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用語解説

参考文献

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敗残兵
 戦闘組織が崩壊し、指揮系統から離脱した兵士。
 
排日運動
 外国人が日本人および日本国の勢力または日本製品を排斥する運動。第一次世界大戦後、ヴェルサイユ講和条約が締結された際、膠州湾・山東省におけるドイツの全権利を日本に引き渡す決定に中国が反発して調印を拒否、中国各地で排日運動が起きた。
 
背嚢(はいのう)
 軍人・学生などが物品を入れて背負うカバン。皮・ズックなどで作る。
 
廃兵
 戦争等で負傷し、再び戦闘に従事できなくなった兵士。
 
爆撃機
 爆弾投下を主な任務とする軍用機。
 
迫撃砲
 近距離用の砲身の短い軽火砲。大きな曲射弾道を描く。手近な敵の城や壕内の人員を破壊、殺傷する目的で使用。
 
幕舎
 テント張りの営舎。
 
爆弾三勇士
 肉弾三勇士。一九三二年(昭和七)二月、第一次上海事変(日中戦争の前哨戦)で、数条の鉄条網に囲まれた中国軍陣地を破壊するため、火薬を抱えて突撃し戦死した三人の兵士に当時のジャーナリズムがつけた贈り名。決死隊の活躍が新聞に掲載されると、国民は軍神の誕生に感激し、軍歌や爆弾(肉弾)三勇士の銅像が作られ、「忠烈!肉弾三勇士」の映画となり、外国の新聞にも掲載された。以後、この言葉は国民の戦意高揚のために用いられた。
 
爆雷
 潜水艦攻撃用の爆弾。また、背負って敵戦車の下に飛びこんで、戦車を破壊するためにも使用された。
 
八路軍
 中国毛沢東の率いる共産党軍。国共合作成立に伴い、一九三七年八月華北にあった共産党軍が、国民革命軍第八路軍と改称。
 
八紘一宇
 世界を一つの家とすること。太平洋戦争期、わが国の海外進出を正当化するために用いた標語。神じん武む天皇が即位した際に述べたとされる『日本書紀』の記述をもとに明治時代の学者が作った。
 
バルチック艦隊
 バルト海(ヨーロッパ大陸とスカンディナヴィア半島間の海域)にあった旧ロシアの主力艦隊。日露戦争中、極東に派遣され、一九〇五年(明治三十八)五月の日本海海戦で日本の連合艦隊に撃滅された。
 
PW
 捕虜。Prisoner of Warの略。
 
B29
 アメリカの大型長距離爆撃機。爆弾搭載量約九トン。
 
ひめゆり学徒隊
 沖縄戦時、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒で編成された看護隊。
 
武運長久
 勝運が長く続くこと。
 
復員
 召集された軍人が軍務から解かれて郷里へ帰ること。
 
仏印進駐
 太平洋戦争直前、日本軍が仏印(フランス領インドシナ・現ベトナム)を占領したこと。一九四〇年九月、北部仏印進駐により蒋介石軍への援助の道を封鎖、トンキン州に基地設定。四一年七月南部仏印進駐によりサイゴンなどに基地設定、日米関係の決定的な悪化を招いた。
 
兵役法
 徴兵令を改正した法律。一九二七年(昭和二)四月一日公布。現役服役期間の一年短縮、貧困者の徴集延期、兵役免除範囲の拡大、師範学校卒業者の一年現役兵制を五〜七か月の短期現役兵制へ、幹部候補生制度の創設などが主な改正点。しかし、日中戦争の長期化でしばしば改正され、日米開戦後の四三年(昭和十八)には、大学生の徴集延期制の中止(学徒出陣)や、徴兵年齢の引き下げ(二十歳を十九歳に)が行われた。同年十一月一日の改正では、四十五歳まで徴兵対象となる。
 
兵事係
 主として徴兵事務等を扱う係で、役場に置かれた。
 
兵站
 作戦軍のために、後方にあって食糧・車両・軍需品の前送・補給・修理、後方連絡線の確保などを任務とする機関。
 
奉安殿
 学校で天皇・皇后の写真や教育勅語を納めていた建物。
 
防衛隊
 戦時中、陸軍防衛召集規則(昭和十七)により召集された沖縄住民を中心とする部隊。満十七歳以上四十五歳までの男子に軍人の資格を与えて、補助兵力とした。一九四四年(昭和十九)十月から十二月の第一次防衛召集では、特設警備工兵隊などに編成し、飛行場建設工事に従事させた。四五年(昭和二十)一月〜三月の第二次防衛召集では、台湾に移転した兵力の補充を目的に、正規の手続きを経ずに、十七歳未満、四十五歳以上の者や身体障害者なども強制的に入隊させられた。防衛隊は、弾薬運びや陣地構築などが主任務であったが、沖縄戦末期には、武器も持たず戦闘訓練も受けないままに戦闘に参加させられ、召集された防衛隊員の約六割に当る一万三千人が戦死した。
 
奉公袋
 召集を受けたとき、軍隊手帳・召集令状・貯金通帳などを入れて持参した袋。
 
棒兵隊(ボーヒータイ)
 太平洋戦争末期の一九四五年(昭和二十)一月から三月にかけて、沖縄では大々的な防衛召集が行われた。正規の手続きを経ずに、十五歳以下の少年や六十歳以上の高齢者まで根こそぎ戦場へ駆り出された。彼らは戦闘訓練も受けず、武器も与えられず竹槍だけを持たされていたことから、ボーヒータイ(棒兵隊)と称され、陣地構築や砲弾運びに使役された。「防衛隊」参照。
 
ボーロー飛行場
 戦後、米軍によって、残波岬から南の波平地域に至る広大な海岸線平野部を利用して作られた飛行場。
 
歩哨
 警戒・見張りをする兵。
 
ポツダム憲兵
 ポツダム宣言受諾後、武装解除した軍隊の秩序維持、在台湾日本人の生命財産の保護などのため、旧憲兵隊が大増員された際の呼び名。その後、在台湾日本人の台湾引揚業務の一切を引き受けるために「琉球籍官兵」が組織された。「琉球籍官兵」参照。
 
匍匐前進(ほふくぜんしん)
 這いながら進むこと。
 
歩兵
 陸軍の一兵種で小銃・機関銃・歩兵砲などで地上戦を行う兵士または兵科。
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