- ホーム
- 読谷村しまくとぅば「わらべうた」
- サチバルモー
サチバルモー さちばるもー
サチバルモーぬ綾牛ぐゎー 誰ぁ思とーてぃ泣ちゅが
アンマー思てぃる泣ちゅる
あまから行いるアンマーや 私ぁアンマーに似ちょーる
草履くましぇー 薙刀草履くり
着物くしれー 大綾着物着ち
町かいやらしぇー 饅頭バーキに手たたくり
うち食てぃねーらん なーちゃーすが
しーみるさーびる しーみるさーびる
説明文
「崎原(さちばる)の野原の仔牛たちは、誰を思ってないているのか。お母さんのことを思ってないているんだよ。向こうから通るのは私のお母さんに似ている」
崎原というのは残波岬一帯の小字名のことで、宇座、瀬名波ではよく歌われていました。放牧されている牛がないている光景と、泣いている子を背負っている我が身を重ね、母親を恋い慕う歌意です。後半は「はき物ををはかせば左右はき違いで、着物は柄の大きい着物を着る子を市へ使いに出すと、まんじゅうの入ったカゴに手を入れて食べてしまった。もうどうしようか。いいんじゃないか、いいんじゃないか」と、一転して滑稽な様子が加えられ、むやーなー(守姉、子守りを担当する子)同士の遊び歌のようにも感じられます。
【歌い手】神谷カマド(1902・M35生、瀬名波)