物ぉ見んそーらんお婆がいぇーとーるぐとーん。うぬお婆やなー嫁とぅ二人るめーぐとぅ。
うぬ嫁ぬミミジ取てぃ来なかいや、ミミジぇ立派いうぬ土ぁ出じゃち、あんさーなかい召そーらちぇーるぐとーん、ちゃー。「何やが?」りちゃぐとぅ「うり素麺るえいびんどー」でぃち。あんさーんかい じこー美味さてーがはん、うれーなーミミジャーや薬ややぐとぅ。
あんさーなかい、うぬお婆やまた、食むかーじ筵ぬ下んかい一ちなーや、かんし置ちぇーんしぇーたんでぃ、ミミジャー。あんし美味さるむんくれー置ちょーてぃ、女童ん達ぬ来ねー見しーるないるでぃち。
あんさーなかいしぇんへーるぐとーしが、うぬ自分ぬ産ちぇーる女童ん達ぬ家かい親見舞しんが来っ、物ん見んそーらんるあぐとぅ、見舞しんが来っさぐとぅ。うぬ女童ん達ぬ、「何が汝や、あんし近頃からー肥てぃめーる、何ぅ召そーちめーが」りちゃぐとぅ、「私ねー素麺食り、毎日食まするかーじ一ちなーや其処んかい置ちぇーんどーや、うり見ちんり、素麺るやるい何やが、見ちんり」りちゃぐとぅ。んちゃ、全部出じゃしんほーちゃぐとぅミミジャーなたぐとぅ。うぬ女ん子ぁ驚ち「アキサミヨー!汝ぁくんぐとーるむんる召そーちめーんな、ミミジャーるえいびんでー」りちゃぐとぅ、「ん!」でぃち、目ぃ開らちほーちゃんでぃ。
うりさーに分かたんり、ミミジャー食ろーん、またミミジャーや人ぉ肥いる滋養物やさやーりち、女ん子ん考たんでぃ。うり食らぐとぅる肥てぃめーてーはにりる話やるぐとーん。
目の見えないおばあさんがいらっしゃったそうだが。そのおばあさんは、嫁と二人で暮らしていた。
そこの嫁はミミズを取ってきて、ミミズの土をしっかり吐かせて、おばあさんにいつも食べさせていたようだ。おばあさんが「これは何なの」と聞くと、「そうめんですよ」と嫁は答えていた。それは大変おいしかったらしい、ミミズは滋養でもあるからね。
そこで、おばあさんは、ミミズを食べるたびに、ひとつずつ取っては、筵の下においていたんだって。こんなに美味しいんだから、これは取っておいて、娘たちが来た時に見せてあげようと思ってね。
そうしていたようだが、そのうちに、娘たちが目の見えない親を見舞いに来た。娘たちはおばあさんを見て、「お母さんは最近太っていらっしゃるけど、何を召し上がっているのですか」と聞くと、「私は毎日そうめんを食べているが、その度にひとつはここに取っておいてあるよ。見てごらん。そうめんでしょう」と、筵の下から出して娘たちに見せた。「アキサミヨー!お母さんはこんなものを召し上がっていたのですか。これはミミズですよ」と、それを見た娘たちが驚いて言った。「えぇっー!」と、おばあさんはミミズと聞いて、びっくりしたとたん、目が開き見えるようになったんだって。
おばあさんが太ったのはミミズを食べたからだとその時に分かったそうだ。また、ミミズは人間にとって滋養だということもね。