![しまくとぅば単語帳](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/themes/original-ver02/src/images/simakotoba-main.jpg)
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- しまくとぅば単語帳:アイウエオ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
アー
粟。
- メモ
- 音1:アワ。
粘り気の少ない粳粟〔うるあわ〕と粘り気の多い糯粟〔もちあわ〕の2種類があり、混ぜご飯や餅を作った。
アー
ああ。物事に対して何かを感じたときに発する語。
- 用例
- アー、アンル ヤティナー(ああ、そうだったのか)。
アー
泡。あぶく。
- 用例
- アーガ ブクナイ フチョーン(泡がブクブク吹いている)。
- メモ
- 音2:アーブク。類:アブクー・アブカー。
アーアー
ああああ。喘いでいる様。気持ちにゆとりがなく、辛い状態。
- 用例
- ワランチャー スダティーンディ、アーアー ソーン(子どもたちを育てるって、喘いでいる)。
アーイナー
ああ。失敗したり、まずいことをした時に発する語。
アーイヤッカイ
それ大変だ。他人の失敗などを冷やかしたりする時に発する語。
- メモ
- 類:ウリヒャックヮイ。
アーキー
再会の場面。もとは感動詞で、三線音楽の「東江節」を呼称するときに用いられた。その語が名詞に転じたもの。
- 用例
- シバヤヲゥティ ウヤックヮガ アーキー スシェー ミグトゥ ヤタン(芝居で親子が再会する場面は見事だった)。
- メモ
- アーキーの東江節は、芝居などで親子や兄弟が再会し、感情が高ぶる場面で使われることが多い。
アーギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アーゲ
もう。
- 用例
- アーゲ、マタン ハジマトーセー(もう、またも始まったよ)。
アーケージュー
トンボの総称。
![アーケージュー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00010.jpg)
- 用例
- ウッサヌ アーケージューヌ アチマティ チョールヤー(たくさんのトンボが集まってきているね)。
- メモ
- アーケージューがたくさん飛び交うのは、暴風の予兆といわれた。
アーケージューグサ
植物名。クマツヅラ。野原に自生する多年草。
- メモ
- 葉の形状がトンボに似ていることから付いた名前か。腹痛にはその煎じ汁を飲んだ。
アーゲーナー
もう。
アーサ
あおさ。ヒトエグサ。近海で採れる緑藻〔りょくそう〕。
- 用例
- クンドゥヌ アーサヤ イークェー ナインドー(今年のアーサは良い肥料になるよ)。
ハマウイネー アーサ トゥイガ ゥンジャン(浜下りにはアーサを採りに行った)。
- メモ
- 乾燥させて汁物に入れるのが一般的な調理法。和名の「アオサ」とは異なる。海藻(緑藻・褐藻・紅藻)は食用だが、海草は畑の肥料等として使われ、食用と区別した。
アーサジル
アーサ汁。ヒトエグサと島豆腐を使った汁物。
- 用例
- アーサジルンカイヤ トーフン イリーンドー(アーサ汁には豆腐も入れるよ)。
- メモ
- 乾燥させたアーサと豆腐を入れ、薄い醤油味や味噌仕立てにしたもので、家庭料理として親しまれている。
アーサムーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アンスカナー、アーサムーサ ナチ トゥラチェール(こんなにまで、めちゃくちゃにしてくれたね!)。
- メモ
- 音1:アーサモーサ。類:アジャマークジャマー。
アーサモーサ
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- アーサモーサ ナティ、ヌール ナトーラー ワカラン (めちゃくちゃになって、どうなっているのか分からない)。
- メモ
- →音1:アーサムーサ。
アーシ
地名(沖縄市泡瀬)。
アーシー
間食。午後3時のおやつ。
- 用例
- ヤーク ナトーシガ、アーシーヤ ナーマル ヤリー(腹がへったが、3時のおやつはまだねぇ)。
- メモ
- 音1:アシー。類:サンジヂャー・ヒルマムン。
楚辺では農繁期には粟雑炊や黍雑炊、ラッキョウの漬物やユーヌク(麦こがし)等が出された。
アーシームーチー
盆の中日14日の午後に、仏壇へ供える団子。
- 用例
- サンジ ナトールムン、アーシームーチーン ヘーク ウサギレーワ(3時になっているのに、アーシームーチーも早く供えなさい)。
- メモ
- 音2:アシーダーグ。
アーシギン
袷の着物。
- 用例
- ワンネー アーシギン ニンメー ムッチョーン(私は袷の着物を2枚持っている)。
- メモ
- 音1:アーシヂン。
アーシヂン
袷の着物。
- 用例
- アンマーヤ アーシヂン チチ、マーカイ ハイガヤー(お母さんは袷の着物を着て、どこに行くのかねぇ)。
- メモ
- 音1:アーシギン。
アースン
合わせる。
- 用例
- チンガ シアガトーグトゥ、アチャー アースンディ(着物が仕上がっているから、明日合わせるそうだ)。
否:アーサン(合わせない)希:アーシーブサン(合わせたい)過:アーチャン(合わせた)継:アーチョーン(合わせている)。
アースン(~アースン)
~し遂げる。~し終える。
- 用例
- ナマヌグトゥシェー シーアーシー サンデー(今のやり方では終われないよ)。
ヒンギアースン(逃げおおす)。
アータ
①両生類。カエルの総称。②は虫類。キノボリトカゲ。③アータにグヮーをつけて軽蔑して呼ぶときにも使った。
![アータ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00024.jpg)
- 用例
- ①アータ イクチン トゥッカチミタン(アオガエルを何匹も取っ捕まえた)。③ヤナヤー アータグヮー(いやな奴)。
- メモ
- ①類:アタビー・アタビカー・アタビコー。
②類:アタカー・ウヮータ・カンジャー・キーマー・キーマーユー・キーマーラー・クースークェー・コーレーグースークェー・シゴーアタカー・ソーガークェー・チジロークェー・マースクェー・マーター・マータク・マータクヤー・マータクラー・ヤマータ・ヤマアータ。
アータ ナイン
疲れてぐったりする。
- 用例
- アータ ナティ ニンジクローン(疲れ果てて寝入っている)。
アータバイ
がに股歩き。よたよた歩き。
- 用例
- アバーヤ アータバイ ッシ アッチ ハイタン(姉さんは疲れ果てた足取りで歩いて行った)。アッチハジミ ナティ アータバイ ッシ アッチョーン(歩き始めでよたよた歩きをしている)。
- メモ
- 歩き方がキノボリトカゲに似ていることに由来する。疲れた時の歩き方や、幼児のよたよた歩きを表すにも用いる。
アーッサ
もう。納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- アーッサ!アン ソール シーヨーン アンナー(はぁー!そんなやり方ってもあるの)。
アーッサビヨー
もう、本当に。あれ、まあ。
アーッサヨー
もう。もう、本当に。あれ、まあ。納得いかない時、非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- アーッサヨー、デージ ヤタンドー(もう、大変だったよ)。
アーティンプー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- イャーヤ イチグ、アーティンプームヌイー ッシ(お前はいつも、あてずっぽうな物の言い方をして)。
- メモ
- 音2:アーラッパー・アーランカー。
アートー
ああ、もう。
アーハー
ああ、なるほど。理解した時に発する語。
アーハーハー
ああ、なるほど。
アーバサーバ
余計な口出しをする様。
- 用例
- チュヌ クトゥカイ アーバサーバ サンキヨー(他人の事に余計な口出しはするなよ)。アーバサーバ ムン ユムン(余計な噂話をする)。
アーヒャー
ああ、もう。投げやりになったり、否定する時に発する語。
- 用例
- アーヒャー ヲゥタティ ウッチャンナギレー(ああもう 疲れたほっとけ)。
アーヒャー アネー アランタルムン(ああもう、そうではないのに)。
アービヨイ
ええっ。あら。
アービヨー
ええっ。驚いた時に発する語。
アーファ
魚介名。アンコウ。
- 用例
- アーファヌシル ウサガミソーレー(アンコウの汁を召し上がってください)。
アーブク
泡。あぶく。
- 用例
- アーブクヌ タッチョーン(泡が立っている)。
- メモ
- 音1:アブクー。→アー。
アーマークー
昆虫名。アメンボ。
![アーマークー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00040.jpg)
- メモ
- 音1:アーマーコー・アーメークー。類:アーミンボー・アーメーバー・アーメンボー・アメージャー・イチカマドー・カーカマロー・カーガニモー・カーガリモー・カーラマカラー・ターガニモー・タージョージョー・トゥヌジャー・トントンミー。
アーマーコー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーマン
甲殻類。ヤドカリ。
![アーマン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00041.jpg)
- 用例
- ハーマヌ アーマンヌ マンドーシヨー(浜辺のヤドカリの多いことよ)。
- メモ
- 音1:アマン。
アーマンチュー
創造神の呼称。天の人。
- メモ
- 音1:アマンチュー。世の中の様子を見に天から下りてきた神。高志保では最初に国頭に下りてきたとの伝承がある。
アーミックヮー
両生類。オタマジャクシ。
![アーミックヮー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00043.jpg)
- 用例
- アーミックヮー スクレー(おたまじゃくしを掬〔すく〕え)。
- メモ
- 音1:アーミヌックヮー・アミックヮー・アミヌックヮー。音2:アーミナクー・アミヌックヮグヮー・アミヌミーックヮ。類:アタビーングヮ・アミジャー・アミダカーアミナー。
アーミナクー
両生類。オタマジャクシ。
![アーミナクー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00044.jpg)
- 用例
- アーミナクーガ ダテーン シリトンドー(おたまじゃくしがたくさん孵っているよ)。
- メモ
- →アーミックヮー。
アーミヌックヮ
両生類。オタマジャクシ。
![アーミヌックヮ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00046.jpg)
- メモ
- 音1:アーミックヮー・アミヌックヮー。→アーミックヮー。
アーミンボー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーメークー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーメージャー
節足動物。ヤスデ。
- 用例
- アーメージャーガ マンドーグトゥ ヘーク トゥティ ドゥキレー(ヤスデが多いから早く取り除きなさい)。
- メモ
- 類:アマダイムシ・アミダムシ・ヤンバラームシ・ヤンバルムシ・アマデームシ。
アーメーバー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーメンボー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アーモーモー
壊して使えない様。
- 用例
- アンスカナー アーモーモー ナチェーサヤー(あんなにまで壊してくれたな)。
アーラッパー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- アーラッパーシーヨー シェー ナランドー(いい加減なやりかたではいけないよ)。
- メモ
- →アーティンプー。
アーラミーバイ
魚介名。ヤイトハタ。
アーランカー
あてずっぽう。いい加減なこと。
- 用例
- アレー ユカイ アーランカードー(彼はかなりいい加減な奴だよ)。
- メモ
- →アーティンプー。
アイ
あら。おっと。
- 用例
- アイ!イャー マーカイガ?(あら!君はどこにねぇ?)。
アイ バッペータン(おっと間違えた)。
アイエー
ああ。ええっ。ああもう。驚いたり、予想に反していた時などに発する語。
- メモ
- 類:アイエ・アイエーナー・アイエーヨー・アイエナー・アイエヨー。
アイエーナー
ええっ。ああもう。困った時に思わず発する語。
- 用例
- アイエーナー!イャーヤ ナー チャー スガ(あれまあ!お前はもうどうするのか)。
アイエーナー!デージ ナタン(ああもう!大変なことになった)。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーヨー・アイエナー・アイエヨー。
アイエーヨー
ああ。おいおいと嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
- 用例
- アイエーヨー、アイエーヨー、ワン チュイ ヌクチ、 チャー スガヤー(ああ、ああ、私一人残して、どうしよう)。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエナー・アイエヨー。
アイエナー
ええっ。ああ。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエーヨー・アイエヨー。
予想に反していた時に発する語。
アイエヨー
ああ。嘆き悲しんだり、苦しい時に発する語。
- メモ
- 類:アイエー・アイエーナー・アイエーヨー・アイエナー。
アイク
漁法名。川で行う網代〔あじろ〕漁法。
- メモ
- 川の流れにそって漏斗状に編んだ竹を入れ、下流の出口に置いた籠〔かご〕に入ってくる蟹〔かに〕や鮒〔ふな〕を捕った。
アイクバーキ
漁具名。竹で編んだ網代籠。
- メモ
- 音2:アニク。
籠の口は漏斗状になっていて入り込んだ獲物が出られないようになっている。それを川の流れに沿って設置し、そこまで石などを積み、エビや蟹などを誘い込めるようにした。字伊良皆ではアイクバーキを設置して田蟹や鮒、蟹などを捕った。川の竹で囲うのをヒシクミアイク、川の中に打ち込むのをウチクミアイクといった。
アイコー
昆虫類。蟻。
- 用例
- ナーヌ アイコーヌ マンドーシヨー(庭の蟻の多いことよ)。
- メモ
- 類:アナー。
アイコーカタ
蟻が歩いたような形跡。まだら模様。
- 用例
- ルク アシ ハティ、アイコーカタ イッチョーン(余りにも汗をかいたので、汗染みができている)。
- メモ
- 服に汗染みが残っている様にもいう。
アイター
あ痛。痛い。痛い時に発する語。
- 用例
- アイター!ヤムグトゥ サーランケー(あいたた!痛いから触るな)。
- メモ
- 類:アガー。
アイターヨー
痛いよ。痛い時に発する語。
- メモ
- 音2:アガヨー。
アイナー
あれまあ。ああ。
- 用例
- アイナー、チャーン ネービランタガヤー(あれまあ、大丈夫でしたかね)。
アイナー ワシトータン(あれまあ、忘れていた)。
アイネーン
あり合わせ。
- 用例
- チューヌ ユーバノー アイネーンッシ シムサ(今日の夕飯はあり合わせの物でいいよ)。
アイムンネーンムン
ある物ない物。ありったけ。すべて。
- 用例
- アイムンネーンムン ムル ムタシェー(ありったけすべて持たせなさい)。
アイムンネームン ウムトールクトー ムル アビレーワ(すべて、思っていることは吐き出しなさい)。
アイヤー
ああ。あら。あれ。おっと。思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
- メモ
- 音:アイヤ。
アイヤナー
ああもう。思いもよらない場面に遭遇〔そうぐう〕した時に発する語。
- メモ
- 音:アイヤナ。
アイヨー
ええっ。あれっ。
- 用例
- アイヨー! アネー アランタルムン(あれっ!そういうはずじゃなかったのに)。
アイヨーアイヨー
おいおいと泣く様。
- メモ
- かつては葬式の時、泣女が「アイヨーアイヨー」「アイエナーアイエナー」と泣いていた。
アカ
身体や衣服の汚れ。垢。
- 用例
- チンヌ アカ ウトゥシェー(着物の汚れを落としなさい)。
アカ~
まったく。本当に。
- 用例
- アカヤナワラビヤ、ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ!(まったく嫌な子は、そこで何をしているのか!)。
アカー
赤。赤いもの。
- 用例
- ウヌ アカー ソーシェー ワームン ヤサ(あの赤くしているのは私のだよ)。
アカーグヮードゥ ヤイビールイ(赤いものですか)。
アガー
あ痛。痛い。痛い時に発する語。
- 用例
- アガー!ヒサ クンピランケー(あいたた!足を踏むな)。
- メモ
- →アイター。
アカアカートゥ
赤々と。
- 用例
- ヤマヌ アカアカートゥ メートーン(山が赤々と燃えている)。
アカーヌバン
能率が上がらない。捗らない。
- 用例
- アン ソール シーヨーシェー、イチマディ タッチン アカーヌバンサ(そんなやり方では、いつまで経ってもうまくいかないよ)。
- メモ
- 対:ハカドゥイン・ハバチュン(捗る)。
アカイ
障子。
- 用例
- アヌ アカイ アキティ ナカ ンチンディ(あの障子を開けて中を見てごらん)。
- メモ
- 類:ソージ。
アガイウマチー
行事名。その年の最後の御祭。
- メモ
- 宇座では5月・8月のウマチー(稲穂の大祭)に山内・与久田門中のニッチュ(根人)・ニガン(根神)と部落当役が祭祀を行った。→ウマチー。
アガイスージ
上がり祝儀。入学祝い。
- メモ
- →音1:アガイスージー。
アガイスージー
上がり祝儀。入学祝い。
- 用例
- クンドー ゥンマガヌ アガイスージーガ アンドー(今年は孫の入学祝いがあるよ)。
- メモ
- 音1:アガイスージ。音2:フディカチミスージ。
喜名では旧2月の彼岸頃に行なわれた。
アガイスーブー
上がり勝負。進級式。進級祝い。
- 用例
- イャームン アガイスーブーネー マギスージ サーヤー(君の進級祝いには大きなお祝いをしようね)。
- メモ
- 戦前は、学力不振や家庭の事情から進級することができず、各学年で数名の落第生が出た。それで、無事に進級を祝うことをアガイスーブーといった。
優秀者には担任から褒美があったが、褒美をもらえるのはアガイスーブーの時だけなので、その日に休む者はいなかったという。
アガイティーダ
東から昇る太陽。朝日。
- 用例
- アガイティーダ ウガムン(朝日を拝む)。
- メモ
- 音1:アガイティーラ。対:サガイティーダ・サガイティーラ(夕日)。
東から昇る太陽は縁起が良いとされ、産児の胞衣の処理、命名、産着を着せる際に重視された。
アガイティーラ
東から昇る太陽。朝日。
- メモ
- →音1:アガイティーダ。
アガイナー
その年最後の闘牛大会。
- 用例
- アガイナーネー イッペー ハネーチュタン(最後の闘牛大会はとても賑わった)。
- メモ
- 楚辺では旧5月から9月までの農閑期を利用して、毎月1回闘牛が行われた。最後の旧9月9日にはアガイナーとしての闘牛が行われた。
アカイユー
魚介名。赤い魚の総称。イットウダイ属の総称。
- 用例
- アカイユー アギティ カムン(赤魚を揚げて食べる)。
アガイヱイサー
上がりエイサー。青年会を終える人たちが演ずるエイサー。
- メモ
- 楚辺ではヱイサーが演じられる旧盆の16日に、青年会を卒業する25歳の人たちがお互いの家を巡回して演じる。
アカイラブチャー
魚介名。アカブダイ。
アカイン
赤犬。
アガイン
①上がる。昇る。②終わる。上がる。
- 用例
- ①ティーダヤ アガリカラ アガイン(太陽は東から昇る)。
否:アガラン(上がらない)希:アガイブサン(上がりたい)過:アガタン(上がった)継:アガトーン(上がっている)。②チーヌ アガイン(乳が出なくなる)。マチヌ アガイン(市場が終わる)。
アカインコ
{あかいぬこ(赤犬子)}。歌三線の始祖で五穀豊穣の神。
- メモ
- →アカヌクーウグヮン。
アカインドゥー
赤豌豆。えんどう豆の種類。
- メモ
- 花実が赤く、1月頃に播種し、4、5月頃に収穫した。
アカウブク
{あかおぶく(赤御仏供)}。神仏に供える赤飯。
- メモ
- 比謝矼では、61歳の祝いに小豆ご飯を小さな茶碗に円錐状に盛って、火の神に供えた。
アカガーラー
赤瓦。
- 用例
- チカグロー アカガーラーチュクヤーン イキラク ナティヤー(近頃は赤瓦職人も少なくなったね)。
アカガイ
明かり。明るい所。
- 用例
- アヌ アカガイヤ マー ナトーガヤー(あの明るい所はどこなのかな)。
- メモ
- 音2:アカガイミー・アカサンミー。対:クラガイ・クラガイミー・クラシン(暗い所)。
アカガイミー
明るい所。
- 用例
- ユルナーヤ アカガイミー カラル ケーティチュールヨー(夜は明るい所から帰ってくるんだよ)。
- メモ
- →アカガイ。
アカガイン
明るくなる。
- 用例
- ヤガテー ユー アキティ アカガインドー(やがて夜が明けて明るくなるよ)。
過:アカガタン(明るくなった)継:アカガトーン(明るくなっている)。
アカガシチー
小豆を入れたおこわ。
- メモ
- 旧8月は一般に悪霊が多い時期と信じられ、それらを払うために家の周囲にシバ(柴)を差して、アカガシチーを供えた。
アカカビ
{あかがみ(赤紙)}。正月に仏壇や火の神に飾る赤い紙。
- メモ
- 正月にはアカカビと木炭3個を昆布で巻いたものと塩や火の神や仏壇に飾った。
アカガヤー
魚介名。蟹の種類。
アカガラスン
明るくする。
- 用例
- テービーシ アカガラスン(松明で明るくする)。否:アカガラサン(明るくしない)希:アカガラシーブサン(明るくしたい)過:アカガラチャン(明るくした)継:アカガラチョーン(明るくしている)。
アガカランアガキ
無駄な足掻〔あが〕き。
- 用例
- アガカランアガキ サンテーン、 チャーン ナランサ(どんなに足掻いても、どうしようもないよ)。
- メモ
- 音1:アガカランアガチ。
アガカランアガチ
無駄な足掻〔あが〕き。
- 用例
- ヒンスーヤ チャー ヒンスール ヤンムンヌ、アガカランアガチ シ(貧乏はいつまでたっても貧乏なのに、そんなに足掻いて!)。
アガカランアガチ、トゥイヌアガチ(どんなに足掻いても、鶏が足掻くようにちっとも良くならない)。
- メモ
- 音1:アガカランアガキ。
アカガンター
赤髪。赤毛が伸びている様。
- 用例
- アマンカイ ヲゥヌ アカガンター ワラビ ヤサ(あそこにいる赤毛の子どもだよ)。
- メモ
- 音2:アカブー・アカブサー・アカブシ。
アカギ
赤木。トウダイグサ科の常緑高木。
- 用例
- アカギヤ イルガ アカー ソーグトゥ アン イラットーンディ(赤木は色が赤いことからそう言われているそうだ)。
- メモ
- 樹皮が赤味を帯び、樹液が赤いことから名前が付いた。拝所近くに多く、現在では公園などに植栽されている。
アカギンジュー
トンボの一種。
アカグー
食紅。
![アカグー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00114.jpg)
アカグチャファ
皮膚病の一種。たむし。
アガクン
足掻く。働く。頑張る。精を出す。
- 用例
- ナーヒン アガクンナー(もっと頑張るのか)。
- メモ
- 音1:アガチュン。
アカコージメー
{あかこうじまい〔赤麹米 )}。赤飯。
- メモ
- 赤麹で着色したご飯で、祝いの膳に出た。
アカサビ
赤錆。
アカサン
赤い。
- 用例
- ウヌ イルヤ イッペー アカサン(この色はとても赤い)。
- メモ
- 音1:アカハン。
アカサン
明るい。
- 用例
- ナマ ヌミーガ イチュシェー アカサンデー(今飲みに行くには明るいよ)。
- メモ
- 対:クラサン(暗い)。
アカサンミー
明るい所。
- 用例
- クヮックィランヨークー、アカサンミーカイ ゥンジティ クーワ(隠れていないで、明るい所に出てきなさい)。
- メモ
- →アカガイ。
アカジナアヤー
オキナワシャリンバイで染めた濃褐色の縞模様。
- メモ
- 音1:アカズミアヤー。
アカシヌシー
地名。渡具知の海浜地名。
- メモ
- 港の入り口近くにある岩で、アカシグヮーともいう。アカシヌシーでは、干満に関係なく魚が捕れたという。
アカジン
魚介名。スジアラ。
- メモ
- 音2:アカジンミーバイ。
アカは魚の色。赤い着物の意味のアカヂンか、金になるとの意味合いでのジン(銭)か。
アカジンミーバイ
魚介名。スジアラ。
- メモ
- →アカジン。
アカスビ
魚介名。マグロの一種。
アカズミ
赤染め。染色のひとつ。茶褐色。
- メモ
- 主に芭蕉布をティカチャー(オキナワシャリンバイ)の樹皮や根っこを染料にして染めた。
アカズミアヤー
オキナワシャリンバイで染めた濃褐色の縞模様。
- メモ
- 音1:アカジナアヤー。
アカズミイーチリー
オキナワシャリンバイ染めの絣。
アカスン
①離す。②剥がす〔はがす〕。
- 用例
- ①ウヤックヮ ウシムリニ アカスン(親子を無理矢理に離す)。
否:アカサン(離さない)希:アカシーブサン(離したい)過:アカチャン(離した)継:アカチョーン(離している)。対:ソーラスン(添わせる)。②ウシヌクスー アカシーネー マシェー アランドー(乳児の頭のかさぶたを剥がすと良くないよ)。否:アカサン(剥がさない)希:アカシーブサン(剥がしたい)過:アカチャン(剥がした)継:アカチョーン(剥がしている)。
- メモ
- ②類:ハガスン。
アカスン
①明かす。夜を明かす。②明かす。物事を明らかにする。
- 用例
- ①チューヤ ナー ヤーカイヤ ケーラン ゥンマヲゥティ ユー アカスンテー(今日はもう家には帰らないでそこで夜を明かすさあ)。
否:アカサン(明かさない)希:アカシーブサン(明かしたい)過:アカチャン(明かした)継:アカチョーン(明かしている)。
②シワグトゥヌ アラー、ムンシリヲゥティ アカスンテー(心配事があるなら、物知りの所で明らかにしてもらうさ)。
否:アカサン(明らかにしない)希:アカシーブサン(明らかにしたい)過:アカチャン(明らかにした)継:アカチョーン(明らかにしている)。
アガタ
あちら。向こう。
- 用例
- アガタナーリー マーレー(あちら側へ回りなさい)。
アガター
私たち。我々。
- 用例
- アガター ヤーニンジョー マーンカイ トゥマイガヤー(私たちの家族はどこに泊まるのかな)。
- メモ
- 音1:イガター・ヰガタ・ンガター。音2:ドゥーナーター・ワッター。類:イガルー・ドゥーナー・ワンナー・ワッテー。
アカターザチ
地名。アカター崎。都屋の海浜地名。
![アカターザチ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00136.jpg)
- メモ
- 現在の都屋漁港内に海に向かってせり出した小さな岬があり、アカターザチと呼ばれている。アカターと呼ばれる白い鳥がこの岬に群れをなしたことに由来している。漁港整備で先端部の一部などは削られたが、それ以前は岬には原っぱがあり、漁に使う網干し場として利用されたため、アミフシモーと呼ばれた。戦前は美しい芝生が広がり、十五夜などには青年たちが集まって三線などを弾き遊ぶ憩いの場でもあった。松葉を焚きのろしを上げて県外へ行く船を見送るフナウクイもここで行われた。
アガタヌカー
地名。伊良皆の井泉の名称。
- メモ
- 「向こうの井泉」という意味の井泉。イーヌカーと水源が同じといわれるが、クムイ(溜池)のようであまり利用されなかった。石で囲み目印としていたという。
アガタムティー
あちら側。あそこの方。
- 用例
- アガタムティーカイ イチュタサ(あちら側に行ったよ)。
- メモ
- 音2:アマムティー・アマムティ。
アカチキ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチキナーリー ウキティ ハイタンデー(朝の早い時間に起きて行ったよ)。
- メモ
- 音1:アカチチ。音2:アカトゥンチ。
アカチキオーファングヮー
植物名。ウスベニニガナ。
- 用例
- アネッ アマンカイ ミートシガ アカチキオーファングヮー ヤサ(ほら、あそこに生えているのがウスベニニガナだよ)。
アカチキミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アネヒャー、ニーブイカーブイシ、アカチキミークファヤー カマーニ ヘーク ヒージャークサ カティ クーワ(こら、眠たそうにしないで、おめざでも食べて早く山羊の草を刈ってきなさい)。
- メモ
- 音1:アカチチミークファヤー。音2:ミークハヤー・ミークファヤー。類:アサマカネー。
アカチチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカチチナーリーヤ チュヌ ヤーカイヤ イカランサ(朝の早い時間には人の家には行けないよ)。
- メモ
- →アカチキ。
アカチチミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- アカチチミークファヤーディチ パーパーガ ゥンムニー シコーテーサ(おめざにお婆さんがゥンムニーを準備してあるよ)。
- メモ
- →アカチキミークファヤー。
アガチャー
足掻く人。働き者。頑張り屋。
- 用例
- アンシ アガチャー ヤル(あんなに働き者だね)。
- メモ
- 類:カナヤー・ハガナー・ハガニー・ハガニムン・ハタラカー・ハタラチャー・ハマヤー。対:アカヒチムン・ウフゲンナー・オーヒチムン・オーヒチャー・フユーナー・フユーナムン(怠け者)。
アガチュン
足掻く。働く。頑張る。精を出す。
- 用例
- チュヌ バイナー アガチュン(人の倍も頑張る)。
アガキワル カマリール(働けばこそ食っていける)。
否:アガカン(頑張らない)希:アガチーブサン(頑張りたい)過:アガチャン(頑張った)継:アガチョーン(頑張っている)。
- メモ
- 音1:アガクン。
アカヂラー
赤い顔。赤面。
- 用例
- ハジカサヌ、チュラーク アカヂラー ナティネーンサ(恥ずかしくて、すっかり顔が赤くなってしまったさ)。
- メモ
- 音2:アカンバチャー。
アガッタムン
赤い顔。赤面。
- 用例
- フユーナムンガ ゥンジトーティ、ジン モーキティ アガッタムン ヤサ(怠け者のくせに、お金を儲けて大れた奴だ)。
アガトゥー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- 用例
- アガトゥーンカイル イチュンナー(あんな遠い所に行くの?)。
- メモ
- 音1:アガトー。音2:アガトゥーナー。対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近く)。
アガトゥーナー
あの遠さ。ずっと遠い所を強調した言葉。
- 用例
- アガトゥーナーンカイル アティナー?(あんな遠い所にあったの?)。
- メモ
- →アガトゥー。
アカトゥンチ
暁。日の出前の仄に暗い時刻。明け方。
- 用例
- アカトゥンチナーリー ヌー サワジョーガ?(朝っぱらから何を騒いでいるの)。
- メモ
- →アカチキ。
アガトー
あの遠さ。ずっと遠い所。
- メモ
- →アガトゥー。
アカナバー
赤紫蘇。赤じそ。
- メモ
- 漬け物にするだけで調理はしなかった。
麻疹患者にアカナバーの煎じ汁を与えた。
アカヌクー
{あかいぬこ(赤犬子)}。楚辺の拝所の名称。
![アカヌクー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00154.jpg)
- メモ
- 歌と三線の始祖とされる赤犬子終焉の地を、楚辺ではアカヌクーと呼び、崇めている。
アカヌクーウグヮン
行事名。{あかいぬこおがん(赤犬子御願)}。
![アカヌクーウグヮン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00155.jpg)
- メモ
- 赤犬子は、楚辺の守り神で五穀豊穣の神ともされ、旧9月20日に赤犬子御願を行う。この時、五穀のゥンバン(米・粟・黍・小豆・唐黍を混ぜたご飯)を供える。戦前はムラヤー(現公民館)からアカヌクー(赤犬子宮)まで、ホラ貝や鉦、太鼓を打ち鳴らしながら練り歩いたが、道中参加した子どもたちには一切れの餅が配られた。
→アカヌクスーギ。
アカヌクウスメー
{あかいぬこうしゅまい(赤犬子御主前)}。赤犬子の尊称。
- メモ
- →アカインコ。
アカヌクーバル
{赤犬子原}。楚辺の小字。
アカヌクスーギ
{あかいぬこしゅうぎ(赤犬子祝儀)}。赤犬子祭。
![アカヌクスーギ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00158.jpg)
- 用例
- アカヌクスーギネー、ジムスカラ アカヌクーマディ スネーティ イクン(赤犬子祭には、公民館から赤犬子宮まで行列をつくって行く)。
- メモ
- この御願は現在も行われており、拝みを終えた後に、「かぎやで風」や「イリベーシ」などの踊りを奉納する。→アカヌクーウグヮン。
アガネー
節約。倹約。
- 用例
- ユー アガネー シーヨーヤー(ちゃんと節約しなさいよ)。
- メモ
- 対:ウヮーバヂケー(浪費)。
アガネーイン
節約する。
- 用例
- ユー アガネーティ ジノー チカリヨー(よく節約してお金は使いなさいよ)。継:アガネートーン(節約している)。
- メモ
- 類:クバメースン。対:チカイホーイン(使いっぱなし)。
アカバカマ
赤袴。
- メモ
- 女性教員は正月、天長節、紀元節には赤袴と呼んだえんじ色の袴に下駄の礼装であった。
アカバク
{あかばこ(赤箱)}。葬儀用具を収める箱。
- 用例
- ダビニ チカイル ドーグヤ アカバクンカイ ウサミテーサ(葬式に使う道具は赤箱に収めてあるよ)。
- メモ
- 龕の装飾品や葬列に使う天蓋・葬式旗等の葬儀用具を収めた赤い木箱のこと。
アカバクー
{あかばこ(赤箱)}。肉の行商人。
- 用例
- アカバクーガ チューンドー(肉の行商人が来るよ)。
- メモ
- 赤い箱に肉を入れて行商していたことから、そう呼ばれた。
アカハジ
赤っ恥。赤面するほどの恥ずかしさ。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ アカハジ カカチ(人前で赤っ恥をかかせて)。
アカハチマキ
{あかはちまき(赤□)}。赤い□〔はちまき〕。
- メモ
- □〔はちまき〕は王府時代の礼装時の冠に相当するもので、位階によって色が違った。
アカバチャー
昆虫名。スズメバチ。
- メモ
- 子どもが蜂を退治する山遊びの中で、大きくて強いアカバチャーの巣を壊した者は勇気があると一目置かれた。
アカバナー
仏桑花。ハイビスカス。
![アカバナー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00167.jpg)
- 用例
- アカバナーヌ ユー サチョーン(仏桑花がよく咲いている)。
- メモ
- 類:グソーバナ。
アカハン
赤い。
- メモ
- 音1:アカサン。
アカビー
赤い火。真っ赤な火。
- 用例
- アカビー ナルカ イシ ヤクン(真っ赤になるまで石を焼く)。
アカヒジー
稲の種類。芒〔のぎ〕が赤っぽい在来種の米。
- メモ
- →ヒジメー。
アカヒチムン
怠け者。無精者。
- 用例
- アカヒチムン ナテー ナランデー(怠け者になってはいけないよ)。
- メモ
- 音2:オーヒチムン・フユーナムン。類:ウフゲンナー・オーヒチャー・フユーナー。対:アガチャー・カナヤー・ハガナー・ハガニー・ハガニムン・ハタラカー・ハタラチャー・ハマヤー(働き者)。
アカブー
赤髪。茶髪。赤毛の人。
- 用例
- アンシ アカブー ヤル(とても髪の毛が赤いね)。
- メモ
- →アカガンター。
アカブサー
赤髪。茶髪。赤毛の人。
- 用例
- アヌ アカブサー ワラビ ヤサ(あの髪の毛が赤い子どもだよ)。
- メモ
- →アカガンター。
アカブシ
赤髪。茶髪。赤毛の人。
- 用例
- アカブシ ワラバー(赤毛の子ども)。
- メモ
- →アカガンター。
アカブックイ
赤みがかっていること。
アカフリムン
馬鹿なことをする者。
- 用例
- ヤナ アカフリムン(なんて馬鹿な奴)。
アカベー
皮膚病の一種。
- メモ
- 皮膚が赤くなるのでそういった。
アカマーミー
赤豆。小豆。
![アカマーミー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00180.jpg)
- 用例
- アカマーミー ニチェーンドー(小豆を炊いてあるよ)。
- メモ
- 類:アジチャー。
アカマーミーゴハン
小豆入りご飯。赤飯。
- 用例
- スージネー アカマーミーゴハン ニラヤー(お祝いには赤飯を炊こうね)。
- メモ
- 音2:アカメー。
アカマカー
アカマタ。夜行性で無毒の蛇。
- 用例
- ナー アカマカーヤ ヲゥランタンディ(もうアカマタはいなかったそうだ)。
- メモ
- 音1:アカマター。
カマンタ(鍋蓋)を伏せて置くと中でアカマタが孵化するといわれた。美男子に姿を変えたアカマタの子を宿した娘が、海水に浸って清められたことから、旧3月3日の浜下り行事が始まったという話が村内外で流布している。
アカマク
腕白。
- 用例
- ルク アカマク ナティ デージ ヤサ(余りにも腕白で大変だ)。
- メモ
- 音2:ウーマク・ウーマクー・シティマク・ハティマク・マク。類:チリハブ。
アカマター
アカマタ。夜行性で無毒の蛇。
- 用例
- アカマターンカイ ダマサットーン(アカマタに騙されている)。
- メモ
- 音1:アカマカー。
アカマチ
魚介名。ハマダイ。
- 用例
- アチャヤ スージデームン、アカマチ コーティ チャン(明日はお祝いだから、ハマダイを買ってきた)。
アカマッカーラ
真っ赤に。
- 用例
- トマトーヌ アカマッカーラ ソーシヨー(トマトが真っ赤なこと)。
- メモ
- 音2:マッカーラ・マッカーラー。
アカマッカーラー
真っ赤なもの。
- 用例
- アンシ、アカマッカーラー ヤルヤー(なんて、真っ赤なものなんでしょう)。
アカミー
卵黄。黄身。
- 用例
- シルミービカーン カリ、アカミーヤ ヌクチェーンデー(白身だけ食べて、黄身は残してあるよ)。
- メモ
- 音2:キーミー。対:シルミー(卵白)。
アカミー
赤眼。
- 用例
- ミーンカイ グミヌ イッチ、アカミー ソーン(目にゴミが入って、目が赤くなっている)。
アガミーン
崇める。
- 用例
- イクチ ナティン、ウヤー アガミリワル ナイル(幾つになっても、親は崇めないといけない)。アガミシェービリ(崇めてくださいませ)。
否:アガミラン(崇めない)希:アガミーブサン(崇めたい)過:アガミタン(崇めた)継:アガミトーン(崇めている)。
- メモ
- 「アガミシェービリ」は士族が用いていた言葉。対:ウシェーイン(馬鹿にする)。
アカミンタマー
地名(読谷村座喜味の喜名田原にある小地名)。
アカムサー
昆虫名。テントウムシの総称。
- 用例
- クンドー アカムサーガ ウーサンヤー(今年はテントウムシが多いね)。
アカムヤー
高志保の地名。
- メモ
- 沖縄戦後、避難先から字高志保の東原(アガリバル)の北側に、主に長浜区民が帰村したところ。そこは赤土の国頭マージにおおわれ小高い丘状になっており、赤い丘(ムイ)という意味でそう呼ばれた。読谷初等学校渡慶次分校もここに位置した。
アカムル
魚介名。フエフキの一種。
アカムン
赤くなる。熟する。
- 用例
- キンブヌ ヤガティ アカムン(ミカンがやがて熟する)。ルゲーティ ティー シリハジ、アカドーン(転んで手を擦りむいて、赤くなっている)。継:アカドーン(赤くなっている)。
アカメー
赤飯。
- メモ
- →アカマーミーゴハン。
アガヤーグヮー
大根の種類。浦添小湾から入ってきた小ぶりの大根。
- メモ
- 音2:クワンアガヤーグヮー。
アカユクシムニー
真っ赤な嘘。大嘘つき。
- 用例
- アカユクシムニーヤ、イャーガ イーシェー シンヨー ナラン(真っ赤な嘘つきめ、お前が言うのは信用できない)。
アガヨー
痛いよ。痛い時に発する語。
- メモ
- →アイターヨー。
アカラーグヮー
乳離れした子豚やウサギなど。
- メモ
- 類:アカラーウヮー・アカリーウヮー。
アカラーウヮー
乳離れした子豚。
- 用例
- アカラーウヮー イクチ ナチェーガ(子豚を何頭産んであるか)。
- メモ
- →アカラーグヮー。
アカラフタラ
きらびやかな様。
- 用例
- アカラフタラ イスガラチ ソーティ イチュタン(きれいに着せて連れて行った)。
- メモ
- 音1:アカルフタル。
アガリ
東。
- 用例
- アガリンカイ イチュタン(東に行った)。
- メモ
- 対:ニシ(北)。
アガリイーバル
{東上原}。楚辺の小字。
アカリーウヮー
乳離れした子豚。
- メモ
- →アカラーグヮー。
アカリーン
離れる。分かれる。家畜等の乳離れや幼鳥が巣立つこと。
- 用例
- ユークル フルイートーグトゥ、ヤガテー アカリーンテー(ほどよく大きくなっているから、やがて乳離れするよ)。
否:アカリラン(離れない)過:アカリタン(離れた)継:アカリトーン(離れている)。
- メモ
- 器物などが壊れて剥がれている状態や、くっついていた状態が分かれることにもいう。
アガリウガン
拝所名。東御願。楚辺の七御嶽のひとつ。
- メモ
- ウガンヒラー・アガリウタキともいう。雑木林に覆われた小高い丘の中にある。楚辺の守り神として拝まれ、戦時中は出征兵士の武運長久を祈願し拝んだ。戦前は石でできた祠があった。
アガリウマーイ
{あがりおまわり(東御廻り)}。島尻南部東側の旧知念村・玉城村を巡拝する門中行事。
- メモ
- 音1:アガリマーイ。
7年ごとに旧8月から10月頃にかけて行なわれる。
アガリカタ
東の方。東方面。
- 用例
- アレー アガリカタンチュル ヤンドー(彼は東方面の人だよ)。
アガリカミアサギグヮー
拝所名。楚辺集落東側にある拝所。
- メモ
- アガリカミアサギ・カミーアサギグヮー・アガリカミサギグヮー・ヌファカミアサギグヮーともいう。
昔は東がヌファ(禰覇)村、西がスビ(楚辺)村であったとの伝承がある。
アガリカミザ
東側に設けた一番座。
- メモ
- 音2:イリカミザ。類:イチバンザー・ウフグイ・イージャー。
東側に一番座を設けるのが一般的だが、地形によって西側に設ける場合もあった。床の間や仏壇が設けられ、日常は客間として使われたが、冠婚葬祭などには年配の男性が座す上座となった。
アガリクシバル
{東後原}。伊良皆の小字。
アカリクチ
引き剥がす糸口。
- 用例
- チャーサラー シニッチュトゥヌ アカリクチェー スガヤー(どうしたら死者の霊魂を引き離すことができるだろうか)。
ウヌ アカリクチェー マーガヤー(その剥がし口はどこかね)。
アガリグミ
東組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- 他にイリグミ・メーグミ・クシグミがある。
アガリサクバル
{東佐久原}。伊良皆の小字。
アガリサチバル
{東崎原}。宇座の小字。
アガリジャチミバル
{東座喜味原}。座喜味の小字。
アガリジョー
{あがりじょう(東門)}。波平集落の東側入り口にある広場の呼称。
![アガリジョー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00221.jpg)
- メモ
- 農閑期における豊年祈願や娯楽の場として使われ、アガリウフナー(東大庭)と呼ばれたという。そこに植えられた松やガジュマル(2002年沖縄県の銘木に認定)の下で、7月16日の棒術や八月十五夜アシビが盛大に催され、現在ではそこをアガリジョーと呼んでいる。
アガリスバー
東側。
- 用例
- ヤシチヌ アガリスバーンカイ、ヤシェー イーテータン(屋敷の東側に、野菜を植えてあった)。
アガリニンジュ
東の人たち。
- メモ
- 対:イリニンジュ(西の人たち)。
主として綱引きなどで集落全体を二分した際の東側の人たちのこと。渡慶次ではナカミチ(中道)を境にして、アガリニンジュ(東)が雄綱、イリニンジュ(西)が雌綱と分けた。アガリンダカリ・イリンダカリ、メーンダカリ・クシンダカリと分ける所もある。
アガリバル
{東原}。喜名、座喜味、伊良皆、上地、波平、高志保、宇座、瀬名波、長浜、楚辺、渡具知、大湾の小字。
アガリマーイ
{あがりまわり(東廻り)}。島尻南部東側の旧知念村・玉城村を巡拝する門中行事。
- 用例
- トゥーサグトゥ アガリマーイヤ メーニノー イチーサンタン(遠いので東御廻りは毎年は行けなかった)。
- メモ
- →アガリウマーイ。
アガリムティー
東側。東方。
- 用例
- ワランチャーヤ アガリムティーヲゥティ アシドーン(子どもたちは東側で遊んでいる)。
- メモ
- →アガリスバー。
アガリムティーバル
{東表原}。長浜の小字。
アガリムティチャンプルー
婚礼当日、東側の縁側で食した豆腐炒め。
- メモ
- 楚辺では豆腐を油で炒めたアガリムティチャンプルーを、提灯持ちなど参会者にふるまった。
アガリメーバル
{東前原}。楚辺の小字。
アガリンケー
東向き。
- 用例
- ハーメーヤ アガリンケー シ、ニントーン(おばあさんは東向きになって、寝ている)。
- メモ
- 対:イリンケー(西向き)。
アガリンダカリ
地名(字における区分)。東村渠。東組。
- メモ
- 対:イリンダカリ(西村渠・西組)。
主として綱引きなどで集落全体を二分する時の組の名。他に、イリンダカリ・メーンダカリ・クシンダカリという呼び名もある。
アカルヒル
白昼。真昼間。
- 用例
- アカルヒル ヤグトゥ、ハジカサヌ アッカラン(真っ昼間なので、恥ずかしくて歩けない)。
- メモ
- 類:マッピルマ。
アカルフタル
きらびやかな様。派手な様。
- 用例
- アカルフタル スガティ(派手に着飾って)。
- メモ
- 音1:アカラフタラ。
アカングヮ
赤子。赤ん坊。
![アカングヮ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00245.jpg)
- 用例
- ナマ、アカングヮ ニンシトーン(今、赤ん坊を寝かせている)。アカングヮンカイ ウヮーユー ヌマスン(赤子に重湯を飲ませる)。
- メモ
- 類:イーヨーグヮー・クガナーグヮー・ボージャー・ボーボー・ボーボーグヮー。
「アカングヮヤ、ミルクグヮチン ユチ フラスン(赤子は、6月の暑い時でも雪を降らせる)」外気に触れさせないよう、大切に育てなさいという意味の諺がある。
アカングヮーイユ
哺乳類。ジュゴン。
- 用例
- アカングヮーイユヤ ユー ンジーネー ウジラーハンドー(ジュゴンはよく見ると可愛いよ)。
アカンクヮーラ
色鮮やかで派手な様。赤々として豪華な様。
- 用例
- アカンクヮーラ シ ミーチラサヨー(赤々として眩しいことよ)。
アカンチャー
赤土。
- 用例
- アカンチャーブッター ッシ ヘーク チン ケーレー(赤土だらけで早く着替えなさい)。
- メモ
- 類:ンチャ・ンーチャ。石けん類がない頃はアカンチャーで洗髪した。
アカンナグヮー
魚介名。貝の種類。赤貝。
- メモ
- 赤貝か。
アカンバチャー
赤い顔。赤面。
- 用例
- チラー アカンバチャー ッシ ハイタン(顔を真っ赤にして行ってしまった)。
- メモ
- →アカヂラー。
アカンミー
赤い実。
- 用例
- ウッサ アカンミーヌ チチョール(あんなに赤い実がついているね)。
アカゥンマー
龕〔がん〕。棺を運ぶ朱塗りの輿。
![アカゥンマー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00100.jpg)
- 用例
- アカゥンマーガ トゥーティ ハイタン(龕が通って行った)。
- メモ
- 類:ガン・コー。
龕の周囲は僧や花などの仏画が描かれ、朱塗りなのでアカゥンマー(赤馬)と呼んでいた。野辺送りの際、遺骸の納まった棺箱を入れて4人で担ぎ、墓まで運んだ。7歳未満で亡くなった子は龕には入れずに抱いて運んだ。読谷では火葬が普及する昭和30年代まで使用していた。
アギ
陸。
- 用例
- カーミーガ アギンカイ アガティ チューン(亀が陸に上がってくる)。
アギンジ ウクリ(陸で葬りなさい)。
- メモ
- 音2:ジギ。対:ウミ(海)。
アキーン
開ける。
- 用例
- アチサグトゥ ハシル アキティ トゥラシェー(暑いから戸を開けてくれ)。
否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)過:アキタン(開けた)継:アキトーン(開けている)。
- メモ
- 対:ミチーン・クーイン・シミーン(閉じる)。
アキーン
空ける。空にする。
- 用例
- ヤー アキーン(家を空ける)・古。イッスビン アキーン(一升瓶を空にする)・木。
アキーン
夜が明ける。
- 用例
- イチバンドゥイヌ ナチーネー、ユー アキーンドー(一番鶏が鳴くと、夜が明けるよ)。
- メモ
- →アケーイン。
アギーン
①上げる。物を上に上げる。位を上げる。②楽器や声を上げる。③揚げる。④吐く。もどす。
- 用例
- ①ニムチ ウヮービンカイ アギーン(荷物を上に上げる)。シクチ ハマイネー、イーンカイ アギーサ(仕事を頑張ったら、昇格させるよ)。否:アギラン(上げない)希:アギーブサン(上げたい)過:アギタン(上げた)継:アギトーン(上げている)。
②ナー イヘー クィー アギレーワ(もう少し、声を上げなさい)。③ティンプラー アギーン(天ぷらを揚げる)。④アンマサヌ ムン ハカハカーッシ アギーン(具合が悪くてむかむかし、食べ物を吐く)。
否:アギラン(吐かない)希:アギーブサン(吐きたい)過:アギタン(吐いた)継:アギトーン(吐いている)。
- メモ
- 対:サギーン(下げる)。
アキガタ
明け方。
- 用例
- ワンガ ケーティ チーネー、アキガタ ナトータン(私が帰って来る時には、明け方になっていた)。
アギサギ
上げ下げ。
- 用例
- ニムチ アギサギ シーネー、キー チキリヨー(荷物を上げ下げするときは、気をつけなさいよ)。
アキサミヨー
ええっ。きゃあ。
- 用例
- アキサミヨー! チャー スガ(あれまあ!どうしようか)。
- メモ
- 類:アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
とても驚いたときや悲しいとき、助けを必要とするときなどに発する語。
アキサミヨーナー
ええっ。ああもう。
アギジェー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジェ! ヌグヮ アン ナトール?(あーぁ!なぜそういうふうになっているの?)。
- メモ
- アギジェともいう。
類:アキサミヨー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギジャバ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
アギジャビ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー・アギジャベ。
アギジャビヨイ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨイ!アン ソール クトゥン アル(あーぁ!そんなことってあるか)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨー・アギジャベ。
何かし損ねた時などに発する。
アギジャビヨー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャビヨー! デージ ナトーン(あれまあ!大変な事になった)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャベ。
びっくりした時、何かし損ねた時、予想に反した時などに発する語。また驚いた時や助けを必要とするときに発する叫び。
アギジャベ
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
- 用例
- アギジャベ アンル ナトーティナー?(あーぁ!そんなことになっていたのか)。
- メモ
- 類:アキサミヨー・アギジェー・アギジャバ・アギジャビ・アギジャビヨイ・アギジャビヨー。
何かし損ねた時、予想に反した時に発する語。
アギター
私たち。我々。
- 用例
- アギター ザキミンジェー(我々、座喜味では)。
- メモ
- 類:アガター・イガター・イギター・ゥンガター・ワッター・ワッテー。
アギドーフ
厚揚げ豆腐。
- 用例
- アヌ マチヤヌ アギドーフヤ、イッペー マーサン(あそこの店の厚揚げ豆腐は、とても美味しい)。
アギヌフリムン
陸の触れ者。女郎にうつつを抜かしている男のこと。
アキネー
商い。商売。
- 用例
- アヌ チョー アキネー ッシ モーキトーサ(あの人は商売で儲けているさ)。
- メモ
- 音1:アチネー。
アキバカ
空き墓。
- 用例
- ルクジューカラー、アキバカンカイ ソーティ イチュタンディ(60歳からは、空き墓に連れて行ったそうだ)。
アキハタキーン
開け肌蹴〔はだけ〕る。衣類が はだけている様。
- 用例
- チヌン アキハタキティ フージン ネーン(着物を肌蹴てみっともない)。否:アキハタキラン(開け肌蹴ない)希:アキハタキーブサン(開け肌蹴たい)過:アキハタキタン(開け肌蹴た)継:アキハタキチーン(開け肌蹴ている)。
アキハティジューグヮチ
{あきはてじゅうがつ(飽き果て十月)}。特に節供のない10月。
- 用例
- ジューグヮチェー アキハティジューグヮチディチ、シチベー ヌーン ネーンタン(10月はアキハティジューグヮチといって、行事は何もなかった)。
- メモ
- 音1:アチハティジューグヮチ。音2:カリジューガチ・サビジューガチ。
旧10月は1年の中でも行事がなく、御馳走もないつまらない月という意味で、飽き飽きする10月といわれた。
アキヒルギーン
開け広げる。
- 用例
- アチサグトゥ ハシル アキティトゥラシェー(暑いから戸を開けてくれる)。
否:アキヒルギラン(開け広げない)希:アキヒルギーブサン(開け広げたい)過:アキヒルギタン(開け広げた)継:アキヒルギトーン(開け広げている)。
- メモ
- 音2:アキフィラキーン・ワイアキーン。
対:クーイミチーン(閉め切る)。
アキフィラキーン
開け広げる。
- 用例
- ビントー アキフィラキティ ウチャン(弁当は開け広げておいた)。
- メモ
- →アキヒルギーン。
アギマースン
急かす。急き立てる。
- 用例
- ジカヌンカイ ウクリトーグトゥ アギマーチョーン(時間に遅れているから急かしている)。
否:アギマーサン(急かさない)希:アギマーシブサン(急かしたい)過:アギマーチャン(急かした)継:アギマーチョーン(急かしている)。
- メモ
- 音2:アワティラカスン。
アキマドゥシ
明くる年。新年。
- 用例
- アキマドゥシン ガンヂューサ アラチ クィミソーリ(明くる年も健康にしてください)。
- メモ
- 音2:ミードゥシ。大晦日の晩に1年の加護を感謝し、翌年の健康と繁栄を祈願した。
アキミックヮー
あき盲。目はあいているが見えない人。探し物が苦手な人にもいう。
- 用例
- アキミックヮーヤ、ミーヌメーンカイ アシン ミーランルアリー(あき盲め、目の前にあるのも見えないのか)。
- メモ
- 音1:アチミックヮー。
アギムン
揚げ物。
- 用例
- チューヌ ビントーヤ アギムンヌ ウーサル(今日の弁当は揚げ物が多い)。
アギヤー
漁法名。追い込み網漁。
アギヤーシンカ
追い込み網漁仲間。
アキヨ
あら。あれ。
- メモ
- 類:アッキヨ。
アギヨ
あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨイ
あらまあ。あれまあ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アギヨーナー
あれまあ。ああ、もう。
アギヨーナー
ええっ。ああもう。
アギンチュ
陸の人。陸育ち。
- 用例
- ワッター アギンチュ ヤクトゥ、ウミヌ クトー ワカラン(私たちは陸育ちだから、海のことはわからない)。
- メモ
- 対:ウミンチュ(漁師)。
アク
灰。
- 用例
- チナ ウヌママ メーチ、アク ナチ(綱をそのまま燃やして、灰にして)。
- メモ
- 類:カラフェー・カラヘー・フェー・ヘー。
沖縄に古くから伝わる民話のモーイ親方の話に、薩摩から琉球に「灰で縄を綯ってこい」という難題がある。「モーイ親方の難題」『古堅の民話』より。
アク
灰汁。
- メモ
- 藁灰や木灰を水に浸して上澄みをすくったアルカリ性の液で、洗濯や沖縄そばを作るのにも使われる。
アクー
悪。悪者。悪い行いをする者。
- 用例
- アレー テーゲーネー アクードー(彼は相当な悪者だよ)。
シトゥウヤンカイ アク サリーン(姑に意地悪される)。
- メモ
- 類:ヤナッチュ。対:イーッチュ(善人)。
アグー
沖縄在来の黒豚。
![アグー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00291.jpg)
- 用例
- アグーヤ アグニカラ チョーンディンドー(アグーは粟国産だというよ)。
- メモ
- 沖縄在来の豚にはシマウヮー(島豚)と、アグーと呼ばれた黒豚と、白い色の入ったアヨーがあった。
アクゲーシ
悪返し。災厄防除。
- 用例
- ムーチーヌ ニージル ヤシチンカイ マチャーニ、アクゲーシ スン(鬼餅の煮汁を屋敷に撒いて、災厄除けをする)。
- メモ
- 音2:アクフーゲーシ・フーチゲーシ・ヤナカジゲーシ・ヤナムンゲーシ。
旧12月に作る鬼餅の蒸し汁を、屋敷の周囲に悪返しとして撒いた。災厄防除のことで鬼餅やカンカーなどの行事も悪風返しのひとつである。
アクシン
悪い心。
アクスーユクスー
悪くて欲深い性根。
- 用例
- チャッサ イェーキンチュ ヤティン、アクスーユクスー ムッチェー ナランドー(どんなに金持ちでも、欲深く悪い心をもってはならないよ)。
アクタ
{芥(あくた)}。{塵(ちり)}。
- 用例
- アクタビケーン トゥイアチミティ、チャー スヌ チムエーガ(使えないものだけ拾い集めて、どうするつもりか)。
アクタチクタ
塵芥〔ちりあくた〕。
- 用例
- マーカラン、アクタチクタ ムッチッチ メーチャン(あっちこっちから、塵芥を持ってきて燃やした)。
- メモ
- 音2:チリアクタ。
アクタヤーグヮー
ボロ屋。みすぼらしい家。
- 用例
- アクタヤーグヮーヤティン アミチユ フシゲー シムサ(ボロ屋でも、露をしのげばいいさ)。
アクタンチクタン
塵も芥も。何でもかんでも。
- 用例
- アクタンチクタン、ムル アチミレー(何でもかんでも、すべて集めなさい)。
アクヂナ
灰綱〔はいつな〕。灰縄〔あくぢな〕。藁を綯(な)ったまま焼いて縄の形を残した灰のこと。
- 用例
- クージカラ アクヂナ グユーヌ チャンディ(公儀から灰縄御用がきたそうだ)。
- メモ
- 音2:ヘーチナ。
アクトゥイ
あか取り。船底にたまった水を汲み出す道具。
![アクトゥイ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00299.jpg)
- メモ
- 音2:ユートゥイ。
アクビ
{欠伸(あくび)}。
- 用例
- アクビグヮー サギール ムンヌ、ナー ニンジュンテー(あくびをしているようだから、もう寝るだろう)。
アクビー
悪日。厄日。
アクフー
悪風。悪い風。霊気。
- メモ
- →ヤナカジ。
アクフーゲーシ
悪風返し。災厄防除。
- 用例
- アクフーゲーシ ンチ、ムラヲゥティ ウシ クルスタン(悪風返しということで、字で牛を潰した)。
- メモ
- 「カンカーの話」『古堅の民話』より。→アクゲーシ。
アクブチ
腕などの皮膚が乾燥して皮がむけること。
アクミ
ふけ。
- メモ
- 類:イリチ・ガファラ。
アクミ
胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- 類:カヤ。アクミが早く取れるようにと、産湯の中に盃一杯の酒を入れたる、浴びせた後はガサガサした肌触りの芭蕉布にくるんだ。
アゲー
ええっ。あれ。ああ、もう。しまった。
アケーイン
夜が明ける。
- 用例
- ユー アケーイシガ ヘーク ナトーン(夜が明けるのが早くなった)。
ユーヌ アケーイシトゥ マンジュン ヤーカラ ゥンジーン(夜が明けると同時に家から出る)。
継:アケートーン(夜が明けている)。
- メモ
- 類:アキーン。対:ユックィン(日が暮れる)。
アコー
ああ。
- 用例
- アコー、アンル ヤンナー(ああ、そうなのか)。
- メモ
- 音1:アゴー。
アコー
毛色の赤い闘牛の名前。
- 用例
- オーヤーウシヌ アカギー ソーシカイ、 アコーディ イータン(闘牛で赤い毛をしているのに、アコーといっていた)。
- メモ
- 闘牛の名前を付けるには牛の得意技、角の形や色、体の色や特徴が元になった。
アゴー
ああ。
- 用例
- アゴー、アンル ヤティナー(ああ、そうだったのか)。
- メモ
- 類1:アコー。
アコークロー
黄昏時。夕暮れ時。
- 用例
- アリトゥ イチャタシェー アコークロージブン ヤタサ(彼と会ったのは夕暮れ時だったよ)。
- メモ
- 類:ユックイガタ・ユマングィ。物が判別しにくい夕方の薄暗い時間帯。
アサ
朝。
- 用例
- アサ ヘーク ウキティ、ハルカイ ゥンム フイガ イチュン(朝早く起きて、畑へ芋堀りに行く)。
アザアガリバル
{字東原}。楚辺の小字。
アザイリバル
{字西原}。楚辺の小字。
アサイン
漁〔あさ〕る。探し回る。
- 用例
- マーカイガ アラー ワカラングトゥ、アマクマ アサイン(どこにあるのか分からないから、あちこち探し回る)。
否:アサラン(探し回らない)希:アサイブサン(探し回りたい)過:アサタン(探し回った)継:アサトーン(探し回っている)。
- メモ
- 音1:アサグイン。類:キジーン。
アサウキ
{あさおき(朝起き)}。早起き。
- 用例
- アヒーヤ マーカイガ ヤラー、アサウキ シ ゥンジティ ハイタン(兄さんはどこにやら、早起きして出て行った)。
- メモ
- 対:アサナー・アサニ(朝寝)。
アサウグヮン
{あさおがみ(朝御願)}。朝一番に神仏を拝むこと。
- 用例
- アチャ、アサウグヮン ウサギーン(明日、朝一番に拝みをする)。
- メモ
- 元旦は、火の神と仏壇、床の間を拝するが、伊良皆では門と屋敷の四隅も拝したという。また、トゥシビースージ等のときにもアサウグヮンと称して、火の神や仏壇を拝する。
アサカーギ
朝の日陰。朝の陽ざしが弱い時間帯。
- 用例
- アサカーギヌ エーマ ハルカイ イチュン(朝の陽ざしが弱いうちに畑へ行く)。
- メモ
- 対:ユーカーギ(夕方の日陰)。
アサギ
家の前庭にある離れ。
- 用例
- ドゥシンチャー アチマティ、アサギヲゥティ ボーシ クローン(離れで集まって、友達が帽子組みをしている)。
- メモ
- 類:メーヌヤー。
帽子組みの場所としても使われ、友達が集まって夜なべをしたり、雑談を楽しんだりした。
アサギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所、建物。
- メモ
- 音1:アシャギ。本来は祭祀を行う場所や小さな建物のことを指すが、カミアサギそのものが拝する対象として拝所になっている事例も多い。
字座喜味では七柱それぞれの前に七つの門中の代表が座り、協議する場だったと伝えられている。
アサグイン
漁る。探し回る。
- 用例
- ハジナーリー アサグイン(端っこから探す)。
- メモ
- →アサイン。
アササー
昆虫名。蝉。クマゼミ。
![アササー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00325.jpg)
- 用例
- ヤマカイ アササー トゥイガ イチュン(山にクマゼミを取りに行く)。
- メモ
- 類:サンサナー・シラギサンサナー。
アサジー
浅地。薄い藍色の着物や布。
アザシーミー
行事名。字清明。字が主体となって行う清明祭。
- 用例
- アザシーミーヤ アザヌ ヤクミンチャーガ ウガムタン(字清明は字の役員たちが拝んでいた)。
- メモ
- 音2:ムラシーミー。楚辺では旧3月の清明の入日に、字の役員が瓶子(びんし)と重箱を持って、按司墓、大城の墓、ノロ墓を拝む。
アサタビ
首里勤め。政務を司る役。
- メモ
- 音1:アシタビ。
アサヂクン
朝飲むお茶は気力が出るという意味。
アサティ
明後日〔あさって〕。
- 用例
- アサティ、ガッコーヲゥティ イチャラナ(明後日、学校で会おう)。
アサティヌナーチャ
明後日の翌日。明々後日〔しあさって〕。
- 用例
- ナーファカイ コーイムンシーガ イチュシェー、アサティヌナーチャドー(那覇に買い物に行くのは、明々後日だよ)。
- メモ
- 明後日の翌日。明々後日〔しあさって〕。
アサナー
朝寝。朝寝坊。
- 用例
- ヲィナグヌ アサナー ナイネー ナナヒヌカン ウガマー ナイン(女が朝寝坊だと、7つのヒヌカンを拝むことになる)。
- メモ
- 音2:アサニ。対:アサウキ(朝起き)。
女が朝寝坊だと三行半〔みくだりはん〕を下されて婚家を7回変わるといわれている。
アサナーリー
朝っぱらから。
- 用例
- アサナーリー チュヌヤーカイ イチュンナー(朝っぱらから人の家に行くの)。
- メモ
- 音2:アサンナーラ・アサナゲーイ。対:ユルナーリー(夜から)。
アサナゲーイ
朝っぱらから。朝なのに。
- 用例
- アサナゲーイヤ チュヌ ヤーカイ イカンケー(朝っぱらから人の家には行くな)。
- メモ
- →アサナーリー。
アサニ
朝寝。朝寝坊。
- 用例
- アサニ シーネー ドゥーヌ スンル ヤンドー(寝坊したら自分の損だよ)。
- メモ
- →アサナー。
アサヌマール
朝の間。午前中のちょっとした時間帯。
- 用例
- アサヌマールヲゥティ ゥンジチューシェー マシ ヤサ(朝の間に行って来たほうがいいよ)。
- メモ
- 音1:アサヌマル。
アサヌマル
朝の間。午前中のちょっとした時間帯。
- 用例
- アサヌマルネー ウチナスサ(午前中では終わるよ)。
- メモ
- 音1:アサヌマール。
アサハン
浅はかである。軽率である。
- 用例
- アヌ ヰナゴー、イッペー アサハンヤー(あの女は、とても浅はかだね)。
アサバン
昼飯。昼食。
- 用例
- アサバン シコーティカラ イチュサ(昼ご飯を準備してから行くね)。
- メモ
- 類:メーシー。
アサバンスガイ
朝食の支度。
- 用例
- ヘークナー、アサバンスガイ サントー ナラン(早く、昼飯の支度をしないといけない)。
アサバンヲゥイ
昼食時。
- 用例
- ナー アサバンヲゥイ ナトーンドー(もうお昼時だよ)。アサバンヲゥイ ナタグトゥ ケーティチョーン(昼飯時になったから、帰って来た)。
アザブー
{あざぶ(字賦)}。賦役〔ぶえき〕。
- 用例
- アザブーヤ ゥンジランアレー ナランドー(字の作業には出なければならないよ)。
- メモ
- 字への労働提供をアザブーといい、伊良皆では、旧10月のヒーゲーシ(火返し)行事の祈願人夫として、年配男性2人をアザブー(字賦役)として頼んだ。
アサマカネー
おめざ。目覚めに軽く取る朝食。
- 用例
- アサマカネーヤ ユークル ゥンムトゥ アンダンスー ヤタン(朝賄いはほとんど芋と油味噌だった)。
- メモ
- →アカチキミークファヤー。
アサマサン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- イャームン シーヨーヤ アサマサン(お前のやりかたは卑劣だ)。
- メモ
- 音1:アサマハン。
アサマシムン
浅ましい奴。卑劣な奴。
- 用例
- アンシ アサマシムン ヤル(なんて卑劣な奴なんだ)。
アサマハン
浅ましい。卑劣。
- 用例
- アヌ チョー ヤバン ナティ アサマハン(あの人は野蛮で卑劣だ)。
- メモ
- 音1:アサマサン。
アザマンサン
{あざまんさん(字満産)}。字全体の製糖が終了する祝い。
- 用例
- アザマンサヌン ウワティ ユルットゥ ナティヤー(字の製糖も終わってほっとしたね)。
- メモ
- 旧4月下旬には各組の製糖が終わるので、日を決めて字で無事に製糖が終わったことを祝った。
アサミーグチ
{あさみぐち(朝の口)}。朝の口開け。
- 用例
- アチネーシンカヤ アサミーグチ デーイチ ヤサ(商売人にとっては朝の口開けは大事だよ)。
- メモ
- 商売人にとって、朝の口開けは縁起の良いものとして喜び、おまけを付けたりした。地域によっては、朝一番のお客は男性だと縁起が良いが、女性だと縁起が悪いとされている。
アサミジ
{あさみず(朝水)}。人が亡くなった翌朝から3日間墓に供える水。
- 用例
- チュガ マーシーネー サンニチビカーン、ハカンカイ アサミジ マチンガ イクン(人が亡くなったら3日間ほど、墓に水を供えに行く)。
- メモ
- →ナーチャミー。
アサメークサメー
ちょこちょこ動き回って落ち着きがない様。
- 用例
- クヌ ワラベー アサメークサメー ッシ、アンシ ウティチチン ネーンル(この子どもはちょこちょこ動き回って、なんて落着きがないんだ)。
アサユサ
朝夕。
- 用例
- アサユサ ヒジュルク ナティヤー(朝夕冷たくなったね)。
アザワレー
あざ笑い。嘲笑。
- 用例
- チュ アザワレー シェー ナランサ(人をあざ笑ってはいけないよ)。
アサンナーラ
朝っぱらから。
- 用例
- アサンナーラ ミンチャサン(朝っぱらからうるさい)。
- メモ
- →アサナーリー。
アサンユサン
朝も夜も。
- 用例
- ワンネー サビサヌ、アサンユサン ナチ クラチョーサ(私は寂しくて、朝も夜も泣いて暮らしているさ)。
アシ
①汗。②時間が経った餅や芋などの表面に出る水滴。
- 用例
- ①アンスカ アシ ダラダラ シ ヌー ソータガ?(そんなに汗だくになって何をしていたの?)。
②ウレー アシ ハトーグトゥ ナー カマランドー(それは汗をかいているからもう食べられないよ)。
アジ
味。味見。
- 用例
- マジェー アジ ッシンディ(まずは味見してごらん)。
アジ
鰓〔えら〕。
- 用例
- クヌ イユヌ アジヌ マギサヨ(この魚のエラの大きいことよ)。
アジ
口蓋〔こうがい〕。
- 用例
- アジンカイ タンナファクルーヌ タックヮトーン(口蓋にタンナファクルーの菓子がくっついている)。
アジ
按司。
- 用例
- その土地を治めた有力者や発祥に関わった人物のことを広く按司といった。
アシー
間食。午後3時のおやつ。
- 用例
- チューヌ アシーヤ、ヌー シコーテーガヤー(今日の3時のおやつは、何を準備してあるのねぇ)。
- メモ
- →音1:アーシー。
アシーダーグ
盆の中日14日午後に仏壇へ供える団子。
- メモ
- →アーシームーチー。
アジーン
十字にする。交差する。
- 用例
- マンナカヲゥティ チューク アジーン(真ん中で強く結ぶ)。否:アジラン(十字にしない)希:アジーブサン(十字にしたい)過:アジタン(十字にした)継:アジトーン(十字にしている)。
アジウシーミー
行事名。{あじおんせいめい(按司御清明)}。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- クンドゥヌ アジウシーミーヤ、タートゥ ターガ イチュガヤー(今度の按司御清明は、誰と誰が行くのかな)。
- メモ
- 音2:イチムンシーミー・カミウシーミー・ムンチューシーミー。
アシウトゥ
足音。
- 用例
- クヮヌ ニントーグトゥ、アシウトゥ タティンナヨー(子どもが寝ているから、足音を立てるなよ)。
- メモ
- 音1:アシトゥ。
アシガ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- ワン アシガー アシガ(私の下駄はあるよ)。
- メモ
- 音1:アシジャ。
アジガー
地名(読谷村大湾の小地名。拝所のひとつ)。
アジカイグヮンス
預かっている位牌。本来祀るべきではない位牌を預かっていること。
- 用例
- ブチダヌンカイ アジカイグヮンスヌ マチラットーン(仏壇に他系の位牌を預かって祀っている)。
アジカイディマ
{あずかりてま(預かり手間)}。預かり賃。
- 用例
- アジカイディマヤ ハラティー(預かり賃は払ったね)。
- メモ
- 対:アジキディマ(預け賃)。
アジカイン
預かる。
- 用例
- ウヌ ジノー ワンガ アジカイン(そのお金は私が預かる)。
否:アジカラン(預からない)希:アジカイブサン(預かりたい)過:アジカタン(預かった)継:アジカトーン(預かっている)。
アジカイングヮ
預かって育てている子ども。
- 用例
- アジカイングヮガ ミッチャイ ヲゥタン(預かって育てている子どもが3人いた)。
アシカチャー
汗かき。
- メモ
- 音2:アシハヤー。
アシガチャー
せっかちな人。
- 用例
- イャーヤ ルク アシガチャー ナティ(お前はあまりにもせっかちで)。
アシガチュン
焦る。やきもきする。
- 用例
- ナー ナイネー アシガチュンドー(いざとなったら焦るよ)。
否:アシガカン(焦らない)過:アシガチャン(焦った)継:アシガチョーン(やきもきしている)。
アジキーン
預ける。託す。
- 用例
- ユービンチクンカイ ジン アジキーン(郵便局にお金を預ける)。
否:アジキラン(預けない)希:アジキーブサン(預けたい)過:アジキタン(預けた)継:アジキトーン(預けている)。
アジキディマ
{あずけてま(預け手間)}。預け賃。
- 用例
- チナ アジカイル ヤーネー、アジキディマ クィタン(綱引きの綱を預かってくれる家には、謝礼をあげた)。
- メモ
- 対:アジカイディマ(預かり賃)。
アジクーター
①こくがあり、味わい深いもの。②人生経験豊富な人の味わい深い話や芸にもいう。
![アジクーター](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00372.jpg)
- 用例
- ①アンシ アジクーター ッシ マーサルヤー(とても味にコクがあって美味しいね)。②タンメー ハナシーヤ、アジクーター ヤンヤー(お祖父さんの話は、味わい深いね)。
アシクシ
足腰。
- 用例
- トゥシェー カサニティン、アシクシ ガンジューサ アリワル ナインデー(年は重ねても、足腰が頑丈でないといけないよ)。
アシクミ
足慣らし。
- 用例
- ウマハラセー メーニ、アシクミ スタン(競馬の前に、足慣らしをした)。
- メモ
- 競馬を始める前の足慣らしで場内を1、2周した。
アシグン
足踏み。
- 用例
- キーヌファー アシグン ッシ ケーイン(落ち葉を踏んで帰る)。
アジケー
魚介名。シャコ貝。
- メモ
- アジケーは邪気を払うといわれ、門柱に設置して魔除けにした。
アシジャ
足駄〔あしだ〕。下駄〔げた〕。
- 用例
- アシジャ クリ マーカイ メンシェーガ(下駄を履いてどこに行かれるの)。
- メモ
- 音1:アシガ。
アジスガイ
{あじふんそう(按司扮装)}。
- 用例
- アジスガイ ッシ、シバヤ スタン(按司の扮装をして、芝居をした)。
アシダクダク
汗だくな様。
- メモ
- 音1:アシダクダクー。
アシダクダクー
汗だくな様。
- メモ
- 音1:アシダクダク。
アシタビ
首里勤め。政務を司る役。
- 用例
- ヤマトゥンカイ アシタビ シミシェール ッチュ(大和との政務を司る役職の人)。
- メモ
- 音1:アサタビ。
アジチャー
小豆。
![アジチャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00382.jpg)
- メモ
- →アカマーミー。
アジヂューサン
味が濃い。
![アジヂューサン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00378.jpg)
- 用例
- アジヂューサグトゥ、ナー イフェー ミジグヮー ゥンベーレー(味が濃いから、もう少し水で薄めなさい)。
アシティビチ
豚足料理。
- 用例
- ナービヌミー アシティビチ ニチェーサ(鍋いっぱいに豚足料理を炊いてあるよ)。
- メモ
- 音1:アシテビチ。音2:ティビチ。一般的には大根や昆布と味噌汁仕立てにして食べるが、煮つけにすることもある。
アシテビチ
豚足料理。
- 用例
- チージンジ アシテビチ カラン(辻で豚足料理を食べた)。
- メモ
- 音1:アシティビチ。音2:ティビチ。
アシトゥ
足音。
- 用例
- アシトゥ クラグトゥ、ヤナマヤーヤ ヒンギティ ハイタン(足音を立てたら、どら猫は逃げていった)。
- メモ
- 音1:アシウトゥ。
アシバー
遊び人。
- 用例
- シクチン サン、アシバー ナテー ナラン(仕事もせずに、遊んでばかりではいけない)。
アシハイミジハイ
汗水流している様。
- 用例
- ジノー、アシハイミジハイ ソーティル モーキールヨー(お金は、汗水流して稼ぐものだよ)。
アジバカ
按司墓。使われなくなった古い墓の呼称。
- メモ
- その土地を治めた有力者や発祥に関わった人物のことを広く按司と言い表し、彼らを祀った墓をいう。具体的に「大湾按司之墓」(大湾)や「前田按司之墓」(喜名)と名称を伴う墓もあれば、単に「アジバカ」と呼称される古墓が村内各地にある。多くは各字の清明祭で拝されている。
アシハヤー
汗かき。
- 用例
- ワンネー アシハヤー ヤグトゥ、スバンカイ クーンナケー(私は汗かきだから、側に来るな)。
- メモ
- 類:アシカチャー。
アシビ
遊び。村芝居や芸能など。
- 用例
- ルク アシビジチ ナティ、シクチン サン ナトーサ(あまりにも芝居好きで、仕事もしなくなっているさ)。
ジューグヤアシビヌ シバイヤ ヌー スガ(十五夜遊びの村芝居は何の演目にするか)。
- メモ
- 元は神事・歌舞をいったが、次第に歌三線、踊りや芝居などを演じるムラアシビや若い男女が遊ぶモーアシビにもいうようになった。
アシビイリミ
村芝居などの経費。
- 用例
- アシビイリミヤ、ヌチ ウワトーミ(村芝居に使う経費は、徴収し終わったか)。
- メモ
- 音1:アシビイルミ。
ムラアシビを行うときの経費として、15歳から50歳の人から徴収した。その金は他所の部落を招待したときの経費や小道具等の購入費に充てられた。
アシビイルミ
村芝居などの経費。
- メモ
- →音1:アシビイリミ。
アシビガシラ
村芝居や祭りの責任者。
- 用例
- アシビガシラ アタトーティカラ、ハマラントー ナランサ(祭りの責任者に当たっているなら、頑張らないといけないよ)・楚。
- メモ
- アシビガシラは配役や踊りの指導はもちろん、ムラアシビに関することの面倒をみた。
アシビクェークェー
働いて得た金を遊興〔ゆうきょう〕に散財する者。
- メモ
- 類:クェークェー。
アシビグヮーセー
村芝居ごっこ。ムラシバイを子どもが真似て遊ぶこと。
アシヒサ
足。足の卑語。
- 用例
- ワン ミーヌ クルサヌ ウチェー、イカナシン ヤーンカイ アシヒサ イリラサン(私の目が黒いうちは、絶対にこの家の敷居をまたがせない)。
アシビトゥイケー
村遊び・村芝居の交流。芸能の交流。他所の字を招いて、お互いで得意としている芝居や踊り等の芸能を披露すること。
- 用例
- スビヤ アシビトゥイケー シーガ ナガハマ マディン イクタン(楚辺は村遊びの交流をしに長浜までも行った)。
- メモ
- 招待された側が芸を披露し、招いた側が経費を負担した。招待した字は、各家族から徴収した米や油、豆腐などを、一か所に集めて炊いて御馳走した。招待された側は次回には相手方の村芝居を招待したが毎年行うわけではなかった。
アシビドゥシ
遊び友達。
- 用例
- アヌ タイヤ イッペーヌ アシビドゥシ ヤサ(あのふたりはとても良い遊び友達だよ)。
アシビナー
村芝居などを行う広場。
- 用例
- チューン アシビナーカイ アチマラヤー(今日も広場に集まろうね)。
アシビブラ
祭り用の法螺(ほら)。
- メモ
- 伊良皆では音が大きく鳴るミーブラ(雌の法螺)を用いた。
アシビブリ
遊ぶのに夢中になること。
- 用例
- アシビブリ ッシ ジカヌン ワカラン、ウクリティ ネーンサ(遊びに夢中になって時間が経つのも分からず、遅れてしまったさ)。
アシビモー
若者が遊んだ野原。
アジヒャー
あまのじゃく。反対ばかりする者。
- メモ
- 音2:アジヤー。
アシビングェー
遊び食い。遊び食べ。
- 用例
- ワター ミッチル ヲゥラー アシビングェー ッシ、イチマディン カローサ(お腹がいっぱいなのか遊び食いして、いつまでも食べているさ)。
アシビングヮ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシェー アシビングヮヌ マンドータンヤー(昔は婚外子が多かったね)。
- メモ
- 音2:カキヌミーングヮ・カチヌミーングヮ・カチミングヮ・ヘージュリングヮ・モーアシビーングヮー・モーキングヮ・ヤグサミングヮ・ヤマングヮ。類:カチンミー・ガンマリヌクファイ・ヤマダニー。
アシブ
汗疹〔あせも〕。
- 用例
- アチサヌ フシガラン、ワランチャーン アシブ フチタックヮチョーン(暑くてたまらない、子どもたちも汗疹だらけだ)。
- メモ
- 子どもに汗疹が出ると、ヨモギやニガウリの葉を湯に入れ浴びせた。
アシブミイシ
足踏み石。ノロが馬に乗る時の踏み石。
- 用例
- アシブミイシヤ、ナマン ヌクティル ヲゥサニ(足踏石は、今も残っているでしょう)。
- メモ
- 音2:ゥンマヌイイシ。
楚辺では、飾りつけをした神馬がノロ殿内から祭りを行う広場まで来て、足踏石に横付けし、ノロがその石を踏み台にして馬に乗った。
アシブン
遊ぶ。
- 用例
- ウヤヌ ティガネーン ウワトーグトゥ、ナマカラ ドゥシンチャートゥ アシブン(親の手伝いも終わったから、今から友達と遊ぶ)。
否:アシバン(遊ばない)希:アシビーブサン(遊びたい)過:アシダン(遊んだ)継:アシドーン(遊んでいる)。
アシベー
遊び。遊ぶこと。
- 用例
- ワランチャーガ、ナーヲゥティ マーイ アシベー ソーン(子どもたちが、庭で毬遊びをしている)。
アジマー
①十字路。四つ角。②桶の上に石臼をのせるための十字に組んだ台木。
- 用例
- ①アマヌ アジマー、ニジリンカイ マガレー(あそこの十字路を、右に曲がりなさい)。
- メモ
- ②豆腐や餅などを作るのに用いた。
アジマームスビ
十字結び。
- 用例
- リッパ アジマームスビ シーヨー(ちゃんと十字に結んでね)。
アシミジ
汗水。
- 用例
- ニンジノー アシミジ タラチ シクチン シワル、モーキラリルヨー(人間は汗水垂らして働いてこそ、儲けることができるんだよ)。
アジムークー ウンチケーサビラ
予祝の言葉。按司の婿をお迎えしましょう。
- メモ
- 大晦日に箒を使う時に「アジムークー ウンチケーサビラ」と言いながらゴミを外へ掃き出した。
アジャ
ほくろ。
- 用例
- ハナヌ ウヮービヌ アジャグヮーヌ ウジラーサヨー(鼻の上のほくろの可愛いこと)。
アジヤー
あまのじゃく。反対ばかりする者。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ウヤヌ イーシン チカン アジヤー ヤテーンテー(その子どもは、親の言うことも聞かないであまのじゃくだったんでしょうね)。
- メモ
- 音2:アジヒャー。
アシャギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所、建物。
- メモ
- →アサギ。
アジャナ
あだな。
- 用例
- アリガ アジャナヤ ヌーンリ イータガ(彼のあだ名は何と言ったか)。
アジャマークジャマー
めちゃくちゃ。しっちゃかめっちゃか。
- 用例
- チュラーサ アジャマークジャマー ッシ トゥラチェーサヤー(見事にめちゃくちゃにしてくれたな)。
- メモ
- →アーサムーサ。
アジラーサン
味があって美味しい。
![アジラーサン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00424.jpg)
- 用例
- ウヌ シルヌ アジラーサシヨ、アンシ マーサルヤー(その汁の味があることよ、とても美味しいね)。
アシレーイン
あしらう。軽んじた扱いをすること。
- 用例
- ワラビトゥ ユヌムン アシレーイン(子どもと同じようにあしらう)。
否:アシレーラン(あしらわない)過:アシレータン(あしらった)継:アシレートーン(ああしらっている)。
アジン
竪杵〔たてぎね〕。搗〔つ〕き臼に穀物を入れて搗くのに使う木製の道具。
- 用例
- ウーシェー アティン アジンヌ ネーンレー チャーン ナランサ(臼はあっても杵がなければどうしようもないさ)。
- メモ
- 音:アージン。
結婚式の婿いじめのひとつで、ドードーゥンマの模擬馬として使われた。
アシゥンマ
{あしうま(足馬)}。竹馬。
- メモ
- 類:キービサー・ババーヌエー。
アシゥンマ
墓の中で棺をのせるための台。
- メモ
- 棺をのせた台の足から、蟻や虫などが上がってこないように、水を入れたミジクブサー(手水鉢)などを置いた。
アダ
徒〔あだ〕。無駄。
- 用例
- チュ タシキテー アダー ナラン(人を助けて無駄になることはない)。
- メモ
- 「情けは人の為ならず」の意味。
アタイ
くらい。ほど。
- 用例
- ウヌ アタイヌ クトー ナイサ(そのくらいのことはできるよ)。
- メモ
- 「モーイ親方」『比謝矼の民話』より。
アタイ
屋敷内の菜園。
- 用例
- アタインカイ ビラ イーテーン(菜園に葱を植えてある)。
メーヌ アタイカラ、ヤシェー ヒチヌジ クーワ(前の菜園から、野菜を引き抜いて来なさい)。
- メモ
- 音1:アッタイ。
家の後ろや左右などにあり、葉野菜やネギ類などを植えた。
アタイ(~アタイ)
~係。~担当。
- 用例
- アマヌ ファーフジヤ、コーサクアタイ ヤミシェータンディドー(向こうのおじいさんは、農事係であられたそうだよ)。
ムラアシビネー、ワンヤ ランプアタイ イーチキラッタン(村芝居の時、私は照明係を言いつけられた)。
アタイガフー
思いがけない果報。幸運。
- 用例
- チュヌ フーヤ ターガン ワカラン、ウレー アタイガフール ヤル(人の幸運は誰にも分からない、それは時の運だよ)
クンドゥヌ シケノー アタイガフー チキティ クィミソーリ(今度の試験は合格しますように)。
アタイダカ
配分。
- 用例
- アタイダカヌ ブンッシ シムサニ(与えられた分でいいでしょう)。
アタイバル
集落内にある字有地の畑。
- 用例
- アタイバルンデー カジーガ イカナ(畑でも耕しに行こう)。
アタイメー
当たり前。当然。
- 用例
- ウレー アタイメーヌ クトゥル ヤルヨー(それは当前のことだよ)。
アタイメーヌウケーメー
{あたりまえのおかゆ(当たり前のお粥)}当たり前をより強調した言葉。当然。
- 用例
- ウレー カンゲーランティン ワカイル スル、アタイメーヌウケーメー ヤサ(それは考えなくても分かるでしょう、当前のことだよ)。
アタイン
当たる。配分される。
- 用例
- クンドー シバイヌ ウフヤク アタインドー(今年は芝居の大役に当たるよ)。
否:アタラン(当たらない)希:アタイブサン(当たりたい)過:アタタン(当たった)継:アタトーン(当たっている)。
- メモ
- 対:ハンリーン(外れる)。
アタイン
食あたりする。
- 用例
- タク カディ、アタトーン(タコを食べて、食あたりしている)。
アタイン
合う。うまくいく。
- 用例
- サンミンヌ アタイン(計算が合う)。否:アタラン(合わない)継:アタトーン(合っている)。
アタカー
は虫類。キノボリトカゲ。
![アタカー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00440.jpg)
- メモ
- →アータ。
アタガイン
身に降りかかる。体験する。
- 用例
- ドゥーヌ ミーンカイ アタガイン(自分の身に降りかかる)。アタガリワル チュヌ ナンジクンジン ワカイル(我が身にふりかけてこそ、人の難儀や苦労を知るのだよ)・木。
否:アタガラン(降りかからない)過:アタガタン(降りかかった)継:アタガトーン(降りかかっている)。
アタトー
ノロ。
- メモ
- 類:アタトーメー・ヌール。
アートートゥ(ああ尊し)という語が変化したものと思われ、ノロのことをアタトー或いは美称辞をつけてアタトーメーといった。これは瀬名波ノロのカキジマ(管掌地)である瀬名波・高志保・宇座・儀間・渡慶次・長浜で聞く呼称で、他の字ではあまり聞かない。
アタトーウガミ
旧6月15日にノロが巡回するウマチーのこと。
- メモ
- 儀間ではノロが祈願巡回するウマチーをアタトーウガミ、あるいはアタトーといった。
鉦鼓の鳴る中、白衣装の瀬名波ノロが来るのを宗家の戸主と字三役が迎えた。
アタトーメー
ノロ。
- 用例
- アタトーメーガ メーンドー(ノロがおいでになるよ)。
- メモ
- 類:アタトー・ヌール。
字長浜では12、3歳の子どもが20銭ぐらいの手間賃を貰って、太鼓と鉦をポン クヮーン ポン クヮーンと鳴らしながらノロが来るのを知らせたという。
メー(前)は美称辞。
アタトーヤー
ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- メモ
- →アサギ。
アダナシ
アダンの気根。またその繊維で作った縄。
- 用例
- アダナシッシ チューク クンレーワ(アダンの縄できつく縛ってよ)。
- メモ
- 音:アラナシ。
字都屋では荒天時や夜にアダンの繊維を裂いて漁に使う縄を綯った。
アダニ
アダン。アダンの実。
![アダニ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00450.jpg)
- メモ
- 音2:アダン・アダンナイ・アラン。
お盆にアダンの実を供えた。
アダニガーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アダニガーサバヤ クミヤッサン(阿旦葉草履は履きやすい)。
- メモ
- 音1:アラニガーサバ。音2:アダンバーサバ・アランバーサバ。
アダニバー
アダンの葉。
![アダニバー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00453.jpg)
- メモ
- 音2:アダンバー・アランバー。
アダニバギー
アダンの木。
![アダニバギー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00454.jpg)
アダニウヮーセー
アダンの実をぶつけ合って割る遊び。
![アダニウヮーセー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00451.jpg)
- メモ
- ウークイ(精霊〔しょうろう〕送り)のお下がりのアダンで遊んだ。
アタビー
両生類。カエルの総称。
![アタビー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00455.jpg)
- 用例
- アタビー スグイガ イカナ(カエルヲ取りに行こう)。
- メモ
- →アータ。
アタビーディール
捕らえたカエルを入れる籠。
- メモ
- 高さが60センチぐらいの徳利のような形の籠で、獲物が逃げ出せないようになっていた。
アタビートゥヤー
カエルを捕って売る商売人。
- メモ
- 伊良皆では3つの溜池で鯉を養殖していた。その鯉を仕入れに那覇のドーグヮーヤシチ(堂小屋敷)の人たちが来た。そのなかにはアタビートゥヤーもいた。
アタビーングヮ
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アタビカー
両生類。カエルの総称。
![アタビカー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00458.jpg)
- 用例
- アタビカー トゥンガ イカナ(カエルを取りに行こうよ)。
- メモ
- 音1:アタビコー。→アータ。
アタビコー
両生類。カエルの総称。
- メモ
- 音1:アタビカー。→アータ。
アタビチ
両生類。①カエルの総称。②カエルの意だが、相手を軽蔑した時にも使われる。
- 用例
- ②チュヌ イーシン チカン、ヤナ アタビチヤ!(人の言うことも聞かない、いやな奴め!)。
- メモ
- ①→アータ。②音2:アタビチャー。
アタビチャー
両生類。①カエルの総称。②カエルの意だが、相手を軽蔑した時にも使われる。
![アタビチャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00461.jpg)
- 用例
- ①アタビチャー トゥティ ガッコーンカイ ムッチ イチュン(カエルを取って学校に持って行く)。
②ヤナヒャー アタビチャーヤ(いやな奴め)。
- メモ
- ①→アータ。②→アタビチ。
アタビチャーグチ
{かえるのくち(蛙の口)}。洋服の袖口についたフリル。
- メモ
- 女性の外出用肌着の袖口のフリルが、カエルの口に似ていることからアタビチャーグチといった。
アタマニ
頭から。根っから。生来。
- 用例
- アレー、アタマニ フユーナムンル ヤンデー(彼奴は、根っからの怠け者だよ)。
アタラ
可惜(あたら)。大切な。惜しくも。
- 用例
- アタラ ワカサヌ ヌチ ウシナティ!(あたら若い命を失って!)。
- メモ
- 音2:アッタル。
アタラサン
可惜(あたら)しい。惜しい。大切である。
- 用例
- ドゥークル モーキテーヌ ジンシ コーテーシヤ、イッペー アタラサン(自分で稼いだお金で買ったのは、とても大切だ)。
ヌチ アタラサ サーイ(命を大切にして)。
アタラシ ナシグヮ(大切な我が子)。
- メモ
- 音1:アタラハン。
アタラハン
可惜(あたら)しい。惜しい。大切。
- 用例
- ウレー ウヤヌ ユジリヤグトゥ、イッペー アタラハン(それは親の譲りだから、とても大切だ)。
- メモ
- 音1:アタラサン。
アダン
アダン。アダンの実。
![アダン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00471.jpg)
- 用例
- シチグヮチネー、ブチダヌンカイ アダヌン ウサギータンドー(お盆には、仏壇にアダンも供えたよ)。
- メモ
- →アダニ。
アタンガー
屋敷内にある溜池。
- 用例
- ハルカラ ケーティ キーネー、アタンガーンジ ティー ヒサン シミヤーナカイ、ソーソー ウチンカイ イレーワ(畑から帰って来たら、溜池で手足を洗って早く家に入りなさい)。
- メモ
- 音1:アタンジャー。音2:アナガー。
楚辺の事例では、門を入った左側にあり、大きいのは9尺(270㎝)×1間(182㎝)で3畳程もあった。深い所は4.5尺(135㎝)もあり、降り口は階段状になっていた。
アタンジャー
①屋敷内にある溜池。②雨降りの時にできる水たまり。
- メモ
- ②大湾・古堅では溜池はクムイといい、アタンジャーは水たまりのことを指す。
→音1:アタンガー。
アダンナイ
アダンの実。
![アダンナイ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00475.jpg)
- メモ
- →アダニ。
アダンバー
アダンの葉。
![アダンバー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00477.jpg)
- 用例
- アダンバーッシ ヰーリムン チュクイン(アダンの葉で玩具を作る)。
- メモ
- 音1:アランバー。→アダニバー。
アダンバーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- ナチ ナイネー アダンバーサバガル シラサル(夏はアダン葉草履が涼しいんだよ)。
- メモ
- 音1:アランバーサバ。→アダニガーサバ。
アダンバーボーシ
アダン葉帽子。アダンの葉で作った帽子。
- 用例
- アダンバーボーシェー アンシ チュサラル(アダン葉帽子はとてもきれいだね)。
- メモ
- 音1:アランバーボーシ。
アダンバームスル
アダン葉筵。アダンの葉を細く裂いて、乾燥させて編んだ筵。
- 用例
- ナマン アダンバームスル チカイシン ヲゥガヤー(今もアダン葉筵を使う人がいるかね)。
- メモ
- 音1:アランバームスル。
アチアチートゥ
厚々と。厚めに。
- 用例
- シシェー アチアチートゥ チッチ ゥンジャシェー(肉は厚めに切って出しなさい)。
- メモ
- 対:ヒシビシートゥ(薄めに)。
アチカイグリサン
扱いにくい。使いにくい。
- 用例
- アヌ タイヤ イーシン、チカン、イッペー アチカイグリサン(あの2人は言うことも聞かない、とても扱いにくい)。
- メモ
- 音1:アチケーグルサン。
アチカイン
扱う。物事をとりさばく。
- 用例
- アマヌ ヌーシェー、 ンジャックヮ、ウシ ゥンマヌグトゥ アチカイン(あそこの主人は、下男を、牛馬のように扱き使う)。
否:アチカーン(扱わない)希:アチカイブサン(扱いたい)過:アチカタン(扱った)継:アチカトーン(扱っている)。
アチカジ
熱風。熱い風。
- 用例
- トー アキティン、アチカジヌル イッチ チュール(戸を開けても、熱い風しか入って来ない)。
- メモ
- 対:ヒジュルカジ・ヒグルカジ(冷風)
アチキ
湯気。蒸気。
- 用例
- イーサク アチキン タッチョーンドー(ほどよく湯気が立ちこめているよ)。
アチグー
熱々なもの。
- 用例
- トートーメーンカイヤ、ナンドゥチ ヤティン アチグーママ ウサギーンドー(仏壇には、いつでも熱々を供えるんだよ)。
- メモ
- 音2:アチコーコー。
アチクヮンクヮン
とても暑い様。
- 用例
- ハシルン ミチークジティ、アチクヮンクヮン ッシ(戸も閉め切って、こんなに暑くして)。
- メモ
- 音2:アチプープー・アチヤーフーヤー。対:ヒーサガタガタ(とても寒い様)。
アチケー
扱い。
- 用例
- ワリムンヌ アチケーヤ、キー チキリヨー(割れ物の扱いは、気をつけなさいよ)。
アチケーグルサン
扱いにくい。使いにくい。
- 用例
- クヌ ドーグヤ、アチケーグルサン(この道具は使いにくい)。
- メモ
- 音1:アチカイグリサン。
アチケーヨー
扱い用。扱い方。
- 用例
- アチケーヨー バッペーイネー ジャーフェードー(扱い方を間違えたら厄介だよ)。
アチコーコー
熱々。
- 用例
- ヘークナー アチコーコー イッティ、カムンレー サン(早く熱々のうちに入れて、食べようとしない)。
- メモ
- →アチグー。
アチサカマラサー
暑がり。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アチサカマラサー ヤル(お前はなんて暑がりなんだ)。
- メモ
- 音2:アチサミー。対:ヒーサミー(寒がり)。
アチサクリサ
{あちさくるしさ(暑さ苦しさ)}。とても暑い様。
- 用例
- アチサクリサン、ナー イットゥチグヮー ヤサ(とても暑いのも、もういっときだよ)。
- メモ
- 対:ヒーサ クリサ(寒さ 苦しさ)
アチサミー
暑がり。
- 用例
- イャー アンチュカナー アチサミー ヤル(君はこんなにも暑がりだね)。
- メモ
- →アチサカマラサー。
アチサミーヌ ヒーサミー
暑がりで寒がり。
- 用例
- アチサミーヌ ヒーサミー ヤレー、チャーン ナランサ(暑がりで寒がりだったら、どうにもならんよ)。
アチサン
厚い。分厚い。
- 用例
- ウヌ スムチヤ、デージ アチサン(その本は、とても分厚い)。
- メモ
- 音1:アチハン。対:ヒッサン(薄い)。
アチサン
①暑い。②熱い。
- 用例
- ①クンドゥヤ クジュヤカ アチサンヤー(今年は昨年より暑いね)。②ウヌ チャーヤ、ジコー アチサンドー(そのお茶は、とても熱いよ)。
- メモ
- 音1:アチハン。対:ヒーサン・ヒーハン(寒い)。
アチナービナクー
鋳〔い〕掛け屋。鞴〔ふいご〕を使って穴が開いた鍋などを修繕すること。
- 用例
- アチナービナクー サレー、ミーナービヌ グトゥ ナトーサ(鋳掛け屋を頼んだら、新品の鍋のようになったさ)。
- メモ
- →ナービナクー。
アチネー
商い。商売。
- 用例
- アヌ チョー アチネーッシ モーキトーン(あの人は商売で儲けている)。
- メモ
- 音1:アキネー。
アチネーサー
商いをする人。商売人。
- メモ
- 類:アチネーシンカ・アチョールー。
婦人は頭上に荷を載せ、男性は天秤棒で荷を担いで、各集落に入って商売をしていた。
アチネーシンカ
商いをする人たち。商売人たち。
- 用例
- マチカイ イチーネー、ウッサヌ アチネーシンカガ ヲゥルヤー(町に行くと、たくさんの商売人がいるやー)。
- メモ
- →アチネーサー。
アチネームン
{あきないもの(商い物)}。商品。
- メモ
- 読谷山からは芋や大根などの産物を町方へ売りに行き、帰りには田舎では入手しにくい品物を仕入れるのが主だった。その品物には鰹節や素麺、昆布などの乾物、小間物があった。
アチハティーン
呆れ果てる。ひどく嫌になること。
- 用例
- イッター シーヨー ンジーネー、ター ヤティン アチハティーサ(君たちのやり方を見たら、誰でも呆れ果てる)。
過:アチハティタン(呆れ果てる)継:アチハティトーン(呆れ果てている)。
- メモ
- 類:ニリクサリーン・ユンチリーン。
アチハティジューグヮチ
{あきはてじゅうがつ(飽き果て十月)}。特に節供のない10月。
- 用例
- アチハティジューグヮチヤ、クヮッチーン カマランタン(アチハティジューグヮチは、御馳走も食べられなかった)。
- メモ
- →音1:アキハティジューグヮチ。
アチハン
厚い。分厚い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ アチハンヤー(お前のは私の物より分厚いね)。
- メモ
- →音1:アチサン。
アチハン
①暑い。②熱い。
- 用例
- チューヤ カジ ティーチン ネーン、 カワティ アチハンヤー(今日は風ひとつなく、いつになく暑いね)。
- メモ
- →音1:アチサン。
アチビー
柔らかいご飯。お粥とご飯との中間ぐらいの柔らかさ。
- メモ
- 音2:アチビーメー。
、子どもや病人などに食べさせた。
アチビー
熱しやすいこと。熱くなりやすい性格。
- 用例
- アレー アチビー ヤグトゥ、ヌーン イラランドー(彼は熱しやすいから、何も言えないよ)。
アチビーメー
柔らかいご飯。お粥とご飯との中間ぐらいの柔らかさ。
- 用例
- アチビーメー ニチェービーグトゥ、ウサガミソーレー(柔らかめのご飯をたいてありますから、召し上がってください)。
- メモ
- →アチビー。
アチビーヤン
(患部)が熱を持って痛むこと。ずきずき痛むこと。
- 用例
- キジヌ アチビーヤン ッシ、フシガラン(傷が熱をもって痛くて、たまらない)。
アチビタターヤン
(患部)が熱を持って痛むこと。ずきずき痛むこと。
- 用例
- アチビタターヤン ッシ、デージ ナトーサ(熱っぽい痛みで、大変だ)。
アチプープー
とても暑い様。
- 用例
- ウッサヌ チュガ イッチョーグトゥ、アチプープーシ フシガラン(多くの人が入っているから、とても暑くてたまらない)。
- メモ
- →アチクヮンクヮン。
アチマイ
集まり。集会。
- 用例
- チューヤ ヌーヌ アチマイ ヤタガ(今日は何の集まりだったの)。
- メモ
- 類:スリー。
アチマイン
集まる。
- 用例
- ナー チュケーノー アチマインテー(もう1回は集まろうよ)。
否:アチマラン(集まらない)希:アチマイブサン(集まりたい)過:アチマタン(集まった)継:アチマトーン(集まっている)。
- メモ
- 類:スリーン。
アチミーン
集める。
- 用例
- フルガニ アチミーン(古鉄〔ふるてつ〕を集める)。
アチミックヮー
あき盲。目はあいているが見えない人。探し物が苦手な人にもいう。
- メモ
- 音1:アキミックヮー。
アチムン
熱いもの。
- 用例
- ワラビンカイ アチムンヤ サーラサンケー(子どもに熱い物は触らすな)。
- メモ
- 対:ヒジュルムン(冷たい物)
アチャ
明日。
- 用例
- アチャヌ ユロー ムル アチマティ アシバナ(明日の夜は皆集まって遊ぼう)。
- メモ
- 音1:アチャー。
アチャー
明日。
- 用例
- アチャーヤ アミ フインディンドー(明日は雨が降るってよ)。
- メモ
- 音1:アチャ。
アチヤーフーヤー
とても暑い様。
- 用例
- アチサレー カジンカイ アタランレーネーン、アチヤーフーヤー ッシ(暑いなら風に当たればいいのに、こんなに暑そうにして)。
- メモ
- →アチクヮンクヮン。
アチャヌヒー
明日の日。明日という日。
- 用例
- ニービチェー、アチャヌヒー ナトーンドー(結婚式は、もう明日になっているよ)。
- メモ
- 明日をより強調している。
アチユー
熱い湯。熱湯。
- 用例
- アチユー イッティ クーワ(熱い湯を入れて来なさい)。
アチュン
開く。
- 用例
- マチヤー ヒルマカラ アチュン(店は昼から開く)。
否:アキラン(開けない)希:アキーブサン(開けたい)過:アキタン(開けた)継:アチョーン(開いている)。
- メモ
- 対:シマイン(閉まる)。
アチョールー
商いをする人。商売人。
- 用例
- イユ アチョールー(魚の行商人)。
- メモ
- →アチネーサー。
アチラシケーサー
同じことを何度もくり返すこと。何度も温めなおした食べ物のこと。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン アチラシケーサー サンケー(同じことばかり何度も蒸し返すな)。
ユヌムンビカーン アチラシケーサー カマサッティ、ニリトーッサー(同じものばかり何度も温め直して食べさせられて、飽きたなあ)。
- メモ
- 音2:タギラシケーサー・タジラシケーサー。
アチラスン
温める。
- 用例
- ヒジュリトーグトゥ、ナー チュケーン アチラスン(冷めているから、もう1回温める)。
否:アチラサン(温めない)希:アチラシーブサン(温めたい)過:アチラチャン(温めた)継:アチラチョーン(温めている)。
- メモ
- 対:サマスン(冷ます)。
アチラン
一向に。ちっとも。
- 用例
- マッチョーシガ、アチラン チュールグトー ネーン(待っているが、ちっとも来る様子がない)。
- メモ
- 類:イッチン・ティーチン。
アチリーン
熱くなる。
- 用例
- ティーラカイ アティーネー アチリーンドー(太陽に当てると熱くなるよ)。イユヌ シルヌ アチリトーン(魚の汁が熱くなっている)。否:アチリラン(熱くならない)継:アチリトーン(熱くなっている)。
アチレーイン
あつらえる。
- 用例
- ソーグヮチヂン アチレーイン(正月用の着物をあつらえる)。
否:アチレーラン(あつらえない)希:アチレーイブサン(あつらえたい)過:アチレータン(あつらえた)継:アチレート―ン(あつらえている)。
アッカアッカ
歩きだそうとする様。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ナマニン アッカアッカ ソーンデー(その子は、今にも歩き出そうとしているよ)。
アッカサーウヮー
種豚。種付け用の豚。
- メモ
- 音2:アッチャーウヮー。
主がムチを持って豚を歩かせて、依頼された所の豚に種付けに行ったことからアッカサーウヮーといわれた。
アッカスン
①歩かせる。②走らせる。
- 用例
- ①トゥーサカラ ワラバー アッカスン(遠いところから子どもを歩かせる)。否:アッカサン(歩かせない)希:アッカシーブサン(歩きたい)過:アッカチャン(歩かせた)継:アッカチョーン(歩かせている)。②クルマ アッカスン(車を走らせる)。否:アッカサン(走らせない)希:アッカシーブサン(走らせたい)過:アッカチャン(走らせた)継:アッカチョーン(走らせている)。
アッカランアッキ
歩きにくそうに歩くこと。無理に歩くこと。
- 用例
- ヒサ ヤマチ、アッカランアッキ ソーン(足を痛めて、歩きにくそうにしている)。
- メモ
- 音1:アッカランアッチ。
アッカランアッチ
歩きにくそうに歩くこと。無理に歩くこと。
- 用例
- イクサネー、ヤマヌミーカラ ユールナー アッカランアッチ シル、ヤンバルンカイ ゥンジャル(戦争の時は、山の中を夜中歩いて、山原へ行ったのだよ)。
- メモ
- 音1:アッカランアッキ。
アッキ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキ、アレー ニンジノー アラン(ああもう、あれは人間ではない)。
- メモ
- 類:アッキヨー。
アッキサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッキトー
ええっ。ああ、もう。
アッキヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨー!コーイシ ワシティネーン(あーぁ!買うのを忘れてしまった)。
- メモ
- 音:アッキヨ。
何かしそこねた時に発する。
アッキヨーナーナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッキヨーナーナー、デージ(あらあらもう大変)。
アッキョッキョ
ええっ。ああもう。
- 用例
- アキョッキョー、アン ヤタン(ああ、もう、そうだった)。
- メモ
- 音:アッキョッキョー。
アッギヨナー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アック
叱責。いじめ。
- 用例
- ルク アック サッティ、ナラン(あまりにもいじめられて、うしようもない)。
アックカタ
{あるくかた(歩く方)}。行く先々。
- 用例
- アックカタ、ムル ジンル チカイル(行く先々、どこに行っても金を使うばかりだ)。
- メモ
- 類:イクサチザチ。
アックン
歩く。
- 用例
- ヤーカラ ガッコー マディ アックン(家から学校まで歩く)。
- メモ
- 音1:アッチュン。
アッケーヒッケー
あちこち行き来して忙しい様。
- 用例
- アッケーヒッケー、ヌー ッシ アッチョーガ(あちこち駆け回って、何をして歩いているのか)。
アッコッコー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコッコー!イチデージ ヤサ(えぇっかわいそうに!一大事だ)。
- メモ
- 類:アッコナー。
アッコナー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッコナー!アンル ヤティー(えぇっかわいそうに!そうだったの?)。
- メモ
- 類:アッコッコー。
アッコンテーグヮー
ままごと遊び。
- メモ
- アハコー(サザエ)を碗に見立てて遊んだのでそういった。
アッサ
あれだけ。
- 用例
- アッサル トゥティチェール(あれだけしか取ってきてないよ)。
- メモ
- 音1:アッピ。音2:アヒ。
アッサイヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサイヨー チビラーサヌ(ああもう、素晴らしい)。
- メモ
- 類:アッサミヨー・アッサヨー。
アッサキー
あんなにたくさん。
- 用例
- アッサキー トゥティッチッ(あんなにたくさん取ってきて)。
- メモ
- 音2:ウサキー・ウッサキー。対:アッサグヮー・アッピグヮー・アヒグヮー。・アンチェングヮー・アフィグヮー(少々)。
アッサキーナー
あんなにたくさんの。135
- 用例
- アッサキーナー、チャーシ カタジキーヌ チムエーガ(あんなにたくさんの、どうやって片付けるつもりなの)。
- メモ
- 対:アッサグヮー・アッピグヮー・アフィグヮー・アヒグヮー・アンチェングヮー(たったあれだけ。)。
アッサグヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- アッサグヮーシェー、ヌーン ナランサ(たったあれだけじゃあ、何にもならないよ)。
- メモ
- 音1:アッピグヮー・アヒグヮー・アフィグヮー。音2:アンチェングヮー・アフィグヮー。対:アッサキー・アッサキーナー(あんなにたくさん)。
アッサビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- アッサミヨーともいう。
アッサミヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサミヨー!アン ソール クトゥン アル(大変だ!あのようなこともあるね)。
- メモ
- 類:アッサイヨー・アッサヨー。
アッサヨー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッサヨー!アン ソール クトゥ シーゥンジャチ(大変だ!あんなことをしでかして)。
- メモ
- 類:アッサミヨー。
アッサン
浅い。
- 用例
- ゥンマー アマヤカ アッサンドー(ここはあそこより浅いよ)。
- メモ
- 対:フカサン(深い)。
アッサンミー
浅い所。
- 用例
- アッサンミーカラ イージ クーワ(浅い所から泳いで来なさい)。
- メモ
- 対:フカイ・フカサンミー(深い所)。
アッシェ
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッシェ ナー、ウヮーバグトゥ シ(ああもう、余計なことをして)。
アッシャビヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッシャヨー
ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アッタ
- 用例
- トゥマティル ヲゥタシガ アッタニ トゥリ ハイタン(止まっていたんだが急に飛んで行った)。
アッター
彼等。彼女等。
- 用例
- ゥンマンカイ ヌクトーシェー、アッター ムン ヤサ(そこに残っているのは、彼等の物だよ)。
アッタイ
屋敷内の菜園。
- メモ
- →アタイ。
アッタニ
急に。にわか。突然。
- 用例
- トゥマティル ヲゥタシガ、アッタニ トゥリ ハイタン(止まっていたんだが、急に飛んで行った)。
- メモ
- 音2:アッタングヮー。
アッタバイ
急に出て行くこと。
- 用例
- マーカイガ ゥンジャラー、 アッタバイ ッシ トゥンジティ ハイタン(どこに行ったのか、急に飛び出して行った)。
アッタバジョー
見た瞬間は美人だが大したことはない。
- 用例
- アレー ンジーシンレー、アッタバジョー ナティ(彼女はよく見たら、そんなに美人ではない)。
アッタプットゥカシ
急に発言したり、行動したりすること。
- 用例
- アレー アッタプットゥカシ ムヌイーヨーシ、チャーン ナラン(彼は思いつきで言うから、どうしようもない)。
アッタマーシ
急死。
- 用例
- アンシ ワカサルムンヌ、アッタマーシ ッシヤー(あんなに若いのに、急死してね)。
アッタル
可惜〔あたら〕。大切な。惜しくも。
- 用例
- アッタル カナサル トゥジ(あたらな愛しい妻)。アッタルクヮ(大切な子)。
- メモ
- →アタラ。
アッタングヮー
急。突然。
- 用例
- ナママディ ウマウティ アシドータシガ、アッタングヮーニ ヲゥランナトーン(今までそこで遊んでいたんだが、急にいなくなっている)。
- メモ
- →アッタニ。
アッチカタ
歩き方。
- 用例
- ゥンマハラセーヤ、アッチカタル ンージュタンドー(琉球競馬は、歩き方を見たんだよ)。
アッチカンティー
歩きにくい。
- 用例
- タカアシジャシェー アッチカンティー スンドー(高下駄では歩きにくいよ)。
アッチナレー
歩き慣れ。歩行練習。
- 用例
- ウンナゲー チャーニンジ ソーテーグトゥ、 アッチナレーン サントーナランドー(長いこと寝たきりだったから、歩く練習もしないといけないよ)。
アッチハジミーン
歩き始める。
- 用例
- タンカーンナイルムン、ヤガティ アッチハジミーサ(満1歳になるんだから、やがて歩き始めるさ)。
アッチャー
足が速い人。
- 用例
- アッピーヤ アッチャー ナティ、ハーエースーブーネー チャー イチバン ヤタン(兄は足が速くて、かけっこではいつも一番だった)。
アッチャー(~アッチャー)
~する人。
アッチャーアッチャー
あちこち歩き回る様。
アッチャーグヮー
よく出歩く人。
- 用例
- アレー アッチャーグヮー ナティ、マーマディン アシビーガ ハイン(彼はよく出歩く人なので、どこまでも遊びに行く)。
アッチャーウヮー
種豚。種付け用の豚。
- 用例
- アッチャーウヮーガ チャーギンデー(種付け豚がやってくるよ)。
- メモ
- →アッカサーウヮー。
アッチャメーグヮー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- スージン ハネーチーネー、アッチャメーグヮー スタン(お祝いも華やぐと、テンポの速い雑踊りをした)。
- メモ
- 主に男性が踊ることが多かった。
アッチュン
①歩く。行く。進む。②いつも~する。~して暮らす。③元気である。達者である。
- 用例
- ①トゥーサー アシガ、ドゥーチュイシ アッチ イチュン(遠いけど、ひとりで歩いて行く)。
否:アッカン(歩かない)希:アッチーブサン(歩きたい)過:アッチャン(歩いた)継:アッチョーン(歩いている)。②ヤマガッコー アッチャン(山学校した)。
トーフウヤー ッシ アッチュン(豆腐売りをして生活している)。③チューン ガンジュー アッチョーミ(今日も元気でやっているか)。
- メモ
- 音1:アックン。
アッチヨー
歩きよう。歩く様。
- 用例
- アヌ ワラビヌ アッチヨーヌ ウジラーサヨー(あの子の歩く様子のかわいいこと)。
アットーメー
奥様。士族の奥様の呼称。
- 用例
- スイヌ アットーメー(首里の奥様)。
- メモ
- 下位の者が上位の者に対して使う。
アッパーヤー
ええっ。ああ、もう。
- 用例
- アッパーヤー、ウレー シワ ヤサ(ええっ、それは心配だ)。
アッパヤー
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパヨイ
あらあら。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いて心配な時に発する語。
アッパンガラー
自暴自棄。やけくそ。
- 用例
- ウヤンカイ ヌラーッティ アッパンガラー ナティ、 ヤーカラ ゥンジティ ハイタン(親に叱られ自暴自棄になって、家を出て行った)。
アッピ
あれだけ。
- 用例
- イャーガ ムッチ チャシェー、タダ アッピ ヤサ(お前が持って来たのは、たったあれだけだよ)。
- メモ
- →アッサ。
アッピー
兄。兄さん。
- 用例
- ワッター アッピーヤ フユーナムン ナティ、ムットゥ シクチン サン(私の兄さんは怠け者で、全く仕事をしない)。
- メモ
- 音2:アッピーグヮー。類:アヒー・アフィー。
実の兄以外にも、年上の人に~アッピー(~兄さん)ともいう。
アッピーグヮー
兄。兄さん。次兄以下の兄さんにいう。
- メモ
- →アッピー。
アッピグヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- タダ アッピグヮーシェー、ジョーイ タラーンデー(たったあれだけでは、とうていたりないよ)。
- メモ
- →アッサグヮー。
アッピナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- 用例
- イャー アッピナーヌ ムン ムッチースミ(君はあんな大きな物を持てるか)。
- メモ
- 音1:アヒナー・アフィナー。音2:ウヒナー。
アッビヨイ
あらまあ。ええっ。ああ、もう。
- メモ
- 驚いた時に発する語。
アップアップー
あっぷあっぷと苦しくもがいている様。
- 用例
- ゥンブクティ アップアップー ソータン(溺れてあっぷあっぷしていた)。
アップリ
飴。あめ玉。
- 用例
- アップリンデー カマシーネー、ナチュシン トゥマイサ(飴でも食べさせたら、泣くのもやむさ)。イッセン ッシ、アップリグヮー コーティ クーワ(1銭で、あめ玉を買っておいで)。
アティ
当て。目当て。覚え。
- 用例
- ワッターン アテー アン(私たちも覚えている)。アテー ネーラン(覚えていない)。
ヤーカラ トゥンジタシガ、イクアティン ネーン(家から飛び出したが、行く当てもない)。
- メモ
- 音2:アティムン・ミアティ。
アティーン
当てる。
- 用例
- キーヌ ユダカイ イシ アティーン(木の枝に石を当てる)。
ワームン ノージ、マジェー アティティンリ(私の名前を、まずは当ててごらん)。
否:アティラン(当てない)希:アティーブサン(当てたい)過:アティタン(当てた)継:アティトーン(当てている)。
アティナシ
あどけない。無邪気。
- 用例
- ヌーガ イャーヤ ウマンカイ チュール アティナシ(どうしてお前はここに来たのか)。
アティムン
当て。目当て。目印。
- 用例
- ニヌファブシ アティムンニ ッシ(北極星を目当てにして)。
- メモ
- →アティ。
アトゥ
後。後方。
- 用例
- ワームン アトゥ、ウーティクーワ(私の後ろを、ついて来なさい)。
- メモ
- 音2:アトゥジー・クサー。対:メー(前)。
アドゥ
踵〔かかと〕。
- 用例
- アドゥヌ ユグリトーグトゥ ヒサダカー シ アッチュン(踵が汚れているから、つま先立ちで歩く)。
- メモ
- 音1:アル。
アトゥアトゥ
後々。
- 用例
- ウレー アトゥアトゥヌ タミニ マシェー アラン(それは後々のために良くない)。
アトゥアブシバレー
行事名。{あとあぶしばらい(後畦払い)}。旧4月16日に行なわれる畦払い。
- 用例
- アトゥアブシバレーネー、ビントー ムッチ、ゥンマハラセー ンージーガ イクタン(アブシバレーの2日目には、弁当を持って、琉球競馬を見に行った)。
- メモ
- →アブシバレー。
アトゥウーイ
後を追い。後を追って見届けること。
- 用例
- マジェー アトゥウーイ シ ゥンジンリ(まずは後を追って行ってごらん)。
- メモ
- 音2:アトゥミ。
アトゥカタ
跡形。形跡。
- 用例
- ヌーヌ アトゥカタン ヌクトー ネーン(何の跡形も残っていない)。
アトゥカタヂキ
後片付け。
- 用例
- アトゥカタヂケー リッパ シッカラル、アシブンディチン アル(後片付けはちゃんとしてから、遊ぶんだよ)。
アトゥガマ
後がま。後任。後妻。後夫。
アトゥグングヮチャー
行事名。旧5月に行われた若者同士の交流。
- メモ
- 古堅では旧5月6日をアトゥグングヮチャーといい、青年たちがアシビナーに竈〔かまど〕を作り、持ち寄った豆腐や肉などを調理し、アトゥハチカーグヮーに御馳走になったお返しとして、娘たちを招待しもてなした。
アトゥサー
後継者。跡継ぎ。
- 用例
- ヤーヌ アトゥサーヤ キマトーミ(家の後継者は決まっているか)。
- メモ
- 音2:アトゥミ。
アトゥサチ
後先。前後。
- 用例
- アトゥサチン ワカラン シーヨー ッシ(後先も分からないようなやり方をして)。
アトゥジー
後。後方。
- 用例
- アトゥジーカイ ヲゥル バーヨ(後方にいるわけよ)。
- メモ
- →アトゥ。
アトゥシンカー
後退〔あとずさ〕り。
- 用例
- アトゥシンカー ッシ ヒンギティ ハイタン(後退りして逃げて行った)。
- メモ
- 音1:アトゥシンチャー。
アトゥシンチャー
後退〔あとずさ〕り。
- 用例
- アトゥシンチャー ッシ、メーカイ アッチュンデー サン(後退りして、前に歩こうとはしない)。
- メモ
- 音1:アトゥシンカー。
アトゥチビ
後尻〔あとじり〕。最後尾。
- 用例
- アトゥチビ ウーイン(後尻を追う)。
アトゥトゥジ
後妻。
- メモ
- 音1:アトゥドゥミ。音2:アトゥドゥミアンマー。
アトゥドゥミ
後妻。
- 用例
- トゥジ ウシナティ ナゲー ナイグトゥ、アトゥドゥミ カメーイシェー マシ ヤサ(妻を亡くして長いことなるから、後妻を迎えた方がいいよ)。
ワッター タンメーヤ アトゥドゥミ カメータン(うちのおじいさんは後妻を娶〔めと〕った)。
- メモ
- →音1:アトゥトゥジ。→
アトゥドゥミアンマー
後妻。継母。
- 用例
- ワッター アトゥドゥミアンマーヤ イッペー ハタラチャー ヤン(うちの後妻はとても働き者だ)。
- メモ
- →アトゥトゥジ。
アトゥナイサチナイ
相前後する様。
- 用例
- アトゥナイサチナイ ッシ ハイタン(相前後して出て行った)。
アトゥナイナイ
だんだん後退〔あとずさ〕りする様。
- 用例
- アトゥナイナイ ッシ ヒンギティ ハイタン(だんだん後退〔あとずさ〕りして逃げて行った)。
- メモ
- 対:メーナイナイ(前に出て行くこと)。
アトゥナイメーナイ
前後する様。
- 用例
- アトゥナイメーナイ ッシ、ヌー ソーガ(後になったり前になったりして、何をしているか)。
アトゥヌ ゥンジミ
しまいには。結局。あげくの果て。
- 用例
- アトゥヌ ゥンジミネー(しまいには)。
- メモ
- 音1:アトゥヌ ゥンズミ。
アトゥヌ ゥンズミ
しまいには。あげくの果て。結局。
- 用例
- アトゥヌ ゥンズミネー ヒンギティ ヲゥラン ナトータン(あげくの果てに、逃げていなくなっていた)。
- メモ
- 音1:アトゥヌ ゥンジミ。
アトゥハチカーグヮー
行事名。旧1月に行なわれた若者の交流。
- メモ
- 古堅では旧1月20日をアトゥハチカーグヮーといい、娘たちが御重を作って、男友達に御馳走した。
アトゥバレー
後払い。
- 用例
- ジノー アトゥバレーシ シマビーミ(お金は後払いでいいですか)。
- メモ
- 対:メーバレー(前払い)
アトゥビサ
後ろ足。
- 用例
- ゥンマヌ アトゥビサシ キラッタン(馬の後ろ足で蹴られた)。
- メモ
- 対:メービサ(前足)
アトゥマサイガフー
後の方が優っていること。残りものに福。
- 用例
- アトゥマサイガフーディチ アグトゥ、ヌクヤー ヤティン ムッチ イケー(残りものに福があるというから、残りものでも持って行きなさい)。
アトゥミ
後を追って見届けること。
- 用例
- チャール ソーラー、アトゥミ ッシ ンチ クーワ(どうしているのか、後を追って見て来なさい)。
- メモ
- →アトゥウーイ。
アトゥミ
跡目。後継者。跡継ぎ。
- 用例
- ナームン アトゥミヤ キマトーミシェーミ?(貴方の跡継ぎは決まっていますか?)。
- メモ
- →アトゥサー。
アトゥムドゥイ
後戻り。
- 用例
- アトゥムドゥイ ッシ ケーティ ハイタン(後戻りして帰って行った)。
アトゥン サチン
後にも先にも。
- 用例
- アトゥン サチン、サントー ナランヌール ヤル ムンヌ(後にも先にも、やらなくちゃいけないものなのに)。
アトゥンジンケー
後ろ向き。
- 用例
- タンメーヤ アトゥンジンケー ッシ(おじいさんは後ろ向きになって)。
- メモ
- 音2:クサーンケー。対:メーンケー(前向き)。
アトゥゥンジー
徒競走のスタートで出遅れること。
- 用例
- アトゥゥンジー ッシ ネーン、オーピリ ナタン(出遅れてしまって、ビリになった)。
- メモ
- 対:サチゥンジー(フライング)。
アナー
昆虫名。蟻。
- 用例
- サーターンカイ アナーガ シガトーン(砂糖に蟻がたかっている)。
- メモ
- →アイコー。
アナガー
屋敷内にある溜池。
- 用例
- トゥティチェール ヤシェーヤ、アナガーヲゥティ アラレー(取ってきた野菜は、溜め池で洗いなさい)。
- メモ
- 屋敷内の西南に設けられた、2間×1間半ほどの溜池。手足や農具、野菜などを洗った。→アタンガー。
アナガチサン
懐かしい。
- 用例
- タンメー ゥンーメーヌ シャシン ンーチャレー、アナガチサヌ ウビゥンジャチャン(祖父母の写真を見ていたら、懐かしく思いだした)。
アナギ
あの長さ。あのぐらいの長さ。
- 用例
- ユヌ ナガサ ナイヌ グトゥ、アナギンカイ チレー(同じ長さになるように、あの長さに切りなさい)。
アナギナー
あれほどの長さ。
- 用例
- アナギナーヌ ムンシェー、ナガサヂューサヌ チカーラン(あんなに長い物では、長すぎて使えない)。
アナグイン
物事をほじくり返す。詮索する。
- 用例
- ンカシヌ ヤナクトゥビケーン、アナグイン(昔の悪いことだけを、ほじくり返す)。ジコー アナグイタン(しつこく詮索された)・座。
否:アナグラン(詮索しない)希:アナグイブサン(詮索したい)過:アナグタン(詮索した)継:アナグトーン(詮索したい)。
アナグー
魚介名。シャコ貝。
- メモ
- 類:アファクー・アファケー。
アナクジ
潮干狩り。
- 用例
- ハーマンジ アナクジ ッシ、ンナグヮー トゥッタン(浜で潮干狩りをして、貝を取った)。
- メモ
- 干潮時などに、岩礁をほじくり潮干狩りをした。
アナヤー
掘っ建て小屋。穴を掘り、石柱や木柱を使って建てた粗雑な小屋のこと。
- 用例
- アミヌ フイネー、アナヤーンカイ カックィタン(雨が降ったら、掘っ立て小屋に隠れた)。
- メモ
- 農業や林業を営む人たちは、近くにアナヤーを造って休憩場にしていた。
アニ
あるか。
- 用例
- アマンカイ アニ(あそこにあるねぇ)。
- メモ
- 音1:アミ。
アニク
漁具名。竹で編んだ網代籠〔あじろかご〕。
- 用例
- アニクンカイ カカレーカラー、イヨー ヒンギラランサ(網代にかかったら、魚は逃げられないよ)。
- メモ
- →アイクバーキ。
アヌ
あの。
- 用例
- ワッターヤーヤ アヌ ヤー ヤサ(私の家はあの家だよ)。
アヌー
あのね。あのう。
- 用例
- アヌー、ナマカラ イチュル トゥクローヨー(あのう、今から行くところはね)。
アヌーカヌー
しどろもどろで何を言っているか分からない様。
- 用例
- アヌーカヌー ッシ、ヌール イチョーラー ワカラン(しどろもどろで、何を言っているのか分からない)。
アヌグトゥ
あのように。あんなに。
- 用例
- アヌグトゥ シル シクチヤ スンドー(あのようにして仕事はするんだよ)。
- メモ
- 音1:アングトゥ。
アヌクル
あの頃。
- 用例
- アヌクルヌ クチサヤ、ヌーディン イララン(あの頃の苦しかったことは、何とも言えない)。
アヌッチュ
あの人。
- 用例
- アヌッチュヌ イーヌトゥーイ ヤサ(あの人の言う通りさ)。
アヌトゥチ
あの時。
- 用例
- アヌトゥチヌ シンカンチャーヤ、ナマン ガンヂュー ソーガヤー(あの時の仲間は、今も元気にしているかな)。
アヌヒャー
彼奴〔あいつ〕。
- 用例
- アヌヒャーヤ、 チューヤ ヌガーラチェー ナラン(彼奴は、今日は許してはならない)。
アヌヒン
あの辺。
- 用例
- アヌヒンマディ イチーネー、ミールスラー ワカランサ(あの辺まで行ったら、見えるかもしれないよ)。
アヌフージー
あのようなもの。
- 用例
- ワンガ キサ イチャシェー、アヌフージー ヤサ(私がさっき言ったのは、あのようなもんだよ)。
- メモ
- 類:アングトールー。
アヌママ
あのまま。
- 用例
- アヌママ、ンカシトゥ ティーチン カワラン(あのまま、昔と何も変わらない)。
アヌユー
あの世。死後の世界。
- 用例
- アヌユー ゥンジマディン、イャー ウンジヤ ワシリランサ(あの世に行っても、貴方の恩は忘れないよ)。
アヌヨー
あのね。
- 用例
- アヌヨー、チュガ イーシェー ユー チキヨー(あのね、人が言うのは良く聞きなさいよ)。
アヌヨー
あのよう。
- 用例
- アヌヨーナ クトゥヌ、アテー ナランサ(あのようなことが、あってはいけないさ)。
アネ
ほら。
- 用例
- アネ、アリ ヤサ(ほら、あれだよ)。
アネアネ
あれあれ。
- 用例
- アネアネ、ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ(あれあれ、そこで何をしているの?)。
アネー アラン
そうじゃない。
- 用例
- アネー アランドーレー(そうじゃないってば)。
アネー サン
そうはしない。そうはせず。
- 用例
- アリヤレー、アネーサーンサ(彼なら、そうはしないよ)。
アネー ヤシガ
そうなんだが。
- 用例
- アネー ヤシガ、チャーン ナランル アンデー(そうなんだが、どうしようもないんだよ)。
- メモ
- 音2:アン ヤシガ。
アネヒャー
ええっ。ほら。
アハー
ああ。そうか。そうですか。
- 用例
- アハー アンル ヤティナー(ああそうだったのか)。
アバー
姉。姉さん。
- 用例
- ワッター アバーヤ ユー ハタラチュン(私の姉はよく働く)。
- メモ
- 音2:アワー・ゥンミー。
アバーグヮー
姉。姉さん。次姉以下の姉。
アハーッ
ああ、そうか。
- 用例
- アハーッ、アンドゥ イービルイ(ああ、そう言うんですか)。
アバイチリーン
ひどい目にあう。大変な目にあう。
- 用例
- ドゥーヤカ マギサヌ ムン ムタサッティ、アバイチリタン(自分の体より大きいものを持たされて、ひどい目にあった)。
過:アバイチリタン(ひどい目にあった)継:アバイチリトーン(ひどい目にあっている)。
- メモ
- 本来の意味は「出産時に会陰が裂ける」ことで、その際の大変さを表現したもの。
アハコー
魚介名。サザエ。
アバサー
おてんば。手に余ること。
- 用例
- クヌ ワラベー、ルク アバサーナティ(この子は、あまりにもおてんばで)。
- メモ
- 類:トゥンバー。
アバサー
魚介名。ハリセンボン。
アバサーヰナグ
いい加減な女。
- 用例
- アバサーヰナグ ナテー ナランドー(いい加減な女になってはいけないよ)。
アバシ
魚介名。ハリセンボン。
- 用例
- ウヌ アバシヌ ハーイ ンチンディ(そのハリセンボンの針を見てごらん)。
アバチュン
持て余す。着物などがだぶつくことにもいう。仕事等を持て余す。
- 用例
- シージャカラ ヰーテーヌ チン ヤグトゥ、アバチョーン(姉からもらった着物なので、だぶついている)。マギシクチ ドゥーチュイシ スンディ ッシ、 アバチョーン(大仕事を一人でやろうとして、持て余している)。
継:アバチョーン(持て余している)。
アハハー
声をあげて笑う様。
- 用例
- アハハー シ ウーワレー ソータン(声を上げて大笑いしていた)。
アバラー
大食いな人。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ムル アバラーヤン(私の家族は、みんな大食いだ)。
- メモ
- 類:ウフワター。
アバラガミ
大食い。
- 用例
- アンスカ アバラガミ シーネー、ワタ ヤンジュンドー(そんなに大食いすると、お腹をこわすよ)。
- メモ
- 音2:バーキガミ・フリガミ・ジャーマカミ。
アバリーン
暴れる。
- 用例
- ワンガ カラトール ゥンマー、ユー アバリーン(私が飼っている馬は、よく暴れる)。
否:アバリラン(暴れない)希:アバリーブサン(暴れたい)過:アバリタン(暴れた)継:アバリトーン(暴れている)。
アヒ
あれだけ。
- 用例
- イャー ムノー、アヒ ヤサ(お前の物は、あれだけさ)。
- メモ
- →アッサ。
アビ
ええっ。あら。
アヒー
兄。兄さん。
- 用例
- アヒーヤ シクチン サンヨーイ、アシビーガ イチュタン(兄さんは仕事もせずに、遊びに行った)。
- メモ
- 音1:アフィー。→アッピー。
アビーウドゥルカスン
大声で驚かす。大声でびっくりさせる。
- 用例
- ウッピナー アビーネー、アビーウドゥルカスンドー(そんなに大声出したら、びっくりさせるよ)。
アビーグィー
呼び声。
- 用例
- アビーグィーヌ チカリーシガ、ター ヤガ(呼び声が聞こえるが、誰かな)。
アビーチラカスン
大声を出して騒ぎ立てる。
- 用例
- チュヌヤーヲゥティ アンシ アビーチラカスンディチン アンナー!(人の家でそんなに大声を出して騒ぎ立てるってこともあるか!)。否:アビーチラカサン(大声を出さない)希:アビーチラカシブサン(大声を出したい)過:アビーチラカチャン(大声を出した)継:アビーチラカチョーン(大声を出している)。
アビーヤースン
①喋りまくる。わめく。②鳴きまくる。
- 用例
- ①タイナムン アマヲゥティ アビヤーチョーンドー(ふたりの者が、あそこでわめき始めているよ)。②ヘーク ムン クィランネー ウヮーヌ アビヤースンドー(早く餌をやらないと、豚が鳴きまくるよ)。
アビーン
①呼ぶ。わめく。大声で喋る。②話す。声をかける。招待をかける。③大声で歌う。④家畜や犬・猫などが鳴く。
- 用例
- ①イャーヤ アンスカナー アビーンナケー(お前はそんなにわめくな)。
②タンメー アビティクーワ(おじいさんを呼んできなさい)。
②ヤガティ アビーハジミーンドー(やがて話し始めるよ)喜。
③ウタ ティーチェー アビティンディ(歌を一つ歌ってごらん)
④スージネー ケートゥナイ アビーン(お祝いには隣近所を招待する)。
否:アビラン(招待しない)希:アビーブサン(招待した)過:アビタン(招待した)継:アビトーン(招待している)。
⑤イチムシヌ アビヤーチ(動物が鳴き出して)・牧。
アヒグヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- イャーガ トゥティチェーシェー、アヒグヮール ヤンナー(お前が取って来たのは、たったあれだけなのか)。
- メモ
- 音1:アフィグヮー。→アッサグヮー。
アヒナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- 用例
- イッター ウヤヌヤーヤ、アヒナーヌ ヤシチ ヤル(君の実家は、あんなに大きな屋敷だね)。
- メモ
- →音1:アッピナー・アフィナー。
アビビー
ええっ。きゃあ。
- メモ
- びっくりした時に発する語。
アヒャー
母豚。繁殖用雌豚。
- 用例
- アヒャー ソーティ アッチョーン(繁殖用の雌豚を連れて歩いている)。
- メモ
- 音2:アヒャーウヮー。類:ナサーウヮー。
アビヤー
よくしゃべる人。おしゃべり。
- 用例
- イャーヤ アンチュカ アビヤー ヤル(お前はとってもおしゃべりだね)。
- メモ
- 対:ダマヤー(言葉数の少ない人)。
アビヤーアビヤー
声高に叫ぶ様。
- 用例
- アビヤーアビヤー ソーン(声高に叫んでいる)。
アビヤークィーヤー
わいわい騒ぐ様。
- 用例
- アビヤークィーヤー ソーシガ、ヌー ヤガ(わいわい騒いでいるが、どうしたの)。
アビヤーティーヤー
喧喧ごうごう。言い争う様。
- 用例
- アビヤーティーヤー ソーシガ、マーン ヤマサンガヤー シワ ヤサ(言い争っているが、怪我でもしないか心配だ)・儀。
アヒャーウヮー
母豚。繁殖用雌豚。
- メモ
- →アヒャー。
アビヨイ
えっ。あらまあ。
アビヨー
えっ。あらまあ。
- 用例
- アビヨー デージ(あらまあ、大変)。
- メモ
- アビヨともいう。
驚いた時に発する語。
アヒラー
鳥名。アヒル。
- 用例
- ヒミチンカイヤ、アヒラージル クスイ ヤンディサ(喘息には、アヒル汁が効くそうだよ)。
アヒラーバイ
アヒルのように体を左右に揺らして歩くこと。
アヒラーマジムン
アヒルの妖怪。
- 用例
- アヒラーマジムンヌ ゥンジータシェー アマ ヤサ(アヒルの妖怪が出たのはあそこだよ)。
- メモ
- 読谷に伝承される動物の妖怪のひとつ。
アビラウンケン
渡具知の拝所の名前。梵字碑のこと。
![アビラウンケン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00692.jpg)
- メモ
- 「ア ビ ラ ウン ケン」と読める梵字五文字が刻まれた石碑。「地・水・火・風・空」を意味し、防災厄除の働きがあるともいわれた。建立の詳細は不明であるが、16世紀前半琉球で布教した僧侶日秀上人に関連すると推測されている。石碑は津口、海を見渡せる位置にあり、航海安全の祈願のため建立されたとも考えられる。
アビンナ
喋るな。黙れ。
- 用例
- ウヌ クトー ターニン アビンナヨー(そのことは誰にも喋るなよ)。
アビンナ ディーグトゥ、アビラランサ(黙れと言うから、話せないさ)。
アブ
洞穴〔ほらあな〕。
- 用例
- アブンカイ カーブヤーヌ マンドータン(洞穴にコウモリがたくさんいた)。
- メモ
- 類:ガマ。
アファー
白け。気まずい様。
- 用例
- アファー ナティ ケーティ チャン(白けて帰って来た)。アン イラッティ アファー ナタン(そう言われて気まずかった)。
アファクー
魚介名。二枚貝。
- 用例
- アファクーグヮーヌ シル チュクタン(二枚貝の汁を作った)。
- メモ
- 音1:アファケー。→アナグー。
アファグチャー
薄口。薄味を好む人。
- 用例
- ルク アファグチャー ナティ、ナー イフェー ソーユーンデー イリレーワ(あまりにも薄口だから、もう少し醤油でも入れなさい)。
ワー トゥジェー アファグチャー ヤン(私の妻は薄味を好む)。
- メモ
- 対:スーヂューグチャー(濃口)。
アファケー
魚介名。二枚貝。
- 用例
- ハーマカイ イチーネー ムル アファケール ヤタル(浜に行くとハマグリだらけだった)。
- メモ
- 音1:アファクー。→アナグー。
アファサン
味が薄い。
![アファサン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00699.jpg)
- 用例
- ウヌ シロー アファサンレー、ナー イフェー ンス イリレー(その汁は味が薄いよ、もう少し味噌を入れなさい)。
- メモ
- 類:アワハン。対:スーヂューサン(味が濃い)。
アファナカーニンジ
仰向けで寝ること。
- 用例
- クサミチ、アマヲゥティ アファナカーニンジ ソーサ(怒って、あそこで仰向けに寝ているよ)。
- メモ
- 音1:アファナチャーニンジ。対:ウッチンカーニンジ(うつぶせ寝)。
アファナチャーニンジ
仰向けで寝ること。
- メモ
- →アファナカーニンジ。
アファナチュン
ふて寝する。「寝る」の卑語。
- 用例
- サンラーヤ アマウティ アファナチョーン(三良は向こうでふて寝している)。
アファムン
薄味の物。味気のない物。
- 用例
- メーナチ、アファムンビカーン カマサットーン(毎日味が薄いのだけ食べさせられている)。
アブイ
馬具名。鐙〔あぶみ〕。
アフィー
兄。兄さん。
- メモ
- 音1:アヒー。→アッピー。
アフィグヮー
少々。たったあれだけ。
- メモ
- 音1:アヒグヮー。→アッサグヮー。
アフィナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- メモ
- →音1:アヒナー。
アブー
大きい蠅〔ハエ〕。虻〔アブ〕。
- 用例
- ウヒナーヌ アブー ヤル(こんなにも大きな虻だね)。
アブカー
泡。あぶく。
- 用例
- クヌ サフンヤ アブカーン ゥンジラン(この石鹸は泡も出ない)。
- メモ
- 音1:アブクー。→アー。
アブクー
泡。あぶく。
- 用例
- アブクーガ ウスマサ ゥンジトーン(泡がとってもよく出ている)。
- メモ
- 音1:アーブク・アブカー。→アー。
アブクン
息切れする。物事の途中で力尽きる。
- 用例
- アンシ ハーエー シーネー、 ヤガテー アブクンドー(そんなに走ると、やがては息切れするよ)。
アブシ
畦〔あぜ〕。田や畑の境に土を盛り上げて、仕切りにした所。
- 用例
- アブシヲゥティ イフェー ユックラナ(畦で少し休もうよ)。
アブシガタミ
畦固め。水が漏れないように田圃の周囲の畦を固めること。
- メモ
- 田拵えの一連の作業のひとつで、荒起こしを済ませたあとに行った。
アブシヌアムトゥ
土手。
- メモ
- 類:アボーチ・アムトゥ・アモーチ。
アブシバレー
行事名。畦払い。旧4月15日、16日に行われる虫払いの行事。畦の除草、田畑の害虫駆除、農作祈願を行う。
- 用例
- アブシバレーネー クヮッチーン マンディ タヌシミ ヤタン(アブシバレーには、御馳走もたくさんあって楽しみだった)。
アブシバレーネー ハルシクチェー ユックティ スビガニクンカイ ゥンジャン(アブシバレーには畑仕事を休んで楚辺兼久に行った)。
- メモ
- 音2:シングヮチアブシバレー。4月15日をサチアブシバレー(畦払い)、16日をアトゥアブシバレー(後畦払い)といった。当日は物忌みで、肥料の扱いや畑仕事、針仕事、山に行くことが禁じられ、禁を犯すとハブが入るといわれた。楚辺や座喜味では、バッタなどの虫を麦の殻や青葉に乗せて、海や川に流した。スビガニク(楚辺兼久)では、2日間にわたってゥンマハラセー(競馬)が行われ、村内外から見物客が訪れ、多くの出店で賑わった。また、楚辺ポーポーを作って、親戚や友人をもてなし、夜は青年達による沖縄角力も行なわれた。海に近い渡慶次、儀間、渡具知では舟遊びをする者も多かった。伊良皆では、15日はスビガニクへ競馬を見に行き、16日は字内で闘牛大会を催した。
アブシバレーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- メモ
- 音2:ゥンマミーヂン・カタノーヂン。
アブシバレーの時に行われる競馬を見に行くための着物を、新調する者もいた。
アブシマックヮ
{あぜまくら(畦枕)}。
- 用例
- ゥンニヌ アブシマックヮ スカ ユカトーン(稲穂が畦にもたれかかるほど実っている)。
- メモ
- 稲穂が畦に枕をしているかのように垂れていること。
アブシミチ
畦道。
- 用例
- ゥンマヌ アブシミチンジ ユックトーケー(そこの畦道で休んでいなさい)。
- メモ
- 音2:ハルミチ。
アブチュン
蒸し暑い。
- 用例
- カジ ティーチン ネーン、アブチュンヤー(風ひとつもなく、蒸し暑いね)。継:アブチョーン(蒸し暑くなっている)。
- メモ
- 音2:フミチュン。類:シプタイアチサン・フミクン。
アブチュン
吹きこぼれる。
- 用例
- ヘーク フタ アキレー、アブチョーンドー(早く蓋を開けなさい、吹きこぼれているよ)。
継:アブチョーン(吹きこぼれている)。
アブナサン
危ない。
- 用例
- ゥンマー ユク アブナサン(そこはかえって危ないよ)。
- メモ
- 類:ウカーサン・ウッカーハン。
アブン
窪〔くぼ〕み。
- 用例
- アブンカイ ヒサ チックリカラヤー(窪みに足を突っ込むんじゃないよ)。
- メモ
- 音1:クブン。類:クブー。
アベアベ
あらあら。
- 用例
- アベアベ イャーヤ ゥンマンカイル ヲゥティナー(あらあら、あなたはそこにいたの?)。
- メモ
- 類:イビイビー。
アベー
ええっ。あら。あれ。ああもう。
- 用例
- アベー!アン イチン アンナー(ああ!そんなこともあるのか)。
アベー、ウドゥルチヨー(ああもう、驚いてね)。
- メモ
- 音:アベ。
予想に反した時に発する語。
アベッ
ええっ。あら。あれ。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
アボーチ
土手。
- 用例
- ハルヌ アボーチヌ カタハラ(畑の土手の片側)。
- メモ
- 音1:アモーチ。→アブシヌアムトゥ。
アマ
あそこ。あっち。あちら。
- 用例
- ドゥーチュイ アマンカイ イチュシェー マシ ヤサ(一人であそこに行ったほうがいいよ)。ヤクン タッタンシェー、アマンカイ イチクヮレー(役に立たない奴は、あそこに行きやがれ)。
アマイ
余り。
- 用例
- チカティ アマイヤ ムッチ ケーイサ(使って余ったのは持って帰るさ)。
- メモ
- 対:フスク(不足)。
アマイカンジュン
有り余る。
- 用例
- アマイカンティ ジャーフェー ナトーン(有り余って厄介なことになっている)。
ユカイ アマイカントーン(かなり有り余っている)。
継:アマイカントーン(有り余っている)。
アマイヌクサー
余り物。
- 用例
- ニッカ チューグトゥ、アマイヌクサール アタイサ(遅く来るから、余り物しかないよ)。
- メモ
- 音2:アマヤー。
アマイユ
魚介名。ミナミクロサギ。
- 用例
- ワッタヤ ユー アマイユ トゥイガ イチュタン(私たちはよくアマイユを取りに行った)。
アマイン
余る。
- 用例
- ムルカイ ハジン アマイン(皆に配っても余る)。
ムルカイ ハジーネー フスクル スル アマランサ(皆に配ったら不足するのであって余らないよ)。
否:アマラン(余らない)希:アマラシーブサン(余らせたい)過:アマタン(余った)継:アマトーン(余っている)。
アマカー
嘉手納の湧泉の名称。
アマカービラ
天川坂。嘉手納の地名。
- メモ
- 湧泉アマカーにちなんだ坂道の名称。戦前は石畳の急な坂道で明治期に県道が開通した際に迂回路が造られた。1609年薩摩の侵攻の際には、神女の指揮下に嘉手納の夫人たちが熱いおかゆを炊いて坂の上から熱々のおかゆを流し、薩摩軍の侵攻を防ごうとしたと言い伝えられる。
アマガカー
両生類。アマガエル。
- 用例
- アマガカーガ ナチョールムン、ヤガティ アミ フイサ(雨蛙が鳴いているから、やがて雨が降るよ)。
- メモ
- 類:アマガク。
あまのじゃくな人に対しても使われる。沖縄の民話に親の言うことに反対ばかりする『雨蛙不孝』がある。
アマカカイクマカカイ
あちこちに助けを求める様。
- 用例
- イサヌヤー アマカカイクマカカイ シン、イッチン マシェー ナラン(病院をあちこちかかっても、ちっとも良くならない)。
アマガカラー
両生類。アマガエル。
- 用例
- アネッ!アマガカラーヌ ナチャギーンドー(ほら!雨蛙が鳴いているよ)。
- メモ
- 類:アマガカー・アマガク。
アマガク
両生類。オキナワアマガエル。アマガエル。
- メモ
- →アマガカー。
アマガサ
雨傘。
- 用例
- アミ フトールムン、クヌ アマガサ カンティ イケー(雨が降っているから、この雨傘を被って行きなさい)。
アマガシ
あまがし。沖縄風ぜんざい。
- 用例
- グングヮチグニチネー、アマガシ チュクティ ウサギーン(五月五日の節供には、あまがしを作って供える)。
- メモ
- 旧5月5日の菖蒲の節供に、大麦と小豆を煮て、団子と黒糖を加えたアマガシを食した。
アマクマ
あちこち。
- 用例
- アマクマカイ ウチャレー、マーンカイガ ウチャラー ワカラン ナトーン(あちこちに置いたら、どこに置いたのか分からなくなった)。
アマサー
持て余している人。暴れん坊。やんちゃ坊。
- 用例
- ワラビヌ アマサー ナティ、アジカヤーン ヲゥランサ(子どもがやんちゃ坊主なので、預かる人もいないよ)。
- メモ
- 男の子に対して使うことが多い。
アマサーイクマサーイ
あちこち触っている様。
- 用例
- クヌ ワラベー、アマサーイクマサーイ ッシ(この子どもは、あっちこっち触りまくって)。
アマザキ
{あまざけ(甘酒)}。酢。
![アマザキ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00751.jpg)
- 用例
- サーター チクティヌ アトゥヌ ナービシ ヘーイヤ チュクタン(製糖した後の鍋で酢を作った)。
- メモ
- 類:シー・ヘーイ。
製糖後の大鍋に水を入れて鍋肌に付いている黒糖を溶かすように煮詰めた後、甕に入れて酢を作った。
アマサグイクマサグイ
あちこち探っている様。
- 用例
- アマサグイクマサグイ、ヌー カメートーガ(あっちこっち探って、何を探しているか)。
アマサン
甘い。
![アマサン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00753.jpg)
- 用例
- クヌ クヮーシェー イッペー アマサン(このお菓子はとても甘い)。
- メモ
- 音1:アマハン。対:カラサン・カラハン(辛い)。
アマシタムン
度を越した者。手に負えない者。
- 用例
- アンチュカ アマシタムン ヤル(なんて手に負えない奴だ)。
アマスン
持て余す。手を焼く。やんちゃ。
- 用例
- クヌ ワラベー アマスンヤー(この子どもは手の焼ける子だね)。
ウヤヤ デージ アマチョーン(親は手を焼いている)。継:アマチョーン(手を焼いている)。
- メモ
- 音2:ムティアマスン。
アマダイ
軒。
- 用例
- アミ フイグトゥ、アマダインカイ ヲゥトーキヨーヤー(雨が降るから、軒下にいなさいよ)。
- メモ
- 音1:アマライ・アマデー。
アマダイヌシチャ
軒下。雨落ち。
- メモ
- 音1:アマレーヒチャ・アマレーヌシチャ。
産後の胞衣を軒下に埋めると赤子の目が悪くなると言われた。
アマダイミジ
雨垂れ水。軒から落ちる雨水。
- 用例
- ミジヌ フスクシ、アマダイミジ タミティ チカトーン(水が不足して、雨水を溜めて使っている)。
- メモ
- 音1:アマライミジ。
アマダイムシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- 音1:アマデームシ。→アーメージャー。
アマチカンクマチカン
あちこち動きまわって落ち着きがない様。
- 用例
- クヌ ワラベー アマチカンクマチカン、ウティチチン ネーン(この子どもはあちこち動きまわって、落ち着きがない)。
アマデー
軒。
- メモ
- 音1:アマダイ・アマライ。
アマデームシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- 音1:アマダイムシ。→アーメージャー。
アマナシクマナシ
物をあちこち動かす様。
- 用例
- ニムチェー アマナシクマナシ サンケー(荷物はあちこちに動かさないで)。
アマニンクマニン
あっちにもこっちにも。
- 用例
- アマニンクマニン ハンナギランケー(あっちこっち放り投げるな)。
- メモ
- 音2:マーニンクィーニン。
アマヌブイクマヌブイ
あっちに登ったりこっちに登ったりしている様。
- 用例
- アマヌブイクマヌブイ ッシ、アブナサヌ(あっちこっち登って、危ないよ)。
アマハイクマハイ
あっち行きこっち行きする様。
- 用例
- イャーヤ アマハイクマハイ ッシ、マー アッチョーガ(お前はあっちこっち行って、どこをほっつき歩いているのか)。
- メモ
- →アマゥンジャイクマゥンジャイ。
アマハジ
{あまはじ(雨端)}。軒。軒下の空間部分。
- 用例
- イャームン チノー、アマハジカイ フーチェーサ(お前の着物は、軒下に干してあるよ)。
アマハン
甘い。
![アマハン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00767.jpg)
- 用例
- ウヌ ムーチーヤ アマハンデー(その餅は甘いよ)。
- メモ
- →アマサン。
アマヒンギクマヒンギ
あっちこっち逃げ回る様。
- 用例
- アレー アマヒンギクマヒンギ ソーンドー(彼はあっちこっちに逃げ回っているよ)。
アママガイクママガイ
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- イャー ムノー、アママガイクママガイシ チカーランサ(お前の物は、あちこち曲がって使えないよ)。
- メモ
- 音2:マガイヒガイ・マガヤーマガヤー・マガルーヒガルー。音:ヨーガーヒーガー。
アマミークマミー
あちこち見回している様。
- 用例
- アマミークマミー ッシ、ヌー ンチョーガ(きょろきょろして、何を見ているのか)。
アマミジ
雨水。
- 用例
- アマミジヤ タミトーキヨーヤー(雨水は溜めておきなさいよ)。
アマムイ
雨漏り。
- 用例
- アマムイ ッシ、ユカン ンリトーン(雨漏りして、床も濡れている)。
アマムティ
あちら側。あそこの方。
- メモ
- 音1:アマムティー。→アガタムティー。
アマムティー
あちら側。あそこの方。
- 用例
- アマムティーンカイ ヤティン、ウッチャンナギトーケー(あそこの方にでも、放っておきなさい)。
- メモ
- 音1:アマムティ。→アガタムティー。
アマムン
甘い物。
![アマムン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00773.jpg)
- 用例
- マルケーテー アマムン フーサンヤー(たまには甘い物が欲しいね)。
- メモ
- 対:カラムン(辛い物)。
アマムンジョーグー
{あまものじょうご(甘物上戸)}甘い物が好きな人。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ、アンシ アマムンジョーグー ヤル(女の人たちは、なんて甘い物好きなんでしょう)。
- メモ
- 対:カラムンジョーグー(辛い物のが好きな人)。
アマヤー
余り物。
- 用例
- アマヤーヤ アマンカイ ウッチェーサ(余り物はあそこに置いてあるよ)。
- メモ
- →アマイヌクサー。
アマヰークマヰー
あちこちに座って落ち着かない様。
- 用例
- アマヰークマヰー サンヨークー、ヘーク チュトゥクマンカイ ヰラニ(あちこちに座らないで、早くひと所に座らないか)。
アマユミクマユミ
あっち読みこっち読み。飛ばし読み。
- 用例
- アマユミクマユミ サレー、イミクジン ワカラン ナトーン(あっちこっち飛ばし読みしたら、意味が分からなくなってしまった)。
アマラ
漁〔いさ〕りランプのひとつ。
- メモ
- 柄杓状の金網に松の芯を入れて燃やし、漁りの灯りにした。
アマライ
軒。
- メモ
- 音1:アマダイ・アマデー。
アマライミジ
雨垂れ水。軒から落ちる雨水。
- 用例
- アマライミジ、ミジガーミンカイ タミトーン(軒から落ちる水を、水甕に貯めている)。
- メモ
- 音1:アマダイミジ。
アマリカー
あの辺り。あちら辺り。
- 用例
- ワランチャーヤ、アマリカーヲゥティ アシドーン(子どもたちは、あの辺りで遊んでいる)。
アマリカーンカイ ヒンギティ ハイタン(あちら辺へ逃げて行った)。
- メモ
- 音2:アマンデー。類:アリカー。
アマルカ
余るほど。
- 用例
- カムシェー アマルカ アイル スル(食べる物は余るほどあるよ)。
アマルカナー
有り余るほど。
- 用例
- アマルカナー ムッチ チューンディチン アンナー(有り余るほど持って来るってこともあるか)。
アマレーヌシチャ
軒下。雨落ち。
- 用例
- アマレーヌシチャヲゥティ アミ ハラサヤー(軒下で雨宿りしようね)。
- メモ
- 音1:アマダイヌシチャ・アマレーヒチャ。
アマレーヒチャ
軒下。雨落ち。
- メモ
- 音1:アマダイヌシチャ・アマレーヌシチャ。
アマン
甲殻類。ヤドカリ。
- 用例
- アキサミヨー!アマンガ マンドーシヨー(きゃああ!ヤドカリの多いこと)。
- メモ
- 音1:アーマン。
アマングヮー
丸い形のハジチ文様の名称。
- メモ
- 類:マルブシ。
アマンジャナー
阿麻和利。
- メモ
- 15世紀中頃に勝連按司として活躍し、「護佐丸・阿麻和利の変」を題材とした組踊では敵役として有名である。
アマンジャナーセー
子どもの遊び。阿麻和利に扮しての闘いごっこ。
アマンチュー
創造神の呼称。天の人。
- メモ
- →音1:アマンチュー。
アマンデー
あの辺り。あちら辺り。
- 用例
- ネーランラー、アマンデー カメーティンディ(ないんだったら、あそこら辺を探してごらん)。
- メモ
- →アマリカー。
アマゥンジャイクマゥンジャイ
あっち行きこっち行きする様。
- メモ
- 音2:アマハイクマハイ。
アミ
あるか。
- 用例
- フントー アマンカイ アミ(本当にあそこにあるか)。
- メモ
- 音1:アニ。
アミ
雨。
- 用例
- アミ フイギサーッシ、ヘークナー ヤーカイ ケーラナ(雨が降りそうだから、早く家に帰ろう)。
アミ
網。
- 用例
- ウリカーンジ、アミ シカキーシェー マシ ヤサニ(そこら辺で、網を仕掛けたらいいんじゃない)。
アミアンダー
網脂〔あみあぶら〕。豚や山羊などの内臓をおおっている網状の脂。
アミーン
浴びる。
- 用例
- チューヤ ルク イチュナサヌ、ナマカラ アミーン(今日はあまりにも忙しくて、今から浴びる)。
否:アミラン(浴びない)希:アミーブサン(浴びたい)過:アミタン(浴びた)継:アミトーン(浴びている)。
アミカジ
雨風。
- 用例
- マギキー イートーチーネー、アミカジ フシジュン(大きな木を植えておくと、雨風を防ぐ)。
アミクェームージ
虹。
- 用例
- アミアガイヌ アミクェームージヌ チュラサヨー(雨上がりの虹のきれいなこと)。
- メモ
- 音2:ムージ。類:ヌージ・ノージ・ノージャ。
アミグム
雨雲。
- 用例
- アミグムヌ ゥンジトーグトゥ、ヤガティ アミ フインドー(雨雲が出ているから、やがて雨が降るよ)。
- メモ
- 音2:アミヌミーグム。
アミコーイン
調合する。
- 用例
- ティンプラー アギーグトゥ アミコーイン(天ぷらを揚げるから衣を準備する)。否:アミコーラン(調合しない)希:アミコーイブサン(調合したい)過:アミコータン(調合した)継:アミコートーン(調合している)。
- メモ
- 石灰に藁・水を混合して漆喰を作ることにもいう。
アミシーン
浴びせる。沐浴〔もくよく〕させる。
- 用例
- フーチバー イッティ ワラビ アミシーン(よもぎ湯で子どもを浴びせる)。否:アミシラン(浴びせない)希:アミシーブサン(浴びせたい)過:アミシタン(浴びせた)継:アミシトーン(浴びせている)。
アミジャー
ミミズに似た小さな虫。触ると青白く光り、湿地に生息している。
アミジャー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミスミヤー
魚網の染料。魚網の強度を上げるために使った豚の血のこと。
- メモ
- 都屋の漁師は、雇っていた子どもたちを比謝矼の屠殺場へ豚の血を買いに行かせた。
アミダカー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミタボリ
{あめたぼれ(雨たぼれ)}。雨乞い。
- メモ
- 「アミ タボリ(雨を降らせてください)」と言って、雨乞いをした。
アミタマグ
魔除けとして投げ網や使い古した網に卵を入れたもの。
- 用例
- ンカシェー クヮ ナシーネー、アミタマグ サギータン(昔は子どもが生まれると、網に入れた卵を下げていた)。
- メモ
出産後に魔除けとして、産室の周囲に張り巡らした左縄にアミタマグを下げ、歌三線で夜伽をした。
アミダムシ
節足動物。ヤスデ。
- メモ
- →アーメージャー。
アミチユ
雨露。
- 用例
- ヤーヤ グナサティン、アミチユ シヌゲー スムサ(家は小さくても、雨露を凌げばいいさ)。
アミチュージ
湯灌〔ゆかん〕。遺体を荼毘〔だび〕に付す前に浴びせ清めること。
- 用例
- ンカシェー、アミチュージヤ イェーカンチャーシル スタンドー(昔は、湯灌は身内でやったんだよ)。
- メモ
- 湯灌に使う水を男性2人で汲みに行き、水にお湯を継ぎ足して使った。
アミチュクヤー
網繕いをする人。
アミックヮー
両生類。オタマジャクシ。
![アミックヮー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00815.jpg)
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミナー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌックヮー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌックヮグヮー
両生類。オタマジャクシ。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌミーグム
雨雲。
- 用例
- ンーチンディ、アミヌミーグムガ マックール ソーサ(見てごらん、雨雲が真っ黒くしているよ)。
- メモ
- →アミグム。
アミヌミーックヮ
両生類。オタマジャクシ。
![アミヌミーックヮ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00817.jpg)
- 用例
- アミヌミーックヮ トゥティ アシドーン(オタマジャクシを取って遊んでいる)。
- メモ
- →アミヌミーックヮ。
アミヌムー
馬具作りの際に帆布など厚手の物を縫うときに使った糸。
アミフイ
雨降り。
- 用例
- アミフイ ナティ、マーニン イカランサ(雨降りなので、どこにも行けない)。
アミフイネー、トゥイヌン カックィン(雨降りには、鳥でも隠れるのに〈雨に濡れるか〉)。
アミフイギサー
雨が降りそうな天気。
- 用例
- マックールー ッシ、ナマニン アミフイギサー ソーン(〈空が〉真っ黒になって、今にも雨が降りそうだ)。
アミフイグマイ
雨降りに家に籠ること。
- 用例
- アミフイグマイヤ、イーニーブイ ッシヤー(雨降りに家に籠もっていると、うとうと眠くなるね)。
アミフイゲーイ
雨降りだというのに。
- 用例
- アミフイゲーイ、アシビーガ イチュンナー(雨降りだというのに、遊びに行くのか)。
- メモ
- 音1:アミフイゲーナー。
アミフイゲーナー
雨降りだというのに。
- メモ
- 音1:アミフイゲーイ。
アミムユー
雨模様。
- 用例
- アミムユー ソータルムンヌ、ティーチン フランタン(雨模様だったのに、ちっとも降らなかった)。
アムトゥ
土手。
- 用例
- ヲゥタヤーマ、アムトゥヲゥティ ユックトーン(疲れて、土手で休んでいる)。
- メモ
- →アブシヌアムトゥ。
アムン
編む。
- 用例
- アミフイネー ハルカイン イカラングトゥ、ヤーヲゥティ アミ アムン(雨降りには畑にも行けないから、家で網を編む)。
否:アマン(編まない)希:アミブサン(編みたい)過:アラン(編んだ)継:アローン(編んでいる)。
アメーイン
蔓延する。はびこる。のさばる。
- 用例
- ヤナムシヌ アメーイン(害虫が蔓延する)。ヌスルヌ アメートーンドー(盗人がはびこっているよ)。
アメージャー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- →アーマークー。
アメリカパンツ
カーキ色の男物ズボン。
- メモ
- 終戦直後、米兵の洗濯を職業にしている婦人たちから流入した。野良着として女性が着ることもあった。
アメリカヤー
米軍関係者向けに建てた住宅。通称外人住宅。
アモーチ
土手。
- 用例
- アモーチンカイ アサバン ウッチェーンドー(土手に昼飯を置いておくよ)。
- メモ
- 音1:アボーチ。→アブシヌアムトゥ。
アモーラ
魚介名。ベラ類。
アモーラビキ
アモーラ曳き。20人ほどが両手に分かれて網で雑魚を囲い込む漁法。
アモールングヮー
魚介名。近海で捕れる雑魚の総称。
- 用例
- チカサヲゥティ トゥラリヌ イユンカイヤ、アモールングヮーディ イタン(近くで捕れる魚には、アモールングヮーといった)。
アヤ
綾。模様。柄。
- 用例
- ニービチヂンヌ アヤヌ チュラサヨー(花嫁衣装の柄がきれいなこと)。
アヤー
お母さん。士族が使う母の呼称。
- 用例
- アヤーヤ チューン マーンカイ メンシェーガヤー(お母さんは今日もどこにいらっしゃるのかねぇ)。
- メモ
- 音2:アヤーメー。
アヤーメー
お母さま。
- メモ
- →アヤー。
アヤカーイ
あやかり。
- メモ
- 音1:アヤカイ。渡具知では七十三歳祝で出される赤飯をアヤカーイとして土産に持ち帰った。
アヤカーイン
あやかる。
- メモ
- 音1:アヤカイン。
アヤカイ
あやかり。
- メモ
- →アヤカーイ。
アヤカイン
あやかる。
- 用例
- ワッタン ゥンマガ フサグトゥ、アヤカイビラナ(私たちも孫が欲しいから、あやかりましょう)。
否:アヤカラン(あやからない)希:アヤカイブサン(あやかりたい)過:アヤカタン(あやかった)継:アヤカトーン(あやかっている)。
- メモ
- 音1:アヤカーイン。
アヤカキコーカキ
色が混ざりあっている様。
- 用例
- アヤカキコーカキ ッシ、ヌーガヌーヤラ ワカラン(いろんな色が混ざりあって、何が何だか分からない)。
アヤカチコーカチ
まだらに汚れた様。
- 用例
- アシ ハティ アトー、クルーヤ アヤカチコーカチ スタン(汗をかいたあとは、黒い服は汗の跡が白くまだらに残った)。
アヤダナシ
縞模様の礼服。芭蕉で作った嫁入り支度の着物。
- メモ
- 音1:アヤラナシ。
アヤヂン
縞模様の入った着物。
アヤヌナーカー
縞の中に絣模様のある着物。
- 用例
- スージネー アヤヌナーカール チチ イチュンドー(お祝いには上等な着物を着ていくんだよ)。
アヤバサー
縞模様がはいった芭蕉布の着物。
- メモ
- 主として外出用の着物。
アヤマイン
①謝る。②誤る。
- 用例
- ①ワンガル ワッサグトゥ アヤマイサ(私が悪いから謝るさ)。
否:アヤマラン(あやまらない)希:アヤマイブサン(あやまりたい)過:アヤマタン(あやまった)継:アヤマトーン(あやまっている)。②チュヌミチ アヤマイン(人の道を誤る)。
アヤマチ
過ち。
- 用例
- アヤマチヤ ニドゥトゥ ウクスナ(過ちは二度と起こすな)。
アヤムン
こいつ。投げやりに言う言葉。
- 用例
- アヤムン!ヨーイ シミトーケー(こいつは!勝手にさせておけ)。
アヤヤージュートゥイグヮー
は虫類。アオカナヘビ。
![アヤヤージュートゥイグヮー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00849.jpg)
- メモ
- 体色によって呼び分けていた。
アヤラナシ
縞模様の礼服。芭蕉で作った嫁入り支度の着物。
- メモ
- →アヤダナシ。
アヨー
縞模様をした牛や豚の呼称。
- 用例
- オーヤーウシヌ キーンカイ シルーガ イッチョーシェー、アヨーディ イータン(闘牛用の牛の毛に白い模様が入っているのには、アヨーといった)。
- メモ
- 闘牛用の牛には毛の色や角の形、得意技の特徴で名前が付けられた。
アラ
粗。雑な物。穀物等に混じったくず。魚肉を捌いたあとの少し身のついた骨。
- 用例
- アラー ジョーブニ トゥリヨー(雑な物はちゃんと取りなさいよ)。イユヌ アラシ シル チュクイネー マーサンドーヤー(魚のアラで汁を作ったら美味しいよね)。
アラーパンヤー
蟻が群がる様。
- 用例
- アラーパンヤー スカ、チュヌ アチマトータン(蟻が群がるように、人が集まっていた)。
アラアラ
おおよそ。大まか。
- 用例
- アラアラー キミテー アシガ、チャーガ ナイラー ワカラン(おおよそは決めてあるが、どうなるかは分からない)。
- メモ
- 類:テーゲー。
アラアラザンミン
概算。おおよその計算。
- 用例
- アラアラザンミンシ ウッチョーケー(おおよその計算をしておきなさい)。
- メモ
- 音2:テーゲーザンミン。
アライン
洗う。
- 用例
- ムン カリ ウワティカラ、マッカイヤ アライサ(ご飯を食べ終わってから、お腕は洗うさ)。
否:アララン(洗わない)希:アライブサン(洗いたい)過:アラタン(洗った)継:アラトーン(洗っている)。
アライゥンパナ
御願事や法事の時などに使う7回洗った米。
アラウーシ
目の粗い石臼。
- メモ
- 大豆を割るために使った大きな臼。
アラサン
荒い。粗い。雑。
- 用例
- アレー ティーヌ アラサン(あいつは手が雑だ)。
- メモ
- 音1:アラハン。対:クマサン(細かい)。
アラシグトゥ
荒仕事。力仕事。肉体労働。
![アラシグトゥ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00864.jpg)
- 用例
- ワッター スーヤ アラシグトゥ ソーン(私の父は肉体労働をしている)。
- メモ
- 音2:アラワジャ。
アラジュールクニチ
後生の正月。前年に亡くなった者に対する旧1月16日に行われる法事。
- 用例
- トゥナイヤ アラジュールクニチドー(隣は旧十六日の法事だよ)。
- メモ
- 音2:ミージュールクニチ。類:ミーサ。
→ジュールクニチー。
アラスン
荒らす。
- 用例
- ヤマシシガ ゥンジティッチ、ハルル アラスンデー(猪が出て来て、畑を荒らすんだよ)。
否:アラサン(荒らさない)希:アラシーブサン(荒らしたい)過:アラサッタン(荒らされた)継:アラチョーン(荒らしている)。
アラゾーロー
{あらしょうりょう(新精霊)}。新仏〔あらぼとけ〕。前年の盆からその年の盆に亡くなった人の霊。
- 用例
- チュガ ケーマーチ ハジミティヌ シチグヮチンカイ、アラゾーローディ イータン(人が亡くなって初めての盆に、アラゾーローといった)。
- メモ
- 音2:ミーゾーロー。あらしょうりょう。にーじょうろう。
アラダティーン
荒立てる。
- 用例
- イチュナサイニ、クトゥ アラダティーンナー(忙しいときに、事を荒立てるのか)。
否:アラダティラン(荒立てない)希:アラダティーブサン(荒立てたい)過:アラダティタン(荒立てた)継:アラダティトーン(荒立てている)。
アラタミーン
改める。
- 用例
- クンドゥカラ キスク アラタミーン(今年から規則を改める)。
否:アラタミラン(改めない)希:アラタミーブサン(改めたい)過:アラタミタン(改めた)継:アラタミトーン(改めている)。
アラトゥ
粗砥〔あらと〕。砥石〔といし〕。
- メモ
- 音2:トゥシ・トゥイシ。
アラドゥメーイ
男性の最初の結婚。
- メモ
- 対:アラニービチ(女性の最初の結婚)。
アラナシ
アダンの気根。またその繊維で作った縄。
- メモ
- 音1:アダナシ。
アラニ
霰〔あられ〕。
アラニービチ
女性の最初の結婚。
- メモ
- 対:アラドゥメーイ(男性の最初の結婚)。
アラニガーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アラニガーサバ ハチ、マーカイ メンシェーガヤー(アダン葉草履をはいて、どこにいらっしゃるのかな)。
- メモ
- →音1:アダニガーサバ。
アラバ
8月後の時化。
- メモ
- 鮫(さめ)しめ縄漁の好機だった。
アラバーキ
目の粗い笊〔ざる〕ザル。目の粗い竹製の笊で農作物の運搬に使った。
- 用例
- ゥンモー アラバーキンカイル イリール(芋は目の粗いザルに入れるんだよ)。
アラバサー
繊維の粗い芭蕉衣。
- メモ
- 夏の仕事着として着た。
アラハン
荒い。粗い。雑。
- 用例
- ティーヌ アラハン(手作業が荒い)。
- メモ
- →アラサン。
アラビ
祟り。
- 用例
- ヌーヌ アラビガヤー(何の祟りかな)。
アラブイ
大雨。
- 用例
- ヤガティ アラブイ ナイグトゥ、ヘーク ヤーカイ ケーレー(やがて大降りになるから、早く家に帰りなさい)。
- メモ
- 音2:ウーブイ。類:ウーアミ。
アラボーシクマー
目の粗い帽子を組む人。
- 用例
- ヤガマーヲゥティ ボーシクマーガ アチマトーン(離れに帽子を組む人が集まっている)。
アラマカイ
汁用の碗。
- 用例
- アラマカイン ワリティ イキラク ナトーグトゥ、コーリワル ヤサ(汁用のお碗も割れて少なくなっているから、買わないといけない)。
- メモ
- 音2:アラマカヤー・シルマカイ。
米食が少ない時代にあっては明確に飯碗、汁碗と区別はしなかった。壺屋焼の碗でお汁を入れるのに使った。
アラマカヤー
汁用の碗。
- メモ
- →アラマカイ。
アラミ
霊感の強い人。
- メモ
- 音1:アラミー。
ヤナムンを見る人や、吉凶など聞くことのできる霊感の強い人にもいう。
アラミー
霊感の強い人。
- 用例
- アレー ユカイ アラミードー(彼はかなり霊感が強いよ)。
- メモ
- →音1:アラミ。
アラミンナー
植物名。ルリハコベ。
![アラミンナー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00887.jpg)
- 用例
- アラミンナー ヒージャーンカイ クヮースナヨー(ルリハコベは山羊に食べさせるなよ)。
- メモ
- 音1:アラメンナー。
音2:ササミンナー・パラパラミンナ。
類:ササメンナ・メンジャナサ・メンナ・ウミメンナ・ササグサ・パーラーメンナ。魚を捕るときの毒(ササ)として使った。
アラメンナー
植物名。ルリハコベ。
- 用例
- アラメンナー クヮーシーネー クスヒーンドー(ルリハコベを食わせると下痢をするよ)。
- メモ
- →音1:アラミンナー。
アラモーキ
荒稼ぎ。
- 用例
- ワッター スーヤ、アラモーキ シ ヤー チュクタン(私の父は、荒稼ぎして家を建てた)。
アラユイ
目の粗いふるい。
- メモ
- 大豆や米の選別などに使った。
アラユーチ
石工〔いしく〕道具名。石斧〔せきふ〕。主に大きな石を切るのに使う。
アラワジャ
荒仕事。力仕事。肉体労働。
- 用例
- アラワジャ シーネー、ユー キー チキリヨー(肉体労働をするときには、よく気をつけなさいよ)。
- メモ
- →アラシグトゥ。
アラワリーン
現れる。
- 用例
- アンマー シガタガ イミ ナティ アラワリーン(母の姿が夢になって現れる)。
否:アラワリラン(現れない)過:アラワリタン(現れた)継:アラワリトーン(現れている)。
アラン
アダン。アダンの実。
- 用例
- ヤマカイ アラン トゥイガ イチュン(山にアダンを取りに行く)。
- メモ
- 音1:アダン。→アダニ。
アラン
ない。違う。
- 用例
- ウレー アランヨークー ビチヌ ムン ムッチ クーワ(それではなくて別の物を持って来なさい)。
イカナシン アネー アランドーレー(絶対にそうではないってば)。
アネーアランドーレー(そうではないってば)。
- メモ
- 対:ヤン(である)。
アラングヮ
初めての子。初産〔ういざん〕にもいう。
- 用例
- アラングヮ ヤティカラ、キー チキリヨー(初産だから気をつけなさいよ)。
アランバー
アダンの葉。
- 用例
- アランバー トゥッティッチ フースン(アダンの葉を取ってきて干す)。
- メモ
- 音1:アダンバー。→アダニバー。
アランバーサバ
アダン葉草履。アダンの葉で作った草履。
- 用例
- アミフイニ、アランバーサバソーナムン チュクイタン(雨降りに、アダン葉で草履などを作っていた)。
- メモ
- 音1:アダンバーサバ。→アダニガーサバ。
アランバーボーシ
アダン葉帽子。アダンの葉で作った帽子。
- 用例
- アランバーボーシ イクチン ムッチョーン(アダン葉帽子をいくつも持っている)。
- メモ
- 音1:アダンバーボーシ。
アランバームスル
アダン葉筵。アダンの葉を細く裂いて、乾燥させて編んだ筵。
- 用例
- ナカメーンカイ、アランバームスル ヒチョーケー(居間に、アダン葉筵を敷いておきなさい)。
- メモ
- 音1:アダンバームスル。
アリ
あれ。彼。
- 用例
- アリンカイ ムル イットーケー(あれに全部入れておきなさい)。ワカランラー、アリンカイ トゥーレー(分からないなら、彼に聞きなさい)。
アリアリ
ほらほら。
- 用例
- アリアリ、ムタビーネー コースンドー(ほらほら、いじったら壊すよ)。
アリアリー
あれよあれよ。何だかんだ。
- 用例
- アリアリー ソール エーダニ、ウワトーシェー(何だかんだしているうちに、終わっているさ)。
アリイークリイー
あれこれ言って話がまとまらない様。
- 用例
- アリイークリイー スグトゥ、ヌーガ イチョーラー ワカラン(あれこれ言うから、何を言っているのか分からない)。
アリーン
荒れる。
- 用例
- カジヌ チューサヌ、チューヌ ウメー アリーンドー(風が強いから、今日の海は荒れるよ)。
否:アリラン(荒れない)過:アリタン(荒れた)継:アリトーン(荒れている)。
アリウミークリウミー
あれこれ思い悩んでいる様。
- 用例
- アリウミークリウミー ッシ、ティーチン ニンララン(あれこれ思い悩んで、ちっとも眠れない)。
アリカー
あの辺り。
- 用例
- ゥンマンカイ ヲゥランラー、アリカーンカイ ゥンジ ンディ(そこに居ないなら、あちら辺に行ってごらん)。
- メモ
- →アマリカー。
アリカンゲークリカンゲー
あれこれと考えこんでいる様。
- 用例
- アリカンゲークリカンゲー シーガーチール、アトー ワカイルヨー(あれこれ考えながら、後は分かるんだよ)。
アリク
植物名。アデク。
- メモ
- 弾力のある木で金槌〔かなづち〕の柄に使った。
アリクリ
あれこれ。
- 用例
- アリクリ カンゲーティ、ニンダラン(あれこれ考えて眠れない)。
アリクル
彼自身。彼女自身。
- 用例
- アリクルル、 シー ゥンジャチェール ワジャル ヤル(彼自身が、やり始めたことだよ)。
アリサーイクリサーイ
あれこれ触ること。
- 用例
- アリサーイクリサーイ ッシ、 ヘーク トゥラニ!(あれこれ触ってないで、早く取らないか!)。
アリサマ
ありさま。
- 用例
- クヌ アリサマ ヤサ(このありさまだ)。
アリシークリシー
あれこれする様。
- 用例
- アリシークリシー シーネー、メーネー アガカンドー(あれもこれもやっていたら、前に進まないよ)。
アリハティーン
荒れ果てる。
- 用例
- ヌーシヌ ヲゥラン ナイネー、ヤシチン アリハティーン(主が居なくなると、屋敷も荒れ果てる)。継:アリハティトーン(荒れ果てている)過:アリハティタン(荒れ果てた)。
アリヒャー
それ。ほら。
- 用例
- アリヒャー!デージ ナトーンドー(ほら!大変なことになっているよ)。
アリマサラークリマサラー
あれが良い、これが良いと迷っている様。
- 用例
- アリマサラークリマサラーッシ、イッチン イラビーサン(あれが良いこれが良いと迷ってばかりで、ちっとも選べない)。
アリヤークリヤー
あれやこれや。あれこれ。
- 用例
- アリヤークリヤー、イチュナサヌ フシガリヌ サコー アラン(あれこれ、忙しくてたまったもんじゃない)。
アリワル
あればこそ。
- 用例
- ジンヌ アリワル ヌーン ナイルヨー(金があってこそ何でもできるんだよ)。
アリンクリン
あれもこれも。
- 用例
- ヌー ヤティン シムグトゥ、アリンクリン ムル アチミトーケー(何でもいいから、あれこれ全部集めておきなさい)。
アル
踵〔かかと〕。
- 用例
- ヒサヌ アル(足の踵)。
- メモ
- 音1:アドゥ。
アルッサ
ありったけ。
- 用例
- ジンヌ アルッサ ムッチ イケー(お金のあるだけって行きなさい)。
アルムン
あるもの。あり合わせもの。
- 用例
- チューヌ ユーバノー、アルムンシ シマサナ(今日の夕飯は、あり合わせのものですまそう)。
アレーガミ
洗い髪。
- 用例
- アバーヤ、アレーガミヌ ママ ゥンジティ ハイタン(姉さんは、洗い髪のまま出て行った)。
アレームン
洗い物。
- 用例
- ヤーニンジュガ ウーサグトゥ、アレームンヌ マンリ(家族が多いから、洗い物も多い)。
アワ
粟。
- 用例
- アワ マンキティ、アワメーン ユー カムタン(粟を混ぜて、粟ご飯もよく食べた)。
- メモ
- →アー。
アワー
姉。姉さん。
- 用例
- アワートゥ マジョーン コーイムン シーガ イクン(姉さんと一緒に買い物に行く)。
- メモ
- →アバー。
アワウケーメー
粟のお粥。
- 用例
- チューヌ アーシーヤ、 アワウケーメー シコーテーン(今日の3時のおやつは、粟のお粥を準備してある)。
- メモ
- 楚辺では農繁期のおやつに粟のお粥(あわのおかゆ)やマーギンウケーメー(黍のお粥)を食べることもあった。
アワガーミ
粟を保存した甕〔かめ〕。
アワサン
間に合わない。追いつかない。つり合わないこと。
- 用例
- ワランチャー マンディ、チャッサ モーキティン アワサン(子どもが多くて、どんなに儲けても追いつかない)。
アワシリ
稲や粟を精製する木製の、上下2段の挽き臼。
アワティーカーティー
慌てふためいている様。
- メモ
- 音1:アワティーハーティー・アワティーマーティー。
アワティーハーティー
慌てふためいている様。
- 用例
- アワティーハーティー ッシ ゥンジティ ハイタサ(慌てふためいて出て行ったよ)。
- メモ
- 音1:アワティーカーティー・アワティーマーティー。
アワティーマーティー
慌てふためいている様。
- 用例
- ウンジョー アワティーマーティー ッシ、マーカイ メンシェーガ(貴方は慌てふためいて、どこに行かれるの)。
- メモ
- 音1:アワティーカーティー・アワティーハーティー。
アワティーン
慌てる。急ぐ。
- 用例
- ヘーク シコーランネー アワティーンドー(早く支度しないと慌てるよ)。
イェーヒャー ニッカナトールムン アワティレー(おいこら!遅くなっているのに急ぎなさい)。
アンシ アワティティ マーカイ イチュヌ チムエーガ(そんなに急いでどこへ行くつもりか)。
否:アワティラン(慌てない)過:アワティタン(慌てた)継:アワティトーン(慌てている)。
アワティガミ
急いで食べること。
- 用例
- アンスカ アワティガミ サンケー(そんなに急いで食べるな)。
アワティラカスン
急かす。急き立てる。
- 用例
- ウガニッカ ナティ、マニアーランギサー ヤグトゥ アワティラカスン(こんなに遅くなって、間に合いそうもないから急かす)。否:アワティラカサン(急かさない)希:アワティラカシーブサン(急かしたい)過:アワティラカチャン(急かせた)継:アワティラカチョーン(急かしている)。
- メモ
- →アギマースン。
アワハン
味が薄い。
- 用例
- ゥンマヌ ハンメーヤ ムル アワハン(そこの食事は全部味が薄い)。
- メモ
- →アファサン。
アワヒチャー
粟を挽く石臼。
アワムーチー
粟餅。
- メモ
- もち米と混ぜて作った。
アワメー
粟飯。
- メモ
- 米と混ぜてて炊いた。
アワリ
哀れ。苦労。
- 用例
- アンシ アワリ ヤルヤー(こんなにも哀れだこと)。
イルイル アワリ サビタン(色々苦労しました)。
アワリクチサ
辛く苦しいこと。
- 用例
- アン ソール アワリクチサン アタルヤー(あんなにも辛く苦しいこともあったね)。
- メモ
- 音1:アワリクリサ。
アワリクリサ
辛く苦しいこと。
- 用例
- ナマカラー アワリクリサン シミランサ(これからは難儀や苦労をさせないよ)。
- メモ
- 音1:アワリクチサ。
アワリサー
苦労人。不憫な人。
- 用例
- グナサイニカラ、チャー アワリサー ヤサ(小さい頃から、ずっと苦労ばかりしている人だ)。
- メモ
- 音2:アワリナムン。
アワリナムン
苦労人。不憫な人。
- 用例
- アンシ イャーヤ アワリナムン ヤル(なんてお前は哀れな人だ)。
- メモ
- →アワリサー。
アワゥンバギー
出産祝いに作る粟の産飯。
アワゥンバン
粟おこわ。
- 用例
- クミヌ イキラハイネー、アワゥンバン ニータン(米が少ないときには、粟おこわを炊いていた)。
アン
ある。
- 用例
- チュー コーテーヌ チノー、タンシヌ ナカンカイ アン(今日買った着物は、箪笥の中にある)。
ワン タマシマディ アンナー(私の分まであるねぇ)。
否:ネーン(ない)過:アタン(あった)。
アン
そう。
- 用例
- チヌー、イャーヤ アン イータシェー(昨日、君はそう言っていたさ)。
アン ヤタンナー、ワンネー ティーチン ワカランタサ(そうだったのか、私はちっとも知らなかった)。
アン
餡。
- 用例
- ウッサキーナーヌ アン シコーティ、ターガ カムガ(そんなにたくさんの餡を作って、誰が食べるの)。
アン サワン カン サワン チャー サワン
ああしようがこうしようがどうしようが。
- 用例
- アン サワン、カン サワン チャー サワン、イャー カッティ ヤサ(ああしようが、こうしようがどうしようが、お前の勝手だよ)。
アン スン
そうする。
- 用例
- ナマカラー アン スンテー(今からはそうするさ)。
アン ヤン
そうなんだ。
- 用例
- アン ヤン、イャーガ イーシェー アタトーテーサ(そうなんだ、君が言うのは間違いなかったね)。
アンアン
そういうこと。このようにして。
- 用例
- アンアンル ナトーンデー(そういうことになっているんだよ)・儀。
- メモ
- 類:カンカン。
アンイーカンイー
何だかんだとへりくつをこねている様。
- 用例
- アンイーカンイー ッシ、ムル イーシェー チカン(何だかんだ言って、ちっとも言うことを聞かない)。
アンイチャレー
そういえば。
- 用例
- アンイチャレー、イャーヤ チヌーン チョータンドーヤ(そういえば、君は昨日も来ていたよね)。
アンイルカ
思ったより。思っている以上に。
- 用例
- アンイルカヌ ヤッケームン ヤンディサ(思っている以上に厄介者だそうだ)。
アンエーヌ
あのような。
- 用例
- アンエーヌ イシグヮー(あのような石)。
- メモ
- 音2:アングトール・アンネール。
アングトゥ
あのように。あんなに。
- 用例
- アングトゥ シェー、チョー チカイサンデー(あのようにしては、人を使えないよ)。
- メモ
- 音1:アヌグトゥ。
アングトーヌ
あのような。あんなに。
- 用例
- アングトーヌ チュ リチェー ウマーンタン(あんな人だとは思わなかった)。
アングトール
あんな。あのような。
- 用例
- アングトール トゥクルンカイ イチュンナー(あのような所に行くの)。
アングトール ムン ユルチェー ナラン(あのような奴は許してはならぬ)。
- メモ
- →アンエーヌ。
アングトールー
あのようなもの。
- 用例
- アングトールーガン チカーリーミ(あのようなものが使えるか)。
- メモ
- →アヌフージー。
アングヮー
若い女性の名称。
- 用例
- アングヮー モーイヌ チュラサヨ(若い娘の踊りの美しいこと)。
アングヮーモーイ
娘踊り。
アングヮーユイ
髪の結い方の一種。未婚女性の髪型。
アンサーイ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーイ チャー ナタガ(そうしてどうなったの)。
- メモ
- 音1:アンサーニ・アンサーマ。音2:アンサーナカイ・アンサーナカニ。
アンサーナカイ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーナカイ ヤーカイ ケータルバーテー(それで家に帰ったわけさ)。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサーナカニ
そうして。それで。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサーニ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーニ ドゥーチュイ ケーティ チャン バオヨー(それで自分一人で帰って来たわけさ)。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサーマ
そうして。それで。
- 用例
- アンサーマ ゥンジャルバーテ(それで行ったわけさ)。
- メモ
- →音1:アンサーイ・アンサーマ。
アンサクトゥ
そうしたから。そういうことをしたから。
- 用例
- アンサクトゥル、ヤーカラ ゥンジトーサ(そうしたから、家から出て行ったんだよ)。
- メモ
- 音1:アンサグトゥ。
アンサグトゥ
そうしたから。そういうことをしたから。
- 用例
- アンサグトゥ ヤンメーソーサ(だから病気になったんだよ)。
- メモ
- 音1:アンサクトゥ。
アンサンテーン
そうであっても。
- 用例
- アンサンテーン、カタヂキランネー ヌーヌ ワジャン ナランサ(そうであっても、片付けないことには何の仕事もできないよ)。
アンサンレー
そうしなければ。
- 用例
- アンサンレー、チャーン ナランテーサニ(そうしなければ、どうにもならなかったんでしょう)。
アンシ
①それで。②なんて。そんなに。
- 用例
- ①アンシ、ウヌ アトー チャーサガ(それでその後はどうしたの)。②アンシ チュラサルヤー(なんてきれいなんでしょうね)。アンシ マーサルヤー(なんておいしいね)。
アンシーカンシー
そうこうしながら。
- 用例
- アンシーカンシー ソーティン、サントー ナランサ(そうこうしながらでも、やらなくちゃいけないでしょう)。
アンシーネー
そしたら。そうすると。
- 用例
- アンシーネー チャー スガ(そうしたらどうするか)。
- メモ
- 音2:アンスラー。
アンシェー
そうしたら。それなら。それでは。
- 用例
- アンシェー、イャーガ イチュシェー マシ ヤサ(それなら、お前が行ったらいいさ)。
- メモ
- 音1:アンセー。
アンシガ
だけど。
- 用例
- アンシガ ワンネー イカンドー(だけど私は行かないよ)。
- メモ
- 音2:ヤシガ。
アンジュン
炙る〔あぶ〕る。
- 用例
- シチグヮチネー ウチカビ アンジュン(お盆には打ち紙を炙る)。否:アンラン(炙らない)希:アンジブサン(炙っている)過:アンタン(炙った)継:アントーン(炙っている)。
アンシル
それで。そういうわけで。そういう理由で。
- 用例
- アンシル、アマンカイ ゥンジャンナー(そういうわけで、向こうに行ったのか)。
アンシン
それでも。
- 用例
- アンシン チカンル アンレー(それでも聞かないんだよ)。
アンシン、ヤマトゥヌ ヒーサヌ グトー ネーンサ(それでも、大和の寒さほどではないさ)。
アンシン ナーヤ アラン、ヤーマディ ウーティ チョータサ(それでも気持ちがおさまらず、家まで追って来ていたさ)。
アンシンカンシン
そうはいっても。
- 用例
- アンシンカンシン、クヮー ウヤ ワンライシェー アタイメー ヤサ(そうはいっても、子は親の面倒を見るのは当り前さ)。
アンスカ
それほど。そんなに。そこまで。
- 用例
- ワラバー アンスカ ヌラーンケー(子どもをそんなに叱るな)。
アンスカ イスガンケー(そんなに急ぐな)・木。
- メモ
- 音2:アンチューカ・アンチュカ。
アンスカナー
そんなにまで。そこまで。
- 用例
- イャーヤ、アンスカナー シワル ナイディー(お前は、そこまでしなくちゃいけないの)。
アンスクトゥ
そうだから。だから。
- メモ
- 音1:アンスグトゥ。
アンスグトゥ
そうだから。だから。
- 用例
- アンスグトゥ、イチャノー アラニ、イャーヤ(だから、言ったでしょうお前は)。
- メモ
- 音1:アンスクトゥ。
アンスシヤカ
そうするよりは。
- 用例
- アンスシヤカ、ワンガ イチュシェー マシ ヤタルムン(そうするよりは、私が行った方が良かったのに)。
アンスラー
そしたら。そうすると。
- 用例
- アンスラー、ワーガ イチュサ(そしたら、私が行くよ)・木。
- メモ
- →アンシーネー。
アンスルサクヤラー
そうするくらいなら。
- 用例
- イャーヤ、アンスルサクヤラー、イカンケー ヤテーサ(お前は、そうするくらいなら、行かなければ良かったさ)。
アンスルムンヌ
そうなのに。それなのに。
- 用例
- アンスルムンヌ、イチュンディチン アンナー!(それなのに、行くってもあるか!)。
- メモ
- 音2:アンソーティ。
アンセー
そうしたら。それなら。それでは。
- 用例
- アンセー、ワンガ トゥティチューサ(それなら、私が取ってくるよ)。
- メモ
- 音1:アンシェー。
アンソーシガ
そうしているが。
- 用例
- ウシダマティ アンソーシガ、チャー サル バーガヤー(押し黙ったままだけど、どうしたのかな)。
アンソーティ
そうなのに。それなのに。
- 用例
- アンソーティ、クヮ ウッチャンナギティ チューンディチン アミ!(それなのに、子どもを置いて来るってこともあるか!)。
- メモ
- →アンスルムンヌ。
アンソール
あんな。
- 用例
- アンソール クトゥン アタルヤー(あんなこともあったね)。
アンソール ムン、アマンカイ ムッチ イケー(あんな物、あそこに持って行きなさい)。
アンダ
①油。脂。②髪油。
![アンダ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00990.jpg)
- 用例
- ①アチャー チカイル アンダヤ、コーティ ウッチェーミ(明日使う油は、買っておいてあるねぇ)。
- メモ
- 音1:アンラ。
②嫁入り支度のひとつとして着物や櫛と合わせて髪油も準備した。
アンダー
植物名。白大豆。
- 用例
- アンダー イフェー ワキティ トゥラシェー(白大豆を少し分けてちょうだい)。
- メモ
- 音1:アンラー。
→ウフチジャー。
アンダークビ
竹で編んだ壁。
- 用例
- アンダークビ チュクイ ケーイン(竹壁を作り替える)。
- メモ
- 音1:アンラークビ。
アンダウヤー
石油や整髪油などを行商する者。
- 用例
- アンダウヤーガ ムラウチカラ アッチョータン(油売りが集落内で行商していた)。
- メモ
- 音1:アンラウヤー。
アンダガーミ
油甕。食用油を入れる甕〔かめ〕。
![アンダガーミ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00995.jpg)
- 用例
- アンダガーミヤ クチャカイ ウッチョーケー(油甕は裏座に置いておきなさい)。
- メモ
- 音1:アンラガーミー・アンラガーミ。
豚の脂を入れる甕で、両側に耳が付いた壺屋焼きであった。
年の瀬にはほとんどの家で豚を潰し、約1年分の豚の脂をとって、油甕に保存した。
アンダカシー
{あぶらかす(脂かす)}。豚の脂身を炒めてできたかす。
- 用例
- アンダカシーン マンドーグトゥ、ワキティ ムッチ イケー(アンダカシーもたくさんあるから、分けて持っていきなさい)。
- メモ
- 音1:アンラカシー。
塩をふって保存し、炒め物や汁物などに入れた。
アンタキ
あの高さ。
- 用例
- アヌ ワラベー アンタキ ヌブティ ハイサ(あの子どもは、あんなに高い所まで登っていくさ)。
アンダギー
菓子名。小麦粉に砂糖や卵を加えて丸めて、油であげた菓子。
![アンダギー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/00992.jpg)
- 用例
- アンシ マーサギサヌ アンダギー ヤル(なんて美味しそうなアンダギーだ)。
- メモ
- 音1:アンラギー。音2:サーターアンダギー。類:サーターティンプラー。
戦前は裕福な家では生年祝いにサーターティンプラーを作りふるまった。
アンタキグヮー
たったあれだけの高さ。
- 用例
- アンタキグヮー、 ヌブイサンディチン アンナー(たったあれだけの高さを、登れないってこともあるか)。
アンタキナー
あんなに高く。
- 用例
- アンタキナー チュクテール(あんなに高く造ってあるさ)。
アンダクェー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダグェーイ
脂肪太り。
- 用例
- ワカサルムンガ アンダグェーイ シ、フージンネーラン(若者が脂肪太りして、みっともない)。
アンダクェーボージャー
は虫類。オキナワトカゲ。
![アンダクェーボージャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01001.jpg)
- 用例
- キーヌ ユラカイ、アンダクェーボージャーガ シガトーン(木の枝に、オキナワトカゲが止まっている)。
- メモ
- 音1:アンダケーボージャー。体が油を塗ったように光っている。
アンダグチ
お世辞。おべっか。
- 用例
- ユヌナカヤ、アンダグチビカーンシェー ワタテー イカランサ(世の中は、お世辞ばかりでは渡っていけないよ)。
- メモ
- 音1:アンラグチ。
アンダグチャー
お世辞のうまい人。お世辞ばかり言う人。
- 用例
- アンダグチャーヤ、ウチクンジョー(お世辞ばかり言う人は根性が悪い)。
アンダグチャーヤ、チュカラ シカン サリーンドー(お世辞ばかり言っていたら、人から嫌われるよ)。
- メモ
- 音1:アンラグチャー。
アンダケーボージャー
は虫類。オキナワトカゲ。
![アンダケーボージャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01005.jpg)
- メモ
- 音:アンダクェーボージャー。
アンダジシ
脂身の多い肉。
- 用例
- シンジントゥ、アンダジシビカーン ヌクチェーサ(よくまあ、脂身だけ残してあるさ)。
- メモ
- 音1:アンラジシ。
類:シルビー。対:マシシ・マシサー(赤肉)。
アンダチブ
油壺。女性の整髪油を入れる掌ほどの大きさの壺。
- 用例
- ワームン アンダチブヤ、マーカイ ウッチャガヤー(私の油壺は、どこに置いたのかねぇ)。
- メモ
- 音1:アンラチブ。
アンダチャー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダチャーラー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダヂューサン
脂っこい。
- 用例
- ウレー、ルクカラ アンダヂューサヌ(それは、あまりにも脂っこい)。
- メモ
- 音1:アンラヂューサン。
アンダデー
女性の整髪油代。
- メモ
- 音1:アンラデー。
嫁入り前に姉妹や友人からアンダデーと称して祝儀を貰った。
アンダナービ
{あぶらなべ(油鍋)}。揚げ物用の鍋。
- 用例
- アンダナービ ウヌママ シェーシガ、チャーン ネーニ(油鍋をそのままにしてあるが、大丈夫ねぇ)。
- メモ
- 音1:アンラナービ。
鉄製で弦〔つる〕が付いており、豆腐や天ぷらを揚げるのに使った。
かつてはアンダナービを持っている所は数えるくらいで、行事の時は持っている家から借りた。
アンダハブグヮー
は虫類。オキナワトカゲ。
アンダプットゥルー
脂っこい食べ物。脂身。
- 用例
- アーキサミヨー!アンダプットゥルーシ ティーチン カマラン(ああもう!脂っこくてちっとも食べられない)。
- メモ
- 音1:アンラプットゥルー。
アンダマース
豚脂と塩を混ぜたもの。
- メモ
- 座喜味では治療薬として、できものに塗ったり、下痢の時におへそに塗ったりした。
アンダミー
{あぶらめ(脂目)}。目が潤んでいること。
- 用例
- アンダミー ソーシガ、アンマサル アリー(目が潤んでいるが、具合でも悪いの)。
アンダムチヒャーガー
法事用の菓子。小麦粉に油を入れこね、丸型、三日月型、輪っか型に焼いた菓子。
- メモ
- 3種を揃えないと法要を済ませたことにはならないといわれた。
アンダムン
油を使った料理。油っこい食べ物。
- 用例
- マルケーテー アンダムン フーシク ナインヤー(たまには油っこいものが欲しくなるね)。
- メモ
- 音1:アンラムン。
アンダムンジョーグー
脂っこい食べ物が好きな人。
- 用例
- アンダムンジョーグー ナテー ナランデー(油っこい物好きになってはいけないよ)。
- メモ
- 音1:アンラムンジョーグー。
アンダヰー
油酔い。揚げ油の匂いや油っこい物を食べ過ぎて気分が悪くなること。
- 用例
- アンダヰー ッシ アンマサン(油酔いして気分が悪い)。
アンダンスー
油味噌。味噌に細切れ肉や貝、砂糖を加え油で炒めたもの。
- 用例
- アンダンスー イッティ、ニジリメー チュクイサ(油味噌を入れて、お握りを作るさ)。
マーサマーサ アンランスー チュクテーン(油味噌をおいしく作ってある)。
- メモ
- 音1:アンランスー。音2:タマゴアンダンスー。
お茶請けや握り飯の具にする。油味噌は日持ちがするので、保存食としても重宝されている。昔は、芋を2、3個とアンダンスーを弁当にして学校へ持って行った。
アンチェングヮー
少々。たったあれだけ。
- 用例
- アンチェングヮーヌ クトゥシ クサミカンケーワ(たったあれだけのことで怒るなよ)。
- メモ
- →アッサグヮー。
アンチャ
そうだ。そういえば。
- 用例
- アンチャ、アン ヤタサ(そうだ、そうだったよ)。
アンチューカ
それほど。そんなに。そこまで。
- 用例
- アンチューカ マディ イラッティ、ニジラリンナー(そんなにまで言われて、我慢できるか)。
- メモ
- 音1:アンチュカ。→アンスカ。
アンチュカ
それほど。そんなに。そこまで。
- 用例
- アンチュカ ハマラン(それほどは働かない)。
- メモ
- 音1:アンチューカ。→アンスカ。
アンチョー
ふくらし粉。食用重曹。
- 用例
- アンチョー コーティ クーワ(ふくらし粉を買って来なさい)。
アンティックトゥ
それほどのこと。そういうほど。
- 用例
- アンティックトー ネーンタン(それほどのことではなかった)。
アンテーカンテー
あれかこれか迷う様。
- 用例
- アンテーカンテー ッシ、チャー スシェー マシガヤラ ワカラン(あれかこれかと迷って、どうしたら良いか分からない)。
アンナイカンナイ
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンナイカンナイ カンゲーイガチー ッシ、ハインテー(あれこれ考えながら、進めていくさ)。
- メモ
- 音1:アンナシカンナシ・アンナリカンナリ。音2:アンニーカンニー。
アンナシカンナシ
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンナシカンナシ ッシ、ティーチナー シーアースサ(あれこれやりながら、ひとつずつやり終えていくさ)。
- メモ
- →音1:アンナイカンナイ・アンナリカンナリ。
アンナリカンナリ
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンナリカンナリ シーガチール、 ヌーン ナイサ(あれこれやりながら、何でもやっていくんだよ)。
- メモ
- →音1:アンナイカンナイ・アンナシカンナシ。
アンニーアンニー
そのように。
- 用例
- アンニーアンニー シ、ハルマーイドゥ シミシェータン(こんなふうに、畑を廻っていました)。
アンニーカンニー
あれこれやっていく様。
- 用例
- アンニーカンニー スル エーカネー、ウワイサ(あれこれやっていくうちに、終わるさ)。アンニーカンニー シル、シクチェー ウビールヨー(あれこれやっていきながら、仕事は覚えるんだよ)。
- メモ
- →アンナイカンナイ。
アンニンカンニン
どうにもこうにも。
- 用例
- アンニンカンニン ナラン(どうにもこうにもならない)。
アンネー
案内。招待。
- 用例
- アチャヌ アンネーヤ、ワンガ サビーサ(明日の案内は、私がしますよ)。
アンネール
あのような。あんな。
- 用例
- アンネール クトゥン アンナー(あんなこともあるのか)。
アンネール ムンヤ ヤーカイ イリランケー(あんな奴は家に入れるな)。
- メモ
- →アンエーヌ。
アンビン
綱引きの人数をほどよく調整するため、毎年東西に組み分けを調整される家。
アンビン
陶器製の水差し。薬缶などの形をした大きい水差し。
- メモ
- 大きくて広口なので水甕代用にもなった。
家人が畑などへ出払って年寄り1人のときは、土間にある水甕まで足を運ばなくてすむように、水を入れたアンビンをジール(地炉)の側に置いて出た。
アンフィリーン
ありふれる。
- 用例
- ナマー ナー アンフィリトーシェーヤー(今はもう、ありふれているでしょう)。
アンブシ
漁法名。定置網。
アンブシアミ
アンブシ網。定置網漁に使う網。
アンベー
按配。塩梅。
- 用例
- チョードゥ イー アンベー ヤサ(ちょうど良い塩梅だよ)。
アンマー
母。お母さん。
- 用例
- ワンネー アンマートゥ マジョーン イチュン(私はお母さんと一緒に行く)。
アンマーウーヤー
母親の後ばかり追う子ども。
- 用例
- イャーヤ、イクチマディ アンマーウーヤー スガ(お前は、幾つまで母親の後を追って歩くの)。
アンマークートゥー
まじないの言葉。呪文。
- 用例
- アンマークートゥー、ターガン ンーランドー、アンマー チュイガル ンージュンドー(アンマークートゥー、誰がも見てないよ、お母さんひとりが見ているんだよ)。
- メモ
- 幼児を連れて夜道を行く時に、子どもの額に唾を3度つけて唱えた。
アンマーコーヤク
塗り薬の一種。膏薬〔こうやく〕。
- 用例
- アンマーコーヤクンデー タックヮーチョーケー、スグ ノーイサ(膏薬でも塗っておけば、直ぐに治るさ)。
- メモ
- 音1:アンマーゴーヤク。
アンマーゴーヤク
塗り薬の一種。膏薬〔こうやく〕。
- メモ
- 音1:アンマーコーヤク。
アンマーチーカー
植物名。イヌビワ。
- 用例
- アンマーチーカーヤ マーコー ネーラン(イヌビワは美味しくない)。
- メモ
- 音1:アンマーチーチー。
ビワに似た果実。
アンマーチーチー
植物名。イヌビワ。
- メモ
- 音1:アンマーチーカー。
アンマーユイ
髪の結い方の一種。既婚婦人の髪型。
アンマク
甲殻類。ヤシガニ。
アンマサン
①気分が悪い。具合が悪い。②面倒くさい。厄介。
- 用例
- ①チューヤ、チヌーヤカ アンマサン(今日は、昨日より気分が悪い)。②フユーナートゥ シクチ スシェー、アンマサン(怠けものと仕事をするのは、面倒くさい)。
- メモ
- ①音1:アンマハン。
アンマハン
気分が悪い。具合が悪い。
- 用例
- アミンカイ ンリタレー、アンマハン(雨に濡れたので、具合が悪い)。
- メモ
- 音1:アンマサン。
アンマヨー
あれまあ。困った時などに発する語。
- 用例
- アンマヨー、チャー スガヤー(ああもう、どうしよう)。
アンムチ
餡〔あん〕の入った餅。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ、ジコーヌ アンムチ ジョーグー ヤタン(私たちのおじいさんは、とても餡餅好きだった)。
アンヤグトゥ
そうだから。だから。
- 用例
- アンヤグトゥ、イチャノー アラニ(だから、言ったでしょう)。
アンヤシガ
そうなんだが。
- 用例
- アンヤシガ、チュケーノー イキワル ナイル(そうなのだが、一度は行かないといけない)。
- メモ
- →アネー ヤシガ。
アンヤティカラ
そういうことなら。
- 用例
- アンヤティカラ、イチュシェー マシテー(そういうことなら、行ったほうがいいよ)。
アンラ
油。脂。
- 用例
- クーブトゥ アンラトゥ ムジナクー コーイガ ゥンジャン(昆布と油とメリケン粉を買いに行った)。
- メモ
- 音1:アンダ。
アンラー
植物名。大豆の品種のひとつ。
- メモ
- 音1:アンダー。→ウフチジャー。
アンラークビ
竹で編んだ壁。
- 用例
- アンラークビン フルクドーン(竹壁も古くなっている)。
- メモ
- 音1:アンダークビ。
アンラウヤー
石油や整髪油などを行商する者。
- メモ
- 音1:アンダウヤー。
アンラガーミ
油甕。食用油を入れる甕〔かめ〕。
- 用例
- アンラガーミヌ ワリトーン(油甕が割れている)。
- メモ
- 音1:アンダガーミ・アンラガーミー。
→アンダガーミ。
アンラガーミー
油甕。食用油を入れる甕〔かめ〕。
- メモ
- 音1:アンダガーミ・アンラガーミ。
→アンダガーミ。
アンラカシー
豚の脂身を炒めた残りかす。
- 用例
- アンラカシー チュクティ タブイン(アンラカシーを作って保存する)。
- メモ
- →音1:アンダカシー。
アンラギー
菓子名。小麦粉に砂糖や卵を加えて丸めて、油であげた菓子。
- 用例
- アンラギー ワップー シ カムン(アンラギーを分けあって食べる)。
- メモ
- →音1:アンダギー。
アンラグチ
お世辞。おべっか。
- 用例
- アンラグチビカーン シ ヤクン タッタン(お世辞ばかりで役に立たない)。
- メモ
- 音1:アンダグチ。
アンラグチャー
お世辞のうまい人。お世辞ばかり言う人。
- 用例
- アレー ルク アンラグチャー ナティ、ナランシガ(彼はあまりにもお世辞ばかり言う人だから、付き合いきれない)。
- メモ
- 音1:アンダグチャー。
アンラジシ
脂身の多い肉。
- 用例
- アンラジシ ビカー カミーネー、クェーインドー(脂身ばかり食べていたら、太るよ)。
- メモ
- →アンダジシ。
アンラチブ
油壺。女性の整髪油を入れる掌ほどの大きさの壺。
- 用例
- ワームン アンラチブヤ ンランティー(私の油壺を見なかったねぇ)。
- メモ
- 音1:アンダチブ。
アンラヂューサン
脂っこい。
- 用例
- チューヌ チャンプルーヤ アンラヂューサン(今日の炒め物は脂っこい)。
- メモ
- 音1:アンダジューサン。
アンラデー
女性の整髪油代。
- メモ
- →アンダデー。
アンラナービ
{あぶらなべ(油鍋)}。揚げ物用の鍋。
- 用例
- アンラナービ シキーン(油鍋を据える)。
- メモ
- →音1:アンダナービ。
アンラプットゥルー
脂っこい食べ物。脂身。
- 用例
- アンラプットゥルー シ マーサーネーン(脂っこくておいしくない)。
- メモ
- 音1:アンダプットゥルー。
アンラムン
油を使った料理。油っこい食べ物。
- 用例
- マルケーテー アンラムンヤ クヮッチーヤサ(たまには脂っこいものも御馳走だよ)。
- メモ
- 音1:アンダムン。
アンラムンジョーグー
脂っこい食べ物が好きな人。
- 用例
- アンシ、アンラムンジョーグー ヤル(なんて、油物が好きなんでしょう)。
- メモ
- 音1:アンダムンジョーグー。
アンランスー
油味噌。味噌に細切れ肉や貝、砂糖を加え油で炒めたもの。
- 用例
- マーサマーサ アンランスー チュクテーン(おいしそうに油味噌を作ってある)。
- メモ
- →音1:アンダンスー。
アンリーン
溢れる。
- 用例
- ウッサ チュバチニ イリーネー、アンリーンドー(そんなに一度に入れると、溢れるよ)。否:アンリラン(溢れない)過:アンリタン(溢れた)継:アンリトーン(溢れている)。
アンリクヮンクヮン
溢れかえっている様。
- 用例
- ウッサナー アンリクヮンクヮン シミティ、チャー スガ(こんなに溢れかえらせて、どうするの)。
- メモ
- →アンリコーコー。
アンリクヮンリ
溢れかえっている様。
- 用例
- アンリンクヮンリ スカ、ターグンカイ ミジ カタミトーン(溢れかえるほど、水桶に水を担いでいる)。
- メモ
- →アンリコーコー。
アンリクンリ
溢れかえっている様。
- 用例
- クミヌ アンリクンリ イッチョーン(米が溢れるほど入っている)。
- メモ
- →アンリコーコー。
アンリコーコー
溢れかえっている様。
- 用例
- アンリコーコー ミジ イッティ、ヤー チチュル エーマネー、アンリティ ネーンル ナイサ(溢れかえるほど水を入れて、家に着くまでには、こぼれてなくなってしまうよ)。
- メモ
- 音2:アンリクンリ・アンリクァンクヮン・アンリクヮンリ。
アンル ヤティナー
そうだったのか。
- 用例
- アンル ヤティナー、イャーカラ チカンネー ワカランサ(そうだったのか、お前から聞かないと分からないさ)。
アンル ヤルイ
そういうことか。
- 用例
- アハーッ、アンル ヤルイ(ああ、そういうことか)。
イー
うん。ああ。
- 用例
- イー、トゥッティ チューサ(うん、取ってくるよ)。
- メモ
- 同年か年下に対する返事。
イー
胃。
- 用例
- イーヌ ヤムン(胃が痛い)。
イー
上。
- 用例
- シナムンヤ イーカラ トゥレー(品物は上から取りなさい)。
- メモ
- 音1:ウィー。類:ウヮービ。対:シチャ・ヒチャ(下)。
イー~
良い~。
- 用例
- アンシ イイ ニーセーヤル(なんて良い青年だ)。
イー カミジャクグヮー
程よい量の食べ物。
- 用例
- ジコー イー カミジャクグヮー(とてもよい量の食べ物だ)。
イーアティーン
言い当てる。
- 用例
- イャーガ カンゲートーシ、ムル イーアティーン(お前が考えていることを、すべて言い当てる)。
否:イーアティラン(言い当てない)希:イーアティーブサン(言い当てたい)過:イーアティタン(言い当てた)継:イーアティトーン(言い当てている)。
イーイーカーカー
苦しそうにしている様。
- 用例
- イーイーカーカー ヒチ、アッカランアッキ ソーン(苦しそうにして、歩きにくそうにしている)。
イーウスントゥー
{うえだいどころ(上台所)}。床張りの台所。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ イーウスントゥーンヲゥティ、 ヰーヌ マロー ネーランタン(女たちは板間の台所で、座る暇はなかった)。
- メモ
- 音2:ウシントゥー・ウスントゥー・シチャウスントゥー。類:ウスムトゥ・シム・トゥングヮ・スム・カマナー。
台所には床張りと一段下がった土間部分があった。イーウスントゥーには、湯茶や汁物を煮炊きする小さな竈があり、日常の食事はそこで済ませた。また、隣人や親しい人との雑談の場所でもあった。
イーウディ
二の腕。上腕部。
- メモ
- 音2:ケンナ。
イーエー
伝言。ことづて。
- 用例
- イャーヤ イーエーヤ チチョーミ(君は伝言を聞いているか)。
- メモ
- 音1:イエー。
イーガー
井泉の名。楚辺の七御嶽のひとつ。
- メモ
- クラガー(暗川)発見以前、集落の人々はこの井泉を頼りに生活したといわれる。付近一帯にカビギ(カジノキ、クワ科の落葉高木)が多かったのでカビギンガーとも呼ばれる。イーガーから水路を引き溜池に溜めた水を使ったので水質は悪かった。それ故にスビミーハガー(楚辺ただれ目・不美人)という言葉もうまれた。
イーガーイ
言い争い。口げんか。
- メモ
- 音2:イーガーエー・イーガーハーエー。
イーガーエー
言い争い。口げんか。
- 用例
- チョーデー タイ、トゥーチ イーガーエー ソーサ(兄弟ふたり、いつも口げんかをしているさ)。
- メモ
- →イーガーイ。
イーカーギ
きれいな姿。美人。美男子。美女。
- 用例
- ゥンマカラ、イーカーギヌ トゥーティ ハイタンデー(そこから、美人が通って行ったよ)。
- メモ
- 音2:チュラカーギー。類:チュラー・チュラヰナグ。対:ヤナカーギー(不美人)。
イーガーハーエー
言い争い。口げんか。
- メモ
- →イーガーイ。
イーガーラ
川の名称。波平のヰーヌハラの側を流れる川。
- メモ
- そこの水はシムクガマまで流れ込んでいた。ワンダガー、カーグヮー、ウフガーなどからの水と一緒になった所は田圃になって、一帯は藺草が栽培されていた。その後、藺草が大和から移入されるようになってターゥンム畑に代わった。
イーカンゲー
良い考え。名案。
- 用例
- ウレー イーカンゲー ヤサ、ナー ウリンカイ キミラナ(それは良い考えだ、もうそれに決めよう)。
- メモ
- 対:ヤナカンゲー(悪い考え)。
イーカンティー
言いかねる。声をかけづらい。
- 用例
- シクチ ヤミーブサシガ、ウヤンカイ イーカンティー ソーン(仕事を辞めたいが、親に言いかねている)。
- メモ
- 音2:イーグリサン・イーグルサン。対:イーヤッサン(言いやすい)。
イーキ
息。呼吸。
- 用例
- イフェー、イーキ トゥミティンディ(少し、息を止めてごらん)。
- メモ
- 音1:イーチ。
イーキー
縁談。結婚の約束。婚約。
- 用例
- ンカシェー イーキーヤ サンテーン、ドゥーカッティー シェー イチャーランタン(昔は婚約はしても、自分勝手には会えなかった)。
イーキハーハー
息が上がること。息づかいが荒い様。
- 用例
- イーキハーハー ヒチ、ハーエー ナティ チャーギーン(息を切らして、走ってくる)。
- メモ
- 音1:イーチハーハー。音2:イーチフーフー。
イーク
植物名。モッコク。
- 用例
- ンカシヌ マギヤシチンカイヤ、イークヌ イーラットータン(昔の大きな屋敷には、モッコクが植えられていた)。
イークトゥ
良い事。
- 用例
- ヌーガラ イークトゥヌル アテーサニ(何か良い事があったんでしょう)。
- メモ
- 対:ヤナクトゥ(悪い事)。
イーグリサン
言いかねる。声をかけづらい。
- 用例
- ヤナクトゥヤ イーグリサン(嫌なことは言いにくい)。
- メモ
- 音1:イーグルサン。→イーカンティー。
イークル
おおよそ。ほとんど。そろそろ。
- 用例
- イークル ナトーン(ほとんど出来ている)。
- メモ
- 音1:ユークル。
イーグルサン
言いかねる。声をかけづらい。
- メモ
- 音1:イーグリサン。→イーカンティー。
イークヮ チンクヮ スン
言い争う。
- 用例
- イークヮ チンクヮ サーニ、オーエーヌ ゥンジタン(言い争って、喧嘩になった)。
イークヮースン
言いくるめる。言い負かす。
- 用例
- クチヂューサヌ、チャンネール チュン イークヮースン(口が強くて、どんな人でも言い負かす)。
否:イークヮーサン(負かさない)希:イークヮーシーブサン(言い負かしたい)過:イークヮーチャン(言い負かした)継:イークヮーチョーン(言い負かしている)。
イークヮイン
喰ってかかる。
- 用例
- イヒ ヤティン ヌーガラ イーネー、スグ イークヮイン(少しでも何か言うと、直ぐに喰ってかかる)。否:イークヮラン(喰ってかからない)希:イークヮイブサン(喰ってかかりたい)過:イークヮタン(喰ってかかった)継:イークヮトーン(喰ってかかっている)。
イーグン
泳ぐ。
- 用例
- スビ ヌ ウミ ヲゥティ イーグン(楚辺の海で泳ぐ)。
- メモ
- 音1:イージュン・ウィージュン・ヲィージュン。
イーケーサー
くり返し言うこと。
- 用例
- イクケーヌン イーケーサー ソーン(何回も同じことを言いいかえしている)。
イーケーサーゲーサー
何度もくり返し言うこと。
- 用例
- アンスカ、イーケーサーゲーサー サンケー(そんなに、何度も同じことを言い返しすな)。
- メモ
- 音1:イーケーシゲーシ。
イーケーシゲーシ
何度もくり返し言うこと。
- 用例
- イーケーシゲーシ イリワル、ワカイルヨー(何度も同じことを言ってこそ、分かるんだよ)。
- メモ
- 音1:イーケーサーゲーサー。
イーケースン
言い返す。
- 用例
- シージャンカイ ヤティン、マキランヨークー イーケースン(年上であっても、負けずに言い返す)。
否:イーケーサン(言い返さない)希:イーケーシーブサン(言い返したい)過:イーケーチャン(言い返した)継:イーケーチョーン(言い返している)。
イーケーラスン
こぼす。
- 用例
- ウケーメー イーケーラスン(おかゆをこぼす)。
- メモ
- 音1:イッケーラスン。音2:タッケーラスン。
イーザイ
農具名。犂〔すき〕。
- メモ
- 音1:イージャイ。音2:イージェー。類:クルバシ・ジーグェー。
牛馬に引かせて、農作物の植え付け準備や砕土〔さいど〕や整地を行った。
イーサク
適量。ほどよい。
- 用例
- ウヌアタイ イリレー、チョードゥ イーサク ヤサ(このくらい入れたら、ちょうどほどよい)。
イーサク クヮッチー サン(結構な量をご馳走になった)。
イーシ
命令。伝令。言いつけ。
- 用例
- ヌールヌ イーシ(祝女の言い付け)。
ウカミヌ イーシ リシヤ、マムランレー ナラン(神の命令というのは、守らなければいけない)・波。
- メモ
- 類:イーチキ。
イージーマ
上儀間。
- メモ
- ナカガー(中川原)は渡慶次、儀間はイリバルまでイージーマ(上儀間)の管轄であった。二才頭は、イージーマ(渡慶次・儀間)合同でチグチマチあるいはハラゴーと称する農耕地や山林・海浜など規則違反の取り締りや風紀取締りに当たった。
イージェー
農具名。犂〔すき〕。
- メモ
- →イーザイ。
イーシチャ
上下〔うえした〕)。
- 用例
- イーシチャ ユー カメーティンディ(上下よく探してごらん)。
イーシトー アタラン
言行不一致。口ほどでもない。
- 用例
- イーシトー アタラン、ヌー シミティン バチン クヮーン(言うのと行動が合わず、何をさせても役に立たない)・儀。
イージャー
一番座。
- 用例
- タンメーヤ、イージャー ヲゥティ ユックティ メーサ(お祖父さんは、一番座で休んでいらっしゃるよ)。
- メモ
- →アガリカミザ。
イージャーイージャー
泳ぎ回る様。
- 用例
- ウミハブヌ イージャーイージャー ソーン(ウミヘビが泳ぎ回っている)。
イージャイ
農具名。犂〔すき〕。
- 用例
- ゥンマカイ イージャイ ヒカチ、ハル カジータン(馬に犂を引かせて、畑を耕していた)。
- メモ
- →音1:イーザイ。
イージュン
泳ぐ。
- 用例
- ワンネー メーナチ カーラヲゥテイ イージュン(私は毎日川で泳ぐ)。
否:イーガン(泳がない)希:イージーブサン(泳ぎたい)過:イージャン(泳いだ)継:イージョーン(泳いでいる)。
- メモ
- 音1:イーグン・ウィージュン・ヲィージュン。
イーシラシ
良い知らせ。吉報。
- 用例
- チューヤ、イーシラシ ムッチ チェーンドー(今日は、良い知らせを持って来たよ)。
- メモ
- 対:ヤナシラシ(悪報)
イースーブ
良い勝負。勝敗がつかず、同じ力を持っていること。互角。
- 用例
- アヌ タイヤ、チャー イースーブ ヤン(あの二人は、いつも良い勝負だ)。
イーソーグヮチ
良い正月。
- 用例
- アンシ イーソグヮチ デービルヤー(とても良い正月ですね)。
イータティーン
追い立てる。追い払う。
- 用例
- イッチン タッタングトゥ、ワーガ イータティーサ(いつまでも立たないから、私が追い立てるよ)。
否:イータティラン(追い立てない)希:イータティーブサン(追い立てたい)過:イータティタン(追い立てた)継:イータティトーン(追い立てている)。
イーチ
息。呼吸。
- 用例
- ヨンナー イーチ スーレー(ゆっくり息を吸いなさい)。
イーチン スナ(息をひそめなさい)・木。
イーチ フチュン(息をきらせる)・木。
- メモ
- 音1:イーキ。
イーチ
地名(読谷村上地)。
イーチ ククムン
ひきつけを起こしている状態。一時的な発作や痙攣〔けいれん〕。
- 用例
- ニチヌ チューサヌ イーチ ククムン(高熱でひきつけを起こす)。
イーチ ヌムン
息をひそめる。
- 用例
- ミーアティララングトゥ シ、イーチ ヌムン(見つからないように、息をひそめる)。
イーチアクビ
息とあくび。忙しい様子を表現するときに使う。
- 用例
- ルク イチュナサヌ、イーチアクビン ナラン(あまりにも忙しくて、息もあくびもできないほどだ)。
イーチウガン
拝所名。
![イーチウガン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01149.jpg)
- メモ
- 旧読谷中学校グラウンドに下りる辺りにかつては松林があり、そこに位置していた。中学校建設により、現在は村道沿いの座喜味地内に移動している。座喜味の屋号ノロ殿内(ヌンドゥンチ)が管理し、字座喜味の拝所でもあり、トリヌファウタキとも呼ばれた。
イーチカカラスン
喉を詰まらせる。
- 用例
- アワティガミ シ、イーチカカラスン(慌てて食べて、喉を詰まらせる)。
過:イーチカカラチャン(喉を詰まらせた)継:イーチカカラチョーン(喉を詰まらせている)。
イーチキ
言いつけ。命令。
- 用例
- ウヮービヌ チュヌ イーチキヤ、チカントー ナランサ(上の人の命令は、聞かないといけないよ)。
イーチキーン
言いつける。命令する。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、スーンカイ イーチキーンドー(悪い事をしたら、お父さんに言いつけるよ)。
ウヮービカラ シクチ イーチキラッタン(上から仕事を命令された)。アリンカイ イーチキタン(彼に言いつけた)・木。
否:イーチキラン(言いつけない)希:イーチキブサン(言いつけたい)過:イーチキタン(言いつけた)継:イーチキトーン(言いつけている)。
イーチキガタ
指導。
- 用例
- クヮンカイヌ イーチキガタヤ、ユー シーヨー(子どもへの指導は、ちゃんとしなさいよ)。
イーチケー
上使い。使い。
- 用例
- イーチケーヤ ワラビンカイ タヌムサ(お使いは子どもに頼むさ)。
- メモ
- 音2:チケー。
イーチケームン
人に使われている人。使い走り。
- 用例
- イチマディ、チュヌ イーチケームン スヌ チムエーガ(いつまで、人の使い走りをするつもりか)。
- メモ
- 音2:チケームン。
イーチケーユン
息を継ぐ。
イーチヂン
絹の着物。
- メモ
- 音2:イーチュギン・イーチュヂン・イトゥヂン。類:イトゥヌムン。
イーチトゥカームヌイー
息切れぎれに話す様。
- 用例
- イーチトゥカームヌイー ッシ、ナンジュ ナゲー ヲゥランデー(息切れに話すから、そんなに長くはもたいよ)。
イーチヌビ
息抜き。
- 用例
- マルケーテー イーチヌビン サンネー(たまには息抜きもしないと)。
イーチハーハー
息が上がること。息づかいが荒い様。
- 用例
- アンシ イーチハーハー ッシ、 ナティ ヌーンカイ ウヮーットーガ(そんなに息を切らして、何に追われているの)。
- メモ
- →音1:イーキハーハー。
イーチフーフー
息が上がること。息づかいが荒い様。
- 用例
- ヒラ ヌブインディ、イーチフーフー ソーン(坂を登るのに、息が上がっている)。
- メモ
- →イーキハーハー。
イーチマリー
息が詰まる。
- 用例
- ウッピグヮーヌ ヤーカイ、ウッサヌ シンカガ イッチ、イーチマリースッサー(こんなに小さな家に、大勢の人が入って、息が詰まりそうだ)。
イーチュー
糸。
- 用例
- ミーン ワッシク ナティ、イーチューン ヌチグリサン(目も悪くなって、糸も通しにくい)。
イーチュークェー
甲虫名。カミキリムシ。
- メモ
- 音2:カラジクェー・カラジクェームシ・キークェームシ。
イーチュギン
絹の着物。
- 用例
- イーチュギン チークリ、マーカイガヤー(絹の着物を着こんで、どこに行くのかな)。
- メモ
- 音1:イーチュヂン。→イーチヂン。
イーチュクイ
良いつくり。
- 用例
- アヌ ニーセーヤ イーチュクイ ソーン(あの青年は非常にがっちりした体格だ)。
イーチュヂン
絹の着物。
- 用例
- ウッサキー、イーチュヂン ムッチョール(こんなにたくさん、絹の着物を持っていること)。
- メモ
- 音1:イーチヂン・イーチュギン。→イーチヂン。
イーチョーバー
植物名。ウイキョウ。
![イーチョーバー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01171.jpg)
- 用例
- ウヮーヌ チーイリチャーカイヤ、イーチョーバー イリレー(チーイリチャーには、ウイキョーを入れなさい)。
- メモ
- →チーイリチャー
イーチリー
絣。絣の着物。
- メモ
- 類:トゥッチリヂン。
ニービチには既製のイーチリーの上等を着た。
イーチンチュ
上地の人。
イーチントーバル
{池ン当原}。座喜味の小字。
イーックヮ
良い子。
- 用例
- アンマーガ ヲゥランティン、イーックヮ ソーキヨーヤー(お母さんがいなくても、良い子にしておきなさいよ)。
アレー イーックヮドー(あれはいい子だよ)。
- メモ
- 自分よりも年下の人をほめるときにいう。
対:ヤナワラビ(嫌な子)。
イーッチュ
善人。良い人。
- 用例
- ワッター ヲゥジャサーヤ、 デージナ イーッチュ ヤタン(私の伯父は、とても良い人だった)。
- メモ
- 対:アクー・ヤナッチュ(悪人)。
イートゥクル
良いところ。
- 用例
- イャーヤ イートゥクルンカイ チェーサ、クヮッチーン マンドーグトゥ、ヘーク ウチンカイ イレーワ(お前は良いところに来たね、ご馳走もたくさんあるから、早く中に入りなさい)。
イーナ
こんなに早く。もう。
- 用例
- イーナ ナトーンナー(こんなに早く準備できたの)。
イーナ チャンバーイ(もう来たの)。
イーナーリー
上の方から。
- 用例
- イーナーリー、ウリティ クーワ(上の方から、降りて来なさい)。
- メモ
- 対:シチャナーリー(下の方から)。
イーナカ
良い仲。仲の良い間柄。
- 用例
- チョーデーンチャー イッペー イーナカ ヤン(きょうだいとても仲が良い)。
イーナヂキ
許嫁〔いいなづけ〕。
イーナラワシ
言い習わし。躾け。
- 用例
- ヰナゴー サガティ ムノー カミヨー リチヌ、イーナラワシ ヤタン(女は下がって食事をしなさいという、躾けだった)。
- メモ
- 音2:ナラーシ・ムンナラーシ。類:シチキ。
イーニーブイ
気持ちよく寝ること。
![イーニーブイ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01189.jpg)
- 用例
- イーニーブイ ソーテーグトゥ、ウクサンル アタンレー(気持ちよく寝ていたから、起こさなかったんだよ)。
イーニン ウユバン
言うに及ばない。特に言うほどでもないこと。
- 用例
- ウレー、イーニン ウユバン ハナシー ヤサ(それは、言うに及ばない話だよ)。
イーヌカー
井泉の名称。
- メモ
- 喜名の旧集落地内にあり、牛馬を浴びせた井泉。上の方は鍛冶屋の山野だったのでカンジャーグムイともいっていた。かつては葬式後に、悪霊を追い払い、屋敷を清めるための棒振りという儀式が行われた。イーヌカーから川砂や小石を採ってきて屋敷の生け垣に投げつけ棒を振り屋敷内にいる悪霊を打ち払った。また龕を担いだ人たちは龕屋に龕を納めた後、イーヌカーで手足を洗った。
イーヌカー
井泉の名称。
- メモ
- サシジャー・サシジャーガーともいう。字伊良皆の黙認耕作地内にある井泉。干ばつのときも枯れなかったといわれ、現在でも水質がよく、水量も豊富。正月の若水を汲んだ井戸でもある。戦後もしばらくは飲料水として利用されたが、近くに生活排水が流れてくるようになってからは農業用水として使われている。
イーヌクスン
言い残す。
- 用例
- クヮンカイ イグン イーヌクスン(子どもに遺言を言い残す)。
否:イーヌクサン(言い残さない)希:イーヌクシーブサン(言い残したい)過:イーヌクチャン(言い残した)継:イーヌクチョーン(言い残してる)。
イーヌジュン
追い越す。
- 用例
- ヒサヌヘーサヌ、ウビジ ミッチャイ イーヌジャン(足が速くて、直ぐに3人追い越した)。
否:イーヌガン(追い越さない)希:イーヌジーブサン(追い越したい)過:イーヌジャン(追い越した)継:イーヌジョーン(追い越している)。
イーヌハラ
上の方。
- 用例
- イャームノー、イーヌハラカイ ウッチェーサ(君の物は、上の方に置いてあるよ)。
- メモ
- 対:シチャヌハラ(下の方)。
イーヌムイ
丘の名称。
- メモ
- 伊良皆集落内にあったイーヌムイは眺望がよく、側には相撲ができる広場もあった。
イーヌンシェー
言わば。
イーノースン
言い直す。
- 用例
- ナマヌ イーヨーシェー マシェー アラングトゥ、ナー チュケーン イーノースン(今の言い方では良くないから、もう一度言い直す)。
否:イーノーサン(言い直さない)希:イーノーシーブサン(言い直したい)過:イーノーチャン(言い直した)継:イーノーチョーン(言い直している)。
イーバー
上の歯。
イーバー
良い頃合い。良い機会。
- 用例
- イャーヤ、イーバーワッターヤーンカイ チェーサ(お前は、よい時に私の家に来たね)。
イーバー、メンソーチェーサ(良い時に、いらっしゃいましたね)。
- メモ
- 音1:ヰーバー。
イーバー
いい気味。
- 用例
- イーバー ヤサ(いい気味だ)。
イーバキカーカー
吐き気を催している様。
- 用例
- クルマヰー ヒチ イーバキカーカー ヒチョーン(車酔いして吐き気がする)。
- メモ
- 音1:イーバチカーカー。音2:イーバキノーリ・イーバキハッター・ムヌハカハカー・ムンハカハカー。
イーバキノーリ
吐き気を催している様。
- 用例
- ユーベー サキ ヌミ ヂューハヌ、イーバキノーリ ヒチョーン(昨夜は酒を飲みすぎて、吐き気を催している)。
- メモ
- →イーバキカーカー。
イーバキハッター
吐き気を催している様。
- 用例
- アマヲゥティ、イーバキハッター ヒチョーシェー ター ヤガ(あそこで、吐き気を催しているのは誰か)。
- メモ
- →イーバキカーカー。
イーバクン
吐き気がする。
- 用例
- ミー マーティ イーバクン(目が回って吐き気がする)。
- メモ
- 音1:イーバチュン。
イーバス
良い時。良いところ。
- 用例
- イャーガ クーランネー、カシーサーン ヲゥラン デージ ヤテーサ、イーバスニ チェーサ(お前が来なかったら、加勢する人もいなくて大変だったさ、良い時に来てくれたね)。
イーバチカーカー
吐き気を催している様。
- 用例
- ヤナ カジャシ、イーバチカーカー ソーン(嫌な臭いがして、吐き気を催している)。
- メモ
- →音1:イーバキカーカー。
イーバチュン
吐き気がする。
- 用例
- ムン カミヂューサヌ、イーバチュン(食べすぎて、吐き気がする)。
過:イーバチャン(吐き気がした)継:イーバチョーン(吐き気がしている)。
- メモ
- 音1:イーバクン。
イーバッペー
言い間違い。
- 用例
- イーバッペーヤ ターニン アイル スル(言い間違いは誰にでもあるさ)。
- メモ
- 音2:イーマチゲー。
イーバッペーイン
言い間違える。
- 用例
- ヌーン カンゲーランヨークー アビーネー、イーバッペーインドー(何も考えずに話すと、言い間違えるよ)。
否:イーバッペーラン(言い間違えない)過:イーバッペータン(言い間違えた)継:イーバッペートーン(言い間違えている)。
イーハンスン
言いそびれる。言い損なう。
- 用例
- ヘーク イランネー、イーハンスンドー(早く言わないと、言いそびれるよ)。
過:イーハンチャン(言いそびれた)継:イーハンチョーン(言いそびれている)。
イーハンスン
言い放つ。言い退ける。
- 用例
- ヌーガラ アイネー、ドゥークル イーハンスン(何かあったら、自分で言いのける)。
否:イーハンサン(言い退けない)希:イーハンシーブサン(言い退けたい)過:イーハンチャン(言い退けた)継:イーハンチョーン(言い退けている)。
- メモ
- 何か悪い事があったときに、自分で呪文を唱えながら言い返す、言い放つこと。良くないことを退ける時にも使う。
イービ
指。
- 用例
- イーベー マーンカイ ヲゥーリーガ、イービヤ ウチンカイドゥ マガユル(指はどこに折れるか、指は内側にしか曲がらない〈諺〉)。
- メモ
- 用例は、身内ほど自分のことを考えてくれる人は他にないという意味の諺。
イーヒー
はい。うん。同意を表すイーと、返事のヒーがくっついた言葉。同等か目下に対する応答。
- 用例
- ナマドゥ イーヒー ナトール(今でこそ対等になっているんだよ)。
- メモ
- 対:ウーフー。「イーヒーの仲」とは対等の関係の意味。
→イー。
イーヒーアーハー
談笑している様。笑い転げている様。
- 用例
- アン イチャレー、イーヒーアーハー ソータサ(そう言えば、笑い転げていたさ)。
イーヒーアーハーソータン(談笑していた)。
イービガキ
ゆびきり。
- 用例
- イービガキ スミ(ゆびきりするか)。
イービグヮー
小指。
- メモ
- 音2:クーイービ・ックヮイービ。
イービサシ
指差し。
- 用例
- ハカンカイ イービサシェー サンキヨー(墓に指差はするなよ)。
- メモ
- 音2:イービヌチ。
イービザンミン
指算。指折り数えること。
- 用例
- ソーグヮチ マチカンティーヒチ、イービザンミン ソータン(正月が待ち遠しくて、指折り数えて待っていた)。
イービナギー
指輪。
- 用例
- アンシ チュラ イービナギー ヤルヤー(なんてきれいな指輪でしょう)。
- メモ
- 音1:イービンガニー。
イービナギーグヮークヮーエー
子供の遊び。玩具の指輪を出し合って手の甲や手のひらで受ける遊び。
- メモ
- ムートゥトゥエーと同様の遊び。サトウキビの葉を輪っかにして指輪に見立てた。
イービヌサチ
指先。
- 用例
- イービヌサチカイ ンジガ タッチョーン(指先にトゲがささっている)。
イービヌチ
指差し。
- 用例
- チュンカイ イービヌチシェー ナラン(人に指を差してはいけない)。
- メモ
- 音2:イービサシ。
イービヌフシ
指の関節。
イービヌマタ
指のまた。
イービヨイ
驚きの感嘆詞。
イービンガニー
指輪。
- 用例
- ウヌ イービンガニーヤ、イャーンカイ マギハーネーニ(その指輪は、あなたには大きくないねぇ)。
- メモ
- 音1:イービナギー。
イーフ
流出土。土砂。
- 用例
- イーフン リシェー、アミフイニ ナガリティ チャル ンチャ ヤサ(イーフというのは、雨降りに流れてきた土だよ)。
イーブー
魚介名。ハゼ科魚類の総称。トビハゼなど。
- 用例
- イーブー クヮーチャンドー(ハゼを釣ったよ)。イーブー サーニ、タマン チユン(トビハゼで、フエフキダイを釣る)・諺。
- メモ
- 用例は、「えびで鯛を釣る」と同じ意味の諺。
イーフェー
位牌。
- メモ
- 音1:イーヘー。音2:イーヘーヌウドゥン・イーフェーヌウドゥン。類:グヮンス。
イーフェーヌウドゥン
{いはいのうどぅん(位牌の御殿)}。位牌。
- メモ
- 音1:イーヘーヌウドゥン。音2:イーヘー・イーフェー。→イーヘー。
イーフォーイン
追い払う。
- 用例
- ヤナムン イーフォーイン(厄を追い払う)。
カシマサ サッティ、イーフォーラッタン(邪魔だと言われて、追い払われた)。
- メモ
- 音1:イーホーイン。
イーブサカッティー
言いたい放題。
- 用例
- イーブサカッティー、ヌー イチョーガ(言いたい放題、何を言っているか)。
イーフラスン
言いふらす。
- 用例
- アリヤ スグ、ンナンカイ イーフラスンドー(彼は直ぐに、皆に言いふらすよ)。否:イーフラサン(言いふらさない)希:イーフラシーブサン(言いふらしたい)過:イーフラチャン(言いふらした)継:イーフラチョーン(言いふらしている)。
イーブン
言い分。
- 用例
- ターニン イーブンヤ アイルスル(誰にも言い分はあるよ)。
イーヘー
位牌。
- 用例
- イーヘー チュクイ ケーイン(位牌を作り替える)。
- メモ
- 音1:イーフェー。音2:イーヘーヌウドゥン・イーフェーヌウドゥン。→イーヘー。
イーヘーヌウドゥン
{いはいのおとの(位牌の御殿)}。位牌。
- 用例
- ワッタヤ イーヘーンカイ イーヘーヌウドゥンディン イータン(私たちは位牌にイーヘーヌウドゥンとも言っていた)。
- メモ
- 音1:イーフェーヌウドゥン。音2:イーヘー・イーフェー。→イーヘー。
イーホーイン
追い払う。
- 用例
- ジャマナティ、アマンカイ イーホーレー(邪魔だから、あそこに追い払いなさい)。
否:イーホーラン(追い払わない)希:イーホーイブサン(追い払いたい)過:イーホータン(追い払った)継:イーホートーン(追い払っている)。
- メモ
- 音1:イーフォーイン。
イーマカスン
言い負かす。
- 用例
- クチヂューサグトゥ、チャー アリンカイ イーマカサットーン(口が強いから、いつも彼に言い負かされている)。
否:イーマカサン(言い負かさない)希:イーマカシーブサン(言い負かしたい)過:イーマカチャン(言い負かした)継:イーマカチョーン(言い負かしている)。
イーマギーン
言い曲げる。ねじ曲げる。
- 用例
- アレー チャー、チュガ イーシ イーマギーン(彼はいつも、人が言うのをねじ曲げる)。
否:イーマギラン(言い曲げない)希:イーマギーブサン(言い曲げたい)過:イーマギタン(言い曲げた)継:イーマギトーン(言い曲げている)。
イーマチゲー
言い間違い。
- 用例
- クトゥバヌ イーマチゲーヤ ノーサリーサ(言葉の言い間違いは直せるさ)。
- メモ
- →イーバッペー。
イーママ
言うがまま。言いなり。
- 用例
- トゥジヌ イーママ ヌーン アビーサン(妻の言いなりで何も言えない)。
イーミスン
価値があること。重宝する。それを味わうこと。
- 用例
- ウッサシカ ネーングトゥ、イーミシ チカリヨー(これだけしかないから、大切に使いなさいよ)。
ウヌ クヮーシヤ、イーミシ カミヨー(そのお菓子は、味わって食べなさいよ)。
- メモ
- 音1:イミスン。
イームティ
上のほう。
- 用例
- イームティカラ ウルサナ(上の方から降ろそう)。
- メモ
- 対:シチャムティ(下の方)。
イームン
良い物。
- 用例
- ウヌ クスイヤ イームン ヤサ(その薬は良い物だよ)。
- メモ
- 対:ヤナムン(悪い物)。
イーヤー
胞衣〔えな〕。臍帯を含む胎盤のこと。
- 用例
- ワッター ウヤンチャー ジブンマデー、イーヤーヤ ヤーヌクシカイ ウミータン(私の親の頃までは、胞衣は家の後ろに埋めていた)。
- メモ
- 胞衣は芭蕉や月桃の葉、あるいは藁束などに包んで家の後ろに埋めた。
イーヤーハーヤー
喜んでいる様。
- 用例
- ナマジブノー、ナー イーヤーハーヤー ソーサ(今頃は、もう大喜びしているね)。
イーヤーワレー
{えなわらい(胞衣笑い)}産後の儀礼のひとつ。
- 用例
- イーヤー ウミーネー、ワランチャー アチミティ、イーヤーワレー シミータン(胞衣を埋める時には、子どもたちを集めて、イーヤーワレーをさせた)。
- メモ
- 雨落ちに胞衣を埋めると、赤子の目が悪くなるということで、夫が家の後ろに埋め、さらに平たい重い石で覆った。また、子どもたちを集めてイーヤーワレーと称して、埋めた胞衣の上を笑いながら数回飛び越えさせ、その上にお粥をかけた。そうすることで生まれた子は、愛嬌のある子に育つといわれていた。
イーヤッサン
言いやすい。
- 用例
- ウンナ クトゥヤレー、ジコー イーヤッサン(そんなことなら、とても言いやすい)。
- メモ
- 対:イーグリサン・イーカンティー(言いにくい)。
イーヤンジュン
言い損なう。不適当な事を言う。
- 用例
- ワッター スーヤ、ユー クトゥバ イーヤンジュン(私の父は、よく言葉を言い損ねる)。
アン イール チモー アランタシガ、チュラーク イーヤンティネーン(そういうつもりではなかったが、見事に言い損ねてしまった)。
否:イーヤンラン(言い損ねない)過:イーヤンタン(言い損ねた)継:イーヤントーン(言い損ねている)。
イーヤンベー
いい塩梅〔あんばい〕。心地よい。快適。
- 用例
- ナマネー、ドゥーチュイ イーヤンベー ヤサニ(今はもう、ひとりで快適でしょう)。
イーユヌミータークヌミー
手遊び歌。魚の目蛸の目。
- メモ
- 幼児をあやしながら歌う。
イーヨー
言いよう。
- 用例
- イーヨーン アレー、チチョーン アイル スル(言い様もあれば、聞きようもある)。
アレー ムヌイーヨーン ネーン(彼はものの言い方がなっていない)。
イーヨーグヮー
赤子。赤ん坊。
![イーヨーグヮー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01253.jpg)
- 用例
- イーヨーグヮー ダチ、アッカギーン(赤ちゃんを抱いて、歩いている)。
- メモ
- →アカングヮ。
イーラーサン
老けてみえる。
- 用例
- ワッター アバーヤ、ターヤカ イーラーサン(私の姉は、誰よりも老けてみえる)。
イーリキサン
嬉しい。楽しい。
- メモ
- 音1:イールキサン・イリキサン・ウィーリキサン・イリキハン。音2:イソーサン・イソーハン・ウッサン。
イールカージ
言うたび。
- 用例
- ウヌ ワラベー、イールカージ ムル チカン(この子は、言うたびに全然聞かない)。
イールキサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- イールキサル バー(嬉しいわけさ)。
- メモ
- 音1:イーリキサン・イリキサン・ウィーリキサン・イリキハン。→イーリキサン。
イールンサー
言うならば。
- 用例
- イャーガ ウングトゥー イールンサー、ワッターン イーンドー(あなたがそんなこと言うならば、我々も言わせてもらうよ)・木。
イールンシェー
言わば。
- 用例
- イールンシェー、アン ナイル バー ヤサ(言わば、そうなるわけだよ)。
イーワキ
言い訳。
- 用例
- ターン ワームン イーワキヤ チカンサヤー(誰も私の言い訳を聞かないんだね)。
イーワタ
上腹部。
- 用例
- チヌーカラ、イーワタヌ ヤムン(昨日から、腹の上の方が痛い)。
- メモ
- 対:シチャワタ(下腹部)。
イーウヮーチチ
良い天気。晴天。
- 用例
- アンシ イーウヮーチチ ヤイビルヤー(とても良い天気ですね)。
- メモ
- 対:ヤナウヮーチチ(悪い天気)。
イーン
言う。
- 用例
- ウヌクトー ワンガ イーン(そのことは私が言う)。
ナントゥイチン ワカランヌーヤ、ウッチャンナギトーケー(何回言っても分からない奴は、ほっときなさい)。
否:イラン(言わない)希:イーブサン(言いたい)過:イチャン(言った)継:イチョーン(言っている)。
- メモ
- 音1:イン・イユン。
イーン
植える。
- 用例
- ハルカイ ヤシェー イーン(畑に野菜を植える)。
否:イーラン(植えない)希:イーブサン(植えたい)過:イータン(植えた)継:イートーン(植えている)。
- メモ
- 音1:ウィーン。
イーン
老いる。
- 用例
- アヒーヤ、ターヤカ イーティ ミーンヤー(兄さんは、誰よりも年上に見えるね)。ターヤティン、アトー イーティ イチュン(誰でも、後は老いていく)。
- メモ
- 音1:ウィーン。
イーン
入る。
- 用例
- アミ フトーグトゥ、ヤーヌ ウチカイ イーン(雨が降っているから、家の中に入る)。
否:イラン(入らない)希:イーブサン(入りたい)過:イッチャン(入った)継:イッチョーン(入っている)。
- メモ
- 対:ゥンジーン(出る)。
イーン
射る。
- 用例
- ヤマシシ イーン(猪を射る)。
イーングヮ
上の子。初めての子。
- メモ
- 音2:アラングヮ。
イーンジャサリーン
追い出される。
- 用例
- ウヤンカイ イーンジャサッタン(親に追い出された)。
過:イーンジャサッタン(追い出された)。
イーゥンジャスン
言い出す。
- 用例
- フントーヌクトゥ イーゥンジャスン(本当のことを言いだす)。
否:イーゥンジャサン(言いださない)希:イーゥンジャシーブサン(言い出したい)過:イーゥンジャチャン(言いだした)継:イーゥンジャチョーン(言いだしている)。
イーゥンジャスン
追い出す。
- 用例
- ヤコー タッタンヌーヤ、ヤーカラ イーゥンジャスン(役に立たないのは、家から追い出す)。
否:イーゥンジャサン(追い出さない)希:イーゥンジャシーブサン(追い出したい)過:イーゥンジャチャン(追い出した)継:イーゥンジャチョーン(追い出している)。
イーゥンジャニ
遺言。
- 用例
- ワンカラヌ イーゥンジャニ、ヤグトゥ ユー チキヨー(私からの遺言だから、よく聞きなさいよ)。
- メモ
- 音2:ゥンジャニ。類:イグン。
イエー
伝言。ことづて。
- 用例
- イエー サグトゥ(連絡すると)・木。ナー イエー シウーサン(もう連絡ができなくて)。
- メモ
- 音1:イーエー。
イカイユー
疑似餌。
- メモ
- 木製のエビをかたどったものと平たい魚の形をした2種類があった。那覇の垣花方面から売りに来たのを買い求めた。
イカイン
出会う。会う。
- 用例
- ゥンマカラ イキーネー イカインドー(そこから行くと出会うよ)。
ナマ、ウマヲゥティ イカタン(今、そこで出会った)。
過:イカタン(会った)。
- メモ
- 音1:イチャイン。
イカグトゥ
行きたがらないこと。
- 用例
- ウヤヌヤーカイ イカグトゥ シ、ジャーフェー ヤッサー(実家に行きたがらないので、困ったもんだ)。
イカサンパー
行かさないようにすること。
- 用例
- ヰナグヌウヤー、ヒータイカイ イカサンパー スタン(母親は、兵隊に行かせたがらなかった)。
イカシー
碇〔いかり〕。碇岩。
- メモ
- 石灰岩に穴を開けて碇として使っていた。
イカタ
帽子の型や菓子の型にもいう。鋳型〔いがた〕。
- メモ
- アダン葉帽子作成のための鋳型は木製だった。
イガター
私たち。我々。
- 用例
- イガター ユミンカイ イカンドー(私たちは嫁にいかないよ)。イガター ゥンマカラ(私たちのところから)。
- メモ
- 音1:アガター・ヰガタ・ンガター・イガルー。→アガター。
イカナ
いくら。たとえ。どんなに。
- 用例
- イカナ アリガ イカンティン、ワンネー マジョーン イチュサ(たとえ彼が行かなくても、私は一緒に行くよ)。
イカナ ヌー ヤラワン、ワン ウッチャンナギティ イチュンディチン アンナー(いくらなんでも、私を置いて行くってこともあるか)。イカナ マーサムン カマサッティン、イャーガ イーシェー チカンサ(どんなにおいしいものを食べさせられても、お前が言うことは聞かないよ)。
- メモ
- 音1:イキナ。
イカナシン
どうしても。何と言おうとも。
- 用例
- イカナシン、チューヤ イサヌヤーカイ ソーティ イキワル ヤル(どうしても、今日は病院に連れて行かなくちゃいけない)。
- メモ
- 音1:イキナシン。音2:チャーシン。
イカビチ
漁法名。イカ曳き。
- メモ
- イカイユーという疑似餌を曳いて釣る漁法。
イガルー
私たち。我々。
- メモ
- →アガター。
イカングートゥー
行かないこと。
- 用例
- アマンカイヤ イカングートゥー サーヤー(あそこには行かないようにしようね)。
イキー
勢い。活気。
- 用例
- アンシ、トゥーチ イキーヌ ネーランヤー(なんて、いつも活気がないんでしょう)。
- メモ
- 類:イチュイ。
イキグラハン
息苦しい。
- 用例
- イバミーカイ ヲゥイネー、イキグラハン(狭い所にいると、息苦しい)。
- メモ
- 音1:イチジラサン。
イギター
私たち。我々。
- 用例
- イギターヤ、チャー ナンギビカーンソーン(私たちは、いつも難儀ばかりしている)。
イキチゲー
行き違い。
- 用例
- ダー! イキチゲー ヒチ ネーランセー(ほら!行き違いしてしまったさ)。
- メモ
- 音2:イチャイチゲー・イチェーチジェー。
イキッチュ
生きている人。
- 用例
- シニンチュトゥ イキッチュガ、シマ トゥインディヌ ハナシーン アタン(死人と生きている人が、相撲を取るという話もあった)。
- メモ
- 音1:イチッチュ。
イキナ
いくら。たとえ。どんなに。
- 用例
- イキナ フユニン(たとえ冬でも)。
- メモ
- 音1:イカナ。
イキナシン
どうしても。何と言おうとも。
- 用例
- イキナシン ナラン(どうしてもできない)。
- メモ
- →音1:イカナシン。
イキネースーネー
散々。
- 用例
- イキネースーネー マキタシェー(散々負けたさあ)。
- メモ
- 類:イッペーサッペー。
イキムシ
動物。家畜。
- 用例
- イキムシビカーン カラティ、チャースル チムガ(動物ばかり飼って、どうするつもりか)。
- メモ
- 音1:イチムシ。
イキムシヌヤー
家畜小屋。
- 用例
- カジフキ ヒチ、イキムシヌヤーン ムルコーリ ヒチョーン(台風で、家畜小屋も全壊だ)。
- メモ
- 音1:イチムシヌヤー。
イキラサウーサ
多い少ない。
- 用例
- イフィヌ イキラサウーサー アイル スル(少しの多い少ないはあるでしょう)。
イキラサニカタヂキルー
少ない方に片付ける。多数決。
- メモ
- 類:ウーサニカタヂキルー。子どもの遊びなどで、多数決をとる時に右手を左脇にはさんで「イキラサニカタヂキルー(少ない方が勝ちよ)」と言いながら手のひらか甲を上にして出し、多い方に決める。
イキラサン
少ない。
- 用例
- ワー ムノー、タームンヤカ イキラサン(私の物は、誰の物より少ない)。
- メモ
- 音1:イキラハン。対:ウーサン・ウフサン・ウーハン(多い)。
イキラニンジュ
少人数。
- 用例
- ウッサヌ シクチ、イキラニンジュシェー ナランドー(こんなにたくさんの仕事は、少人数ではできないよ)。
- メモ
- 音2:イクタイニンジュ。
イキラハン
少ない。
- 用例
- ウッサグヮーシェー イキラハンデー(たったこれだけじゃ少ないよ)。
- メモ
- →イキラサン。
イキラムン
少ない物。
- 用例
- シンカンチャー ウーサヌ、イキラムンシェー タラーンドー(人数が多いから、少しの物では足りないよ)。
イクケーン
幾度。何回。
- 用例
- イクケーン アビティン、ヒントー ネーン(何回呼んでも、返事がない)。
イクサ
戦。
- 用例
- イクサヌ クトゥヤ、ワシティン ワシララン(戦のことは、忘れようにも忘れられない)。
イクサチ
行く先。行方。将来。今後。
- 用例
- イクサチヤ、ターガン ワカラン(行く先は、誰にも分からない)。
イクサチザチ
行く先々。
- 用例
- イクサチザチ、シッチョールー ビカーン(行く先々、知り合いばかりだ)。
- メモ
- →アックカタ。
イクサユー
{いくさよ(戦世)}。戦争をしていた時代。
- 用例
- イクサユーヌ ハナシヤ シーブサーネーン(戦世の話はしたくない)。
イクタイニンジュ
少人数。
- 用例
- イクタイニンジュシェー、ワジャー メーネーアガカンデー(少人数では、仕事は捗らないよ)。
- メモ
- →イキラニンジュ。
イクチ
いくつ。何歳。
- 用例
- ハクヤ イクチ アチミタガ(箱はいくつ集めたか)。
イクチ ナミシェービーガ(何歳になられますか)。
イクチン
いくつも。
- 用例
- イクチン ユージュヌ カサナティ イチュナサン(いくつも用事が重なって忙しい)。
イクチンミーチン
いくつも三つも。たくさん。
- 用例
- チュバチニ イクチンミーチン スンディチン アンナー(いっぺんにいくつも三つもやるってもあるか)。
イクトゥバ
言葉。言うこと。
- 用例
- トゥシーヌ イクトゥバヤ、ワシテー ナランサ(年寄りの言うことは、忘れてはいけないよ)。
イグマスン
意気込ませる。やる気にさせる。
- 用例
- ヘーク スージ シーヨーシ イグマスン(早くお祝いをしなさいと意気込ませる)。
否:イグマサン(意気込ませない)過:イグマチャン(意気込ませた)継:イグマチョーン(意気込ませている)。
イクン
行く。
- 用例
- アチャ、ナーファカイ コーイムン シーガ イクン(明日、那覇に買い物に行く)。
- メモ
- 音1:イチュン。対:チューン(来る)。
イグン
遺言。
- 用例
- ワンネー イグン カチョーン(私は遺言を書いている)。
- メモ
- →イーゥンジャニ。
イケーハーエー
大勢の人が行き来している様。
- 用例
- イケーハーエー、アンシ イチュナサ ギハル(大勢の人が行き来して、とても忙しそうだね)。
イケガチュー
魚介名。ニジョウサバ。
- メモ
- 類:クサラー。
イケマー
釣り上げた魚を貯蔵するサバニの生け簀〔す〕。
イサ
医者。
- 用例
- ビョーチヤ イサン カカランレー、ノーランサ(病気は医者に診てもらわないと、治らないよ)。
イザイ
漁〔いさ〕り。漁。
- 用例
- チューン ワントゥ イザイカイ イカヤー(今日も私と漁に行こうね)。
イサガカイ
医者にかかること。
- 用例
- イサガカイ シッカラ ナゲー ナイシガ、ティーチン マシェー ナラン(医者にかかってから長いことなるが、ちっとも良くならない)。
イサトゥー
昆虫名。カマキリ。
![イサトゥー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01387.jpg)
- 用例
- イクチン イサトゥー トゥッティ、チャー スヌバーガ(何匹もかまきりを取って、どうするつもりなの)。
- メモ
- 音2:マーミーサートゥー・マーミサートゥー・マーミヌハートゥー・マーミナサートゥー・マーミナトゥー。
イサヌヤー
病院。
- 用例
- イサヌヤーヌ トゥーサヌ、アッチェー イチーサンサ(病院が遠くて、歩いては行けないさ)。
イサマカシ
医者任せ。
- 用例
- ナゲー カユティン ノーランティカラ、イサマカシビカーンシェー ナランドー(長く通院しても治らないなら、医者に任せてばかりではいけないよ)。
イサマスン
励ます。勇気づける。
- 用例
- イサマスル タミ、テーク ウッチャン(勇気づけるために、太鼓を叩いた)。
- メモ
- →イサミユン。
イサミユン
励ます。勇気づける。
- 用例
- ククル イサミユン(心を励ます)。
- メモ
- 音2:イサマスン。
イシ
石。
- 用例
- グナイシ アチミティ、イシガチヌミー フサジュン(小石を集めて、石垣の穴を塞ぐ)。
イジ
意地。気力。意気地。
- 用例
- イジェー チューク ムッティヨーヤー(気は強く持ちなさいよ)。
イジヌ ゥンジラー ティー ヒキ(意地が出たら手を引け)〈諺〉。
ワン ワラベー、イジグヮーン ネーン(私の子どもは、意気地がない)。
- メモ
- 音2:イジリ。
イジ チキーン
度胸をつける。勇気づける。激励する。
- 用例
- アチャー タビカイ ハイグトゥ、ンナシ イジ チキーン(明日旅に行くから、皆で勇気づけよう)。
否:イジチキラン(度胸をつけない)希:イジチキーブサン(度胸をつけたい)過:イジチキタン(度胸をつけた)継:イジチキトーン(度胸をつけている)。
イシアーファ
石のように座り込む様。
- 用例
- ウンナガレー、ゥンマンカイ イシアーファ ナティ ヰチョール チュン ヲゥル!(そんな長いこと、そこに石のように座り込んでいる人もいるか!)。
イシアナ
石穴。採石場。
イシウーサー
石を運搬する者。
- メモ
- 宇座や楚辺などで、採石を行う者やそれを運搬する者が多くいた。
イシウーシ
石臼。
- 用例
- イシウーシシ トーフマーミ ヒチュン(石臼で大豆を挽く)。
イシオーラセー
子どもの遊び。紐を括りつけた石をぶつけ合って遊ぶこと。
イシガクイ
石囲い。
- 用例
- ヤシチヌ イシガクイヤ、リッパ チマットーン(屋敷の石囲いは、立派に積まれている)。
イシカジ
聞き分け。
- 用例
- イシカジン チカンヌー ワラビ(聞き分けのない子ども)。
- メモ
- →カジ。
イジカスン
動かす。
- 用例
- ミッチャイシ マギイシ イジカスン(3人で大きな石を動かす)。
否:イジカサン(動かさない)希:イジカシーブサン(動かしたい)過:イジカチャン(動かした)継:イジカチョーン(動かしている)。
イシガチ
石垣。
- 用例
- イシガチェー トーリラングトゥ、チャンリッパ チミヨーヤー(石垣は崩れないように、しっかり積みなさいよ)。
イシガナ
石工〔いしく〕道具名。墓造り等に用いる。
- 用例
- 類:カニガラ。
イシガンガラー
石ころだらけ。
- 用例
- イシガンガラー ナティ、アッチーグリサン(石ころだらけで、歩きにくい)。
イシガントー
石敢當。
- 用例
- イシガントーンカイ チチアタイネー、ヤナムノー イッチェー チーサンディ(石敢當に突き当たると、悪者は入って来れないそうだ)。
- メモ
- ヤナムン(悪いもの)を返すということで、T字路の突き当たりに石敢當と刻んだ石柱を魔除けとして立てた。
イシグー
石粉〔いしこ〕。石灰岩をこまかく砕いたもの。
- 用例
- クブンカイ イシグー マチョーケー(窪みに石粉を撒きなさい)。
イシグーアナ
石灰岩をとったあとの穴。
- メモ
- 音2:イシアナー。
イシグーミチ
砂利道。
- 用例
- ゥンマカラアトー、ムル イシグーミチ ヤサ(そこから後は、ずっと砂利道だよ)。
イシグーヤマ
石灰岩がとれる山。
イシグェー
石鍬〔いしぐわ〕。石を削って刃にした鍬。
- 用例
- ンチャガ クヮーハヌ、イシグェーシル カジラリール(土が硬くて、石鍬でしか耕せない)。
イシグジン
小石が積まれている所。
- 用例
- ハルカラ ゥンジール イシヌ、アマクマカイ イシグジン ナティ アタン(畑から出た石が、あちこちに積まれていた)。
イジクチ
出口。
- メモ
- 音2:ゥンジリグチ・ゥンジーグチ。
イシクビ
石壁。
イシグフー
石があちこちとび出ているような所。
イシグルー
石ころ。
イシグヮームートゥトゥエー
子どもの遊び。山のように積んだ小石の真ん中に立てた棒を倒さないように1個ずつ石を取って行く遊び。
イシグン
足の裏が内出血した傷。
- メモ
- 音2:ウチグン。
裸足〔はだし〕でとがっている石などを踏むとそうなるといわれた。
イジクン
動く。
- 用例
- トゥッチーヌ ハーイガ イジクン(時計の針が動く)。
- メモ
- 音1:イジチュン。
イシジ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
イシジェーク
石大工。石工〔いしく〕。石細工。
- 用例
- マーヌ イシジェークヌ チュクタガ、アンシ ミグトゥナ ハカ ヤル(どこの石大工が造ったのか、なんて見事な墓だろう)。
イシジューサー
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- 音:イシスーサー。類:イシジューシ・スーサー・ピ^カラカラー・モージューサー。昔は海岸や川岸の岩壁にいたが、近年は住宅地に巣を作っている。
イシジューシ
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- イシジューサー参照。
イシズ
落ち着き。
- 用例
- クヌ ワラベー、ティーチン イシズヌ ネーン(この子は、ちっとも落着きがない)。
- メモ
- 類:ウティチチ。
イシスーサー
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- イシジューサー参照。
イジスーブ
度胸比べ。意地勝負。
- 用例
- ヰキガンチャーガ アチマイネー、イジスーブ スタン(男たちが集まると、度胸比べをした)。
イシダニ
浜の砂利。
イシヂク
植物名。イシギク。モクビャッコウ。
- メモ
- 石垣でよく見られる白っぽい葉で、黄色い花がつく。9月9日菊酒の日には酒に浮かべて飲んだ。→チクザキ。
イシチヤー
石切屋。石を切る者。
- 用例
- ウミヌ イシ ワイシェー イシチヤー シクチヤタン(海の石を切り出すのは石工の仕事だった)。
- メモ
- 石工の部類だが、読谷山では加工細工を行うイシジェークとは分けていた。→イシウーサー・イシジェーク。
イシチャー
地名。うるま市石川。
イジヂューサン
意地が強い。勇気がある。度胸がある。
- 用例
- ウヌ ワラベー ルク イジヂューサンヤー(その子はとっても勇気があるね)。
イジチュン
動く。
- 用例
- ヤガテー イジチュンドー(やがて動くよ)。
否:イジカン(動かない)希:イジチーブサン(動きたい)過:イジチャン(動いた)継:イジチョーン(動いている)。
- メモ
- 音1:イジクン。
イシドウバル
{石動原}。上地の小字。
イシトゥヤー
採石場から石を切り出す者。石採り。
- メモ
- →イシウーサー・イシジェーク・イシチヤー。
イシナーグー
子どもの遊び。石子〔いしなご〕。小石を使って遊ぶ。
- 用例
- ヰナグワランチャーガ、イシナーグーアシビ ソーン(女の子たちが、石子遊びをしている)。
イシナギエー
子どもの遊び。石合戦。
イシヌミーバカ
幼児墓。
- 用例
- ナナチマデー ウフバカンカイヤ イリラン、イシヌミーバカンカイ ホームタン(7歳までは本墓に入れずに、幼児墓に葬った)。
- メモ
- 音2:ワランチャーバカ・ミーグヮーバカ。類:ユシリ。
昔は幼児の死亡率が高く、7歳以下の子は本墓に入れずに、人里離れた岩穴などに葬った。
イジバー
意地が強い人。度胸がある人。
- 用例
- イャーヤ アンシ イジバー ヤテール(君はとても意地が強い人だったんだね)。
- メモ
- 音2:イジャー。
イシバーイ
石柱。海岸の石を切り出して造る石柱。
- 用例
- イシバーイヤ ウージャ ウミカラ トゥッテイ チュータン(石柱は宇座の海岸から採ってきた)。
- メモ
- 音1:イシバーヤ。
石柱はクサビや石切斧を使って干潮時に切り、畜舎や台所に使い、母屋に使うことはあまりなかった。
イシバーヤ
石柱。海岸の石を切り出して造る石柱。
- メモ
- →イシバーイ。
イシバイ
促歩〔そくほ〕。競馬の時の馬の歩き方のこと。
- 用例
- イシバイ スヌ ゥンマヤ、チビラーハタンドー(促歩する馬は、格好よかったよ)。
- メモ
- 早さを競うのではなく、馬や騎手の姿勢等を重視して勝負を決めた。
イシマーシバル
{石廻原}。座喜味の小字。
イシマチャー
漁法名。こぶし大の石に餌を巻きつけて海底に下して、魚を釣った。
イジモッパラー
意地だけで物事を片付けようとすること。独りよがり。
- 用例
- イジモッパラー シェー、ヌーン ナランサ(独りよがりでは、何もできないさ)。
イシヤー
拝所名。石屋。
- メモ
- 石板でできた祠で、ビジュル(賓頭盧、霊石)のかわりとされる。波平の神アサギ、戸加喜友名(トゥカーチョンナー)の前、松元西(マチムトゥイリ)、川之上(カーヌイー)の4か所にある。9月9日の菊酒にちなんで拝まれる。神アサギの石屋は初御願でも拝まれている。
イジャー
意地が強い人。度胸がある人。
- 用例
- ワラビヌ ユカイ イジャー ヤテールバーヨー(子どもがかなり度胸があったわけよ)。
- メモ
- →イジバー。
イシャギ
魚介名。イサキ。
イジュ
植物名。イジュ。ヒメツバキ。
- メモ
- 以前は建築資材として使われた。
イシユーチ
石工〔いしく〕道具名。石斧〔せきふ〕。
- メモ
- 音2:ユーキ・ユーチ。
イジュン
漁具名。銛〔もり〕。一本銛。
- 用例
- イジュン コーイガ イチュン(銛を買いに行く)。
イジュン
泉。湧泉。
- 用例
- アガリムティヌ イジュンカラ、ミジ クリクヮー(東側の泉から、水を汲んで来なさい)。
イジュンダー
湿田。水はけが悪く、年間通して水が引かない田んぼ。
イジリ
意地。気力。
- 用例
- イジリ チューク ムッチ、ハマリヨー(意地を強く持って、頑張ってね)。
イジリヌ マンドーン(気力にあふれている)。
- メモ
- →イジ。
イシンニーバル
{石根原}。座喜味、波平の小字。
イシンミー
①石垣の隙間。②石ころだらけ。
- 用例
- ①イシンミーンカイ ボー チックリ クールー チュクタン(石垣の中に棒を入れて独楽を作った)。②イシンミーカラ アッチーネー ヒサガ ヤムン(石ころだらけの中から歩いたら、足が痛い)。
- メモ
- ①→クールー。②→イシガンガラー。
イシンミバカ
石で囲われた墓。
イシンミバル
{石嶺原}。長田の小字。
イスジュン
急ぐ。
- 用例
- ガッコーンカイ ウクリーギサー ヤグトゥ イスジュン(学校に遅れそうだから急ぐ)。
否:イスガン(急がない)希:イスジーブサン(急ぎたい)過:イスジャン(急いだ)継:イスジョーン(急いでいる)。
イセーダバル
{石田原}。高志保の小字。
イセーラバル
{石良原}。宇座の小字。
イソー
衣装。
- 用例
- クンドゥヌ シバヤヌ イソーヤ、チビラーサタン(今度の芝居の衣装は、立派だった)。
イソーサクヮッター
嬉しくてはしゃいでいる様。
- 用例
- イチバン ナティ、イソーサクヮッター ソーン(一番になって、嬉しくてはしゃいでいる)。
イソーサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- ゥンマガンチャーガ アシビーガ チーネー、イッペー イソーサン(孫たちが遊びに来たら、とても嬉しい)。
- メモ
- 音1:イソーハン。→イーリキサン。
イソーハン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- ミーヤー チュクイ アーチ、イッペー イソーハン(新しい家を造ることができて、とても嬉しい)。
- メモ
- 音1:イソーサン。→イーリキサン。
イタジリー
板切れ。
- 用例
- イタジリー アチミティ、インヌヤー チュクイサ(板切れを集めて、犬小屋を作るさ)。
イチ
いつ。
- 用例
- ウフヤーカイ イチ アチマイガ(本家にいつ集まるねぇ)。
イッター ヤーフチ スージェー、イチヌイッカ ナトーガ(君たちの新築祝いは、何月何日になっているか)。
イチ
池。
- 用例
- イチンカイ クーイユ チカナトーン(池に鯉を飼っている)。ナーンカイ イチ フティ クーイユ カライン(庭に池を造って鯉を飼う)。
イチ
墓室の部所名。祖先の遺骨を合祀する墓室内の奧のこと。池。
- 用例
- サンジューサンニンチ ナトーグトゥ クチェー イチンカイ ナセー(三十三年忌を終えたから、遺骨はイチに移した)。
イチ
易。
- 用例
- イチヌ ヤー(易者の家)。
イチ ナティン
いつになっても。
- 用例
- イチ ナティン、イャー ウンジェー ワシランサ(いつになっても、お前の恩は忘れないよ)。
イャーヤ イチ ナティン、ウッサン ワカランナー(お前はいつになっても、それだけも分からないのか)。
イチェーチジェー
行き違い。
- 用例
- ナマル ハイタンリー、アイヤー、イチェーチジェー シェーサ(今行ったそうだ、あれまあ、行き違いになったね)。
- メモ
- 音1:イチャイチゲー。→イキチゲー。
イチカ
いつか。
- 用例
- イチカ マジョーン アシビーガ イカヤー(いつか一緒に遊びに行こうね)。
イチカスン
生かす。
- 用例
- スーマース チキティ ヤティン、イチカシーブサン(塩漬けにしてでも、生かしたい)。
否:イチカサン(生かさない)希:イチカシーブサン(生かしたい)過:イチカチャン(生かした)継:イチカチョーン(生かしている)。
- メモ
- 音2:イチキーン。
大事な人や動植物に長らえて欲しいときなどに使う。
イチガナイラー
いつになるのか。
- 用例
- イチガナイラー ワカランシガ、ヤー チュクイブサン(いつになるのか分からないが、家を造りたい)。
イチカマドー
昆虫名。アメンボ。
- 用例
- イチカマドーンカイ スンカリンドー、ヘーク ヤーンカイ ケーレー(アメンボに引っぱられるよ、早く家に帰りなさい)。
- メモ
- →アーマークー。
イチカユヤー
行き通い。通うこと。
- 用例
- ウヤヌヤートゥ メーナチ イチカユヤー ソーサ(実家と毎日行き来しているさ)。
- メモ
- 結納から結婚式までの間、新郎新婦が互いの家を行き来して労働力を提供する期間にもいった。
イチカランイチキ
苦しみに満ちた生き方。貧苦や病気など苦しいなかで生き様。
- 用例
- タユイシン ヲゥラン、イチカランイチキル ヒチョーンデー(頼る人もいなくて、どうにかこうにか生きているんだよ)。
- メモ
- 音1:イチカランイチチ。
イチカランイチチ
苦しみに満ちた生き方。貧苦や病気など苦しいなかで生きる様。
- 用例
- ルク ヒンスー ナティ カムシン ネーン、イチカランイチチ ソーン(あまりにも貧乏で食べるのもなく、どうにかこうにか生きている)。
- メモ
- 音1:イチカランイチキ。
イチカリーン
生きられる。
イチカンティー
行きにくい。行きかねる。
- 用例
- クヌメーン ヌラーッテーグトゥ、シージャヌ ヤーカイヤ イチカンティー スン(この前も叱られたから、兄の家には行きにくい)。
- メモ
- 音2:イチグリサン。対:イチヤッサン(行きやすい)。
イチキーン
生かす。
- 用例
- カリーガター ナトール ガジマル イチキーン(枯れそうになっているガジュマルを生かす)。
否:イチキラン(生かさない)希:イチキーブサン(生かしたい)過:イチキタン(生かした)継:イチキトーン(生かしている)。
- メモ
- →イチカスン。
イチク
いとこ。
- 用例
- イチクマデー チョーデートー ユヌムン ヤサ(いとこまでは兄弟と同じだよ)。
- メモ
- 音2:イチュク。
イチグ
一語。生涯。いつも。
- 用例
- チュール カージ、イチグ ムヌイミービカーン ッシ(来るたびに、いつも物をねだってばかりで)。
- メモ
- 類:シッチー・チャー・トゥーチ・ヒジュー。
イチグ イチマディン
いついつまでも。
- 用例
- ミートゥンダヤ、イチグ イチマディン カナサ シーヨーヤー(夫婦は、いついつまでも仲良くしなさいよ)。
イチクビー
5枚重ねの死装束。
- メモ
- 渡具知ではサルマタ、ハカマ、ジュバン、芭蕉衣、ウチカキー(打ち掛け)の順に5枚重ねて着せた。
イチクミーックヮ
いとこの子ども。
- 用例
- イチクミーックヮヌチャーン、ムル アチマトータン(いとこの子どもたちも、みんな集まっていた)。
- メモ
- 音1:イチュクミーックヮ。
いとこの子どもは、男も女も同じ名称。
イチクムイ
1銭。
- メモ
- →イッカグヒャーク。
イチグリサン
行きにくい。行きかねる。
- 用例
- アマヌ ヤーカイヤ イチグリサン(あそこの家には行きにくい)。
チュマーシヤーンカイヤ、イチグルサン(人が亡くなった家には、行きにくい)。
- メモ
- →イチカンティー。
イチグル
いつ頃。
- 用例
- イチグル ナイガ(いつ頃できるか)。
イチグヮチ
1月。
- 用例
- ナー ヤガティ イチグヮチドー(もうやがて1月だよ)。
イチクヲゥジャサー
父母の従兄弟。
イチケーイン
生き返る。
- 用例
- ンカシェー カソーヤ アランテーグトゥ、ハカヌ ナカヲゥティ イチケータンディヌ ハナシン アタサ(昔は火葬ではなかったから、墓の中で生き返るという話もあったさ)。
否:イチケーラン(生き返らない)希:イチケーラシーブサン(生き返らせたい)過:イチケータン(生き返った)継:イチケートーン(生き返っている)。
イチゲーイン
生き返る。
- 用例
- アー、ナマネー イチゲータサ(ああ、やっと生き返ったなあ)・木。
- メモ
- 音:1
イチゴーザキ
1合酒。
- 用例
- タンメーヤ メーユル、イチゴーザキ ミセーン(おじいさんは毎晩、1合のお酒を召し上がる)。
- メモ
- 「1合の酒」の意味だが、サキムイ(結納)の別称としても使われる。
イチゴーユー
喪家に対する相互扶助。
- メモ
- 音2:イックヮンユー・ユー。→スーゲー。楚辺では隣保班からをイチゴーユーとして粟一合を集め、米と一緒にして粥を作った。
イチジャマ
生霊〔いきりょう〕の呪い。生きている人の怨霊〔おんりょう〕。
- 用例
- ガヌンカイ イービ ネーイネー、イチジャマ サリーンドー(龕〔がん〕に指を差すと、呪われるよ)。
イチジューコー
模擬葬式。
- メモ
- トーカチ祝い(米寿祝)の前夜か早朝に、祝いを迎える人を死者に見立て、模擬葬式を行なった。
イチジラサン
息苦しい。
- 用例
- ウッピグヮーヌ ヤーンカイ チュヌ マンリ、イチジラサン(こんな小さな家に人が多くて、息苦しい)。
- メモ
- 音1:イキグラハン。
イチチ
5。5つ。5歳。
- 用例
- ワッター チャクシェー、 ヤガティ イチチ ナイン(私の長男は、やがて5歳になる)。
- メモ
- 音2:イチ。
イチチキ
5か月。
イチチグン
5品。御願に供える5品。
- メモ
- 高志保では旧1月9日のウガンメーの祝いに5品(飯・水・塩・花米・酒)。或いは7品の御馳走を作った。
イチチチ
5か月。
イチヂバル
{掟地原}。伊良皆の小字。
イチチブシ
五つ星。ハジチの紋様の名称。
- メモ
- 右手首の模様のこと。
イチチュン
生きる。
- 用例
- ガンクースーヤ、ヒャークマディン イチチュンディ(頑固おやじは、百歳までも生きるってよ)。
クサティ ウシナティ、イチカラン(後ろ盾を失って、生きていけない)。
否:イチカン(生きない)希:イチチーブサン(生きたい)過:イチチャン(生きた)継:イチチョーン(生きている)。カミワル イチカリーサ(食べてこそ生きていけるさ)。
イチッチュ
生きている人。
- 用例
- ユーリーヤカ イチッチュルヌル ウトゥルサル(幽霊よりも生きている人が恐いものだ)。
- メモ
- 音1:イキッチュ。
イチデー
一代。
- 用例
- イチデーッシ ウワテー、ヌーン ナランサ(一代で終ったら、何にもならないよ)。
イチデージ
一大事。
- 用例
- ナー イチデージ ナトーン(もう大変なことになっている)。
イチトゥ
5年。
イチナーギ
一帯。
- 用例
- イチナーギ マーチガ イーラットーン(一帯に松が植えられている)。
- メモ
- 音2:チュナーギ。
イチナンカ
{ごなのか(五七日)}。死後35日目の法事。
- 用例
- ナー ヤガテー、イチナンカ アラニ(もうやがて、5週目の法事じゃないの)。
イチナンドゥチ
いつ何時。いつでも。
- 用例
- イチナンドゥチ ヤティン、シムグトゥ クーワ(いつでも、いいから来なさい)。
イチニチジューコー
決められたその日だけしかできない法事。1日焼香。
- 用例
- ジュールクニチャーヤ、イチニチジューコーヤンディ(ジュールクニチャーは、その日で終わらないといけないんだって)。
- メモ
- 「シーミーとジュールクニチャー」『儀間の民話』より。
イチニンメー
一人前。
- 用例
- シクチン イチニンメー ナランネー、トゥジン カメーイサンドー(仕事も一人前にできないと、妻も探せないよ)。
イチヌクイ
生き残り。
- 用例
- ワッターヤ イクサヌ イチヌクイ ヤサ(私たちは戦争の生き残りだよ)。
イチヌハタバル
{池之端原}。瀬名波の小字。
イチヌミーニ
いつの間に。
- 用例
- アンマーヤ、イチヌミーニ ケーティチャガヤー(お母さんは、いつの間に帰って来たのかな)。
イチハジ
生き恥。大恥。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ イチハジ カカサッティ、ハジカサヌ フシガランタン(人前で大恥をかかされ、恥ずかしくてたまらなかった)。
イチバンオージメー
一番扇舞。ムラアシビの演目。
- メモ
- 最初に扇を使う踊り。座喜味ではかぎやで風が踊られた。
イチバンザー
一番座。住居の東側に設けた客間。
- メモ
- →アガリカミザ。
イチハンスン
行き損ねる。
- 用例
- ヘーク シコーランネー、イチハンスンドー(早く準備しないと、行きそこねるよ)。
過:イチハンチャン(行き損ねた)。
イチバンドゥイ
一番鶏〔いちばんどり〕。
- 用例
- イチバンドゥイン ウタイルムン、ユー アキーサ(一番鶏も鳴くから、夜が明けるさ)。
イチブイ
げっぷ。胸焼け。
イチブコーネーン
行きたくない。
- 用例
- ワンネー ガッコーカイ イチブコーネーン(私は学校に行きたくない)。
- メモ
- 音1:イチブサーネーン。
イチブサーネーン
行きたくない。
- 用例
- シクチンカイ イチブサーネーン(仕事に行きたくない)。
- メモ
- 音1:イチブコーネーン。
イチマディン
いつまでも。
- 用例
- ウヤヌクトー イチマディン ワシンナ(親のことはいつまでも忘れるな)・古。
イチマナー
糸満の人。
イチマブイ
生霊〔いきりょう〕。
- 用例
- イチマブイディシェー チチル ンチャル、ナーダ アタガテーンラン(生霊というのは聞いたことはあるが、まだ体験したことはない)。
イチマンウイ
糸満売り。
- 用例
- ンカシェー イチマンウイ サリーンディシェー、ウトゥルムン ヤタン(昔は糸満売りされることは、恐ろしい事だった)。
ヌーン チカンレー、イチマンウイ サリンドー(何も聞かないなら、糸満の漁師の所に売り飛ばされるぞ)。
- メモ
- 音1:イトマンウイ。困窮している家では、借金のカタや口減らしのために、糸満の漁師のもとに「糸満売り」と称する年季奉公をさせた。
親志では、幼少時に女中奉公に出されたことにも糸満売りされたといった。
イチミ
生身〔なまみ〕。現世に生きている人。
- 用例
- イチミトゥ グソーヤ、リッパ ワカシワル ヤル(現世と後生は、ちゃんと分けないといけない)・儀。
イチミトゥトゥーミ
生きている間。生涯。一生。
- 用例
- イチミトゥトゥーミ、ゥンマンカイ ヲゥヌチムエール ヤルイ(一生、そこにいるつもりか)・儀。
イチミヌショーガチ
現世の正月。
- 用例
- ソーガチェー イチミヌショーガチ ヤグトゥ、ウコーヤ ウサギランティン シムサ(正月は生きている人の正月だから、焼香はしないでよい)。
- メモ
- 音2:イチミヌニントゥー。
盆は3食、祖霊に供えるが、正月はチータチウニゲー(朔日祈願)に御馳走を供えるだけ。チータチウニゲー→
イチミヌニントゥー
現世の正月。年頭。
- メモ
- →イチミヌショーガチ。
イチムシ
①動物。生き物。家畜。②イチムシグヮーともいい、人を侮る時の言葉。
- 用例
- ①イチムシ ダテーン チカナトーン(家畜をたくさん飼っている)。
①イチムシヌ ムノー クィティー(家畜の餌はやったか)。
②イチムシグヮーヒャー!(畜生め!)。
- メモ
- 音1:イキムシ。
イチムシヌヤー
家畜小屋。
- 用例
- イチムシヌヤーン、カジフチシ、チュラーク ウットゥバサッティネーン(家畜小屋も、台風ですっかり飛ばされてしまった)。
- メモ
- →イキムシヌヤー。
イチムドゥイ
行き戻り。行き来。
- 用例
- アマクマ イチムドゥイ スル エーマネー、シクチン ウワインデー(あちこち行き来している間には、仕事は終わるよ)。
- メモ
- 音2:イチムリー。
イチムドゥヤー
行き戻り。行き来すること。
- 用例
- メーナチ イチムドゥヤー ッシ ヌー シ、アッチョーガ(毎日行き来して、何をしているのか)。
イチムリー
行き戻り。行き来。
- 用例
- ウニマングラー マデー、イチムリー ソータン(その頃までは、行き来していた)。
- メモ
- →イチムドゥイ。
イチムリケームリ
行き戻り。行き来している様。
- 用例
- イャーヤ、イクケーン イチムリケームリ ソーガ(お前は、何回行ったり来たりしているのか)。
- メモ
- 類:ハッケーヒッケー。
イチムン
父系一門。
- 用例
- イチムン スリトーティ、ジンミ スン(一門揃って、協議する)。
イチムンウーエー
一門追い。元祖追い。
- メモ
- 音2:グヮンスウーエー。
瀬名波では綱引きの時に分家している次男、三男が、親とは争えないからといって、親元(実家)の組に入って綱を引くことをいった。
イチムンシーミー
{いちもんせいめい。(一門清明)}。行事名。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- イチムンシーミーヤ イチ ナトーガヤー(一門清明はいつかね)。
- メモ
- 音2:アジウシーミー・カミウシーミー・ムンチューシーミー。
イチムンバカ
父系一門の墓。門中墓。
- メモ
- 音2:ムンチューバカ。
イチャ
イカ。烏賊。
- 用例
- チューヤ ダテーン イチャ トゥッティ チャン(今日はたくさんイカを取ってきた)。
イチャイカジ
害をもたらす風。悪風。
- 用例
- イチャイカジ ハッチャカティ、タレーマ フチ ゥンジトーサ(悪風に出会って、あっという間に吹き出物ができているさ)。
- メモ
- 夜道を歩いていて、急に体に湿疹ができたりすると、悪風に出会ったといわれた。
イチャイカンティー
会いにくい。会いづらい。
- 用例
- アリトー オーテーグトゥ、イチャイカンティー スン(彼とは喧嘩をしたから、会いにくい)。
- メモ
- 音2:イチャイグリー・イチャイグリサン。
イチャイグリー
会いにくい。会いづらい。
- 用例
- アレー ルク イチュナサヌ、イチャイグリーデー(彼は余りにも忙しくて、会いにくいよ)。
- メモ
- →イチャイカンティー。
イチャイグリサン
会いにくい。会いづらい。
- 用例
- アレー ムチカシー チュ ヤグトゥ、イチャイグリサン(彼は難しい人だから、会いにくい)。
- メモ
- →イチャイカンティー。
イチャイチゲー
行き違い。
- 用例
- イチャイチゲー ナイネー ジャーフェー ヤグトゥ、 ナー イフェー マッチョーカナ(行き違いになったら大変だから、もう少しは待っておこう)。
- メモ
- 音1:イチェーチジェー。→イキチゲー。
イチャイハンチャイ
自問自答。
- 用例
- イチャイハンチャイ、イチマディン カンゲーヌ マトゥマラン(自問自答ばかりで、いつまでも考えがまとまらない)。
イチャイボー
棒術の型名。出会い棒。
イチャイン
出会う。会う。
- 用例
- ゥンマカラ イチーネー、イチャインドー(そこから行くと、出会うよ)。
イチャリバ チョーデー(出会えば皆きょうだいのようなものだ)・田。
否:イチャラン(会わない)希:イチャイブサン(会いたい)過:イチャタン(会った)継:イチャトーン(会っている)。
- メモ
- 音1:イカイン。
イチャイン
手が届く。
- 用例
- イャームン トゥクマカラ、ゥンママディ イチャインナー(お前の所から、そこまで届くねぇ)。
- メモ
- 音1:インチャイン。類:トゥドゥチュン。
イチャガラス
イカの塩辛。
- 用例
- トーフンカイ イチャガラス ヌシティ、ソーユー カキティ カムン(豆腐にイカの塩辛をのせて、醤油をかけて食べる)。
イチャグヮートゥエー
イカ捕り。
イチャサ
苦しみ。痛み。
- 用例
- ウヤヤ イチャサ スタン(親は苦しんだ)。
イチャサン
痛ましい。気の毒な。
- 用例
- アリガ シーヨーヤ、イチャサヌ ンラランシガ(あいつのやり方は、痛ましくて見ておれない)。
- メモ
- 音1:イチャハン。
イチヤッサン
行きやすい。
- 用例
- ユミガ ディキトーグトゥ、ウヤヌヤーカイ イチヤッサン(嫁ができた人だから、実家に行きやすい)。
- メモ
- 対:イチグリサン・イチカンティー(行きにくい)。
イチヤティン
いつでも。
- 用例
- イチヤティン シムグトゥ、カンナジ マーティ クーヨーヤー(いつでもいいから、必ず尋ねて来なさいよ)。
イチャバーバル
{板針原}。座喜味の小字。
イチャハン
痛ましい。気の毒な。
- 用例
- アリガ イキムシ アチカイシェー、イチャハヌ フシガラン(あいつが動物をこき使うのは、かわいそうでたまらない)。
- メモ
- 音1:イチャサン。
イチャンダ
ただ。無料。
- 用例
- ヌーヤティン イチャンダー ヰーランサ(何でもただでは貰わないよ)。
イチャンダシ カマチ(ただで食べさせて)・高。
イチャンダヂケー
無駄遣い。
- 用例
- マンドーグトゥ ディチン、イチャンダヂケーヤ サンケー(たくさんあるからといっても、無駄遣いはするな)。
イチャンダフークー
ただ働き。
- 用例
- ニンカラニンジュー イチャンダフークー ッシ(年から年中ただ働きして)。
イチャンダムン
ただの物。ただ同然で手に入る物。
- 用例
- イチャンダムン クバインネー サンケー(ただの物を配っているんじゃないよ)。
イチャンダムノー ニーダカサンドー(ただの物は高くつくよ)。
イチャンテーン
言ったって。
- 用例
- ナントゥ イチャンテーン、アリガー チカンサ(何回言ったって、彼は聞かないよ)。
イチュイ
勢い。活気。
- 用例
- ンジュル カージ、イチュイヌ ネーラン チュン ヲゥル(見るたび、活気がない人もいるね)。
- メモ
- →イキー。
イチュク
いとこ。
- メモ
- 音1:イチク。
イチュクカサバイ
いとこが同じ仏壇に祀られること。
イチュクミーックヮ
いとこの子ども。
- メモ
- →イチクミーックヮ。
イチュクヲゥバマー
父母の従姉妹。
- メモ
- 呼称では使わない。
イチュター
ちょっと。少しの間。一時。
- 用例
- トゥナインカイ イチュター ヌバガティクー(隣にちょっと顔を出しにいこう)。
- メモ
- 音1:イッチュター・音2:イッチチャ・イットゥカ・イットゥチ・イットゥチャ。
イチュナサン
忙しい。
- 用例
- イャーヤ アンシ イチュナサンナー(君はそんなに忙しいの)。
チューヤ イチュナサヌ(今日は忙しくて)。イチュナサグトゥ イカン(忙しいので行かない)。
- メモ
- 音1:イチュナハン。
イチュナシヤー
多忙な家。
- 用例
- イッター ヤーヤ、ユカイ イチュナシヤー ヤンムナー(お前の家は、たいそう忙しい家だね)。
イチュナシンチュ
多忙な人。
- 用例
- イャーヤカ アレー イチュナシンチュデー(お前より彼は忙しいよ)。
イチュナハン
忙しい。
- 用例
- ユージュビカーン チヂチ イチュナハン(用事ばっかり続いて忙しい)。
- メモ
- 音1:イチュナサン。
イチュビ
植物名。苺〔いちご〕。野いちご。
- 用例
- ウヌ イチュビヌ マーサギサシヨー(その野いちごの美味しそうなことよ)。
- メモ
- 類:タカイチバー。
イチュン
行く。
- 用例
- アチャー、ドゥシンチャートゥ ナーファカイ アシビーガ イチュン(明日、友達と那覇に遊びに行く)。
否:イカン(行かない)希:イチブサン(行きたい)過:ゥンジャン(行った)継:ゥンジョーン(行っている)。
- メモ
- →イクン。
イチュンテー イカンテー
行くか行かないかはっきりしない様。
- 用例
- イチュンテー イカンテー ッシ、ヌー ヤルバーガ!(行くと言ったり行かないと言ったり、どういうつもりか!)。
イチルンサー
行くなら。
- 用例
- イチルンサー マジョーン イチュサ(行くんだったら一緒に行くよ)。
イチワカリ
生き別れ。
- 用例
- ウヤックヮ イチワカリ シーママ、イチャティン ンラン(親子生き別れたまま、会ったこともない)。
- メモ
- 対:シニワカリ(死別)。
イチンモー
溜池。池。
- 用例
- ゥンムソーナムノー、イチンモーヲゥティ アライタン(芋などは、溜池で洗っていた)。
- メモ
- 類:クムイ・ヌーリ。
主に集落内に造られた溜池で、農業用水として使われた。
イッカグヒャーク
お金の単位。1貫500。3銭。
- メモ
- 1貫は2銭。1銭がイチクムイ、タンナファクルーが1銭で2個買えた。タムイグンジューは5厘。
イックヮンミー
お金の単位。1貫。
- メモ
- 伊良皆では、お年玉にイックヮンミー(一貫)を貰った。
イックヮンユー
{いっかんゆ(1貫結)}喪家に対する相互扶助。1貫。
- メモ
- 音2:イチゴーユー・ユー。類:スーゲー。
イッケーラスン
こぼす。
- 用例
- チカイ ウワテーヌ ミジェー、ゥンマヲゥティ イッケーラスン(使い終わった水は、そこでこぼす)。
否:イッケーラサン(こぼさない)希:イッケーラシーブサン(こぼしたい)過:イッケーラチャン(こぼした)継:イッケーラチョーン(こぼしている)。
- メモ
- →音1:イーケーラスン。
イッケーリーン
こぼれる。
- 用例
- ゥンマカイ ウチーネー、イッケーリーンドー(そこに置くと、こぼれるよ)。否:イッケーリラン(こぼれない)過:イッケーリタン(こぼれた)継:イッケーリトーン(こぼれている)。
イッサン
一散。一目散。
- 用例
- イッサン ナティ ゥンジャン(わき目もふらずに行った)。
イッサン イッサン ハーエー スタン(一目散に走って行った)。
イッサンハーエー
一目散に走ること。
- 用例
- イッサンハーエー ッシ、マーカイガ ヤラ(一目散に、走ってどこに行くのやら)。
イッサンハーエー ッシ ヒンギタン(一目散に逃げた)。
- メモ
- 類:イットーバイ。
イッサンバーエー
一目散に走ること。
- 用例
- イッサンバーエー ッシ、ヒンギティ ハイタン(一目散に、逃げて行った)。
- メモ
- →イッサンハーエー。
イッシー
志。
- 用例
- イッシーヌ アン(志がある)・具。
イッスク
1束。茅などを数える単位。
- メモ
- 茅など束ねたの物を数えた単位
イッスダチー
鍋の大きさ。1升炊き用の鍋。
- 用例
- ウッサヌ シンカレームン、イッスダチーンカイ ニーシェー マシ ヤサ(こんなに大勢の人だもの、1升炊きの鍋で炊いたほうがいいよ)。
- メモ
- ニスダチー(二升炊き)、サンジュダチー(三升炊き)もあった。
イッスビン
1升瓶。
イッスマシ
1升枡〔ます〕。
- 用例
- イッスマシッシ ハカレーワ(一升枡で量りなさい)。
イッスンベー
一目散に走ること。
- 用例
- イッスンベー シ ヤーカイ ケータン(わき目もふらずに家へ帰った)。
イッソー
日頃。普段。
- 用例
- イッソーヤ、ゥンマンカイ ユティカラル ハイシガヤー(いつもは、ここに寄ってから行くのだがね)。
イッソーナーシー
片っ端から。
- 用例
- イッソーナーシー カタジキリヨー(片っ端から片付けなさいよ)。
- メモ
- 音1:イッソーナーリー。
イッソーナーリー
片っ端から。
- 用例
- イッソーナーリー トゥッティ イチュタン(片っ端から取って行った)。
- メモ
- 音1:イッソーナーシー。
イッター
お前たち。君たち。同年か目下の人にいう。
- 用例
- ウレー イッターンカイ イーチキーサ(それはお前たちに言いつけるよ)。
- メモ
- 音1:イッテー。
イッタイゥンジャチャイ
物を出し入れする様。
- 用例
- イッタイゥンジャチャイ、チャーヌ ワジャン スサ(入れたり出したり、どんなことでもするね)。
イッチガ
一番。初め。
- 用例
- イッチガ ハジマイヤ、オージメーカラ(一番始まりは、扇舞いからだよ)。
イッチガ マーサシェー、マース(一番美味しいのは、塩)座。
アリヤ イッチガ イチバンヌ シンシー(彼は一番最初の先生)。
イッチガウットゥングヮー
末っ子。
- 用例
- イッチガウットゥングヮーヤ、ナー イクチェー ナトーガ(末の子は、もう何歳になったかねぇ)。
- メモ
- 類:ウッチリーグヮー・チビー・チラーグヮー。
イッチチャ
ちょっと。少しの間。一時。
- 用例
- イッチチャー マッテー(ちょっとは待って)。
- メモ
- 音1:イットゥチャ。→イチュター
イッチャイゥンジタイ
出入りする様。
- 用例
- イッチャイゥンジタイ シ、 ヌーシ アッチョーガ(出たり入ったり、何をしているのか)。
イッチャカイ
すぐそこ。
- 用例
- イャーガ カメートーシェー、ゥンマヌ イッチャカイグヮーカイ アサ(お前が探しているのは、すぐそこにあるよ)・儀。
イッチュター
ちょっと。少しの間。一時。
- 用例
- イッチュター ゥンマンカイ クーワ(すこしの間はそこにおいで)。
- メモ
- →音1:イチュター。
イッチン
一向に。ちっとも。
- 用例
- チャッサ ウクチン イッチン ウキラン(どんなに起しても、一向に起きない)。イッチン ミー ナラン(ちっとも実にならない)。
- メモ
- →アチラン。
イッチン イカラン
入るに入れない。
- 用例
- ドゥク クラサヌ、イッチン イカラン(あまりに暗くて、入るに入れない)。
イッテー
お前たち。君たち。
- メモ
- 音1:イッター。
→イランマイッテー。
イットゥカ
ちょっと。少しの間。一時。
- 用例
- イットゥカー、ゥンマンカイ ヲゥトーケー(少しの間、そこにいなさい)。
- メモ
- 音1:イットゥチ・イットゥチャ。→イチュター
イットゥカグシク
一時城。波平にある遺跡。
- メモ
- 波平の西方にあるグスク。平坦な松山で石垣などの遺構はない。
伝承によると、護佐丸が座喜味城を築造する際、一時ここに城を構えていたことからイットゥカグシク(一時の城)という地名がついたという。護佐丸が一時休んだ所ということで、イットゥカグスクと呼ばれたという説もある。
イットゥカグシクには、こんもりした丘がふたつあって、右側の丘の下の方には波平のガンヤー(龕屋)があった。
イットゥガユー
子どもの遊び。おはじき。貝殻や石を使う。
- メモ
- 音1:イットゥカヨー。
イットゥカヨー
子どもの遊び。おはじき。貝殻や石を使う。
- 用例
- ナマサチマディ、ゥンマヲゥティ イットゥカヨー ッシ アシドータンデー(今先まで、そこでおはじきで遊んでいたよ)。
- メモ
- 音1:イットゥガユー。
イットゥチ
ちょっと。少しの間。一時。
- メモ
- 音1:イットゥカ・イットゥチャ。→イチュター
イットゥチャ
ちょっと。少しの間。一時。
- 用例
- アサ ヘーク イチーネー、イットゥチャネー ゥンジ チューサ(朝早く行くと、ちょっとで行ってくるよ)。
- メモ
- 音1:イットゥカ・イットゥチ。→イチュター
イットーバイ
一目散に走ること。
- 用例
- ヌーン ンランヨークー、イットーバイ ッシ ハイタン(わき目もふらずに、一目散に走って行った)。
- メモ
- →イッサンハーエー。
イッパー
子どもの遊び。木片を使った遊び。
- メモ
- 類:ゲッチョー。
長短の棒を2本作り、短い棒を地面に置いて、長い棒で打ちつけて、短い棒が飛んでいく距離を競った、主に男児の遊び。昭和30年代生まれも、遊んでいた。
イッパイカッパイ
いっぱいいっぱい。
- 用例
- イッパイカッパイ ソーン(いっぱい満ちている)。
イッペー
とても。ものすごく。非常に。
- 用例
- チュイ ヰナグングヮ ヤティカラ、イッペー カナサンテー(一人娘だったら、とてもかわいいでしょう)。
- メモ
- 類:ジコー・ジッコー。
イッペーサッペー
散々。
- 用例
- イッペーサッペー カメーラチョーティ、ヌーリン イランナー!(散々探させておいて、何も言わないのか!)。
イッペーサッペー カチホーイン(散々散らかす)。
- メモ
- →イキネースーネー。
イトゥイン
①嫌う。厭う。②妬む。羨む。
- 用例
- ①タビンカイ イチュシ イトゥイラー、モーキラランサ(出稼ぎに行くのを厭うなら、金を稼ぐことはできないよ)。ハルシクチ イトゥイン(畑仕事を嫌がる)・木。②チュンカイ クィーネー アリガ イトゥインドー(人にあげたら彼が羨むよ)。
イトゥイン
厭う。嫌がる。
- 用例
- タビンカイ イチュシ イトゥイラー モーキラランサ(出稼ぎに行くのを厭うなら、金を稼ぐことはできないよ)。ハルシクチ イトゥイン(畑仕事を嫌がる)。
イトゥヂン
絹の着物。
- メモ
- 嫁入り支度として、夏用と冬用の絹の着物を1枚ずつ持たせた。→イーチヂン。
イトゥヌムン
絹の着物。
- メモ
- →イーチヂン。
イトゥヤー
嫉妬深い人。
- 用例
- アレー イトゥヤーヤンドー(彼は嫉妬深い人だよ)。
イトカマバル
{糸蒲原}。大湾、大木の小字。
イトマンウイ
糸満売り。
- メモ
- →イチマンウイ。
イナカー
田舎者。洗練されない人をさげすんでいうこともある。
- 用例
- アンソール スガイ シーネー、スグ イナカーディチ ワカイサ(そんな恰好では、直ぐに田舎者だと分かるさ)。
イナムルチ
料理名。白みそ仕立ての肉汁。
- 用例
- イナカヲゥテー、イナムルチヤ カラル クトー ネーンタン(田舎では、イナムルチは食べたことがなかった)。
- メモ
- お祝い料理のひとつ。短冊切りにした豚の三枚肉とこんにゃくやかまぼこ、しいたけ等を甘い白味噌仕立てにしたもの。
イナヨー
甘藷・芋〔イモ〕の品種名。
- メモ
- 昭和15年頃からあった。
イナン
楚辺の地名。イナン干瀬。
- 用例
- スビイナン ヲゥティ ミジュンジレー シチャン(楚辺イナンでイワシ漁を行った)。
- メモ
- 楚辺兼久(現トリイビーチ)前にある広いリーフ。豊かな漁場として知られる。
イニシリシリ
磨り臼。木臼。
- メモ
- 類:キーウーシ。籾から玄米にするために用いた。
イニンビー
{いねんび(遺念火)}。ひとだま。
- 用例
- イニンビーヤ、アガタカラル アガイタサニ(遺念火は、あそこから上がったんでしょう)。
- メモ
- 無念を遂げて死んだ人の霊魂。
イニンブシ
{いねんぼし(遺念星)}。彗星。
- メモ
- 音2:イリガンブシ。
彗星が出るのは争いの前兆といわれた。
イヌイビー
法事。一年忌。
- 用例
- ナー イヌイビー ナイビンドーヤー(もう一年忌になりますよね)。
- メモ
- →ユニー。
イヌジュークェー
子どもの遊び。鬼ごっこ。
- メモ
- 音2:マヤーヌジュークェー。類:チビフリハナフリ・チブルサーエー。
前の人の帯や着物をつかまえて縦一列になり、インヌジュー(犬の尾)と呼ぶ最後尾の人を、最前列の鬼がつかまえる遊び。
イヌチ
命。
- 用例
- シージャンカイ イヌチ タシキラッタン(兄に命を助けられた)。
- メモ
- 音2:ヌチ。
イヌトゥーイ
言うとおり。
- 用例
- ウレー ウヤガ イヌトゥーイ ヤサ(それは親が言うとおりだよ)。
- メモ
- 音1:イルトゥーイ。
イヌマンユカ
細長い竹で編んだ床。
- 用例
- イヌマンユカヤ リッパ ナトーサヤー(イヌマンユカはきれいにできたね)。
イノー
礁池〔しょうち〕。
イノーサバ
魚介名。鮫の俗称。30斤前後の鮫。
- メモ
- 読谷海域には、サバヌヤーと称されるサバの入るヤナがある。夜それらのヤナには5、6匹ぐらいイノサバが頭を突っ込んで寝ているのが見られる。
→サバ。
イハ イシチャー
地名(うるま市の伊波と石川)。
- メモ
- 隣接するふたつの地域を並べていう呼び方。
イバイン
威張る。
- 用例
- ヤコー タッタン ムンヌ、チュヌメーヲゥティ イバインナー(役も立たないのに、人前で威張るのか)。
否:イバラン(威張らない)希:イバイブサン(威張りたい)過:イバタン(威張った)継:イバトーン(威張っている)。
- メモ
- 音1:イバユン。
イバサーキーサー
狭苦しい様。
- 用例
- アンソール トゥクルンカイ、ウッサヌ シンカ イバサーキーサー シ(そんな所に、大勢で狭苦しくして)。
- メモ
- 音2:イバサーコーコー。
イバサーコーコー
狭苦しい様。
- 用例
- ウッサヌ チュヌ イッチイバサーコーコー ソーン(こんなに多くの人が入って、狭苦しくしている)。
- メモ
- →イバサーキーサー。
イバサン
狭い。
- 用例
- ワザトゥ イバサン トゥクマカラ トゥーティ ハイサ(わざと狭い所から通って行くね)。
ヤーン イバサン(家も狭い)。イバサー アイビーシガ(狭いですが)。
- メモ
- 音1:イバハン。対:ヒルサン(広い)。
イバサンミー
狭い所。
- 用例
- イバサンミーヲゥテー、アブナサグトゥ アシブナヨー(狭い所では、危ないから遊ぶなよ)。
- メモ
- 音1:イバランミー。音2:イバドゥクル・イバミー。対:ヒルサンミー(広い所)。
イバドゥクル
狭い所。
- 用例
- アブナサヌ、アンソール イバドゥクルンカイ イッチ!(危ないよ、そんな狭い所に入って!)。
- メモ
- →イバサンミー。
イハナシ
お話。
- 用例
- ンカシン チュヌ イハナシ(昔の人のお話)。
- メモ
- イは尊敬の意を表す接頭辞。
イバハン
狭い。
- 用例
- ウヌミチェー ユカイ イバハンデー(その道はかなり狭いよ)。
- メモ
- →イバサン。
イバミー
狭い所。
- 用例
- ワザトゥ イバミービカーン アッカギーサ(わざと狭い所だけ歩いているさ)。
- メモ
- →イバサンミー。
イバヤー
威張っている者。威張りん坊。
- 用例
- アレー、ターヤカ イバヤーヤサ(彼は、誰よりも威張りん坊だ)。
イバユン
威張る。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ イバユン(人前で威張る)。
- メモ
- 音1:イバイン。
イバランミー
狭い所。
- 用例
- イバランミーンカイヤ、イッチェーナランドー(狭い所には、入ってはいけないよ)。
- メモ
- →音1:イバサンミー。
イヒ
少し。僅か。
- 用例
- ワームノー イキラサグトゥ、イャームンカラ イヒ ワキランナー(私の物は少ないから、お前の物から少し分けてちょうだい)。
イヒン ヤナカンゲー シーネー ナランドー(少しでも悪い考えをしたらいけないよ)。
- メモ
- 音1:イフィ。類:ウフィ・クーテン。対:ウホーク・ダテーン・チャッサキーン・チャッサン・ダテーン・ダッテーン・ンジャーリ(たくさん)。
イヒ ユル
少しの間。
- 用例
- トゥビゥンジティ イヒ ユル サーニ(飛び出してちょっとしたら)。
イビ
ええっ。あら。あれ。
- 用例
- イビ、イャーヤ イチ チャガ(あれ、お前はいつ来たか)。イビッ、アンル ヤンナー(あら、そうなのか)。
イビー
ええっ。あら。あれ。
- 用例
- イビ、ヌーガ(ええ、どうして)。
イビー、イャーヤ チャー ガンジュー ヤティー(あら、君は元気だったか)。ユンタンザ イビーイビー(読谷の人はよくイビーイビーという)。
- メモ
- イビともいう。
予想に反した時に発する語。
驚かされた時、珍しいものを見た時、何かおかしい時などに発する語。
イビイビー
あらあら。
- 用例
- イビイビ、アンル ヤンナ(あらあら、そうなのか)。
- メモ
- 類:アベアベ。予想に反した時に発する語。
イヒグヮーナー
少しずつ。
- 用例
- イフィグヮーナー ワキティ イケー(少しずつ分けて息なさい)。
- メモ
- 類:イフィナーグヮー。
イビッ
ええっ。あら。あれ。
- 用例
- イビッ イャーヤ ハンジャンチュル ヤンナ(ええっ、あんたは波平の人なの)。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
イヒナー
少しずつ。少し。
- 用例
- ヲゥタティ、イヒナール ムッチースル(疲れて、少しずつしか持てない)。
イビバカ
使われなくなった古い墓。
- メモ
- 音2:アジバカ・カミバカ。類:カミグシンジュ。
イビヨーイ
ふん。ちぇっ。
- 用例
- イビヨーイ クングトール ムン(ちぇ、こんなもの)。
- メモ
- 不満や軽視の気持ちを表わすときに出る語。
イヒョーナ
変な。おかしな。
- 用例
- イヒョーナ チン チチ、アッチョーン(変な服を着て、歩いている)。
- メモ
- 音1:イフーナ・イホーナ・イフォーナ。
イヒョーナー
変なもの。おかしなもの。
- 用例
- ナマ チュヌ ハインネー スタシガ、ターン ヲゥラン イヒョーナー ヤッサー(今人が行くようだったが、誰もいない、おかしいなあ)。
- メモ
- 音1:イホーナー・イフォーナー。音2:イフォーナムン・イホーナムン・イヒョーナムン。
イヒョーナムン
変なもの。おかしなもの。
- 用例
- チューヤ イヒョーナムン ンチャサー(今日は変なものをみたな)。
- メモ
- 音1:イフォーナムン・イホーナムン。→イヒョーナー。
イビラ
しゃもじ。
- 用例
- フルク ナトール イビラヤ、マーニンクィーニン ヒティーシェー アラン(古くなったしゃもじは、あちこちに捨てるものではない)。
- メモ
- 類:ミシゲー。
昔は古くなったしゃもじや杓子をあちこちに捨てると、それが化けるといわれていた。
イビラー
ケチ。ケチな人。
- 用例
- ルク イビラー ナイネー、チュカラ シカン サリーサ(あまりにもけちんぼだと、人から嫌われるよ)。イッペーヌ イビラー(大変なケチ)。
- メモ
- 類:グンジューグマー。
イファ イシチャー
地名(うるま市の伊波と石川)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
イフィ
少し。僅か。
- 用例
- イフィナーヤ ムタシミシェータン(少しは持たせてくれました)。
イフィグヮー マテー(ちょっと待って)。
ワッタークトゥン イフェー カンゲーティ トゥラシェー(私たちのことも少しは考えてくれ)。
- メモ
- →音1:イヒ。
イフィナーグヮー
少しずつ。
- 用例
- イフィナーグヮー ムッチ ケーイン(少しずつ持って帰る)。
- メモ
- →イヒグヮーナー。
イフーナ
変な。おかしな。
- 用例
- イフーナ ウタ チチョーンデー(変わった歌を聞いているよ)。
- メモ
- 音1:イヒョーナ・イホーナ・イフォーナ。
イフェーマチー
{いはいまつり(位牌祀り)}。位牌参り。正月16日のこと。
- メモ
- 昔はジュールクニチャーのことをイフェーマチーといって、正月16日に祖先を祀ってある家へ重箱を持って行った。その日は婿や子どもたちが揃うので楽しみだった。
イフォーナ
変な。おかしな。
- 用例
- イフォーナ ワジャ(変わった仕事)。
- メモ
- 音1:イヒョーナ・イフーナ・イホーナ。
イフォーナー
変なもの。おかしなもの。
- 用例
- イフォーナー ナタン(ばつが悪くなった)。
- メモ
- →音1:イヒョーナー・イホーナー。
イフォーナムン
変なもの。おかしなもの。
- 用例
- メーナチヌ ウチャトー サンネー、イフォーナムン ヤッサー(毎日のウチャトーをしないと、違和感があるなあ)。
- メモ
- 音1:イホーナムン・イヒョーナムン。→イヒョーナー。
イフドーバル
{伊保堂原}。比謝の小字。
イフドーバル
{伊保道原}。伊良皆の小字。
イフバル
{伊保原}。高志保の小字。
イベッ
ええっ。あら。あれ。
- 用例
- イベッ、アンドゥ ヤティー(ええっ、そうだったのか)。
- メモ
- 予想に反した時に発する語。
イホーナ
変な。おかしな。
- 用例
- アンシ、イホーナ クトゥン アルヤー(なんて、おかしなこともあるんでししょうね)。
- メモ
- 音1:イヒョーナ・イフーナ・イフォーナ。
イホーナー
変なもの。おかしなもの。
- 用例
- ウングトゥ シーネー、イホーナー ヤッサー(そんなことをしたら、変だよね)。
- メモ
- →音1:イヒョーナー・イフォーナー。
イホーナムン
変なもの。おかしなもの。
- 用例
- ナママディ アタシガ ネーンナインディシェー、イホーナムン ヤッサー(今まであったのがなくなるって、おかしなことだ)。
- メモ
- 音1:イフォーナムン・イヒョーナムン。→イヒョーナー。
イマイマートゥ
新鮮な。
- 用例
- ウヌ イユヌ イマイマートゥ ソーシヨー(その魚の新鮮なことよ)。
イマイユ
{いまさかな(生魚)}。獲れたての魚。新鮮な魚。
イマムン
{いまもの(生物)}。新鮮な物。
- 用例
- マチカイ ゥンジャーニ、イマムン コーティ クーワ(町に行って、新鮮なものを買って来なさい)。
イマメー
現在。最近。目前。
- 用例
- イマメーヌ クトゥビカーン カンゲーランヨークー、アトゥアトゥヌ クトゥン カンゲーリヨー(目の前のことばかり考えないで、後々のことも考えなさいよ)。
ウレー イマメーヌ ハナシドー(それは最近の話だよ)。
イミ
意味。
- 用例
- イャーガ イチョーシェー、ワッターガー イミン ワカランサ(お前が言っていることは、私たちには意味も分からないさ)。
- メモ
- 音2:イミクジ。類:キムエー・チムエー。
イミ
忌み。
- 用例
- イミン ハリリワル、フカニン ゥンジラリーンドー(忌が晴れてこそ、外にも出られるんだよ)。
イミ
夢。
- 用例
- チヌーヌ クトー イミヌグトゥル アル(昨日のことは夢のようだ)。
イミークジー
根掘り葉掘り。
- 用例
- イミークジー キカッタン(根掘り葉掘り聞かれた)。
- メモ
- 音2:ミージクージ・ミーミークージ。
イミーン
催促する。請求する。ねだる。
- 用例
- ジン カラチェーシ イミーン(お金を貸してあるのを請求する)。イミトーサヤー(ねだっているんだな)。
否:イミラン(催促しない)希:イミーブサン(催促したい)過:イミタン(催促した)継:イミトーン(催促している)。
イミグクチ
夢心地。
- 用例
- ナマ イーヤンベー ニンティ、イミグクチ ヤタルムン(今良い具合に眠れて、夢心地だったのに)。
イミクジ
{いみこじ(意味故事)}。意味。
- 用例
- イャーガ イチョーシェー、ムル イミクジヌ ワカラン(お前が言っていることは、全く意味が分からない)。
- メモ
- →イミ。
イミスン
価値があること。重宝する。それを味わうこと。
- 用例
- マギ フクルンカイ イッチョーシェー、ジコー イミスン(大きな袋に入っているのは、とても価値がある)。
イャーガ クィテール ヤーシェーヤ、イッペー イミスン(お前がくれた野菜は、とても重宝する)。
- メモ
- 音1:イーミスン。
イミンクジン
意味も故事も。意味が全く分からない時に使う。
- 用例
- イミンクジン ワカラン ムヌイー ッシ(全く意味も分からないようなことを言って)。
ヌーリチル カチェーラー、イミンクジン ワカラン(何と書いてあるのか、全く意味が分からない)。
イメンシェーン
いらっしゃる。「居る」「行く」「来る」の丁寧語。
- 用例
- トゥンチンカイ イメンシェーン(殿内〈お屋敷〉にいらっしゃる)。
ウチンカイ イメンソーリ(中にお入りください)。
- メモ
- 元々は士族の言葉。
イヤ
石工〔いしく〕道具名。くさび。石に打ち込むくさび。
- メモ
- 先が矢のようになっている。
イヤリン
多分。おそらく。
- 用例
- イヤリン カミンデール ヤミシェーテーサニ(おそらく神であったんでしょうね)。イヤリン ヤテーンテー(多分そうだったでしょう)。
- メモ
- →イェーリン。
イユ
魚介名。魚。魚の総称。
- 用例
- マルケーテー、イユヌ シル カミブサンヤー(たまには、魚の汁を食べたいね)。イユクヮーシーガ イチュン(魚釣りに行く)。
イユウヤー
魚売り。
- 用例
- ムラウチカラ イユウヤーガ アッチュタン(字内から魚売りが行商していた)。
- メモ
- 類:イユカミヤー。主に漁師の婦人が行商していた。
イユカミヤー
魚を頭上に載せて行商する人。
- メモ
- →イユウヤー。
イユグヮー
魚介名。小魚。小魚及び魚の総称。
- メモ
- 鰯などの小魚を臼で搗いて出汁〔だし〕にした。
イユジー
釣り針。
- 用例
- ヘーク イユジー シカキレーワ(早く釣針を仕掛けなさい)。
- メモ
- 類:チー。
イユダシグヮー
魚の出汁〔だし〕。
- 用例
- イユダシグヮーシ シルワカチェーサ(魚の出汁で汁を作ったよ)。
- メモ
- 乾燥させた魚粉などを臼で搗いて出汁にしたもの。
イユヌクスイ
{さかなのくすり(魚の薬)}。魚は薬。
- メモ
- 子どもの発熱にはイユヌクスイといって魚介をあげていた。
イユヌハニ
トビウオの翼状〔よくじょう〕の鰭〔ひれ〕。
イユヌミー
魚〔うお〕の目。イボ。
- 用例
- ヒサヌワタカイ イユヌミーヌ ゥンジティ、アッチーネー ヤミルスンデー(足の裏に魚の目が出来て、歩くと痛いんだよ)。
- メモ
- 足の裏などにできる角質が豆粒状になったもの。
イユミーバンタ
魚を見る崖。
![イユミーバンタ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01759.jpg)
- メモ
- 各地にあり、魚群を発見するために海の見通しが良い崖のこと。
渡具知ではデンシンヤー(電信屋)の上のヒラマーチュー(平松)、楚辺はユーバンタ、高志保は連道原の岬だった。
イユン
言う。
- 用例
- アネー イヤンタンドー(そうは言わなかったよ)。ゥンジティ イキディチ イヤットールバー(出て行けと言われているわけ)。
- メモ
- 音1:イーン・イン。
イラースン
貸す。
- 用例
- アマヌ ヤーヤ ヌーン イラーサンドー(あそこの家は何も貸さないよ)。
否:イラーサン(貸さない)希:イラーシブサン(貸したい)過:イラーチャン((貸した)継:イラーチョーン(貸している)
- メモ
- 類:カラスン。
イラーユン
借りる。
- 用例
- イラティ ハチゴー、ナチ イッス(借りて8合、返すのは1升)・高。
- メモ
- 音2:イライン。類:カイン。対:ケースン(返す)。少量の物品を分けてもらうこと。
用例は「8合の物を借りて目的が達成したら1升返すものだ」という意味の諺。
イライン
借りる。
- 用例
- クミガ ネーングトゥ、トゥナイカラ クミ イライン(米がないから、隣から米を借りる)。
否:イラーン(借りない)希:イライブサン(借りたい)過:イラタン(借りた)継:イラトーン(借りている)。
- メモ
- →イラーユン。
イラナ
農具名。鎌。
- 用例
- イラナ ムッチ アシビーネー、アブナサヌ(鎌を持って遊ぶと、危ないよ)・儀。
- メモ
- 音2:イラン。
イラナナギエー
鎌投げ遊び。
- メモ
- 類:ナーギー・チチャークー・チージェークー。
草刈りに行って、刈った草を賭けて鎌投げをして遊んだ。
イラビイラビ
えらびえらび。よりによって。こともあろうに。選び選び。
- 用例
- イラビイラビ、ミートゥンダ ヤクミ アタタルバーイ(よりによって、夫婦で役員に当たったの)・儀。
イラビジョージ
選び上手。
- 用例
- イャーヤ アンシ イラビジョージ ヤル(お前はなんて選び上手なんでしょう)。
イラビヌクサー
選び残し。
- 用例
- ヌクテー ネーンラー、イラビヌクサー ヤティン シムグトゥ、トゥティ クーワ(残ってないなら、選び残しでもいいから、取ってきなさい)。
イラビヤンジュン
選び損ねる。
- 用例
- アワティラカシーネー イラビヤンジュンドー(急かすと選び損ねるよ)・儀。
過:イラビヤンタン(選び損ねた)継:イラビヤントーン(選び損ねている)。
イラビゥンジャスン
選び出す。
- 用例
- ウッサヌ ナカカラ イラビゥンジャスシェー、デージナワジャデー(そんなたくさんの中から選び出すのは、大変なことだよ)・儀。
否:イラビゥンジャサン(選び出さない)希:イラビゥンジャシーブサン(選び出したい)過:イラビゥンジャチャン(選び出した)継:イラビゥンジャチョーン(選び出している)。
イラブ
沖永良部島。
- 用例
- ユンヌ イラブカラ、ウラッティ チョータン(与論・沖永良部から、身売りされてきていた)。
イラブー
魚介名。エラブウミヘビ。
- 用例
- イラブージルヤ、クンチ チチュンディサ(イラブーの汁は、栄養がつくそうだ)。
イラブチャー
魚介名。ブダイ科魚類の総称。
![イラブチャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01776.jpg)
- 用例
- イラブチャーヤ ンジヌ ウーサグトゥ、キー チキティ カミヨーヤー(アオブダイはトゲが多いから、気をつけて食べなさいよ)。
- メモ
- 和名の「アオブダイ」は沖縄県には分布しないとのこと。
イラブチャーカキエー
漁法名。追い込み漁。
- メモ
- イラブチャーの通り道の珊瑚礁の割れ目に建て網を仕掛ける。
イラブン
選ぶ。
- 用例
- ドゥーガ マシヤシ イラブン(自分の好きなのを選ぶ)。
否:イラバン(選ばない)希:イラビーブサン(選びたい)過:イララン(選んだ)継:イラローン(選んでいる)。
イラランミー
入れないところ。干渉してはいけないところ。
- 用例
- イラランミーカイ イッチネーンサー(立ち入ったところに入ってしまったさ)。
イラリーン
言われる。
- 用例
- メーナチ、ユヌクトゥ イラリーンディチン アンナー(毎日、同じことを言われるってこともあるか)。シジミレーリチ イラットーシガ、ナーマ シジミラン(片付けろと言われているが、まだ片付けてない)・木。
否:イララン(言われない)過:イラッタン(言われた)継:イラットーン(言われている)。
イラン
農具名。鎌。
- 用例
- イランシ クサカレー(鎌で草を刈りなさい)・高。
- メモ
- →イラナ。
イランマ
地名(読谷村伊良皆)。
イランマ イッテー
字民生。伊良皆の人は「あなた」を「イッテー」と言ったことから、他字の人から、イランマイッテーと呼ばれれている。
イランマ カタンチャー
字民生。伊良皆の人は一斉に同じ方向へ行き、傾く。
- メモ
- 伊良皆の人は年長者の意見や新しいことを取り入れて実行するということ。
イランマ ナガタ
伊良皆と長田。
- メモ
- 長田は元は伊良皆の一部で、後に字として分離したためイランマナガタと呼んだ。
イランマバル
{伊良皆原}。伊良皆の小字。
イランマンチュ
伊良皆の人。
イリ
西。
- 用例
- ヤシチヌ イリカイ チュクレーワ(屋敷の西側に作りなさい)。
- メモ
- 対:アガリ(東)。
イリイーバル
{西上原}。楚辺の小字。
イリータシメー
不足を補う分。
イリーノーシ
入れ直し。
イリーン
入れる。
- 用例
- フクルンカイ ヤシェー イリーン(袋に野菜を入れる)。
否:イリラン(入れない)希:イリーブサン(入れたい)過:イッタン(入れた)継:イットーン(入れている)。
- メモ
- 対:ゥンジャスン(出す)。
イリカー
炒め物。
- 用例
- キレークニ イリカーヌ マーハヨー(人参炒めの美味しいこと)。
- メモ
- 音2:イリチャー・イリチー・イリチムン。
イリガー
西井戸。
- メモ
- 読谷各地に同名のカーがある。その集落の西側に位置することから称される。各地ともかつての水の恩に感謝し拝されている。
字上地のイリガーは専ら飲料水として用いられた。正月の若水はここから汲んだ。イリガー周辺から旧読谷中学校一帯にかけては湿地帯で水が豊富に流れ込むところであり、戦前の旧読谷中学校敷地には田んぼが多くあったという。
字宇座のイリガーは、ウブガー(産井)でもある。そこでは出産の報告と赤子への加護を祈願した。宇座の与久田門中に伝わる伝承では、義本王(舜天王統最後の王、在位1249~59年)が与久田の屋敷に逗留し、漁の帰りにここで網を洗ったことから「網洗井戸(アミアレーガー)」とも呼ばれる。戦前に造成された半円型の見事な石積みで、宇座の石工の技術の高さがうかがえる。
字喜名のイリガーは、旧県道沿いにあり生活用水として大通りや近隣の人たちで使っていた。国道建設により元の場所より東に30メートルほど移動した。
字長浜のイリガーは、ウブガーとして使われていた。
字波平ではイリヌカー(西之井戸)と呼ばれ、屋号亀倉根の屋敷前にあるので、カミークランニーメー(亀倉根前)のカーとも呼ばれている。
イリガサ
はしか。麻疹。
- メモ
- 音1:イリガサー。
イリガサーは神様が与えるものだと信じられ、お願いしたら発疹は3日で引くと言われた。
イリガサー
はしか。麻疹。
- 用例
- イリガサーヤ、チューチャンナカイ フチゥンジャスンドー(麻疹は、一気に噴き出るよ)。
- メモ
- 音1:イリガサ。
イリガサーヤンリ
麻疹の後遺症。
- 用例
- アンシ ウジラーサタルムン、イリガサーヤンリ ナティヤー(とても可愛かったのに、麻疹の後遺症が残ったね)。
- メモ
- 以前は麻疹にかかると、皮膚に跡形が残ったり、高熱で障害が出ることがあった。
イリガサガナシ
麻疹の神様。
- 用例
- イリガサー カカイネー、イリガサガナシンカイ 「ガッシク ナチ トゥラシミソーリ」ディチ ニガイタン(麻疹にかかると、麻疹の神様に「軽くしてください」といって願った)。
- メモ
- 麻疹はイリがサの神が罹らせるものと信じられ、軽くしてくれるように祈願し水撫でした。
イリガサチュラガサ
「麻疹の瘡〔かさ〕はきれいな瘡」。
- 用例
- ンカシンデー、ウタサンシン ソーティ イリガサチュラガサ カミヌ サニ マチンシェーンチ ユートゥジェー シンソーチャンディ(昔は、三線に合わせてイリガサチュラガサの神が種を蒔いていらっしゃるよと歌って夜伽をしていたそうだ)。
- メモ
- 誰でも罹る麻疹は神様が罹らせるものと信じられており、麻疹を軽くすませてくれるよう三線にのせてイリガサチュラガサと歌い夜伽をした。
イリガサドゥシ
麻疹が流行した年。
- 用例
- イリガサドゥシヤ、デージ ヤタンヤー(麻疹が流行した年は、大変だったね)。
イリカジ
西風。
イリガニー
庚〔かのえ〕の日。
イリカミザ
西側に設けた一番座。
- メモ
- →アガリカミザ。
イリカワイン
入れ替わる。
- 用例
- イャートゥ ワントゥ タゲーニ イリカワイン(君と僕とお互いに入れ替わる)。
否:イリカワラン(入れ替わらない)希:イリカワイブサン(入れ替わりたい)過:イリカワタン(入れ替わった)継:イリカワトーン(入れ替わっている)。
イリガン
{いれがみ(入れ髪)}。かもじ。添え髪〔そえがみ〕。
- メモ
- 類:イレーガン。
イリガンや、たたまれた着物が道に置かれているのを取ってはいけないと伝えられている。
イリガンブシ
入れ髪星〔いれがみぼし〕。彗星。
- メモ
- →イニンブシ。
イリキサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- シバイガ イリキサタン(芝居が楽しかった)。
ゥンマガンチャーガ アシビーガ チーネー、イッペー イリキサン(孫たちが遊びに来たら、とても嬉しい)。
- メモ
- 音1:イリキハン・イーリキサン・イールキサン・ウィーリキサン。→イーリキサン。
イリキハン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- ドゥシンチャー アチマイネー イリキハン(友達が集まったら楽しい)。
- メモ
- 音1:イリキサン。→イーリキサン。
イリキムン
楽しいこと。
イリクージ
いざこざ。
- 用例
- チュヌ イリクージカイヤ、クチェー イリンナ(人のいざこざには、口をはさむな)。
イリクシバル
{西後原}。伊良皆の小字。
イリクマックヮ
入れ子枕。
- メモ
- 大小の箱形の枕で、大きいものに小さい箱が収まるよう細工された枕。
イリグミ
西組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- →アガリグミ。
イリケーイン
①入れ替える。②おかわりをする。
- 用例
- ①ナチムントゥ フユムン イリケーイン(夏物と冬物を入れ替える)。
否:イリケーラン(入れかえない)希:イリケーイブサン(入れかえたい)過:イリケータン(入れかえた)継:イリケートーン(入れかえている)。②シルヌ マーサグトゥ、イリケーイン(汁がおいしいので、おかわりをする)。
イリケータチケー
何度もおかわりすること。
- 用例
- イリケータチケー、メー イッティ カムタン(何度もおかわりして、ご飯を入れて食べていた)。
イリサクバル
{西佐久原}。伊良皆の小字。
イリサチバル
{西崎原}。宇座の小字。
イリシーイン
少し多めに入れ添える。おまけする。
- 用例
- アマヌ マチヤヤ、チャー イリシーイン(あそこの店は、いつもおまけする)。イリシーン(おまけした)
- メモ
- 類:シーイン。
イリシガマーシ
よりによって。あいにく。
- 用例
- イリシガマーシ イチュナサイニ、ワジャ ウクチ(よりによって忙しい時に、事を起こして)。
イリジャチミバル
{西座喜味原}。座喜味の小字。
イリジョーバル
{西門原}。座喜味の小字。
イリシワキ
説明。相手によく分かるように説明すること。
- 用例
- ワカランアラー、ユー イリシワキシ チカサンネー ナランサ(分からないなら、ちゃんと説明して聞かさないといけないよ)。
イリチ
ふけ。
- 用例
- ナマー、イリチ ゥンジール チュン ヲゥラン(今は、フケが出る人もいない)。
- メモ
- →アクミ。
イリチ
鱗〔うろこ〕。
イリチー
炒め物。
- メモ
- →イリカー。
イリチムン
炒め物。
- メモ
- →イリカー。
イリチャ
甍〔いらか〕。茅葺き屋根の上方部分。
- 用例
- イリチャ フケーカラー、ヤーヤ ナトーシトー ユヌムン ヤサ(甍を葺いたら、家は出来上がったようなもんだ)。
イリチャー
炒め物。
![イリチャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01830.jpg)
- 用例
- イャーガ チュクテール クーブイリチャーヤ、イッペー マーサン(あなたが作った昆布炒めは、とても美味しい)。
ウレー イリチャーグヮー シーネー マシ ヤサ(これは炒め物にしたらいいよ)。
- メモ
- →イリカー。
イリチャヌユーエー
{いらかのいわい(甍の祝い)}。屋根を葺き終えた祝い。
- 用例
- アチャヤ イリチャヌユーエー ヤグトゥ、ンナンカイ イェージ シーヨーヤー(明日は茅を葺き終えた祝いだから、みんなに連絡しなさいよ)。
イリチュン
炒める。
- 用例
- アサバノー トーフ イリチュン(昼ご飯は豆腐を炒める)。
否:イリカン(炒めない)希:イリチーブサン(炒めたい)過:イリチャン(炒めた)継:イリチョーン(炒めている)。
イリチリー
住み込み。住み込みで働く人。
- 用例
- イリチリーヤ、 クンチカーッティ デージヤタン(住み込みで働くというのは、扱き使われて大変だった)。
イリナーリー
西の方から。
- 用例
- アガレー シマトーグトゥ、イリナーリー イッチクーワ(東側は閉まっているから、西の方から入って来なさい)。
イリニンジュ
西の人たち。
- メモ
- 主として綱引きなどで集落全体を二分する時の組の名。アガリニンジュ参照。
イリバル
{西原}。喜名、座喜味、伊良皆、波平、儀間、長浜、楚辺、渡具知、比謝、大湾、古堅の小字。
イリバルヤードゥイ
西原屋取。
- メモ
- 廃藩置県前後に喜名のイリバル(西原)にできた屋取集落。喜名の一部ではあったが、行事はムラウチ(本集落)とは別に行われ、ガン(龕)も独自に保有していた。近辺に楚辺、伊良皆の屋取集落も位置している。
イリヒ
経費。費用。
- メモ
- 音1:イリミ・イルミ。
イリヒ
西日。
- 用例
- シムヌ イリヒヌ チューサヌ、ムヌ ニーンチ アシ ハイサ(台所の西日が強くて、食事を作るのに汗をかくさ)。
イリヒントー
返事。返答。
- 用例
- アビティン イリヒントーンネーン(呼んでいるが返事がない)。
- メモ
- 音2:フィジフィントー。
イリファ
①{いりふぁあ(入羽)}。舞台を退場すること。②入口。
- 用例
- ①ボーシンカヤ、ゥンジファン イリファン ヰヌ トゥクマ ヤタン(棒術をする人は、入場も退場も同じ所だった)。
②ジョー イリファチャクトゥ ウットウマトールバーテー(〈墓の〉門入口に来たら、止まってしまったんだよ)。
- メモ
- ①対:ゥンジファ(出羽)。登場人物が舞台に登場することを「出羽」、退場を「入羽」という。
②「歌い骸骨」『牧原の民話』より。
イリファヂチ
入り口。
- 用例
- トゥグチンナトゥヤ、トー ヤ ヤンバルカラヌ イリファヂチ ナトータン(渡具知港は、唐や山原からの入り口になっていた)。
イリブサー
宵の明星。日没後の西の空に輝く明るい星。金星。
- メモ
- →ユーバンマンジャー。
イリベーシ
楚辺に伝わる舞踊。赤犬子まつりやムラアシビで演じられる。
![イリベーシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01854.jpg)
- 用例
- アカヌクスーギネー、ヤクミンチャーガ アカヌクー トーティ イリベーシ ウルイタン(赤犬子祭には、役員が赤犬子宮でイリべーシを踊った)。
- メモ
- 神の降臨を求めるため、10人余の若者が太鼓の音と空手風の踊りで座を清め祈る舞踊。ムラアシビの際にも最初に演じられた
イリマックヮ
西枕。
- 用例
- イリマックヮヤ マシェー アランムンヌ、トゥーチ イリマックヮ ソール(西枕はよくないのに、いつも西枕しているね)。
- メモ
- 死者はイリマックヮ(西枕)にして寝かせる。
イリミ
経費。費用。
- メモ
- 音1:イリヒ・イルミ。
イリムーク
入り婿。婿養子。
- メモ
- 音1:イリムークー。類:ムクヨーシ。
跡取りの男児がいない家では、継承するために入り婿をとった。
イリムークー
入り婿。婿養子。
- 用例
- アレー イェーキンチュヌ イリムークー ナティ、バチクヮトーン(彼は金持ちの入り婿になって、上出来だ)。
- メモ
- →イリムーク。
イリムサー
虫食い芋。甘藷の害虫。
- 用例
- クンドゥヌ ゥンムヤ イリムサー イッチ、カミンナラン(今年の芋は虫食いで、食べられたものじゃない)。
イリムシ
アリモドキゾウムシ。イモサルハムシ。
- メモ
- サツマイモに入る害虫。芋が虫に食われると芋自体が独特な嫌な匂いがする。
イリムティ
西側。
- 用例
- ワランチャーヤ、イリムティカイ ハーエー シ ハイタン(子どもたちは、西側に走って行った)。
- メモ
- 対:アガリムティ(東側)。
イリメーバル
{西前原}。楚辺の小字。
イリユー
入り用。必要。
- 用例
- イリユー ナティル カティチェールムン、イーナナー ケースンディチン アンナー(必要だから借りてきたのに、そんなに早く返すってこともあるか)。
イリユー ハンサリーン(必要とされない)。ジンヌ イリユー ナティル、マーティ チェーサニヤー(お金が入用で、回って来たんでしょうね)。
イリンケー
西向き。
- 用例
- アマヲゥティ イリンケー ソーシガ、 ワー ウヤ ヤサ(あそこで西向きになっているのが、私の親だよ)。
- メモ
- 対:アガリンケー(東向き)。
イリンダカリ
いりんだかり〔西村渠〕。字〔あざ〕における区分。
- メモ
- 座喜味では、イリンダカリ・アガリンダカリで区分した。→アガリンダカリ。
イル
色。
- 用例
- イャーヤ ヌーイルガ マシヤガ(お前は何色が好きか)。
イルイル
色々。いろいろ。
- 用例
- アワティランヨークー、イルイル カンゲーリヨー(急がずにいろいろ考えなさいよ)。
イルカジ
{いろかず(色数)}。色々。
- 用例
- アマヌ マチヤヤ、イルカジ ヌーヤティン アサ(あそこの店は、色々何でもあるよ)。
イチムシヌ イルカジ(いろんな動物)。
イルクチ
入り口。
- メモ
- 対:イジクチ・ゥンジリグチ。
イルソーモーソー
怯えている様。血の気が引いて顔色が悪いこと。青ざめる。
- 用例
- イルソーモーソー ヒチ、アンソール クトゥン アタル(怖くてたまらず、あんなこともあったね)。
イルトゥーイ
言うとおり。
- 用例
- アリガ イルトゥーイ シェー、チケー ネーンサ(彼が言うとおりにすれば、間違いないよ)。
- メモ
- 音1:イヌトゥーイ
イルヌガー
血の気がひいて顔色が悪い。青ざめる。
- 用例
- アンシ イルヌガー シ、チケーネーニ(そんなに青ざめて、大丈夫ねえ)。
イルミ
経費。費用。
- メモ
- 音1:イリヒ・イリミ。
イルミーベーサン
顔に表れやすい。表に出やすい。
- 用例
- イャーヤ、アンシ イルミーベーサル(お前は、とても顔に表れやすいね)。
イルミシーン
顔に表れる。
- 用例
- ワッター アンマーヤ シワグトゥヌ アイネー、スグ イルミシーン(私の母は心配事があると、直ぐに顔に表れる)。
イルワキ
区別。分け隔て。
- 用例
- ンナ ユヌグトゥル スル、イルワキ シェー ナランサ(みんな同じようにするんであって、分け隔てしてはいけないよ)。
イルンナムン
いろいろな物。
- 用例
- ワー シージャヤ、イルンナムン ムッチョーン(私の兄は、いろいろな物を持っている)。
イレーイン
答える。返事する。
- 用例
- イクケーン アビティン、イレーイン サンナー(何回呼んでも、返事しないのか)。
否:イレーラン(答えない)。
- メモ
- 音:イレーユン。
イレーガン
入れ髪。かもじ。添え髪。
- 用例
- カラジヌ インチャハヌ、イレーガン イリランネー ユーララン(髪が短くて、かもじを入れないと結えない)。
- メモ
- 類:イリガン。
イレーガン
入れ墨。
- 用例
- チカグルヤ イレーガンヌ ヘートーン(最近は入れ墨が流行っている)。
イレーユン
答える。返事する。
イワリ
謂れ。事情。
- 用例
- ヌーヌ イワリヌル アラー、ワッターガー ワカラン(何の謂れがあるのか、私たちには分からない)。
イン
犬。
- 用例
- ミーヤー チュクイネー、イン チカナイン(新しい家を造ったら、犬を飼う)。
イン
言う。
- 用例
- アン イン(そういう)。
- メモ
- 音1:イーン・イユン。
インカサナガサ
{みじかいながい(短い長い)}。長短のバランスがとれないこと。
- 用例
- イャー ムノー、ムル インカサナガサ ヒチ(お前の物は、全部短かったり長かったりして)。
- メモ
- 音2:インチャーナガー。
インカハン
短い。
- 用例
- ウヌ ボーヤ ユカイ インカハンレー(その棒はかなり短いよ)。
- メモ
- 音2:インチャサン・インチャハン。対:ナガサン・ナガハン(長い)。
インギーマ
植物名。ハマヒサカキ。
- メモ
- 野山でハマヒサカキの実を採って食べた。
イングェーバル
{犬桑江原}。波平の小字。
インゲンマーミ
植物名。インゲン豆の総称。
![インゲンマーミ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01894.jpg)
- 用例
- インゲンマーミヤ イリカー シン マーハン(インゲン豆は炒めても美味しい)。
インジョージン
結納金。
- 用例
- イャーヤ インジョージン シコーテーミ(お前は結納金を準備してあるねぇ)。
インダカリ
地域区分の名称。{うえむらだかり(上村渠)}。
- メモ
- →アガリンダカリ。
インチャーナガー
{みじかいながい(短い長い)}。長短のバランスがとれないこと。
- 用例
- イャームン チノー、インチャーナガー ッシ(お前の着物は、あちこち長さが違うよ)。
- メモ
- →インカサナガサ。
インチャイン
手が届く。
- 用例
- ゥンマヤレー ワン ヤティン インチャイン(ここだったら私でも届く)・儀。
否:インチャラン(届かない)継:インチャトーン(届いている)。
- メモ
- →イチャイン。
インチャサン
短い。
- 用例
- ナントゥ ハカティン インチャサン(何回測っても短い)。
- メモ
- 音1:インチャハン。→インカハン。
インチャハン
短い。
- 用例
- ジューヌ インチャハン(尻尾が短い)。
- メモ
- 音1:インチャサン。→インカハン。
インディー
植物名。蕪〔かぶ〕。
イントゥ マヤー
犬と猫。仲が悪いことのたとえ。
インドゥーマーミ
植物名。エンドウ豆。
![インドゥーマーミ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01904.jpg)
- 用例
- インドゥーマーミ トゥティチェーグトゥ、カー ンチトゥラシェー(えんどう豆を取って来たから、皮をむいてね)。
イントゥク
陰徳〔いんとく〕。ひそかに行う善行。
- 用例
- イントゥクヌ マンローグトゥ、ヌー シミティン チュヤカ ウヮービ ナイン(陰徳があるから、何をやっても人より上に行く)。
イントゥク モーキーン(陰徳を積む〈儲ける〉矼。
インドゥシ
戌年〔いぬどし〕。
- 用例
- インドゥシニ ゥンマリタシヤ、イクタイ ヲゥガ(戌年に生まれたのは、何人いるねぇ)。
インドーマーミ
植物名。エンドウ豆。
![インドーマーミ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01909.jpg)
インニーカニー
庚戌〔かのえいぬ〕。
- 用例
- インニカニーニ ハラウービ マチュン(庚戌に腹帯を巻く)。
- メモ
- 妊婦の腹帯を巻くのに最良の日が庚戌の日。多産でお産の軽い犬にあやかり戌の日が吉とされた。
インヌ タチナチ
犬の遠吠え。
- メモ
- 犬が遠吠えするのは厄だといわれた。
インヌッチュ
戌年生まれの人。
- 用例
- インヌッチュヤ、ハナシー チチジョージ ヤンディ(戌年生まれの人は、話を聞くのが上手なんだって)。
インヌマー
蚤。ノミ。
- 用例
- イクサユーネー、インヌマー マンリ フシガランタンドー(戦時中は、蚤が多くて大変だったよ)。
インヌミ
蚤。ノミ。
インヌミヤードゥイ
地名(沖縄市高原)。
- メモ
- 第2次世界大戦後、海外引き揚げ者のための収容所のあった所。
インヌヤー
犬小屋。
- 用例
- インヌヤーン イバク ナトーグトゥ、チュクイ ケーイン(犬小屋も狭くなったので、造り替える)。
インネーカタイ
言うように語ると。そうしているうちに。
- 用例
- インネーカタイッチ、ワラバーヌ ゥンマリタン(そうしているうちに、子どもが生まれた)。
インネースンネー
言うやいなや。案の定。
- 用例
- ヤー!インネースンネー サッタシェー(ほら!言うやいなややられたさ)。
インマヤー
犬や猫。犬畜生。
インマユー
化け物。
- 用例
- ハカヌ マユカラ インマユーヌ ゥンジティ チャン(墓のマユから化け物が出てきた)。
ウアチミシェーン
いらっしゃる。
- 用例
- ウタッサニ、ウアチミシェービーンナー(お達者でいらっしゃいますか)。
- メモ
- 士族間で話される挨拶。
→アッチュン。
ウイ
瓜。キュウリやモーウイなどのこと。
- 用例
- ウイ トゥッティッチ、イェームン シ カムン(瓜を取ってきて、和え物にして食べる)。
ウイ(~ウイ)
~したりして。何度もくり返す様。
- 用例
- キーヌ ファーヌ ウティテーウイ、ウティテーウイ ッシ(木の葉が落ちては、また落ちたりして)。サーター ナミテーウイウイ ソーン(砂糖を舐めたりしている)。
ウイヌクサー
売れ残り。
- 用例
- ニッカ ゥンジャレー、ウイヌクサーシカ ネーランタッサー(遅く行ったので、売れ残りしかなかったよ)。
ウイミ
{おりめ(折目)}。神仏に関する四季折々の節供。
- メモ
- →音1:ウユミ。
ウイムン
売り物。
- 用例
- ウイムン ヤグトゥ、ウリカラヤ トゥランケー(売り物だから、それからは取るな)。
ウイムンウヤー
物売り。出店。
- 用例
- スビガニクヌ アブシバレーネー、ウイムンウヤーン マンドータン(楚辺兼久のアブシバレーには、出店も多かった)。
ウイン
売る。
- 用例
- チュー トゥッテーヌ ヤシェー ウイン(今日取った野菜を売る)。
否:ウラン(売らない)希:ウイブサン(売りたい)過:ウタン(売った)継:ウトーン(売っている)。
- メモ
- 対:コーイン(買う)。
ウー
はい。目上に対する応答。
- 用例
- ウー、ウンジュガ イミシェーシェー ワカトーヤビン(はい、貴方がおっしゃるのは分かっています)。
- メモ
- 音2:ウーフー。
ウーアカガイ
すっかり明るくなること。とても明るいこと。
- 用例
- ウーアカガイ ッシ、ミーチラサル アル(すっかり明るくなって、眩しいほどだ)。
- メモ
- 対:ウーグラシン・マックラシン(真暗闇)。
ウーアチサ
暑さが厳しいこと。
- 用例
- ウーアチサン、クヌウチ ヤサ(暑さが厳しいのも、もうすぐ終わるよ)。
ウーアミ
大雨。
- 用例
- ナマニン ウーアミ フイギサー ッシ、イスジ イカナ(今にも大雨が降りそうだから、急いで行こう)。
- メモ
- →アラブイ。
ウーイカキーン
追いかける。
- 用例
- クヮーシヌスル ウーイカキーン(お菓子泥棒を追いかける)。
否:ウーキカキラン(追いかけない)希:ウーイカキーブサン(追いかけたい)過:ウーイカキタン(追いかけた)継:ウーイカキトーン(追いかけている)。
ウーイチラスン
追い散らす。
- 用例
- ササリーネー デージ ヤグトゥ、ハチャー ウーイチラスン(刺されたら大変だから、蜂を追い散らす)。
否:ウーイチラサン(追い散らさない)希:ウーイチラシーブサン(追い散らしたい)過:ウーイチラチャン(追い散らした)継:ウーイチラチョーン(追い散らしている)。
ウーイマースン
追い回す。
- 用例
- ウッチャンナギラリーネー デージディチ、ウヤビカーン ウーイマースン(置いて行かれたら大変だと、親だけを追い回す)。
否:ウーイマーサン(追い回さない)希:ウーイマーシーブサン(追い回したい)過:ウーイマーチャン(追い回した)継:ウーイマーチョーン(追い回している)。
- メモ
- 音1:ウィーマースン。
ウーイメーシ
{おりはし(折り箸)}。竹を折った簡単な箸。
![ウーイメーシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01948.jpg)
ウーイン
追う。
- 用例
- カチミーンディチ、マーマディン ウーインドー(捕まえようとして、どこまでも追って行くよ)。
否:ウーラン(追わない)希:ウーイブサン(追いたい)過:ウータン(追った)継:ウートーン(追っている)。
ウーエークィーエー
追いかけ回している様。
- 用例
- ワランチャーガ ウーエークィーエー ッシ、アシドーン(子どもたちが追いかけっこして、遊んでいる)。
ウーガーガー
がらんどう。空っぽ。
- 用例
- ウーガーガー ッシ ヌーン イッチョーネーン(空っぽで何も入ってない)。
- メモ
- 音2:ウーガンガラー。類:バンバラー。
ウーカジ
大風。台風。
- 用例
- ウヮーチチヌ ワッサヌ、クヌウチ ウーカジ フチュンドー(天気が悪いから、近いうちに大きな台風が来るよ)。
ウーガンガラー
がらんどう。空っぽ。
- 用例
- ウーガンガラー ッシ ヌーン ネーンタン(がらんどうで何もなかった)。
- メモ
- →ウーガーガー。
ウーク
奥。
- 用例
- イリーシェー マンドーグトゥ、ナーヒン ウークカイ イリレー(入れるのが多いから、もっと奥に入れなさい)。
ウークイ
{おおくり(お送り)}。精霊送り。旧盆最終日の旧7月15日のウークイに祖霊を送ること。
- 用例
- ウークイネー、クヮゥンマガンチャーン アチマティ ンナシ ウクイン(精霊送りには、子や孫も集まって皆で祖霊を送る)。ウークイネー「クヮンマガ ミーマンティクィミソーリ。ヤーヌン メンソーチ クィミソーリ」リチ、ウクタン(精霊送りには「子孫を見守ってください。来年もいらしてください」と言って、送った)。
- メモ
- 祖霊との別れを惜しむ意味で、ウークイは夜遅く行なうのが一般的である。仏壇に重箱料理や果物、夕飯を供え、線香を焚いて拝し、祖霊を見送る時には、ウチカビを焚き、その上に仏壇に供えていたお茶や酒、花米などをかける。それから供え物を全部庭に出し、線香を焚いて拝んで祖霊を送る。
ウークイズーネーグヮー
旧盆最終日の旧7月15日のウークイに供える和え物。
- 用例
- ウークイズーネーグヮーディチ、ウッピグヮーヌ サラヌ ミーナー シキータンヨーヤー(ウークイズーネーグヮーといって、小さな皿に入れて供えていたよ)。
ウークイダーグ
旧盆最終日の旧7月15日のウークイに供える団子。
- 用例
- ウークイダーグヤ チュクテーンナー(仏壇に供える団子は作ってあるね)。
- メモ
- 団子をサンニンの葉に乗せて作り、御馳走と一緒に仏壇に供える。
ウーグトゥ
ありがたいこと。嬉しいこと。
- 用例
- イートゥジ カメーティ、アンシ ウーグトゥヤル(良い嫁を貰って、なんてありがたいこと)。
ウングトール ウーグトゥン アル(こんな嬉しいこともあるものだ)。
ウーグラシン
真暗闇。
- 用例
- ウーグラシンナティ、ヌーン ミーラン(真っ暗になって、何も見えない)。
- メモ
- 音2:マックラシン・クラガイ・クラシン。対:ウーアカガイ(とても明るいこと)。
ウークヮジ
大火事。大火。
- 用例
- クジュヤ ウークヮジ ゥンジティ デージヤタンヤー(昨年は大火事があって大変だったね)。
ウーゴーイ
大きい買い物。
- メモ
- 外出用の着物などたくさんの買い物をするときは那覇へ行き、少しの買い物のときは泡瀬や嘉手納へ行った。
ウーサー
運搬人。
- 用例
- ヲゥージ ウーサー ソータン(キビの運搬人をしていた)。
ウーサニカタヂキルー
多い方に片付ける。多数決。
- 用例
- アンシェーナー ウーサニカタヂキルーシ キミラナ(それなら多数決で決めよう)。
- メモ
- 子どもの遊びなどで、多数決をとる時に右手を左脇にはさんで「ウーサニカタヂキルー(多い方が勝ちよ)」と言いながら手のひらか甲を上にして出し、多い方に決める。→イキラサニカタヂキルー。
ウーサラフリムン
大馬鹿者。
- メモ
- 音2:サラフリムン。
ウーサリアーサリ
人にへつらう様。媚びる様。
- 用例
- ウヮービヌチュンカイ ウーサリアーサリ スンディ、デージヤン(上の人に媚びないといけないので、大変だ)。
- メモ
- 相手の機嫌をとろうとして、やたらに頭を下げたり言いなりになったりすること。
ウーサン
多い。
- 用例
- チヌーヤカ ユカイ ウーサンドー(昨日よりかなり多いよ)。
トゥイヒレーヌ ウーサン(交際が多い)慶。
- メモ
- 音1:ウフサン。類:ウフハン。対:イキラサン・イキラハン(少ない)。
ウーシ
臼。
![ウーシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/01983.jpg)
- 用例
- ウーシン フルク ナティ、トゥイケーリワル ナインテー(臼も古くなって、取り替えないといけないね)。
ウーシ
奥歯。
- 用例
- チヌーヤ ウーシヌ ヤリ、ニンラランタン(昨日は奥歯が痛くて、眠れなかった)。
- メモ
- 音2:ウーシバー。
ウーシアラサー
臼の目立て屋。
- 用例
- ナー、ウーシアラサーン ヲゥランナティヤー(もう、臼を目立てる人も居なくなってね)。
- メモ
- 「ウーシ アラサビラー(臼の目立ていたします)」と徒歩や自転車でまわってきた。
ウーシーン
①負わせる。人のせいにする。②載せる。
- 用例
- ①ワッサヌクトゥシ チュンカイ ウーシーン(悪い事をして人のせいにする)。②ウーサグトゥ ツギニ ウーシーンテー(多いから次に載せるさ)。
否:ウーシラン(載せない)希:ウーシーブサン(載せたい)過:ウーシタン(載せた)継:ウーチョーン(載せている)。
- メモ
- 音1:ウースン
ウーシウーシ
なすりあい。
- 用例
- チュ ウーシウーシ シ(人に押しつけて)。
ウーシギー
サトウキビ圧搾時に製糖車を回すための棒。
- 用例
- ウーシギーヤ ウシカイ ヒカスン(製糖車を回す棒は牛に引かせる)。
ウーシバー
奥歯。
- 用例
- チヌーカラ ウーシバーヌ ヤリ、フックトーン(昨日から奥歯が痛くて、腫れている)。
- メモ
- →ウーシ。
ウーシベー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- メモ
- 音1:ウシベー。音2:ウシクェーバー・ウシクェーベー・ウシクェームシ。
ウージャ
地名(読谷村宇座)。
ウージャ ガーガー
字民性。{うざがーがー(宇座我々)}。宇座字民の気質を表わした言葉。負けず嫌いで自己主張が強いこと。
ウージャ スーテー
字民性。{うざしょたい(宇座所帯)}。宇座字民の気質を表わした言葉。接客に金品を惜しまない気質。
- メモ
- →スーテー。
ウージャトゥキシ
地名(読谷村宇座と渡慶次)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ウージャバル
{宇座原}。宇座の小字。
ウージャンチュ
宇座の人。
ウージワ
{おおしんぱい(大心配)}。とても心配なこと。
- 用例
- ウージワ ソータン(大変心配していた)。
ウースージ
{おおしゅうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- ルクジューイチカラー ウースージ ヤタンドー(61歳からは大きなお祝いだったよ)。
- メモ
- 音2:ウフスージ・マギスージ。
ウースン
①負わせる。人のせいにする。②載せる。
- 用例
- ①ドゥーガル シェーシガ、ウットゥンカイ ウースン(自分がやったのに、弟のせいにする)。②バサンカイ ヲゥージ ウースン(馬車にキビを載せる)。
②ゥンマンカイ ターラ ウーチ(馬の背に俵を載せて)。
否:ウーサン(載せない)希:ウーシーブサン(載せたい)過:ウーチャン(載せた)継:ウーチョーン(載せている)。
- メモ
- 音1:ウーシーン。
ウースン(~ウースン)
~出来る。
- 用例
- イーウースミ(言えるか)。イチウースンバーイ(行けるものか)。トゥイウーサン(取ることができない)。カミウーサン(食べきれない)。ムッチ チーウーサン(持って来ることはできない)。カンゲーヤ シーウーサン(考えることができない)。
- メモ
- 音1:~ユースン。
ウーティクェー
後からついて行って、ただ飯を食うこと。ただ飯食い。
- 用例
- ウーティクェービカーン ッシ、ヌーン ヤクン タッタン(ただ飯食いばかりして、何の役にも立たない)。
ウードゥシ
卯年。うさぎ年。
- 用例
- ワンネー ウードゥシニ ウマリタン(私は卯年に生まれた)。
ウートゥスイ
大年寄り。
- メモ
- 音2:ゴートゥスイ。
ウートゥルバイ
ぼんやりすること。無反応。何を言っても反応がないくらいにぼんやりすること。
- 用例
- ヌーヌル アタラー、ウートゥルバイ ッシ ムヌン アビランナトーン(何があったのか、ぼんやりして物も言わなくなった)。
- メモ
- 音1:ウフトゥルバイ。
ウートートゥ
あな尊し。神仏や先祖を拝むときに唱える言葉。
ウーニービチ
盛大な結婚式。
- メモ
- 音1:ウフニービチ。音2:ミジムイニービチ。→ニービチ。
ウーヌチュ
卯年の人。
- 用例
- ウーヌチュヤ マクトゥナムンガ ウーサンディ(卯年の人は真面目な人が多いそうだ)。
- メモ
- →ウードゥシ。
ウーヌファ
卯の方。東の方角。
- 用例
- ヤシチヌ ウグヮンネー ウーヌファン ウガムン(屋敷の御願には卯の方も拝む)。
ウーハマイ
一生懸命励むこと。
- 用例
- フミタレー、ウーハマイ ソーンドー(褒めたら、一生懸命頑張っているよ)。
ウービ
帯。
- 用例
- ウービ ムッチ クヮー、ワン ウファ スサ(帯を持ってきなさい、私がおんぶするさ)。
ウービーサ
二十四節気のひとつ。大寒。
ウーヒラ
{おひら(大平)}。浅くて底の平たい漆器の皿。
- メモ
- 裕福な家にしかなかった。お祝や行事の時に、茶請けや御馳走を入れて客人をもてなした。
ウーブ
出来物の一種で、夏の暑い時に子どもの頭にできる。
- 用例
- ルク アチサヌ、ウーブヌ ゥンジトーサ(あまりに暑くて、頭に出来物ができているさ)。
- メモ
- 類:チナブー・チンカーミー。
ウーファ
おんぶ。
- 用例
- ワラバー ウーファ スン(子どもをおんぶする)。
- メモ
- 音1:ウファ。
ウーブイ
大降り。大雨。
- 用例
- ヒルマカラ ウーブイ ッシ、ハルン イカランタン(昼間から大降りになって、畑にも行けなかった)。
- メモ
- →アラブイ。
ウーブイコーコー
荷物を重そうに担いでいる様。
- 用例
- ウガヨーナ ワラビンカイ、ウーブイコーコースカ ニムチ カタミラチ(そんな小さな子に、荷物を無理に担がせて)。
ウーフー
はい。目上の人に対する応答。
- メモ
- 対:イーヒー(目下に対する応答)。→ウー。
ウーブシ
武芸に優れた者。
- 用例
- ジッコーヌ ウーブシ(とっても武芸に優れた者)。
ウーベー
植物名。カラムシ。
![ウーベー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02035.jpg)
- 用例
- ウーベーヤ モーンカイ マンドータン(ノカラムシは、原野に多く自生していた)。
ウーマク
腕白。腕白者。
- 用例
- アレー、グナサイネー ウーマク ヤタンドー(彼は、小さいころは腕白だったよ)。
- メモ
- 音1:ウーマクー。→アカマク。
ウーマクー
腕白。腕白者。
- 用例
- トゥナイヌ ワラビヤ ルク ウーマクー ナティ、ティーン チキララン(隣の子はあまりにも腕白者で、手もつけられない)。
- メモ
- 音1:ウーマク。→アカマク。
ウーマクワラバー
腕白な子ども。
- メモ
- 音1:ウーマクワラビ。
ウーマクワラビ
腕白な子ども。
- 用例
- ウーマクワラビヌ ウッサ アチマティ、ヌー ガンマリ ソーガ(腕白な子が大勢集まって、何をいたずらしているか)。
- メモ
- 音1:ウーマクワラバー。
ウーマフックヮ
夏の暑い真昼。真っ昼間。
- 用例
- ウーマフックヮニ、ハルカイ イチュンディチン アミ(真昼間の暑いときに、畑に行くってこともあるか)。
- メモ
- 音2:マフックヮ。マフックヮは太陽が照りつける夏の真昼のことで、語頭にウー(大)を付けて強調している。
ウームジャー
大麦。
- メモ
- 音2:ウフムジャー・ウフムジ。類:ウフムギ。
読谷山では小麦より大麦の方がよく作られていた。
ウーイェーキンチュ
大金持ちの人。
ウール
布団。
- 用例
- ウール カンランアレー ヒーサンドー(布団を被らないと寒いよ)。
ウールク
力持ち。
- 用例
- イッター スーヤ、デージナ ウールク ヤタンヤー(お前のお父さんは、大変な力持ちだったね)。
ウールワヤー
重りの一種。
- メモ
- 碇としても利用するが、主にテーブルサンゴを打ち砕いて、隠れている小魚を追い出すのに使った。
ウーワァ
昆虫名。ツクツクボウシ。
- メモ
- 夏の終わり頃に鳴く。
ウーワレー
大笑い。
- 用例
- ルク シーヨーヌ ウカサヌ、ウーワレー ソーサ(あまりにも仕草が可笑しくて、大笑いしたさ)・儀。
ウーン
斧。
- メモ
- 音:1
ウーンカシ
大昔。
- 用例
- ウーンカシヌ ハナシ(大昔の話)。
- メモ
- 音2:デーンカシ。類:デーユー。
ウーンナ
{おおつな(大綱)}。大綱引き。
- 用例
- ジューサンニンニ チュケーン、チャタンヲゥティ ウーンナヌ アタン(13年に1回、北谷で大綱引きがあった)。
ウカー
井泉の名。楚辺の七御嶽のひとつ。
- メモ
- 旧集落地にある、神人たちが手足を浄めた井泉。旧2月から8月までのウマチーには、役目の者が太鼓をポンポンポンと打ち、「ティーフィサ アレンガ モーリヨー(手足を洗いにいらしてください)」と神人たちに声をかけ、次には「シタク シンソーリヨー(支度してください)」と、3回目は神アサギに「ウリジミソーリヨー(お集まりください)」と打った。
ウカー
御井泉。牧原の井泉の名称。
![ウカー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02071.jpg)
- メモ
- 別名ボージガー(坊主井泉)。坊主御主が飲んだと伝えられている。終戦当時まで残っていた小さなニーブガー。ボージガー参照。
ウカーサン
危ない。
- 用例
- ゥンマカラ ヘーク ドゥキナレーワ、ウカーサンドー(そこから早く退きなさい、危ないよ)。
- メモ
- →アブナサン。
ウカザイ
{おかざり(御飾り)}。供物。供え物。
- 用例
- トートーメーンカイ、ジューバク ウカザイ スン(仏壇に、重箱を供える)。
ウカサン
おかしい。滑稽〔こっけい〕である。
- 用例
- イャームン チン チーヨーヤ、ウカサン(お前の着物の着方は、おかしいよ)。
- メモ
- 音1:ウカハン。
ウカジ
お陰。
- 用例
- ワンガ ヤー チュクイ アーチャシェー、ウンジュガ ウカジ ヤイビーン(私が家を造ることができたのは、貴方のお陰です)。
ウカジ
地名(恩納村宇加地)。
ウカスン
犯す。
- 用例
- アヤマチ ウカスン(過ちを犯す)。否:ウカサン(犯さない)。過:ウカチャン(犯さない)。
ウガチカサ
そんなに近く。
- 用例
- イッター ヤーヤ、ウガチカサル ヤティナー(貴方の家は、そんなに近かったの)。
- メモ
- 音1:ウガチチャサ。対:ウガトゥー(そんなに遠い)。
ウガチチャサ
そんなに近く。
- 用例
- ウガチチャサンカイ アルムンヌ、カメーイサンティナー(そんなに近くにあるのに、探せなかったの)。
- メモ
- →ウガチカサ。
ウカットゥ
うっかり。
- 用例
- ウカットゥ ワシリティ イカンタン(うっかり忘れて行かなかった)。
ウカットゥー
うっかりしている人。うっかり者。
- 用例
- イャーヤ、アンシ ウカットゥー ヤル(君は、なんてうっかりしているんでしょう)。
ウガットーイビーン
分かりました。承知しました。
- 用例
- ウレー アタトービーンドー。ウガットーイビーンドー(それは合っていますよ。承知していますよ)・伊。
- メモ
- 音2:ウガドーヤビン・ウガドーイビン・ウガドービーン・ウガドービン。
ウガトゥー
そんなに遠く。
- 用例
- ウガトゥーマディ カユティ、ヒキアーインナー(そんなに遠くまで通って、採算は取れるの)。
- メモ
- 対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近く)。
ウガドーイビン
分かりました。承知しました
- 用例
- ウヌ ハナシーヤ、キッサ ウガドーイビサ(その話は、既に承知していますよ)。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガドービーン
分かりました。承知しました。
- 用例
- ウヤヌチャーガ イル クトー、ヌー ヤティン ウガドービーンリ イータンドー(親の言うことは、何でも「分かりました」と返事した)。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガドービン
分かりました。承知しました。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガドーヤビン
分かりました。承知しました。
- 用例
- ナーガ イミシェーシェー、ウガドーヤビンドー(貴方がおっしゃることは、承知していますよ)。
- メモ
- →ウガットーイビーン。
ウガニッカ
そんなに遅く。
- 用例
- ウガニッカカラ、マーカイ イチュル チムエーガ(そんなに遅くから、どこに行くつもりか)。
- メモ
- 対:ウガヘーサ・ウヌヘーサ(そんなに早く)。
ウカハン
おかしい。滑稽〔こっけい〕である。
- 用例
- イャームン アビーヨーヤ、テーテームニー ヒチ ウカハン(お前のしゃべり方は、舌足らずでおかしい)。
- メモ
- 音1:ウカサン。
ウカビーン
浮かべる。
- 用例
- キージラー ミジンカイ ウカビーン(木切れを水に浮かべる)。
否:ウカビラン(浮かべない)希:ウカビーブサン(浮かべたい)過:ウカビタン(浮かべた)継:ウカビトーン(浮かべている)。
- メモ
- 対:シジミーン(沈める)。
ウカブン
浮かぶ。
- 用例
- ミジンカイ キージラー イリーネー ウカブン(水に木切れを入れると浮かぶよ)。
否:ウカバン(浮かばない)希:ウカビーブサン(浮かびたい)過:ウカダン(浮かんだ)継:ウカドーン(浮かんでいる)。
- メモ
- 対:シジムン(沈む)。
ウガヘーサ
そんなに早く。
- 用例
- ウガヘーサナーカラ フカンカイ ゥンジティ、ヌー ソーガ(そんなに早くから外に出て、何をしているの)。
- メモ
- 音1:ウヌヘーサ。
対:ウガニッカ(そんなに遅く)。
ウカマ
{おかま(御竃)}。火の神。竈神〔かまどがみ〕
- 用例
- チータチ ジューグニチヤ、ウカマ ウガディカラル ブチダノー ウガムンドー(1日と15日は、火の神を拝んでから仏壇を拝むんだよ)。
- メモ
- 音2:ウカマガナシー。類:ウミチムン・ヒヌカン。
→ヒヌカン。
ウカマウガマシ
竈神〔かまどがみ〕を拝むこと。火の神を拝むこと。
- メモ
- 音2:ヒヌカンウガマシ。赤子の名付けが終わった後、火の神にビンシー(瓶子)を供え、健やかな成長を祈り、額に鍋煤を3回つける。
ウカマガナシー
竈神。火の神。
- メモ
- →ウカマ・ヒヌカン。
ウカミ
御神。神様。
- 用例
- アヌ チュヤ ウカミヌ グトゥル アル(あの人は神様のようだ)。
ウカミグトゥ
{おかみごと(御神事)}。神の知らせ。神のお告げで神事を行うこと。
- メモ
墓にジーバチャー(蜂)が巣を作ったら厄、ウカミグトゥ(神の知らせ)といい、早く壊せといわれた。
ウカミヤー
{おかみや(御神屋)}。集落や門中、ムートゥヤー(本家)などで神を祀った建物。
- 用例
- ヤシチンカイ ウカミヤーヌ チュクラットーン(屋敷内にウカミヤーが造られている)。
ウガムン
①拝む。②拝見する。手にする。
- 用例
- ①シーミーネー ハカヌナーヲゥティ、ジューバク シキティ ティー アーチ ウガムン(清明には墓の庭で重箱を供えて手を合わせて拝む)。
①ワッターヤンジ、ウガドールバーテー(私の家で拝んでいるわけさ)・木。
②タイガ ウカオ ウガリナービラワ(ふたりの顔を見てみれば)。
②ユカイ ジン ウガランリンドー(けっこうなお金を手にしたんだってよ)。
否:ウガマン(拝まない)希:ウガミーブサン(拝みたい)過:ウガラン(拝んだ)継:ウガドーン(拝んでいる)。
ウガヨーナ
そんなに幼い。
- 用例
- ウガヨーナ ワラビ、ドゥーチュイ ヤラスンディチン アンナー(そんなに幼い子を、ひとりでやるってこともあるか)。
ウガン
{おねがい(御願)}。祈願。
- メモ
- 音1:ウグヮン。
ウガン
御嶽〔うたき〕。拝所。
- 用例
- ウガンナカ、チャッピナーヌ アカギヌ アタサ(拝所に、大きな赤木があったよ)。
ウガンアシビ
行事名。アシビ神を拝む行事。
- メモ
- 楚辺では旧7月20日に字の役員や青年代表が、アシビの衣裳や小道具が保管されている屋号ナービナクー(鍋之甲)を拝む。→サンジャーグヮー。
ウガンウサギヤー
物知りで祈願を先導して行う人。
- 用例
- アマヌ ゥンメーヤ、ウガンウサギヤー ヤイビーサ(向こうのおばあさんは、ウガンウサギヤーですよ)。
- メモ
- 音1:ウグヮンウサギヤー。
ウガンウスメー
集落の祈願を担う50代の男性。
- メモ
- 音1:ウグヮンウスメー。音2:ウガンゥンメー。
波平では、56歳から70歳までの男性が部落の諸行事の祈願を行った。
高志保では51歳から60歳までの男性をウガンウスメーと呼び、字の初御願をはじめほとんどすべての祈願をした。現在では、その役目を老人会が引き継いでいる。
→音1:ウガンウスメー。
ウガンジュ
御願所。拝所。
- 用例
- ワッタガ ウガムヌ ウガンジュヤ、マー ナトーガ(私たちが拝む拝所は、何処か)。
- メモ
- 音1:ウグヮンジュ。
ウガンヒラー
楚辺の七御嶽のひとつ。ウガン辺りの坂のこと。
- メモ
- アガリウタキともウガンとも呼ばれた。雑木林に覆われた小高い丘の中にある。楚辺の守り神として拝まれ、戦時中は出征兵士の武運長久を祈願し拝んだ。ウガンの辺りが坂になっているためにそう呼ばれた。
ウガンヒラーガッコー
古堅学校分教場。
- メモ
- 1907(明治40)年ウガンヒラー西側にハーガラ(キビの葉)屋根の古堅尋常小学校分校が設置され、2か年だけではあるが、字楚辺や付近の屋取集落の子どもが通った。
ウガンヒラガー
御願坂井戸。楚辺の井戸の名称。
- メモ
- ウガンガーともいう。明治44年にウガンヒラー北西に掘られたチンガー(つるべ井戸)。深さは20尋(30m)以上といわれる。
ウガンブトゥチ
行事名。{おがんほとき(御願解き)}。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み。
- メモ
- 音1:ウグヮンブトゥチ。音2:フトゥチウガン・フトゥキウグヮン・フトゥチヌウグヮン。類:シーシミチ。
竈周りを掃除し、火の神にウチャヌク、花米、酒を供え1年の加護を感謝し、翌年の健康を祈願する。その際に、竈周りで女達が話した悪い話を天上では披露してくれるなと火の神に願う。
ウガンゥンメー
集落の祈願を担う50代の男性。
- メモ
- 宇座・長浜・儀間ではウガンゥンメーが各戸を廻り歩いて、火の用心の祈願を行なった。
→ウガンウスメー。
ウキーカンティー
起きずらい。
- 用例
- チューヤ ヲゥタティ、ウキーカンティー ッシ(今日は疲れて、起きずらかった)。
ウキーン
起きる。
- 用例
- チューヤ アサ ヘーク ウキタン(今日は朝早く起きた)。
否:ウキラン(起きない)希:ウキーブサン(起きたい)過:ウキタン(起きた)継:ウキトーン(起きている)。
- メモ
- 対:ニンジュン(寝る)。
ウキーン
受ける。
- 用例
- チャクシヤ、アチャ シケン ウキーン(長男は、明日試験を受ける)。
ナサキ ウキタン(親切にされた)。
否:ウキラン(受けない)希:ウキーブサン(受けたい)過:ウキタン(受けた)継:ウキトーン(受けている)。
ウキオーイン
受け入れる。
- 用例
- チャクシヤ ウリ ウキオーランシガ、ジナンヤ ウキオーティ スル クトゥ ナタン(長男はそれを受け入れないが、次男は受け入れてすることになった)。
ウキクサ
植物名。ホテイアオイ。
- 用例
- ウキクサヌ ハナヌ チュラサヨー(ホテイアオイの花がきれいなことよ)。
ウキジ
請地。百姓が耕作できなくなって取り上げた百姓地を、士族へ払い下げた土地。
ウキトゥイン
受け取る。
- 用例
- ウヤカラヌ ティガミ ウキトゥイン(親からの手紙を受け取る)。
否:ウキトゥラン(受け取らない)希:ウキトゥイブサン(受け取りたい)過:ウキトゥッタン(受け取った)継:ウキトゥットーン(受け取っている)。
- メモ
- 対:ウクイン(送る)。
ウキノースン
置き直す。
- 用例
- イバハヌ、アマンカイ ウキノーセー(狭いから、あそこに置きなおしなさい)。
- メモ
- 音1:ウチノースン。
ウキヒントー
受け答え。
- 用例
- マーカイ ゥンジン、ウキヒントーヤ リッパシーヨーヤー(どこに行っても、受け答えはちゃんとしなさいね)。
ウギミーン
追加する。補う。
- 用例
- タラーン ブノー、ンナッシ ウギミーサ(足りない分は、皆で補うさ)。
- メモ
- →ウヮースン。
ウキムチ
受け持ち。
- 用例
- クンドゥヌ ウキムチヌ シンシーヤ、イッペー ワカサンディ(今度の受け持ちの先生は、とても若いそうだ)。
ウキムルー
魚介名。カンパチ。
ウキラン マール
起きない間。
- 用例
- ワラビヌ ウキラン マール、ハルカイ ゥンジ クーヒー(子どもが起きない間に、畑に行ってくるね)。
ウキリ
おき火。種火。残り火。
- 用例
- ウキリ トゥティ ウチェーン(種火を取っておいてある)。
- メモ
- 音1:ウチリ。音2:ウッチリグヮー・ウチリビ。
ウキリウキリ
起き抜け。起きがけ。
- 用例
- ウキリウキリ タルムン、ムヌン カマリンナー(起き抜けなのに、ご飯が食べれるか)。
ウキン
植物名。ウコン。
- 用例
- ウキンヤ ドゥーカイ マシヤグトゥ、イートーカナ(ウコンは体に良いから、植えておこう)。
- メモ
- 音2:ウッチン。
ウクイケースン
送り返す。
- 用例
- コーイヤ サシガ、アンチュカ ジョートー アラングトゥ、ウクイケースン(買ったものの、あまり良くないから、送り返す)。
否:ウクイケーサン(送り返さない)希:ウクイケーシーブサン(送り返したい)過:ウクイケーチャン(送り返した)継:ウクイケーチョーン(送り返している)。
ウグイシ
鳥名。ウグイス。
![ウグイシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02135.jpg)
ウクイメー
模合のお金を取った人が、その後納めるべきお金。
- 用例
- ウクイメーヤ、ワシラングトゥニ ハラリヨー(模合のお金は、忘れないように払いなさいよ)。
- メモ
- →トゥイメー。
ウクイン
①送る。贈る。②葬送する。
- 用例
- ①ワラビンカイ ティガミ ウクイン(子どもに手紙を送る)。
ウンジ ウクランデー ナラン(恩返しをしなければならない)。
否:ウクラン(送らない)希:ウクイブサン(送りたい)過:ウクタン(送った)継:ウクトーン(送っている)。
②アンマーヤ アチャ ウクイン(お母さんは明日荼毘に付す)。
カサギママ ウクタン(妊娠したまま葬った)・木。グソーンカイ ウクラッティ(後生に送られて)。
過:ウクタン(葬送した)。
ウクイン
ウグイン
おごる。御馳走する。
- 用例
- チューヤ ティマ トゥッテーグトゥ、ムルカイ ウグイン(今日は手間賃を貰ったから、皆におごる)。
否:ウグラン(おごらない)希:ウグイブサン(おごりたい)過:ウグタン(おごった)継:ウグトーン(おごっている)。
ウクク
地名(南城市佐敷の小谷)。
ウクク シンザトゥ
地名(南城市佐敷の小谷と新里)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ウクスン
起こす。
- 用例
- ナー ジカン ナトーグトゥ、ワランチャー ウクスン(もう時間だから、子どもたちを起こす)。トーリトール キー、ンナシ ウクスン(倒れている木を、皆で起こす)。
否:ウクサン(起こさない)希:ウクシーブサン(起こしたい)過:ウクチャン(起こした)継:ウクチョーン(起こしている)。
- メモ
- 対:ニンシーン(寝かせる)
ウクディー
奥の手。
- 用例
- ウクディー チカティ(奥の手を使って)。
ウクディングヮ
門中の祖先神に仕える神人。
- 用例
- ナマー、トゥヌガキ ナイル ウクディングヮヌチャーヤ ゥンソーラン(今は、各字の拝所巡りできる神人はいない)。
- メモ
- 音2:クディングヮ。
霊力高い者が神霊のお告げで選ばれた。
ウクネー
行い。
- 用例
- ウクネーヌ ワッサヌ シンカヤ、ヤーカイ ケースンドー(行いが悪い人たちは、家に帰すよ)。
ウクブバル
{久保原}。古堅の小字。
ウグマ
植物名。胡麻。
- 用例
- ウグマカラ アンダ トゥイン(胡麻から油をとる)。
ウグマバンヤクー
菓子名。胡麻菓子。
- 用例
- アンマーガ チュクイル ウグマバンヤクーヤ、イッペー マーハタン(お母さんが作る胡麻菓子は、とても美味しかった)。
- メモ
- 少量の水で溶いた黒糖を、飴状になるまで煮詰め、油で炒った胡麻に混ぜる。それを冷ましてから適宜に切っておやつにした。楚辺では家普請の差し入れとして重宝された。
ウグママースグヮー
胡麻炒め。薄く油をしいて胡麻に少量の塩を振って炒めたもの。
- 用例
- ヌーン チャワキヌ ネーンネー、ウグママースグヮー ナミータサ(何も茶請けがない時には、胡麻炒めをなめたよ)。
ウクリーン
起こる。盛り上がる。
- 用例
- ニーシェーターガ ウクリーン(青年たちが決起する)。
イクサヌ ウクリラングトゥ スン(戦争が起こらないようにする)。
ウクリーン
遅れる。
- 用例
- ユージュヌ アティ、ムエーカイ ウクリーン(用事があって、模合に遅れる)。
否:ウクリラン(遅れない)希:ウクリーブサン(遅れたい)過:ウクリタン(遅れた)継:ウクリトーン(遅れている)。
ウクリーン
剥〔は〕げる。剥がれる。
- 用例
- ユカヌ ウクリーン(床が剥げる)。
カサンタヌ ウクリーン(かさぶたが剥げる)。
ウグリーン
再発する。
- 用例
- ヤンメーヌ ウグリーン(病気が再発する)。継:ウグリトーン(再発している)。
ウグヮン
{おねがい(御願)}。祈願。
- 用例
- アチャ ウグヮン ウサギーン(明日御願をする)。
- メモ
- →音1:ウガン。
ウグヮンウサギヤー
物知りで祈願を先導して行う人。
- 用例
- ウグヮンウサギヤー ウンチケーシ チャービタン(御願をする人をお連れしました)。
- メモ
- →音1:ウガンウサギヤー。
ウグヮンウスメー
集落の祈願を担う男性たち。
- メモ
- →音1:ウガンウスメー。
ウグヮンジュ
御願所。拝所。
- メモ
- 音1:ウガンジュ。
ウクヮンシンウドゥイ
{おかんせんおどり(御冠船踊)}。
- メモ
- 首里王府時代に演じられた宮廷芸能のこと。
瀬名波では、川平屋取の儀保カナミが首里から習い伝えた御冠船踊が演じられている。
ウグヮンダティ
{おがんだて(御願立て)}。
- メモ
- 親志では旧2月2日の土帝君拝みをウグヮンダティ、あるいはハチウガンといった。また、新築時の屋敷の吉凶や日取りなどを決め、建築工事の安全祈願にもいう。
ウグヮンヌクシバル
{拝之後原}。瀬名波の小字。
ウグヮンヌメーバル
{拝之前原}。瀬名波の小字。
ウグヮンブスク
{おがんぶそく(御願不足)}。祈願が足りないこと。
- 用例
- イサヌヤー カカティン ノーランティカラ、ウレー ウグヮンブスクル ヤル(医者に罹っても治らないなら、それは御願不足だよ)。
ウグヮンブトゥチ
行事名。{おがんほとき(御願解き)}。12月24日に1年の加護を感謝する拝み。
- 用例
- アチャヤ ウグヮンブトゥチ ヤグトゥ、ヒヌカヌン リッパ ソージシワル ナインドー(明日は御願解きだから、火の神もきれいに掃除しないといけないよ)。
- メモ
- →音1:ウガンブトゥチ。
ウクン
置く。
- 用例
- アチミヤーニ ゥンマンカイ ウクンテー(集めてそこに置くさ)。
- メモ
- 音1:ウチュン・ウッチュン。
ウクンケー
接待。応対。
- 用例
- ルク チャクヌ ウーサイニン、ウクンケー スンディ デージ(あまり客が多くても、接待するのに大変だ)。
シンシーリチン ウマーン、ウカットゥニ ウクンケー ソーサ(先生とも思わないで、簡単に応対してしまった)。
ウケー
お粥〔かゆ〕。
- 用例
- ムヌカミアンマサラー、ウケー ニチ カマシェーワ(食欲がないなら、お粥を炊いて食べさせなさい)。
- メモ
- 類:ウケーメー。
主に病人や産婦が食したが、夏の暑い日にお粥を食することもあった。
ウケーメー
お粥〔かゆ〕。
![ウケーメー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02169.jpg)
- 用例
- ウケーメー ニチェーサ、ヘーク アチサイニ カメー(お粥を炊いてあるよ、早く温かいうちに食べなさい)。
- メモ
- →ウケー。
ウコー
御香。線香。
- 用例
- ウコーカイ ヒー チキティ、ウコールンカイ タティレー(線香に火をつけて、香炉に立てなさい)。
ウコー カミレー(線香を押しいただきなさい)。
ウコール
御香炉。
- 用例
- クンドー ウコール コーイケーイン(今年は香炉を買い替える)。
- メモ
- 音2:コール。
ウコールイシ
御香炉石。墓の部所名のひとつ。
ウコーレー
{おこうだい(御香代)}。御香典。
- 用例
- ハチナンカヌ ウコーレーヤ、チャッサナー チチメー シムガヤー(初七日の香典は、幾ら包んだらいいのかな)。
- メモ
- 音2:コーデー。類:ウスデー・スデー。
ウサーサー
抱卵〔ほうらん〕させる鶏。
- メモ
- 類:シダサー。卵を孵化させるのが上手な種類の鶏。他の鶏の卵を抱かせた。
ウサースン
合わせる。合掌する。合祀する。
- 用例
- ティー ウサースン(手を合わせる)。
チュトゥクマカイ ウサースン(遺骨を一か所に合祀する)。
ウサーマートゥーニンジ
雑魚寝。
- 用例
- ユル ニッカ ナイネー、アサギヲゥティ ウサーマートゥーニンジ スタン(夜遅くなると、離れで雑魚寝した)。
- メモ
- 音2:ウヮーグヮーニンジ。
ウサーリーン
襲われる。押さえつけられる。下敷きになる。
- 用例
- ンカシェー、キジムナーンカイ ウサーリーンディヌ ハナシン、ユーアタンヤー(昔は、キジムナーに襲われるという話も、よくあったね)。
キジムナーンカイ ウサーリヤーニ イジカラン(キジムナーに襲われて動けない)。
マギイシンカイ ウサーットーン(大きな石の下敷きになっている)
否:ウサーラン(押さえつけられない)希:ウサーリーブサン(押さえつけたい)過:ウサーッタン(押さえつけられた)継:ウサーットーン(押さえつけらている)。
- メモ
- 音2:ウスラリーン。
ウサガイン
召し上がる。
- 用例
- ウシル マーサギサ ウサガイン(御汁を美味しそうに召し上がる)。
ウサガミソーレー(お召し上がりください)。
否:ウサガラン(召し上がらない)過:ウサガミソーチャン(召し上がった)継:ウサガトーン(召し上がっている)。
- メモ
- 音1:ウサガユン。類:ミシェーン・ミセーン。
ウサカティ
門中行事の経費。
- 用例
- ウサカティヤ、ムンチュー シンカシ ワップーシ アチミーン(門中の経費は、門中の人たちで分担して集める)。
- メモ
- ウサカティは、1年に一回ムートゥヤー(本家)が徴収する。
ウサカティワップー
門中行事の経費を各戸あるいは頭割りで分担すること。
- メモ
- 喜名では墓の改修、清明祭、アガリウマーイなどの門中行事の経費を各戸あるいは頭割りで分担することをウサカティワップーといった。ワップーは「割り当て、配分」の意味。
ウサガユン
召し上がる。
- メモ
- →音:ウサガイン。
ウサキー
そんなにたくさん。
- 用例
- ウサキーナー ムッチチェーサ(そんなにたくさん持ってきてあるさ)。
- メモ
- 音1:ウサキー。対:ウッピグヮー・ウヒグヮー(そんなにたくさん)。
ウサギーン
差し上げる。供える。
- 用例
- ①ウチャクンカイ チャワキ ウサギーン(お客さんに茶請けを差し上げる)。②ブチダヌンカイ ジューバク ウサギーン(仏壇に重箱を供える)。
ウサギヌミミー
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- 用例
- ウサギヌミミーヤ トゥイヌ ムヌン ヤタン(龍舌菜は鶏の餌でもあった)。
- メモ
- 音1:ウサジヌミミー。類:チーグサ・フクリーラー。
ウサギムン
供え物。捧げ物。
- 用例
- チャクガ メンシェーヌ メーニ、トートーメーンカイ ウサギムン ウサギレー(お客さんがいらっしゃる前に、仏壇に供え物をお供えしなさい)。
ウサジ
兎〔うさぎ〕。
- 用例
- ウサジグヮー ニチ カマシェー(〔子が授かるように〕ウサギを煮て食べさせなさい)。
ガッコーヲゥティ ウサジ カラトーン(学校でウサギを飼っている)。
ウサジヌミミー
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- メモ
- →音1:ウサジヌミミー。
ウサチ
酢の物。
![ウサチ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02188.jpg)
- 用例
- シチグヮチ ナカヌヒーヤ、ウサチ シキータン(旧盆の中日には酢の物を供えた)。
- メモ
- 旧7月14日は素麺のシームン(汁物)やウサチ等を供えた。
ウサディンプー
結婚式の道化役。ウサディンプーは婿側から酒の強い男性を頼み、その妻は豆腐泥棒の道化役に当てられた。
- 用例
- ウサディンプーガ「サリー サリー サリー、ミーユミヌ アヤーメー ウンチケー アギヤビラ」ディ ミケーン イチ、アンネー スタン(結婚式の道化役が「さあさあさあ、花嫁さんを御案内しましょう」と3回口上を述べ、花嫁の出立を促した)。
- メモ
- 音2:ウサリーヲゥンプー。
ウサミーン
①収める。②納める。③治める
- 用例
- ①トゥダナンカイ スムチ ウサミーン(戸棚に本を収める)。
②クィー ウサミーン(税金を納める)。
③ムラ ウサミーン(ムラを治める)。
否:ウサミラン(おさめない)希:ウサミーブサン(おさめたい)過:ウサミタン(おさめた)継:ウサミトーン(おさめている)。
ウサリーヲゥンプー
結婚式の道化役。ウサリーヲゥンプーは婿側から酒の強い男性を頼み、その妻は豆腐泥棒の道化役に当てられた。
- 用例
- ウサリーヲゥンプーヤ、サキジョーグーカラ イラブタン(結婚式の時の道化役は、酒の強い人を選んだ)。
- メモ
- →ウサディンプー。
ウサン
胡散〔うさん〕。あやしい様。
- 用例
- ウサンナ ムン(あやしい者)。
ウサン ウムヤーナカイ(あやしく思って)。
ウサンデー
直会〔なおらい〕。供え物のお下がり。神仏へ供えた後のお供え料理などをいただくこと。
- 用例
- ウサギムヌン サギティ、ウサンデー スシェー マシ ヤサ(供え物を下げて、いただいた方が良いよ)。
ウサンミ
{おさんみ(御三味)}。神仏にお供えする重箱料理。
- 用例
- ウサンミヤ シコーテーミ(供え物のお重は準備してあるか)。
ウサンミデー
{おさんみだい(御三味台)}。墓の部所名。重箱料理などの供え物を置く所。
ウシ
牛。
![ウシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02199.jpg)
- 用例
- ニッターヤ、ウシ イクチ カラトーミシェーガ?(あなたたちは、牛を何頭飼っていらっしゃるんですか?)。
ウジ
蛆〔うじ〕。
- 用例
- クサリティ ウジ ワチョーン(腐れて蛆がわいている)。
ウシアギーン
押し上げる。
- 用例
- マギハクヤ ティンジョーンカイ ウシアギーン(大きな箱は天井に押し上げる)。
否:ウシアギラン(押し上げない)希:ウシアギーブサン(押し上げたい)過:ウシアギタン(押し上げた)継:ウシアギトーン(押し上げている)。
ウシアミシグムイ
牛を浴びせる溜池。
- 用例
- エーライモーヌ ハタンカイ、ウシアミシグムイヌ アタン(エーライモーの方に、牛を浴びせる池があった)。
ウシー
二十四節気のひとつ。雨水〔うすい〕。
- 用例
- ウシーヌ ヒチニ ゥンニ イータン(雨水の節に稲を植えた)。
ウシーダ
{うすいだ(雨水田)}。雨水の節に稲を植える田んぼのこと。
ウシーマースン
抑えつける。
- 用例
- ヲゥトゥ チュラーク ウシーマースン(夫を見事に抑えつける)。
否:ウシーマーサン(抑えつけない)希:ウシーマーシーブサン(抑えつけたい)過:ウシーマーチャン(抑えつけた)継:ウシーマーチョーン(抑えつけている)。
ウシーミー
行事名。{おせいめい(御清明)}。清明祭。清明節に行うお墓参り行事のこと。
- 用例
- ウシーミーネー ハカヲゥティ ウサギティ アトゥ、 ハーマカイ ウリティ アシブタン(清明祭には墓で拝んだ後に、浜に下りて遊んだ)。
- メモ
- 音2:シーミー・シーミーメー。
喜名では役員が、ムートゥヤーの墓と野国総官の碑を拝む。その後に各家のシーミーを行った。
ウシームン
お吸い物。
- メモ
- 類:シームン。
盆の中日、旧7月14日の昼間は、素麺のお吸い物を供えた。→ウサチ。
ウジーン
怖気づく。
- 用例
- ウトゥルサヌ イチュシン ウジーン(恐くて行くのも怖気づく)。
カマデーヤ マーン ウジランドー(カマデーはどこも物怖じしないよ)。
否:ウジラン(怖気づかない)。過:ウジタン(怖気づいた)。継:ウジトーン(怖気づいている)。
ウシウシ
{おしおし(押し押し)}。無理矢理。
- 用例
- ウシウシニ イーチキラッタン(無理矢理に押しつけられた)。ワラビンカイ、ウシウシニ ムン カマチェー ナラン(子どもに、無理矢理にご飯を食べさせてはいけない)。
- メモ
- 音2:ウシムリ。
ウシェーイン
見くびる。馬鹿にする。
- 用例
- ガラサーヤ チュ ウシェーイン(カラスは人を馬鹿にする)。
否:ウシェーラン(馬鹿にしない)希:ウシェーイブサン(馬鹿にしたい)過:ウシェータン(馬鹿にした)継:ウシェートーン(馬鹿にしている)。
- メモ
- 音1:ウセーイン・ウシェーユン・ウセーユン。対:ウヤマイン(敬う)。
ウシェーティカカイン
頭から馬鹿にすること。
- 用例
- トゥシェー ウットゥル ヤシガ、ウシェーティカカティ ヌーリン ウマーン フージ(年は下なんだが、頭から馬鹿にして何とも思わないようだ)。
ウシェーユン
見くびる。馬鹿にする。
- 用例
- チュ ウシェーユン(人を馬鹿にする)。
- メモ
- →音1:ウシェーイン・ウセーイン・ウセーユン。
ウシオーラサー
牛の手綱をもって闘牛をさせる者。
- 用例
- ワッター オトーヤ、ウシオーラサーン スタンドー(私の父さんは、手綱を持って闘牛もさせていたよ)。
- メモ
- 音2:ウシカチミヤー。
闘牛の飼い主や同好の者からウシビットゥーと呼ばれる役員を選び、取り組みや闘牛など必要な任にあたった。ウシオーラサーもそのウシビットゥーから出るのが常だった。
ウシオーラシェー
闘牛。
![ウシオーラシェー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02219.jpg)
- 用例
- ワラビ ソーイネー、タンメーンカイ ソーラッティ ウシオーラシェー ンージーガ ゥンジャン(子どもの時には、祖父に連れられて闘牛を見に行った)。チューヌ ウシオーラシェーヤ チビラーサタン(昨日の闘牛は見事だった)。
- メモ
- 類:ウシウヮーシ。
ウシカキ
サバニ(刳船〔くりぶね〕)の部分名称。帆柱を立てる箇所。
ウシカキーン
押しかける。
- 用例
- スージヤーカイ ムルッシ ウシカキーン(祝いの席にみんなで押しかける)。
否:ウシカキラン(押しかけない)希:ウシカキーブサン(押しかけたい)過:ウシカキタン(押しかけた)継:ウシカキトーン(押しかけている)。
ウシカチミヤー
牛の手綱をもって闘牛をさせる者。
- メモ
- →ウシオーラサー。
ウシカラヤー
牛を飼っている者。
- 用例
- タンメーヤ、、ナゲー ウシカラヤー ソータン(祖父は、長いこと牛を飼っていた)。
ウシカンカー
行事名。悪除け行事。牛カンカー。
- メモ
- →カンカー。
ウシクェーバー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- 用例
- ウシクェーバーヤ、ウシヌ ナガニンカイ ユー シガイン(サシバエは、牛の背中によくたかる)。
- メモ
- 音1:ウシクェーベー。→ウーシベー。
ウシクェーベー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- 用例
- ウシクェーベーヌ マンローシヨ(サシバエがが多いことよ)。
- メモ
- 音1:ウシクェーバー。→ウーシベー。
ウシクェームシ
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- メモ
- →ウーシベー。
ウシクミーン
押し込める。
- 用例
- ヒサシ チューヂューク ウシクミーン(足で強く押し込めるよ)。
否:ウシクミラン(押し込めない)希:ウシクミーブサン(押し込めたい)過:ウシクミタン(押し込めた)継:ウシクミトーン(押し込めている)。
ウシクルサー
牛を屠殺する者。
ウシクルバーシェー
押し合いへし合い。
- 用例
- ウッサヌ ワランチャーガ ウシクルバーシェー ッシ、アブナサヌ(大勢の子どもたちが押し合って、危ない)。
- メモ
- 音2:クンクルバーシェー。
ウシクルバスン
押し転ばす。押し倒す。
- 用例
- ウングトゥー シーネー ウシクルバスンドー(そんなことをしたら押し転ばすよ)。
- メモ
- 音2:ウシケーラスン・ウシゲーラスン。
ウシグヮー
子どもの遊び。スイジガイやホシダカラなどの貝に紐を結わえたものを牛に見立てて、よちよち歩きの子どもが引いて遊んだ。
ウシグヮーオーラセー
子どもの遊び。土で牛の型を作り、角を突き合わせて戦わす遊び。
- 用例
- ンカシェー ヰーリムンディチン ネーングトゥ、ウシグヮーオーラセー シ アシブタン(昔はおもちゃといってもないから、ウシグヮーオーラセーして遊んだ)。
- メモ
- 角が折れたら負けとなる。粘土は角を丁寧に作って一日は乾かしておき、粘土を強化するために油を塗ることもあった。
ウシクンジョー
{うしこんじょう(牛根性)}。意地悪。悪い心。根性悪。
- メモ
- 音1:ウシクンジョー。音2:クンジョー。類:クンジョーワルー・ヤナヂム。馬は人を避けて通るが、牛は人の上からも通って行くといわれている。牛は根性が悪いということからの例えである。
ウシケーラスン
押し倒す。
- メモ
- →ウシクルバスン。
ウシゲーラスン
押し倒す。
- 用例
- メーンカイ ウシゲーラスン(前に押し倒す)。
否:ウシゲーラサン(押し倒さない)希:ウシゲーラシーブサン(押し倒したい)過:ウシゲーラチャン(押し倒した)継:ウシゲーラチョーン(押し倒している)。
- メモ
- →ウシクルバスン。
ウシザシ
男性用簪〔かんざし〕のひとつ。飾り簪。
- 用例
- ンカシェー ヰキガン ウシザシ サチ アッチュタン(昔は男性も簪をさしていたよ)。
- メモ
- 音1:ウシザチ。1音2:ウシザチジーファー・ウシザチジーファー。
廃藩置県前、士族男性がカタカシラに簪を差していたが、その脇に添えた装飾的な簪のこと。
ウシザシジーファー
男性用簪のひとつ。飾り簪。
- メモ
- →ウシザシ。
ウシザチ
男性用簪のひとつ。飾り簪。
- 用例
- ウシザチンチ クンナゲーヤ カミサシヌ アタン(以前はウシザチといって飾り簪があった)。
- メモ
- →音1:ウシザシ。
ウシザチジーファー
男性用簪のひとつ。飾り簪。
- メモ
- →音1:ウシザシジーファー。
ウシジャーグヮー
豆腐箱を使わずに作った豆腐。
- メモ
- 少ない大豆で、豆腐を作る時は、風呂敷などの布で包んだ上に重石をのせ固めた。
ウシチーン
押し切る。
- 用例
- オシキリシ ヲゥージ ウシチーン(押し切りでサトウキビを押し切る)。
否:ウシチラン(押し切らない)希:ウシチーブサン(押し切りたい)過:ウシチッチャン(押し切った)継:ウシチッチョーン(押し切っている)。
ウシチキーン
押しつける。押さえつける。
- 用例
- ンナシ チューヂューク ウシチキーン(皆で強く押さえつける)。
ナンジワジャ ウシチキラッタン(難儀なことを押しつけられた)。
否:ウシチキラン(押さえつけない)希:ウシチキーブサン(押さえつけたい)過:ウシチキタン(押さえつけた)継:ウシチキトーン(押さえつけている)。
ウシチリーン
{おしつれる(押し連れる)}。連れ立つ。
- 用例
- シンシーター ヤーカイ、ムルッシ ウシチリティ イチュン(先生の家に、皆で連れだって行く)。
継:ウシチリトーン(連れ立っている)。
ウシヂンナン
黒い大きなカタツムリ。
- 用例
- ウヒナーヌ ウシヂンナン ヤテール(そんなにも大きな黒いカタツムリだったんだね)。
ウシドゥイ
鳥名。オシドリ。
ウシドゥキーン
押し退ける。
- 用例
- ウヌ ニムチェー ジャマ ヤグトゥ、アマンカイ ウシドゥキーン(その荷物は邪魔だから、あそこに押し退ける)。
否:ウシドゥキラン(押し退けない)希:ウシドゥキーブサン(押し退けたい)過:ウシドゥキタン(押し退けた)継:ウシドゥキトーン(押し退けている)。
- メモ
- 音1:ウシヌキーン。
ウシドゥシ
丑年。
- 用例
- ヤーノー ウシドゥシ ヤンヤー(来年は丑年だね)。
ウシトゥラヌカジ
{うしとらのかぜ(丑寅の風)}。北東の風。
ウシナー
闘牛場。
- 用例
- ドゥーター ウシヌ カッチュシトー マジュン、ウンメーヤ ウシナーンカイ ウリティ カチャーシー モーイタン(自分の家の牛が闘牛で勝つと同時に、祖母は観客席から闘牛場に下りてカチャーシーを踊った)。
ウシナーヌ ソージ シーガ イチュン(闘牛場の掃除をしに行く)。
- メモ
- 読谷山では明治期から闘牛が盛んで、楚辺・喜名・伊良皆では、字で闘牛場を設営していた。昭和8(1933)年には読谷山村営の闘牛場が設営され、原山勝負に楚辺・喜名・伊良皆合同の闘牛大会が行われた。大湾では、大正11(1936)年に、メーダグシク近くに設営された闘牛場で、興業としての闘牛大会が行われ、戦後は、大湾トゥキシヌヤマにできた闘牛場で昭和40年代まで闘牛が行われていた。
ウシナイン
失う。亡くす。無くす。
- 用例
- チュンカイ ダマサリーネー ゼーサン ウシナインドー(人に騙されると財産を失うよ)。
クヌユー ウシナタン(現世を失った〈亡くなった〉)。
否:ウシナラン(失わない)過:ウシナタン(失った)継:ウシナトーン(失っている)。
ウシナガスン
押し流す。
- 用例
- ミジ カキヤーニ、フカンカイ ウシナガスン(水をかけて、外に押し流す)。
否:ウシナガサン(押し流さない)希:ウシナガシーブサン(押し流したい)過:ウシナガチャン(押し流した)継:ウシナガチョーン(押し流している)。
ウジニ
滋養食。
- 用例
- ウジニ カミーガ クーワンチ、クヮンチャー アビタン(滋養食を食べにおいでと、子どもたちを呼んだ)。
- メモ
- 音2:ウジネームン・ウジニグスイ・ウジニーグスイ。
ウジニーグスイ
滋養食。
- 用例
- ウヮーヌ チムグヮーヤ ウジニーグスイ ヤサ(豚レバーは滋養食だよ)。
- メモ
- →ウジニ。
ウシニンジュ
{うしにんず(牛人数)}。闘牛に関わっている者。
- メモ
- 昭和に入って、伊良皆ではウシニンジュと呼ばれる闘牛組合が組織された。闘牛の組み合わせは組合の役員に一任され、ウシオーラサーは組合員の中から選任された。
ウシニンムリニン
無理矢理に。
- 用例
- チューヤ、ウシニンムリニン ソーティ イキワル ナインデー(今日は、無理矢理に連れて行かなくちゃいけないよ)。
ウシヌイジェーク
優れた大工。仕事は遅いが優れている大工。
- 用例
- ウシヌイジェークヤ スグリムンドー(ウシヌイジェークは優れ者だよ)。
- メモ
- 対:ターバージェークー(下手な大工)。
ウシヌキーン
押し退ける。
- 用例
- メーンカイ イチュンディ、チュ ウシヌキーン(前に行こうとして、人を押し退ける)。
否:ウシヌキラン(押し退けない)希:ウシヌキーブサン(押し退けたい)過:ウシヌキタン(押し退けた)継:ウシヌキトーン(押し退けている)。
- メモ
- 音1:ウシドゥキーン。
ウシヌク
押し鋸。
ウシヌクスー
①牛の糞。②乳児の頭にできる脂漏性湿疹〔しろうせいしっしん〕。
- 用例
- ①ダー、ウシヌクスー クラミティ ネーンシェー(ほら、牛の糞を踏んでしまったさ)。②ワランチャー ウシヌクスーヤ、ハガンキディ イービタセーヤ(子どもの頭の湿疹の瘡蓋〔かさぶた〕は、剥がすなと言ったよね)。
- メモ
- ②湿疹の形が牛の糞に似ていることからウシヌクスーと呼ばれた。
ウシヌクブー
後頭部。盆の窪〔くぼ〕。
- メモ
- 類:ウシヌクンモー・ウシルクブー・ウスル・ウスルクブー。
ウシヌクンモー
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ウシヌクンモー サーティンリ(後頭部を触ってごらん)。
- メモ
- 類2:ウシルクブー。類:ウスル・ウスルクブー。
ウシヌシシ
牛肉。
- 用例
- ウッサキーヌ ウシヌシシヤ マーカラガ(そんなにたくさんの牛肉はどこからねぇ)。
ウシヌチーチー
牛乳。
ウシヌッチュ
丑年生まれの人。
- 用例
- ウシヌッチュヤ、ハマヤーガ マンドーンディ(丑年生まれの人は、頑張りやが多いそうだ)。
ウシヌトゥイ
おしどり夫婦。
- 用例
- アッターヤ ウシヌトゥイ ヤンドー(彼らはおしどり夫婦だよ)。
ウシヌミンタマ
牛の目玉。大粒の雨の比喩。
- 用例
- ウシヌミンタマヌ グトゥ アミ フトータン(牛の目玉のような大粒の雨が降っていた)。
ウシヌミンタマー
植物名。ツルソバ。
![ウシヌミンタマー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02265.jpg)
ウシヌヤー
牛小屋。
- 用例
- ヘーク ウシヌヤーン ソージ シーヨー(早く牛小屋も掃除しなさいよ)。
ウジネーイン
栄養を補う。
- 用例
- シシ カマチ クンチ ウジネーイン(肉を食べさせて栄養をつける)。
否:ウジネーラン(補わない)希:ウジネーイブサン(補いたい)過:ウジネータン(補った)継:ウジネートーン(補っている)。
- メモ
- →ウジニ。
ウジネームン
滋養食。
- 用例
- アンマーガ、ウジネームン ムッチ チェーサ(お母さんが、滋養食を持って来てあるよ)。
- メモ
- →ウジニ。
ウシバクヨー
{うしばくろう(牛博労)}。牛の売買をする人。
ウシビットゥー
{うしひっとう(牛筆頭)}。闘牛に関わっている者。
- 用例
- ウシビットゥーヌ スリーガアン(闘牛関係者の集まりがある)。
- メモ
- 音2:ウシニンズ
ウシベー
昆虫名。サシバエ。牛舎に発生する小蠅。
- メモ
- →音1:ウーシベー。
ウシマー
冬物の野良着。古くなった木綿の着物を野良着にした。
- 用例
- ハルカイヤ ナチェー クルジナー、フヨー ウシマー チータン(畑には夏はクルジナー、冬はウシマーを着た)。
- メモ
- 類:チームングヮー・チヂングヮー・ハルブクター。
ウシマカネー
{うしまかない(牛賄い)}。闘牛前の牛に栄養をつけること。、
- 用例
- ウシマカネーディシェー、オーヤーウシカイ ジヨー チキーヌ タミヌ ムン ヤタン(牛賄いというのは、闘牛用の牛に栄養をつけるためのものだった)。
- メモ
- ご飯にハチグヮチャーマーミ(ささげ)を入れて炊いたり、鶏を潰してあげたり、卵酒を飲ませるところもあった。
ウシマギーン
①押し曲げる。②屈服させる。
- 用例
- ①ハガニ ウシマギーン(鋼を押し曲げる)・木。
否:ウシマギラン(押し曲げない)希:ウシマギーブサン(押し曲げたい)過:ウシマギタン(押し曲げた)継:ウシマギトーン(押し曲げている)。
②イーシ チカンアレー、ンナシ ウシマギーサ(言うことを聞かないなら、皆で言うことを聞かせるさ)。
- メモ
- ②考え方をねじ伏せて無理に言うことを聞かそうとする。
ウシマジムン
牛の妖怪。牛に化けた魔物。
- 用例
- ユービ、ウシマジムンヌ ゥンジトータンディサ(昨夜、牛のお化けが出たそうだ)。
- メモ
- 伝承話では動物の妖怪話があり、ウシマジムンもそのひとつである。
ウシマチ
牛市〔うしいち〕。
- メモ
- 1922(大正11)年比謝矼に開設した仔牛市場。
山原船は渡具知の港に牛を下ろしたので、渡具知の青年たちは1頭につき5銭の手間賃をもらって比謝矼のウシマチまで引いて行った。頑丈な牛を真ん中にして、5頭引いていって25銭得ることもあった。→マチ。
ウジミ
地名(大宜味村)。
ウシミグイ
{うしめぐり(牛巡り)}。鑑識眼や情報量をもっている人が、頻繁に家畜の売買を繰り返すこと。
- メモ
- 音2:ゥンマミグイ。
売買を繰り返すことで差益を得る人をミグイジョージといった。
ウシムシ
二十四節気の2つ。雨水と啓蟄〔けいちつ〕。
ウシムリ
{おしむり(押し無理)}。無理矢理。
- 用例
- ウシムリニ ヤマトゥンカイ ソーラッティ イカリーン(無理矢理に大和へ連行される)。
- メモ
- →ウシウシ。
ウシムルスン
押し戻す。
- 用例
- チカラマカシニ ウシムルスン(力任せに押し戻す)。
否:ウシムルサン(押し戻さない)希:ウシムルシーブサン(押し戻したい)過:ウシムルチャン)(押し戻した)継:ウシムルチョーン(押し戻している)。
ウシモー
牛の野原。牛を放牧する野原。
- メモ
- 比謝矼のウシモーは子牛市場の牛を繋ぎとめた野原だった。
ウジャ
{ござ(御座)}。座敷。
ウジュー
御重。
- 用例
- サングヮチヌ ハマアシビネー、ウジュー シコーイン(3月の浜遊びには、御重を作る)。
- メモ
- 音2:ウジューグヮー。
ウジューグヮー
御重。
- 用例
- ハチカーネー ウジューグヮー ムッチゥンジ、ドゥシンチャートゥ マジョーン カラン(1月20日には御重を持ちよって、友達と一緒に食べた)。
- メモ
- →ウジュー。
ウシュガナシー
{おしゅがなし(御主加那志)}。琉球王の尊称。御主人様。御主君様。
- メモ
- →ウスー。
ウシユシーン
押し寄せる。
- 用例
- シラギナミヌ ウシユシティチューン(津波が押し寄せてくる)。
否:ウシユシラン(押し寄せない)希:ウシユシーブサン(押し寄せたい)過:ウシユシタン(押し寄せた)継:ウシユシトーン(押し寄せている)。
ウジュミーン
埋める。
- 用例
- ハルカイ フテール アナンカイ、クサリムン ウジュミーン(畑に掘った穴に、腐れた物を埋める)。
否:ウジュミラン(埋めない)希:ウジュミーブサン(埋めたい)過:ウジュミタン(埋めた)継:ウジュミトーン(埋めている)。
- メモ
- 音1:ウズミーン。音2:ウミーン。
ウジュムン
目覚める。
- 用例
- ウヌ ワラベー、アンシ ウジュムンヤー(その子は、よく〈寝ている最中に〉目を覚ますね)。
- メモ
- →ウズムン。
ウジュルジョーカー
民具。野菜を洗う竹製のザル。
- 用例
- ヤマカラ ダキ トゥッティッチ、ウジュルジョーカー チュクイン(山から竹を取って、来てザルを作る)。
- メモ
- 音2:ウジュルハージャー。
ウジュルダムン
薪にする小枝。
- 用例
- ウジュルダムンヤ、ゥンム デークニートゥ ケールー シチャン(薪にする小枝を、芋や大根と交換した)。
- メモ
- 音1:ウズルダムン。
ウジュルハージャー
民具。野菜を洗う竹製のザル。
- 用例
- ダキッシ ウジュルハージャー チュクトーン(竹でザルを作っている)。
- メモ
- →ウジュルジョーカー。
ウジラ
鳥名。ウズラ。
ウジラーサン
愛らしい。可愛い。
- 用例
- アンシ ウジラーサヌ ワラビ ヤル(なんて愛らしい子どもなんでしょう)。
- メモ
- 音1:ウズラーサン。
幼い者に対して使う。
ウジラミー
棹〔さお〕にまだら模様がはいった三線〔さんしん〕。
ウシルクブー
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ワームン ウシルクブー サーティンリ(私の後頭部を触ってごらん)。
- メモ
- →ウシヌクンモー。
ウシロー ガニロー
唱え言葉。牛だよカニだよ。ハゼの木の下を通る時に唱える呪文。
- メモ
- ハゼの木にかぶれるとカニの泡をつけると治るといわれた。
ウシワキーン
押し分ける。かき分ける。
- 用例
- チュ ウシワキティ、メーカイ イチュタン(人を押し分けて、前に行った)。
否:ウシワキラン(押し分けない)希:ウシワキーブサン(押し分けたい)過:ウシワキタン(押し分けた)継:ウシワキトーン(押し分けている)。
ウシワキワキ
押し分けている様。
- 用例
- ウシワキワキ ッシ、イッチ ハイタン(押し分けながら、入って行った)。
ウシウヮーシ
闘牛。
![ウシウヮーシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02211.jpg)
- 用例
- ウシウヮーシ メーネー ウシンカイ クーガザキン クィータンドー(闘牛の日が近づくと、牛に卵酒をあげたよ)。
ドゥーナー ウシヌ ウシウヮーシニ カッチーネー ヤーンカイ ケーティカラ スージ スタン(自分の牛が闘牛で勝つと家に帰ってお祝いしたよ)。
- メモ
- 類:ウシオーラシェー。
喜名では、牛を突き合わせて個々で楽しんでいたものが、闘牛場が設けられて、畜産奨励の意味を含めた恒例行事となり、原山勝負の余興として行なわれたとのこと。長浜・伊良皆・楚辺でも闘牛を行なった。伊良皆では4月から9月まで、月1回、部落内の牛だけ約20組で闘牛が行なわれ、その他、村主催の原山勝負の闘牛大会にも出場した。
ウジン
御膳。
![ウジン](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02302.jpg)
- 用例
- ウジヌンカイ イッティ クーワ(御膳に入れてきなさい)。
ウシンキー
女性の帯を使わない着物の着用方法。着物の前端を下袴の紐に押し込み前が開かないようにする着方。
- 用例
- アヌ ヰナグヌ ウシンキーヌ チュラハヨー(彼女の着物姿の美しいこと)。
- メモ
- 音1:ウシンチー。
ウシングヮ
子牛。
![ウシングヮ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02304.jpg)
ウジングヮー
高御膳より短い脚が付いた御膳。
ウジングヮームイ
御膳盛。ご馳走を盛った小さな御膳。
- 用例
- ウジングヮームイヤ、ワランチャーンカイ ムッチ ケーイタン(御膳盛のご馳走は、子どもたちのために持ち帰った)。
- メモ
- 音2:ウジンムイ・
ウシンチー
女性の帯を使わない着物の着用方法。着物の前端を下袴の紐に押し込み前が開かないようにする着方。
- 用例
- ウービ チカーンヨークー ウシンチー スタン(帯を使わずに着物を押し込んで着けた)。
- メモ
- 音1:ウシンキー。
ウシンチュン
押し込む。
- 用例
- フチュクルンカイ クヮーシ ウシンチュン(懐にお菓子を押し込む)。
否:ウシンカン(押し込まない)希:ウシンチーブサン(押し込めたい)過:ウシンチャン(押し込んだ)継:ウシンチョーン(押し込んでいる)。
ウシントゥー
台所。
- 用例
- ウシントゥーヤ ヒングブッター ソーヌ アナヤーグヮー ヤタン(台所はすすだらけの小屋だった)。
- メモ
- 音1:ウスントゥー。→イーウスントゥー。
ウジンムイ
御膳盛。ご馳走を盛った小さな御膳。
- 用例
- ウジンムイヤ シコーテーミ(御膳に御馳走を準備しているねぇ)。
ウジンムイヌ クヮッチーヤ、カマンヨークー チトゥ スタン(御膳盛の御馳走は、食べないで土産にした)。
- メモ
- お祝いの御馳走は豆腐、昆布、肉、大根、粟天ぷら、揚げ物などの御膳を出した。→ウジングヮームイ。
ウシゥンマ
牛馬。
- 用例
- ウシゥンマヌ グトゥ、クンチカイン(牛馬のごとく、こき使う)。
ウス
潮。潮水。
- 用例
- ウスヌ ミッタンマール ヘーク ヤーカイ ケーラナ(潮が満ちてこないうちに早く家に帰ろう)。
- メモ
- 音2:スー。
ウスアカサン
薄明るい。
- 用例
- ナー ユーン アキティ ウスアカサン(もう夜が明けて薄明るい)。
ウスイン
葬る。
- 用例
- キーヌ シチャンカイ ウスイン(木の下に葬むる)。
ハマンジ ウスイン(浜で葬る)。
ウスイン
押す。押さえる。
- 用例
- ドゥーチュイシェー ゥンブサグトゥ ンナシ メーカイ ウスイン(自分1人では重たいので皆で前に押す)。
イジカングトゥシ マギイシシ ウスイン(動かないように大きな石で押さえる)。
ナマ ハン ウスイン(今、印鑑を押す)。
否:ウスラン(押さない)希:ウスイブサン(押したい)過:ウスタン(押した)継:ウストーン(押している)。
ウスイン
覆う。被せる。
- 用例
- チュガ ンラングトゥシ、キーヌファーシ ウスイン(人が見ないように、木の葉で覆う)。
ナービ ウスイル フタ(鍋に被せる蓋)。
否:ウスラン(覆わない)希:ウスイブサン(覆いたい)過:ウスタン(覆った)継:ウストーン(覆っている)。
ウスイン
抱卵する。
- 用例
- トゥイヌ クーガ ウストーン(鶏が卵を抱いている)。
ウスイン
襲う。
- 用例
- ッチュ ウスイン(人を襲う)。
ウスー
{おしゅ(御主)}。王様。国王様。琉球王の尊称。御主人。
- メモ
- 音2:ウシュガナシー・ウスガナシーメー。
転じて、赤犬子御主前、甘藷御主のように、敬称として用いる場合がある。
ウスウビー
うろ覚え。
- 用例
- ウスウビール ソール、シカットー ウビランサー(うろ覚えであって、ちゃんとは覚えてないね)。
ウスエー
子どもの遊び。お金の裏表を言い当てる遊び。
- メモ
- 音1:ウスヰー。類:チャンクルー・チョーバングヮーチャンクルー。→チャンクルー。
ウスガナシーメー
{おしゅがなしまえ(御主加那志前)}。琉球王の尊称。
- メモ
- →ウスー。加那志、前はどちらも敬称の接尾辞。日常で使うことはない。
ウスク
植物名。アコウ。
- メモ
- 音2:ウスクギー。
ガジュマルに似ているが、葉実ともに大きい。実はいちじくに似ていて食用になる。
ウスク ガジマル
植物名。アコウやガジュマル。
- 用例
- ウスク ガジマルヤ、マギ ヤシキンカイ イーラットータン(アコウやガジュマルは、大きな屋敷に植えられていた)。
- メモ
- ウスクはガジュマルに似て、ともに屋敷林として用いられることが多く併称された。
ウスクギー
植物名。アコウ。
- メモ
- →ウスク。
字儀間では、集落の中央に大きなウスクギーがあり、それに綱を掛けて綱打ちをした。
ウスクドーバル
{於須久堂原}。大木の小字。
ウスクバル
{宇須久原}。儀間の小字。
ウスグラサン
薄暗い。
- 用例
- アミフイネー ヤーヌ ウチヤ ウスグラサンヤー(雨降りには家の中は薄暗いね)。
ウスクンバーマ
潮汲み浜。
- メモ
- 海浜地名でニガリ用に潮を汲んだところを言う。
ウスサン
遅い。
- 用例
- ナマディー クーランシガ、ウスサンデー(未だに来ないが、遅いよ)。
- メモ
- 音2:ニーサン。類:ニーハン。対:ヘーサン・ヘーハン(早い)。
ウスサン
①薄い。②色が薄い。
- 用例
- ①キジヌ ウスサン(生地が薄い)。②ウヌイルヤ ウスサン(その色は薄いよ)。
- メモ
- 類:ヒッサン 対:アチサン・アチハン(厚い)。
ウスジュン
そぎ落とす。
- 用例
- ハナ ウスジュン(鼻をそぎ落とす)。
- メモ
- 音1:ウスヒジュン。
ウスデー
{おしゅだい(御酒代)}。お祝いや法事に差し出す金一封。
- 用例
- クヮナシスーギカイ ウスデー ムッチ イクン(出産祝いにお祝儀を持って行く)。
- メモ
- →ウコーレー。
ウスデーク
{うすだいこ(臼太鼓)}。臼太鼓踊り。
- メモ
- 神人によって踊られていた古い形態のアシビで、読谷村には伝わっていない。
ウスハゴーサン
不気味。薄気味悪い。
- 用例
- アマー ユル ナイネー、ウスハゴーサン(あそこは夜になると、薄気味悪い)。
ウスハジカサン
気恥ずかしい。
- 用例
- ンナヌ メーヲゥティ モーイネー、イヘー ウスハジカサンレー(皆の前で踊ると、少し気恥ずかしいよ)。
- メモ
- 音2:チラハジカサン。
ウスバスン
伏せる。下に向ける。
- 用例
- チカテール マカイヤ バーキンカイ ウスバスン(使ったお碗はザルに伏せておく)。
カマンタヤ ウスバチェー ウクナ(鍋蓋は伏せて置くな)。
否:ウスバサン(伏せない)希:ウスバシーブサン(伏せたい)過:ウスバチャン(伏せた)継:ウスバチョーン(伏せている)。
ウスビーサン
肌寒い。
- 用例
- ジューグヮチン スギレーカラー、アサユサヤ ウスビーサン(10月も過ぎたら、朝夕は肌寒い)。
- メモ
- 音2:シービーサン・シービーハン。
ウスヒジュン
そぎ落とす。
- 用例
- キーヌカー ウスヒジュン(木の皮をそぎ落とす)。
- メモ
- 音1:ウスジュン。
ウスマサ
すごく。とても。
- 用例
- アマヌ トーフヤ ウスマサ マーササ(あそこの豆腐はとても美味しいよ)。
ウスマサ マチウタッタン(思いきりやられた)。ウスマサ カムン(すごくよく食べる)。
ウスマサ マギードー(ものすごく大きいよ)。
ウスマシームン
ものすごいこと。
- 用例
- ワッタガ ユージュカイ ゥンジトーイニ、ワランチャー アチマティ ウスマシームン ナトーン(私たちが用事に行っている時に、子どもたちが集まってものすごいことになっている)。
デージ ウスマシームン ヤタン(とってもおぞましいものだった)。
ウスミー
薄目。まぶたを少し開けて見ること。
- 用例
- ウスミー アキティ ンチョーン(薄目を開けて見ている)。
ウスミーン
薄める。
- 用例
- ンジャサグトゥ、ミジ イッティ ウスミーン(苦いから、水を入れて薄める)。
否:ウスミラン(薄めない)希:ウスミーブサン(薄めたい)過:ウスミタン(薄めた)継:ウスミトーン(薄めている)。
ウズミーン
埋める。
- メモ
- →音1:ウジュミーン。
ウスミジ
海水。潮水。
- 用例
- ワッター シマンデーヤレー カー フティン ウスミジガ イッチチューヌ バーヌ アイビーンヨー(我々の集落では、井戸を掘っても潮水が入ってくる場合があるんですよ)。ワカサイネー イシミジン ヌリチョーン(若い時には潮水も飲んできた〈潮水を飲むような苦しい経験もしてきた〉)。
ウスムトゥ
台所。
- 用例
- ウスムトゥカラ アンビン ムッチクーワ(台所から水差しを持ってきなさい)。
- メモ
- →イーウスントゥー。
ウズムン
目覚める。
- 用例
- ユナカ、イクケーヌン ウズムン(夜中、何度も目が覚める)。
- メモ
- 音1:ウジュムン。
ウスメー
祖父。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ、マーカイ ハンシェータガヤー(私たちのお祖父さんは、どこに行かれたのかな)。
ウスメーマーチ
おじいさん松。老松の呼称。
- メモ
- 音2:クラガーマーチ。楚辺の暗川近くに生えていた大きな松の木。
ウスヰー
子どもの遊び。お金の裏表を言い当てる遊び。
- 用例
- ウスヰー ヒチ アシドーン(ウスヰーして遊んでいる)。
- メモ
- →ウスエー・チャンクルー。
ウズラーサン
愛らしい。可愛い。
- メモ
- 音1:ウジラーサン。
ウスラリーン
襲われる。押さえつけられる。下敷きになる。
- 用例
- キジムナーンカイ ウスラリーンドー(キジムナーに押さえられるよ)。否:ウスラリラン(襲われない)希:ウスラリーブサン(襲われたい)過:ウスラッタン(襲われた)継:ウスラットーン(襲われている)。
- メモ
- →ウサーリーン。
ウスリーン
畏れる。敬う。尊ぶ。
- 用例
- ウカミ ウスリーン(神様を畏れる)。
ウヤヌ ウスリタンリ(親が一目置いたそうだ)。
ウスリトービーン(畏れ敬います)。
- メモ
- 祭祀の場合、屋根の低い神アサギに、「ウスリトービーン」と言って入った。
ウスル
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ウスル ヤマチネーン(後頭部を怪我してしまった)。
- メモ
- →ウシヌクンモー。
ウズル
葉野菜。なっぱ。
- 用例
- ユーバヌンカイ チカイル ウズル アラレー(夕飯に使う野菜を洗いなさい)。
- メモ
- 類:オーファ・ハーヤシェー。
ウスルクブー
後頭部。盆の窪。
- 用例
- ウスルクブーンカイ ニーブターガ ゥンジトーン(後頭部におできができている)。
- メモ
- →ウシヌクンモー。
ウズルダムン
薪にする小枝。
- 用例
- タムンヌ イキラク ナトーグトゥ、ウズルダムン ヒッティ クーワ(薪が少なくなっているから、小枝を拾って来なさい)。
- メモ
- 音1:ウジュルダムン。
ウスワレー
薄笑い。かすかに笑うこと。薄ら笑い。
- 用例
- シクチ イーチキティン ヒントーン サン チャー ウスワレー ソーン(仕事を言いつけても返事もせずにいつも薄ら笑いしている)。
ウスントゥー
台所。
- 用例
- アンマーヤ、スントゥーヲゥティ ムン カローン(お母さんは、台所でご飯を食べている)。
- メモ
- →イーウスントゥー。
ウセーイン
見くびる。馬鹿にする。
- 用例
- イャーヤ ワンドゥ ウセートールイ(お前は私を馬鹿にしているのか)。
- メモ
- →音1:ウシェーイン・ウシェーユン・ウセーユン。
ウセーユン
見くびる。馬鹿にする。
- メモ
- →音1:ウセーイン・ウシェーイン。
ウタ
歌。
- 用例
- アレー、イッペー ウタ ジョージ ヤン(彼は、とても歌が上手だ)。
ウタイコータイ
売り買い。
- 用例
- ウタイコータイ、ヌーガル マシ ヤラー ワカラン(売ったり買ったり、何がいいのか分からない)。
ウタイン
歌う。鶏が鳴く(時を知らせる)。
- 用例
- イャー ツゲー ワンガ ウタイン(君の次は私が歌う)。
トゥイヌ ウタトーグトゥ、ユーン アキーンドー(鶏が鳴いているから夜も明けるよ)。
否:ウタラン(歌わない)希:ウタイブサン(歌いたい)過:ウタタン(歌った)継:ウタトーン(歌っている)。
ウタガイン
疑う。
- 用例
- チャー、ユヌッチュ ビカーン ウタガイン(いつも、同じ人だけをを疑う)。
否:ウタガラン(疑わない)希:ウタガイブサン(疑いたい)過:ウタガタン(疑った)継:ウタガトーン(疑っている)。
ウタカビ
{おたかべ(御たかべ)}。神への祈願。呪祈的歌謡。
- メモ
- ウマチーなどで、おたかべ「が唱えられた。べ(おたかべ)とは神女が神に対して祈願する唱え言。対句、語句の繰り返しが多い。
伊良皆の2月ウマチーでは、2日前の13日夕方に3軒の根屋でウタカビが行なわれた。
楚辺では、神アサギの周囲に縄を張りウタカビをした。ウタカビが始まるとその日は、針や鍬を使ってはいけないといわれ、禁を破るとハブが出るといわれた。→ウマチー。
ウタキ
{おたけ(御嶽)}。拝所。
- 用例
- アチャヤ ウガミ ヤグトゥ、ウタキ ソージ シッチャン(明日は拝みだから、ウタキを掃除してきた)。
- メモ
- 豊かさを招き、部落の守り神として信仰された聖域。
神女たちが祈願や祭を行なったりする所。祖先神の墓所がウタキになったともいわれる。
ウタグィー
歌声。
- 用例
- メーユル、ウタグィーヌ チカリーン(毎夜、歌声がきこえる)。
ウタサンシン
歌三線〔さんしん〕。
- 用例
- チヌーヌ スージヤ、ウタサンシン ディキトータンヤー(昨日のお祝いは、歌三線で盛り上がっていたね)。
ウタチ
屋根組みに使う小さい柱。
- 用例
- ウタチェー イクチ チカイガ(小さい柱は何本使うか)。
ウタビミシェーン
たまわる。くださる。
- 用例
- ヤーニンジュ トゥムドゥム、ミーマンティ ウタビミソーリ(家族全員、見守ってください)。
ウタムトゥ
神座。
- 用例
- アザヌ ヤクミンチャーガ、ウタムトゥ ヒコートーン(字の役員が、神座を整える準備をしている)。
- メモ
- 字の区長や中心となる役員が、ススキを3本ずつ束ねて繋ぎ合わせ、神アサギの4本の石柱を連結する形で柱の内側から張り巡らせて神座を整えた。→タムトゥギレー。
ウチ
中。内。
- 用例
- ヘーク ウチンカイ イミソーレー(早く中に入ってください)。
- メモ
- 対:フカ(外)。
ウチ~
すっかり~。みごとに。
- 用例
- ヤーニンジュ ウチスリティ メンソーリ(家族揃っていらっしゃってください)。
- メモ
- ウチマカスン・ウチフリーンなどがある。
ウチアキーン
打ち明ける。
- 用例
- チャーンナラン ナティ、ウヤンカイ ウチアキーン(どうしようもなくなり、親に打ち明ける)。
否:ウチアキラン(うちあけない)希:ウチアキーブサン(うちあけたたい)。過:ウチアキタン(うちあけた)。
ウチアタイ
心に思い当たること。
- 用例
- イャーヤ ヌーガラ ウチアタイスシガ アイルスリー(君は何か思い当たることがあるの)。
ヌーガラ ワークトゥ イチョーンネーッシ ウチアタイ スッサー(なにか私のことを言っているようで心にぐさりとくるなあ)。
ウチアマスン
余す。
- 用例
- ユーバンヤ チュタマシ ウチアマスン(夕飯は一人分余分に作る)。
- メモ
- 「城間仲」『喜名の民話』より。
ウチアミ
雨が屋内に降り込むこと。
- 用例
- ウチアミ シーギサーヤグトゥ ハシル ミチレー(雨が入り込みそうだから、戸を閉めなさい)。
ウチーン
①移る。引っ越す。②伝染する。
- 用例
- ①アチャ、ミーヤーンカイ ウチーン(明日、新しい家に引っ越す)。
②引っ越すヒチ ウチタン(風邪がうつった)。
ウチーン
映える。
- 用例
- クヌ チノー、イッペー ユー ウチーン(この着物は、大変よく映える)。
- メモ
- 類:ウチャガイン。
ウチウチ
内々。
- 用例
- タンカースージヤ、ウチウチシ シマチャン(誕生祝は、内々で済ませた)。
ウチウチートゥ
内々と。軽めに。汁の具を少な目に入れること。
- 用例
- ウチャクンカイ ゥンジャスヌ シルヤ、ウチウチートゥ イリレー(お客に出す汁は、具を少なめに入れなさい)。
- メモ
- 音1:ウチウチトゥ。対:ミーミートゥ(具だくさん)。
ウチウチトゥ
軽く。
- 用例
- ウチウチトゥ ンーラリーン(軽くみられる)。
- メモ
- ご飯をウチウチトゥ(軽く)入れるなども使う。→音1:ウチウチートゥ。
ウチェーネーイ
無作法な様。
- 用例
- ヲィナグヌ ウチェーネーイ ッシ、ナマワレー ソーン(女が恥じらうこともなく振る舞い、薄笑いを浮かべている)。
- メモ
- 女性が男性の前で遠慮ない言動をする様をいう。
ウチカイ
容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- ウチカイ ユタサン(容貌がいい)。
- メモ
- 音2:チラウチカイ。類:カーギ・カーギシガタ。
ほめる時に使われる語。
ウチカイン
うつむく。
- 用例
- トゥーチ ウチカティ(いつもうつむいて)。
- メモ
- 類:ウッチンチュン・ウッチンクン。対:ウチャガイン(顔をあげる)。
ウチカキ
羽織る物。打掛け。
- メモ
- ウチカキーともいう。類:ウッチャキー。
ウチカビ
{うちかび(打ち紙)}。紙銭〔しせん〕。
- 用例
- ウチカビヤ、サンメーナー アンジュン(ウチカビは、3枚ずつ炙〔あぶ〕る)。
グソーヲゥティヤ、ウチカビル ジン(後生では、ウチカビこそがお金)。
- メモ
- 先祖供養の際に用いられている冥銭〔めいせん〕の一種。
ウチカビウッチャー
打ち紙にお金の型を押す鉄製の道具。
- 用例
- ナマル チカタシガ、ウチカビウッチャーヤ マーンカイ ウッチャガヤー(今使ったのに、打ち紙打ちはどこに置いたのかな)。
- メモ
- 音2:カビウチ。
鉄製で直径約1.5㎝、高さ約8㎝の物で、打ち紙に当てて上から叩いてお金の型を入れる。現在はお金の型が入った打ち紙が売られている。
ウチカムン
食べつくす。
- 用例
- ドゥーチュイシ ムル ウチカムン(ひとりで全部たいらげる)。
- メモ
- 音2:ウチクヮイン・ウチュクヮイン。
ウチカワイガワイ
変化が激しい様。
- 用例
- ウチカワイガワイ ユヌナカヤ、ウムシルムン(たえず変化していく世の中は、おもしろいものだ)。
ウチカワイン
すっかり変わる。変貌する。
- 用例
- ニサンニン ンランネー、チュラーク ウチカワイン(2、3年見なかったら、すっかり変わってしまう)。否:ウチカワラン(変貌しない)過:ウチカワタン(変貌した)継:ウチカワトーン(変貌している)。
ウチカンシーン
覆い被せる。
- 用例
- ワラバーンカイヤ、ウーロー ウチカンシランケー イーチマリー スンドー(子どもには、布団を覆い被せるな、息苦しいよ)。ヒーサソーグトゥ、チン ウチカンシーン(寒そうにしているから、着物を覆い被せる)。
否:ウチカンシラン(覆い被せない)希:ウチカンシーブサン(覆い被せたい)過:ウチカンシタン(覆い被せた)継:ウチカンシトーン(覆い被せたい)。
ウチカンシエー
覆い被せ合うこと。綱引きに東西の綱の頭部分をぶつけあうこと。
- メモ
- 渡慶次では綱を引く前に、喜名では綱引き後に行なった。
ウチカンジュン
すっぽり被る。
- 用例
- ヌラーッティ、チブルカラ ウール ウチカンジュン(叱られて、頭から布団をすっぽり被る)。
ウチキーン
置いておく。
- 用例
- チカイ ウワイネー、ゥンマンカイ ウチキトーケー(使い終わったら、そこに置いておきなさい)。
クヮー ウヤヌヤーンカイ ウチキティ チャン(子どは実家に預けてきた)。
- メモ
- 類:ウチュン。
ウチクミアイク
漁法名。漁法のひとつ。川で行う網代〔あじろ〕漁法。
- メモ
- 川の流れに沿って川原石や竹、木材などを添え付け、アイクバーキに獲物を誘導捕獲する方法。→アイク。
ウチクミウドゥイ
{うちくみおどり(打組踊)}。アマカーや谷茶前など、対で踊る舞。瀬名波のしゅん童もこれに当たる。
ウチクムン
ふり込む。入り込む。
- 用例
- ウーアミ ナティ ヤーヌウチカイ ウチクムンテー(大雨だから家の中にふり込むなあ)。
ティーラヌ ウチクムン(日射しが入り込む)。
カジヌ ウチクリ ヒーサン(風が入り込んで寒い)
否:ウチクマン(入り込まない)過:ウチクロータン(入り込んでいた)継:ウチクローン(入り込んでいる)。
ウチクルスン
{うちころす(打ち殺す)}。「殴ってやるぞ」という脅し文句。
- 用例
- ウチクルサリンドー(殴ってやるぞ)。
- メモ
- 類:タックルスン。
ウチクヮイン
喰ってしまう。食べつくす。
- 用例
- タマゴー ガラサーガ ウチクヮイン(卵をカラスが全部食ってしまう)。
ゼーサン アルッサ ウチクヮティ(財産のあるだけ食いつぶして)。
- メモ
- 音1:ウチュクヮイン。→ウチカムン。
ウチグン
足の裏が内出血した傷。打ち身。
- メモ
- →イシグン。
ウチクンジョー
{うちこんじょう(内根性)}。感情を表に出さないこと。
- 用例
- ウチクンジョー ナティ、ソーチモー ワカラン(感情を表に出さないから、本心は分からない)。
- メモ
- →音:ウシクンジョー。
ウチジェーク
内装の職人。
- メモ
- 音1:ウチジェークー。
ウチジェークー
内装の職人。
- メモ
- 音1:ウチジェーク。
ウチジヘーシ
供え物のひとつをお初として取った後に、その代わりに食べ物を継ぎ足すこと。お次返し。
- 用例
- チューヤ アマクマヲゥティ ウサギーグトゥ ウチジヘーシン ムッティヨー(今日はあちこちで供えるからお次返しも持ちなさいよ)。
- メモ
- 類:ハチケーシ。
ウチジメー
内装工事。
- 用例
- ウチジメーヤ、ナー ハジマトービンナー(内装工事は、もう始まっていますか)。
ウチダンダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- タイヤ ウチダンダ ヤタンリ(ふたりは姉妹だったって)。
- メモ
- 音1:ウチランラ・ウチランダ・ウトゥジャンダ・ウトゥランダ。類:チョーデー。
ウチチ
悪血。
- 用例
- ウチチガ マートーン(悪血が巡っている)。
- メモ
- 類:ヤナヂー。
ウチチ
打ち身。内出血。
- 用例
- ウチチ ナルカ スグテーサ(打ち身になるほど殴ってあるさ)。
- メモ
- 音1:ウチミ。類:チーグルマー。
ウチチウグヮン
行事名。{おつきおがん(御月御願)}。八月十五夜の月が上がった頃に行う御願。
- 用例
- ハチグヮチジューグヤニ チチガ アガイネー、ウチチウグヮン スタン(八月十五夜に月が上がったら、御月御願を行った)。
- メモ
- 音1:ウチチューウグヮン。
庭に出て筵を敷き円座になってウチチウグヮンを行うが、それは各家庭で拝むのではなく、ムートゥヤー(本家)や実家で行った。庭で行うからナーウグヮン(庭御願)とも称し、屋敷近くに拝所がある所、又は十字路に面している角の家が行ったという伝承もある。
ウチチューウグヮン
行事名。{おつきおがん(御月御願)}。八月十五夜の月が上がった頃に行う御願。
- 用例
- ウチチューウグヮントゥ ウチチウグヮンヤ ユヌムンヤサ(ウチチューウグヮンとウチチウグヮンは同じだよ)。
- メモ
- →音1:ウチチウグヮン。
ウチチリ
落ちている物。
- 用例
- クラヌ ウチチリ クヮリヨー(倉に落ちているのを食べなさいよ)。
- メモ
- 「雀孝行」『牧原の民話』より。
ウチドゥマイ
高志保の古名。
ウチナー
沖縄。
- 用例
- ワンネー、ウチナー ゥンマリヌ ウチナー スダチ ヤイビン(私は、沖縄生まれの沖縄育ちです)。
ウチナーカラジ
沖縄に特有の髪の結い方。
- 用例
- ウチナーカラジェー、ドゥークル ユーイタンドー(ウチナーカラジは、自分で結っていたよ)。
- メモ
- 音2:ウチナーカンプー。
ウチナーカンプー
沖縄に特有の髪の結い方。
- メモ
- →ウチナーカラジ。
ウチナーグチ
{おきなわぐち(沖縄口)}。沖縄語。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ウチナーグチ イッペー ジョージ ヤン(私の家族は、沖縄の言葉がとても上手だ)。
ウチナージマ
沖縄角力。
- 用例
- オカーヤ ウチナージマ、ンージガ イチュタン(母は沖縄角力を、見に行った)。ウチナージマ ハジマトーンドー(沖縄角力が始まっているよ)。
- メモ
- 互いの帯に手を差し込んだ状態から始める。相手の背中を地につけた者が勝ち。
ウチナームム
植物名。キーモモ。皮に細毛のある沖縄在来の桃。
ウチナームン
沖縄産。
- 用例
- ヌーヤティン ウチナームンヤ マシヤサ(何でも沖縄産が良いよ)。
ウチナーンチュ
沖縄の人。
- 用例
- ウチナーンチュ ビカーン アチマトータン(沖縄の人だけが集まっていた)。
ウチナガニ
食肉の部位。ヒレ肉。
- メモ
- 音1:ウチナガニー・ウチナガリー。
ウチナガニー
食肉の部位。ヒレ肉。
- メモ
- 音1:ウチナガリー・ウチナガニ。
一番やわらかくておいしいといわれる。シンジグヮー(煎じ汁)などに使う。
ウチナガリー
食肉の部位。ヒレ肉。
- 用例
- スージネー ウチナガリー チカイサ(お祝いにはヒレ肉を使うよ)。
- メモ
- 音1:ウチナガニー・ウチナガニ。
ウチナスン
済ませる。終わらせる。
- 用例
- イチュナシク ナランマール、ユージュ ウチナスン(忙しくならないうちに、用事を済ませる)。
否:ウチナサン(済ませない)希:ウチナシーブサン(済ませたい)過:ウチナチャン(済ませた)継:ウチナチョーン(済ませている)。
ウチニチ
内熱。こもり熱。体内に熱が籠もること。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウチニチヌル アンナー、アンダミー ソール(その子は内熱があるのか、目が潤んでいるね)。
ウチノースン
置き直す。
- 用例
- ゥンマー イバサグトゥ、アマンカイ ウチノースン(そこは狭いから、あそこに置き直す)。
否:ウチノーサン(置き直さない)希:ウチノーシーブサン(置き直したい)過:ウチノーチャン(置き直した)継:ウチノーチョーン(置き直している)。
- メモ
- 音1:ウキノースン。
ウチビョーチ
{うちびょうき(内病気)}。内科疾患。
- 用例
- ニントーミセータンディシガ、ウチビョーチェー アンソーラニ(床に臥せていらっしゃったようですが、内臓関係の病気ではないですか)。
ウチヒラカスン
打ち砕く。
- 用例
- マギ イシヤ、アマヲゥティ ウチヒラカシェー(大きな石は、あそこで打ち砕きなさい)。
ウチフカ
内と外。
- 用例
- ソージ マーイガ アグトゥ、ウチフカ ソージ ソーン(掃除の検査があるから、内や外の掃除をしている)。
ウチフリーン
すっかり惚れる。惚れこむ。
- 用例
- シバイシーンカイ、ウチフリティネーン(芝居役者に、すっかり惚れ込んでしまった)。
否:ウチフリラン(惚れ込まない)過:ウチフリタン(惚れ込んだ)継:ウチフリトーン(惚れ込んでいる)
- メモ
- 音2:フリーン・マンブリ。
ウチブリーン
落ちぶれる。衰える。
- 用例
- ナマー サケートーティン、チカイホーイネー イチカー ウチブリーンドー(今は栄えていても、無駄使いするといつかは落ちぶれるよ)。
否:ウチブリラン(落ちぶれない)過:ウチブリタン(落ちぶれた)継:ウチブリトーン(落ちぶれている)。
ウチホーイン
這いつくばる。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ナチーネー スグ ウチホーイン(この子は、泣くと直ぐに這いつくばる)。
否:ウチホーラン(這いつくばらない)過:ウチホータン(這いつくばった)継:ウチホートーン(這いつくばっている)。
ウチボーチ
室内用の箒。
![ウチボーチ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02439.jpg)
- 用例
- ウチボーチガ ネーン ナトーシガ、マーンカイ ウチャガ(室内用の箒がなくなっているが、どこに置いたの)。
ウチマカスン
負かす。見事に負かす。打ち負かす。
- 用例
- チューネー ウチマカスンドー(今日こそ負かすよ)。
否:ウチマカサン(打ち負かさない)過:ウチマカチャン(打ち負かした)継:ウチマカチョーン(打ち負かしている)
ウチマンマルモーイ
お祝いなどがあった時に、最後に全員が次々にカチャーシーを踊ること。
- 用例
- ウチマンマルモーイ ヒチ ウワラナ(皆で踊って終わろう)。
ウチミ
打ち身。内出血。
- 用例
- ルゲーヤーイ ウチミ ナトーン(転んで打撲ができている)。
- メモ
- →音1:ウチチ。
ウチムム
内腿〔もも〕。
- 用例
- ガンマリ シーネー、ウチムム チンチキーンドー(悪戯をしたら、内腿をつねるよ)。
ウチムン
豚などの臓物、内臓。
- 用例
- ウヮーヌ ウチムノー シティテー ナランドー、クスイムン ヤグトゥ ムル ムッチ クーヨー(豚の内臓は捨ててはいけないよ、薬のように体にいいものだから全部持っておいでよ)。
ウチャースン
合わせる。
- 用例
- チンヌ エリ リッパ ウチャースン(着物の襟をきれいに打ち合わせる)。
チム ウチャーチ チバラナ(心を合わせて頑張ろうよ)。
否:ウチャーサン(合わせない)希:ウチャーシーブサン(合わせたい)過:ウチャーチャン(合わせた)継:ウチャーチョーン(合わせている)。
ウチャイカナイ
よく似合っている様。
- 用例
- ウチャイカナイ、アンシ ニアトール(ウチャイカナイ、良く似合っているね)。
- メモ
- 音1:ウチャタイカナタイ。
ウチャイン
兼ね備わる。似合う。
- 用例
- カーギシガタ ウチャトーセー(容姿が兼ね備わっている),座。
ソーシチナ ムヌン ヤイ、カーギトゥ ウチャティ ソーテーガハン(正直者でもあり、容姿も兼ね備わっていたようだ)。ウヌ チノー、イャーカイ ジコー ウチャイン(その着物は、お前に良く似合う)。
否:ウチャラン(似合わない)過:ウチャトータン(似合っていた)継:ウチャトーン(似合っている)。
ウチャガイン
上へ向ける。上へ上げる。
- 用例
- チュヌメーカラ、チラ ウチャガティ アッチョーン(人前で、顔をと上げて歩いている)。ウチャガティ ンージュン(顔を上げて見る)・楚。否:ウチャガラン(見上げない)希:ウチャガイブサン(見上げたい)過:ウチャガタン(見上げた)継:ウチャガトーン(見上げている)。
- メモ
- 対:ウッチンチュン・ウチンクン(うつむく)。
ウチャガイン
映える。
- 用例
- イヤームン チノー、ワームンヤカ ウチャガトーン(あなたの着物は、私の物より立派に見える)。
否:ウチャガラン(映えない)過:ウチャガトータン(映えていた)継:ウチャガトーン(映えている)
- メモ
- →ウチーン。
ウチャギーン
上へ向ける。上へ上げる。
- 用例
- ウスガナシーメーンジェー、クベー ウチャギテー ナラン(王様には、顔を上げてはいけない)。
ハナヂー ゥンジーネー、ウチャギティ ニンシトーケーリル イータン(鼻血が出たら、顔を上に向けて寝かしておけと言った)。ウッチントゥー サンヨークー、チラー ウチャギーン(うつむかずに、顔をあげなさい)。否:ウチャギラン(見上げない)希:ウチャギーブサン(見上げたい)過:ウチャギタン(見上げた)継:ウチャギトーン(見上げている)。
ウチャク
お客。
- 用例
- ヤガティ ウチャクヤ メンシェーンドー(やがてお客はいらっしゃるよ)。
- メモ
- 音2:チャク。
ウチャタイカナタイ
よく似合っている様。
- 用例
- ウチャタイカナタイ、イッペー ウチャトーン(ウチャタイカナタイ、とても似合っている)。
- メモ
- 音1:ウチャイカナイ。
ウチャタイマグラー
{おちゃたりまごろう(御茶多理真五郎)}。伝説上の人物名。
- メモ
- 西原間切嘉手苅の五郎という角力名人の若者が、病死して御茶多理山に葬られ、幽霊になったという話。『宇座の民話』『遺老説伝』等参照。
ウチャトー
お茶湯〔ちゃとう〕仏前に供えるお茶。
- 用例
- チューヤ チータチ ヤシガ、ブチダヌンカイ ウチャトーヤ ウサギティー(今日は1日だが、仏壇にお茶は供えたねぇ)。
ウチャトー ウサギランエーカー、チャーン ヌマラン(お茶湯をお供えしないうちは、お茶を飲むことはできない)。
- メモ
- 音2:ウチャトーントー。
ウチャトーミントー
お茶湯〔ちゃとう〕仏前に供えるお茶。
- 用例
- タナバタカラー、ウチャトーミントー ワシンナヨー(七夕からは、仏前に湯茶を供えるのを忘れるなよ)。
- メモ
- →ウチャトー。
ウチャナク
{おちゃのこ(お茶の子)}大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。
- 用例
- ハリヤクネー ウチャナク チュクティ ウグヮン ウサギーンバー(晴厄には餅を作って供えるわけさ)。
- メモ
- 音1:ウチャヌク。音2:カガンウチャナク・カガンジウチャヌク。類:ムーチーカガン。
ウチャヌク
{おちゃのこ(お茶の子)}。大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ ウサギール ウチャヌクヤ、シコーテーミ(火の神に供えるウチャヌクは、準備してあるねぇ)。
- メモ
- →音1:ウチャナク。
ウチャマイン
浮き上がる。
- 用例
- ウチャマトール ブノー カマ(浮き上がっている分は食べよう)。
- メモ
- 「鳩料理」『長田の民話』より。
ウチユ
浮世。世の中。世間。
- 用例
- ウチユ ナダヤシク ワタイブシャ アラバ、マクトゥユイ フカヌ ミチヤ フムナ(世間を波風立てず渡ろうと思うならば、真実一路より他の道を踏むな)。
イェーケー ウチユヌ ミグイムン(金は天下の回り物)。
ワー ウチユ ナイン(我が天下になる)・木。
- メモ
- 「歌」『高志保の民話』より。
ウチュー
{ごきょう(御轎)}。駕籠〔かご〕。
- 用例
- ウチューカイ ヌシティ カタミティチャン(駕籠に乗せて担いできた)。
- メモ
- 轎〔きょう〕とは中国や朝鮮で用いた駕籠。
ウチュー
様子。内情。
- 用例
- ンナシ ウチュー ンジュンテー(皆で内情を探るさ)。トゥジヌ ウチュー ンージュン(妻の様子を見る)。
ウチューシンカ
{ごきょうしんか(御轎臣下)。人が亡くなった時に龕〔がん〕を担ぐ人た}ち。
![ウチューシンカ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02460.jpg)
ウチュカムン
喰う。
- 用例
- ヘークサンネー ウチュカマリーンドー(早くしないと食べられてしまうよ)。
否:ウチュカマン(喰わない)希:ウチュカミーブサン(喰いたい)過:ウチュカラン(喰った)継:ウチュカローン(喰っている)。
- メモ
- 類:ウチュクヮイン。
ウチュクイ
風呂敷。
- 用例
- クヮーシヤ ウチュクインカイ チチメー(持って行く風呂敷に包みなさい)。
ウチュクイヂチン
風呂敷包み。
- 用例
- ウチュクイヂチン ヒサギティ マーカイガ(風呂敷包みを提げてどこにねぇ)。
ウチュクイヂチンカミヤー
嫁入りの時、風呂敷包みを持つ役目の者。
- 用例
- ウチュクイヂチンカミヤーヤ、ヰナグドゥシヌ ヤクミ ヤタン(風呂敷包みを持つのは、女友達の役目だった)。
- メモ
- 嫁入り道具のひとつである、着物が入った風呂敷包みを、頭の上に載せて運ぶ役目のこと。未婚の女性が選ばれ、婚家に着くまでは後ろを振り返ったり、手を持ち替えてはいけないといわれていた。
ウチュクイバカ
風呂敷墓。平葺〔ひらふき〕墓の別称。
- メモ
- →ヒラフチバカ。
ウチュクヮイン
喰ってしまう。食べつくす。
- 用例
- チュハーラ ウチュクヮテーサヤー(すっかり平らげてしまったね)。ドゥーチュイシル ウチュクヮティナー(ひとりで食べてしまったのか)。
ウニンカイ ウチュクヮーリーン(鬼に喰われる)。
否:ウチュクヮラン(喰わない)希:ウチュクヮイブサン(喰いたい)過:ウチュクヮタン(喰った)継:ウチュクヮトーン(喰っている)
- メモ
- 音1:ウチクヮイン。→ウチカムン。
ウチユルスン
手を放す。うっかり放す。
- 用例
- キジムナーンカイ ウチユルサリーン(キジムナーに手を放された)。
ニムチヌ ウブサヌ、ナー ティー ウチユルスンドー(荷物が重たくて、もう手を放すよ)。
否:ウチユルサン(手を放さない)希:ウチユルシーブサン(手を放したい)過:ウチユルチャン(手を放した)継:ウチユルチョーン(手を放している)。
ウチュン
置く。
- 用例
- イャームノー クマンカイ ウチュンドー(君の物はここに置くよ)。
- メモ
- 音1:ウッチュン・ウクン。
ウチュン
浮く。
- 用例
- キージラーヤ ミジカイ ウチュン(木切れは水に浮く)。
否:ウカン(浮かない)希:ウチーブサン(浮きたい)継:ウチョーン(浮いている)。
- メモ
- 対:シジムン(沈む)。
ウチョーホー
{ぶちょうほう(不調法)}。不始末。
- 用例
- ヒーヤ ウチョーホーニ シェー ナラン(火の不始末はいけない)。
- メモ
- 「火の神の話」『渡具知の民話』より。
ウチランダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- アマヌ ウチランダヤ ユー ニチョーン(あそこの兄弟・姉妹は良く似ている)。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランラ・ウトゥジャンダ・ウトゥランダ。
ウチランラ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- ウチランラ スリティ アシビーガ イチュン(兄弟揃って遊びに行く)。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランダ・ウトゥジャンダ・ウトゥランダ。
ウチリ
おき火。種火。残り火。
- 用例
- ウチリガ ヌクティルヲゥラー ンチンディ(種火が残っているか見てごらん)。
ウチレー ヌクチョーキヨー(おき火は残しておきなさいよ)。
- メモ
- 一般の家庭にマッチが普及してない時代、残り火。を翌朝まで大事に取って置き、それで火を起こして使った。
→音1:ウキリ。
ウチリビ
おき火。種火。残り火。
- 用例
- キジムナーヤ チャー、キジムナービーンディル ウチリビー ムッチョーンドー(キジムナーはいつも、キジムナービーという種火を持っているよ)。
- メモ
- →ウキリ。
ウチン フカン
内も外も。
- 用例
- ネーンラー、ウチン フカン ユー カメーリヨー(無いなら、内も外もよく探しなさいよ)。
ウチゥンジャシ
出だし。始まり。
- 用例
- チューヌ ウチゥンジャシヤ、ヌーカラ ハジマイガ(今日の出だしは、何から始まるね)。
ウチゥンジャスン
打ち出す。始める。
- 用例
- ウタサンシン ウチゥンジャスン(歌三線の演奏を始める)。
ウッカ
負債。借金。
- 用例
- ウヤヌ イーシン チカンネー、アトー ウッカ カンジュンドー(親のいうことも聞かないと、終いには借金を背負うよ)。
ナマディーカラ アキネー ッシ、ウッカ カンジュンナー(今頃から商売をして、借金を背負うのか)。
ウッカーハン
危ない。
- 用例
- イャームン シーヨーヤ ウッカーハン(お前のやり方は危ない)。
- メモ
- →アブナサン。
ウッカバレー
借金払い。返済。
- 用例
- ジン モーキティン、チャー ウッカバレービカーン ヒチ(金を儲けても、いつも借金払いばかりして)。
- メモ
- 音2:シーバレー。類:ヒンセー・ヒンリン。
ウックルブン
転ぶ。
- 用例
- アンソーヌ アッキヨーシェー ウックルブンドー(そんな歩き方では転ぶよ)。
否:ウックルバン(転ばない)過:ウックルラン(転んだ)継:ウックルローン(転んでいる)。
- メモ
- 音2:クルブン。類:ルゲーイン。
ウッケーイン
振り返る。
- 用例
- ウヤー ヲゥガヤーディチ、アトゥ ウッケーイン(親はいるかなと、後ろを振り返る)。
ウッケーティ チャン(引き返してきた)・波。ウッケーティ ンージュン(振り返ってみる)。
否:ウッケーラン(振り返らない)希:ウッケーイブサン(振り返りたい)過:ウッケータン(振り返った)継:ウッケートーン(振り返っている)。
- メモ
- 音1:ウッチェーイン。音2:トゥンケーイン・トゥンケーユン。
ウッケーシゲーシ
しきりにひっくり返す様。
- 用例
- ウッケーシゲーシ ウラゲーチョーサ(何度も裏返したよ)。
ウッケースン
裏返す。ひっくり返す。
- 用例
- チカタシェー ウッケーチョーケー(使ったのは裏返しておきなさい)。
- メモ
- 音2:ウッケーラスン・カチケーラスン・ケーラスン・チンケーラスン・ハチケーラスン・ヒッケーラスン。。
ウッケーヒッケー
何度も同じことをくり返す様。
- 用例
- ウッケーヒッケー イチムドゥヤー ッシ、ヌー ソーガ(何度も行き来して、何をしているか)。
- メモ
- 音1:ウッチェーヒッチェー。
ウッケーラスン
裏返す。ひっくり返す。
- 用例
- ゥンマンカイ アシ、ムル ウッケーラスン(そこにあるのを、全部ひっくり返す)。
ウッケーラチ ウチュン(ひっくり返して置く)。
否:ウッケーラサン(ひっくり返さない)希:ウッケーラシーブサン(ひっくり返したい)過:ウッケーラチャン(ひっくり返した)継:ウッケーラチョーン(ひっくり返している)。
- メモ
- →ウッケースン。
ウッケーリーン
ひっくり返る。倒れる。
- 用例
- シーヌ ウッケーリタン(岩が倒れた)。
クサーンカイ ウッケーリタン(後ろにひっくり返った)。
ウッサ
それだけ。
- 用例
- ウッサ マディ ヤサ(それまでだよ)。ウッサシ ウワレー(それで終わりなさい)。ウッサル ヤタル(それだけだったんだ)・喜。
- メモ
- 音1:ウッピ。類:ウヒ。
ウッサ スン
喜ぶ。
- 用例
- ウッサ ッシ ケータン(喜んで帰った)。
ウッサ ソーン(喜んでいる)。
ウッサウッサー
嬉しそうな様。
- 用例
- ウッサウッサー ッシ ワライカントーン(嬉しそうに笑っている)。
ウッサキー
そんなにたくさん。
- 用例
- ウッサキーナーヌ ムン カタミティ、マーカイガ(そんなにたくさんの物を担いで、何処にか)。
- メモ
- →音1:ウッサキー。
ウッサクージャー
大喜びしている様。
- 用例
- ジコー ウッサクージャー ソータン(大変喜んでいた)。
- メモ
- 音2:ウッサクヮッター。
ウッサグヮー
少々。たったそれだけ。
- 用例
- ウッサグヮーシェー、ヌーン チュクラランデー(それだけでは、何も作れないよ)。
- メモ
- 音1:ウッピグヮー。対:ウサキー・ウッサキー。
ウッサクヮッター
大喜びしている様。
- 用例
- ウッサクヮッター ッシ、ヌーヌガ アタガヤー(そんなに大喜びして、何があったのかな)。
- メモ
- →ウッサクージャー。
ウッサナー
そんなにたくさんの。
- 用例
- ウッサナー アシガ(そんなにいっぱいあるが)。ウッサナー アビレー シムサ(それだけ言えばいいよ)・儀。
- メモ
- 音1:ウッピナー。対:ウッサグヮー・ウッピグヮー・ウヒグヮー。
ウッサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- フービ ヰーティ、イッペー ウッサン(褒美をもらって、とても嬉しい)。
- メモ
- →イーリキサン。
ウッター
彼ら。彼女ら。こいつら。
- 用例
- ワンネー、ウッタートー ワジャー ナラン(私は、彼らとは仕事ができない)。
ウッターティ
わざと。故意に。
- 用例
- ドゥーヌメー チャレー、ウッターティ ヲゥラン ナトーサ(自分の前に来たら、わざと居なくなっているさ)。
ウッチ
うっち(掟)。間切時代の役職名。
- メモ
- 字の区長に相当する役職。
ウッチェーイン
振り返る。
- 用例
- ウッチェーティ ンージュン(振り返って見る)。
- メモ
- →音1:ウッケーイン。
ウッチェーヒッチェー
何度も同じことをくり返す様。
- 用例
- ウッチェーヒッチェー マキティネーン(ことごとく負けてしまったさ)。
- メモ
- 音1:ウッケーヒッケー。
ウッチキーン
行く。
- 用例
- ヘークナー ウッチキティ クーワ(早く行って来なさい)。
ウッチャイタタチャイ
打ったり叩いたりしている様。
- 用例
- ウッチャイタタチャイ、チャーヌクトゥン スサ(打ったり叩いたり、どんなことでもするね)。
ウッチャカイン
寄りかかる。もたれる。
- 用例
- ニーブイ ッシ スバヌ ハーヤンカイ ウッチャカイン(眠くて側の柱に寄りかかる)。
ウッチャカエーグヮー(もたれ合う)。
ニーブイ ッシ スバヌ ハーヤンカイ ウッチャカイン(眠くて側の柱に寄りかかる)/。
否:ウッチャカラン(寄りかからない)希:ウッチャカイブサン(寄りかかりたい)過:ウッチャカタン(寄りかかった)継:ウッチャカトーン(寄りかかっている)。
- メモ
- 音1:ウッチャカユン。
ウッチャカユン
寄りかかる。もたれる。
- メモ
- 音1:ウッチャカイン。
ウッチャキ
打掛け。羽織る物。
- 用例
- ボー シーネー、ハナウイヌ ウッチャキ チータン(棒術をするときは、花織りの打掛けを羽織った)。
- メモ
- 音:ウッチャキー。類:ウチカキ。
棒術やエイサーのウッチャキには袖がない。
ウッチャキー
打掛け。羽織る物。
- 用例
- ヒーサヌ ウッチャキー トゥティクーヒー(寒くて上から羽織るのを取って来ようね)。
- メモ
- 音:ウッチャキ。類:ウチカキ。
ウッチャキーン
羽織る。被せる。置く。
- 用例
- ワラビンカイ チン ウッチャキーン(子どもに着物を被せる)。ティー ウッチャキーン(手を置く)。
否:ウチャキラン(被せない)希:ウッチャキーブサン(被せたい)過:ウッチャキタン(被せた)継:ウチャキトーン(被せている)。
ウッチャンギーン
置き去りにする。放りだす。
- 用例
- クヮヤ ウッチャンギティ、マーカイ ゥンジャガ(子どもを置き去りにして、どこへ行ったのか)。
- メモ
- 類:ウッチャンナギーン・ハンナギーン。
ウッチャンギホーリー
置きっぱなし。
- 用例
- ウッチャンギホーリー シェー ナランドー(置きっ放しにしてはいけないよ)。ウッチャンギホーリー ッシ カタヂキーシン ワカラン(置きっぱなしで、片付けるのも分からない)。
ウッチャンナギーン
置き去りにする。放り出す。
- 用例
- ヘーク シコーランネー、ウッチャンナギーンドー(早く準備しないと、置いて行くよ)。
シクチ ウッチャンナギティ、マーカイ ゥンジャガ(仕事を放り出して、どこへ行ったか)。
ウッチャンナギラリーン(置き去りにされる)。
否:ウッチャンナギラン(置いて行かない)希:ウッチャンナギーブサン(置いて行きたい)過:ウッチャンナギタン(置いて行った)継:ウッチャンナギトーン(置いて行っている)。
- メモ
- 類:ウッチャンギーン。
ウッチュン
打つ。
- 用例
- ハンリラングトゥ シ、クジ チューヂューク ウッチュン(外れないように、釘を強く打つ)。
否:ウッタン(打たない)希:ウッチーブサン(打ちたい)過:ウッチャン(打った)継:ウッチョーン(打っている)。
ウッチュン
置く。
- 用例
- ニムチヌ ゥンブサグトゥ、シチャンカイ ウッチュン(荷物が重いから、下に置く)。
チカイウワイネー ゥンマンカイ ウッチョーケー(使い終わったらそこに置いておきなさい)。
否:ウッカン(置かない)希:ウッチーブサン(置きたい)過:ウッチャン(置いた)継:ウッチョーン(置いている)。
- メモ
- 音1:ウチュン・ウクン。
ウッチリーグヮー
末っ子。
- メモ
- →イッチガウットゥングヮー。
ウッチリクブサー
玩具名。おきあがり小法師〔こぼし〕。
- 用例
- パーパーガ、ウッチリクブサー コーティ トゥラサヤー(お婆さんが、おきあがり小法師を買ってやろうね)。
ウッチリグヮー
おき火。種火。残り火。
- 用例
- ウッチリグヮーヌ ネーンナイネー、トゥナイカラ イライン(種火がなくなったら、隣りにもらいに行く)。
- メモ
- おき火をあげる方は縁起物の塩を合わせて持たせた。
→ウキリ。
ウッチン
植物名。ウコン。
- 用例
- ウッチン ダテーン ヰーティチャン(ウコンをたくさん貰ってきた)。
- メモ
- →ウキン。
ウッチンカーニンジ
うつ伏せ寝。寝る。
- 用例
- ワラビ ウッチンカーニンジ シミトーン(子どもをうつ伏せ寝させている)。
- メモ
- 対:アファナカーニンジ・アファナチャーニンジ(仰向け寝)。
ウッチンキーン
伏せる。下に向ける。
- 用例
- カマンタヤ ウッチンキティ ウチュン(鍋蓋は伏せて置く)。
ウッチンクン
うつむく。下を向く。
- 用例
- フービ ヰーハンチ ウッチンチョーン(褒美をもらいそこねて下を向いている)。
- メモ
- 音1:ウッチンチュン。→ウチカイン。
ウッチンタージシ
暮れに潰した豚肉が残り少ない様を表現した言葉。
ウッチンチュン
うつむく。下を向く。
- 用例
- ハジカサー ナティ、チュトゥ イチャイネー スグ ウッチンチュン(恥ずかしがりやなので、人と会うとすぐにうつむく)。
ウッチンチ イーン(うつむいて入る)。
否:ウッチンカン(うつむかない)希:ウッチンチーブサン(うつむきたい)過:ウッチンチャン(うつむいた)継:ウッチンチョーン(うつむいている)。
- メモ
- 音1:ウッチンクン。→ウチカイン。
ウッチントゥー
うつ伏せ。うつむくこと。
- 用例
- ウッチントゥー ッシ ニンシーン(うつ伏せにして寝かせる)。ウッチントゥー ッシ アッチョーン(うなだれて歩いている)。
- メモ
- 対:マンハラチャー・マーハナチャー(仰向け)。
ウッティラカスン
放り投げる。放っておく。
- 用例
- カシマハヌ、ウッティラカチョーケー(面倒くさいから、放っときなさい)。
- メモ
- 類:ハンナギーン・ブンナギーン。
ウッテー
訴え。
- 用例
- ウッテー ウクサッティ ジャーフェー ソーン(訴えを起こされて面倒なことになっている)。
ウットゥ
年下。弟。妹。
- 用例
- イチバン ウットゥグヮー(一番下の子)。
アレー ワンヤカ ウットゥル ヤンドー(あれは私より年下だよ)。
- メモ
- 対:シージャ(年上・兄・姉)。
ウットゥーヒットゥー
不元気な様。
- 用例
- アレー トゥーチ ウットゥーヒットゥー ヒチョーン(彼はいつも不元気な様子だ)。
ウットゥシデー
年下順。
- 用例
- クヮーシヤ、ウットゥシデー トゥラシェー(お菓子は、年下順にあげなさい)。
- メモ
- 対:シージャシデー(年長順)。
ウットゥバスン
勢いよく飛ばす。吹き飛ばす。
- 用例
- カジヌ チューサヌ、キーン ヌーン ウットゥバスン(風が強くて、木も何も吹き飛ばす)。
否:ウットゥバサン(吹き飛ばさない)希:ウットゥバシーブサン(吹き飛ばしたい)過:ウットゥバチャン(吹き飛ばした)継:ウットゥバチョーン(吹き飛ばしている)。
ウットゥブン
勢いよく飛ぶ。吹き飛ぶ。
- 用例
- ゥンマンカイ ウッチーネー、カジシ ウットゥブンドー(そこに置いたら、風で吹き飛ぶよ)。
否:ウットゥバン(吹き飛ばない)過:ウットゥラン(吹き飛んだ)継:ウットゥドーン(吹き飛んでいる)。
- メモ
- 音2:ウットゥンジュン。
ウットゥマイン
ピタッと止まる。
- 用例
- チューチャンナカイ カジヌ ウットゥマタン(急に風がピタッと止んだ)。
否:ウットゥマラン(止まらない)過:ウットゥマタン(止まった)継:ウットゥマトーン(止まっている)。
ウットゥミー
弟見〔おとみ〕。乳飲み子をもつ母親が次子を妊娠すること。
- 用例
- フンデー ソーシガ、ウットゥミール ヤンテー(甘えているが、下の子ができたんじゃないの)。
- メモ
- 音1:ウットゥミシー。幼児が股ごしに物を見たら、その母親の妊娠を予見しているといわれている。
ウットゥミーヨーガリ
{おとみやせ(弟見痩せ)}。母親が次子を妊娠することで、幼児が甘えたり食欲がなくなって痩せること。
- 用例
- ウヌワラベー、ウットゥミーヨーガリルソーンテー (その子は、下の子ができて痩せているんじゃないのか)。
ウットゥミシー
弟見〔おとみ〕。乳飲み子をもつ母親が次子を妊娠すること。
- メモ
- →音1:ウットゥミー。
ウットゥヰキー
年下の男きょうだい。弟。
ウットゥヲゥナイ
年下の女きょうだい。妹。
ウットゥングヮ
年下の子。
ウットゥンジュン
勢いよく飛ぶ。
- 用例
- キーヌ ウヮービカラ ウットゥンジュン(木の上から勢いよく飛ぶ)。
ウットゥンチャー
年下の者たち。弟や妹たち。
- 用例
- ウットゥンチャーヤ、イチマディン カナサ シーヨー(弟や妹たちは、いつまでも可愛がりなさいよ)。
- メモ
- 音:ウットゥヌチャー。
ウットーリン
倒れる。
- 用例
- 否:ウットーリラン(倒れない)過:ウットーリタン(倒れた)。継:ウットーリトーン(倒れている)。
- メモ
- 類:トーリーン。
ウッピ
それだけ。
- 用例
- ウッピル チチョーン(それだけ聞いたよ)。アレー ウッピシカ ナラン(あれはそれだけの大きさにしかならない)。タダ ウッピナー(たった それだけか)。
- メモ
- →音1:ウッサ。
ウッピグヮー
少々。たったそれだけ。
- 用例
- イャーガ ムッチ チャシェー、タダ ウッピグヮーナー(お前が持って来たのは、たったそれだけねぇ)。
- メモ
- →音1:ウッサグヮー。
ウッピナー
そんなにたくさんの。
- 用例
- ウッピナーヌムン カタミティ ヲゥタテーンテー(そんなに大きな物を担いで疲れたでしょう)。
ウッピナール トゥインナー(それぐらいしか取らないのか)。ウッピナー ネーン(そんなに大きくはない)。ウッピナー アン(そんなに大きい)。
- メモ
- →音1:ウッサナー。
ウッピナーグヮー
たったそれだけずつ。
- 用例
- ウッピナーグヮール トゥイグトゥ(たったそれだけしか取らないから)。
ウッペール
そんなに大きな。それだけ。
- 用例
- ウッペール ムン ムッチッチ、デージ ヤサ(そんなに大きな物を持って来て、大変だ)。
ウッペール ジャー(こんなに大きな蛇)。
ウディ
腕。
- 用例
- ウッピナーヌ ウディ ソール、アンシル グテーン チューササ(そんなに大きな腕だね、だから力も強いんだよ)。ウディ カキラ(腕相撲をしよう)。
ウティーン
落ちる。
- 用例
- ティーガ シンリティ キーカラ ウティーン(手が滑って木から落ちる)。
否:ウティラン(落ちない)希:ウティーブサン(落ちたい)過:ウティタン(落ちた)継:ウティトーン(落ちている)。
- メモ
- 対:ヌブイン(登る)。
ウディカキー
腕相撲。
- 用例
- ウディカキー サー(腕相撲しよう)・座。
- メモ
- 音2:ケンナカキエー。
ウティゲー
頤〔おとがい〕。下顎〔したあご〕。
- メモ
- 音2:ウトゥガク・ウトゥゲー。
ウティダカ
群れからはずれた鷹。渡りの途中にその土地に残った鷹。
ウディヂカラ
腕力〔うでぢから〕。
- 用例
- ウディヂカラヌ マンドーグトゥ、シグトゥン バチクヮイン(腕力が強いから、仕事もはかどる)。
ウティチキクンチチ
落ち着き。
- 用例
- イークトゥビカーン ウティチキクンチチ ッシ イークトゥビカー ニガーチ クィンソーリ(幸いだけがあるように、良いことだけを祈願させてください)。
ウティチチ
落ち着き。
- 用例
- ウフッチュ ナティン、ティーチン ウティチチヌ ネーン(大人になっても、ちっとも落ち着きがない)。
- メモ
- →イシズ。
ウティチチュン
落ち着く。
- 用例
- ナマル ケーティ チューラーディチ、ティーチン ウティチカン(今こそ帰って来るのかと、ちっとも落ち着かない)。
ムヌカンゲーン ナラン、イフェー ウティチケー(考え事もできない、少しは落ち着きなさい)。
否:ウティチカン(落ち着かない)希:ウティチチーブサン(落ち着きたい)過:ウティチチャン(落ち着いた)継:ウティチチョーン(落ち着いている)。
- メモ
- 類:チムヰシーン。
ウティブ
落ち穂。
- 用例
- ハルヌ ウティブ ヒッティ クーワ(畑の落ち穂を拾ってきなさい)。
ウティブチ
西風。
- 用例
- ウティブチヌ フクン(西風が吹く)。
ウティン
天。空。
- 用例
- ウティン ウガムン(天を拝む)。
- メモ
- 対:ジー(地)。
ウティンジウガン
三十三年忌に死者を昇天させるための御願。
ウティンジカビ
三十三年忌に用いる仏の絵が描かれた赤紙。
- メモ
- 類:ウモースカビ。
ウティンチカラン
落ち着かない。
- 用例
- ケーティ クーランエーマー シワナティ、ティーチン ウティンチカラン(帰って来ないうちは心配で、ちっとも落ち着かない)。
- メモ
- →ウティチカン。
ウティントー
お天道。
- 用例
- ウティントーヤ、マーカラン ンチ メンシェーンリドー(お天道様は、どこからでも見ていらっしゃるってよ)。
ウトゥ
音。
- 用例
- ヌーガラ ウトゥヌ チカリーシガ、ターガラ チル ヲゥガヤー(何か音が聞こえるが、誰か来ているのかな)。
ウトゥ
評判。噂。
- 用例
- ウヌヘーサナー ウトゥ タッチュンナー(こんなに早く噂が立つのか)。
ナガター ミッチャイナー トーカチ スンリチ、ウトゥ ゥンジトータンドー(長田は3人もトーカチ祝いするって、評判になったよ)。
ウトゥ ウッチョーン(評判になっている)。
ウトゥリン ネーン(何の音沙汰もない)。
ウドゥイガシラ
踊り頭。
- メモ
- ムラアシビを行う際の役目には、棒頭、踊り頭があり、その方から棒術や踊りなど教わった。座喜味では35歳から40歳の芸達者から複数名選出された。
ウトゥイサカイ
栄枯盛衰〔えいこせいすい〕。
ウドゥイシンカ
{おどりしんか(踊り臣下)}。ムラアシビの中で踊りを披露する者たち。
- メモ
- 類:ウドゥイニンジュ。
演目によって組踊・狂言・踊りのグループに分かれ、先輩たちから指導を受けた。
ウトゥイチジ
お取り次ぎ。
- 用例
- ウトゥイチジ スン(お取り次ぎする)。
ウドゥイニンジュ
{おどりにんず(踊り人数)}。ムラアシビの中で踊りを披露する者たち。
- メモ
- →ウドゥイシンカ。
ウトゥイムチ
接待。
- 用例
- シージャンチャー ウトゥイムチ スンディチ、デージ ヤンムナー(先輩を接待するって、大変だね)。
ウトゥーシ
遥拝〔ようはい〕。
- 用例
- ミーグシクカラ ウトゥーシ スン(三重城から遙拝する)。
ウトゥガク
頤〔おとがい〕。下顎〔したあご〕。
- 用例
- クチ アキタレー ウトゥガクガ ハンリータン(口を開けたら顎が外れた)。
- メモ
- →ウティゲー。
ウトゥゲー
頤〔おとがい〕。下顎〔したあご〕。
- メモ
- →ウティゲー。
ウトゥサタ
音沙汰。音信。
- 用例
- シマ ゥンジティ ハチカラ、ヌーヌ ウトゥサタン ネーン(島から出て行ったきり、何の音沙汰もない)。
- メモ
- 音2:ウトゥジリ・ウトゥジル。
ウトゥシディップーグヮー
玩具名。おもちゃの鉄砲。
- 用例
- ワラビンカイ ウトゥシディップーグヮー コーティ トゥラチャン(子どもにおもちゃの鉄砲を買ってあげた)。
ウトゥジャンダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランラ・ウチランダ・ウトゥランダ。
ウトゥジリ
音沙汰。音信。
- 用例
- ヌーヌ ウトゥジリン チカン(何の音沙汰も聞かない)。
- メモ
- →ウトゥサタ。
ウトゥジル
音沙汰。音信。
- メモ
- →ウトゥサタ。
ウトゥスイ
お年寄り。
- 用例
- ウトゥスイ カタガタ(お年寄りの方々)。
- メモ
- 類:ウトゥスユイ・トゥシー・トゥシイー・トゥシユイ・トゥスイ。
ウトゥスユイ
お年寄り。
- メモ
- 類:ウトゥスイ・トゥシー・トゥシイー・トゥシユイ・トゥスイ。
ウトゥスン
うつす。
- 用例
- ニムチ カタハランカイ ウトゥスン(荷物を片端に移す)。
ハーメーンカイ ハナヒチ ウトゥサンキヨー(おばあさんに風邪をうつすなよ)。
ウトゥスン
落とす。
- 用例
- ティーガ シンリティ ゲンノー ウトゥスン(手が滑って金槌を落とす)。
否:ウトゥサン(落とさない)希:ウトゥシーブサン(落としたい)過:ウトゥチャン(落とした)継:ウトゥチョーン(落としている)。
- メモ
- 対:アギ-ン(上げる)。
ウトゥダカサン
名高い。有名な。
- 用例
- アヌ チョー、ムライチバン ウトゥダカサン(あの人は、村一番有名だよ)。
ウトゥム
お供。
- 用例
- ウスメー ウトゥム ッシ チャービタン(お祖父さんのお供をしてきました)。
ウトゥラサン
恐ろしい。怖い。
- メモ
- 類:ウトゥラハン・ウトゥルサン・ウトゥルハン。 音:ウトゥラシー。
ウトゥラシー
恐ろしい。怖い。
- 用例
- ウトゥラシー トゥクマ(恐ろしい所)。
- メモ
- 類:ウトゥラサン・ウトゥラハン・ウトゥルサン・ウトゥルハン。
ウトゥラシムン
怖いもの。恐ろしいもの。
ウトゥラハン
恐ろしい。怖い。
- 用例
- ニッカ ナイネー、マックラシン ナイグトゥ ウトゥルハタン(遅くなると、真っ暗闇になるから恐かった)。
- メモ
- 音:ウトゥラサン・ウトゥルサン・ウトゥルハン。類:ウトゥラシー。
ウトゥランダ
きょうだい。兄弟。姉妹。
- 用例
- ウトゥランダ ナカ ユタハン(兄弟仲が良い)。
- メモ
- →音1:ウチダンダ・ウチランラ・ウチランダ・ウトゥジャンダ。
ウトゥリーン
衰える。
- 用例
- トゥシ ユイシンデー、ヌーンクイ ウトゥリーン(年を取るにつれて、何もかも衰える)。否:ウトゥリラン(衰えない)過:ウトゥリタン(衰えた)継:ウトゥリトーン(衰えている)。
- メモ
- 類:ウルクナイン。
ウトゥルー
怖がり。
- 用例
- イャーヤ アンシ ウトゥルー ヤル(君はなんて怖がりなんでしょう)。
ウドゥルカスン
驚かす。びっくりさせる。
- 用例
- ハブ ミシーネー、ウドゥルカスンドー(蛇を見せると、びっくりさせるよ)。否:ウドゥルカサン(驚かせない)希:ウドゥルカシブサン(驚かしたい):過:ウドゥルカチャン(驚かした)継:ウドゥルカチョーン(驚かしている)
ウトゥルサン
恐ろしい。怖い。
- 用例
- イクチ ナティン、ウヤー ウトゥルサン(幾つになっても、親は怖い)。
ウトゥルサ スタンリ(恐がっていたって)。ウトゥルサ スン(怖がる)。
- メモ
- 音:ウトゥラサン・ウトゥラハン・ウトゥルハン。類:ウトゥラシー。
ウトゥルサン シラン
怖いもの知らず。
- 用例
- ワラビヤ ウトゥルサン シラン(子どもは恐れを知らない)。
ウトゥルシムン
恐ろしいもの。怖いもの。
- 用例
- ウヤンカイ ゲー スンリシェー、ウトゥルシムンテー(親に反抗するのは、怖い事だよ)。
クヌ ユメー ウトゥルシムンヤー、クトゥバヌ チケーヨーヌ(この嫁は怖いね、言葉遣いが)。
- メモ
- 類:ウトゥルムン。
ウドゥルチュン
驚く。
- 用例
- マックラシン ヲゥティ イチャイネー、ウドゥルチュンテー(真っ暗闇で出会ったら、驚くさ)。否:ウドゥルカン(驚かない)過:ウドゥルチャン(驚いた)継:ウドゥルチョーン(驚いている)。
ウトゥルハン
恐ろしい。怖い。
- 用例
- ニッカ ナイネー、マックラシン ナイグトゥ ウトゥルハン(遅くなると、真っ暗闇になるから怖い)。
- メモ
- 音:ウトゥラサン・ウトゥラハン・ウトゥルサン。類:ウトゥラシー。
ウトゥルムン
恐ろしいもの。怖いもの。
- 用例
- ヤマトー ウトゥルムン ヤタセー(大和は恐い所だったさあ)。
- メモ
- 類:ウトゥルシムン。
ウトゥンガー
地名(読谷村座喜味の川)。
ウトゥンガーバル
{尾頓川原}。座喜味の小字。
ウドゥンシチ
地名。沖縄市御殿敷。
ウドゥントゥンチ
{おどのとのうち(御殿殿内)}。王子・按司の家、一般に王族の家や建物を意味する語。
ウナームーチー
行事名。鬼餅。
- 用例
- ウナームーチーネー、ムチ アタインディ イッペー イリキサタン(鬼餅には、餅が貰えるのでとても嬉しかった)。
- メモ
- 音:ウナムーチー。類:ウニームーチー・カーサムーシー・ホーハイムーチー・ムーチー・ムッチー。
旧12月7日か8日に月桃の葉に包んで蒸しあげた餅を仏壇に供え、ムーチーの煮汁は「トゥコー ウチ、ウネー フカ(徳は内、鬼は外)」と言いながら屋敷に撒き清めた。三回ずつ撒いた。は屋敷に撒き清めた。鬼餅を食した後に包んでいた葉殻を十字に結び、門や畜舎の入り口に下げて魔除けにした。子どものいる家では、子どもの年の数だけ紐で結んで吊り下げた。ところによっては、正月までの日数分を紐で括り壁に吊るして、1日明けるごとに一つずつ取って食べ、正月まであと何日だと正月を楽しみに待った。
ウナギ
それぐらいの長さ。
- 用例
- イャー ムヌン、ウナギル アンナー(お前のものも、その長さしかないのか)。
ウナメ
雌牛。
- 用例
- ウナメ ターチ カラトーン(雌牛を2頭飼っている)。
- メモ
- 類:ミーウシ。対:ヲゥーウシ(雄牛)。
ウニ
鬼。
- 用例
- ドゥク フンレー シ ナチーネー、アマカラ ウニガ ソーイガ チューンドー(あんまり甘えて泣いたら、あそこから鬼が連れに来るよ)。
ウニー
その時。
- 用例
- ウニーカラ ゥンジェー ンダン(それ以来行ってない)。
ウニーニ、ワーガ イチャノー アラニ(その時に、私が言ったでしょう)。
- メモ
- 類:ウンニー・ウヌトゥチ。
ウニージリ
それきり。
- 用例
- ウニージリ ヌーヌ アティンネーン(それっきり何のあても無い)。
- メモ
- ウニジリともいう。類:ウヌギリ。
ウニーマングラ
その頃。その当時。
- 用例
- ウニーマングラヤ ヤーニンジュン ウーサヌ、チャー ハネーチョータンヤー(その頃は家族も多くて、いつも賑やかだったね)。
- メモ
- 類:ウニマングラー。
ウニゲー
お願い。
- 用例
- ウニゲー サビラ(お願いします)。
ウニゲーシ
行事名。鬼返し。旧5月5日は鬼返しの行事。
- メモ
- →グングヮチグニチー。
ウニチョーギン
芝居名。鬼狂言。大湾のムラアシビで演じられた菖蒲節句由来の演目。
ウニマングラー
その頃。その当時。
- 用例
- ウニマングラー、ウフッチョー チノー ヌー チミシェータガヤー(その頃、大人はどんな着物を着ましたか)。
- メモ
- 類:ウニーマングラ。
ウニムーチー
行事名。鬼餅。
- 用例
- ウニムーチーネー ムチニージル マチ、ウニヌ ヒサ ヤチュンディ(鬼餅には餅の煮汁を撒いて、鬼の足を焼くそうだ)。
- メモ
- →ウナームーチー。
ウヌ
その。
- 用例
- イャーガ ムッチョール ウヌ インヤ、ワームン ヤサ(お前が持っているその犬は、私のだよ)。
ウヌアタイ
それくらい。
- 用例
- フロードンドン シ、ウヌアタイン ナランナー(背だけ大きくて、それぐらいもできないのか)。
ウヌアタイ イェーキンチュ ヤタン(それくらい金持ちだった)。
ウヌギリ
それっきり。
- 用例
- ウヌギリ クーン(それっきり来ない)。
- メモ
- 類:ウニージリ。
ウヌグトゥ
そのように。
- 用例
- ウヌグトゥ シン、シーアーシー スンナー(そのようにしても、仕上げ切れるか)。
- メモ
- 音:ウングトゥ。
ウヌサク
それくらい。
- 用例
- ウヌサク ヤラー、ドゥーチュイシスン(それくらいなら、一人でやる)。
ウヌシンカ
その人たち。
- 用例
- イッター ワラビヤ、ウヌシンカトゥ グー ヤサ(お前の子どもは、その人たちと仲間だよ)。
ウヌタッペー
その例え。そういうこと。
- 用例
- ウヌタッペー ンリ(そういうわけだって)。
アリガ ハナシスタシェー、ウヌタッペー ヤサ(彼が話していたのは、そういうことなんだよ)。
ウヌッチュ
その人。
- 用例
- ミチヌ ワカランダー、ウヌッチュンカイ チケー(道が分からないなら、その人に聞きなさい)。
ウヌトゥチ
その時。
- 用例
- ウヌトゥチニ ケーレー シムテーサ(その時に帰れば良かったのに)。
- メモ
- 類:ウニー・ウンニー。
ウヌバー
その場合。
- 用例
- アンシェー ウヌバーヤ、イャーヤレー チャー スガ(じゃあその場合は、君ならどうするか)。
ウヌバス
その時。
- 用例
- ウヌバス ナランネー、ターン ワカランサ(その時にならないと、誰も分からないよ)。
ウヌヒャー
そいつ。
- 用例
- クンドゥヌ クトー、ウヌヒャーガル ワッサル(今度のことは、そいつが悪いんだよ)。
ウヌヒレー
そのくらいの付き合い。
- 用例
- ケートゥナイ トー、ウヌヒレーッシ スムンバー ヤサ(隣近所とは、そのくらいの付き合いでいいんだよ)。
ウヌヒン
その辺。
- 用例
- ネーンダー、ウヌヒン カメーレー(無いなら、その辺を探しなさい)。
ウヌフージー
そのようなこと。そのようなもの。
- 用例
- ウヌフージーガ アタンレ、カンゲーティン ンランタサ(そのようなことがあったとは、考えてもみなかったさ)。
ウヌヘーサ
そんなに早く。
- 用例
- ヌーディチ、ウヌヘーサナー ケーティチャガ(どうして、そんなに早く帰って来たの)。
- メモ
- →音1:ウガヘーサ・タデーマ。
ウヌママ
そのまま。
- 用例
- ウヌママ ウッチャンナギトーケー(そのまま放っときなさい)。
ウヌヨーナ
そのような。
- 用例
- イャーヤ ナー、ウヌヨーナ ワジャ シーゥンジャチ(お前はもう、そのようなことをしでかしてしまって)。
ウヌヨーナ クトゥ シーネー、ターガン ガッティン サンサ(そのようなことをしたら、誰がも合点しないよ)。
ウネ
ほら。
- 用例
- ウネ、トゥティ チャンドー(ほら、取ってきたよ)。
- メモ
- 類:ウリ。
ウネウネ
おやおや。ほらほら。
- 用例
- ウネウネ、イャーヤ ゥンマ ヲゥティ ヌー ソーガ(おやおや、お前はそこで何をしているの?)。
- メモ
- 類:ウリウリ。
ウネヒャー
ええっ。ほら。それみろ。
- 用例
- ウネヒャー、ユーシッタイ(それみろ、ざまあみろ)。
- メモ
- 類:ウリヒャー。
ウハチ
お初。仏壇や墓前に供えた料理から最初に取る食べ物のこと。
- 用例
- ウサンデー シェーグトゥ、ウハチ ヌゲー(供え物をお下げしたから、お初を取りなさい)。
ウヒ
それだけ。
- 用例
- ウヌ チノー ウヒル スタンナー(その着物はそれだけの金額だったの)。
- メモ
- →ウッサ。
ウビ
桶や樽などのたが。
ウビー
覚え。記憶。
- 用例
- トゥシ トゥッティ、チカグロー ウビー ワック ナティネーラン(年を取って、近頃は覚えが悪くなってしまった)。
ウビー
聖水。儀式に用いる水。
- メモ
- ウビーはウブガー(産井戸)の水を使うことが多かった。子の命名式や湯灌にも使われた。
ウビー イェースン
湯灌〔ゆかん〕する。
- 用例
- ヲゥラン ナタル チュ チューミーシンカイ、ウビー イェースンディ イータン(亡くなった人を清めることを、ウビーイェースンと言った)。
- メモ
- 音1:ウビー ウェースン。湯灌に使う水は、最初に冷水を入れてからお湯を継ぎ足した。
ウビー ウェースン
湯灌〔ゆかん〕する。
- メモ
- →ウビー イェースン。
ウビーディー
記憶力。
- 用例
- ウビーディーヌ ワッサヌ、ヌーンクィ ワシリティ ネーン(物覚えが悪くて、何もかも忘れてしまった)。
- メモ
- 類:ムンウビー。
ウビーヤッサン
覚えやすい。
- 用例
- イャームン ノージェー イーノージ ナティ ウビーヤッサン(お前の名前は良い名前なので覚えやすい)。
ウビーン
覚える。
- 用例
- ガッコーヲゥティ ホン ユディ ウビーン(学校で本を読んで覚える)。
ヨーイネー ウビーサンタグトゥ、カチ ウビタン(なかなか覚えられなかったので、書いて覚えた)。
チューヌ クトー、イャー ウビトーキヨー(今日のことは、お前覚えておけよ)。
アジマーヌアイビータシェー、ウビトーミシェーンナー(十字路がありましたでしょう、覚えていらっしゃいますか)。
否:ウビラン(覚えない)希:ウビーブサン(覚えたい)過:ウビタン(覚えた)継:ウビトーン(覚えている)
ウヒグヮー
少々。たったそれだけ。
- 用例
- ウヒグヮール アタル(それだけしかなかった)。
- メモ
- →ウッサグヮー。
ウビジ
あっという間に。思わず。
- 用例
- ナマル ゥンマンカイ ヲゥタシガ、ウビジ ヲゥランナトーン(今そこに居たのに、急に居なくなっている)。
ウビジ、ティー ユルチ ネーラン(思わず、手を離してしまった)。
ウビジウビジ
あっという間に。思わず。
- 用例
- チャーガチャーヤ アネー アランシガ ウビジウビジ アン ナイサ(いつもはそうじゃないが、あっという間にそうなるんだよ)。
ウビダキ
樽や桶の箍〔たが〕に使う竹。
- メモ
- 桶などの箍〔たが〕は、ホウライチクなどを割って帯状に巻いて作ったのでこの呼び名がある。
ウヒナー
あれほどの大きさ。あんなに大きい。
- メモ
- →アッピナー。
ウビナディー
聖水を額につけること。
- メモ
- 類:ミジナディー・ミジナリー。
9月に門中行事としてウビナディーを行なう所があった。
神聖な水を中指で額に3回つける作法で、若返りの効果があるといわれた。
ウビゥンジャシケーゥンジャシ
思い返し返しする様。思いかえしながら。
ウビゥンジャスン
思い出す。
- 用例
- ウビゥンジャチー?(思い出したか?)。
マッチョーキヨー ナー イフィシ ウビゥンジャスンドー(待っていてよ、もう少しで思い出すよ)。
アチャマディネー チャーシン ウビゥンジャシェー(明日までにはどうしても思い出しなさい)。
否:ウビゥンジャサン(思い出さない)希:ウビゥンジャシーブサン(思い出したい)過:ウビゥンジャチャン(思い出した)継:ウビゥンジャチョーン(思い出している)。
ウフ~
大きい~。
- 用例
- ウフナービ シキレーワ(大きい鍋を据えなさい)。
ウファ
おんぶ。
- 用例
- ウファ サッティ イーヤンベー ヤラヤー(おんぶされて気持ち良いでシょう)。
- メモ
- 音1:ウーファ。
ウフアチサ
盛夏。
- メモ
- 音:ウーアチサ。
ウファチメー
御初米。初穂。
- メモ
- 類:シチマメー・シチュマ・ヒチマ・ヒチュマ・シキョマ。
米の収穫時に各家から集めた新米を、お初としてノロの家に届けた。それをヌールウマチメーともいった。シチマ参照。
ウフアビー
大声。
- 用例
- ワラバーガ ニントーグトゥ ウフアビー サンキヨー(子どもが寝ているから大声は出すなよ)。
ウフアヤヂン
大きい柄模様の着物。
ウフアンマー
伯母。
- 用例
- ウレー ウフアンマー タマシ ヤサ(それは伯母さんの分だよ)。
- メモ
- 音:ウフーアンマー。
類:ウフバーチー・ウフンマー・オホンマー・ヲゥバマー・ヲゥバマーグヮー。
ウフアンマー
年増。
- メモ
- 婚期を逸した女性をからかいを含んで言った言葉。
ウフィ
少し。僅か。
- 用例
- ゥンマカラ ウフィ トゥッティ ムッチイケー(そこから少し取って持って行きなさい)。
ウフェー マッチ(ちょっと待って)。
ソーグヮチヂン ウフゴーイ シーネー ナーファンカイ、ウフィナーヤ アーシンカイ イチュタン(正月の晴着を、たくさん買うときは那覇に、少しだけ買うときは泡瀬に行った)。
- メモ
- 音1:イヒ・イフィ。→イヒ
ウフイー
堰き止め用の簡単な石垣。
- メモ
- 字長浜では座喜味城側とウトゥンガーから流れてくる川の堰き止めを行なった。それはウフイーと呼ばれる石壁の簡単な造りであったため、大雨などで決壊することが多く、そのたびに修復した。
ウフイーチ
ため息。
- 用例
- ユルットゥ ナティ ウフイーチル サギンレー(ホッとしてひと息をついているよ)。
ウフイービヌメー
瀬名波の拝所名。
- メモ
- 瀬名波ガー近くにある。イビは神がいる場所と言われ、ウフ(大)、メー(前)は尊敬を表わす接頭辞、接尾辞。
ウフイシバル
{大石原}。長浜の小字。
ウフイチ
大池。
- メモ
- 防火用水。
ウフィチェー
御引合。祈願後の報告。
- メモ
- 類:ヒチェー・ヒチファ。
祈願した後に参会者へ報告をすること。
ウフィナー
それほどの大きさ。そんなに大きい。
- 用例
- アガトゥーカラ ウフィナーヌ ムン ムッチチェール(遠い所からそんなに大きいのを 持って来たね)。
ウヒナー スル サキガーミヌ アタンヨー(そのくらいの大きな酒瓶があった)。
- メモ
- 音:ウヒナー。類:ウッピナー。対:ウッピグヮー・ウヒグヮー(ちょっと・ほんの少し)。
ウフイルミ
多額の経費。
- メモ
- 字伊良皆ではアシビトゥイケーをする時に15歳から44、5歳までを対象に徴収した。
部落内だけで行う場合はクーイルミ(少額経費)といって、15歳から35歳までの青年から徴収した。
ウフーアンマー
伯母。
- 用例
- ウフーアンマー トゥ アシビーガ イクン(伯母さんと遊びに行く)。
- メモ
- 音:ウフアンマー。
ウフンマー参照。
ウフーオトー
伯父。
- メモ
- 類:ウフースー・ウフーチャーチャー・ウフウンチュー・ウフオトー・ウフスー・ヲゥジャサー。ヲゥジャサー・ヲゥンチュー・ウンチュー。
ウフウグヮン
行事名。大御願。
- メモ
- 字全体の健康、繁栄を祈願する字瀬名波の行事。2月と8月に行い、2月は1年の前半上月の御願で、人口と戸数を表わした藁算を不動の神に供え報告し、加護を願う。8月は後半下月の加護を感謝し1年を締めくくる御願。
ウフウシュメー
曾祖父。
ウフースー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフーチャーチャー
伯父。
- 用例
- ウフーチャーチャーカイ ソーダン シェー(伯父さんに相談しなさい)。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフウフートゥ
たっぷりと。
- 用例
- ワームノー ミーヤ ウフウフートゥ イリレー(私のは実はたっぷり入れなさい)。
ウフウンチュー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフオジー
曾祖父。
ウフオトー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフオバー
曾祖母。
- 用例
- ウフオバーガ マーチカラ ルクシチニン ドゥ ナイル(ウフオバーが亡くなって6、7年しかならない)。
- メモ
- 音2:ウフハーメー。
ウフカー
井泉の名称。
- メモ
- ユナサモーにある井泉で『琉球国由来記』(1713年)にも名前が確認できる。昔は石積みがされていたといい、大量の水が湧いて入浴や洗濯に利用された。
ウフガー
井泉の名称。
- メモ
- 字波平のウフガーの水は豆腐作りに最適でトーフミジ(豆腐水)とも呼ばれた。川下では、お産の汚れ物を洗っていたという。
ウフカーバル
{大川原}。喜名の小字。
ウフカーミーヘー
行事名。井泉拝み。正月にウフカーを拝むこと。
- メモ
- 字伊良皆のウフカーは、ユナサモー近くにある伊良皆で一番古い井泉といわれ、各門中は正月早朝に必ずそのウフカーを拝んだ。
ウフガマ
洞窟名。長浜にある大きな洞窟名。
- メモ
- 沖縄戦時、字民の防空壕として使われた。
ウフギ
地名(読谷村大木)。
ウフギー
大木。大きな木。
ウフギバル
{大木原}。伊良皆の小字。
ウフギバルヤードゥイソーダイ
大木原屋取総代。
- メモ
- 字大木創設以前の大木屋取、伊良皆屋取、楚辺屋取の三か屋取を統率する役目。
ウフギバンタ
大木の地名。大木の崖。
- メモ
- 大木バンタは高台に位置し、那覇方面を展望できる絶景の地であった。読谷北部から嘉手納方面へ行き来する際には、ここで一息入れたという。しかし、当時は大木に覆われうっそうとした場所で、追いはぎが出るので長居はせずに家路を急げといわれた。また、この地から読谷高校裏側周辺はミックヮーハカジー、ガラサーシーと呼ばれ、墓地地帯であり、薄暗く立ち寄るのが怖い場所であったという。
ウフギビラ
坂道の名称。大木の坂。
- メモ
- 字比謝から残波岬へと繋がる旧道のうち、現在の大木交差点上方から比謝イェーヤに至る坂道をウフギビラと呼んだ。戦前、嘉手納方面へ行き来するのに利用され、戦後も国道58号バイパスが開通する以前は主要道として活用された。
ウフギヤードゥイ
大木屋取。
- メモ
- 昭和10年に伊良皆、比謝、楚辺の屋取集落61戸が集まって字大木を創設した。
ウフギンチュ
大木の人。
ウブク
御仏供。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ ウブコー ウサギテーミ?(火の神に御仏供は供えてあるねぇ?)。
- メモ
- 御仏供とは小さな茶碗に円錐状に盛って神仏に供える飯。
ウフグイ
民家の間取りのひとつ。一番座。
- 用例
- タンメーヤ ウフグイヲゥティ ユックティメーサ(お爺さんは一番座で休んでいらっしゃるよ)。
- メモ
- →アガリカミザ
ウフクーガー
大きな睾丸〔こうがん〕。
- メモ
- フィラリア症に罹患した者に多かった。
ウフグシク
大城。大湾の遺跡名。
- メモ
- 長田川・県取水場北側の丘をいう。この一帯は戦後米軍による県道1号線(現・国道58号)建設、さらに復帰後の国道拡張工事のため地形は大きく変化している。丘の北側に大湾按司の墓があり、南側にウミナイ・ウミキーの墓がある。
ウフグヮン
大願。
- メモ
- 2月に字長浜で行う年初めの御願でニングヮチウフグヮンともいう。家庭から米1合ずつ徴収して、小さい餅を部落の子どもたち全員の分を作り、旧家の伊保・大殿内・玉井、瀬名波のヌンドゥヌチに供え御願した。その後に部落の子どもたちを旧家の中殿内に集めて餅を1個ずつ配った。
ウフゲー
豚などの胃。
- 用例
- ウヮーヌ ウフゲーヤ ヒティンナヨー(豚の胃袋は捨てるなよ)。
ウフゲンナー
怠け者。無精者。
- 用例
- ヰキガヌ ウフゲンナー ナテー ナランサ(男が怠け者になってはいけないよ)。
- メモ
- →アカヒチムン。
ウフサクバル
{大迫原}。座喜味の小字。
ウフサン
多い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ ユカイ ウフサン(君のは私の物よりかなり多い)。
- メモ
- →音1:ウーサン。
ウフシ
大きな岩。
- 用例
- ウフシヌ スバナカイ ミートーシ ヤサ(大きな岩の側に生えているのだよ)。
- メモ
- 類:シー。
ウフジ
祖父の兄弟。
ウフシバル
{大添原}。楚辺の小字。
ウフシンジュ
本墓。
- メモ
- →ウフバカ。
ウフスー
伯父。
- メモ
- ウフースー参照。
ウフスーグミ
渡具知の字行政組織。
- メモ
- 40代から60代の年長者で構成され、その中から村頭などの役員が選出された。
ウフスージ
{おおしゅうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- トーカチヤ ウフスージ ヤタンドー(米寿は大きな祝いだったよ)。ンナ アチマタレー ウフスージ ナトータン(皆集まったら大きなお祝いになっていた)。
- メモ
- →ウースージ。
ウフスディグヮー
袖の大きい着物。
- 用例
- クジリゴーシヌ ウフスディグヮー チチャン(崩れ格子の袖の大きい着物を着た)。
ウフソー
ぼんくら。要領が悪い。
- 用例
- ウンジョー ルク ウフソーナティ(貴方は余りにも要領が悪くて)。
ウフソームン
間抜けな人。そそっかしい人。
- 用例
- ウスソームンヤ チャー ヌーガラ ワシリティ ハイン(そそっかしい奴はいつも何か忘れて行く)。
ウフタヤードゥイ
大田屋取。
- メモ
- 字渡慶次集落から離れた海岸沿いにあるシチャバル(下原)屋取のこと。
ウフタンメー
曾祖父。
- 用例
- ウフタンメーヤ サンジンソー シムチン ヤタンヤー(曾祖父は三世相、書物繰りでもあったね)。
ウフチジャー
大豆。
- 用例
- ウフチジャーヤ マーヌ ヤーン イートータン(大豆はどの家庭にも植えられていた)。
- メモ
- 大豆は農家の常用タンパク質源である豆腐や味噌、醤油の原料に使われる作物として、豆類の中で一番多く栽培された。
大豆の種類にはオーヒグー・アンダー・ナチゲェー(シルチーともいう)があった。
トーマーミ(蚕豆)とウフチジャーは味噌や豆腐を作ったので、どこの家でも栽培していた。甘蔗収穫後の輪作物として栽培。
ウフヂネー
裕福な家。大所帯の家。
- メモ
- 音:ウフチネー。
ウフチブラー
頭が重いこと。頭がすっきりしなく気分が悪い様。
- 用例
- ヤナムン ンチ ウフチブラー ナトーン(嫌なものを見て気分が悪くなった)。
- メモ
- 音2:チブルゥンブー。
ウフチブラー
頭でっかち。
- 用例
- ルク ウフチブラー ナティ ルゲーイギサー ッシ(余りにも頭でっかちなので転びそうだ)。
ウフッチュ
大人。
- 用例
- ウビジ ウフッチュ ナティ ミーシララン ナトーサ(いつの間にか大人になって見違えてしまったね)。
- メモ
- 対:ワラビ(子ども)。
ウフトゥルバイ
ぼんやりすること。無反応。何を言っても反応がないくらいにぼんやりすること。
- 用例
- アンシ メーナチ ヌー ウフトゥルバイ ソーガ?(そんなに毎日何をぼんやりしているのか?)。
- メモ
- 音1:ウートゥルバイ。
ウフトーバル
{大当原}。都屋の小字。
ウフドーバル
{大当原}。波平、瀬名波の小字。
ウフドーバル
{大道原}。喜名、座喜味、渡慶次の小字。
ウフニーセーター
波平の字行政組織。
- メモ
- 36歳から55歳で構成された、部落行政の執行及び協議の任に当たった。その発言は大変尊重され、また、その中から4人の二才頭が選出された。
ウフニービチ
盛大な結婚式。
- メモ
- 音1:ウーニービチ。音2:ミジムイニービチ。
ウフヌスル
大泥棒。
- 用例
- チヌーヤ ウフヌスル カチミタンディサ(昨日は大泥棒を捕まえたそうだ)。
ウフヌメー
おふるまい。
- メモ
- 類:ウフルンメー。女の子の13祝いには豆腐、天ぷらなどウフヌメーだった。
ウフバーチー
伯母。
- メモ
- ウフンマー参照。
ウフハーフジ
曾祖父母。
ウフハーメー
曾祖母。
- メモ
- →ウフハーメー。
ウフバカ
本墓。
- 用例
- ヤーノー ウフバカ チュクイケーン(来年は本墓を造りかえる)。
- メモ
- 音2:ウフシンジュ。7歳からは本墓に埋葬された。
ウフバカイ
大秤。
- メモ
- 鉄の重石のついた秤で物をかける鉤がついており150斤くらいまで計れたが、それ以上は2つの秤を組み合わせて2人で棒を支えて計った。
物をのせる皿がついたクーバカイ(小さい秤)は15斤ぐらいまで計れた。どちらもヤマトゥバカイ(大和秤)と呼んだ。
ウフバタ
大旗。
- メモ
- 波平字民の慎み深い気質を象徴した旗で、戦前久米村の人に絵を描かせた。戦後は同様な絵を台湾の人に描かせた。
ウフハン
多い。
- 用例
- クジュヤカ クンドー カジェー ウフハタン(昨年より、今年は台風が多かった)。
- メモ
- 音1:ウフサン。→ウーサン。
ウフファーフジ
曾祖父母。
- メモ
- 類:ウフハーフジ。
ウフブシ
大節。
- メモ
- 琉球古典音楽で用いられる呼び方。
ウフマーチ
大きな松。
ウフミチ
大通り。
- 用例
- ウフミチカイ ゥンジーネー スグ ワカイサ(大通りに出たら直ぐに分かるよ)。
ウフムギ
大麦。
- 用例
- クンドゥヌ ウフムギヤ ディキトーンヤー(今年の大麦は豊作だね)。
- メモ
- 音1:ウフムジ。→ウームジャー。
ウフムジ
大麦。
- 用例
- ウフムジヤ ポーポー チュクタイ イーハンメー ナイタン(大麦はポーポーを作ったり食料としても重宝した)。
- メモ
- 音1:ウフムギ。→ウームジャー。
ウフムジャー
大麦。
- メモ
- →音1:ウームジャー。
ウフムニー
大口。はったり。
- 用例
- ウフムニー スシトー アタラン トー ナタレー ヒンギティヲゥラン(大口たたくわりにはいざとなると逃げていなくなった)。
ウフヤ
母屋。
- メモ
- ウフヤーともいう。昔の住居は母屋と台所が別東で寄り添った形で造られており、母屋部分をウフヤといった。
ウフヤー
本家。
- 用例
- ヌーガラ ハナシガ アンディグトゥ ムル スリティ ウフヤーカイ イチュン(何か話があるというから皆揃って本家に行く)。
ウフヤガー
井泉の名称。大屋井泉。
- メモ
- 字波平の屋号大屋が掘り当てたため、その名で呼ばれている。上流には滝があり、滝つぼは子どもたちの絶好の遊び場所で、シードーと呼ばれた。ここを通る水路がチビチリガマへ続いている。
ウフヤッサン
おとなしい。穏やか。
- 用例
- イャー ヲゥトー ウフヤッサンヤー(あなたの夫はおとなしいね)。
- メモ
- 類:ウェンダサン・エンダサン。
ウフヤッシー
おとなしい人。穏やかな人。
- 用例
- ワッター スーン ハーメーン イッペーヌ ウフヤッシー(私の父も母もとても穏やかな人だ)。
ウフヰキガ
大男。
- メモ
- 民話『黒金座主』に起因して、女児が生まれると「ウフヰキガ(大男)が生まれた」と、性別を逆にいう風習があった。
ウフヰナグ
大女。
- メモ
- 男児が生まれると「ウフヰナグ(大女)が生まれた」と性別を逆にいう風習があった。
ウフヰナグヌメー
ウフユビ
親指。
- 用例
- ウフユビ ターチ(親指二本)。
- メモ
- 類:ウヤイービ・ウヤイビ。
ウフイェーカ
近い親戚。
- 用例
- イャートゥ ワントー ウフイェーカドー(お前と私は近い親戚だよ)。
ウフルンメー
おふるまい。
- メモ
- 類:ウフヌメー。祝いの席で客人が召し上がるのはお吸い物、炒め物などのふるまい膳で、トーカチの祝い膳には、箱抜きしたご飯に御馳走も入れてふるまわれた。
ウフルンモーイ
びっくり仰天。
- 用例
- ユールユナカ ウビジニ アビラッティ ウフルンモーイ シチャン(夜、突然叫ばれてびっくり仰天した)。
ウフワタ
大きなお腹。
- 用例
- クェーティ ウフワタ ソーン(太って大きなお腹をしている)。
ウフワタ
豚などの大腸。
- 用例
- ウフワタヤ ウミンカイ アライガ イクタン(豚の大腸は海に洗いに行った)。
ウフワタ ソーン
大きいお腹をしている。妊娠している。
- 用例
- ワッター ヰナグングヮヤ ウフワタ ソーン(私の娘は妊娠している)。
- メモ
- 音2:ワタブトゥ ソーン。類:カフー ムッチョーン。
ウフワター
大食いな人。
- 用例
- イャーヤ アンシ ウフワター ヤル(お前はなんて大食いなのか)。
- メモ
- →アバラー。
ウフワタムン
大きいお腹の者。妊婦。
ウフウヮー
大きな豚。
- 用例
- ウフウヮーヌ ヲゥタンディサ(大きな豚がいたってよ)。
ウブン
ご飯。
ウブン
お盆。
- 用例
- ウブンカイ クヮーシ ムイタティー イリーン(お盆にお菓子を盛る)。
ウフンサク
見送り。
- 用例
- チュー タビカイ ハイル ヲゥジャサー ウフンサク ヒチクーワ(今日旅に出るおじさんを見送ってきなさい)。
ウフンマー
伯母。
- メモ
- ウフンマー参照。
ウホーク
多く。たくさん。
- 用例
- ヤーサラー ウホーク カミヨー(お腹がすいているならたくさん食べなさいよ)。ウホーク ナチ(いっぱい産んで)。
- メモ
- 類:チャッサキーン・ダッテーン・ダテーン・チャッサン・ンジャーリ・ダッテーン。対:イヒ・イフィ・ウフィ・クーテン(少し)。
ウマゴーシ
ヤブジラミ。
- 用例
- ウマゴーシン ヤナグサ ヤタンヤー(ヤブジラミも嫌な草だったね)。
ウマチー
行事名。御祭。
- メモ
- ウマチーは2月(麦の初穂)・3月(麦の収穫)・5月(稲の初穂)・6月(稲の収穫)に行われる。楚辺ではカミウクイ(神送り)と称して8月に、1年最後のウマチーを行った。ウマチーには物忌みとして針仕事や畑仕事をしてはいけないといわれた。また、この日は、一門、一族が宗家に集合し祖霊を拝み、一族の繁栄を祈願する。
ウマドードー
肩車。
- メモ
- 音2:カタドードー・ハイドードー・ユーイゥンマ。類:ガーターマーター・カタゥンマ・カタダーカー・マーターガーター・カーター・マータガーター・トゥンジャーマートゥー。
ウマヌ ワラインネー
馬が笑うように口を大きく開けて、歯を見せて笑うこと。
ウマリカー
そこら。その辺り。
- 用例
- ウマリカーヲゥティ アシドータンデー(そこら辺で遊んでいたよ)。
ウマリドゥシ
生まれ年。
- メモ
- 生まれた年の干支。12年ごとに巡ってくる年で厄年といわれている。
ウマリゥンマヌファ
生まれたままの姿。
- メモ
- 音2:ゥンマリシガタ。
ウマンチュ
万人。民衆。
- 用例
- ウマンチュヌ アチマイネー イークトゥン アサ(人々が揃うと良いこともあるさ)。
ウミ
海。
- 用例
- イーウヮーチチ ヤグトゥ ウミカイ アシビーガ イカナ(良い天気だから海に遊びに行こう)。
- メモ
- 対:アギ・ジギ(陸)。
ウミアーサ
海藻の一種。アオサ。ヒトエグサ(ヒトエグサ属)。
- メモ
- 和名の「アオサ」とは異なる。→アーサ。
ウミアッカー
漁師。
- 用例
- トゥヤーヤ イチマンカラヌ ウミアッカーガ ウーハタン(都屋は糸満からきた漁師が多kかった)。
- メモ
- 音:ウミアッチャー。類:ウミンチュー。
ウミアッチャー
漁師。
- 用例
- ウージャヤ ウミヌ チカサテーグトゥ ウミアッチャーガ マンドータン(宇座は海が近かったから漁師が多かった)。
- メモ
- 音:ウミアッカー。類:ウミンチュー。
ウミー
思い。思っていること。
- 用例
- イャームン ウミーン チチブサン(君の思っていることも聞きたい)。
ウミークトゥ
思うこと。
- 用例
- ウミークトゥヌ アレー イレーワ(思うことがあるなら話しなさい)。
- メモ
- 類:ウムクトゥ。
ウミータッチュン
思い立つ。意を決する。
- 用例
- ヌーガラシーニ ウミータッチュンディシェー イークトゥ ヤサ(何かをする時に、意を決するということはいいことだよ)。
ウミーチゲー
思い違い。
- 用例
- ウレー アリガ ウミーチゲール ヤル(それは彼の思い違いだよ)。
ウミードゥーイ
思い通り。
- メモ
- 音1:ウムイドゥーイ。音2:チムドゥーイ。
ウミーナヤムン
思い悩む。
- 用例
- アンシ ドゥーチュイシ イチマディン ウミーナヤムンナー?(そうやって一人でいつまでも思い悩むのか?)。
- メモ
- 類:ウミヤミー。
ウミーヌクスン
思い残す。
- メモ
- 類:ウムイヌクスン。
ウミーヌフカ
思いの外。
ウミーノースン
思い直す。
- 用例
- ユー カンゲーティ ウミーノースン(よく考えて思い直す)。
ウミーブカサン
思慮深い。
ウミーン
埋める。
- 用例
- クサリトーシェー ハルカイ ムッチ ゥンジ ウミーン(腐れているのは畑に持って行って埋める)。
否:ウミラン(埋めない)希:ウミーブサン(埋めたい)過:ウミタン(埋めた)継:ウミトーン(埋めている)。
- メモ
- →ウジュミーン。
ウミーゥンブサン
心が重い。
- 用例
- ワランチャークトゥ カンゲーイネー ウミーゥンブサンヤー(子どもたちのことを考えると心が重いね)。
ウミガーミー
魚介名。海亀〔ウミガメ〕。
- 用例
- ウミガーミミーヌ アギンカイ アガティ チョーン(ウミガメが陸に上がってきている)。
ウミガサ
化膿している出来物のこと。
- 用例
- ウミガサヌ グトゥ ヤリ フシガラン(化膿している出来物のように痛くてたまらない)。
ウミガシラ
海頭。
- 用例
- イクタイニンジュヌ ナカカラ ウミガシラ イラブン(数人の中から海頭を選ぶ)。
- メモ
- 漁をするときは数人でグループを組むことが多く、その中の中心になる人を海頭といった。
ウミカンダー
植物名。
- メモ
- 浜辺に生え、青々として食べられそうに見える植物だが、毒がある。
ウミガンチョー
水中眼鏡。
- 用例
- ウミガンチョー コーイガ イチュン(水中眼鏡を買いに行く)。
ウミキジ
魚取り。
ウミシージャ
大先輩。
- 用例
- ウミシージャンチャー(大先輩の方々)。
ウミシミーン
思い染める。強く心に思う。
- 用例
- ククルンカイ ウミシミトーテーガハン(心に強く思ったようだ)。
ウミジューコー
海焼香。海難事故や旅先で亡くなった人を、浜辺から遙拝すること。
- 用例
- ウミヲゥティ ヲゥランナイネー ウミジューコー ウサギーン(海で亡くなった人に対しては、浜辺で手を合わせた)。
- メモ
- 類:ハーマジューコー。
ウミジョージ
漁が上手な人。
- 用例
- シマナカイン ウミジョージシンカー マンドータン(字にも漁が上手な人は多かった)。
- メモ
- 主にひとりで、素潜り、投げ網、釣りで魚を取るのが上手な人のこと。
ウミダバル
{海田原}。喜名の小字。
ウミチーン
思い切る。断念する。
- 用例
- アン ナティル ヲゥグトゥ ナー ウミチーンテー(そうなった以上はもう断念するしかない)。
ウミチッチ
思いきって。思う存分に。
- 用例
- ナー アン ナレーカラー ウミチッチ ハマリヨー(もうこうなった以上は、思う存分に頑張りなさいよ)。
- メモ
- 類:ウミチットゥ。
ウミチットゥ
思いきり。思う存分に。
- 用例
- ウトゥルサー サンヨーイ ウミチットゥ チューク トゥンギヨー(怖がらずに思いきり強く飛びなさいよ)。
ウミチトゥ ニゲームッチュン(強く願う)。
- メモ
- 類:ウミチッチ。
ウミチムン
御三物。火の神。竈神。
- 用例
- ンカシェー ヒナカンヌンカイ ウミチムンディタンヤー(昔は火の神に、ウミチムン<かまどの神>といっていたね)。
- メモ
- 石3個から竈ができるので御三物の名があるという。→ウカマ・ヒヌカン。
ウミドゥイ
海鳥。海にいる鳥の総称。
ウミナーク
心おきなく。安堵する様。
- 用例
- ティーチナー ティーチナー シーウワティ ウミナーク ナタン(ひとつずつやり終えほっとした)。
ウミナイビ
王女。王の娘。
ウミナチョーラ
海人草〔カイニンソウ〕。マクリ。紅藻の一種。
- メモ
- ぎょう虫症や回虫症の虫下し薬として使われる。
ウミバーケー
漁場の取り合い。
ウミバク
漁師の道具入れ。
- メモ
- 釣り針、糸、小刀、錘、煙草などを入れる。
ウミハブ
爬虫類。ウミヘビ。
- 用例
- マックールソーシガ ウミハブヤサ(真黒いのが海蛇だよ)。
ウミハマイン
思いきり励む。没頭する。
- 用例
- トゥジ カメーテーティカラ ウミハマティ シクチ シワルナインドー(妻をめとったんだったら思いっきり励んで仕事しないといけないよ)。
ウミフージョー
漁に行く時に腰に下げて使う煙草入れ。
- 用例
- ウミフージョー ヒサギティ、ユールウミカイ イチュン(ウミフージョーを提げて、夜の海に行く)。
ウミミミジャー
ゴカイ。
- メモ
- 海の砂に入れて飼い、釣りのえさにした。
ウミメンナ
植物名。ルリハコベ。
- メモ
- →アラミンナー。
ウミヤミー
思い悩む。
- 用例
- イャーガ チャッサ ウミヤミーシン チャーン ナランサ(お前が思い悩んでもどうしようもないよ)。
チャーサレー マシガヤー ウミヤミ ソーン(どうしたらよいのか思い悩んでいる)。
- メモ
- ウミヤミともいう。
ウミユイ
気づかい。心づかい。
- 用例
- ワッター ユメー ウミユイヌ ユタサン(うちの嫁はよく気がつく)。
ウミンカキラン
思いもよらず。予想してない。
- 用例
- イャーガ チュー ケーティチューンディチェー ウミンカキランタン(お前が今日帰って来るとは良そうもしなかった)。
- メモ
- 音1:ウミンチキラン。音2:ウミンチカン。
ウミングヮ
お子さん。
- 用例
- ウンジュガ ウミングヮヌ アンシ ウジラーサヨー(貴方のお子さんのなんて可愛いことよ)。
- メモ
- 主人の子、または目上の人の子に対する敬称。
ウミンゾ
恋人の女性。
- 用例
- カナシ ウミンゾヨ(愛おしい女よ)。
- メモ
- 日常では使わず歌や芝居などで使った。
ウミンチカン
思いもよらず。予想してない。
- 用例
- アン ナインレー ウミンチカンタン(そうなるとは思いもしなかった)。
- メモ
- →ウミンカキラン。
ウミンチキラン
思いもよらず。予想してない。
- 用例
- ウンナクトゥンカイ ナインレー ウミンチキランタン(そういうことになるとは良そうもしなかった)。
- メモ
- →音1:ウミンカキラン。
ウミンチュー
漁師。
- 用例
- ンカシェー ハルサートゥ ウミンチューガ マンドータンヤー(昔は農民と漁師が多かったね)。
- メモ
- 類:ウミアッカー・ウミアッチャー・ウミンチュ。
ウミゥンマ
魚介名。タツノオトシゴ。
- 用例
- タツノオトシゴカイ ウミゥンマディ イータンヤー(タツノオトシゴにウミゥンマといっていたね)。
ウムイ カナワイン
思いが叶う。夢が叶う。
- 用例
- チャー マクトゥソーケー イチカー ウムイ カナワイン(いつも誠実であればいつかは思いが叶う)。
否:ウムイ カナワラン(思いが叶わない)過:ウムイ カナワタン(思いが叶った)継:ウムイカナワトーン(思いが叶っている)。
ウムイアタイン
思い当たる。
- 用例
- ヌーガラ ウムイアタイシガアンナー?(何か思い当たることがあるの?)。
否:ウムイアタラン(思い当たらない)。
ウムイウクスン
思い起こす。思い返す。
- 用例
- イクサユーヌクトゥ ウムイウクスン(戦争のことを思い起こす)。
- メモ
- 類:ウムイケースン。
ウムイケースン
思い返す。思い起こす。
- 用例
- ユルナー ナイネー ンカシヌクトゥ ウムイケースン(夜になると昔のことを思い返す)。
否:ウムイケーサン(思い返さない)希:ウムイケーシーブサン(思い返したい)過:ウムイケーチャン(思い返した)継:ウムイケーチョーン(思い返している)。
- メモ
- 類:ウムイウクスン。
ウムイドゥーイ
思い通り。
- 用例
- イャー ウムイドゥーイナトーグトゥ チムヒジョーサニ(お前の思い通りになったから気がすんだでしょう)。
ウミードゥーイ ナラン(思うようにならない)。
- メモ
- 音1:ウミードゥーイ。音2:チムドゥーイ。
ウムイヌクスン
思い残す。
- 用例
- チムヌウチン ウチアキラン ウムイヌクスンナー(心に思っていることも打ち明けずに思いを残すのか)。
否:ウムイヌクサン(思い残さない)過:ウムイヌクチャン(思い残した)継:ウムイヌクチョーン(思い残している)。
- メモ
- 類:ウミーヌクスン。
ウムイヌフカ
思いの外。予想外。
- 用例
- チューヌ ワジャー ウムイヌフカ ルーヤッサタンヤー(今日の仕事は思いの外容易かったね)。
ウミーヌフカ アチマトーン(思いのほか集まっている)。
- メモ
- 類:ウミーヌフカ。
ウムイン
思う。
- 用例
- イクチ ナティン ウヤヤ チャー クヮヌ クトゥル ウムインドー(幾つになっても親はいつも子どものことを思うんだよ)。
ウムカジ
面影。
- 用例
- ヰナグヌウヤトゥ アンシニチョール グナサイニヌ ウムカジガ アンヤー(母親とよく似ているね小さい頃の面影があるさ)。
ウムカジダチ
面影が浮かぶこと。
- 用例
- ゥンマカイ タッチーネー ヤッチー ウムカジダチ シ フシガラン(そこに立つと、兄さんの面影が浮かんでたまらない)。
ウムクトゥ
思うこと。
- 用例
- イャーヤ ウムクトゥヌ アティル ゥンマンカイ チェーサニ(君は思うことがあってここに来たんでしょう)。
- メモ
- 類:ウミークトゥ。
ウムサン
おもしろい。
- 用例
- チューヌ シバイヤ チヌーヤカ ウムサンディ(今日の芝居は昨日より面白いそうだ)。イッペー ウムサン(とても面白い)。
イッペー ウムッサ ヒチョータン(とっても喜んでいた)。
- メモ
- ウムッサンともいう。
ウムティ
表。
- 用例
- ウラカラ イランヨークー ウムティンカイ マーレー(裏から入らずに表に回りなさい)。
- メモ
- 対:ウラ(裏)。
ウムティジューグニン
表十五人。
- メモ
- 首里王府役人の呼び名。
ウムヤーグヮー
好きな人。恋人。
- 用例
- トゥシグル ナトーシガ ウムヤーグヮーヤ カメーティー?(年頃になっているが恋人は見つけたねぇ?)。
ウムヨーグヮー
ほんの少し。気持ちの分。かすか。おぼろげ。
- 用例
- ヨーイ ウムヨーグヮー ワキティ トゥラサンナー(ほんの少し分けてくれないか)。ウムヨーグヮール ウビトーンデー(おぼろげにしか覚えていないよ)。
- メモ
- 音2:ミークスヌウッピグヮー。
ミークスヌウッピやウムヨーグヮーに「ヨーイ」を入れることでさらに強調した意味合いを持つ。
ウムン
熟する。
- 用例
- ウヌ クガニーヤ ヤガテー ウムン(そのミカンはやがて熟する)。
ウメー
御前。若殿様。若様。
- メモ
- 芝居などで使われる。
ウメー
若様。殿様。
- 用例
- ナカジャトヌウメー(仲里の若様)。
ウメーシ
お箸。
![ウメーシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02918.jpg)
- 用例
- ウメーシガ ティーチェー タラーングトゥ トゥティトゥラシェー(お箸がひとつ足りないから取ってくれ)。
- メモ
- 類:メーシ。
日常は屋敷内に生えている竹を折って使った。子が生まれたりお祝いの時には、お爺さん達が竹などを削って丁寧に作っていた。
ウモースカビ
三十三年忌に用いる仏の絵が描かれた赤紙。
- メモ
- 類:ティンジカビ。
仏の絵が描かれた紙。三十三年忌に死者を昇天させるための御願に使う紙。
ウヤ
親。
- 用例
- ウヤ ミーブサヌ ケーティチャービタン(親に会いたくて帰ってきました)。
ウヤヌウィーカラ クィーラランタンドー(親の頭越しに事を運べないよ)。
ウヤーメー
妻の実家への年頭の挨拶。
- メモ
- 新年の早い時期に御馳走をもって行った。
ウヤアンマー
演目名。親阿母。
- メモ
- 字瀬名波のアシビの演目。按司の口詠みといわれる独特な抑揚をもつ方言劇。
在番が八重山任地で親阿母(現地妻)との間に子どもまでできたが、任期切れで沖縄に帰ることになった時の別れをテーマにした劇。
ウヤイービ
親指。
- メモ
- 類:ウヤイビ。
ウヤイビ
親指。
- メモ
- 類:ウヤイービ。
ウヤウガミ
結婚後の実家への挨拶。
- メモ
- 音1:ウヤウガン。類:ミッチャソージ・ミッチャニービチ。
若夫婦が婚礼を終えた3日目に、ミシバーチに入れた御馳走を持って嫁の実家へ行った。実家では嫁側の親族が集まり、嫁側への披露を兼ねて小宴をした。これをウヤウガミ(親拝み)、ミッチャニービチあるいはミッチャスージともいった。家によっては、新郎の両親も行くところ、あるいは姑と嫁の2人だけで行くところもあった。
ウヤウガン
結婚後の実家への挨拶。
- メモ
- →ウヤウガミ。
ウヤウムヤー
親思い。
- 用例
- ルク ウヤウムヤーナティ シクチ ウワティカラ メーナチ ウヤヌ チラ ンジーガ ハイン(あまりにも親思いで仕事を終わってから毎日親の顔を見に行く)。
ウヤガナシー
親の尊称。
- メモ
- ウヤガナシともいう。
位牌祭祀で用いられることが多い。
ウヤギ
援助。補助。助け合いとして金品を提供すること。
- 用例
- イッター ヤーヌ シースビーネー ヌー ウヤギタレー マシヤガ(君たちの新築祝いには何を援助したらいいねぇ)。
- メモ
- 音:ウヤギー。
祝いなどに近しい人が前もって金銭や物品などを持ってくる援助。
生年祝いや結婚式などのウヤギーには豆腐を届けることが多かった。
ウヤギー
援助。補助。
- 用例
- イッター ヤーヌ シースビーネー ヌー ウヤギーガヤー(君たちの落成式には何を持って行こうかな)。
ウヤギーグヮー セーワ(援助しなさい)。
- メモ
- 音:ウヤギ。
ウヤギ参照。
ウヤクヮハン
親子の相性が悪い。
- 用例
- イッター ウヤックヮヤ アンシ ウヤクヮハン ディチンアル(君たち親子は、なんて親子の相性が悪いんでしょうね)。
- メモ
- 類:ウヤトゥクヮーサン。
赤子が泣き虫であったり体が弱いと、親子の相性が悪いということで、相を当てて近親者から仮親を持たせた。
ウヤコーコー
親孝行。
- 用例
- ウヤヌ カシーン カカサン イッペー ウヤコーコーナ ムン ヤン(親の手伝いも欠かさずにとても親孝行者だ)。
- メモ
- 対:ウヤフコー・ウヤヌコ-ハジリムン(親不孝)。
ウヤコヒリバル
{親子比利原}。喜名の小字。
ウヤシ
地名(読谷村親志)。
ウヤシバル
{親志原}。親志の小字。
ウヤシンチュ
親志の人。
ウヤチョーデー
親兄弟。
- 用例
- ウヤチョーデーン ヲゥラン、ヲゥジャサートゥ クラチョーン(親兄弟もいない、叔父さんと暮らしている)。
ウヤックヮ
親子。
- 用例
- ウヤックヮ フユーナムンナティ ニタカマンタールヤル(親子怠け者で似た者同士だよ)。
ウヤックヮムルックヮ
親子もろとも。
- 用例
- イクサユーニ ケーマーシーネー、ナー ウヤックヮムルックヮ マジョーンヤサディ ウムトータン(戦争中に死ぬ時は、もう親子もろとも一緒だと思っていた)。
ウヤトゥ クヮーサン
親子の相性が悪い。
- メモ
- 類:ウヤクヮハン。
子どもが体が弱かったり、夜泣きがひどい場合にそういった。その場合は、物知りやユタなどに相性をみてもらい身内から養い親を頼み、親交を深めた。
ウヤナサガサー
親をないがしろにする者。
- 用例
- ウヤナサガサー ナテー ナラン(親をないがしろにしてはいけない)。
ウヤニントゥ
実家へ年始回りに行くこと。親年頭。
ウヤヌグブラン
念仏歌のひとつ。
ウヤヌコー
親の孝。親孝行。
- 用例
- ウヤヌコーヤ ワシテー ナランドー(親孝行は忘れてはいけないよ)。
ウヤヌコーハジリムン
親不孝者。
- 用例
- アンソール ウヤヌコーハジリムンヤ ヲゥランドー(あのような親不孝者はいないよ)。
- メモ
- 類:ウヤフコー 対:ウヤコーコー(親孝行)。
ウヤヌックヮ
親の性格や特技などを受け継いだ子。
- 用例
- ソー ウヤヌックヮ ヤサ ソーヒチヌ マンニー ソーン(本当に良く似た親子で、性格がそっくりだ)。
ウヤヌフチュクル
親の懐。
- メモ
- 長男が7歳以下で夭折した時、親もしくは先祖と一緒に祀られることをいう。
ウヤヌヤー
親の家。実家。
- 用例
- ルク イチュナサグトゥ ウヤヌヤーカイヤ マルケーティナール イチースル(あまりにも忙しくて実家にはたまにしか行けない)。
ウヤビラチ
親開き。
- メモ
- 字瀬名波や渡具知では嫁乞いが承諾され、親兄弟がお礼に行った後に、男性本人が信頼する人を伴って相手方の家へお礼に行くことをいう。
ウヤファーフジ
上代の祖先。
- 用例
- ウヤファーフジヤ アガミランネー ナラン(上代の祖先は崇めないといけない)。
ウヤフコー
親不孝。
- 用例
- ティガミ ティーチン ウクラン ウヤフコーナ ムン ヤサ(手紙ひとつ送らない親不孝者だ)。
- メモ
- 類:ウヤヌコーハジリムン。対:ウヤコーコー(親孝行)。
ウヤフジ
祖先。
- 用例
- ウレー ウヤフジヌ クトゥル ヤル(それは近い祖先のことだよ)。
ウヤマ
地名(宜野湾市大山)。
ウヤマー
宜野湾の大山辺りから来た行商の女性。
- 用例
- ウヤマーガ、アチョールーシーガ チュータシェー(大山の行商の女性が、行商に来ていたさ)。
ウヤマイン
敬う。
- 用例
- チャー トゥシシージャヤ ウヤマイル スル(いつも目上の人は敬うんだよ)。
否:ウヤマラン(敬わない)希:ウヤマイブサン(敬いたい)過:ウヤマタン(敬った)継:ウヤマトーン(敬っている)。
ウヤマディー
迷子。
- 用例
- ウヤマディー ソーンドー(迷子になっているよ)。
ウヤメー
敬い。敬意。
- 用例
- シージャウヤメーン ディキトーン(年配を敬うこともできている)。
ウヤメークトゥバ
敬語。
- 用例
- シージャンチャーンカイヤ ウヤメークトゥバル チカインドー(先輩には敬語を使うんだよ)。
ウヤヰングミ
親が決めた縁組。
- 用例
- ンカシェー ムル ウヤヰングミル ヤル(昔はほとんど親が決めた縁組だよ)。
ウヤヲゥランヌー
みなしご。親のいない子ども。
- 用例
- イクサアトー ウヤヲゥランヌーン マンドータン(戦後はみなしごも多かった)。
ウユバラン
及ばない。
- 用例
- ヒサダカーシン アリンカイヤ ウユバランサ(背伸びしても彼には及ばないよ)。
ウユミ
{おりめ(折目)}。神仏に関する四季折々の節供。
- 用例
- ンカシェー ウユミニル クヮッチーヤ カマリータル(昔は四季折々の節句にしかご馳走は食べられなかった)。
- メモ
- 音1:ウイミ。「昔は芋と具の少ない汁だけの粗食だったので、節供を設け、供物の御馳走が食べられるようにしたとの伝承がある。
ウラ
裏。
- 用例
- ウラカイ マーレー(裏に回りなさい)。
- メモ
- 対:ウムティ(表)。
ウラーキーン
水に浸す。潤す。
- 用例
- マッカイ ウラーキーン(碗を水に浸ける)。
チム ウラーキーン(心が洗われる)。ヌーリー ウラーキーン(喉を潤す)。
ウラースン
あおる。
- 用例
- ヘーク シカキリディチ ウラースン(早く手がけなさいとあおる)。
過:ウラーチャン(あおった)継:ウラーチョーン(あおっている)。
- メモ
- 物事を早く進めるように急かす。
ウラースン
脅かす。
- 用例
- アンスカ チュ ウラースンチン アンナー(こんなに人をおどかすのか)。
ウラウッチュン
炊き上がったご飯の上下をかえして、ほぐすこと。
- 用例
- クメー ニートーグトゥ ウラウッチュン(ご飯が炊けているから裏返してほぐす)。
否:ウラーウッタン(ほぐさない)希:ウラウッチーブサン(ほぐしたい)過:ウラウッチャン(ほぐした)継:ウラウッチョーン(ほぐしている)。
- メモ
- ご飯が炊きあがったときに、しゃもじで下の方から持ち上げるようにしてほぐすこと。そのままにしておくと米と米がくっつき、ふっくらとした炊き上がりにならない。
ウラウムティ
裏表。
- 用例
- ウヌ ヌノー ウラウムティ ユーンリヨー(その布は裏表よく見なさいよ)。
ウラゲースン
裏返す。
- 用例
- ナーンカイ フーチェール ムスル ウラゲースン(庭に干してあるムシロを裏返す)。
否:ウラゲーサン(裏返さない)希:ウラゲーシーブサン(裏返したい)過:ウラゲーチャン(裏返した)継:ウラゲーチョーン(裏返している)。
ウラシークワンディー
長浜棒の型名。浦添小湾手。
- メモ
- 浦添小湾のカントーという人物が伝えたといわれる。
ウラジャ
民家の間取りのひとつ。裏座。
- 用例
- ミートゥンダ ウラジャヲゥティ ニントーン(夫婦裏座で寝ている)。
- メモ
- 客間の裏にある部屋。若者の寝室や、甕に入れた味噌や砂糖、種子などの保管場所にもなった。また二番座の裏手にあたる部屋は産室にもなった。
類:スルカ・クチャ・クチャジャー・スラッカ・スルカ・メーヌクサー。
ウラヌキムヌイー
皮肉なもの言い。当て付け。
- 用例
- イャーガ ムヌイーシェー ムル ウラヌキムヌイービカーン(お前の物言いはみんな皮肉な物言いばかりだ)。
ウラハゴーサン
毛嫌い。妬ましい。
- 用例
- イャーヤ ワンガ スシ アンスカ ウラハゴーサンナー(君は私のやることがそんなに嫌いなのか)。
- メモ
- これといった理由もなく、感情的に嫌うこと。
ウラミ
恨み。
- 用例
- チュカラ ウラミ コーテー ナラン(人から恨まれてはいけない)。
ウラミコーミ
恨みつらみ。
- 用例
- ヌーヌ ウラミコーミン ネーングトゥル スンドー(何の恨みもないように公平にするんだよ)。
ウラムン
恨む。
- 用例
- イャーヤ イチマディン ウラムンナー(お前はいつまでも恨むのか)。
ウラヤマサン
羨ましい。
- 用例
- ワッターグトゥシ ヒンスームンヤ チャー イェーキンチュヌル ウラヤマサンデー(私たちみたいな貧乏人はいつも金持ちが羨ましいよ)。
- メモ
- 類:ウラヤマハン・ウレーマサン。
ウラヤマハン
羨ましい。
- 用例
- チュヌムノー ウラヤマハンデー ウマーン(人の物を羨ましいとは思わない)。
- メモ
- 類:ウラヤマサン・ウレーマサン。
ウランダー
外国人の総称。
ウランダヤー
オランダ屋。
- メモ
- メソジスト教会のシュワルツ師が明治40年、那覇市安里に建てた宣教本部の呼称。
ウリ
それ。
- 用例
- ワンネー ウリ コーイサ(私はそれを買うさ)。
ウリ
ほら。それ。
- 用例
- ウリ サーター カメー(ほら、砂糖を食べなさい)。
ウリー
ほどよい雨で畑が潤おうこと。
- 用例
- イーアミ フティ ウリー ソーン(ほどよく雨が降って、畑が潤っている)。
ウリーシクチ
雨降り後の農作業。
- 用例
- アミフティアトゥヌ ウリーシクチヤ イチュナサタン(雨が降った後の農作業は忙しかった)。
- メモ
- 雨が降った後は畑も潤うので、芋や豆、サトウキビなどの作物の植え付けで休む間もなかった。
ウリーン
降りる。下りる。
- 用例
- ニーケーカラ シチャンカイ ウリーン(2階から下に下りる)。
ウリーン
売れる。
- 用例
- イー シナムンヤ ムットゥ ウリーン(良い品物は全部売れる)。
- メモ
- 【B】否:ウリラン(売れない)過:ウリタン(売れた)。
ウリウリ
ほらほら。おやおや。
- 用例
- ウリウリ マタ ハジマタシェー(ほらほらまた始まったよ)。
- メモ
- 類:ウネウネ。
ウリカー
その辺。
- 用例
- イッター ワラビヤ ウリカーカラ アッチョータサ(あなたたちの子どもは、その辺から歩いていたよ)。
ウリガー
湧口まで下りていく井泉。
- メモ
- 字高志保のメーヌカーがウリガーだった。
ウリカラ
それから。そして。
- 用例
- ワンネー ヘーク ケータシガ ウリカラ チャー ナタガ?(私は早く帰ったが、それからどうなったの?)。
ウリグチバル
{下口原}。高志保、楚辺の小字。
ウリグチバル
{降口原}。宇座の小字。
ウリクル
彼(彼女)自身。
- 用例
- チヌーヌ クトゥヤ ウリクルル シーヤンテール(昨日の事は彼自身が仕損じたんだよ)。
ウリタイヌブタイ
下りたり上ったり。
- 用例
- イクケーンル ウリタイヌブタイスラー ワカラン(何回下りたり上ったりするのか分からない)。
ウリダキ
それぐらい。
- 用例
- ウリダキ ソーシ(それぐらいのもの)。
ウリヒャー
ええっ。ほら。それみろ。
- 用例
- ウリヒャー! デージナトーン(ウリヒャー!大変なことになった)。
- メモ
- 類:ウネヒャー。
ウリヒャックヮイ
それ大変だ。他人の失敗などを冷やかしたりする時に発する語。
- 用例
- ウリヒャックヮイ ウリヒャックヮイ タローガル シェーンドー(それ大変だ、それ大変だ、太郎がやったんだよ)。
- メモ
- →アーイヤッカイ。
ウリムン
月経。初潮。
- メモ
- 類:チチヌムン。
ウルキーン
欠損する。損失する。
- 用例
- チュガ イーシ チカンネー ウルキーンドー(人が言うのを聞かないと、欠損するよ)。
ブッカトーキッシ ウルキトーシガ マンドータンドー(物価騰貴で損した人がいっぱいいた)。
- メモ
- 類:カブイン。
ウルク
地名(那覇市小禄)。
ウルクナイン
衰える。
- 用例
- チカグロー ミーン ウルクナトーン(最近は視力も衰えている)。
- メモ
- →ウトゥリーン。
ウルクンチュ
小禄の人。
ウルサン
生。十分に火が通ってない。
- 用例
- ウヌ シシェー ウルサヌ カマリヌ サコー アラン(その肉は生煮えで、食べられたもんじゃない)。
ウルシ
漆。
- 用例
- ウルシ ヌティ チャワン シアギーン(漆を塗って茶椀を仕上げる)。
ウルシマキ
漆かぶれ。
- 用例
- イャームン ティーヤ ウルシマキル ソーリー?(君の手は漆かぶれしているの?)。
ウルジンニシ
旧暦の2~3月頃。
- 用例
- ウルジンニシグル ケーイン(2、3月頃帰る)。
ウルジンベー
うりずんの頃の蠅。
- 用例
- ウルジンベーヌ マンリ デージ ヤタン(うりずんの頃には蠅が多くて大変だった)。
ウルニー
生煮え。
- 用例
- チャンリッパ ニリヨー ウルニー シミティカラヤー(ちゃんと炊きなさいよ、生煮えさせるなよ)。
ウルニーナマニー
生煮え。
- 用例
- ウルニーナマニーシ クヮーリーヌ サコー アラン(生煮えで食べられたもんじゃない)。
ウルルカナカ
驚くほど。
- 用例
- ウルルカナカ アカガタン(驚くほど明るくなった)。
ウレー スースー
それはさておき。
- 用例
- ウレー スースー イャーヤ ヌー シーガ チャガ(それはさておき、君は何をしに来たのか?)。
ウレー スースー
それはさておき。
- 用例
- ウレー スースー イャーヤ ヌー シーガ チャガ(それはさておき、君は何をしに来たのか?)。
ウレーマサン
羨ましい。
- 用例
- チュヌムン アンシ ウレーマサ サンケー(人の物をそんなに羨ましがるな)。
ウローシバル
{裏牛原}。渡具知の小字。
ウローハン
糸の細かい物。
- 用例
- アンシ ウローハル(なんて細かい糸なんでしょう)。
ウワイ
終わり。
- 用例
- ウリシ ウワイ サーニ アシビーガ イカ(これで終わりにして遊びに行こう)。
- メモ
- 対:ハジマイ(初め・最初)。
ウワイジューコー
三十三年忌の法事。終わり焼香。
- 用例
- ウヤンチャー ウワイジューコーン リッパ ウチナチ ナー ウミナーク ヤサ(両親の三十三年忌も立派に終えてもうほっとしたね)。
- メモ
- 類:サンジューサミ・サンジューサンニンチ・ウワイニンキ。
三十三年忌を済ませると故人が神になると信じられ、極楽に行けると考えられている。位牌札も裏返しにされ、参会者も祝儀袋を持ってきた。
ウワイニンキ
三十三年忌の法事。終わり年忌。
- メモ
- 類:ウワイジューコー・サンジューサミ・サンジューサンニチ。
参会者のおばあさんたちは花織を着て、べっ甲のかんざしを差していた。25年忌や33年忌には、そういうおばあさんたちが来て必ず太鼓を鳴らして歌った。
ウワイン
終る。
- 用例
- ウッサヌ シンカ アチマトーグトゥ チューヲゥティ ウワイン(大勢の人が集まっているから今日で終わる)。
ジカヌン ネーングトゥ ヘーク ウワレー(時間もないから 早く 終わりなさい)。
否:ウワラン(終わらない)希:ウワイブサン(終わりたい)過:ウワタン(終わった)継:ウワトーン(終わっている)。
- メモ
- 類:スビナイン。対:ハジマイン(始まる)。
ウン
恩。
- 用例
- ヲゥジャサー ウンヤ フルイーティン ワシンナヨー(叔父さんの恩は大きくなっても忘れるなよ)。
- メモ
- 音1:ウンジ。
ウングトゥ
そんなに。そのように。
- 用例
- イャーヤ ウングトゥ シチン チムヒジュンナー(君はそのようにしても納得できるのか)。
ウングトゥ ヒチン ワジャンナインナー(そのようにしても仕事ができるか)。
ウングトール
そんな。そのような。
- 用例
- ハッサヨー! ウングトールクトゥン アタル(はぁーもう!そんなこともあるか)。
ヌークィン マンドールムン ウングトールムン ヰーンナー?(何でもいっぱいあるのにそんな物を貰うのか?)。
ウングトールー
そのようなもの。そのようなこと。
- 用例
- ウングトールーン アテーサヤー(そんなものもあったんだね)。
ウングトールーヤ ヌーンカイン チカーランシガ(そんなものは何にも使えないよ)。
ウンケー
7月13日の旧盆に祖霊を迎えること。
- 用例
- ウンケーネー ンナ スリティ ファーフジンチャー ンケーイン(ウンケーには皆揃って御先祖を迎える)。
- メモ
- 仏壇に祖先が食したといわれるアダニやクニブの実などと、祖霊の足を洗うためのソーローボーチ、供物を運ぶために使うガンシナやグーサンヲゥージを供えてお迎えの準備をする。夕方、門の両脇にトゥブシを点けて家族全員で祖霊を迎え、夕飯には仏壇にウンケージューシーとウンケーダーグを供える。
ウンゲーシ
恩返し。
- 用例
- ウヤンカイヌ ウンゲーシェー チャーシ サレー マシ ヤガヤー?(親への恩返しはどうすればいいのかな?)。
ウンケージューシー
7月13日のウンケーに供える雑炊。
- 用例
- ウンケージューシーン ナトーラー ヘーク ウサギレーワ(ウンケージューシー雑炊もできているなら早く供えなさい)。
- メモ
- ウンケーに供える雑炊はクファジューシーと呼ばれる沖縄風の炊き込みご飯である。
ウンケーダーグ
祖霊を迎えるウンケーに供える団子。
- 用例
- ウンケーネー ウンケーダーグン ウサギリヨーヤー(ウンケーには団子も供えなさいよ)。
- メモ
- 類:ウンケームーチー。
ウンケーに供える、小さな丸い団子で、餅米がないときは黍や粟を使うこともあった。
ウンケームーチー
祖霊を迎えるウンケーに供える餅。
- 用例
- ウンケームーチーヤ カーサンカイ ナラビティ ダーグ チュクイタン(ウンケームーチーは月桃の葉に並べて団子を作った)。
- メモ
- 類:ウンケーダーグ。
ウンサク
神酒。
- 用例
- ウンサク ウサギーン(神酒を差し上げる)。
- メモ
- ヌンドゥンチで3日前に米を炊いて作った。摺った米を発酵させて作るが、発酵の際に泡立つ様子をワチョーンと表現した。
前日で漬けておいた糯米をサーフン(すり鉢のような器)で摺って、時間が経ち泡が立って酸っぱくなる頃合いにウンサクヤ ワチョーミ(ウンサクはわいているか?)と聞かれたら、火にかけて砂糖で味を整えた。
ウンサクトゥイ
神行事の際の役名。神酒取り。
- メモ
- ウマチーの際にノロを接待するために選出された15、6歳の青年2人の役名。
ノロの接待をするために15、6歳の青年から優秀な2人を選定しウンサクトゥイという役目に当てた。ウンサクトゥイが神酒を作って神アサギへ持って行き、部落の使丁2人と一緒にノロを接待する。ウンサクトゥイは卵を剥いたり、ご飯を炊いたりする仕事が主だった。
ウンジ
恩義。
- 用例
- アリンカイ タヌミーネー ウンジ カンシラリーン(彼に頼んだら恩を着せられる)。
ウンジ ウクイガヤー(恩義を返すかな)。
ウッピグヮーヌ ムン ヰーティ ウンジ カンジュンナー?(そんな小さいのを貰って恩義を感じるの?)。
- メモ
- 音1:ウン。
ウンジャマ
台所の裏側の物置。
- 用例
- ウンジャマンカイ ンスガーミ ウッチェーン(台所の裏側の物置に味噌甕を置いてある)。
ウンジュ
あなた。
- 用例
- ウレー ナー ウンジュガ イミシェール トゥーイ ヤイビーサ(それはもうあなたがおっしゃる通りですよ)。
ウンジュター
あなた方。
- メモ
- 音1:ウンジュナー・ウンジュナーター。
→ウンジュナー。
ウンジュナー
あなた方。
- 用例
- ワッターガー キミーサングトゥ ウンジュナーシ キミティ シマビンドー(私たちでは決めることが出来ないので、あなた方で決めていいですよ)。
- メモ
- 音1:ウンジュター・ウンジュナーター。類:ナッター・ニッター。
ウンジュナーター
あなた方。
- メモ
- 音1:ウンジュナー・ウンジュター。
→ウンジュナー。
ウンジョームサー
毛虫。
- 用例
- ウンジョームサー サーイネー ドゥーイッペー ヰーゴーク ナイタン(毛虫を触ると体中痒くなった)。
ウンダ
鳥名。ウズラ。
- メモ
- 音:ウンラ。
ウンダーキー
ブランコ。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョン ウンダーキーンカイ ヌティ アシダン(友達と一緒にブランコに乗って遊んだ)。
ウンタキ
この高さ。
ウンダヌクーガ
うずらの卵。
- 用例
- ハルヲゥティ ウンダヌクーガ カメータン(畑でうずらの卵を見つけた)。
ウンダバル
{恩田原}。喜名の小字。
ウンチ
運気。運勢。
- 用例
- チュヌ ウンチヤ ドゥーニル アル(人の運は自分にあるんだよ)。
ウンチェー
空芯菜。エンサイ。よう菜。
- 用例
- シムヌ スバカイ ウンチェー イーテータン(台所の傍に空心菜を植えてあった)。
- メモ
- 類:ウンチェーバー。
ウンチェーバー
空芯菜。エンサイ。よう菜。
![ウンチェーバー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03138.jpg)
- 用例
- ウンチェーバーヤ チュクイ ヤッサンドー(空心菜は作り易いよ)。
ウンチェーヤ ヤーヌクサーカイ ダテーン ミートータン(エンサイは家の後にたくさん生えていた)。
- メモ
- 類:ウンチェー。
ウンチェーマーグー
着物をだらしなく着ている様。
- 用例
- ウンチェーマーグー ヒチ フージン ネーン(着物をだらだら着てみっともない)。
ウンチェームン
拝借物。
- 用例
- ウンチェームン サビラ(拝借させてください)。
ウンチェームン ナイガスラ(拝借できるかな)。
ウンチケー
お招き。ご案内。
- 用例
- アンマー ヘーク ウンチケーシックヮー(お母さんを早くお連れして来なさい)。
チュケートゥナイ ウンチケーシ スージサビーティー(隣近所ご招待してお祝いしましたか)。
トートーメー ウンチケー スン(位牌をお連れする移動する)。
ウンチュー
叔父。小父。
- メモ
- 音:ヲゥンチュー。
類:ヲゥジャサーグヮー・ウンチューグヮー・ヲゥチューグヮー。
ウンチューグヮー
叔父。小父。
- メモ
- 音:ヲゥンチューグヮー。
ウンチュー参照。
ウンチョービ
御髪。髪型のひとつ。
- 用例
- ウンチョービディ イーネー カタカシラテー(ウンチョービというのは男性の髷のことだよ)。
- メモ
- 音:ウンチョービー。
ウンチョービー
髪の結い方の一種。
- メモ
- 音:ウンチョービ。
ウントゥー
そのようなもの。
- 用例
- ウントゥールーン アルバーイ(そんなものがあるのか)。
ウントール
そのような。
- 用例
- ウントール ビョーキン アルバイ(そんな病気もあるのか)。
ウンナ
そんな。
- 用例
- ウンナ ムンビカーン コーティッチ アンマーンカイ ヌラーリーンテー(そんな物ばっかり買ってきて、お母さんに叱られるよ)。
ウンナグラーグヮー
大きいバッタ。台湾バッタ。
- 用例
- マギハヌ マージェーンカイ ウンナグラーグヮーディ イータサ(大きなバッタにウンナグラーグヮーといっていた)。
ウンナクンナ
そんなこんな。
- 用例
- ワランチャーヤ ウンナクンナ シーガーチール フルイーティ イチュルヨー(子どもたちはそうこうしながら成長していくんだよ)。
ウンナゲーン
長いこと。久しいこと。
- 用例
- ウンナゲーン チュ マタチ(そんなに長いこと人を待たせて)。
- メモ
- 音2:チャンナゲー・ナゲーサ・ナゲーダ・
ウンナバー
そんな時。
- 用例
- ウヤンチャー ヲゥラン ウンナバール アシバリル(両親がいないからそんな時に遊べるんだよ)。
ウンニー
その時。
- 用例
- アレー ウンニーカラル チガトール(彼はその時からおかしくなっているんだよ)。
アンシェー ウンニーニ ムッチ チューサ(それならその時に持って来るよ)。
ウンニングル
その頃。
- 用例
- ウンニングローヤー(その頃はね)。
ウンヌカタ
母方の血筋。
- 用例
- ヲゥバマーヤ ウンヌカタル ヤル(叔母さんは母方だよ)。
ウンヌカティナービラ
お話ししましょう。
- 用例
- チュクトゥバ ウンヌカティナービラ(お話ししましょう)。
ウンヌキービラ
お話ししましょう。
ウンヌキーン
申し述べる。話す。
- 用例
- チャーシ ウンヌキタレー ユタサイビーガヤー?(どのように申し述べたらよろしいんですかね?)。
否:ウンヌキラン(申し述べない)希:ウンヌキーブサン(申し述べたい)過:ウンヌキタン(申し述べた)継:ウンヌキトーン(申し述べている)。
ウンヌキヤビラ
お話ししましょう。
ウンネー
その時に。
- 用例
- ウンネー マルヤキ シチャン(その時に丸焼けになった)。
- メモ
- 類:ウンニー。
ウンネール
そのような。そのように。
- 用例
- チヌーヤ ウンネール クトゥン アタルヤー(昨日はそんなこともあったね)。
ウンブイコーブイ
ふらついている様。
- 用例
- ウンブイコーブイ ッシ アブナサヌ(ふらついて危ない)。
ウンラ
ウズラ。
- 用例
- アマヌ ハルンカイ ウンラガ シーチュクテーン(あそこの畑にうずらが巣を作ってある)。
- メモ
- 類:ウンダ。
きじ科の小鳥で、以前は民家の近くに畑も多かったので、草地などでよく見かけた。
エー
藍。
- メモ
- 音1:イェー・ヱー。
エー
魚介名。アイゴの一種。
- 用例
- エーグヮー カミーネー、ゥンベーン(アイゴを食べると、傷などが化膿する)。
- メモ
- →イェーグヮー。
エー アニー
ああ、そうか。
エーカ(~エーカ)
~の間。~まで。
- 用例
- イチュル エーカネー(行くまでには)。チチヌ アガイル エーカ(月が上がるまで)。
- メモ
- 類:エーガ・エーダ・エーマ・ゲーマ。
エーガ(~エーガ)
~の間。~まで。
- 用例
- ヌムル エーガネー(飲む間には)。
ナマガ エーガ サタン ネーン(今まで長いこと音沙汰もない)。
- メモ
- 類:エーカ・エーダ・エーマ・ゲーマ。
エーク
櫂〔かい〕。
- メモ
- 音1:イェーク・ウェーク。
エーグイマチ
大晦日市。
- メモ
- 大晦日に那覇へ野菜などを売りに行ったが、その市をエーグイマチと呼んだ。
エーグトゥ
法事。
- 用例
- アンマーヤ エーグトゥカイ イチュタン(お母さんは法事に行った)。
エーグトゥグヮーシェー
法事ごっこ。ままごと遊びのひとつ。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ エーグトゥグヮーシェー シ アシローン(友達とままごとごっこをして遊んでいる)。
- メモ
- エーグトゥシェーグヮーともいう。エーグトゥは法事のこと。
エージュー
同僚、仲間。
- メモ
- 音1:イェージュー。
エースガー
痩せている人。
- 用例
- カムシンネーンル アタラ アンシ エースガー ナティ(食べるのもなかったのか、こんなに痩せて)。
- メモ
- 類:ヨーガラー・ヨーガリムン。対:クェーヤー・クェーブッター(太った人)。
エースガーニーシェー
細身の青年。
- 用例
- エースガーニーシェー ビカーン アチマトール(細身の青年ばかり集まっているね)。
エースガーワラビ
痩せた子。
- 用例
- アマヌ エースガーワラビヨー(あそこの 痩せた子どもよ)。
エーダ(~エーダ)
~の間。~まで。
- 用例
- マッチョール エーダ ヌー スガ?(待っている間何をするの?)。
ゥンジチューヌ エーダ マッチョーリ(行ってくる間待っておきなさい)。
ヒージャカラ チナーヌ エーダヤ ナンマチヌ アタン(比謝から喜名までの間は並松があった)。
- メモ
- 類:エーカ・エーガ・エーマ・ゲーマ。
エータイ
女性の呼びかけの言葉。あのね。
- メモ
- 類:イェーサイ。
エードゥマイ
(今帰仁村)今泊。
エーマ(~エーマ)
~の間。~まで。
- 用例
- ヰチョール エーマネー ウワインドー(座っている間には終わるよ)。チューガ エーマ ネー(来る間には)。
メンシェール エーマ(いらっしゃるまで)。
カムル エマ マッチトゥラシ(食べる間待ってくれ)。
- メモ
- 類:エーカ・エーガ・エーダ・ゲーマ。
エーマアカグー
甘藷の品種名。八重山赤粉。
エンシェービーティー
いらっしゃいましたか?。
エンチュヌミーミー
木の実の名前。
- メモ
- 山に自生している植物のことでテンニンカのことか。
エンミ
降参。詫び。戦いに負けて、相手に屈服すること。
- 用例
- エンミ サビラ(降参します)。
- メモ
- 音1:イェンミ・ウェンミ・ヱンミ。
エンミバル
{親見原}。楚辺の小字。
オー
はい。
- メモ
- 目下、同等の者に対する返事。
オー ウキーン
承諾する。引き受ける。
- 用例
- ターン サー ヲゥランラー ワンガ オー ウキーン(誰もやる人が居ないなら私が引き受ける)。
否:オー ウキラン(承諾しない)希:オー ウキーブサン(承諾したい)過:オー ウキタン(承諾した)継:オー ウキトーン(承諾している)。
- メモ
- 対:クトゥワイン(断る)。
オーアータ
オキナワアオガエル。
- メモ
- 木の上にいて、逃げる時に小便をひっかける習性がある。それが目に入ると危ないといわれていた。
オーイラブチャー
魚介名。アオブダイ属の魚類。
![オーイラブチャー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03302.jpg)
- 用例
- オーイラブチャーヤ ユンタンジャヌ ウミヲゥティン ユートゥラリーン(オーイラブチャーは読谷の海でもよく取れる)。
- メモ
- 和名の「アオブダイ」は沖縄県には分布しないとのこと。→イラブチャー。
オーイン
喧嘩する。争う。
- 用例
- アレー マク ナティ ユー オーイン(彼は腕白でよく喧嘩をする)。トゥイグヮー オーラスン(鶏を喧嘩させる)。
否:オーラン(喧嘩しない)過:オータン(喧嘩をした)継:オートーン(喧嘩をしている)。
オーエー
争い。喧嘩。
- 用例
- サキ ヌリ ヰーティ オーエー ハジマトーン(酒に酔って喧嘩をしている)。
オーエークィーエー
盛んに争っている様。
- 用例
- オーエークィーエー シ(喧嘩ばかりして)。
- メモ
- 類:オーエーティーエー。
オーエーティーエー
盛んに争っている様。
- 用例
- アチマイルカージ オーエーティーエー スン(集まるたびに喧嘩ばかりシている)。
- メモ
- 類:オーエークィーエー。
オーエームシ
喧嘩好き。よく喧嘩をする人。
- 用例
- オーエームシ ナテー ナランドー(喧嘩好きになってはいけないよ)。
- メモ
- 類:オーヤー。
オーガーサー
青白いこと。顔面蒼白。
- 用例
- ヌーヌル アタラー アンシ オーガーサー ッシ(何があったのかそんなに真っ青になって)。
オーギ
扇。
- 用例
- オーギ ターチ ムッチ クーワ(扇を2つ持って来なさい)。
- メモ
- 音:オージ。
オークビー
首の青い鴨のこと。
- メモ
- 鴨獲りをしていた屋号山川小の俗称にもなっていた。
オークボバル
{大久保原}。渡慶次の小字。
オーグン
扇ぐ。
- 用例
- アシ ハトーグトゥ オーギッシ オーグン(汗をかいているから扇であおぐ)。
- メモ
- 音:オージュン。
オーサクルサ
深海。青黒く深い海の色。
- 用例
- オーサクルサヌ ウトゥラハヨー(青黒く深い海の恐いことよ)。
オーサビ
青錆。緑色の錆。
- 用例
- フルク ナティ オーサビ ゥンジトーン(古くなって青サビが出ている)。
オーサン
青い。未熟。
- 用例
- ウヌ ミカノー ナーマ オーサン(そのミカンはまだ熟してない)。
- メモ
- 類:オーハン。
オージ
扇。
- 用例
- チカイル オージヤ シコーテーミ?(使う扇は準備してあるねぇ?)。
- メモ
- 類:オーギ。
オーシートー
子どもの遊び。お手玉遊び。
- メモ
- 類:チャラチャラーグヮー・ヒトフタトノジュー。お手玉は布袋に小石や豆などを入れて作る。
オーシマ
(奄美)大島。
オージメー
扇舞。扇を持って踊る舞。
- メモ
- 扇を持っての踊りで、かぎやで風が一般的。
ムラアシビの最初の演目として、大人の仲間入りをする15、6歳の男性が演じた。
オージャーニーシェー
青二才。
- 用例
- オージャーニーシェーガ クサムニー ビカーン ッシ(青二才が大口ばかりたたいて)。
オージヤマン
扇子のように広がった形に成長した山芋。
オージュン
扇ぐ。
- 用例
- ワラビガ アシ ハトーグトゥ オージシ オージュン (子どもが汗をかいているので扇であおぐ)。
オージトゥラスン(あおいであげる)。
否:オーガン(あおがない)希:オージーブサン(あおぎたい)過:オージャン(あおいだ)継:オージョーン(あおいでいる)。
- メモ
- 音:オーグン。
オーダー
農具名。もっこ。
- メモ
- 音:オーラー。
運搬用具のひとつ。藁や棕櫚で網状に作ったもの。
オーダキ
青竹。
オーダムン
生木。まだ乾燥していない薪。
- 用例
- オーダムン メーチャレー キブヤートゥールーソーン(生木を燃やしたら煙が立ち込めている)。
オーチビ
びり。最後尾。
- 用例
- ハーエースーブ スヌ カージ チャー オーチビ ヤタン(かけっこをするたびに、いつもびりっけつだった)。
- メモ
- 類:オーピリ。
オーッテン
青々と。
- 用例
- ヤシェーヌ オーッテン ソーシヨー マーサギサル(野菜が青々としていることよ、美味しそうだね)。
- メモ
- 類:オーミテン。
オートゥー
ミカンの一種。青唐九年母。
- 用例
- オートゥーヌ マーサギサヨー(オートゥーの美味しそうなことよ)。
- メモ
- 音:オートー。
オートー
ミカンの一種。青唐九年母。
- 用例
- オートーヌ マーサヨー(オートゥーの美味しいこと)。
- メモ
- 音:オートゥー。
オードーン
青みがかっている。
オーナジャー
リュウキュウアオヘビ。
- 用例
- ゥンマカラ オーナジャーガ ホーティ イチュタンドー(そこから青蛇が這って行ったよ)。
- メモ
- 石垣などにいる無毒で咬まない蛇だったので、尻尾を掴まえ振り回して遊んだ。
オーナチ
猫の異様な鳴き方。
- メモ
- 発情期とは異なる鳴き方で、厄だといって忌み嫌われている。
オーヌーリー
青ゴケ。
- 用例
- オーヌーリー ミートーン(青ゴケが生えている)。
- メモ
- 類:オールーヌーイ。
オーハン
青い。未熟。
- メモ
類:オーサン。
オーヒグー
大豆の品種のひとつ。
- 用例
- ハルカラ オーヒグー トゥティ クーワ(畑からオーヒグーを取ってきなさい)。
- メモ
- 小粒で短い茎は4ミリほどで、オーヒグーは青ヒグ、その名の通り熟しても青い色が残る。
音:アンダー。
ウフチジャー参照。
オーヒグルー
背筋が凍る。ぞっとする。
- 用例
- オーヒグルー スカ ウトゥラハタン(背筋が凍るほど恐かった)。
- メモ
- 音:オーヒジュルー。
オーヒジュルー
とても冷たいこと。背筋が凍ること。
- 用例
- ムル オーヒジュルー ナトーン(全身冷たくなっている)。
ユナカ トゥーイネー マックラシン ナティ オーヒジュルー スカ ウトゥルサタン(夜中通ると真っ暗闇で背筋がぞっとするほど恐かった)。
- メモ
- 音:オーヒグルー。
オーヒチムン
怠け者。無精者。
- 用例
- チャクシガ オーヒチムン ナティ ヤッケー ヤッサー(長男が怠け者で厄介だ)。
- メモ
- →アカヒチムン。
オーヒチャー
怠け者。無精者。
- 用例
- オーヒチャートー シクチェー ナラン(怠け者とは仕事はできない)。
- メモ
- →アカヒチムン。
オービチャイ
青光り。
- 用例
- アマヲゥティ オービチャイ ソーシガ ヌー ヤガヤー?(あそこで青く光っているが何だろうね?)。
オーピリ
ビリ。最後尾。
- 用例
- イャーヤ イチグ オーピリビカーンナー(君はいつもビリだね)。
- メモ
- 類:オーチビ。
オーブ
股〔もも〕にできる大きなできもの。
- メモ
- 筋肉内に化膿菌によっておこる炎症。
オーファ
葉野菜。なっぱ。
- 用例
- オーファ ダテーン トゥティ チェーンドー(葉野菜をたくさん取って来たよ)。
- メモ
- →ウズル。
オーファイリチャー
青菜炒め。
オーファチクタ
野菜の総称。
- 用例
- オーファチクタ ヌー ヤティン カミル スル(野菜なら何でも食べるんだよ)。
オーブターマーミ
豆の種類。オーブター豆。
- 用例
- トーマーミートゥ オーブターマーミ シーティー イリチ、クヮナシドゥクルンカイ、ジューバクヌ ミーナー、スガティ イチュタシェー(蚕豆とオーブターマーミを一緒に炒めて、重箱に詰めて、赤子が生まれた家に持って行ったさ)。
- メモ
- 青く太めの豆のことか。
オーベー
アオバエ。
- 用例
- クヮーシンカイ オーベーガ シガトータン(お菓子にアオバエがたかっていた)。
- メモ
- 体が大きく、青黒く光る銀蠅のこと。
オーボートゥ
鳩〔ハト〕の一種。ズアカアオバト。
オーマーミ
緑豆。やえなり。
- 用例
- オーマーミーヌ ジコー ユカトータン(緑豆がとても豊作だった)。
オーマチ
魚介名。アオチビキ。
- 用例
- オーマチディヌ イユン アタンヤー(アオチビキという魚もあったね)。
オーミテン
青々と。
- 用例
- ハジチヌ オーミテングヮーシ チュラサン(ハジチが青々としてきれい)。
- メモ
- 類:オーッテン。
オームン
青い物。未熟なもの。
- 用例
- パパヤーヌ オームンヤ イリチ カムサ(パパイヤの青い物は炒めて食べるさ)。
オーヤー
喧嘩好き。
- 用例
- オーヤートー ドゥシェー サンシェー マシドー(よく喧嘩する人とは友達しない方が良いよ)。
- メモ
- 類:オーエームシ。
オーヤーウシ
闘牛用の牛。
- 用例
- オーヤーウシェー イクチ カラトーミシェーガ?(闘牛用の牛は何頭飼っていらっしゃるんですか?)。
- メモ
- 類:オーラサーウシ。
牛に例えて、よく喧嘩をする人にも使う。
オーヤケバル
{大焼原}。宇座の小字。
オーラー
農具名。もっこ。
- 用例
- オーラーンカイ ゥンム カタミティチューン(もっこに芋を担いでくる)。
- メモ
- 音:オーダー。
運搬用具のひとつ。藁や棕櫚で網状に作ったもの。
オーラサーウシ
闘牛用の牛。
![オーラサーウシ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03360.jpg)
- メモ
- 類:オーヤーウシ。
オーラスン
喧嘩をさせる。闘わせる。
- 用例
- トゥイグヮー オーラスン(鶏を喧嘩させる)。
オーラセー
戦い。競り合い。
オールー
青色。緑色。
- 用例
- ワンネー オールー ナティル ミーンレー(私は青色に見えるんだよ)。
オールージュートゥイグヮー
アオカナヘビ。
![オールージュートゥイグヮー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03363.jpg)
- メモ
- 体色によって呼び分けていた。
オールーヌーイ
青ゴケ。
- 用例
- オールーヌーイガ アグトゥ シンリーンドー(青ゴケがあるから滑るよ)。
- メモ
- 類:オーヌーリー。
オールーミンパー
苔の名前。
- メモ
- オールーミンパーという苔を芯にして毬を作った。それをミンパーマーイといった。
オールーワタ
腹黒。
オーワンジー
大湾地。
- メモ
- 字牧原という字は無く、元々そこは大湾地番だった。
オーンミ
青二才が分かったような口をきくこと。
- 用例
- シージャンチャーンカイ オーンミ スシェー アランドー(年上の人に分かったような口をきくものではないよ)。
オーゥンナジャー
リュウキュウアオヘビ。
オカー
お母さん。
- 用例
- オカートゥ マンジョーン コーイムン シーガ イチュン(母と一緒に買い物に行く)。
- メモ
- 類:アンマー。
オキナワイチゴー
甘藷の品種名。沖縄一号。
オキナワヒャクゴー
甘藷の品種名。沖縄百号。
- メモ
- 昭和4(1929)年、県農業試験場技師が3年がかりで改良した品種で、当時の沖縄県奨励品種の中でも一級品種だった。
オキユタカ
甘藷の品種名。
- メモ
- 家畜の飼料にした。
オクサンギンジューグヮー
トンボの一種。羽が大きくて美しかった。
- 用例
- オクサンギンジューグヮーリチ グマーグヮーヌ ジョートーグヮーガ ヲゥタシェーヤ(オクサンギンジューグヮーといって、小さいきれいなトンボがいたよね)。
オジー
おじいさん。祖父。
- 用例
- オジーンカイ チャー イッティ ウサギレー(おじいさんにお茶を入れてあげなさい)。
オッカー
お母さん。
オッパ
背負う。おんぶ。
- 用例
- オッパ シ(背負って)。
- メモ
- 類:ウーファ・ウファ。
オトー
お父さん。
- 用例
- オトー カシー シーガ イチュン(父の手伝いに行く)。
- メモ
- 類:スー・チャーチャー・チャッチャー。
オナガマジル
翁長マジル。喜名に伝わる美女の名前。
- メモ
- 字喜名にいたという美女で、長い黒髪をウスクの木の枝にかけて乾かし休んだという歌が伝わっている。その場所はウスクドーと呼ばれ、現在、住宅密集地の中に位置しているが、かつては原野地帯に墓地が並ぶ寂しくて怖い場所であった。
オバー
おばあさん。祖母。
- 用例
- オバーンカイ ヌラーッタン(お婆さんに叱られた)。
- メモ
- 類:ハーメー・パーパー・パッパー/ハンシー。
オホンマー
伯母。
- 用例
- ウレー オホンマー タマシドー(それは伯母さんの分だよ)。
- メモ
- ウフンマー参照。
イャー
あなた。君。お前。
- 用例
- イャームントゥ ワームントゥ スーブ シンダナ(お前の物と私の物を勝負してみよう)。
- メモ
- 類:ウンジュ・ナー・イッテー。
イャーグトールムン
お前みたいな奴。
- 用例
- イャーグトールムンヤ、ゥンジティ イケー(お前みたいな奴は、出て行け)。
- メモ
- 音2:イャーフージーナムン。
イャーフージーナムン
お前みたいな奴。
- メモ
- 音2:イャーグトールムン。
イェー
ああ、そうか。あの。
- 用例
- イェー、クレーヨー(ああ、これはね)。
- メモ
- 相手の話しかけに対して思い当たることがある時や理解した時に発する語。
イェー
おい。もし。
- 用例
- イェー、ゥンマヲゥティ ヌー ソーガ(おい、そこで何をしているか)。
- メモ
- 人に声をかけるときに発する言葉。目上の人に呼びかけるときは「イェーサイ」という。
イェー
藍。
- 用例
- アンシ イェーヌ ユカトーシヨー(こんなにも藍がよくできているね)。
- メモ
- 音1:エー・ヱー。
イェーイ
和え物。酢の物。
- 用例
- ナチヌ アチハイネー、イェーイ チュクティ、ゥンジャスシェー マシ ヤサ(夏の暑いときには、和え物を作って、出した方が良いよ)。
- メモ
- 音2:イェームン。類:スーネー。
イェーイン
和える。
- 用例
- キューイ ヘーイシ イェーイン(胡瓜を酢で和える)。否:イェーラン(和えない)希:イェーイブサン(和えたい)過:イェータン(和えた)継:イェートーン(和えている)。
- メモ
- 音1:イェーユン。
イェーカ
親戚。
- 用例
- ワントゥ イャートー イェーカ ナトーンドー(私とお前は親戚だよ)。
- メモ
- 音1:ウェーカ。
イェーガー
親川。座喜味の井泉の名。
- メモ
- 類:ウェーガー・グスクガー。座喜味城主専用の古い井泉と言われ、産水もそこから汲んだ。ハジマカー(湿疹ができること)、イリガサー(麻疹)になると、ここの水でミジナディすると早く治るといわれた。
イェーガーミ
藍甕。藍を発酵させるための甕。
イェーカヌチャー
親戚。親戚の人たち。
- メモ
- 音1:イェーカンチャー。類:イェーカハロージ。
イェーカハロージ
親戚の人たち。同じ血筋の人たち。
- 用例
- ウッサヌ イェーカハロージガ、アチマトール(大勢の親戚一族が、集まっているね)。
- メモ
- 類:イェーカヌチャー・イェーカンチャー。
イェーカンチャー
親戚。親戚の人たち。
- 用例
- イェーカンチャー アチマティ スージ スン(親戚が集まってお祝いする)。
- メモ
- 音1:イェーカヌチャー。
イェーキ
富。財産。金持ち。
- 用例
- チュケーヌンチョー、イェーキ シーブサンヤー(一度だけでも、金持ちになりたいね)。
- メモ
- 音1:ウェーキ。対:クンチュー・ヒンスー・フェンスー・ヘンスー(貧乏)。
イェーキタンメー
富をもたらす鼠のこと。金持ちのおじいさん。
- メモ
- 昔の家は母屋と台所の屋根の間に鼠がお金をくわえて置くという伝えがあり、鼠のことをイェーキタンメーと呼んでいた。
イェーキンチュ
金持ちの人。財産家。
- 用例
- アマヌ ヰナグングヮヤ、イェーキンチュヌ ユミ ナトーンディ(あそこの娘は、金持ちの嫁になっているそうだ)。
- メモ
- 音1:ヲェーキンチュ。類:ジンムチ。対:ヒンスームン(貧乏者)。
イェーク
生まれつき身体にある痣や印。奇形児。
- 用例
- ウヌ ワラベー ナガリカイ イェークヌ アン(その子は背中に痣がある)。
ヒーヌ イェーク(火のような赤痣)。
タクヌ イェーク(骨がしっかりしていない様)。
- メモ
- 妊婦が火事や事故、驚くことなど、ある事象に衝撃を受けると、胎児にそれが伝わって関係するような形で表れると信じられていた。
イェーク
櫂〔かい〕。
- 用例
- イェークシ フニ クージュン(櫂で船を漕ぐ)。
- メモ
- 音1:ウェーク・エーク。
イェーグヮー
魚介名。アイゴの一種。
- 用例
- イェーグヮーヤ タッペーラーイユ ヤサ(アイゴは平べったい魚だよ)。
- メモ
- 類:エー。
あいごの一種で、稚魚はスクと呼んでいる。
イェーサチ
挨拶。
- 用例
- マーヲゥティ チュ イチャラワン、イェーサチェー リッパ シーヨーヤー(どこで人に会おうと、挨拶はちゃんとするんだよ)。
イェージ
合図。
- 用例
- イッター ニービチネー、ワンニンカイ イェージ シーヨーヤー(お前たちの結婚式には、私にも連絡しなさいよ)。
- メモ
- 類:シラシ。
イェージャ
隙間。
- 用例
- ムスルヌ イェージャ(筵の間)。
- メモ
- 類:タバサ。
イェージュー
同僚。仲間。
- 用例
- アッターヤ ワン イェージュー ヤサ(彼らは私の仲間だよ)。
- メモ
- 音1:エージュー。類:グー・シンカ。
イェージューシンカ
同僚の者たち。仲間たち。
- 用例
- イェージューシンカ ンナ アチミレー(仲間たちを皆集めなさい)。
- メモ
- 音1:イェージュードゥーサー。
イェージュードゥーサー
同僚同士。仲間同士。
- 用例
- イェージュードゥーサー、マジョーン アシビーガ イカナ(仲間同士、一緒に遊びに行こう)。
- メモ
- 音1:イェージューシンカ。
イェージューブニ
相中船。相棒船。船着き場に停泊する時に繋ぐ相手の船のこと。
イェーズミ
藍染め。
- 用例
- ンカシェー チヌン ヌーン イェーズミ スタサ(昔は着物なども藍で染めたさ)。
イェーズミティサージ
藍で染めた手ぬぐい。
- 用例
- ウヌ イェーズミティサージェー、ワン ヰーラナ(その藍染の手ぬぐいは、私がもらおう)。
イェースイェーゴー
相性。
- 用例
- イェースイェーゴー アタラチ ウタビミソーリ(相性良くさせてください)。
- メモ
- 神仏への祝詞の一部で「皆で仲良く暮らせるように」との意。
イェースン
潰す。
- 用例
- ニーブター イェースン(おできを潰す)。
否:イェーサン(潰さない)希:イェーシーブサン(潰したい)過:イェーチャン(潰した)継:イェーチョーン(潰している)。
イェースン
配る。
- 用例
- シージャシデー イェーシェーワ(年上の方から配りなさい)。
- メモ
- 類:クバイン・ハグン・ハジュン。
イェーソー
愛想。
- 用例
- アンシ、イェーソー ユタサルヤー(なんて、愛想が良いんでしょうね)。
イェーソー
相性。
- 用例
- ウヤックヮ イェーソー ワッサン(親子の相性が悪い)。
- メモ
- 類:イェースイェーゴー・グートゥミートゥ。
イェーソームチ
愛想が良いこと。
- 用例
- トゥジ カメーイラー、イェーソームチカラ カメーレー(妻をめとるなら、愛想が良い娘から探しなさい)。
イェーダイ
官職。王府勤め。
- 用例
- クンドー イェーダイ イラバッテーサヤー(今年は官職に選ばれたね)。
ヲゥジャサーヤ スイヌ イェーダイ シミシェータン(おじさんは首里勤めをされていた)。
- メモ
- 音1:イェーライ。
イェーチブー
藍壺。紺屋。
- メモ
- 字喜名にあった。
イェーティ
相手。
- 用例
- ワーガ チュール エーダ、イェーティ ソーキヨー(私がくるまで、相手していてね)。
イェーディン
多分。おそらく。
- 用例
- イェーディン ナー、クーランサニ(多分もう、来ないでしょう)。
- メモ
- 音1:イェーリン。音2:イヤリン。
イェーバ
どんなに。どれほど。さぞかし。
- 用例
- イェーバ、サビサタラー ワカラン(どれほど寂しかったのか分からない)。
イェーバーキ
藍籠。藍玉の入った籠。
イェーヒャー
おい。こら。
- 用例
- イェーヒャー!ゥンマヲゥティ ヌー ティーガンマリ ソーガ(おい!そこで何をいたずらしているか)。
イェームン
和え物。酢の物。
- 用例
- クチニーサラー、イェームンヤティン カリンディ(食欲がないなら、和え物でも食べてごらん)。
- メモ
- →イェーイ。
イェーヤ
比謝の小地名。
- メモ
- 比謝から残波岬へとつながる旧道は、戦前から、嘉手納へと行き来する主要道路であった。この道のうち、現在の県営比謝団地辺りをイェーヤと呼んだ。
戦前は幽霊やハブが出る怖い場所とされていた。イェーヤには石橋が架けられており、現在の架橋の下にそれをみることができる。
イェーユン
和える。
- 用例
- ニンブトゥカー イェーユン(スベリヒユを和える)。
- メモ
- 音1:イェーイン。
イェーユン
したたり出る。乳や膿などが出る。
- 用例
- ニーブターヌ ゥンベーティ イェートーン(おできが化膿して膿が出ている)。
イェーライ
官職。王府勤め。宮仕え。
- 用例
- ヰヌ イェーライ ヤタン(首里王府で同じ宮仕えだった)。
- メモ
- 音:イェーダイ。
イェーリン
多分。おそらく。
- 用例
- イェーリン イカンタヌ ハジ ヤシガヤー(多分行かなかったはずだがね)。
イェーリン、グソーディチ アテールバール ヤハニ(多分、後生といってあったんでしょう)。
イェーリン ヰンヌ ネーンテール バーテー(いわば縁がなかったのでしょう)。
- メモ
- →音1:イェーディン。
イェンダー
温厚な人。
- 用例
- アリガ ヲゥトー イェンダー ヤン(彼女の夫は温厚だ)。
イッター ウヤサク イェンダーヤ ヲゥランサ(君たちの親ほど、温厚人は居ないよ)。
- メモ
- 音1:ウェンダー。音2:イェンダープー。
イェンダサン
温厚だ。
- 用例
- ワン ヲゥトー イッペー イェンダサン(私の夫はとても温厚だ)。
イェンチュ
鼠〔ネズミ〕。
- 用例
- イェンチュンヌ ムル ウチュクヮティ、ネーラン ナトーン(ネズミが全部喰って、なくなってしまった)。
- メモ
- 音1:ウェンチュ。
鼠がいなくなるのは火事の予兆といわれた。また、航海中の船から鼠が逃げ出すと、船が沈没するといわれている。昔の家は母屋と台所の屋根の間に鼠がお金をくわえて置くという伝えがあり、鼠のことをイェーキタンメーと呼んでいた。
イェンチュヌクェー
虎刈り。
- メモ
- 刈り方が不揃いでネズミにかじられたように見える髪型。
イェンチュビーチャー
ネズミなどのように被害を及ぼすもの。
- メモ
- イェンチュ(ネズミ)もビーチャー(ジャコウネズミ)もネズミの一種。
イェンチュヤーマ
ネズミ捕り。
- 用例
- イェンチュヌ マンディ イェンチュヤーマ カキトーチュサ(ネズミが多くてネズミ捕りを仕掛けておくさ)。
イェンミ
降参。詫び。戦いに負けて、相手に屈服すること。
- 用例
- イェンミ サビタン(降参しました)。
- メモ
- 音1:ウェンミ・エンミ・ヱンミ。
イェンミモー
地名(読谷村楚辺の小地名)。
ウヮー
豚。
![ウヮー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03020.jpg)
- 用例
- スーヤ ウヮー コーイガ イチュタン(父は豚を買いに行った)。
ウヮーアッカサー
種豚業者。雌豚に種付けさせるために、雄豚を道から歩かせる。
- 用例
- ブチグヮー ムッチ、ウヮーアッカサーヌ ヲゥタンドーヤー(鞭を持って、種豚を歩かせて雌豚に種付けさせる人がいたよね)。
ウヮーアンダ
豚脂。ラード。
![ウヮーアンダ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03022.jpg)
- 用例
- タマナートゥ トーフ、ウヮーアンダッシ イリケー(キャベツと豆腐を、豚の脂で炒めなさい)。
- メモ
- 音:ウヮーアンラ。
ウヮーアンラ
豚脂。ラード。
- 用例
- ウヮーアンラ タリトーン(豚脂を作っている)。
- メモ
- 音:ウヮーアンダ。
ウヮーカー
上の皮。外皮。
- メモ
- 芭蕉の外皮から取る粗い芭蕉糸で死装束を仕立てた。
ウヮーガチ
上書き。
- 用例
- ワームヌン、ウヮーガチ カチトゥラシェー(私のも、上書きを書いてちょうだい)。
ウヮーガヤ
肥料を作るための茅。
- メモ
- 類:クェーガヤ。
家畜小屋と台所の間に掘った穴に茅を入れて肥料を作った。
ウヮーカラヤー
豚を飼っている人。養豚業者。
- 用例
- チチャサカイン ウヮーカラヤーガ ヲゥタン(近くにも養豚業者がいた)。
ウヮーカンカー
行事名。悪除け行事。豚カンカー。
- メモ
- →カンカー。
伊良皆の旧2月のカンカーは豚を屠った。
ウヮークルサー
屠殺業。豚を潰す者。
- 用例
- ソーグヮチメー ナイネー、ウヮークルサーヤ イチュナサタンドー(正月前になると、屠殺業は忙しかったよ)。
ウヮークルシー
行事名。正月前に豚を潰すこと。
- 用例
- ウヮークルシーネー、ワッタン スバヲゥティ ンチョータン(豚を潰す日には、私たちも側で見ていた)。
- メモ
- 旧12月27日か28日に正月用の豚を潰した。余裕のある家は豚を一頭潰したが、そうでないところは何軒かで一頭を潰した。その日はクビジリー(首肉)と大根を一緒に煮たものを夕飯として仏壇に供えた。
ウヮークルシビーサ
正月用の豚を潰す旧12月27日、28日頃の寒さ。
- 用例
- ウヮークルシビーサディチ、ウニーマングラー ヒーク ナイタンドー(ウヮークルシビーサといって、その頃は寒くなったよ)。
ウヮーグヮーカンラー
植物名。ハマヒルガオ。浜ひるがお。
- 用例
- ハーマカイヤ、ウヮーグヮーカンラーガ ウホーク ミートータン(浜辺には、浜ひるがおが多く生えていた)。
ウヮーグヮーコーンソーリー
子どもの遊びのひとつ。
- 用例
- ウヮーグヮーコーンソーリーッシ アシダシガ、ミーンカイ ミールグトゥル アル(「ウヮーグヮーコーンソーリー」といって遊んだのが、目に見えるようだ)。
- メモ
- 子どもを横にして背中に回し、首と足を左右の手で抱えて、「ウヮーグヮー コーンソーリー(豚を買って下さい)」と言いながら遊ぶ。
ウヮーグヮーニンジ
雑魚寝。
- 用例
- アサギヲゥティ ウッサヌ シンカヌ ウヮーグヮーニンジ ソーサ(離れで大勢の人が雑魚寝をしているよ)。
- メモ
- 子豚が入り乱れて寝ている様子に似ていることからそういわれた。→ウサーマートゥーニンジ。
ウヮーグヮーマジムン
豚の妖怪。
- 用例
- アマヌ シーヌ トゥクルンカイ ウヮーグヮーマジムンヌ、ゥンジトータンディ(あそこの岩の所に、豚妖怪が出ていたそうだ)。
- メモ
- 真っ暗な夜道を歩いている時に、ウヮーグヮーマジムンが出て道を塞いだりしたという話がある。
ウヮーグヮーマチ
豚市。
- メモ
- 嘉手納にあった。
ウヮークンジー
ウヮークルシーの前日に豚を縛ること。
- 用例
- ウヮークンジーネー、アマクマカラ ウヮーヌ ナチギーガ チカリータン(ウヮークンジーには、あちこちから豚の鳴き声が聞こえた)。
- メモ
- 正月前の旧12月27日になると、ほとんどの家でウヮークルシーといって正月用の豚を潰すが、その前日に豚を豚小屋から出して縄で縛っておいた。
ウヮーサー
豚を扱う者、またはその店。
- 用例
- カデナーヌ ウヮーサーヲゥティ、シシ コーティ クーワ(嘉手納の肉屋で、豚肉を買ってきなさい)。
ナマー ナー、ウヮーサーディチン イキラク ナティヤー(今はもう、豚を売買する人も少なくなったね)。
ウヮージー
よそ行きの着物。
- 用例
- ウヮージーヤ ネーン、チュカラル カイタル(よそ行きの着物はなくて、人から借りたんだよ)。
- メモ
- 音2:ウヮージギン・ウヮージヂン。
ウヮージギン
よそ行きの着物。
- 用例
- ウヮージギンヤ イチメール アル(よそ行きの着物は1枚しかない)。
- メモ
- 音2:ウヮージー・ウヮージヂン。
ウヮージヂン
よそ行きの着物。
- メモ
- 音2:ウヮージー・ウヮージギン。
ウヮーシナラーシ
闘牛の手合わせ。
- メモ
- 初めの頃の闘牛は特に日を決めず、月に1回はやっていた。今のように勝負を決めるものではなかった。
ウヮーシバ
上唇。
- 用例
- シシ カムンディチ、ウヮーシバ カンチッチャン(肉を食べようとして、上唇を噛んでしまった)。
ウヮースン
追加する。補う。
- 用例
- ウッサ ヤレー ワンガ ウヮースン(それだけなら私が補う)。
否:ウヮーサン(補わない)希:ウヮーシーブサン(補いたい)過:ウヮーチャン()継:ウヮーチョーン(補っている)。
- メモ
- 類:ウギミーン。
ウヮースン
闘わせる。
- 用例
- ウシ ウヮースン(闘牛をする)。
ウシ ウヮーシーガ イチュン(牛を闘わせに行く)。
ウヮータ
カエルやトカゲの総称。
![ウヮータ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03049.jpg)
ウヮータ
は虫類。キノボリトカゲ。
![ウヮータ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03050.jpg)
- メモ
- →アータ。
ウヮータバイ
滑稽〔こっけい〕な歩き方。
- メモ
- →アータバイ。音1:アータバイ。
ウヮーチキ
天気。
- 用例
- アンシ チューヤ イー ウヮーチキ ヤル(なんて今日は良い天気なんでしょう)。
- メモ
- 音1:ウヮーチチ。類:チンチ。
ウヮーチチ
天気。
- 用例
- チューヤ イー ウヮーチチ ナトーグトゥ アライムヌン ユー カーラチュサ(今日は良い天気だから洗濯物も良く乾くさ)。
- メモ
- 音1:ウヮーチキ。→ウヮーチキ。
ウヮーチナムン
偉ぶっている人。知ったかぶりをする人。
- 用例
- ウヮーチナムン ナイネー、ドゥシンチャーカラ シカン サラリンドー(偉ぶっていると、友達から嫌われるよ)。
ウヮーチムヌイー
偉ぶった言い方。知ったかぶり。
- 用例
- ウヮーチムヌイービカーン シーネー、アトゥカラ デージナインドー(知ったかぶりばかりすると、後で困るよ)。
ウヮーナイ
やきもち。嫉妬。
- 用例
- ウヌ ワラベー ルク ウヮーナイ ッシ、フシガラン(その子はあまりにやきもちをやいて、どうしようもない)。
- メモ
- 音1:ウヮーネー。
男女間の嫉妬には言わない。
ウヮーナイクヮーナイ
嫉妬する様。やきもちをやく様。
- 用例
- クヌ ワラベー ウヮーナイクヮーナイ ッシ、ウヤカラ ティーチン ハナリラン(この子どもはやきもちをやいて、親からちっとも離れない)。
- メモ
- 子どもが親を誰かに取られはしないかと、常に親にくっついて離れない様。
ウヮーヌイ
上塗り。
- 用例
- ナー チュケーン ウヮーヌイ シーネー、ユクン チュラク ナイサ(もう一回上塗りをすると、もっときれいになるよ)。
ウヮーヌイー
豚の胃液。
- 用例
- ウヮーヌイーヤ クスインチ、マーヌ ヤーン ウッチョーチュタン(豚の胃液は薬だといって、どこの家でも取っておいていた)。
- メモ
- 豚を潰す際に胃液を乾燥させて保存した。腹痛にはそれを削って飲んだ。
ウヮーヌウトゥゲー
豚の頤〔おとがい〕。
- メモ
- 豚を屠殺〔とさつ〕したあと魔除けとしてつり下げた。
ウヮーヌシーバイヂチン
豚の膀胱。
- メモ
- 音2:シーバイブクル。
ウヮーヌシシ
豚肉。
- 用例
- ウヮーヌシシヤ スーチキティ ウチョーチュン(豚肉は塩漬けにしておく)。
- メモ
- 類:シシ。
ウヮーヌシバ
豚の舌。
- 用例
- ウヮーヌシバヤ ソーグヮチ アキティ、ミッチャヌシークニ イリチャー ッシ カムタン(豚の舌は正月が明けて、ミッチャヌシーク〔三日節句〕に炒めて食べた)。
ウヮーヌチー
豚の血。
ウヮーヌナンカ
豚の初七日。正月7日の節供のこと。
- メモ
- 正月前に潰した豚の初七日に当たることで、そう呼んだ。
ウヮーヌヒサ
豚足。
- メモ
- 音2:ヒサブニ。
出産間近に豚足を食すると子どもが健康になるといわれた。
ウヮーヌマーイ
豚の膀胱を膨らませて毬代用にしたもの。
- 用例
- ソーグヮチネー、ウヮーヌマーイ チュクティ アシブタン(正月には、ウヮーヌマーイを作って遊んだ)。
- メモ
- 正月前に潰した豚の膀胱を、足で踏みしだきうすく伸ばした。それに竹の棒を差し込み、そこから息を吹き込んで膨らませた。
ウヮーヌムン
豚の餌。
- 用例
- ユサンリ ナイネー、ヘーベートゥ ウヮーヌムン クヮースタン(夕方になったら、早めに豚の餌をやった)。
ウヮーヌヤー
豚小屋。
- 用例
- ウンナゲーン、ウヮーヌヤーヲゥティ ヌー ソーガ?(そんなに長いこと、豚小屋で何をしているの?)。
- メモ
- 音2:フールヤー。
ウヮーネー
やきもち。嫉妬。
- 用例
- フンデー スシェー ウヮーネー ヤサ(甘えるのは、やきもちやいているんだよ)。
- メモ
- 音1:ウヮーナイ。
ウヮーバ
余計。でしゃばり。おせっかい。
- 用例
- イャーガ ソーシェー、ウレー ウヮーバ ヤサ(お前がやっていることは、それはおせっかいだよ)。
ティマ ウヮーバニ ヰータン(手間賃を余計にもらった)。
- メモ
- 類:ウヮーバイ。
ウヮーバイ
余計。でしゃばり。おせっかい。
- 用例
- ヌガ ウレー ウヮーバイル ヤサイ(なぜ、それは余計なことでしょう)。
- メモ
- 類:ウヮーバ。
ウヮーバイジン
余計な金。払わなくてもいい余計な支出。
- 用例
- ウヮーバイジン ゥンジャスンナー(余計な金を出すのか)。
ウヮーバグトゥ
余計なこと。しなくてもよいこと。
- 用例
- チャッサ ヒマ ヤグトゥディチ、ウヮーバグトー サンケー(暇だからといって、余計な事はするな)。
ウヮーバクヨー
{ぶたばくろう(豚博労)}。豚の売買、斡旋をする者。
- 用例
- ウヮーバグヨーヤ モーキシクチ ヤタン(豚博労は金が稼げる仕事だった)。
ウヮーバサーバ
余計なこと。でしゃばり。おせっかい。
- 用例
- ウヮーバサーバ ッシ、チュヌクトゥカイ クチ ゥンジャチ(でしゃばって、人のことに口出しして)。
ウヮーバシクチ
余計な仕事。
- 用例
- チョー イチュナサレー、ウヮーバシクチビカーン ムッチ ッチ(人が忙しい時に、余計な仕事ばかり持って来て)。
- メモ
- 類:ウヮーバワジャ。
ウヮーバヂケー
浪費。無駄使い。
- 用例
- モーキトーティン、ウヮーバヂケーヤ サンヨークー ジノー タミトーキヨー(儲けていても、無駄使いはせずに、金は貯めなさいよ)。
ウヮーバムン
余計なもの。
- 用例
- ジン ムタシェー、ウヮーバムンビカーン コーティッチ チャー スガ?(金を持たせたら、余計な物だけ買って来てどうするか?)。
ウヮーバユンタ
余計なおしゃべり。
- 用例
- ゥンマヲゥティ、ウヮーバユンタ ソーシェー ター ヤガ?(そこで、余計なおしゃべりしているのは誰か?)。
- メモ
- 音2:フリユンタク。
ウヮーバワジャ
余計な仕事。
- 用例
- ウレー ウヮーバワジャ ヤサ(それはやらなくてもいい仕事だよ)。
- メモ
- 類:ウヮーバシクチ。
ウヮービ
上。上の方。
- 用例
- ゥンマカイ ヰシカカトーチーネー、ウヮービカラ ニムチヌ ウティティ チューンドー(そこに座り込んでいたら、上から荷物が落ちてくるよ)。
- メモ
- →イー。
ウヮービー
晴れ着。
ウヮーヒギ
口髭。
- 用例
- ウヮーヒギガ ユー ニアトーン(口ひげがよく似合っている)。
- メモ
- 音1:ウヮーヒジ。
ウヮーヒジ
口髭。
- 用例
- ウヮーヒジ ミーラチャレー、ゥンブラーシク ナトーン(口ひげを生やしたら、威厳が出てきた)。
- メモ
- 音1:ウヮーヒギ。
ウヮービヂラー
上っ面な人。
- 用例
- ウヮービヂラーシェー ヌーン ナランサ(うわべだけでは何もできないよ)。
ウヮービビレー
うわべ付き合い。
- 用例
- イェーカンチャートー、ウヮービビレー ヤティン サンネー(親戚とは、うわべ付き合いだけでもしないと)。
ウヮーフーチ
豚の疫病。
ウヮーフール
豚小屋兼便所。
- 用例
- コーティ チェール ウヮーヤ「サンバッチウヮー ナチ トゥラシンソーリ」ンチ、ニガティ、ウヮーフールンカイ イリータンドー(飼ってきた豚は「300斤の大きな豚に成長させてください」と願って、豚小屋に入れたよ)。
- メモ
- →フール。
不動神が宿っており魔除けの場所とされていた。夜、出先から帰ってくると、ヤナカジやヤナムンを祓う為にフールに行って豚を起こし、着物をパンパンはたいてから家に入った。
ウヮーフグヤー
豚の去勢をする人。またそれを業とする者。
- 用例
- ウヮーガ クリラン マール、ウヮーフグヤー タヌムン(豚が発情する前に、去勢をする人を頼む)。
ウヮーボーイ
外出用の防寒着。
- メモ
- 無地の木綿の袷で大きめに作られていた。
ウヮーミシー
豚見せ。
- 用例
- フールヤ ムンヌキムンディチ、アカングヮガ ゥンマリティ ナージキーニン ウヮーミシー スタン(豚舎は魔除けの力があるとして、赤子が生まれて命名の儀式にも豚を見せた)。
- メモ
- 赤子の命名の儀式の時、火の神を拝んだ後に、豚小屋に連れて行き、魔除けとして赤子に豚を見せた。その時に豚が寝ていると必ず起こした。豚小屋には神様がいて、いかなる魔物でも払い除けることができると信じられた。
ウヮーリーン
追われる。
- 用例
- インカイ ウヮーリーン(犬に追われる)。
ウィー
上。
- メモ
- →音1:イー。
ウィーサワカサ
老いも若きも。
- 用例
- ウィーサワカサ スリトーン(老いも若きも集まっている)。
ウィージュン
泳ぐ。
- メモ
- 音1:イーグン・イージュン・ヲィージュン。
ウィーチバル
{上地原}。上地の小字。
ウィーデーウヤファーフジ
上の代の先祖。
ウィーデーグヮンス
上の代の祖先。
ウィーバル
{上原}。伊良皆の小字。
ウィーマースン
追い回す。執拗に追い回すことにもいう。
- 用例
- ヰキガンチャンチャーンカイ ウィーマーサットーン(男たちに追い回されている)。
否:ウィーマーサン(追い回さない)希:ウィーマーシーブサン(追い回したい)過:ウィーマーサッタン(追い回された)継:ウィーマーチョーン(追い回している)。
- メモ
- 音1:ウーイマースン。
ウィーリキサン
嬉しい。楽しい。
- 用例
- ウィーリキサ シ(喜んで)。
- メモ
- 音1:イーリキサン・イールキサン・イリキサン・イリキハン。 →イーリキサン。
ウィーン
老いる。
- 用例
- アヌ チョー イャーヤカ ウィーティ ミーッサー(あの人はお前より老けて見えるなあ)。
アンマーヤ アッタニ ウィートーン(お母さんは、急に老けている)。
- メモ
- 音1:イーン。
ウィーン
植える。
- メモ
- 音1:イーン。
ウェーカ
親類。親戚。
- メモ
- 音1:イェーカ。
ウェーガー
親川。座喜味の井泉の名。
- メモ
- →イェーガー。
ウェーキ
富。財産。金持ち。
- メモ
- →ウェーキ。音1:イェーキ。類:ジンムチ。
ウェーキンチュ
金持ちの人。
- メモ
- →イェーキンチュ。類:ジンムチ。
ウェーク
櫂〔かい〕。
- メモ
- 音1:イェーク・エーク。宇座にはウェーク棒という櫂を使う勇壮な武術があった。
ウェーウェー
おいおい。声をあげて泣いている様。
- 用例
- イチマディ ウェーウェー ナチュガ(いつまで声を上げて泣いているのか)。
ウェーウェーニンジュ
ウェーウェー人衆。
- メモ
- 伊良皆の旧12月末に行うナナマールの行事に、13歳から15歳の男子が「ウェーウェー」と泣き声をあげたり、ワイワイと騒ぎながら字の発祥7軒を廻ったことから、そう呼ばれている。→ナナマール。
ウェンダー
温厚な人。
- メモ
- 音1:イェンダー。音2:イェンダープー。
ウェンダカリガー
座喜味の湧泉の名称。
- メモ
- 集落の北西側に住むウェンダカリ(イリンダカリ)の人たちが主に利用したカー。
ウェンチュ
鼠〔ネズミ〕。
- メモ
- →イェンチュ。
ウェンチュ
ネズミ。鼠。
- メモ
- 音1:イェンチュ・ウェンチュ。
ウェンチュヌミーミー
植物名。天人花〔テンニンカ〕。
- メモ
- 類:テーニー。
フトモモ科の常緑小低木。
ウェンミ
降参。詫び。戦いに負けて、相手に屈服すること。
- メモ
- 音1:イェンミ・エンミ・ヱンミ。
ウェンミバル
{親見原}。大湾の小字。
ゥンガニ
吃音。
- 用例
- ゥンガニ スグトゥディチ、ウシェーテー ナラン(どもるからって、馬鹿にしてはいけない)。
- メモ
- 音1:ゥンジャニ。
ゥンジ ヤカ
地名(金武町伊芸と屋嘉)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
ゥンジーグチ
出口。
- 用例
- ゥンイーグチカラル ゥンジーンドー(出口から出るんだよ)。
- メモ
- 音1:ゥンジリグチ。→イジクチ。
ゥンジーハナ
出端。
- 用例
- ジョーカラ ゥンジーハナ、クルマガ トゥーティ ハイタン(門から出たとたんに、車が通って行った)。
ゥンジーン
出る。
- 用例
- ナマカラ フカンカイ ゥンジーン(今から外に出る)。
否:ゥンジラン(出ない)希:ゥンジーブサン(出たい)過:ゥンジタン(出た)継:ゥンジトーン(出ている)。
- メモ
- 対:イーン(入る)。
ゥンジタイイッチャイ
出たり入ったり。
- 用例
- ウマヲゥティ ゥンジタイイッチャイ、ヌー ソーガ?(そこで出たり入ったり、何をしているの?)。
ゥンジタッチュン
出発する。
- 用例
- ゥンジタッチュンリ シーネー(出発しようとすると)。
ゥンジファ
出羽。舞台に登場する方向。
- メモ
- →対:イリファ(入羽)。
ゥンジャスン
出す。
- 用例
- タラーン ブノー ワンガ ゥンジャスン(足りない分は私が出す)。
インヌヤーカラ イン ゥンジャスン(犬小屋から犬を出す)。
否:ゥンジャサン(出さない)希:ゥンジャシブサン(出したい)過:ゥンジャチャン(出した)継:ゥンジャチョーン(出している)。
ゥンジャナー
吃音症。どもり。
- 用例
- ワッター ワラビヤ ンジャナー ナティ シワ ヤッサー(私の子はどもりで心配だよ)。
ゥンジャニ
吃音。
- 用例
- ゥンジャニ スッサー(どもるなあ)。
ンジャニ スヌ チョー アワティラカチェー ナランドー(どもりをする人を急かしてはいけないよ)。
- メモ
- 音1:ゥンガニ。
ゥンジャニ
遺言。
- 用例
- ウレー ウヤヌ ゥンジャニヤグトゥ マムラントー ナラン(それは親の遺言だから、守らないといけない)。
- メモ
- →イーゥンジャニ。
ゥンジュ
植物名。イジュ。
- 用例
- ゥンジュヤ アマクマヌ ヤマナカイ サチョーン(イジュはあちこちの山に咲いている)。
- メモ
- 音:イジュ。
ゥンジリグチ
出口。
- 用例
- クラサヌ ミーランシガ、ゥンジリグチヤ マー ナトーガヤー(暗くて見えないが、出口はどこになっているのかな)。
- メモ
- 音1:ゥンジーグチ。→イジクチ。
ゥンジリメー
出費。
- 用例
- シングヮチヤ ゥンジリメーヌ ウーサヌ、スーテーン ムッタン(4月は出費が多くて、経済が持たない)。
ゥンナギ
魚介名。魚介名。鰻〔ウナギ〕。
- 用例
- ゥンナギディシェー、カレー ンランサ(ウナギというのは、食べたことがないよ)。
- メモ
- 音1:ゥンナジ。
ゥンナジ
魚介名。鰻〔ウナギ〕。
- メモ
- 音1:ゥンナギ。
ゥンナビー
砕米〔さいまい〕。
ゥンナビーメー
砕米を炊いた飯。
ゥンニ
稲。
![ゥンニ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03160.jpg)
- 用例
- ハルカイ、ダテーンヌ ゥンニヌ マジマットータン(畑に、たくさんの稲が積まれていた)。
ゥンニウルシ
稲下ろし。
- メモ
- タントゥイはゥンニウルシ(稲下し)のウユミで、「タントゥイ ヤイビーンドー(種取ですよ)」と、ご飯と汁物を供えた。
ゥンニマジン
稲むら。
- メモ
- 類:チュマジン。
ゥンバギー
産飯。出産祝いに炊く飯。
- 用例
- ボージャー モーキティ、ダテーン ゥンバギーン ニチューンドー(赤子が生まれて、たくさんの産飯を炊いてあるよ)。
- メモ
- 音2:ゥンバギーメー。
大量に炊いた産飯は最初に集落内の妊婦に配り、その後に親戚や隣近所の人たちに配った。産飯を多くの人に食べてもらうと赤ちゃんが健やかに成長するといわれた。
ゥンバギーメー
産飯。出産祝いに炊く飯。
- 用例
- ゥンバギーメー ムッチ チェービンドー(産飯を持ってきました)。
- メモ
- →ゥンバギー。
ゥンバシ
クワズイモ。
- メモ
- →ハチコーゥンム。
ゥンバシガーサ
クワズイモの葉。
- メモ
- →ヰーゴーガーサ。
ゥンバンジューシー
料理名。雑炊。
- 用例
- シングヮチハチカーネー ゥンバンジューシー ヰナグンチャーンカイ ティデータンドー(シングヮチハチカーには女たちに雑炊をごちそうしたよ)。
- メモ
- 旧4月20日に青年たちが娘たちに雑炊をふるまい交流した。
ゥンビラ
調理用具名。
- メモ
- ゥンムニーを作る時に煮た甘藷を潰す大きなしゃもじのような道具。
ゥンブガー
産井戸。産水〔うぶみず〕を汲む湧泉〔ゆうせん〕。
- 用例
- アカングヮヌ ゥンマリーネー、ゥンブガーカラ ミジ クリ ッチ アミシータン(赤子が生まれると、産井戸から水を汲んできて浴びせた)。
- メモ
- ゥンブガーは各集落にあり、産水・産湯あるいは死に水にも用いる重要な井泉。産湯として用いるためそう呼ばれるが、他に名称がある場合も多い。家庭で井戸を掘って初めにゥンブガーの水を入れると、その井戸の水はゥンブガーと同じと考えられ若水を汲むことができた。
ゥンブギン
産着。
- 用例
- ナー ユークル ナシメー ヤルムンヌ、ゥンブギン ターチミーチェー シコートーケー(もうそろそろ出産も近いから、産着の2、3枚は準備しておきなさい)。
- メモ
- 音1:ゥンブヂン。
生後すぐは胞衣を取り除くために芭蕉布でくるみ、生後2、3日から1週間は女性の下着やボロ布などでくるんだ。まだ生まれていない子の着物を作るものではないとされ、出産前のおしめや産着の準備を嫌った。
ゥンブクィン
溺れる。
- 用例
- フカサヲゥティ イージーネー ゥンブクィンドー(深い所で泳ぐと溺れるよ)。
否:ゥンブクラン(溺れない)過:ゥブクタン(溺れた)継:ゥンブクィトーン(溺れている)。
ゥンブサー
料理法。汁気を少なくして炊いたもの。蒸し煮。
- 用例
- アサバノー トーフゥンブサー チュクテーン(昼ご飯はトーフゥンブサーを作ってある)。
- メモ
- 音1:ゥンブシー。
ゥンブサン
重い。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ ユカイ ゥンブサンレー(その子どもはかなり重いよ)。
アンシ ゥンブサルヤー(なんて重いんだろう)。
- メモ
- 対:ガッサン(軽い)。
ゥンブシ
重し。
- 用例
- チキムン チキーグトゥ ゥンブシ ウチキトーチュン(漬物を漬けるから、重しを置いておく)。
ゥンブシー
料理法。蒸し煮。
![ゥンブシー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/02749.jpg)
- メモ
- 音1:ゥンブサー。
ゥンブスン
蒸す。
- 用例
- シンメーナービンカイ ムチ ゥンブスン(大鍋に餅を蒸す)。
否:ゥンブサン(蒸さない)希:ゥンブシーブサン(蒸したい)過:ゥンブチャン(蒸した)継:ゥンブチョーン(蒸している)。
ゥンブスン
蒸す。ふかす。
ゥンブヂン
産着。新生児に着せる着物。
- 用例
- ナー ユークル ナシメー ヤグトゥ、ゥンブヂン シコーイン(もうそろそろ出産前だから、産着を準備する)。
- メモ
- 音1:ゥンブギン。→ゥンブギン。
ゥンブニー
重い荷物。
- 用例
- ワラビンカイヤ ゥンブニーヤ ムタスナ(子どもには重い荷物は持たせるな)。
ゥンブボージ
生後初めて散髪した赤子の産毛。
- メモ
- 類:ボージナディー・ヒンガンボージャー・ミーチボージャー。
庚の日の満潮時に、朱色の紙で封した酒瓶を飾り、桃の葉とゲーン(すすきを結んだもの)を赤子の頭上で3回まわし、祖母が鋏と剃刀で産毛を3回切った。
ゥンブミジ
産湯。
- 用例
- ナー ヤガテー ゥンマリーガタードー ゥンブミジェー シコーラットーミ?(もうやがて生まれそうだよ、産湯は準備できているねぇ?)。
ゥンブラーサン
重々しい。貫禄がある。
- 用例
- アヌ チョー アンシ ウブラーサルヤー(あの人はとても貫禄があるね)。
ゥンブリーン
蒸れる。蒸されるように暑い。
- 用例
- チューヌ アチサヤ ゥンブリーンデー(今日の暑さは蒸れるようだ)。
ゥンベーイン
化膿〔かのう〕する。
- 用例
- ヒサカイ ゥンジトーヌ ニーブターガ ゥンベーイン(足にできているおできが化膿する)。
ヒージャージル カミーネー ゥンベーインドー(ヤギ汁を食べると傷が悪化するよ)。
継:ゥンベートーン(化膿している)。
- メモ
- 類:レースン。
ゥンベーイン
酔っ払う。
- 用例
- ナー ゥンベートールムヌナー(もう酔っ払っているのにな)。
- メモ
- 類:ヰン・ヰーン・ヲィーン。
ゥンベーイン
うめる。水やお湯を足す。薄める。
- 用例
- アチサグトゥ イフィ ミジ ゥンベーイン(熱いから少し水を足す)。
サキグヮーンカイ ミジ ゥンベーレー(酒に水をたしなさい)。
- メモ
- 類:ウスミーン・クベーイン。
ゥンベーグスイ
はれ物や傷口を化膿〔かのう〕させる薬、食べ物。
- 用例
- ヒージャーヤ ゥンベーグスイドー(山羊は食べると傷を悪化させる食べ物だよ)。
ゥンマ
馬〔ウマ〕。
- 用例
- タンメーヤ ゥンマンカイ ヌティ、ハルマーイ シンシェータン(お爺さんは馬に乗って、畑回りをなさっていた)。
ゥンマ
そこ。そちら。
- 用例
- ゥンマカラ アッチュシェー、ウンチューグヮーヤ アランナー?(そこから行くのは、叔父さんじゃないの?)。
ゥンマアミシグムイ
馬を浴びせる溜池。
- メモ
- 各字に馬を水浴させるためのクムイがあった。
ゥンマガ
孫。
- 用例
- ワンネー ルクニンヌ ゥンマガガ ヲゥン(私は6人の孫がいる)。
ゥンマガザキ
孫のふるまい酒。
- メモ
- 孫のいる61歳以上で亡くなった人の場合、葬式後墓庭から外に出ると参会者に遺族が酒をふるまった。
ゥンマクルサー
馬を屠殺する者。
- メモ
- 老いた馬や使えなくなった馬を屠殺した。畑もない困窮者が従事することが多かった。
ゥンマグヮー
ゾウムシ。
- 用例
- ゥンマグヮー スーブ シミータン(ゾウムシを勝負させて遊んでいたよ)。
- メモ
- 類:ユーナギマヤーグヮー・ユナギーパッパー。
ゥンマザキ
馬酒。他字から嫁取りをする男性が嫁側の青年たちに支払うお金。
- 用例
- ゥンマザキン ゥンマディマトー ユヌムン ウヌ ジノー ニーシェーガ チカイタン(馬酒も馬手間と同じように、そのお金は青年会が使った)。
- メモ
- 類:ゥンマディマ・ミチカイディマ・ホージシ。
昔は部落内婚が主で、他部落へ嫁ぐのを嫌う風習が強く、他部落へ嫁ぐ場合には当時のお金で5~20円のゥンマザキが課せられた。
ゥンマスーブ
馬勝負。琉球競馬。馬の脚並みの美しさを競う競技。
- メモ
- 類:ゥンマハラセー、ゥンマハラシー。
馬の走る脚並みの美しさを競った。競争は二頭ずつで競ったが、通しての順位は決めなかった。審査員が見えない所で、早足で走らせる者もいた。審査員はベテランの人たちがやった。
ゥンマスンカー
馬曳き。
- メモ
- ノロの子ども逹がノロの馬の手綱をもち、他の人にはさせなかった。
ゥンマチーヂン
祭りに着る着物。
ゥンマヂラー
石女。
- 用例
- ワッター ユメー ゥンマヂラー ヤシガ、チモー ターヤカ ディキトーン(私たちの嫁は子どもはできないが、心は誰よりもできている)。ワッター アバーヤ チュイ ゥンマヂラー ヤタン()。
- メモ
- 類:ゥンマヂリ・ゥンマヂリムン。
ゥンマヂリ
石女。
- 用例
- ンカシェー クヮナサンヌーカイ、ゥンマヂリディ イタサ(昔は子どもができない人に、ゥンマヂリといっていたさ)。
- メモ
- 類:ゥンマヂラー・ゥンマヂリムン。
ゥンマヂリムン
石女。
- メモ
- 類:ゥンマヂリ・ウマヂラー。
ゥンマディマ
馬手間。他字から嫁取りをする男性が嫁側の青年たちに支払うお金。
- 用例
- タシマカイ ユミ ナティ イチーネー、ゥンマディマ トゥラリータン(他部落に嫁に行くと、馬手間が課せられた)。
- メモ
- 類:ゥンマザキ・ミチカイディマ・ホージシ。→ゥンマザキ。
ゥンマドゥシ
午年。
- 用例
- ヤーノー ゥンマドゥシ ナトーン(来年は午年だよ)。
ゥンマニー
兄嫁。
- 用例
- ワッター ゥンマニーヤ イハカラル チョーンドー(うちの義姉さんは伊平屋から嫁してきたんだよ)。
ゥンマヌイイシ
馬乗り石。足踏石。
- 用例
- ヌンドゥンチヌ スバナカイ ナマン ゥンマヌイイシヤ ヌクトーン(ノロ殿内の側に今も馬乗り石が残っている)。
- メモ
- 音2:アシブミイシ。
楚辺ではその昔、ノロ殿内から金銀の飾りつけをした神馬がアシビナーまで来た。馬乗り石に横付けすると、ノロがその石を使って馬に乗り降りした。
ゥンマヌイドゥクル
ノロが馬に乗る場所。
ゥンマヌイドゥシ
乗馬仲間。
ゥンマヌイバカマ
馬乗り袴。
- メモ
- 騎手はゥンマヌイバカマと称する袴と、上半身はクンジーにたすき掛け、白の鉢巻、履き物は履かず竹(鞭)を持っていた。
ゥンマヌインジバル
{馬乗原}。座喜味の小字。
ゥンマヌシシー
馬肉。
- メモ
- チーシマシグスイ(血をきれいにする薬)と言われた。
ゥンマヌチミ
馬の蹄〔ひづめ〕。
- 用例
- ハンジャンカイ ゥンマヌチミー クマスン トゥクルヌ アタンヨ(波平に馬の蹄鉄をつける所があったよ)。
ゥンマヌチミクマサー
蹄鉄業。馬の蹄鉄〔ていてつ〕をつける職業、またその人。
ゥンマヌチュ
午年生まれの人。
- 用例
- ゥンマヌチュガ アチマティ スージ スン(午年生まれの人が集まってお祝をする)。
ゥンマヌトゥチ
午時。牛の刻。正午。
ゥンマヌファ
午の方角。
- 用例
- ゥンマヌファンカイ アティティ、フニ ハラセー(午の方角に向かって、船を走らせなさい)。
ゥンマヌファヌミフシガナシ
午の方向の御星加那志。南のお星さま。
- メモ
- 類:ゥンマヌファブシ。
祈願の際、唱える言葉のひとつ。
ゥンマヌファブシ
午の方向の星。
- メモ
- 類:ゥンマヌファヌミフシガナシ。
ンマヌファぬ星は後生、死んだ人をおさめる。
ゥンマヌヤー
馬に乗る者。騎手。
- メモ
- 馬主は、勝負強いゥンマヌヤーに頼んだ。
ゥンマヌヤー
馬小屋。
- 用例
- ナマン ゥンマヌヤーンカイル ヲゥンナー?(まだ馬小屋にいるの?)。
ゥンマバクヨー
{うまばくろう(馬博労)}。馬の売買を専門にする者。
ゥンマバサン
昆虫名。クワガタムシ。
ゥンマバサンギー
クワガタが集まる木。
ゥンマバチャー
クマバチ。
- 用例
- ゥンマバチャーンカイ ササッタン(クマバチに刺された)。
ゥンマハラシー
琉球競馬。
- メモ
- 類:ゥンマスーブ・ゥンマハラセー。
夏に5、6回行われたが、冬は製糖などで馬を使うので行なわれなかった。中部はもちろん今帰仁、国頭県下から100頭以上集まることもあった。
ゥンマハラセー
琉球競馬。
- メモ
- 馬の足並みなど乗馬技術の美しさや、飾り立てた馬の姿の美しさを披露した。
ゥンマビットゥー
馬筆頭。琉球競馬の役員。
- 用例
- ゥンマハラセーヌ ヤクミンカイ、ゥンマビットゥーディ イータン(競馬の役員に、ゥンマビットゥーといっていた)。
- メモ
- 馬が場内を2~3周するのを見て、足が慣れてきたかどうかの判断をして、競技を開始した。
ゥンマブ
馬夫。ノロの乗る馬の手綱持ちの仕事。
- メモ
- ノロに供する馬。
ゥンママチ
馬牧。牧場。
- メモ
- 類:ゥンマヰー。
牧原は当初大湾地番で、琉球王が乗る馬を育てる所でゥンママチだった。
ゥンマミー
馬見。競馬見物。
- 用例
- カタノーンカイ ゥンマミーガ イチュタン(渡慶次カタノーへ競馬を見に行った)。
- メモ
- 旧6月25日の渡慶次カタノー馬場では、他村や他字からも親戚の方々が来るので、接待に使うために大人は海へ出て魚を取りに行った。子どもたちは出店目当てで朝から遊びに出た。
ゥンマミーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- 用例
- ゥンマミーヂンディチ クンジー シコータンドー(競馬見物用に紺地の着物を新調した)。
- メモ
- 音2:カタノーヂン・アブシバレーヂン。
ゥンマミグイ
馬巡り。鑑識眼や情報量をもっている人が、頻繁に家畜の売買を繰り返すこと。
- メモ
- →ウシミグイ。
ゥンマメー
民俗芸能のひとつ。馬舞。
- メモ
- 高志保のムラアシビで演じられる。6人の踊り手と太鼓打ち1人で、アシビやめでたい席で演じられていた。京太郎の門付け芸の流れを汲むものといわれている。
ゥンマヰー
馬場。牧場。
- 用例
- ゥンマヰーカラ ゥンマ ンジャチ アシバスル ゥンマヰーグヮーヌ アタルバー(牧場から馬を出して遊ばせる馬場があったわけさ)。
- メモ
- 類:ゥンマヰー・ゥンマヰーグヮー・ゥンママチ。
かつて読谷には各地に馬場がありンマハラセー(馬勝負、競馬)が盛んに開催された。喜名ゥンマヰー、渡慶次カタノー、楚辺ガニクなどが有名で多くの見物客を集めた。
ゥンマヰーグヮー
馬場。馬を遊ばせる馬場。
- 用例
- ゥンマヰーカラ ゥンマ ゥンジャチ アシバスル ゥンマヰーグヮーヌ アタルバー(牧場から馬を出して、遊ばせる馬場があったわけさ)。
ゥンマリ
生まれ。生まれつきの性格。天性。
- 用例
- アレー、ウヌ ゥンマリ ヤサ(彼は、そういう生まれつきのの性格だよ)。
ゥンマリーン
生まれる。
- 用例
- チューネー ボージャー ゥンマリーンテー(今日こそ赤子が生まれるでしょう)。
否:ゥンマリラン(生まれない)過:ゥンマリタン(生まれた)継:ゥンマリトーン(生まれている)。
ゥンマリカー
その辺り。
- 用例
- イャーヤ、ゥンマリカーヲゥティ マッチョーケー(君は、そこら辺で待っておきなさい)。
ゥンマリカワイン
生まれ変わる。
- 用例
- ワンネー ヰキガンカイ ゥンマリカワイブサン(私は男に生まれ変わりたい)。
ゥンマリシガタ
生まれたままの姿。
- 用例
- ゥンマリシガタヤ ムル ユヌムンル ヤタシガヤー(生まれた時は皆同じ姿だったのにね)。
- メモ
- 音2:ウマリ ゥンマヌファ。
ゥンマリジマ
生まれ島。故郷。
- 用例
- トゥシ トゥイネー、ゥンマリジマカイ ケーインディチル ヤンデー(年を取ったら、生まれ島に帰るつもりだよ)。
ゥンマリドゥシ
生まれ年。
- 用例
- スーン アンマーン、クンドー ゥンマリドゥシ アタトーンドー(お父さんもお母さんも、今年は生まれ年だよ)。
- メモ
- 十二支の干支での生まれ年で、生まれてから12年毎に巡ってくる。
ゥンマリビー
誕生日。
- 用例
- ウスメー ゥンマリビーネー、ムル アチマラヤー(おじいさんの誕生日には、皆で集まろうね)。
ゥンマンクマン
どこもかしこも。
- 用例
- ゥンマンクマン、ムル ニチョーシービカーン(どこもかしこも、全部似たものばかりだ)。
ゥンミ
膿〔うみ〕。
ゥンミー
姉。姉さん。
- 用例
- ウヤー ヘーク ヲゥラン ナティ、ゥンーミーガ ウヤガワイ ヤタン(親が早くに亡くなったので、姉が親代わりだった)。
- メモ
- 上の姉はゥンミー、下の姉はゥンミーグヮーと呼んだ。→アバー。
ゥンミーグヮー
姉。姉さん。次姉以下の姉。
- メモ
- →ゥンミー。
ゥンム
芋。さつまいも。
- 用例
- チューヤ、スートゥ ゥンム フイガ イチュン(今日は、お父さんと芋を掘りに行く)。
ゥンム
轂〔こしき〕。車輪の心棒を差し込む中央部分。
- メモ
- 馬車の車輪の心棒を差し込む所で鋳物がはめられていた。
ゥンムアギー
芋天ぷら。皮を剥いだ生芋を油で揚げたもの。
- 用例
- ゥンムアギーヤ アンダヌ ネーン チュクランタン(芋天ぷらは油がなくて作らなかった)。
ゥンムイリキ
芋炒め。蒸かした芋を適当な大きさに切って、鍋に油をひいて塩味をつけて焼いたもの。
- 用例
- アーシーネー ユー ゥンムイリキ ヒチ カムタン(3時のおやつには、よく芋炒めをして食べた)。
ゥンムウジン
芋を入れるお膳。
- メモ
- 食事の時に芋を盛るのに用いた。
ゥンムウスー
甘藷御主。野国総管のこと。
- メモ
- ンムウフスー、ウムシューともいう。
ンムウスーとは、琉球に甘藷をもたらした野国総管のことで、読谷村各地に遙拝所があり、その功績に感謝し野国総管の墓がある嘉手納水釜方向に遙拝するところが多い。
ゥンムウスーウガン
甘藷御主御願。行事名。琉球に甘藷をもたらした野国総管の功績に感謝する行事。
- メモ
- 類:ンムウフスーウガン・ンムウスースーコー。ンムウスーも参照。
古堅では旧暦3月巳の日にンムウスーモーから水釜にある野国総管之墓へ遙拝した。チーチーメー(麦と米を混ぜたおにぎり)を配った。
ゥンムウスースーコー
芋御主焼香。行事名。琉球に甘藷をもたらした野国総管の功績に感謝する行事。
- メモ
- 伊良皆では旧3月3日にヒールーモーへ甘藷を持っていき野国総管の墓に向かって拝んだ。
喜名ではメーヌマーチョーといわれる場所に明治期に石碑を建立し清明祭に拝している。
ゥンムウフスー
甘藷御主。
- メモ
- 音2:ゥンムウスー、ウムシュー。→ゥンムウスー。
ゥンムウヤー
芋売り。
ゥンムガー
芋の皮。
- 用例
- ウヮーヌムン タリーグトゥ、ゥンムガーヤ ヒティンナヨー(豚の餌に混ぜ込むから、芋の皮は捨てるなよ)。
ゥンムガーアチミヤー
芋の皮を集める人。
- メモ
- 養豚家が豚の餌にするため、各家で捨てられる主食の芋の皮を集めてまわった。
ゥンムガーヤチ
今川焼。メリケン粉を水で溶いて中に餡を入れた和菓子。
- 用例
- スーガ ゥンムガーヤチ コーティ チャンドー(お父さんが今川焼を買って来たよ)。
ゥンムカシ
甘藷から澱粉を取った後の滓。
- 用例
- ゥンムカシヤ、ウホーク チュクティ タブトーチュタン(ゥンムカシは、たくさん作って保存した)。
- メモ
- 非常食として保存した。
ゥンムカシナントゥー
料理名。甘藷澱粉を作った残りかすで作った餅。
- メモ
- 煮芋に甘藷澱粉を作った残りかすと黒糖を混ぜて平たくしたものを月桃の葉にのせて蒸した。
ゥンムカシポーポー
菓子名。甘藷澱粉を作った残りかすで作った菓子。
ゥンムカシメー
料理名。甘藷から澱粉を取った残りかすを乾燥させ、臼でひいて粉にして米飯代用にしたもの。
- メモ
- ゥンムカシを粉にしたものとあり合わせの野菜を入れて炊いた。
ゥンムクジ
甘藷から取った澱粉。甘藷澱粉。
![ゥンムクジ](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03238.jpg)
- 用例
- ゥンムクジン ダテーンナー チュクティ タブイタン(ゥンムクジもたくさん作って保存した)。
- メモ
- 甘藷をすりつぶして水に溶かし、沈殿したものを乾燥させて作る。保存食として用途も多く、大変重宝された。
ゥンムクジアンダーギー
菓子名。ゥンムクジ〔甘藷澱粉〕を使った揚げ菓子。
![ゥンムクジアンダーギー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/03239.jpg)
- 用例
- ウチャクガ メンシェーネー、ゥンムクジアンダーギー チャワキトゥシ ゥンジャスタン(お客さんがいらっしゃると、ゥンムクジアンダーギーを茶請けに出した)。
- メモ
- 蒸かした芋を潰し、同量のゥンムクジに水を少しずつ加え、耳たぶぐらいの柔らかさになるまで潰して混ぜ合わせ、化学調味料を加え手でかき混ぜ、軽くひとにぎり取って、平たく円形にして指型をつけて油で揚げる。
ゥンムクジシリー
おろし金。芋粕を作る目の粗いおろし金。
- 用例
- ゥンムクジシリーンカイ ティー シリハジネーン(おろし金で手を擦りむいてしまった)。
ゥンムクジチャンプルー
甘藷澱粉を使った炒め物。
- 用例
- ゥンムクジチャンプルー ヤキーネー、ジコー カバハタン(ゥンムクジチャンプルーを焼くと、とても良い匂いがした)。
- メモ
- ゥンムクジを水で溶かし、塩や味噌少量を加え、それに細切れ豚肉、ネギ、野菜のみじん切りなどを混ぜ、ヒラナービ(平鍋)に油をひき、かき混ぜながら焼いた。
ゥンムクジプットゥルー
甘藷澱粉に少量の水を入れて炒めたもの。
![ゥンムクジプットゥルー](https://yomitan-sonsi.jp/kanri/wp-content/uploads/15152.jpg)
- 用例
- アーシーネー ゥンムクジプットゥルー カマヤー(3時のおやつに、ゥンムクジプットゥルーを食べようね)。
ゥンムクジメー
甘藷澱粉のお粥。
- 用例
- ゥンムクジメー チュクティ カムン(ウムクジメーを作って食べる)。
- メモ
- ゥンムクジに水を入れてお粥のように柔らかく炊いて病人にあげた。
ゥンムニー
料理名。芋を蒸して潰し、塩や砂糖で薄く味付けしたもの。
- 用例
- ゥンムニーヤ、アーシーニ ユー カムタン(ゥンムニーは、3時のおやつによく食べた)。
- メモ
- 甘藷のクズいもなどを練ったもので、クーゥムニーやターゥンムニーとは格段下の食べ物。
ゥンムニーユカ
芋を蒸す時の蒸し板。
- 用例
- ゥンム ニーグトゥ、ゥンムニーユカ シコートーキヨー(芋を煮るから、ゥンムニーユカを準備しておきなさいよ)。
- メモ
- 芋を蒸す時は、水を入れた大鍋にゥンムニーユカを敷いて、芋を置いた。
ゥンムヌシル サーイン
芋の汁をこぼす。女性が小用をすることの隠喩。
- 用例
- ゥンムヌシル サーティクー(おしっこに行ってくるね)。
- メモ
- 芋を炊いた後の汁をこぼす音が、女性の小用をしている音に似ているという。
ゥンムヌチビグヮー
小さい甘藷。
ゥンムフイバーキ
甘藷掘り篭。
- メモ
- 女性が甘藷を入れて頭上にのせる篭。
ゥンムマチ
甘藷市。
ゥンムワカシー
芋雑炊。
- 用例
- アチコーコー ゥンムワカシー ウサガミソーレー(熱々の芋雑炊を召し上がってください)。
ゥンムン
①熟する。熟れる。②膿む〔うむ〕。膿をもつ。
- メモ
- 類:ウムン。
ゥンムン
績む。紡ぐ。
- 用例
- ヲゥー ゥンムン(苧績みをする)。
パーパーヤ ヲゥー ゥンドーン(おばあさんは芭蕉を紡いでいる)。
ゥンムンサク
甘藷で作った神酒。
- メモ
- 旧5月15日のウマチーには、まだ米が収穫されてないので、甘藷で神酒を作った。
ゥンメー
おばあさん。祖母。
- 用例
- ワカランラー、ゥンメーカラ ナライカタ ッシ クーワ(分からないなら、おばあさんから習ってきなさい)。
ゥンメーターヤ ウチナーカラジ リッパングヮー ユートーシェー(おばあさんたちは、ウチナーカンプーも立派に結っていたさ)。
- メモ
- 士族の呼称。
ゥンメー
祖父。
- 用例
- ウヤファーフジヌ ゥンメー(先祖のお祖父さん)。
- メモ
- 類:ウスメー・オジー・ンーメー。
ゥンーメー
おじいさん。祖父。
- メモ
- 類:オジー・タンメー・ウスメー・ゥンメー・ヰキガファーフジ。呼称にもなる。
ゥンーメー
おばあさん。
- メモ
- 類:オバー・パーパー・ハーメー。呼称にもなる。
ゥンーメージューネーパーパージューネー
祖父母への賄い。
- メモ
- 正月16日以降に、伯父・叔母が居る家には背肉(ロース肉)、若者には皮付き肉をミシバーチ(木製の円形の鉢)のいっぱい持って行った。
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読込中...