミヤ シコーテーミ(供え物のお重は準備してあるか)。
ウサンミデー
{おさんみだい(御三味台)}。墓の部所名。重箱料理などの供え物を置く所。
ウシ
牛。
- 用例
- ニッターヤ、ウシ イクチ カラトーミシェーガ?(あなたたちは、牛を何頭飼っていらっしゃるんですか?)。
ウジ
蛆〔うじ〕。
- 用例
- クサリティ ウジ ワチョーン(腐れて蛆がわいている)。
ウシアギーン
押し上げる。
- 用例
- マギハクヤ ティンジョーンカイ ウシアギーン(大きな箱は天井に押し上げる)。
否:ウシアギラン(押し上げない)希:ウシアギーブサン(押し上げたい)過:ウシアギタン(押し上げた)継:ウシアギトーン(押し上げている)。
ウシアミシグムイ
牛を浴びせる溜池。
- 用例
- エーライモーヌ ハタンカイ、ウシアミシグムイヌ アタン(エーライモーの方に、牛を浴びせる池があった)。
ウシー
二十四節気のひとつ。雨水〔うすい〕。
- 用例
- ウシーヌ ヒチニ ゥンニ イータン(雨水の節に稲を植えた)。
ウシーダ
{うすいだ(雨水田)}。雨水の節に稲を植える田んぼのこと。
ウシーマースン
抑えつける。
- 用例
- ヲゥトゥ チュラーク ウシーマースン(夫を見事に抑えつける)。
否:ウシーマーサン(抑えつけない)希:ウシーマーシーブサン(抑えつけたい)過:ウシーマーチャン(抑えつけた)継:ウシーマーチョーン(抑えつけている)。
ウシーミー
行事名。{おせいめい(御清明)}。清明祭。清明節に行うお墓参り行事のこと。
- 用例
- ウシーミーネー ハカヲゥティ ウサギティ アトゥ、 ハーマカイ ウリティ アシブタン(清明祭には墓で拝んだ後に、浜に下りて遊んだ)。
- メモ
- 音2:シーミー・シーミーメー。
喜名では役員が、ムートゥヤーの墓と野国総官の碑を拝む。その後に各家のシーミーを行った。
ウシームン
お吸い物。
- メモ
- 類:シームン。
盆の中日、旧7月14日の昼間は、素麺のお吸い物を供えた。→ウサチ。
ウジーン
怖気づく。
- 用例
- ウトゥルサヌ イチュシン ウジーン(恐くて行くのも怖気づく)。
カマデーヤ マーン ウジランドー(カマデーはどこも物怖じしないよ)。
否:ウジラン(怖気づかない)。過:ウジタン(怖気づいた)。継:ウジトーン(怖気づいている)。
ウシウシ
{おしおし(押し押し)}。無理矢理。
- 用例
- ウシウシニ イーチキラッタン(無理矢理に押しつけられた)。ワラビンカイ、ウシウシニ ムン カマチェー ナラン(子どもに、無理矢理にご飯を食べさせてはいけない)。
- メモ
- 音2:ウシムリ。
ウシェーイン
見くびる。馬鹿にする。
- 用例
- ガラサーヤ チュ ウシェーイン(カラスは人を馬鹿にする)。
否:ウシェーラン(馬鹿にしない)希:ウシェーイブサン(馬鹿にしたい)過:ウシェータン(馬鹿にした)継:ウシェートーン(馬鹿にしている)。
- メモ
- 音1:ウセーイン・ウシェーユン・ウセーユン。対:ウヤマイン(敬う)。
ウシェーティカカイン
頭から馬鹿にすること。
- 用例
- トゥシェー ウットゥル ヤシガ、ウシェーティカカティ ヌーリン ウマーン フージ(年は下なんだが、頭から馬鹿にして何とも思わないようだ)。
ウシェーユン
見くびる。馬鹿にする。
- 用例
- チュ ウシェーユン(人を馬鹿にする)。
- メモ
- →音1:ウシェーイン・ウセーイン・ウセーユン。
ウシオーラサー
牛の手綱をもって闘牛をさせる者。
- 用例
- ワッター オトーヤ、ウシオーラサーン スタンドー(私の父さんは、手綱を持って闘牛もさせていたよ)。
- メモ
- 音2:ウシカチミヤー。
闘牛の飼い主や同好の者からウシビットゥーと呼ばれる役員を選び、取り組みや闘牛など必要な任にあたった。ウシオーラサーもそのウシビットゥーから出るのが常だった。
ウシオーラシェー
闘牛。
- 用例
- ワラビ ソーイネー、タンメーンカイ ソーラッティ ウシオーラシェー ンージーガ ゥンジャン(子どもの時には、祖父に連れられて闘牛を見に行った)。チューヌ ウシオーラシェーヤ チビラーサタン(昨日の闘牛は見事だった)。
- メモ
- 類:ウシウヮーシ。
ウシカキ
サバニ(刳船〔くりぶね〕)の部分名称。帆柱を立てる箇所。
ウシカキーン
押しかける。
- 用例
- スージヤーカイ ムルッシ ウシカキーン(祝いの席にみんなで押しかける)。
否:ウシカキラン(押しかけない)希:ウシカキーブサン(押しかけたい)過:ウシカキタン(押しかけた)継:ウシカキトーン(押しかけている)。
ウシカチミヤー
牛の手綱をもって闘牛をさせる者。
- メモ
- →ウシオーラサー。
ウシカラヤー
牛を飼っている者。
- 用例
- タンメーヤ、、ナゲー ウシカラヤー ソータン(祖父は、長いこと牛を飼っていた)。
ウシカンカー
行事名。悪除け行事。牛カンカー。
- メモ
- →カンカー。
ウシクェーバー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- 用例
- ウシクェーバーヤ、ウシヌ ナガニンカイ ユー シガイン(サシバエは、牛の背中によくたかる)。
- メモ
- 音1:ウシクェーベー。→ウーシベー。
ウシクェーベー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- 用例
- ウシクェーベーヌ マンローシヨ(サシバエがが多いことよ)。
- メモ
- 音1:ウシクェーバー。→ウーシベー。
ウシクェームシ
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- メモ
- →ウーシベー。
ウシクミーン
押し込める。
- 用例
- ヒサシ チューヂューク ウシクミーン(足で強く押し込めるよ)。
否:ウシクミラン(押し込めない)希:ウシクミーブサン(押し込めたい)過:ウシクミタン(押し込めた)継:ウシクミトーン(押し込めている)。
ウシクルサー
牛を屠殺する者。
ウシクルバーシェー
押し合いへし合い。
- 用例
- ウッサヌ ワランチャーガ ウシクルバーシェー ッシ、アブナサヌ(大勢の子どもたちが押し合って、危ない)。
- メモ
- 音2:クンクルバーシェー。
ウシクルバスン
押し転ばす。押し倒す。
- 用例
- ウングトゥー シーネー ウシクルバスンドー(そんなことをしたら押し転ばすよ)。
- メモ
- 音2:ウシケーラスン・ウシゲーラスン。
ウシグヮー
子どもの遊び。スイジガイやホシダカラなどの貝に紐を結わえたものを牛に見立てて、よちよち歩きの子どもが引いて遊んだ。
ウシグヮーオーラセー
子どもの遊び。土で牛の型を作り、角を突き合わせて戦わす遊び。
- 用例
- ンカシェー ヰーリムンディチン ネーングトゥ、ウシグヮーオーラセー シ アシブタン(昔はおもちゃといってもないから、ウシグヮーオーラセーして遊んだ)。
- メモ
- 角が折れたら負けとなる。粘土は角を丁寧に作って一日は乾かしておき、粘土を強化するために油を塗ることもあった。
ウシクンジョー
{うしこんじょう(牛根性)}。意地悪。悪い心。根性悪。
- メモ
- 音1:ウシクンジョー。音2:クンジョー。類:クンジョーワルー・ヤナヂム。馬は人を避けて通るが、牛は人の上からも通って行くといわれている。牛は根性が悪いということからの例えである。
ウシケーラスン
押し倒す。
- メモ
- →ウシクルバスン。
ウシゲーラスン
押し倒す。
- 用例
- メーンカイ ウシゲーラスン(前に押し倒す)。
否:ウシゲーラサン(押し倒さない)希:ウシゲーラシーブサン(押し倒したい)過:ウシゲーラチャン(押し倒した)継:ウシゲーラチョーン(押し倒している)。
- メモ
- →ウシクルバスン。
ウシザシ
男性用簪〔かんざし〕のひとつ。飾り簪。
- 用例
- ンカシェー ヰキガン ウシザシ サチ アッチュタン(昔は男性も簪をさしていたよ)。
- メモ
- 音1:ウシザチ。1音2:ウシザチジーファー・ウシザチジーファー。
廃藩置県前、士族男性がカタカシラに簪を差していたが、その脇に添えた装飾的な簪のこと。
ウシザシジーファー
男性用簪のひとつ。飾り簪。
- メモ
- →ウシザシ。
ウシザチ
男性用簪のひとつ。飾り簪。
- 用例
- ウシザチンチ クンナゲーヤ カミサシヌ アタン(以前はウシザチといって飾り簪があった)。
- メモ
- →音1:ウシザシ。
ウシザチジーファー
男性用簪のひとつ。飾り簪。
- メモ
- →音1:ウシザシジーファー。
ウシジャーグヮー
豆腐箱を使わずに作った豆腐。
- メモ
- 少ない大豆で、豆腐を作る時は、風呂敷などの布で包んだ上に重石をのせ固めた。
ウシチーン
押し切る。
- 用例
- オシキリシ ヲゥージ ウシチーン(押し切りでサトウキビを押し切る)。
否:ウシチラン(押し切らない)希:ウシチーブサン(押し切りたい)過:ウシチッチャン(押し切った)継:ウシチッチョーン(押し切っている)。
ウシチキーン
押しつける。押さえつける。
- 用例
- ンナシ チューヂューク ウシチキーン(皆で強く押さえつける)。
ナンジワジャ ウシチキラッタン(難儀なことを押しつけられた)。
否:ウシチキラン(押さえつけない)希:ウシチキーブサン(押さえつけたい)過:ウシチキタン(押さえつけた)継:ウシチキトーン(押さえつけている)。
ウシチリーン
{おしつれる(押し連れる)}。連れ立つ。
- 用例
- シンシーター ヤーカイ、ムルッシ ウシチリティ イチュン(先生の家に、皆で連れだって行く)。
継:ウシチリトーン(連れ立っている)。
ウシヂンナン
黒い大きなカタツムリ。
- 用例
- ウヒナーヌ ウシヂンナン ヤテール(そんなにも大きな黒いカタツムリだったんだね)。
ウシドゥイ
鳥名。オシドリ。
ウシドゥキーン
押し退ける。
- 用例
- ウヌ ニムチェー ジャマ ヤグトゥ、アマンカイ ウシドゥキーン(その荷物は邪魔だから、あそこに押し退ける)。
否:ウシドゥキラン(押し退けない)希:ウシドゥキーブサン(押し退けたい)過:ウシドゥキタン(押し退けた)継:ウシドゥキトーン(押し退けている)。
- メモ
- 音1:ウシヌキーン。
ウシドゥシ
丑年。
- 用例
- ヤーノー ウシドゥシ ヤンヤー(来年は丑年だね)。
ウシトゥラヌカジ
{うしとらのかぜ(丑寅の風)}。北東の風。
ウシナー
闘牛場。
- 用例
- ドゥーター ウシヌ カッチュシトー マジュン、ウンメーヤ ウシナーンカイ ウリティ カチャーシー モーイタン(自分の家の牛が闘牛で勝つと同時に、祖母は観客席から闘牛場に下りてカチャーシーを踊った)。
ウシナーヌ ソージ シーガ イチュン(闘牛場の掃除をしに行く)。
- メモ
- 読谷山では明治期から闘牛が盛んで、楚辺・喜名・伊良皆では、字で闘牛場を設営していた。昭和8(1933)年には読谷山村営の闘牛場が設営され、原山勝負に楚辺・喜名・伊良皆合同の闘牛大会が行われた。大湾では、大正11(1936)年に、メーダグシク近くに設営された闘牛場で、興業としての闘牛大会が行われ、戦後は、大湾トゥキシヌヤマにできた闘牛場で昭和40年代まで闘牛が行われていた。
ウシナイン
失う。亡くす。無くす。
- 用例
- チュンカイ ダマサリーネー ゼーサン ウシナインドー(人に騙されると財産を失うよ)。
クヌユー ウシナタン(現世を失った〈亡くなった〉)。
否:ウシナラン(失わない)過:ウシナタン(失った)継:ウシナトーン(失っている)。
ウシナガスン
押し流す。
- 用例
- ミジ カキヤーニ、フカンカイ ウシナガスン(水をかけて、外に押し流す)。
否:ウシナガサン(押し流さない)希:ウシナガシーブサン(押し流したい)過:ウシナガチャン(押し流した)継:ウシナガチョーン(押し流している)。
ウジニ
滋養食。
- 用例
- ウジニ カミーガ クーワンチ、クヮンチャー アビタン(滋養食を食べにおいでと、子どもたちを呼んだ)。
- メモ
- 音2:ウジネームン・ウジニグスイ・ウジニーグスイ。
ウジニーグスイ
滋養食。
- 用例
- ウヮーヌ チムグヮーヤ ウジニーグスイ ヤサ(豚レバーは滋養食だよ)。
- メモ
- →ウジニ。
ウシニンジュ
{うしにんず(牛人数)}。闘牛に関わっている者。
- メモ
- 昭和に入って、伊良皆ではウシニンジュと呼ばれる闘牛組合が組織された。闘牛の組み合わせは組合の役員に一任され、ウシオーラサーは組合員の中から選任された。
ウシニンムリニン
無理矢理に。
- 用例
- チューヤ、ウシニンムリニン ソーティ イキワル ナインデー(今日は、無理矢理に連れて行かなくちゃいけないよ)。
ウシヌイジェーク
優れた大工。仕事は遅いが優れている大工。
- 用例
- ウシヌイジェークヤ スグリムンドー(ウシヌイジェークは優れ者だよ)。
- メモ
- 対:ターバージェークー(下手な大工)。
ウシヌキーン
押し退ける。
- 用例
- メーンカイ イチュンディ、チュ ウシヌキーン(前に行こうとして、人を押し退ける)。
否:ウシヌキラン(押し退けない)希:ウシヌキーブサン(押し退けたい)過:ウシヌキタン(押し退けた)継:ウシヌキトーン(押し退けている)。
- メモ
- 音1:ウシドゥキーン。
ウシヌク
押し鋸。
ウシヌクスー
①牛の糞。②乳児の頭にできる脂漏性湿疹〔しろうせいしっしん〕。
- 用例
- ①ダー、ウシヌクスー クラミティ ネーンシェー(ほら、牛の糞を踏んでしまったさ)。②ワランチャー ウシヌクスーヤ、ハガンキディ イービタセーヤ(子どもの頭の湿疹の瘡蓋〔かさぶた〕は、剥がすなと言ったよね)。
- メモ
- ②湿疹の形が牛の糞に似ていることからウシヌクスーと呼ばれた。
ウシヌクブー
後頭部。盆の窪〔くぼ〕。
- メモ
- 類:ウシヌクンモー・ウシルクブー・ウスル・ウスルクブー。
ウシヌクンモー
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ウシヌクンモー サーティンリ(後頭部を触ってごらん)。
- メモ
- 類2:ウシルクブー。類:ウスル・ウスルクブー。
ウシヌシシ
牛肉。
- 用例
- ウッサキーヌ ウシヌシシヤ マーカラガ(そんなにたくさんの牛肉はどこからねぇ)。
ウシヌチーチー
牛乳。
ウシヌッチュ
丑年生まれの人。
- 用例
- ウシヌッチュヤ、ハマヤーガ マンドーンディ(丑年生まれの人は、頑張りやが多いそうだ)。
ウシヌトゥイ
おしどり夫婦。
- 用例
- アッターヤ ウシヌトゥイ ヤンドー(彼らはおしどり夫婦だよ)。
ウシヌミンタマ
牛の目玉。大粒の雨の比喩。
- 用例
- ウシヌミンタマヌ グトゥ アミ フトータン(牛の目玉のような大粒の雨が降っていた)。
ウシヌミンタマー
植物名。ツルソバ。
ウシヌヤー
牛小屋。
- 用例
- ヘーク ウシヌヤーン ソージ シーヨー(早く牛小屋も掃除しなさいよ)。
ウジネーイン
栄養を補う。
- 用例
- シシ カマチ クンチ ウジネーイン(肉を食べさせて栄養をつける)。
否:ウジネーラン(補わない)希:ウジネーイブサン(補いたい)過:ウジネータン(補った)継:ウジネートーン(補っている)。
- メモ
- →ウジニ。
ウジネームン
滋養食。
- 用例
- アンマーガ、ウジネームン ムッチ チェーサ(お母さんが、滋養食を持って来てあるよ)。
- メモ
- →ウジニ。
ウシバクヨー
{うしばくろう(牛博労)}。牛の売買をする人。
ウシビットゥー
{うしひっとう(牛筆頭)}。闘牛に関わっている者。
- 用例
- ウシビットゥーヌ スリーガアン(闘牛関係者の集まりがある)。
- メモ
- 音2:ウシニンズ
ウシベー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- メモ
- →音1:ウーシベー。
ウシマー
冬物の野良着。古くなった木綿の着物を野良着にした。
- 用例
- ハルカイヤ ナチェー クルジナー、フヨー ウシマー チータン(畑には夏はクルジナー、冬はウシマーを着た)。
- メモ
- 類:チームングヮー・チヂングヮー・ハルブクター。
ウシマカネー
{うしまかない(牛賄い)}。闘牛前の牛に栄養をつけること。、
- 用例
- ウシマカネーディシェー、オーヤーウシカイ ジヨー チキーヌ タミヌ ムン ヤタン(牛賄いというのは、闘牛用の牛に栄養をつけるためのものだった)。
- メモ
- ご飯にハチグヮチャーマーミ(ささげ)を入れて炊いたり、鶏を潰してあげたり、卵酒を飲ませるところもあった。
ウシマギーン
①押し曲げる。②屈服させる。
- 用例
- ①ハガニ ウシマギーン(鋼を押し曲げる)・木。
否:ウシマギラン(押し曲げない)希:ウシマギーブサン(押し曲げたい)過:ウシマギタン(押し曲げた)継:ウシマギトーン(押し曲げている)。
②イーシ チカンアレー、ンナシ ウシマギーサ(言うことを聞かないなら、皆で言うことを聞かせるさ)。
- メモ
- ②考え方をねじ伏せて無理に言うことを聞かそうとする。
ウシマジムン
牛の妖怪。牛に化けた魔物。
- 用例
- ユービ、ウシマジムンヌ ゥンジトータンディサ(昨夜、牛のお化けが出たそうだ)。
- メモ
- 伝承話では動物の妖怪話があり、ウシマジムンもそのひとつである。
ウシマチ
牛市〔うしいち〕。
- メモ
- 1922(大正11)年比謝矼に開設した仔牛市場。
山原船は渡具知の港に牛を下ろしたので、渡具知の青年たちは1頭につき5銭の手間賃をもらって比謝矼のウシマチまで引いて行った。頑丈な牛を真ん中にして、5頭引いていって25銭得ることもあった。→マチ。
ウジミ
地名(大宜味村)。
ウシミグイ
{うしめぐり(牛巡り)}。鑑識眼や情報量をもっている人が、頻繁に家畜の売買を繰り返すこと。
- メモ
- 音2:ゥンマミグイ。
売買を繰り返すことで差益を得る人をミグイジョージといった。
ウシムシ
二十四節気の2つ。雨水と啓蟄〔けいちつ〕。
ウシムリ
{おしむり(押し無理)}。無理矢理。
- 用例
- ウシムリニ ヤマトゥンカイ ソーラッティ イカリーン(無理矢理に大和へ連行される)。
- メモ
- →ウシウシ。
ウシムルスン
押し戻す。
- 用例
- チカラマカシニ ウシムルスン(力任せに押し戻す)。
否:ウシムルサン(押し戻さない)希:ウシムルシーブサン(押し戻したい)過:ウシムルチャン)(押し戻した)継:ウシムルチョーン(押し戻している)。
ウシモー
牛の野原。牛を放牧する野原。
- メモ
- 比謝矼のウシモーは子牛市場の牛を繋ぎとめた野原だった。
ウジャ
{ござ(御座)}。座敷。
ウジュー
御重。
- 用例
- サングヮチヌ ハマアシビネー、ウジュー シコーイン(3月の浜遊びには、御重を作る)。
- メモ
- 音2:ウジューグヮー。
ウジューグヮー
御重。
- 用例
- ハチカーネー ウジューグヮー ムッチゥンジ、ドゥシンチャートゥ マジョーン カラン(1月20日には御重を持ちよって、友達と一緒に食べた)。
- メモ
- →ウジュー。
ウシュガナシー
{おしゅがなし(御主加那志)}。琉球王の尊称。御主人様。御主君様。
- メモ
- →ウスー。
ウシユシーン
押し寄せる。
- 用例
- シラギナミヌ ウシユシティチューン(津波が押し寄せてくる)。
否:ウシユシラン(押し寄せない)希:ウシユシーブサン(押し寄せたい)過:ウシユシタン(押し寄せた)継:ウシユシトーン(押し寄せている)。
ウジュミーン
埋める。
- 用例
- ハルカイ フテール アナンカイ、クサリムン ウジュミーン(畑に掘った穴に、腐れた物を埋める)。
否:ウジュミラン(埋めない)希:ウジュミーブサン(埋めたい)過:ウジュミタン(埋めた)継:ウジュミトーン(埋めている)。
- メモ
- 音1:ウズミーン。音2:ウミーン。
ウジュムン
目覚める。
- 用例
- ウヌ ワラベー、アンシ ウジュムンヤー(その子は、よく〈寝ている最中に〉目を覚ますね)。
- メモ
- →ウズムン。
ウジュルジョーカー
民具。野菜を洗う竹製のザル。
- 用例
- ヤマカラ ダキ トゥッティッチ、ウジュルジョーカー チュクイン(山から竹を取って、来てザルを作る)。
- メモ
- 音2:ウジュルハージャー。
ウジュルダムン
薪にする小枝。
- 用例
- ウジュルダムンヤ、ゥンム デークニートゥ ケールー シチャン(薪にする小枝を、芋や大根と交換した)。
- メモ
- 音1:ウズルダムン。
ウジュルハージャー
民具。野菜を洗う竹製のザル。
- 用例
- ダキッシ ウジュルハージャー チュクトーン(竹でザルを作っている)。
- メモ
- →ウジュルジョーカー。
ウジラ
鳥名。ウズラ。
ウジラーサン
愛らしい。可愛い。
- 用例
- アンシ ウジラーサヌ ワラビ ヤル(なんて愛らしい子どもなんでしょう)。
- メモ
- 音1:ウズラーサン。
幼い者に対して使う。
ウジラミー
棹〔さお〕にまだら模様がはいった三線〔さんしん〕。
ウシルクブー
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ワームン ウシルクブー サーティンリ(私の後頭部を触ってごらん)。
- メモ
- →ウシヌクンモー。
ウシロー ガニロー
唱え言葉。牛だよカニだよ。ハゼの木の下を通る時に唱える呪文。
- メモ
- ハゼの木にかぶれるとカニの泡をつけると治るといわれた。
ウシワキーン
押し分ける。かき分ける。
- 用例
- チュ ウシワキティ、メーカイ イチュタン(人を押し分けて、前に行った)。
否:ウシワキラン(押し分けない)希:ウシワキーブサン(押し分けたい)過:ウシワキタン(押し分けた)継:ウシワキトーン(押し分けている)。
ウシワキワキ
押し分けている様。
- 用例
- ウシワキワキ ッシ、イッチ ハイタン(押し分けながら、入って行った)。
ウシウヮーシ
闘牛。
- 用例
- ウシウヮーシ メーネー ウシンカイ クーガザキン クィータンドー(闘牛の日が近づくと、牛に卵酒をあげたよ)。
ドゥーナー ウシヌ ウシウヮーシニ カッチーネー ヤーンカイ ケーティカラ スージ スタン(自分の牛が闘牛で勝つと家に帰ってお祝いしたよ)。
- メモ
- 類:ウシオーラシェー。
喜名では、牛を突き合わせて個々で楽しんでいたものが、闘牛場が設けられて、畜産奨励の意味を含めた恒例行事となり、原山勝負の余興として行なわれたとのこと。長浜・伊良皆・楚辺でも闘牛を行なった。伊良皆では4月から9月まで、月1回、部落内の牛だけ約20組で闘牛が行なわれ、その他、村主催の原山勝負の闘牛大会にも出場した。
ウジン
御膳。
- 用例
- ウジヌンカイ イッティ クーワ(御膳に入れてきなさい)。
ウシンキー
女性の帯を使わない着物の着用方法。着物の前端を下袴の紐に押し込み前が開かないようにする着方。
- 用例
- アヌ ヰナグヌ ウシンキーヌ チュラハヨー(彼女の着物姿の美しいこと)。
- メモ
- 音1:ウシンチー。
ウシングヮ
子牛。
ウジングヮー
高御膳より短い脚が付いた御膳。
ウジングヮームイ
御膳盛。ご馳走を盛った小さな御膳。
- 用例
- ウジングヮームイヤ、ワランチャーンカイ ムッチ ケーイタン(御膳盛のご馳走は、子どもたちのために持ち帰った)。
- メモ
- 音2:ウジンムイ・
ウシンチー
女性の帯を使わない着物の着用方法。着物の前端を下袴の紐に押し込み前が開かないようにする着方。
- 用例
- ウービ チカーンヨークー ウシンチー スタン(帯を使わずに着物を押し込んで着けた)。
- メモ
- 音1:ウシンキー。
ウシンチュン
押し込む。
- 用例
- フチュクルンカイ クヮーシ ウシンチュン(懐にお菓子を押し込む)。
否:ウシンカン(押し込まない)希:ウシンチーブサン(押し込めたい)過:ウシンチャン(押し込んだ)継:ウシンチョーン(押し込んでいる)。
ウシントゥー
台所。
- 用例
- ウシントゥーヤ ヒングブッター ソーヌ アナヤーグヮー ヤタン(台所はすすだらけの小屋だった)。
- メモ
- 音1:ウスントゥー。→イーウスントゥー。
ウジンムイ
御膳盛。ご馳走を盛った小さな御膳。
- 用例
- ウジンムイヤ シコーテーミ(御膳に御馳走を準備しているねぇ)。
ウジンムイヌ クヮッチーヤ、カマンヨークー チトゥ スタン(御膳盛の御馳走は、食べないで土産にした)。
- メモ
- お祝いの御馳走は豆腐、昆布、肉、大根、粟天ぷら、揚げ物などの御膳を出した。→ウジングヮームイ。
ウシゥンマ
牛馬。
- 用例
- ウシゥンマヌ グトゥ、クンチカイン(牛馬のごとく、こき使う)。
ウス
潮。潮水。
- 用例
- ウスヌ ミッタンマール ヘーク ヤーカイ ケーラナ(潮が満ちてこないうちに早く家に帰ろう)。
- メモ
- 音2:スー。
ウスアカサン
薄明るい。
- 用例
- ナー ユーン アキティ ウスアカサン(もう夜が明けて薄明るい)。
ウスイン
葬る。
- 用例
- キーヌ シチャンカイ ウスイン(木の下に葬むる)。
ハマンジ ウスイン(浜で葬る)。
ウスイン
押す。押さえる。
- 用例
- ドゥーチュイシェー ゥンブサグトゥ ンナシ メーカイ ウスイン(自分1人では重たいので皆で前に押す)。
イジカングトゥシ マギイシシ ウスイン(動かないように大きな石で押さえる)。
ナマ ハン ウスイン(今、印鑑を押す)。
否:ウスラン(押さない)希:ウスイブサン(押したい)過:ウスタン(押した)継:ウストーン(押している)。
ウスイン
覆う。被せる。
- 用例
- チュガ ンラングトゥシ、キーヌファーシ ウスイン(人が見ないように、木の葉で覆う)。
ナービ ウスイル フタ(鍋に被せる蓋)。
否:ウスラン(覆わない)希:ウスイブサン(覆いたい)過:ウスタン(覆った)継:ウストーン(覆っている)。
ウスイン
抱卵する。
- 用例
- トゥイヌ クーガ ウストーン(鶏が卵を抱いている)。
ウスイン
襲う。
- 用例
- ッチュ ウスイン(人を襲う)。
ウスー
{おしゅ(御主)}。王様。国王様。琉球王の尊称。御主人。
- メモ
- 音2:ウシュガナシー・ウスガナシーメー。
転じて、赤犬子御主前、甘藷御主のように、敬称として用いる場合がある。
ウスウビー
うろ覚え。
- 用例
- ウスウビール ソール、シカットー ウビランサー(うろ覚えであって、ちゃんとは覚えてないね)。
ウスエー
子どもの遊び。お金の裏表を言い当てる遊び。
- メモ
- 音1:ウスヰー。類:チャンクルー・チョーバングヮーチャンクルー。→チャンクルー。
ウスガナシーメー
{おしゅがなしまえ(御主加那志前)}。琉球王の尊称。
- メモ
- →ウスー。加那志、前はどちらも敬称の接尾辞。日常で使うことはない。
ウスク
植物名。アコウ。
- メモ
- 音2:ウスクギー。
ガジュマルに似ているが、葉実ともに大きい。実はいちじくに似ていて食用になる。
ウスク ガジマル
植物名。アコウやガジュマル。
- 用例
- ウスク ガジマルヤ、マギ ヤシキンカイ イーラットータン(アコウやガジュマルは、大きな屋敷に植えられていた)。
- メモ
- ウスクはガジュマルに似て、ともに屋敷林として用いられることが多く併称された。
ウスクギー
植物名。アコウ。
- メモ
- →ウスク。
字儀間では、集落の中央に大きなウスクギーがあり、それに綱を掛けて綱打ちをした。
ウスクドーバル
{於須久堂原}。大木の小字。
ウスクバル
{宇須久原}。儀間の小字。
ウスグラサン
薄暗い。
- 用例
- アミフイネー ヤーヌ ウチヤ ウスグラサンヤー(雨降りには家の中は薄暗いね)。
ウスクンバーマ
潮汲み浜。
- メモ
- 海浜地名でニガリ用に潮を汲んだところを言う。
ウスサン
遅い。
- 用例
- ナマディー クーランシガ、ウスサンデー(未だに来ないが、遅いよ)。
- メモ
- 音2:ニーサン。類:ニーハン。対:ヘーサン・ヘーハン(早い)。
ウスサン
①薄い。②色が薄い。
- 用例
- ①キジヌ ウスサン(生地が薄い)。②ウヌイルヤ ウスサン(その色は薄いよ)。
- メモ
- 類:ヒッサン 対:アチサン・アチハン(厚い)。
ウスジュン
そぎ落とす。
- 用例
- ハナ ウスジュン(鼻をそぎ落とす)。
- メモ
- 音1:ウスヒジュン。
ウスデー
{おしゅだい(御酒代)}。お祝いや法事に差し出す金一封。
- 用例
- クヮナシスーギカイ ウスデー ムッチ イクン(出産祝いにお祝儀を持って行く)。
- メモ
- →ウコーレー。
ウスデーク
{うすだいこ(臼太鼓)}。臼太鼓踊り。
- メモ
- 神人によって踊られていた古い形態のアシビで、読谷村には伝わっていない。
ウスハゴーサン
不気味。薄気味悪い。
- 用例
- アマー ユル ナイネー、ウスハゴーサン(あそこは夜になると、薄気味悪い)。
ウスハジカサン
気恥ずかしい。
- 用例
- ンナヌ メーヲゥティ モーイネー、イヘー ウスハジカサンレー(皆の前で踊ると、少し気恥ずかしいよ)。
- メモ
- 音2:チラハジカサン。
ウスバスン
伏せる。下に向ける。
- 用例
- チカテール マカイヤ バーキンカイ ウスバスン(使ったお碗はザルに伏せておく)。
カマンタヤ ウスバチェー ウクナ(鍋蓋は伏せて置くな)。
否:ウスバサン(伏せない)希:ウスバシーブサン(伏せたい)過:ウスバチャン(伏せた)継:ウスバチョーン(伏せている)。
ウスビーサン
肌寒い。
- 用例
- ジューグヮチン スギレーカラー、アサユサヤ ウスビーサン(10月も過ぎたら、朝夕は肌寒い)。
- メモ
- 音2:シービーサン・シービーハン。
ウスヒジュン
そぎ落とす。
- 用例
- キーヌカー ウスヒジュン(木の皮をそぎ落とす)。
- メモ
- 音1:ウスジュン。
ウスマサ
すごく。とても。
- 用例
- アマヌ トーフヤ ウスマサ マーササ(あそこの豆腐はとても美味しいよ)。
ウスマサ マチウタッタン(思いきりやられた)。ウスマサ カムン(すごくよく食べる)。
ウスマサ マギードー(ものすごく大きいよ)。
ウスマシームン
ものすごいこと。
- 用例
- ワッタガ ユージュカイ ゥンジトーイニ、ワランチャー アチマティ ウスマシームン ナトーン(私たちが用事に行っている時に、子どもたちが集まってものすごいことになっている)。
デージ ウスマシームン ヤタン(とってもおぞましいものだった)。
ウスミー
薄目。まぶたを少し開けて見ること。
- 用例
- ウスミー アキティ ンチョーン(薄目を開けて見ている)。
ウスミーン
薄める。
- 用例
- ンジャサグトゥ、ミジ イッティ ウスミーン(苦いから、水を入れて薄める)。
否:ウスミラン(薄めない)希:ウスミーブサン(薄めたい)過:ウスミタン(薄めた)継:ウスミトーン(薄めている)。
ウズミーン
埋める。
- メモ
- →音1:ウジュミーン。
ウスミジ
海水。潮水。
- 用例
- ワッター シマンデーヤレー カー フティン ウスミジガ イッチチューヌ バーヌ アイビーンヨー(我々の集落では、井戸を掘っても潮水が入ってくる場合があるんですよ)。ワカサイネー イシミジン ヌリチョーン(若い時には潮水も飲んできた〈潮水を飲むような苦しい経験もしてきた〉)。
ウスムトゥ
台所。
- 用例
- ウスムトゥカラ アンビン ムッチクーワ(台所から水差しを持ってきなさい)。
- メモ
- →イーウスントゥー。
ウズムン
目覚める。
- 用例
- ユナカ、イクケーヌン ウズムン(夜中、何度も目が覚める)。
- メモ
- 音1:ウジュムン。
ウスメー
祖父。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ、マーカイ ハンシェータガヤー(私たちのお祖父さんは、どこに行かれたのかな)。
ウスメーマーチ
おじいさん松。老松の呼称。
- メモ
- 音2:クラガーマーチ。楚辺の暗川近くに生えていた大きな松の木。
ウスヰー
子どもの遊び。お金の裏表を言い当てる遊び。
- 用例
- ウスヰー ヒチ アシドーン(ウスヰーして遊んでいる)。
- メモ
- →ウスエー・チャンクルー。
ウズラーサン
愛らしい。可愛い。
- メモ
- 音1:ウジラーサン。
ウスラリーン
襲われる。押さえつけられる。下敷きになる。
- 用例
- キジムナーンカイ ウスラリーンドー(キジムナーに押さえられるよ)。否:ウスラリラン(襲われない)希:ウスラリーブサン(襲われたい)過:ウスラッタン(襲われた)継:ウスラットーン(襲われている)。
- メモ
- →ウサーリーン。
ウスリーン
畏れる。敬う。尊ぶ。
- 用例
- ウカミ ウスリーン(神様を畏れる)。
ウヤヌ ウスリタンリ(親が一目置いたそうだ)。
ウスリトービーン(畏れ敬います)。
- メモ
- 祭祀の場合、屋根の低い神アサギに、「ウスリトービーン」と言って入った。
ウスル
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ウスル ヤマチネーン(後頭部を怪我してしまった)。
- メモ
- →ウシヌクンモー。
ウズル
葉野菜。なっぱ。
- 用例
- ユーバヌンカイ チカイル ウズル アラレー(夕飯に使う野菜を洗いなさい)。
- メモ
- 類:オーファ・ハーヤシェー。
ウスルクブー
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ウスルクブーンカイ ニーブターガ ゥンジトーン(後頭部におできができている)。
- メモ
- →ウシヌクンモー。
ウズルダムン
薪にする小枝。
- 用例
- タムンヌ イキラク ナトーグトゥ、ウズルダムン ヒッティ クーワ(薪が少なくなっているから、小枝を拾って来なさい)。
- メモ
- 音1:ウジュルダムン。
ウスワレー
薄笑い。かすかに笑うこと。薄ら笑い。
- 用例
- シクチ イーチキティン ヒントーン サン チャー ウスワレー ソーン(仕事を言いつけても返事もせずにいつも薄ら笑いしている)。
ウスントゥー
台所。
- 用例
- アンマーヤ、スントゥーヲゥティ ムン カローン(お母さんは、台所でご飯を食べている)。
- メモ
- →イーウスントゥー。
ウセーイン
見くびる。馬鹿にする。
- 用例
- イャーヤ ワンドゥ ウセートールイ(お前は私を馬鹿にしているのか)。
- メモ
- →音1:ウシェーイン・ウシェーユン・ウセーユン。
ウセーユン
見くびる。馬鹿にする。
- メモ
- →音1:ウセーイン・ウシェーイン。
ウタ
歌。
- 用例
- アレー、イッペー ウタ ジョージ ヤン(彼は、とても歌が上手だ)。
ウタイコータイ
売り買い。
- 用例
- ウタイコータイ、ヌーガル マシ ヤラー ワカラン(売ったり買ったり、何がいいのか分からない)。
ウタイン
歌う。鶏が鳴く(時を知らせる)。
- 用例
- イャー ツゲー ワンガ ウタイン(君の次は私が歌う)。
トゥイヌ ウタトーグトゥ、ユーン アキーンドー(鶏が鳴いているから夜も明けるよ)。
否:ウタラン(歌わない)希:ウタイブサン(歌いたい)過:ウタタン(歌った)継:ウタトーン(歌っている)。
ウタガイン
疑う。
- 用例
- チャー、ユヌッチュ ビカーン ウタガイン(いつも、同じ人だけをを疑う)。
否:ウタガラン(疑わない)希:ウタガイブサン(疑いたい)過:ウタガタン(疑った)継:ウタガトーン(疑っている)。
ウタカビ
{おたかべ(御たかべ)}。神への祈願。呪祈的歌謡。
- メモ
- ウマチーなどで、おたかべ「が唱えられた。べ(おたかべ)とは神女が神に対して祈願する唱え言。対句、語句の繰り返しが多い。
伊良皆の2月ウマチーでは、2日前の13日夕方に3軒の根屋でウタカビが行なわれた。
楚辺では、神アサギの周囲に縄を張りウタカビをした。ウタカビが始まるとその日は、針や鍬を使ってはいけないといわれ、禁を破るとハブが出るといわれた。→ウマチー。
ウタキ
{おたけ(御嶽)}。拝所。
- 用例
- アチャヤ ウガミ ヤグトゥ、ウタキ ソージ シッチャン(明日は拝みだから、ウタキを掃除してきた)。
- メモ
- 豊かさを招き、部落の守り神として信仰された聖域。
神女たちが祈願や祭を行なったりする所。祖先神の墓所がウタキになったともいわれる。
ウタグィー
歌声。
- 用例
- メーユル、ウタグィーヌ チカリーン(毎夜、歌声がきこえる)。
ウタサンシン
歌三線〔さんしん〕。
- 用例
- チヌーヌ スージヤ、ウタサンシン ディキトータンヤー(昨日のお祝いは、歌三線で盛り上がっていたね)。
ウタチ
屋根組みに使う小さい柱。
- 用例
- ウタチェー イクチ チカイガ(小さい柱は何本使うか)。
ウタビミシェーン
たまわる。くださる。
- 用例
- ヤーニンジュ トゥムドゥム、ミーマンティ ウタビミソーリ(家族全員、見守ってください)。
ウタムトゥ
神座。
- 用例
- アザヌ ヤクミンチャーガ、ウタムトゥ ヒコートーン(字の役員が、神座を整える準備をしている)。
- メモ
- 字の区長や中心となる役員が、ススキを3本ずつ束ねて繋ぎ合わせ、神アサギの4本の石柱を連結する形で柱の内側から張り巡らせて神座を整えた。→タムトゥギレー。
ウチ
中。内。
- 用例
- ヘーク ウチンカイ イミソーレー(早く中に入ってください)。
- メモ
- 対:フカ(外)。
ウチ~
すっかり~。みごとに。
- 用例
- ヤーニンジュ ウチスリティ メンソーリ(家族揃っていらっしゃってください)。
- メモ
- ウチマカスン・ウチフリーンなどがある。
ウチアキーン
打ち明ける。
- 用例
- チャーンナラン ナティ、ウヤンカイ ウチアキーン(どうしようもなくなり、親に打ち明ける)。
否:ウチアキラン(うちあけない)希:ウチアキーブサン(うちあけたたい)。過:ウチアキタン(うちあけた)。
ウチアタイ
心に思い当たること。
- 用例
- イャーヤ ヌーガラ ウチアタイスシガ アイルスリー(君は何か思い当たることがあるの)。
ヌーガラ ワークトゥ イチョーンネーッシ ウチアタイ スッサー(なにか私のことを言っているようで心にぐさりとくるなあ)。
ウチアマスン
余す。
- 用例
- ユーバンヤ チュタマシ ウチアマスン(夕飯は一人分余分に作る)。
- メモ
- 「城間仲」『喜名の民話』より。
ウチアミ
雨が屋内に降り込むこと。
- 用例
- ウチアミ シーギサーヤグトゥ ハシル ミチレー(雨が入り込みそうだから、戸を閉めなさい)。
ウチーン
①移る。引っ越す。②伝染する。
- 用例
- ①アチャ、ミーヤーンカイ ウチーン(明日、新しい家に引っ越す)。
②引っ越すヒチ ウチタン(風邪がうつった)。
ウチーン
映える。
- 用例
- クヌ チノー、イッペー ユー ウチーン(この着物は、大変よく映える)。
- メモ
- 類:ウチャガイン。
ウチウチ
内々。
- 用例
- タンカースージヤ、ウチウチシ シマチャン(誕生祝は、内々で済ませた)。
ウチウチートゥ
内々と。軽めに。汁の具を少な目に入れること。
- 用例
- ウチャクンカイ ゥンジャスヌ シルヤ、ウチウチートゥ イリレー(お客に出す汁は、具を少なめに入れなさい)。
- メモ
- 音1:ウチウチトゥ。対:ミーミートゥ(具だくさん)。
ウチウチトゥ
軽く。
- 用例
- ウチウチトゥ ンーラリーン(軽くみられる)。
- メモ
- ご飯をウチウチトゥ(軽く)入れるなども使う。→音1:ウチウチートゥ。
ウチェーネーイ
無作法な様。
- 用例
- ヲィナグヌ ウチェーネーイ ッシ、ナマワレー ソーン(女が恥じらうこともなく振る舞い、薄笑いを浮かべている)。
- メモ
- 女性が男性の前で遠慮ない言動をする様をいう。
ウチカイ
容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- ウチカイ ユタサン(容貌がいい)。
- メモ
- 音2:チラウチカイ。類:カーギ・カーギシガタ。
ほめる時に使われる語。
ウチカイン
うつむく。
- 用例
- トゥーチ ウチカティ(いつもうつむいて)。
- メモ
- 類:ウッチンチュン・ウッチンクン。対:ウチャガイン(顔をあげる)。
ウチカキ
羽織る物。打掛け。
- メモ
- ウチカキーともいう。類:ウッチャキー。
ウチカビ
{うちかび(打ち紙)}。紙銭〔しせん〕。
- 用例
- ウチカビヤ、サンメーナー アンジュン(ウチカビは、3枚ずつ炙〔あぶ〕る)。
グソーヲゥティヤ、ウチカビル ジン(後生では、ウチカビこそがお金)。
- メモ
- 先祖供養の際に用いられている冥銭〔めいせん〕の一種。
ウチカビウッチャー
打ち紙にお金の型を押す鉄製の道具。
- 用例
- ナマル チカタシガ、ウチカビウッチャーヤ マーンカイ ウッチャガヤー(今使ったのに、打ち紙打ちはどこに置いたのかな)。
- メモ
- 音2:カビウチ。
鉄製で直径約1.5㎝、高さ約8㎝の物で、打ち紙に当てて上から叩いてお金の型を入れる。現在はお金の型が入った打ち紙が売られている。
ウチカムン
食べつくす。
- 用例
- ドゥーチュイシ ムル ウチカムン(ひとりで全部たいらげる)。
- メモ
- 音2:ウチクヮイン・ウチュクヮイン。
ウチカワイガワイ
変化が激しい様。
- 用例
- ウチカワイガワイ ユヌナカヤ、ウムシルムン(たえず変化していく世の中は、おもしろいものだ)。
ウチカワイン
すっかり変わる。変貌する。
- 用例
- ニサンニン ンランネー、チュラーク ウチカワイン(2、3年見なかったら、すっかり変わってしまう)。否:ウチカワラン(変貌しない)過:ウチカワタン(変貌した)継:ウチカワトーン(変貌している)。
ウチカンシーン
覆い被せる。
- 用例
- ワラバーンカイヤ、ウーロー ウチカンシランケー イーチマリー スンドー(子どもには、布団を覆い被せるな、息苦しいよ)。ヒーサソーグトゥ、チン ウチカンシーン(寒そうにしているから、着物を覆い被せる)。
否:ウチカンシラン(覆い被せない)希:ウチカンシーブサン(覆い被せたい)過:ウチカンシタン(覆い被せた)継:ウチカンシトーン(覆い被せたい)。
ウチカンシエー
覆い被せ合うこと。綱引きに東西の綱の頭部分をぶつけあうこと。
- メモ
- 渡慶次では綱を引く前に、喜名では綱引き後に行なった。
ウチカンジュン
すっぽり被る。
- 用例
- ヌラーッティ、チブルカラ ウール ウチカンジュン(叱られて、頭から布団をすっぽり被る)。
ウチキーン
置いておく。
- 用例
- チカイ ウワイネー、ゥンマンカイ ウチキトーケー(使い終わったら、そこに置いておきなさい)。
クヮー ウヤヌヤーンカイ ウチキティ チャン(子どは実家に預けてきた)。
- メモ
- 類:ウチュン。
ウチクミアイク
漁法名。漁法のひとつ。川で行う網代〔あじろ〕漁法。
- メモ
- 川の流れに沿って川原石や竹、木材などを添え付け、アイクバーキに獲物を誘導捕獲する方法。→アイク。
ウチクミウドゥイ
{うちくみおどり(打組踊)}。アマカーや谷茶前など、対で踊る舞。瀬名波のしゅん童もこれに当たる。
ウチクムン
ふり込む。入り込む。
- 用例
- ウーアミ ナティ ヤーヌウチカイ ウチクムンテー(大雨だから家の中にふり込むなあ)。
ティーラヌ ウチクムン(日射しが入り込む)。
カジヌ ウチクリ ヒーサン(風が入り込んで寒い)
否:ウチクマン(入り込まない)過:ウチクロータン(入り込んでいた)継:ウチクローン(入り込んでいる)。
ウチクルスン
{うちころす(打ち殺す)}。「殴ってやるぞ」という脅し文句。
- 用例
- ウチクルサリンドー(殴ってやるぞ)。
- メモ
- 類:タックルスン。
ウチクヮイン
喰ってしまう。食べつくす。
- 用例
- タマゴー ガラサーガ ウチクヮイン(卵をカラスが全部食ってしまう)。
ゼーサン アルッサ ウチクヮティ(財産のあるだけ食いつぶして)。
- メモ
- 音1:ウチュクヮイン。→ウチカムン。
ウチグン
足の裏が内出血した傷。打ち身。
- メモ
- →イシグン。
ウチクンジョー
{うちこんじょう(内根性)}。感情を表に出さないこと。
- 用例
- ウチクンジョー ナティ、ソーチモー ワカラン(感情を表に出さないから、本心は分からない)。
- メモ
- →音:ウシクンジョー。
ウチジェーク
内装の職人。
- メモ
- 音1:ウチジェークー。
ウチジェークー
内装の職人。
- メモ
- 音1:ウチジェーク。
ウチジヘーシ
供え物のひとつをお初として取った後に、その代わりに食べ物を継ぎ足すこと。お次返し。
- 用例
- チューヤ アマクマヲゥティ ウサギーグトゥ ウチジヘーシン ムッティヨー(今日はあちこちで供えるからお次返しも持ちなさいよ)。
- メモ
- 類:ハチケーシ。
ウチジメー
内装工事。
- 用例
- ウチジメーヤ、ナー ハジマトービンナー(内装工事は、もう始まっていますか)。
ウチダンダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- タイヤ ウチダンダ ヤタンリ(ふたりは姉妹だったって)。
- メモ
- 音1:ウチランラ・ウチランダ・ウトゥジャンダ・ウトゥランダ。類:チョーデー。
ウチチ
悪血。
- 用例
- ウチチガ マートーン(悪血が巡っている)。
- メモ
- 類:ヤナヂー。
ウチチ
打ち身。内出血。
- 用例
- ウチチ ナルカ スグテーサ(打ち身になるほど殴ってあるさ)。
- メモ
- 音1:ウチミ。類:チーグルマー。
ウチチウグヮン
行事名。{おつきおがん(御月御願)}。八月十五夜の月が上がった頃に行う御願。
- 用例
- ハチグヮチジューグヤニ チチガ アガイネー、ウチチウグヮン スタン(八月十五夜に月が上がったら、御月御願を行った)。
- メモ
- 音1:ウチチューウグヮン。
庭に出て筵を敷き円座になってウチチウグヮンを行うが、それは各家庭で拝むのではなく、ムートゥヤー(本家)や実家で行った。庭で行うからナーウグヮン(庭御願)とも称し、屋敷近くに拝所がある所、又は十字路に面している角の家が行ったという伝承もある。
ウチチューウグヮン
行事名。{おつきおがん(御月御願)}。八月十五夜の月が上がった頃に行う御願。
- 用例
- ウチチューウグヮントゥ ウチチウグヮンヤ ユヌムンヤサ(ウチチューウグヮンとウチチウグヮンは同じだよ)。
- メモ
- →音1:ウチチウグヮン。
ウチチリ
落ちている物。
- 用例
- クラヌ ウチチリ クヮリヨー(倉に落ちているのを食べなさいよ)。
- メモ
- 「雀孝行」『牧原の民話』より。
ウチドゥマイ
高志保の古名。
ウチナー
沖縄。
- 用例
- ワンネー、ウチナー ゥンマリヌ ウチナー スダチ ヤイビン(私は、沖縄生まれの沖縄育ちです)。
ウチナーカラジ
沖縄に特有の髪の結い方。
- 用例
- ウチナーカラジェー、ドゥークル ユーイタンドー(ウチナーカラジは、自分で結っていたよ)。
- メモ
- 音2:ウチナーカンプー。
ウチナーカンプー
沖縄に特有の髪の結い方。
- メモ
- →ウチナーカラジ。
ウチナーグチ
{おきなわぐち(沖縄口)}。沖縄語。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ウチナーグチ イッペー ジョージ ヤン(私の家族は、沖縄の言葉がとても上手だ)。
ウチナージマ
沖縄角力。
- 用例
- オカーヤ ウチナージマ、ンージガ イチュタン(母は沖縄角力を、見に行った)。ウチナージマ ハジマトーンドー(沖縄角力が始まっているよ)。
- メモ
- 互いの帯に手を差し込んだ状態から始める。相手の背中を地につけた者が勝ち。
ウチナームム
植物名。キーモモ。皮に細毛のある沖縄在来の桃。
ウチナームン
沖縄産。
- 用例
- ヌーヤティン ウチナームンヤ マシヤサ(何でも沖縄産が良いよ)。
ウチナーンチュ
沖縄の人。
- 用例
- ウチナーンチュ ビカーン アチマトータン(沖縄の人だけが集まっていた)。
ウチナガニ
食肉の部位。ヒレ肉。
- メモ
- 音1:ウチナガニー・ウチナガリー。
ウチナガニー
食肉の部位。ヒレ肉。
- メモ
- 音1:ウチナガリー・ウチナガニ。
一番やわらかくておいしいといわれる。シンジグヮー(煎じ汁)などに使う。
ウチナガリー
食肉の部位。ヒレ肉。
- 用例
- スージネー ウチナガリー チカイサ(お祝いにはヒレ肉を使うよ)。
- メモ
- 音1:ウチナガニー・ウチナガニ。
ウチナスン
済ませる。終わらせる。
- 用例
- イチュナシク ナランマール、ユージュ ウチナスン(忙しくならないうちに、用事を済ませる)。
否:ウチナサン(済ませない)希:ウチナシーブサン(済ませたい)過:ウチナチャン(済ませた)継:ウチナチョーン(済ませている)。
ウチニチ
内熱。こもり熱。体内に熱が籠もること。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウチニチヌル アンナー、アンダミー ソール(その子は内熱があるのか、目が潤んでいるね)。
ウチノースン
置き直す。
- 用例
- ゥンマー イバサグトゥ、アマンカイ ウチノースン(そこは狭いから、あそこに置き直す)。
否:ウチノーサン(置き直さない)希:ウチノーシーブサン(置き直したい)過:ウチノーチャン(置き直した)継:ウチノーチョーン(置き直している)。
- メモ
- 音1:ウキノースン。
ウチビョーチ
{うちびょうき(内病気)}。内科疾患。
- 用例
- ニントーミセータンディシガ、ウチビョーチェー アンソーラニ(床に臥せていらっしゃったようですが、内臓関係の病気ではないですか)。
ウチヒラカスン
打ち砕く。
- 用例
- マギ イシヤ、アマヲゥティ ウチヒラカシェー(大きな石は、あそこで打ち砕きなさい)。
ウチフカ
内と外。
- 用例
- ソージ マーイガ アグトゥ、ウチフカ ソージ ソーン(掃除の検査があるから、内や外の掃除をしている)。
ウチフリーン
すっかり惚れる。惚れこむ。
- 用例
- シバイシーンカイ、ウチフリティネーン(芝居役者に、すっかり惚れ込んでしまった)。
否:ウチフリラン(惚れ込まない)過:ウチフリタン(惚れ込んだ)継:ウチフリトーン(惚れ込んでいる)
- メモ
- 音2:フリーン・マンブリ。
ウチブリーン
落ちぶれる。衰える。
- 用例
- ナマー サケートーティン、チカイホーイネー イチカー ウチブリーンドー(今は栄えていても、無駄使いするといつかは落ちぶれるよ)。
否:ウチブリラン(落ちぶれない)過:ウチブリタン(落ちぶれた)継:ウチブリトーン(落ちぶれている)。
ウチホーイン
這いつくばる。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ナチーネー スグ ウチホーイン(この子は、泣くと直ぐに這いつくばる)。
否:ウチホーラン(這いつくばらない)過:ウチホータン(這いつくばった)継:ウチホートーン(這いつくばっている)。
ウチボーチ
室内用の箒。
- 用例
- ウチボーチガ ネーン ナトーシガ、マーンカイ ウチャガ(室内用の箒がなくなっているが、どこに置いたの)。
ウチマカスン
負かす。見事に負かす。打ち負かす。
- 用例
- チューネー ウチマカスンドー(今日こそ負かすよ)。
否:ウチマカサン(打ち負かさない)過:ウチマカチャン(打ち負かした)継:ウチマカチョーン(打ち負かしている)
ウチマンマルモーイ
お祝いなどがあった時に、最後に全員が次々にカチャーシーを踊ること。
- 用例
- ウチマンマルモーイ ヒチ ウワラナ(皆で踊って終わろう)。
ウチミ
打ち身。内出血。
- 用例
- ルゲーヤーイ ウチミ ナトーン(転んで打撲ができている)。
- メモ
- →音1:ウチチ。
ウチムム
内腿〔もも〕。
- 用例
- ガンマリ シーネー、ウチムム チンチキーンドー(悪戯をしたら、内腿をつねるよ)。
ウチムン
豚などの臓物、内臓。
- 用例
- ウヮーヌ ウチムノー シティテー ナランドー、クスイムン ヤグトゥ ムル ムッチ クーヨー(豚の内臓は捨ててはいけないよ、薬のように体にいいものだから全部持っておいでよ)。
ウチャースン
合わせる。
- 用例
- チンヌ エリ リッパ ウチャースン(着物の襟をきれいに打ち合わせる)。
チム ウチャーチ チバラナ(心を合わせて頑張ろうよ)。
否:ウチャーサン(合わせない)希:ウチャーシーブサン(合わせたい)過:ウチャーチャン(合わせた)継:ウチャーチョーン(合わせている)。
ウチャイカナイ
よく似合っている様。
- 用例
- ウチャイカナイ、アンシ ニアトール(ウチャイカナイ、良く似合っているね)。
- メモ
- 音1:ウチャタイカナタイ。
ウチャイン
兼ね備わる。似合う。
- 用例
- カーギシガタ ウチャトーセー(容姿が兼ね備わっている),座。
ソーシチナ ムヌン ヤイ、カーギトゥ ウチャティ ソーテーガハン(正直者でもあり、容姿も兼ね備わっていたようだ)。ウヌ チノー、イャーカイ ジコー ウチャイン(その着物は、お前に良く似合う)。
否:ウチャラン(似合わない)過:ウチャトータン(似合っていた)継:ウチャトーン(似合っている)。
ウチャガイン
上へ向ける。上へ上げる。
- 用例
- チュヌメーカラ、チラ ウチャガティ アッチョーン(人前で、顔をと上げて歩いている)。ウチャガティ ンージュン(顔を上げて見る)・楚。否:ウチャガラン(見上げない)希:ウチャガイブサン(見上げたい)過:ウチャガタン(見上げた)継:ウチャガトーン(見上げている)。
- メモ
- 対:ウッチンチュン・ウチンクン(うつむく)。
ウチャガイン
映える。
- 用例
- イヤームン チノー、ワームンヤカ ウチャガトーン(あなたの着物は、私の物より立派に見える)。
否:ウチャガラン(映えない)過:ウチャガトータン(映えていた)継:ウチャガトーン(映えている)
- メモ
- →ウチーン。
ウチャギーン
上へ向ける。上へ上げる。
- 用例
- ウスガナシーメーンジェー、クベー ウチャギテー ナラン(王様には、顔を上げてはいけない)。
ハナヂー ゥンジーネー、ウチャギティ ニンシトーケーリル イータン(鼻血が出たら、顔を上に向けて寝かしておけと言った)。ウッチントゥー サンヨークー、チラー ウチャギーン(うつむかずに、顔をあげなさい)。否:ウチャギラン(見上げない)希:ウチャギーブサン(見上げたい)過:ウチャギタン(見上げた)継:ウチャギトーン(見上げている)。
ウチャク
お客。
- 用例
- ヤガティ ウチャクヤ メンシェーンドー(やがてお客はいらっしゃるよ)。
- メモ
- 音2:チャク。
ウチャタイカナタイ
よく似合っている様。
- 用例
- ウチャタイカナタイ、イッペー ウチャトーン(ウチャタイカナタイ、とても似合っている)。
- メモ
- 音1:ウチャイカナイ。
ウチャタイマグラー
{おちゃたりまごろう(御茶多理真五郎)}。伝説上の人物名。
- メモ
- 西原間切嘉手苅の五郎という角力名人の若者が、病死して御茶多理山に葬られ、幽霊になったという話。『宇座の民話』『遺老説伝』等参照。
ウチャトー
お茶湯〔ちゃとう〕仏前に供えるお茶。
- 用例
- チューヤ チータチ ヤシガ、ブチダヌンカイ ウチャトーヤ ウサギティー(今日は1日だが、仏壇にお茶は供えたねぇ)。
ウチャトー ウサギランエーカー、チャーン ヌマラン(お茶湯をお供えしないうちは、お茶を飲むことはできない)。
- メモ
- 音2:ウチャトーントー。
ウチャトーミントー
お茶湯〔ちゃとう〕仏前に供えるお茶。
- 用例
- タナバタカラー、ウチャトーミントー ワシンナヨー(七夕からは、仏前に湯茶を供えるのを忘れるなよ)。
- メモ
- →ウチャトー。
ウチャナク
{おちゃのこ(お茶の子)}大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。
- 用例
- ハリヤクネー ウチャナク チュクティ ウグヮン ウサギーンバー(晴厄には餅を作って供えるわけさ)。
- メモ
- 音1:ウチャヌク。音2:カガンウチャナク・カガンジウチャヌク。類:ムーチーカガン。
ウチャヌク
{おちゃのこ(お茶の子)}。大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ ウサギール ウチャヌクヤ、シコーテーミ(火の神に供えるウチャヌクは、準備してあるねぇ)。
- メモ
- →音1:ウチャナク。
ウチャマイン
浮き上がる。
- 用例
- ウチャマトール ブノー カマ(浮き上がっている分は食べよう)。
- メモ
- 「鳩料理」『長田の民話』より。
ウチユ
浮世。世の中。世間。
- 用例
- ウチユ ナダヤシク ワタイブシャ アラバ、マクトゥユイ フカヌ ミチヤ フムナ(世間を波風立てず渡ろうと思うならば、真実一路より他の道を踏むな)。
イェーケー ウチユヌ ミグイムン(金は天下の回り物)。
ワー ウチユ ナイン(我が天下になる)・木。
- メモ
- 「歌」『高志保の民話』より。
ウチュー
{ごきょう(御轎)}。駕籠〔かご〕。
- 用例
- ウチューカイ ヌシティ カタミティチャン(駕籠に乗せて担いできた)。
- メモ
- 轎〔きょう〕とは中国や朝鮮で用いた駕籠。
ウチュー
様子。内情。
- 用例
- ンナシ ウチュー ンジュンテー(皆で内情を探るさ)。トゥジヌ ウチュー ンージュン(妻の様子を見る)。
ウチューシンカ
{ごきょうしんか(御轎臣下)。人が亡くなった時に龕〔がん〕を担ぐ人た}ち。
ウチュカムン
喰う。
- 用例
- ヘークサンネー ウチュカマリーンドー(早くしないと食べられてしまうよ)。
否:ウチュカマン(喰わない)希:ウチュカミーブサン(喰いたい)過:ウチュカラン(喰った)継:ウチュカローン(喰っている)。
- メモ
- 類:ウチュクヮイン。
ウチュクイ
風呂敷。
- 用例
- クヮーシヤ ウチュクインカイ チチメー(持って行く風呂敷に包みなさい)。
ウチュクイヂチン
風呂敷包み。
- 用例
- ウチュクイヂチン ヒサギティ マーカイガ(風呂敷包みを提げてどこにねぇ)。
ウチュクイヂチンカミヤー
嫁入りの時、風呂敷包みを持つ役目の者。
- 用例
- ウチュクイヂチンカミヤーヤ、ヰナグドゥシヌ ヤクミ ヤタン(風呂敷包みを持つのは、女友達の役目だった)。
- メモ
- 嫁入り道具のひとつである、着物が入った風呂敷包みを、頭の上に載せて運ぶ役目のこと。未婚の女性が選ばれ、婚家に着くまでは後ろを振り返ったり、手を持ち替えてはいけないといわれていた。
ウチュクイバカ
風呂敷墓。平葺〔ひらふき〕墓の別称。
- メモ
- →ヒラフチバカ。
ウチュクヮイン
喰ってしまう。食べつくす。
- 用例
- チュハーラ ウチュクヮテーサヤー(すっかり平らげてしまったね)。ドゥーチュイシル ウチュクヮティナー(ひとりで食べてしまったのか)。
ウニンカイ ウチュクヮーリーン(鬼に喰われる)。
否:ウチュクヮラン(喰わない)希:ウチュクヮイブサン(喰いたい)過:ウチュクヮタン(喰った)継:ウチュクヮトーン(喰っている)
- メモ
- 音1:ウチクヮイン。→ウチカムン。
ウチユルスン
手を放す。うっかり放す。
- 用例
- キジムナーンカイ ウチユルサリーン(キジムナーに手を放された)。
ニムチヌ ウブサヌ、ナー ティー ウチユルスンドー(荷物が重たくて、もう手を放すよ)。
否:ウチユルサン(手を放さない)希:ウチユルシーブサン(手を放したい)過:ウチユルチャン(手を放した)継:ウチユルチョーン(手を放している)。
ウチュン
置く。
- 用例
- イャームノー クマンカイ ウチュンドー(君の物はここに置くよ)。
- メモ
- 音1:ウッチュン・ウクン。
ウチュン
浮く。
- 用例
- キージラーヤ ミジカイ ウチュン(木切れは水に浮く)。
否:ウカン(浮かない)希:ウチーブサン(浮きたい)継:ウチョーン(浮いている)。
- メモ
- 対:シジムン(沈む)。
ウチョーホー
{ぶちょうほう(不調法)}。不始末。
- 用例
- ヒーヤ ウチョーホーニ シェー ナラン(火の不始末はいけない)。
- メモ
- 「火の神の話」『渡具知の民話』より。
ウチランダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- アマヌ ウチランダヤ ユー ニチョーン(あそこの兄弟・姉妹は良く似ている)。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランラ・ウトゥジャンダ・ウトゥランダ。
ウチランラ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- ウチランラ スリティ アシビーガ イチュン(兄弟揃って遊びに行く)。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランダ・ウトゥジャンダ・ウトゥランダ。
ウチリ
おき火。種火。残り火。
- 用例
- ウチリガ ヌクティルヲゥラー ンチンディ(種火が残っているか見てごらん)。
ウチレー ヌクチョーキヨー(おき火は残しておきなさいよ)。
- メモ
- 一般の家庭にマッチが普及してない時代、残り火。を翌朝まで大事に取って置き、それで火を起こして使った。
→音1:ウキリ。
ウチリビ
おき火。種火。残り火。
- 用例
- キジムナーヤ チャー、キジムナービーンディル ウチリビー ムッチョーンドー(キジムナーはいつも、キジムナービーという種火を持っているよ)。
- メモ
- →ウキリ。
ウチン フカン
内も外も。
- 用例
- ネーンラー、ウチン フカン ユー カメーリヨー(無いなら、内も外もよく探しなさいよ)。
ウチゥンジャシ
出だし。始まり。
- 用例
- チューヌ ウチゥンジャシヤ、ヌーカラ ハジマイガ(今日の出だしは、何から始まるね)。
ウチゥンジャスン
打ち出す。始める。
- 用例
- ウタサンシン ウチゥンジャスン(歌三線の演奏を始める)。
ウッカ
負債。借金。
- 用例
- ウヤヌ イーシン チカンネー、アトー ウッカ カンジュンドー(親のいうことも聞かないと、終いには借金を背負うよ)。
ナマディーカラ アキネー ッシ、ウッカ カンジュンナー(今頃から商売をして、借金を背負うのか)。
ウッカーハン
危ない。
- 用例
- イャームン シーヨーヤ ウッカーハン(お前のやり方は危ない)。
- メモ
- →アブナサン。
ウッカバレー
借金払い。返済。
- 用例
- ジン モーキティン、チャー ウッカバレービカーン ヒチ(金を儲けても、いつも借金払いばかりして)。
- メモ
- 音2:シーバレー。類:ヒンセー・ヒンリン。
ウックルブン
転ぶ。
- 用例
- アンソーヌ アッキヨーシェー ウックルブンドー(そんな歩き方では転ぶよ)。
否:ウックルバン(転ばない)過:ウックルラン(転んだ)継:ウックルローン(転んでいる)。
- メモ
- 音2:クルブン。類:ルゲーイン。
ウッケーイン
振り返る。
- 用例
- ウヤー ヲゥガヤーディチ、アトゥ ウッケーイン(親はいるかなと、後ろを振り返る)。
ウッケーティ チャン(引き返してきた)・波。ウッケーティ ンージュン(振り返ってみる)。
否:ウッケーラン(振り返らない)希:ウッケーイブサン(振り返りたい)過:ウッケータン(振り返った)継:ウッケートーン(振り返っている)。
- メモ
- 音1:ウッチェーイン。音2:トゥンケーイン・トゥンケーユン。
ウッケーシゲーシ
しきりにひっくり返す様。
- 用例
- ウッケーシゲーシ ウラゲーチョーサ(何度も裏返したよ)。
ウッケースン
裏返す。ひっくり返す。
- 用例
- チカタシェー ウッケーチョーケー(使ったのは裏返しておきなさい)。
- メモ
- 音2:ウッケーラスン・カチケーラスン・ケーラスン・チンケーラスン・ハチケーラスン・ヒッケーラスン。。
ウッケーヒッケー
何度も同じことをくり返す様。
- 用例
- ウッケーヒッケー イチムドゥヤー ッシ、ヌー ソーガ(何度も行き来して、何をしているか)。
- メモ
- 音1:ウッチェーヒッチェー。
ウッケーラスン
裏返す。ひっくり返す。
- 用例
- ゥンマンカイ アシ、ムル ウッケーラスン(そこにあるのを、全部ひっくり返す)。
ウッケーラチ ウチュン(ひっくり返して置く)。
否:ウッケーラサン(ひっくり返さない)希:ウッケーラシーブサン(ひっくり返したい)過:ウッケーラチャン(ひっくり返した)継:ウッケーラチョーン(ひっくり返している)。
- メモ
- →ウッケースン。
ウッケーリーン
ひっくり返る。倒れる。
- 用例
- シーヌ ウッケーリタン(岩が倒れた)。
クサーンカイ ウッケーリタン(後ろにひっくり返った)。
ウッサ
それだけ。
- 用例
- ウッサ マディ ヤサ(それまでだよ)。ウッサシ ウワレー(それで終わりなさい)。ウッサル ヤタル(それだけだったんだ)・喜。
- メモ
- 音1:ウッピ。類:ウヒ。
ウッサ スン
喜ぶ。
- 用例
- ウッサ ッシ ケータン(喜んで帰った)。
ウッサ ソーン(喜んでいる)。
ウッサウッサー
嬉しそうな様。
- 用例
- ウッサウッサー ッシ ワライカントーン(嬉しそうに笑っている)。
ウッサキー
そんなにたくさん。
- 用例
- ウッサキーナーヌ ムン カタミティ、マーカイガ(そんなにたくさんの物を担いで、何処にか)。
- メモ
- →音1:ウッサキー。
ウッサクージャー
大喜びしている様。
- 用例
- ジコー ウッサクージャー ソータン(大変喜んでいた)。
- メモ
- 音2:ウッサクヮッター。
ウッサグヮー
少々。たったそれだけ。
- 用例
- ウッサグヮーシェー、ヌーン チュクラランデー(それだけでは、何も作れないよ)。
- メモ
- 音1:ウッピグヮー。対:ウサキー・ウッサキー。
ウッサクヮッター
大喜びしている様。
- 用例
- ウッサクヮッター ッシ、ヌーヌガ アタガヤー(そんなに大喜びして、何があったのかな)。
- メモ
- →ウッサクージャー。
ウッサナー
そんなにたくさんの。
- 用例
- ウッサナー アシガ(そんなにいっぱいあるが)。ウッサナー アビレー シムサ(それだけ言えばいいよ)・儀。
- メモ
- 音1:ウッピナー。対:ウッサグヮー・ウッピグヮー・ウヒグヮー。
ウッサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- フービ ヰーティ、イッペー ウッサン(褒美をもらって、とても嬉しい)。
- メモ
- →イーリキサン。
ウッター
彼ら。彼女ら。こいつら。
- 用例
- ワンネー、ウッタートー ワジャー ナラン(私は、彼らとは仕事ができない)。
ウッターティ
わざと。故意に。
- 用例
- ドゥーヌメー チャレー、ウッターティ ヲゥラン ナトーサ(自分の前に来たら、わざと居なくなっているさ)。
ウッチ
うっち(掟)。間切時代の役職名。
- メモ
- 字の区長に相当する役職。
ウッチェーイン
振り返る。
- 用例
- ウッチェーティ ンージュン(振り返って見る)。
- メモ
- →音1:ウッケーイン。
ウッチェーヒッチェー
何度も同じことをくり返す様。
- 用例
- ウッチェーヒッチェー マキティネーン(ことごとく負けてしまったさ)。
- メモ
- 音1:ウッケーヒッケー。
ウッチキーン
行く。
- 用例
- ヘークナー ウッチキティ クーワ(早く行って来なさい)。
ウッチャイタタチャイ
打ったり叩いたりしている様。
- 用例
- ウッチャイタタチャイ、チャーヌクトゥン スサ(打ったり叩いたり、どんなことでもするね)。
ウッチャカイン
寄りかかる。もたれる。
- 用例
- ニーブイ ッシ スバヌ ハーヤンカイ ウッチャカイン(眠くて側の柱に寄りかかる)。
ウッチャカエーグヮー(もたれ合う)。
ニーブイ ッシ スバヌ ハーヤンカイ ウッチャカイン(眠くて側の柱に寄りかかる)/。
否:ウッチャカラン(寄りかからない)希:ウッチャカイブサン(寄りかかりたい)過:ウッチャカタン(寄りかかった)継:ウッチャカトーン(寄りかかっている)。
- メモ
- 音1:ウッチャカユン。
ウッチャカユン
寄りかかる。もたれる。
- メモ
- 音1:ウッチャカイン。
ウッチャキ
打掛け。羽織る物。
- 用例
- ボー シーネー、ハナウイヌ ウッチャキ チータン(棒術をするときは、花織りの打掛けを羽織った)。
- メモ
- 音:ウッチャキー。類:ウチカキ。
棒術やエイサーのウッチャキには袖がない。
ウッチャキー
打掛け。羽織る物。
- 用例
- ヒーサヌ ウッチャキー トゥティクーヒー(寒くて上から羽織るのを取って来ようね)。
- メモ
- 音:ウッチャキ。類:ウチカキ。
ウッチャキーン
羽織る。被せる。置く。
- 用例
- ワラビンカイ チン ウッチャキーン(子どもに着物を被せる)。ティー ウッチャキーン(手を置く)。
否:ウチャキラン(被せない)希:ウッチャキーブサン(被せたい)過:ウッチャキタン(被せた)継:ウチャキトーン(被せている)。
ウッチャンギーン
置き去りにする。放りだす。
- 用例
- クヮヤ ウッチャンギティ、マーカイ ゥンジャガ(子どもを置き去りにして、どこへ行ったのか)。
- メモ
- 類:ウッチャンナギーン・ハンナギーン。
ウッチャンギホーリー
置きっぱなし。
- 用例
- ウッチャンギホーリー シェー ナランドー(置きっ放しにしてはいけないよ)。ウッチャンギホーリー ッシ カタヂキーシン ワカラン(置きっぱなしで、片付けるのも分からない)。
ウッチャンナギーン
置き去りにする。放り出す。
- 用例
- ヘーク シコーランネー、ウッチャンナギーンドー(早く準備しないと、置いて行くよ)。
シクチ ウッチャンナギティ、マーカイ ゥンジャガ(仕事を放り出して、どこへ行ったか)。
ウッチャンナギラリーン(置き去りにされる)。
否:ウッチャンナギラン(置いて行かない)希:ウッチャンナギーブサン(置いて行きたい)過:ウッチャンナギタン(置いて行った)継:ウッチャンナギトーン(置いて行っている)。
- メモ
- 類:ウッチャンギーン。
ウッチュン
打つ。
- 用例
- ハンリラングトゥ シ、クジ チューヂューク ウッチュン(外れないように、釘を強く打つ)。
否:ウッタン(打たない)希:ウッチーブサン(打ちたい)過:ウッチャン(打った)継:ウッチョーン(打っている)。
ウッチュン
置く。
- 用例
- ニムチヌ ゥンブサグトゥ、シチャンカイ ウッチュン(荷物が重いから、下に置く)。
チカイウワイネー ゥンマンカイ ウッチョーケー(使い終わったらそこに置いておきなさい)。
否:ウッカン(置かない)希:ウッチーブサン(置きたい)過:ウッチャン(置いた)継:ウッチョーン(置いている)。
- メモ
- 音1:ウチュン・ウクン。
ウッチリーグヮー
末っ子。
- メモ
- →イッチガウットゥングヮー。
ウッチリクブサー
玩具名。おきあがり小法師〔こぼし〕。
- 用例
- パーパーガ、ウッチリクブサー コーティ トゥラサヤー(お婆さんが、おきあがり小法師を買ってやろうね)。
ウッチリグヮー
おき火。種火。残り火。
- 用例
- ウッチリグヮーヌ ネーンナイネー、トゥナイカラ イライン(種火がなくなったら、隣りにもらいに行く)。
- メモ
- おき火をあげる方は縁起物の塩を合わせて持たせた。
→ウキリ。
ウッチン
植物名。ウコン。
- 用例
- ウッチン ダテーン ヰーティチャン(ウコンをたくさん貰ってきた)。
- メモ
- →ウキン。
ウッチンカーニンジ
うつ伏せ寝。寝る。
- 用例
- ワラビ ウッチンカーニンジ シミトーン(子どもをうつ伏せ寝させている)。
- メモ
- 対:アファナカーニンジ・アファナチャーニンジ(仰向け寝)。
ウッチンキーン
伏せる。下に向ける。
- 用例
- カマンタヤ ウッチンキティ ウチュン(鍋蓋は伏せて置く)。
ウッチンクン
うつむく。下を向く。
- 用例
- フービ ヰーハンチ ウッチンチョーン(褒美をもらいそこねて下を向いている)。
- メモ
- 音1:ウッチンチュン。→ウチカイン。
ウッチンタージシ
暮れに潰した豚肉が残り少ない様を表現した言葉。
ウッチンチュン
うつむく。下を向く。
- 用例
- ハジカサー ナティ、チュトゥ イチャイネー スグ ウッチンチュン(恥ずかしがりやなので、人と会うとすぐにうつむく)。
ウッチンチ イーン(うつむいて入る)。
否:ウッチンカン(うつむかない)希:ウッチンチーブサン(うつむきたい)過:ウッチンチャン(うつむいた)継:ウッチンチョーン(うつむいている)。
- メモ
- 音1:ウッチンクン。→ウチカイン。
ウッチントゥー
うつ伏せ。うつむくこと。
- 用例
- ウッチントゥー ッシ ニンシーン(うつ伏せにして寝かせる)。ウッチントゥー ッシ アッチョーン(うなだれて歩いている)。
- メモ
- 対:マンハラチャー・マーハナチャー(仰向け)。
ウッティラカスン
放り投げる。放っておく。
- 用例
- カシマハヌ、ウッティラカチョーケー(面倒くさいから、放っときなさい)。
- メモ
- 類:ハンナギーン・ブンナギーン。
ウッテー
訴え。
- 用例
- ウッテー ウクサッティ ジャーフェー ソーン(訴えを起こされて面倒なことになっている)。
ウットゥ
年下。弟。妹。
- 用例
- イチバン ウットゥグヮー(一番下の子)。
アレー ワンヤカ ウットゥル ヤンドー(あれは私より年下だよ)。
- メモ
- 対:シージャ(年上・兄・姉)。
ウットゥーヒットゥー
不元気な様。
- 用例
- アレー トゥーチ ウットゥーヒットゥー ヒチョーン(彼はいつも不元気な様子だ)。
ウットゥシデー
年下順。
- 用例
- クヮーシヤ、ウットゥシデー トゥラシェー(お菓子は、年下順にあげなさい)。
- メモ
- 対:シージャシデー(年長順)。
ウットゥバスン
勢いよく飛ばす。吹き飛ばす。
- 用例
- カジヌ チューサヌ、キーン ヌーン ウットゥバスン(風が強くて、木も何も吹き飛ばす)。
否:ウットゥバサン(吹き飛ばさない)希:ウットゥバシーブサン(吹き飛ばしたい)過:ウットゥバチャン(吹き飛ばした)継:ウットゥバチョーン(吹き飛ばしている)。
ウットゥブン
勢いよく飛ぶ。吹き飛ぶ。
- 用例
- ゥンマンカイ ウッチーネー、カジシ ウットゥブンドー(そこに置いたら、風で吹き飛ぶよ)。
否:ウットゥバン(吹き飛ばない)過:ウットゥラン(吹き飛んだ)継:ウットゥドーン(吹き飛んでいる)。
- メモ
- 音2:ウットゥンジュン。
ウットゥマイン
ピタッと止まる。
- 用例
- チューチャンナカイ カジヌ ウットゥマタン(急に風がピタッと止んだ)。
否:ウットゥマラン(止まらない)過:ウットゥマタン(止まった)継:ウットゥマトーン(止まっている)。
ウットゥミー
弟見〔おとみ〕。乳飲み子をもつ母親が次子を妊娠すること。
- 用例
- フンデー ソーシガ、ウットゥミール ヤンテー(甘えているが、下の子ができたんじゃないの)。
- メモ
- 音1:ウットゥミシー。幼児が股ごしに物を見たら、その母親の妊娠を予見しているといわれている。
ウットゥミーヨーガリ
{おとみやせ(弟見痩せ)}。母親が次子を妊娠することで、幼児が甘えたり食欲がなくなって痩せること。
- 用例
- ウヌワラベー、ウットゥミーヨーガリルソーンテー (その子は、下の子ができて痩せているんじゃないのか)。
ウットゥミシー
弟見〔おとみ〕。乳飲み子をもつ母親が次子を妊娠すること。
- メモ
- →音1:ウットゥミー。
ウットゥヰキー
年下の男きょうだい。弟。
ウットゥヲゥナイ
年下の女きょうだい。妹。
ウットゥングヮ
年下の子。
ウットゥンジュン
勢いよく飛ぶ。
- 用例
- キーヌ ウヮービカラ ウットゥンジュン(木の上から勢いよく飛ぶ)。
ウットゥンチャー
年下の者たち。弟や妹たち。
- 用例
- ウットゥンチャーヤ、イチマディン カナサ シーヨー(弟や妹たちは、いつまでも可愛がりなさいよ)。
- メモ
- 音:ウットゥヌチャー。
ウットーリン
倒れる。
- 用例
- 否:ウットーリラン(倒れない)過:ウットーリタン(倒れた)。継:ウットーリトーン(倒れている)。
- メモ
- 類:トーリーン。
ウッピ
それだけ。
- 用例
- ウッピル チチョーン(それだけ聞いたよ)。アレー ウッピシカ ナラン(あれはそれだけの大きさにしかならない)。タダ ウッピナー(たった それだけか)。
- メモ
- →音1:ウッサ。
ウッピグヮー
少々。たったそれだけ。
- 用例
- イャーガ ムッチ チャシェー、タダ ウッピグヮーナー(お前が持って来たのは、たったそれだけねぇ)。
- メモ
- →音1:ウッサグヮー。
ウッピナー
そんなにたくさんの。
- 用例
- ウッピナーヌムン カタミティ ヲゥタテーンテー(そんなに大きな物を担いで疲れたでしょう)。
ウッピナール トゥインナー(それぐらいしか取らないのか)。ウッピナー ネーン(そんなに大きくはない)。ウッピナー アン(そんなに大きい)。
- メモ
- →音1:ウッサナー。
ウッピナーグヮー
たったそれだけずつ。
- 用例
- ウッピナーグヮール トゥイグトゥ(たったそれだけしか取らないから)。
ウッペール
そんなに大きな。それだけ。
- 用例
- ウッペール ムン ムッチッチ、デージ ヤサ(そんなに大きな物を持って来て、大変だ)。
ウッペール ジャー(こんなに大きな蛇)。
ウディ
腕。
- 用例
- ウッピナーヌ ウディ ソール、アンシル グテーン チューササ(そんなに大きな腕だね、だから力も強いんだよ)。ウディ カキラ(腕相撲をしよう)。
ウティーン
落ちる。
- 用例
- ティーガ シンリティ キーカラ ウティーン(手が滑って木から落ちる)。
否:ウティラン(落ちない)希:ウティーブサン(落ちたい)過:ウティタン(落ちた)継:ウティトーン(落ちている)。
- メモ
- 対:ヌブイン(登る)。
ウディカキー
腕相撲。
- 用例
- ウディカキー サー(腕相撲しよう)・座。
- メモ
- 音2:ケンナカキエー。
ウティゲー
頤〔おとがい〕。下顎〔したあご〕。
- メモ
- 音2:ウトゥガク・ウトゥゲー。
ウティダカ
群れからはずれた鷹。渡りの途中にその土地に残った鷹。
ウディヂカラ
腕力〔うでぢから〕。
- 用例
- ウディヂカラヌ マンドーグトゥ、シグトゥン バチクヮイン(腕力が強いから、仕事もはかどる)。
ウティチキクンチチ
落ち着き。
- 用例
- イークトゥビカーン ウティチキクンチチ ッシ イークトゥビカー ニガーチ クィンソーリ(幸いだけがあるように、良いことだけを祈願させてください)。
ウティチチ
落ち着き。
- 用例
- ウフッチュ ナティン、ティーチン ウティチチヌ ネーン(大人になっても、ちっとも落ち着きがない)。
- メモ
- →イシズ。
ウティチチュン
落ち着く。
- 用例
- ナマル ケーティ チューラーディチ、ティーチン ウティチカン(今こそ帰って来るのかと、ちっとも落ち着かない)。
ムヌカンゲーン ナラン、イフェー ウティチケー(考え事もできない、少しは落ち着きなさい)。
否:ウティチカン(落ち着かない)希:ウティチチーブサン(落ち着きたい)過:ウティチチャン(落ち着いた)継:ウティチチョーン(落ち着いている)。
- メモ
- 類:チムヰシーン。
ウティブ
落ち穂。
- 用例
- ハルヌ ウティブ ヒッティ クーワ(畑の落ち穂を拾ってきなさい)。
ウティブチ
西風。
- 用例
- ウティブチヌ フクン(西風が吹く)。
ウティン
天。空。
- 用例
- ウティン ウガムン(天を拝む)。
- メモ
- 対:ジー(地)。
ウティンジウガン
三十三年忌に死者を昇天させるための御願。
ウティンジカビ
三十三年忌に用いる仏の絵が描かれた赤紙。
- メモ
- 類:ウモースカビ。
ウティンチカラン
落ち着かない。
- 用例
- ケーティ クーランエーマー シワナティ、ティーチン ウティンチカラン(帰って来ないうちは心配で、ちっとも落ち着かない)。
- メモ
- →ウティチカン。
ウティントー
お天道。
- 用例
- ウティントーヤ、マーカラン ンチ メンシェーンリドー(お天道様は、どこからでも見ていらっしゃるってよ)。
ウトゥ
音。
- 用例
- ヌーガラ ウトゥヌ チカリーシガ、ターガラ チル ヲゥガヤー(何か音が聞こえるが、誰か来ているのかな)。
ウトゥ
評判。噂。
- 用例
- ウヌヘーサナー ウトゥ タッチュンナー(こんなに早く噂が立つのか)。
ナガター ミッチャイナー トーカチ スンリチ、ウトゥ ゥンジトータンドー(長田は3人もトーカチ祝いするって、評判になったよ)。
ウトゥ ウッチョーン(評判になっている)。
ウトゥリン ネーン(何の音沙汰もない)。
ウドゥイガシラ
踊り頭。
- メモ
- ムラアシビを行う際の役目には、棒頭、踊り頭があり、その方から棒術や踊りなど教わった。座喜味では35歳から40歳の芸達者から複数名選出された。
ウトゥイサカイ
栄枯盛衰〔えいこせいすい〕。
ウドゥイシンカ
{おどりしんか(踊り臣下)}。ムラアシビの中で踊りを披露する者たち。
- メモ
- 類:ウドゥイニンジュ。
演目によって組踊・狂言・踊りのグループに分かれ、先輩たちから指導を受けた。
ウトゥイチジ
お取り次ぎ。
- 用例
- ウトゥイチジ スン(お取り次ぎする)。
ウドゥイニンジュ
{おどりにんず(踊り人数)}。ムラアシビの中で踊りを披露する者たち。
- メモ
- →ウドゥイシンカ。
ウトゥイムチ
接待。
- 用例
- シージャンチャー ウトゥイムチ スンディチ、デージ ヤンムナー(先輩を接待するって、大変だね)。
ウトゥーシ
遥拝〔ようはい〕。
- 用例
- ミーグシクカラ ウトゥーシ スン(三重城から遙拝する)。
ウトゥガク
頤〔おとがい〕。下顎〔したあご〕。
- 用例
- クチ アキタレー ウトゥガクガ ハンリータン(口を開けたら顎が外れた)。
- メモ
- →ウティゲー。
ウトゥゲー
頤〔おとがい〕。下顎〔したあご〕。
- メモ
- →ウティゲー。
ウトゥサタ
音沙汰。音信。
- 用例
- シマ ゥンジティ ハチカラ、ヌーヌ ウトゥサタン ネーン(島から出て行ったきり、何の音沙汰もない)。
- メモ
- 音2:ウトゥジリ・ウトゥジル。
ウトゥシディップーグヮー
玩具名。おもちゃの鉄砲。
- 用例
- ワラビンカイ ウトゥシディップーグヮー コーティ トゥラチャン(子どもにおもちゃの鉄砲を買ってあげた)。
ウトゥジャンダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランラ・ウチランダ・ウトゥランダ。
ウトゥジリ
音沙汰。音信。
- 用例
- ヌーヌ ウトゥジリン チカン(何の音沙汰も聞かない)。
- メモ
- →ウトゥサタ。
ウトゥジル
音沙汰。音信。
- メモ
- →ウトゥサタ。
ウトゥスイ
お年寄り。
- 用例
- ウトゥスイ カタガタ(お年寄りの方々)。
- メモ
- 類:ウトゥスユイ・トゥシー・トゥシイー・トゥシユイ・トゥスイ。
ウトゥスユイ
お年寄り。
- メモ
- 類:ウトゥスイ・トゥシー・トゥシイー・トゥシユイ・トゥスイ。
ウトゥスン
うつす。
- 用例
- ニムチ カタハランカイ ウトゥスン(荷物を片端に移す)。
ハーメーンカイ ハナヒチ ウトゥサンキヨー(おばあさんに風邪をうつすなよ)。
ウトゥスン
落とす。
- 用例
- ティーガ シンリティ ゲンノー ウトゥスン(手が滑って金槌を落とす)。
否:ウトゥサン(落とさない)希:ウトゥシーブサン(落としたい)過:ウトゥチャン(落とした)継:ウトゥチョーン(落としている)。
- メモ
- 対:アギ-ン(上げる)。
ウトゥダカサン
名高い。有名な。
- 用例
- アヌ チョー、ムライチバン ウトゥダカサン(あの人は、村一番有名だよ)。
ウトゥム
お供。
- 用例
- ウスメー ウトゥム ッシ チャービタン(お祖父さんのお供をしてきました)。
ウトゥラサン
恐ろしい。怖い。
- メモ
- 類:ウトゥラハン・ウトゥルサン・ウトゥルハン。 音:ウトゥラシー。
ウトゥラシー
恐ろしい。怖い。
- 用例
- ウトゥラシー トゥクマ(恐ろしい所)。
- メモ
- 類:ウトゥラサン・ウトゥラハン・ウトゥルサン・ウトゥルハン。
ウトゥラシムン
怖いもの。恐ろしいもの。
ウトゥラハン
恐ろしい。怖い。
- 用例
- ニッカ ナイネー、マックラシン ナイグトゥ ウトゥルハタン(遅くなると、真っ暗闇になるから恐かった)。
- メモ
- 音:ウトゥラサン・ウトゥルサン・ウトゥルハン。類:ウトゥラシー。
ウトゥランダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- ウトゥランダ ナカ ユタハン(兄弟仲が良い)。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランラ・ウチランダ・ウトゥジャンダ。
ウトゥリーン
衰える。
- 用例
- トゥシ ユイシンデー、ヌーンクイ ウトゥリーン(年を取るにつれて、何もかも衰える)。否:ウトゥリラン(衰えない)過:ウトゥリタン(衰えた)継:ウトゥリトーン(衰えている)。
- メモ
- 類:ウルクナイン。
ウトゥルー
怖がり。
- 用例
- イャーヤ アンシ ウトゥルー ヤル(君はなんて怖がりなんでしょう)。
ウドゥルカスン
驚かす。びっくりさせる。
- 用例
- ハブ ミシーネー、ウドゥルカスンドー(蛇を見せると、びっくりさせるよ)。否:ウドゥルカサン(驚かせない)希:ウドゥルカシブサン(驚かしたい):過:ウドゥルカチャン(驚かした)継:ウドゥルカチョーン(驚かしている)
ウトゥルサン
恐ろしい。怖い。
- 用例
- イクチ ナティン、ウヤー ウトゥルサン(幾つになっても、親は怖い)。
ウトゥルサ スタンリ(恐がっていたって)。ウトゥルサ スン(怖がる)。
- メモ
- 音:ウトゥラサン・ウトゥラハン・ウトゥルハン。類:ウトゥラシー。
ウトゥルサン シラン
怖いもの知らず。
- 用例
- ワラビヤ ウトゥルサン シラン(子どもは恐れを知らない)。
ウトゥルシムン
恐ろしいもの。怖いもの。
- 用例
- ウヤンカイ ゲー スンリシェー、ウトゥルシムンテー(親に反抗するのは、怖い事だよ)。
クヌ ユメー ウトゥルシムンヤー、クトゥバヌ チケーヨーヌ(この嫁は怖いね、言葉遣いが)。
- メモ
- 類:ウトゥルムン。
ウドゥルチュン
驚く。
- 用例
- マックラシン ヲゥティ イチャイネー、ウドゥルチュンテー(真っ暗闇で出会ったら、驚くさ)。否:ウドゥルカン(驚かない)過:ウドゥルチャン(驚いた)継:ウドゥルチョーン(驚いている)。
ウトゥルハン
恐ろしい。怖い。
- 用例
- ニッカ ナイネー、マックラシン ナイグトゥ ウトゥルハン(遅くなると、真っ暗闇になるから怖い)。
- メモ
- 音:ウトゥラサン・ウトゥラハン・ウトゥルサン。類:ウトゥラシー。
ウトゥルムン
恐ろしいもの。怖いもの。
- 用例
- ヤマトー ウトゥルムン ヤタセー(大和は恐い所だったさあ)。
- メモ
- 類:ウトゥルシムン。
ウトゥンガー
地名(読谷村座喜味の川)。
ウトゥンガーバル
{尾頓川原}。座喜味の小字。
ウドゥンシチ
地名。沖縄市御殿敷。
ウドゥントゥンチ
{おどのとのうち(御殿殿内)}。王子・按司の家、一般に王族の家や建物を意味する語。
ウナームーチー
行事名。鬼餅。
- 用例
- ウナームーチーネー、ムチ アタインディ イッペー イリキサタン(鬼餅には、餅が貰えるのでとても嬉しかった)。
- メモ
- 音:ウナムーチー。類:ウニームーチー・カーサムーシー・ホーハイムーチー・ムーチー・ムッチー。
旧12月7日か8日に月桃の葉に包んで蒸しあげた餅を仏壇に供え、ムーチーの煮汁は「トゥコー ウチ、ウネー フカ(徳は内、鬼は外)」と言いながら屋敷に撒き清めた。三回ずつ撒いた。は屋敷に撒き清めた。鬼餅を食した後に包んでいた葉殻を十字に結び、門や畜舎の入り口に下げて魔除けにした。子どものいる家では、子どもの年の数だけ紐で結んで吊り下げた。ところによっては、正月までの日数分を紐で括り壁に吊るして、1日明けるごとに一つずつ取って食べ、正月まであと何日だと正月を楽しみに待った。
ウナギ
それぐらいの長さ。
- 用例
- イャー ムヌン、ウナギル アンナー(お前のものも、その長さしかないのか)。
ウナメ
雌牛。
- 用例
- ウナメ ターチ カラトーン(雌牛を2頭飼っている)。
- メモ
- 類:ミーウシ。対:ヲゥーウシ(雄牛)。
ウニ
鬼。
- 用例
- ドゥク フンレー シ ナチーネー、アマカラ ウニガ ソーイガ チューンドー(あんまり甘えて泣いたら、あそこから鬼が連れに来るよ)。
ウニー
その時。
- 用例
- ウニーカラ ゥンジェー ンダン(それ以来行ってない)。
ウニーニ、ワーガ イチャノー アラニ(その時に、私が言ったでしょう)。
- メモ
- 類:ウンニー・ウヌトゥチ。
ウニージリ
それきり。
- 用例
- ウニージリ ヌーヌ アティンネーン(それっきり何のあても無い)。
- メモ
- ウニジリともいう。類:ウヌギリ。
ウニーマングラ
その頃。その当時。
- 用例
- ウニーマングラヤ ヤーニンジュン ウーサヌ、チャー ハネーチョータンヤー(その頃は家族も多くて、いつも賑やかだったね)。
- メモ
- 類:ウニマングラー。
ウニゲー
お願い。
- 用例
- ウニゲー サビラ(お願いします)。
ウニゲーシ
行事名。鬼返し。旧5月5日は鬼返しの行事。
- メモ
- →グングヮチグニチー。
ウニチョーギン
芝居名。鬼狂言。大湾のムラアシビで演じられた菖蒲節句由来の演目。
ウニマングラー
その頃。その当時。
- 用例
- ウニマングラー、ウフッチョー チノー ヌー チミシェータガヤー(その頃、大人はどんな着物を着ましたか)。
- メモ
- 類:ウニーマングラ。
ウニムーチー
行事名。鬼餅。
- 用例
- ウニムーチーネー ムチニージル マチ、ウニヌ ヒサ ヤチュンディ(鬼餅には餅の煮汁を撒いて、鬼の足を焼くそうだ)。
- メモ
- →ウナームーチー。
ウヌ
その。
- 用例
- イャーガ ムッチョール ウヌ インヤ、ワームン ヤサ(お前が持っているその犬は、私のだよ)。
ウヌアタイ
それくらい。
- 用例
- フロードンドン シ、ウヌアタイン ナランナー(背だけ大きくて、それぐらいもできないのか)。
ウヌアタイ イェーキンチュ ヤタン(それくらい金持ちだった)。
ウヌギリ
それっきり。
- 用例
- ウヌギリ クーン(それっきり来ない)。
- メモ
- 類:ウニージリ。
ウヌグトゥ
そのように。
- 用例
- ウヌグトゥ シン、シーアーシー スンナー(そのようにしても、仕上げ切れるか)。
- メモ
- 音:ウングトゥ。
ウヌサク
それくらい。
- 用例
- ウヌサク ヤラー、ドゥーチュイシスン(それくらいなら、一人でやる)。
ウヌシンカ
その人たち。
- 用例
- イッター ワラビヤ、ウヌシンカトゥ グー ヤサ(お前の子どもは、その人たちと仲間だよ)。
ウヌタッペー
その例え。そういうこと。
- 用例
- ウヌタッペー ンリ(そういうわけだって)。
アリガ ハナシスタシェー、ウヌタッペー ヤサ(彼が話していたのは、そういうことなんだよ)。
ウヌッチュ
その人。
- 用例
- ミチヌ ワカランダー、ウヌッチュンカイ チケー(道が分からないなら、その人に聞きなさい)。
ウヌトゥチ
その時。
- 用例
- ウヌトゥチニ ケーレー シムテーサ(その時に帰れば良かったのに)。
- メモ
- 類:ウニー・ウンニー。
ウヌバー
その場合。
- 用例
- アンシェー ウヌバーヤ、イャーヤレー チャー スガ(じゃあその場合は、君ならどうするか)。
ウヌバス
その時。
- 用例
- ウヌバス ナランネー、ターン ワカランサ(その時にならないと、誰も分からないよ)。
ウヌヒャー
そいつ。
- 用例
- クンドゥヌ クトー、ウヌヒャーガル ワッサル(今度のことは、そいつが悪いんだよ)。
ウヌヒレー
そのくらいの付き合い。
- 用例
- ケートゥナイ トー、ウヌヒレーッシ スムンバー ヤサ(隣近所とは、そのくらいの付き合いでいいんだよ)。
ウヌヒン
その辺。
- 用例
- ネーンダー、ウヌヒン カメーレー(無いなら、その辺を探しなさい)。
ウヌフージー
そのようなこと。そのようなもの。
- 用例
- ウヌフージーガ アタンレ、カンゲーティン ンランタサ(そのようなことがあったとは、考えてもみなかったさ)。
ウヌヘーサ
そんなに早く。
- 用例
- ヌーディチ、ウヌヘーサナー ケーティチャガ(どうして、そんなに早く帰って来たの)。
- メモ
- →音1:ウガヘーサ・タデーマ。
ウヌママ
そのまま。
- 用例
- ウヌママ ウッチャンナギトーケー(そのまま放っときなさい)。
ウヌヨーナ
そのような。
- 用例
- イャーヤ ナー、ウヌヨーナ ワジャ シーゥンジャチ(お前はもう、そのようなことをしでかしてしまって)。
ウヌヨーナ クトゥ シーネー、ターガン ガッティン サンサ(そのようなことをしたら、誰がも合点しないよ)。
ウネ
ほら。
- 用例
- ウネ、トゥティ チャンドー(ほら、取ってきたよ)。
- メモ
- 類:ウリ。
ウネウネ
おやおや。ほらほら。
- 用例
- ウネウネ、イャーヤ ゥンマ ヲゥティ ヌー ソーガ(おやおや、お前はそこで何をしているの?)。
- メモ
- 類:ウリウリ。
ウネヒャー
ええっ。ほら。それみろ。
- 用例
- ウネヒャー、ユーシッタイ(それみろ、ざまあみろ)。
- メモ
- 類:ウリヒャー。
ウハチ
お初。仏壇や墓前に供えた料理から最初に取る食べ物のこと。
- 用例
- ウサンデー シェーグトゥ、ウハチ ヌゲー(供え物をお下げしたから、お初を取りなさい)。
ウヒ
それだけ。
- 用例
- ウヌ チノー ウヒル スタンナー(その着物はそれだけの金額だったの)。
- メモ
- →ウッサ。
ウビ
桶や樽などのたが。
ウビー
覚え。記憶。
- 用例
- トゥシ トゥッティ、チカグロー ウビー ワック ナティネーラン(年を取って、近頃は覚えが悪くなってしまった)。
ウビー
聖水。儀式に用いる水。
- メモ
- ウビーはウブガー(産井戸)の水を使うことが多かった。子の命名式や湯灌にも使われた。
ウビー イェースン
湯灌〔ゆかん〕する。
- 用例
- ヲゥラン ナタル チュ チューミーシンカイ、ウビー イェースンディ イータン(亡くなった人を清めることを、ウビーイェースンと言った)。
- メモ
- 音1:ウビー ウェースン。湯灌に使う水は、最初に冷水を入れてからお湯を継ぎ足した。
ウビー ウェースン
湯灌〔ゆかん〕する。
- メモ
- →ウビー イェースン。
ウビーディー
記憶力。
- 用例
- ウビーディーヌ ワッサヌ、ヌーンクィ ワシリティ ネーン(物覚えが悪くて、何もかも忘れてしまった)。
- メモ
- 類:ムンウビー。
ウビーヤッサン
覚えやすい。
- 用例
- イャームン ノージェー イーノージ ナティ ウビーヤッサン(お前の名前は良い名前なので覚えやすい)。
ウビーン
覚える。
- 用例
- ガッコーヲゥティ ホン ユディ ウビーン(学校で本を読んで覚える)。
ヨーイネー ウビーサンタグトゥ、カチ ウビタン(なかなか覚えられなかったので、書いて覚えた)。
チューヌ クトー、イャー ウビトーキヨー(今日のことは、お前覚えておけよ)。
アジマーヌアイビータシェー、ウビトーミシェーンナー(十字路がありましたでしょう、覚えていらっしゃいますか)。
否:ウビラン(覚えない)希:ウビーブサン(覚えたい)過:ウビタン(覚えた)継:ウビトーン(覚えている)
ウヒグヮー
少々。たったそれだけ。
- 用例
- ウヒグヮール アタル(それだけしかなかった)。
- メモ
- →ウッサグヮー。
ウビジ
あっという間に。思わず。
- 用例
- ナマル ゥンマンカイ ヲゥタシガ、ウビジ ヲゥランナトーン(今そこに居たのに、急に居なくなっている)。
ウビジ、ティー ユルチ ネーラン(思わず、手を離してしまった)。
ウビジウビジ
あっという間に。思わず。
- 用例
- チャーガチャーヤ アネー アランシガ ウビジウビジ アン ナイサ(いつもはそうじゃないが、あっという間にそうなるんだよ)。
ウビダキ
樽や桶の箍〔たが〕に使う竹。
- メモ
- 桶などの箍〔たが〕は、ホウライチクなどを割って帯状に巻いて作ったのでこの呼び名がある。
ウヒナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- メモ
- →アッピナー。
ウビナディー
聖水を額につけること。
- メモ
- 類:ミジナディー・ミジナリー。
9月に門中行事としてウビナディーを行なう所があった。
神聖な水を中指で額に3回つける作法で、若返りの効果があるといわれた。
ウビゥンジャシケーゥンジャシ
思い返し返しする様。思いかえしながら。
ウビゥンジャスン
思い出す。
- 用例
- ウビゥンジャチー?(思い出したか?)。
マッチョーキヨー ナー イフィシ ウビゥンジャスンドー(待っていてよ、もう少しで思い出すよ)。
アチャマディネー チャーシン ウビゥンジャシェー(明日までにはどうしても思い出しなさい)。
否:ウビゥンジャサン(思い出さない)希:ウビゥンジャシーブサン(思い出したい)過:ウビゥンジャチャン(思い出した)継:ウビゥンジャチョーン(思い出している)。
ウフ~
大きい~。
- 用例
- ウフナービ シキレーワ(大きい鍋を据えなさい)。
ウファ
おんぶ。
- 用例
- ウファ サッティ イーヤンベー ヤラヤー(おんぶされて気持ち良いでシょう)。
- メモ
- 音1:ウーファ。
ウフアチサ
盛夏。
- メモ
- 音:ウーアチサ。
ウファチメー
御初米。初穂。
- メモ
- 類:シチマメー・シチュマ・ヒチマ・ヒチュマ・シキョマ。
米の収穫時に各家から集めた新米を、お初としてノロの家に届けた。それをヌールウマチメーともいった。シチマ参照。
ウフアビー
大声。
- 用例
- ワラバーガ ニントーグトゥ ウフアビー サンキヨー(子どもが寝ているから大声は出すなよ)。
ウフアヤヂン
大きい柄模様の着物。
ウフアンマー
伯母。
- 用例
- ウレー ウフアンマー タマシ ヤサ(それは伯母さんの分だよ)。
- メモ
- 音:ウフーアンマー。
類:ウフバーチー・ウフンマー・オホンマー・ヲゥバマー・ヲゥバマーグヮー。
ウフアンマー
年増。
- メモ
- 婚期を逸した女性をからかいを含んで言った言葉。
ウフィ
少し。僅か。
- 用例
- ゥンマカラ ウフィ トゥッティ ムッチイケー(そこから少し取って持って行きなさい)。
ウフェー マッチ(ちょっと待って)。
ソーグヮチヂン ウフゴーイ シーネー ナーファンカイ、ウフィナーヤ アーシンカイ イチュタン(正月の晴着を、たくさん買うときは那覇に、少しだけ買うときは泡瀬に行った)。
- メモ
- 音1:イヒ・イフィ。→イヒ
ウフイー
堰き止め用の簡単な石垣。
- メモ
- 字長浜では座喜味城側とウトゥンガーから流れてくる川の堰き止めを行なった。それはウフイーと呼ばれる石壁の簡単な造りであったため、大雨などで決壊することが多く、そのたびに修復した。
ウフイーチ
ため息。
- 用例
- ユルットゥ ナティ ウフイーチル サギンレー(ホッとしてひと息をついているよ)。
ウフイービヌメー
瀬名波の拝所名。
- メモ
- 瀬名波ガー近くにある。イビは神がいる場所と言われ、ウフ(大)、メー(前)は尊敬を表わす接頭辞、接尾辞。
ウフイシバル
{大石原}。長浜の小字。
ウフイチ
大池。
- メモ
- 防火用水。
ウフィチェー
御引合。祈願後の報告。
- メモ
- 類:ヒチェー・ヒチファ。
祈願した後に参会者へ報告をすること。
ウフィナー
それほどの大きさ。そんなに大きい。
- 用例
- アガトゥーカラ ウフィナーヌ ムン ムッチチェール(遠い所からそんなに大きいのを 持って来たね)。
ウヒナー スル サキガーミヌ アタンヨー(そのくらいの大きな酒瓶があった)。
- メモ
- 音:ウヒナー。類:ウッピナー。対:ウッピグヮー・ウヒグヮー(ちょっと・ほんの少し)。
ウフイルミ
多額の経費。
- メモ
- 字伊良皆ではアシビトゥイケーをする時に15歳から44、5歳までを対象に徴収した。
部落内だけで行う場合はクーイルミ(少額経費)といって、15歳から35歳までの青年から徴収した。
ウフーアンマー
伯母。
- 用例
- ウフーアンマー トゥ アシビーガ イクン(伯母さんと遊びに行く)。
- メモ
- 音:ウフアンマー。
ウフンマー参照。
ウフーオトー
伯父。
- メモ
- 類:ウフースー・ウフーチャーチャー・ウフウンチュー・ウフオトー・ウフスー・ヲゥジャサー。ヲゥジャサー・ヲゥンチュー・ウンチュー。
ウフウグヮン
行事名。大御願。
- メモ
- 字全体の健康、繁栄を祈願する字瀬名波の行事。2月と8月に行い、2月は1年の前半上月の御願で、人口と戸数を表わした藁算を不動の神に供え報告し、加護を願う。8月は後半下月の加護を感謝し1年を締めくくる御願。
ウフウシュメー
曾祖父。
ウフースー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフーチャーチャー
伯父。
- 用例
- ウフーチャーチャーカイ ソーダン シェー(伯父さんに相談しなさい)。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフウフートゥ
たっぷりと。
- 用例
- ワームノー ミーヤ ウフウフートゥ イリレー(私のは実はたっぷり入れなさい)。
ウフウンチュー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフオジー
曾祖父。
ウフオトー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフオバー
曾祖母。
- 用例
- ウフオバーガ マーチカラ ルクシチニン ドゥ ナイル(ウフオバーが亡くなって6、7年しかならない)。
- メモ
- 音2:ウフハーメー。
ウフカー
井泉の名称。
- メモ
- ユナサモーにある井泉で『琉球国由来記』(1713年)にも名前が確認できる。昔は石積みがされていたといい、大量の水が湧いて入浴や洗濯に利用された。
ウフガー
井泉の名称。
- メモ
- 字波平のウフガーの水は豆腐作りに最適でトーフミジ(豆腐水)とも呼ばれた。川下では、お産の汚れ物を洗っていたという。
ウフカーバル
{大川原}。喜名の小字。
ウフカーミーヘー
行事名。井泉拝み。正月にウフカーを拝むこと。
- メモ
- 字伊良皆のウフカーは、ユナサモー近くにある伊良皆で一番古い井泉といわれ、各門中は正月早朝に必ずそのウフカーを拝んだ。
ウフガマ
洞窟名。長浜にある大きな洞窟名。
- メモ
- 沖縄戦時、字民の防空壕として使われた。
ウフギ
地名(読谷村大木)。
ウフギー
大木。大きな木。
ウフギバル
{大木原}。伊良皆の小字。
ウフギバルヤードゥイソーダイ
大木原屋取総代。
- メモ
- 字大木創設以前の大木屋取、伊良皆屋取、楚辺屋取の三か屋取を統率する役目。
ウフギバンタ
大木の地名。大木の崖。
- メモ
- 大木バンタは高台に位置し、那覇方面を展望できる絶景の地であった。読谷北部から嘉手納方面へ行き来する際には、ここで一息入れたという。しかし、当時は大木に覆われうっそうとした場所で、追いはぎが出るので長居はせずに家路を急げといわれた。また、この地から読谷高校裏側周辺はミックヮーハカジー、ガラサーシーと呼ばれ、墓地地帯であり、薄暗く立ち寄るのが怖い場所であったという。
ウフギビラ
坂道の名称。大木の坂。
- メモ
- 字比謝から残波岬へと繋がる旧道のうち、現在の大木交差点上方から比謝イェーヤに至る坂道をウフギビラと呼んだ。戦前、嘉手納方面へ行き来するのに利用され、戦後も国道58号バイパスが開通する以前は主要道として活用された。
ウフギヤードゥイ
大木屋取。
- メモ
- 昭和10年に伊良皆、比謝、楚辺の屋取集落61戸が集まって字大木を創設した。
ウフギンチュ
大木の人。
ウブク
御仏供。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ ウブコー ウサギテーミ?(火の神に御仏供は供えてあるねぇ?)。
- メモ
- 御仏供とは小さな茶碗に円錐状に盛って神仏に供える飯。
ウフグイ
民家の間取りのひとつ。一番座。
- 用例
- タンメーヤ ウフグイヲゥティ ユックティメーサ(お爺さんは一番座で休んでいらっしゃるよ)。
- メモ
- →アガリカミザ
ウフクーガー
大きな睾丸〔こうがん〕。
- メモ
- フィラリア症に罹患した者に多かった。
ウフグシク
大城。大湾の遺跡名。
- メモ
- 長田川・県取水場北側の丘をいう。この一帯は戦後米軍による県道1号線(現・国道58号)建設、さらに復帰後の国道拡張工事のため地形は大きく変化している。丘の北側に大湾按司の墓があり、南側にウミナイ・ウミキーの墓がある。
ウフグヮン
大願。
- メモ
- 2月に字長浜で行う年初めの御願でニングヮチウフグヮンともいう。家庭から米1合ずつ徴収して、小さい餅を部落の子どもたち全員の分を作り、旧家の伊保・大殿内・玉井、瀬名波のヌンドゥヌチに供え御願した。その後に部落の子どもたちを旧家の中殿内に集めて餅を1個ずつ配った。
ウフゲー
豚などの胃。
- 用例
- ウヮーヌ ウフゲーヤ ヒティンナヨー(豚の胃袋は捨てるなよ)。
ウフゲンナー
怠け者。無精者。
- 用例
- ヰキガヌ ウフゲンナー ナテー ナランサ(男が怠け者になってはいけないよ)。
- メモ
- →アカヒチムン。
ウフサクバル
{大迫原}。座喜味の小字。
ウフサン
多い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ ユカイ ウフサン(君のは私の物よりかなり多い)。
- メモ
- →音1:ウーサン。
ウフシ
大きな岩。
- 用例
- ウフシヌ スバナカイ ミートーシ ヤサ(大きな岩の側に生えているのだよ)。
- メモ
- 類:シー。
ウフジ
祖父の兄弟。
ウフシバル
{大添原}。楚辺の小字。
ウフシンジュ
本墓。
- メモ
- →ウフバカ。
ウフスー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフスーグミ
渡具知の字行政組織。
- メモ
- 40代から60代の年長者で構成され、その中から村頭などの役員が選出された。
ウフスージ
{おおしゅうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- トーカチヤ ウフスージ ヤタンドー(米寿は大きな祝いだったよ)。ンナ アチマタレー ウフスージ ナトータン(皆集まったら大きなお祝いになっていた)。
- メモ
- →ウースージ。
ウフスディグヮー
袖の大きい着物。
- 用例
- クジリゴーシヌ ウフスディグヮー チチャン(崩れ格子の袖の大きい着物を着た)。
ウフソー
ぼんくら。要領が悪い。
- 用例
- ウンジョー ルク ウフソーナティ(貴方は余りにも要領が悪くて)。
ウフソームン
間抜けな人。そそっかしい人。
- 用例
- ウスソームンヤ チャー ヌーガラ ワシリティ ハイン(そそっかしい奴はいつも何か忘れて行く)。
ウフタヤードゥイ
大田屋取。
- メモ
- 字渡慶次集落から離れた海岸沿いにあるシチャバル(下原)屋取のこと。
ウフタンメー
曾祖父。
- 用例
- ウフタンメーヤ サンジンソー シムチン ヤタンヤー(曾祖父は三世相、書物繰りでもあったね)。
ウフチジャー
大豆。
- 用例
- ウフチジャーヤ マーヌ ヤーン イートータン(大豆はどの家庭にも植えられていた)。
- メモ
- 大豆は農家の常用タンパク質源である豆腐や味噌、醤油の原料に使われる作物として、豆類の中で一番多く栽培された。
大豆の種類にはオーヒグー・アンダー・ナチゲェー(シルチーともいう)があった。
トーマーミ(蚕豆)とウフチジャーは味噌や豆腐を作ったので、どこの家でも栽培していた。甘蔗収穫後の輪作物として栽培。
ウフヂネー
裕福な家。大所帯の家。
- メモ
- 音:ウフチネー。
ウフチブラー
頭が重いこと。頭がすっきりしなく気分が悪い様。
- 用例
- ヤナムン ンチ ウフチブラー ナトーン(嫌なものを見て気分が悪くなった)。
- メモ
- 音2:チブルゥンブー。
ウフチブラー
頭でっかち。
- 用例
- ルク ウフチブラー ナティ ルゲーイギサー ッシ(余りにも頭でっかちなので転びそうだ)。
ウフッチュ
大人。
- 用例
- ウビジ ウフッチュ ナティ ミーシララン ナトーサ(いつの間にか大人になって見違えてしまったね)。
- メモ
- 対:ワラビ(子ども)。
ウフトゥルバイ
ぼんやりすること。無反応。何を言っても反応がないくらいにぼんやりすること。
- 用例
- アンシ メーナチ ヌー ウフトゥルバイ ソーガ?(そんなに毎日何をぼんやりしているのか?)。
- メモ
- 音1:ウートゥルバイ。
ウフトーバル
{大当原}。都屋の小字。
ウフドーバル
{大当原}。波平、瀬名波の小字。
ウフドーバル
{大道原}。喜名、座喜味、渡慶次の小字。
ウフニーセーター
波平の字行政組織。
- メモ
- 36歳から55歳で構成された、部落行政の執行及び協議の任に当たった。その発言は大変尊重され、また、その中から4人の二才頭が選出された。
ウフニービチ
盛大な結婚式。
- メモ
- 音1:ウーニービチ。音2:ミジムイニービチ。
ウフヌスル
大泥棒。
- 用例
- チヌーヤ ウフヌスル カチミタンディサ(昨日は大泥棒を捕まえたそうだ)。
ウフヌメー
おふるまい。
- メモ
- 類:ウフルンメー。女の子の13祝いには豆腐、天ぷらなどウフヌメーだった。
ウフバーチー
伯母。
- メモ
- ウフンマー参照。
ウフハーフジ
曾祖父母。
ウフハーメー
曾祖母。
- メモ
- →ウフハーメー。
ウフバカ
本墓。
- 用例
- ヤーノー ウフバカ チュクイケーン(来年は本墓を造りかえる)。
- メモ
- 音2:ウフシンジュ。7歳からは本墓に埋葬された。
ウフバカイ
大秤。
- メモ
- 鉄の重石のついた秤で物をかける鉤がついており150斤くらいまで計れたが、それ以上は2つの秤を組み合わせて2人で棒を支えて計った。
物をのせる皿がついたクーバカイ(小さい秤)は15斤ぐらいまで計れた。どちらもヤマトゥバカイ(大和秤)と呼んだ。
ウフバタ
大旗。
- メモ
- 波平字民の慎み深い気質を象徴した旗で、戦前久米村の人に絵を描かせた。戦後は同様な絵を台湾の人に描かせた。
ウフハン
多い。
- 用例
- クジュヤカ クンドー カジェー ウフハタン(昨年より、今年は台風が多かった)。
- メモ
- 音1:ウフサン。→ウーサン。
ウフファーフジ
曾祖父母。
- メモ
- 類:ウフハーフジ。
ウフブシ
大節。
- メモ
- 琉球古典音楽で用いられる呼び方。
ウフマーチ
大きな松。
ウフミチ
大通り。
- 用例
- ウフミチカイ ゥンジーネー スグ ワカイサ(大通りに出たら直ぐに分かるよ)。
ウフムギ
大麦。
- 用例
- クンドゥヌ ウフムギヤ ディキトーンヤー(今年の大麦は豊作だね)。
- メモ
- 音1:ウフムジ。→ウームジャー。
ウフムジ
大麦。
- 用例
- ウフムジヤ ポーポー チュクタイ イーハンメー ナイタン(大麦はポーポーを作ったり食料としても重宝した)。
- メモ
- 音1:ウフムギ。→ウームジャー。
ウフムジャー
大麦。
- メモ
- →音1:ウームジャー。
ウフムニー
大口。はったり。
- 用例
- ウフムニー スシトー アタラン トー ナタレー ヒンギティヲゥラン(大口たたくわりにはいざとなると逃げていなくなった)。
ウフヤ
母屋。
- メモ
- ウフヤーともいう。昔の住居は母屋と台所が別東で寄り添った形で造られており、母屋部分をウフヤといった。
ウフヤー
本家。
- 用例
- ヌーガラ ハナシガ アンディグトゥ ムル スリティ ウフヤーカイ イチュン(何か話があるというから皆揃って本家に行く)。
ウフヤガー
井泉の名称。大屋井泉。
- メモ
- 字波平の屋号大屋が掘り当てたため、その名で呼ばれている。上流には滝があり、滝つぼは子どもたちの絶好の遊び場所で、シードーと呼ばれた。ここを通る水路がチビチリガマへ続いている。
ウフヤッサン
おとなしい。穏やか。
- 用例
- イャー ヲゥトー ウフヤッサンヤー(あなたの夫はおとなしいね)。
- メモ
- 類:ウェンダサン・エンダサン。
ウフヤッシー
おとなしい人。穏やかな人。
- 用例
- ワッター スーン ハーメーン イッペーヌ ウフヤッシー(私の父も母もとても穏やかな人だ)。
ウフヰキガ
大男。
- メモ
- 民話『黒金座主』に起因して、女児が生まれると「ウフヰキガ(大男)が生まれた」と、性別を逆にいう風習があった。
ウフヰナグ
大女。
- メモ
- 男児が生まれると「ウフヰナグ(大女)が生まれた」と性別を逆にいう風習があった。
ウフヰナグヌメー
ウフユビ
親指。
- 用例
- ウフユビ ターチ(親指二本)。
- メモ
- 類:ウヤイービ・ウヤイビ。
ウフイェーカ
近い親戚。
- 用例
- イャートゥ ワントー ウフイェーカドー(お前と私は近い親戚だよ)。
ウフルンメー
おふるまい。
- メモ
- 類:ウフヌメー。祝いの席で客人が召し上がるのはお吸い物、炒め物などのふるまい膳で、トーカチの祝い膳には、箱抜きしたご飯に御馳走も入れてふるまわれた。
ウフルンモーイ
びっくり仰天。
- 用例
- ユールユナカ ウビジニ アビラッティ ウフルンモーイ シチャン(夜、突然叫ばれてびっくり仰天した)。
ウフワタ
大きなお腹。
- 用例
- クェーティ ウフワタ ソーン(太って大きなお腹をしている)。
ウフワタ
豚などの大腸。
- 用例
- ウフワタヤ ウミンカイ アライガ イクタン(豚の大腸は海に洗いに行った)。
ウフワタ ソーン
大きいお腹をしている。妊娠している。
- 用例
- ワッター ヰナグングヮヤ ウフワタ ソーン(私の娘は妊娠している)。
- メモ
- 音2:ワタブトゥ ソーン。類:カフー ムッチョーン。
ウフワター
大食いな人。
- 用例
- イャーヤ アンシ ウフワター ヤル(お前はなんて大食いなのか)。
- メモ
- →アバラー。
ウフワタムン
大きいお腹の者。妊婦。
ウフウヮー
大きな豚。
- 用例
- ウフウヮーヌ ヲゥタンディサ(大きな豚がいたってよ)。
ウブン
ご飯。
ウブン
お盆。
- 用例
- ウブンカイ クヮーシ ムイタティー イリーン(お盆にお菓子を盛る)。
ウフンサク
見送り。
- 用例
- チュー タビカイ ハイル ヲゥジャサー ウフンサク ヒチクーワ(今日旅に出るおじさんを見送ってきなさい)。
ウフンマー
伯母。
- メモ
- ウフンマー参照。
ウホーク
多く。たくさん。
- 用例
- ヤーサラー ウホーク カミヨー(お腹がすいているならたくさん食べなさいよ)。ウホーク ナチ(いっぱい産んで)。
- メモ
- 類:チャッサキーン・ダッテーン・ダテーン・チャッサン・ンジャーリ・ダッテーン。対:イヒ・イフィ・ウフィ・クーテン(少し)。
ウマゴーシ
ヤブジラミ。
- 用例
- ウマゴーシン ヤナグサ ヤタンヤー(ヤブジラミも嫌な草だったね)。
ウマチー
行事名。御祭。
- メモ
- ウマチーは2月(麦の初穂)・3月(麦の収穫)・5月(稲の初穂)・6月(稲の収穫)に行われる。楚辺ではカミウクイ(神送り)と称して8月に、1年最後のウマチーを行った。ウマチーには物忌みとして針仕事や畑仕事をしてはいけないといわれた。また、この日は、一門、一族が宗家に集合し祖霊を拝み、一族の繁栄を祈願する。
ウマドードー
肩車。
- メモ
- 音2:カタドードー・ハイドードー・ユーイゥンマ。類:ガーターマーター・カタゥンマ・カタダーカー・マーターガーター・カーター・マータガーター・トゥンジャーマートゥー。
ウマヌ ワラインネー
馬が笑うように口を大きく開けて、歯を見せて笑うこと。
ウマリカー
そこら。その辺り。
- 用例
- ウマリカーヲゥティ アシドータンデー(そこら辺で遊んでいたよ)。
ウマリドゥシ
生まれ年。
- メモ
- 生まれた年の干支。12年ごとに巡ってくる年で厄年といわれている。
ウマリゥンマヌファ
生まれたままの姿。
- メモ
- 音2:ゥンマリシガタ。
ウマンチュ
万人。民衆。
- 用例
- ウマンチュヌ アチマイネー イークトゥン アサ(人々が揃うと良いこともあるさ)。
ウミ
海。
- 用例
- イーウヮーチチ ヤグトゥ ウミカイ アシビーガ イカナ(良い天気だから海に遊びに行こう)。
- メモ
- 対:アギ・ジギ(陸)。
ウミアーサ
海藻の一種。アオサ。ヒトエグサ(ヒトエグサ属)。
- メモ
- 和名の「アオサ」とは異なる。→アーサ。
ウミアッカー
漁師。
- 用例
- トゥヤーヤ イチマンカラヌ ウミアッカーガ ウーハタン(都屋は糸満からきた漁師が多kかった)。
- メモ
- 音:ウミアッチャー。類:ウミンチュー。
ウミアッチャー
漁師。
- 用例
- ウージャヤ ウミヌ チカサテーグトゥ ウミアッチャーガ マンドータン(宇座は海が近かったから漁師が多かった)。
- メモ
- 音:ウミアッカー。類:ウミンチュー。
ウミー
思い。思っていること。
- 用例
- イャームン ウミーン チチブサン(君の思っていることも聞きたい)。
ウミークトゥ
思うこと。
- 用例
- ウミークトゥヌ アレー イレーワ(思うことがあるなら話しなさい)。
- メモ
- 類:ウムクトゥ。
ウミータッチュン
思い立つ。意を決する。
- 用例
- ヌーガラシーニ ウミータッチュンディシェー イークトゥ ヤサ(何かをする時に、意を決するということはいいことだよ)。
ウミーチゲー
思い違い。
- 用例
- ウレー アリガ ウミーチゲール ヤル(それは彼の思い違いだよ)。
ウミードゥーイ
思い通り。
- メモ
- 音1:ウムイドゥーイ。音2:チムドゥーイ。
ウミーナヤムン
思い悩む。
- 用例
- アンシ ドゥーチュイシ イチマディン ウミーナヤムンナー?(そうやって一人でいつまでも思い悩むのか?)。
- メモ
- 類:ウミヤミー。
ウミーヌクスン
思い残す。
- メモ
- 類:ウムイヌクスン。
ウミーヌフカ
思いの外。
ウミーノースン
思い直す。
- 用例
- ユー カンゲーティ ウミーノースン(よく考えて思い直す)。
ウミーブカサン
思慮深い。
ウミーン
埋める。
- 用例
- クサリトーシェー ハルカイ ムッチ ゥンジ ウミーン(腐れているのは畑に持って行って埋める)。
否:ウミラン(埋めない)希:ウミーブサン(埋めたい)過:ウミタン(埋めた)継:ウミトーン(埋めている)。
- メモ
- →ウジュミーン。
ウミーゥンブサン
心が重い。
- 用例
- ワランチャークトゥ カンゲーイネー ウミーゥンブサンヤー(子どもたちのことを考えると心が重いね)。
ウミガーミー
魚介名。海亀〔ウミガメ〕。
- 用例
- ウミガーミミーヌ アギンカイ アガティ チョーン(ウミガメが陸に上がってきている)。
ウミガサ
化膿している出来物のこと。
- 用例
- ウミガサヌ グトゥ ヤリ フシガラン(化膿している出来物のように痛くてたまらない)。
ウミガシラ
海頭。
- 用例
- イクタイニンジュヌ ナカカラ ウミガシラ イラブン(数人の中から海頭を選ぶ)。
- メモ
- 漁をするときは数人でグループを組むことが多く、その中の中心になる人を海頭といった。
ウミカンダー
植物名。
- メモ
- 浜辺に生え、青々として食べられそうに見える植物だが、毒がある。
ウミガンチョー
水中眼鏡。
- 用例
- ウミガンチョー コーイガ イチュン(水中眼鏡を買いに行く)。
ウミキジ
魚取り。
ウミシージャ
大先輩。
- 用例
- ウミシージャンチャー(大先輩の方々)。
ウミシミーン
思い染める。強く心に思う。
- 用例
- ククルンカイ ウミシミトーテーガハン(心に強く思ったようだ)。
ウミジューコー
海焼香。海難事故や旅先で亡くなった人を、浜辺から遙拝すること。
- 用例
- ウミヲゥティ ヲゥランナイネー ウミジューコー ウサギーン(海で亡くなった人に対しては、浜辺で手を合わせた)。
- メモ
- 類:ハーマジューコー。
ウミジョージ
漁が上手な人。
- 用例
- シマナカイン ウミジョージシンカー マンドータン(字にも漁が上手な人は多かった)。
- メモ
- 主にひとりで、素潜り、投げ網、釣りで魚を取るのが上手な人のこと。
ウミダバル
{海田原}。喜名の小字。
ウミチーン
思い切る。断念する。
- 用例
- アン ナティル ヲゥグトゥ ナー ウミチーンテー(そうなった以上はもう断念するしかない)。
ウミチッチ
思いきって。思う存分に。
- 用例
- ナー アン ナレーカラー ウミチッチ ハマリヨー(もうこうなった以上は、思う存分に頑張りなさいよ)。
- メモ
- 類:ウミチットゥ。
ウミチットゥ
思いきり。思う存分に。
- 用例
- ウトゥルサー サンヨーイ ウミチットゥ チューク トゥンギヨー(怖がらずに思いきり強く飛びなさいよ)。
ウミチトゥ ニゲームッチュン(強く願う)。
- メモ
- 類:ウミチッチ。
ウミチムン
御三物。火の神。竈神。
- 用例
- ンカシェー ヒナカンヌンカイ ウミチムンディタンヤー(昔は火の神に、ウミチムン<かまどの神>といっていたね)。
- メモ
- 石3個から竈ができるので御三物の名があるという。→ウカマ・ヒヌカン。
ウミドゥイ
海鳥。海にいる鳥の総称。
ウミナーク
心おきなく。安堵する様。
- 用例
- ティーチナー ティーチナー シーウワティ ウミナーク ナタン(ひとつずつやり終えほっとした)。
ウミナイビ
王女。王の娘。
ウミナチョーラ
海人草〔カイニンソウ〕。マクリ。紅藻の一種。
- メモ
- ぎょう虫症や回虫症の虫下し薬として使われる。
ウミバーケー
漁場の取り合い。
ウミバク
漁師の道具入れ。
- メモ
- 釣り針、糸、小刀、錘、煙草などを入れる。
ウミハブ
爬虫類。ウミヘビ。
- 用例
- マックールソーシガ ウミハブヤサ(真黒いのが海蛇だよ)。
ウミハマイン
思いきり励む。没頭する。
- 用例
- トゥジ カメーテーティカラ ウミハマティ シクチ シワルナインドー(妻をめとったんだったら思いっきり励んで仕事しないといけないよ)。
ウミフージョー
漁に行く時に腰に下げて使う煙草入れ。
- 用例
- ウミフージョー ヒサギティ、ユールウミカイ イチュン(ウミフージョーを提げて、夜の海に行く)。
ウミミミジャー
ゴカイ。
- メモ
- 海の砂に入れて飼い、釣りのえさにした。
ウミメンナ
植物名。ルリハコベ。
- メモ
- →アラミンナー。
ウミヤミー
思い悩む。
- 用例
- イャーガ チャッサ ウミヤミーシン チャーン ナランサ(お前が思い悩んでもどうしようもないよ)。
チャーサレー マシガヤー ウミヤミ ソーン(どうしたらよいのか思い悩んでいる)。
- メモ
- ウミヤミともいう。
ウミユイ
気づかい。心づかい。
- 用例
- ワッター ユメー ウミユイヌ ユタサン(うちの嫁はよく気がつく)。
ウミンカキラン
思いもよらず。予想してない。
- 用例
- イャーガ チュー ケーティチューンディチェー ウミンカキランタン(お前が今日帰って来るとは良そうもしなかった)。
- メモ
- 音1:ウミンチキラン。音2:ウミンチカン。
ウミングヮ
お子さん。
- 用例
- ウンジュガ ウミングヮヌ アンシ ウジラーサヨー(貴方のお子さんのなんて可愛いことよ)。
- メモ
- 主人の子、または目上の人の子に対する敬称。
ウミンゾ
恋人の女性。
- 用例
- カナシ ウミンゾヨ(愛おしい女よ)。
- メモ
- 日常では使わず歌や芝居などで使った。
ウミンチカン
思いもよらず。予想してない。
- 用例
- アン ナインレー ウミンチカンタン(そうなるとは思いもしなかった)。
- メモ
- →ウミンカキラン。
ウミンチキラン
思いもよらず。予想してない。
- 用例
- ウンナクトゥンカイ ナインレー ウミンチキランタン(そういうことになるとは良そうもしなかった)。
- メモ
- →音1:ウミンカキラン。
ウミンチュー
漁師。
- 用例
- ンカシェー ハルサートゥ ウミンチューガ マンドータンヤー(昔は農民と漁師が多かったね)。
- メモ
- 類:ウミアッカー・ウミアッチャー・ウミンチュ。
ウミゥンマ
魚介名。タツノオトシゴ。
- 用例
- タツノオトシゴカイ ウミゥンマディ イータンヤー(タツノオトシゴにウミゥンマといっていたね)。
ウムイ カナワイン
思いが叶う。夢が叶う。
- 用例
- チャー マクトゥソーケー イチカー ウムイ カナワイン(いつも誠実であればいつかは思いが叶う)。
否:ウムイ カナワラン(思いが叶わない)過:ウムイ カナワタン(思いが叶った)継:ウムイカナワトーン(思いが叶っている)。
ウムイアタイン
思い当たる。
- 用例
- ヌーガラ ウムイアタイシガアンナー?(何か思い当たることがあるの?)。
否:ウムイアタラン(思い当たらない)。
ウムイウクスン
思い起こす。思い返す。
- 用例
- イクサユーヌクトゥ ウムイウクスン(戦争のことを思い起こす)。
- メモ
- 類:ウムイケースン。
ウムイケースン
思い返す。思い起こす。
- 用例
- ユルナー ナイネー ンカシヌクトゥ ウムイケースン(夜になると昔のことを思い返す)。
否:ウムイケーサン(思い返さない)希:ウムイケーシーブサン(思い返したい)過:ウムイケーチャン(思い返した)継:ウムイケーチョーン(思い返している)。
- メモ
- 類:ウムイウクスン。
ウムイドゥーイ
思い通り。
- 用例
- イャー ウムイドゥーイナトーグトゥ チムヒジョーサニ(お前の思い通りになったから気がすんだでしょう)。
ウミードゥーイ ナラン(思うようにならない)。
- メモ
- 音1:ウミードゥーイ。音2:チムドゥーイ。
ウムイヌクスン
思い残す。
- 用例
- チムヌウチン ウチアキラン ウムイヌクスンナー(心に思っていることも打ち明けずに思いを残すのか)。
否:ウムイヌクサン(思い残さない)過:ウムイヌクチャン(思い残した)継:ウムイヌクチョーン(思い残している)。
- メモ
- 類:ウミーヌクスン。
ウムイヌフカ
思いの外。予想外。
- 用例
- チューヌ ワジャー ウムイヌフカ ルーヤッサタンヤー(今日の仕事は思いの外容易かったね)。
ウミーヌフカ アチマトーン(思いのほか集まっている)。
- メモ
- 類:ウミーヌフカ。
ウムイン
思う。
- 用例
- イクチ ナティン ウヤヤ チャー クヮヌ クトゥル ウムインドー(幾つになっても親はいつも子どものことを思うんだよ)。
ウムカジ
面影。
- 用例
- ヰナグヌウヤトゥ アンシニチョール グナサイニヌ ウムカジガ アンヤー(母親とよく似ているね小さい頃の面影があるさ)。
ウムカジダチ
面影が浮かぶこと。
- 用例
- ゥンマカイ タッチーネー ヤッチー ウムカジダチ シ フシガラン(そこに立つと、兄さんの面影が浮かんでたまらない)。
ウムクトゥ
思うこと。
- 用例
- イャーヤ ウムクトゥヌ アティル ゥンマンカイ チェーサニ(君は思うことがあってここに来たんでしょう)。
- メモ
- 類:ウミークトゥ。
ウムサン
おもしろい。
- 用例
- チューヌ シバイヤ チヌーヤカ ウムサンディ(今日の芝居は昨日より面白いそうだ)。イッペー ウムサン(とても面白い)。
イッペー ウムッサ ヒチョータン(とっても喜んでいた)。
- メモ
- ウムッサンともいう。
ウムティ
表。
- 用例
- ウラカラ イランヨークー ウムティンカイ マーレー(裏から入らずに表に回りなさい)。
- メモ
- 対:ウラ(裏)。
ウムティジューグニン
表十五人。
- メモ
- 首里王府役人の呼び名。
ウムヤーグヮー
好きな人。恋人。
- 用例
- トゥシグル ナトーシガ ウムヤーグヮーヤ カメーティー?(年頃になっているが恋人は見つけたねぇ?)。
ウムヨーグヮー
ほんの少し。気持ちの分。かすか。おぼろげ。
- 用例
- ヨーイ ウムヨーグヮー ワキティ トゥラサンナー(ほんの少し分けてくれないか)。ウムヨーグヮール ウビトーンデー(おぼろげにしか覚えていないよ)。
- メモ
- 音2:ミークスヌウッピグヮー。
ミークスヌウッピやウムヨーグヮーに「ヨーイ」を入れることでさらに強調した意味合いを持つ。
ウムン
熟する。
- 用例
- ウヌ クガニーヤ ヤガテー ウムン(そのミカンはやがて熟する)。
ウメー
御前。若殿様。若様。
- メモ
- 芝居などで使われる。
ウメー
若様。殿様。
- 用例
- ナカジャトヌウメー(仲里の若様)。
ウメーシ
お箸。
- 用例
- ウメーシガ ティーチェー タラーングトゥ トゥティトゥラシェー(お箸がひとつ足りないから取ってくれ)。
- メモ
- 類:メーシ。
日常は屋敷内に生えている竹を折って使った。子が生まれたりお祝いの時には、お爺さん達が竹などを削って丁寧に作っていた。
ウモースカビ
三十三年忌に用いる仏の絵が描かれた赤紙。
- メモ
- 類:ティンジカビ。
仏の絵が描かれた紙。三十三年忌に死者を昇天させるための御願に使う紙。
ウヤ
親。
- 用例
- ウヤ ミーブサヌ ケーティチャービタン(親に会いたくて帰ってきました)。
ウヤヌウィーカラ クィーラランタンドー(親の頭越しに事を運べないよ)。
ウヤーメー
妻の実家への年頭の挨拶。
- メモ
- 新年の早い時期に御馳走をもって行った。
ウヤアンマー
演目名。親阿母。
- メモ
- 字瀬名波のアシビの演目。按司の口詠みといわれる独特な抑揚をもつ方言劇。
在番が八重山任地で親阿母(現地妻)との間に子どもまでできたが、任期切れで沖縄に帰ることになった時の別れをテーマにした劇。
ウヤイービ
親指。
- メモ
- 類:ウヤイビ。
ウヤイビ
親指。
- メモ
- 類:ウヤイービ。
ウヤウガミ
結婚後の実家への挨拶。
- メモ
- 音1:ウヤウガン。類:ミッチャソージ・ミッチャニービチ。
若夫婦が婚礼を終えた3日目に、ミシバーチに入れた御馳走を持って嫁の実家へ行った。実家では嫁側の親族が集まり、嫁側への披露を兼ねて小宴をした。これをウヤウガミ(親拝み)、ミッチャニービチあるいはミッチャスージともいった。家によっては、新郎の両親も行くところ、あるいは姑と嫁の2人だけで行くところもあった。
ウヤウガン
結婚後の実家への挨拶。
- メモ
- →ウヤウガミ。
ウヤウムヤー
親思い。
- 用例
- ルク ウヤウムヤーナティ シクチ ウワティカラ メーナチ ウヤヌ チラ ンジーガ ハイン(あまりにも親思いで仕事を終わってから毎日親の顔を見に行く)。
ウヤガナシー
親の尊称。
- メモ
- ウヤガナシともいう。
位牌祭祀で用いられることが多い。
ウヤギ
援助。補助。助け合いとして金品を提供すること。
- 用例
- イッター ヤーヌ シースビーネー ヌー ウヤギタレー マシヤガ(君たちの新築祝いには何を援助したらいいねぇ)。
- メモ
- 音:ウヤギー。
祝いなどに近しい人が前もって金銭や物品などを持ってくる援助。
生年祝いや結婚式などのウヤギーには豆腐を届けることが多かった。
ウヤギー
援助。補助。
- 用例
- イッター ヤーヌ シースビーネー ヌー ウヤギーガヤー(君たちの落成式には何を持って行こうかな)。
ウヤギーグヮー セーワ(援助しなさい)。
- メモ
- 音:ウヤギ。
ウヤギ参照。
ウヤクヮハン
親子の相性が悪い。
- 用例
- イッター ウヤックヮヤ アンシ ウヤクヮハン ディチンアル(君たち親子は、なんて親子の相性が悪いんでしょうね)。
- メモ
- 類:ウヤトゥクヮーサン。
赤子が泣き虫であったり体が弱いと、親子の相性が悪いということで、相を当てて近親者から仮親を持たせた。
ウヤコーコー
親孝行。
- 用例
- ウヤヌ カシーン カカサン イッペー ウヤコーコーナ ムン ヤン(親の手伝いも欠かさずにとても親孝行者だ)。
- メモ
- 対:ウヤフコー・ウヤヌコ-ハジリムン(親不孝)。
ウヤコヒリバル
{親子比利原}。喜名の小字。
ウヤシ
地名(読谷村親志)。
ウヤシバル
{親志原}。親志の小字。
ウヤシンチュ
親志の人。
ウヤチョーデー
親兄弟。
- 用例
- ウヤチョーデーン ヲゥラン、ヲゥジャサートゥ クラチョーン(親兄弟もいない、叔父さんと暮らしている)。
ウヤックヮ
親子。
- 用例
- ウヤックヮ フユーナムンナティ ニタカマンタールヤル(親子怠け者で似た者同士だよ)。
ウヤックヮムルックヮ
親子もろとも。
- 用例
- イクサユーニ ケーマーシーネー、ナー ウヤックヮムルックヮ マジョーンヤサディ ウムトータン(戦争中に死ぬ時は、もう親子もろとも一緒だと思っていた)。
ウヤトゥ クヮーサン
親子の相性が悪い。
- メモ
- 類:ウヤクヮハン。
子どもが体が弱かったり、夜泣きがひどい場合にそういった。その場合は、物知りやユタなどに相性をみてもらい身内から養い親を頼み、親交を深めた。
ウヤナサガサー
親をないがしろにする者。
- 用例
- ウヤナサガサー ナテー ナラン(親をないがしろにしてはいけない)。
ウヤニントゥ
実家へ年始回りに行くこと。親年頭。
ウヤヌグブラン
念仏歌のひとつ。
ウヤヌコー
親の孝。親孝行。
- 用例
- ウヤヌコーヤ ワシテー ナランドー(親孝行は忘れてはいけないよ)。
ウヤヌコーハジリムン
親不孝者。
- 用例
- アンソール ウヤヌコーハジリムンヤ ヲゥランドー(あのような親不孝者はいないよ)。
- メモ
- 類:ウヤフコー 対:ウヤコーコー(親孝行)。
ウヤヌックヮ
親の性格や特技などを受け継いだ子。
- 用例
- ソー ウヤヌックヮ ヤサ ソーヒチヌ マンニー ソーン(本当に良く似た親子で、性格がそっくりだ)。
ウヤヌフチュクル
親の懐。
- メモ
- 長男が7歳以下で夭折した時、親もしくは先祖と一緒に祀られることをいう。
ウヤヌヤー
親の家。実家。
- 用例
- ルク イチュナサグトゥ ウヤヌヤーカイヤ マルケーティナール イチースル(あまりにも忙しくて実家にはたまにしか行けない)。
ウヤビラチ
親開き。
- メモ
- 字瀬名波や渡具知では嫁乞いが承諾され、親兄弟がお礼に行った後に、男性本人が信頼する人を伴って相手方の家へお礼に行くことをいう。
ウヤファーフジ
上代の祖先。
- 用例
- ウヤファーフジヤ アガミランネー ナラン(上代の祖先は崇めないといけない)。
ウヤフコー
親不孝。
- 用例
- ティガミ ティーチン ウクラン ウヤフコーナ ムン ヤサ(手紙ひとつ送らない親不孝者だ)。
- メモ
- 類:ウヤヌコーハジリムン。対:ウヤコーコー(親孝行)。
ウヤフジ
祖先。
- 用例
- ウレー ウヤフジヌ クトゥル ヤル(それは近い祖先のことだよ)。
ウヤマ
地名(宜野湾市大山)。
ウヤマー
宜野湾の大山辺りから来た行商の女性。
- 用例
- ウヤマーガ、アチョールーシーガ チュータシェー(大山の行商の女性が、行商に来ていたさ)。
ウヤマイン
敬う。
- 用例
- チャー トゥシシージャヤ ウヤマイル スル(いつも目上の人は敬うんだよ)。
否:ウヤマラン(敬わない)希:ウヤマイブサン(敬いたい)過:ウヤマタン(敬った)継:ウヤマトーン(敬っている)。
ウヤマディー
迷子。
- 用例
- ウヤマディー ソーンドー(迷子になっているよ)。
ウヤメー
敬い。敬意。
- 用例
- シージャウヤメーン ディキトーン(年配を敬うこともできている)。
ウヤメークトゥバ
敬語。
- 用例
- シージャンチャーンカイヤ ウヤメークトゥバル チカインドー(先輩には敬語を使うんだよ)。
ウヤヰングミ
親が決めた縁組。
- 用例
- ンカシェー ムル ウヤヰングミル ヤル(昔はほとんど親が決めた縁組だよ)。
ウヤヲゥランヌー
みなしご。親のいない子ども。
- 用例
- イクサアトー ウヤヲゥランヌーン マンドータン(戦後はみなしごも多かった)。
ウユバラン
及ばない。
- 用例
- ヒサダカーシン アリンカイヤ ウユバランサ(背伸びしても彼には及ばないよ)。
ウユミ
{おりめ(折目)}。神仏に関する四季折々の節供。
- 用例
- ンカシェー ウユミニル クヮッチーヤ カマリータル(昔は四季折々の節句にしかご馳走は食べられなかった)。
- メモ
- 音1:ウイミ。「昔は芋と具の少ない汁だけの粗食だったので、節供を設け、供物の御馳走が食べられるようにしたとの伝承がある。
ウラ
裏。
- 用例
- ウラカイ マーレー(裏に回りなさい)。
- メモ
- 対:ウムティ(表)。
ウラーキーン
水に浸す。潤す。
- 用例
- マッカイ ウラーキーン(碗を水に浸ける)。
チム ウラーキーン(心が洗われる)。ヌーリー ウラーキーン(喉を潤す)。
ウラースン
あおる。
- 用例
- ヘーク シカキリディチ ウラースン(早く手がけなさいとあおる)。
過:ウラーチャン(あおった)継:ウラーチョーン(あおっている)。
- メモ
- 物事を早く進めるように急かす。
ウラースン
脅かす。
- 用例
- アンスカ チュ ウラースンチン アンナー(こんなに人をおどかすのか)。
ウラウッチュン
炊き上がったご飯の上下をかえして、ほぐすこと。
- 用例
- クメー ニートーグトゥ ウラウッチュン(ご飯が炊けているから裏返してほぐす)。
否:ウラーウッタン(ほぐさない)希:ウラウッチーブサン(ほぐしたい)過:ウラウッチャン(ほぐした)継:ウラウッチョーン(ほぐしている)。
- メモ
- ご飯が炊きあがったときに、しゃもじで下の方から持ち上げるようにしてほぐすこと。そのままにしておくと米と米がくっつき、ふっくらとした炊き上がりにならない。
ウラウムティ
裏表。
- 用例
- ウヌ ヌノー ウラウムティ ユーンリヨー(その布は裏表よく見なさいよ)。
ウラゲースン
裏返す。
- 用例
- ナーンカイ フーチェール ムスル ウラゲースン(庭に干してあるムシロを裏返す)。
否:ウラゲーサン(裏返さない)希:ウラゲーシーブサン(裏返したい)過:ウラゲーチャン(裏返した)継:ウラゲーチョーン(裏返している)。
ウラシークワンディー
長浜棒の型名。浦添小湾手。
- メモ
- 浦添小湾のカントーという人物が伝えたといわれる。
ウラジャ
民家の間取りのひとつ。裏座。
- 用例
- ミートゥンダ ウラジャヲゥティ ニントーン(夫婦裏座で寝ている)。
- メモ
- 客間の裏にある部屋。若者の寝室や、甕に入れた味噌や砂糖、種子などの保管場所にもなった。また二番座の裏手にあたる部屋は産室にもなった。
類:スルカ・クチャ・クチャジャー・スラッカ・スルカ・メーヌクサー。
ウラヌキムヌイー
皮肉なもの言い。当て付け。
- 用例
- イャーガ ムヌイーシェー ムル ウラヌキムヌイービカーン(お前の物言いはみんな皮肉な物言いばかりだ)。
ウラハゴーサン
毛嫌い。妬ましい。
- 用例
- イャーヤ ワンガ スシ アンスカ ウラハゴーサンナー(君は私のやることがそんなに嫌いなのか)。
- メモ
- これといった理由もなく、感情的に嫌うこと。
ウラミ
恨み。
- 用例
- チュカラ ウラミ コーテー ナラン(人から恨まれてはいけない)。
ウラミコーミ
恨みつらみ。
- 用例
- ヌーヌ ウラミコーミン ネーングトゥル スンドー(何の恨みもないように公平にするんだよ)。
ウラムン
恨む。
- 用例
- イャーヤ イチマディン ウラムンナー(お前はいつまでも恨むのか)。
ウラヤマサン
羨ましい。
- 用例
- ワッターグトゥシ ヒンスームンヤ チャー イェーキンチュヌル ウラヤマサンデー(私たちみたいな貧乏人はいつも金持ちが羨ましいよ)。
- メモ
- 類:ウラヤマハン・ウレーマサン。
ウラヤマハン
羨ましい。
- 用例
- チュヌムノー ウラヤマハンデー ウマーン(人の物を羨ましいとは思わない)。
- メモ
- 類:ウラヤマサン・ウレーマサン。
ウランダー
外国人の総称。
ウランダヤー
オランダ屋。
- メモ
- メソジスト教会のシュワルツ師が明治40年、那覇市安里に建てた宣教本部の呼称。
ウリ
それ。
- 用例
- ワンネー ウリ コーイサ(私はそれを買うさ)。
ウリ
ほら。それ。
- 用例
- ウリ サーター カメー(ほら、砂糖を食べなさい)。
ウリー
ほどよい雨で畑が潤おうこと。
- 用例
- イーアミ フティ ウリー ソーン(ほどよく雨が降って、畑が潤っている)。
ウリーシクチ
雨降り後の農作業。
- 用例
- アミフティアトゥヌ ウリーシクチヤ イチュナサタン(雨が降った後の農作業は忙しかった)。
- メモ
- 雨が降った後は畑も潤うので、芋や豆、サトウキビなどの作物の植え付けで休む間もなかった。
ウリーン
降りる。下りる。
- 用例
- ニーケーカラ シチャンカイ ウリーン(2階から下に下りる)。
ウリーン
売れる。
- 用例
- イー シナムンヤ ムットゥ ウリーン(良い品物は全部売れる)。
- メモ
- 【B】否:ウリラン(売れない)過:ウリタン(売れた)。
ウリウリ
ほらほら。おやおや。
- 用例
- ウリウリ マタ ハジマタシェー(ほらほらまた始まったよ)。
- メモ
- 類:ウネウネ。
ウリカー
その辺。
- 用例
- イッター ワラビヤ ウリカーカラ アッチョータサ(あなたたちの子どもは、その辺から歩いていたよ)。
ウリガー
湧口まで下りていく井泉。
- メモ
- 字高志保のメーヌカーがウリガーだった。
ウリカラ
それから。そして。
- 用例
- ワンネー ヘーク ケータシガ ウリカラ チャー ナタガ?(私は早く帰ったが、それからどうなったの?)。
ウリグチバル
{下口原}。高志保、楚辺の小字。
ウリグチバル
{降口原}。宇座の小字。
ウリクル
彼(彼女)自身。
- 用例
- チヌーヌ クトゥヤ ウリクルル シーヤンテール(昨日の事は彼自身が仕損じたんだよ)。
ウリタイヌブタイ
下りたり上ったり。
- 用例
- イクケーンル ウリタイヌブタイスラー ワカラン(何回下りたり上ったりするのか分からない)。
ウリダキ
それぐらい。
- 用例
- ウリダキ ソーシ(それぐらいのもの)。
ウリヒャー
ええっ。ほら。それみろ。
- 用例
- ウリヒャー! デージナトーン(ウリヒャー!大変なことになった)。
- メモ
- 類:ウネヒャー。
ウリヒャックヮイ
それ大変だ。他人の失敗などを冷やかしたりする時に発する語。
- 用例
- ウリヒャックヮイ ウリヒャックヮイ タローガル シェーンドー(それ大変だ、それ大変だ、太郎がやったんだよ)。
- メモ
- →アーイヤッカイ。
ウリムン
月経。初潮。
- メモ
- 類:チチヌムン。
ウルキーン
欠損する。損失する。
- 用例
- チュガ イーシ チカンネー ウルキーンドー(人が言うのを聞かないと、欠損するよ)。
ブッカトーキッシ ウルキトーシガ マンドータンドー(物価騰貴で損した人がいっぱいいた)。
- メモ
- 類:カブイン。
ウルク
地名(那覇市小禄)。
ウルクナイン
衰える。
- 用例
- チカグロー ミーン ウルクナトーン(最近は視力も衰えている)。
- メモ
- →ウトゥリーン。
ウルクンチュ
小禄の人。
ウルサン
生。十分に火が通ってない。
- 用例
- ウヌ シシェー ウルサヌ カマリヌ サコー アラン(その肉は生煮えで、食べられたもんじゃない)。
ウルシ
漆。
- 用例
- ウルシ ヌティ チャワン シアギーン(漆を塗って茶椀を仕上げる)。
ウルシマキ
漆かぶれ。
- 用例
- イャームン ティーヤ ウルシマキル ソーリー?(君の手は漆かぶれしているの?)。
ウルジンニシ
旧暦の2~3月頃。
- 用例
- ウルジンニシグル ケーイン(2、3月頃帰る)。
ウルジンベー
うりずんの頃の蠅。
- 用例
- ウルジンベーヌ マンリ デージ ヤタン(うりずんの頃には蠅が多くて大変だった)。
ウルニー
生煮え。
- 用例
- チャンリッパ ニリヨー ウルニー シミティカラヤー(ちゃんと炊きなさいよ、生煮えさせるなよ)。
ウルニーナマニー
生煮え。
- 用例
- ウルニーナマニーシ クヮーリーヌ サコー アラン(生煮えで食べられたもんじゃない)。
ウルルカナカ
驚くほど。
- 用例
- ウルルカナカ アカガタン(驚くほど明るくなった)。
ウレー スースー
それはさておき。
- 用例
- ウレー スースー イャーヤ ヌー シーガ チャガ(それはさておき、君は何をしに来たのか?)。
ウレー スースー
それはさておき。
- 用例
- ウレー スースー イャーヤ ヌー シーガ チャガ(それはさておき、君は何をしに来たのか?)。
ウレーマサン
羨ましい。
- 用例
- チュヌムン アンシ ウレーマサ サンケー(人の物をそんなに羨ましがるな)。
ウローシバル
{裏牛原}。渡具知の小字。
ウローハン
糸の細かい物。
- 用例
- アンシ ウローハル(なんて細かい糸なんでしょう)。
ウワイ
終わり。
- 用例
- ウリシ ウワイ サーニ アシビーガ イカ(これで終わりにして遊びに行こう)。
- メモ
- 対:ハジマイ(初め・最初)。
ウワイジューコー
三十三年忌の法事。終わり焼香。
- 用例
- ウヤンチャー ウワイジューコーン リッパ ウチナチ ナー ウミナーク ヤサ(両親の三十三年忌も立派に終えてもうほっとしたね)。
- メモ
- 類:サンジューサミ・サンジューサンニンチ・ウワイニンキ。
三十三年忌を済ませると故人が神になると信じられ、極楽に行けると考えられている。位牌札も裏返しにされ、参会者も祝儀袋を持ってきた。
ウワイニンキ
三十三年忌の法事。終わり年忌。
- メモ
- 類:ウワイジューコー・サンジューサミ・サンジューサンニチ。
参会者のおばあさんたちは花織を着て、べっ甲のかんざしを差していた。25年忌や33年忌には、そういうおばあさんたちが来て必ず太鼓を鳴らして歌った。
ウワイン
終る。
- 用例
- ウッサヌ シンカ アチマトーグトゥ チューヲゥティ ウワイン(大勢の人が集まっているから今日で終わる)。
ジカヌン ネーングトゥ ヘーク ウワレー(時間もないから 早く 終わりなさい)。
否:ウワラン(終わらない)希:ウワイブサン(終わりたい)過:ウワタン(終わった)継:ウワトーン(終わっている)。
- メモ
- 類:スビナイン。対:ハジマイン(始まる)。
ウン
恩。
- 用例
- ヲゥジャサー ウンヤ フルイーティン ワシンナヨー(叔父さんの恩は大きくなっても忘れるなよ)。
- メモ
- 音1:ウンジ。
ウングトゥ
そんなに。そのように。
- 用例
- イャーヤ ウングトゥ シチン チムヒジュンナー(君はそのようにしても納得できるのか)。
ウングトゥ ヒチン ワジャンナインナー(そのようにしても仕事ができるか)。
ウングトール
そんな。そのような。
- 用例
- ハッサヨー! ウングトールクトゥン アタル(はぁーもう!そんなこともあるか)。
ヌークィン マンドールムン ウングトールムン ヰーンナー?(何でもいっぱいあるのにそんな物を貰うのか?)。
ウングトールー
そのようなもの。そのようなこと。
- 用例
- ウングトールーン アテーサヤー(そんなものもあったんだね)。
ウングトールーヤ ヌーンカイン チカーランシガ(そんなものは何にも使えないよ)。
ウンケー
7月13日の旧盆に祖霊を迎えること。
- 用例
- ウンケーネー ンナ スリティ ファーフジンチャー ンケーイン(ウンケーには皆揃って御先祖を迎える)。
- メモ
- 仏壇に祖先が食したといわれるアダニやクニブの実などと、祖霊の足を洗うためのソーローボーチ、供物を運ぶために使うガンシナやグーサンヲゥージを供えてお迎えの準備をする。夕方、門の両脇にトゥブシを点けて家族全員で祖霊を迎え、夕飯には仏壇にウンケージューシーとウンケーダーグを供える。
ウンゲーシ
恩返し。
- 用例
- ウヤンカイヌ ウンゲーシェー チャーシ サレー マシ ヤガヤー?(親への恩返しはどうすればいいのかな?)。
ウンケージューシー
7月13日のウンケーに供える雑炊。
- 用例
- ウンケージューシーン ナトーラー ヘーク ウサギレーワ(ウンケージューシー雑炊もできているなら早く供えなさい)。
- メモ
- ウンケーに供える雑炊はクファジューシーと呼ばれる沖縄風の炊き込みご飯である。
ウンケーダーグ
祖霊を迎えるウンケーに供える団子。
- 用例
- ウンケーネー ウンケーダーグン ウサギリヨーヤー(ウンケーには団子も供えなさいよ)。
- メモ
- 類:ウンケームーチー。
ウンケーに供える、小さな丸い団子で、餅米がないときは黍や粟を使うこともあった。
ウンケームーチー
祖霊を迎えるウンケーに供える餅。
- 用例
- ウンケームーチーヤ カーサンカイ ナラビティ ダーグ チュクイタン(ウンケームーチーは月桃の葉に並べて団子を作った)。
- メモ
- 類:ウンケーダーグ。
ウンサク
神酒。
- 用例
- ウンサク ウサギーン(神酒を差し上げる)。
- メモ
- ヌンドゥンチで3日前に米を炊いて作った。摺った米を発酵させて作るが、発酵の際に泡立つ様子をワチョーンと表現した。
前日で漬けておいた糯米をサーフン(すり鉢のような器)で摺って、時間が経ち泡が立って酸っぱくなる頃合いにウンサクヤ ワチョーミ(ウンサクはわいているか?)と聞かれたら、火にかけて砂糖で味を整えた。
ウンサクトゥイ
神行事の際の役名。神酒取り。
- メモ
- ウマチーの際にノロを接待するために選出された15、6歳の青年2人の役名。
ノロの接待をするために15、6歳の青年から優秀な2人を選定しウンサクトゥイという役目に当てた。ウンサクトゥイが神酒を作って神アサギへ持って行き、部落の使丁2人と一緒にノロを接待する。ウンサクトゥイは卵を剥いたり、ご飯を炊いたりする仕事が主だった。
ウンジ
恩義。
- 用例
- アリンカイ タヌミーネー ウンジ カンシラリーン(彼に頼んだら恩を着せられる)。
ウンジ ウクイガヤー(恩義を返すかな)。
ウッピグヮーヌ ムン ヰーティ ウンジ カンジュンナー?(そんな小さいのを貰って恩義を感じるの?)。
- メモ
- 音1:ウン。
ウンジャマ
台所の裏側の物置。
- 用例
- ウンジャマンカイ ンスガーミ ウッチェーン(台所の裏側の物置に味噌甕を置いてある)。
ウンジュ
あなた。
- 用例
- ウレー ナー ウンジュガ イミシェール トゥーイ ヤイビーサ(それはもうあなたがおっしゃる通りですよ)。
ウンジュター
あなた方。
- メモ
- 音1:ウンジュナー・ウンジュナーター。
→ウンジュナー。
ウンジュナー
あなた方。
- 用例
- ワッターガー キミーサングトゥ ウンジュナーシ キミティ シマビンドー(私たちでは決めることが出来ないので、あなた方で決めていいですよ)。
- メモ
- 音1:ウンジュター・ウンジュナーター。類:ナッター・ニッター。
ウンジュナーター
あなた方。
- メモ
- 音1:ウンジュナー・ウンジュター。
→ウンジュナー。
ウンジョームサー
毛虫。
- 用例
- ウンジョームサー サーイネー ドゥーイッペー ヰーゴーク ナイタン(毛虫を触ると体中痒くなった)。
ウンダ
鳥名。ウズラ。
- メモ
- 音:ウンラ。
ウンダーキー
ブランコ。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョン ウンダーキーンカイ ヌティ アシダン(友達と一緒にブランコに乗って遊んだ)。
ウンタキ
この高さ。
ウンダヌクーガ
うずらの卵。
- 用例
- ハルヲゥティ ウンダヌクーガ カメータン(畑でうずらの卵を見つけた)。
ウンダバル
{恩田原}。喜名の小字。
ウンチ
運気。運勢。
- 用例
- チュヌ ウンチヤ ドゥーニル アル(人の運は自分にあるんだよ)。
ウンチェー
空芯菜。エンサイ。よう菜。
- 用例
- シムヌ スバカイ ウンチェー イーテータン(台所の傍に空心菜を植えてあった)。
- メモ
- 類:ウンチェーバー。
ウンチェーバー
空芯菜。エンサイ。よう菜。
- 用例
- ウンチェーバーヤ チュクイ ヤッサンドー(空心菜は作り易いよ)。
ウンチェーヤ ヤーヌクサーカイ ダテーン ミートータン(エンサイは家の後にたくさん生えていた)。
- メモ
- 類:ウンチェー。
ウンチェーマーグー
着物をだらしなく着ている様。
- 用例
- ウンチェーマーグー ヒチ フージン ネーン(着物をだらだら着てみっともない)。
ウンチェームン
拝借物。
- 用例
- ウンチェームン サビラ(拝借させてください)。
ウンチェームン ナイガスラ(拝借できるかな)。
ウンチケー
お招き。ご案内。
- 用例
- アンマー ヘーク ウンチケーシックヮー(お母さんを早くお連れして来なさい)。
チュケートゥナイ ウンチケーシ スージサビーティー(隣近所ご招待してお祝いしましたか)。
トートーメー ウンチケー スン(位牌をお連れする移動する)。
ウンチュー
叔父。小父。
- メモ
- 音:ヲゥンチュー。
類:ヲゥジャサーグヮー・ウンチューグヮー・ヲゥチューグヮー。
ウンチューグヮー
叔父。小父。
- メモ
- 音:ヲゥンチューグヮー。
ウンチュー参照。
ウンチョービ
御髪。髪型のひとつ。
- 用例
- ウンチョービディ イーネー カタカシラテー(ウンチョービというのは男性の髷のことだよ)。
- メモ
- 音:ウンチョービー。
ウンチョービー
髪の結い方の一種。
- メモ
- 音:ウンチョービ。
ウントゥー
そのようなもの。
- 用例
- ウントゥールーン アルバーイ(そんなものがあるのか)。
ウントール
そのような。
- 用例
- ウントール ビョーキン アルバイ(そんな病気もあるのか)。
ウンナ
そんな。
- 用例
- ウンナ ムンビカーン コーティッチ アンマーンカイ ヌラーリーンテー(そんな物ばっかり買ってきて、お母さんに叱られるよ)。
ウンナグラーグヮー
大きいバッタ。台湾バッタ。
- 用例
- マギハヌ マージェーンカイ ウンナグラーグヮーディ イータサ(大きなバッタにウンナグラーグヮーといっていた)。
ウンナクンナ
そんなこんな。
- 用例
- ワランチャーヤ ウンナクンナ シーガーチール フルイーティ イチュルヨー(子どもたちはそうこうしながら成長していくんだよ)。
ウンナゲーン
長いこと。久しいこと。
- 用例
- ウンナゲーン チュ マタチ(そんなに長いこと人を待たせて)。
- メモ
- 音2:チャンナゲー・ナゲーサ・ナゲーダ・
ウンナバー
そんな時。
- 用例
- ウヤンチャー ヲゥラン ウンナバール アシバリル(両親がいないからそんな時に遊べるんだよ)。
ウンニー
その時。
- 用例
- アレー ウンニーカラル チガトール(彼はその時からおかしくなっているんだよ)。
アンシェー ウンニーニ ムッチ チューサ(それならその時に持って来るよ)。
ウンニングル
その頃。
- 用例
- ウンニングローヤー(その頃はね)。
ウンヌカタ
母方の血筋。
- 用例
- ヲゥバマーヤ ウンヌカタル ヤル(叔母さんは母方だよ)。
ウンヌカティナービラ
お話ししましょう。
- 用例
- チュクトゥバ ウンヌカティナービラ(お話ししましょう)。
ウンヌキービラ
お話ししましょう。
ウンヌキーン
申し述べる。話す。
- 用例
- チャーシ ウンヌキタレー ユタサイビーガヤー?(どのように申し述べたらよろしいんですかね?)。
否:ウンヌキラン(申し述べない)希:ウンヌキーブサン(申し述べたい)過:ウンヌキタン(申し述べた)継:ウンヌキトーン(申し述べている)。
ウンヌキヤビラ
お話ししましょう。
ウンネー
その時に。
- 用例
- ウンネー マルヤキ シチャン(その時に丸焼けになった)。
- メモ
- 類:ウンニー。
ウンネール
そのような。そのように。
- 用例
- チヌーヤ ウンネール クトゥン アタルヤー(昨日はそんなこともあったね)。
ウンブイコーブイ
ふらついている様。
- 用例
- ウンブイコーブイ ッシ アブナサヌ(ふらついて危ない)。
ウンラ
ウズラ。
- 用例
- アマヌ ハルンカイ ウンラガ シーチュクテーン(あそこの畑にうずらが巣を作ってある)。
- メモ
- 類:ウンダ。
きじ科の小鳥で、以前は民家の近くに畑も多かったので、草地などでよく見かけた。
ウヮー
豚。
- 用例
- スーヤ ウヮー コーイガ イチュタン(父は豚を買いに行った)。
ウヮーアッカサー
種豚業者。雌豚に種付けさせるために、雄豚を道から歩かせる。
- 用例
- ブチグヮー ムッチ、ウヮーアッカサーヌ ヲゥタンドーヤー(鞭を持って、種豚を歩かせて雌豚に種付けさせる人がいたよね)。
ウヮーアンダ
豚脂。ラード。
- 用例
- タマナートゥ トーフ、ウヮーアンダッシ イリケー(キャベツと豆腐を、豚の脂で炒めなさい)。
- メモ
- 音:ウヮーアンラ。
ウヮーアンラ
豚脂。ラード。
- 用例
- ウヮーアンラ タリトーン(豚脂を作っている)。
- メモ
- 音:ウヮーアンダ。
ウヮーカー
上の皮。外皮。
- メモ
- 芭蕉の外皮から取る粗い芭蕉糸で死装束を仕立てた。
ウヮーガチ
上書き。
- 用例
- ワームヌン、ウヮーガチ カチトゥラシェー(私のも、上書きを書いてちょうだい)。
ウヮーガヤ
肥料を作るための茅。
- メモ
- 類:クェーガヤ。
家畜小屋と台所の間に掘った穴に茅を入れて肥料を作った。
ウヮーカラヤー
豚を飼っている人。養豚業者。
- 用例
- チチャサカイン ウヮーカラヤーガ ヲゥタン(近くにも養豚業者がいた)。
ウヮーカンカー
行事名。悪除け行事。豚カンカー。
- メモ
- →カンカー。
伊良皆の旧2月のカンカーは豚を屠った。
ウヮークルサー
屠殺業。豚を潰す者。
- 用例
- ソーグヮチメー ナイネー、ウヮークルサーヤ イチュナサタンドー(正月前になると、屠殺業は忙しかったよ)。
ウヮークルシー
行事名。正月前に豚を潰すこと。
- 用例
- ウヮークルシーネー、ワッタン スバヲゥティ ンチョータン(豚を潰す日には、私たちも側で見ていた)。
- メモ
- 旧12月27日か28日に正月用の豚を潰した。余裕のある家は豚を一頭潰したが、そうでないところは何軒かで一頭を潰した。その日はクビジリー(首肉)と大根を一緒に煮たものを夕飯として仏壇に供えた。
ウヮークルシビーサ
正月用の豚を潰す旧12月27日、28日頃の寒さ。
- 用例
- ウヮークルシビーサディチ、ウニーマングラー ヒーク ナイタンドー(ウヮークルシビーサといって、その頃は寒くなったよ)。
ウヮーグヮーカンラー
植物名。ハマヒルガオ。浜ひるがお。
- 用例
- ハーマカイヤ、ウヮーグヮーカンラーガ ウホーク ミートータン(浜辺には、浜ひるがおが多く生えていた)。
ウヮーグヮーコーンソーリー
子どもの遊びのひとつ。
- 用例
- ウヮーグヮーコーンソーリーッシ アシダシガ、ミーンカイ ミールグトゥル アル(「ウヮーグヮーコーンソーリー」といって遊んだのが、目に見えるようだ)。
- メモ
- 子どもを横にして背中に回し、首と足を左右の手で抱えて、「ウヮーグヮー コーンソーリー(豚を買って下さい)」と言いながら遊ぶ。
ウヮーグヮーニンジ
雑魚寝。
- 用例
- アサギヲゥティ ウッサヌ シンカヌ ウヮーグヮーニンジ ソーサ(離れで大勢の人が雑魚寝をしているよ)。
- メモ
- 子豚が入り乱れて寝ている様子に似ていることからそういわれた。→ウサーマートゥーニンジ。
ウヮーグヮーマジムン
豚の妖怪。
- 用例
- アマヌ シーヌ トゥクルンカイ ウヮーグヮーマジムンヌ、ゥンジトータンディ(あそこの岩の所に、豚妖怪が出ていたそうだ)。
- メモ
- 真っ暗な夜道を歩いている時に、ウヮーグヮーマジムンが出て道を塞いだりしたという話がある。
ウヮーグヮーマチ
豚市。
- メモ
- 嘉手納にあった。
ウヮークンジー
ウヮークルシーの前日に豚を縛ること。
- 用例
- ウヮークンジーネー、アマクマカラ ウヮーヌ ナチギーガ チカリータン(ウヮークンジーには、あちこちから豚の鳴き声が聞こえた)。
- メモ
- 正月前の旧12月27日になると、ほとんどの家でウヮークルシーといって正月用の豚を潰すが、その前日に豚を豚小屋から出して縄で縛っておいた。
ウヮーサー
豚を扱う者、またはその店。
- 用例
- カデナーヌ ウヮーサーヲゥティ、シシ コーティ クーワ(嘉手納の肉屋で、豚肉を買ってきなさい)。
ナマー ナー、ウヮーサーディチン イキラク ナティヤー(今はもう、豚を売買する人も少なくなったね)。
ウヮージー
よそ行きの着物。
- 用例
- ウヮージーヤ ネーン、チュカラル カイタル(よそ行きの着物はなくて、人から借りたんだよ)。
- メモ
- 音2:ウヮージギン・ウヮージヂン。
ウヮージギン
よそ行きの着物。
- 用例
- ウヮージギンヤ イチメール アル(よそ行きの着物は1枚しかない)。
- メモ
- 音2:ウヮージー・ウヮージヂン。
ウヮージヂン
よそ行きの着物。
- メモ
- 音2:ウヮージー・ウヮージギン。
ウヮーシナラーシ
闘牛の手合わせ。
- メモ
- 初めの頃の闘牛は特に日を決めず、月に1回はやっていた。今のように勝負を決めるものではなかった。
ウヮーシバ
上唇。
- 用例
- シシ カムンディチ、ウヮーシバ カンチッチャン(肉を食べようとして、上唇を噛んでしまった)。
ウヮースン
追加する。補う。
- 用例
- ウッサ ヤレー ワンガ ウヮースン(それだけなら私が補う)。
否:ウヮーサン(補わない)希:ウヮーシーブサン(補いたい)過:ウヮーチャン()継:ウヮーチョーン(補っている)。
- メモ
- 類:ウギミーン。
ウヮースン
闘わせる。
- 用例
- ウシ ウヮースン(闘牛をする)。
ウシ ウヮーシーガ イチュン(牛を闘わせに行く)。
ウヮータ
カエルやトカゲの総称。
ウヮータ
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
ウヮータバイ
滑稽〔こっけい〕な歩き方。
- メモ
- →アータバイ。音1:アータバイ。
ウヮーチキ
天気。
- 用例
- アンシ チューヤ イー ウヮーチキ ヤル(なんて今日は良い天気なんでしょう)。
- メモ
- 音1:ウヮーチチ。類:チンチ。
ウヮーチチ
天気。
- 用例
- チューヤ イー ウヮーチチ ナトーグトゥ アライムヌン ユー カーラチュサ(今日は良い天気だから洗濯物も良く乾くさ)。
- メモ
- 音1:ウヮーチキ。→ウヮーチキ。
ウヮーチナムン
偉ぶっている人。知ったかぶりをする人。
- 用例
- ウヮーチナムン ナイネー、ドゥシンチャーカラ シカン サラリンドー(偉ぶっていると、友達から嫌われるよ)。
ウヮーチムヌイー
偉ぶった言い方。知ったかぶり。
- 用例
- ウヮーチムヌイービカーン シーネー、アトゥカラ デージナインドー(知ったかぶりばかりすると、後で困るよ)。
ウヮーナイ
やきもち。嫉妬。
- 用例
- ウヌ ワラベー ルク ウヮーナイ ッシ、フシガラン(その子はあまりにやきもちをやいて、どうしようもない)。
- メモ
- 音1:ウヮーネー。
男女間の嫉妬には言わない。
ウヮーナイクヮーナイ
嫉妬する様。やきもちをやく様。
- 用例
- クヌ ワラベー ウヮーナイクヮーナイ ッシ、ウヤカラ ティーチン ハナリラン(この子どもはやきもちをやいて、親からちっとも離れない)。
- メモ
- 子どもが親を誰かに取られはしないかと、常に親にくっついて離れない様。
ウヮーヌイ
上塗り。
- 用例
- ナー チュケーン ウヮーヌイ シーネー、ユクン チュラク ナイサ(もう一回上塗りをすると、もっときれいになるよ)。
ウヮーヌイー
豚の胃液。
- 用例
- ウヮーヌイーヤ クスインチ、マーヌ ヤーン ウッチョーチュタン(豚の胃液は薬だといって、どこの家でも取っておいていた)。
- メモ
- 豚を潰す際に胃液を乾燥させて保存した。腹痛にはそれを削って飲んだ。
ウヮーヌウトゥゲー
豚の頤〔おとがい〕。
- メモ
- 豚を屠殺〔とさつ〕したあと魔除けとしてつり下げた。
ウヮーヌシーバイヂチン
豚の膀胱。
- メモ
- 音2:シーバイブクル。
ウヮーヌシシ
豚肉。
- 用例
- ウヮーヌシシヤ スーチキティ ウチョーチュン(豚肉は塩漬けにしておく)。
- メモ
- 類:シシ。
ウヮーヌシバ
豚の舌。
- 用例
- ウヮーヌシバヤ ソーグヮチ アキティ、ミッチャヌシークニ イリチャー ッシ カムタン(豚の舌は正月が明けて、ミッチャヌシーク〔三日節句〕に炒めて食べた)。
ウヮーヌチー
豚の血。
ウヮーヌナンカ
豚の初七日。正月7日の節供のこと。
- メモ
- 正月前に潰した豚の初七日に当たることで、そう呼んだ。
ウヮーヌヒサ
豚足。
- メモ
- 音2:ヒサブニ。
出産間近に豚足を食すると子どもが健康になるといわれた。
ウヮーヌマーイ
豚の膀胱を膨らませて毬代用にしたもの。
- 用例
- ソーグヮチネー、ウヮーヌマーイ チュクティ アシブタン(正月には、ウヮーヌマーイを作って遊んだ)。
- メモ
- 正月前に潰した豚の膀胱を、足で踏みしだきうすく伸ばした。それに竹の棒を差し込み、そこから息を吹き込んで膨らませた。
ウヮーヌムン
豚の餌。
- 用例
- ユサンリ ナイネー、ヘーベートゥ ウヮーヌムン クヮースタン(夕方になったら、早めに豚の餌をやった)。
ウヮーヌヤー
豚小屋。
- 用例
- ウンナゲーン、ウヮーヌヤーヲゥティ ヌー ソーガ?(そんなに長いこと、豚小屋で何をしているの?)。
- メモ
- 音2:フールヤー。
ウヮーネー
やきもち。嫉妬。
- 用例
- フンデー スシェー ウヮーネー ヤサ(甘えるのは、やきもちやいているんだよ)。
- メモ
- 音1:ウヮーナイ。
ウヮーバ
余計。でしゃばり。おせっかい。
- 用例
- イャーガ ソーシェー、ウレー ウヮーバ ヤサ(お前がやっていることは、それはおせっかいだよ)。
ティマ ウヮーバニ ヰータン(手間賃を余計にもらった)。
- メモ
- 類:ウヮーバイ。
ウヮーバイ
余計。でしゃばり。おせっかい。
- 用例
- ヌガ ウレー ウヮーバイル ヤサイ(なぜ、それは余計なことでしょう)。
- メモ
- 類:ウヮーバ。
ウヮーバイジン
余計な金。払わなくてもいい余計な支出。
- 用例
- ウヮーバイジン ゥンジャスンナー(余計な金を出すのか)。
ウヮーバグトゥ
余計なこと。しなくてもよいこと。
- 用例
- チャッサ ヒマ ヤグトゥディチ、ウヮーバグトー サンケー(暇だからといって、余計な事はするな)。
ウヮーバクヨー
{ぶたばくろう(豚博労)}。豚の売買、斡旋をする者。
- 用例
- ウヮーバグヨーヤ モーキシクチ ヤタン(豚博労は金が稼げる仕事だった)。
ウヮーバサーバ
余計なこと。でしゃばり。おせっかい。
- 用例
- ウヮーバサーバ ッシ、チュヌクトゥカイ クチ ゥンジャチ(でしゃばって、人のことに口出しして)。
ウヮーバシクチ
余計な仕事。
- 用例
- チョー イチュナサレー、ウヮーバシクチビカーン ムッチ ッチ(人が忙しい時に、余計な仕事ばかり持って来て)。
- メモ
- 類:ウヮーバワジャ。
ウヮーバヂケー
浪費。無駄使い。
- 用例
- モーキトーティン、ウヮーバヂケーヤ サンヨークー ジノー タミトーキヨー(儲けていても、無駄使いはせずに、金は貯めなさいよ)。
ウヮーバムン
余計なもの。
- 用例
- ジン ムタシェー、ウヮーバムンビカーン コーティッチ チャー スガ?(金を持たせたら、余計な物だけ買って来てどうするか?)。
ウヮーバユンタ
余計なおしゃべり。
- 用例
- ゥンマヲゥティ、ウヮーバユンタ ソーシェー ター ヤガ?(そこで、余計なおしゃべりしているのは誰か?)。
- メモ
- 音2:フリユンタク。
ウヮーバワジャ
余計な仕事。
- 用例
- ウレー ウヮーバワジャ ヤサ(それはやらなくてもいい仕事だよ)。
- メモ
- 類:ウヮーバシクチ。
ウヮービ
上。上の方。
- 用例
- ゥンマカイ ヰシカカトーチーネー、ウヮービカラ ニムチヌ ウティティ チューンドー(そこに座り込んでいたら、上から荷物が落ちてくるよ)。
- メモ
- →イー。
ウヮービー
晴れ着。
ウヮーヒギ
口髭。
- 用例
- ウヮーヒギガ ユー ニアトーン(口ひげがよく似合っている)。
- メモ
- 音1:ウヮーヒジ。
ウヮーヒジ
口髭。
- 用例
- ウヮーヒジ ミーラチャレー、ゥンブラーシク ナトーン(口ひげを生やしたら、威厳が出てきた)。
- メモ
- 音1:ウヮーヒギ。
ウヮービヂラー
上っ面な人。
- 用例
- ウヮービヂラーシェー ヌーン ナランサ(うわべだけでは何もできないよ)。
ウヮービビレー
うわべ付き合い。
- 用例
- イェーカンチャートー、ウヮービビレー ヤティン サンネー(親戚とは、うわべ付き合いだけでもしないと)。
ウヮーフーチ
豚の疫病。
ウヮーフール
豚小屋兼便所。
- 用例
- コーティ チェール ウヮーヤ「サンバッチウヮー ナチ トゥラシンソーリ」ンチ、ニガティ、ウヮーフールンカイ イリータンドー(飼ってきた豚は「300斤の大きな豚に成長させてください」と願って、豚小屋に入れたよ)。
- メモ
- →フール。
不動神が宿っており魔除けの場所とされていた。夜、出先から帰ってくると、ヤナカジやヤナムンを祓う為にフールに行って豚を起こし、着物をパンパンはたいてから家に入った。
ウヮーフグヤー
豚の去勢をする人。またそれを業とする者。
- 用例
- ウヮーガ クリラン マール、ウヮーフグヤー タヌムン(豚が発情する前に、去勢をする人を頼む)。
ウヮーボーイ
外出用の防寒着。
- メモ
- 無地の木綿の袷で大きめに作られていた。
ウヮーミシー
豚見せ。
- 用例
- フールヤ ムンヌキムンディチ、アカングヮガ ゥンマリティ ナージキーニン ウヮーミシー スタン(豚舎は魔除けの力があるとして、赤子が生まれて命名の儀式にも豚を見せた)。
- メモ
- 赤子の命名の儀式の時、火の神を拝んだ後に、豚小屋に連れて行き、魔除けとして赤子に豚を見せた。その時に豚が寝ていると必ず起こした。豚小屋には神様がいて、いかなる魔物でも払い除けることができると信じられた。
ウヮーリーン
追われる。
- 用例
- インカイ ウヮーリーン(犬に追われる)。
ウィー
上。
- メモ
- →音1:イー。
ウィーサワカサ
老いも若きも。
- 用例
- ウィーサワカサ スリトーン(老いも若きも集まっている)。
ウィージュン
泳ぐ。
- メモ
- 音1:イーグン・イージュン・ヲィージュン。
ウィーチバル
{上地原}。上地の小字。
ウィーデーウヤファーフジ
上の代の先祖。
ウィーデーグヮンス
上の代の祖先。
ウィーバル
{上原}。伊良皆の小字。
ウィーマースン
追い回す。執拗に追い回すことにもいう。
- 用例
- ヰキガンチャンチャーンカイ ウィーマーサットーン(男たちに追い回されている)。
否:ウィーマーサン(追い回さない)希:ウィーマーシーブサン(追い回したい)過:ウィーマーサッタン(追い回された)継:ウィーマーチョーン(追い回している)。
- メモ
- 音1:ウーイマースン。
ウィーリキサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- ウィーリキサ シ(喜んで)。
- メモ
- 音1:イーリキサン・イールキサン・イリキサン・イリキハン。 →イーリキサン。
ウィーン
老いる。
- 用例
- アヌ チョー イャーヤカ ウィーティ ミーッサー(あの人はお前より老けて見えるなあ)。
アンマーヤ アッタニ ウィートーン(お母さんは、急に老けている)。
- メモ
- 音1:イーン。
ウィーン
植える。
- メモ
- 音1:イーン。
ウェーカ
親類。親戚。
- メモ
- 音1:イェーカ。
ウェーガー
親川。座喜味の井泉の名。
- メモ
- →イェーガー。
ウェーキ
富。財産。金持ち。
- メモ
- →ウェーキ。音1:イェーキ。類:ジンムチ。
ウェーキンチュ
金持ちの人。
- メモ
- →イェーキンチュ。類:ジンムチ。
ウェーク
櫂〔かい〕。
- メモ
- 音1:イェーク・エーク。宇座にはウェーク棒という櫂を使う勇壮な武術があった。
ウェーウェー
おいおい。声をあげて泣いている様。
- 用例
- イチマディ ウェーウェー ナチュガ(いつまで声を上げて泣いているのか)。
ウェーウェーニンジュ
ウェーウェー人衆。
- メモ
- 伊良皆の旧12月末に行うナナマールの行事に、13歳から15歳の男子が「ウェーウェー」と泣き声をあげたり、ワイワイと騒ぎながら字の発祥7軒を廻ったことから、そう呼ばれている。→ナナマール。
ウェンダー
温厚な人。
- メモ
- 音1:イェンダー。音2:イェンダープー。
ウェンダカリガー
座喜味の湧泉の名称。
- メモ
- 集落の北西側に住むウェンダカリ(イリンダカリ)の人たちが主に利用したカー。
ウェンチュ
鼠〔ネズミ〕。
- メモ
- →イェンチュ。
ウェンチュ
ネズミ。鼠。
- メモ
- 音1:イェンチュ・ウェンチュ。
ウェンチュヌミーミー
植物名。天人花〔テンニンカ〕。
- メモ
- 類:テーニー。
フトモモ科の常緑小低木。
ウェンミ
降参。詫び。戦いに負けて、相手に屈服すること。
- メモ
- 音1:イェンミ・エンミ・ヱンミ。
ウェンミバル
{親見原}。大湾の小字。
ゥンガニ
吃音。
- 用例
- ゥンガニ スグトゥディチ、ウシェーテー ナラン(どもるからって、馬鹿にしてはいけない)。
- メモ
- 音1:ゥンジャニ。
ゥンジ ヤカ
地名(金武町伊芸と屋嘉)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ゥンジーグチ
出口。
- 用例
- ゥンイーグチカラル ゥンジーンドー(出口から出るんだよ)。
- メモ
- 音1:ゥンジリグチ。→イジクチ。
ゥンジーハナ
出端。
- 用例
- ジョーカラ ゥンジーハナ、クルマガ トゥーティ ハイタン(門から出たとたんに、車が通って行った)。
ゥンジーン
出る。
- 用例
- ナマカラ フカンカイ ゥンジーン(今から外に出る)。
否:ゥンジラン(出ない)希:ゥンジーブサン(出たい)過:ゥンジタン(出た)継:ゥンジトーン(出ている)。
- メモ
- 対:イーン(入る)。
ゥンジタイイッチャイ
出たり入ったり。
- 用例
- ウマヲゥティ ゥンジタイイッチャイ、ヌー ソーガ?(そこで出たり入ったり、何をしているの?)。
ゥンジタッチュン
出発する。
- 用例
- ゥンジタッチュンリ シーネー(出発しようとすると)。
ゥンジファ
出羽。舞台に登場する方向。
- メモ
- →対:イリファ(入羽)。
ゥンジャスン
出す。
- 用例
- タラーン ブノー ワンガ ゥンジャスン(足りない分は私が出す)。
インヌヤーカラ イン ゥンジャスン(犬小屋から犬を出す)。
否:ゥンジャサン(出さない)希:ゥンジャシブサン(出したい)過:ゥンジャチャン(出した)継:ゥンジャチョーン(出している)。
ゥンジャナー
吃音症。どもり。
- 用例
- ワッター ワラビヤ ンジャナー ナティ シワ ヤッサー(私の子はどもりで心配だよ)。
ゥンジャニ
吃音。
- 用例
- ゥンジャニ スッサー(どもるなあ)。
ンジャニ スヌ チョー アワティラカチェー ナランドー(どもりをする人を急かしてはいけないよ)。
- メモ
- 音1:ゥンガニ。
ゥンジャニ
遺言。
- 用例
- ウレー ウヤヌ ゥンジャニヤグトゥ マムラントー ナラン(それは親の遺言だから、守らないといけない)。
- メモ
- →イーゥンジャニ。
ゥンジュ
植物名。イジュ。
- 用例
- ゥンジュヤ アマクマヌ ヤマナカイ サチョーン(イジュはあちこちの山に咲いている)。
- メモ
- 音:イジュ。
ゥンジリグチ
出口。
- 用例
- クラサヌ ミーランシガ、ゥンジリグチヤ マー ナトーガヤー(暗くて見えないが、出口はどこになっているのかな)。
- メモ
- 音1:ゥンジーグチ。→イジクチ。
ゥンジリメー
出費。
- 用例
- シングヮチヤ ゥンジリメーヌ ウーサヌ、スーテーン ムッタン(4月は出費が多くて、経済が持たない)。
ゥンナギ
魚介名。魚介名。鰻〔ウナギ〕。
- 用例
- ゥンナギディシェー、カレー ンランサ(ウナギというのは、食べたことがないよ)。
- メモ
- 音1:ゥンナジ。
ゥンナジ
魚介名。鰻〔ウナギ〕。
- メモ
- 音1:ゥンナギ。
ゥンナビー
砕米〔さいまい〕。
ゥンナビーメー
砕米を炊いた飯。
ゥンニ
稲。
- 用例
- ハルカイ、ダテーンヌ ゥンニヌ マジマットータン(畑に、たくさんの稲が積まれていた)。
ゥンニウルシ
稲下ろし。
- メモ
- タントゥイはゥンニウルシ(稲下し)のウユミで、「タントゥイ ヤイビーンドー(種取ですよ)」と、ご飯と汁物を供えた。
ゥンニマジン
稲むら。
- メモ
- 類:チュマジン。
ゥンバギー
産飯。出産祝いに炊く飯。
- 用例
- ボージャー モーキティ、ダテーン ゥンバギーン ニチューンドー(赤子が生まれて、たくさんの産飯を炊いてあるよ)。
- メモ
- 音2:ゥンバギーメー。
大量に炊いた産飯は最初に集落内の妊婦に配り、その後に親戚や隣近所の人たちに配った。産飯を多くの人に食べてもらうと赤ちゃんが健やかに成長するといわれた。
ゥンバギーメー
産飯。出産祝いに炊く飯。
- 用例
- ゥンバギーメー ムッチ チェービンドー(産飯を持ってきました)。
- メモ
- →ゥンバギー。
ゥンバシ
クワズイモ。
- メモ
- →ハチコーゥンム。
ゥンバシガーサ
クワズイモの葉。
- メモ
- →ヰーゴーガーサ。
ゥンバンジューシー
料理名。雑炊。
- 用例
- シングヮチハチカーネー ゥンバンジューシー ヰナグンチャーンカイ ティデータンドー(シングヮチハチカーには女たちに雑炊をごちそうしたよ)。
- メモ
- 旧4月20日に青年たちが娘たちに雑炊をふるまい交流した。
ゥンビラ
調理用具名。
- メモ
- ゥンムニーを作る時に煮た甘藷を潰す大きなしゃもじのような道具。
ゥンブガー
産井戸。産水〔うぶみず〕を汲む湧泉〔ゆうせん〕。
- 用例
- アカングヮヌ ゥンマリーネー、ゥンブガーカラ ミジ クリ ッチ アミシータン(赤子が生まれると、産井戸から水を汲んできて浴びせた)。
- メモ
- ゥンブガーは各集落にあり、産水・産湯あるいは死に水にも用いる重要な井泉。産湯として用いるためそう呼ばれるが、他に名称がある場合も多い。家庭で井戸を掘って初めにゥンブガーの水を入れると、その井戸の水はゥンブガーと同じと考えられ若水を汲むことができた。
ゥンブギン
産着。
- 用例
- ナー ユークル ナシメー ヤルムンヌ、ゥンブギン ターチミーチェー シコートーケー(もうそろそろ出産も近いから、産着の2、3枚は準備しておきなさい)。
- メモ
- 音1:ゥンブヂン。
生後すぐは胞衣を取り除くために芭蕉布でくるみ、生後2、3日から1週間は女性の下着やボロ布などでくるんだ。まだ生まれていない子の着物を作るものではないとされ、出産前のおしめや産着の準備を嫌った。
ゥンブクィン
溺れる。
- 用例
- フカサヲゥティ イージーネー ゥンブクィンドー(深い所で泳ぐと溺れるよ)。
否:ゥンブクラン(溺れない)過:ゥブクタン(溺れた)継:ゥンブクィトーン(溺れている)。
ゥンブサー
料理法。汁気を少なくして炊いたもの。蒸し煮。
- 用例
- アサバノー トーフゥンブサー チュクテーン(昼ご飯はトーフゥンブサーを作ってある)。
- メモ
- 音1:ゥンブシー。
ゥンブサン
重い。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ ユカイ ゥンブサンレー(その子どもはかなり重いよ)。
アンシ ゥンブサルヤー(なんて重いんだろう)。
- メモ
- 対:ガッサン(軽い)。
ゥンブシ
重し。
- 用例
- チキムン チキーグトゥ ゥンブシ ウチキトーチュン(漬物を漬けるから、重しを置いておく)。
ゥンブシー
料理法。蒸し煮。
- メモ
- 音1:ゥンブサー。
ゥンブスン
蒸す。
- 用例
- シンメーナービンカイ ムチ ゥンブスン(大鍋に餅を蒸す)。
否:ゥンブサン(蒸さない)希:ゥンブシーブサン(蒸したい)過:ゥンブチャン(蒸した)継:ゥンブチョーン(蒸している)。
ゥンブスン
蒸す。ふかす。
ゥンブヂン
産着。新生児に着せる着物。
- 用例
- ナー ユークル ナシメー ヤグトゥ、ゥンブヂン シコーイン(もうそろそろ出産前だから、産着を準備する)。
- メモ
- 音1:ゥンブギン。→ゥンブギン。
ゥンブニー
重い荷物。
- 用例
- ワラビンカイヤ ゥンブニーヤ ムタスナ(子どもには重い荷物は持たせるな)。
ゥンブボージ
生後初めて散髪した赤子の産毛。
- メモ
- 類:ボージナディー・ヒンガンボージャー・ミーチボージャー。
庚の日の満潮時に、朱色の紙で封した酒瓶を飾り、桃の葉とゲーン(すすきを結んだもの)を赤子の頭上で3回まわし、祖母が鋏と剃刀で産毛を3回切った。
ゥンブミジ
産湯。
- 用例
- ナー ヤガテー ゥンマリーガタードー ゥンブミジェー シコーラットーミ?(もうやがて生まれそうだよ、産湯は準備できているねぇ?)。
ゥンブラーサン
重々しい。貫禄がある。
- 用例
- アヌ チョー アンシ ウブラーサルヤー(あの人はとても貫禄があるね)。
ゥンブリーン
蒸れる。蒸されるように暑い。
- 用例
- チューヌ アチサヤ ゥンブリーンデー(今日の暑さは蒸れるようだ)。
ゥンベーイン
化膿〔かのう〕する。
- 用例
- ヒサカイ ゥンジトーヌ ニーブターガ ゥンベーイン(足にできているおできが化膿する)。
ヒージャージル カミーネー ゥンベーインドー(ヤギ汁を食べると傷が悪化するよ)。
継:ゥンベートーン(化膿している)。
- メモ
- 類:レースン。
ゥンベーイン
酔っ払う。
- 用例
- ナー ゥンベートールムヌナー(もう酔っ払っているのにな)。
- メモ
- 類:ヰン・ヰーン・ヲィーン。
ゥンベーイン
うめる。水やお湯を足す。薄める。
- 用例
- アチサグトゥ イフィ ミジ ゥンベーイン(熱いから少し水を足す)。
サキグヮーンカイ ミジ ゥンベーレー(酒に水をたしなさい)。
- メモ
- 類:ウスミーン・クベーイン。
ゥンベーグスイ
はれ物や傷口を化膿〔かのう〕させる薬、食べ物。
- 用例
- ヒージャーヤ ゥンベーグスイドー(山羊は食べると傷を悪化させる食べ物だよ)。
ゥンマ
馬〔ウマ〕。
- 用例
- タンメーヤ ゥンマンカイ ヌティ、ハルマーイ シンシェータン(お爺さんは馬に乗って、畑回りをなさっていた)。
ゥンマ
そこ。そちら。
- 用例
- ゥンマカラ アッチュシェー、ウンチューグヮーヤ アランナー?(そこから行くのは、叔父さんじゃないの?)。
ゥンマアミシグムイ
馬を浴びせる溜池。
- メモ
- 各字に馬を水浴させるためのクムイがあった。
ゥンマガ
孫。
- 用例
- ワンネー ルクニンヌ ゥンマガガ ヲゥン(私は6人の孫がいる)。
ゥンマガザキ
孫のふるまい酒。
- メモ
- 孫のいる61歳以上で亡くなった人の場合、葬式後墓庭から外に出ると参会者に遺族が酒をふるまった。
ゥンマクルサー
馬を屠殺する者。
- メモ
- 老いた馬や使えなくなった馬を屠殺した。畑もない困窮者が従事することが多かった。
ゥンマグヮー
ゾウムシ。
- 用例
- ゥンマグヮー スーブ シミータン(ゾウムシを勝負させて遊んでいたよ)。
- メモ
- 類:ユーナギマヤーグヮー・ユナギーパッパー。
ゥンマザキ
馬酒。他字から嫁取りをする男性が嫁側の青年たちに支払うお金。
- 用例
- ゥンマザキン ゥンマディマトー ユヌムン ウヌ ジノー ニーシェーガ チカイタン(馬酒も馬手間と同じように、そのお金は青年会が使った)。
- メモ
- 類:ゥンマディマ・ミチカイディマ・ホージシ。
昔は部落内婚が主で、他部落へ嫁ぐのを嫌う風習が強く、他部落へ嫁ぐ場合には当時のお金で5~20円のゥンマザキが課せられた。
ゥンマスーブ
馬勝負。琉球競馬。馬の脚並みの美しさを競う競技。
- メモ
- 類:ゥンマハラセー、ゥンマハラシー。
馬の走る脚並みの美しさを競った。競争は二頭ずつで競ったが、通しての順位は決めなかった。審査員が見えない所で、早足で走らせる者もいた。審査員はベテランの人たちがやった。
ゥンマスンカー
馬曳き。
- メモ
- ノロの子ども逹がノロの馬の手綱をもち、他の人にはさせなかった。
ゥンマチーヂン
祭りに着る着物。
ゥンマヂラー
石女。
- 用例
- ワッター ユメー ゥンマヂラー ヤシガ、チモー ターヤカ ディキトーン(私たちの嫁は子どもはできないが、心は誰よりもできている)。ワッター アバーヤ チュイ ゥンマヂラー ヤタン()。
- メモ
- 類:ゥンマヂリ・ゥンマヂリムン。
ゥンマヂリ
石女。
- 用例
- ンカシェー クヮナサンヌーカイ、ゥンマヂリディ イタサ(昔は子どもができない人に、ゥンマヂリといっていたさ)。
- メモ
- 類:ゥンマヂラー・ゥンマヂリムン。
ゥンマヂリムン
石女。
- メモ
- 類:ゥンマヂリ・ウマヂラー。
ゥンマディマ
馬手間。他字から嫁取りをする男性が嫁側の青年たちに支払うお金。
- 用例
- タシマカイ ユミ ナティ イチーネー、ゥンマディマ トゥラリータン(他部落に嫁に行くと、馬手間が課せられた)。
- メモ
- 類:ゥンマザキ・ミチカイディマ・ホージシ。→ゥンマザキ。
ゥンマドゥシ
午年。
- 用例
- ヤーノー ゥンマドゥシ ナトーン(来年は午年だよ)。
ゥンマニー
兄嫁。
- 用例
- ワッター ゥンマニーヤ イハカラル チョーンドー(うちの義姉さんは伊平屋から嫁してきたんだよ)。
ゥンマヌイイシ
馬乗り石。足踏石。
- 用例
- ヌンドゥンチヌ スバナカイ ナマン ゥンマヌイイシヤ ヌクトーン(ノロ殿内の側に今も馬乗り石が残っている)。
- メモ
- 音2:アシブミイシ。
楚辺ではその昔、ノロ殿内から金銀の飾りつけをした神馬がアシビナーまで来た。馬乗り石に横付けすると、ノロがその石を使って馬に乗り降りした。
ゥンマヌイドゥクル
ノロが馬に乗る場所。
ゥンマヌイドゥシ
乗馬仲間。
ゥンマヌイバカマ
馬乗り袴。
- メモ
- 騎手はゥンマヌイバカマと称する袴と、上半身はクンジーにたすき掛け、白の鉢巻、履き物は履かず竹(鞭)を持っていた。
ゥンマヌインジバル
{馬乗原}。座喜味の小字。
ゥンマヌシシー
馬肉。
- メモ
- チーシマシグスイ(血をきれいにする薬)と言われた。
ゥンマヌチミ
馬の蹄〔ひづめ〕。
- 用例
- ハンジャンカイ ゥンマヌチミー クマスン トゥクルヌ アタンヨ(波平に馬の蹄鉄をつける所があったよ)。
ゥンマヌチミクマサー
蹄鉄業。馬の蹄鉄〔ていてつ〕をつける職業、またその人。
ゥンマヌチュ
午年生まれの人。
- 用例
- ゥンマヌチュガ アチマティ スージ スン(午年生まれの人が集まってお祝をする)。
ゥンマヌトゥチ
午時。牛の刻。正午。
ゥンマヌファ
午の方角。
- 用例
- ゥンマヌファンカイ アティティ、フニ ハラセー(午の方角に向かって、船を走らせなさい)。
ゥンマヌファヌミフシガナシ
午の方向の御星加那志。南のお星さま。
- メモ
- 類:ゥンマヌファブシ。
祈願の際、唱える言葉のひとつ。
ゥンマヌファブシ
午の方向の星。
- メモ
- 類:ゥンマヌファヌミフシガナシ。
ンマヌファぬ星は後生、死んだ人をおさめる。
ゥンマヌヤー
馬に乗る者。騎手。
- メモ
- 馬主は、勝負強いゥンマヌヤーに頼んだ。
ゥンマヌヤー
馬小屋。
- 用例
- ナマン ゥンマヌヤーンカイル ヲゥンナー?(まだ馬小屋にいるの?)。
ゥンマバクヨー
{うまばくろう(馬博労)}。馬の売買を専門にする者。
ゥンマバサン
昆虫名。クワガタムシ。
ゥンマバサンギー
クワガタが集まる木。
ゥンマバチャー
クマバチ。
- 用例
- ゥンマバチャーンカイ ササッタン(クマバチに刺された)。
ゥンマハラシー
琉球競馬。
- メモ
- 類:ゥンマスーブ・ゥンマハラセー。
夏に5、6回行われたが、冬は製糖などで馬を使うので行なわれなかった。中部はもちろん今帰仁、国頭県下から100頭以上集まることもあった。
ゥンマハラセー
琉球競馬。
- メモ
- 馬の足並みなど乗馬技術の美しさや、飾り立てた馬の姿の美しさを披露した。
ゥンマビットゥー
馬筆頭。琉球競馬の役員。
- 用例
- ゥンマハラセーヌ ヤクミンカイ、ゥンマビットゥーディ イータン(競馬の役員に、ゥンマビットゥーといっていた)。
- メモ
- 馬が場内を2~3周するのを見て、足が慣れてきたかどうかの判断をして、競技を開始した。
ゥンマブ
馬夫。ノロの乗る馬の手綱持ちの仕事。
- メモ
- ノロに供する馬。
ゥンママチ
馬牧。牧場。
- メモ
- 類:ゥンマヰー。
牧原は当初大湾地番で、琉球王が乗る馬を育てる所でゥンママチだった。
ゥンマミー
馬見。競馬見物。
- 用例
- カタノーンカイ ゥンマミーガ イチュタン(渡慶次カタノーへ競馬を見に行った)。
- メモ
- 旧6月25日の渡慶次カタノー馬場では、他村や他字からも親戚の方々が来るので、接待に使うために大人は海へ出て魚を取りに行った。子どもたちは出店目当てで朝から遊びに出た。
ゥンマミーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- 用例
- ゥンマミーヂンディチ クンジー シコータンドー(競馬見物用に紺地の着物を新調した)。
- メモ
- 音2:カタノーヂン・アブシバレーヂン。
ゥンマミグイ
馬巡り。鑑識眼や情報量をもっている人が、頻繁に家畜の売買を繰り返すこと。
- メモ
- →ウシミグイ。
ゥンマメー
民俗芸能のひとつ。馬舞。
- メモ
- 高志保のムラアシビで演じられる。6人の踊り手と太鼓打ち1人で、アシビやめでたい席で演じられていた。京太郎の門付け芸の流れを汲むものといわれている。
ゥンマヰー
馬場。牧場。
- 用例
- ゥンマヰーカラ ゥンマ ンジャチ アシバスル ゥンマヰーグヮーヌ アタルバー(牧場から馬を出して遊ばせる馬場があったわけさ)。
- メモ
- 類:ゥンマヰー・ゥンマヰーグヮー・ゥンママチ。
かつて読谷には各地に馬場がありンマハラセー(馬勝負、競馬)が盛んに開催された。喜名ゥンマヰー、渡慶次カタノー、楚辺ガニクなどが有名で多くの見物客を集めた。
ゥンマヰーグヮー
馬場。馬を遊ばせる馬場。
- 用例
- ゥンマヰーカラ ゥンマ ゥンジャチ アシバスル ゥンマヰーグヮーヌ アタルバー(牧場から馬を出して、遊ばせる馬場があったわけさ)。
ゥンマリ
生まれ。生まれつきの性格。天性。
- 用例
- アレー、ウヌ ゥンマリ ヤサ(彼は、そういう生まれつきのの性格だよ)。
ゥンマリーン
生まれる。
- 用例
- チューネー ボージャー ゥンマリーンテー(今日こそ赤子が生まれるでしょう)。
否:ゥンマリラン(生まれない)過:ゥンマリタン(生まれた)継:ゥンマリトーン(生まれている)。
ゥンマリカー
その辺り。
- 用例
- イャーヤ、ゥンマリカーヲゥティ マッチョーケー(君は、そこら辺で待っておきなさい)。
ゥンマリカワイン
生まれ変わる。
- 用例
- ワンネー ヰキガンカイ ゥンマリカワイブサン(私は男に生まれ変わりたい)。
ゥンマリシガタ
生まれたままの姿。
- 用例
- ゥンマリシガタヤ ムル ユヌムンル ヤタシガヤー(生まれた時は皆同じ姿だったのにね)。
- メモ
- 音2:ウマリ ゥンマヌファ。
ゥンマリジマ
生まれ島。故郷。
- 用例
- トゥシ トゥイネー、ゥンマリジマカイ ケーインディチル ヤンデー(年を取ったら、生まれ島に帰るつもりだよ)。
ゥンマリドゥシ
生まれ年。
- 用例
- スーン アンマーン、クンドー ゥンマリドゥシ アタトーンドー(お父さんもお母さんも、今年は生まれ年だよ)。
- メモ
- 十二支の干支での生まれ年で、生まれてから12年毎に巡ってくる。
ゥンマリビー
誕生日。
- 用例
- ウスメー ゥンマリビーネー、ムル アチマラヤー(おじいさんの誕生日には、皆で集まろうね)。
ゥンマンクマン
どこもかしこも。
- 用例
- ゥンマンクマン、ムル ニチョーシービカーン(どこもかしこも、全部似たものばかりだ)。
ゥンミ
膿〔うみ〕。
ゥンミー
姉。姉さん。
- 用例
- ウヤー ヘーク ヲゥラン ナティ、ゥンーミーガ ウヤガワイ ヤタン(親が早くに亡くなったので、姉が親代わりだった)。
- メモ
- 上の姉はゥンミー、下の姉はゥンミーグヮーと呼んだ。→アバー。
ゥンミーグヮー
姉。姉さん。次姉以下の姉。
- メモ
- →ゥンミー。
ゥンム
芋。さつまいも。
- 用例
- チューヤ、スートゥ ゥンム フイガ イチュン(今日は、お父さんと芋を掘りに行く)。
ゥンム
轂〔こしき〕。車輪の心棒を差し込む中央部分。
- メモ
- 馬車の車輪の心棒を差し込む所で鋳物がはめられていた。
ゥンムアギー
芋天ぷら。皮を剥いだ生芋を油で揚げたもの。
- 用例
- ゥンムアギーヤ アンダヌ ネーン チュクランタン(芋天ぷらは油がなくて作らなかった)。
ゥンムイリキ
芋炒め。蒸かした芋を適当な大きさに切って、鍋に油をひいて塩味をつけて焼いたもの。
- 用例
- アーシーネー ユー ゥンムイリキ ヒチ カムタン(3時のおやつには、よく芋炒めをして食べた)。
ゥンムウジン
芋を入れるお膳。
- メモ
- 食事の時に芋を盛るのに用いた。
ゥンムウスー
甘藷御主。野国総管のこと。
- メモ
- ンムウフスー、ウムシューともいう。
ンムウスーとは、琉球に甘藷をもたらした野国総管のことで、読谷村各地に遙拝所があり、その功績に感謝し野国総管の墓がある嘉手納水釜方向に遙拝するところが多い。
ゥンムウスーウガン
甘藷御主御願。行事名。琉球に甘藷をもたらした野国総管の功績に感謝する行事。
- メモ
- 類:ンムウフスーウガン・ンムウスースーコー。ンムウスーも参照。
古堅では旧暦3月巳の日にンムウスーモーから水釜にある野国総管之墓へ遙拝した。チーチーメー(麦と米を混ぜたおにぎり)を配った。
ゥンムウスースーコー
芋御主焼香。行事名。琉球に甘藷をもたらした野国総管の功績に感謝する行事。
- メモ
- 伊良皆では旧3月3日にヒールーモーへ甘藷を持っていき野国総管の墓に向かって拝んだ。
喜名ではメーヌマーチョーといわれる場所に明治期に石碑を建立し清明祭に拝している。
ゥンムウフスー
甘藷御主。
- メモ
- 音2:ゥンムウスー、ウムシュー。→ゥンムウスー。
ゥンムウヤー
芋売り。
ゥンムガー
芋の皮。
- 用例
- ウヮーヌムン タリーグトゥ、ゥンムガーヤ ヒティンナヨー(豚の餌に混ぜ込むから、芋の皮は捨てるなよ)。
ゥンムガーアチミヤー
芋の皮を集める人。
- メモ
- 養豚家が豚の餌にするため、各家で捨てられる主食の芋の皮を集めてまわった。
ゥンムガーヤチ
今川焼。メリケン粉を水で溶いて中に餡を入れた和菓子。
- 用例
- スーガ ゥンムガーヤチ コーティ チャンドー(お父さんが今川焼を買って来たよ)。
ゥンムカシ
甘藷から澱粉を取った後の滓。
- 用例
- ゥンムカシヤ、ウホーク チュクティ タブトーチュタン(ゥンムカシは、たくさん作って保存した)。
- メモ
- 非常食として保存した。
ゥンムカシナントゥー
料理名。甘藷澱粉を作った残りかすで作った餅。
- メモ
- 煮芋に甘藷澱粉を作った残りかすと黒糖を混ぜて平たくしたものを月桃の葉にのせて蒸した。
ゥンムカシポーポー
菓子名。甘藷澱粉を作った残りかすで作った菓子。
ゥンムカシメー
料理名。甘藷から澱粉を取った残りかすを乾燥させ、臼でひいて粉にして米飯代用にしたもの。
- メモ
- ゥンムカシを粉にしたものとあり合わせの野菜を入れて炊いた。
ゥンムクジ
甘藷から取った澱粉。甘藷澱粉。
- 用例
- ゥンムクジン ダテーンナー チュクティ タブイタン(ゥンムクジもたくさん作って保存した)。
- メモ
- 甘藷をすりつぶして水に溶かし、沈殿したものを乾燥させて作る。保存食として用途も多く、大変重宝された。
ゥンムクジアンダーギー
菓子名。ゥンムクジ〔甘藷澱粉〕を使った揚げ菓子。
- 用例
- ウチャクガ メンシェーネー、ゥンムクジアンダーギー チャワキトゥシ ゥンジャスタン(お客さんがいらっしゃると、ゥンムクジアンダーギーを茶請けに出した)。
- メモ
- 蒸かした芋を潰し、同量のゥンムクジに水を少しずつ加え、耳たぶぐらいの柔らかさになるまで潰して混ぜ合わせ、化学調味料を加え手でかき混ぜ、軽くひとにぎり取って、平たく円形にして指型をつけて油で揚げる。
ゥンムクジシリー
おろし金。芋粕を作る目の粗いおろし金。
- 用例
- ゥンムクジシリーンカイ ティー シリハジネーン(おろし金で手を擦りむいてしまった)。
ゥンムクジチャンプルー
甘藷澱粉を使った炒め物。
- 用例
- ゥンムクジチャンプルー ヤキーネー、ジコー カバハタン(ゥンムクジチャンプルーを焼くと、とても良い匂いがした)。
- メモ
- ゥンムクジを水で溶かし、塩や味噌少量を加え、それに細切れ豚肉、ネギ、野菜のみじん切りなどを混ぜ、ヒラナービ(平鍋)に油をひき、かき混ぜながら焼いた。
ゥンムクジプットゥルー
甘藷澱粉に少量の水を入れて炒めたもの。
- 用例
- アーシーネー ゥンムクジプットゥルー カマヤー(3時のおやつに、ゥンムクジプットゥルーを食べようね)。
ゥンムクジメー
甘藷澱粉のお粥。
- 用例
- ゥンムクジメー チュクティ カムン(ウムクジメーを作って食べる)。
- メモ
- ゥンムクジに水を入れてお粥のように柔らかく炊いて病人にあげた。
ゥンムニー
料理名。芋を蒸して潰し、塩や砂糖で薄く味付けしたもの。
- 用例
- ゥンムニーヤ、アーシーニ ユー カムタン(ゥンムニーは、3時のおやつによく食べた)。
- メモ
- 甘藷のクズいもなどを練ったもので、クーゥムニーやターゥンムニーとは格段下の食べ物。
ゥンムニーユカ
芋を蒸す時の蒸し板。
- 用例
- ゥンム ニーグトゥ、ゥンムニーユカ シコートーキヨー(芋を煮るから、ゥンムニーユカを準備しておきなさいよ)。
- メモ
- 芋を蒸す時は、水を入れた大鍋にゥンムニーユカを敷いて、芋を置いた。
ゥンムヌシル サーイン
芋の汁をこぼす。女性が小用をすることの隠喩。
- 用例
- ゥンムヌシル サーティクー(おしっこに行ってくるね)。
- メモ
- 芋を炊いた後の汁をこぼす音が、女性の小用をしている音に似ているという。
ゥンムヌチビグヮー
小さい甘藷。
ゥンムフイバーキ
甘藷掘り篭。
- メモ
- 女性が甘藷を入れて頭上にのせる篭。
ゥンムマチ
甘藷市。
ゥンムワカシー
芋雑炊。
- 用例
- アチコーコー ゥンムワカシー ウサガミソーレー(熱々の芋雑炊を召し上がってください)。
ゥンムン
①熟する。熟れる。②膿む〔うむ〕。膿をもつ。
- メモ
- 類:ウムン。
ゥンムン
績む。紡ぐ。
- 用例
- ヲゥー ゥンムン(苧績みをする)。
パーパーヤ ヲゥー ゥンドーン(おばあさんは芭蕉を紡いでいる)。
ゥンムンサク
甘藷で作った神酒。
- メモ
- 旧5月15日のウマチーには、まだ米が収穫されてないので、甘藷で神酒を作った。
ゥンメー
おばあさん。祖母。
- 用例
- ワカランラー、ゥンメーカラ ナライカタ ッシ クーワ(分からないなら、おばあさんから習ってきなさい)。
ゥンメーターヤ ウチナーカラジ リッパングヮー ユートーシェー(おばあさんたちは、ウチナーカンプーも立派に結っていたさ)。
- メモ
- 士族の呼称。
ゥンメー
祖父。
- 用例
- ウヤファーフジヌ ゥンメー(先祖のお祖父さん)。
- メモ
- 類:ウスメー・オジー・ンーメー。
ゥンーメー
おじいさん。祖父。
- メモ
- 類:オジー・タンメー・ウスメー・ゥンメー・ヰキガファーフジ。呼称にもなる。
ゥンーメー
おばあさん。
- メモ
- 類:オバー・パーパー・ハーメー。呼称にもなる。
ゥンーメージューネーパーパージューネー
祖父母への賄い。
- メモ
- 正月16日以降に、伯父・叔母が居る家には背肉(ロース肉)、若者には皮付き肉をミシバーチ(木製の円形の鉢)のいっぱい持って行った。
読込中...