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- しまくとぅば単語帳:ヤユヨ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ヤー
ねえ。もし。呼びかける時や同意を求める時に発する語。
- 用例
- ヤー、キッサ イチャノー アラニ(ねえ、さっき言ったでしょう)。
ヤー
家。
- 用例
- ユサンリ ナイネー ヤーンカイ ケーイン(夕方になったら家に帰る)。
ヤー ナギララン(家を放っておけない〈留守にできない〉)。
ヤーネー カカラン(家にじっとしていない)。
ヤー
8。8つ。
- メモ
- 音2:ヤーチ。
ヤー スン
人の家に居つく。
- 用例
- トゥナイヌ ワラビル ヤシガ ワッタール ヤー ソール(隣の子だが私の家に居ついている)。
ヤー ヂュクイ
新築。家造り。
- 用例
- クジュカラ ヤーヂュクイ ソーン(昨年から家を造っている)。
ヤーイジャー
内弁慶。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ ルク ヤーイジャー ナティ シワ ヤサ(その子はあまりにも内弁慶で心配だ)。
ヤーウチー
引っ越し。
- 用例
- シクチヌ カンケーシ、アチャ ヤーウチー スン(仕事の関係で、明日引っ越しする)。
- メモ
- 音1:ヤーウッチー。
ヤーウッチー
引っ越し。
- 用例
- ヤーウッチーネー ンスマースカラ ハクビヨー(引っ越しには味噌と塩から運びなさいよ)。
- メモ
- 音1:ヤーウチー。
引っ越しのことで、大方は日取りを取って引っ越した。引っ越しの場合は先にンス・マース(味噌・塩)を引っ越し先の家に運ぶ。
ヤーカヤー
店子。借り主。
- 用例
- アマンカイ タッチョーシェー ワッター ヤーカヤールヤンデー(あそこに立っているのは、私たちの借主だよ)。
ヤーカラキヤー
普段着。
- 用例
- ワンネー キヌン ケーラン ヤーカラキヤール キチョーンデー(私は着替えもしないで普段着を着ているんだよ)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヤーカラチヤー
普段着。
- 用例
- イチュタル ヤルムンヌ ヤーカラチヤーシ シムサ(ちょっとだけだから普段着でいいよ)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヤーグマイ
家籠い。家に籠〔こ〕もること。
- 用例
- トゥーチ ヤーグマイ シ、イヒナーヤ フカヲゥティ アシリ クーワ(いつも家に籠ってばかりで、少しは外で遊んで来なさい)。
ヤーグマヤー
家に籠〔こ〕もってあまり外へ出ない人。
- メモ
- 音1:ヤージムヤー。
ヤーサ
ひもじさ。飢え。
- 用例
- ヤーサ シミーネー ヌーン クヮイルバーヤー(ひもじくさせたら何でも食うんだよね)。
イクサユーネー チャー ヤーサル アタル(戦争中はいつも空腹だった)。
ヤーサガミ
空腹で急いで食べること。
- 用例
- ハーッナー!ヤーサガミ サッサー(ああもう!お腹がすいて急いで食べてしまったな)。
- メモ
- 音2:ヲゥガリガミ。
ヤーサクリサ
飢えの苦しさ。
- 用例
- ワー トゥジ ナイネー、ヤーサクリサヤ シミランドー(私の妻になったら、ひもじい思いはさせないよ)。
- メモ
- 音1:ヤーサクリシャ。
ヤーサクリシャ
飢えの苦しさ。
- メモ
- 音1:ヤーサクリサ。
ヤーサジニ
飢え死に。
- 用例
- カムシガ ネーン ヤーサジニ スシン マンドータン(食べ物がなくて飢え死にする人も多かった)。
ヤーサノーシ
空腹凌ぎ。虫押さえ。
- 用例
- ヤーサノーシー ゥンム ムッチ チャンドー(虫押さえに芋を持って来たよ)。
ヤーザレー
家浚い。
- メモ
- 二才総代らによる夜回り。夜遅くまで遊んでいる若者を家に帰るように促した。
ヤーサワタ
空腹。空きっ腹。
- 用例
- ヤーサワタカイ、ミジ ウホーク ヌラレー チムイヒョーナー ソーン(空きっ腹に、水をたくさん飲んだら気分が悪くなった)。
- メモ
- →カラワタ。
ヤーサヲゥガリ
空腹で飢えること。何も食べてなくひもじい様。
- 用例
- ヤーサヲゥガリ シ(空腹で飢えて)。
ナンニチル ムヌン カマンタラー ヤーサヲゥガリ ソーン(何日ご飯も食べてないのか、空腹で飢えている)。
ヤーサン
ひもじい。空腹だ。
- 用例
- チヌーカラ ヌーン カレー ネーラングトゥ ヤーサヌフシガラン(昨日から何も食べていないので、お腹がすいてたまらない)。
ヤーシク ナトーッサー(ひもじくなっているなあ)。ヤーサル ソール(腹を空かせている)。
- メモ
- 音1:ヤーハン。
ヤーシ
植物名。ヤシ。
- 用例
- ヤーシサーニ サキイリー チュクタン(ヤシで酒入れを作った)。
ヤーシグヮー
酒器のひとつ。ヤシで作った徳利。
- メモ
- 音2:ヤーシグヮートゥックイ。
ヤシの実の中を刳り抜いて酒入れに利用した。
ヤーシグヮートゥックイ
ヤシで作った徳利。
- 用例
- ヤーシグヮートゥックイヤ ドゥーナークルル チュクイタンドー(ヤーシグヮートゥックイは自分たちで作ったんだよ)。
- メモ
- 音2:ヤーシグヮー。
ヤージシ
慣れない家では眠れないこと。
- メモ
- 音1:ヤージシー。
ヤージシー
慣れない家で眠れないこと。
- 用例
- チュヌ ヤーヲゥテー ヤージシー シ ティーチン ニンララン(人の家では慣れないので、ちっとも眠れない)。
- メモ
- 音1:ヤージシ。
ヤージムヤー
家に籠〔こ〕もってあまり外へ出ない人。
- 用例
- フカンカイン ゥンジラン ヤージムヤー ナテー ナランデー(外にも出ないと、家にこもってばかりではよくないよ)。
クヌ ヒー、クヌ ヒー、ターガ ヒッチャガ、ヤージムヤーガドゥ ヒッチャル ヒー(この屁は、この屁は、誰が放ったか、家に籠もる人が放った屁)。
- メモ
- 音1:ヤーグマヤー。
ヤージムヤー
は虫類名。ヤモリ。
ヤータッチャー
分家。分家した人。本家を継ぐ長男以外の次男、三男の人たち。
- 用例
- ヤータッチャーヤ ハマティ モーキリヨー(分家した人は頑張って儲けなさいよ)。
ワッター ヤータッチャール ヤクトゥ(私たちは分家だから)。
- メモ
- 音2:ヤーワカヤー。
ヤータンカー
家の向かい。
- 用例
- ヤータンカーヲゥティ マッチョーチュサ(家の真向かいで待っておくさ)。
ヤーチ
8。8つ。8歳。
- 用例
- ワッターヤ ヤーチカラー ヤーヌ ティガネー スタン(私たちは、8歳からは家の手伝いをした)。
- メモ
- 音2:ヤー。
ヤーヂチュン
(犬や猫などが)家に住みつくこと。
- 用例
- ヒンギインル ヤタシガ ヤーヂチョーン(野良犬だったが家に居ついている)。
継:ヤーヂチョーン(住みついている)。
ヤーチネー
家庭。
- 用例
- ヘーク トゥジ カメーティ ヤーチネー ムタンネー(早く妻を娶って、家庭を持たないと)。
- メモ
- 音2:キネー・チネー。
ヤーチュー
灸。やいと。
- 用例
- ワラビヌ ガンマリビカーン シーネー ヤーチュー サラリンドー(子どもがいたずらばかりしたら、お灸をすえられるよ)。
ヤーチュー シミティクヮー(灸をしてもらっておいで)。
ヤーチューサー
鍼灸師〔しんきゅうし〕。
- メモ
- 音2:ヤーチューヤチャー。
ヤーチューヤチャー
鍼灸師〔しんきゅうし〕。
- 用例
- ヤブーディネー、ヤーチューヤチャー(ヤブーといえば、鍼灸師)。
- メモ
- 音2:ヤーチューヤチャー。
ヤーチュクヤー
家を造る人。大工。
- 用例
- ヤーヂュクイネー ヤーヂュクヤー マカナインディ デージ ヤタン(家を造る時には、大工を賄うのに大変だった)。
- メモ
- →キージェークー。
ヤーティーチ
ひとつの家に同居すること。
- 用例
- ウヤンチャートゥ ヤーティーチカイ ヲゥン(両親と同じ家に住んでいる)。
ヤードゥイ
屋取。主には廃藩置県前後に首里から移り住んだ士族階級の人びとによって拓かれた集落。
- 用例
- トゥナイヌ シマヤ ヤードゥイシンカ マンドータン(隣の集落は屋取の人たちが多かった)。
- メモ
- 音1:ヤールイ。
ヤードゥイグヮー
宿り。宿をとること。またはその家。
- 用例
- ヤードゥイグヮー シ トゥマイン トゥクルヌ アタン(宿りをして泊まるところがあった)。
ヤードゥー
は虫類名。ヤモリ。
- メモ
- 音:ヤールー。→ソージムヤー。
家守、家を守るものといわれている。
ヤーナレー
家での習慣。
- 用例
- ヤーナレーヌ フカナレー(家での習わしは、外での習わしでもある)。
- メモ
- 普段から家庭で躾をきちんとしておけば、何処に出しても大丈夫だということ。
ヤーニンジュ
①家族。②家族数を数える数詞。
- 用例
- ①ヤーニンジュ ウーサヌ ヌーサワン デージヤン(家族が多くて何をするにも大変だ)。②ミヤーニンジュ アチマティ ハネーチョータン(3家族集まって賑わっていた)。
- メモ
- 音1:ヤーニンジュー。②チュヤーニンジュ(12家族)、タヤーニンジュ(2家族)、ミヤーニンジュ(3家族)と数える。
ヤーニンジュー
家族。
- メモ
- 音1:ヤーニンジュ。
ヤーヌイー
屋根の上。
- 用例
- ヤーヌイーンカイ トゥイガ トゥマトーン(屋根の上に鳥が止まっている)。
ヤーヌウチ
家の中。家の内。
- 用例
- フカカイ タッチョーラヤカ、ヘーク ヤーヌウチカイ イーシェー マシドー(外に立っているより、早く家の中に入ったほうがいいよ)。
- メモ
- 音1:ヤーヌチ。
ヤーヌクシ
家の後。
- 用例
- ウスメーヤ ヤーヌクシヲゥティ チナ ノートーン(おじいさんは家の後ろで綱を綯っている)。
- メモ
- 音1:ヤーヌクシー。
ヤーヌクシー
家の後。便所。
- 用例
- ヤーヌ クシー ゥンジチャン(便所に行ってきた)。
- メモ
- 家の後ろに便所があったことから、便所の意もある。
ヤーヌクシーバル
{屋之後原}。瀬名波の小字。
ヤーヌシクチ
家の仕事。家事全般。
- 用例
- ヤーヌシクチン ウワテーグトゥ、ナマカラ アシビーガ イチュン(家の仕事も終わったので、今から遊びに行く)。
ヤーヌスバ―
家の側。
- 用例
- ヤーヌスバーンカイ ミートーシカラ トゥティ クーワ(家の側に生えているのから取って来なさい)。
ヤーヌチ
家の中。家の内。
- メモ
- 音1:ヤーヌウチ。
ヤーヌナー
屋号。
ヤーヌヌーシ
家の主。
- 用例
- イェージ シン イレーランシガ、ヤーヌヌーシェー ヲゥランル アガヤー?(合図しても返事がないけど、家の主は居ないのかねぇ?)。
ヤーヌバーン
家の番。留守番。
- 用例
- クヮーシ コーティ チューグトゥ、ヤーヌバーン ソーキヨー(お菓子を買ってくるから、留守番しておきなさいよ)。
ヤーヌバンサー
留守番役。
ヤーヌマンマール
家の周囲。
- 用例
- ヤーヌマンマールヌ クサン リッパ ハラリヨー(家の周囲の草もちゃんと取りなさいよ)。
ヤーヌメー
家の前。
- 用例
- ナマ、ヤーヌメーカラ トゥーティ ハイタサ(今、家の前を通って行ったよ)。
ヤーヌメーバル
{屋之前原}。瀬名波の小字。
ヤーハン
ひもじい。空腹だ。
- 用例
- ユークル ムンジカン ナティ ヤーハンデー(そろそろご飯時でひもじいよ)。
- メモ
- 音1:ヤーサン。
ヤーフキ
家葺き。家造り。
- 用例
- ヤーフキン ヤガティ ウワインヤー(家造りもやがて終わるころだな)。
- メモ
- 音1:ヤーフチー・ヤーフチ。類:ヤーブシン。
家を造っているときは葬式へ絶対行かない。
ヤーフキスーギ
屋根を葺いた祝い。新築祝い。
- 用例
- ヤーフキスーギネー ティレーイグトゥ ンナ クーヨーヤー(新築祝いにはご馳走するから皆来なさいよ)。
- メモ
- 音1:ヤーフチスージ。
ヤーブシン
家普請。家造り。新築。
- 用例
- ナー ユークル ヤーブシノー トゥジュマイギサー ヤイビンナー?(もうそろそろ、家普請は終わりそうですか?)。
- メモ
- 類:ヤーフキ・ヤーフチー・ヤーフチ。
ヤーフチ
屋根葺き。屋根を葺くこと。家造り。
- メモ
- 音1:ヤーフキ・ヤーフチー。音2:ヤーブシン。
ヤーフチー
屋根葺き。屋根を葺くこと。家造り。
- 用例
- シンカヌ マンディ、ヤーフチーヤン ウビジ ウワイサ(人数が多いから、家造りはあっという間に終わるよ)。
- メモ
- 音1:ヤーフチ・ヤーフキ。類:ヤーブシン。
ヤーフチスージ
屋根を葺いた祝い。新築祝い。
- 用例
- ヤーフチスージヤ マギマギートゥ スン(新築祝いは大々的にする)。
- メモ
- 音1:ヤーフキスーギ。
ヤーフチバーイ
家葺き道具のひとつ。家葺き針。竹で作った長い棒の先に縄を通して屋根葺きに使った。
ヤーフチビー
家の屋根を葺く日。
ヤーフチャー
屋根葺き職人。
ヤーマ
①糸車。②仕掛け。動物を捕獲する道具。罠。
- 用例
- ①パーパーヤ クチャヲゥティ ヤーマ チカトーン(おばあさんは裏庭で糸車を使っている)。
②クサヌ ミーンカイ ヤーマカキテーン(草の中に罠を仕掛けてある)。
ヤーマールー
家廻り。
- 用例
- クンドゥカラー、ヤーマールーシ アチマイシェー マシ ヤサ(今度からは、各家持ち回りで集まったほうがいいよ)。
ヤーマディー
家がどこかわからないこと。迷子。
- 用例
- ウレー ムンニ ムッタッティヤー、ヤーマディー ソーンテー(それは物の怪に憑かれてね、家がどこかわからなくなったんじゃないか)。
ヤーマブヤー
は虫類名。ヤモリ。
- メモ
- →ソージムヤー。
家守、家を守るものといわれている。
ヤーミグイ
幼児が睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動すること。
- 用例
- クレ ニンシーネー ヤーミグイシ デージドー(この子は寝かせると、あちこちに転がり回って大変だよ)。
- メモ
- 類:ニーリンギー・ニーリングィー。
ヤームチジュク
所帯を維持する手段。一家の暮らし向き。
- 用例
- ヤームチジュクヌ、イッペー ディキトーン(家庭を切り盛りするのが、とてもよく出来ている)。
ヤームチドーグ
所帯道具。
- 用例
- ウッサヌ ヤームチドーグ チャーシ カタジキーガ?(そんなにたくさんの所帯道具どういうふうに片付けるの?)。
ヤームッチャー
家計を上手に切り盛りしている人。
- 用例
- ワッター トゥジェー、イッペーヌ ヤームッチャー ヤン(私の妻は、とても上手に家計を切り盛りしてくれている)。
ヤーヤートゥ
安心した様。ほっとする様。
- 用例
- スージン ウワティ ヤーヤートゥ ソーン(お祝いも終わってほっとしている)。
ヤーヤイ
ジャンケン。
- メモ
- 両手を胸で交差させるイシ(石)、前に伸ばした右手の肘を左手でおさえて包丁の格好をしたホーチャー、両手を広げるハタキ(畑)でジャンケンする。
ヤーイェンチュ
家にいるネズミ。家ネズミ。
ヤール
ヤモリ。
- メモ
- 類:ソージムヤー。音1:ヤードゥー・ヤールー。
家守、家を守るものといわれている。
ヤールイ
屋取。
- メモ
- 音1:ヤードゥイ。
主には廃藩置県前後に首里から移り住んだ士族階級の人びとによって拓かれた集落のこと。
ヤールイシンカ
屋取の人たち。主には廃藩置県前後に首里から移り住んだ士族階級の人びとのこと。
ヤールー
ヤモリ。
- 用例
- ヤールーガ ナチーネー ワラビガ ウトゥルサ スン(やもりが鳴くと子どもが怖がる)。
- メモ
- 音1:ヤードゥー・ヤール。類:ソージムヤー・ヤリマブヤー。
家守、家を守るものといわれている。
ヤールービーチャー
ヤモリ。
- メモ
- 類:ソージムヤー。
ヤーワイ
酒の勢いや、気に入らないことで家に被害を与えること。
- 用例
- チョーデーオーエー ッシ、ヤーワイ ソータン(兄弟喧嘩をして、家に被害を与えていた)。
ヤーワカヤー
分家した人。本家を継ぐ長男以外の次男、三男の人たち。
- 用例
- ヤーワカヤーガ ユー シーアーチョーン(分家した人たちがよく頑張っている)。
- メモ
- 音2:ヤータッチャー。
ヤーン
来年。
- 用例
- ヤーノー アンマー スージン アグトゥ ハマティ モーキトーキヨー(来年は母のお祝いもあるから、頑張って儲けておきなさいよ)。
ヤーノー ルクジュー(来年は60歳)。
ヤーンガフー
家の果報。家内安全。
ヤーンクシー
家の後ろ。便所。
- メモ
- 音1:ヤーヌクシ・ヤーヌクシー。
家の後ろに便所があったことから便所の意もある。
ヤーンナー
屋号。
- 用例
- イッター ヤーンナーヤ ヌー ヤタガ?(あなたたちの屋号は何だったねぇ?)。
- メモ
- 音1:ヤーヌナー。
ヤーンバンサー
留守番役。
- メモ
- 音1:ヤーヌバンサー。
ヤイ
槍。
ヤイヌカタ
槍の型。
- メモ
- ハジチ紋様のひとつ。
ヤイバタ
槍旗。
- 用例
- ヤイバタディシェー ソーシキバタヌ ティーチ ヤサ(槍旗というのは葬式旗のひとつだよ)。
- メモ
- 葬式の時の葬式旗のひとつで、竹竿の先に槍をつけたヤイバタがあった。
ヤイビーン
そうです。~です。
- 用例
- ウンジュガ イヌトゥーイ ヤイビーン(あなたがおっしゃる通りです)。
ヤイビンドー(そうですよ)。ヤイビンヨー(そうですよ)。
- メモ
- 音1:ヤイビン。
ヤイン
破る。
- 用例
- チカーランヌーヤ ンナシ ヤイン(使えないのは皆で破る)。
否:ヤラン(破らない)希:ヤイブサン(破りたい)過:ヤタン(破った)継:ヤトーン(破っている)。
ヤカー
守り役。上流家庭の男子の守り役。
- 用例
- ヤカーリネー ワラバーター ヤカーテ(ヤカーというのは子どもたちの面倒を見る人)。
ヤカートゥ マジョーン ヌギティ ゥンジャン(ヤカーと一緒に逃れて行った)。
ヤガティ
やがて。まもなく。
- 用例
- ヤガティ アミ フイギサーヤグトゥ イスジ ヤーカイ ケーラナ(やがて雨が降りそうだから、急いで家に帰ろう)。
ヤガマー
離れ。物置。作業小屋。夜なべ作業などをする小屋。
- 用例
- ヤガマーヲゥティ ドゥシンチャートゥ ハナシー ソーン(離れで友達と話をしている)。
- メモ
- 音1:ヤガマーグヮー・ヤガマヤー。類:メーヌヤー。
離れは友達同士で集まって帽子を組んだり、おしゃべりを楽しんだりする憩いの場でもあった。各家にあるというわけではなかった。麦や豆の収穫季節には一合ずつ徴収して、豆腐やポーポー、ヒランメーを作り、シングヮチャーやグングヮチャーなどのウユミにヤガマヤーで会食した。
ヤガマサン
騒々しい。うるさい。面倒である。
- 用例
- イッタガ アビールムノー ニンラランアタイ ヤガマサン(お前たちのおしゃべりは眠れないほどうるさい)。
- メモ
- 音1:ヤガマハン。
ヤガマハン
騒々しい。うるさい。面倒である。
- 用例
- イッタガ ユンタ スシェー ヤガマハン(お前たちがおしゃべりするのは、うるさい)。
- メモ
- 音1:ヤガマサン。
ヤガマヤー
離れ。物置。作業小屋。夜なべ作業などをする小屋。
- メモ
- 音1:ヤガマー・ヤガマグヮー。類:メーヌヤー。
ヤガミーン
やっつける。
- 用例
- イーシン チカン ゥオーイラー ンナシ ヤガミーンドー(いうことも聞かずに、喧嘩するなら皆でやっつけるよ)。
- メモ
- 音1:ヤジャミーン。
ヤカラ
秀でている人。たいした(人)。
- 用例
- ウッサヌ ワジャ ドゥーチュイシ シートゥジュミティ ヤカラ ヤッサー(そんなにたくさんの仕事を一人で仕上げて、たいしたものだ)。
ヤカラムン
気丈な人。しっかり者。力持ち。力のある人。
ヤキーン
焼ける。日焼けする。
- 用例
- ウンナゲー、ティーダン カイ アタイネー ヤキーンドー(そんなに長いこと太陽に当たると日焼けするよ)。
否:ヤキラン(焼けない)希:ヤキーブサン(焼けたい)過:ヤキタン(焼けた)継:ヤキトーン(焼けている)。
ヤキハライン
焼きはらう。
- 用例
- イチカー ヤキハラーリンドーディヌ ハナシー キチェーヌ フージ(いつかは焼き払われるよという話を聞いたようだ)、
ヤキメースン
焼き燃やす。燃やす。
- 用例
- チカーンヌーヤ チュトゥクマカイ アチミティ ヤキメースン(使わないのは一か所に集めて燃やす)。
- メモ
- 音2:メースン。音1:ヤチメースン。
ヤク
厄。災い。災難。
- 用例
- ンカシェー ヌーガラ ヤクヌ アイネー、ムンシリ イチャイガ ハイタン(昔は何か災いがあると、物知りに会いに行った)。
ウレー ヤク ヤサ、ヌーガラ ウサギランネーディチヨ(それは厄だ、何か供え物をしないとといってね)。
- メモ
- 昔は、小鳥が家の中に入ると厄、災難があるとして、厄を祓い清めるために浜下りをした。
ヤク
役。
- 用例
- チューヤ シバイヌ ヤク クバインディ(今日は芝居の役を決めるそうだ)。
ヤク タッチュン
役に立つ。
- 用例
- ワラビガン ヤクタッチュンナー?(子どもでも役に立つのか?)。
否:ヤクタッタン(役に立たない)希:ヤクタッチーブサン(役に立ちたい)過:ヤクタッチャン(役に立った)継:ヤクタッチョーン(役に立っている)。
ヤグイ
かけ声。労働の時の掛け声。重い物を持ち上げるときに出す。
- 用例
- ンナッシ ヤグイ カキラナ(皆でかけ声をかけよう)。
- メモ
- 音1:ヤグィー。
「矢声」「やたけび」か。
ヤグィー
かけ声。労働の時の掛け声。重い物を持ち上げるときに出す。
- メモ
- 音1:ヤグイ。
ヤグサミ
やもめ。後家。未亡人。
- 用例
- ヤグサミ ナティカラ チャー トゥルバトーサ(後家になってから、いつもぼんやりしているさ)。
- メモ
- 音2:ヤグサミアンマー・ヤグサミムン。
ヤグサミアンマー
未亡人。
- メモ
- 音2:ヤグサミムン・ヤグサミ。
ヤグサミムン
やもめ。後家。未亡人。
- メモ
- 音2:ヤグサミアンマー・ヤグサミ。
ヤグサミングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
ヤクシク
約束。
- 用例
- イャーヤ ヤクシクンチョー マムイサンル アリー?(お前は約束さえも守れないのか?)。
- メモ
- 類:クチイーン。
ヤクジン
厄銭。
ヤクチャッチャイ
小さい子どもが失敗した時に言った。
ヤクドゥシ
厄年。
- 用例
- ヤクドゥシネー ヌーグトゥン チチシムシェー マシ ヤサ(厄年には何事も慎んだ方が良いよ)。
ヤクバアッチャー
役場勤め。
- メモ
- 類:ヤクバジトゥミ。
ヤクバジトゥミ
役場勤め。
- メモ
- 類:ヤクバアッチャー。
ヤクバリ
厄祓い。
- 用例
- ウンナ クトゥ スシェー、ヤクバリ ヤル ハジドー(そんなことをするのは、厄晴れの意味だと思うよ)。
ヤクミ
役員。役目。
- 用例
- イチュナサンアレー、アザヌ ヤクミ アタティ ジャーフェー ソーン(忙しいというのに、字の役員に当たって、困ったもんだ)。
ヤクミー
壮年者の兄。
- 用例
- ヌー ヤガ ヤクミーター(どうしたのお兄さんたち)。
チバナヌアッタイグヮーニ チンバナ ユカラチ ヌースガ アングヮー、ワッター ヤクミーガ ハナウイ ティーサージ(知花の菜園にチンバナを繁らせて何をするの娘さん、うちの兄さんの花織手拭いを染めるのよ)。
- メモ
- 30~40代の壮年者である兄、またはその年配の者をそれより年下の者がいう。
ヤクミーグシク
大湾の地名、遺跡名。大湾按司の兄の居城といわれる。
- メモ
- 大湾の東北深迫原、比謝川支流長田川源流域に位置し、現在は米軍基地内のため立ち入ることはできない。ヤクミーは兄の意で、臆病者で遠く山の中へ隠れていたとの伝承がある。
ヤグミサ
恐縮。恐れはばかること。
- 用例
- ヤグミサ シ(身が縮む思いで)。ヤグミサン ネーン(恐れもしない)。
ヤクミジュリー
役目揃い。役員会。役員の集まり。
- メモ
- 音1:ヤクミズリー。
字の審議委員に当たる役目で、予算関係全般と字行事に関することを審議し取り決める。
ヤクミズリー
役目揃い。役員会。役員の集まり。
- 用例
- ヤクミズリーヤ カギテー ナラン(役員の集まりは欠席してはいけない)。
- メモ
- 音1:ヤクミジュリー。
ヤグラダケ
矢倉岳。現在の読谷山岳。
- メモ
- 類:クールーダキ・ユンタンジャダキ・ヤックヮダケ。
ヤサ
そうだ。その通りだよ。賛成、肯定する時にいう語。
- 用例
- ヤサ、ウレー アン ヤサ(その通りだ、それはそうだよ)。
ヤサイウヤー
野菜売り。
ヤシアタイ
安上がり。
- 用例
- ウッサヌ デーシ コーテーラー ヤシアタイ ヤサ(その値段で買ったなら安上がりだよ)。
- メモ
- 対:タカアタイ。
ヤシウイ
安売り。
- 用例
- ヤシウイ シ モーケー ネーン(安売りして儲けはない)。
- メモ
- 対:タカウイ。
ヤシェー
野菜。
- 用例
- シシビカーン カマンヨークー ヤシェーン カマンネー(肉だけ食べないで、野菜も食べないと)。
- メモ
- 類:オーファチクタ。
ヤシェーカミアキネー
野菜商い。
- 用例
- センゼノー カディナーマディ ヤシェーカミアキネー シーガ イクタン(戦前は嘉手納まで野菜を売りに行った)。
- メモ
- 戦前は、女性が野菜を頭に載せて嘉手納に売りに出かけていた。
ヤシガ
だけど。
- 用例
- ヤシガ、ワンネー イチーサンドー(だけど、私は行けないよ)。
- メモ
- →アンシガ。
ヤシキ
屋敷。
- 用例
- ジナン サンナヌンカイ ヤシキ ワキーン(次男や三男に屋敷を分ける)。
- メモ
- 音1:ヤシチ。
ヤシキガクイ
屋敷囲い。
- 用例
- ヤー チュクイネー ヤシキガクイヤ リッパ サンネー(家を造ったら、屋敷囲いはちゃんとしないと)。
- メモ
- 音1:ヤシチガクイ。
ヤシキヌウグヮン
屋敷の御願。
- 用例
- ヤシキヌウグヮン ウサギーネー ウチカビヤ チカーンサ(屋敷の御願の時には打ち紙は使わないよ)。
- メモ
- 音1:ヤシチヌウグヮン。
八月十五夜に各家庭で酒、線香(12本)、花米を携帯して夕暮れ時にヤシキヌウグヮンを行った。最初に火ヌ神を拝み、それから庭に出て子ヌ方・卯ヌ方・午ヌ方・酉ヌ方・門口の順序で拝んだ。
ヤシゴーイ
安く買うこと。
- 用例
- ウッサシ コーテーティカラ ヤシゴーイ ヤサ(それだけ〔の値段〕で買ったなら安く買ったんだよ)。
- メモ
- 対:タカゴーイ。
ヤシジーグヮー
痩せ地。
ヤシチ
屋敷。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ アガリンカイ ヤシチ コータン(実家の東側に屋敷買った)。
- メモ
- 音1:ヤシキ。
屋敷のことにもいうが、家を建てるための土地のことにもいう。
ヤシチガクイ
屋敷囲い。屋敷を囲う塀。
- 用例
- フクジヌキーッシ ヤシチガクイ スン(フクギの木で屋敷囲いをする)。
- メモ
- 音1:ヤシキガクイ。
ヤシチヌウグヮン
屋敷の御願。
- 用例
- ヤシチヌウグヮンヤ、ヤシチマムイヌ ウカミンカイヌ グリージ ナトーン(屋敷の御願は、屋敷を守っている神様へのお礼である)。
- メモ
- 音1:ヤシキヌウグヮン。
屋敷の四隅を拝んでからジョーグチ(門口)のイリアガリ(東西)、またトゥファシラウガミ(戸柱拝み)といって、家の出入り口を拝んだ。一般的には2月・8月・12月に行う。
ヤシディマ
安月給。
- 用例
- イッターヤ ヤシディマル トゥットーンナー(お前たちは安月給を取っているの?)。
- メモ
- 対:タカディマ(高級)。
ヤシディマトゥヤー
安月給取り。
- 用例
- ヤシディマトゥヤー ヤティン、マクトゥヤレー シムサ(安月給取りでも、真面目ならいいよ)。
- メモ
- 対:タカディマトゥヤー(高給取り)。
ヤシナイン
養う。
- 用例
- タトゥクルヌウヤ ヲゥラングトゥ、ワッタガ ウヌ クヮンチャーヤ ヤシナイン(両親がいないから、私たちがその子どもたちを養う)。
否:ヤシナラン(養わない)希:ヤシナイブサン(養いたい)過:ヤシナタン(養った)継:ヤシナトーン(養っている)。
- メモ
- 類:チカナイン・チカナユン。
ヤシネーウヤ
養い親。
- 用例
- ワラビヌ ウヤグファサラー ヤシネーウヤ ムタスシェー マシ ヤサ(子どもと親の相性が悪いなら、養い親を持たせたほうがいいよ)。
ヤシネーウヤ ムタシェー(養い親をもたせなさい)。
- メモ
- 対:ヤシネーングヮ。
親子の相性が悪かったり、子供が泣き虫であったり、体が弱かったりすると、他の人と相性を当てて親子関係を結ぶ。通常の養子縁組ではなく、仮に親子の縁を結ぶことである。体が弱い子は養い親がいると元気になるといわれた。
ヤシネーングヮ
養い子。
- 用例
- ヤシネーングヮ ヤティン、ドゥーヌ クヮトゥ ユヌグトゥ カナサ スタン(養い子であっても、自分の子と同じように可愛がった)。
- メモ
- 対:ヤシネーウヤ。
ヤシマイン
①休まる。②我慢できる。
- 用例
- ②チュカラ ジノー カティ ハラーンティカラ、ウレー ヤシマランサ(人から金を借りて払わないんだったら、それは許せないさ)。
ヤシミーン
安くする。
- 用例
- ワンネー イャーヤグトゥル ヤシミーンドー(私はお前だから安くするんだよ)。
ヤシムン
安物。値段が安い物。
- 用例
- アンマーヤ ヤシムンビカーン コーイ アチミテーン(お母さんは安物ばかり買い集めてある)。
- メモ
- →デーヤッシー。
ヤシムンコーヤー
安物だけを買う(人)。
- 用例
- ヤシムンコーヤーカイヤ ウランシェー マシドー(安物しか買わない人には売らない方がいいよ)。
ヤシヤシートゥ
易々と。軽々と。
- 用例
- クミダーラ ヤシヤシートゥ ムチアギータン(米俵を軽々と持ちあげた)。
- メモ
- →ガッティングヮー。
ヤジャミーン
やっつける。
- 用例
- アヌヒャーヤ ムルッシ ヤジャミラヤー(彼奴は皆でやっつけようね)。
否:ヤジャミラン(やっつけない)希:ヤジャミーブサン(やっつけたい)過:ヤジャミタン(やっつけた)継:ヤジャミトーン(やっつけている)。
- メモ
- 音1:ヤガミーン。
ヤシラミ
縦と横の模様が交互に出る織り。
ヤスクウジン
足の低い膳。
ヤスクウジン
脚付き膳。
ヤスンジーン
あきらめる。折れる。
- 用例
- ウヤガ ヤスンジランネー チャー スガ(親があきらめないとどうするか)。
否:ヤスンジラン(あきらめない)希:ヤスンジーブサン(あきらめたい)過:ヤスンジタン(あきらめた)継:ヤスンジトーン(あきらめている)。
ヤチ
たちの悪いこと。性悪。嫉妬。
- 用例
- ヤチ タクリ(悪事を企んで)。ヤチ シ(嫉妬して)。ヤチ サッティ(妬まれて)。
ヤチキ
8か月。
ヤチチ
8か月。
ヤチバ
農耕用の機械、馬鍬。歯が8本ついていて、馬に引かせて耕す。
- 用例
- ヤチバ チカイネー、ハロー カジーヤッサタン(ヤチバを使うと、畑は耕しやすかった)。
ヤチハイウルハイ
物が繁雑な様。
- 用例
- ヤチハイウルハイ、マーニガ アラー ワカラン(物が繁雑で、何処にあるのか分からない)。
ヤチバラ
横暴者。
- 用例
- ヤチバラ ナティ、チュガ イーシン チカン ジャーフェー ヤッサー(横暴者で人のいうことも聞かず厄介だな)。
ヤチムン
焼き物。陶器。
- 用例
- ヤチムンウヤーガ チョーンドー(焼き物売りが来ているよ)。
ヤチムンチューカーグヮー
焼き物の急須。
ヤチメー
兄さん。お兄様。士族の呼称。
- 用例
- ヤチメーサイ(兄さん。〈呼びかける時に言う〉)。
- メモ
- 音2:ヤッチー・ヤッチーメー。
ヤチメースン
焼き燃やす。燃やす。
- 用例
- チカーランヌーヤ ハルヲゥティ ヤチメースン(使えないのは畑で燃やす)。
否:ヤチメーサン(燃やさない)希:ヤチメーシブサン(燃やしたい)過:ヤチメーチャン(燃やした)継:ヤチメーチョーン(燃やしている)。
- メモ
- 音2:メースン。音1:ヤキメースン。
ヤチュン
焼く。
- 用例
- チカティ アマトーシェー マトゥミティ ヤチュン(使って余ったのは、まとめて焼く)。
否:ヤカン(焼かない)希:ヤチブサン(焼きたい)過:ヤチャン(焼いた)継:ヤチョーン(焼いている)。
ヤチリーン
①やつれる。痩せ衰える。②落ちぶれる。身をやつす。
- 用例
- ①アンマサティン ムン カマンネー ナーヒン ヤチリーンドー(気分が悪くても、ご飯を食べないともっとやつれるよ)。シクチヌ ルク チューサヌ ヤチリトーン(仕事が余りにもきつくてやつれている)。
②ムヌクインカイ ヤチリンソーヤーイ(乞食に身をやつされて)。
ヤチゥンマガ
玄孫。子孫のこと。
- メモ
- 音2:クヮゥンマガ・ックヮゥンマガ・ゥンマガクヮ。→クヮゥンマガ。
ヤックヮ
櫓〔やぐら〕。
- メモ
- タマガイを見るために 高い木の上に遠くを望めるように築いた望楼や見物席。闘牛や村芝居、綱引き見物の桟敷にも言うようになった。高い木の上につくった。シーグヮーともいう。
ヤックヮダケ
矢倉岳。現在の読谷山岳。
- メモ
- 類:クールーダケ・ユンタンジャダケ・ヤグラダケ。
ヤックヮチン
席料金。
ヤックヮナー
睾丸〔こうがん〕が大きい者。
- メモ
- フィラリア症で睾丸〔こうがん〕が大きくなった者にも言った。
ヤックヮン
①やかん。薬罐。②男性器。睾丸〔こうがん〕。
- 用例
- チャーワカサーヌ ネーン、ヤックヮン コーイガ イチュタン(お茶を沸かすのがなくて、やかんを買いに行きよった)。
ヤックヮングサ
フィラリア症の後遺症で陰のうが肥大した状態。象皮病。
- 用例
- ヤックヮングサガ ヘートーグトゥ キー チキリヨー(フィラリアが流行っているから気をつけなさいよ)。
- メモ
- 音2:カタヤックヮン。類:カタアシブッター・クーガグサ。
ヤックヮンチヤー
家畜の去勢をする人。
ヤッケー
厄介。
- 用例
- アザヌ ヤクミン キマラン、ヤッケーヤッサー(字の役員も決まらない、厄介だな)。
- メモ
- 類:アンマサン・ティーンジャーリ・ジェーファー。
ヤッケーヒッケー
厄介や面倒をかけること。
- 用例
- ヤッケーヒッケー カカティル トゥジュマトーンドー(色々と厄介になって、無事にやり終えたんだよ)。
ヤッケームン
厄介者。
- 用例
- ウットゥガ ヤッケームン ナティ ジャーフェー ヤッサー(弟が厄介者で困ったものだ)。
- メモ
- →クーエームン。
ヤッサン
安い。
- 用例
- アマヌ ムンヤカ ジョーイ ヤッサン(あそこの物よりずっと安い)。
- メモ
- 対:タカサン。
ヤッサン
易い。~しやすい。
- 用例
- ヌブイヤッサン(登りやすい)。チカイヤッサン(使いやすい)。
ヤッチー
兄さん。お兄様。士族の呼称。
- 用例
- ヤッチーターガ アチマティ ハナシー ソーン(兄さんたちが集まって話をしている)。
トゥナイヌ ヤッチーンカイ チチンリ(隣の兄さんに聞いてみろ)。
- メモ
- 音2:ヤチメー・ヤッチーメー。
ヤッチーグヮー
兄さん。士族の呼称。次兄以下の兄さん。
- メモ
- 女性が男性のいとこを呼ぶ時にいった。長兄にはグヮーを付けない。
ヤッチーメー
兄さん。お兄様。士族の呼称。
- メモ
- 音2:ヤチメー・ヤッチー。
ヤットゥ
やっと。
- 用例
- ヤットゥ ミッチャイ ヤー タタチャン(やっと3人分家させた)。
ヤットゥカットゥ
やっとかっと。
- 用例
- ユーアキドゥーシー カカティ ヤットゥカットゥ マニアーチャン(夜明けまでやって、やっとかっと間に合わせた)。
ヤッパイン
踏ん張る。
- 用例
- チャーシン シートゥジュミーンディ ンナシ ヤッパイン(どうしてもやり終えようと皆で踏ん張る)。
- メモ
- →クンパイン。
ヤティ
だから。
ヤトゥ
8年。
- 用例
- ヤトゥ ウヮーヌカミンチ ハチネン イチチョータル ウヮーヌ ハナシ(8年豚の神といって、8年生きていた豚の話)。
- メモ
- 「物を言う豚」『儀間の民話』より。
ヤトゥイン
雇う。
- 用例
- イチュナシク ナイグトゥ ティガネーサー ヤトゥイン(忙しくなるから手伝いを雇う)。
否:ヤトゥラン(雇わない)希:ヤトゥイブサン(雇いたい)過:ヤトゥタン(雇った)継:ヤトゥトーン(雇っている)。
ヤトゥイングヮ
雇い子。借金のかたに漁師の家に雇い入れられた子ども。
- メモ
- 類:メトィングヮ。
ヤドゥマブヤー
は虫類。ヤモリ。
- メモ
- 家守、家を守るものといわれている。
ヤナー
悪い物。
- 用例
- イャーガ コーティチェーシェー ヤナー ナティ チカーラン(お前が買ってきたのは悪くて使えない)。
ヤナアッチ
変な歩き方。
ヤナアビー
悪口。嫌な言い方。
- 用例
- ヤナアビー スヌサクヤラー、ヌーン アビランケー(悪口をいうくらいなら、何も言うな)。
ヤナアミグヮー
小雨。
- 用例
- ヤナアミグヮーヌ フトーン(小雨が降っている)。
ヤナイー
実の入りがよくないこと。
ヤナイミ
悪夢。
- 用例
- ヤナイミ ンチャシガ ヌーン アイル スタガヤー シワ ヤサ(嫌な夢を見たが、何かあったのか心配だ)。
ヤナカーギー
不美人。
- 用例
- ヤナカーギー ヤティン チムヌ ディキトーラー シムン(不美人でも心が良ければいい)。
- メモ
- 対:イーカーギ・チュラー・チュラカーギー(美人)。
ヤナカジ
悪い霊気。悪い風。悪霊など。人に害を与えるような悪い風。
- 用例
- イル ヌギティ ヤナカジ アタテーサヤー(顔色が悪いから、悪い霊気に出会ったんだね)。
- メモ
- ヤナカジに出会うと、皮膚に湿疹が出来たり、マブイ・霊魂を落としたりすることがある。
ヤナカジゲーシ
悪風返し。災厄防除。
- 用例
- ンカシェー イルンナ ビョーチヌ ヘーイネー ヤナカジゲーシ スタン(昔は色々な病気が流行すると、ヤナカジゲーシをした)。
- メモ
- →アクフーゲーシ。
ヤナカジャ
嫌な臭い。
- 用例
- ヤナカジャ スシガ ゥンマンカイ ヌー ヒティタガ?(嫌な臭いがするが、そこに何を捨てたの?)。
ヤナガマシームン
うるさい奴。嫌な奴。
- 用例
- カーゲー チュラサシガ ヤナガマシームン ナティ(容貌は美しいが、嫌な奴だ)。
- メモ
- 類:クサラー。
ヤナガマハン
うるさい。しつこい。嫌だ。
- 用例
- アンシ ヤナガマハル(なんてしつこいんだ)。
ヤナカンゲー
愚案。悪い考え。
- 用例
- イャーヤ ヌー ヤナカンゲー ソーガ?(お前は何を悪い考えしているのか?)。
- メモ
- 対:イーカンゲー。
ヤナグシ
悪い癖。
- 用例
- ティーチナー ムン ヌクスシェー ヤナグシ ヤサ(ひとつずつ物を残すのは悪い癖だ)。
ヤナグチ
悪口。毒舌。乱暴な言葉。
- 用例
- チュヌ ヤナグチビカーン シーネー ドゥシン ヲゥランナイサ(人の悪口ばっかり言っていると、友達もいなくなるよ)。
ヤナクトゥ
悪い事。
- 用例
- ヤナクトゥヌ アトー カンナジ イークトゥヌ アサ(悪い事のあとは、必ず良いことがあるよ)。
- メモ
- 対:イークトゥ(良い事)。
ヤナクトゥ
嫌なこと。悪いこと。
- 用例
- ヤナクトゥ アトー イークトゥン アサ(悪いことの後には良いこともあるよ)。
- メモ
- 対:イークトゥ(良いこと)
ヤナサン
悪い。
- 用例
- クンドー クジュヌ ムンヤカ ヤナサンヤー(今年は、昨年の物より悪いね)。
- メモ
- 音2:ワッサン。
ヤナシー
悪いやり方。いい加減なやり方。
- 用例
- ヤナシー スヌ サクヤラー ヌーン サンシェー マシル ヤル(いい加減なやり方をするくらいなら、何もしない方が良い)。
ヤナダクマ
悪知恵。
- 用例
- ヤナダクマ ナティ、ヌール カンゲートーラー ワカラン(悪知恵があって、何を考えているか分からない)。
ヤナタクミ
悪巧み。悪知恵。
- メモ
- 音1:ヤナダクミ。
ヤナダクミ
悪巧み。悪知恵。
- 用例
- マタ ヌール カンゲートーラ ヤナダクミ ソーンテー(また何を考えているのか、悪巧みをしているな)。
- メモ
- 音1:ヤナタクミ。
ヤナヂ
悪い心。
ヤナヂー
悪血。
- 用例
- ヤナヂー トゥイン(悪血をとる)。
ヤナヂム
意地悪。悪い心。根性悪。
- 用例
- ヤナヂム ムッチェー ナランドー(悪い心を持ってはいけないよ)。
- メモ
- →ウシクンジョー。
ヤナチラ
嫌な顔。悪い顔。
- 用例
- ヤナチラ サリーシヤカ イカンシェー マシ(嫌な顔をされるより、行かない方が良い)。
ヤナッチュ
嫌な人。悪人。悪者。
- 用例
- ウヤンチャーヤ ヒライヤッサシガ クヮヌ ヤナッチュ ナティヤー(両親は付き合いやすいが、子どもが嫌な人でね)。
- メモ
- →アクー。
ヤナティー
汚い手。
- 用例
- ヤナティー チカティ、ワッター ジー コーラディ ソーン(汚い手を使って、私たちの土地を買おうとしている)。
ヤナドゥクマ
嫌な所。悪い所。
- 用例
- カメーティン カメーティン、ヤナドゥクマビカーンナー(探しても探しても、悪い所ばかりだな)。
- メモ
- 音1:ヤナトゥクル。対:イートゥクル(良い所)。
ヤナトゥクル
嫌な所。悪い所。
- 用例
- ヤナトゥクルンカイヤ ヤーヤ チュクランキヨー(悪い所には家は造るなよ)。
- メモ
- 音1:ヤナドゥクマ。対:イートゥクル(良い所)。
ヤナナキ
嫌な鳴き声。
- 用例
- ヤナナキ スヌ バーガ アシェー(嫌な鳴き声をすることがあるさ)。
ヤナナチ
変な鳴き方。嫌な鳴き方。
- 用例
- ビーチャーヌ ヤナナチ スシガ、ウレ ヌーガラ ネーランガヤー(ジャコウネズミが変な鳴き方をするけど、これは何か災いがないかな)。
マヤーヌ ヤナナチ ソーン(猫が嫌な鳴き方をしている)。
ヤナフリー
言動がふつうではなく異常な人。触れ者。
- メモ
- 差別的に使われる語。
ヤナマブヤー
は虫類名。ヤモリ。
- メモ
- 類:ソージムヤー。
家守、家を守るものといわれている。
ヤナミー
嫌な目。
- 用例
- ワッサヌクトゥン ソー ネーンムンヌ ヤナミーシ ンラッタン(悪いこともしてないのに、嫌な目で見られた)。
ヤナミーハガー
ただれ目にかかった者。
- メモ
- 相手を罵〔ののし〕る時につかう。悪口の一種。
ヤナミジ
汚い水。
- 用例
- ナママディ アンソール ヤナミジル ヌローティナー(今までそんな汚い水を飲んでいたのか)。
ヤナミチ
悪い道。悪路。
- 用例
- ヤナミチカラ ユー アッチチェーサヤー(悪い道からよく歩いて来たね)。
ヤナムニー
嫌な物言い。悪い言い方。
- 用例
- ヤナムニー スラー ゥンマンカイ クーランキヨー(嫌な口をきくなら、こっちに来るなよ)。
ヤナムン
悪いもの。嫌なもの。
- 用例
- ゥンマンカイ ヤナムンヤ イッチェー クーンナヨー(そこに悪霊は入ってくるなよ)。
ヤナムン ヌキーン(悪いものを退ける)。
ヤファタグサヤ スグ ヒルガイグトゥ ヤナムンドー(ムラサキカタバミは直ぐに広がるから、厄介だよ)。
ドゥクカラ ヤナムン ナティ(あまりにも悪者になって)。
- メモ
- 類:ヤナカジ。対:イームン(良い物)。
悪霊、悪者、魔物、無縁仏にも言った。
ヤナムンゲーシ
悪物返し。災厄防除。
- 用例
- ハルヌ ムシヌ ウーサイニン ヤナムンゲーシ スタン(畑の害虫が多い時にも、悪風返しをした)。
- メモ
- →アクフーゲーシ。
ヤナヤン
軽い痛み。
- 用例
- ヤナヤンル スグトゥ クスイ ヌムヌ アタイヤ アラン(軽い痛みだから、薬を飲むほどではない)。
ヤナヨーガラー
嫌なやせっぽっち。悪口の一種。
ヤナリクチ
悪がしこい。悪知恵。
- 用例
- ヤナリクチナムン ナティ チカーランル アンデー(悪がしこい人だから、使えないんだよ)。
ヤナワラバー
悪い子ども。いたずらっ子。にくまれっ子。悪ガキ。
- 用例
- ヤナワラバーターヤ ティーガンマリ サンケー(悪ガキどもめ!いたずらするな)。
- メモ
- 音1:ヤナワラビ。対:イーックヮ。
ヤナワラビ
悪い子ども。いたずらっ子。にくまれっ子。悪ガキ。
- 用例
- ヤナワラビヤ シクチヌ ジャマビカーン シ、フカヲゥティ アシディ クーワ(嫌な子は、仕事の邪魔ばかりして、外で遊んで来なさい)。
- メモ
- →ヤナワラバー。
ヤナウヮーチチ
悪い天気。
- 用例
- ヤナウヮーチチ ナティ ハルカイン イカラン(天気が悪くて畑にも行けない)。
- メモ
- 対:イーウヮーチチ。
ヤハン
夜半。夜中。
- 用例
- ユービヤ ニッカ ナティ ヤハンスギニ ケーティチャン(夕べは遅くなって、夜半過ぎに帰って来た)。
ヤファタ
植物名。ムラサキカタバミ。
- 用例
- ハルスーブリーネー、ハル ミグティ ヤファタヌ アイネー、バッチンテー(原勝負というと、畑を回ってムラサキカタバミがあると、罰金さ)。
ハナン コイサンテーグトゥ ヤファタン チュラバナヤタンドー(花も買えないから、ムラサキカタバミもきれいな花だったよ)。
- メモ
- →シーサープー。
ヤファタオーラセー
子どもの遊びのひとつ。2人でムラサキカタバミの葉をかけあって遊んだ。
- 用例
- ヰナグワランチャーガ ナーヲゥティ ヤファタオーラセー ソーン(女の子たちが 庭でヤファタオーラセーをしている)。
ヤファッテン
柔らかに。優しく。
- 用例
- ワランチャーンカイヤ ヤファッテンル ハナシー スンドーヤー(子どもたちには優しく話しするんだよ)。
ヤファヤファートゥ
柔らかく。優しく。
- 用例
- ワン シージャヤ イッペー ヤファヤファートゥ ハナシー スン(私の姉はとても優しく話す)。
- メモ
- 音1:ヤファラヤファラー。
ヤファラー
病弱な者。体が弱い者。柔らかいもの。
- 用例
- ヤファラー ナティ(身体が弱くて)。
- メモ
- 音:ヤファラムン。
ヤファラガンジュー
弱そうで強いこと。病弱そうで健康なこと。
- 用例
- ハーメーヤ ヤファラガンジュードー(お祖母さんは弱そうに見えて頑丈だよ)。
- メモ
- 音1:ヤワラガンジュー。
ヤファラサン
①柔らかい。②病弱だ。
- 用例
- ①ウヌ シシヤ アンシ ヤファラサヌ ユー ニラットーン(その肉はとても柔らかくて、良く煮えている)。ナー イヒ ニーネー ヤファラチュンドー(もう少し煮ると柔らかくなるよ)。
②アンマーヤ イッペー ドゥー ヤファラサヌン(お母さんはとても病弱だった)。
- メモ
- 音:ヤファラムン。対:クファサン(固い)。
ヤファラジューシー
雑炊。おじや。
ヤファラチュン
柔らかくなる。
- 用例
- ナー イヒ ニーネー ヤファラチュン(もう少し炊くと柔らかくなる)。
ヤファラムヌイー
柔らかい物言い。柔らかい口調。
- 用例
- アヌ ヰナグヤ ヤファラムヌイー スシガ シタタカ ガンクー ヤンディドー(あの女は口調は柔らかいが、とても頑固者だそうだ)。
- メモ
- 対:クファムニー(固い口調)。
ヤファラムン
病弱な者。柔らかいもの。身体が弱い者。
- 用例
- ヤファラムンヌ ゥンジトーティ、タビカイ モーキーガ イチュンナー(病弱なのに、他所に儲けに行くか)。
- メモ
- 音:ヤファラー・ヤファラサン。
ヤファラヤファラー
柔らかく。優しく。
- メモ
- 音1:ヤファヤファートゥ。
ヤブー
鍼灸師〔しんきゅうし〕。鍼や灸、瀉血を施術する人。
- 用例
- ヒサヌ フックティ アッカラン、ヤブーカイ ゥンジ チャン(足が腫れて歩けず、ヤブーの所に行って来た)。
- メモ
- サンジンソー(易、三世相)、針麻酔、中国針、ヤーチュー(灸)などをあわせた民間療法をおこなった。
ヤマ
①山。山林。②ごたごた。乱雑。混乱。③山のように溢れること。
- 用例
- ①ヤマンカイ イチーネー ヤマシシカイ キー チキリヨー(山に行く時には猪に気をつけなさいよ)。
②カタヂキーヤ シニサン ヤマ ナチューサ(片づけきれずに、ごたごたにしてくれたな)。
③ミジェー ヤマ ナティ(川の水が溢れ氾濫している様)。
ヤマ~
野生の意を表す。
- 用例
- ヤマドゥイ(野鳥)。ヤマイン(野犬)。ヤマシシ(猪)。
ヤマアーサ
イシクラゲ。ネンジュモ属に属する陸棲藍藻の一種。
ヤマアータ
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
ヤマアータオーラセー
とかげのけんか。2匹のキノボリトカゲを喧嘩させる遊び。
ヤマーサンカー
散らかっていること。混乱していること。
- 用例
- ワランチャーガ ヤマーサンカー ナチェーサ(子ども達が散らかしてあるさ)。
ヤマータ
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
ヤマアッチャー
山仕事をする人。林業。
- 用例
- ワッター スーヤ ヤマアッチャー ソータン(私の父は山仕事をしていた)。
ヤマイリ
山入り。
- メモ
- 9月から11月中頃に、1年に使う薪を採るために金を出し合って1週間単位で山に寝泊まりして薪を採った。かつては字ごとに薪を採る場所が決められていた。
ヤマウク
山奥。
- 用例
- カーマ ヤマウクンカイル タンガマー アンドー(ずっと山奥に、炭焼き小屋はあるんだよ)。
ヤマカーガー
人見知り。人前にあまり出ない人。
ヤマガーミ
山亀。
ヤマガジャン
やぶ蚊。
- 用例
- ヤマガジャンカイ ササッティ ヰーゴーサヌ フシガラン(やぶ蚊に刺されて痒くてたまらない)。
ヤマカタンジャシ
雑な作り。適当。
- 用例
- スグ コーシル スグトゥ ヤマカタンジャシシ シムサ(直ぐに壊すんだから、適当でいいよ)。
- メモ
- 類:ナーナー。
ヤマガッコー
山学校。学校をさぼって遊ぶこと。
- 用例
- ワッターヤ ヤマガッコービカーン ソータン(私は学校へ行かずに遊んでばかりいた)。
ヤマガマバル
{山釜原}。長浜の小字。
ヤマガミー
山で生計を立てること。
ヤマカンジャ
植物名。ノアサガオ。野朝顔。
- メモ
- 音1:ヤマカンダ・ヤマカンダー。
野朝顔は多年生で、朝顔に似た花が咲き、さつまいもに似た小さい芋ができる。
ヤマカンダ
植物名。ノアサガオ。野朝顔。
- 用例
- ハーマカイ イチーネー ヤマカンダヌ ウホーク サチョータン(浜に行くと、野朝顔がたくさん咲いていた)。
- メモ
- 音1:ヤマカンジャ・ヤカマンダー。
ヤマカンダー
植物名。ノアサガオ。
- メモ
- 音1:ヤマカンジャ・ヤカマンダ。
ヤマグ
野蛮。
- 用例
- イッター ワラベー アンシ ヤマグ ヤル(お前の子はなんて野蛮なんだ)。
ヤマシシ
①猪〔イノシシ〕。山猪。②山の動物。野生。野育ち。
- 用例
- ①ヤマシシヌ ゥンジーグトゥ キー チキティ イキヨー(猪が出るから気をつけて行きなさいよ)。
②ヤマシシ ナティ(野生の動物のようになって)。
ヤマスン
痛める。怪我する。
- 用例
- サラランワジャ シーネー ドゥー ヤマスンドー(余計なことをすると体を痛めるよ)。
ヤマサッテー ウイシ(怪我させられたりして)。
否:ヤマサン(痛めない)希:ヤマシーブサン(痛めたい)過:ヤマチャン(痛めた)継:ヤマチョーン(痛めている)。
ヤマターコッコイ
サナギ。
- 用例
- ヤマターコッコイヌ ウホーク シガトーン(サナギがたくさんついている)。
ヤマタイ
山当。山守。村有林の管理役人。王府時代の役職のひとつ。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ ヤマタイ ソータン(私のおじいさんは山当をやっていた)。
- メモ
- 山を管理し、間切の総山当の指揮監督をうけて、担当する村の官有林の保護や育成を行った。
ヤマタイモー
座喜味の地名。
- メモ
- 現在の親志公民館の北東に位置。ヤマアタイが番をする場所として使われ、旅立つ人を見送るタビウクイモーでもあった。
ヤマタイヤマ
山当山。親志の地名。
ヤマダニー
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
ヤマチラカスン
混乱させる。
- 用例
- アンスカナー ヤマチラカスンナー(こんなにも混乱させるのか)
否:ヤマチラカサン(混乱させない)希:ヤマチラカシーブサン(混乱させたい)過:ヤマチラカチョン(混乱させた)継:ヤマチラカチョーン(混乱させている)。
ヤマチリアビー
まとまりのない話し方。
ヤマチリーン
混乱する。荒れる。収拾がつかなくなる。
- 用例
- ムルヌ ハナシガ アーラン ヤマチッチョーン(皆の話が合わず収拾がつかなくなっている)。
ヤマチリヤーニ(めちゃめちゃになり)。イクサ ヤマチリタル バーテー(戦で混乱したわけだ)。
否:ヤマチリラン(混乱しない)過:ヤマチッチャン(混乱した)継:ヤマチッチョーン(混乱している)。
ヤマトゥ
大和。日本本土。
- 用例
- ワンネー ヤマトゥンカイ モーキーガ イチュン(私は大和に儲けに行く)。
ヤマトゥアギヤー
大和での漁。日本本土での漁。
ヤマドゥイ
山鳥。山にいる鳥の総称。
ヤマトゥー
大和の人。日本本土の人。
- メモ
- 類:ヤマトゥンチュ・ヤマトゥンチュー。
ヤマトゥウーファ
帯で子どもを負ぶうこと。
- 用例
- ウービヌ ネーン ヤマトゥウーファー サンタン(帯がなくてヤマトゥウーファはしなかった)。
ヤマトゥナー
大和名。
- メモ
- 元々百姓は、ワラビナー(童名)、シマナー(島名)を用いた。廃藩置県以後戸籍制度が適応された後の、戸籍に登録された本土風に改めた名前をヤマトゥナー(大和名)と呼んだ。一般的にはワラビナーを付けてからヤマトゥナーを役場に届け出た。
ヤマトゥユー
大和世。日本世。
- 用例
- ヤマトゥユーナティ ウチナーヤ ヌーヌ カワタガヤー(大和世になって、沖縄は何が変わったのかな?)。
- メモ
- 明治12年の廃藩置県以後、日本政府の統治下になった時代のことで、沖縄世からの世替わり。
ヤマトゥンス
大和味噌。
- メモ
- 米味噌で高価だったので、料理に使わず茶請けにした。
ヤマトゥンチュ
大和の人。日本本土の人。
- 用例
- チカグロー ウチナーンチュガヤラー、ヤマトゥンチュガヤラー ムル ワカラン(近頃では沖縄の人なのか、大和の人なのか全く分からない)。
- メモ
- 音1:ヤマトゥンチュー。類:ヤマトゥー。
ヤマトゥンチュー
大和の人。日本本土の人。
- メモ
- 音1:ヤマトゥンチュ。
ヤマナチョーラ
植物名。ミズスギ。
- 用例
- ヤマナチョーラー マンドンドー(ミズスギはたくさんあるよ)。
ヤマヌスク
山の底。谷底。
- メモ
- →スク。
ヤマヌスル
山の木を盗む者。
ヤマヌミー
山の中。
ヤマヌウヮーリ
谷間。
- 用例
- ヤマヌウヮーリマディ イケー チャーガラ ナイサ(谷間まで行けばどうにかなるさ)。
ヤマバーン
山番。山林の番人。
- メモ
- 音1:ヤマバンサー。
ヤマバンサー
山番。山林の番人。
- メモ
- 音1:ヤマバーン。
ヤマヒールー
伊良皆ヒールーモーの高い所。
- メモ
- 船の出入りが見えた。
ヤマボートゥ
鳩〔ハト〕。
- メモ
- 類:ソージムヤー。
ヤママブヤー
は虫類名。ヤモリ。
- 用例
- ウネ、ヘーク カマンネー ヤママブヤーガ クス マインドー(ほら、早く食べないとヤモリが糞をするぞ)。
- メモ
- ヤモリの糞が目に入ると毒といわれていた。字渡慶次では親が子どもにご飯を早く食べるよう急かす時そう言った。
ヤママムヤー
山守。山林の番人。
ヤマムム
植物名。ヤマモモ。
- 用例
- アングヮートゥ マジョーン ヤマムム トゥイガ イチュン(姉さんと一緒にヤマモモを取りに行く)。
- メモ
- →マーチムム。
ヤマラン
気持ちを止められない。やりきれない。気持ちが収まらない。
- 用例
- ヤーカイ ケーティマディ ヤマラン、マタ トゥンジティ ハイタン(家に帰ってまで気持ちが収まらず、また飛び出して行った)。
ヤマングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
ヤマンジャナ
植物名。ジシバリ。別名イワニガナ。
- 用例
- ヤマンジャナヤ チールー ハナガ サチュサ(ジシバリは黄色い花が咲くよ)。
- メモ
- 類:ンジャナ・ンジャナバー。
薬草。
ヤマゥンム
芋類。山芋。
- メモ
- 類:ヤンモー。
ヤミーダタサン
大げさに痛がる。
- 用例
- アンマーヤ ルク、ヤミーダタサヌ デージ(お母さんはあまりにも、大げさに痛がるから大変だ)。
ヤミッチュ
病人。
- 用例
- ヤミッチュヌ ヲゥティ(病人がいて)。
- メモ
- 類:ヤンメームン・ヤンメーチュ・ヤミンチュー。
ヤミワンレー
看病。介護。病人の世話。
- 用例
- タトゥクルヌウヤ ヤミワンレー スンディ、ティーチン マルヌ ネーラン(両親の看病をしていて、ちっともゆとりがない)。
- メモ
- 類:トゥンジャク。
ヤミンチュー
病気を患〔わずら〕っている人。体の弱い人。病人。
- メモ
- 類:ヤミッチュ・ヤンメーチュ・ヤンメームン。
ヤムン
痛む。痛い。病む。
- 用例
- アンマー、ナマン ヤムンナー?(お母さん、まだ痛いねぇ?)。アンマーン スーン ナゲー ヤローン(お母さんもお父さんも、長いこと病んでいる)。アンマーン スーン ナゲー ヤローン(母も父も長いこと病んでいる)。
否:ヤマン(痛くない)過:ヤムタン(痛かった)。
ヤラシークヮーシー
少ない中からあれこれ選ぶこと。
- 用例
- ヤラシークヮーシー、アンシ イラビグリサルヤー(少ない中から選ぶのは、とても選びにくいね)。
ヤラスン
遣る。行かせる。
- 用例
- イチュナサル フージ ヤグトゥ ヘーベートゥ ティガネーカイ ヤラスン(忙しいようだから、早々と手伝いに遣る)。
否:ヤラサン(遣らない)希:ヤラシーブサン(遣りたい)過:ヤラチャン(遣った)継:ヤラチョーン(遣っている)。
ヤラバカ
屋良墓。阿麻和利の墓。
- メモ
- 音1:ヤリバカ。類:アマンジャラーバカ。
古堅小学校の後方にある。昔は馬の骨かと思われるような骨や太刀、またトゥルクガマグヮーといった釜で大きな七輪のようなものがあったという。
ヤラブ
植物名。テリハボク。
- 用例
- ヤラブヤ マギク ナイグトゥ、ヤシキンカイヤ イーラランドー(テリハボクは大きくなるから、屋敷には植えられないよ)。
ヤラマブヤー
は虫類名。ヤモリ。
- メモ
- 類:ソージムヤー。
ヤリーン
破れる。
- 用例
- イービ チックミーネー アカイ ヤリーンドー(指を突っ込むと障子は破れるよ)。
否:ヤンリラン(破れない)希:ヤイブサン(破りたい)過:ヤリタン(破れた)継:ヤリトーン(破れている)。
- メモ
- 類:ヤンリーン。
ヤリカーカー
ひどく破れている状態。
- 用例
- ヤリカーカー ソール チン チチ ユージュカイ イカリンナー(そんなに破れた着物を着て用事に行けるか)。
- メモ
- 音2:ヤリクヮンクヮン。
ヤリクヮンクヮン
ひどく破れている状態。
- 用例
- チュヌメーンカイ イチュルムンヌ チヌン ヤリクヮンクヮンシ(人前に行くのに着物も破れかぶれで)。
- メモ
- 音2:ヤリカーカー。
ヤリナブヤー
ヤモリ。
- メモ
- 類:ソージムヤー。
ヤリバカ
屋良墓。阿麻和利の墓。
- メモ
- →ヤラバカ。
ヤリマブヤー
は虫類名。ヤモリ。
- 用例
- ヤリマブヤーガ ナキーネー ワラビガ ウトゥルハスンドー(やもりが鳴くと子どもが怖がるよ)。
- メモ
- →ソージムヤー。
ヤリヤー
破れた物。
- 用例
- ヤリヤー チチェー イカランサニ(破れたのを着ては行けないでしょう)。
ヤワラガンジュー
弱そうで強いこと。病弱そうで健康なこと。
- メモ
- 音1:ヤファラガンジュー。
ヤン
そう。だ。である。
- 用例
- ヤンナー?ワンネー ワカランタサ(そうねぇ?私は分からなかったさ)。ヤガヤー(そうかな?)。ウリル ヤルイー(それであるのか)。ヤンー(そうなの?)。アシ ヤンディサ(そうなんだってよ)。ヤンバーヨー(であるわけよ)。
- メモ
- 相槌を打つ時などに使う。
ヤンザイブクル
死者に土産を持たせる袋・頭陀袋。
- 用例
- ヤンザイブクルヤ トゥシーハーメーターガ シコーイタン(頭陀袋は年寄りの女の人が準備していた)。
- メモ
- 音2:ジンジャイブクル・ジンダブクル・チンダンブクル。→ジンジャイブクル。
ヤンジュン
壊す。
- 用例
- ソーマリー シートーシ カリ ワタ ヤンドーン(急いで饐えているのを食べてお腹を壊している)
否:ヤンラン(壊さない)希:ヤンジーブサン(壊したい)過:ヤンタン(壊した)継:ヤントーン(壊している)。
ヤンジュン(~ヤンジュン)
~し損なう。~し損ずる。
- 用例
- ウヮーグヮー ヤティン ウチヤンジーネー、ナゲー パッタイパッタイ スン(豚でも、打ちそこなうと、長い間バタバタと苦しんで暴れる)。
ヤンダー
目が細かい網。
- 用例
- スクヌ ユイネー、ヤンダーシ トゥイタン(アイゴの稚魚が寄って来ると、目が細かい網で捕った)。
ヤンタンチジ
屋根の頂き。
ヤンバサンバ
物事が繁雑な様。
- 用例
- ヤンバサンバ ナティ ヌーガキーガヤラ ワカラン ナトーン(物事が複雑で、何が何だか分からなくなっている)。
ヤンバラー
山原の人。
- メモ
- 音2:ヤンバルチュ。
ヤンバラーダキ
植物名。山原竹。リュウキュウチク(琉球竹)。
- メモ
- 音1:ヤンバルダキ。奄美諸島以南の各島(大東を除く)に分布するササの仲間。
ヤンバラーブニ
山原船。ヤンバル船。
- 用例
- ヤンバラーブニシ タムン ハクブン(山原船で薪を運ぶ)。
- メモ
- 砂糖は帆前船に積んで那覇へ運ぶこともあった。帆前船は何でも運搬していた。ヤンバル船は暴風になると、渡具知港に船を着けた。
ヤンバラームシ
節足動物。ヤスデ。
- 用例
- ヤンバラームシヌ クササヨー(ヤスデの臭いことよ)。
- メモ
- →アーメージャー。
ヤンバル
山原。沖縄本島北部。国頭地方。
- 用例
- イクサユーネー ヤンバルンカイ ヒナンシ ゥンジャン(戦世には山原に避難して行った)。
ヤンバルガーミー
リュウキュウヤマガメ。山原亀。
ヤンバルダキ
植物名。山原竹。リュウキュウチク(琉球竹)。
- メモ
- 音1:ヤンバラーダキ。
ヤンバルティーマートゥー
山原汀間当。沖縄民謡のひとつ。
ヤンバルムシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- →アーメージャー。
ヤンバルンチュ
山原の人。
- メモ
- 音2:ヤンバラー。
ヤンムチ
鳥もち。
- 用例
- ヤンムチシ ソーミナー トゥイシェー ヰキガヌ アシビヤタン(鳥もちでメジロを捕るのは男の子の遊びだった)。
- メモ
- ガジマルの汁と炊いた芋を混ぜ合わせるとガムのように粘っこくなる。そのヤンムチ(鳥もち)を竹につけて小鳥を捕った。
ヤンムチギー
植物名。モチノキ。ヤンムチ(鳥もち)をつくる木。
ヤンメー
病気。
- 用例
- アンシ ウムイ クガリーネー アトー ヤンメー チュクインドー(そんなに想い焦がれたら、しまいには病気になるよ)。
ヤンメームン
病人。
- 用例
- ムヌン カマン ヤンメームン ナテー ナランデー(食事も取らずに、病人になってはいけないよ)。
- メモ
- 類:ヤミッチュ・ヤンメーチュ・ヤミンチュー。
ヤンモー
山芋。
- 用例
- ソーグヮチニ チカイル ヤンモー トゥティ チェーサ(正月に使う山芋を取って来たよ)。
- メモ
- 類:ヤマゥンム。
ヤンリ
破れ。穏やかな状態が壊されること。
- 用例
- ウングトール ウミヌ ヤンリニ ウミヌムンビケーンサーニ スンディシェー(こんなに海が荒れているときに、海の物だけで〈御馳走〉するというのは)。
ヤンリーン
破れる。こわれる。
- 用例
- ウミヌ ヤンリーン(海が荒れる)。カマンタガ ヤンリーン(カマンタが破損する)。
カラジヌ ヤンリトーン(髪が崩れている)。
ヤンリカーカー
ひどく壊れている様。
- 用例
- ヤンリカーカー ッシ ノーシン ナランサ(ひどく壊れているからなおせないよ)。
- メモ
- 音1:ヤンリコーコー。
ヤンリコーコー
ひどく壊れている様。
- 用例
- トゥイヌヤーヌ ヤンリコーコー ソーン(鶏小屋がひどく壊れている)。
- メモ
- 音1:ヤンリカーカー。
ユアカブシ
明けの明星。日の出の前の東の空に輝く明るい星。金星。
- メモ
- 音2:ユーアカブシ・ヨーカーブシ。
ユイ
結。
- メモ
- 音2:ユイマール・ヰーマール。
ユイ
ふるい。籾や米の細かく砕けたものをより分ける道具。
ユイ
ゆえ。せい。
- 用例
- ターユイニ アン ナタガディチ ユー カンゲーリヨー(誰のせいでそうなったのかと、よく考えなさいよ)。
ユイ
①竹の節と節の間。②手足の長さ。
- 用例
- ユイ ナガサン(手足が長い)。
- メモ
- 音1:ユーイ。
ユイアガイン
流れ着く。
- 用例
- クラファンカイ ユイアギティ(久良波に流れ着いて)。
ユイガラー
ふるい落とした細かい殻。
ユイキ
寄木。宿り木。流木。
- 用例
- アンヒチャクトゥ ユイキヌ ムヌ イタンディ(そうしたら寄木が物を言ったんだって)。
- メモ
- 「産神問答」『楚辺の民話』より。
ユイマール
結。集落、隣人間でなされる相互扶助のこと。
- メモ
- 音2:ユイ。
ユイムン
寄り物。漂着物。
- メモ
- 類:チチムン。
ユイムン チチムン
寄り物。漂着物。
- メモ
- 類:ユイムン。
3月3日、サングヮチャーの日に、長浜では村の当役が宇加地の岬で、ニライカナイにユイムン・チチムンの祈願をする。
ユイヤシー
棒術での合図。舞台に出る寸前のかけ声。
ユイユイ
ニワトリにえさをやる時の掛け声。
- 用例
- トゥイヌ ムン クイニ、「ユイユイ」ディル イーサイ(鶏の餌をやる時に、「ユイユイ」というでしょう)。
- メモ
- 類:ユーユーユー。
ユイン
寄る。近づく。
- 用例
- シワ ユトーン(しわがよっている)。スク ユトーンド(アイゴの稚魚が押し寄せているぞ)。
イバサグトゥ スバンカイ ユイン(狭いから側に寄る)。
否:ユラン(寄らない)継:ユトーン(寄っている)。
ユー
ほら。
- 用例
- ウリ、ユー(それ、ほら)。ユー、カメー(ほら、食べて)。
- メモ
- 類:ウリ。
子どもや友人などにお菓子などをあげるときにいう。
ユー
よく。良好に。しばしば。
- 用例
- ワランチャーンカイ、ユー イチ チカスン(子どもたちに、よく言って聞かせる)。ユー シェーサ(よくやった)。
ユー
世。時代。
- 用例
- イチヌ ユー ナティン、ドゥシンチャーヤ カワランサ(何時の世になっても、友達は変わらないさ)。
イクサユー(戦争時)。タンメーユー(おじいさんの時代)。
ユー
結。喪家に対する相互扶助。喪家に物品や金品を集めて援助する。
- 用例
- チュガ マーシーネー ユー ヌチュタン(人が亡くなるとユーを集めた)。
- メモ
- 音2:イチゴーユー・イックヮンユー。類:スーゲー。
ユー
湯。
- 用例
- チャー イリーヌ ユー ワカスン(お茶を入れる湯を沸かす)。
ユー
夜。
- 用例
- ユー ユックティカラヤ、マーニン イカンドー(夜が暮れてからは、どこにも行かないよ)。
- メモ
- 音2:ユール・ユル。
ユー
4。4つ。
- メモ
- 音2:ユーチ。
ユー サンネー
もしかしたら。
- 用例
- ユー サンネー アン(もしかしたら有る)。
- メモ
- 音1:ユーサンレー。音2:ユー シーネー。
ユー サンレー
もしかしたら。
- 用例
- ユー サンレー アチャル イチュラー ワカラン(もしかしたら明日行くかもしれない)。
- メモ
- 音1:ユー サンネー。→ユー サンネー。
ユー シーネー
もしかしたら。
- 用例
- ユー シーネー アンル ヤテーサニ(もしかしたらそうだったんじゃないか)。
- メモ
- →ユー サンネー。
ユー シリーン
亡くなる。
- 用例
- ユーヤ シリティ(亡くなって)。
アフィーヤ ユー シリタン(兄さんは亡くなった)。
- メモ
- →ケーマースン。
ユー ユックィーン
日が暮れる。夜が暮れる。
- 用例
- ナマリーナー ケーテー クーラン ナー ユー ユックィーサ(こんなに遅くなっても帰って来ない、もう夜が暮れるよ)。
否:ユックィラン(暮れない)継:ユックィトーン(暮れている)。
ユー ユックヮースン
夜を越すこと。
- 用例
- ダラダラ シーネー ユー ユックヮースンドー(ダラダラしていると夜を越すよ)。
否:ユー ユックヮーサン(夜を越さない)希:ユー ユックヮーシブサン(夜を越したい)過:ユー ユックヮーチャン(夜を越した)継:ユー ユックヮーチョーン(夜を越している)。
ユーアカブシ
明けの明星。日の出の前の東の空に輝く明るい星。金星。
- メモ
- 音1:ユアカブシ・ヨーカーブシ。
午前3時半から5時ごろ見られるが、夏と冬では違う。
ユーアキ ワラビ
日々変わる赤子の顔。夜が明けると赤子の顔も変わっている。
ユーアキガタ
夜明け方。
- 用例
- アッピーヤ ユーアキガタル ケーティ チョーンドー(兄さんは夜明け方に帰ってきたんだよ)。
ユーアキドゥーシ
夜通し。一晩中。
- 用例
- ユーアキドゥーシ サキ ヌリ、シクチ ユックインディチン アンナー(夜通し酒を飲んで、仕事を休むってこともあるか)。
- メモ
- →チュナガタ。
ユーイ
手足の長さ。
- 用例
- ユーイ ナガサグトゥ、フルイーンドー(手足が長いから、大きくなるよ)。
- メモ
- 音1:ユイ。
ユーイリガタ
夕方。
- メモ
- 類:ユーサンデ・ユーサンディ・ユーサンリ・ユサンディ。
ユーイン
結う。縛る。
- 用例
- ヰナグワランチャー カラジ ユーイン(女の子の髪を結う)。
ユーラットーン(縛られている)。
否:ユーラン(結わない)希:ユーイブサン(結いたい)過:ユータン(結った)継:ユートーン(結っている)。
- メモ
- 類:クンジュン。
ユーイン
篩〔ふる〕う。
- 用例
- シーノーシ ユーティ グメー ウトゥシヨー(フルイで篩ってゴミは落としなさいよ)。
ユーイゥンマ
肩馬。肩車。
- 用例
- ユーイゥンマ シ アシブンディ ウティティカラヤー(肩車をして遊んで落ちてはいけないよ)。
- メモ
- →ウマドードー。
ユーカーギ
夕陰。夕陽が落ちて陰になること、またはその時間帯。
- 用例
- ユーカーギ ナイネー スガリティ イーヤンベー ヤン(夕陽が落ちて陰になると、涼しくて良い気持ちだ)。
- メモ
- 対:アサカーギ(朝陰。朝の陽ざしが弱い時間帯)。
ユーカキー
鰹節、味噌にお湯をかけた汁物。
- 用例
- クチニーサイネー ユーカキール クスイ ナイサ(食欲がない時にはユーカキーが体に良いのだよ)。
- メモ
- 音2:カチューユー。
ユーガラサー
夜烏。夕烏。夕方鳴く烏。
- メモ
- 音1:ユーガラシ。
ユーガラシ
夜烏。夕烏。夕方鳴く烏。
- 用例
- ユーガラシヌ ナチーネー チュヌ マースンディ イータン(夕烏が鳴くと人が亡くなるといっていた)。
ユーガラシー、ヒーヤ ユーシーヨー(夕方にカラスが鳴いたら、火には気をつけなさいよ)。
- メモ
- 音1:ユーガラサー。
夕方に鳴くカラスは縁起が悪く不吉なものとされ、忌み嫌われる。カラスが屋根の上近辺で鳴くと、その家に不幸があるとされる。また、カラスが東からニシ(北)の方に飛んでいくと、人が亡くなったり火災が起きることがあるので用心しなさいといわれた。海辺の所では雁の一種、鴨の一種のこともそう呼ぶ。
ユーキ
夜更かし。徹夜。
- 用例
- シナムンヌ マニアーランネー ユーキ シヤティン シアギラントー ナラン(品物が間に合わないなら、徹夜してでも仕上げないといけない)。
ユーキテーキ
夜更かしが続くこと。
- 用例
- モーアシビ スンディ ユーキテーキ シ、シクチン メーネー アガカン(モーアシビをするって夜更かしが続き、仕事もはかどらない)。
ユーキヌシー
寄木の精。
- 用例
- ウヌ ユーキヌシーヌ ムヌ イタンディ(その寄り木の精が物を言ったんだって)。
- メモ
- 「産神問答」『楚辺の民話』より。
ユーギリ
踵のひび割れ。あかぎれ。
- 用例
- ヒーク ナイネー ユーギリガ ヤムタンヤー(寒くなるとあかぎれが痛かったね)。
- メモ
- →ヒサヌワリ。
ユークー
欲張り。欲張り者。
- 用例
- ユークーヤ、チュヌムンマディ トゥティ イカディ スサ(欲張りめ、人の物まで取って行こうとするさ)。
- メモ
- 類:ユクヂューサン・ユクナムン。
ユーグミー
夕方辺りが暗くなること。
- 用例
- ユーグミー ナイネー ヌーガラ チムサビサンネー スン(夕方辺りが暗くなると、何か人寂しいような気がする)。
- メモ
- 類:アコークロー。対:アケーイン(明るくなる)。
ユーグミーン
余熱を利用して食材を蒸らす。
- 用例
- ナービヌ フタ クーティ デークニ ユーグミーン(鍋の蓋を閉めて大根を蒸らす)。
- メモ
- 料理後の食材や調理器具に残った熱をうまく利用すること。
ユークル
そろそろ。おおよそ。ほとんど。
- 用例
- スーヤ ユークル ハルカラ ケーティチューシガ、アサバノー シコーテーミ?(お父さんはそろそろ畑から帰って来るけど、昼ご飯の準備はできているね?)。
- メモ
- 音1:イークル。
ユーゲースン
火傷する。
- 用例
- アチユー タッケーラチ ヒサ ユーゲーラチネーン(熱いお湯をこぼして、足を火傷してしまった)。
- メモ
- 音1:ユゲースン。
ユーサンディ
夕方。
- メモ
- →ユーイリガタ。ユーサンリ・ユサンディ。
ユーサンリ
夕方。
- 用例
- ユーサンリ ナイネー、アンマーン スーン ハルカラ ケーティ チューン(夕方になると、お母さんもお父さんも畑から帰って来る)。
- メモ
- →ユーイリガタ。ユーサンディ・ユサンディ。
ユーサンリアケー
夕焼け。
- 用例
- チューヌ ユーサンリアケーヌ チュラサシヨ(今日の夕焼けのきれいなこと)。
ユーシジーン
度が過ぎる。どうしようもない。
- 用例
- ウヤンカイ クチゲーイ シーニカラー、ナー ユーシジトーサ(親に口答えするんだったら、もうどうしようもないよ)。
継:ユーシジトーン(度が過ぎている)。
ユーシタイ
いい気味だ。ざまあみろ。それ見たことか。
- 用例
- イーシン チカントゥ アン ナイサ、ユーシタイ、ヤサ(言うのも聞かないからそうなるんだ、いい気味だ)。
- メモ
- 音1:ユーシッタイ・ユーヒッタイ。
ユーシッタイ
いい気味だ。ざまあみろ。それ見たことか。
- メモ
- 音1:ユーシタイ・ユーヒッタイ。
ユーシバイ
寝小便。
- 用例
- ミジ ビカーン ヌミネー ユーシバイ スンドー(水をたくさん飲むと寝小便をするよ)。
ユーシバヤー
夜尿症の人。
- 用例
- チャー ウールヌ フーサットーシガ ユーシバヤーガル ヲゥンテー(いつも布団が干されているが、夜尿症の人がいるんでしょうね)。
ユージュ
用事。
- 用例
- ユージュヌ アグトゥ、チューヌ スリーヤ イトゥマ シッチャン(用事があるから、今日の集まりは休みにしてきた)。
ユージュ ゥンジクーイー(用事に行ってくるね・便所に行ってくるね)。
- メモ
- 音2:ユージュカチ。
人前で便所に行くことを「ユージュ ゥンジクー イー」と使った。
ユージュカチ
用事。
- 用例
- ユージュカチン ヘーク ウワラチ ユルットゥ ナイブサン(用事なども 早く 終えて ゆっくり したい)。
- メモ
- →ユージュ。
ユージュタバカイ
用事が重なること。
- 用例
- ユージュタバカイ シ マーニン イカラン(用事が重なってどこにも行けない)。
- メモ
- 音2:ユージュヒージュ。
ユージュヒージュ
用事が重なること。
- 用例
- ユージュヒージュガ チヂチ イチュナサヌ フシガランサ(用事が続いて、忙しくてたまらないよ)。
- メモ
- 音2:ユージュタバカイ。
ユージョー
養生。
- 用例
- クヮ ナチ アトゥヤ ユージョー シッカラル ヤーヌ シクチン スンドーヤー(出産後は、養生してから家の仕事もするんだよ)。
- メモ
- 音1:ヨージョー。
ユーシンチャー
有志の人達。
ユースー
夭折した子。
- 用例
- ユースー ヤティン リッパ ホームイガタ スン(幼くして亡くなった子でもちゃんと葬る)。
- メモ
- 大方が6~7歳までに幼くして亡くなった子どものことで、位牌に載せないこともあった。
ユースン(~ユースン)
~出来る。
- 用例
- チーユースルンサー(来ることができるのなら)。チーユースンナー(来ることができるか)。ソーグヮチン シーユーサン(正月もできない)。
- メモ
- 音1:~ウースン。
ユーダ
枝。
ユーダイダラダラ
よだれを垂らしている様。
- 用例
- ユーダイダラダラ シ、ユダヤーワランチャーヤ(よだれをたらたら流して、よだれ小僧は)。
ユータキメー
出し合った米で炊いたご飯。
- 用例
- ユータキメーヤ ジムスヲゥティ ニチ ムチ チュータン(ユータキメーは公民館で炊いて持って来た)。
- メモ
- 人が亡くなった時等、親戚や隣近所から出し合ったもので食事を賄った。そのことをユータキメーという。
ユーチ
4。4つ。4歳。
- 用例
- ワンニンカイ ユーチェー トゥラシェー(私に4つは取らせてね)。
- メモ
- 音2:ユー。
ユーチ
石工〔いしく〕道具名。石斧。
- 用例
- ハーマヌ イシェー ユーチサーイ チッチャン(浜の石を石斧で切った)。
- メモ
- 音1:ユーキ。→イシユーチ。
ユーチラー ネーン
無益だ。何の益もない。
- 用例
- ヌーン ユーチラー ネーン(何の意味も無い)。
- メモ
- 音1:ユーチラン ネーン。
ユーチラン ネーン
無益だ。何の益もない。
- メモ
- 音1:ユーチラー ネーン。
ユーディキヤー
優等生。良く出来た者。
- メモ
- 音2:リキヤー。
ユーデー
世代。
ユーデー マンデー
世代万代。世の中の続く限り。
- 用例
- ユーデー マンデー テーミヌユーガ チジチュシ ニガイン(世の続く限り、平和な世の中が続くように願う)。
- メモ
- 音1:ユーレーマチレー。
ユートゥイ
あか取り。船底にたまった水を汲み出す道具。
- メモ
- →アカトゥイ。琉球松をくりぬいて作った。
ユートゥギ
夜伽。
- 用例
- トゥナイヌ ユートゥギカイ、チューマデー ゥンジ チューサ(隣の夜伽に、今日までは行って来るさ)。
- メモ
- 音1:ユートゥジ。
生まれたばかりの赤子を魔物などから守るために、親戚の人たちが産家に泊まりに来る夜伽の風習があった。夜伽は約1週間続き、その間産婦は地炉の火で温まった。
ユートゥジ
夜伽。
- 用例
- クヮガ ゥンマリーネー パーパーターヤ ユートゥジカイ ハイタン(子どもが生まれると、お婆さんたちは夜伽ぎに行った)。
- メモ
- 音1:ユートゥギ。
ユートゥトゥーミ
生きている限り。
ユードゥリ
夕凪。
ユーナ
植物名。ハマボウ。オオハマボウ。ユウナ。
- 用例
- ユーナヌ キーガ ウッサ ミートールヤー(ユウナの木がたくさん生えているね)。
ユーナーガーサ
オオハマボウの葉。ユウナの葉。
- 用例
- カビヌ ネーンネー ユーナーガーサシ チビ フチュタン(紙がない時には、オオハマボウの葉で尻を拭いていた)。
- メモ
- キンキリヌウケオチとも言った。
ユーナーギー
ハマボウ。オオハマボウ。ユウナの木。
- 用例
- ユーナーギーヌ マギク ナイヂューサヌ、イフェー タッチラナ(オオハマボウの木が大きくなりすぎているから、少し切ろうか)。
ユーナービ
夜なべ。
- 用例
- ワカサヌムンヌチャー アチマティ ユーナービ シ ボーシ クムタン(若者たちが集まって、夜なべをして帽子を組んでいた)。
ユーナービヤー
夜なべ屋。夜なべする離れ。
- 用例
- ユル ナイネー ヰナグン ヰキガン ユーナービヤーンカイ アチマイタン(夜になると女も男もユーナービヤーに集まりよった)。
- メモ
- 類:ヤガマー・ヤガマグヮー・ヤガマヤー。
娯楽が少ない以前は、昼間の農作業を終えて夜になると、屋敷内の離れで若者が集まって夜なべをしながら楽しんでいた。
ユーナキベーベー
魚介名。スイジ貝。水字貝。
- メモ
- 音2:ベーベーンナ。
ユーナギマヤーグヮー
沖縄ゾウムシ。
- 用例
- ユーナギマヤーグヮー トゥッティ アシブタン(沖縄ゾウムシを取って遊んだ)。
- メモ
- よくオオハマボウの木についていた。
ユーニゲー
世願い。
ユーヌク
はったい粉。大麦や裸麦を炒った上で挽いた粉。麦焦がし。煎り麦。香煎。
- 用例
- ユーヌクカイ サーター イッティ、ユーシ カチャーチ カムタン(はったい粉に砂糖を入れて、湯でかき混ぜて食べた)。
- メモ
- 大豆から作られる「きな粉」と混同されやすいが、色は灰褐色である。
ユーヌスー
夜の潮。夜釣り。
- 用例
- ユーヌスーカイ イカーニヨ(夜釣りに行ってね)。
ユーバン
夕飯。
- 用例
- チューヌ ユーバンヤ ヌー シコーレー マシガヤー?(今日の夕飯は、何を準備したらいいのかねぇ?)。
ユーバンマンジャー
宵の明星。日没後の西の空に輝く明るい星。金星。
- メモ
- 類:イリブサー。
直訳は「夕飯を欲しそうにしている」。夕食の時に見られるので、その名が付けられた。
ユーハンメー
喪家に対する援助の粟と米を混ぜて炊いたもの。
ユーバンヲゥイ
夕飯時。
- 用例
- ユーバンヲゥイ ナイネー ヘーク ヤーカイ ケーティ クーヨー(夕飯時になったら、早く家に帰って来なさいよ)。
ユービ
夕べ。
- 用例
- ユービヤ ヌーガラ フカヲゥティ サワジョーヌ フージ ヤタシガ ヌーガラ アイル スタガヤー(夕べは何か外で騒いでいる様子だったが、何かあったのかな)。
ユーヒグイ
夕冷え。夕方冷えること。夕方涼しくなること。
- 用例
- ユサンリ ナイネー ユーヒグイ イーンヤー(夕方になると夕冷えするね)。
- メモ
- 音1:ユーヒジュイ。音2:ユーヒジー。
ユーヒジー
夕冷え。夕方冷えること。夕方涼しくなること。
- メモ
- 音1:ユーヒグイ・ユーヒジュイ。
ユーヒジュイ
夕冷え。夕方冷えること。夕方涼しくなること。
- 用例
- フカカイ タッチョーチーネー ユーヒジュイ イーンドー ヘーク ヤーヌウチカイ イレーワ(外に立っていると夕冷えするから、早く家の中に入りなさい)。
ユーヒジュイグヮー タッチニ(夕方になり涼しくなってきた時)。
- メモ
- 音1:ユーヒグイ。音2:ユーヒジー。
ユーヒッタイ
ざま見ろ。それ見たことか。
- メモ
- 音1:ユーシッタイ・ユーシタイ。
ユービヌクヮー
鮫〔サメ〕の一種。
- メモ
- 音1:ユービヌックヮー。類:ンナトゥーグヮー。
刺身や煮付けなどにして食べた。臭みが強く、食後の尿も臭かった。ンナトゥーグヮーともいう。
ユービヌックヮー
鮫〔サメ〕の一種。
- メモ
- 音1:ユービヌクヮー。音2:ンナトゥーグヮー。
ユービン
植物名。ツルムラサキ。
ユービンチク
郵便局。
- 用例
- ユービンチクヲゥティ ティガミ ゥンジャスン(郵便局で手紙を出す)。
ユービンムッチャー
郵便配達員。
- 用例
- ユービンムッチャーガ チューグトゥ、アリンカイ ティガミ ムタシェー(郵便配達員が来るから、彼に手紙を持たせなさい)。
ユーフー
頭にできる皮膚病の一種。
- 用例
- ユーフーヤ サーランキヨー(ユーフーは触るなよ)。
- メモ
- 頭のあちこちが禿〔は〕げ、伝染するという。
ユーフキヤー
美しい声で鳴く鳥。良く歌う人。
ユーフル
湯風呂。風呂。
- 用例
- ユグリトーラー ユーフルカラ イランレー サン ヌー ソーガ(汚れているなら風呂から入ろうとはせずに、何しているか)。
ユーフルサージ
風呂で使う手ぬぐい。
ユーフルヤー
風呂屋。銭湯。
- 用例
- チカグロー ユーフルヤーン イキラク ナティヤー(近頃は風呂屋も少なくなったね)。
ユーベー
愛人。二号。妾。
- 用例
- イェーキンチュヌ ユーベー ナトーンディサ(金持ちの妾になっているらしいよ)。
ユーベーハタベー
愛人。妾。
- 用例
- アヌ チョー ユーベーハタベー、イクタイル ヲゥラー ワカラン(あの人は2号3号、妾が何人いるか分からない)。
- メモ
- ユーベーが2号、ハタベーが3号。ユーベー・妾の畳語で、おもしろおかしく表現する時などに使うことが多い。
ユーマーイ
夜警。夜回り。
- 用例
- チューヤ ユーマーイカイ ゥンジラントー ナラン(今日は夜警に出なくちゃいけない)。
ユームーグチ
口を尖らせる仕草。
- メモ
- →ビッスー。
ユーヤ ユックティ
夕は暮れて。夜は暮れて。日が暮れて。
ユーユー
龕の先にある飾り物。
ユーユートゥ
悠々と。のんびり。ゆっくり。
- 用例
- ヌー ユーユートゥソーガ ジカノー ネーランシガ(何をのんびりしているか、時間はないよ)。
ユーユーユー
ニワトリにえさをやる時の掛け声。
- メモ
- 類:ユイユイ。
ユーラ
枝。
- メモ
- 音1:ユーダ。音2:ユダ・ユラ・スーラ。
ユーラーマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:ミーヤーマー・ミーラーマー。→ミンタマー。
ユーラーユーラー
ゆらゆら揺れる様。
ユーリー
幽霊。
- 用例
- ユーリーヤカ イチッチュヌル ウトゥルサル(幽霊より生きている人が怖い)。
ユール
夜。
- 用例
- ヒロー シクチ スグトゥ ユール ナイネー アシバーン マンドータン(昼は仕事をするから、夜になると遊ぶ人も多かった)。
- メモ
- 音1:ユル。ユー
ユールーミー
①夜盲症。②トンボの一種。
- メモ
- ①音1:ユールミー。
②大きな目がついていて、夕方になると全くいなくなった。
ユールキヤー
夜着。
- 用例
- ユーフルン イッチ、ユールキヤーンカイ ケータレー サージャートゥ ソーン(風呂も入って、夜着に着替えたらさっぱりした)。
- メモ
- 音1:ユールチヤー。
ユールジンジナー
キリギリス。
- 用例
- ユールジンジナーヌ ナチハジミーネー ナー ヒーク ナインドー(キリギリスが鳴き始めると、もう寒くなるよ)。
ユールチヤー
夜着。
- 用例
- ワームン ユールチヤーヤ ススヌ ヤリトーテーグトゥ ノートーキヨー(私の夜着は裾が破れていたから、縫っていてね)。
- メモ
- 音1:ユールキヤー。
ユールヌヒマ
夜の暇。
- 用例
- ユールヌヒマル ヤルムンヌ ナーヒン ユックティカラ イケー(夜の暇なのに、もっと休んでから行きなさい)。
- メモ
- 昼間の仕事を終えて、夕食の片付けも済んだ後の時間帯。
ユールヌミチ
夜道。
- 用例
- ユールヌミチヤ クラサヌ キー チキリヨー(夜道は暗いから気をつけなさいよ)。
ユールヌムイ
夜の睦言。男女の語り合い。
- 用例
- ユールヌムイ ヤイビーンテー(夜の睦言でしょうね)。
ユールミー
夜盲症。
- 用例
- ンカシェー カミムンヌル イキラサタラー、ユールミーン ウーサタン(昔は食べ物が少なかったのか、夜盲症が多かった)。
- メモ
- 音1:ユールーミー。
ユールミーギンジュー
トンボの一種。夕方群れて飛ぶ、目の大きいトンボ。
ユーレー
模合。集まり。寄り合い。
- 用例
- チューヌ ユーレーヤ マーヲゥティ ヤタガ(今日の集まりは何処でだったねぇ?)。
ユーレー
由来。
ユーレーガマ
集まりどころ。
- 用例
- シクチン ウワティ ユーバン カリ アトゥヤ、ユーレーガマンカイ アチマイシガ イッペー タノシミ ヤタン(仕事も終えて夕飯を食べた後は、ユーレーガマに集まるのがとても楽しみだった)。
- メモ
- 特に決まった場所ではなく、その時々に仲間同士で決めた集まりどころ。
ユーレーマートゥー
ひとつの器や皿から分け合って食べること。
- 用例
- ティーチヌ サラカラ ユーレーマートゥー シ カムン(ひとつの皿から分け合って食べる)。
- メモ
- 音2:ユラーティー・ユーラーティー。
ユーレーマチレー
世代末代。いつまでも。
- メモ
- 音1:ユーデーマンデー。
ユーワー
硫黄。
ユカ
床。
- 用例
- ユカヌ フギティ、ウリル ノーチョーンデー(床に穴が開いて、それを直しているんだよ)。
ユカ(~ユカ)
~より。
- 用例
- ナマユカ トゥスイ ナタグトゥ(今より年寄りになったので)。
ユカーッチュ
ありがとう。ご苦労さま。気をつけて。
- 用例
- ユカーッチュドーヤー(ありがとう)。
ユカーッチュ シッキヨー(気をつけて行きなさいよ)。
- メモ
- 帰る人へ労をねぎらう感謝の言葉で用いた。
ユカイ
よっぽど。かなり。相当。けっこう。
- 用例
- アンシ ウフヤッシー クサミカチ、アレー ユカイ クサミチョーンレー(あんなにおとなしい人を怒らせて、彼はかなり怒っているよ)。
ユカイ ナゲー(けっこう長く)。ユカイ トゥシー ナティ(もっと年寄りになって)。ユカイヒラ ヤンヨ(急な坂だよ)。
- メモ
- 類:テーゲー。
ユカイウッサ
かなりの量。相当な量。思ったより多い量。
- 用例
- ユカイウッサ ムッチ チェーサ(かなりの量を持って来てあるさ)。
- メモ
- 音1:ユッカウッサ。
ユカイン
よく実る。実っている。上出来。野菜などの作物がよく育つ様。
- 用例
- クンドゥヌ キンブグヮーヤ ユー ユカインドー(今年のミカンはよく実るよ)。
クンドゥヌ ヲゥージヌ ユカトーシヨー(今年のサトウキビがよくできていることよ)。
アマヌ ムヂュクイヤ ユカトーンヤー(あそこの作物はよくできているね)。
クェーヌル イキラサラー ティーチン ユカランサ(堆肥が少ないのかちっとも実らないさ)。
否:ユカラン(実らない)継:ユカトーン(実っている)。
ユカガマー
台所にある約3~4坪の板の間。
ユカサ
床下。
- 用例
- ソージマーイネー ユカサン ソージ スタン(掃除廻りには床下も掃除した)。
- メモ
- 音2:ユカサヌミー・ユカサンミー。
以前の床は床板と床板の間に少しの隙間があり、その隙間から床下に落ちた少額のお金を探し当てるのも子どもにとっては楽しみだった。
ユカサヌミー
床下。
- 用例
- ユカサヌミー ソージ シーネー カンナジ ジングヮーン ウティトータサ(床下を掃除すると、必ずお金が落ちていたよ)。
- メモ
- 音1:ユカサンミー。音2:ユカサ。
ユカサンミー
床下。
- 用例
- ユカサンミーンカイ(床下に)。
- メモ
- 音1:ユカサンミー。音2:ユカサ。
ユカッチュ
士族。
- 用例
- ンカシェー ユカッチュガル メーン アタイタル(昔は士族だけが米も食べられた)。
ユガフー
世果報。豊年や幸せを意味することば。
- 用例
- イチヌ ユー ナティン ユガフー ニガティ イカナ(何時の世になっても世果報を願って行こう)。
ユカムチ
床持ち。床板を支える横木。
- 用例
- ユカムチヤ ガンジューラシヨー(床板を支える横木は頑丈にしなさいよ)。
- メモ
- 金持ちの家は、丸太を真っ直ぐ削ったユカムチ(根太)の上にイヌマン(ヤンバルダキ)を置き、その上にニクブクを敷いて。そのニクブクの上からアダンバー茣蓙を敷いた。
ユガムン
歪む。
- 用例
- アンシ チーネー ユガムンドー(そういうふうに切ったら歪むよ)。
イャーガ ムッチ チェーシェー ムル ユガローン(お前が持って来たのは全部歪んでいる)。
否:ユガマン(歪まない)継:ユガローン(歪んでいる)。
ユカル
四つの角。四方の隅。
- メモ
- 類:ユシンヌカドゥ・ユシミヌカドゥ。
屋敷の四隅の角のことで、屋敷の御願をする時にも拝む。また、四隅の角をいつもきれいにしておくと、悪風も入ってこないといわれている。
ユカルヒ
良い日。
ユガワイ
世変わり。世の移り変わり。
- 用例
- ユガワイヌ ヘーサヌ、ウーテー イチーサン(世の移り変わりが早くて、ついていけない)。
ユク
よけい。なお。さらに。
- 用例
- アン イーネー ユク チカン ナイサ(そう言うとなおさら聞かなくなるよ)。
- メモ
- →タッタイ。
ユク
横。
- 用例
- ウヌ ハクヤ ユク ナチョーケー(その箱は横にしておきなさい)。
ユク
欲。
- 用例
- チュヌ ユクヤ ハテー ネーラン(人の欲は果てしない)。
ユクイ
行方。
- 用例
- ナーマ ユクイヤ ワカランル アンナー?(まだ行方は分からないの?)。
ユクイドゥクル
休み所。休憩所。
- 用例
- アマクマカイ ユクイドゥクル チュクラットーン(あちこちに休憩所が造られている)。
ユクイユクイ
休み休み。休みながら。
- 用例
- シクチェー ユクイユクイ シーヨー(仕事は休みながらしなさいよ)。
ユクイン
休む。休憩する。
- 用例
- ヲゥタトーグトゥ、アヌ キーヌ シチャヲゥティ ユクイン(疲れたから、あの木の下で休む)。
ユクミソーラセー(休んでもらいなさい)。
否:ユクラン(休まない) 希:ユクイブサン(休みたい)過:ユクタン(休んだ) 継:ユクトーン(休んでいる)。
- メモ
- 音1:ユックイン。
ユクガカイン
欲張る。
- 用例
- アンチュカマディ ユクガカランケー(そこまで欲張るな)。
ユクガン
誤解。邪推。勘違い。
- 用例
- リッパ ハナシー サンネー ユクガン サラリンドー(ちゃんと話しないと誤解されるよ)。
ユクガン トゥミソーチ(勘違いなさって)。
ユクシ
嘘。
- 用例
- イャーヤ、ウレー ユクシルヤサニ?(お前、それは嘘でしょう?)。
ユクシムナー
嘘つき。
- 用例
- ユクシムナーガ イーシェー シンヨー サンサ(嘘つきが言うのは信用しないさ)。
- メモ
- 音2:ユクシムニーサー。
ユクシムニー
嘘。嘘の話。
- 用例
- イャーヤ トゥーチ ユクシムニー ビカーン ッシ(お前はいつも嘘ばかりついて)。
ユクシムニール セーサミ(嘘をついたんでしょう)。
ユクシムニーサー
嘘つき。
ユクスン
欲張る。
- 用例
- ドゥーヌムノー アティン ナーヒン ユクスンナー?(自分の物はあっても、まだ欲張るのか?)。
ユグスン
汚す。汚くする。
- 用例
- カラヒサー ナイネー ヤー ユグスンドー(裸足になると家を汚すよ)。
否:ユグサン(汚さない)希:ユグシーブサン(汚したい)過:ユグチャン(汚した)継:ユグチョーン(汚している)。
ユクタヤーバル
{横田屋原}。座喜味の小字。
ユクヂューサン
欲張り。欲が強い。
- 用例
- アッター タイヤ イッペー ユクヂューサン(彼奴ら2人はとても欲張りだ)。
ユクドゥイ
横取りする。
- 用例
- アリガル ワームン ユクドゥイ ソールヨー(彼が私の物を横取りしているんだよ)。
ユクナムン
欲張り者。
- 用例
- ユクナムン ナティ、ムタラン ウッサ トゥッテーサ(欲張り者で、持てないほど取ってあるさ)。
- メモ
- 類:ユークー・ユクヂューサン。
ユクヌーディー
横喉。飲食物を急いで食べた時にむせるところ。喉頭。気道。気管。
- メモ
- 音1:ユクヌーリー。
ユクヌーリー
横喉。飲食物を急いで食べた時にむせるところ。喉頭。気道。気管。
- 用例
- アワティティ カムンディ ユクヌーリーカイ イッチネーラン(慌てて食べようとして、気管に入ってしまった)。
ユクヌーリーンカイ イリーン(食物が気管に入ってむせる)。
- メモ
- 音1:ユクヌーディー。
ユクネー
宵の口。
- 用例
- ナマー ユクネール ヤルムンヌ ナー イフェー アシリカラ ケーラナ(今は宵の口だから、もう少しは遊んでから帰ろう)。
ユクネーニーブヤー
宵の口から眠たがる人。
- 用例
- ユクネーニーブヤー ナティ、ムン カメーカラー スグ ニンジル スル(宵の口から眠たがる人で、食事が済んだら直ぐに寝るんだよ)。
ユクバイ
横道にそれること。道草を食うこと。
- 用例
- ヤーカイ マッスグ ケーランレーサン チューン ユクバイ シ ハイタン(家に真っすぐに帰ろうとはせずに、今日も横道にそれて行った)。
ユクムニー
横物言い。本論から外れた言い方。話をはぐらかすこと。
- 用例
- チュガ ムヌ イーネー ユクムニー ビカーン シ、チュヌ ハナシーヤ チカンナー(人が話したら本論から外れた言い方ばかりして、人の話を聞かないのか)。
ユクユク
よくよく。ますます。よほど。
- 用例
- ユクユク マシ ナタンディ(ますます良くなったそうだ)。
ユクユク カンゲーティ イーヘンジ チカシェー(よくよく考えて良い返事を聞かせてくれ)。
ユクユクヌ クトゥヌル アテーサニ(よほどのことがあったんでしょうね)。
ユグラー
汚れた人。不潔な人。
- 用例
- ティーヒサン アララン、ユグラーヤ(手足も洗わない、不潔な人だ)。
ユグリ
汚れ。
- 用例
- ユグリヤ ウトゥチカラル ナカカイ イーンドー(汚れは落としてから中に入るんだよ)。
ユグリーン
汚れる。
- 用例
- イャームン チノー ユグリートンデー(君の着物は汚れているよ)。
否:ユグリラン(汚れない)希:ユグシーブサン(汚したい)過:ユグリタン(汚れた)継:ユグリトーン(汚れている)。
ユグリカーハイ
汚れている様。垢まみれな様。
- 用例
- イチ ンチン、ユグリカーハイ ソール(いつ見ても、垢まみれだね)。
ユグリハイカラー
表面だけ着飾っている人。
- 用例
- ユーフルン イラン、ユグリハイカラー ナテー ナランドー(風呂も入らないで表面だけ着飾ってはいけないよ)。
ユクヮースン
休ませる。
- 用例
- ウシゥンマ ヤティン マルケーテー ユクヮースンドー(牛や馬でもたまには休ませるよ)。
否:ユクヮーサン(休ませない)希:ユクヮーシーブサン(休ませたい)過:ユクヮーチャン(休ませた)継:ユクヮーチョーン(休ませている)。
ユクン
よけいに。なお。さらに。もっと。
- 用例
- イャームン チラ ンジーネー ユクン ナチル スル(君の顔を見たらよけい泣くんだよ)。
ユゲースン
火傷する。
- 用例
- チビ ユゲーラスシン ヲゥイ(尻を火傷する者もいる)。
- メモ
- 音1:ユーゲースン。
ユゲーラスン
湯がく。
- 用例
- チュー トゥティ チェーヌ ンスヌバー ユゲーラスン(今日とって来たフダンソウを湯がく)。
否:ユゲーラサン(湯がかない)希:ユゲーラシブサン(湯がきたい)過:ユゲーラチャン(湯がいた)継:ユゲーラチョーン(湯がいている)。
ユサブユン
嫌がる。好まない。煙たがる。
- 用例
- イャー チャヌ アタイヌ ムン ヤクトゥ アマンレー ニサブイガ(お前は何様のつもりで、先方を嫌がるのか)。
ユサンディ
夕方。
- メモ
- →ユーイリガタ。
ユサンリナチブサー
黄昏泣き。夕暮れ泣き。夕方になると泣く子ども。
- 用例
- ワラビヌ ユサンリナチブサー ナティ、ユーバヌン シコーララン(子どもが夕暮れ時に泣くので、夕飯の準備もできない)。
ユシ
由。理由。
- 用例
- ユシヌ アクトゥ(理由があって)。ユシヌ アル(訳がある)。
ユシアシ
良し悪し。善悪。
- 用例
- ワラビ ヤティン ムングトゥヌ ユシアシヤ ワカイル スル(子どもでも物事の良し悪しは分かるよ)。
ユシーン
寄せる。
- 用例
- チン ヒッパティ メーンカイ ユシーン(着物を引っ張って前に寄せる)。
否:ユシラン(寄せない)希:ユシーブサン(寄せたい)過:ユシタン(寄せた)継:ユシトーン(寄せている)。
ユシカーバル
{吉川原}。楚辺の小字。
ユシギー
植物名。イスノキ。
- メモ
- 音1:ユシジ。
ユシグトゥ
教訓。教え。
- 用例
- ウヤヌ ユシグトゥヤ、イクチ ナティン ワシテー ナラン(親の教えは、幾つになっても忘れてはいけない)。
ユシジ
植物名。イスノキ。
- メモ
- 音1:ユシギー。
ユシドーフ
ゆし豆腐。おぼろ豆腐。
- 用例
- ユシドーフヤ ソーユービカーン カキティン マーサン(ゆし豆腐は醤油だけかけても美味しい)。
- メモ
- にがりを入れて固まりはじめる前の柔らかい豆腐のことで、そのまま温めて醤油をかけて食べることが多い。または、味噌汁仕立てにしたり、最近では沖縄そばのトッピングにも使われる。
ユジナムン
余計な物。贅沢品。
- 用例
- ユジナムンビカーン コーティ、アンマーンカイ ヌラーリンドー(余計な物ばかり買って、お母さんに怒られるよ)。
- メモ
- 音1:ユルジナムン・ユナジムン。類:ウヮーバムン。
ユシミヌカドゥ
四隅の角。
- メモ
- →ユカル。音1:ユシンヌカドゥ。
ユジュイン
譲る。
- 用例
- チカーンヌーヤ ウットゥンチャーンカイ ユジュイン(使わないのは弟たちに譲る)。
否:ユジュラン(譲らない)希:ユジュイブサン(譲りたい)過:ユジュタン(譲った)継:ユジュトーン(譲っている)。
ユシリ
幼児の仮墓。幼児墓。
- メモ
- →イシヌミーバカ。7歳未満の子が亡くなった時には畑の畦や墓の右側に仮に安置した。
墓が開く機会に洗骨して納め、その仮安置場所を壊す。
ユシンヌカドゥ
四隅の角。
- 用例
- ヤシチヌウグヮン ウサギーネー ユシンヌカドゥ ウガムン(屋敷の拝みをする時には四隅の角を拝む)。
- メモ
- 音1:ユシミヌカドゥ。
ユス
他所。
- 用例
- ゥンマンカイ ネーンラー ユスヲゥティ コーティ チューサ(そこに無いなら他所で買ってくるさ)。
ユスグトゥ
よそ事。
- 用例
- ユスグトゥンカイヤ クチヤ ゥンジャサンシェー マシドー(他所の事には、口は出さない方が良いよ)。
ユスジュン
ゆすぐ。
- 用例
- ヤーカイ ケーティ クチ ユスジュン(家に帰って口をゆすぐ)。
否:ユスガン(ゆすがない)希:ユスジーブサン(ゆすぎたい)過:ユスジャン(ゆすいだ)継:ユスジョーン(ゆすいでいる)。
ユスミ
他所目。よそ見。
- 用例
- チュヌ ハナシ チチーネー ユスメー サンケー(人の話を聞くときにはよそ見はするな)。
ユスンチュ
他所の人。他人。
- 用例
- ユスンチュ ヤティン イーホーランキヨー(他所の人でも追い払うなよ)。
ユタ
巫女。
- 用例
- ヌー ビョーチディチ ワカランラー、「イサハンブン ユタハンブン」 ディチアンドー(何の病気か分からないなら、「医者半分、ユタ半分」という言葉があるよ)。
ユタヌ ユクシムニートゥ インヌ クス クヮイシェー ノーラン(ユタの虚言と犬が糞を喰うのは治らない)。
- メモ
- ユタは、占いを職として生霊死霊の口寄せもする。
ユダ
枝。
- メモ
- →ユーダ。
ユダイ
唾液〔だえき〕。よだれ。垂れるようにでてくる液。
- メモ
- 音1:ユライ。
ユダイムシ
なめくじ。
- メモ
- 類:ミジボーミ。
ユタガカイ
ユタがかり。巫女(ユタ)になる際の神がかりの状態。
ユタコーヤー
ユタをよく買う人。ユタ好き。
- 用例
- ワッター ハーメーヤ ユタコーヤー ナティ、トゥーチ ウグヮン ウサギトーン(私たちのお婆さんはユタ好きで、いつも御願ばかりしている)。
- メモ
- 音2:ユタジョーグー。
ユタサワッサ
善し悪し。
- 用例
- ユタサワッサナラースン(善し悪しを教える)。
ユタサン
よろしい。
- 用例
- クンドゥヌ クトー クリッシ ユタサン(今度の事はこれでよろしい)。ナー ユタサン(もうよろしい)。
- メモ
- 音1:ユタハン。
ユタジョーグー
ユタをよく買う人。ユタ好き。
- 用例
- アンマーヤ ルク ユタジョーグー ナティ フシガラン(お母さんはあまりにもユタ好きで、たまったものじゃない)。
- メモ
- 音2:ユタコーヤー。
ユタハン
よろしい。
- 用例
- ウッサ アチミテールムン、ナー ウッサシ ユタハン(そんなにたくさん集めてあるから、もうそれでいいよ)。
- メモ
- 音1:ユタサン。
ユタミチュン
ゆらゆら動いている状態。
- 用例
- リッパ クンランネー ニムチヤ ユタミチュンデー(ちゃんと括らないと、荷物はゆらゆら動くよ)。
ユタムニー
巫女・占い師のような口のききかた。
- 用例
- フリムントー ユヌムン、ユタムニービカーン シ!(触れ者みたいに、占い師のような口のききかたばかりして!)。
- メモ
- ユタとは巫女・占いを職として生霊死霊の口寄せをする人で、ユタムニーはあたかもそれらしく物を言うこと。
ユダヤー
よだれを垂らしている人。
- メモ
- 音1:ユラヤー。
ユチ
雪。
- 用例
- ウチナーニン ユチヌ フイタガヤー(沖縄にも雪が降ったのかな?)。
ユチー
余計。余分。
- メモ
- 類:ウヮーバ・ウヮーバイ。
ユチーン
倹約する。
- 用例
- ユチラン(倹約しない)。ユチラスン(倹約して余裕を出す)。
- メモ
- 類:クメーキン。
ユチキ
4か月。
ユチク
裕福。豊か。
- 用例
- ワカサイネー アンシ ヒンスー ヤタルムン ナマネー ユチク ナトーン(若い時にはとても貧乏だったのに、今では裕福になっている)。
ユチク シーヨー(豊かに暮らしなさいよ)。ユチクニ カローガヤー(満足に食べているか)。
- メモ
- 類:デーフク・ユフク。
ユチチ
4か月。
ユチファ
ゆとり。(金の)余裕。
- 用例
- チョー ユチファヌ ネーンネー イーカンゲーヤ ウカバンドー(人間は余裕がないと良い考えはうかばないよ)。
ユチラー ネーン
やりがいがない。無益だ。役にもたたない。
- 用例
- チャッサ ナラーチン チカンティカラ ユチラー ネーンサ(いくら教えても聞かないなら、やりがいがないよ)。
ジンカニヤ アティン ユチラー ネーン(金があっても何の役にもたたない)。
- メモ
- 音2:ユーチラー ネーン・ユーチランネーン。
ユチン
四角。〔よすみ〕四つの角。
ユチンバン
四角番。四角〔よすみ〕の方向。
- メモ
- 集落を中心にニーヌファ、ウマヌファ、トゥイヌファ、トゥラヌファがユチンバン。
ユッカ
4日。
ユッカイ ユッカイ
結構、結構。
ユッカウッサ
かなりな量。相当な量。思ったより多い量。
- メモ
- 音1:ユカイウッサ。
ユッカジール
4日地炉。産婦は、産後は地炉で暖を取っていて、その4日目のこと。
- メモ
- ユッカジールにはかならず魔物が赤子の命を取りにくるといわれていた。
ユッカナティ
一昨日。
- 用例
- ユッカナティヌ クトゥヤ ワシティネーンサ(一昨日のことは忘れてしまったさ)。
- メモ
- 類:ヲゥッティー。
ユッキーン
(日が)暮れる。(夜が)暮れる。
- 用例
- ユー ユッキタクトゥ(日が暮れたので)。
- メモ
- 音1:ユックィーン。
ユックィーン
(日が)暮れる。(夜が)暮れる。
- 用例
- ユックィタクトゥ(日が暮れたので)。ユール ユックイネー(日が暮れると)。ナー ヤガティ ユックィーンドー(もうやがて、日が暮れるよ)。
- メモ
- 音1:ユッキーン。
ユックイガタ
夕暮れ時。
- 用例
- チヌーヤ ユックイガタマディ シクチ ソータン(昨日は夕暮れ時まで仕事をしていた)。
- メモ
- → アコークロー。
ユックイン
休む。休憩する。
- 用例
- ユックティ(休んで)。ユックミソーラセー(休んでもらいなさい)。
- メモ
- 音1:ユクイン。
ユックヮースン
休ませる。
- メモ
- 音1:ユクヮースン。
ユッターユッター
ゆらゆら。揺れ動く様。
- メモ
- 音2:ユッタイクヮッタイ。
穏やかな波のようにやわらかく揺れ動くさま。
ユッタイクヮッタイ
水等が揺れ動く様。ゆらゆら。
- 用例
- ユッタイクヮッタイ アマカラ ミジ カタミティ チューン(ユッタイクヮッタイあそこから水を担いでくる)。
- メモ
- 音2:ユックーユッター。
ユッチャラハイハイ
あちこちふらつきながら歩いている様。
- 用例
- ユッチャラハイハイ マーカイガヤー(ふらつきながら歩いてどこにかね?)。
ユトゥ
4年。
- 用例
- ボージャー ゥンマリティカラ ユトゥ ナインナー(赤子が生まれてから4年になるの)。
ユトゥトゥーチ
夜通し。一晩中。
- 用例
- シクチ ウワラスンディ ユトゥトゥーチ カカトータン(仕事を仕上げるのに、夜通しかかっていた)。
- メモ
- →チュナガタ。
ユトゥユトゥー
ゆらゆら。
- メモ
- 類:ユッターユッター・ユッタイクヮッタイ。
ユナカ
夜中。
- 用例
- チヌーヤ ユナカル ケーティチョータル(昨日は夜中帰ってきているんだよ)。
- メモ
- 類:ヤハン。
ユナガタ
夜通し。一晩中。
- 用例
- ムヌウミー シ ユナガタ ニンラランタン(物思いをして夜通し寝れなかった)。
- メモ
- →チュナガタ。音1:チュナガタ・ユナガトゥ。
ユナガトゥ
夜通し。一晩中。
- 用例
- トゥナイヌ インヌ ナチ ユナガトゥ ニンラランタン(隣の犬が鳴いて夜通し寝れなかった)。
- メモ
- →チュナガタ。音1:チュナガタ・ユナガタ。
ユナガトゥトゥーミ
夜通し。一晩中。
- 用例
- サライ ユナガトゥトゥーミ ウキトーサ(本当にもう、夜通し起きているさ)。
ユナカヌサンゴー
夜中の三更。夜中遅い時間になること。作業や外出が夜中になること。夜更かしすること。
- 用例
- アリガムノー ユージュカイ イケーカラー、チャー ユナカヌサンゴー ヤサ(彼は用事に行ったら、いつも夜中になるよ)。
チューヌ シクチヤ ユナカヌサンゴー サンレー ウワイ サンサ(今日の仕事は夜通ししないと終われないよ)。
- メモ
- 更〔こう〕は、夜警が更代〔こうたい〕するという意味から、日暮れから夜明けまでを五等分したもので、初更、二更、三更、四更、五更といった。そこからきた言葉か。
ユナカヌムン
夜中の物。夜伽の夜食。
- 用例
- クヮナシヤーヌ ユナカヌムノー、ソーミンイリチャーガ ウーサタン(出産のあった家での夜食は、ソーメン炒めが多かった)。
ユナカユーフー
夜2時から3時、東の空に輝く明るい星。
- メモ
- 音2:ニンジャニユーフー。
ユナギーパッパー
昆虫名。ゾウムシ。
- メモ
- 類:ゥンマグヮー・ユーナギマヤーグヮー
ユナクブバル
{与那久保原}。古堅の小字。
ユナサモー
伊良皆の地名、拝所名。
- メモ
- ユナサウタキ(ヒラタウタキ)が位置する。大きな松がいっぱいあり、アシビナーからここまでずっと石畳が敷かれていた。左側には獅子屋があった。ナナマールーの行事が終わった後ここで会食する。ナナマールーはここから出発し字四隅の角を廻ってここに戻る。ナナキブイに見立てた薪を7つ積んで、それで暖まりながら豆腐をウサンデーして食した。
ユナバーキ
目が細かいザル。
- 用例
- マースヤ ユナバーキンカイ イリーシェー マシ ヤサ(塩は目の細かいザルに入れたほうがいいよ)。
ユナブバル
{与那部原}。渡具知の小字。
ユナンカ
四七日(よなぬか)。死後28日目の法事。
- 用例
- ユナンカネー アンスカ ウチャクヤ メンソーランサ(ユナンカにはそれほどお客さんはいらっしゃらないよ)。
ユニ
米。
- 用例
- イッスマシッシ ユニ ハカイン(一升枡で米を計る)。
- メモ
- 類:クミ・メー。
ユニー
一年忌。
- 用例
- ユニーネー ハカンカイン イチュンドー(一年忌には墓にも行くよ)。
- メモ
- 音2:ユニースーコー。類:ユヌイ・ヰヌイ・イヌイビー。
ユニースーコー
一年忌焼香。一年忌。
- 用例
- ユニースーコーネー クヮゥンマガンチャー ティー アーシーガ クーヨー(一年忌には子や孫も手を合わせに来なさいよ)。
- メモ
- →ユニー。
ユニシガーミ
米粟の入った甕。
- メモ
- 関:アワガーミ。
ユニマシ
米枡。
ユニモーヤー
小地名。離れ岩の名。
- メモ
- キラマグチの下方にあり、そこは波が高い。
ユヌ~
同じ~。
- 用例
- ユヌムヌン ヰヌムヌン ヰヌムン ヤサ(ユヌムンもヰヌムンも同じようなものだ)。
- メモ
- 類:ヰヌー。
ユヌイ
一年忌。
- 用例
- ユヌイ ウチナシェーカラー イヒナーヤ フカンカイ ゥンジラリーサ(一年忌が終わったら少しは外にも出られるよ)。
- メモ
- 音1:ヰヌイ。→ユニー。
ユヌウッサ
同じ量。
- メモ
- 類:ヰヌッサ・ヰンサ。
ユヌクトゥ
同じ事。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン イーゲーサー シ ヌー ヤルバーガー(同じことばかり言い返して何のつもりか)。
ユヌグトゥ
同じように。同様に。
- 用例
- チョーデーヤ タイル ヲゥルムンヌ チャー ユヌグトゥル スル(兄弟は2人だけなんだからいつも同じようにするんだよ)。
ユヌグトゥ サビーンドー(同じようにしますよ)。
- メモ
- 音1:ヰヌグトゥ。
ユヌコーベー
物事が均一な状態。
- 用例
- ユヌコーベー シワル、イシガチヤ リッパ チマリンドー(均一にしてこそ、石垣はちゃんと積めるんだよ)。
ユヌジナムン
いろいろな食べ物。ちょっと変わった食べ物。余計な物。
- 用例
- ユヌジナムノー カムナヨー(ちょっと変わった食べ物は食べるなよ)。
- メモ
- 類:ユジナムン・ユルジナムン。
ユヌタキ
同じ丈。
- 用例
- ヤマトゥン ウチナーン ユヌタキー(大和〈日本本土〉も沖縄も平等)。
ユヌタッペー
同じ。互角。
- 用例
- イャートゥ ワンネー ユヌタッペー ヤサ(お前と私は互角だよ)。
- メモ
- 類:ユヌハッチン。
ユヌチルマー
同い年。同年生。
- メモ
- 音1:ユヌチルミー。→チュトゥシ。
ユヌチルミー
同い年。同年生。
- メモ
- →音1:ユヌチルマー・ヰンチルミー。チュトゥシ。
ユヌナカ
世の中。
- 用例
- ユヌナカネー、イッターガ ワカランクトゥガル ウーサルヨー(世の中には、君たちが知らないことが多いんだよ)。
- メモ
- 類:ウチユ。
ユヌハッチン
互角。同じ。
- 用例
- イッター タイヌ スーブヤ ユヌハッチン ヤサ(お前たち2人の勝負は互角だよ)。
- メモ
- 類:ユヌタッペー。
ユヌミチ
同じ道。どうせ。
- 用例
- ユヌミチ イチュラー、ヘーク ゥンジ チューシェー マシル ヤル(どうせ行くなら、早く行ってきた方がいい)。
ユヌムン
同じもの。同じ。
- 用例
- ユヌムンビカーン コーランケー(同じ物ばかり買うな)。
ウリトゥ ユヌムン(これと同じ)。
- メモ
- 音1:ヰヌムン。
ユビダ
泥田。泥深い田。
- 用例
- ユビダンカイ ヒサ チックディ デージ ヤタン(田んぼの深みに足を突っ込んで大変だった)。
ユビダー
泥田。泥深い田。
- メモ
- →ユビダ。
ユビバル
{与比原}。高志保の小字。
ユビムドゥスン
呼び戻す。
- 用例
- ナー チュケーン ユビムドゥシェー(もう一回呼び戻せ)。
否:ユビムドゥサン(呼び戻さない)希:ユビムドゥシーブサン(呼び戻したい)過:ユビムドゥチャン(呼び戻した)継:ユビムドゥチョーン(呼び戻している)。
ユビユシーン
呼び寄せる。
- 用例
- ワッター ヤーンカイ ンナ ユビユシーン(私の家に皆を呼びよせる)。
否:ユビユシラン(呼び寄せない)希:ユビユシーブサン(呼び寄せたい)過:ユビユシタン(呼び寄せた)継:ユビユシトーン(呼び寄せている)。
ユビラー
泥田。泥深い田。
- メモ
- →ユビダ。
ユビゥンジャスン
呼び出す。
- 用例
- ウフッチュヌ アルッサ ユビゥンジャスン(大人を全員呼び出す)。
否:ユビゥンジャサン(呼び出さない)希:ユビゥンジャシーブサン(呼び出したい)過:ユビゥンジャチャン(呼び出した)継:ユビゥンジャチョーン(呼び出している)。
ユフルウトゥルー
風呂嫌い。風呂に入るのが怖い者。
ユブン
呼ぶ。
- 用例
- クヮヌチャー ユーディ ティガネー シミーン(子どもたちを呼んで手伝いをさせる)。
否:ユバン(呼ばない)希:ユビーブサン(呼びたい)過:ユラン(呼んだ)継:ユローン(呼んでいる)。
- メモ
- 類:アビーン。
ユマングィ
夕間暮れ。夕方の薄暗いこと、ゆうぐれ。夕暮れ時。
- メモ
- → アコークロー。
ユミ
嫁。
- 用例
- ワッター ユミンチャーヤ ユー ハタラチュン(私たちの嫁はよく働く)。
ユミクーイ
嫁乞い。
- 用例
- ナーマ、ユミクーイガ イカンナー?(まだ、嫁乞いに行かないの?)。
- メモ
- →トゥジクーイ。
ユミジ
湯水。
- 用例
- ユミジヌグトゥ ジン チカイン(湯水のように金を使う)。
- メモ
- 水が流れていくように浪費、無駄遣いをすること。
ユミゾーイ
結婚式に嫁を連れに行く人たち。嫁を迎えに行く人たち。
- 用例
- ヤガティ ユミゾーイシンカガ メンシェーンドー(やがてユミゾーイがいらっしゃるよ)。
ユミソーヤー
嫁の介添え人。嫁の付き添いをする夫婦。
ユミチョーデー
嫁姉妹。
- 用例
- ユミチョーデー、イッペー ナカ ユタサン(嫁姉妹、とても仲が良い)。
ユミチョーデー
嫁姉妹。兄弟の嫁同士。
- 用例
- ユミチョーデー、イッペー ナカ ユタサン(嫁姉妹、とても仲が良い)。
ユミヌウトゥー
天井にいるネズミの呼び名。嫁のウトゥー。
- 用例
- ユミヌウトゥー トゥシ トゥリヨー、ガイ ナスナヨー(嫁のウトゥーも年越ししてね、害を与えないでね)。
- メモ
- 天井のネズミにご飯を与える時に、ネズミにユミヌトゥーと言い、天井やあちこちに食べ物を置いて祈願した。
ユム~
いやな~。見苦しい。嫌悪感を表す言葉。
- 用例
- ユムシラギ カミティ(見苦しい白髪で)。
ユムジラー
嫌な奴。汚い奴。
- 用例
- ユムジラーヤ、アマンカイ イケー(嫌な奴め、あそこに行け)。
ユムドゥイグチ
三つ口。欠唇。いぐち。口唇裂。兎唇。
- 用例
- ナマヤ ユムドゥイグチ ヤティン、イサヌヤーヲゥティ チャンリッパ ノーチ トゥラスン(今は三つ口でも、病院でちゃんと治してくれる)。
ユムルヤー
雀。クラーの古語。
- 用例
- ユムルヤーヤ イッペー ウヤコーコ ヤンディサ(雀はとても親孝行だそうだ)。
- メモ
- →クラー。
ユムン
読む。
- 用例
- ユーバンアトゥ スムチ ユムン(夕食後に本を読む)。
否:ユマン(読まない)希:ユミーブサン(読みたい)過:ユラン(読んだ)継:ユローン(読んでいる)。
ユラ
枝。
- 用例
- ユラ ヲゥーティ ウスメーンカイ ヌラーッタン(枝を折っておじいさんに叱られた)。
- メモ
- →スーラ。
ユラーティー
ひとつの器や皿から分け合って食べること。
- 用例
- マギサラカイ ウホーク イッティ ンナシ ユラーティーシ カムン(大皿にたくさん入れて皆で分け合って食べる)。
ティーチヌ サラカラ ユーラーティーシ カムン(ひとつの皿から分け合って食べる)。
- メモ
- 音2:ユーレーマートゥー。
ユライ
よだれ。
- 用例
- アヌ ワラビヨ チュガ クヮーシ カローシ ユライ タラチ ンチョーン(あの子よ、人がお菓子を食べているのをよだれを垂らして見ている)。
- メモ
- 音1:ユダイ。類:クチジル。
ユライムヌイー
だらだら話すこと。
- 用例
- イャーヤ ユライムヌイースグトゥ、ヌール イチョーラー ワカラン(お前はだらだら話すから、何を言っているのか分からない)。
ユラザケー
枝栄え。
- メモ
- 米寿祝い朝御願祝詞から。
ユラチキ
四つ竹。
- 用例
- ユラチキヤ イー ウトゥ ゥンジャスン(四つ竹は良い音を出す)。
- メモ
- 四個の竹片を片手に2片ずつ持ち、それを手の中で打ち合せて音を出す。民謡では口説風の歌や、万作踊などの伴奏に用いるほか,沖縄では芸術的な舞踊の伴奏にも盛んに用いられている。
ユラムチ
枝ぶり。
- 用例
- マーチヌ ユラムチヌ チュラサヨ(松の枝ぶりの美しいこと)。
ユラヤー
よくよだれを垂らしている人。
- 用例
- ミーチ ナルカ ユラヤー ヤタン(3歳になるまでよだれを垂らしていた)。
- メモ
- 音1:ユダヤー。
ユラヤームシ
昆虫名。シバンムシ。
- 用例
- ユラヤームシヤ グナサヌ カメーイグリハン(シバンムシは小さくて見つけにくい)。
ユラリアキネー
商売をしながら茶飲み話等をして時間をつぶすこと。
- 用例
- ユラリアキネー シ モーケー アイル スラーヤ?(行商をしながら休んでばかりで、儲けはあるのかね?)。
- メモ
- 音1:ユラリアチネー。
ユラリアチネー
商売をしながら茶飲み話等をして時間をつぶすこと。
- 用例
- ユラリアチネー シーネー ユー ユックインドー(商売をしながら休んでばかりだと日が暮れるよ)。
- メモ
- 音1:ユラリアキネー。
ユラリーン
ゆっくりする。寄り道する。休むこと。
- 用例
- アレー チャー ナゲー ユラリーサ(彼は、いつも長い事休んでいくさ)。
チャー ヌリ ユラリティ イチュン(お茶を飲んでゆっくりしていく)。
ユラン
油断。
- 用例
- ユラン シーネー チュンカイ ヌガリンドー(油断すると人に追い越されるよ)。
ユランクヮラン
だらだらしている様。怠けている様。
- 用例
- ユランクヮラン スグトゥ、ンナ ケーティ イチュタシェー(だらだらするから、皆帰って行ったさ)。
- メモ
- 音2:ユランターリ。
ユランターリ
だらだらすること。怠けること。
- 用例
- ウリガ ワジャ スシヨ、ユランターリッシ(彼がやることよ、のんびりゆっくりで)。
- メモ
- 音2:ユランクヮラン。
ユリー
①休暇。休み。②許可。
- 用例
- ①アチャカラ ナイチカイ イチュグトゥ ニサンニチヤ ユリー トゥイン(明日から内地に行くから2、3日は暇を取る)。
②ユリー ヰーティカラル、ワジャヤ シカキンドー(許しを得てから、仕事は手がけるんだよ)。
ユリーン
茹でる。
- 用例
- ンスナバー バーキヌ ミー ユリーン(フダンソウをザルいっぱいに茹でる)。
否:ユリラン(茹でない)希:ユリーブサン(茹でたい)過:ユリタン(茹でた)継:ユリトーン(茹でている)。
ユル
間を置くこと。時間が経つこと。
- 用例
- ユカイ ナゲー ユル シ(けっこう長いこと経って)。イフィグヮー ユル シチャグトゥ(シばらく間をおいたら)。タチチビカージ ユル サクトゥ(2か月ほど経ったら)。
ユル
①夜。②~夜。~晩。数詞としても使われる。
- 用例
- ①ユル ナイネー ヘーク ニンジル スタル(夜になると早く寝たんだよ)。
- メモ
- チュユル(1夜)、タユル(2夜)、ミユル(3夜)と数える。
ユルクビ
喜び。
- 用例
- イャー ユルクビヤ、ヤーニンジュ ムルガ ユルクビ ヤサ(君の喜びは、家族全員の喜びだよ)。
ユルクブン
喜ぶ。
- 用例
- ハチゥンマガ ゥンマリティ ヤーニンジュ ユルクブン(初孫が生まれて家族で喜んでいる)。
否:ユルクバン(喜ばない)希:ユルクビーブサン(喜びたい)過:ユルクラン(喜んだ)継:ユルクローン(喜んでいる)。
ユルゲーイ
夜だというのに。
- 用例
- ユルゲーイ アシビーガ イチュンナー(夜だというのに遊びに行くの?)。
ユルサン
緩い。
- 用例
- チナヌ クンジヨーヌ ユルサン(綱の括り方が緩い)。
ユルシガレー
放し飼い。ほったらかすこと。
- 用例
- ワランチャー ユルシガレーシーネー マーカイガ ヒンギティ イチュラー ワカランドー(子どもたちを、ほったらかしにすると、どこに逃げて行くか分からないよ)。
アネッ!ユルシガネーシーネー チューチューグヮーン ヒンギティ ハインドー(ほら、ほったらかしにすると〈オムツをしないと〉チンチンも逃げていくよ)。
- メモ
- 幼児がオムツを嫌がって、よちよち逃げて行く時にも使う。→ハナシガレー。
ユルジナムン
よろずのもの。いろいろなもの。余計な物。いろいろな食べ物。ちょっと変わった食べ物。
- 用例
- ユルジナムンビカーン コーティ アンマーンカイ ヌラーリンドー(余計な物ばかり買って、お母さんに怒られるよ)。
- メモ
- 音1:ユジナムン。類:ユナジナムン・ユジナムン・ウヮーバムン。
ユルジバナシ
仕事などの合間の話。おしゃべり。
ユルスン
許す。
- 用例
- イリシワキ シ ワビ イレーカラー ター ヤティン ユルスサ(訳を話して詫びを入れたら誰でも許すよ)。
否:ユルサン(許さない)希:ユルシーブサン(許したい)過:ユルチャン(許した)継:ユルチョーン(許している)。
- メモ
- 類:ヌガーラスン。
ユルスン
放す。
- 用例
- ヲゥタトーグトゥ ティー ユルスンドー(疲れたから手を放すよ)。ユルチェール フージ(放したようだ)。
否:ユルサン(放さない)希:ユルシーブサン(放したい)過:ユルチャン(放した)継:ユルチョーン(放している)。
- メモ
- →ハナスン。
ユルットゥ
のんびりと。ほっと。
- 用例
- マギスージン ウワティ ユルットゥ ナトーン(大きな祝いも終わって、ほっとしている)。
ユルナーリー
夜から。
- 用例
- ユルナーリー マーカイ アシビーガ イチュガ?(夜からどこに遊びに行くの?)。
- メモ
- 対:アサナーリー・アサンナーラ・アサナゲーイ(朝っぱらから)。
ユルヒル
夜も昼も。
- 用例
- ユルヒル ハタラチン ティーチン ジノー タマラン(夜も昼も働いてもちっとも金は貯まらない)。
ユルマチ
夜市。
ユルミーン
緩める。
- 用例
- チューク クンチェーシ イフィ ユルミーン(強く括ってあるのを少し緩める)。
否:ユルミラン(緩めない)希:ユルミーブサン(緩めたい)過:ユルミタン(緩めた)継:ユルミトーン(緩めている)。
ユルユナカ
夜よなか・真夜中。
- 用例
- イャーヤ ユルユナカカラ マーカイ ゥジティ イチュガ(お前は真夜中からどこに出て行くのか)。
- メモ
- 類:マユナカ。
ユレーグヮー
寄り合い。模合。
- メモ
- 音1:ユーレーグヮー。類:ムエー。
ユレーシンカ
寄り合い仲間。模合仲間。
ユレーヌウブン
ひとつの器から共食する夫婦固めの儀式。
- メモ
- →ナナウブン。ナナチレーヌウブン。
ユレーバカ
寄合墓。隣近所や知り合い同士で墓を同じにしていること。
ユレーユーバン
寄合夕飯。マブイ込めをした後に、皆で奪い合うようにして夕飯を食べた。
ユンガシマサン
ひどくうるさい。
- 用例
- ヰナグヌ ミッチャイ アチマイネー ユンガシマサンドー(女が3人集まったらひどくうるさいよ)。
- メモ
- 類:カシマサン。
ユングェー
木槌。
- 用例
- ユングェー チカタラー マーマカシヨー(木槌を使ったんなら、ちゃんと片づけなさいよ)。
ユングササン
ひどく臭い。悪臭がする。
- 用例
- フールヌ ソージカチン サングトゥ ユングササン(便所の掃除もしないから、とても臭い)。
- メモ
- 類:クササン・クサハン。
ユングサミチュン
ひどく怒る。激怒する。
- 用例
- アリガ イーシ チカンネー ユングサミチュンドー(彼の言うことを聞かないと激怒するよ)。
- メモ
- 類:クサミクン・クサミチュン。
ユンジリ
あかぎれに似た裂け目。
- 用例
- ユンジリ ゥンジトーン(皮膚に裂け目ができている)。
- メモ
- 音1:ユーギリ。
足の裏や指の股、関節のしわなどにそってできる。
ユンターヒンター
長々と無駄話をする人。
- 用例
- イッター アンマーヤ ユンターヒンター ナティ、イチル ケーティ ハイラーヤー(君のお母さんは無駄話が長くて、いつ帰って行くんでしょうね)。
- メモ
- 類:ユンタクヒンタク。
ユンタキ
同じ高さ。
- 用例
- トゥーヌ イービヌ ユンタキヤ アランシトー ユヌムン、ニンジヌン ムル チガイル スルヨー(10本の指が同じ高さでないのと同じく、人間も皆違うんだよ)。
- メモ
- 音1:ヰンタキ。
ユンタク
おしゃべり。
- 用例
- ゥンマヲゥティ ユンタクビカーン シーネー シクチェー メーネー アガカンサ(そこでおしゃべりばかりしていたら、仕事は前に進まないよ)。
ユンタクー
おしゃべりな人。饒舌〔じょうぜつ〕な人。
- 用例
- アイナー! ユンタクーガ アチマティ、チャーシ ワジャー スガヤー?(あれまあ!おしゃべりな人が集まって、どうやって仕事をするのかな?)。
- メモ
- 類:パークー・ベーラー・ムンユマー。
ユンタクジョージー
おしゃべりが上手な人。
- 用例
- ユンタクジョージーヤ サンサナートゥ ユヌムン(おしゃべり上手はクマゼミと同じようなもの)。
- メモ
- 類:ユンタクー。
ユンタクヒンタク
おしゃべり。無駄話。
- 用例
- イッチン クーランルヤーディ ウムレー、ゥンマヲゥティ ユンタクヒンタク ソーテーサヤー(いつまで経っても来ないと思ったら、そこで長々と無駄話をしていたんだね)。
- メモ
- 類:ユンターヒンター。
ユンタンザハナウイ
読谷山花織。
- メモ
- 沖縄は古く南方貿易の拠点として栄え、南方の貿易を積極的に受け入れた15世紀初め頃に読谷山で花織が織られるようになったという。その後、明治中期頃から衰退の一途をたどり途絶えてしまったが、昭和39年頃に復興作業にとりかかり「読谷山花織〈ユンタンザハナウイ〉」として復活し、ワタジン・ドゥーブク・ウッチャキ・ティサージ等が織られるようになった。
ユンタンザヲゥージ
甘蔗の品種。読谷山種。
- メモ
- 音2:ユンタンジャーグヮー。
甘蔗(サトウキビ)の品種で、楚辺の屋号クラカル(蔵角)の比嘉牛(次郎)によって品種改良され、戦前沖縄糖業を長く支えた。
ユンタンジャ
読谷山。
ユンタンジャーグヮー
甘蔗の品種。読谷山種。
- メモ
- →ユンタンザヲゥージ。
ユンタンジャダキ
地名(読谷村親志の小地名)。読谷山岳。
- メモ
- クールーダキ、ヤグラダケともいう。現在の読谷山岳。
ユンタンジャビラ
読谷山坂。沖縄市高原の地名、坂道の名称。
ユンヂチ
閏月。うるう月。閏年には暦と季節の食い違いを調整するために同じ月が2回あること。
- メモ
- 潤月は仏事を行うのに最適とされている。
ユンチリーン
呆れ果てる。ひどく嫌になること。
- 用例
- シクチン サン クチビカーンカナイグトゥ ユンチリール スル(仕事もせずに口答えばかりするから呆れ返るばかりだ)。
ワンネー キサ ユンチリトーンデー(私は既に呆れ返っているよ)。
過:ユンチリタン(呆れ返った)継:ユンチリトーン(呆れ返っている)。
- メモ
- →アチハティーン。
ユンヌ
与論島。
ユンヌミ
夜の目。灯し。
- 用例
- ユンヌミディシェー トゥブシ ヨーサイ(夜の目というのは灯しですよ)。
- メモ
- →トゥブシ。「松川童」『高志保の民話』より。
ユンハゴーサン
ひどく汚い。ひどく汚れている。
- 用例
- ソージン サングトゥ グミブッターシ ユンハゴーサン(掃除もしないからゴミだらけで、ひどく汚れている)。
- メモ
- 類:ハゴーサン・ハゴーハン。
ヨー
あのね。ねえ。
- 用例
- ヨー、ワーガ イーシ ユーチキヨー(あのね、私が言うのを良く聞けよ)。
- メモ
- 呼びかける時や、話の補足をする時にいう。
ヨー
よ。
- 用例
- マーヨー(どこよ)。
ヨー(~ヨー)
~仕方。~方。
- 用例
- ミーヨー(見方)。ナチヨー(鳴き方)。
ヨーイ
そのまま。
- 用例
- ヨーイ シミトーケー、アリガ カッティ ヤサ(そのままさせておけ、あれの勝手さ)。
ヨーイ
容易。たやすいこと。
- 用例
- アリガグトゥシェー ヨーイネー シーサンドー(彼のようには簡単にできないよ)。
ヨーイ
わずか。ほんの。
- 用例
- ヨーイ イフィル、タラーンレー(ほんの少し、足りないんだよ)。
ヨーイ(~ヨーイ)
~せずに。
- 用例
- ハタラカンヨーイ(働かずに)。アッカンヨーイ(歩かずに)。
- メモ
- 動詞の否定形につく。
ヨーイヨーイ
ゆっくりゆっくり。
- 用例
- ヨーイヨーイ、ナマカラ ゥンジティ チャービン(ゆっくりゆっくり、今から出てきます)。
ヨーイヨーイ ケーティ ハイタン(ゆっくりゆっくり帰って行った)。
- メモ
- 音2:ヨーンナーヨーンナー。類:ヨンナ-ヨンナー。
ヨーイン
弱る。
- 用例
- アンシ ウッチーネー ヨーインドー(そんな風に置くと弱るよ)。ウスメーヤ ナガニンジ シ、ユカイ ヨートーン(おじいさんは長患いで、かなり弱っている)。
継:ヨートーン(弱くなっている)。
ヨーガー
横臥〔おうが〕。歪んだもの。
- 用例
- ヨーガー ナトーティ(横になって)。
ヨーガー ナトーシェー ノーチ チカイサ(歪んだ物は直して使うさ)。
ヨーガーヒーガー
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- アンスカ ヨーガーヒーガー チーヨー シ(そんなに曲がりくねった切り方をして)。
ヨーガーヒーガー ソーシェー チカーラングトゥ、ムチ ケーシェー(歪んでいるのは使えないから、持ち帰りなさい)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
ヨーガーヒーガー
あちこち歪んでいること。
ヨーカーブシ
夜明け星。金星。
- メモ
- 類:ユーアカブシ・ユーバンマンジャー・ユアカブン・イリブサー。
ヨーガームヌイー
横道にそれた言い方。皮肉な言い方。
- 用例
- クチ ヒラケーカラー、ヨーガームニイービカーン シ(口を開けば、皮肉ばかりで)。
ヨーカビー
妖怪火。妖怪日。旧8月8日頃に行う厄払いの行事。
- 用例
- ハチグヮチ マングラ ナイネー、ヨーカビーガ ユー アガイタン(8月頃になると、ヨーカビーがよく上がった)。
- メモ
- 高所からタマガイが上がるのを監視した。もしタマガイが上がると、5、6メートルの竿に線香を結わえてタマガイが上がったところに立てて場所を確認する。立てる人は口をきいてはならない。タマガイが上がったときにはムンシラシ(予兆)だから気をつける。
ヨーガラー
痩せた人。
- 用例
- ワカサイニカラ ヨーガラーナティ ティーチン クェーラン(若い時から痩せていてちっとも太らない)。
- メモ
- 類:ヨーガリー・ヨーガリームン・ヨーガリヤー・ヨーガリムン・エースガー。対:クェーヤー・クェーブッター(太った人)。
ヨーガリー
痩せた人。
- メモ
- →ヨーガラー。
ヨーガリーニーシェー
痩せている青年。
ヨーガリームン
痩せっぽち。痩せた人。
- メモ
- →ヨーガラー。
ヨーガリーヲィキガ
痩せている男。
- メモ
- →ヨーガラー。
ヨーガリーン
痩せる。
- 用例
- クェーイヂューサグトゥ、イフェー ヨーガリーン ディチル ヤンデー(太りすぎだから、少し痩せるつもりなんだよ)。
否:ヨーガリラン(痩せない)希:ヨーガリーブサン(痩せたい)過:ヨーガリタン(痩せた)継:ヨーガリトーン(痩せている)。
ヨーガリカーガイ
痩せ細っている様。
- 用例
- ヨーガリカーガイ シ、ムヌン カレー ネーンル アリー?(痩せ細って、ご飯も食べてないの?)。
- メモ
- 類:ヨーガリカンカン。
ヨーガリカンカン
痩せ細っている様。
- 用例
- ルク ヨーガリカンカン スシヤカ、イフェー クェーイシル マシ ヤル(余りにも痩せ細るより、少しは太った方が良い)。
- メモ
- 類:ヨーガリカーガリ(痩せ細っていること)。ヨーガリカーガイ
ヨーガリガンジュー
痩せているが頑丈な人。
- 用例
- アレー ヨーガリガンジュー ナティ、グテーヤ ターニン マキラン(彼は痩せているのに頑丈で、力なら誰にも負けない)。
ヨーガリジー
痩せ地。
- メモ
- 類:ヤシジーグヮー。
ヨーガリヂューサン
痩せ過ぎ。
- 用例
- ムヌン イヒナール カムグトゥ、ヨーガリヂューサン(ご飯も少しずつしか食べないから、痩せ過ぎだ)。
- メモ
- 対:クェーイヂューサン(太り過ぎ)。
ヨーガリムン
痩せた人。
- 用例
- ヨーガリムンヌ ゥンジトーティ、マギッチュトゥ オーインナー(痩せているくせに、大きな人と喧嘩するか)。
- メモ
- →ヨーガラー。類:エースガー。対:クェーヤー(太った人)・クェーブッター(太った人)。
ヨーガリヤー
痩せた人。
- メモ
- →ヨーガラー。
ヨーガリゥンマ
痩せ馬。
ヨークー(~ヨークー)
~ないで。
- 用例
- アンバンヨークー ティガネー シェー(遊ばずに手伝いなさい)。カマンヨークー ニジトーケー(食べないで我慢しておけ)。
ヨーサン
弱い。
- 用例
- ワッターヤ シンカ イキラサヌ、シマ トゥイネー マーヤカ ヨーサン(私たちは人が少なくて、相撲を取るとどこよりも弱い)。
- メモ
- 対:チューサン(強い)。
ヨーシ
様子。
- 用例
- チャール ソーラー、マジェー ヨーシ ンチ クーランナー?(どうしているのか、まずは様子を見てこないねぇ?)。
- メモ
- 類:ヨーテー。
ヨーシ
養子。
- 用例
- ヨーシ イーン(養子に入る)。
- メモ
- 類:チカナイングヮ。
ヨーシガワイ
変わった様子。様子が変。
- 用例
- チューヤ ミッタ ヨーシガワイ ヤンデー(今日は本当に様子が変だよ)。
ヨーシヰングミ
養子縁組。
- 用例
- ワラビガ クーサイニ、ヨーシヰングミ スン(子どもが幼い頃に、養子縁組をする)。
ヨージョー
養生。治療。
- 用例
- ビョーチヤ ヨージョー シ、リッパ ノーシヨー(病気は養生して、ちゃんと治すんだよ)。
- メモ
- 類:ユージョー。
ヨージントー
用心灯。火の用心。
- 用例
- ヨージントー ミサイソーロー ヤーホーホー ヒーマーチー ユタシクローイ(火の用心 新しい年が来るよ 火の用心よろしくお願いします)。
- メモ
- 瀬名波では、旧12月1日に火の用心を呼びかけるヨージントーという男子のみの行事があった。用例は『読谷村史・民俗編』より。
ヨーテー
様態。様子。
- 用例
- チャール ソーラー、ヨーテー ンチ クーラナ(どうしているのか、様子を見て来よう)。
ヨーテー ミーガ(様子を見に)。ヨーテー シラン(様子は知らない)。
- メモ
- 類:ヨーシ。
ヨーバー
弱い人。
- 用例
- ヨーバーガ ゥンジトーティ、オーインディチン アンナー(弱いくせに、喧嘩するってこともあるか)。
- メモ
- 対:チューバー(強い人)。
ヨーミ
弱み。弱い所。
- 用例
- チュヌ ヨーミ チカディ オーテー ナランドー(人の弱みにつけ込んで、喧嘩をしてはいけないよ)。
ヨーミーン
弱める。
- 用例
- クンチェーヌ チナ イフェー ヨーミーン(括ってある綱を少し弱める)。否:ヨーミラン(弱めない)希:ヨーミーブサン(弱めたい)過:ヨーミタン(弱めた)ヨーミトーン(弱めている)。
ヨーヤク
ようやく。やっと。
- 用例
- ナガガカイ サシガ、ヨーヤク アチャネー スビナイン(長くかかったが、ようやく明日にはし終える)。
ヨーングヮー
軽く。弱く。ゆっくり。少し。
- 用例
- キサカラ ニントーグトゥ、ヨーングヮー ウクチンディ(さっきから寝ているから、ゆっくり起こしてごらん)。
ヨーングヮー チチャン(少しだけ突いた)。
ヨーンナー
ゆっくり。
- 用例
- クヮヌ ニントーグトゥ、アシウトゥ タティランヨークー ヨーンナー アッキヨー(子どもが寝ているから、足音を立てずにゆっくり歩きなさいよ)。
ヨーンナー イキ(ゆっくり行け)。ヨーンナー メンソーリヨー(ゆっくりいらしてください)。
ヨーンナーヨーンナー
ゆっくりゆっくり。
- 用例
- ヨーンナーヨーンナー シ(ゆっくりゆっくりと)。
- メモ
- 音1:ヨンナーヨンナー。→ヨーイヨーイ。
ヨッチョギハン
物に対して弱々しいこと。
- 用例
- イャーガ チュクテーヌ タナヤ ヨッチョギハグトゥ チュクイケーイン(お前が作った棚は、弱々しいから作り替える)。
- メモ
- 類:ソーべー。
ヨナタバル
{与那田原}。長田の小字。
ヨンナー
ゆっくり。
ヨンナーヨンナー
ゆっくりゆっくり。ゆっくりと。次第次第に。
- 用例
- ジカノー アグトゥ、ヨンナーヨンナーシ シムサ(時間はあるから、ゆっくりゆっくりでいいよ)。ヨンナーヨンナーチ(ゆっくりゆっくり来て)。
- メモ
- 音1:ヨーンナーヨーンナー。→ヨーイヨーイ。
読込中...