- ホーム
- しまくとぅば単語帳:ワヲン
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ヰー
柄。
- 用例
- チューカーヌ ヰーヌ チリトーン(急須の柄が切れている)。
クェーヌ ヰー(鍬の柄)。
- メモ
- 類:チカ。
ヰー
藺〔イ〕。イグサ。
- 用例
- ヰーシ ムシル アムン(い草でムシロを編む)。
- メモ
- 類:ビーグ・ビング。
イグサの茎は畳表やゴザを作る材料となる。
ヰー
亥。
- 用例
- ヰーヌチョー イクタイ ヲゥガ?(亥年の人は何人いるねぇ?)。
ヰーグミバタキ
共同で開墾した畑。
- 用例
- ヰーグミバタキンディネー ヰーシェーシ アラチ アキタル ハタキ(ヰーグミバタキというのは、共同で荒れ地を開墾した畑)。
ヰーゴー
植物名。疥癬。痒み。
- 用例
- ガジャヌンカイ クーラッティ、ヰーゴー カチョーン(蚊に刺されて、疥癬ができている)。
- メモ
- 類:コーシ。
ヰーゴーガーサ
植物名。クワズイモの葉。
- 用例
- アヌ ヰーゴーガーサヌ ファーヌ マギサヨ(あのクワズイモの葉の大きいことよ)。
- メモ
- →ハチコーゥンム。
ヰーゴーカチャー
疥癬のある人。
- 用例
- ワラビヌ ヰゴーカチャー ナティ チムグリサン(子どもがヰーゴーカチャーでかわいそうだ)。
ヰーゴーサン
痒〔かゆ〕い。
- 用例
- ドゥー ヰーゴーサン(体が痒い)。
ヰーゴーヌ ヰーゴーサヌ、ユルン ニンララン(疥癬が痒くて、夜も眠れない)。
- メモ
- 類:ヰーゴーハン。
ヰーゴーダーゥンム
クワズイモ。
- メモ
- 音1:ヰーゴーラーゥンム。→ハチコーゥンム。
ヰーゴーハン
痒〔かゆ〕い。
- 用例
- キームサーンカイ ササッティ ヰーゴーハン(毛虫に刺されて痒い)。
- メモ
- 類:ヰーゴーサン。
ヰーゴーラーゥンム
クワズイモ。
- 用例
- ヰーゴーラーゥンムンデー サーイネー ヰーゴー カチュンドー(クワズイモを触ると、痒くなるよ)。
- メモ
- 音1:ヰーゴーダーゥンム。→ハチコーゥンム。
ヰーゴーゥンム
クワズイモ。
ヰーシェー
相互扶助。
- 用例
- ヰーシェーシ アラチ アキーン(共同作業で荒れ地を開墾する)。
- メモ
- →ヰーセー
ヰージョー
絵像。仏画。
- 用例
- ヰージョーヤ アラン ジントーヌ ブツゾー ヤタン(絵に描いた肖像ではなくて、本物の仏像だった)。
ヰース
椅子。
- 用例
- ヲゥタティ ヰーブサグトゥ ヰース ムッチ クーワ(疲れて座りたいから、椅子を持って来なさい)。
ヰーセー
相互扶助。
- 用例
- ナマヌ ユヌナカヤ、ヰーセーン イキラク ナティヤー(今の世の中は、相互扶助も少なくなったね)。
- メモ
- 音1:ヰーシェー。
類:ヰーマールー。関:カチマール・ガヤヰーマール・ユー・スーゲー。
ヰーダラカー
酔っぱらっている様。
- 用例
- アンシ ヰーダラカー ッシ フージン ネーン(そんなに泥酔して、みっともない)。
- メモ
- 類:ヰーヤーカラカー。
ヰーチチュン
居付く。安住する。心配することなく落ち着くこと。安置する。鎮座する。
- 用例
- アヌユーンカイ ゥンジョール ウヤン、ヰーチチャンリヌ ハナシ(亡くなった親も、心配することなく落ち着いたという話)。
ヰードゥシ
亥年。
- 用例
- ヰードゥシガ イッチガアトゥ ヤグトゥ、マタ ニーカラ ハジマイサ(亥年が一番最後だから、また子から始まるさ)。
ヰーニンジュ
共同作業を行う仲間。
ヰーヌッチュ
亥年の人。
- 用例
- ヰーヌッチュヤ、ンナ アチマリヨー(亥年生まれの人は、皆集まりなさいよ)。
ヰーヌトゥサー
同い年。同年生。
- メモ
- →チュトゥシ。
ヰーヌトゥシ
同い年。同年生。
- メモ
- →チュトゥシ。
ヰーノースン
座りなおす。
- 用例
- ヒサヌ ヒラクローグトゥ ヰーノースン(足がしびれているから座りなおす)。
否:ヰーノーサン(座りなおさない)希:ヰーノーシブサン(座りなおしたい)過:ヰーノーチャン(座りなおした)継:ヰーノーチョーン(座りなおしている)。
ヰーバー
良い頃合い。良い機会。
- 用例
- ヰーバー ヤッテンドーヤ(いい機会だったんだよ)。
- メモ
- 音1:イーバー。
ヰーハダムチ
いい肌心地。いい気候。
- メモ
- →ハダムチ。
ヰーフリーン
酔い潰れる。
- 用例
- アッピーヤ ヰーフリトーン(兄さんは酔い潰れている)。
ヰーマーチ
植物名。トウダイグサ。燈台草。
- 用例
- ヰーマーチヤ ナーンカイ イーティン チュラハル アルヨ(燈台草は、庭に植えてもきれいだよ)。
ヰーマールー
結。相互扶助。
- 用例
- ンカシェー ヰーマールーヤ ジコー タシカイタン(昔の相互扶助はとても助かったよ)。
イチムシヌヤーヤ ヰーマールーシ チュクタンドー(畜舎は相互扶助で造ったんだよ)。
- メモ
- 類:ヰーセー・。関:カチマール・ガヤヰーマール・ユー・スーゲー。
農作業、家や墓の建築工事などで順番に労働力を出し合って助け合うこと。
ヰームシル
藺筵。〔いむしろ〕。藺草〔いぐさ〕で編んだ筵。
- メモ
- 音1:ヰームスル。
ヰームスル
藺筵。〔いむしろ〕。藺草〔いぐさ〕で編んだ筵。
- メモ
- 音1:ヰームシル。
ヰームン フリムン
酔っ払いは触れ者。
- メモ
- 酔うと触れ者と同じ馬鹿な振る舞いをする者もいる。
ヰーヤーカラカー
酔っ払っている様。
- 用例
- スーヤ ヰーヤーカラカー シ アッチーサンレー(お父さんは酔っ払って歩けないよ)。
ヰーユン
貰う。
- 用例
- クヮーシ ヰーユン(菓子を貰う)。
- メモ
- 類:ヰーン。
ヰーラスン
あげる。与える。
- 用例
- チンガ グナサヌ チララングトゥ、ヰナグ ウットゥンカイ ヰーラスン(着物が小さくて着れないから妹にあげる)。
否:ヰーラサン(あげない)希:ヰーラシーブサン(あげたい)過:ヰーラチャン(あげた)継:ヰーラチョーン(あげている)。
ヰーリムン
おもちゃ。玩具。
- 用例
- ヰーリムン ヰーラシーネー、ナチュシン トゥマイサ(おもちゃをあげたら、泣くのも止まるよ)。
ヰーリムン ムタシェー(おもちゃをもたせなさい)。
ヰールー
糸。紐。
- 用例
- カビジラーヤ ヰールーッシ クンジュン(紙切れは、紐で括る)。
ヰールー クンジュン(糸を結ぶ)。
- メモ
- →ヰールー。
ヰーン
縁側。
- 用例
- ヰーンヲゥティ、ウスメーヤ イーヤンベー シ、ニンジクローン(縁側で、おじいさんは良い気持ちで、寝入っている)。
ヰーングヮーンケー ユックミソーラセー(縁側で休んでもらいなさい)。
ヰーン
座る。
- 用例
- ヲゥタトーグトゥ ワンネー ゥンマンカイ ヰーン(疲れているから私はそこに座る)。
否:ヰラン(座らない)希:ヰーブサン(座りたい)過:ヰチャン(座った)継:ヰチョーン(座っている)。
- メモ
- 対:タッチュン(立つ)。
ヰーン
酔う。
- 用例
- ヰーヤーニ、トゥジンカイ ヌラーッタン(酔って、妻に怒られた)。
ヰートーリワル ヰートーンリ イル、ウンジョー ナー フリムンリ イラリンドー(酔っているなら酔っていると言えるが、あなたはもうキチガイだと言われるよ)
否:ヰーラン(酔わない)継:ヰートーン(酔っている)。
- メモ
- マジムンを追い払うためにノコギリを振り回したら、他の人に「酔ってもないのにそんなことをしたら気違いだと思われるよ。」と言われた。「マジムンを見た話」『比謝の民話』より。
ヰーン
貰う。
- 用例
- チョーデーカラ フルサガイ ヰーン(兄弟からお下がりを貰う)。
ヰーラチャクトゥ ウッサ ソータン(あげたから喜んでいた)。
否:ヰーラン・ヰラン(貰わない)希:ヰーブサン(貰いたい)過:ヰータン(貰った)継:ヰートーン(貰っている)。
- メモ
- 類:ヰーユン。
ヰガタ
私たち。我々。
- 用例
- ヰガタガ イチャクトゥ(私たちが言ったので)。
- メモ
- 音1:アガター・イガター・ンガター。→アガター。
ヰキー
ゑけり。姉妹から兄弟をさす名称。
- 用例
- アマンカイ ヲゥシェー、ワー ヰキーンチャー ヤサ(あそこにいるのは、私の男兄弟だよ)。
- メモ
- 対:ヲゥナイ(兄弟から姉妹をさす名称)。
ヰキガ
男。
- 用例
- ヰキガンチャー アチマティ、シマ トゥイン(男たちが集まって、相撲をとる)。
- メモ
- 対:ヰナグ・ヲィナグ(女)。類:ヲィキガ。
ヰキガグトゥ
男事。男性関係でもめ事を起こすこと。
- 用例
- ヰキガグトゥビカーン ウクチ、ジャーフェー ヤサ(男性関係でもめ事ばかり起こして、厄介だ)。
ヰキガシタク
男装。
- 用例
- ヰナグヌ、ヰキガシタク シチ モートータン(女性が、男装して踊っていた)。
ヰキガダチ
男世帯。
- 用例
- ヰキガダチヤ、ムヌン リッパ カレー ヲゥガヤー(男世帯は、食事もちゃんと食べているかな)。
- メモ
- 対:ヰナグダチ(女世帯)。
ヰキガチーソー
男気性な女。気の強い女。
- 用例
- ヰキガチーソー ナティ、マーニン ドゥーチュイシ イチュン(男気性で、どこにでも一人で行く)。
- メモ
- 音2:ヰキガヂム。対:ヰナグチーソー・ヰナグヂム(気の弱い男)。
ヰキガヂム
女が男のような性格をしていること。気の強い女。
- 用例
- ヰキガヂム ナティ ヤカラ ヤッサー(気の強い女で、たいしたもんだ)。
- メモ
- →ヰキガチーソー。
ヰキガチョーデー
男兄弟。
- 用例
- ヰキガチョーデーヤ イクタイガ?(男兄弟は何人ね?)。
- メモ
- 対:ヰナグチョーデー。
ヰキガドゥシ
男友達。
- 用例
- ヰキガドゥシヤ ヲゥンナー?(男友達はいるねぇ?)。
ヰキガヌウヤ
父親。
- 用例
- ヰキガヌウヤヤ、ヘーク ヲゥラン ナトーン(男の親は、早い時期に亡くなっている)。
- メモ
- 類:ヲィキガヌウヤ。
ヰキガヌカタ
男側の親戚。夫側の親戚。
- 用例
- ヰキガヌカタヌ イェーカンチャーヤ マンドーン(男側の親戚はたくさんいる)。
- メモ
- 音2:ヲゥトゥカタ。対:トゥジカタ・ヰナグヌカタ(女側の親戚)
ヰキガファーフジ
祖父。
- メモ
- 類:ウスメー・ゥンメー・オジー・タンメー・ンーメー。
ヰキガブラー
男狂いしている人。
- 用例
- ヰナグングヮヌ モーアシビー シチ ナタグトゥ ヰキガブラー ナチェー ナランディチ ハジキ サンディヌ ハナシン アン(娘がモーアシビに夢中になったから、男狂いにしてはいけないと針突をしたという話もある)。
- メモ
- 対:ヰナグブラー(女狂いしている人)。
ヰキガブリ
男狂い。
- 用例
- ヰナグヌ ヰキガブリ シ マチブトーン(女が男に狂ってまとわりついている)。
- メモ
- 対:ヰナグブリ(女狂い)。
ヰキガボージャー
男の赤ちゃん。
- 用例
- クンドー ヰキガボージャーヌ ゥンマリトーンディヤー(今度は男の子が生まれたそうだね)。
ヰキガマサイ
男まさり。
- 用例
- アヌ ヰナゴー ヰキガマサイ ヤン(あの女は男まさりだ)。
ヰキガムチリ
女が男性関係でもめ事を起こすこと。
- 用例
- ヰキガムチリ ッシ ヒンギトーン(男性関係でもめ事を起こして逃げている)。
ヰキガヤグサミ
男やもめ。独身男。
ヰキガラーサン
男らしい。
- 用例
- イッター アヒーヤ アンシ ヰキガラーサンヤー(君の兄さんはとても男らしいね)。
- メモ
- 音1:ヰキガラーハン。対:ヰナグラーサン・ヰナグラーハン(女らしい)。
ヰキガラーハン
男らしい。
- 用例
- イッター シージャヤ グテーンマンディ アンシ ヰキガラーハンヤー(君の兄は力持ちでとても男らしいね)。
- メモ
- 音1:ヰキガラーサン。対:ヰナグラーサン(女らしい)・ヰナグラーハン(女らしい)。
ヰキガワラバー
男の子。
- 用例
- ヰキガワラバーヤ ウーマク ナティ(男の子はわんぱくだ)。
- メモ
- 音2:ヰキガワラビ・ヰキガングヮ。対:ヰナグワラバー・ヰナグングヮ。(女の子)
ヰキガワラビ
男の子。
- メモ
- →ヰキガワラバー。
ヰキガングヮ
男の子。息子。
- 用例
- ヰキガングヮ チュイ ナチェーン(男の子を一人産んである)。
- メモ
- →ヰキガワラバー。
ヰシーン
据える。
- 用例
- カマンカイ ヰシーン(竈に据え置く)。ククル ヰシーン(心を据える)。
- メモ
- 類:シキーン・ヒキーン。
ヰッチャー
酔っぱらい。
- 用例
- ヰッチャーヤ アマンカイ イケー(酔っぱらいはあそこに行け)。
ヰナグ
女。
- 用例
- シバヤヲゥティ ヰナグスガイ ソータン(芝居で女の恰好をしていた)。
- メモ
- 類:ヲィナグ。対:ヰキガ・ヲィキガ(男)。
ヰナググトゥ
女事。女性関係でもめ事を起こすこと。
- 用例
- ヰナググトゥッシ、ミーワク カキティヤー(女性関係で、迷惑をかけてしまってね)。
ヰナグダチ
女世帯。
- 用例
- ヰナグダチ ヤシガ、ワランチャー スダティーンリー ウーハマイ ソーン(女世帯だが、子どもたちを育てるために良く頑張っている)。
- メモ
- 対:ヰキガダチ(男世帯)。
ヰナグチーソー
女気性な男。気の弱い男。
- 用例
- イャーヤ ナー、ヰナグチーソー ナティ ヤクン タッタン(お前はもう、女気性で役に立たない)。
- メモ
- 対:ヰキガチーソー(男気性な女性)。
ヰナグチジ
女性が跡をつぐこと。
- 用例
- ヌールヤ イナグチジドーヤー(ノロは女性が継ぐんだよね)。
ヰナグヂナ
女綱。女性が引く綱引き。
- 用例
- ワッテー イナグヂナヤ ミジラサンチ タシマカラン ンージャーガ マンドータン(我々の女綱は珍しいと、他字からの見物人がたくさんいたよ)。
- メモ
- 類:ヲィナグヂナ。
伊良皆では元々男たちが引いていたが、大正になって集落内を県道が開通した頃、女だけの綱引きやシーチェーが行われるようになった。カニチヌチは青年頭によってなされ、太鼓の合図で綱が引かれた。引き終わるとシーチェー問答が行われ、男たちは女たちが逃げ出さないように周りを囲んだ。
ヰナグヂム
女のような優しい心の男。気の弱い男。
- 用例
- ヰナグヂム ナティ、ムヌン アビーサン(女のように気が弱く、何も話せない)。
- メモ
- →ヰキガチーソー。
ヰナグチョーデー
女姉妹。
- 用例
- ヰナグチョーデーヤ ウーサシェー マシ ヤサ(女姉妹は多い方がいいよ)。
- メモ
- 対:ヰキガチョーデー。
ヰナグドゥシ
女友達。
- 用例
- イチヌミーニヤラ ヰナグドゥシビカーン ヌクトータン(いつのまにか女友だちだけ残っていた)。
ヰナグトゥヤー
女を横取りする者。女好き。
ヰナグヌウヤ
女親。母親。
- 用例
- ナマー ヰナグヌウヤトゥル ヲゥンレー(今は女の親といるんだよ)。
- メモ
- 音:ヲィナグヌウヤ。
ヰナグヌウユミ
女の節句。
- 用例
- サングヮチサンニチーヤ ヰナグヌウユミ ヤクトゥヤ(三月三日は女の節句だからね)。
ヰナグヌカタ
女側の親戚。
- 用例
- ヰナグヌカタン イェーサチェー イキワル ナイル(女側の親戚も挨拶に行かないといけない)。
- メモ
- 類:トゥジカタ。対:ヰキガヌカタ・ヲゥトゥカタ(男側の親戚)
ヰナグファーフジ
おばあさん。祖母。
ヰナグブラー
スケベな男。女狂いしている人。
- 用例
- ヰナグブラーヤ、ダラシン ネーン ナランシガ(スケベな男は、だらしがなく駄目だ)。
- メモ
- 対:ヰキガブラー(男狂いしている人)。
ヰナグブリ
女狂い。
- 用例
- アリヤ ヰナグブリシ チビビカー ウートーン(彼は女好きで女の尻ばかり追いかけている)。
- メモ
- 対:ヰキガブリ(男狂い)。
ヰナグボージャー
女の赤ちゃん。
- メモ
- 対:ヰキガボージャー(男の赤ちゃん)。
ヰナグムチリ
男が女性関係でもめ事を起こすこと。
- 用例
- イクケーヌン ヰナグムチリ ウクチョーン(何度も女性関係でもめ事を起こしている)。
- メモ
- 対:ヰキガムチリ(女が男性関係でもめ事を起こすこと)。
ヰナグラーサン
女らしい。
- 用例
- アヌ ヰナグヤ ターヤカ ヰナグラーサン(あの女は誰よりも女らしい)。
- メモ
- 音:ヰナグラーハン。対:ヰキガラーサン・ヰキガラーハン(男らしい)。
ヰナグラーハン
女らしい。
- 用例
- ヰナグヌウヤヤ ヰキガマサイ ヤシガ、ワランチャーヤ ムル ヰナグラーハン(母親は男勝りだが、子どもたちは皆女らしい)。
- メモ
- 音:ヰナグラーサン。対:ヰキガラーサン・ヰキガラーハン(男らしい)。
ヰナグワラバー
女の子。
- 用例
- ヰナグワラバーヤ ハイスグサー ナティ(女の子はおしゃれだね)。
- メモ
- 音2:ヰナグングヮ。対:ヰキガワラバー・ヰキガングヮ(男の子)
ヰナグワラビ
女子供。女の子。女や子ども。
- 用例
- ヰナグワラビヤ アブナサグトゥ ドゥチョーキヨー(女子供は危ないから退いてなさいよ)。ヰナグワラビヌ クヮムヤー ソーン(女の子が子守りをしている)。
- メモ
- 類:ヲィナグングヮ・ヰナグングヮ。
女子供は取るに足らない、足手まといになる等の意味で使われることが多い。
ヰナグングヮ
女の子。娘。
- 用例
- ヰナグングヮ ミッチャイ、ユミカイ ヤラチャン(娘を3名、嫁に出した)。
- メモ
- 音1:ヲィナグングヮ。類:ヰナグワラビ。
ヰヌイ
一年忌。
- 用例
- ヰヌイネー、ンナ アチマリヨー(一年忌には、皆集まりなさいよ)。
- メモ
- 音1:ユヌイ。→ユニー。
ヰヌグトゥ
同じ事。
- 用例
- ワラバーターヤ、ヰヌグトゥ シル スンドー(子どもたちは、同じようにするんだよ)。
- メモ
- 音:ユヌグトゥ・ユヌクトゥ。
ヰヌチルマー
同い年。同年生。
- メモ
- 音1:ヰンチルミー・ヰンチルメー・ユヌチルマー。→チュトゥシ。
ヰヌッサ
同じ量。
ヰヌムン
同じもの。
- メモ
- 類:ユヌムン。
ヰン
酔う。
- メモ
- 類:ヲィーン・ヰーン。
ヰン
縁。
- 用例
- ヰン アティル ミートゥン ナトールヨー(縁があって夫婦になったんだよ)。
ヰン
縁側。
- メモ
- 類:ヰーン。
ヰングミ
縁組。
- 用例
- ヰングミヤ ウワトーティカラ アトー ニービチ ヤサヤー(縁組みは終ったなら後は結婚式だね)。
- メモ
- 類:ヰーキー。
ヰンサ
同じ量。
- メモ
- 類:ヰヌウッサ・ユヌウッサ・ヰヌッサ。
ヰンス
味噌。
- メモ
- 類:ンス・ミス・ンース。
ヰンタキ
同じ高さ。
- 用例
- ヤートゥ ヰンタキ ダキヌ ミートーン(家と同じタカサに竹が生えている)。
ミートゥ ヰンタキ ナトーン(目と同じ高さになっている〈大人の背丈に近づいているという意味〉)。
- メモ
- 音:ユンタキ。
ヰンチルミー
同い年。同年生。
- メモ
- 音1:ユンチルミー・ヰンチルマー・ヰンチルメー→チュトゥシ。
ヰンチルメー
同い年。同年生。
- 用例
- ヰンチルメーター ダテーン アチマトータン(同年生が大勢集まっていたよ)。
- メモ
- 音1:ヰンチルミー。→チュトゥシ。
ヰントゥシ
同い年。同年生。
- メモ
- →チュトゥシ。
ヰントゥシナヤー
同い年。同年生。
- メモ
- →チュトゥシ。
ヱイサー
盆踊り。旧盆に踊られる伝統芸能。
- 用例
- ヱイサーヤ ハネーカシヨー(エイサーは賑やかにしなさいよ)。
- メモ
- ヱイサーは沖縄本島周辺で踊られる盆踊りのひとつ。旧7月13日の盆入りから、15日のウークイを済ませた翌日の間に、地謡(三線・太鼓)の演奏する念仏歌をはじめとする民謡にのせて、青年たちが踊りながら辻々や各戸を練り歩く。
ヱーガラー
やせている人。
- メモ
- 音1:ヱーガリ。
ヱーガリ
やせている人。
- メモ
- 音1:ヱーガラー。
ヱージュー
相中。同僚。
- 用例
- ヱージュートゥ タイ(同僚と二人)。
- メモ
- 類:イェージュー・エージュー。
ヱーヤマカーブヤー
八重山蝙蝠〔やえやまこうもり〕。オリイオオコウモリ。
- 用例
- ウレー ヱーヤマカーブヤー アラニ(それは八重山蝙蝠じゃないか)。
- メモ
- 大きなコウモリをそう呼んだ。
ヱンミ
降参。詫び。戦いに負けて、相手に屈服すること。
- 用例
- ヱンミ サビタン(降参した)。
- メモ
- 音1:イェンミ・ウェンミ・エンミ。
ワー
広さ。
- 用例
- ウッピヌ ワーガ アレーカラー ヌー ヤティン ナイサ(それだけの広さがあるなら何でもできるさ)。
- メモ
- 類:マル。
ワー
私。
- 用例
- ワームン チノー マーンカイ アガヤー?(私の着物はどこにあるのかな?)。
- メモ
- 類:ワン。
ワーガヒカチャル
子守歌のひとつ。
- メモ
- 「私がひかちゃる男ゐきが坊主ぼーじゃーぐゎーや 早へーくふるいーてぃ 下駄あしじゃ草履さばくり 銭蔵家じんがらやぬ婿むーくなりよ・・・」の歌がある。
ワーキ
脇。
- 用例
- ワーキカイ ヌー クヮーチョーガ?(脇に何を挟んでいるのか?)。
- メモ
- 音1:ワーチ・ワチ。
ワーキー
分けること。
- 用例
- ムルッシ ワーキー ッシ カメー(皆で分けて食べなさい)。
- メモ
- 類:ワップー。
ワージュー
しわ。しわくちゃ。
- 用例
- ワージュー ナトーン(しわくちゃになっている)。
チンヌ ワージュー ナトーシ ヌバチョーン(着物がしわくちゃになっているのを伸ばしている)。
ワージューマージュー
しわくちゃな様。
ワーチ
脇。腋〔わき〕。
- 用例
- ワーチカイ ハサディ ムッチ イチュン(脇に挟んで持って行く)。
- メモ
- 音1:ワーキ・ワチ。
ワーワートゥ
広々と。
- 用例
- アンシ ワーワートゥ ソール ヤー ヤルヤー(なんと広々とした家なんでしょうね)。
- メモ
- 類:ヒルビルートゥ。
ワイ(~ワイ)
~割り。~分割。
- 用例
- トーフ ミワイ スン(豆腐を3分割する)。
- メモ
- チュワイ(1割り)、タワイ(2割り)、ミワイ(3割り)と数える。
ワイ(~ワイ)
会話の最後につける言葉。
- 用例
- イッター マーカイ ゥンジャワイ(お前たちはどこに行ったのか)。
- メモ
- 伊良皆の言葉の特徴といわれる。ゥンジャガの「ガ」に相当する。
ワイアキーン
開け広げる。
- 用例
- アチサヌ ターチヌ ハシル ワイアキーン(暑くてふたつの戸を開け広げる)。
否:ワイアキラン(開け広げない)希:ワイアキーブサン(開け広げたい)過:ワイアキタン(開け広げた)継:ワイアキトーン(開け広げている)。
- メモ
- →アキヒルギーン。
ワイトゥイ
切り通し。切り通した道。
ワイメー
割り当て。
- 用例
- ワイメーヤ リッパ サンネー、カタハジガ アテー ナラン(割り当てはきちんとしないと、不公平があってはいけない)。
- メモ
- 音2:ワップー。→クバイ
ワイユージュ
手術。
- 用例
- ミートゥンダナー ワイユージュ スンディチン アンナー(夫婦とも手術するなんて)。
ワイヲゥージ
短く切ったキビ。お盆の供え物。
ワイヲゥージ
サトウキビを短く切ったもの。
- メモ
- お盆の仏壇飾りのひとつで、施餓鬼〔せがき〕のためのもの。
ワイン
割る。分割する。
- 用例
- ユーフルンカイ チカイヌ タムン ワイン(風呂に使う薪を割る)。
否:ワラン(割らない)希:ワイブサン(割りたい)過:ワタン(割った)継:ワトーン(割っている)。
ワカー
若い人。若者。
- 用例
- ウンナ ワジャヤ ワカーンチャーンカイ タヌメー(そんな仕事は若い人たちに頼みなさい)。
- メモ
- 類:ワカニンジュ・ワカムン。対:トゥシユイ・トゥシー・ヰーッチュ(年寄)。
ワカーター
若者たち。
- メモ
- 類:ワカムンチャー・ワカムンヌチャー。
ワカイン
分かる。納得する。
- 用例
- ワラビ ヤティン ウッサ イレーカラー ワカインドー(子どもでもそれだけ言ったら分かるよ)。
ナマネー ワカタン(今度は納得した)
否:ワカラン(分からない)希:ワカイブサン(分かりたい)過:ワカタン(分かった)継:ワカトーン(分かっている)。
ワガカイン
怖気づに前に出る。
- 用例
- チャー ワガカインシンカイヤ カナーンサ(いつも怖気づに前に出る者には敵わないさ)。
ワカゲーイン
若返る。
- 用例
- ムルトゥ ワラティ ユンタク シェーワカラー ワカゲーイサ(皆と笑っておしゃべりしたら、若返るよ)。
否:ワカゲーラン(若返らない)希:ワカゲーイブサン(若返りたい)過:ワカゲータン(若返った)継:ワカゲートーン(若返っている)。
ワカサン
若い。
- 用例
- イャーヤ イチ ンチン アンシ ワカサル(君はいつ見てもとても若いね)。
- メモ
- 音1:ワカハン。
ワカジーラ
出産後の養生期間。産褥期(さんじょくき)。
- 用例
- ワカジーラヤ ミジェー チカテー ナランドー(ワカジーラは水仕事をしてはいけない)。
ワカジューコー
一年忌や三年忌。
- 用例
- ワカジューコーヤ メームッティ スシェー アランディ(ワカジューコーは前もってやるものではないそうだ)。
ワカシラギ
若白髪。
- 用例
- イーナナー、ワカシラギ ミートーサヤー(そんなに早く、若白髪が出てきているね)。
ワカスニンジュ
15、16歳の若い青年たち。
ワカスン
沸かす。沸騰させる。
- 用例
- タラーングトゥ ナーヒン ユー ワカスン(足りないから、もっと湯を沸かす)。
チャーグヮー ワカシーニ(お茶を沸かす時に)。
否:ワカサン(沸かさない)希:ワカシーブサン(沸かしたい)過:ワカチャン(沸かした)継:ワカチョーン(沸かしている)。
ワカスン
①分ける。区別する。②仲裁する。
- 用例
- ①チカイシトゥ チカランヌー ワカスン(使うのと使わないのを分ける)。
否:ワカサン(分けない)希:ワカシーブサン(分けたい)過:ワカチャン(分けた)継:ワキトーン(分けている)。
②ミートゥンダオーエー ワカシーガ イチュタン(夫婦げんかの仲裁に行きよった)。
- メモ
- 音2:ワキーン。
ワカヂム
若い心。若気。
- 用例
- ウスメーヤ チャー、ワカヂム ヤサ(お祖父さんは、いつも気持ちが若いよ)。
ワカニーシェー
若者。男子青年。
- メモ
- 対:ミヤラビ(娘)。
ワカニンジュ
若人衆。若者。
- メモ
- →ワカー。
ワカヌール
若ノロ。
- メモ
- 音1:ワカヌル。
ワカヌル
若ノロ。
- メモ
- 音1:ワカヌール。
ワカバー
若葉。
- 用例
- ウッサヌ ワカバーヌ ゥンジティ チョールヤー(そんなにたくさんの若葉が出てきているね)。
ワカハン
若い。
ワカビカイ
幼い子が亡くなること。
- 用例
- ンカシヤ フーチヌ ヘーイネー、ワカビカイガ マンドータン(昔は流行病があると、幼くして亡くなる子が多かった)。
ワカマーシ
若死に。
- 用例
- アッピーヤ ワカマーシ サン(兄さんは若死にした)。
ワカマーチ
若松。
- 用例
- ワカマーチ ンケーイガ ゥンジャン(若松を迎えに行った・取りに行った)。
- メモ
- 類:ワカラマーチ。
新年に向けて、若松と大根の花、ハナキンブギーを一緒に門に飾る。
ワカミジ
若水。
- 用例
- ソーグヮチネー ユーアキランマール ワカミジ クミーガ イチュタン(正月には夜が明けないうちに若水を汲みに行った)。
ワカミジ ンケーレー(若水を汲んできなさい)。
- メモ
- 正月未明に近くのゥンブガーから水を汲んできてお茶を沸かしたり、体を洗ったりした。
伊良皆ではサシジャーガーに生芋3個を供え、「アキマドゥシヤ ユガフナチ ウタビミソーリ(新年は良い年にさせてください)」と祈願し、若水を汲んだ。
ワカミジクマー
若水を汲みに行く人。元日の朝早く。
- メモ
- 男女関わらずゥンブガーへ若水汲みに行った。ワカミジクマーが子どもの場合にはお年玉とは別にティマグヮー(手間賃)をあげた。
ワカミジンケー
若水迎え。若水を汲んでくること。
- メモ
- 元日の朝早く、ゥンブガーから水を汲んできて顔や手足を洗うことを若水を迎えるといった。汲んだ若水を沸かしてお茶を入れ、若くなるようにと家族が顔を洗った。
ワカムン
若者。
- 用例
- ワカムンガ スリティ モーアシビ ソーン(若者が揃ってモーアシビをしている)。
- メモ
- →ワカー。
ワカムンチャー
若者たち。
- メモ
- 類:ワカムンヌチャー。
ワカムンヌチャー
若者たち。
- 用例
- ワカムンヌチャー アチマティ アシビーガ イチュン(若者たちが集まって遊びに行く)。
- メモ
- 類:ワカムンチャー・ワカーター。
ワカヰナグ
若い女性。
- メモ
- 類:ワングヮー・ミヤラビ。
ワカラマーチ
若松。
- 用例
- ソーガチネー ワカラマーチェー ハチカマディ カジャトータン(正月には若松を20日まで飾っていた)。
- メモ
- 類:ワカマーチ。
元日は門に竹とワカラマーチ(若松)を立て、20日まで飾っていた。20日には松が枯れるので、それを薪にして肉を炊いてハチカソーグヮチの供えとした。
ワカリ
別れ。
- 用例
- チュヌ ワカリディーシェー サビサルヤー(人の別れというのはとても寂しいね)。
ワカリアシビ
死者との別れ遊び。
- メモ
- 喜名では友人が亡くなった時、墓から出して座らせて三線を弾いてワカリアシビをした。夕方から夜明けまで遊んで、終わると棺を墓に戻したという。
ワカリアシビ
別れ遊び。その年最後のムラアシビ。
ワカリーン
別れる。
- 用例
- アッタヤ ヤガティ ワカリーンドー(彼等はやがて別れるよ)。
否:ワカリラン(別れない)希:ワカリーブサン(別れたい)過:ワカリタン(別れた)継:ワカリトーン(別れている)。
ワカリビーサ
別れ寒さ。余寒。寒の戻り。寒さが戻ってくること。
- 用例
- アギヨー ワカリビーサ ヤサヤー(あれまあ!寒さが戻ってきたね)。
ワキ
訳。理由。意味。
- 用例
- ワキン ワカランクトゥ アビティ ヌーヌ チムエーガ!(訳の分からないことを言って、何のつもりか!)。
ワキヌ ワカランサー(意味が分からないなあ)。
- メモ
- 類:チムエー・イミ・イミクジ。
ワキーン
分ける。区別する。
- 用例
- ゥンム ターチカイ ワキーン(芋を二つに分ける)。
ドゥーヌムントゥ チュヌムンヤ ワキラントー ナラン(自分の物と人の物は、区別しないといけない)。
否:ワキラン(分けない)希:ワキーブサン(分けたい)過:ワキタン(分けた)。
- メモ
- →ワカスン。
ワキブン
分け前。分け分。
- 用例
- ナーメーメー ワキブンヤ トゥティ クーワ(それぞれの分け分は取って来なさい)。
- メモ
- →ナータマシダマシ。
ワキメー
分け前。分け分。
- 用例
- ドゥーヌ ワキメーガ アレー スムサ(自分の分け前があればいいさ)。
- メモ
- →ナータマシダマシ。
ワク
湧。泉。湧き水。井泉の湧口。
- 用例
- ワクカラ ミジ クリ チューン(湧から水を汲んで来る)。
- メモ
- 類:イジュン。
ワクイン
からかう。挑発する。
- 用例
- イン ワクインディ カンクーラッタン(犬をからかおうとして、噛みつかれてしまった)。
- メモ
- →ナバクユン。
ワクグチ
湧き水の出る箇所。
ワクビチ
両生類。カエルの一種。大きなカエル。ウシガエル。
ワクン
湧く。
- 用例
- アヌ イジュンヤ、ナマ ヤティン ミジヌ ワクン(あの泉は、今でも水が湧く)。
- メモ
- 音1:ワチュン。
ワゴー
和合。仲。
- 用例
- タイガ ワゴー トゥイン(二人の仲を取り持つ)。
ワサナイ
わさわさしている様。ざわざわ落ち着かない様。
- 用例
- ワサナイ シ、ゥンマンカイヤ ナガヲゥイヤ ナラン(落ち着かないから、そこには長居はできない)。
- メモ
- 類:ワサワサー。
ワサワサー
わさわさ。落ち着かない様。
- メモ
- 類:ワサナイ。
ワザウェー
災い。
- 用例
- ワザウェー ヤグトゥ(災いだから)。
- メモ
- 類:ヤク。
ワジーン
怒る。腹を立てる。
- 用例
- フユービカーン シーネー アトゥネー ワジーンドー(怠けてばかりいたら、終いには怒るよ)。
ワジティヨ(怒ってね)。ワジヤーニ(怒って)。
否:ワジラン(怒らない)希:ワジーブサン(怒りたい)過:ワジタン(怒った)継:ワジトーン(怒っている)。
- メモ
- 類:クサミチュン・クサミクン。
ワジャ
業。仕事。
- 用例
- ワジャヌ ネーラン ナイネー、デージドー(仕事がなくなると、大変だよ)。
- メモ
- 類:シクチ・ワザ。
ワジャクバイ
役目を決めること。
- 用例
- チューヤ スリーヤ ワジャクバイ スンディ(今日は集まりは、役目を決めるそうだ)。
ワジャトゥ
わざと。故意に。
- 用例
- ワジャトゥヤ アラングトゥ クネーティ トゥラシ(わざとではないから許してくれ)。
- メモ
- 類:ウッターティ。
ワジャムン
顔をしかめる。怒って顔にしわが寄る。
- 用例
- アリンカイ アン イーネー ワジャムンドー(彼にそう言うと、顔をしかめるよ)。
ワライシン ワカランル アラー トゥーチ ワジャドーサ(笑うのも知らないのか、いつも顔をしかめている)。
ワジャンカー
しかめっ面。
- 用例
- トゥーチ ワジャンカー シ、イフェー ワラレー(いつもしかめっ面をして、少しは笑いなさい)。
- メモ
- 音2:ワジャンピーリ・ワジャンピーリー。
ワジャンピーリ
しかめっ面。
- 用例
- ワジャンピーリ シ(しかめ面をして)。
- メモ
- 音1:ワジャンピーリー。音2:ワジャンカー。
ワジャンピーリー
しかめっ面。
- 用例
- アマヲゥティ ワジャンピーリー ソーシェー ター ヤガ?(あそこでしかめっ面をしているのは誰ねぇ?)。
- メモ
- 音1:ワジャンピーリ。音2:ワジャンカー。
ワシリーン
忘れる。
- 用例
- ワンニン ユー ワシリーンドー(私もよく忘れるよ)。
否:ワシリラン(忘れない)希:ワシリーブサン(忘れたい)過:ワシリタン(忘れた)継:ワシリトーン(忘れている)。
ワジリガーラ
三途の川。後生に行って初めに渡る熱湯の沸き立つ川。
- 用例
- グソーゴクラクヤ ワジリガーラ ワタティル ハインディ(後生極楽は、三途の川を渡って行くそうだ)。
ワシリングヮ
上の子と年が離れた子。年の差きょうだい。
- 用例
- ワシリングヮ ナティ、デージナ カナサ ソーン(上と年の離れた子で、とても可愛がっている)。
ワジワジー
怒りが湧いてくる様。腹が立つ様。
- 用例
- ワジワジー スン(怒りが湧いてくる)。
チューヤナー、ワジワジーシ フシガラン(今日はもう、腹が立っておさまらない)。
ワタ
腹。はらわた。
- 用例
- ムン カミーヂューサヌ ワタビカーン マギク ナトーン(ご飯を食べすぎて、お腹だけが大きくなっている)。
ワタ キラリンドー(腹を蹴られるぞ〈脅し文句〉)。ワタ ドゥーグルサン(腹が不調で苦しい)。ワタ ムゲーイン(はらわたが煮えくり返る)。
- メモ
- 音2:ワタブトゥ。
ワタ
綿。
ワタ ウクスン
お腹がいっぱいになること。
- 用例
- ウッサ ティレーラッティ ワタ ウクスンテー(そんなにたくさん御馳走になって、お腹いっぱいになるよ)。継:ワタウクチョーン(お腹いっぱいになっている)。
ワタ クジーン
腹を抉〔こじ〕る。怒らせる。
- 用例
- アレー クチヌ ワッサヌ チャー チュヌ ワタクジーン(彼奴は口が悪くて、いつも人の腹を抉〔くじ〕る)。
ワタ クファイン
笑いすぎて腹が硬くなる。
- 用例
- ワタ クファイルカ ワラタン(腹が硬くなるほど笑った)。
ワタ ソーン
石垣がくずれかけて、その一部が腹がふくれたように出てきた様。
- 用例
- アマヌ イシガチェー ワタ ソーンドー、アマンジ アシブナヨー(あそこの石垣はふくらんでいるよ、あそこで遊ぶなよ)。
ワタ ミッチュン
腹いっぱいだ。
- 用例
- チューヤ チュファーラ カリ ワタ ミッチョーン(今日はいっぱい食べて、お腹いっぱいだ)。
ワタ ミチルカ(腹満つるほど)。
ワタイリー
綿入れ。
- 用例
- ウレー、パーパーガ チチョータヌ ワタイリー ヤサ(それは、お婆さんが着ていた綿入れだよ)。
- メモ
- 類:リンクヮー・フィーター。
ワタガシマサン
腹が不調である。
ワタクシ
へそくり。
- 用例
- ワタクシ チュクインディシン ウヌ ジンヌル ネーンレー(へそくりを作ろうとしても、そのお金がないんだよ)。
ワタクシヒンガン
私彼岸。彼岸の俗称。
- メモ
- →グソーヌワタクシ。旧2月、8月の彼岸は祖先供養の祀りで、私事なのでワタクシヒンガンともいわれた。
ワタクジムニー
ひねくれた物言い。人を怒らせるような物言い。
- メモ
- 音1:ワタクジムヌイー。
人の隠しておきたいものをほじくり出すような話し方。
ワタクジムヌイー
ひねくれた物言い。人を怒らせるような物言い。
- 用例
- イャーヤ、ワタクジムヌイービカーン シ、チュ クサミカサンケー(お前は、ワタクジムヌイーばかりして、人を怒らせるな)。
- メモ
- 音1:ワタクジムニー。→ワタシグムニー。
ワタクジヤー
人の隠しておきたいものをほじくり出すような人。
ワタグスイ
腹薬。
ワタクチュクチュー
むしゃくしゃする様。話が対立し、腹が立つ様。
- 用例
- ワタクチュクチュー シ(腹が立って、腹が立って)。
ワタクルー
腹黒。
ワタグルグルー
お腹ごろごろ〈ぐるぐる〉、または、ぎゅるぎゅる。腹の不調をしらせる音がする様。
- 用例
- クサリムン カマーニ ワタグルグルー ソーン(腐れ物を食べてお腹がぐるぐるしている)。
ワタグヮー
豚の小腸。
- 用例
- ワタグヮーヤ ユー アラティカラ チカリヨーヤー(豚の小腸はよく洗ってから使いなさいよ)。
- メモ
- 豚肉の部位の小腸。
ワタクヮルカ
笑いすぎて腹が硬くなる様。腹がよじれるほど笑うこと。
- 用例
- チヌーヤ、シバイ ンチ、ワタクヮルカ ワラタン(昨日は、芝居を見て、腹がよじれるほど笑った)。
ワタスン
渡す。
- 用例
- ンナカイヤ アチャー ワタスン(皆には明日渡す)。
否:ワタサン(渡さない)希:ワタシーブサン(渡したい)過:ワタチャン(渡した)継:ワタチョーン(渡している)。
ワタチクチク
お腹がチクチク痛い様。
- 用例
- ヌーガラ アタイル サラー、ワタチクチク スン(何かに当たったのか、お腹がチクチク痛い)。
ワタヂン
綿入れの着物。
- 用例
- ヒーサイニヌ ワタヂンヌ ヌクサタシヨー(寒い時の綿入れの暖かかったこと)。
ワタテンテン
お腹がはち切れるような様。
- 用例
- アマカラ ワタテンテン ッシ アッチョーシェー ター ヤガ(あそこから大きなお腹をして歩いているのは誰ねぇ)。
ワタナカラ
腹半分。
- 用例
- アワティラカサンケー、ナマ ワタナカラル ヤシガ(急かすな、今腹半分だよ)。
ワタヌムシ
お腹の虫。寄生虫。
- 用例
- ンカシェー、ワタヌムシヌ ウーサヌ、ガッコーヲゥティ ムシクダシ ヌマスタン(昔は、寄生虫が多くて、学校で虫下しを飲ませていた)。
ワタビネー
お腹が空いてないこと。
- 用例
- ナーダ ワンネー ワタビネー サンレー(私はまだお腹が空いてないよ)。
ワタブー
腹の大きい者。
- メモ
- 音1:ワタブター。
食べすぎて腹が張ること。直訳はお腹が大きい人のことだが、転じて、人を愚弄する言葉としても使われる。
ワタブター
腹の大きい者。
- 用例
- ワッター ウスメーガ ワタブター ナトーシヨ(私たちのおじいさんの、お腹が大きいことよ)。
ヤナワタブターヒャー!アビンナケー(嫌なワタブターめ!しゃべるな〈黙れ〉)。
- メモ
- →ワタブー。
悪口の一種。
ワタフッキー
食べ過ぎで腹がふくれ、苦しいこと。腹が張ること。
ワタフックイ
食べ過ぎで腹がふくれ、苦しいこと。腹が張ること。
- 用例
- チュファーラ カミヂューサヌ、ワタフックイ ソーン(いっぱい食べすぎて、お腹が張っている)。
ワタフックイ ソーサー(食べ過ぎて腹がふくれて苦しいなあ)。
- メモ
- 音1:ワタブクイ・ワタブックイ・ワタブックイー。→ワタフッキー。
ワタブックイ
食べ過ぎで腹がふくれ、苦しいこと。腹が張ること。
- 用例
- ワタブックイ サーニ イチブイ ソーッサー(食べ過ぎで腹が膨れて、げっぷが出るよ)。
- メモ
- →ワタフッキー。
ワタブックィー
食べ過ぎで腹がふくれ、苦しいこと。腹が張ること。
- メモ
- →ワタフッキー。
ワタブトゥ
腹。
- 用例
- ウスメー ワタブトゥヌ マギサヨ(お爺さんの腹の大きいことよ)。
- メモ
- →ワタ。
ワタブトゥ ソーン
妊娠している。
- 用例
- ワッター ヰナグングヮヤ ワタブトゥソーン(私の娘は妊娠している)。
- メモ
- →ウフワタ ソーン。
ワタボンボン
水分で腹がいっぱいになり、タプタプしている様。
- 用例
- ワタボンボン スカ ミジ ヌラン(お腹がタプタプとするほど水を飲んだ)。
ミジビカーン ヌラデー ワタボンボン ソーン(水ばかり飲んだら、お腹がタプタプだ)。
ワタマギー
腹の大きい者。
- メモ
- 悪口の一種。
ワタミームン
内臓。豚などの内臓の総称。
- メモ
- 音2:ワタムン。
食品としての名称で、小腸や大腸などの総称。
ワタムシ
腹の虫。
- 用例
- ワタムシガ ナチュン(腹の虫が鳴く)。
- メモ
- 空腹時にお腹がなること。
ワタムン
内臓。豚などの内臓の総称。
- 用例
- イユ クシレーイネー、ワタムヌン リッパ トゥリヨー(魚をさばくときには、内臓もちゃんと取りなさいよ)。
ワタムン クシレーティ クーヤー(内臓の部分を解体して分けてくるね)。
- メモ
- →ワタミームン。
ワタヤミー
腹痛。
- 用例
- ヌール カラダー、チヌー ユルカラ ワタヤミー ソーン(何を食べたのか、昨夜から腹痛をおこしている)。
ワタヤン
腹痛。
- 用例
- ワタヤン シチ(腹痛がして)。
- メモ
- →ワタヤミー。
ワタヰーサン
お腹いっぱいで苦しい様。
- 用例
- ハーナーッ!ワタヰーサヌ(ああもう!お腹いっぱいだ)。
- メモ
- 音1:ワタヰーハン。
ワタヰーハン
お腹いっぱいで苦しい。
- 用例
- ルク カミヂューハヌ ワタヰーサン(あまりにも食べ過ぎて、お腹いっぱいで苦しい)。
- メモ
- 音1:ワタヰーサン。
ワタラーフーヤー
お腹いっぱいの様。
- 用例
- チュファーラ カリ、ワタラーフーヤー ソーン(いっぱい食べて、お腹がいっぱいだ)。
ワタンジャーガー
喜名の井泉の名称。
- メモ
- 出産の産水、死亡時の死水、正月の若水を汲む重要な井戸だった。かつては現在地より上方に位置していたが、美人と不美人の両極端が生まれるのは水のせいだということで数メートル下に移動し、その後は普通の子が生まれるようになったと伝わる。旧6月のカーサレー(カー浚い、井戸の掃除)に拝す。
ワチ
腋〔わき〕。脇。
- メモ
- →ワーキ。
ワチスビ
着物の脇に当てる四角い布。脇当て。
- 用例
- ワラビヌ チヌンカイ ワチスビ チキーン(子どもの着物に脇当てを作る)。
- メモ
- 袖の上げ下ろしにゆとりをつけるための物。
ワチヌール
脇ノロ。
ワチャク
いたずら。からかうこと。
- 用例
- ワラビ ワチャク シ ナケースン(子どもをからかって泣かす)。
ワチャク シンディワル ヤル(からかってみよう)。スル ワチャクル スル(いたずらにもほどがある)。ワチャクドゥ ヤグトゥ(からかっているのだから)。
- メモ
- 類:ガンマリ。
ワチュン
湧く。
- 用例
- ボーフラー ワチャビランサ(ボウフラはわかないですよ)。
イーヌ カーラヤ、ナマヤティン ミジガ ボンナイスカ ワチョーン(上の川は、今でも水が溢れるほど湧いている)。
ワヂラスン
たぎらせる。
- 用例
- ユー ワヂラチ(湯をたぎらせて)。
ワチヲィナグネ
地名。南城市湧稲国。
ワッキーン
分かれる。乱れた。
- 用例
- カラジヌ ワッキタグトゥ(髪が乱れたので)。
ワックイ
分かれ。
- 用例
- マーンカイ ワックイ ミソーチャガ(どこに分かれて行かれたか)。
ワックイネー(分かれたら)。
アマクマカイ ワックイン(あちこちに分かれる)。
否:ワックィラン(分かれない)希:ワックィブサン(分かれたい)過:ワックィタン(分かれた)継:ワックィトーン(分かれている)。
ワックイン
分かれる。解かれる。バラバラになる。
ワックヮスン
分解する。ばらばらにする。
- 用例
- チカーンル アグトゥ ワックヮスン(使わないんだから分解する)。
否:ワックヮサン(分解しない)希:ワックヮシーブサン(分解したい)過:ワックヮチャン(分解したい)継:ワックヮチョーン(分解している)。
ワッサイワッサイ
騒いでいる様。
- 用例
- アマヲゥティ ワッサイワッサイ ソーシガ、ヌー ヤガヤー(あそこで騒いでいるが、何だろうね)。
ワッサビナサ
悪いところ。汚いところ。
- 用例
- クーテンヌ ワッサビナサヤ、クネーティ トゥラシェ(少しの悪いところは、許してくれ)。
ワッサン
悪い。
- 用例
- ワッサンディ ウムイラー、ヘーク ワビ イリレー(悪いと想うなら、早く謝りなさい)。
ワッター
私たち。我々。
- 用例
- ワッターヤ ウヮーン ダテーン カラトータン(私たちは豚もたくさん飼っていた)。
- メモ
- →アガター。
ワッタークル
私たちで。
- 用例
- ワッタークル ムットゥ ハクブシェー マシ(私たちで全部運んだ方が良い)。
- メモ
- →ドゥーナークル。
ワッテー
私たち。我々。
- メモ
- →アガター。
ワップー
分けること。分配。
- 用例
- ウッサキー アルムンヌ ンナシ ワップー サー(そんなにたくさんあるんだから、皆で分けよう)。
スグ ターレーサーニヨー、「ハイ、マーヌムン、マーヌムン」ディ シ、アンシ ワップー(すぐ盥〔たらい〕で、「はい、どこのもの、どこのもの」と、そうやって分配)。
- メモ
- →ワーキー。
ワビ
詫び。降参。
- 用例
- ドゥークル ワッサンディ ウムイラー ワビ イッティ クヮー(自分で悪いと思うなら、詫びを入れてこい)。
ワビ ソーン(詫びている)。ワビ シチャンリ(降参したって)。
ワブワブー
ダブダブ。
- 用例
- ワラビル ヤルムンヌ、ワブワブー ヤティン シムサ(子どもなんだから、ダブダブでもいいよ)。
ワラースン
笑わせる。
- 用例
- ンナシ アカングヮ ワラースン(みんなで赤ちゃんを笑わせる)。
否:ワラーサン(笑わせない)希:ワラーシーブサン(笑わせたい)過:ワラーチャン(笑わせた)継:ワラーチョン(笑わせている)。
ワライカンジュン
大笑いしている様。
- 用例
- ハナシ チチ ワライカントータン(話を聞いて大笑いしていた)。
継:ワライカントーン(大笑いしている)。
ワライフクイ
笑い喜び。
- 用例
- ワライフクイ シ(笑い喜んで)。
ワライミークチ
笑顔。愛想。
- 用例
- ワカサヌ ヰナグヤシガ ワライミークチン ネーン(若い女なのに笑顔もない)。
- メモ
- 類:イェーソー。
ワライン
笑う。
- 用例
- ガンクースーヤ ゥンマガンチャートー ユー ワライン(頑固親父は、孫たちとは良く笑う)。
否:ワラーン(笑わない)希:ワライブサン(笑いたい)過:ワラタン(笑った)継:ワラトーン(笑っている)。
ワラウービ
藁帯。
- 用例
- ワッター スーン、ウスメーン、ハルカイ イチーネー ワラウービル ソータル(私の父も、おじいさんも、畑に行く時には藁帯をしていたんだよ)。
ワラザン
藁算。結縄。
- メモ
- そろばん以前は、藁を用いて計算をし、藁で数字も記録していた。
ワラザンミン
藁算で計算すること。藁算。
- 用例
- ワラザンミンヤ ユー カンゲーティ チュクラットータン(藁算は良く考えて作られていた)。
- メモ
- →ワラザン。
ワラシンブー
藁しべ。藁芯穂。
- 用例
- ワラシンブー ティーチカラ イェーキ サンディヌ ハナシガ アン(藁しべ一本から金持ちになったという話がある)。
ワラディマ
藁手間。脱穀作業を手伝って、手間賃として藁を貰った。
ワラバー
童。子ども。
- メモ
- 音1:ワラビ・ワラビグヮー。
ワラバーター
子どもたち。
- メモ
- 音2:ワラビンチャー・ワランチャ。
ワラビ
蕨。ワラビ。
- 用例
- ワラビヌ ヌーリンカイ マースガーミヌ イーチョーン(子どもの喉に塩甕がある〈子どもに塩辛い物は良くない〉)。
- メモ
- 豆腐作りや日常の煮炊きにはワラビや松葉を使ったので、3時4時頃から起きてワラビを恩納村の山へ取りに行った。そこで、(山の番をする人に)見つかると50銭の罰金を科された。
ワラビ
子ども。
- 用例
- ワラビ ウッサ ナチ、イャーヤ アトゥアトー ラク スサ(子どもをたくさん産んで、あなたは後々は楽するよ)。
- メモ
- 音1:ワラバー。
ワラビアチケー
子ども扱い。大人を子どものように扱うこと。
- 用例
- スーンカイ ワラビアチケー サッティ、フシガラン(お父さんに子ども扱いされて、たまったもんじゃない)。
ワラビグィー
子供の声。
- 用例
- ワラビグィーヌ チカリータシガ、ターガラ チルヲゥティー?(子どもの声が聞こえたが、誰か来ていたの?)。
ワラビヂム
子どもっぽい考え。
- 用例
- アレー ルク ワラビヂム ナティヤー(彼はあまりにも子どもっぽくてね)。
ワラビナー
童名。幼名。子どもの頃の名前。
- 用例
- パーパーナー アヤカティ ワラビナー チキタン(おばあさんの名前をあやかって、童名を付けた)。
- メモ
- 戸籍上の正式な名前ではなく、生まれてすぐにつけられ、近しい人たちの間で使われる名。
ワラビンチャー
子どもたち。
ワラブチ
藁草履。
- 用例
- アミ フティ、ハルカイ イカランネー、ワラブチ アムタン(雨が降って、畑に行けない時には、藁草履を編んでいた)。
ワラヤー
笑う者。よく笑う人。
- 用例
- ワラヤー ナシミソーリ(よく笑う子になるように)。アンシ、ワラヤーグヮー ヤル(なんて、よく笑うんでしょう)。
- メモ
- 出産後、胎盤を軒下や家の後ろに埋める時に、みんなで笑いながら「ワラヤー ナシミソーリ」と生まれた子の幸せを願って埋めた。
ワラヤーワラヤー
ニタニタ、ニヤニヤする様。
- 用例
- アマカラ ワラヤーワラヤー ッシ チャーギール(あそこからニヤニヤして来るよ)。
ワラランワレー
無理に笑うこと。
- 用例
- チュガ アビーヌ カージ ワラランワレー シ(人がしゃべるたびに無理に笑って)。
ワランチャー
子どもたち。
- 用例
- ワランチャーガ マーイアナギエー シ アシドーン(子どもたちがボール投げをして遊んでいる)。
ワランチャーヂナ
子ども綱引き。
- メモ
- 喜名では、6月15日は綱引きがあり、そのひと月前にはワランチャーヂナといって子ども綱引きをした。孫守りしているお年寄りたちの楽しみでもあった。夕涼みがてら孫を背負ってクバ扇をパタパタさせながら見物した。
ワランチャーバカ
童墓。幼児墓。穴墓。名前も付けられなかった赤子を葬った墓。
- メモ
- →イシヌミーバカ。
ワリ
割れた物。割れた欠片。
- 用例
- カーミヌ ワリ(甕の割れた欠片)。
ワリーン
割れる。
- 用例
- マッカイ ナギーネー ワリーンドー(お碗を投げたら割れるよ)。
否:ワリラン(割れない)過:ワリタン(割れた)継:ワリトーン(割れている)。
ワリムン
割れ物。割れやすい物。
- 用例
- ウヌ バーキヤ ワリムンガ イッチョーグトゥ ヨンナー ハクビヨー(そのザルは割れ物が入っているからゆっくり運びなさいよ)。
ワリヤン
頭痛の一種。頭が割れるようなひどい痛み。
- 用例
- チブルヌ ワリヤン シ、ニジララン(頭が割れるように痛くて、我慢できない)。
ワレーバナシ
笑い話。
- 用例
- ウスメーヤ ゥンマガンチャーンカイ ワレーバナシ チカシンシェータン(お爺さんは孫たちに笑い話を聞かせてくれた)。
ワレームン
笑い物。
- 用例
- ドゥーカッティーバカーン シーネー、アトー ワレームンル ナイサ(自分勝手ばかりしていたら、後は笑いものになるんだよ)。
ワン
私。
- 用例
- ワンニン アチャカラ カシー シーガ イチュサ(私も明日から手伝いに行くよ)。
- メモ
- 類:ワー。
ワン
地名(読谷村大湾)。
ワン(~ワン)
~とも。~ても。
- 用例
- イスジョーラワン(急いでいようとも)。チュクリワン チュクリワン(造っても造っても)。
ワン トゥグチ
地名(読谷村大湾と渡具知)。
- メモ
- 隣接するふたつの地域を並べていう呼び方。
ワン ヒージャ
地名(読谷村大湾と比謝)。
- メモ
- 隣接するふたつの地域を並べていう呼び方。
ワン フルギン
地名(読谷村大湾と古堅)。
- メモ
- 隣接するふたつの地域を並べていう呼び方。
ワン ムルビサー
字民性。湾諸足。付和雷同。大湾の人の字民性を現す言葉。
- メモ
- 周りに同調して行動するという字民性を表したことば。
ワンカラワンカラ
我先に。
- 用例
- アマカラ ワンカラワンカラ、チュヌ アッチ チューン(あそこから我先に、人が歩いて来る)。
ワンクル
自分で。
- 用例
- ウレー ワンクル ナイグトゥ、ウヌママ ソーケー(それは自分でできるから、そのままにしておいて)。
- メモ
- 類:ドゥークル。
ワンダーラ
字民性。大湾の人の口調がゆっくりしていること。大湾の人の字民性を現す言葉。
ワンダイガタ
面倒を見ること。
- 用例
- タイヌウヤンチャー ワンダイガタ ソーン(両親の面倒を見ている)。
ワンダイン
世話をする。面倒をみる。祀っている。
- 用例
- ヰナグングヮヌル、ウヤー ワンダタンドー(娘が、親を世話したんだよ)。
ムラヌ ワンダトーン(村が祀っている)。
- メモ
- 類:ワンライン・ワンダユン。
ワンダガー
波平の湧泉の名称。
- メモ
- 一説によると、泉が涸れ、水不足になった際に掘り当てられたと言われている。その助言者が大湾の人だったため、湾田と名付け、前の窪地を湾田底(ワンダジュク)と呼ぶという。周辺の田んぼは苗代(ナーシル)として土地を分け合って使ったと伝えられる。
ワンダバル
{湾田原}。上地の小字。
ワンチャメーイン
弁償する。補う。
- 用例
- タラーブノー ワンガ ワンチャメーイサ(足りない分は私が補うよ)。
否:ワンチャメーラン(補なわい)希:ワンチャメーイブサン(補いたい)過:ワンチャメータン(補った)継:ワンチャメートーン(補っている)。
- メモ
- 類:トゥイアチミーン・トゥイチャメーイン・トゥッチミーン。
ワンチュ
大湾の人。
ワンナー
私たち。我々。
- 用例
- ワンナー、イチマディ ハタラカントー ナランガヤー(私たちは、いつまで働かなくちゃいけないのかな)。
- メモ
- →アガター。
ワンヌール
大湾ノロ。
- メモ
- 字大湾・古堅・渡具知・伊良皆を統括し、ウマチー祭祀を執り行った。
ワンバル
{大湾原}。大湾の小字。
ワンブー
焼き物の大きな深い鉢。
- 用例
- スージネー ムン チュクイネー ワンブーンカイ イェームン チュクイタン(お祝いには、ワンブーに和え物を作っていた)。
- メモ
- 大きなどんぶりに似ている。食材を混ぜたりする時などに使う。
ワンライン
世話をする。面倒をみる。
- 用例
- アトゥアトー、タトゥクルヌ ウヤンチャー ワンライン(後々は、両方の親たちの世話をする)。
ワンライガタ スン(お世話する)。
- メモ
- 類:ワンダイン・ワンダユン。
ヲィージュン
泳ぐ。
- メモ
- 音1:イーグン・イージュン・ウィージュン。
ヲィーン
酔う。
- メモ
- 音:ヰーン・ヰン。
ヲィキガ
男。
- メモ
- 音1:ヰキガ。対:ヲィナグ・ヰナグ(女)。
ヲィキガウフッチュ
男は大人。
- 用例
- ヲィキガウフッチュリチ ヲィキガー クーサティン ウフッチュアチケー スタンドー(男は大人といって、男の子は小さくても大人の扱いをしていたよ)。
- メモ
- 対:ヲィナグワラビ(女子ども)。
ヲィキガシージャ
兄。長男。
- 用例
- ワッター ヲィキガシージャー(うちの長男は)。
- メモ
- 長男という意味で使うこともある。
ヲィキガチョーデー
男きょうだい。兄弟。
ヲィキガヌウヤ
父親。男親。
- メモ
- 音1:ヰキガヌウヤ。
ヲィキガヌティデーイ
男性が食事などを準備して女性に御馳走すること。
- メモ
- →ティデーユン。
ヲィナグ
女。
- メモ
- 音:ヰナグ。対:ヲィキガ・ヰキガ(男)。
ヲィナグウドゥイ
女踊り。踊りの一種。
ヲィナググヮンス
女元祖。未婚または離婚後亡くなった女性が実家で祀られていること。
ヲィナグスガイ
女装。
- メモ
- 長浜の綱引きでは東は按司装束、西はヲィナグスガイをして綱首に立った。
ヲィナグヂナ
女性が引く綱引き。
- メモ
- 音1:ヰナグヂナ。
ヲィナグチョーデー
女きょうだい。姉妹。
- メモ
- 対:ヲィキガチョーデー(兄弟)。
ヲィナグヌウヤ
女親。母親。
- メモ
- 音:ヰナグヌウヤ。
ヲィナグヌカタ
妻の実家。
ヲィナグヌチビナンジャー
女の尻に敷かれている者。
ヲィナグヌティデーイ
女の供応。
ヲィナグヌヤー
女の部屋。
- メモ
- 台所の一角を寝室として使った。使用人や女中をおいている家では女中部屋としても使用していた。
ヲィナグワラビ
女子ども。女と子ども。
- 用例
- ヲィナグワラビヌ ゥンジトーティ(女子どものくせに)。
ヲィナグワラビヤ アビランケー(女子どもはしゃべるな)。
- メモ
- 音1:ヰナグワラビ。
女と子どもを見下したような物言いをするときに用いられた。
ヲィナグングヮ
女の子。娘。
- メモ
- 音1:ヰナグングヮ。
ヲゥイ(~ヲゥイ)
折。時。
- 用例
- アサバンヲゥイ ナトーンドー(昼ご飯時になったよ)。
- メモ
- 音1:ウイ。
ヲゥー
緒。糸や紐など細長いもの。
ヲゥー
芭蕉。糸芭蕉。
- 用例
- パーパーヤ クチャヲゥティ、ヲゥー チナジ メンシェーン(おばあさんは裏座で、芭蕉を紡いでいらっしゃる)。
- メモ
- 類:シマヲゥー・バサヲゥー。
ヲゥーアータ
両生類。カエルの一種。オキナワアオガエル。
- メモ
- 音1:ヲゥーウヮータ。→シーバイウヮータ。
ヲゥーアタイ
芭蕉畑。
- メモ
- 音1:ヲゥーアッタイ。
屋敷内にある菜園をアタイといい、芭蕉畑は屋敷内もしくは近くにあることが多かったのでヲゥーアタイと呼んだ。
ヲゥーアタビー
オキナワアオガエル。
- メモ
- 木の上にいて、逃げる時に小便をひっかける習性がある。それが目に入ると危ないといわれていた。
ヲゥーアッタイ
芭蕉畑。
- メモ
- 音1:ヲゥーアタイ。
ヲゥーイタティーン
払い落とす。
- 用例
- ムスルヌ フクシン ヲゥーイタティーン(筵の埃を払い落とす)。
否:ヲゥーイタティラン(払い落とさない)希:ヲゥーイタティーブサン(払い落としたい)過:ヲゥーイタティタン(払い落とした)継:ヲゥーイタティトーン(払い落としている)。
- メモ
- →ヲゥーアタイ。
ヲゥーイン
折る。
- 用例
- ワンガ ヲゥーイサ(その木は私が折るよ)。
否:ヲゥーラン(折らない)希:ヲゥーイブサン(折りたい)過:ヲゥータン(折った)継:ヲゥートーン(折っている)。
ヲゥーイン
揺する。揺さぶる。揺り動かす。
- 用例
- キンブグヮー トゥインディ キーヌ ユダ ヲゥーイン(ミカンを取ろうと、木の枝を揺さぶる)。
否:ヲゥーラン(揺さぶらない)希:ヲゥーイブサン(揺さぶりたい)過:ヲゥータン(揺さぶった)継:ヲゥートーン(揺さぶっている)。
ヲゥーウシ
雄牛。
- 用例
- ヲゥーウシ コーティ クーワ(雄牛を買って来なさい)。
- メモ
- 対:ウナメ・ミーウシ(雌牛)。
ヲゥーガーサ
糸芭蕉の葉。
- 用例
- ヲゥーガーサンカイ、ニジリメー チチムン(糸芭蕉の葉に、お握りを包む)。
- メモ
- 類:ヲゥーヌファー。
ヲゥーガーラ
雄瓦。
- 用例
- ワンネー ヲゥーガーラル カメートーンデー(私は雄瓦を探しているんだよ)。
- メモ
- 対:ミーガーラ(雌瓦)。
ヲゥーガーラヌクルマ
雄瓦を成型する際の木型。
- メモ
- 類:ヲゥーガタ。
ヲゥーガタ
雄瓦を成型する際の木型。
- メモ
- 類:ヲゥーガーラヌクルマ。
ヲゥーキ
桶。
- 用例
- アシビーガ イチュルメーニ、ヲゥーキヌ ミジェー ミチティカラ イケー(遊びに行く前に、水を桶いっぱいにしてから行きなさい)。
ヲゥーキンカイ ミジ クリクヮー(桶に水を汲んで来なさい)。
- メモ
- 類:ターグ・ターグー。
ヲゥーギ
サトウキビ。甘蔗。
- 用例
- クンドゥヌ ヲゥーギヤ、クジュヌ ムンヤカ アマサン(今年のサトウキビは、昨年のものより甘い)。
- メモ
- 音1:ヲゥージ。
ヲゥーギカキ
キビ刈り。
- 用例
- ヲゥーギカキヤ、ヰーマールーシ スタン(甘蔗刈りは、お互いで助け合ってやった)。
- メモ
- 類:ヲゥージカチ。
ヲゥーキグヮー
小さい桶。
ヲゥーギクヮーサー
サトウキビを搾る機械。また操作をする者。
- 用例
- ヲゥーギクヮーサー アチカイネー、ユー キー チキリヨー(キビを搾る機械を扱う時には、よく気をつけなさいよ)。
- メモ
- 音1:ヲゥージクヮーサー。
ヲゥーギニンジュ
製糖作業を一緒に行うサーター組の構成員のこと。
- 用例
- サーターシーネー、ヲゥーギニンジュ マカナインディ デージ ヤタン(製糖作業の時には、手伝いの人たちを賄うのに大変だった)。
- メモ
- 音:ヲゥージニンジュ・サーターニンジュ。
ヲゥーギマカネー
キビの刈り入れの時の賄い。
- 用例
- チューヌ ヲゥーギマカネーヤ イクタイガ?(今日のヲゥギマカネーは何人ねぇ?)。
ヲゥーギンガラー
サトウキビの搾りかす。
- 用例
- ヲゥーギンガラーヤ、チューヲゥティ カタジキリヨー(サトウキビの搾かすは、今日で片づけなさいよ)。
- メモ
- 音:ヲゥージガラー・ヲゥージガラ。
ヲゥークス
糸芭蕉から繊維を取った後の不純物。
- メモ
- 肥料として芭蕉畑へ戻した。
ヲゥージ
サトウキビ。甘蔗。
- 用例
- ヲゥージ ヲゥーティ カマスン(サトウキビを折って食べさせる)。
- メモ
- 音:ヲゥーギ。
ヲゥージカチ
サトウキビの刈り取り。
- 用例
- イャーン、ヲゥージカチネー ティガネー シーヨー(君も、キビ出しには手伝いなさいよ)。
- メモ
- 類:ヲゥーギカキ・ヲゥージカチ・ウージカチ。
ヲゥージカチャー
サトウキビを刈り取る人。
ヲゥージガラ
圧搾したサトウキビの搾りかす。
- メモ
- 砂糖を煮詰める窯の燃料に使った。
類:ニクジー・ヲゥーギンガラー・ヲゥージンガラー。
ヲゥージガラー
サトウキビの搾りかす。
- 用例
- ヲゥージガラーヤ、ハルカイ ムッチ ゥンジ マジドーチュン(サトウキビの搾りかすは畑に持って行って積んでおく)。
- メモ
- 音1:ヲゥージガラ。音2:ヲゥーギンガラー。
ヲゥージクヮーサー
キビを搾る機械。また操作する人。
- メモ
- 音1:ヲゥーギクヮーサー。
ヲゥージトーシー
キビ出し。サトウキビの刈り取り。
- 用例
- ヲゥージトーシーニ アミ フトーサ(キビ出しに雨が降っているさ)。
ヲゥージニンジュ
製糖作業を一緒に行うサーター組の構成員。
- メモ
- 類:ヲゥーギニンジュ。
伊良皆ではヲゥージニンジュが葬式組となり喪家への援助をした。
ヲゥージヌニー
甘蔗の根。
- 用例
- ヲゥージヌニー コースン(甘蔗の根を掘り起こす)。
- メモ
- 渡具知では根を掘り起こしたあとには大豆を植えた。
ヲゥージバサ
サトウキビを積んでいる馬車。
- メモ
- 子どもたちはヲゥージバサの後ろからサトウキビを抜き取って食べた。
ヲゥージマンサン
製糖終了祝い。
- メモ
- 類:アザマンサン・マンサン・マンサングヮー。
各製糖組でマンサングヮーを済ませた後に集落全体のアザマンサンが行なわれた。伊良皆ではアザマンサンに闘牛も行なった。
ヲゥージョー
メジロの雄。
- メモ
- 対:ミージョー(メジロの雌)。
ヲゥーヂル
雄弦。サンシン(三線)の低い音の弦〔げん〕。
ヲゥードゥイ
雄鳥。
- メモ
- 音2:ヲゥールヤー。
ヲゥードゥヤー
雄鶏。
- 用例
- ワッターヤ ヲゥードゥヤービカーンル カラトール(私たちは、雄鶏だけを飼っているんだよ)。
- メモ
- 対:ミードゥヤー・ミードゥイ(雌鶏)。
ヲゥーヌカージューシー
芭蕉の内皮を入れた雑炊。
- メモ
- 比謝では下痢の時に、芭蕉の皮の内側の柔らかい部分を刻んで入れた雑炊を食した。座喜味では細かく刻んで味噌と炒め、粥と一緒に食べた。
ヲゥーヌファー
芭蕉の葉。
- メモ
- 類:ヲゥーガーサ。
ヲゥーヌンム
芭蕉の芯。
- メモ
- 葬儀の際の紙で作った造花はヲゥーヌンムに突きさした。
ヲゥーバーラ
芭蕉糸を紡いで入れるカゴ。
- 用例
- ゥンマンカイ ヲゥーバーラ ムッチ クーワ(そこに芭蕉糸を入れるカゴを持って来なさい)。
ヲゥーバタキ
芭蕉畑。
- メモ
- 類:ヲゥーアタイ・ヲゥーアッタイ。
ヲゥーヒキ
糸芭蕉を倒す作業。
- メモ
- お婆さんが7、8人共同で芭蕉を倒し、芭蕉のヲゥーヒキをした。ウヮーヲゥー(外)、ナカグー(中)、シチャヲゥー(下)と分けて、クルギナーはウヮーヲゥーで作った。
ヲゥーブシ
苧を紡いで巻いたもの。
ヲゥーブラ
雄の法螺〔ほら〕。
- メモ
- 伊良皆では訃報を知らせるソーシキブラ(葬式用法螺貝)はヲゥーブラを用いた。
ヲゥーマヤー
雄猫。
ヲゥーミーティーミ
苧績みのやり方。
- 用例
- ヲゥーミーティーミ ナラースン(苧績みのやり方を教える)。
ヲゥームナー
雄。
- 用例
- コーイラー、ヲゥームナール コーティ チューンドー(買うなら、雄豚を買って来るんだよ)。
- メモ
- 音1:ヲゥームン。対:ミームナー(雌)。特に雄豚にいった。
ヲゥームン
雄。
- メモ
- 音1:ヲゥームナー。対:ミームン(雌)。
ヲゥームンガチャ
芭蕉製の蚊帳。
- 用例
- 夏の暑い真昼。真昼間。
- メモ
- 一般家庭では木綿や麻でできた蚊帳を使っていたが、裕福な家は芭蕉製だった。座喜味は字で所有しているヲゥームンガチャがあり、葬儀の際、喪家の家で東を開け三方を吊り、その中に死者と子や孫が入った。
ヲゥーヤーマ
芭蕉糸の糸車。芭蕉糸をより合わせる器具。
ヲゥーヰナグ
男勝り。
- 用例
- ルク ヲゥーヰナグ ナティ、イフェー ヲィナグラーシク サンネー(余りにも男勝りで、少しは女らしくしないと)。
ヲゥーリーン
折れる。
- 用例
- ウヌ キーヤ ヤガティ ヲゥーリーンドー(その木はやがて折れるよ)。
否:ヲゥーリン(折れない)過:ヲゥーリタン(折れた)継:ヲゥーリトーン(折れている)。
ヲゥーワヲゥーワ
セミの鳴き声。
ヲゥーウヮー
雄豚。
- 用例
- ヲゥーウヮール コーティ チューンドー(雄豚を買って来るんだよ)。
- メモ
- 帯:ミーウヮー(雌豚)。
ヲゥーウヮータ
両生類。カエルの一種。オキナワアオガエル。
- メモ
- 音1:ヲゥーアータ。→シーバイウヮータ。
ヲゥーウヮータ
雄のトカゲ。
ヲゥーン
斧。
- 用例
- ヲゥーンッシ タムン ワイン(斧で薪を割る)。
- メモ
- 類:ウーン・ユーチ。
ヲゥーンナ
雄綱。
- 用例
- アガリグミヤ ヲゥーンナ ヒチャン(東組は雄綱を引いた)。
- メモ
- 対:ミーンナ(雌綱)。
ヲゥーゥンマ
雄馬。
ヲゥガリーン
飢える。
- 用例
- カムシン ネーン ウスマサ ヲゥガリートータン(食べ物がなく、とても飢えていた)。
アジヤ ワカランサ、ヲゥガリティル ヲゥグトゥ(味はわからないよ、飢えているんだから)。
ワンネー ウスマサ ヲゥガリトーン(私はとても飢えている)。
継:ヲゥガリトーン(飢えている)。
ヲゥガリガミ
空腹で急いで食べること。
- 用例
- アンスカナー ヲゥガリガミ サンケー(そんんなにまで急いで食べるな)。
- メモ
- →ヤーサガミ。
ヲゥガリムン
飢えた者。
- 用例
- ヲゥガリムンヌ ゥンジトーティ、ヤーサラー カマンデーネーン(飢えているくせに、ひもじいなら食べればいいのに)。
ヲゥジャサー
伯父。
- 用例
- マルケーテー ヲゥジャサーターンカイ アシビーガ イチュン(たまには、伯父さんの所に遊びに行く)。
ナー ヤガティ シチグヮチン ナイルムン ヲゥジャサーメーヤ ヌバガリワル ナインデー(もうやがてお盆だから、伯父さんの所へ顔を見せないといけないよ)。
- メモ
- →ウフースー。
ヲゥタイノーシー
疲れ直し。慰労会。
- 用例
- アチャヤ、ヲゥタイノーシー サーヤー(明日は、疲れ直ししようね)。
ヲゥタイン
疲れる。疲労する。
- 用例
- ウヌ ハナシヤ チチュヌ ウッサシ ヲゥタイン(その話は聞くだけで疲れる)。
チューヤ イッペー ヲゥタトーン(今日はとても疲れている)
否:ヲゥタラン(疲れない)過:ヲゥタタン(疲れた)継:ヲゥタトーン(疲れている)。
- メモ
- 類:クタンリーン・ダイン。
ヲゥッティー
一昨日。
- 用例
- ウヤヌヤーンカイ ヲゥッティー ゥンジチャン(実家に一昨日行って来た)。
- メモ
- 類:ユッカナティ。
ヲゥティ(~ヲゥティ)
~で。~に。
- 用例
- フカヲゥティ マッチョーケー(外で待っていなさい)。
- メモ
- →~トーティ。
ヲゥトゥ
夫。
- 用例
- 17、18 ナタレー シグ ヲゥトゥ ムタサリヤーイ(17、18になったら、即結婚させられて)。
ンカシェー ヲゥトゥン イラバラン トゥジン イラバランタンドー(昔は夫も選べない、妻も選べなかったよ)。
チュイヰナグングヮヌ ヤガティ ヲゥトゥ ムッチュン(一人娘がやがて結婚する)。
- メモ
- 女性が結婚させられることを「ヲゥトゥ ムタサリーン(夫を持たされる)」と表現した。
ヲゥトゥカタ
夫側の親戚。
- 用例
- ヲゥトゥカタカイヤ アチャー、イェーサチカイ イチュン(夫側の親戚には明日、挨拶に 行く)。
- メモ
- →ヰキガヌカタ(男側の親戚)対・トゥジカタ(妻側の親戚)ヰナグヌカタ(妻側の親戚)
ヲゥトゥカタ
夫側の親戚。
- 用例
- ヲゥトゥカタカイヤ アチャー、イェーサチカイ イチュン(夫側の親戚には明日、挨拶に 行く)。
- メモ
- →ヰキガヌカタ(男側の親戚)対・トゥジカタ(妻側の親戚)ヰナグヌカタ(妻側の親戚)
ヲゥトゥグサイ
離婚した女や妾が死後男の墓に一緒に入れること。
- 用例
- サチトゥジヤ ヲゥトゥグサイ シミテーン(先妻は元夫の墓に葬られている)。
ヲゥトゥヌサーイ
夫の障り。夫のつわり。
- メモ
- 妊婦のつわり時期に 夫につわりの症状が出ることが希にあった。
ヲゥトゥビレー
夫に仕えること。
- 用例
- ンカシヌ ヲゥトゥビレーディシェー、デージ ヤタンドー(昔は夫に仕えるってことは、大変なことだったよ)。
ヲゥトゥフイドゥシル
結婚の約束を嫁側の事情で破棄した際、男性側へ支払われた謝罪の物品や金。
ヲゥトゥムタンヌー
独身女性。
- メモ
- 対:ヰキガヤグサミ・トゥジンカメーランマー。
ヲゥトゥムチヂン
嫁入りに持参する着物。
- メモ
- 下着やシルニー(白衣装)などをチンヂチン(着物包み)に入れた。
ヲゥトーティ(~ヲゥトーティ)
~で。~に。
- 用例
- クシヲゥトーティ マッチョーケー(後ろで待っていなさい)。
- メモ
- →~トーティ。
ヲゥナイ
兄弟からみる姉妹をさす。名称。
- 用例
- ワン ヲゥナイヤ チュイル ヲゥンドー(私の姉・妹はひとりだよ)。
- メモ
- 対:ヰキー(姉妹から兄弟を指す名称)。
ヲゥナイガミ
オナリ神。
- 用例
- ウミヲゥティ フナクブリ サイニ、ヲゥナイガミガ タシキタンディ(海で船が沈没した時、オナリ神が助けたそうだ)。
- メモ
- 姉妹の霊が兄弟を守護するという沖縄の民間信仰。
ヲゥナイゲールー
お互いの姉妹を妻にすること。
- 用例
- ドゥシンチャードゥーサー ヲゥナイゲールー ソーン(友達同士で、お互いの姉妹を妻にしている)。
ヲゥナイヲィキー
姉と弟。兄と妹。
- メモ
- 類:ヲゥナヰキー。
ヲゥナジャラ
王妃。
- メモ
- 王妃のことが転じて按司の妻、奥様もさす。組踊や史劇などで耳にするが生活用語としては聞かない。
ヲゥナヰキー
兄と妹または姉と弟。娘1人、息子1人のことにもいう。
- 用例
- アッターヤ ヲゥナヰキーガル ヲゥタル(彼らは娘1人と息子1人がいたんだよ)。
- メモ
- 類:ヲゥナイヲィキー。
ヲゥバマー
おば。伯母。
- 用例
- ワカラングトゥ ヲゥバマーンカイ、トゥーティンジュサ(分からないから、叔母に聞いてみるさ)。
- メモ
- →ウフアンマー。
ヲゥバマーグヮー
叔母。
- メモ
- 類:バーチーグヮー。
ヲゥモーラン ナイン
お亡くなりになる。
- 用例
- ムヌン ミソーラン ナトーグトゥ、ヤガテー ヲゥモーラン ナインドー(食事も召し上がれなくなっているから、やがてお亡くなりになるよ)。
- メモ
- 音2:モーランナイン。高齢者に使う。
ヲゥラン ナイン
①居なくなる。②亡くなる。
- 用例
- ①ナマル ゥンマンカイ ヲゥタルムン、ウビジ ヲゥラン ナインディチン アンナー(今そこに居たのに、急に居なくなるってこともあるか)。
②トゥナイヌ アバーヤ ヲゥラン ナタンディ(隣の姉さんは亡くなったそうだ)。
- メモ
- →ケーマースン。
ヲゥルイ
踊り。
- 用例
- ワンネー クジュカラ ヲゥルイ ナラトーン(私は昨年から踊りを習っている)。
ヲゥルイイショー
踊り衣装。
- 用例
- ムラシバイヌ ヲゥルイイショー シコーイン(村芝居の踊りに使う衣装を準備する)。
ヲゥルイハニ
踊りで盛り上げる。踊り跳ね。
- 用例
- イッペー ヲゥルイハニ シ ハネーチョーン(とても踊りが立派で、華やいでいる)。
ヲゥルイハネーカスン
踊りで盛り上げること。
- 用例
- チューヌ スージヤ、ヲゥルイハネーカスン(今日のお祝いは、踊りで盛り上げる)。
ヲゥルッサ
皆。全員。
- 用例
- ヲゥルッサシ ティカカイネー、タデーマナカイ ウワイサ(全員で手掛けたら、直ぐに終わるよ)。
ヲゥルッサ、シニアラシー ヤタン(皆、次々に死んでいった)。ヲゥルッサンカイ クィタン(皆にあげた)。
- メモ
- 類:ウルッサ。
ヲゥン
居る。
- 用例
- ナマヤデー ヤーンカイ ヲゥンドー(今だったら家にいるよ)。
イッペーサッペー カメータシガ、マーニン ヲゥランタン(どこもかも探したが、どこにも居なかった)。
ワー スバナカイ ヲゥタルムンヌ、ウビジニ ヲゥラン ナトーン(私の側に居たのに、急に居なくなっている)。
ヤーネー ターン ヲゥランレー(家には誰も居ないよ)。
否:ヲゥラン(居ない)希:ヲゥイブサン(居たい)過:ヲゥタン(居た)。
ヲゥンチュー
叔父。小父。
- 用例
- ヲゥンチューヤ チカグロー ミーランシガ、チャー ソーガヤー?(叔父さんは近頃は見かけないが、どうしているのかな?)。
- メモ
- 音:ウンチュー・ヲゥンチューグヮー。類:ヲゥジャサーグヮー・ウンチューグヮー。
ヲゥンチューグヮー
叔父。小父。
- メモ
- →ウンチュー。音:ウンチューグヮー。
ヲゥンチュミー
使用人。下男。
ヲーナイヲーナイ
激しく吐く様。
ン(~ン)
~も。
- 用例
- ナンクヮイ シミティン、ターン ナランタン(何回させても、誰も出来なかった)。
ンカースン
向かわせる。挑ませる。
- 用例
- クンドー チューバーウシカラ ンカースン(今度は強い牛から挑ませる)。
ンガーンガー
赤子の泣き声を表す言葉。
- 用例
- アマヲゥティ ンガーンガー ナチョーンドー(あそこで赤子が泣いているよ)。
ンカイン
向かう。敵対する。逆らう。
- 用例
- アガリンカイ ンカティ イチュタン(東に向かって行った)。
イャーヤ ウヤンカイ ンカイルバーイ(お前は親に逆らうのか)。
否:ンカラン(向かわない)希:ンカイブサン(向かいたい)過:ンカタン(向かった)継:ンカトーン(向かっている)。
ンカシ
昔。
- 用例
- ンカシヤ、ユル ナイネー マックラシンシ、ムヌン ミーランタン(昔は、夜になると真っ暗闇で何も見えなかった)。
ンカジ
ムカデ。
- 用例
- ゥンマンカイ ンカジヌ ヲゥタシガ、マーカイ ヒンギティ ゥンジャガヤー(そこにムカデがいたが、どこに逃げて行ったのかな)。
- メモ
- 音:ンカジャー。
ンカシガー
昔井戸。儀間の井泉の名称。
ンカジャー
ムカデ。
- 用例
- ンカジャー ヒサヤ、イクチガ アラー ワカラン(ムカデの足は、何本あるのか分からない)。
- メモ
- 類:ンカジ。
ンガター
私たち。我々。
- 用例
- ンガター ウスメー(うちのお爺さん)。
- メモ
- 音1:アガター・イガター。→アガター。
ンキ(~ンキ)
~に。
- 用例
- クマンキ(ここに)。
ンギ
とげ。
- メモ
- 音1:ンジ。
ンクー
赤子をあやすときの言葉。
- 用例
- ンクー ンクー ワッター カナシ ボージャー(ンクーンクー私の可愛い赤ちゃんよ)。
ンケーイジラ
顔を合わせた途端。
- 用例
- ンケーイジラ タルムン ヌラインナー(顔を合わすなり叱るのか)。
ンケーイン
迎える。
- 用例
- ンナシ アッピーガ ケーティ チューシ ンケーイン(皆で兄さんが帰って来るのを迎える)。
ンケーノーシ
迎え直し・遥拝。
- 用例
- トゥーサンカイヤ イチーサングトゥ、ンケーノーシ スン(遠くへは行けないから遙拝する)。
- メモ
- 現場まで行って拝むことができない時に、その場所に向かって遠くから拝むこと。
ンジ
とげ。魚の小骨。草木等の棘。
- 用例
- ワランチャーンカイ イユ カマシーネー、ンジェー キー チキリヨー(子どもたちに魚を食べさせる時には、トゲには気をつけなさいよ)。
ンジ
ねえ。ほら。
- 用例
- ンジ、チューヤ ガッコー ヤスミ ヤンナー?(ねえ、今日は学校休みなの?)。
ンジ ウミンジヨ(ほら、海でね)。
- メモ
- 問いかけの言葉。
ンジ(~ンジ)
~で。~に。
- 用例
- ヤーンジ ニントーケー(お家で寝ておきなさい)。
- メモ
- →~トーティ。動作の行われる場所を示す。
ンジーヨー
見方。見様。
- 用例
- ンジーヨーヌ カワレー、チュン カワティ ミーサ(見方を変えれば、人も変わって見えるさ)。
ンシェーン(~ンシェーン)
~られる。お~になる。
- 用例
- イン シェータン(おっしゃられた)。
ンジミーヤー
とげのある植物。
- 用例
- マーオーファーンカイ ンジミーヤーガ アセー(ハルノノゲシに棘のあるものがあるでしょう)。
ンジャ
下人。
- 用例
- ンジャヌ クサカヤー(下男の草刈り人)。
ンジャーリ
どっさり。たくさん。
- 用例
- アマンカイ、ンジャーリ クサ マジデーン(あそこに、どっさり草を積んである)。
- メモ
- →ウホーク。
ンジャグチ
厳しい物言い。
ンジャサン
苦い。
- 用例
- ウヌ フーチバーヤ イッペー ンジャサン(そのヨモギはとても苦い)。
ンジャジル
にがり。苦汁。
- メモ
- 泡瀬の商人が持ってくる塩やにがりと大豆を交換した。
ンジャックヮ
下男。下人。
- 用例
- ワンネー ナゲー ンジャックヮトゥシ ハタラチャン(私は長いこと下男として働いた)。
- メモ
- →ジニン。
ンジャックヮ アチカイ
下男扱い。
ンジャトー
地名(北谷村〔現嘉手納町〕野里)。
ンジャナ
植物名。ホソバワダン。
- メモ
- 類:ヤマンジャナ・ンジャナバー。
山に自生していたので栽培することはなかった。子どもの腹の虫下しに煎じて飲ませた。薬草。
ンジャナバー
植物名。ホソバワダン。
- 用例
- ンジャナバートゥ トーフトゥ イェーイン(苦菜と豆腐を和える)。
- メモ
- →ンジャナ。
ンジャブチカラブチ
苦くて辛い汁。
- 用例
- ンジャブチカラブチディチ、サングヮチサンニチーニ カムタン(ンジャブチカラブチといって3月3日に食べた)。
- メモ
- 旧3月3日に貝や苦菜、ヨモギを汁にして食べた。
ンジャリムン
横着者。厄介なもの。乱暴者。
- 用例
- チャクシヌ ンジャリムン ナティ、ウヤヤ チャー ナチ クラチョーン(長男がどうしようもない奴で、親はいつも泣いて暮らしている)。
ンジャリムン ナティ イーシン チカン(横着者で言うことも聞かない)。
ンジャンジャートゥ
遠慮なしに。相手かまわずに。
- 用例
- ンジャンジャートゥ ウシケーラチェーサ(遠慮なしに押し倒してあるさ)。
- メモ
- 何も考えずに無作法なことをした時に使う。
ンジャンジャートゥ
遠慮なしに。相手かまわずに。
- 用例
- ンジャンジャートゥ ウシケーラチェーサ(遠慮なしに押し倒してあるさ)。
- メモ
- 何も考えずに無作法なことをした時に使う。
ンジュ
溝。
- 用例
- ンジュグヮー サレーティ、ミジ ナガリヤシク シチャン(溝をさらって、水を流れやすくした)。
ウーアミ フティ ンジュン アンリトーン(大雨が降って、溝もあふれている)。
- メモ
- 音1:ンズ。
ンジュグンボー
植物名。ギシギシ。
- 用例
- ンジュグンボーヤ カマリンディ(ギシギシは食べられるそうだ)。
ンジュバタバル
{溝端原}。楚辺の小字。
ンジュワーチャー
農具名。畝をつくる道具。
ンジュン
見る。
- 用例
- アガリカラー ユー ミーグトゥ、アマヲゥティ ンジュン(東側からは良く見えるから、あそこで見る)。
否:ンラン(見ない)希:ンジーブサン(見たい)過:ンチャン(見た)継:ンチョーン(見ている)。
ンス
味噌。
- 用例
- ナー ユークル、ンスン ネーラン ナトーンドー(もうそろそろ、味噌も無くなっているよ)。
- メモ
- 音:ミス・ンス・ンース。
ンズ
溝。
- メモ
- 音1:ンジュ。
ンスガーミ
味噌甕〔みそがめ〕。味噌を保管する甕。
- 用例
- テーゲーヌ ヤーヤ クチャンカイ ンスガーミ ウチェータン(大概の家では、裏座に味噌甕を置いていた)。
- メモ
- 以前は醤油や味噌は各家庭で作っていた。
ンスクェームーカー
昆虫名。ケラ。
- 用例
- ンスクェームーカーヤ、ハル カジーネー トゥンジティクールバー(ケラは畑を耕すと、飛び出してくるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒージャークェー・ヒージャーチヌクェー・ヒージャーベーベー・ヒージャーグェー。
ンスナバー
植物名。フダンソウ。
- 用例
- ンスナバーガ ユカトーグトゥ、ジューシー チュクティ カマナ(ふだん草がよくできているから、雑炊を作って食べよう)。
- メモ
- 音1:ニスナバー。音2:ミシナバー・ンシナバー。
ンスナバージューシー
フダンソウの雑炊。
- 用例
- メーナチ、ンスナバージューシービカーン カマサッティ ニリトーサ(毎日、ンスナバージューシーばっかり食べさせられて飽きている)。
ンスナバーシル
フダンソウの汁。
- 用例
- サーターシーネー、トーフトゥ アンダカシー イッティ ンスナバージル チュクイタン(製糖期には、豆腐とアンダカシーを入れてフダンソウの汁を作った)。
ンスマーミ
味噌豆。味噌を作る豆。
ンスヤーマ
穀物粉砕機。
- メモ
- 味噌を造る時に大豆を粉砕するのに使った。
ンダ
どれ。
- 用例
- ンダ、ワンガ シッンーダ(どれ、私がやってみよう)。
- メモ
- 類:ダー。
ンダスン
濡らす。
- 用例
- ンダチャクトゥ(濡らしたので)。
- メモ
- 音1:ンラスン。
ンダヒャー
さあ、おい。
ンダンダ
どれどれ。
- 用例
- トートー、ンダンダ(さあさあ、どれどれ)。
ンチャ
土。
- 用例
- ハルンカイ ンチャ イリーン(畑に土を入れる)。
- メモ
- 音1:ンーチャ。→アカンチャー。
ンチャ
そういえば。そうだ。
- 用例
- ンチャ、アン イラッタレー ナマネー ワカタン(そうだ、そう言われたら、今度こそ分かった)。
ンチャ、ヤサヤー(そういえば、そうだね)。
ナー ンチャ(もう本当に)。
- メモ
- なるほどと思った時などに発する。
ンチャグェー
土肥。
ンチャクナーサー
土を足で踏みつけながら捏ねる人。
ンチャナー
それはもう。
- 用例
- ンチャナー カナーン(それはもうかなわない)。
ンチャナー ジンムチン ヤイ(それはもう金持ちでもあり)。
ンチャバチャー
土蜂。
- 用例
- アガリスバーンカイ ンチャバチャー シーガ アン(東側に土蜂の巣がある)。
- メモ
- 類:ンチャブーブー。
ンチャバチャーが家や墓に巣を作ると厄とされた。
ンチャビ
打ち紙を焚くこと。それを焚く行事。
- 用例
- ンチャビ アンジュン(紙銭を焚く)。
- メモ
- 類:カビアンジ ウチカビ参照。
読谷では一般にカビアンジというが、士族の流れをくむ家ではンチャビといった。紙銭。春秋の彼岸に焚く銭型を打った紙。御紙の意。また、その行事。彼岸祭。また彼岸にウチカビを炙ることから、彼岸そのものを指して言うところもある。
ンチャブーブー
ハチの一種。土蜂。
- メモ
- →ンチャバチャー。
ンチャブク
土の塊〔かたまり〕。
- メモ
- 類:ンチャムルシ。
ンチャブッター
土だらけ。
- 用例
- フカヲゥティ アシブグトゥ ンチャブッター ソーサ(外で遊ぶから、土だらけだ)。
ンチャムルシ
土の塊〔かたまり〕。
- メモ
- 類:ンチャブク。
ンチャルウビ
見覚え。
- 用例
- イャーヤ ンチャルウビ ヤシガ ター ヤタガヤー?(お前は見覚えがあるが、誰だったかねぇ?)。
ンチュ
一昨年。おととし。
- 用例
- ワッターガ、マジョーン アシビーガ ゥンジャシェー、ンチュル ヤタル(私たちが、一緒に遊びに行ったのは、一昨年だよ)。
ンチュヌミー
三年忌。
- メモ
- 類:サンニンチ、ンチュヌユニー、ンチュヌヰヌイ。
ンチュヌミーサ
後生の正月。人が亡くなって2か年目の旧1月16日に行われる法事。
- メモ
- ンチュヌミーサには餅とおかず(肉・豆腐・山芋等)の重箱をチュクン(2組)準備し、墓参りに行った。地域によって多少の違いはあるが、墓前には重箱と一緒に線香(15本)、花米、お茶、水、酒、打ち紙を供えて拝んだ。
ンチュヌヰヌイ
三年忌。
- 用例
- ウヌヘーサ ンチュヌヰヌイン ナインナー?(そんなに早く三年忌にもなるねぇ?)。
- メモ
- 類:ンチュヌミー。
ンチュヌユニー
三年忌。
- メモ
- 類:ンチュヌミー。
ンナ
魚介名。巻き貝。貝。
- メモ
- 音:ンナグヮー・ンーナ・ンーナグヮー。
ンナ
皆。
- 用例
- ウヌ ハナシーヤ、ンナ ユー チキヨーヤー(その話は、皆よく聞きなさいよ)。
ンナアガチ
足掻いても前に進まないこと。無駄なあがき。
- 用例
- イャーヤ イチマディ タッチン、ンナアガチビカーンナー(お前はいつまで経っても、前に進まないの?)。
ンナシルー
具のない汁。
- 用例
- モーキヌ イキラサヌ、メーナチ ンナシルービカーン カマサットーン(稼ぎが少なくて、毎日、具のない汁だけ食べさせられている)。
- メモ
- 類:サーシルー・サビジル。
ンナッサ
皆。
- 用例
- ンナッサ マジョン ワン ウーティ クーヨーワ(皆 一緒に私を追って来なさい)。
ンナティ
何も持っていない状態。手ぶら。
- 用例
- ンナティシェー イカラン(手ぶらでは行けない)。
ンナディー
何も持っていない状態。手ぶら。
ンナトゥ
港。
- 用例
- スーガ ケーティチューシ、ンナトゥヲゥティ マッチョーチュン(お父さんが帰ってくるのを、港で待っておく)。
ンナトゥーグヮー
鮫〔サメ〕の一種。
- メモ
- 類:ユービヌックヮー・ユービヌクヮー・フカ・サバ。
ンナトゥバル
長浜の地名、拝所名。
- メモ
- 類:ホートゥヌヤー。
恩納村宇加地にある、ニライカナイの神に豊作と、海の幸の豊漁をお願いをする所。ホートゥヌヤーとも呼ばれる場所。
ンナナンジ
無駄な難儀。骨折り損。
- 用例
- ンナナンジビーカン シミラッティ、ニリトーッサー(無駄な難儀ばかりさせられて、嫌になっているよ)。
ンナブー
雑役。
ンナマッチ
手持ち無沙汰。待ちぼうけ。むなしく待つこと。
- 用例
- ウンナゲー ンナマッチ シミーグトゥ、ニリティ ケーティ ハイタン(そんなに長いこと待たすから、飽きて帰って行った)。
- メモ
- 約束の時間にかなり遅れて人を待たすときに使う。
ンナムギ
小麦。
- 用例
- ンナムギシ チュクイル ポーポーヤ、イッペー カバハタン(小麦で作るポーポーは、とても香ばしかった)。
- メモ
- 音1:ンナムジ。
小麦は9月頃に種をまき、翌年3月頃に収穫した。刈り取った小麦をクルマンボー(長短2本の棒で豆などを脱穀する道具)で脱穀し、叺〔かます〕などに入れて貯蔵した。小麦粉はポーポーや天ぷらに使った。
ンナムジ
小麦。
- 用例
- ンカシェー ンナムジヤ イーハンメー ヤタン(昔は小麦は貴重な食料だった)。
- メモ
- 音1:ンナムギ。
ンナムルイ
空戻り。無駄足。収穫がないこと。
- 用例
- イッターヤ ウンナゲー カカティ、ンナムルイル ソーンナー?(君たちはそんなに長いことかかって、無駄足を踏んだの?)。
ンナムン
空っぽ。何も入ってないもの。
- 用例
- イャーガ ムッチ チャシェー ンナムンル ヤタル(君が持って来たのは空っぽだったよ)。
ビントーヤ ンナムンナティ(弁当は空っぽになって)。
- メモ
- →カラ。
ンナヤー
空き家。
- 用例
- ヤーニンジュ ムル ヲゥランナティ ンナヤー ナトーン(家族全員亡くなって、空き家になっている)。
ンナヤシチ
空き屋敷。
- 用例
- ンナヤシチ ナティ、ンジュル チュン ヲゥラン アリハティトーン(空き屋敷になって、管理する人もなく、荒れ果てている)。
ンナヰー
空座り。何もしないで座っている様。
- 用例
- ンナヰー スシヤカ ティー イジカシェー(空座りするより、手を動かしなさい)。
ンナルー
何も持っていない状態。手ぶら。
- 用例
- ヌー ムッチ チョーガヤーディ ウムレー、ンナルール チョーサ(何を持って来たのかと思ったら、手ぶらで来ているさ)。
ンナワタ
空腹。空きっ腹。
- 用例
- ンナワタカイ サケー ヌムナヨー(空腹に酒は飲むなよ)。
- メモ
- →カラワタ。
ンニ
胸。
- 用例
- ンニンカイ、キーヌファーガ タックヮトーン(胸に木の葉がくっついている)。
- メモ
- 類:ンニバイ・ンーニ。
ンニアギ
棟上げ。
ンニウチ
胸のうち。胸中。
- 用例
- ヌーガラ シワグトゥヌアラー、ンニウチ アカスシェー マシ ヤサ(何か心配事があるなら、胸中を明かした方が良いよ)。
ンニギー
胸毛。
- 用例
- ゥンマガンカイ、ンニギー ヒッパラッティ、アカローサ(孫に、胸毛を引っ張られて、赤くしているさ)。
ンニグチ
みぞおち。
- 用例
- ンニグチ カミラリーンネー シ ヤムン(みぞおちを突かれるように痛い)。
ンニバイ
①胸。胸の盛り上がった部分。②胸を張る様。
- 用例
- ①ンニバイ スグラッティ デージ ヤサ(胸を叩かれて大変だ)。
②ンニバイ ソーンドー(胸張って歩いているよ)。
- メモ
- 音2:ンニブックヮ。
ンニヒジュルサン
ぞっとする。
- 用例
- アチネー スンディ、ウッサヌ ジン カティ ンニヒジュルサルアル(商売をするために、そんな大金を借りてぞっとするよ)。
ンニブックヮ
男性の胸の盛り上がったところ。
- 用例
- ンニブックヮ チカッティ ヨーミ イッチョーッサー(胸をつかれて弱っているなあ)。
- メモ
- 音2:ンニバイ。
ンヌ
蓑〔みの〕。乾燥させた棕櫚などを編んで、体を覆うように作った雨具。
- 用例
- アミフイネー ンヌ カンジュタン(雨降りには蓑をかぶった)。
ンヌ カンティ イケー(蓑を被っていきなさい)。
ンヌワタ
食品名。牛の胃のひとつ。ミノ。
ンパ
嫌。拒否すること。
- 用例
- ンパディチン、サントー ナランヌーン アイル スル(嫌と言っても、やらなくちゃいけないこともあるんだよ)。
ンパリ イユン(嫌だという)。
- メモ
- 類:ハニーン。
ンパー(~ンパー)
~したがらないこと。
- 用例
- ヤーヌウチカイ イラーパー スン(家の中に入りたがらない)。
アシビーガ イカンパー スン(遊びに行きたがらない)。
ハナシー サンパー ソーン(話したがらない)。
ンバガミガー
地名。カーの名。
ンパンパ
いやいや。
- 用例
- ンパンパ シーガーチー、アトー マジョーン ゥンジティ ハイタン(嫌々しながら、後は一緒に出て行った)。
ンラスン
濡らす。
- 用例
- アミ フトールムン ゥンマンカイ ウッチャン ナギティ ンラスンナー(雨が降っているのに、そこに置きっぱなしにして濡らすのか)。
否:ンラサン(濡らさない)希:ンラシーブサン(濡らしたい)過:ンラチャン(濡らした)継:ンラチョーン(濡らしている)。
- メモ
- 音1:ンダスン。対:カーカスン(乾かす)。
ンランフーナー
見ないふり。
- 用例
- ミチ イチャティ、ンランフーナーヤ ナランサ(道で出会って、見ないふりはできないさ)。
ンリーン
濡れる。
- 用例
- アミ フイギサー ヤルムンヌ、ヤーンカイ イランネー ンリーンドー(雨が降りそうなのに、家に入らないと濡れるよ)。
否:ンリラン()過:ンリタン()継:()。
- メモ
- 類:シッタイン・ヒッタイン。対:カーキーン(乾く)。
ンリグヮタグヮタ
ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- ンリグヮタグヮ ソーグトゥ、ウヌママー ヤーヌウチカイヤ インナヨー(ずぶ濡れだから、そのまま家の中に入るなよ)。
- メモ
- →シップートゥ。
ンリパタパタ
ずぶ濡れ。ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- アンスカ ンリパタパタ シ、マーヲゥティ アシドータガ?(そんなにずぶ濡れになって、どこで遊んでいたの?)。
- メモ
- →シップートゥ。
ンルカタン ネーラン
見るに値しない・昔の面影が全くない。
- 用例
- ワカサイネー アンシ ヨーガリトータルムンヌ、ナマー ナー ンルカタン ネーラン(若い時にはあんなに痩せていたのに、今ではもう昔の面影は全くない)。
ンルサン
行動が鈍い。遅い。
- 用例
- ウッターヤ、ヌー ワジャ シミティン ンルサン(彼らは、何の仕事をさせても遅い)。
- メモ
- 類:ウスサン・シールルハン・シーンルサン・ティーニーサン・ニーサン・ニーハン。
ンージ
とげ。魚の小骨。
- メモ
- 類:グジ・ンギ・ンージ。
ンージャ
下男。
- メモ
- →ジニン。
ンージュ
溝。
- メモ
- 音:ンジュ・ンズ。
ンージュン
見る。
- メモ
- 音:ンジュン。
ンージュン(~ンージュン)
~てみる。
- 用例
- ハナシー シンージュン(話をしてみる)。カチンージュン(書いてみる)。
- メモ
- 音1:~ンジュン。
ンース
味噌。
- メモ
- 類:ミス・ヰンス・ンス。
ンーダンミー
見ないふりで見る。
- 用例
- ンーダンミー ソーニ(見ないふりして見ている時に)。
ンーチャ
土。
- メモ
- 音1:ンチャ。→アカンチャー。
ンーナ
魚介名。貝。
- 用例
- ウミカイ イケーカラー、チャッサ ヤティン ンーナヤ トゥラリータン(海に行けば、幾らでも貝が取れた)。
- メモ
- 音1:ンナ・ンナグヮー・ンーナグヮー。
ンーナシル
具のない汁。
- メモ
- 音2:サーシルー・ンナシルー。
ンーナンーナ
セミの鳴き声。
- メモ
- 類:ジーワジーワ・チーンチーンー・ヲゥーワヲゥーワ。
ンーニ
胸。
- メモ
- 音2:ンニ・ンニバイ。
ンーンンー
いや。
- 用例
- ンーンンー、ワンネー イカナシン ガッティノーサン(いや、私は絶対に 納得しない)。
読込中...