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- しまくとぅば単語帳:サ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
サー
霊力。
- 用例
- サーダカサイネー アワリガル ウーサル(霊力が強いと 苦労が 多いんだよ)。
- メモ
- 霊力高い=サーダカサン。女はサーが強いので男の福分は負ける。
サー
~さ。~なあ。~よ。
- 用例
- ヰーゴーサッサー(痒いな)。
- メモ
- 言いたいことを強調する。
サーイ
つわり。障り。
- 用例
- ナー イクチチェーナトーガ。ヤガテー サーイン ウサマイサ(もう 何か月になったねぇ。やがて つわりも 治まるよ)。
- メモ
- 月経。月の障り。
サーイ
日照り・旱魃。
- 用例
- クジュヌ サーイヤ ヲゥージカラ ヤシェーカラ ムル カリーッシ アンシ クチサタル(昨年の 日照りでは キビや 野菜も 全部 枯れてしまって とても 苦しかった)。
- メモ
- 類:ヒャーイ(日照り・旱魃)。
サーイマキ
つわりが強い事。
- 用例
- サーイマキチューサヌ ムヌンカマン ヨーガリトーン(つわりがひどく 食事もとれずに 痩せている)。
サーイン
触る。
- 用例
- チュヌムノー サーインナラン(人の物は 触ることもできない)。 否:サーラン(触らない)希:サーイブサン(触りたい)過:サータン(触った)継:サートーン(触っている)。
サーゥンマリ
霊力が高い生まれ。
サーカー
大人びた子ども。
- 用例
- ウヌ サーカーヤ ウフッチュヌ ムヌ イーンネーシ(その 大人びた子は 大人が 物を 言っているようだ)。
サーカンケー
旅などから帰ってくる人を迎えること。
- 用例
- タビカラ ケーティチーネー サーカンケーディチ ンナシ ンケーイタン(旅から 帰ってくると サーカンケーといって 皆で 迎えた)。
サークー
土鍋。
- メモ
- 病人や離乳期の粥を作る時に使った手つき鍋。
サーケー
境界。境。
- 用例
- イカナ チョーデーヤラワン ジーヌ サーケーヤ リッパ シービチーヤサ(例え 兄弟でも 土地の 境界は ちゃんと すべきだよ)。
サーサー
やりたがること。
- 用例
- チュガソーシ サーサーッシ(他人がやっているのを やりたがって)。
サーザートゥ
さっぱりと。
サーシ
鍵。
- 用例
- クミグランカイ サーシ カキーン(米蔵に 鍵を かける)。
- メモ
- 類:サーシヌクヮ(鍵)。
サーシ
墓の部分名称。
- メモ
- 墓の蓋〔ふた〕に穴が開いている部分。
サージ
手拭い。タオル。鉢巻。
- 用例
- アチサヌ フシガラン クビカイ サージ カキティル ワジャー ナイル(暑くて たまらず 首に 汗拭き用の・タオルを 巻かないと 仕事もできない〔巻いてこそ 仕事はできる〕)。
- メモ
- 類:ティーサージ(手拭い・タオル)。手ぬぐいのように細長い布。赤サージ(赤い手拭い)。アカマタは赤サージ(赤手拭い)を被って人を騙すという。
サーシヌクヮ
鍵。
- 用例
- クミグランカイ サーシヌクヮヤ カキーン(米倉に 鍵を かける)。
- メモ
- 類:サーシ(鍵)。
サージャー
サギ。鷺。
- 用例
- サージャーヌ シシ(鷺の肉)。
サージャー
やせていて首が長い人。
- メモ
- 鷺〔サギ〕に似ているということから。
サージャートゥ
さっぱりと。
- 用例
- チューネー カラジン アラティ アンシ サージャートゥナトーン(今日には 髪も 洗って とても さっぱりしたよ)。
サージャートゥ
はっきりと。
- 用例
- ヰミンカイ サージャートゥ ンジータン(夢にはっきりと現れた)。サージャートゥ ワカラン(はっきりは分からない)。
サージャートー
はっきりとは。
- 用例
- サージャートー ウビラン(はっきり覚えない)。サージャートー チカン(はっきりは聞いていない)。
サーシルー
具のない汁。
- 用例
- ヤシェーガ ネーンネー チャー サーシルビカーンヤタン(野菜が ない時には いつも 具のない汁だけだった)。
- メモ
- 類:ンナシルー(具のない汁)・サビジル(具のない汁)。
サータ
砂糖。黒砂糖。
サーター
砂糖。黒砂糖。
- 用例
- コーヒーンカイ サーター イリランレー ンジャサヌ ワンネー ヌミーサン(コーヒーに 砂糖を 入れないと 苦くて 私は 飲めない)。
- メモ
- 一般に黒糖のことをいう。
サーターアンダギー
沖縄の揚げ菓子。
- 用例
- サーターアンダギーヤ カミーヤッサヌグトゥシ イフェー グナク アギーシェーマシヤサ(サーターアンダギーは 食べやすいように 少し 小さめに 揚げた方が良い)。
- メモ
- 砂糖+油揚げ。 麦粉に砂糖、卵などを加え、丸めたものを油であげた菓子のひとつ。
サーターアンダユー
砂糖と豚油を混ぜたもの。
- メモ
- 砂糖+脂+湯。 子どもが風邪を引いたときに飲ませた。
サーターウーサー
砂糖運搬人。
サーターガーミ
黒砂糖を入れた甕〔かめ〕。
- メモ
- 砂糖+甕。自家消費用の黒糖を保存した甕。
サーターギー
ネズミモチ。
- 用例
- ワンネー サーターギーディシェー ンチェーンランサー(私は ネズミモチというのは 見たことがないね)。
サーターグミ
砂糖組。砂糖与。
- メモ
- ヒーメーサー(火廻りの係)1人、シージョー(製造)1人、ウージクヮーサー(キビを圧搾機に差し込む係)2人など6名から7名が、朝3時頃から午後7時頃まで関わり、一日6丁から7丁製造した。 共同で製糖作業をするために組織された組。 農家にとっては砂糖キビの収入は大きいもので、年明けから4月頃にかけて製糖期に入った。その時期になるとヲゥーギニンジュといって、数名で一組になって製糖を行った。製糖期前のクミジュリ(組集会)でくじ引きで構成員を割り振った。ジーガシラ(組頭)は比較的大きな農家なので殆ど変わらないが、製造量の少ない家は毎年入れ替わった。
サーターグルマ
砂糖車。甘蔗を圧搾する車。
- 用例
- サーターグルマンカイ ティーンレー ハサミーネー デージドー(砂糖車に 手でも 挟んだら 大変だよ)。 キリストヤ ハナリテーナランリチ、ドゥークルー サーターグルマン チュクティ(キリスト教信者は離れてはいけないといって、独自で砂糖車〔製糖小屋〕も造って)。
- メモ
- 。
サーターグルマ
砂糖+車。甘蔗を圧搾する車。
サーターコーヤー
砂糖商。
サーターザキ
砂糖+酒。甘酒。
- メモ
- ジュールクニチャー(旧1月16日)に男性はサーターザキ(甘酒)を持ち寄った。
サーターシー
製糖作業
サーターシー
製糖作業
サーターダーグ
砂糖+団子。
- メモ
- ウークイの昼にサーターダーグを供える。 朝食はお粥と7品を入れた汁、晩は重箱料理と餅を供える。旧盆のウークイの昼にサーターダーグを供える。
サーターダムン
砂糖+薪。製糖作業に使う薪。
- メモ
- 長浜の山の木々はサーターダムンに使っていたので、日常生活用の燃料には枯れ葉やワラビを使った。
サーターダル
砂糖樽。黒糖を入れた樽〔たる〕。
- メモ
- サーターダル(砂糖樽)やウーキ(桶)を作っている人はいなかった。 砂糖樽は(製糖)会社から来たはずだ。1丁に120斤詰めで、等級によって違うが1丁8円から12円だった。10円だと良い部類。
サーターティンプラー
砂糖+天ぷら。
- メモ
- サーターアンダギーと同じ。 裕福な家は生年祝いにサーターティンプラーを作りふるまった。
サーターデー
砂糖+代。製糖代。
- メモ
- 昭和初期までは砂糖商人と農家の直接取引だったが、昭和12年頃からは農協の前身の村産業組合が取り扱うようになり、砂糖商人との取引は3割ぐらいだった。
サーターナービ
黒糖を製造するときに使う製糖小屋の大鍋。
- メモ
- 砂糖+鍋。
サーターマール
製糖作業をする順番が回ってくること。
- メモ
- 砂糖+廻る。
サーターヤー
砂糖+屋。製糖小屋。
サーターヤーウガン
製糖小屋での御願。
- メモ
- 12月吉日になされた比謝の行事名。
サーターヤーマカネー
製糖時の賄い。
- 用例
- サーターヤーマカネーヤ アンダカシートゥ トーフ ウリカラ ンスナバーイッティ シルワカチ マカナイタン(製糖時の賄いは アンダカシー・豚の脂をしぼって取ったかす 豆腐 それから 味噌菜を入れた汁で 賄った)。
サーターヤーモー
砂糖+屋+野。
サーターヤシチ
砂糖+屋敷。製糖作業敷地。
サーターヤシチバル
砂糖屋敷原(高志保の小字)。
サーターユー
砂糖キビの汁を沸騰させたもの。
- 用例
- サーターユーヤ ヒーサイネー ジコー ヌクタマイタン(サーターユーは 寒い時には とても 温まった・寒い時に砂糖キビの汁を 沸騰させて飲むと とても体が温まった)。
サーダカゥンマリ
霊力が強い人。
- 用例
- ウヌ ワラべー サーダカゥンマリナティ ワンネー シワレー(その 子どもは 霊力が強くて 私は 心配だよ)。
サーダカサン
霊力が高い。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ サーダカサン(隣の お婆さんは 霊力が強い)。
- メモ
- 類:シジダカサン(霊力が高い・主に場所)・シーダカサン(霊力が高い・主に場所)・タキサン(霊力が高い・主に場所)。
サーダマギー
サンゴジュ。
- メモ
- ササ(魚をとるための毒)として川に流した。
サーハゴーサン
薄汚い。
- 用例
- アリガ ヤーヤ ティーチン ソージン シェーネーラン サーハゴーサヌ ヒサン イリララン(彼の 家は ちっとも 掃除も されてなく 薄汚くて 足を 入れることもできない)。
サーフー
ほろ酔い加減。ほろ酔いの様。
- 用例
- イッター スーヤ アマカラ サーフーシ アッチハイタン(お前の 親父は あそこから ほろ酔い加減で 歩いていった)。
- メモ
- 類:サーフーフー(ほろ酔い加減)。
サーフーフー
ほろ酔い加減。ほろ酔いの様。
- 用例
- サーフーフーシ アンシ イーヤンベーギサルヤー(ほろ酔い加減で とても 気持ちよさそうだね)。
- メモ
- 類:サーフー(ほろ酔い加減)。
サーフン
すり鉢。
- メモ
- 各家にあった線の入った赤い色の鉢で普段は使わないが、シチビ(節日)に、少量の餅やウチャヌクを作るときに使った。前日で漬けておいた糯米をサーフンニスッタ(長浜事例)。
サーヤーサーヤー
なでるように触って確かめる様。
サーユー
白湯。
- 用例
- クチニーサヌ ムヌンカマランラー サーユーヤティン ヌミルスル(食欲がなく 食事も取れないなら 白湯でも 飲みなさい)。
サーラ
たわし。
サーラ
魚の名。鰆。サワラ類。
- 用例
- サーラヤ サシミシン マーサン(サワラは 刺身にしても おいしい)。
サーラナイ
物事がはやく進む様。
- 用例
- ナーファ ンカイ、マーンカイ、シグ、サーラナイヤサ(那覇でもどこでもすぐ出かける)。
- メモ
- すいすいと。すらすらと。
サーラマカシ
素早く。
サールー
猿〔サル〕。
- 用例
- サールーヤ チブローチリトーグトゥ ミークゲーンナラン(猿は 頭が切れるから ちょっとも目が離せない)。
サールー
木登りが上手い人。
- メモ
- 猿のようだということから。
サールー
容姿の良くない人。
- メモ
- 猿に似ているということから。悪口の一種。
サーレーサングヮン
少し触るだけですぐに泣くこと。
- 用例
- ウヌワラビヤ サーレーサングヮン ムヌン イララン(その子どもは 触っただけで泣くから 物も 言えない)。
サーン
しない。
サーンパー
やりたがらない様子。
- 用例
- ムル サーンパーシーネー ターガスガ?(皆 やりたがらないんだったら 誰がやるの?)。
サイ
目上に話しかける時、呼びかける時の敬語。
- 用例
- ターリーサイ(おじいさん)。エーサイ(もしもし)。
サイタムン
変な人。不思議なもの。
- 用例
- ドゥーヌクトゥン ワカラン ミッタ サイタムンヤッサー(自分がやっていることも 分からないで 本当に 変な人だ)。
- メモ
- 人の事も考えずに身勝手な行動をする人。
サカ
逆・坂。
- 用例
- キーカラ サカナティ ウティータン(木から 逆さになって 落ちた)。
サカイガフー
栄え果報。繁栄。
- 用例
- サカイガフーシ(繁栄して)。
サガイグヮー
窪地。地面が低くなった所。
サガイティーダ
下がっていく太陽。夕日。
- 用例
- ワームン ジャーヤ サガイティーダヌ チューサヌ アチサヌ フシガラン(私の 部屋は 西日が 強くて 暑くて たまらない)。
- メモ
- 対:アガイティーダ(朝日)。
サガイティーラ
下がっていく太陽。夕日。
- 用例
- ワームン ジャーヤ サガイティーラヌ チューサヌ アチサヌ フシガラン(私の 部屋は 西日が 強くて 暑くて たまらない)。
- メモ
- 対:アガイティーラ(朝日)。
サガイブサヰー
ぶら下がるように座る。
- 用例
- 木に サガイブサヰーグヮーソーティ(ぶら下がるように座って?)。
サガイマチ
店じまいが近づく時間帯。
- メモ
- サガイ(下がり)+マチ(市)。品物が売れ残りそうな夕方にサガイマチだからとまけてくれる。
サガイン
ぶら下がる。
- 用例
- キーヌ ユダカイ サガイン(木の 枝に ぶら下がる)。 否:サガラン(下がらない)希:サガイブサン(下がりたい)過:サガタン(下がった)継:サガトーン(下がっている)。
- メモ
- 対:アガイン(上がる)。
サガイン
掛買いする。
- 用例
- ジノー ネーラングトゥ シナムン サガイン・サガティコーイン(お金が ないから 品物を 掛買いする)。
サカウクイ
逆送り。
- 用例
- サカウクイサッティ(逆さまに葬られて)。
サカジチ
盃、おちょこ。
- 用例
- ワームン サカジチン ウキトゥティトゥラシ(私の 盃も 受け取ってくれ)。
サカシマ
逆さま。
サカスン
割かす。
- 用例
- イユ サカチ(魚を割かせて)。
サカチュクヤー
酒を造る小屋。
サカドゥミ
坂止め。荷馬車のハンドブレーキに該当する箇所。
サカナヤー
料理屋。料亭。
- 用例
- チャクシヤ ソーンイラン サカナヤービカーン カユイシ ジン ムル ウッチカティネーラン(長男は 性根もなく 料亭ばかり 通って お金を 全部 使い果たしてしまった)。
サカナヤーヰナグ
料亭で働いている女。娼婦。
- 用例
- サカナヤーヰナグヤティン ジジョーヌアティル ハタラチョールヨー(料亭で働いている女でも 事情があって 働いているんでしょうね)。
サカマチギ
逆まつげ。
- 用例
- サカマチギヌ ミーカイ イッチ ヤムン(逆まつげが 目に 入って 痛い)。
サカミジ
逆水。
- 用例
- ヘーク サカミジン シコーリヨー(早く 逆水も 準備しなさいよ)。
- メモ
- 類:サカンベー(逆水)。 人が亡くなった時はウブガーから水を貰ってくる。死者の湯灌の際は通常とは逆で、冷水に湯を加えた逆水で浴びせる。お湯を沸かす時は、ヤカンの蓋を開けて沸かした。
サカミチ
坂道。
- 用例
- アマー ユッカイ サカミチナティ ヌブイカンティースン(あそこは かなりの 坂道で 登るのがきつい)。
サカムニー
反対の事ばかり言う人。
- 用例
- サカムニービカーンシ ソーチモー ワカラン(反対ばかりするから 本当の気持ちは 分からない)。
- メモ
- 心にもないことを言い、実際に自分が思っていることを言わないこと。
サカヤ
酒屋。酒造所。
- 用例
- アマー サカヤシ モーキトータン(あそこは 酒屋で 儲けていた)。
サガヤーギンジュー
トンボの呼称。
- メモ
- 竹に下がることが多かった。
サガリバナ
サガリバナ。
- メモ
- 別名、サワフジ。田の畦〔あぜ〕を支えるために植えた。
サカワイ
馬具のひとつ。鞍から尻尾にかけるもの。
- メモ
- ヌインマには紐を編んで飾り付けた。
サカンキ
ささくれ。
- 用例
- イービヌアルッサ サカンキナトーサ(指全部に ささくれができてしまった)。
サカングヮ
逆子。
- 用例
- サカングヮヤティカラ イサヌヤー カカイシルマシヤル(逆子なら 病院で 診てもらった方が良い)。
サカンケー
境迎え。
- メモ
- 儀礼などの際にムラの境界で出迎えること。あるいは出迎える場所のこと。
サカンベー
逆水。
- 用例
- サカンベーヤ ヒジュルミジカラ サチイッティアトゥ ユーゥンベーイタン(逆水は 冷たい水から 先に入れてから後に お湯を足していた)。
- メモ
- 類:サカミジ(逆水)。人が亡くなった時に体を清めるための水はサカンベー(逆水)といって、冷水を入れてからお湯を入れた。お湯はヤカンの蓋を開けて沸かした。
サキ
酒。
- 用例
- サキ コーティッチ ンナシ ヌムン(酒を 買ってきて 皆で 飲む)。
サキ
先。
- 用例
- ワッタヤ サキナティ イチュンドー(私達は 先に 行くよ)。
- メモ
- 類:サチ(先)。対:アトゥ(後)。
サキイリヤー
酒を入れる容器。
サキーン
避ける。
- 用例
- アヌヒャーヤ ワントゥ イチャイブコーネーンルアラー ワン サキーンドー(彼奴は 私と 会いたくないのか 私を 避けるよ)。 否:サキラン(避けない)希:サキーブサン(避けたい)過:サキタン(避けた)継:サキトーン(避けている)。
サギーン
している。
- 用例
- ハナシ サギーン(話している)。アン サギーシガ(そうしているが)。
- メモ
- ソーン(している)と同意。
サギーン
下げる。ぶら下げる。
- 用例
- ハーヤンカイ アンマー チン サギーン(柱に お母さんの 着物を 下げる)。 否:サギラン(下げない)希:サギーブサン(下げたい)過:サギタン(下げた)継:サギトーン(下げている)。
- メモ
- 対:アギーン(上げる)。
サギーン
腹を下す。下痢する。
サキガーミ
酒甕〔さけがめ〕。
- 用例
- アレー サキガーミ イクチン アチミトーン(彼は 酒甕を いくつも 集めている)。
サキガク
アルコール中毒。
- 用例
- ワー ヲゥトー サキガクナティ ヤクンタッタン(私の 夫は アルコール中毒で 役に立たない)。
サキカジャ
酒の匂い。
サギガタミ
下げ+担ぎ。吊るし担ぎ。
サキクェー
酒飲み。
- 用例
- トゥーチ サキクヮティ シクチン イカン サキクェーフリムンルヤル(いつも 酒を飲んでばかりで 仕事にも 行かない 酒飲みバカだ)。
サキグシ
酒癖。
- 用例
- サキグシ ワッサイネー ドゥシサーン ヲゥランナインレー(酒癖が 悪かったら 友達も いなくなるよ)。
サギグスイ
下げ薬。
- メモ
- 血圧を下げる効用があるといわれる食べ物。チーカラサーともいう。馬肉・白イカ・フーチバー・チンボーラーなど。
サキグヒン
酒瓶。
- 用例
- イッスビヌンカイ イッチョール サキヤ ゥンマンカイ アヌ サキグヒヌンカイ ワキティ ウッチョーケー(一升瓶に 入っている 酒は そこに ある 酒瓶に 分けて おきなさい)。
- メモ
- 類:サキビン(酒瓶)。酒+小瓶。
サキケェー
酒+喰い。飲んだくれ。
- 用例
- サキケェー ナイン(飲んだくれになる)。
サギジャラ
物乞いの人にお椀からお椀へ直接ご飯を移して渡すこと。
- 用例
- サギジャラ シェー ナランドー(物乞いのようにご飯をお椀からお椀に直接移してはいけないよ)。
サギジョーキ
つり下げられる取っ手のついた籠〔かご〕。蓋〔ふた〕付き。
- メモ
- 下げ+ソーキ。食べ物を入れて天井からつり下げておく篭。
サギジョーキー
つり下げられる取っ手のついた籠〔かご〕。蓋〔ふた〕付き。
- メモ
- 紐が通せるようなミミが四箇所に付いて、上から下げられるようになった笊。四つのミミにウー(苧)を通して下げたのがサギジョーキー。 儀間・渡慶次・喜名・宇座ではティーゾーキー、渡具知ではフタソーキという。についた。
サギジョーギー
つり下げられる取っ手のついた籠〔かご〕。蓋〔ふた〕付き。
- 用例
- フミチヌ チューサグトゥ トーホー ヘーク サギジョーギーンカイ イッティ サギトーキヨー(暑気が 強いから 豆腐は 早く サギジョーギーに 入れて 下げておきなさい)。
- メモ
- 竹製の蓋がついた籠で手提げ柄がついている。
サキジョーグー
酒上戸。酒好き。
- 用例
- ジコー イーニーセーヤシガ サキジョーグーナティヤー(とても 良い青年だけど 酒好きでね)。
サキチューカー
酒を入れる急須。
- 用例
- サキチューカーヤ カラナトーシガ(サキチューカー・酒急須は 空になっているよ)。
サキチュクヤー
酒造所。酒を造る人。
サギディール
紐のついたカゴ。
- 用例
- サギディールンカイ トーフソーナムヌン イリーヌバーンアタン(サギディールに 豆腐等を 入れることもあった)。
- メモ
- 竹で編まれた紐のついたカゴで、食べ物を保管したり運ぶのに使う。
サキドーグ
酒道具。携帯用の酒器。
サキナラメーナラ
常に人より先に出ようとすること。
- 用例
- アレー チャー サキナラメーナラシ フージェーネーン(彼は いつも 人より先なろう前なろうして みっともない)。
- メモ
- 類:サチナイメーナイ(常に人より先に出ようとすること)。
サキヌハナ
酒造りで最初にでてくる酒。
サキヌマー
酒飲み。
サキビン
酒瓶。
- 用例
- クチャカイ イクチン サキビンガ ナラビラットーン(裏座に 何本も 酒瓶が 並べられている)。
- メモ
- 類:サキグヒン(酒瓶)。
ザキミノロ
座喜味ノロ。
ザキミンチュ
座喜味の人。
- 用例
- ウティチチ クンチチ ザキミンチュ(座喜味の人は落ち着いている。)。
- メモ
- 先の先まで見極めて蓄えるという座喜味字民の性質を現す言葉。
サキムイ
酒盛。結納。
- 用例
- イャームン サキムイネー カンナジ ワッター ヤーニンジュン アビティ アヤカーラシヨーヤー(お前の 結納の時には 必ず 私達 家族も 招待して 肖らせてよ)。
- メモ
- 類:クファンムイ(結納)。 嫁乞いが済んで、双方の親戚一同が婚約を確認する儀式。サキムイとニービチを同時に行うところもあった。
サキムイチンムー
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- メモ
- 酒盛+チンムー。結納。サキムイとニービチを同時に行うこと。
サキムイニービチ
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- 用例
- ソーグヮチメーナティ イチュナサヌ サキムイニービチサナ(正月前で 忙しいし 結納と結婚式を一緒にしよう)。
- メモ
- 他にクファンムイニービチといい一般的だった。サキムイが最終的な儀式になることをいう。
サキヤー
酒屋。
サキヤマベニ
甘藷の品種名。
- メモ
- 沖縄県の奨励品種。
サク
加減。頃合い。
- 用例
- イーサク(良い頃合い)。
サク
尺。
- 用例
- サクアティーン(長さを揃える)。ヤンドー、ウンサクヤタン(そうだよ、そんなふうだった)。
サク
酌。
サク
度合い。
- 用例
- サクン ワカランシーヨーシェー ンナンカイ ヌラーリーサ(度合いも 分からないようなやり方では 皆に 叱られるよ)。
サク
癇癪〔かんしゃく〕。癪。
- 用例
- サクンジヤーイ(癪にさわって)。
サク
~くらい。
- 用例
- トゥジ ナイルサク ヤラー(妻になるくらいなら)。アリガ サク ワカイルチョー ウラン(彼ほど分かる人はいない)。
サグイ
探り。夜這い。
- 用例
- サグイッシアッチュヌチュトー イカナシン ミートーナラン(夜這いする人とは 絶対に 夫婦にはならない)。
- メモ
- シヌビ(忍び)ともいう。
サクー
癇癪持ち。
- 用例
- ワン ヲゥトー サクーナティ ハナシンナラン(私の 夫は 癇癪持ちで 話もできない)。
サクガー
芋〔イモ〕の品種名。佐久川。
- メモ
- 1851年比謝村に生まれた佐久川清助は、1894(明治 27)年頃に既存の三種の甘藷が自然交配により結実(意図せず偶然に異なる種が一緒になって実を結ぶこと)した種子から苗を育て、選抜育種し、新しい品種である「サクガー」種を生み出した。この新品種である「サクガー」種は、沖縄県で明治末期から昭和にかけて主要品種、優良品種として栽培され、沖縄農業の発展に大きく寄与した。こうした業績が評価され、明治 100 年を記念して 1968(昭和 43)年に農林大臣から顕彰を受け、翌年には字比謝により頌徳碑が建立された。
サクガーゥンム
芋〔イモ〕の品種名。佐久川。
- メモ
- サクガー参照。比謝出身佐久川清助によって品種改良され普及した芋。
サクガーンム
芋〔イモ〕の品種名。佐久川。
- メモ
- サクガー、サクガーゥンム参照。
サクギリ
皮膚が乾燥し、しわなどにそって裂けること。
サクグミ
粳米〔うるちまい〕。
- 用例
- サクグミン トゥッティ ウワトーグトゥ クヮウマガンチャー ヘーク ナーメーメーヌ ブノー トゥイガ クーヨー(粳米の 収穫も 終わったから 子や孫たちは 早く それぞれの 分を 取りに 来なさいよ)。
サクサン
粘り気がない。
- 用例
- チューヌ クミヤ サクサン(今日の 米は 粘り気がない)。
- メモ
- 対:シプサン(粘り気がある)。
サクサン
裂けやすい。折れやすい。
サクジュク
作得。
- 用例
- サクジュクヌ セージュクシーガ(作得の催促しに)。
- メモ
- 作得(さくとく)とは、地頭、役人などが役地から取得する穀物のこと。
サクチ
ボラ。
- メモ
- 出世魚で成長するにしたがって、チクラ(チュクラ)、ボラ、サクチと呼び名が変わる。
サクッチュ
皮膚が乾燥し、しわなどにそって裂けること。
サクドゥー
あかぎれなどになりやすい乾燥肌。
- 用例
- ワンネー サクドゥー ヤンドー(私は乾燥肌だよ)。
サクナ
ボタンボウフウ・長命草。
- 用例
- サクナヤ チャーチュクティ ヌムシン マンドーン(ボタンボウフウは お茶にして 飲む人も 多い)。
- メモ
- 長寿の野菜ともいわれている。
サクバル
佐久原(比謝の小字)。
サクムチ
癇癪持ち。
- 用例
- イャーヤ サクムチナイネー ンナカラ シカンサラリンドー(お前は 癇癪持ちになると 皆から 嫌われるよ)。
サクメー
粳米。
- 用例
- クンドー サクメーン ディキティ クヮゥンマガンチャーンカイ ワキーシンアサ(今年は 粳米も 豊作で 子や孫に 分ける分もある)。
サグヤー
よく夜這いをする人。
- 用例
- サグヤールヤンムン トゥジェー カメーイスンナー(夜這いばかりしているのに 妻は 探せないよ)。
サクル
神御願のひとつ。
- メモ
- 喜名では、昭和初期にはウヤヌル(親ノロ)とワカヌル(若ノロ)とカミンチュ(神人)の3人しかいなくなっていたが、それ以前は10何名かが同じ服装で祭祀を執り行った。御嶽を拝み、伊良皆までトゥヌガキしたという。村落の守護神である御嶽を拝み、ウトゥーシ(お通し→遥拝)によって彼方におられる神への遥拝をして、村の弥栄を願う行事。それが終わると、一般の人に酌を取り交わす。旧家の代表と字当役が行う神御願のひとつ。6月15日にはノロが御嶽で村の安泰を祈願するサクルが行なわれた。
サクルウガミ
- メモ
- 9月吉日に白衣装に白いサージを前結びにし、草冠を被った湾ノロがやってきて、サクルウガミが行われた。詳細不明。
サクルウガン
神御願のひとつ。
- メモ
- 瀬名波のノロは、馬を7、8頭つらねてカガンジ御嶽から崎原御嶽まで乗馬で行き来していたという。サクル+御願。5月15日と6月15日の年2回行なわれた。
サクルトーフ
醤油で煮しめた豆腐。
- 用例
- サクルトーフディチ ソーユーニースタン(サクルトーフ・煮しめ豆腐は 醤油で煮しめた)。
- メモ
- 2月のウマチーに神人の拝みが終わった後に、醤油で煮しめたサクルトーフを供え、線香を灯してウマチーが無事に済んだことを報告した。
サクルンマ
サクル馬。
- メモ
- 馬具をかけた白馬にミンタリー笠を被ったノロの絵があった。ノロ殿内の神屋に、首里から贈られたサクル馬の絵があった。
サケーイン
栄える。
- 用例
- アヌ ヤーヤ クヌウチ サケーイサ(あの 家は 近いうちに 栄えるよ)。 否:サケーラン(栄えない)希:サケーイブサン(栄えたい)過:サケータン(栄えた)継:サケートーン(栄えている)。
- メモ
- 対:サビリーン(さびれる)。
サケーハンジョー
栄え繁盛。繁栄。
ササ
魚を捕るために水中に入れる毒物。
- 用例
- チヌーカラ カーランカイ ササイッテーシガ チャーナトーガヤー(昨日から 川に ササ〔魚を取るための毒性植物〕を入れてあるが、どうなっているんだろうか)。
- メモ
- イジュの木の皮、ササメンナ(ルリハコベ)などを使った。
ササ
撒き餌。
- メモ
- 長浜では魚を捕るために生芋をかみ砕いて吹き出し、まき餌をすることにも「ササ イリーン」といった。
ササイリ
ササ入れ。
- メモ
- 植物から出る毒液を流して魚を取る漁法。 漁業が盛んであった宇座では3月2日にササイリの行事があり、字中の人がササメンナ取ってきて、石臼に搗いたものを漁師のところへ持っていった。漁師がそれをナカグーフという漁場にばらまくと魚が酔って取りやすくなる。魚はササメンナを持ってきた分量に応じて分配した。その魚は翌3日の清明祭の重箱料理にした。
ササガー
珊瑚樹。
- メモ
- ミンナでもできるけどミンナがある春は忙しいので、ササイリは6月の暑い季節にササガー(珊瑚樹)の葉を使った。ササガーの葉を揉んで入れると獲物が出てきた。ササガーというのはテッポーナイのこと。紙鉄砲の弾にはササガーの実を使った。
ササグサ
ルリハコベ。
- メモ
- 魚を捕るときの毒(ササ)として使った。
ササミンナー
ルリハコベ。
ササメンナ
ルリハコベ。
- メモ
- ササイリに使うルリハコベのことでパラパラメンナともいった。他に牛の飼料にするソロソロメンナ(ヤエムグラ)と呼ぶものがあった。
サジ
佐事。使丁。
- メモ
- 役場や事務所(現在の公民館)などの小使い。役員集会なども全部太鼓で合図し、佐事が字内のめぼしい通りから声をあげて回る。各組にもクミサジがいた。
サジ
用務員。
- 用例
- ワッター スーヤ ガッコーヌ サジ ソータン(私の 父は 学校の 用務員をしていた)。
サシアイコー
蟻〔アリ〕の一種。
- メモ
- 色は黒く、大きさは1センチほど。刺されると非常に痛かった。最近は見られなくなった。
サシイシ
差し石。力石。
- メモ
- 読谷山村では主に黒色で堅い石が使われたのでマーイサーとも呼んだ。またチチイシと呼ぶ字(伊良皆・波平)もある。青年たちが力試しで頭上に差し上げる石。
サシカ
庇。
- メモ
- 夏は風に当てるためにサシカ(庇)の下にイモを広げて置いてある。
サジカイン
授かる。
- 用例
- ヰナグングヮ サジカイン(女の子を 授かる)。 否:サジカラン(授からない)希:サジカイブサン(授かりたい)過:サジカタン(授かった)継:サジカトーン(授かっている)。
サシカサ
差し+傘。日傘。
- 用例
- ヰナグンチャーガ サシカサ サチ アッチュンディシェー イナカヲゥテー アンチュカ ヲゥランタン(女性が 日傘を さして 歩くというのは 田舎では そんなに いなかった)。
サシガサ
差し+傘。日傘。
サシグサ
センダングサ。
- 用例
- フチャーリーミーヤ ムル サシグサルヤル(木が生い茂っている所は センダン草だらけだ)。
サシクムン
差し込む。
- 用例
- グナ アナカイ ボー サシクムン(小さな 穴に 棒を 差し込む)。 否:サシクマン(差さない)希:サシクミーブサン(差し込みたい)過:サシクラン(差した)継:サシクローン(差し込んでいる)。
サシジャーガー
伊良皆にある井泉の名称。
- メモ
- 湧泉〔ゆうせん〕。 伊良皆ではイーヌカーと呼ぶ。 水量が豊富で飲用水として利用した。伊良皆にあるイーヌカーのこと。集落の北側(上側)にあるのでそのように呼ぶ。イーヌカーの前にはサシチムイ(佐敷森)と呼ばれ、尚巴志、平田子、屋比久子の墓が位置している。そのため佐敷の井泉、サシジャーあるいはサシジャーガーと呼ばれるようになったと思われる。水量豊富で水質も良いことで知られ、現在も農業用水として活用されている。
サシジョーバル
差門原(古堅の小字)。
ザシチ
寝床。
- 用例
- ニンジジブンヤグトゥ ザシチ シコートーケー(寝る時間だから 寝床の 準備をしておきなさい)。
- メモ
- 類:ラカシ(座敷・寝床)。
サシチケー
差支え。
- 用例
- サシチケーネーンラー ワンニンカイン ハナシー チカシェー(差支えないなら 私にも 話を 聞かせて)。
サシナー
刺し蟻。
- 用例
- サシナーンカイ クーラッティ ヰーゴーサヌ フシガラン(刺し蟻に 噛まれて 痒くて たまらない)。
サシミヤー
魚屋。
- 用例
- サシミヤーカイ イユ コーイガ イチュン(魚屋に 魚を 買いに 行く)。
サシムンウジン
指物御膳。指物大工が作る御膳。
サシワキ
分別・差し分け。
- 用例
- サシワキンネーン シーヨーシ イフェー チュガ イーシン チカンネー(分別のない やりかたをして 少しは 人の 意見も 聞きなさい)。
サシン
写真。
- 用例
- ンカシヌ サシン アチミティ ンナシ ンジュン(昔の 写真を 集めて 皆で 見る)。
サシンヤー
写真屋。
- 用例
- サシンヤーヲゥティ ヤーニンジュ サシン ウトゥスン(写真屋で 家族 写真を 写す)。
サスン
刺す。
- 用例
- バッぺーティ ティー サスン(間違って 手を 刺す)。 否:ササン(刺さない)希:サシーブサン(刺したい)過:サチャン(刺した)継:サチョーン(刺している)。
サスン
挿す。
- 用例
- ハナイチーンカイ アカバナー サスン(花瓶に ハイビスカスを 挿す)。 否:ササン(挿さない)希:サシーブサン(挿したい)過:サチャン(挿した)継:サチョーン(挿している)。
サタ
うわさ・沙汰。
- 用例
- ナマル イャームン サタソータルムン ケーティチョーサヤー(今 お前の事を 話〔沙汰〕していたさ 帰ってきたんだね)。
サタヌクスン
沙汰を残す。名前を残す。
サダミ
定め。運命。
- 用例
- チュヌ サダミディシェー ゥンマリーニカラ キミラットーンディシガ フントーヤガヤー?(人の 運命というのは 生まれる時から 決められているというが 本当かな?)。
サチ
先。
- 用例
- ワッタヤ サチナティ イチュンドー(私たちは 先に 行くよ)。
- メモ
- 類:サキ(先)。対:アトゥ(後)。
サチアブシバレー
先畦払い。
- 用例
- サチアブシバレーヤ シングヮチジューグニチヤサ(先畦払いは 4月15日だよ)。
- メモ
- ゥンマハラセーが行われた字楚辺では、初日15日をサチアブシバレーと言った。その日は簡単なお茶請けを仏壇に供え、楚辺兼久へ競馬を見物しに出かけたが、1年内に不幸のあった家では、喪中であるということで、1番座の前庭にチンブクダキ(笹竹)でアーチを作り、その下で死者の霊とともに会食しながらゥンマハラセーを見物している態で過ごした。それを家の外に出るという意味でフカアブシバレーあるいはフカンジと言った。ちなみに近年(平成)では家の玄関先にアーチを作り、来客はそこをくぐり家の中に入り、ポーポーなどのお茶請けでもてなされている。1393アブシバレー・11369フカゥンジ参照。
サチウトゥ
先夫。
サチカンジュン
咲き乱れる・咲き誇る。
- 用例
- クジュ イーテーヌ ハナガ サチカンジュン(昨年 植えた 花が 咲き乱れている)。 継:サチカントーン(咲き乱れている)。
サチグシク
座喜味城ができる前のグシク。
- メモ
- 先+グシク。 タカヤマグシクのこと。
サチグチ
先に手をつけること。
- 用例
- ワンガル サチグチ イッテールムン ウレー ワームンルヤル(私が 先口を 入れたんだから それは 私の物だよ)。
サチザチ
先々。
- 用例
- サチザチヌクトゥン ユーカンゲーティル シクチヤスンドーヤー(先々の事も 良く考えて 仕事はするんだよ)。
サチシデー
先着順。
- 用例
- サチシデール フービヤ クィーンディ(先着順に 褒美を 呉れるそうだよ)。
サチディー
先手。
- 用例
- サチディーウッティワル アリカイヤ カナイル(先手を打ってこそ 彼には 勝つんだよ)。
サチトゥジ
先妻。
- 用例
- サチトゥジトー クヮー ヲゥランタン(先妻とは 子どもは いなかった)。
サチドゥミ
先妻。
- 用例
- サチドゥミトー イチャイブクンネーラン(先妻とは 会いたくもない)。
サチナイメーナイ
常に人より先に出ようとすること。
- 用例
- ワカサヌムンガ サチナイメーナイシ フージンネーン(若い者が 人より先なり前なりして みっともない)。
- メモ
- 類:サキナラメーナラ(常に人より先に出ようとすること)。
サチナイン
先に行く。先に逝く。
- メモ
- ワンネー サチナインドー(私は先に行くよ)。ウンジュヤカ ワンガル サチナイルハジドー(あなたより私が先に逝くはずだよ)。
サチバイ
先駆け。
- 用例
- アレー チャー サチバイソーン(彼は いつも 先駆けている)。
- メモ
- 人が亡くなると龕佐事はサチバイして龕を取ってくる。
サチバルヌール
崎原ノロ。瀬名波ノロのこと。
サチバルモー
崎原+野。残波岬に広がる芝。
- メモ
- 戦前は牛が放牧されており、その様子が子守歌にも歌われている。残波岬のあるところをサチバルといい、そこに広がる芝のこと。イーヌモーともいった。
サチバルヤードゥイ
崎原屋取。宇座にかつてあった、残波岬に近い寄留集落。
サチフイ
先振り。
- メモ
- スーマチの後、組棒に入る前に先頭の槍と薙刀をもった2人が行う手合わせのこと。
サチホー
相手方・先方。
- 用例
- マジェー サチホーンカイ トゥーティカラル キミラリーサニヤー(まずは 先方に 確認してから 決められるんでしょうね)。
ザチマー
座喜味の人。
サチマーイ
先回り。
- 用例
- サチマーイシ トゥッカチミラナ(先回りして 捕まえよう)。
ザチミ
地名(読谷村座喜味)。
ザチミイビー
座喜味イビー。
- メモ
- 座喜味の人がよく「イビー(ええっ)」という感動詞を使うのをからかうことば。
ザチミススチリー
座喜味裾切れ。
- メモ
- 座喜味の字民性を表現した言葉。 着物の裾が擦り切れるほど着る倹約家。
ザチミトゥイクェー
座喜味鳥食い。
- メモ
- 座喜味の字民性を表現した言葉。 内規にそって鶏を捕らえ、飼い主が現れないとき皆で鶏を潰して食したことからそう呼ばれた。
ザチミボー
座喜味棒。
- メモ
- 多幸山近くで炭焼きをしていた津堅島出身のタンヤチャータンメー(炭焼爺さん)から習って再興した。座喜味棒保存会を中心に継承に取り組まれている。
ザチミミチ
座喜味道。座喜味へ通じる道。
- メモ
- 伊良皆から座喜味へ至る道。
サチュン
咲く。
- 用例
- チュラ バナガ サチュン(きれいな 花が 咲く)。
サチュン
裂く。
- 用例
- ヌヌ ターチンカイ サチュン(布を ふたつに 裂く)。
サチヲゥトゥ
先夫。
- 用例
- サチヲゥトー ケーマーチヲゥラン(先夫は 亡くなった)。
ザチンガー
座喜味+井泉。
- メモ
- ザキミガーのこと。 座喜味で最初のニーブガー(柄杓で汲む井泉)でウブガーとして使っていたといわれる。
サッキー
咳。
サックイ
咳。
- 用例
- サックイスルムンヌ ハナヒチルヤンヨー(咳をするから 風邪だよ)。
サックィー
咳。
サックィーヒミチ
咳と喘息〔ぜんそく〕。
サックイオホオホ
咳き込んでいる様子。
- 用例
- ウマヲゥティ サックイオホオホスシヤカ ヘーク ヤーカイ ケーイシェー マシヤサ(そこで 咳き込むよりは 早く 家に 帰った方が 良いよ)。
サックイジーラー
よく咳き込んでいる人。
- 用例
- ワッター アバーヤ サックイジーラーヤタン(私の 姉は よく咳き込んでいた)。
- メモ
- 類:サックイブクラー(よく咳き込んでいる人)。
サックイブクラー
よく咳き込んでいる人。
- 用例
- ユル ニッカカラ カラジ アライネー サックイブクラーナインドー(夜 遅くから 髪を 洗うと サックイブクラー〔しょっちゅう咳き込むように〕なるよ)。
- メモ
- 類:サックイジーラー(よく咳き込んでいる人)。
サックヤー
咳をよくする人。
サッコー
とても。ものすごく。
- 用例
- チューヌ ハンメーヤ サッコー スージューサヌ カマラン(今日の 食事は とても 塩辛くて 食べれない)。
サッコービ
しゃっくり。
- 用例
- キサカラ サッコービヌ トゥマランルアンレー(さっきから しゃっくりが 止まらないんだよ)。
サッスー
出しゃばり。
- 用例
- ウットゥヤ サッスー(妹は出しゃばり)。
サッスン
察する。
- 用例
- ウリカラ カンゲーティ サッスン(それから 考えて 察する)。
サッタカ
いち早く。
- 用例
- ムンディイーネー サッタカ チョーサ(ご飯だと言うと すばやく 来ているさ)。
サッタカ
さっと。
- 用例
- ウリル サッタカ ンージュル(それを直ぐに見る)。
サッタン
された。
- 用例
- サッティル ウンナー(してやられたのか)。サッタルムン(してやられた)。ィヤーネー サッタサ(お前にやられたよ)。
サッティム サッティム
さてもさても。
- 用例
- サッティム サッティム、イャー ウングトーヌ クトゥン スンナー(さてもさても、お前はそんな事をするのか)。サッティム サッティム、イャー チュヌムン トゥティナー(さてもさても、お前は人の物をとったのか)。
サットーン
~されている。
- メモ
- ~ンカイ サットーン(~に懲らしめられた)という使い方もする。
サッパトゥ
さっぱりと。
サッパトゥニーシェー
さっぱりとした美しい青年。
サティサティ
さてさて。
- 用例
- サティサティ ミジラシームン(さてさて珍しいこと)。
サトゥイン
さとる・見抜く・感づく。
- 用例
- ワラビヌ カンジューサヌ ウヤー マーンカイ ヲゥンディチ スグニ サトゥイン(子どもの感が強く 親は 何処に 居るのか 直ぐに 見抜く)。
サトゥイン
辿る。
- 用例
- サトゥティンヂ(辿って行って)。
サナースン
調べる。
- 用例
- サンミンヌ アタラングトゥー ナーチュケーン リッパ サナースン(計算が 合わないから もう一回 ちゃんと 調べる)。
サナギ
ふんどし。褌。
- 用例
- ンカシヌ タンメーターヤ ムル サナギ ハチョータン(昔の お爺さんたちは 皆 ふんどしを はいていた)。
- メモ
- 類:サナジ(ふんどし)。
サナジ
ふんどし。褌。
- 用例
- ワッタガ ウビアルマディ タンメーターヤ サナジ ハチョータン(私の 記憶にも お爺さんたちは ふんどしを はいていた)。
- メモ
- 類:サナギ(ふんどし)。
サナジアジマー
褌〔ふんどし〕の結び目。
- メモ
- 褌の結び目があたる背中の部分。腰と尻の中間あたり。
サニ
種。
- 用例
- ヤシェーヌ サニヤ ウチョーキヨー(野菜の 種は 取って置きなさいよ)。
サニ(~サニ)
~でしょう
- 用例
- イャーン イチュサニ(貴方も行くでしょう) アン ヤサニ(そうでしょう)
サニウルシ
種下ろし。種を蒔くこと。
- メモ
- クミサニ(米苗)を苗代に播くこと。
サニチガイ
種違い・異父兄弟。
- 用例
- アヌタイヤ サニチガイナティル ニチェーヲゥランテーサヤー(あの二人は 父親が違うから 似てなかったんだね)。
サニムン
種物。種子類。
- メモ
- 類:ムンチャニ。
サニムンガーミ
種物+甕。種子を入れる甕。
サバ
鮫〔サメ〕。
サバ
草履。
- 用例
- ミーサバ クリ スーヤ マーカイ ハミシェーガヤー?(新しい草履を 履いて お父さんは どこに 行かれるのかな?)。
サバアンダー
鮫脂。
- メモ
- 浸水・腐敗予防・防虫のため年1回船全体に鮫脂を塗った。船の手入れに使った。
サバキ
櫛〔くし〕。
- 用例
- ヒンスーヤソーティン ヰナグヤ サバキグヮーヤ ムッチョータンドー(貧乏はしていても 女性は 櫛は 持っていたよ)。
- メモ
- 類:サバチ(櫛)。
サバクイ
捌理〔さばくり〕。
- メモ
- 間切番所の村役人、役職名。
サバチ
櫛〔くし〕。
- 用例
- マチカイ サバチ コーイガ イチュン(町に 櫛を 買いに 行く)。
- メモ
- 類:サバキ(櫛)。
サバチュン
さばく・処理する。
- 用例
- ダテーンヌ イユ サバチュン(たくさんの 魚を さばく)。
- メモ
- 処理する、片づけるという意味で仕事を片づけることにも使うが、物をさばく・魚などをさばくにも使われる。否:サバカン(さばかない)希:サバチーブサン(さばきたい)現:サバチョーン(さばいている)過:サバチャン(さばいた)。
サバチュン
梳く。くしけずる。髪を整える。
- 用例
- カラジ リッパニ サバチュン(髪を きれいに 整える)。 否:サバカン(髪を整えない)希:サバチーブサン(髪を整えたい)過:サバチャン(髪を整えた)継:サバチョーン(髪を整えている)。
サバニ
刳船〔くりぶね〕。
- 用例
- カジン チューク ナトールムンヌ サバニン アギンカイ アギレー(風も 強くなっているから サバニも 陸に あげなさい)。
- メモ
- 松を使った刳舟。戦前は松の刳船〔くりぶね〕、戦後は杉板の剥〔は〕ぎ船などが見られた。
サバヤー
鮫+家。宇座の海浜地名。
- メモ
- 宇座の漁場にある鮫の棲息場所の名。
サビーナイン
寂しくなる。手ぶらになる。しらける。
- 用例
- サビーナティ ケータン(何も持たずに帰った。)
サビクーイン
錆つく
サビサビートゥ
寂しげな・とても静かな様子。
- 用例
- ゥンマガンチャーガ ケーティアトー サビサビートゥシッヤー(孫たちが 帰った後は 寂しくて静かだね)。
サビサン
寂しい。
- 用例
- ヰナグングヮガ ユミカイ ハチカラ ユルナーナイネー サビサン(娘が 嫁に 行ってから 夜になると 寂しい)。
- メモ
- 類:サビッハン(寂しい)。
サビジル
具の無い汁。
- 用例
- シクチン サンヌーヤ サンドゥ サビジルルアタイサ(仕事を しない奴は 三食 具のない汁だけだよ)。サビジル カムン(具の無い汁を食す)。
- メモ
- 類:サーシル―(具のない汁)・ンナシルー(具のない汁)。
サビッハン
寂しい。
- 用例
- ワランチャー フルイーティ ターン ヤーンカイ ヲゥラン ジコー サビッハン(子どもが 成長して 誰も 家に 居ないので とても 寂しい)。
- メモ
- 類:サビサン(寂しい)。
サビムン
味気の無いもの。
- 用例
- サビムノー ヌマン(味気の無いものは飲まない)。
サビリーン
さびれる。
- 用例
- チュガ ヲゥランナイネー マチヤン サビリーン(人が いなくなると 店も さびれる)。 継:サビリトーン(さびれている)。
- メモ
- 賑やかだった場所が人もいなくなり寂しくなること。対:サケーイン(栄える)。
サフン
石鹸。石けん。
- 用例
- サフンシ ティーヒサン アラティ ヘーク ウチカイ イレーワ(石鹸で 手足を 洗って 早く 家に 入りなさい)。
- メモ
- 大正初期頃から使用されるようになった。石鹸を買うにも金が必要だから、お年寄りなんかは石鹸では洗わなかった。代わりにユウナの葉のガサガサしている裏面で垢を落としたという。ナーベーラーヌカジ(乾燥させたヘチマ)を使うこともあった。
サベー
カンシャワタアブラムシ。
- メモ
- 読谷山甘蔗の害虫。 葉の裏に群がる1.8ミリ内外の昆虫。石油乳剤を染み込ませたボロ布を手に巻いてすり殺したり、被害葉を切り取って焼却した。甘蔗の葉を折って束ねたもので虫の入った葉をこすり落とした。
サボーリーン
荒れ果てた様。
- 用例
- ヤーンージャーンヲゥラン ヤーヤシチン サボーリーン(家を継ぐ人も居なくて 家や屋敷も 荒れ果てる)。 継:サボーリトーン(荒れ果てている)。
サマ
正気。
- 用例
- サキン ヌレーネーン サマニ アンシ オーインディチンアンナー(酒も 飲んでない 正気の時に そんなに 喧嘩するってこともあるか)。
サマウチャギ
つんつんして歩く・気取って歩く。
- 用例
- アヌ ヰナグヌ ミチカラ サマウチャギシ アッチーネー ターン チカユラン(あの 女が 道から 気取って 歩くと 誰も 近寄らない).。
- メモ
- 類:タカウチャギ(つんつんして歩く・気取って歩く)。
サマガサン
恐ろしい。
- 用例
- チカグロー ヌスルン マンディ サマガサンヤー(近頃は 盗人も 多く 恐ろしいね)。
サマスン
覚ます・覚める。
- 用例
- ニントール ワラビヌ ミー サマスン(寝ている 子が 目を 覚ます)。 否:サマサン(覚まさない)希:サマシーブサン(覚ましたい)過:サマチャン(覚ました)継:サマチョーン(覚ましている)。
サマスン
冷ます・冷やす。
- 用例
- ニチチャーキヤグトゥ ナーイフェー サマスン(炊いたじきだから もう少し 冷ます)。 否:サマサン(冷まさない)希:サマシーブサン(冷ましたい)過:サマチャン(冷ました)継:サマチョーン(冷ましている)。
- メモ
- 対:アチラスン(温める)。
サマタギ
妨げ。
- 用例
- トゥーイ ミチカイ シナムン ウチーネー アッチュル サマタギナイシガ(通り 道に 品物を 置くと 歩くのに 妨げになるよ)。
サマチャサン
やんちゃな。よく動き回る子どもの様子。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウティチチンネーラン ターヤカ サマチャサン(その 子どもは 落着きがなく 誰よりも やんちゃだ)。
サミ
わけでしょう。
- 用例
- アチマティチョーサミ(集まってきたわけでしょうね)。ムッチョーサミ(持っているわけでしょう)。チチョーサミ(着ているわけでしょう)。
- メモ
- 相手に確認しながら言う。
サミセンヒチャー
三線奏者。
サムレー
士族。侍。
- メモ
- 士族であれば女性にもサムレーといった。サムレーヲィナグヂン(士族の娘の着物)は、着物のアヤ(模様)も大きくきれいだった。
サラ
まったくの。
- 用例
- サライナカー(まったくの田舎)。
サラ
真新しい。
- 用例
- サラミームン(真新しい物)。サラシンピン(真新品)。
- メモ
- 新しいことを強調する。新しい意を表わす接頭語。サラミームン(真新しい物)。
サライ
さても・何と。
- 用例
- シクチシ ニッカナト-ルムン サライ ワンガ カムシェー ヌクチェーネーンタン(仕事で 遅くなったのに 何と 私が 食べるのは 残してなかった)。
サラカチャー
サルカケミカン。
- 用例
- サラカチャーヤ ハーマカイ ユーミートーン(サルカケミカンは 浜辺に 良く生育している)。
- メモ
- とげのある木で婿入りの模擬馬に使われた。
サラゲー
杓子〔しゃくし〕。汁物をすくう道具。
- 用例
- サラゲー トゥティチャーニ ソーソー シルン イッティ カマシェー(杓子を 取って来て さっさと 汁も 入れて あげなさい)。サラゲーワシーン(杓子を忘れる)。
- メモ
- ナビゲーともいう。
サラゲーヂチ
杓子月。杓子の形に似た半月の呼称。
- メモ
- サラゲー(杓子)の形に似た半月の呼称。
サラジャラートゥ
まんまと。ものの見事に。
- 用例
- サラジャラートゥ ウリンカイ マチウッタッティネーンシェー(まんまと 彼奴に やられてしまったさ)。
サラスン
晒す。さらす。漂白する。
- 用例
- ヰェーズミヤ イクケーヌン ミジンカイ サラスンドー(藍染は 何度も 水に 晒すよ)。 否:サラサナイ(晒さない)希:サラシーブサン(晒したい)過:サラチャン(晒した)継:サラチョーン(晒している)。
サラタティ
皿立。3歳女児の整髪儀式。
- メモ
- 類:ヒンガンボージャー(3歳女児が初めて髪を切る儀式)・ボージナディー(3歳女児が初めて髪を切る儀式)・ミーチボージャー(3歳女児が初めて髪を切る儀式)。 男児は頭頂部分を人差し指・中指・薬指の3本で押さえて隠せるくらいの四角の形に残し、周囲を刈り上げる。女児は耳の上の方から短めにおかっぱ頭にし、残りはきれいに剃る。頭部の髪が皿の形のように見えるのでサラタティといった。
サラタティー
皿立。3歳女児の整髪儀式。
- 用例
- アイナー!サラタティー ヤテーサヤー(あれまあ!サラタティー・髪を切ったんだね)。
- メモ
- サラタティと同様。2月彼岸に3歳児の整髪を行う儀式。当日は有り合わせで御馳走を作り家族で祝った。 子どもが3歳になるとニングヮチヒンガンボージャーという儀式があった。彼岸入りしてから4日目に行うが、そのことをサラタティーともいっていた。女児の耳の上から短めにおかっぱ頭にし、残りは剃刀で剃るので、頭部の髪が皿の形になることからサラタティー(皿立て)といわれた。
サラバンジ
真っ盛り。最も勢いがある状態。
- 用例
- ヲィナグングヮン サラバンジ(娘も年頃)。
- メモ
- サラ+バンジ。
サラバンジャー
真っ盛りの人。
サラフリムン
馬鹿者
- メモ
- 類:ウーサラフリムン・フリムン・フラー。
サラマタ
男性の下着。
サラランシー
いやいやながら物事をする事。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ サラランシースルサクヤラー アマンカイ イチクヮレー(人前で いやいやするくらいなら あそこに 行け!)。
サラランビービー
余計な事・いらぬ事。
- 用例
- サラランビービーシチ サンティンシムルムンヌ(こんな余計なことをして しなくてもいいのに)。
- メモ
- 類:サラランワジャ(余計な事・いらぬ事)・サンビービー(余計な事・いらぬ事)。
サラランワジャ
余計な事・いらぬ事。
- 用例
- サラランワジャシ メーニンアガカン(余計なことをして 前にも進めない)。
- メモ
- 類:サラランビービー(余計な事・いらぬ事)・サンビービー(余計な事・いらぬ事)。
サリー
もしもし。
サリーン
さらされる。漂白される。
サリーン
懲らしめられる。
- 用例
- サリーテンテー(やっつけられただろうね)。アトー サリーガスラ リヤーイ(後は殺されるのかと)。
- メモ
- サッタン(懲らしめられた)。
サリサリ
さあさあ。
- 用例
- サリサリ、ナーウンヂュガ(さあさあ、貴方が)。
サルドゥシ
申年。
- 用例
- マティヨー? サルドゥシヤ クジュル ヤタガヤー?(待てよ・あれ?申年は 去年だったかな?)。
サルヌッチュ
申年生まれの人。
- 用例
- サルヌチュヤ イキラサヌ イクタイニンジュル ヲゥルハジヤッサー(申年生まれは 少なくて 数人しか いないはずだよ)。
サレーイン
浚う。
- 用例
- アミヌ フタレー クムインカイ ドゥルタマティ ウリサレーイン(雨が 降ったら 溜池に 泥がたまったので それを浚う)。 否:サレーラン(浚えない)希:サレーイブサン(浚えたい)過:サレータン(浚えた)継:サレートーン(浚えている)。
サワジャーモージャー
騒ぎ立てている様。
- 用例
- フナクブリ シーギサーナティ サワジャーモー ソーン(船が転覆そうになって、騒ぎたてている。)
サワジュン
騒ぐ。
- 用例
- ウッサヌシンカ アチマイネー チャーシン サワジュンドー(それだけの人が 集まると どうしても 騒ぐよ)。 否:サワガン(騒がない)希:サワジーブサン(騒ぎたい)過:サワジャン(騒いだ)継:サワジョーン(騒いでいる)。
サン
呪具の一つ。すすきで作った魔除けの道具。
- 用例
- ヤナムンガ チーネー サンユーティ ウリシ イーホーレー(悪者が 来たら サンを結って それで 追い払いなさい)。ナトールクヮッチーヤ サングヮー ウチキトーキヨー(出来上がった御馳走にサンを置いておきなさいよ)。
- メモ
- ススキの葉先や細長く切った葉を結んだもので、悪霊を退散させる力があると信じられている。魔物が穢すのを防ぐために、神仏への供物や重箱など食べ物の上に置く。現在でも、サンの信仰は残っていて祭日など御馳走や日常の弁当などにサンを置き、また、お守りとしても使われている。
サン
した。
サン
しない。
サン
山。
サン
桟・かけはし。
- 用例
- カジフチュンディグトゥ サン イットーカナ(台風が来るというから 桟を 入れておこう)。
- メモ
- 以前は木造住宅が多く、台風の時には戸が動かないように、角材をきつく結んで横に桟を入れた。
サンカクー
三角。
- 用例
- ワッター ハルヤ アマンカイ サンカクーナトーシヤサ(私の 畑は あそこの 三角の形をしたものさ)。
サンカクナー
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 左手甲のマルブシ或いはアマングヮーと呼ばれる模様を49歳、60歳、または孫が出来たときに大きくしたものをティーナーもしくはサンカクナーと呼ぶ。左手甲にある模様を大きくしたときの呼称。
サンガチサンニチー
三月三日。行事名。
- メモ
- 朝早く、誰も歩いていない浜からイシダニ(砂利)を拾ってきて、ヤナムン ナガムン イーホーイ(悪い者、長いものを追い払う)ために、屋敷やその周囲に撒く。 字長浜ではハタスガシーの行事も行なった。
サンガマチー
材木の一種・桟框。
- 用例
- サンガマチー タックムン(桟框を 突っ込む・入れる)。
サンクミヌウガン
サンクミの御願。
- メモ
- 人口を増やしてくださいと部落の繁盛を祈願する行事。6月25日カーサレーの時に行なった。 藁千本のワラザン(藁算)を平たく作って束ねたものを供えて、ウカーとイシジャーモーからイシンミディラに向かって(遥拝した)。藁千本は人口を千人にしてくださいということ。 大湾・古堅でもワラザンを供え、子孫繁盛の祈願が行なわれた。
サングヮチ
三月。
- 用例
- チチヌ ヘーサヤ ナー サングヮチナトーサヤー(月が経つのの 早いこと もう 3月になったんだね)。
サングヮチアシビ
三月遊び。
- メモ
- 上地と儀間では3日に清明祭を行なった後に、浜に下りてサングヮチアシビをした。
サングヮチウマチー
三月御祭。麦の大祭。
サングヮチウユミ
三月折目。
- 用例
- サングヮチウユミネー ヰキガン ヰナグン シクチェー ユクイタン(三月折目には 男も 女も 仕事を 休んだ)。
- メモ
- 旧3月14日はサングヮチウユミといい、男性は肥やしや堆肥の持ち出し、女性は針仕事や畑仕事に出ることが禁じられた。
サングヮチグヮーシ
三月菓子。
- 用例
- サングヮチクヮーシ ムッチ ハーマアシビシーガ イチュタン(三月菓子を 持って 浜遊びに 行った)。
サングヮチサンニチー
三月三日。行事名。
- 用例
- サングヮチサンニチーネー ミヤラビンチャーヤ ハーマアシビスタン(三月三日の節句には 娘達は 浜遊びをした)。
- メモ
- 年中行事のひとつで、旧3月3日に御重を準備して浜に出て遊ぶこと。浜に出て遊ぶことが徐々に廃れていくと、嫁いだ娘はその日になると御重を持って実家を訪れた。 朝早く、誰も歩いていない浜からイシダニ(砂利)を拾ってきて、ヤナムン ナガムン イーホーイン(悪い者、長いものを追い払う)といって屋敷やその周囲に撒く。字長浜ではハタスガシーの行事も行なった(長浜事例)。
サングヮチサンニチウジュー
三月三日御重。
- メモ
- 浜下りの海は遠いので小さい間は行かないけど、年頃になったらユッカヌヒー(4日)に友だち集まって楚辺の海まで行った(長田)。 喜名や渡具知では海の物を入れた3月御重を子どもの人数分作って海へ遊びに行く。子どもたちには重箱ひとつずつ作った。
サングヮチシーミー
三月清明。
- メモ
- 彼岸の入日に清明祭を行う所が多かったが、3月3日に日を決めた所もあった。
サングヮチハチカー
三月二十日。行事名。
- メモ
- 楚辺では若い娘たちがご馳走を男友達の家へ持って行き、家族の少ない家に集まって遊んだ。
サングヮチハチカーグヮー
三月二十日。行事名。
- 用例
- サングヮチハチカーグヮーヤ ヰナグンチャーガ クヮッチーチュクティ ヰキガンチャーガ アチマトール ヤガマーンカイ アシビーガ イチュタン(旧の三月二十日には 娘達が 御馳走を作って 男性が 集まっている ヤガマー・離れに 遊びに 行った)。
- メモ
- 楚辺では若い娘たちがご馳走を男友達の家へ持って行き、家族の少ない家に集まって遊んだ。
サングヮチャー
三月三日。
- メモ
- サングヮチャーは女の節句。ムラ清明とは別日だった。女性はクーンムニーを弁当にして浜下りした。
サングヮナー
三貫の女。街娼。尻軽女のこと。
- 用例
- アンネール サングヮナー トウジシェー ナランドー(あんな尻軽女を妻にしてはいけないよ)。
- メモ
- 昔は、女性が男性の家に遊びに行くことはなく、そんなことをする女性はサングヮナーと言われ嫌われた。 サングヮナー(不倫)するとえん魔王に股を裂かれるといわれた。
サンケー
三階。
- 用例
- ゥブムン ムッチ サンケーマディ アガタン(重いのを 持って 3階まで 上がった)。
サンコー
三方向。
サンゴーザキ
三合酒。
サンサナー
セミの一種。クマゼミ。
- 用例
- イーナナー サンサナーガ ナチハジミトールヤー(はやくも クマゼミが 鳴き始めているね)。 ユンタクジョージーヤ サンサナートゥ ユヌムン(おしゃべり上手はクマゼミと同じ)。
サンサナー
落ち着きがなくうるさい者。おしゃべりな女性。
- 用例
- ウティチチガ ネーランシン サンサナーディ インドーヤ、サンサン ソーンディ イヤーニ(落ち着きがない者にもサンサナー〔クマゼミ〕というよ、落ち着きがなくうるさくしているといって)。
- メモ
- 大きな声で鳴くクマゼミのことだが、転じて落ち着きがなくうるさい者や、おしゃべりな女性にもいった。 「サーンサンサンサン」と鳴く。字瀬名波では、雌は鳴かないのでチーグーサンサナーといった。焼いて胸のところにあるマシサーグヮー(赤肉)と呼ぶ部分を食べた。また、おしゃべりな女性やお転婆な子をサンサナーと呼んだ。
サンサン
クマゼミのように落ち着きがなくうるさい様。
- 用例
- サンサン ソーン(落ち着きがなくうるさくしている)。
サンサンサンサン
サンサナー(クマゼミ)の鳴き声。
サンジジャー
三時茶。午後3時頃の間食。
サンジハガーバル
山路波加原(高志保の小字)。
サンジャーグヮー
ムラアシビの挙行の可否を決める集い。
- 用例
- アシビヌ メーナイネー サンジャーグヮーヤ ジコー マチカンティーヤタン(アシビ・村芝居の 前になると アシビをやるかどうかを決める日が とても 待ち遠しかった)。
- メモ
- 7月20日に字の役員やニーセースーデー(二才総代)らがアシビの衣裳や小道具を保管しているナービナク(鍋之甲)でアシビ神を拝む御願アシビのこと。 字の役員や青年代表によって、アシビ(村芝居)の衣装や小道具が保管されている屋号「鍋名甲」にアシビ神を拝みに行く。御願が終わるとアシビの衣裳に着替え、旗頭を先頭に鉦鼓を鳴らしながらミチジュネーでアシビナーに向う。アシビナーではイリベーシで座を清め2、3の雑踊が演じられ獅子舞で締めくくった。
サンジャクグヮー
3勺グヮー。酒を入れる壺。
- メモ
- 酒を入れるチブグヮーにはサンジャクグヮーといっていた。
サンジャンクンジャン
さんざん。
- 用例
- マシヤヌグトゥ チカーチャレー サンジャンクンジャン チラカチ カタジキーンナラン(好きなように 使わせたら 散々 散らかして 片づけようもない)。
サンジューサミ
三十三年忌の法事。
- 用例
- サンジューサミネー ウワイズーコーナイグトゥ スージヌグトゥルアル(三十三年忌の法事は 最後の焼香・法要だから お祝いのようだよ)。
- メモ
- 類:ウワイジューコー(三十三年忌の法事)・サンジューサンニンチ(三十三年忌の法事)。
サンジューサンカジャイ
三十三飾り・ウチカビ三十三組。
- 用例
- サンジューサンニンチネー ウチカビン サンジューサンカジャイ ウサギーン(三十三年忌には ウチカビも 三十三組 供える)。
サンジューサンニンチ
三十三年忌の法事。
- 用例
- ハーメー サンジューサンニンチン ユークルナトールムン ウヌグトゥ ククリトーキヨー(お婆さんの 三十三年忌も そろそろだから そのように 心得ておきなさい)。
- メモ
- 類:ウワイジューコー(三十三年忌の法事)・サンジューサミ(三十三年忌の法事)。
サンジュダチー
三升炊き。
- 用例
- サンジュダチーンカイ ニリワル ウッサヌシンカ マカナイシェーアンドー(三升炊きに 炊かないと それだけの人数は 賄えないよ)。
サンシン
三線。
サンジンソー
易者。三世相。
- 用例
- ヒドゥイシーガ サンジンソーンカイ イチュン(日取りをしに 三世相に 行く)。
- メモ
- 新築時、結婚、分家時、墓造りなどに吉凶や日取りをみる易者。寸志は40から45銭ほどだった。
サンジンマシ
三間四方
- 用例
- サンジンマシヤー(三間四方の家。)
サンチナ
植物名。サンキライ。
サンティンシムン
しなくてもいい。
- 用例
- チョー マンドーグトゥ イャーヤ カシーサンティンシムン(人は たくさんいるから お前は 加勢しなくてもいい)。
サンデーウヤガナシ
三代+親加那志。三代の先祖。
サントーナラン
しなくてはならない。
- 用例
- ヲゥタトーティン ウヤヌ カシーヤ サントーナラン(疲れていても 親の 加勢は しなくてはならない)。
サンナン
三男。
サンニン
月桃。
- 用例
- ナーンカイ サチョール サンニンヌ カバサヨー(庭に 咲いている 月桃の 良い匂いだこと)。
サンニン
三年。
- 用例
- イャーガ シクチ アッチーハジミティカラ ヤガティ サンニン ナインドー(お前が 仕事に 出るようになってから やがて 三年になるよ)。
サンニンガーサ
月桃の葉。
- 用例
- ニジリメーン サンニンガーサンカイ チチミーネー イッペー カバササ(握り飯も 月桃の葉に 包むと すごく 良い匂いがするよ)。
サンニンチ
三年忌。
- 用例
- トゥナイヤ サンニンチヤティカラ ヌバガラントーナラン(隣は 三年忌だというから 顔を見せないといけない)。
サンヌファ
山の方向。
- 用例
- サンヌ タキダキ ウガディチャン(あちこちの御嶽を拝んできた)。
- メモ
- 単なる山をいう時は「ヤマ」だが、御嶽など拝所に相当するような山には「サン」といっている。
サンネースン
したように真似する。
- 用例
- ウリガ サンネーシ(これがしたように真似して)。
サンバッチウヮー
300斤の豚。
- メモ
- 新しく購入した豚を豚舎に入れるとき、左に綯ったボロ布に火をつけ豚小屋で振りまわしながら「300斤の豚にしてください」と願った。
サンビービー
余計な事・いらぬ事。
- 用例
- ヌー イーチキティン サンビービービカーンシチ ヤクンタッタン(何を 言いつけても 余計な事ばかりして 役にも立たない)。
- メモ
- 類:サラランビービー(余計な事・いらぬ事)・サラランワジャ(余計な事・いらぬ事)。
サンピン
お茶の名。サンピン茶。
- 用例
- ナマー イルンナ チャーガアシガ ワッタガ グナサイネー サンピンチャーガルマンドータル(今では 色々な お茶があるが 私が 幼いころは サンピン茶が多かった)。
サンブンウコー
3本御香。
- メモ
- 12本と3本やるのはスーコー(法事)。体ぬ念願や御願いことは12本。だから、トゥシビースージは12本。チャワキをトートーメーに供える時はチュヒラではなく3本のウコーといわれる。それにはムンヌキ(魔除け)の意味がある。
サンペーグー
トカゲ。
サンマイニク
三枚肉。皮付き豚バラ肉。
サンマグヮー
妻がいてもモーアシビに来る男のこと。
サンミナンク
三線と鳴子。
- メモ
- サンミナコともいう。悪疫を追い払うためにサンミナク(三線や鳴り物)で座を浄めた。
サンミン
計算。
- 用例
- イャームノー ティーチン サンミンヌ アタラン チャーナトールバーガ?(お前の物は ちっとも 計算が 合わないが いったいどうなっているんだ?)。 マカスル サンミンシ(負かす計算〔つもり〕で)。サンミノー イッテーネーン(計算に入れてない〔考えてない〕)。
- メモ
- サンミン(計算)には、「~のつもり」「サンミヌンカイ イッテーネーン=(計算に・数に・考えに)入れてない」などの意味で使うこともある。
サンミンジョージ
計算が上手な人。
サンミンバッペー
計算違い。
- 用例
- クレー ユッカイウッサ サンミンバッペー ソーンドー(これは かなりの 計算違いしているよ)。
サンミンユーエー
個人の決算の事。
- 用例
- サンミンユーエーン ウワトールムン ンナ アチマティ サキンレー ヌマナ(決算も 終わったことだし 皆 集まって 酒でも 飲もう)。
サンムユーシ
産催し。産気づくこと。
- 用例
- サンムユーシソーグトゥ ヤガテー ゥンマリーンデー(産気づいているから やがて 生まれるよ)。
サンムユースン
産を催す。産気づく。
- 用例
- サンムユースン(産気づく)。
読込中...