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- しまくとぅば単語帳:タチツテト
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ター
だれ。誰。
- 用例
- ゥンマンカイ タッチョーシェー ター ヤガ(そこに立っているのは誰か)。
ター
田。田んぼ。
- 用例
- ターンカイ ゥンニ イーガ イチュン(田んぼに稲を植えに行く)。
- メモ
- 音2:ターブク・ターブックヮ。
ター
2。2つ。
- メモ
- 音2:ターチ。
ダー
どれ。ねえ。もう。ほら。
- 用例
- ダー ウマンカイ ヘーク ゥンジャシェー(どれ、そこに早く出しなさい)。
ダー マキタシェー(ほら負けたさあ)。
ターイユ
魚介名。鮒〔フナ〕。
- 用例
- ワンネー ターイユヤ カレーンダン(私は鯉を食べたことがない)。
- メモ
- 音1:ターイュー。
ターイユシンジ
鮒の煎じ汁。
- 用例
- ターイユシンジ カミーネー マシ ナイサ(鮒の煎じ物を食べたら良くなるよ)。
- メモ
- 発熱時に、熱冷ましとして、ホソバワダンといっしょに煎〔せん〕じて飲ませた。
ターウッチー
田打ち。田を耕すこと。田起こし。
- 用例
- ターウッチーネー、イャーン シクチ ユックティ カシー サンネー(田起こしには、お前も仕事を休んで加勢しないと)。
ターウッチャー
農具名。田を打つ鍬〔くわ〕。
- メモ
- 音2:ターウッチャーグェー・ターウッチャーゲー・ターウルサー・ターグェー。
ターウッチャーグェー
農具名。田を打つ鍬〔くわ〕。
- メモ
- 音1:ターウッチャーゲー。音2:ターウッチャー・ターウルサー・ターグェー。
ターウッチャーゲー
農具名。田を打つ鍬〔くわ〕。
- メモ
- 音1:ターウッチャーグェー。音2:ターウッチャー・ターウルサー・ターグェー。
ターウルサー
農具名。田を打つ鍬〔くわ〕。
- 用例
- ターウルサーン フルクナティ、ミームン コーリワルヤサ(田んぼ用の鍬も古くなっているから、新しいのを買わなくちゃいけない)。
- メモ
- 音2:ターウッチャー・ターウッチャーグェー・ターウッチャーゲー・ターグェー。
ターガイ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- 音2:ターガニ。
恩納村山田でよく捕れたようで、ススキや藁で括って持ってきたそうだ。
ターガニ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- 音2:カーライ 字比謝には、字長田、牧原の人が売りに来たそうだ。
ターガニモー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
ターガラ
誰か。
- 用例
- ターガラ ゥンマカラ ハインネー スタンドー(誰かそこから行くようだったよ)。
ターグ
桶〔おけ〕。担桶(たご)。
- 用例
- ターグ カタミティ ハルカイ イチュン(桶を担いで畑に行く)。
- メモ
- 音1:ターグー。
ダーグ
団子。
- 用例
- ムチグミガ アグトゥ ダーグ チュクイン(餅米があるから団子を作る)。
タークー
凧。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョーン タークー チュクイン(友達と一緒 凧をつくる)。
タークー
携帯用の茶器入れ道具。
- 用例
- タークー ムッチョーシー、 アンスカ ヲゥランタン(携帯用の茶器入れ道具を持っているのはそういなかった)。
- メモ
- 【B】朱塗りの箱の中に錫製の土瓶を入れ,箱に入れたまま湯をつぐ仕掛けになっていいる。
タークー
凧。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョーン タークー チュクイン(友達と一緒 凧をつくる)。
タークー
携帯用の茶器入れ道具。
- 用例
- タークー ムッチョーシー、 アンスカ ヲゥランタン(携帯用の茶器入れ道具を持っているのはそういなかった)。
- メモ
- 【B】朱塗りの箱の中に錫製の土瓶を入れ,箱に入れたまま湯をつぐ仕掛けになっていいる。
ターグェー
農具名。田を打つ鍬〔くわ〕。
- メモ
- 音2:ターウッチャー・ターウッチャーグェー・ターウッチャーゲー・ターウルサー。
ターグサ
田草。
- 用例
- イーウヮーチチ ヤグトゥ、ターグサ トゥイガ イチュン(良い天気だから、田んぼの草を取りに行く)。
ターグサカチャー
農具名。田の雑草をとる道具。
- メモ
- 音2:ターグサトゥヤー。
ターグサトゥヤー
農具名。田の雑草をとる道具。
- メモ
- 音2:ターグサカチャー。
タークナーサー
田をこなす人。田を耕し、土を細かくしてならす人。
ターグヮーニーバル
{田小根原}。大湾の小字。
タージョージョー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
ターター
誰々。
- 用例
- アチャヤ、ターター アビーガ(明日は、誰々呼ぶねぇ)。
ターターバイ
滑稽〔こっけい〕な歩き方。幼児の歩き始めのよちよち歩き。
- 用例
- ワラバーガ ターターバイッシ アッチャギン(子どもがよちよち歩きをしている)。
- メモ
- キノボリトカゲのように股を横に広げたままの歩き方。
タータガー
波平の井泉の名称。
- メモ
- 波平のムラ建ての頃、多和田兄弟がその地に移り住んでいたとのことから、こう呼ばれている。現在は元の場所に石碑が建立されている。
タータモー
波平の拝所の名称。
- メモ
- 字波平の創建に関わった多和田兄弟が居住した地で、聖域とされている。字座喜味からノロが馬に乗って、上地のウガンを拝んで、タータモーで休んでから波平のカミサギに来た。その際、馬に乗り降りするための四角い踏み石がタータモーと波平のカミサギにあった。
ターチ
2。2つ。2歳。
- 用例
- クヮーシヤ ターチナー ワキレー(お菓子は2つずつ分けなさい)。
- メモ
- →ター。
ターチーメー
小麦飯。
- 用例
- ターチーメー チャッサン ニチェーグトゥ、カミーガ クーワ(小麦飯をたくさん炊いてあるから、食べに来なさい)。
ターチジラー
顔ふたつ。二重人格。八方美人。
- 用例
- アレー ターチジラー ヤグトゥ、カンユーナ ハナシーヤ ナラン(彼奴は二面性があるから、大事な話はできない)。
- メモ
- 音2:チラターチャー・チラターチー。
ターチマーチャー
2本の松。
- メモ
- 枝が2つに分かれていた松。
ターチマタグェー
農具名。二叉鍬〔ふたまたぐわ〕。先が2本に分かれた畑を耕す農具。
- 用例
- ターチマタグェーシェー カジーヤッササ(二叉鍬なら耕しやすいよ)。
- メモ
- 音2:タマターグェー・タマター。
ターチマチャー
旋毛〔つむじ〕が2つあること。
- 用例
- ターチマチャーヤ ウーマクディシガ フントーヤガヤー(つむじが2つ巻いているのは腕白だというが、本当かな)。
- メモ
- 音1:ターチマチュー。
ターチマチュー
旋毛〔つむじ〕が2つあること。
- メモ
- 音1:ターチマチャー。
ターチミシー
2歳違い。
- 用例
- チョーデーヤ ターチミシーガ チョードゥ イー アタイ ヤサ(姉妹は2歳違いが丁度いいくらいだよ)。
ターチュー
双子。
- 用例
- マタン ターチュー ナチェーン(またも双子を産んであるそうだ)。
タードーシ
田倒し。田の水を干して畑として使うこと。
- 用例
- タードーシーネー カシー サビーグトゥ イェージ シンソーリヨー(田んぼの落水には加勢しますから、連絡してくださいね)。
- メモ
- 音:タードーシー。水稲の収穫後、排水をし畑にすること。
ダーナー
ほらもう。
- 用例
- ダーナー ナカラナトーセー(ほらもう、半分になっているさ)。
ターナナチ
7つのが2つ。14の意味。
ターヌアブシボー
田の畦道棒。
- メモ
- ターウチ(田打ち)の後、幅の狭い畦道で棒術をやったことから、畦道で行う棒をそう呼んだ。
ターバージェーク
下手な大工。手は早いが荒っぽい仕事をする大工のこと。
- 用例
- ターバージェーク ヤラワン リッパ トゥジミレー シムン(下手な大工でも、ちゃんとやり遂げたらいい)。
- メモ
- 元々は田場という大工のことだが、下手な大工を皮肉って言うようになった。
対:ウシヌイジェーク(優れた大工)。
ターハラガー
田打ちの時に食べる肉。
- 用例
- ヒーサイニヌ ターハラガーヤ ジコー マーサタン(寒い時のターハラガーはとても美味しかったね)。
- メモ
- 田植えの時に田んぼの傍らで手伝い人と一緒に食べる豚肉などの食事。田の近くで食べる食事。
タービ
足袋。
- 用例
- チュヌ メーンカイ ヰジーネー、ユグリ タービヤ ハクナヨー(人前に出る時には、汚れた足袋は履くなよ)。
ターブク
田。田んぼ。
- メモ
- 音2:ター・ターブックヮ。
ターブックヮ
田。田んぼ。
- 用例
- ウーアミ ヤシガ ターブックヮヤ チャー ナトーガヤー(大雨だが田んぼはどうなっているんだろう)。
- メモ
- 音2:ター・ターブク。
ターマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 羽の所に肉があり、草刈りしながら焼いて食べたりした。→ミンタマー。
ダーマー
目が白く濁ること。
- 用例
- イリガサー カカティ、カタミーヤ ダーマー ナトーン(麻疹に罹って、片目が白く濁っている)。
ターマーアッケージュー
トンボの一種。ヤンマ。
ターマートンボ
トンボの一種。オニヤンマ。
- メモ
- →ケンターマー。
タームー
田芋〔タイモ〕。水芋。
- メモ
- 音2:ターゥンム・ターンム。
タームジ
田芋の茎。芋茎。
- 用例
- タームジヌ シル ワカスン(芋茎の汁を作る)。
タームジグヮーダー
台所の前方にある小芋を植える畑。
- 用例
- タームジグヮーダーンカイ イーテーヌ ゥンム ヤティン、イーハンメー ナティ タシカイン(タームジグヮーダーに植えてある小芋でも、良い食料になって助かるよ)。
タームックェーグヮー
水鳥名。クミラー(和名バン)よりも小さい水鳥。
タームラー
田芋〔タイモ〕の田んぼ。
- メモ
- 音:ターウムラー・ターンムラー。
タームン
誰の物。
- 用例
- ウレー タームンガ ヤラー ワカラン(それは誰の物か分からない)。
ターヤティン
誰でも。
- 用例
- ウンナクトー ターヤティン ワカイサスル(そんなことは誰でも分かるよ)。
ターユーシンジ
鮒〔フナ〕を煎〔せん〕じた汁。
- メモ
- 音1:ターイユシンジ。
発熱時に熱冷ましとして飲んだ。
ターイュー
魚介名。鮒〔フナ〕。
- メモ
- 音1:ターイユ。
ターラ
俵。俵を数える単位。
- 用例
- ゥンマカイ アヌウッサ ターランカイ イッティ トゥラシェー(そこにあるだけ俵に入れてちょうだい)。
- メモ
- 数詞(~ターラ)はチュターラ(1俵)、タターラ(2俵)、ミターラ(3俵)と数える。
ターラグー
あき俵。
- 用例
- ターラグー カラシ(空いている俵を貸して)。
ターラサー
植物名。ホルトノキ。
ターラジシ
樽や甕に保存した肉。
- 用例
- ターラジシ チュカケー、トゥッティチ ムタセー(樽に保存した肉を一片、取って来て持たせなさい)。
- メモ
- 旧12月27日に解体した豚は用途(部位)ごとに分けて塩漬けにし、樽や甕に保存した。それをターラジシといった。
ターリ
憑くこと。
- 用例
- ジンダーリ(金銭欲に取り憑かれること)。
ターリー
お父さん。士族の父の呼称。
ターリーン
衰弱している。情緒不安定な様。
- 用例
- ルク ムヌカンゲー チューサイネー、アトー ターリーンドー(あまりにも考えすぎると、情緒不安定になるよ)。
ウッカ カンティ ターリトーンドー(借金を負って弱っているよ)。継:ターリトーン(衰弱している)。
ターリムヌイー
体が弱ってうわ言を言うこと。訳の分からないことを言うこと。
- 用例
- チカグロー、ウスメーヤ ターリムヌイー シ フシガラン(近頃、お爺さんは訳の分からないことを言って大変だ)。
ターレー
盥〔たらい〕。
- 用例
- ターレーンカイ ミジ イッティ アミシレー(たらいに水を入れて浴びせなさい)。
- メモ
- 類:ハンジリー。
ターンナ
魚介名。タニシ。田螺。タニシ科の巻貝の総称。
- 用例
- ターンナ トゥティ チェーシガ、チャー スガ?(タニシを取って来たが、どうしようか?)。
ターンムダー
田芋〔タイモ〕の田んぼ。
- メモ
- 音:ターウムラー・ターンムラー。
ターンムラー
田芋〔タイモ〕の田んぼ。
- メモ
- 音:ターウムラー・ターンムダー。
ターゥンナジ
魚介名。タウナギ。田鰻。
- メモ
- 音2:ターゥンナジャー。
ターゥンナジャー
魚介名。タウナギ。田鰻。
- メモ
- 音2:ターゥンナジ。
ターゥンム
田芋〔タイモ〕。水芋。
- 用例
- クンドゥヌ ソーグヮチターゥンムヤ ディキトーン(今年の正月用の田芋は上出来だ)。
- メモ
- 音2:タームー。
ターゥンムニー
田芋煮。
ターゥンムヌファーヂラー
田芋の葉面。反応のない顔。
- メモ
- 田芋の葉が水をはじくように、何を言われても効き目のない図々しい性格の人。豆腐に釘。
ターゥンムラー
田芋〔タイモ〕の田んぼ。
タイ
2人。二人。
- 用例
- タイ グー ナイネー ヌールスラー ワカラン(二人一緒になると何をするか分からない)。
タイ(~タイ)
呼びかけや話の最後に添える敬語。
- 用例
- ウムトービーンドータイ(思っていますよ)。エータイ(もし)。
タイウティーン
垂れ落ちる。
- 用例
- ナイヌ マギサイネー タイウティーンドー(実が大きいと垂れ落ちるよ)。
否:タイウティラン(垂れ落ちない)過:タイウティタン(垂れ落ちた)継:タイウティトーン(垂れ落ちている)。
ダイクスー
だらだらして締まりのない人。
- 用例
- ダイクスー ナティ、アリガン ヤコー タッチュンナー(だらだらして、彼奴がも役に立つか)。
- メモ
- 類:ダヤー。
タイサガイン
垂れ下がる。
- 用例
- ミーヌ イージューサイネー タイサガインテー(実がつきすぎると垂れ下がるよ)。
否:タイサガラン(垂れ下がらない)継:タイサガトーン(垂れ下がっている)。
ダイサナジャー
服装がだらだらしている様。
- 用例
- アヌ ワラビヌ チンヨー、ダイサナジャー シ ナマニン ヌギーギサー ソーン(あの子の着物よ、だらだらして今にも脱げそうだよ)。
ダイソージ
大掃除。
ダイダイ
だらだら。
- 用例
- イチマディ ウマヲゥティ、ダイダイ シ ニントーガ(いつまでそこで、だらだらして寝ているか)。
タイダマシー
2人分。
ダイチューチ
高血圧でマヒした疾患。
タイドゥキーン
退治する。征伐する。
- 用例
- ジャーヤ タイドゥキティ(蛇を退治して)。タイドゥキティ トゥラシ(討ち取ってくれ)。
ダイムニー
だらけた締まりのない言い方。
- 用例
- ダイムニー シ、ヘーク アビラニ(だらけた物言いをして、早く言わないか)。
タイラギーン
平らげる。
- 用例
- タイラギワル ナイル(退治しなければならない)。
タイワヌー
甘藷の品種。飼料用。
タイワングサー
植物名。ムラサキカタバミ。
- 用例
- ハルカイ タイワングサーガ ミーティ フシガラン(畑にムラサキカタバミが生えて大変だ)。
- メモ
- →シーサープー。
タイワンボー
皮膚病の一種。円形脱毛症。
- メモ
- 頭のあちこちに白癬〔はくせん〕ができ、はげる皮膚病。床屋でうつることがあった。
タイン
垂れる。
- 用例
- ウヮービカラ ミジヌ タイン(上から水が垂れる)。
継:タトーン(垂れている)。
ダイン
だれる。疲れる。
- 用例
- ウッサヌ ムン チューヲゥティ ハクビーネー ダインドー(それだけの物を今日中で運ぶと疲れるよ)。
アンマーヤ ユカイウッサ ダトーンデー(お母さんはかなり疲れているよ)。
継:ダトーン(だれている)。
- メモ
- 類:ダリーン。
タウチー
鶏の一種。軍鶏〔しゃも〕。
- 用例
- クンドゥヌ タウチーヤ イッペー ユーオーヤー ヤン(今度の軍鶏はとっても喧嘩に強い)。
タウチーオーラセー
闘鶏〔とうけい〕。軍鶏を戦わせること。
- 用例
- イェーヒャー!タウチーオーラシェービカーン シ、ムル シクチェー サン(おいこら!闘鶏だけして、全然仕事もしない)。
タエンガー
上地の井泉の名称。
- メモ
- 『琉球国由来記』に記載されている。古くから知られるカーだが、現在ではその正確な位置はわからなくなっている。
タカアガイ
高上がり。必要以上に高い所に上がること。
- 用例
- タカアガイ ッシ ヰッチョーン(高い所に座っている)。
タカアタイ
高くつくこと。
- 用例
- イャームノー ケーテー タカアタイル ソール(お前のはかえって高くついているんだよ)。
- メモ
- 対:ヤシアタイ(安くつくこと)。
タカイチバー
植物名。苺〔イチゴ〕。野いちご。ナワシロイチゴ。
- メモ
- →イチュビ。
タカウイ
高売り。高く売ること。
- 用例
- ワラビディチ、タカウイ サッテーサヤー(子どもだといって、高く売りつけられたんだね)。
- メモ
- 対:ヤシウイ(安売り)。
タカウジン
高御膳。
- 用例
- タンメーヤ、タカウジンカイ イッティ ムン ウサガイタン(お爺さんは、高御膳に入れて食事を召し上がっていた)。
- メモ
- 足のついた大きめの四角い御膳で、宴会や祝い事などに御馳走を出すときに使う。
タカウチャギ
つんつんして歩くこと。気取って歩くこと。偉そうにすること。
- 用例
- アネアネ、ゥンマカラ タカウチャギ シ ハイシェー ター ヤガヤー?(あれあれ、そこから顔を上げて偉そうに歩いていくのは誰かねぇ?)。
- メモ
- 音2:サマウチャギ。
タカウブン
高御盆。足のついた盆。
- メモ
- 家の主と長男はタカウブンで食事を出した。
タカゴーイ
高く買うこと。
- 用例
- イャームノー タカゴーイ シェーンテー(お前のは高く買ったんじゃないか)。
- メモ
- 対:ヤシゴーイ(安く買うこと)。
タカサニル カジヤ カカイル
高い所に風は当たる。
- メモ
- 部下の不始末を詫びなければならない上位の立場の人の様子。
タカサン
①高い。空間的な高さ。②値段が高い。③声が高い。
- 用例
- ①アヌ ヤマー イチバン タカサン(あの山は一番高い)。②ウヌ チンヤ タカサヌ コーイサン(その着物は高くて買えない)。③クィーヌ タカサヌ ミミガシマサン(声が高くて耳障りだ)。
- メモ
- 音1:タカハン。
タカシチ
楚辺の拝所。遙拝所の名称。
- メモ
- 音2:タカヒチチ。ヒチチは蘇鉄のこと。字楚辺の地名、拝所で桃原門中はここから渡名喜島などに向かって拝する。
タカシップ
高志保。
- メモ
- 音1:タカヒップ。
タカシップ イッポー
字民性。高志保一方。高志保の人の字民性を現す言葉。
タカシップバル
{高志保原}。高志保の小字。
タカシップンチュ
高志保の人。
タカジューシー
料理名。鷹雑炊。鷹〔タカ〕の肉を入れた炊き込みご飯。
ダカスン
抱かせる。
- 用例
- シラスル タミネー クーガ ダカシェー(孵化させるためには卵を抱かせなさい)。パーパーンカイ アカングヮ ダカスン(おばあさんに赤ちゃんを抱かせる)。否:ダカサン(抱かせない)希:ダカシーブサン(抱かせたい)過:ダカチャン(抱かせた)継:ダカチョーン(抱かせている)。
タカディマ
高手間。高給。
- 用例
- ワッタン タカディマ トゥイブサンヤー(私たちも高級を取りたいね)。
- メモ
- 対:ヤシディマ(安月給)。
タカディマトゥヤー
高手間取り。高給取り。
- 用例
- タカディマトゥヤー ヤシガ、ターニン ウグティンンラン(高給取りだが、誰にも御馳走したこともない)。
- メモ
- 対:ヤシディマトゥヤー(安月給取り)。
タカテーン
大切。大事。
- 用例
- イャーガ イチバン タカテーンディ ウムイシェー ヌーヤガ?(お前が一番大切だと思うのは何か?)。
- メモ
- 音2:テーヒチ。
タカトゥイイェンチュ
鷹〔タカ〕のエサになる小さな鼠〔ネズミ〕。
タカドゥクマ
高い所。
- 用例
- タカドゥクマカイ ヌブイネー ドゥースク スンドー(高い所に登ると怪我するよ)。
タカナーヒクナー
でこぼこ。
- 用例
- タカナーヒクナー シ ミチン アッキグリハン(でこぼこで道も悪く、歩きにくい)。
タカヌクンマチ
鷹〔タカ〕が上空を円を描くように飛ぶこと。
- メモ
- 音2:タカマーイ。
タカヌシーバイ
鷹の小便。鷹が渡る9~10月の小雨。
- 用例
- タカヌシーバイヌ グトゥシ、アミ フティン、ウリーヤ サンサ(鷹の小便ぐらいの雨が降っても、畑は潤わないさ)。
タカバー
高歯。高下駄。雨降りに履いた。
- メモ
- 音1:タチバー。音2:タチバーアシジャ。
タカハジ
高窓。
- 用例
- ユルヤ、タカハジ アキーママ ニンジュタン(夜は、高窓を開けたまま眠った)。
- メモ
- 天井に近い所の窓で、風を入れたり換気をするのに最適である。
タカハシリグチバル
{高知口原}。儀間の小字。
タカハタ
高機。織機の一種。
- 用例
- ハーメーヤ タカハタ チカティ、ヌヌ ウイタン(お婆さんは高機を使って、布を織っていた)。
タカハン
①高い。空間的な高さ。②値段が高い。③声が高い。
- 用例
- ①キーヌ タカハヌ ヌブイハン(木が高くて登れない)。②クガニギーファーヤ タカハンドー(金の簪は高いよ)。③アンマーヤ クィータカハン(お母さんの声はかん高い)。
- メモ
- 音1:タカサン。
タカビー
高ぶること。偉ぶること。
- 用例
- ルク タカビー ナイネー、ターン チカユランサ(あまりにも高ぶると、誰も近寄らないよ)。
- メモ
- 音2:タカブイ。
タカヒーバー
鷹〔タカ〕のエサになる小さな蛇〔ヘビ〕。
タカビーン
高ぶる。偉ぶる。
- 用例
- アレー タカビティ ハナシン ナラン(彼は偉ぶって話にならない)。
タカヒチチ
楚辺の拝所。遙拝所の名称。
- メモ
- →タカシチ。
タカビチャイ
雨降りの後に太陽が強く照ること。
- 用例
- アミ フティ アトゥヤ タカビチャイ ヒチ、 アチハヌ フシガラン(雨降り後は太陽が強く照って、暑くてたまらない)。
タカヒップ
高志保。
- メモ
- 音1:タカシップ。
タカブイ
高ぶること。偉ぶること。
- 用例
- アンシ タカブイ ヒチ ヌーサルムヌ ヤグトゥ(そんなに偉ぶって、何様のつもりか)。
- メモ
- 音1:タカビー。
タカフキー
高い声で歌うこと。
- 用例
- タカフキーグヮー スン(高い声で歌う)。
タカマーイ
鷹〔タカ〕が上空を円を描くように飛ぶこと。
- メモ
- 音2:タカヌクンマチ。
タカマックヮ
高枕。
- 用例
- タンメーヤ、タカマックヮ アランネー ニンジー サンタン(お祖父さんは、高枕じゃないと眠れなかった)。
タカムチ
高志保の古名。
- メモ
- 高志保は、マチヂカサ→ウチドゥマイ→タカムチ→タカシップと名称が変遷したとの伝承がある。
タカイェンチュ
鷹〔タカ〕のエサになる小さな鼠〔ネズミ〕。
タカラ
宝。
- 用例
- クヮー イチヌユー ナティン イチバンヌ タカラ ヤサ(子どもはいつの世になっても一番の宝だ)。
タカラバク
宝箱。棺箱。
- 用例
- ンカシェー クヮンチェーバクンカイ タカラバクディン イタンヤー(昔は棺桶に宝箱ともいっていたね)。
- メモ
- →カンバク。
タカラムン
宝物。
- 用例
- ヰナグワランチャーヤ、タカラムンアチミエー スタン(女の子たちは、宝物集めをしていた)。
タカワタイ
鷹渡り。10月頃、鷹〔タカ〕が南へ渡っていくこと。
タカワレー
高笑い。高々と笑う。
- 用例
- ウッサヌ ミーヲゥティ タカワレー シ、フージン ネーン(大勢の前で高笑いして、みっともない)。
タキ
才能。崇高。
- 用例
- タキダカサ アグトゥ(才能があるので)。ゥンマリヌ タキヌ カワティ(生まれながら崇高で)。
タキ
高さ。背丈。
- 用例
- アン タキ マディ ヌブインナー(あの高さまで登るのか)。
クンタキ(この高さ)。
- メモ
- 音2:タキフドゥ・タキフル・フドゥ・フル・フルタキ。
タキ(~タキ)
~ごと。~まま。
- 用例
- フクルタキ ムッチ ハイタン(袋ごと、持って行きよった)。ハクタキ ワンニンカイ ネーレー(箱ごと、私に差し出しなさい)。
タキ(~タキ)
~ごと。~まま。
- 用例
- フクルタキ ムッチ ハイタン(袋ごと、持って行きよった)。ハクタキ ワンニンカイ ネーレー(箱ごと、私に差し出しなさい)。
ダキ
竹〔タケ〕。
- 用例
- ヤマカイ ダキ トゥイガ イチュン(山に竹を取りに行く)。
- メモ
- ダキの花が咲くと厄とされる。
ダキ
薪〔たきぎ〕。
タキーマーミ
腎臓。豚などの腎臓。食べ物としての名。
- 用例
- シシニージルンカイ タキーマーミ イリーネー マーサンドー(肉の煮汁にタキーマーミを入れると美味しいよ)。
- メモ
- 音1:タチーマーミ。
タギーン
煮えたぎる。
- 用例
- ヤガティ、ウヮーヌムノー タギーンドー(やがて、豚のエサは煮えたぎるよ)。
- メモ
- 音1:タジーン。
ダキウービ
桶の箍〔たが〕。
- 用例
- ウヌ ダキヤ ヒティンナヨー、ダキウービ スグトゥ(その竹は捨てるなよ、桶の箍にするから)。
ダキウメーシ
竹で作ったお箸。
ダキガクイ
竹囲い。
- 用例
- ヤシチヌ ダキガクイヌ ミグトゥヤシヨー(屋敷の竹囲いの見事なことよ)。
ダキガヤ
竹茅。リュウキュウチク。
ダキギーファー
竹製のカンザシ。
- 用例
- ダキギーファーヤ ドゥーナクルル チュクイタル(竹製のカンザシは自分で作ったんだよ)。
- メモ
- 音1:ダキジーファー。
死者が出ると竹をカンザシにした。荼毘から帰る時はジーファーのブットゥー(膨らんでいる箇所)を髪の中に入れ、ダキジーファーをさした。
ダキグーシ
竹串。
- 用例
- ダキグーシンカイ チチヌチャーニ ヤチュシェー マシ ヤサ(竹串に抜いて焼いた方が良いよ)。
ダキクビ
竹壁。
- 用例
- ダキクビ ディシェー、ワンネー チュクテーンラン(竹壁というのは、私は造ったことがない)。
タキサン
霊力が高い。
- 用例
- タキサン トゥクマカイヤ イカンキヨー(霊力が高い所には行くなよ)。
- メモ
- 音2:サーダカサン・シーダカサン・シジダカサン。
ダキジーファー
竹製のカンザシ。
- 用例
- ハーメーヤ ナマン、ダキジーファール サチョーンナー?(お婆さんはまだ、ダキジーファーを挿しているのねぇ?)。
- メモ
- →ダキギーファー。
タキチキーン
(苦痛や心配、病気などが)最悪の状態になる。
- 用例
- シワ タキチキトーン(極度に心配している)。
イスジ ミーメーシーガ イカンネー、ナー タキチキトーンディンドー(急いで見舞いに行かないと、もう危ないらしいよ)。
タキナムン
協力せず、他人に迷惑かける人。
- メモ
- 人の道に外れたことをすると言われた。子どもを叱る時にもフラーと同義に使った。
ダキヌクヮ
竹の子。
タキフドゥ
背丈。体格。
- 用例
- アマヌ チョーデーヤ タキフドゥ ウチャティ イー ニーシェー ヤン(あそこの兄弟は背丈もすらっとして、良い青年だ)。
- メモ
- 音1:タキフル。音2:フルタキ。
タキフル
背丈。体格。
- 用例
- タキフル スルティ(背丈もあり、体格もいい)。
- メモ
- 音1:タキフドゥ。
タキブン
丈分。身分。身の丈。
- 用例
- ドゥーヌ タキブンヤ ワカトーミ!(自分の身の丈を分かっているか!)。タキブン ンーヂュン(身分を見る)。
ダキボーチ
竹の帚〔ほうき〕。
- 用例
- ダキボーチシェー ユー ホーカリーサ(竹箒ではきれいに掃けるよ)。
ダキユカ
竹で編んだ床。
- 用例
- ダキユカヤ ナチネー シラサタン(竹床は夏には涼しかった)。
タギラシケーサー
同じことを何度もくり返すこと。
- 用例
- タギラシケーサー スグトゥ、スーガラク ナトーン(何度も煮立たすから、味が濃くなっている)。
- メモ
- 音1:タジラシケーサー。→アチラシケーサー。
タギラスン
沸騰させる。煮え立たせる。滾〔たぎ〕らす。
- 用例
- カミヌクチェーシ シーラングトゥ シ タギラスン(食べ残した物が腐れないように煮立たせる)。
- メモ
- 音1:タジラスン。類:ムゲーゥスン・ムゲーラスン。
ダキングヮ
抱く子。幼子。3歳頃までの子。
- 用例
- ダキングヮ ヤルマレー、チャー フンレームン ヤサ(3歳までは、いつも甘えん坊だよ)。
- メモ
- 音1:ダチングヮ。
タキンチャバル
{高土原}。楚辺の小字。
タキンチャバル
{多金下原}。座喜味の小字。
タク
魚介名。蛸〔タコ〕。
- 用例
- ユービン ユールウミカイ ゥンジ、タク トゥッティ チャン(夕べも夜釣りに行って、タコを取ってきた)。
タグイン
辿る。手繰る。
- 用例
- ヲゥー タグヤーニ ゥンジャグトゥ、ガマナカイ イッチョータンディ(芭蕉を手繰って行くと、洞窟に入っていたそうだ)。
タグイン
手繰り寄せる。
- 用例
- チナ タブイン(綱を手繰り寄せる)。
タグイン
手繰り寄せる。
- 用例
- チナ タブイン(綱を手繰り寄せる)。
タクジョーグー
蛸〔タコ〕上戸。蛸〔タコ〕好き。
- メモ
- 入れ歯が合わず、蛸をかんでいるように口をもぐもぐ動かすこと、あるいはその者をさすこともある。
タクトゥイ
蛸〔タコ〕捕り。蛸を捕ること。
タクトゥヤー
蛸〔タコ〕を捕る人。蛸を捕るのが上手い人。
タクヌマーラ
蒙古斑。赤ちゃんのお尻にできる青あざ。
- 用例
- タクヌマーラヤ フルイーネー ネーランナイサ(蒙古斑は大きくなったら消えるさ)。
- メモ
- 類;シルシ。
タクヌイェーク
蛸に似た者。骨がしっかりしておらず体の不自由な者。
- 用例
- タクヌイェークートー ヰヌムン、ビーラー ナティ アッチユーサン(生まれつき骨の無い蛸のように、体が弱くて歩けない)。
- メモ
- →イェーク。
タクブン
たたむ。
- 用例
- カーラチョーシェー ムル タクブン(乾いているのは全部たたむ)。タクディ ウチュン(たたんで置く)。
否:タクバン(たたまない)希:タクビーブサン(たたみたい)過:タクラン(たたんだ)継:タクローン(たたんでいる)。
タクマ
利口さ。賢さ。
- 用例
- イフェー ノンカーン ヲゥリワル ヤル、ムルガ ムル、タクマ ナイネー チャー スガ?(少しは呑気な奴もいたほうがいい、皆が皆、利口者だったらどうするの?)。イフェー タクマン ネーントー ナランドー(少しは賢くないといけないよ)。
タクマクェームン
ずる賢い人。
- 用例
- イャーサク タクマクェームノー ヲゥラン(お前ほどずる賢い奴はいない)。
タクヤーチャー
魚介名。蛸〔タコ〕。
- メモ
- 蛸がヤーチャー〔八本足〕ということからついた呼称か。
タクン
炊く。煮る。
- 用例
- アカマーミーゴハン タクンリチン アンナー(赤飯を炊くってもあるか)。
- メモ
- 類:ニーン。
タグン
他言。
- 用例
- クヌ クトー イカナシン タグン シェー ナランドー(このことは絶対に他言してはいけないよ)。
ダクン
抱く。
- 用例
- パーパーターガ チガールー シ ダクタンドー(お婆さんたちが交替で抱いていたよ)。
- メモ
- 音1:ダチュン。
タゲー
互い。
- 用例
- タゲーニ チカラ アーチ ハマラヤー(お互いに力を合わせて頑張ろうね)。
タケーンニンジ
二度寝。寝なおすこと。
- 用例
- タケーンニンジ サレー シクチカイ ウクリティネーン(二度寝したら仕事に遅れてしまった)。
タコウバル
{多幸原}。長浜の小字。
タシ
足し。補い。
- 用例
- ウッサー ムッチ ゥンジ、タシニ シェーワ(それだけは持って行って、足しにしなさい)。
ダシ
出汁。煮出し。
- 用例
- ウヮーヌフニ シジーネー、ジコー ダシ ゥンジーン(豚骨を煎じると、とても出汁が出る)。
- メモ
- 鰯などで出汁を取った。
タジーン
煮えたぎる。
- 用例
- ユー ンチョーカンネー、チューチャンナカイ タジーンドー(よく見ておかないと、あっという間に煮えたぎるよ)。
キサカラ タジトーンドー(さっきから煮えたぎっているよ)。
- メモ
- 音1:タギーン。
タシカ
確か。きっと。
- 用例
- タシカ、アヌ ワラビ ヤタンディ ウムイシガ(確か、あの子どもだったと思うが)。
タシカミーン
確かめる。
- 用例
- イミヌ ワカラングトゥ、ナー チュケーン タシカミーン(意味が分からないから、もう一回確かめる)。
否:タシカミラン(確かめない)希:タシカミーブサン(確かめたい)過:タシカミタン(確かめた)継:タシカミトーン(確かめている)。
タシキ
助け。
- 用例
- ンナヌ タシキガ ネーンアレー、トゥジュマランサー(皆の助けがないと、やり終えないさ)。
タシキーン
助ける。
- 用例
- ドゥシガ クマトーイネー タシキーンテー(友達が困っていたら助けるさ)。
否:タシキラン(助けない)希:タシキーブサン(助けたい)過:タシキタン(助けた)継:タシキトーン(助けている)。
タシバル
{多志原}。儀間の小字。
タシマ
他部落。他集落。
- 用例
- ンカシェー タシマカイ ユミ ナティ イチーネー、ゥンマディマ トゥラリータン(昔は他部落に嫁になっていくと、馬手間を取られた)。
タシマンチュ
他所の集落の人。
- 用例
- タシマンチュトゥ ミートゥ ナイシェー デージ ヤタン(他部落の人と夫婦になるのは大変だった)。
タシメーイン
不足を補う。
- 用例
- タラーン ムノー ワンガ タシメーイン(足りない分は私が補う)。
否:タシメーラン(補わない)希:タシメーイブサン(補いたい)過:タシメータン(補った)継:タシメートーン(補っている)。
- メモ
- 音2:タレーイン。
タシメーヒシメー
寄せ集めて償う様。
- 用例
- ムルカラ タシメーヒシメー ヒチ ミークヮースン(皆から寄せ集めて穴埋めをする)。
タジャ
ありさま。
- 用例
- ヒーソーグヮチ スル タジャ ヤクトゥ(火正月をするありさまで)。
スイン アンアン シ タジャタジャ ナティ(首里もあのようなことになって)。
タジラシケーサー
同じことを何度もくり返すこと。
- 用例
- ヌクイムノー タジラシケーサー シル タブイルヨー(残ったものは何度も煮立たせて保存するんだよ)。
- メモ
- 音1:タギラシケーサー。→アチラシケーサー。
タジラスン
沸騰させる。煮え立たせる。滾〔たぎ〕らす。
- 用例
- アサバンヌ ヌクイ タジラスン(昼飯の残りを煮立たす)。
否:タジラサン(煮立たせない)希:タジラシーブサン(煮立たせたい)過:タジラチャン(煮立たせた)継:タジラチョーン(煮立たせている)。
- メモ
- 音1:タギラスン。→タギラスン。
タズニーン
尋ねる。
- 用例
- ヤーヌ ワカラングトゥ、アマカラ チューヌ チュンカイ タズニーンテー(家が分からないから、あそこから来る人に尋ねるさ)。
否:タズニラン(尋ねない)希:タズニーブサン(尋ねたい)過:タズニタン(尋ねた)継:タズニトーン(尋ねている)。
タタ
次第に。だんだん。徐々に。
- 用例
- タタ イチュシンデー(だんだんと進んでいくと)。
- メモ
- 音2:タッタイタッタイ・タッタタッタ。類:シデーシデー。
タダ
ただ。たった。
- 用例
- イャーヤ タダ ウッサグヮール ムッチ チャンナー?(お前はたったこれだけを持って来たの?)。
タターサン
不釣り合い。身分不相応。
- 用例
- ウヌ チン チチ イチュシェー、ルク タターサンデー(その着物を着て行くのは、あまりにも不釣り合いだよ)。
タタカー
漁法のひとつ。棒で海面をパンパン叩きながら、魚を網に追い込む漁法。
- メモ
- 音2:パンタタカー。
タダスン
正す。
- 用例
- ヌーガ フントー ヤガディチ、ンナシ タダスン(何が本当なのか、皆で正す)。
否:タダサン(正さない)希:タダシーブサン(正したい)過:タダチャン(正した)継:タダチョーン(正している)。
タタチュン
叩く。
- 用例
- クルマボーシ マーミ タタチュン(車棒で豆を叩く)。
否:タタカン(叩かない)希:タタチーブサン(叩きたい)過:タタチャン(叩いた)継:タタチョーン(叩いている)。
タタナー
伝馬船のひとつ。
- 用例
- タタナーンカイ ウーシティ(タタナーに積んで)。
- メモ
- 音2:ラタナー。
タタン
畳。
- 用例
- ソーグヮチメー ネー タタン ケーイン(正月前には畳を替える)。
タタンマー
畳間。
- 用例
- チューヤ タタンマーンカイ ニンジュシェー マシ ヤサ(今日は畳間で寝た方がいいさ)。
タタンヤー
畳屋。
- 用例
- アッピーヤ タタンヤー ヲゥティ ハタラチョーン(お兄さんは畳屋で働いている)。
タチ
太刀。刀。
- 用例
- タチ ムッチョービータンヤ(太刀を持っていましたね)。アブナサグトゥ タチェー フイマーサンケー(危ないから、刀は振り回すな)。
タチ
辰。
- 用例
- タチヌ ツゲー ミー ヤサ(辰の次は巳だよ)。
タチー
他系。血統が違う他姓。
- 用例
- タチー ヤレー ブチダノー ムタランサ(血のつながりがなければ、仏壇は継げないさ)。
タチイー
立ち合い。
- 用例
- ンナシ タチイー シ キミテーシヤ、マムラントー ナラン(皆で立会いのもとに決めたのは、守らないといけない)。
タチーマーミ
腎臓。豚などの腎臓。食べ物としての名。
- メモ
- 音1:タキーマーミ。
タチーマジクイ
他系交わり。血縁関係のない者が同じ仏壇に祀られていること。
- 用例
- タチーマジクイ ソーシェー、ジャーフェーグトゥレー(血縁関係がない人が仏壇に祀られていることは、厄介なことだよ)。
- メモ
- 仏壇を継ぐ者がなく、本来の系統以外の人が墓に入っていたり、仏壇に祀られていること。
タヂーン
滾る。たぎる。煮えたぎる。
タチエームチエー
分家して生活していること。
- 用例
- ジナヌーターヤ ユー タチエームチエー ソーン(次男家族はよく、分家して頑張っている)。
タチキ
①来月。②2か月。
- 用例
- ①タチキカラー ナー、フユジタクン サンネー ナラン(来月からはもう、冬の準備をしなくちゃいけない)。
- メモ
- 音1:タチチ。
タチクチ
先祖。始まり。
- 用例
- イャー タチクチヤ マー ナトーガ(お前の先祖はどこねぇ?)。
- メモ
- その家の最初の先祖のことで、どこから分家したのかという場合に「タチクチはどこか」などと使う。
ダチクムン
抱き込む。仲間に引き入れる。味方にする。巻き添えにする。
- 用例
- ドゥシンチャー ムル、ドゥーヌミーカイ ダチクムン(友達を全員、自分のところに抱き込む)。
否:ダチクマン(抱き込まない)希:ダチクミーブサン(抱き込みたい)過:ダチクラン(抱き込んだ)継:ダチクドーン(抱き込んでいる)。
タチクンパイ
立ちっぱなし。立ち通し。
- 用例
- アサカラ タチクンパイ シ、ドゥー イッペー ヤムン(朝から立ちっぱなしで、体中が痛い)。
タチケーイリケー
何度もおかわりをする様。
- 用例
- タチケーイリケー、イクケーンル イッティ カムタラー ワカラン(タチケーイリケー、何回おかわりして食べていたか分からない)。
タチジク
分家。
- 用例
- ユミ カメーレーカラー、タチジク サンアレー ナラン(嫁を探したら、分家しなくちゃいけない)。
タチジチ
立ち聞き。
- 用例
- クシヲゥティ タチジチ ソータン(後ろで立ち聞きをしていた)。
タチチ
2か月。
- 用例
- ウッサ アレー タチチヤ ムッチュサ(それだけあれば2か月は持つよ)。
- メモ
- 音1:タチキ。
タチドゥシ
辰年。
- 用例
- タチドゥシニ ウーカジフチガ アタシ ウビトーミ?(辰年に大きな台風があったのを覚えているねぇ?)。
タチナキ
立ち鳴き。遠吠え。
- 用例
- ユル、インヌ タチナキ ヒチ、ニンジブスク ヤン(夜、犬が遠吠えするので、寝不足だ)。
- メモ
- 音1:タチナチ。
タチナチ
立ち鳴き。遠吠え。
- 用例
- インヌ タチナチ スシェー、アンスカ マシェー アラン(犬が遠吠えするのは、あまり良くない)。
- メモ
- 音1:タチナキ。
タチヌイユ
魚介名。太刀魚。テンジクタチ(タチウオ属)。
- 用例
- トゥグチトーティ タチヌイユヌ アガトーン(渡具知で太刀魚が揚がっている)。
- メモ
- 音2:タチュー。
タチヌチュ
辰年生まれの人。
- 用例
- アレー タチヌチュ ヤグトゥ、ナー イクチェー ナタガヤー?(彼は辰年生まれだから、もう何歳になったかな?)。
タチヌチュン
立ち退く。
- 用例
- ミーミチ チュクイグトゥ、ゥンマカラ タチヌチュン(新しい道を造るから、そこから立ち退く)。
否:タチヌカン(立ち退かない)希:タチヌチーブサン(立ち退きたい)過:タチヌチャン(立ち退いた)継:タチヌチョーン(立ち退いている)。
タチヌニーウガン
伊良皆の拝所の名称。辰之根拝所。
- メモ
- 音:タチンニーウガン。 由来不明で漢字は当て字だが、力石にま1つわる伝説がいくつか残る。1953年の旧暦10月に字で再建したコンクリートの碑があり、アザシーミー(字清明祭)で拝する。「エーキンチュ(お金持ち)にアヤカイ(あやかり)」するのだという。
タチバー
足駄〔あしだ〕。高下駄。
- メモ
- 音1:タカバー。音2:タチバーアシジャ。
タチバーアシジャ
足駄〔あしだ〕。高下駄。
- メモ
- 音2:タカバー・タチバー。
タチハダカイン
立ちはばかる。
- 用例
- ヤナムンヌチャーガ、メーンカイ タチハダカトーン(嫌な奴が、前に立ちはだかっている)。
ダチビン
抱瓶。
- 用例
- ウスメーヤ ダチビン ヒサギティ、マーカイ メンシェーガヤー?(お祖父さんは抱瓶を提げて、どこにいらっしゃるのかな?)。
- メモ
- 携帯用の陶器製の酒瓶で、ひもで肩からつり、腰に当てやすいように断面が三日月形をしている。
タチブラ
立ち法螺。
- 用例
- タチブラ フチ ンナンカイ シラスン(立ち法螺を吹いて皆に知らせる)。
- メモ
- 音1:タティブラ。
楚辺では部落中に村芝居をすることを知らせる時に、威勢よく法螺貝を、ププププププゥーと短く切って吹いて青年を招集した。
ダチミ
地名(読谷村座喜味)。
タチムドゥヤー
出戻り。出戻りした者。
- 用例
- アマヌ ヰナグングヮー タチムドゥヤー ヤンリサ(あそこの娘は出戻りだってよ)。
- メモ
- 音1:ムチムドゥヤー。
タチムン
刃物類。刃物類の総称で、包丁、刀、ノコギリなど。
- 用例
- タチムンヤ アブナサヌ カジミトーケー(刃物類は危ないから隠しておきなさい)。
ダチメー
芋粕を粉にして煮たもの。
タチャガイヌバガイ
頻繁に立ち寄り、顔を見せること。
- 用例
- ウヤヌヤーヤ チャー タチャガイヌバガイ シーヨー(実家にはいつも立ち寄り、顔を見せなさいよ)。
タチュー
魚介名。太刀魚。
- メモ
- 音2:タチヌイユ。
ダチュン
抱く。
- 用例
- ハジミティ アカングヮ ダチュン(初めて赤ん坊を抱く)。
否:ダカン(抱かない)希:ダチブサン(抱きたい)過:ダチャン(抱いた)継:ダチョーン(抱いている)。
- メモ
- 音1:ダクン。
タチワ
立場。
- 用例
- ウヌ タチワ ナティ ワカイルクトゥン アン(その立場になって分かることもある)。
ダチングヮ
抱く子。幼子。
- 用例
- ダチングヮガ ヲゥル エーマー ヌーン ナランサ(幼子がいる間は何もできないさ)。
- メモ
- 音1:ダキングヮ。
タチンニーウガン
伊良皆の拝所の名称。
- メモ
- タチヌニーウガン参照。
タッキー
血筋。系統。一族。
- メモ
- 音1:タックイ・ダックイ・タックィー・ダックィー・タックェー。類:シジ。
タッキーン
叩き切る。力を入れて切る。
- 用例
- ワームン イラナシ タッキーン(私の鎌で切る)。
- メモ
- 音:タッチーン。
タックイ
血筋。系統。一族。
- メモ
- 音1:タッキー・ダックイ・タックィー・ダックィー・タックェー。類:シジ。
ダックイ
血筋。系統。一族。
- メモ
- 音1:タッキー・タックイ・タックィー・ダックィー・タックェー。類:シジ。
タックィー
血筋。系統。一族。
- 用例
- タックィーヤ チャー マジョーンナー ヤサ(一族はいつも一緒だよ)。
- メモ
- 音1:タッキー・タックイ・ダックイ・ダックィー・タックェー。類:シジ。
ダックィー
血筋。系統。一族。
- 用例
- グサマルダックィー(護佐丸系統)。
- メモ
- 音1:タッキー・タックイ・ダックイ・タックィー・タックェー。類:シジ。
タックィン
かぶれる。
- 用例
- ムシンカイ ササッティ タックィン(虫に刺されてかぶれる)。
ドゥーイッペー タックィトーン(体中かぶれている)。否:タックィラン(かぶれない)継:タックィトーン(かぶれている)。
タックェー
血筋。系統。一族。
- メモ
- 音1:タッキー・タックイ・ダックイ・タックィー・ダックィー。類:シジ。
タックミーン
押し込める。ぶち込む。
- 用例
- タックミテー ヲゥイシ(押し込んだりして)。
タックムン
突っ込む。ぶち込む。収監する。
- 用例
- タックムタンリ(突っ込んだって)。ヤナクトゥ シーネー ローヤンカイ タックムンドー(悪いことをしたら、牢屋にぶち込むぞ)。
タックルスン
打ちのめす。痛い目にあわせる。
- 用例
- イャーヤ イーシ チカン アラー、タックルスンドー(お前は言うことを聞かなければ、痛い目にあわせるぞ)。
否:タックルサン(打ちのめさない)希:タックルシーブサン(打ちのめしたい)過:タックルチャン(打ちのめした)継:タックルチョーン(打ちのめしている)。
タックヮースン
くっつける。ひっつける。
- 用例
- ヌーイサーニ ハーヤカイ リッパ タックヮースン(糊で柱にきれいにくっつける)。
アッター タイヤ イーニアイ ヤルムン タックヮースンテー(あの2人は良い似合いだから、一緒にしよう)。
否:タックヮーサン(くっつけない)希:タックヮーシーブサン(くっつけたい)過:タックヮーチャン(くっつけた)継:タックヮーチョーン(くっつけている)。
- メモ
- 音2:タッチキーン。対:ハガスン(剥がす)。物をくっつける以外にも、人と人をくっつけるという意味でも使う。
タックヮイムックヮイ
べたべたとくっつきあう様。
- 用例
- トゥーチ タックヮイムックヮイ シ、カシマサヌ アマンカイ イケー(いつもべたべたくっついて、邪魔だからあそこに行け)。
タックヮイン
くっつく。ひっつく。
- 用例
- ウヌ ワラベー ヰキガヌウヤカイル タックヮインレー(その子は父親にくっつくんだよ)。
否:タックヮラン(くっつかない)希:タックヮイブサン(くっつきたい)過:タックヮタン(くっついた)継:タックヮトーン(くっついている)。
タッケーラスン
こぼす。
- 用例
- ヲゥーキヌ ミジ、カーラマディ ムッチ ゥンジ タッケーラスン(桶の水を、川まで持って行ってこぼす)。
否:タッケーラサン(こぼさない)希:タッケーラシーブサン(こぼしたい)過:タッケーラチャン(こぼした)継:タッケーリトーン(こぼれている)。
- メモ
- →イーケーラスン。
タッケーリーン
こぼれる。
- 用例
- アンソール ムチヨー シーネー、ミジェー タッケーリーンレー(そんな持ち方をすると、水はこぼれるよ)。否:タッケーリラン(こぼれない)過:タッケーリタン(こぼした)継:タッケーラチョーン(こぼしている)。
- メモ
- 音1:イッケーリーン。
タッター
誰たち。
- 用例
- チューヤ タッターガ チューガ(今日は誰たちが来るの?)。
タッタイ
よけい。
- 用例
- アレー タッタイ チジ ナトーン(彼はよけい悪くなっている)。
- メモ
- 類:ユク。
タッタイタッタイ
段々と。次第次第。だんだん。徐々に。
- メモ
- 音2:タタ・タッタタッタ。
タッタタッタ
次第次第。だんだん。徐々に。
- 用例
- イャームノー タッタタッタ ワッシクル ナインムンナー(お前の物は次第次第に悪くなっていくんだね)。
タッタタッタ ユーデーヌ ナガリティ(次第次第に世代も流れていって)。
- メモ
- 音2:タッタイタッタイ。類:タタ。
タッチーカンティー
立ちづらい。立ちにくいこと。
- 用例
- ヒサヌ ヤリ タッチーカンティー スン(足が痛くて立ちにくい)。
タッチーン
叩き切る。力を入れて切ること。
- 用例
- ワームンシ イラナシ ヲゥージ タッチーン(私の鎌で砂糖キビを叩き切る)。
否:タッチラン(叩き切らない)希:タッチーブサン(叩き切りたい)過:タッチッチャン(叩き切った)継:タッチッチョーン(叩き切っている)。
- メモ
- 音1:タッキーン。
タッチカイン
くっつく。
- 用例
- ヤガティ タッチカイサ(やがてくっつくよ)。否:タッチカラン(くっつかない)希:タッチカイブサン(くっつきたい)過:タッチカタン(くっついた)継:タッチカトーン(くっついている)。類:タックヮイン・ヒッチッチュン。
タッチカルー
くっつき合い。くっついている様。
- 用例
- ウチランダ タッチカルー ッシ ヲィッチョーン(兄妹がくっついて座っている)。
タッチキーン
くっつける。
- 用例
- イタ ターチ タッチキーン(板を2枚くっつける)。
否:タッチカラン(くっつかない)希:タッチキーブサン(くっつけたい)過:タッチキタン(くっつけた)。
- メモ
- 音2:タックヮースン。対:ハガスン(剥がす)。
タッチャーイン
骨付き豚肉などの固いのを切ること。
- 用例
- ソーキブニ タッチャーイン(豚肉のあばらを切る)。
- メモ
- 音2:チャ-イン。
タッチュー
先が尖っている物。
- 用例
- アマンカイ タッチュー ソーシンカイ カキトーケー(あそこの尖った物にかけておきなさい)。
タッチュージーグヮー
尖った岩。渡具知の地名。
タッチュン
①立つ。起立。②席を立つ。③出発する。
- 用例
- ①ワランチャーガ イチレツナラビーシ タッチョーン(子どもたちが一列に並んで立っている)。
②ワンネー ユージュヌアグトゥ、サチ タッチュンドー(私は用事があるから、先に席を立つよ)。③アチャ、ナガタビカイ タッチュン(明日、長旅に出発する)。否:タタン(立たない)希:タッチーブサン(立ちたい)過:タッチャン(立った)継:タッチョーン(立っている)。
ダッチョークンダ
らっきょうのように足首のしまったきれいなふくらはぎ。
ダッテーン
大きく。大いに。うんと。多く。たくさん。
- 用例
- タムノー ダッテーン チミヨー(薪は沢山積みなさいよ)。
- メモ
- 音1:ダテーン。→ウホーク。
タットゥイヒットゥイ
心が定まらない様。そわそわしている様。
- 用例
- ウンナゲー カンゲーティン タットゥイヒットゥイ ヒチ、ナーマ キミーサンバーイ?(そんなに長いこと考えても落ちつかず、まだ決めきれないの?)。
タッピラカー
ぺしゃんこ。踏みつぶしたように平たい様。
- 用例
- ンナシ クンピタレー、タッピラカー ナトーン(皆で踏んづけたら、ぺしゃんこになっている)。
- メモ
- 音1:タッピラコー。
タッピラカスン
叩いて平らにする。ぺしゃんこにする。
- 用例
- マガトーヌ トゥータンガニー タッピラカスン(曲がっているトタンを叩いて平らにする)。
否:タッピラカサン(叩いて平らにしない)希:タッピラカシーブサン(叩いて平らにしたい)過:タッピタカチャン(叩いて平らにした)継:タッピラカチョーン(叩いて平らにしている)。
タッピラキーン
ぺしゃんこになる。
- 用例
- タッピラキークトゥ(ぺしゃんこになるので)。
タッピラコー
ぺしゃんこ。踏みつぶしたように平たい様。
- メモ
- 音1:タッピラカー。
タッペーラー
平たい。平たいもの。平たい様。
- 用例
- ウヌ ムチヌ タッペーラー ソーシヨー(その餅が平べったいことよ)。
- メモ
- 類:ヒラー・ヒラター・ヒラタッター。
タティ
縦。
- 用例
- ウレー タティネー ウカンキヨー(それは縦には置くなよ)。
タティ
両手。
タティーシバル
{立石原}。高志保の小字。
タティーン
①立てる。顔を立てる。②建物を建てる。
- 用例
- ①アマリカーンカイ ボー タティーンテー(あちら辺に、棒を立てるさ)。イャー チラ タティーサ(君の顔を立てるよ)。②トゥナイヌ ジーンカイ ジムス タティーン(隣の土地に事務所を建てる)。
否:タティラン(立てない)希:タティーブサン(立てたい)過:タティタン(立てた)継:タティトーン(立てている)。
タティケーイン
①建て替える。②立て替える。
- 用例
- ①ウヤヌヤー タティケーイン(実家を建て替える)。否:タティケーラン(建て替えない)希:タテイケーイブサン(建て替えたい)過:タティケータン(建て替えた)継:タティケートーン(建て替えている)。②ムルガ ムン、ワンガ タティケートゥーチュサ(皆の分、私が立て替えておくよ)。否:タティケーラン(立て替えない)希:タテイケーイブサン(立て替えたい)過:タティケータン(立て替えた)継:タティケートーン(立て替えている)。
タティフダ
立て札。
- 用例
- カドゥカイ タティフダ タティーン(角に立札を立てる)。
タティブラ
立ち法螺。
- メモ
- 音1:タチブラ。
死者が出るとタティブラといって、カッティ(上手な人)が朝早くホラ貝をブーと長く吹いた。喪家の前で3~4回吹く。荼毘に出る時も吹いた。
タティユク
縦横。
- 用例
- タティユク ハカティカラ チュクイン(縦横計ってから造る)。
タデーマ
只今。たちまち。すぐ。即刻。
- 用例
- タデーマ ヲゥラン ナトータン(すぐにいなくなった)。
- メモ
- 音1:タレーマ。
ダテーン
大きく。大いに。うんと。多く。たくさん。
- 用例
- クヮッチーン ダテーン ヌクトーグトゥ、ヤーカイ ムッチ イキヨーヤー(ご馳走もたくさん残っているから、家に持って行きなさいよ)。
ウユエーヤ ダテーン シチャン(御祝を大きくした)。
- メモ
- 音1:ダッテーン。→ウホーク。
ダテーンナムン
大したもの。過大評価する時に使う。
- 用例
- ナランシン ナインフーナー シ、ダテーナムンレー(出来もしないのに出来るようなそぶりをして、大したやつだ)。
タトゥ
2年。
- 用例
- ヤマトゥカイ ゥンジカラ、イーナナー タトゥ ナインナー(大和に行ってから、こんなに早く2年になるねぇ?)。
タトゥ アッチ ジヌン モーキティ チョータンドー(2年いて、金も儲けてきていたよ)。
タトゥイ
例え。
- 用例
- タトゥイ アン ヤティン ワンネー イャーガ イシル シンジール(例えそうであっても、私はお前の言うことを信じるよ)。
タトゥイバナシ
例え話。
- 用例
- ワンガ ナマ イチャシェー タトゥイバナシル ヤンドー(私が今話したのは例え話だよ)。
タトゥクルヌウヤ
両親。
- 用例
- タトゥクルヌウヤ ヲゥラン ナトーン(両親とも亡くなっている)。
タトゥレー
例えば。
- 用例
- タトゥレー イャートゥ ワンガ ケールースンリチョール チムエーテー(例えば、お前と私が交換するという意味だよ)。
タナ
棚。
- 用例
- ヒジャイヌ タナカラ トゥッティ カメー(左の棚から取って食べなさい)。
タナカ
間。中間。
- 用例
- ゥンマヌ タナカナカイ ウチェーグトゥ、ウリ ムッチ クーワ(そこの間に置いてあるから、それを持って来なさい)。
タナガー
魚介名。川エビの総称。
- 用例
- タナガー トゥイガ イチュシェー シムシガ カーラヤ キー チキリヨー(川エビを捕りに行くのはいいが、川は気をつけなさいよ)。
- メモ
- 音:タナゲー。
タナガーイン
変わり種が出る。変わり者が出る。
- 用例
- フカヌ チョーデーヤ ウヤカイ ニチョーシガ アリ チュイ タナガトーンヤー(他の兄弟は親に似ているが、彼ひとり変わっているね)。
- メモ
- 音1:タナゲーイン。
タナガームン
変わり種。変わった人。
- 用例
- スグリムンガ ゥンジネー、タナガームンディチヤ(秀でた人が出ると、変わり種といってね)。
- メモ
- 音1:タナゲームン。
タナゲー
魚介名。川エビの総称。
- メモ
- 音:タナガー・タナガーグヮー。
タナゲーイン
変わり種が出る。変わり者が出る。
- メモ
- 音1:タナガーイン。
タナゲームン
変わり種。変わった人。
- メモ
- 音1:タナガームン。
タナバタ
七夕。
- 用例
- タナバタネー ハカヌ ソージ スン(七夕には墓の掃除をする)。
- メモ
- 各家では七夕に墓掃除をし、字行事では村芝居の道具や旗を出して虫干しした。
七夕からはもう、仏様はお家にいらっしゃるということで、揚げ豆腐や旬のチンヌク(里芋)などを仏前に供えた。
七夕の日はヒーナシ(日無し)といって、日を選ばなくて良いので、人が亡くなって3年あるいは5年後には皆シンクチ(洗骨)した。
タナンカ
二七日。死後14日目の法事。
- 用例
- タナンカン ウチャコー ウーサンドー(タナンカもお客は多いよ)。
タニ
陰茎〔いんけい〕。
- 用例
- タニン ハティ(男性器も丸出しで)。
タニウルシー
種下ろし。種蒔きに行くこと。
- メモ
- 音1:サニウルシ。ムンチャニ(種子)蒔きに行く人には山盛りのンバイメー(ご飯)を入れてあげて、おかわりさせないようにした。これは、おかわりしたら、クミサニ(米種)を2回蒔くことになるということからだった。
タニスク
谷底。
- 用例
- ヒサ ハンラカチ、タニスクンカイ ウティティ ハイタン(足を踏み外して、谷底に落ちて行った)。
- メモ
- →スク。
タニゥンマガ
玄孫〔やしゃご〕の後。玄孫以降。
タヌシミ
楽しみ。
- 用例
- ナマカラー ナー、ムルトゥ マジョン タヌシミン シワル ナインレー(今からはもう、皆と一緒に楽しまなくちゃいけないよ)。
タヌミンチュ
頼み人。人を手伝いとして頼むこと。
- 用例
- イチュナサレー、タヌミンチュ タヌムシェー マシ ヤサ(忙しいなら、手伝いを頼んだ方が良いよ)。
- メモ
- 音1:タルミンチュ。
タヌミンチュマカネー
人を頼んだ時の賄い。
- 用例
- タヌミンチュマカネーヤ、ヘーベートゥ チュクランネー、マニアーシカンティー スンドー(手伝い人達の賄いは、早々と作らないと、間に合わすのに大変だよ)。
タヌムン
頼む。
- 用例
- チュガ タラーングトゥ、ティーガネーサー タヌムン(人手が足りないから、手伝いを頼む)。
否:タヌマン(頼まない)希:タヌミーブサン(頼みたい)過:タヌラン(頼んだ)継:タヌドーン(頼んでいる)。
タバイ
束。束ねた物の数詞。
- 用例
- タムン ミタバイビカーン、タバトーケー(薪を3束ほど、束ねておきなさい)。タムノー イクタバイ チカイガヤー(薪は何束使うかね)。
- メモ
- 数詞(~タバイ)はチュタバイ(1束)、タタバイ(2束)、ミタバイ(3束)と数える。
タバイン
束ねる。
- 用例
- タムンヌ アルッサ、タバイン(薪のあるだけ全部、束ねる)。タバラッティ(束ねられて)。
否:タバラン(束ねない)希:タバイブサン(束ねたい)過:タバタン(束ねた)継:タバトーン(束ねている)。
タバカサ
多忙。
- 用例
- チュンカイ タヌメー ヤルムンヌ、ドゥーチュイ タバカサ ヒチ(人に頼めばいいのに、1人で忙しくして)。
タバク
煙草。
- 用例
- ワンニンカイン タバク チュフチェー フカシェー(私にも煙草を一服吸わせてくれ)。
タバククェー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
タバクフダ
罰金札のひとつ。煙草札。未成年者が吸った時の罰金。
タバクブン
煙草盆。たばこ盆。
- 用例
- タンメー ハナシー シーネー、タバクブン ウビゥンジャスサ(お爺さんの話をすると、煙草盆を思い出すさ)。
- メモ
- 類:ヒートゥイ・ヒートゥヤー。
タバサ
間。狭い隙間。
- 用例
- アマヌ タバサンカイ ウッチェーシェー、イャームン ヤサ(あそこの間に置いてあるのは、お前の物だよ)。クヮーギヌ タバサ(桑木の隙間)。
タビ
旅。外地に出ること。集落外に出て行くこと。後生に旅立つこと。
- 用例
- タビ ウティ モーキティ チャン(外国で稼いできた)。
ダビ
荼毘。葬式。野辺送り。
- 用例
- チューヤ トモビキ アタイグトゥ、 ダビヤ アチャル ナイル(今日は友引だから、葬式は明日しかできない)。
- メモ
- 身内は芭蕉の着物を被った。
ダビイリミ
葬式に掛かる費用。
- 用例
- ダビイリミヤ アトゥカラル ハライグトゥ、コーデーヤ マーマカチョーキヨー(葬式にかかった費用は後で支払うから、香典はちゃんとまとめておきなさいよ)。
タビウクイ
見送り。旅送り。
- 用例
- ンカシェー フニカラル イチュグトゥ、タビウクイネー キブシ アギータン(昔は船から行くので、見送りには煙を焚いた)。
タビウクイモー
旅立つ人を見送る野原。
- メモ
- 音2:フナウクイモー。
多くの字にタビウクイモーと呼ばれる場所があり、海を見渡せる小高い丘や岬などが多い。出征軍人や外地へ旅立つ人が乗った船を、松の枝葉を焚いて見送った。
タビジコーイ
旅支度。お悔やみの言葉としても使う。
- 用例
- タビジコーイ シ メーサヤー(旅支度をなさっていますね)。
ダビジュネー
野辺送り。葬式行列。墓まで遺体を運ぶ行列。
- 用例
- ダビジュネーガ トゥーティ ハイタン(葬式行列が通って行った)。
ダビヤー
荼毘家。喪家。ダビ当日だけの呼称。
- メモ
- 音2:チュヌマーシヤー・チュマーシヤー。類:チュマーシドゥクル。
字内で死者が出た場合は、部落中の家の門口に竹を切って横たえておいた。箒を置く家もあった。
タブ
植物名。タブノキ。
タブイン
保管する。蓄える。保存する。
- 用例
- シブイヤ チュケーンナカイ カマンヨークー、ヤーンヌ ムヌン タブイン(冬瓜は一度には食べずに、来年の分まで保管する)。否:タブラン(保管しない)希:タブイブサン(保管したい)追:タブタン(保管した)継:タブトーン(保管している)。
タブラカスン
そそのかす。誘惑する。
- 用例
- ワッター ワラビ タブラカスンナー!(私の子をそそのかすのか!)。
タマイウファカ
玉井御墓。玉井の先祖の墓。
- メモ
- かつては木の板で墓口が囲まれていたため「キイバカ」とも呼ばれた。現在はブロックで囲まれている。
タマイヒマイ
曲がりくねった様。
- 用例
- ウヌ キーヤ タマイヒマイ ヒチ チカーランサ(その木は曲がりくねって使えないさ)。
ダマイマク
黙っているが意地や力がある人。
- 用例
- ダマイマクサク ウトゥルムノー ネーラン(黙っている人ほど怖いものはない)。
タマイミジ
溜まり水。
- 用例
- タマイミジサーニ ティーヒサ アライン(溜まった水で手足を洗う)。
タマイン
①貯まる。②溜まる。
- 用例
- ①ムルシ クメーキーネー ジヌン タマイサ(皆で節約したらお金も貯まるさ)。
②アミ フティ ミジヌ タマイン(雨が降って水が溜まる)。
否:タマラン(貯まらない)希:タミーブサン(貯めたい)過:タミタン(貯めた)継:タマトーン(貯まっている)。
ダマイン
黙る。
- 用例
- チラ フックティ、ムヌン アビラン ダマイン(ふくれっ面をして、物も言わずに黙る)。
否:ダマラン(黙らない)希:ダマイブサン(黙りたい)過:ダマタン(黙った)継:ダマトーン(黙っている)。
タマウドゥン
玉陵。
タマガイ
火の玉。人魂。霊が成仏せずに上がる火玉。
- 用例
- ヤーヌ チカサカラ タマガイヌ アガイネー、キー チキリヨー(家の近くから火の玉が上がったら、気をつけなさいよ)。
- メモ
- 夜中に鋸(のこ)や杵を搗く音が聞こえるとタマガイ(厄)だと言われた。死者が出ると餅を作ったことに由来する。タマガイは死者が出る前兆といわれた。
ダマカスン
騙す。
- 用例
- チュ ダマカスンディ(人を騙すんだって)。ダマカサッティル ヲゥグトゥ(騙されているんだから)。
- メモ
- 音2:ダマスン。
タマガトーン
凶兆がすでに現れていること。
- 用例
- タマガイヌ トゥバギルムン、タマガトーンレー(火の玉が飛んでいるんだのに、すでに凶兆が現れているよ)。
タマグヒン
ガラスの小瓶。
- 用例
- タマグヒヌンカイ アンダ コーティ クーワ(ガラスの小瓶に油を買って来なさい)。
- メモ
- タマは玉でガラスの意。クヒンは小瓶の意。
タマグヮーギー
植物名。オオムラサキシキブ。竹鉄砲の弾にした木の実の総称。
- メモ
- 類:ササガー。
珊瑚樹やオオムラサキシキブなどの木の実を竹鉄砲の弾にして遊んだ。
タマグヮーギー
サンゴジュ。珊瑚樹。
- メモ
- 木自体は濃い紫色。ササ(魚をとるための毒)として川に流した。
タマゴアンダンスー
卵入り油味噌。
- 用例
- タマゴアンダンスーシ、ニジリメー チュクイン(卵入り油味噌で、お握りを作る)。
- メモ
- 油を薄くしき、溶き卵と味噌と砂糖を入れて作った油味噌のこと。遠足など、特別な場合に作った。→アンダンスー。
タマシ
魂。精神。
- 用例
- ウヤヌ イーシ ユー チチ、タマシ イリヨーヤー(親の言うことを良く聞いて、しっかりした子になりなさいよ)。タマシ ヌギーン(魂が抜ける)。タマシ ネーン(しっかりしてない)。
タマシ
①分けられた分。銘々の分。持ち分。②~人分。
- 用例
- ①ナーメーメー タマシル ムッチ イチュンドー(それぞれの分を持って行くんだよ)。②ワンネー ミタマシ、ムッチ イカントー ナラン(私は3人分、持って行かないといけない)。
- メモ
- ②チュタマシ(1人分)、タタマシ(2人分)、ミタマシ(3人分)と数える。
タマシ ウッチュン
頭数に分配する。分け前を配る。
- 用例
- ンナ アチマイネー タマシウッチュン(皆が集まったら分け前を配る)。
タマシ ヌギーン
魂が抜ける。
- 用例
- タマシ ヌギヤーニ(魂が抜けて)。ウドゥルカシーネー タマシ ヌギーンドー(驚かせたら魂が抜けるよ)。
タマシーウンチケー
魂ご案内。魂お迎え。
- メモ
- 遺体があがらない場合、魂ウンチケーとして浜辺で石3つを遺骨の代わりにした。
ダマスン
騙す。
- 用例
- ユクシムニー スシェー、アトー チュ ダマスン(嘘をつく人は、終いには人をだます)。
否:ダマサン(騙さない)希:ダマシーブサン(騙したい)過:ダマチャン(騙した)継:ダマチョーン(騙している)。
- メモ
- 音2:ダマカスン。
タマター
農具名。二叉鍬〔ふたまたぐわ〕。先が2本に分かれた畑を耕す農具。
- メモ
- 音2:ターチマタグェー・タマターグェー。
タマターグェー
農具名。二叉鍬〔ふたまたぐわ〕。先が2本に分かれた畑を耕す農具。
- 用例
- ターチマタグェーシェー カジーヤッササ(二又鍬では耕しやすいよ)。
- メモ
- 音2:ターチマタグェー・タマター。
タマチシャ
レタス。
タマドゥール
玉灯籠。携帯用の四角いランプ。角ランプ。
- 用例
- クラサグトゥ タマドゥール チキティ アッチュン(暗いから角ランプをつけて歩く)。
- メモ
- 音1:タマルールー。
ブリキの四角形で四辺はガラスを張って作ったランプで、夜道を歩く時などに使用した。
タマトー
トマト。
- 用例
- メーアサ、ナーヌ タマトー トゥイグヮーガ クヮイガ チューン(毎朝、庭のトマトを小鳥が食べに来る)。
タマナー
キャベツ。
- 用例
- タマナーン ヘーク トゥランネー、ムシンカイ クヮーリーサ(キャベツも早く取らないと、虫に食われるよ)。
タマナギ
玉葱。
- 用例
- タマナギ キッチャレー ナダソーソー ッシ(玉葱を切ったら涙ぽろぽろしている)。
タマヌワリー
瓶の割れた物。ガラス製の割れた物。
- 用例
- シナバヤ タマヌワリーヌ マンドーグトゥ、アシビーネー キー チキリ(砂場は瓶の割れたのが多いから、遊ぶ時には気をつけなさいよ)。
タマホーバー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- →ミンタマー。
ダマヤー
口数が少ない人。寡黙な人。無口な人。
- 用例
- ルクダマヤーナティ、ヲィルスラー ヲゥランルアラー ワカラン(あまりも無口で、居るのか居ないのか分からない)。
- メモ
- 対:アビヤー(おしゃべり)。
タマルールー
玉灯籠。携帯用の四角いランプ。角ランプ。
- メモ
- タマドゥール。
タマヲゥーキ
玉桶。ガラス玉の桶。水中メガネのひとつ。漁をするとき、水中をのぞく箱型の眼鏡。
- メモ
- 明治17年、糸満の漁師(玉城保太郎)が考案したものが、読谷にも伝わり普及された。
タマン
魚介名。ハマフエフキダイ。
- 用例
- タマンシ シル ワカスン(ハマフエフキダイで汁を作る)。
タミ
ため。
- 用例
- ルク フンデー シミーネー、クヮヌ タミニ マシェー アラン(あまり甘やかすと、子どものためによくない)。
タミーン
たわめる。しなわせる。
- 用例
- ダキ ナー イフィグヮー タミーン(竹をもう少したわめる)。
継:タミトーン(たわめている)。
タミーン
貯める。
- 用例
- ウットゥヌ ガクヒ ハマティ タミーン(弟の学費を頑張って貯める)。
否:タミラン(貯めない)希:タミーブサン(貯めたい)過:タミタン(貯めた)継:タミトーン(貯めている)。
タミシ
試し。試み。
- 用例
- タミシニ、アリガ イヌ トゥーイ コーティ クーワ(試しに、彼の言う通りに買って来なさい)。
タミシ ミーレー(試しに)。
ダム
長田の地名、堰。戦前長田に造成された堰。
- メモ
- ナナヒルと呼ばれる水深が深いクムイの上にあり、このダムの水力を用いたタービンがあり、製茶、精米に利用された。米軍基地嘉手納弾薬庫内になっている現在も、ダムの痕跡を確認することができる。
タムチュン
保つ。
- 用例
- ウヌヨーナ タティーヨー シン タムチュンナー(そのような立て方でも保つのか)。
イャームノー ジョーイ タムカンサ(お前のは絶対に保たないよ)。
タムトゥギレー
カミアサギ及びカミサギへの道を設営すること。
- メモ
- ウマチー当日早朝、ノロが伊良皆にやって来る前に、カミアサギの周辺やノロの歩く道を掃除し、ススキでカミアサギを囲った上から旧家が縄を張ってカミアサギを設営した。
タムン
薪〔たきぎ〕。
- 用例
- アミ フラン マール タムン トゥティ クーワ(雨が降らないうちに薪を取ってきなさい)。
タムンウヤー
薪売り。
- 用例
- ヤンバルカラ タムンウヤーガ チュータン(山原から薪売りが来ていた)。
タムンヤー
薪小屋。物置兼用で使っていた。
- 用例
- ヌラーッティ タムンヤーンカイ スクドーン(叱られて薪小屋に潜んでいる)。
ダヤー
だらだらして締まりのない人。
- 用例
- イャーヤ シクチン サン イチマディ ダヤー ソーガ(お前は仕事もしない、いつまでだらけているのか)。
- メモ
- 類:ダイクスー。
タユイ
①便り。②頼り。
- 用例
- ①ナマディー ヌーヌ タユイン ネーン(未だに何の便りもない)。
②ワッターヤー ヰナグダチ ナティ、ナー チュイル タユイ ヤンドー(私たちは女所帯で、貴方1人が頼りなんだよ)。
タユイン
頼る。
- 用例
- ヌーガラ アイネー ヲゥジャサー タユインテー(何かあったら叔父さんを頼るさ)。
否:タユラン(頼らない)希:タユイブサン(頼りたい)過:タユタン(頼った)継:タユトーン(頼っている)。
タラーンヌー
足りない者。鈍感な人。馬鹿者。
- 用例
- タラーンヌーヤ ヌー ソーガ(馬鹿者は何をしているのか)。
- メモ
- →ゲレン。
タライン
足りる。
- 用例
- ウッサアレー ムルガ カムシン タライン(それだけあれば皆が食べるのも足りる)。
ウッピグヮーシェー ジョーイ タラーンサ(たったそれだけでは絶対に足りないよ)。
タラサーギー
植物名。ホルトノキ。
- 用例
- ナーンカイ タラサーギー イーン(庭にホルトノキを植える)。
タラジー
不足。食べたりない。
- 用例
- ヰキガチョーデー ウーサテーグトゥ、ムノー チャー タラジー ヤタン(男兄弟が多かったから、食事はいつも食べたりなかった)。タラジーサビタン(ご馳走さまでした)。
- メモ
- とっても美味しかったというのを「タラジサビタン(食べ足りなかった)」と表現するときもある。
タラスン
垂らす。垂れ下げる。
- 用例
- ティーダヌ チューサグトゥ、シダイ タラスン(太陽が強いから、すだれを垂らす)。
否:タラサン(垂らさない)希:タラシーブサン(垂らしたい)過:タラチャン(垂らした)継:タラチョーン(垂らしている)。
ダラダラ
①だらだらする様。②液体が続いて垂れる様。
- 用例
- ①アサナーカラ ダラダラッシ(朝っぱらからだらだらして)。②ソーユーヌ ダラダラ タトーシガ(しょう油がダラダラ垂れているよ)。
ダラバル
{陀良原}。高志保の小字。
タラフ
菓子入れ。漆器や木で作られた円形の蓋付き菓子入れ。
- 用例
- クヮーシヤ タラフンカイ イッチョーサ(お菓子はタラフに入っているよ)。
- メモ
- →クヮーシイリー。蓋の中央には丸く摘みがついていた。大きさは直径12~15㎝が主流で、黒糖や飴を入れていた。
ダランクヮラン
だらだら。のらくら。だらしない様。のろい様。
- 用例
- ヲィキガヌ アサカラ、ダランクヮラン シ フージンネーン(男が朝っぱらから、だらだらしてみっともない)。
タリーン
①醸造する。②ラードを作る。③残飯を捏(こ)ねて餌を作る。
- 用例
- ①チューヤ サキ タリーン(今日は酒を醸造する)。
②ウヮークルシー アトゥネー アンダ タリーンドー(豚を潰した後に、豚脂を作るよ)。
③ナマ ウヮーヌムン タリーン(今、豚の餌を捏ねている)。
タリーン
垂れる。
タルガー
樽皮。黒糖を詰める砂糖樽のこと。
- 用例
- グテーヌ カナイシェー、タルガー イクチン カタミータサ(力の強い人は、砂糖樽を幾つも担いでいたさ)。
タルガキーン
頼りにする。当てにする。
- 用例
- イチュナサイネー、クヮヌチャー タルガキーンテー(忙しい時には、子どもたちを頼りにするさ)。
否:タルガキラン(頼りにしない)希:タルガキーブサン(頼りにしたい)過:タルガキタン(頼りにした)継:タルガキトーン(頼りにしている)。
タルガヨー
ミカンの種類。
ダルサン
だるい。
- 用例
- ヲゥタティ ダルサヌ ヌーン シーブサーネーン(疲れて怠いので、何もしたくない)。
タルマチャーディール
大きな籠。砂糖樽のように竹で編まれた大きな籠のこと。
- 用例
- タルマチャーディール カタミティ(大きな籠を担いで)。
タルミンチュ
頼み人。人を手伝いとして頼むこと。
- 用例
- タルミンチュ サーニ ヘーク ウワラサヤー(人を頼んで、早く終わらそうね)。
- メモ
- 音1:タヌミンチュ。
タルミンチュマカネー
人を頼んだ時の賄い。
- 用例
- タヌミンチュマカネー マニーアースンディ、アワティトーシガ(手伝い人達の賄いを間に合わすのに、急いでいるよ)。
- メモ
- 音1:タヌミンチュマカネー。
タルムン
頼む。
- 用例
- ウヌ チュタルディ(その人を頼んで)。
ダルヤン
だるっこい痛み。
- 用例
- チヌーカラ カジ ヒチ ダルヤン シ、シクチン ユックトーン(昨日から風邪をひいて体がだるくて、仕事も休んでいる)。
タレーイン
不足を補う。
- 用例
- チヌーヤ フスク ソーテーグトゥ、チューヌ ムンカラ タレーインテー(昨日は不足していたから、今日の物から補うさ)。
否:タレーラン(補わない)希:タレーイブサン(補いたい)過:タレータン(補った)継:タレートーン(補っている)。
- メモ
- 音2:タシメーイン。
タレーマ
只今。たちまち。すぐ。即刻。
- 用例
- ヒサヌ ヘーサヨ、タレーマ チョーサ(足の速いこと、すぐ来ているさ)。
- メモ
- 音1:タデーマ。
タン
炭。
- 用例
- ウスメーヤ ヤマカイ タン ヤチーガ イチュタン(おじいさんは山に炭を焼きに行った)。
タンカー
真向かい。真正面。
- 用例
- ワッター ヤーヌ タンカーカイ、チュテーバイ ヤー カトータン(私の家の向かいに、一時家を借りていた)。
タンカー
満1歳。
- 用例
- アチャヲゥティ、チャクシゥンマガヤ タンカー ナイン(明日で、長男孫は満1歳になる)。
タンカーゲーイ
等価の品物を交換すること。
- 用例
- ワームントゥ イャームントゥ、タンカーゲーイ サーヤー(私の物とお前の物と、お互いに交換しよう)。
タンカースーギ
満1歳の誕生日祝い。
- 用例
- アチャヤ チャクシヌ タンカースーギ ヤクトゥ、メンソーリヨー(明日は長男の満1歳の誕生日だから、いらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 音1:タンカースージ。音2:タンカーユーエー。
タンカースージ
満1歳の誕生日祝い。
- 用例
- マギマギートゥ タンカースージ スン(盛大に満1歳の誕生日を祝う)。
- メモ
- 音1:タンカースーギ。音2:タンカーユーエー。
タンカーダチー
分家をする次男、三男のこと。
- 用例
- タンカーダチーヤ ハマティ モーキリヨー(次男三男は頑張って儲けなさいよ)。
タンカーナー
相手と対等なこと。
- 用例
- ユヌチルミーヤ ワキヒダテー ネーン、ムル タンカーナー ヤサ(同年生は分け隔てなく、皆対等だよ)。
タンカーマンカー
向かい合っている様。
- 用例
- タンカーマンカー ヰチョーティカラ ジョートー ヤサ(向かい合って座っているなら上等さ)。
タンカーヰー
向かい合って座る様子。
- 用例
- アネアネ、アマヲゥティ タンカーヰー ソーシェー(ほらほら、あそこで向かい合って座っているさ)。
タンカーユーエー
満1歳の誕生日祝い。
- 用例
- アチャヤ ヰナグングヮヌ タンカーユーエー スン(明日は娘の満1歳の誕生日祝いをする)。
- メモ
- 音2:タンカースーギ・タンカースージ。
タンガサ
皮膚にできるできもの。夏の暑い時期に幼児が頭にできる出来物。
- 用例
- アチク ナタレー、イーナ タンガサ イジートーサ(暑くなったら、早くもできものができているさ)。
- メモ
- 帯状疱疹にもタンガサという。
ダンガサ
傘の一種。洋傘。
タンガマ
炭焼き窯。
タンキーン
①手加減する。②用心する。③控えめにする。
- 用例
- ①ハジミティヌ ワジャ ヤグトゥ タンキーン(初めての仕事だから手加減する)。
②ドゥークル タンキンソーリヨー(自分で体を大事になさってくださいよ)。
③ルク タンキタンキ シンセーグトゥ(ひどく控えめ控えめになさるから)。
否:タンキラン(手加減しない)希:タンキーブサン(手加減したい)過:タンキタン(手加減した)継:タンキトーン(手加減している)。
タンシ
タンス。箪笥。
- 用例
- ウヌ タンシヤ ニービチニ ムッチチェーシル ヤンナー?(そのタンスは結婚式の時に持ってきたものねぇ?)。
タンシヌバーン
タンスの番。着ないでタンスにしまい込んでおくこと。
- 用例
- タンシヌバーン ビカーン、シミティ チュラヂン ヤティン ゥンジャチ チール スル(箪笥にしまい込んでばかりいないで、きれいな着物でも、出して着るんだよ)。
ダンジュカ
なるほど。いかにも。
- 用例
- ダンジュカ、アンシル アリトゥ グー ヤテーサヤー(なるほど、それで彼と一緒だったんだね)。
- メモ
- 音1:ダンジュガ。
ダンジュガ
なるほど。いかにも。
- メモ
- 音1:ダンジュカ。
ダンダン
数々。いろいろ。たくさん。ありったけ。
- 用例
- クヮッチーヌ ダンダン(御馳走の数々)。
ゴーグチヌ ダンダン ッシ、ケーティ ハイタン(愚痴のありったけ言って、帰って行ったよ)。
タンチ
短気。
- 用例
- タンチ ゥンジーギサーネー、ククル ウティチキティ ヨンナー カンゲーレー(短気が出そうになったら、心を落ち着けてゆっくり考えなさい)。
タンチプープー
短気を起こしていつも怒っていること。
- 用例
- イチ ンチン タンチプープー シ、ワライシン ワカイヤ スミ?(何時見ても怒ってばかりで、笑うということも分かるか?)。
タンチャー
短気な人。
- 用例
- イャーグトゥシ タンチャー ナイネー、ユミナイシン ヲゥランサ(お前みたいに短気な人には、嫁になる人もいないよ)。
タンディ
どうか。どうぞ。
- 用例
- タンディ クネーティ クィミソーリ(どうか堪えて下さい)。
- メモ
- 音1:タンリ。
タントゥイ
年中行事。種取。
- 用例
- ナー、タントゥイヌ シチ ナトーサヤー(もう、種取の時期だね)。
- メモ
- 立冬の入日に田に籾だねを蒔き、各家で豊年満作祈願する。
字伊良皆では、子どもたちが、芭蕉の枯れ葉を束にしたものを竹の先に巻いて、火を点けて振り回しながら、「こちらが豊作になるよ」と、インダカリとメンダカリに分かれて互いに威勢よくガーエーした。
タンナ
手綱。①馬具のひとつ。②人を動かし物事をうまく進めること。
- 用例
- ①ゥンマヌ タンナ ヒチュン(馬の手綱を引く)。
②ヲゥトゥヌ タンナヤ トゥジガル トゥイル(夫の手綱は妻が取るんだよ)。
タンナファクルー
お菓子の名。メリケン粉に黒糖、卵を入れて焼きあげるお菓子。
- 用例
- クンペントゥ タンナファクルートゥ ジロー マシヤガ(こんぺんとタンナファクルとどっちが好きね)。
- メモ
- 創設者の家の名「玉那覇(タンナファ)」の曽祖父が色黒(クルー)だったことから、「タンナファクルー」と呼ばれるようになったという。
タンニ
尋ねること。
- 用例
- タンニ ヒチ(尋ねて)。
タンバー
左右に揺れながら歩く人。
- メモ
- 音1:タンブー。
ダンパチヤー
断髪屋。散髪屋。理髪店。
- メモ
- 音1:ランパチヤー。
タンブー
左右に揺れながら歩く人。
- メモ
- 音1:タンバー。
タンブトーン
重みで垂れ下がりゆれている。
- 用例
- キンブヌ タンブトーン(蜜柑がたわわになっている)。
タンププ
タンポポ。
- 用例
- タンププヤ チールー ハナガ サチュン(タンポポは黄色い花が咲く)。
タンメー
祖父。おじいさん。士族のお爺さん。
- メモ
- 名称、呼称としても使う。
タンメーゥンムグヮー
甘藷の種類。おじいさんの甘藷。
- メモ
- 実があまり付かなかったから、少し植えた。
タンヤカー
炭焼き。炭焼き人。
- 用例
- ヤマナカイ タンヤカーウスメーガ ヲゥタンヤー(山に炭焼きの爺さんがいたね)。
- メモ
- 音1:タンヤチャー。
タンヤチャー
炭焼き。炭焼き人。
- 用例
- メーデー、ヤマヲゥティ タンヤチャー ソーシン マンドータン(以前は、山で炭焼きをしている人も多かった)。
- メモ
- 音1:タンヤカー。
タンリ
どうか。どうぞ。
- 用例
- タンリ ウキトゥティ タボリ(どうか受け取ってください)。
- メモ
- 音1:タンディ。
チ
血。
- メモ
- 音1:チー。
チ
~個。個数を数える詞。
- メモ
- 数詞(~個)はティーチ(1個)、ターチ(2個)、ミーチ(3個)と数える。
チー
気。
- 用例
- イャー、チーヤ タシカ ヤミ?(お前、気は確かか?)。
チー
①血。血液。②血筋。血統。
- 用例
- ①ヒサカラ チー ハトーシガ、マー ヲゥティ ヤマチャガ?(足から血が出ているが、どこで痛めたの?)。
②チーヤ カクサランドー、タッタイ ニチチョーサ(血筋は隠せないね、しだいに似てきているさ)。
- メモ
- 音1:チ。
チー
釣り針。
- 用例
- チーンカイ ヒッカカイビーシェー(釣り竿に引っかかるでしょう)。
- メモ
- 「親食いカマンタ」『高志保の民話』より。→イユジー。
チー
釣瓶。つるべ。
- 用例
- チーヤ ヨンナー ウトゥチ、ミジェー クミヨー(釣瓶はゆっくり落として、水を汲みなさいよ)。
ダー チーグヮー クマンカイ ヤラシェ-(どれ釣瓶をここによこしなさい)。
チー
乳。乳汁。乳房。
- 用例
- ヤーサヌル ナチュル、ヘーク チーン ヌマセー(ひもじくて泣いているんだよ、早く乳を飲ませなさい)。
- メモ
- 音2:チーチー。
チー
卦。易で占うこと。
- 用例
- トゥシ アキーネー ヘーベートゥ、チー タティーガ イチュン(年が明けたら早々に、易に占いに行く)。
チー
樹液。
チーアラサン
気性が荒い。乱暴である。
- 用例
- アヌヒャーヤ ターヤカ チーアラサン(あいつは誰よりも気性が荒い)。
チーアン
乳母。
- 用例
- チーアン ウンジヤ、イチマディン ワシテー ナラン(乳母の恩義は、いつまでも忘れてはいけない)。
チーイリ
お気に入り。気に入る。
- 用例
- ヌーシヌ チーイリ ナティル、ソーティ チェールヨー(主人のお気に入りなので、連れて来てあるんだよ)。
チーイリチャー
豚の血を炒めたもの。
- 用例
- ナマーナー、チーイリチャー カムシン イキラク ナティヤー(今はもう、豚の血炒めを食べる人も少なくなったね)。
ソーグヮチニル チーイリチャー アタイグトゥヤ(正月にチーイリチャーは食べられるからね)。
- メモ
- 豚の血にウイキョウやニンジンを入れて炒め、薄味にして仕上げる。以前は、正月前に民家でも豚を潰していたので、その日にチーイリチャーを作った。肉とチームマーシー(豚の血を揉んで)翌28日にチーイリチャーを作る家もあった。
チーイン
切る。
- メモ
- 音2:チーン。キーン。
チーガ
三線の胴部分。
チーガー
唖者。言葉が話せない者。
- 用例
- チーガー ヤティン、イチョーシェー テーゲー ワカインドー(唖でも、言っていることはだいたい分かるよ)。
- メモ
- 音1:チーグー。
チーガサ
乳の瘡。乳腺炎。
- 用例
- クヮ ナチ アトゥ、チーガサ ゥンジティ デージ ヤタン(子どもを産んだ後、乳腺炎になって大変だった)。
チーカタ
血縁関係のある事。肉親。
- 用例
- ヌーガラ アイネー、チーカタ タヌムサ(何かある時には、肉親を頼むさ)。
- メモ
- 音2:チーシジ。
チーガニ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- カーラガニ参照。
チーギングヮー
単衣の着物。
- 用例
- ナチェー アチハヌ、チーギングヮール マシ ヤル(夏は暑くて、単衣の着物がいいよ)。
チーク
練習。稽古。
- 用例
- チャー チーク ソーシカイヤ カナーン(いつも稽古をしている人にはかなわない)。
チーグー
唖者。言葉が話せない者。
- 用例
- チーグーギサー ネーンドー(唖のようには見えないよ)。
- メモ
- 音1:チーガー。
チーグーウバシー
鳴かないセミのこと(メス)。
- 用例
- ナカンヌー サンサナーンカイ チーグーウバシーディ イタン(鳴かないセミにチーグーウバシーといっていた)。
- メモ
- オスはメスに選んでもらうために鳴くが、メスは選ぶ側なので鳴かないらしい。
チークェーワラバー
乳飲み子。
- メモ
- 音2:チーヌミングヮ。
チーグサ
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- メモ
- →ウサジヌミミー。
チークビ
乳首。
- メモ
- 音1:チーヌクビ。
チーグルマー
内出血。
- メモ
- →ウチチ。
チーゴーゴー
幼児語。怪我で血が流れ出てくる様。
- 用例
- ハサン ガンマリ シーネー チーゴーゴー スンドー(ハサミをいたずらしたら怪我するよ)。
- メモ
- 怪我。
チーサーサー
いらいらする様。
- 用例
- ナマニン チーサーサー シギサー ソーン(今にもいらいらしそうだ)。
チーサマシグシー
血をきれいにする薬。
- メモ
- 音2:チーシマシー・チーシマシグスイ。
チージ
辻。那覇にあった遊郭のひとつ。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ チージカユヤー ヤタン(私のおじいさんは遊郭通いする人だった)。
チーシー
石切りなどに使う大ハンマー。
- 用例
- ハーマヌ イシヤ チーシーシル キラリル(浜の石はチーシーでしか切れない)。
チージェークー
鎌投げ遊び。草刈りに行って、刈った草を賭けて鎌投げをして遊んだ。
- メモ
- →イラナナギエー
チーシジ
血筋。血縁関係のある人。肉親。
- 用例
- チャー チーシジル カナサルヨー(いつも血のつながっている方が愛しいさ)。
- メモ
- 音2:チーカタ。
チーシマシー
血をきれいにする薬。
- メモ
- 音2:チーサマシグシー・チーシマシグスイ。
チーシマシグスイ
血をきれいにする薬。
- メモ
- 音2:チーサマシグシー・チーシマシグスイ。
チージュ
系図。
チージル
血管。
- 用例
- チージルヌ ゥンジトーン(血管が浮き出ている)。
- メモ
- 音2:チーミチ。
チータチ
一日。
- 用例
- チューヤ チータチヤシガ、ワカイヤスミ?(今日は一日だが、分かっているねぇ?)。
- メモ
- 沖縄では毎月、1日と15日には火ヌ神に水と線香、仏壇にはお茶と線香を供えて手を合わせる風習がある。
チータチウニゲー
朔日御願。
- メモ
- 音1:チータチウニフェー。
元日の朝、塩・酒・花米をまず火の神に供え、仏壇・床の間の順に拝む。楚辺では、火の神・床の間・仏壇の順に拝む。伊良皆では屋敷の子(北)の方角から右回りに、午(南)、酉(西)、ジョー(門)と四隅を拝み、火の神、仏壇を拝む。家の主が手の空いた午前中に行う。「今年も良い年でありますように、屋敷内を守ってください」と祈願する。
チータチウニフェー
朔日御拝。朔日御願。
- メモ
- →チータチウニゲー。
チータチジューグニチ
1日と15日。旧暦1日と15日。
- 用例
- チータチジューグニチヤ ウチャトー ワシンナヨー(1日と15日は御茶湯を忘れるなよ)。
- メモ
- 火の神に水と線香、仏壇にはお茶を供えて線香をあげて家族の繁栄を祈願する。
チータチヌヒー
朔日の日。元日。
- メモ
- →グヮンタン。チータチヌヒー(元日)はカー(湧泉)へ若水を汲みに行くために早起きした。
チータチフチカー
朔日二日。三日月(みかづき)以前の無形状態の月。
- メモ
- 音2:チータチミッカー。
チータチミッカー
朔日三日。三日月以前の無形状態の月。
- メモ
- →チータチフチカー。
チーダラカー
血がダラダラ流れる様。血だらけ。血まみれ。
- 用例
- チーダラカー シ、マー ヤマチェーガ?(血だらけになって、どこを怪我したの?)。
チーチ
景色。
- 用例
- ンカシヌ ウミヤマヌ チーチヌ チュラハタシヨー(昔の海山の景色の美しかったことよ)。
チーチー
乳。乳汁。
- 用例
- ヒージャー チーチー(山羊の乳)。
- メモ
- 音2:チー。
チーチーウシ
乳牛。乳を搾るための牛。
チーチーカーカー
食べ物が喉につかえる様。
- 用例
- ムチ カラデー チーチーカーカー シ、ミジ フーサン(餅を食べたら喉につかえて、水が欲しい)。
チーチーパッパー
植物名。ツワブキ。
- メモ
- 音2:チーパッパー・チーパップー。
チーチーヤー
牛乳屋。
チーヂューサン
気が強い。負けず嫌い。
- 用例
- ハマヤーヤシガ ルク チーヂューサヌ(頑張り屋だが、あまりにも負けず嫌いだ)。
- メモ
- 音2:チーヂューサン。類:チューバー・ハチコーサン・ハチコーハン・ハチコームン。
チーチューメー
月。お月さま。
- 用例
- チーチューメーヲゥティ、ウサジヌ ムーチー チチョーンディシガ、イャーヤ ミーユンナー?(お月様の中で、ウサギが餅をついているというが、貴方には見えるねぇ?)。
- メモ
- 音2:チチュー・チッチュ・チュチュメー。類:チチ。
チーヌクチ
乳首。
- 用例
- チーヌクチ ワシリーネーチーン ヌマンナイン(赤子が乳を欲しがって、乳首を探しているよ)。
- メモ
- 音1:チークビ。
チーヌシル
豚の血、肉、大根などを入れた汁物。
ヂーヌチュ
地上の人。
チーヌミングヮ
乳飲み子。
- 用例
- チーヌミングヮ ウッチャンナギテー、マーニン イカランドー(乳飲み子を置いては、何処にも行けないよ)。
チーヌミングヮ ソーテー、ハンブン シクチル ナイル(乳飲み子を抱えては、片手間の仕事しかできない)。
- メモ
- 音2:チークェーワラバー。
チーバ
犬歯。糸切り歯。
チーパッパー
植物名。ツワブキ。
- 用例
- ヤンバルカイ ヒナン ソーネー、チーパッパーン ジコー カラン(山原へ避難している時には、ツワブキもよく食べた)。
- メモ
- 音:チーパッパ・チーチーパッパー・チーパップー・チッパッパー・ティーパッパー。
戦中戦後の食糧難の時には、茎の皮をむき、茹でて食べたという話が多い。
チーパップー
植物名。ツワブキ。
- メモ
- →チーパッパー。
チーフジョー
血不浄。血に対するけがれ。
- 用例
- イャーヤ ナマー、クヮナシヤーカイ イチュシェー アラン。チーフジョー カカインドー(貴方は今は、出産のあった家に行くものではない。よけいに悪くなるよ)。
- メモ
- 月経や出産はけがれとされ、病気や怪我人が行くとよけいに悪くなるといわれた。
チーブックヮ
乳房。
チーベーサン
気が早い。仕事が早い。
- 用例
- ワッターシンカー ムル チーベーサン(私の仲間は全員、仕事が早い)。
- メモ
- 音1:チーベーハン。
チーベーハン
気が早い。仕事が早い。
- 用例
- アレー キサ ティガキトール、チーベーハンヤー(彼は既に手掛けているさ、気が早いね)。
- メモ
- 音1:チーベーサン。
チーミチ
血管。
- 用例
- チーミチヌ フックトーン(血管が浮き出ている)。
- メモ
- 音2:チージル。
チームングヮー
冬物の野良着。古くなった木綿の着物を野良着にした。
- メモ
- →ウシマー。
チーヰシーン
気を落ちつける。
- 用例
- ヲゥタトーグトゥ、アマヲゥティ ユクティ チーヰシーン(疲れているから、あそこで休んで気を落ちつける)。
チールー
黄色。
- 用例
- アカーヤカ チールーヤ マシ ヤサ(赤より黄色がいいよ)。
- メモ
- 音1:キールー。
チーン
切る。
- 用例
- ダキ ユヌナギカイ チーン(竹を同じ長さに切る)。
否:チラン(切らない)希:チーブサン(切りたい)過:チッチャン(切った)継:チッチョーン(切っている)。
- メモ
- 音1:キーン。
チーン
着る。
- 用例
- ソーグヮチ ネー、ワンニン チュラヂン チーン(正月には、私もきれいな着物を着る)。
否:チラン(着ない)希:チーブサン(着たい)過:チチャン(着た)継:チチョーン(着ている)。
- メモ
- →チーン。
チーンテーン
最初と終わり。
- 用例
- ヌヌ ウイニ ムチカサシェー、チーンテーン ヤタン(機織りで難しいのは、織り始めと終わるところだった)。
チーンーチーンー
セミの鳴き声。
チェー
とんでもなく。甚だしく。
- 用例
- アレー チェー ヤッケームン ヤッサー(彼奴はとんでもない厄介者だ)。
チカ
柄。
- メモ
- →ヰー。
チガーイ
代理。交替。着替え。
- 用例
- ワー チガーイ、イッティ(私の代わりに、入れて)。
ウーアミ フトーグトゥ、チガーイ ムッタントー ナラン(大雨が降っているから、着替えを持たなくちゃいけない)。
チガーイン
交替する。
- 用例
- ヲゥタトーラー、ワンガ チガーインドー(疲れているなら、私が交替するよ)。
否:チガーラン(交替しない)希:チガーイブサン(交替したい)過:チガータン(交替した)継:チガートン(交替している)。
チガールー
交替で行うこと。順番で行うこと。
- 用例
- ニムチヤ チガールーシ カタミラヤー(荷物は交替で担ごうね)。チュイ チガールー(一人ずつ交代で)。
チカイクルスン
使い殺す。酷使する。
- 用例
- ンジャックヮ チカイクルスン(下男を酷使する)。
チカイホーイン
使ってしまうこと。
- 用例
- ゥンマンカイ アルッサ、ムル チカイホーイン(そこに有るだけ、全部使ってしまう)。
チカイン
使う。
- 用例
- ヒー チキーンディ チキダキ チカイン(火をつけるのにマッチを使う)。
否:チカーン(使わない)希:チカイブサン(使いたい)過:チカタン(使った)継:チカトーン(使っている)。
チガイン
違う。変になる。狂う。
- 用例
- イヒェー チガテー ウラニ(少し頭が変になっていないか?)。アレー チガトーンレー(彼は変になっているよ)。トゥナイヌ ハーメーヤ チガトーン(隣のお婆さんは変になっている)。
継:チガトーン(変になっている)。
チガカイ
気がかり。
- 用例
- チャー イャークトゥル チガカイ ヤル、フカネー ヌーヌ シワン ネーン(いつもお前のことが気がかりだよ、他には何の心配もない)。
- メモ
- 音2:キムガカイ・チムガカイ。
チガキ
心構え。心がけ。
- 用例
- チガキヌ ディキリワル、ワジャン メーンカイ アガチュサ(心がけがしっかりしていたら、仕事も前に進むさ)。
チガキーン
精を出す。仕事に励む。
- 用例
- アチャカラヤ イチュナシク ナイグトゥ、ムルシ チガキーンテー(明日からは忙しくなるから、皆で頑張るさ)。
チカサン
近い。
- 用例
- イッター ヤーヤカ、 ワッター ヤーガル チカサンドー(お前の家より、私の家が近いんだよ)。
- メモ
- 音1:チカハン・チチャサン。対:トゥーサン・トゥーハン(遠い)。
チカシ
支えとなる柱。つっかえ棒。
- 用例
- ヤー チュクイネー、チカシヤ ガンジューラシヨー(家を造る時には、支えになる柱は頑丈にしなさいよ)。
チカジュ
墓。
- 用例
- ユー ユックイネー、チカジュヌ スバ トゥーイシン ウトゥルハタン(夜が暮れたら、墓の側を通るのも怖かった)。
- メモ
- →シンジュ。
チカスン
聞かせる。
- 用例
- イャー チュインカイル、ウヌ ハナシーヤ チカスンドー(お前ひとりに、その話は聞かせるんだよ)。
否:チカサン(聞かせない)希:チカシーブサン(聞かせたい)過:チカチャン(聞かせた)継:チカチョーン(聞かせている)。
- メモ
- 音1:キカスン。
チカナイン
①飼う。②養う。育てる。
- 用例
- ①ナガ チカナイ ソーン(長いこと飼っている)。
ヒージャー チカナイン(山羊を飼う)。②ウヌ クヮヤ、ワンガ チカナイン(その子は、私が育てる)。
否:チカナラン(飼わない)希:チカナイブサン(飼いたい)過:チカナタン(飼った)継:チカナトーン(飼っている)。
- メモ
- 音1:チカナユン。
チカナイングヮ
養子。
- 用例
- クヮー ヲゥラン、 チカナイングヮガ チュイ ヲゥタン(子どもがいなくて、養子が一人いた)。
- メモ
- 類:ヨーシ。
チカナユン
①飼う。②養う。育てる。
- 用例
- ①タウチー チカナトーン(闘鶏を飼っている)。
②ヲィナグングヮ チカナユン(女の子を育てる)。
- メモ
- 音1:チカナイン。
チカハン
近い。
- 用例
- チカハン トゥクルカラ ハジ ウワイシェー マシ ヤサ(近い所から配って終わった方が良いさ)。
- メモ
- 音1:チカサン・チチャサン。→チカサン。
チカムン
掴む。
- 用例
- ワンネー、マシヤヌ ウッサ チカムン(私は、好きなだけ掴む)。
否:チカマン(掴まない)希:チカミーブサン(掴みたい)過:チカラン(掴んだ)継:チカドーン(掴んでいる)。
チカヤーグヮー
使用人。
チカユイン
近寄る。近づく。
- 用例
- ヤガティ ゥンマンカイ チカユインドー(やがてそこに近寄るよ)。
チカラー
力持ち。力の強い人。
- 用例
- アレー グテー マギサヌ、シマ イチバンヌ チカラー ヤタン(彼は体が大きくて、村一番の力持ちだった)。
チカラジナ
力綱。出産時に産婦を力ませるための綱。
- 用例
- ハライヤッサシェー チカラヂナヤ チカーンタン(安産な人は力綱は使わなかった)。
- メモ
- 分娩が長引いた時に、天井から吊るした力綱を引っ張って力ませた。
チカラスーブ
力勝負。力比べ。
- 用例
- ワカサイネー ドゥシンチャー アチマイネー、チカラスーブ シ アシブタン(若い頃は友達が集まると、力勝負をして遊んだ)。
- メモ
- 戦前、娯楽の少ない時期に力勝負などをして楽しんだ。
チカラムーチー
力餅。
- 用例
- チカラムーチーヤ チャー マギマギートゥ チュクイン(力餅はいつも大きく作る)。
- メモ
- 音1:チチャラムーチー。
旧の12月7日か8日のムーチーの日に、普通のムーチーより倍くらい大きなチカラムーチーを作って一番上につり下げた。
チカリーン
聞こえる。
- 用例
- イャーガ アビーシェー クィーヌ マギサヌ、マーマディン チカリーンドー(お前が喋るのは声が大きくて、何処までも聞こえるよ)。
否:チカラン(聞こえない)。
チガリーン
穢れる。
- 用例
- ドゥーヤ チガリティ(自分は穢れて)。
チガリムン
穢れ者。
チカン
掴み。掴んだ数量を表わす数詞。
- 用例
- チュ チカン ヤティン シムグトゥ、ウヌ イニ ワキティ トゥラサンナー?(一掴みでいいから、その稲を分けてくれないか?)。
- メモ
- 数詞(~チカン)はチュチカン(1掴み)、タチカン(2掴み)、ミチカン(3掴み)と数える。
チカンヌー
聞かない者。きかん坊。
- メモ
- →カーミヌミミ。
チカンフーナー
聞かぬふり。
- 用例
- アンシ、チカンフーナー ジョージ ヤル(なんと、聞かぬふりが上手だね)。
- メモ
- 音1:キカンフーナー。
チカンミンクジラーフーナー
聞こえないふり。
- 用例
- チカンミンクジラーフーナー サッツティ(聞こえないふりをされて)。
チキアギー
魚のすり身に千切りにした人参や牛蒡等を入れて揚げたもの。
- 用例
- グンボーガ イッチョーヌ チキアギーヤ マーサン(牛蒡が入っているチキアギーは美味しい)。
チキーン
点ける。つける。
- 用例
- タバク チキリ(煙草に火をつけて)。タムヌンカイ ヒー チキーン(薪に火をつける)。ヤーヌジョー ンカイ、サーシ チキーン(家の門に、鍵をつける)。
チキーン
①漬ける。②浸ける。
- 用例
- ①デークニヌ マンドーグトゥ クルザーターシ チキーン(大根がたくさんあるから黒糖で漬ける)。
②バサーヂン ミジンカイ チキトーチュン(芭蕉の着物を水に浸けておく)。
否:チキラン(漬けない)希:チキーブサン(漬けたい)過:チキタン(漬けた)継:チキトーン(漬けている)。
チキーン
着ける。
- 用例
- ンナトゥカイ フニ チキーン(港に船を着ける)。否:チキラン(着けない)希:チキーブサン(着けたい)過:チキタン(着けた)継:チキトーン(着けている)。
チキウーシ
搗き臼。
- 用例
- ムギ チチーネー チキウーシ チカイタン(麦を搗く時には搗き臼を使った)。
- メモ
- 音1:チチウーシ。音2:チチウシ。
チキジ
マッチ。
- 用例
- ナマー ライターヌル アル、チキジン ミーラン ナティヤー(今はライターがあって、マッチも見なくなったね)。
- メモ
- 音2:チキダキ。
チキダキ
マッチ。
- 用例
- イチュター チキダキ カラシェー(ちょっとマッチを貸してくれ)。
- メモ
- 音2:チキジ。
チキトースン
突き倒す。
- 用例
- チカーランシェー、アマンカイ チキトースンテー(使えないのは、あそこに突き倒すさ)。
- メモ
- 音1:チチトースン。
チキナー
カラシナ。芥子菜。
- 用例
- トーフ イッティ チキナーイリチャー スン(豆腐を入れてカラシナ炒めを作る)。
- メモ
- 沖縄料理の定番で、カラシナを軽く塩もみして水洗いした後に豆腐などと炒める。
チキビ
点け火。放火。
- 用例
- アマヌ ヤーヤ、チキビル サットーンドー(あそこの家は、放火されているんだよ)。
チキブン
付け分。寸志。
チキムン
漬物。
- 用例
- チキムン チャーヌ チャワキ スン(漬物をお茶請けにする)。
チキムンガーミー
漬物用の甕。
チク
菊。
- 用例
- ハナイチーンカイ チクヌ ハナ カジャイン(花瓶に菊の花を飾る)。
チグ
シュロ。棕櫚。ヤシ科。
- 用例
- チグシ、ホーキ トゥカ イルンナムン チュクタン(棕櫚で、ホウキなど色々な物を作った)。
- メモ
- 唖者が生まれるので、シュロは屋敷に植えてはいけないといわれた。
チクザキ
行事名。菊酒。旧9月9日に行う大工の健康祈願。
- 用例
- チクザキネー、サキンカイ イシヂクヌ ファー ウカビティ ウサギーン(菊酒には、酒に石菊の葉を浮かべて供える)。
- メモ
- →クンガチクニチ
チクタルメー
作たる米。字長浜に伝わる豊作祈願の舞踊。
- メモ
- 踊りの所作の中に、稲の豊作や刈り入れ、収穫の喜びが表現されている。アシビの最後に踊る重要な踊りであり儀式である。
チグチ
人々が集まる場所。良い場所。
- 用例
- マチヤヤ チグチヌ ユタサヌ、チャー ウチャコー ミッチャカトーン(店は良い場所にあるから、いつもお客がいっぱいだ)。
チクチク
すこしずつする様。徐々に。
チグトゥ
不吉を予告する。
- 用例
- ユナカ、チグトゥヌ チカリーネー マシェー アラン(夜中、不吉な物音が聞こえたら良くない)。
チクドゥン
筑登之。琉球王国の士族の位階で最下位の称号。
チグニ
昆虫名。クワガタ虫の一種。
- メモ
- 類:ゥンマバサン。
チクラ
魚介名。ボラ。
- 用例
- チクラヤ トゥッティン、 カジャシ ヒティーヌ バーン アタン(ボラは釣っても、臭いので捨てることもあった)。
- メモ
- 音:チュクラ。
出世魚で成長するにしたがって、チクラ(チュクラ)、ボラ、サクチと呼び名が変わる。
チクン
気根。気力。
チクン
着く。
- 用例
- ヤガティ ナーファカイ チクル ハジ ヤシガ(やがて那覇に着く筈だが)。
- メモ
- 音1:チチュン。
チケー
さしつかえ。支障(ししょう)。
- 用例
- ワーガ イヌトゥーイソーケー、チケー ネーンサ(私の言う通りにしておけば、どうってことはないさ)。
チケー
使い。
- 用例
- シージャヌ ヤーンカイ チケー ヤラスン(兄の家に使いを遣る)。
- メモ
- →イーチケー。
チゲー
関節。
- メモ
- →グーイ。
チゲー
気概。気分。気力。全身の力。
- 用例
- チゲー ヌギーン(〔がっかりして〕力がぬける)。
チゲーダイ
気抜け。落胆。気持ちが滅入る様。落胆して体の筋がだれること。力がはいらないこと。
- 用例
- チゲーダイ ソーン(気力がぬけてだるくなっている)。
- メモ
- 音2:チルダイ。
チケーミチ
使い道。
- 用例
- チケーミチヌ アラー、ヤーカイ ムッチ イチュンテー(使い道があるなら、家に持って行くさ)。
チケームン
使い者。使い走り。使用人。
- 用例
- アレー ヤクン タッタングトゥ、チャー チケームン ヤサ(彼奴は役に立たないから、いつも使い走りだよ)。
- メモ
- →イーチケームン。
チゲーライン
体全体がだるくなること。精神的にまいること。
- メモ
- 音1:チゲーリーン。
チゲーラスン
関節を捻(ひね)る。
- 用例
- ルゲーティ ヒサ チゲーラスン(転んで足を捻る)。
チゲーリーン
体全体がだるくなること。精神的にまいること。
- 用例
- チゲーリティ ヌーン シーブサー ネーン(精神的にまいってしまって、何もしたくない)。
- メモ
- 音1:チゲーライン。
チゴー
都合。
- 用例
- イャームン チゴーンカイ アティーグトゥ、イェージ シーヨーヤー(お前の都合に合わせるから、連絡してね)。
チザシ
鍼(はり)。針灸。
- 用例
- イャームン ヒサー ウッピフックティ、チザシ タティティクヮー(お前の足はそんなに膨れて、鍼をたててきなさい)。
- メモ
- 音1:チジャシ。
チジ
悪いこと。劣ること。
- 用例
- アレー メーディヤカ チジナトーン(彼は以前より悪くなっている)。
チジーン
遮る。封鎖する。
- 用例
- アブナサヌ トゥクマンカイ イカラングトゥ シ、キーシ チジーン(危ない所に行けないように、木で遮る)。
否:チジラン(遮らない)希:チジーブサン(遮りたい)過:チジタン(遮った)継:チジテーン(遮ってある)。
- メモ
- 音1:キギーン。
チシナバー
チシャ。レタス類の総称。
- メモ
- 虫があまりつかないので年中栽培された。成長していく下の方の葉から掻いて食する。
チジャースン
継ぎ合わせる。
- 用例
- フクター チジャースン(ボロ布を継ぎ合わせる)。
チジャシ
人体の血液を外部に排出させる治療。治療用の針。
- 用例
- チジャシ タティーン(鍼をたてる)。
- メモ
- 音1:チザシ。
チジュヤー
くせ毛。
- 用例
- チジュヤーグヮー ナティ パーマ カキテーヌグトゥル アル(くせ毛でパーマをかけたようだね)。
チジュヤー
芸能の演目、雑踊りのひとつ。浜千鳥。
チジュル
竹製の籠。
- 用例
- ゥンマンカイ ウチェール チジュルンカイ ンナ イットーケー(そこにおいてある竹籠に貝を入れておきなさい)。
- メモ
- スクなどの小魚を獲る竹製の籠で、主に女性が使用していた。
チジュルグヮー
ソテツで作った玩具。
- 用例
- チジュルグヮー チュクティ アシブシン タヌシミ ヤタンヤー(ソテツで玩具を作って遊ぶのも楽しみだったね)。
- メモ
- ソテツの葉の両側についている小葉を1本ずつ葉と垂直に並べ、小葉に両側の葉を1本ずつ編んでいき、虫かごや小魚取りに使った。
チジュルジョーカー
醤油を造る時に使う竹製の籠。
- 用例
- ウヌ チジュルジョーカーヤ フルサヌ アナ アチョーンドー(そのチジュルジョーカーは古くて穴が開いているよ)。
チジュローシー
汁用の鍋。
- 用例
- チジュローシーヌ ミー イユヌシル ニチェーン(チジュローシーのいっぱい魚汁を煮てある)。
- メモ
- 音1:チリローシー・チルローシー。
チジュン
継ぐ。
- 用例
- チャクシ ヤグトゥ ワンガ ヤー チジュン(長男だから私が家を継ぐ)。
否:チガン(継がない)希:チジーブサン(継ぎたい)過:チジャン(継いだ)継:チジョーン(継いでいる)。
チジュン
注ぐ。
- 用例
- チュイナーカールー サキ チジュン(一人ひとりに酒を注ぐ)。
否:チガン(注がない)希:チジーブサン(注ぎたい)過:チジャン(注いだ)継:チジョーン(注いでいる)。
チシリ
煙管。
- 用例
- タンメー チシリ トゥッティ クーワ(おじいさんの煙管を取ってきなさい)。
- メモ
- →キシリ。
チジロークェー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
チスーウヮー
豚の御馳走。十五夜アシビが決まった時にアシビナーで振るまわれた焼き豚のこと。
- メモ
- 伊良皆では十五夜アシビをすることが決まると、ホラ貝を吹いて青年を集め、アシビナーで焼き豚をした。その肉のことをチスーウヮーと称し、それを持って地謡の人たちにお願いに行った。
チタワイン
伝わる。
- 用例
- イークトゥン ヤナクトゥン、スグ チタワインドー(良い事も悪い事も、直ぐに伝わるよ)。
チチ
月。お月さま。
- 用例
- チューヌ チチヌ チュラサヨーヤー(今日の月のきれいなことよね)。
- メモ
- 音2:チチュー。→チーチューメー。
チヂ
頂き。てっぺん。頭上。頭頂。
- 用例
- ヤマヌ チヂマデー、トゥスイガー ヌブイサン(山の頂きまでは、年寄りがは登れない)。
チジンカイ カミユン(頭上に載せる)。
チチアタイン
突き当たる。
- 用例
- マットーバ イチーネー、ワッター ヤーンカイ チチアタイン(真っすぐ行くと、私の家に突き当たる)。
継:チチアタトーン(突き当たっている)。
チチーカンティー
聞きづらい。聞き取りにくい。
- 用例
- イャームン ハナシヤ、クィーヌ グナサヌ チチーカンティー スン(お前の話は、声が小さくて聞き取りにくい)。
- メモ
- 音2:チチグリサン。対:チチヤッサン(聞きやすい)。
チチイシ
力石。力自慢を競う石。
- 用例
- ワカサイネー ドゥシンチャー アチマティ、チチイシ ムッチェー シ アシブタン(若い頃は友達が集まって、力石を持ち比べして遊んだ)。
- メモ
- 類:マーイサー・サシイシ・カタミイシ・マーイシ。
60~70㎏ほどの重さの石といわれるが、現存する字上地のものは120kgを超える重さ。かつては多くの字にあり、力比べをした。波平ではチンマーサーとアガリジョー、マチムトゥヌメーの三か所に力比べの石があった。二才達は夕食後そこに集まって力自慢をした。
チチイリーン
聞き入れる。
- 用例
- ウヤヌ ハナシー チチイリーン(親の話を聞き入れる)。
チチウーシ
搗き臼。
- 用例
- ウヌ チチウーシヌ ゥンブサヨー(その搗き臼の重いことよ)。
- メモ
- 音1:チキウーシ・チチウシ。
チチウサジ
月ウサギ。月に1回出産するウサギ。
チチウシ
搗き臼。
- メモ
- 音1:チチウーシ。音2:チキウーシ。
チチウットゥ
年下(1か月ぐらいの差)。
チチェンヌウタキグヮー
牧原の拝所の名称。チチェンヌ御嶽。
- メモ
- チチェーンヌウタキのこと。
戦後米軍により敷ならされ跡形もないが、戦前は船送りもしたチチェーングーフと呼ばれる見晴らしのよい丘があり、松林となっていたためチチェーンマーチューとも呼ばれた。拝所はその上方にあり、牧原集落形成以前から首里の婦人らが拝していたとも伝わる。1980年に修復し、現在は祠が建立されている。米軍用地内に位置するが、以前は自由に立入ることができ、拝所での祈願のほか、周辺の広場で字行事を行ったり、黙認耕作地での作業のおり家族で憩ったりした。現在は自由に立入ることができず、祈願もフェンス越しの遙拝となることが多い。それでも牧原の人々の精神的なよりどころとされ、特に九月九日の例祭には村外からも牧原出身者の参加があり、旧集落を懐かしむ。旧盆のエイサーもここで奉納した後に道ジュネーをする。
チチカミーン
頭で突き上げる。
- 用例
- ティンジョーヌ ヒクサヌ、マギッチュガー チチカミーン(天井が低くて、大きな人だったら頭がつかえる)。
チチカンシーン
押し寄せる。近くへ迫る。
- 用例
- ウッサヌチュデームン ヤガティ チチカンシーンドー(大勢の人だもの、やがて押し寄せて来るよ)。
- メモ
- 音2:ウシユシーン。
チヂキーン
続ける。
- 用例
- アトゥ サンニノー チヂキーン(あと3年は続ける)。否:チヂキラン(続けない)希:チヂキーブサン(続けたい)過:チヂキタン(続けた)継:チヂキトーン(続けている)。
チヂキーン
続ける。
- 用例
- アトゥ サンニノー チヂキーン(あと3年は続ける)。否:チヂキラン(続けない)希:チヂキーブサン(続けたい)過:チヂキタン(続けた)継:チヂキトーン(続けている)。
チチグイニーグイ
押さえつけるような様。
- 用例
- チチグイニーグイ シ ヌライネー、キクシン キカン ナイサ(押さえつけるようにして叱っては、聞くのも聞かなくなるさ)。
- メモ
- 音1:チチクェーニークェー。
チチクェーニークェー
押さえつけるような様。
- 用例
- チチクェーニークェー シェー、ワランチャーヤ キカンデー(押さえつけるようなやり方では、子どもたちは聞かないよ)。
- メモ
- 音1:チチグイニーグイ。
チチグトゥ
聞いてためになる。
- 用例
- タンメーター ハナシーヤ、イチ チチン チチグトゥ ヤサ(お爺さんたちの話は、いつ聞いてもためになるさ)。
チチクビ
土壁。
- 用例
- チチクビン ハギティチュールムン、チュクイケーリワル ナインテー(土壁も剥がれてきているから、造り替えないといけないね)。
チチグリサン
聞きづらい。聞き取りにくい。
- 用例
- ヤナ ハナシーヤ チチグリサンヤー(嫌な話は聞きにくいね)。
- メモ
- →チチーカンティー。
チチケーシゲーシ
何度も聞き返す様。
- 用例
- イミン ワカランラー、イクケーヌン チチケーシゲーシ シェーワ(意味が分からないなら、何度でも聞き返しなさい)。
チチケースン
聞き返す。
- 用例
- イミヌ ワカラングトゥ、ナー チュケーン チチケースン(意味が分からないから、もう一度聞き返す)。
否:チチケーサン(聞き返さない)希:チチケーシーブサン(聞き返したい)過:チチケーチャン(聞き返した)継:チチケーチョーン(聞き返している)。
チチジ
植物名。つつじ。
チチシージャ
年上(1か月ぐらいの差)。
チチシミ
慎み。
- 用例
- ワカサー アティン、チチシミビチー クトー ワカイル スル(若くても、慎むべきことは分かるはずだよ)。
チチシムン
慎む。
- 用例
- ヌーグトゥン メー ナラナラ サングトゥニ チチシムン(何事も前になろうなろうしないで慎む)。
チチジメー
月末。月終い。
- 用例
- カテーヌ ジンヤ、チチジメーニ ケースヌ ヤクシク シェーン(借りたお金は、月末に返す約束をしてある)。
チチジョージ
聞き上手。
- 用例
- チチジョージェー ハナシーン ジョージ ナイン(聞き上手は話も上手になる)。
チチチュン
突く。つつく。ついばむ。
- 用例
- イービサーニ ブーカー チチチュン(指で風船を突く)。
トゥイガ オーファ チチチュン(鶏が野菜をついばむ)。否:チチカン(突かない)希:チチチーブサン(突きたい)過:チチチャン(突いた)継:チチチョーン(突いている)。
チヂチュン
続く。
- 用例
- クンドー ユー チヂチョーンヤー(今回はよく続いているね)。
否:チヂカン(続かない)希:チヂキーブサン(続けたい)過:チヂチャン(続いた)継:チヂチョーン(続いてる)。
チチトースン
突き倒す。
- 用例
- ゥンマンカイ ンナタッチ シーネー、チチトースンドー(そこに何もせずただつっ立っていたら、突き倒すよ)。
- メモ
- 音1:チキトースン。
チチナガスン
聞き流す。
- 用例
- クンドゥヌ クトー チチナガスン(今度のことは聞き流す)。
否:チチナガサン(聞き流さない)希:チチナガシーブサン(聞き流したい)過:チチナガチャン(聞き流した)継:チチナガチョーン(聞き流している)。
チチナガミ
月見。月眺め。
- 用例
- チチヌ チュラサヌ、チューヤ フカヲゥティ チチナガミ サナ(月がきれいだから、今日は外で月見をしよう)。
チチナレー
聞き習う。聞いて習うこと。
- 用例
- ムノー チチナレー ヤサ(物は聞いて習うことだよ)。
チチヌカージ
月毎。毎月。
- 用例
- ドゥシンチャー、チチヌカージ アチマティ アシバヤー(友達、毎月集まって遊ぼうね)。
- メモ
- 音2:メーヂチ。
チチヌガスン
聞き逃す。
- 用例
- ユンタクビカーン シ チュヌ ハナシー チチヌガスン (おしゃべりばかりして、人の話を聞き逃す)。
否:チチヌガサン(聞き逃さない)過:チチヌガチャン(聞き逃した)継:チチヌガチョーン(聞き逃している)。
チチヌムン
月のもの。月経。初潮。
- 用例
- チチヌムン ハジマティ ウフッチュグヮー ナトーサヤー(月の物も始まって大人になったね)。
チチヌユー
月の夜。月夜。
- 用例
- チチヌユー ナティ アンシ アカガトール(月夜でとても明るいね)。
チチノースン
聞き直す。
- 用例
- シカトー チカランテーグトゥ、ナー チュケーン チチノースン(ちゃんと聞こえなかったから、もう一度聞き直す)。
否:チチノーサン(聞き直さない)希:チチノーシーブサン(聞き直したい)過:チチノーチャン(聞き直した)継:チチノーチョーン(聞き直してる)。
チチバッペー
聞き間違い。
- 用例
- アネー アランドー、ウレー イャー チチバッペール ヤル(そうじゃないよ、それはお前の聞き違いだよ)。
チチヒ
月日。
- 用例
- チチヒヌ タッチュシヌ ヘーサヨー、ゥンマヌ ハイヌ グトゥル ヤル(月日の経つのが早いこと、馬が駆け抜けるようだ)。
チチフリーン
聞き惚れる。
- 用例
- イチ チチン イーウタ ナティ、チチフリーンヤー(いつ聞いても良い歌で、聞き惚れるね)。
過:チチフリタン(聞き惚れた)継:チチフリトーン(聞き惚れている)。
チチムン
包む。
- 用例
- アマトール ムノー ウチュクインカイ チチムン(余った物は風呂敷に包む)。
否:チチマン(包まない)希:チチミーブサン(包みたい)過:チチダン(包んだ)継:チチドーン(包んでいる)。
チヂムン
縮む。
- 用例
- ウヌ チノー、アライネー チヂムンドー(その着物は、洗うと縮むよ)。
否:チヂマン(縮まない)継:チヂドーン(縮んでいる)。
チチムンガーミー
漬物用の甕。
チチャークー
鎌投げ遊び。草刈りに行って、刈った草を賭けて鎌投げをして遊んだ。
- メモ
- →イラナナギエー
チチヤーニークヮー
互いに張り合って言い合う様。
- 用例
- チチヤーニークヮー ヒチ、イチマディ オーイル チムガ(互いに張り合って、いつまで喧嘩する気か)。
チチャガイニーセーター
伸び盛りの青年たち。
- 用例
- チチャガイニーセーターヤ、ヌー ヤティン シーヨー(伸び盛りの青年たちは、どんなことにでも〔挑戦〕しなさいよ)。
チチャガイン
抜きん出る。突き出る。
- 用例
- ハマティ ベンチョー シーネー、チュヤカ チチャガインテー(頑張って勉強したら、人より抜きん出るよ)。
チチャサン
近い。
- 用例
- ワッター ヤーカラー ナーヒン チチャサン(私たちの家からはもっと近い)。
- メモ
- 音1:チカサン・チカハン。→チカサン。
チチヤッサン
聞きやすい。
- 用例
- シンシー ハナシーヤ クィーン マギサヌ イッペー チチヤッサン(先生の話は、声も大きくてとても聞きやすい)。
- メモ
- 対:チチグリサン・チチーカンティー(聞きにくい)。
チチャラムーチー
力餅。
- メモ
- →チカラムーチー。
チチャルウビ
聞き覚え。
- 用例
- イャーン チチャルウビヤ アサニ?(お前も聞き覚えがあるでしょう?)。
チチャルカキター
いつも同じ着物を着ていること。着の身着のまま。
- 用例
- ケーイジヌン ネーン チチャルカキター(着替えもなく着の身着のままだ)。
- メモ
- →チチャラカッタイ。
チチャルカッタイ
いつも同じ着物を着ていること。着の身着のまま。
- 用例
- ナー チノー チチャルカッタイ ゥンジャンディ(もう、着の身着のままで行ったそうだ)。
- メモ
- 音2:チチャルカキター・チュカタギー。
雀孝行の話で親が危篤になったので、着の身着のままで駆けつけて死に目に間に合ったという話。「雀孝行」『大木の民話』より。
チチャン
投げ網。
- メモ
- 池から鯉を捕るときに使っていた。
チチュー
月。お月さま。
- 用例
- チチューヌ ナカヲゥティ ウサジガ ムチ チチョーンディ(月の中でウサギが餅を搗いているそうだ)。
- メモ
- 音2:チーチューメー・チチ・チッチュ・チュチュメー。
チヂュカガー
古堅の湧泉の名称。
- メモ
- かつては古堅の旧家によって拝まれていたようであるが、現在、場所が特定できない。古堅ガーから西向けの、比謝川沿い、崖下に位置しているとされる。
チチュン
①利く。②効く。効果がある。
- 用例
- ①アンマー ハナヤ ユー チチュン(お母さんの鼻はよく効く)。②ウヌ クスイヤ ユー チチュン(その薬は良く効く)。
チチュン
①付く。②憑く。③着く。
- 用例
- ①ユグリミーカラ アッチーネー、チヌンカイ ドゥルガ チチュンドー(汚れた所から歩くと、着物に泥がつくよ)。
②ヤナマブイヌ チチョーン(悪い霊魂が憑いている)。
③ンナトゥンカイ フニヌ チチュン(港に舟が着く)。
継:チチョーン(ついている)。
チチュン
①聞く。②尋ねる。
- 用例
- ①ウヌ ワラベー ウフッチュヌ ハナシー ユー チチュン(その子は大人の話を良く聞く)。
①ンカシヌ ハナシー ファーフジカラ チチブサン(昔の話を祖父母から聞きたい)。
②アヌ チュンカイ チチュン(あの人に尋ねる)。
否:チカン(聞かない)希:チチブサン(聞きたい)過:チチャン(聞いた)継:チチョーン(聞いている)。
- メモ
- 音1:キクン。
チチュン
①突く。②撞く。③押す。④搗く。
- 用例
- ①マギキー ティーシ チチュン(大きな木を手で突く)。②ティラヌ カニ チチュン(寺の鐘をつく)。③スークトゥシ ハン チチュン(証拠として印鑑を押す)。④アンマートゥ マジョーン ムジ チチュン(お母さんと一緒に麦を搗く)。
チチョーデー
親戚兄弟。兄弟。一門兄弟。
- 用例
- ワッター ヲィナグヌカタヌ チチョーデー(私の母方の一門)。
- メモ
- 音1:チュチョーデー。
チチワキ
聞き分け。もの分かり。
- 用例
- ウヤンカイ ゲービカーン シ、チチワキン ネーン ワラビ ヤル(親に反抗ばかりして、聞き分けのない子だ)。
- メモ
- →カジ。
チチワキーン
聞き分ける。
- 用例
- アヌ ワラビヤ ウフッチュガ イーシ ユー チチワキーン(あの子は大人が言うのを良く聞き分ける)。
チヂワタイ
役員交替。
- 用例
- チヂワタイヌ アグトゥ ジムスンカイ イキワル ナイル(役員交代があるから、事務所に行かなくちゃいけない)。
チヂン
太鼓。鼓〔つづみ〕。
- 用例
- チナヒチネー カニン チヂヌン ウッチュタン(綱引きには鉦や太鼓も打っていた)。
チヂングヮー
小さな風呂敷包み。
- 用例
- チヂングヮーンカイ ヌーヌ イッチョーガヤー(小さな風呂敷包に何が入っているのかな)。
チヂングヮー
冬物の野良着。古くなった木綿の着物を野良着にした。単衣で衽(おくみ)はつけない。
- メモ
- →ウシマー。
チチンクン
咳込む。
- 用例
- ユル ナイネー、チャー チチンクン(夜になると、いつも咳込む)。
チッカイムッカイ
つかえたりしてなかなか先へ進まず、もたもたする様。不器用な様。
- 用例
- チッカイムッカイ シ メーネー アガカン(不器用で前に進まない)。
チッカキ
つまずき。
- 用例
- マギイシヌ アグトゥ、チッカキランキヨー(大きな石がああるから、つまづくなよ)。
- メモ
- 音1:キッチャキ。
チッカキーン
ぶつかる。つまづく。
- 用例
- ウマンカイ ウヒナーヌ ムン ウチーネー、チッカキーンドー(そこにこんな大きな物を置くと、つまずくよ)。
チッカキヒッカキ
あちこちにぶつかっている様。
- 用例
- ティーチン ウティチチン ネーラン、トゥーチ チッカキヒッカキ ッシ アッチョーサ(ちっとも落着きがなく、いつもあちらこちらにぶつかって歩いているさ)。
- メモ
- 音1:チッカキムッカキ。
チッカキムッカキ
あちこちにぶつかっている様。
- 用例
- クヌ ワラベー チッカキムッカキ シ、ドゥー ヤマスンドー(この子はあこちにぶつかって、怪我するよ)。
- メモ
- 音1:チッカキヒッカキ。
チッカラコーコー
慌てふためき落ち着かない様。
- 用例
- チッカラコーコー ソーヌ フージ ヤシガ、ヌー ソーガ?(慌てふためいて落ち着かない様子だが、何をしているの?)。
- メモ
- 音1:チッカラコッコイ。
チッカラコッコイ
慌てふためき落ち着かない様。
- 用例
- チッカラコッコイ ッシ、アンシ イシズン ネーンル(慌ててばかりで、なんて落着きがないんでしょうね)。
- メモ
- 音1:チッカラコーコー。
チックジャー
こづくこと。つつくこと。
チッチチアーサイ
突き合わせ。
チッチュ
月。お月さま。
- メモ
- 音2:チーチューメー・チチュー・チュチュメー。→チーチュメー。
チッパッパー
植物名。ツワブキ。
- メモ
- 音:チーパッパー。類:チーチーパッパー・チーパップー・ティーパッパー。
チップガスン
穴を開ける。
- 用例
- イービサーニ アカイ チップガスン(指で障子に穴をあける)。
否:チップガサン(穴をあけない)希:チップガシーブサン(穴をあけたい)過:チップガチャン(穴をあけた)継:チップガチョーン(穴をあけている)。
- メモ
- 音2:ハップガスン・フガスン。
チテー
伝え。
- 用例
- ウレー ンカシ カラヌ チテー ヤサ(それは昔からの伝えだよ)。
チデークニ
人参。
- 用例
- クンドゥヌ チデークニヤ アンシ ユカトールヤー(今年の人参はとても豊作だね)。
- メモ
- 音1:キデークニ・キレークニ・チデークニー・チレークニ。
チデークニー
人参。
- メモ
- 音1:キデークニ・キレークニ・チデークニ・チレークニ。
チテーバナシ
伝え話。
- 用例
- ウヤカラ チチョール チテーバナシヤ、イチマディン ワシララン(親から聞いている伝え話は、いつまでも忘れられない)。
チトゥ
つと。土産。苞。
- 用例
- カリ ヌクイヤ、チトゥ ムッチ イキヨーヤー(食べて残った分は、苞にして持って行きなさいよ)。
チトゥグヮー ムッチチャンド-(お土産を持って来たよ)。
チトゥミ
勤め。
- 用例
- ヤガティ チトゥミ ウワティ、ケーティ チューン(やがて勤めを終えて、帰って来る)。
チナ
綱。
- 用例
- アミフイグマイニ ヤー ヲゥティ チナ ノーイン(雨降りには家で綱を綯う)。
チナー
地名(読谷村喜名)。
チナー イリバル
地名(読谷村喜名と喜名の小字西原)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
チナー ザチミ
地名(読谷村喜名と座喜味)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
チナー ジンミ
字民性。喜名吟味。喜名の人はひとつの話題に対して賛否両論、意見を交わすことが多く、結論を出すのが遅いこと。喜名の人の字民性を現す言葉。
チナー ウヮービー
字民性。喜名上辺。
- メモ
- 喜名の人の字民性を現す言葉。喜名の人は上辺だけで、よそよそしいこと。
チナーアマカー
踊りの名。喜名天川。
- メモ
- 四つ竹を持ってゆっくりとした動作の踊りで、ニーブイアマカーともいわれた。
チナータバル
{喜名田原}。座喜味の小字。
チナーバル
{喜名原}。喜名の小字。
チナーンチュ
喜名の人。
チナーゥンマイー
喜名馬場。
- メモ
- 喜名番所前の旧道は、番所から南に200メートルほどが馬場であり、明治期までゥンマハラセー(競馬)が開催されていた。この馬場は後に役場前の大通りになった。
チナウービ
綱帯。
チナウービグヮー
綱の帯。男性用の帯。
チナウッチー
綱打ち。網を作ること。
- 用例
- クトゥシン、アチャカラ チナウッチー ハジマインドー(今年も、明日から綱打ちが始まるよ)。
チナガイン
繋がる。
- 用例
- デンワガ チナガイン(電話がつながる)。
否:チナガラン(繋がらない)希:チナガシーブサン(繋ぎたい)過:チナガタン(繋がった)継:チナガトーン(繋がっている)。
チナジアースン
繋ぎ合わせる。
- 用例
- ヌヌヌ チリハシ チナジアースン(布の切れ端を繋ぎ合わせる)。
否:チナジアーサン(繋ぎ合わせない)希:チナジアーシーブサン(繋ぎ合わせたい)過:チナジアーチャン(繋ぎ合わせた)継:チナジアーチョーン(繋ぎ合わせている)。
チナジュン
繋ぐ。
- 用例
- インチャサグトゥ ターチ チナジュン(短いから2つ繋ぐ)。
否:チナガン(繋がない)希:チナジーブサン(繋ぎたい)過:チナジャン(繋いだ)継:チナジョーン(繋いでいる)。
チナハックエー
縄跳び。
- 用例
- チナハックエーヤ、イクタイニンジュシ トゥンジスーブスタン(縄跳びは、数人で飛び勝負をした)。
- メモ
- 2人で縄の両端を掴んで回し、その中に他の人が数人入ったり出たりして、何回飛べるか競争して遊んだ。
チナヒキ
綱引き。
- 用例
- クンドゥヌ チナヒキヤ マーヌガ カッチュラーヤー(今年の綱引きはどこが勝つのかな)。
- メモ
- 音1:チナヒチ。
チナヒチ
綱引き。
- 用例
- クンドゥヌ チナヒチヤ イッペー ミームンドー(今年の綱引きはとても見ごたえがあるよ)。
- メモ
- 音1:チナヒキ。
チナヒチミチ
綱引き道。綱引きを行った道。
チナヒチモー
綱引き原。綱引きに用いる綱をあんだ原っぱのこと。
チナブー
出来物の一種で、夏の暑い時に子どもの頭にできる。
- 用例
- ウッピナーヌ チナブーガ ゥンジトール(大きなチナブーができているね)。
- メモ
- →ウーブ。
チニヒーギー
常平生。
- 用例
- チニヒーギーカラ マクトゥソーケー ヌーガ アティン チャーン ネーンサ(常平生から誠にしておけば、何があってもどうってことないさ)。
- メモ
- 音1:チニヒージー。音2:マルヒージー。
チニヒーヂー
常平生。
- 用例
- イチナンドゥチル ウチャコー メンシェーラー ワカランムンヌ、チニヒージーカラ ヤーヤ カタジキトーケー(いつ何時お客さんがいらっしゃるか分からないから、常平生から家は片づけておきなさい)。
- メモ
- 音1:チニヒーギー。音2:マルヒージー。
チヌ
角。つの。
- 用例
- ウシヌ チヌカイ カミラリーネー デージドー(牛の角に突かれたら大変だよ)。
サク ゥンジトーシンカイ 「チヌ ミートーン」ディ インドーヤ(癇癪を起こしている人に「角が生えている」というよね)。
- メモ
- 音1:チン。
チヌー
昨日。
- 用例
- ゥンマンカイ チヌーカラ フクルガ ウカットーシガ、 タームンガヤー?(そこに昨日から袋が置いてあるが、誰のかな?)。
- メモ
- 音1:キヌー。
チヌウッティ
昨日。さきおととい。昨日・一昨昨日。つい最近。
- 用例
- チヌウッティヌ ハナシ ヤイビーシガ(つい最近の話ですが)。
チヌシルー
角が白い。牛に付けた名称。
- 用例
- チヌヌ シルハヌ ウシカイ チヌシルー ディータン(角が白い牛にチヌシルーといった)。
チヌブ
あじろ。竹を細かく編んだ垣根。
- メモ
- ヒンプンや家畜小屋の囲いなどに使った。
チヌブバル
{喜野部原}。渡具知の小字。
チネー
①家庭。世帯。所帯。②世帯数を表す数詞。
- 用例
- ①ワッター ヰナグングヮヤ イーチネーカイ ユミ ナティ ゥンジ、ヌーヌ シワン ネーラン(私の娘は良い家庭に嫁に行って、何の心配もない)。
チネー ハンジョー(家内繁盛)。②ミチネーッシ ムチマールー ソーン(3世帯で持ち回りをにしている)。
- メモ
- 音1:キネー。チュチネー(1世帯)、タチネー(2世帯)、ミチネー(3世帯)と数える。
チネー ドーリ
親族が共倒れすること。
- 用例
- チュチョーデーガ ウーサイネー トゥイヒレーヌ ウーサヌ、チネー ドーリ スンディ イラットーン(親族が多いと交際も多く、親族が共倒れすると言われている)。
チネーヌ カージ
各家ごとに。
- 用例
- チネーヌ カージ ハガントー ナラン(各家ごとに配らないといけない)。
チネーバカ
家族墓。
チネームッチャー
家庭を上手に切り盛りしていること。
- 用例
- チネームッチャー アラントー、ワッターヤーヤ グヮンスヌ マンリ、マムテー イチーサンデー(家庭を上手に切り盛りする人じゃないと、私たちの家は仏壇祀っている祖先が多いから、守ってはいけないよ)。
- メモ
- 音1:キネームッチャー。
チバイ
気張り。がんばり。
- 用例
- イー チバイ シェーサ(よく気張ってくれたね)。
チバティ クーワ(頑張っておいで)。
チバイン
気張る。頑張る。
- 用例
- イー シクチ シーブサグトゥ ウミチットゥ チバイン(良い仕事をしたいから、うんと頑張る)。
シクチ マニアースン ディチ、ユルヒル チバタン(仕事を間に合わすために、昼夜頑張った)。否:チバラン(がんばらない)希:チバイブサン(頑張りたい)過:チバタン(頑張った)継:チバトーン(頑張っている)。
- メモ
- →音1:キバイン。
チバナ
植物名。シマアザミ。
- 用例
- ウミバタヌ イシヌミーンカイ チバナヤ ユー サチョーン(海岸の石の所にアザミが良く咲いている)。
チビ
ええっ。あら。あれ。
- 用例
- ザキメー「チビ」ヤシガ、ナガハマー「チビチビー」リチ ニクヮイ イーンロー(座喜味は「チビ」だが、長浜は「チビチビー」と2回言うよ)。
- メモ
- 音2:チビーヨ・チビチビ。予想に反した時に発する語。
チビ
①尻。②底。③最後。
- 用例
- ①チビンカイ ドゥルヌ タックヮトーン(尻の方に泥がついている)。
②カーミヌ チビン ユー ンリヨー(甕の底もよく見なさいよ)
③ハーエースーブヤ チビ ヤタン(かけっこは最後だった)。
チビアナ
尻の穴。肛門。
- メモ
- 音2:チビヌミー。
チビー
末っ子。
- メモ
- →イチッガウットゥングヮー。
チビーヨ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 音2:チビ・チビチビー・チビヨイ。予想に反した時に発する語。
チビカタマヤー
植物名。オオバギ。
- 用例
- チビカタマヤー カンシトーチーネー ンリランサ(オオバギを被せておけば濡れないさ)。
チビカタマヤー
便秘。
チビガッサン
尻が軽い。動作が機敏なこと。
- 用例
- チャクシヤカ ジナノー チビガッサグトゥ、チカイヤッサン(長男より次男の方が機敏に働くから、使いやすい)。
- メモ
- 対:チビゥンブー(動作が鈍いこと)。
チビカナギ
着物の裾をからげること。
チビグスイ
尻もち。
- メモ
- 音1:チビグッスイ。
チビクチ
尻と口。
- 用例
- ドゥーガル イチェーシガ、チビクチェー ムスバン(自分で言ったことなのに、つじつまがあわないことをする)。
チビグッスイ
尾てい骨。尻もち。
- 用例
- チビグッスイ アガラスン(尾てい骨をひどくうつ。尻もちをつく)。ダー!シンリティ チビグッスイ ウッチャレー(ほら!滑って尻もちをついてしまったさ)。
- メモ
- 音:チビグスイ。
チビシカナー
座布団。
- 用例
- ウチャクヌ メンシェーグトゥ、チビシカナーン シコートーキヨー(お客がいらっしゃるから、座布団も準備しておきなさいよ)。
チビジシ
豚の尻の部分の肉。モモ肉の一部。
- 用例
- チビジシ コーティチャン(豚のモノ肉買ってきた)。
チビシチナ
尻をおろすための敷物。道端などで座るための急ごしらえの敷物。
- 用例
- キーヌファーンカイ チビシチナ スン(木の葉の上に尻をおろす)。
チビシリシリ
尻を摺り寄せてくる様。
- 用例
- チビシリシリ ユティチューシガ、フンレール ソーガヤー(尻をすり寄せてくるが、甘えているのかな)。
チビスンチャー
尻を引きずって前に進む様。
- 用例
- ナーマ アッチェー シーサンシガ、チビスンチャー シ メーンカイ イチャギン(まだ歩けないが、尻を引きずって前に進んでいる)。
チビタイ
尻たぶ。尻のふっくらとして垂れている部分。
- 用例
- ゥンマヲゥティ ダイダイ シーネー、 チビタイ キラリーサヤー(そこでダラダラしていたら、尻たぶを蹴られるよ)。
- メモ
- 音2:チビタンダ。
チビタッチュー
尻を尖らせる入る様。
- 用例
- チビタッチュー スグトゥ、ヤガテー シカットゥ ヰーンドー(尻を尖らせていりから、もうすぐちゃんと座れるよ)。
- メモ
- 子の成長過程で、お座りができる前に、尻を尖らせて座ろうとする様。
チビタンダ
尻たぶ。尻のふっくらとして垂れている部分。
- 用例
- チビタンダンカイ ニーブターガ ゥンジティ、ヰーンナラン(尻たぶにおできが出来て、座れない)。
- メモ
- 音2:チビタイ。
チビチビー
ええっ。ええっ、もう。
- メモ
- 音2:チビ・チビヨー・チビヨイ」。変なことを言われた時に発する語。
チビヌグイ
尻ぬぐい。他人の失敗や不始末の跡始末をすること。
- 用例
- アリガ チビヌグイヤ ターガ スガ?(彼の尻拭いは誰がするのか?)。
チビヌグヤー
尻ぬぐいばかりしている人。
- 用例
- イチマディ ワラビヌ チビヌグヤー スヌ チムガ?(いつまで子どもの尻拭いをするつもりか?)。
チビヌミー
尻の穴。肛門。
- 用例
- アレー チビヌミーマディ クサリトーン(彼は尻の穴までも腐れている)。
- メモ
- 音2:チビアナ。「チビヌミーマディ クサリトーン」は、体全体が腐っている、どうしようもない人のことをいう。
チビヌミードゥシ
刎頸(ふんけい)の友。とても仲の良い友達。
- 用例
- アヌ タイヤ チビヌミードゥシ ヤンムンヌ、ヌー イチン チカンサ(あの2人はとても仲が良いから、何を言っても聞かないよ)。
- メモ
- 音2:クビチリドゥシ。
チビフイフイ
①尻振り振り。②鳥名。サンコウチョウ。
- 用例
- ①チビフイフイ シ モートーン(尻を振りながら踊っている)。
- メモ
- ②サンコウチョウは長い尾を振る様子からそう呼ばれた。
チビフリハナフリ
子どもの遊び。おにごっこ。
- メモ
- →イヌジュークェー。
チビヨイ
もう。ええっ。
- 用例
- チビヨイ、ビナハナシー ッシ(もうまた、くだらない話をして)。
- メモ
- 音2:チビヨー・チビ・チビチビー。事実と違う話を聞いた時などに発する語。
チビョー
気のやまい。神経衰弱。
チビラーサン
素晴らしい。
- 用例
- ワランチャー シバイル ヤシガ、アンシ チビラーサタン(子どもたちの芝居だが、とても素晴らしかったね)。
- メモ
- 音1:チビラーハン。
チビラーハン
素晴らしい。
- 用例
- トゥナイヌ ミートゥンダヤ ユー ハタラカー ナティ、チビラーハン(隣の夫婦は働き者で、素晴らしい)。
- メモ
- 音1:チビラーサン。
チビゥンブー
尻が重い。動作が鈍いこと。
- 用例
- ヰナグヌ チビゥンブー ナイネー、ヤーヌ シクチン シーサンドー(女が尻重になると、家事もできないよ)。
- メモ
- 対:チビガッサン(動作が機敏なこと)。
チブ
つぼ。灸点。
- 用例
- チブ アティティル ヤーチューヤ スンドー(ツボを当てて灸はするんだよ)。
ジンカヌ タンメー メーカイ、チブ イリーガ(源河のおじいさんの所に、お灸をすえに)。
- メモ
- 音2:チブドゥクル。
チブ
①壷。②酒杯。盃。
- 用例
- ①カラジヌ アンダ イッテール チブ ネーレー(髪油を入れてある壺をよこしなさい)。②チブヌ ミー(杯いっぱい)。
②チブグヮーンカイ サキ イッティ ムルカイ マーセー(盃に酒を入れて、皆に回しなさい)。
チブ
坪。坪数の単位。坪数を数える単位。
- 用例
- イッター ヤシチヤ イクチブ ビカーン アガ?(君たちの屋敷は何坪ぐらいあるのか?)。
- メモ
- チュチブ(1坪)、タチブ(2坪)、ミチブ(3坪)と数える。
チブイ
壺折り。裾を折りからげること。
- 用例
- チブイ カナギティ イッサンバーエー スタン(裾をまくり上げて一目散に走っていた)。
チブクル
三線の乳袋。三線の棹〔さお〕の一部分の名称。
チブグヮー
酒を入れる壺。
- 用例
- チブグヮーンカイヤ サンジャクグヮーンディン イータンレー(チブグヮーには三勺グヮーとも言っていたよ)。
- メモ
- 類:サンジャクグヮー。
チブドゥクル
つぼどころ。灸点。急所。
- 用例
- オーティ チブドゥクルンデー ウッチーネー イチデージテー(喧嘩をして急所でも打ったら大変なことだよ)。
- メモ
- 音2:チブ。
チブトゥン
物がぽっきり折れている様。
- 用例
- クヌメーヌ ウーカジシ キーヌ チブトゥン ヲゥーリティネーン(この前の大きな台風で、木がぽっきり折れてしまった)。
チブヌギ ヌギーン
ほっとする。
- 用例
- チューヲゥテー シラビムヌン ウワティ チブヌギヌギタン(今日で調べ物も終えてほっとした)。
- メモ
- 大事を難なくこなしたときに使う。
チブヤ
壺屋。瓦を作った窯場。
チブラー
①頭でっかち。②優れ者。
- 用例
- ①チブラーナカイ フルン グナサン(頭でっかちで背も小さい)。
②チブラーンチャーガ スリトータン(優秀な人たちが揃っていた)。
チブル
植物名。ユウガオ。夕顔。ウリ科の野菜。
- 用例
- チブルン ゥンブシーネー マーサン(夕顔も蒸すと美味しい)。
- メモ
- スブイ(冬瓜)と同様、煮物や汁物に調理するのが一般的。
チブル
頭。
- 用例
- チブルヤ カクチョーシガ チベー ゥンジトーン(頭隠して尻隠さず)。
チブルヌ イレー チベー ゥンジール アタイヌ ヤーグヮー(頭を入れると尻が出るような小さな家)。
チブル ウスイン(悩み込む、頭を抱える)。
- メモ
- 音1:チュブル。
チブルガー
豚の顔皮。や頭の部分。豚の顔を含んだ頭全体ののこと。
- 用例
- チブルガーン コーティ チャン(チブルガーを買ってきた)。
- メモ
- 類:チラガー。
チブルサーエー
子どもの遊び。おにごっこ。頭をさわられたら鬼になる。
- メモ
- →イヌジュークェー。
チブルチチャー
頭をつき合わせること。頭と頭がぶつかるほど混雑していること。
- 用例
- チブルチチャー スヌ アタイ ヤタンデー(頭がぶつかるほどの人込みだったよ)。
- メモ
- 音2:チブルチチャーサイ・チブルチチャーシェー・チブルチチャーセー。
チブルチチャーサイ
頭をつき合わせること。頭と頭がぶつかるほど混雑していること。
- 用例
- チブルチチャーサイ スル アタイ チャコー イッチョータサ、モーイー ンージーガ イチネー(頭がぶつかりあうくらい客は入っていたよ、踊りを観に行くと)。
- メモ
- 音2:チブルチチャー・チブルチチャーシェー・チブルチチャーセー。
チブルチチャーシェー
頭をつき合わせること。頭と頭がぶつかるほど混雑していること。
- 用例
- ドゥシンチャー マジョーン ヤガマーヲゥティ チブルチチャーシェーシ ニンジュタン(友達と一緒に、離れで雑魚寝した)。
- メモ
- 音1:チブルチチャーセー。音2:チブルチチャー・チブルチチャーサイ。
チブルチチャーセー
頭をつき合わせること。頭と頭がぶつかるほど混雑していること。
- 用例
- チブルチチャーセー スカ ヲゥタッサー(頭がぶつかり合うほどいたなあ)。
- メモ
- 音1:チブルチチャーシェー。音2:チブルチチャー・チブルチチャーサイ。
チブルチリヤー
頭がきれる人。物の考え方が鋭い人。優れ者。秀才。
- メモ
- 音2:スグリヤー・ディキヤー。→クーサムン。
チブルブニ
頭蓋骨。
- 用例
- ニーケーカラ ウティティ、チブルブニンカイ ヒビガ イッチョーンディ(2階から落ちて、頭蓋骨にヒビが入っているんだって)。
- メモ
- →カラチブル。
チブルヤミ
頭痛。
- メモ
- 音1:チブルヤン。
チブルヤン
頭痛。
- 用例
- チヌーカラ チブルヤン シル ニントーンレー(昨日から頭痛がして休んでいるんだよ)。
- メモ
- 音1:チブルヤミ。
チブルワイ
頭割り。人数割り。
- 用例
- シナムノー チブルワイシ ワキラナ(品物は頭割りで分けよう)。
- メモ
- 人数に応じて金品を平等に分配したり、割り当てたりする均等割りのこと。
チブルゥンブー
頭が重いこと。頭がすっきりしなくて気分が悪い様。
- 用例
- アミフイ チヂチ、チブルゥンブー ソーン(雨が降り続いて、頭がすっきりしない)。
- メモ
- 音2:ウフチブラー。
チマイン
詰まる。金が詰まる、困るの意味もある。
- 用例
- スイドーガ サビッシ チマトーン(水道が錆びて詰まっている)。
クリガ チマトーシェー(これ〈お金〉が詰まっているさ)。継:チマトーン(詰まっている)。
チマグ
蹄〔ひづめ〕。豚足のつま先の部分。足首から下にあたる部分。
- 用例
- カサギヤーヤ チマグ カミーネー ハライヤッサク ナインディ(妊婦はチマグを食べると安産になるそうだ)。
チマグー ガンジューラシヨー(足下を頑健ににしなさいよ。協力して重い物を持ったり、すもうをとる時などにいった)。
チマンクン
着物のしわを整える。
- 用例
- ウヮージギン ヤグトゥ、リッパグヮー チマンクン(余所行きの着物だから、ちゃんとしわを伸ばす)。
チミ
爪。
- 用例
- ヒサヌ チミガ ヌビトーン(足の爪が伸びている)。
ヒサヌ チミ タティティ アッキヨーヤー(足の爪をたてて歩きなさいよ)。
- メモ
- 死者の爪を夜に切ることから、爪は夜に切ってはならないと言われた。
「チミ タティティ …」は雨降り後など滑って転ばないようにということ。
チミーン
詰める。
- 用例
- ハクンカイ クヮーシ チミーン(箱にお菓子を詰める)。否:チミラン(詰めない)希:チミラン(詰めたい)過:チミタン(詰めた)継:チミトーン(詰めている)。
チミカタ
爪跡。
- 用例
- ゥンマガンカイ カチャマッティ チミカタ イッチョーン(孫にひっかかれて爪跡が入っている)。
チミクマサー
馬の蹄鉄〔ていてつ〕をつける職業。またはその人。
チミサチ
爪先。
- 用例
- チミサチヌ ワリトーン’(爪先が割れている)。
チミジュリ
お抱えの遊女。詰女郎。
- 用例
- チミジュリ ナティ(お抱えのジュリになって)。
- メモ
- 三線や歌舞を習得し、客を接待する女性。客が金で独占した遊女のこと。
チミトゥガ
罪科。罪。
- 用例
- チミトゥガン ネーン(罪科もない)。ドゥークル シーゥンジャチェール チミトゥガ マヌガラン(自分で起こした罪は免れない)。
チミマーヤー
爪の周りにできるはれ物。
- メモ
- 音1:チンマーヤー。
チム
①肝。肝臓。レバー。②心。③わけ。つもり。
- 用例
- ①ウヮーヌ チム イッティ、シンジムン チュクレーワ(レバーを入れて、煎じ物を作りなさい)。
②アリガ イーシェー チムカラー アランサ(彼が言うのは本心からではないよ)。
③アン ナトール チム ヤグトゥ(そうなっているわけだから)。シティール チム ヤシガ(捨てるつもりだが)。
チム カチクジーン
心をかき乱す。
- 用例
- シワグトゥヌ アティ、チムカチクジーン(心配事があって、心をかき乱す)。
- メモ
- 音1:キム カチクジーン。
チム トゥメーイン
心を取り直す。
- 用例
- ナマネー チム トゥメーイ ゥンジャチャン(今度こそは心を取り直した)。
チム ハリーン
心が晴れる。すっきりする。
- 用例
- ナー ヤガテー チム ハリーンテー(もうやがてすっきりするさ)。
- メモ
- 音1:キム ハリーン。
チム ヒジュン
満足する。気がすむ。
- 用例
- ドゥーガ マシ ヤシ コーティ チム ヒジュン(自分が欲しいのを買って満足する)。
アンソール シーヨー シェー ティーチン チム ヒガンサ(そんなやりかたではちっとも気がすまない)。
否:チム ヒガン(満足しない)過:チム ヒジャン(満足した)継:チム ヒジョーン(満足している)。
- メモ
- 音1:キム フジュン・チム フジュン。
チム フジュン
満足する。気がすむ。
- 用例
- チム フジュヌ ウッサ(満足するだけの)。チモー フガサン(満足させない)。チム フガセー(満足させない)。
- メモ
- 音1:キム フジュン・チム ヒジュン。
チム ヤムン
心が痛い。後悔する。
- 用例
- ンカシヌクトゥ ウビゥンジャシーネー チム ヤムン(昔のことを思い出したら心が痛い)。
継:チムヤローン(心を痛めている)。
- メモ
- →キム ヤムン。
チム ヤンジュン
心を痛める。心を傷つける。
- 用例
- ムンイーヨーン ネーン、ワラビヌ チム ヤンジュンディチン アンナー!(ものの言いようもなくて、子どもの心を傷つけるってこともあるか!)。
- メモ
- →キム ヤンジュン。
チム ユルスン
心を許す。ほっとする。
- 用例
- シーウワティ チム ユルスン(やり終えてほっとする)。
- メモ
- →ククル ユルスン。
チム ンージュン
心を見ること。本心を確かめること。
- 用例
- チム ンージュルタミ(本心を確かめるため)。
- メモ
- 音2:チムミレー。類:ククルミレー・ククルミーユー。
チム ゥンジャスン
心を込める。
- 用例
- ワンガ チムゥンジャチ チュクテーシ ヤサ(私が心を込めて作ったものだよ)。
チムアシガチ
気が急〔せ〕くこと。あせること。
- 用例
- ワランチャーンカイ シミーネー チムアシガチ スクトゥ、ドゥークル スシェー マシ(子どもたちにさせたら苛立つから、自分でやった方が良い)。
- メモ
- 音1:キムアシガチ。
チムアタイ
自分の心に当たること。心が痛むこと。
- 用例
- チムアタイ スッサー(心あたりがあるなあ)。
イャーヤ チムアタイ サンルアリー(君は心が痛まないのか)。
チムアマジ
落ち着かない様。
- 用例
- トゥーチ クヮヌ シワ シ、チムアマジ ヒチョーン(いつも子どもの心配で、落ち着かない)。
チムアンマサン
気分が悪い。気が沈んで体調が悪い様。
- 用例
- ワンネー チムアンマサイビーサ(私は気分が悪いです)。
ワラビヌ シワ ビカーンッシ チムアンマサン(子どもの心配ばかりして、気が沈んで体調が悪い)。
チムイサミ
心やすめ。気休め。
- 用例
- ワンガ シクチ ハマイシン チムイサミル ヤンレー(私が仕事を頑張るのも、気休めなんだよ)。
チムイン
当てにする。
- 用例
- イャーガ カシー シーガ チューシ チムインドー(お前が手伝いに来ることを当てにしているよ)。
チャクシカラ ウクラッティチュール ジンル、チムトーンレー(長男から送られてくるお金を、当てにしているんだよ)。
チムウクスン
気がつく。目覚める。
- 用例
- ウヌ ウタンカイ チムウクチ(その歌詞にハッとして)。
- メモ
- 直訳は「心を起こす」で、何かがきっかけとなり、それまで気づかなかった自分の性質などを自覚することをいう。
チムエー
意味合い。意味。理由。わけ。
- 用例
- ヌール イチョーラー、チムエーン ワカラン(何を言っているのか、意味も分からない)。
チャーヌ チムエーシ(どういうつもりで)。
チューヌ シバイヤ ティーチン チムエー ネーンタン(今日の芝居はちっともおもしろくなかった〈チムエーネーン おもしろくない))。
- メモ
- 音1:キムエー。→イミ。
チムガカイ
気がかり。
- 用例
- チャー イャー クトゥル チムガカイ ヤルヨー(いつも貴方のことが気がかりだよ)。
- メモ
- 音1:キムガカイ。音2:チガカイ。
チムカカイン
気にかかる。心配する。
- 用例
- チムカカティ(気がかりで)。
チムガシー
心の加勢。
チムガタガター
胸がどきどきして震える様。寒さや恐怖などで鼓動が速くなる様。
- メモ
- 音2:チムフトゥフトゥー。
チムガチ
イライラ怒ること。
- 用例
- アリガ シーヨー ンジーネー、チムガチ スン(彼奴のやり方を見ると、いらいらする)。
チムガナサン
心からかわいい。愛しい。
- 用例
- ドゥーヌ クヮヌグトゥ チムガナサン(自分の子どものように心から可愛い)。
- メモ
- 音1:キムガナハン。
チムガナシー
心からかわいいもの。
チムガワイ
心変わり。
- 用例
- チムガワイ サンキヨー(心変わりしないでよ)。
チムガワイムン
普通の人とは心がけが違う者。
チムグームン
小心者。内気者。恥ずかしがり。
- メモ
- 音1:キムグーハン。
チムグクル
心。肝心。心を強めていう語。
- 用例
- チムグクル ディキティ、イッペー イークヮ ヤン(心立てが良くて、とても良い子だよ)。
チムグクロー デーイチドー(心が一番だよ)。
- メモ
- 類:ククル。
チムグチ
胸元。みぞおちのあたり。
- 用例
- チヌーカラ チムグチヌル ヤムンレー(昨日から胸元が痛いんだよ)。
チカグロー ユー チムグチ カミラリーン(最近はよく胸やけがする)。
- メモ
- 音:キムグチ。
チムグチカミラリヤー
心窩部痛(しんかぶつう)。胃潰瘍や胆石症等の症状に多く見られる。
チムグナサン
小心。気が小さいこと。心が狭い。
- 用例
- アレー ルクカラ チムグナサヌ、ヌーン イララン(彼奴は余りにも心が狭いから、何も言えない)。
- メモ
- 音1:チムグマサン。→キムグーハン。
チムグマサン
小心。気が小さいこと。心が狭い。
- メモ
- 音1:キムグマサン。→キムグーハン。
チムグリームン
かわいそうな人。
- 用例
- ドゥーチュイムン ナティ、チムグリームン ヤンヤー(一人ぼっちで、とても可愛そうな人だね)。
- メモ
- 音1:キムグリームン。
チムグリゲーナー
かわいそうに。気の毒に。
チムグリサン
気の毒である。かわいそうである。
- 用例
- ワンネー ワラビガル チムグリサンデー(私は子どもがかわいそうなんだよ)。
- メモ
- 音1:チムグルサン。
チムグルサ
気の毒。かわいそう。
- 用例
- チムグルサヌ(かわいそうで)。
チムグルサン
気の毒である。かわいそうである。
- メモ
- 音1:チムグリサン。
チムグヮーシンジ
豚レバーの煎じ汁。
- 用例
- チムグヮーシンジ ウサガティ、ヘーク マシ ナンソーレー(豚レバーの煎じ汁を召し上がって、早く良くなってください)。
- メモ
- →キムグヮーシンジ。
チムサーサー
心が落ち着かない様。
- 用例
- イッタガ ゥンマヲゥティ サワジーネー チムサーサー シ(貴方たちがそこで騒ぐと、心配で落ち着かない)。
- メモ
- 音2:チムワサワサー。
チムサビサン
心から寂しい様。
- 用例
- ユサンリ ナイネー カワティ チムサビサンヤー(夕方になるととくに寂しくなるね)。
- メモ
- 音1:キムサビッサン。
チムサワジ
胸騒ぎ。不安や心配などで心が穏やかでないこと。
- 用例
- チムサワジ スシガ、ヌーン アイル スタガヤー(胸騒ぎがするが、何かあったのかな)。
- メモ
- 音2:チムダクダクー・チムダクミチ。
不安、恐怖などで胸がどきどきするさま。心配で落ち着かない様子。
チムジュリー
心を合わせること。協力。
チムターチャー
どっちつかずの者。優柔不断な者。
チムダクダクー
胸騒ぎ。胸騒ぎする様。
- 用例
- イッタガ ゥンマヲゥティ サワジーネー チムダクダクー スン(貴方たちがそこで騒ぐと、心配で落ち着かない)。
- メモ
- 音2:チムサワジ・チムダクミチ。→チムサワジ。
チムダクミチ
胸騒ぎ。
- メモ
- 音2:チムダクダクー・チムダクミチ。→チムサワジ。
チムタゲーラスン
心を掻き立てる。
- 用例
- ウヮーバグトゥ シ、ワラビヌ チムタゲーラチ(余計なことをして、子どもの心を掻き立てて)。
チムヂュラサン
心がきれい。優しい。
- 用例
- カーギン チュラサレー チムヂュラサン アイ、ンナガ ヌジュドーン(美人でもあれば心も優しくて、皆から好かれている)。
チムティーチ
心をひとつにすること。同じ心、意見を持つこと。
- 用例
- チムティーチ ナチ チバラナ(心をひとつにして頑張ろう)。
- メモ
- 類:ククルアースン。
チムドゥーイ
思い通り。
- メモ
- 音2:ウムイドゥーイ・ウミードゥーイ。
チムトゥンテートゥン タタン
どうしようもなく途方にくれて。
- 用例
- チムトゥンテートゥン タタランムヨー(どうしようもなく途方にくれた様子)。
チムドンドン
胸が高鳴りどきどきする様。
- 用例
- テークヌ ウトゥヌ チカリーネー チムドンドン スン(太鼓の音が聞こえたら胸が高鳴る)。
- メモ
- 音1:キムドンドン。
チムニゲー
願い事。
- メモ
- 音2:ニゲーグトゥ。
チムヌ シヌバラン
心が忍びない。心が痛い。
- 用例
- アンシェー チムヌ シヌバランサー(それでは心が忍びないなあ)。
チムヌ マーン ネーラン
心が何処にあるか落ち着かない様。
- 用例
- イッタガ ゥンマヲゥティ サワジーネー、チムヌ マーン ネーラン(お前たちがそこで騒ぐと、心が落ち着かない)。
- メモ
- 音2:キムヌマーン トゥララン・チキムンテーン ナラン。
チムヌ ヤマラン
気が落ち着かない。納得できない。
- 用例
- ウングトゥシェー チャーシン チムヌ ヤマラン(そのようにしては、どうしても納得できない)。
チムヌウミー
①気のせい。自分で思い込むこと。②心に思うこと。気にかかること。
- 用例
- ①ウレー イャーガ チムヌウミール ヤル、ヌーン アランサ(それは貴方の思い込みで、どうってことはないよ)。②ヌーン チムヌウミーヤ サンキヨー(何もきにかけないでよ)。
- メモ
- 音2:チムヌウミー。
チムヌウムイ
心に思うこと。気にかかること。
- 用例
- チムヌウムイ シ ニンダランサー(気にかかることがあって眠れないな)。
- メモ
- 音1:チムヌウミー。
チムヌヌビ
寛大〔かんだい〕で辛抱〔しんぼう〕強いこと。
- メモ
- 類:ヌビーディー。
チムヌヒマ
心のゆとり。
チムフトゥフトゥー
寒さや恐怖などで鼓動が速くなる様。動悸〔どうき〕。
- 用例
- イクサヌ クトゥ ウビゥンジャシーネー、 チムフトゥフトゥー スン(戦争のことを思い出すと、チムフトゥフトゥーする)。
- メモ
- 音1:チムガタガター。類:ヤナフリー。
チムフリムン
心が触れている者。触れ者。
チムマユイ
気の迷い。心の迷い。
- 用例
- チムマユイ スシヤカ イカンシェー マシ ヤサ(気が迷うくらいなら行かない方が良いよ)。
- メモ
- 音1:キムマユイ。
チムミレー
心を見ること。本心を確かめること。
- 用例
- チムミレーニ(心を確かめるために)。
ウリン チムミレール ヤテーハニ(それも心を確かめるためだったんでしょう)。
- メモ
- 音2:ククルミレー・チム ンージュン。→ククルミレー。
チムミレー
心試し。心を確かめる。
- 用例
- ウリン チムミレール ヤテーハニ(それも心試しだったんでしょう)。
- メモ
- →ククルダミシ。
チムムチ
心の持ち方。
チムヤ アラン
~つもりはない。本気ではない。
- 用例
- アン イール チムヤ アラン(そういうつもりではない)。
チムヤミ
後悔。
- 用例
- ウヮーバグトゥ イチ チムヤミ ソーン(余計なことを言って後悔している)。
チムヤミー
心の痛み。後悔すること。
- 用例
- ウヮーバグトゥ イチ チムヤミー ソーン(余計なことを言って後悔している)。アンイランケーヤタルムン、チムヤミーソーサ(そう言わなければ良かったのに、心が痛いさ)。
チムヰシーン
落ち着く。
- 用例
- イェーヒャー!イフェー チムヰシレー(こら!少しは落ち着きなさい)。
- メモ
- →ウティチチュン。
チムヨーサン
気が弱い。
- 用例
- アバーヤ チムヨーサヌ、トゥーチ チュヌ シワビカーン ソーン(姉は気が弱くて、いつも人の心配ばかりして)。
チムワサミチュン
楽しいことのために心が浮き立つ。
- 用例
- ユーマングィー ナイネー チムワサミチ(夕暮れになると心が浮き立って)。
チムワサワサー
心が落ち着かない様。楽しいことのために心が浮き立つ様。
- 用例
- ウッピナー アビーネー チムワサワサー スン(大声を出すと心配で落ち着かない)。
- メモ
- 音2:チムサーサー。
チムワッサン
意地が悪い。
- 用例
- カーギヤ チュラサシガ チムワッサン(美人だが意地が悪い)。
チムン
積む。
- 用例
- タムノー ヤーヌ クシカイ チムン(薪は家の後ろに積む)。
否:チマン(積まない)希:チミーブサン(積みたい)過:チダン(積んだ)継:チドーン(積んでいる)。
チャー
茶。お茶。
- 用例
- チャーヤ チュチャワノー アラン、タイチャワン ヌミヨーヤー(お茶は1杯ではなく、2杯飲みなさいよ)。
チャー
①いつも。ずっと。ずっとやり続ける意を表す。②いつも~し通し。
- 用例
- ①チャー ニッカナーマディ ウキトーン(いつも遅くまで起きている)。
チャー タチクンパイ ッシ ヲゥタトーン(ずっと立ちっぱなしで疲れている)。②アサカラ チャーシー ソーン(朝からやり続けている)。
- メモ
- →イチグ。
チャー
どう。
- 用例
- アチャヌ マカネーヤ チャー スガ?(明日の賄いはどうする?)。
イャーカイ タヌレータヌ シクチェー チャー ナトーガ?(お前に頼んであった仕事はどうなっているの?)。
チャー ナラワン マジェー ゥンジ ンダナ(どうなろうと、まずは行ってみよう)。
チャー アテー
どうしたら。
- メモ
- 音1:チャーッティ・チャーテー。音2:チャー シーネー。
チャー シーネー
どうしたら。
- 用例
- チャー シーネー マシ ナイガヤー(どうしたら良くなるのかな)。
- メモ
- 音2:チャーアテー・チャーッティ・チャーテー。
チャーイン
切る。
- 用例
- ソーキブニ チャーイン(豚のあばら骨を切る)。
- メモ
- 音2:タッチャーイン。
チャーイン
消える。
- 用例
- ヒーヤ チャートーン(火は消えている)。
- メモ
- 音1:チャーリーン。
チャーイン
消える。
- 用例
- ヒーヤ チャートーン(火は消えている)。
- メモ
- 音1:チャーリーン。
チャーカシ
茶殻。
- 用例
- チャーカシヤ アタインカイ ヒティレー(茶殻は畑に捨てなさい)。
チャーガナ
どうにか。
- 用例
- チャーガナ シ(なんとかして)。
- メモ
- 音1:チャーガラ。
チャーガラ
どうにか。
- 用例
- クレー チャーガラ サントー ナラン(これはどうにかしないといけない)。
- メモ
- 音1:チャーガナ。
チャーキ
すぐ。じき。
- 用例
- アレー チャーキ ゥンマカラ ゥンジティ ゥンジョールムン(彼は直ぐにそこから出て行っているのに)。
ハブヤ ヌディ チャーケー トゥルバトーンドー(ハブは〔獲物を〕飲み込んだじきはぼんやりしているよ)。
チャーギ
イヌマキ。
- 用例
- ワッター ヤシチンカイヤ、チャーギヌ ダテーン ヰーラットータン(私たちの屋敷には、イヌマキがたくさん植えてあった)。
チャーギヌ ミーヤ マーサシガヤ(イヌマキの実はおいしいんだがな)。
チャーギムシ
チャーギ(イヌマキ)につく毛虫。キオビエダ虫。
- 用例
- チャーギンカイ タックヮトーグトゥ チャーギムシディ イータサ(チャーギにくっついていることから、チャーギムシといっていたさ)。
チャーサワン
どうしようと。
- 用例
- チャーサワン イャームン カッティ ヤサ(どうしようとお前の勝手さ)。
チャーシ
どうして。どのようにして。
- 用例
- チャーシ アン ナトールバーガ?(どうしてこんなふうになったのか?)。
- メモ
- 音1:チャーシチ・チャーヒチ。
チャーシーネー
どうしたら。
- 用例
- チャーシーネー マシナイガヤー(どうしたら良くなるのかな)。
- メモ
- 音2:チャーアテー・チャーッティ・チャーテー。
チャーシチ
どうして。どのようにして。
- 用例
- チャーシチ アンナタガ(どのようなことをして、そうなったのか)。
- メモ
- 音1:チャーシ・チャーヒチ。→チャーシ。
チャーシン
どうしても。何と言おうとも。
- 用例
- チャーシン ウッサー チューヲゥティ カタジキリワル ヤル(どうしても、それだけは今日中で片づけないといけない)。
- メモ
- →イカナシン。
チャーシンカーシン
どっちにしろ。どうしてもこうしても。
- 用例
- チャーシンカーシン ウヌ クトー サントー ナランサ(どっちにしろ、そのことはしなくちゃいけないさ)。
チャーシンクィーシン
でたらめ。どうでもいいようなやりかた。
- 用例
- チャーシンクィーシン シーネー アトー ターン ワカラン ナインテー(どうでもいいようなやり方をすると、後は誰も分からなくなるよ)。
チャースガカースガ
どうしようこうしよう。どうしようかと悩んでいる様。
- 用例
- チャースガカースガ スシヤカ マジェー シ ンダナ(どうしようか悩むよりは、まずはやってみよう)。
チャースン
消す。
- 用例
- ワンガ フィー チャースン(私が火を消す)。
否:チャーサン(消さない)希:チャーシーブサン(消したい)過:チャーチャン(消した)継:チャーチョーン(消している)。
- メモ
- 対:メースン(燃やす)。
チャーチャー
父。お父さん。
- 用例
- チャーチャーカラ アサバノー ウサギレー(お父さんから、昼ご飯を差し上げなさい)。
- メモ
- 音1:チャッチャー。→オトー。
チャーチャー
平民のおじいさん。
- メモ
- 呼称にもなる。
チャーッティ
どうしたら。
- メモ
- 音1:チャー アテー・チャーテー。音2:チャー シーネー。
チャーテー
どうしたら。
- 用例
- チャーテー シムガ(どうすればいいのか)。
- メモ
- 音1:チャー アテー・チャッティ。音2:チャー シーネー。
チャーナービ
茶鍋。やかん。
- 用例
- ウヌ チャーナーベー ジコー アチサンドー(そのやかんはとても熱いよ)。
- メモ
- 鉄鍋で注ぎ口が付き、蓋は木製だった。中に茶碗の欠片を入れて沸騰するのが分かるように使った。
チャーヌグリ
お茶かす。
- 用例
- チャーヌグリ ナーンカイ プットゥカシェー(お茶かすは庭に投げ捨てなさい)。
チャーヌシン
茶柱。
- 用例
- アィッ! チャーヌシンヌ タッチョーサヤー(あっ!茶柱が立っているね)。
チャーパタパター
ずっと働き続けている様。
- 用例
- ニンカラニンジュー チャーパタパター ヤサ(年から年中働きっぱなしだ)。
チャーヒーヒートゥー
何の音さたもない。連絡もない。
- 用例
- チュカラ ジノー カトーティ チャーヒーヒートゥーナー(人から金は借りて、何の連絡もしないのか)。
チャーヒチ
どうして。どのようにして。
- メモ
- 音1:チャーシ・チャーシチ。→チャーシ。
チャービヨイ
驚きの感嘆詞。
チャービラサイ
ごめんください。
- 用例
- チャービラサイ ターガラ メンシェーガヤー?(ごめんください、誰かいらっしゃいますか?)。
チャーミジ
お茶用のおいしい水。
チャームヌー
用事が続いている様。
- 用例
- チャームヌー ナティ サキナラヒー(用事が続いているから、先に失礼しようね)。
チャームン
いつも同じ物。
- 用例
- チャームン ナティ ティーチン ウムサーネーン(同じ物ばかりで、ちっともおもしろくない)。
- メモ
- 食べ物、芝居など、広い意味で使われる。食べ物だといつも同じ物だけ出された時、芝居も何度も同じもので見飽きた時などに使う。
チャーユー
茶湯。お茶。
- 用例
- チャーユー イッティ ウサギレー(お茶を入れて差し上げなさい)。
チャーヨーカー
夜更かしがずっと続いている様。
- 用例
- イチュナハヌ チャーヨーカー シン マニアーシーサン(忙しくて、ずっと夜更かししても間に合わしきれない)。
チャーラナイ
音を立てて炒め物をしている様。
- 用例
- ナービ チャーラナイ シミトーティ ヌー ニチョーガヤー(鍋で、音を立てて何を炊いているんだろう)。
チャーリーン
消える。
- 用例
- ナーマ ヒーヤ チャーリランサー(まだ、火は消えないよ)。否:チャーリラン(消えない)過:チャーリタン(消えた)継:チャーリトーン(消えている)。
- メモ
- 音1:チャーイン。
チャーリーン
消える。
- 用例
- ナーマ ヒーヤ チャーリランサー(まだ、火は消えないよ)。否:チャーリラン(消えない)過:チャーリタン(消えた)継:チャーリトーン(消えている)。
- メモ
- 音1:チャーイン。
チャール
どんな。どういう。
- 用例
- チャール チムエーシ イャーヤ アマンカイ ゥンジャガ?(どういうつもりで、お前はあそこに行ったの?)。チャール ナリユチ ヤガ(どんな成り行きか)。
- メモ
- 音2:チャングトール・チャンネール。
チャーワター
つまみ食いなどをして、いつも満腹な状態のこと。
- 用例
- ヒルイングェービカーン ッシ チャーワター ソーン(つまみ食いばかりして、ずっとお腹いっぱいだ)。
チャーン
鶏〔ニワトリ〕の一種。チャボ。
- 用例
- ウンジョー チャーングヮーヤ イクチ カラトーミシェーガ?(あなたはチャボを、何羽飼っていらっしゃるのですか?)。
- メモ
- 鳴き声を競わせた。
チャーン ナラン
どうしようもない。
- 用例
- アリトー イェーソーヌ アタラン チャーン ナラン(彼奴とは相性が合わないからどうしようもない)。
チャーンネーン
どうもない。何でもない。
- 用例
- ウッピグヮーヤ チャーン ネーンサ(そのくらいは何でもないさ)。
チャーン ネービランサ(とうってことないですよ)。
チャク
客。
- 用例
- ウチャクヌ メンソーチョーグトゥ チャー ワカシェー(お客がいらっしゃっているから、お茶を沸かしなさい)。
- メモ
- →ウチャク。
チャクシ
嫡子。長男。
- 用例
- ワッター チャクシヤ ジナヌーヤカ フロー グナサン(私の長男は次男より背は低い)。
- メモ
- 音2:チャクシボージャー。
チャクシボージャー
嫡子坊主。嫡子。長男。
- 用例
- チャクシボージャー ゥンマリトークトゥ マギ スージ スンドー(跡取り息子が生まれて、盛大にお祝いするよ)。
- メモ
- 音2:チャクシ。
チャクシヰナグングヮ
長女。
- メモ
- 音2:シージャヰナグングヮ・シージャヲィナグングヮ。
チャクシゥンマガ
嫡子孫。長男の長男。
- 用例
- ワッター チャクシゥンマガヤ ジコー ウーマク ヤン(私のチャクシマガはとても腕白だ)。
チャクチャク
ちょこまか。落ち着きのないこと。
- 用例
- アブナサグトゥ、チャクチャク ゥンマカラ アッカンキヨー(危ないから、ちょこまかそこから歩くなよ)。
チャクバサ
客馬車。
チャクバサムッチャー
乗合馬車の運搬業。
チャグヮシ
お茶菓子。
- 用例
- チャグヮシン ネーンナー(お茶菓子もないの?)。
チャジシリ
茶筒。
- 用例
- チャジシリンカイヤ チャーヤ ヌクトーネーニ?(茶筒にお茶は残ってないねぇ?)。
- メモ
- お茶を入れる密封した容器で、木製や鉄製が多い。
チャタン ユンタンジャ
地名(北谷と読谷山)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
チャタンカイクンマキバル
北谷開墾牧原。
チャックヤー
落着きのない人。
- 用例
- チャックヤー ワラビヤ ジャマ ナティ アマンカイ イケー(落着きのない子は邪魔だから、あそこに行きやがれ)。
チャッサ
いくら。どんなに。どのくらい。
- 用例
- チャッサ ヤティン ムチ クーワ(いくらでも持ってきなさい)。
チャッサ ハタラチン ジノー タマラン(どんなに働いてもお金は貯まらない)。
チャッサ チカタラ ワカラン(どれくらい使ったか分からない)。
チャッサ シワサンディ ウムトーガ(どんなに心配したと思うか)。
イッター ゥワーヤ チャッサ カカイタガ?(あなたの豚はどのくらいの重さがあったの?)。
- メモ
- 音1:ッチャッサ。
チャッサ ヌー ヤラワン
いくらなんでも。
- 用例
- チャッサ ヌー ヤラワン ワンニンカイ チカサンディチン アンナー(いくらなんでも私に聞かさないってこともあるか)。
チャッサキーン
多く。たくさん。
- 用例
- チャッサキーン ゥンム フティ ムタチェーサ(たくさんの芋を掘って持たせてくれた)。
- メモ
- →ウホーク。
チャッサン
多く。たくさん。
- 用例
- チャッサンヌ クヮッチー(たくさんの御馳走)。
チャッサン イユ トゥティ(たくさん魚を取ってきた)。
チャッサン ムッチチン、チカイル ウッサル チカイル(たくさん持って来ても、使う分あればいいんだよ)。
- メモ
- →ウホーク。
チャッチ
嫡子。
- 用例
- ヒージーヤ チャクシディル イール チャッチレー イランドー(平生はチャクシと言うんであって、チャッチとは言わないよ)。
チャッチウシクミ
嫡子押し込め。長男以外の者が親祖先の位牌を祀ること。
- 用例
- チャッチウシクミ シーネー ユーヤ イカンドー(チャッチウシクミすると良くないよ)。
チャッチハイフキ
抜け駆け。
- メモ
- 類:ヌギバイ。
チャッチャー
お父さん。
- 用例
- チャッチャーヤ ハルンカイ ゥンジョーン(お父さんは畑へ行っている)。
シシヤーヌ チャッチャー(肉屋のお父さん)。
- メモ
- 音1:チャーチャー。オトー。
名称としても使われ、用例に示すシシヤーヌ チャッチャーは肉屋の小父さんの意味でもある。
チャッピ
どのぐらい。どれほど。どれだけ。いくらも。少しも。
- 用例
- ナイヤ チャッピン チカンサ(実は少しもつかないよ)。
チャッピ アレー コーイガヤー(どのくらいあれば買うのかな)。
- メモ
- 量、大きさ、程度など。
チャッピン
とても大きい。どれほど。
- 用例
- トゥテーヌ イユヤ チャッピン ソータン(獲った魚はとても大きかった)。
- メモ
- 音2:チャヒン・チャヒナー・チャフィナー・チャフィン。
チャナギ
どのくらいの長さ。
- 用例
- チャナギ アレー タレーイガ?(どのくらいの長さなら足りるか?)。
チャヌ
どの。どんな。
- 用例
- チャヌ ユーナ クトゥヌ アタガヤー(どのようなことがあったのかな)。
チャヌアタイ
どのくらい。
- 用例
- アトゥ チャヌアタイ カカイギサーガ?(あとどのくらいかかりそうねぇ?)。
チャヌアタイヌ シンカガヲゥレー ナイギサーヤガ?(どのくらいの人数がいればできそうか?)。
チャヌフージー
どんな様子。
- 用例
- チャヌフージー ヤガヤー(どんな様子だろうか)。
スーヤ チャヌフージー ヨーシヤタガ(お父さんはどんな様子だったね)。
チャヒナー
とても大きい。どれほど。
- 用例
- チャヒナーヌ マヤー(大きな猫)。
- メモ
- 音1:チャフィナー。→チャッピン。
チャヒン
とても大きい。どれほど。
- 用例
- チャヒンヌ マヤー(大きな猫)。
- メモ
- 音1:チャフィン。→チャッピン。
チャフィナー
とても大きい。どれほど。
- 用例
- チャフィナーヌ フクル(とっても大きな袋)。チャフィナーヌ ヤー チュクトーン(とても大きな家を造っている)。
- メモ
- →チャッピン。音2:チャヒン・チャフィン。
チャフィン
とても大きい。どれほど。
- 用例
- チャフィンヌ アカマタ(とても大きなアカマタ)。
- メモ
- 音1:チャヒン。→チャッピン。
チャブン
茶盆。お盆。
- 用例
- ウチャクヌ メンシェーシガ チャブンヤ ネーンル アンナー?(お客がいらっしゃるが、お盆はないのか?)。
- メモ
- 木製の脚が付いた盆で周囲は針金で縛られていた。
チャブングヮーギー
植物名。オキナワツゲ。
- 用例
- チャブングヮーギーヤ ナーンカイ ユー イーラットーン(オキナワツゲは庭に良く植えられている)。
チャベー
ええっ。
- メモ
- チャベチャベーと2回くりかえすこともある。
チャミシカ
たいしたこと。
- 用例
- ウムトーヌ サコー チャミシカー アランタン(思っていたほどたいしたことはなかった)。
チャヨテ
植物名。ハヤトウリ。
- 用例
- チャヨテヤ ミーヤッサタシガ ナマー アンチュカ ンチェーランヤー(ハヤトウリは育てやすかったが、今ではあまり見ないね)。
- メモ
- 類:マントーヲゥイ。
チャラチャラー
何かを炒めている様。
- 用例
- チャラチャラー ッシ ヌー イリチョーガ?(チャラチャラ音を立てて、何を炒めているの?)。
チャラチャラーグヮー
子どもの遊び。お手玉遊び。
- メモ
- →オーシートー。布袋に小石や豆などを入れて作り、チャラチャラ音を立てたので、そう呼ばれた。
チャラナイ
美しく飾り立て装う様。華やかに装う様。
- 用例
- スガイヤ ナー チャラナイテー(装いはもう華やかにさ)。
チャワキ
茶請け。
- 用例
- チャーヌ チャワキヤ ヌーガラ ネーンナー(お茶の茶請けは何かないのか)。
チャワン
①茶碗。②碗に盛ったご飯などを数える数詞。
- 用例
- ①マチカイ チャワン コーイガ イチュン(町に茶碗を買いに行く)。②チャー チュチャワン ヤティン ヌリ イケー(お茶一杯でも飲んで行きなさい)。
- メモ
- ②チュチャワン(1茶碗)、タチャワン(2茶碗)、ミチャワン(3茶碗)と数える。
チャワンバーキ
茶碗カゴ。洗った茶碗を入れる竹製の丸いカゴ。
- 用例
- チャワンバーキンカイ ウスバチェーシカラ トゥティ クーワ(茶碗カゴに伏せておいたものから取って来なさい)。
チャングトゥー
どのようなもの。
- 用例
- チャングトゥー ヤガ(どのようなものか)。
チャングトゥシ
どうして。どのようにして。
- 用例
- イャーヤ チャングトゥシ トゥジ カメータガ(君はどのようにして妻を探したのか)。
- メモ
- →チャーシ。
チャングトール
どんな。どういう。
- 用例
- チャングトールムンヤティ アトー タカラナイガヤー(どんな物でも、後は宝になるかなぁ)。
- メモ
- →チャール。
チャンクルー
子どもの遊び。お金の裏表を言い当てる遊び。
- 用例
- ワランチャーヤ アマヲゥティ チャンクルーシ アシドーン(子どもたちはあそこで、チャンクルーをして遊んでいる)。
- メモ
- 互いに出し合ったお金を掌にのせ、それを落してうら返った分を取る。残った分は次の人に回していく。子どもたちはミーヌチャージンでチャンクルーをして遊んだ。
→ウスエー。
チャンチャングヮーギー
丈の短い綿入れ。
チャントゥ
ちゃんと。
- 用例
- イリシワケー チャントゥ チチ クーワ(その理由はちゃんと聞いてきなさい)。
- メモ
- 音2:チャンリッパ。
チャンナギーン
投げ捨てる。
- 用例
- チカーランヌーヤ アマンカイ チャンナギーレー(使えないのはあそこに投げ捨てろ)。
チャンナゲー
長い時間。長いこと。久しいこと。
- 用例
- チャンナゲーン(長い時間も)。
ヤシェー イーンディ チャンナゲー カカタン(野菜を植えるのに長いことかかった)。
- メモ
- →ウンナゲーン。
チャンネール
どんな。どういう。
- 用例
- チャンネールクトゥン ニジティチャン(どんなことでも我慢してきた)。
- メモ
- →チャール。
チャンプルー
料理名。ごちゃ混ぜ。
- 用例
- ヤシェー ムル チリンチ チャンプルー シェー(野菜を全部切って入れて、チャンプルーにしなさい)。
- メモ
- 野菜や豆腐などを油炒めにした料理法だが、近年はごちゃ混ぜと意味にも用いられる。
チャンミーグヮー
人名。空手の達人、喜屋武朝徳。
- メモ
- 喜屋武朝徳〔きゃん ちょうとく〕〈生1870 ~没1945〉は、傑出した空手道の名人。目が小さかったことから、チャン(喜屋武)ミー(目)グヮー(小さい)とも呼ばれ、多くの武勇伝で、その名をとどろかせた。
チャンリッパ
ちゃんと。しっかりと。
- 用例
- チャンリッパ フルウヮーシヨー(ちゃんと育てなさいよ)。
- メモ
- 音2:チャントゥ。
チユ
露。
- 用例
- チユ ウタシーネー ハナシチ カカインドー(露にあたると風邪を引くよ)。
チュ
人。
- 用例
- アレー イチュナシン チュ ヤクトゥ、ヒージーヤ イチャーラン(彼は忙しい人だから、平生は会えない)。
- メモ
- 音1:ツ・ッチュ・ッツ。
チュイ ゥンマヂラー
二人目ができない女性。
チュイアガキ
一人足掻き。
- 用例
- イチマディン チュイアガキ スシヤカ ヘーク ユミ トゥメーレー(いつまでも一人足掻きするより、早く嫁を探しなさい)。
- メモ
- 音1:チュイアガチ。
チュイアガチ
一人足掻き。
- 用例
- チュイアガチヤ サンヨークー、イヒナーヤ チュン タユイル スル(一人足掻きしないで、少しは人も頼りになさい)。
- メモ
- 音1:チュイアガキ。
チュイウーシウーシ
お互いに押しつけ合う様。
- 用例
- チュイウーシウーシ シーネー アトー ターン サーヤ ヲゥラン ナイサ(お互いに押しつけ合っていると、しまいには誰もやる人はいなくなるよ)。
チュイウジニーウジニー
お互いで補い助け合うこと。
- 用例
- タラーンブノー チュイウジニーウジニー スンテー(足りない分は、お互いで補なって助け合うさ)。
- メモ
- 類2:チュイタレーイダレーイ。
チュイカミガミ
一人ずつ食べる様。
- 用例
- マジョーン カマレーサン、チュイカミガミ スグトゥ イチマディ タッチン カタジキーン ナラン(一緒に食べようとしないで、一人ずつ食べるから、何時までたっても片付けられない)。
チュイソーサ
とても喜んでいる様。
- 用例
- ウヌ ワラビヨ チュイソーサ シ トゥンジャーヒンジャー シ(その子どもよ、とても喜んで飛び跳ねてばかりいる)。
チュイタレーイダレーイ
お互いで補い助け合うこと。
- 用例
- フスクンレー シーネー チュイタレーイダレーイ シーガーチー シアギーンテー(不足でもしたら、お互いで補いながら仕上げるさ)。
- メモ
- 類2:チュイウジニーウジニー。
チュイチガールー
一人ずつ交代すること。
- 用例
- チューマレー、チュイチガールーシ サーヤー(今日までは、一人ずつ交代でやろうね)。
チュイチクンチャー
従弟たち。
- 用例
- チュイチクンチャーン ダテーン アチマトータン(従弟たちも大勢集まっていた)。
チュイチャクシ
一人嫡子。一人息子。
- メモ
- 音2:チュイヰキガングヮ。
チュイチュナサン
とても忙しいこと。
- 用例
- チカグロー チュイチュナサヌ ティーチン マルヌル ネーンレー(近頃は余りにも忙しくて、ちっとも暇がないんだよ)。
チュイナーカールー
一人ずつ。
- 用例
- チュイナーカールー トゥーティ イケー(一人ずつ通って行きなさい)。
チュイヒンギヒンギ
一人ずつ逃げていく、抜けていくこと。
- 用例
- チュイヒンギヒンギ シ ターン ヲゥラン ナトーン(一人ずつ逃げていって、誰もいなくなっている)。
チュイヰキガングヮ
一人息子。
- 用例
- チュイヰキガングヮ ナティ フンレー シミトーン(一人息子で甘やかしている)。
- メモ
- →チュイチャクシ。
チュイヰナグングヮ
一人娘。
- 用例
- チュイヰナグングヮ ユミカイ ヤラスン(一人娘を嫁にやる)。
チュイン ヌクサン
一人残らず。
- 用例
- チュイン ヌクサン ティガネーサン アシビーガ イチュタン(ひとり残らず手伝いもせずに遊びに行った)。
チュイングヮ
一人っ子。
- 用例
- チュイングヮ ナティ ジコー フンデースダチ ソーン(一人っ子で、とても甘やかされて育っている)。
チュー
今日。
- 用例
- チューカラ ヲゥージトーシー ハジマインドー(今日からサトウキビの収穫が始まるよ)。
チューイン
子どもが成長する。育つ。強くなる。
- 用例
- ウヌ ワラベー ユカイ チュートーンムナー(その子どもはかなり成長しているね)。
ニンジノー ツキヌン アッキワル チューインドー(人間は世間に出てこそ強くなるんだよ)。
希:チューイブサン(強くなりたい)継:チュートーン(強くなっている)。
チューカー
急須。
- 用例
- ミジ フーサヌ チューカー ネーレー(水が欲しいから、急須をよこしなさい)。
チューカン
たちまち。急に。
- 用例
- チューカンナカイ ヨーテーヌ ワッシク ナティ(急に容態が悪くなった)。
- メモ
- 音1:チューチャン。
チュークェーブーナ
魚介名。フグ。
- 用例
- チュークェーブーナヤ ナーマ カレーンラン(フグはまだ食べたことがない)。
チューサン
強い。
- 用例
- クンドー イリヌシンカガル チューサンテー(今年は西組が強いんじゃないかな)。
アレー シマ トゥッテー チューサンロー(彼は相撲を取らせたら強いよ)。
ウヌ サケー チューサン(この酒は度数が高い)。
- メモ
- 音1:チューハン。対:ヨーサン・ヨーハン(弱い)。
チュータガティ
極端に人と違う様。
- 用例
- アレー ルク チュータガティ ターカイル ニチャラー ワカラン(あれはあまりに人と違って、誰に似たのか分からない)。
チューチ
血圧疾患。(高血圧疾患などで)体がマヒしている病。
チューヂャワン
ご飯用の小さなお椀。
- 用例
- クチニーハヌ チューヂャワンカイ イリレー(食欲がないから、小さなお碗に入れなさい)。
チューチャン
たちまち。急に。
- 用例
- チューチャンナカイ ウーアミヌ フイタルヤー(急に大雨が降ったね)。
チューチャン ヲゥラン ナティ(あっという間にいなくなって)。
- メモ
- 音1:チューカン。
チューチュー
陰茎〔いんけい〕。ちんちん。小児語。
チューチューバンクー
鞴〔ふいご〕。
- メモ
- 鞴を操作する時の音がチューチューバンクーと聞こえたことから、座喜味の子どもたちは鞴のことをそう呼んだ。
チューバー
強い人。強者。気が強い者。
- 用例
- ワッター トゥジェー チューバードー(私の妻は強い人だよ)。
- メモ
- 対:ヨーバー(弱い人)。
チューバーキ ンム
一笊の芋。
チューバーネービー
強がり。強がっている様。
- 用例
- チューバーネービー スシカイ ソーチョー ヲゥラン(強者のまねをする人にまともなのはいない)。
- メモ
- 音2:チューバーフーナー
チューバーフーナー
強がり。強がっている様。
- 用例
- チューバーフーナーヤ サンシェー マシドー(強がらない方が良いよ)。
- メモ
- →チューバーネービー。
チューバームヌイー
強がりを言う人。
- 用例
- ヤコー タッタンムンヌ チューバームヌイー シ(役にも立たないくせに強がりを言って)。
チューハン
強い。
- 用例
- イッター ウシヤカ ジョーイ ワッター ウシェー チューハン(お前の牛より、ずっと俺の牛が強い)。
- メモ
- →チューサン。
チュービ
縁起の悪い日。
- メモ
- 旧1月16日はチュービ(悪い日)だから、必ずその日でジュルクニチャーの行事を行なわなければならない。
チューマギサン
あまりにも大きい。
- 用例
- ウヌ チノー チューマギサヌ チララン(その着物はあまりにも大きくて、着れない)。
チューミーン
清める。
- 用例
- ティーヒサ チューク チューミーン(手足をきれいに清める)。
チューロースー
青年団の中堅。中老衆。
- メモ
- 30歳前後から40歳前後の青年団員のこと。
チューワジャ
大仕事。
- 用例
- ウヌ ワジャー チューワジャ ナティ、ドゥーチュイシェー トゥジュミーサン(その仕事は大仕事なので、自分一人では仕上げきれない)。
チューン
来る。
- 用例
- ヤガテー ナーファカラ ケーティ チューンドー(やがて那覇から帰って来るよ)。
否:クーラン(来ない)希:チーブサン(来たい)過:チャン(来た)継:チョーン(来ている)。
- メモ
- 音1:ツーン・クーン。対:イチュン(行く)。
チュカーヒジミーン
一皮隔てる。少し距離を置く。
- 用例
- チュヌヒレーヤ チュカー ヒジミーン(人間付き合いは少し距離を置く)。
チュカキ
ひとかけ。ひとかけら。
- 用例
- ウヌ クルザーター チュカケー カリンダ(その黒糖をひとかけ食べてみよう)。
ムルシ チュカキナー ワキタン(皆で一かけずつ分けた)。
チュカジャイ
打ち紙一組・一飾り。
- 用例
- イチニンチネー ウチカビ チュカジャイ シキーン(一年忌には、打ち紙を1組供える)。
ウチカビ チュカジャイディーネー サンメー ヤサ(打ち紙1組といったら3枚だよ)。
チュカタ
一方。片一方。片端。
チュカター
偏ること。凝り性。
- 用例
- スーヤ チュカター ナティ、アンマーガ イーシン チカンル アンレー(お父さんは凝り性で、お母さんが言うことも聞かないんだよ)。
チュカタギー
いつも同じ着物を着ていること。着の身着のまま。
- 用例
- キヌン ネーンル アラー チャー チュカタギー ソーサ(着物もないのか、いつも同じ着物を着ているさ)。
- メモ
- →チチャラカッタイ。
チュカラ
一頭。
- 用例
- ウヮーヌチブル チュカラー ムッチ イカナ(豚の頭をひとつ持って行こう)。
チュキンジョー
隣近所。
- 用例
- チュキンジョーンカイ ゥバギー ハグン(隣近所に産飯を配る)。
- メモ
- →ケートゥナイ。
チュクイ
造り。作り。
- 用例
- アヌ マーチヤ イー チュクイ ソーンヤー(あの松は良い造りをしているね)。
チュクイ~
つくり~。
- 用例
- チュクイバナシ(作り話)。
チュクイ~
- 用例
- チュクイケーイン(作り替える)。
チュクィー
ひと声。
- 用例
- ンナンカイ チュクィー カキレー(皆に一声かけなさい)。
チュクイケーイン
造り変える。作り変える。
- 用例
- カジフチサーニ ヤーン コーリティ、チュクイケーンディチルヤンデー(台風で家も壊れて、造り変えるつもりだよ)。否:チュクイケーラン(造り変えない)希:チュクイケーイブサン(造り変えたい)過:チュクイケータン(造り変えた)継:チュクイケートーン(造り変えている)。
チュクイバナシ
作り話。虚言。
- 用例
- アヌヒャーガ ハナシー スタシェー、ムル チュクイバナシルヤル(彼奴が話したのは、全部作り話だよ)。
チュクイムヂュクイ
農作物。
- 用例
- チュクイムジュクイン ディキラチ ユガフー ヤサ(農作物も豊作で、世果報だよ)。
- メモ
- 音1:ツクイムズクイ。
チュクイムン
作り物。作物。
- 用例
- チュクイムン アラチ(作物を荒らして)。
- メモ
- チュクイのみでも作物を表すことがある。
チュクイワレー
作り笑い。
- 用例
- ワライブサー ネーンシガ チュクイワレー ソーサ(笑いたくはないが作り笑いしたさ)。
チュクイン
造る。作る。
- 用例
- チューヤ アヒートゥ インヌヤー チュクイン(今日は兄さんと犬小屋を造る)。
- メモ
- 【B】否:チュクラン(造らない)希:チュクイブサン(造りたい)過:チュクタン(造った)継:チュクトーン(造っている)
チュクイン
①作る。②造る。
- 用例
- ①ヤーノー、ダテーン クミ チュクインディチルヤンデー(来年は、たくさんの米を作るつもりなんだよ)。にモーキティ ミーヤー チュクラヤー(設けて新しい家を造ろうね)。否:チュクラン(つくらない)希:チュクイブサン()過:チュクタン()継:チュクトーン()。
チュクイン
①作る。②造る。
- 用例
- ①ヤーノー、ダテーン クミ チュクインディチルヤンデー(来年は、たくさんの米を作るつもりなんだよ)。にモーキティ ミーヤー チュクラヤー(設けて新しい家を造ろうね)。否:チュクラン(つくらない)希:チュクイブサン()過:チュクタン()継:チュクトーン()。
チュクサ
一式。一揃い。一組。供え物や道具などの一式。
- メモ
- 音:チュクサイ。
チュクサイ
一揃い。一式。一緒にすること。
- 用例
- ヲゥトゥトゥ トゥジ カーミ チュクサインカイスン(夫と妻の甕を一緒にする)。
- メモ
- →チュクサ。
チュクトゥバ
一言。
- 用例
- ヤナワラバーヤ チュクトゥバ イーネー タクトゥバン ケーチチューサ(嫌な子だね、一言いえば二言も返してくるさ)。
チュクラ
魚介名。ボラ。
- メモ
- 出世魚で成長するにしたがって、チクラ(チュクラ)、ボラ、サクチと呼び名が変わる。
チュクラグヮークヮーシー
ボラ釣り。
チュクリーン
野菜を洗う前に泥や、枯れた部分を取り除くこと。
- 用例
- ドゥル タックヮートーグトゥ ヤシェー チュクリーン(泥がついているから、野菜の泥や汚れを取り除く)。
チュクン
一組。
- 用例
- ジューバク チュクンディーネー ムチ ターチニ オカズ ターチテー(重箱一組といったら、餅2つにおかず2つさ))。
- メモ
- 沖縄の行事で重箱チュクン(一組)とは、天ぷら、揚げ豆腐、カマボコ、肉や昆布、ゴボウの煮物などを詰めたおかずの重箱2箱と餅を詰めた重箱2箱、計4箱の組み合わせのこと。また、ハンクン(半組)とは、おかず、餅、1箱ずつの組み合わせ。
チュケートゥナイ
隣近所。
- 用例
- チュケートゥナイヌ ヒレーヤ チャー ユーシーヨーヤー(隣近所の付き合いはいつも良くしなさいよ)。
- メモ
- 音1:チュケートゥネー。→ケートゥナイ
チュケートゥネー
隣近所。
- 用例
- ヤータッチゥンジン チュケートゥネートー ユーヒラリヨーヤー(分家していっても隣近所とはよく付き合いなさいよ)。
- メモ
- 音1:チュケートゥナイ。→ケートゥナイ
チュシージー
子どもが人にくっついてばかりいる様。
- 用例
- ウヌ ワラベー、チュシージービカーン ッシ(その子は、人にくっついてばかりで)。
チュシカマ
午後の間。
- 用例
- チュシカマヌ エーカニ シージャヌ ヤーマディ ゥンジ チューン(午後の間に兄さんの家まで行ってくる)。
チュシカマ
10円の借金のかたに使役されること。
- メモ
- 返済するときに、その返礼として元金や利子とは別に1日の労働を供さなければならなかった。
チュシジ
一粒。
- 用例
- チュシジン ヌクサン(一粒も残さない)。
アンマーヤ クメーキヤー ナティ、クミ チュシジンチョー ヒティランタン(お母さんは倹約家で、米の一粒さえも捨てなかった)。
チュジラ
人の顔。
- 用例
- ハジカサミール ヤラー ティーチン チュヂラ ンジュンディン サン(恥ずかしがり屋なのか、ちっとも人の顔を見ようともしない)。
チュタイ
一滴。
- 用例
- カラジンカイ アンダ チュタイ ナシレーワ(髪に油を一滴つけなさい)。
- メモ
- 音1:チタチ。
チュダキ
ひと抱え。
- 用例
- タムノー チュダキ アレー シムサ(薪はひと抱えあればいい)。
チュタチ
一滴。
- 用例
- チュタチナール タイグトゥ イッチン ミッタンサ(一滴ずつ垂れるから、いつまでたっても満たないよ)。
- メモ
- 音1:チュタイ。
チュタニン
他人。
- 用例
- チュタニヌンカイ ハナシヤ ナランサ(他人には話せないよ)。
チュタバイ
一束。
- 用例
- ムルシ チュタバイナー ワキラヤー(皆で一束ずつ分けようね)。
チュタマガイ
人魂。人の不幸、死の前兆として見える火の玉。
- 用例
- チュタマガイガ アガイタンディシガ、ヌーガラ クトゥヌル アガヤー(火の玉が上がったというが、何か不吉なことでもあるのかな)。
チュタマシ
一人分。
- 用例
- ワランチャーン チュタマシナー アタラシェー(子どもたちも一人分ずつあげなさい)。
- メモ
- 物を分ける時に1人分のことをチュタマシという。
チュチキ
1か月。
チュヂケー
人使い。
- 用例
- ワン ヌーシェー、チュヂケー アラサン(私の主人は、人使いが荒い)。
チュチチ
1か月。
チュチャワン
一杯。
- 用例
- チャー チュチャワン ヤティン ヌリ イケー(お茶一杯でも飲んで行きなさい)。
チュチャワンジャー
一杯のお茶。
- 用例
- チュチャワンヂャー ヌムシェー アランドー(お茶は一杯だけ飲むものではないよ)。チュチャワンヂャー ヌリ ゥンジティ イチーネー ナン」ハッチャカインディ(お茶を一杯だけ飲んで出て行くと、災難にあうそうだ)。
チュチュジ
つつじ。
チュチュメー
月。お月さま。
- メモ
- 音2:チーチューメー・チチュー・チッチュ。→チーチュメー。
チュチョーデー
親戚兄弟。兄弟。一門兄弟。
- 用例
- チュチョーデーヤ イチマディン カナサシーヨー(兄弟はいつまでも仲よくしなさいよ)。
- メモ
- 音1:チチョーデー。
チュティンラ
一撃。ひとうち。
- 用例
- チュティンラ サレー スグ トーリティ ネーン(一撃したら、直ぐに倒れてしまった)。
チュテー
一度。一時。しばらくの間。
- 用例
- チュテー イフーナ クトゥバンデー チカイッサヤーンチ(一時はね、変わった言葉を使うなあと思った)。
- メモ
- 音2:チュテーバイ。
チュテーバイ
一時。
- 用例
- ワッターンカイ チュテーバイヤ ヤー カトータン(私たちに、一時は家を借りていた)。
- メモ
- 音2:チュテー。
チュトゥ
1年。
チュトゥクル
一所。一か所。
- 用例
- タムンヤ チュトゥクルカイ マジローケー(薪は一か所に積んでおきなさい)。
- メモ
- 音:チュトゥクマ。
チュトゥシ
同い年。同年生。
- メモ
- 音2:チュトゥシナヤー・チュトゥシンチュ・ヰーヌトゥシ・ヰントゥシ・ヰントゥシナヤー。類:チルミー・チルメー・ユヌチルマー・ユヌチルミー・ヰーヌトゥサー・ヰヌチルマー・ヰンチルミー・ヰンチルメー。
チュトゥシナヤー
同い年。同年生。
- メモ
- →チュトゥシ。
チュトゥシンチュ
同い年。同年生。
- メモ
- →チュトゥシ。
チュナーギ
一帯。
- 用例
- ミチヌ チュナーギ マーチヌ イーラットータン(道一帯に松が植えられていた)。
- メモ
- →イチナーギ。
チュナガタ
夜通し。一晩中。
- 用例
- チュナガタ ウキティ(一晩中起きて)。
- メモ
- 音1:ユナガタ。音2:ユナガトゥ。類:ユーキドゥーシ・ユトゥトゥーチ。
チュナギ
ある一定の長さ。ひとつの長さ。同じ長さ。
- 用例
- チュナギサーニ テーゲー チャッサビカーン アガ(あの長さで、だいたいどのくらいあるかな)。
チュナサガサー
他人の陰口をいう人。
- 用例
- トゥナイヌ アンマーヤ チュナサガサー ナティ、ハナシーン シーブサー ネーン(隣のお母さんは人の陰口ばかり言うから、話もしたくない)。
チュナミ
人並み。
- 用例
- ウフッチュ ナレーカラー チュナミニ シクチン サントー ナランドー(大人になったら、人並みに仕事もしなくちゃいけないよ)。
チュニギリ
ひとにぎり。
- 用例
- メー チュニギリ ニギティトゥラシェー(ご飯を一握り握ってくれ)。
チュニンジン
人間。
- 用例
- チュニンジンヌ アンシェー イチカランシガ(人間がそんなでは生きていけないよ)。
- メモ
- 音1:ッチュニンジン。音2:ニンジン。
チュヌグン
人を出し抜く。
- 用例
- チュヌグンディシェー フミラリーヌ ムノー アランデー(人を出し抜くというのは、褒められたもんじゃないよ)。
チュヌジャー
人を出し抜く人。
- 用例
- チュヌジャートー シクチェー シーブサー ネーン(人を出し抜く人とは、仕事はやりたくない)。
チュヌチ
稲苗を束ねた単位。
- メモ
- チュヌチは10束くらい、ミヌチは30束ぐらい。
チュヌマーシヤー
喪家。
- メモ
- 音1:チュマーシヤー。音2:チュマーシドゥクル・ダビヤー。
チュバーキ
ザルいっぱい。
- 用例
- ゥンム チュバーキ ワキティ トゥラチェーン(芋をザルいっぱい分けてくれた)。
チュハーラ
①いっぱい。十分。腹いっぱい。
②懲り懲り。飽き飽き。
- 用例
- ①ナー チュハーラ カラン(もう腹いっぱい食べた)座。ワンネー ナー、チュハーラヤッサー(私はもう、懲り懲りだ)。
- メモ
- 音1:チュファーラ。
チュバチ
一度。
- 用例
- ウッサヌ ムン チュバチネー ムッチェー イカランシガ(そんなにたくさんの物は、一度には持って行けないよ)。
- メモ
- 音2:チュケーン。
チュヒティミティ
午前中。
- 用例
- チュヒティミティナカイ ハロー ゥンジ チューシェー マシテー(午前中に畑に行ってきた方が良いよ)。
- メモ
- 音2:ヒティミティ。
チュビレー
人付き合い。
- 用例
- イナカヤ チュビレーヌ ウーサヌ、ヲゥタイン(田舎は人付き合いが多くて、疲れる)。
チュファーラ
①いっぱい。十分。腹いっぱい。
②懲り懲り。飽き飽き。
- 用例
- ①チューヤ ユーハマテーグトゥ ムヌン チュファーラ カメー(今日はよく頑張ったから、ご飯もいっぱい食べなさい)。
②ムタランニー ムタサッティ テュファーラソーン(持てないような荷を持たされて懲り懲りしている)。
- メモ
- 音1:チュハーラ。
チュブシ
強い武士。
- 用例
- トゥカシキペークーヤ チュブシ ヤタン(渡嘉敷ペークーはチュブシだった)。
チュブル
頭。
- メモ
- 音1:チブル。
チュマーシドゥクル
喪家。
- 用例
- チュマーシドゥクルヌ ティガネーカイ イチュン(喪家の手伝いに行く)。
- メモ
- 音2:チュマーシドゥクル・チュヌマーシヤー。類:ダビヤー。
チュマーシブラ
訃報を知らせる合図の法螺。
- 用例
- チュマーシブラヤ ミケーン フチ シラスタン(訃報を知らせる合図の法螺貝は、3回吹いて知らせた)。
- メモ
- 音2:ソーキブラ。
人が亡くなると隣保班の人が、雄の法螺貝を低音で長く伸ばすようにして3回吹いて部落中に知らせた。
チュマーシヤー
喪家。
- 用例
- チュマーシヤーンカイヤ ワランチャーヤ ソーテー イカンケー(喪家には子どもたちは連れて行くな)。
- メモ
- 音1:チュヌマーシヤー。音2:ダビヤー・チュマーシドゥクル。
チュマール
①一回り。
②以前。一時。
- 用例
- ①トゥナイヌ ミートゥンダヤ チュマール トゥシヌ シガイン(隣の夫婦は12歳も年が違う)。
②チュマーロー イチュナサヌ フシガランタン(一時は忙しくて大変だった)。
- メモ
- 年齢でのチュマールは十二干一回り。
チュマカイ
一杯。一碗。
- 用例
- ムノー チュマカイナール カムル(ご飯は一杯しか食べない)。
チュマカイジルグヮー
一杯汁。一碗汁。
- 用例
- チュマカイジルグヮーヤ アンダー チカーンヨークー ニータン(一杯汁は油を使わずに炊いた)。
- メモ
- 法事に供える汁のことで、油を使わずに豆腐や野菜を入れて作る。チュマカイジルグヮーは、亡くなった人に供える物なので、おかわりはなく1杯だけという意味。
チュミチ
同じ道。
- 用例
- スートゥ チュミチ アユムン(お父さんを同じ道を歩む)。
チュヤー
ひと家族。同じ家。
- 用例
- チュヤーヲゥティ スダチャン(同じ家で育った)。
チュヰー
人酔い。
- 用例
- コーイムンサーガ ルク マンリ チュヰー スサン(買い物客があまりにも多くて人酔いする)。
チュラー
美しいもの。美人。美女美男子。
- 用例
- ヲィナグングヮヤ チュラー ナティヤ(女の子は美しくてね)。
- メモ
- →イーカーギ。
チュラーク
すっかり。見事に。残らず。
- 用例
- チュラーク ネーン ナティ(すっかり無くなって)。
- メモ
- 音1:チュラーサ。
チュラーサ
すっかり。見事に。残らず。
- 用例
- チュラーサ カチミラッタグトゥ(残らず捕らえられたので)。
チュラーサ カチミングヮチェーサヤー(見事にかき乱してくれたな)。
- メモ
- 音1:チュラーク。
チュラカーギー
美人。美女。
- 用例
- チュラカーギー ヤティン ヤーヌ シクチン シーサンネー ユチラー ネーン(美人でも、家の仕事ができないと甲斐性がない)。
チュラカーギー ンージーネー ナー ハンタン ミーラン(美人を見るともう崖も見えない)。
- メモ
- →イーカーギ。
チュラガサ
梅毒。
- 用例
- ハジカハヌ チュラガサ カカトーンレー イララン(恥ずかしくて、梅毒に罹っているとは言えない)。
- メモ
- 類:ナーバル・ナーバ。
チュラク ナスン
綺麗にする。洗骨する。
- 用例
- ナー ヲゥラン ナティカラ シグニン ナトークトゥ、ハーマヲゥティ チュラク ナスン(もう、亡くなってから4、5年経つので、浜で洗骨をする)。
- メモ
- →カルク ナスン。
チュラサカバサ
美しくて良い香り。美しい姿。
- 用例
- イッペーヌ チュラサカバサ スル ミヤラビンチャー ヤタン(とても美しく良い香りのする娘たちだった)。
チュラサン
きれい。
- 用例
- ハナン サチカンティ アマヌ ヤーヤ ジコー チュラサン(花も咲き乱れて、あそこの家はとてもきれいだ)。
- メモ
- 音1:チュラハン。対:ハゴーサン・ハゴーハン(汚い)。
チュラスガイ
きれいな服装をすること。着飾る。
- 用例
- チュラスガイ シ アシディアッチ、ヤーヌ カシーン スンレー サン(着飾って遊び歩いて、家の手伝いもしようともしない)。
チュラヂン
美しい着物。
チュラニーセー
美しい青年。
チュラハン
きれい。
- 用例
- ワカハシヤ イチ ンチン チュラハン(若い人はいつ見てもきれいだ)。
- メモ
- →チュラサン。
チュラミジ
清水。きれいな水。
- 用例
- クシヌ カーラヤ チュラミジヌ ナガリトーン(後ろの川はきれいな水が流れている)。
チュラムン
物事がきれいなこと。見事。
- 用例
- ヤーニンジュ ムルシ モーイネー ヌーシン チュラムンヤサ(家族皆で踊ったら、何をしても見事なものだよ)。
チュラヰナグ
きれいな女。美人。
- 用例
- ヤカヌチルーンチ チュラヰナグガ ヲゥタンディサ (屋嘉のチルーという美人がいたそうだ)。
- メモ
- →イーカーギ。
チュラウヮーシ
美ら闘牛。
- 用例
- チュラウヮーシディチ イークル ナイネー ターチヌ ウシ ワカスタン(美ら闘牛といって、良い頃合いになると両方の牛を離して引き分けとした)。
- メモ
- 楚辺の闘牛はチュラウヮーシといって、良い時分になると棒を中に入れたり、網を角にひっかけて両牛を引き離した。
チュワカサー
一升徳利。
- 用例
- チュワカサーンカイ サキ コーティ クーワ(1升徳利に酒を買って来なさい)。
チュワカシ
1升。
- 用例
- サキ チュワカシ コーティチャン(酒を1升買ってきた)。
チョーカサー
薄手の幕。
チョーギナー
狂言者。おどけ者。ひょうきん者。
- 用例
- チュビカーン ワラーチ、アンシ チョーギナー ヤテール(人ばかり笑わせて、こんなにひょうきん者だったんだね)。
チョーギン
狂言。おかしい。こっけい。
- 用例
- イッタガ ハナシー スシェー イミン ワカラン、チョーギンル ヤル(お前たちが話するのは意味も分からない、こっけいだよ)。
チョーグェー
下肥え。
- 用例
- アサバン カリアトゥ、ハルカイ チョーグェー カタミティ イキヨー(昼ご飯を食べた後、畑に下肥を担いで行きなさい)。
チョーサージ
死者に被せる白いタオル。顔かけ。
- 用例
- チョーサージ トゥッティ チラグヮー ンチ トゥラシェー(顔かけを取って顔を見てちょうだい)。
チョーシー
一食。
- 用例
- チョーシーン チョー カリカラ イケー(1食でも食べてから行きなさい)。
チョーチカ チョーチカ
経塚、経塚。地震のときに唱えた。
- メモ
- 音1:チョーヂカ チョーヂカ。
経文が埋められているという浦添市経塚に由来する。地震の際にこの呪文を唱えると揺れが収まるという。
チョーヂカ チョーヂカ
経塚、経塚。地震のときに唱えた。
- メモ
- →チョーチカ。
チョーチゲー
蝶番〔ちょうつがい〕。
チョーチョービングヮー
すみれ。
- 用例
- チョーチョービングヮーガ ウッサ サチョール チュラハンヤー(すみれがいっぱい咲いてきれいだね)。
チョーチンムッチャー
提灯持ち。
- 用例
- チョーチンムッチャーヤ ワランチャー ヤクミ ヤタン(提灯持ちは子どもたちの役目だった)。
- メモ
- 嫁入りの時に、前の方で提灯を持って道案内する男女児のことで、道中は振り返ったり、持ち手を変えたりしてはいけない。
チョーデー
きょうだい。
- 用例
- イャー チューデーヤ イクタイガ(あなたの兄弟は何名ね?)。
チョーデー グファイ
兄弟の仲が悪くなること。
- 用例
- オーヤーニ チョーデーグファイ ソーン(喧嘩して兄弟仲が悪くなっている)。
チョーデー イッペー クファサシ(大変仲が悪い)。
チョーデーカサバイ
兄弟重なり。
- 用例
- チョーデーカサバイヤ ブダヌン ワカサントー ナラン(チョーデーカサバイは仏壇も分けないといけない)。
- メモ
- 未婚の男子が兄弟と同じお墓に入ること。兄弟の位牌は並べてはいけないので、養子を取ってでも次男三男の位牌は分けて祀るべきとされた。
チョーデーバカ
兄弟墓。兄弟で墓を同じにしていること。
チョーバン
京判。一升枡。
- 用例
- マーミヤ チョーバンヌ ミー イリレー(豆は一升枡のいっぱい入れなさい)。
- メモ
- 行商の際は一斗樽を2つ担ぎ、一升、五合、一合のチョーバンを3つ持っていった。
チョーバングヮーチャンクルー
子どもの遊び。お金の裏表を言い当てる遊び。
- メモ
- →ウスエー・チャンクルー。
チョーバンヌジ
京枡ですくって盛ったもの。
- メモ
- 73歳の祝いからは大きな祝いで、チョーバンヌジ(京枡盛り)した赤飯をあやかりとして土産にした。
チョームン
経文。
- 用例
- チョームン ユムン(お経を唱える)。
- メモ
- 音2:フームン。
チョーレーグファイ
兄弟の仲が悪くなる事。
- 用例
- イチカラル チョーレーグファイ ソーラー ムヌン イランサ(何時から兄弟の仲が悪くなったのか、物も言わないさ)。
チョーン(~チョーン)
~すら。~さえ。
- 用例
- ウッピンチョーン ナランナー(それすらもできないのか)。
チョッチョイ
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- 類:カキヌミーチョッチョロー参照。音:チョッチョイグヮー。
チョッチョイグヮー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- 音:チョッチョイ。
チョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- 類:カキヌミーチョッチョロー参照。音:チョッチョラーグヮー・チョッチョレー・チョッチョロー。
チョッチョレー
ウグイスの幼鳥。小鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
チョッチョなどと鳴く雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥にそういった。
チョッチョロー
ウグイスの幼鳥。小鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
チョッチョなどと鳴く雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥にそういった。
チョンダラー
京太郎。
- メモ
- 首里アンニャ村にいた門付け芸を披露する芸人たちのこと。また彼ら及び彼らの芸を題材とした舞踊、芸能の名称。現在ではエイサーで顔を白塗りし滑稽な動きをする者にもそういう。
チラ
顔。面。
- 用例
- アサ ウキーネー チラカラ アラリヨー(朝起きたら顔から洗いなさいよ)。
チカグロー ムル チラー ミシラン(近頃はまったく顔を見せない)。
チラ ホーチュン
顔を叩く。
- 用例
- イーシ チカンアレー チラホーチュンドー(言うことを聞かないなら顔を叩くぞ)。
チラーグヮー
末っ子。
- メモ
- →イチッガウットゥングヮー。
チラアティン ナラン
目も当てられない。
- 用例
- チラアティン ナラン(目も当てられない)。
チラウチカイ
容貌〔ようぼう〕。顔や全体の姿。ほめる時に使う。
- メモ
- →ウチカイ。
チラガー
豚の顔や頭の部分。
- 用例
- マチカイ イチーネー ウヮーヌ チラガーン ウトーン(町に行くと、豚の顔も売っている)。
- メモ
- 音2:チブルガー。
チラカスン
散らかす。
- 用例
- ワランチャー ヤーヌ ナカヲゥティ アシバシーネー チラカスンドー(子どもたちを家の中で遊ばせると、散らかすよ)。
- メモ
- →カチホーイン。
チラガタカ
目隠し。
チラガマチ
面がまえ。人相。
- 用例
- チラガマチヌ ワッサヌ ターン ユテークーン(人相が悪くて、誰も寄って来ない)。
- メモ
- 音2:チラムチ。
チラコーイン
面目を保つ。
- 用例
- イャーガ シーナチ トゥラチ ウリシ チラコータン(お前がやり遂げてくれたので、それで面目が保った)。
チラスン
品物を切らす。在庫がない状態。
- 用例
- イリーシガ ニーサヌ シナムン チラスン(仕入れが遅く品物を切らす)。
チラソー
面相。顔つき。
- 用例
- チラソーヌ ワッサヌ(顔つきが悪くて)。
- メモ
- 音2:ニンソー・ミンソー。
チラターチー
顔ふたつ。二重人格。八方美人。
- メモ
- 音1:チラターチャー。音2:ターチジラー。
チラターチャー
顔ふたつ。二重人格。八方美人。
- 用例
- チラターチャー ナイネー アトー ドゥシン ヲゥランナイサ(八方美人になると、後は友達もいなくなるさ)。
- メモ
- 音1:チラターチー。音2:ターチジラー。
チラタマヤー
額と顎〔あご〕が高く、中央がくぼんだ顔。
- 用例
- シマジリイェンチョー ジュームッカー、ナカガミイェンチョー チラタマヤー(島尻鼠は尻尾切れ、中頭鼠はくぼんだ顔)。
チラティーチ
顔ひとつ。瓜ふたつ。
- 用例
- イチクル ヤシガ チラティーチ ナティ ターチューヌ グトーン(従妹なんだが瓜ふたつで、双子のようだ)。
- メモ
- 類:マンニー。
チラヌカー
顔の皮。面の皮。
- 用例
- ワッサヌ クトゥ シン ヌーリン ウマーン、チラヌカー アチサン(悪いことをしても気にもしない、面の皮が厚い)。
- メモ
- 音1:チラガー。
チラハジ
面恥。恥。
- 用例
- イャーヤ チュヌメーヲゥティ ワンニンカイ チラハジ カカチ(お前は人前で私に恥をかかせて)。
- メモ
- 音2:ハジ。
チラハジカサン
気恥ずかしい。
- 用例
- ルク チュラスガイ シーネー チラハジカサルアシデー(あまりきれいな恰好をすると気恥しいんだよ)。
- メモ
- →ウスハジカサン。
チラヒンガー
顔が汚れていること。
- 用例
- チラヒンガー ナティ マーヲゥティ アシディチャガ?(顔が汚れているが、どこで遊んできたの?)。
- メモ
- 音2:ヒンガーマーウー・ヒンガーマヤー。
チラブイ
そっぽを向くこと。
- 用例
- ヌール クサミチョーラー、チャー チラブイ ソーサ(何を怒っているのか、いつもそっぽを向いている)。
チラフクガー
顔がむくんでいる様。
チラフックヮー
ふくれっ面。おこりんぼ。
- 用例
- ヰナグヌ チラフックヮー シーネー トゥジサー ヲゥランドー(女がふくれっ面をしていると、妻にする人はいないよ)。
チラブニトゥガヤー
頬骨の張った人。
チラムチ
面がまえ。人相。
- 用例
- アヌ チョー アンシ チラムチヌ ユタハルヤー(あの人はとても人相が良いね)。
- メモ
- 音2:チラガマチ。
チラユグシ
顔汚し。
- 用例
- ウッサン ナランネー イャーヤ ヤーヌ チラユグシル ヤル(それくらいも出来ないなら、お前は家の面汚しだ)。
チラヨー
顔に現れること。
- 用例
- ワー トゥジェー チム ヒガンネー スグ チラヨー スン(私の妻は気に入らないと、すぐに顔に現れる)。
チラワージュー
顔がしわくちゃなこと。しかめっ面。
- メモ
- 類:ワジャンカー・ワジャンピーリ・ワジャンピーリー。
チリ
丁。豆腐1箱から切り分けたものを数える数詞。
- メモ
- 数詞(~チリ)はチュチリ(1丁)、タチリ(2丁)、ミチリ(3丁)と数える。
チリアクタ
塵芥。
- 用例
- チリアクタヌグトゥ アマンカイ ヒティラットータン(塵芥のように、あそこに捨てられていた)。
- メモ
- →アクタチクタ。
チリー
清潔。
- 用例
- ヤーヌウチン フカン チャー チリー ソーキヨー(家の中も外も、いつも清潔にしなさいよ)。
チリーナムン
清潔な人。
- 用例
- チャー サージャートゥ シ アンシ チリーナムン ヤルヤー(いつもさっぱりして、何て清潔な人なんでしょうね)。
チリイユ
魚介名。アイゴの稚魚。アイゴの一種。
- 用例
- チリイユディネーヨー カラスグヮーヌ ウチヤサ(チリイユというのはアイゴのひとつだよ)。
- メモ
- →スク。
チリーン
切れる。尽きる。能力がある。
- 用例
- ウヌ ホーチャーヤ ユー チリーン(その包丁は良く切れる)。
チョーデーヌ ヰンヌ チリーン(兄弟の縁が切れる)。
チブロー チリトーン(頭がきれている)。
- メモ
- 否:チリラン(切れない)。
チリーン
連れる。
チリキジ
切り傷。
- 用例
- チリキジヤ ミジネー ンラサンキヨー(切り傷は水に濡らすなよ)。
チリキジャムン
切り刻む。
- 用例
- チリビラー チリキジャムン(ニラを切り刻む)。
チリグサ
植物名。セイロンベンケイ。
- メモ
- 音2:トーシチャグサ。葉を丸く型どってお金に見立てて、買い物ごっこをして遊んだ。
チリクチ
切り口。
- 用例
- キーヌ チリクチンカイ ヌーイ タックヮースン(木の切り口に糊を塗る)。
チリクヮイン
食いやがる。
- メモ
- 「食べる」の卑語。
チリヂリ
今にも切れそうな様。
- 用例
- チナー チリヂリー ナトーグトゥ ヘーク ケーランネー(綱が切れそうだから早く取り替えないと)。
チリデー
結納などに御馳走を盛って行くのに用いた長方形の大きな盆。
- 用例
- サキムイネー チリデーンカイ クヮッチー イッティ ムッチ イチュタン(結納には、大きな御膳に御馳走を入れて持って行った)。
- メモ
- 音:チルデー。結納にはチリデーという大きな長方形の御膳にムリムチ、豆腐、ターゥンム、天ぷら、肉等の御馳走を詰めて、周囲を細い竹で囲って芭蕉の紐で結んで運んだ。
チリナサン
情けない。辛い。
- 用例
- ヰナグングヮ チージカイ ヤラスシェー ヌーヤカ チリナサン(娘を辻に遣ることは何よりも辛い)。
- メモ
- 戦前の田舎の貧しい家では、男は糸満売りに、女は辻・遊郭に出す家も多かったという。
チリハシ
切れ端。
- 用例
- ダー、チリハシヤ ワンガ チカイサ(どれ、切れ端は私が使うさ)。
チリハブ
腕白。きかん坊。
- 用例
- ウレー ウーマク、チリハブ ヤンドー(そいつは腕白、きかん坊だよ)。
- メモ
- →アカマク。
チリバンタ
崖。切り立った崖。険しい崖。
- メモ
- 音2:ハンタ・フチバンタ。→スギバナ。
チリビラ
ニラ。
- メモ
- 音1:キリビラ・チリビラー。音2:ヒラタービラ。
チリビラー
ニラ。
- 用例
- ソーミンチャンプルーンカイ チリビラー イリーネー マーササ(ソ-ミンチャンプルーにニラを入れると美味しいよ)。
- メモ
- 音1:キリビラ・チリビラ。音2:ヒラタービラ。
チリファ
切れ味。
- 用例
- チリファヌ アン(切れ味鋭い)。
チリファ
物事のけじめ。
- 用例
- ニンジノー イクチ ナティン チリファガ ネーントー ナラン(人間は幾つになっても、けじめがないといけない)。
チリフダ
土地の所有権証明書。
- 用例
- チリフダヤ マーマカチ ウチョーカンネー(土地の所有権証明書は、ちゃんと置いておきなさいよ)。
チリマシ
切り枡。桝を切ること。
- 用例
- クメー チリマシシ ハカイシェー マシ(米は枡できっちり量ったほうがいい)。
- メモ
- 音1:キリマシ。
チリヤー
切れ者。優れ者。
- 用例
- トゥカシキペークーヤ チリヤー ヤタン(渡嘉敷ペークーは頭が良かった)。
- メモ
- 音2:ディキヤー。→クーサムン。
チリリンクヮンクヮン
人が混ざり合って動く様子。
- 用例
- チリリンクヮンクヮン シ、ヌール ナトーラー ワカランタン(あまりにも人が多すぎて混み合い、何が何だか分からなかった)。
チリローシー
汁用の鍋。
- メモ
- 音1:チジュローシー・チルローシー。
チリローシー
汁用の鍋。
- メモ
- 音1:チジュローシー・チルローシー。
チリンアクタン
塵も芥も。何でもかんでも。
- 用例
- チリンアクタン アチミティ、アトー チャー スル チムエーガ(何でもかんでも集めて、後はどうするつもりか)。
チリンチュン
切り入れる。切り刻んで入れる。
- 用例
- ヌクトール ヤシェー チリンチュン(残っている野菜を切り入れる)。
チル
①つる。糸。弦〔げん〕。
②筋〔すじ〕。腱〔けん〕。
- 用例
- ①ゥンム シーヤーニ チル ヒチョーン(芋が腐って糸を引いている)。
②ヒサヌ チルヌ チリティ アッチンナラン(足の筋が切れて、歩くこともできない)。
チル
鍋の取っ手。
- 用例
- ナービヌ チル チューク ムッチ ヒッタティティ クーワ(鍋の取っ手を強く持ち上げて来なさい)。
チルアーシ
三線の弾き合わせ。音合わせ。
- 用例
- サンシンシンカガ チルアーシ ソーン(三線弾きが音合わせをしている)。
チルカー
衣類。着物。
- メモ
- 音2:チンチルカー。→キンキハラ。
チルガイン
浸かる。
- 用例
- チューヤ ヲゥタトーグトゥ ユーフルンカイ チルガイン(今日は疲れているからお風呂に浸かる)。
否:チルガラン(浸からない)希:チルガイブサン(浸かりたい)過:チルガタン(浸かった)継:チルガトーン(浸かっている)。
チルカキ
弦(つる)かけ。
- メモ
- 弓のような形の持ち手を掛けるチルカキが鍋に付いていた。
チルジ
蹴爪〔けづめ〕。鳥、主にタウチー(闘鶏)の攻撃用の爪。
- 用例
- トゥイグヮーヌ チルジ(鶏の蹴爪)。
チルジューサン
体の筋〔すじ〕や腱〔けん〕が強い。
チルダイ
気抜け。落胆。気持ちが滅入る様。落胆して体の筋がだれること。力がはいらないこと。
- 用例
- アチサヌ フシガラン チルダイ シ、ヌーン シーブサーネーン(暑くてたまらず気持ちが滅入って、何もしたくない)。
- メモ
- 音2:チゲーダイ。
チルデー
結納などに御馳走を盛って行くのに用いた長方形の大きな盆。
- メモ
- →チリデー。
チルナービ
取っ手付きの鍋。
- メモ
- 音2:ティーナービ・ティーチチャーナービ。
チルブン
つるむ。
- 用例
- ドゥシンチャー チルディ マーカイガヤー(友達同士つるんで、どこにかね)。
チルブン
交尾する。
- 用例
- ワン イントゥ イャー イン チルバスン(私の犬とお前の犬を交尾させる)。
トゥイヌ チルブシ(鳥が交尾するのを)。
チルミー
同い年。同年生。
- 用例
- チルミーディシェー イクチ ナティン イームンヤー(同年生というのは、幾つになっても良いもんだね)。
- メモ
- 音1:チルメー。→チュトゥシ。
チルメー
同い年。同年生。
- 用例
- チルメーヌ アチマトールムン ティーチェー モーティンラナ(同年生が集まっているから、ひとつ踊ってみよう)。
- メモ
- 音1:チルミー。→チュトゥシ。
チルローシー
汁用の鍋。
- 用例
- ワンガ ヰーラチェーヌ チルローシー ナマン チカトーンナー(私があげたチルローシーは今も使っているの?)。
- メモ
- 音1:チリローシー・チジュローシー。
チレーイン
忌み嫌う。
- 用例
- ヤンメームンヤ チュマーシヤーカイ イチュシェー チレーイン(病気の人は、亡くなった人の家に行くのは忌み嫌う)。
チレークニ
人参。
- 用例
- クンドゥヌ チレークニヤ アンシ ユカトールヤー(今年の人参はとても豊作だね)。
- メモ
- 音1:キデークニ・キレークニ・チデークニー・チレークニ。
チロー
器量。
- 用例
- チロー ユタサヌ イー ワカムン ヤサ(器量が良くて良い若者だね)。
チロージンブン
器量よし、知恵あり。
- 用例
- チロージンブン ディキティ、アリガサク イー ワカムノー クヌ シマネー ヲゥラン(器量も良く知恵も優れて、彼ほど良い若者はこのムラにはいない)。
チワ
きわ。とき。際。
- 用例
- ウヌ チワ ナイネー ワンガ タシキーサ(そのときになったら、私が助けるよ)。
イチュル チワ ナタグトゥ(行く時になって)。
チワメー
際目。
- 用例
- ヌーヌ チワメー(どんな時でも)。
チン
斤。重量の単位。
- 用例
- シシ イッチン コーラ(お肉を一斤ください)。
- メモ
- 1斤は600g。イッチン(1斤)、ニチン(2斤)、サンギン(3斤)と数える。
チン
魚介名。クロダイ。
- 用例
- チューヤ チン ダテーン トゥッティチェーン(今日はクロダイをたくさん取って来てある)。
チン
角。つの。
- 用例
- チン ミーギンドー(角がはえてくるよ)。
- メモ
- 音1:チヌ。
チン
着物。衣服。
- 用例
- チン ケーイグトゥ イチュター マッチョーケー(着物を着換えるから、ちょっと待っていてね)。
- メモ
- 類:キン。
チンアタビー
両生類。カエルの一種。ヒメアマガエル。
チンウスメー
着物に隠れて、人数と誰が入っているか言い当てる遊び。
- メモ
- →トービーラーグヮー。
チンガー
つるべ井戸。釣瓶〔つるべ〕で汲む井戸。
- 用例
- チンガーカラ イクケーンル ミジ クラダー ワカラン(つるべ井戸から、何回水を汲んだのか分からない)。
チンガーグヮー
渡慶次の境界にあった井戸。
- メモ
- 渡慶次と瀬名波の境界にあった井戸で洗濯などの生活用水に使った。
チンカーミー
出来物の一種で、夏の暑い時に子どもの頭にできる。
- 用例
- ウッピナーヌ チンカーミーヌ ゥンジトール(大きなチンカーミーができてるね)。
- メモ
- →ウーブ。
チンガックイ
着物に隠れて、人数と誰が入っているか言い当てる遊び。
- メモ
- →トービーラーグヮー。
チンガニ
魚介名。陸ガニ。
- 用例
- チンガニ ンチャル クトゥン アンナー?(陸ガニを見たこともあるの?)。
チンクヮー
カボチャ。南瓜。
- 用例
- ウッピナーヌ チンクヮーヤ ムッチュンディ デージヤサ(そんなに大きなかぼちゃは、持つのが大変だ)。
- メモ
- 音2:ナンクヮー・ナンクヮー。
チンケームンケー
転げ回る様。
- 用例
- チンケームンケー スルカ ヤミル スンナー?(転げ回るほど痛いのか?)。
- メモ
- →キリキリミングヮー。
チンケーラスン
ひっくり返す。
- 用例
- チカティ ウワタル バーキヤ ウークカイ チンケーラスン(使い終わったザルは、奥にひっくり返しておく)。
- メモ
- →ウッケースン。
チンサグ
植物名。ホウセンカ。
- 用例
- ンカシ ナーンカイ チンサグヌ ハナガ ユーサチョータン(昔は庭にほうせんかの花もよく咲いていた)。
- メモ
- 音1:チンサグー。
チンサグー
ホウセンカ。
- メモ
- 音1:チンサグ。
チンシ
膝。
- 用例
- チンシヌ ウッピ フックトーシガ マーガラカイ ウッチルシー?(膝がそんなに膨れているが、どこかに打ったの?)。
チンシザラ
膝小僧。
チンシトーブー
足が真っすぐなこと。
- メモ
- 対:マタガニー・ハッチャー(がに股)。
チンジバル
{近所原}。渡慶次の小字。
チンジビラ
親志の地名。坂道の名称。
- メモ
- 親志の外れにあたる道。火事があるとチンジビラの入り口でヒーゲーシ(火返し)した。
チンシメーギー
正座。
- メモ
- 類:ヒサマンクー・ヒサマンチ・ヒサマンチュー・フィサマンチュー。
チンジャーバル
{近川原}。古堅の小字。
チンジュ
近所。
- 用例
- ムラヌ チュチンジュ(村の一近所)。
チンジュン
紡ぐ。
- 用例
- ヲゥー チンジュル ヤーマ(苧〔芭蕉〕を紡ぐ糸車)。
チンシルダキ
膝丈。
チンスー
重さ。体重。
- 用例
- ソーグヮチウヮーヌ チンスーヤ チャッサ カカトータガ?(正月用の豚の重さは何斤だったねぇ?)。
チンターゲーイ
でんぐり返り。またはひっくり返ること。
- 用例
- ワラビヌ チンターゲーイ ッシ アシドーン(子どもがでんぐり返しをして遊んでいる)。
- メモ
- →サーナーゲーリー。
チンダガニ
針金。
- 用例
- チンダガニヤ アブナサクトゥ チュトゥクマンカイ ユシトーケー(針金は危ないから一か所に寄せておきなさい)。
- メモ
- 音2:シーブンガニ。
チンダミ
調弦。
- 用例
- ンナシ チンダミ アティーン(皆で調弦をする)。
- メモ
- 類:カラバンキ
チンダンブクル
頭陀袋。死者に土産を持たす袋。
- 用例
- ナマー チンダンブクルン ソーシキヤーガ シコーティ トゥラスン(今は頭陀袋も葬儀社が準備してくれる)。
- メモ
- 音2:ジンジャイブクル・ジンダブクル・ヤンザイブクル。→ジンジャイブクル。
チンチ
天気。
- 用例
- イー チンチ ナティン、ワンネー イカラン(良い天気になっても、私は行けない)。
- メモ
- →ウヮーチキ。
チンチキーン
つねる。
- 用例
- ウミチットゥ ムム チンチキーン(思いっきり腿をつねる)。
否:チンチキラン(つねらない)希:チンチキーブサン(つねりたい)過:チンチキタン(つねった)継:チンチキトーン(つねっている)。
チンチキムンチキ
つねり回す様。
- 用例
- チンチキムンチキ シ アンスカ ナケーサンケー(つねり回してそんなに泣かすな)。
チンヂチン
着物包み。着物を包んだ風呂敷。
- 用例
- アマカラ チンヂチン カミティ ハイシェー ター ヤガヤー?(あそこから着物の包みを頭に載せて行くのは誰かな?)。
- メモ
- 音1:キンヂチン。
チンヂチンカミヤー
嫁入り道具の着物包みを、頭に載せて運ぶ人。
- メモ
- →キンヂチンカミヤー。
チンチナー
鳥名。セッカ。
- 用例
- チンチナーガ トゥディアッチャギーンレー(ひばりが飛んでいるよ)。
アネッ!アマカラ チンチナーグヮーガ トゥバギーサ(ほら!あそこからセッカが飛んでいるよ)。
- メモ
- 類:チンチナーグヮー。チンチンマー。
沖縄では一般にヒバリとも呼ばれている。
チンチョー
樽皮を引っ掛ける道具。
- 用例
- ダー チンチョーヤ ウマンカイ ドゥキナチョーケー(どれ、樽皮を引っ掛ける道具はそこに退けておきなさい)。
チンチリモーカー
転げ回る様。のたうち回る様。
- 用例
- ワタ キラッティ、チンチリモーカー ソータン(お腹を蹴られて、のたうち回っていた)。
- メモ
- →キリキリミングヮー。
チンチルカー
衣類。着物。
- 用例
- チンチルカーン ムル ムッチ、ヤーカラ ゥンジティ ハイタン(衣類も全部持って、家から出て行った)。
チンチルカーン ネーン(着る物もない)。
- メモ
- 音2:チルカー。→キンキハラ。
チンチルモーヤー
転げ回る様。
- 用例
- チンチルモーヤー シ(転げ回って)。
- メモ
- →キリキリミングヮー。
チンチン
セッカ(鳥の一種)の鳴き声。
チンチン
ビーチャー(ジャコウネズミ)の鳴き声。
- メモ
- 鳴き声が聞こえるとお金が入ってくると言った。
チンチントゥヌガー
飛び跳ねる様。
- 用例
- シケヌンカイ ゴーカクシ チンチントゥヌガー ソータン(試験に合格して飛び跳ねて喜んでいた)。
- メモ
- 類:トゥンガーモーヤー・トゥンジャートゥンジャー・トゥンジャーヒンジャー・トゥンジャーモーヤー。
チンチンビサグヮー
セッカのようなやせ細った足の者。ごぼうのように細い足。
- 用例
- チュラカーギー ヤシガ チンチンビサグヮー ナティ ナマニン ヲゥーリーギサヌ(美人だが足が細くて、今にも折れそうだ)。
チンチンマー
セッカ。
- 用例
- ナー ウヌ チンチンマーヤ ヲゥラン ナトーンドー(もうそのセッカはいなくなっているよ)。
チントゥ
丁度。きっちり。ちゃんと。たった。
- 用例
- アトー タラーン ナイネー デージ ヤグトゥ チントゥ ハカリヨー(あとで足りなくなると大変だから、きちっと量りなさいよ)。
チヌーヤ チントゥ ワンチュイ ヤタン(昨日はたった私ひとりだった)。
チントゥカントゥ
丁度。きっちり。
- 用例
- ワッター アンマーヤ クメーキージューサヌ、チャー チントゥカントゥシカ ムタサン(私の母は細かすぎて、いつも丁度しか持たさない)。
- メモ
- 類:チントゥ。
チントゥンヌウードゥ
上等の布団。
- 用例
- カンシ ヒーサルムンヌ チントゥンヌウードゥンレー カンシレー(こんなに寒いのに、上等な布団を被せなさい)。
- メモ
- 「言葉ぁ銭使ぇ」『古堅の民話』より。
チンナマー
カタツムリ。
- メモ
- 音2:チンナン。
カタツムリは削った芋を与え一晩おき、糞を出させてからお汁にして食べた。
チンナミー
小柄な人。
- 用例
- チンナミー ナティ クーソーラーハン(小柄で可愛い人だ)。
チンナン
カタツムリ。
- 用例
- ハルヌ チンナンヤ トゥッティ ヒティレー(畑のかたつむりは取って捨てなさい)。
- メモ
- →チンナマー。
チンナンオーラセー
カタツムリを戦わせる遊び。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ チンナンオーラセー シ アシブタン(友だちとかたつむりを戦わせて遊んだ)。
- メモ
- 2匹のかたつむりの殻の尖った先の部分を合わせて喧嘩させる遊びで、潰れると負け。
チンナングルー
カタツムリの殻。
- メモ
- 音2:チンナンビーカー。
チンナンビーカー
カタツムリの殻。
- 用例
- ウッサキー チンナンビーカーヌ アル(そんなにたくさんのカタツムリの殻があるね)。
- メモ
- 音2:チンナングルー。
チンヌガス
落っことす。
- 用例
- アイナー!アッタヌ ワラビ チンヌガチャンバーイ(ああ!大切な子どもを失ってしまったんだね)。
- メモ
- 早産で赤子が亡くなったり、流産することにチンヌガチャン(漏らしてしまった)といった。
チンヌギーン
抜け落ちる。
- 用例
- チンヌギトーシェー ネービラニ(抜けて落ちているのはありませんか)。
チンヌク
サトイモ。里芋。鶴の子芋。
- 用例
- ターゥンムン マーサシガ チンヌクン マーサンドー(田芋も美味しいが、里芋も美味しいよ)。
チンヌクジューシー
里芋雑炊。
- 用例
- チンヌクジューシー ニチチャーキ ヤサ、アチコーコー カメー(チンヌクジューシーを炊いたばかりだよ、熱々のを食べなさい)。
チンヌクムシ
昆虫名。里芋の害虫。
- 用例
- チンヌクムシヤ ウトゥルサヌ サーイン ナラン(チンヌク虫は恐くて触れない)。
チンヌハシ
着物の切れ端。
- 用例
- チンヌハシ ヤティン アチミトーチーネー、ヌーガラカイ チカーリーサニ(着物の切れ端でも集めておけば、何かに使えるでしょう)。
- メモ
- 音1:キンヌハシ。
チンバー
海岸から切り出した石垣用の石。
- 用例
- イシガチ チミーネー チンバー ダテーン チカイタン(石垣を積む時にはチンバーをたくさん使った)。
チンバーヤ
大黒柱。
チンバナ
染め粉、熱冷ましの薬として用いられた花、薬草。
- 用例
- チバナヌ アッタイグヮーニ チンバナ ユカラチ ヌースガ アングヮー、ワッター ヤクミーガ ンマヌイ ティーサージー(知花の菜園にチンバナを繁らせて何をするの娘さん、うちの兄さんが馬に乗るときの手拭いを染めるのよ)。
- メモ
- 黄色い花で染め粉になった。熱冷ましの薬としても使われていた。楚辺では生後1週間しても赤子の目が開かない場合はチンバナとキョウバン、それに蜜柑の果汁を混ぜて煎じた汁を浸した布で目を拭いた。
チンパナ
供物の米の呼称。神前に供える洗い清めた米。
- メモ
- 音2:チンミハナ。
チンハブ
①ハブの一種。
②言葉で人にかみついたり、いびったりする人のことにもいう。
- メモ
- 頭は丸く、小さな蛇〔ヘビ〕。
チンピラー
背が小さいこと。
- 用例
- クヌワラベー チンピラーナティ フルイーヤスガヤー(この子は背が小さいが、大きくなるかな?)。
チンプー
方角。
- 用例
- マジェー チンプー アティティンディ(まずは方角を当ててごらん)。
- メモ
- 音1:ティンプー。
チンブク
竹製の釣り竿。
- 用例
- チンブク カタミティ イユ クヮーシーガ イチュン(釣り竿を担いで魚釣りに行く)。
チンプルゲーイ
でんぐり返り。またはひっくり返ること。
- 用例
- タタンヌイーヲゥティ チンプルゲーイッシ アジブン(畳の上ででんぐり返りをして遊ぶ)。
- メモ
- →サーナーゲーリー。
チンボーブイ
魚介名。貝名。水字貝。
- メモ
- 魔除けとして軒下や豚小屋に吊した。また、紐で結わえて牛に見立てて幼児が引いて遊んだ。
チンボーラー
魚介名。ウミニナ。
- 用例
- ウミカイ ゥンジャレー チンボーラー ダテーン トゥティ チェーン(海に行ったらウミニナをたくさん取ってきてある)。
チンマーサー
円形に石積みがされた場所。
- メモ
- 小さなロータリーのような場所で 円形に石積みがされ、中央にはガジュマルなどが植えられている。
チンマーサーバカ
洞穴囲込墓。
チンマーヤー
爪の周りにできるはれ物。
- メモ
- 音1:チミマーヤー。
チンマガイン
縮こまる。いじけたり、かしこまったりして小さくなること。
- 用例
- ヒーサヌ カタカル ンカイ チンマガイン(寒くて片隅に縮こまる)。
継:チンマガトーン(縮こまっている)。
チンミ
斤目。目方。
- 用例
- イユヌ チンミ ハカトーケー(魚の目方を測っておきなさい)。
チンミハナ
供物の米の呼称。神前に供える洗い清めた米。
- 用例
- チュー チカイシェー チンミハナル ヤンドー(今日使うのは洗い米だよ)。
- メモ
- 音2:チンパナ。
チンムー
ふたつの事を同時に行うこと。
- 用例
- サキムイニ ニービチ チンムー スンテー(結納の時に結婚式も一緒にするさ)。
チンヰチョーン
思いっきり尻もちをついていること。
- 用例
- アネッ!アマヲゥティ チンヰチョーサ(ほれ!あそこで尻もちをついて座っているさ)。
ツ
人。
ツー
今日。
ツージーバル
{通地原}。古堅の小字。
ツーン
来る。
- メモ
- 音1:チューン・クーン。→チューン。
ツクイムズクイ
農作物。
- メモ
- 音1:チュクイムヂュクイ。
ックヮ
子。
- メモ
- 音1:クヮ・ックヮー。
ックヮー
子。
- メモ
- 音1:クヮ・ックヮ。
ックヮイービ
小指。
- メモ
- 音2:イービグヮー・クーイービ。
ックヮナシヤー
子供が生まれた家。産婦の家。
- 用例
- ックヮナシヤーヤ アマカランクマカラン ムル クーガ ヤサ(子どもが生まれた家は、あっちからもこっちからもみんな卵をもらったよ)。
ックヮムヤー
子守。
- 用例
- ックヮムヤーグヮー チカティ(子守をやとって)。
ックヮゥンマガ
子孫。
- メモ
- 音1:クヮゥンマガ・ 音2:ヤチマガ・ゥンマガクヮ。→クヮゥンマガ。
ッサ
足。
ッシ(~ッシ)
それから。~てから。~って。
- 用例
- ッシ チャナタガ(それからどうなったか)。ンマリティッシ(生まれて)。イチッシ(言って)。ナサッティッシ(なさって)。ヒンギティッシ(逃げて)。
ッチャッサ
いくら。どんなに。どのくらい。
- メモ
- 音1:チャッサ。
ッチュ
人。
- メモ
- 音1:チュ・ツ・ッツ。
ッチュニンジン
人間。
- 用例
- ッチュニンジノーヤー アンシェー ナランドー(人間はね、そうしてはならないよ)。
- メモ
- 音1:チュニンジン。音2:ニンジン。
ッツ
人。
- メモ
- 音1:チュ・ツ・ッチュ。
ティー
①手。②取っ手。柄。③手腕。技。術。手段。方法。④空手。
- 用例
- ①ティーヤ リッパ アラティカラ ムノー カミヨー(手はきれいに洗ってから、ご飯は食べなさいよ)。ナー ティーグヮー ミートーシェー(もう自分でできるようになっているね)。
②チューカーヌ ティー(急須の柄)。
③ティーヌ スグリトーン(技が優れている)。
④ティー ナラテーヌ シンカヌ タミシ シーガ チッヨー(空手を習っている人たちが、〈腕〉試しにやって来てね)。
- メモ
- ④「喜屋武ミーグヮー」『高志保の民話』より。
ティー
樋〔とい〕。
ティー
1。1つ。
- メモ
- 音2:ティーチ。
ティー チカユン
手を使う。空手をする。
ティー ヌバスン
手を伸ばす。
- 用例
- ティーチヌ サランカイ ティー ヌバスン(ひとつの皿に手を伸ばす)。
- メモ
- ひとつの皿から数人で食べる時に、手を伸ばして食べる「ティー ヌバシヨー(手を伸ばしなさいよ)」などと使う。
ティー ユグスン
手を汚す。悪事に手を染める。
- 用例
- タダ ウッピヌクトゥシ ティー ユグスンナー(たったそれだけのことで手を汚すか)。
ティーアラサン
手が荒い。雑。不器用。
- 用例
- ワッター スーヤ ジコー ティーアラサン(私の父はとても手が雑だ)。
- メモ
- 音2:ティーアンマク・ティーグファー。類:ブッケー。対:ティーグマー・ティーグマサン・ティグマ・ティグマー。
ティーアンダ
手間や愛情をかけて料理を作ること(心を込めた料理)。
- 用例
- ティーアンダグヮー ゥンジャシヨー(ティーアンダグヮーを出しておいしく調理してよ)。ウヌ サーターアンダギーヤ、アンマー ティーアンダヤサ(そのサーターアンダギーは、お母さんが心を込めて作ったものだよ)。
- メモ
- ティーは手、アンダは油、料理を作る人の技や隠し味、愛情などをティーアンダという。
ティーアンマク
不器用。
- メモ
- →ティーアラサン。
ティーウサースン
手を合わせる。
- 用例
- チータチ ジューグニチヤ ヒヌカンカラ ティー ウサースン(1日、15日は火の神から〈先に〉手を合わせる)。
- メモ
- 拝み事などの時、火の神や仏壇に手を合わせること。
ティーウハカ
樋御墓。
- メモ
- 音1:ティーウファカ。石造の樋(ティー)が取り付けられた墓。読谷村指定文化財。
ティーウファカ
樋御墓。
- メモ
- 音1:ティーウハカ。
ティーカタ
手で触った跡。
- 用例
- カガンカイ ティーカタガ イッチョーン(鏡に手で触った跡が入っている)。
ティーガニクバル
{二重兼久原}。儀間の小字。
ティーガンマラー
物をいじるのが好きな人。
- 用例
- アレー サシンヤー アラン、ティーガンマラー ナティル ソール(彼はカメラマンではなく、好きでやっているのだよ)。ティーガンマラー ナティ、イチグ ヌーガラ チュクトーサ(物をいじるのが好きで、いつも何か作っているさ)。
ティーガンマリ
手でするいたずら。物をいじること。
- 用例
- ティーガンマリ ヂューサヌ、アマンカイ ゥンジョーケー(いたずらが過ぎるから、あそこに行っておきなさい)。
ディーグ
植物名。デイゴ。
- 用例
- ディーグヌ ハナガ ユー サチョーン(デイゴの花がよく咲いている)。
ティークサー
悪戯者。悪戯っ子。
- 用例
- ティークサー ワラビヤ、ヌー ガンマリ ソーガ?(悪戯っ子は、何をいたずらしているのか?)。
- メモ
- →ガンマラー。
ティーグサティ
座って手を後ろについて、体を支えること。
ティーグサン
頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- ティーグサン チチ、ヌー ムヌカンゲー ヒチョーガヤー(ほおづえを突いて、何を考えているのかな)。
ティーグシ
手癖〔てぐせ〕。盗み癖。
- 用例
- ティーグシ ワッサン(手癖が悪い)。アヌ ワラベー ティーグシ ワッサンドー(あの子は盗み癖があるよ)。
- メモ
- 類:ティーナガ。
ティークビ
手首。
- メモ
- 音2:ティーヌクビ。
ティーグファー
手が硬い人。不器用な人。不器用。
- メモ
- →ティーアラサン。
ティーグマー
手まめ。手が細かい。手先が器用で細かいこと。また、そのような人。
- 用例
- ティーグマー ヤッサー(手先が器用だな)。
イッペー ティーグマー シミセーンドー(とても細かく器用になさっていますよ)。
- メモ
- 音1:ティグマ・ティグマー。音2:ティーグマサン・ティーヤファラサン。対:ティーアラサン・ティーグファー・ティーアンマク・ブッケー(不器用)。
ティーグマサン
手まめ。手が細かい。手先が器用で細かいこと。
- メモ
- →ティーグマー。
ティーザーギ
手分量。手で掴んで同じ重さにする。
- 用例
- タムンヤ ティーザーギ サーニ タバイタン(薪は手分量で同じ重さにして束ねた)。
ティーサージ
手拭い。タオル。
- 用例
- ティーサージン ムッチョーカンネー、アシ イチャイネー チャースガ?(手ぬぐいも持っておかないと、汗をかいたらどうするの?)。
- メモ
- 音2:サージ。
ティーサグイ
手探り。
- 用例
- ウミカイ イチーネー、ティーサグイシル ンナグヮーヤ トゥイタル(海に行くと、手探りで貝を取っていた)。
- メモ
- 音2:ティーマミギ。
ティーサンクー
空手の型のひとつ。
- 用例
- ンチンディ、アヌ クヮヌ ティーサンクーヨー(見てごらん、あの子が元気よく手足をばたつかせていることよ)。
- メモ
- 空手の型に例えて、赤子が手足を元気よくばたつかせるいる様にもいう。
ティージキーン
手なずける。
- 用例
- アバリトール ゥンマ、ミグトゥニ ティージキテーン(暴れている馬を、見事に手なずけている)。
ティージクン
握りこぶし。
- 用例
- ティージクンサーニ チラ スグラッティ、フックトーン(握り拳で顔を殴られて、膨れている)。
ティージョーキー
蓋付き籠〔かご〕で胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げられる。
- メモ
- →サギジョーギー。
ティーゾーキ
取っ手付きの蓋付き籠〔かご〕で吊り下げられる。
ティーゾーキ
取っ手付きの蓋付き籠〔かご〕で吊り下げられる。
ティーダ
太陽。
- 用例
- ティーダヌ チューサイネー ハルカイン イカラン(太陽が強いと畑にも行けない)。
- メモ
- 音1:ティーラ。
ティーダアミ
太陽雨。日照り雨。天気雨。太陽が出ているいるときに降る小雨。
- 用例
- アイナー!ティーダアミヌ フイギーサヤー(あれまあ!日照り雨が降りよるね)。
- メモ
- 音1:ティーラアミ。
ティーダウガマシ
出産後初めて太陽を拝ませること。
- 用例
- アカングヮヤ ハチガニーニ、ティーダウガマシ スタン(赤子は初庚に、太陽を拝ませた)。
ティーダクヮンクヮン
太陽カンカン。太陽が照り輝いている様。
- 用例
- ティーラクヮンクヮンシ、ンリトーシン スグ カーラチュサ(カンカン照りで、濡れているのもすぐに乾くさ)。
- メモ
- 音1:ティーラクヮンクヮン。
ティーダパチナイ
太陽が照り輝いている様。
- 用例
- ティーダパチナイ ッシ、ユー カーラチョーン(太陽が照り輝いて、よく乾いている)。
ティーダブイ
日向ぼっこ。日向に出て暖まること。
- 用例
- ティーラブイシ、アンシ イーヤンベー ヤルヤー(日向ぼっこをして、とても気持ち良いね)。
- メモ
- 音1:ティーラブイ。
ティーチ
1。1つ。1歳。
- 用例
- ワンニンカイン ティーチェー ヰーラシェー(私にもひとつはちょうだい)。
- メモ
- 音2:ティー。
ティーヂカーン
手づかみ。手づかみで食べること。
- 用例
- ティーヂカーン サンヨークー、ウメーシ チカティ カメー(手づかみしないで、お箸を使って食べなさい)。
ティーヂカサ
手の近く。手が届く範囲。
- 用例
- ティーヂカサンカイ ウチーネー、ワランチャーガ ガンマリ スンドー(手が届く所に置くと、子どもたちが悪戯するよ)。
ティーチカヤー
手をつかう人。空手をする人。
ティーチチャーナービ
取っ手付きの鍋。
- 用例
- ウヌ ティーチチャーナービ ネーレーワ(その取って付きの鍋を寄こしなさい)。
- メモ
- →チルナービ。
ティーチトゥイティー
荷車。取っ手が1本の荷車。
- 用例
- ティーチトゥイティーヤ、ナカジヌンカイ ティーチヌ ボーガ チチョータン(ティーチトゥイティーは、真ん中に1本の棒がついていた)。
- メモ
- 類:ティグルマグヮー・ニーグルマグヮー。
荷物を運ぶ荷車で、真ん中には1本の棒があって、それを人力で引っ張っていた。
ティーチナーティーチナー
ひとつひとつ。ひとつずつ。
- 用例
- シクチヤ ティーチナーティーチナー カタヂキリヨー(仕事はひとつずつ片付けなさいよ)。
ティーチマーチュー
一本松。
ティーチマチャー
ひとつ巻。旋毛がひとつあること。
- 用例
- テーゲーヌ チョー ティーチマチャール ヤルヨー(大方の人はひとつ巻だよ)。
ティーチミシー
1歳違い。
- 用例
- ワントゥ ウットゥヤ ティーチミシー ヤサ(私と弟は1歳違いである)。
ティーチムン
同じもの。
- 用例
- ウヌ チョー、マーカイ イチーニン チャー ティーチムン チチョーサ(その人は、どこへ行くにもいつも同じ物ばかり着ているさ)。
ティーチュラー
手仕事がすばらしい人。
ティーヂュラサン
手仕事がすばらしい。
- 用例
- ティーヂュラサッサー(手仕事がすばらしいなあ)。
ティーチン
ちっとも。一向に。
- 用例
- ティーチン ミー ナラン(ちっとも実にならない)。
ティーチン ヤコー タッタン(ちっとも役に立たない)。
- メモ
- →アチラン。
ディーディー
さあさあ。強く誘いかける語。
ティートーダーチー
腕組み。
ティーナービ
取っ手付きの鍋。
- 用例
- アマカラ ティーナービ トゥッティ トゥラシェー(あそこから手つき鍋を取ってくれ)。
- メモ
- →チルナービ。
ティーナガ
手が長いこと。盗み癖。手癖〔てぐせ〕。
- 用例
- ティーナガ シーネー、クミラリーヌ フカー ネーンサ(盗人をしたら、刑務所に行くよりほかはないさ)。
- メモ
- 音1:ティーナガー。音2:ティーナガサン。
ティーナガー
手が長いこと。盗み癖がある者。
- メモ
- 音1:ティーナガ。音2:ティーナガサン。
ティーナガサン
手が長い。盗み癖があるようす、またはその人のこと。
- 用例
- ニンソーン ワッサヌ、ティーナガサン(人相も悪くて、盗み癖がある)。
- メモ
- 音2:ティーナガ・ティーナガー。
ティーナレー
手習い。
- 用例
- チューヤ ユサンリカラ、シンシー メーカイ ティーナレーガ イチュン(今日は夕方から、先生の所に手習いに行く)。
ティーニーサン
手が遅い。仕事が遅い。
- 用例
- ワッター アンマーヤ ルクカラ ティーニーサン(私の母は余りにも仕事が遅い)。
- メモ
- 対:ティーベーサン(手早い)。
ティーヌウチ
①手の内。②容易、簡単なこと。
- 用例
- ①アレー イカナシン ティーヌウチェー ミシラン(彼は絶対に手の内は見せない)。②ウッピヌ ワジャヤレー、ワー ティーヌウチル ヤル(それだけの仕事なら、私には簡単なことだよ)。
ティーヌクビ
手首。
- 用例
- ティーヌクビ ヒンマギティネーン(手首を捻ってしまった)。
- メモ
- 音2:ティークビ。
ティーヌソー
手相。
- 用例
- ティーヌソー アティーガ ゥンジャシガ、ユー アタトータン(手相を見せに行ったが、良く当たっていた)。
ティーヌナー
手のひら。
- メモ
- 音2:ティーヌワタ・ティーワター・ティンラ。
ティーヌワタ
手のひら。
- 用例
- ティーヌワタガ アチサシガ、ニチガル アガヤー(手のひらが熱いが、熱でもあるのかな)。
- メモ
- 音1:ティーワター。音2:ティーヌナー・ティンラ。
ティーネーイヒサネーイ
手足を突き出す様。喧嘩を挑む様。
- 用例
- ティーネーイヒサネーイ シ オートーサ(手足を出して喧嘩しているさ)。
ティーハゴーサン
歯がゆい。もどかしい。
- 用例
- アリガ シーヨーヤ、ルク ルンナサヌ ティーハゴーサン(彼のやり方は、あまりにものんびりで歯がゆい)。
アギジャベ、ティーハゴーサン。ダー、ワン サー(ああ、歯がゆい。もう、私がやろう)。
- メモ
- 音1:ティーハゴーハン。
ティーハゴーハン
歯がゆい。もどかしい。
- 用例
- イッタガ スシ ンジーネー ティーハゴーハン(お前たちがやるのを見たら歯がゆい)。
- メモ
- 音1:ティーハゴーサン。
ティーパチパチ
パチパチと手を叩くこと。
- 用例
- ンナシ ティーパチパチソータン(みんなで手を、パチアチ叩いていた)。
ティーパッパー
植物名。ツワブキ。
- メモ
- 音:チーパッパー・チーパップー・チーパッパー。類:チーチーパッパー。
ティーパンパン
料理名。甘藷から澱粉をとった粕を、手のひらでパンパンとたたいて伸ばして作った餅。
- 用例
- ンカシェー ティーパンパンディチ アタシガ、ナマー ウングトゥーン ネーンサニ(昔はティーパンパンというのがあったが、今はそういうのもないんでしょう)。
- メモ
- ゥンムカシ(芋の粉)を掌の大きさに丸めて蒸し、小さく切って油で炒めて、塩味をつけたもの。
ティーパンパン
お手合わせ遊び。「おこにわおこにわ」。
- メモ
- 二人が手をパンパンと音を立てて遊んだのでティーパンパンといわれた。
ティーヒサ
手足。
- 用例
- アカングヮガ ティーヒサ パタナイ シ アシドーン(赤子が手足をばたつかせて遊んでいる)。ティーヒサ ナガサン(手足が長い)。
ティーヒサマチブイ
足手まとい。
- 用例
- ワランチャー イクタイン ソーティ イチーネー、ティーヒサマチブイル スンドー(子どもを何人も連れて行くと、足手まといになるんだよ)。
ティーブシ
手指の関節。
ティーブシ
腕っ節。
- メモ
- 音1:ティブシ。
ティーベーサン
①手早い。仕事が早い。 ②短気ですぐ手を出すこと。③女の人にすぐに手を出すこと。
- 用例
- ①ワッター アッピーヤ イッペー ティーベーサンドー(私の兄はとても仕事が早いよ)。
②ルク ティーベーサヌ、イヘー ウティチケー(あまりも喧嘩っ早くて、すこしは落ち着け)。
③ハーッシャ!アリヤ ティーベーサヌ デージドー(はあーもう!彼は女に手が早くて大変だよ)。
- メモ
- 対:ティーニーサン(手が遅い)。
ティーマーマー
事前に準備もせずうろたえる様。まごつく様。
- 用例
- ティーマーマー サングトゥニ メームッティ シコートーキヨー(まごつかないように、前もって準備しておきなさい)。
ティーマーミ
手にできる豆。
- 用例
- ティーマーミヌ イェーリティ ヤムン(手にできた豆が潰れて痛い)。
ティーマックヮ
手枕。腕枕。
- 用例
- ワラビヌ ティーマックヮ シ ニントーグトゥ、イジカランル アンレー(子どもが腕枕をして寝ているから、動けないんだよ)。
ティーマニチ
手招き。
- 用例
- ティーマニチ シーネー ユティ チューサ(手招きしたら寄って来るよ)。
- メモ
- 音1:ティーマネキ。
ティーマネキ
手招き。
- 用例
- ティーマネキグヮー サギータンディ(手招きをしていたって)。
- メモ
- 音1:ティーマニチ。
ティーマミギ
手探り。
- 用例
- ミーランラー、ティーマミギ シ カメーレー(見えないなら、手探りして探しなさい)。
- メモ
- 音2:ティーサグイ。
ティームターン
手で悪戯をすること。手でいじくること。
- 用例
- ムチ チュクラチャレー、ティームターン シ アシドーサ(餅を作らせたら、手でいたずらして遊んでいるさ)。
ティームヨー
手真似。手振り。
- 用例
- ティームヨー シ クトゥバー ワカラン(手真似して、言葉は分からない)。
- メモ
- 音2:ティーヨー。「本部サールー」『高志保の民話』より。
ティーヤーチャー
魚介名。手が八つ。蛸のこと。
ティーヤファラサン
手が柔らかい。手業が細かくしなやかなこと。手が細かい。
- 用例
- ワッター アバーヤ ターヤカ ティーヤファラサン(私の姉は誰よりも手が柔らかい)。
- メモ
- 音2:ティーグマー・ティーグマサン・ティグマ・ティグマー。→ティーグマー。
ティーユルサー
①手を放すこと。
②何の手もかからないこと。
- 用例
- ①ティーユルサー シーネー、ウティティ ドゥースク ナインドー(手を放していると、落ちて怪我するよ)。
②クヮンチャーン フルイーティ、ティーユルサー ソーン(子どもたちも大きくなって、何の手もかからず自由にしている)。
ティーヨー
手真似。手振り。
- 用例
- ワンガ ティーヨー ソータシ ンランル アティー?(私が手真似をしていたのを見なかったの?)。
- メモ
- 音2:ティームーヨー。
ティーヨーヒサヨー
手振り足振り。手まね足まね。手足をバタバタさせている様。
- 用例
- エーゴ ワカランシェーヤー、ティーヨーヒサヨール ヤル(英語わからないでしょ、手振り足振りだよ)。
アカングヮガ ティーヨーヒサヨー ソーン(赤子が手足をバタバタさせている)。
- メモ
- 類:ティームーヨー・ティーヨー。
ティーラ
太陽。
- 用例
- ティーラヌ アガティ アチク ナラン マール、ヘークナー ゥンジ クーラナ(太陽が上がって暑くならないうちに、早く行ってこよう)。
- メモ
- 音1:ティーダ。
ティーラアミ
太陽雨。日照り雨。天気雨。太陽が出ているときに降る小雨。
- 用例
- ティーラアミル ヤグトゥ スグ ハリーサニ(日照り雨だから、すぐに晴れるでしょう)。
- メモ
- 音:ティーダアミ。
ティーラクヮンクヮン
太陽カンカン。太陽が照り輝いている様。
- 用例
- ティーラクヮンクヮン シ アンソール アチサン アル(太陽がカンカン照りで、こんなにも暑いってこともあるか)。
- メモ
- 音1:ティーダクヮンクヮン。
ティーラブイ
日向ぼっこ。日向に出て暖まること。
- 用例
- マヤーグヮーガ ティーラブイ シ、イーヤンベー ニントーン(猫が日向ぼっこをして、気持ちよく寝ている)。
- メモ
- 音1:ティーダブイ。
ティーリンチュン
映り込む。
- 用例
- チチヌ マカンカイ ティーリンチョール バーテー(月がお椀に映りこんでいるわけさ)。継:ティーリンチョーン(映りこんでいる)。
ティール
手籠〔てかご〕。竹製の〔かご〕。
- 用例
- ティールンカイ イッチョール ウッサヤ ウイハティタンドー(籠に入っているだけは全部売れたよ)。
- メモ
- 比較的小ぶりで、豆などの種子や魚貝の運搬に使った。
ティールヤー
母屋と台所の間にある屋根のついた空間。
- メモ
- 音1:ティルヤ。音2:ティーンタナカ・ティーンタナカー。
台所と母屋は半間ほど離れており、そこに橋桁をかけ天井をトタンで繋いでいる空間のこと。
ティーワター
手のひら。
- メモ
- 音1:ティーワタ。音2:ティーヌナー・ティンラ。
ティーウィー
上手 。手腕が上であること。
ティーン
大工道具のひとつ。手斧。片手で使える中型の斧。
- 用例
- ティーンシ キーヌ エダ チーウトゥスン(手斧で木の枝を切り落とす)。
ティーンケー
手向かい。手をあげること。
- 用例
- ウヤンカイ ティーンケー スンディチン アンナー!(親に手向かうってもあるか!)。
ティーンジャーリ
てこずる。面倒。厄介。
- 用例
- ワランチャーカイ シミーネー ティーンジャーリ シ、ドゥークル スシェー マシ ヤサ(子どもたちにさせたらてこずるから、自分でやった方が良いよ)。
ティーンタナカ
母屋と台所の間にある屋根のついた空間。
- メモ
- 音1:ティーンタナカー。音2:ティールヤ・ティルヤ。→ティールヤー。
ティーンタナカー
母屋と台所の間にある屋根のついた空間。
- 用例
- ティーンタナカーヤ、ユー カンゲーティ チュクラットータンヤー(母屋と台所の間にある屋根のついた空間は、良く考えて造られていたね)。
- メモ
- 音1:ティーンタナカ。音2:ティールヤ・ティルヤ。→ティールヤー。
ティオーサオー
右往左往。うろたえて騒ぐ様。
- 用例
- ティオーサオー ッシ、チャー サレー マシ ヤガ ワカラン(右往左往して、どうしていいのか分からない)。
ティガカイ
手がかり。
- 用例
- ナーダ ヌーヌ ティガカイン ネーンナー?(まだ何の手がかりもないの?)。
ティカジ
手数。
- 用例
- ティカジヌ アルッサ ッシンジュン(手数のあるだけやってみる)。
ディカシ
上出来。物事がうまく運ぶこと。
- 用例
- ウッサ ナレー ディカシヤサ(それだけ出来たら上出来だよ)。
- メモ
- 類:バチクヮイ。
ティガシラ
漁業組合の理事。
- 用例
- クンドゥヤ ティガシラヤ ヌガートーンデー(今年は漁業組合の理事を免れたよ)。
- メモ
- 漁業組合の理事は、年に一度海ガネー(使用料)を徴収して、字へ納めていた。
ディカスン
でかす。うまくいく。
- 用例
- クンドー ンナシ ハマティ ディカサヤー(今年は皆で頑張って、良い結果を出そうね)。
ディキラチャンドー(でかしたぞ)。
ティカチ
植物名。シャリンバイ。
- 用例
- ティカチヤ スミムヌンカイ ユー チカートーン(シャリンバイは染物によく使われている)。
- メモ
- 音:ティカチー。類:ティカチャー。
ティカチー
植物名。シャリンバイ。
- メモ
- 音:ティカチ。類:ティカチャー。
ティカチャー
植物名。シャリンバイ。
- メモ
- 類:ティカチ・ティカチー。
ティガネー
手伝い。手助け。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ティガネー シーガ イチュン(実家の手伝いに行く)。
- メモ
- 類:カシー。
ティガネーサー
手伝いをする人。加勢をする人。
- 用例
- チューヌ ティガネーサーヤ イクタイ チューガ?(今日の手伝いは何人来るねぇ?)。
- メモ
- →カシーサー。
ティガミ
手紙。
- 用例
- メーヂチ、ティガミヤ ユクシヨーヤー(毎月、手紙をよこしなさいよ)。
ティガラ
手柄。功労。
- 用例
- ティガラー シムグトゥ ガンジュー ソーキヨー(手柄はいいから健康でいなさいよ)。
ディキーン
出来る。上手くいく。成功する。上手に仕上がる。
- 用例
- クンドー ハルカイ、ウッサ クェー イッテールムン、ディキーンテー(今年は畑に、たくさんの肥やしを入れたから、豊作だよ)。
アレー イャーヤカ ディキーンドー(彼は君より頭が良いよ)。
否:ディキラン(出来ない)継:ディキトーン(出来ている)。
- メモ
- 作物の場合は良く出来る、豊作の意味で使う。頭が良い、勉強ができるの意味もある。
ディキヤー
出来る者。優れ者。秀才。切れ者。
- 用例
- トゥナイヌ ワランチャーヤ ムル ディキヤー ヤン(隣の子どもたちは皆優れ者だ)。イッペー ディキヤー ヤタシガ(とても優秀だったが)。
- メモ
- 音2:スグリヤー・チブルチリヤー。→クーサムン。
ディキヤーダックイ
賢い血筋。秀才の血筋。
ディキランヌー
出来ない者。頭の悪い者。
ティグイムーク
手組婚。女性側から男性の人柄を見込んで婿に乞うこと。
- メモ
- →クーイムーク。
ティクグ
書記。
- 用例
- ンカシヌ ティクグディネー イー アチケー ヤタン(昔の書記は良い待遇だった)。
ティグシ
働きぶり。
- 用例
- ティグシヌ チビラーハヌル、フービ クィラットーンドー(働きぶりが素晴らしくて、褒美をもらったんだよ)。
ティグスイ
てぐす。釣り糸。
- メモ
- テグスサンという蛾の幼虫から取った釣り糸。戦前からティグスイというのはあって釣りに使ったが高価だった。
ティグマ
手まめ。手が細かい。手先が器用であること、またそのような人。
- 用例
- ティグマ ナティ イルンナムン チュクイタン(手が細かくて色々な物を作っていた)。ティグマ ヤッサ(手先が器用だな)。
- メモ
- 音1:ティーグマー・ティグマー。→ティーグマー。
ティグマー
手まめ。手が細かい。手先が器用であること、またそのような人。
- メモ
- 音1:ティーグマー・ティグマー。→ティーグマー。
ティグルマグヮー
取っ手が1本の荷車。
- メモ
- →ティーチトゥイティー。
ディシ
弟子。
- 用例
- ディシン マンリ グヮサグヮサ、チャッサル ヲゥラー ワカラン(弟子も多すぎて、どのくらいいるのか分からない)。
ティシミガクムン
学問。
- 用例
- タキフドゥ、カーギ、ティシミガクムン ムル スナワトーン(体格、容姿、学問と全て備わっている)。
- メモ
- ティシミ(手墨)は習字のこと。
ティダシキ
手助け。
- 用例
- クマトーラー、イチ ヤティン ティダシキ スンドー(困っているなら、いつでも手助けするよ)。
ティダティ
手立て。
- 用例
- ヌーヌ ティダティン ネーンル アンナー?(何の手立てもないのか?)。
ティダン
てだて。手段。方法。
- 用例
- ウッサー ウヤヌ コー シェール、ティダン ヤンリヨー(それは親孝行をした、方法なんだってよ)。
- メモ
- 類:ティダティ。親が病気になった時、着の身着のままで親の死に目に間に合ったことで、雀は親孝行だといわれたという話。「雀孝行」『大木の民話』より。
ティチ
敵。
- 用例
- イクサユーネー ターガル ティチ ヤラー、ミカタ ヤラー ワカラン ナトータン(戦争中は誰が敵なのか味方なのか、分からなくなっていた)。
ティッコー
①手。手つき。手際。
②げんこつ。
- 用例
- ①ティッコーヌ ディキティ チュケーンナーシ ウワイ スン(手際が良いから一回で終わることができる)。
②ティッコー クヮーセー(げんこつをくらわせ)。
ティッコー
ティップー
鉄砲。
- 用例
- ティップー ムッチアッチュンディシェー ワッターガー カンゲーラランクトゥ(鉄砲を持ち歩くということは、私たちには考えられないことだ)。
ティデーユン
もてなす。御馳走する。余分に入れる。
- 用例
- ユーバンガ ティデーイラーワカラン(夕飯を御馳走するのか分からない)。
- メモ
- 音1:ティレーイン。
ティナヂキーン
手なづける。
- 用例
- ジン ヰーラチ ティナヂキーン(金をやって手なづける)。
ティナミ
手並み。
- 用例
- マジェー シンシー ティナミカラ ンチンラナ(まずは先生の手並みから拝見しよう)。
ティバナスン
手放す。
- 用例
- サンシンヤ チカーングトゥ ティバナスン(三線は使わないから手放す)。
否:ティバナサン(手放さない)希:ティバナシーブサン(手放したい)過:ティバナチャン(手放した)継:ティバナチョーン(手放している)。
ティビク
木製の鍬。
- 用例
- ワッタガ ワカハイネー、ティビクン チカトータン(私たちが若い時には、木製の鍬も使っていた)。
ティビチ
料理名。豚足。豚足料理。煮込み料理。
- 用例
- チューヤ ティビチ ニチ カマサヤー(今日は豚足を煮て食べさせようね)。
- メモ
- 音2:アシティビチ・アシテビチ。
ティビチとは元々は煮込み料理のことで、豚足を煮込んだものにはアシティビチといったが、現在では豚足をさすことが多い。
ティブシ
腕っ節。
- メモ
- 音1:ティーブシ。
ティフン
手本。
- 用例
- ムルガ ティフン ナイヌグトゥ チバリヨー(皆の手本になるように頑張りなさい)。
ティーチェー ティフン ミシティ トゥラシェー(ひとつ見本を見せてくれ)。
ティマ
手間。物事をするのにかかる時間や手当。
- 用例
- シクチェー ティマビカーン カンゲーティ スシェー アラン(仕事は手当だけを考えてやるものではない)。
ティマ カキテール ウッサー、チビラーサンヤー(時間をかけただけあって、すばらしいね)。
ティマグヮー トゥラスン(手間賃をあげる)。
ティマチン
手間賃。手当。
- 用例
- ティマチンヤ チチカラル シクチェー ハジミールヨー(手間賃を聞いてから仕事は始めるんだよ)。
ティマヒマ
手間暇。物事に要する時間。
- 用例
- ティマヒマ カキティル シアギテール タダー アランドー(手間暇かけて仕上げたんであって、簡単ではないよ)。
ティラ
寺。
- 用例
- ハカー ネーングトゥ ティラカイル アジキテール(墓がないから寺に預けてあるんだよ)。
ティラガマ
拝所名。都屋にある洞窟。
- メモ
- ティラヌ壕、トゥヤトゥクブサー(都屋徳武佐)とも呼ばれる洞窟、拝所である。ブサーとは武士の意である。琉球王国が統一される以前の三山時代に北山内部で争乱があり、敗れた按司一族がここに隠れ、難を逃れたことから崇拝を集めるようになったといわれる。沖縄戦では多くの字民がここへ避難し、米軍上陸後は捕らえられた住民がこの近くにあつめられた。現在洞窟の近くにはセメント造りの祠と香炉があり、旧暦9月18日には各家の繁栄と子孫繁昌を祈願するティラ拝みが行われる。
ティラジーシ
寺の形をした厨子甕〔ずしがめ〕。
ティラジャー
魚介名。コマ貝。チャンバラ貝。マガキガイ。
- 用例
- ティラジャーヌ ユー トゥラリータン(コマ貝がよく取れた)。
ティラスン
照らす。
- 用例
- テービーシ ユルヌ ミチ ティラスン(松明で夜道を照らす)。
否:ティラサン(照らさない)希:ティラシーブサン(照らしたい)過:ティラチャン(照らした)継:ティラチョーン(照らしている)。
ティラヌガマ
拝所名。都屋にある洞窟。
- メモ
- 類:ティラガマ。ティラガマ参照。
ティラバル
{寺原}。渡慶次の小字。
ティラムン(~ティラムン)
~たるもの。~というのに。~のくせに。
- 用例
- トゥシヌユールティラムン(大晦日だというのに)。ヰナグティラムン(女たるもの)。
ワラビティラムン、ユーユックティマディ アシブンナー(子どものくせに、夜が暮れるまで遊ぶか!)。
ティリマサイン
照りまさる。
- 用例
- チチューヤ ティリマサティ(月が照り輝いて)。
ティルヤ
母屋と台所の間にある屋根のついた空間。
- 用例
- アミ フイギサー ヤグトゥ ティルヤンカイ イッチョーカ(雨が降りそうだから、母屋と台所の間にある屋根のついた空間に入っていよう)。
- メモ
- 音:ティルヤー。音2:ティールヤ・ティルヤ。→ティールヤー。
ティレーイン
もてなす。御馳走する。余分に入れる。
- 用例
- チューヤ アヒーガ ティレーインディ(今日は兄が御馳走するそうだ)。
- メモ
- 音1:ティデーユン。
ティワキ
手分け。
- 用例
- ムルシ ティワキシ カメーイン(皆で手分けして探す)。
ティワザ
手業。
- 用例
- ティワザヌ スグリトーヌ シェーク タヌムン(手業の優れた大工を頼む)。
ティン
①天。空。②帽子の天辺部分。
- 用例
- ①フミレーカラー ティンマディン ヌブイサ(褒めたら天までも昇る勢いだ)。②ティン タミティ クラワ イャー トゥジナイサ(帽子の天辺部分を作ってくれたら、あなたの妻になるよ)。
- メモ
- →ウティン。②の帽子の用例は、帽仕組み歌のひとつ。帽子の天辺部分を編むのが難しくて大変だったので、この歌がうたわれたたという。
ティンガ
天下。
- 用例
- ワーガ ティンガー ウサミーン(私が天下を治める)。
ティンガーラ
天の川。
- 用例
- チューヤ ティンガーラガ リッパ ミーン(今日は天の川がきれいに見える)。
- メモ
- 音1:ティンガーリ。
ティンガーリ
天の川。
- メモ
- 音1:ティンガーラ。
ディンガク
料理名。田楽。
- 用例
- ターンムヌ マンドーグトゥ ディンガク チュクラヤー(田芋がたくさんあるから田楽を作ろうね)。
- メモ
- 田芋の皮をむき細かく切って、水を入れた鍋で煮崩れするまで煮る。それに砂糖を入れて味を調え、隠し味にすり下ろした生姜を入れる。
ティンクティンク
三味線の音。
- メモ
- カチャーシー(テンポ早い雑踊り)のような三線の音をあらわす擬声語。
ティンゲー
装具の一種天蓋〔てんがい〕。
- 用例
- ナマーナー、 ティンゲーヤ ンチンンランサ(今は、もう天蓋は見てもみないでしょう)。
- メモ
- 長い棒の先に竜頭をかたどったものがついていた。野辺送りの時、魔除けとして龕〔がん〕の前を歩いた。
ティンゲー ユーユーグヮー
天蓋〔てんがい〕についている鳳凰〔ほうおう〕の鳥の飾り。
- メモ
- 葬送の際、龕〔がん〕の上に差し掛けるもの。
ティンゲームッチャー
天蓋〔てんがい〕を持つ役目の人。
- 用例
- ティンゲームチッチャーヤ ターガ スガ(天蓋持ちは誰がするか)。
ハカカイヤ アッチルイチュテーグトゥ、ティンゲームッチャーヤ デージヤタンドー(墓には歩いて行ったんだから、天蓋持ちは大変だったよ)。
- メモ
- 家から墓まで遺体を運ぶ時の、魔除けとして葬列の先頭に立って天蓋〔てんがい〕を持つ人のこと。野辺送りの時、龕〔がん〕の前を歩いた。
ティンシー
天水。
- メモ
- 音1:ティンシーミジ。
ティンシーミジ
天水。
- メモ
- 音1:ティンシー。
ティンジョー
天井。
- 用例
- ティンジョーヲゥティ イェンチュヌ ウンドーカイ ハジミトーン(天井でネズミが運動会を始めている)。
ティンジョーグヮー
物置や畜舎の屋根裏に作った部屋。
- 用例
- ティンジョーグヮーヲゥティ アシダシェー、イチマディン ワシララン(屋根裏で遊んだのは、いつまでも忘れられない)。
- メモ
- 母屋に部屋がない若者が、物置や畜舎の屋根裏のスペースを利用して造った部屋。
ティンダティ
手斧たて。起工式。
- 用例
- チューヤ ウヤヌヤーヌ ティンダティヌ アン(今月は実家の起工式がある)。
ティンチャマ
いたずら。悪ふざけ。
- 用例
- ティンチャマ ヂューサイネー、ヤーチュー スンドー(悪ふざけが過ぎると、お灸をすえるよ)。
ティンチャマー
悪戯者。悪戯っ子。
- 用例
- ルク ティンチャマー ナティ、イーシン チカンサ(余りにも悪戯っ子で、言うことも聞かないよ)。
- メモ
- →ガンマラー。
ティントー
天。お天道様。太陽。
ティンヌウヤメー
天の敬い。
- 用例
- ティンヌウヤメーディチ、ウティントーヤ ヌーンクイ ンチメーンドー(天の敬いということで、お天道様は何でも見ていらっしゃるよ)。
- メモ
- 太陽をお天道様といい、世界各地で太陽は神として祀られ、太陽神を敬うこと。
ティンバチ
天罰。
- 用例
- ウレー ティンバチヌル アタトール(それは天罰が下ったんだよ)。
ティンプー
方向。方角。
- 用例
- ティンプー アティティ フニ ハラスン(方角を当てて、船を進める)。
- メモ
- 音1:チンプー。
ティンプラー
天ぷら。
- 用例
- イユティンプラー コーティチェーグトゥ、マジョーン カマナ(魚天ぷらを買ってきたから、一緒に食べよう)。
- メモ
- 音1:テンプラー。
ティンマー
伝馬船。
- メモ
- 音2:テンマブニ。
ハギ船のうち竜骨(カーラ)がある小型のものをさす。櫂や帆をもって物資運搬、人員輸送に使われたが、この伝馬船を大型化したのが宮古船、山原船、馬艦船であるといわれている。
ティンモーモー
天モーモー。天から落ちてきた牛の形の石の名前。
- メモ
- 宇座の屋号与久田の屋敷に天から落ちてきたといわれる石で、牛に似た形をしているのでこのように呼ばれる。鎌やヘラなどの砥石として利用された。
ティンラ
手のひら。
- 用例
- ティンラ ヒルギティンディ アミグヮー クィラ(手のひらを広げてごらん、飴をくれよう)。
- メモ
- 音2:ティーヌナー・ティーヌワタ・ティーヌワター。
テー
松明。
- メモ
- 音:テービー。
テー
耐え。支える力。
- 用例
- ンナシ テー イリーン(皆で、力を入れて支える)。
テー タッタン
手に負えない。歯が立たない。
- 用例
- ンナシ イジカスンディ スシガ、テー タッタンル アンレー(皆で動かそうとするが、手に負えないんだよ)。アリンカイヤ チャーシン テー タッタンルアンレー(彼にはどうしても、歯が立たないんだよ)。
デー
代。世代。
- 用例
- ワッター ムンチューヤ ナンデー チヂチョーガヤー?(私たちの門中は、何代続いているのかな?)。
デー
代価。値段。
- 用例
- デーヤ ンチカラル コーイルヨー(値段を見てから買うんだよ)。
デーアガヤー
値段が高い物。高価な物。
- 用例
- ジンヌ アレー ター ヤティン、デーアガヤール マシ ヤルヨー(金があるなら誰だって、値段が高いのが良いんだよ)。
- メモ
- 音2:デーダカー。対:デーヤッシー(値段が安い物)。
デーイチ
第一。何より大事・大切なもの。
- 用例
- ニンジノー チリファ デーイチ ヤサ(人間はけじめが何より大切だよ)。
デーガルーゥンム
手軽に多く収穫できる芋〔イモ〕。
テーカン(~テーカン)
~ところで。
- 用例
- ウニゲー サンテーカン(お願いしたところで)。
- メモ
- 音1:~テーマン。音2:~テーマ。
テーク
太鼓。
- 用例
- テークヌ ウトゥヌ チカリーグトゥ、ミチジュネーヤ ユークル ゥンマ チョーンテー(太鼓の音が聞こえるから、祭りの行列はそろそろそこまで来ているはずよ)。
デーク
植物名。ダンチク(暖竹)。イネ科の多年草。ヨシタケ。
- メモ
- 竹に似た、葉が甘蔗の葉のように長い。それを束ねて箒にして竈周りを掃いた。
デーグ
デイゴ。
- 用例
- デーグヌ キーッシ グーサン チュクイン(デイゴの木で杖を作る)。
デークニ
大根。
- 用例
- ハルカラ デークニ ヒチヌジ クーワ(畑で大根を引き抜いて来なさい)。
デークニガンサー
大根の根と葉の間の固くて食べられない部分。
デークニゥンブサー
料理名。大根の煮物。
- 用例
- アシティビチトゥ デークニゥンブサー ニーン(豚足と大根の煮物を作る)。
テーゲー
①大概。おおよそ。だいたい。②いい加減。③相当。だいぶ。
- 用例
- ①シクチェー テーゲー ウワトーサニ(仕事はおおよそ終わっているでしょう)。
②ハジミカラ テーゲーナー スグトゥ、アトー アタラン ナイサ(最初からいい加減にするから、終いには合わなくなるさ)。
③ウヌ ニムチェー テーゲー ゥンブサンデー(その荷物はだいぶ重いよ)。
④テーゲーヌ ムンガー ナランドー(なみの者には出来ないよ)。
- メモ
- ①→アラアラ。
テーゲーザンミン
概算。おおよその計算。
- 用例
- トー、テーゲーザンミン ッシンディ(さあ、概算してごらん)。
- メモ
- 音2:アラアラザンシン。
テーゲーヌー
いい加減な者。
- 用例
- テーゲーヌーンカイヤ シクチェー マカサラン(いい加減な者には仕事を任せられない)。
テーサーナーサー
無理なこと。
- 用例
- シクチェー ナエーティル スル、テーサーメーサー スナヨー(仕事は要領よくやるんであって、無理はするなよ)。
デージ
大事。大変。すごい。
- 用例
- ヒー チャースシ ワシティ、ヤガティ デージナイタサ(火を消すのを忘れて、やがて大変なことになりよったさ)。
テーショー
大将。頭。
- メモ
- 音1:テーソー。
テースン
費やす。
- 用例
- ンナマッチ シ ジカン テースンナー(何もせずに待っていて、時間を費やすのか)。
テーソー
大将。頭。
- 用例
- ワラバーテーソー ナティ アマヲゥティ アシドーン(ガキ大将になってあそこで遊んでいる)。
- メモ
- 音1:テーショー。
デーダカー
値段が高い物。高価な物。
- 用例
- デーダカービカーン ンチン ジノー ネーンソーティ チャースガ?(値段の高い物だけ見ても、金はないのにどうするの?)。
- メモ
- →デーアガヤー。
テータッチュン
感情的になって憤慨すること。本気になって向かう。
- 用例
- ワラビヌ イーシカイ テータッチュンナー(子どもの言うことに感情的になるか)。テータッチェー ヤマングトゥ シワーサンケー(それほど痛くないから心配するな)。
テータラガーキー
気の入らないような仕事のやり方。
- 用例
- イャーヤ ウングトゥ ヒチ テータラガーキー シ、ヌーン ナイルバーイ(お前はそのように気の入らないような仕事をして、何ができるのか)。
テーチカイン
火がつく。燃え始める。
- 用例
- フーフー フチーネー、ヤガティ テーチカイサ(フーフー吹いたら、やがて燃え始めるさ)。
テーチキーン
焚きつける。火をつける。
- 用例
- ユークル ユーバンジブン ヤグトゥ、カマンカイ ヒー テーチキーン(そろそろ夕飯時だから、カマドに火を焚きつける)。
テーテームニー
舌足らずな物の言い方。
- 用例
- イクチ ナティン テーテームニー シ、シワ ヤッサー(幾つになっても舌足らずな物の言い方で、心配だよ)。
デーナ
すごい。とても。大きな。
- 用例
- デーナ グテーヌ マンディ(とても怪力で)。デーナ イシ(大きな石)。
テーニー
植物名。天人花〔テンニンカ〕。フトモモ科の常緑小低木。
テービー
松明。松明の火。
- 用例
- テービー アカガラチ マークィン カメータシガ ヲゥランタン(松明をつけてどこもかも探したが、いなかった)。
- メモ
- 音:テー。
デーヒームン
代経物。年数を経たもの。
- メモ
- 音2:デーヒヤー。
テーヒチ
大切。大事。
- 用例
- ウレー イャーンカイ ヰーラスグトゥ、テーヒチニ チカリヨーヤー(それは君にあげるから、大切に使いなさいよ)。
- メモ
- 音2:タカテーン。
デーヒヤー
年数を経たもの。
- 用例
- デーヒヤーマヤーヤ、ヌーシヌ ヌチ トゥインディ(年数を経た猫は、主人の命を取るそうだ)。
- メモ
- 音2:デーヒームン。
デービル(~デービル)
~でございます。です。
- 用例
- チューヤ、アンシ イー ウヮーチチ デービルヤー(今日は、なんて良い天気なんでしょうね)。
テーファ
冗談。
- 用例
- テーファビカーン スグトゥ、ターガン イャーガ イーシェー マトゥムニ チカンサ(冗談ばかり言うから、誰もお前が言うのをまともに聞かないよ)。
テーファ シミシェーン(冗談をおっしゃる)。
- メモ
- 類:フージョー。
テーファー
よく冗談を言う人。
- 用例
- ワッター ドゥシンチャーヤ、ムル テーファービカーン アチマトーン(私の友達は、皆よく冗談を言う人ばかりが集まっている)。
- メモ
- 音2:テーファナムン。
テーファク
白糖。
- 用例
- クルザーターヌ ネーンレー テーファク ヤティン イリレー(黒糖がなければ、白糖でも入れなさい)。
テーファナムン
よく冗談を言う人。
- 用例
- ワッター ファーフジーヤ テーファナムン ヤタン(私の祖父はよく冗談を言う人だった)。
- メモ
- 音2:テーファー。
デーフク
大福。大金持ち。裕福。
- 用例
- デーフク ナタン(大金持ちになった)。
- メモ
- 対:ゴービンスー(極貧)。
デーブシ
大武士。
テーマ(~テーマ)
~ところで。
- 用例
- シチャンテーマ(やったところで)。
- メモ
- 音1:~テーマン。音2:~テーカン。
テーマン(~テーマン)
~ところで。
- 用例
- カミムン ヤタンテーマン(食べ物であっても)。
- メモ
- →~ヤティン。
テーミヌユー
平和な世の中。
- 用例
- イチマディン テーミヌユー チヂチンソーリ(いつまでも平和な世の中が続きますように)。
デーヤッシー
値段が安い物。安物。
- 用例
- ジンヌ ネーラン デーヤッシーシカ コーイサン(金がなくて安い物しか買えない)。
- メモ
- 音2:ヤシムン。対:デーアガヤー・デーダカー(高価な物)。
デーユー
大昔。
- メモ
- →ウーンカシ。
テーラグサ
植物名。ムラサキカタバミ。
- メモ
- →シーサープー。
一般にヤファタの名で知られているが、首里の平良殿内が唐から持って来たのでテーラグサとも呼んだ。平良殿内は当初観賞用に持って来たのが、田畑に繁殖し雑草として農作業の弊害となった。
テーラシカマグチ
伝説上の人物。一週間は後生、一週間はこの世と行き来する人。
- 用例
- テーラシカマグチヌ ハナシー チカサヤー(テーラシカマグチの話を聞かせようね)。
テーンカーン ナラン
どうしようもない。手がつけられない。
- 用例
- アリガ ワジレーカラー、テーンカーン ナランサ(彼が怒ったら、どうしようもないよ)。
デーンカシ
大昔。
- 用例
- ウレー デーンカシヌ クトゥドー(これは大昔のことだよ)。
- メモ
- →ウーンカシ。
デゴホン
鶏〔ニワトリ〕の一種。レグホン。
テッポーワタイリー
筒袖綿入れ。
テン(~テン)
~ても。
- 用例
- アンサンテン ヘークナー ウワラシェー(そうであっても早く終わらせなさい)。
デンシンヤー
電信屋。
- メモ
- 渡具知にある戦前海底電信を陸揚げした場所。1896(明治29)年鹿児島・沖縄間に海底電信線敷設。これが沖縄における電信線の始まり。その後台湾や南洋ヤップとも海底電信で繋がり海外通信にも大きく貢献。沖縄戦で破壊され、現在跡地に記念碑が建立されている。
テンテンパチパチ
綿打ち職人。綿打ち作業の際に出る音で、職人のこともそう呼んだ。
テンテンプックイ
綿打ちをする時の音色。綿打ち道具の意味もある。
テンブサー
出べそ。でべその人。
- 用例
- ウッピナーヌ テンブサー ヤタシガ ノートーン(あんなに大きな出べそだったのに、治っている)。
テンブス
へそ。
- 用例
- テンブスグヮーヤ サーヤーサーヤー サンケー(ヘソはそんなに触るなよ)。
テンプラー
天ぷら。
- メモ
- 音1:ティンプラー。
テンマブネ
伝馬船。
- メモ
- →ティンマー。
トゥ
~と。
- 用例
- タートゥ アシビーガ イチュガ?(誰と遊びに行くの?)。
トゥ(~トゥ)
斗。10升。容量の単位。
- メモ
- イットゥ(1斗)、ニトゥ(2斗)と数える。
トゥイ
鳥。酉。鶏〔ニワトリ〕。
- 用例
- トゥイグヮーヤ クーガー ナチェーガヤー(鶏は卵を産んだかな)。ヤーノー トゥイドゥン アタトーン(来年は酉年だよ)。
トゥイ スグヤー
鶏を殴る人。
- メモ
- 鶏法度に反した時に鶏を捕らえる人のことをいった。
税金徴収が終わると、午後からは放し飼いにされた鶏を取り締まった。
トゥイアースン
取り持つ。橋渡しをする。男女を引き合わせて夫婦にすること。
- 用例
- アッターヤ ワンガル トゥイアーチャンデー(彼らは私が引き合わせて夫婦にしたんだよ)。
否:トゥイアーサン(取り合わせない)希:トゥイアーシーブサン(取り合わせたい)過:トゥイアーチャン(取り合わせた)継:トゥイアーチョーン(取り合わせている)。
- メモ
- 音2:トゥヤースン。
トゥイアチカイン
取り扱う。
- 用例
- ワリムンヌ キーチキティ トゥイアチカリヨー(割れ物は気を付けて取り扱いなさいよ)。
トゥイアチケー
取り扱い。
- 用例
- シナムンヌ トゥイアチケーヤ キーチキリヨー(品物の取り扱いは気をつけなさいよ)。
トゥイアチミーン
取り集める。取り揃える。
- 用例
- チラカトーシ、チュトゥクマンカイ トゥイアチミーン(散らかっているのを、一か所に取り集める)。
否:トゥイアチミラン(取り集めない)希:トゥイアチミーブサン(取り集めたい)過:トゥイアチミタン(取り集めた)継:トゥイアチミトーン(取り集めている)。
- メモ
- 音2:トゥイチャーメーイン・トゥッチミーン・トゥイスラースン。
トゥイオーラシェー
闘鶏〔とうけい〕。鶏の雄を戦わせること。
- 用例
- ワラビヌ トゥイオーラシェー シ ジン カキーンナー!(子どもが闘鶏でお金をかけるのか!)。
- メモ
- 音1:トゥイオーラセー。音2:トゥイグヮーオーラセー・トゥイスーブ。
トゥイオーラセー
闘鶏〔とうけい〕。鶏の雄を戦わせること。
- メモ
- 音1:トゥイオーラシェー。音2:トゥイグヮーオーラセー・トゥイスーブ。
トゥイカンカー
鶏カンカー。旧8月に鶏を潰して行う行事。悪除け行事。
- メモ
- 伊良皆では本来は豚を潰していたといい、現在では豚肉を買って祈願している。→カンカー。
トゥイグーネー
取り合い。取りっぱなし。
- 用例
- ンナガ トゥイグーネー シーネー スグ ネーン ナイン(皆で取り合いしたら、直ぐになくなるさ)。
トゥイクェー ザチマー
字民性。鶏食いザチマー(座喜味字民)。座喜味字民の性質。
- メモ
- 農作物を食い荒らしたりする鶏〔ニワトリ〕の飼い主があらわれない場合、それを食べてもよいという字の規則からそう呼ばれた。
トゥイクミヌウグヮン
取りっぱなし。取り込みの御願。
- 用例
- トゥイクミヌウグヮン シェー ナランデー(取りっぱなしではいけないよ)。
- メモ
- 人の物を取りっぱなしで、自分から与えることをしないこと。
トゥイグヮーオーラセー
闘鶏〔とうけい〕。鶏の雄を戦わせること。
- メモ
- 音2:トゥイオーラシェー・トゥイオーラセー・トゥイスーブ。
トゥイケー
取り換え。交替。交易。
- 用例
- イャームントゥ ワームントゥ トゥイケーティ チカラナ(君の物と私の物と取り替えて使おう)。
トートゥヌ トゥイケー(唐との交易)。
- メモ
- 音2:トゥイケーイ。
トゥイケーイ
取り換え。交替。交際。
- 用例
- ユヌグトゥ トゥイケーイ シ(同じように交際して)。
- メモ
- 音2:トゥイケー。
トゥイケースン
取り返す。回復する。
- 用例
- ケーサンパーソーシ、ヤットゥ トゥイケーチャン(返したがらないのを、やっと取り返した)。
否:トゥイケーサン(取り返さない)希:トゥイケーシーブサン(取り返したい)過:トゥイケーチャン(取り返した)継:トゥイケーチョーン(取り返している)。
トゥイサースン
取り置くこと。前もって取り置くこと。
- 用例
- ヘーベートゥ ゥンジ タイブン トゥイサースン(早めに行って、2人分を取って置く)。
トゥイシ
砥石。
- 用例
- ホーチャーヌ ナマリトーグトゥ、トゥイシシ トゥジュン(包丁の切れ味が悪いから、砥石で研ぐ)。
- メモ
- 音1:トゥシ。→アラトゥ。
トゥイシラビ
取り調べ。
- 用例
- ヌーガラ アイル スタラー ジュンサガ トゥイシラビ ソーヌ フージ(何かあったのか、巡査が取り調べをしているらしい)。
トゥイシラビーン
取り調べる。
- 用例
- アザジューヌ シンカ トゥイシラビーン(字中の人たちを取り調べる)。
トゥイスーブ
闘鶏〔とうけい〕。鶏の雄を戦わせること。
- 用例
- トゥイスーブシェー アシバンキヨー(闘鶏しては遊ぶなよ)。
- メモ
- 音2:トゥイオーラシェー・トゥイオーラセー・トゥイグヮーオーラセー。
トゥイスラースン
取り集める。取り揃える。
- 用例
- チャンリッパ トゥイスラースン(ちゃんと取り揃える)。
- メモ
- →トゥイアチミーン。
トゥイタカテー
甘やかされて。子どもを甘やかして育てること。
- 用例
- トゥイタカテーン サッティ(甘やかして育てられて)。
トゥイチガイン
取り違える。間違って取ること。
- 用例
- アワティーネー シナムン トゥイチガインドー(慌てると品物を取り違えるよ)。
- メモ
- 音2:トゥバッペーイン。
トゥイチジュン
取り次ぐ。
- 用例
- イスジ トゥイチガントー ナラン(急いで取り次がないといけない)。
トゥイチャメーイン
取り集める。取り揃える。
- 用例
- フスク ソーラー、アマクマカラ トゥィチャメーインテー(不足しているなら、あちこちから取り集めるさ)。
否:トゥイチャメーラン(取り集めない)希:トゥイチャメーイブサン(取り集めたい)過:トゥイチャメータン(取り集めた)継:トゥイチャメートーン(取り集めている)。
- メモ
- →トゥイアチミーン。
トゥイティ
把手。馬車の荷台から馬の鞍に長く伸びた棒状のもの。
トゥイドゥシ
酉年。
- 用例
- チャクシガ ヤマトゥカイ ゥンジャシェー、トゥイドゥシ ヤタヌ ハジ ヤッサー(長男が大和に行ったのは、酉年だったはずだよ)。
トゥイナシ
取り成し。仲裁。
- 用例
- クンドゥヌ クトー、ワー シージャガ トゥイナシ スンディー(今度のことは、私の兄が取り成すそうだ)。
トゥイヌカンジ
鶏冠〔とさか〕。
- 用例
- チビラーサヌ トゥイヌカンジ ヤッサー(見事な鶏冠だ)。
トゥイヌクサー
取り残した物。
- 用例
- トゥイヌクサー ビカーン ナティ ソームノー ネーンデー(取り残した物ばかりで、まともな物はない)。
トゥイヌクシ
取り残し。
- 用例
- トゥイヌクシヤ ネーニ、ユー ンリヨー(取り残しはないか、よく見なさいよ)。
トゥイヌチビー
植物名。ツルムラサキ。
トゥイヌチビー
植物名。オニタビラコ。
- 用例
- トゥイヌチビーヤ タンププカイ ニチョーン(オニタビラコはタンポポに似ている)。
トゥイヌチュ
酉年生まれの人。
- 用例
- ワッターヤ ミートゥンダ トゥイヌッチュ ヤン(私たちは夫婦とも酉年生まれだ)。
トゥイヌハニー
鳥の羽。羽毛。
トゥイヌファ
酉の方角。西の方角。
- 用例
- トゥイヌファ ンカティ トゥリ ハイタン(西の方角に向かって飛んで行った)。
- メモ
- トゥイヌファとは西の方角で、時間としては午後6時頃を表す。
トゥイヌファグチ
西風。
- 用例
- シラハンヤー トゥイヌファグチガ フチャギーサ(涼しいね、西風が吹いているさ)。
トゥイヌムン
鶏の餌。
- 用例
- トゥイヌムン クヮースン(鶏に餌をやる)。
トゥイヌヤー
鶏小屋。
- 用例
- スートゥ マジョーン トゥイヌヤー チュクイン(お父さんと一緒に鶏小屋を造る)。
トゥイノースン
取り直す。改めて手に取る。
- 用例
- バッペーティ トゥッテーグトゥ、トゥイノースン(間違って取ったから、取り直す)。
否:トゥイノーサン(取り直さない)希:トゥイノーシーブサン(取り直したい)過:トゥイノーチャン(取り直した)継:トゥイノーチョーン(取り直している)。
トゥイバーキ
目籠〔めかご〕。
- メモ
- 目の粗い籠。鶏〔ニワトリ〕にかぶせて檻〔おり〕のようにして使う。
トゥイハカライン
取り計らう。
- 用例
- ワッター スーガ チャンリッパ トゥイハカラインディー(私の父がちゃんと取り計らうって)。
トゥイバットゥ
鶏法度。放し飼いの鶏を取り締まる規則。
- メモ
- 放し飼いの鶏が畑や、収穫後に庭に広げた作物を食い荒らさないように定められた内規。字牧原では2月以降6月までに適用。3羽以上飼ってはならないなどの規則もあった。
トゥイバッペー
取り違え。
- 用例
- トゥイバッペー シェーグトゥ、ケーチ チューン(取り違えたので返してくる)。
トゥイバッペーイン
取り違える。
- 用例
- アワティティ トゥイバッペーティ ネーン(慌てて取り違えてしまった)。
- メモ
- →トゥイチガイン。
トゥイハンスン
取り損ねる。物を取り損ねる。
- 用例
- ジカヌンカイ ウクリティ、ドゥーヌ ワップー トゥイハンスン(時間に遅れて、自分の分け前を取り損ねる)。
否:トゥイハンサン(取り損ねない)過:トゥイハンチャン(取り損ねた)継:トゥイハンチョーン(取り損ねている)。
トゥイハンラカスン
取りこぼす。取り損なう。誤って手から落とす。
- 用例
- イャーヤ チャー トゥイハンラカスンヤー(君はいつも取りこぼすね)。
否:トゥイハンラカサン(取りこぼさない)過:トゥイハンラカチャン(取りこぼした)継:トゥハンラカチョーン(取りこぼしている)。
トゥィヒチビ
節日のこと。四季の行事の総称。
トゥイヒレー
交際。付き合い。
- 用例
- チュヌ トゥイヒレーヤ ムチカシームン ヤサ(人付き合いは難しいものだ)。
トゥイフクガー
鳥肌が立つ様。
- 用例
- ウトゥルサヌ フシガラン トゥイフクガー ソーン(恐ろしくてたまらず、鳥肌が立っている)。
- メモ
- 音2:キーフクガー・フクジャー。→キーブラチャー。
トゥイブサカッティ
取りたい放題。
- 用例
- トゥイブサカッティー、イャー カッティ シェーワ!(取りたい放題、お前の勝手にしろ!)。
トゥイフダ
罰金札のひとつ。鶏札。鶏を放し飼いにした時の罰金。
トゥイホーイン
むやみに取ること。何も考えずにむやみに取ること。
- 用例
- チカランムンヌ、ウッサキー トゥイホーインディチン アンナー(使いもしないのに、そんなにたくさん取るってこともあるか)。
トゥイマーイ
鶏回り。鶏を放し飼いにしてないか見回ること。
- メモ
- 牧原では旧9月から年末にかけて予め各組の佐事に伝達させ、青年が太鼓を叩きながら部落内を回った。
トゥイミー
斜視。
- 用例
- トゥイミー ナティ マーガ ンチョーラー ワカラン(斜視でどこを見ているか分からない)。
トゥイムッチュン
取り持つ。優遇する。接待する。取りざたする。有名になる。
- 用例
- シージャンチャー トゥイムッチュン(先輩たちを接待する)。過:トゥイムタッタン(優遇された)継:トゥイムッチョーン(優遇している)。
トゥイムルスン
取り戻す。
- 用例
- アリカイ ケートゥラッテーシ トゥイムルスン(彼に取られたのを取り戻す)。
否:トゥイムルサン(取り戻さない)希:トゥイムルシーブサン(取り戻したい)過:トゥイムルチャン(取り戻した)継:トゥイムルチョーン(取り戻している)。
トゥイムンジェーク
泥棒。
- 用例
- トゥイムンジェーコー イチマディン チヂカンサ、アトー バチ カンジュサ(泥棒は何時までも続かないよ、最後は罰が下るよ)。
トゥイメー
取り前。取り分。まだ取ってない模合のことにもいう。
- 用例
- ムエーヌ トゥイメーヌ アグトゥ、ウリ ソーグヮチヂケー スサ(模合の取り分があるから、それを正月の足しにするよ)。
- メモ
- 対:ハライメー。→ウクイメー。
トゥイヤー
鳥小屋。
トゥイヤンジュン
取り損ねる。失敗する。
- 用例
- コーティ トゥラサンネー ワラバー チム トゥイヤンジュンドー(買ってやらないと、子どもの機嫌を取り損ねるよ)。
否:トゥイヤンラン(損ねない)過:トゥイヤンタン(損ねた)継:トゥイヤントーン(損ねている)。
- メモ
- 取りはしたものの、自分が取りたいのではなく失敗した時などに使う。また、人の機嫌を損なった時にも使う。
トゥイユシーン
取り寄せる。
- 用例
- シェークドーグヌ ネーンネー、グトゥ、マチカラ トゥイユシーン(道具がないとから、町から取り寄せる)。
否:トゥイユシラン(取り寄せない)希:トゥイユシーブサン(取り寄せたい)過:トゥイユシタン(取り寄せた)継:トゥイユシトーン(取り寄せている)。
トゥイン
取る。とる。
- 用例
- ワンガ イチバンサチ トゥイン(私が一番先に取る)。ワッター ガニ トゥンガル ゥンジョーンムン(我々はカニをとりに行ったのに)。
イャーガ トゥイユースンナー(お前が取れか)。
否:トゥラン(取らない)希:トゥイブサン(取りたい)過:トゥッタン(取った)継:トゥットーン(取っている)。
トゥインチカミン ナラン
どうしようもない。掴みどころがない。始末に負えない。
- 用例
- チュガ イーシン チカングトゥ、トゥインチカミン ナラン(人の言うことも聞かないから、どうしようもない)。
トゥインチュン
取り入れる。
- 用例
- タムンヤーンカイ タムン トゥインチュン(薪小屋に薪を取り入れる)。
トゥー
10。10歳。
- 用例
- イャーヤ トゥーヤ ナトーミ?(君は10歳にはなっているか?)。
- メモ
- 10の数を表す。
ドゥー
①身体。胴。
②自分。
- 用例
- ①チャッサ モーキティン、ドゥーンレー ヤンジーネー ヌーン ナラン(どんなに儲けても、体を壊したらどうしようもない)。ドゥー ヤマチャン(体を痛めた)。
②ウンナムノー ドゥークルル スルヨー(そんなことは自分でやるんだよ)。
- メモ
- ①音2:ドゥーテー・ドゥームトゥ。類:カラタ。②音2:ドゥームトゥ。
ドゥー
ドゥー タブイン
体力を温存する。
- 用例
- パタパタサンヨークー ドゥー タブイン(ばたばたせずに体力を温存する)。
ドゥーアガチ
自活。自力で生活すること。
- 用例
- ドゥーアガチ シ ハマトーン(自立して、頑張っている)。
ドゥーアガミ
うぬぼれ。自己崇拝。
- 用例
- ドゥーアガミヌ チューサヌ チャーン ナランル アンデー(自己崇拝が強くてどうしようもないんだよ)。
トゥーアサ
遠浅。
- 用例
- トゥーアサ ヤティン ウメー チャー キー チキリヨー(遠浅でも、海はいつも気をつけなさいよ)。
ドゥーアシビ
乳幼児がひとりで遊んでいること。幼児が一人遊びすること。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウンナゲー ドゥーアシビ ソール(その子は長いこと一人遊びしているね)。
- メモ
- 関:ドゥームイ。
ドゥーアタイ
自分に思い当たること。
トゥーイ
通り。
- 用例
- イャーガ イヌ トゥーイ マチゲー ネーランタン(君の言う通り間違いなかった)。ウヌ トゥーイ ヤイビーサ(その通りです)。
ドゥーイジカセー
体を動かすこと。運動すること。
ドゥーイッペー
体いっぱい。体中。全身。総身。
- 用例
- ドゥーイッペー ヰーゴー ゥンジトーン(体中に疥癬が出ている)。
トゥーイミチ
通り道。通路。
- 用例
- ウマー ワランチャー トゥーイミチ ナトーン(そこは子どもたちの通路になっている)。
トゥーイン
通る。通用する。
- 用例
- ウマー ミチヌ グナサグトゥ アマカラ トゥーインテー(そこは道が小さいから、あそこから通るさ)。
ウンナ シーヨーシン トゥーインナー(そんなやり方でも通用するのか)。
否:トゥーラン(通らない)希:トゥーイブサン(通りたい)過:トゥータン(通った)継:トゥートーン(通っている)。
トゥーイン
問う。尋ねる。
- 用例
- マーガ ヤラ ワカランネー チュンカイ トゥーイン(どこなのか分からいなら、人に尋ねる)。
否:トゥーラン(聞かない)希:トゥーイブサン(聞きたい)過:トゥータン(聞いた)継:トゥートーン(聞いている)。
ドゥーウミー
自分だけの思い。
- 用例
- アレー キジムナー ヤタンディチ ドゥーウミー ソーン(あれはキジムナーだったと自分では思っている)。
ドゥーウヤメー
自尊。自賛。
- 用例
- ドゥーウヤメービカーン シェー ヌーン ナランサ(自尊してばかりでは何にもできないよ)。
ドゥーガッサン
身軽である。身軽によく働く。
- 用例
- ドゥーチュイムン ヤグトゥ ドゥーガッサン(独身だから身軽だ)。
ドゥーカッティ
自分勝手。身勝手。
- メモ
- 音:ドゥーカッティー。
ドゥーカッティー
自分勝手。身勝手。
- 用例
- ドゥーカッティービカーン シ チュガ イーシェー チカンル アンデー(自分勝手ばかりして、人のいう事は聞かないんだよ)。
- メモ
- 音:ドゥーカッティ。
ドゥーカンゲー
自分だけの考え。独断。
- 用例
- ドゥーカンゲービカーン スシヤカ チュヌ イーシン チチュシェー マシ(自分一人だけで考えるより、人の意見も聞いた方が良い)。
トゥーキーン
透ける。
- 用例
- ヌヌヌ ウスサヌ トゥーキーン(布が薄くて透ける)。
ドゥークサミチ
勝手にひとりで怒ること。
- メモ
- 音:ドゥーグサミチ。
ドゥーグサミチ
勝手にひとりで怒ること。
- 用例
- ドゥーグサミチ シ ヌール カンゲートーラー ワカラン(勝手に怒って、何を考えているのか分からない)。
- メモ
- 音:ドゥークサミチ。
ドゥークス
ろうそくの燃えがら。
- 用例
- ドゥークスヌ ウッサ タマトーン(ローソクの燃えかすがたくさん溜まっていた)。
ドゥーグラサン
心苦しい。恐縮する。
- 用例
- マルケーティル イチュルムンヌ ヌーン ムッチ イカンディーネー ドゥーグラサンデー(たまに行くんだのに何も持って行かないというのは心苦しいよ)。
- メモ
- 音:ルーグラハン・ドゥーグルサン。
ドゥークル
自分で。自分自身で。
- 用例
- ウッピグヮーヤ ドゥークル ナイサ(そのくらいは自分でできるよ)。
- メモ
- 類:ワンクル。
ドゥーグルサン
心苦しい。恐縮する。
- メモ
- 音:ドゥーグラサン・ルーグラハン。
ドゥークルビ
自分で転ぶこと。自分のせいで失敗すること。
- 用例
- イチョーシガ、ウレー ドゥークルビシル ヲゥンドーヤー(言っているのに、彼は自分で転んでいるんだよ)。
- メモ
- 子どもが言うことも聞かずに走って転んだときなどに使う。また、事業など、本人の未熟さや不注意のせいで失敗したときなどにもつかう。
ドゥーゲーシ
自分返し。
トゥーサ
遠い所。
- 用例
- トゥーサカイ イカヤカ チカサヲゥティ コーラナ(遠い所に行くより、近い所で買おうよ)。
- メモ
- 対:チカサ(近い所)。
ドゥーサー(~ドゥーサー)
~同士。
- 用例
- ドゥシンチャードゥーサー アシビーガ イチュン(友だち同士で遊びに行く)。チルミードゥーサー アチマトーン(同級生同士が集まっている)。
トゥーサヌイェーカ
遠い親戚・遠縁。
- 用例
- トゥーサヌイェーカヤカ、チカサヌ ケートゥナイトゥ ユー ヒラリ(遠くの親戚より、近くのとなり近所と良く付き合いなさい)。
トゥーサン
遠い。
- 用例
- ナーファマディリネー トゥーサンヤー、ナー イフェー チカサレー イチヤッサンムン(那覇までは遠いね、もう少し近ければ行きやすいのに)。
- メモ
- 音1:トゥーハン。対:チカサン・チカハン・チチャサン(近い)。
トゥーシヌミー
豚舎兼便所の穴。
- 用例
- ンカシェー トゥーシヌミーンカイ ウティール グナワランチャーン ヲゥタン(昔は、便所の穴に落ちる小さな子もいた)。
- メモ
- 糞を落とす穴で、下には豚を飼っていた。尿や便の落ちるところ。
ドゥージママ
わがまま。自分勝手。
- 用例
- チュイングヮ ナティ ジコー ドゥージママ ヤン(一人っ子でとても自分勝手なわがままである)。
- メモ
- 類:ギママ・ジママ。
ドゥーシャミセン
声でサンシン(三線)をひいているように音を唱えること。
- メモ
- 類:クチサンシン。
ドゥースク
健康を損ねること。体を傷めること。
- 用例
- ドゥースク ナイン(健康を損ねる)。
ヤナガンマリ スンディ ドゥースク ナインドー(悪ふざけをしたら体を損なうよ)。
トゥースン
通す。
- 用例
- ハーイカイ イーチュー トゥースン(針に糸を通す)。
否:トゥーサン(通さない)希:トゥーシーブサン(通したい)過:トゥーチャン(通した)継:トゥーチョーン(通している)。
トゥーターチ
12。
ドゥーダルサン
体がだるい。
- 用例
- ハナヒチカカティ チヌーカラ ドゥーダルサン(風邪をひいて昨日から体がだるい)。
トゥータン
トタン。
- 用例
- トゥータンヌ マンドーグトゥ ウリサーニ ヤーヌイーヤ タックヮーサナ(トタンがたくさんあるから、それで屋根は造ろうよ)。
トゥータンヤー
トタンで屋根を葺いた家。
- 用例
- ガヤヤーカラ トゥータンヤーンカイ フチケーイン(茅葺家からトタン屋根に葺き替える)。
トゥーチ
いつも。ずっと。何かにつけて。
- 用例
- トゥーチ サキビカーン クヮティ ヌーサルムンガ!(何時も酒ばかり飲んで、何様のつもりか!)。
トゥーチ アンソーン(ずっとそうしている)。
- メモ
- →イチグ。
トゥーチガトゥーチ
いつもいつも。
ドゥーチュイ
自分一人。
- 用例
- アママディ ドゥーチュイシ イチー スンナー?(あそこまで自分一人で行けるの?)。
ドゥーチュイアッチー
ひとり歩き。人の力を借りずに自分で歩くこと。
- 用例
- アネッ、ヤガテー ドゥーチュイアッチー ナインドー(ほら、やがてひとり歩きできるよ)。
ドゥーチュイバイ
ひとり先に行くこと。
- 用例
- アバーヤ ドゥーチュイバイシ ゥンジティ ハイタン(姉さんは一人で先に出て行った)。
ドゥーチュイムニー
独り言。
- 用例
- アンシ ドゥーチュイムニー スヌ チュン ヲゥル(こうも独り言をする人もいるもんだ)。
ドゥーチュイムン
独り者。
- 用例
- ドゥーチュイムンヤ ヤシガ ムヌン カレー ヲゥガヤー(独り者だが、ご飯も食べているかな)。
ドゥーチュイワレー
ひとり笑い。
- 用例
- ドゥーチュイワレー シ、ヌー ワラトーガ?(ひとりで笑っているが、何を笑っているの?)。
- メモ
- 思い出したり想像したりして、ひとりで笑うこと。
ドゥーヂュクイ
体つくり。体格。
- 用例
- ドゥーヂュクイ ユタサヌ グテーン マンドーン(体格が良く力も強い)。
トゥーティークー
土帝君。
- メモ
- 中国の土地神信仰に起源を持ち、沖縄本島では農業神として広く信仰される。祠には鍬を担いだ像などが祀られていた。村内では喜名、親志、長田で祀られてきた。喜名の土帝君は村指定文化財。
トゥーティーチナー
11。
ドゥーテー
胴体。体格。身体。
- 用例
- ドゥーテー ガンジューギサンヤー(立派な体格をしているね)。ドゥーテー マギサン(胴体が大きい)。
- メモ
- →グテー。
ドゥーテーターチュー
双発機。
- メモ
- 2機のエンジンを備えた飛行機。
トゥートゥー
つばをトゥッと吐く様。
ドゥーナー
自分たち。我々。私たち。
- 用例
- ドゥーナーヤ マタ イチ アチマイガ?(我々はまたいつ集まろうか?)。
- メモ
- →アガター。
ドゥーナークル
自分たちで。我々で。私たちで。
- 用例
- クンドゥカラー ドゥーナークル キミティ イカヤー(今度からは自分たちで決めていこうね)。
- メモ
- 音2:ワッタークル。
ドゥーナーター
自分たち。我々。私たち。
- 用例
- ドゥーナータークルン ナイルスルヨー(自分たちにもできるんだよ)。
- メモ
- →アガター。
ドゥーナーバナシ
内輪の話。
ドゥーニー
うわ言。呻(うめ)き。
- 用例
- ヲゥタティル ヲゥタラー チヌーユルヤ ドゥーニー スタンレー(疲れていたのか、昨夜はうわ言を言っていたよ)。ドゥーニー ソーン(うめいている)。
ドゥーニー
同年。
- 用例
- ドゥーニーシンカシ マニアーイサニ(同年生で間に合うでしょう)。
トゥーヌチュン
遠のく。
- 用例
- イェーカ ヤティン タッタイ トゥーヌチュンヤー(親戚でも次第に遠のくね)。
トゥーバル
集落の外れ。遠くにある畑。
- 用例
- トゥーバルカイ ゥンジョータレール ニッカ ナトーンレー(遠い所の畑に行っていたので、遅くなったんだよ)。
トゥーハン
遠い。
- 用例
- ワンガ カユトール ガッコーヤ トゥーハン(私が通っている学校は遠い)。
- メモ
- →トゥーサン。
ドゥーヒガミ
自分で勝手にひがむこと。
- 用例
- ターン ヌーリン イランシガル ドゥーヒガミル ソーンデー(誰も何も言ってないのに、勝手にひがんでいるんだよ)。
ドゥーフー
自己流。
ドゥーブク
胴服。踊り衣装で袴と対で着用する。
ドゥーブニ
体の骨。
- 用例
- ニンジ ヂューサイネー ドゥーブニ ヤムンドー(眠りすぎると体の骨が痛くなるよ)。
ドゥーフミー
自画自賛。自分のことを褒める。
- 用例
- ドゥーフミービカーン スグトゥ アリガ ハナシーヤ チチブサー ネーン(自賛ばかりするので、彼奴の話は聞きたくもない)。
トゥーマーイ
遠回り。
- 用例
- ジカノー アグトゥ トゥーマーイ シ イチュサ(時間があるから遠回りして行くさ)。
- メモ
- 類:トゥーミグイ。
トゥーマーシ
遠回し。
- 用例
- ワンガ トゥーマーシニ チチ ンジュサ(私が遠回しに聞いてみるよ)。
ドゥーマーラ
体全体。
- 用例
- ドゥーマーラ イッペー ヰーゴー カチョーサ(体中疥癬が出ているさ)。
- メモ
- 音:ドゥーマール・ドゥーマールー。
ドゥーマール
体全体。
- 用例
- イリガサー カカティ ドゥーマール イッペー フチゥンジトーン(麻疹で、体中湿疹が吹き出ている)。
- メモ
- 音:ドゥーマーラ・ドゥーマールー。
ドゥーマールー
体全体。
- メモ
- 音:ドゥーマール・ドゥーマーラ。
ドゥーマカネー
自弁。(食費などを)自分で負担すること。
ドゥーマギー
体が大きい人。
ドゥーミ
重量。
トゥーミーチ
13。十三。
トゥーミグイ
遠回り。
- 用例
- ユッカイ トゥーミグイ ソーッサー(かなり遠回りしてしているね)。
- メモ
- 類:トゥーマーイ。
トゥーミチ
遠路。遠い道のり。
- 用例
- イャー トゥーミチ アッチチェーサヤー(君は遠い道のりを歩いてきたね)。
ドゥームイ
赤ちゃんが機嫌よく自分で遊んでいるように見えること。
- 用例
- ワンネー ドゥームイ ソーン(私は一人で遊んでいる)。
- メモ
- 関:ドゥーアシビ。
年よりが一人で過ごす場合にもこの表現を用いることがある。
ドゥームチ
身持ち。日頃の行い。品行。
- 用例
- カーギシガタ ドゥームチ チュラカーギー ヤサ(容姿身持ちも美しい人だ)。
- メモ
- 類:ソーガラ・ミムチ。
ドゥームチグルサン
居づらい。折り合いが悪く生活しにくい。
ドゥームチナイ
身のこなし。立ち居振る舞い。
ドゥームトゥ
①胴。身体。
②自分。
- メモ
- ①音2:ドゥー・ドゥーテー。類:カラタ
②音2:ドゥー。
ドゥーメー
自分でやるべきこと。
- 用例
- ドゥーメーヤ シッカラル チュヌ ティガネーヤ スンドー(自分のことはやってから、人の手伝いはするんだよ)。
ドゥーヤッサン
容易い。
- 用例
- ムチカシークトゥ ヤティン ムルッシ シェー ワカラー ドゥーヤッサン(難しい事でも皆でやれば容易い)。
- メモ
- 音1:ルーヤッサン。
ドゥーヤッシー
容易いこと。
- 用例
- イッペー ドゥーヤッシー(大変容易い)。
- メモ
- 類:ドゥーヤッシムン。
ドゥーヤファラサン
病弱。身体が弱い。
- 用例
- ワッター スーン アンマーン ドゥーヤファラサン(私の父も母も病弱だ)。
- メモ
- 類:ヤファラー。関:ヤファラムン(病弱者)。
ドゥーヤマシグトゥ
怪我をすること。
ドゥーヤンメー
自分で病気だと思い込むこと。
- 用例
- マーン ワッサー ネーンシガ ドゥーヤンメール ヤンデー(どこも悪くないのに、自分で病気だと思い込んでいるんだよ)。
ドゥーユイ
<自分故。自業自得。
- 用例
- シーヤンジュシン ドゥーユイル ヤンドー(失敗するのも自分によるものだよ)。
トゥール
行灯。〔あんどん〕提灯〔ちょうちん〕。
- 用例
- トゥール ムッチ イケー(提灯を持って行きなさい)。
トゥールーガマ
地名。渡具知の海岸にあるガマの名称。通抜穴の意。
- メモ
- 豆腐を作るときに潮水を汲んだところ。
トゥールクヮックェー
かくれんぼ。
- 用例
- ワランチャー アチマティ トゥールクヮックェーシ アシダン(子どもたちが集まってかくれんぼをして遊んだ)。
- メモ
- 類:カックンゴーリー・クヮッキントールー・トーイガックイ・トールガックイ。
トゥールムッチャー
ニービチ(結婚式)の行列で提灯を持つ役目。
- メモ
- 婿方から嫁を迎えに行くとき、婿方と嫁方から10歳頃の子ども各1人を出し、計2人で提灯持ちをした。
ドゥーゥンブサン
体が重い。動きが鈍い。
- 用例
- ドゥーゥンブサヌ シクチ イーチキティン バチン クヮーン(動きが鈍くて、仕事を言いつけても役に立たない)。
トゥカ
十日。10日。
- 用例
- トゥカ アマイ ナイシガ ヌーヌ アティン ネーラン(10日余りになるが、何の音さたもない)。
トゥガ
罪。罰。良くない。
- 用例
- トゥイオーラシェービカーン シーネー イチカー トゥガ アタインドー(闘鶏ばかりしていたら、いつかは罪されるよ)。ワンガ イーネー トゥガ ヤグトゥ(私が言うと、良くないから)。
トゥカー
猫〔ネコ〕を呼ぶ掛け声。
- 用例
- 「トゥカー」ヨー マーンカイ クヮックトーガヤー(トゥカーはどこに隠れているかね)。
- メモ
- 猫を呼ぶ時に「トゥカートゥカー」と呼んだ。
トゥガイ
尖端。
- 用例
- ウヌ トゥガイヤ アブナサグトゥ、アマンカイ ウチョーケー(その尖端は危ないから、あそこに置いておきなさい)。
トゥガイー
牛の名前。
- 用例
- ウシヌ チヌヌ トゥガトーシカイ トゥガイーディ イタン(牛の角が尖っているのに、トゥガイーといっていた)。
トゥガイヒガイ
あちこちとんがっていること。
- 用例
- トゥガイヒガイヌ マンリ ウレー チカーランレー(あちこち尖っているから、それは使えないな)。
トゥガイン
尖る。
- 用例
- ヨーイグヮー シーネー イフェー トゥガインテー(もう少し削ったら少しは尖るさ)。
ウヌ ボーヌ サチヤ トゥガトーン(その棒の先は尖っている)。
継:トゥガトーン(尖っている)。
トゥカスン
溶かす。
- 用例
- ミジカイ クー トゥカスン(水に粉を溶かす)。
否:トゥキラン(溶けない)希:トゥカシーブサン(溶かしたい)過:トゥキタン(溶けた)。
トゥガニン
罪人。
- 用例
- ンナトゥカラ トゥガニン ハクドーン(港から罪人を連行している)。
トゥガミーン
咎める。非難する。
- 用例
- ワッサル アグトゥ、トゥガミラリーシェー アタイメー ヤサ(悪いことをしたんだから、非難されるのは当然だよ)。
トゥガラスン
尖らせる。
- 用例
- ボーヌ サチ トゥガラスン(棒の先を尖らせる)。否:トゥガラサン(尖らせない)希:トゥガラシブサン(尖らせたい)過:トゥガラチャン(尖らせた)継:トゥガラチョーン(尖らせている)。
トゥギ
妻。
- メモ
- 類:トゥジ。
ドゥキーン
退ける。
- 用例
- アマトーシェー カタハランカイ ドゥキーン(余っているのは傍らに退ける)。
否:ドゥキラン(退けない)希:ドゥキーブサン(退けたい)過:ドゥキタン(退けた)継:ドゥキトーン(退けている)。
トゥキシ
地名(読谷村渡慶次)。
トゥキシ ジーマ
地名(読谷村渡慶次と儀間)。
- メモ
- 隣接する二つの地域を並べていう呼び方。
トゥキシ ジフー
字民性。渡慶次自負。渡慶次の人の字民性を現す言葉。
トゥキシカタノー
渡慶次の地名。渡慶次潟野馬場。
- メモ
- 渡慶次の馬場があった場所。首里から来た役人が残波岬で狩猟をする際、渡慶次の屋号名嘉を休息所とし、乗馬の稽古をしたことが渡慶次潟野馬場の由来とされる。毎年旧6月25、26日は、飾り付けをしたヌイウマ(乗馬)が各地から集まった。各家庭ではカタノージン(晴着)や重箱を用意して楽しんだ。ゥンマスーブ(馬勝負)が終わると、その場で角力大会が始まった。角力大会は現在も、旧6月25日前後の日曜日に青年会主催で行われる。現在跡地には記念碑が建立されている。
トゥキシバル
{渡慶次原}。渡慶次の小字。
トゥキシンチュ
渡慶次の人。
トゥキシントーバル
{渡慶次当原}。大湾の小字。
ドゥキナスン
移動させる。退ける。
- 用例
- ウヌ ニムチェー ジャマ ヤグトゥ ドゥキナスン(その荷物は邪魔だから移動させる)。
ジャマナティ ゥンマカラ ドゥキナレー(邪魔だからそこから退きなさい)。
否:ドゥキナサン(退けない)希:ドゥキナシーブサン(退けたい)過:ドゥキナチャン(退けた)継:ドゥキナチョーン(退けている)。
トゥク
床の間。
- 用例
- サキビンヤ トゥクンカイ ウッチェーン(酒瓶は、床の間に置いている)。
- メモ
- 類:トゥクヌメー。
トゥク
得。
- 用例
- クンドゥヌ シクチヤ モーキティ トゥク シチャンヤー(今度の仕事は儲けて得したね)。
チャー ユヌッチュカイ トゥクヌ タックゥトーサ(いつも同じ人に徳がついているさ)。
ドゥク
あまり。あまりにも。とても。
- 用例
- ドゥクカラ チュヌクトゥンカイ カムイヂューサヌ チャーン ナラン(あまりにも人のことをかまいすぎて、どうしようもない)。
ナー ドゥク ヘーサン(もうあまりにも早い)。ドゥクアラサッティ(あまりにも荒らされて)。ドゥク チュラサヌ(あまりにも美しくて)。
ドゥク
毒。
- 用例
- ドゥクヌ イッチョー ネーンガヤー、ダー ワンカラ カリンダ(毒が入っていないか、どれ私から食べてみよう)。
ドゥクゲールー
両生類。カエルの一種。オキナワアオガエル。
- メモ
- →シーバイウヮータ。
トゥクジーバル
{徳地原}。楚辺の小字。
トゥグチ
地名(読谷村渡具知)。
トゥグチ クチ
字民性。渡具知口。渡具知の人の字民性を現す言葉。
トゥグチ ムルビサー
字民性。<渡具知諸足。渡具知の人の字民性を表す言葉。
- メモ
- 字渡具知の人はみんな足並みをそろえて行動するという字民性を表したことば。付和雷同。
トゥグチンチュ
渡具知の人。
トゥクトゥ
とくと。じっくり。よくよく。
- 用例
- トゥクトゥ カンゲーティカラ イーヘンジ チカシェー(よくよく考えてから、良い返事を聞かせなさい)。
トゥクヌメー
床の間。
- メモ
- 類:トゥク。
トゥクバーヤ
床柱。
- 用例
- トゥクバーヤンカイ キジェー チキランキヨー(床柱に傷をつけるなよ)。
トゥクブサー
徳武佐。大木の拝所の名称。
- メモ
- 字大木では旧暦9月13日の十三夜(ジュウサンヤー)に徳武佐祭として、1年の無事と繁栄を願う。字都屋のティラガマと同様、こちらも戦乱の世に北山から逃れてきた按司(武士)が隠れた洞窟との伝承を持つ。徳武佐とは「徳のある武士」の意で、ここに隠れしのいだ按司が再興したことに由来するといわれる。
トゥクマ
①所。②場や所を数える数詞。
- 用例
- ①ンリラン トゥクマンカイ クヮックイン(濡れない所に隠れる)儀。②ワックヮサンヨークー チュトゥクマンカイ アチミリヨー(崩さずに1か所に集めなさいよ)。ワームン トゥクマ(私の所)。
- メモ
- 音1:トゥクル。チュトゥクマ(1か所)、タトゥクマ(2か所)、ミトゥクマ(3か所)と数える。
トゥクムチ
徳がある(人)。
- 用例
- イークトゥガ チヂチ アンシ トゥクムチ ヤル(良い事が続いて、なんて徳があるんでしょうね)。
トゥクル
①所。②場や所を数える数詞。
- 用例
- ①イートゥクルンカイ ジー コーテーン(良い所に土地を買ってある)。②タトゥクヌ ブン コーイガ イチュン(2か所の分を買いに行く)。
- メモ
- 音:トゥクマ。②チュトゥクル(1か所)、タトゥクル(2か所)、ミトゥクル(3か所)と数える。
トゥクルドゥクル
所々。
- 用例
- トゥクルドゥクル イミクジン ワカラン ナイン(所々で意味が分からなくなる)。
トゥクルバレー
所払い。村八分。追放すること。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー トゥクルバレー ナインドー(悪いことをしたら追放されるよ)。
トゥシ
砥石。
- 用例
- ホーチャーヌ チリラングトゥ トゥシシ トゥゲー(包丁が切れないから、砥石で研いでね)。
- メモ
- 音1:トゥイシ。→アラトゥ。
トゥシ
年。
- 用例
- イャー トゥシェー イクチェー ナタガ?(貴方は年は幾つになったねぇ?)。
イャーヤ ムル トゥシェー トゥランヤー(君はまったく年をとらないね)。
トゥシ
年会。年に何回かある集まりのこと。
- 用例
- トゥシヤ ワシリラングトゥニ イキワル ナイル(年会は、忘れないように行かなくちゃいけない)。
トゥジ
妻。
- 用例
- クチビカーン カナイシヤカ ヘーク トゥジ トゥメーレー(口答えばかりするより、早く妻を探しなさい)。
- メモ
- 音:トゥギ。
ドゥシ
同士。友人。
- 用例
- ユックイネー ヘーク ケーティ クーランネー、ドゥシトゥ アシビフリティカラヤー(暗くなったら早く帰って来ないと、友達と遊びほうけたらいけないよ)。
- メモ
- 類:ルシ。
トゥシー
年寄り。
- 用例
- トゥシーガ イーシェー チャー チムンカイ スミトーキヨー(年寄りが言うことは、いつも心に染めておきなさい)。
- メモ
- 類:ウトゥスイ・ウトゥスユイ・トゥシイー・トゥシユイ・トゥスイ。
トゥシイー
年寄り。
- 用例
- トゥシイー ウンチケーセーワ(お年寄りをお連れしなさい)。
- メモ
- 類:ウトゥスイ・ウトゥスユイ・トゥシー・トゥシユイ・トゥスイ。
トゥシーンチャー
年寄りたち。
- 用例
- マタ ウヌ トゥシーンチャーヤ ヤッ(また、その年寄りたちはね)。
- メモ
- 音:トゥスイヌチャー。「姨捨山」『高志保の民話』より。
トゥシウットゥ
年下。
- メモ
- 類:ウットゥ・トゥシンチャ。
トゥジカタ
妻側の親戚。
- 用例
- スージネー トゥジカタン ウホーク アビーン(お祝いには妻の親戚縁者も大勢招待する)。
- メモ
- 類:ヰナグヌカタ。対:ヲゥトゥ方・ヰキガヌカタ(夫側の親戚)
トゥジカタ
妻側の親戚。
- 用例
- スージネー トゥジカタン ウホーク アビーン(お祝いには妻の親戚縁者も大勢招待する)。
- メモ
- 類:ヰナグヌカタ。対:ヲゥトゥ方・ヰキガヌカタ(夫側の親戚)
トゥジクーイ
嫁乞い。
- 用例
- トゥジクーイヤ ドゥシンチャー ソーティ イチュタン(嫁乞いは友達を連れて行った)。
- メモ
- 音2:ユミクーイ。
男性がある女性を気にいると、最初に自分の親の相談する。親の了解が得られると、数人で女性の家に行き結婚を申し込んだ。
ドゥシクェーガートゥイ
人の彼氏を奪い取る人。
トゥシグル
年頃。
- 用例
- トゥシグル ヤルムン、イフェー ハジカサン ワカリワル ヤル(年頃なんだから、少しは恥じらいも分からなくちゃいけないよ)。
トゥシシージャ
年上。
- 用例
- アレー ワンヤカ ユカイ トゥシシージャドー(彼は私よりかなり年上だよ)。
- メモ
- →シージャ。
トゥシシチャ
年下。
- メモ
- 類:ウットゥ・トゥシウットゥ。
トゥジックヮ
妻子。
- 用例
- モーキティ トゥジックヮンカイ ムン カマサントー ナラン(儲けて妻子を食べさせないといけない)。
トゥシトゥイウブク
年の晩に神仏に供える御仏供〔おぶく〕。御仏飯〔おぶっぱん〕。
- 用例
- トゥシヌユールネー、トゥシトゥイウブク ウサギーン(年の晩には、神仏に御仏供を供える)。
- メモ
- 小さな茶わんに円錐形に盛って供える。
トゥシトゥイジシ
年越し肉。大晦日に戸主が大きく切った豚肉。大晦日に食する大きく切られた肉。
- 用例
- トゥシトゥイジシン チャワキンカイ イリレー(トゥシトゥイジシも茶請けに入れなさい)。
- メモ
- →マルチャジシ。
トゥシトゥイチャワキ
年越し茶請け。大晦日に供える茶請け。
- 用例
- トゥシトゥイチャワキン ヘーク ウサギレー(トゥシトゥイチャワキも早く供えなさい)。
- メモ
- 年の晩に夕食を終えた後に、トゥシトゥイチャワキということで大きめに切った肉や山芋、昆布などの茶請けを準備した。
トゥシトゥイユーバン
年越し夕飯。
- メモ
- 年越しの夕飯は皆一緒に食する。寝てしまった子どもには、「トゥシトゥイユーバンだよ」とその頭に載せた。
トゥシトゥインム
年越し芋。
- メモ
- 農具にヒラシチヌンバイ(大晦日に供えるご飯)と生の甘藷を供えた。その甘藷のことをいった。
トゥジナサガサー
妻をないがしろにする人。妻の悪口ばかりを言いふらすような人。
- 用例
- トゥナイヌ スーヤ、イッペーヌ トゥジナサガサーヤン(隣のお父さんは、非常に妻をないがしろにする人だ)。
トゥシヌクー
年の功。
- 用例
- トゥシヌクーディチ ンカシヌ クトゥバヤ ムルカランドー(年の功といって、昔の言葉には背けないよ)。
ドゥシヌチャー
友達。
- メモ
- 類:ルシンチャー。
トゥシヌミグイ
その年が生まれた年と一緒。
トゥシヌユール
年の夜。大晦日。
- メモ
- 音:トゥシヌユール。
大晦日には、主が大きく切った豚肉を、家族全員で食べて年越しした。鍬などの農具を屋内の一か所に集めて、花米やミカンなどを供えて拝んだ。仏壇には赤黄白の紙を3枚ずつ重ねて飾り、穴の開いた銭で押さえておいた。赤紙は火の神にも供えた。また、門松を作って飾った。門松には松と竹、炭と昆布、からし菜の花や大根の花を飾った。鼠にも年越ししなさいといって、天井などに食べ物を置いた。字長浜では、年の夜を過ごした後に人の家へ行くと2回年を取ることになるから行ってはいけないといっていた。
トゥシヌユールー
年の夜。大晦日。
- 用例
- トゥシヌユールーネー クェーヒーランカイ トゥシ トゥラスタン(大晦日の夜には鍬やヘラにも年を取らせた)。
- メモ
- 音:トゥシヌユール。
トゥシヌユールーグヮー
1日早い奉公人の大晦日。
- メモ
- 大晦日は忙しくなるからと、首里勤めをしている者が1日早く家族と一緒に年越ししたのが始まり。古堅でも奉公人には、1日前に家族と過ごさせ、当日は奉公先に戻した。
トゥシビー
年日。生年。生まれ年。
- 用例
- ヤーノー トゥシビー デームン マギ スージ サーヤー(来年は生まれ年だから、大きなお祝いをしようね)。
- メモ
- 音:トゥスビー。
その生まれ年を祝うことにもいう。同じ干支の人は相手が年長であっても盃を受けてはいけないと言われていた。
トゥシビースーギ
生年祝い。
- 用例
- トゥシビースーギネー アサウグヮヌン ウサギーン(生年祝いには朝御願も供える)。
- メモ
- 類:トゥシビースージ・トゥシビーユーエー。
その年の干支に合わせて、12年毎にめぐりくる年の生まれの人を祝う。生年祝いには当日早朝、火の神、仏壇の順にお祝いの報告をして健康祈願をした。
トゥシビースージ
生年祝い。
- 用例
- トゥシビースージネー クヮッチーン ダテーン スガインドー(生年祝いには御馳走もたくさん作るよ)。
- メモ
- 類:トゥシビースーギ・トゥシビーユーエー。トゥシビースーギ参照。
トゥシビーユーエー
生年祝い。
- 用例
- クンドー イェーカンチャーンカイ トゥシビーユーエー マンドータン(今年は親戚に生年祝いを迎える人が多かった)。
- メモ
- 類:トゥシビースーギ・トゥシビースージ。トゥシビースーギ参照。
ドゥシビレー
友達付き合い。
- 用例
- イナカヲゥテー ドゥシビレーン サントー ユーヤ イカンドー(田舎では友達付き合いもしないとうまくいかないよ)。
トゥジフカスン
研ぎ澄ます。
- 用例
- イラナ トゥジフカサーニ(鎌を研ぎ澄ませて)。
トゥジマユン
まとまる。成立する。完成する。
- 用例
- ウレー トゥジマラン(それは解決しない)。
イッチン トゥジマラン(完成しない)。否:トゥジマラン。
- メモ
- 類:トゥジュマイン。
トゥジミーン
仕上げる。まとめる。
- メモ
- 音:トゥジュミーン。
ドゥシムチリ
友達と親しくなって他を顧みないこと。
- 用例
- ドゥシムチリ シ、ティーチン シクチンカイ ニンヌ ネーン ジャーフェー ヤサ(友達と遊んでばかりで、ちっとも仕事に集中できず厄介だ)。
トゥジャ
銛。
- 用例
- ミー トゥジャ ナトール(目が銛のように鋭くなっている)。
トゥジャクボー
荷物を担ぐ木製の棒。
- 用例
- ニムチ カタミーヌ ボーンカイ トゥジャクボーディ イータン(荷物を担ぐ棒にトゥジャク棒といっていた)。
- メモ
- →カイボー。
トゥシユイ
年寄り。
- 用例
- トゥシユイカラ イースンカイ ヰシレー(年寄りから椅子に座らせなさい)。
- メモ
- 類:ウトゥスイ・ウトゥスユイ・トゥシユイ・トゥシユイ・トゥスイ。
トゥジュマイン
まとまる。成立する。完成する。
- 用例
- ハシェー トゥジュマインドー(橋は完成するよ)。
否:トゥジュマラン(完成しない)。過:トゥジュマタン(完成した)。継:トゥジュマトーン(完成している)。
- メモ
- 音:トゥジマユン。
トゥジュミーン
仕事を成し遂げる。やり終える。
- 用例
- トゥシジマイネー シクチ トゥジュミーン(年末までには仕事をやり終える)。
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