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- しまくとぅば単語帳:ハヒフヘホ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ハー
歯。
- 用例
- ハーヌ ヤリ、チヌーヤ ニンラランタン(歯が痛くて、昨日は眠れなかった)。
アシジャヌ ハー(下駄の歯)。
- メモ
- すり臼の歯にもいう。
ハー
刃。
- 用例
- イラナヌ ハー(鎌の刃)。
ホーチャーヌ ハーガ カキトーン(包丁の刃が欠けている)。
ハー
へえ。感心した時に発する語。
ハー
葉。
- メモ
- 音1:ファー。
ハーイ
①針。②鍼。③針数を数える数詞。
- 用例
- ①ハーイヤ アブナサグトゥ、チカイネー カタジキリヨー(針は危ないから、使ったら片づけなさいよ)。
②ハーイ タティーン(鍼を打つ)。
③ウッピナー ヤリティ、ミハーイヤ ノーリワルナインデー(そんなに大きく破れて、3針は縫わないといけないよ)。
- メモ
- チュハーイ(1針)、タハーイ(2針)、ミハーイ(3針)と数える。
ハーイ
柱。
- 用例
- ワランチャー フル ハカインディ、ハーインカイ キジ チキテーン(子どもたちの背をはかるって、柱に傷をつけてある)。
- メモ
- 音2:ハーヤ。
ハーイヌミー
針の穴。
- 用例
- トゥシ トゥティ ミーン ワッシク ナティ、ハーイヌミーン トゥーシーサン ナトーン(年を取って目も悪くなり、針の穴も通せなくなっている)。
ハーイユ
魚介名。サヨリ。
- 用例
- ハーイユヤ トゥビイユカイ ニチョーン(サヨリはトビウオに似ている)。
ハーエー
かけっこ。かけ足。走ること。
- 用例
- アマカラ ハーエー シ チューシガ、ワー ゥンマガ ヤサ(あそこから走って来るのが、私の孫だよ)。
ハーエーハーエー シ(走って)。
ハーエーゴンゴン
勢いよく走ること。
- 用例
- ワランチャーガ、ハーエーゴンゴン シ ハイタン(子どもたちが、勢いよく走って行った)。
ハーエースーブ
かけっこ。走り競争。徒競走。
- 用例
- ヒサー ヘーサテーグトゥ、チャー ハーエースーブヤ イチバン ヤタン(足が速かったから、いつもかけっこは一番だった)。
ハーガー
車輪。歯車。
- 用例
- ハーガーヌ カタンチョーン(車輪が傾いている)。
ハーカキムニー
歯欠けのような話し方。
- 用例
- ハーカキムニー スグトゥ、マットーバー チカラン(はっきり言わないから、まともに聞けない)。
- メモ
- ①思ったことをはっきり言わないこと。ためらったものの言い方。(儀・瀬)②筋の通らない、でたらめなことを言うこと。(湾・座)
ハーガラ
甘蔗の葉。
ハーガラー
枯れ葉。
- 用例
- ハーガラー アチミティ メースシェー マシ ヤサ(枯れ葉を集めて燃やした方が良いよ)。
- メモ
- 音1:ハーガラ・ファーガラ・ファーガラ。
ハーガラムスル
甘蔗の葉で編んだムシロ。
- 用例
- ヒーサイネー、ハーガラムスル シチャンテーン、ドゥーヤ クヮイヌ グトゥル アタル(寒い時には、甘蔗の葉で編んだムシロを敷いても、体は凍るようだった)。
- メモ
- 甘蔗の葉で編んだムシロで、寒い時にはその上にトゥナミムシル(藺草で編んだムシロ)を敷いて温かくした。
ハーガラヤー
甘蔗の葉で造った家。
バーキ
①カゴ。ザル。②笊数を数える数詞。
- 用例
- ①チューン、バーキヌミー ゥンム フティ チェーンドー(今日も、バーキいっぱいに芋を掘って来たよ)。
②トゥヤーカラヨー、バーキ カミティ イユ ウイガ チュータンヨー(都屋からね、バーキを頭に載せて魚を売りに来ていたよ)。
③ゥンム ミバーキ フティ チャン(芋を3笊掘ってきた)。
- メモ
- ③チュバーキ(1笊)、タバーキ(2笊)、ミバーキ(3笊)と数える。バーキは竹などで編んだ深みのあるもので、主に持ち運ぶのに使う。
バーキガミ
大食い。必要以上に大食いすること。加減を知らない食べ方。
- 用例
- イャーヤ サクン ワカラン、バーキガミ ッシ!(お前は加減も分からず、大食いして!)。
- メモ
- →アバラガミ。大きな深みのあるバーキに相当するぐらいに大食いをすること。
ハーキサミヨー
あれまあ。驚いた時やあきれたときなどに発する語。
- メモ
- 類:アキサミヨー。
ハーギシー
歯ぎしり。怒りや悔しさで歯をかみしめること。
- 用例
- ワラビヌ ハーギシーシ ニナラランタン(子どもが歯ぎしりして寝れなかった)。ハーギシー スン(怒りで歯ぎしりする)。
ハーギシギシー
歯ぎしりする様。怒りや悔しさで歯をかみしめる様。歯がゆい様。
- 用例
- ハーギシギシー スッサー(怒りで歯がギシギシするよ)。
- メモ
- 音1:ハーギチギチー。
ハーギチギチー
歯がゆい様。
- メモ
- 音1:ハーギシギシー。
バーキツクヤー
籠〔かご〕をつくる人。
ハーク
①百。②100文。2厘。
- メモ
- 音1:ヒャーク。
ハークイチー
よく嘘をつく人。いい加減で百にひとつしか本当のことを言わないような人。
- メモ
- 類:ヒャークニティーチー。
パークー
1斗缶。
- 用例
- パークーンカイ シチタンユー コーティ クーワ(1斗缶に石油を買って来なさい)。
- メモ
- 類:ヒチタンパークー。
パークー
おしゃべりな人。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ パークー ナティ、トゥーチ ムヌ ユリ アッチュサ(隣の婆さんはおしゃべりで、いつも噂話をしているさ)。
- メモ
- 類:ベーラー・ムンユマー・ユンタクー。
ハークガニー
お年玉。
- 用例
- ワランチャーンカイ ハークガニー ヰーラシヨー(子どもたちにお年玉をあげてね)。
ハークス
歯垢。
- 用例
- ハークスヌ タックヮトーン(歯垢がついている)。
バーグヮー
おばさん。叔母。
- メモ
- 類:バーチー・バーバー。
バーケー
奪い合い。
- 用例
- ウフッチュガ ワラビトゥ、クヮーシ バーケー ソーン(大人が子どもと、お菓子の奪い合いをしている)。
- メモ
- 類:ケートゥイバーケー。
ハーシシ
歯茎。
- 用例
- ハーヤミ シ、ハーシシマディ ハリトーン(歯痛で、歯茎まで腫れている)。
- メモ
- 類:ハシシ。
ハージャー
竹製の平たいザル。
- 用例
- ナーヲゥティ ハージャーンカイ マーミ フースン(庭でハージャーに豆を干す)。
- メモ
- 豆類や切り干し大根を干すときに使った。
ハーシャビヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハッサビヨ。
いろいろな場面で使われる。
ハーダーリー
いい加減。
- 用例
- アヌ ヰキガヤ ハーダーリー ナティ、シカンサー(あの男性はいい加減で、好きじゃない)。
ハーダムン
葉薪。葉もついたままの小枝を薪用として使う。
- 用例
- ハーダムン トゥイ アチミティ ヒー メースン(ハーダムンを取り集めて火を燃やす)。
ハーダリー
何も持っていない状態。手ぶら。
- 用例
- ハーダリール ヤンデー(何も持っていない、手ぶらだよ)。ハーダリーシル チョーンドー(手土産も持って来てないよ)。
- メモ
- 類:ンナディー・ンナルー・ハーラリー・ンナティ・カラティ・カラディー。
ハーチ
鉢。大皿。平たくて口径が広く浅い器。
- 用例
- ゥンム ハーチヌミー イッテータシガ、ウビジ ネーンナトーン(芋を大きな皿のいっぱい入れてあったが、あっという間になくなっている)。
バーチー
おば。叔母。父母の妹。親よりも年下のおばさん。平民のおばの呼称。
- 用例
- ワカサイネー、バーチーンカイ ユー タシキラッタン(若いころは、叔母によく助けられた)。
- メモ
- 類:ヲゥバマー・オホンマー・ウフーアンマー・ウフンマー。
バーチーグヮー
父母の妹。叔母さん。
- メモ
- 類:ヲゥバマーグヮー。
ハーチグヮー ムッチャー
(供え物の入った)鉢を持つ役割の者。
バーチラー
下品な女。あばずれ。
ハーッサビヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハーシャビヨー・ハーッシ・ハーッシャビヨー。
いろいろな場面で使われる。
ハーッシ
もう。思っているよりも大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハーッサビヨー参照。
いろいろな場面で使われる。
ハーッシャビヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- 類:ハーッサビヨー参照。
いろいろな場面で使われる。
ハーッシャヨー
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- 用例
- トゥメイカンドー シ、ハーッシャヨー(探しあぐねて、もう大変だ)。
- メモ
- 類:ハーッサビヨー参照。
いろいろな場面で使われる。
ハートゥヤー
大型の鶏〔ニワトリ〕の一種。
- 用例
- ハートゥヤーヌ ミミンカイ、ンカジヌ イッチャンディヌ ハナシガ アタン(鶏の耳の中に、ムカデが入ったという話があった)。
- メモ
- 羽が小さい名古屋コーチンなどの卵を代わりに抱卵〔ほうらん〕させた。
ハートー
ああもう。あきれた時に発する語。
- 用例
- ハートー、アン ヤタン(ああもう、ああいうことだった)。
ハートートゥ
驚きの感嘆詞。
ハーナー
ああもう。思っているよりも大変そうだという時に発する語。
- 用例
- ハーナー、デージ(ああもう、大変)。
ハーナーナー
それはそれは。もう大変だという時に発する語。
- 用例
- ハーナーナー、アン ヤレー アマンケー イカンケー(それはそれは、そうならあそこには行くな)。
ハーヌヤリー
歯痛。
- メモ
- 類:ハーヤミー。
ハーバー
端々。枝葉。本筋や中心からはずれたところ。末節。
バーバー
おばさん。叔母。父母より年下のおばさん。
パーパー
おばあさん。祖母。
- 用例
- パーパーンカイ クヮーシ ムッチ イチュン(おばあさんにお菓子を持って行く)。
- メモ
- ハーメーよりも敬った言い方。
→オバー。
パーパークーギ
植物名。イタチガヤ。お婆さんの陰毛の意味。
- メモ
- 類:ハーメークーギ・ハーメークーギー。
高さ10~30㎝、枯れたような色で細く、すぐに抜くことができた。川端や崖などに生えていた。
ハーバーハーバー
急かしている様。
- 用例
- ハーバーハーバー ヌー イスジョーガ(そんなに急かして何を急いでいるの?)。
パーパーフージョー
煙草入れ。
- 用例
- アマンカイアヌ パーパーフージョー トッティ クーワ(あそこにある煙草入れを取って来なさい)。
- メモ
- 音1::ハーメーフージョー。音2:フージョー。
ハーヒャー
へえ。驚いた時に発する語。
ハーフーバカ
墓名。破風墓。
- メモ
- 音1:ハフーバカ。
破風墓とは、沖縄特有の墓の形式のひとつで、屋根が破風形となっているものである。
ハーフジ
祖父母。
- メモ
- 音:ファーフジ。
ハープチナイ
歯を食いしばっても我慢できないほど憤る様。
- 用例
- ヰキガ ヤレー、ハープチナイ ソーティン ニジワル ヤンドー(男だったら、歯を食いしばっても耐えるものだよ)。
- メモ
- 類:ハープチプチー。
ハープチプチ
冷たいものが歯にしみること。
- 用例
- ヒジュルムン カミーネー ハープチプチ スン(冷たいものを食べると歯にしみる)。
ハープチプチー
歯を食いしばっても我慢できないほど憤る様。
- メモ
- 類:ハープチャイ。
ハーベールー
蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。
- 用例
- ニンジジャーンカイ ハーベールーガ イッチョーン(寝室に蛾が入っている)。
- メモ
- 音1:ハベール・ハベルー。
ハーマ
浜。
- 用例
- ハーマカイ ウリティ ンナ ヒルイン(浜に下りて貝を拾う)。
ハーマアシビ
浜遊び。3月3日に若い娘が浜に下りて、砂を踏んで遊ぶこと、。
- 用例
- ワッタン ワカサイネー、ウジュー シコーティ ハーマアシビカイ ゥンヂャン(私たちも若い頃は、お重を作って浜遊びに行った)。
ハーマイリキ
<浜炒め。豚を潰して浜で炒めた肉。
- 用例
- ウヮー クルチ アトー、ハーマンジ カマ チュクティ ハーマイリキ スタン(豚を潰した後は、浜で窯を造ってハーマイリキーをした)。
- メモ
- 音2:ハーマイリキメー。
ハーマイリキメー
浜で炒めた豚肉を入れて作ったお粥。
- 用例
- ヤーヲゥテー ハーマイリキメー タクタン(家ではハーマイリキメーを炊いた)。
- メモ
- →ハーマイリキ。
ハーマジー
浜地。
ハーマジューコー
<浜焼香。身内が海で遭難したり、旅先で亡くなった場合、清明祭の日に墓での祈願を終えた後、海に向かって拝むこと。
- 用例
- アヒー ハーマジューコー ウサギーン(兄の浜焼香をささげる)。
- メモ
- →ウミジューコー。
ハーマヤー
浜番。字からの依頼で浜の番をする人。
- 用例
- ハーマヤーヌ スーヤ、ガンジュー ソーガヤー(浜番のお父さんは、元気にしているかな)。
- メモ
- →ハマバン。
ハーメー
おばあさん。祖母。
- 用例
- シバイ ミーガ、ハーメー ソーティ イキワル ヤッサー(芝居を観に、おばあさんを連れて行かなくちゃ)。
- メモ
- 平民の呼称としても使われる。
→オバー。
ハーメークーギ
植物名。イタチガヤ。
- メモ
- 音:ハーメークーギー。類:パーパークーギ。パーパークーギ参照。
ハーメークーギー
イタチガヤ。
- メモ
- 音:ハーメークーギー。類:パーパークーギ。パーパークーギ参照。
ハーメーフージョー
煙草入れ。
- 用例
- ワッター タンメーヤ、チャー ハーメーフージョー ヒサギトータン(私のおじいさんは、いつも煙草入れを下げていた)。
- メモ
- →パーパーフージョー。
ハーモー
歯が欠けている人。歯がない人や状態。
- 用例
- メーバ ヌジャレー、ハーモー ナトーン(前歯を抜いたら、ハーモーになっている)。
ハーヤ
柱。
- 用例
- ウヌ ハーヤヌ キジェー ターガ チキテーガ?(その柱の傷は誰がつけたの?)。
- メモ
- 類:ハーイ。
ハーヤー
えっ。えーまさか。
- 用例
- ハーヤー ナイガヤー(えっー本当にできるかな)。
ハーヤー
歯医者。歯科医院。
- 用例
- ハーヌ ヤリ、ハーヤーカイル ゥンヂチャンレー(歯が痛くて、歯医者に行ってきたんだよ)。
ハーヤシェー
葉野菜。なっぱ。
- 用例
- ハーヤシェー イッティ シル ワカスン(葉野菜を入れて汁を作る)。
- メモ
- →ウズル。
ハーヤミー
歯痛。
- 用例
- ハーヤミー シ フシガラングトゥ、ハーヤーカイ ゥンヂクーヒー(歯が痛くてたまらないから、歯医者に行って来るね)。
- メモ
- 類:ハーヌヤリー。
パーラー
下痢。水のような便が勢いよく出ること。
- メモ
- 音2:パーラークスマヤー。→クスタリー。
パーラークスマヤー
下痢。
- メモ
- 音2:クスタリー・クスパーラー・クスヒリー・クスマヤー・パーラー。
パーラーメンナ
植物名。ルリハコベ。
- メモ
- 魚を捕る毒として、ルリハコベを突いて潮だまりに入れ、浮いてきた魚をとった。
→アラミンナー。
ハーラーリー
いい加減。だらしないこと。
- 用例
- アヌ ヰキガヤ、ハーラーリーナティ シカンサー(あの男性は、いい加減で好きじゃない)。
- メモ
- 類:ハーダーリー。
パーラナイ
勢いよく。一目散に。
- 用例
- ヌーカイル ウヮーットーラー パーラナイ ヒンギティ ハイタン(何に追われているのか、一目散に逃げて行った)。
- メモ
- 音2:ブールナイ。
ハーラリー
何も持っていない状態。手ぶら。
- メモ
- 類:ンナディー・ンナルー・ハーダリー・カラティ・カラディー。
パーランクー
片面だけに牛皮を張った小太鼓。
- 用例
- ウスメーガ パーランクー チュクティ トゥラスサ(お祖父さんがパーランクーを作ってやるよ)。
パーランクー
降雨後、土をこねて平皿を作り地面に投げつけてパーンとかポンと音を立てて遊ぶ遊び。
- メモ
- 類:ボントゥシェー。
ハーリー
爬竜船競争。航海の安全や豊漁を祈願し、伝統漁船のサバニで競漕を行う行事。
- 用例
- ヤガテー チユン アキティ、ハーリーン ハジマインドー(やがて梅雨も明けて、ハーリーも始まるよ)。
ハイイチャイン
ばったり出会う。出会う。
- 用例
- ハイイチャイネー(ばったり出会ったら)。ドゥシトゥ ハイイチャティネーン(友達とばったり出会ってしまった)。
- メモ
- 音1:ハイチャイン。類:ハッカカイン・ハッチャカイン。
ハイウスイン
連れ去る。
- 用例
- モーアシビ スン トゥクルカラ ハイウスティサグトゥ、オクサノー ワーチンカイ ヒックヮーサーイ(モーアシビをしている所から連れ去った、奥さんは脇に抱えて)。
- メモ
- 「喜屋武ミーぐゎー」『高志保の民話』より。
ハイカカイン
さしかかる。
- 用例
- タコーヤマ ハイカカタグトゥ(多幸山にさしかかったから)。
ハイカラー
ハイカラ。おしゃれ。
- 用例
- ハイカラーネーネー、チュラスガイ シ マーカイガヤー?(ハイカラな姉さんよ、おしゃれしてどこに行くのかねぇ?)。
ハイクシガー
地名。
ハイクヮースン
通り越す。通り過ぎる。
- 用例
- ユンタク スンディチ ハイクヮーチネーラン(おしゃべりをしていて通り過越してしまった)。
過:ハイクヮーチャン(通り越した)継:ハイクヮーチョーン(通り越している)。
ハイクヮースン
通り過ぎる。
- 用例
- アイヒャー!ハイクヮーチャシェー(あれまあ!通り過ぎてしまったさ)。
ハイケーイン
張り替える。
- 用例
- アカイン フルク ナトーグトゥ ハイケーイン(障子が古くなっているから、張り替える)。
否:ハイケーラン(張り替えない)希:ハイケーイブサン(張り替えたい)過:ハイケータン(張り替えた)継:ハイケートーン(張り替えている)。
- メモ
- 類:ハイノースン。
ハイケーニーケー
度々。何回も。
- 用例
- ハイケーニーケー チェールフージ ヤシガ、ヌー ユージュ ヤタガヤー?(何回も来たようだが、何の用事だったのかな?)。
ハイサーリー
ごめんください。
- 用例
- ハイサーリー、ターガラ ヲゥイビガヤー?(ごめんください、誰かいますか?)。
ハイサイ
こんにちは。
- 用例
- ハイサイ、マーカイ メンシェーガ?(こんにちは、どこへいらっしゃるんですか?)。
ハイタックヮスン
必要以上に張りつける。
- 用例
- ヌーヤークィーヤー、カンゲーランヨークー ハイタックヮチェーサン(何やかや、考えずに張りつけてあるさ)。
否:ハイタックヮサン(張りつけない)希:ハイタックヮシーブサン(張りつけたい)過:ハイタックヮチャン(張りつけた)継:ハイタックヮーチョーン(張りつけている)。
ハイチャイン
ばったり出会う。出会う。
- メモ
- →音1:ハイイチャイン。
ハイドードー
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
ハイノースン
張り直す。
- 用例
- アンシェー トゥーランリーグトゥ ナー チュケーン ハイノースン(それではいけないというから、もう1回張り直す)。
- メモ
- 類:ハイケーイン。
ハイバンユー
廃藩世。廃藩の時代。
ハイミグイミグイ
機会を作って立ち寄ること。
- 用例
- チャー ソーガヤーディチ、ハイミグイミグイ マーティ イチュン(どうしているのかと、機会あるごとにまわって行く)。
- メモ
- 類:トゥンマーイマーイ・トゥンミグイミグイ。
ハイミングヮスン
張り巡らす。
- 用例
- ゥンマカラ アママディ ハイミングヮスン(そこからあそこまで張り巡らす)。
否:ハイミングヮサン(張り巡らせない)希:ハイミングヮシーブサン(張り巡らせたい)過:ハイミングヮチャン(張り巡らせた)継:ハイミングヮチョーン(張り巡らせている)。
ハイヤー
へえ。意外なことを聞いた時に発する語。
ハイヤンジュン
張り損ねる。
- 用例
- チュガ スシ ンジャガチー サンネー、アカイ ハイヤンジュンドー(人がするのを見ながらしないと、障子を張り損ねるよ)。
ハイヨー
ちょっと待てよ。
- 用例
- ハイヨー、アネー アランタルムン チガトーサ(ちょっと待てよ、そうするつもりじゃなかったのに間違ってしまったさ)。
ハイン
①行く。去って行く。走る。②(汗や血が)流れる。
- 用例
- ①ガッコー ウワイネー ンナ ヤーカイ ケーティ ハイン(学校が終わると、皆家に帰って行く)。ハイギーン(行こうとしている)。ヤーカイ ハチェール バー(家に帰ったわけさ)。イッチ ハイタン(入って行った)。イスジョーラー イャーヤ ヘーク サチ ナティ ハレー(急いでいるなら、貴方は早く先に行きなさい)。
②アシ ハトーン(汗をかいている)。
過:ハイタン(行った)。
ハイン
①張る。②大きく開ける。③あらわにする。むき出しにする。
- 用例
- ①ジー カチ ハーヤンカイ ハイン(字を書いて柱に張る)。
②チン ハトーティ(着物をはだけて)
③ホー ハイン()。チビ ハイン()。
否:ハラン(張らない)希:ハイブサン(張りたい)過:ハタン(張った)継:ハトーン(張っている)。
- メモ
- 対:ハガスン(剥がす)。
ハインマ
走り馬。よく走る馬。駿馬。〔しゅんめ〕。
- 用例
- トゥシヌ ハイシェー、ハインマヌ ハインネール アル(年が過ぎるのは、足の早い馬が駆け抜けるようだ)。
ハウイ
羽織。
- 用例
- スージ カイ ハウイ チチ イチュン(お祝いに羽織を着て行く)。
ハカ
墓。
- メモ
- →シンジュ。
ハガー
禿げている人。
- 用例
- ワカサヌ ムンヌ、キー ヌギティ ハガー ナトーン(若いのに、毛が抜けて禿げになっている)。
- メモ
- 類:ハギー・フディー。
ハガー
配る人。配達人。
- 用例
- ムラジュー クバイグトゥ ハガーヤ ウーサシェー マシ(村中に配るから、配る人は多い方が良い)。
ハカームシ
昆虫名。シャクトリムシ。
- メモ
- 類:ハカヤームシ。
ハカイ
秤。
- 用例
- ハカイッシ ハカティカラ ワキーサ(秤で量ってから分けるよ)。
ハカイヌミー
秤目。
- 用例
- ハカイヌミー バッペーイネー アトッシ デージ ナインドー(秤目を間違えたら後で大変だよ)。
ハカグチ
端緒。糸口。畑の鍬入れ。仕事などの始め。
- 用例
- ハカグチ アキレーカラー、サーラナイ チョー イッチ チューンドー(糸口を開ければ、直ぐに人は入って来るよ)。
ハル ワキーグトゥ、ハカグチ アキティ ヤシェーン ヌーン イーリワ(畑を分けてあげるから、畑の鍬入れをして野菜なども植えなさい)。
ハカグヮーチュクエー
墓作りごっこ遊び。
- メモ
- マッチ箱の棺に死んだ蛙やバッタを入れて葬式ごっこをした。墓は盛り上がった所に横穴を掘って作った。屋敷内でやると怒られるので、山や畑でやった。
ハカジェーク
墓細工。墓大工。
- 用例
- アヒーヤ ハカジェークシ ムンクェージク ソーン(兄は墓大工をして生活している)。
ハカシチ
墓敷地。
ハカスン
あく抜きする。
- 用例
- ミジカイ チキティ アク ハカスン(水に浸してあく抜きをする)。
ハガスン
剥がす。
- 用例
- ハーヤカイ ハテーヌ カビ ハガスン(柱に張ってある紙を剥がす)。
否:ハガサン(剥がさない)希:ハガシーブサン(剥がしたい)過:ハガチャン(剥いだ)継:ハガチョーン(剥がしている)。
- メモ
- 対:ハイン(張る)。
ハカドゥイン
捗る。
- 用例
- タイミッチャイシ ヤレー シクチン ハカドゥイン(2、3人だったら仕事も捗る)。
- メモ
- 類:ハバチュン。対:アカーヌバン(捗らない)。
ハカナー
墓庭。墓の敷地内にある広場。
- 用例
- ハカナーヲゥテイ ウジューヤ ヒラチュサ(御重は墓庭で開くさ)。
- メモ
- 類:ハカヌメー。
ハガナー
きれ者。賢い者。器用な者。働き者。
- 用例
- ハガナー ナティ、ヌー ヤティン ノーチ トゥラスン(器用な人で、何でも直してくれる)。
- メモ
- 音1:ハガニー。→アガチャー。
パカナイ
どんどんと。次々に。
ハガナハン
物足りない。不足。
- 用例
- ウッサグヮー ムッチ ゥンヂェー、ハガナハンレー(たったそれだけ持って行っては、物足りないよ)。
ハガニ
鋼〔はがね〕。刃物の刃の部分。
- 用例
- ハガニ シミレー(鋼の継ぎ足しをやってもらえ)。
ハガニヌ ヲゥーリティ チカーラン ナトーン(刃が折れて、使えなくなっている)。
- メモ
- 鍬〔くわ〕の具合が悪くなると、鍛冶屋で鋼を継ぎ足してもらった。
ハガニー
きれ者。賢い者。器用な者。働き者。
- 用例
- ワッター ユメー イッペー ハガニーグヮー ヤン(私の嫁はとてもよく働く)。
- メモ
- 音1:ハガナー。→アガチャー。
ハガニサッスー
出しゃばりで口が悪いこと。また、その人。
ハガニムン
きれ者。賢い者。器用な者。働き者。
- 用例
- ハガニムン ナティヨ(頭が切れてね)。
- メモ
- →アガチャー。
ハカヌスーギ
墓の祝い。
- 用例
- ハカヌスーギヤ、ヤーヌ スーギトゥ ユヌグトゥ マギードー(墓の祝いは、新築祝いと同じように盛大にやるよ)。
- メモ
- 音1:ハカヌスージ。
家を新築する時と同じように、墓の祝いは盛大に行う。その日は墓の庭で三線を弾いて嘉例をつけ、色々な供え物をする。また、年忌は人が亡くなった時と同じように、一年忌、三年忌・・・三十三年忌まで行う。
ハカヌスージ
墓の祝い。
- 用例
- ハカヌスージネー、ハカヌ ナカヲゥティン サンシン ヒチ モーイン スンドー(墓の祝いには、墓の中でも三線を弾いて踊りもするよ)。
- メモ
- 音1:ハカヌスーギ。
ハカヌナー
墓の庭。墓の敷地内にある広場。
- メモ
- 音1:ハカナー。
ハカヌメー
墓前。
- 用例
- シーミーネー ハカヌメーヲゥティ ジューバク ヒラチュン(清明祭には墓前で重箱を開く)。
- メモ
- 音1:ハカヌナー。
ハカバーン
墓番。
- メモ
- 字渡具知では死者の着ている着物を盗まれないようにと、死後3日ほど親戚の人が夜通し番をした。
ハカブシン
墓普請。
- 用例
- ニッター ハカブシンヤ イチカラ ハジマイビーガ?(貴方達の墓普請は何時から始まるんですか?)。
ハカマ
女性の下着。
- メモ
- →カカン。
ハガマ
羽釜。鍋。
- 用例
- チカイヂューサヌ ハガマヤ アナ アチョーン(使いすぎて、羽釜は穴が開いている)。
ハカメー
墓参り。
- 用例
- ウヤヌ ハカメー(親の墓参り)。ヤーニンジュッシ ハカメーカイ イチュン(家族で墓参りに行く)。
ハカヤームシ
昆虫名。シャクトリムシ。尺取り虫。
- 用例
- チヌンカイ ハカヤームシガ シガトーン(着物に尺取り虫がついている)。
- メモ
- 類:ハカムシ。
ハカレー
計らい。計画。処置。
- 用例
- イー ハカレーヌ アン(良い考えがある)。
ハカレーグトゥ
計らい事。はかりごと。計略。
ハギー
禿げた人。
- 用例
- ワッター タンメーヤ、ハギータンメーディチ アジャナ チキラットータン(私たちのおじいさんは、ハギータンメーとあだ名をつけられていた)。
- メモ
- 類:キーハガー・ハギヤー。
ハギーダックイ
禿の血筋。
バキーン
化ける。
- 用例
- アカマターガ チュラヰキガンカイ バキヤーナカイ(アカマタが美男子に化けて)。
- メモ
- 「アカマタ婿入り」『大木の民話』より。
ハギジ
禿げ地。荒地。
- 用例
- ヤマヌミーヌ ハルヤ ハギジ ナティ、ヌーン イーララン(山の中の畑は荒れ地で、何も植えられない)。
- メモ
- 音:ハギジー。
ハギジー
禿げ地。荒地。
- メモ
- 音:ハギジ。
ハギジャビヨー
ああ、もう(大変)。
- メモ
- 類:ハーシャビヨー参照。
ハギチブラー
坊主刈り。丸刈り。
- 用例
- ハギチブラー サレー サージャートゥ ナトーン(丸刈りにしたらすっきりした)。
ハギナー
平等に与えること。
- 用例
- ムットゥンカイ ハギナー スンディチ デージ ヤサ(全員に平等に配るって大変だ)。
バキムン
化け物。お化け。
- 用例
- アネアネ、ユル ナチーネー バキムンガ ゥンジティ チューンドー(ほらほら、夜泣くとお化けが出て来るよ)。
- メモ
- 類:インマユー。
ハギモー
禿げ野原。
ハギヤー
禿げた人。
- メモ
- 類:ハギー・キーハガー。
ハキラリーン
(罰則札を)かけられる。
ハク
①箱。②箱数を数える数詞。
- 用例
- ①ハクヌ ナカカイ イェンチュヌ イッチョーン(箱の中に鼠が入っている)。②タハコー ムッチ イキワル マニアーランドー(2箱は持って行かないと、間に合わないよ)。
- メモ
- ②チュハク(1箱)、タハク(2箱)、ミハク(3箱)と数える。
ハクゴーイ
箱買い。品物を箱ごと買うこと。
- 用例
- ンカシェー ソーミン ハクゴーイ スタン(昔は素麺を箱ごと買っていた)。
バクジマ
サザエのふた。
バクジマクヮーエー
バクジマ(サザエのふた)を賭ける遊び。
- メモ
- 地面にお碗大の穴を掘り、小石を集めて穴の前に置き、サザエのふたを転がして小石に当て、穴に落とすのを競った。
ハクソー
百姓。農業を主としている人。
- 用例
- ハクソーン ヲゥグトゥル、ワッター シクチアッチャーン ムノー カマリンドー(農業をする人がいるから、私たち勤め人もご飯が食べられるんだよ)。
ハグチ
唇。
- 用例
- ミヤラビンチャーヌ、ワライハグチヌ チュラハヨ(若い娘たちが、笑った時の唇の美しいこと)。
ハクヂミ
箱詰め。
- 用例
- ニムチェー ハクヂミ ッシ ウカットーン(荷物は箱詰めにして置かれている)。
バクチャーガマ
博打打洞窟。渡具知にある洞窟名。チャンクルーで博打をして遊んだ。
- メモ
- トゥージヌサチの下にある。
パクナイ
パクッと食いつく様。躊躇〔ちゅうちょ〕なく食べる様。ためらうことなく食いつく様。
- 用例
- ユカイ ヤーサルアタラー、パクナイ カロータン(よっぽどお腹がすていいたのか、ためらうことなく食いついていた)。
ハクヌジ
箱抜き。
ハクヌメー
毎日のように。
- 用例
- コーリガシーガ ハクヌメー ジン イミーガ チューン(高利貸しが毎日のように取り立てに来る)。
パクパク
口を開け閉めしている様。口をパクパクしている様。
- 用例
- クチ パクパク ソーシガ ヌール イチョーラー ワカラン(口をパクパク動かしているが、何を行っているか分からない)。
バクヨー
博労。家畜の売買をする人。
- 用例
- ンカシェー、ウヮーバクヨー ウシバクヨーディチ マンドータン(昔は、豚博労や牛博労がたくさんいた)。
- メモ
- 類:ウシバクヨー・ゥンマバクヨー・ウヮーバクヨー。
ハクラン
コレラ。
- 用例
- ハクランヌ ヘートーグトゥ、キー チキリヨー(コレラが流行っているから、気をつけなさいよ)。
ハクランソーカン
コレラによる下痢や嘔吐。
- 用例
- ハクランソーカン ナティ、ヤーカラン ゥンジラランサ(下痢や嘔吐で、家から出ることもできないさ)。
- メモ
- 乾燥させたセンブリを飲むと下痢によいとされていた。
ハクン
(首等に)かける。はく。
- 用例
- クビカジャイ クビンカイ ハクン(首飾りを首にかける)。
- メモ
- 音1:ハチュン。
ハクン
吐く。もどす。
- 用例
- サキ ヌミーヂューサヌ ハクン(酒を飲み過ぎてもどす)。
- メモ
- 音1:ハチュン。→アギーン。
ハグン
配る。
- 用例
- イユ チャッサン トゥティ チェーグトゥ、ケートゥナイカイ ハグン(魚をたくさん取って来たから、隣近所に配る)。
- メモ
- 音1:ハジュン。→イェースン。
ハゴーウミー
くすぐったがりや。
ハゴーギー
植物名。サルスベリ。
ハゴーギサン
汚らしい。
- 用例
- ユーフルン イラングトゥ、チヌン ユグリティ ハゴーギサン(風呂も入らないから、着物も汚れて汚らしい)。
ハゴーサン
汚い。
- 用例
- グミ ゥンマンカイ ウチョーチーネー ハゴーサンドー(ごみをそこに置いていたら汚いよ)。
- メモ
- 類:ハゴーハン。対:チュラハン・チュラサン(きれい)。
ハゴーハン
汚い。
- 用例
- ヤーヌ ジコー ハゴーハン(家がとても汚い)。
- メモ
- 類:ハゴーサン。対:チュラハン・チュラサン(きれい)。
ハゴーミー
きれい好き。少しでも汚れているのを嫌がること。
- 用例
- ルク ハゴーミー ナティン ヤッケー ヤサ(余りにもきれい好きになっても厄介だ)。
ハゴーミー
くすぐったがりや。
- メモ
- 音:ハゴーウミー。
ハゴームン
汚い奴。また汚いもの。厄介者。
- 用例
- アレー チュヌ ムヌン トゥラトゥラ シ、ミッタ ハゴームン ヤッサー(あいつは人の物を取りたがって、ほんとに汚い奴だ)。
- メモ
- 音2:ハゴーリーッチュ。
ハゴーリ
大げさな。
- 用例
- ハゴーリ ッチュ ヤッサー(大げさな人だなあ)。
ハゴーリーッチュ
汚い奴。
- 用例
- アリサク ハゴーリーッチョー ヲゥラン(彼ほど汚い奴はいない)。
- メモ
- →ハゴームン。
バサ
①馬車。②馬車数を数える数詞。
- 用例
- ①イクサユーニ ヤンバルカイ ヒナン スンディチ、 バサ カキティ ゥンヂャン(戦世に山原に避難しようと、馬車で行った)。②ウッサヤレー チュバサンカイ ヌインテー(それだけなら馬車1台に載るでしょう)。
- メモ
- 音1:バシャ。②チュバサ(1馬車)、タバサ(2馬車)、ミバサ(3馬車)と数える。
バサー
芭蕉。芭蕉布〔ばしょうふ〕。
- 用例
- ンカシェー アタイグヮーンカイ、バサーン イーテータンドー(昔は屋敷内の畑に、芭蕉も植えてあったよ)。
バサーギン
芭蕉の着物。
- メモ
- 音:バサーヂン。
バサーヂン
芭蕉の着物。
- 用例
- ナチヌ バサーヂンヌ シラサヨー(夏のバサーヂンの涼しいことよ)。
- メモ
- 音:バサーギン。
バサナイ
芭蕉の実。バナナ。
- 用例
- ンカシェー、ヤシチンカイ バサナイギーン イーテータン(昔は、屋敷内にバナナの木も植えてあった)。
バサナイヲゥー
芭蕉。
- メモ
- 類:バサヲゥー。
バサムッチャー
馬車持ち。馬子。馬方。
- 用例
- チャンミーヤ、バサムッチャー ッシメータンディサ(喜屋武ミーは、馬車引きをしていらっしゃったそうだ)。
- メモ
- 音1:バシャムッチャー。→チャンミーグヮー。
ハサムン
挟む。
- 用例
- ハンリラングトゥ、ジョーブニ ハサムン(外れないように、しっかり挟む)。
否:ハサマン(挟まない)希:ハサミーブサン(挟みたい)過:ハサダン(挟んだ)継:ハサドーン(挟んでいる)。
バサヤドゥ
馬車宿。馬車ムッチャーが那覇への往復途中に休憩するところ。
- メモ
- 宿の前に馬車を何台か停めて、馬にハミ(食み→飼料)をやり、馬車ムッチャーは中で雑炊やカラスグヮー(アイゴの稚魚の塩漬け)をのせた豆腐などの食事をとっていた。一般の人は入ることはなく、馬車ムッチャーだけが利用した。読谷では喜名にあった。
バサヲゥー
芭蕉。糸芭蕉。
- メモ
- 類:バサナイヲゥー・シマヲゥー・トーヲゥー・トーバナナ・ヲゥー・バサー・バサナイ。
ハサン
ハサミ。
- 用例
- ワラビンカイ ハサン チカーシーネー アブナサンドー(子どもにハサミを使わせると危ないよ)。
- メモ
- 病人の枕元にはハサミなどの刃物を魔除けとして置き、ヤナムンが入ってこないようにサンを結んでおいた。また赤児のハチアッチーには魔除けとしてハサミを持って行った。
ハシ
橋。
ハシ
箸。箸数を数える数詞。
- メモ
- 数詞は(~箸)はチュハシ(1箸)、タハシ(2箸)、ミハシ(3箸)と数える。
ハジ
水甕。水を溜める大きな口をした円形の甕。
- 用例
- ヤーヌ メーカイ チャッピナーヌ ハジヌ ウカットータン(家の前には大きな水甕が置かれていた)。
- メモ
- 雨水などを貯めるため、家の前の方に置いていた。
ハジ
恥。
- 用例
- チュニンジノーハジ シランネー イチカランドー(人間は、恥を知らないと生きていけないよー)。
- メモ
- 音2:チラハジ。
ハジ
筈。はず。
- 用例
- クヮー チュイル ヤタル ハジ ヤッサー(子どもは一人だった筈だよ)。
ハジーン
脱ぐ。
- 用例
- ンリトーグトゥ ウヮービヌ チン ハジーン(濡れているから、上の着物を脱ぐ)。
否:ハジラン(脱がない)希:ハジーブサン(脱ぎたい)過:ハジタン(脱いだ)継:ハジトーン(脱いでいる)。
ハジガーバル
{萩川原}。長浜の小字。
ハジカサウミーグヮー
恥ずかしがりや。
- メモ
- 類:ハジカサミー。
ハジカサミー
恥ずかしがりや。
- 用例
- ハジカサミー ナティ、チュヌメーヲゥティ ハナシー ナイガヤー(恥ずかしがり屋で、人前で話せるかな)。
- メモ
- →ハジカサウミーグヮー。
ハジカサワレー
恥ずかしげに笑うこと。
- 用例
- トゥーチ ワジカサワレービカーン シ ムヌン イランサ(いつも恥ずかしげに笑ってばかりで、話もしないさ)。
ハジカサワレー
恥ずかしげに笑うこと。
- 用例
- トゥーチ ワジカサワレーbカーンシ ムヌン イランサ(いつも恥ずかしげに笑ってばかりで、話もしないさ)。
ハジカサン
恥ずかしい。
- 用例
- チュヌメートゥティ ウタタイ モータイ スシェー、イッペー ハジカサン(人前で歌ったり踊ったりするのは、とても恥ずかしい)。
ハジキ
ハジチ。針突。
- 用例
- ワンネー ヰナグヌ ウヤカイ ソーラッティ、ユルカラ ハジキ チキーガ ゥンヂャン(私は母親に連れられて、夜から針突を突きに行った)。
- メモ
- 音1:ハジチ。
ハジキーン
損なう。物などを当たり(もらい)損なう。~し損なう。
- 用例
- ニッカ イチーネー フービ ハジキーンドー(遅く行くと褒美をもらい損ねるよ)。
ウヤヌ ミーウティー ミー ハジキタンディ(親の死に目を、見ることができなかったそうさ)。
- メモ
- 音1:ハジャキーン。
「雀孝行」『古堅の民話』より。
ハジサ
端の方。
- 用例
- ハジサカイ ヰーネー ウティーンドー(端の方に座ると落ちるよ)。
ハシシ
歯茎。
- 用例
- ハシシヌル フックティ ヤムンデー(歯茎が腫れて痛いんだよ)。
ハジチ
ハジチ。針突。
- 用例
- ンカシヌ ハーメーター ハジチェー チュラサンヤー(昔のお婆さんたちの針突はきれいだね)。
- メモ
- 音1:ハジキ。
ハジチガサ
ハジチの瘡。
ハジチャー
針突を専門に突く人。針突の施術師。
- 用例
- ワッター シマネー、ハジチャーヤ ヲゥランタン(私の村には、針突を専門に突く人はいなかった)。
ハジチラー
恥知らず。
- 用例
- シキヌン シラン ハジチラーヤ(世間も知らない恥知らずめ)。
ハシットゥ
元気に。すっきり。
- 用例
- クスイン ヌレーティカラ、ナマネー ハシットゥ ナイサ(薬も飲んだんなら、すぐに元気になるよ)。
ハジマイ
最初。始まり。
- 用例
- ハジマイヤ ンナ、ワカランル アルヨー(最初は皆、分からないんだよ)。
- メモ
- 対:ウワイ(終わり)。
ハジマイン
始まる。
- 用例
- ナー ヤガティ シバイン ハジマインドー(もうやがて芝居も始まるよ)。
否:ハジマラン(始まらない)過:ハジマタン(始まった)継:ハジマトーン(始まっている)。
- メモ
- 対:ウワイン(終わる)。
ハジマカー
ハゼノキにまけて皮膚病になること、人。漆〔ウルシ〕かぶれ。
- 用例
- ハジマカーヌ ヰーゴーハヌ、ニジララン(ハゼノキかぶれが痒くて、我慢できない)。
- メモ
- 音2:ハジマキ。
ハジマカーギー
櫨〔はぜ〕の木。ハゼノキ。ウルシ科の落葉高木。
ハジマキ
ハゼノキかぶれ。漆〔ウルシ〕かぶれ。
- 用例
- ハジマキシ、ドゥーイッペー フチゥンジトーン(ハゼノキかぶれで、体中に湿疹が吹き出ている)。
- メモ
- →ハジマカー。
ハジミ
初め。最初。
- 用例
- ハジメー ターン ワカランル アル(最初は誰も分からないんだよ)。
ハジミーン
始める。
- 用例
- ジカン ドゥーイ ハジミーン(時間どおり始める)。ハジミービラ(始めましょう)。
否:ハジミラン(始めない)希:ハジミーブサン(始めたい)過:ハジミタン(始めた)継:ハジミトーン(始めている)。
- メモ
- 対:ウワイン(終わる)。
ハジミティ
初めて。
- 用例
- ワンネー アッタートー ハジミティル イチャイル(私は彼等とは初めて会うんだよ)。
バシャ
馬車。
- 用例
- バシャ カキティ(馬車に荷車をつけて)。
- メモ
- 音1:バサ。
ハジャキーン
損なう。物などを当たり(もらい)損なう。~し損なう。
- 用例
- チュヌ ウーサイネー ハジャキーンテー(人が多いと当たり損ねるよ)。
否:ハジャキラン(損なわない)過:ハジャキタン(損なった)継:ハジャキトーン(損なっている)。
- メモ
- 音1:ハジキーン。
バシャジェーク
馬車大工。
バシャムッチャー
馬車持ち。馬子。馬方。
- メモ
- 音1:バサムッチャー。
ハジュン
配る。
- 用例
- シンシーカラ アジカトール チョーミン ンナカイ ハジュン(先生から預かった帳面を皆に配る)。
- メモ
- 音1:ハグン。→イェースン。
ハシリ
雨戸。戸。
- 用例
- ニンジュグトゥ、ハシリン ミチレー(寝るから、雨戸も閉めなさい)。
- メモ
- 音1:ハシル。
ハジリーン
外れる。
- 用例
- タイヤ ナー ウヤヌコーヤ ハジリトールバーテー(二人はもう、親孝行から外れているんだよ〈親孝行ではなかったんだよ〉)。
- メモ
- 音2:ハンリーン。
「子供の肝」『大湾の民話』より。
ハシリグチ
戸口。
- 用例
- ハシリグチンカイ タッチョーシェー ター ヤガヤー(戸口に立っているのは誰かな)。
- メモ
- 音1:ハシルグチ。
ハシリミチ
戸道。
- 用例
- ハシリミチンカイ ヒッカカティ、トーン アチーカンティー スン(戸道に引っかかって、戸も開けにくい)。
- メモ
- 音1:ハシルミチ。
ハシル
雨戸。戸。
- 用例
- ヒーサグトゥ ハシル ミチレー(寒いから戸を閉めなさい)。
- メモ
- 音1:ハシリ。
ハシルグチ
戸口。
- 用例
- ハシルグチカイ ヰラヤカ ウチカイ イレー(戸口に座るより中に入りなさい)。
- メモ
- 音1:ハシリグチ。
ハシルミチ
戸道。
- 用例
- ハシルミチンカイ グミヌ イッチョーン(戸道にゴミが入っている)。
- メモ
- 音1:ハシリミチ。
ハジヲゥーキ
大きめの桶。
- メモ
- 味噌を作るときや、そら豆を漬けるときに使った大きめの桶。女性用の頭上運搬具としても使われた。
バス
場合。とき。
- 用例
- ナン アタイル バス(災難に遭う場合)。カユイル バスネー(通うときには)矼。
ハタ
はた。近く。そば。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ハタンカイ ヤー チュクイン(実家の近くに家を造る)。
パタイ
死。
- 用例
- アマヲゥタイ パタイ ソーン(あそこで死んでいる)。
- メモ
- 戦後フィリピン出身の在沖兵隊らから入った外来語といわれている。
ハタカイン
開〔はだ〕かる。立ちはだかる。
- 用例
- ウニヌ ハタカトーン(鬼が立ちはだかっている)。
ミチヌ マンナカンカイ ハタカイン(道の真ん中に立ちはだかる)。継:ハタカトーン(立ちはだかっている)。
ハダカユー
裸世。太古の昔。はるか昔、人間が裸で暮らしていた頃。
ハダカンボー
裸。裸ん坊。裸の人。裸の子ども。
- メモ
- 音2:マッパダカ。
ハダカゥンマ
裸馬。馬具を着けてない馬。
- 用例
- ハダカゥンマンカイヤ ヌイグリサン(裸馬には乗りにくい)。
ハタキ
畑。
- メモ
- 類:ハル。
ハタキ
①畑。②畑数を数える数詞。
- メモ
- 数詞(~畑)はチュハタキ(1畑)、タハタキ(2畑)、ミハタキ(3畑)と数える。
ハタキアーサ
ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタキエーサ・ハタケアーサ。
ハタキーン
広げる。
- 用例
- ティー ハタキレー(手を広げなさい)。ターチヌ ヒサ ハタキティ ヌー ソーガ(両足を広げて、何をしているのか)儀。
ハタキエーサ
ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタキアーサ・ハタケアーサ。
ハタクンジマーチ
一番旗を括った松。
- メモ
- 多くのムラ(字)にはアシビで掲げる旗頭がある。アシビの際にそれをくくりつける松をハタクンジマーチと呼んだ。
ハタケアーサ
ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタキアーサ・ハタケアーサ。
ハタスガシー
行事名。アシビの衣装や旗頭を出して虫干しにする行事。
- 用例
- ブラヌ ウトゥン チカリーンムン、ヤガティ ハタスガシーガ チャーギンドー(ボラの音が聞こえるから、やがてハタスガシーの行列が来るよ)。
- メモ
- 字の旗頭やムラアシビに用いる衣装、獅子などを虫干しにする行事。読谷村では旧盆後の7月16日に行う字が多い。喜名では旧7月16日にアシビの衣装や旗頭を保管しているヌンドゥンチを拝んでから衣装等を出した。その後、旗を持って鉦や太鼓をたたいて字内を練り歩いた。
ハタゾー
旗竿。
ハタハター
何かしようとして焦る様。
- 用例
- シクチ マニアースンディ ハタハター ソーン(仕事を間に合わせるのに焦っている)。
パタパター
痛くてもがいている様。もだえ苦しむ様。
- 用例
- カラシニ チッカキティ、パタパター ソータン(脛をひっかけて、痛みでもがいていた)。
ハダムチ
肌の感触。気候が肌に与える感触。堆肥を作るのに丁度良い気候にもいう。
- 用例
- クングヮチ ナタレー、ハダムチヌ ユク ナトーン(9月になったら、肌もちが良くなった)。
ハダムチ ユタハヌ、イー クェー ナイサ(気候もいいから、良い堆肥ができるさ)。
ハタムッチャー
旗持ち。葬列の時に葬式旗を持つ役目の人。
- 用例
- ソーシキネー、ハタムッチャーン マジョン ハカマディ スネーイ シ イチュタン(葬式には、旗持ちも一緒に墓まで行列を組んで行った)。
ハタラカー
働き者。
- 用例
- ハタラカーヌ イーニーシェー ヤン(働き者の良い青年だ)。
- メモ
- 音1:ハタラチャー。→アガチャー。
ハタラチャー
働き者。
- 用例
- ヰキガヤ ハタラチャー アラントー ナランサ(男は働き者でなければいけないよ)。
- メモ
- 音1:ハタラカー。→アガチャー。
バチ
罰。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、カンナジ イチカー バチ アタインドー(悪いことをしたら、必ずいつかは罰が当たるよ)。
ハチアギー
正月3日に豚小屋の掃除をすること。
ハチアッチー
<初歩き。産婦が赤子を連れて初めて里帰りすること。
- 用例
- ハチゥンマガヌ ハチアッチーヤ イッペー マチカンティー ヤタン(初孫が初めて家に来るのは、とても待ち遠しかった)。
ハチウガミ
年中行事のひとつ。初拝み。正月年初の吉日に字の拝所を拝む行事。
- メモ
- 伊良皆では正月3日に字のハチウガミがある。ニーヤ(根家、根屋)も全員そろってカー、ウタキを拝む。昔は役員たちが各戸を廻って夜遅くまでやった。晩はユナサモーに集まって、各役員の家を廻っていた。
ハチウガン
初御願。年初めの拝み。
ハチウクシー
初起こし。仕事始め。
- 用例
- ハチウクシーネー カリー チキーン(初起こしには嘉例をつける)。
- メモ
- 儀間では、有志役員が3日に字のムートゥドゥクルとンブガーなどの井泉で1か年の健康などを祈願する。長浜では「手足を頑丈にしてください」と祈願してから、鍬やヘラを持って畑へ行った)・浜。
ハチウグヮン
初御願。年初めの拝み。
- 用例
- ハチウグヮンヤ アザヌ ヤクミ スリトーティ ウグヮン スン(初祈願は字の役員が揃って祈願する)。
- メモ
- 字民の無事・安泰・豊作を祈願する。字によって日は異なるが正月1日から9日の間に行われる。
ハチウビー
正月4日に行う門中行事。
- メモ
- 門中が集まって、ウガンガー、ウブガー、イリガー、瀬名波ガー、イージョーガー(又はムイヌウカー)を拝み、その後酒食した。
ハチウンチ
年の初めに運勢を占いに行くこと。初運気。
- 用例
- トゥシ アキーネー ソーソー ハチウンチ ゥンヂ チューサ(年が明けたら、さっさと運勢占いに行って来るよ)。
- メモ
- 音2:ハチシムチ・ハチヂー。
ハチカー
年中行事のひとつ。二十日。
- メモ
- 塩をすりこんでいる豚足を縄でくくり、囲炉裏の上に二十日に使う肉として(燻製)保存していた。ハチカーは男が女にシチビ(節日)として御馳走するので、「ハチカーヤナー ヲィキガヌムン カムン、ジュールクニチャーヤ ウジューグヮー ヲィナグヌムン カムン(20日は男が作る物を食べる、16日は女たちが作る御重を食べる)」といった。
ハチカーグヮー
正月20日に行った若者同士の交際。
- メモ
- 20日で正月は終わりだということで拝み事はなく、各家で夕食をとる。若者たちは重箱を持ちよって友人たちと交際した。
ハチカソーグヮチ
二十日正月。旧暦の正月二十日。正月最後の行事。
- 用例
- ハチカソーグヮチネー、ブチダヌンカイ クヮッチーン ウサギータン(20日正月には、仏壇にご馳走も供えた)。
ハチカソーグヮチネー、ウヮーヌヒサ シジーン(二十日正月は豚足を煮込む)。
ハチガタノー
初ガタノー。その年に生まれた赤子を連れて、渡慶次の潟野馬場に馬競争の見物に行くこと。
- メモ
- 対:アカヒチムン・ウフゲンナー・オーヒチムン・オーヒチャー・フユーナー・フユーナムン(怠け者)。
ハチカヂチ
二十日月。陰暦20日の月。
- 用例
- ハチカヂチェー ヒルマ アガインディ(二十日月は昼間上がるそうだ)。
ハチガニク
初ガニク。その年に生まれた赤子を連れて、楚辺兼久の馬競争見物に行くこと。
ハチガリー
初嘉例。
- メモ
- 13歳のお祝いでは特段客を招待しないが、近所や親戚は初トゥシビーということでお祝いをあげた。
バチカンジャー
罰当たり者。
- 用例
- ヌーヌ ゥンマリル ヤラー、ムルトー チガティ バチカンジャー ヤサ(どういう生まれなのか、皆とは変わって罰当たり者だ)。
ハチクニチ
初九日。
- メモ
- 高志保では、正月9日にウグヮンウスメーと称される50歳以上の男子が公民館に集まり、1年間の村の繁栄を祈願する。
バチクヮースン
痛い目に会わす。
- 用例
- チューネー、バチクヮーサヤー(今日こそ、痛い目に合わせてやるぞ)。
バチクヮイ
上出来。でかすこと。思う通りに物事が進む時に使う。
- 用例
- イッター ヰナグングヮヤ イー ムーク アタティ、バチクヮイ ヤサ(お前の娘は良い婿を取って、上出来だ)。
- メモ
- →ディカシ。
ハチグヮチ
8月。
- 用例
- ハチグヮチマディル ウーアチサ ヤル、クングヮチカラー イフェー シラク ナイサ(8月までが猛暑で、9月からは少し涼しくなるさ)。
ハチグヮチカンカー
8月カンカー。悪除け行事。
- 用例
- ハチグヮチカンカーニン ウシ クルチャン(8月カンカーにも牛を潰した)。
- メモ
- →カンカー。
ハチグヮチジューグヤ
八月十五夜。
- 用例
- ハチグヮチジューグヤヌ ウチチューヌ アカガトーシヨー(八月十五夜のお月様の明るいこと)。
- メモ
- 旧8月15日に各家庭で酒、線香、花米を持って屋敷のウグヮンをする。その後、月が上がった頃に庭に出てウチチューウグヮンをした。
ハチグヮチヒンガン
八月彼岸。
- 用例
- ハチグヮチヒンガンネー ブチダヌンカイ チャーン シキーンドー(八月彼岸には仏壇にお茶も供えるよ)。
- メモ
- 秋の彼岸で8月彼岸は入日から7日間仏壇にお茶を供えて拝む。
ハチグヮチャー
ササゲ。インゲン豆の一種で炒めて食べることが多い。
- 用例
- ハチグヮチャーン ニチ ウサギレー(ササゲも炒めて差し上げなさい)。
- メモ
- 音2:ハチグヮチャーマーミ。
ハチグヮチャーマーミ
ササゲ。8月に収穫できるインゲン豆の一種。
- メモ
- →ハチグヮチャー。
ハチケーシ
初返し。供物の一部を取り替えること。お次返し。
- メモ
- 類:ウチジヘーシ。ウチジヘーシ参照。供物の一部を別に取ってお初として御願する。複数個所拝む場合はその都度、取った分は新たに補充し同様に御願する。
ハチケーラスン
ひっくり返す。
- メモ
- 音1:カチケーラスン。→ウッケースン。
ハチコーイン
人の言うことを聞かない犬。人によくかみつく犬。
ハチコーサン
①肌にあたるとかゆい。②気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けがない。人と調和できない。
- 用例
- ①ナガリヌ ハチコーサグトゥ、カチ トゥラシェー(背中が痒いから、かいてくれ)。②ワラビヌ、クチビカーンカナティ イッペー ハチコーサン(子どもが、口答えばかりしてとても気が強い)。
②アレ ハチコーサンドー(あいつは人の言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音1:ハチコーハン。言行がなめらかでない、角のある者などにも言う。
ハチコーハン
①肌にあたるとかゆい。②気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けがない。人と調和できない。
- 用例
- ②トゥナイヌ ワラバーヤ ハチコーハンドー(隣の子は気が強い)。
- メモ
- 音1:ハチコーサン。
ハチコームン
気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けのない者。人と調和できない者。
- 用例
- アレー デージナ ハチコームン ヤサ(彼は大変な気が強い人だ)。
クヌ イングヮーヤー ハチコームン(この犬は人の言うことを聞かないやつ)。
ハチコーゥンム
クワズイモ。
- メモ
- 類:ヰーゴーラーゥンム・ゥンバシ・ヰーゴーゥンム・ヰーゴーダーゥンム。
ハチシムチ
年の初めに運勢を占いに行くこと。
- メモ
- →ハチウンチ。
ハチジューゴーヌスーギ
八十五歳祝。生年祝いのひとつ。
- 用例
- ンカシヤ、ハチジューゴーヌスーギ ンケーイル チョー イキラハタン(昔は、八十五歳の祝いを迎える人は少なかった)。
- メモ
- かつては、7回目の生年祝である八十五歳祝を迎える人は少なく、次の生年祝の九十七歳祝まで長生きしたら、「子孫ヌ分ルウサガトール(子や孫の分を生きている)」といって、それ以上の長命を願わなかったという。
→音1:ハチジューゴーヌスージ。
ハチジューゴーヌスージ
八十五歳の祝い。生年祝いのひとつ。
- 用例
- ワッターン、ハチジューゴーヌスージ アヤカーイビラ(私たちも、八十五歳の祝いをあやかりましょう)。
- メモ
- 音1:ハチジューゴーヌスーギ。
ハチヂー
年の初めに運勢を占いに行くこと。
- 用例
- ソーグヮチ アトゥ ヘーベートゥ ハチジー タティーガ イチュン(正月後に、早めに初占いに行く)。
- メモ
- →ハチウンチ。
ハチトゥシビー
<初年日。新年最初に迎えるその年の干支の日。
- 用例
- ハチトゥシビーネー、ヒヌカンカラ ウガムン(ハチトゥシビーには、火の神から拝む)。
- メモ
- 正月を迎えて最初の干支に当たった日を、ハチトゥシビーとしてありあわせの物で御馳走を作って祝った。元日から家族のトゥシビーの日のたびに、お米と一緒にウブクや御馳走を供えて拝む。
パチナイ
パチパチと。バシっと。どんどん。いきごんでする様。
- 用例
- スルバン パチナイ スン(算盤をパチパチとはじく)浜。
ゥンマー ヲゥージ パチナイ クヮイン(馬はキビをすごく喰う)。
ハチナンカ
初七日。
- 用例
- ハチナンカネー、アサヌマールヲゥティ ハカニン イキワル ナインドー(初七日には、朝のうちに墓にも行かないといけないよ)。
ハチニチ
8日。
ハチハル
<初畑。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチバル・ハチハルー。類:ハチウクシー。
正月4日に鎌や篦〔ヘラ〕などの農具を揃えて手足に怪我のないよう健康祈願した後に畑へ出た。
ハチバル
<初畑。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチハル・ハチハルー。
正月3日の初仕事の儀式。仏壇にチャワキを供え手を合わせ、実際には仕事をしない。
ハチハルー
<初畑。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチハル・ハチバル。
大晦日の晩にシム(台所)で鍬や鎌に酒を供え「ティーヂューサ ヒサヂューサ アラシンソーリ(手足を強くあらせてください)」と祈願した。その鍬や鎌を、正月2日のハチハルー(初畑)に畑へ持って行き3回畑に入れる仕草をする。3日のハチハルーをしないうちは鍬、ヘラ等の農具は出さなかった。「ティーヒサ ジョーグシ ヌードゥシン シミティクィミソーリ(手足を丈夫に、何年も頑丈にあらせてください)」と御願してから農具を使った。
ハチブラー
仮面。
- 用例
- ハチブラー カンティ、ワランチャー ウドゥルカサンケー(仮面を被って、子どもたちを驚かすな)。
ハチマールー
初回り。輪番制で行う最初の製糖作業のこと。
- メモ
- 組単位で輪番制で製糖作業を行うが、製糖作業が始まると、ハチマールーに当たった家は、全員の食事の準備をし、製糖小屋で一緒に食した。
ハチマキ
鉢巻。
パチミカスン
パチンとたたく。
ハチムーチー
初餅。子どもが生まれて初めてのムーチー行事。
- 用例
- ハチムーチーヤ、チュケートゥナインカイン クバリヨーヤー(初ムーチーは、隣近所にも配りなさいよ)。
- メモ
- 子どもが生まれて最初のムーチーの行事を迎える家では、たくさん作って、親戚や隣近所にカリーナムン(縁起物)として配った。
ハチムン
履物。
- 用例
- ユージュカイ イチュンディチ ヤシガ、ハチムンガル ネーン ナトーンレー(用事に行こうとしているが、履物がなくなっているんだよ)。
ハチャー
ハチ。蜂。
- 用例
- ハチャーンカイ ササッティ アカブックイ ソーン(蜂に刺されて赤く膨れている)。
ハチャーガマク
蜂のようにくびれた腰。
ハチャーヌシー
蜂の巣。
- 用例
- アマンカイ、チャッペーヌ ハチャーヌシーガ アン(あそこに、大きな蜂の巣がある)。
ハチャイヒッチャイ
吐いたり下したり。嘔吐と下痢を繰り返すこと。
- 用例
- ワタ ヤンティ、ハチャイヒッチャイ ソーン(お腹をこわして、吐いたり下したりしている)。
ハチャグイン
はち切れる。はじける。
- 用例
- マーミン ヘーク ムランネー、カマン マール、ハチャグインドー(豆も早く収穫しないと、食べないうちに、はじけるよ)。
- メモ
- 類:ハッチーン・ハッチリーン。
ハチャグミ
菓子名。米で作った沖縄風おこし。
- 用例
- ムチグミシ ハチャグミ チュクイン(餅米でおこしを作る)。
- メモ
- 米を炒ってはじけさせ、溶かした砂糖でからめて丸く固めたもの。蒸した餅米を乾かして炒り、砂糖を入れて固めた物。
ハチュン
(首等に)かける。
- 用例
- クビカジャイ ハチュン(首かざりをかける)。
否:ハカン(かけない)希:ハチブサン(かけたい)過:ハチャン(かけた)継:ハチョーン(かけている)。
- メモ
- 音1:ハクン。
ハチュン
吐く。もどす。
- 用例
- ニチヌ チューサヌ ハチュン(高熱で戻している)。
否:ハカン(吐かない)希:ハチブサン(吐きたい)過:ハチャン(吐いた)継:ハチョーン(吐いている)。
- メモ
- 音1:ハクン。→アギーン。
ハチュン
弁償する。
- 用例
- ウリキテーヌ ブノー、ワッターガ ハチュンテー(損した分は、私たちが弁償するさ)。
否:ハカン(弁償しない)希:ハチブサン(弁償したい)過:ハチャン(弁償した)継:ハチョーン(弁償している)。
ハチュン
履く。
- 用例
- カタヒサー アシジャ クリ、カタヒサー サバ ハチュン(片足は下駄を履き、片足は草履を履く)。カーハジュン(皮を剥ぐ)。
否:ハカン(履かない)希:ハチーブサン(履きたい)過:ハチャン(履いた)継:ハチョーン(履いている)。
- メモ
- →クムン。
ハヂュン
①剥ぐ。②取り消される。
- 用例
- ①イラナシ キーヌ カー ハジュン(鎌で木の皮を剥ぐ)。②メンキョ ハヂュン(免許を取り上げる・剥奪する)。
ハチランパチ
初散髪。子どもが生まれて初めて髪を切ること。
- 用例
- ハチランパチヤ、ナー ウワティー(初散髪は、もう終わったねぇ)。
ハチングヮ
初めての子。
- メモ
- →アラングヮ。
ハッカカイン
ばったり出会う。出会う。
- 用例
- ハッカカトール バーヨー(出会ってしまったわけさ)。
- メモ
- →ハイイチャイン。
ハッキサミヨー
驚いた時に発する言葉。
- メモ
- 類:ハッサイナー・ハッサイヨー・ハッサミヨー。
ハッケーヒッケー
何度も行き来している様。
- 用例
- ハッケーヒッケー、ヌー シ アッチョーガ?(何度も行き来しているが、どうして歩いているの?)。
- メモ
- →イチムリケームリ。
ハッサイナー
驚いた時に発する言葉。
- メモ
- 類はハッキサミヨー参照。
ハッサイヨー
驚いた時に発する言葉。
- メモ
- 類はハッキサミヨー参照。
ハッサビヨ
もう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- いろいろな場面で使われる。類はハーシャビヨー参照。
ハッサミヨー
驚いた時に発する言葉。なんということだ。
- 用例
- ハッサミヨー!イャーガ スルクトゥヨー、アンソール シーヨーン アンナー!(はぁもう!お前のすることよ、そんなやり方もあるか!)。
ハッサミヨー、タマシ ヌギティ(ああもう、びっくりした)。
- メモ
- 類はハッキサミヨー参照。
ハッサミヨーナーナー
ええっ。ああ、もう。しまった。
ハッサヤー
それはもう。大変だ、すごいということを話している相手に伝える時に発する語。
- メモ
- 類はハーシャビヨー参照。
ハッサヨー
それはもう。大変だ、すごいということを話している相手に伝える時に発する語。
ハッシェ
はあ。ええっ。それは違うと反対する気持ちを強く主張したい時に発する語。
- 用例
- ハッシェ、ムノー ウマーン(はあ、ものを思わない〔思慮がない〕非常識だ)。
パッタイパッタイ
バタバタ。動物が死にかけてバタバタと苦しそうに暴れる様。
- 用例
- ウヮーグヮー ヤティン、ウチヤンジーネー、ナゲー パッタイパッタイ スン(豚でも、打ちそこなうと、長い間バタバタと苦しんで暴れる)。
- メモ
- 類:パッタラケー。
パッタラケー
バタバタ。動物が死にかけてバタバタと苦しそうに暴れる様。
- メモ
- →パッタイパッタイ。
パッタラケーパッタラケー
癲癇〔てんかん〕の発作でバタンバタンと倒れる様。倒れて手足をばたつかせている様。
パッタリゲーヤー
手足をばたつかせている様。
- 用例
- アマヲゥティ、パッタリゲーヤーシ ナチョータン(あそこで、手足をばたつかせて泣いていた)。
バッタンコー
メジロ落とし籠。メジロを捕るためにわらびや竹で作った籠。
- メモ
- →ソーミナーヤーマ。
パッチー
めんこ。
- 用例
- ヰキガ ワランチャーガ パッチー ッシ アシドーン(男の子が面子をして遊んでいる)。
ハッチーン
はち切れる。
- 用例
- ナイヌ ハッチヤーニ(実が破裂して)。
- メモ
- →ハッチャグイン。
ハッチャー
がに股。
- メモ
- 類:マタガニー。対:チンシトーブー(足が真っすぐなこと)。
ハッチャカイン
出くわす。出会う。
- 用例
- チュクェー イチムシンカイ、ハッチャカイシェーヤー(人を喰うような生き物に、出くわすさあね)
イチャイブサーネーン チュトゥ ハッチャカイン(会いたくない人と出くわす)。
- メモ
- 「お茶二杯」『高志保の民話』より。→ハイイチャイン。
ハッチリーン
はち切れる。はじける。
- 用例
- カミヂューサイネー ワタガ ハッチリーンドー(食べすぎると腹がはちきれるよ)。
否:ハッチリラン(はち切れない)過:ハッチリタン(はち切れた)継:ハッチリトーン(はち切れている)。
- メモ
- →ハッチャグイン。
バッチン
罰金。
- 用例
- バッチン ウサミーヌ ジンヌル ネーンレー(罰金を納めるお金がないんだよ)。
ハットゥ
法度。
- 用例
- トゥイオーラシェーヤ ハットゥ ナトーグトゥ、シェーナランサ(闘鶏は法度になっているから、やってはいけないよ)。
ハットゥバスン
吹き飛ばす。
- 用例
- バクダノー ウティティ、ミミン ハットゥバチ(爆弾が落ちて、耳も吹き飛ばして)。
パッパー
おばあさん。祖母。
- メモ
- →オバー。
ハッパイン
張る。開く。大きく開くこと。
- 用例
- カー ハッパティ(皮を張って)。アカングヮガ ヒサ ハッパトーン(赤子が大きく足を大きく開いている)。
ハップガスン
①穴を開ける。②内情を他人にもらす。暴露する。
- 用例
- ①ナー クヌ チワネー ムル ハップガスン(もう、この際全部暴露する)。否:ハップガサン(暴露しない)希:ハップガシーブサン(暴露したい)過:ハップガチャン(暴露した)継:ハップガチョーン(暴露している)。
②ブーカー ハップガスン(風船に穴をあける)
否:ハップガサン(穴を開けない)希:ハップガシーブサン(穴を開けたい)過:ハップガチャン(穴を開けた)継:ハップガチョーン(開けている)。
- メモ
- ①→チップガスン。
バッペー
間違い。誤り。
- 用例
- イクケーヌン バッペーテー ナランドー(何回も間違えてはいけないよ)。
- メモ
- 類:マチゲー。
バッペーイン
間違える。間違う。
- 用例
- バッペーティン シムグトゥ、マジェー ゥンヂンラナ(間違えてもいいから、まずは行ってみよう)。
イチムシトゥ バッペーティ(動物と間違えて)。
否:バッペーラン(間違えない)過:バッペータン(間違えた)継:バッペートーン(間違えている)。
- メモ
- 類:マチガイン。
ハティ
果て。終わり。
- 用例
- ハティン ネーン シクチ ハジミテーサヤー(終わりのない仕事を始めたね)。
ハティー
①命知らず。終わりがないこと。②厄介。厄介者。
- 用例
- ①ドゥク ハティー ナティ(あまりにも命知らずで)。
ハティー ヤイビッサー(終わりがないですね)。
②クヮヌ ハティーナティ ウヤー チャー シワソーン(子どもが厄介者で、親はいつも心配している)。
- メモ
- ②→クーエームン。
ハティグトゥ
困ったこと。
- 用例
- ヤッケーグトゥ ウクチ ハティグトゥ ナトーサー(厄介なことを起こして、困ったことになったな)。
- メモ
- →ジャーフェー。
ハティチガイ
かなり違っていること。かなり可笑しくなること。
- 用例
- パーパーヤ ハティチガイ ソーン(お祖母さんはかなり可笑しくなっている)。
ハティッチュ
あさましい者。限界を知らない者。悪い意味で使われる。
- 用例
- ハティッチュ ヤグトゥ、ターン チカユランサ(あさましい奴だから、誰も近寄らない)。
ハティマク
腕白。
- 用例
- ワラビヌ ハティマク ナティ、ティーン チキララン(子どもがすごい腕白で、手がつけられない)。
- メモ
- →アカマク。
ハティムン
大変なこと。困ったこと。
- 用例
- ハティムン ヤテーンデー(大変なことだったろう)。ハティムン ヤンドー(困ったもんだよ)。
- メモ
- →ジャーフェー。
ハティルカ
果てなく。存分に。たくさん。
- 用例
- ハティルカ アマイカンティ、チャーサレー マシガヤー(たくさん有り余っているが、どうすればいいかねぇ)。
ハナ
①花。②寸志。おひねり。
- 用例
- ナーヌ ハナヌ チュラサヨーヤー(庭の花が美しいことよ)。
ハナ
端。
- 用例
- シーヌ ハナ(岩の先端)。
ハナ
鼻。
- 用例
- ハナヌ サチカイ ガジャンヌ シガトーン(鼻の先に蚊が止まっている)。
ハナグヮーン タカダカートゥグヮー ソーセー(鼻も高々としているね〔赤ちゃんを褒めるときにいう〕)。
ハナ ウシチーン
鼻を切り落とす。鼻を削ぐ。
- 用例
- ハナ ウシチヤーニ ヤナカーギー ナタンディ(鼻を切り落として醜くなったそうだ)。
- メモ
- 音2:ハナ ウスジュン。「逆立ち幽霊」『古堅の民話』より。
ハナ ウスジュン
鼻を切り落とす。鼻を削ぐ。
- 用例
- ハナ ウスジ ヤナカーギー ナテールバーテー(鼻を切り落として醜くなったわけさ)。
- メモ
- →ハナ ウシチーン。「逆立ち幽霊」『高志保の民話』より。
ハナ タイン
鼻水がたれる。
- 用例
- ハナ タトーン(鼻水が垂れている)。
ハナ ハンクン
①人の鼻を指ではじく。②悪臭などが鼻をつく。
- 用例
- ①マキーネー バチトゥシ ハナ ハンクン(負けたら罰として鼻をはじく)。
②イユヌ クサリティ、ハナ ハンクン(魚が腐れて、鼻をつく嫌な臭いがする)。
- メモ
- 音1:ハナハンチュン。
ハナ ハンチュン
①人の鼻を指ではじく。②悪臭などが鼻をつく。
- 用例
- ①アシベーシ タゲーヌ ハナ ハンチュン(遊びで互いの鼻をはじく)。
②ヌーガル クサリトーラー、ハナ ハンチュンヤー(何が腐れているのか、鼻につく臭いだね)。
- メモ
- 音1:ハナハンクン。
ハナ ヒーン
くしゃみをする。
- 用例
- ターガ ヤティン、ハナ ヒーネー 「クスクェー」ディ イリヨーヤー(誰がでも、くしゃみをしたら「クスクェー」と言うんだよ)。ハナ ヒール トゥチネー 「クスクェー」ディ イリヨーヤー(くしゃみをしたら、「クスクェー」と言うんだよ)。
ハナ フチュン
いびきをかく。
- 用例
- ワンネー ユル ニントーティ、ジコー ハナ フチュンディ(私は夜寝ていて、ひどくいびきをかくそうだ)。
ハナ フラチュン
いい気になる。
- 用例
- チュケーン カッチャンディチ、ハナ フラチュンナー(1回勝っただけで、いい気になるのか)。
ハナ ゥンジーン
鼻水がでる。
- 用例
- ハナ ゥンジトーイビンレ(鼻水が出ていますよ)。
ハナイカ
花イカ。赤く染めたイカ。沖縄料理のひとつ。
- メモ
- イカを赤粉で染め、糯米をひいたものに入れ、餅のようにしたものを平たくして油で焼いた。裕福な家ではムイチリー(祝い膳)にハナイカを入れた。
ハナイチー
花生け。花瓶。
- 用例
- ハナイチー コーティ チェーンドー(花瓶を買ってきたよ)。
ハナウッチャー
<綿花打ち。布団の打ち直しをする職人。
- 用例
- ハナウッチャーガ ヤーヌ カージ マーティ チュータン(布団打ちが各家を回っていた)。
- メモ
- 古くなって硬くなった布団を解体し、綿をほぐしながらゴミや塵などを取り除いて元に戻すこと。
ハナガサヤーエー
子どもの遊び。ガジマルの落ち葉で作った笠の取り合いをして遊ぶこと。
ハナカタマイ
鼻づまり。
- メモ
- 音2:ハナカタマヤー・ハナピーピー。
ハナカタマヤー
鼻づまり。鼻づまりの人。
- 用例
- ハナカタマヤーシ イーチン シーグリサン(鼻づまりで息苦しい)。
- メモ
- →ハナカタマイ。
ハナガチャー
植物名。ムクゲ。
ハナギタ
鼻骨の部分、鼻梁。
- 用例
- ハナギタ ヲゥーレー(鼻をへし折れ〔脅し文句〕)。
ハナキンブギー
柾。正木。
- メモ
- 音1:ハナキンブンギー。
クロキやシークヮーサーの木に似たもの。ニシキギ科の常緑低木。
ハナキンブンギー
柾。正木。
- 用例
- ハナキンブンギーヤ ヤシチガクインカイン チカートータン(柾は屋敷の囲いにも使われた)。
- メモ
- 音1:ハナキンブギー。
ハナグニ
遊びが盛んな村。
- 用例
- ハナグニシンカー シバヤン ジコー ジョージ ヤタン(遊びが盛んな村は、芝居もとても上手だった)。
- メモ
- 若者のモーアシビや村芝居等が盛んなシマのことを花の国(華やかな国・ハナグニ)といっていた。
ハナグミ
花米。神仏に供えるお米。
- 用例
- ハナグミ カミーン(花米を押しいただく)。
ハナゴーゴー
いびきをかいている様。
- 用例
- ハナゴーゴー ッシ ニントーン(いびきをかいて寝ている)。
ハナザキ
酒造りで最初に出てくる酒。
ハナシ ハンガク
話半学。人の話を聞けば、半分学問したようなものだということ。
ハナシークヮッチー
ご馳走の話を聞くこと。
- 用例
- 「アシティビチディチヨ、ウヮーヌヒサヨー マーサンドー」ディチ、ハナシークヮッチー ソービータン(「アシティビチといってね、豚の足はおいしいよ」と、話ばかりご馳走になっていました)。
ハナシガレー
放し飼い。ほったらかすこと。
- メモ
- 音2:ユルシガレー。
ハナシキ
風邪。
- 用例
- アカングヮヌ ハナシキ カカトーン(赤子が風邪をひいている)。
- メモ
- 音1:ハナヒチ。→カジヒチ。
ハナシジ
鼻筋。
- 用例
- ウヌ ワラバーヤ ハナシジ トゥーティ、アン リッパ ウマリトール(その子は鼻筋が通って、あんなに立派に生まれている)。
ハナシチ
風邪。
- 用例
- アチャカラー シグトゥ ヤルムンヌ、ヘーク ハナシチカラ ノーサンネー(明日からは仕事というのに、早く風邪から治さないと)。
- メモ
- 音1:ハナシキ。→カジヒチ。
ハナスン
①離す。②放す。
- 用例
- タイ グーナイネー ヤナクトゥビカーン スグトゥ ハナスン(二人一緒にすると、悪い事ばかりするから離す)。
イン カチミタシガ ヲゥタトーグトゥ ナー ハナスン(犬を捕まえたが、疲れたのでもう放す)。
- メモ
- ②ユルスン。対:カチミーン(捕まえる)。
ハナスン
話す。
- 用例
- シンシーガ アトゥカラ ハナスンディ(先生が後から話すそうだ)。
- メモ
- →カタイン。
ハナダイ
鼻水。
- 用例
- アネアネ、ハナダイ タトーシガ(ほらほら、鼻が垂れているよ)。
- メモ
- →ハナミジ。
ハナタカー
①鼻が高い人。②いばっている者。
ハナタカサン
いばっている。
ハナダヤー
鼻水をたらしている者。鼻たれ。
- 用例
- フルイーティ マディン ハナダヤー ヤタン(大きくなってまでも鼻たれだった)。
ハナダヤーヤ、カジヒチル ヤリー(鼻たれめ、風邪をひいているのか)。
- メモ
- 音1:ハンダヤー。
ハナダヤーワラビ
はなたれ小僧。
ハナヂー
鼻血。
- 用例
- キーサカラ ハナヂーヌ トゥマラン(さっきから鼻血が止まらない)。
ハナバーチ
花鉢。
- 用例
- ハナバーチンカイ ミジ カキーン(花鉢に水をかける)。
ハナハガー
鼻がはげていること。鼻のはげた人。
- 用例
- カジ ヒチ ハナミジ、ゥンジージューサヌ ハナハガー ナトーン(風邪をひいて、鼻水が出すぎて鼻がはげになっている)。
- メモ
- 悪口にもなった。
ハナビーダク
蒸した蛸〔タコ〕。ニービチの儀式に使われた。
ハナピーピー
鼻づまり。
- 用例
- カジ ヒチ ハナピーピー ソーン(風邪をひいて鼻が詰まっている)。
- メモ
- →ハナカタマイ。
ハナヒチ
鼻引き。風邪。
- 用例
- ハナヒチ カカイン(風邪をひく)。
ヘーク ハナヒチ ノーシェー(早く風邪を治しなさい)。
- メモ
- 音1:ハナシキ。→カジヒチ。
ハナビラー
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- 用例
- ワッター ゥンマガー ハナビラー ヤシガ イッペー ウジラーサンドー(私の孫は鼻は低いが、とても可愛いよ)。
- メモ
- 音1:ハナビルー。
ハナビラーダックイ
鼻がひしゃげた血筋。鼻が低い血筋。
ハナビルー
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- メモ
- 音1:ハナビラー。
ハナプーカー
鼻提灯。鼻ちょうちん。
- 用例
- ハナプーカー ゥンジャチ ニントーサ(鼻提灯を出して寝ているさ)。
- メモ
- 鼻汁がふくらんで、鼻から出たものが風船や提灯に似ていることからそう言われている。
ハナブックヮ
鼻のふくらむ部分。尾翼(小鼻)。
- 用例
- ハナブックヮ チケー(鼻を突け〈脅し文句〉)。ハナ ハンカッティ、ハナブックヮヌ フックトーン(鼻をはじかれて、鼻が膨れている)。
ハナマチガー
甘藷の品種名。
- メモ
- タードーシ(田倒し・排水して畑にする)後に植える甘藷は、葉が大きくて家畜にもあげるハナマチガーだった。
ハナミジ
鼻水。
- 用例
- ハナミジ タトーグトゥ、ヘーク ヌグレーワ(鼻水が垂れているから、早く拭きなさい)。
- メモ
- 音2:ハナダイ・ミジハナダイ。
ハナムジュムジュ
鼻がむずむずする様。
- 用例
- ハナ ガンマリサレー、ハナムジュムジュー シッチョーン(鼻をいじったら、鼻がむずむずしてきた)。
ハナムニー
風邪などで鼻が詰まっているときの話し方。鼻声。
- 用例
- ハナヒチ カカティ ハナムニー ナトーン(風邪をひいて鼻声になっている)。
- メモ
- 音1:ハナムヌイー。
ハナムヌイー
風邪などで鼻が詰まっているときの話し方。鼻声。
- 用例
- ハナムヌイー ソーン(鼻が詰まったような話し方をしている)。
- メモ
- 音1:ハナムニー。
ハナモー
鼻の欠けた者。
- 用例
- バサンカイ ヒカッティ ハナモー ナトーン(馬車にひかれて鼻が欠けてしまった)。
ハナモームニー
鼻の欠けた者のような話し方。
- 用例
- ハナモームニースグトゥ ヌール イチョーラー ワカランサ(鼻の欠けたような話し方をするから、何を言っているのか分からないよ)。
ハナライポロポロ
鼻を垂らしている様子。
- 用例
- アイナー! ハナダイポロポロ シミティ(あれまあ!鼻をだらだら垂らして)。
ハナリ
離れ。離れた所。離れ島。
- 用例
- タビ ハナリンカイ ナガサリーシガヤー サイ(遠く離れ島に島流しにされるんですがね)。
- メモ
- 音2:ハナリジマ。
「松川童」『高志保の民話』より。
ハナリガナサ
離れ愛しさ。腫れているほど愛しいということ。
- 用例
- ハナリガナサディチ、チカサヤカ トゥーサーカイ ヲゥシェー マシ ヤサ(離れているほど愛しいということもあるから、近くより離れている方が良いよ)。
ハナリジーグヮー
離れ岩。
ハナリジマ
離れ島。
- 用例
- ハナリジマカイ ワタティ イチュン(離れ島に渡って行く)。
- メモ
- →ハナリ。
ハナリダカシ
離れにある高い岩。
ハナワライ
相手を軽蔑した笑い。
ハナヲゥー
鼻緒。下駄の前の緒。
- 用例
- ハナヲゥーヌ チリトーン(鼻緒が着れている)。
ハナン トーカチ
鼻が低い様。斗掻きで米を切ったように鼻が低くなること。
- 用例
- ハナン トーカチ ナティ(鼻も低くなって)。
ハニ
羽。翼。
- 用例
- ハニ チキティ トゥーサマディ トゥバスン(羽根を付けて遠くまで飛ばす)。
ハニーン
拒否する。受け付けない。
- 用例
- ガッティノー アラングトゥ、クンドー ハニーン(合点がいかないから、今回は拒否する)。
ハニゲー
羽交(はが)い。左右の翼の付け根部分。羽。翼。
- 用例
- ハニゲー ダトーン(翼がだれている)。
ハニヂバル
{羽地原}。長浜の小字。
ハニムシ
羽虫。羽蟻。交尾期の羽がついたアリやシロアリ。
- 用例
- ハニムシヌ トゥビネー、イーヒー ヤサディタン(羽蟻が飛ぶと、いい日だと言った)。
ハニムシヌ トゥビーネー シライヌ ヲゥンドー(羽アリが飛ぶとシロアリがいるよ)。
ハネーカスン
賑やかにする。華やかにする。盛り上げる。
- 用例
- ヤーニンジュシ スージ ハネーカスン(家族でお祝を盛り上げる)。
チョーデー タイシ、ウスマサ ジャー ハネーカスン(兄弟二人で、とても座を賑やかにする)。
ハネーチュン
華やぐ。盛り上がる。
- 用例
- アッターンカイ シミーネー、ジコー ハネーチュンドー(彼等にさせたら、とても盛り上がるよ)。
ババーヌエー
竹馬。
- メモ
- →アシゥンマ。
ハバカイ
忙しさ。
- 用例
- ハバカイヂューサヌ、ムヌカンゲーン ナラン(忙しすぎて、考え事もできない)。
ハバカユン
広い場所をとってのさばる。
- メモ
- 幅をきかす。幅があって入りかねる。気兼ねする。
ハバクヮスン
混乱させる。
- 用例
- チュガ イーシェー チカングトゥ、アリガ チーネー ハバクヮスンドー(人の言うことを聞かないから、彼が来たらまた混乱させるよ)。
ハバチクン
幅が利く。顔が利く。
- 用例
- ワッター シマヲゥテー、アリガル ハバチクンドー(私の村では、彼が顔が利くんだよ)。
- メモ
- 音1:ハバチチュン。
ハバチチュン
幅が利く。顔が利く。
- 用例
- アヒーヤ グテーン カナイシナカイ チブルン ユタサグトゥ ハバチチュン(兄は、力も強ければ頭もいいので顔が利く)。
- メモ
- 音1:ハバチクン。
ハバチュン
①捗る。進む。作業が片付く様。②食べつくす。食べ切る。よく食べること。
- 用例
- ①シンカヌ ウーサグトゥ、シクチン ハバチュンテー(人数が多いから、仕事もはかどるさ)。
②ドゥーテーガ マギサル ウッサー、ユー ハバチュン(体が大きいだけあって、良く食べる)。
チーニーブク カミムンヌ アルッサ ハバチチキーン(来ると同時に、食べ物のありったけ食べつくす)。
ウッサ ヲゥグトゥ、イットー クルチン ハバチュンデ(それだけいるから、一頭殺してもすべて食べきるよ)。
- メモ
- ①→ハカドゥイン。
パパヤー
パパイヤ。
- 用例
- ハルカイ ダテーンマ パパヤー イーラットーン(畑にたくさんのパパイヤが植えられている)。
ハブ
ハブ。ヘビの総称。
- 用例
- チャッピナーヌ ハブヌ トゥーティ ハイタン(とても大きなヘビが通っていった)。
ハブ ニーネー フカウティ ニリ、ティンジューヌ シーシガ ナビンカイ ウティーネー ドゥク ナイン(ハブを煮るなら外で煮ろ、天井の煤が鍋に落ちると毒になる)。
ハフーバカ
墓名。破風墓。
- 用例
- ンカシェー ノーミノー ハフーバカヤ チュクラランタン(昔は農民は破風墓は造れなかった)。
- メモ
- →音1:ハーフーバカ。
ハブカクジャー
顎が大きい人。顎〔あご〕がハブのように張った人。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーヤ ハブカクジャー ヤン(隣の青年は顎が大きい)。
ハブグサ
植物名。ツルソバ。
- 用例
- ハブグサヤ カマランディ(ツルソバは食べれないそうだ)。
- メモ
- →シービー。
ハブチャ
植物名。エビスグサ。
- 用例
- ハブチャヤ チールーハナヌ サチュン(エビスグサは黄色い花が咲く)。
ハブチョーギン
渡具知のムラアシビの演目。ハブ狂言。
ハブヂンナン
カタツムリの一種。畑などにいる平たい殻のカタツムリ。先の尖った紫色のカタツムリ。
- メモ
- 食用にはできない。チンナンオーラセーをして遊んだ。
ハブトゥヤー
ハブを捕る人。
ハベール
蝶〔ちょう〕。
- メモ
- 音1:ハーベールー・ハベルー。
ハベルー
蝶〔ちょう〕。
- メモ
- 音1:ハーベールー・ハベール。
ハマイン
励む。頑張る。
- 用例
- チューヲゥティ ウワラスヌカンゲーシ、ムルシ ハマインテー(今日で終わらせる考えで、皆で頑張るさ)。
ハマティ シクチ ソーン(頑張って仕事をしている)。ハマティ カムン(頑張って食べる)。ハマイヌムン ヤレー(頑張るのであれば)。
否:ハマラン(頑張らない)希:ハマイブサン(頑張りたい)過:ハマタン(頑張った)継:ハマトーン(頑張っている)。
- メモ
- 音1:ハマユン。→キバイン。
ハマウイ
浜下り。浜に下りて厄払いをすること。
- 用例
- トゥイヌ ヤーンカイ イーネーヤ、ハマウイ サーンネー ナランドー(鳥が家に入ったら、浜下りしなければならないよ)。
- メモ
- 野鳥が家に入ると不吉とされ、家を開け放して浜に下りそこで過ごして厄払いをした。サングヮチャーにはハマウイ(浜下り)をする女性が、アーサやンナグヮーを採った。浜へ下りて海水で身を清める。楚辺や都屋の海に浜下りして遊び、帰りは潮水を汲んで帰った。
ハマウリ
浜下り。浜に下りて厄払いをすること。
- 用例
- アングヮーターガ スルティ ハマウリ ソーン(娘たちがそろって浜下りをしている)。
- メモ
- 三月御重と蓬餅などを作り、浜に出て、汚れを払い健康を祈願する行事。
字楚辺では、3月3日にティールを持って楚辺の浜へ貝を採りに行った。帰りには、豆腐作りや肥やしに使うために潮水を汲んで頭上に載せてきた。
ハマガー
長浜の井泉の名称。
- メモ
- 海岸近くに位置し海水が混じっているので、甘藷などは洗ったが、農具は洗わなかった。
ハマスーキ
植物名。モンパノキ。モンパの木。
- 用例
- ハマスーキヤ シルハナグヮーガ サチュン(モンパの木は白い花が咲く)。
ハマバン
浜番。
- メモ
- 類:ハーマヤー。
字瀬名波には、首里王府からの役職であるのか、海岸の見張りをする役目があり、ウミバン(海番)と呼ばれた。はじめ、渡慶次の城間門中に海番の役目をする人がおり、トキシヤーと呼ばれた。その後、この役目は、首里から来た祖慶(スーキ)に引き継がれたという。
ハマホーギ
植物名。ハマゴウ。
- メモ
- 音2:ホーギ。類:フコーガ・ホーゲーラー。
カンカーの時、牛の血をつけたゲッキツやハマゴウの枝葉を、集落の入口や各家の門や軒に差して魔除けにした。
ハマヤー
働き者。よく励む人。頑張り屋。没頭する人。
- 用例
- イャームン ヲゥトー アンシ ハマヤー ヤル(貴方の夫はとても働き者だね)。
- メモ
- →アガチャー。
ハマヤーバル
{浜屋原}。宇座の小字。
ハマユン
励む。頑張る。
- メモ
- 音1:ハマイン。→キバイン。
ハミ
<食み。家畜などの飼料。
- メモ
- 古語「食む」。
ハラ
鼻。
ハラ
側。方。
- 用例
- アガタヌ ハランカイ ハーエーシ ハイタン(あそこの方に駆け足で行った)。
ハライメー
払うべきお金。模合等でまだ払ってないお金。
- 用例
- イャーヤ ハライメーヤ ウビテーヲゥミ?(お前は払うべきお金があるのを覚えているか?)。
- メモ
- 対:トゥイメー。
ハライヤッサン
安産である。
- 用例
- ワンネー クヮ ナスヌカージ チャー ハライヤッサタン(私は子どもを産むたびに、いつも安産だったよ)。
- メモ
- 対:ハラヂューサン(難産である)。
ハライン
①取り除く。草を払う。②払う。お金を払う。借金を払う。
- 用例
- ①ヤナクサヌ ミーカントーグトゥ クサ ハライン(雑草が生い茂っているから、草を取り除く)。
否:ハララン(取り除かない)希:ハライブサン(取り除きたい)過:ハラタン(取り除いた)継:ハラトーン(取り除いている)。
②ヤーヌヌーシンカイ ヤーデー ハライン(家主に家賃を払う)
否:ハララン・ハラーン(払わない)希:ハライブサン(払いたい)過:ハラタン(払った)継:ハラトーン(払っている)。
ハライン
払う。
- 用例
- コーテーヌ ウッサヌ ブン ジン ハライン(買った分のお金を払う)。否:ハラーン(払わない)過:ハラタン(払った)。
ハラウービ
腹帯。
- 用例
- ワタン マギク ナトーグトゥ、ハラウービ スシェー マシテー(お腹も大きくなってきたから、腹帯をした方が良いね)。
ハラガー
側面。傾斜面。
ハラガー
①三枚肉。豚バラ。②横っ腹。
- 用例
- ①ハラガーシ アンダンスー チュクイサ(豚バラで油味噌を作るさ)。②ハラガー キラッティ パタパターソーン(横っ腹を蹴られてもだえ苦しんでいる)。
- メモ
- ①→サンマイニク。
ハラゴー
魚の腹の部分。
- 用例
- ハラゴーヤ ティンプラー シーネー マーササ(魚の腹の部分は、天ぷらにしたら美味しいよ)。
ハラゴー
罰金札を清算した。規則違反の取り締まりや風紀取り締まり。
- メモ
- 他所の畑から農作物、カズラ、松の下枝やソテツを取った時はイックヮンブダ(一貫札)が課せられ、また未成年者が煙草を吸った場合にはタバクブダ(煙草札)、鶏を放し飼いしたらトゥイブダ(鶏札)と罰金もするし鶏も取り上げた。そうして集めた罰金で豚を潰して、家族割り当てで肉を分配した。
字古堅には、ムラの掟を制定し遵守せしめる場所として「ハラゴーモー」という、全字民が集まれるほど広い原っぱがあった。またこの場所は高台に位置するため、ヨーカビー(旧暦8月8日)にタマガイ(火の玉)が集落で上がらないか見張った。
ハラスン
(汗や血を)流す。(汗を)かく。出す。
- 用例
- チー ハラサビンドーヤ(血を流しますよ。脅し文句)。
ティー アライグトゥ ミジ ハラスン(手を洗うから水を流す)。
否:ハラサン(流さない・出さない)希:ハラシーブサン(流したい・出したい)過:ハラチャン(流した・出した)継:ハラチョーン(流している・出している)。
- メモ
- 類:ゥンジャスン。
ハラスン
晴らす。雨・気持ち・恨みを晴らす。
- 用例
- ンリラングトゥシ アミ ハラスン(濡れないように、雨が晴れるのを待つ)。
ナママディ ウムトータシ アンマーンカイ ハナシーシ、チム ハラスン(今まで思っていたことを母親に話して、気持ちを晴らす)。
チャーシン ウラミ ハラサントー ナラン(どうしても恨みを晴らさないといけない)。
ハラダチ
腹立ち。怒り。
- 用例
- ハラダチン シミソーランキヨーヤー(怒らないでくださいね)。
ハラヂューサン
難産である。
- 用例
- ワー トゥジェー クヮナスヌカージ ハラヂューサン(私の妻は子を産むたびに難産だ)。
- メモ
- 対:ハライヤッサン(安産である)。
ハラトゥイ
腹取り。闘牛用の牛の名前のひとつ。
- 用例
- ワッター ウシェー ハラトゥイディ イラットータン(私の牛は、腹取りと言われていた)。
- メモ
- 闘牛用の牛の得意技による牛の名前で、腹取りが得意な牛のことをハラトゥイといった。
パラパラーミンナ
植物名。ルリハコベ。
- メモ
- ヤギやウサギにたくさんやると下痢をした。音1:アラミンナー。
ハラミ
魚の卵。
- 用例
- ハラミン カマリーグトゥ ヒティンナヨー(魚の卵も食べられるから、捨てるなよ)。
ハラムン
孕む。妊娠する。
- 用例
- ヰナグングヮヤ タイミー ハラドーン(娘は、2人目を妊娠している)。
- メモ
- →カサギーン。
ハララー
魚介名。ヤクシマイワシ。
- 用例
- ハララーン ンジガ ウーハグトゥ、ワランチャーンカイヤ カマサラン(屋久島イワシもトゲが多いなら、子どもたちには食べさせられない)。
バラン
ススキの葉。
- メモ
- →ガラマー。
ハランサーイ
つわり。悪阻。
- 用例
- ハランサーイン ヤガティ ウワイサ(つわりもやがて終わるよ)。
ハリーン
晴れる。
- 用例
- クンドゥヲゥテー ヌーンクィ ウチナチ ヤクン ハリーサ(今年中には何もかも終わって、厄も晴れるさ)。
ヤガテー アミン ハリーンテー(やがて雨も晴れるさ)。
チューヤ アミン ハリトーンムンナー(今日は雨も晴れているね)。
否:ハリラン(晴れない)継:ハリトーン(晴れている)。
ハリヤク
晴厄。厄が晴れること。
- 用例
- クジュ トゥシビー ヤテーグトゥ、クンドー ハリヤクヤサ(昨年は生まれ年だったから、今年は晴厄さ)。
- メモ
- 牧原ではハリヤクの時は客を招く大きな祝いだった。ハリヤクには枚重ねたウチャヌクを火の神に供えた。
ハル
畑。
- 用例
- ハルン ルク ウーサイネー カジーンディチ デージル ヤル(畑もあまり多いと耕すのに大変だ)。
ハル アキーン(開墾する)。
- メモ
- →ハタキ。
ハル
立春。
ハル アシバスン
畑を遊ばせる。作物を作らず、畑を放置する。
- 用例
- フユー ッシ、ハル アシバスンナー(怠けて、畑を遊ばせているのか)。
ハルカイキヤー
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイチヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルカイチヤー
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイキヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルガチャー
畑仕事に精を出す者。
ハルカラー
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ウスメーヤ ハルカラー チチル ハイタンドー(お祖父さんは野良着を着て行ったんだよ)。
- メモ
- →ハルカラアッチャー。
ハルカラアッチャー
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ウスメーヤ ハルカラアッチャー チチル ハイタンドー(おじいさんは野良着を着て行ったんだよ)。
- メモ
- 音2:ハルカラチヤー・ハルカイキヤー・ハルカイチヤー・ハルカラー・ハルギン。
ハルカラチヤー
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイチヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルギン
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- →ハルカラアッチャー。
ハルサー
農民。農業をしている人。畑仕事を主にする者。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ンカシカラ ハルサー ッシ ムヌクェージク ソーン(私の家族は昔から、農業をして生計を立てている)。
ハルシクチ
畑仕事。
- 用例
- ナチヌ アチサイネー ハルシクチン ヲゥタイン(夏の暑い時は畑仕事も疲れる)。
ハルジタク
野良着姿。
- 用例
- スーヤ、ハルジタクシル ゥンジティ ハイタンドー(お父さんは、野良着姿で出て行ったんだよ)。
- メモ
- 音2:ハルスガイ。
ハルスーブ
農事奨励の行事。原勝負(畑の勝負)。
- メモ
- 音2:ハルヤマスーブ。
ハルスガイ
野良着姿。
- 用例
- ハーメーヤ ハルスガイ ッシ ゥンジティ ハイタン(お祖母さんは野良着姿で出て行った)。
- メモ
- →ハルジタク。
ハルナー
小字名。
- 用例
- ンカシヌ ハルナーヤ、ムサットゥ ワカラン ナトーン(昔の小字名は、まったく分からなくなっている)。
ハルヌシチ
春の節。
ハルブクター
古着の破れた箇所をつぎはぎして厚めになった着物。冬物の野良着。
- メモ
- →ウシマー。
ハルマーイ
畑の見回り。
- 用例
- ウスメートゥ マジョーン ハルマーイカイ イチュン(お父さんと一緒に畑の見回りに行く)。
ハルミチ
畦道。
- 用例
- ハルシクチガ イチュナサイネー、ハルミチヲゥティル アサバヌン カムタル(畑仕事が忙しい時には、畦道で昼ご飯を食べていた)。
- メモ
- →アブシミチ。
ハルヤー
畑の作業小屋。
ハルヤマスーブ
農事奨励の行事。原勝負(畑の勝負)。
- 用例
- センゼンヌ ハルヤマスーブヤ、イッペー タヌシミ ヤタンヤー(戦前の原山勝負は、とても楽しみだったね)。
- メモ
- →ハルスーブ。
ハルイェンチュ
畑にいるネズミ。
ハレイチ
払い地。
- メモ
- 渡慶次や恩納村の宇加地、与久田、ビル(美留)、仲泊まで長浜の田圃があった。
ハワイー
甘藷の品種。
ハワイイチー
ハワイへ行ってきた人。
ハンクン
<半組。重箱の餅1箱・おかず1箱のこと。
- 用例
- ジューバコー ハンクンシ シマビーミ?(重箱は半組でいいですか?)。
- メモ
- →ジューバク。
ハンケークー
植物名。ノボタン。
- メモ
- 実は完熟するとおいしかった。男子の鬼頭に似て、実の皮がむけ中身があらわれることからそう呼ばれたのだろう。
ハンシ
一時的な処置。一時しのぎ。間に合わせ。
- メモ
- →トーイヌハンシ。
ハンジ
判じ。易者。占い師。
- 用例
- イサヌヤー カカティン マシェー ナランティカラ、ハンジン カカリワル ヤンテー(病院に行っても良くならないんだったら、易者にも見てもらった方が良いね)。
ハンジ コーイン(易者の判じを買う)。
バンジ
真っ盛り。たけなわ。丁度。絶頂期。最中。
- 用例
- アッターヤ バンジル ヤグトゥ ヌー ヤティン ナイサ(彼らは絶頂期だから何でもできるよ)。ナマン バンジ ヤサ(今も盛りだ)。ナー バンジ ユチン フイニ(もう丁度雪がふっている時に)。
ハンシー
おばあさん。祖母。
- メモ
- →オバー。
ハンジャ
地名(読谷村波平)。
ハンジャ イガルー
字民性。波平イガルー。波平の人の字民性を現す言葉。
- メモ
- 波平では「我々を「イガルー」と言ったことからそう呼ばれる。
ハンジャ クーブー
字民性。波平昆布。波平の字民性を表す言葉で「昆布の結び目のような締まり屋」の意味で用いられた。
- 用例
- ワランチャーグヮー ヤイニーネー、「ハンジャクーブーヤ」リチ オーイテールムン(子どもの頃は、「波平昆布め」といって喧嘩していたもの)。
ハンジャンチュヤ、ティー タッピラカチン ハナサンドー(波平の人は、手を叩きつけても握ったものは離さないよ)。
- メモ
- 自治会や集会で昆布、豆腐、肉の三種を出した、アシビトゥイケーの場合に、波平の昆布は美味しいと評判になったという。
バンジャー
真っ盛りの人。絶頂期の人。
- メモ
- 類:サラバンジャー・関:サラバンジ・バンジ・マサカイ。
ハンジャムンドー
波平問答。
ハンジャンチュ
波平の人。
バンジョーガニ
番匠金。かね尺。さしがね。
ハンジリー
底の浅い桶〔おけ〕。盥〔たらい〕。桶を半分に切ったような形。半切り。
- 用例
- トーフ シーネー、ハンジリー チカイビタン(豆腐を作る時に、底の浅い桶を使っていました)。
ハンジリーッシ アライムン ソーナムヌン スタンヤー(たらいで、洗濯などもしていたね)。
- メモ
- →ターレー。
バンシルー
バンジロウ。グヮバ。
- 用例
- バンシルーヌ ユカイカントーシヨ、マーサギサンヤ(グヮバの実がいっぱいついていること、美味しそうだね)。
- メモ
- 音:バンスルー。類:バンソーリ・バンソーリー・ベンシルー・ベンスルー。
バンスルー
バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音:バンシルー。類:バンソーリ・バンソーリー。バンシルー参照。
ハンスン
①外す。免れる。②責務を果たす。処理する。
- 用例
- ①チカーランヌー ネシ ハンスン(使えないネジを外す)。ヤク ハンスン(災いを免れる)。
②クチヌメー ハンスン(自分が食べる分の働きを果たす)。
バンソーリ
バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音:バンソーリー。類:バンスルー・バンシルー参照。
バンソーリー
バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音:バンソーリー。類:バンスルー・バンシルー参照。
ハンタ
崖。
- 用例
- ハンタ クシ ナチ ヰーネー アブナサヌ(崖を背にして座ったら危ない)。
- メモ
- 音2:チリバンタ・フチバンタ。→スギバナ。
ハンダイ
飯台。
- 用例
- ムヌン ナラン マール、ハンダイ メー ナチョーン(食事ができないうちに、飯台を前にしている)。
パンタタカー
漁法のひとつ。海面を棒でパンパン叩きながら魚を網に追い込む漁法。小規模な追い込み網漁。
- 用例
- パンタタカーシ イユ トゥイン(パンタタカーで魚を取る)。
- メモ
- 音2:タタカー。
ハンタバル
{坂田原}。波平の小字。
ハンタバル
{半多原}。瀬名波の小字。
ハンタバル
{繁多原}。座喜味の小字。
ハンダマ
スイゼンジナ。水前寺菜。
- 用例
- ハンダマヤ、ンカシカラ ウチナーヲゥテー ユー カマットーン(水前寺菜は、昔から沖縄ではよく食べられている)。
ハンダヤー
鼻水をたらしている者。鼻たれ。
- メモ
- 音1:ハナダヤー。
ハンチキーン
(水などを)引っかける。
- 用例
- シーバイ ハンチキーグトゥ(おしっこをひっかけるから)。
- メモ
- 音2:ヒッチャキーン。
ハンチケーラスン
跳ね返す。
- 用例
- ヒサシ ハンチケーラスン〈足で跳ね返す)。
ハンチャーガーミー
昆虫名。タガメ。
- メモ
- ゲンゴロウよりも一回り大きかった。捕まえて背中に土をつけ、グーシ(串、竹串)を曲げてそこにさし、もう一方を固定してくるくる歩いて回るのを楽しんだ。
ハンチュン
①はじく。はじき飛ばす。②射る。弾く。
- 用例
- ①マースミジ ハンケー(塩水をはじけ)。グムカン ハンチュン(ゴムカンを弾く)。
②ユミ ハンチュン(弓を射る)。
バンティ
番手。番。
- 用例
- ジョーヌ バンティ サグトゥ(門番をしていたら)。ンナガ チュールマディ バンティ ソーチュン(皆が来るまで番をする)。
ハンディムン
外れ者。はみ出し者。
- メモ
- 音1:ハンリムン。音2:ハンティンムン。
ハンティンムン
外れ者。はみ出し者。
- メモ
- →ハンディムン。
ハンドゥー
水甕〔みずがめ〕。
- メモ
- 類:ハンドゥーガーミ。
ハンドゥーガーミ
水甕〔みずがめ〕。
- 用例
- ンカシェー ナマヌ グトゥシ スイドーン ネーンル アグトゥ、チャー ハンドゥーガーミンカイ ミジェー タミティウチュタン(昔は今のように水道もないから、いつも水甕に水を溜めておいた)。
- メモ
- 類:ハンルーガーミ・ハンドゥー。
バントー
番頭。
- 用例
- マチヤヌ バントー(雑貨店の番頭)。
バンナイ
どんどんと。次々に。テキパキと物事を進める様。バンバンと。
- 用例
- スーヌ バンナイ アガイン(潮が勢いよく上がる)。
チャッサ アティン フスクル グトゥ、バンナイ ハクベー(いくらあっても不足するんだから、どんどん運べ)。
ハンナギーン
放り投げる。放っておく。
- 用例
- ハンナギテー イカランサ(放り投げて行けない)。ウレー、アマンカイ ハンナギトーケー(それは、向こうに放っておきなさい)。イャーガン ナランラー ハンナギレー(君でもできないのなら、放っておきなさい)。
- メモ
- →ウッティラカスン。
バンバトゥグヮー
玩具名。鳩の形をした笛。
- メモ
- 類:ヒリヒリーグヮー。4月アブシバレーの時の楚辺兼久と、6月の渡慶次潟野で行われる馬競争の時に、玩具が売られていた。
バンバラー
がらんどう。広い家に何もない様。
- メモ
- →ウーガーガー。
バンバラグィー
乱暴な声。
パンパングヮーヨー
まりつき歌のひとつ。
- メモ
- 歌いながら座ってまりをつき、歌い終わったら次の人に渡して、また初めから歌う。
ハンブヌー
半分のもの。
- 用例
- ハンブヌーヤ ワンガ カムサ(半分のは私が食べるよ)。
ハンブンカーキー
生乾き。
- 用例
- ウヮーチチヌ ワッサヌ ハンブンカーキール ソール(天気が悪くて、生乾きだよ)。
バンマカスン
バンと強く打つ。
- メモ
- 相手にパンと強い衝撃を与える。
ハンメー
飯米。食糧。食事。餌。
- 用例
- メーナチヌ ハンメーヤ ヌー チュクイガヤーシ カンゲーイシン ナンジ ヤサ(毎日の食事は、何を作ろうかと考えるのも難儀だよ)。
ゥンマヌ ハンメー(馬の餌)。
バンメーイチ
喜名番所の前にあった池の名称。
- メモ
- 池は人手で土を運び出して造った。近郊でも大きな池として知られ、農具を洗ったり、子どもらが水浴びをしたり、大変利用度が高かった。現在は埋め立てられ、野外ステージが建ち、敷地には石碑が建立されている。
ハンメースガヤー
食事の世話をする人。
- 用例
- ウッサヌ シンカヌ ハンメースガヤーヤ、デージナ シクチ ヤサ(こんなに大勢の食事の世話は、大変な仕事だ)。
ハンメーデー
飯米代。食事代。
- 用例
- ハンメーデーヤ ムルカラ ヌチャーサンネー(食事代は皆から徴収しないと)。
ハンリーン
外れる。
- 用例
- クンドゥヤ ヤクミカラ ハンリーン(今年は役目から外れる)。
否:ハンリラン(外れない)希:ハンリーブサン(外れたい)過:ハンリタン(外れた)継:ハンリトーン(外れている)。
- メモ
- 類:ハジリーン。対:アタイン(当たる)。
ハンリムン
外れ者。はみ出し者。
- 用例
- ハンリムンヌン シクチヌ チトゥマイミ(はみ出し者に仕事が務まるか)。
- メモ
- 音1:ハンディムン。→ハンディムン。
ヒー
おなら。屁。
- 用例
- ヒーヤ、アカングヮカラ トゥスイマディ ターヤティン ヒールスル(おならは、赤子から年寄りまで誰でも出るんだよ)。
ヒラン ヒーヌ カジャ スミ(ひらない屁が臭うものか)。
ヒー
火。
- 用例
- ヒーヤ チャーチー?(火は消したねぇ?)。
ヒー
樋〔とい〕。
ヒー(~ヒー)
~ね。
- 用例
- ワンネー ナー イカヒー(私はもう行こうね)。アンサヒー(そうしましょうね)。ヌマヒー(飲みましょうね)。
ヒーアイロン
炭火を入れて使うアイロン。
- メモ
- 柄の部分が木で、ジュラルミン製もある。新語
ヒーウチ
喪中。
- 用例
- ヒーウチネー アマクマ アッカンドー(喪中にはあちこち出歩かないよ)。
ピーカラカラー
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- イシジューサー参照。特徴的な鳴き声からそう呼んだ。
ビーグ
イグサ。藺草。
- メモ
- 備後藺。字楚辺では畳にもビーグといった。
ビークーニー
料理名。豚の臓物を調理した物。
- メモ
- 師走27日のウヮークルシーに屠った豚の臓物をンブシー(蒸し煮)したもの。
ヒーグクチ
癲癇〔てんかん〕の一種。火を見ると引き起こされる癲癇。
ヒーグシ
難癖。
- 用例
- チュヌ ヒーグシビカーン カメーティン、ドゥーヌ タミネー ナラン(人の難癖ばかり探しても、自分のためにはならない)。
- メモ
- 類:クシ。
ヒーグチャー
ラッパ飲み。
- 用例
- ヌーガラカイ イッティ ヌメー シムルムンヌ、ヒーグチャー シ(何かに入れて飲めばいいのに、ラッパ飲みして)。
ヒーグトゥ
火事。
- メモ
- 類:クヮジ・クヮナ。
ビークニー
豚の内臓等の切れ端を炒めた料理。
- メモ
- 内臓や肉等の切れ端に大根や昆布等を入れて蒸し煮にした。
ビーグムスル
イグサで編んだ筵〔むしろ〕。
- 用例
- ビーグムスルヤ、ガンジューサヌ ナゲー チカーリーン(藺草で編んだむしろは、頑丈で長いこと使える)。
- メモ
- 類:トゥナミムスル。
ヒーグラシ
その日暮らし。
- 用例
- イチマディ タッチン、チャー ヒーグラシル ヤル(いつまで経っても、その日暮らしだよ)。
ヒーグルマー
蒸気船。
- 用例
- ヒーグルマーガ トゥーイネー ミジラハヌ ンジーガ ハイタン(蒸気船が通ると、珍しくて見に行った)。
- メモ
- 類:ジョーキ。
ヒーゲーシ
火返し。
- 用例
- ンカシヤ クヮジヌ ゥンジーネー ヒーゲーシ シ ヤクバレー スタン(昔は火事が出ると、ヒーゲーシをして厄払いをした)。
- メモ
- 火事が多い時期、広場に仮小屋を造って燃やし、家事を防ぐ意味で火返しをした。
字伊良皆ではクシダカリ、メンダカリ両方でそれぞれ小屋を作った。場所は不定だが、東方向には造らない。集落外れの空き地、現在の伊良皆公民館の西側、イリムティグヮー(西)付近が多かった。小屋は各戸から集めたハーガラグヮー(枯葉など雑木)で造る。
ヒーサ
寒さ。
ヒーサー
日取りを選ぶ人。
ヒーサカー
寒さに震えること。
- 用例
- ヒーサカー シ チャグトゥ(寒くて震えたので)。
ヒーサガタガタ
寒さでガタガタ震える様。とても寒い様。
- 用例
- ヒーサガタガタ スシヤカ、マンドーヌ チン カサビレー(寒さで震えるよりは、着物もたくさんあるんだから重ねなさい)。
- メモ
- 対:アチクヮンクヮン・アチプープー・アチヤーフーヤー(とても暑い様)。
ヒーサグファイ
寒さで凍えること。
- 用例
- ヒーサグファイ シ(寒さで凍えて)。
ヒーサクリサ
寒さ苦しさ。
- 用例
- ヒーサクリシサ サッティ(寒く苦しい思いをさせられて)。
ヒーサゴーイ
寒さで凍える。
ヒーサマガイ
寒くて縮こまること。
- 用例
- カンジュシン ネーンガ アラー、ヒーサマガイ シ ニントーサ(被るのもないのか、寒さで縮こまって寝ているさ)。
ヒーサミー
寒がり。
- 用例
- ヒーサミーヌ ゥンジトーティ、フカマールービカーン シ アッチ(寒がりのくせに、外を出歩いてばかりで)。
- メモ
- 対:アチサミー(暑がり)。
ヒーサン
寒い。
- 用例
- アミグヮー フタレー ヒーサンヤー(雨が降ったから寒いね)。ヒーサン アシガヤ(寒くはあるが)。ヒーサヌ(寒くて)。ヒーク ナトーン(寒くなった)。
- メモ
- 類:ヒーハン。対:アチサン・アチハン(暑い)。
ヒージー
平生。平常。ふだん。
- 用例
- ヒージーカラ ウヤミーメーヤ シワル ヤル、シチグヮチ ソーグヮチビカーン シェー ナランデー(平生から親の顔を見に行かないと、盆と正月だけではだめだよ)。
ヒージーヌ クラシ(日々の暮らし)。
- メモ
- 類:マルヒージー・チニヒーギー・チニヒージー。
ヒージーキヤー
普段着。
- 用例
- ワンネー ヒージーキヤーディチン ニサンメール アタル(私は普段着といっても2、3枚しかなかった)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヒージーチヤー
普段着。
- 用例
- ワンネー ヒージーチヤー チチ イチュン(私は普段着を着て行く)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヒージャ
地名(読谷村比謝)。
ヒージャ ヒチャベー
字民性。比謝の人の字民性を現す言葉。早口。舌の返りが早い。
ヒージャー
山羊〔ヤギ〕。
- 用例
- ワタクシ ヒージャー、イチチ カラトーン(自分の小遣いとして、山羊を5頭飼っている)。
ヒージャー
樋のある井戸。
ヒージャークェー
ケラ。
- メモ
- 音:ヒージャーグェー。類:ヒージャーチヌクェー・ヒージャーベーベー・ンスクェームーカー。
山羊の糞の肥やしを積んだ所によくいた。
ヒージャーグェー
ケラ。
- メモ
- 音:ヒージャークェー。類はヒージャークェー参照。
ヒージャークサ
山羊の草。山羊の飼料となる草。
- 用例
- ガッコー イチュル メーニ、メーアサ ヒージャーグサ カイガ イチュタン(学校へ行く前に、毎朝山羊の草を刈りに行った)。
ヒージャーグスイ
山羊薬。山羊で滋養(栄養)を取ること。
- 用例
- チューネー、ヒージャージルン ダテーン カリ、ヒージャーグスイ ナトーサ(今日は、山羊汁もいっぱい食べて、栄養もついたさ)。
- メモ
- 滋養強壮や遅い出産を促すために薬になるとして食した。
ヒージャージル
山羊汁。
- 用例
- ヒージャージル カミーガ イチュン(山羊汁を食べに行く)。
- メモ
- 山羊を食すと滋養が取れ元気が出るということで、人が大勢集まるイベントなどでよく山羊汁が振る舞われる。沖縄の郷土料理のひとつである。
ヒージャーチヌクェー
昆虫名。ケラ。
- メモ
- 類はヒージャークェー参照。
ヒージャーヒジ
山羊のような顎髭〔あごひげ〕。
ヒージャーベーベー
昆虫名。ケラ。
- メモ
- 類はヒージャークェー参照。
ヒージャーヤー
山羊小屋。
- 用例
- ヒージャーヤーンカイ クヮックトーン(山羊小屋に隠れている)。
ヒージャウチョー
人名。比謝右京。字比謝に伝わる怪力者。
- メモ
- 琉球国の正史『球陽』には、尚貞王代(在位1669-1709年)の記事として、比謝村の武士儀間が登場する。儀間は牧場の番を役職としており、薩摩藩の在番使、川上右京が同地を狩りに訪れた際、大きな猪や暴れ馬を素手で取り抑えた。川上は、儀間のその怪力を褒め称え、自身の名「右京」を褒美として与えた。その後儀間右京は出世し、「右京筑登之親雲上(ウキョウチクドゥンペーチン)」と名乗ったとある。
ヒージャバル
{比謝原}。比謝の小字。
ヒージャヤードゥイ
地名(読谷村比謝屋取)。
ヒージャンチュ
比謝の人。
ヒージリ
燃えかす。
- 用例
- ヒージリヤ チャーリラングトゥ、リッパ トゥットーキヨー(燃えかすは、消えないようにちゃんと取っていてね)。
ヒーソーグヮチ
<火正月。貧乏人が火にあたって正月を迎えること。
- 用例
- アガターヤ ヌーン カムシェー ネーラン ヒーソーグヮチ サーヤー(私たちは何も食べるのがない、火にあたって正月をしようね)。
- メモ
- 「猿長者」『高志保の民話』より。
ヒーター
袖なしの綿入れ(袢纏)。
- 用例
- クーシーカーシー シ チュクテール ヒーター ヤティン、ジコー ヌクハタン(継ぎ接ぎだらけの袖なしの綿入れでも、とても温かかった)。
ヒータイ
兵隊。
- 用例
- ヒータインカイ、イチーヌガーイネー シムシガヤー(兵隊に、行かずに済んだらいいけどね)。
ヒータイシラビ
兵隊調べ。徴兵検査。
- 用例
- ヒータイシラビガ イチル チューラーディチ、チャー シワ ヤサ(徴兵検査がいつ来るのかと、いつも心配さ)。
ヒーダマ
火玉。
- 用例
- ンカシェー、ヒーダマガ アガイシン ユー ミータンヤー(昔は、火の玉が上がるのも良く見えたね)。
ヒータマガイ
火事の前兆として見える火の玉。
- 用例
- マタン ヒータマガイガ アガイタンドー(またも火事の前兆の火の玉が上がったよ)。
- メモ
- ヒータマガイが上がると、その近くで火事が起こるといわれていた。電気の無い時代、夜が暮れると真っ暗で、火の玉がよく見えたという。
ビーチャー
ジャコウネズミ。
- 用例
- チカグロー、ハルヲゥティ ビーチャーガ ユー ナチョーン(近頃は、畑でジャコウネズミがよく鳴いている)。
ビーチャーガ ナチネー イークトゥ アサ(ジャコウネズミが鳴くといいことがあるよ)。
- メモ
- チンチンという鳴き声はジン(銭)が入ってくると言われ喜ばれたが、ピチピチピチと鳴けばクチグトゥ(争いごと)があるヤナナチ(変な鳴き方)と言われ、災いがあるのではと恐れられた。ジャコウネズミがジュークーエー(尾をくわえて数珠つなぎ)して歩いたり、家の床に上がると厄で、ユタやシムチヌヤーに行かなければならないと言われていた。
ビーチャーカジャ
ジャコウネズミの臭い。
ヒーテーチキヤー
たきつけ。
ヒートゥ
魚介名。イルカ。
- 用例
- ヒートゥヌ シシヤ チーヌ マンドーン(イルカの肉は血が多い)。
ヒートゥイ
煙草盆。たばこ盆。
- メモ
- 音2:ヒートゥヤー。→タバクブン。
ヒートゥイ
日取り。祝い事や法事などの日取りを決めること。
- 用例
- アンマーヤ、ニービチヌ ヒートゥイカイ イクタン(母は、結婚式の日取りに行った)。
- メモ
- 巫女や書物で占う人に占ってもらって日取りをすることが多い。
ヒートゥートゥー
のんきな性格の人。返事がない。
- 用例
- イクケーン イェージシン、チャー ヒーヒートゥー ヌーリチンネーン(何回合図しても、いつも返事が返ってこない)。
ヒートゥヤー
煙草盆用の火種をいれる小さい火鉢。煙草盆。たばこ盆。
- 用例
- タンメー ヒートゥヤーヤ、マーマカチョーキヨー(お爺さんの煙草盆は、ちゃんと片づけておきなさいよ)。
- メモ
- 音2:ヒートゥイ。→タバクブン。
ヒーナシ
<日無し。特に日を選ばないこと。
- メモ
- 一般に何か事を行うにあたって吉日を選ぶが、こと仏事においてはその日取りが重要視された。そのなかにあってヒーナシの年や日であれば支障がないと言われている。ユンヂチ以外では7月13日がヒーナシなので墓、骨などの仏事が行なえるといわれた。
ヒーヌクミダムン
出産後火で温まるための薪。
- 用例
- ナー ナシジチン チカユトールムン、ヒーヌクミダムヌン シコーリワル ナインレー(もう出産も近づいているから、出産後火で温まるための薪は準備しないといけないよ)。
- メモ
- 類:クヮナシダムン・ニーグヤー。
妊娠8か月頃になると、夫が山から木を切り倒して来て、出産後に地炉で温まるためのヒーヌクミダムンを準備した。
ヒーバー
ガラスヒバァ。ナミヘビ科。
- 用例
- ヒーバーグヮーリチ、クーテー ヘビグヮーガ クェーヌ ミーンカイ ユー ヰチョータン(ヒーバーグヮーといって、小さいヘビが堆肥の間によくいた)。
ヒーバーシ
火箸。
- 用例
- ゥンマンカイ アヌ ヒーバーシ ネーレー(そこにある火箸をよこしなさい)。
- メモ
- 鉄製の細くて長い物で、火のついた木炭などを挟むのに使う。
ヒーバーチ
火鉢。
ヒーバーバー
火が激しく燃えている様。
- 用例
- ヒーバーバー メートーシガ、チケー ネーニ?(火が激しく燃えているが、大丈夫ねぇ?)。
ヒーバタラキ
<火働き。出火時の消火にあたること。
- 用例
- クヮジ ゥンジーネー、ムルシ ヒーバタラキ スタン(火事になると、全員で消火にあたった)。
ヒーハン
寒い。
- 用例
- トーン ヤンリコーコー シ ヒーハンヤー(戸もあちこち壊れて寒いね)。
- メモ
- 類:ヒーサン。対:アチサン(暑い)。
ピーピーカーカー
極貧な様。
- 用例
- アンシ ピーピーカーカー ソータルムン、ナマネー イェーキ ソーサ(とても貧乏だったのに、今では裕福になっているさ)。
ビービーグヮー
草笛。
- 用例
- ダー、タンメーガ ビービーグヮー チュクティ トゥラサ(どれ、おじいさんが草笛を作ってあげよう)。
- メモ
- ガジマルの葉先から内側に巻いて、口に当たる部分を少しだけ切り、息を吹きかけると音が出る。
ビービーグヮー
大腸。食用としての主に豚の大腸。
- 用例
- ビービーグヮー イッティ、シームノー チュクイサ(豚の大腸を入れて、吸い物を作る)。
- メモ
- 類:ビービーワタ。
食品としての名。管状の形がビービーグヮー(草笛)と似ていることから。
ピーピーグヮー
鳥の雛〔ひな〕。
- メモ
- 孵化〔ふか〕してすぐ、親に抱かれている時期のひよこ。
ヒーヒートゥー
返事がないこと。連絡がない。
- 用例
- イクケーン イェージ シン、チャー ヒーヒートゥー ヌーリチン ネーン(何回合図しても、いつも返事が返ってこない)。
ビービーワータ
大腸。食用としての主に豚の大腸。
- メモ
- 類:ビービーグヮー。
食品としての名。管状の形がビービーグヮー(草笛)と似ていることから。
ヒーヒヤー
よくおならをする人。屁こき。屁ひり。
- メモ
- 類:ヒーヒラー。
ヒーヒラー
よくおならをする人。屁こき。屁ひり。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ ヒーヒーシヨ、ヒーヒラーヤ!(その子どもがおならをすることよ、屁こきは!)。
- メモ
- 類:ヒーヒヤー。
ヒーフチャー
火吹き竹。
- 用例
- ヒーフチャー チカイネー ウビジ テーチカイサ(火吹きを使うと直ぐに火がつくよ)。
ヒーマーチ
火の用心。火の用心の御願。
- メモ
- 10月に行う火の用心。49歳になる人が各家を廻ってヒヌカンを拝んだ。
ヒーマーチヌウガン
火の用心。
- メモ
- 字長浜では、10月初壬の日に、角々のグジューゥンーメー(49歳のお爺さん)たちが各家庭を廻ってヒヌカンに「メーカラ タカク アガラシン ソーンナ(火の手を高く上がらせないでください)」と御願をした。
カママーイ(竈廻り)とも言った。字儀間では、11月頃、49歳になる人たちが、各戸を廻って火の用心を呼び掛けた。
ヒームサー
イモサルハムシの幼虫。甘藷の害虫名。
ピーヤーカーヤー
子どもたちが何かとうるさくしている様。
- 用例
- ワランチャー シグニン ピーヤーカーヤー シーガーチー ソーティ ハイタサ(子どもたちを4、5人も、ピーヤーカーヤーしながら連れて行ったよ)。
ピーヤーグヮー
鳥の雛〔ひな〕。ひよこ。
- メモ
- 音:ピーヨーグヮー。
ピーヨーグヮー
①鳥の雛〔ひな〕。ひよこ。②幼い子。
- 用例
- ピーヨーグヮー イクタイン ソートータン(幼い子を何人も連れていた)。
- メモ
- 音:ピーヤーグヮー。
ピーヨーピーヨー
複数人引き連れている様。ピヨピヨ。
- 用例
- ピーヨーピーヨー ッシ ワランチャー ソーティ アッチョータン(何人も子どもを連れて歩いていた)。
ヒーラ
農具名。へら。
- 用例
- ヒーラシ ナーヌ クサ ハライン(ヘラで庭の草を払う)。
- メモ
- 類:フィーラ。
畑の草を払ったりする時に使う道具で、鉄製の刃に木製の柄がついているもの。片手用で植え付けや草刈りなどに使う。
ヒーラー
南京虫。ごきぶり。油虫。
- 用例
- ヒーサヌ トゥクマンカイヤ、ヒーラーン ゥンジランディ(寒い所には、ごきぶりも出ないそうだ)。
- メモ
- 音2:トービーラー。
ビーラー
へなへなとしたひ弱な人。弱体。
- 用例
- ビーラーヤ、ナー ヤコー タタン(へなへなとしたひ弱な人は、もう役には立たない)。ビーラーナティ(虚弱で)。
- メモ
- 類:ビールー。
ヒーラチヤン
しみるような痛み。ヒリヒリする痛み。
- 用例
- ティーヌ カーガ ハギティ ヒーラチヤン スン(手の皮が剥けて染みるように痛い)。
- メモ
- →スンクヮンヤン。
ヒーラチュン
痛い。疼〔うず〕く。ヒリヒリ痛むこと。
- 用例
- カジョーラーヤ、スー ナシーネー ヒーラチ、ノーイン(蕁麻疹は、酢を塗りつけるとヒリヒリして治る)。
- メモ
- 傷ややけどなどがひりひり痛む。
ピーリンパーラン
大声で話している様。
ヒールー
伊良皆の小地名。
- メモ
- 伊良皆部落の入り口、58号線の側にあったアシビナーのこと。
ヒールー
焙炉〔ほいろ〕。
ビールー
病弱な人。弱体。
- 用例
- ムヌン ウホーク カマンネー ビールー ナインドー(ご飯もたくさん食べないと、体が弱くなるよ)。
- メモ
- 類:ビーラー。
ヒールームイグヮー
地名(伊良皆の小地名)。
- メモ
- 類:ヒール-モー。
一里塚のこと。単にムイグヮーとも呼んだ。
ヒールーモー
地名(伊良皆の小地名)。
- メモ
- 類:ヒールームイグヮー。
ガジマルの大木が2本あり、ガジマルの西側と、10~20メートルほど離れた2か所に一里塚があった。
ビールーングヮ
虚弱児。幼児期に体が弱く、病気ばかりしている子どものこと。
- 用例
- グナサイネー ビールーングヮ ヤタルムン、ナマネー アンシ ガンジュームン ナトーサ(小さい頃は虚弱児だったのに、今ではあんなに頑丈者になっているさ)。
ヒーン
経る。
- 用例
- ニン ヒトール ハブ(何年もたったハブ)。
- メモ
- 音:フィーン。
ヒーン
ひる。体外へ出す。
- 用例
- ヒー ヒリガターネー(おならが出そうになったら)。
ビカージ(~ビカージ)
~ばかり。~だけ。
- 用例
- アリビカージ ヒッチー チカティ(あの人だけしょっちゅう使って)。
- メモ
- 類:ビケージ・ビケー・ビカーン。
ヒガサンチジ
地名(恩納村比留の小地名)。
- メモ
- 旅立つ人を見送る野原。
ヒカットゥ
しかと。しっかりと。ちゃんと。
- メモ
- 音1:シカットゥ・シカトゥ。
ヒカマ
午後。昼間。
- 用例
- ヒカマカラ ウキティ ハイタン(昼間から起きて行った)。
- メモ
- →音1:シカマ。
ヒカマミジ
{昼間水}。盆の13日のウンケーから15日の間、昼間供える水。
- 用例
- ヒカマミジヤ、ウンケーカラ ウークイマディ ウサギンドー(ヒカマミズは、ウンケーからウークイまで供えるよ)。
ヒカマモチ?
{昼間餅}。盆のウンケーの昼間に供える団子。
ヒカヤービンビン
蛍。
- 用例
- ナマン マルケーテー、ヒカヤービンビンガ トゥドーンドーヤー(今もたまには、蛍が飛んでいるよね)。
ヒガン
彼岸。
- メモ
- 墓へは行かず仏前で拝する。彼岸はグソー(後生)のワタクシ(私事祭)だという。
ヒキ
姻戚。
ヒギ
ひげ。
- 用例
- チュヌ ヤーカイ イキーネー、ヒギン スティカラ イケー(人の家に行く時には、ひげも剃ってから行きなさい)。
- メモ
- 類:ヒジ。
ヒキーン
供える。
ヒキーン
据える。
- メモ
- 音:シキーン。類:ヰシーン。
ヒキナイン
退く。
- 用例
- イバハグトゥ スバンカイ ヒキナレー(狭いから側に退けろ)。
- メモ
- 音1:ヒチナイン。→シンチュン。
ヒキナスン
取っておく。傍に確保しておく。
- 用例
- ナーマ ハジェー ネーン ブノー、クチャナカイ ヒキナスン(まだ配ってない分は、裏座に取って置く)。
- メモ
- 音1:ヒチナスン。
ヒキヒキ
引っ張っている様。
- 用例
- インヌ クーヤーニ ヒキヒキ ッシ イクタン(犬が咥えて引っ張って行った)。
ヒキワカスン
間引く。
- 用例
- ヤシェー ヒキワカスンディチ、ハルカイ ハイタン(野菜を間引きするといって、畑に行った)。
- メモ
- 類:ヒチワカスン。
ヒグイ
体が冷えること。冷え。
- 用例
- アミカイ ンリーネー ヒグイ イーンドー(雨に濡れると体が冷えるよ)。
- メモ
- 類:ヒジュイ。
ヒクサン
低い。
- 用例
- アヒーヤ ワンヤカ ヒクサン(兄さんは私より背が低い)。
- メモ
- 音:ヒクハン。
ヒクッテン
低く。
- 用例
- ヒクッテングヮー チュクティ(低く作って)。
ヒグッテン
冷え冷えと。
- 用例
- アミフイアトゥ ナティ、ヒグッテン ソールヤー(雨降り後で、冷え冷えとしているね)。
- メモ
- 類:ヒジュッテン。
ヒクハン
低い。
- 用例
- アバーヤ ワンヤカ ヒクハン(姉は私より低い)。
- メモ
- 音:ヒクサン。
ヒグルカジ
冷たい風。冷風。
- 用例
- ハシルグチヤ、ヒグルカジ フチ スガリーン(戸口は、冷たい風が吹いて涼しい)。
- メモ
- 音1:ヒジュルカジ。対:アチカジ(熱風)。
ヒグルカンジャー
寒々としている様。
- 用例
- ターン ヤーカイ ヲゥラングトゥ、ヤーヌウチガ ヒグルカンジャー ソーン(誰も家に居ないから、家の中が冷え冷えとしている)。
- メモ
- 類:ヒジュルカンジャー。
ヒグルグヮンス
跡継ぎがいない仏壇。
- 用例
- ナー、クヮン タイミッチャイナール ナスグトゥ、ヒグルグヮンスン マンドーサ(もう、子どもも2、3人しか産まないから、跡継ぎがない仏壇も多いさ)。
- メモ
- 類:ヒジュルグヮンス。
ヒグルナービナクー
鍋の修理屋。鋳〔い〕掛け屋。鉄板に開いた穴をネジで止めて、にわか修理すること。
- 用例
- ヒグルナービナクーガ チーネー イェージ シーヨーヤー(鍋の修理屋が来たら、合図しなさいよ)。
- メモ
- 音1:ヒジュルナービナクー。
戦後出現。ドリルで穴をあけてネジで留める、鞴〔ふいご〕を使わないのでヒジュル(冷たい)と言われた。→ナービナクー。
ヒグルハン
冷たい。
- 用例
- カーラヌ ミジヤ ヒグルハヌ、イーヤンベー ヤン(川の水は冷たくて、とても気持ちいい)。
- メモ
- 類:ヒジュルサン。
ヒグルミジ
冷たい水。冷水。
- 用例
- ヌーリー カーキトーニヌ、ヒグルミジヌ マーサヨ(喉が渇いている時の、冷たい水の美味しいこと)。
- メモ
- 類:ヒジュルミジ。
ビケー(~ビケー)
~ばかり。
- 用例
- クーブビケー(昆布ばかり)。4、5チン ビケーガ ヤラ(4、5斤ほどだったのか)。
- メモ
- 類:~ビケーン・~ビカー・~ビカーン・ビケージ。
ビケージ(~ビケージ)
~ばかり。~だけ。
- 用例
- カレーンチャシガヨ、ヌガ ムル フーニビケージル ヤグトゥヨ(食べてはみたけどね、なんで、ほとんど骨ばかりだからね)。
タバクビケージ(煙草ばかり)。
- メモ
- 類:ビカージ・ビケー・ビカーン。
ヒコーイン
準備する。支度する。身支度する。
- 用例
- クヮッチー ヒコーイン(御馳走を準備する)。
- メモ
- 音1:シコーイン。→シコーイン。
ヒサ
足。歩数を数える数詞。
- 用例
- ヒサヌ ミーハジミーヤ、ユッチャラユッチャラ マーカイガ トーリーラー ワカラン(赤子の歩き始めは、ヨタヨタとどこに倒れるのか分からない)。
ヒサ アラティカラ ヤーヌウチカイ イレー(足を洗ってから家の中に入りなさい)。
ヒサヌ ヘーサン(足が速い)。
- メモ
- 数詞(~ヒサ)はチュヒサ(1足。ひと足。)、タヒサ(2足。ふた足)と数える。
ヒサイービ
足の指。
ヒサカキエー
子どもの遊び。片足飛び遊び。
- メモ
- 4,5人でが片足飛びをし、上げた足を後ろの人の上げた足に重ねて円陣になったり、一列になったりして手を叩きながら前進した。
ヒサカタ
足形。足跡。
- 用例
- ターガ ヤーヌ ウチカイ カラヒサーシ イッチャガヤー、ヒサカタ チチョーン(誰が家の中に裸足で入ったのかな、足跡がついている)。
ヒサギーン
持ち上げる。
- 用例
- ヒサギユーサン アタイ(持ち上げることができないくらい)。
カンシ ヒサギヤーニ(こうして持ち上げて)。
ヒサグーフ
くるぶし。
ヒサクビ
足首。
ヒサゲットー
子どもの遊び。片足ずもう。
- メモ
- →カーター。
ヒサシリシリ
足を摺り寄せてくる様。
- 用例
- ヒサシリシリ シ、チャー タックヮイ ヤサ(足を摺り寄せて来て、ずっとくっついているさ)。
ヒサダーカー
つま先立ち。背伸び。
- 用例
- ヒサダーカー スン(つま先立ちする)。
- メモ
- 音:ヒサダカー。
ヒサダカー
つま先立ち。背伸び。
- 用例
- ヒサダカー シン ジョーイ トゥドゥカン(背伸びしても絶対に届かない)。
- メモ
- 音:ヒサダーカー。
ヒサナー
足の甲。
- メモ
- 類:ヒサンラ。
ヒサヌカー
足の裏の皮。
- 用例
- ルゲーティ、ヒサヌカー シリハジャン(転んで、足の裏皮をすりむいた)。
ヒサヌワタ
足の裏。
- 用例
- ヒサヌワタヌ マックール シ ユグリトーン(足の裏が真っ黒くして汚れている)。
ヒサヌワリ
踵のひび割れ。あかぎれ。
- 用例
- ヒーサイネー ヒサヌワリヌ ヤムタン(寒い時には踵のあかぎれが痛かった)。
- メモ
- 類:ユーギリ。
ヒサハゴーサン
足を踏み入れるのを躊躇する。
- 用例
- ソージカチン サッテーネーン、ヒサハゴーサ(掃除もされてなくて、足を入れるのに躊躇する)。
- メモ
- 草むらなどの足元が見えないところに入る際に、蛇や糞などを踏むことを怖がったり、汚い家に入る時にも言った。
ヒサブタ
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタアシブッター・ヒサブッター・フィサブー。
ヒサブッター
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタアシブッター・ヒサブタ・フィサブー。
ヒサブッチョー
足が太くて頑丈なこと、人。
- 用例
- タークナーサーヌ ヒサブッチョー(田を耕す人は足が太くて頑丈だ)。
ヒサブニ
①足の骨。②豚足。
- 用例
- ①ヒサブニ ヲゥーティネーン(足の骨を折ってしまった)。
②ヒサブニヤ ジコー ニークミヨー(豚足は長時間煮込みなさいよ)。
ヒサマンクー
正座。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、シンシーンカイ ヒサマンクー シミラリータン(悪いことをしたら、先生に正座させられた)。
- メモ
- 音1:ヒサマンチュー・フィサマンチュー。音2:ヒサマンチ。→チンシメーギー。
ヒサマンチ
正座。
- 用例
- ヒサマンチ カキーン(正座する)。
- メモ
- 音2:ヒサマンクー・ヒサマンチュー・フィサマンチュー。→チンシメーギー。
ヒサマンチュー
正座。
- 用例
- ヒサマンチュー ソータレー、ヒサヌ ヒラクローン(正座していたら、足がしびれている)。
チュヌ ヤーンカイ イチネー、ヒサマンチュー シーワル ヤンドー(人の家では、正座するものだよ)。
- メモ
- 音1:ヒサマンクー・フィサマンチュー。音2:ヒサマンクー。→チンシメーギー。
ヒサムジュムジュ
足がむずむずする様。
- 用例
- グミヌ マンリ ヒサムジュムジュ スン(ゴミが多くて足がむずむずする)。
ヒサンラ
足の甲。
- 用例
- ヒサンランカイ ニーブターヌ ゥンジトーン(足の甲におできが出来ている)。
- メモ
- 類:ヒサナー。
ヒジ
ひげ。髭。
- 用例
- ヒジン ヌビトーシガ、カンスイヌル ネーンレー(髭も伸びているが、カミソリがないんだよ)。
ヒジ
肘。
- 用例
- ヒジサーニ ウッチーネー ヤミル スル(肘で打ったら痛いさ)。
- メモ
- 類:ヒジゲー。
ヒジガーキー
頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- ヒジガーキー シ カタグヮー チキトーン(頬杖をついてかっこつけている)。
- メモ
- 音2:カタヒギガーキー・カタヒジガーキー・ヒジガーキー。
ヒシクミアイク
漁法のひとつ。川の流れに沿って竹で囲み、獲物の通り道を作り、アイクバーキに誘い込んで獲物を捕る方法。
- メモ
- アイク参照。
ヒジゲー
肘。
- メモ
- 類:ヒジ。
ヒジチ
杼(ひ)。機織りの器具のひとつ。
ヒシディーバル
{菱良原}。座喜味の小字。
ヒシビシートゥ
薄めに。薄く。
- 用例
- シシェー カミーヤッサヌグトゥ、ヒシビシートゥ チリヨー(肉は食べやすいように、薄く切りなさいよ)。
- メモ
- 対:アチアチートゥ(厚めに)。
ヒジボーボー
髭ぼうぼう。髭もじゃ。
- 用例
- ヒジボーボー ッシ チラン ミーラン(髭ぼうぼうで顔も見えない)。
ヒジマー
髭の濃い人。髭が伸びている人。
- メモ
- 音:ヒジモー。
ヒジミーン
片付ける。
- 用例
- チカティ ウワタシェー、アサギンカイ ヒジミーン(使って終わったのは、離れに片付ける)。ケーヒジミティ(片付けて)。
- メモ
- →カタヂキーン。
ヒジメー
在来種の米。
- メモ
- 草丈が高く籾に芒があり、その芒の色によって赤ヒジ-、白ヒジ-、コージャー(斑模様)などと呼ばれていた。1935年頃まではヒジメーが栽培されていた。蓬莱米が入る前まではヒジメーを栽培していた。在来種の米で一期作米。
ヒジモー
髭が濃い人。髭が伸びている人。
- 用例
- ヒジモー ナトーシガ、ヒジ スインレー サン(髭も伸びているが、髭を剃ろうとしない)。
- メモ
- 音:ヒジマー。
ヒジャイ
左。
- 用例
- ワンネー ヒジャイカラ マーイアサ(私は左から回るよ)。
- メモ
- 対:ニジリ(右)。
ヒジャイウチャーシー
左前。着物を左前に着ること。
- 用例
- ヒジャイウチャーシー、シーネー フージェー ネーンドー(着物を左前にして着ると、みっともないよ)。
ヒジャイグムン
琉球王家の紋章。左三つ巴。
ヒジャイナー
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- 用例
- クヮナシーニン ウラジャンカイ、ヒジャイナー ハイタン(出産の時にも、裏座に左縄を張っていた)。
- メモ
- 音:ヒジャイナ。
綱は通常右手を上にして綯うが、その逆に左手を上に右手を下にして綯った縄は魔除けと厄払いの効力があるといわれる。
ヒジャイヌーリー
音痴。音程はずれ。
- 用例
- ヒジャイヌーリー ヤティン シムグトゥ、ティーチェー ウタレーワ(音痴でもいいから、一曲歌いなさい)。
ヒジャイネー
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- メモ
- 龕を担いでカンカーモー付近を通るときは、カンカーモーにヒジャイネー(左縄)を下げた。
類はヒジャイナー参照。
ヒジャイネーンナ
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- メモ
- 類:ヒジャイネー、ヒジャイナ、ヒジャイナー。類はヒジャイナー参照。
産室や正月の門松、カンカー(年中行事のひとつ)の時には字境界などに張った。
ヒジャイマチ
左巻き。
ヒジャイマチャー
左巻きの旋毛〔つむじ〕、またその人。
ヒジャイミグイ
左前。順調にいっていないこと。順当ではないこと。
- 用例
- ウレー、ヒジャイミグイ ソーンドー(それは、順調にいってないよ)。
ヒジャイムティー
左側。
- 用例
- ヒジャイムティーカラ イチーネー チカササ(左側から行くと近いよ)。
ヒジャイリッコー
左利き。
- メモ
- 類:ヒジャヤー・ヒジャヤーリッコー。
ヒジャガー
川の名称。比謝川。
ヒジャバシ
地名(読谷村比謝矼)。
ヒジャバシバル
{比謝矼原}。比謝矼の小字。
ヒジャバシンチュ
比謝矼の人。
ヒジャバル
{比嘉原}。牧原の小字。
ヒジャヤー
左利き。
- 用例
- ワッター チョーデーヤ ムル ヒジャヤー ヤン(私の兄弟は全員左利きだ)。
- メモ
- 類:ヒジャヤーリッコー・ヒジャイリッコー。
ヒジャヤーリッコー
左利き。
- 用例
- ヒジャヤーリッコー ヤティン ノーサンティン シムン(左利きでも直さなくても良い)。
- メモ
- 類:ヒジャヤー・ヒジャイリッコー。
ヒジャルー
不器用な人。不器用。
- 用例
- アレー ヒジャルー ヤグトゥ、チャー シクチェー ニーサン(彼は不器用だから、いつも仕事が遅い)。
- メモ
- →ティーアラサン。
ヒジュイ
体が冷えること。冷え。
- 用例
- クヮ ナチ チャーキ アミンレーンカイ ンリーネー、ヒジュイ イーンドー(子どもを産んで直に雨にでも濡れたら、体が冷えて病気になるよ)。
- メモ
- 類:ヒグイ。
ヒジュイオーイ
寒い様。冷え込む様。
- 用例
- イャーヤ カーラカラ ヒジュイオーイ シ、 イチケーワ(お前は川の寒さで震えながら、生きていけ)。
ヒジュイン
冷える。
- 用例
- アミ フイネー ヒジュインドー(雨が降ると冷えるよ)。
- メモ
- 対:ヌクタマイン(温まる)。
ヒジュー
いつも。ずっと。
- 用例
- ヒジュー、ヒージャーヌ クサカヤービカーン シミラッタン(いつも、山羊の草刈りばかりさせられた)。
- メモ
- →イチグ。
ヒジュッテン
冷え冷えと。
- 用例
- カーラヌ スバヤ ヒジュッテン ソーン(川の側は冷え冷えとしている)。
- メモ
- 類:ヒグッテン。
ビジュル
拝所。
- メモ
- 県内各所にある拝所で、多くは霊石が拝する対象となっている。賓頭盧が由来と考えられている。村内では大湾、古堅、渡具知で拝されている。
字大湾では、子宝祈願のため山田からビジュルをウンチケー(お迎え)して、「双子でもいいので授けてください」と拝んだら双子が生まれたので、この神はマササミシェーン(霊力高い)と言われ、その霊石は今でも大湾のニーヤ(根家)で祀られている。
ヒジュルアシ
冷や汗。
- 用例
- ヒジュルアシ ハトーシガ、アンマサーネーニ?(冷や汗をかいているが、気分は悪くないねぇ?)。
ヒジュルー
①冷たい人。②冷たい物。
- 用例
- ①アレー ヒジュルー ナティ、イェーサチン サンサ(彼は冷たい人で、挨拶もしないさ)。
②アチサグトゥ ヒジュルーンデー ヌマナ(暑いから冷たいものでも飲もう)。
ヒジュルカジ
冷たい風。冷風。
- 用例
- キーヌ シチャーヤ、ヒジュルカジガ ッチ スガリーンドー(木の下は、冷たい風が来て涼しいよ)。
- メモ
- →音1:ヒグルカジ。
ヒジュルカンジャー
寒々としている様。ひっそりと静まり返っていること。
- 用例
- ウッサヌ ワランチャーガ ヲゥタルムン、ムル ヤータッチ ヒジュルカンジャー ソーン(たくさんの子どもたちがいたのに、みんな分家して寒々としている)。
- メモ
- 類:ヒグルカンジャー。
ヒジュルグヮンス
跡継ぎがいない仏壇。空き家になって誰も拝む人がいない仏壇。
- 用例
- ヒジュルグヮンス ナイネー、ティラカイ アジキーン(仏壇を継ぐ人がいなくなったら、寺に預ける)。
- メモ
- 類:ヒグルグヮンス。
ヒジュルコーコー
とても冷たい様。
- 用例
- ミジヌ ヒジュルコーコーシ、マーサシヨ(水がとても冷たくて、美味しいことよ)。
ヒジュルサン
冷たい。
- 用例
- ウヌ ミジェー ワクミジ ナティ、イッペー ヒジュルサン(その水は湧き水なので、とても冷たい)。
- メモ
- 類:ヒグルサン・ヒグルハン。
ヒジュルナービナクー
鍋の修理屋。鋳〔い〕掛け屋。鉄板に開いた穴をネジで止めて、にわか修理すること。
- メモ
- →音1:ヒグルナービナクー。
ヒジュルミジ
冷たい水。
- 用例
- ハルカラ ケーティ チーネー、ヒジュルミジグヮー フーサン(畑から帰って来たら、冷たい水が欲しい)。
- メモ
- 類:ヒグルミジ・ヒグルミジグヮー。
ヒジュルムン
冷たい物。
- 用例
- アチサヌ ヒジュルムン フーサン(暑くて冷たいのが欲しい)。
ヒジュン
削る。薄く削り取る。
- 用例
- ゥンマヌ チメー ヒジャーニ、マタ イリーノーシー スン(馬の爪は薄く削り取って、また入れ直しする)。カチュー ヒジュン(鰹節を削る)。
ヒタ
下手。
- 用例
- ヒタカラル ジョージン ナイサ(下手から上手になるんだよ)。
ヒタイ
したり。でかした。よくやった。
- 用例
- ヒタイサイ!ユー ディキトービンドー(お見事です!良く出来ていますよ)。
ヒタイヒャー!ナマヌ グトゥ ヤサ(でかしたぞ!今の調子だよ)。
- メモ
- 類:シタイ・ヒッタイ。
「ヒタイヒャー」は目下の人に、「ヒタイサイ」は目上の人に使う。
ヒタターヤン
ヒリヒリした痛み。
- 用例
- ナガリヌ ヒタターヤン スシガ、マジ ンチンディ(背中がヒリヒリ痛いが、まず見てごらん)。
ヒダティーン
隔てる。
- 用例
- クイ ウッチ メートゥ クシトゥ ヒダティーン(杭を打って前と後を隔てる)。
ミチ ヒダティティ、ヒジャイムティーカイ アシガ、ワッター ヤーヤサ(道を隔てて、左側にあるのが私の家だよ)。
ヒタラカ
したたか。
- 用例
- ヒタラカナー クンジョー ゥンジティ ウクナイン(ひどく怒って虐待する)。
- メモ
- 類:シタタカ。
ヒチ
干支。
- 用例
- ヒチヌ アシェーヤー(干支があるでしょう)。
ヒチ
敷居。
- メモ
- 類:シチ・シキ。
嫁入りに敷居を踏むと離婚することになるから踏んではならないといわれた。
ヒチ
堀削に使う鉄棒。
- メモ
- 音1:シチ。
ビチー(~ビチー)
~べき。
- 用例
- シービチー ヤン(やるべき〔こと〕をやる)。
ヒチウーシ
挽き臼。
ヒチェー
引合。報告。
- メモ
- 類:ヒチファ・ウフィチェー。
ヒチキーン
躾ける。叱る。注意する。
- 用例
- ヤクミンカイ ヒチキラッティ(役目に注意されて)。ヒチキタクトゥ(叱ったら)。
- メモ
- 音:シチキーン。
ヒチクーダ
竹ばさみ。芭蕉布をつくる工程で不純物をこき落とす道具。
ヒチグヮチ
7月旧盆。
- メモ
- 類:シチグヮチ。類:シチグヮチウブン・シチグヮチウユミ・ソーロー・ヒチグヮチソーロー・ヒチグヮチャー。
ヒチグヮチソーロー
旧盆。
- メモ
- 類:ヒチグヮチ参照。
ヒチグヮチャー
旧盆。
- メモ
- 類:ヒチグヮチ参照。
ヒチサチュン
①引き裂く。ひき破る。
②親しい仲を無理に離す。
- 用例
- ①ハサンシ ヌヌ ヒチサチュン(ハサミで布を引き裂く)。
②タイガ ナカ ヒチサチュン(二人の仲を引き裂く)。
ヒチジ
植物名。つつじ。
- メモ
- 類:チチジ・チュチュジ。
ヒチジ
羊。未。
- 用例
- ワンネー ヒチジェー ナーダ ンチェーンランサー(私は羊は見たことがないね)。
ヒチジドゥシ
未年。
- 用例
- ワッター ヤーヤ、ヒチジドゥシニ チュクタン(私の家は、未年に造った)。
ヒチジヌチュ
未年生まれの人。
- 用例
- ヒチジヌチュガ アチマティ、アシビ ソーン(未年生まれの人が集まって、芝居をしている)。
ヒチタンパーク―
石油入れ。石油を入れる一斗缶。
- 用例
- ヒチタンユーヤ、ナー、ヒチタンパークーヌ スク チチョーンドー(石油は、もう石油入れの底をついているよ)。
ヒチタンユー
石油。
- 用例
- ヒチタンユーン タカク ナティ、コーイグリク ナトーン(石油も高くなって、買いにくくなっている)。
- メモ
- 音:シチタンユー。
ヒチトゥイン
引き取る。
- 用例
- ウヌ ニムチェー ワンガ ヒチトゥイン(その荷物は私が引き取る)。
否:ヒチトゥラン(引き取らない)希:ヒチトゥイブサン(引き取りたい)過:ヒチトゥッタン(引き取った)継:ヒチトゥットーン(引き取っている)。
ヒチナイン
退く。
- 用例
- イャーヤ クシンカイ ヒチナトーケー(君は後ろに退いていきなさい)。
- メモ
- 音1:ヒキナイン。→シンチュン。
ヒチナスン
取っておく。傍に確保しておく。
- 用例
- アンマー タマシ ヒチナスン(母の分を取って置く)。
ヒチビ
節日。
- 用例
- ヒチビ シキランネー(節日のご馳走を供えないと)。
- メモ
- 音:シチビ。
ヒチファ
引合。
- メモ
- 類:ヒチエー・ウフィチェー。
ヒチマ
御初米。初穂。
- 用例
- ヒチマ トゥイネー、ヰナグングヮンチャーンカイ ワキータサ(新米を収穫したら、娘たちにも分けてあげた)。ヒチマンディチ、ムヤーナーヌ トゥクマンカイ ミーメー ムッチ、イクル ナレーヌ アタン(ヒチマといって、守姉のところに新米を持って行く習慣があった)。
- メモ
- 音:シチマ。類:ウファチメー・シチマメー・シチュマ。
ヒチマースン
引き合わせる。
- 用例
- ヒチマーシンソーチ(引き合わせてくれた)。
アヌ タイヤ ヒチマーチル マジョーン ナチェーンドー(あの二人は引き合わせて夫婦にしたんだよ)。
- メモ
- 年頃の未婚の男女を、見合いのように周囲の人たちで引き合わせること。
ヒチムン
敷物。
- メモ
- 音1:シチムン。
ヒチムンジェーク
箪笥等の細かい細工。挽物細工。
- 用例
- ヒチムンジェークヤ、デージナ ワジャ ヤッサー(箪笥等の細かい細工は、すごい技術だよ)。
ヒチャ
下。
- メモ
- 音:シチャ。対:イー・ウィー・ウヮービ(上)。
ヒチャイン
光る。
- 用例
- ユル ナイネー ジーナーグヮーヌ ヒチャインドー(夜になると、蛍が光るよ)。否:ヒカラン(光らない)過:ヒカタン(光った)継:ヒチャトーン(光っている)。
ヒチャギーン
引き上げる。助け上げる。
- 用例
- カミカラン ヒチャギラサッティ(神様にも助け上げられて)。
ヒチャシバ
下唇。
- メモ
- 音:シチャシバ。
ピチャピチャ
ピカピカと光る様。
ヒチャンタ
馬の鞍の下敷。
- 用例
- ヒチャンタディチン ワンネー ワカランサー(ヒチャンタといわれても私は分からないね)。
- メモ
- 音:シチャンタ。類:シチンタ。
ヒチワカスン
間引く。
- 用例
- トナバー ヒチワカスン(からし菜を間引きする)。
- メモ
- 音:ヒキワカスン。
ヒチゥンマガ
玄孫〔やしゃご〕。
- 用例
- ヒチゥンマガヤ イクタイ ヲゥガ?(玄孫は何人居るねぇ?)。
ヒッカキーン
引っ掛ける。
- 用例
- チン ハーヤンカイ ヒッカキーン(着物を柱に引っ掛ける)。
否:ヒッカキラン(引っ掛けない)希:ヒッカキーブサン(引っ掛けたい)過:ヒッカキタン(引っ掛けた)継:ヒッカキテーン(引っ掛けてある)。
ヒッキリムッキリ
切れぎれ。
- 用例
- アンソーヌ ヒッキリムッキリ ソーシガン、チカーリーンナー(そんなに切れ切れになっているのが、使えるか?)。
- メモ
- 音:ヒッチリビッチリ。
ヒックムン
引っ込む。
- 用例
- ワッター イノー、チュガ チーネー ウークカイ ヒックムン(私たちの犬は、人が来たら奥に引っ込む)。
ヒッケースン
引き返す。
- 用例
- ムンワシリシ、ミチナカカラ ヒッケースン(忘れ物をして、途中で引き返す)。
否:ヒッケーサン(引き返さない)希:ヒッケーシーブサン(引き返したい)過:ヒッケーチャン(引き返した)継:ヒッケーチョーン(引き返している)。
ヒッケーラスン
ひっくり返す。
- 用例
- クサミチャーマ、ゥンマカイ アシ ムル ヒッケーラスン(怒って、そこにあるのを全部ひっくり返す)。
否:ヒッケーラサン(ひっくり返さない)希:ヒッケーラシブサン(ひっくり返したい)過:ヒッケーラチャン(ひっくり返した)。
- メモ
- →ウッケースン。
ヒッサギーン
引っさげる。重い物等を手にさげて持つこと。
- 用例
- ゥンブサグトゥ、タイシ ヒッサギーン(重いので、2人で引っさげる)。
ヒッサン
薄い。
- 用例
- ウヌ ヌノー、チヌンカイヤ ヒッサンデー(その布は、着物にするには薄いよ)。
- メモ
- 対:アチサン(厚い)。
ビッスー
口を尖らす仕草。
- 用例
- ヌラタレー ビッスー サギンデー(叱ったら口を尖らせているさ)。
- メモ
- 類:ユームーグチ。
ヒッタイ
したり。でかした。よくやった。
- 用例
- ヒッタイヒャー(でかしたぞ)。
- メモ
- 類:シタイ・ヒタイ。
ヒッタイカータイ
ずぶ濡れ。ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- アミンカイ ウヮーッティ ヒッタイカータイ ナタン(雨に降られてびしょびしょになった)。
- メモ
- →シップートゥ。
ヒッタイクヮッタイ
水が滴り落ちる程度に濡れている様。
- 用例
- ミジアシビ シ、ヒッタイクヮッタイ ソーン(水遊びをして、びしょ濡れになっている)。
ヒッタイディー
濡れた手。
- 用例
- ヒッタイディーシ サーイネー、カビル ヤグトゥ ヤリーシガ(濡れた手で触ると、紙だから破れるよ)。
- メモ
- 音:シッタイディー。
ヒッタイビサ
濡れた足。
- 用例
- ヒッタイビサヤ、ユー フチカラル ヤーヌウチンカイ イーンロー(濡れた足は、よく拭いてから家の中に入るんだよ)。
- メモ
- 音:シッタイビサ。
ヒッタイミー
濡れた所。
- 用例
- ヒッタイミーカラ アッチーネー、チンヌ スソー カナギティ アッケー(濡れた所から歩く時には、着物の裾はまくり上げて歩きなさい)。
- メモ
- 音:シッタイミー。
ヒッタイン
濡れる。
- 用例
- カサン カンラン アミカイ ンリーグトゥ、ドゥーイッペー ヒッタトーン(傘もかぶらずに雨に濡れるから、体中濡れてる)。
- メモ
- 音:シッタイン・ンリーン。
ヒッタクマッタク
よくしゃべる様。ぺちゃくちゃ。
- 用例
- ヒッタクマッタク、ヒッチーナーン ユンタク スサ(ぺちゃくちゃ、1日中でもおしゃべりするさ)。
ヒッタティーン
引っ張って立てる。引っ張り上げる。
- 用例
- ウレー ゥンブサヌ、タイシル ヒッタティー スル(それは重くて、2人でしか引っ張り上げられない)。
ヒッタティムッタティ
持ったり下したりしている様。
- 用例
- ウマヲゥティ ヒッタティムッタティ シ、ヘーク ムチ イカニ(そこで持ったり下ろしたりして、早く持って行きなさい)。
ヒッタティルー
2、3日の約束で金を借りること。一時的に金を借りること。
- 用例
- アチャアサティヤ ジンヌ イッチ チューグトゥ、ヒッタティルー シミティ トゥラシ(明日明後日にはお金が入って来るから、2、3日お金を借してくれ)。
ヒッチー
①一日。一日中。②しょっちゅう。いつも。
- 用例
- ①チュー ヒッチーヤ(今日一日は)。
②ヒッチー ジンミ スン(いつも協議する)。
ヒッチーグシ
1日越し。
- 用例
- ナマー ハロー ヒッチーグシ ゥンヂョーン(今は畑には1日越し行っている)。
- メモ
- 類:ヒッチハイグシー。
ヒッチーヌヒー
決められたその日だけしかできないこと。
- 用例
- ヒッチーヌヒーディチ、ジュールクニチャーヤ ジヒトゥ ウヌ ヒートーティ ウワラサントー ナランディ(ヒッチーヌヒーといって、ジュールクニチャーは是非その日で終わらないといけないそうだ)。
ヒッチーバル
1日中畑仕事をすること。1日がかりの畑仕事。
- 用例
- ヒッチーバル シーネー、ヲゥタティ ナーチャヤ ウキーカンティー スン(1日がかりの畑仕事をすると、疲れて翌日は起きにくい)。
ヒッチーヒッチー
いつもいつも。
ヒッチーユッチー
1日中。
- 用例
- ユンタクヂューサヌ、ウリガムノー ヒッチーユッチー ヤサ(おしゃべりばかりして、こいつは1日中そんなだよ)。
ヒッチーン
引き破る。
- 用例
- チカーランヌー カビ ヒッチーン(使えない紙を引き破る)。
否:ヒッチラン(引き破らない)希:ヒッチーブサン(引き破りたい)過:ヒッチッチャン(引き破った)継:ヒッチッチョーン(引き破っている)。
ヒッチーンヒー
1日中自由なこと。
- 用例
- アレーナー ヒッチーンヒール ヤグトゥ イェーテーサンケー(彼は1日中自由な人だから、相手にはするな)。
- メモ
- 人の都合を構わずに、1日中居座ったり話したりしていること。
ヒッチェイ
額。おでこ。
- 用例
- ヰナグヤ、ヒッチェイヤ ヒルサシル チュラサル(女は、額が広いのがきれいなんだよ)。
- メモ
- 類:ムッコー・メービチェー・メービチャイ。
ヒッチェーハガー
額が禿げている人。額禿げ。
- 用例
- アッピーグヮー ヒッチェーハガー ヤシヨー(兄さんの額が禿げていることよ)。
ヒッチッチュン
くっつく。
- 用例
- ヌイ タックヮーシーネー ヒッチッチュンテー(糊をつけたらくっつくよ)。
- メモ
- 類:タックヮイン。
ヒッチハイグシー
1日越し。
- 用例
- マチカイ ヒッチハイグシー、ムッチ イチュタン(町に1日越し、持って行った)。
- メモ
- 類:ヒッチーグシ。
ヒッチャキーン
引っかける。
- 用例
- アカングヮンカイ、シーバイ ヒッチャキラッタン(赤ん坊に、小便を引っかけられた)。否:ヒッチャキラン(引っかけない)希:ヒッチャキーブサン(引っかけたい)過:ヒッチャキタン(引っかけた)継:ヒッチャキトーン(引っかけている)。
- メモ
- →ハンチキーン。
ヒッチャキヰー
尻をひっかけて座ること。縁側に、軽く尻をかけるような感じで座ること。
- 用例
- ヰーヌンカイ ヒッチャキヰー シ、ハナシクローン(縁側に尻をひっかけて、話し込んでいる)。
ピッチャナイ
ピカピカに。
- 用例
- ピッチャナイ ヒカラチ(ピカピカに光らせて)。
- メモ
- 音:ピチャナイ。
ヒッチリビッチリ
切れぎれ。
- 用例
- アンチュカ ヒッチリビッチリ シ ウッチェール(そんなに切れぎれにしてあるね)。
- メモ
- 音:ヒッキリムッキリ。
ビッチン
財布。
- 用例
- ビッチンヤ コータシガ、イリーヌ ジノー ネーラン(財布は買ったが、入れる金はない)。
ヒッティーン
捨てる。
- 用例
- カライーサン ナイネー、ムル ヒッティール バーヨ(飼えなくなると、みんな捨てるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒティーン・シティーン。
ヒッテー ネーン
応えない。気にしない。
- 用例
- ワッター ユメー、ヌー イチン ヒッテー ネーン(私の嫁は、何を言っても応えない)。
ヒッパイカッパイ
顔が引っ張ったように突っ張っている様。
- 用例
- ハナダイン ヌグラン、ヒッパイカッパイ シミティ(鼻水も拭かず、顔が突っ張っているさ)。
ヒッパイン
引っ張る。
- 用例
- ヒジャイニジリカラ ヒッパイン(左右から引っ張る)。
否:ヒッパラン(引っ張らない)希:ヒッパイブサン(引っ張りたい)過:ヒッパタン(引っ張った)継:ヒッパトーン(引っ張っている)。
- メモ
- 類:スンクン・スンチュン。
ヒツマ
6月に初収穫した米。初穂米。
- 用例
- ヒツマ カタミティ、ヰナグングヮンチャー ヤーンカイ イチュタン(初収穫の米を担いで、娘たちの家に行った)。
- メモ
- 類:シチマ・シチマメー・ヒチマ・ウファチメー。
6月に初収穫した米のことをヒツマといって、米俵を担いで嫁いで行った娘や近親者に配った。
ヒティーン
捨てる。
- メモ
- 類:シティーン・ヒッティーン。
ヒティウイ
捨て売り。
- 用例
- ヒティウイ ナティ ヤシゴーイ シチャン(捨て売りで安く買ってきた)。
ビティビティ
なよなよ。弱々しい様。
- 用例
- ウヌ ボーヤ ビティビティ ッシ、ナマニン ヲゥリーギサン(その棒は弱弱しくて、今にも折れそうだ)。
ヒティホーラー
捨て散らかすこと。全く面倒を見てない。ほったらかし。
- 用例
- ワランチャー ヒティホーラー シ アシビーガ イチュンナー(子どもたちをほったらかして遊びに行くのか)。
ヒティミティ
午前中。
- 用例
- ヒティミティヌ エーダニ ウヤヌヤーンカイ ゥンヂ クーワ(午前中で実家に行ってきなさい)。
- メモ
- 音2:チュヒティミティ。
ヒティミティナカー
間食。午前10時のおやつ。
- 用例
- ヒティミティナカーヤ ゥンム ゥンブチェーン(10時のおやつは芋を蒸かしてある)。
- メモ
- →ジュージヂャー。
ヒティミティムン
朝ご飯。朝食。
- 用例
- ヒティミティムン カリカラ イケー(朝食を食べて行きなさい)。ヒティミティムン シコーテービーグトゥ ウサガミソーレー(朝ご飯の準備ができていますから召し上がってください)。
- メモ
- 音:シティミティムン。シティミティムン参照。
ヒティムトゥン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音:シティムトゥン。シティミティムン参照。
ヒティムン
捨て物。捨てるほどある物。
- 用例
- タマナーン ディキーヂューサヌ、ネーン チカン ヒティムン ヤサ(キャベツも出来過ぎて、値もつかず捨て値だよ)。
- メモ
- 物が有り余って捨てるほどある時に使う。野菜でも作りすぎて値段が安くなり、捨て値で売る時にも「ヒティムン」という言葉を使う。
ヒトゥ
姑。舅。
- メモ
- 音:シトゥ。類:シトゥウヤ。
ヒドゥイ
日取り。
- 用例
- ニービチヌ ヒドゥイヤ チャー ナトーガ?(結婚式の日取りはどうなっているの?)。
- メモ
- 類:ヒートゥイ。
ヒトゥカタ
ひたすら。
- 用例
- ヒトゥカタ ウヤヌヤー カユトーン(ひたすら実家に通っている)。
ヒトゥムトゥムン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- シティミティムン参照。
ヒトゥムトゥン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音:シトゥムトゥン。シティミティムン参照。
ヒトフタトノジュー
子どもの遊び。お手玉遊び。
- 用例
- ウタグヮー シーガーチー、ヒトフタトノジュー シ アシブタンヤー(歌を歌いながらお手玉遊びをしたね)。
- メモ
- →オーシートー。
ヒナイン
減る。
- 用例
- メーナチ イヒナー ヒナイン(毎日少しずつ減る)。ヒナイルムン(減るのに)。ヒナラスン(減らす)。
イェーキヤ ヒナラン(富は減らない)。
否:ヒナラン(減らない)過:ヒナタン(減った)継:ヒナトーン(減っている)。
ビナサン
①汚い。不衛生な。②下品な。やり方が汚い。
- 用例
- ①ルク ビナサヌ、ヒサン イリララン(あまりにも不衛生で、足も入れられない)。
②アッター シーヨーヌ ビナサヨー(彼らのやり方の汚いことよ)。
- メモ
- 音:ビナハン。
類:ハゴーサン・ハゴーハン・ビナハン。
類:シタナサン・シタナハン・ビナサン・ビナハン。
ヒナタンボー
火掻き棒。
- 用例
- イーシ チカンネー、ヒナタンボーシ スグインドー(言う事を聞かないと、火掻き棒で殴るよ)。
- メモ
- ヒナタンボーは約50㎝の棒で、以前は木などで火を起こしていたので、生活必需品だった。
ビナドゥクル
汚い所。不潔な所。
- 用例
- トービーラーヤ ビナドゥクルンカイル ヲゥンドーヤ(ゴキブリは不潔な所にいるんだよ)。
ビナハナシー
くだらない話。最低な話。
ビナハン
下品な。最低な(人)。
- 用例
- アリガ ハナシー ビナハヌ チカンケー(あれの話は最低だから聞くな)。
ヒナンタ
火掻き棒。
- 用例
- カマンカイ ヒナンタヌ アシェーヤー(竈の中に火掻き棒があるでしょう)。
- メモ
- 類:ヒナタンボー。
竈の灰をかき混ぜたり、燠火の出し入れに使う木切れ。
ヒニクリムン
ひねくれ者。
- メモ
- 類:ボーハンムン・ヒンジムン・ヒンジャー。
ヒヌカン
火の神。
- 用例
- ヒヌカンカイヤ、チャーヤ アラン ミジル ウサギール(火の神には、お茶じゃなく水を供えるんだよ)。ヒヌカヌンカイ ユリー コーイン(火の神に許しを請う)。
- メモ
- 各家庭で拝されるほか、字の火の神や、かつての地頭屋敷(殿内)などに祀られた火の神が拝されている。3個の石が置かれることが多い。
→ウカマ。
ヒヌカンウガマシ
火の神を拝むこと。
- メモ
- →ウカマウガマシ。
ヒヌカンガナシー
火の神加那志。火の神様。
- 用例
- ヒヌカンガナシー ディシェー、ヒヌカン ウヤマトール クトゥバ ヤサ(ヒヌカンガナシーというのは、火の神を敬った言葉だよ)。
- メモ
- 類:ヒヌカン・ウカマガナシー・ウミチムン。ヒヌカン参照。
ヒヌビ
日延べ。延期。
- 用例
- イチュナサグトゥ、スージヤ ヒヌビ スン(忙しいから、お祝いは日延べする)。
ヒバク
火箱。火鉢テーブル。
- 用例
- ヒーサ ナイネー、ヒバクシ メー ナチ ヌクタマイタン(寒い時は、火鉢を前にして暖まった)。
- メモ
- 類:ヒーバーチ。
木製でテーブル兼用として使った。中央付近に鉄製の火箱があり、暖を取ったりお茶を沸かしたりした。
ヒバリユン
皮膚が乾燥しているような痛み。
- 用例
- クチン ヒバリトーン(口も乾燥して痛い)。
ヒビナズーネー
料理名。もやしの酢の物。
- 用例
- ヒビナズーネーン、イッティ ウサギレーワ(もやしの酢の物も、入れて差し上げなさい)。
- メモ
- お盆のウークイに供える料理で、もやしをゆでて酢をかけただけの物。
ヒマ
暇。時間。
- 用例
- ヒマヌル ネーンレー(暇がないんだよ)。
- メモ
- 類:マル。
ヒマダーリ
時間を無駄にすること。
- 用例
- ヌーン アラン ムンヌ チュ アビティ、ヒマダーリ ソーサ(何でもないのに人を呼んで、時間を無駄にしてしまったさ)。
ヒミキ
喘息〔ぜんそく〕。咳。
- 用例
- ユル ニントーイニ ヒミキ スグトゥ、イサンカイ ミシランネー(夜寝ている時に咳がひどいから、医者に診せないと)。
- メモ
- 音:ヒミチ・シミチ。類:サックィーヒミチ。
ヒミチ
喘息〔ぜんそく〕。咳。
- 用例
- ワラビヌ ヒミチ シ、ユルン ニンラランサ(子どもの咳がひどくて、夜も眠れないさ)。
- メモ
- 音:シミチ・ヒミキ。類:サックィーヒミチ。
ヒミチグスイ
喘息〔ぜんそく〕の薬。
ヒミチグスグス
咳がひどい様。喘息でゼイゼイしている様。
- 用例
- ヒミチグスグス シ クスイヤ ヌローシガ ナガガカイ ソーサ(咳がひどくてゼイゼイして、薬は飲んでいるが長患いしているさ)。
ヒミチャー
喘息〔ぜんそく〕持ちの人。
- メモ
- 音:シミチャー。
ヒヤ
それ。力を入れる時の掛け声。
- 用例
- ヒヤ!ナー イフェー グテー イリレー(それ!もう少し力を入れろ)。
ヒャー(~ヒャー)
~野郎。~奴。
- 用例
- ウヌヒャー(この野郎)。カーグファーグヮーヒャー(面の皮の厚い奴め)。
- メモ
- 人をののしる時にいう。
ヒャーイ
干上がり。日照り。旱魃。
- 用例
- ヒャーイガ チヂチーネー、カムシン ネーン ナインドー(日照りが続くと、食べ物もなくなるよ)。ナナチチ ヒャーティ(7か月日照りして)。
- メモ
- 類:サーイ(日照り)。
ヒヤーガラスン
田や池の水を干上がらす。
- 用例
- イチ サレーティ、ヒヤーガラセーワ(池を浚って、干上がらせなさい)。
- メモ
- 類:ヒラスン。
ヒャーク
百。100歳。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ ヒャーク ナミシェーン(私のおじいさんは百歳になられる)。
ヒャークニティーチ
百にひとつ。よく嘘をつく人。百にひとつしか本当のことを言わない人。
- 用例
- アリガ イシェー ヒャークニティーチー、ヌーガル フントー ヤラー ワカラン(彼奴が言うのはヒャークニティーチーだから、何が本当なのか分からない)。
- メモ
- 音:ヒャークヌティーチ。類:ハークイチー。ハークイチー参照。
ヒャークヌティーチ
百にひとつ。よく嘘をつく人。百にひとつしか本当のことを言わない人。
- 用例
- ウレーヒャー、ヒャークヌティーチル ヤル ムンヌ(それはもう、百のうちひとつもあたらないんだもの)。
- メモ
- 音:ヒャークニティーチ。
ヒヤーナイ
ドタバタする様。
- 用例
- ヒヤーナイ スルバー(ドタバタするわけ)。
ヒャッカニチ
百か日。百日忌。命日から百日目に執り行う法要。
- 用例
- アチャヤ ヒャッカニチ ナトーンドー(明日は百か日だよ)。
- メモ
- 近い親族で行う。
ビューナイ
風がビュービュー吹いている様。
- 用例
- フカー カジ ビューナイ ソーンドー(外は風がビュービュー吹いているよ)。
ヒヨー
日傭。日雇い。
- 用例
- ンーナー ヒヨー タヌディ、ジン ンジャチル タゲースタシガ(皆は日雇いを頼んで、金を出して耕したんだが)。
- メモ
- 類:ヒヨーサー。
「城間仲」『古堅の民話』より。
ヒヨーサー
日傭人。日雇い人。
- メモ
- 類:ヒヨー。
ヒラ
片。線香1片(6本)。
- メモ
- 線香6を1つにした数え方で、チュヒラ(1片)、タヒラ(2片)と数える。
ヒラ
坂。
- 用例
- ヒラヌ チューサヌ、ヌブインディ イーチ フチョーサ(坂がきつくて、登るのに息切れしてしまったさ)。
ビラ
ねぎ。わけぎ。
- 用例
- ビラヤ アタイグヮーンカイ、イーテータサ(ネギは屋敷内の畑に、植えてあったさ)。
- メモ
- ネギは手軽に栽培できることから、ほとんどの家庭で植えられており、日常的に食卓にも出される。
ヒラー
平たい。平たいもの。平たい様。
- 用例
- ヒラーガ(平たいのが)。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒライグリサン
付き合いにくい。
- 用例
- ヒライグリサイネー デージドー(付き合いにくいと大変だよ)。
- メモ
- 音2:ヒレーグリー。対:ヒライヤッサン・ヒライヤッシー(付き合いやすい)。
ヒライシバル
{平石原}。波平の小字。
ヒライヤッサン
付き合いやすい。
- 用例
- ワッター ムーコー ヒライヤッサン(私の婿は付き合いやすい)。
- メモ
- 対:ヒライヤッサン・ヒライヤッシー(付き合いやすい)。
ヒライン
交際する。つき合う。
- 用例
- ヒラタンリ(交際したって)。ヰヌグトゥ ヒラティ(同じように接する)。
イェーカンチャートー ユー ヒラリヨー(親戚とは、よくつき合いなさいよ)。
- メモ
- 類:トゥイヒレー・ヒレーユン。
ヒラウコー
平御香。沖縄で使われる平たく黒い線香。
- 用例
- トートーメーンカイ ヒラウコー ウサギーン(仏壇に平線香を供える)。
- メモ
- ヒラウコー1枚をチュヒラ(1平)と数え、チュヒラは6本の線香が集まった物で、割りやすいように筋が入っている。
ヒラウジン
平御膳。
ヒラオーハ
葉野菜類の総称。青葉。
- メモ
- 音1:ヒラオーファ。
ヒラオーファ
葉野菜類の総称。青葉。
- メモ
- 音1:ヒラオーハ。
ヒラカー
すり減ったり、押しつぶされて平らなこと。
ヒラカーバル
{平川原}。宇座の小字。
ヒラガタミー
棒の両端に荷物をつるし、両肩にあてて担ぐこと。
ヒラキーン
①平たくなる。②へたり込む。座り込む。
- 用例
- ①ヒサシ クンピーネー ヒラキーンテー(足で踏みつけたら平たくなるさ)。②ヲゥタヤーニ ジーンカイ ヒラキトーン(疲れて地面にべったり座り込んでいる)。②ハーエー シチャレー イーチハーハー シ、ゥンマンカイ ヒラキーン(走って来たので息切れぎれで、そこにへたり込む)。
否:ヒラキラン(座り込まない)希:ヒラキーブサン(座り込みたい)過:ヒラキタン(座り込んだ)継:ヒラキトーン(座り込んでいる)。
ヒラキーン
開〔ひら〕ける。
ヒラキーン
開ける。開花する。
- 用例
- ユーヌ ヒラキティカラ(世が開けてから)。
ヒラグェー
農具名。平鍬〔ひらぐわ〕。
- 用例
- ミマターグェーヤカ、ヒラグェーシ カジーシル マシ ヤル(三又の鍬より、平たい鍬で耕した方が良い)。
ヒラクムン
しびれる。
- 用例
- ナゲー ヒサマンチュー、サレー ヒサガ ヒラクローン(長いこと正座していたら、足がしびれている)。
- メモ
- 類:ヒングムン。
ヒラグン
<平組。平組み。弁髪。中国男子の髪型。3本に分けたものを平たく編むこと。
- 用例
- トーヤ ヒラグン(唐は平組)。
ヒラゲー
両肩。
ヒラシチヌンバイ
大晦日に供えるご飯。
- メモ
- 字長浜ではトゥシヌユール(大晦日)に挽き臼や農具(篦〔へら〕、鋤〔すき〕、鎌〔かま〕)などにご飯を供えて農事の労に謝意を表した。
ヒラジョーキー
竹ヒゴを縦横に編んだ丸いザル。
- メモ
- 類:ヒラバーキー。女性はヒラジョーキーに芋を入れて台所で食した。
ヒラスン
(池などの水を)干す。水などをすっかり取り除いてからにする。
- 用例
- クムイ ヒラスン(池の水を干す)。
- メモ
- 類:ヒヤガラスン。
ヒラター
平たい。平たいもの。平たい様。
- 用例
- ヒラター イシ カメーティ クーワ(平たい石を探して来なさい)。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒラターイユグヮー
魚介名。平たい魚。
- 用例
- ヒラターイユグヮーン マンドータンデー(ヒラターイユもたくさんいたよ)。
ヒラタージンナン
平たいカタツムリ。
- 用例
- アヌ タッピラカー ソーシカイ、ヒラタージンナンディ イータサ(あの平べったいのに、ヒラタ―ジンナンといっていたさ)。
ヒラタービラ
ニラ。
- メモ
- 音2:キリビラ・チリビラ・チリビラー・ヒラタービラ。
ヒラタウタキ
平田御嶽。伊良皆の拝所。ユナサモーの御嶽。ユナサ御嶽。
- メモ
- 御嶽の下方にはヒラタヌシー(平田之子)の屋敷があり、今は傾斜で野原になっている所がそれだといわれている。ニッチュ(根人)門中はヒラタウタキといい、ジョーグチ(門口)門中はユナサウタキと呼んでいる。ウタキの名称は後から出たことで、古来よりユナサモーと呼んだという。ユナサモーの端っこにあり、初御願に拝む。
ヒラタッター
平たい。平たいもの。平たい様。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒラタヌシー
平田子。
- メモ
- 平田子は屋比久子と一緒に尚巴志のフニシン(遺骨)を担いで伊良皆に隠しに来た。平田子はジョーグチ(門口)の娘を妻にして、伊良皆に落ち着き、ニッチュ(根人)門中になっている。ニッチュ門中には平田子と屋比久子両方の子孫がいて、尚巴志、平田子、屋比久子の香炉が祀られている。
ヒラチガー
植物名。コバンモチ。ホルトノキ科。
ヒラチュン
開く。容器などを開ける。
- 用例
- ハーマヲゥティ ウジュー ヒラチュン(浜で御重を開く)。
否:ヒラカン(開かない)希:ヒラチーブサン(開きたい)過:ヒラチャン(開いた)継:ヒラチョーン(開いている)。
ヒラヂンナン
カタツムリの一種。畑などにいる平たい殻のカタツムリ。
- メモ
- →ハブヂンナン。
ヒラナービ
平鍋。
- 用例
- ヒラナービンカイ ポーポー ヤチュン(平鍋にポーポーを焼く)。
ヒラナカ
潰した豚1頭分の半分の肉。
- 用例
- タトゥクマシ、ヒラナカナー ワキーサ(2か所で、潰した豚を半分ずつ分けるさ)。
ヒラバーキー
平たい笊〔ザル〕。
- メモ
- 類:ヒラジョーキー。
ヒラバーチー
平たい大きな皿。
- 用例
- ティンプラーヤ、ヒラバーチーンカイ イリーシェー マシ ヤサ(天ぷらは、平たい大きな皿に入れた方が良いよ)。
- メモ
- 類:ハーチ。
ヒラハグサ
植物名。オオバコ。
- メモ
- 類:シップイグサ・ヒラファグサ・ヒラホーグサ・ヒロハグサ・フィラファーグサ・ヒラホーグサ。
ヒラファグサ
オオバコ。
- 用例
- ヒラファグサ ヤ マーンカイ ヤティン ミーサ(オオバコはどこにでも生えるよ)。
- メモ
- ヒラハグサ参照。
ヒラフチバカ
平葺墓。
- メモ
- →フキバカ。
ヒラホーグサ
オオバコ。
- メモ
- ヒファラグサ参照。
ヒラマーチャー
平松。
- メモ
- 音:ヒラマーチュー。
ヒラマーチュー
平松。
- 用例
- アマヌ ヒラマーチューヤ、イチ ンチン アンシ チュラサルヤー(あそこの平松は、いつ見てもとてもきれいだね)。
- メモ
- 音:ヒラマーチャー。字渡具知のモーアシビ所。
ヒラムスル
植物名。オオタニワタリ。チャセンシダ科の常緑性シダ植物。
- 用例
- イチヌ スバンカイ、ダテーンヌ ヒラムスルガ ミートーン(池の側に、たくさんのオオタニワタリが生えている)。
- メモ
- 主に暖地の木や岩に着生。観葉植物とされ、大きなものは直径が2メートルに達する。
ヒラムスル
水草。ヒルムシロ科。単子葉植物の科で水中に生育する多年草。
- メモ
- 陽当たりのよい池、溝、水田に生え、浮葉は長楕円形で先はとがっている。
ヒラヤーチー
料理名。
- 用例
- ビラ イッティ ヒラヤーチー ヤチュン(ネギを入れてヒラヤーチーを焼く)。
- メモ
- 一般の家庭でもよく食べられる家庭料理で、作り方もとても簡単で、小麦粉にネギ等入れてフライパンで薄く焼く。
ヒランメー
麦ご飯。麦飯。
- 用例
- ヒランメー ニチェールムン、ヘーク ブチダヌンカイ ウサギレー(麦御飯を炊いてあるんだから、早く仏壇に供えなさい)。
- メモ
- 類:フィランメー。
ヒランメージューシー
麦飯雑炊。
- 用例
- ヒランメージューシーヤ ニチチャーキ ナティ、アチサヌ カマラン(ヒランメージューシーは炊き立てで、熱くて食べられない)。
- メモ
- 大麦と塩漬けした豚足を煮込み、畦払い・虫払い行事には欠かせない料理のひとつだった。
ヒリーン
拾う。
- 用例
- ヒリーガ ヤラチェールバー(拾いに行かせたわけだ)。
- メモ
- 類:フィリーン。
「継子話」『伊良皆の民話』より。
ヒリグササン
生臭い。
- 用例
- ユービヌックヮー、シタタカ ヒリグササンヨー(ユービヌックヮー〔鮫の一種〕は、非常に生臭い)。
- メモ
- 類:ヒルグササン。
ヒリヒリーグヮー
玩具名。笛の一種。
- メモ
- →バンバトゥグヮー。
ヒル
ニンニク。
- 用例
- ヒル トゥティ チェーグトゥ、チキムン スシェー マシテー(ニンニクを取って来てあるから、漬物にした方が良いよ)。
- メモ
- 年越しの夕飯に、葉を半分ほど切ったヒルを添えて食する。ヒルには邪気を払う力があると言われているが、長浜では「ユールン ヒルナシ(夜も昼にせよ)」と、働ける時間を長くしなさいという意味で食したという。
ヒル
昼。日中。
- 用例
- ヒル ヲゥティ、ゥンヂ チューシェー マシ ヤサ(昼のうちに、行って来た方が良いよ)。
- メモ
- 類:フィル。
ヒル(~ヒル)
①尋。約180㎝。②長さや深さを数える単位。
- 用例
- ①ヌヌヤ チュヒルナー ヲゥーティカラ タクベー(布は一尋ずつ折り曲げてから、たたみなさい)。②ヌヌヤ イッタンシ ナナヒル ヤサ(布は1反で7尋だよ)。
ヒルイングェー
拾い食い。つまみ食い。
- 用例
- ヒルイングェービカーン シ ワタ ミッチョーン(つまみ食いばかりで腹いっぱいだ)。
- メモ
- →ガチングェー。
ヒルガイン
広がる。
- 用例
- ヤナクサー スグ ヒルガイン(雑草は直ぐに広がる)。
イバサグトゥ、ナー イヘー ヒルガレー(狭いから、もう少し広がりなさい)。
否:ヒルガラン(広がらない)希:ヒルガイブサン(広がりたい)過:ヒルガタン(広がった)継:ヒルガトーン(広がっている)。
ヒルガッスー
ニンニクの漬物。
- 用例
- チャーヌ チャワキン ネーンラー、ヒルガッスーンデー ゥンジャシェー(お茶の茶請けもないなら、ニンニクの漬物でも出しなさい)。
ヒルガラシ
昼鳴く烏。
ヒルギーン
広げる。
- 用例
- ウチュクイヂチン、ンナヌ メーヲゥティ ヒルギーン(風呂敷包みを、皆の前で広げる)。
否:ヒルギラン(広げない)希:ヒルギーブサン(広げたい)過:ヒルギタン(広げた)継:ヒルギトーン(広げている)。
ヒルグササン
生臭い。
- 用例
- ウヌ イユヤ ヒルグササンドー(その魚は生臭いよ)。
- メモ
- 類:ヒリグササン。
ヒルグサリカジャ
生臭いにおい。
- 用例
- イユ クシレーティ アトー ヒルグサリカジャ スン(魚をさばいた後は生臭いにおいがする)。
ヒルサン
広い。
- 用例
- トゥナイヌ ナーヤ イッペー ヒルサン(隣の庭はとても広い)。
- メモ
- 音1:ヒルハン。対:イバサン・イバハン。
ヒルサンミー
広い所。
- 用例
- アシブラー ヒルサンミーンカイ イケー(遊ぶなら広い所に行きなさい)。
- メモ
- 対:イバサンミー・イバドゥクル・イバミー・イバランミー(狭い所)。
ヒルニンジ
昼寝。
- 用例
- パーパーヤ ヒルニンジ ソーグトゥ、イェージェー サンタン(おばあさんは昼寝をしているから、挨拶はしなかった)。
ヒルハン
広い。
- 用例
- イッター ヤシチヤ マーヤカ ヒルハン(君の屋敷はどこよりも広い)。
- メモ
- →音1:ヒルサン。
ヒルビルートゥ
広々と。
- 用例
- ヒルビルートゥ シ、アンシ イーヤンベー ヤル(広々として、とても心地よいね)。
- メモ
- 類:ワーワートゥ。
ヒルマ
午後。昼間。
- 用例
- ヒルマヲゥティ、ユージョー ゥンヂ チューサ(昼間で、用事は行って来るさ)。
- メモ
- →シカマ。
ヒルマイン
広まる。
- 用例
- ヤナクトー チューチャンナカイ ヒルマインドー(悪い話はあっという間に広まるよ)。
否:ヒルマラン(広まらない)過:ヒルマタン(広まった)継:ヒルマトーン(広まっている)。
ヒルマサン
不思議だ。
- 用例
- ウッピナーヌ イシ チャーシ ムッチ チャガヤーディチ、ジコー ヒルマサン(こんな大きな石をどんなにして持って来たのか、とても不思議だ)。
- メモ
- 音:ヒルマハン。類:ミジラサン・ミジラハン。
ヒルマシームン
不思議なこと。珍しいこと。
- メモ
- 類:ヒルマシムン。
ヒルマシムン
不思議なこと。珍しいこと。
- メモ
- 類:ヒルマシームン。
ヒルマナカ
昼間中。
- メモ
- 午後3時から4時頃。
ヒルマハン
不思議だ。珍しい。
- 用例
- タデーマナカイ ネーン ナインディチン アンナー ヒルマハンヤー(急になくなるってこともあるのかな、珍しいことだ)。
- メモ
- 音:ヒルマサン。類:ミジラーサン・ミジラサン・ミジラハン。
ヒルマミジ
昼間水。
- メモ
- 類:ヒカマミジ・シカマミジ。
7月七夕から15日迄、仏壇に供える。
ヒルマムチ
昼間餅。旧盆のウンケーとウークイの午後3時頃に供える団子のこと。
ヒルマムン
午後3時のおやつ。
- 用例
- ユックティ、ヒルマムン ウサガミソーレー(休んで、3時のおやつを召し上がってください)。
- メモ
- →アーシー。
ヒルミーン
広める。
- 用例
- イークトー ムルカイ ヒルミーン(良いことは皆に広める)。
否:ヒルミラン(広めない)希:ヒルミーブサン(広めたい)過:ヒルミタン(広めた)継:ヒルミトーン(広めている)。
ヒレー
付き合い。仕えること。
- 用例
- ヒレー ジョージ ナイネー、ナンクル シキン ワタティ ハイサ(付き合い上手だと、自然に世間を渡って行くよ)。
- メモ
- 類:トゥイヒレー・トゥンジャク・チュビレー。
ヒレーグリー
付き合いにくい。
- メモ
- →ヒライグリサン。
ヒレーユン
付き合う。交際する。
- メモ
- 類:ヒライン。
ヒロハグサ
植物名。オオバコ。
- メモ
- ヒラハグサ参照。
ヒン
すねること。
- 用例
- シクチ イーチキーネー、ヒンル スンレー(仕事を言いつけると、すねるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒンチ。
ヒンガー
垢じみているもの、人。汚れがしみついて汚くなっていること。
- 用例
- チヌン ケーランネー、ヒンガー ナトーンドー(着物も着替えないと、垢じみているよ)。
ヒンガーマーウー
顔が汚れていること。垢まみれの人。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ンジュルカージ ヒンガーマーウー ソーン(その子は、見るたびに顔が垢まみれだ)。
- メモ
- 音2:チラヒンガーマ・ヒンガーマヤー。
マーウーとは猫のことで、猫がよく顔を撫でることから、顔の汚れを取っている状態に例えている。
ヒンガーマヤー
垢まみれの人。顔が汚れていること。
- 用例
- イャーヤ、ヒンガーマヤー ナインドー(お前は、垢まみれのネコみたいになるぞ。子どもたちがなかなかお風呂に入らない時にそういった)。
- メモ
- 音2:チラヒンガーマ・ヒンガーマーウー。→ヒンガーマーウー。
ヒンガーワラバー
垢まみれの子ども。
- メモ
- ヒンガー参照。
ヒンガスン
①逃がす。②亡くす。
- 用例
- ①トゥッカチミテーシ ヒンガスン(捕まえてあったのを逃がす)。
②アッタヌクヮ ヒンガチャンヤー(大切な子を亡くしてしまったね)。
否:ヒンガサン(逃がさない)希:ヒンガシーブサン(逃がしたい)過:ヒンガチャン(逃がした)継:ヒンガチョーン(逃がしている)。
- メモ
- 幼い子どもが亡くなった時には、ヒンガチャン(逃がした)といった。
ヒンガン
彼岸。
- メモ
- 類:ヒガン・ヒングヮン。春分のニングヮチヒンガン(二月彼岸)、秋分のハチガチヒンガン(八月彼岸)には仏壇に重箱を供えた。
ヒンガンボージ
2月彼岸に3歳児の整髪を行う儀式。
- メモ
- 類:ボージナディー・ヒンガンボージャー・ミーチボージャー・サラタティー。
ヒンガンボージャー
彼岸ボージャー。2月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- ヒンガンボージャーニ、イャームン カラジグヮーン チラヤー(彼岸ボージャーに、あなたの髪も切ろうね)。
- メモ
- →サラタティー。
ヒンギアラシー
競って逃げること。
- メモ
- 類:ヒンギグーネー。
ヒンギーン
逃げる。
- 用例
- アッピーガ ウーティチューグトゥ ヒンギーン(兄さんが追ってくるから逃げる)。
否:ヒンギラン(逃げない)希:ヒンギーブサン(逃げたい)過:ヒンギタン(逃げた)継:ヒンギトーン(逃げている)。
ヒンギウシ
逃げ牛。
ヒンギマーイ
逃げ回ること。
- 用例
- ヌラーリル スラーディチ、ヒンギマーイ ソーン(叱られると思って。逃げ回っている)。
ヒング
垢。煤〔すす〕。
- 用例
- アミラングトゥ、ドゥーイッペー ヒング ヤサ(浴びないから体中垢だらけだよ)。
ビング
イグサ。備後藺〔びんごい〕。
- メモ
- 類:ビーグ・ヰー。
ヒングブッター
煤だらけ。
- 用例
- ヒングブッター シ、マーヲゥティ アシディ チャガ?(煤だらけで、どこで遊んで来たの?)。
ヒングムン
しびれる。
- 用例
- ナガヰー シーネー ヒサガ ヒングムンドー(長く座ると足がしびれるよ)。
- メモ
- 類:ヒラクムン。
ヒングヤーグヮー
煤だらけの小屋。
ビングヮー
植物名。ツルムラサキ。
- 用例
- ビングヮーディチ チチャルウベー アシガヤー、ヒカットー ワカランサー(ビングヮーといって聞いた覚えはあるが、はっきりは分からないさ)。
ヒンケー
口答え。反抗。
- 用例
- ヒンケー サビラン(口答えしません)。
- メモ
- 音1:フィンケー。→クチゲー。
ビンシー
御願用の道具。〔瓶水〕ウガン(祈願)の時に酒や水を入れる錫製の瓶の形をした器。
- 用例
- ニービチネー ビンシーン チカインドー(結婚式にはビンシーも使うよ)。
ビンシードーグ
携帯用のウガン(祈願)道具。
- メモ
- 類:ビンドーグ・ビンスドーグ。
仕切られた木の箱にビンシー(酒や水などを入れた器)やウガンに必要なものが納められる。
ヒンジムン
ひねくれ者。逃げる者。不良。
- 用例
- ワラビヌ ヒンジムン ナティ、テーン ミーン タタラン(子どもがひねくれ者で、どうしようもない)。
- メモ
- 類:ヒンジャー。
ヒンジャー
ひねくれ者。
- 用例
- ヒンジャー ナティ ウヤヌ イーシン チカン(ひねくれ者で親の言うことも聞かない)。
- メモ
- 類:ヒンジムン。
ビンジャク
地名(喜名と伊良皆の中間地点の小地名)。
- メモ
- そこには洞穴があって、昔からジュリグヮー幽霊が出るといわれた。
ビンス
雄弁な者。
ヒンスー
貧相。貧乏。
- 用例
- ヒンスーヤ ソーティン、チャー マクトゥ ソーケー チャーン ネーンサ(貧乏はしていても、いつも誠であれば大丈夫だよ)。
- メモ
- 音2:フェンスー・ヘンスー。→クンチュー。
ヒンスームン
貧乏者。
- 用例
- ヒンスームンディチ ウシェーラッティン、アトー ターガル リッシン スラー ワカランドー(貧乏者だと馬鹿にされても、後は誰が立身するのか分からないよ)。
- メモ
- 音1:フィンスームン・ヘンスームン。音2:クーシームン。→クーシームン。
ビンスドーグムッチャー
御願用の道具持ち。
- 用例
- ワンネー イクケーヌン ビンスドーグムッチャー シミラッタン(私は何回も御願用の道具持ちをさせられた)。
- メモ
- 結婚式などの場合、相手方の家に向かう時に、御願用の道具を持つ役目の人をビンスドーグムッチャー(御願用の道具持ち)といった。
ヒンセー
借金払い。返済。
- 用例
- ウヌ ジンサーニ ヒンセー シェーワ(そのお金で返済しなさい)。
- メモ
- →ウッカバレー。
ビンタ
頭髪の鬢〔びん〕。他人の頬を平手打ちすること。
- 用例
- ティーガンマリ シ、シンシーンカイ ビンタ サッタン(悪戯をして、先生に平手打ちされた)。
- メモ
- 頭髪の鬢のこともいうが、平手打ちで耳の下の方を叩くことにもいう。
ビンダナー
雨降りの時にできる池。
ビンダレー
洗面器。
- 用例
- ビンダレーンカイ ミジ イッティ チラ アライン(洗面器に水を入れて顔を洗う)。
ヒンチ
すねること。
- 用例
- ヒンチ サーニ ヒンギティ ハイタン(すねて逃げていった)。
- メモ
- 類:ヒン。
ビンヂキ
<鬢付け。固形の髪用油。
ビンヂキデー
鬢付け(油)の代金。
ヒンチャー
よくすねること。またはその人。
- 用例
- イャーグトゥ ヒンチャー ナイネー、ターガン チカーンドー(お前のようにすねてばかりいると、誰がも使わないよ〈雇わないよ〉)。
ビンチョー
勉強。
- 用例
- ビンチョー シミティ クィミソーリ(勉強させてください)。
ビントゥジュー
弁当重。小さな重箱の弁当箱。
- 用例
- ゥンマハラセーネー ビントゥジュー ムッチ、イッペーヌ タヌシミ ヤタン(競馬には弁当重を持って、とても楽しみだった)。
- メモ
- 遠足や馬ハラセーを見に行く時に弁当として持って行った。
ヒントー
返答。
- メモ
- 類:イリヒントー・フィジフィントー。
ビントー
弁当。
- 用例
- アチャヤ ビントー ヤシガ、アンマーヤ ウビトーガヤー(明日は弁当だが、お母さんは覚えているかね)。
ビンドーグ
携帯用のウガン(祈願)道具。
- メモ
- 類:ビンシードーグ・ビンスドーグ。
仕切られた木の箱にビンシー(酒や水などを入れた器)やウガンに必要なものが納められる。
ビンナイ
ビュンビュンと。風をきるように速く移動する様。
- 用例
- ンカシェー カンシ イユ トゥインディ タッチョーチーネー、トゥビイユヌ ビンナイ トゥディチャン(昔はこうして魚をとろうと立っていると、トビウオがビュンビュンと飛んできた)。
ビンビンダークー
干鮹遊び。スミレを根こそぎ取って逆さまに吊し、蛸を干す真似をして遊んだ。
ヒンプン
目隠し。家の前にある塀。
- 用例
- ワッター ヒンプンヤ イシガチシ チュクテータン(私たちのヒンプンは石垣で造ってあった)。
- メモ
- 類:シンプン。
ヒンプンは中国語の屏風(ひんぷん)のことで、家の門の内側にある目隠し。ヒンプンの種類には石垣、竹垣などがあった。門から家の中が見えないように、またヤナムン(悪霊など)が入ってこないようにするためのもの。
ヒンマガイン
ひん曲がる。ひどく曲がる。
- 用例
- キーヌ スバンカイ ヒンマガティ、スクロータン(木のそばに深くかがんで、すくんでいた)。
ヒンリン
借金払い。返済。
- 用例
- ウッリッシ ヒンリン サビーサ(それで返済しますよ)。
- メモ
- →ウッカバレー。
ヒゥンマガ
ひ孫。名称。
- メモ
- 類:マタゥンマガ。
ファー
葉。
- 用例
- キーヌ ファーヌ ウティティ チャッサ ホーチン フシガラン(木の葉が落ちて、どんなに掃いてもどうしようもない)。
- メモ
- 音1:ハー。
ファー
歯。
- メモ
- 音1:ハー。
ファーイ
針。
- メモ
- 音:ハーイ。
ファーガラ
枯れ葉。
- 用例
- ファーガラ タバティ(枯れ葉を束ねて)。
- メモ
- 音1:ハーガラー・ファーガラ・ファーガラー。
ファーガラー
枯れ葉。
- 用例
- ファーガラーヤ チュトゥクマンカイ ホーチ ウッチョーケー(枯れ葉は一か所に掃いて集めておきなさい)。
- メモ
- 音1:ハーガラー・ファーガラ・ファーガラー。
ファーガラヤー
甘蔗の下葉で葺いた家。
- メモ
- 字波平のアガリジョーにファーガラヤー学校があった。
ファーカンダ
祖父母と孫。
- 用例
- ファーカンダヌチャー、イチマディン ガンジュー シーヨー(孫たちよ、いつまでも元気でいなさいよ)。
- メモ
- 祖父母と孫を一緒にした言葉だが、祖父母から孫に対して使うこともある。
ファーバー
端々。枝葉。本筋や中心からはずれたところ。末節。
ファーフーブチ
破風葺き。
ファーフーヤー
破風の家屋。建築様式のひとつ。
- メモ
- 本を半開きで伏せたような屋根の妻の三角形の部分を破風という。
ファーフジ
祖父母。
- 用例
- ファーフジカイ ソーラッティ ハイタシガ、マーカイガヤー?(祖父母に連れられて行ったが、どこにかねぇ?)。
- メモ
- 音:ハーフジ。
ファーブシ
端節。琉球古典音楽の楽曲のうち、心浮き立つ曲の総称。
- メモ
- 重厚で本格的なウフブシ(大節)に対して短い曲にいう。
ファーフジユー
祖父母の代。
ブイ
短棒。棒きれ。
ブイ
杭。
- メモ
- →クィー。
フィー
火。
- メモ
- 音:ヒー。
フィー
日。
- 用例
- アチマイルフィー(集まる日)。
- メモ
- 音:ヒー。
フィー
樋〔とい〕。
- メモ
- 音:ヒー。類:ティー。
フィー
屁。
- メモ
- 音:ヒー。
フィージー
平生。
- 用例
- フィージーヤ チーカン(普段は使わない)。フィージーカラ(普段から)。
- メモ
- 音1:ヒージー。音2:チニヒーシー・チニヒーギー・マルヒージー。
フィータ
手の内。手中。
- 用例
- ヤラヌ アマンジャナー ヒータ カンティル ウグトゥヤー(屋良の阿麻和利の手の内に入っているだからね)。
フィータイ
兵隊。
- メモ
- 音:ヒータイ。
フィーフィラー
屁こき。
- メモ
- 音1:ヒーヒラー。音2:ヒーヒヤー。
フィーヨーグヮーアシビ
囃し立て遊ぶこと。
フィーラ
農具名。へら。
- メモ
- 音1:ヒーラ。
フィーン
経る。
- 用例
- アカマタディ イルムノー ナー、ナガラクッシ ナー ニン ニン フィトールバー(アカマタというのはもう、長いこと長らくなって年を経ている)。ニンフィーンネー(年を経ると)。ウスクガジマルヌ ニン フィーネー キジムナーガ ゥンジーンディシー ワカトータンディ()。
- メモ
- 音:ヒーン。
フィサ
足。
フィサ
足。
- メモ
- 音1:ヒサ。
フィサブー
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタアシブッター・ヒサブタ・ヒサブッター。
フィサマンチュー
正座。
- 用例
- フィサマンチュー カキティ(正座して)。
- メモ
- 音1:ヒサマンクー・ヒサマンチュー。音2:ヒサマンクー。→チンシメーギー。
フィジチ
機織り器具のひとつ。杼〔ひ〕。
- メモ
- 音:ヒジチ。
フィジフィントー
返事。返答。
- 用例
- フィジフィントー スタルバー(返答したわけだ)。
- メモ
- →イリヒントー。
フィジャイ
左。
- メモ
- 音1:ヒジャイ。
フイスリワタンギー
振り袖綿入れ。
フイターフイター
振り振り。
- 用例
- フイターフイター シ(揺さぶりながら)。
フイタックヮースン
振りまわす。
- 用例
- フイタックヮーチ(振りまわして)。
フィタックヮスン
振り回す。
- 用例
- ヌクジリ フィタックヮチ アッチョールバー(ノコギリを振り回して歩いているんだよ)。
- メモ
- 音2:フイマースン。「マジムンを見た話」『比謝の民話』より。
フィチグヮチ
七月。
フィッパク
逼迫。事態が差し迫ること。
フイマースン
振り回す。
- 用例
- ボー フイマーシーネー アブナサン(棒を振り回すと危ない)。
- メモ
- 類:フィタックヮスン。
フィラファーグサ
植物名。オオバコ。
- メモ
- 音1:ヒラファグサ。音2:シップイグサ・ヒラハグサ・ヒラホーグサ・ヒロヘグサ。
フィランメー
麦飯。
- メモ
- 音1:ヒランメー。
フィリーン
拾う。
- 用例
- クミ フィッティ(米を拾って)。
- メモ
- 音1:ヒリーン。
フィリピンヲゥー
フィリピン産の麻布。
フィル
昼。
- メモ
- 音1:ヒル。
フィルトゥンガスン
放り飛ばす。
- 用例
- フィルトゥンガスン ディヌ アタイヤタン(放り飛ばされるかと思うほどだった)。
フイン
拒む。断る。振る。男女間で、交際や求婚を断る。
- 用例
- シクチン サンヌー ヰキガヤ チューニン フイティ トゥラスン(仕事もしない男は今日にでも振ってやる)。
フイン
掘る。
- 用例
- ヤシチウチンカイ カー フィン(屋敷内に井戸を掘る)。
否:フラン(掘らない)希:フイブサン(掘りたい)過:フタン(掘った)継:フトーン(掘っている)。
フイン
降る。
- 用例
- マックール シ ナマニン アミヌ フイギサー ソーン(空が真っ黒で、今にも雨が降りそうだ)。
否:フラン(降らない)過:フタン(降った)継:フトーン(降っている)。
フイン
振る。
- 用例
- ミチ トゥースンディ ハタ フイン(道を通すために旗を振る)。
否:フラン(振らない)希:フイブサン(振りたい)過:フタン(振った)継:フトーン(振っている)。
フィンカーバカ
掘り込み墓。
- 用例
- スビン ウミヌ ハタカイ フィンカーバカガル マンドータル(楚辺も、海岸沿いには掘り込み墓が多かったんだよ)。
- メモ
- 音1:フィンチャーバカ。音2:フィンカー。
フィンケー
口答え。反抗。
- メモ
- 音1:ヒンケー。→クチゲー。
フィンスームン
貧乏者。
- メモ
- 音1:ヒンスームン・ヘンスームン。音2:クーシームン。→クーシームン。
フインチャー
掘り込み墓。横穴式の墓。
- メモ
- →フィンカーバカ。
フィンチャーバカ
掘り込み墓。横穴式の墓。
- 用例
- シチャヌウミヤ イチナーギ フィンチャーバカ チュクラットータン(下の海岸は、そこら一帯掘り込み墓が造られていた)。
- メモ
- →音1:フィンカーバカ。
岩に穴を掘って造った墓のことで、海岸沿いの岩などによく見られる。
フー
ははー。目上の人を敬い額ずくときに発する言葉。
フー
運。
- 用例
- フーヌ マンドーシェー ゥンマリカラ キマティル ウル(運がある人は、生まれる時から決まっているんだよ)。
フーニ フー アリ(運には運がある)。フーヌ アン(幸運だ)。
フー
帆。
- 用例
- フーヌ サチカイ シルドゥヤヌ トゥマトーン(帆の先に白い鳥が止まっている)。
フー
頬。
- メモ
- 音2:フージラ・フータイ。
ブー
賦。夫役。
- 用例
- ムラブー(村の賦役)。クニブー(国の賦役)。
ブー
武。武術。武に敵う人。
- 用例
- ブー カナイル チュ(武に長けている人)。
フーイ
冷たい水を飲むときの言葉。
- メモ
- 水などをフーイと吹いてから飲ませるのは、水の中の魔物を吹き払うまじないと同じ。
フーイリチャー
麩炒め。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フーイリチャードー(今日の夕飯は麩炒めだよ)。
- メモ
- 人参やニラ、キャベツなどの野菜を入れて炒め、最後に溶き卵に麩を入れて炒めたものを入れる。
フーウウン
いいえ。否定の応答。
ブーカー
風船。
フーガワイ
風変わり。
- 用例
- ミッタ フーガワイナ ニーシェー ヤタン(とても風変わりな青年だった)。
- メモ
- 音2:フーガン。
フーガン
風変わり。
- 用例
- フーガン ナティヨ(風変わりでね)。
フーガンナムン
風変わり者。ひょうきん者。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ フーガンナムン ヤシヨー(その子どものひょうきんなことよ)。
フーキ
流行病。
- 用例
- フーキ ゲーシ トゥシ カンカーネー ウシ クルチ ムライリグチンカイ サギータン(流行病を払い除けるために、カンカーには牛を潰して村の入り口に下げた)。
- メモ
- 音1:フーチ。
フーク
肺。食用としての豚などの肺。
- 用例
- ウヮーヌ フークン チカイグトゥ、アラティ ウチョーケー(豚の肺も使うから、洗っておきなさい)。
フーグ マーチ
抱護松。
- メモ
- 類:ホーグ。
台風の多い沖縄では、海岸近く等に防風林として木を植えたり、集落を囲むような形で集落の境などに植えられていた。風水思想との関連も。
フークー
奉公。
- 用例
- ワンネー ヤーチカラ フークーカイ ヤラサッタン(私は8歳から奉公に出された)。
フークマーミ
心臓。食用としての豚の内蔵のこと。
- 用例
- ウヮーヌシシ ニーニ フークマーミソーナムヌン ムル イリーネー ジコー マーサン(豚肉を炊く時にフークマーミも全部入れるととても美味しい)。
ブーサー
じゃんけん。
- メモ
- 音2:ブーサーシ。
親指、人さし指、小指の3本の指を出し合って勝ち負けを決める。
ブーサーシー
じゃんけん。
- メモ
- 音2:ブーサー。
フーサン
欲しい。
- 用例
- ワンネー チャーシ ヤティン、アヌ チン フーサン(私は、どうしてもあの着物が欲しい)。
フージ
風采。ようす。身なり。
- 用例
- フージェー ネーン(みっともない)。ミームン コーテール フージヤサ(新しいのを買ったようだ)。
フージー
~のような感じ。~みたいなもの。
- 用例
- フラーフージー シ(馬鹿なふりをして)。
ヤク ハラチョール フージー ナティ(厄祓いということで)。エンソクフージー ヤルバー(遠足みたいなものさ)。
フージュク
風習。風俗。
- 用例
- ウチナーヌ フージュク ヤティカラ、マムラントー ナランサ(沖縄の風習であるなら、守らないといけないさ)。
フージョー
携帯用のたばこ入れ。
- メモ
- 音2:パーパーフージョー・ハーメーフージョー・フジョー。
フージョー
冗談。
- 用例
- トゥーチ フージョービカーン スグトゥ、ヌーヌル ソークトゥ ヤラー ワカランサ(いつも冗談ばかりするから、何が本当のことなのか分からないさ)。
- メモ
- 類:テーファ。
フージョー
煙草入れ。
- メモ
- →パーパーフージョー。
フージラ
頬。
- 用例
- フージランカイ メーチブガ チチョーン(頬にご飯粒がついている)。
- メモ
- 音2:フータイ・フー。
フーシン
帆船。
- メモ
- 音:フーセン。音2:フームチブニ。
フージン ネーン
みっともない。
- 用例
- アンソール スガイ シ フージン ネーン ヤーヲゥティ ケーティ クーワ(そんな服装をしてみっともない、家で着替えて来なさい)。
- メモ
- 類:ミートゥンネーン。音2:ミートーネーン。
フースン
干す。
- 用例
- アラテーヌ チン ナマカラ フースン(洗った着物を今から干す)。
ゥンニ アブシンカイ フーシュル(稲を畦に干す)。
否:フーサン(干さない)希:フーシーブサン(干したい)過:フーチャン(干した)継:フーチョーン(干している)。
- メモ
- 音1:フスン。
ブーターブーター
ぶらさがってゆれている様。
フータイ
頬。ふっくらとして頬が垂れていること。
- 用例
- アカングヮヌ フータイヌ ウジラーサヨー(赤子の頬っぺたの可愛いこと)。
- メモ
- 音2:フージラ・フー。
フータヤー
頬がふっくらしたかわいらしい子。
- 用例
- フーグヮー タトーンレー、マンマールーグヮー フータヤー ヤンヤー(頬が垂れているよ、まるまるとしてフータヤーだね)。
- メモ
- 音2:フータイ。
フーチ
もぐさ。
フーチ
<風気(風邪気)。伝染病。流行病。
- 用例
- ムラジューヌチュガ フーチ カカイティ デージ ヤタン(村中の人が伝染病にかかって大変だった)。ウシヌ フーチ(牛の伝染病)。
- メモ
- 音1:フーキ。類:チューチューバンクー。
フーチ
鞴〔ふいご〕。
フーチゲーシ
流行病返し。災厄防除。
- 用例
- フーチゲーシトゥシ、カンカーネー ウシ クルチ ウシヌ フニ ムラヌ イリグチンカイ サギータン(悪風返しとして、カンカーには牛を潰して牛の骨を村の入り口に下げた)。
- メモ
- →アクゲーシ。
フーチヌカミ
鞴の神。
- 用例
- フーチヌカミヤ マギー(フーチの神は大きい。フーチの神は霊力高い)。
フーチヌユーエー
鞴〔ふいご〕まつり。
- メモ
- 音1:フーチヌユエー。
鍛冶屋〔かじや〕が旧暦の11月7日に鞴の神をまつり、隣近所や得意先を招いてお祝いをした。豚を潰し、その頭を供えていた。
フーチヌユエー
鞴〔ふいご〕まつり。
- メモ
- 音1:フーチヌユーエー。フーチヌユーエー参照。
フーチヌユエービーサ
11月の鞴まつりの頃の寒さ。
- メモ
- 音2:フーチビーサ。
フーチバー
蓬〔ヨモギ〕。
- 用例
- クシヌ ミチカイ フーチバーヌ ミートーグトゥ チリクーワ(後の道によもぎが生えているから、摘んで来なさい)。
フーチバージューシー
よもぎの入った雑炊。よもぎ雑炊。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フーチバージューシー ニチェーサ(今日の夕飯はフーチバージューシーを炊いてあるさ)。
フーチバームーチー
蓬餅。よもぎ餅。
- 用例
- フーチバームーチーヤ イーカバ スンヤー(よもぎ餅はよい匂いがするね)。
- メモ
- 音2:フーチムーチ・ツーチムチ。
フーチビーサ
11月の鞴まつりの頃の寒さ。
- メモ
- 音2:フーチヌユエービーサ。
フーチムーチー
蓬餅。よもぎ餅。芋煮の上にヨモギをのせたもの。
- メモ
- 3月の浜下りには御馳走は作らずゥンムニーグヮー(芋煮)の上にフーチーバー(よもぎ)を1、2枚のせたものを3個仏壇に供えた。そのゥンムニーにフーチムーチーといった。
フウチョウシバル
{風長次原}。長浜の小字。
フーテー
ふっくらとして頬が垂れていること。
- メモ
- 音2:フータイ・フータヤー。
ブードゥナミー
賦役や利益を過不足なく等しくすること。
- メモ
- 類:カーフスクー・クヮーフスクー。
製糖作業などの共同作業における労働時間や賃金などが、特定個人だけに偏らないように清算すること。ブーは賦、トゥナミは平均の意味。
フーナー
~風な。~ような。~ふり。
- 用例
- シラン フーナー(知らないふり)。カマンタヌ フーナー スン(食べなかったふりをする)。フリタル フーナー シ(気が触れたみたいにして)。アラン フーナー(そうでないように)。
ブーナイ
風が吹き抜けるよう素早く駆け抜ける様。
- 用例
- ヌール イスジョーラー ブーナイ ッシ ハイギータン(何を急いでいるのか、駆け足で行きよった)。
プーナイ
プップッと口から物を吹く様。
- 用例
- タナガー トゥイネー ナマゥンム カナーサーニ プーナイプーナイ スタン(川エビを捕るときは、生芋を噛んでプップッとしたわけ)。
ブーナイブーナイ
ビュービュー。風が勢いよく吹いている様。
- 用例
- ハマカジン ブーナイブーナイ(浜風もビュービュー吹いている)。
フーニ
骨。
- 用例
- ヨーガリヤーニ フーニヌ ゥンジトーサー(痩せて骨が浮き出ている)。
- メモ
- 音1:フニ。
フーニジル
骨汁。主に豚の骨汁。
- メモ
- 音1:フーニヌシル。音2:フニジル。
フーニヌシル
骨汁。主に豚の骨汁。
- 用例
- フーニヌシルヤ、ダシ ゥンジティ ジコー マーサン(骨汁は、出汁が出てとても美味しい)。
- メモ
- 音1:フーニジル。音2:フニジル。
豚を潰した後に各部位に切り分けるが、その時に肉を切り取った後の骨を汁にしたもの。
フービ
褒美。
- 用例
- チューヤ フービン ダテーン ヰーティチャン(今日は褒美もたくさん貰ってきた)。
ブーブー
民間療法の瀉血〔しゃけつ〕。瀉血に用いる竹筒やコップにもいう。
- 用例
- ブーブー トゥイシェー マシドー(瀉血をした方がいいよ)。
- メモ
- 類:チジャシ。
熱が出たときにも剃刀で瀉血することがあった。
ブーブートゥベー
ぶんぶん群がること。
- 用例
- フェーヌ ブーブートゥベー ソーン(蠅がぶんぶん飛んでいる)。
フーフーハーハー
熱い物をフーフー吹いて冷ます様。
- 用例
- アチサグトゥ フーフーハーハー ッシ カメー(熱いからフーフー冷ましながら食べなさい)。
フーフダ
符札。護符。
- 用例
- ウヌ フーフダヤ、ハーヤンカイ ハトーケー(その護符は、柱に張っておきなさい)。
- メモ
- 音1:フーフラー。
病気・天災などの災厄がふりかかるのを防護するために、その効力を期待して家の柱や出入り口に貼った。
フーフラ
符札。護符。
- 用例
- フーフラン ハジ(護符も剥いで)。
- メモ
- 音1:フーフダ。
フーミ
風味。嗜好品などの香りや味。
- 用例
- クヌ シームンヤ アンシ フーミガ アル(この吸い物はなんて風味があるんでしょう)。
フームチブニ
帆船。帆持ち船。
- 用例
- フームチブニヌ ハイギーシガ、ヌー チローガヤー(帆船が行くが、何を積んでいるのかな)。
- メモ
- 音2:フーシン。
フームン
法文。経文。
- 用例
- ボージャーヌ フームン ハンチ(坊主が法文を唱え)。
- メモ
- 音2:チョームン。
ブーラーサッサイ
ふらついている様。
- 用例
- ヰーティ、ブーライサッサイヒチ シチャンカイ ウリティ クータン(酔っ払って、ふらつきながら下に降りて来た)。
フーリーン
乾く。
- 用例
- フーリトーラー ヘクナー イリミソーリ、ナマカラ アミ フイガター ナトーイビンドー(乾いているなら早く取り入れてください、今から雨が降りそうになっていますよ)。
- メモ
- 類:カーキーン・カーラチュン。
主に雑穀などを天日に干している時に使う。
フーリンナー
ホウレンソウ。ほうれん草。
- 用例
- フーリンナー アルッサ ユリーン(ほうれん草をあるだけ茹でる)。
フール
豚小屋兼便所。便所。
- 用例
- フール イーブサグトゥ、イチュター マッチョーディヨー(便所に行きたいから、少しは待っていてよ)。
フールカイ イケー(便所にいきなさい)。
- メモ
- 音2:フールヤー・ウヮーフール・フル。類:ウヮーヌヤー。
フールには神様がおり、いかなる魔物も払いのけると信じられていた。新しく購入した豚を入れる時はボロ布を左に綯って火をつけたものをウヮーフールで振り回してから入れた。それには害虫駆除の目的もあったとう。
フールアッチャー
腹の調子が悪く便所にしょっちゅう行く者。
フールガミ
便所の神様。
- メモ
- 音1:フールヌカミ。音2:トゥングヮヌカミ。
フールヤー(豚舎、便所を含む)にはフールカミ(便所の神)がいて、いかなる悪者でも払い除ける力があるといわれている。
フールチ
□門。ひよめき。幼児の頭蓋骨の泉門。
ブールナイ
勢いよく。一目散に。
- 用例
- ゥンマカラ ブールナイ ヒンギティ ハイタン(そこから一目散に逃げて行った)。
- メモ
- →パーラナイ。
フールヌカミ
便所の神様。
- 用例
- フールヌカミヤ、ムンヌキムントゥシ アガミラットーン(便所神は、魔除けとして崇められている)。
- メモ
- 音1:フールガミ。→フールガミ
フールヤー
豚舎。豚小屋兼便所。
- 用例
- ユル ニッカ ケーティ チーネー、フールヤーヲゥティ チン パンパン スタン(夜遅く帰って来たら、豚舎で着物をパンパンとはたいた)。
- メモ
- 音2:ウヮーフール・フール・フル。類:ウヮーヌヤー。フール参照。
フェー
ハエ。蠅。
- 用例
- ミーヌメーヌ フェー ウーイユサン、アレー ヤコー タタンテー(目の前の蝿も追い払えない、あいつは役に立たないなあ)。
- メモ
- 音1:ヘー。関:アブー。
フェー
灰。
- 用例
- カマヌ フェー カタヂキーン(カマドの灰を片付ける)。
- メモ
- 音1:ヘー。→アク。
フェー
南。
- 用例
- アッターヤ、フェーカタシンカル ヤン ハジドー(彼らは、南方面の人たちだ筈よ)。
フェーヌウドゥン
首里城南殿。
フェーヌカジ
南風。
- 用例
- フェーヌカジヌ フチーネー アンシ イーヤンベー ヤン(南風が吹くととても気持ち良い)。
フェーバル
{南風原}。渡慶次の小字。
フェーフチ
煙草盆で灰を落とす所。灰落とし。
- 用例
- タバクヌ フェーヤ、フェーフチカイ リッパ ウトゥシヨー(煙草の灰は、灰落としにちゃんと落としなさいよ)。
フェーマユジバル
{南真与地原}。波平の小字。
フェームティ
南側。
- メモ
- 類:ヘーカタ。
フェーユンタンザ
南読谷山。読谷村の南部地域。
- 用例
- フェーユンタンザディネー、ザチミ マングラカラル ヤタガヤー(南読谷山といったら、座喜味方面からだったのかな)。
フェーライ
追い剥ぎ。
- メモ
- 音2:フェーレー。類:ヘーライ。
フェーレー
追い剥ぎ。
- 用例
- センゼノー タコーヤマカイ フェーレーガ ゥンジータンディ(戦前は多幸山に追剥ぎが出たそうだ)。
- メモ
- 音2:フェーライ・ヘーライ。
フェンサー
害虫の一種。
- メモ
- カズラにつくてんとう虫みたいな虫。
フェンサーアシビ
虫遊び。旧4、5月の田畑に害虫が異常発生する時に行われる虫払いの行事。
- 用例
- フェンサーアシビヤ アブシバレートー ヰヌヒーヤ アランタンドー(虫払いはアブシバレーとは同じ日ではなかったよ)。
- メモ
- 音1:ヘンサーアシビ。音2:ムシバレーアシビ。類:ムシバレー。
アブシバレーの日とは別に、臨時に行われた。
フェンスー
貧乏。
- メモ
- 音1:ヘンスー・ヒンスー。→クンチュー。
フェンスーナムン
貧乏者。
- メモ
- 音2:クーシームン。音1:ヒンスームン・フィンスームン・ヘンスームン。→クーシームン。
フォートゥ
鳩。
- メモ
- 音1:ホートゥ。音:ホートゥイ。
フカ
鮫〔サメ〕類。獰猛〔どうもう〕な人食い鮫のこと。
- メモ
- 類:サバ。
フカ
外。
- 用例
- ワラベー イーウヮーチチネー フカヲゥティル アシブル(子どもは良い天気には外で遊ぶんだよ)。
フカー
庭。
- 用例
- フカーナカイ フーチェール フシカブヤ、ユックイネー トゥリヨーヤー(庭に干してある切り干し大根は、日が暮れたら取りなさいよ)。
- メモ
- 類:ナー。
フカイ
水などの深い所。深み。
- 用例
- フカインカイ イクナヨー(深みに行くなよ)。
フカサクバル
{深迫原}。比謝、大湾の小字。
フカサン
深い。親しい。
- 用例
- フカサル ドゥシ(親しい友人)。
アマヌ イチェー イッペー フカサンドー(あそこの池はとても深いよ)。
イッペー フカシク ソーン(とても仲良くしている)。
フカジェークー
建物の枠組みなどの職人。
フカスン
蒸かす。
- 用例
- アンマーガ ナマ ゥンム フカスン(お母さんが今芋を蒸かす)。
フカスン
沸かす。
- 用例
- ミジ フカチ(水を沸かして)。
- メモ
- 音:ワカスン。
フガスン
①穴を開ける。②穴を空ける。使い込む。
- 用例
- ①ユー ミーヌグトゥシ アナ フガスン(良く見えるように穴を開ける)。
否:フガサン(穴を開けない)希:フガシーブサン(穴を開けたい)過:フガチャン(穴を開けた)継:フガチョーン(穴を開けている)。②ンナカラ アチミテーヌ ジン、フガスチネーン(皆から集めたお金を、使い込んでしまった)。
- メモ
- ①→チップガスン。
フカトゥ
深い所。
- 用例
- フカトゥカラー ワタラランサ(深い所からは渡れないよ)。
フカブバル
{外部原}。喜名の小字。
フカゥンジ
〈外出。4月15日、16日に行われるアブシバレー(畦払い)の期間に、1年以内に不幸のあった家で行われる行事。
- 用例
- クンドー パーパーガ ヲゥラン ナティ、ゥンマハラセーヤ ンジーガー イカラングトゥ フカ ゥンジール スンドー(今年はおばあさんが亡くなられて、競馬は見に行けないから、フカゥンジーするんだよ)。
- メモ
- アブシバレー(畦払い)の期間に、スビガニク(楚辺兼久)ではゥンマハラセー(競馬)が行なわれ、村内外から競馬見物に訪れて賑わうが、字楚辺では1年内に不幸のあった家では、競馬に行かずに庭にチンブクダキ(笹竹)でアーチを作り、その下で死者の霊とともに会食しながらゥンマハラセーを見物している態で過ごした。それを家の外に出るという意味でフカアブシバレー、あるいはフカゥンジと言った。字長浜では、4月14日に、前年の4月15日から今年の4月14日までに不幸のあった家では、フカゥンジといって、親戚が集まって庭に茣蓙を敷いて、夜通し語らって夜伽をした。
フカゥンジ
外出。野鳥類が家に入るなど災厄の予兆があったとき、家族全員が浜下りをして、浜に作った仮小屋や製糖小屋、ガマ(洞窟)など、家が見えない所で宿泊して厄払いすること。
- メモ
- 一晩だけ泊まる字は高志保、宇座、伊良皆、喜名、長浜。三晩泊まる字は楚辺、儀間、渡具知。浜下りしている間は、家に誰も入らないよう戸締まりし、棒を交差させておいた。字渡具知、高志保、儀間では厄払いのために三線を弾きならしながらスネーイ(行列)して帰ってきた。厄が晴れたと判断したら、座喜味、伊良皆、宇座では、親戚が集まって重箱料理で会食し、祖先にも供えた。凶が出た場合、長浜ではもう一度浜下りした。→ハマウイ。
フギーベーサン
穴が開きやすい。
フキーン
小鳥が鳴きさえずること。
- 用例
- シージャガ カラトール ソーミナーヤ ユー フキーン(兄が飼っているメジロは、よくさえずる)。
- メモ
- 継:フキトーン(さえずっている)。
フキーン
抜ける。抜け出る。
- 用例
- ハーイヌ ミーカラ フキーン(針の穴から抜ける)。
否:フキラン(抜けない)希:フキーブサン(抜けたい)過:フキタン(抜けた)継:フキトーン(抜けている)。
- メモ
- 針の穴の小さな所からも抜け出てきたことで、簡単にはできないことを達成したときに使う。例えば、未熟児だった赤子が無事に成長していくときなどにも使う。
フギーン
穴があく。抜ける。
- 用例
- ナービヌ フギーン(鍋に穴が開く)。フギディール(穴の開いている籠)。
否:フギラン(穴が開かない)継:フギトーン(穴が開いている)。
- メモ
- 音2:フシフギヌミー・フシフギミー・フシシミ。
フキシヌミーミー
節穴。
フキダシバル
{吹出原}。長浜の小字。
フキバカ
平葺墓。屋根の部分を平たくした墓。
- 用例
- ワッター ハカヤ フキバカヤタン(私たちの墓は平葺墓だった)。
- メモ
- 音2:ヒラフチバカ。
フグイ
陰嚢〔ふぐり〕。
- 用例
- フグイ トゥラリンドー(陰嚢をとられるぞ・脅し文句)。
フグイチヤー
家畜の去勢をする人。
フクイン
喜ぶ。
- 用例
- イャーガ リッパ シーアーシーネー、ワッタン フクインテー(お前がちゃんとやり遂げたら、私たちも喜ぶさ)。
ジコー フクイミシェータン(とても喜ばれた)。
ワッター アンマーヤ、ジコー フクトータン(私のお母さんは、とても喜んでいた)。
継:フクトーン(喜んでいる)。
フクガー
産毛。
- メモ
- 音1:フクギー。音2:フクガーギー。
フクガーギー
産毛。
- メモ
- 音2:フクガー・フクギー。
フクガードゥイ
烏骨鶏〔ウコッケイ〕。
フクギー
産毛。
- メモ
- 音1:フクガー。音2:フクガーギー。
フクジ
フクギ。福木。
- 用例
- フクジッシ ヌヌ スミーン(フクギで布を染める)。
フクジバル
{福地原}。喜名の小字。
フクジャー
鳥の毛が膨れ上がること。鳥肌が立つ。
- 用例
- トゥイヌ ガタガタ フティ、フクジャー ソーン(鳥がガタガタ震えて、鳥肌が立っている)。
- メモ
- 音2:キーフクガー・トゥイフクガー。→キーブラチャー
フクシン
埃〔ほこり〕。
- 用例
- フクシンヌ タッチ、ゥンマヲゥテー ムノー カマランサ(埃がたっているから、そこではご飯も食べられないさ)。
ウッチャンナギヤーニ フクシン カントービン(放りだして埃を被っています)。
フクシンカジャ
埃〔ほこり〕っぽい匂い。かび臭い匂い。
- 用例
- ウヌ チノー フクシンカジャ スン(その着物はかびた匂いがする)。
フクター
ぼろ布。ぼろきれ。着古した着物。
- 用例
- ンリトール トゥクマー、フクター ムッチッチ ススレー(濡れている所は、ぼろ布を持って来て拭きなさい)。
フクターチクター
衣類がボロボロになっている状態。
- 用例
- ジヌン ネーンル アラー、イカナ ハルカイアッチャー ヤティン アンスカ フクターチクターシ(金がないのか、いくら野良着でもそんなにまでボロボロで)。
フクタームシ
昆虫名。ミノムシ。
- 用例
- ウッピナーヌ フクタームシヌ サガトール(とても大きなミノムシが下がっているね)。
フグチャー
おし。ものを言わない人。
ブクトーサージ
厚めのタオル。
- 用例
- ドゥー フチーネー ブクトーサージェー マシドー(体を拭くときには厚めのタオルが良いよ)。
- メモ
- 対:マチサージ(薄めのタオル)。
フクバー
魚介名。カワハギ。
- 用例
- フクバーヤ カーハジュンディチル デージ ヤンデー(かわはぎは皮を剥ぐって大変なんだよ)。
フクマーミ
心臓。豚などの心臓、食品としての名。
フクラーサン
誇らしい。人に自慢したい気持ちのこと。
- 用例
- フービ ヰーティ、アンシ フクラーサルヤー(褒美をもらって、とても誇らしいね)。
フクリーラー
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- メモ
- →ウサジヌミミー。
フクル
①袋。②袋の枚数を数える数詞。
- 用例
- ①フクルンカイ クヮーシ イリーン(袋にお菓子を入れる)。②ミフクロー ヌクチョーキヨーヤー(3袋は残しておきなさいよ)。
- メモ
- ②チュフクル(1袋)、タフクル(2袋)、ミフクル(3袋)と数える。
フクン
吹く。
- 用例
- ウヮーチキ ヤンリティ、カジ フクンドー(天気が崩れて、台風が吹くよ)。
フコーガ
植物名。ハマゴウ。
- メモ
- →ハマホーギ。
フサガイン
塞がる。
- 用例
- ドゥルヌ チマティ、アナヌ フサガイン(泥が詰まって穴が塞がる)。
フサトゥバル
{富里原}。楚辺の小字。
フサン
欲しい。
- メモ
- 音1:フーサン。
ブサン(~ブサン)
~したい。
- 用例
- イャー ハナシー チチブサン(君の話を聞きたい)。トゥジ シーブサン(妻にしたい)矼。
フシ
節。節を数える数詞。
- 用例
- ヲゥージェー チュフシナー タッチレー(サトウキビは一節ずつ切りなさい)。
フシ
くるぶし。
フシ
音楽の楽節。
- 用例
- フシ カワラシェー(〔エイサーの時など〕曲をかえなさい)。
フシ
星。
- 用例
- チューヌ フシヤ アンシ チュラサルヤー(今日の星はとてもきれいだね)。
フシ
節。関節。竹の節や木の節にもいう。
- 用例
- ダキヤ フシ ヌクチ チリヨー(竹は節を残して切りなさいよ)。
- メモ
- →グーイ。
ブシ
武士。
ブシガー
武士ガー。波平の井泉の名称。
- メモ
- 波平が新たに集落を広げるとき、候補地を決めてこの井戸を掘ったが、フンシークミヤー(風水師)に「ブシガーの水を飲むと武士のような人が多く生まれ、争いが絶えなくなる」と言われ、今の前島の場所に集落を発展させることになった。この井泉は「シーダカサン(霊力が高い)」という理由で未整備のまま今もある。
フシカブ
切り干し大根。大根を天日で乾燥させたもの。
- 用例
- デークニ フーチ、フシカブ チュクイン(大根を干して、切り干し大根を作る)。
- メモ
- 音:フシカブー。
フシカブイリカー
料理名。切り干し大根炒め。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フシカブイリカー チュクイン(今日の夕飯はフシカブイリカーをつくる)。
- メモ
- 音1:フシカブイリチャー。音2:フシカブズーネー。→フシカブイリチャー。
フシカブイリチャー
料理名。切り干し大根炒め。
- 用例
- フシカブイリチャー マーサマーサ チュクテーン(フシカブイリチャーを美味しそうに作ってある)。
- メモ
- 音1:フシカブイリカー。音2:フシカブズーネー。
昔は大根はほとんどの家庭でも作っていたので、保存食として切り干し大根を作ることが多かった。
フシカブー
切り干し大根。
- メモ
- 音1:フシカブ。
フシカブズーネー
料理名。切り干し大根炒め。
- メモ
- 音2:フシカブイリチャー・フシカブズーネー。→フシカブイリチャー。
フシガラン
きりがない。たまらない。どうしようもない。防ぎようがない。
- 用例
- ワランチャー ウーサヌ、チャッサ モーキティン フシガランサ(子沢山で、どんなに儲けてもきりがないさ)。
ナー フシガランドー(もうきりがないよ)。
- メモ
- どんなに間に合わそうとしても追いつかないこと。採算が取れないなどの意味もある。
フシクビ
関節。
- 用例
- フシクビヌ ヤディ(関節が痛くて)。
- メモ
- →グーイ。
フシジュン
防ぐ。
- 用例
- カジヌ アタイシ フシジュン(風が当たるのを防ぐ)。
フシフギヌミー
節穴。
- 用例
- フシフギヌミーカラ マジェー ンーチンディ(節穴からまずは見てごらん)。
- メモ
- 音2:フキシヌミーミー・フシフギミー・フシンミ。
フシフギミー
節穴。
- メモ
- 音2:フシフギヌミー・フシフギミー・フシンミ。
フシブシ
節々。関節のあちこち。
- 用例
- ユーベー フシブシヌ ヤリ ニンラランタン(昨夜は関節があちこち痛くて、寝れなかった)。
フシマ
榊〔さかき〕。
フジョー
携帯用のたばこ入れ。腰に下げて使った。
- メモ
- 音2:パーパーフージョー・ハーメーフージュー・フージョー。
ブジョー
奉行。
- 用例
- ブジョーヌチャー(奉行達)。
フジョーマキ
<不浄負け。傷や病気のある人が、葬式などに行って、よけいに悪くなること。
- 用例
- ヤローニ、チュマーシヤーカイ イチーネー フジョーマキ スンドー(病んでいるときには、喪家に行くと不浄負けするよ)。
ブジラー
棒きれ。
- メモ
- 類:ボーグヮー。音2:ブンジラー。
フシンミ
節穴。
- メモ
- 音2:フシフキヌミー・フシフギヌミー・フシフギミー。
フス
臍〔へそ〕。
- 用例
- アカングヮヌ フスヤ、ナヌカグレー シーネーク カリーサ(赤子の臍は、七日ぐらいしたら枯れるさ)。
- メモ
- 音2:テンブス。
へその緒を切ることをチジュン・チナジュン(継ぐ・つなぐ)という。
フス チヂュン
赤子の臍の緒を処理すること。
- 用例
- ハサミヌ ネーンネー ダキグヮーサーニ フス チヂュタン(ハサミがない時には、竹で臍の緒を処理していた)。
- メモ
- 音1:フス チナジュン。
フス チナジュン
赤子の臍の緒を処理する。臍の緒をきる。
- メモ
- →フス チジュン。
フスク
不足。
- 用例
- ヌーン フスクヌル アラー、チャー アンマサ シ(何か不足でもあるのか、いつも気分がすぐれない)。
- メモ
- 対:アマイ(余り)。
フスクジラービーサ
松の葉が落ちる頃の寒さ。晩秋の寒さ。
- 用例
- フスクジラービーサガ ウワレーカラー、ナー ヒークル ナイサ(晩秋の寒さが終わる〔秋が過ぎる〕と、もう寒くなるんだよ)。
フスチガー
臍継ぎ。出産に立ち会う人。
- 用例
- フスチガーガ メンソーチョーグトゥ、ウンチケーシェー(臍継ぎをする人がいらっしゃっているから、案内しなさい)。
- メモ
- 音1:フスチジャー。
出産時に赤子の臍を切る役目をする手慣れた人のことで、ほとんどが女性であった。
フスチジャー
臍継ぎ。出産に立ち会う人。
- 用例
- ワッター パーパーン フスチジャー シンシェータン(私の祖母も臍継ぎをなさっていた)。
- メモ
- 音1:フスチガー。
フスヌヲゥー
臍(へそ)の緒。
- 用例
- ワランチャー フスヌヲゥーヤ トゥティウッチェーン(子どもたちの臍の緒は取って置いてある)。
フスン
干す。
- メモ
- 音1:フースン。
フタ
蓋〔ふた〕。
- 用例
- タラフヌ フタ アキティ クヮーシ トゥレー(菓子入れの蓋を開けてお菓子を取りなさい)。
フダ
(罰則の)札。
- メモ
- 作物を荒らすなど、内規に触れると罰金札を渡された。
フタガー
波平の井泉の名称。
- メモ
- フタガーがあった場所は、段丘の低い位置で、戦前までは川も流れていた。かつては井戸が4つ並んでおり、それをまとめてフタガーと呼んでいた。現在は消防署用地となり、石碑が建立されている。
フタカチャヌミユ
良い世の中。
- 用例
- チャー フタカチャヌミユ アラチ ウタビミソーリ(いつも良い世の中であらせて下さいませ)。
ブタサン
太っている。分厚い。
- 用例
- ウヌ シシュー ブタサンヤー(その肉は分厚いね)。
シムチヌ ルク ブタサヌ ゥンブサン(書物があまりにも分厚くて重い)。
フタソーキ
取っ手付きの蓋付き籠〔かご〕で吊り下げられる。
フタディール
蓋付き籠〔かご〕で胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げられる。
- 用例
- フタディールンカイ アギドーフ イッテーン(蓋つきの籠に揚げ豆腐を入れてある)。
- メモ
- →サギジョーギー。
フタディールーグヮー
小さい蓋付きの籠。
ブタマシ
浅はか。軽率。
- 用例
- ウレー ナー イャーヤ ブタマシ ヤテーサ(それはもう、お前は軽率だったね)。
フダミ
ためにならないこと。
- 用例
- フダミナ クトゥ(ためにならないこと)。クニヌ フダミ カカタクトゥ(国益にならないということになって)。
フタムチ
使い勝手が悪い。
- 用例
- ウヌ マカイヤ ルク マギサヌ、フタムチ ヤッサー(そのお椀はあまりにも大きくて、使い勝手が悪いな)。
ブチ
鞭。
- 用例
- ブチヤ カキンナヨー(鞭では打たないでよ)。
フチカ
2日。
フチクル
懐。
- メモ
- 音1:フチュクル。
フチクヮースン
吹きつける。吹きかける。
- 用例
- キブシ フチクヮースン(煙を吹きつける)。フチクヮーシヨ(吹きつけなさいよ)。ドゥイッペー スーミジ フチクヮースン(体中に潮水を吹きかける)。
ブチクン
卒倒。気絶。気を失うこと。
- 用例
- ユーリー ンチ ブチクン ソーン(幽霊を見て気絶している)。ブチクン ナラナラー ヒチ(気を失いそうになり)。
ブチクンケーラスン
卒倒する。気絶する。
ブチゲーイ
卒倒。気絶。
- 用例
- シジガ ウタラ ブチゲーイガ ヤタラ(死んでいたのか気絶していたのか)。
継:ブチクンケーラチョーン(卒倒している)。
- メモ
- 音2:フチクン。
フチケーイン
葺き替える。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ガヤ フチケーイン(実家の茅を葺き替える)。否:フチケーラン(吹き替えない)希:フチケーイブサン(葺き替えたい)過:フチケータン(吹き替えた)継:フチケートーン(葺き替えている)。
ブチダン
仏壇。
- 用例
- タナバタネー ブチダンヌ ウコールン ソージ スン(七夕には仏壇の香炉も掃除する)。
フチチリーン
息が切れる。息絶え絶えになる。
- 用例
- フチチリヤーニ(息絶え絶えになって)。
フチバンタ
崖。崖っぷち。
- 用例
- アマー フチバンタ ナティ アブナサヌ イカンケー(あそこは崖っぷちで危ないから行くな)。
- メモ
- 音2:チリバンタ・ハンタ。→スギバナ。
ブチマーザーター
鍋の底やふちについた黒糖。
- 用例
- ブチマーザーターヤ、カカジティ カミーネー ジコー マーハン(鍋底についた黒糖は、削って食べたらとても美味しい)。
フチャーイ
草木が生い茂っている所。
- 用例
- フチャーイカイ ヒンギレーカラー、カメーイカンティースン(草木が生い茂っている所に逃げたら、探しにくい)。
フチャーイン
繁茂する。生い茂る。
- 用例
- キーヌ フチャートータン(木が生い茂っていた)。
フチャーリーン
繁茂する。生い茂る。
- 用例
- キーン チランネー フチャーリーンドー(木も切らないと生い茂るよ)。
継:フチャーリトーン(生い茂っている)。
フチャギ
小豆を付けた餅。吹上餅。八月十五夜に供える小豆をまぶした長円形の餅。
- 用例
- フチャギン シコーテーグトゥ ブチダヌンカイ シキレーワ(吹上餅も準備してあるから、仏壇に供えなさい)。
- メモ
- フチャギを作って月眺めをし、若者はアシビ(村芝居)を見に行った。
フチュクル
懐。
- 用例
- ミーララングトゥシ、フチュクルンカイ クヮックヮチ ムッチ チャン(見つからないように、懐に隠して持って来た)。
- メモ
- 音1:フチクル。
フチュクルオージメー
懐扇舞。表に出さず密かに喜ぶこと。
- 用例
- ナマネー フチュクルオージメー ヤサ(今は、もう懐の中で扇舞を踊っているよ)。
- メモ
- とても良いこと、嬉しいことがあるが、表に出さずに懐の中で密かに喜んでいること。
フチュクルビングヮー
懐の小瓶。結婚式の翌朝、姑と花嫁が「よろしく」と盃を交わす小瓶の酒。
フチュン
葺く。
- 用例
- ガヤ カティ ヤーヌクー フチュン(茅を刈りて屋根を葺く)。
フチュン
吹く。
- 用例
- アチャーヤ ウーカジフチヌ フチュンリンドー(明日は大きな台風が吹くってよ)。
否:フカン(吹かない)過:フチャン(吹いた)継:フチョーン(吹いている)。
ブチリー
不潔。
- 用例
- チヌン アラーン ブチリーヤ(着物も洗わない不潔な!)。
フチリーン
夢中になる。目がくらむ。
- 用例
- ジンニ フチリーン(金に目がくらむ)。
フチンチュリーン
吹き込む。
- 用例
- クチンカイ フチンチャンディサ(口に吹き込んだってさ)。
フッキーン
膨れる。腫れる。
- メモ
- 音1:フックイーン・フックイン。
フックイン
膨れる。腫れる。
- 用例
- ヤマチェール ヒサ ンラシーネー フックインドー(痛めた足を濡らすと腫れるよ)。
ガジャンヌキ ササリヤーニ フックトーサー(蚊にさされてふくれているなあ)。
否:フックラン(膨れない)過:フックタン(膨れた)継:フックトーン(膨れている)。
- メモ
- 音1:フックィーン。音2:フッキーン。
フックヮスン
膨らませる。
- 用例
- ワランチャー ブーカー フックヮスン(子どもたちの風船を膨らませる)。
否:フックヮサン(膨らまさない)希:フックヮシーブサン(膨らましたい)過:フックヮチャン(膨らませた)継:フックヮチョーン(膨らませている)。
ブッケー
不器用。
- メモ
- →ティーアラサン。
ブッターカーター
何でもかんでも。
- 用例
- ブッターカーター ムッチ チェーサヤー(何でもかんでも持って来たんだね)。
- メモ
- 音1:ブッタークヮッター。
ブッタークヮッター
何でもかんでも。
- 用例
- ブッタークヮッター ヌーンクィ タックヮーチェール(何でもかんでもくっつけてあるね)。
- メモ
- 音1:ブッターカーター。
フッチャーバル
{淵茶原}。高志保の小字。
ブッティカチ
パッと。
- 用例
- ブッティカチ ハンナギタン(パッと放り投げた)。
ブッテカサー
パッと。
- 用例
- ブッテカサーニ ヒンギトーン(パッと逃げ出した)。
ブットゥ
脂身。
フディ
筆。
- 用例
- ヤーノー フディ コーティトゥラサヤー(来年は筆を買ってあげようね)。
フディヌ サチヤ ヤイヌ サチ(筆の先は槍の先と同じで、財産を食い潰してしまう。学問は生活の役に立たない)。
フディー
①稲光。②禿〔はげ〕。頭の傷跡。
- メモ
- 音1:フリ・フリー。音2:フリーガンナイ・フリーカンパイ。
フディカチミスージ
{筆つかみ祝い。入学祝い。
- 用例
- チャクシヌ フディカチミスージネーケートゥナイン イェージ スン(長男の入学祝には、隣近所も招待する)。
- メモ
- →アガイスージー。
フドゥ
背丈。
- メモ
- 音1:フル。
フドゥ イーン
大きくなる。成長する。
- メモ
- 音1:フル イーン。
フドゥ ウヮースン
育てる。
- メモ
- 音1:フルウヮースン。類:スダティーン。
フドゥー
不動神。拝所の名称。
- メモ
- フドー参照。
フトゥキ
仏。
- 用例
- フトゥキヌ チラン ミケーンマディ(仏の顔も三度まで・仏のような人でも、何回も同じ悪いことをすれば、終いには見捨てるということ)。
フトゥキウガン
行事名。{ときおがん(解き御願)}。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み。
- メモ
- 音1:フトゥチウガン。→ウガンブトゥチ。
フトゥキブニ
仏骨。ほとけ骨。
- 用例
- カソーバヲゥティ ハジミティ フトゥキブニ ンチャン(火葬場で初めて仏骨を見た)。
- メモ
- 仏〔ほとけ〕の形をした頸椎〔けいつい〕の一番上の頭蓋骨〔ずがいこつ〕と接した骨。
フトゥキブニは結喉と呼ばれていたそうで、その形状が座禅をしている仏様の姿にみえる事から、火葬後喉仏が残っていると「生前良い行いをしていた」といわれている。
フドゥタカー
背の高い人。
- メモ
- 音1:フルタカー。音2:フルマギー。
フトゥチウガン
行事名。{ときおがん(解き御願)}。一年を締めくくり、神様に御礼をする御願。行事のひとつ。御願解き。
- メモ
- 音1:フトゥキウガン。→ウガンブトゥチ。
フトゥチヌウガン
行事名。{ときおがん(解き御願)}。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み。
- メモ
- →ウガンブトゥチ。
フトゥチバー
ソテツの葉。
フトゥチュン
解く。
- 用例
- クンチェーヌ ナー フトゥチュン(括ってある縄を解く)。
アーダーラ フトゥチミソーヤニ(粟俵を解いてください)。
否:フトゥカン(解かない)希:フトゥチーブサン(解きたい)過:フトゥチャン(解いた)継:フトゥチョーン(解いている)。
フドゥフドゥ
程々。成長している様。よい年頃。
- 用例
- フドゥフドゥ ヤシガ(年頃だけど)。フルフル ナティ(成長して)。
- メモ
- 音:フルフル。
フトゥフトゥー
ぶるぶる震える状態。
- 用例
- オーエー ハジマイネー フトゥフトゥー スン(喧嘩が始まったらブルブル震える)。
フトゥムトゥン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- シティミティムン参照。
フドー
不動神。拝所の名称。悪疫払い、集落守護に関わる拝所。
- メモ
- 儀間、渡慶次、瀬名波にある。儀間の不動は、渡慶次との境、集落中央北側に位置し、悪風返しの守り神として祀られている。
渡慶次の不動は、不動明王に起因する拝所と言われる。旧9月16日に行われるウフウガン(大御願)、通称ハルヤーポン祭では、不動の前に米や粟で作った餅などを供え、豊作を祈願する。
瀬名波ではイーヌファ(亥の端)、サルヌファ(申の端)、ミーヌファ(巳の端)、トラヌファ(寅の端)の四方(4か所)で集落を守護する神である。大御願、フトゥチ御願で拝される。
フトンガー
<布団皮。布団の生地。布団袋。
- 用例
- フトンガーン フルク ナトーグトゥ ウラゲーチ チカイン(布団の生地も古くなっているから、取り替えて使う)。
- メモ
- 布団の表を裏返して使うこと。
フトンマキ
<布団負け。冬に唇が乾燥して荒れること。
フナウクイ
船送り。
- 用例
- ンカシヌ フナウクイネー キブシ アギータン(昔の船送りには煙を上げていた)。
フナウクイモー
旅立つ人を見送る野原。
- メモ
- →タビウクイモー。
フナクブリ
船が遭難すること。船が波にのまれること。
- 用例
- ウーカジ アタティ フナクブリ シ ネーン(台風に遭って船が波にのまれてしまった)。
- メモ
- 音1:フニクブリ。
フナジバル
{船地原}。長浜の小字。
フナスクバル
{富名迫原}。牧原の小字。
フナトー
船頭。
- 用例
- フナトーター(船頭たち)。
フナマチー
船祭り。正月2日に初漕ぎの意で、船に松の枝を飾り酒を供えた。
フナヰー
船酔い。
- 用例
- マギフニ ヤテーグトゥ、フナヰーヤ サンタン(大きな船だったので、船酔いはしなかった)。
フニ
骨。
- 用例
- アンシ ヤムンドー スタシガ、フニンデー ヲゥーテーネーンガヤー(とても痛がっていたが、骨でも折れてないかね)。
- メモ
- 音1:フーニ。フニアラサン(骨太・屈強なこと)。
フニ
茎。
フニ
船。
- 用例
- マギフニ ヤレー シムシガ、グナフニ ヤイネー フナヰー スンレー(大きな船ならいいけど、小さな船だったら船酔いするよ)。
フニアラアラートゥ
骨太で頑丈そうな様。
- 用例
- フニアラアラートゥ シ、マギッチュ ヤッサー(骨太で頑丈そうな、大きい人だなあ)。
フニアラサン
骨が荒い。骨太な。屈強な。
- 用例
- チョーデー タイ フニアラサン(兄弟二人屈強だ)。
フニクブリ
船こぼれ。船が遭難すること。船が波にのまれること。
- 用例
- フニクブリ シ(船が遭難して)。
- メモ
- 音1:フナクブリ。
フニグヮークージェー
舟漕ぎ。
フニジル
骨汁。
- メモ
- 音1:フーニジル。音2:フーニヌシル。
フニシン
遺骨。洗骨後の骨。
- 用例
- フニシン ヒッティ カーミンカイ ウサミーン(遺骨を拾って骨壺に納める)。
- メモ
- →クチ。
フニトゥカートゥー
骨と皮。ひどく痩せていること。
- 用例
- フニトゥカートゥー ナティ、ムノー カレーヲゥミ(骨と皮だけになって、ご飯は食べているねぇ)。
フニナガシ
船流し。流刑。
フニヤン
骨が痛むこと。
- 用例
- ガマクヌ フニヤン ッシ フシガラン(腰の骨が痛くてたまらない)。
フニヤン
骨の痛み。
- 用例
- フニヤン ッシ ガマン ナラン(骨が痛くて我慢できない)。
フニワキー
分骨。
フニンジャシ
船出。
- 用例
- ソーグヮチ ウワイネーフニゥンジャシディチ、ティンマグヮーッシ ナーファカイ サーター ハクブタン(正月が終わると船出ということで、伝馬船で那覇に砂糖を運んだ)。
フニンジャシサレー
船出し浚い。積もった砂を浚って船出しやすくすること。
- 用例
- アチャヤ フニンジャシサレー ヤグトゥ、ンナ アチマリヨー(明日は船出し浚いだから、皆集まりなさいよ)。
- メモ
- 浜辺付近に砂が積もって船を沖に出すのが困難になるので、砂が積もって来ると定期的に、フニンジャシサレーといってその砂を浚う作業を行っていた。
フニンチュ
船人。
ブヒョージョーズ
御評定所。琉球国の国政を担当する最高機関。
フミータックヮスン
褒めちぎる。
- 用例
- アンチュカナー フミータックヮサンケー(そんなに褒めちぎるな)。
フミクン
蒸し暑くなる。
- 用例
- チューヤ イチヤカ フミクンヤー(今日はいつもより蒸し暑いね)。
- メモ
- 音1:フミチュン。→アブチュン。
フミチュン
蒸し暑くなる。
- 用例
- カジ ティーチンネーン、ジコー フミチュン(風ひとつない、とても蒸し暑い)。
- メモ
- 音1:フミクン。→アブチュン。
フヤ
ランプのホヤ。
- 用例
- フヤン フクシンブッター ソーンドー(ランプのホヤも埃だらけだよ)。
- メモ
- 音2:フヤランプ。
フヤランプ
ほやランプ。火屋ランプ。
- 用例
- フヤランプン ユグリトーグトゥ ミガチョーキヨー(ホヤランプも汚れているから磨いていてね)。
- メモ
- 音2:フヤ。
フユー
怠け。ものぐさ。無精。
- 用例
- フユー シェーヤーディ ウムイネー、チャッサ ヤティン フユー ナイサ(怠けようと思ったら、幾らでも怠けられるさ)。
フユー テークサリーン
怠け者でどうしようもなくなる。怠けて落ちぶれる。
- 用例
- フユー テークサリティ、ヌーン ヤクン タッタン(怠け者でどうしようもなく、何の役にも立たない)。
フユーナー
怠け者。無精者。
- 用例
- フユーナー ナティル トゥジンカイ ヒンギラッテーサ(怠け者だから、妻に逃げられたんだよ)。
- メモ
- →アカヒチムン。
フユーナムン
怠け者。無精者。
- 用例
- フユーナムンヌ ゥンジトーティ、ヌーン アビランケー(怠け者のくせに何も言うな)。
フユーナムノー ラクサー、ナンジサーヤ クワッチーサー(怠け者は楽をして、難儀する者は御馳走にありつける)。
- メモ
- →アカヒチムン。
ブラ
魚介名。法螺。ホラ貝。
- メモ
- 人を集合させる際に、ブラの吹き方で区別して集めた。25歳までの青年を集めるときは通常に吹き、25歳以上から35歳までの二才を集めるときは吹き方を変えていた。
フラー
触れ者。馬鹿者。気のふれたもの。
- 用例
- フラーターヤ、チューン アチマティ トゥイオーラシェー ソーン(馬鹿者たちは、今日も集まって闘鶏をしている)。
- メモ
- →ゲレン。
ブラーカジ
竜巻。
- 用例
- ブラーカジヤ マーカイガ ンカイラー ワカラングトゥ ウトゥルハン(竜巻はどこに向かうか分からないから怖い)。
- メモ
- 音2:カジマキ・カジマチ。
フラクン
開ける。目や口などを開ける。
- 用例
- イェージ シーネー ミー フラクンドー(合図したら目を開くよ)。
- メモ
- 音1:フラチュン。
フラチュン
開ける。目や口などを開ける。
- 用例
- チャーニンジヤ アラン、マルケーテー ミー フラチュン(ずっと眠りっぱなしではなく、たまには目を開ける)。
- メモ
- →音1:ヒラチュン。
フリ
稲光。
- メモ
- 音1:フディー。音2:フリーガンナイ・フリーカンパイ。
フリアシビ
触れ遊び。余計な遊び。馬鹿な遊び。
- 用例
- フリアシビ サーヤカ、ヘーク シクチ カメーティ クーワ(無駄な遊びをするより、早く仕事を探してきなさい)。
フリー
稲光。
- メモ
- 音:フリ・フディー。音2:フリーガンナイ・フリーカンパイ。
フリー
布令。お知らせ。
ブリー
無礼。失礼。
- 用例
- クネーダ、グブリーサビタシェー クネーティ トゥラシンソーリヨー(この前、ご無礼をしたことは許してくださいね)。
ブリー ヤイビーシガ(失礼ですが)。グブリー ナイン(ご無礼になる)。
フリーガンナイ
稲光。稲妻。雷。
- 用例
- フリーガンナイガ ナイネー ワランチャーヤ シカムサ(稲妻が鳴ると子どもたちは怖がるよ)。
- メモ
- 音2:フリ・フディー・フリーカンパイ。
フリーカンパイ
稲光。稲妻。雷。
- メモ
- パチャパチャーと雷が鳴る時に言った言葉。フリーは稲光、カンパイはカンナイ(雷)が変化したものか。
フリーマーイ
布令廻り。
フリーン
ふれる。告げる。一般にしらせる。
- 用例
- フリティ アッチュン(告げて歩く)。
フリーン
気が触れる。
- 用例
- ムヌカンゲーヂューサイネー、アトー フリーンドー(考えすぎると、終いには気が触れるよ)。
否:フリラン(気が触れない))過:フリトーン(気が触れた)継:フリトーン(気が触れている)。
フリーン
惚れる。
- 用例
- トゥナイヌ チュラヰナグングヮンカイ フリーン(隣の美人の娘に惚れる)。
否:フリラン(惚れない)継:フリトーン(惚れている)。
- メモ
- →ウチフリーン。
フリーン
震える。
- 用例
- クサ フリトーン(フィラリア症で震えている)。アミカイ ンリティ、ヒーサガタガタ フリーン(雨に濡れて、寒さでガタガタ震える)。
フリガミ
触れ者のように、加減を知らずに食べること。加減を知らない食べ方。大食い。
- 用例
- フリガミ ッシ、アマヲゥティ アータ ナトーン(加減を知らずに食べて、あそこでぐったりしている)。
- メモ
- →アバラガミ。
ブリセーラバル
{武理石原}。長浜の小字。
ブリディー
全員の手。他の人の力を借りて仕事をすること。
ブリバカ
群れ墓。たくさんの墓。
フリバリーン
星空。星空がきれいなこと。
- 用例
- チューヤ イッペー フリバリトーン(今日はとても星空がきれいだね)。
ブリブシ
群星。
- メモ
- 音1:ブルブシ。音2:ムリブサー。
スバルや北斗七星など、群れになっている星のことをブリブシという。
フリムン
触れ者。馬鹿者。ならずもの。気のふれたもの。
- 用例
- ヤナ フリムンヤ、シクチンサン ムル アシディ アッチョーン(嫌な馬鹿者は、仕事もせずに遊んでばかりいる)。
- メモ
- →ゲレン。
フリユンタク
余計なおしゃべり。話に夢中になること。
- 用例
- フリユンタク スシヤカ、ヘーク シクチ シェー(余計なおしゃべりするより、早く仕事をしなさい)。
- メモ
- →ウヮーバユンタ。
フリワザ
触れ技。馬鹿げたこと。
- 用例
- フリワザシ(馬鹿げた事をし)。
ブリンマ
群れ馬。
- メモ
- 馬場ではブリンマ(群れ馬)といって、見物客に見せるためにパレードのように歩かせた。
フル
豚小屋。
- メモ
- 類:ウヮーヌヤー。音2:ウヮーフール。音1:フール・フールヤー。
フル
背丈。
- 用例
- イャーヤ、ナー イヒンチョー フルヌ アレーヤー(君は、もう少しだけでも背が高かったらね)。フルイリヨー(大きくなれよ)。
- メモ
- 音1:フドゥ。
フル イーン
大きくなる。成長する。育つ。
- 用例
- ワラビヤ ウヤー、ヲゥランティン フル イーティ ハイン(子どもは、親はいなくても育っていく)。
フル ヰーティ ヤー ワカイタン(成長して分家した)。
- メモ
- 音:フルイーン・フドゥイーン・フドゥアドゥ・チューイン。
フル ウヮースン
育てる。成長させる。
- 用例
- ウットゥンチャーヤ ワーガ フル ウヮースン(弟たちは私が育てる)。
否:フルウヮーサン(育てない)希:フルウヮーシーブサン(育てたい)過:フルウヮーチャン(育てた)継:フルウヮーチョーン(育てている)。
- メモ
- 類:スダティーン。音1:フドゥウヮースン。
フルガニ
古い鉄。廃鉄。くず鉄。
- 用例
- フルガニ アチミティ チャー スヌ チムエーガ?(古い鉄を集めてどうするつもりか?)。
フルガニコーヤー
<古鉄買人。金属類を買い集める商売人。
- 用例
- チカーラン ナトーシェー アチミティ フルガニコーヤーンカイ ウイサ(使えなくなったのは集めてフルガニコーヤーに売るさ)。
フルガニコーヤー
廃鉄買収業者。くず鉄屋。
- 用例
- フルガニコーヤーンカイ チカーランヌー カニ ウイン(廃鉄買収業者に使えない鉄を売る)。
ブルキー
ブリキ。
フルキジ
①古傷。②旧悪。昔の悪事。
- 用例
- ①マルケーティ フルキジヌ ヤムン(たまに古傷が痛い)。
②チュヌ フルキジンカイヤ カマーンケー(人の昔の悪いことには立ち入るな)。
フルギン
地名(読谷村古堅)。
フルギンガー
古堅ガー。古堅の湧泉の名称。古堅のウブガー(産井)とミーガー(新井)の総称。
- メモ
- 古堅にあるウブガー(産井)とミーガー(新井)の二つを総称して古堅ガーと呼んでいる。ウブガーから産湯用の水を汲み、赤子の額を撫でるミジナディー(水撫で)の習慣があった。水を汲む際、小さなエビを捕らえてきて、赤子の身体の上を這わし、健康を祈願した。ミーガーはウブガーよりも後に造成され、水量が豊富で生活用水として利用された。カーソージ(井泉掃除)の際には、妊婦の夫たちが浜辺から砂利を運んできて井泉の底に沈め、清めたという。
フルギンチュ
古堅の人。
フルギンバル
{古堅原}。古堅の小字。
フルギンブーブー
昆虫名。米つきバッタ。ショウリョウバッタ。
- 用例
- フルギンブーブー カチミティ チェーン(米つきバッタを捕まえてきた)。
フルギンワタイグチー
地名(読谷村古堅の小地名)。
フルグナー
背が低い人。
- 用例
- アレー、フルグナー ヤシガ ハチコードー(彼は、背は小さいが気は強いよ)。
- メモ
- 音1:フルグマー。対:フルタカー・フルマギー。
フルグマー
背が低い人。
- 用例
- フルグマー ナティ、マーカイガ ヲゥラー ワカラン(背が小さくてどこにいるのか探せない)。
- メモ
- 音1:フルグナー。
フルサ
古仏。ミーサ(新仏)に対しての呼称。
- メモ
- ミーサ参照。
フルサガイ
お下がり。
- 用例
- イェーカンチャーカラ フルサガイン マンリ タシカトーン(親戚からお下がりが多く助かっている)。
フルサン
古い。
- 用例
- ワッター ヤーヤ、ナー サンジューニン アマイグトゥ フルサンレー(私たちの家は、もう30年余るから古いよ)。
- メモ
- 対:ミーサン。
フルジ
古着。
- 用例
- フルジ アチミティ ウイガ イチュン(古着を集めて売りに行く)。
フルジヤー
古着屋。古着を売っている店。
フルスビ
古楚辺。楚辺の旧集落。
- 用例
- フルスビカイ、ケーラリヌ シチン アイガ スラ(旧集落に、帰れる日もあるかなあ)。
フルタカー
背が高い人。
- 用例
- フルタカー ヤシガ、グテーヤ ネーン(背は高いが、力はない)。
- メモ
- 音2:フルマギー。対:フルグナー・フルグマー。
フルタキ
背丈。体格。
- 用例
- フルタキ マギサン(背丈も高い)。
- メモ
- →タキフドゥ。
フルチ
筬〔おさ〕。織物の幅を整え、経糸の配列を均一にする道具。
フルッチュ
梅毒にかかったことがある人。
- 用例
- フルッチュ ナティマディ ヰナグアシビ ソーサ(梅毒に罹ってからも女遊びしているさ)。
フルドゥイ
廃鶏〔はいけい〕。年をとり、卵をうまなくなった鶏〔ニワトリ〕。
- メモ
- 音2:スクンドゥイ。
フルバスン
①借金を踏み倒す。②滅亡させる。滅ぼす。
- 用例
- イャーヤ チュヌ ジン フルバスンナー!(お前は人のお金を踏み倒すのか!)。
否:フルバラサン(踏み倒さない)希:フルバシブサン(踏み倒したい)過:フルバチャン(踏み倒した)継:フルバチョーン(踏み倒している)。
フルハン
古い。
- 用例
- ワッター ヤーヤ フルク ナトーン(私の家は古くなっている)。
フルヒージリ
焼け残った木切れ。
- 用例
- フルヒージリンカイ ミジ カキレー(焼け残った木切れに水をかけなさい)。
ブルブシ
群星。
- メモ
- 音2:ブリブシ。類:ムリブサー。フリブシ参照。
フルフル
ほどほど。成長している様。よい年頃。
- 用例
- フルフル ナティ(育つにしたがって)。フルフル ナティカラン、シチグヮチ、ショーグヮチェー ムヤーマーイ イチュタン(年頃になってからも、盆、正月は子守をしてくれた人の家を訪ねた)。
ブルボー
全員が行う棒術。
フルマギー
背が高い人。
- 用例
- ヤーニンジュ ムル、フルマギー ヤン(家族皆、背が高い)。
- メモ
- 音2:フルタカー。対:フルグナー・フルグマー(背が低い)。
フルミチ
フル(豚小屋兼便所)、およびフルへ通る道。
フルムン
古い物。
- 用例
- フルムン ヰーティチャン(古いものをもらってきた)。
ヌー ヤティン、アトー フルムン ナイン(何でも後は古くなる)。
カマンタヌ フルムン(鍋蓋が古くなる)。
フルムン
古くなる。
フルヤー
古い家。
- 用例
- フルヤー ヤグトゥ、チュクイケーリワル ナイル(古い家だから、建て替えなくちゃいけない)。
フルヲゥトゥ
古夫。元夫。
ブン
盆。食事などを載せて運ぶ道具。
フンシ
風水。
- 用例
- ハカ チュクイネー、フンシン アティリヨーヤー(墓を造る時には、風水を当てなさいよ)。
フンシ クディ ウサギラ(風水をみてさしあげましょう)。
- メモ
- 音1:フンシー。
古代中国に発生した土地の吉凶(善悪)評価法。風水説・風水思想・風水地理学などの名称で呼ばれる。
フンシー
風水。
- メモ
- 音1:フンシ。フンシ参照。
ブンジー
分別。
- 用例
- ウッサヌ トゥシ ヤラー、ブンジーヤ アイル スル(それだけの年齢だったら、分別はあるはずだ)。
フンシミー
風水見。風水師。
- 用例
- ヤシチ コーイヌメーニ、フンシミーンカイ ミシーン(屋敷を買う前に、風水師に見てもらう)。
ブンジュリ
品格のある女郎。
- 用例
- ブンジュリ ナヤーイ(品格のあるジュリで)。
ブンジラー
棒切れ。
- 用例
- ブンジラー ムッチゥンジ、マヤー イーフォーレー(棒切れを持って行って、猫を追い払いなさい)。
- メモ
- 音1:ブジラー。類:ボーグヮー。
ブンジリ
お盆前に借金を清算する。
- 用例
- ブンジリメー ヤグトゥ、ジノー シコートキヨー(お盆前に借金の清算をするから、お金を準備しておきなさいよ)。
フントー
本当。
- 用例
- フントー アヌ タイヤ マジョーン ナトーンナー?(本当にあの2人は、一緒になっているの?)。
ブンナギーン
放り投げる。放っておく。
- 用例
- チカーランヌーヤ、フカンカイ ブンナギトーケー(使えないのは、外に放り投げておきなさい)。
否:ブンナギラン(放り投げない)希:ブンナギーブサン(放り投げたい)過:ブンナギタン(放り投げた)継:ブンナギトーン(放り投げている)。
- メモ
- →ウッティラカスン。
フンヌ
ほんに。誠に。
- 用例
- フンヌヤー、チュヌ イーシ チチョーチーネー、アネー ナランタルムン(ほんにね、人のいう事を聞いておけば、そういうことにはならなかったのに)。
フンヌール
本ノロ。
ブンミチャー
悪者除けの儀式に使う棒。
- 用例
- ワンニン ブンミチャー チュクティンチャンデー(私もブンミチャーを作ったことがあるよ)。
- メモ
- 葬式が済んだ日の夜、ヤナムンゲーシ(悪者払い)として、約70㎝の竹に薄い板切れ(4㎝×12㎝)に穴を開けたのを紐で結んだブンミチャーを作り、ブンブンと音を立てながら振り回した。
ブンラーサン
学がある。学がありそう。
- 用例
- カーギシガタ ウチャティ、ブンラーサン(容姿も良く、学がありそうだ)。
- メモ
- 音1:ブンラーハン。
ブンラーハン
学がある。学がありそう。
- 用例
- フルン タカダカートゥ カーギンチュラサヌ、ブンラーハンヤー(背も高くて美男子だし、学がありそうだね)。
フンレー
甘え。わがまま。
- 用例
- フンレービカーン ッシ、チャッサ イチチカチン ノーランサ(甘えてばかりで、どんなに言って聞かせても直らないさ)。
フンレームン
甘えんぼうな人。わがままな人。
- 用例
- ルク フンレームン ナティ、チャー スガ?(あまりにも甘えん坊で、どうするの?)。
ヘイトー
平等。
ヘー
ハエ。蠅。
- 用例
- ヘーヌ マンドーグトゥ、カミムヌンカイ シガラングトゥ ンチョーキヨー(蠅が多いから、食べ物につかないように見ておきなさいよ)。
ヘー
灰。
- メモ
- 音1:フェー。→アク。
ヘーイ
酢。
- 用例
- ヘーイ イッティ イェーイネー マーササ(酢を入れて和えたら美味しいさ)。
- メモ
- →アマザキ。
ヘーイガーミ
酢を入れる甕。
- メモ
- 製糖終了後、鍋を洗ってサトウキビの汁を入れて2,3時間炊くと酢ができた。
ヘーイン
流行る。流行する。
- 用例
- ヒーク ナイネー ハナヒチン ヘーインドー(寒くなると風邪も流行するよ)。
ハナヒチヌ ヘートーグトゥ、チュヌ ウーサヌミーカイヤ イカンシェー マシ ヤサ(風邪が流行っているから、人ごみには行かない方が良い)。
継:ヘートーン(流行している)。
ヘーウキ
早起き。
- 用例
- マーカイガ ゥンヂャラー、ヘーウキシ ハイタシガ(どこに行ったのか、早起きして出て行ったが)。
ヘーガー
皮膚病がある人。皮膚があれている人。
- 用例
- ニーブターヌ ゥンジティ ヘーガー ナトーン(おできができて、皮膚があれている)。
- メモ
- 音2:ヘーガサ・ヘーガサー。
ヘーガサ
湿疹。
- メモ
- 音1:ヘーガサー。音2:ヘーガー。
ヘーガサー
湿疹。皮膚病がある人。皮膚があれている人。
- 用例
- クスイン ネーングトゥ ヘーガサー ナイル ワラビン マンドータン(薬もないから、吹き出物が出ている子どもも多かった)。
- メモ
- 音2:ヘーガサ・ヘーガー。
ヘーカタ
南の方。
- 用例
- ヘーカタカイ ハーエー シ ハイタン(南の方へ走って行った)。
ヘーク
早く。以前。昔。
- 用例
- ヘーク ゥンジャン クトゥガ アン(以前行ったことがある)。
ヘークス
ソバカス。
- 用例
- チライッペー ヘークス ゥンジトーン(顔中ソバカスだらけだ)。
ヘークナー
早いうちに。できるだけ早く。
ヘークルサー
はえ叩き。蠅叩き。
- 用例
- ヘーヌ マンドークトゥ、ヘークルサー ムッチ クーワ(ハエが多いから、はえ叩きを持ってきなさい)。
- メモ
- 音2:ヘースグヤー。
ヘーサン
早い。
- 用例
- ワンネー シクチカイ イチュシェー ターヤカ ヘーサン(私は仕事に行くのは誰よりも早い)。
ヘーク シコーランネー マニアーランシガ(早く準備しないと間に合わないよ)。
- メモ
- 音1:ヘーハン。対:ウスサン・ニーサン・ニーハン(遅い)。
ヘーシ
囃子。
- 用例
- ヘーシン ディキティ イー ミームン ヤタン(囃子も上出来で、良い見世物だった)。
ヘージュラー
男を渡り歩くこと。結婚もせずに、次から次へと相手の男性を替えていくひと。
- 用例
- ヘージュラー ッシ アッチェー ナランデー(男を渡り歩いて遊んではいけないよ)。
ヘージュリングヮ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシェー ヘージュリングヮン マンドータン(昔は私生児も多かった)。
- メモ
- →アシビングヮ。
ヘースグヤー
はえ叩き。蠅叩き。
- メモ
- 音2:ヘークルサー。
ヘーチナ
灰縄。藁を綯(な)ったまま焼いて縄の形を残した灰のこと。
- メモ
- →アクヂナ。
ペーチン
親雲上。琉球王国の士族の称号のひとつで、主に中級士族に相当する。
ヘートゥヤー
蝿とり器。
- 用例
- ヘートゥヤーヤ ナカメーンカイ ウッチュシェー マシ ヤサ(蠅取り器は二番座に置いた方が良いさ)。
- メモ
- ガラス製で、餌につられて蝿が入ると出られず、中の水に落ちる仕掛け。
ヘーナグサ
植物のひとつ。
- メモ
- よく田のそばに生え、お盆にニンブトゥカー(スベリヒユ)や豆腐と一緒に和え物にしたり、若芽をイリチャー(炒め物)にいれたりした。
ヘーバイン
はやまる。はやくなる。
- メモ
- 音2:ヘーマイン。
ヘーハン
早い。
- 用例
- イャーガ ムヌ カムシェー ルク ヘーハン(お前がご飯を食べるのは、あまりにも早い)。
- メモ
- →音1:ヘーサン。
ベーベー
ヤギの鳴き声。
ペーペー
酒飲み。半人前。
- 用例
- ペーペーグヮーヌ ゥンジトーティ ウフグチェー スナ(半人前のくせに大きな口をたたくな)。
ペーペー
幼児語。汚いもの。
- 用例
- ウレー ペーペードー(それは汚いよ)。
ヘーベートゥ
早々と。
- 用例
- ヘーベートゥ ンナガ アチマイネー、ジカンドゥーイ ウワイサ(早々と皆が集まったら、時間通りに終わるよ)。
ベーベーンナ
魚介名。スイジ貝。水字貝。
- メモ
- 音2:ユーナキベーベー。
ヘーマーイ
南風が吹くこと。風が南に回ること。
- 用例
- ヘーマーイ フチ シラク ナティヤー(南風が吹いて涼しくなったね)。
ヘーマーシ
早死に。若死に。
- 用例
- タイヌウヤンチャー ヘーマーシ サシガ、ワランチャーヤ ユー スダチョーン(両親は早くに亡くなったが、子どもたちはよく育っている)。
ヘーヤチガマ
灰焼き窯。
ヘーユーバン
早夕飯。早めに食べる夕飯。
- 用例
- ヘーユーバン カリ、アシビーガ イチュン(早めに夕飯を食べて、遊びに行く)。
ベーラー
おしゃべりな人。
- メモ
- 類:パークー・ユンタクー。
ヘーライ
追い剥ぎ。
- メモ
- 音2:フェーレー。フェーライ。
ヘーリッシン
早立身。若くして一人前になること、社会的な地位を得ること。
- 用例
- トゥジン トゥメーティ ヤーン チュクティ、ヘーリッシン ヤサ(妻も娶って家も造って、早い立身だよ)。
ヘーリンチュン
入り込む。
- 用例
- ヒーサグトゥ ウールヌ ミーンカイ ヘーリンチュン(寒いから布団の中に入り込む)。
ヌーリチ ヘーリンチ チャガ(なぜ入りこんだのか)。
否:ヘーリンカン(入り込まない)希:ヘーリンチーブサン(入り込みたい)過:へーリンチャン(入り込んだ)継:ヘーリンチョーン(入り込んでいる)。
ベールー
魚介名。スイジガイ。
- メモ
- キジムナーが恐いのはベールーといわれる。
ヘーゥンマラー
早生まれ。
- 用例
- ヘーゥンマラー ヤティン アトー ムルトゥ ウーティ ハイサ(早生まれでも、後は皆についていくよ)。
ヘンサー
虫の名。甘藷に入る虫。
ベンサー
コガネムシの一種。カナブン。
ヘンサーアシビ
虫遊び。旧4、5月の田畑に害虫が異常発生する時に行われる虫払いの行事。畦払い。
- 用例
- ヘンサーアシビネー フニグヮー チュクティ、バッタソーナムン ヌシティ ウミカイ ナガスタン(虫払いには、笹船を作ってバッタなどを乗せて、海に流した)。
- メモ
- →音1:フェンサーアシビ。
ベンシルー
バンジロウ。
- メモ
- バンシルー参照。
ヘンスー
貧相。貧乏。
- メモ
- 音1:フェンスー・ヒンスー。→クンチュー。
ヘンスームン
貧乏な者。
- メモ
- 音1:ヒンスームン・フィンスームン。類:クーシームン。音2:フェンスーナムン。
ベンスルー
バンジロウ。
- メモ
- バンシルー参照。
ホー
ほと。女の陰部。
- メモ
- 音2:ホーミ。
ボー
棒。棒術。
- 用例
- ボーシ オーダー カタミーン(棒でもっこを担ぐ)。
- メモ
- 棒術はカリーなものでムラアシビや座直しで演じた。宇座や波平では旧暦7月の盆にも披露される。
ボー
反抗。
- 用例
- ウヤンカイヤ ボー シェー ナランサ(親に反抗してはいけないよ)。
- メモ
- →ゲー。
ボーアガイ
有頂天。
- 用例
- イーシンデー ボーアガイル スンデー(言えば言うほど有頂天になるんだよ)。
- メモ
- いい気になること。注意しても良くはならず悪くなる時に使う。
ホーイダラカー
這っている様。
- 用例
- ホーイダラカー シ(這っていて)。
ホーイン
撒き散らかす。
- 用例
- カビジリーヌ アルッサ マーンクィンカイ ホーイン(紙切れのありったけ、あちこちに撒き散らかす)。
否:ホーラン(撒き散らかさない)希:ホーイブサン(撒き散らかしたい)過:ホータン(撒き散らかした)継:ホートーン(撒き散らかしている)。
ホーイン
這う。
- 用例
- アカングヮヤ ムチチグルカラ ホーイン(赤子は6か月頃から這う)。
否:ホーラン(這わない)希:ホーイブサン(這いたい)継:ホートーン(這っている)。
ホーカ
手品。
- 用例
- ンカシェー ホーカリシェー、アンスカ ンチェーンランタン(昔は手品というのは、あまり見かけなかった)。
ホーキ
ほうき。箒。
- 用例
- ホーキン ヤンリカーカーシ チカーリン ナラン(ほうきも壊れて使えない)。
- メモ
- 類:ホーチ。
ホーギ
植物名。ハマゴウ。
- メモ
- →ハマホーギ。
ホーキンクン
掃き集める。
- 用例
- チラカトーヌ カビジリー ホーキンクン(散らかっている紙切れを掃き集める)。
- メモ
- 類:ホーチンチュン。
ホーグ
抱護林。防風林。
- 用例
- ウミヌハタンカイ イチナーギ ホーグヌ イーラットータン(海岸沿い一帯に防風林が植えられていた)。
- メモ
- 台風の多い沖縄では、海岸近く等に防風林として木を植えたり、集落を囲むような形で植えたりしていた。
ホークン
掃く。
- 用例
- ワランチャーガ アシリアトゥ グミブッター ソーグトゥ、ホーチシ ホークン(子どもたちが遊んだ後は埃だらけなので、ほうきで掃く)。
- メモ
- 類:ホーチュン。
ホーゲーラー
植物名。ハマゴウ。
- 用例
- ホーゲーラーヤ ウミカイ イケー チャッサ ヤティン ミートータン(ハマゴウは、海に行けば幾らでも生えていた)。
- メモ
- →ハマホーギ。
ボージガー
坊主井戸。坊主御主・ボージウシュー(尚□王の晩年の愛称)が、牧原と喜名に一時滞在した時に使用していた井戸の名称。
- メモ
- 牧原では、ウカー(御井戸)とも呼ばれ、戦後、埋まったのを掘り起こし祠と井戸を建立、現在はゴルフ場敷地内にある。喜名の坊主ガーは村人が坊主御主のために掘った井戸で、今もカーサレーの時に拝されている。
ボーシクマー
帽子編みをする人。
- 用例
- ヤガマーヲゥティ ボーシクマーガ アチマトーン(離れに帽子を組む人が集まっている)。
- メモ
- 音1:ボーシクミ。
ボーシクマーイガタ
帽子組用の鋳型(木製)。
ボーシクミ
帽子編み。
- 用例
- パーパーン アンマーン ボーシクミ ソータン(お祖母さんも、お母さんも帽子組をしていた)。
- メモ
- 音1:ボーシクマー。明治38(1905)年、渡嘉敷小のカマが波平で初めて編み方を指導普及した。屋号虎島袋で、4、5人に指導普及させたのが波平初のボーシクミヤーといわれている。
ボーシクミヤー
帽子を作るために集まる家。
ボージシ
豚肉の背中の肉。
- 用例
- ボージシ コーティッチ スーチカー スン(ボージシを買って来て塩漬けにする)。
ボージナディー
2月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- ボージナディーネー カラジグヮー チラヤー(ボージナディーには髪を切ろうね)。
- メモ
- 2月彼岸の彼岸入りして4日目に、子どもの髪を切る儀式があった。→サラタティー。
ボージマアヤグヮー
縦縞の紋様。
ボージャー
赤子。赤ん坊。
- 用例
- ボージャーヌ ウマリトーンドー(赤ちゃんが生まれたよ)。ボージャー ナチャン(赤子を産んだ)。
トゥナイヤ ヰキガボージャー ゥンマリタンディ(隣は男の子が生まれたって)。
- メモ
- →アカングヮ。
ボージャースージ
新生児出生祝い。
- メモ
- 伊良皆では10月に行われる。
ホーチ
箒〔ほうき〕。
- 用例
- メーデー ホーチン ドゥナークルル チュクイタル(以前は、ほうきも自分たちで作っていた)。
- メモ
- 音1:ホーキ。
ホーチカキ
掃き掃除。
- 用例
- ホーチカキヤ ワラビンカイ シミーサ(掃き掃除は子どもにさせるさ)。
- メモ
- 音1:ホーチカチ。
ホーチカチ
掃き掃除。
- 用例
- ホーチカチヤ メーナチ ヤティン シーヨー(掃き掃除は毎日でもしなさいよ)。
- メモ
- 音1:ホーチカキ。
ボーチカヤー
棒術をつかう人。
ホーチブサー
ほうき星。
- メモ
- 音1:ホーチブシ。赤く尾を引いたように光っていた。この星が見えると天変地変があるといわれていた。戦前は多くの人が見たが、戦後はほとんど見られなくなってしまった。
ホーチブシ
ほうき星。
- メモ
- 音1:ホーチブサー。ホーチブサー参照。
ホーチャー
包丁。
- 用例
- ホーチャーン チリラン ナトーグトゥ、トゥジョーケー(包丁が切れなくなっているから、研いでおきなさい)。
ホーチャートゥジャー
包丁研ぎ屋。
ホーチュン
掃く。
- 用例
- ワンネー メーナチ ナーボーチシ フカ ホーチュンドー(私は毎日庭ぼうきで外を掃くよ)。
否:ホーカン(掃かない)希:ホーチーブサン(掃きたい)過:ホーチャン(掃いた)継:ホーチョーン(掃いている)。
- メモ
- 音1:ホークン。
ボーチラー
無法者。自分勝手な人。乱暴者。
- 用例
- ヤーニンジュ ムル ウフヤッサンムンヌ、ウリ チュイ ボーチラー ナティ ジャーフェー ヤサ(家族全員大人しいのに、彼奴だけが乱暴者で厄介だな)。
ボーチラーワラバー
きかん坊。
- 用例
- クレー ボーチラーワラバー ヤサ(この子はきかん坊だ)。
ボーチリムヌイー
乱暴な物言い。暴言。
- 用例
- ボーチリムヌイービカーン シーネー、ターン イャーガ イーシェー チカンサ(暴言を吐いてばかりいると、誰もお前の言うことは聞かないさ)。
ボーチリムン
無法者。自分勝手な人。乱暴者。
- メモ
- 音2:ボーチラー。
ホーチンチュン
掃き集める。
- 用例
- キージラーソーナムン ホーチンチュン(木切れ等を掃き集める)。
- メモ
- 音1:ホーキンクン。
ホーチゥンジャスン
掃き出す。
- 用例
- フカンカイ グミ ホーチゥンジャスン(外にゴミを掃き出す)。否:ホーチゥンジャサン(掃き出さない)希:ホーチゥンジーブサン(履き出したい)過:ホーチゥンジャチャン(掃き出した)継:ホーチゥンジャチョーン(履き出している)。
ホートゥ
鳩〔ハト〕。
- 用例
- ホートゥヌ シシヤ ニーネー ウヮービンカイ ウチュンディ(鳩の肉は煮えると上に浮くそうだ)。
- メモ
- 音1:ホートゥイ。
ホートゥイ
鳩〔ハト〕。
- メモ
- 音1:ホートゥ。
ホートゥンニ
鳩胸。胸の骨が突出していること。
ホートヌヤー
<鳩の家。長浜の地名、拝所。
- メモ
- 恩納村宇加地にあり、サングヮチャーモー(三月毛)とも呼ぶ。旧3月3日に拝す湊原ウガンジュの祠がある。長浜港が盛んな頃、航海安全と豊漁を祈願した所とも、海上での死者を祀った所とも伝えられている。
ボーヌー
牛の名前のひとつ。闘牛用の牛の名前で、角が横一文字になっている牛のこと。
- 用例
- ボーヌーディヌ ウシヌ ナーン アタサ(ボーヌーという牛の名前もあったさ)。
ホーハイ
火事の時に叫ぶまじないの語。
ホーハイムーチー
年中行事。旧12月7日か8日に、月桃の葉に包んで蒸した餅を食べ、邪気を払い、健康を願う行事。
- メモ
- →ウナームーチー。
ボーハンムン
ひねくれ者。
- メモ
- 類:ヒニクリムン。
ボーフイ
棒振り。穢祓いの儀式。人が死んだ後の厄払い。
- メモ
- 死者が出ると、家の柱の周囲を呪文を唱えながら3回ほど廻って、家の前に置いた臼を蹴飛ばして倒し、字のホーグの方まで「ボーフイ、ボーフイ」と悪魔払いするのをよく見た。
ボーフー
- 用例
- ボーフーヌ ナーチャヤ チュイングヮヌ フニ ハラスン(暴風の翌日は一人子が船を走らせる)。
- メモ
- 一人で船を出しても間違いはないと言っていたほど、暴風の翌日は大凪で風はないから何の心配もないという意味。
ボーフヤー
ボウフラ。蚊〔カ〕の幼虫。
- 用例
- ボーフヤー ワチーネー ガジャンヌ ウフク ナインドー(ボウフラが湧くと蚊が多くなるよ)。
ボーフヤー
棒を振って悪払いをする役目の者。
- メモ
- ボーフイ参照。
ボーフラー
ボウフラ。蚊〔カ〕の幼虫。
- 用例
- ボーフラーヌ ワチョーンドー(ボウフラが湧いているよ)。
- メモ
- 音1:ボーフヤー。
ボーボー
赤子。赤ん坊。
- メモ
- →アカングヮ。
ポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- アンマーガ ヤチュル ポーポーヌ カバハヨー(お母さんが焼くポーポーの香ばしいことよ)。
- メモ
- 音2:カラマカーポーポー・カラクイポーポー・カラマチャーポーポー・スビポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
ポーポーカンシェー
子どもの遊びのひとつ。土をこねて叩きつける遊び。
- 用例
- ポーポーカンシェーシ アシビーネー、ティーン ドゥルブッター ナイタン(ポーポーカンシェーをして遊ぶと、手も泥だらけになった)。
- メモ
- こねた土を円形にし中心に窪みをつけて、すばやく地面にたたきつけて、中央の窪んだのが大きい方が勝ちとなる。
ボーボーグヮー
赤子。赤ん坊。
- 用例
- ボーボーグヮー ダチョーン(赤ん坊を抱いている)。
- メモ
- →アカングヮ。
ホーミ
ほと。女の陰部。
- メモ
- 音2:ホー。
ホームイガタ
葬ること。
- 用例
- イチムシ ヤティン、リッパ ホームイガター サンネー ナランドー(動物であっても、ちゃんと葬らないといけないよ)。
ホームイン
葬る。
- 用例
- イノー ヤシチヌ クシンカイ ホームイン(犬は屋敷の後に葬る)。
否:ホームラン(葬らない)希:ホームイブサン(葬りたい)過:ホームタン(葬った)継:ホームトーン(葬っている)。
ホーヤー
乳児の胎毒。
ホーヤーホーヤー
這い回る様。
ホーララケーケー
赤子が這いまわっている様。
- 用例
- ホーララケーケーシ、アンシ イリキサルヤー(赤子が這い廻って、何て楽しいんでしょう)。
ホーリーホーリー
子どもを抱き、ゆすってあやす様子。
ホーリバイ
散り散りになること。
- 用例
- ホーリバイ シ(散り散りになって)。
ボーントゥグヮー
きのこの種類。
ボーンナグヮー
魚介名。ホシダカラ。星宝貝。
- メモ
- 紐で結わえて牛に見立てて、幼児が引いて遊んだ。
ポコミカスン
ポコッと打つ。相手を軽く殴る。
ポッテカー
馬鹿。
- 用例
- ポッテカーヌ ゥンジトーティ ワンニンカイ クチ カナインナー(馬鹿者のくせに、私に口答えするのか)。
- メモ
- →ゲレン。
ポッテカスー
馬鹿。
- 用例
- ヤナ ポッテカスーヤ アマンカイ イチクヮレー(嫌な馬鹿者は、あそこに行きやがれ)。
- メモ
- →ゲレン。
ホロホロ
(かさぶたなどが)乾いて自然に薄く剥〔は〕がれる様。
- 用例
- ウシヌクスーヤ、ナンクル ホロホロ ウティーサ(乳児の脂漏性湿疹は、自然に乾いてホロホロと剥がれ落ちるよ)。
ボロボロジューシー
柔らかい雑炊。おじや。かずらやヨモギを入れて作った。
- 用例
- クチニーサイネー、ボロボロジューシー ヤレー カマリルスラー ワカランサ(食欲がないときには、おじやは食べられるかも知れないよ)。
ホンシジ
本筋。本来の血統。
ボンタン
ミカンの種類。ザボン。
ボントゥシェー
降雨後、土をこねて平皿を作り地面に投げつけてパーンとかポンと音を立てて遊ぶ遊び。
ボンボロー
おんぼろ。
- 用例
- アンスカ ボンボロー ヤティナー?(そこまでおんぼろだったのか?)。
ボンボローグヮー
植物名。ホオズキ。
ポンポンセン
ポンポン船。
ボンマカスン
ボンと打つ。
- メモ
- 類:ポンミカスン。
ポンミカスン
ボンと打つ。
- 用例
- アタビーヌ チブルグヮー ポンミカチ スグイタン(蛙の頭をポンと殴って捕った)。
- メモ
- 類:ボンマカス。
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