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- しまくとぅば単語帳:ヒ
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ヒー
おなら。屁。
- 用例
- ヒーヤ、アカングヮカラ トゥスイマディ ターヤティン ヒールスル(おならは、赤子から年寄りまで誰でも出るんだよ)。
ヒラン ヒーヌ カジャ スミ(ひらない屁が臭うものか)。
ヒー
火。
- 用例
- ヒーヤ チャーチー?(火は消したねぇ?)。
ヒー
樋〔とい〕。
ヒー(~ヒー)
~ね。
- 用例
- ワンネー ナー イカヒー(私はもう行こうね)。アンサヒー(そうしましょうね)。ヌマヒー(飲みましょうね)。
ヒーアイロン
炭火を入れて使うアイロン。
- メモ
- 柄の部分が木で、ジュラルミン製もある。新語
ヒーウチ
喪中。
- 用例
- ヒーウチネー アマクマ アッカンドー(喪中にはあちこち出歩かないよ)。
ピーカラカラー
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- イシジューサー参照。特徴的な鳴き声からそう呼んだ。
ビーグ
イグサ。藺草。
- メモ
- 備後藺。字楚辺では畳にもビーグといった。
ビークーニー
料理名。豚の臓物を調理した物。
- メモ
- 師走27日のウヮークルシーに屠った豚の臓物をンブシー(蒸し煮)したもの。
ヒーグクチ
癲癇〔てんかん〕の一種。火を見ると引き起こされる癲癇。
ヒーグシ
難癖。
- 用例
- チュヌ ヒーグシビカーン カメーティン、ドゥーヌ タミネー ナラン(人の難癖ばかり探しても、自分のためにはならない)。
- メモ
- 類:クシ。
ヒーグチャー
ラッパ飲み。
- 用例
- ヌーガラカイ イッティ ヌメー シムルムンヌ、ヒーグチャー シ(何かに入れて飲めばいいのに、ラッパ飲みして)。
ヒーグトゥ
火事。
- メモ
- 類:クヮジ・クヮナ。
ビークニー
豚の内臓等の切れ端を炒めた料理。
- メモ
- 内臓や肉等の切れ端に大根や昆布等を入れて蒸し煮にした。
ビーグムスル
イグサで編んだ筵〔むしろ〕。
- 用例
- ビーグムスルヤ、ガンジューサヌ ナゲー チカーリーン(藺草で編んだむしろは、頑丈で長いこと使える)。
- メモ
- 類:トゥナミムスル。
ヒーグラシ
その日暮らし。
- 用例
- イチマディ タッチン、チャー ヒーグラシル ヤル(いつまで経っても、その日暮らしだよ)。
ヒーグルマー
蒸気船。
- 用例
- ヒーグルマーガ トゥーイネー ミジラハヌ ンジーガ ハイタン(蒸気船が通ると、珍しくて見に行った)。
- メモ
- 類:ジョーキ。
ヒーゲーシ
火返し。
- 用例
- ンカシヤ クヮジヌ ゥンジーネー ヒーゲーシ シ ヤクバレー スタン(昔は火事が出ると、ヒーゲーシをして厄払いをした)。
- メモ
- 火事が多い時期、広場に仮小屋を造って燃やし、家事を防ぐ意味で火返しをした。
字伊良皆ではクシダカリ、メンダカリ両方でそれぞれ小屋を作った。場所は不定だが、東方向には造らない。集落外れの空き地、現在の伊良皆公民館の西側、イリムティグヮー(西)付近が多かった。小屋は各戸から集めたハーガラグヮー(枯葉など雑木)で造る。
ヒーサ
寒さ。
ヒーサー
日取りを選ぶ人。
ヒーサカー
寒さに震えること。
- 用例
- ヒーサカー シ チャグトゥ(寒くて震えたので)。
ヒーサガタガタ
寒さでガタガタ震える様。とても寒い様。
- 用例
- ヒーサガタガタ スシヤカ、マンドーヌ チン カサビレー(寒さで震えるよりは、着物もたくさんあるんだから重ねなさい)。
- メモ
- 対:アチクヮンクヮン・アチプープー・アチヤーフーヤー(とても暑い様)。
ヒーサグファイ
寒さで凍えること。
- 用例
- ヒーサグファイ シ(寒さで凍えて)。
ヒーサクリサ
寒さ苦しさ。
- 用例
- ヒーサクリシサ サッティ(寒く苦しい思いをさせられて)。
ヒーサゴーイ
寒さで凍える。
ヒーサマガイ
寒くて縮こまること。
- 用例
- カンジュシン ネーンガ アラー、ヒーサマガイ シ ニントーサ(被るのもないのか、寒さで縮こまって寝ているさ)。
ヒーサミー
寒がり。
- 用例
- ヒーサミーヌ ゥンジトーティ、フカマールービカーン シ アッチ(寒がりのくせに、外を出歩いてばかりで)。
- メモ
- 対:アチサミー(暑がり)。
ヒーサン
寒い。
- 用例
- アミグヮー フタレー ヒーサンヤー(雨が降ったから寒いね)。ヒーサン アシガヤ(寒くはあるが)。ヒーサヌ(寒くて)。ヒーク ナトーン(寒くなった)。
- メモ
- 類:ヒーハン。対:アチサン・アチハン(暑い)。
ヒージー
平生。平常。ふだん。
- 用例
- ヒージーカラ ウヤミーメーヤ シワル ヤル、シチグヮチ ソーグヮチビカーン シェー ナランデー(平生から親の顔を見に行かないと、盆と正月だけではだめだよ)。
ヒージーヌ クラシ(日々の暮らし)。
- メモ
- 類:マルヒージー・チニヒーギー・チニヒージー。
ヒージーキヤー
普段着。
- 用例
- ワンネー ヒージーキヤーディチン ニサンメール アタル(私は普段着といっても2、3枚しかなかった)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヒージーチヤー
普段着。
- 用例
- ワンネー ヒージーチヤー チチ イチュン(私は普段着を着て行く)。
- メモ
- →トゥンジーヒージー。
ヒージャ
地名(読谷村比謝)。
ヒージャ ヒチャベー
字民性。比謝の人の字民性を現す言葉。早口。舌の返りが早い。
ヒージャー
山羊〔ヤギ〕。
- 用例
- ワタクシ ヒージャー、イチチ カラトーン(自分の小遣いとして、山羊を5頭飼っている)。
ヒージャー
樋のある井戸。
ヒージャークェー
ケラ。
- メモ
- 音:ヒージャーグェー。類:ヒージャーチヌクェー・ヒージャーベーベー・ンスクェームーカー。
山羊の糞の肥やしを積んだ所によくいた。
ヒージャーグェー
ケラ。
- メモ
- 音:ヒージャークェー。類はヒージャークェー参照。
ヒージャークサ
山羊の草。山羊の飼料となる草。
- 用例
- ガッコー イチュル メーニ、メーアサ ヒージャーグサ カイガ イチュタン(学校へ行く前に、毎朝山羊の草を刈りに行った)。
ヒージャーグスイ
山羊薬。山羊で滋養(栄養)を取ること。
- 用例
- チューネー、ヒージャージルン ダテーン カリ、ヒージャーグスイ ナトーサ(今日は、山羊汁もいっぱい食べて、栄養もついたさ)。
- メモ
- 滋養強壮や遅い出産を促すために薬になるとして食した。
ヒージャージル
山羊汁。
- 用例
- ヒージャージル カミーガ イチュン(山羊汁を食べに行く)。
- メモ
- 山羊を食すと滋養が取れ元気が出るということで、人が大勢集まるイベントなどでよく山羊汁が振る舞われる。沖縄の郷土料理のひとつである。
ヒージャーチヌクェー
昆虫名。ケラ。
- メモ
- 類はヒージャークェー参照。
ヒージャーヒジ
山羊のような顎髭〔あごひげ〕。
ヒージャーベーベー
昆虫名。ケラ。
- メモ
- 類はヒージャークェー参照。
ヒージャーヤー
山羊小屋。
- 用例
- ヒージャーヤーンカイ クヮックトーン(山羊小屋に隠れている)。
ヒージャウチョー
人名。比謝右京。字比謝に伝わる怪力者。
- メモ
- 琉球国の正史『球陽』には、尚貞王代(在位1669-1709年)の記事として、比謝村の武士儀間が登場する。儀間は牧場の番を役職としており、薩摩藩の在番使、川上右京が同地を狩りに訪れた際、大きな猪や暴れ馬を素手で取り抑えた。川上は、儀間のその怪力を褒め称え、自身の名「右京」を褒美として与えた。その後儀間右京は出世し、「右京筑登之親雲上(ウキョウチクドゥンペーチン)」と名乗ったとある。
ヒージャバル
{比謝原}。比謝の小字。
ヒージャヤードゥイ
地名(読谷村比謝屋取)。
ヒージャンチュ
比謝の人。
ヒージリ
燃えかす。
- 用例
- ヒージリヤ チャーリラングトゥ、リッパ トゥットーキヨー(燃えかすは、消えないようにちゃんと取っていてね)。
ヒーソーグヮチ
<火正月。貧乏人が火にあたって正月を迎えること。
- 用例
- アガターヤ ヌーン カムシェー ネーラン ヒーソーグヮチ サーヤー(私たちは何も食べるのがない、火にあたって正月をしようね)。
- メモ
- 「猿長者」『高志保の民話』より。
ヒーター
袖なしの綿入れ(袢纏)。
- 用例
- クーシーカーシー シ チュクテール ヒーター ヤティン、ジコー ヌクハタン(継ぎ接ぎだらけの袖なしの綿入れでも、とても温かかった)。
ヒータイ
兵隊。
- 用例
- ヒータインカイ、イチーヌガーイネー シムシガヤー(兵隊に、行かずに済んだらいいけどね)。
ヒータイシラビ
兵隊調べ。徴兵検査。
- 用例
- ヒータイシラビガ イチル チューラーディチ、チャー シワ ヤサ(徴兵検査がいつ来るのかと、いつも心配さ)。
ヒーダマ
火玉。
- 用例
- ンカシェー、ヒーダマガ アガイシン ユー ミータンヤー(昔は、火の玉が上がるのも良く見えたね)。
ヒータマガイ
火事の前兆として見える火の玉。
- 用例
- マタン ヒータマガイガ アガイタンドー(またも火事の前兆の火の玉が上がったよ)。
- メモ
- ヒータマガイが上がると、その近くで火事が起こるといわれていた。電気の無い時代、夜が暮れると真っ暗で、火の玉がよく見えたという。
ビーチャー
ジャコウネズミ。
- 用例
- チカグロー、ハルヲゥティ ビーチャーガ ユー ナチョーン(近頃は、畑でジャコウネズミがよく鳴いている)。
ビーチャーガ ナチネー イークトゥ アサ(ジャコウネズミが鳴くといいことがあるよ)。
- メモ
- チンチンという鳴き声はジン(銭)が入ってくると言われ喜ばれたが、ピチピチピチと鳴けばクチグトゥ(争いごと)があるヤナナチ(変な鳴き方)と言われ、災いがあるのではと恐れられた。ジャコウネズミがジュークーエー(尾をくわえて数珠つなぎ)して歩いたり、家の床に上がると厄で、ユタやシムチヌヤーに行かなければならないと言われていた。
ビーチャーカジャ
ジャコウネズミの臭い。
ヒーテーチキヤー
たきつけ。
ヒートゥ
魚介名。イルカ。
- 用例
- ヒートゥヌ シシヤ チーヌ マンドーン(イルカの肉は血が多い)。
ヒートゥイ
煙草盆。たばこ盆。
- メモ
- 音2:ヒートゥヤー。→タバクブン。
ヒートゥイ
日取り。祝い事や法事などの日取りを決めること。
- 用例
- アンマーヤ、ニービチヌ ヒートゥイカイ イクタン(母は、結婚式の日取りに行った)。
- メモ
- 巫女や書物で占う人に占ってもらって日取りをすることが多い。
ヒートゥートゥー
のんきな性格の人。返事がない。
- 用例
- イクケーン イェージシン、チャー ヒーヒートゥー ヌーリチンネーン(何回合図しても、いつも返事が返ってこない)。
ヒートゥヤー
煙草盆用の火種をいれる小さい火鉢。煙草盆。たばこ盆。
- 用例
- タンメー ヒートゥヤーヤ、マーマカチョーキヨー(お爺さんの煙草盆は、ちゃんと片づけておきなさいよ)。
- メモ
- 音2:ヒートゥイ。→タバクブン。
ヒーナシ
<日無し。特に日を選ばないこと。
- メモ
- 一般に何か事を行うにあたって吉日を選ぶが、こと仏事においてはその日取りが重要視された。そのなかにあってヒーナシの年や日であれば支障がないと言われている。ユンヂチ以外では7月13日がヒーナシなので墓、骨などの仏事が行なえるといわれた。
ヒーヌクミダムン
出産後火で温まるための薪。
- 用例
- ナー ナシジチン チカユトールムン、ヒーヌクミダムヌン シコーリワル ナインレー(もう出産も近づいているから、出産後火で温まるための薪は準備しないといけないよ)。
- メモ
- 類:クヮナシダムン・ニーグヤー。
妊娠8か月頃になると、夫が山から木を切り倒して来て、出産後に地炉で温まるためのヒーヌクミダムンを準備した。
ヒーバー
ガラスヒバァ。ナミヘビ科。
- 用例
- ヒーバーグヮーリチ、クーテー ヘビグヮーガ クェーヌ ミーンカイ ユー ヰチョータン(ヒーバーグヮーといって、小さいヘビが堆肥の間によくいた)。
ヒーバーシ
火箸。
- 用例
- ゥンマンカイ アヌ ヒーバーシ ネーレー(そこにある火箸をよこしなさい)。
- メモ
- 鉄製の細くて長い物で、火のついた木炭などを挟むのに使う。
ヒーバーチ
火鉢。
ヒーバーバー
火が激しく燃えている様。
- 用例
- ヒーバーバー メートーシガ、チケー ネーニ?(火が激しく燃えているが、大丈夫ねぇ?)。
ヒーバタラキ
<火働き。出火時の消火にあたること。
- 用例
- クヮジ ゥンジーネー、ムルシ ヒーバタラキ スタン(火事になると、全員で消火にあたった)。
ヒーハン
寒い。
- 用例
- トーン ヤンリコーコー シ ヒーハンヤー(戸もあちこち壊れて寒いね)。
- メモ
- 類:ヒーサン。対:アチサン(暑い)。
ピーピーカーカー
極貧な様。
- 用例
- アンシ ピーピーカーカー ソータルムン、ナマネー イェーキ ソーサ(とても貧乏だったのに、今では裕福になっているさ)。
ビービーグヮー
草笛。
- 用例
- ダー、タンメーガ ビービーグヮー チュクティ トゥラサ(どれ、おじいさんが草笛を作ってあげよう)。
- メモ
- ガジマルの葉先から内側に巻いて、口に当たる部分を少しだけ切り、息を吹きかけると音が出る。
ビービーグヮー
大腸。食用としての主に豚の大腸。
- 用例
- ビービーグヮー イッティ、シームノー チュクイサ(豚の大腸を入れて、吸い物を作る)。
- メモ
- 類:ビービーワタ。
食品としての名。管状の形がビービーグヮー(草笛)と似ていることから。
ピーピーグヮー
鳥の雛〔ひな〕。
- メモ
- 孵化〔ふか〕してすぐ、親に抱かれている時期のひよこ。
ヒーヒートゥー
返事がないこと。連絡がない。
- 用例
- イクケーン イェージ シン、チャー ヒーヒートゥー ヌーリチン ネーン(何回合図しても、いつも返事が返ってこない)。
ビービーワータ
大腸。食用としての主に豚の大腸。
- メモ
- 類:ビービーグヮー。
食品としての名。管状の形がビービーグヮー(草笛)と似ていることから。
ヒーヒヤー
よくおならをする人。屁こき。屁ひり。
- メモ
- 類:ヒーヒラー。
ヒーヒラー
よくおならをする人。屁こき。屁ひり。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ ヒーヒーシヨ、ヒーヒラーヤ!(その子どもがおならをすることよ、屁こきは!)。
- メモ
- 類:ヒーヒヤー。
ヒーフチャー
火吹き竹。
- 用例
- ヒーフチャー チカイネー ウビジ テーチカイサ(火吹きを使うと直ぐに火がつくよ)。
ヒーマーチ
火の用心。火の用心の御願。
- メモ
- 10月に行う火の用心。49歳になる人が各家を廻ってヒヌカンを拝んだ。
ヒーマーチヌウガン
火の用心。
- メモ
- 字長浜では、10月初壬の日に、角々のグジューゥンーメー(49歳のお爺さん)たちが各家庭を廻ってヒヌカンに「メーカラ タカク アガラシン ソーンナ(火の手を高く上がらせないでください)」と御願をした。
カママーイ(竈廻り)とも言った。字儀間では、11月頃、49歳になる人たちが、各戸を廻って火の用心を呼び掛けた。
ヒームサー
イモサルハムシの幼虫。甘藷の害虫名。
ピーヤーカーヤー
子どもたちが何かとうるさくしている様。
- 用例
- ワランチャー シグニン ピーヤーカーヤー シーガーチー ソーティ ハイタサ(子どもたちを4、5人も、ピーヤーカーヤーしながら連れて行ったよ)。
ピーヤーグヮー
鳥の雛〔ひな〕。ひよこ。
- メモ
- 音:ピーヨーグヮー。
ピーヨーグヮー
①鳥の雛〔ひな〕。ひよこ。②幼い子。
- 用例
- ピーヨーグヮー イクタイン ソートータン(幼い子を何人も連れていた)。
- メモ
- 音:ピーヤーグヮー。
ピーヨーピーヨー
複数人引き連れている様。ピヨピヨ。
- 用例
- ピーヨーピーヨー ッシ ワランチャー ソーティ アッチョータン(何人も子どもを連れて歩いていた)。
ヒーラ
農具名。へら。
- 用例
- ヒーラシ ナーヌ クサ ハライン(ヘラで庭の草を払う)。
- メモ
- 類:フィーラ。
畑の草を払ったりする時に使う道具で、鉄製の刃に木製の柄がついているもの。片手用で植え付けや草刈りなどに使う。
ヒーラー
南京虫。ごきぶり。油虫。
- 用例
- ヒーサヌ トゥクマンカイヤ、ヒーラーン ゥンジランディ(寒い所には、ごきぶりも出ないそうだ)。
- メモ
- 音2:トービーラー。
ビーラー
へなへなとしたひ弱な人。弱体。
- 用例
- ビーラーヤ、ナー ヤコー タタン(へなへなとしたひ弱な人は、もう役には立たない)。ビーラーナティ(虚弱で)。
- メモ
- 類:ビールー。
ヒーラチヤン
しみるような痛み。ヒリヒリする痛み。
- 用例
- ティーヌ カーガ ハギティ ヒーラチヤン スン(手の皮が剥けて染みるように痛い)。
- メモ
- →スンクヮンヤン。
ヒーラチュン
痛い。疼〔うず〕く。ヒリヒリ痛むこと。
- 用例
- カジョーラーヤ、スー ナシーネー ヒーラチ、ノーイン(蕁麻疹は、酢を塗りつけるとヒリヒリして治る)。
- メモ
- 傷ややけどなどがひりひり痛む。
ピーリンパーラン
大声で話している様。
ヒールー
伊良皆の小地名。
- メモ
- 伊良皆部落の入り口、58号線の側にあったアシビナーのこと。
ヒールー
焙炉〔ほいろ〕。
ビールー
病弱な人。弱体。
- 用例
- ムヌン ウホーク カマンネー ビールー ナインドー(ご飯もたくさん食べないと、体が弱くなるよ)。
- メモ
- 類:ビーラー。
ヒールームイグヮー
地名(伊良皆の小地名)。
- メモ
- 類:ヒール-モー。
一里塚のこと。単にムイグヮーとも呼んだ。
ヒールーモー
地名(伊良皆の小地名)。
- メモ
- 類:ヒールームイグヮー。
ガジマルの大木が2本あり、ガジマルの西側と、10~20メートルほど離れた2か所に一里塚があった。
ビールーングヮ
虚弱児。幼児期に体が弱く、病気ばかりしている子どものこと。
- 用例
- グナサイネー ビールーングヮ ヤタルムン、ナマネー アンシ ガンジュームン ナトーサ(小さい頃は虚弱児だったのに、今ではあんなに頑丈者になっているさ)。
ヒーン
経る。
- 用例
- ニン ヒトール ハブ(何年もたったハブ)。
- メモ
- 音:フィーン。
ヒーン
ひる。体外へ出す。
- 用例
- ヒー ヒリガターネー(おならが出そうになったら)。
ビカージ(~ビカージ)
~ばかり。~だけ。
- 用例
- アリビカージ ヒッチー チカティ(あの人だけしょっちゅう使って)。
- メモ
- 類:ビケージ・ビケー・ビカーン。
ヒガサンチジ
地名(恩納村比留の小地名)。
- メモ
- 旅立つ人を見送る野原。
ヒカットゥ
しかと。しっかりと。ちゃんと。
- メモ
- 音1:シカットゥ・シカトゥ。
ヒカマ
午後。昼間。
- 用例
- ヒカマカラ ウキティ ハイタン(昼間から起きて行った)。
- メモ
- →音1:シカマ。
ヒカマミジ
{昼間水}。盆の13日のウンケーから15日の間、昼間供える水。
- 用例
- ヒカマミジヤ、ウンケーカラ ウークイマディ ウサギンドー(ヒカマミズは、ウンケーからウークイまで供えるよ)。
ヒカマモチ?
{昼間餅}。盆のウンケーの昼間に供える団子。
ヒカヤービンビン
蛍。
- 用例
- ナマン マルケーテー、ヒカヤービンビンガ トゥドーンドーヤー(今もたまには、蛍が飛んでいるよね)。
ヒガン
彼岸。
- メモ
- 墓へは行かず仏前で拝する。彼岸はグソー(後生)のワタクシ(私事祭)だという。
ヒキ
姻戚。
ヒギ
ひげ。
- 用例
- チュヌ ヤーカイ イキーネー、ヒギン スティカラ イケー(人の家に行く時には、ひげも剃ってから行きなさい)。
- メモ
- 類:ヒジ。
ヒキーン
供える。
ヒキーン
据える。
- メモ
- 音:シキーン。類:ヰシーン。
ヒキナイン
退く。
- 用例
- イバハグトゥ スバンカイ ヒキナレー(狭いから側に退けろ)。
- メモ
- 音1:ヒチナイン。→シンチュン。
ヒキナスン
取っておく。傍に確保しておく。
- 用例
- ナーマ ハジェー ネーン ブノー、クチャナカイ ヒキナスン(まだ配ってない分は、裏座に取って置く)。
- メモ
- 音1:ヒチナスン。
ヒキヒキ
引っ張っている様。
- 用例
- インヌ クーヤーニ ヒキヒキ ッシ イクタン(犬が咥えて引っ張って行った)。
ヒキワカスン
間引く。
- 用例
- ヤシェー ヒキワカスンディチ、ハルカイ ハイタン(野菜を間引きするといって、畑に行った)。
- メモ
- 類:ヒチワカスン。
ヒグイ
体が冷えること。冷え。
- 用例
- アミカイ ンリーネー ヒグイ イーンドー(雨に濡れると体が冷えるよ)。
- メモ
- 類:ヒジュイ。
ヒクサン
低い。
- 用例
- アヒーヤ ワンヤカ ヒクサン(兄さんは私より背が低い)。
- メモ
- 音:ヒクハン。
ヒクッテン
低く。
- 用例
- ヒクッテングヮー チュクティ(低く作って)。
ヒグッテン
冷え冷えと。
- 用例
- アミフイアトゥ ナティ、ヒグッテン ソールヤー(雨降り後で、冷え冷えとしているね)。
- メモ
- 類:ヒジュッテン。
ヒクハン
低い。
- 用例
- アバーヤ ワンヤカ ヒクハン(姉は私より低い)。
- メモ
- 音:ヒクサン。
ヒグルカジ
冷たい風。冷風。
- 用例
- ハシルグチヤ、ヒグルカジ フチ スガリーン(戸口は、冷たい風が吹いて涼しい)。
- メモ
- 音1:ヒジュルカジ。対:アチカジ(熱風)。
ヒグルカンジャー
寒々としている様。
- 用例
- ターン ヤーカイ ヲゥラングトゥ、ヤーヌウチガ ヒグルカンジャー ソーン(誰も家に居ないから、家の中が冷え冷えとしている)。
- メモ
- 類:ヒジュルカンジャー。
ヒグルグヮンス
跡継ぎがいない仏壇。
- 用例
- ナー、クヮン タイミッチャイナール ナスグトゥ、ヒグルグヮンスン マンドーサ(もう、子どもも2、3人しか産まないから、跡継ぎがない仏壇も多いさ)。
- メモ
- 類:ヒジュルグヮンス。
ヒグルナービナクー
鍋の修理屋。鋳〔い〕掛け屋。鉄板に開いた穴をネジで止めて、にわか修理すること。
- 用例
- ヒグルナービナクーガ チーネー イェージ シーヨーヤー(鍋の修理屋が来たら、合図しなさいよ)。
- メモ
- 音1:ヒジュルナービナクー。
戦後出現。ドリルで穴をあけてネジで留める、鞴〔ふいご〕を使わないのでヒジュル(冷たい)と言われた。→ナービナクー。
ヒグルハン
冷たい。
- 用例
- カーラヌ ミジヤ ヒグルハヌ、イーヤンベー ヤン(川の水は冷たくて、とても気持ちいい)。
- メモ
- 類:ヒジュルサン。
ヒグルミジ
冷たい水。冷水。
- 用例
- ヌーリー カーキトーニヌ、ヒグルミジヌ マーサヨ(喉が渇いている時の、冷たい水の美味しいこと)。
- メモ
- 類:ヒジュルミジ。
ビケー(~ビケー)
~ばかり。
- 用例
- クーブビケー(昆布ばかり)。4、5チン ビケーガ ヤラ(4、5斤ほどだったのか)。
- メモ
- 類:~ビケーン・~ビカー・~ビカーン・ビケージ。
ビケージ(~ビケージ)
~ばかり。~だけ。
- 用例
- カレーンチャシガヨ、ヌガ ムル フーニビケージル ヤグトゥヨ(食べてはみたけどね、なんで、ほとんど骨ばかりだからね)。
タバクビケージ(煙草ばかり)。
- メモ
- 類:ビカージ・ビケー・ビカーン。
ヒコーイン
準備する。支度する。身支度する。
- 用例
- クヮッチー ヒコーイン(御馳走を準備する)。
- メモ
- 音1:シコーイン。→シコーイン。
ヒサ
足。歩数を数える数詞。
- 用例
- ヒサヌ ミーハジミーヤ、ユッチャラユッチャラ マーカイガ トーリーラー ワカラン(赤子の歩き始めは、ヨタヨタとどこに倒れるのか分からない)。
ヒサ アラティカラ ヤーヌウチカイ イレー(足を洗ってから家の中に入りなさい)。
ヒサヌ ヘーサン(足が速い)。
- メモ
- 数詞(~ヒサ)はチュヒサ(1足。ひと足。)、タヒサ(2足。ふた足)と数える。
ヒサイービ
足の指。
ヒサカキエー
子どもの遊び。片足飛び遊び。
- メモ
- 4,5人でが片足飛びをし、上げた足を後ろの人の上げた足に重ねて円陣になったり、一列になったりして手を叩きながら前進した。
ヒサカタ
足形。足跡。
- 用例
- ターガ ヤーヌ ウチカイ カラヒサーシ イッチャガヤー、ヒサカタ チチョーン(誰が家の中に裸足で入ったのかな、足跡がついている)。
ヒサギーン
持ち上げる。
- 用例
- ヒサギユーサン アタイ(持ち上げることができないくらい)。
カンシ ヒサギヤーニ(こうして持ち上げて)。
ヒサグーフ
くるぶし。
ヒサクビ
足首。
ヒサゲットー
子どもの遊び。片足ずもう。
- メモ
- →カーター。
ヒサシリシリ
足を摺り寄せてくる様。
- 用例
- ヒサシリシリ シ、チャー タックヮイ ヤサ(足を摺り寄せて来て、ずっとくっついているさ)。
ヒサダーカー
つま先立ち。背伸び。
- 用例
- ヒサダーカー スン(つま先立ちする)。
- メモ
- 音:ヒサダカー。
ヒサダカー
つま先立ち。背伸び。
- 用例
- ヒサダカー シン ジョーイ トゥドゥカン(背伸びしても絶対に届かない)。
- メモ
- 音:ヒサダーカー。
ヒサナー
足の甲。
- メモ
- 類:ヒサンラ。
ヒサヌカー
足の裏の皮。
- 用例
- ルゲーティ、ヒサヌカー シリハジャン(転んで、足の裏皮をすりむいた)。
ヒサヌワタ
足の裏。
- 用例
- ヒサヌワタヌ マックール シ ユグリトーン(足の裏が真っ黒くして汚れている)。
ヒサヌワリ
踵のひび割れ。あかぎれ。
- 用例
- ヒーサイネー ヒサヌワリヌ ヤムタン(寒い時には踵のあかぎれが痛かった)。
- メモ
- 類:ユーギリ。
ヒサハゴーサン
足を踏み入れるのを躊躇する。
- 用例
- ソージカチン サッテーネーン、ヒサハゴーサ(掃除もされてなくて、足を入れるのに躊躇する)。
- メモ
- 草むらなどの足元が見えないところに入る際に、蛇や糞などを踏むことを怖がったり、汚い家に入る時にも言った。
ヒサブタ
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタアシブッター・ヒサブッター・フィサブー。
ヒサブッター
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタアシブッター・ヒサブタ・フィサブー。
ヒサブッチョー
足が太くて頑丈なこと、人。
- 用例
- タークナーサーヌ ヒサブッチョー(田を耕す人は足が太くて頑丈だ)。
ヒサブニ
①足の骨。②豚足。
- 用例
- ①ヒサブニ ヲゥーティネーン(足の骨を折ってしまった)。
②ヒサブニヤ ジコー ニークミヨー(豚足は長時間煮込みなさいよ)。
ヒサマンクー
正座。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、シンシーンカイ ヒサマンクー シミラリータン(悪いことをしたら、先生に正座させられた)。
- メモ
- 音1:ヒサマンチュー・フィサマンチュー。音2:ヒサマンチ。→チンシメーギー。
ヒサマンチ
正座。
- 用例
- ヒサマンチ カキーン(正座する)。
- メモ
- 音2:ヒサマンクー・ヒサマンチュー・フィサマンチュー。→チンシメーギー。
ヒサマンチュー
正座。
- 用例
- ヒサマンチュー ソータレー、ヒサヌ ヒラクローン(正座していたら、足がしびれている)。
チュヌ ヤーンカイ イチネー、ヒサマンチュー シーワル ヤンドー(人の家では、正座するものだよ)。
- メモ
- 音1:ヒサマンクー・フィサマンチュー。音2:ヒサマンクー。→チンシメーギー。
ヒサムジュムジュ
足がむずむずする様。
- 用例
- グミヌ マンリ ヒサムジュムジュ スン(ゴミが多くて足がむずむずする)。
ヒサンラ
足の甲。
- 用例
- ヒサンランカイ ニーブターヌ ゥンジトーン(足の甲におできが出来ている)。
- メモ
- 類:ヒサナー。
ヒジ
ひげ。髭。
- 用例
- ヒジン ヌビトーシガ、カンスイヌル ネーンレー(髭も伸びているが、カミソリがないんだよ)。
ヒジ
肘。
- 用例
- ヒジサーニ ウッチーネー ヤミル スル(肘で打ったら痛いさ)。
- メモ
- 類:ヒジゲー。
ヒジガーキー
頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- ヒジガーキー シ カタグヮー チキトーン(頬杖をついてかっこつけている)。
- メモ
- 音2:カタヒギガーキー・カタヒジガーキー・ヒジガーキー。
ヒシクミアイク
漁法のひとつ。川の流れに沿って竹で囲み、獲物の通り道を作り、アイクバーキに誘い込んで獲物を捕る方法。
- メモ
- アイク参照。
ヒジゲー
肘。
- メモ
- 類:ヒジ。
ヒジチ
杼(ひ)。機織りの器具のひとつ。
ヒシディーバル
{菱良原}。座喜味の小字。
ヒシビシートゥ
薄めに。薄く。
- 用例
- シシェー カミーヤッサヌグトゥ、ヒシビシートゥ チリヨー(肉は食べやすいように、薄く切りなさいよ)。
- メモ
- 対:アチアチートゥ(厚めに)。
ヒジボーボー
髭ぼうぼう。髭もじゃ。
- 用例
- ヒジボーボー ッシ チラン ミーラン(髭ぼうぼうで顔も見えない)。
ヒジマー
髭の濃い人。髭が伸びている人。
- メモ
- 音:ヒジモー。
ヒジミーン
片付ける。
- 用例
- チカティ ウワタシェー、アサギンカイ ヒジミーン(使って終わったのは、離れに片付ける)。ケーヒジミティ(片付けて)。
- メモ
- →カタヂキーン。
ヒジメー
在来種の米。
- メモ
- 草丈が高く籾に芒があり、その芒の色によって赤ヒジ-、白ヒジ-、コージャー(斑模様)などと呼ばれていた。1935年頃まではヒジメーが栽培されていた。蓬莱米が入る前まではヒジメーを栽培していた。在来種の米で一期作米。
ヒジモー
髭が濃い人。髭が伸びている人。
- 用例
- ヒジモー ナトーシガ、ヒジ スインレー サン(髭も伸びているが、髭を剃ろうとしない)。
- メモ
- 音:ヒジマー。
ヒジャイ
左。
- 用例
- ワンネー ヒジャイカラ マーイアサ(私は左から回るよ)。
- メモ
- 対:ニジリ(右)。
ヒジャイウチャーシー
左前。着物を左前に着ること。
- 用例
- ヒジャイウチャーシー、シーネー フージェー ネーンドー(着物を左前にして着ると、みっともないよ)。
ヒジャイグムン
琉球王家の紋章。左三つ巴。
ヒジャイナー
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- 用例
- クヮナシーニン ウラジャンカイ、ヒジャイナー ハイタン(出産の時にも、裏座に左縄を張っていた)。
- メモ
- 音:ヒジャイナ。
綱は通常右手を上にして綯うが、その逆に左手を上に右手を下にして綯った縄は魔除けと厄払いの効力があるといわれる。
ヒジャイヌーリー
音痴。音程はずれ。
- 用例
- ヒジャイヌーリー ヤティン シムグトゥ、ティーチェー ウタレーワ(音痴でもいいから、一曲歌いなさい)。
ヒジャイネー
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- メモ
- 龕を担いでカンカーモー付近を通るときは、カンカーモーにヒジャイネー(左縄)を下げた。
類はヒジャイナー参照。
ヒジャイネーンナ
左縄。左撚りにした縄。魔除けの道具。
- メモ
- 類:ヒジャイネー、ヒジャイナ、ヒジャイナー。類はヒジャイナー参照。
産室や正月の門松、カンカー(年中行事のひとつ)の時には字境界などに張った。
ヒジャイマチ
左巻き。
ヒジャイマチャー
左巻きの旋毛〔つむじ〕、またその人。
ヒジャイミグイ
左前。順調にいっていないこと。順当ではないこと。
- 用例
- ウレー、ヒジャイミグイ ソーンドー(それは、順調にいってないよ)。
ヒジャイムティー
左側。
- 用例
- ヒジャイムティーカラ イチーネー チカササ(左側から行くと近いよ)。
ヒジャイリッコー
左利き。
- メモ
- 類:ヒジャヤー・ヒジャヤーリッコー。
ヒジャガー
川の名称。比謝川。
ヒジャバシ
地名(読谷村比謝矼)。
ヒジャバシバル
{比謝矼原}。比謝矼の小字。
ヒジャバシンチュ
比謝矼の人。
ヒジャバル
{比嘉原}。牧原の小字。
ヒジャヤー
左利き。
- 用例
- ワッター チョーデーヤ ムル ヒジャヤー ヤン(私の兄弟は全員左利きだ)。
- メモ
- 類:ヒジャヤーリッコー・ヒジャイリッコー。
ヒジャヤーリッコー
左利き。
- 用例
- ヒジャヤーリッコー ヤティン ノーサンティン シムン(左利きでも直さなくても良い)。
- メモ
- 類:ヒジャヤー・ヒジャイリッコー。
ヒジャルー
不器用な人。不器用。
- 用例
- アレー ヒジャルー ヤグトゥ、チャー シクチェー ニーサン(彼は不器用だから、いつも仕事が遅い)。
- メモ
- →ティーアラサン。
ヒジュイ
体が冷えること。冷え。
- 用例
- クヮ ナチ チャーキ アミンレーンカイ ンリーネー、ヒジュイ イーンドー(子どもを産んで直に雨にでも濡れたら、体が冷えて病気になるよ)。
- メモ
- 類:ヒグイ。
ヒジュイオーイ
寒い様。冷え込む様。
- 用例
- イャーヤ カーラカラ ヒジュイオーイ シ、 イチケーワ(お前は川の寒さで震えながら、生きていけ)。
ヒジュイン
冷える。
- 用例
- アミ フイネー ヒジュインドー(雨が降ると冷えるよ)。
- メモ
- 対:ヌクタマイン(温まる)。
ヒジュー
いつも。ずっと。
- 用例
- ヒジュー、ヒージャーヌ クサカヤービカーン シミラッタン(いつも、山羊の草刈りばかりさせられた)。
- メモ
- →イチグ。
ヒジュッテン
冷え冷えと。
- 用例
- カーラヌ スバヤ ヒジュッテン ソーン(川の側は冷え冷えとしている)。
- メモ
- 類:ヒグッテン。
ビジュル
拝所。
- メモ
- 県内各所にある拝所で、多くは霊石が拝する対象となっている。賓頭盧が由来と考えられている。村内では大湾、古堅、渡具知で拝されている。
字大湾では、子宝祈願のため山田からビジュルをウンチケー(お迎え)して、「双子でもいいので授けてください」と拝んだら双子が生まれたので、この神はマササミシェーン(霊力高い)と言われ、その霊石は今でも大湾のニーヤ(根家)で祀られている。
ヒジュルアシ
冷や汗。
- 用例
- ヒジュルアシ ハトーシガ、アンマサーネーニ?(冷や汗をかいているが、気分は悪くないねぇ?)。
ヒジュルー
①冷たい人。②冷たい物。
- 用例
- ①アレー ヒジュルー ナティ、イェーサチン サンサ(彼は冷たい人で、挨拶もしないさ)。
②アチサグトゥ ヒジュルーンデー ヌマナ(暑いから冷たいものでも飲もう)。
ヒジュルカジ
冷たい風。冷風。
- 用例
- キーヌ シチャーヤ、ヒジュルカジガ ッチ スガリーンドー(木の下は、冷たい風が来て涼しいよ)。
- メモ
- →音1:ヒグルカジ。
ヒジュルカンジャー
寒々としている様。ひっそりと静まり返っていること。
- 用例
- ウッサヌ ワランチャーガ ヲゥタルムン、ムル ヤータッチ ヒジュルカンジャー ソーン(たくさんの子どもたちがいたのに、みんな分家して寒々としている)。
- メモ
- 類:ヒグルカンジャー。
ヒジュルグヮンス
跡継ぎがいない仏壇。空き家になって誰も拝む人がいない仏壇。
- 用例
- ヒジュルグヮンス ナイネー、ティラカイ アジキーン(仏壇を継ぐ人がいなくなったら、寺に預ける)。
- メモ
- 類:ヒグルグヮンス。
ヒジュルコーコー
とても冷たい様。
- 用例
- ミジヌ ヒジュルコーコーシ、マーサシヨ(水がとても冷たくて、美味しいことよ)。
ヒジュルサン
冷たい。
- 用例
- ウヌ ミジェー ワクミジ ナティ、イッペー ヒジュルサン(その水は湧き水なので、とても冷たい)。
- メモ
- 類:ヒグルサン・ヒグルハン。
ヒジュルナービナクー
鍋の修理屋。鋳〔い〕掛け屋。鉄板に開いた穴をネジで止めて、にわか修理すること。
- メモ
- →音1:ヒグルナービナクー。
ヒジュルミジ
冷たい水。
- 用例
- ハルカラ ケーティ チーネー、ヒジュルミジグヮー フーサン(畑から帰って来たら、冷たい水が欲しい)。
- メモ
- 類:ヒグルミジ・ヒグルミジグヮー。
ヒジュルムン
冷たい物。
- 用例
- アチサヌ ヒジュルムン フーサン(暑くて冷たいのが欲しい)。
ヒジュン
削る。薄く削り取る。
- 用例
- ゥンマヌ チメー ヒジャーニ、マタ イリーノーシー スン(馬の爪は薄く削り取って、また入れ直しする)。カチュー ヒジュン(鰹節を削る)。
ヒタ
下手。
- 用例
- ヒタカラル ジョージン ナイサ(下手から上手になるんだよ)。
ヒタイ
したり。でかした。よくやった。
- 用例
- ヒタイサイ!ユー ディキトービンドー(お見事です!良く出来ていますよ)。
ヒタイヒャー!ナマヌ グトゥ ヤサ(でかしたぞ!今の調子だよ)。
- メモ
- 類:シタイ・ヒッタイ。
「ヒタイヒャー」は目下の人に、「ヒタイサイ」は目上の人に使う。
ヒタターヤン
ヒリヒリした痛み。
- 用例
- ナガリヌ ヒタターヤン スシガ、マジ ンチンディ(背中がヒリヒリ痛いが、まず見てごらん)。
ヒダティーン
隔てる。
- 用例
- クイ ウッチ メートゥ クシトゥ ヒダティーン(杭を打って前と後を隔てる)。
ミチ ヒダティティ、ヒジャイムティーカイ アシガ、ワッター ヤーヤサ(道を隔てて、左側にあるのが私の家だよ)。
ヒタラカ
したたか。
- 用例
- ヒタラカナー クンジョー ゥンジティ ウクナイン(ひどく怒って虐待する)。
- メモ
- 類:シタタカ。
ヒチ
干支。
- 用例
- ヒチヌ アシェーヤー(干支があるでしょう)。
ヒチ
敷居。
- メモ
- 類:シチ・シキ。
嫁入りに敷居を踏むと離婚することになるから踏んではならないといわれた。
ヒチ
堀削に使う鉄棒。
- メモ
- 音1:シチ。
ビチー(~ビチー)
~べき。
- 用例
- シービチー ヤン(やるべき〔こと〕をやる)。
ヒチウーシ
挽き臼。
ヒチェー
引合。報告。
- メモ
- 類:ヒチファ・ウフィチェー。
ヒチキーン
躾ける。叱る。注意する。
- 用例
- ヤクミンカイ ヒチキラッティ(役目に注意されて)。ヒチキタクトゥ(叱ったら)。
- メモ
- 音:シチキーン。
ヒチクーダ
竹ばさみ。芭蕉布をつくる工程で不純物をこき落とす道具。
ヒチグヮチ
7月旧盆。
- メモ
- 類:シチグヮチ。類:シチグヮチウブン・シチグヮチウユミ・ソーロー・ヒチグヮチソーロー・ヒチグヮチャー。
ヒチグヮチソーロー
旧盆。
- メモ
- 類:ヒチグヮチ参照。
ヒチグヮチャー
旧盆。
- メモ
- 類:ヒチグヮチ参照。
ヒチサチュン
①引き裂く。ひき破る。
②親しい仲を無理に離す。
- 用例
- ①ハサンシ ヌヌ ヒチサチュン(ハサミで布を引き裂く)。
②タイガ ナカ ヒチサチュン(二人の仲を引き裂く)。
ヒチジ
植物名。つつじ。
- メモ
- 類:チチジ・チュチュジ。
ヒチジ
羊。未。
- 用例
- ワンネー ヒチジェー ナーダ ンチェーンランサー(私は羊は見たことがないね)。
ヒチジドゥシ
未年。
- 用例
- ワッター ヤーヤ、ヒチジドゥシニ チュクタン(私の家は、未年に造った)。
ヒチジヌチュ
未年生まれの人。
- 用例
- ヒチジヌチュガ アチマティ、アシビ ソーン(未年生まれの人が集まって、芝居をしている)。
ヒチタンパーク―
石油入れ。石油を入れる一斗缶。
- 用例
- ヒチタンユーヤ、ナー、ヒチタンパークーヌ スク チチョーンドー(石油は、もう石油入れの底をついているよ)。
ヒチタンユー
石油。
- 用例
- ヒチタンユーン タカク ナティ、コーイグリク ナトーン(石油も高くなって、買いにくくなっている)。
- メモ
- 音:シチタンユー。
ヒチトゥイン
引き取る。
- 用例
- ウヌ ニムチェー ワンガ ヒチトゥイン(その荷物は私が引き取る)。
否:ヒチトゥラン(引き取らない)希:ヒチトゥイブサン(引き取りたい)過:ヒチトゥッタン(引き取った)継:ヒチトゥットーン(引き取っている)。
ヒチナイン
退く。
- 用例
- イャーヤ クシンカイ ヒチナトーケー(君は後ろに退いていきなさい)。
- メモ
- 音1:ヒキナイン。→シンチュン。
ヒチナスン
取っておく。傍に確保しておく。
- 用例
- アンマー タマシ ヒチナスン(母の分を取って置く)。
ヒチビ
節日。
- 用例
- ヒチビ シキランネー(節日のご馳走を供えないと)。
- メモ
- 音:シチビ。
ヒチファ
引合。
- メモ
- 類:ヒチエー・ウフィチェー。
ヒチマ
御初米。初穂。
- 用例
- ヒチマ トゥイネー、ヰナグングヮンチャーンカイ ワキータサ(新米を収穫したら、娘たちにも分けてあげた)。ヒチマンディチ、ムヤーナーヌ トゥクマンカイ ミーメー ムッチ、イクル ナレーヌ アタン(ヒチマといって、守姉のところに新米を持って行く習慣があった)。
- メモ
- 音:シチマ。類:ウファチメー・シチマメー・シチュマ。
ヒチマースン
引き合わせる。
- 用例
- ヒチマーシンソーチ(引き合わせてくれた)。
アヌ タイヤ ヒチマーチル マジョーン ナチェーンドー(あの二人は引き合わせて夫婦にしたんだよ)。
- メモ
- 年頃の未婚の男女を、見合いのように周囲の人たちで引き合わせること。
ヒチムン
敷物。
- メモ
- 音1:シチムン。
ヒチムンジェーク
箪笥等の細かい細工。挽物細工。
- 用例
- ヒチムンジェークヤ、デージナ ワジャ ヤッサー(箪笥等の細かい細工は、すごい技術だよ)。
ヒチャ
下。
- メモ
- 音:シチャ。対:イー・ウィー・ウヮービ(上)。
ヒチャイン
光る。
- 用例
- ユル ナイネー ジーナーグヮーヌ ヒチャインドー(夜になると、蛍が光るよ)。否:ヒカラン(光らない)過:ヒカタン(光った)継:ヒチャトーン(光っている)。
ヒチャギーン
引き上げる。助け上げる。
- 用例
- カミカラン ヒチャギラサッティ(神様にも助け上げられて)。
ヒチャシバ
下唇。
- メモ
- 音:シチャシバ。
ピチャピチャ
ピカピカと光る様。
ヒチャンタ
馬の鞍の下敷。
- 用例
- ヒチャンタディチン ワンネー ワカランサー(ヒチャンタといわれても私は分からないね)。
- メモ
- 音:シチャンタ。類:シチンタ。
ヒチワカスン
間引く。
- 用例
- トナバー ヒチワカスン(からし菜を間引きする)。
- メモ
- 音:ヒキワカスン。
ヒチゥンマガ
玄孫〔やしゃご〕。
- 用例
- ヒチゥンマガヤ イクタイ ヲゥガ?(玄孫は何人居るねぇ?)。
ヒッカキーン
引っ掛ける。
- 用例
- チン ハーヤンカイ ヒッカキーン(着物を柱に引っ掛ける)。
否:ヒッカキラン(引っ掛けない)希:ヒッカキーブサン(引っ掛けたい)過:ヒッカキタン(引っ掛けた)継:ヒッカキテーン(引っ掛けてある)。
ヒッキリムッキリ
切れぎれ。
- 用例
- アンソーヌ ヒッキリムッキリ ソーシガン、チカーリーンナー(そんなに切れ切れになっているのが、使えるか?)。
- メモ
- 音:ヒッチリビッチリ。
ヒックムン
引っ込む。
- 用例
- ワッター イノー、チュガ チーネー ウークカイ ヒックムン(私たちの犬は、人が来たら奥に引っ込む)。
ヒッケースン
引き返す。
- 用例
- ムンワシリシ、ミチナカカラ ヒッケースン(忘れ物をして、途中で引き返す)。
否:ヒッケーサン(引き返さない)希:ヒッケーシーブサン(引き返したい)過:ヒッケーチャン(引き返した)継:ヒッケーチョーン(引き返している)。
ヒッケーラスン
ひっくり返す。
- 用例
- クサミチャーマ、ゥンマカイ アシ ムル ヒッケーラスン(怒って、そこにあるのを全部ひっくり返す)。
否:ヒッケーラサン(ひっくり返さない)希:ヒッケーラシブサン(ひっくり返したい)過:ヒッケーラチャン(ひっくり返した)。
- メモ
- →ウッケースン。
ヒッサギーン
引っさげる。重い物等を手にさげて持つこと。
- 用例
- ゥンブサグトゥ、タイシ ヒッサギーン(重いので、2人で引っさげる)。
ヒッサン
薄い。
- 用例
- ウヌ ヌノー、チヌンカイヤ ヒッサンデー(その布は、着物にするには薄いよ)。
- メモ
- 対:アチサン(厚い)。
ビッスー
口を尖らす仕草。
- 用例
- ヌラタレー ビッスー サギンデー(叱ったら口を尖らせているさ)。
- メモ
- 類:ユームーグチ。
ヒッタイ
したり。でかした。よくやった。
- 用例
- ヒッタイヒャー(でかしたぞ)。
- メモ
- 類:シタイ・ヒタイ。
ヒッタイカータイ
ずぶ濡れ。ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- アミンカイ ウヮーッティ ヒッタイカータイ ナタン(雨に降られてびしょびしょになった)。
- メモ
- →シップートゥ。
ヒッタイクヮッタイ
水が滴り落ちる程度に濡れている様。
- 用例
- ミジアシビ シ、ヒッタイクヮッタイ ソーン(水遊びをして、びしょ濡れになっている)。
ヒッタイディー
濡れた手。
- 用例
- ヒッタイディーシ サーイネー、カビル ヤグトゥ ヤリーシガ(濡れた手で触ると、紙だから破れるよ)。
- メモ
- 音:シッタイディー。
ヒッタイビサ
濡れた足。
- 用例
- ヒッタイビサヤ、ユー フチカラル ヤーヌウチンカイ イーンロー(濡れた足は、よく拭いてから家の中に入るんだよ)。
- メモ
- 音:シッタイビサ。
ヒッタイミー
濡れた所。
- 用例
- ヒッタイミーカラ アッチーネー、チンヌ スソー カナギティ アッケー(濡れた所から歩く時には、着物の裾はまくり上げて歩きなさい)。
- メモ
- 音:シッタイミー。
ヒッタイン
濡れる。
- 用例
- カサン カンラン アミカイ ンリーグトゥ、ドゥーイッペー ヒッタトーン(傘もかぶらずに雨に濡れるから、体中濡れてる)。
- メモ
- 音:シッタイン・ンリーン。
ヒッタクマッタク
よくしゃべる様。ぺちゃくちゃ。
- 用例
- ヒッタクマッタク、ヒッチーナーン ユンタク スサ(ぺちゃくちゃ、1日中でもおしゃべりするさ)。
ヒッタティーン
引っ張って立てる。引っ張り上げる。
- 用例
- ウレー ゥンブサヌ、タイシル ヒッタティー スル(それは重くて、2人でしか引っ張り上げられない)。
ヒッタティムッタティ
持ったり下したりしている様。
- 用例
- ウマヲゥティ ヒッタティムッタティ シ、ヘーク ムチ イカニ(そこで持ったり下ろしたりして、早く持って行きなさい)。
ヒッタティルー
2、3日の約束で金を借りること。一時的に金を借りること。
- 用例
- アチャアサティヤ ジンヌ イッチ チューグトゥ、ヒッタティルー シミティ トゥラシ(明日明後日にはお金が入って来るから、2、3日お金を借してくれ)。
ヒッチー
①一日。一日中。②しょっちゅう。いつも。
- 用例
- ①チュー ヒッチーヤ(今日一日は)。
②ヒッチー ジンミ スン(いつも協議する)。
ヒッチーグシ
1日越し。
- 用例
- ナマー ハロー ヒッチーグシ ゥンヂョーン(今は畑には1日越し行っている)。
- メモ
- 類:ヒッチハイグシー。
ヒッチーヌヒー
決められたその日だけしかできないこと。
- 用例
- ヒッチーヌヒーディチ、ジュールクニチャーヤ ジヒトゥ ウヌ ヒートーティ ウワラサントー ナランディ(ヒッチーヌヒーといって、ジュールクニチャーは是非その日で終わらないといけないそうだ)。
ヒッチーバル
1日中畑仕事をすること。1日がかりの畑仕事。
- 用例
- ヒッチーバル シーネー、ヲゥタティ ナーチャヤ ウキーカンティー スン(1日がかりの畑仕事をすると、疲れて翌日は起きにくい)。
ヒッチーヒッチー
いつもいつも。
ヒッチーユッチー
1日中。
- 用例
- ユンタクヂューサヌ、ウリガムノー ヒッチーユッチー ヤサ(おしゃべりばかりして、こいつは1日中そんなだよ)。
ヒッチーン
引き破る。
- 用例
- チカーランヌー カビ ヒッチーン(使えない紙を引き破る)。
否:ヒッチラン(引き破らない)希:ヒッチーブサン(引き破りたい)過:ヒッチッチャン(引き破った)継:ヒッチッチョーン(引き破っている)。
ヒッチーンヒー
1日中自由なこと。
- 用例
- アレーナー ヒッチーンヒール ヤグトゥ イェーテーサンケー(彼は1日中自由な人だから、相手にはするな)。
- メモ
- 人の都合を構わずに、1日中居座ったり話したりしていること。
ヒッチェイ
額。おでこ。
- 用例
- ヰナグヤ、ヒッチェイヤ ヒルサシル チュラサル(女は、額が広いのがきれいなんだよ)。
- メモ
- 類:ムッコー・メービチェー・メービチャイ。
ヒッチェーハガー
額が禿げている人。額禿げ。
- 用例
- アッピーグヮー ヒッチェーハガー ヤシヨー(兄さんの額が禿げていることよ)。
ヒッチッチュン
くっつく。
- 用例
- ヌイ タックヮーシーネー ヒッチッチュンテー(糊をつけたらくっつくよ)。
- メモ
- 類:タックヮイン。
ヒッチハイグシー
1日越し。
- 用例
- マチカイ ヒッチハイグシー、ムッチ イチュタン(町に1日越し、持って行った)。
- メモ
- 類:ヒッチーグシ。
ヒッチャキーン
引っかける。
- 用例
- アカングヮンカイ、シーバイ ヒッチャキラッタン(赤ん坊に、小便を引っかけられた)。否:ヒッチャキラン(引っかけない)希:ヒッチャキーブサン(引っかけたい)過:ヒッチャキタン(引っかけた)継:ヒッチャキトーン(引っかけている)。
- メモ
- →ハンチキーン。
ヒッチャキヰー
尻をひっかけて座ること。縁側に、軽く尻をかけるような感じで座ること。
- 用例
- ヰーヌンカイ ヒッチャキヰー シ、ハナシクローン(縁側に尻をひっかけて、話し込んでいる)。
ピッチャナイ
ピカピカに。
- 用例
- ピッチャナイ ヒカラチ(ピカピカに光らせて)。
- メモ
- 音:ピチャナイ。
ヒッチリビッチリ
切れぎれ。
- 用例
- アンチュカ ヒッチリビッチリ シ ウッチェール(そんなに切れぎれにしてあるね)。
- メモ
- 音:ヒッキリムッキリ。
ビッチン
財布。
- 用例
- ビッチンヤ コータシガ、イリーヌ ジノー ネーラン(財布は買ったが、入れる金はない)。
ヒッティーン
捨てる。
- 用例
- カライーサン ナイネー、ムル ヒッティール バーヨ(飼えなくなると、みんな捨てるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒティーン・シティーン。
ヒッテー ネーン
応えない。気にしない。
- 用例
- ワッター ユメー、ヌー イチン ヒッテー ネーン(私の嫁は、何を言っても応えない)。
ヒッパイカッパイ
顔が引っ張ったように突っ張っている様。
- 用例
- ハナダイン ヌグラン、ヒッパイカッパイ シミティ(鼻水も拭かず、顔が突っ張っているさ)。
ヒッパイン
引っ張る。
- 用例
- ヒジャイニジリカラ ヒッパイン(左右から引っ張る)。
否:ヒッパラン(引っ張らない)希:ヒッパイブサン(引っ張りたい)過:ヒッパタン(引っ張った)継:ヒッパトーン(引っ張っている)。
- メモ
- 類:スンクン・スンチュン。
ヒツマ
6月に初収穫した米。初穂米。
- 用例
- ヒツマ カタミティ、ヰナグングヮンチャー ヤーンカイ イチュタン(初収穫の米を担いで、娘たちの家に行った)。
- メモ
- 類:シチマ・シチマメー・ヒチマ・ウファチメー。
6月に初収穫した米のことをヒツマといって、米俵を担いで嫁いで行った娘や近親者に配った。
ヒティーン
捨てる。
- メモ
- 類:シティーン・ヒッティーン。
ヒティウイ
捨て売り。
- 用例
- ヒティウイ ナティ ヤシゴーイ シチャン(捨て売りで安く買ってきた)。
ビティビティ
なよなよ。弱々しい様。
- 用例
- ウヌ ボーヤ ビティビティ ッシ、ナマニン ヲゥリーギサン(その棒は弱弱しくて、今にも折れそうだ)。
ヒティホーラー
捨て散らかすこと。全く面倒を見てない。ほったらかし。
- 用例
- ワランチャー ヒティホーラー シ アシビーガ イチュンナー(子どもたちをほったらかして遊びに行くのか)。
ヒティミティ
午前中。
- 用例
- ヒティミティヌ エーダニ ウヤヌヤーンカイ ゥンヂ クーワ(午前中で実家に行ってきなさい)。
- メモ
- 音2:チュヒティミティ。
ヒティミティナカー
間食。午前10時のおやつ。
- 用例
- ヒティミティナカーヤ ゥンム ゥンブチェーン(10時のおやつは芋を蒸かしてある)。
- メモ
- →ジュージヂャー。
ヒティミティムン
朝ご飯。朝食。
- 用例
- ヒティミティムン カリカラ イケー(朝食を食べて行きなさい)。ヒティミティムン シコーテービーグトゥ ウサガミソーレー(朝ご飯の準備ができていますから召し上がってください)。
- メモ
- 音:シティミティムン。シティミティムン参照。
ヒティムトゥン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音:シティムトゥン。シティミティムン参照。
ヒティムン
捨て物。捨てるほどある物。
- 用例
- タマナーン ディキーヂューサヌ、ネーン チカン ヒティムン ヤサ(キャベツも出来過ぎて、値もつかず捨て値だよ)。
- メモ
- 物が有り余って捨てるほどある時に使う。野菜でも作りすぎて値段が安くなり、捨て値で売る時にも「ヒティムン」という言葉を使う。
ヒトゥ
姑。舅。
- メモ
- 音:シトゥ。類:シトゥウヤ。
ヒドゥイ
日取り。
- 用例
- ニービチヌ ヒドゥイヤ チャー ナトーガ?(結婚式の日取りはどうなっているの?)。
- メモ
- 類:ヒートゥイ。
ヒトゥカタ
ひたすら。
- 用例
- ヒトゥカタ ウヤヌヤー カユトーン(ひたすら実家に通っている)。
ヒトゥムトゥムン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- シティミティムン参照。
ヒトゥムトゥン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- 音:シトゥムトゥン。シティミティムン参照。
ヒトフタトノジュー
子どもの遊び。お手玉遊び。
- 用例
- ウタグヮー シーガーチー、ヒトフタトノジュー シ アシブタンヤー(歌を歌いながらお手玉遊びをしたね)。
- メモ
- →オーシートー。
ヒナイン
減る。
- 用例
- メーナチ イヒナー ヒナイン(毎日少しずつ減る)。ヒナイルムン(減るのに)。ヒナラスン(減らす)。
イェーキヤ ヒナラン(富は減らない)。
否:ヒナラン(減らない)過:ヒナタン(減った)継:ヒナトーン(減っている)。
ビナサン
①汚い。不衛生な。②下品な。やり方が汚い。
- 用例
- ①ルク ビナサヌ、ヒサン イリララン(あまりにも不衛生で、足も入れられない)。
②アッター シーヨーヌ ビナサヨー(彼らのやり方の汚いことよ)。
- メモ
- 音:ビナハン。
類:ハゴーサン・ハゴーハン・ビナハン。
類:シタナサン・シタナハン・ビナサン・ビナハン。
ヒナタンボー
火掻き棒。
- 用例
- イーシ チカンネー、ヒナタンボーシ スグインドー(言う事を聞かないと、火掻き棒で殴るよ)。
- メモ
- ヒナタンボーは約50㎝の棒で、以前は木などで火を起こしていたので、生活必需品だった。
ビナドゥクル
汚い所。不潔な所。
- 用例
- トービーラーヤ ビナドゥクルンカイル ヲゥンドーヤ(ゴキブリは不潔な所にいるんだよ)。
ビナハナシー
くだらない話。最低な話。
ビナハン
下品な。最低な(人)。
- 用例
- アリガ ハナシー ビナハヌ チカンケー(あれの話は最低だから聞くな)。
ヒナンタ
火掻き棒。
- 用例
- カマンカイ ヒナンタヌ アシェーヤー(竈の中に火掻き棒があるでしょう)。
- メモ
- 類:ヒナタンボー。
竈の灰をかき混ぜたり、燠火の出し入れに使う木切れ。
ヒニクリムン
ひねくれ者。
- メモ
- 類:ボーハンムン・ヒンジムン・ヒンジャー。
ヒヌカン
火の神。
- 用例
- ヒヌカンカイヤ、チャーヤ アラン ミジル ウサギール(火の神には、お茶じゃなく水を供えるんだよ)。ヒヌカヌンカイ ユリー コーイン(火の神に許しを請う)。
- メモ
- 各家庭で拝されるほか、字の火の神や、かつての地頭屋敷(殿内)などに祀られた火の神が拝されている。3個の石が置かれることが多い。
→ウカマ。
ヒヌカンウガマシ
火の神を拝むこと。
- メモ
- →ウカマウガマシ。
ヒヌカンガナシー
火の神加那志。火の神様。
- 用例
- ヒヌカンガナシー ディシェー、ヒヌカン ウヤマトール クトゥバ ヤサ(ヒヌカンガナシーというのは、火の神を敬った言葉だよ)。
- メモ
- 類:ヒヌカン・ウカマガナシー・ウミチムン。ヒヌカン参照。
ヒヌビ
日延べ。延期。
- 用例
- イチュナサグトゥ、スージヤ ヒヌビ スン(忙しいから、お祝いは日延べする)。
ヒバク
火箱。火鉢テーブル。
- 用例
- ヒーサ ナイネー、ヒバクシ メー ナチ ヌクタマイタン(寒い時は、火鉢を前にして暖まった)。
- メモ
- 類:ヒーバーチ。
木製でテーブル兼用として使った。中央付近に鉄製の火箱があり、暖を取ったりお茶を沸かしたりした。
ヒバリユン
皮膚が乾燥しているような痛み。
- 用例
- クチン ヒバリトーン(口も乾燥して痛い)。
ヒビナズーネー
料理名。もやしの酢の物。
- 用例
- ヒビナズーネーン、イッティ ウサギレーワ(もやしの酢の物も、入れて差し上げなさい)。
- メモ
- お盆のウークイに供える料理で、もやしをゆでて酢をかけただけの物。
ヒマ
暇。時間。
- 用例
- ヒマヌル ネーンレー(暇がないんだよ)。
- メモ
- 類:マル。
ヒマダーリ
時間を無駄にすること。
- 用例
- ヌーン アラン ムンヌ チュ アビティ、ヒマダーリ ソーサ(何でもないのに人を呼んで、時間を無駄にしてしまったさ)。
ヒミキ
喘息〔ぜんそく〕。咳。
- 用例
- ユル ニントーイニ ヒミキ スグトゥ、イサンカイ ミシランネー(夜寝ている時に咳がひどいから、医者に診せないと)。
- メモ
- 音:ヒミチ・シミチ。類:サックィーヒミチ。
ヒミチ
喘息〔ぜんそく〕。咳。
- 用例
- ワラビヌ ヒミチ シ、ユルン ニンラランサ(子どもの咳がひどくて、夜も眠れないさ)。
- メモ
- 音:シミチ・ヒミキ。類:サックィーヒミチ。
ヒミチグスイ
喘息〔ぜんそく〕の薬。
ヒミチグスグス
咳がひどい様。喘息でゼイゼイしている様。
- 用例
- ヒミチグスグス シ クスイヤ ヌローシガ ナガガカイ ソーサ(咳がひどくてゼイゼイして、薬は飲んでいるが長患いしているさ)。
ヒミチャー
喘息〔ぜんそく〕持ちの人。
- メモ
- 音:シミチャー。
ヒヤ
それ。力を入れる時の掛け声。
- 用例
- ヒヤ!ナー イフェー グテー イリレー(それ!もう少し力を入れろ)。
ヒャー(~ヒャー)
~野郎。~奴。
- 用例
- ウヌヒャー(この野郎)。カーグファーグヮーヒャー(面の皮の厚い奴め)。
- メモ
- 人をののしる時にいう。
ヒャーイ
干上がり。日照り。旱魃。
- 用例
- ヒャーイガ チヂチーネー、カムシン ネーン ナインドー(日照りが続くと、食べ物もなくなるよ)。ナナチチ ヒャーティ(7か月日照りして)。
- メモ
- 類:サーイ(日照り)。
ヒヤーガラスン
田や池の水を干上がらす。
- 用例
- イチ サレーティ、ヒヤーガラセーワ(池を浚って、干上がらせなさい)。
- メモ
- 類:ヒラスン。
ヒャーク
百。100歳。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ ヒャーク ナミシェーン(私のおじいさんは百歳になられる)。
ヒャークニティーチ
百にひとつ。よく嘘をつく人。百にひとつしか本当のことを言わない人。
- 用例
- アリガ イシェー ヒャークニティーチー、ヌーガル フントー ヤラー ワカラン(彼奴が言うのはヒャークニティーチーだから、何が本当なのか分からない)。
- メモ
- 音:ヒャークヌティーチ。類:ハークイチー。ハークイチー参照。
ヒャークヌティーチ
百にひとつ。よく嘘をつく人。百にひとつしか本当のことを言わない人。
- 用例
- ウレーヒャー、ヒャークヌティーチル ヤル ムンヌ(それはもう、百のうちひとつもあたらないんだもの)。
- メモ
- 音:ヒャークニティーチ。
ヒヤーナイ
ドタバタする様。
- 用例
- ヒヤーナイ スルバー(ドタバタするわけ)。
ヒャッカニチ
百か日。百日忌。命日から百日目に執り行う法要。
- 用例
- アチャヤ ヒャッカニチ ナトーンドー(明日は百か日だよ)。
- メモ
- 近い親族で行う。
ビューナイ
風がビュービュー吹いている様。
- 用例
- フカー カジ ビューナイ ソーンドー(外は風がビュービュー吹いているよ)。
ヒヨー
日傭。日雇い。
- 用例
- ンーナー ヒヨー タヌディ、ジン ンジャチル タゲースタシガ(皆は日雇いを頼んで、金を出して耕したんだが)。
- メモ
- 類:ヒヨーサー。
「城間仲」『古堅の民話』より。
ヒヨーサー
日傭人。日雇い人。
- メモ
- 類:ヒヨー。
ヒラ
片。線香1片(6本)。
- メモ
- 線香6を1つにした数え方で、チュヒラ(1片)、タヒラ(2片)と数える。
ヒラ
坂。
- 用例
- ヒラヌ チューサヌ、ヌブインディ イーチ フチョーサ(坂がきつくて、登るのに息切れしてしまったさ)。
ビラ
ねぎ。わけぎ。
- 用例
- ビラヤ アタイグヮーンカイ、イーテータサ(ネギは屋敷内の畑に、植えてあったさ)。
- メモ
- ネギは手軽に栽培できることから、ほとんどの家庭で植えられており、日常的に食卓にも出される。
ヒラー
平たい。平たいもの。平たい様。
- 用例
- ヒラーガ(平たいのが)。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒライグリサン
付き合いにくい。
- 用例
- ヒライグリサイネー デージドー(付き合いにくいと大変だよ)。
- メモ
- 音2:ヒレーグリー。対:ヒライヤッサン・ヒライヤッシー(付き合いやすい)。
ヒライシバル
{平石原}。波平の小字。
ヒライヤッサン
付き合いやすい。
- 用例
- ワッター ムーコー ヒライヤッサン(私の婿は付き合いやすい)。
- メモ
- 対:ヒライヤッサン・ヒライヤッシー(付き合いやすい)。
ヒライン
交際する。つき合う。
- 用例
- ヒラタンリ(交際したって)。ヰヌグトゥ ヒラティ(同じように接する)。
イェーカンチャートー ユー ヒラリヨー(親戚とは、よくつき合いなさいよ)。
- メモ
- 類:トゥイヒレー・ヒレーユン。
ヒラウコー
平御香。沖縄で使われる平たく黒い線香。
- 用例
- トートーメーンカイ ヒラウコー ウサギーン(仏壇に平線香を供える)。
- メモ
- ヒラウコー1枚をチュヒラ(1平)と数え、チュヒラは6本の線香が集まった物で、割りやすいように筋が入っている。
ヒラウジン
平御膳。
ヒラオーハ
葉野菜類の総称。青葉。
- メモ
- 音1:ヒラオーファ。
ヒラオーファ
葉野菜類の総称。青葉。
- メモ
- 音1:ヒラオーハ。
ヒラカー
すり減ったり、押しつぶされて平らなこと。
ヒラカーバル
{平川原}。宇座の小字。
ヒラガタミー
棒の両端に荷物をつるし、両肩にあてて担ぐこと。
ヒラキーン
①平たくなる。②へたり込む。座り込む。
- 用例
- ①ヒサシ クンピーネー ヒラキーンテー(足で踏みつけたら平たくなるさ)。②ヲゥタヤーニ ジーンカイ ヒラキトーン(疲れて地面にべったり座り込んでいる)。②ハーエー シチャレー イーチハーハー シ、ゥンマンカイ ヒラキーン(走って来たので息切れぎれで、そこにへたり込む)。
否:ヒラキラン(座り込まない)希:ヒラキーブサン(座り込みたい)過:ヒラキタン(座り込んだ)継:ヒラキトーン(座り込んでいる)。
ヒラキーン
開〔ひら〕ける。
ヒラキーン
開ける。開花する。
- 用例
- ユーヌ ヒラキティカラ(世が開けてから)。
ヒラグェー
農具名。平鍬〔ひらぐわ〕。
- 用例
- ミマターグェーヤカ、ヒラグェーシ カジーシル マシ ヤル(三又の鍬より、平たい鍬で耕した方が良い)。
ヒラクムン
しびれる。
- 用例
- ナゲー ヒサマンチュー、サレー ヒサガ ヒラクローン(長いこと正座していたら、足がしびれている)。
- メモ
- 類:ヒングムン。
ヒラグン
<平組。平組み。弁髪。中国男子の髪型。3本に分けたものを平たく編むこと。
- 用例
- トーヤ ヒラグン(唐は平組)。
ヒラゲー
両肩。
ヒラシチヌンバイ
大晦日に供えるご飯。
- メモ
- 字長浜ではトゥシヌユール(大晦日)に挽き臼や農具(篦〔へら〕、鋤〔すき〕、鎌〔かま〕)などにご飯を供えて農事の労に謝意を表した。
ヒラジョーキー
竹ヒゴを縦横に編んだ丸いザル。
- メモ
- 類:ヒラバーキー。女性はヒラジョーキーに芋を入れて台所で食した。
ヒラスン
(池などの水を)干す。水などをすっかり取り除いてからにする。
- 用例
- クムイ ヒラスン(池の水を干す)。
- メモ
- 類:ヒヤガラスン。
ヒラター
平たい。平たいもの。平たい様。
- 用例
- ヒラター イシ カメーティ クーワ(平たい石を探して来なさい)。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒラターイユグヮー
魚介名。平たい魚。
- 用例
- ヒラターイユグヮーン マンドータンデー(ヒラターイユもたくさんいたよ)。
ヒラタージンナン
平たいカタツムリ。
- 用例
- アヌ タッピラカー ソーシカイ、ヒラタージンナンディ イータサ(あの平べったいのに、ヒラタ―ジンナンといっていたさ)。
ヒラタービラ
ニラ。
- メモ
- 音2:キリビラ・チリビラ・チリビラー・ヒラタービラ。
ヒラタウタキ
平田御嶽。伊良皆の拝所。ユナサモーの御嶽。ユナサ御嶽。
- メモ
- 御嶽の下方にはヒラタヌシー(平田之子)の屋敷があり、今は傾斜で野原になっている所がそれだといわれている。ニッチュ(根人)門中はヒラタウタキといい、ジョーグチ(門口)門中はユナサウタキと呼んでいる。ウタキの名称は後から出たことで、古来よりユナサモーと呼んだという。ユナサモーの端っこにあり、初御願に拝む。
ヒラタッター
平たい。平たいもの。平たい様。
- メモ
- →タッペーラー。
ヒラタヌシー
平田子。
- メモ
- 平田子は屋比久子と一緒に尚巴志のフニシン(遺骨)を担いで伊良皆に隠しに来た。平田子はジョーグチ(門口)の娘を妻にして、伊良皆に落ち着き、ニッチュ(根人)門中になっている。ニッチュ門中には平田子と屋比久子両方の子孫がいて、尚巴志、平田子、屋比久子の香炉が祀られている。
ヒラチガー
植物名。コバンモチ。ホルトノキ科。
ヒラチュン
開く。容器などを開ける。
- 用例
- ハーマヲゥティ ウジュー ヒラチュン(浜で御重を開く)。
否:ヒラカン(開かない)希:ヒラチーブサン(開きたい)過:ヒラチャン(開いた)継:ヒラチョーン(開いている)。
ヒラヂンナン
カタツムリの一種。畑などにいる平たい殻のカタツムリ。
- メモ
- →ハブヂンナン。
ヒラナービ
平鍋。
- 用例
- ヒラナービンカイ ポーポー ヤチュン(平鍋にポーポーを焼く)。
ヒラナカ
潰した豚1頭分の半分の肉。
- 用例
- タトゥクマシ、ヒラナカナー ワキーサ(2か所で、潰した豚を半分ずつ分けるさ)。
ヒラバーキー
平たい笊〔ザル〕。
- メモ
- 類:ヒラジョーキー。
ヒラバーチー
平たい大きな皿。
- 用例
- ティンプラーヤ、ヒラバーチーンカイ イリーシェー マシ ヤサ(天ぷらは、平たい大きな皿に入れた方が良いよ)。
- メモ
- 類:ハーチ。
ヒラハグサ
植物名。オオバコ。
- メモ
- 類:シップイグサ・ヒラファグサ・ヒラホーグサ・ヒロハグサ・フィラファーグサ・ヒラホーグサ。
ヒラファグサ
オオバコ。
- 用例
- ヒラファグサ ヤ マーンカイ ヤティン ミーサ(オオバコはどこにでも生えるよ)。
- メモ
- ヒラハグサ参照。
ヒラフチバカ
平葺墓。
- メモ
- →フキバカ。
ヒラホーグサ
オオバコ。
- メモ
- ヒファラグサ参照。
ヒラマーチャー
平松。
- メモ
- 音:ヒラマーチュー。
ヒラマーチュー
平松。
- 用例
- アマヌ ヒラマーチューヤ、イチ ンチン アンシ チュラサルヤー(あそこの平松は、いつ見てもとてもきれいだね)。
- メモ
- 音:ヒラマーチャー。字渡具知のモーアシビ所。
ヒラムスル
植物名。オオタニワタリ。チャセンシダ科の常緑性シダ植物。
- 用例
- イチヌ スバンカイ、ダテーンヌ ヒラムスルガ ミートーン(池の側に、たくさんのオオタニワタリが生えている)。
- メモ
- 主に暖地の木や岩に着生。観葉植物とされ、大きなものは直径が2メートルに達する。
ヒラムスル
水草。ヒルムシロ科。単子葉植物の科で水中に生育する多年草。
- メモ
- 陽当たりのよい池、溝、水田に生え、浮葉は長楕円形で先はとがっている。
ヒラヤーチー
料理名。
- 用例
- ビラ イッティ ヒラヤーチー ヤチュン(ネギを入れてヒラヤーチーを焼く)。
- メモ
- 一般の家庭でもよく食べられる家庭料理で、作り方もとても簡単で、小麦粉にネギ等入れてフライパンで薄く焼く。
ヒランメー
麦ご飯。麦飯。
- 用例
- ヒランメー ニチェールムン、ヘーク ブチダヌンカイ ウサギレー(麦御飯を炊いてあるんだから、早く仏壇に供えなさい)。
- メモ
- 類:フィランメー。
ヒランメージューシー
麦飯雑炊。
- 用例
- ヒランメージューシーヤ ニチチャーキ ナティ、アチサヌ カマラン(ヒランメージューシーは炊き立てで、熱くて食べられない)。
- メモ
- 大麦と塩漬けした豚足を煮込み、畦払い・虫払い行事には欠かせない料理のひとつだった。
ヒリーン
拾う。
- 用例
- ヒリーガ ヤラチェールバー(拾いに行かせたわけだ)。
- メモ
- 類:フィリーン。
「継子話」『伊良皆の民話』より。
ヒリグササン
生臭い。
- 用例
- ユービヌックヮー、シタタカ ヒリグササンヨー(ユービヌックヮー〔鮫の一種〕は、非常に生臭い)。
- メモ
- 類:ヒルグササン。
ヒリヒリーグヮー
玩具名。笛の一種。
- メモ
- →バンバトゥグヮー。
ヒル
ニンニク。
- 用例
- ヒル トゥティ チェーグトゥ、チキムン スシェー マシテー(ニンニクを取って来てあるから、漬物にした方が良いよ)。
- メモ
- 年越しの夕飯に、葉を半分ほど切ったヒルを添えて食する。ヒルには邪気を払う力があると言われているが、長浜では「ユールン ヒルナシ(夜も昼にせよ)」と、働ける時間を長くしなさいという意味で食したという。
ヒル
昼。日中。
- 用例
- ヒル ヲゥティ、ゥンヂ チューシェー マシ ヤサ(昼のうちに、行って来た方が良いよ)。
- メモ
- 類:フィル。
ヒル(~ヒル)
①尋。約180㎝。②長さや深さを数える単位。
- 用例
- ①ヌヌヤ チュヒルナー ヲゥーティカラ タクベー(布は一尋ずつ折り曲げてから、たたみなさい)。②ヌヌヤ イッタンシ ナナヒル ヤサ(布は1反で7尋だよ)。
ヒルイングェー
拾い食い。つまみ食い。
- 用例
- ヒルイングェービカーン シ ワタ ミッチョーン(つまみ食いばかりで腹いっぱいだ)。
- メモ
- →ガチングェー。
ヒルガイン
広がる。
- 用例
- ヤナクサー スグ ヒルガイン(雑草は直ぐに広がる)。
イバサグトゥ、ナー イヘー ヒルガレー(狭いから、もう少し広がりなさい)。
否:ヒルガラン(広がらない)希:ヒルガイブサン(広がりたい)過:ヒルガタン(広がった)継:ヒルガトーン(広がっている)。
ヒルガッスー
ニンニクの漬物。
- 用例
- チャーヌ チャワキン ネーンラー、ヒルガッスーンデー ゥンジャシェー(お茶の茶請けもないなら、ニンニクの漬物でも出しなさい)。
ヒルガラシ
昼鳴く烏。
ヒルギーン
広げる。
- 用例
- ウチュクイヂチン、ンナヌ メーヲゥティ ヒルギーン(風呂敷包みを、皆の前で広げる)。
否:ヒルギラン(広げない)希:ヒルギーブサン(広げたい)過:ヒルギタン(広げた)継:ヒルギトーン(広げている)。
ヒルグササン
生臭い。
- 用例
- ウヌ イユヤ ヒルグササンドー(その魚は生臭いよ)。
- メモ
- 類:ヒリグササン。
ヒルグサリカジャ
生臭いにおい。
- 用例
- イユ クシレーティ アトー ヒルグサリカジャ スン(魚をさばいた後は生臭いにおいがする)。
ヒルサン
広い。
- 用例
- トゥナイヌ ナーヤ イッペー ヒルサン(隣の庭はとても広い)。
- メモ
- 音1:ヒルハン。対:イバサン・イバハン。
ヒルサンミー
広い所。
- 用例
- アシブラー ヒルサンミーンカイ イケー(遊ぶなら広い所に行きなさい)。
- メモ
- 対:イバサンミー・イバドゥクル・イバミー・イバランミー(狭い所)。
ヒルニンジ
昼寝。
- 用例
- パーパーヤ ヒルニンジ ソーグトゥ、イェージェー サンタン(おばあさんは昼寝をしているから、挨拶はしなかった)。
ヒルハン
広い。
- 用例
- イッター ヤシチヤ マーヤカ ヒルハン(君の屋敷はどこよりも広い)。
- メモ
- →音1:ヒルサン。
ヒルビルートゥ
広々と。
- 用例
- ヒルビルートゥ シ、アンシ イーヤンベー ヤル(広々として、とても心地よいね)。
- メモ
- 類:ワーワートゥ。
ヒルマ
午後。昼間。
- 用例
- ヒルマヲゥティ、ユージョー ゥンヂ チューサ(昼間で、用事は行って来るさ)。
- メモ
- →シカマ。
ヒルマイン
広まる。
- 用例
- ヤナクトー チューチャンナカイ ヒルマインドー(悪い話はあっという間に広まるよ)。
否:ヒルマラン(広まらない)過:ヒルマタン(広まった)継:ヒルマトーン(広まっている)。
ヒルマサン
不思議だ。
- 用例
- ウッピナーヌ イシ チャーシ ムッチ チャガヤーディチ、ジコー ヒルマサン(こんな大きな石をどんなにして持って来たのか、とても不思議だ)。
- メモ
- 音:ヒルマハン。類:ミジラサン・ミジラハン。
ヒルマシームン
不思議なこと。珍しいこと。
- メモ
- 類:ヒルマシムン。
ヒルマシムン
不思議なこと。珍しいこと。
- メモ
- 類:ヒルマシームン。
ヒルマナカ
昼間中。
- メモ
- 午後3時から4時頃。
ヒルマハン
不思議だ。珍しい。
- 用例
- タデーマナカイ ネーン ナインディチン アンナー ヒルマハンヤー(急になくなるってこともあるのかな、珍しいことだ)。
- メモ
- 音:ヒルマサン。類:ミジラーサン・ミジラサン・ミジラハン。
ヒルマミジ
昼間水。
- メモ
- 類:ヒカマミジ・シカマミジ。
7月七夕から15日迄、仏壇に供える。
ヒルマムチ
昼間餅。旧盆のウンケーとウークイの午後3時頃に供える団子のこと。
ヒルマムン
午後3時のおやつ。
- 用例
- ユックティ、ヒルマムン ウサガミソーレー(休んで、3時のおやつを召し上がってください)。
- メモ
- →アーシー。
ヒルミーン
広める。
- 用例
- イークトー ムルカイ ヒルミーン(良いことは皆に広める)。
否:ヒルミラン(広めない)希:ヒルミーブサン(広めたい)過:ヒルミタン(広めた)継:ヒルミトーン(広めている)。
ヒレー
付き合い。仕えること。
- 用例
- ヒレー ジョージ ナイネー、ナンクル シキン ワタティ ハイサ(付き合い上手だと、自然に世間を渡って行くよ)。
- メモ
- 類:トゥイヒレー・トゥンジャク・チュビレー。
ヒレーグリー
付き合いにくい。
- メモ
- →ヒライグリサン。
ヒレーユン
付き合う。交際する。
- メモ
- 類:ヒライン。
ヒロハグサ
植物名。オオバコ。
- メモ
- ヒラハグサ参照。
ヒン
すねること。
- 用例
- シクチ イーチキーネー、ヒンル スンレー(仕事を言いつけると、すねるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒンチ。
ヒンガー
垢じみているもの、人。汚れがしみついて汚くなっていること。
- 用例
- チヌン ケーランネー、ヒンガー ナトーンドー(着物も着替えないと、垢じみているよ)。
ヒンガーマーウー
顔が汚れていること。垢まみれの人。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ンジュルカージ ヒンガーマーウー ソーン(その子は、見るたびに顔が垢まみれだ)。
- メモ
- 音2:チラヒンガーマ・ヒンガーマヤー。
マーウーとは猫のことで、猫がよく顔を撫でることから、顔の汚れを取っている状態に例えている。
ヒンガーマヤー
垢まみれの人。顔が汚れていること。
- 用例
- イャーヤ、ヒンガーマヤー ナインドー(お前は、垢まみれのネコみたいになるぞ。子どもたちがなかなかお風呂に入らない時にそういった)。
- メモ
- 音2:チラヒンガーマ・ヒンガーマーウー。→ヒンガーマーウー。
ヒンガーワラバー
垢まみれの子ども。
- メモ
- ヒンガー参照。
ヒンガスン
①逃がす。②亡くす。
- 用例
- ①トゥッカチミテーシ ヒンガスン(捕まえてあったのを逃がす)。
②アッタヌクヮ ヒンガチャンヤー(大切な子を亡くしてしまったね)。
否:ヒンガサン(逃がさない)希:ヒンガシーブサン(逃がしたい)過:ヒンガチャン(逃がした)継:ヒンガチョーン(逃がしている)。
- メモ
- 幼い子どもが亡くなった時には、ヒンガチャン(逃がした)といった。
ヒンガン
彼岸。
- メモ
- 類:ヒガン・ヒングヮン。春分のニングヮチヒンガン(二月彼岸)、秋分のハチガチヒンガン(八月彼岸)には仏壇に重箱を供えた。
ヒンガンボージ
2月彼岸に3歳児の整髪を行う儀式。
- メモ
- 類:ボージナディー・ヒンガンボージャー・ミーチボージャー・サラタティー。
ヒンガンボージャー
彼岸ボージャー。2月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- ヒンガンボージャーニ、イャームン カラジグヮーン チラヤー(彼岸ボージャーに、あなたの髪も切ろうね)。
- メモ
- →サラタティー。
ヒンギアラシー
競って逃げること。
- メモ
- 類:ヒンギグーネー。
ヒンギーン
逃げる。
- 用例
- アッピーガ ウーティチューグトゥ ヒンギーン(兄さんが追ってくるから逃げる)。
否:ヒンギラン(逃げない)希:ヒンギーブサン(逃げたい)過:ヒンギタン(逃げた)継:ヒンギトーン(逃げている)。
ヒンギウシ
逃げ牛。
ヒンギマーイ
逃げ回ること。
- 用例
- ヌラーリル スラーディチ、ヒンギマーイ ソーン(叱られると思って。逃げ回っている)。
ヒング
垢。煤〔すす〕。
- 用例
- アミラングトゥ、ドゥーイッペー ヒング ヤサ(浴びないから体中垢だらけだよ)。
ビング
イグサ。備後藺〔びんごい〕。
- メモ
- 類:ビーグ・ヰー。
ヒングブッター
煤だらけ。
- 用例
- ヒングブッター シ、マーヲゥティ アシディ チャガ?(煤だらけで、どこで遊んで来たの?)。
ヒングムン
しびれる。
- 用例
- ナガヰー シーネー ヒサガ ヒングムンドー(長く座ると足がしびれるよ)。
- メモ
- 類:ヒラクムン。
ヒングヤーグヮー
煤だらけの小屋。
ビングヮー
植物名。ツルムラサキ。
- 用例
- ビングヮーディチ チチャルウベー アシガヤー、ヒカットー ワカランサー(ビングヮーといって聞いた覚えはあるが、はっきりは分からないさ)。
ヒンケー
口答え。反抗。
- 用例
- ヒンケー サビラン(口答えしません)。
- メモ
- 音1:フィンケー。→クチゲー。
ビンシー
御願用の道具。〔瓶水〕ウガン(祈願)の時に酒や水を入れる錫製の瓶の形をした器。
- 用例
- ニービチネー ビンシーン チカインドー(結婚式にはビンシーも使うよ)。
ビンシードーグ
携帯用のウガン(祈願)道具。
- メモ
- 類:ビンドーグ・ビンスドーグ。
仕切られた木の箱にビンシー(酒や水などを入れた器)やウガンに必要なものが納められる。
ヒンジムン
ひねくれ者。逃げる者。不良。
- 用例
- ワラビヌ ヒンジムン ナティ、テーン ミーン タタラン(子どもがひねくれ者で、どうしようもない)。
- メモ
- 類:ヒンジャー。
ヒンジャー
ひねくれ者。
- 用例
- ヒンジャー ナティ ウヤヌ イーシン チカン(ひねくれ者で親の言うことも聞かない)。
- メモ
- 類:ヒンジムン。
ビンジャク
地名(喜名と伊良皆の中間地点の小地名)。
- メモ
- そこには洞穴があって、昔からジュリグヮー幽霊が出るといわれた。
ビンス
雄弁な者。
ヒンスー
貧相。貧乏。
- 用例
- ヒンスーヤ ソーティン、チャー マクトゥ ソーケー チャーン ネーンサ(貧乏はしていても、いつも誠であれば大丈夫だよ)。
- メモ
- 音2:フェンスー・ヘンスー。→クンチュー。
ヒンスームン
貧乏者。
- 用例
- ヒンスームンディチ ウシェーラッティン、アトー ターガル リッシン スラー ワカランドー(貧乏者だと馬鹿にされても、後は誰が立身するのか分からないよ)。
- メモ
- 音1:フィンスームン・ヘンスームン。音2:クーシームン。→クーシームン。
ビンスドーグムッチャー
御願用の道具持ち。
- 用例
- ワンネー イクケーヌン ビンスドーグムッチャー シミラッタン(私は何回も御願用の道具持ちをさせられた)。
- メモ
- 結婚式などの場合、相手方の家に向かう時に、御願用の道具を持つ役目の人をビンスドーグムッチャー(御願用の道具持ち)といった。
ヒンセー
借金払い。返済。
- 用例
- ウヌ ジンサーニ ヒンセー シェーワ(そのお金で返済しなさい)。
- メモ
- →ウッカバレー。
ビンタ
頭髪の鬢〔びん〕。他人の頬を平手打ちすること。
- 用例
- ティーガンマリ シ、シンシーンカイ ビンタ サッタン(悪戯をして、先生に平手打ちされた)。
- メモ
- 頭髪の鬢のこともいうが、平手打ちで耳の下の方を叩くことにもいう。
ビンダナー
雨降りの時にできる池。
ビンダレー
洗面器。
- 用例
- ビンダレーンカイ ミジ イッティ チラ アライン(洗面器に水を入れて顔を洗う)。
ヒンチ
すねること。
- 用例
- ヒンチ サーニ ヒンギティ ハイタン(すねて逃げていった)。
- メモ
- 類:ヒン。
ビンヂキ
<鬢付け。固形の髪用油。
ビンヂキデー
鬢付け(油)の代金。
ヒンチャー
よくすねること。またはその人。
- 用例
- イャーグトゥ ヒンチャー ナイネー、ターガン チカーンドー(お前のようにすねてばかりいると、誰がも使わないよ〈雇わないよ〉)。
ビンチョー
勉強。
- 用例
- ビンチョー シミティ クィミソーリ(勉強させてください)。
ビントゥジュー
弁当重。小さな重箱の弁当箱。
- 用例
- ゥンマハラセーネー ビントゥジュー ムッチ、イッペーヌ タヌシミ ヤタン(競馬には弁当重を持って、とても楽しみだった)。
- メモ
- 遠足や馬ハラセーを見に行く時に弁当として持って行った。
ヒントー
返答。
- メモ
- 類:イリヒントー・フィジフィントー。
ビントー
弁当。
- 用例
- アチャヤ ビントー ヤシガ、アンマーヤ ウビトーガヤー(明日は弁当だが、お母さんは覚えているかね)。
ビンドーグ
携帯用のウガン(祈願)道具。
- メモ
- 類:ビンシードーグ・ビンスドーグ。
仕切られた木の箱にビンシー(酒や水などを入れた器)やウガンに必要なものが納められる。
ビンナイ
ビュンビュンと。風をきるように速く移動する様。
- 用例
- ンカシェー カンシ イユ トゥインディ タッチョーチーネー、トゥビイユヌ ビンナイ トゥディチャン(昔はこうして魚をとろうと立っていると、トビウオがビュンビュンと飛んできた)。
ビンビンダークー
干鮹遊び。スミレを根こそぎ取って逆さまに吊し、蛸を干す真似をして遊んだ。
ヒンプン
目隠し。家の前にある塀。
- 用例
- ワッター ヒンプンヤ イシガチシ チュクテータン(私たちのヒンプンは石垣で造ってあった)。
- メモ
- 類:シンプン。
ヒンプンは中国語の屏風(ひんぷん)のことで、家の門の内側にある目隠し。ヒンプンの種類には石垣、竹垣などがあった。門から家の中が見えないように、またヤナムン(悪霊など)が入ってこないようにするためのもの。
ヒンマガイン
ひん曲がる。ひどく曲がる。
- 用例
- キーヌ スバンカイ ヒンマガティ、スクロータン(木のそばに深くかがんで、すくんでいた)。
ヒンリン
借金払い。返済。
- 用例
- ウッリッシ ヒンリン サビーサ(それで返済しますよ)。
- メモ
- →ウッカバレー。
ヒゥンマガ
ひ孫。名称。
- メモ
- 類:マタゥンマガ。
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