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- しまくとぅば単語帳:フ
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ファー
葉。
- 用例
- キーヌ ファーヌ ウティティ チャッサ ホーチン フシガラン(木の葉が落ちて、どんなに掃いてもどうしようもない)。
- メモ
- 音1:ハー。
ファー
歯。
- メモ
- 音1:ハー。
ファーイ
針。
- メモ
- 音:ハーイ。
ファーガラ
枯れ葉。
- 用例
- ファーガラ タバティ(枯れ葉を束ねて)。
- メモ
- 音1:ハーガラー・ファーガラ・ファーガラー。
ファーガラー
枯れ葉。
- 用例
- ファーガラーヤ チュトゥクマンカイ ホーチ ウッチョーケー(枯れ葉は一か所に掃いて集めておきなさい)。
- メモ
- 音1:ハーガラー・ファーガラ・ファーガラー。
ファーガラヤー
甘蔗の下葉で葺いた家。
- メモ
- 字波平のアガリジョーにファーガラヤー学校があった。
ファーカンダ
祖父母と孫。

- 用例
- ファーカンダヌチャー、イチマディン ガンジュー シーヨー(孫たちよ、いつまでも元気でいなさいよ)。
- メモ
- 祖父母と孫を一緒にした言葉だが、祖父母から孫に対して使うこともある。
ファーバー
端々。枝葉。本筋や中心からはずれたところ。末節。
ファーフーブチ
破風葺き。
ファーフーヤー
破風の家屋。建築様式のひとつ。
- メモ
- 本を半開きで伏せたような屋根の妻の三角形の部分を破風という。
ファーフジ
祖父母。
- 用例
- ファーフジカイ ソーラッティ ハイタシガ、マーカイガヤー?(祖父母に連れられて行ったが、どこにかねぇ?)。
- メモ
- 音:ハーフジ。
ファーブシ
端節。琉球古典音楽の楽曲のうち、心浮き立つ曲の総称。
- メモ
- 重厚で本格的なウフブシ(大節)に対して短い曲にいう。
ファーフジユー
祖父母の代。
ブイ
短棒。棒きれ。
ブイ
杭。
- メモ
- →クィー。
フィー
火。
- メモ
- 音:ヒー。
フィー
日。
- 用例
- アチマイルフィー(集まる日)。
- メモ
- 音:ヒー。
フィー
樋〔とい〕。
- メモ
- 音:ヒー。類:ティー。
フィー
屁。
- メモ
- 音:ヒー。
フィージー
平生。
- 用例
- フィージーヤ チーカン(普段は使わない)。フィージーカラ(普段から)。
- メモ
- 音1:ヒージー。音2:チニヒーシー・チニヒーギー・マルヒージー。
フィータ
手の内。手中。
- 用例
- ヤラヌ アマンジャナー ヒータ カンティル ウグトゥヤー(屋良の阿麻和利の手の内に入っているだからね)。
フィータイ
兵隊。
- メモ
- 音:ヒータイ。
フィーフィラー
屁こき。
- メモ
- 音1:ヒーヒラー。音2:ヒーヒヤー。
フィーヨーグヮーアシビ
囃し立て遊ぶこと。
フィーラ
農具名。へら。

- メモ
- 音1:ヒーラ。
フィーン
経る。
- 用例
- アカマタディ イルムノー ナー、ナガラクッシ ナー ニン ニン フィトールバー(アカマタというのはもう、長いこと長らくなって年を経ている)。ニンフィーンネー(年を経ると)。ウスクガジマルヌ ニン フィーネー キジムナーガ ゥンジーンディシー ワカトータンディ()。
- メモ
- 音:ヒーン。
フィサ
足。
フィサ
足。
- メモ
- 音1:ヒサ。
フィサブー
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタアシブッター・ヒサブタ・ヒサブッター。
フィサマンチュー
正座。
- 用例
- フィサマンチュー カキティ(正座して)。
- メモ
- 音1:ヒサマンクー・ヒサマンチュー。音2:ヒサマンクー。→チンシメーギー。
フィジチ
機織り器具のひとつ。杼〔ひ〕。
- メモ
- 音:ヒジチ。
フィジフィントー
返事。返答。
- 用例
- フィジフィントー スタルバー(返答したわけだ)。
- メモ
- →イリヒントー。
フィジャイ
左。
- メモ
- 音1:ヒジャイ。
フイスリワタンギー
振り袖綿入れ。
フイターフイター
振り振り。
- 用例
- フイターフイター シ(揺さぶりながら)。
フイタックヮースン
振りまわす。
- 用例
- フイタックヮーチ(振りまわして)。
フィタックヮスン
振り回す。
- 用例
- ヌクジリ フィタックヮチ アッチョールバー(ノコギリを振り回して歩いているんだよ)。
- メモ
- 音2:フイマースン。「マジムンを見た話」『比謝の民話』より。
フィチグヮチ
七月。
フィッパク
逼迫。事態が差し迫ること。
フイマースン
振り回す。
- 用例
- ボー フイマーシーネー アブナサン(棒を振り回すと危ない)。
- メモ
- 類:フィタックヮスン。
フィラファーグサ
植物名。オオバコ。
- メモ
- 音1:ヒラファグサ。音2:シップイグサ・ヒラハグサ・ヒラホーグサ・ヒロヘグサ。
フィランメー
麦飯。
- メモ
- 音1:ヒランメー。
フィリーン
拾う。
- 用例
- クミ フィッティ(米を拾って)。
- メモ
- 音1:ヒリーン。
フィリピンヲゥー
フィリピン産の麻布。
フィル
昼。
- メモ
- 音1:ヒル。
フィルトゥンガスン
放り飛ばす。
- 用例
- フィルトゥンガスン ディヌ アタイヤタン(放り飛ばされるかと思うほどだった)。
フイン
拒む。断る。振る。男女間で、交際や求婚を断る。
- 用例
- シクチン サンヌー ヰキガヤ チューニン フイティ トゥラスン(仕事もしない男は今日にでも振ってやる)。
フイン
掘る。
- 用例
- ヤシチウチンカイ カー フィン(屋敷内に井戸を掘る)。
否:フラン(掘らない)希:フイブサン(掘りたい)過:フタン(掘った)継:フトーン(掘っている)。
フイン
降る。
- 用例
- マックール シ ナマニン アミヌ フイギサー ソーン(空が真っ黒で、今にも雨が降りそうだ)。
否:フラン(降らない)過:フタン(降った)継:フトーン(降っている)。
フイン
振る。
- 用例
- ミチ トゥースンディ ハタ フイン(道を通すために旗を振る)。
否:フラン(振らない)希:フイブサン(振りたい)過:フタン(振った)継:フトーン(振っている)。
フィンカーバカ
掘り込み墓。
- 用例
- スビン ウミヌ ハタカイ フィンカーバカガル マンドータル(楚辺も、海岸沿いには掘り込み墓が多かったんだよ)。
- メモ
- 音1:フィンチャーバカ。音2:フィンカー。
フィンケー
口答え。反抗。
- メモ
- 音1:ヒンケー。→クチゲー。
フィンスームン
貧乏者。
- メモ
- 音1:ヒンスームン・ヘンスームン。音2:クーシームン。→クーシームン。
フインチャー
掘り込み墓。横穴式の墓。
- メモ
- →フィンカーバカ。
フィンチャーバカ
掘り込み墓。横穴式の墓。
- 用例
- シチャヌウミヤ イチナーギ フィンチャーバカ チュクラットータン(下の海岸は、そこら一帯掘り込み墓が造られていた)。
- メモ
- →音1:フィンカーバカ。
岩に穴を掘って造った墓のことで、海岸沿いの岩などによく見られる。
フー
ははー。目上の人を敬い額ずくときに発する言葉。
フー
運。
- 用例
- フーヌ マンドーシェー ゥンマリカラ キマティル ウル(運がある人は、生まれる時から決まっているんだよ)。
フーニ フー アリ(運には運がある)。フーヌ アン(幸運だ)。
フー
帆。
- 用例
- フーヌ サチカイ シルドゥヤヌ トゥマトーン(帆の先に白い鳥が止まっている)。
フー
頬。
- メモ
- 音2:フージラ・フータイ。
ブー
賦。夫役。
- 用例
- ムラブー(村の賦役)。クニブー(国の賦役)。
ブー
武。武術。武に敵う人。
- 用例
- ブー カナイル チュ(武に長けている人)。
フーイ
冷たい水を飲むときの言葉。
- メモ
- 水などをフーイと吹いてから飲ませるのは、水の中の魔物を吹き払うまじないと同じ。
フーイリチャー
麩炒め。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フーイリチャードー(今日の夕飯は麩炒めだよ)。
- メモ
- 人参やニラ、キャベツなどの野菜を入れて炒め、最後に溶き卵に麩を入れて炒めたものを入れる。
フーウウン
いいえ。否定の応答。
ブーカー
風船。
フーガワイ
風変わり。
- 用例
- ミッタ フーガワイナ ニーシェー ヤタン(とても風変わりな青年だった)。
- メモ
- 音2:フーガン。
フーガン
風変わり。
- 用例
- フーガン ナティヨ(風変わりでね)。
フーガンナムン
風変わり者。ひょうきん者。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ フーガンナムン ヤシヨー(その子どものひょうきんなことよ)。
フーキ
流行病。
- 用例
- フーキ ゲーシ トゥシ カンカーネー ウシ クルチ ムライリグチンカイ サギータン(流行病を払い除けるために、カンカーには牛を潰して村の入り口に下げた)。
- メモ
- 音1:フーチ。
フーク
肺。食用としての豚などの肺。
- 用例
- ウヮーヌ フークン チカイグトゥ、アラティ ウチョーケー(豚の肺も使うから、洗っておきなさい)。
フーグ マーチ
抱護松。
- メモ
- 類:ホーグ。
台風の多い沖縄では、海岸近く等に防風林として木を植えたり、集落を囲むような形で集落の境などに植えられていた。風水思想との関連も。
フークー
奉公。
- 用例
- ワンネー ヤーチカラ フークーカイ ヤラサッタン(私は8歳から奉公に出された)。
フークマーミ
心臓。食用としての豚の内蔵のこと。
- 用例
- ウヮーヌシシ ニーニ フークマーミソーナムヌン ムル イリーネー ジコー マーサン(豚肉を炊く時にフークマーミも全部入れるととても美味しい)。
ブーサー
じゃんけん。
- メモ
- 音2:ブーサーシ。
親指、人さし指、小指の3本の指を出し合って勝ち負けを決める。
ブーサーシー
じゃんけん。
- メモ
- 音2:ブーサー。
フーサン
欲しい。
- 用例
- ワンネー チャーシ ヤティン、アヌ チン フーサン(私は、どうしてもあの着物が欲しい)。
フージ
風采。ようす。身なり。
- 用例
- フージェー ネーン(みっともない)。ミームン コーテール フージヤサ(新しいのを買ったようだ)。
フージー
~のような感じ。~みたいなもの。
- 用例
- フラーフージー シ(馬鹿なふりをして)。
ヤク ハラチョール フージー ナティ(厄祓いということで)。エンソクフージー ヤルバー(遠足みたいなものさ)。
フージュク
風習。風俗。
- 用例
- ウチナーヌ フージュク ヤティカラ、マムラントー ナランサ(沖縄の風習であるなら、守らないといけないさ)。
フージョー
携帯用のたばこ入れ。
- メモ
- 音2:パーパーフージョー・ハーメーフージョー・フジョー。
フージョー
冗談。
- 用例
- トゥーチ フージョービカーン スグトゥ、ヌーヌル ソークトゥ ヤラー ワカランサ(いつも冗談ばかりするから、何が本当のことなのか分からないさ)。
- メモ
- 類:テーファ。
フージョー
煙草入れ。
- メモ
- →パーパーフージョー。
フージラ
頬。
- 用例
- フージランカイ メーチブガ チチョーン(頬にご飯粒がついている)。
- メモ
- 音2:フータイ・フー。
フーシン
帆船。
- メモ
- 音:フーセン。音2:フームチブニ。
フージン ネーン
みっともない。
- 用例
- アンソール スガイ シ フージン ネーン ヤーヲゥティ ケーティ クーワ(そんな服装をしてみっともない、家で着替えて来なさい)。
- メモ
- 類:ミートゥンネーン。音2:ミートーネーン。
フースン
干す。
- 用例
- アラテーヌ チン ナマカラ フースン(洗った着物を今から干す)。
ゥンニ アブシンカイ フーシュル(稲を畦に干す)。
否:フーサン(干さない)希:フーシーブサン(干したい)過:フーチャン(干した)継:フーチョーン(干している)。
- メモ
- 音1:フスン。
ブーターブーター
ぶらさがってゆれている様。
フータイ
頬。ふっくらとして頬が垂れていること。
- 用例
- アカングヮヌ フータイヌ ウジラーサヨー(赤子の頬っぺたの可愛いこと)。
- メモ
- 音2:フージラ・フー。
フータヤー
頬がふっくらしたかわいらしい子。
- 用例
- フーグヮー タトーンレー、マンマールーグヮー フータヤー ヤンヤー(頬が垂れているよ、まるまるとしてフータヤーだね)。
- メモ
- 音2:フータイ。
フーチ
もぐさ。
フーチ
<風気(風邪気)。伝染病。流行病。
- 用例
- ムラジューヌチュガ フーチ カカイティ デージ ヤタン(村中の人が伝染病にかかって大変だった)。ウシヌ フーチ(牛の伝染病)。
- メモ
- 音1:フーキ。類:チューチューバンクー。
フーチ
鞴〔ふいご〕。
フーチゲーシ
流行病返し。災厄防除。
- 用例
- フーチゲーシトゥシ、カンカーネー ウシ クルチ ウシヌ フニ ムラヌ イリグチンカイ サギータン(悪風返しとして、カンカーには牛を潰して牛の骨を村の入り口に下げた)。
- メモ
- →アクゲーシ。
フーチヌカミ
鞴の神。
- 用例
- フーチヌカミヤ マギー(フーチの神は大きい。フーチの神は霊力高い)。
フーチヌユーエー
鞴〔ふいご〕まつり。
- メモ
- 音1:フーチヌユエー。
鍛冶屋〔かじや〕が旧暦の11月7日に鞴の神をまつり、隣近所や得意先を招いてお祝いをした。豚を潰し、その頭を供えていた。
フーチヌユエー
鞴〔ふいご〕まつり。
- メモ
- 音1:フーチヌユーエー。フーチヌユーエー参照。
フーチヌユエービーサ
11月の鞴まつりの頃の寒さ。
- メモ
- 音2:フーチビーサ。
フーチバー
蓬〔ヨモギ〕。

- 用例
- クシヌ ミチカイ フーチバーヌ ミートーグトゥ チリクーワ(後の道によもぎが生えているから、摘んで来なさい)。
フーチバージューシー
よもぎの入った雑炊。よもぎ雑炊。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フーチバージューシー ニチェーサ(今日の夕飯はフーチバージューシーを炊いてあるさ)。
フーチバームーチー
蓬餅。よもぎ餅。
- 用例
- フーチバームーチーヤ イーカバ スンヤー(よもぎ餅はよい匂いがするね)。
- メモ
- 音2:フーチムーチ・ツーチムチ。
フーチビーサ
11月の鞴まつりの頃の寒さ。
- メモ
- 音2:フーチヌユエービーサ。
フーチムーチー
蓬餅。よもぎ餅。芋煮の上にヨモギをのせたもの。
- メモ
- 3月の浜下りには御馳走は作らずゥンムニーグヮー(芋煮)の上にフーチーバー(よもぎ)を1、2枚のせたものを3個仏壇に供えた。そのゥンムニーにフーチムーチーといった。
フウチョウシバル
{風長次原}。長浜の小字。
フーテー
ふっくらとして頬が垂れていること。
- メモ
- 音2:フータイ・フータヤー。
ブードゥナミー
賦役や利益を過不足なく等しくすること。
- メモ
- 類:カーフスクー・クヮーフスクー。
製糖作業などの共同作業における労働時間や賃金などが、特定個人だけに偏らないように清算すること。ブーは賦、トゥナミは平均の意味。
フーナー
~風な。~ような。~ふり。
- 用例
- シラン フーナー(知らないふり)。カマンタヌ フーナー スン(食べなかったふりをする)。フリタル フーナー シ(気が触れたみたいにして)。アラン フーナー(そうでないように)。
ブーナイ
風が吹き抜けるよう素早く駆け抜ける様。
- 用例
- ヌール イスジョーラー ブーナイ ッシ ハイギータン(何を急いでいるのか、駆け足で行きよった)。
プーナイ
プップッと口から物を吹く様。
- 用例
- タナガー トゥイネー ナマゥンム カナーサーニ プーナイプーナイ スタン(川エビを捕るときは、生芋を噛んでプップッとしたわけ)。
ブーナイブーナイ
ビュービュー。風が勢いよく吹いている様。
- 用例
- ハマカジン ブーナイブーナイ(浜風もビュービュー吹いている)。
フーニ
骨。
- 用例
- ヨーガリヤーニ フーニヌ ゥンジトーサー(痩せて骨が浮き出ている)。
- メモ
- 音1:フニ。
フーニジル
骨汁。主に豚の骨汁。
- メモ
- 音1:フーニヌシル。音2:フニジル。
フーニヌシル
骨汁。主に豚の骨汁。
- 用例
- フーニヌシルヤ、ダシ ゥンジティ ジコー マーサン(骨汁は、出汁が出てとても美味しい)。
- メモ
- 音1:フーニジル。音2:フニジル。
豚を潰した後に各部位に切り分けるが、その時に肉を切り取った後の骨を汁にしたもの。
フービ
褒美。
- 用例
- チューヤ フービン ダテーン ヰーティチャン(今日は褒美もたくさん貰ってきた)。
ブーブー
民間療法の瀉血〔しゃけつ〕。瀉血に用いる竹筒やコップにもいう。
- 用例
- ブーブー トゥイシェー マシドー(瀉血をした方がいいよ)。
- メモ
- 類:チジャシ。
熱が出たときにも剃刀で瀉血することがあった。
ブーブートゥベー
ぶんぶん群がること。
- 用例
- フェーヌ ブーブートゥベー ソーン(蠅がぶんぶん飛んでいる)。
フーフーハーハー
熱い物をフーフー吹いて冷ます様。
- 用例
- アチサグトゥ フーフーハーハー ッシ カメー(熱いからフーフー冷ましながら食べなさい)。
フーフダ
符札。護符。
- 用例
- ウヌ フーフダヤ、ハーヤンカイ ハトーケー(その護符は、柱に張っておきなさい)。
- メモ
- 音1:フーフラー。
病気・天災などの災厄がふりかかるのを防護するために、その効力を期待して家の柱や出入り口に貼った。
フーフラ
符札。護符。
- 用例
- フーフラン ハジ(護符も剥いで)。
- メモ
- 音1:フーフダ。
フーミ
風味。嗜好品などの香りや味。
- 用例
- クヌ シームンヤ アンシ フーミガ アル(この吸い物はなんて風味があるんでしょう)。
フームチブニ
帆船。帆持ち船。
- 用例
- フームチブニヌ ハイギーシガ、ヌー チローガヤー(帆船が行くが、何を積んでいるのかな)。
- メモ
- 音2:フーシン。
フームン
法文。経文。
- 用例
- ボージャーヌ フームン ハンチ(坊主が法文を唱え)。
- メモ
- 音2:チョームン。
ブーラーサッサイ
ふらついている様。
- 用例
- ヰーティ、ブーライサッサイヒチ シチャンカイ ウリティ クータン(酔っ払って、ふらつきながら下に降りて来た)。
フーリーン
乾く。
- 用例
- フーリトーラー ヘクナー イリミソーリ、ナマカラ アミ フイガター ナトーイビンドー(乾いているなら早く取り入れてください、今から雨が降りそうになっていますよ)。
- メモ
- 類:カーキーン・カーラチュン。
主に雑穀などを天日に干している時に使う。
フーリンナー
ホウレンソウ。ほうれん草。
- 用例
- フーリンナー アルッサ ユリーン(ほうれん草をあるだけ茹でる)。
フール
豚小屋兼便所。便所。
- 用例
- フール イーブサグトゥ、イチュター マッチョーディヨー(便所に行きたいから、少しは待っていてよ)。
フールカイ イケー(便所にいきなさい)。
- メモ
- 音2:フールヤー・ウヮーフール・フル。類:ウヮーヌヤー。
フールには神様がおり、いかなる魔物も払いのけると信じられていた。新しく購入した豚を入れる時はボロ布を左に綯って火をつけたものをウヮーフールで振り回してから入れた。それには害虫駆除の目的もあったとう。
フールアッチャー
腹の調子が悪く便所にしょっちゅう行く者。
フールガミ
便所の神様。
- メモ
- 音1:フールヌカミ。音2:トゥングヮヌカミ。
フールヤー(豚舎、便所を含む)にはフールカミ(便所の神)がいて、いかなる悪者でも払い除ける力があるといわれている。
フールチ
□門。ひよめき。幼児の頭蓋骨の泉門。
ブールナイ
勢いよく。一目散に。
- 用例
- ゥンマカラ ブールナイ ヒンギティ ハイタン(そこから一目散に逃げて行った)。
- メモ
- →パーラナイ。
フールヌカミ
便所の神様。
- 用例
- フールヌカミヤ、ムンヌキムントゥシ アガミラットーン(便所神は、魔除けとして崇められている)。
- メモ
- 音1:フールガミ。→フールガミ
フールヤー
豚舎。豚小屋兼便所。
- 用例
- ユル ニッカ ケーティ チーネー、フールヤーヲゥティ チン パンパン スタン(夜遅く帰って来たら、豚舎で着物をパンパンとはたいた)。
- メモ
- 音2:ウヮーフール・フール・フル。類:ウヮーヌヤー。フール参照。
フェー
ハエ。蠅。
- 用例
- ミーヌメーヌ フェー ウーイユサン、アレー ヤコー タタンテー(目の前の蝿も追い払えない、あいつは役に立たないなあ)。
- メモ
- 音1:ヘー。関:アブー。
フェー
灰。
- 用例
- カマヌ フェー カタヂキーン(カマドの灰を片付ける)。
- メモ
- 音1:ヘー。→アク。
フェー
南。
- 用例
- アッターヤ、フェーカタシンカル ヤン ハジドー(彼らは、南方面の人たちだ筈よ)。
フェーヌウドゥン
首里城南殿。
フェーヌカジ
南風。
- 用例
- フェーヌカジヌ フチーネー アンシ イーヤンベー ヤン(南風が吹くととても気持ち良い)。
フェーバル
{南風原}。渡慶次の小字。
フェーフチ
煙草盆で灰を落とす所。灰落とし。
- 用例
- タバクヌ フェーヤ、フェーフチカイ リッパ ウトゥシヨー(煙草の灰は、灰落としにちゃんと落としなさいよ)。
フェーマユジバル
{南真与地原}。波平の小字。
フェームティ
南側。
- メモ
- 類:ヘーカタ。
フェーユンタンザ
南読谷山。読谷村の南部地域。
- 用例
- フェーユンタンザディネー、ザチミ マングラカラル ヤタガヤー(南読谷山といったら、座喜味方面からだったのかな)。
フェーライ
追い剥ぎ。
- メモ
- 音2:フェーレー。類:ヘーライ。
フェーレー
追い剥ぎ。
- 用例
- センゼノー タコーヤマカイ フェーレーガ ゥンジータンディ(戦前は多幸山に追剥ぎが出たそうだ)。
- メモ
- 音2:フェーライ・ヘーライ。
フェンサー
害虫の一種。
- メモ
- カズラにつくてんとう虫みたいな虫。
フェンサーアシビ
虫遊び。旧4、5月の田畑に害虫が異常発生する時に行われる虫払いの行事。
- 用例
- フェンサーアシビヤ アブシバレートー ヰヌヒーヤ アランタンドー(虫払いはアブシバレーとは同じ日ではなかったよ)。
- メモ
- 音1:ヘンサーアシビ。音2:ムシバレーアシビ。類:ムシバレー。
アブシバレーの日とは別に、臨時に行われた。
フェンスー
貧乏。
- メモ
- 音1:ヘンスー・ヒンスー。→クンチュー。
フェンスーナムン
貧乏者。
- メモ
- 音2:クーシームン。音1:ヒンスームン・フィンスームン・ヘンスームン。→クーシームン。
フォートゥ
鳩。
- メモ
- 音1:ホートゥ。音:ホートゥイ。
フカ
鮫〔サメ〕類。獰猛〔どうもう〕な人食い鮫のこと。
- メモ
- 類:サバ。
フカ
外。
- 用例
- ワラベー イーウヮーチチネー フカヲゥティル アシブル(子どもは良い天気には外で遊ぶんだよ)。
フカー
庭。
- 用例
- フカーナカイ フーチェール フシカブヤ、ユックイネー トゥリヨーヤー(庭に干してある切り干し大根は、日が暮れたら取りなさいよ)。
- メモ
- 類:ナー。
フカイ
水などの深い所。深み。
- 用例
- フカインカイ イクナヨー(深みに行くなよ)。
フカサクバル
{深迫原}。比謝、大湾の小字。
フカサン
深い。親しい。
- 用例
- フカサル ドゥシ(親しい友人)。
アマヌ イチェー イッペー フカサンドー(あそこの池はとても深いよ)。
イッペー フカシク ソーン(とても仲良くしている)。
フカジェークー
建物の枠組みなどの職人。
フカスン
蒸かす。
- 用例
- アンマーガ ナマ ゥンム フカスン(お母さんが今芋を蒸かす)。
フカスン
沸かす。
- 用例
- ミジ フカチ(水を沸かして)。
- メモ
- 音:ワカスン。
フガスン
①穴を開ける。②穴を空ける。使い込む。
- 用例
- ①ユー ミーヌグトゥシ アナ フガスン(良く見えるように穴を開ける)。
否:フガサン(穴を開けない)希:フガシーブサン(穴を開けたい)過:フガチャン(穴を開けた)継:フガチョーン(穴を開けている)。②ンナカラ アチミテーヌ ジン、フガスチネーン(皆から集めたお金を、使い込んでしまった)。
- メモ
- ①→チップガスン。
フカトゥ
深い所。
- 用例
- フカトゥカラー ワタラランサ(深い所からは渡れないよ)。
フカブバル
{外部原}。喜名の小字。
フカゥンジ
〈外出。4月15日、16日に行われるアブシバレー(畦払い)の期間に、1年以内に不幸のあった家で行われる行事。
- 用例
- クンドー パーパーガ ヲゥラン ナティ、ゥンマハラセーヤ ンジーガー イカラングトゥ フカ ゥンジール スンドー(今年はおばあさんが亡くなられて、競馬は見に行けないから、フカゥンジーするんだよ)。
- メモ
- アブシバレー(畦払い)の期間に、スビガニク(楚辺兼久)ではゥンマハラセー(競馬)が行なわれ、村内外から競馬見物に訪れて賑わうが、字楚辺では1年内に不幸のあった家では、競馬に行かずに庭にチンブクダキ(笹竹)でアーチを作り、その下で死者の霊とともに会食しながらゥンマハラセーを見物している態で過ごした。それを家の外に出るという意味でフカアブシバレー、あるいはフカゥンジと言った。字長浜では、4月14日に、前年の4月15日から今年の4月14日までに不幸のあった家では、フカゥンジといって、親戚が集まって庭に茣蓙を敷いて、夜通し語らって夜伽をした。
フカゥンジ
外出。野鳥類が家に入るなど災厄の予兆があったとき、家族全員が浜下りをして、浜に作った仮小屋や製糖小屋、ガマ(洞窟)など、家が見えない所で宿泊して厄払いすること。
- メモ
- 一晩だけ泊まる字は高志保、宇座、伊良皆、喜名、長浜。三晩泊まる字は楚辺、儀間、渡具知。浜下りしている間は、家に誰も入らないよう戸締まりし、棒を交差させておいた。字渡具知、高志保、儀間では厄払いのために三線を弾きならしながらスネーイ(行列)して帰ってきた。厄が晴れたと判断したら、座喜味、伊良皆、宇座では、親戚が集まって重箱料理で会食し、祖先にも供えた。凶が出た場合、長浜ではもう一度浜下りした。→ハマウイ。
フギーベーサン
穴が開きやすい。
フキーン
小鳥が鳴きさえずること。
- 用例
- シージャガ カラトール ソーミナーヤ ユー フキーン(兄が飼っているメジロは、よくさえずる)。
- メモ
- 継:フキトーン(さえずっている)。
フキーン
抜ける。抜け出る。
- 用例
- ハーイヌ ミーカラ フキーン(針の穴から抜ける)。
否:フキラン(抜けない)希:フキーブサン(抜けたい)過:フキタン(抜けた)継:フキトーン(抜けている)。
- メモ
- 針の穴の小さな所からも抜け出てきたことで、簡単にはできないことを達成したときに使う。例えば、未熟児だった赤子が無事に成長していくときなどにも使う。
フギーン
穴があく。抜ける。
- 用例
- ナービヌ フギーン(鍋に穴が開く)。フギディール(穴の開いている籠)。
否:フギラン(穴が開かない)継:フギトーン(穴が開いている)。
- メモ
- 音2:フシフギヌミー・フシフギミー・フシシミ。
フキシヌミーミー
節穴。
フキダシバル
{吹出原}。長浜の小字。
フキバカ
平葺墓。屋根の部分を平たくした墓。
- 用例
- ワッター ハカヤ フキバカヤタン(私たちの墓は平葺墓だった)。
- メモ
- 音2:ヒラフチバカ。
フグイ
陰嚢〔ふぐり〕。
- 用例
- フグイ トゥラリンドー(陰嚢をとられるぞ・脅し文句)。
フグイチヤー
家畜の去勢をする人。
フクイン
喜ぶ。
- 用例
- イャーガ リッパ シーアーシーネー、ワッタン フクインテー(お前がちゃんとやり遂げたら、私たちも喜ぶさ)。
ジコー フクイミシェータン(とても喜ばれた)。
ワッター アンマーヤ、ジコー フクトータン(私のお母さんは、とても喜んでいた)。
継:フクトーン(喜んでいる)。
フクガー
産毛。
- メモ
- 音1:フクギー。音2:フクガーギー。
フクガーギー
産毛。
- メモ
- 音2:フクガー・フクギー。
フクガードゥイ
烏骨鶏〔ウコッケイ〕。
フクギー
産毛。
- メモ
- 音1:フクガー。音2:フクガーギー。
フクジ
フクギ。福木。
- 用例
- フクジッシ ヌヌ スミーン(フクギで布を染める)。
フクジバル
{福地原}。喜名の小字。
フクジャー
鳥の毛が膨れ上がること。鳥肌が立つ。
- 用例
- トゥイヌ ガタガタ フティ、フクジャー ソーン(鳥がガタガタ震えて、鳥肌が立っている)。
- メモ
- 音2:キーフクガー・トゥイフクガー。→キーブラチャー
フクシン
埃〔ほこり〕。
- 用例
- フクシンヌ タッチ、ゥンマヲゥテー ムノー カマランサ(埃がたっているから、そこではご飯も食べられないさ)。
ウッチャンナギヤーニ フクシン カントービン(放りだして埃を被っています)。
フクシンカジャ
埃〔ほこり〕っぽい匂い。かび臭い匂い。
- 用例
- ウヌ チノー フクシンカジャ スン(その着物はかびた匂いがする)。
フクター
ぼろ布。ぼろきれ。着古した着物。
- 用例
- ンリトール トゥクマー、フクター ムッチッチ ススレー(濡れている所は、ぼろ布を持って来て拭きなさい)。
フクターチクター
衣類がボロボロになっている状態。
- 用例
- ジヌン ネーンル アラー、イカナ ハルカイアッチャー ヤティン アンスカ フクターチクターシ(金がないのか、いくら野良着でもそんなにまでボロボロで)。
フクタームシ
昆虫名。ミノムシ。
- 用例
- ウッピナーヌ フクタームシヌ サガトール(とても大きなミノムシが下がっているね)。
フグチャー
おし。ものを言わない人。
ブクトーサージ
厚めのタオル。
- 用例
- ドゥー フチーネー ブクトーサージェー マシドー(体を拭くときには厚めのタオルが良いよ)。
- メモ
- 対:マチサージ(薄めのタオル)。
フクバー
魚介名。カワハギ。
- 用例
- フクバーヤ カーハジュンディチル デージ ヤンデー(かわはぎは皮を剥ぐって大変なんだよ)。
フクマーミ
心臓。豚などの心臓、食品としての名。
フクラーサン
誇らしい。人に自慢したい気持ちのこと。
- 用例
- フービ ヰーティ、アンシ フクラーサルヤー(褒美をもらって、とても誇らしいね)。
フクリーラー
植物名。龍舌菜〔りゅうぜつさい〕。アキノノゲシ。
- メモ
- →ウサジヌミミー。
フクル
①袋。②袋の枚数を数える数詞。
- 用例
- ①フクルンカイ クヮーシ イリーン(袋にお菓子を入れる)。②ミフクロー ヌクチョーキヨーヤー(3袋は残しておきなさいよ)。
- メモ
- ②チュフクル(1袋)、タフクル(2袋)、ミフクル(3袋)と数える。
フクン
吹く。
- 用例
- ウヮーチキ ヤンリティ、カジ フクンドー(天気が崩れて、台風が吹くよ)。
フコーガ
植物名。ハマゴウ。
- メモ
- →ハマホーギ。
フサガイン
塞がる。
- 用例
- ドゥルヌ チマティ、アナヌ フサガイン(泥が詰まって穴が塞がる)。
フサトゥバル
{富里原}。楚辺の小字。
フサン
欲しい。
- メモ
- 音1:フーサン。
ブサン(~ブサン)
~したい。
- 用例
- イャー ハナシー チチブサン(君の話を聞きたい)。トゥジ シーブサン(妻にしたい)矼。
フシ
節。節を数える数詞。
- 用例
- ヲゥージェー チュフシナー タッチレー(サトウキビは一節ずつ切りなさい)。
フシ
くるぶし。
フシ
音楽の楽節。
- 用例
- フシ カワラシェー(〔エイサーの時など〕曲をかえなさい)。
フシ
星。
- 用例
- チューヌ フシヤ アンシ チュラサルヤー(今日の星はとてもきれいだね)。
フシ
節。関節。竹の節や木の節にもいう。
- 用例
- ダキヤ フシ ヌクチ チリヨー(竹は節を残して切りなさいよ)。
- メモ
- →グーイ。
ブシ
武士。
ブシガー
武士ガー。波平の井泉の名称。
- メモ
- 波平が新たに集落を広げるとき、候補地を決めてこの井戸を掘ったが、フンシークミヤー(風水師)に「ブシガーの水を飲むと武士のような人が多く生まれ、争いが絶えなくなる」と言われ、今の前島の場所に集落を発展させることになった。この井泉は「シーダカサン(霊力が高い)」という理由で未整備のまま今もある。
フシカブ
切り干し大根。大根を天日で乾燥させたもの。
- 用例
- デークニ フーチ、フシカブ チュクイン(大根を干して、切り干し大根を作る)。
- メモ
- 音:フシカブー。
フシカブイリカー
料理名。切り干し大根炒め。
- 用例
- チューヌ ユーバノー フシカブイリカー チュクイン(今日の夕飯はフシカブイリカーをつくる)。
- メモ
- 音1:フシカブイリチャー。音2:フシカブズーネー。→フシカブイリチャー。
フシカブイリチャー
料理名。切り干し大根炒め。
- 用例
- フシカブイリチャー マーサマーサ チュクテーン(フシカブイリチャーを美味しそうに作ってある)。
- メモ
- 音1:フシカブイリカー。音2:フシカブズーネー。
昔は大根はほとんどの家庭でも作っていたので、保存食として切り干し大根を作ることが多かった。
フシカブー
切り干し大根。
- メモ
- 音1:フシカブ。
フシカブズーネー
料理名。切り干し大根炒め。
- メモ
- 音2:フシカブイリチャー・フシカブズーネー。→フシカブイリチャー。
フシガラン
きりがない。たまらない。どうしようもない。防ぎようがない。
- 用例
- ワランチャー ウーサヌ、チャッサ モーキティン フシガランサ(子沢山で、どんなに儲けてもきりがないさ)。
ナー フシガランドー(もうきりがないよ)。
- メモ
- どんなに間に合わそうとしても追いつかないこと。採算が取れないなどの意味もある。
フシクビ
関節。
- 用例
- フシクビヌ ヤディ(関節が痛くて)。
- メモ
- →グーイ。
フシジュン
防ぐ。
- 用例
- カジヌ アタイシ フシジュン(風が当たるのを防ぐ)。
フシフギヌミー
節穴。
- 用例
- フシフギヌミーカラ マジェー ンーチンディ(節穴からまずは見てごらん)。
- メモ
- 音2:フキシヌミーミー・フシフギミー・フシンミ。
フシフギミー
節穴。
- メモ
- 音2:フシフギヌミー・フシフギミー・フシンミ。
フシブシ
節々。関節のあちこち。
- 用例
- ユーベー フシブシヌ ヤリ ニンラランタン(昨夜は関節があちこち痛くて、寝れなかった)。
フシマ
榊〔さかき〕。
フジョー
携帯用のたばこ入れ。腰に下げて使った。
- メモ
- 音2:パーパーフージョー・ハーメーフージュー・フージョー。
ブジョー
奉行。
- 用例
- ブジョーヌチャー(奉行達)。
フジョーマキ
<不浄負け。傷や病気のある人が、葬式などに行って、よけいに悪くなること。
- 用例
- ヤローニ、チュマーシヤーカイ イチーネー フジョーマキ スンドー(病んでいるときには、喪家に行くと不浄負けするよ)。
ブジラー
棒きれ。
- メモ
- 類:ボーグヮー。音2:ブンジラー。
フシンミ
節穴。
- メモ
- 音2:フシフキヌミー・フシフギヌミー・フシフギミー。
フス
臍〔へそ〕。

- 用例
- アカングヮヌ フスヤ、ナヌカグレー シーネーク カリーサ(赤子の臍は、七日ぐらいしたら枯れるさ)。
- メモ
- 音2:テンブス。
へその緒を切ることをチジュン・チナジュン(継ぐ・つなぐ)という。
フス チヂュン
赤子の臍の緒を処理すること。
- 用例
- ハサミヌ ネーンネー ダキグヮーサーニ フス チヂュタン(ハサミがない時には、竹で臍の緒を処理していた)。
- メモ
- 音1:フス チナジュン。
フス チナジュン
赤子の臍の緒を処理する。臍の緒をきる。
- メモ
- →フス チジュン。
フスク
不足。
- 用例
- ヌーン フスクヌル アラー、チャー アンマサ シ(何か不足でもあるのか、いつも気分がすぐれない)。
- メモ
- 対:アマイ(余り)。
フスクジラービーサ
松の葉が落ちる頃の寒さ。晩秋の寒さ。
- 用例
- フスクジラービーサガ ウワレーカラー、ナー ヒークル ナイサ(晩秋の寒さが終わる〔秋が過ぎる〕と、もう寒くなるんだよ)。
フスチガー
臍継ぎ。出産に立ち会う人。
- 用例
- フスチガーガ メンソーチョーグトゥ、ウンチケーシェー(臍継ぎをする人がいらっしゃっているから、案内しなさい)。
- メモ
- 音1:フスチジャー。
出産時に赤子の臍を切る役目をする手慣れた人のことで、ほとんどが女性であった。
フスチジャー
臍継ぎ。出産に立ち会う人。
- 用例
- ワッター パーパーン フスチジャー シンシェータン(私の祖母も臍継ぎをなさっていた)。
- メモ
- 音1:フスチガー。
フスヌヲゥー
臍(へそ)の緒。
- 用例
- ワランチャー フスヌヲゥーヤ トゥティウッチェーン(子どもたちの臍の緒は取って置いてある)。
フスン
干す。
- メモ
- 音1:フースン。
フタ
蓋〔ふた〕。
- 用例
- タラフヌ フタ アキティ クヮーシ トゥレー(菓子入れの蓋を開けてお菓子を取りなさい)。
フダ
(罰則の)札。
- メモ
- 作物を荒らすなど、内規に触れると罰金札を渡された。
フタガー
波平の井泉の名称。
- メモ
- フタガーがあった場所は、段丘の低い位置で、戦前までは川も流れていた。かつては井戸が4つ並んでおり、それをまとめてフタガーと呼んでいた。現在は消防署用地となり、石碑が建立されている。
フタカチャヌミユ
良い世の中。
- 用例
- チャー フタカチャヌミユ アラチ ウタビミソーリ(いつも良い世の中であらせて下さいませ)。
ブタサン
太っている。分厚い。
- 用例
- ウヌ シシュー ブタサンヤー(その肉は分厚いね)。
シムチヌ ルク ブタサヌ ゥンブサン(書物があまりにも分厚くて重い)。
フタソーキ
取っ手付きの蓋付き籠〔かご〕で吊り下げられる。
フタディール
蓋付き籠〔かご〕で胴体の4カ所の耳に縄紐を通して吊り下げられる。

- 用例
- フタディールンカイ アギドーフ イッテーン(蓋つきの籠に揚げ豆腐を入れてある)。
- メモ
- →サギジョーギー。
フタディールーグヮー
小さい蓋付きの籠。

ブタマシ
浅はか。軽率。
- 用例
- ウレー ナー イャーヤ ブタマシ ヤテーサ(それはもう、お前は軽率だったね)。
フダミ
ためにならないこと。
- 用例
- フダミナ クトゥ(ためにならないこと)。クニヌ フダミ カカタクトゥ(国益にならないということになって)。
フタムチ
使い勝手が悪い。
- 用例
- ウヌ マカイヤ ルク マギサヌ、フタムチ ヤッサー(そのお椀はあまりにも大きくて、使い勝手が悪いな)。
ブチ
鞭。
- 用例
- ブチヤ カキンナヨー(鞭では打たないでよ)。
フチカ
2日。
フチクル
懐。
- メモ
- 音1:フチュクル。
フチクヮースン
吹きつける。吹きかける。
- 用例
- キブシ フチクヮースン(煙を吹きつける)。フチクヮーシヨ(吹きつけなさいよ)。ドゥイッペー スーミジ フチクヮースン(体中に潮水を吹きかける)。
ブチクン
卒倒。気絶。気を失うこと。
- 用例
- ユーリー ンチ ブチクン ソーン(幽霊を見て気絶している)。ブチクン ナラナラー ヒチ(気を失いそうになり)。
ブチクンケーラスン
卒倒する。気絶する。
ブチゲーイ
卒倒。気絶。
- 用例
- シジガ ウタラ ブチゲーイガ ヤタラ(死んでいたのか気絶していたのか)。
継:ブチクンケーラチョーン(卒倒している)。
- メモ
- 音2:フチクン。
フチケーイン
葺き替える。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ ガヤ フチケーイン(実家の茅を葺き替える)。否:フチケーラン(吹き替えない)希:フチケーイブサン(葺き替えたい)過:フチケータン(吹き替えた)継:フチケートーン(葺き替えている)。
ブチダン
仏壇。
- 用例
- タナバタネー ブチダンヌ ウコールン ソージ スン(七夕には仏壇の香炉も掃除する)。
フチチリーン
息が切れる。息絶え絶えになる。
- 用例
- フチチリヤーニ(息絶え絶えになって)。
フチバンタ
崖。崖っぷち。
- 用例
- アマー フチバンタ ナティ アブナサヌ イカンケー(あそこは崖っぷちで危ないから行くな)。
- メモ
- 音2:チリバンタ・ハンタ。→スギバナ。
ブチマーザーター
鍋の底やふちについた黒糖。
- 用例
- ブチマーザーターヤ、カカジティ カミーネー ジコー マーハン(鍋底についた黒糖は、削って食べたらとても美味しい)。
フチャーイ
草木が生い茂っている所。
- 用例
- フチャーイカイ ヒンギレーカラー、カメーイカンティースン(草木が生い茂っている所に逃げたら、探しにくい)。
フチャーイン
繁茂する。生い茂る。
- 用例
- キーヌ フチャートータン(木が生い茂っていた)。
フチャーリーン
繁茂する。生い茂る。
- 用例
- キーン チランネー フチャーリーンドー(木も切らないと生い茂るよ)。
継:フチャーリトーン(生い茂っている)。
フチャギ
小豆を付けた餅。吹上餅。八月十五夜に供える小豆をまぶした長円形の餅。
- 用例
- フチャギン シコーテーグトゥ ブチダヌンカイ シキレーワ(吹上餅も準備してあるから、仏壇に供えなさい)。
- メモ
- フチャギを作って月眺めをし、若者はアシビ(村芝居)を見に行った。
フチュクル
懐。
- 用例
- ミーララングトゥシ、フチュクルンカイ クヮックヮチ ムッチ チャン(見つからないように、懐に隠して持って来た)。
- メモ
- 音1:フチクル。
フチュクルオージメー
懐扇舞。表に出さず密かに喜ぶこと。
- 用例
- ナマネー フチュクルオージメー ヤサ(今は、もう懐の中で扇舞を踊っているよ)。
- メモ
- とても良いこと、嬉しいことがあるが、表に出さずに懐の中で密かに喜んでいること。
フチュクルビングヮー
懐の小瓶。結婚式の翌朝、姑と花嫁が「よろしく」と盃を交わす小瓶の酒。
フチュン
葺く。

- 用例
- ガヤ カティ ヤーヌクー フチュン(茅を刈りて屋根を葺く)。
フチュン
吹く。
- 用例
- アチャーヤ ウーカジフチヌ フチュンリンドー(明日は大きな台風が吹くってよ)。
否:フカン(吹かない)過:フチャン(吹いた)継:フチョーン(吹いている)。
ブチリー
不潔。
- 用例
- チヌン アラーン ブチリーヤ(着物も洗わない不潔な!)。
フチリーン
夢中になる。目がくらむ。
- 用例
- ジンニ フチリーン(金に目がくらむ)。
フチンチュリーン
吹き込む。
- 用例
- クチンカイ フチンチャンディサ(口に吹き込んだってさ)。
フッキーン
膨れる。腫れる。
- メモ
- 音1:フックイーン・フックイン。
フックイン
膨れる。腫れる。
- 用例
- ヤマチェール ヒサ ンラシーネー フックインドー(痛めた足を濡らすと腫れるよ)。
ガジャンヌキ ササリヤーニ フックトーサー(蚊にさされてふくれているなあ)。
否:フックラン(膨れない)過:フックタン(膨れた)継:フックトーン(膨れている)。
- メモ
- 音1:フックィーン。音2:フッキーン。
フックヮスン
膨らませる。
- 用例
- ワランチャー ブーカー フックヮスン(子どもたちの風船を膨らませる)。
否:フックヮサン(膨らまさない)希:フックヮシーブサン(膨らましたい)過:フックヮチャン(膨らませた)継:フックヮチョーン(膨らませている)。
ブッケー
不器用。
- メモ
- →ティーアラサン。
ブッターカーター
何でもかんでも。
- 用例
- ブッターカーター ムッチ チェーサヤー(何でもかんでも持って来たんだね)。
- メモ
- 音1:ブッタークヮッター。
ブッタークヮッター
何でもかんでも。
- 用例
- ブッタークヮッター ヌーンクィ タックヮーチェール(何でもかんでもくっつけてあるね)。
- メモ
- 音1:ブッターカーター。
フッチャーバル
{淵茶原}。高志保の小字。
ブッティカチ
パッと。
- 用例
- ブッティカチ ハンナギタン(パッと放り投げた)。
ブッテカサー
パッと。
- 用例
- ブッテカサーニ ヒンギトーン(パッと逃げ出した)。
ブットゥ
脂身。
フディ
筆。
- 用例
- ヤーノー フディ コーティトゥラサヤー(来年は筆を買ってあげようね)。
フディヌ サチヤ ヤイヌ サチ(筆の先は槍の先と同じで、財産を食い潰してしまう。学問は生活の役に立たない)。
フディー
①稲光。②禿〔はげ〕。頭の傷跡。
- メモ
- 音1:フリ・フリー。音2:フリーガンナイ・フリーカンパイ。
フディカチミスージ
{筆つかみ祝い。入学祝い。
- 用例
- チャクシヌ フディカチミスージネーケートゥナイン イェージ スン(長男の入学祝には、隣近所も招待する)。
- メモ
- →アガイスージー。
フドゥ
背丈。
- メモ
- 音1:フル。
フドゥ イーン
大きくなる。成長する。
- メモ
- 音1:フル イーン。
フドゥ ウヮースン
育てる。
- メモ
- 音1:フルウヮースン。類:スダティーン。
フドゥー
不動神。拝所の名称。
- メモ
- フドー参照。
フトゥキ
仏。
- 用例
- フトゥキヌ チラン ミケーンマディ(仏の顔も三度まで・仏のような人でも、何回も同じ悪いことをすれば、終いには見捨てるということ)。
フトゥキウガン
行事名。{ときおがん(解き御願)}。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み。
- メモ
- 音1:フトゥチウガン。→ウガンブトゥチ。
フトゥキブニ
仏骨。ほとけ骨。
- 用例
- カソーバヲゥティ ハジミティ フトゥキブニ ンチャン(火葬場で初めて仏骨を見た)。
- メモ
- 仏〔ほとけ〕の形をした頸椎〔けいつい〕の一番上の頭蓋骨〔ずがいこつ〕と接した骨。
フトゥキブニは結喉と呼ばれていたそうで、その形状が座禅をしている仏様の姿にみえる事から、火葬後喉仏が残っていると「生前良い行いをしていた」といわれている。
フドゥタカー
背の高い人。
- メモ
- 音1:フルタカー。音2:フルマギー。
フトゥチウガン
行事名。{ときおがん(解き御願)}。一年を締めくくり、神様に御礼をする御願。行事のひとつ。御願解き。
- メモ
- 音1:フトゥキウガン。→ウガンブトゥチ。
フトゥチヌウガン
行事名。{ときおがん(解き御願)}。旧12月24日に火の神に1年の加護を感謝する拝み。
- メモ
- →ウガンブトゥチ。
フトゥチバー
ソテツの葉。
フトゥチュン
解く。
- 用例
- クンチェーヌ ナー フトゥチュン(括ってある縄を解く)。
アーダーラ フトゥチミソーヤニ(粟俵を解いてください)。
否:フトゥカン(解かない)希:フトゥチーブサン(解きたい)過:フトゥチャン(解いた)継:フトゥチョーン(解いている)。
フドゥフドゥ
程々。成長している様。よい年頃。
- 用例
- フドゥフドゥ ヤシガ(年頃だけど)。フルフル ナティ(成長して)。
- メモ
- 音:フルフル。
フトゥフトゥー
ぶるぶる震える状態。
- 用例
- オーエー ハジマイネー フトゥフトゥー スン(喧嘩が始まったらブルブル震える)。
フトゥムトゥン
朝ご飯。朝食。
- メモ
- シティミティムン参照。
フドー
不動神。拝所の名称。悪疫払い、集落守護に関わる拝所。
- メモ
- 儀間、渡慶次、瀬名波にある。儀間の不動は、渡慶次との境、集落中央北側に位置し、悪風返しの守り神として祀られている。
渡慶次の不動は、不動明王に起因する拝所と言われる。旧9月16日に行われるウフウガン(大御願)、通称ハルヤーポン祭では、不動の前に米や粟で作った餅などを供え、豊作を祈願する。
瀬名波ではイーヌファ(亥の端)、サルヌファ(申の端)、ミーヌファ(巳の端)、トラヌファ(寅の端)の四方(4か所)で集落を守護する神である。大御願、フトゥチ御願で拝される。
フトンガー
<布団皮。布団の生地。布団袋。
- 用例
- フトンガーン フルク ナトーグトゥ ウラゲーチ チカイン(布団の生地も古くなっているから、取り替えて使う)。
- メモ
- 布団の表を裏返して使うこと。
フトンマキ
<布団負け。冬に唇が乾燥して荒れること。
フナウクイ
船送り。
- 用例
- ンカシヌ フナウクイネー キブシ アギータン(昔の船送りには煙を上げていた)。
フナウクイモー
旅立つ人を見送る野原。
- メモ
- →タビウクイモー。
フナクブリ
船が遭難すること。船が波にのまれること。
- 用例
- ウーカジ アタティ フナクブリ シ ネーン(台風に遭って船が波にのまれてしまった)。
- メモ
- 音1:フニクブリ。
フナジバル
{船地原}。長浜の小字。
フナスクバル
{富名迫原}。牧原の小字。
フナトー
船頭。
- 用例
- フナトーター(船頭たち)。
フナマチー
船祭り。正月2日に初漕ぎの意で、船に松の枝を飾り酒を供えた。
フナヰー
船酔い。
- 用例
- マギフニ ヤテーグトゥ、フナヰーヤ サンタン(大きな船だったので、船酔いはしなかった)。
フニ
骨。
- 用例
- アンシ ヤムンドー スタシガ、フニンデー ヲゥーテーネーンガヤー(とても痛がっていたが、骨でも折れてないかね)。
- メモ
- 音1:フーニ。フニアラサン(骨太・屈強なこと)。
フニ
茎。
フニ
船。
- 用例
- マギフニ ヤレー シムシガ、グナフニ ヤイネー フナヰー スンレー(大きな船ならいいけど、小さな船だったら船酔いするよ)。
フニアラアラートゥ
骨太で頑丈そうな様。
- 用例
- フニアラアラートゥ シ、マギッチュ ヤッサー(骨太で頑丈そうな、大きい人だなあ)。
フニアラサン
骨が荒い。骨太な。屈強な。
- 用例
- チョーデー タイ フニアラサン(兄弟二人屈強だ)。
フニクブリ
船こぼれ。船が遭難すること。船が波にのまれること。
- 用例
- フニクブリ シ(船が遭難して)。
- メモ
- 音1:フナクブリ。
フニグヮークージェー
舟漕ぎ。
フニジル
骨汁。
- メモ
- 音1:フーニジル。音2:フーニヌシル。
フニシン
遺骨。洗骨後の骨。
- 用例
- フニシン ヒッティ カーミンカイ ウサミーン(遺骨を拾って骨壺に納める)。
- メモ
- →クチ。
フニトゥカートゥー
骨と皮。ひどく痩せていること。
- 用例
- フニトゥカートゥー ナティ、ムノー カレーヲゥミ(骨と皮だけになって、ご飯は食べているねぇ)。
フニナガシ
船流し。流刑。
フニヤン
骨が痛むこと。
- 用例
- ガマクヌ フニヤン ッシ フシガラン(腰の骨が痛くてたまらない)。
フニヤン
骨の痛み。
- 用例
- フニヤン ッシ ガマン ナラン(骨が痛くて我慢できない)。
フニワキー
分骨。
フニンジャシ
船出。
- 用例
- ソーグヮチ ウワイネーフニゥンジャシディチ、ティンマグヮーッシ ナーファカイ サーター ハクブタン(正月が終わると船出ということで、伝馬船で那覇に砂糖を運んだ)。
フニンジャシサレー
船出し浚い。積もった砂を浚って船出しやすくすること。
- 用例
- アチャヤ フニンジャシサレー ヤグトゥ、ンナ アチマリヨー(明日は船出し浚いだから、皆集まりなさいよ)。
- メモ
- 浜辺付近に砂が積もって船を沖に出すのが困難になるので、砂が積もって来ると定期的に、フニンジャシサレーといってその砂を浚う作業を行っていた。
フニンチュ
船人。
ブヒョージョーズ
御評定所。琉球国の国政を担当する最高機関。
フミータックヮスン
褒めちぎる。
- 用例
- アンチュカナー フミータックヮサンケー(そんなに褒めちぎるな)。
フミクン
蒸し暑くなる。
- 用例
- チューヤ イチヤカ フミクンヤー(今日はいつもより蒸し暑いね)。
- メモ
- 音1:フミチュン。→アブチュン。
フミチュン
蒸し暑くなる。
- 用例
- カジ ティーチンネーン、ジコー フミチュン(風ひとつない、とても蒸し暑い)。
- メモ
- 音1:フミクン。→アブチュン。
フヤ
ランプのホヤ。
- 用例
- フヤン フクシンブッター ソーンドー(ランプのホヤも埃だらけだよ)。
- メモ
- 音2:フヤランプ。
フヤランプ
ほやランプ。火屋ランプ。

- 用例
- フヤランプン ユグリトーグトゥ ミガチョーキヨー(ホヤランプも汚れているから磨いていてね)。
- メモ
- 音2:フヤ。
フユー
怠け。ものぐさ。無精。
- 用例
- フユー シェーヤーディ ウムイネー、チャッサ ヤティン フユー ナイサ(怠けようと思ったら、幾らでも怠けられるさ)。
フユー テークサリーン
怠け者でどうしようもなくなる。怠けて落ちぶれる。
- 用例
- フユー テークサリティ、ヌーン ヤクン タッタン(怠け者でどうしようもなく、何の役にも立たない)。
フユーナー
怠け者。無精者。
- 用例
- フユーナー ナティル トゥジンカイ ヒンギラッテーサ(怠け者だから、妻に逃げられたんだよ)。
- メモ
- →アカヒチムン。
フユーナムン
怠け者。無精者。
- 用例
- フユーナムンヌ ゥンジトーティ、ヌーン アビランケー(怠け者のくせに何も言うな)。
フユーナムノー ラクサー、ナンジサーヤ クワッチーサー(怠け者は楽をして、難儀する者は御馳走にありつける)。
- メモ
- →アカヒチムン。
ブラ
魚介名。法螺。ホラ貝。
- メモ
- 人を集合させる際に、ブラの吹き方で区別して集めた。25歳までの青年を集めるときは通常に吹き、25歳以上から35歳までの二才を集めるときは吹き方を変えていた。
フラー
触れ者。馬鹿者。気のふれたもの。
- 用例
- フラーターヤ、チューン アチマティ トゥイオーラシェー ソーン(馬鹿者たちは、今日も集まって闘鶏をしている)。
- メモ
- →ゲレン。
ブラーカジ
竜巻。
- 用例
- ブラーカジヤ マーカイガ ンカイラー ワカラングトゥ ウトゥルハン(竜巻はどこに向かうか分からないから怖い)。
- メモ
- 音2:カジマキ・カジマチ。
フラクン
開ける。目や口などを開ける。
- 用例
- イェージ シーネー ミー フラクンドー(合図したら目を開くよ)。
- メモ
- 音1:フラチュン。
フラチュン
開ける。目や口などを開ける。
- 用例
- チャーニンジヤ アラン、マルケーテー ミー フラチュン(ずっと眠りっぱなしではなく、たまには目を開ける)。
- メモ
- →音1:ヒラチュン。
フリ
稲光。
- メモ
- 音1:フディー。音2:フリーガンナイ・フリーカンパイ。
フリアシビ
触れ遊び。余計な遊び。馬鹿な遊び。
- 用例
- フリアシビ サーヤカ、ヘーク シクチ カメーティ クーワ(無駄な遊びをするより、早く仕事を探してきなさい)。
フリー
稲光。
- メモ
- 音:フリ・フディー。音2:フリーガンナイ・フリーカンパイ。
フリー
布令。お知らせ。
ブリー
無礼。失礼。
- 用例
- クネーダ、グブリーサビタシェー クネーティ トゥラシンソーリヨー(この前、ご無礼をしたことは許してくださいね)。
ブリー ヤイビーシガ(失礼ですが)。グブリー ナイン(ご無礼になる)。
フリーガンナイ
稲光。稲妻。雷。
- 用例
- フリーガンナイガ ナイネー ワランチャーヤ シカムサ(稲妻が鳴ると子どもたちは怖がるよ)。
- メモ
- 音2:フリ・フディー・フリーカンパイ。
フリーカンパイ
稲光。稲妻。雷。
- メモ
- パチャパチャーと雷が鳴る時に言った言葉。フリーは稲光、カンパイはカンナイ(雷)が変化したものか。
フリーマーイ
布令廻り。
フリーン
ふれる。告げる。一般にしらせる。
- 用例
- フリティ アッチュン(告げて歩く)。
フリーン
気が触れる。
- 用例
- ムヌカンゲーヂューサイネー、アトー フリーンドー(考えすぎると、終いには気が触れるよ)。
否:フリラン(気が触れない))過:フリトーン(気が触れた)継:フリトーン(気が触れている)。
フリーン
惚れる。
- 用例
- トゥナイヌ チュラヰナグングヮンカイ フリーン(隣の美人の娘に惚れる)。
否:フリラン(惚れない)継:フリトーン(惚れている)。
- メモ
- →ウチフリーン。
フリーン
震える。
- 用例
- クサ フリトーン(フィラリア症で震えている)。アミカイ ンリティ、ヒーサガタガタ フリーン(雨に濡れて、寒さでガタガタ震える)。
フリガミ
触れ者のように、加減を知らずに食べること。加減を知らない食べ方。大食い。
- 用例
- フリガミ ッシ、アマヲゥティ アータ ナトーン(加減を知らずに食べて、あそこでぐったりしている)。
- メモ
- →アバラガミ。
ブリセーラバル
{武理石原}。長浜の小字。
ブリディー
全員の手。他の人の力を借りて仕事をすること。
ブリバカ
群れ墓。たくさんの墓。
フリバリーン
星空。星空がきれいなこと。
- 用例
- チューヤ イッペー フリバリトーン(今日はとても星空がきれいだね)。
ブリブシ
群星。
- メモ
- 音1:ブルブシ。音2:ムリブサー。
スバルや北斗七星など、群れになっている星のことをブリブシという。
フリムン
触れ者。馬鹿者。ならずもの。気のふれたもの。
- 用例
- ヤナ フリムンヤ、シクチンサン ムル アシディ アッチョーン(嫌な馬鹿者は、仕事もせずに遊んでばかりいる)。
- メモ
- →ゲレン。
フリユンタク
余計なおしゃべり。話に夢中になること。
- 用例
- フリユンタク スシヤカ、ヘーク シクチ シェー(余計なおしゃべりするより、早く仕事をしなさい)。
- メモ
- →ウヮーバユンタ。
フリワザ
触れ技。馬鹿げたこと。
- 用例
- フリワザシ(馬鹿げた事をし)。
ブリンマ
群れ馬。
- メモ
- 馬場ではブリンマ(群れ馬)といって、見物客に見せるためにパレードのように歩かせた。
フル
豚小屋。
- メモ
- 類:ウヮーヌヤー。音2:ウヮーフール。音1:フール・フールヤー。
フル
背丈。
- 用例
- イャーヤ、ナー イヒンチョー フルヌ アレーヤー(君は、もう少しだけでも背が高かったらね)。フルイリヨー(大きくなれよ)。
- メモ
- 音1:フドゥ。
フル イーン
大きくなる。成長する。育つ。
- 用例
- ワラビヤ ウヤー、ヲゥランティン フル イーティ ハイン(子どもは、親はいなくても育っていく)。
フル ヰーティ ヤー ワカイタン(成長して分家した)。
- メモ
- 音:フルイーン・フドゥイーン・フドゥアドゥ・チューイン。
フル ウヮースン
育てる。成長させる。
- 用例
- ウットゥンチャーヤ ワーガ フル ウヮースン(弟たちは私が育てる)。
否:フルウヮーサン(育てない)希:フルウヮーシーブサン(育てたい)過:フルウヮーチャン(育てた)継:フルウヮーチョーン(育てている)。
- メモ
- 類:スダティーン。音1:フドゥウヮースン。
フルガニ
古い鉄。廃鉄。くず鉄。
- 用例
- フルガニ アチミティ チャー スヌ チムエーガ?(古い鉄を集めてどうするつもりか?)。
フルガニコーヤー
<古鉄買人。金属類を買い集める商売人。
- 用例
- チカーラン ナトーシェー アチミティ フルガニコーヤーンカイ ウイサ(使えなくなったのは集めてフルガニコーヤーに売るさ)。
フルガニコーヤー
廃鉄買収業者。くず鉄屋。
- 用例
- フルガニコーヤーンカイ チカーランヌー カニ ウイン(廃鉄買収業者に使えない鉄を売る)。
ブルキー
ブリキ。
フルキジ
①古傷。②旧悪。昔の悪事。
- 用例
- ①マルケーティ フルキジヌ ヤムン(たまに古傷が痛い)。
②チュヌ フルキジンカイヤ カマーンケー(人の昔の悪いことには立ち入るな)。
フルギン
地名(読谷村古堅)。
フルギンガー
古堅ガー。古堅の湧泉の名称。古堅のウブガー(産井)とミーガー(新井)の総称。

- メモ
- 古堅にあるウブガー(産井)とミーガー(新井)の二つを総称して古堅ガーと呼んでいる。ウブガーから産湯用の水を汲み、赤子の額を撫でるミジナディー(水撫で)の習慣があった。水を汲む際、小さなエビを捕らえてきて、赤子の身体の上を這わし、健康を祈願した。ミーガーはウブガーよりも後に造成され、水量が豊富で生活用水として利用された。カーソージ(井泉掃除)の際には、妊婦の夫たちが浜辺から砂利を運んできて井泉の底に沈め、清めたという。
フルギンチュ
古堅の人。
フルギンバル
{古堅原}。古堅の小字。
フルギンブーブー
昆虫名。米つきバッタ。ショウリョウバッタ。
- 用例
- フルギンブーブー カチミティ チェーン(米つきバッタを捕まえてきた)。
フルギンワタイグチー
地名(読谷村古堅の小地名)。
フルグナー
背が低い人。
- 用例
- アレー、フルグナー ヤシガ ハチコードー(彼は、背は小さいが気は強いよ)。
- メモ
- 音1:フルグマー。対:フルタカー・フルマギー。
フルグマー
背が低い人。
- 用例
- フルグマー ナティ、マーカイガ ヲゥラー ワカラン(背が小さくてどこにいるのか探せない)。
- メモ
- 音1:フルグナー。
フルサ
古仏。ミーサ(新仏)に対しての呼称。
- メモ
- ミーサ参照。
フルサガイ
お下がり。
- 用例
- イェーカンチャーカラ フルサガイン マンリ タシカトーン(親戚からお下がりが多く助かっている)。
フルサン
古い。
- 用例
- ワッター ヤーヤ、ナー サンジューニン アマイグトゥ フルサンレー(私たちの家は、もう30年余るから古いよ)。
- メモ
- 対:ミーサン。
フルジ
古着。
- 用例
- フルジ アチミティ ウイガ イチュン(古着を集めて売りに行く)。
フルジヤー
古着屋。古着を売っている店。
フルスビ
古楚辺。楚辺の旧集落。
- 用例
- フルスビカイ、ケーラリヌ シチン アイガ スラ(旧集落に、帰れる日もあるかなあ)。
フルタカー
背が高い人。
- 用例
- フルタカー ヤシガ、グテーヤ ネーン(背は高いが、力はない)。
- メモ
- 音2:フルマギー。対:フルグナー・フルグマー。
フルタキ
背丈。体格。
- 用例
- フルタキ マギサン(背丈も高い)。
- メモ
- →タキフドゥ。
フルチ
筬〔おさ〕。織物の幅を整え、経糸の配列を均一にする道具。
フルッチュ
梅毒にかかったことがある人。
- 用例
- フルッチュ ナティマディ ヰナグアシビ ソーサ(梅毒に罹ってからも女遊びしているさ)。
フルドゥイ
廃鶏〔はいけい〕。年をとり、卵をうまなくなった鶏〔ニワトリ〕。
- メモ
- 音2:スクンドゥイ。
フルバスン
①借金を踏み倒す。②滅亡させる。滅ぼす。
- 用例
- イャーヤ チュヌ ジン フルバスンナー!(お前は人のお金を踏み倒すのか!)。
否:フルバラサン(踏み倒さない)希:フルバシブサン(踏み倒したい)過:フルバチャン(踏み倒した)継:フルバチョーン(踏み倒している)。
フルハン
古い。
- 用例
- ワッター ヤーヤ フルク ナトーン(私の家は古くなっている)。
フルヒージリ
焼け残った木切れ。
- 用例
- フルヒージリンカイ ミジ カキレー(焼け残った木切れに水をかけなさい)。
ブルブシ
群星。
- メモ
- 音2:ブリブシ。類:ムリブサー。フリブシ参照。
フルフル
ほどほど。成長している様。よい年頃。
- 用例
- フルフル ナティ(育つにしたがって)。フルフル ナティカラン、シチグヮチ、ショーグヮチェー ムヤーマーイ イチュタン(年頃になってからも、盆、正月は子守をしてくれた人の家を訪ねた)。
ブルボー
全員が行う棒術。
フルマギー
背が高い人。
- 用例
- ヤーニンジュ ムル、フルマギー ヤン(家族皆、背が高い)。
- メモ
- 音2:フルタカー。対:フルグナー・フルグマー(背が低い)。
フルミチ
フル(豚小屋兼便所)、およびフルへ通る道。
フルムン
古い物。
- 用例
- フルムン ヰーティチャン(古いものをもらってきた)。
ヌー ヤティン、アトー フルムン ナイン(何でも後は古くなる)。
カマンタヌ フルムン(鍋蓋が古くなる)。
フルムン
古くなる。
フルヤー
古い家。
- 用例
- フルヤー ヤグトゥ、チュクイケーリワル ナイル(古い家だから、建て替えなくちゃいけない)。
フルヲゥトゥ
古夫。元夫。
ブン
盆。食事などを載せて運ぶ道具。
フンシ
風水。
- 用例
- ハカ チュクイネー、フンシン アティリヨーヤー(墓を造る時には、風水を当てなさいよ)。
フンシ クディ ウサギラ(風水をみてさしあげましょう)。
- メモ
- 音1:フンシー。
古代中国に発生した土地の吉凶(善悪)評価法。風水説・風水思想・風水地理学などの名称で呼ばれる。
フンシー
風水。
- メモ
- 音1:フンシ。フンシ参照。
ブンジー
分別。
- 用例
- ウッサヌ トゥシ ヤラー、ブンジーヤ アイル スル(それだけの年齢だったら、分別はあるはずだ)。
フンシミー
風水見。風水師。
- 用例
- ヤシチ コーイヌメーニ、フンシミーンカイ ミシーン(屋敷を買う前に、風水師に見てもらう)。
ブンジュリ
品格のある女郎。
- 用例
- ブンジュリ ナヤーイ(品格のあるジュリで)。
ブンジラー
棒切れ。
- 用例
- ブンジラー ムッチゥンジ、マヤー イーフォーレー(棒切れを持って行って、猫を追い払いなさい)。
- メモ
- 音1:ブジラー。類:ボーグヮー。
ブンジリ
お盆前に借金を清算する。
- 用例
- ブンジリメー ヤグトゥ、ジノー シコートキヨー(お盆前に借金の清算をするから、お金を準備しておきなさいよ)。
フントー
本当。
- 用例
- フントー アヌ タイヤ マジョーン ナトーンナー?(本当にあの2人は、一緒になっているの?)。
ブンナギーン
放り投げる。放っておく。
- 用例
- チカーランヌーヤ、フカンカイ ブンナギトーケー(使えないのは、外に放り投げておきなさい)。
否:ブンナギラン(放り投げない)希:ブンナギーブサン(放り投げたい)過:ブンナギタン(放り投げた)継:ブンナギトーン(放り投げている)。
- メモ
- →ウッティラカスン。
フンヌ
ほんに。誠に。
- 用例
- フンヌヤー、チュヌ イーシ チチョーチーネー、アネー ナランタルムン(ほんにね、人のいう事を聞いておけば、そういうことにはならなかったのに)。
フンヌール
本ノロ。
ブンミチャー
悪者除けの儀式に使う棒。
- 用例
- ワンニン ブンミチャー チュクティンチャンデー(私もブンミチャーを作ったことがあるよ)。
- メモ
- 葬式が済んだ日の夜、ヤナムンゲーシ(悪者払い)として、約70㎝の竹に薄い板切れ(4㎝×12㎝)に穴を開けたのを紐で結んだブンミチャーを作り、ブンブンと音を立てながら振り回した。
ブンラーサン
学がある。学がありそう。
- 用例
- カーギシガタ ウチャティ、ブンラーサン(容姿も良く、学がありそうだ)。
- メモ
- 音1:ブンラーハン。
ブンラーハン
学がある。学がありそう。
- 用例
- フルン タカダカートゥ カーギンチュラサヌ、ブンラーハンヤー(背も高くて美男子だし、学がありそうだね)。
フンレー
甘え。わがまま。
- 用例
- フンレービカーン ッシ、チャッサ イチチカチン ノーランサ(甘えてばかりで、どんなに言って聞かせても直らないさ)。
フンレームン
甘えんぼうな人。わがままな人。
- 用例
- ルク フンレームン ナティ、チャー スガ?(あまりにも甘えん坊で、どうするの?)。

読込中...