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- しまくとぅば単語帳:ハヒフヘホ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
バ(~バ) 高志保
~ば。~ならば。
- 用例
- 歌:ウチユ ナダヤシク ワタイブシャ アラバ、マクトゥユイ フカヌ ミチヤ フムナ(世間を波風立てず渡ろうと思うならば、真実一路より他の道を踏むな)。
- メモ
- 類:~ルンサー・~ルンシェー。文語的に用いられることが多い。未然形に付く。
ハー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
歯。
- 用例
- ハーヌ ヤリ、チヌーヤ ニンラランタン(歯が痛くて、昨日は眠れなかった)。アシジャヌ ハー(下駄の歯)。イングヮー ハートゥ ワン ハートゥ ミースーブー(犬の歯と私の歯と生え勝負〈抜歯の呪い〉)。
- メモ
- 音1:ファー。瀬名波の用例は、歯が抜けたとき、上の歯は床下に、下の歯は屋根に放り投げながら言う。
ハー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
刃。
- 用例
- イラナヌ ハー(鎌の刃)。ホーチャーヌ ハーガ カキトーン(包丁の刃が欠けている)。
ハー 座喜味
ああ。へえ。ほう。
ハー 座喜味,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,古堅,大木
植物。葉。
- 用例
- ハーヌ カリトーン(葉が枯れている)。クバヌ ハーカラ ウティーヌ アミヌチャッピン フイネー、ウトゥン マガサイ(クバの葉から落ちる雨が大きく降れば、音も大きいし)。
- メモ
- 音1:ファー。
ハー クーイン 喜名,親志,渡慶次,儀間,古堅
歯にしみる。
- 用例
- ヒジュルムン カミーネー ハー クーイン(冷たい物を食べたら、歯にしみる)。コーリ カンクータレー ハークーティ フシガラン(氷を噛んだら、歯にしみてたまらない)。
バー 牧原
親族語彙。叔母。
- メモ
- 音2:バーチー・バーバー。
バー 親志,座喜味,高志保,儀間,長浜,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,牧原,長田
①場合。折。時。②わけ。理由。
- 用例
- ①カー フティン ウスミジガ イッチ チューヌ バーヌ アイビーン(井戸を掘っても潮水が入ってくる場合があります)。ンカシ、ガシ ナトール バーニ(昔、飢饉のときに)。②ヒンギティ ヲゥラン バーイ(えっ、逃げてしまったの〈わけ〉か)。
ハーイ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
①針。②鍼。③助数詞。~針。
- 用例
- ①ハーイヤ アブナサグトゥ、チカイネー カタヂキリヨー(針は危ないから、使ったら片づけなさいよ)。②ハーイ タティラン アレー ナランレー(鍼を立てないといけないよ)。③ウッピナー ヤリティ、ミハーイヤ ノーリワル ナインデー(そんなに大きく破れて、3針は縫わないといけないよ)。
- メモ
- ①音1:ファーイ。③縫い目を数える助数詞。チュハーイ(1針)、タハーイ(2針)、ミハーイ(3針)と数える。
ハーイ 楚辺
柱。
- 用例
- ワランチャー フル ハカインディ、ハーインカイ キジ チキテーン(子どもたちの背をはかるって、柱に傷をつけてある)。
- メモ
- 音2:ハーヤ。
ハーイヌミー 喜名,渡慶次,儀間
{はりのなか(針の中)}。針の穴。
- 用例
- トゥシ トゥティ ミーン ワッシク ナティ、ハーイヌミーン トゥーシーサン ナトーン(年を取って目も悪くなり、針の穴も通せなくなっている)。アレー ハイヌミーカラ フキティ チョーンドー(彼は針の穴から潜り抜けてきているんだよ)。
- メモ
- 運よく助かった時や、苦しいことから生き抜いてきた場合の表現としても使われる。
ハーイユ 楚辺
魚名。サヨリ。
- 用例
- ハーイユヤ トゥブーンカイ ニチョーン(サヨリはトビウオに似ている)。
ハーウーベー 大木
植物。ハドノキ。
- メモ
- 葉は衣服にくっつく。
ハーエー 喜名,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,渡具知,比謝,古堅,比謝矼
かけっこ。かけ足。走ること。
- 用例
- アマカラ ハーエー シ チューシガ、ワー ゥンマガ ヤサ(あそこから走ってくるのが、私の孫だよ)。カーマンカイ ハーエーハーエー シ イチュシ、ワンネー ンーチョール バーテー(遠くに走って行くのを、私は見ているわけ)。
ハーエーゴンゴン 喜名,渡慶次,儀間,長浜
勢いよく走る様。
- 用例
- ワランチャーガ、ハーエーゴンゴン シ ハイタン(子どもたちが、勢いよく走って行った)。
- メモ
- 音1:ハーエーブンブン。
ハーエースーブ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,長田
走り勝負。かけっこ。徒競走。
- 用例
- ヒサー ヘーサテーグトゥ、チャー ハーエースーブヤ イチバン ヤタン(足は速かったから、いつもかけっこは一番だった)。
ハーエーブンブン 長浜
勢いよく走る様。
- メモ
- 音1:ハーエーゴンゴン。
ハーガー 喜名,親志,儀間
車輪。歯車。
- 用例
- ハーガーヌ カタンチョーン(車輪が傾いている)。
ハーカキムニー 座喜味,儀間,長浜,大湾,古堅
{はかけものいひ(歯欠物言ひ)}。①思ったことをはっきり言わないこと。ためらったものの言い方。②筋の通らない、でたらめなことを言うこと。
- 用例
- ①ハーカキムニー スグトゥ、マットーバー チカラン(はっきり言わないから、まともに聞けない)。②アレー ハーカキムニービカーン スグトゥ、ジャーフェー ヤッサー(彼はでたらめなことばかり言うから、厄介だ)。
ハーカタ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
歯形。
- 用例
- ゥンマガンカイ ティー クーラッティ ハーカタ イッチョーン(孫に噛まれて、歯形が入っている)。
ハーガラー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
枯れ葉。
- 用例
- ハーガラー アチミティ メースシェー マシ ヤサ(枯れ葉を集めて燃やした方がいいよ)。
- メモ
- 音1:ファーガラ・ファーガラー。→カリバー。
ハーガラガッコー 楚辺
甘蔗の枯れ葉で屋根を葺いた学校。
- メモ
- 古堅尋常小学校の分校で現古堅小学校の前身。→ウガンヒラーガッコー。
ハーガラムスル 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
甘蔗の葉で編んだ筵〔むしろ〕。
- 用例
- ヒーサイネー、ハーガラムスル シチャンテーン、ドゥーヤ クヮイヌ グトゥル アタル(寒い時には、甘蔗の葉で編んだ筵を敷いても、体は凍るようだった)。
- メモ
- 甘蔗の葉で編んだ筵で、寒い時にはその上にトゥナミムスル(藺草で編んだ筵)を敷いて温かくした。→トゥナミムスル。
ハーガラヤー 楚辺
甘蔗の枯れ葉で屋根を葺いた家。
バーキ 喜名,座喜味,波平,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,大湾,古堅,大木
①民具。カゴ。②助数詞。~カゴ。
- 用例
- ①チューン、バーキヌ ミー ゥンム フティ チェーンドー(今日も、バーキいっぱいに芋を掘ってきたよ)。トゥヤーカラヨー、バーキ カミティ イユ ウイガ チュータンヨー(都屋からね、バーキを頭に載せて魚を売りにきていたよ)。②ゥンム ミバーキ フティ チャン(芋をミバーキ掘ってきた)。
- メモ
- ①バーキは沖縄の代表的な竹製民具のひとつで、戦前の農村では欠くことのできないものであった。原料はシマダキで、主に農産物の運搬に使用し、昭和中期まで各農村では、女性が頭上にバーキをのせている光景が至るところで見られた。②チュバーキ(1カゴ)、タバーキ(2カゴ)、ミバーキ(3カゴ)と数える。
バーキガミ 喜名,渡慶次,儀間
大食い。必要以上に大食いすること。加減を知らない食べ方。
- 用例
- イャーヤ サクン ワカラン、バーキガミ ッシ(お前は加減も分からず、大食いして)。
- メモ
- →アバラガミ。大きな深みのあるバーキに相当するぐらいに大食いをすること。
ハーキサミヨー 大湾
あれまあ。ええっ。きゃあ。とても驚いたときや悲しいとき、助けを必要とするときなどに発する語。
- メモ
- →アキサミヨー。
ハーギシー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
①歯ぎしり。②怒りや悔しさで歯をかみしめること。歯がゆいこと。
- 用例
- ①ワラビヌ ハーギシー シ ニンラランタン(子どもが歯ぎしりして寝れなかった)。②ハーギシー スン(怒りで歯ぎしりする)。
ハーギシギシー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
①歯ぎしりする様。②怒りや悔しさで歯をかみしめる様。歯がゆい様。
- 用例
- ①ニントーイニ、アンスカナー ハーギシギシー スルヤー(寝ている時に、そんなにも歯ぎしりするなあ)。②ハーギシギシー スッサー(怒りで歯がギシギシするよ)。
- メモ
- 音1:ハーギチギチー。
ハーギチギチー 座喜味
歯ぎしりする様。怒りや悔しさで歯をかみしめる様。歯がゆい様。
- メモ
- 音1:ハーギシギシー。
バーキツクヤー 座喜味
カゴを作る人。
ハーク 儀間,長浜
①百。②100文。2厘。
- メモ
- 音1:ヒャーク。
ハークイチー 大木
{ひゃくにいち(百に一)}。よく嘘をつく人。いい加減で百にひとつしか本当のことを言わないような人。
- メモ
- 類:ヒャークニティーチー・ヒャークヌティーチ。
パークー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
一斗缶。
- 用例
- パークーンカイ シチタンユー コーティ クーワ(1斗缶に石油を買ってきなさい)。
パークー 喜名,渡慶次,儀間
おしゃべりな人。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ パークー ナティ、トゥーチ ムヌ ユリ アッチュサ(隣のおばあさんはおしゃべりで、いつも噂話をしているさ)。
- メモ
- →アビヤー。
ハークガニー 高志保,長浜
お年玉。
- 用例
- ウマンカイ チュール ゥンマガンチャーヤ ハークガニーディチ ヰーラシヨーヤー(そこにくる孫たちは、ハークガニー〈お年玉〉といってあげなさいよ)。
ハークス 喜名,親志,渡慶次,儀間
{はくそ(歯糞)}。歯垢〔しこう〕。
- 用例
- ハークスヌ タックヮトーン(歯垢がついている)。
バーグヮー 大湾,古堅,牧原
親族語彙。叔母。
- メモ
- →ヲゥバマーグヮー。
バーケー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
奪い合い。取り合い。
- 用例
- ウフッチュガ ワラビトゥ、クヮーシバーケー ソーン(大人が子どもと、お菓子の奪い合いをしている)。
- メモ
- →ケートゥイバーケー。
ハーシシ 楚辺
歯肉。歯茎。
- 用例
- ハーヤミ シ、ハーシシマディ ハリトーン(歯痛で、歯茎まで腫れている)。
- メモ
- 音1:ハシシ。
ハージャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
民具。平たいザルで、四角形と丸い形のがある。

- 用例
- ナーヲゥティ ハージャーンカイ マーミ フースン(庭でハージャーに豆を干す)。
- メモ
- 味噌を造るときに麹をねかせたり、豆類や切り干し大根などを広げて干すときなどに使った。
ハーダーリー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
いい加減。だらしない。
- 用例
- アヌ ヰキガヤ ハーダーリー ナティ、シカンサー(あの男性はいい加減で、好きじゃないな)。
ハーダムン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{はたもの(葉薪物)}。葉のついた薪。
- 用例
- ハーダムン トゥイ アチミティ ヒー メースン(ハーダムンを取り集めて火を燃やす)。
- メモ
- 葉がついたままの小枝を薪として使った。
ハーダリー 座喜味
手ぶら。何も持っていない状態。
- 用例
- ハーダリール ヤンデー(何も持っていないよ〈手ぶらだよ〉)。ハーダリーシル チョーンドー(何も持たずに来たよ〈手土産も持ってきてないよ〉)。
- メモ
- 音1:ハーラリー。→カラティ。
ハーチ 渡慶次,儀間,楚辺
鉢。大皿。平たくて口径が広く浅い器。

- 用例
- ゥンム ハーチヌミー イッテータシガ、ウビジ ネーン ナトーン(芋を大きな皿のいっぱい入れてあったが、あっという間になくなっている)。
バーチー 喜名,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,渡具知,古堅
親族語彙。叔母。
- 用例
- ワカサイネー、バーチーンカイ ユー タシキラッタン(若いころは、叔母によく助けられた)。
- メモ
- →バー。
バーチーグヮー 伊良皆,波平,都屋,渡慶次,儀間
親族語彙。叔母。
- メモ
- →ヲゥバマーグヮー。
ハーチグヮームッチャー 伊良皆
供え物の入った鉢を持つ役割の者。
バーチラー 大木
下品な女。あばずれ。
ハーッサ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
はあ。もう。あれまあ。非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- ハーッサ、アンシ ナンジワジャ ヤテール(はあ、そんなに難儀な仕事だったんだね)。
- メモ
- →アーッサ。
ハーッサビヨー 大湾
ああもう。もう本当に。すごいという時に発する語。
- メモ
- →アーッサビヨー。
ハーッサヨー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
はあ。もう。あれまあ。非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- ハーッサヨー、ヲゥタティ ヰジチーブコー ネーン(もう、疲れて動きたくもない)。
- メモ
- →アーッサ。
ハーッシ 伊良皆
はあ。もう。あれまあ。非常に驚いた時に発する語。
- メモ
- →アーッサ。
ハーッシャビヨー 大湾
ああもう。もう本当に。すごいという時に発する語。
- メモ
- →アーッサビヨー。
ハーッシャヨー 楚辺,大湾
はあ。もう。あれまあ。非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- トゥメイカンドー シ、ハーッシャヨー(探しあぐねて、もう大変だ)。
- メモ
- →アーッサ。
ハートゥヤー 座喜味,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,大湾
鳥名。鶏の一種。羽が多い大型の鶏。
- 用例
- ハートゥヤー ムッチ チャーイヨ、ウヌ リューヌ ミミンカイ イッテーヌ フージ(鶏を持ってきてよ、その龍の耳に入れたようだね)。
- メモ
- 羽が小さい名古屋コーチンなどの卵を代わりに抱卵〔ほうらん〕させた。
ハートー 親志,座喜味,渡慶次,渡具知,大湾,古堅
ああもう。もう本当に。驚きあきれた時に発する語。
- 用例
- ハートー、アン ヤタン(ああもう、ああいうことだった)。ハートー、アンシェー ナランサ(ああもう、それではいけないよ)。
- メモ
- →アートー。
ハーナー 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木
ああもう。思っているよりも大変そうだという時に発する語。
- 用例
- ハーナー、デージ(ああもう、大変)。ハーナー、イカンケー シムタン(ああもう、行かなければよかった)。
ハーナーナー 座喜味
ああもうもう。それはそれは。もう大変だという時に発する語。
- 用例
- ハーナーナー、アン ヤレー アマンケー イカンケー(それはそれは、そうならあそこには行くな)。
ハーヌ ミーハジミー 瀬名波
歯の生え始め。
ハーヌヤリー 古堅
歯痛。
- メモ
- 音2:ハーヤミー・ハーヤリー。
ハーバー 座喜味,長浜,大湾
端々。枝葉末節。本筋や中心からはずれたところ。
バーバー 親志,瀬名波,古堅,大木,比謝矼,長田
親族語彙。叔母。
- メモ
- →バー。
パーパー 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,比謝,大湾
親族語彙。尊敬語。おばあさん。祖母。
- 用例
- パーパーンカイ クヮーシ ムッチ イチュン(おばあさんにお菓子を持って行く)。
- メモ
- ハーメーよりも敬った言い方。→オバー。
パーパークーギ 座喜味
植物。イタチガヤ。お婆さんの陰毛の意味。
- メモ
- 類:ハーメークーギ・ハーメークーギー。高さ10~30㎝、枯れたような色で細く、すぐに抜くことができた。川端や崖などに生えていた。
ハーバーハーバー 喜名,渡慶次,儀間
急かしている様。
- 用例
- ハーバーハーバー ヌー イスジョーガ(そんなに急かして何を急いでいるの)。
- メモ
- Hurry up.に由来する。
パーパーフージョー 渡慶次,儀間,長浜,楚辺
煙草入れ。携帯用の煙草入れ。
- 用例
- アマンカイ アヌ パーパーフージョー トゥッティ クーワ(あそこにある煙草入れを取ってきなさい)。
- メモ
- 音2:ハーメーフージョー・フージョー。
ハーバラン 喜名,親志
歯槽膿漏。
- メモ
- *トゥブシ(松の根っこの油のしみたもの)を削って、それで突き刺して膿を出した。トゥブシはばい菌がつかないと言われていた。
ハーヒャー 渡慶次,儀間,大湾
えっ。へえ。意外なことに驚いたり、感心したり、疑ったりした時に発する語。
- 用例
- ハーヒャー、ヒンギティ ヲゥランバーイ(えっ、逃げてしまったのか)。
- メモ
- 音2:ハーヤー・ハイヤー。
ハーフーバカ 大湾
破風墓〔はふばか〕。
- メモ
- 音1:ハフーバカ。破風墓とは、沖縄特有の墓の形式のひとつで、屋根が破風形となっているものである。
ハーフジ 長浜
親族語彙。祖父母。
- メモ
- 音1:ファーフジ。
ハープチナイ 長浜
歯を食いしばっても我慢できないほど憤る様。
- 用例
- ヰキガ ヤレー、ハープチナイ ソーティン ニジリワル ヤンドー(男だったら、歯を食いしばっても耐えるものだよ)。
- メモ
- 類:ハープチプチー。
ハープチプチー 伊良皆,長浜
歯を食いしばっても我慢できないほど憤る様。
- メモ
- 類:ハープチャイ。
ハープチプチー 喜名,儀間
冷たいものが歯にしみること。
- 用例
- ヒジュルムン カミーネー ハープチプチー スン(冷たいものを食べると歯にしみる)。
ハーベール 親志,都屋,大木,比謝矼,牧原,長田
昆虫。蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。
- メモ
- 音1:ハーベールー・ハベール・ハベルー。
ハーベールー 喜名,座喜味,伊良皆,上地,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木
昆虫。蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。

- 用例
- ハーベールーニ ナティ チールンサー、ヰナグヌウヤトゥ ウムリヨー(蝶になってきたら、女親と思いなさいよ)。 ニンジジャーンカイ ハーベールーガ イッチョーン(寝間に蛾が入っている)。
- メモ
- 音1:ハーベール・ハベール・ハベルー。
ハーマ 座喜味,儀間,長浜,楚辺,渡具知,大木
浜。
- 用例
- ハーマカイ ウリティ ンナ ヒルイン(浜に下りて貝を拾う)。
ハーマアシビ 渡慶次,儀間,楚辺
浜遊び。若い男女が浜で遊ぶこと。
- 用例
- ワッタン ワカサイネー、ユー ハーマアシビ スタン(私たちも若い頃は、よく浜遊びをしよった)。
ハーマイリキ 楚辺
{はまいため(浜炒め)}。料理。豚を潰して浜で炒めた肉。
- 用例
- ンカシヌ ハーマイリキ、ウリンカイ ハーマイリキルサ(昔のハーマイリキ、それにハーマイリキというさ)。
ハーマイリキメー 楚辺
{はまいためこめ(浜炒め米)}。料理。浜で炒めた豚肉を入れて作ったお粥。
- 用例
- ハーマイリキメーディチ マタ ウケー タチ(ハーマイリキメーといって、またお粥を 炊いて)。
ハーマジー 楚辺
浜地。
ハーマジューコー 楚辺
{はませうかう(浜焼香)}。海難事故や旅先で亡くなった人を、浜辺から遙拝すること。
- 用例
- アヒー ハーマジューコー ウサギーン(兄の浜焼香をささげる)。
- メモ
- →ウミジューコー。
ハーマヤー 楚辺
{はまや(浜屋)}。浜番。字からの依頼で浜の番をする人。
- 用例
- ハーマヤーヌ スーヤ、ガンジュー ソーガヤー(浜番のお父さんは、元気にしているかな)。
- メモ
- →ウミバン。
ハーメー 伊良皆,上地,波平,都屋,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,渡具知,古堅,比謝矼
親族語彙。祖母。おばあさん。
- 用例
- シバイ ミーガ、ハーメー ソーティ イキワル ヤッサー(芝居を観に、おばあさんを連れて行かなくちゃ)。
- メモ
- →オバー。
ハーメークーギー 親志,大湾
植物。イタチガヤ。
- メモ
- 類:パーパークーギ。パーパークーギ参照。
ハーメーフージョー 楚辺
煙草入れ。携帯用の煙草入れ。
- 用例
- ワッター タンメーヤ、チャー ハーメーフージョー ヒサギトータン(私のおじいさんは、いつも煙草入れを下げていた)。
- メモ
- →パーパーフージョー。
ハーモー 喜名,座喜味,伊良皆,儀間,古堅
歯が欠けている人。歯がない状態。
- 用例
- メーバ ヌジャレー、ハーモー ナトーン(前歯を抜いたら、ハーモーになっている)。
ハーヤ 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間
柱。
- 用例
- ウヌ ハーヤヌ キジェー、ターガ チキテーガ(その柱の傷は、誰がつけたか)。
- メモ
- →ハーイ。
ハーヤー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間
歯医者。歯科医院。
- 用例
- ハーヌ ヤリ、ハーヤーカイル ゥンヂ チャンレー(歯が痛くて、歯医者に行ってきたんだよ)。
ハーヤー 比謝,古堅
えっ。へえ。意外なことに驚いたり、感心したり、疑ったりした時に発する語。
- 用例
- ハーヤー、ナイガヤーリチ、ンナ アタマ ヒニトーンバー(えっ、できるかなって、みんな頭をひねっているわけ)。
- メモ
- →ハーヒャー。
ハーヤシェー 喜名,渡慶次,儀間
植物。葉野菜。なっぱ。
- 用例
- ハーヤシェー イッティ シル ワカスン(葉野菜を入れて汁を作る)。
- メモ
- →ウズル。
ハーヤミー 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,古堅
歯痛。
- 用例
- ハーヤミー シ フシガラングトゥ、ハーヤーカイ ゥンジ クーヒー(歯が痛くてたまらないから、歯医者に行ってくるね)。
- メモ
- →ハーヌヤリー。
ハーヤリー 比謝矼
歯痛。
- 用例
- ハーヤリー ソーン(歯痛している〈歯が痛い〉)。
- メモ
- →ハーヌヤリー。
パーラー 座喜味
下痢。水のような便が勢いよく出ること。
- メモ
- →クスタリー。
パーラークスマヤー 伊良皆
下痢。
- メモ
- →クスタリー。
パーラーメンナ 瀬名波
植物。ルリハコベ。
- メモ
- 魚を捕る毒として、ルリハコベを突いて潮だまりに入れ、浮いてきた魚をとった。→アラミンナー。
パーラナイ 喜名,渡慶次,儀間
勢いよく。一目散に。
- 用例
- ヌーカイル ウヮーットーラー パーラナイ ヒンギティ ハイタン(何に追われているのか、一目散に逃げて行った)。
- メモ
- 音2:ブールナイ。
ハーラリー 座喜味
手ぶら。何も持っていない状態。
- メモ
- 音1:ハーダリー。→カラティ。
パーランクー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
片面だけに牛皮を張った小太鼓。
- 用例
- ウスメーガ パーランクー チュクティ トゥラスサ(おじいさんがパーランクーを作ってやるよ)。
パーランクー 喜名
子どもの遊び。降雨後、土をこねて平皿を作り地面に投げつけてパーンとかポンと音を立てる遊び。
- メモ
- 類:ボントゥシェー。
ハーリー 喜名,座喜味,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
行事。爬竜船競争。航海安全や豊漁を祈願し、サバニで行う競漕。
- 用例
- ヤガテー チユン アキティ、ハーリーン ハジマインドー(やがて梅雨も明けて、ハーリーも始まるよ)。
ハイイカイン 楚辺
ばったり出会う。出会う。出くわす。
- 用例
- クンドー チョンジョンウフスー ハイイカタルバー(今度は仲順大主に出会ったわけだ)。
- メモ
- →ハイイチャイン。
ハイイチャイン 喜名,親志,座喜味,高志保,渡慶次,儀間
ばったり出会う。出会う。
- 用例
- ヤマカラ ウリティ ッチ ハイイチャイネー スグ クヮーリーシェー(山から降りてきて出会ったら、直ぐに食われるさあね)。ドゥシトゥ ハイイチャティ ネーン(友達とばったり出会ってしまった)。
- メモ
- 音1:ハイイカイン・ハイチャイン。類:ハッカカイン・ハッチャカイン。
ハイウスイン 高志保
連れ去る。
- 用例
- モーアシビ スン トゥクルカラ ハイウスティ、オクサノー ワーチンカイ ヒックヮーサーイ(モーアシビをしている所から連れ去って、奥さんは脇に抱えて)。
ハイカカイン 比謝矼
さしかかる。
- 用例
- タコーヤマ ハイカカタグトゥ(多幸山にさしかかったから)。
ハイカラー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
ハイカラ。おしゃれ。
- 用例
- ハイカラー ネーネー、チュラスガイ シ マーカイガヤー(ハイカラな姉さんよ、おしゃれしてどこに行くのかねぇ)。
ハイクシガー 古堅
地名。
ハイグスイ 村史
貼り薬。湿布薬。
ハイクヮースン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
通り越す。通り過ぎる。
- 用例
- ユンタク スンディチ ハイクヮーチ ネーラン(おしゃべりをしていて通り越してしまった)。アイヒャー ハイクヮーチャシェー(あれまあ、通り過ぎてしまったさ)。過:ハイクヮーチャン(通り越した)継:ハイクヮーチョーン(通り越している)。
ハイケーイン 喜名,渡慶次,儀間
張り替える。
- 用例
- アカイン フルク ナトーグトゥ ハイケーイン(障子が古くなっているから、張り替える)。否:ハイケーラン(張り替えない)希:ハイケーイブサン(張り替えたい)過:ハイケータン(張り替えた)継:ハイケートーン(張り替えている)。
- メモ
- 類:ハイノースン。
ハイケーニーケー 喜名,渡慶次,儀間
何度も行き来している様。
- 用例
- ハイケーニーケー チェール フージ ヤシガ、ヌー ユージュ ヤタガヤー(何回もきたようだが、何の用事だったのかな)。
ハイサーリー 楚辺
こんにちは。
- 用例
- ハイサーリー、ターガラ ヲゥイビガヤー(こんにちは、誰かいますか)。
ハイサイ 渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
こんにちは。あいさつの言葉。
- 用例
- ハイサイ、マーカイ メンシェーガ(こんにちは、どこへいらっしゃるんですか)。
- メモ
- こちらの田舎では男女とも「ハイサイ」と言っていた。
ハイタックヮスン 渡慶次,儀間
必要以上に張りつける。
- 用例
- ヌーヤークィーヤー カンゲーランヨークー、ハイタックヮチェーサ(何やかや考えずに、張りつけてあるさ)。否:ハイタックヮサン(張りつけない)希:ハイタックヮシーブサン(張りつけたい)過:ハイタックヮチャン(張りつけた)継:ハイタックヮーチョーン(張りつけている)。
ハイドードー 座喜味
肩車。

- メモ
- →ウマドードー。
ハイノースン 喜名,渡慶次,儀間
張り直す。
- 用例
- アンシェー トゥーランリーグトゥ、ナー チュケーン ハイノースン(それではいけないというから、もう1回張り直す)。
- メモ
- 類:ハイケーイン。
ハイバンユー 高志保
{はいばんよ(廃藩世)}。廃藩の頃。
ハイビョー 瀬名波,古堅
肺病。主として肺結核。
ハイミグイン 渡慶次,儀間,楚辺
立ち寄る。
- 用例
- チャー ソーガヤーディチ、ウヤヌヤーンカイ メーナチ ハイミグイン(どうしているのかと、実家に毎日立ち寄る)。
- メモ
- →トゥンミグイン。
ハイミングヮスン 喜名,渡慶次,儀間
張り巡らす。
- 用例
- ウマカラ アママディ ハイミングヮスン(そこからあそこまで張り巡らす)。否:ハイミングヮサン(張り巡らせない)希:ハイミングヮシーブサン(張り巡らせたい)過:ハイミングヮチャン(張り巡らせた)継:ハイミングヮチョーン(張り巡らせている)。
ハイヤー 座喜味
えっ。へえ。意外なことに驚いたり、感心したり、疑ったりした時に発する語。
- メモ
- →ハーヒャー。
ハイヤンジュン 喜名,渡慶次,儀間
張り損ねる。
- 用例
- チュガ スシ ンジャガチー サンネー、アカイ ハイヤンジュンドー(人がするのを見ながらしないと、障子を張り損ねるよ)。
ハイヨー 渡慶次,儀間,楚辺
あれ。ええっ。ちょっと待てよ。
- 用例
- ハイヨー、アネー アランタルムン バッペーティ ネーンサ(ちょっと待てよ、そうするつもりじゃなかったのに間違ってしまったさ)。
- メモ
- 音2:アイヨー。
ハイン 座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,大木
①行く。去って行く。走る。②(汗や血が)流れる。
- 用例
- ①ヤーカイ ハチェール バー(家に帰ったわけさ)。イッチ ハイタン(入って行った)。ビチンカイ ハリンディ ウーイシミソーチャル チュンチャーヤ(「別に行きなさい」と、追い払った人たちは)。ガッコー ウワイネー ンナ ヤーカイ ケーティ ハイン(学校が終わると、皆家に帰って行く)。過:ハイタン(行った)儀。②アシ ハトーン(汗をかいている)。
ハイン 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,大湾,古堅,大木
①張る。貼る。②開ける。③あらわにする。むき出しにする。
- 用例
- ①ジー カチ ハーヤンカイ ハイン(字を書いて柱に貼る)。否:ハイン(貼らない)希:ハイブサン(貼りたい)過:ハタン(貼った)継:ハトーン(貼っている)。②チン ハトーティ(着物をはだけて)③アネッ チビ ハイーネー ヤーチュー スンドー(ほら、お尻をむき出しにしたらお灸をすえるよ)。
- メモ
- ①対:ハガスン(剥がす)。
ハイゥンマ 喜名,渡慶次,儀間
走り馬。よく走る馬。駿馬〔しゅんめ〕。
- 用例
- トゥシヌ ハイシェー、ハイゥンマヌ ハインネール アル(年が過ぎるのは、足の早い馬が駆け抜けるようだ)。
ハウイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,長田
羽織。
- 用例
- スージ カイ ハウイ チチ イチュン(お祝いに羽織を着て行く)。
ハカ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,古堅
墓。
- 用例
- ナー ウヌ チュガー ナー、ハカー アキブーハーネーラン(もうその人がはもう、墓は開けたくない)。
- メモ
- →シンジュ。墓に指を指してしまったら、指をくわえて7回片足跳びでまわらないといけない。
ハガー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
禿げている人。
- 用例
- ワカサヌ ムンヌ、キー ヌギティ ハガー ナトーン(若いのに、毛が抜けて禿げになっている)。
- メモ
- 音2:ハギー。類:ハギヤー。
ハガー 楚辺
配る人。配達人。
- 用例
- ムラジュー クバイグトゥ ハガーヤ ウーサシェー マシ(村中に配るから、配る人は多い方がいい)。
- メモ
- 音2:ハジャー。
ハカームシ 伊良皆
昆虫。シャクトリムシ。
- メモ
- 音1:ハカヤームシ。
ハカイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
秤。
- 用例
- ハカイッシ ハカティカラ ワキーサ(秤で量ってから分けるよ)。
ハカイヌミー 喜名,儀間
秤目。
- 用例
- ハカイヌミー バッペーイネー アトッシ デージ ナインドー(秤目を間違えたら後で大変だよ)。
ハカイン 喜名,渡慶次,儀間
計る。測る。量る。
- 用例
- ナマ、ジカン ハカトーン(今、時間を計っている)。ミチヌ ナギ ハカイン(道の長さを測る)。否:ハカラン(はからない)希:ハカイブサン(はかりたい)過:ハカタン(はかった)継:ハカトーン(はかっている)。
ハカグチ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾
端緒〔たんしょ〕。糸口。畑の鍬入れ。仕事などの始め。
- 用例
- ハル ワキーグトゥ、ハカグチ アキティ ヤシェーン ヌーン イーリワ(畑を分けてあげるから、畑の鍬入れをして野菜なども植えなさい)。
ハカグヮーチュクエー 村史
子どもの遊び。墓作りごっこ遊び。
- メモ
- マッチ箱を棺にして死んだ蛙やバッタを入れて葬式ごっこをした。墓は盛り上がった所に横穴を掘って作った。屋敷内でやると怒られるので、山や畑でやった。
ハカジー 渡慶次,儀間
墓地。墓屋敷。
- 用例
- ハカヂーヤ コーティ ウッチェーンナー(墓地は買っておいてあるね)。
- メモ
- 音2:ハカシチ。
ハカジェーク 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
墓細工。墓大工。
- 用例
- アヒーヤ ハカジェークシ ムンクェージク ソーン(兄は墓大工をして生活している)。
ハカシチ 喜名,渡具知
墓敷地。墓地。
- メモ
- 類:ハカヂー。
ハカスン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
あく抜きする。
- 用例
- ミジカイ チキティ アク ハカスン(水に浸してあく抜きをする)。
ハカスン 喜名,渡慶次,儀間
弁償させる。
- 用例
- ウリンデー ネーン ナシーネー ハカスンドー(それをなくしたら弁償させられるよ)。否:ハカサン(弁償させない)希:ハカシーブサン(弁償させたい)過:ハカチャン(弁償させた)継:ハカショーン(弁償させている)。
ハガスン 喜名,渡慶次,儀間
剥がす。
- 用例
- ハーヤカイ ハテーヌ カビ ハガスン(柱に張ってある紙を剥がす)。否:ハガサン(剥がさない)希:ハガシーブサン(剥がしたい)過:ハガチャン(剥がした)継:ハガチョーン(剥がしている)。
- メモ
- 対:ハイン(張る)。
ハカドゥイン 喜名,渡慶次,儀間
捗る。
- 用例
- タイミッチャイシ ヤレー 、シクチン ハカドゥイン(2、3人だったら、仕事も捗る)。否:ハカドゥラン(捗らない)過:ハカドゥタン(捗った)継:ハカドゥトーン(捗っている)。
- メモ
- 類:ハバチュン。
ハカナー 喜名,渡慶次,儀間
墓庭。
- 用例
- ハカナーヲゥテイ ウジューヤ ヒラチュサ(墓庭で御重は開くさ)。
- メモ
- 音2:ハカヌメー・ハカヌメー。
ハガナー 座喜味,楚辺,古堅,大木
きれ者。器用な者。働き者。
- 用例
- ハガナー ナティ、ヌー ヤティン ノーチ トゥラスン(器用な人で、何でも直してくれる)。
- メモ
- 音1:ハガニー。音2:ハガニムン。
パカナイ 古堅
何度も続けてものを叩いたり、殴ったりする様。続けてどんどんやる様。
ハガナハン 楚辺
物足りない。不足。
- 用例
- ウッサグヮー ムッチ ゥンヂェー、ハガナハンレー(たったそれだけ持って行っては、物足りないよ)。
ハガニ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
鋼〔はがね〕。刃物の刃の部分。
- 用例
- ハガニ シミレー(鋼の継ぎ足しをやってもらえ)。ハガニヌ ヲゥーリティ チカーラン ナトーン(刃が折れて、使えなくなっている)。
- メモ
- 鍬〔くわ〕の具合が悪くなると、鍛冶屋で鋼を継ぎ足してもらった。
ハガニー 喜名,渡慶次,儀間
きれ者。器用な者。働き者。
- 用例
- ワッター ユメー イッペー ハガニーグヮー ヤン(私の嫁はとても働き者だ)。
- メモ
- →音1:ハガナー。
ハガニサッスー 渡具知
きれ者で口達者なこと。
- 用例
- ヰナグヌ ドゥク ハガニサッスー ナヤーニ(女があまりにもきれ者で口達者になって)。
ハガニムン 大湾
きれ者。器用な者。働き者。
- 用例
- ハガニムン ナティヨー(頭が切れてね)。
- メモ
- →ハガナー。
ハカヌスーギ 楚辺
{はかのしうぎ(墓の祝儀)}。墓の新築祝い。
- 用例
- ハカヌスーギヤ、ヤーヌ スーギトゥ ユヌグトゥ マギードー(墓の祝いは、新築祝いと同じように盛大にやるよ)。
- メモ
- 音1:ハカヌスージ。墓の祝いは家の新築と同じように盛大に行う。その日は墓の庭で三線を弾いて嘉例をつけ、色々な供え物をする。また、墓の年忌は人が亡くなった時と同じように、一年忌、三年忌・・・三十三年忌まで行う。
ハカヌスージ 喜名,渡慶次,儀間
{はかのしうぎ(墓の祝儀)}。墓の新築祝い。
- 用例
- ハカヌスージネー、ハカヌ ナカヲゥティン サンシン ヒチ モーイン スンドー(墓の祝いには、墓の中でも三線を弾いて踊りもするよ)。
- メモ
- 音1:ハカヌスーギ。
ハカヌナー 長浜
墓庭。
- メモ
- →ハカナー。
ハカヌメー 楚辺
{はかのまへ(墓の前)}。墓庭。
- 用例
- シーミーネー ハカヌメーヲゥティ ジューバク ヒラチュン(清明祭には墓前で重箱を開く)。
- メモ
- →ハカナー。
ハカバーン 高志保,渡具知,大湾
墓の番。
- メモ
- 渡具知では死者の着ている着物を盗まれないようにと、死後3日ほど親戚の人が夜通し番をした。
ハカブシン 渡慶次,儀間,楚辺
墓普請。
- 用例
- ニッター ハカブシンヤ イチカラ ハジマイビーガ(あなたたちの墓普請はいつから始まるんですか)。
ハカマ 古堅
{はかま(袴)}。和装の袴とは異なり、幅の広いズボン形の下着。女性は下着、男性は乗馬用として用いた。
- メモ
- →カカン。
ハガマ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原
羽釜。

- 用例
- チカイヂューサヌ ハガマヤ アナ アチョーン(使いすぎて、羽釜は穴が開いている)。
ハカメー 高志保,渡慶次,儀間,渡具知
墓参り。
- 用例
- ウヤヌ ハカメー(親の墓参り)。ヤーニンジュッシ ハカメーカイ イチュン(家族で墓参りに行く)。
ハカヤームシ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾
昆虫。シャクトリムシ。尺取り虫。
- 用例
- チヌンカイ ハカヤームシガ シガトーン(着物に尺取り虫がついている)。ハカヤームシガ イッケン ハカイーネー、ジャーフェードー(ハカヤームシが一間計ったら、大変だよ)。
- メモ
- 音1:ハカームシ。
ハカレー 渡具知
計らい。計画。処置。
- 用例
- イー ハカレーヌ アン(よい考えがある)。
ハカレーグトゥ 高志保
計らい事。はかりごと。計略。
- 用例
- ハカレーグトゥサーイ、シージャー イーゥンジャチ ヤラチェールバーヨー(計らい事をして、兄さんを追い出して行かしたわけよ)。
ハギー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,古堅
禿げている人。
- 用例
- ワッター タンメーヤ、ハギータンメーディチ アジャナ チキラットータン(私たちのおじいさんは、ハギータンメーとあだ名をつけられていた)。
- メモ
- →ハガー。
ハギーダックイ 座喜味
禿の血筋。
ハギーン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
①禿げる。②剥ける。③色あせる。
- 用例
- ①ヤーヌ ウチヲゥティ ボーシ カンジーネー、チブルヌ ハギーンドー(家の中で帽子を被ると、頭が禿げるよ)。②ティーヌ カーガ ハギトーン(手の皮が剥けている)。③ウヌ チノー イルハギティ、チュヌ ヤーカイヤ チチェー イカランサ(その着物は色あせて、人の家には着ていけないよ)。否:ハギラン(はげない)過:ハギタン(はげた)継:ハギトーン(はげている)。
バキーン 喜名,渡慶次,儀間,大木
化ける。
- 用例
- アカマターガ チュラヰキガンカイ バキヤーナカイ(アカマタが美男子に化けて)。マヤー ナガカライ シーネー バキーンリンドー(猫を長く飼うと化けるそうだよ)。否:バキラン(化けない)過:バキタン(化けた)継:バキトーン(化けている)。
ハギジー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,古堅
禿げ地。荒地。
- 用例
- ヤマヌミーヌ ハルヤ ハギジー ナティ、ヌーン イーララン(山の中の畑は荒れ地で、何も植えられない)。
ハギジャビヨー 伊良皆
ああもう。あれまあ。しまった。びっくりした時、何かし損ねた時、予想に反した時などに発する語。また驚いた時や助けを必要とするときに発する叫び。
- メモ
- →アギジャビヨー。
ハギチブラー 喜名,渡慶次,儀間
坊主刈り。丸刈り。
- 用例
- ハギチブラー サレー サージャートゥ ナトーン(丸刈りにしたらすっきりした)。
ハギナー 渡慶次,儀間,楚辺
平等に配ること。
- 用例
- ムットゥンカイ ハギナー スンディチ デージ ヤサ(全員に平等に配るって大変だ)。
バキムン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
化け物。お化け。
- 用例
- アネアネ、ユル ナチーネー バキムンガ ゥンジティ チューンドー(ほらほら、夜泣くとお化けが出てくるよ)。
ハギモー 親志
禿げ野原。
ハギヤー 座喜味
禿げている人。
- メモ
- →ハガー。
ハク 喜名,座喜味,儀間
①箱。②助数詞。~箱。
- 用例
- ①ハクヌ ナカカイ イェンチュヌ イッチョーン(箱の中に鼠が入っている)。②タハコー ムッチ イキワル マニアーランドー(2箱は持って行かないと、間に合わないよ)。
- メモ
- ②チュハク(1箱)、タハク(2箱)、ミハク(3箱)と数える。
ハクゴーイ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
箱買い。品物を箱ごと買うこと。
- 用例
- ンカシェー ソーミン ハクゴーイ スタン(昔は素麺を箱ごと買っていた)。
バクジマ 村史
サザエの蓋。
バクジマクヮーエー 村史
子どもの遊び。サザエの蓋を賭ける遊び。
- メモ
- 地面にお碗大の穴を掘り、小石を集めて穴の前に置き、サザエのふたを転がして小石に当て、穴に落とすのを競った。
ハクソー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
百姓。農民。
- 用例
- ハクソーン ヲゥグトゥル、ワッター シクチアッチャーン ムノー カマリンドー(農業をする人もいるから、私たち勤め人はご飯が食べられるんだよ)。
ハグチ 楚辺
唇。
- 用例
- ミヤラビンチャーヌ、ワライ ハグチヌ チュラハヨ(若い娘たちが、笑った時の唇の美しいこと)。
- メモ
- →クチビル。
ハクヂミ 喜名,渡慶次,儀間
箱詰め。
- 用例
- ニムチェー ハクヂミ ッシ ウカットーン(荷物は箱詰めにして置かれている)。
バクチャーガマ 渡具知
博打打洞窟。渡具知にある洞窟名。チャンクルーで博打をして遊んだ。
- メモ
- トゥージヌサチの下にある。
パクナイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
パクッと食いつく様。躊躇〔ちゅうちょ〕なく食べる様。ためらうことなく食いつく様。
- 用例
- ユカイ ヤーサル アタラー、パクナイ カロータン(よっぽどお腹がすいていたのか、ためらうことなく食いついていた)。
ハクヌジ 古堅
{はこぬき(箱抜き)}。赤飯を箱につめて抜いたもの。
- メモ
- 米寿祝に斗掻きと箱抜きにした赤飯を土産として客に持たせた。
ハクヌメー 渡慶次,儀間,楚辺
毎日のように。
- 用例
- コーリガシーガ ハクヌメー ジン イミーガ チューン(高利貸しが毎日のように取り立てにくる)。
パクパク 喜名,渡慶次,儀間
口を開け閉めしている様。口をパクパクしている様。
- 用例
- クチ パクパク ソーシガ ヌール イチョーラー ワカラン(口をパクパク動かしているが、何を言っているか分からない)。
バクヨー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
博労。家畜の売買をする人。
- 用例
- ンカシェー、ウヮーバクヨー ウシバクヨーディチ マンドータン(昔は、豚博労や牛博労がたくさんいた)。
ハクラン 儀間,楚辺,古堅
コレラ。
- 用例
- ハクランヌ ヘートーグトゥ、キー チキリヨー(コレラが流行っているから、気をつけなさいよ)。
- メモ
- 民間療法では、臍の周りに灸をする(古堅)、センフリを飲む(楚辺)、*ンジャナバーの青汁を飲むか絶食。山羊を食す(楚辺)、*コーレーグースーを入れた素麺を食す(古堅間)などがある。
ハクランソーカン 楚辺
コレラによる下痢や嘔吐。
- 用例
- ハクランソーカン ナティ、ヤーカラン ゥンジラランサ(下痢や嘔吐で、家からも出ることもできないさ)。
- メモ
- 乾燥させたセンブリを飲むと下痢によいとされていた。
ハクルー 渡慶次,儀間
二十四節気のひとつ。白露〔はくろ〕。
ハクン 楚辺
①掛ける。②履く。
- 用例
- ①クビカジャイ クビンカイ ハクン(首飾りを首にかける)。②サバ ハチュン(草履を履く)。否:ハカン(はかない)希:ハキブハン(はきたい)過:ハチャン(はいた)継:ハチョーン(はいている)。
- メモ
- 音1:ハチュン。→クムン。
ハクン 楚辺
吐く。もどす。
- 用例
- サキ ヌミーヂューサヌ ハクン(酒を飲み過ぎて吐く)。
- メモ
- 音1:ハチュン。
ハグン 楚辺
配る。
- 用例
- イユ チャッサン トゥティ チェーグトゥ、ケートゥナイカイ ハグン(魚をたくさん取ってきたから、隣近所に配る)。否:ハガン(配らない)希:ハキブハン(配りたい)過:ハジャン(配った)継:ハジョーン(配っている)。
- メモ
- 音1:ハジュン。→イェースン。
ハグン 楚辺
剥ぐ。
- 用例
- ユー カキティ カー ハガーニ(湯をかけて皮を剥いで)。
- メモ
- 音2:①ハヂュン。
ハグン 楚辺
接ぐ。(船を)接ぐ。
- 用例
- ハーマヲゥティ フニ ハグタンディ(浜で船を接いで〈造って〉いたって)民。
バケチャー 喜名,渡慶次,儀間
バケツ。
- 用例
- バケチャーヌ ミー ミジ クーリ クーワ(バケツのいっぱい水を汲んできなさい)。
ハゴーウミー 大木
くすぐったがりや。
- メモ
- 音1:ハゴーミー。
ハゴーギー 大木
植物。サルスベリ。百日紅。
ハゴーギサン 喜名,渡慶次,儀間
汚らしい。
- 用例
- ユーフルン イラングトゥ、チヌン ユグリティ ハゴーギサン(風呂も入らないから、着物も汚れて汚らしい)。
ハゴーサン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,渡具知,比謝,大湾
汚い。
- 用例
- グミ ウマンカイ ウチョーチーネー ハゴーサンドー(ごみをそこに置いていたら汚いよ)。ハゴーサヌ アマリニ、トゥマラサンテール バー(汚くてあまりに、泊まらさなかったわけ)。
- メモ
- 音1:ハゴーハン。類:②ビナサン・ビナハン。対:チュラハン・チュラサン(きれい)。
ハゴーハン 楚辺
汚い。
- 用例
- ヤーヌ ジコー ハゴーハン(家がとても汚い)。
- メモ
- →音1:ハゴーサン。
ハゴーミー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
きれい好き。少しでも汚れているのを嫌がること。
- 用例
- ルク ハゴーミー ナティン ヤッケー ヤサ(余りにもきれい好きになっても厄介だ)。
ハゴーミー 喜名,渡慶次,儀間
くすぐったがりや。
- 用例
- ハゴーミーナティ サーインナランサ(くすぐったがりやで触ることもできないさ)。
- メモ
- 音1:ハゴーウミー。
ハゴームン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
汚い奴。汚いもの。厄介者。
- 用例
- アレー チュヌ ムヌン トゥラトゥラ シ、ミッタ ハゴームン ヤッサー(あいつは人の物を取りたがって、ほんとに汚い奴だ)。
ハゴーリーッチュ 喜名,渡慶次,儀間
汚い奴。厄介者。
- 用例
- アリサク ハゴーリーッチョー ヲゥラン(彼ほど汚い奴はいない)。
ハゴーリッチュ 伊良皆
大げさな人。
- 用例
- ハゴーリッチュ ヤッサー(大げさな人だなあ)。
バサ 渡慶次,儀間,瀬名波,渡具知,古堅,大木
①馬車。②助数詞。~台。
- 用例
- ①イクサユーニ ヤンバルンカイ ヒナン スンディチ、バサ カキティ ゥンヂャン(戦世に山原に避難しようと、馬車で行った)。②ウッサ ヤレー チュバサンカイ ヌインテー(それだけなら馬車1台に載るでしょう)。
- メモ
- ①音1:バシャ。②馬車を数える助数詞。チュバサ(馬車1台)、タバサ(馬車2台)、ミバサ(馬車3台)と数える。
バサー 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅,牧原
芭蕉。芭蕉布〔ばしょうふ〕。
- 用例
- ンカシェー アタイグヮーンカイ、バサーン イーテータンドー(昔は屋敷内の畑に、芭蕉も植えてあったよ)。
- メモ
- 音1:バシャー。
バサーギン 楚辺
芭蕉の着物。
- メモ
- 音1:バサーヂン。
バサーヂン 喜名,座喜味,波平,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅,比謝矼
芭蕉の着物。
- 用例
- ナチヌ バサーヂンヌ シラサヨー(夏のバサーヂンの涼しいことよ)。
- メモ
- 音1:バサーギン。
バサーヲゥーヌ シン 大湾
植物。イトバショウの芯。
バサグヮー 瀬名波
子どもの遊び。馬車ごっこ遊び。
- メモ
- ソーメン箱に、ソテツの中の芯をとってタイヤにして、ヒモをつけて遊んだ。
バサナイ 喜名,親志,座喜味,上地,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾,古堅,比謝矼,牧原,長田
バナナ。

- 用例
- ンカシェー、ヤシチンカイ バサナイギーン イーテータン(昔は、屋敷内にバナナの木も植えてあった)。
バサナイギー 大木,比謝矼,牧原
バナナの木。
バサナイヲゥー 喜名,親志,都屋,高志保,牧原
植物。ミバショウ。バナナのなる芭蕉。

- メモ
- →シマヲゥー。
バサムチャー 大湾
馬車持ち。馬子。馬方。
- メモ
- バサムチャーが*チンバーイシ(海岸から切り出した石で、石垣・柱に使う)を運ぶ時、比謝矼の*マカネーヤーでお昼を食べていた。
バサムッチャー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,大湾
馬車持ち。馬子。馬方。
- 用例
- チャンミーグヮーヤ、バサムッチャー ッシ メータンディサ(喜屋武ミーグヮーは、馬車引きをしていらっしゃったそうだ)。
- メモ
- 音1:バシャムッチャー。黒糖を那覇へ出荷する際、軽便鉄道を利用すると運搬費がかかるので、読谷の人たちは馬車で運んでいたことから読谷山馬車ムッチャーと呼ばれるようになったという。→チャンミーグヮー。
ハサムン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
挟む。
- 用例
- ハンリラングトゥ、ジョーブニ ハサムン(外れないように、しっかり挟む)。否:ハサマン(挟まない)希:ハサミーブサン(挟みたい)過:ハサダン(挟んだ)継:ハサドーン(挟んでいる)。
バサヤドゥ 喜名
馬車宿。馬車ムッチャーが那覇への往復途中に休憩する宿。
- メモ
- 読谷の馬車宿は喜名にあった。宿の前に馬車を何台か停めて、馬に餌をやり、馬車ムッチャーは中で食事をとっていた。一般の人は入ることはなく、馬車ムッチャーだけが利用した。
バサヲゥー 伊良皆,比謝,大湾,古堅,大木,牧原,長田
植物。イトバショウ。繊維を取る糸芭蕉。

- メモ
- →シマヲゥー。
ハサン 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
ハサミ。鋏。
- 用例
- ワラビンカイ ハサン チカーシーネー アブナサンドー(子どもにハサミを使わせると危ないよ)。
- メモ
- →ムンヌキムン。
ハシ 喜名,渡慶次,儀間
橋。
ハシ 渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
①箸。②助数詞。~箸。
- メモ
- ②箸で一度に取る量の助数詞。チュハシ(1箸)、タハシ(2箸)、ミハシ(3箸)と数える。
ハジ 喜名,儀間
筈。
- 用例
- クヮー チュイル ヤタル ハジ ヤッサー(子どもは一人だった筈だよ)。
ハジ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
民具。水甕。水を溜める大きな口をした円形の甕。
- 用例
- ヤーヌ メーカイ チャッピナーヌ ハジヌ ウカットータン(家の前には大きな水甕が置かれていた)。ウリンカイ スグ トーマーミーン ウホーク、サントゥナーン クミータンドー ハジンカイ(それに、すぐそら豆もたくさん、3升ほども込めて<入れて>いたよ)。
- メモ
- 雨水などを貯めるため、家の前の方に置いていた。
ハジ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
恥。
- 用例
- チュニンジノー、ハジ シランネー イチカランドー(人間は、恥を知らないと生きられないよ)。
- メモ
- →チラハジ。
ハジーン 座喜味,渡慶次,儀間,古堅
脱ぐ。
- 用例
- ンリトーグトゥ ウヮービヌ チン ハジーン(濡れているから、上の着物を脱ぐ)。否:ハジラン(脱がない)希:ハジーブサン(脱ぎたい)過:ハジタン(脱いだ)継:ハジトーン(脱いでいる)。
- メモ
- 音2:ハジーン。
ハジガーバル
{萩川原}。長浜の小字。
ハジカサウミーグヮー 伊良皆
恥ずかしがりや。
- メモ
- 音2:ハジカサミー。
ハジカサミー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
恥ずかしがりや。
- 用例
- ハジカサミー ナティ、チュヌメーヲゥティ ハナシー ナイガヤー(恥ずかしがりやで、人前で話できるかな)。
- メモ
- →ハジカサウミーグヮー。
ハジカサワレー 喜名,渡慶次,儀間
恥ずかしげに笑うこと。
- 用例
- トゥーチ ハジカサワレービカーン シ、ムヌン イランサ(いつも恥ずかしげに笑ってばかりで、ものも言わないさ)。
ハジカサン 喜名,渡慶次,儀間,長浜
恥ずかしい。
- 用例
- チュヌ メー ヲゥティ ウタタイ モータイ スシェー、イッペー ハジカサン(人前で歌ったり踊ったりするのは、とても恥ずかしい)。
ハジキーン 楚辺,古堅
①損なう。物などを当たり(もらい)損なう。②~し損なう。
- 用例
- ①ニッカ イキーネー フービ ハジキーンドー(遅く行くと褒美をもらい損ねるよ)。②ウヤヌ ミーウティー ミーハジキタンディ(親の死に目を、見損ねたそうだ)。
- メモ
- 音1:ハジャキーン。
ハジサ 喜名,渡慶次,儀間
端の方。
- 用例
- ハジサカイ ヰーネー ウティーンドー(端の方に座ると落ちるよ)。
ハシシ 喜名,渡慶次,儀間
歯肉。歯茎。
- 用例
- ハシシヌル フックティ ヤムンデー(歯茎が腫れて痛いんだよ)。
- メモ
- 音1:ハーシシ。
ハジチラー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間
恥知らず。
- 用例
- シキヌン シラン ハジチラーヤ(世間も知らない恥知らずめ)。
ハシットゥ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
元気に。すっきり。
- 用例
- クスイン ヌレーティカラ、ナマネー ハシットゥ ナイサ(薬も飲んだんなら、今度こそ元気になるよ)。
ハジトゥイン 喜名,渡慶次,儀間
剥ぎ取る。削ぎ取る。
- 用例
- ハーヤンカイ タックヮーチーヌ クユミ ハジトゥイン(柱にくっつけてある暦を剥ぎ取る)。否:ハジトゥラン(剥ぎ取らない)希:ハジトゥイブサン(剥ぎ取りたい)過:ハジトゥッタン(剥ぎ取った)継:ハジトゥットーン(剥ぎ取っている)。
ハジマイ 喜名,渡慶次,儀間
最初。始まり。
- 用例
- ハジマイヤ ンナ、ワカランル アルヨー(最初は皆、分からないんだよ)。
- メモ
- 対:ウワイ(終わり)。
ハジマイン 喜名,渡慶次,儀間
始まる。
- 用例
- ナー ヤガティ シバイン ハジマインドー(もうやがて芝居も始まるよ)。否:ハジマラン(始まらない)過:ハジマタン(始まった)継:ハジマトーン(始まっている)。
- メモ
- 対:②アガイン・ウワイン・スビナイン(終わる)。
ハジマカー 親志,伊良皆,長浜,楚辺,大湾
ハゼノキかぶれ。漆〔ウルシ〕かぶれ。
- 用例
- ハジマカーヌ ヰーゴーハヌ、ニジララン(ハゼノキかぶれが痒くて、我慢できない)。
- メモ
- 音2:ハジマキ。
ハジマカーギー 座喜味,伊良皆,大湾,古堅
植物。櫨〔はぜ〕の木。ハゼノキ。ウルシ科の落葉高木。
- メモ
- 木の下を通るだけでも*ハジマカー(漆かぶれ)が出る人がいるので、石を吊り下げ注意した。葉はヒージャー(山羊)の好物だった。
ハジマキ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
ハゼノキかぶれ。漆〔ウルシ〕かぶれ。
- 用例
- ハジマキシ、ドゥーイッペー フチ ゥンジトーン(ハゼノキかぶれで、体中に湿疹が吹き出ている)。
- メモ
- →ハジマカー。漆かぶれをすると、「ウミドー ガイドー ウミドー ガイドー(海だぞ貝だぞ海だぞ貝だぞう)」と2回唱えた。話者は渡慶次出身。
ハジミ 喜名,渡慶次,儀間
初め。最初。
- 用例
- ハジメー ターン ワカランル アル(最初は誰も分からないんだよ)。
ハジミーン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
始める。
- 用例
- ハジミービラ(始めましょう)。ジカン ドゥーイ ハジミーン(時間どおり始める)。否:ハジミラン(始めない)希:ハジミーブサン(始めたい)過:ハジミタン(始めた)継:ハジミトーン(始めている)。
ハジミティ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
初めて。
- 用例
- ワンネー アッタートー ハジミティル イチャイル(私は彼等とは初めて会うんだよ)。ハジミティヤー、ミーシッチョーティ クィミソーリヨー(はじめまして、お見知りおきください)。ハジミティ ヤイビンヤー(初めてですね〈はじめまして〉)。
バシャ 座喜味
馬車。
- 用例
- バシャ カキティ(馬車に荷車をつけて)。
- メモ
- 音1:バサ。
ハジャー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
配る人。配達人。
- 用例
- シンブン ハジャー ソーン(新聞配達をしている)。
- メモ
- →ハガー。
バシャー 親志
芭蕉。芭蕉布〔ばしょうふ〕。
- メモ
- 音1:バサー。
ハジャキーン 喜名,渡慶次,儀間,古堅,比謝矼
①損なう。物などを当たり(もらい)損なう。②~し損なう。
- 用例
- ①シンカンチャーヤ ヌーンクイ カミハジャキティ ミーハトータンリ(臣下達は何もかも食べ損ねて、目を見張っていたって)。チュヌ ウーサイネー ハジャキーンテー(人が多いと当たり損ねるさ)。否:ハジャキラン(損なわない)過:ハジャキタン(損なった)継:ハジャキトーン(損なっている)。
- メモ
- 音1:ハジキーン。
バシャジェーク 比謝矼
馬車大工。
バシャムッチャー 喜名,大湾
馬車持ち。馬子。馬方。
- メモ
- 音1:バサムッチャー。
ハジュン 喜名,渡慶次,儀間
配る。
- 用例
- シンシーカラ アジカトール チョーミン、ンナカイ ハジュン(先生から預かった帳面を、皆に配る)。
- メモ
- 音1:ハグン。→イェースン。
ハシリ 座喜味,楚辺
雨戸。戸。
- 用例
- ニンジュグトゥ、ハシリン ミチレー(寝るから、雨戸も閉めなさい)。
- メモ
- 音1:ハシル。音2:ミグイバシル。
ハジリーン 大湾
外れる。
- 用例
- タイヤ ナー、ウヤヌコーヤ ハジリトール バーテー(二人はもう、親孝行から外れているんだよ〈親孝行ではなかったんだよ〉)。
- メモ
- 音1:ハンリーン。対:アタイン(当たる)。
ハシリグチ 楚辺
戸口。
- 用例
- ハシリグチンカイ タッチョーシェー ター ヤガヤー(戸口に立っているのは誰かな)。
- メモ
- 音1:ハシルグチ。
ハシリミチ 楚辺
戸道。
- 用例
- ハシリミチンカイ ヒッカカティ、ハシルン アチーカンティー ヒチョーン(戸道に引っかかって、戸も開けにくくなっている)。
- メモ
- 音1:ハシルミチ。
ハシル 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
雨戸。戸。
- 用例
- ヒーサグトゥ ハシル ミチレー(寒いから戸を閉めなさい)。なぞなぞ:イチーネー サチ ナイシ、ケーイネー アトゥ ナイシェー ヌー ヤガ(答え/ハシル)(行くときは先になり、帰りには後になるのは何だ(答え/戸))。
- メモ
- →音1:ハシリ。
ハシルグチ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,大湾,古堅
戸口。
- 用例
- ハシルグチカイ ヰラヤカ、ウチカイ イレー(戸口に座るより、中に入りなさい)。
- メモ
- 音1:ハシリグチ。
ハシルミチ 喜名,渡慶次,儀間
戸道。
- 用例
- ハシルミチンカイ グミヌ イッチョーン(戸道にゴミが入っている)。
- メモ
- 音1:ハシリミチ。
ハジヲゥーキ 喜名,親志,儀間,楚辺
大きめの桶。
- メモ
- 味噌を作るときや、そら豆を漬けるときに使った大きめの桶。女性用の頭上運搬具としても使われた。
バス 比謝矼,牧原
場合。とき。
- 用例
- ナン アタイル バス(災難に遭う場合)。カユイル バスネー(通うときには)。
ハソーフー 伊良皆,宇座,瀬名波,大湾
破傷風。
- メモ
- ヒルザキを飲む(大湾、宇座、伊良皆)。ヒルザキを飲んだり患部につける(瀬名波)。傷口を酒で洗い、酒を飲む。
ハタ 喜名,座喜味,儀間
端。近く。そば。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ハタンカイ ヤー チュクイン(実家の近くに家を造る)。
バタ(~バタ) 渡慶次,儀間,楚辺
~ばた。~ほとり。
- 用例
- カーラバタ(川端)。ウミバタ(海端)。
パタイ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
死。
- 用例
- アマヲゥティ パタイ ソーン(あそこで死んでいる)。
- メモ
- 戦後フィリピン出身の在沖兵隊から入った外来語といわれている。
ハタカイン 喜名,渡慶次,儀間,大湾
立ちはだかる。
- 用例
- ウニヌ ハタカトーン(鬼が立ちはだかっている)。ミチヌ マンナカンカイ ハタカイン(道の真ん中に立ちはだかる)。継:ハタカトーン(立ちはだかっている)。
ハタガシラ 宇座,瀬名波,渡具知
旗頭。
ハダカユー 古堅
{はだかよ(裸世)}。太古の昔。はるか昔、人間が裸で暮らしていた頃。
ハダカンボー 座喜味
裸。裸ん坊。
ハダカゥンマ 喜名,渡慶次,儀間
裸馬。馬具を着けてない馬。
- 用例
- ハダカゥンマンカイヤ ヌイグリサン(裸馬には乗りにくい)。
ハタキ 親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
①畑。②助数詞。~面。
- メモ
- ①類:ハル。②チュハタキ(畑1面)、タハタキ(畑2面)、ミハタキ(畑3面)と数える。
ハタキアーサ 古堅
植物。ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- 音1:ハタケアーサ。音2:モーアーサ。
ハタキーン 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
広げる。
- 用例
- ティー ハタキレー(手を広げなさい)。ターチヌ ヒサ ハタキティ ヌー ソーガ(両足を広げて、何をしているのか)儀。否:ハタキラン(広げない)希:ハタキーブサン(広げたい)過:ハタキタン(広げた)継:ハタキトーン(広げている)。
ハタクンジマーチ 波平
旗頭を括った松。
- メモ
- 多くのムラ(字)にはアシビで掲げる旗頭がある。アシビの際にそれをくくりつける松をハタクンジマーチと呼んだ。
ハタケアーサ 渡具知
植物。ネンジュモ。念珠藻。
- メモ
- →音1:ハタキアーサ。
ハタスガシー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,渡具知,比謝,大湾,古堅
行事。字の旗頭やムラアシビに用いる衣装、獅子などを虫干しする行事。

- 用例
- ブラヌ ウトゥン チカリーンムン、ヤガティ ハタスガシーヌ チャーギンドー(ボラの音が聞こえるから、やがてハタスガシーの行列が来よるよ)。
- メモ
- 旧盆後の7月16日に行う字が多い。渡慶次では部落の備品など虫干した。喜名ではアシビの衣装や旗頭を保管している*ヌンドゥンチを拝んでから衣装等を出した。その後、旗を持って鉦や太鼓をたたいて字内を練り歩いた。
ハタゾー 瀬名波
旗竿。
ハタハター 喜名,座喜味,儀間
焦る様。
- 用例
- シクチ マニアースンディ ハタハター ソーン(仕事を間に合わせるのに焦っている)。
パタパター 喜名,渡慶次,儀間
痛くてもがいている様。もだえ苦しむ様。
- 用例
- カラシニ チッカキティ、パタパター ソータン(脛をひっかけて、パタパターしていた)。
ハタミィハギ 親志
眼瞼縁炎。まぶたが赤く腫れて痛む症状。目の縁が赤くなる状態。
ハダムチ 長浜,楚辺,大湾,古堅,大木
{はだもち(肌持ち)}。気候が肌に与える感触。堆肥を作るのに丁度良い気候にもいう。
- 用例
- クングヮチ ナタレー、ハダムチヌ ユク ナトーン(9月になったら、肌もちがよくなった)。ハダムチ ユタハヌ、イー クェー ナイサ(気候もいいから、よい堆肥ができるさ)。
ハタムッチャー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
旗持ち。葬列の時に葬式旗を持つ役目の人。
- 用例
- ソーシキネー、ハタムッチャーン マジョーン ハカマディ スネーイ シ イチュタン(葬式には、旗持ちも一緒に墓まで行列を組んで行った)。
ハタラカー 楚辺
働き者。
- 用例
- ヘンスームノー マタ ハタラカー(貧乏者はまた働き者)。
- メモ
- →音1:ハタラチャー。
ハタラチャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
働き者。
- 用例
- ヰキガヤ ハタラチャー アラントー ナランサ(男は働き者でなければいけないよ)。
- メモ
- 音1:ハタラカー。類:ハマヤー。対:アカヒチムン・ウフゲンナー・オーヒチムン・オーヒチャー・フユーナー・フユーナムン(怠け者)。
ハチ~ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,牧原
初~。
- 用例
- ハチゥンマガ(初孫)。ハチハルー(初畑。仕事始め)。
- メモ
- 初めての意を表わす。
ハチ~ 喜名,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,古堅
数詞。8~。
- 用例
- ハチグヮチ(8月)。ハチニチ(8日)。
- メモ
- 類:ヤ~。
バチ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
罰〔ばつ〕。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、カンナジ イチカー バチ アタインドー(悪いことをしたら、必ずいつかは罰が当たるよ)。
パチ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
幼児語。叩く様。
- 用例
- ティーガンマリ シーネー パチ サリーンドー(悪戯すると叩かれるよ)。
ハチアギー 高志保
正月3日に豚小屋の掃除をすること。
ハチアッチー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅
{はつあるき(初歩き)}。産婦が赤子を連れて初めて里帰りすること。
- 用例
- ハチゥンマガヌ ハチアッチーヤ、イッペー マチカンティー ヤタン(初孫が初めて家に来るのは、とても待ち遠しかった)。
- メモ
- ハチアッチーに、祖母の家にご馳走を持って行ってお供えした時、実家のオバーが、ここの孫ですよという意味で*ナービヌヒング(鍋の煤)を子どもの*マユヌタナカーにつけた。
ハチウガミ 座喜味,伊良皆
行事。初御願。年初めの拝み。
- メモ
- 音2:ハチウガン。伊良皆では正月3日に字のハチウガミがある。ニーヤ(根根屋)も全員そろってカー、ウタキを拝む。昔は役員たちが夜遅くまで各戸を回っていた。
ハチウガン 伊良皆,比謝
行事。初御願。年初めの拝み。
- メモ
- →ハチウガミ。
ハチウクシー 座喜味,上地,波平,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大木,牧原
初起こし。仕事始め。
- 用例
- ハチウクシーネー カリー チキーン(初起こしには嘉例をつける)。
- メモ
- 音2:儀間では、有志役員が3日に字のムートゥドゥクルとゥンブガーなどの井泉で1か年の健康などを祈願する。長浜では「手足を頑丈にしてください」と祈願してから、鍬やヘラを持って畑へ行った)。
ハチウグヮン 喜名,座喜味,上地,高志保,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,牧原
行事。初御願。年初めの拝み。
- 用例
- ハチウグヮンヤ、アザヌ ヤクミ スリトーティ ウグヮン スン(初祈願は、字の役員が揃って祈願する)。
- メモ
- 字民の無事・安泰・豊作を祈願する。字によって日は異なるが正月1日から9日の間に行われる。
ハチウビー 瀬名波,長浜
行事。年明け最初に行う門中の水撫で。
- メモ
- 長浜は正月2日に、御嶽や字の火の神を拝んだ。瀬名波は正月4日に行った。
ハチウンチ 座喜味,渡慶次,儀間,比謝,大湾
{はつうんき(初運気)}。年の初めに運勢を占いに行くこと。
- 用例
- トゥシ アキーネー ソーソー ハチウンチ ゥンヂ チューサ(年が明けたら、さっさと運勢占いに行ってくるよ)。
- メモ
- 音2:ハチシムチ・ハチヂー。
ハチカー 座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
{はつか(二十日)}。行事。正月二十日。
- 用例
- ハチカーネー マースヂキシェーヌ ウヮーヌシシ ニータン(ハチカーには塩漬けにした豚足を炊いた)。
- メモ
- 音2:ハチカーグヮー・ハチカソーグヮチ。年末につぶして塩漬けにしておいた豚足を縄でくくり、二十日に使う肉として囲炉裏の上で燻製保存していた。それを調理して仏壇に供えた後に食した。男が女にシチビ(節日)としてご馳走する。
ハチカーグヮー 喜名,伊良皆
{はつかごら(二十日小)}。行事。正月二十日。
- メモ
- →ハチカー。
ハチカウリー 瀬名波
{はつかうるほひ(20日潤ひ)}。
- メモ
- ハチカウリーといって雨が降ったら、作物を植えるのに最適だったので、昔は学校が休みになった。
ハチカソーグヮチ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
{はつかしやうぐわつ(二十日正月)}。行事。正月二十日。
- 用例
- ハチカソーグヮチネー、ブチダヌンカイ クヮッチーン ウサギータン(20日正月には、仏壇にご馳走も供えた)。ハチカソーグヮチネー、ウヮーヌヒサ シジーン(二十日正月には、豚足を煮込む)。ハチカテン タカキ、マルチャ チャンミカチ、チューマディ ショーガチ、マシシ ヒキラ(二十日に二切れ、まな板を叩き、今日まで正月、赤肉を供えよう)。
- メモ
- 正月二十日に門松などの飾り物や供え物を片付け、暮れに塩漬け保存しておいた豚足と大根、収穫期に入っているえんどう豆を一緒に炊いた。また、その煮汁でヒランメー(麦飯)を炊いた。長浜の用例は、ハチカソーグヮチにちなんで伝承されていた歌。→ハチカー。
ハチガタノー 渡慶次
{はつかたの(初潟野)}。その年に生まれた赤子を連れて、渡慶次の潟野馬場に馬競争の見物に行くこと。
ハチカヂチ 座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,古堅,大木
二十日月。陰暦二十日の夜の月。月の出が遅いため宵闇になる。
- 用例
- ハチカヂチン アガトービーシガ(二十日月も上がっていますが)。
ハチガニク 楚辺
{はつかねく(初兼久)}。その年に生まれた赤子を連れて、楚辺兼久の琉球競馬見物に行くこと。
ハチカユー 座喜味,伊良皆,波平,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,古堅,大木
二十日夜。旧暦二十日の夜。月の出が遅いため宵闇になる。
- 用例
- ハチカユーヌチチン リシ、ウリン ママングヮカラル ゥンジトーシヤテール フージヤイビン(二十日夜の月というの、これも継子から出ていた〈話の〉ようです)。ハチカユーヌ チチヌ アガイトゥ、ムジヤ ミーナトータン リル ハナシ(二十日夜の月が上がるまでに麦は実になっていた〈搗き終えた〉)という話。
ハチガリー 伊良皆,古堅
{はつかれい(初嘉例)}。初めての生年祝い。
- メモ
- 十三祝いでは客を招待することはないが、初めての生年祝いということで、縁起をかついでハチガリーとして、近所や親戚はお祝いをあげた。
バチカンジャー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
罰当たり者。
- 用例
- ヌーヌ ゥンマリル ヤラー、ムルトー チガティ バチカンジャー ヤサ(どういう生まれなのか、皆とは変わって罰当たり者だ)。
ハヂキ 高志保,楚辺
ハヂチ。針突。
- 用例
- ンカシヌ オバーター ムル ハヂキ イリーンディ(昔のおばあさんたちは皆針突を入れるって<突いたって>)。
- メモ
- 音1:ハヂチ。
ハチクニチ 高志保
{はつくにち(初九日)}。行事。正月九日に1年間の村の繁栄を祈願する行事。
- メモ
- 高志保では、正月9日にウグヮンウスメーと称される50歳以上の男子が公民館に集まり、1年間の村の繁栄を祈願する。
バチクヮースン 喜名,渡慶次,儀間
{ばちくらはす(罰食らはす)}。痛い目にあわす。
- 用例
- チューネー、バチクヮーサヤー(今日こそ、痛い目に合わせてやるぞ)。
バチクヮイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
上出来。でかすこと。思う通りに物事が進む時に使う。
- 用例
- イッター ヰナグングヮヤ イームーク アタティ、バチクヮイ ヤサ(お前の娘はよい婿を取って、上出来だ)。
- メモ
- →ディカシ。
バチクヮイン 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
役に立つ。うまくやる。出かす。思うとおりに物事がすすむ。
- 用例
- チューヤ、ウッサヌ チュガ アチマトーグトゥ バチクヮイサ(今日は、そんなに多くの人が集まっているからうまくやれるよ)。否:バチクヮーン・バチンクヮラン(役に立たない)過:バチクヮタン(役に立った)継:バチクヮトーン(役に立っている)。
ハチグヮチ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,古堅
数詞。8月。
- 用例
- ハチグヮチマディル ウーアチサ ヤル、クングヮチカラー イフェー シラク ナイサ(8月までが猛暑だよ、9月からは少し涼しくなるさ)。
ハチグヮチカンカー 喜名,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺
行事。8月カンカー。悪除け行事。
- 用例
- ハチグヮチカンカーニン ウシ クルチャン(8月カンカーにも牛を潰した)。
- メモ
- →カンカー。
ハチグヮチジューグヤ 波平,渡慶次,儀間,楚辺
行事。八月十五夜。
- 用例
- ハチグヮチジューグヤヌ ウチチューヌ アカガトーシヨー(八月十五夜のお月様の明るいこと)。
- メモ
- →ジューグヤー。
ハチグヮチヒンガン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
行事。八月彼岸。
- 用例
- ハチグヮチヒンガンネー ブチダヌンカイ チャーン シキーンドー(八月彼岸には仏壇にお茶も供えるよ)。
- メモ
- 二月彼岸と同様に餅と料理を重箱詰めにし、仏壇に供える。
ハチグヮチャー 楚辺,渡具知
植物。ササゲ。インゲン豆の一種で炒めて食べることが多い。
- 用例
- ハチグヮチャーン ニチ ウサギレー(ササゲも炒めて差し上げなさい)。
- メモ
- 音2:ハチグヮチャーマーミ。
ハチグヮチャーマーミ 座喜味,伊良皆,楚辺
植物。ササゲ。8月に収穫できるインゲン豆の一種。
- メモ
- →ハチグヮチャー。
ハチケーシ 伊良皆
{はつかへし(初返し)}。供物の一部を取り替えること。
- メモ
- →ウチジヘーシ。
ハチケーラスン 座喜味
ひっくり返す。
- メモ
- 音1:カチケーラスン。→ウッケースン。
ハチコーイン 座喜味,伊良皆
人の言うことを聞かない犬。人によくかみつく犬。
- 用例
- クレー ハチコーインドー(これはよく噛みつく犬だよ)。
ハチコーサン ①座喜味,長浜,古堅②喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,古堅
①肌にあたるとかゆい。②気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けがない。人と調和できない。
- 用例
- ①ナガリヌ ハチコーサグトゥ、カチ トゥラシェー(背中が痒いから、かいてくれ)。②ワラビヌ、クチビカーン カナティ イッペー ハチコーサン(子どもが、口答えばかりしてとても気が強い)。アレ ハチコーサンドー(あいつは人の言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音1:ハチコーハン。言行がなめらかでない、角のある者などにも言う。
ハチコーハン 楚辺
①肌にあたるとかゆい。②気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けがない。人と調和できない。
- 用例
- ②トゥナイヌ ワラバーヤ ハチコーハンドー(隣の子は気が強いよ)。
- メモ
- 音1:ハチコーサン。
ハチコームン 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
気が強い人。人の言うことを聞かず、聞き分けのない者。人と調和できない者。
ハチコーゥンム 親志
植物。クワズイモ。
- メモ
- 音2:ヰーゴーダーゥンム・ヰーゴーラーゥンム・ヰーゴーゥンム。
ハチシムチ 座喜味
{はつしょもつ(初書物)}。年の初めに運勢を占いに行くこと。
- メモ
- →ハチウンチ。
ハチジューゴーヌスーギ 楚辺
人生儀礼。八十五歳祝儀。数え八十五歳の祝い。
- 用例
- ンカシヤ、ハチジューゴーヌスーギ ンケーイル チョー イキラハタン(昔は、八十五歳の祝いを迎える人は少なかった)。
- メモ
- 音1:ハチジューゴーヌスージ。かつては、7回目の生年祝である八十五歳祝を迎える人は少なく、次の生年祝の九十七歳祝まで長生きしたら、「子孫ヌ分ルウサガトール(子や孫の分を生きている)」といって、それ以上の長命を願わなかったという。
ハチジューゴーヌスージ 喜名,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,大湾
人生儀礼。八十五歳祝儀。数え八十五歳の祝い。
- 用例
- ワッターン、ハチジューゴーヌスージ アヤカーイビラ(私たちも、八十五歳の祝いをあやかりましょう)。
- メモ
- →音1:ハチジューゴーヌスーギ。
ハヂチ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木
ハヂチ。針突。
- 用例
- ンカシヌ ハーメーター ハヂチェー、チュラサンヤー(昔のお婆さんたちの針突は、きれいだね)。
- メモ
- 音1:ハヂキ。
ハチヂー 喜名,渡慶次,儀間
{はつけ(初卦)}。年の初めに運勢を占いに行くこと。
- 用例
- ソーグヮチ アトゥ、ヘーベートゥ ハチヂー タティーガ イチュン(正月後に、早めに初占いに行く)。
- メモ
- →ハチウンチ。
ハヂチガサ 渡具知
ハヂチの瘡。針突を突いたあとにできる瘡蓋。
ハヂチャー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,渡具知,大湾
針突を専門に突く人。針突の施術師。
- 用例
- ワッター シマネー、ハヂチャーヤ ヲゥランタン(私の村には、針突を専門に突く人はいなかった)。
ハチトゥシビー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{はつとしび(初年日)}。新年最初に迎えるその年の干支の日。
- 用例
- ハチトゥシビーネー、ヒヌカンカラ ヲゥガムン(ハチトゥシビーには、火の神から拝む)。
- メモ
- 正月を迎えて最初の干支に当たった日を、ハチトゥシビーとしてありあわせの物でご馳走を作って祝った。元日から家族のトゥシビーの日のたびに、お米と一緒にウブクやご馳走を供えて拝む。
パチナイ 喜名,波平,都屋,渡慶次,儀間,長浜,長田
パチパチと。バシっと。どんどん。いきごんでする様。
- 用例
- スルバン パチナイ スン(算盤をパチパチとはじく)浜。ゥンマー ヲゥージ パチナイ クヮイン(馬はキビをバシッと喰う)。
ハチナンカ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
初七日。
- 用例
- ハチナンカネー、アサヌマールヲゥティ ハカニン イキワル ナインドー(初七日には、朝のうちに墓にも行かないといけないよ)。
ハチニチ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
数詞。8日。
ハチニン 儀間,古堅
数詞。8人。
ハチハル 喜名
{はつはたけ(初畑)}。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチバル・ハチハルー。類:ハチウクシー。正月4日に鎌や篦〔ヘラ〕などの農具を揃えて手足に怪我のないよう健康祈願した後に畑へ出た。
ハチバル 高志保
{はつはたけ(初畑)}。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチハル・ハチハルー。正月3日の初仕事の儀式。仏壇にチャワキを供え手を合わせ、実際には仕事をしない。
ハチハルー 座喜味,伊良皆,上地,波平,高志保,長浜,楚辺,比謝,牧原
{はつはたけ(初畑)}。仕事始め。
- メモ
- 音1:ハチハル・ハチバル。正月明けの2日か3日に、ハチハルーを行った。その日は健康祈願をした後に、鍬やへラ等の農具を出して畑へ出た。
ハチマールー 伊良皆
{はつまわり(初回り)}。年が明けて輪番制で行う最初の製糖作業のこと。
- メモ
- 組単位で輪番制で製糖作業を行うが、製糖作業が始まるとハチマールーに当たった家は、全員の食事の準備をし製糖小屋で一緒に食した。
ハチマキ 喜名
□。
パチミカスン 座喜味
パチンとたたく。
ハチムーチー 喜名,渡慶次,儀間,大湾
{はつもち(初餅)}。行事。子どもが生まれて初めてのムーチー。
- 用例
- ハチムーチーヤ、チュケートゥナインカイン クバリヨーヤー(初ムーチーは、隣近所にも配りなさいよ)。
- メモ
- 子どもが生まれて最初のムーチーの行事を迎える家では、たくさん作って、親戚や隣近所に*カリーナムン(縁起物)として配った。
ハチムン 喜名,渡慶次,儀間
履物。
- 用例
- ユージュカイ イチュンディチ ヤシガ、ハチムンガル ネーン ナトーンレー(用事に行くつもりだが、履物がなくなっているんだよ)。
ハチャー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
昆虫。蜂。
- 用例
- ハチャーンカイ ササッティ アカブックイ ソーン(蜂に刺されて赤く膨れている)。
ハチャーガマク 座喜味
蜂のようにくびれた腰。
ハチャーヌシー 喜名,渡慶次,儀間
蜂の巣。
- 用例
- アマンカイ、チャッペーヌ ハチャーヌシーガ アン(あそこに、大きな蜂の巣がある)。
- メモ
- →グーブーグヮー。
ハチャイヒッチャイ 楚辺
吐いたり下したり。嘔吐と下痢をくり返すこと。
- 用例
- ワタ ヤンティ、ハチャイヒッチャイ ソーン(お腹をこわして、吐いたり下したりしている)。
ハチャグイン 楚辺
はち切れる。はじける。破裂する。
- 用例
- マーミン ヘーク ムランネー、カマン マール ハチャグインドー(豆も早く収穫しないと、食べないうちにはじけるよ)。
- メモ
- 類:ハッチーン・ハッチリーン。
ハチャグミ 喜名,渡慶次,儀間
菓子名。米で作った沖縄風おこし。
- 用例
- ハチャグミ チュクティ カマスサ(ハチャグミを作って食べさせるさ)。
- メモ
- 米を炒ってはじけさせ、溶かした砂糖でからめて丸く固めたもの。
ハチャグミグサ 座喜味
植物。オオアブラガヤ。
- メモ
- 川や沼など水辺の湿地に生える。秋に花房がでて、実は揉むと皮が剥け、食べらる。葉は縁が鋭く、手を切ってしまうことがある。
ハチュン 喜名,渡慶次,儀間
①掛ける。身につける。②弁償する。
- 用例
- ①クビカジャイ ハチュン(首かざりをかける)。否:ハカン(かけない)希:ハチブサン(かけたい)過:ハチャン(かけた)継:ハチョーン(かけている)。②ウリキテーヌ ブノー、ワッターガ ハチュンテー(損した分は、私たちが弁償するさ)。
- メモ
- 音1:ハクン。②類:ワンチャメーイン。
ハチュン 喜名,渡慶次,儀間
吐く。もどす。
- 用例
- ニチヌ チューサヌ ハチュン(高熱で戻している)。否:ハカン(吐かない)希:ハチブサン(吐きたい)過:ハチャン(吐いた)継:ハチョーン(吐いている)。
- メモ
- 音1:ハクン。
ハチュン 喜名,渡慶次,儀間
履く。
- 用例
- カタヒサー アシジャ クリ、カタヒサー サバ ハチュン(片足は下駄を履き、片足は草履を履く)。否:ハカン(履かない)希:ハチーブサン(履きたい)過:ハチャン(履いた)継:ハチョーン(履いている)。
- メモ
- ②音1:ハクン。→クムン。
ハヂュン ①喜名,渡慶次,儀間②古堅,大木,比謝矼
①剥ぐ。②取り消される。
- 用例
- ①カー ハジュン(皮を剥ぐ)。イラナシ キーヌ カー ハジュン(鎌で木の皮を剥ぐ)。否:ハガン(剥がない)希:ハジブサン(剥ぎたい)過:ハジャン(剥いだ)継:ハジョーン(剥いでいる)。②メンキョ ハヂュン(免許を取り消される)。
- メモ
- ①→ハグン。
ハチランパチ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅
初散髪。子どもが生まれて初めて髪を切ること。
- 用例
- ハチランパチヤ、ナー ウワティー(初散髪は、もう終わったねぇ)。
ハチングヮ 楚辺,大湾
親族語彙。初子〔はつご〕。
- メモ
- →アラングヮ。
ハチゥンマガ 儀間,古堅
初孫。
ハッカカイン 高志保
ばったり出会う。出会う。
- 用例
- ハッカカトール バーヨー(出会ってしまったわけさ)。
- メモ
- →ハイイチャイン。
ハッキサミヨー 渡具知,古堅
あれまあ。ええっ。きゃあ。とても驚いたときや悲しいとき、助けを必要とするときなどに発する語。
- メモ
- →アキサミヨー。
ハッケーヒッケー 楚辺
何度も行き来している様。
- 用例
- ハッケーヒッケー、ヌー シ アッチョーガ(何度も行き来しているが、どうして歩いているの)。
- メモ
- →イチムリケームリ。
ハッサイナー 長田
それはもう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- →アッサイヨー。
ハッサイヨー 親志
それはもう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- →音1:アッサイヨー。
ハッサビヨ 伊良皆
ああもう。もう本当に。すごいという時に発する語。
- メモ
- →アーッサビヨー。
ハッサミヨー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,比謝矼
ああもう。もう本当に。すごいという時に発する語。
- 用例
- ハッサミヨー、イャーガ スルクトゥヨー、アンソール シーヨーン アンナー(はぁもう、お前のすることよ、そんなやり方もあるか)。ハッサミヨー、タマシ ヌギティ(ああもう、びっくりした)。
- メモ
- →アーッサビヨー。
ハッサミヨーナーナー 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
ああもう。しまった。
ハッサヤー 伊良皆
それはもう。大変だ、すごいという時に発する語。
- メモ
- →アッサイヨー。
ハッサヨー 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
はあ。もう。あれまあ。非常に驚いた時に発する語。
- メモ
- →アーッサ。
ハッシェ 喜名,渡慶次,儀間,大湾
はあ。もう。あれまあ。非常に驚いた時に発する語。
- 用例
- ハッシェ、ムノー ウマーン(はあ、ものを思わない〈非常識だ〉)。
- メモ
- →アーッサ。
パッタイパッタイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
①バタバタ。布などが強風にあおられて、はためく様。②バタバタ。次々に倒れたり、物にバタバタと打ち当たったりする様。
- 用例
- ②ウヮーグヮー ヤティン、ウチヤンジーネー、ナゲー パッタイパッタイ スン(豚でも、打ちそこなうと、長い間バタバタと苦しんで暴れる)。
- メモ
- ①類:パッタラケー。
パッタラケー 座喜味
手足をバタバタとばたつかせている様。
- メモ
- →パッタイパッタイ。
パッタラケーパッタラケー 座喜味
手足をバタバタとばたつかせている様。次々に倒れたり、物に打ち当たったりする様。
パッタリゲーヤー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,牧原
手足をバタバタとばたつかせている様。
- 用例
- アマヲゥティ、パッタリゲーヤー シ ナチョータン(あそこで、手足をばたつかせて泣いていた)。
パッタンクー 喜名,渡慶次,儀間
メジロ落としカゴ。メジロを捕るためにわらびや竹で作ったカゴ。
- 用例
- パッタンクー シカキティ チャン(メジロ捕りカゴを仕掛けてきた)。
- メモ
- 音1:パッタンコー。→ソーミナーヤーマ。
バッタンコー 比謝矼
メジロ落としカゴ。メジロを捕るためにわらびや竹で作ったカゴ。
- メモ
- 音1:パッタンクー。→ソーミナーヤーマ。
パッチー 喜名,渡慶次,儀間,古堅,大木
玩具。メンコ。
- 用例
- ヰキガ ワランチャーガ パッチー ッシ アシドーン(男の子がメンコをして遊んでいる)。
ハッチーン 渡具知,古堅
はち切れる。はじける。破裂する。
- 用例
- ワタ ハッチヤーナカイ シナチャンリヌ ハナシー(腹を破裂させて死なせたという話)。
- メモ
- →ハッチャグイン。
ハッチブラー 楚辺
仮面。
- 用例
- ハッチブラー カンティ、ワランチャー ウドゥルカサンケー(仮面を被って、子どもたちを驚かすな)。
ハッチャー 瀬名波
がに股。
- メモ
- 類:マタガニー。対:チンシトーブー(足が真っすぐなこと)。
ハッチャカイン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,古堅
ばったり出会う。出会う。出くわす。
- 用例
- チュクェー イチムシンカイ、ハッチャカイシェーヤー(人を喰うような生き物に、出くわすさあね)イチャイブサーネーン チュトゥ ハッチャカイン(会いたくない人と出くわす)。
- メモ
- →ハイイチャイン。
ハッチリーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
はち切れる。はじける。破裂する。
- 用例
- カミヂューサイネー ワタガ ハッチリーンドー(食べ過ぎると腹がはち切れるよ)。否:ハッチリラン(はち切れない)過:ハッチリタン(はち切れた)継:ハッチリトーン(はち切れている)。
- メモ
- →ハッチャグイン。
バッチン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
罰金。
- 用例
- バッチン ウサミーヌ ジンヌル ネーンレー(罰金を納めるお金がないんだよ)。
ハットゥ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
法度。
- 用例
- トゥイオーラシェーヤ ハットゥ ナトーグトゥ、シェー ナランサ(闘鶏は法度になっているから、やってはいけないよ)。
ハットゥバスン 高志保
吹き飛ばす。
- 用例
- バクダノー ウティティ、ミミン ハットゥバチ(爆弾が落ちて、耳も吹き飛ばして)。
パッパー 渡具知
親族語彙。祖母。おばあさん。
- メモ
- →オバー。
パッパー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,古堅
幼児語。車。
- 用例
- パッパーヌ チューンドー(車がくるよ)。
ハッパイン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,大木
張る。開く。大きく開くこと。
- 用例
- カー ハッパティ(皮を張って)。アカングヮガ ヒサ ハッパトーン(赤子が足を大きく開いている)。否:ハッパラン(開かない)希:ハッパイブサン(開きたい)過:ハッパタン(開いた)継:ハッパトーン(開いている)。
ハップガスン ①喜名,渡慶次,儀間,楚辺②喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
①穴を開ける。②内情を他人にもらす。暴露する。
- 用例
- ①ブーカー ハップガスン(風船に穴をあける)否:ハップガサン(穴を開けない)希:ハップガシーブサン(穴を開けたい)過:ハップガチャン(穴を開けた)継:ハップガチョーン(穴を開けている)。②ナー クヌ チワネー ムル ハップガスン(もう、この際全部暴露する)。否:ハップガサン(暴露しない)希:ハップガシーブサン(暴露したい)過:ハップガチャン(暴露した)継:ハップガチョーン(暴露している)。
- メモ
- ①→チップガスン。
バッペー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,比謝
間違い。誤り。
- 用例
- イクケーヌン バッペーテー ナランドー(何回も間違えてはいけないよ)。ヤマシシトゥ チュトゥ バッペーティ、チュ イテール バーテー(猪と人と間違えて、人を射てあるわけ)。
- メモ
- 類:マチゲー。
バッペーイン 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大木,長田
間違える。間違う。
- 用例
- イチムシトゥ バッペーティ(動物と間違えて)。バッペーティン シムグトゥ、マジェー ゥンヂンラナ(間違えてもいいから、まずは行ってみよう)。否:バッペーラン(間違えない)希:バッペーイブサン(間違えたい)過:バッペータン(間違えた)継:バッペートーン(間違えている)。
- メモ
- 類:マチガイン。
パッミカサー 大湾
急な発熱。
- 用例
- ウヌ ワラベー パッミカサー ソーンドー(この子は、急な熱発しているよ)。
ハティ 喜名,渡慶次,儀間
果て。終わり。
- 用例
- ハティン ネーン シクチ ハジミテーサヤー(終わりのない仕事を始めたね)。
ハティー ①喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,牧原②喜名,渡慶次,儀間
①命知らず。終わりがないこと。②厄介。厄介者。
- 用例
- ①ドゥク ハティー ナティ(あまりにも命知らずで)。ハティー ヤイビッサー(終わりがないですね)。②クヮヌ ハティー ナティ、ウヤー チャー シワ ソーン(子どもが厄介者で、親はいつも心配している)。
- メモ
- →ヌチシンター。
ハティグトゥ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
しまつにおえないこと。厄介なこと。大変なこと。困ったこと。
- 用例
- ヤッケーグトゥ ウクチ、ハティグトゥ ナトーサー(厄介なことを起こして、困ったことになったな)。
- メモ
- →ジャーフェー。
ハティチガイ 喜名,渡慶次,儀間
かなり違っていること。かなりおかしくなること。
- 用例
- パーパーヤ、ハティチガイ ソーン(おばあさんは、かなりおかしくなっている)。
ハティッチュ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
あさましい者。限界を知らない者。
- 用例
- ハティッチュ ヤグトゥ、ターン チカユランサ(あさましい者だから、誰も近寄らない)。
ハティマク 喜名,渡慶次,儀間
腕白。
- 用例
- ワラビヌ ハティマク ナティ、ティーン チキララン(子どもが腕白で、手がつけられない)。
- メモ
- →アカマク。
ハティムン 長浜,大湾
しまつにおえないこと。厄介なこと。大変なこと。困ったこと。
- 用例
- ハティムン ヤテーンデー(大変なことだったろう)。ハティムン ヤンドー(困ったもんだよ)。
- メモ
- →ジャーフェー。
ハティルカ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
果てなく。存分に。
- 用例
- ハティルカ アマイカンティ、チャー サレー マシガヤー(たくさん有り余っているが、どうすればいいかねぇ)。
ハナ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
①花。②寸志。おひねり。
- 用例
- ①ナーヌ ハナヌ チュラサヨーヤー(庭の花が美しいことよ)。ウッサキーナー ハナヌ サチョーン(こんなにたくさん花が咲いている)。②ワランチャー ウドゥイヌ チビラーサヌ、ハナ ナギーン(子どもたちの踊りが素晴らしくて、おひねりを投げる)。
- メモ
- 宇座では、その年最後の*ワカリアシビを催すときに、羽織袴に正装したおじいさんが、その年の*ムラアシビの出来具合を等を口上し、ハナをもらった。ハナは、ワカリアシビ終了後の慰労会費用に当てられることもあった。
ハナ 高志保
端。
- 用例
- シーヌ ハナ(岩の先端)。
ハナ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
鼻。
- 用例
- ハナヌ サチカイ ガジャンヌ シガトーン(鼻の先に蚊が止まっている)。ハナグヮーン タカダカートゥグヮー ソーセー(鼻も高々としているね〔赤ちゃんを褒めるときにいう〕)。
ハナ(~ハナ) 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
~はな。~はじめ。
- 用例
- ゥンジーハナ(出端)。ニンジハナ(寝入り端)。
ハナ ウスイン 古堅
鼻を切り落とす。鼻を削ぐ。
- 用例
- ウンジュガ キニ カカトールンサーヤー、ワンネー ハナ ウスティ シムン(貴方がそんなに気に掛かるなら、私は鼻を切り落としていい)。
- メモ
- 音2:ハナ ウスジュン。
ハナ ウスジュン 高志保
鼻を切り落とす。鼻を削ぐ。
- 用例
- ハナ ウスジャーニ ヤナカーギー ナテール バーテー(鼻を切り落として醜くなったわけ)。
- メモ
- →ハナ ウシチーン。
ハナ ハンクン 楚辺
①人の鼻を指ではじく。②悪臭などが鼻をつく。
- 用例
- ①マキーネー バチトゥシ ハナ ハンクン(負けたら罰として鼻をはじく)。②イユヌ クサリティ、ハナ ハンクン(魚が腐れて、鼻をつく嫌な臭いがする)。
- メモ
- 音1:ハナハンチュン。
ハナ ハンチュン 喜名,渡慶次,儀間
①人の鼻を指ではじく。②悪臭などが鼻をつく。
- 用例
- ①アシベーシ、タゲーヌ ハナ ハンチュン(遊びあいをして、互いの鼻をはじく)。②ヌーガル クサリトーラー、ハナ ハンチュンヤー(何が腐れているのか、鼻につく臭いだね)。
- メモ
- 音1:ハナハンクン。
ハナ ヒーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾
くしゃみをする。
- 用例
- ターガ ヤティン、ハナ ヒーネー 「クスクェー」ディ イリヨーヤー(誰がでも、くしゃみをしたら「クスクェー」と言うんだよ)。
ハナ フチュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
いびきをかく。
- 用例
- ワンネー ユル ニントーティ、ジコー ハナ フチュンディ(私は夜寝ていて、ひどくいびきをかくそうだ)。
ハナ フラチュン 喜名,渡慶次,儀間
いい気になる。
- 用例
- チュケーン カッチャンディチ、ハナ フラチュンナー(1回勝っただけで、いい気になるのか)。
ハナイカ 長田
料理。花イカ。赤く染めたイカ。
- メモ
- イカを赤粉で染め、糯米をひいたものに入れ、餅のようにしたものを平たくして油で焼いた。裕福な家ではムイチリー(祝い膳)にハナイカを入れた。
ハナイチー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
花生け。花瓶。
- 用例
- ハナイチー コーティ チェーンドー(花瓶を買ってきたよ)。
ハナウクマーミー 座喜味
植物。フジマメの一種。
ハナウッチャー 渡慶次,儀間,楚辺
{めんかうち(綿花打ち)}。布団の打ち直しをする職人。
- 用例
- ハナウッチャーガ ヤーヌ カージ マーティ チュータン(布団打ちが各家を回っていた)。
- メモ
- 古くなって硬くなった布団を解体し、綿をほぐしながらゴミや塵などを取り除いて元に戻すこと。
ハナウティー 波平
植物。甘藷の品種名。
ハナガーニンジ 瀬名波
背ばい。
ハナガサ 渡慶次,儀間,瀬名波
花笠。
ハナガサヤーエー 瀬名波
子どもの遊び。ガジマルの落ち葉で作った笠の取り合い。
ハナカタマイ 座喜味,古堅
鼻づまり。
- メモ
- 音2:ハナカタマヤー・ハナピーピー。
ハナカタマヤー 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
鼻づまり。鼻づまりの人。
- 用例
- ハナカタマヤー シ イーチン シーグリサン(鼻づまりで息苦しい)。
- メモ
- →ハナカタマイ。
ハナガチャー 座喜味
植物。ムクゲ。
ハナギタ 大湾
鼻骨の部分。鼻梁。
- 用例
- ハナギタ ヲゥーレー(鼻をへし折れ〔脅し文句〕)。
ハナキンブギー 長浜
植物。柾〔まさき〕。
- メモ
- 音1:ハナキンブンギー。クロキやシークヮーサーの木に似たもの。ニシキギ科の常緑低木。
ハナキンブンギー 楚辺
植物。柾〔まさき〕。
- 用例
- ハナキンブンギーヤ ヤシチガクインカイン チカーラットータン(柾は屋敷の囲いにも使われていた)。
- メモ
- 音1:ハナキンブギー。
ハナクス 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
{はなくそ(鼻糞)}。鼻くそ。
- 用例
- ハナクス シリタックヮ サンケー(鼻くそを擦りつけるな)。
ハナグニ 渡慶次,儀間,楚辺
芸能。遊びが盛んな村。
- 用例
- ハナグニ シンカー、シバヤン ジコー ジョージ ヤタン(遊びが盛んな村の人たちは、芝居もとても上手だった)。
- メモ
- 若者のモーアシビや村芝居等が盛んな村のことをハナグニ(花の国、華やかな国)といっていた。
ハナグミ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
花米。神仏に供えるお米。
- 用例
- ハナグミ カミーン(花米を押しいただく)。
ハナゲタ 瀬名波
鼻筋。
ハナゴーゴー 喜名,渡慶次,儀間
いびきをかいている様。
- 用例
- ハナゴーゴー ッシ ニントーン(いびきをかいて寝ている)。
ハナザキ 座喜味,古堅
酒造りで最初に出てくる酒。
ハナシ ハンガク 喜名,渡慶次,儀間,大湾
{はなしはんがく(話半学)}。人の話を聞けば、半分学問したようなものだということ。
- 用例
- ハナシハンガクディチ アグトゥ、チュヌ ハナシーヤ ユー チキヨー(話半学とあるから、人の話はよく聞きなさいよ)。
ハナシークヮッチー 大湾
ご馳走の話だけを聞かされること。
- 用例
- 「アシティビチ ディチヨ、ウヮーヌヒサヨー マーサンドー」ディチ、ハナシークヮッチー ソービータン(「アシティビチといってね、豚の足は美味しいよ」と、話ばかりご馳走になっていました)。
ハナシガレー 座喜味
放し飼い。ほったらかすこと。
- メモ
- 音2:ユルシガレー。
ハナシキ 楚辺
風邪。
- 用例
- アカングヮヌ ハナシキ カカトーン(赤子が風邪をひいている)。
- メモ
- 音1:ハナヒチ。→カジヒチ。
ハナシジ 大湾
鼻筋。
- 用例
- ウヌ ワラバーヤ ハナシジ トゥーティ、アン リッパ ウマリトール(その子は鼻筋が通って、あんなに立派に生まれているね)。
ハナシチ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
風邪。
- 用例
- アチャカラー シグトゥ ヤルムンヌ、ヘーク ハナシチカラ ノーサンネー(明日からは仕事というのに、早く風邪から治さないと)。
- メモ
- 音1:ハナシキ。→カジヒチ。
ハナシチガマラサン 伊良皆
風邪が大流行する。
- メモ
- *クカル(アカショウビン)が飛んだらハナシチガマラサンと言われていたとのこと。
ハナシッピルー 長田
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- メモ
- →ハナビラー。
ハナスン 喜名,渡慶次,儀間
①離す。②放す。
- 用例
- ①タイ グー ナイネー、ヤナクトゥビカーン スグトゥ ハナスン(二人一緒になると、悪い事ばかりするから離す)。②イン カチミタシガ、ヲゥタトーグトゥ ナー ハナスン(犬を捕まえたが、疲れたのでもう放す)。否:ハナサン(はなさない)希:ハナシーブサン(はなしたい)過:ハナチャン(はなした)継:ハナチョーン(はなしている)。
- メモ
- ②ユルスン。対:カチミーン(捕まえる)。
ハナスン 喜名,渡慶次,儀間
話す。
- 用例
- シンシーガ アトゥカラ ハナスンディ(先生が後から話すそうだ)。否:ハナサン(話さない)希:ハナシーブサン(話したい)過:ハナチャン(話した)継:ハナチョーン(話している)。
- メモ
- →カタイン。
ハナダイ 喜名,渡慶次,儀間
洟垂〔はなた〕れ。鼻水。

- 用例
- アネアネ、ハナダイ タトーシガ(ほらほら、洟水が垂れているよ)。
- メモ
- →ハナミジ。
ハナダイポロポロ 喜名,渡慶次,儀間
洟を垂らしている様。

- 用例
- アイナー、ハナダイポロポロ シミティ(あれまあ、洟をだらだら垂らさせて)。
ハナタカー ①喜名,座喜味,渡慶次,儀間②座喜味
①鼻が高い人。②いばっている人。
- 用例
- ①アヌ ニーシェーヤ イッペー ハナタカー ヤン(あの青年はとても鼻が高い)。
ハナタカサン 座喜味
いばっている。
ハナダヤー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
{はなたれあ(洟垂れあ)}。洟垂れ。

- 用例
- フルイーティマディン ハナダヤー ヤタン(大きくなってまでも洟垂れだった)。ハナダヤーヤ、カジヒチル ヤリー(洟垂れめ、風邪をひいているのか)。
- メモ
- 音1:ハンダヤー。
ハナダヤーワラビ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
{はなたれあわらべ(洟垂れあ童)}。洟垂れ小僧。
- 用例
- ヤナハナダヤーワラベー ヌー サル ムンガ(嫌な洟垂れ小僧め、何様のつもりか)。
- メモ
- 子どもにも使うが、大人に対しても馬鹿にした言い方で使う。
ハナヂ 上地
鼻血。
- 用例
- ハナヂ ハティ(鼻血が流れて)。
ハナヂー 喜名,渡慶次,儀間
鼻血。
- 用例
- キーサカラ ハナヂーヌ トゥマラン(さっきから鼻血が止まらない)。
- メモ
- 音1:ハナヂ。鼻血が出ると、仰向けになる、*フーチバーの葉を揉んで鼻孔に入れる、後頭部の頭髪を強く引っ張るなどの民間療法がある。
ハナヂナ 座喜味
牛の鼻につける綱。
- メモ
- スルガーギー(シュロ)を編んで作った丈夫な綱を牛の鼻につけた。
ハナバーチ 喜名,渡慶次,儀間
花鉢。
- 用例
- ハナバーチヌ ハナンカイ ミジ カキーン(花鉢の花に水をかける)。
ハナハガー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
鼻がはげていること。鼻のはげた人。
- 用例
- カジ ヒチ ハナミジ、ゥンジージューサヌ ハナハガー ナトーン(風邪をひいて、鼻水が出すぎて鼻がはげになっている)。
- メモ
- 悪口にもなった。
ハナビーダク 波平
料理。蒸した蛸〔タコ〕。
- メモ
- ニービチ(結婚式)の儀式に使われた。
ハナピーピー 喜名,親志,渡慶次,儀間,大湾,古堅
鼻づまり。鼻風邪。
- 用例
- カジ ヒチ ハナピーピー ソーン(風邪をひいて鼻が詰まっている)。
- メモ
- →ハナカタマイ。
ハナヒチ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,大湾
{はなひき(鼻引き)}。風邪。流行り風邪。
- 用例
- ハナヒチ カカイン(風邪をひく)。ニチヌ アンネー スシガ ハナヒチル ヤンテー(熱があるようだが、風邪じゃないの)。
- メモ
- 音1:ハナシキ。→カジヒチ。
ハナビラー 喜名,親志,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,比謝矼,長田
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- 用例
- ワッター ゥンマガー ハナビラー ヤシガ、イッペー ウジラーサンドー(私の孫は鼻は低いが、とても可愛いよ)。
- メモ
- 音1:ハナビルー。音2:ハナシッピルー。
ハナビラーダックイ 伊良皆
鼻がひしゃげた血筋。鼻が低い血筋。
ハナビルー 座喜味
鼻が低い人。鼻のひしゃげた人。
- メモ
- →音1:ハナビラー。
ハナプーカー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
鼻提灯〔ちょうちん〕。

- 用例
- ハナプーカー ゥンジャチ ニントーサ(鼻提灯を出して寝ているさ)。
ハナブックヮ 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅,比謝矼
鼻翼。小鼻。鼻のふくらむ部分。
- 用例
- ハナブックヮ チケー(鼻を突け〈脅し文句〉)。ハナ ハンカッティ、ハナブックヮヌ フックトーン(鼻をはじかれて、鼻が膨れている)。
ハナマチガー 牧原
植物。甘藷の品種名。
- メモ
- タードーシ(田倒し、排水して畑にする)後に植える甘藷は、葉が大きくて家畜の餌にもなるハナマチガーだった。
ハナミジ 喜名,渡慶次,儀間,長浜
鼻水。

- 用例
- ハナミジ タトーグトゥ、ヘーク ヌグレーワ(鼻水が垂れているから、早く拭きなさい)。
- メモ
- 音2:ハナダイ・ミジハナダイ。
ハナムジュムジュー 喜名,渡慶次,儀間
鼻がむずむずする様。
- 用例
- ハナ ガンマリサレー、ハナムジュムジュー シッ チョーン(鼻をいじったら、鼻がむずむずしてきた)。
ハナムニー 喜名,渡慶次,儀間,大湾
鼻声。風邪などで鼻が詰まっているときの話し方。
- 用例
- ハナヒチ カカティ ハナムニー ナトーン(風邪をひいて鼻声になっている)。
- メモ
- 音1:ハナムヌイー。
ハナムヌイー 座喜味
鼻声。風邪などで鼻が詰まっているときの話し方。
- 用例
- ハナムヌイー ソーン(鼻が詰まったような話し方をしている)。
- メモ
- 音1:ハナムニー。
ハナモー 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
鼻の欠けた者。
- 用例
- ハナモー ナティ ンルン カタン ネーン ナトーン(鼻が欠けて、昔の面影が全くなくなっている)。
ハナモームニー 渡慶次,儀間,大湾
鼻の欠けた者のような話し方。
- 用例
- ハナモームニー スグトゥ ヌール イチョーラー ワカランサ(鼻の欠けたような話し方をするから、何を言っているのか分からないよ)。
ハナリ 高志保
離れ。離れた所。離れ島。
- 用例
- タビハナリンカイ ナガサリーシガヤーサイ(遠く離れ島に島流しにされるんですがね)。
- メモ
- 音2:ハナリジマ。
ハナリガナサ 喜名,渡慶次,儀間
{はなれかなさ(離れ愛さ)}。離れているほど愛しいということ。
- 用例
- ハナリガナサディチ、チカサヤカ トゥーサーカイ ヲゥシェー マシ ヤサ(離れているほど愛しいということもあるから、近くより離れている方がいいよ)。
ハナリジーグヮー 渡具知
離れ岩。
ハナリジマ 喜名,渡慶次,儀間
離れ島。
- 用例
- ハナリジマカイ ワタティ イチュン(離れ島に渡って行く)。
- メモ
- →ハナリ。
ハナリダカシ 渡具知
離れにある高い岩。
ハナワライ 座喜味
相手を軽蔑した笑い。
ハナヲゥー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
鼻緒。下駄の前の緒。
- 用例
- ハナヲゥーヌ チリトーン(鼻緒が着れている)。
ハナン トーカチ 瀬名波
鼻が低い様。斗掻きで米を切ったように鼻が低くなること。
- 用例
- ハナン トーカチ ナティ(鼻も低くなって)。
ハニ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
羽根。翼。
- 用例
- マータクンカイ ハニ チキティ トゥーサマディ トゥバスン(凧に羽根をつけて遠くまで飛ばす)。
ハニーン 喜名,渡慶次,儀間
はねつける。拒否する。受け付けない。
- 用例
- ガッティノー アラングトゥ、クンドー ハニーン(合点がいかないから、今回は拒否する)。否:ハニラン(拒否しない)希:ハニーブサン(拒否したい)過:ハニタン(拒否した)継:ハニトーン(拒否している)。
ハニゲー 長浜
羽交(はが)い。左右の翼の付け根部分。羽。翼。
- 用例
- ハニゲー ダトーン(翼がだれている)。
ハニジクルー 波平
植物。稲の品種名。
ハニヂバル
{羽地原}。長浜の小字。
ハニムシ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
昆虫。羽虫。羽蟻。交尾期の羽がついたアリやシロアリ。
- 用例
- ハニムシヌ トゥビネー、イーヒー ヤサディタン(羽蟻が飛ぶと、いい日だと言った)。ハニムシヌ トゥビーネー シライヌ ヲゥンドー(羽アリが飛ぶとシロアリがいるよ)。
ハネーカスン 喜名,渡慶次,儀間
華やかにする。盛り上げる。
- 用例
- ヤーニンジュシ スージ ハネーカスン(家族でお祝を盛り上げる)。チョーデー タイシ、ウスマサ ジャー ハネーカスン(兄弟二人で、とても座を華やかにする)。否:ハネーカサン(華やかにしない)希:ハネーカシーブサン(華やかにしたい)過:ハネーカチャン(華やかにした)継:ハネーカチョーン(華やかにしている)。
ハネーチュン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
華やぐ。盛り上がる。栄える。
- 用例
- アッターンカイ シミーネー、ジコー ハネーチュンドー(彼等にさせたら、とても盛り上がるよ)。否:ハネーカン(盛り上がらない)希:ハネーカシーブサン(盛り上げたい)過:ハネーチャン(盛り上がった)継:ハネーチョーン(盛り上がっている)。
ババーヌエー 儀間
竹馬。
- メモ
- →アシゥンマ。
ハバカイ 楚辺
忙しさ。
- 用例
- ハバカイヂューサヌ、ムヌカンゲーン ナラン(忙しすぎて、考えごともできない)。
ハバカユン 大木
{はばかる(憚る)}。幅をきかす。広い場所をとってのさばる。
ハバクヮスン 楚辺
混乱させる。
- 用例
- チュガ イーシェー チカングトゥ、アリガ チーネー ハバクヮスンドー(人の言うことを聞かないから、彼がきたら混乱させるよ)。
ハバチクン 楚辺
幅が利く。顔が利く。
- 用例
- ワッター シマヲゥテー、アリガル ハバチクンドー(私の村では、彼が顔が利くんだよ)。
- メモ
- 音1:ハバチチュン。
ハバチチュン 喜名,渡慶次,儀間
幅が利く。顔が利く。
- 用例
- アヒーヤ グテーン カナイシナカイ、チブルン ユタサグトゥ ハバチチュン(兄は力も強ければ、頭もいいので顔が利く)。
- メモ
- 音1:ハバチクン。
ハバチュン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,大湾
①捗る。進む。作業が片付く。②食べつくす。
- 用例
- ①シンカヌ ウーサグトゥ、シクチン ハバチュンテー(人数が多いから、仕事も捗るんじゃない)。ウッペール セイフグトゥ ハバチャグトゥ、トゥスイヤ イッペー タカラリチ(こんなに大きな政府事を片付けたので、年寄りはとっても宝といって)。②ウッサ ヲゥグトゥ、ハバチュンデ(それだけいるから、食べきるよ)。ドゥーテーガ マギサル ウッサー、ユー ハバチュン(体が大きいだけあって、よく食べる)。チーニーブク カミムンヌ アルッサ ハバチ チキーン(くると同時に、食べ物のありったけ食べつくす)。否:ハバカン(食べつくさない)希:ハバチーブサン(食べつくしたい)過:ハバチャン(食べつくした)継:ハバチョーン(食べつくしている)。
- メモ
- →ハカドゥイン。
パパヤー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,都屋,渡慶次,儀間,長浜,渡具知,大湾,古堅
植物。パパヤ。
- 用例
- ハルカイ ダテーンヌ パパヤー イーラットーン(畑にたくさんのパパヤが植えられている)。ヤシチナカイ パパヤー イートーチーネー、マルケーティヌ オカズ ジョートーデー(屋敷にパパヤを植えていたら、たまにはおかずにいいよ)。クンドゥヌ カジフチシ パパヤーン ムル トーサッタン(今度の台風でパパヤも全部倒された)。
- メモ
- 青パパヤは産婦の乳の出をよくするといわれ重宝された。熟した実にも薬効がある。
パパヤーイリチャー 喜名,渡慶次,儀間
料理。パパイヤ炒め。
- 用例
- パパヤーイリチャー チュクイグトゥ パパヤー シリシリー シェー(パパイヤ炒めを作るから、パパイヤをすりおろしなさい)。
ハブ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
爬虫類。ハブ。
- 用例
- チャッピナーヌ ハブヌ トゥーティ ハイタン(とても大きなヘビが通っていった)。ハブ ニーネー フカヲゥティ ニリ、ティンジョーヌ シーシガ ナビンカイ ウティーネー ドゥク ナインドー(ハブを煮るなら外で煮ろ、天井の煤が鍋に落ちると毒になるよ)。
- メモ
- 瀬名波では、かつてはハブも汁にしたり、焼いたりして食べた。
ハフーバカ 渡慶次,儀間,楚辺
破風墓〔はふばか〕。
- 用例
- ンカシェー ノーミノー ハフーバカヤ チュクラランタン(昔は農民は破風墓は造れなかった)。
- メモ
- →音1:ハーフーバカ。
ハブカクジャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
{はぶあご(ハブ顎)}。顎〔あご〕が大きい人。顎がハブのように張った人。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーヤ ハブカクジャー ヤン(隣の青年は顎が大きい)。
- メモ
- →カクジャー。
ハブグサ 楚辺
植物。ツルソバ。

- 用例
- ハブグサヤ カマランディ(ツルソバは食べれないそうだ)。
- メモ
- →シービー。
ハブチャ 楚辺
植物。エビスグサ。
- 用例
- ハブチャヤ チールーハナヌ サチュン(エビスグサは黄色い花が咲く)。
ハブチョーギン 渡具知
芸能。ハブ狂言。渡具知のムラアシビの演目。
ハブヂンナン 村史
貝名。畑などにいる平たい殻のカタツムリ。先の尖った紫色のカタツムリ。
- メモ
- 食用にはできない。チンナンオーラセーをして遊んだ。
ハブトゥヤー 伊良皆
ハブを捕る人。
ハベール 波平,瀬名波,楚辺
昆虫。蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。

- メモ
- 音1:ハーベール・ハーベールー・ハベルー。
ハベル 高志保
昆虫。蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。
- 用例
- 歌:アカギアカムサガ ハベル ナティ トゥバワ トゥムシヒチチャヌ イニントゥムリ(赤木赤虫が蝶になって飛べば 友寄平敷屋の遺念と思え)。
ハベルー 渡慶次
昆虫。蝶〔ちょう〕。蛾〔が〕。

- メモ
- 音1:ハーベール・ハーベールー・ハベール。
ハマイン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大湾,古堅,長田
励む。頑張る。
- 用例
- ハマティ シクチ ソーン(頑張って仕事をしている)。ハマティ カムン(頑張って食べる)。ハマイヌムン ヤレー(頑張るのであれば)。チューヲゥティ ウワラスヌ カンゲーシ、ムルシ ハマインテー(今日で終わらせる考えで、皆で頑張るさ)。否:ハマラン(頑張らない)希:ハマイブサン(頑張りたい)過:ハマタン(頑張った)継:ハマトーン(頑張っている)。
- メモ
- 音1:ハマユン。→キバイン。
ハマウイ 喜名,伊良皆,都屋,楚辺,大湾
①浜下り。浜に下りて厄払いをすること。②行事。浜下り。三月三日に浜に下りて、貝などを拾って遊ぶこと。
- 用例
- ①トゥイヌ ヤーンカイ イーネーヤ、ハマウイ サーンネー ナランドー(鳥が家に入ったら、浜下りしなければならないよ)。
- メモ
- ①野鳥が家に入ると不吉とされ、家を開け放して浜に下りそこで過ごして厄払いをした。①類:フカゥンジ。②→ハマウリ。
ハマウリ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
①浜下り。浜に下りて厄払いをすること。②行事。浜下り。三月三日に浜に下りて、貝などを拾って遊ぶこと。
- 用例
- ②アングヮーターガ スルティ ハマウリ ソーン(娘たちがそろって浜下りをしている)。
- メモ
- 三月御重と蓬餅などを作り、浜に出て、汚れを払い健康を祈願する行事。楚辺では、旧3月3日にティールを持って楚辺の浜へ貝を採りに行った。帰りには、豆腐作りや肥やしに使うために潮水を汲んで頭上に載せてきた。
ハマガー 長浜
長浜の井泉の名称。
- メモ
- 海岸近くに位置し海水が混じっているので、甘藷などは洗ったが、農具は洗わなかった。
ハマグンボー 大湾
植物。モンパノキ。
- メモ
- 音2:ハマスーキ。戦前から庭木として植えられていた。
ハマスーキ 渡慶次,儀間,長浜,楚辺
植物。モンパノキ。
- 用例
- ハマスーキヤ シルハナグヮーガ サチュン(モンパの木は白い花が咲く)。
- メモ
- →ハマグンボー。
ハマバン 渡慶次,儀間,瀬名波
浜番。字からの依頼で浜の番をする人。
- メモ
- →ウミバン。
ハマホーギ 長浜
植物。ハマゴウ。
- メモ
- 音2:ホーギ。類:フコーガ・ホーゲーラー。カンカーの時、牛の血をつけたゲッキツやハマゴウの枝葉を、集落の入口や各家の門や軒に差して魔除けにした。→カンカー。
ハママーチ 親志,大木
植物。リュウキュウヨモギ。
- メモ
- 煎じて飲むと*チムグチカミラリヤー、利尿に効くと言われている。
ハマヤー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
働き者。よく励む人。頑張り屋。没頭する人。
- 用例
- イャー ヲゥトー、アンシ ハマヤー ヤル(お前の夫は、とても働き者だね)。
- メモ
- →ハタラチャー。
ハマヤーバル
{浜屋原}。宇座の小字。
ハマユン 大木
励む。頑張る。
- メモ
- 音1:ハマイン。→キバイン。
ハミ 喜名
{はみ(食み)}。家畜などの飼料。
ハラ 楚辺
鼻。
ハラ 喜名,渡慶次,儀間
側。方。
- 用例
- アガタヌ ハランカイ ハーエーシ ハイタン(あそこの方に駆け足で行きよった)。
ハライグリサン 渡慶次,儀間
難産である。
- 用例
- ヰナグングヮヌ クヮ ナスヌカージ ハライグリサヌ、シワヤサ(娘が子どもを産むたびに難産で、心配だ)。
- メモ
- 類:ハラヂューサン。対:ハライヤッサン(安産である)。
ハライメー 喜名,渡慶次,儀間
{はらひまへ(払ひ前)}。払うべきお金。模合等でまだ払ってないお金。
- 用例
- イャーヤ、ハライメーヤ ウビテー ヲゥミ(お前は、払うべきお金があるのを覚えているか)。
- メモ
- 対:トゥイメー。
ハライヤッサン 喜名,親志,渡慶次,儀間,楚辺
安産である。
- 用例
- ワンネー クヮ ナスヌ カージ、チャー ハライヤッサタン(私は子どもを産むたびに、いつも安産だったよ)。
- メモ
- 対:ハライグリサン・ハラヂューサン(難産である)。
ハライン 喜名,渡慶次,儀間
①取り除く。草を払う。②払う。お金を払う。借金を払う。
- 用例
- ①ヤナクサヌ ミーカントーグトゥ、クサ ハライン(雑草が生い茂っているから、草を取り除く)。②ヤーヌ ヌーシンカイ、ヤーデー ハライン(家の主に、家賃を払う)コーテーヌ ウッサヌ ブン ジン ハライン(買った分のお金を払う)。否:ハララン・ハラーン(はらわない)希:ハライブサン(はらいたい)過:ハラタン(はらった)継:ハラトーン(はらっている)。
ハラウービ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,波平,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,長田
腹帯。
- 用例
- ワタン マギク ナトーグトゥ、ハラウービ スシェー マシテー(お腹も大きくなってきたから、腹帯をした方がいいね)。
- メモ
- 腹が目立ち始める5、6か月になると、犬は多産で安産だということで犬にあやかって、戌の日に腹帯を締めた。
ハラガー 座喜味,高志保
側面。傾斜面。
- メモ
- バーキを編むときの側面にもいう。
ハラガー ①喜名,座喜味,都屋,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅②喜名,座喜味,都屋,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅
①三枚肉。②横っ腹。
- 用例
- ①ハラガーシ アンダンスー チュクイサ(豚バラで油味噌を作るさ)。②ハラガー キラッティ パタパター ソーン(横っ腹を蹴られてもだえ苦しんでいる)。
- メモ
- ①→サンマイニク。
ハラゴー 喜名,渡慶次,儀間
腹身。魚の身の腹の部分。
- 用例
- ハラゴーヤ ティンプラー シーネー マーササ(魚の腹の部分は、天ぷらにしたら美味しいよ)。
ハラゴー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,古堅
罰金札を清算すること。規則違反の取り締まりや風紀取り締まり。
- メモ
- 他所の畑から農作物、カズラ、松の下枝やソテツを取った時はイックヮンフダ(一貫札)が課せられ、また未成年者が煙草を吸った場合にはタバクフダ(煙草札)、鶏を放し飼いしたらトゥイフダ(鶏札)と罰金もするし鶏も取り上げた。そうして集めた罰金で豚を潰して、家族割り当てで肉を分配した。
ハラゴーモー 古堅
田畑の農作物を確保するための規約(ハラゴー)を守らせる場所として、全字民が集まる広場のこと。
- メモ
- 古堅には、ムラの掟を制定し遵守せしめる場所としてハラゴーモーという、全字民が集まれるほどの広い原っぱがあり、そこで豚を屠ってご馳走した。また、この場所は高台に位置するため、ヨーカビー(旧暦8月8日)にタマガイ(火の玉)が集落で上がらないか見張った。
ハラスン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
(汗や血を)流す。(汗を)かく。出す。
- 用例
- アンダグヮー ハラサーニ ンスグヮー イッティ(油を出して味噌を入れて)。チー ハラサビンドーヤ(血を流しますよ。脅し文句)。ティー アライグトゥ ミジ ハラスン(手を洗うから水を出す)。否:ハラサン(出さない)希:ハラシーブサン(出したい)過:ハラチャン(出した)継:ハラチョーン(出している)。
ハラスン 喜名,渡慶次,儀間
晴らす。雨、気持ち、恨みを晴らす。
- 用例
- ンリラングトゥ シ アミ ハラスン(濡れないように、雨を晴らす)。ナママディ ウムトータシ アンマーンカイ ハナシー シ、チム ハラスン(今まで思っていたことを母親に話して、気持ちを晴らす)。チャーシン ウラミ ハラサントー ナラン(どうしても恨みを晴らさないといけない)。否:ハラサン(晴らさない)希:ハラシーブサン(晴らしたい)過:ハラチャン(晴らした)継:ハラチョーン(晴らしている)。
ハラダチ 喜名,渡慶次,儀間
腹立ち。怒り。
- 用例
- ハラダチン シミソーランキヨーヤー(怒らないでくださいね)。
ハラヂューハン 楚辺
難産である。
- 用例
- ワー トゥジェー、クヮ ナスヌ カージ ハラヂューハン(私の妻は、子を産むたびに難産だ)。
- メモ
- →ハライグリサン。
ハラトゥイ 楚辺
腹取りが得意な闘牛用の牛の名前。
- 用例
- ワッター ウシェー ハラトゥイディ イラットータン(私の牛は、腹取りと言われていた)。
パラパラーミンナ 渡慶次
植物。ルリハコベ。
- メモ
- ヤギやウサギにたくさんやると下痢をした。音1:アラミンナー。
ハラムン 渡慶次,儀間,楚辺
孕む。妊娠する。
- 用例
- ヰナグングヮヤ タイミー ハラドーン(娘は、2人目を妊娠している)。
- メモ
- →カサギーン。
ハララー 楚辺
魚名。ヤクシマイワシ。
- 用例
- ハララーヤ ンジガ ウーハグトゥ、ワランチャーンカイヤ カマサラン(ヤクシマイワシはトゲが多いから、子どもたちには食べさせられない)。
ハラン 都屋,瀬名波,古堅
魚の卵。
バラン 瀬名波
ススキの葉。
- メモ
- →ガラマー。
ハランサーイ 伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
つわり。悪阻〔おそ〕。
- 用例
- ハランサーイン ヤガティ ウワイサ(つわりもやがて終わるよ)。
ハリーン 喜名,渡慶次,儀間
晴れる。
- 用例
- クンドゥヲゥテー ヌーンクィ ウチナチ ヤクン ハリーサ(今年中には何もかも終わって、厄も晴れるさ)。ヤガテー アミン ハリーンテー(やがて雨も晴れるさ)。否:ハリラン(晴れない)継:ハリトーン(晴れている)。
ハリヤク 喜名,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,牧原
晴厄。厄が晴れること。
- 用例
- クジュ トゥシビー ヤテーグトゥ、クンドー ハリヤク ヤサ(昨年は生まれ年だったから、今年は晴厄さ)。
- メモ
- 牧原ではハリヤクの時は客を招いて大きなお祝いをした。
ハル 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,牧原
畑。
- 用例
- ハルン ルク ウーサイネー、カジーンディ デージル ヤル(畑もあまり多いと、耕すのに大変だ)。ハル アキーン(畑を開ける〈開墾する〉)。ハルカイ イチュン(畑に行く)。
- メモ
- →①ハタキ。
ハル 親志,上地,長浜,大木,比謝矼,牧原,長田
春。
ハル アシバスン 喜名,渡慶次,儀間
畑を遊ばせる。作物を作らず、畑を放置する。
- 用例
- フユー ッシ、ハル アシバスンナー(怠けて、畑を遊ばせるのねぇ)。
ハルカイキヤー 楚辺
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイチヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルカイチヤー 渡慶次,儀間
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ハルカイチヤーヤ ヤーヌクサーンカイ カキトーケー(野良着は家の後にかけておきなさい)。
- メモ
- 音1:ハルカイキヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルガチャー 大木
畑仕事に精を出す者。
ハルカラー 喜名,渡慶次,儀間
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ハルカラーン マルケーテー アラーンネー(野良着もたまには洗わないと)。
- メモ
- →ハルカラアッチャー。
ハルカラアッチャー 渡慶次,儀間,大湾,古堅
畑仕事用の着物。野良着。
- 用例
- ウスメーヤ、ハルカラアッチャー チチル ハイタンドー(おじいさんは、野良着を着て行ったんだよ)。
- メモ
- 音2:ハルカラチヤー・ハルカイキヤー・ハルカイチヤー・ハルカラー・ハルギン。
ハルカラチヤー 大木
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- 音1:ハルカイチヤー。→ハルカラアッチャー。
ハルギン 楚辺
畑仕事用の着物。野良着。
- メモ
- →ハルカラアッチャー。
ハルサー 座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅,比謝矼
農民。農業をしている人。畑仕事を主にする者。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー、ンカシカラ ハルサー ッシ ムヌクェージク ソーン(私の家族は、昔から農業をして生計を立てている)。
ハルシクチ 喜名,渡慶次,儀間
畑仕事。
- 用例
- ナチヌ アチサイネー ハルシクチン ヲゥタイン(夏の暑い時は畑仕事も疲れる)。
ハルジタク 楚辺
野良着姿。
- 用例
- ハルジタクヌ ママ ヤーンカイヤ アガイナヨー(野良着姿のまま家には上がるなよ)。
- メモ
- 音2:ハルスガイ。
ハルスーブ 座喜味,長浜
{はらしょうぶ(原勝負)}。行事。農事奨励。畑の勝負。
- メモ
- 音2:ハルヤマスーブ。
ハルスガイ 喜名,渡慶次,儀間
{はらそがり(原そがり)}。野良着姿。
- 用例
- ハーメーヤ ハルスガイ ッシ ゥンジティ ハイタン(おばあさんは野良着姿で出て行った)。
- メモ
- →ハルジタク。
ハルナー 喜名,渡慶次,儀間
{はらな(原名)}。小字名。
- 用例
- ンカシヌ ハルナーヤ、ムサットゥ ワカラン ナトーン(昔の小字名は、まったく分からなくなっている)。
ハルヌシチ 長浜
春の節。
ハルビーサ 村史
{はらびえさ(原冷えさ)}。立春の頃、大豆などの種まきの頃に寒さが続く日のこと。
ハルブクター 楚辺
冬物の野良着。古着の破れた箇所をつぎはぎして厚めになった着物。
- メモ
- →ウシマー。
ハルマーイ 喜名,渡慶次,儀間
{はらまはり(原回り)}。畑の見回り。
- 用例
- ウスメートゥ マジョーン、ハルマーイカイ イチュン(お父さんと一緒に、畑の見回りに行く)。
ハルミチ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{はらみち(原道)}。畑と畑の間にある道。
- 用例
- ハルシクチガ イチュナサイネー、ハルミチヲゥティル アサバヌン カムタル(畑仕事が忙しい時には、ハルミチで昼ご飯も食べていたんだよ)。
ハルヤー 大湾
{はらや(原屋)}。畑の作業小屋。
ハルヤーポン 渡慶次
行事。旧2月と8月に、字民の健康と繁栄を祈願する、大御願の別称。
- メモ
- かつてこの祭りの指導的役割をした老人が、畑の豊作を祈願するために「ハルヤー」と唱え、太鼓をポンと叩いたことから、のちのちハルヤーポンと呼ばれるようになったという伝えがある。→ウフウグヮン。
ハルヤマスーブ 喜名,渡慶次,儀間,大湾
{はらやましょうぶ(原山勝負)}。行事。農事奨励。畑の勝負。
- 用例
- センゼンヌ ハルヤマスーブヤ、イッペー タヌシミ ヤタンヤー(戦前の原山勝負は、とても楽しみだったね)。
- メモ
- →ハルスーブ。
ハルイェンチュ 座喜味,大湾,古堅
畑の鼠。畑にいる鼠。
ハルウェンチュ 長田
畑の鼠。畑にいる鼠。
ハレイチ 長浜
払い地。田んぼ。
- メモ
- 渡慶次や恩納村の宇加地、与久田、美留〔びる〕、仲泊まで長浜の田圃があった。
ハワイー 渡具知,長田
植物。甘藷の品種名。
ハワイイチー 楚辺,古堅
ハワイへ行って来た人。ハワイ帰りの人。
ハワイチンヌク 座喜味
植物。里芋の一種で、一般の里芋より大きい外来種。
- メモ
- 音1:ハワイヂンヌク。
ハワイヂンヌク 大湾
植物。里芋の一種で、一般の里芋より大きい外来種。
- メモ
- 音1:ハワイチンヌク。
ハン~ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,宇座,大湾,牧原
半~。
- 用例
- ハンクン(重箱半組)。ハンブン(半分)。
バン 座喜味,儀間,楚辺,渡具知
①番。順番。②助数詞。~番。
- 用例
- ①ドゥーヌ バン(自分の番)。②イチバン ウットゥグヮー(一番下の子)。
- メモ
- ②順序の助数詞。イチバン(1番)・ニバン(2番)・サンバン(3番)と数える。
バンク 古堅
ムラアシビをする舞台のこと。
ハンクン 喜名,渡慶次,儀間
{はんくみ(半組)}。重箱の餅1箱とおかず1箱のこと。
- 用例
- ジューバコー ハンクンシ シマビーミ(重箱は半組でいいですか)。
- メモ
- →ジューバク。
ハンケークー 座喜味
植物。ノボタン。野牡丹。
- メモ
- →ヌブタン。
ハンシ 大木
一時的な処置。一時しのぎ。間に合わせ。
- メモ
- →トーイヌハンシ。
ハンジ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
判じ。易者。占い師。
- 用例
- イサヌヤー カカティン マシェー ナランティカラ、ハンジン カカリワル ヤンテー(病院にかかってもよくならないんだったら、易者もかかった方がいいね)。ハンジ コーイン(易者の判じを買う)。
バンジ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
真っ盛り。たけなわ。丁度。絶頂期。最中。
- 用例
- アッターヤ バンジル、ヤグトゥ ヌー ヤティン ナイサ(彼らは絶頂期だから、何でもできるよ)。ナマン バンジ ヤサ(今も盛りだ)。バンジ ユチン フイギールムン(丁度雪も降りよるのに)。
- メモ
- →サラバンジ。
ハンシー 親志,座喜味,上地,楚辺,大木
親族語彙。祖母。おばあさん。
- メモ
- →ゥンメー。士族の言葉。
ハンジャ 座喜味,波平,長浜,大湾
地名(読谷村波平)。
ハンジャ イガルー 波平,村史
字民性。波平イガルー。
- メモ
- 波平では「我々」を「イガルー」と言ったことから、そう呼ばれる。
ハンジャ クーブー 座喜味,波平,大湾
{はびらこんぶ(波平昆布)}。字民性。波平の人は、結び昆布のような締まり屋であること。
- 用例
- ワランチャーグヮー ヤイニーネー、「ハンジャクーブーヤ」リチ オーイテールムン(子どもの頃は、「波平昆布め」といって喧嘩していたもの)。ハンジャンチュヤ、ティー タッピラカチン ハナサンドー(波平の人は、手を叩きつけても離さないよ)。
- メモ
- 自治会や*アシビトゥイケーの時に出した、波平の昆布の煮方がとても美味しいと評判になったからという話もある。
バンジャー 座喜味,古堅
真っ盛りの人。絶頂期の人。
- メモ
- →サラバンジャー。
ハンジャンチュ 座喜味,波平,都屋,大湾,古堅
波平の人。
ハンジュン 楚辺
開ける。
- 用例
- アンサーニ、ゥンマ ハンジャーニカイ(そうして、そこを開けてからに)。
バンジョーガニ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
番匠金。かね尺。さしがね。
- 用例
- バンジョーガニヤ、リッパ アティリヨー(番匠金は、ちゃんと当てなさいよ)。
ハンジリー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,宇座,牧原
{はんきり(半切り)}。底の浅い桶〔おけ〕。盥〔たらい〕。桶を半分に切ったような形。
- 用例
- トーフ シーネー、ハンジリー チカイビタン(豆腐を作る時には、底の浅い桶を使っていました)。ハンジリーッシ、アライムヌン スタンヤー(たらいで、洗濯もしていたね)。
- メモ
- →ターレー。
バンシルー 伊良皆,楚辺,古堅
植物。バンジロウ。グヮバ。
- メモ
- 音1:ベンシルー。→バンスルー。
バンスルー 座喜味
植物。バンジロウ。グヮバ。

- メモ
- →音1:バンシルー。音:バンソーリ・バンソーリー。類:ベンシルー・ベンスルー・バンシルー。
ハンスン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,大湾
①外す。免れる。②責務を果たす。果たす。処理する。③~しそこなう。~しそびれる。
- 用例
- ①ヤク ハンスン(災いを免れる)。チカーランヌー ネジ ハンスン(使えないネジを外す)。否:ハンサン(外さない)希:ハンシーブサン(外したい)過:ハンチャン(外した)継:ハンチョーン(外している)。②クチヌメー ハンスン(自分が食べる分の働きを果たす)。③アシビハンスン(遊びそこなう)。ミーハンスン(見逃す)喜。
ハンスン(~ハンスン) 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
~放す。
- 用例
- イーハンスン(言い放つ)。ミーハンスン(見放す)。
- メモ
- →ハナスン。
ハンスン(~ハンスン) 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,大湾
~しそこなう。~しそびれる。~する機会を失する。~し損じる。
- 用例
- アシビハンスン(遊びそこなう)。ミーハンスン(見逃す)喜。
バンソーリ 波平
植物。バンジロウ。グヮバ。

- メモ
- 音1:バンソーリー。→バンスルー。
バンソーリー 長浜
植物。バンジロウ。グヮバ。

- メモ
- 音1:バンソーリー。→バンスルー。
ハンタ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知
崖。崖っぷち。
- 用例
- ハンタ クシ ナチ ヰーネー アブナサヌ(崖を背にして座ったら危ないよ)。
- メモ
- →スギバナ。
ハンダイ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
飯台。ちゃぶ台。
- 用例
- ムヌン ナラン マール、ハンダイ メー ナチョーン(食事ができないうちに、飯台を前にしている)。
パンタタカー 楚辺
漁法。海面を棒でパンパン叩きながら魚を網に追い込む漁法。小規模な追い込み網漁。
- 用例
- パンタタカーシ イユ トゥイン(パンタタカーで魚を取る)。
- メモ
- 音2:タタカー。
ハンタバル
{坂田原}。波平の小字。
ハンタバル
{半多原}。瀬名波の小字。
ハンタバル
{繁多原}。座喜味の小字。
ハンダマ 喜名,座喜味,伊良皆,波平,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,大木
植物。スイゼンジナ。水前寺菜。

- 用例
- ハンダマヤ、ンカシカラ ウチナーヲゥテー ユー カマットーン(水前寺菜は、昔から沖縄ではよく食べられている)。
ハンダヤー 喜名,座喜味,伊良皆,古堅,比謝矼
鼻水をたらしている者。鼻たれ。

- メモ
- 音1:ハナダヤー。
ハンチキーン 座喜味
引っかける。
- 用例
- シーバイ ハンチキーグトゥ(おしっこをひっかけるから)。
- メモ
- 音2:ヒッチャキーン。
ハンチケーラスン 喜名,渡慶次,儀間
跳ね返す。
- 用例
- ヒサシ ハンチケーラスン(足で跳ね返す)。否:ハンチケーラサン(跳ね返さない)希:ハンチケーラシーブサン(跳ね返したい)過:ハンチケーラチャン(跳ね返した)継:ハンチケーラチョーン(跳ね返している)。
ハンチャーガーミー 座喜味
昆虫。タガメ。
- メモ
- ゲンゴロウよりも一回り大きかった。捕まえて背中に土をつけ、グーシ(串、竹串)を曲げてそこにさし、もう一方を固定してくるくる歩いて回るのを楽しんだ。
ハンチューヤーマー 波平
植物。センダングサ。
- メモ
- →サシグサ。
ハンチュン ①喜名,渡慶次,儀間,長浜,渡具知,大湾②喜名,渡慶次,儀間,大湾
①はじく。はじき飛ばす。②射る。弾く。
- 用例
- ①マースミジ ハンケー(塩水をはじけ)。グムカン ハンチュン(ゴムカンを弾く)。②ユミ ハンチュン(弓を射る)。
バンティ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,比謝矼
番手。番。
- 用例
- ジョーヌ バンティ サグトゥ(門の番をしたから)。ンナガ チュールマディ バンティ ソーチュン(皆がくるまで番をしておく)。ジンスグミヌ ヰキガヌチャーガ、マタ ヒーグヮー メーチ バンティヒチヨー(隣組の男性たちが、また火を燃やして番をして)。
ハンディムン 大湾
外れ者。はみ出し者。
- メモ
- 音1:ハンリムン。音2:ハンティンムン。
ハンティンムン 座喜味
外れ者。はみ出し者。
- メモ
- →ハンディムン。
ハンドゥー 座喜味,大湾
{はんどう(半胴)}。民具。炊事や飲み水用の水甕で、口が広く胴が短い。
- メモ
- 類:ハンドゥーガーミ。
ハンドゥーガーミ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,大湾
{はんどうがめ(半胴甕)}。民具。炊事や飲み水用の水甕で、口が広く胴が短い。
- 用例
- ンカシェー ナマヌ グトゥ シ スイドーン ネーンル アグトゥ、チャー ハンドゥーガーミンカイ ミジェー タミティ ウチュタン(昔は今のように水道もないから、いつも水甕に水を溜めておいた)。
- メモ
- 類:ハンルーガーミ・ハンドゥー。
バントー 座喜味,大湾
番頭。
- 用例
- マチヤヌ バントー(雑貨店の番頭)。
バンナイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
どんどんと。バンバンと。次々に。テキパキと物事を進める様。
- 用例
- クガニヌ ハナヌ バンナイ アガトール バー(黄金の花が勢いよく上がっていたわけさ)。チャッサ アティン フスクル スグトゥ、バンナイ ハクベー(いくらあっても不足するんだから、どんどん運べ)。
ハンナギーン 喜名,渡慶次,儀間,古堅,大木
放り投げる。
- 用例
- ハンナギテー イカランサ(放り投げて行けないよ)。イャーガン ナランラー ハンナギレー(お前でもできないのなら、放っておきなさい)。ウレー、アマンカイ ハンナギトーケー(それは、向こうに放り投げておきなさい)。否:ハンナギラン(放り投げない)希:ハンナギーブサン(放り投げたい)過:ハンナギタン(放り投げた)継:ハンナギトーン(放り投げている)。
- メモ
- 音2:ブンナギーン。
バンバトゥグヮー 村史
玩具。鳩の形をした笛。
- メモ
- 類:ヒリヒリーグヮー。4月アブシバレーの時の楚辺兼久と、旧6月の渡慶次潟野で行われる馬競争の時に、玩具が売られていた。
バンバラー 大木
がらんどう。広い家に何もない様。
- メモ
- →ウーガーガー。
バンバラグィー 長浜
乱暴な声。
パンパングヮーヨー 村史
子どもの遊び。まりつき歌を歌いながら座ってまりをつき、歌い終わったら次の人に渡して、また初めから歌う。
ハンブヌー 喜名,渡慶次,儀間
半分のもの。
- 用例
- ハンブヌーヤ ワンガ カムサ(半分のものは私が食べるよ)。
ハンブンカーキー 喜名,渡慶次,儀間
半分乾き。生乾き。
- 用例
- ウヮーチチヌ ワッサヌ ハンブンカーキール ソール(天気が悪くて、生乾きだよ)。
- メモ
- 類:ナマガーラチ。
バンマカスン 長浜
バンと強く打つ。
- メモ
- 相手にパンと強い衝撃を与える。
ハンメー 喜名,波平,高志保,渡慶次,儀間,大木
飯米〔はんまい〕。食糧。食事。餌。
- 用例
- メーナチヌ ハンメーヤ、ヌー チュクイガヤーシ カンゲーイシン ナンジ ヤサ(毎日の食事は、何を作ろうかと考えるのも難儀だよ)。ゥンマヌ ハンメー(馬の餌)。ヤーヲゥテー ハンメー スガララングトゥ、アンスグトゥ アマンジ マカネーヒチ(家では食事も作れないから、だからあそこで賄いをして)。
バンメーイチ 喜名
{ばんまへいけ(番前池)}。喜名番所の前にあった池の名称。
- メモ
- 池は人手で土を運び出して造った。近郊でも大きな池として知られ、農具を洗ったり、子どもらが水浴びをしたり、大変利用度が高かった。現在は埋め立てられ、野外ステージが建ち、敷地には石碑が建立されている。
ハンメースガヤー 喜名,渡慶次,儀間
飯米を作る人。食事を作る人。
- 用例
- ウッサヌ シンカヌ ハンメースガヤーヤ、デージナ シクチ ヤサ(大勢の人たちの食事を作る人は、大変な仕事だ)。
- メモ
- 音2:ムンスガヤー。
ハンメーデー 喜名,渡慶次,儀間
飯米代。食事代。
- 用例
- ハンメーデーヤ ムルカラ ヌチャーサンネー(飯米代は皆から徴収しないと)。「クマヌ ナー ジョーヒチャートゥシ ナー、ハンメースガヤーグヮー クマンカイ ウチョーチミソーランナー」ディ イチャグトゥ(「ここのもう女中として、食事係〈として〉ここに置いてくれませんか」と言ったから)。
ハンリーン 喜名,渡慶次,儀間
外れる。
- 用例
- クンドゥヤ ヤクミカラ ハンリーン(今年は役目から外れる)。否:ハンリラン(外れない)希:ハンリーブサン(外れたい)過:ハンリタン(外れた)継:ハンリトーン(外れている)。
- メモ
- →音1:ハジリーン。
ハンリムン 喜名,渡慶次,儀間
外れ者。はみ出し者。
- 用例
- ハンリムンヌン シクチヌ チトゥマイミ(はみ出し者に仕事が務まるか)。
- メモ
- 音1:ハンディムン。→ハンディムン。
ビ(~ビ) 喜名,親志,都屋,比謝,大木,牧原
{部(べ)}。~の階層の者。~様。
- 用例
- アサタビ(首里勤め。政務を司る役)。ウミナイビ(王女。王の娘)。
ヒー 喜名,渡慶次,儀間
日。
- 用例
- ヒーカラ サチ キミラナ(日から先に決めよう)。
- メモ
- 音1:フィー。
ヒー 喜名,親志,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大木,比謝矼,牧原
屁。おなら。
- 用例
- ヒーヤ、アカングヮカラ トゥスイマディ ター ヤティン ヒール スル(おならは、赤子から年寄りまで誰でも出るんだよ)。諺:ヒラン ヒーヌ カジャ スミ(ひらない屁が臭うものか〈火のない所に煙は立たない〉)。
- メモ
- 音1:フィー。
ヒー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原
火。
- 用例
- ヒーヤ チャーチー(火は消したねぇ)。ヒー メースン(火を燃やす)。
- メモ
- 音1:フィー。
ヒー 親志,座喜味,上地,高志保,渡慶次,長浜,比謝,比謝矼,牧原
樋〔ひ〕。とい。水や湯を引くための管や溝。
- 用例
- チューカーヌ ヒー(急須の樋)。
- メモ
- 音1:フィー。→ティー。
ヒー(~ヒー) 喜名,渡慶次,儀間,長田
~よ。~ね。
- 用例
- ワンネー ナー イカヒー(私はもう行こうね)。ワンネー アワティトールムン イカヒー(私は急いでいるから行こうね)。
- メモ
- 音1:~イー。意志を表わす形に付く。対等・目下に対する親しみの気持ちを表わす。
ヒーアイロン 渡慶次,儀間
火アイロン。炭火を入れて使うアイロン。
- メモ
- 柄の部分が木で、ジュラルミン製もある。新語。
ヒーウチ 喜名,渡慶次,儀間
{ひうち(日内)}。喪中。
- 用例
- ヒーウチネー アマクマ アッカンドー(喪中にはあちこち出歩かないよ)。
ピーカラカラー 渡慶次,儀間,宇座,瀬名波
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- 特徴的な鳴き声からそう呼んだ。→イシジューサー。
ビーグ 喜名,伊良皆,波平,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
植物。イグサ。藺草。備後藺〔びんごい〕。
- メモ
- 音2:ビング。類:ヰー。楚辺では畳にもビーグといった。
ビークーニー 長浜
料理。豚の内臓等の切れ端を炒めた料理。
- メモ
- 音1:ビークニー。師走27日のウヮークルシーに屠った豚の臓物をンブシー(蒸し煮)したもの。
ヒーグクチ 座喜味,大湾
癲癇〔てんかん〕の一種。火を見ると引き起こされる癲癇。
- メモ
- →ククチ。
ヒーグサ 座喜味
植物。オオイタビ。
- メモ
- 音1:チーグサ。→イシベー。
ヒーグシ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
難癖。
- 用例
- チュヌ ヒーグシビカーン カメーティン、ドゥーヌ タミネー ナラン(人の難癖ばかり探しても、自分のためにはならない)。
ヒーグチ 渡慶次,儀間
急須口。
- 用例
- ヒーグチカラ チャーヌ タトーンドー(急須口からお茶が垂れているよ)。
- メモ
- →②ティー。
ヒーグチャー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{ひくちあ(樋口あ)}。ラッパ飲み。
- 用例
- チャワヌンカイ イッティ ヌメー シムルムンヌ、ヒーグチャー シ(茶碗入れて飲めばいいのに、ラッパ飲みして)。
ヒーグトゥ 伊良皆
火事。
- メモ
- →クヮジ。
ビークニー 瀬名波,長浜
料理。豚の内臓等の切れ端を炒めた料理。
- メモ
- 音1:ビークーニー。内臓や肉等の切れ端に大根や昆布等を入れて蒸し煮にした。
ビーグムスル 喜名,波平,渡慶次,儀間,楚辺
藺草〔いぐさ〕で編んだ筵〔むしろ〕。
- 用例
- ビーグムスルヤ、ガンジューサヌ ナゲー チカーリーン(藺草で編んだむしろは、頑丈で長いこと使える)。
- メモ
- →トゥナミムスル。
ヒーグラシ 喜名,渡慶次,儀間
その日暮らし。
- 用例
- イチマディ タッチン、チャー ヒーグラシル ヤル(いつまで経っても、その日暮らしだよ)。
ヒーグルマー 楚辺
{ひぐるま(火車)}。蒸気船。
- 用例
- ヒーグルマーガ トゥーイネー ミジラハヌ ンジーガ イクタン(蒸気船が通ると、珍しくて見に行きよった)。
- メモ
- →ジョーキ。
ヒーゲーシ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,長田
{ひかへし(火返し)}。火難防止祈願。
- 用例
- ンカシヤ クヮジヌ ゥンジーネー、ヒーゲーシ シ ヤクバレー スタン(昔は火事が出ると、火返しをして厄払いをした)。
- メモ
- 火事が多い時期、広場に仮小屋を作って燃やし、防火の意味で火返しをした。伊良皆では10月戊の日に、アザブー(字賦)で雇った年配の男性2人が、各家の竈を拝み、茅葺きの家からは茅一本、瓦家からは燃える物を集めて来て、それで小屋を作り、晩に火を点ける。字の役目の人たちが鉦を打って「ホーハイ」と言いながら、部落中に合図する。それが聞こえたら、各家では鉦などの鳴り物を鳴らし、家の前に置いてある水を持って、「ホーハイ」と言いながら火の点いた小屋に水をかけて消火した。→カママーイ。
ヒーサ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
{ひえさ(冷えさ)}。寒さ。
- 用例
- ヒーサヌフシガラン ヒーシ ヌクタマラナ(寒くてたまらない、火で温まろう)。
ヒーサー 波平
日取りを選ぶ人。
ヒーサカー 比謝矼
寒さに震えること。
- 用例
- ヒーサカー シ チャグトゥ(寒くて震えてきたので)。
ヒーサガタガタ 喜名,渡慶次,儀間
寒さでガタガタ震える様。とても寒い様。
- 用例
- ヒーサガタガタ スシヤカ、マンドーヌ チン カサビレー(寒さでガタガタ震えるよりは、たくさんある着物を重ねなさい)。
- メモ
- 対:アチクヮンクヮン・アチプープー・アチヤーフーヤー(とても暑い様)。
ヒーサグファイ 渡具知
寒さで凍えること。
- 用例
- フカンカイ ゥンジャチヨ、ヒーサグファイ シミティ(外に出してね、寒さで凍えさせて)。
ヒーサクリサ 大木
寒さ苦しさ。
- 用例
- ヒーサクリサ サッティ(寒く苦しい思いをさせられて)。
ヒーサゴーイ 楚辺
寒さで凍えること。
ヒーサマガイ 喜名,渡慶次,儀間
寒くて縮こまること。
- 用例
- カンジュシン ネーンガ アラー、ヒーサマガイ シ ニントーサ(被るのもないのか、寒さで縮こまって寝ているさ)。
ヒーサミー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
寒がり。
- 用例
- ヒーサミーヌ ゥンジトーティ、フカマールービカーン シ アッチ(寒がりのくせに、外を出歩いてばかりで)。
- メモ
- 対:アチサミー(暑がり)。
ヒーサン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,長浜,大湾,比謝矼
{ひえさ(冷えさ)}。寒い。
- 用例
- アミグヮー フタレー ヒーサンヤー(雨が降ったから寒いね)。ウヌ ヰキガン ヒーサン アシガヤー(その男も寒くもあるがね)。ヒーク ナトーン(寒くなっている)。
- メモ
- 音1:ヒーハン。対:アチサン・アチハン(暑い)。
ヒージー 喜名,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,比謝,古堅
平生。平常。普段。
- 用例
- ヒージーカラ ウヤミーメーヤ シワル ヤル、シチグヮチ ソーグヮチビカーン シェー ナランデー(平生から親見舞いはしないといけない、盆正月だけではだめだよ)。ヒージーヤ フリタルフーナー ッシ(平生は馬鹿者のふりをして)。
- メモ
- 音1:フィージー。→チニヒージー。
ヒージーキヤー 楚辺
普段着。
- 用例
- ワンネー ヒージーキヤーディチン ニサンメール アタル(私は普段着といっても2、3枚しかなかったよ)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヒージーチヤー 喜名,渡慶次,儀間
普段着。
- 用例
- ワンネー ヒージーチヤー チチ イチュン(私は普段着を着て行く)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヒージャ 伊良皆,比謝,大湾
地名(読谷村比謝)。
ヒージャ ヒチャベー 比謝,村史
{ひじゃしたはや(比謝舌早)}。字民性。比謝の人は早口だとのこと。
ヒージャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,大湾,古堅
山羊〔ヤギ〕。

- 用例
- メーアサ、ヒジャーヌ クサ カイガ イチュタン(毎朝、山羊の草を刈りに行きよった)。
- メモ
- 音1:フィージャー。
ヒージャー 大湾,比謝矼
{ひがは(樋川)}。樋のある井泉。
ヒージャークェー 喜名,親志,座喜味,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,渡具知,比謝,大湾,大木,牧原,長田
昆虫。ケラ。

- メモ
- 音2:ヒージャーグェー・ヒージャーチヌクェー・ヒージャーベーベー。類:ンスクェームーカー。山羊の糞の肥やしを積んだ所によくいた。
ヒージャーグェー 高志保
昆虫。ケラ。
- メモ
- →ヒージャークェー。
ヒージャークサ 喜名,渡慶次,儀間,宇座,大湾
山羊の草。山羊の飼料となる草。
- 用例
- ガッコー イチュル メーニ、メーアサ ヒージャークサ カイガ イチュタン(学校へ行く前に、毎朝山羊の草を刈りに行った)。
ヒージャーグサ 長浜,大湾
{やぎくさ(山羊草)}。植物。カラムシ。苧麻。
- メモ
- 類:ヲゥーベー。山羊のよく食べる草。
ヒージャーグスイ 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間
{やぎぐすり(山羊薬)}。山羊汁を食べて滋養(栄養)を取ること。
- 用例
- チューネー ヒージャージルン ダテーン カリ、ヒージャーグスイ ナトーサ(今日は山羊汁もいっぱい食べて、栄養になったさ〈元気になったさ〉)。
- メモ
- 滋養強壮や、遅い出産を促すために薬になるといって山羊汁を食した。強壮薬として好まれるが、「三年キズもゥンベーイン(化膿する)」と言われるように、傷の治らないうちは食べない方がいいと言われている。
ヒージャージル 喜名,渡慶次,儀間,古堅
料理。山羊汁。
- 用例
- ヒージャージル カミーガ イチュン(山羊汁を食べに行く)。
- メモ
- 山羊を食すと滋養が取れ元気が出るということで、人が大勢集まるイベントなどでよく山羊汁が振る舞われる。沖縄の郷土料理のひとつである。
ヒージャーチヌクェー 古堅
昆虫。ケラ。

- メモ
- →ヒージャークェー。
ヒージャーヒジ 座喜味
山羊髭〔やぎひげ〕。山羊のように顎の下に長く垂れた髭。
ヒージャーベーベー 座喜味
昆虫。ケラ。

- メモ
- →ヒージャークェー。
ヒージャーベーベー 座喜味
植物。イヌビワ。
- メモ
- 葉を山羊がよく食べるのでそう呼んだ。→アンマーチーカー。
ヒージャーマジムン 楚辺
山羊の妖怪。
- 用例
- フルナビゲー ナイネー、アリンカイ バキータンリ、ヒージャーマジムンヨ(古杓子なると、あれに化けよったって、山羊マジムンね)。
ヒージャーヤー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
山羊小屋。
- 用例
- ヒージャーヤーンカイ クヮックトーン(山羊小屋に隠れている)。
ヒージャウーチョー 比謝,大湾
人名。比謝右京。字比謝に伝わる怪力者。
- 用例
- ンカシェー ヒージャヌ ブラクンカイ、ヒージャウーチョーンディル チュヌ メンシェータシガ(昔は比謝の部落に、比謝右京という人がいらっしゃったが)。
- メモ
- 琉球国の正史『球陽』には、尚貞王代(在位1669-1709年)の記事として、比謝村の武士儀間が登場する。儀間は牧場の番を役職としており、薩摩藩の在番使、川上右京が同地を狩りに訪れた際、大きな猪や暴れ馬を素手で取り抑えた。川上は、儀間のその怪力を褒め称え、自身の名「右京」を褒美として与えた。その後儀間右京は出世し、「右京筑登之親雲上(ウキョウチクドゥンペーチン)」と名乗ったとある。
ヒージャバル
{比謝原}。比謝の小字。
ヒージャヤードゥイ 伊良皆
地名(読谷村比謝屋取)。
ヒージャンチュ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
比謝の人。
ヒージラー 渡慶次,儀間
燃えかす。
- 用例
- ヒージラー クンピティ、ヒサ ユーゲーラチ ネーン(燃えかすを踏んで、足を火傷してしまった)。
- メモ
- 音2:ヒージリ。
ヒージリ 楚辺
燃えかす。
- 用例
- ヒージリヤ リッパ チャーシヨー(燃えかすはちゃんと消してよ)。
- メモ
- →ヒージラー。
ヒーソーグヮチ 高志保,比謝
{ひしやうぐわつ(火正月)}。貧乏人が火にあたって正月を迎えること。
- 用例
- アガターヤ ヌーン カムシェー ネーラン、ヒーソーグヮチ サーヤー(私たちは何も食べるのがない、火にあたって正月をしようね)。
ヒーター 楚辺
袖なしの綿入れ。ちゃんちゃんこ。
- 用例
- クーシーカーシー シ チュクテール ヒーター ヤティン、ジコー ヌクハタン(継ぎ接ぎだらけで作った袖なしの綿入れでも、とても温かった)。
- メモ
- →スリチラーウッチャキグヮー。
ヒータイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
兵隊。
- 用例
- ヒータインカイ、イチーヌガーイネー シムシガヤー(兵隊に、行き逃れたらいいのにね)。
- メモ
- 音1:フィータイ。
ヒータイアガイ 座喜味,大湾
兵隊上がり。以前、兵隊だった人。
- 用例
- アンチュターヤヨー、ヒータイアガイ ヤグトゥヨー(あの人達はね、兵隊上がりだからね)。
ヒータイシラビ 喜名,渡慶次,儀間
兵隊調べ。徴兵検査。
- 用例
- ヒータイシラビガ イチル チューラーディチ、チャー シワ ヤタン(徴兵検査がいつくるのかと、いつも心配だった)。
ヒータイヌジン 喜名,渡慶次,儀間
{へいたいのぜに(兵隊の銭)}。恩給。
ヒータタヤン 楚辺
ヒリヒリした痛み。しみるような痛み。
- メモ
- 音1:ヒタターヤン。→スンクヮンヤミ。
ヒーダニ 座喜味,都屋
火種。
ヒーダマ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
火玉。人魂。火事の前兆として見える。
- 用例
- ンカシェー、ヒーダマガ アガイシン ユー ミータンヤー(昔は、火の玉が上がるのもよく見えたね)。
ヒータマガイ 渡慶次,儀間,楚辺
{ひのたまあがり(火の玉上がり)}。人魂。火事の前兆として見える。
- 用例
- マタン ヒータマガイガ アガイタンドー(またも火の玉が上がりよったよ)辺。ヒータマガイヌ アガイネー ソーガーサタンヤー(火の玉が上がると恐かったね)。
- メモ
- ヒータマガイが上がると、その近くで火事が起こるといわれていた。電気のない時代、夜が暮れると真っ暗で、火の玉がよく見えたという。→タマガイ。
ビーチャー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,比謝,大湾,古堅
哺乳類。ジャコウネズミ。
- 用例
- チカグロー、ハルヲゥティ ビーチャーガ ユー ナチョーン(近頃は、畑でジャコウネズミがよく鳴いている)。ビーチャーガ ナチネー イークトゥ アサ(ジャコウネズミが鳴くといいことがあるよ)。
- メモ
- チンチンという鳴き声は※ジン(銭)が入ってくると言われ喜ばれたが、ピチピチピチと鳴けば※クチグトゥ(口論)がある※ヤナナチ(変な鳴き方)と言われ、災いがあるのではと恐れられた。ジャコウネズミが※ジュークーエー(尾をくわえて数珠つなぎ)して歩いたり、家の床に上がると厄で、※ユタや※シムチヌヤーに行かなければならないと言われていた。
ビーチャーカジャ 座喜味,大湾
ジャコウネズミの臭い。
ヒーテーチキヤー 座喜味
焚き付け。薪などに火を付けるために用いる燃えやすいもの。
ヒートゥ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,大湾
哺乳類。イルカ。
- 用例
- ヒートゥヌ シシヤ、チーヌ マンドーン(イルカの肉は、血が多い)。
ヒートゥイ 喜名,座喜味,伊良皆,高志保,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,古堅
煙草盆。

- メモ
- →タバクブン。
ヒートゥイ 楚辺
日取り。祝い事や法事などの日取りを決めること。
- 用例
- アンマーヤ、ニービチヌ ヒートゥインカイ イクタン(母は、結婚式の日取りに行った)。
- メモ
- 類:ヒドゥイ。巫女や書物で占う人に占ってもらって日取りをすることが多い。
ヒートゥートゥー 瀬名波,古堅,大木
のんきな性格の人。返事がないこと。
- 用例
- チュヌ ジノー カトーティ ヒートゥートゥー ソーン(人のお金を借りておいて、何も言ってこない)。
ヒートゥヤー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,大湾,古堅
煙草盆。

- 用例
- タンメー ヒートゥヤーヤ、マーマカチョーキヨー(おじいさんの煙草盆は、ちゃんと片づけておきなさいよ)。
- メモ
- →タバクブン。
ヒーナシ 喜名,渡慶次,儀間,比謝矼
{ひなし(日無し)}。特に日を選ばないこと。
- メモ
- 一般に何かを行うにあたって吉日を選ぶが、旧七月七日の七夕は位牌や仏具の取り替え、遺骨の移動などを行ってよいとされている。
ヒーヌクミダムン 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
出産後火で温まるための薪。
- 用例
- ナー ナシヂチン チカユトールムン、ヒーヌクミダムヌン シコーリワル ナインレー(もう出産も近づいているから、ヒーヌクミダムンも準備しないといけないよ)。
- メモ
- 妊娠8か月頃になると、夫が山から木を切り倒して来て、出産後に地炉で温まるためのヒーヌクミダムンを準備した。→クヮナシダムン。
ヒーバー 座喜味,比謝矼,牧原,長田
爬虫類。ガラスヒバァ。ナミヘビ科。
- 用例
- ヒーバーグヮーリチ、クーテー ヘビグヮーガ クェーヌ ミーンカイ ユー ヰチョータン(ヒーバーグヮーといって、小さいヘビが堆肥の間によくいた)。
ヒーバーシ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,比謝矼
火箸。
- 用例
- ウマンカイ アヌ ヒーバーシ ネーレー(そこにある火箸をよこしなさい)。
- メモ
- 鉄製の細くて長い物で、火のついた木炭などを挟むのに使う。
ヒーバーチ 渡慶次,儀間,長浜
火鉢。火箱。
- 用例
- ヒーサイニ ヒーバーチ メー ナシーネー、ゥンジチーブコー ネーンサ(寒いときに火鉢を前にすると、動きたくないよ)。
- メモ
- 類:ヒバク。木製でテーブル兼用として使った。中央付近に鉄製の火箱があり、暖を取ったりお茶を沸かしたりした。
ヒーバーバー 喜名,渡慶次,儀間
火が激しく燃えている様。
- 用例
- ヒーバーバー メートーシガ、チケー ネーニ(火が激しく燃えているが、大丈夫ねぇ)。
ヒーバタラキ 楚辺
{ひばたらき(火働き)}。出火時の消火にあたること。
- 用例
- クヮジ ゥンジーネー、ムルシ ヒーバタラキ スタン(火事になると、全員で消火にあたった)。
ヒーハン 楚辺
{ひえさ(冷えさ)}。寒い。
- 用例
- トーン ヤンリコーコー シ ヒーハンヤー(戸もあちこち壊れて寒いね)。
- メモ
- →音1:ヒーサン。
ビービー 喜名,渡慶次,儀間,大湾
幼児語。肉。
- 用例
- ビービーヤ カマサンケー(肉は食べさせるな)。
ピーピーカーカー 喜名,渡慶次,儀間
極貧な様。
- 用例
- アンシ ピーピーカーカー ヤタルムン、ナマネー イェーキ ソーサ(あんなに貧乏だったのに、今では裕福になっているさ)。
ビービーギー 喜名,渡慶次,儀間
植物。ガジマル。
- 用例
- ビービーギーヌ フヮーシ ボージグヮー チュクイタン(ガジマルの葉で帽子を作っていた)。
ヒーヒーグヮー 渡慶次,儀間,古堅
口笛。
- 用例
- ヒーヒーグヮー フチュン(口笛を吹く)。トゥーサカラ ヒーヒーグヮーヌ チカリーサ(遠くから口笛が聞こえるさ)。
ビービーグヮー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
草笛。
- 用例
- ダー、タンメーガ ビービーグヮー チュクティ トゥラサ(どれ、おじいさんが草笛を作ってあげよう)。
- メモ
- ガジマルの葉先から内側に巻いて、口に当たる部分を少しだけ切り、息を吹きかけると音が出る。
ビービーグヮー 渡慶次,儀間,大湾
大腸。主に食用の豚の大腸。
- 用例
- ビービーグヮー イッティ、シームン チュクイン(豚の大腸を入れて、吸い物を作る)。
- メモ
- 音2:ビービーワータ。管状の形がビービーグヮー(草笛)と似ていることからそういわれた。
ピーピーグヮー 座喜味,大湾
鳥の雛〔ひな〕。
- メモ
- 孵化〔ふか〕してすぐ、親に抱かれている時期のひよこ。
ヒーヒートゥー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
のんきな性格の人。返事がないこと。
- 用例
- イクケーン イェージシン、チャー ヒーヒートゥー ヌーリチン ネーン(何回合図しても、いつも返事がなく何のこともない)。
ビービーワータ 大湾
大腸。主に食用の豚の大腸。
- メモ
- →ビービーグヮー。
ヒーヒヤー 古堅
屁こき。屁ひり。
- 用例
- ヒービカーン ヒール チュンカイ ヒーヒヤーディ イーサ(屁ばかりこく人に屁ひりと言うよ)。
- メモ
- 音1:ヒーヒラー。
ヒーヒラー 親志,渡慶次,儀間,楚辺,古堅,比謝矼
屁こき。屁ひり。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ ヒーヒラー ヤシヨ(その子どもの屁こきなことよ)。ヰナグングヮヌ ヒーヒラー ナタグトゥ(娘が屁ひりなったから)。
- メモ
- 音1:ヒーヒヤー。
ヒーフチャー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
火吹き。火を吹きおこす道具。火吹き竹。
- 用例
- ヒーフチャー チカイネー、ウビジ テーチカイサ(火吹きを使うと、直ぐに火がつくよ)。
- メモ
- 竹製の火吹きで火おこしをした。
ヒーマーチ 長浜,楚辺
火の用心の御願。火難防止祈願。
- メモ
- →カママーイ。
ヒーマーチヌウガン 儀間,長浜
火の用心の御願。火難防止祈願。
- メモ
- 長浜では、旧10月初壬〔みずのえ〕の日に、角々のグジューゥンーメー(49歳のお爺さん)たちが各家庭を廻ってヒヌカンに御願をした。→カママーイ。
ヒームサー 波平,渡慶次,儀間
昆虫。甘藷の害虫。アリモドキゾウムシ。イモの中に入る虫。
- メモ
- →イリムシ。
ヒーメーサー 伊良皆
共同製糖時の火回りの係。
ピーヤーカーヤー 喜名,渡慶次,儀間,長浜
子どもたちが何かとうるさくしている様。
- 用例
- ワランチャー シグニン、ピーヤーカーヤー シーガーチー ソーティ ハイタサ(子どもたちを4、5人も、ピーヤーカーヤーしながら連れて行きよったよ)。
ピーヤーグヮー 座喜味
鳥の雛〔ひな〕。ひよこ。
- メモ
- ①音2:ピーヨーグヮー。
ピーヨーグヮー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
①鳥の雛〔ひな〕。ひよこ。②幼い子。
- 用例
- ②ピーヨーグヮー イクタイン ソートータン(幼い子を何人も連れていた)。
- メモ
- ①→ピーヤーグヮー。
ピーヨーピーヨー 喜名,渡慶次,儀間
複数人引き連れている様。
- 用例
- ピーヨーピーヨー ッシ ワランチャー ソーティ アッチョータン(何人も子どもを連れて歩いていた)。
ヒーラ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
農具。へら。

- 用例
- ヒーラシ ナーヌ クサ ハライン(ヘラで庭の草を払う)。
- メモ
- 音1:フィーラ。畑の草を払ったりする時に使う道具で、鉄製の刃に木製の柄がついているもの。片手用で植え付けや草刈りなどに使う。
ヒーラー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
南京虫。ごきぶり。油虫。
- 用例
- ヒーサヌ トゥクマンカイヤ、ヒーラーン ゥンジランディ(寒い所には、ごきぶりも出ないんだって)。
- メモ
- →トービーラー。
ビーラー 座喜味,長浜,大木,長田
ひ弱な人。弱体。病弱。
- 用例
- ビーラーヤ、ナー ヤコー タタン(ひ弱な人は、もう役には立たない)。ビーラー ナティ(虚弱で)。
- メモ
- 音1:ビールー。類:ヤフヮラー・ヤファラムン。
ヒーラチヤン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
しみるような痛み。ひりひりする痛み。
- 用例
- ティーヌ カーガ ハギティ ヒーラチヤン スン(手の皮が剥けて染みるように痛い)。
- メモ
- →スンクヮンヤン。
ヒーラチュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
疼〔うず〕く。ヒリヒリ痛むこと。
- 用例
- カジョーラーヤ、スー ナシーネー ヒーラチ、ノーイン(蕁麻疹は、酢を塗りつけるとヒリヒリして治る)。シリキジンカイ アカチンキ ナシーネー、ヒーラチュンドー(すり傷に赤チンを塗ると、ヒリヒリ痛むよ)。
- メモ
- 傷ややけどなどがひりひり痛む。
ピーリンパーラン 喜名,高志保,渡慶次,儀間
大声で話している様。
- 用例
- ヒッチーナーン ピーリンパーラン ユンタク ソーサ(一日中も大声でおしゃべりしているさ)。アンシ ユールン ピーリンパーラン ッシ(あんなして夜も大声で話して)。
ヒールー 伊良皆
伊良皆の小地名。
- メモ
- 伊良皆部落の入り口、58号線の側にあったアシビナーのこと。
ヒールー 古堅
{ほいろ(焙炉)}。手炙り用の小さい火鉢。
- 用例
- ンカシヤ ヒールー ヌーヌーンチン アテーグトゥ(昔は小さな火鉢などもあったから)。
ビールー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
ひ弱な人。弱体。病弱。
- 用例
- ムヌン ウホーク カマンネー、ビールー ナインドー(ご飯もたくさん食べないと、体が弱くなるよ)。
- メモ
- →音1:ビーラー。
ヒールームイグヮー
地名(伊良皆の小地名)。
- メモ
- 類:ヒール-モー。一里塚のこと。単にムイグヮーとも呼んだ。
ヒールーモー 大湾
地名(伊良皆の小地名)。
- メモ
- 類:ヒールームイグヮー。ガジマルの大木が2本あり、ガジマルの西側と、10~20メートルほど離れた2か所に一里塚があった。
ビールーングヮ 喜名,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,古堅
虚弱児。幼児期に体が弱く、病気ばかりしている子どものこと。
- 用例
- グナサイネー ビールーングヮ ヤタルムン、ナマネー アンシ ガンジュームン ナトーサ(小さい頃は虚弱児だったのに、今ではあんなに頑丈者になっているさ)。
ヒーン 比謝,牧原
経る。
- 用例
- ニン ヒトール ハブ(何年も経ったハブ)。
- メモ
- 音1:フィーン。
ヒーン 大木
ひる。体外へ出す。
- 用例
- イャー ヒー ヒリガターネー ヒサヌ アドゥ クミンキヨー(あなたはおならが出そうになったら、踵を〈お尻に〉押し込みなさいよ)。
ビーン(~ビーン) 儀間,大湾,比謝矼,長田
~です。~ます。
- 用例
- ウンジュガ ウカジ ヤイビーン(貴方のお陰です)。ワー ヲゥジャサー ナトーイビーンドー(あの方は私のおじになっていますよ)。
- メモ
- 話し相手に対する丁寧の敬語。
ビカージ(~ビカージ) 座喜味
~ばかり。~だけ。
- 用例
- アリビカージ ヒッチー チカティ(あの人だけしょっちゅう使って)。
- メモ
- 音2:~ビカーン・~ビケー・~ビケージ・~ビケーン。
ビカーン(~ビカーン) 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
~ばかり。~だけ。
- 用例
- サキビカーン ヌリン シクチヌ ナイミ(酒ばかり飲んでいても仕事ができるか)。
- メモ
- →~ビカージ。
ヒカイン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
光る。
- 用例
- ミガチャレー ピカナイ ヒカトーン(磨いたらピカピカに光っている)。否:ヒカラン(光らない)過:ヒカタン(光った)継:ヒカトーン(光っている)。
- メモ
- 音1:ヒチャイン。
ヒガサンチジ 親志
地名(恩納村比留の小地名)。
- メモ
- 旅立つ人を見送る野原。
ヒカットゥ 渡慶次,儀間,大木
しかと。しっかりと。ちゃんと。
- 用例
- ウレー ヒカットー ワカランサー(それはちゃんとは分からないなあ)。
- メモ
- 音1:シカットゥ・シカトゥ。
ピカナイ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
ピカピカと光る様。
- 用例
- ガラス ミガチャレー ピカナイ ソーン(ガラスを磨いたらピカピカに光っている)。
- メモ
- 音1:ピチャナイ。類:ピッチャナイ・ピチャピチャ。
ヒカマ 渡慶次,儀間,長浜,楚辺
午後。昼間。
- 用例
- ヒカマカラ ウキティ イクタン(昼間から起きて行った)。
- メモ
- →音1:シカマ。
ヒカマミジ 渡慶次,儀間
旧7月七夕から15日迄、仏壇に供える水。
- 用例
- ヒカマミジヤ、ウンケーカラ ウークイマディ ウサギンドー(昼間水は、ウンケーからウークイまで供えるよ)。
- メモ
- 音1:ヒルマミジ。
ヒカマモチ 長浜
旧盆のウンケーの昼間に供える団子。
- メモ
- →ウンケーダーグ。
ヒカヤービンビン 楚辺
昆虫。蛍。
- 用例
- ヒカヤービンビン、サタヤヌ クシンジ マカヤヌ ハナ クヮティ ウティンソーリ(ホタルよ、砂糖屋の後ろでマカヤの花を食べて落ちますように)。
- メモ
- →ジーナー。
ヒガン 喜名,長浜
彼岸。
- メモ
- 音1:ヒンガン。墓へは行かず仏前で拝する。彼岸はグソーヌワタクシ(私事祭)だという。
ヒキ 楚辺
姻戚〔いんせき〕。婚姻による血縁関係のない親戚。
ヒギ 楚辺
髭〔ひげ〕。
- 用例
- チュヌ ヤーカイ イキーネー、ヒギン スティカラ イケー(人の家に行く時には、髭も剃ってから行きなさい)。
- メモ
- 音1:ヒジ。
ヒキーン ①座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,古堅,大木②古堅,大木
①供える。②据える。
- 用例
- ①ヒヌカヌンカイ ミジ ヒキーン(火の神に水を供える)。否:ヒキラン(供えない)希:ヒキーブサン(供えたい)過:ヒキタン(供えた)継:ヒキトーン(供えている)。
- メモ
- →音1:シキーン。
ヒキナイン 楚辺
退く。
- 用例
- ンチャグトゥ ウヌ フトゥキヌ ヒキナティヨー、ドゥークル ヒキナティテー ティーン カカランヨーイ(見たらその仏が退いてね、ひとりでに退いてね、〈人の〉手もかからずに)。
- メモ
- 音1:ヒチナイン。→シンチュン。
ヒキナスン 楚辺
取り置きする。傍に確保しておく。
- 用例
- ナーマ ハジェー ネーン ブノー、クチャナカイ ヒキナスン(まだ配ってない分は、裏座に取って置く)。否:ヒキナサン(取り置きする)希:ヒキナシーブサン(取り置きたい)過:ヒキナチャン(取り置いた)継:ヒキナチョーン(取り置いている)。
- メモ
- 音1:ヒチナスン。
ヒキヒキ 楚辺
引き引き。引っ張っている様。
- 用例
- チンヌ スス クーヤーニ ヒキヒキ ヒチャグトゥ(着物の裾を咥えて引っ張たりしたので)。
ヒキワカスン 楚辺
引き分ける。間引くこと。
- 用例
- ヤシェー ヒキワカスンディチ、ハルカイ ハイタン(野菜を間引きするといって、畑に行った)。否:ヒキワカサン(間引きしない)希:ヒキワカシーブハン(間引きしたい)過:ヒキワカチャン(間引いた)継:ヒキワカチョーン(間引いている)。
- メモ
- 音1:ヒチワカスン。
ヒグイ 楚辺
冷え。体が冷えること。
- 用例
- アミカイ ンリーネー ヒグイ イーンドー(雨に濡れると体が冷えるよ)。
- メモ
- 音1:ヒジュイ。
ヒクサン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,都屋,渡慶次,儀間,宇座,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
低い。
- 用例
- アヒーヤ ワンヤカ フロー ヒクサン(兄さんは私より背が低い)。
- メモ
- 音1:ヒクハン。対:タカサン・タカハン(高い)。
ヒクッテン 古堅
低く。
- 用例
- ヒクッテングヮー チュクティ(低く作って)。
ヒグッテン 楚辺
冷え冷えと。
- 用例
- アミフイアトゥ ナティ、ヒグッテン ソールヤー(雨降り後で、冷え冷えとしているね)。
- メモ
- 音1:ヒジュッテン。
ヒクハン 波平,高志保,瀬名波,長浜,楚辺
低い。
- 用例
- ワッター ヤーヌ イシガチェー イッペー ヒクハン(私たちの家の石垣はとても低い)。
- メモ
- →音1:ヒクサン。
ヒグルカジ 楚辺
冷たい風。冷風。
- 用例
- ハシルグチヤ ヒグルカジヌ フチ、シラハンヤー(戸口は冷たい風が吹いて、涼しいね)。
- メモ
- 音1:ヒジュルカジ。対:アチカジ(熱風)。
ヒグルカンジャー 楚辺
寒々としている様。ひっそりと静まり返っていること。
- 用例
- ターン ヤーカイ ヲゥラングトゥ、ヤーヌ ウチヤ ヒグルカンジャー ソーン(誰も家に居ないから、家の中は冷え冷えとしている)。
- メモ
- 音1:ヒジュルカンジャー。
ヒグルグヮンス 楚辺
{ひえがんそ(冷え元祖)}。跡継ぎがいない仏壇。
- 用例
- クヮン タイミッチャイナール ナスグトゥ、ヒグルグヮンスン マンドーサ(子どもも2、3人しか産まないから、跡継ぎがない仏壇も多いさ)。
- メモ
- 音1:ヒジュルグヮンス。
ヒグルナービナクー 楚辺
鍋の修理屋。鋳〔い〕掛け屋。鉄板に開いた穴をネジで止めて、にわか修理すること。
- 用例
- ヒグルナービナクーガ チーネー イェージ シーヨーヤー(鍋の修理屋がきたら、合図しなさいよ)。
- メモ
- 音1:ヒジュルナービナクー。戦後出現した鍋の修理方で、鞴〔ふいご〕を使わないのでヒジュル(冷たい)と言われた。→ナービナクー。
ヒグルハン 楚辺
冷たい。
- 用例
- カーラヌ ミジヤ ヒグルハヌ、イッペー イーヤンベー ヤン(川の水は冷たくて、とても気持ちいい)。
- メモ
- 音1:ヒジュルサン。対:アチサン・アチハン・ヌクサン・フクヮハン(温かい)。
ヒグルミジ 楚辺
冷たい水。冷水。
- 用例
- ヌーリー カーキトーニヌ、ヒグルミジヌ マーサヨー(喉が渇いている時の、冷たい水の美味しいことよ)。
- メモ
- 音1:ヒジュルミジ。
ビケー(~ビケー) 渡具知,古堅,大木
~ばかり。~だけ。
- 用例
- クーブビケー(昆布ばかり)。4、5チンビケーガ ヤラ(4、5斤ほどだったのか)。
- メモ
- →~ビカージ。
ビケーイ(~ビケーイ) 大木
~ばかり。~だけ。
- 用例
- カーギビケーイ シダチ、ヤーヌクトー サン(化粧ばかりして家のことはしない)。
- メモ
- →ビカージ。
ビケージ(~ビケージ) 座喜味,渡具知
~ばかり。~だけ。
- 用例
- カレーンチャシガヨ、ヌガ ムル フーニビケージル ヤグトゥヨ(食べてはみたけどね、なんで、ほとんど骨ばかりだからね)。タバクビケージ フチ(煙草ばかり吹いて)。
- メモ
- →~ビカージ。
ビケーン(~ビケーン) 儀間,楚辺,古堅
~ばかり。~だけ。
- 用例
- ニンカラニンジュー シクチビケーン(年がら年中仕事ばかり)。
- メモ
- →ビカージ。
ヒコーイン 高志保,渡慶次,儀間,楚辺
準備する。支度する。身支度する。
- 用例
- スージヌ クヮッチー ヒコーイン(お祝いのご馳走を準備する)。
- メモ
- →音1:シコーイン。
ヒサ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
①足。②助数詞。~足〔あし〕。~歩。
- 用例
- ①ヒサヌ ミーハジミーヤ、ユッチャラユッチャラ マーカイガ トーリーラー ワカラン(赤子の歩き始めは、ヨタヨタとどこに倒れるのか分からない)。ヒサ アラティカラ ヤーヌウチカイ イレー(足を洗ってから家の中に入りなさい)。ヒサヌ ヘーサン(足が速い)。
- メモ
- ①音1:フィサ。→ッサ。②歩数を数える助数詞。チュヒサ(ひと足)、タヒサ(ふた足)と数える。
ヒサイービ 座喜味,大湾
足の指。
ヒサカキエー 喜名
子どもの遊び。足相撲。
- メモ
- 二人で座って、お互いの足を掛け合って遊ぶ。
ヒサカタ 喜名,渡慶次,儀間
足形。足跡。
- 用例
- ターガ ヤーヌ ウチカイ カラヒサーシ イッチャガヤー、ヒサカタヌ イッチョーン(誰が家の中に裸足で入ったのかな、足跡が入っている)。
ヒサギーン 喜名,渡慶次,儀間,比謝
引っ提げる。さげて持つ。持ち上げる。
- 用例
- ターチヌティーンカイ ニムチ ヒサギーン(両手に荷物を引っ提げる)。否:ヒサギラン(引っ提げない)希:ヒサギーブサン(引っ提げたい)過:ヒサギタン(引っ提げた)継:ヒサギトーン(引っ提げている)。
- メモ
- 音1:ヒサギユン。
ヒサギユン 比謝
引っ提げる。さげて持つ。持ち上げる。
- 用例
- フツーヌ チュノー、ターチヌ ティーシン ヒサギユーサン アタイヌ タバクブン(普通の人では、両手でも持ち上げれないくらいの煙草盆)。
- メモ
- 音1:ヒサギーン。
ヒサグーフ 座喜味,大湾
くるぶし。
ヒサクドーン 大湾
しびれる。
ヒサクビ 座喜味,伊良皆,牧原
足首。
- メモ
- 音1:ヒサヌクビ。
ヒサクムン 大湾
あぐらをかく。
ヒサゲットー 伊良皆,大湾
子どもの遊び。片足ずもう。
- メモ
- →カーター。
ヒサシリシリ 喜名,渡慶次,儀間
足を摺り寄せて来る様。
- 用例
- ヒサシリシリ シ、チャー タックヮイ ヤサ(足を摺り寄せてきて、ずっとくっついているさ)。
ヒサダーカー 座喜味,大湾,古堅
つま先立ち。背伸び。
- 用例
- ヒサダーカー スン(つま先立ちする)。
- メモ
- 音1:ヒサダカー。
ヒサダカー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
つま先立ち。背伸び。
- 用例
- ヒサダカー シン ジョーイ トゥドゥカンタン(背伸びしても絶対に届かなかった)。
- メモ
- 音1:ヒサダーカー。
ヒサナー 大湾
足の甲。
- メモ
- 音1:フィサナー。音2:ヒサンラ・ヒサビラ。
ヒサヌカー 座喜味,渡慶次,儀間,長浜
足の裏の皮。
- 用例
- ルゲーティ、ヒサヌカー シリハジ ネーン(転んで、足の裏皮をすりむいてしまった)。
ヒサヌクビ 牧原
足首。
- メモ
- 音1:ヒサクビ。
ヒサヌソー 喜名,渡慶次,儀間
足の感覚。
- 用例
- ヒサヌソーン ネーンル アラー、チュヌ サバ クリ ハチョーサ(足の感覚もないのか、人の草履を履いて行っているさ)。
ヒサヌワタ 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,牧原
足の裏。
- 用例
- ヒサヌワタヌ マックール シ ユグリトーン(足の裏が真っ黒くして汚れている)。
- メモ
- 音1:フィサヌワタ。
ヒサヌワリ 渡慶次,儀間
踵のひび割れ。あかぎれ。
- 用例
- ヒーサイネー ヒサヌワリヌ ヤムタン(寒い時には踵のあかぎれが痛かった)。
- メモ
- 類:ユーギリ・ユンジリ。
ヒサハゴーサン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾
足を踏み入れるのを躊躇する。
- 用例
- ソージカチン サッテー ネーン、ヒサハゴーサ(掃除もされてなくて、足を入れるのに躊躇する)。
- メモ
- 草むらなどの足元が見えないところに入る際に、蛇や糞などを踏むことを怖がったり、汚い家に入る時にも言った。
ヒサビラ 高志保
足の甲。
- メモ
- →ヒサナー。
ヒサブタ 伊良皆,長浜
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- →カタヒサブッター。
ヒサブッター 座喜味,渡慶次,儀間,大湾
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- 用例
- クサフリール カカタラー ヒサブッター ナトーン(フィラリアに罹ったのか足が膨らんでいる)。
- メモ
- →カタヒサブッター。
ヒサブッチョー 座喜味
足が太くて頑丈なことや人。
- 用例
- タークナーサーヌ ヒサブッチョー(田を耕す人は足が太くて頑丈だ)。
ヒサブニ 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大湾
①足の骨。②豚足。
- 用例
- ①ヒサブニ ヲゥーティ ネーン(足の骨を折ってしまった)。②ヒサブニヤ ナゲー ニークミヨー(豚足は長いこと煮込みなさいよ)。
- メモ
- ②→ウヮーヌヒサ。
ヒサマンクー 楚辺
正座。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、シンシーンカイ ヒサマンクー シミラリータン(悪いことをしたら、先生に正座させられた)。
- メモ
- 音1:ヒサマンチュー・フィサマンチュー。→チンシメーギー。
ヒサマンチ 座喜味,渡具知,大湾,古堅,大木
正座。
- 用例
- ヒサマンチ カキーン(正座する)。
- メモ
- →チンシメーギー。
ヒサマンチュー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,大湾
正座。ひざまずき。
- 用例
- ヒサマンチュー ソータレー、ヒサヌ ヒラクローン(正座していたら、足がしびれている)。チュヌ ヤーンカイ イチネー、ヒサマンチュー シーワル ヤンドー(人の家では、正座するものだよ)。
- メモ
- 音1:ヒサマンクー・フィサマンチュー。→チンシメーギー。
ヒサムジュムジュー 喜名,渡慶次,儀間
足がむずむずする様。
- 用例
- グミヌ マンリ ヒサムジュムジュー スン(ゴミが多くて足がむずむずする)。
ヒサンラ 楚辺
足の甲。
- 用例
- ヒサンランカイ ニーブターヌ ゥンジトーン(足の甲におできができている)。
- メモ
- →ヒサナー。
ヒジ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
ひげ。髭。
- 用例
- ヒジン ヌビトーシガ、カンスイヌル ネーンレー(髭も伸びているが、カミソリがないんだよ)。
- メモ
- 音1:ヒギ。
ヒジ 喜名,親志,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,牧原
肘。
- 用例
- ヒジサーニ ウッチーネー ヤミル スルヨー(肘で打ったら痛いんだよ)。
- メモ
- 類:ヒジゲー。
ヒジガーキー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
肩肘。頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- ヒジガーキー シ カタグヮー チキトーン(頬杖をついてかっこつけている)。
- メモ
- →カタヒギガーキー。
ヒジグサン 楚辺
{ひじつゑ(肘杖)}。肩肘。頬杖〔ほおづゑ〕。
- メモ
- →カタヒギガーキー。
ヒシクミアイク 伊良皆
漁法。川で行う網代〔あじろ〕漁法。
- メモ
- 川の流れに沿って竹で囲み、獲物の通り道を作り、アイクバーキに誘い込んで獲物を捕る方法。→ウチクミアイク。
ヒジゲー 大湾
肘。
- メモ
- →ヒジ。
ヒジチ 大木
杼〔ひ〕。機織り器具のひとつ。
- メモ
- 音1:フィジチ。
ヒシディーバル
{菱良原}。座喜味の小字。
ヒシビシートゥ 喜名,渡慶次,儀間
薄めに。薄く。
- 用例
- シシェー カミーヤッサヌ グトゥ、ヒシビシートゥ チリヨー(肉は食べやすいように、薄く切りなさいよ)。
- メモ
- 対:アチアチートゥ(厚めに)。
ヒジボーボー 喜名,渡慶次,儀間
髭ぼうぼう。髭もじゃ。
- 用例
- ヒジボーボー ッシ チラン ミーラン(髭ぼうぼうで顔も見えない)。
ヒジマー 古堅
髭の濃い人。髭が伸びている人。
- メモ
- 音1:ヒジモー。
ヒジミーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
片付ける。
- 用例
- ヘークナー ゥンジ、ヒジミティ クー(早く行って、片付けて来よう)。チカティ ウワタシェー、アサギンカイ ヒジミーン(使って終わったのは、離れに片付ける)。否:ヒジミラン(片付けない)希:ヒジミーブサン(片付けたい)過:ヒジミタン(片付けた)継:ヒジミトーン(片付けている)。
- メモ
- 音1:シジミーン。→カタヂキーン。
ヒジメー 伊良皆,波平,大木,長田
植物。稲の品種名。在来種の米。
- メモ
- 在来種米で、1935年頃まで栽培されていた。草丈が高く籾に芒〔のぎ〕があり、芒の色によって赤ヒジ-、白〔シル〕ヒジ-、コージャー(斑模様)などと呼んでいた。→アカヒジー・シルヒジー。
ヒジモー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
髭の濃い人。髭が伸びている人。
- 用例
- ヒジモー ナトーシガ、ヒジ スインレー サン(髭も伸びているが、髭を剃ろうとしない)。
- メモ
- 音1:ヒジマー。
ヒジャイ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
左。
- 用例
- ワンネー ヒジャイカラ マーイサ(私は左から回るよ)。ヒジャイヌ チヌンカイヤ チョーバン クンチ(左の角には京判をくくって)。
- メモ
- 音1:フィジャイ。対:ニジリ(右)。
ヒジャイウチャーシー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
左前。着物を左前に着ること。
- 用例
- ヒジャイウチャーシー、シーネー フージェー ネーンドー(着物を左前にして着ると、みっともないよ)。
ヒジャイグムン 座喜味,大湾
左御紋〔ひだりごもん〕。左三つ巴。琉球王家の紋章。
ヒジャイナー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- 用例
- クヮナシーニン ウラジャンカイ、ヒジャイナー ハイタン(出産の時にも、裏座に左縄を張っていた)。
- メモ
- 音1:ヒジャイネー・ヒジャイネーンナ・ヒジャイノーイ。綱は通常右手を上にして綯うが、その逆に左手を上に右手を下にして綯った縄で魔除けと厄払いの効力があるといわれ、産室にも下げた。
ヒジャイヌーリー 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
音痴。音程はずれ。
- 用例
- ヒジャイヌーリー ヤティン シムグトゥ、ティーチェー ウタレーワ(音痴でもいいから、一曲歌いなさい)。
ヒジャイネー 伊良皆,高志保,長浜,大湾
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- メモ
- →音1:ヒジャイナー。
ヒジャイネーンナ 瀬名波,渡具知,大湾
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- メモ
- →ヒジャイナー。
ヒジャイノーイ 座喜味
左縄。左撚りに綯うこと。
- 用例
- チナグヮー ヒジャイノーイ スン(綱を左撚りにする)。
- メモ
- →ヒジャイナー。
ヒジャイマチ 長浜
左巻き。
ヒジャイマチャー 座喜味
左巻きの旋毛〔つむじ〕、またその人。
ヒジャイミグイ 座喜味
{ひだりめぐり(左巡り)}。左回り。左前。順調にいっていないこと。順当ではないこと。
- 用例
- ウレー、ヒジャイミグイ ソーンドー(それは、順調にいってないよ)。
ヒジャイムティー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
左側。
- 用例
- ヒジャイムティーカラ イチーネー チカササ(左側から行くと近いよ)。
ヒジャイリッコー 座喜味,大湾,牧原
左利き。
- メモ
- 類:ヒジャヤー・ヒジャヤーリッコー。
ヒジャガー 古堅
川の名称。比謝川。
ヒジャガーイチゴー 楚辺
植物。甘藷の品種名。
ヒジャバシ 大湾,比謝矼
地名(読谷村比謝矼)。
ヒジャバシバル
{比謝矼原}。比謝矼の小字。
ヒジャバシンチュ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
比謝矼の人。
ヒジャバル
{比嘉原}。牧原の小字。
ヒジャミーン 瀬名波
隔てる。
- 用例
- ミチドゥ ヒジャミトーン(道を隔てている)。
- メモ
- シマクトゥバは道を隔てると変わると言われている。
ヒジャヤー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,比謝矼
左利き。
- 用例
- ワッター チョーデーヤ ムル ヒジャヤー ヤン(私の兄弟は全員左利きだ)。
- メモ
- →ヒジャイリッコー。
ヒジャヤーリッコー 楚辺
左利き。
- 用例
- ヒジャヤーリッコー ヤティン ノーサンティン シムン(左利きでも直さなくてもいい)。
- メモ
- →ヒジャイリッコー。
ヒジャルー 渡慶次,儀間
不器用。
- 用例
- アレー ヒジャルー ヤグトゥ、チャー シクチェー ニーサン(彼は不器用だから、いつも仕事が遅い)。
- メモ
- →ティーグファー。
ヒジュイ 喜名,渡慶次,儀間
体が冷えること。冷え。
- 用例
- クヮ ナチ チャーキ アミンレーンカイ ンリーネー、ヒジュイ イーンドー(子どもを産んで直に雨にでも濡れたら、体が冷えるよ〈冷えて体調を悪くするよ〉)。
- メモ
- 音1:ヒグイ。
ヒジュイオーイ 楚辺
寒い様。冷え込む様。
- 用例
- イャーヤ カーラカラ ヒジュイオーイ シーヨーンチ(おまえは川から寒い思いをしなさいよ〈寒さして暮らしなさい〉と言った)。
ヒジュイン 喜名,渡慶次,儀間
冷える。
- 用例
- アミ フイネー ヒジュインドー(雨が降ると冷えるよ)。カジ ヒチーネー デージ ヤグトゥ ヒジュランキヨー(風邪をひいたら大変だから、冷えるなよ)。
- メモ
- 対:ヌクタマイン(温まる)。
ヒジュー 喜名,渡慶次,儀間
いつも。ずっと。
- 用例
- ヒジュー、ヒージャーヌ クサカヤービカーン シミラッタン(いつも、山羊の草刈りばかりさせられた)。
- メモ
- →イチグ。
ヒジュッテン 喜名,渡慶次,儀間
冷え冷えと。
- 用例
- カーラヌ スバヤ ヒジュッテン ソーン(川の側は冷え冷えとしている)。
- メモ
- 音1:ヒグッテン。
ビジュル 座喜味,渡具知,大湾
{びんづる(賓頭盧)}。霊石。拝所。
- メモ
- 県内各所にある拝所で、多くは霊石が拝する対象となっている。賓頭盧が由来と考えられている。村内では大湾、古堅、渡具知で拝されている。大湾では、子宝祈願のため山田からビジュルをウンチケー(お迎え)して、「双子でもいいので授けてください」と拝んだら双子が生まれたので、この神はマササミシェーン(霊力高い)と言われ、その霊石は今でも大湾のニーヤ(根家)で祀られている。
ヒジュルアシ 喜名,渡慶次,儀間
冷や汗。
- 用例
- ヒジュルアシ ハトーシガ、アンマサー ネーニ(冷や汗をかいているが、気分は悪くないねぇ)。
ヒジュルー 喜名,渡慶次,儀間
①冷たい人。②冷たいもの。
- 用例
- ①アレー ヒジュルー ナティ、イェーサチン サンサ(彼は冷たい人で、挨拶もしないさ)。②アチサグトゥ ヒジュルーンデー ヌマナ(暑いから冷たいものでも飲もう)。
ヒジュルカジ 喜名,渡慶次,儀間
冷たい風。冷風。
- 用例
- キーヌ シチャーヤ、ヒジュルカジヌ ッチ スガリーンドー(木の下は、冷たい風がきて涼しいよ)。
- メモ
- →音1:ヒグルカジ。
ヒジュルカンジャー 喜名,渡慶次,儀間
寒々としている様。ひっそりと静まり返っている様。
- 用例
- ウッサヌ ワランチャーガ ヲゥタルムン、ムル ヤータッチ ヒジュルカンジャー ソーン(たくさんの子どもたちがいたのに、みんな分家して寒々としている)。
- メモ
- 音1:ヒグルカンジャー。
ヒジュルグヮンス 喜名,渡慶次,儀間
{ひえがんそ(冷え元祖)}。跡継ぎがいない仏壇。
- 用例
- ヒジュルグヮンス ナイネー、ティラカイ アジキーシェー マシ ヤサ(仏壇を継ぐ人がいなくなったら、寺に預けた方がいいよ)。
- メモ
- 音1:ヒグルグヮンス。
ヒジュルコーコー 喜名,渡慶次,儀間
とても冷たい様。
- 用例
- ミジヌ ヒジュルコーコー シ、マーサシヨ(水がとても冷たくて、美味しいことよ)。
ヒジュルサン 喜名,渡慶次,儀間
冷たい。
- 用例
- ウヌ ミジェー ワクミジ ナティ、イッペー ヒジュルサン(その水は湧き水なので、とても冷たい)。
- メモ
- →ヒグルハン。
ヒジュルナービナクー 喜名
鍋の修理屋。鋳〔い〕掛け屋。鉄板に開いた穴をネジで止めて、にわか修理すること。
- メモ
- →音1:ヒグルナービナクー。
ヒジュルミジ 喜名,渡慶次,儀間
冷たい水。冷水。
- 用例
- ハルカラ ケーティ チーネー、ヒジュルミジ フーサン(畑から帰ってきたら、冷たい水が欲しい)。
- メモ
- 音1:ヒグルミジ。
ヒジュルムン 喜名,渡慶次,儀間
冷たい物。
- 用例
- アチサヌ ヒジュルムン フーサンヤー(暑くて冷たいのが欲しいね)。
ヒジュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大木
削る。薄く削り取る。
- 用例
- ゥンマヌ チメー ヒジャーニ、マタ イリーノーシー スン(馬の爪は薄く削り取って、また入れ直しする)。カチュー ヒジュン(鰹節を削る)。否:ヒガン(削らない)希:ヒジーブサン(削りたい)過:ヒジャン(削った)継:ヒジョーン(削っている)。
ヒタ 渡慶次,儀間
下手。
- 用例
- ヒタカラル ジョージン ナイサ(下手から上手になるんだよ)。
ヒタイ 座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
したり。でかした。よくやった。
- 用例
- ヒタイサイ、ユー ディキトービンドー(お見事です、よくできていますよ)。ヒタイヒャー、ナマヌ グトゥ ヤサ(でかしたぞ、今の調子だぞ)。
- メモ
- 「ヒタイヒャー」は目下の人に、「ヒタイサイ」は目上の人に使う。→シタイ。
ヒタターヤン 楚辺
ヒリヒリした痛み。しみるような痛み。
- 用例
- ナガリヌ ヒタターヤン スシガ、マジ ンチンディ(背中がヒリヒリ痛いが、まず見てごらん)。
- メモ
- 音1:ヒータタヤン。→スンクヮンヤミ。
ヒダティーン 喜名,渡慶次,儀間
隔てる。
- 用例
- クイ ウッチ メートゥ クシトゥ ヒダティーン(杭を打って前と後を隔てる)。ミチ ヒダティティ、ヒジャイムティーカイ アシガ、ワッター ヤー ヤサ(道を隔てて、左側にあるのが私の家だよ)。否:ヒダティラン(隔てない)希:ヒダティーブサン(隔てたい)過:ヒダティタン(隔てた)継:ヒダティトーン(隔てている)。
ビタビタ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
①柔らかい様。板などが薄くて撓んでいる様。②病弱な様。体が弱い様。
- 用例
- ①ウヌ イター ビタビタ ッシ チョードゥ イーアタイ ヤサ(その板は柔らかくて、ちょうどいいくらいだよ)。②トゥーチ カジビカーン ヒチ アンシ ビタビタ ソールヤー(いつも風邪ばかりひいて、なんて病弱なんでしょうね)。
- メモ
- ①類:ビタビタ。
ヒタラカ 渡具知
強か。したたか。
- 用例
- ヒタラカ ナー シグ クンジョー ゥンジティ(強かもう、すぐ根性出て〈怒って〉)。
- メモ
- 音1:シタラカ・シタルカ。
ビタロー 村史
魚名。フエダイ科の魚類。
ヒチ 高志保
干支。
- 用例
- ヒチヌ アシェーヤー(干支があるでしょう)。
ヒチ 波平
敷居。
- メモ
- →音1:シチ・シキ。
ヒチ 喜名,渡慶次,儀間,宇座
採石道具の一つ。堀削に使う鉄棒。
- メモ
- 音1:シチ。
ビチー(~ビチー) 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
~べき。
- 用例
- リッパ シービチー ヤサ(ちゃんとすべきだよ)。
ヒチウーシ 古堅
民具。挽き臼。
ヒチウキーン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
承諾する。引き受ける。
- 用例
- クンドゥヌ ヤクメー ワーガ ヒチウキーサ(今度の役員は、私が引き受けるよ)。否:ヒチウキラン(引き受けない)希:ヒチウキーブサン(引き受けたい)過:ヒチウキタン(引き受けた)継:ヒチウキトーン(引き受けている)。
- メモ
- →オー ウキーン。
ヒチェー 瀬名波,長浜,渡具知
引合。報告。
- メモ
- →ウフィチェー。
ヒチキーン 大湾,古堅
躾ける。叱る。礼儀作法を教える。
- 用例
- ヤクミンカイ ヒチキラッティ(役目に注意されて)。カンセー ナランディチ ヒチキタクトゥヨー(こんなではいけないといって躾けたかららね)。
- メモ
- 音1:シチキーン。
ヒチクーダ 村史
竹ばさみ。芭蕉布をつくる工程で不純物をこき落とす道具。
ヒチグヮチ 座喜味,波平,都屋,儀間,宇座,長浜
①数詞。7月。②行事。旧盆。旧7月13日から15日まで祖霊を現世に招き、数々の供物やご馳走で歓待する。
- 用例
- ①ヒチグヮチヤ メーニン ウーアチサ ヤサ(7月は毎年猛暑だよ)。
- メモ
- ①音1:シチグヮチ。→②音1:シチグヮチ。
ヒチグヮチアシビ 波平
芸能。旧7月に催す村遊びのこと。
ヒチグヮチソーロー 都屋,渡慶次,楚辺
{ひちぐわつしやうりゃう(七月精霊)}。旧盆。
- メモ
- →②シチグヮチ。
ヒチグヮチャー 宇座
{ななぐわつごら(七月小)}。旧盆。
- メモ
- →②シチグヮチ。
ヒチサチュン 喜名,渡慶次,儀間
①引き裂く。ひき破る。
②親しい仲を無理に離す。
- 用例
- ①ハサンシ ヌヌ ヒチサチュン(ハサミで布を引き裂く)。②タイガ ナカ ヒチサチュン(二人の仲を引き裂く)。否:ヒチサカン(引き裂かない)希:ヒチサチーブサン(引き裂きたい)過:ヒチサチャン(引き裂いた)継:ヒチサチョーン(引き裂いている)。
ヒチジ 儀間
植物。ツツジ。

- メモ
- →音1:チチジ。
ヒチジ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
①羊。②未。十二支のひとつで第8番目に数えられる。
- 用例
- ①ワンネー ヒチジェー ナーダ ンチェー ンランサー(私は羊はまだ見たことがないね)。
ヒチジドゥシ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
未年。
- 用例
- ワッター ヤーヤ、ヒチジドゥシニ チュクタン(私の家は、未年に造った)。
ヒチジヌチュ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
未の人。未年生まれの人。
- 用例
- ヒチジヌチュガ アチマティ、アシビ ソーン(未年生まれの人が集まって、村芝居をしている)。
ヒチス 渡慶次,儀間
引き潮。
- 用例
- ヒチスナイネー タク トゥイガ イカヤー(引き潮になったら、蛸捕りに行こうね)。
- メモ
- 対:ミチス(満ち潮)。
ヒチタンパーク― 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
石油入れ。石油を入れる一斗缶。
- 用例
- ヒチタンユーヤ、ナー、ヒチタンパークーヌ スク チチョーンドー(石油は、もう石油入れの底をついているよ)。
ヒチタンユー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
石油。
- 用例
- ヒチタンユーン タカク ナティ、コーイグリク ナトーン(石油も高くなって、買いにくくなっている)。
- メモ
- 音1:シチタンユー。
ヒチトゥイン 喜名,渡慶次,儀間
引き取る。
- 用例
- ウヌ ニムチェー ワンガ ヒチトゥイン(その荷物は私が引き取る)。否:ヒチトゥラン(引き取らない)希:ヒチトゥイブサン(引き取りたい)過:ヒチトゥッタン(引き取った)継:ヒチトゥットーン(引き取っている)。
ヒチナイン 喜名,渡慶次,儀間
退く。
- 用例
- イャーヤ クシンカイ ヒチナトーケー(お前は後ろに退いていきなさい)。否:ヒチナラン(退かない)希:ヒチナイブサン(退きたい)過:ヒチナタン(退いた)継:シチナトーン(退いている)。
- メモ
- 音1:ヒキナイン。→シンチュン。
ヒチナスン 喜名,渡慶次,儀間
取っておく。傍に確保しておく。
- 用例
- アンマー タマシ ヒチナスン(母の分を取って置く)。否:ヒチナサン(取っておかない)希:ヒチナシーブサン(取っておきたい)過:ヒチナチャン(取っておいた)継:ヒチナチョーン(取っておいておく)。
ヒチビ 座喜味
節日〔せちにち〕。季節の変わり目などに伝統的な年中行事を行う日。
- 用例
- ヒチビ シキランネー(節日のご馳走を供えないと)。
- メモ
- →音1:シチビ。
ヒチファ 渡慶次
引合。報告。
- メモ
- →ウフィチェー。
ヒチマ 楚辺
御初米。初穂。
- 用例
- ヒチマ トゥイネー、ヰナグングヮンチャーンカイ ワキータン(新米を収穫したら、娘たちにも分けた)。ヒチマンディチ、ムヤーナーヌ トゥクマンカイ ミーメー ムッチ イクル ナレーヌ アタン(ヒチマといって、守姉のところに新米を持って行く習慣があった)。
- メモ
- 音1:シチマ。類:ウファチメー・シチマメー・シチュマ。
ヒチマースン 波平,渡慶次,儀間
引き合わせる。未婚の男女を周囲の人たちで引き合わせること。
- 用例
- ヒチマーシンソーチ(引き合わせてくれた)。アヌ タイヤ ヒチマーチル マジョーン ナチェーンドー(あの二人は引き合わせて夫婦にしたんだよ)。否:ヒチマーサン(引き合わせない)希:ヒチマーシーブサン(引き合わせたい)過:ヒチマーチャン(引き合わせた)継:ヒチマーチョーン(引き合わせている)。
ヒチムン 高志保,渡慶次,儀間,古堅
敷物。
- 用例
- ヒジュルサグトゥ、ヒチムン シチ ヰーン(冷たいから、敷物を敷いて座る)。
- メモ
- →音1:シチムン。
ヒチムンジェーク 楚辺
挽物細工〔ひきものざいく〕。箪笥等の細かい細工。
- 用例
- ヒチムンジェークヤ、デージナ ワジャ ヤッサー(箪笥等の細かい細工は、すごい技術だよ)。
ヒチャ 喜名,座喜味,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,楚辺,古堅
下。
- 用例
- ゥンブサグトゥ ヒチャンカイ ウチョーチュンドー(重いから下に置いておくよ)。
- メモ
- 音1:シチャ。対:イー・ウィー・ウヮービ(上)。
ヒチャイン 喜名,渡慶次,儀間
光る。
- 用例
- ユル ナイネー、ジーナーグヮーヌ ヒチャインドー(夜になると、蛍が光るよ)。否:ヒチャラン(光らない)過:ヒチャタン(光った)継:ヒチャトーン(光っている)。
- メモ
- 音1:ヒカイン。
ヒチャギーン 比謝矼
引き上げる。助け上げる。
- 用例
- カミカラン カンシ ヒチャギラサッティ(神様からもこのように助け上げられて)。
ヒチャシバ 喜名,座喜味,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
下唇。下くちびる。
- 用例
- ヒチャシバヌ フックトーン(下唇が膨れている)。
- メモ
- →音1:シチャシバ。
ピチャナイ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
ピカピカと光る様。
- 用例
- アマヌ ヤーヌ ユカヌ ピチャナイ ソーシヨ(あそこの家の床がピカピカと光っていることよ)。
- メモ
- →音1:ピカナイ。
ピチャピチャ 座喜味
ピカピカと光る様。
- メモ
- →ピカナイ。
ヒチャンタ 楚辺
馬具名。鞍当て。馬の鞍の下敷。
- 用例
- ヒチャンタディチン ワンネー ワカランサー(ヒチャンタといわれても私は分からないね)。
- メモ
- →音1:シチャンタ。
ヒチュン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
敷く。
- 用例
- ヘーク ネマ ヒチ ニンシレー(早く寝間を敷いて寝かしなさい)。
- メモ
- →音1:シチュン。
ヒチラー 村史
貝名。スガイ。
ヒチワカスン 渡慶次,儀間
引き分ける。間引くこと。
- 用例
- トーナバー ヒチワカスン(からし菜を間引きする)。否:ヒチワカサン(間引かない)希:ヒチワカシーブサン(間引きたい)過:ヒチワカチャン(間引いた)継:ヒチワカチョーン(間引いている)。
- メモ
- 音1:ヒキワカスン。
ヒチゥンマガ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
親族語彙。玄孫〔やしゃご〕。
- 用例
- ヒチゥンマガヤ イクタイ ヲゥガ(玄孫は何人居るねぇ)。
- メモ
- 音1:シチゥンマガ・ヤチゥンマガ。
ヒッカキーン 喜名,渡慶次,儀間
引っ掛ける。
- 用例
- チン ハーヤンカイ ヒッカキーン(着物を柱に引っ掛ける)。否:ヒッカキラン(引っ掛けない)希:ヒッカキーブサン(引っ掛けたい)過:ヒッカキタン(引っ掛けた)継:ヒッカキトーン(引っ掛けてある)。
ヒッキリムッキリ 楚辺
切れぎれに。
- 用例
- アンソーヌ ヒッキリムッキリ ソーシガン、チカーリーンナー(そんなに切れ切れになっているのが、使えるか)。
- メモ
- 音1:ヒッチリビッチリ。
ヒックスン 楚辺
引っ越す。移る。
- 用例
- ヤーニンジュナー ヒックチ ゥンジヨー(家族とも引っ越しして<移って>行ってよ)。
- メモ
- →①ウチーン。
ヒックムン 喜名,渡慶次,儀間
引っ込む。
- 用例
- ワッター イノー、チュガ チーネー ウークカイ ヒックムン(私たちの犬は、人がきたら奥に引っ込む)。否:ヒックマン(引っ込まない)希:ヒックミーブサン(引っ込みたい)過:ヒックダン(引っ込んだ)継:ヒックドーン(引っ込んでいる)。
ヒッケースン 喜名,渡慶次,儀間
引き返す。
- 用例
- ワシリムン シ、ミチナカカラ ヒッケースン(忘れ物をして、道中で引き返す)。否:ヒッケーサン(引き返さない)希:ヒッケーシーブサン(引き返したい)過:ヒッケーチャン(引き返した)継:ヒッケーチョーン(引き返している)。
ヒッケーラスン 喜名,渡慶次,儀間
ひっくり返す。
- 用例
- クサミチャーマ、ウマンカイ アシ ムル ヒッケーラスン(怒って、そこにあるのを全部ひっくり返す)。否:ヒッケーラサン(ひっくり返さない)希:ヒッケーラシブサン(ひっくり返したい)過:ヒッケーラチャン(ひっくり返した)。
- メモ
- →ウッケースン。
ヒッサガイン 喜名,渡慶次,儀間
ぶら下がる。
- 用例
- ヲゥタランルアラー ナマン キーンカイ ヒッサガトーサ(疲れないのか、まだ木にぶら下がっているさ)。否:ヒッサガラン(ぶら下がらない)希:ヒッサガイブサン(ぶら下がりたい)過:ヒッサガタン(ぶら下がった)継:ヒッサガトーン(ぶら下がっている)。
- メモ
- →サガイン。
ヒッサギーン 渡慶次,儀間,楚辺
引っ提げる。さげて持つ。持ち上げる。
- 用例
- ゥンブサグトゥ、タイシ ヒッサギーン(重いので、二人で引っさげる)。
ヒッサン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
薄い。
- 用例
- ウヌ ヌノー、チヌンカイ シーネー ヒッサンデー(その布は、着物にすると薄いよ)。
- メモ
- →ウスサン。
ビッスー 渡慶次,儀間
口を尖らせる仕草。
- 用例
- ヌラタレー ビッスー サギンデー(叱ったら口を尖らせよるよ)。
- メモ
- 類:ユームーグチ。
ヒッタイ 座喜味
したり。でかした。よくやった。
- 用例
- ヒッタイヒャー(でかしたぞ)。
- メモ
- 音1:ヒタイ。→シタイ。
ヒッタイカータイ 楚辺
ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- アンシ ヒッタイカータイッシ(そんなにずぶ濡れになって)。
- メモ
- →シップートゥ。
ヒッタイクヮッタイ 渡慶次,儀間,楚辺
ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- ミジアシビ シ、ヒッタイクヮッタイ ソーン(水遊びをして、ずぶ濡れになっている)。
ヒッタイディー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
濡れ手。濡れた手。
- 用例
- ヒッタイディーシ サーイネー、カビル ヤグトゥ ヤリーシガ(濡れた手で触ると、紙だから破れるよ)。
- メモ
- 音1:シッタイディー。
ヒッタイビサ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
濡れ足。濡れた足。
- 用例
- ヒッタイビサヤ、ユー フチカラル ヤーヌ ウチンカイ イーンロー(濡れた足は、よく拭いてから家の中に入るんだよ)。
- メモ
- 音1:シッタイビサ。
ヒッタイミー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
濡れた所。
- 用例
- ヒッタイミーカラ アッチーネー、チンヌ スソー カナギティ アッケー(濡れた所から歩く時には、着物の裾はまくり上げて歩きなさい)。
- メモ
- 音1:シッタイミー。
ヒッタイン 喜名,上地,渡慶次,儀間,楚辺
濡れる。
- 用例
- カサン カンランヨークー アミカイ ンリーグトゥ、ドゥーイッペー ヒッタトーン(傘もかぶらずに雨に濡れるから、体中濡れてる)。
- メモ
- →音1:シッタイン。
ヒッタクマッタク 渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
あれこれする様。
- 用例
- ヒッタクマッタク、ヒッチーナーン ユンタク スサ(あれこれ、1日中でもおしゃべりするさ)。アシビンカイ ゥンジーンディチ、ヒッタクマッタク ソーン(村芝居に出るといって、あれこれ〈支度〉している)。
ヒッタティーン 喜名,渡慶次,儀間
引っ張り上げる。
- 用例
- ウレー ゥンブサヌ、タイシ ヒッタティーン(それは重いから、二人で引っ張り上げる)。否:ヒッタティラン(引っ張り上げない)希:ヒッタティーブサン(引っ張り上げたい)過:ヒッタティタン(引っ張り上げた)継:ヒッタティトーン(引っ張り上げている)。
ヒッタティムッタティ 楚辺
持ったり下したりしている様。
- 用例
- ウマヲゥティ ヒッタティムッタティ シ、ヘーク ムッチ イカニ(そこで持ったり下ろしたりして、早く持って行け)。
ヒッタティルー 楚辺
2、3日の約束で金を借りること。一時的に金を借りること。
- 用例
- アチャアサティヤ ジンヌ イッチ チューグトゥ、ヒッタティルー シミティ トゥラシ(明日明後日にはお金が入ってくるから、2、3日お金を借してくれ)。
ヒッチー ①喜名,親志,渡慶次,儀間,渡具知,比謝,大木,牧原,長田②喜名,渡慶次,儀間,大木,長田
①一日。一日中。②しょっちゅう。いつも。ずっと。
- 用例
- ①チュー ヒッチーヤ(今日一日は)。ヒッチーナーン アシディ アッチュンナー(一日中遊んで歩くのか)。②ヒッチー ジンミ スン(いつも協議する)。ヒッチー クヮヌ クトゥビカーン カンゲートーン(ずっと子どものことばかり考えている)。ナー アサカラ ヒッチー ウヌ クラーグヮー ウーティ ゥンジ(もう朝からずっとその雀を追って行って)。
- メモ
- 音1:フィッチー。
ヒッチーグシー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
一日越し。
- 用例
- ナマー ハロー ヒッチーグシー ゥンヂョーン(今は畑には1日越し行っている)。
- メモ
- 音2:ヒッチハイグシー。
ヒッチーヌヒー 儀間
決められたその日だけしかできないこと。日延べができないこと。
- 用例
- ヒッチーヌヒーディチ、ジュールクニチャーヤ ジヒトゥ ウヌ ヒートーティ ウワラサントー ナランディ(ヒッチーヌヒーといって、ジュールクニチャーは是非その日で終わらないといけないそうだ)。
ヒッチーバル 喜名,渡慶次,儀間
一日中畑仕事をすること。一日がかりの畑仕事。
- 用例
- ヒッチーバル シーネー、ヲゥタティ ナーチャヤ ウキーカンティー スン(一日中畑仕事をすると、疲れて翌日は起きにくい)。
ヒッチーヒッチー 大木
いつもいつも。ずっとずっと。
- 用例
- ヒッチーヒッチー チチャンテーン(ずっとずっと搗いたって)。
ヒッチーユッチー 楚辺
一日中。
- 用例
- ユンタクヂューサヌ、ヒッチーユッチー ヰシカカトーン(おしゃべりが多くて、一日中座り込んでいる)。
ヒッチーン 喜名,渡慶次,儀間
引き切る。引き破る。
- 用例
- チカーランヌー カビ ヒッチーン(使えない紙を引き破る)。否:ヒッチラン(引き破らない)希:ヒッチーブサン(引き破りたい)過:ヒッチッチャン(引き破った)継:ヒッチッチョーン(引き破っている)。
ヒッチーンヒー 渡慶次,儀間
一日中自由なこと。人の都合を構わずに、1日中居座ったり話したりしていること。
- 用例
- アレーナー ヒッチーンヒール ヤグトゥ、イェーテーサンケー(彼はもう1日中自由な人だから、相手にはするな)。
ヒッチェイ 楚辺
額。おでこ。
- 用例
- ヰナグヤ、ヒッチェイヤ ヒルサシル チュラサル(女は、額が広いのがきれいなんだよ)。
- メモ
- 類:メービチェー・メービチャイ・メーバチャイ・ムッコー・マコー。
ヒッチェーハガー 楚辺
額が禿げている人。額禿げ。
- 用例
- アッピーグヮー ヒッチェーハガー ヤシヨー(兄さんの額が禿げていることよ)。
ヒッチッチュン 楚辺
引っ付く。くっつく。
- 用例
- ヌイ タックヮーシーネー ヒッチッチュンテー(糊をつけたらくっつくよ)。否:ヒッチンカン(くっつかない)過:ヒッチッチャン(くっついた)継:ヒッチッチョーン(くっついている)。
- メモ
- →タックヮイン。
ヒッチハイグシー 楚辺
一日越し。
- 用例
- マチカイ ヒッチハイグシー、ムッチ イチュタン(町に1日越し、持って行った)。
- メモ
- →ヒッチーグシ。
ヒッチャキーン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
引っかける。
- 用例
- アカングヮンカイ、シーバイ ヒッチャキラッタン(赤ん坊に、小便を引っかけられた)。否:ヒッチャキラン(引っかけない)希:ヒッチャキーブサン(引っかけたい)過:ヒッチャキタン(引っかけた)継:ヒッチャキトーン(引っかけている)。
- メモ
- →ハンチキーン。
ヒッチャキヰー 渡慶次,儀間,楚辺
尻を軽く掛けて座ること。縁側に、軽く尻を掛けるような感じで座ること。
- 用例
- ヰーヌンカイ ヒッチャキヰー シ、ハナシクローン(縁側に尻を掛けて、話し込んでいる)。「バーキ コーンソーリヨー」ヒチ、ゥンマンカイ ヒッチャキヰーシーネー(「バーキを買ってください」と、そこに尻をかけて座ると)。
ピッチャナイ 座喜味
ピカピカと光る様。
- 用例
- ピッチャナイ ヒカラチ(ピカピカに光らせて)。
- メモ
- →ピカナイ。
ヒッチュクン 楚辺
くっつく。
- メモ
- →タックヮイン。
ヒッチリグーファー 波平
爬虫類。ヒメハブ。
ヒッチリビッチリ 喜名,渡慶次,儀間
切れぎれに。
- 用例
- アンチュカナー ヒッチリビッチリ シ ウッチェール(そんなにまで切れぎれにして置いてあるね)。
- メモ
- 音1:ヒッキリムッキリ。
ビッチン 楚辺
財布。
- 用例
- ビッチンヤ コータシガ、イリーヌ ジノー ネーラン(財布は買ったが、入れる金はない)。
ヒッティーン 座喜味
捨てる。
- 用例
- カーミー カライーサン ナイネー、ムル ヒッティール バーヨ(亀を飼えなくなると、みんな捨てるんだよ)。
- メモ
- 音1:ヒティーン・シティーン。
ヒッティン ネーン 喜名,渡慶次,儀間
応えない。気にしない。
- 用例
- アレー ヌーリ イラッティン、ヒッティン ネーンサ(彼は何と言われても、気にしないさ)。
ヒッテー ネーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
応えない。気にしない。
- 用例
- ワッター ユメー、ヌー イチン ヒッテー ネーン(私の嫁は、何を言っても応えない)。
ヒッパイカッパイ 楚辺
顔が引っ張ったように突っ張っている様。
- 用例
- ハナダイン ヌグラン、ヒッパイカッパイ シミティ(鼻水も拭かないで、ヒッパイカッパイさせて)。
ヒッパイン 喜名,渡慶次,儀間
引っ張る。引きずる。
- 用例
- ヒジャイニジリカラ ヒッパイン(左右から引っ張る)。否:ヒッパラン(引っ張らない)希:ヒッパイブサン(引っ張りたい)過:ヒッパタン(引っ張った)継:ヒッパトーン(引っ張っている)。
- メモ
- →スンクン。
ヒッピラコー 古堅
ぺしゃんこ。
- 用例
- ヒッピラコー ナトーン(ぺしゃんこになっている)。
ヒツマ 楚辺
旧6月に収穫する新米。初穂米。
- 用例
- ヒツマ カタミティ、ヰナグングヮンチャー ヤーンカイ イクタン(初収穫の米を担いで、娘たちの家に行きよった)。
- メモ
- →シチマ。
ヒティーン 座喜味,上地,都屋,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,牧原
捨てる。
- 用例
- ウレー タカラ ヤグトゥ ヒティランドー(それは宝だから捨てないよ)。アレー ナー ユデー ヲゥランタグトゥ ヒティタンドー(あれはもう読んでなかったから捨てたよ)。ナー ウレー チカーングトゥ、ヒティーシェー マシ ヤサ(もうそれは使わないから、捨てた方がいいよ)。否:ヒティラン(捨てない)希:ヒティーブサン(捨てたい)過:ヒティタン(捨てた)継:ヒティトーン(捨てている)。
- メモ
- 音1:シティーン・ヒッティーン。
ヒティウイ 喜名,渡慶次,儀間
捨て売り。
- 用例
- ヒティウイ ナティ ヤシゴーイ シチャン(捨て売りで安く買ってきた)。
- メモ
- 音1:シティウイ。
ビティビティ 喜名,渡慶次,儀間
なよなよ。弱々しい様。
- 用例
- ウヌ ボーヤ ビティビティ ッシ、ナマニン ヲゥーリーギサン(その棒は弱々しくて、今にも折れそうだ)。ワラビヌ ヨーガリティ、アンシ ビティビティソール(子どもが痩せて、とても弱々しいね)。
ヒティホーラー 喜名,渡慶次,儀間
捨て散らかすこと。全く面倒を見てない。ほったらかし。
- 用例
- ワランチャー ヒティホーラー シ、アシビーガ イチュンナー(子どもたちをほったらかして遊びに行くのか)。アマンカイ ヒティホーラー シェーシェー チカーンル アンナー(あそこに捨て散らかしてあるのは使わないのか)。
ヒティミティ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
つとめて。朝。早朝。
- 用例
- ヒティミティヌ エーダニ、ウヤヌヤーンカイ ゥンヂ クーワ(朝の間に、実家に行ってきなさい)。
- メモ
- 音1:シティミティ。
ヒティミティナカー 渡慶次,儀間,楚辺
間食。午前10時のおやつ。
- 用例
- ヒティミティナカーヤ ゥンム ゥンブチェーン(時のおやつは芋を蒸かしてある)。
- メモ
- →ジュージヂャー。
ヒティミティムン 親志,座喜味,波平,都屋,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大木,長田
朝ご飯。朝食。

- 用例
- ヒティミティムン カリカラ イケー(朝食を食べてから行きなさい)。ヒティミティムン シコーテービーグトゥ、ウサガミソーレー(朝ご飯の準備ができていますから、召し上がってください)。
- メモ
- →音1:シティミティムン。
ヒティムトゥン 渡慶次,儀間,宇座
朝ご飯。朝食。
- 用例
- ヘーベートゥ ヒティムトゥヌン ヒコーラットーン(早々と朝食も準備されている)。
- メモ
- 音1:シティムトゥン。→シティミティムン。
ヒティムン 喜名,渡慶次,儀間
捨て物。捨てるほどある物。
- 用例
- タマナーン ディキーヂューサヌ、ネーン チカン ヒティムン ヤサ(キャベツもでき過ぎて、値もつかず捨て値だよ)。
- メモ
- 物が有り余って捨てるほどある時に使う。野菜でも作りすぎて値段が安くなり、捨て値で売る時にも「ヒティムン」という言葉を使う。
ヒトゥ 大湾
親族語彙。姑。舅。
- メモ
- →音1:シトゥ。
ヒドゥイ 渡慶次,儀間,楚辺
日取り。祝い事や法事などの日取りを決めること。
- 用例
- ニービチヌ ヒドゥイヤ チャー ナトーガ(結婚式の日取りはどうなっているか)。
- メモ
- →ヒートゥイ。
ヒトゥカタ 渡慶次,儀間,楚辺
ひたすら。
- 用例
- ヒトゥカタ ウヤヌヤー カユトーン(ひたすら実家に通っている)。ヒトゥカタ スビヌ ハーマンカイ(ひたすら楚辺の浜に)。
ヒトゥムトゥムン 座喜味
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音1:ヒティムトゥン・フトゥムトゥン。→シティミティムン。
ヒトゥムトゥン 上地,波平,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音1:ヒトゥムトゥムン・フトゥムトゥン。→シティミティムン。
ヒトフタトノジュー 渡慶次,儀間,古堅
子どもの遊び。お手玉遊び。
- 用例
- ウタグヮー シーガーチー、ヒトフタトノジュー シ アシブタンヤー(歌を歌いながらお手玉遊びをしたね)。
- メモ
- →オーシートー。
ヒナイン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅,大木,比謝矼
減る。
- 用例
- ヒナイルムン(減るのに)。ヒナラスン(減らす)。イェーキヤ ヒナラン(富は減らない)。メーナチ イヒナー ヒナイン(毎日少しずつ減る)。否:ヒナラン(減らない)過:ヒナタン(減った)継:ヒナトーン(減っている)。
ヒナカン 楚辺
火の神。竈神。
- メモ
- →ウカマ。
ビナサン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
①汚い。不衛生な。②下品な。やり方が汚い。
- 用例
- ①ルク ビナサヌ、ヒサン イリララン(あまりにも不衛生で、足も入れられない)。②アッター シーヨーヌ ビナサシヨー(彼らのやり方の下品なことよ)。
- メモ
- 音1:ビナハン。→ハゴーサン。
ヒナタグーシ 瀬名波
火掻き棒。薪をくべる棒。
- メモ
- →ヒナタンボー。竈の灰をかき混ぜたり、燠火〔おきび〕の出し入れに使う木切れ。
ヒナタングーシ 瀬名波,大湾
火掻き棒。薪をくべる棒。
- メモ
- 堅い材質で燃えにくかった。→ヒナタグーシ。
ヒナタンボー 儀間
火掻き棒。竈の灰をかき混ぜたり、燠火〔おきび〕の出し入れに使う木切れ。
- 用例
- ウヌ ヒナタンボーシ ワー チビ スグリヨー(その火掻き棒で私の尻を殴りなさいよ)。
- メモ
- 音2:ヒナンタ。ヒナタンボーは約50㎝の棒で、以前は木などで火を起こしていたので、生活必需品だった。
ビナドゥクル 座喜味
汚い所。不潔な所。
- 用例
- トービーラーヤ ビナドゥクルンカイル ヲゥンドーヤ(ゴキブリは不潔な所にいるんだよ)。
ビナハナシー 長浜
くだらない話。最低な話。
ビナハン 座喜味
①汚い。不衛生な。②下品な。やり方が汚い。
- 用例
- ②アリガ ハナシー ビナハヌ チカンケー(あれの話は下品だから聞くな)。
- メモ
- 音1:ビナサン。→ハゴーサン。
ヒナラスン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
減らす。
- 用例
- イャーヤ ナーヒン ゼーサン ヒナラスンバーイ(お前はもっと財産を減らすのか)。否:ヒナラサン(減らさない)希:ヒナラシーブサン(減らしたい)過:ヒナラチャン(減らした)継:ヒナラシーブサン(減らしている)。
ヒナンタ 喜名
火掻き棒。竈の灰をかき混ぜたり、燠火〔おきび〕の出し入れに使う木切れ。
- 用例
- カマンカイ ヒナンタヌ アシェーヤー(竈の中に火掻き棒があるでしょう)。
- メモ
- →ヒナタンボー。
ヒニクイン 喜名
ひねくれる。
- 用例
- アレー キッサ ヒニクトーンレー(彼はすでにひねくれているよ)。
ヒニクリムン 古堅
ひねくれ者。
- 用例
- カンジュヤーヤ イールンセー、ヒニクリムンリヌ ハナシ(雀はいうなれば、ひねくれ者という話)。
- メモ
- 類:ヒンジムン・ヒンジャー・ボーハンムン。
ヒヌカン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,牧原
火の神。竈神。
- 用例
- ヒヌカンカイヤ、チャーヤ アラン ミジル ウサギーンドー(火の神には、お茶じゃなく水を供えるんだよ)。ヒヌカヌンカイ ユリー コーイン(火の神に許しを請う)。
- メモ
- 各家庭で拝されるほか、字の火の神や、かつての地頭屋敷(殿内)などに祀られた火の神がある。→ウカマ。
ヒヌカンウガマシ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,宇座,長浜,牧原,長田
火の神を拝むこと。
- メモ
- →ウカマウガマシ。
ヒヌカンガナシー 渡慶次,儀間,楚辺
{ひのかみがなし(火の神加那志)}。火の神様。
- 用例
- ヒヌカンガナシーディシェー、ヒヌカン ウヤマトール クトゥバ ヤサ(ヒヌカンガナシーというのは、火の神を敬った言葉だよ)。
- メモ
- →ウカマ。
ヒヌビ 喜名,渡慶次,儀間
日延べ。延期。
- 用例
- イチュナサグトゥ、スージヤ ヒヌビ スン(忙しいから、お祝いは日延べする)。
ヒバク 楚辺
火箱。火鉢。
- 用例
- ヒーク ナイネー、ヒバク メー ナチ ヌクタマイタン(寒くなると、火鉢を前にして暖まった)。
- メモ
- →ヒーバーチ。
ヒバリユン 瀬名波
ひびが入る。乾燥して裂ける。
- 用例
- クチン ヒバリトーン(口も乾燥して裂けている)。
ヒビナズーネー 楚辺
料理。もやしの酢の物。
- 用例
- ヒビナズーネーディネー スーネーグヮーヤタルバーテー、アヌ ニンブトゥカーンチアタセー(ヒビナズーネーとうのは和え物のことだよ、あの)。
- メモ
- もやしをゆでて酢をかけただけのもので、ウークイにも供えた。
ヒマ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
暇。時間。
- 用例
- ヒマヌル ネーンレー(暇がないんだよ)。ヒマー ドゥークルル チュクインドー(暇は自分で作るんだよ)。
- メモ
- 類:マル。
ヒマダーリ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
時間を無駄にすること。時間を費やすこと。
- 用例
- ヌーン アラン ムンヌ チュ アビティ、ヒマダーリ ソーサ(何でもないのに人を呼んで、時間を無駄にしてしまったさ)。チャッサ ヒマダーリ シ チュクタンディチ ワカイミ(どんなに時間を費やして作ったといって、分かるか)。
ヒミキ 楚辺
喘息〔ぜんそく〕。咳がひどいこと。
- 用例
- ユル ニントーイニ ヒミキ スグトゥ、イサンカイ ミシランネー(夜寝ている時に咳がひどいから、医者に診せないと)。
- メモ
- 音1:ヒミチ。→サックィーヒミチ。
ヒミチ 親志,渡慶次,儀間,大湾,古堅
喘息〔ぜんそく〕。咳がひどいこと。
- 用例
- ワラビヌ ヒミチ シ、ユルン ニンラランサ(子どもの咳がひどくて、夜も眠れないさ)。
- メモ
- 音1:シミチ・ヒミキ。→サックィーヒミチ。
ヒミチグスイ 渡慶次,儀間,大湾
喘息〔ぜんそく〕の薬。
- 用例
- アフィラーヤ ヒミチグスイ ヤンディサ(アヒルは喘息の薬だって)。
ヒミチグスグス 喜名,渡慶次,儀間,古堅
咳がひどい様。喘息でゼイゼイしている様。
- 用例
- ヒミチグスグス シ、クスイヤ ヌローシガ ナガガカイ ソーサ(咳がひどくてゼイゼイして、薬は飲んでいるが長患いしているさ)。
ヒミチャー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾,古堅
喘息〔ぜんそく〕持ちの人。
- 用例
- ユル カラジ アライネー ヒミチャー ナインドー(夜、髪を洗うと喘息持ちになるよ)。
- メモ
- 音1:シミチャー。
ヒヤ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
それ。力を入れる時の掛け声。
- 用例
- ヒヤ、ナー イフェー グテー イリレー(それ、もう少し力を入れろ)。
ヒャー(~ヒャー) 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅,大木
①~野郎。~奴。②感動詞や文末について勢いを表す。
- 用例
- ①ウヌヒャー(この野郎)。カーグファーグヮーヒャー(面の皮の厚い奴め)。クヌヒャーヤ イーシン チカンサ(此奴は言うことも聞かないさ)。②トーヒャー、ナー イチデージ(さあ、もう一大事)。シタイヒャー(よくやったな)。
- メモ
- ①人をののしる時にいう。
ヒャーイ 都屋,渡慶次,儀間,大木
干上がり。日照り。旱魃。
- 用例
- ヒャーイガ チヂチーネー、カムシン ネーン ナインドー(日照りが続くと、食べ物もなくなるよ)。ナナチチ ヒャーティ(7か月日照りして)。
- メモ
- →サーイ。
ヒヤーガラスン 楚辺
干上がらせる。田や池の水を干上がらせる。
- 用例
- イチ サレーティ、ヒヤーガラセーワ(池を浚って、干上がらせなさい)。
- メモ
- 類:ヒラスン。
ヒャーク 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
百。100歳。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ ヒャーク ナミシェーン(私のおじいさんは100歳になられる)。
ヒャークニティーチー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
{ひゃくにひとつ(百に一つ)}。よく嘘をつく人。いい加減で百にひとつしか本当のことを言わないような人。
- 用例
- アリガ イーシェー ヒャークニティーチー、ヌーガル フントー ヤラー ワカラン(彼が言うのはヒャークニティーチーだから、何が本当なのか分からない)。
- メモ
- 音1:ヒャークヌティーチ。→ハークイチー。
ヒャークヌティーチ 座喜味,大湾
{ひゃくにひとつ(百に一つ)}。よく嘘をつく人。いい加減で百にひとつしか本当のことを言わないような人。
- 用例
- ウレーヒャー、ヒャークヌティーチル ヤル ムンヌ(それはもう、百のうちひとつもあたらないんだもの)。
- メモ
- 音1:ヒャークニティーチ。→ハークイチー。
ヒヤーナイ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知
元気よく。勇んで。気勢をあげる様。
- 用例
- ヒヤーナイ スルバー(気勢をあげるわけ)。チナヒチ メーニ ヒヤーナイ モートータン(綱引き前に、気勢を上げて踊っていた)。
ヒャクゴー 波平,高志保,楚辺,長田
植物。甘藷の品種名。沖縄百号。
ヒャッカニチ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
百箇日。百日忌。死後百日目に執り行う法要。
- 用例
- アチャヤ ヒャッカニチ ナトーンドー(明日は百日忌だよ)。
- メモ
- 近い親族で行う。
ビューナイ 喜名,渡慶次,儀間
風がビュービュー吹いている様。
- 用例
- フカー カジ ビューナイ ソーンドー(外は風がビュービュー吹いているよ)。
ヒヨー 喜名,高志保,渡慶次,儀間,古堅,比謝矼,長田
日傭。日雇い。
- 用例
- ンーナー ヒヨー タヌディ、ジン ゥンジャチル タゲースタシガ(皆は日雇いを頼んで、金を出して耕したんだが)。アッピーヤ ナガー ヒヨー ソータサ(兄さんは長いこと日雇い人をしていたさ)。
ヒヨーサー 座喜味,高志保
日傭人。日雇い人。
ヒラ 高志保,渡慶次,儀間,長浜,牧原
坂。
- 用例
- ヒラヌ チューサヌ、ヌブインディ イーチ フチョーサ(坂がきつくて、登るのに息切れしてしまったさ)。
ヒラ(~ヒラ) 喜名,渡慶次,儀間,古堅,長田
助数詞。~片〔ひら〕。
- 用例
- ウコー チュヒラ ワティ チカレーワ(線香一片を割って使いなさい)。
- メモ
- 1片は線香6本。チュヒラ(1片)、タヒラ(2片)と数える。
ビラ 親志,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
植物。分葱〔わけぎ〕。ネギ。

- 用例
- ビラヤ アタイグヮーンカイ、イーテータサ(ネギは屋敷内の畑に、植えてあったさ)。
- メモ
- ネギは手軽に栽培できることから、ほとんどの家庭で植えられており、日常的に食卓にも出される。
ヒラー 渡具知
平たいもの。平たい様。
- 用例
- ヒラーガ (平たいのが)。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒライグリサン ク 喜名,渡慶次,儀間
付き合いにくい。
- 用例
- ヒライグリサイネー デージドー(付き合いにくいと大変だよ)。
- メモ
- 音2:ヒレーグリー。対:ヒライヤッサン・ヒライヤッシー(付き合いやすい)。
ヒライシバル
{平石原}。波平の小字。
ヒライヤッサン 喜名,渡慶次,儀間
付き合いやすい。
- 用例
- ワッター ムーコー、イッペー ヒライヤッサン(私の婿は、とても付き合いやすい)。
- メモ
- 対:ヒライヤッサン・ヒライヤッシー(付き合いやすい)。
ヒライン 喜名,渡慶次,儀間,古堅,比謝矼
交際する。付き合う。接する。
- 用例
- ヒラタンリ(交際したって)。ヰヌグトゥ ヒラティ(同じように接して)。イェーカンチャートー ユー ヒラリヨー(親戚とは、よく付き合いなさいよ)。
- メモ
- 音1:ヒレーユン。
ヒラウコー 喜名,渡慶次,儀間
{ひらおかう(平御香)}。平たい黒い線香。
- 用例
- トートーメーンカイ ヒラウコー タヒラ ウサギーン(仏壇に平線香を2片供える)。
- メモ
- ヒラウコー1枚をチュヒラ(1片)と数え、チュヒラは6本の線香が集まったもので、割りやすいように筋が入っている。
ヒラウジン 喜名
{ひらおぜん(平御膳)}。平たい御膳。
ヒラオーハ 楚辺
{ひらあをば(平青葉)}。植物。葉野菜類の総称。
- メモ
- 音1:ヒラオーファ。
ヒラオーファ 親志,座喜味,渡慶次,儀間
{ひらあをば(平青葉)}。植物。葉野菜類の総称。
- 用例
- ヒラオーファ ゥンブチ カムン(葉野菜を蒸して食べる)。
- メモ
- 音1:ヒラオーハ。
ヒラカー 座喜味
すり減ったり、押しつぶされて平らなこと。
- 用例
- ウーシヤ ハーヌ ヒラカー ナイン(臼は歯がすり減って平たくなる)。
ヒラカーバル
{平川原}。宇座の小字。
ヒラガタミー 大湾
棒の両端に荷物をつるし、両肩にあてて担ぐこと。
ヒラキーン ①波平②喜名,渡慶次,儀間
①平たくなる。②へたり込む。座り込む。
- 用例
- ①ヒサシ クンピーネー ヒラキーンテー(足で踏みつけたら平たくなるさ)。②ヲゥタヤーニ ジーンカイ ヒラキーン(疲れて地面にへたり込む)。②ハーエー シミタレー イーチハーハー シ、ジーンカイ ヒラキトーサ(走らせたら息ハーハーして、地面に座り込んでいるさ)。否:ヒラキラン(座り込まない)希:ヒラキーブサン(座り込みたい)過:ヒラキタン(座り込んだ)継:ヒラキトーン(座り込んでいる)。
ヒラキーン 伊良皆,長浜
開〔ひら〕ける。
- 用例
- ユーヌ ヒラキティカラ(世が開けてから)。
ヒラグェー 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
農具。平鍬〔ひらぐわ〕。
- 用例
- ミマターグェーヤカ、ヒラグェーシ カジーシル マシ ヤル(三又の鍬より、平たい鍬で耕した方がいい)。
ヒラクドーン 大湾
しびれる。
ヒラクムン 親志,渡慶次,儀間,楚辺
しびれる。
- 用例
- ナゲー ヒサマンチュー、サレー ヒサガ ヒラクローン(長いこと正座していたら、足がしびれている)。
- メモ
- 音2:ヒングムン。
ヒラクン 楚辺
開く。目や口などを開ける。
- メモ
- →フラクン。
ヒラグン 喜名,高志保,儀間
{ひらくみ(平組)}。弁髪〔べんぱつ〕。中国男子の髪型で3本に分けたものを平たく編むこと。
- 用例
- 歌:トーヤ ヒラグン、ヤマトー カンプー、サラバ ウチナーヤ メーカタガシラ(唐は弁髪、大和はちょんまげ結い髮、さらば沖縄は沖縄結い髮)。
ヒラゲー 大湾
両肩。
ヒラシチヌゥンバイ 長浜
大晦日に供えるご飯。
- メモ
- 長浜ではトゥシヌユールに挽き臼や篦〔へら〕、鋤、鎌などの農具ご飯を供えて農事の労に謝意を表した。
ヒラジョーキー 親志
民具。竹ヒゴを縦横に編んだ丸いザル。
- メモ
- 女性はヒラジョーキーに芋を入れて台所で食した。
ヒラスン 座喜味
干す。干上がらせる。田や池の水を干上がらせる。
- 用例
- クムイ ヒラスン(池の水を干す)。
- メモ
- →ヒヤガラスン。
ヒラター 喜名,渡慶次,儀間
平たいもの。
- 用例
- ヒラターイシ カメーティ クーワ(平たい石を探してきなさい)。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒラターイユグヮー 長浜
魚名。平たい魚。
- 用例
- ヒラターイユグヮーン マンドータンデー(平たい魚もたくさんいたよ)。
ヒラターヂンナン 楚辺
貝名。畑などにいる平たいカタツムリ。
- 用例
- アヌ タッピラカー ソーシカイ、ヒラターヂンナンディ イータサ(あの平べったいのに、ヒラタ―ジンナンといっていたさ)。
ヒラタービラ 座喜味
植物。ニラ。

- メモ
- →キリビラ。
ヒラタウタキ 伊良皆
平田御嶽。伊良皆の拝所。ユナサモーの御嶽。ユナサ御嶽。
- メモ
- 御嶽の下方にはヒラタヌシー(平田之子)の屋敷があり、今は傾斜で野原になっている所がそれだといわれている。ニッチュ(根人)門中はヒラタウタキといい、ジョーグチ(門口)門中はユナサウタキと呼んでいる。ウタキの名称は後から出たことで、古来よりユナサモーと呼んだという。ユナサモーの端っこにあり、初御願に拝む。
ヒラタッター 座喜味,伊良皆
平たいもの。平たい様。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒラタヌシー 伊良皆
平田子。
- メモ
- 平田子は屋比久子と一緒に尚巴志のフニシン(遺骨)を担いで伊良皆に隠しに来た。平田子はジョーグチ(門口)の娘を妻にして、伊良皆に落ち着き、ニッチュ(根人)門中になっている。ニッチュ門中には平田子と屋比久子両方の子孫がいて、尚巴志、平田子、屋比久子の香炉が祀られている。
ヒラチガー 座喜味
植物。コバンモチ。ホルトノキ科。
- メモ
- →シラチグ。
ヒラチュン 喜名,渡慶次,儀間
開く。容器などを開ける。
- 用例
- ハーマヲゥティ ウジュー ヒラチュン(浜で御重を開く)。否:ヒラカン(開かない)希:ヒラチーブサン(開きたい)過:ヒラチャン(開いた)継:ヒラチョーン(開いている)。
ヒラヂンナン 村史
貝名。畑などにいる平たいカタツムリ。
- メモ
- →ハブヂンナン。
ヒラナービ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
平鍋。底が浅い平たい鍋。
- 用例
- ヒラナービンカイ ポーポー ヤチュン(平鍋にポーポーを焼く)。
ヒラナカ 楚辺
潰した豚1頭分の半分の肉。
- 用例
- タトゥクマシ、ヒラナカナー ワキーサ(2か所で、潰した豚を半分ずつ分けるさ)。
ヒラバーキー 親志
民具。平たいカゴ。
ヒラバーチー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
平たい大きな皿。
- 用例
- ティンプラーヤ、ヒラバーチーンカイ イリーシェー マシ ヤサ(天ぷらは、平たい大きな皿に入れた方がいいよ)。
- メモ
- 類:ハーチ。
ヒラハグサ 伊良皆,大湾,古堅
植物。オオバコ。
- メモ
- 音1:ヒラファグサ。→シップイグサ。
ヒラファグサ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
植物。オオバコ。
- 用例
- ヒラファグサヤ マーンカイ ヤティン ミーサ(オオバコはどこにでも生えるよ)。
- メモ
- 音1:ヒラハグサ。→シップイグサ。
ヒラフチバカ 村史
平葺墓。屋根の部分が平たい墓。
- メモ
- 音2:ヒラフチバカ。
ヒラホーグサ 長浜
植物。オオバコ。
- メモ
- →シップイグサ。
ヒラマーチャー 牧原
平松。枝ぶりがきれいな松。
- メモ
- 音1:ヒラマーチュー。
ヒラマーチュー 渡慶次,儀間,渡具知
平松。枝ぶりがきれいな松。
- 用例
- アマヌ ヒラマーチューヤ、イチ ンチン アンシ チュラサルヤー(あそこの平松は、いつ見てもとてもきれいだね)。
- メモ
- 音1:ヒラマーチャー。渡具知ではモーアシビ所として使っていた。
ヒラムスル ①牧原,長田②喜名,渡慶次,儀間
植物。①ヒルムシロ。②オオタニワタリ。
- 用例
- ①ターンカイ ヒラムスルリヌ ムンヌ ミーンヨーヤー(田んぼにヒラムスルというものが生えるよね)。②イチヌ スバンカイ、ダテーンヌ ヒラムスルガ ミートーン(池の側に、たくさんのオオタニワタリが生えている)。
- メモ
- ①陽あたりのよい池、溝、水田などに生える多年生の水草。②チャセンシダ科の常緑性シダ植物。
ヒラムスル 牧原,長田
植物。水草。ヒルムシロ科。単子葉植物の科で水中に生育する多年草。
- メモ
- 陽当たりのよい池、溝、水田に生え、浮葉は長楕円形で先はとがっている。
ヒラヤーチー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波
{ひらやき(平焼き)}。料理。小麦粉にニラ等を入れて薄く焼いたもの。

- 用例
- チリビラー イッティ ヒラヤーチー ヤチュン(ニラを入れてヒラヤーチーを焼く)。
- メモ
- 一般の家庭でもよく食べられる家庭料理で、作り方もとても簡単である。
ヒランメー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,渡具知
料理。麦ご飯。麦飯。
- 用例
- ヒランメー ニチェールムン、ヘーク ブチダヌンカイ ウサギレー(麦御飯を炊いてあるんだから、早く仏壇に供えなさい)。
- メモ
- 音1:フィランメー。→ターキーメー。
ヒランメージューシー 渡慶次,儀間,楚辺
料理。麦飯雑炊。
- 用例
- ヒランメージューシーヤ ニチチャーキ ナティ、アチサヌ カマラン(ヒランメージューシーは炊き立てで、熱くて食べられない)。
ヒリーン 伊良皆,大湾,古堅,大木,牧原
拾う。
- 用例
- ヒリーガ ヤラチェール バー(拾いに行かせたわけだ)。
- メモ
- 音1:フィリーン。類:ヒルイン。
ヒリグササン 古堅
生臭い。
- 用例
- ユービヌックヮー、シタタカ ヒリグササンヨー(鮫は、非常に生臭いよ)。
- メモ
- 音1:ヒルグササン。
ヒリトゥンガスン 古堅
放り飛ばす。
- 用例
- ヲゥトゥン ヒリトゥンガスヌ アタイサグトゥ(夫も放り飛ばすほどだったから)。
ビリビリ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
柔らかい様。
- 用例
- ニージューサヌ ゥンムヌ ビリビリー ソーン(煮え過ぎて芋が柔らかくなっている)。
- メモ
- →①ビリビリ。
ヒリヒリーグヮー 村史
玩具。笛の一種。
- メモ
- →バンバトゥグヮー。
ヒル 渡慶次,儀間,楚辺
①尋。約180㎝。②助数詞。~尋。長さや深さを数える単位。
- 用例
- ①ヌヌヤ チュヒルナー ヲゥーティカラ タクベー(布は一尋ずつ折り曲げてから、たたみなさい)。②ヌヌヤ イッタンシ ナナヒル ヤサ(布は1反で7尋だよ)。
- メモ
- チュヒル(1尋)、タヒル(2尋)、ミヒル(3尋)と数える。
ヒル 喜名,親志,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅
植物。ニンニク。
- 用例
- ヒル トゥティ チェーグトゥ、チキムン スシェー マシテー(ニンニクを取ってきてあるから、漬物にした方がいいよ)。
- メモ
- 年越しの夕飯に、葉を半分ほど切ったヒルを添えて食する。ヒルには邪気を払う力があると言われているが、長浜では「ユールン ヒルナシ(夜も昼にせよ)」と、働ける時間を長くしなさいという意味で食したという。風邪の予防、滋養強壮に効く。ニンニク酒にして常備した。
ヒル 親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原
昼。日中。
- 用例
- ヒルヲゥティ、ユージュ ウチナチ チューサ(昼のうちに、用事を済ませてくるさ)。
- メモ
- 音1:フィル。
ビル 牧原
海藻名。ミル。
ヒルイン 渡慶次,儀間
拾う。
- 用例
- チラカチール グミヤ ワンガ ヒルイン(散らかしてあるゴミは私が拾う)。否:ヒルラン(拾わない)希:ヒルイブサン(拾いたい)過:ヒルタン(拾った)継:ヒルトーン(拾っている)。
- メモ
- →ヒリーン。
ヒルイングェー 喜名,渡慶次,儀間
拾い食い。つまみ食い。
- 用例
- ヒルイングェービカーン シ、ワタ ミッチョーン(つまみ食いばかりして、腹いっぱいだ)。
- メモ
- →ガチングェー。
ヒルガイン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
広がる。
- 用例
- ヤナクサー スグ ヒルガイン(雑草は直ぐに広がる)。イバサグトゥ、ナー イヘー ヒルガレー(狭いから、もう少し広がりなさい)。否:ヒルガラン(広がらない)希:ヒルガイブサン(広がりたい)過:ヒルガタン(広がった)継:ヒルガトーン(広がっている)。
ヒルガッスー 楚辺
ニンニクの漬物。

- 用例
- チャーヌ チャワキン ネーンラー、ヒルガッスーンデー ゥンジャシェー(お茶の茶請けもないなら、ニンニクの漬物でも出しなさい)。
ヒルガラシ 喜名,宇座
昼鳴く烏。
ヒルギ 座喜味,伊良皆,古堅
植物。ヒルギ。
- メモ
- 音1:フィルギ。
ヒルギーン 喜名,渡慶次,儀間
広げる。
- 用例
- ウチュクイヂチン、ンナヌ メーヲゥティ ヒルギーン(風呂敷包みを、皆の前で広げる)。否:ヒルギラン(広げない)希:ヒルギーブサン(広げたい)過:ヒルギタン(広げた)継:ヒルギトーン(広げている)。
ヒルグササン 喜名,渡慶次,儀間
生臭い。
- 用例
- ウヌ イユヤ ヒルグササンドー(その魚は生臭いよ)。
- メモ
- 音1:ヒリグササン。
ヒルグサリカジャ 喜名,渡慶次,儀間
生臭いにおい。
- 用例
- イユ クシレーティ アトー ヒルグサリカジャ スン(魚をさばいた後は生臭いにおいがする)。
ヒルザキ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,古堅
ニンニク酒。ニンニクを泡盛で漬けたもの。
- 用例
- カジヒチーネー ヒルザキ ヌマサリータン(風邪をひいたらヒルザキを飲まされた)。
ヒルサン 喜名,渡慶次,儀間
広い。
- 用例
- トゥナイヌ ナーヤ イッペー ヒルサン(隣の庭はとても広い)。
- メモ
- 音1:ヒルハン。対:イバサン・イバハン(狭い)。
ヒルサンミー 喜名,渡慶次,儀間
広い所。
- 用例
- アシブラー ヒルサンミーンヲゥティ アシベー(遊ぶなら広い所で遊びなさい)。
- メモ
- 対:イバサンミー・イバドゥクル・イバミー(狭い所)。
ヒルヂキー 渡慶次,儀間,古堅
ニンニクの漬物。
- 用例
- クチャカラ ヒルヂキー ゥンジャチ クーワ(裏座からニンニクの漬物を出してきなさい)。
- メモ
- ニンニクを黒糖と泡盛で漬けたもの。
ヒルニンジ 喜名,渡慶次,儀間
昼寝。
- 用例
- パーパーヤ ヒルニンジ ソーグトゥ、イェージェー サンタン(おばあさんは昼寝をしているから、挨拶はしなかった)。
ヒルハン 楚辺
広い。
- 用例
- イッター ヤシチヤ マーヤカ ヒルハン(お前の屋敷はどこよりも広い)。
- メモ
- →音1:ヒルサン。
ヒルビルートゥ 喜名,渡慶次,儀間
広々と。
- 用例
- ヒルビルートゥ シ、アンシ イーヤンベー ヤル(広々として、なんて心地よいんだろう)。
- メモ
- 類:ワーワートゥ。
ヒルヒルカンジャー 瀬名波
植物。
- メモ
- ヒルヒルカンジャーを束ねて綱曳をした。
ヒルファグサ 座喜味
植物。オオバコ。
- メモ
- →シップイグサ。
ヒルマ 喜名,渡慶次,儀間
昼間。
- 用例
- ヒルマヲゥティ、ユージョー ゥンヂ チューサ(昼間で、用事は行ってくるさ)。
- メモ
- →シカマ。
ヒルマイン 喜名,渡慶次,儀間
広まる。
- 用例
- ヤナクトー チューチャンナカイ ヒルマインドー(悪い話はあっという間に広まるよ)。否:ヒルマラン(広まらない)過:ヒルマタン(広まった)継:ヒルマトーン(広まっている)。
ヒルマサン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木,牧原
不思議だ。奇妙である。
- 用例
- ウッピナーヌ イシ チャーシ ムッチ チャガヤーディチ、ジコー ヒルマサン(そんなに大きな石をどんなにして持ってきたかといって、とても不思議だ)。
- メモ
- 音1:ヒルマハン。珍しい事件などについて言う。
ヒルマシームン 喜名,高志保,渡慶次,儀間
不思議なこと。奇妙なこと。
- 用例
- ウレー ミッタ ヒルマシームン ヤッサー(それは本当に奇妙なことだな)。
- メモ
- 音1:ヒルマシムン。
ヒルマシムン 喜名,渡慶次,儀間,大湾
不思議なこと。奇妙なこと。
- 用例
- イャーガ チューンディシェー ヒルマシムンル ヤル(お前がくるってことは不思議なことなんだよ)。ウマ ヌーガラ ヒルマシムンチ サクトゥ(そこは何か奇妙なことといって)。
- メモ
- 音1:ヒルマシームン。
ヒルマナカ 宇座,長浜
{ひるまなか(昼間中)}。午後3時から4時頃の時間帯。
ヒルマハン 楚辺
不思議だ。奇妙である。
- 用例
- アッタニ ネーン ナインディチン アンナー、ヒルマハンヤー(急になくなるってこともあるのかな、不思議なことだ)。
- メモ
- →音1:ヒルマサン。
ヒルマミジ 高志保
{ひるまみづ(昼間水)}。旧7月七夕から15日迄、仏壇に供える水。
- メモ
- 音1:ヒカマミジ。
ヒルマムチ 座喜味
{ひるまもち(昼間餅)}。旧盆のウンケーとウークイの午後3時頃に供える団子。
- メモ
- →ウークイダーグ・ウンケーダーグ。
ヒルマムン 渡慶次,儀間
午後3時のおやつ。
- 用例
- ユックティ、ヒルマムン ウサガミソーレー(休んで、3時のおやつを召し上がってください)。
- メモ
- →アーシー。
ヒルミーン 喜名,渡慶次,儀間
広める。
- 用例
- イークトー ムルカイ ヒルミーン(いいことは皆に広める)。否:ヒルミラン(広めない)希:ヒルミーブサン(広めたい)過:ヒルミタン(広めた)継:ヒルミトーン(広めている)。
ヒレー 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
付き合い。仕えること。
- 用例
- ヒレー ジョージ ナイネー、ナンクル シキン ワタティ ハイサ(付き合い上手になると、自然に世間を渡って行くよ)。歌:アキタキタ チバナ クラミリバ ヤムイ ママウヤヌ ヒレーヤ カンガ アユラ(ああ痛い痛い シマアザミ 踏めば痛い 継親に仕えるのは このようなものか)。
- メモ
- →トゥイヒレー。
ビレー(~ビレー) 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
~付き合い。~に仕えること。
- 用例
- ケートゥナイビレー(近所付き合い)。ヲゥトゥビレー(夫へに仕えること)。
- メモ
- →ヒレー。
ヒレーグリー 喜名,渡慶次,儀間,古堅,大木
付き合いにくいこと。付き合いにくい人。
- 用例
- イチ ンチン クサブックティ、ヒレーグリー ヤッサー(いつ見ても膨れっ面をして、付き合いにくい人だ)。
- メモ
- →ヒライグリサン。
ヒレーユン 古堅,大木
付き合う。交際する。
- メモ
- →ヒライン。
ヒロハグサ 座喜味
植物。オオバコ。
- メモ
- 音1:ヒロハグサ。→シップイグサ。
ビワ 渡具知,大湾,大木
植物。ビワ。枇杷。
- 用例
- ビワヌ ファー(ビワの葉)。
- メモ
- *サギグスイ(下げ薬)としてビワの葉をお茶にして飲む。
ヒン 渡慶次,儀間,楚辺,古堅,大木
すねること。
- 用例
- シクチ イーチキーネー、ヒンル スンレー(仕事を言い付けると、すねるんだよ)。
- メモ
- 音2:ヒンチ。
ヒン~ 儀間,牧原
ひん~。
- 用例
- ティーヌクビ ヒンマギティ ネーン(手首を捻ってしまった)。
- メモ
- 動詞につき、意味をつよめる。
ヒンガー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,比謝矼
垢じみているもの、人。汚れがしみついて汚くなっていること。
- 用例
- チヌン ケーランネー、ヒンガー ナトーンドー(着物も着替えないと、汚れているよ)。
ヒンガーマーヤー 瀬名波
顔が汚れていること。垢まみれの人。
- メモ
- →ヒンガーマヤー、ヒンガーマーヲゥー。
ヒンガーマーヲゥー 喜名,都屋,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾
顔が汚れていること。垢まみれの人。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ンジュルカージ ヒンガーマーヲゥー ソーン(その子は、見るたびに顔が垢まみれだ)。
- メモ
- *マーヲゥーとは猫のことで、猫がよく顔を撫でることから、顔の汚れを取っている状態に例えている。→チラヒンガー。
ヒンガーマヤー 座喜味,楚辺
顔が汚れていること。垢まみれの人。
- 用例
- イャーヤ、ヒンガーマヤー ナインドー(お前は、垢まみれのネコみたいになるぞ〈子どもたちがなかなかお風呂に入らない時にそういった〉)。
- メモ
- →チラヒンガー。
ヒンガーワラバー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
垢まみれの子ども。
- 用例
- ユーフルン イラングトゥ、ヒンガーワラバー ナトーン(風呂も入らないから、垢まみれの子になっている)。
ヒンガスン ①座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,古堅②楚辺
①逃がす。②亡くす。
- 用例
- ①トゥッカチミテーヌ トゥイグヮー ヒンガスン(捕まえてある小鳥を逃がす)。否:ヒンガサン(逃がさない)希:ヒンガシーブサン(逃がしたい)過:ヒンガチャン(逃がした)継:ヒンガチョーン(逃がしている)。②アッタルクヮ ヒンガチャンヤー(大切な子を亡くしてしまったね)。
- メモ
- 幼い子どもが亡くなった時には、ヒンガチャンといった。
ヒンガン 伊良皆,上地,渡慶次,儀間
彼岸。
- メモ
- 音1:ヒガン。春分の※ニングヮチヒンガン(二月彼岸)、秋分の※ハチガチヒンガン(八月彼岸)には仏壇に重箱を供えた。
ヒンガンボージ 伊良皆
{ひがんばうず(彼岸坊主)}。人生儀礼。ニ月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- メモ
- →サラタティー。
ヒンガンボージャー 渡慶次,儀間,楚辺
{ひがんばうずあ(彼岸坊主あ)}。人生儀礼。ニ月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- ヒンガンボージャーニ、イャームン カラジグヮーン チラヤー(彼岸ボージャーに、あなたの髪も切ろうね)。
- メモ
- →サラタティー。
ヒンギアラシー 波平
競って逃げること。
- メモ
- 音2:ヒンギグーネー。
ヒンギーン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,牧原
逃げる。
- 用例
- フニンカイ ヌトーティ、アヌー マーガラカイ ヒンギティ イクンリチル ヤタラー(船に乗って、あのうどこかに逃げて行くつもりだったのか)。アッピーガ ウーティチューグトゥ ヒンギラ(兄さんが追ってくるから逃げよう)。否:ヒンギラン(逃げない)希:ヒンギーブサン(逃げたい)過:ヒンギタン(逃げた)継:ヒンギトーン(逃げている)。
ヒンギウシ 渡具知
逃げ牛。逃げた牛。
ヒンギグーネー 喜名,渡慶次,儀間
競って逃げること。
- 用例
- シクチ イーチキタレー、ヒンギグネー ッシ ムル ヲゥラン ナトーン(仕事を言いつけたら、競い合って逃げて全員いなくなっている)。
- メモ
- →ヒンギアラシー。
ヒンギマーイ 喜名,渡慶次,儀間
逃げ回ること。
- 用例
- ヌラーリル スラーディチ、ヒンギマーイ ソーン(叱られると思って、逃げ回っている)。
ヒンギウヮー 喜名,渡慶次,儀間
逃げ豚。逃げた豚。
- 用例
- ヒンギウヮーンカイ チチカミラリーギサー ヤタン(逃げた豚に突き上げられそうだった)。
ヒンギゥンマ 喜名,渡慶次,儀間
逃げ馬。逃げた馬。
- 用例
- ヒンギゥンマヌ パカナイ シーネー アンシ ウトゥルサタルヤー(逃げた馬がパカパカすると〈追ってくると〉とても恐かったね)。
ヒング 喜名,座喜味,伊良皆,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,古堅,大木,比謝矼,牧原
垢。煤〔すす〕。
- 用例
- アミラングトゥ、ドゥーイッペー ヒング ヤサ(浴びないから体中垢だらけだよ)。
ビング 座喜味
イグサ。備後藺〔びんごい〕。
- メモ
- →ビーグ。
ヒングブッター 喜名,渡慶次,儀間
煤だらけ。垢だらけ。
- 用例
- ヒングブッター シ、マーヲゥティ アシディ チャガ(煤だらけで、どこで遊んできたのか)。
ヒングムン 楚辺
しびれる。
- 用例
- ナガヰー シーネー ヒサガ ヒングムンドー(長く座ると足がしびれるよ)。否:ヒングマン(しびれない)継:ヒングローン(しびれている)。
- メモ
- →ヒラクムン。
ヒングヤーグヮー 波平
煤だらけの小屋。
ビングヮー 楚辺
植物。ツルムラサキ。

- 用例
- ビングヮーディチ チチャル ウベー アシガヤー、ヒカットー ワカランサー(ビングヮーといって聞いた覚えはあるが、はっきりは分からないさ)。
ヒンケー 古堅
口答え。反抗。
- 用例
- タインカイ ヒンケー サビランタンリヨー(二人に口答えしなかったそうだよ)。
- メモ
- →クチゲー。
ビンシー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
{びんす(瓶子)}。酒や水を入れる錫製の器。拝みや結婚式などの儀式に用いる携帯用の道具にもいう。
- 用例
- ニービチネー ビンシーン チカインドー(結婚式にはビンシーも使うよ)。
- メモ
- 音2:ビンシードーグ・ビンドーグ・ビンスドーグ。
ビンシードーグ 大湾
{びんすだうぐ(瓶子道具)}。拝みや結婚式などの儀式に用いる携帯用の道具。
- メモ
- 仕切られた木の箱に*ビンシーや拝みに必要なものが納められている。→ビンシー。
ヒンジムン 喜名,渡慶次,儀間
ひねくれ者。
- 用例
- ワラビヌ ヒンジムン ナティ、テーン ミーン タタラン(子どもがひねくれ者で、どうしようもない)。
- メモ
- →ヒニクリムン。
ヒンジャー 喜名,渡慶次,儀間
ひねくれ者。
- 用例
- ヒンジャー ナティ ウヤヌ イーシン チカン(ひねくれ者で親の言うことも聞かない)。
- メモ
- →ヒニクリムン。
ビンジャク 喜名,長田
地名(喜名と伊良皆の中間地点の小地名)。
- メモ
- そこには洞穴があって、昔からジュリグヮー幽霊が出るといわれた。
ビンス 長田
雄弁な者。
ヒンスー 座喜味,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
{ひんそ(貧素)}。貧乏。
- 用例
- ヒンスーヤ ソーティン、チャー マクトゥ ソーケー チャーン ネーンサ(貧乏はしていても、いつも誠しておけばどうもないよ)。
- メモ
- 音1:フェンスー・ヘンスー。→クンチュー。
ヒンスームン 伊良皆,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,比謝矼
貧乏者。
- 用例
- ヒンスームンディチ ウシェーラッティン、アトー ターガル リッシン スラー ワカランドー(貧乏者だと馬鹿にされても、後は誰が立身するのか分からないよ)。
- メモ
- 音1:フィンスームン。→クーシームン。
ビンスドーグ 喜名,渡慶次,儀間
{びんすだうぐ(瓶子道具)}。拝みや結婚式などの儀式に用いる携帯用の道具。
- メモ
- →ビンシー。
ビンスドーグムッチャー 喜名,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺
御願用の道具持ち。
- 用例
- ワンネー イクケーヌン ビンスドーグムッチャー シミラッタン(私は何回も御願用の道具持ちをさせられた)。
- メモ
- 結婚式などの場合、相手方の家に向かう時に、御願用の道具を持つ役目の人をビンスドーグムッチャーといった。
ヒンセー 楚辺
返済。借金払い。
- 用例
- ウリサーニ ナー ヒンセー スンリチョールバーテー(それでもう返済するというわけさ)。
- メモ
- →ウッカバレー。
ビンタ 渡慶次,儀間,楚辺
①鬢〔びん〕。②頬を平手打ちすること。
- 用例
- ①アリガ ビンタグヮーヌ ナガサヨー(彼の鬢の長いことよ)。②ティーガンマリ シ、シンシーンカイ ビンタ サッタン(悪戯をして、先生に平手打ちされた)。
ビンダナー 座喜味
雨降りの時にできる池。
ビンダレー 喜名,座喜味,波平,高志保,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,牧原
{びんだらひ(鬢盥)}。洗面器。
- 用例
- ビンダレーンカイ ミジ イッティ チラ アライン(洗面器に水を入れて顔を洗う)。
ヒンチ 喜名,渡慶次,儀間
すねること。
- 用例
- ヒンチ サーニ ヒンギティ ハイタン(すねて逃げていった)。
- メモ
- →ヒン。
ビンヂキ 伊良皆,牧原
{びんつけ(鬢付)}。頭髪につける油。
ビンヂキデー 伊良皆
{びんつけだい(鬢付代)}。頭髪用の油の代金。
ヒンチャー 喜名,渡慶次,儀間
よくすねること。またはその人。
- 用例
- イャーグトゥ ヒンチャー ナイネー、ターガン チカーンドー(お前のようにすねてばかりいると、誰がも使わないよ〈雇わないよ〉)。
ビンチョー 伊良皆
勉強。
- 用例
- ビンチョー シミティ クィミソーリ(勉強させてください)。
ビンドゥク 大湾
梅毒。
- 用例
- ビンドゥク カカトーサ(梅毒罹っているさ)。ビンドゥク ムッチョンドー(梅毒を持っているよ)。
- メモ
- →ジンブンガサ。
ビントゥジュー 楚辺
{べんたうぢゅう(弁当重)}。小さな重箱の弁当箱。
- 用例
- ゥンマハラセーネー ビントゥジュー ムッチ、イッペーヌ タヌシミ ヤタン(琉球競馬には弁当重を持って、とても楽しみだった)。
- メモ
- 遠足や※ゥンマハラセーを見に行く時に弁当として持って行った。
ヒントー 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間
返答。
- 用例
- イャーヤ ヒントーン ナラン バーイ(お前は返答もできないのか)。ジュンニ イャビーンリチ、アマンジャラーンケー ヒントー サーイヤーサイ(本当に言いますといって、阿麻和利に返答してですね)。
- メモ
- 類:イリヒントー・フィジフィントー。
ビントー 楚辺
弁当。
- 用例
- アチャヤ ビントー ヤシガ、アンマーヤ ウビトーガヤー(明日は弁当だが、お母さんは覚えているかね)。
ビンドーグ 座喜味
{びんどうぐ(瓶道具)}。酒や水を入れる錫製の器。拝みや結婚式などの儀式に用いる。
- メモ
- →ビンシー。
ビンナイ 長浜
ビュンビュンと。風をきるように速く移動する様。
- 用例
- ンカシェー カンシ イユ トゥインディ タッチョーチーネー、トゥビイユヌ ビンナイ トゥディ チャン(昔はこうして魚をとろうと立っていると、トビウオがビュンビュンと飛んできた)。
ビンビンダークー 村史
子どもの遊び。スミレを根こそぎ取って逆さまに吊し、蛸を干す真似をして遊んだ。
ヒンプン 座喜味,伊良皆,波平,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺
門と家の間にある塀。外から家の中を見られないように作られた目隠しの塀。

- 用例
- ワッター ヒンプンヤ イシガチシ チュクテータン(私たちのヒンプンは石垣で造ってあった)。
- メモ
- 中国語の屏風のことで、種類には石垣、竹垣、ゲッキツなどの生け垣があった。また、外部からの※ヤナムンを跳ね返す役目もあるとされた。
ヒンマガイン 牧原
ひん曲がる。ひどく曲がる。
- 用例
- キーヌ スバンカイ ヒンマガティ、スクロータン(木のそばに深くかがんで、すくんでいた)。
ヒンリン 楚辺
返済。借金払い。
- 用例
- 「ヒンリンサビンドー」ンチ、ヒントー サギタンディヤー(「返済しますよ」と、返事したってね)。
- メモ
- →ウッカバレー。
ヒゥンマガ 都屋
親族語彙。ひ孫。曾孫。
- メモ
- 類:マタゥンマガ。
ファー 喜名,親志,座喜味,波平,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
植物。葉。
- 用例
- キーヌ ファーヌ ウティティ チャッサ ホーチン フシガラン(木の葉が落ちて、どんなに掃いてもきりがない)。
- メモ
- 音1:ハー。
ファー 座喜味,波平
歯。
- 用例
- ファーグヮー ミートーミ(歯は生えてるか)。
- メモ
- 音1:ハー。
ファーイ 伊良皆,波平,瀬名波,楚辺
針。
- 用例
- ファーイ イーチュー ダッテーン ヌチョーティ(針に糸をたくさん<長く>通していて)。
- メモ
- 音1:ハーイ。
ファーガラ 長田
葉殻。枯れ葉。甘蔗の枯れ葉。
- 用例
- ファーガラ タバティ(枯れ葉を束ねて)。
- メモ
- 音1:ファーガラ・ファーガラー。→カリバー。
ファーガラー 親志,波平,渡具知,古堅
葉殻。枯れ葉。甘蔗の枯れ葉。
- メモ
- 音1:ハーガラー・ファーガラ。→カリバー。
ファーガラガッコー 牧原
甘蔗の枯れ葉で屋根を葺いた学校。
- メモ
- チョンナー(喜友名)家の庭にファーガラ学校があり、そこは牧原の補習学校であった。
ファーガラヤー 波平,楚辺,牧原
甘蔗の枯れ葉で屋根を葺いた家。
- 用例
- クングトール ファーガラヤーグヮールヤティン トゥマイミソーリ ンチ(「このような粗末な家でも、泊まって下さい」と)。
- メモ
- 波平の*アガリジョーにファーガラヤー学校があった。
ファーカンダ 渡慶次,儀間,楚辺,大湾
祖父母と孫。

- 用例
- ファーカンダヌチャー、イチマディン ガンジュー シーヨー(孫たちよ、いつまでも元気でいなさいよ)。
- メモ
- 祖父母と孫を一緒にした言葉だが、祖父母から孫に対して使うこともある。
ファーバー 大湾
端々。枝葉。本筋や中心からはずれたところ。末節。
ファービシ 都屋
イノー(礁池)から少し離れた所にあるサンゴ礁のこと。干瀬。
ファーフーブチ 楚辺
破風葺き。
ファーフーヤー 座喜味,大湾
破風の家屋。建築様式のひとつ。
- メモ
- 本を半開きで伏せたような屋根の切妻の三角形の部分を破風という。
ファーフジ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,古堅,比謝矼
親族語彙。祖父母。
- 用例
- ファーフジカイ ソーラッティ ハイタシガ、マーカイガヤー(祖父母に連れられて行ったが、どこにかねぇ)。
- メモ
- 音1:ハーフジ。
ファーブシ 長浜
端節。琉球古典音楽の楽曲のうち、心浮き立つ曲の総称。
- メモ
- 重厚で本格的な*ウフブシ(大節)に対して短い曲にいう。
ファーフジユー 楚辺
祖父母の代。
ファフー 高志保
破風。建築様式のひとつ。
ファンタ 楚辺
崖。崖っぷち。
- 用例
- ウミヌ ファンタンカイ シレーシレー ユシヤーニ(海の崖の方に次第次第に寄せて)。
ブイ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
短棒。棒きれ。杭。
- 用例
- パーパーンカイ ブイ ムッチ ウヮートータン(おばあさんに棒を持って追われていた)。
プイ 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
幼児語。捨てる様。
- 用例
- プイ シェーワ(捨てなさい)。フカンカイ プイ シェー(外に捨てなさい)。
- メモ
- 類:ペー。
フィー 喜名,波平,瀬名波
火。
- メモ
- 音1:ヒー。
フィー 高志保
日。
- 用例
- アチマイル フィー(集まる日)。
- メモ
- 音1:ヒー。
フィー 喜名,親志,波平,大湾,長田
樋〔ひ〕。とい。水や湯を引くための管や溝。
- 用例
- チューカーヌ フィー(急須の樋)。
- メモ
- 音1:ヒー。→ティー。
フィー 喜名,親志,座喜味,波平,宇座,瀬名波,渡具知,長田
屁。おなら。
- 用例
- フィー ニジティル、アンシ ヨーガリトービン(屁を我慢して、こんなに痩せています)。
- メモ
- 音1:ヒー。
フィージー 渡具知,大湾
平生。
- 用例
- フィージーヤ チカーン(普段は使わない)。フィージーカラ(普段から)。
- メモ
- 音1:ヒージー。→チニヒーギー。
フィージャー 波平
山羊〔ヤギ〕。
- メモ
- 音1:ヒージャー。
フィータ 親志,高志保
非。良くないこと。不正。あやまり。
- 用例
- ヤラヌ アマンジャナー フィータ カントーグトゥヤーサイ(屋良の阿麻和利の非を被っているからですね)。
フィータイ 高志保
兵隊。
- メモ
- 音1:ヒータイ。
フィーフィラー 親志,古堅
屁こき。
- 用例
- ウンチョー ジッコー フィーフィラー ヤタン(その人はとても屁こきだった)。
- メモ
- 音1:ヒーヒラー。音2:ヒーヒヤー。
フィーヨーグヮーアシビ 波平
囃し立てて遊ぶこと。
- メモ
- モーアシビなどで男性が指笛を吹きながら囃したてたと思われる。
フィーラ 喜名,親志,波平,宇座,瀬名波
農具。へら。

- メモ
- →音1:ヒーラ。
フィーン 比謝,大木,長田
経る。
- 用例
- ニン フィーンネーッシ(年を経るようにして)。ウスクガ ジマルヌ ニン フィーネー、キジムナーガ ゥンジーンディシェー ワカトータンディ(アコウとガジュマルが年を経ると、キジムナーが出るというのは分かっていたって)。
- メモ
- 音1:ヒーン。
フィーン 親志
ひる。体外へ出す。
- 用例
- フィー フィッチェーン(屁を放った)。
フイウクスン 喜名,渡慶次,儀間
掘り起こす。
- 用例
- キーヌニー フイウクスン(木の根を掘り起こす)。否:フイウクサン(掘り起こさない)希:フシウクシーブサン(掘り起こしたい)過:フイウクチャン(掘り起こした)継:フイウクチョーン(掘り起こしている)。
フィサ 親志,座喜味,宇座,渡具知,大湾,古堅,長田
足。
- 用例
- フィサヌ ヤリ(足が痛い)。カミカラ クィテーミセール フィサデームンリチ、シーバイ シーチキランリ(神から下さった足だものといって、小便をひっかけないって)。
- メモ
- 音1:①ヒサ。→ッサ。
フィサナー 長田
足の甲。
- メモ
- →音1:ヒサナー。
フィサヌワタ 長田
足の裏。
- メモ
- 音1:ヒサヌワタ。
フィサビラ 親志
足。足首から下の部分。
フィサブー 大湾
象皮病。フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。
- メモ
- →カタヒサブッター。
フィサマンチュー 比謝
正座。
- 用例
- フィサマンチュー カキティ(正座して)。
- メモ
- 音1:ヒサマンクー・ヒサマンチュー。→チンシメーギー。
フィジチ 大木
杼〔ひ〕。機織り器具のひとつ。
- メモ
- 音1:ヒジチ。
フィジフィントー 古堅
返事。返答。
- 用例
- ウタサーニ ッシ、ウンナムンシ フィジフィントー スタルバー(詩をして、そんなもので返事返答したわけだ)。
- メモ
- →イリヒントー。
フィジャイ 親志,波平,瀬名波
左。
- メモ
- →音1:ヒジャイ。
フィジャヤー 波平
左利き。
- メモ
- →ヒジャイリッコー。
フィジュルチー 親志
神経痛。リュウマチスの類。
フイスリワタンギー 楚辺
振り袖綿入れ。
フイターフイター 古堅
振り振り。振り回す様。
- 用例
- ナーヌ マンナカカラ フイターフイター シ(庭の真ん中から振り回しながら)。
フィタックヮスン 喜名,渡慶次,儀間,比謝
振り回す。盛んに振り回すこと。
- 用例
- ヌクジリ フィタックヮチ アッチョールバー(ノコギリを振り回して歩いているんだよ)。ティーサージ フイタックヮチ イェージスン(手拭を振り回して合図をする)。
- メモ
- 音2:フイマースン。
フィチグヮチ 座喜味,長浜
数詞。7月。
フィチャ 波平
下。
フィッチー 波平
しょっちゅう。いつも。ずっと。
- メモ
- 音1:ヒッチー。
フィッパク 喜名
逼迫。事態が差し迫ること。
フイマースン 喜名,渡慶次,儀間
振り回す。
- 用例
- ボー フイマーシーネー アブナサンドー(棒を振り回すと危ないよ)。
- メモ
- 類:フィタックヮスン。
フィラファーグサ 長浜
植物。オオバコ。
- メモ
- →シップイグサ。
フィランメー 喜名
料理。麦ご飯。麦飯。
- メモ
- 音1:ヒランメー。→ターキーメー。
フィリーン 古堅,長田
拾う。
- 用例
- クミ フィッティ(米を拾って)。
- メモ
- →音1:ヒリーン。
フィリピンヲゥー 伊良皆
フィリピン産の麻布。
フィル 喜名,親志,長田
昼。
- メモ
- 音1:ヒル。
フィル 波平
植物。ニンニク。
フィルギ 大湾
植物。ヒルギ。
- メモ
- 音1:ヒルギ。
フイン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
拒む。断る。振る。男女間で、交際や求婚を断る。
- 用例
- シクチン サンヌー ヰキガヤ、チューニン フイティ トゥラスン(仕事もしない男は、今日にでも振ってやる)。
フイン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原
掘る。
- 用例
- トー クマ フティンリ(さあここを掘ってみろ)。アナ フレー(穴を掘れ)。ヤシチウチンカイ カー フィン(屋敷内に井戸を掘る)。否:フラン(掘らない)希:フイブサン(掘りたい)過:フタン(掘った)継:フトーン(掘っている)。
フイン 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
降る。
- 用例
- ジー ヒッタッティ、ユーベ アミ フテーサヤー(地面がぬれて、ゆうべ雨がふったんだね)。アミ フティ ウリー ソーン(雨が降って潤っている)。ナマ アミヌ フトーン(今雨が降っている)。マックール シ ナマニン アミヌ フイギサー ソーン(〈空が〉真っ黒して、今にも雨が降りそうにしている)。否:フラン(降らない)過:フタン(降った)継:フトーン(降っている)。
フイン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
振る。
- 用例
- トゥーサカラ ミーヌグトゥシ ハタ フイン(遠くから見えるように旗を振る)。否:フラン(振らない)希:フイブサン(振りたい)過:フタン(振った)継:フトーン(振っている)。
フィンカーバカ 楚辺
掘り込み墓。
- 用例
- スビヌ ウミヌ ハタヤ フィンカーバカガル マンドータル(楚辺の海岸沿いは掘り込み墓が多かったんだよ)。
- メモ
- 音1:フィンチャーバカ。音2:フィンカー。
フィンスームン 喜名
{ひんそもの(貧素者)}。貧乏者。
- メモ
- 音1:ヒンスームン。→クーシームン。
フインチャー 座喜味
掘り込み墓。横穴式の墓。
- メモ
- →フィンカーバカ。
フィンチャーバカ 渡慶次,儀間
掘り込み墓。横穴式の墓。
- 用例
- シチャヌウミヤ、イチナーギ フィンチャーバカ チュクラットータン(下の海岸は、そこら一帯掘り込み墓が造られていた)。
- メモ
- →音1:フィンカーバカ。岩に穴を掘って造った墓のことで、海岸沿いの岩などによく見られる。
フー 親志,古堅
ははあ。目上の人に対し、敬いかしこまって応答するときに発する語。
- 用例
- フー、ヌーンディ イミシェーガ(はい、何とおっしゃいましたか)。
- メモ
- 尊敬語。→イー。
フー 渡慶次,儀間,楚辺,古堅,比謝矼,長田
運。幸運。果報。
- 用例
- フーヌ アシェー ゥンマリーニカラ キマトーンディ(運がある人は、生まれる時から決まっているって)。フーニ フー アリ(運に運がある)。アサウキ スシガル フーヤアンドー(朝起きする人に、幸運があるよ)。
フー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
帆。
- 用例
- フーヌ サチンカイ シルドゥイヌ トゥマトーン(帆の先に白い鳥が止まっている)。
フー 大湾
頬。
- メモ
- 音2:フージラ・フータイ。
ブー 古堅
賦。夫役。人夫。人足。労働を提供すること。また提供する者。
- メモ
- 道路普請やアザブーに必ず参加したという。
ブー 高志保
武。武術。武に敵う人。
- 用例
- ブー カナイル チュ(武に長けている人)。
フーイ 親志,渡具知
水を飲ませる時、フーイと言ってから飲ませた。魔物を吹き払うまじないの語。
- 用例
- ヒジュルミジ ヌミーネー フーインリシ ヤサヤー(冷たい水を飲むときにはフーイと言うものだね)。
- メモ
- 水などを飲ませるときにフーイと吹いてから飲ませるのは、水の中の魔物を吹き払うまじないと同じ(民話集註記)。
フーイリチャー 喜名,渡慶次,儀間,大湾
料理。麩炒め。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フーイリチャードー(今日の夕飯は麩炒めだよ)。
- メモ
- 人参やニラ、キャベツなどの野菜を入れて炒め、最後に溶き卵に麩を入れて炒めたものを入れる。
フーウウン 古堅
いいえ。否定の応答。
ブーカー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
風船。
- 用例
- ブーカー フックヮスンディ シーイッペーソーン(風船を膨らますって、精一杯〈四苦八苦〉している)。
フーガワイ 喜名,渡慶次,儀間
風変わり。
- 用例
- ミッタ フーガワイナ ニーシェー ヤタン(とても風変わりな青年だった)。
- メモ
- 音2:フーガン。
フーガン 大湾
風変わり。
- 用例
- フーガン ナティヨ(風変わりでね)。
- メモ
- →フーガワイ。
フーガンナムン 喜名,渡慶次,儀間
風変わり者。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ フーガンナムン ヤシヨー(その子どもの、風変り者なことよ)。
フーキ 楚辺
{ふうき(風気)}。邪気。伝染病。流行病。
- 用例
- フーキ ゲーシ トゥシ、カンカーネー ウシ クルチ ムライリグチンカイ サギータン(流行病を払い除けるために、カンカーには牛を潰して村の入り口に下げた)。
- メモ
- 音1:フーチ。
フーク 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅
肺。食用としての豚などの肺。
- 用例
- ウヮーヌ フークン チカイグトゥ、アラティ ウチョーケー(豚の肺も使うから、洗っておきなさい)。
フークー 喜名,渡慶次,儀間
奉公。
- 用例
- ワンネー ヤーチカラ フークーカイ ゥンジャサッタン(私は8歳から奉公に出された)。
フーグマーチ 喜名
{ばうごまつ(抱護松)}。防風林。
- メモ
- 類:ホーグ。台風の多い沖縄では、海岸近く等に防風林として木を植えたり、集落を囲むような形で集落の境などに植えられていた。
フークマーミ 座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
心臓。食用としての豚の内蔵のこと。
- 用例
- ウヮーヌシシ ニーニ、フークマーミソーナムヌン ムル イリーネー ジコー マーサン(豚肉を炊く時に、フークマーミみたいなものも全部入れるととても美味しい)。
- メモ
- 音1:フクマーミ。
ブーサー 古堅
じゃんけん。親指、人さし指、小指の3本の指を出し合って勝ち負けを決める。
- 用例
- ブーサー ヒチャイ ヌーサイシナー(じゃんけんしたり何したりしてもう)。
- メモ
- 音2:ブーサーシー。
ブーサーシー 座喜味
じゃんけん。親指、人さし指、小指の3本の指を出し合って勝ち負けを決める。
- メモ
- →ブーサー。
フーサン 喜名,上地,渡慶次,儀間
欲しい。
- 用例
- ワンネー チャーシ ヤティン、アヌ チン フーサン(私は、どんなにしてもあの着物が欲しい)。クレー ワンネー フーサッサー(これは私は欲しいな)。
- メモ
- 音1:フーハン・フサン。
フージ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅,比謝矼,牧原
①風采〔ふうさい〕。ようす。身なり。②~のようだ。
- 用例
- ①フージェー ネーン(みっともない)。②ミームン コーテール フージ ヤサ(新しいのを買ったようだ)。
フージー(~フージー) 喜名,高志保,渡慶次,儀間,古堅
~のような感じ。~みたいなもの。
- 用例
- フラーフージー シ(馬鹿なふりをして)。ヤク ハラチョールフージー ナティ(厄をはらっているというみたいになって)。エンソクフージー ヤルバー(遠足みたいなものだわけさ)。アヌフージー ナテー ナランドー(あのようなことになってはいけないよ)。
フージュク 楚辺
風習。風俗。
- 用例
- ウチナーヌ フージュク ヤティカラ、マムラントー ナランサ(沖縄の風習だったら、守らないといけないさ)。
フージョー 長浜,大湾,古堅
煙草入れ。携帯用の煙草入れ。
- メモ
- →パーパーフージョー。
フージョー 楚辺
冗談。
- 用例
- トゥーチ フージョービカーン スグトゥ、ヌーヌル ソークトゥ ヤラー ワカランサ(いつも冗談ばかりするから、何が本当のことなのか分からないさ)。
- メモ
- →テーファ。
フージラ 瀬名波,楚辺,大湾
頬。
- 用例
- フージランカイ メーチブガ チチョーン(頬にご飯粒がついている)。フージランカイ ヌーガナ タックヮトーンロー(頬に何かくっついているよ)。
- メモ
- →フー。
フーシン 都屋,長浜,楚辺
帆船。帆掛け船。
- メモ
- 音2:フームチブニ。
フージン ネーン 喜名,渡慶次,儀間
みっともない。
- 用例
- アンソール スガイ シ フージン ネーン ヤーヲゥティ ケーティ クーワ(そんな服装をしてみっともない、家で着替えてきなさい)。
- メモ
- 類:ミートゥン ネーン・ミートー ネーン。
フースン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
干す。
- 用例
- アラテーヌ チン ナマカラ フースン(洗った着物を今から干す)。ゥンニ アブシンカイ フーシュル(稲を畦に干す)。否:フーサン(干さない)希:フーシーブサン(干したい)過:フーチャン(干した)継:フーチョーン(干している)。
- メモ
- 音1:フスン。
ブーター 村史
貝名。イモ貝。
ブーターブーター 長浜
ぶらさがってゆれている様。
フータイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
頬。ふっくらとして頬が垂れていること。
- 用例
- アカングヮヌ フータイヌ ウジラーサヨー(赤子の頬っぺたの可愛いことよ)。
- メモ
- →フー。
フータヤー 座喜味
頬がふっくらしたかわいらしい子。
- 用例
- フーグヮー タトーンレー、マンマールーグヮー フータヤー ヤンヤー(頬が垂れているよ、まるまるとしてフータヤーだね)。
フーチ 座喜味,伊良皆,古堅
もぐさ。
- 用例
- ハーイン タティーナー、チャッヒン フーチン ウチキティ(鍼も立ててもう、たくさんモグサも置いて)。
フーチ 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,瀬名波,渡具知,古堅
{ふうき(風気)}。邪気。伝染病。流行病。
- 用例
- ムラジューヌチュガ フーチ カカティ、デージ ヤタン(村中の人が伝染病にかかって、大変だった)。ウシヌ フーチ(牛の伝染病)。
- メモ
- 音1:フーキ。
フーチ 波平,宇座,大湾
鞴〔ふいご〕。
- メモ
- →チューチューバンクー。
フーチガマラサン 伊良皆
伝染病が流行っている。
- 用例
- フーチガマラサンリチ チチャシガ、チャーン ネーンニ(伝染病が流行っていると聞いたが、どうもないか)。
フーチゲーシ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,渡具知,古堅
{ふうきかへし(風気返し)}。流行病返し。災厄防除。悪風返し。
- 用例
- フーチゲーシトゥシ、カンカーネー ウシ クルチ ウシヌ フニ ムラヌ イリグチンカイ サギータン(悪風返しとして、カンカーには牛を潰して牛の骨を村の入り口に下げた)。
- メモ
- →アクゲーシ。
フーチヌカミ 喜名,波平,牧原
鞴〔ふいご〕の神。
- 用例
- フーチヌカミヤ マギー(フーチの神は大きい〈霊力高い〉)。
フーチヌユーエー 波平,大湾
{ふいごいはひ(鞴祝)}。鞴〔ふいご〕祭り。
- メモ
- 音1:フーチヌユエー。鍛冶屋〔かじや〕が旧11月7日に鞴の神をまつり、隣近所や得意先を招いてお祝いをした。豚を潰し、その頭を供えていた。
フーチヌユエー 喜名
{ふいごいはひ(鞴祝)}。鞴〔ふいご〕祭り。
- メモ
- →音1:フーチヌユーエー。
フーチヌユエービーサ 長浜
{ふいごいはひひえさ(鞴祝冷えさ)}。旧11月の鞴〔ふいご〕祭りの頃の寒さ。
- メモ
- →フーチビーサ。
フーチバー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,渡具知,大湾,古堅,大木
植物。ヨモギ。

- 用例
- クシヌ ミチカイ フーチバーヌ ミートーグトゥ、チリ クーワ(後の道にヨモギが生えているから、摘んできなさい)。フーチバー チチチ ヌマセー(ヨモギをつついて飲ませなさい)。
- メモ
- 健胃、解熱に効く。葉を乾燥させて飲むと血圧を下げる。
フーチバージューシー 喜名,高志保,渡慶次,儀間
料理。ヨモギ雑炊。ヨモギの入った雑炊。
- 用例
- チューヌ ユーバノー、フーチバージューシー ニチェーサ(今日の夕飯は、フーチバージューシーを炊いてあるよ)。
フーチバームーチー 渡慶次,儀間,渡具知
ヨモギ餅。
- 用例
- フーチバームーチーヤ イーカバ スンヤー(よもぎ餅はよい匂いがするね)。
フーチビーサ 喜名
{ふいごひえさ(鞴冷えさ)}。旧11月の鞴〔ふいご〕祭りの頃の寒さ。
- メモ
- 音2:フーチヌユエービーサ。
フーチムーチー 伊良皆,渡具知,大湾,古堅
{ふうきもち(風気餅)}。芋煮の上によもぎをのせたもの。
- メモ
- 旧3月3日の浜下りにはご馳走は作らず*ゥンムニーの上に*フーチバーを1、2枚のせたものを3個仏壇に供えた。そのゥンムニーにフーチムーチーといった。
ブーチャ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
幼児語。高い高い。両手で赤子の両脇を抱えて上にあげること。寝転がって両手で赤子の両脇を抱えて、足で上にあげること。
- 用例
- ブーチャ ブーチャ サーヤー(高い高いしようね)。
フウチョウシバル
{風長次原}。長浜の小字。
フーテー 長浜
ふっくらとして頬が垂れていること。
- メモ
- 音2:フータイ。
ブードゥナミー 喜名
賦役を過不足なく等しくすること。
- メモ
- *ブーは賦、*トゥナミは平均の意味。→クヮーフスクー。
フートー 村史
植物。フトモモ。
フーナー 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,比謝,古堅,比謝矼
ふり。真似。
- 用例
- シラン フーナー(知らないふり)。フリタル フーナー シ(気が触れたみたいにして)。アラン フーナー(そうでないように)。カマンタヌ フーナー スン(食べなかったふりをする)。
ブーナイ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
素早く駆け抜ける様。
- 用例
- ヌール イスジョーラー、ブーナイ ッシ ハイギータン(何を急いでいるのか、駆け足で行きよった)。
プーナイ 長浜
プッと口から物を吹く様。
- 用例
- タナガー トゥイネー、ナマゥンム カナーサーニ プーナイプーナイ スタン(川エビを捕るときは、生芋を噛んでプップッとししよった)。
ブーナイブーナイ 喜名,高志保,渡慶次,儀間
勢いがよい様。
- 用例
- ハマカジン ブーナイブーナイナー、カジヌ チャーマ(浜風もビュービューもう、風が吹いてきて)。イヌンカイ ウヮーッティ ブーナイブーナイ ヒンギティ ハイタン(犬に追われて、勢いよく走って逃げて行った)。
フーニ 喜名,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,瀬名波,長浜,楚辺,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼
骨。
- 用例
- ヨーガリヤーニ フーニヌ ゥンジトーサー(痩せて骨が浮き出ている)。フーニ ヲゥーテーンリ(骨を折ったんだって)。
- メモ
- 音1:フニ。
フーニジル 座喜味
骨汁。
- メモ
- 音2:フーニヌシル。
フーニヌシル 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
骨汁。主に豚の骨汁。
- 用例
- フーニヌシルヤ、ダシ ゥンジティ ジコー マーサン(骨汁は、出汁〔だし〕が出てとても美味しい)。
- メモ
- 豚を潰した後に各部位に切り分けるが、その時に肉を切り取った後の骨を汁にしたもの。→フーニジル。
フーハン 楚辺
欲しい。
- 用例
- カミムノー チャー フーハタン(食べ物はいつも欲しかった)。
- メモ
- →音1:フーサン。
フービ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知
褒美。
- 用例
- チューヤ フービン ダテーン ヰーティ チャン(今日は褒美もたくさん貰ってきた)。
ブーブー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間
民間療法の瀉血〔しゃけつ〕療法。瀉血に用いる竹筒やコップにもいう。
- 用例
- ブーブー トゥイシェー マシドー(瀉血をした方がいいよ)。ブーブー トゥラチャレー ナガリヌ アカドーン(瀉血をしたら背中が赤くなっている)。
- メモ
- 熱が出たときにも剃刀で瀉血することがあった。
ブーブー 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
幼児語。水。
- 用例
- ブーブー ヌマヤー(水を飲もうね)。
ブーブー 長浜
幼児語。豚。
フーフーダマ 宇座
子どもの遊び。
- メモ
- 空豆の茎などの先を十字に割り、6、7センチまで裂いて折り広げる。中央に豌豆豆を乗せて下からフーフー吹いて遊ぶ。
ブーブートゥベー 喜名,渡慶次,儀間
ぶんぶん群がること。
- 用例
- フェーヌ ブーブートゥベー ソーン(蠅がぶんぶん飛んでいる)。
フーフーハーハー 喜名,渡慶次,儀間
熱い物をフーフー吹いて冷ます様。
- 用例
- アチサグトゥ フーフーハーハー ッシ カメー(熱いからフーフー冷ましながら食べなさい)。
フーフダ 渡慶次,儀間,比謝,古堅,牧原
{ふうふだ(符札)}。護符〔ごふ〕。
- 用例
- ウヌ フーフダヤ、ハーヤンカイ ハトーケー(その護符は、柱に張っておきなさい)。
- メモ
- 音1:フーフラー。病気や天災などの災厄がふりかかるのを防護するために、その効力を期待して家の柱や出入り口に貼った。
フーフラ 比謝
{ふうふだ(符札)}。護符〔ごふ〕。
- 用例
- フーフラン ハジ(護符も剥いで)。
- メモ
- →音1:フーフダ。
フーミ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
風味。嗜好品などの香りや味。
- 用例
- クヌ シームンヤ アンシ フーミガ アル(この吸い物はなんて風味があるんでしょう)。
ブーミチャー 喜名,座喜味,伊良皆,高志保,楚辺
葬式が済んだ日の夕方に行う魔物追いの儀式。またその儀式に用いる棒。
- メモ
- 音1:ブンミチャー。類:ボーフイ・ムンウーイ。昔は遺骸を墓に入れても、死者の霊は家にとどまっていると考えられていたので、葬式を終えた後に魔物追いの儀式をした。棺箱を作った残りの薄い板切れを、3尺ほどの紐で約70㎝の竹に結わえつけ、ブンブンと音を立てながら強く振り回して魔物追いをした。結わえた板切れが外れると厄だといって、作る際はしっかりと縛るようにいわれた。
フームチブニ 高志保,楚辺
帆船。帆掛け船。
- 用例
- フームチブニヌ ハイギーシガ、ヌー チローガヤー(帆船が行くが、何を積んでいるのかな)。
- メモ
- →フーシン。
フームン 高志保,渡具知
法文〔ほうもん〕。経文〔きょうもん〕。
- 用例
- アトーナー、ボージヌ フームン ハンチャーニ、ウニーカラ ヲゥランナタン リヌハナシー(後はもう、坊主が法文を唱えて、その時から射なくなったという話)。ハブ ンジーネー、ナー フームン ユムンネーシ グジュグジュグヮーシ ユミヨー(ハブを見たら、法文を読むようにごちょごちょして読めよ)。
- メモ
- →チョームン。
ブーラーサッサイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
ふらついている様。
- 用例
- ヰーティ、ブーラーサッサイ ヒチ シチャンカイ ウリティ チュータン(酔っ払って、ふらつきながら下に降りてきた)。ブーライサッサイヒチ ヒチャンカイ ウリティクーヤーニ(酔っ払って下に降りて来て)。
フーリーン 座喜味
乾く。乾燥する。
- 用例
- フーリトーラー ヘークナー イリミソーリ、ナマカラ アミ フイガター ナトーイビンドー(乾いているなら早く取り入れてください、今から雨が降りそうになっていますよ)。
- メモ
- 主に雑穀などを天日に干している時に使う。
フーリンナー 渡慶次,儀間,楚辺
植物。ほうれん草。
- 用例
- フーリンナー アルッサ ユリーン(ほうれん草をあるだけ茹でる)。
フール 喜名,高志保,渡慶次,儀間,大湾,大木
豚小屋兼便所。便所。

- 用例
- フール イーブサグトゥ、イチュター マッチョーディヨー(便所に行きたいから、少しは待っていてよ)。フールカイ イケー(便所にいきなさい)。
- メモ
- 音2:フールヤー・ウヮーフール。フールには神様がおり、いかなる魔物も払いのけると信じられていた。新しく購入した豚を入れる時はボロ布を左に綯〔な〕って火をつけたものを*ウヮーフールで振り回してから入れた。それには害虫駆除の目的もあったとう。
フールアッチャー 大湾
腹の調子が悪く便所にしょっちゅう行く者。
フールカジャ 喜名,渡慶次,儀間,比謝
豚小屋の臭い。
- 用例
- アミフイ アトー フールカジャ スタン(雨降り後は豚小屋の臭いがした)。
フールガミ 座喜味
便所の神様。
- メモ
- 音1:フールヌカミ。→フール。
フールチ 古堅
□門〔ひよめき〕。幼児の頭蓋骨の泉門。
- メモ
- 音1:スールチ。
ブールナイ 喜名,渡慶次,儀間
勢いよく。一目散に。
- 用例
- ウマカラ ブールナイ ヒンギティ ハイタン(そこから一目散に逃げて行きよった)。
- メモ
- →パーラナイ。
フールヌカミ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
便所の神様。
- 用例
- フールヌカミヤ、ムンヌキムントゥシ アガミラットーン(便所神は、魔除けとして崇められている)。
- メモ
- →音1:フールガミ。
フールヤー 喜名,座喜味,波平,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺,大湾,古堅
豚舎。豚小屋兼便所。

- 用例
- ユル ニッカ ケーティ チーネー、フールヤーヲゥティ チン パンパン スタン(夜遅く帰ってきたら、豚舎で着物をパンパンとはたいた)。
- メモ
- →フール。
フェー 喜名,座喜味,宇座,大湾,古堅,長田
昆虫。ハエ。蠅。
- 用例
- ミーヌメーヌ フェー ウーイユサン、アレー ヤコー タタンテー(目の前の蝿も追い払えない、あいつは役に立たないなあ)。
- メモ
- 音1:ヘー。
フェー 喜名,親志,波平,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,長田
灰。
- 用例
- カマヌ フェー カタヂキーン(カマドの灰を片付ける)。
- メモ
- 音1:ヘー。→アク。
フェー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
南。
- 用例
- アッターヤ、フェーカラル チョール ハジドー(彼らは、南からきたはずだよ)。フェーヌ カジヌ フキーネー ニシヌ マーチンカイ ガッパラ(南の風が吹くと北の松にガッパラ<ゴツンと当たって>)。
フェーヌウドゥン 大湾
首里城南殿。
フェーヌカジ 喜名,渡慶次,儀間
南風。
- 用例
- フェーヌカジヌ フチーネー、アンシ イーヤンベー ヤン(南風が吹くと、とても気持ちいい)。
- メモ
- 音1:フェーカジ。
フェーヌシマ 儀間,長浜,楚辺
{はへのしま(南の島)}。芸能。
- メモ
- 儀間では、鉦打ち2人、踊り手8人で踊られる。いつ頃、誰が始めたか不明で、歌意を解する者もいないが伝承されてきて、昭和12,3年頃に演じられて以来途絶えていたのを平成3年に復活上演した。かつては、長浜、楚辺でもフェーヌシマが演じられていた。
フェーバル
{南風原}。渡慶次の小字。
フェーフチ 楚辺
煙草盆で灰を落とす所。灰落とし。
- 用例
- タバクヌ フェーヤ、フェーフチカイ リッパ ウトゥシヨー(煙草の灰は、灰落としにちゃんと落としなさいよ)。
フェーマイ 波平
南風。
フェーマユジバル
{南真与地原}。波平の小字。
フェームティ 伊良皆
南側。
フェーユンタンザ 儀間
南読谷山。読谷村の南部地域。
- 用例
- フェーユンタンザディネー、ザチミ マングラカラル ヤタガヤー(南読谷山といったら、座喜味方面からだったのかな)。
フェーライ 喜名,都屋,高志保,宇座,楚辺,渡具知,比謝矼
追い剥ぎ。
- 用例
- 歌:タコーヤマ フェーライ ティンドー チナーバンジュニ トゥマラナヤー イスギ スギ シマ カカラー(多幸山は追い剥ぎが出るよ、喜名番所に泊まろうか、急いで島に戻ろう)。フェーライ ナイシェーマシリチ、ハタランヨーイ フェーライフェーライニナティ(追い剥ぎになる方がいいといって、働かないで追い剥ぎになって)。
- メモ
- 音1:ヘーライ。音2:フェーレー。類:ヘーレー。
フェーレー 喜名,座喜味,波平,都屋,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,比謝,大湾,古堅,大木
追い剥ぎ。
- 用例
- センゼノー タコーヤマカイ フェーレーガ ゥンジータンディ(戦前は多幸山に追い剥ぎが出たそうだ)。歌:タコーヤマ フェーレー ティンドー キナーバンジュニ トゥマラナヤー(多幸山には追い剥ぎが出るよ、喜名番所に泊まろうか)。
- メモ
- →フェーライ。
フェンサー 伊良皆
昆虫。害虫の一種。
- メモ
- カズラにつくてんとう虫みたいな虫。
フェンサーアシビ 伊良皆,長浜,楚辺
行事。虫遊び。田畑に害虫が異常発生する旧4、5月に行う虫払いの行事。
- 用例
- フェンサーアシビヤ アブシバレートー ヰヌヒーヤ アランタンドー(虫払いはアブシバレーとは同じ日ではなかったよ)。
- メモ
- 音1:ヘンサーアシビ。音2:ムシバレーアシビ・ムシアシビ。類:ムシバレー。*アブシバレーの日とは別に、臨時に行われた。その日は仕事を休み、青年たちは角力を取ったりして遊んだ。
フェンスー 比謝矼
{ひんそ(貧素)}。貧乏。
- 用例
- フェンスーナムン、イェーキンチュリチ アタンリ(貧乏な者、金持ちってあったって)。
- メモ
- 音1:ヘンスー・ヒンスー。→クンチュー。
フェンスーナムン 儀間
{ひんそもの(貧素者)}。貧乏者。
- メモ
- →クーシームン。
フォートゥ 座喜味
鳥名。鳩〔はと〕。
- メモ
- 音1:ホートゥ。音2:ホートゥイ・ヤマボートゥ。
フカ 座喜味,伊良皆,大湾,古堅
魚名。鮫〔さめ〕。
- 用例
- ナマー フカンチンナー、チュクェーサバンリル イサヤー(今はフカといっても、人食い鮫というでしょう)。
- メモ
- →イノーサバ。
フカ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅
外。
- 用例
- ワラベー イーウヮーチチネー フカヲゥティル アシブル(子どもはいい天気には外で遊ぶんだよ)。
フカー 楚辺
庭。
- 用例
- フカーナカイ フーチェール フシカブヤ、ユックイネー トゥリヨーヤー(庭に干してある切り干し大根は、日が暮れたら取りなさいよ)。
- メモ
- →ナー。
フカイ 都屋,楚辺
水などの深い所。深み。
- 用例
- フカインカイ イクナヨー(深みに行くなよ)。
フカサクバル
{深迫原}。比謝、大湾の小字。
フカサン 喜名,渡慶次,儀間,比謝,大湾,大木,長田
①深い。②親しい。
- 用例
- ①アマヌ イチェー イッペー フカサンドー(あそこの池はとても深いよ)。②フカサル ドゥシ(親しい友人)。イッペー フカシク ソーン(とても仲よくしている)。
フカジェークー 長浜
家屋の外部を専門とする大工。
- メモ
- 対:ウチジェーク・ウチジェークー(内部専門の大工)。
フカスン 喜名,渡慶次,儀間,古堅,比謝矼
沸かす。沸騰させる。
- 用例
- ナービンカイ ミジ イッティ フカチャグトゥ、シシ、ジューシー ナチェータンリ(鍋に水を入れて沸かしたら、肉、雑炊にしてあったって)。アチャアサー、ミジ スグ ユーフカチ スグ アミリヨー(明日朝は、水をすぐ湯を沸かしてすぐ浴びなさいよ)。チャー イリーグトゥ ヘークナー ユー フカシェーワ(お茶を入れるから、早く湯を沸かしなさい)。否:フカサン(沸かさない)希:フカシーブサン(沸かしたい)過:フカチャン(沸かした)継:フカチョーン(沸かしている)。
- メモ
- 音1:ワカスン。
フガスン ①喜名,座喜味,渡慶次,儀間②喜名,渡慶次,儀間
①穴を開ける。②穴を空ける。使い込む。
- 用例
- ①ユー ミーヌグトゥシ アナ フガスン(よく見えるように穴を開ける)。②ンナカラ アチミテーヌ ジン、フガチネーン(皆から集めたお金を、使い込んでしまった)。否:フガサン(あけない)希:フガシーブサン(あけたい)過:フガチャン(あけた)継:フガチョーン(あけている)。
- メモ
- ①→チップガスン。
フカトゥ 楚辺
深い所。
- 用例
- フカトゥカラー ワタラランサ(深い所からは渡れないよ)。
フカブバル
{外部原}。喜名の小字。
フカゥンジ 座喜味,伊良皆,長浜,楚辺,大湾
行事。外出。旧4月15日、16日のアブシバレー(畦払い)の期間に、1年以内に不幸のあった家で行われる厄払い、夜伽の行事。
- 用例
- クンドー パーパーガ ヲゥランナティメーグトゥ、ゥンマハラセーヤ ンジーガー イカラン、フカゥンジール スンドー(今年はおばあさんが亡くなられたので、競馬は見に行けない、フカゥンジーをするんだよ)。
- メモ
- 前年の4月以降から1年の間に亡くなった人のある家、つまり新仏のある家は、皆が楚辺兼久の*ゥンマハラセーへ行けば、新仏に寂しい思いをさせるということで、家ではお茶請けを供え、庭先に出るだけだった。長浜では親戚が集まり一晩縁側に出て夜伽をして過ごした。また、喜名では葬式の際に棺桶を担いでくれた人たちを家に招いて酒肴をふるまった。仏壇にお茶請けを供えるときは*クバガサを被ったとの伝承もある。→アブシバレー。
フカゥンジ 喜名,伊良皆,高志保,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知
{がいしゅつ(外出)}。家が見えないところで宿泊すること。
- 用例
- トゥビトゥイヌ ヤーンカイ イーネー、フカゥンジ サンネー ナランドー(野鳥が家に入ったら、外に出なければならないよ)。フカトゥカラン アッカスンディーナー(深い所からも歩かせるってよ)。
- メモ
- 雀を除く野鳥が家の中に入ってくるのは、災厄の予兆だとされ、その厄払いのために、きれいに均した竈の灰を鍋蓋で覆い、家の戸締まりを十分にした上で、浜や洞窟、製糖小屋など、家が見えないところで一晩ないし三晩過ごした。フカゥンジから家に帰るときは、三線を弾き大声を出しながら帰ってきた。帰宅すると直ぐに、鍋蓋で覆った竈の灰を見て吉凶を判断した。凶が出た場合、長浜ではもう再度浜下りをした。→ハマウイ。
フキーン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
さえずる。
- 用例
- シージャガ カラトール ソーミナーヤ ユー フキーン(兄が飼っているメジロは、よくさえずる)。否:フキラン(さえずらない)継:フキトーン(さえずっている)。
フキーン 喜名,渡慶次,儀間
抜ける。抜け出る。
- 用例
- ハーイヌ ミーカラ フキーン(針の穴から抜ける)。否:フキラン(抜けない)希:フキーブサン(抜けたい)過:フキタン(抜けた)継:フキトーン(抜けている)。
- メモ
- 針の穴の小さな所からも抜け出るという意味で、簡単にはできないことを達成したときに使う。例えば、未熟児だった赤子が無事に成長していくときなどにも使う。
フギーン 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,古堅,牧原
穴があく。抜ける。
- 用例
- ナービヌ フギーン(鍋に穴が開く)。フギディール(穴の開いているカゴ)。ウッサ チューク ウッチーネー フギーンドー(そんなに強く打つと穴があくよ)。否:フギラン(穴があかない)過:フギタン(穴があいた)継:フギトーン(穴があいている)。
フキシヌミーミー 古堅
節穴。
- 用例
- フキシミヌミーミーグヮーカラ ンージーネー ハブヤシガ(節穴から見るとハブだけど)。古。
- メモ
- 音2:フシフギヌミー・フスーギミー・フシシミー。
フキダシバル
{吹出原}。長浜の小字。
フキバカ 楚辺
{ふきはか(葺墓)}。平葺墓。屋根の部分が平たい墓。
- 用例
- ワッター ハカヤ フキバカヤタン(私たちの墓は平葺墓だった)。
- メモ
- →ヒラフチバカ。
フキフキ 喜名,渡慶次,儀間
幼児語。拭くこと。
- 用例
- チラ ユグリトーグトゥ フキフキ サーヤー(顔が汚れているから、拭こうね)。
フグイ 渡慶次,儀間,古堅
陰嚢〔ふぐり〕。
- 用例
- フグイ トゥラリンドー(陰嚢をとられるぞ・脅し文句)。
フグイチヤー 座喜味,渡慶次,儀間
家畜の去勢をする人。
フクイン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
{ほこる(誇る)}。喜ぶ。
- 用例
- ウスーヤ ジコー フクイミシェータンリ(御主はとても喜ばれたそうだ)。ワッター アンマーヤ、ジコー フクトータン(私のお母さんは、とても喜んでいた)。イャーガ リッパ シーアーシーネー、ワッタン フクインテー(お前がちゃんとやり遂げたら、私たちも喜ぶさ)。継:フクトーン(喜んでいる)。
フクガー 長浜
産毛。
- メモ
- 音1:フクギー。音2:フクガーギー。
フクガーギー 座喜味
産毛。
- メモ
- →フクガー。
フクガードゥイ 伊良皆,大湾,古堅
鳥名。烏骨鶏〔ウコッケイ〕。
フクギー 座喜味
産毛。
- メモ
- →フクガー。
フクジ 座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木
植物。フクギ。福木。
- 用例
- フクジッシ ヌヌ スミーン(フクギで布を染める)。フクジヌ キー(フクギの木)。
- メモ
- 読谷村の村木で防風防火のため屋敷囲いとして植えた。子どもたちは葉を草履に見立てて遊んだ。
フクジバル
{福地原}。喜名の小字。
フクジャー 楚辺
①鳥の毛が膨れ上がること。②鳥肌が立つ。
- 用例
- ①トゥイヌ ガタガタ フティ、フクジャー ソーン(鳥がガタガタ震えて、鳥肌が立っている)。
- メモ
- →②キーフクガー。
フクシン 渡慶次,儀間,長浜
埃〔ほこり〕。
- 用例
- メーン ミーラン アタイ、フクシンヌ タッチョータン(前もみえないくらい、埃がたっていた)。ウッチャンナギヤーニ フクシン カントービン(放りだして埃を被っています)。
フクシンカジャ 喜名,渡慶次,儀間,長浜
埃〔ほこり〕っぽい匂い。かび臭い匂い。
- 用例
- ウヌ チノー フクシンカジャ スン(その着物はかびた臭い匂いがする)。
フクシンブッター 喜名,渡慶次,儀間
埃だらけ。埃まみれ。
- 用例
- フクシンブッターッシ クマヲゥテー ムノー カマランサ(埃だらけで、ここではご飯は食べられないよ)。
フクター 喜名,親志,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,渡具知,比謝,大湾,大木,牧原
襤褸〔ぼろ〕。ぼろ布。ぼろきれ。着古した着物。
- 用例
- ンリトール トゥクマー、フクター ムッチ ッチ ススレー(濡れている所は、ぼろ布を持ってきて拭きなさい)。
フクターチクター 楚辺,渡具知
衣類がボロボロになっている状態。
- 用例
- ジヌン ネーンル アラー、イカナ ハルカイキヤー ヤティン アンスカ フクターチクター シ(金がないのか、いくら野良着でもそんなにまでボロボロになって)。
フクターヂン 波平
作業用の防寒着。
- メモ
- →ノーロー。
フクタームシ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
昆虫。ミノムシ。
- 用例
- ウッピナーヌ フクタームシヌ サガトール(とても大きなミノムシが下がっているね)。
フグチャー 座喜味
おし。ものを言わない人。
ブクトーサージ 楚辺
厚めのタオル。
- 用例
- ドゥー フチーネー、ブクトーサージェー マシドー(体を拭くときには、厚めのタオルがいいよ)。
- メモ
- 対:マチサージ(薄めのタオル)。
フクバー 楚辺
魚名。カワハギ。
- 用例
- フクバーヤ カーハジュンディチル デージ ヤンデー(かわはぎは皮を剥ぐって大変なんだよ)。
フクマーミ 座喜味,大湾
心臓。豚などの心臓、食品としての名。
- メモ
- 音1:フークマーミ。
フクラーサン 喜名,渡慶次,儀間
誇らしい。嬉しい。喜ばしい。
- 用例
- フービ ヰーティ、アンシ フクラーサルヤー(褒美をもらって、とても誇らしいね)。
フクリーラー 座喜味,大湾,古堅
植物。ハルノノゲシ。
- メモ
- →マーオーハー。
フクル 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
①袋。②助数詞。~袋。
- 用例
- ①フクルンカイ クヮーシ イリーン(袋にお菓子を入れる)。②ミフクロー ヌクチョーキヨーヤー(3袋は残しておきなさいよ)。
- メモ
- ②チュフクル(1袋)、タフクル(2袋)、ミフクル(3袋)と数える。
フクルギ 楚辺
植物。ハマオモト。
フクン 楚辺
吹く。
- 用例
- クンドー カジ フクサヤー(今年は風が吹くね)。否:フカン(吹かない)過:フチャン(吹いた)継:フチョーン(吹いている)。
フコーガ 渡慶次
植物。ハマゴウ。
- メモ
- →ハマホーギ。
ブサー 瀬名波
武士。武者。
- メモ
- 類:ブシ。
フサガイン 喜名,渡慶次,儀間
塞がる。
- 用例
- ドゥルヌ チマティ、アナヌ フサガイン(泥が詰まって穴が塞がる)。否:フサガラン(塞がらない)過:フサガタン(塞がった)継:フサガトーン(塞がっている)。
フサトゥバル
{富里原}。楚辺の小字。
フサン 比謝矼
欲しい。
- メモ
- →音1:フーサン。
ブサン(~ブサン) 儀間,古堅,比謝矼
~たい。~したい。
- 用例
- イャー ハナシー チチブサン(お前の話を聞きたい)。トゥジ シーブサン(妻にしたい)矼。ヌーン シーブサーネーン(何もしたくない)。イャートー アビーブコーネーラン(お前とは話もしたくない)。
フシ 喜名,座喜味,伊良皆,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅
星。
- 用例
- チューヌ フシヤ アンシ チュラサルヤー(今日の星はとてもきれいだね)。
フシ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
①節。竹の節や木の節。関節にもいう。②音楽の楽節。③助数詞。~節。
- 用例
- ①ダキヤ フシ ヌクチ チリヨー(竹は節を残して切りなさいよ)。イービヌ フシ(指の節)。②フシ カワラシェー(〔エイサーの時など〕曲をかえなさい)。③ヲゥージェー チュフシナー タッチレー(サトウキビは一節ずつ切りなさい)。
ブシ 喜名,渡慶次,儀間,大湾
武士。
- 用例
- タンメーヤ ブシ ヤミシェータン(おじいさんは武士であられた)。
- メモ
- →ブサー。
ブシガー 波平
武士ガー。波平の井泉の名称。
- メモ
- 波平が新たに集落を広げるとき、候補地を決めてこの井戸を掘ったが、フンシークミヤー(風水師)に「ブシガーの水を飲むと武士のような人が多く生まれ、争いが絶えなくなる」と言われ、今の前島の場所に集落を発展させることになった。この井泉は「シーダカサン(霊力が高い)」という理由で未整備のまま今もある。
フシカブ 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,古堅
切り干し大根。大根を天日で乾燥させたもの。
- 用例
- デークニ フーチ、フシカブ チュクイン(大根を干して、切り干し大根を作る)。
- メモ
- 音1:フシカブー。
フシカブイリカー 楚辺
料理。切り干し大根炒め。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フシカブイリカー チュクイン(今日の夕飯はフシカブイリカーをつくる)。
- メモ
- 音1:フシカブイリチャー。音2:フシカブズーネー。昔は大根はほとんどの家庭でも作っていたので、保存食として切り干し大根を作ることが多かった。
フシカブイリチャー 親志
料理。切り干し大根炒め。
- 用例
- フシカブイリチャー マーサマーサ チュクテーン(フシカブイリチャーを美味しそうに作ってある)。
- メモ
- →音1:フシカブイリカー。
フシカブー 喜名,座喜味,伊良皆
切り干し大根。
- メモ
- 音1:フシカブ。
フシカブズーネー 楚辺
料理。切り干し大根炒め。
- メモ
- →フシカブイリカー。
フシガラン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,大湾,古堅,牧原
きりがない。たまらない。どうしようもない。防ぎようがない。
- 用例
- ワランチャー ウーサヌ、チャッサ モーキティン フシガランサ(子どもたちが多くて〈子沢山で〉、どんなに儲けてもきりがないさ)。ナー フシガランドー(もうきりがないよ)。カワチ フシガランナヤーニ、ミジェーナー ゴンナイヌマーニ(渇いてたまらなくなって、水はもうごくごく飲んで)。ヰキガー フシガランナヤーニ、ショーブヌファーヌミーカイ クヮッキーンヨー(男はたまらなくなって、菖蒲の葉の中に隠れるよ)。
- メモ
- どんなに間に合わそうとしても追いつかないこと。採算が取れないなどの意味もある。
フシクビ 瀬名波,大湾
関節。
- 用例
- フシクビヌ ヤディ(関節が痛くて)。
- メモ
- →グーイ。
フシジュン 喜名,渡慶次,儀間
防ぐ。
- 用例
- カジヌ アタイシ フシジュン(風が当たるのを防ぐ)。否:フシガン(防がない)希:フシジーブサン(防ぎたい)過:フシジャン(防いだ)継:フシジョーン(防いでいる)。
フシバリーン 楚辺
{ほしはれる(星晴れる)}。星空。星空がきれいなこと。
- 用例
- チューヤ イッペー フシバリトーンヤー(今日はとても星空がきれいだね)。
フシフギヌミー 喜名,上地,渡慶次,儀間,宇座
節穴。
- 用例
- フシフギヌミーカラ、マジェー ンチンディ(節穴から、まずは見てごらん)。イャーヤ スバカラ ンーチンディヨーンチ、フシフギヌミーカラ ンチャグトゥ(お前は側から見てごらんといって、節穴から見ると)。「ドゥーチュイ タートゥ ムノー イヤギーガヤー」ンチ、フシフギヌミーカラ アル ボーサンヌ ンチェールバーテー(「ひとり誰とものを言うのかな」と、ある坊さんが見たわけだ)。
- メモ
- →フキシヌミーミー。
フシブシ 喜名,渡慶次,儀間
節々。関節のあちこち。
- 用例
- ユーベー フシブシヌ ヤリ ニンラランタン(昨夜は関節があちこち痛くて、寝れなかった)。
フシマ 伊良皆
榊〔さかき〕。
ブシマチムラ 大湾
武士松村。松村宗昆。
- メモ
- 琉球王国時代から明治にかけて活躍した最も偉大な武術家の一人。
フジョー 座喜味
携帯用のたばこ入れ。腰に下げて使った。
- メモ
- 音2:パーパーフージョー・ハーメーフージュー・フージョー。
ブジョー 比謝矼
奉行。琉球国時代の役人。
- 用例
- ブジョーヌチャー(奉行達)。
フジョーマキ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,渡具知,長田
{ふじやうまけ(不浄負け)}。傷や病気のある人が、葬式などに行って、よけいに悪くなること。
- 用例
- ヤローニ、チュマーシヤーカイ イチーネー フジョーマキ スンドー(病んでいるときには、喪家に行くと不浄負けするよ)。
ブジラー 長浜
棒切れ。
- メモ
- 音2:ブンジラー。
フシンミー 瀬名波,古堅
節穴。
- 用例
- フシンミーカラ ンーチャグトゥ(節穴から見たから)。ウヌ オバーガ ハシルヌ フシンミーカラ ンーチェーンテー(そのおばあさんが戸の節穴から見たんでしょうね)。
- メモ
- →フキシヌミーミー。
フス 喜名,波平,渡慶次,儀間,宇座,楚辺,大湾,比謝矼,長田
臍〔へそ〕。

- 用例
- アカングヮヌ フスヤ、ナヌカグレー シーネー カリーサ(赤子の臍は、七日ぐらいしたら枯れるさ)。
- メモ
- 音2:テンブス。
フス チヂュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
赤子の臍の緒を処理すること。
- 用例
- ハサミヌ ネーンネー ダキグヮーサーニ フス チヂュタン(ハサミがない時には、竹で臍の緒を処理していた)。
- メモ
- 音1:フス チナジュン。
フス チナジュン 大湾
赤子の臍の緒を処理すること。
- メモ
- 音1:フス チジュン。
フスーギミー 古堅
節穴。
- 用例
- スバカラ ムル ンーチョータンリ、フスーギミーカラ(側からみんな見ていたって、節穴から)。
- メモ
- →フキシヌミーミー。
フスク 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
①不足。足りないこと。②神仏関連で不足、何かやるべきことがあること。
- 用例
- ①ワランチャームノー フスク シミテーナランドー(子どもたちのものは、不足させてはいけないよ)。アンナムヌン アティ、ヌーン フスコー ネーンタサディチ(あんなものもあって、何にも不足もなかったよと)。②ヌーン フスクヌル アラー、チャー アンマサン(何か不足〈やるべきこと〉でもあるのか、いつも気分がすぐれない)。
- メモ
- ①対:アマイ(余り)。
フスクジラービーサ 楚辺
松の葉が落ちる頃の寒さ。晩秋の寒さ。
- 用例
- フスクジラービーサガ ウワレーカラー、ナー ヒークル ナイサ(晩秋の寒さが終わる〈秋が過ぎる〉と、もう寒くなるんだよ)。
フスチガー 楚辺
{へそつぎ(臍継ぎ)}。出産に立ち合い、その手助けをする人。
- 用例
- フスチガーガ メンソーチョーグトゥ、ウンチケーシェー(臍継ぎをする人がいらっしゃっているから、案内しなさい)。
- メモ
- 音1:フスチジャー。→クヮナシミヤー。出産の手助けをしたり、赤子の臍を切る役目をする手慣れた人のことで、ほとんどが女性であった。
フスチジャー 渡慶次,儀間,楚辺,長田
{へそつぎ(臍継ぎ)}。出産に立ち合い、その手助けをする人。
- 用例
- ワッター パーパーン フスチジャー シンシェータン(私のおばあさんも臍継ぎをなさっていた)。
- メモ
- 音1:フスチガー。→クヮナシミヤー。
フスヌヲゥー 喜名,渡慶次,儀間,大湾
臍(へそ)の緒。
- 用例
- ワランチャー フスヌヲゥーヤ トゥッティウッチェーン(子どもたちの臍の緒は取って置いてある)。
フスン 長浜,大湾
干す。
- メモ
- 音1:フースン。
フタ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
蓋〔ふた〕。
- 用例
- タラフヌ フタ アキティ クヮーシ トゥレー(菓子入れの蓋を開けてお菓子を取りなさい)。
フダ 喜名,伊良皆,波平
札。
- メモ
- 作物を荒らすなど、内規に触れると罰金札を渡された。
フタガー 波平
波平の井泉の名称。
- メモ
- フタガーがあった場所は、段丘の低い位置で、戦前までは川も流れていた。かつては井戸が4つ並んでおり、それをまとめてフタガーと呼んでいた。現在は消防署用地となり、石碑が建立されている。
フタカタヌユー 楚辺
良い世の中。平和な世の中。
- メモ
- →テーミヌユー。
フタカチャヌミユ 楚辺
良い世の中。平和な世の中。
- 用例
- チャー フタカチャヌミユ アラチ ウタビミソーリ(いつもよい世の中であらせて下さいませ)。
- メモ
- →テーミヌユー。
ブタサン 渡慶次,儀間,長浜
分厚い。
- 用例
- ウヌ シシュー ブタサンヤー(その肉は分厚いね)。シムチヌ ルク ブタサヌ ゥンブサン(書物があまりにも分厚くて重い)。
フタソーキ 渡具知
民具。取っ手付きの蓋付きカゴで吊り下げられる。
フタディール 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
民具。蓋付きカゴで胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げる。

- 用例
- フタディールンカイ アギドーフ イッテーン(蓋つきのカゴに揚げ豆腐を入れてある)。
- メモ
- サギジョーギーと同じく食べ物を保存するもので、網目に隙間があるので風通しもよい。身に覆い被さるような大きな蓋がつき、身の中間から下の部分に耳が四つあり、紐がついている。その紐を中央で結び吊り下げる。→サギディール。
フタディールーグヮー 長浜
民具。小さい蓋付きのカゴ。

ブタマシ 喜名,渡慶次,儀間
{ふたましひ(不魂)}。浅はか。軽率。
- 用例
- ウレー ナー、イャーヤ ブタマシ ヤテーサ(それはもう、お前は軽率だったね)。
フダミ 高志保
ためにならないこと。
- 用例
- フダミナ クトゥ(ためにならないこと)。クニヌ フダミ カカタクトゥ(国益にならないということになって)。
フタムチ 渡慶次,儀間
使い勝手が悪い。
- 用例
- ウヌ マカイヤ ルク マギサヌ、フタムチ ヤッサー(そのお碗はあまりにも大きくて、使い勝手が悪いな)。
ブチ 喜名,渡慶次,儀間
鞭〔むち〕。
- 用例
- ブチヤ カキンナヨー(鞭では打たないでよ)。
フチカ 渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
数詞。2日。
- 用例
- フチカ カカティ アッチ チャン(二日かかって歩いてきた)。
フチクヮースン 喜名,渡慶次,儀間,渡具知,大湾,古堅
吹きつける。吹きかける。
- 用例
- タバクシ、クヌ キブシェー ウリンカイ フチクヮーシヨー(煙草で、この煙をそれに吹きかけなさいね)。ドゥイッペー スーミジ フチクヮースン(体中に潮水を吹きかける)。否:フチクヮーサン(吹きかけない)希:フチクヮーブサン(吹きかけたい)過:フチクヮーチャン(吹きかけた)継:フチクヮーチョーン(吹きかけている)。
ブチクン 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,渡具知,古堅,大木,牧原
卒倒。気絶。気を失うこと。
- 用例
- ユーリー ンチ ブチクン ソーン(幽霊を見て気絶している)。ブチクン ナラナラー ヒチ(気を失いそうになり)。ブチクン ナタグトゥ、ウヌ オジーガ タシキヤーイ(気絶したので、そのおじいが助けて)。
- メモ
- 音2:ブチゲーイ。
ブチクンケーラスン 喜名,渡慶次,儀間,大湾
卒倒する。気絶する。
- 用例
- マーマートゥ スグラッティ ブチクンケーラチョーン(みごとに殴られて、卒倒している)。否:ブチクンケーラサン(卒倒しない)過:ブチクンケーラチャン(卒倒した)継:ブチクンケーラチョーン(卒倒している)。
ブチゲーイ 比謝矼
卒倒。気絶。
- 用例
- シジガ ウタラ、ブチゲーイガ ヤタラ(死んでいたのか、気絶していたのか)。
- メモ
- →フチクン。
フチケーイン 喜名,渡慶次,儀間
葺き替える。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ガヤ フチケーイン(実家の茅を葺き替える)。否:フチケーラン(吹き替えない)希:フチケーイブサン(葺き替えたい)過:フチケータン(吹き替えた)継:フチケートーン(葺き替えている)。
フチタックヮスン 喜名,渡慶次,儀間
ふきでる。おできや汗疹などがふきでる。
- 用例
- ニーブターヌ ドゥーイッペー フチタックヮスン(おできが体中ふきだす)。
- メモ
- 否:フチタックヮサン(ふきでない)継:フチタックヮチョーン(ふきでている)。
ブチダン 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,楚辺
仏壇。
- 用例
- タナバタネー ブチダンヌ ウコールン ソージ スン(七夕には仏壇の香炉も掃除する)。
フチチリーン 比謝矼
息が切れる。息絶え絶えになる。
- 用例
- アマー フチチリヤーニ(向こうは息絶え絶えになって)。
フチバンタ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
絶壁。断崖。崖っぷち。
- 用例
- アマー フチバンタ ナティ アブナサヌ イカンケー(あそこは崖っぷちで危ないから行くな)。
- メモ
- →スギバナ。
フチマ 座喜味,都屋,瀬名波,大湾
植物。マサキ。
- 用例
- フチマギー ヤレー チキトーチーネー ヒジグヮー ミービンドー(マサキなら(水に)つけておくと根が出てくるよ)。
- メモ
- 類:フチャギ。
ブチマーサーター 瀬名波
豆の中に入れて保存しておいた黒糖。
- メモ
- 黒糖の保存は、豆の中に入れておくとサラサラしていて上等だった。それにブチマーサーターといっていた。失敗した砂糖は樽のまま保存していた。
ブチマーザーター 楚辺
鍋の底やふちについた黒糖。
- 用例
- ブチマーザーターヤ、カカジティ カミーネー ジコー マーハン(鍋底についた黒糖は、削って食べたらとても美味しい)。
フチャーイ 楚辺
草木が生い茂っている所。
- 用例
- フチャーイカイ ヒンギレーカラー、カメーイカンティースン(草木が生い茂っている所に逃げたら、探しにくい)。
フチャーイン 古堅
繁茂する。生い茂る。
- 用例
- マギキーヌ ミーティヤー、フチャーティ イッペーソーン トゥクマ ヤタンリヨー(大きい木が生えてね、生い茂っていっぱいしている所だったってよ)。
フチャーリーミー 喜名,渡慶次,儀間
茂みの中。木などが生い茂っている所。荒れ果てた所。
- 用例
- フチャーリーミーンカイヤ イッチェー イカンキヨー(茂みの中には入って行くなよ)。
フチャーリーン 喜名,渡慶次,儀間,長田
繁茂する。生い茂る。
- 用例
- キーン チランネー フチャーリーンドー(木も切らないと生い茂るよ)。否:フチャーリラン(生い茂らない)継:フチャーリトーン(生い茂っている)。
フチャギ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,長田
{ふきあげ(吹上げ)}。料理。小豆を付けた餅。八月十五夜に供える小豆をまぶした長円形の餅。
- 用例
- フチャギン シコーテーグトゥ ブチダヌンカイ シキレーワ(吹上餅も準備してあるから、仏壇に供えなさい)。
- メモ
- フチャギを作って月眺めをし、若者は*アシビ(村芝居)を見に行った。
フチャギ 大湾
植物。マサキ。
- メモ
- 仏壇に供えた。→フチマ。
フチユー 波平
煮え湯。沸騰した湯。
フチュクル 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大木
懐。
- 用例
- ミーララングトゥシ、フチュクルンカイ クヮックヮチ ムッチ チャン(見つからないように、懐に隠して持ってきた)。
フチュクルオージメー 喜名,波平,渡慶次,儀間
懐扇舞。表に出さず密かに喜ぶこと。
- 用例
- マギジン モーキティ フチュクルオージメー ソーンテー(大金を儲けて、フチュクルオージメーしているでしょう)。
- メモ
- とても良いこと、嬉しいことがあるが、表に出さずに懐の中で密かに喜ぶこと。
フチュクルビングヮー 波平
懐の小瓶。結婚式の翌朝、姑と花嫁が「よろしく」と盃を交わす小瓶の酒。
フチュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
葺く。

- 用例
- ガヤ カティ ッチ ガヤヤー フチュン(茅を刈りてきて、茅葺き家を葺く)。
フチュン 喜名,渡慶次,儀間
吹く。
- 用例
- アチャーヤ ウーカジフチヌ フチュンリンドー(明日は大きな台風が吹くってよ)。否:フカン(吹かない)過:フチャン(吹いた)継:フチョーン(吹いている)。
ブチリー 楚辺
不潔。
- 用例
- チヌン アラーン ブチリーヤ(着物も洗わない不潔な)。
フチリーン 渡具知
夢中になる。目がくらむ。
- 用例
- ジンニ フチリヤーイ(金に目がくらんで)。
フチンチュン 比謝矼
吹き込む。
- 用例
- クチフラチョーティ ヌブシヌタマ フチンチフチンチサギータンリ、・・ワームンカイ ヌー フチンチュガヤー(口を開けていて、ヌブシの玉を吹き込み吹き込みしていたって、・・私のには何を吹き込むかな)。
フッキーン 大湾
膨れる。腫れる。
- メモ
- 音1:フックイン。
フックイン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,比謝
膨れる。腫れる。
- 用例
- ガジャンヌキ ササリヤーニ フックトーサー(蚊にさされてふくれているなあ)。ヤマチェール ヒサ ンラシーネー フックインドー(痛めた足を濡らすと腫れるよ)。否:フックラン(膨れない)過:フックタン(膨れた)継:フックトーン(膨れている)。
- メモ
- 音1:フッキーン。
ブックヮ(~ブックヮ) 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅,大木,比謝矼
ふくれたところ、かたまったところなどの意を表わす。
- 用例
- ハナブックヮ(小鼻)。チーブックヮ(乳房)。ンニブックヮ(男性の胸の盛り上がったところ)。ターブックヮ(田んぼ)。
フックヮスン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
膨らませる。
- 用例
- ワランチャー ブーカー フックヮスン(子どもたちの風船を膨らませる)。否:フックヮサン(膨らまさない)希:フックヮシーブサン(膨らましたい)過:フックヮチャン(膨らませた)継:フックヮチョーン(膨らませている)。
ブッケー 古堅
不器用。
- 用例
- デージ ブッケー ヤン(とても不器用だ)。
- メモ
- →ティーアラサン。
ブッター(~ブッター) 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,大湾,古堅
~だらけ。~まみれ。
- 用例
- ウッサキー マヤー カラティ、マヤーブッターシミティ(そんなにたくさんの猫を飼って、猫だらけにして)。
- メモ
- 名詞の後に続く接尾辞で、「*ミジブッター(水だらけ)」「*ドゥルブッター(泥だらけ)」「*ヒングブッター(垢まみれ)」等がある。
ブッターカーター 楚辺
何でもかんでも。
- 用例
- ブッターカーター ムッチ チェーサヤー(何でもかんでも持ってきたんだね)。
- メモ
- 音1:ブッタークヮッター。
ブッタークヮッター 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
何でもかんでも。
- 用例
- ブッタークヮッター ヌーンクィ タックヮーチェール(何でもかんでもくっつけてあるね)。
- メモ
- 音1:ブッターカーター。
ブッタラーグヮー 都屋
ぽっちゃり。太った子。
フッチャーバル
{淵茶原}。高志保の小字。
ブッティカスン 古堅
パッと。急激に動く。
- 用例
- ブッティカチ ハンナギタン(パッと放り投げた)。
- メモ
- 音1:ブッテカスン。
ブッテカスン 渡具知
パッと。急激に動く。
- 用例
- ブッテカサーニ ヒンギトーン(パッと逃げ出した)。
- メモ
- →ブッティカスン。
ブットゥ 長浜
脂身。
プットゥカスン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
急に発言したり、行動する。
- 用例
- ユー カンゲーランネー、プットゥカチェー ナランサ(よく考えないと、急に発言してはならないよ)。
フディ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
筆。
- 用例
- ヤーノー フディ コーティトゥラサヤー(来年は筆を買ってあげようね)。諺:フディヌ サチヤ ヤイヌ サチ(筆の先は槍の先と同じで、財産を食い潰してしまう〈学問は生活の役に立たない〉)。筆の先、つまり学問を悪い方向に使えば刀のような危険な物にもなる。
フディー 座喜味,波平,高志保,渡慶次,瀬名波,比謝,牧原
稲光。稲妻。雷。
フディーカンパチ 長浜
禿〔はげ〕。頭の傷跡。
フディカチミスージ 喜名,座喜味,伊良皆,波平,都屋,渡慶次,儀間,瀬名波,大湾,古堅
{ふでつかみしうぎ(筆掴み祝儀)}。小学校の入学祝い。
- 用例
- チャクシヌ フディカチミスージネー、ケートゥナイン イェージ スン(長男の入学祝には、隣近所も招待する)。
- メモ
- 音1:フリカチミスージ。→アガイスージー。
フドゥ 長浜
背丈。
- メモ
- 音1:フル。
フドゥ イーン 親志
大きくなる。成長する。
- 用例
- ワラベー ワタカラドゥ フドゥ イール(子どもはお腹から成長する〈よく食べる子はよく育つ〉)。
- メモ
- 音1:フルイーン。
フドゥー 瀬名波
不動神。拝所の名称。
- メモ
- フドー参照。
フトゥキ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
仏。
- 用例
- アヌ チョー フトゥキヌ グトゥルアル(あの人は仏のようだ〈仏のような心を持った人だ〉)。フトゥキテー、ティラー フトゥキヌ アシェーヤー(仏さ、寺は仏があるでしょう)。
フトゥキウガン 長田
{ほときおぐゎん(解き御願)}。行事。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み、煤払いも行った。
- メモ
- 音1:フトゥチウガン。→ウグヮンブトゥチ。
フトゥキブニ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
仏骨〔ぶっこつ〕。喉仏。
- 用例
- カソーバヲゥティ ハジミティ フトゥキブニ ンチャン(火葬場で初めて仏骨を見た)。
- メモ
- 仏〔ほとけ〕の形をした頸椎〔けいつい〕の一番上の頭蓋骨〔ずがいこつ〕と接した骨。フトゥキブニは結喉〔けっこう〕と呼ばれていたそうで、その形状が座禅をしている仏様の姿にみえる事から、火葬後喉仏が残っていると「生前良い行いをしていた」といわれている。
フドゥタカー 大湾
背の高い人。
- メモ
- 音1:フルタカー。音2:フルマギー。
フトゥチウガン 伊良皆,瀬名波
{ほときおぐゎん(解き御願)}。行事。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み、煤払いも行った。
- メモ
- 音1:フトゥキウガン。→ウグヮンブトゥチ。
フトゥチヌウガン 長浜
{ほときおぐゎん(解き御願)}。行事。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み、煤払いも行った。
- メモ
- →ウガンブトゥチ。
フトゥチヌムッコー 瀬名波
まり。毬。
- メモ
- 角力で投げられ転がることを「*ムックーヌ ケーリーネー(毬が転がるよう)」と言った。
フトゥチバー 長浜
植物。ソテツの葉。
フトゥチュン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,比謝矼
解〔ほど〕く。
- 用例
- アーダーラ フトゥチミソーヤニ(粟俵を解かれて)。クンチェーヌ ナー フトゥチュン(括ってある縄を解く)。否:フトゥカン(解かない)希:フトゥチーブサン(解きたい)過:フトゥチャン(解いた)継:フトゥチョーン(解いている)。
フドゥフドゥ 比謝矼,牧原
程々。成長している様。よい年頃。
- 用例
- フドゥフドゥ ヤシガ(年頃だけど)。フルフル ナティ(成長して)。
- メモ
- 音1:フルフル。
フトゥフトゥー 喜名,渡慶次,儀間
ぶるぶる震える状態。
- 用例
- オーエー ハジマイネー フトゥフトゥー スン(喧嘩が始まったらブルブル震える)。
フトゥムトゥン 波平
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音1:ヒトゥムトゥン。→シティミティムン。
フドー 渡慶次,儀間,瀬名波
不動神。拝所の名称。悪疫払い、集落守護に関わる拝所。
- メモ
- 儀間、渡慶次、瀬名波にある。儀間の不動は、渡慶次との境、集落中央北側に位置し、悪風返しの守り神として祀られている。渡慶次の不動は、不動明王に起因する拝所と言われる。旧9月16日に行われる*ウフウグヮン、通称*ハルヤーポンでは、不動の前に米や粟で作った餅などを供え、豊作を祈願する。瀬名波では*ウフウグヮン、*フトゥチウガンで拝される。
フトンガー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{ふとんかは(布団皮)}。布団袋。
- 用例
- フトンガーン フルク ナトーグトゥ、ウラゲーチ チカイン(布団袋も古くなっているから、取り替えて使う)。
- メモ
- 布団の表を裏返して使うこと。
フトンマキ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾
{ふとんまけ(布団負け)}。冬に唇が乾燥して荒れること。
- 用例
- フトンマキッシ ウヮーシバガ ガサガサーナトーン(布団負けして、上唇がガサガサになっている)。
フナウクイ 座喜味,都屋,渡慶次,儀間,楚辺
船送り。
- 用例
- ンカシヌ フナウクイネー キブシ アギータン(昔の船送りには煙を上げていた)。
- メモ
- 身内や親戚、知人が旅立つとき、船が読谷沖を通る頃を見計らって、各字の船送りをする場所で、松葉や青葉など燃やして見送りの煙を立てた。
フナウクイモー 親志
{ふねおくりもう(船送り毛)}。旅立つ人を見送るために火を焚いた野原。
- メモ
- →タビウクイモー。
フナクブリ 高志保,渡慶次,儀間
船が遭難すること。船が波にのまれること。
- 用例
- ウーカジ アタティ フナクブリ シネーン(台風に遭って船が波にのまれてしまった)。
- メモ
- 音1:フニクブリ。
フナジバル
{船地原}。長浜の小字。
フナスクバル
{富名迫原}。牧原の小字。
フナトー 比謝
船頭。
- 用例
- フナトーヌチャーヤ、ウリ ンージャーニ カキダミシ ドゥクロー アラン(船頭たちは、それを見て賭け試しどころではなく)。
- メモ
- →シンルー。
フナマチー 長浜
船祭り。正月2日に初漕ぎの意で、船に松の枝を飾り酒を供えた。
フナヰー 喜名,渡慶次,儀間
船酔い。
- 用例
- マギフニ ヤテーグトゥ、フナヰーヤ サンタン(大きな船だったので、船酔いはしなかった)。
フニ 喜名,親志,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,宇座,長浜,渡具知,古堅,牧原,長田
骨。
- 用例
- アンシ ヤムンドー スタシガ、フニンデー ヲゥーテーネーンガヤー(とても痛がっていたが、骨でも折ってないかね)。
- メモ
- 音1:フーニ。フニアラサン(骨太・屈強なこと)。
フニ 喜名,渡慶次,儀間
茎。
- 用例
- ゥンチェーヤ ハーシーティー フニン カマリンドー(空心菜は葉と一緒に茎も食べれるよ)。
フニ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
船。
- 用例
- マギフニ ヤレー シムシガ、グナフニ ヤイネー フナヰー スンレー(大きな船ならいいけど、小さな船だったら船酔いするよ)。フニヌ ミーン(船が見える)。クニ フニヌ ヤッ、ナガリティ イクン トゥクマンカイ(この船のね、流れて行くところに)。
フニアラアラートゥ 座喜味
骨太で頑丈そうな様。
- 用例
- フニアラアラートゥ シ、マギッチュ ヤッサー(骨太で頑丈そうな、大きい人だなあ)。
フニアラサン 喜名,渡慶次,儀間,大木
骨が荒い。骨太な。屈強な。
- 用例
- チョーデー タイ フニアラサン(兄弟二人屈強だ)。
フニクブリ 大湾
船が遭難すること。船が波にのまれること。
- 用例
- フニクブリ シ(船が遭難して)。
- メモ
- 音1:フナクブリ。
フニグヮークージェー 儀間
舟漕ぎ遊び。
フニシン 渡慶次,儀間,長浜,渡具知,大湾
遺骨。洗骨後の骨。
- 用例
- フニシン ヒッティ カーミンカイ ウサミーン(遺骨を拾って骨壺に納める)。
- メモ
- →クチ。
フニトゥカートゥー 喜名,渡慶次,儀間
骨と皮。ひどく痩せていること。
- 用例
- フニトゥカートゥー ナティ、ムノー カレーヲゥミ(骨と皮だけになって、ご飯は食べているねぇ)。
フニナガシ 楚辺
{ふねながし(船流し)}。流刑。
フニヤン 喜名,親志,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
骨が痛むこと。
- 用例
- ガマクヌ フニヤン ッシ フシガラン(腰の骨が痛くてたまらない)。
- メモ
- リュウマチなどの痛み。
フニワキー 座喜味
分骨。
フニンチュ 長田
船人。
フニゥンジャシ 楚辺
船出。
- 用例
- ソーグヮチ ウワイネー フニゥンジャシディチ、ティンマグヮーッシ ナーファカイ サーター ハクブタン(正月が終わると船出ということで、伝馬船で那覇に砂糖を運んだ)。
フニゥンジャシサレー 楚辺
{ふねいだしさらへ(船出し浚ヘ)}。積もった砂を浚って船を出しやすくすること。
- 用例
- アチャヤ フニンジャシサレー ヤグトゥ、ンナ アチマリヨー(明日は船出し浚いだから、皆集まりなさいよ)。
- メモ
- 浜辺付近に砂が積もって船を沖に出すのが困難になるので、砂が積もってくると定期的に、フニゥンジャシサレーといってその砂を浚う作業を行っていた。
フミータックヮスン 喜名,渡慶次,儀間
褒めちぎる。褒めまくる。
- 用例
- アンチュカナー フミータックヮサンケー(そんなに褒めちぎるな)。否:フミータックヮサン(褒めちぎらない)希:フミータックヮシーブサン(褒めまくりたい)過:フミータックヮチャン(褒めまくった)継:フミータックヮチョーン(褒めまくっている)。
フミーン 喜名,渡慶次,儀間
褒める。
- 用例
- チューヤ パーパーガ フミティ トゥラスサ(今日はおばあさんが褒めてあげようね)。否:フミラン(褒めない)希:フミーブサン(褒めたい)過:フミタン(褒めた)継:フミトーン(褒めている)。
- メモ
- 対:ヌライン(叱る)。
フミクン 楚辺
蒸し暑くなる。
- 用例
- チューヤ イチヤカ フミクンヤー(今日はいつもより蒸し暑いね)。
- メモ
- 音1:フミチュン。→アブチュン。
フミチュン 喜名,渡慶次,儀間
蒸し暑くなる。
- 用例
- カジ ティーチン ネーン、ジコー フミチュン(風ひとつない、とても蒸し暑い)。否:フミカン(蒸し暑くない)継:フミチョーン(蒸し暑くなっている)。
- メモ
- 音1:フミクン。→アブチュン。
フヤ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,古堅
火屋〔ほや〕。ランプ。
- 用例
- フヤン フクシンブッター ソーンドー(ランプの火屋も埃だらけだよ)。フヤ ススレー(火屋を拭きなさい)。
- メモ
- 音2:フヤランプ。
フヤソージ 伊良皆,瀬名波,大湾
火屋掃除。ランプの火屋磨き。
- 用例
- ランプヌ フヤソージ シーヨー(ランプの火屋を掃除をしなさい)。
- メモ
- フヤソージは子どもの仕事のひとつだった。フヤはうすくて、壊れやすかった。
フヤランプ 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,長田
火屋〔ほや〕ランプ。

- 用例
- フヤランプン ユグリトーグトゥ ミガチョーキヨー(火屋ランプも汚れているから磨いていてね)。
- メモ
- 音2:フヤ。
フユー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
怠け。ものぐさ。無精。
- 用例
- フユー シェーヤーディ ウムイネー、チャッサ ヤティン フユー ナイサ(怠けようと思ったら、いくらでも怠けられるさ)。
フユー テー クサリーン 喜名,渡慶次,儀間
怠け者でどうしようもなくなる。怠けて落ちぶれる。
- 用例
- フユー テー クサリティ、ヌーン ヤクン タッタン(怠け者でどうしようもなく、何も役に立たない)。
フユーナー 喜名,高志保,渡慶次,儀間
怠け者。無精者。
- 用例
- フユーナー ナティル、トゥジンカイ ヒンギラッテーサ(怠け者であるから、妻に逃げられたんだよ)。
- メモ
- →アカヒチムン。
フユーナムン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
怠け者。無精者。
- 用例
- フユーナムンヌ ゥンジトーティ、ヌーン アビランケー(怠け者のくせに、何も言うな)。フユーナムノー ラクサー、ナンジサーヤ クワッチーサー(怠け者は楽をする者、難儀する者はご馳走にありつける者)。イッペーナ フユーナムン ヤシガ、ハタラチャー ナタン(とってもな怠け者だけど、働き者になった)。
- メモ
- →アカヒチムン。
フユーマーヤー 瀬名波
怠け者。
フユムン 喜名,渡慶次,儀間
冬物。
- 用例
- ヒーク ナティ、ヘーク フユムヌン ゥンジャシェー(寒くなって、早く冬物も出しなさい)。
- メモ
- 対:ナチムン(夏物)。
ブラ 高志保,長浜,渡具知,大湾
①貝名。ホラ貝。②法螺〔ほら〕。
- メモ
- ②人を集合させる際に、ブラの吹き方で区別して集めた。25歳までの青年を集めるときは通常に吹き、25歳以上から35歳までの青年を集めるときは吹き方を変えていた。
フラー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,大湾,大木,長田
触れ者。馬鹿。馬鹿者。
- 用例
- フラーターヤ、チューン アチマティ トゥイオーラシェー ソーン(馬鹿者たちは、今日も集まって闘鶏をしている)。
- メモ
- 音2:フリムン。
ブラーカジ 楚辺
竜巻き。
- 用例
- ブラーカジヤ マーカイガ ンカイラー ワカラングトゥ、ウトゥルハン(竜巻はどこに向かうのか、分からないから、怖い)。
- メモ
- →カジマキ。
フラクン 楚辺
開く。目や口などを開ける。
- 用例
- イェージ シーネー ミー フラクンドー(合図したら目を開くよ)。否:フラカン(開けない)希:ヒラキーブハン(開けたい)過:フラチャン(開けた)継:フラチョーン(開けている)。
- メモ
- 音1:フラチュン。類:ヒラクン。
フラチュン 喜名,渡慶次,儀間,比謝矼,長田
開く。目や口などを開ける。
- 用例
- チャーニンジヤ アラン、マルケーテー ミー フラチュン(ずっと眠りっぱなしではなく、たまには目を開ける)。
- メモ
- →音1:フラクン。
フリ 伊良皆
稲光。稲妻。雷。
- メモ
- 音1:フリー。→カンナイ。
ブリ~ 親志,都屋,大湾
群がる意を表わす接頭辞。
- 用例
- ブリブシ(群れ星)。ブリバカ(群れ墓)。
フリアシビ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
触れ遊び。余計な遊び。馬鹿な遊び。
- 用例
- フリアシビ サーヤカ、ヘーク シクチ カメーティ クーワ(無駄な遊びをするより、早く仕事を探してきなさい)。
フリー 喜名,親志,都屋,儀間,宇座,長浜,楚辺,渡具知,古堅,長田
稲光。稲妻。雷。
- 用例
- フリー スクトゥ アミ フインロー(稲光するから雨が降るよ)。
- メモ
- 音1:フリ。→カンナイ。
フリー 伊良皆
布令。お知らせ。
ブリー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,比謝
無礼。失礼。
- 用例
- ブリー ヤイビーシガ(失礼ではありますが)。グブリー ナイン(ご無礼になる)。シージャンチャーンカイ ブリーヌ ネーングトゥ シーヨー(先輩たちに失礼のないようにしなさいよ)。
ブリー サビタン 瀬名波
失礼しました。
ブリー サビラ 瀬名波
失礼します。
フリーガンナイ 楚辺
稲光。稲妻。雷。
- 用例
- フリーガンナイガ ナイネー ワランチャーヤ シカムサ(雷が鳴ると子どもたちは怖がるよ)。
- メモ
- →カンナイ。
フリーカンパイ 大湾,古堅
稲光。稲妻。雷。
- メモ
- パチャパチャーと稲光が鳴る時に言った言葉。フリーは稲光、カンパイはカンナイ(雷)が変化したものか。→カンナイ。
フリーカンパチ 喜名,親志
稲光。稲妻。雷。
- 用例
- フリーカンパチガ ステーグトゥ、アミ フインドー(稲光がしたから、雨が降るよ)。
- メモ
- →カンナイ。
フリーマーイ 波平
布令廻り。
フリーン 座喜味
ふれる。告げる。一般に知らせる。
- 用例
- フリティ アッチュン(告げて歩く)。
フリーン 喜名,渡慶次,儀間
気が触れる。
- 用例
- ムヌカンゲーヂューサイネー、アトー フリーンドー(考え過ぎると、終いには気が触れるよ)。否:フリラン(気が触れない))過:フリタン(気が触れた)継:フリトーン(気が触れている)。
フリーン 喜名,高志保,渡慶次,儀間
惚れる。
- 用例
- トゥナイヌ チュラヰナグングヮンカイ フリーン(隣の美人の娘に惚れる)。否:フリラン(惚れない)過:フリタン(惚れた)継:フリトーン(惚れている)。
フリーン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
震える。
- 用例
- アミカイ ンリティ、ヒーサガタガタ フリーン(雨に濡れて、寒さでガタガタ震える)。
フリカチミスージ 座喜味,瀬名波,古堅
{ふでつかみしうぎ(筆掴み祝儀)}。小学校の入学祝い。
- 用例
- アマー フリカチミー ヤグトゥ、イカ(向こうは新入生祝いだから、行こう)。
- メモ
- 音1:フディカチミスージ。→アガイスージー。親戚が筆や祝儀をあげに来た。
フリガミ 喜名,渡慶次,儀間
触れ者のように、加減を知らずに食べること。必要以上に大食いすること。加減を知らない食べ方。
- 用例
- フリガミ ッシ、アマヲゥティ アータ ナトーン(加減を知らずに食べて、あそこでぐったりしている)。
- メモ
- →アバラガミ。
ブリセーラバル
{武理石原}。長浜の小字。
ブリディー 長浜
全員の手。他の人の力を借りて仕事をすること。
フリドゥイ 喜名,渡慶次,儀間
必要以上に金品を取ること。
- 用例
- シクチェー バチクヮーンムンヌ ティマー フリドゥイ ソーン(仕事は役に立たないのに、手間は必要以上に取っている)。チカイヤ サンムンヌ ウッサキー フリドゥイスンナー(使いはしないのに、そんなにたくさん取るのか)。
ブリバカ 親志
{むれはか(群れ墓)}。たくさんの墓。
ブリブシ 都屋
{ぶれぼし(群れ星)}。スバル。プレアデス星団。おうし座。
- メモ
- 音1:ブルブシ・ムリブシ。音2:ムリブサー。スバルや北斗七星など、群れになっている星のことをブリブシという。
フリムニー 大湾
馬鹿な話。馬鹿な物言い。
- 用例
- フリムニー スンドー(馬鹿な物言いをするよ)。
- メモ
- 病人が痛くてうわごとを言うのにも「フリムニー スンドー」と言った。
フリムン 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,大木
触れ者。馬鹿。馬鹿者。
- 用例
- ヤナ フリムンヤ、シクチンサン ムル アシディ アッチョーン(嫌な馬鹿者は、仕事もせずに遊んでばかりいる)。
- メモ
- →フラー。
フリユンタク 喜名,渡慶次,儀間
余計なおしゃべり。
- 用例
- フリユンタク スシヤカ、ヘーク シクチ シェー(余計なおしゃべりするより、早く仕事をしなさい)。
- メモ
- 音2:ウヮーバユンタ。
フリワザ 大湾
〔触れ技(ふれわざ)〕。馬鹿げたこと。
- 用例
- フリワザシ(馬鹿げた事をし)。
ブリンマ 大湾
〔群れ馬(むれうま)〕。
- メモ
- 馬場ではブリンマといって、見物客に見せるためにパレードのように歩かせた。
フル 比謝
豚小屋。便所。

- メモ
- 類:ウヮーヌヤー。音2:ウヮーフール。音1:フール・フールヤー。
フル 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,比謝,古堅
背丈。
- 用例
- イャーヤ、ナー イヒンチョー フルヌ アレーヤー(お前は、もう少しだけでも背が高かったらね)。
- メモ
- 音1:フドゥ。
フル イーン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,渡具知,比謝,大湾,古堅
大きくなる。成長する。育つ。
- 用例
- ワラビヤ ウヤー、ヲゥランティン フル イーティ ハイン(子どもは、親はいなくても育っていく)。フル イーティ ヤー ワカイタン(成長して分家した)。クラヌ シチャカラ アッチ、クミ カリ フル イリヨー(倉の下から歩いて、米を食べて大きくなれよ)。ウリガー フル イーティン ヌーン ナランサ(これがは大きくなっても何もできないよ)。ミーニ ミーティ フル イーティ チョーッサー(目に見えて成長しているね)。
- メモ
- 音1:フドゥイーン。
フル ウヮースン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
育てる。成長させる。
- 用例
- ウットゥンチャーヤ ワーガ フル ウヮースン(弟たちは私が育てる)。ワンネー ウングトゥシル イャー フル ウヮーチャシガ(私はそんなしてお前を育てたんだが)。否:フルウヮーサン(育てない)希:フルウヮーシーブサン(育てたい)過:フルウヮーチャン(育てた)継:フルウヮーチョーン(育てている)。
- メモ
- →スダティーン。
フルガニ 喜名,渡慶次,儀間
古い鉄。廃鉄。くず鉄。
- 用例
- フルガニ アチミティ チャー スヌ チムエーガ(古い鉄を集めてどうするつもりか)。
フルガニコーヤー 喜名,渡慶次,儀間
くず鉄屋。金属類を買い集める商売人。
- 用例
- チカーラン ナトーシェー アチミティ フルガニコーヤーンカイ ウイサ(使えなくなったのは集めてフルガニコーヤーに売るさ)。
ブルキー 親志
ブリキ。
フルキジ 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
①古傷。②旧悪。昔の悪事。
- 用例
- ①マルケーティ フルキジヌ ヤムン(たまに古傷が痛い)。②チュヌ フルキジンカイヤ カマーンケー(人の昔の悪いことには立ち入るな)。
フルギン 古堅
地名(読谷村古堅)。
フルギンガー 古堅
古堅ガー。古堅の湧泉の名称。古堅のウブガー(産井)とミーガー(新井)の総称。

- メモ
- 古堅にあるウブガー(産井)とミーガー(新井)の二つを総称して古堅ガーと呼んでいる。ウブガーから産湯用の水を汲み、赤子の額を撫でるミジナディー(水撫で)の習慣があった。水を汲む際、小さなエビを捕らえてきて、赤子の身体の上を這わし、健康を祈願した。ミーガーはウブガーよりも後に造成され、水量が豊富で生活用水として利用された。カーソージ(井泉掃除)の際には、妊婦の夫たちが浜辺から砂利を運んできて井泉の底に沈め、清めたという。
フルギンチュ 古堅
古堅の人。
フルギンバル
{古堅原}。古堅の小字。
フルギンブーブー 楚辺
昆虫。米つきバッタ。ショウリョウバッタ。
- 用例
- フルギンブーブー カチミティ チェーン(米つきバッタを捕まえてきた)。
フルギンワタイグチー 大湾
地名(読谷村古堅の小地名)。
フルグナー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
背が低い人。
- 用例
- アレー、フルグナー ヤシガ ハチコードー(彼は、背は小さいが気は強いよ)。
- メモ
- 音1:フルグマー。対:フルタカー・フルマギー。
フルグマー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,古堅
背が低い人。
- 用例
- フルグマー ナティ、マーカイガ ヲゥラー ワカラン(背が小さくて、どこにいるのか分からない)。
- メモ
- 音1:フルグナー。
フルグムン 瀬名波
背が低い人。
- 用例
- フルグムントー ドゥシェー スナ(背が小さい人とは友達はするな)。
- メモ
- 用例の意味は、小さい人は*ジンブン(知恵)があるので、ジンブンを取られるからだという。
フルサ 村史
{ふるぼとけ(古仏)}。死後一年以上経った仏。
フルサガイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
お下がり。
- 用例
- イェーカンチャーカラ フルサガイン マンリ、タシカトーン(親戚からお下がりも多くて、助かっている)。
フルサン 喜名,渡慶次,儀間,古堅
古い。
- 用例
- ワッター ヤーヤ、ナー サンジューニン アマイグトゥ フルサンレー(私たちの家は、もう30年余るから古いよ)。
- メモ
- 音1:フルハン。対:ミーサン。
フルジ 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,古堅
古着。
- 用例
- フルジ アチミティ ウイガ イチュン(古着を集めて売りに行く)。
フルジヤー 座喜味,大湾
古着屋。古着を売っている店。
フルスビ 儀間,楚辺
古楚辺。楚辺の旧集落。
- 用例
- フルスビカイ、ケーラリヌ シチン アイガ スラ(旧集落に、帰れる日もあるかなあ)。
フルタカー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,楚辺
背の高い人。
- 用例
- フルタカー ヤシガ、グテーヤ ネーン(背は高いが、力はない)。
- メモ
- 音2:フルマギー。対:フルグナー・フルグマー。
フルタキ 伊良皆
背丈。体格。
- 用例
- フルタキ マギサン(背丈が高い)。
- メモ
- →タキフドゥ。
フルチ 渡具知
民具。筬〔おさ〕。織物の幅を整え、経糸の配列を均一にする道具。
- 用例
- ヌヌ ウイル フルチ、クンチ サギトーキヨー(布を織る筬を、括って下げておけよ)。
フルッチュ 親志,座喜味,伊良皆,長浜,楚辺,大湾
梅毒にかかったことがある人。
- 用例
- フルッチュ ナティカラン、ヰナグアシビ ソーサ(梅毒に罹ってからも、女遊びしているさ)。
フルドゥイ 座喜味
{ふるとり(古鶏)}。廃鶏〔はいけい〕。年をとり、卵を産まなくなった鶏。
- メモ
- 音2:スクンドゥイ。
フルバスン 喜名,高志保,渡慶次,儀間,楚辺
①借金を踏み倒す。②滅亡させる。滅ぼす。
- 用例
- ①イャーヤ チュヌ ジン フルバスンナー(お前は人のお金を踏み倒すのか)。②ガンジュームン ハッチャカティサーニ、ウリンカイ フルバサリヤーイ(頑丈者に出会って、彼に滅ばされて)。(否:フルバサン(踏み倒さない)希:フルバシーブサン(踏み倒したい)過:フルバチャン(踏み倒した)継:フルバチョーン(踏み倒している)。
フルハン 楚辺
古い。
- 用例
- ワッター ヤーヤ ユカイ フルハンドー(私の家はかなり古いよ)。
- メモ
- →フルサン。
フルヒージリ 楚辺
焼け残った木切れ。
- 用例
- フルヒージリンカイ ミジ カキレー(焼け残った木切れに水をかけなさい)。
ブルブシ 座喜味
{ぶれぼし(群れ星)}。スバル。プレアデス星団。おうし座。
- メモ
- →音2:ブリブシ・ムリブシ。
フルフル 座喜味,大木,比謝矼
程々。成長している様。よい年頃。
- 用例
- クヌ クヮヌ フルフル ナティ(この子ども成長して)。フルフル ナティカラン、シチグヮチ、ショーグヮチェー ムヤーマーイ イチュタン(年頃になってからも、盆、正月は子守をしてくれた人の家を訪ねた)。
- メモ
- 音1:フドゥフドゥ。
ブルボー 座喜味
全員が行う棒術。
フルマギー 喜名,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺
背の高い人。
- 用例
- ヤーニンジュ ムル、フルマギー ヤン(家族皆、背が高い)。
- メモ
- 音2:フルタカー。対:フルグナー・フルグマー(背が低い)。
フルミチ 親志
フル(豚小屋兼便所)、フルへ通る道。
フルムン 喜名,高志保,渡慶次,儀間
古い物。古くなる。
- 用例
- フルムン ヰーティチャン(古いものをもらってきた)。ヌー ヤティン、アトー フルムン ナイン(何でも後は古いものになる)。
フルムン 喜名,高志保,渡慶次,儀間
古くなる。
- 用例
- カマンタヌ フルムン(鍋蓋が古くなる)。ウヌ ヘーサナー フルムンディチンアンナー(そんなに早く、古くなるってこともあるか)。継:フルクナトーン(古くなっている)。
フルヤー 喜名,渡慶次,儀間
古い家。
- 用例
- フルヤー ヤグトゥ、チュクイケーリワル ナイル(古い家だから、建て替えなくちゃいけない)。
- メモ
- 対:ミーヤー(新しい家)。
フルヲゥトゥ 渡具知
{ふるおっと(古夫)}。元夫。
- 用例
- カジラマーイヌ イシ フガサーニ、ウマヌ シチャンカイ ウヌ フルヲゥトー コームティヨー(犬走りの石をほがして〈割って〉、そこの下にその古夫を葬ってね)。
ブン 座喜味
盆。食事などを載せて運ぶ道具。
フンシ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,比謝,牧原
風水。
- 用例
- ハカ チュクイネー、フンシン カンゲーリヨーヤー(墓を造る時には、風水も考えなさいよ)。フンシ クディ ウサギラ(風水をみてさしあげましょう)。
- メモ
- 音1:フンシー。古代中国に発生した土地の吉凶(善悪)評価法。風水説・風水思想・風水地理学などの名称で呼ばれる。
フンシー 渡具知
風水。
- 用例
- ミカヂチヌ カタヌ フンシーヤンリ(三日月の形の風水だそうだ)。
- メモ
- →音1:フンシ。
ブンジー 楚辺
分別。
- 用例
- ウッサヌ トゥシ ヤラー、ブンジーヤ アイル スル(それだけの年齢だったら、分別はあるはずだ)。
フンシミー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{ふうすいみ(風水見)}。風水師。
- 用例
- ヤシチ コーイヌメーニ、フンシミーンカイ ミシーン(屋敷を買う前に、風水師に見てもらう)。
ブンジュリ 渡具知
品格のある女郎。
- 用例
- ブンジュリ ナヤーナカイ、イッペー モーキティ(品格のあるジュリになって、とっても儲けて)。
ブンジラー 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木
棒切れ。
- 用例
- ヤナワジャーシーネー ブンジラー シ スグラリンドー(悪いことをしたら、棒切れで殴られるぞ)。
- メモ
- →ブジラー。
ブンジリ 渡慶次,儀間,楚辺
{ぼんきれ(盆切れ)}。お盆前に借金を清算すること。
- 用例
- ブンジリメー ヤグトゥ、ジノー シコートキヨー(お盆前に借金の清算をするから、お金を準備しておきなさいよ)。
フントー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
本当。
- 用例
- フントー アヌ タイヤ マジョーン ナトーンナー(本当にあの二人は一緒になっているのか)。
ブンナギーン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
放り投げる。
- 用例
- チカーランヌーヤ、フカンカイ ブンナギトーケー(使えないのは、外に放り投げておきなさい)。否:ブンナギラン(放り投げない)希:ブンナギーブサン(放り投げたい)過:ブンナギタン(放り投げた)継:ブンナギトーン(放り投げている)。
- メモ
- →ハンナギーン。
フンヌ 喜名,渡慶次,儀間
ほんに。本当に。まことに。
- 用例
- フンヌヤー、チュヌ イーシ チチョーチーネー、アネー ナランタルムン(ほんにね、人のいう事を聞いておけば、そういうことにはならなかったのに)。
ブンミチャー 渡慶次,儀間,楚辺
葬式が済んだ日の夕方に行う魔物追いの儀式。またその儀式に用いる棒。
- 用例
- ワンニン ブンミチャー チュクティ ンチャンデー(私もブンミチャーを作ったことがあるよ)。
- メモ
- →音1:ブーミチャー。
フンムン 楚辺
経文〔きょうもん〕。
- 用例
- フンムンフージー ナー カカーニ ウミンカイ、ウミンカイ ナギタグトゥ(経文のようなものをもう書いて海に、海に投げたから)。
ブンラーサン 喜名,渡慶次,儀間
学がある。学がありそう。
- 用例
- カーギシガタ ウチャティ、ブンラーサン(容姿も良く、学がありそうだ)。
- メモ
- 音1:ブンラーハン。
ブンラーハン 楚辺
学がある。学がありそう。
- 用例
- フルン タカダカートゥ カーギンチュラサヌ、ブンラーハンヤー(背も高くて美男子だし、学がありそうだね)。
- メモ
- 音1:ブンラーサン。
フンレー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
甘え。わがまま。
- 用例
- フンレービカーン ッシ、チャッサ イチ チカチン ノーランサ(甘えてばかりで、どんなに言って聞かせても直らないさ)。
フンレームン 喜名,渡慶次,儀間
甘えんぼうな人。わがままな人。
- 用例
- ルク フンレームン ナティ、チャー スガヤー(あまりにも甘えん坊になって、どうしょうかな)。
ヘイトー 伊良皆
平等。
ヘー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
ハエ。蠅。
- 用例
- ヘーヌ マンドーグトゥ、カミムヌンカイ シガラングトゥ ンチョーキヨー(蠅が多いから、食べ物につかないように見ておきなさいよ)。
- メモ
- 音1:フェー。
ヘー 喜名,座喜味,上地,都屋,高志保,長浜,楚辺,渡具知,大湾,比謝矼,牧原
灰。
- メモ
- 音1:フェー。→アク。
ベー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
幼児語。嫌。嫌だ。
- 用例
- ベー シ、ヒンギティ ハイタン(嫌だと、逃げて行った)。
ペー 都屋,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
幼児語。捨てること。吐き出すこと。
- 用例
- ペー シェー(捨てて)。ヘーク ペー シェーワ(早く吐き出しなさい)。
- メモ
- →プイ。
ヘーイ 渡慶次,儀間,楚辺
酢。

- 用例
- ヘーイ イッティ イェーイネー マーササ(酢を入れて和えたら美味しいさ)。
- メモ
- 製糖終了後、鍋を洗ってサトウキビの汁を入れて2,3時間炊くと酢ができた。→アマザキ。
ベーイ 喜名,渡慶次,儀間,古堅
嫌。嫌だ。
- 用例
- ベーイ、イャーガ イーシェー チカンサ(嫌だ、お前の言うのは聞かないよ)。
ヘーイガーミ 楚辺
民具。酢を入れる甕。
ヘーイン 渡慶次,儀間,楚辺
流行る。流行する。
- 用例
- ヒーク ナイネー ハナヒチン ヘーインドー(寒くなると風邪も流行するよ)。ハナヒチヌ ヘートーグトゥ、チュヌ ウーサヌミーカイヤ イカンシェー マシ ヤサ(風邪が流行っているから、人ごみには行かない方がよい)。
ヘーウキ 喜名,渡慶次,儀間
早起き。
- 用例
- マーカイガ ゥンヂャラー、ヘーウキシ ハイタシガ(どこへ行ったのか、早起きして出て行ったが)。
ヘーガー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
皮膚病がある人。皮膚があれている人。
- 用例
- ニーブターヌ ゥンジティ ヘーガー ナトーン(おできができて、皮膚があれている)。
- メモ
- 音2:ヘーガサー。
ヘーガサ 座喜味,伊良皆,楚辺,大湾,古堅,比謝矼
湿疹。頭部湿疹。瘡。
- メモ
- 蛋白質がたりないので出るといわれた。伊良皆では*アカンチャー(赤土)で頭を洗い豚油を付ける、楚辺では*ゴーヤーの葉を浮かべた湯で頭を洗ったという。
ヘーガサー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,大湾
湿疹。皮膚病がある人。皮膚があれている人。
- 用例
- クスイン ネーングトゥ ヘーガサー ナイル ワラビン マンドータン(薬もないから、吹き出物が出ている子どもも多かった)。
- メモ
- →ヘーガー。
ヘーカタ 伊良皆,渡慶次,儀間
南の方。
- 用例
- ヘーカタンカイ ハーエー シ ハイタン(南の方へ走って行きよった)。
ヘーク 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
早く。以前。昔。
- 用例
- ヘーク シコーランネー マニアーランシガ(早く支度しないと間に合わないよ)。ヘーク ゥンジャン クトゥガ アン(以前行ったことがある)。
ヘークス 喜名,渡慶次,儀間
ソバカス。
- 用例
- チライッペー ヘークス ゥンジトーン(顔中ソバカスがでている)。
ヘークナー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間
早いうちに。できるだけ早く。
- 用例
- ワンガ ヘークナー ゥンジ チューサ(私が早いうちに行ってくるさ)。
ヘークルサー 喜名,渡慶次,儀間,大湾
はえ叩き。
- 用例
- ヘーヌ マンドークトゥ、ヘークルサー ムッチ クーワ(ハエが多いから、はえ叩きを持ってきなさい)。
- メモ
- →ヘースグヤー。
ヘーサン 喜名,渡慶次,儀間
早い。速い。
- 用例
- ワンネー シクチカイ イチュシェー ターヤカ ヘーサン(私は仕事に行くのは誰よりも早い)。ハーガーヌ マーイシガ ルク ヘーサヌヨー(歯車が回るのが余りにも速くてよ)。
- メモ
- 音1:ヘーハン。対:ウスサン・ニーサン・ニーハン(遅い)。
ヘーシ 喜名,渡慶次,儀間
囃子。
- 用例
- ヘーシン ディキティ、イー ミームン ヤタン(囃子も上出来で、よい見世物だった)。
ヘージュラー 座喜味,渡慶次,儀間,楚辺
尻軽女。結婚もせずに、次から次へと相手の男性を替えていくひと。
- 用例
- ヘージュラー ッシ アッチェー ナランデー(男を渡り歩いて遊んではいけないよ)。
ヘージュリングヮ 喜名,座喜味,儀間,宇座,長浜,楚辺
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシェー ヘージュリングヮン マンドータン(昔は私生児も多かった)。
- メモ
- →アシビングヮ。
ヘースグヤー 座喜味,大湾
はえ叩き。
- メモ
- 音2:ヘークルサー。
ヘーチナ 高志保
灰縄。藁を綯〔な〕ったまま焼いて縄の形を残した灰のこと。
- メモ
- →アクヂナ。
ペーチン 牧原
親雲上〔ぺーちん〕。琉球王国の士族の称号のひとつ。
ヘートゥヤー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
蝿とり器。
- 用例
- ヘートゥヤーヤ ナカメーンカイ ウッチュシェー マシ ヤサ(蠅取り器は二番座に置いた方がよいさ)。
- メモ
- ガラス製で、餌につられて蝿が入ると出られず、中の水に落ちる仕掛け。
ヘーナグサ 座喜味
植物。
- メモ
- よく田のそばに生え、お盆に*ニンブトゥカーや豆腐と一緒に和え物にしたり、若芽を炒めものにいれたりした。
ヘーヌクニ 村史
南の島々。遠くの島々。
ヘーバイン 座喜味
はやまる。はやくなる。
- メモ
- 音1:ヘーマイン。
ヘーハン 楚辺
早い。速い。
- 用例
- イャーガ ムヌ カムシェー ルク ヘーハン(お前がご飯を食べるのは、あまりにも早い)。
- メモ
- →音1:ヘーサン。
ヘーブーブー 喜名,渡慶次,儀間,古堅
蠅が飛び交っている様。
- 用例
- ゥンム イーカラ ヘーブーブー ソーン(芋の上から蠅が飛び交っている)。
ベーベー 座喜味,長浜,楚辺
山羊。山羊の鳴き声。
- 用例
- べーッ ンチ ナカギータンリ、ヒージャーグヮー ナトータンリ(ベーッって鳴きよったって、山羊なっていたって)。
ペーペー 喜名,渡慶次,儀間
酒飲み。半人前。
- 用例
- ペーペーグヮーヌ ゥンジトーティ、ウフグチェー スナ(半人前のくせに、大きな口をたたくな)。
ペーペー 喜名,都屋,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅
幼児語。汚いもの。
- 用例
- ウレー ペーペードー(それは汚いよ)。
ヘーベートゥ 喜名,渡慶次,儀間
早々と。
- 用例
- ヘーベートゥ ンナガ アチマイネー、ジカンドゥーイ ウワイサ(早々と皆が集まったら、時間通りに終わるよ)。
ベーベーンナ 村史
貝名。スイジガイ。水字貝。
- メモ
- 音2:ユーナキベーベー。
ベーベーンーナー 瀬名波,古堅
貝名。スイジガイ。水字貝。
- メモ
- 音2:ユーナキベーベー・ヤードゥーベーベー。類:ベールー。*ミンデー(ものもらい)ができると*フールヤーにベーベーンーナーを下げた。
ヘーマーイ 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{みなみかぜまはり(南風回り)}。南風が吹くこと。風が南に回ること。
- 用例
- ヘーマーイ フチ シラク ナティヤー(南風が吹いて涼しくなったね)。
ヘーマーシ 喜名,渡慶次,儀間
早死に。若死に。夭折〔ようせつ〕。
- 用例
- タイヌウヤンチャー ヘーマーシ サシガ、ワランチャーヤ ユー スダチョーン(両親は早く亡くなったが、子どもたちはよく育っている)。
ヘーマイン 喜名,渡慶次,儀間
はやまる。はやくなる。
- 用例
- カシーサーガ ウーサグトゥ シクチェー ヘーマイサ(加勢する人が多いから、仕事ははやくなるさ)。否:ヘーマラン(はやくならない)過:ヘーマタン(はやくなった)継:ヘーマトーン(はやくなった)。
- メモ
- 音1:ヘーバイン。
ヘーヤチガマ 瀬名波
{はいやきがま(灰焼き窯)}。石灰岩を焼く窯。
- メモ
- 海から取った石灰岩を焼いて石灰を作った。
ヘーユーバン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
{はやゆうはん(早夕飯)}。早めに食べる夕飯。
- 用例
- ヘーユーバン カリ、アシビーガ イチュン(早めに夕飯を食べて、遊びに行く)。
ベーラー 座喜味,大湾
おしゃべりな人。
- メモ
- →アビヤー。
ヘーライ 喜名,親志,渡慶次,渡具知,比謝矼
追い剥ぎ。
- 用例
- ンカシ タコーヤマカイ ハーライヌ ヲゥイビータンディシガ(昔、多幸山に追い剥ぎがいたそうですが)。
- メモ
- →音1:フェーライ。
ヘーリッシン 喜名,渡慶次,儀間
{はやりっしん(早立身)}。若くして一人前になること、社会的な地位を得ること。
- 用例
- トゥジン トゥメーティ ヤーン チュクティ、ヘーリッシン ヤサ(妻も娶って家も造って、早い立身だよ)。
ヘーリンチュン 喜名,高志保,渡慶次,儀間
入り込む。
- 用例
- ヒーサグトゥ ウールヌ ミーンカイ ヘーリンチュン(寒いから布団の中に入り込む)。ヌーリチ ヘーリンチ チャガ(なぜ入りこんできたのか)。否:ヘーリンカン(入り込まない)希:ヘーリンチーブサン(入り込みたい)過:へーリンチャン(入り込んだ)継:ヘーリンチョーン(入り込んでいる)。
ベール 喜名,渡慶次,儀間,古堅
嫌。嫌だ。
- 用例
- ベール ヤサ(嫌だ)。ベールヒャー イャートー アシバン(嫌だ、お前とは遊ばない)。
ベールー 高志保
貝名。スイジガイ。水字貝。

- メモ
- *キジムナーが恐いのはベールーといわれる。→ベーベーンーナ。
ベールベール 喜名,渡慶次,儀間,古堅
①幼児語。いやいや。首を横に振る仕草。②嫌々。
- 用例
- ①ベールベールビカーンシ ムヌン カマンサ(いやいやばかりで、ご飯も食べないさ)。②ベールベール サンキヨー(嫌々するなよ)。
ヘーレー 喜名,上地,渡慶次,長田
追い剥ぎ。
- メモ
- →フェーライ。
ヘーゥンマラー 喜名,渡慶次,儀間
早生まれ。
- 用例
- ヘーゥンマラー ヤティン、アトー ンナトゥ ウーティ ハイサ(早生まれでも、後は皆についていくよ)。
ペッ 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅
幼児語。吐き出すこと。
- 用例
- ぺッ シェーワ(吐き出しなさい)。
- メモ
- →トゥー。
ヘルヘルヘル 喜名,渡慶次,儀間,宇座,長浜,大湾,古堅,長田
よしよしよし。赤子をあやす言葉。
- 用例
- 歌:ヘルヘルヘル、ワッターヒャー カナシーグヮー ナークナヨー(よしよしよし、うちの可愛い子よ、泣くなよ)。
ヘンサー 渡具知
昆虫。甘藷に入る虫。
ベンサー 長浜
昆虫。コガネムシ。
- メモ
- →カーニーベンサー。
ヘンサーアシビ 長浜,楚辺
{むしあそび(虫遊び)}。行事。田畑に害虫が異常発生する旧4、5月に行う虫払いの行事。
- 用例
- ヘンサーアシビネー、フニグヮー チュクティ バッタソーナムン ヌシティ ウミカイ ナガスタン(虫払いには、笹船を作ってバッタなどを乗せて海に流した)。
- メモ
- →音1:フェンサーアシビ。楚辺では旧4月吉日の虫払いの日は、笹の舟に*ヘンサーを乗せ「*ヘーヌクニンカイ ハインソーリ(南の国へ行ってください)」と言って海に流し、その後は角力を取ったりして遊んだ。
ベンシルー 伊良皆,古堅
植物。バンジロウ。グヮバ。

- メモ
- 音1:バンシルー。→バンスルー。
ヘンスー 高志保
{ひんそ(貧素)}。貧乏。
- メモ
- 音1:フェンスー・ヒンスー。→クンチュー。
ヘンスームン 座喜味
貧乏者。
- メモ
- 音1:ヒンスームン・フィンスームン。→クーシームン。
ベンスルー 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,古堅
植物。バンジロウ。グヮバ。

- 用例
- ベンスルーヌ ユカイカントーシヨ、マーサギサンヤー(グヮバの実がいっぱいついていることよ、美味しそうだね)。
- メモ
- →音1:バンスルー。葉を乾燥させてお茶にして飲むと、お腹の調子を整える効果がある。
ベンベン 喜名,座喜味,都屋,渡慶次,儀間,長浜,楚辺,大湾,古堅
幼児語。着物。服。
- 用例
- アカベンベン クシラヤー(赤い着物を着せようね)。ジョートー ベンベン クシーサ(上等な着物を着せるさ)。
ホー 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,渡具知,大木
ほと。女陰。
- メモ
- 音2:ホーミ。
ボー 喜名,波平,渡慶次,儀間,宇座,楚辺
棒。棒術。
- 用例
- ボーシ オーダー カタミーン(棒でもっこを担ぐ)。
- メモ
- 棒術は*カリーなもので*ムラアシビや座直しで演じた。宇座や波平では旧暦7月の盆にも披露される。
ボー 喜名,渡慶次,儀間
反抗。
- 用例
- ウヤンカイヤ ボー シェー ナランサ(親に反抗してはいけないよ)。
- メモ
- →ゲー。
ボーアガイ 瀬名波
有頂天。いい気になること。
- 用例
- イーシンデー ボーアガイル スンデー(言えば言うほど有頂天になるんだよ)。
- メモ
- 注意しても良くはならず悪くなる時に使う。
ホーイダラカー 渡慶次,儀間,渡具知
這っている様。這いずり回っている様。
- 用例
- ワラビグヮーヤ、ウマカラ ホーイダラカー シ(子どもは、そこから這いずり回って)。ホーイダラカービカーンスグトゥ チヌン ユグリトーサ(這ってばかりいるから着物も汚れているさ)。
ホーイン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,瀬名波,楚辺,牧原
這う。
- 用例
- アカングヮヤ ムチチグルカラ ホーイン(赤子は6か月頃から這う)。否:ホーラン(這わない)希:ホーイブサン(這いたい)継:ホートーン(這っている)。
ホーイン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
撒き散らかす。
- 用例
- カビジリーヌ アルッサ マーンクィンカイ ホーイン(紙切れのありったけ、あちこちに撒き散らかす)。否:ホーラン(撒き散らかさない)希:ホーイブサン(撒き散らかしたい)過:ホータン(撒き散らかした)継:ホートーン(撒き散らかしている)。
- メモ
- →チラカスン。
ホーカ 楚辺
手品。
- 用例
- ンカシェー ホーカリシェー、アンスカ ンチェー ンランタン(昔は手品というのは、あまり見かけなかった)。
ホーガーギー 大湾
植物。ミツバハマゴウ。
ホーキ 楚辺
箒〔ほうき〕。

- 用例
- ホーキン ヤンリカーカー シ チカーリン ナラン(箒も壊れて使えもしない)。
- メモ
- 類:ホーチ。
ホーギ 座喜味,長浜,楚辺,古堅
植物。ハマゴウ。
- メモ
- 葉の裏は白く、臭いが強い。→ハマホーギ。
ホーキカキ 楚辺
掃き掃除。箒で掃くこと。
- 用例
- ホーキカキヤ ワラビンカイ シミーサ(掃き掃除は子どもにさせるさ)。
- メモ
- 音1:ホーチカチ。
ホーキンクン 楚辺
掃き集める。
- 用例
- チラカトーヌ カビジリー ホーキンクン(散らかっている紙切れを掃き集める)。否:ホーキンカン(掃き集めない)希:ホーキンチーブハン(掃き集めたい)過:ホーキンチャン(掃き集めた)継:ホーキンチョーン(掃き集めている)。
- メモ
- 音1:ホーチンチュン。
ホーグ 喜名,座喜味,高志保,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
{ばうご(抱護)}。防風林。
- 用例
- ウミヌハタンカイ イチナーギ ホーグヌ イーラットータン(海岸沿い一帯に防風林が植えられていた)。
- メモ
- →フーグマーチ。
ボーグヤー 村史
貝名。
ホークン 座喜味,楚辺
掃く。
- 用例
- ワランチャーガ アシリアトゥ グミブッター ソーグトゥ、ホーキシ ホークン(子どもたちが遊んだ後は埃だらけなので、箒で掃く)。
- メモ
- 音1:ホーチュン。
ホーゲーラー 伊良皆,高志保,楚辺,大湾,古堅
植物。ハマゴウ。
- 用例
- ホーゲーラーヤ、ウミカイ イケー チャッサ ヤティン ミートータン(ハマゴウは、海に行けば幾らでも生えていた)。
- メモ
- →ハマホーギ。
ボーコー 長田
植物。甘藷の品種名。
ボージ 喜名,波平,都屋,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,大湾,古堅,大木,牧原,長田
坊主。坊さん。
- 用例
- ボージ タヌムン(坊さんを頼む)。
ボージガー 喜名,大湾,牧原
坊主井戸。坊主御主・ボージウシュー(尚□王の晩年の愛称)が、牧原と喜名に一時滞在した時に使用していた井戸の名称。
- メモ
- 牧原では、ウカー(御井戸)とも呼ばれ、戦後、埋まったのを掘り起こし祠と井戸を建立、現在はゴルフ場敷地内にある。喜名の坊主ガーは村人が坊主御主のために掘った井戸で、今もカーサレーの時に拝されている。
ボーシクマー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
帽子組みをする人。
- 用例
- ヤガマーヲゥティ ボーシクマーガ アチマトーン(離れに帽子組みをする人が集まっている)。
- メモ
- 音1:ボーシクミ。
ボーシクマーイガタ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
帽子組用の鋳型。
- メモ
- →イカタ。
ボーシクミ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
帽子組み。
- 用例
- パーパーン アンマーン ボーシクミ ソータン(おばあさんも、お母さんも帽子組みをしていた)。
- メモ
- 音1:ボーシクマー。1905年(明治38)、屋号渡嘉敷小のカマが波平で初めて編み方を指導普及した。屋号虎島袋で、4、5人に指導普及させたのが波平初の*ボーシクミヤーといわれている。
ボーシクミヤー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
帽子組みをする家。
ボージサーエー 瀬名波
子どもの遊び。頭を触られた人は負け。
ボージシ 渡慶次,儀間,楚辺
豚肉の背中の肉。
- 用例
- ボージシ コーティッチ スーチカー スン(ボージシを買ってきて塩漬けにする)。
ボージナディー 親志,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,楚辺,大湾
人生儀礼。ニ月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- ボージナディーネー カラジグヮー チラヤー(ボージナディーには髪を切ろうね)。
- メモ
- →サラタティー。
ボージマアヤグヮー 瀬名波,長田
縦縞の紋様。
ボージャー 喜名,渡慶次,儀間,大湾,古堅,大木
赤子。赤ん坊。

- 用例
- ボージャーヌ ウマリトーンドー(赤ちゃんが生まれたよ)。ボージャー ナチャン(赤子を産んだ)。トゥナイヤ ヰキガボージャー ゥンマリタンディ(隣は男の子が生まれたって)。
- メモ
- →アカングヮ。
ボージャースージ 上地,高志保,渡慶次,儀間,瀬名波,長浜,比謝,大木
行事。出生祝い。1年間に生まれた子どもの合同出生祝い。
- 用例
- ボージャースージ サビーグトゥ、リッパニ ウワラシミティ キミソーリ(出産祝いをしますので、立派に終わらせて下さい)。
- メモ
- →ソーレーアラタミ。
ボースー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
二十四節気のひとつ。芒種〔ぼうしゅ〕。
- メモ
- 類:スーマンボースー。
ホーチ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
箒〔ほうき〕。

- 用例
- メーデー ホーチン ドゥーナークルル チュクイタル(以前は、箒も自分たちで作っていた)。
- メモ
- 音1:ホーキ。
ホーチカチ 喜名,渡慶次,儀間
掃き掃除。箒で掃くこと。
- 用例
- ホーチカチヤ メーナチ ヤティン シーヨー(掃き掃除は毎日でもしなさいよ)。
- メモ
- 音1:ホーキカキ。
ボーチカヤー 座喜味
棒術をつかう人。
ホーチブサー 座喜味
{はうきぼし(箒星)}。彗星。
- メモ
- 音1:ホーチブシ。赤く尾を引いたように光っていた。この星が見えると天変地異があるといわれていた。
ホーチブシ 都屋
{はうきぼし(箒星)}。彗星。
- メモ
- 音1:ホーチブサー。→ホーチブサー。
ホーチャー 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
包丁。

- 用例
- ホーチャーン チリラン ナトーグトゥ、トゥジョーケー(包丁も切れなくなっているから、研いでおきなさい)。
ホーチャートゥジャー 座喜味
包丁研ぎ屋。
ホーチュン 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,長浜,大湾
掃く。
- 用例
- ワンネー メーナチ ナーボーチシ フカ ホーチュンドー(私は毎日庭箒で外を掃くよ)。否:ホーカン(掃かない)希:ホーチーブサン(掃きたい)過:ホーチャン(掃いた)継:ホーチョーン(掃いている)。
- メモ
- 音1:ホークン。
ボーチラー 喜名,座喜味,渡慶次,儀間,楚辺,古堅
無法者。自分勝手な人。乱暴者。
- 用例
- ヤーニンジュ ムル ウフヤッサルムンヌ、ウリ チュイ ボーチラー ナティ ジャーフェー ヤサ(家族全員おとなしいのに、彼ひとり乱暴者で厄介だな)。
ボーチラーワラバー 座喜味
きかん坊。乱暴な子ども。
- 用例
- クレー ボーチラーワラバー ヤサ(この子はきかん坊だ)。
ボーチリムヌイー 渡慶次,儀間,楚辺
乱暴な物言い。暴言。
- 用例
- ボーチリムヌイービカーン シーネー、ターン イャーガ イーシェー チカンサ(暴言を吐いてばかりいると、誰もお前の言うことは聞かないさ)。
ボーチリムン 座喜味
無法者。自分勝手な人。乱暴者。
- メモ
- 音2:ボーチラー。
ホーチンチュン 喜名,渡慶次,儀間
掃き集める。
- 用例
- キージラーソーナムン ホーチンチュン(木切れみたいなものを掃き集める)。否:ホーチンカン(履き集めない)希:ホーチンチーブサン(履き集めたい)過:ホーチンチャン(履き集めた)継:ホーチンチョーン(履き集めている)。
- メモ
- 音1:ホーキンクン。
ホーチゥンジャスン 喜名,渡慶次,儀間
掃き出す。
- 用例
- フカンカイ グミ ホーチゥンジャスン(外にゴミを掃き出す)。否:ホーチゥンジャサン(掃き出さない)希:ホーチゥンジャシーブサン(掃き出したい)過:ホーチゥンジャチャン(掃き出した)継:ホーチゥンジャチョーン(掃き出している)。
ホートゥ 喜名,親志,座喜味,伊良皆,上地,波平,都屋,高志保,渡慶次,儀間,宇座,瀬名波,長浜,楚辺,渡具知,比謝,大湾,古堅,大木,比謝矼,牧原,長田
鳥名。鳩〔はと〕。
- 用例
- ホートゥヌ シシヤ ニーネー ウヮービンカイ ウチュンディ(鳩の肉は煮えると上に浮くって)。
- メモ
- →音1:フォートゥ。
ホートゥイ 座喜味
鳥名。鳩〔はと〕。
- メモ
- →ホートゥ。
ホートゥンニ 座喜味,伊良皆,都屋,長浜,古堅
鳩胸。胸の骨が突出していること。
ホートヌヤー 長浜
鳩の家。長浜の地名、拝所。
- メモ
- 恩納村宇加地にあり、サングヮチャーモー(三月毛)とも呼ぶ。旧3月3日に拝す湊原ウガンジュの祠がある。長浜港が盛んな頃、航海安全と豊漁を祈願した所とも、海上での死者を祀った所とも伝えられている。
ボーヌー 楚辺
牛の名前のひとつ。闘牛用の牛の名前で、角が横一文字になっている牛のこと。
- 用例
- ボーヌーディヌ ウシヌ ナーン アタサ(ボーヌーという牛の名前もあったさ)。
ホーハイ 喜名,座喜味,伊良皆,渡慶次,儀間,大湾,古堅
①女陰を露にすること。②火事の時に叫ぶまじないの語。
- 用例
- ②クンナゲー クヮジヌ ゥンジーネー、ホーハイホーハイシル ゥンジーシェーヤ(以前はかっじが出ると、ホーハイホーハイと言いながら出るさあね)。
ホーハイムーチー 渡具知,大湾,大木
行事。旧12月7日か8日に、月桃の葉に包んだ餅を食べて邪気を払い健康を願う鬼餅行事。
- 用例
- アンサーニ ホーハイムーチーリルバー(それでホーハイムーチーというわけ)。
- メモ
- 鬼になって人を食うようになった兄を、妹が兄の好きな餅を作って崖に誘い、そこで餅を食べさせながら自分のホト(女陰)を広げて見せたことからその名がついた。ホーはホト、ハイは(ハインで露出する)の意味。→ウナームーチー。
ボーハンムン 渡具知
ひねくれ者。
- 用例
- クレーナー、ウヤヌ イーセー ムル ハンタイヤグトゥヤー、ボーハンムンヤグトゥ(これはもう、親の言うことにはみんな反対だからね、ひねくれ者だから)。
- メモ
- →ヒニクリムン。
ボーフイ 高志保
穢祓いの儀式。葬式が済んだ日の夕方に行う魔物追いの儀式。またその儀式で棒を振り回すこと。
- メモ
- 高志保では、家の柱の周囲を呪文を唱えながら3回廻り、家の前に置いた臼を蹴飛ばした後、ボーフイをしながら字の境界まで行き魔物払いをした。→ブーミチャー。
ボーフー 都屋
暴風。台風。
- 用例
- ボーフーヌ ナーチャヤ チュイングヮヌ フニ ハラスン(暴風の翌日は一人子が船を走らせる)。
- メモ
- 一人で船を出しても間違いはないと言っていたほど、暴風の翌日は大凪で風はないから何の心配もないという意味。
ボーフヤー 楚辺
昆虫。ボウフラ。蚊の幼虫。
- 用例
- ボーフヤー ワチーネー ガジャンヌ ウフク ナインドー(ボウフラが湧くと蚊が多くなるよ)。
ボーフヤー 喜名,高志保
葬式が済んだ日の夕方に行う魔物追いの儀式で、棒を振る役目の者。
- メモ
- 類:ムンウーヤー・ヤナムンウーヤー。喜名では龕を担いだ者がその役目にあたった。
ボーフラー 大湾
昆虫。ボウフラ。蚊の幼虫。
- 用例
- ボーフラーヌ ワチョーンドー(ボウフラが湧いているよ)。
- メモ
- 音1:ボーフヤー。
ボーボー 座喜味,都屋,長浜,大湾
赤子。赤ん坊。

- メモ
- →アカングヮ。
ポーポー 楚辺
料理。小麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。

- 用例
- アンマーガ ヤチュル ポーポーヌ カバハヨー(お母さんが焼くポーポーの香ばしいことよ)。
- メモ
- →カラクイポーポー。
ポーポーカンシェー 楚辺
子どもの遊び。土をこねて叩きつける遊び。
- 用例
- ポーポーカンシェーシ アシビーネー、ティーン ドゥルブッター ナイタン(ポーポーカンシェーをして遊ぶと、手も泥だらけになった)。
- メモ
- こねた土を円形にし中心に窪みをつけて、すばやく地面に叩きつけて、中央の窪んだのが大きい方が勝ちとなる。
ボーボーグヮー 喜名,渡慶次,儀間
赤子。赤ん坊。
- 用例
- ボーボーグヮー ダチョーン(赤ん坊を抱いている)。
- メモ
- →アカングヮ。
ホーミ 喜名,渡慶次,儀間,比謝矼
ほと。女陰。
- メモ
- →ホー。
ホーミグヮー 村史
針突文様の名称。
- メモ
- 右手人差し指から小指までの4本の指の下に施され、貝の一種という意味がある。→アマングヮー写真参照。
ホームイガタ 喜名,渡慶次,儀間,古堅,長田
葬ること。
- 用例
- イチムシ ヤティン、リッパ ホームイガター サンネー ナランドー(動物であっても、ちゃんと葬らないといけないよ)。
ホームイン 喜名,渡慶次,儀間
葬る。
- 用例
- ホームイル ジンヌ ネーラン(葬る金がない)民。イノー ヤシチヌ クシンカイ ホームイン(犬は屋敷の後に葬る)。否:ホームラン(葬らない)希:ホームイブサン(葬りたい)過:ホームタン(葬った)継:ホームトーン(葬っている)。
- メモ
- 音1:コームイン。→ウスイン。
ホーヤー 喜名,長浜,古堅
胎児を包んでいる羊膜。
ホーヤー 座喜味,瀬名波
丹毒。溶血性連鎖球菌による皮膚の炎症。乳児の胎毒。
- メモ
- 座喜味では、赤子に丹毒があるとき背中から瀉血した。*ティンサグ(ほうせんか)の白い花と葉を煎じて飲ませたり、卵白で浴びせたりする。→ホーヤーヂー。
ホーヤーヂー 座喜味,瀬名波
丹毒。溶血性連鎖球菌による皮膚の炎症。乳児の胎毒。
- メモ
- →ホーヤー。
ホーヤーホーヤー 喜名,渡慶次,儀間,瀬名波,古堅
這いまわっている様。はいはいする様。
- 用例
- アネッ、アマヲゥティ アカングヮガ ホーヤーホーヤー ソーシェー(ほら、あそこで赤ん坊が這いまわっているさ)。ホーヤーホーヤー ハジマトーンドー(はいはいし始めたよ)。
ホーライメー 波平
植物。稲の品種名。
ホーララケーケー 楚辺
這いまわっている様。
- 用例
- ホーララケーケー シ、アンシ イリキサルヤー(赤子が這い廻って、何て楽しいんでしょう)。
ホーリーホーリー 長浜
子どもを抱き、ゆすってあやす様。
ホーリバイ 比謝
散り散りになること。
- 用例
- ホーリバイ シ(散り散りになって)。
ボーヲゥージ 座喜味,瀬名波
旧盆に仏壇に供え、祖霊が土産を担いで帰る時に使う荷担ぎ用のサトウキビ。
- メモ
- →グーサンヲゥーギ・カザイヲゥージ。杖用と、荷担ぎ用の棒としてサトウキビを2本供える家もある。
ボーントゥグヮー 親志
植物。キノコの種類。
ボーンナグヮー 村史
貝名。ホシダカラ。星宝貝。
- メモ
- 紐で結わえて牛に見立てて、幼児が引いて遊んだ。
ポコミカスン 座喜味
ポコッと打つ。相手を軽く殴る。
ポッコリゲタ 瀬名波
裏をくりぬいてある女児用の塗り下駄。
- メモ
- 歩くときの音からポックリ、コッポリなどと称す。
ポッテカー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
馬鹿。馬鹿者。
- 用例
- ポッテカーヌ ゥンジトーティ、ワンニンカイ クチ カナインナー(馬鹿者のくせに、私に口答えするのか)。ポッテカーナヤーニ ナー ウシェートータンヨー(馬鹿なので、もうみくびっていたんだよ)。
- メモ
- →ゲレン。
ポッテカスー 喜名,渡慶次,儀間
馬鹿。馬鹿者。
- 用例
- ヤナ ポッテカスーヤ、アマンカイ イチクヮレー(嫌な馬鹿者は、あそこに行きやがれ)。
- メモ
- →ゲレン。
ホヤランプ 座喜味,瀬名波,楚辺
火屋〔ほや〕ランプ。ガラス製の筒のランプ。
- メモ
- 音1:フヤランプ。
ホロホロ 座喜味
瘡蓋〔かさぶた〕などが乾いて自然に薄く剥〔は〕がれる様。
- 用例
- ウシヌクスーヤ、ナンクル ホロホロ ウティーサ(*ウシヌクスー(脂漏性湿疹)は、自然に乾いてホロホロと剥がれ落ちるよ)。
ボロボロジューシー 喜名,渡慶次,儀間,楚辺
料理。柔らかい雑炊。おじや。

- 用例
- クチニーサイネー、ボロボロジューシー ヤレー カマリルスラー ワカランサ(食欲がないときには、おじやは食べられるかも知れないよ)。
- メモ
- 芋の葉やヨモギを入れて作った。
ポン 喜名,渡慶次,儀間,長浜,大湾,古堅
幼児語。落ちる様。
- 用例
- スグ ポン スンドー(今に落ちるよ)。
ホンシジ 座喜味
本筋。本来の血統。
ボンタン 伊良皆
植物。ミカンの一種。ザボン。
ボントゥシェー 村史
子どもの遊び。降雨後、土をこねて平皿を作り地面に投げつけてパーンとかポンと音を立てて遊ぶ。
ボンボロー 喜名,渡慶次,儀間
おんぼろ。
- 用例
- アンスカ ボンボロー ヤティナー(そこまでおんぼろだったのか)。
ボンボローグヮー 大湾
植物。ホオズキ。
- メモ
- →トーハナビー。
ポンポン 喜名,渡慶次,儀間,楚辺,大湾,古堅
幼児語。お腹。
- 用例
- ポンポン ミシティンディ(お腹を見せてごらん)。ポンポン ヤムンドー(お腹が痛くなるよ)。
ポンポンセン 大木,比謝矼
ポンポン船。
ボンマカスン 座喜味
ボンと打つ。
- メモ
- 音1:ポンミカスン。
ポンミカスン 座喜味
ボンと打つ。
- 用例
- アタビーヌ チブルグヮー ポンミカチ スグイタン(蛙の頭をポンと殴って捕った)。
- メモ
- 音1:ボンマカスン。

読込中...