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- しまくとぅば単語帳:カキクケコ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
カー
- 用例
- ンカシェー イェーキンチュヌル カーン フイスタル(昔は金持ちしか井戸も造れなかった)。
カー
皮。皮膚。
- 用例
- ウヌ デークネー アチャヌ スージンカイ チカイグトゥ カー ハジョーケー(その大根は明日のお祝いに使うから皮をむいておきなさい)。
ミジ チカイジューサヌ ティーヌ カーヌ ハギトーン(水を使いすぎて手の皮がむけている)。
カー ハイン
皮が張る。
- 用例
- アンスカマディ ッシ カー ハインチ アンナー!(そこまでして面の皮を厚くするのか!)。
継:カー ハトーン(干からびている)。
ガー
意地。我。
- 用例
- ガー ハテー ヌーン ナランドー(我を張っては何もできないよ)。
アレー ガーヌ チューサンドー(彼は意地が強い)。
ガー ハイン
我を張る。
- 用例
- ヤッチーヤ イチマディ ガー ハイヌ チムエーガ(兄さんはいつまで我を張るつもりなんだ)。
- メモ
- 類:ガーイン。
ガー ヲゥーリーン
我が折れる。譲歩する。根負けする。
- 用例
- アリンカイヤ ガー ヲゥーリタン(彼には根負けした)。
ガーイムヌイー
傲慢な物言い。
- 用例
- ガーイムヌイー シーネー ドゥシェー ヲゥラン ナインドー(傲慢な物言いをしたら友達はいなくなるよ)。
ガーイン
我を張る。
- 用例
- ドゥーヌ ウムイ トゥースヌ タミニ マーマディン ガーイン(自分の思いを通すためにどこまでも意地を張リ通す)。
- メモ
- 類:ガーハイン。
カーウガミ
行事名。井泉拝み。
- メモ
- 類:カーウガン。
門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。
カーウガン
行事名。井泉御願。
- メモ
- 類:カーウガミ。
門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。
カーウビー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウビナディ・カーミジナリー・カームヌメー・カーメー。
門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。
カーウビナディ
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウビー。・カーミジナリー・カームヌメー・カーメー。門中や字で行われる井泉での拝みで、水撫でを行う。ウビナディ参照。
カーウリー
出産儀礼のひとつ。川下り。出産時の汚物を洗いに行くこと。
- 用例
- クヮ ナシーネー ウマリビータンドーディチ カーウリー シーガ イチュタン(出産後は生まれましたと言って井泉に汚物を洗いに行った)。
クヮ ナチアトゥネー ユグリムン アライガ イチュシンカイ カーウリーディ イータン(出産後に汚物を洗いに行くことをカーウリーといっていた)。
- メモ
- 字座喜味では、赤子が生まれたら、当日の早いうちに産婦の母や姉妹など近しい者が、魔除けのために鎌や小刀などの刃物を持って、汚物を洗いに行った。
カーウリグムイ
伊良皆にあった出産時の汚物を洗った池。
- メモ
- 伊良皆にあったクムイ(池)。
ガーエー
威勢よく声を張り上げること。
- 用例
- チナヒチーネー ガーエー スーブスタン(綱引きには威勢良く声を張り上げて勝負した)。
- メモ
- 綱引きなどで威勢をつけるために敵方に大声をあげたりして挑発したりすること。
字長浜では綱引きのとき、イリンダカリ ダイジナバー、アガリンダーカリ カニバイヤー、カミティ モーヤビラー(西の綱はだれた綱、東は鉄の柱、頭上に掲げて踊りましょう)とガーエー歌を歌った。
ガーエーモーイ
威勢良く声を張り上げて踊りながら挑発すること。
- 用例
- チナヒチヌ ガーエーモーイ ヤティカラ オーエーヌ グトゥル アタル(綱引きのガーエーモーイは喧嘩のようだった)。
- メモ
- 綱引きの合間に相手に対して敵意をむき出しにし、扇子を持って囃し立てながら踊ることをガーエーモーイといった。
カーカー
猫を呼ぶ掛け声。
- メモ
- 類:トゥカー・トゥカートゥカー。
カーガー
影。
- 用例
- ミジンカイ カーガーヌ ウチトーン(水に影が写っている)。
カーガークンピエー
遊びのひとつ。陰踏み。
- 用例
- カーガークンピエー ッシ アシブタン(影踏みをして遊んだ)。
カーカスン
乾かす。
- 用例
- ンリトーヌ チン カーカスン(濡れている着物を乾かす)。
否:カーカサン(乾かさない)希:カーカシーブサン(乾かしたい)過:カーカチャン(乾かした)継:カーカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 類:カーラカスン。対:ンラスン(濡らす)。
カーガニモー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- 音1:ターガニモー。→アーマークー。
カーカマロー
昆虫名。アメンボ。
- 用例
- カーカマローンカイ スンカリンドー(アメンボに引きずられるよ)。
- メモ
- →アーマークー。
カーガリモー
昆虫名。アメンボ。
- メモ
- 音1:ターガリモー。→アーマークー。
カーギ
陰。
- 用例
- ティーラヌ チューサヌ カーギンカイ イッチ アシベー(太陽が強いから日陰に入って遊びなさい)。
カーギ
容姿。容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- カーギル チュラサル シクチェー ヤクン タッタン(容姿は美しいが仕事は役に立たない)。
カーギヤ カードゥ ヤル。ククル デーイチ(容姿は見てくれにすぎないよ。心が第一)。
- メモ
- →ウチカイ。
カーキー
賭け。指切り。
- 用例
- ジン カキティヌ カーキーヤ スシェー アラン(お金をかけての賭けはするものではない)。
カーキー シ マキタン(賭けをして負けた)。
カーキーン
乾く。渇く。
- 用例
- イーウヮーチチ ヤグトゥ ウビジ カーキーン(良い天気だからすぐに乾く)。
ヌーリー カーキーン(喉が渇く)。
否:カーキラン(乾かない)希:カーラカシーブサン(乾かしたい)過:カーキタン(乾いた)継:カーカチョーン・カーラカチョーン(乾かしている)。
- メモ
- 対:ンリーン(濡れる)。
カーギシガタ
容姿。容貌〔ようぼう〕。
- 用例
- カーギシガタ ウチャティ トゥジサー マンドーサニ(容姿も良くて嫁にしたい人も多いでしょう)。
カーギシガタン マンドーン(容姿がきれい)。
- メモ
- →ウチカイ。
カーギダックイ
美形の血筋。
カーキヌミーパーパーグヮー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。子どもがよく捕まえて、けんかをさせたり、逃げる際に切れた尻尾をくねらせて遊んだりした。
カークーカークー
カエルの鳴き声。
カアグバル
{嘉阿護原}。大木の小字。
カーグファー
表情がかたく、気難しそうな人。
カーグファサン
気難しそうな。
- メモ
- 表情がかたくいこと。
カーサ
芭蕉や月桃などの幅の広い葉。
- 用例
- ウラヤマカイ カーサ トゥイガ イチュン(裏山に月桃の葉を取りに行く)。
- メモ
- 月桃やオオハマボウなど葉の広い植物に、食べ物を盛ったり包んだりした。芭蕉の葉は弁当を包んだり、月桃の葉は餅を包んで蒸すのにも使われた。
カーサバ
革草履。
- 用例
- イナカンジェー カーサバ ハチョーシェー ヲゥランタン(田舎では革草履を履いている人はいなかった)。
カーサバクマーガ チューンドー(革草履を履いた人が来るよ)。
- メモ
- 革草履の音がパチパチと不気味に聞こえたので、カーサバクマーが来るよと泣いている子をなだめた。
カーサベントー
芭蕉や月桃などの幅広の葉で包んだ弁当。火で炙って破れにくくして包んだ。
- 用例
- ガッコーカイ イチーネー チャー アンマーガ カーサベントー チュクティ ムタスタン(学校に行く時にはいつもお母さんが月桃の葉で包んだ弁当を作って持たせてくれた)。
カーサムーチー
月桃の葉で包んだ餅。鬼餅。
- 用例
- カーサムーチーヤ アンシ イーカバ スルヤー(月桃の葉で包んだ餅はなんて良い匂いなんでしょうね)。
- メモ
- →ウナームーチー。
カーサレー
井泉浚い。井泉の掃除。
- 用例
- カーサレーネー メーニン ルクグヮチニ カーヌ マンマール ソージ スン(井泉浚いは毎年6月に井泉とその周囲を掃除する)。
- メモ
- 水への恩義として旧6月に行う行事で、字民総出で共同の井泉を掃除した。類:カーソージ。
カージ(~カージ)
~ごと。~たび。~つど。
- 用例
- ヤーカイ チュールカージ ムンイミー スン(家に来るたびに物をねだる)。
ユサンディヌカージ ナチュル ワラビ(夕方にはいつも泣く子ども)。
イチュルカー チトゥグヮー ムタサリーン(行くたびにお土産をもたされる)。
- メモ
- 音:~カジ。
カージェー(~カージェー)
~よりも。
- 用例
- ティーチナー カムシカージェー、アチミティカラ カミーネー マーサン(ひとつずつ食べるよりも、集めて食べるとおいしい)座。
チュカージェー ジンブンムチ(人よりは利口)。
カージシ
皮付き肉。
ガージャ
地名(西原町我謝)。
ガージャ アムル
地名(西原町の我謝と安室)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
カーソージ
井泉の掃除。井泉浚い。
- メモ
- 字古堅では旧4月15日にフルギンガーの掃除が行われた。類:カーサレー。
カーター
子どもの遊び。片足ずもう。
- メモ
- 類:ゲットゥー・センソーウヮーセー・セントー・ヒサゲットゥー。
片足になり、上げた足と同じ側の手で足の指先をつかみ、反対の手は水平に胸にあてる。そのままの状態で片足飛びをしながら、互いにぶつかり合って遊び、上げた足を先に地につけた方が負け。
カーター
肩車。
- 用例
- カーター サー(肩車しよう)。
- メモ
- →ウマドードー。
ガーターマーター
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
カータキウガン
行事名。井泉嶽の拝み。
- メモ
- 字伊良皆では2月と5月のウマチーに7か所の井泉を拝む。
カーチーベー
夏至の頃に吹く南風。
ガーヂュー
我の強い者。強情者。意地っ張り。
- 用例
- ルク ガーヂュー ナティ ハナシン ナランサ(あまりにも我が強くて話もできない)。
ガーティー
威張った者。
ガートゥイ
鴨。
- 用例
- ドゥシクェーガートゥイ(友を喰う鴨〔友人に迷惑をかけて平気でいること〕)。
ガートゥヤー
鴨。
ガーナー
瘤〔こぶ〕。たんこぶ。
- 用例
- チブル ウッチ ガーナー ゥンジトーン(頭を打ってたんこぶができている)。
カーナベーナ
アオビユ。
- 用例
- カーナベーナヤ マーンカイヤティン ミーヤッサン(アオビユはどこにでも生えやすい)。
カーニーバチャー
スズメバチ。
カーニーベンサー
コガネムシの一種。
- メモ
- 音:カニベンサー。
カーヌイーヌイシヤー
拝所名。川之上の石屋。
- メモ
- お盆と十五夜に拝む。十五夜には午前中にカーヌイーヌイシヤで拝みをしてから、そこで予行演習をした。ハタスガシーの時も同様に拝みをしてアガリジョーへ行列して行った。イシヤー参照。
カーヌイーヌカー
井泉名。川之上の井戸。
- メモ
- 屋号川之上(カーヌイー)は十五夜アシビ上演のための会合や予行演習を行った場所だった。その下方にあるのがカーヌイーヌカーである。ワンダガー(湾田ガー)と同じく飲料水として利用された。近くには沖縄戦時に掘られた壕跡も見られる。
カーヌチカー
読谷山で織られた絣文様の名前。
カーハイ
表面がひび割れそうなほど乾いて固くなっていること。
- 用例
- イャームン チラー カーハイ ソーシガ チラン アラランル アティー(お前の顔はひからびているが顔も洗わなかったのか)。
ウヌ ワラビヤ ハンダイ ナシヤーマ カーハイ ソーン(その子は鼻水をなすりつけて顔がカピカピしている)。
カーハヤー
しぶといやつ。
- 用例
- イャーヤ アンシ カーハヤー ヤル(お前はなんてしぶとい奴だな)。
ガーハヤー
我を張る人。意地っ張り。
カーハラガーゥンム
小芋に水と砂を混ぜて足で踏み込んで洗ったもの。
- 用例
- カーハラガーゥンム ヤティン ニーネー マーハン(カーハラガーゥンムでも炊いたら美味しい)。
カービラ
地名。川平。字瀬名波の屋取集落。
カービラバル
{川平原}。瀬名波の小字。
カービラヤードゥイ
地名。川平屋取。字瀬名波カービラの寄留集落。
カービランチュ
川平の人。瀬名波の屋取集落の人、川平の人)。
カーブイ
首を横に振ること。不承知の意。
- 用例
- ヌー チュクティン カーブイ シ ティーチン カマン(何を作っても首を振ってちっとも食べない)。
カーブイ
味噌や醤油に出るカビ。
- 用例
- カーブイ クーユン(カビが生える)。カーブイ スン(カビが生える)。
- メモ
- カビが生えることにカーブイ クユン或いはカーブイ スンと言った。
カーブイカーブイ
赤ちゃんをあやすかけ声。
- メモ
- 頭を横に振りながら、「カーブイカーブイ」と歌うように乳児をあやした。
カーフスクー
過不足を清算すること。
- メモ
- 音:クヮーフスクー。類:グドゥナミー。
製糖や道普請などの共同作業の際、特定の者に利益がいかないように清算すること。
現場の状況をみて作業を割り振りし、平等に出るようにしたが、出ない場合は「カーフスクー」で精算した。
カーブチー
皮分厚い。沖縄在来のミカンの一種で皮が厚い。
- 用例
- クンドゥヌ カーブチーヤ ムル ムシカイ クヮーティ ウイン ナラン(今年のカーブチーは全部虫に食われて売り物にならない)。
カーフヤー
井戸を掘る人。井戸掘りを専門にしている人。
- 用例
- ワッター ウスメーヤ チカグルマディ カーフヤー ソータン (私の祖父は最近まで井戸掘りをしていた)。
カーブヤー
蝙蝠〔コウモリ〕。
- 用例
- ガマカイ イーネー アマクマカイ カーブヤーン マンドータン(洞窟の中に入るとあちこちにコウモリも多かった)。
- メモ
- 字波平では、子どもたちがシムクガマでキビの搾りがらを束ねたものに火を点けて、カーブヤー(蝙蝠)を取りに行って遊んだという。
カーポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- メモ
- 類:カラマカーポーポー・カラクイポーポー・カラマチャーポーポー・ポーポー・スビポーポー。スビポーポー参照。
カーマ
ずっと。
- 用例
- アンマーヤ カーマ ニッカル ケーティチョータル(お母さんはずっと遅くに帰ってきたんだよ)。
カーマ ニッカカラル デンワー ゥンジトーンドー(ずっと後から電話は出ているんだよ)。
カーマ イー カメーティンディ(ずっと上を探してごらん)。
クスイウヤーヤ カーマ トゥーサカラル チューンドー(薬売りはずっと遠くから来るんだよ)。
- メモ
- 時間的、距離的な隔たりが大きいこと。
カーミ
甕〔かめ〕。
- 用例
- カーミヤ ウホーク アタン(甕はたくさんあった)。
カーミー
魚介名。タガメか。
- メモ
- ゲンゴロウよりも一回り大きかった。捕まえて背中に土を載せつけ、そこに串を曲げて挿し、もう一方を固定してくるくる歩いて回るのを楽しんだ。
カーミー
魚介名。亀〔カメ〕。
- 用例
- カーミーンカイ タシキラッタン(亀に助けられた)。
トゥシヌクーヤ カーミヌクー(年の功は亀の甲)。
- メモ
- 音:カーミ。
カーミジナリー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウビナディ・カーウビー・カームヌメー・カーメー。
カーミナクージーファー
べっ甲の簪〔かんざし〕。
- メモ
- 音:カーミヌクージーファー。
33年忌や祝いにはおばあさんたちは必ず花織を着て、カーミナクージーファーを挿し、鼓を打って歌った。
簪は牛の角で作られたようなカブの大きいもので日用使いはしないで保管していた。
カーミナクーバカ
亀甲墓。
- 用例
- カーミナクーバカヌ ナカヤ イッペー ヒルサン(亀甲墓の中はとても広い)。
- メモ
- 音1:カーミヌクーバカ。
亀の甲の形をした墓で、瓦屋根の家と同様、百姓が造ることは許されなかったという。
カーミヌクージーファー
べっ甲の簪〔かんざし〕。
- メモ
- 音:カーミナクージーファー。
カーミヌクーバカ
亀甲墓。
- 用例
- ウチナーヌ カーミヌクーバカヤティカラ チャヒナーソーグトゥ(沖縄の亀甲墓はどんなに大きいことか)。
- メモ
- →音1:カーミナクーバカ
カーミヌシシ
亀の肉。
- メモ
- カーミヌシシーともいう。
カーミヌチビ ティーチ
死後ひとつの甕〔かめ〕に骨を納めること。
- 用例
- ミートゥンダヤ カーミヌチビ ティーチ ヤサ(夫婦は同じ厨子甕に入るんだよ)。
- メモ
- 夫婦は死後も一緒であるという意味。
カーミヌミミ
何を言っても聞かない人。
- メモ
- 類:チカンヌー。直訳は甕の耳。
カーミンジャーラ
牧原の地名。
- メモ
- カーミンジャーラの橋の下から髪洗い粉にするための土を取った。
カーミンジャーラー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。音:
カーミンジャーリ
は虫類。トカゲ。
- メモ
- 音:カーミンジャールー。
カーミンジャーリー
割れた瓶(陶器)。
- 用例
- カーミンジャーリーヤ カタジキランネー(割れた瓶は片付けないと)。
カーミンジャールー
は虫類。トカゲ。
- 用例
- ゥンマナカイ カーミンジャールーガ ヲゥサ(そこにトカゲがいるよ)。
- メモ
- 音:カーミンジャーリ。
カーミンチャブルー
ノロが被った蔓〔つる〕草製の冠。
- メモ
- つる性シダ植物のカニクサ シャミセンヅルで作った。
つる草の冠をミンチャーブイ(御+冠)。チャーブイは冠のこと。
カームシ
イモサルハムシ。甘藷の害虫名。
カームヌメー
行事名。井泉水撫で。
- 用例
- カームヌメーヤ クングヮチジューグニチニ ムンチューガシラガ アチマティ ウガムン(カームヌメーは旧9月15日に門中頭が集まって拝む)。
- メモ
- 類:カーウビー・カーウビナディ・カーミジナリー・カーメー。
カーメー
行事名。井泉水撫で。
- メモ
- 類:カーウガン・カーウガミ・カームヌメー・カーメー。
拝すべき共同井泉などをまわり祈願する行事。
カーラ
川。小川。
- 用例
- カーラカラ ヲゥーキンカイ ミジ クリクーワ(川で桶に水を汲んできなさい)。
- メモ
- カー(井泉)での洗濯は禁じられていたので、カーラ(川)で洗濯や水浴をした。
ガーラ
魚介名。ヒラアジ。カイワリ。
- 用例
- ガーラヤ ゥンマンデーヌ ウミヲゥティン ユートゥラリサ(カイワリはそこら辺の海でもよく釣れるよ)。
カーラー
瓦。
- 用例
- チカグルシェー カーラーヌ ウホーコー シマジリヲゥティ チュクトーサニ(近頃では瓦の多くは島尻で作っているんでしょう)。
- メモ
- 音:カーラ。
カーラガニ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- 音2:キミーガイ・キーミーガサミ・キーミーガニ・チーガニ。類:ターガイ・チーガニ。長田川では、旧12月の雨の後、アイクという竹で編んだ仕掛けでよく捕れたという。臼で細かく砕き煮て、殻を濾したものをカニウブルといい、ご馳走だった。字長田ではガニともいい、「ガニンカイ クーラリーネー カンナイヌ ウティティン ハナサンロー(蟹に挟まれると雷が落ちても離さないよ)」といわれていた。
カーラカンジャー
カワセミ。
- メモ
- 類:カーラカンジュイ・カーラカンジュー・カーラカンジュヤー・カーラガンター・カーラチンジュヤー・カーラバター・カーラパタパター・カンジュヤー・カーラカンスイ・カーラカンスヤー・カーラジューサー・カーラチジュヤー・カーラチンジュイ・カーラチンチン・カーラバタチンチン・カワセミはきれいな着物をきているが親不孝という民話がある。
カーラカンジュイ
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンジュー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンジュヤー
カワセミ。
- 用例
- カーラカンジュヤーヤ ヌーンチ チュラヂンチチ カーラナーリー ムンクヮティ アッチュンディチ ワカイミ?(カワセミはどうして綺麗な着物を着て川べりで餌を取って食べているか分かるね?)。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンスイ
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラカンスヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラガンター
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラジューサー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチュン
乾く。
- 用例
- カジカイ スガシーネー タレーマナカイ カーラチュン(風に当てるとあっという間に乾く)。
否:カーラカン(乾かない)希:カーラカシーブサン(乾かしたい)過:カーラチャン(乾いた)継:カーラカチョーン(乾かしている)。
カーラチンジュイ
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチンジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラチンチン
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラトゥンジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
ガーラナイ
がらがらと。勢いよく開けたり移動させる様。
- 用例
- ガーラナイ ハシル アキーン(勢いよく戸を開ける)。
カーラヌチン
瓦の成型時にカーラバクに被せる布のこと。
カーラバク
瓦を成型するための木型。
カーラバタ
川端。
- 用例
- カーラバタカラ アッチーネー ウティーンドー(川端から歩くと落ちるよ)。
カーラバター
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラバタチンチン
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラパタパター
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジャー参照。
カーラフチャー
瓦葺き職人。
- メモ
- 類:カーラヌシヤー。茅葺き職人が屋根獅子も造っていた。
カーラマカラー
昆虫名。アメンボ。
- 用例
- カーラマカラーンカイ ヒッパラリンドー(アメンボに引っぱられるよ)。
- メモ
- →アーマークー。
カーラヤー
瓦葺きの家。瓦家。
- 用例
- チカグロー カーラヤーン イキラク ナティヤー(近頃は瓦葺の家も少なくなったね)。
カーラヤーヌタンメーグヮー
ハンミョウ。
- 用例
- カーラヤーヌタンメーグヮー カチミタン(はんみょうを捕まえた)。
カーラヤチャー
瓦を焼く職人。
カーラゥンナジ
魚介名。鰻〔ウナギ〕。川鰻。
カーゥンナジ
魚介名。鰻〔ウナギ〕。川鰻。
カイ
甘蔗の病気。
- メモ
- 甘蔗の葉が赤くなり枯れる病気。
カイ
胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- 類:アクミ・カヤ。
カイ(~カイ)
~へ。~に。
- 用例
- ヤマカイ タムン トゥイガ イチュン(山へ薪を鳥に行く)。
カイギーン
からげる。
- 用例
- ンリラングトゥ ヒチ スス カイギーン(濡れないように裾をからげる)。
- メモ
- 類:カナギーン。
カイクバーラ
養蚕に使う目の粗い網。
- メモ
- 上に餌のクワの葉を置き、蚕の糞は網目から下に落ちた。
カイクミ
同じ干支。
- 用例
- カイクミ アタトーン(同じ干支生まれで相性が合っている)。
パーパー トゥシビー カイクディ ンマリトーン(おばあさんと同じ干支に生まれている)。
- メモ
- ワラビナーの命名は、祖父母や伯父伯母に同じ干支の人がいればその人の名をあやかって付けることがあり、それをカイクミといった。
カイクン
開墾。
- 用例
- フチャーリミー ヤーニンジュシル カイクン サンドー(荒れ果てた所を家族だけで開墾したんだよ)。
カイシーブジョー
役職名。改正奉行。
- メモ
- 地租改正の際にやってきた役人の呼称。
カイシキ
会席。脚の付いた四角い御膳。
- メモ
- 音1:クヮイシキ。音2:クヮイシキウジン。一般の家庭にはなかった。
カイジョーミマイ
会場見回り。
- メモ
- アシビの際の場内整理係で、長い竹をもって立ち上がっている子どもたちを座らせたり会場内を静めたりした。
ガイダー
カンシャコバネナガカメムシ。甘蔗の害虫。
カイチ
開地。
- 用例
- マチバル・クルク・ギークカイチリセー、ンカシヌ ルーチューオーフヌ ジール ヤグトゥ(牧原・久得・越来開地は昔は琉球王府の土地だから)。
カイバカ
仮墓。
- メモ
- 音1:カリバカ。音2:カイヤ。
本墓の袖垣や山の斜面に葬っておき、2、3年後の七夕に洗骨をして、本墓が開くときに祖先の側に安置した。
カイボー
棒。荷を担ぐ棒。
- メモ
- 音2:トゥジャクボー。木製で長さ約6尺5寸で両端は尖り、両先端から約5寸内側に止め釘がある。
カイマタ
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 左手人差し指から小指までの4本の根元にある文様。
カイムン
借り物。
- 用例
- クンドー コーランヨークー カイムンシ シマサナ(今度は買わずに借り物で済まそう)。
カイヤ
仮墓。
- 用例
- ナーダ ハカー チュクテーネーン ナマー カイヤンカイル イッテール(まだ墓を造ってなくて今は仮墓に入れてあるんだよ)。
- メモ
- →カイバカ。
墓が準備されてない時に、岩穴等を利用して仮に墓を造った。
比謝矼では、仮墓に遺骸を入れ、墓を開く機会に納骨した。
カイヤー
仮屋(かりや)。軒。
- メモ
- 死者は49日までは墓と家を行き来していると考えられ、このカイヤーで日向ぼっこをしたり涼んだりするといわれている。
カイヤー
借家。
- 用例
- ワッターヤ カイヤーヲゥティル スダチャル(私たちは借家で育ったんだよ)。
カイン
借りる。
- 用例
- スージニ チール チンガ ネーングトゥ チュカラ カイン(お祝いに着る着物がないから人から借りる)。
ビンシーヤ カテー ナランディ インドーヤ(祈願用の瓶子は人のを借りてはいけないというよね)。
否:カラン(借りない)希:カイブサン(借りたい)過:カタン(借りた)継:カトーン(借りている)。
- メモ
- →イラーユン。
カカイサーラキ
関わること。差し障り。
- 用例
- チュヌクトゥンカイ イチマディン カカイサーラキ シーネー アトー シーライーンドー(人のことにいつまでも関わってばかりいると後は苦労するよ)。
カカイシガイ
うるさくすがりつく様。
- 用例
- カカイシガイ サッティ チャーン ナラン(うるさくすがりつかれてどうしようもない)。
カカイマチブイ
まとわりつく様。
- 用例
- カカイマチブイ ッシ カシマサヌ(つきまとわれて、うるさい)。
カカイムン
憑き物。
- 用例
- イサ カカティン マシェー ナランティカラ ウレー ヌーガラ カカイムンル ヤル(医者に診てもらっても良くならないんだったら、それは何かに憑りつかれているんだ)。
- メモ
- 御嶽から一切のものを採ってはいけないといわれている。
字楚辺では枯れ枝や葉1枚はおろか雑草を抜くことも許されなかった。別の字の人が木を倒して取っても何事もないが、シマンチュがそんなことをすると、すぐたたられて風邪をひいた。その場合、水を供えて謝りに行くと治ったという。
カカイン
かかる。要する。
- 用例
- イャーンカイ シミーネー ジカン カカイン(お前にさせると時間がかかる)。
否:カカラン(かからない)過:カカタン(かかった)継:カカトーン(かかっている)。
カガムン
屈む。
- 用例
- ナー イフェー カガメー(もう少し屈みなさい)。否:カガマン(屈まない)希:カガミーブサン(屈みたい)過:カガラン(屈んだ)継:カガローン(屈んでいる)。
カカワイ
関わり。
- 用例
- ムチカシークトゥンカイヤ カカワイヤ ムタンシェー マシ(難しいことには関わりは持たないほうがいい)。
カカワイン
関わる。
- 用例
- チュヤーカラ チュイヤ アザグトゥンカイ カカワイン(一家から一人は字行事に関わる)。
否:カカワラン(関わらない)希:カカワイブサン(関わりたい)過:カカワタン(関わった)継:カカワトーン(関わっている)。
カカン
女性の下着。女性の腰巻。
- 用例
- ンカシヌ ヰナグンチャーヤ シルカカン ハチョータン(昔の女性は白い腰巻を巻いていた)。
- メモ
- 類:シマダチー・ハカマ・メーチャー。
カガン
鏡。
- 用例
- チラカイ ヌーガ チチョーガ カガン ユー ンチンディ(顔に何がついているか鏡をよく見てごらん)。
カガンイシ
鏡石。亀甲墓の部分名称。
- メモ
- 墓口の上部がジョーカブイ、その上をカガンイシという。
カガンウチャナク
大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。
- メモ
- 音1:カガンジウチャヌク。旧9月15日ナーウガンや旧12月24日フトゥチウガンの供物に使った。→ウチャナク。
カガンジウグヮン
鏡地御願。瀬名波にある拝所名。
- メモ
- 類:カガンジウタキ。カガンジウタキ参照。
カガンジウチャヌク
大中小3段重ねにした3組のお供え用の餅。旧12月24日の煤払いに供えた餅。
- メモ
- 音1:カガンジウチャナク。→ウチャナク。
カガンジウリグチバル
{鏡地折口原}。瀬名波の小字。
カガンジデークニ
鏡水大根。在来の大根。
カガンジバル
{鏡地原}。瀬名波の小字。
カガンムチ
鏡餅。
- メモ
- 字長浜では、旧2月ウフウグヮン(大御願)には各戸から徴収した米で鏡餅を作って瀬名波ヌンドゥンチへもっていった。
カキ
切れ。食べ物などの切った数を数える数詞。
- メモ
- 数詞(~カキ)はチュチキ(1切れ)、タカキ(2切れ)、ミカキ(3切れ)と数える。
カキアースン
期限に間に合わせる。
- 用例
- ウヌ チノー ソーガチマディニ カキアーサンネー ナラン(その着物は正月までに間に合わせなければならない)。
カキーン
賭ける。
- 用例
- イラナナギエー ッシ タムン カキーン(採ってきた薪を賭けて鎌を投げあった)。タウチーオーラセー シ ジン カキーン(闘鶏をしてお金を賭ける)。
- メモ
- 。
カキーン
掛ける。
- 用例
- チン ハーヤンカイ カキーン(着物を柱に掛ける)。
バシャ カキヤーイ(馬車に載せて)。ウヮーヌ ドゥーミ カキーン(豚の重量を秤に掛ける)。
否:カキラン(掛けない)希:カキーブサン(掛けたい)過:カキタン(掛けた)継:カキトーン(掛けている)。
カキーン
欠ける。足りない。
- 用例
- チャワンヌ ウトゥシーネー カキーンドー(茶碗を落とすと欠けるよ)。チュイ カキトーン(一人欠けている)。
カギーン
欠席する。欠番する。
- 用例
- チューヤ ユージュガ アグトゥ ガッコー カギーン(今日は用事があるから学校を欠席する)。
否:カギラン(欠席しない)希:カギーブサン(欠席したい)過:カギタン(欠席した)継:カギトーン(欠席している)。
カキエー
掛け合い。
- 用例
- ワランチャーガ ミジカキエー ッシ アシドーン(子どもたちが水掛けをして遊んでいる)。
カキオーイン
間に合う。
- 用例
- ウヤヌ ミーウティーヤ カキオーランタンリ(親の臨終に間に合わなかったって)。
カキジマ
領地。ノロが管掌している集落。
- 用例
- シマ カキユン(領土を支配する)。
イランマヤ チナーヌールヌ カキジマ ヤン(伊良皆は喜名ノロが管掌している)。
カキジャー
鉤〔かぎ〕。自在鉤。鈎。
- 用例
- カキジャーヤ ジールンカイ カイラットータン(自在鉤は地炉にかけられていた)。
- メモ
- ジール(地炉)の上につるし、鍋などをかける自在鉤や漁などに使う鉤竿がある。
カキダミシ
賭け試し。
- 用例
- カキダミシッシ ジノー カキンナヨー(賭け試しをして金は賭けるなよ)。
カキヂャワン
欠けた茶碗。
- 用例
- ウチャクンカイヤ カキヂャワンヤ ゥンジャサンキヨー(お客さんには欠けた茶碗は出さないでよ)。
- メモ
- 類:カキマッカイ。
カギナ
メヒシバ。
- 用例
- カギナヤ トゥッティン トゥッティン マタ ミーティチューサ(メヒシバは取っても取ってもまた生えてくるさ)。
- メモ
- 勢力の強い雑草としても知られる。
カキニン ウーラン
比べ物にならないほど良い。及ばない。
- 用例
- ワームン チノー アリガムントー カキニン ウーランサ(私の着物は彼女の物とは比べ物にもならないほど上等だよ)。
カキヌミー
垣の中。藪の中。
- 用例
- カキヌミーンカイ ヒンギティ ハイタン(薮の中に逃げて行った)。
- メモ
- 音1:カキンミー・カチヌミー・カチャヌミー。類:シクンカー。
カキヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- 用例
- カキヌミーチョッチョロー ナチグィーヌ チュラサヨー(ウグイスの鳴き声の美しいことよ)。
- メモ
- 音1:カチヌミーチョッチョイ・カチヌミーチョッチョロー・カチミーチョッチョラー・カチミーチョッチョロー・カチャミーチョッチョレー・カチンミーチョッチョロー・カチンミチョッチョロー・カキヌミーチョッチョロー・カチヌミーチョッチョレー・カチヌミーチョッチョロー・カチャヌミーチョッチョレー・カチンミーチョッチョラー・カチンミーチョッチョレー・カックヌミーチョッチョロー・カッチンミーチョッチョラー。
音2:チョッチョイグヮー・チョッチョレー・チョッチョロー・ガチチョッチョイ・チョッチョイ・チョッチョラー。
カキヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カキヌミーヂンナン
藪の中に多くみられるカタツムリ。
- 用例
- カキヌミーヂンナンガ ウホーク イッチョーン(カタツムリがたくさん入っている)。
カキヌミーパーパーグヮー
アオカナヘビ。
- 用例
- カキヌミーパーパーグヮーヤ アヌ ナガーグヮー ヤサ(アオカナヘビはあの長いのだよ)。
- メモ
- 類:カチヌミーパーパー・カチミーパーパー・カチンミーパーパー・クミルー・ジュートゥイ・ジューミー・ソーガークェー・タバククェー・マースクェー・カーキヌミーパーパーグヮー・カーミンジャーラー・カチヌミーパーパー・カミンジャールー・コーレーグースー・ジューチラー・クースークェー。音:カチヌミーパーパー・カーキヌミーパーパーグヮー。
カキヌミーングヮ
婚外子。私生児。籔の中の子。
- 用例
- ヰキガヌウヤー ターガヤラ ワカランシェー カキヌミーングヮディータン(父親が誰か分からないのはカキヌミーングヮともいっていた)。
- メモ
- →アシビングヮ。
カキバイ
琉球競馬の走法。駆歩。
- 用例
- アヌ ゥンマヌ カキバイヌチュラサヨー(あの馬の走法の美しいこと)。
- メモ
- 四つ足が代わる代わる地面を踏み、歩幅を短く駆けさせる走法。一般に大和で行われる前後の足を揃えて一時宙に浮く走法をムルカキバイといい、琉球競馬ではそれをすると失格になった。
カキマッカイ
欠けたお椀。
- 用例
- ムル カキマッカイビカーン ナティ チカーラン(全部欠けたお椀だけになって使えない)。
- メモ
- 類:カキヂャワン。
カキマバル
{嘉喜真原}。親志の小字。
カキメー
模合の掛け金。受け取る権利のある掛け金。
- 用例
- クンドゥヌ ソーグヮチヤ カキメーシ ハンスンテー(今度の正月は模合を取って間に合わせるさ)。
- メモ
- 対:ウクイメー(模合の送り分・未支払いの模合)。
カキヤー
掛け技の得意な牛の名前。
- 用例
- カキワジャガ ジョージヤシカイ カキヤーディ イータン(掛け技が得意な牛にカキヤーといっていた)。
カギン
加減。
- 用例
- ワラビンカイヤ イフェー カギン シール スル ウフッチュトゥ ユヌグトー ナランドー (子どもには少しは手加減するんであって大人と同じようにはいかないよ)。
カキンミー
垣の中。薮の中。
- 用例
- カキンミーカラ ゥンジティ チュータン(薮の中から出てきた)。
- メモ
- 音1:カキヌミー・カチヌミー・カチャヌミー。→カキヌミー。
カクイン
囲う。
- 用例
- ヤシチヌ マンマール フクギッシ カクイン(屋敷の周囲を福木で囲う)。
否:カクラン(囲わない)希:カクイブサン(囲いたい)過:カクタン(囲った)継:カクトーン(囲っている)。
カクグ
格護。守る。
- 用例
- ヰナグングヮ カクグ スン(娘を大切に守る)。
ヌチェー ドゥークル カクグ スン(命は自分で守る)。
カクグ
覚悟。
- 用例
- ヰキガヌウヤ イッペー クサミカチネーン チューヤ カクグ サンネー ナラン(父親をとても怒らせてしまって今日は覚悟しなくちゃいけない)。
カグサミーン
格護する。守る。
- 用例
- ルク カナサヌ マーニン イカングトゥ カグサミーン(あまりにも愛おしくてどこにも行かないように守る)。
希:カグサミーブサン(守りたい)継:カグサミトーン(守っている)。
カクジ
顎〔あご〕。
- 用例
- カクジガ ガクガク スン(顎がガクガクする)。
- メモ
- 類:ウトゥガク。
カクジシミ
破傷風。
- 用例
- カクジシミシ ヲゥラン ナトーン(破傷風で亡くなった)。
ガクジショーレイカイ
学事奨励会。
- メモ
- 学事奨励会の歴史は古く、読谷山尋常小学校区の学事奨励会は1914(大正3)年発足。初代会長は読谷山尋常小学校長の八巻太一(現在も歌い継がれる読谷小学校校歌の作詞者でもある)が務めた。字での学事奨励会としては渡慶次の歴史が古く、1922(大正11)年に発会、教育の振興を図ると同時に、貧しいために上級の学校に進学できない子女のために育英事業も行った。
カクシマーシ
隠すこと。
- 用例
- カクシマーシー シ ワンニンカイ ティーチン ミシテートゥラサン(隠してばかりで私にちっとも見せてくれない)。
カクジャー
えらが張った顔。
カクスン
隠す。
- 用例
- チュガ チーネー ミシラングトゥニ ヰーリムンヤ ムル カクスン(人が来たら見せないようにおもちゃを全部隠す)。
否:カクサン(隠さない)希:カクシーブサン(隠したい)過:カクチャン(隠した)継:カクチョーン(隠している)。
- メモ
- 類:カジミーン・カックヮスン。クヮッカスン。
カクバーヤ
角柱。
ガクブリ
学問に夢中になること。学問だけして社会生活に馴染めない、または完全に触れてしまうこと。
- 用例
- ガクブリ シ ヤーヌ ティガネーヤ ムル サン(学問に夢中になって、家の手伝いは全くしない)。シクチンサン ガクムンビカーンシ、アトー ガクブリソーン(仕事もせずに学問ばかりして、しまいにはおかしくなっている)。
カクランプー
角ランプ。
- メモ
- 音:カクランプ。ムラアシビの舞台照明に使った。
カクン
書く。描く。
- 用例
- チョーミヌンカイ ジー カクン(帳面に字を書く)。
- メモ
- 類:カチュン。
カクン
掻く。
- 用例
- ムシカイ ササッティ ヰーゴーハグトゥ カクン(虫にさされて痒いから掻く)。
- メモ
- 類:カチュン。
カゲー
領地。所有地。
- 用例
- サツマヌ カゲー ウチ ヤクトゥ(薩摩の支配下にあるので)。
ンカシ ウチナーヤ トーヌ カゲール ヤタンドー(昔、沖縄は唐の配下にあったんだよ)。
- メモ
- 支配・保護の下にあるもの。
カゲーウヤ
保護者。身元引き受け人。
- メモ
- 廃藩置県以後、寄留民が喜名に移住するにあたっては、ジーンチュ(地元の人)2人の身元引受人が必要で、その引受人をカゲーウヤと称していた。
カケージャー
鉤竿。
カコー
おむつ。古い着物やボロ布で作ったおむつ。
- メモ
- 音:カッコー。
字長浜や楚辺では新しく購入した豚を豚舎に入れる時は、カコーなどのボロ布を左縄して火をつけたものを豚小屋で振りまわしてから入れた。
カサ
かさぶた。
- 用例
- カサガ ゥンジトーン(かさぶたができている)。
- メモ
- 類:カサンタ。
ガサガサ
がさがさ、もののふれあう音など。
- 用例
- ティンジョーヲゥティ ヌーガラ ガサガサスシガ、イェンチュルヤガヤー(天井でガサガサ物音がするがネズミかな?)。
ガサガサーアビー
かすれ声。かすれ声で話すこと。
- メモ
- 類:キーカサーアビー。
カサギーン
担ぐ。
- 用例
- ゥンムバーキ カサギーン(芋の入ったザルを担ぐ)。
- メモ
- 音:カタミーン。類:カシギーン。
カサギーン
妊娠する。
- 用例
- イャーヤ ニービチン サンマール カサギーンディチンアンナー!(お前は結婚もしないうちに妊娠するってこともあるか!)。
継:カサギトーン(妊娠している)。
- メモ
- 音1:カシギーン。類:ハラムン・ムッチュン。
カサギンチュ
妊婦。妊娠している人。
- 用例
- カサギンチュカイヤ ゥンブムノー ムタスナ(妊婦には重たいものは持たすな)。
- メモ
- ひとつの家に妊婦が複数生活することはよくないといわれた。また、1年以内に一家から続いて死者が出ると「二度あることは三度ある」ということで、鶏や人形などを身代わりとして小箱に納めて模擬葬式をしたが、妊婦が亡くなった時も人形を入れる。
カサグイ
痰〔たん〕。
カサジュン
草、木を切り取る。
- 用例
- フチャーリトーグトゥ ンナシ キーヌファー カサジュン(生い茂っているから皆で木の葉を切り取る)「。
ヲゥージヌ ファー カサジュン(サトウキビの葉を刈り取る)。
否:カサガン(取らない)希:カサジーブサン(取りたい)過:カサジャン(取った)継:カサジョーン(取っている)。
ガサナイ
せかせか。さっさと。
- 用例
- ガサナイ カタヂキランネー ジカノー ネーンシガ(さっさと片付けないと、時間がないよ)。
- メモ
- 類:カシーカシー・サーラクヮッタイ・ソーソー。
カサニガサニ
重ね重ね。
- 用例
- カサニガサニ ウニゲーサビラ(重ね重ねお願いします)。
カサビ(~カサビ)
重ね。重ねた数の数詞。
- メモ
- チュカサビ(1重)、タカサビ(2重)、ミカサビ(3重)と数える。
カサビーン
重ねる。
- 用例
- マルヌ ネーングトゥ チュトゥクマカイ イクチン カサビーン(場所がないから一か所に幾つも重ねる)。
否:カサビラン(重ねない)希:カサビーブサン(重ねたい)過:カサビタン(重ねた)継:カサビトーン(重ねている)。
カサビカサビ
重ね重ね。
- 用例
- ヒーサヌ チン カサビカサビ チチョーン(寒くて、着物を何枚も重ねてきている)。
カサビヂン
死者に重ね合わせて着せる着物。
- メモ
- 一度に袖が通せるように奇数枚重ね合わせた着物で、一番上には白衣装がくるようにした。
カサビゥンバギー
産飯の上に小さなお握りをのせたもの。
- メモ
- 出産が終わるとあやかりとして字内の妊婦たちに配った。
ガサミ
魚介名。ワタリガニ。
- 用例
- ガサミン マーサムン ヤサ(ワタリガニも美味しいものだよ)。
カーランカイ ガサミヤ マンドータン(川にワタリガニがたくさんいた)。
カサンタ
瘡蓋〔かさぶた〕。
- 用例
- キジヌ カサンタ ナトーン(傷がかさぶたになっている)。
- メモ
- 類:カサ。
カシ
織機道具の名。綛〔かせ〕。経糸を巻きつける器具。
- 用例
- カシ カキーママ マーカイガ?(綛をかけたままどこにねぇ?)。
カシ
麹〔こうじ〕。
- 用例
- カシヌ タティワル ンスヤ ナイル(麹ができてこそ味噌はできるんだよ)。
カジ
すじ。鬆〔す〕。
- 用例
- グンボーヤ カジヌ イレーワカラー マーサーネーン(牛蒡はすじが入るとおいしくない)。
カジ
うなじ。えり首。首すじ。
- 用例
- カジ ヤマチネーン シクチカイン イカラン デージ ナトーン(首筋を痛めてしまい仕事にも行けなくて大変だ)。
ニンジチゲー ッシ カジヌ ヤムン(寝違いして首が痛い)。カジ クラミレー(首根っこをおさえろ)という使い方もある。
- メモ
- 類:カジガー。
カジ
数。
- 用例
- ウッサヌムン、カジ アースシン ウーシグトゥ ヤサ(そんなにたくさんの物、数を合すだけでも大変な仕事だよ)。
カジ
風。
- 用例
- ヒジュルカジヌ イーヤンベー ヤシヨ(冷たい風が気持ち良いこと)。
アガリヌ ウミヌ ナイネー カジ フチュンドー(東の海が鳴ると暴風が吹くよ)。
カジ
聞き分け。強情。
- 用例
- ヰキガヌウヤガ ハナシーシン カジン チカン、チャーン ナラン(父親が話しても聞き分けがなくて、どうしようもない)。
カジ ハトーン(意地を張っている)。
- メモ
- 音2:ギカジ・ジーカジ・イシカジ。類:チチワキ。
カジ(~カジ)
~度。たび。
- 用例
- トゥーイルカジ グトゥニ(通る度に)。
- メモ
- 音:~カージ。
ガシ
飢饉。
- 用例
- カムシン ネーンネー ガシ ゥンジーンドー(食べ物がないと飢饉が出るよ)。
ガシナトール バーニ(飢饉のときに)。
カシー
加勢。手伝い。
- 用例
- ヒマヤラー ウヤヌ カシー シックヮー(暇なら親の手伝いをして来なさい)。
カシー スンドー(手伝うよ)。
- メモ
- 類:ティガネー。
カシーカシー
さっさと。急いで。
- 用例
- イスジョーグトゥ カシーカシー カミヨー(急いでいるからさっさと食べなさいよ)。
- メモ
- →ガサナイ。
カシーサー
加勢をする人。手伝い人。
- 用例
- カシーサーン マンディ、チューヲゥテシ スビナイサ(加勢する人も多くて、今日で終わるさ)。
- メモ
- 音2:ティガネーサー。
カジーン
耕す。
- 用例
- チューヤ アンマートゥ マジョーン ハル カジーン(今日は母と一緒に畑を耕す)。
否:カジラン(耕さない)希:カジーブサン(耕したい)過:カジタン(耕した)継:カジトーン(耕している)。
カシガー
叺〔かます〕。麻袋。目の粗い袋。
- 用例
- カシガーヌ ミー ゥンム フティチャン(麻袋のいっぱい芋を掘ってきた)。
- メモ
- 穀物や農産物、塩などを入れて使った。米俵のカシガーを店から2銭で買って、半分を中に折り曲げて三角形にして雨具にすることもあった。
カジガー
うなじ。えり首。首筋。
- 用例
- カジガー ムリトゥラシェー(首筋を揉んでちょうだい)。
ワラビヌ カジガー カチミレー(子どもの襟首を捕まえろ)。
- メモ
- 類:カジ。
カジガーシシ
豚の首肉。
カシカキ
綛かけ。整経。
- メモ
- 布を織る時に経糸の本数や長さを整えること。
カジカキーン
念を押す。
- 用例
- ウヤンカイ シランフーナー シ アシビーガ イカングトゥ カジカキーン(親に内緒で遊びに行かないように念を押す)。
否:カギカキラン(念を押さない)希:カジカキーブサン(念を押したい)過:カジカキタン(念を押した)継:カジカキトーン(念を押している)。
カジカジ
数々。
- 用例
- カジカジヌ クヮッチーヌ ゥンジトータン(数々の御馳走が出ていた)。
カジガタカ
風を遮ること。
- 用例
- ゥンマンカイ ウッピナーヌ チュガ タッチーネー カジガタカ シ アチサン(そこに大きな人が立つと風を遮って暑い)。
カシギーン
妊娠する。
- 用例
- カシギトーン(妊娠している)。カシギタグトゥ(妊娠したから)。カシギラサーイ(妊娠させて)。
- メモ
- →音1:カサギーン。
カシギーン
担ぐ。
- 用例
- タムン カシギーン(薪を担ぐ)。
カシキーゥンバン
おこわ。強飯。
- 用例
- カシキーゥンバンヤ ダテーンナー ニチ ヰナグングヮンチャーンカイ ワキータン(カシキーゥンバンはたくさん炊いて娘たちに分けた)。
- メモ
- 類:カシチー・カシチーメー。
その年に収穫された新米で強飯を作って、嫁いだ娘にも分けた。
カシギンチュ
妊婦。
- メモ
- 音:カサギンチュ。類:ウフワタムン。
カシグイ
痰〔たん〕。
- 用例
- カシグイヤ ゥンジャシンソーリヨー(痰は出してくださいよ)。
カジグェー
堆肥。枯れ葉等で作った堆肥。
- 用例
- スーヤ カジグェー ゥンジャシーガ イチュタン(父は堆肥を出しに行った)。
- メモ
- 音:カジゲー。
カジグトゥ
いろんな。数字。数あること。
- 用例
- カジグトゥ ウタティ(いろんな歌うたって)。
カジゲー
堆肥。
- メモ
- 音:カジグェー。ウマチーには針仕事、カジゲーを担いで畑へ行ってはいけないといわれている。
カシジェー
酒粕〔さけかす〕。酒を醸造する際のもろみを圧縮した固形物。
- 用例
- カシジェー コーティチャーニ、ウヮーンカイ クヮーシェー(酒粕を買ってきて、豚に食わせなさい)。
カシジェー
鎹〔かすがい〕。
カジジル
筋〔すじ〕。腱〔けん〕。繊維〔せんい〕。
カシチー
おこわ。強飯。
- 用例
- ボージャースージニ ダテーンヌ カシチー ニーン(出産祝いにたくさんのお強を炊く)。
- メモ
- 類:カシキーゥンバン・カシチーメー。
カシチーウユミ
行事名。強飯を神仏に供え豊作を感謝し、来期の豊年を祈願する。
- メモ
- 新米に赤豆や黍・粟を混ぜてカシチー(強飯)を作った。
『球陽』によれば尚敬23(1735)年に旧6月25日に固定化されたようだが、読谷山で25日に行なったのは字喜名・儀間・牧原で、伊良皆・宇座・高志保・長浜・比謝・古堅・波平・楚辺は24日であった。翌25日はトケシカタノー(渡慶次潟野)へ琉球競馬を見物に行った。また読谷山では新米だけではなく、粟や黍、豆などを加えて炊く所(喜名・古堅・伊良皆・長浜)もあった。字楚辺、波平では旧6月24日に綱引きも行なった。伊良皆では旧8月9日のシバサシウユミにもカシチーウユミと言った。
カシチーメー
おこわ。強飯。
- メモ
- 類:カシキーゥンバン・カシチー。
カジトゥイ
舵取り。
- 用例
- カジトゥイヤ チュイシ シムン(舵取りは一人でいい)。
カシトゥイグヮー
絣文様の名称。
ガシドゥシ
飢饉の年。
- 用例
- アンソーヌ ガシドゥシン アタルヤー(あんなにひどい飢饉の年もあったね)。
- メモ
- 干ばつなどが続き、作物が収穫できないときにいう。
カシドーフグヮー
料理名。おからに味噌を加えて炊いたもの。
カジニ
数あるだけ。
- 用例
- ヤシェーヌ サニヤ カジニ ワキティ トゥラシヨー(野菜の種は数あるだけ分けて頂戴ね)。
カジニ チカサッティ(良く聞かされて)。
カジヌニー
風の根。棒状の雲。
- 用例
- カジヌニー ゥンジトーサヤ(棒状の雲が出ているね)。
カジバーバー
風が強く吹く様。
- 用例
- フカー カジバーバー ソーン(外は風が激しく吹いている)。
カジハイワラバー
意地っ張りな子。強情な子。
カジハヤー
意地っ張り。融通のきかない人。強情な人。
- 用例
- チュヌ イーシン ムル チカン カジハヤーヤ!(人の言うことも全く聞かない強情者め!)。
ガシバンメー
救荒食。
- メモ
- 蘇鉄や蚕豆の葉を乾燥保存していた。
カジヒチ
風邪。
- メモ
- 類: ハナシキ・ハナシチ。
カジフキ
台風。暴風。
- 用例
- カジフキヌ キーネー ムル サラリンレー(台風が来たら全部やられるな)。
- メモ
- 類:カジフチ。
カジフキアーケージュー
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- 用例
- カジフキアーケージューヌ ウッサ トゥディ、 ウレー ウーカジ フチュンレー(赤とんぼがあれだけ飛んでいるが、これは大きな台風になるぞ)。
- メモ
- 音1:カジフチアーケージュー。音2:カジフチギンジュー・カジフチトンボ。
カジフチ
台風。暴風。
- 用例
- クンドゥヤ カジフチヌ ウーサタンヤー(今年は台風が多かったね)。
- メモ
- 類:カジフキ。
カジフチアーケージュー
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- 用例
- カジフチアーケージューヌ アチマティチョーン(赤とんぼが集まってきている)。
- メモ
- →カジフチアーケージュー。
カジフチアケー
台風前の赤やけ空。
カジフチギンジュー
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- メモ
- →カジフチアーケージュー。
カジフチトンボ
台風の前に群れで飛ぶトンボ。
- メモ
- →カジフチアーケージュー。
カジフチマッタラー
台風の前に低く飛んでいるツバメ。
- 用例
- カジフチマッタラーヌ トゥドーグトゥ カジ フチュンテー(ツバメが低く飛んでいるから台風が来るぞ)。
カジマーイ
風向きの急変。風が回ること。
- 用例
- ニングヮチネー ニングヮチカジマーイディチ アンドー(2月には旧2月風廻といって突風が吹くことがあるよ)。
カジマキ
竜巻き。
- 用例
- カジマキシ ムル フットゥバサッタン(竜巻きで全部吹っ飛ばされた)。
- メモ
- 類:カジマチ・ブラーカジ。
カシマサン
かしましい。うるさい。
- 用例
- ワランチャーガ アビヤーアビヤーシ カシマサン(子どもたちがわいわい騒いでうるさい)。
カジマチ
竜巻。
- メモ
- 類:カジマキ・ブラーカジ。
カジマチャー
うなじの近くにある旋毛〔つむじ〕。
カジマヤー
十字路。四つ角。十字形。
- 用例
- アマヌ カジマヤーヲゥティ アシドーン(あそこの十字路で遊んでいる)。
カジマヤー
風車。
- 用例
- アダンバー トゥティッチ カジマヤー チュクティ アシブタン(アダンの葉を取ってきて風車を作って遊んだ)。
カジマヤースージ
九十七歳祝。
- 用例
- ウスメー カジマヤースージネー クヮゥンマガンチャーシ ハネーカサヤー(お爺さんの97歳のカジマヤー祝いには子どもや孫たちで盛り上げようね)。
- メモ
- 類:カジマヤーユーエー。
8回目の生年祝にあたる九十七歳祝・カジマヤーは、97歳にもなると童心に戻り、カジマヤー(風車)を持って遊ぶという意味からきた名称だといわれている。祝いに来た客への土産として風車を配る。
カジマヤーユーエー
数え97歳の祝い。
- 用例
- カジマヤーユーエーネー シマジュー マーティ スーギ ディキラスン(97歳のカジマヤー祝いには字中回って祝いを盛りあげる)。
- メモ
- 類:カジマヤースージ。
ガジマル
ガジュマル。榕樹。
- 用例
- アヌ ガジマルヌ シチャヲゥティ イフェー ユクラナ(あのガジマルの下で少し休もう)。
ガジマルジー
ガジュマル(榕樹)の木からとる粘液。
ガジマン
ガジュマル。榕樹。
- 用例
- ガジマングヮーヌ アタン(ガジマルがあった)。
カジミーン
大事にしまう。隠す。
- 用例
- カジミティ ウチュン(大事にしまっておく)。トゥダナンカイ クヮーシ カジミーン(戸棚にお菓子をしまう)。
否:カジミラン(しまわない)希:カジミーブサン(しまいたい)過:カジミタン(しまった)継:カジミトーン(しまっている)。
カジミクヮックヮスン
大事にしまい込む。
- 用例
- ターニン ミシラングトゥ カジミクヮックヮスン(誰にも見せないように大事にしまい込む)。
否:カジミクヮックヮサン(大事にしまい込まない)希:カジミクヮックヮシーブサン(大事にしまい込みたい)過:カジミクヮックヮチャン(大事にしまい込んだ)継:カジミクヮックヮチョーン(大事にしまい込んでいる)。
カジミフックヮスン
大事にしまい込む。
- 用例
- カジミフックヮチ マーンカイガ ナタラ ワカラン ナトーン(大事にしまい込みすぎてどこにしまったのか分からなくなっている)。
カジャ
臭い。
- 用例
- ヌーガラ クサリカジャ スシガ ヌー ヤガヤー(何か腐れた臭いがするが何だろう)。
フルカジャ スンデー(豚小屋の臭いがするよ)。
カジャイ
飾り。装飾。
- 用例
- ワランチャークルル アン リッパ カジャイ チュクテーンナー?(子どもたちだけでそんなにきれいに飾りを作ったの?)。
- メモ
- 数詞としてもチュカジャイ(1飾り)、タカジャイ(2飾り)、ミカジャイ(3飾り)と数える。
カジャイン
飾る。
- 用例
- ムルシ ハナ チュクティ カジャイン(皆で花を作って飾る)。
否:カジャラン(飾らない)希:カジャイブサン(飾りたい)過:カジャタン(飾った)継:カジャトーン(飾っている)。
ガジャン
蚊〔カ〕。
- 用例
- ガジャンガ ウーサヌ クーラッティネーラン(蚊が多くて刺されてしまった)。
ガジャンヌクェー
蚊に刺された痕。
- 用例
- マーアッチャガ ガジャンヌクェー チュクティ(どこを歩いたの?こんなに蚊に刺されて)。
ガジャンヌシー
蚊の巣。
- 用例
- タマイミジ ウッチョーチーネー ガジャンヌシー ナインドー(たまり水を置いていたら、蚊の巣になるよ)。
カジューイン
数える。増える。
- 用例
- トゥシヤ ユイ カジューティ ワカク ナイン(歳を重ねても若い)。ナー イフェー カジョラーラチ クィリ(もうちょっと増やしてくれ)。
イクチ アガ カジユティンーレー(いくつあるか数えてごらん)。
カジョーサン
風が強い。
- 用例
- ルク カジョーサヌ ミチン アッカランシガ(あまりにも風が強くて道も歩けないよ)。
カジョーラー
蕁麻疹〔じんましん〕。草木かぶれ。
- 用例
- ドゥーイッペー カジョーラー ゥンジトーン(体中蕁麻疹が出ている)。
- メモ
- 類:カジョーラムン。カジョーラー カジョーラー イャーヤ ヤナムン チリムン ヤグトゥ カカティチーネー サンジャクアナ フティ ウスラリーンドー(カジョーラーよ、お前は悪いもの、嫌われ者だから、おそってきたら三尺穴を掘って埋めてやるぞと字長浜では、豚舎近くに行き、湯で温めた草履で患部をこすり、唱えながらフーッと息を吹きかけた。
カジョーラマキ
蕁麻疹〔じんましん〕。草木にかぶれること。
- 用例
- ハジヌキーヌ スバ トゥータレー カジョーラマキ ソーン(ハゼノキの側を通ったら蕁麻疹ができてしまった)。
- メモ
- 類:カジョーラムン・ハジマキ。
カジョーラムン
蕁麻疹〔じんましん〕。草木かぶれ。
- 用例
- カジョーラムンヌ ゥンジティ ヰーゴーサヌ フシガラン(蕁麻疹が出てかゆくてたまらない)。
ヤナカジ アタレー カジョーラムンヌ ゥンジーンドー(悪風に触れたら蕁麻疹が出るよ)。
- メモ
- 類:カジョーラー。
カシラ
髪。
- 用例
- タンメー カシラ ユーイン(お爺さんの髪を結う)。
カジラ
犬走りに使っている石。
- メモ
- 水はけを良くするために、家の軒下を石や土で盛り土し、地面より高くした。
ガジラー
がりがりに痩せた者。痩せ細った者。
ガジラーシー
波に浸食された岩の呼称。
- メモ
- 岩が長い年月のうちに浸食され、海面に近い部分が痩せ細り、キノコのような形になった岩。字瀬名波・渡具知に存在する。
カジライシ
犬走りに使っている石。
カジラマーイ
犬走り。
- 用例
- カジラマーイヤ ガンジューラシヨー(家の周りは頑丈にしなさいよ)。
- メモ
- 水はけを良くするために、家の軒下を石や土で盛り土し、地面より高くした。井戸にもカジラマーイを造った。
カシラヤク
頭役。
- 用例
- カシラヤクンデー アタイネー イチュナハヌ デージドー(頭役でも当たったら忙しくて大変だよ)。
カジリ
限り。
- 用例
- ウニー カジリ ヌーヌ アティン ネーン(それっきり何の音沙汰もない)。
ガジリーン
がりがりに痩せ細る。
ガジリムン
がりがりに痩せた者。痩せ細った者。
カジワーラ
風上。
- 用例
- イャーガ カジワーラカイ タッチョーグトゥ ワンハタマディ カジェー クーランサ(お前が風上に立っているから私の所まで風が来ないさ)。
カシヲゥージ
サトウキビの種類。
- メモ
- お盆にトーウージ(赤い甘蔗)とカシヲゥージを仏壇へ供えたが、無い時はユンタンザヲゥージ(読谷山種)を供えた。
カステラアガララサー
カステラを作る蓋付きの容器。
- 用例
- カステラアガララサー カティ クーワ(カステラアガララサーを借りて来なさい)。
カタ
肩。
- 用例
- カタガ クヮティ フシガラン イヘー ムリトゥラシェー(肩が凝ってどうにもならないから少し揉んでくれ)。
- メモ
- 類:カタバイ・カタゲー。
カタ(~カタ)
~方。
- 用例
- クラシカラ(暮らし方)。ナレーカタ(習い方)。
ウヤヤ リッパ ワンダイガタ シーヨー(親はちゃんと面倒を見なさいよ)。
リッパ コームイガタ シチトゥラチャン(ちゃんと葬式をしてあげた)。
トーンカイ ナレーガタ シーガ ゥンジャン(唐へ習いに行った)。
- メモ
- ~ガタで名詞になる。
カタ(~カタ)
~の方。
- 用例
- イスジ ニシカタンカイ ハイタン(急いで北の方へ行った)。
ガター(~ガター)
~しそう。
- 用例
- ワラビヌ ナチガター マートーン(子どもが泣きそうになっている)。アミフイガター マートーン(今にも雨が降りそうになっている)。
- メモ
- 類:~ギサー。
ガター(~ガター)
~しそう。
- 用例
- ナチガター マートーン(泣きそうになっている)。アミ フイガター マートーン(今にも雨が降りそうになっている)。
カタアシブッター
フィラリア症で異常に足がふくらんでいる状態。象皮病。
- メモ
- 類:ヒサブタ・ヒサブッター・フィサブー。
カタイイラタイ
繰り返し物を借りる様。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ カタイイラタイ フシガラン(隣のお婆さんは、しきりに物を借りにきて、たまらない)。
カタイグチ
告げ口。
- 用例
- アリカインレー ハナシー シーネー スグ カタイグチ スン(彼にでも話したら直ぐに告げ口する)。
カタイグチャー
よく告げ口をする人。
- 用例
- アレー キー チキランネー ジコーヌ カタイグチャードー(彼は気をつけないとよく告げ口をする人だよ)。
- メモ
- 類:カタヤー。
カタイン
告げる。話す。
- 用例
- ハナシー チチャガヤーディ ウムイネー スグ カタイン(話を聞いたかと思ったら直ぐに人に話す)。
否:カタラン(話さない)希:カタイブサン(話したい)過:カタタン(話した)継:カタトーン(話している)。
- メモ
- 類:ハナスン。
カタウシー
瓦を作る際に粘土を切る道具。
カタウディ
片腕。
- 用例
- ウッサ ヤレー カタウディシヤティン ムッチー スン(それだけなら片腕でも持てるよ)。
カタウミー
片思い。
- 用例
- カタウミー ソーシガ ウチアキー サンル アンデー(片思いしているが打ち明けきれないんだよ)。
- メモ
- 類:カタウムイ。
カタウムイ
片思い。
- 用例
- ナゲー カタウムイ ソーン(長いこと片思いしている)。
- メモ
- 類:カタウミー。
カタウヤ
片親。
- 用例
- カタウヤスダチ ヤティン ソー イッチョーヌ ワラビン マンドーン(片親育ちでもしっかりした子も多い)。
カタカ
さえぎる。目隠し。
- 用例
- ヌーガラ ムッチ ッチ カタカ サントー ナラン(何か持ってきてさえぎらないといけない)。
カタカヌ シジガ ヤタラ(目隠しのつもりだったのか)。
カタガキ
不公平。
- 用例
- カタガキ サングトゥニ ムルンカイ ユヌグトゥ クヮーシェー ワキリヨー(不公平にならないように皆に同じようにお菓子は分けなさいよ)。
- メモ
- 類:カタハジ・カタチー。
カタカシ
魚介名。ヒメジ科の魚。オジサン。
- 用例
- カタカシンカイヤ オジサングヮーンディ イータンヤー(ヒメジにはオジサングヮーといっていたね)。
カタカシラ
欹髻〔かたかしら〕。成人男子の髪型。
- 用例
- カタカシラ チラングトゥ ムラハチブ サッタン(〔断髪令に違反して〕カタカシラを切らないので村八分にされた)。
タンメーターヤ カタカシラ ユーティ メンシェータン(おじいさん達はカタカシラを結っていました)。
- メモ
- 明治以前まで成人男性が行なっていた結髪法のひとつで、髪を頭上に束ねたもの、またはその部分。
字牧原の首里から下りてきた者たちは、ほとんど断髪していたが、なかにはカンプーの者もいた。追って断髪をした者は牧原の道の側にカタカシラを納める所を造って、無下に捨てることはしなかった。
字伊良皆では明治29年にほとんどの男性が断髪した。
カタカシラスージ
人生儀礼。男子が成人になったことを示す儀式。
- メモ
- 字波平では男子が15歳になると、大人の仲間入りとして元旦か2日にカタカシラを結い祝った。
カタカシラユーレー
人生儀礼。男子が成人になったことを示す儀式。
- メモ
- 明治24年生は青年の仲間入りだということで、カタカシラユーレーをしたとの伝承がある。
カタガタートゥ
濃い目に。
- 用例
- カタガタートゥ チャー イッテービンドー(濃い目にお茶を入れてありますよ)。
カタガタミー
片方の肩で担ぐこと。
カタカル
片隅。
- 用例
- ヌラーッタレー カタカルンカイ ヒンギティ ハイタン(叱られたので片隅に逃げて行った)。
カタグー
片方。片組。
- 用例
- ワームン ゾーレー カタグーヤ ネーン ナトーシガ、 インヌル クーティ ハチャガヤー(私の草履が片方はなくなっているが、犬が咥えて行ったんだろうか)。
カタグーマジラー
箸や履き物等が左右不揃い。一対あるものの片方が不揃い。
- 用例
- フカカラ ゾーリタルムン カタグーマジラー シ クリ アッチュンナー(外から草履を片ちんばで履いて歩くのか)。
- メモ
- 音:カタグーマンチャー。
カタグーマンチャー
箸や履き物等が左右不揃い。一対あるものの片方が不揃い。
- メモ
- 音:カタグーマジラ。
カタクチワレー
微笑み。
- 用例
- アヌ ヰナグワラビヌ カタクチワレー スシガ ウジラーサヨ(あの娘の微笑みのが可愛いことよ)。
カタゲー
肩。
- メモ
- 類:カタ・カタバイ。
カタサン
濃い。
- 用例
- イャーガ イッテーヌ チャーヤ カタサン(君が入れたお茶は濃い)。
カタシビー
魚介名。タカラガイ。
カタスディヌチャーシー
踊りなどで片袖を通していること。
- 用例
- シバインカイ ゥンジートーヌ ミヤラビヌ カタスディヌチャーシーガ ウチャトータシヨー(芝居に出ていた若い娘の片袖を抜いている姿が似合っていたことよ)。
カタダーカー
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
カタダーチー
肩を抱いている様。
- 用例
- カタダーチー ッシ アッチョーン(肩を抱いて歩いている)。
カタチ
敵。仲が悪い相手。
- 用例
- アッター タイヤ カタチ ナティ マジョーノー ヰシララン(あの二人は仲が悪くて一緒には座らせられない)。
カタチ
不公平。
- 用例
- カタチ サンヨークー ンーナンカイ ワキティ カマセー(不公平にならないように、みんなに分けて食べさせなさい)。
- メモ
- 類:カタガキ・カタハジ。
カタチキーン
格好つける。
- 用例
- チュヌメーヲゥテー カタチキーン(人前では格好をつける)。
カタヂキーン
片付ける。
- 用例
- チューヤ シムンカイ チラカトーシ カタヂキーン(今日は台所に散らかっているのを片付ける)。
否:カタヂキラン(片付けない)希:カタヂキーブサン(片付けたい)過:カタヂキタン(片付けた)継:カタヂキトーン(片付けている)。
- メモ
- 類:シジミーン・スジュミーン・ヒジミーン。対:チラカスン・カチホーイン(散らかす)。
カタチヌメー
人生儀礼。枕飯。死者の枕元に供える盛飯のこと。
- 用例
- カタチヌメーヤ ヲゥラン ナトール チュヌ マックヮバヌンカイ ウチュン(枕飯は亡くなった人の枕元に置く)。
- メモ
- 碗に飯を大きく盛り上げた上に箸を十字或いは真っ直ぐに立て死者の枕元に供える。
字座喜味でのカタチヌメーは、野辺送りに出発して後、家に残る者が食べた。
カタチヌメーウガン
人生儀礼。模擬葬式。
- メモ
- 類:イチジューコー。
読谷山ではイチジューコーと呼んでいる所が多い。
カタチブルヤン
片頭痛。
- 用例
- チヌーカラ カタチブルヤン シ ユックティル ヲゥンレー(昨日から片頭痛がして休んでいるんだよ)。
カタチム
心の片隅。少し心に思うこと。
- 用例
- カタチモー アン ウムトーシガルー(少しはそう思っていたんだけどね)。
カタヂャー
濃いお茶。
- 用例
- カタヂャー ヌミーネー ミーグファイ シ ニンララン ナイン(濃いお茶を飲むと目がさえて眠れなくなる)。
カタディー
片手。
- 用例
- ウッピグヮーヤラー カタディーシ ムッチ イカリーサ(それだけなら片手で持って行けるよ)間。
カタティマ
片手間。
- 用例
- ウヌ ワジャーヤレー カタティマニ ナイン(その仕事なら片手間にできる)。
カタトゥチ
片時。
- 用例
- アンマークトー カタトゥチン ワシランサ(母のことは片時も忘れないよ)。
カタドードー
肩車。
- メモ
- →ウマドードー。
カタニンブー
片方が重いこと。
- 用例
- ナーヒン リッパ チマレーサン カタニンブー シン ムッチ イカリンナー(もっとちゃんと積もうとしないで片方の荷が重くては持って行けるか)。
- メモ
- 類:カタハラゥンブー。
カタノージマ
渡慶次カタノーで競馬の後に行なった角力。
- メモ
- 旧6月25、26日に競馬が行われ、中部各地から飾りつけされた馬が集まり、大勢の見物客や出店で賑わった。それが終わると若者によるカタノージマ(沖縄角力)も行なわれた。
カタノーヂン
競馬見物に着ていく着物。
- メモ
- 音2:アブシバレーヂン・ゥンマミーヂン。
渡慶次カタノーでの競馬に合わせて着物を新調する者もいた。
カタノーバル
{潟野原}。渡慶次の小字。
カタノーゥンマバ
潟野馬場。渡慶次の地名。
カタノーゥンマミー
渡慶次カタノーでの競馬見物。
カタバーキ
目の細かいカゴ。
- 用例
- マーミヤ カタバーキンカイ イリレー(豆は目が細かいカゴに入れなさい)。
カタバーキチュクヤー(カタバーキを作る者)。
- メモ
- 類:クマバーキ。対:アラバーキ(目の粗いザル)。
カタバイ
肩。
- 用例
- カタバイヌル ヤムンレー(肩が痛いんだよ)。
- メモ
- 類:カタ・カタゲー。
カタハジ
不公平。
- 用例
- ムルンカイ ユヌグトゥル ハジュル、 カタハジ シミテー ナラン(皆に同じように配るんであって、不公平になってはいけない)。
- メモ
- 類:カタガキ・カタチ。
カタハラ
傍ら。
- 用例
- ニムチェー カタハラカイ ウッチョーケー (荷物は傍らに置いておきなさい)。
カタハラメー
線香が片方だけ勢いよく燃えること。
- メモ
- 線香が片方だけ勢いよく燃えるのは願い事が叶わないといわれた。
カタハラゥンブー
片方が重いこと。
- 用例
- カタハラゥンブーシェー ニムチェー ハクバランシガ(片方が重くては荷物は運べないよ)。
カタハラゥンブー
料理名。片方が膨らんでいる天ぷら。
- 用例
- ウヌ カタハラゥンブーヤ ユー アギラットール(このカタハラゥンブーは良く揚げられている)。
- メモ
- 「片方が重い」という意味の天ぷら。小麦粉と塩、卵の生地を鍋肌から滑り込ませて入れ、その名のとおり片方は厚く、もう片方は薄く揚げたもの。結納など、お祝いに作られる。
カタバル
潟原。渡具知の小地名。干潟。
- メモ
- カタバルに字渡具知の集落があった。現在では満潮時に海になるが、昔はカタバルといって御嶽の下方に集落があった。海ではなかったが、比謝川から流れてくる水が入り込んだりしたので、現在地に移った。
カタビーチ
えこひいき。
- メモ
- 類:イルワキ・ムンヌヒーキ。
カタヒギガーキー
肩肘。頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- カタヒギガーキー ヒチ ニントーン(ほほずえをついて寝ている)。
- メモ
- 音1:カタヒジガーキー。音2:ヒジガーキー。
カタヒサ
豚を4等分した分量。
- 用例
- ウヮークルシーネー カタヒサナー ワキラナ(豚潰しの時には4分の1ずつ分けよう)。
- メモ
- 豚を潰したときに、豚1頭に対して、4分の1の量をカタヒサといった。
カタヒサ
片足。
- 用例
- ヒサ ヤマチ カタヒサシェー アッチーグリサン(足を怪我して片足では歩きにくい)。
カタヒジガーキー
肩肘。頬杖〔ほおづえ〕。
- 用例
- アマヲゥティ カタヒジガーキー ソーシ ヤサ(あそこで頬杖をついている人だよ)。
- メモ
- 音1:カタヒギガーキー。音2:ヒジガーキー。
カタヒチムン
片輪者。
- 用例
- ドゥーガ ナイブサヌ カタヒチムン ナトールムノー アラン(自分がなりたくて片輪者になったわけじゃない)。
カタブイ
かたしぐれ。片時雨。
- 用例
- ティンヌ マックール シ カタブイ ソーンテー(空が真っ黒くしているが向こうは雨が降っているだろうね)。
カタフィサマンチャー
履き物が左右不揃いなこと。
- メモ
- 音2:カタグーマンチャー・カタグーマジラー。
カタマイ
固まり。
- 用例
- ナービヌチビヌ カタマイン ムル ハジトゥリヨー(鍋底の固まりも全部そぎ取りなさいよ)。
カタマイン
固まる。
- 用例
- ヘーク カチャーサンネー カタマインドー(早く混ぜないと固まるよ)。
否:カタマラン(固まらない)過:カタマタン(固まった)継:カタマトーン(固まっている)。
- メモ
- 類:クファイン。
カタミ(~カタミ)
担ぎ。数詞とも使われる。
- メモ
- チュカタミ(1担ぎ)、タカタミ(2担ぎ)、ミカタミ(3担ぎ)と数える。
カタミアキネー
荷を担いでの行商。
- 用例
- ヲゥジャサーヤ ナゲー カタミアキネー ソータンレー(叔父は長いこと行商をしていたよ)。
- メモ
- 類:カタミアチネー。
カタミアチネー
荷を担いでの行商。
- メモ
- 類:カタミアキネー。
カタミー
片目。
- 用例
- ワッター スーヤ イクサヲゥティ カタミー ウシナタン(私の父は戦争で片目を失った)。
カタミイシ
力石。
- メモ
- 類:マーイシ・マーイサー・サシイシ・チチイシ。
青年たちが力比べをした重量のある石。
カタミーヒバクー
魚介名。ヒラメやカレイ。
カタミーヒビキ
魚介名。ヒラメ。
- 用例
- カタミーヒビキヤ アヌ ヒラターグヮーソーヌ イユテー(ヒラメはあの平べったい魚さ)。
カタミーン
担ぐ。
- 用例
- カタミティ クーラリンナー(担いで来られるか)。
ゥンブサシェー ターン カタミランサ(重いのは誰も担がないよ)。
否:カタミラン(担がない)希:カタミーブサン(担ぎたい)過:カタミタン(担いだ)継:カタミトーン(担いでいる)。
カタミショーバイ
荷を担いでの行商。
- メモ
- 類:カタミアキネー・カタミアチネー。
行事に合わせて線香や打ち紙、石油、マッチなどを売りに来た。
カタミスーブ
担ぎ勝負。
- メモ
- 青年達が夕食後、勝負しようと力石を担ぎに集まった。
カタヤー
よく告げ口をする人。
- 用例
- カタヤー ナイネー、 ハナシーサーン ヲゥラン ナインドー(告げ口ばかりすると、話をする人もいなくなるよ)。
- メモ
- 類:カタイグチャー。
カタヤックヮン
フィラリア症の後遺症で陰のうが肥大した状態。象皮病。
- メモ
- 類:クーガグサ・ヤックヮングサ。
カタレー
語らい。
- 用例
- ユーバノー ウチナチカラ ヤガマーヲゥティ カタレーサナ(夕飯を済ませてから離れで語り合おう)。
カタレーグファン
人生儀礼。語らい+籠飯。
- メモ
- 婿側から嫁側に少しばかりの御馳走を持って婚礼の相談に行くこと。
カタンクン
傾く。
- 用例
- ウーカジ フチ ヤーガ カタンクン(大きな台風で家が傾く)。
- メモ
- 類:カタンチュン。
カタンチャー
傾き。傾倒する人。
カタンチュン
傾く。
- 用例
- ウッサヌムン チュバチニ ヌシーネー カタンチュンドー(そんなにたくさん一度に乗せると傾くよ)。
否:カタンカン(傾かない)希:カタンカシーブサン(傾かせたい)過:カタンチャン(傾いた)継:カタンチョーン(傾いている)。
- メモ
- 類:カタンクン。
カタゥンマ
肩車。
- 用例
- ワランチャー アチミティ カタゥンマ ッシ アシバシェー(子どもたちを集めて肩車で遊ばしなさい)。
- メモ
- →ウマドードー。
カタゥンマオーラシェー
肩車勝負。騎馬戦。
- 用例
- ヰキガンチャーヤ ウンドーカイニ カタゥンマオーラシェーヌ アタン(男生徒は運動会に騎馬戦があった)。
カチ~
~を強調する。
- 用例
- カチヤンジュン(引き破る)。
サーシ カチアキヤーニ(鍵をこじ開けて)。
カチアライン(さっさと洗う)。
- メモ
- カチ~(~を強調する接頭辞)ともいう。
ガチ
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- ムヌイミービカーン シ ヤナガチヤ!(食べ物だけせがんで嫌な食いしん坊め!)。
- メモ
- 類:ガチクェー・ガチマヤー。
ガチアジャ
口元のほくろ。
ガチー(~ガチー)
~しながら。~しつつ。~がてら。
- 用例
- イチャガチー(行きながら)。イユ トゥイガチ-(魚を取りながら)。
- メモ
- 類:~ガナー。
カチウトゥスン
書き写す。
- 用例
- チューヲゥティ ムル カチウトゥスン(今日で全部書き写す)。
ガチェー タカリティ
食いしん坊の強調した言い方。
- 用例
- ウヌ ワラベー ガチェー タカリティ カミムノー ミシララン(その子はとても食いしん坊で食べ物は見せられない)。
ガチガチー
苛立つ様。いらいら。
- 用例
- アリガ シーヨー ンジーネー ガチガチー スン(彼のやりかたを見ているといらいらする)。
ガチクェー
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- ムンヌ メーヲゥティ タッチョーチーネー ガチクェーラーサヌ アマンカイ ゥンジョーケー(食べ物の前で立っていたら食いしん坊みたいであっちに行きなさい)。
- メモ
- 類:ガチ・ガチマヤー。
カチクジーン
引っ掻き回す。ひどくかき回す。
- 用例
- ヌール カメートーラー グミヌ アルッサ カチクジーン(何を探しているのかゴミのありったけ引っ掻き回す)。
ワラバーターガ チャーイ カチクジティ(子どもたちが来て引っかき回して)。
否:カチクジラン(引っ掻き回さない)希:カチクジーブサン(引っ掻き回したい)過:カチクジタン(引っ掻き回した)継:カチクジトーン(引っ掻き回している)。
カチグヮー
垣根。
ガチグヮーグサ
リュウキュウハリギリ。
- 用例
- ガチグヮーグサヤ キーヌユダカイ ンジガ アン(ガチグヮーグサは小枝にトゲがある)。
カチケーイン
書き換える。
- 用例
- アンマーガ カチェーシ カチケーイン(お母さんが書いたのを書き換える)。
カチケーイン
書き換える。
- 用例
- アンマーガ カチェーシ カチケーイン(お母さんが書いたのを書き換える)。
カチケーラスン
ひっくり返す。
- 用例
- ヌヌママ ソーチーネー ヒサシ カチケーラスン(そのままにしていたら足でひっくり返すよ)。
- メモ
- 音1:ハチケーラスン。→ウッケースン。
カチシガイン
すがりつく。
- 用例
- ウヌ ワラベー ウヤ ンジーネー カチシガイン(その子どもは親を見るとすがりつく)。
否:カチシガラン(すがりつかない)希:カチシガイブサン(すがりつきたい)過:カチシガタン(すがりついた)継:カチシガトーン(すがりついている)。
カチシブイ
冬瓜を削ったもの。
- 用例
- シブイガ マンドーネー カチシブイ シ カムタン(冬瓜がたくさんある時にはカチシブイにして食べた)。
- メモ
- 冬瓜を2つに割って、その中身をスプーンで削っておやつとして食べる。水分が多く夏場に良く食べられ、少量の砂糖を混ぜることもあった。
カチタックヮスン
掻きむしる。引っ掻く。
- 用例
- ヰーゴーサヌ フシガラン チュラーク カチタックヮスン(痒くてたまらずひどく掻きむしる)。
否:カチタックヮサン(掻きむしらない)希:カチタックヮシーブサン(掻きむしりたい)過:カチタックヮチャン(掻きむしった)継:カチタックヮチョーン(掻きむしっている)。
ガチチ
魚介名。ウニ。
- メモ
- 類:ガチチャー。
ガチチャー
魚介名。ウニ。
- 用例
- ガチチャー トゥイガ イチュン(ウニを採りに行く)。
- メモ
- 類:ガチチ。
ガチチョッチョイ
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。仕掛けの餌によく食いついたので、ガチ(食いしん坊)と呼んだ。籠に入れると餌を食べなくなり長くは飼えなかった。
カチトゥミーン
書き留める。
- 用例
- ワンガ イーシ、カチトゥミレー(私が言うのを、書き留めなさい)。
カチヌファムチグヮー
餅を小さく切ったもの。
- メモ
- 旧2月1日の大御願がノロ殿内で終了すると子どもたちに分け与えた餅の呼称。
カチヌミー
垣の中。藪の中。
- 用例
- カチヌミーンジ ダキグヮー ヲゥーティチャーニ、メーシ チュクイタン(竹垣から竹を折ってきて箸を作った)。
- メモ
- 音1:カキヌミー・カキンミー・カチャヌミー。→カキヌミー。
カチヌミーチョッチョイ
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチヌミーパーパー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
カチヌミーパーパー
アオカナヘビ。
カチヌミーホロホロー
物陰でこそこそしている様。
- 用例
- マーン チュガヤラ ユールナーカラ カチヌミーホロホロー ソーンデー(どこの人なのか、夜中から、垣根でこそこそ歩いているよ)。
- メモ
- 類:カチミーホロホロー。
カチヌミーングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
カチホーイン
散らかす。ばらまく。
- 用例
- ワランチャーガ アチマイネー アルッサ カチホーイン(子どもたちが集まるとありったけ散らかす)。
否:カチホーラン(散らかさない)希:カチホーイブサン(散らかしたい)過:カチホータン(散らかした)継:カチホートーン(散らかしている)。
- メモ
- 類:チラカスン。対:カタヂキーン・シジミーン・ヒジミーン・スジュミーン。
カチホーリー
散らかしっぱなしの状態。
- 用例
- イッター ヤーヤ イチュルカージ カチホーリー ソーサ(お前の家は行くたびに散らかしっぱなしだ)。
カチマール
製糖時の相互扶助。砂糖キビの刈り取りの相互扶助。
- メモ
- 関:ガヤヰーマール・ユー・ヰーセー・・ヰーマール・スーゲー。
カチマキ
勝ち負け。勝敗。
- 用例
- ツゲー カチマキ チキラヤー(次は勝敗をつけようね)。
ガチマヤー
食いしん坊。食い意地のはった者。
- 用例
- イャーヤ アンシ ガチマヤー ヤテール(お前はなんて食いしん坊だったんだね)。
- メモ
- 類:ガチ・ガチクェー。
カチミー
垣根。
カチミーチョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥にもいった。
カチミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。チョッチョなどと鳴く、雀〔スズメ〕や鶯〔ウグイス〕などの小鳥にもいった。
カチミーパーパー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
カチミーホロホロー
物陰でこそこそしている様。
- メモ
- 類:カチヌミーホロホロー。
カチミーン
捕まえる。捕らえる。掴む。
- 用例
- ヌスル カチミーン(泥棒を捕まえる)。ジュンサガ カチミテールフージ(巡査が捕まえたようだ)。
イットゥチェー ヒージャー カチミトーケー(一時は山羊をつかまえておいて)。
否:カチミラン(捕まえない)希:カチミーブサン(捕まえたい)過:カチミタン(捕まえた)継:カチミトーン(捕まえている)。
カチミラリーン
捕まえられる。
- 用例
- ヤナクトゥサーマ カチミラリーン(悪い事をして捕まえられる)。
否:カチミラン(捕まえない)過:カチミラッタン(捕まえられた)継:カチミラットーン(捕まえられている)。
カチミングヮ
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
カチミングヮスン
かきみだす。人の話や決まったことに横やりを入れる。
- 用例
- アリガ チーネー カチミングヮスンドー(彼が来るとかき乱すよ)。
否:カチミングヮサン(かき乱さない)希:カチミングヮシーブサン(かき乱したい)過:カチミングヮチャン(かき乱した)継:カチミングヮチョーン(かき乱している)。
カチャ
蚊帳〔かや〕。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー カチャ ヒチ ニンジュタンヤー(私たちが小さい頃は蚊帳を張って寝ていたね)。
- メモ
- 葬式蚊帳はは2、3人で張ることから、日常の蚊帳は1人で張るものだといわれた。また、アシビの際には、演者の所作が見えるように地謡と舞台の間に蚊帳が張られた。
カチャーシー
テンポの速い雑踊り。
- 用例
- チヌーヌ ボージャースージェー カチャーシーン ディキティ イッペー ハネーチョータン(昨日の出産祝いはカチャーシーも上出来でとても盛況だった)。
- メモ
- 祝いの座の最後にテンポの速い三線の曲に合わせて即興で自由自在に踊る踊り。
カチャースン
かき混ぜる。
- 用例
- ナービヌ ゴーヤーチャンプルー カチャースン(鍋のゴーヤーチャンプルーをかき混ぜる)。カチャーチ(かき混ぜて)。
否:カチャーサン(かき混ぜない)希:カチャーシーブサン(かき混ぜたい)過:カチャーチャン(かき混ぜた)継:カチャーチョーン(かき混ぜている)。
カチャヌミー
垣の中。藪の中。
- 用例
- カチャヌミーンカイ ヒンギティ ハイタン(薮の中に逃げて行った)。
- メモ
- 音1:カキヌミー・カキンミー・カチヌミー。→カキヌミー。
カチャヌミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。仕掛けの餌は潰した芋に花や赤い唐辛子など色の付いたものをさすと、よく獲れた。鳥籠に入れると暴れて怪我をするので長くは飼えなかった。
カチャミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチャムン
引っ掻く。かきむしる。
- 用例
- サールー ガンマリ シーネー カチャムンドー(猿を悪戯すると引っ掻くよ)。
否:カチャマン(引っ掻かない)希:カチャミーブサン(引っ掻きたい)過:カチャマッタン(引っ掻かれた)継:カチャドーン(引っ掻いている)。
カチュー
鰹。鰹節。
- 用例
- カチューヤ ルクグヮ チマングラ ユー トゥラリーサ(カツオは六月頃に良く釣れるよ)。
カチュー ヒジュン(鰹節を削る)。
カチューウヤー
鰹売り。鰹節行商人。
- 用例
- カチューウヤーヤ、ウカジカラ アチネーシーガ チュータン(鰹節売りは、宇加地から行商人が来ていた)。
- メモ
- 女性が盥に鰹節を入れて、頭に乗せて行商していた。渡慶次・儀間近辺には恩納村から鰹節売りが来ていた。
カチューユー
鰹節と味噌をお湯で溶いた汁。
- 用例
- クチニーサンディグトゥ カチューユー チュクイサ(食欲がないというからカチューユーを作るさ)。
- メモ
- 類:ユーカキー。
カチュン
書く。描く。
- 用例
- ドゥーヌ ノージ カチュン(自分の名前を書く)。ンナシ ヰー カチュン(皆で絵を描く)。
否:カカン(書かない)希:カチーブサン(書きたい)過:カチャン(書いた)継:カチョーン(書いている)。
- メモ
- 類:カクン。
カチュン
掻く。
- 用例
- ムシカイ クヮーッティ ヰーゴーサグトゥ カチュン(虫にさされて痒いから掻く)。
チュヌメーヲゥテイ ハジ カチュン(人前で恥を掻く)。
否:カカン(掻かない)希:カチーブサン(掻きたい)過:カチャン(掻いた)継:カチョーン(掻いている)。
- メモ
- 類:カクン。
ガチュン
魚介名。メアジ。
- 用例
- ユーバノー ガチュン アギーン(夕飯はメアジを揚げる)。
ガチュンアミ
漁具名。魚網。
- メモ
- 字宇座では各戸に網が常備されていた。漁の季節になると海佐事(使丁)が各戸に告げて廻った。
ガチラーサン
食いしん坊にみえるようだ。
- 用例
- ムンビカーン メー ナチョーチーネー ガチラーサン(食べ物だけを前にしていたら食いしん坊にみえる)。
カチリーン
飢える。
ガチングェー
つまみ食い。
- 用例
- イャー リヌムノー ガチングェービカーン ッシ!(お前という奴はつまみ食いばかりして!)。
- メモ
- 音2:ヒルイングェー・ヌスルングェー。
カチンミー
垣根。
カチンミー
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
カチンミー
垣根。
カチンミー
生け垣の中。
カチンミーチョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチンミーチョッチョレー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチンミー(藪の中)にいて、チョッチョッチョと鳴いた。春にはホーホケキョーと鳴く。
カチンミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カチンミーパーパー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。カチンミーは藪の中、パーパーをお婆さんの意味。
カチンミチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カッカイマチブイ
まとわりつく様。
- 用例
- カッカイマチブイ シ ティーチン メーネー アガカン(あちこちに絡まってちっとも前に捗らない)。
- メモ
- 類:カカイマチブイ。
カックィーン
隠れる。
カックヌミーチョッチョロー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カックヮスン
隠す。
- 用例
- ワランチャーガ ンラン トゥクルカイ クヮーシ カックヮスン(子どもたチが見えない所にお菓子を隠す)。
否:カックヮサン(隠さない)希:カックヮシーブサン(隠したい)過:カックヮチャン(隠した)継:カックヮチョーン(隠している)。
- メモ
- 類:カクスン。
カックンゴーリー
子どもの遊び。かくれんぼ。
- メモ
- 類:トゥールクヮクェー・クヮッキントールー・トーイガックイ・トールガックイ。
カッケームッケー
あれこれものを言う様。言いたい放題。
- 用例
- カッケームッケー イーブサヌカッティー ヌール イチョーラー ワカラン(あれこれ言いたい放題で何を言っているのか分からない)。
カッコー
おしめ。
- 用例
- ユグリムノー カッコーシ チチメー(汚れた物はおしめで包みなさい)。
- メモ
- 類:カコー。
ガッコーアッチャー
学生。
- 用例
- ナマン ミッチャイ ガッコーアッチャーガ ヲゥン(今も3人の学生がいる)。
カッコーヒッコー
ぼろ布。
- 用例
- カジフチ ナティ ウチアミ スグトゥ カッコーヒッコー ムル アチミレー(台風で雨が入り込むからぼろ布のありったけ集めなさい)。
ガッサン
軽い。
- 用例
- イャームノー ワームンヤカ ジョーイ ガッサン(お前の物は私のよりずっと軽い)。
- メモ
- 対:ゥンブサン(重い)。
カッシン
合戦。大会。
カッチャーシー
雑踊り。
- メモ
- 類:カチャーシー。
カッチャーシクジーン
ひっかきまわす・めちゃめちゃにする。
- 用例
- アリカイ サーラシーネー ムル カッチャーシクジティ ワカラン ナインドー(彼に触らせると全部ひっかきまわして分からなくなるよ)。
否:カッチャーシクジラン(ひっかきまわさない)希:カッチャーシクジブサン(ひっかきまわしたい)過:カッチャーチャン(ひっかきまわした)継:カッチャーチョーン(ひっかきまわしている)。
カッチャースン
かき混ぜる。
- メモ
- 類:カチャースン。
カッチュン
勝つ。
- 用例
- クンドゥン イリヌシンカガル カッチュサニヤー(今年も西の人たちが勝つんでしょうね)。
クンドゥヌ ウンドーカイヤ チャーシン カッチーブサン(今年の運動会はどうしても勝ちたい)。
否:カッチーサン(勝てない)希:カッチーブサン(勝ちたい)過:カッチャン(勝った)継:カッチョーン(勝っている)。
- メモ
- 対:マキーン(負ける)。
カッチン ヘーバル
地名(うるま市の勝連と南風原)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
カッチンミーチョッチョラー
ウグイスの幼鳥。
- メモ
- →カキヌミーチョッチョロー。
カッティー
勝手。手慣れた者。熟練者。
- 用例
- ドゥー カッティー シーネー バッベーインドー(自分勝手にすると間違えるよ)。ンカシェー クヮナシーニン カッティール タヌムタンドー(昔は子どもを産むときにも手慣れた人を頼んだんだよ)。
ヌー スンディン カッティガ ヲゥイビシェーヤ(何をするにも熟練者がいますでしょう)。
- メモ
- お産などは経験豊富なカッティーの手を借りた。音:カッティ。
ガッティン
合点。
- 用例
- アンシェー ガッティンヤ サンサ(それでは合点がいかないよ)。
ガッティングヮー
軽々と。
- 用例
- マギサヌ イシ ガッティングヮー ムッチュタン(大きな石を軽々と持ち上げた)。
- メモ
- 類:カルガルートゥ・ヤシヤシートゥ。
カッパー
乾燥してかたくなっている様。
- 用例
- カッパー ナトーンドー(乾燥してかたくなっているよ)。
ガッパー
杵。横杵〔よこぎね〕。
- メモ
- 類:カッパヤー。
ガッパイ
額や後頭部が出ていること。
- 用例
- アリガ ガッパイヨー(彼の頭のいびつなこと)。
カッパヤー
杵。横杵〔よこぎね〕。
- 用例
- ゲンノーヌ グトゥ ソール カッパヤーッシ チチュン トゥクルン アイビーシェー(ゲンノウのような横杵で搗くところもありますよ)。
- メモ
- 類:ガッパー。
ガッパヤー
額や後頭部が出ている人。
- 用例
- アヌ ガッパヤーガ シーンジャチェール ワジャ ヤサ(あのでこっぱちがしでかしたことだよ)。
カティムン
おかず。
- 用例
- シルビカーンシェー ワター ミッタン カティムン ゥンジャシェー(汁だけでは腹いっぱいにならないからおかずを出しなさい)。
- メモ
- 行事のおかずが入った重箱にもカティムンといった。
カティムントゥエー
行事の前の小規模な漁。
- メモ
- 行事の前に、御馳走の材料調達のために数人で行なった小規模な漁のこと。
カテーナムン
困ったもの。厄介もの。
- 用例
- アレー ミッタ カテーナムンレー(彼は本当に困った者だな)。チャッサ カンゲーティン カテーナムン ヤッサー(どんなに考えても困ったものだな)。
カテーバル
{片江原}。儀間の小字。
カデナー
地名(嘉手納町嘉手納)。
カドゥ
角。組。集落を構成する組織。
- メモ
- →音1:カル。
何組かに分けてカドゥ(角)と呼ばれていた。
カドゥカイ
角会。
- メモ
- 宇座では地域の扶助組織である隣組を角会といっていた。後に組会と呼ぶようになった。
カドゥシンカ
同じ組の仲間。隣組の構成員。
- メモ
- 葬式の際は、葬式や喪家の家畜の世話、芋掘りなどを扶助した。
カナ
綛(かせ)にかける前の一束にした糸。
- 用例
- カナ スミーン(糸を染める)。
ガナー(~ガナー)
~しながら。~しつつ。~がてら。
- 用例
- アシバガナー(遊びながら)。
カナースン
噛む。咀嚼〔そしゃく〕する。
- 用例
- シシヌ クファサヌ イクケーヌン カナースン(肉が固くて何度も噛む)。
否:カナーサン(噛まない)希:カナーシーブサン(噛みたい)過:カナーチャン(噛んだ)継:カナーチョーン(噛んでいる)。
カナイヂューサン
達者でよく働けるようす。
- 用例
- ドゥク カナイヂューサヌヨ、ヤーネー カカランル アル(とても元気すぎて家にじっとしていないよ)。
カナイン
①達者である。働ける。自由がきく。②かなう。
- 用例
- ①クチ カナイン(口答えをする)。ドゥーヌ カナーン(体がきかない)。イャーネー カナーンサー(お前にはかなわないなあ)。
②イャーネー カナーンサ(お前にはかなわないなあ)。イャーヤ アリンカイ カナインナー(お前は彼に勝てるか)。
ワラビヌ チブルンカイヤ カナーン(子どもの知恵にはかなわない)。
否:カナーン(かなわない)。
カナイン
元気だ。達者だ。
- 用例
- ワッター スーヤ ナマヤティン デージ カナイン(私の父は今でもとても元気だ)。
ブユーン ヌーンクイ カナトーン(武勇も何でも達者である)。
ドゥーヌ カナーン(体が丈夫でない)。
継:カナトーン(元気である)。
- メモ
- 否:カナーン。
カナカ
鍛冶道具のひとつ。鉄床。
カナガナートゥ
仲の良い様。
- 用例
- チョーデーヤ イチマディン カナガナートゥ シーヨー(姉妹はいつまでも仲良くしなさいよ)。
カナギーン
からげる。
- 用例
- ンリラングトゥシ スス カナギーン(濡れないように裾をからげる)。
否:カナギラン(からげない)希:カナギーブサン(からげたい)過:カナギタン(からげた)継:カナギトーン(からげている)。
- メモ
- 類:カイギーン。
カナクジ
金釘。
- メモ
- 音1:カニクジ。音2:クジ・グジ。
カナグシク
瀬名波にある遺跡。地名伝承。
- メモ
- 野原で墓がいっぱいあった。
カナサ スン
可愛がる。
- 用例
- カナサ シミソーリ(可愛がってください)。カナサシ ミートゥ ナタン(愛し合って夫婦になった。イッペー クヮ カナサスン(とても子どもを可愛がる)。
カナサン
愛しい。かわいい。
- 用例
- ドゥシンチャーヤ ウフッチュナティン カナサンヤー(友達は大人になっても愛しいものだ)。
カナサシ ミートゥナタン(愛し合って夫婦になった)。ターヤ カナサガ(誰が好きか)。イッペー カナサンロー(とても愛おしいよ)。
- メモ
- 音1:カナハン。
ガナシー(~ガナシー)
~様〔さま〕。
- 用例
- シージャガナシー(お兄様)。
- メモ
- 敬称につく接尾辞。
カナシドゥシ
親友。
- 用例
- ワントゥ アリトー イッペーヌ カナシドゥシ ヤン(私と彼女はとても仲の良い友人だ)。
マルケーテー カナシドゥシンチャー アチマティ アシビーガ イカヤー(たまには仲の良い友達で集まって遊びに行こうね)。
- メモ
- 類:クビチリドゥシ。
カナバー
農具名。稲の脱穀をする道具。
- メモ
- 音:カナバ。
カナハン
愛しい。
- 用例
- ドゥシンチャーヤ カナハン(友達は愛しい)。
- メモ
- 音1:カナサン。
カナミ
要。念。
- 用例
- バッペーラングトゥ カナミ カキーン(間違えないように念を押す)。
カナムン
金物。金属製の物。
- 用例
- カナムンヤ チュトゥクマカイ アチミティ ウッチョーケー(金物は一か所に集めておきなさい)。
カナムンヤー
金物屋。
- 用例
- クジヌ ネーンラー カナムンヤーヲゥティ コーティクーワ(釘がないなら金物屋で買って来なさい)。
カナヤー
働き者。元気者。
- メモ
- 音2:ハマヤー。→アガチャー。
カナヨー
甘藷の品種名。
- メモ
- ンムに似た美味しい甘藷。
ガナラサン
かいがいしい。よく立ち働く様。
- 用例
- ワッター ユミヤ ジッコー ガナラサン(うちの嫁はとてもてきぱきと働く)。
- メモ
- 類:ガラナハン・ガラナサン。
カナワイン
叶う。
- 用例
- ウムトータルグトゥ ヌジュミ カナワイン(思っていた通りに望みが叶う)。
否:カナワラン(叶わない)過:カナワタン(叶った)継:カナワトーン(叶っている)。
カニ
理性。常識。
- 用例
- チョー トゥシ トゥッティン カニ ハンリランケー シムサ(人間は年を取っても常識をはずさなければいいさ)。
カニ
金属製の物。
- 用例
- カニヤ チュトゥクマカイ アチミトーケー(鉄は一か所に集めておきなさい)。
カニガ ナイネー ヤーカイ ケーラヤー(鐘が鳴ったら家に帰ろうね)。
カニ
鉦。鐘。
- 用例
- カニガ ナイネー ヤーカイ ケーラヤー(鐘が鳴ったら家に帰ろうね)。
ガニ
カニ。蟹。
- 用例
- クーサイネー シージャンチャートゥ マジョーン カーラカイ ガニ トゥイガ イチュタン(小さいころは兄さんたちと一緒に川に蟹を取りに行った)。
ガニ
ケチ。
- 用例
- アレー ドゥク ガニ ナティ チュンカイ ウグインディシン シラン(彼奴はあまりにもケチで人にご馳走するってことも知らない)。
- メモ
- 類:イビラー・グマイ・グンジューグマー・ニジヤー。
カニー
庚。十干のひとつ。
- 用例
- カニーヌ ヒーニ スージ サナ(庚の日に祝いをしよう)。
- メモ
- 吉日とされ、物事を執り行うのに良いとされている。
カニーグヮー
芯が強い女性。利発な女性。
- 用例
- ウレー カニーグヮー ヤンドー(その人は利発な女性だよ)。
カニウッチャー
鉦を鳴らす者。念仏者。
- メモ
- 類:ニンブチー・ニンブチャー。
カニガラ
石工〔いしく〕道具名。墓造り等に用いる。
- 用例
- →イシガナ。
カニグサ
蟹草〔カニクサ〕。シャミセンヅル。
カニクジ
金釘。
- 用例
- ゥンマリカーヤ カニクジガ マンドーグトゥ ヒサムトゥ キー チキリヨー(そこら辺は釘が多いから足元に気をつけなさいよ)。
- メモ
- 音1:カナクジ。→カナクジ。
カニクジー
砂地。
- 用例
- ゥンマヰーヤ カニクジー ヤタン(馬場は砂地だった)。
- メモ
- 類:シナジ。
カニクス
金屎。
カニジーファー
金属製の簪。
- 用例
- ワッター パーパーヤ カニジーファー ウホーク ムッチョータン(私の祖母は金属製の簪をたくさん持っていた)。
カニチ グチ
閂口。綱引きの雌雄の綱を結合させる場所。綱を引く場所の中央部分。
- メモ
- 類:カニチドゥクル。
カニチドゥクル
閂所。綱引きの雌雄の綱を結合させる場所。綱を引く場所の中央部分。
- メモ
- 類:カニチグチ。
カニチヌチ
閂通し。綱引きの雌雄の綱を結合させること。
- メモ
- 雌雄の綱の先端は輪になっており、雌綱の輪に雄綱の輪を入れ、その雄綱の輪に丸木棒を通し結合させること。
カニチヌチャー
閂抜き。綱引きの雌雄の綱を結合させる者。
- メモ
- 綱引きの雄綱と雌綱を、綱を引く場所の中央に寄せてきたとき、閂棒を綱に貫き通す役の者で、大力の者が選ばれる。
カニチボー
閂棒。綱引きのとき、雌綱と雄綱とのつなぎ目に通す丸木棒。
- メモ
- 音:カヌチボー。
カニヂューカー
金属製の急須。
カニティ
前から。以前から。
- 用例
- カニティカラ ワンガ イチャノー アラニ(前から私が言ったでしょう)。
カニナービ
鉄鍋。
カニハンリーン
ぼける。もうろくする。
- 用例
- トゥシ トゥッティ カニハンリーネー ヤッケー ヤサ(年を取ってボケたら厄介だ)。
- メモ
- 類:ローマチリーン。
カニビン
錫製の酒器。対になっている、祝い事などに錫製の酒器。
- 用例
- ニービキネー カニビンカイ サキ イリータンヤー(結婚式の時には錫製の瓶に酒を入れたね)。
カニビンクンダグヮー
錫製の酒器のような形の良いふくらはぎ。
- 用例
- アンシ イー カニンビンクンダグヮー ソール(何てきれいなふくらはぎをしているんだろう)。
ナガハマヌ ミヤラベー カニビンクンダグヮー(長浜の娘は酒器のようにしまったふくらはぎだ)。
カニベンサー
コガネムシの一種。
- 用例
- カニベンサー カチミタン(黄金虫を捕まえた)。
カヌチャ
綱引きの雄雌の綱を結合させる箇所。
- 用例
- カヌチャヤ ナカジンヲゥティ ヌクタン(雄綱と雌綱は真ん中で貫いた)。
カネー
小作。小作料。使用料。借地料。
- 用例
- イッター カネーヤ ニンニ チャッサ ハラトーガ?(貴方たちの土地代は一年に幾ら払っているの?)。
ハルカネー シミタイ(小作をさせたり)。ワッターヤ ジーン ネーラングトゥ カネーカカトーン(うちは土地もないので小作をしている)。
- メモ
- 小作を意味するカネーが小作料や借地料の意味をももつ。
カネーは畑の耕作だけでなく、次のような事例もある。
製糖小屋周辺など字の共有地から草を刈る場合にはカネー(小作料)を支払った。字都屋には残波沖から向こうには漁業権が無かったので、漁漁業料という名のカネー(使用料)を払った。次男三男など分家の者が本家の畑を小作することにカネーカカインといった。字長浜では家畜の餌の草を刈るために隣村の谷茶まで行った。
カネー カカイン
小作する。
- 用例
- ワッターヤ ヒンスー ヤグトゥ カネー カカイン(うちは貧乏なので、小作をしている)。
- メモ
- 次男三男など分家の者が本家の畑を小作することにカネーカカインといった。
カネー カキーン
小作をさせる。
- 用例
- ウフヂネーヤ テーゲー カネー カキトータン(豪農はだいたい小作させていた)。
- メモ
- ウフヂネー(篤農家)や働き手のいない家は、他人に小作させることが多く、それをカネー カキーンといい、賃金ないしそれに相当する作物を小作人に支払った。
カネー ママヌチャーイ
小作料金の徴収。
- メモ
- 小作人たちは年に1回カネーヌチャーイ(小作料徴収)の日に地主へ支払いに行き、地主はまた御馳走を準備し労をねぎらった。字長田では豚を潰して会席を出しお土産まで持たせたという。
カネーイ
元気。達者。
- 用例
- チャー カネーイ ヤンシェーンナー?(変わりなくお元気ですか?)。
カネーイン
取り囲む。
- 用例
- マーニン ヒンギラングトゥ ンナシ カネーイン(どこにも逃げないように皆で取り囲む)。
カネーガキ
小作をさせること。小作契約。
- 用例
- サンジューエンシ カネーガキシ タムン トゥトータン(30円の小作料で薪を取った)。
- メモ
- 字渡慶次・儀間・宇座などは隣村塩屋・真栄田と年間30円の契約で薪を採集した。
カネーグヮー
小作料。使用料。借地料。
カネーモー
小作地。
- メモ
- カネーモーから無断で草を刈ってはならない。
カバ
香り。
- 用例
- ウヌ ウコーヤ アンシ イーカバ スル(その線香はとても良い匂いがするね)。
カバ
香り。
- 用例
- ウヌ ウコーヤ アンシ イーカバ スル(その線香はとても良い匂いがするね)。
カバ
ビニール。
- 用例
- ンリラングトゥッシ カバ カキトーケー(濡れないようにビニールを被せておきなさい)。
- メモ
- 新語
カバウコー
香りの良い線香。竹芯線香。
- 用例
- カバウコーカラ コーティクーヨー(良い匂いのする線香を買って来なさいよ)。
カバグー
香しい粉。
- メモ
- きな粉やすり胡麻などの香りにいう。
カバサン
芳しい。香ばしい。
- 用例
- ンカシヌ サフノー ジコー カバサタンヤー(昔の石鹸はとても良い匂いがしたね)。
- メモ
- 類:カバハン。
カバッチュ
薫りたつような人。
カバハン
芳しい。良い匂い。
- 用例
- ランパチ ヒチ アトゥ アンダグヮー ナシーネー イッペー カバハタンヤー(散髪後髪油をつけるととても良い匂いがしたね)。
- メモ
- 類:カバサン。
カバヤー
テント小屋。屋根にビニールを掛けた小屋。
- 用例
- アミ フトールムン、カバヤーヲゥティ アミ ハラサナ(雨が降っているから、テント小屋で雨を晴らそう)。
カビ
紙。
- 用例
- ウッサキーヌ カビ アチミティ チャー スヌ バーガ(そんなにたくさんの紙を集めてどうするつもりか)。
カビアンジ
銭紙を炙ること。
- 用例
- ンナ スリティカラ カビアンジ スン(皆が揃ってから銭紙を炙る)。
- メモ
- 類:ンチャビ。
盆や彼岸をはじめとする法事に、祖霊が後生でお金に困らないようにと、お金をかたどったウチカビ(紙銭)を炙った。カビアンジをするのは一般に世帯主の役目である。
カビウチ
打ち紙にお金の型を押す鉄製の道具。
- メモ
- →ウチカビウッチャー。
カビギ
カジノキ。楮の木。
- 用例
- カビギヤ ヤマカイ イキーネー マンドータン(カジノキは山に行くとたくさんあった)。
カビギンガー
カビギの井泉。楚辺の井泉の名称。
- メモ
- 楚辺のナナウタキ(七御嶽)のひとつでイーガーともいう。暗川発見以前、集落の人々はこの井泉を頼りに生活したといわれる。付近一帯にカビギ(カジノキ、クワ科の落葉高木)が多かったのでカビギンガーと呼ばれている。
カビシ
壁石。
- 用例
- カビシシ カママーイヤ チムタン(石で竈周りを積んだ)。
カビシディシェー イシシ チュクラットール クビヌ クトゥ ヤサ(カビシというのは石で造られた壁のことさ)。
- メモ
- 海岸の石を切り取って造る壁用の石のこと。昔は海岸の石にクサビを打ち込んで、専門の人がそれぞれの用途に合わせて石を切り取っていた。
カビジリー
紙切れ。
- 用例
- ヌーン ネーンラー ゥンマリカーンカイ アル カビジリーンカイ カチョーケー(何もなければそこら辺にある紙切れに書いておきなさい)。
カビジン
紙銭。札。紙のお金。
- 用例
- カビジン チカイシェー マシ ヤサ(札を使った方が良いよ)。
カビバク
紙箱。
カビブクル
紙袋。
- 用例
- カビブクルンカイ クヮーシヌ イッチョーン(紙袋にお菓子が入っている)。
ガファラ
ふけ。
- メモ
- →アクミ。
カブイン
欠損する。失敗する。被る。
- 用例
- マギモーキ スンディ シーネー カブインドー(大儲けをしようとしたら失敗するよ)。
- メモ
- 類:ウルキーン。
カフー ムッチョーン
妊娠している。
- メモ
- →ウフワタ ソーン。
カフーシ
ありがとう。
- 用例
- チャー ティガネー シ トゥラチ カフーシドー(いつも手伝ってくれてありがとうね)。
- メモ
- 目下への感謝の言葉。
カフーナチュ
果報な人。幸せな人。
カブグヮー
かんざしの端のしゃくし型の部分。
- 用例
- ジーファーヌ カブグヮーシ クーグヮー イッティ(かんざしのカブで粉を少し入れて)。
カブラー
闘牛用の牛の名前。
- 用例
- ウシヌ チヌヌ シチャ ンカトーシカイ カブラーディータン(牛の角が下を向いているのにカブラーといっていた)。
カマ
竈〔かまど〕。
- メモ
- 類:カマドゥ。
ガマ
洞窟。洞穴。
- 用例
- ウルルチャーニ ドゥーチュイ ガマカイ ヒンギティ ハイタン(驚いて一人で洞窟へ逃げて行った)。
- メモ
- →アブ。
ガマク
腰。
- 用例
- ゥンブムン ムッチャレー グテーヌ カナーン ガマクヌ ヤムン(重いのを持ったら力がなくて腰が痛い)。
カマサー
魚介名。カマス。
- 用例
- カマサーヤ ナガイユグヮー ナティ イリチヤ マンドータヌ ハジドー(カマスは長い魚でうろこが多かったはずだよ)。
- メモ
- 類:カマシ。カマジー。
カマサギ
祭祀を行う場所。ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- メモ
- 音1:カミサギ。音2:アサギ・カミアサギ。→アサギ。
カマシ
魚介名。カマス。
- メモ
- 類:カマサー。カマジー。
カマジー
かます。藁で編んだ目の細かい袋。穀類や塩などを入れた。
- 用例
- サーターヤ カマジーヌ チャッサ バサンカイ ヌシーガ?(砂糖はカマスの幾つ分馬車に載せるの?)。
- メモ
- 類:カマサー・カマジ。
カマジーシバイ
かますで囲った小屋掛け芝居。
- メモ
- 広場や家の庭を借用し、かますで囲ったような粗末な舞台で行われた芝居。
カマジェー
コオロギ。
- 用例
- カマジェーヤ ナマヤティン ナキギー キカリーシェーヤー(コオロギは今でも鳴き声が聞こえるさあね)。
カマジサー
不愛想な人。
- 用例
- イャーヤ アンシ カマジサー ナティ(君はひどく不愛想だ)。
カマジシ
不愛想。
- 用例
- カーゲー チュラサシガ カマジシ クートーン(美人だが不愛想だ)。
カマスン
食べさせる。
- 用例
- ゥンマガンカイ ムン カマスン(孫に食事をさせる)。否:カマサン(食べさせない)希:カマシーブサン(食べさせたい)過:カマチャン(食べさせた)継:カマチョーン(食べさせている)。
カマドゥ
竈〔かまど〕。
- メモ
- 類:カマ。
カマナー
台所。
- メモ
- →イーウスントゥー。
カマヌイビー
竈の土を塗り替える日。戊か庚の日に塗った方が良いといわれた。
ガマバカ
洞窟墓。洞穴墓。洞窟を利用して、穴を掘って造った墓。
- 用例
- ウミヌ ハタヤ ガマバカガ ナラドータン(海側は洞窟墓が並んでいた)。
カマブク
カマボコ。
- 用例
- カマブク コーイブサシガ マーヌ ムンガ マーサガヤー?(カマボコを買いたいがどこのが美味しいかね?)。
カママーイ
行事名。火難防止祈願。
- メモ
- 旧10月吉日に行われるヒーマーチヌウガンともいう行事。各戸の竈(かまど)を見て廻ったのでカママーイという。
字長浜・儀間ではククヌトゥグンジュー(49歳)のウガンウスメー、ウガンメーと呼ばれる初老の男性たちが火災防止の祈願を行った。
字伊良皆では、ヒーゲーシ(火返し)といい、カータキ(井泉や御嶽)とジトゥーヒヌカン(地頭火の神)を拝した後に各戸の火の神を拝む。拝みが終わると、茅葺き家から茅を抜き取り、瓦葺の家屋からは燃える物を集めて、小屋を造った。各戸から人を集めて、その小屋に火を放ち、鳴り物をならし「ホーハイ、ホーハイ」と言いながら水をかけて小屋を消火する。
カマラー
気難しい者。
- メモ
- 類:カマラシムン。
カマラサン
気難しい。
- 用例
- ワッター トゥジェー イッペー カマラサン(私の妻はとても気難しい)。
カマラシムン
気難しい者。
- 用例
- アレー カマラシムン ヤンヤー(彼は気難しい人だね)。
- メモ
- 類:カマラー。
カマランカミ
無理に食べること。
- 用例
- カマランカミ スル サクヤラー カマンケー(無理に食べるくらいなら食べるな)。
- メモ
- 類:クヮーランクェー。
カマランカミ
無理に食べること。
- 用例
- カマランカミ スル サクヤラー カマンケー(無理に食べるくらいなら食べるな)。
- メモ
- 類:クヮーランクェー。
カマンタ
茅などの植物で編んだ大鍋の蓋〔ふた〕。釜蓋。
- 用例
- カマンタヤ マーニン ヒティンナヨー(鍋蓋はどこにも捨てるなよ)。
カマンタヤ キーンカイ サギトーケー(鍋蓋は木に吊しておけ)。
- メモ
- 茅を細く束ねて竹や蔓で巻いて編んだ鍋の蓋。ススキや藁を竹ひごを円錐形に編んで作られていた。
釜蓋を伏せておくとアカマタが孵化するので伏せて置いてはいけない、地にそのまま置いてはいけないなどといわれた。
カマンタ
魚介名。エイ。
- 用例
- カマンター ウヤ クェームン(エイは親を喰う)。
ウッピナーヌ カマンタ ユー トゥッテール(そんなに大きなエイをよくぞ捕ったもんだ)。
- メモ
- エイの子が漁師の釣り針にかかると親の陰部に逃げ込む。それで親まで一緒に釣り上げられるので、「エイの子は親を喰う」という話が糸満にある。
カミアキネー
荷を頭に載せての行商。
- 用例
- ワッター オバーヤ カミアキネー ヒチョータン(私の祖母は頭上に物を載せて行商していた)。
- メモ
- 類:カミアチネー。
カミアサギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- 用例
- カミアサギヲゥティ ウグヮン ウサギトーン(カミアサギで御願をしている)。
- メモ
- 音2:アサギ・カマサギ・カミサギ。→アサギ。
カミアサギモー
カミアサギに隣接する広場。
- メモ
- 音:カミサギモー。
字瀬名波ではノロや神人たちが神を招請して祭祀する場所であった。かつては、近辺に松の木やマーニ(黒ツグ)などが生い茂っており、相当な面積であったが、現在は祠に霊石が安置されているのみである。アサギ参照。
カミアチネー
荷を頭に載せての行商。
- 用例
- ワッター アンマーヤ トゥーチ カミアチネー ッシ アッチュタン(私の母はいつも頭に荷物をのせて行商していた)。
- メモ
- 類:カミアキネー。
カミアチネーサー
荷を頭に載せて行商する者。
カミーグルサン
食べ難い。
- メモ
- 音1:カミグリサン・カミグルハン。
カミーン
荷を頭に載せる。
- 用例
- ゥムバーキ カミーン(芋を入れたザルを頭に載せる)。
トゥヤーカラヨー バーキ カミティ スクグヮー ウイガ チュータンヨー(都屋からね、ざるを頭に載せてアイゴの稚魚を売りに来ていたよ)。
否:カミラン(載せない)希:カミーブサン(載せたい)過:カミタン(載せた)継:カミトーン(載せている)。
カミーン
押しいただく。
- 用例
- ハナグミ カミーン(花米を押しいただく)。ヌブシヌ タマ カミティ(ヌブシの玉を頭に載せ)。シラギ カミトーン(白髪になられている)。チジナカ カミトーン(ありがたく思っている)。
継:カミトーン(押しいただいている)。
カミウクイ
神送り。1年で最後に行われる8月のウマチー。
カミウコール
神御香炉。
- メモ
- 宗家にある上代の祖先を祀った香炉。
カミウシーミー
《一門清明》行事名。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- カミウシーミーヤ ムンチューシンカシ ウガムン(神御清明は門中の人たちで拝む)。
- メモ
- 音2:アジウシーミー・イチムンシーミー・ムンチューシーミー。
長浜では清明の入り日に行う。午前中は門中の人が集まって墓を掃除し、午後は重箱料理を供えて皆で拝んだ。
カミウンケー
行事名。神迎え。
- メモ
- 類:ウマチー。
集落にある拝所へ、村の祭祀を司るノロを頂点とした神役と集落の代表、集落内宗家の代表などが神酒や供物を供え、豊穣祈願・感謝、集落の繁栄祈願を行う行事のこと。
カミオーキバル
{上大木原}。大木の小字。
カミカンティー
①食べがたい。腹がいっぱいでこれ以上食べれないこと。②食べ物に困ること。生活に困ること。
- 用例
- ①ワタ ミッチ カミカンティーソーン(お腹いっぱいで食べきれない)。②イクサユーネー チャー ムヌン カミカンティー ソータン(戦争の時にはいつも食べ物に困っていた)。
- メモ
- 類:クェーカンティー。
カミグシンジュ
神御墓。使われなくなった古い墓の呼称。
- メモ
- 類:カミバカ。
カミグリサン
食べ難い。
- 用例
- ヤーサー アティン チュヌメーヲゥテー カミグリサン(お腹はすいていても人前では食べにくい)。
- メモ
- 音1:カミグルハン。
カミグルハン
食べ難い。
- メモ
- 音1:カミグリサン・カミーグリサン。
カミサギ
ノロや神人が祭祀を執り行う場所。
- メモ
- 音1:カマサギ。→アサギ。
カミジバル
{亀地原}。波平、大湾の小字。
カミジョージ
食べ上手。
- 用例
- ウヌワラビヌ ムン カミジョージ ヤシヨー(その子のご飯の食べ上手なこと)。
カミズク
食べていく術。生活力。
- 用例
- カミズク ナラン(生活できない)。
- メモ
- 音2:ムヌカミジュク・カミリクチ。類:ムヌクェージク。
カミダーリ
神がかり。
- 用例
- トゥナイヌ ヰナグングヮガ カミダーリ ソーンディシェー フントー ヤンナー?(隣の娘が神がかりしているって本当ねぇ?)。カミダーリ ソール チュ(神がかりしている人)。
カミチキーン
食べ尽くす。
- メモ
- 類:カミトゥバスイン・ハバチチキーン。
カミヂューサン
食べすぎ。
- 用例
- ナー ウッサ カメー チューヤ カミヂューサンドー(もうそれだけにしなさい今日は食べすぎだよ)。
カミトゥバスン
食べ尽くす。
- メモ
- 類:カミチキーン・ハバチチキーン。
カミヌクサー
食べ残し。
- 用例
- クヮヌ カミヌクサーヤ ウヤガ カムシェー アタイメー ヤサ(子の食べ残しは親が食べるのは当然だよ)。
カミバカ
神墓。使われなくなった古い墓の呼称。
- メモ
- 類:カミグシンジュ。
カミハンスン
食べ損ねる。
- 用例
- ユンタクビカーン シーネー マーサムヌン カミーハンスンドー(おしゃべりばかりしていたら美味しい物も食べ損ねるよ)。
否:カミハンサン(食べ損ねない)過:カミハンチャン(食べ損ねた)継:カミハンチョーン(食べ損ねている)。
カミブー
食果報。食べ物にありつく幸運。
- 用例
- イャーヤ カミブーヌ アテーサ(お前は食果報があったね)。
- メモ
- 類:クェーブー。
カミムン
食べ物。
- 用例
- ウーヤーニンジュ ヤグトゥ チャー カミムノー タラーンル アル(大家族だからいつも食べ物は足りないんだよ)。
- メモ
- 音2:クェームン。
カミムンヤー
食べ物屋。食堂。
- メモ
- 類:クェームンヤー。
カミヤーウシ
よく突く牛。
- 用例
- カミヤーウシヌ スバカラー アブナサグトゥ アックナヨー(よく突く牛の側からは危ないから歩くなよ)。
カミユー
馬具の名称。
カミリクチ
食べる術。食べるコツ。
- 用例
- カミリクチヌ アレーカラー マーカイ ヲゥティン ヤーサー サンサ(食べる術があるならどこにいてもひもじい思いはしないよ)。
- メモ
- →カミズク。
カミヲゥーキ
頭上運搬用の木桶。
- 用例
- ヰナグンチャーヤ カミヲゥーキ ムッチ ミジ クミーガ ハイタン(女性たちは頭上運搬用の木桶を持って水を汲みに行った)。
カミンジャールー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。よく捕まえて遊んだ。尻尾は切れてもすぐに生えてくるといわれた。
カミンチュ
神人。ウマチーなどの祭祀をノロとともに行う役目の者。
カミンマリ
神生まれ。神仏に従事しないといけない生まれの霊力のある人。
- 用例
- カミンマリ ソール ヰナグ(神生まれしている女・霊力のある女)。
カムイン
構う。ちょっかいを出す。立ち入る。
- 用例
- チャー チュヌ クトゥンカイ カムイン(いつも人の事に立ち入る)。
カムシトゥ マンジュン
食べると同時に。
- 用例
- アンマサヌ カムシトゥ マンジュン ハチネーラン(気分が悪くて、食べると同時にもどしてしまった)。
- メモ
- 類:カムシトー マジョーン・カミーニーブク。
カムシトー マジョーン
食べると同時に。
- 用例
- ムン カムシトー マジョーン ニントーサ(ご飯を食べると同時に寝ているさ)。
- メモ
- 類:カミーニーブク・カムシトゥ マンジュン。
カムン
食べる。
- 用例
- ヤーニンジュ スリティ アサバン カムン(家族揃って昼飯を食べる)。
カレーンチャシガ カマランタン(食べてはみたが食べられなかった)。
ヤーサラー ヘーク ムヌン カメー(腹が減っているなら早くご飯も食べなさい)。
否:カマン(食べない)希:カミーブサン(食べたい)過:カラン(食べた)継:カローン(食べている)。
カメーイガメーイ
探しながら。
- 用例
- ヤーン ワカラングトゥ カメーイガメーイ イチュサ(家も分からないから探しながら行くさ)。
- メモ
- 類:トゥメーイドゥメーイ。
カメーイン
探す。求める。拾う。見つける。
- 用例
- マーカイガ ゥンジャラー ワカラン、 アマクマ カメーイン(どこに行ったのかわからず、あちこち探す)。
イャー カメーティ クーワ(お前探してこい)。
否:カメーラン(探さない)希:カメーイブサン(探したい)過:カメータン(探した)継:カメートーン(探している)。
- メモ
- 類:トゥメーイン。
カメーティン カメーララン
どんなに探しても見つからない。
- 用例
- マーカイル カックヮチャラー カメーティン カメーララン(どこに隠したのかどんなに探しても見つからない)。
カヤ
胎児を包んでいる羊膜。
- メモ
- →アクミ。
ガヤ
茅。
- 用例
- ガヤ カティ ヤー フチュル ジュンビ スン(茅を刈りて家を造る準備をする)。
- メモ
- 音:カヤ。
カヤースン
運ぶ。持ち運ぶ。
- 用例
- アママディ オーダーシ カタミティ カヤースン(あそこまでもっこで担いで運ぶ)。
フニカラ カヤースン(船で運ぶ)。ヤーンカイ カヤーシェー(家に運びなさい)。
否:カヤーサン(運ばない)希:カヤーシーブサン(運びたい)過:カヤーチャン(運んだ)継:カヤーチョーン(運んでいる)。
ガヤカヤー
茅刈り人。
ガヤブチ
茅葺き。
- メモ
- 百姓は9坪以上は造ってはいけない決まりで、3間×3間で茅葺きが多かった。
ガヤブチヤー
茅葺き家。
- 用例
- ガヤ カティッチ ガヤブチヤー フチュン(茅を刈りてきて茅葺家を造る)。
- メモ
- 類:ガヤヤー。
ガヤヤー
茅葺き家。
- 用例
- ガヤヤー ツクイネー ヤンバルカイ キタ コーイガ ゥンジャン(茅葺き家を造るときはヤンバルに桁を買いに行った)。
- メモ
- 類:ガヤブチヤー。
ガヤヰーマール
屋根葺き作業時の労働力の相互扶助。
- メモ
- 関:カチマール・ユー・ヰーセー・ヰーマール・スーゲー。
カユイン
通う。
- 用例
- ウヤミーメーシーガ メーナチ カユイン(親の様子を見に毎日通う)。
否:カユラン(通わない)希:カユイブサン(通いたい)過:カユタン(通った)継:カユトーン(通っている)。
カラ
空。
- 用例
- サケー カラ ナトーンドー(酒は空になっているよ)。
- メモ
- 類:ンナムン。
カライリチ
から炒り。素材そのものだけを炒めること。
- 用例
- タマナービカーン カライリチ シン マーサンドー(キャベツだけを何も入れずに炒めても美味しいよ)。
- メモ
- 音:カライリチー。
カライリチー
から煎〔い〕り。他の物をいれずに炒めること。
- 用例
- タマナー ビカーン カライリチーシン マーサンドー(キャベツだけ何も入れずに炒めても美味しいよ)。
- メモ
- 音:カライリチ。
カライン
飼う。
- 用例
- ワンネー ウヌ ジンシ トゥイ コーティ カラインディチル ヤンレー(私はその金で鶏を買って飼うつもりだよ)。
イチムシ カラトーン(家畜を飼っている)。トゥイ カラトーテール バー(鶏を飼っていたわけさ)。
否:カラーン(飼わない)希:カライブサン(飼いたい)過:カラタン(飼った)継:カラトーン(飼っている)。
カラカラー
酒器の一種。沖縄~九州南部特有の酒器。基本的には吸□型で、膨らんだもの、平べったいもの、角張ったものがある。
- 用例
- チュー ヌムル サケー キッサ カラカラーンカイ イッテーサ(今日飲む酒はすでにカラカラーに入れてあるよ)。
- メモ
- 音:カラカラ。
カラクイ
絡繰り。策略。
- 用例
- カラクイ スン(策略する)。
カラクイポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- アレー マチェーグトゥ カラクイポーポーリチョール バーテー(あれは巻いているからカラクイポーポーと言っているんだよ)。
- メモ
- 類:スビポーポー・カラマカーポーポー・カラマチャーポーポー・ポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
カラクイン
絡みつく。
- 用例
- イーチューヌ カラクイン(糸が絡みつく)。
カラグチャー
②辛口な人。辛い食べ物を好む人。②辛口な性格の人。思ったことをはっきり言う人。
- 用例
- ①ルク カラグチャー ナイネー ドゥー ヤンジュンドー(あまりにも辛口になると、体をこわすよ)。②カラグチャーナティ ターンカイヤティン ヌーディン イーン(はっきり物を言う性格で、誰にでもなんとでも言う)。
ガラサー
カラス。
- 用例
- ガラサーヌ トゥディアッチュシガ ヌーガラ ヤナクトゥヌル アガヤー(カラスが飛んでいるが何か悪いことでもあるのかな)。
- メモ
- 類:ガラシ。
ガラサーカーチョービーグヮー
ほおずきに似ている植物。未詳。
- 用例
- ガラサーカーチョービーグヮーヌ ダテーン サチョーン(ガラサーカーチョービーグヮーがたくさん咲いている)。
ガラサータマシ
カラスへの配分。お金を出し合い、掌を裏返してお金がこぼれないように受け取る遊び。
- 用例
- ウヮー クルチ アトゥヌ カマランヌーヤ ガラサータマシディチ ウミンカイ ナギータン(豚を潰した後の食べられない部分はカラスの分け前として海に投げていた)。
- メモ
- 豚を潰した時に首辺りの食べられない部分を、ガラサータマシ(烏の分け前)といって海に向かって東西南北の四か所に投げた。
ガラサーチョーバングヮー
子どもの遊び。
- メモ
- お金の代わりに貝を使って遊ぶ。
カラザキ
空酒。酒を肴無しで飲むこと。
- 用例
- カラザキヤ ヌマンシェー マシ(空酒は飲まない方が良い)。
カラサン
辛い。
- 用例
- イャーガ スガイル ムノー チャー マースガラサンレー(お前が作る食事はいつも塩辛いよ)。
- メモ
- 音:カラハン。対:アマサン・アマハン(甘い)
カラジ
髪。
- 用例
- チューヤ スージカイ イチュグトゥ カラジ ユーイン(今日はお祝いに行くから髪を結う)。
ガラシ
カラス。
- 用例
- ガラシェー ムヌシリ ヤンディ(烏は物知りだって)。
- メモ
- 類:ガラサー。
カラジー
出なくなった乳。
- 用例
- カラジー ナトーン(お乳が出なくなっている)。
カラジー
空地。地べた。
- 用例
- カラジーンカイヤ ヰランサ(地べたには座らないよ)。
カラジギー
髪の毛。
- 用例
- カラジギー カンシ ウシワキヤーニ(髪の毛をこうして押し分けて)。
カラジクェー
甲虫名。カミキリムシ。
- メモ
- →イーチュークェ-。髪の毛を食いちぎるといわれ、よく人の頭においていたずらをした。
カラジクェームシ
甲虫名。カミキリムシ。
- 用例
- カラジクェームシガ シガトーン(カミキリムシがついている)。
- メモ
- →イーチュークェー。
カラシニ
脛〔すね〕。むこうずね。
- 用例
- カドゥカイ カラシニ チッカキティネーン(角に脛を引っ掛けてしまった)。
アッギヨナー、カラシニ ウッチ ヤマチネーン(ああもう、脛を打って痛めてしまった)。
ガラシネー
こむら返り。手足の筋肉が痙攣すること。
- 用例
- チカグロー ニントーイニ ユー ガラシネー スン(最近は寝ている時によく足が痙攣する)。
- メモ
- 類:ガラスマガイ。
ガラシヒーバー
ガラスヒバァ。ナミヘビ科。
カラジブチカー
抜け毛。
- 用例
- カラジブチカーガ、 ウティトーシガ ヘーク トゥッティ カタジキレー(髪の毛が落ちているが、早く取って片づけなさい)。
- メモ
- 音:カラジブチカー。
カラジブチキー
抜け毛。
- メモ
- 音:カラジブチカー・カラブチカー。
カラジボーサー
ボサボサ髪。
- メモ
- 類:カントゥバーバー。カンター。カンターモーサー・カンターモーヤー・モーサー。
ガラシマガイ
手足の指が痙攣すること。
- 用例
- アイアイ ガラシマガイ ッシ ヰービヌ イジカン(あれあれ、痙攣して指が動かない)。
カラジムシエー
髪を引っ張り合うこと。
- 用例
- カラジムシエー ッシ オートータン(髪のむしりあいをしてけんかしていた)。
- メモ
- 類:カントゥムシエー・カントゥムシバーエー。
カラジャックイ
空咳。痰が出ない乾いたような咳。
- 用例
- ハーメーヤ カラジャックイ ッシ、クチサギサン(お祖母さんは空咳をして、苦しそうだ)。
カラスグヮー
アイゴの稚魚の塩辛。
- 用例
- スクヌ ユティチーネー マースジキ シ カラスグヮー チュクティ ウイタサ(アイゴの稚魚が寄ってきたら塩辛を作って売っていたよ)。
カラスグヮートゥ トーフォー グートゥミートゥ ヤサ(アイゴの塩辛と豆腐は食べ合わせがいいよ)。
- メモ
- 類:スク・スクガラス。
ガラスマガイ
こむら返り。手足の筋肉が痙攣すること。
- 用例
- ナゲー ガラスマガイ ッシ ナマン ジュノー アラン(長いこと足が痙攣してまだすっきりしない)。
- メモ
- 類:ガラシネー。
カラスン
枯らす。
- 用例
- ミジン カキラン アッタヌ キー カラスンナー(水もかけないで大切な木を枯らすのか)。
否:カラサン(枯らせない)希:カラシーブサン(枯らせたい)過:カラチャン(枯らした)継:カラチョーン(枯らしている)。
カラスン
貸す。
- 用例
- ウットゥンカイ チン カラスン(妹に着物を貸す)。
イットゥチャー カラチ クミソーレー(一時だけ貸してください)。
否:カラサン(貸さない)希:カラシーブサン(貸したい)過:カラチャン(貸した)継:カラチョーン(貸している)。
- メモ
- →イラースン。
カラタ
身体。体。
- 用例
- ナイチカイ ハラワン チャー カラタ テーヒチニ シーヨー(内地に行ってもいつも体を大切にしなさいよ)。カラタ ガンジュー ソーンナー(元気にしているか)。
- メモ
- 類:ドゥー・ドゥーテー・ドゥームトゥ。
カラタヌニングヮン
身体念願。健康願い。
- 用例
- ヒヌカヌンカイ メーアサ ティーウサーチ カラタヌニングヮン ソーン(火の神に毎朝手を合わせて健康願いをしている)。
カラチブル
頭蓋骨。
- メモ
- 類:チブルブニ。
カラティ
手ぶら。
- メモ
- 音:カラディー。
カラディー
手ぶら。
- 用例
- カラディーシェー チュヌヤーカイ イカランサ(手ぶらでは人の家に行けないよ)。
- メモ
- 音:カラティ。類:ンナティ・ンナディー・ンナルーハーダリィー。
ガラナサン
かいがいしい。
- 用例
- ワッター シンカンチャーヤ ムル ガラナサン(私の仲間は皆かいがいしい)。
- メモ
- 音:ガナラサン・ガラナハン。
ガラナハン
かいがいしい。
- 用例
- アヌ ワラビヤ ターヤカ ガラナハン(あの子は誰よりもかいがいしい)。
- メモ
- 音:ガナラサン・ガラナサン。
カラハーイ
唐針。羅針盤。
- 用例
- ヌーン ネーン トゥチヤ カラハーイ アティティル フネー ハラスタル(何もない時代には羅針盤を当てて船を走らせたものだ)。
- メモ
- 唐針。
カラバニー
理由も言わずに拒絶すること。
- 用例
- カラバニー サッティ イミン ワカラン(理由も言わずに断られて意味も分からない)。
カラハン
辛い。
- 用例
- ウヌ スーチカーヤ ルク カラハン(その塩漬けの肉はとても辛い)。
- メモ
- →カラサン。
カラバンキ
調弦。
- 用例
- サンシンヌ カラバンキ ソーン(三線の弦の調整をしている)。
- メモ
- 類:チンダミ。
カラヒサー
裸足〔はだし〕。
- メモ
- 類:カラビサー。カラヒサともいう。
カラビサー
裸足〔はだし〕。
- 用例
- カラビサーシ ヤーヌウチカイヤ イランキヨー(裸足のままでは家の中には入るなよ)。
- メモ
- 音:カラヒサー・カラビサ。
カラファーフー
唐破風〔からはふ〕。
カラフェー
灰。
- 用例
- ムン ニー ウワティ アトー カラフェーヤ リッパ カタジキリヨー(食事を作った後は灰はきれいに片付けなさいよ)。
- メモ
- 音1:カラヘー。→アク。
カラブチ
乾拭き。
- 用例
- アンスカ ユグレーミーラングトゥ カラブチ ソーケー(そんなに汚れてないから乾拭きしなさい)。
カラブチカー
抜け毛。
- 用例
- カラブチカーヌ イッチョーン(抜け毛が入っている)。
- メモ
- 類:カラジブチキー・カラジブチカー。
カラブニ
骸骨。
カラヘー
灰。
- メモ
- 音1:カラフェー。→アク。
ガラマー
滑車。
- 用例
- ウティントーカラ チャッペーヌ ガラマーヌ ウリティクーヤーニヨー(天から大きな滑車が降りて来てね)。
ガラマー
ススキの葉。
- メモ
- 類:バラン。
ガラマー
ススキの葉。
- メモ
- 類:バラン。
カラマーイ
空回り。
- 用例
- トゥーチ カラマーイ ソーサ(いつも空回りしているさ)。
ガラマーミングラサイ
子どもの遊び。箍(たが)を転がす遊び。
- メモ
- 類:ゴールーマーセー・ゴールマーミングヮセー・ミングラサー。
ガラマーミングラシェー
子どもの遊び。箍〔たが〕を転がす遊び。
- メモ
- 音2:ゴールマーミングヮセー。
自転車のリームや古くなった太鼓の輪っか、樽や桶の箍(タガ)を転がして遊んだ。字比謝矼ではガラマーミングラサシェーといい、曲げた針金を竹の棒の先につけたミングラサーを輪っかにうまく当てて走りながら転がして遊んだ。
カラマカーポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- ヤチチャーキヌ カラマカーポーポーヌ カバハタシヨーヤー(焼きたてのカラマカーポーポーの香ばしかったことよ)。
- メモ
- 類:カラクイポーポー・カラマチャーポーポ-・スビポーポー・ポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
カラマチャーポーポー
菓子名。麦粉、砂糖、水などを混ぜて平たく焼き、端からくるくると巻いたもの。
- 用例
- ンカシヌ カラマチャーポーポーヤ ムチミヌ マンディ マーサタルヤー(昔のポーポーは、とてももっちりとしておいしかったね)。
- メモ
- 類:カラクイポーポー・カラマチポーポー・スビポーポー・ポーポー・カーポーポー。スビポーポー参照。
カラマチュン
絡まる。巻きつく。
- 用例
- イン クンチェーヌ チナガ ハーヤンカイ カラマチョーン(犬を括ってある綱が柱に絡まっている)。
否:カラマカン(絡まない)過:カラマチャン(絡まった)継:カラマチョーン(絡まっている)。
カラミーン
捕まえる。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー ジュンサンカイ カラミラリンドー(悪い事をしたら巡査に捕まえられるよ)。
否:カラミラン(捕まえない)希:カラミーブサン(捕まえたい)過:カラミタン(捕まえた)継:カラミトーン(捕まえている)。
カラムン
辛い物。
- 用例
- イチグ カラムンビカーン カリ(いつも辛い物ばっかり食べて)。
- メモ
- 対:アマムン(甘い物)。
カラムンジョーグー
辛い物が好きな人。
- 用例
- アッピーヤ カラムンジョーグー ヤン(兄は辛い物が好きだ)。
- メモ
- 音1:カラムンジョーグ。
カラユカ
何も敷いてない床。
- 用例
- カラユカー ヒジュルサイビンドー(何も敷いてない床は冷たいですよ)。
カラワタ
空腹。空きっ腹。
- 用例
- カラワタンカイ ミジ ヌミヂューサヌ、ムン ハカハカー ソーン(空きっ腹に水を飲みすぎて、吐きそうになっている)。
- メモ
- 音2:ヤーサワタ・ンナワタ。
カリー
嘉例。縁起が良い。吉例。
- 用例
- アチャーヤ タビカイ イチュンリル ムンヌ ンナシ カリー チキティ ヤラサナ(明日は旅に出るというので皆で景気よく送ろう)。
ムーチーヤ カリーナムン(餅は縁起の良い物)。
カリー チリーン
縁起が悪くなる。
- メモ
- 正月の朝に男が家を訪ねるとカリーだが、女が行くと縁起が悪いといわれた。
カリーチラー
縁起を悪くする者。
- 用例
- イッター カリーチラーヒャー(お前たちは縁起悪くして)。
- メモ
- 左縄を巻いた桶で男子2人が死に水を汲みに行くのに出会うと、他の水汲みの者はカリーチラーと称し、その場に水をこぼし、もう一度汲み直した。
カリーナムン
縁起物。縁起の良いもの。
- 用例
- ハジチヤ イッペー カリーナムン(針突はとても縁起の良いもの)。
クラーヤ カリーナムン(雀は縁起が良いもの)。マースヤ カリーナムンヤン(塩は縁起が良い)。
カリーン
枯れる。
- 用例
- ウヌ キーヤ ヤガティ カリーンデー(その木はやがて枯れるよ)。
否:カリラン(枯れない)過:カリタン(枯れた)継:カリトーン(枯れている)。
カリウヤ
仮親。
- 用例
- クヮヌ ドゥク ナチブサー ナティ ソー アティティ カリウヤ ムタチャン(子どもがあまりにも泣き虫なので相性を当てて仮親を持たせた)。
- メモ
- 体の弱い子や夜泣きがひどい子は親との相性が悪いということで、なるべく身内から相性の良い人を仮親にした。
カリギー
枯れ木。
- 用例
- カリギーヤ ムル トゥッティ ヒティーン(枯れ木は全部取って捨てる)。
カリジューガチ
{かりじゅうがつ(枯り果て十月)}。特に節供のない10月。
- メモ
- →アキハティジューグヮチ。
カリバー
枯れ葉。
- 用例
- カリバー アチミティ メーシェーワ(枯れ葉を集めて燃やしなさい)。
- メモ
- 類ハーガラー・ファーガラ・ファーガラー。
カリバカ
仮墓。
- 用例
- ハカー ネーラングトゥ ンナシ カリバカ チュクトーカヤー(墓がないから皆で仮墓を造ろうね)。
- メモ
- →カイバカ。
カリハティーン
枯れ果てる。
- 用例
- ナーヌ キーン ハナン ムル カリハティーン(庭の木も花も全部枯れ果てる)。
カリフス
臍の緒が乾燥したもの。
- メモ
- 無くすと間抜け者になるといわれて、大事にとっておいた。
カリユシパーパー
結婚式を先導する縁起の良いお婆さん。
- 用例
- カリユシパーパーヤ カリーナムントゥシ ニービチネー カカサランタン(嘉利吉婆さんは縁起が良いということで結婚式には欠かせなかった)。
- メモ
- 類:ミサライハーメー。
結婚祝いに嫁ぎ先で花嫁を迎える役目で、縁起が良いのでカリユシパーパーと呼ばれていた。花嫁を迎えた後に行う儀式も、カリユシパーパーが執り行う。
カリユシハーメー
縁起の良いお婆さん。
- メモ
- 字波平の芸能「長者の大主」に登場する役。
カル
角。かど。
- 用例
- カルヤ リッパ トゥリヨーヤー(角はきちんと取りなさいよ)。
カル
昔の地域区分の呼称。角。組。
- メモ
- 音1:カル。喜名ではクシヌイリカル(後の西角)・メーヌイリカル(前の西角)・メーヌアガリカル(前の東角)・クシヌアガリカル(後の東角)と分けられていた。寄留集落は単に大通り・イリバル・アガリバルと呼ばれた。
瀬名波は1号角(カル)から5号角(カル)まであった。
カル タッチュン
角が立つ。
- 用例
- オーイネー カル タッチュンドー(喧嘩をすると角が立つよ)。
カルガルートゥ
軽々と。
- 用例
- グテーン マンディ カルガルトゥ ムチアギータン(力も強くて軽々と持ち上げた)。
- メモ
- →ガッティングヮー。
カルク
家禄。
- メモ
- 田舎下りした士族はカルクで当面暮らしたという。
カルク ナスン
洗骨する。
- 用例
- シンクジンカイ カルク ナスンディン イタンヤー(洗骨にカルク ナスンともいっていたね)。
- メモ
- 類:ギレーイン・ギレーユン・シルヒラスン・チュラクナスン。
洗骨は数年経って死体が朽ちた頃に行った。棺箱を外に出すのは男性の役目で、洗骨は女性の役目であった。
カルタ
子どもの遊び用具。
- メモ
- 戦前は兵隊や自動車などが描かれ、字比謝矼の雑貨店で買うことができた。
主に10歳くらいの子どもたちが遊んだ。
カワイ
代わり。代理。
- 用例
- ウヤヌ カワイ、ワーガ ゥンジ チューサ(親の代わりに、私が行って来るよ)。
カワイン
①変わる。②代わる。交代する。
- 用例
- ①ナゲー ンランネー マーンクィン カワイン(長いこと見なかったらどこもかも変わる)。
②ダー、ワンガ カワラナ(どれ、私が代わろう)
否:カワラン(変わらない)希:カワイブサン(変わりたい)過:カワタン(変わった)継:カワトーン(変わっている)。
カワッタムン
変わった物。
- 用例
- ヌーガラ カワッタムンヤ ネーラニ?(何か変わった物はないか?)。
- メモ
- 同じ物や食べ物などに飽きたときに使われる。
カワティ
よりによって。
- 用例
- カワティ ウヤヌ ヲゥランニ ニチ ゥンジトーサ(よりによって親がいないときに熱が出ているさ)。
カン
こう。このように。
- 用例
- カンシェー ワジャー ナランシガ チャー スヌ バーガヤー(このようにしては仕事にならないがどうするつもりなのかな)。
カンシン ナランバーイ(こんなにしてもできないのか)。
カン
勘。感。
- 用例
- ワラビヌ カンヌル チューサンレー(子どもの勘が強いんだよ)。
カン
こう。
- 用例
- カンル ナトーテーサヤー(こうなっていたんだね)。
ガン
龕〔がん〕。棺を運ぶ朱塗りの輿。
- 用例
- ガンガ ミチカラ トゥーイネー ウトゥルサタン(龕が道から通ると恐かった)。
- メモ
- →アカゥンマー。
カンエーヌムン
こんな奴。
- 用例
- カンエーヌムヌンカイヤ ヰナグングヮヤ クィラン(こんな奴には娘はやらない)。
- メモ
- 類:カンエールムン。
カンエールムン
こんな奴。
- メモ
- 類:カンエーヌムン。
カンカー
年中行事。悪除け行事。悪疫が集落に入ってくるのを防ぐために行なわれる行事。
- 用例
- カンカーネー ワランチャーン シシ アタイタン(カンカーには子どもも肉が貰えた)。
- メモ
- 牛を屠りその骨片を左縄に結んで集落の入り口に張り、その血をつけたゲッキツやトベラなどの枝を各家の角に差して防災厄除にした。大方が旧10月庚の日に牛を屠っていたが、旧2月と師走、旧8月・11月、4月・8月というように年2回行う字や、屠る動物も牛や豚、または鶏など、場所や時期によって変わった。
カンカーウスメー
カンカー行事を執り行った翁の呼称。
- メモ
- 座喜味では数え56歳から68歳の男性がカンカー行事を執り行った。→カンカー。
カンカーダマシ
カンカー行事の肉の配当分。
- メモ
- →カンカー。
カンカームーチー
カンカーに作る餅。
- 用例
- カンカーヌヒーネー カンカームーチーン チュクイタン(カンカーにはカンカー餅も作った)。
- メモ
- 字行事のカンカーと同日に行う各家の行事。伊良皆・楚辺では鬼餅の日に合わせて、字行事としてのカンカーも行った。カンカーと鬼餅の行事を統合したものと思われる。→カンカー。
カンカーモー
カンカーの祈願後、直会〔なおらい〕をした広場。
- メモ
- →カンカー。
ガンカタミヤー
龕を担ぐ者。
- メモ
- 妻が妊娠している人は龕を担がなかった。龕は4人で担ぐが、字大湾の龕は300斤あったから、ガンカタミヤーは大変だった。
龕が傾くと厄だといわれ、肩を変えることも許されなかった。
カンカナー
空き缶。
- 用例
- ゥンマカラ カンカナー ヒッティ アッチュタン(そこから空き缶を拾って歩いていた)。
- メモ
- 音:カンカラー・ カンカラ。
類:カンカン。
カンカナムン
役立たず。
- 用例
- ワン ワラベー ヤシガ アンシ カンカナムン ヤルヤー(自分の子どもではあるが何て役立たずなんだろうね)。
カンカラ
空き缶。
- メモ
- 音:カンカラー・カンカラー。
類:カンカン。
カンカラー
空き缶。
- 用例
- イクサユーネー ヌーンネーン カンカラーンカイ フーニ イッタンディヌ ハナシン アタン(戦世には何もなく空き缶に遺骨を入れたという話もあった)。
- メモ
- 音:カンカナー・カンカラ。
類:カンカン。
ガンガラー
ブリキ製の玩具の総称。
- 用例
- ガンガラー ムッチョーヌ ワランチャーヤ ジコーヌ ジマン ヤタン(ブリキ製の玩具を持っている子どもたちはとても自慢だった)。
- メモ
- 昔はブリキ製のおもちゃが多く、行事などでは出店でいろいろなブリキ製の玩具が売られていた。
カンカラサンシン
カンカラ三線。
- 用例
- イクサ ウワティ シューヨージョヲゥティ カンカラサンシンヌ ヘートータン(戦争が終わって収容所でカンカラ三線が流行っていた)。
- メモ
- 終戦後、何もない時代に空き缶を利用して作った三線。
カンカン
空き缶。
- 用例
- カンカン アチミティ ウティチューサ(空き缶を集めて売って来るさ)。
- メモ
- 類:カンカラー・カンカナー・カンカラ。
カンカン
こういうこと。このようにして。
- 用例
- カンカン シル ヤーカラ ゥンジティ ゥンジョーンデー(このようにして、家から出て行ったんだよ)。
チヌーヌ ハナシーヤ カンカンル ヤタンレー(昨夜の話はこういうことだったんだよ)。
- メモ
- →アンアン。
ガンガン
金属音を叩く音。
- 用例
- アンチュカナー ヌー ガンガンソーガ(そんなに何をガンガン叩いているの)。
カンカンバカイ
秤のひとつ。
- メモ
- 製糖会社にあったという秤。未詳。
カンギ
とさか。たてがみ。
- 用例
- アヌ トゥイヌ カンギヌ チビラーサヨ(あの鶏のトサカの見事なことよ)。
- メモ
- 音:カンジ。
ガンクー
頑固者。
- 用例
- ガンクー ナイネー、ワランチャーン イーシン チカンサ(頑固者になったら、子どもたちも言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音1:グヮンクー。音2:ガンチブラー。類:クファチブラー。
ガンクー
頑固者。
- 用例
- ガンクーナイネー 、ランチャーン イーシン チカンサ(頑固者になったら、子どもたちも言うことを聞かないよ)。
- メモ
- 音2:グヮンクー。類:ガンチブラー・クファチブラー。
カンクーイン
噛みつく。
- 用例
- ウヌ ワラビ ワチャク シーネー カンクーインドー(その子をからかうと噛みつくよ)。
否:カンクーラン(噛みつかない)希:カンクーイブサン(噛みつきたい)過:カンクータン(噛みついた)継:カンクートーン(噛みついている)。
カンクラチュン
噛み砕く。
- 用例
- クルザーターガ クヮーサヌ カンクラチュン(黒糖が固いので噛み砕く)。
否:カンクラカン(噛み砕かない)希:カンクラチーブサン(噛み砕きたい)過:カンクラチャン(噛み砕いた)継:カンクラチョーン(噛み砕いている)。
カンゲー
考え。
- 用例
- ヌーガラ イー カンゲーヤ ネーラニ(何か良い考えはないか)。
カンゲーイン
考える。
- 用例
- チャーサレー マシガヤー ンナシ カンゲーイン(どうしたらいいか皆で考える)。
否:カンゲーラン(考えない)希:カンゲーブサン(考えたい)過:カンゲータン(考えた)継:カンゲートーン(考えている)。
カンゲーグトゥ
考え事。悩み。
- 用例
- トゥルバトーシガ ヌーガラ カンゲーグトゥヌル アリー?(ぼんやりしているが何か悩みがあるの?)。
カンゲーヒンゲー
思案する様。
- 用例
- アリクリ カンゲーヒンゲー シ メーンカイ アガカン(あれこれ考えて前に進めない)。
カンゲーマンゲー
思案する様。
カンゲームン
考え物。考えるべきこと。
- 用例
- ウレー ミッタ カンゲームンヤッサー(それは本当に考え物だ)。
カンゲームンゲー
思案する様。
- 用例
- ヲゥタルカ カンゲームンゲー サンティン シムサ(疲れるほどあれこれ考えこまなくてもいいよ)。
ガンサ
蕪や大根の根と葉の間の固く食べられない部分。転じて頑固者にもいう。
- 用例
- ウィーティ ハナサチュル ンディーガンサ(老いらくの恋)。アレー ルク ガンサー ナヤーナカイ シカン サットーン(彼はあまりにがさつなので、嫌われている)。
ガンサジ
龕佐事。葬儀に関わる役職。
- メモ
- 字内に死者が出ると、龕の準備や喪家に旗を立て、葬列では天蓋を持った。字伊良皆では、トゥヌチヒヌカンの松にカラスが止まって鳴くと、字に死者が出ないよう朔日15日に、そこでガンサジが祈願した。
カンサリーン
疑われる。
- 用例
- アンシーネー ワンニン カンサリールムン(そんなことをしたら私も疑われるのに)。
- メモ
- 類:カントゥラリーン。
カンシ
勘。感。
- 用例
- ワラビヌ カンシ トゥイン(子どものことを察する)。ヰナグヌウヤヌ カンシ トゥテールバーテー(母親が感づいたわけだ)。
- メモ
- 類:カンドゥク。
カンジ
たてがみ。とさか。
- メモ
- 競馬が近づくと馬のカンジを短く刈り込んで準備した。音:カンギ。
カンシーン
被せる。
- 用例
- ニントーヌ ワラビンカイ ウール カンシーン(寝ている子に布団を被せる)。
否:カンシラン(被せない)希:カンシーブサン(被せたい)過:カンシタン(被せた)継:カンシトーン(被せている)。
カンジェーイシ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
- 用例
- ヲゥタヤーニ カンジェーイシカイ ヰシカカトーン(疲れて踏み石に座り込んでいる)。
- メモ
- 類:クラミイシ。縁側に上がる時の踏石のことで、海岸から切り取ってきた石でできている。
カンジェークー
金細工職人。
ガンシナ
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷座りを良くする輪型の敷物。
- 用例
- バーキ カミーラー ウヌメーニ ガンシナカラ チブルンカイ ヌシレー(ザルを頭に載せるならその前にガンシナを頭に載せなさい)。
- メモ
- 類:ガントゥ。
頭上に荷物を載せて運ぶ時に、その下に敷く藁などで編んだ丸い輪。荷物の座りを良くし頭の痛みを軽減できた。
カンジムン
被り物。
- 用例
- チヌーヤ カンジムヌン ネーン ユル ニントーイニ ヒーサタン(昨日は被るのもなくて夜寝ている時に寒かった)。
カンジャー
鍛冶屋〔かじや〕。
- 用例
- カニグェーヌ チカーラン ナティ カンジャーヲゥティ ノーチクーリワル ヤサ(鉄の鍬が使えなくなっているから鍛冶屋で直してこないといけない)。
- メモ
- 類:カンジャーヤー。
カンジャー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。青くて大きいものをオールーカンジャー、茶色で小さいものをワタブトゥカンジャーグヮーとよんだ。
カンジャーガマ
鍛冶屋洞窟。長浜にある洞窟名。
- メモ
- 昔、鍛冶屋がいたことに由来する呼称。沖縄戦時、字民の防空壕として使われた。
カンジャーベー
ハンミョウ。
- 用例
- カンジャーベーディシヨ、ワッター ムラウチ マンドービタンヨ(ハンミョウというのはね、私たちの集落内にたくさんいましたよ)。
カンジャーヤー
鍛冶屋〔かじや〕。
- 用例
- ンカシェー ムラハジサカイ カンジャーヤーガ アタン(昔は村外れに鍛冶屋があった)。
- メモ
- 類:カンジャー。
カンジャーヤーガマ
鍛冶屋窯。
カンジャーヤーメーウチ
鍛冶屋+前打ち。鍛冶作業で親方と相対して大きな金槌で叩き助手を務める者。
ガンジュー
元気。強健。頑丈。
- 用例
- チャー ガンジュー ヤミセーミ(お元気ですか)。
ガンジューイ?(元気か?)。マーヲゥティ スダカワン ガンジュー シーヨー(どこに住もうと元気でいなさいよ)。
ヤー チュクイラー ガンジューク チュクリヨー(家を造るなら、頑丈に造りなさいよ)。
- メモ
- 類:カネーイ・カナイン。
「ウガンジュ アミシェービーティー」は士族間で話される挨拶。
ガンジューサン
頑丈である。丈夫である。堅固である。
- 用例
- パーパーヤ ナママデー ガンジューサン(おばあさんはまだまだ元気だ)。
ガンジュームン
頑丈な人。強健な人。
- 用例
- ワッター パーパーン ウスメーン ガンジュームン ナティ カジ ティーチ ヒカン(私の祖母も祖父も健康な人で風邪ひとつひかない)。
- メモ
- 対:ヤファラムン(病弱)。
カンジュヤー
カワセミ。
- メモ
- 類はカーラカンジュイ。
カンジュン
被る。
- 用例
- アミカイ ンリーネー カジ ヒチュグトゥ カサ カンジュン(雨に濡れたら風邪をひくから傘を被る)。
否:カンラン(被らない)希:カンジーブサン(被りたい)過:カンタン(被った)継:カントーン(被っている)。
カンジュン
被る。負う。損害が身にふりかかること。
- 用例
- ウッカ カンジュン(負債を負う)。
否:カンラン(負わない)過:カンタン(負った)継:カントーン(負っている)。
カンシリハーメー
勘の鋭いお婆さん。
- 用例
- ケートゥナイヌ カンシリハーメーガ メンシェーティ(隣のカンシリハーメーがいらっしゃって)。
カンスイ
剃刀〔カミソリ〕。
- 用例
- カンスイヤ チカティ ウワイネー カタジキラニ!(カミソリは使い終わったら片づけないか!)。
カンセイナムン
勘の鋭い人。
- 用例
- カンセイナムン ヤテーンテ(勘鋭い人だったのでしょうね)。
イャーヤ カン ヂチャンナー(お前は気付いたか)。
カンゼーイシ
踏石。
- 用例
- カンゼーイシヤ イシキヤーガ ウミカラ チッチ チュータン(カンゼーイシは石切職人が海から切ってきた)。
- メモ
- 類:クラミイシ。
カンゾーユー
甘草湯。乾燥させた甘草の根に湯をかけたもの。
- メモ
- 出産直後の赤子に与えた。
カンダ
かずら。サツマイモの葉。
- 用例
- クンドゥヌ カンダヤ ユー ユカトーン(今年のかずらはよく実っている)。
- メモ
- 類:カンダバー。
カンター
ボサボサ髪。
- 用例
- アマカラ アッチアッチュル カンターニーシェー ヤサ(あそこから歩いていくボサボサ髪の青年だよ)。
カラジン カンター シ(髪もボサボサで)。
- メモ
- 類:カラジボーサー・カンターモーサー・カンターモーヤー・カントゥバーバー・モーサー。
カンターモーサー
ボサボサ髪。
- メモ
- 類:カンター・カラジボーサー・モーサー・カントゥバーバー。音:カンターモーヤー。
カンターモーヤー
ボサボサ髪。
- 用例
- カンターモーヤー リーグトゥ カラジカラ チッチ クヮー(髪がボサボサだから髪の毛から切ってきなさい)。
- メモ
- 類:カンター・カンターモーサー。
カンダイシ
踏石。
- メモ
- 類:クダミイシ。
カンダバー
かずら。サツマイモの葉。
- 用例
- カンダバー イッティ ジューシー チュクイン(かずらを入れて雑炊を作る)。
カンダバージューシー
甘藷の葉を入れた雑炊。
- 用例
- アチコーコー カンダバージューシー ウサガミソーレー(熱々のカンダバージューシーを召し上がってください)。
カンダバーズネー
かずらの和え物。
- メモ
- 関:イェーイ・イェームン・スーネー・ニンブトゥカーズーネー。
カンダブーニ
甘藷のつる。
カンチキーン
噛む。強く噛む。
- 用例
- ヲゥージ カンチキーン(サトウキビを強く噛む)。
否:カンチキラン(噛まない)希:カンチキーブサン(噛みたい)過:カンチキタン(噛んだ)継:カンチキトーン(噛んでいる)。
カンチキムンチキ
よく噛むこと。
- 用例
- クヮーサラー カンチキムンチキ シ カメー(固いならよく噛んで食べなさい)。
カンチゲー
勘違い。
- 用例
- イャーヤ デージナ カンチゲー ソーサ(お前は大変な勘違いをしているよ)。
カンヂチュン
感付く。気付く。
- 用例
- イャーヤ カンヂチャンナー(お前は気付いたか)。
ガンチブラー
頭の大きい人。頑固者。
- 用例
- スーヤ ガンチブラー ナティ チャーン ナラン(お父さんは頑固者でどうしようもない)。
- メモ
- →ガンクー。
ガンチブラー
頭蓋骨〔ずがいこつ〕。
- メモ
- 類:カラチブル。
ガンチョー
眼鏡。メガネ。
- 用例
- ワームン ガンチョー ンランティー?(私のメガネを見なかったねぇ?)。
カンティー(~カンティー)
~しかねる。~しかねること。
- 用例
- ムッチカンティースカ ウフゴーイ シェーン(持ちきれないほど大量に買ってある)。
ナマナマー シーネー マニアーシカンティー スンロー(急にやろうとしたら間に合わせきれなくなるよ)。
カントゥ
髪。
- 用例
- ヰキガラーシク イフェー カントゥン チミレー(男らしく少しは髪も切ってこい)。
- メモ
- 類:カラジ。
ガントゥ
荷物を頭に載せて運ぶ時に荷の座りを良くする輪型の敷物。
- 用例
- バーキ カミーラー ウヌ メーニ ガントゥカラ チブルンカイ ヌシレー(ザルを頭に載せるならそのまえにガントゥを頭に載せなさい)。
- メモ
- 類:ガンシナ。
カンドゥーサン
鈍感である。勘が鈍い。
- 用例
- チャッサ イチン ワカラン アンシ カンドゥーサンリチン アル(どんなに言っても分からない何て鈍感なんでしょう)。
- メモ
- 音:カンドゥーハン。
カンドゥーハン
鈍感である。勘が鈍い。
- 用例
- イャートゥ ハナシーシン カンドゥーハヌ チャーン ナラン(お前と話しても勘がにぶくてどうしようもない)。
- メモ
- 音:カンドゥーサン。
カンドゥク
勘。感。
- 用例
- シーヨーヌ ワカランラー カンドゥクシ スシヤカ フカー ネーンサ(やり方が分からないなら勘でやるより他はないさ)。
- メモ
- 類:カン・カンシ。
カンドゥクヂューハン
敏感である。勘が鋭い。
- 用例
- ウヌ ワラベー ドゥク カンドゥクヂューハヌ キー チキリヨー(その子はとても敏感だから気をつけなさいよ)。
カントゥバーバー
ボサボサ髪。
- 用例
- カントゥバーバー シ アッチョータン(ボサボサ髪で歩いていた)。
- メモ
- 類:カラジボーサー。
カントゥムシエー
髪を引っ張りあうこと。
- 用例
- ヰナグンチャー オーエーヌ ハジマイネー カントゥムシエー スタン(女の喧嘩が始まると髪を引っ張り合っていた)。
- メモ
- 類:カントゥムシバーエー・カラジムシエー。
カントゥムシバーエー
髪を引っ張りあうこと。
- 用例
- ドゥシンチャー カントゥムシバーエーシ オートーン(友達で髪を引っ張りあって喧嘩している)。
- メモ
- 類:カントゥムシエー・カラジムシエー。
カントー
勘当。
- 用例
- カントー サッティ ヤーカラ ゥンジャサッタン(勘当されて家から出された)。
カントー アティラッティ ヒトゥバシラ ナタル ハナシ(罰されて人柱になった話)。
- メモ
- 勘当(かんとう)とは、法にあわせ勘(かんが)えて罪に当てること。責めてしかること。
カンナイ
雷。
- 用例
- チューヌ カンナイヌ ウトゥルサヨー(今日の雷の恐いことよ)。
- メモ
- 音:ガンナイ。
ガンナイ
雷。
- 用例
- アネッ!ナキーネー ガンナイ ゴロゴロ スンドー(ほら!泣いたら雷が鳴るよ)。
- メモ
- 音:カンナイ。
カンナイゴロゴロ
雷ゴロゴロ。雷が鳴る音。雷が鳴る。
- 用例
- アネッ!カナナイゴロゴロ ソーンドー(ほら!雷がゴロゴロ鳴っているよ)。
カンナジ
必ず。
- 用例
- アチャーヤ ワッターヤーカイ カンナジ クーヨーヤー(明日は私の家に必ず来なさいよ)。
カンナン
雷。
カンニーカンニー
こうこう。こんなふうに。
- 用例
- カンニーカンニー シル スタンドー(こんなふうにしたんだよ)。
カンヌー
肝要。
- 用例
- ヲゥジャサーガ カンヌーナ ハナシガ アンディグトゥ イチュター ゥンジクーラナ(叔父さんが肝要な話があるというからちょっと行ってみよう)。
ガンヌスージ
龕の祝い。龕の修繕。
- メモ
- 龕を共有した字比謝・大湾・古堅・渡具知の4字は、12年に1度午年に龕の修繕や造り替えをして、祈願をした。類:コーヌスージ。
カンヌンアヒル
観音アヒル。
カンヌンドー
観音堂。
- メモ
- 類:クヮンヌンドー。
字喜名にある観音堂のこと。戦前から瓦葺きの堂宇があり四周の壁は石積みで中には千手観音像を祀っていた。観音像は、1841年旧暦9月18日金武の観音寺から勧請されたといわれる。
それ以前の観音にも触れた興味深い伝承は以下の通りである。字座喜味のトーガーに入港した唐船によってもたらされた最初の観音は、喜名のクシマディラ(ティラガマともいう)に安置され、屋号花城の屋敷に、その後、現在地に移されたが無くなったので、後年金武の観音堂から勧請してきた。
カンヌンドーウガミ
観音堂拝み。
- メモ
- 類:クヮンヌンドーウガミ。
現在でも毎年旧暦9月18日には、読谷村主催で催され、村の繁栄と健康を祈願し、翌19日には喜名自治会が拝む。観音堂が所在する喜名2班は独自で家族の健康祈願を行っている。
子孫繁栄・家庭安泰・無病息災などを願い、個人で拝む者も多い。
カンネール
このような。
- 用例
- カンネール クトー アテー ナラン(このようなことがあってはいけない)。
カンネール ムンヤ チューヤ ヌガーラチェー ナラン(こんな奴は今日は許すわけにはいかない)。
カンネールーカンネールー
こうこうやって。こんなふうに。
- 用例
- カンネールーカンネールーグヮー シル、アッチョータンド(こうやってこうやって、歩いていたよ)。
カンバク
棺箱。
- メモ
- 音1:クヮンバク。音2:クヮンチェーバク・クヮンチャーバク・タカラバク・クヮンチャイバク。
大人は棺を使うが、子どもの場合は大和から入る素麺箱で代用した。
カンパチ
ハゲ。ケロイド状の傷跡。
- 用例
- チブルカイ カンパチヌ イジトーン(頭にハゲができている)。
チランカイ カンパチヌ アシェー、ウレー ウーマク ヤテーサリチ イタンヨ(顔に傷跡があると、暴れん坊だったんだろうといっていたよ)。
カンパチヒンパチ
ハゲが多い様。
- 用例
- カンパチヒンパチ イャームン チブルヌ ウカサヨー(ハゲだらけでお前の頭の可笑しいことよ)。
カンパチャー
〔ハゲ〕がある人。
- 用例
- カンパチャー ナティ ボーシ カントーン(ハゲがあるから帽子を被っている)。
カンプー
結い髪。髪を結ったもの。
- 用例
- カンプー ソーン(結髪している)。チューヤ アバーガ カンプー ユーティトゥラサヤー(今日は姉さんが髪を結ってあげようね)。
- メモ
- 成人女性が結う沖縄式の髷をウチナーカラジ或いはカンプーといい、昭和30年代までは随所で見られた。
カンプーユー
髷を結っていた時代。
- 用例
- ワネー カンプーユーニ ウマリタン(私は髷を結っていた時代に生まれた)。
ガンマラー
悪戯者。悪戯っ子。
- 用例
- ガンマラーガ イクタイン アチマトーン(悪戯っ子が何人も集まっている)。
- メモ
- 類:ティークサー・ティンチャマー。
ガンマリ
いたずら。悪戯。
- 用例
- ワランチャー アチマイネー ガンマリヂューサヌ キーチキリヨーヤー(子どもたちが集まると悪戯をすることが多いから気をつけなさいよ)。
- メモ
- 類:ワチャク。
ガンマリヌクファイ
婚外子。私生児。
- 用例
- ンカシヌ ヰキガヌウヤガ タール ヤラー ワカランシカイヤ ガンマリヌクファイディ イータンヤー(昔の男親が誰なのか分からないのにはガンマリヌクファイといっていたね)。
- メモ
- →アシビングヮ。
ガンマリヒンマリ
悪戯ばかりしていること。
- 用例
- ガンマリヒンマリヌ ドゥク チューサヌ ヌラティ トゥラチャサ(いたずらが余りにもひどくて叱ってやった)。
ガンヤー
龕屋〔がんや〕。龕を納める小屋。
- 用例
- ユーユックィネー ガンヤーヌ スバー アンシ ウトゥルサタルヤー(日が暮れると龕屋の側はとても怖かったね)。
- メモ
- 龕は日常動かすのを忌み嫌い丁重に祈願して龕屋に納めていた。
ガンリーン
体や頭に衰えがある様。
- メモ
- 音:ガンルイン。
ガンルイン
体や頭に衰えがある様。
- 用例
- オバーヤ ユッカイ ガンルトーッサー(祖母はだいぶ衰えているね)。
- メモ
- 音:ガンリーン。
カンルーヤンリー
寒露破れ。9月頃渡り鳥のサシバの小便みたいな小雨が降る時期。
- メモ
- 類:タカヌシーバイ。
キー
羽毛。
キー
毛。
- 用例
- グナサイネー キービスー ヤタルムン フルイーシンレー キーン ミーティチョーシェー(小さい頃は毛が薄かったのに大きくなるにつれて毛が生えてきているさ)。
キーヌ、ムル ヌギタン(毛が全部抜けた)。
キー
木。
- 用例
- ウヌ キーヤ ワンガ イータン(その木は私が植えた)。
キーウーシ
木臼。木製の臼。
- 用例
- キーウーシシ ムチ チチュン(木臼で餅を搗く)。
- メモ
- →イニシリシリ。
キーカサー
かすれ声。
- 用例
- イャーヤ キーカサー ナティ ハナシン チチグリサン(お前は声がかすれていて話も聴き取りづらい)。
キーカサーアビー
かすれ声。かすれ声で話すこと。
- メモ
- 類:ガサガサーアビー。
キーカシ
おがくず。
- 用例
- キーカシヤ トゥブグトゥ ホーチョーキヨー(おがくずは飛ぶから掃いておきなさいよ)。
キーカシマーイ
かんなくずで作った毬(まり)。
キーカマンタ
木製の鍋蓋。
キーキー(~キーキー)
~きたり。
- 用例
- インヌ カーラ ヲゥティ アミテーキーキー ヒチャグトゥ(犬が川で浴びてきたりしたので)。
キーキーアビー
金切声。耳に障るような甲高い声。
- 用例
- アンシ キーキーアビー シーネー、ミミン ヤムシガ(そんなに金切声を出したら、耳も痛くなるよ)。
キーギーファー
木製の簪(かんざし)。
- 用例
- ワンネー キーギーフヮー フカネー ムッチェー ヲゥランタン(私は木の簪他には持っていなかった)。
- メモ
- 音:キージーファー。
ギーク ンジャトゥ
地名(沖縄市の越来と美里)。
- メモ
- 隣接する2つの地域を並べていう呼び方。
キークェームシ
甲虫名。カミキリムシ。
- 用例
- キークェームシヤ ミーン マガサレー チヌン ナガサン(カミキリムシは目も大きく触角も長い)。
- メモ
- →イーチュークェー。
キークサ
草木。
- 用例
- キークサン アシェー マシ ヤサ(木や草もあった方が良いよ)。
キーサ
既に。さきほど。
- メモ
- 音1:キサ・キッサ。
キージーファー
木製の簪(かんざし)。
- 用例
- ワッタヤ ヒージーン キージーファール サチョータル(私たちは普段も木の簪をさしていたんだよ)。
- メモ
- 音:キーギーファー。喪家の婦人は49日まで竹或いは木の簪に差し替える。
キージェークー
大工。家を造る職人。
- メモ
- 類:ヤージュクヤー・
キージラー
木切れ。
- 用例
- ゥンムニーダムヌン ネーラン ナトーグトゥ ソーソー キージラー アチミティ クーワ(芋を焚く薪もなくなったからさっさと木切れを集めてきなさい)。
- メモ
- 音:キージラ。
キースーディネー
長浜ではトーカチ祝い」の手伝いをしてくれた人を3日後呼んで御馳走でねぎらうこと。
キーターレー
木盥〔たらい〕。
- メモ
- 清明には重箱などの御馳走を木盥に入れて頭上に載せて運んだ。その盥は日常に使うことはなかった。
キーヌシー
木の精。
- 用例
- キジムナーヤ キーヌシー ンリ(キジムナーは木の精だって)。マギガジマルンカイヤ キーヌシーヌ ヲゥンディサ(大きなガジマルには木の精がいるそうだ)。
キーヌナイ
木の実。果実。
- 用例
- マッカーラ ソール キーヌナイ トゥッティ カムン(真っ赤に熟した木の実を取って食べる)。
ワッターヤ ガジュマルヌ キーヌナイン カムタルムンヌ(私たちはガジュマルの実も食べたのに)。
キーヌニー
木の根。
- 用例
- ウヌ キーヤ カリーギサー ヤグトゥ キーヌニーニン ミジ カキトーケー(その木は枯れそうだから木の根にも水をかけておきなさい)。
キーヌハナ
木の枝先。
- 用例
- ナマ トゥバチェーヌ マッタクーガ キーヌハナンカイ カカトーン(今飛ばした凧が木の枝先にひっかかっている)。
キーヌファー
木の葉。
- 用例
- ソージ シーガーチー ゥンム ヤチュグトゥ キーヌファー アチミレー(掃除しながら焼き芋をするから木の葉を集めなさい)。
キーヌマタ
木の股。
- 用例
- キーヌマタカイ ヰールーガ ヒッカカティ トゥララン ナトーン(木の股に紐がひっかかって取れなくなっている)。
キーハガー
毛が抜けたもの。
- 用例
- イッター マヤーヤ ゥンマカラ アッチュヌ キーハガー マヤー ヤサ(おまえの猫はそこから歩く毛がハゲた猫だよ)。
キービサー
竹馬。
- メモ
- →アシゥンマ。
キービシー
毛が薄い人。
- 用例
- ワッターシンカー ムル キービシー ヤン(私の家族は皆毛が薄い)。
- メモ
- 音:キービシ・キービスー。類:キーモー。
キービスー
毛が薄い人。
- 用例
- グナサイネー キービスー ヤティン ナンクル ミーティチューサ(小さいときは毛が薄くても自然に生えてくるよ)。
- メモ
- 音:キービシー・キービシ。
ギーファー
簪(かんざし)。
- 用例
- ギーファー イクチン ムッチョーサヤー(簪を幾つも持っているね)。
- メモ
- 音:ジーファー。
キーフクガー
鳥肌が立つ様。
- 用例
- キーフクガール マーイタン(鳥肌が立った)。
- メモ
- 音2:キーブラチャー・キーブリラーチャー・トゥイフクガー・フクジャー。
キーフクガー
鳥の膨羽(ぼうう)。
- 用例
- トゥイヌ ムン カマン ナティ キーフクガー ソーン(鳥がエサを食べなくなって毛が膨れ上がっている)。
- メモ
- 鳥の体調が悪くなったときに羽が膨らむさま。
キーブラチャー
鳥肌が立つ様。
- 用例
- ユル クラシンミー トゥーイネー キーブラチャー ッシ(夜暗い中を通ったら鳥肌が立つ)。
- メモ
- 音1:キーブリラーチャー。音2:キーフクガー。類:トゥイフクガー・フクジャー。
キーブリラーチャー
鳥肌が立つ様。
- 用例
- ヒーサガタガタ ッシ キーブリラーチャー ソーン(寒さで震えて鳥肌が立っている)。
- メモ
- 音1:キーブラチャー。音2:キーフクガー。→キーブラチャー。
ギーマ
植物名。ギイマ。ツツジ科の常緑低木。
- 用例
- ギーマ ムイガ ヤマカイ イチュン(ギーマを取りに山に行く)。
ギーマ
植物名。ヒサカキ。ヒサカキの実。
キーマー
毛深いこと。毛深い人。
- 用例
- イャーヤ アンスカ キーマー ヤテール(君はとても毛深かったんだね)。
キーマー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
キーマーユー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- 音1:キーマーラー。→アータ。
キーマーラー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- 音1:キーマーユー。→アータ。
キーマックヮ
木枕。
- 用例
- ウスメーヤ チャー キーマックヮ シ ユクティメータン(おじいさんはいつも木の枕でやすんでいらっしゃった)。
キーミー
黄身。卵黄。
- 用例
- クーガ カマチャレー シルミービカーン カリ キーミーヤ ヌクチェーサ(卵を食べさせたら白身だけ食べて黄身は残してあるさ)。
- メモ
- →アカミー。
キーミーガイ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- 音2:ターガイ。→カーラガイ。
キーミーガサミ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- カーラガニ参照。
キーミーガニ
魚介名。モクズガニ。
- メモ
- カーラガニ参照。
キーミーグチ
生え際。
キームサー
毛虫。
- 用例
- キームサー サーイネー ヰーゴーク ナインドー(毛虫を触ったら痒くなるよ)。
キームシ
毛虫。
キームム
植物名。毛桃。キーモモ。
- 用例
- ヤマカイ キームム ムイガ イチュン(山にヤマモモを取りに行く)。
- メモ
- →ウチナームム。
キーモー
毛が無いこと。毛がない人。
- メモ
- 対:キーマー(毛深いこと、人)。類:キービシー。
キーヤー
材木屋。
キーラーマートンボ
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- →ミンタマー。
キールー
黄色。
- 用例
- ミカン カミヂューハイネー ティーマディン キールー ナインドー(ミカンを食べすぎると手までも黄色くなるよ)。
- メモ
- 音1:チールー。
キーン
蹴る。
- 用例
- ジャマ ヤグトゥ アマカイ ヒサシ キーン(邪魔だからあそこへ足で蹴る)。
否:キラン(蹴らない)希:キーブサン(蹴りたい)過:キッチャン(蹴った)継:キッチョーン(蹴っている)。
キーン
切る。
- メモ
- 音1:チーン。音2:チーイン。
キーン
着る。
- メモ
- 音1:チーン。対:ハジーン(脱ぐ)。
ギーン(~ギーン)
~している。
- 用例
- ハナシ サギーン(話している)。アン サギーシガ(そうしているが)。カマギーン(食べている)。アッチャギーン(歩いている)。
キーゥンム
植物名。キャッサバ。
- 用例
- キーゥンムン テーゲーヌ チネーヲゥティ イーラットータン(キャッサバもほとんどの家で栽培されていた)。
キウイ
きゅうり。
- メモ
- 音1:キューイ。
キガ
怪我。被害。
- 用例
- クンドゥヌ カジフキヤ ウホークヌ キガニン ゥンジティ デージナ クトゥ ヤハ(今度の台風は多くの被害が出て大変なことだ)。
キカイー
喜界島。喜界島産の馬の呼称。
- メモ
- 沖縄本島で飼われた馬は生産地名で呼ばれた在来馬であった。他にナーク(宮古島産)・クミー(久米島産)・イージマー(伊江島産)があった。
キカシ
近年。
- 用例
- キカシヌ クトゥル ヤル ムン ウビランディチン アンナー(近年のことなのに記憶にないってこともあるか)。
ギカシ
虱の卵。
- 用例
- ウッサヌ ギカシガ シガトーテール(たくさんの虱の卵がついていたんだね)。
- メモ
- 音1:ギチャシ。
ギカジ
聞き分け。もの分かり。
- 用例
- ウヌ ワラベー ドゥク マク ナティ、ティーチン ギカジン キカンサ(その子どもはあまりにも腕白で、ちっとも聞き分けがない)。
- メモ
- →カジ。
キカスン
聞かせる。
- 用例
- パーパーガ ハナシー キカサヤー(お祖母さんが話を聞かせようね)。
- メモ
- 音1:チカスン。
キカンフーナー
聞かぬふり。
- 用例
- ハッサ!アリ ヤティカラ キカンフーナー ジョージテー(あれまあ!彼は聞かぬふりが上手だよ)。
- メモ
- 音1:チカンフーナー。
キギーン
遮る。封鎖する。
- 用例
- アマカイ イカラングトゥ マギキーサーニ キギーン(あそこに行けないように大きな木で遮る)。
- メモ
- 音1:チジーン。
ギキチャー
植物名。ゲッキツ。月橘。
- メモ
- 音1:ギチチャー。類:ギチキンギー。
カンカーの行事にはギキチャーに牛の血をつけて家の壁にさした。生け垣として植えられることが多い。
キクナー
植物名。春菊。
- 用例
- キクナーヤ イェーティン マーハサ(春菊は和え物にしても美味しいよ)。
キクン
聞く。
- 用例
- シンシー ハナシ キクン(先生の話を聞く)。
- メモ
- 音1:チチュン。
キサ
既に。さきほど。さっき。
- 用例
- キサハチヲゥラン(既に行っていない)。キサ マディ ゥンマナカイ ヲゥタンドー(さっきあまでそこにいたよ)。
- メモ
- 音1:キーサ・キッサ。
ギサ(~ギサ)
~そう。
- 用例
- ガンジューギサヌ ッチュ(丈夫そうな人)。ナマニン アミフイギサー ヤン(今にも雨が降りそうだ)。
ギサー(~ギサー)
~しそう。
- 用例
- アミフイギサー(雨降りそう)。
ギサー(~ギサー)
- 用例
- ナマニン アッチギサー ソーン(今にも歩きそうだ)。
ギサン(~ギサン)
~そうだ。
- 用例
- ンーチェーギサン(見ていたようだ)。マーサギサン(おいしそうだ)。
ギサン(~ギサン)
キジ
傷。
- 用例
- ハーヤカイ キジ チキテーン(柱に傷をつけてある)。
キジアトゥ
傷跡。
- 用例
- ウンナゲー ナルカ ナマン キジアトゥヌ ヌクトーン(そんなに長いことなるのに今も傷跡が残っている)。
キジーン
漁る。
- 用例
- カーラ キジティ タナガー トゥイン(川を漁って川エビを取る)。
- メモ
- →アサイン。
キジムナー
妖怪の一種。木の精。
- 用例
- キジムナー ンチャンディヌ チュン マンドータン(キジムナーを見たという人も多かった)。キジムナーニ ウサーッティ(妖怪キジムナーに襲われて)。
- メモ
- 沖縄で伝承されている妖怪で、多くは古いガジュマルに宿っているといわれている木の精霊。猿に似て赤毛の長い髪。夜、口笛を吹くとキジムナーが来ると言われた。
キジムナーヌトゥンペー
草の葉についている白い泡のようなもの。キジムナーの唾。
- メモ
- ススキなどの草の葉についている白い泡のようなものをそうよんでいた。
キジムナービー
キジムナー火。
- 用例
- キジムナービー ユー ンチャドー(キジムナー火はよく見たよ)。
- メモ
- キジムナーは小人で赤い顔をしているとされる。キジムナーが歩くとその火が見えると言われ、それをキジムナービーと称した。製糖時期によく見えるといわれ、海上に出ることが多かったという。てんてんと光が飛んでいるようにみえるものをキジムナー(キジムナービー)といったことからそういわれた。
キジムナーヤーチュー
お灸の痕のようなできもの。
- 用例
- ウレー キジムナーヤーチュー ヤサ(それはキジムナーヤーチューだ)。イーシ チカンアレー キジムナーヤーチュー サリーンドー(言うことを聞かないとお灸を据えるぞ)。
キジャースン
引っかき回す。かき乱す。引っかき回して物に害を与える様。
- 用例
- ヰーティ チュヌヤー キジャースン(酔って他所の家をかき乱す)。
否:キジャーサン(かき乱さない)希:キジャーシーブサン(かき乱したい)過:キジャーチャン(かき乱した)継:キジャーチョーン(かき乱している)。
キジャミタバク
刻み煙草(たばこ)。
キジャムン
刻む。
- 用例
- チリビラー キジャムン(ニラを刻む)。
キジャンバンジャン
蹴ったり手を上げたりしている様。
- 用例
- キジャンバンジャン シ オーエーヌ ハテー ネーン(手を上げたり蹴散らかして大喧嘩ばかりしている)。
キシリ
煙管。
- 用例
- アネッ!タンメーガ キシリ パンパン サギンドー(ほら!おじいさんがキセルをパンパン音を立てて灰を落としているよ)。
- メモ
- 音1:チシリ。刻み煙草を煙管に詰めて吸い終わったら、煙草盆の灰吹きのふちを軽く叩くなどして灰を落とす。
キスク
規則。
- 用例
- アザヌ キスク チュクヤーナカニ(字の規則を作って)。
キタ
桁(けた)。屋根や床にさしわたす材木。
- 用例
- キタヌ ヲゥーリトーン(桁が折れている)。
ガヤヤー ツクイネー、ヤンバルカイ キタ コーイガゥンジャン(茅葺きの家を造るときは、ヤンバルに桁を買いに行った)。
キタアミ
漁具名。桁網(けたあみ)。
- メモ
- 桁網とは桁の両側に石を取り付け、海底を掘り起こして魚貝を捕る漁具。
キタナサン
みすぼらしい。
- 用例
- ヤーヌ キタナサン(家がみすぼらしい)。キタナシー スガイ(みずぼらしい身なり)。
- メモ
- 音:シタナサン・シタナハン。
キダムン
薪。薪木。
- 用例
- キダムン アチミティ アガリスバーンカイ マジドーケー(薪を集めて東側に積み上げておきなさい)。
- メモ
- 音:キラムン・タムン(薪)には、ファーダムン(葉薪)もあり、製糖にはキダムンを使用しなかった。また字によっては山入りの際に男達が泊まり込みで1年分の薪を確保した。
キチ
垂木〔たるき〕。
- メモ
- 屋根を支えるために棟から軒にかける長い木材。
ギチギチー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ギチチャー。音2:ナービギチギチョー・。類:ナービカチカチー・ナービカチュー・ナービカチルー・ナービー・ナービカチャー・ナービカチャカチャー・ナービカチュカチュー・ナービカチュルー・ナービカッチャイ・ナービカッチュイ・ナービカチカチ・ナービカッュー。
ギチキンギー
植物名。ゲッキツ。月橘。
- 用例
- ヤーヌ カクイヤ ギチキンギール マシ ヤサニ(家の囲いはゲッケツがいいんでしょう)。
- メモ
- →ギキチャー。
ギチチャー
植物名。ゲッキツ。月橘。
- 用例
- ヤーヌ マンマールカイ ギチチャー イーユン(家の廻りにゲッケツを植える)。
- メモ
- →ギキチャー。
ギチチャー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ギチギチー。→ギチギチー。
ギチャシ
虱の卵。
- メモ
- 音1:ギカシ。
キッサ
既に。さきほど。さっき。
- 用例
- ウンジュガ イーンディ ソーシェー キッサ ワカトーイビン(貴方が言おうとしていることは既に分かっています)。キッサ ハチ ヲゥラン(すでに行ってしまった)。
- メモ
- 音1:キサ・キーサ。
キッチャキ
つまずき。
- 用例
- ゥンマンカイ ムヌ ウチーネー キッチャキ スンドー(そこに物を置いたらつまずくよ)。
キッチャキ シチャン(しくじった)。
- メモ
- 音1:チッカキ。
キッチャキクルビ
つまずき転ぶこと。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ キッチャキクルビ スシヨー(その子が転んでばかりいることよ)。
キッチャキヒッチャキ
つまずいてばかりいる様。
- 用例
- キッチャキヒッチャキヌ アクトゥ(つまずくこともあるので)。
- メモ
- 類:キッチャキマチブイ。音:キッチャキムッチャキ。
キッチャキマチブイ
つまずいてばかりいる様。
- 用例
- キッチャキマチブイ ッシ ヌー ンチ アッチョーガ(つまずいてばかりで何を見て歩いているか)。
- メモ
- 類:キッチャキヒッチャキ・キッチャキムッチャキ。
キッチャキムッチャキ
つまずいてばかりいる様。
- 用例
- キッチャキムッチャキ ウヌ ワラベー マーン ヤマサンタガヤー(つまずいてばかりでその子はどこも傷つけなかっただろうか)。
- メモ
- 音:キッチャキヒッチャキ。類:キッチャキマチブイ。
ギッチョー
子どもの遊び。長短2本の短棒のうち長い方で短い棒を打ち上げて遠くへ飛ばし合う遊び。
- メモ
- 類:ゲッチョー。
キットゥバスン
蹴り飛ばす。
- 用例
- チュヌムン キットゥバスン(人の物を蹴り飛ばす)。
否:キットゥバサン(蹴り飛ばさない)希:キットゥバシーブサン(蹴り飛ばしたい)過:キットゥバチャン(蹴り飛ばした)継:キットゥバチョーン(蹴り飛ばしている)。
- メモ
- 音:キリトゥバスン。
キデークニ
人参。
- メモ
- 音1:キレークニ・チデークニ・チデークニー・チレークニ。
キヌー
昨日。
- 用例
- ワンネー ウヌ クトー キヌール キチャンドーヤー(私はそのことは昨日聞いたんだよ)。
- メモ
- 音1:チヌー。
キネー
家庭。
- 用例
- ンカシヌ ソージミグイヤ キネーヌ カージ マーイタン(昔の掃除廻りは各家庭廻った)。
- メモ
- 音1:チネー。音2:ヤーチネー。
キネームッチャー
家庭を上手に切り盛りしている者。
- 用例
- ワッター ユメー イーキネームッチャーレー(私の嫁は良く家庭を切り盛りしているよ)。
- メモ
- 音1:チネームッチャー。
キバイン
気張る。頑張る。
- 用例
- イャーガル イッチガシージャー ナトーグトゥ ウミチットゥ キバインテー(お前が一番年上なんだから精一杯頑張ってよ)。
- メモ
- 音1:チバイン。音2:ハマイン・ハマユン。
キフアシビ
寄付遊び。
- メモ
- ムラアシビは旧9月のワカリアシビまでに年に6、7回行なわれた。各戸から徴収されるアシビの経費とは別に寄付してくれた方々を招待して行なったアシビ。
キブイ
煙。煙の数で戸数を数える時に使う。
- 用例
- クンドー ナナキブイ アチマトーン(今年は7軒集まっている)。
- メモ
- 音:キブシ。
キブイ
キブイン
煙る。
キフウンチケー
寄付者の招待。
- メモ
- 寄付をしてくれた高齢者をアシビに招待し、豚を潰して御馳走した。
キブサン
煙い。
- 用例
- カマヌ メーヤ タムン メーチョーグトゥ キブサンドー(竈の前は薪を燃やしているから煙いよ)。
- メモ
- 音:キブハン。
キブシ
煙。
- 用例
- オーダムン メースグトゥ キブシ マチャーチョーン(生木を燃やすから煙が充満している)。
- メモ
- 音:キブイ。
キブハン
煙い。
- 用例
- ワンネー チャーン ネーンシガ ウンジョー アンスカ キブハンナー?(私はどうってことはないが貴方はそんなに煙いね?)。
- メモ
- 音:キブサン。
キブヤートゥールー
煙が立ちこめている様。
- 用例
- イャーガ ヒー メースグトゥ キブヤートゥールー シミティ(お前が火を燃やすから煙が立ちこめとしているよ)。
ギママ
わがまま。
- 用例
- ドゥク ギママ シミーネー デージドー(余りわがままにさせると大変だよ)。
- メモ
- 類:ジママ。
キミーマール
決める日。
- 用例
- チューヤ ヤクミヌ キミーマール ナトーンドー(今日は役員を決める日だよ)。
キミーン
決める。
- 用例
- アチャ、ニービチヌ ヒー キミーン(明日、結婚式の日を決める)。否:キミラン(決めない)希:キミーブサン(決めたい)過:キミタン(決めた)継:キミトーン(決めている)。
キム
①肝。食用となる豚のレバー。②心。
- 用例
- ①キム コーティ チェーグトゥ ウヮーヌシシトゥ マジョーン シル ワカシェー(レバーを買ってきたから豚肉と一緒に汁にしなさい)。②ウスメーヤ キムヌ ヒルサミシェータン(お祖父さんは心の広い方だった)。
- メモ
- 音:チム。
キム カチクジーン
心をかき乱す。
- 用例
- イャーガ ナイチカイ ハチ ヲゥランディ ウムイネー キム カチクジラリーンネー ッシ(お前が内地に行って居ないと思うと心がかき乱されるようだ)。
- メモ
- 音1:チム カチクジーン。
キム ハリーン
心が晴れる。
- 用例
- ウミーヤドーシェー チュクトゥバ ヤティン ハナシー シーネー ウッサシ キム ハリーン(思い悩んでいることは一言でも話すとそれで心が晴れる)。
- メモ
- 音1:チム ハリーン。
キム フジュン
満足する。気がすむ。
- 用例
- ウミーン トゥーティ ナマネー キム フジュンテー(思い通りにいって今度は満足でしょう)。
- メモ
- 音1:チム ヒジュン・チム フジュン。
キム ヤムン
心が痛い。後悔する。
- 用例
- アレー アビーヂューサヌ アン イチカラ キム ヤローンドー(彼奴は喋りすぎてそう言った後に心を痛めているよ)。
- メモ
- 音1:チム ヤムン。
自分の言動によって、自分自身が後悔、心を痛めること。
キム ヤンジュン
心を痛める。心を傷つける。
- 用例
- タダ ウッピグヮーッシ ワラビヌ キム ヤンジュンナー(たったそれだけで子どもの心を傷つけるか)。
- メモ
- 音1:チム ヤンジュン。
自分の言動によって相手を傷つけること。
キムアシガチ
気が急くこと。あせること。
- 用例
- ジカヌン ネーン キムアシガチ ヒチ(時間もなく気が焦る)。
- メモ
- 音1:チムアシガチ。
キムエー
意味合い。意味。
- 用例
- ウヌ ワラビガ イーシェー ヌール イチョーラー ムル キムエーン ワカラン(その子どもが言うのは何を言っているのか全く意味も分からない)。
- メモ
- 音1:チムエー。→イミ。
キムガカイ
気がかり。
- 用例
- フカニ ヌーヌ シワン ネーンシガ タダ イャー チュイガル キムガカイ ヒチ フシガラン(他に何の心配もないがただお前ひとりが気がかりでしょうがない)。
- メモ
- 音1:チムガカイ。音2:チガカイ。
キムガナハン
心からかわいい。愛しい。
- 用例
- チョーデーヤ トゥーサ ハナリティン キムガナハン(姉妹は遠く離れても心から愛しい)。
- メモ
- 音1:チムガナサン。
キムグーハン
小心。気が小さいこと。心が狭い。
- 用例
- キモー チャー マギク ムタンレー キムグーハイネー ヌーン ナランドー(心はいつも大きく持たないと心が小さいと何もできないよ)。
- メモ
- 類:チムグナハン・チムグマサン。
キムグチ
胸元。みぞおち。
- 用例
- チヌーカラ キムグチヌ ヤムシガ マーガラ ワッサル アガヤー(昨日からみぞおちが痛いがどこか悪いんだろうか)。
- メモ
- 音:チムグチ。
キムグチ カミラリーン
胸元がぎゅっとしぼられるような痛みがあること。
- メモ
- 音:チムグチ カミラリーン。
キムグラハン
可哀想である。気の毒である。
- 用例
- タイガウヤ ウシナティ キムグラハヌ ナラン(両親を失って可哀想でたまらない)。
- メモ
- 音:チムグラサン・チムグリサン・チムグルサン。
キムグリームン
かわいそうな人。
- 用例
- ウヤン ヲゥラン キムグリームン ヤサ(親がいなくて可哀想な者だよ)。
- メモ
- 音1:チムグリームン。
キムグヮーシンジ
豚レバーの煎じ汁。
- 用例
- カジ ヒキーネー アンマーガ キムグヮーシンジ チュクティ トゥラスタン(風邪をひくとお母さんが豚レバーの煎じ汁を作ってくれた)。
- メモ
- 音1:チムグヮーシンジ。
豚レバーに赤肉や人参等の野菜を入れて味噌仕立てにした煎じ汁を食べる。栄養価が高く、現在でも滋養食として親しまれている。
キムサビッサン
心から寂しい様。
- 用例
- ユーサンリ ナイネー アンシ キムサビッサンヤー(夕方になると何て心寂しいんだろうね)。
- メモ
- 音1:チムサビサン。
キムドンドン
胸が高鳴りどきどきする様。
- 用例
- ウリ カンゲーイネー シワ ッシ キムドンドン スン(それを考えると心配で胸がドキドキする)。
- メモ
- 音1:チムドンドン。
キムヌマーン トゥララン
心が何処にあるか落ち着かない様。
- 用例
- ワンネー キムヌマーン トゥラランレー(私は気持ちが落ち着かないよ)。
- メモ
- 音2:キムンテーン ナラン・チムヌ マーン ネーラン。
キムマユイ
気の迷い。心の迷い。
- 用例
- カンゲーティン カンゲーティン キムマユイ ッシ(考えても考えても迷ってしまう)。
- メモ
- 音1:チムマユイ。
キムンテーン ナラン
心が何処にあるか落ち着かない様。
- 用例
- チャーシ カンゲーティシムラー キムンテーン ナラン(どのように考えていいのか落ち着かない)。
- メモ
- 音2:キムヌマーン トゥララン・チムヌ マーン ネーラン。
キューイ
きゅうり。
- 用例
- サキヌ オカズガ ヌーン ネーンラー キューイ イェーリワ(酒の肴が何もないならキュウリを和えなさい)。
- メモ
- 音1:キウイ。
キラムン
薪。薪木。
- 用例
- キラムン ヒッティッチ ゥンム ヤチ カムン(木切れを拾ってきて芋を焼いて食べる)。
- メモ
- 音:キダムン。
キリキリミングヮー
転げ回る様。のたうち回る様。
- 用例
- キリキリミングヮースカ ワタヌ ヤムタン(転げ回るほどお腹が痛かった)。
- メモ
- 類:クルビンケーリン・ケーリンクルビ・チンケームンケー・チンチリモーカー・チンチルモーヤー・ムックルゲームックルゲー。
キリケーラスン
蹴り倒す。
- 用例
- トゥーイミチカイ ジャマ ナトーグトゥ アマンカイ キリケーラスン(通り道に邪魔になっているからあそこに蹴り倒す)。
否:キリケーラサン(蹴り倒さない)希:キリケーラシーブサン(蹴り倒したい)過:キリケーラチャン(蹴り倒した)継:キリケーラチョーン(蹴り倒している)。
キリシター
キリシタン。
- 用例
- ガッコーヲゥテー キリシターリチ イラリー、サーターヤーン ワカサッタグトゥ、ドゥーターシ サーターヤー チュクタンドー(学校ではキリシターと呼ばれ、製糖小屋も使えなかったので、信徒たちで製糖小屋も造ったよ)。
- メモ
- 字波平出身の比嘉保彦が、1907(明治40)年に波平の自宅を集会所として読谷山教会を設立した。その後1912(大正元)年、字上地出身の照屋梅岸が無償で敷地を提供し、現在地に木造瓦葺の教会堂を建築された。これは沖縄県内で初の農村キリスト教会と言われる。
キリトゥバスン
蹴り飛ばす。
- メモ
- 音:キットゥバスン。
キリハニ
小魚の群れの先頭。
- メモ
- また、統率力のある女性にもいった。
キリバンバン
ばんばんと蹴る様。
- 用例
- キリバンバンシ ヤーワイシ(ばんばんと蹴って家の中であばれている)。
- メモ
- 類:キリヒティバンバン。バンバンは蹴ったり、叩くなどの状態を表す。
キリヒティバンバン
ばんばんと蹴る様。
- メモ
- 類:キリバンバン。
キリビラ
ニラ。
- 用例
- キリビラ イッティ ソーミンイリカーシェーワ(ニラを入れてそうめんを炒めなさい)。
- メモ
- 音1:チリビラ・チリビラー。音2:ヒラタービラ。
キリマシ
切り枡。桝を切ること。
- 用例
- クミ ウイネー リッパ キリマシ ヒチ ウリヨー(米を売る時にはちゃんと切り枡で売りなさいよ)。
- メモ
- 音1:チリマシ。
ギレーイン
洗骨する。
- 用例
- ナー ヲゥラン ナティカラ シグニン ナティ ハーマヲゥティ ギレーイン(もう亡くなってから4、5年経つので浜で洗骨をする)。
- メモ
- 音1:ギレーユン。→カルク ナスン。
キレークニ
人参。
- 用例
- チムトゥ キレークニヌ シンジ チュクイン(レバーと人参の煎じ物を作る)。
- メモ
- 音1:キデークニ・チデークニ・チデークニー・チレークニ。
ギレーユン
洗骨する。
- メモ
- 音1:ギレーイン。→カルク ナスン。
キン
着物。衣服。
- 用例
- ユーフル イリレーカラー ヘーク キン キシレー(風呂を入れたなら早く服を着せなさい)。
- メモ
- 音:チン。
キンカン
金柑。
キンキハラ
衣類。着物。
- 用例
- イャームン ニービキネー ワンガ キンキハラ ダテーン シコーティ ムタスサ(お前の結婚式には私が衣類もたくさん準備して持たせるさ)。
- メモ
- 類:チルカー・チンチルカー。
キンケーリン
ひっくり返る。
キンサギゾー
着物を下げる竿。
- 用例
- キン サギーグトゥ キンサギゾー ムッチ クーワ(着物を下げるから竿を持って来なさい)。
キンジー
家普請(ふしん)の際の大工や、出産後の産婦に差し入れる食物。
- 用例
- ヤーフチカイ キンジー ムッチ イチュン(家普請に差し入れを持って行く)。
サンジ マニアーチ、キンジー ムッチ イケー(三時に間に合うように、差し入れを持っていきなさい)。
- メモ
- 家の普請〔ふしん〕などの際、大工などに差し入れる飲み物や食べ物。家普請の時などに援助として持って行く。現在でもその風習は残っている。
キンジーヒンジー
家普請(ふしん)の際の大工や、出産後の産婦に差し入れる食物。
- 用例
- ヤーフキヌ キンジーヒンジーヤ トーフヌ マンドータン(家普請の差し入れは豆腐が多かった)。
- メモ
- 戦前のキンジーは豆腐2、3丁が主だったが、字楚辺ではウグマバンヤクー(胡麻菓子)もキンジーとして贈られた。
ギンジャー
物乞い。乞食。
- 用例
- ギンジャーフージナ ムン(乞食のような者)。キンジャヤーヌ スガイ(乞食の身なり)。
- メモ
- 類:クーヤー・クーヤーギンザヤー・クーヤーヤンジャー・ヌムクーヤー・ムンクーヤー。
ギンジュー
トンボの一種。
キンターマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:キンダマー・ギンターマー・ギンダーマー・キンタマー。羽を開いて裂くと赤い肉のような部分があり、「マシサードー(赤肉だよ)」といって食べた。→ミンタマー。
キンダーマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:キンターマー・ギンターマー・ギンダーマー・キンタマー。→ミンタマー。
ギンターマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:キンターマー・キンダーマー・ギンダーマー・キンタマー。→ミンタマー。
ギンダーマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:キンターマー・キンダーマー・ギンターマー・キンタマー。→ミンタマー。
キンタマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:キンターマー・キンダーマー・ギンターマー・キンタマー。→ミンタマー。
キンヂチン
着物包み。
- 用例
- ワッター アバーヤ キンヂチン ムッチ ユミ ナティ イクサヤー(私の姉さんは着物包みを持って嫁に行くんだね)。
- メモ
- 音1:チンヂチン。
キンヂチンカミヤー
嫁入り道具の着物包みを運ぶ役目の者。
- 用例
- ドゥシヌ キンヂチンカミヤー スン(友達の嫁入りの着物包み持ちをする)。
- メモ
- 音1:チンヂチンカミヤー。嫁の友達など未婚女性がその役目で、嫁入り当日から3日間は婚家に一緒にいた。
キンヌハシ
着物の切れ端。
- 用例
- キンヌハシッシ カッコー ノーイン(着物の切れ端でおむつを縫う)。
- メモ
- 音1:チンヌハシ。
キンブ
ミカンの一種。九年母。
- 用例
- キンブグヮーガ マーサギサ ユカトーシヨー(みかんが美味しそうに実っていることよ)。
- メモ
- 類:クニブ・クヌブ。
キンブギー
九年母の木。
- メモ
- 類:クヌブンギー。
クィー
杭。
- 用例
- ジーヌ サーケーカイ クィー ウチクムン(土地の境界に杭を打ち込む)。
- メモ
- 類:ブイ。
クィー
声。消息。
- 用例
- アレー チャー ソーガヤー、クィー チチ トゥラシヨー(あいつはどうしているかな、消息をきいてくださいね)。
アビージューサヌ クィーヌ カリトーン(喋りすぎて声がかすれている)。
クィーヌ マギサヌ マーマリン チカリーサ(声が大きくてどこまでも聞こえるよ)。
クィー
税金。
- 用例
- チチジメーネー クィー ウサミティクーヨー(月末には税を納めてきなさいよ)。
クィージキーン
物を腰に掛ける。
- 用例
- ティール ガマクンカイ クィージキティ ムッチュン(ザルを腰に掛けて持つ)。
クィーシラビ
声調べ。
- メモ
- 青年を集めて声調べを行ないムラアシビの配役が決められた。
クィーダカー
声高の人。
- 用例
- クィーダカーヌ ミンチャハン(声高の人がうるさい)。
クィーチーン
噛み切る。
- 用例
- クファサグトゥ クィーチーン(固いので噛み切る)。
否:クィーチラン(噛み切らない)希:クィーチーブサン(噛み切りたい)過:クィーチッチャン(噛み切った)継:クィーチツチョーン(噛み切っている)。
クィーチキーン
食いつく。噛みつく。
- 用例
- ワラビンカイ ティー クィーチキラッタン(子どもに手を噛みつかれた)。
クィーチリザキ
納棺の際に棺へ入れる酒。
クィーニン
物乞い。
- メモ
- 類:クーヤー。
クィーユン
越える。
- 用例
- アヌ ヤマ クィーユン(あの山を越える)。
否:クィーラン(越えない)希:クィーブサン(越えたい)過:クィータン(越えた)継:クィートーン(超えている)。
クィーン
やる。与える。
- 用例
- ワランチャーンカイ クヮーシ クィーン(子どもたちにお菓子をあげる)。
否:クィラン(あげない)希:クィーブサン(あげたい)過:クィタン(あげた)継:クィトーン(あげている)。
グイス
祝詞。
クー
鳥カゴ。
- 用例
- クーンカイ トゥイ イリーン(カゴに鳥を入れる)。
クー
粉。
- 用例
- クーヌ ヒットゥバングトゥ シ ヨンナー ハクビヨー(粉が吹き飛ばないようにゆっくり運びなさいよ)。
クー(~クー)
蜜柑の房の数え方。
- 用例
- ①キンブグヮー タクー カムン(ミカンを2房食べる)。②クーガ ミクー コーティ チャン(卵を3個買ってきた)。
クー(~クー)
房。ミカンの房を数える数詞。
- メモ
- チュクー(1房)、タクー(2房)、ミクー(3房)と数える。
グー
一緒。仲間。対のもの。
- 用例
- イャーン ワッタートゥ グー ナレーワ(貴方も私たちと一緒なりなさい)。
グー ナヤーナカイ(仲良くなって)。タイ グー ナサナ(二人一緒にしよう)。イー グー ヤタンリ(良い間柄だったって)。
グー
囲碁。
- 用例
- タイヌ ウスメーガ、グー ウッチメーン(二人のお爺さんが、囲碁を打っていらっしゃる) 。
グー
囲碁。
- 用例
- タイヌ ウスメー、ガ グー ウッチメーン(二人のお爺さんが、囲碁を打っていらっしゃる)。
クーアーラカ
魚介名。鰯。ミジュンが20㎝前後の成魚になった時の呼称。
クーアチサ
二十四節気の小暑。
グーイ
関節。
- メモ
- 類:チゲー・フシ・フシクビ・フシブシ・マガイ。
グーイ(~グーイ)
~ともに。一緒に。
- 用例
- ワッター ミッチャイグーイ ヰヌトゥシ(我々3人とも同年生)。
- メモ
- 類:~グーリー。
クーイービ
小指。
- 用例
- イシ ドゥキナスンディチ クーイービ ヤマチャン(石を退けようとして小指をケガした)。
- メモ
- 音2:イービグヮー・ックヮイービ。
クーイグヮー
隙間。
- 用例
- クーイグヮーンカイ ヌーンクイ ウシンカッティ(隙間に何もかも押し込めて)。
クーイミチーン
閉め切る。
- 用例
- ウーブイ シーギサー ヤグトゥ ハシル クーイミチーン(大降りになりそうなので戸を閉め切る)。
否:クーイミチラン(閉め切らない)希:クーイミチーブサン(閉め切りたい)過:クーイミチタン(閉め切った)継:クーイミチトーン(閉め切っている)。
- メモ
- 音2:ミチクーイン。対:アキヒルギーン・アキフィラキーン・ワイアキーン(開け広げる)。
クーイムーク
乞い婿。女性側から男性の人柄を見込んで婿に乞うこと。
- メモ
- 音2:ティグイムーク。
一般に女性側が器量や資産が格上であり、慣習としては一般の人々にはあまり受け入れられなかったようである。
クーイユ
魚介名。鯉〔コイ〕。
- 用例
- ウスメーヤ ジン ムッチ クーイユ コーイガ イチュタン(お爺さんはお金を持って鯉を買いに行った)。
- メモ
- 発熱時、煎〔せん〕じて熱冷ましとして飲ませた。
クーイン
閉める。閉じる。
- 用例
- ヒーサグトゥ ハシル クーイン(寒いので戸を閉める)。
クササンディガチーナー ハナー クートーティ クチェー バクバクスタン(臭いと言いながらも、鼻は閉じて、バクバク食べたていた)。
否:クーラン(閉めない)希:クーイブサン(閉めたい)現:クートーン(閉めている)過:クータン(閉めた)。
- メモ
- 類:シミーン・ミチーン。対:アキーン(開ける)。
クーイン
かみつく。くわえる。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ チムガチ シーネー チュ クーイン(その子は苛立つと人を噛む)。
クーイン
貰いに行く。嫁乞いに行く。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ サキ ヒサギティ クーイガ イチュタン(友達と酒を持って嫁乞いに行った)。
グーウッチェー
子どもの遊び。碁打ち。
- メモ
- 音1:ゴーウッチェー。類:シシミエー・ミチマー。
地面に1尺5寸ほどの正方形を描いて小石やおはじきで遊ぶ。
クーエームン
困った者。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーヤ クーエームン ナティ ジャーフェーレー(隣の青年は困った者で厄介だよ)。
- メモ
- 類:ハティー・ヤッケームン。
クーガ
卵。
- 用例
- ワンガ カラトール トゥイヤ メーナチ ティーチナー クーガ ナスン(私が飼っている鶏は毎日1個ずつ卵を産む)。
クーガ
睾丸〔こうがん〕。
クーガーヤマン
卵のようにまるい山芋の呼称。
クーガクサ
フィラリア症の後遺症で陰のうが肥大した状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタヤックヮン・ヤックヮングサ。
クーガクビチン
卵を持ち運ぶための藁筒。
クーガコーヤク
卵膏薬。
- 用例
- クーガコーヤクヤ ウチミソーナムヌンカイ ユー キクタン(卵膏薬は打ち身などに効用があった)。
- メモ
- 卵の黄身を練って作ったのがクーガコーヤクといわれ、腫れや捻挫に塗った。
クーガザキ
卵酒。
- 用例
- クーガザキ ヌマチ クンチ チキーン(卵酒を飲ませて栄養をつける)。
- メモ
- 酒に卵を混ぜたもので、栄養をつける時などに飲む。風邪を引くと大人は卵酒を飲んだ。
クーガトゥエー
子どもの遊び。卵取り合いっこ。
- メモ
- 実際には瓦の欠片で代用して遊んだ。
クーガワリー
卵の殻。
- 用例
- クーガワリーヤ イークェー ナイグトゥ ヒティランヨークー ナーンカイ ホートーケー(卵の殻は良い肥料になるから捨てずに庭に撒いておきなさい)。
クーギ
陰毛。
- メモ
- 字長浜では綱引きに使う綱の輪の周囲に付けた細い藁綱のことにもいった。
クークーウーファ
帯を使わずに着物で覆っておぶうこと。
- 用例
- ヒーハイニ クヮ ウファ シーネー クークーウーファ スタン(寒い時に子どもをおぶう時には着物で覆っておぶった)。
クーグートゥ
小さく。
- 用例
- クーグートゥ チーシェー マシ(小さく切った方が良い)。
- メモ
- 対:マギマギトゥ・マギマギートゥ。
クークェーヤーバル
{粉貝屋原}。儀間の小字。
クーケー
後悔。
- 用例
- シーゥンジャチェーシヤ クーケーシン ハジマランサ(仕出かしたことは後悔しても始まらないさ)。
- メモ
- 類:チムヤミー。
クーサガナサ
幼い子ほど可愛いこと。
- 用例
- クーサガナサディチ、 ウットゥーグヮーヤ カナサル アル(幼いほど可愛いといって、一番下の子は可愛いものだ)。
クーサマギサ
大小。
- 用例
- ウレー ナー クーサマギサヤ シカターネーンサ(それはもう大きいのもあれば小さいのもあるのは仕方のないことさ)。
クーサムン
優れ者。秀才。
- 用例
- アレー シタタカヌ クーサムンドー(彼はとても優れた者だよ)。
- メモ
- 音2:スグリムン。類:スグリヤー・チブルチリヤー・
クーサン
小さい。幼い。
- 用例
- イャームン チノー ワームンヤカ ジョーイ クーサン(お前の着物は私のよりずっと小さい)。
- メモ
- 音:クーハン。類:グナサン・グナハン・グマサン・グマハン。対:マガハン・マギサン・マギハン。
グーサン
杖。
- 用例
- トゥナイヌ ウスメーヤ ヒサヌ ワッサヌ グーサン チチメーン(隣のお爺さんは足が悪くて杖をついていらっしゃる)。
- メモ
- 音:グサン。
グーサンヲゥーギ
旧盆に仏壇に供えるサトウキビの杖。
- 用例
- ウークイ ッシ アトゥ ウヤファーフジヤ グーサンヲゥーギカイ クヮッチー カタミティ イチュンディサ(ウークイを終わった後、祖先はグーサンヲゥーギで御馳走を担いで行くそうだ)。
- メモ
- 音:グーサンヲゥージ。お盆に祖霊が使う杖、あるいは担ぎ棒としてサトウキビを仏壇飾りに供えた。
グーサンヲゥージ
旧盆に仏壇に供えるサトウキビの杖。
- 用例
- ブチダヌンカイ シキーヌ グーサンヲゥージヤ トゥッティチェーミ?(仏壇に供えるグーサンヲゥージは取ってきたね?)。
- メモ
- 音:グーサンヲゥーギ。
クージ
公儀。王府。
- 用例
- クージグトゥ(役所の仕事)。
- メモ
- 公儀(こうぎ)とは公的な事柄。
グーシ
串。細い竹や棒。
- 用例
- グーシ ダテーン アチミティ ヌーンカイ チカイガ?(細い竹をたくさん集めて何に使うの?)。
クーシーカーシー
継ぎ接ぎだらけ。
- 用例
- ンカシンチュヌ ハルカイアッチャーヤ ムル クーシーカーシー ヤタサ(昔の人の野良着は皆継ぎ接ぎだらけだったよ)。
- メモ
- 音:クーシーハーシー。
クーシーハーシー
継ぎ接ぎだらけ。
- 用例
- イクチ ナティン クーシーハーシーギン キチ フージンネーン(幾つになっても継ぎ接ぎだらけの着物を着てみっともない)。
- メモ
- 音:クーシーカーシー。
クーシームン
困窮している者。貧乏者。
- 用例
- イカナ クーシームン ヤティン イチカー モーキーガ スラー ワカランドー(どんなに貧乏者でもいつかは儲けるかもしれないよ)。
イッペー クーシームン ナティ(とても貧しく)。
- メモ
- 音2:ヒンスームン・フィンスームン・フェンスーナムン・ヘンスームン。対:イェーキンチュ・ヲェーキンチュ・ジンムチ(金持ちの人)。
クージカンジャー
公儀鍛冶屋。
- 用例
- ウーザンカイ クージカンジャーンチ アンヨー(宇座に公的な鍛冶屋があったよ)。
- メモ
- 琉球王府時代、各間切に配置された鍛冶屋のこと。公儀鍛冶屋は任期が終われば首里に戻る者もいたが、字宇座に来た鍛冶屋はそのまま宇座に留まり、鍋の修繕も行なった。それで、ナービナクーとも呼ばれ、その墓と屋敷跡が拝所になっている。
クージュン
漕ぐ。
- 用例
- ワカムンガ フニ クージュン(若者が船を漕ぐ)。
否:クーガン(漕がない)希:クージーブサン(漕ぎたい)過:クージャン(漕いだ)継:クージョーン(漕いでいる)。
グーシゥンマ
馬に見立てた棒。
- 用例
- ミームーク グーシゥンマカイ ヌシーシェー ミームン ヤタン(婿をグーシゥンマに乗せるのは見て楽しいものだった)。
- メモ
- 類:ドードーンマ。結婚式に婿に悪ふざけをする風習があり、棒にみたてた馬に乗せて引きずり回した。
クース
古酒。
- 用例
- イャームン クースヤ ナンニン ナトーガ?(お前の古酒は何年物ね?)。
クースー
唐辛子〔トウガラシ〕。
クースークェー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
クースークェー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパーグヮー。カキヌミーパーパーグヮー参照。
クースン
穴をふさぐこと。あてがう。
- 用例
- ナービ クースン(鍋の穴をふさぐ)。
チンヌ アナ クースン(着物の穴をふさぐ)。
クーソーラーサン
小柄で可愛い。
- 用例
- アマヌ ヰナグングヮヤ ムル クーソーラーサンヤー(あそこの娘たちは皆小柄で可愛いね)。
クーテー
小さいもの。
- 用例
- クーテー ウヮーグヮー(ちび豚)。ワンネー クーテーカラ チカイン(私は小さいのから使う)。
- メモ
- 類:グナー・グマー。対:マギー。
クーテン
少し。僅か。
- 用例
- マースヌ チリトーグトゥ クーテン ワキティトゥラサンナー(塩が切れているので少し分けてちょうだい)。
- メモ
- →イヒ
クーテンナー
少しずつ。
- 用例
- サケー クーテンナール ヌムンドー(酒は少しずつ飲むんだよ)。
- メモ
- 音2:イヒグヮーナー。
グートゥミートゥ
対の物。揃いの物。相性。
- 用例
- カマデー トゥ マカテーヤ グートゥミートゥ ヤン(カマデとマカテは相性が良い)。
スーチカートゥ ターゥンムヤ グートゥミートゥ ヤン(塩漬け肉と田芋は食べ合わせが良い)。
グーナー
足が不自由で歩行のつり合いがとれない人。
- 用例
- トゥシ トゥイネー ヒサカラ ヨーイグトゥ グーナー スシン マンドーン(年を取ると足から弱るから足を引きずって歩く人も多い)。
- メモ
- 類:グーニ。
グーニ
座骨。
- 用例
- ゥンブムン ムチヂューサヌ グーニヌ ヤリ フシガラン(重いのを持ちすぎて座骨が痛くてたまらない)。
グーニ
跛行(はこう)。足が不自由で歩行のつり合いがとれないこと。
- 用例
- ヒサ ヲゥーティ グーニ ソーン(足を骨折してびっこを引いている)。
- メモ
- 類:グーナー。
クーバー
蜘蛛〔クモ〕。
- 用例
- クーバー トゥティ アシブン(蜘蛛を取って遊ぶ)。
- メモ
- 天井や仏壇に蜘蛛が巣を作ると厄。
クーバーヌシー
蜘蛛の巣。
- 用例
- クヮーギヌ キーンカイ ダテーン クーバーヌシー チュクテーン(桑の木にたくさんの蜘蛛の巣を作ってある)。
- メモ
- 類:クーブガシー。
クーバーバタ
蜘蛛旗。字長浜の旗頭の呼称。
- メモ
- 字長浜の旗頭に蜘蛛が描かれている。
クーバカイ
小秤。
- メモ
- 肉や魚など15斤位まで計れる小さい秤。
クーバタ
小旗。字波平の大小ある旗のひとつ。
- メモ
- 「和衷協力」と書かれた旗。
クーハン
小さい。
- 用例
- マギハンディチル トゥッタシガ ヤーカイ ムッチ チャレー クーハンヤー(大きいと思って取ったんだが家に持って来たら小さいなあ)。
- メモ
- 類:クーサン。
グーハンラー
規格外れ。
- 用例
- ウヌ シナムノー グーハンラー ナティル ヤッサテーサ(その品物は規格外れで安かったんだよ)。
クービ
植物名。グミ。
- 用例
- クービ バーキヌミー トゥティチャン(グミをザルのいっぱい取ってきた)。
クービーサ
二十四節気の小寒。
クーブ
昆布。
- 用例
- ンカシカラ ウチナーヤ クーブ ユー チカイタン(昔から沖縄は昆布をよく使っていた)。
ソーミントゥ クーブ コーティクーワ(ソーメンと昆布を買ってきなさい)。
グーフ
岩礁。
- 用例
- ウミヲゥティ ナガサッティ グーフンカイ アガタン(海に流されて岩に上がった)。
グーフ
瘤〔こぶ〕。瘤のように盛り上がったところ。
- 用例
- グーフー ウガマスン(瘤をつくってやるぞ〔脅し文句〕)。
- メモ
- 類:グファー。
グーファー
瘤〔こぶ〕たんこぶ。
- メモ
- 類:グーフ。
クーブイリチャー
昆布炒め。
- 用例
- クーブイリチャーン マーサマーサ シコーテーサ(昆布炒めも美味しそうに作ってあるね)。
グーブーグヮー
蜂の巣。墓に蜂が巣を作ると厄といわれた。
- メモ
- 類:ハチャーヌシー。
クーブガシー
蜘蛛の巣。
- 用例
- チブルカイ クーブガシーガ タックヮトーン(頭に蜘蛛の巣がくっついている)。
- メモ
- 類:クーバーヌシー。
グーフグヮー
くるぶし。
- 用例
- タンシヌ カドゥカイ グーフグヮー ウッチネーン ヤリ フシガランサ(箪笥の角にくるぶしを打ってしまい痛くてたまらない)。
クーフチカジャ
虫食い芋の臭い。
- 用例
- ウヌ ゥンモー クーフチカジャ スン(その芋は虫食いの臭いがする)。
グーフムイ
土地が盛り上がって木が生えているところ。
グーフンニー
字喜名の拝所。
- メモ
- 現在は軍用地内になっている旧集落地にある拝所で、村屋(事務所)跡。女人禁制とされ男性によって拝された。
クーベー
カビ。
- 用例
- ウヌ ムチェー クーベー クートーンドー(その餅はカビが生えているよ)。
クーベー
勾配。
- 用例
- クーベー チキティ ミジ ナガサナ(勾配をつけて水を流そう)。
クームーチー
粉をまぶした餅。
- メモ
- 彼岸に準備する粉餅は白い粉ではなくきな粉をまぶす。
クームシ
キクイムシ。木を食べる幼虫。
- メモ
- 家の柱などにつき、夜にキーチキーチと鳴く。虫が食べた柱の穴からは木の粉が落ちた。
クーヤー
噛みつくもの。人の話に難癖をつける人。
- 用例
- ウホーク アチマイネー カンナジ チュイヤ クーヤーガ ヲゥサ(大勢集まると必ず一人は難癖をつける人がいるよ)。
クーヤーイン(かみつき犬。よく人にかみつく犬)。
クーヤー
物乞い。
- 用例
- クーヤー グトゥ ナトータン(乞食のようになっていた)。
- メモ
- →ギンジャー。
グーヤー
魚介名。高瀬貝。
クーヤーギンザヤー
物乞い。乞食。
- メモ
- →ギンジャー。
グーヤーヌギ
豚の腕にあたる部分の赤身肉。
- 用例
- グーヤーヌギヤ デーヤッサシガ マーハンドー(豚の腕肉は値段は安いが美味しいよ)。
- メモ
- 類:グーヤーヌジ。
グーヤーヌジ
豚の腕にあたる部分の赤身肉。
- 用例
- グーヤーヌジガ アグトゥ シブイトゥ シル ワカシェー(豚の腕肉があるから冬瓜と汁にしなさい)。
- メモ
- 類:グーヤーヌギ。
グーヤーマチ
棒術の演武名。高瀬貝巻き。
- メモ
- 旗頭を中心にして演舞者が高瀬貝のように左巻きに円をかいて回る。
クーヤーヤンジャー
物乞い。乞食。
- 用例
- クーヤーヤンジャーヌ スガイシ(乞食の身なりをして)。
- メモ
- →ギンジャー。
クーラ
竹で作った和バサミのようなもの。
- メモ
- 縦に割った竹を二つに折り、折った部分をくくった和バサミのようなもの。稲や麦、芭蕉糸をしごくのに使った。
クーラ
苧環。
- 用例
- クーラヤ ヲゥーバーランカイ イットーキヨー(苧環は苧カゴに入れておきなさいよ)。
- メモ
- 音:クーダ。
クーラグー
竹管。
- メモ
- 音:クーダグー。
手綱で馬の背がこすれるのを防ぐための竹製の管輪。また細い竹管はストローとしても使われた。
クーラグーシ
苧環を巻く竹串。
- 用例
- クーラグーシェー マーンカイ カジミタガヤー?(竹串はどこに収めたのかな?)。
- メモ
- 音:クーダグシ・クラグシ・クダグシ。
クーラリーン
咬まれる。
- 用例
- ガジャンカイ クーラリーン(蚊に刺される)。
クーリ
氷砂糖。
- 用例
- ウチャクンカイ クーリ ゥンジャスシェー マシテー(お客さんに氷砂糖を出した方が良いね)。
グーリー(~グーリー)
~ともに。一緒に。
- 用例
- ミートゥンダグーリー(夫婦2人とも)。タイグーリー ソーダンシ(2人で相談して)。
- メモ
- 類:~グーイ。
クールー
玩具名。独楽〔こま〕。
- 用例
- ソーグヮチメーネー クールー コーティ トゥラスサ(正月前にはコマを買ってあげるよ)。
クールーオーラセー
子どもの遊び。独楽(こま)。コマのぶつけ合い。
クールーダキ
独楽岳。読谷山岳。読谷村域にかかる山の名称。カキバルにある天倉岳。
- 用例
- クールダキグヮー シチャカラ ヒナン シ アッチャン(クールー岳の下の方避難して歩いた)。
- メモ
- 独楽〔こま〕の形をしているからクールーダキという。ヤグラダケ、ユンタンジャダキ、ゥンマヌクラダキ、クールダキ、クールーヤマグヮーとも言う。現在の読谷山岳のこと。
クールーミングヮセー
子どもの遊び。独楽(こま)回し。
- 用例
- アマヲゥティ クールーミングヮセー シ アシドーン(あそこで独楽回しをして遊んでいる)。
- メモ
- ガジマルや松の木の枝を、適当な大きさに切って、石垣の隙間に独楽を差し込んで削りながら形を作った。それを、約30センチに切った布切れを細長い竹に括りつけもので叩いて回した。
クーン
来る。
- 用例
- チュー ワッター ヤーンカイ クーンナー(今日、私の家に来るね)。
- メモ
- 音1:チューン・ツーン。→チューン。
クーゥンムニー
粉芋煮。芋を水煮し、汁を捨て練ったゥンムニーに小麦粉やきなこなどを加えたもの。
クェー
農具名。鍬〔くわ〕。
- 用例
- スーヤ クェー カタミティ ハル カジーガ ハイタン(父は鍬を担いで畑を耕しに行った)。
クェー
肥〔こえ〕。肥やし。肥料。
- 用例
- ハルカイ クェー イリーガ イチュン(畑に肥やしを入れに行く)。
ヒージャーヌ クェー(肥料にする山羊の糞尿)。ウヮーヤーヌ クェー カタミティ チャレー ナガムンヌ マチウキトータン(豚小屋から肥やしをかついできたら、ハブが待ちうけていた)。
クェー
~鍬。鍬数を数える数詞。
- メモ
- チュクェー(1鍬)、タクェー(2鍬)、ミクェー(3鍬)と数える。
クェーイヂューサン
太り過ぎ。
- 用例
- ワカサヌムンヌ ルク クェーイヂューサヌ(若いのに余りにも太り過ぎだ)。
- メモ
- 対:ヨーガリヂューサン(痩せ過ぎ)。
クェーイン
太る。肥える。
- 用例
- ドゥク アバラガミ シーネー チューチャンナカイ クェーインドー(余りにも大食いするとあっという間に太るよ)。
クィティン クェーランヌー(食べさせても太らない人)。
否:クェーラン(太らない)希:クェーイブサン(太りたい)継:クェートーン(太っている)。
- メモ
- 音:クェーユン。
クェーガヤ
肥やしにするための茅。
クェーカンティー
食べ物に困ること。生活に困ること。
- 用例
- クェーカンティー シ(生活に困って)。クェーカンティ スル アタイヌ チネー(食べ物にも困るほどの家庭)。
- メモ
- 類:カミーカンティー。
クェークェー
放蕩。道楽。またはその人。
- 用例
- チャクシヌ クェークェー ナトーン(嫡子が放蕩者になっている)。
グェーグェー
ぬかるんでいる状態。
- 用例
- ウーアミアトゥヤ ミチン グェーグェー ッシ アッチン ナラン(大雨の後は道もぬかるんで歩くこともできない)。
クェースーブー
肥〔こえ〕勝負。堆肥の品評会。
- メモ
- 音:クェースーブ。
堆肥の出来の善し悪しを勝負する。農作物の出来を勝負するハルヤマスーブ(原山勝負)と同様農事奨励の意味合い。
クェーテー
懐胎。
- 用例
- クェーテー ウキーン(懐妊している)。
クェートゥルバイ
食べすぎてぼんやりすること。
- 用例
- ワラビガ クェートゥルバイ ソーン(子どもが食べすぎてぼんやりしている)。
クェーニーブ
肥料用柄杓。木製の柄杓で水肥用として使っていた。
- 用例
- クェーニーブヌ ヰーヌ ヲゥーリトーンドー(肥料用柄杓の柄が折れているよ)。
クェーヌメー
桑江の前。桑江本字に対しての呼称。
クェーブー
食果報。食べ物にありつく幸運。
- 用例
- チュヌ クェーブーヤ ウマリーニカラ キミラットーンディ(人間の食果報は生まれる時から決められているそうだ)。
ウッサヌ クェーブー ヤミセーテーサ(それだけの食果報でいらしたのでしょう。〔お悔やみの言葉〕)。
クェーブーアジャ
口の側のほくろ。クェーブー(食べ物にありつける幸運)がある印だといわれた。
クェーブッター
太った人。
- 用例
- チョーデー タイ クェーブッター ナトーン(兄弟2人とも太っている)。
- メモ
- 類:クェーヤー。対:エースガー・ヨーガラー・ヨーガリムン(痩せた人)。
クェームン
食べ物。
- 用例
- チャッサ イチュナサラワン ドゥーヌ クェームンヤ カクグ シーヨーヤー(どんなに忙しくても自分の食べ物は保管しておきなさいよ)。
- メモ
- →カミムン。
クェームンヤー
食べ物屋。
- 用例
- ヤーサヌ リッカ クェームンヤーンカイ(腹減った、さあ食べ物屋に行こう)。
クェーヤー
太った人。
- 用例
- ワッター ワラベー アヌ クェーヤー ヤサ(私の子どもはあの太っている子だよ)。
- メモ
- 類:クェーブッター。対:エースガー・ヨーガラー・ヨーガリムン(痩せた人)。
クェーヤー
堆肥小屋。
クェーラサーウシ
肥育牛。
- メモ
- 字長浜を中心とする北部地域は肥育牛飼養が盛んだった。
クェーラスン
太らせる。
- 用例
- アマムン カマチャーマ、ナーヒン クェーラスン(甘い物を食べさせて、もっと太らせる)。否:クェーラサン(太らせない)希:クェーラシーブサン(太らせたい)過:クェーラチャン(太らせた)継:クェーラチョーン(太らせている)。
クェーヲゥーキ
肥桶〔こえおけ〕。
- 用例
- クェーヲゥーキ カタミティ ハルカイ イチュン(肥桶を担いで畑に行く)。
- メモ
- 音:クェーヲゥーキー・クェーヲゥキー。
クェーヲゥーキー
肥桶〔こえおけ〕。
- メモ
- 音:クェーヲゥーキ。
クガシー
水につけた米をすりつぶして水でといたもの。
- メモ
- ウマチーにはクガシーを作り、神アサギでノロにさしあげる。
クガタ
こちら側。
- 用例
- クガタナーリー マーティ イケー(こちら側から廻って行きなさい)。
クガトゥー
こんな遠い所。こんなに遠く。
- 用例
- イッター ヤーヤ クガトゥール ヤティナー?(貴方たちの家はこんなに遠かったの?)。
- メモ
- 対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近く)。
クガナーグヮー
赤子。赤ん坊。
- 用例
- クガナーグヮーヤ イチ ンチン カナサンヤー(赤ん坊はいつ見ても愛しいね)。
- メモ
- →アカングヮ。
クガニ
黄金。
- 用例
- ンカシェー クガニヌ ハナヌ サチュンディヌ ハナシン アタンドー(昔は黄金の花が咲くという話もあったよ)。
- メモ
- 字喜名では元日早朝に若水を汲みに行くことに、「クガニ カタミティチューン(黄金を担いで来る)」といった。
クガニー
ミカンの一種。九年母。シークヮーサーが黄金色に色づいたもの。
- 用例
- マチヤンカイ クガニーヌ マジマットータンレー(店に九年母が積まれていたよ)。
- メモ
- 音:クガニ。
クガニギーファー
金のかんざし。
- 用例
- ウヌ クガニギーファーヤ ウヤカラヌ ユズイ ヤグトゥ テーヒチニ チカイン(この金のかんざしは親からもらい受けたものだから大切に使う)。
クガニザーシ
墓口の上方に挟む小石の呼称。
クガニバーイ
黄金針。針の美称。
- メモ
- ヤブー(民間医療の施術師)が持っている針をそう呼んだ。
クガニマース
黄金塩。塩の美称。
- 用例
- クガニマースヤ カリーナムン ヤンディ(黄金塩は縁起物なんだって)。
- メモ
- 元日の朝御願にはナンジャマース(銀の塩)とクガニマース(黄金の塩)を皿に盛った。酒、御馳走を供え、家長と家族が杯を交わした後に、家長からその塩をいただく。
クガニミツブシ
三つ星。
- メモ
- 類:ミーチブシ・ミーチブサー。冬の日没後から夜中、または、夏の日の出前の東の空に、同じ間隔に三つ並んでのぼる星。
クガニムイ
黄金森。字喜名の聖地。
- 用例
- ハチウガンネー クガニムイヲゥティ クガニ フイウクチャン(初御願には黄金森で黄金を掘り起こした)。
- メモ
- 旧1月3日の初御願には黄金森から黄金に見立てた小石3個を取ってグーフンニーに供え、字の繁栄と加護を祈願した。
クガニムルシ
金塊。
クガラスン
焦がす。
- 用例
- ヘーク ヒー チャーサンネー クガラスンドー(早く火を消さないと焦がすよ)。否:クガラサン(焦がさない)希:クガラシーブサン(焦がせたい)過:クガラチャン(焦がした)継:クガラチョーン(焦がしている)。
クガラスン
焦がす。
- 用例
- ヘーク ヒー チャーサンネー クガラスンドー(早く火を消さないと焦がすよ)。否:クガラサン(焦がさない)希:クガラシーブサン(焦がしたい)過:クガラチャン(焦がした)。継:クガラチョーン(焦がしている)。
クガリーン
焦げる。思い焦がれる。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーンカイ ウムイ クガリトーン(隣の青年に思い焦がれている)。
ヒー チャースシ ケーワシティ ナービヌ クガリトーン(火を消すのを忘れてしまって鍋が焦げている)。
クガリヤンメー
恋煩い。恋の病。
- 用例
- クガリヤンメー カカティ ニントーンディシガ チャー ソーガヤー?(恋の病にかかって床に臥せているそうだがどうしているんでしょうね?)。
クカル
アカショウビン。
- 用例
- クカルガ トゥリアッチュン(アカショウビンが飛んでいる)。
クカルヌ ヤーンカイ イーネー ヤク ヤンドー(アカショウビンが家に入ると悪いことが起きるよ)。
- メモ
- クカルなど野鳥が家に入ると厄だといわれた。
クク
仲が悪いこと。
- 用例
- アヌ タイヤ ンカシカラ ククドー(あの二人は昔から仲が悪いよ)。
クグイ
片隅。
- 用例
- ゥンマカイ ウッチョーキーネー ジャマ ナイグトゥ クグインカイ カタジキレー(そこに置いておくと邪魔になるから片隅に片付けなさい)。
ククー
二十四節気のひとつ。穀雨。
ククードゥン
二十四節気の穀雨の頃を表した言い方。
- メモ
- 穀雨からは気温が上がり、稲の生育がよくなるといった。
グククヌゥンバン
五穀のご飯。
ククチ
癲癇〔てんかん〕。
- 用例
- ククチ ウクスン(てんかんを引き起こす)。
マタ ククチ ソーッサー(また癲癇の発作が起きているよ)。
ククチ
心地。気分。
- 用例
- ルク ウトゥルサヌ イチチョール ククチン サンタン(余りにも怖くて生きている心地がしなかった)。
ククトゥニングヮー
めまい。目が回る。
- 用例
- ククトゥニングヮー スン ヒャー(めまいがするよ)。
ククトゥニングヮー
めまい。目が回る。
- 用例
- ククトゥニングヮー スン ヒャー(めまいがするよ)。
ククトゥミングイ
めまい。
ククヌチ
9。9つ。9歳。
- 用例
- イッター ゥンマガヤ ナー ククヌチェー ナトーミ?(貴方の孫はもう9歳になったねぇ?)。
ククヌチ
9か月。
ククヌチブ
9坪。
- メモ
- 百姓の住居はククヌチブ(3間×3間)のガヤ葺きに制限されていた。
ククヌトゥ
9年。
ククヌトゥグンジュー
四十九歳祝。
- 用例
- イーナナー ククヌトゥグンジュー ンケーイル トゥシナティ(そんなに早く49歳祝を迎える年になって)。
- メモ
- 男女を問わず大厄の年で厄払いの御願をした。厄払いをするために、近所の人たちを招いて祝ったところもあるが、御願だけ行ったというのが一般的であった。
クグビー
砕けて細かくなった米。
- メモ
- 類:ゥンナビー。
クグミ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
- 用例
- クグミンカイ ヒサ カキレー(踏み石に足をかけなさい)。
- メモ
- 類:カンジェーイシ・クラミイシ。
ククムン
口に含む。
- 用例
- クチヤーサヌ アップリ ククムン(口寂しくて飴を口に含む)。
ククミ イリーン(含み入れる)。
否:ククマン(含まない)希:ククミーブサン(含みたい)過:ククラン(含んだ)継:ククローン(含んでいる)。
ククラキ
胸焼け。
- 用例
- トゥシ トゥッタレール ヤラー チカグロー ユー ククラキ ッシ ニンララン(年を取ったせいか近頃はよく胸焼けがして眠れない)。
ククラキヌゥンバン
結婚式の儀式で夫婦が食べた後のご飯を小さなお握りにしたもの。
- 用例
- ククラキヌゥンバンヤ アヤカーイトゥシ ワンニン カリンチャン(結婚式に夫婦が食べるお握りは肖りとして私も食べたことがある)。
- メモ
- 嫁の付き添いで来た女性たちに肖りとしてあげた。
類:グフクヌゥンバン。
グクラク
極楽。
- 用例
- イクサユーカラ イチヌクティ、ワッタヤ グクラク ヤサ(戦世から生き残って、私たちは極楽だよ<幸せだよ>)。
グクラク
極楽。安楽。幸せのたとえ。
- 用例
- イクサユーカラ イチヌクティ、ワッタヤ グクラク ヤサ(戦世から生き残って、私たちは極楽だよ<幸せだよ>)。
ククリ
心得。
- 用例
- ククリ ラシワル ヤル(用心させねばならない)。
ククリーン
心得る。気をつける。用心する。
- 用例
- カンジンナ クトゥヤ カチトゥミトーティ ククリーン(肝心なことは書き留めておいて心得る)。
シージャンチャーガ イーシェー ユー ククリトーキヨーヤー(先輩達が言うのはよく心得ておきなさいよ)。
ドゥーチュイ イチュラー ウヌグトゥ ククリリヨー(一人で行くならそのように心得なさいよ)。
ククル
心。
- 用例
- ヰナグングヮヌ ククルヌ ディキトーシヨー(娘の心が良いことよ)。
- メモ
- 類:チムグクル。
ククル アースン
心をひとつにする。
- 用例
- チョーデーンチャー ンナシ ククル アースン(兄弟皆で心をひとつにする)。
- メモ
- 類:チムティーチ。
ククル ユルスン
心を許す。ほっとする。
- 用例
- スージン シーウワティ ククル ユルスン(お祝も無事に終わってほっとする)。
- メモ
- 類:チム ユルスン。
ククルアティ
心当たり。
- 用例
- イャー ヌーガラ ククルアティヤ ネーラニ?(君は何か思いあたるふしはないか?)。
ククルガキーン
心がける。
- 用例
- チャー ワシラングトゥニ ククルガキーン(いつも忘れないように心がける)。
継:ククルガキトーン(心がけている)。
ククルガワイ
心変わり。
- 用例
- ンナシ キミティカラー ククルガワイヤ サンキヨー(皆で決めたからには心変わりはするなよ)。
- メモ
- 類:チムガワイ。
ククルザシ
志。
- 用例
- ククルザシン リッパ ムッチ リッシン シーヨー(志をちゃんと持って立身しなさいよ)。
- メモ
- 類:イッシー。
ククルダミシ
心試し。
- 用例
- ククルダミシニ マジェー ウチアキティンディ(心試しにまずは打ち明けてごらん)。
- メモ
- 類:チムミレー。
ククルミ
試み。
- 用例
- クンドゥヤ ククルミトゥシ ハジミティンダナ(今度は試みとして始めてみよう)。
ククルミーユー
心を見ること。本心を確かめること。
- メモ
- 音1:ククルミレー。類:ククルミレー・ククルミーユー。
ククルミレー
心を見ること。本心を確かめること。
- 用例
- ウレー ククルミシレール ヤンドー(それは心を見るためだよ)。
- メモ
- 音1:ククルミーユー。音2:チムミレー。類:チム ンージュン。
ククルムチ
心持ち。
- 用例
- アマヌ ヰナグングヮヤ カーギン チュラサレー ククルムチン ユタサン(あそこの娘は美人だが心も良い)。
ククルムトゥナサン
心もとない。
- 用例
- ドゥーチュイシ カンゲーイネー ククルムトゥナサン(ひとりで考えると心もとない)。
クゲー
社交。多人数相手の交際。公界。
- 用例
- メーユル クゲースンディ ヲゥタトーン(毎晩多人数を相手に付き合うのに疲れている)。アンシ クゲーヌ マンディ(とても付き合いが多くて)。
クゲーイ
寝返り。
- 用例
- アチサヌ フシガラン ユル ニントーティ ヒッチー クゲーイ ウッチョータン(暑くてたまらず夜寝ていてずっと寝返りばかりうっていた)。
クゲーイギン
外出着。余所行きの着物。
- 用例
- ンカシヤ クゲーイギンディチン ティーチナール ムッチョータル(昔は余所行きの着物と言っても一枚ずつしか持ってなかった)。
- メモ
- 音:クゲーギングヮー。
絣模様の入った芭蕉や紺地の着物。
クサ
後ろ。後ろ盾。後見人。
- メモ
- 類:クサティ。
クサ
草。
- 用例
- ハルヌ クサン ミーティ アチャヤ ンナシ クサ ハララナ(畑の草も生えているから明日は皆で草を刈ろう)。
クサー
後ろ。背後。
- 用例
- クサーカラ スシェー マシ ヤサ(後ろの方からやった方が良いよ)。
- メモ
- →アトゥ。
クサーナーリー
後ろの方から。
- 用例
- クサーナーリー ヒンギティ ハイタン(後ろの方から逃げて行った)。
- メモ
- 音1:クシナーリー。対:メーナーリー(前の方から)。
クサームティ
後ろの方。
- 用例
- ジムスヌ クサームティ(事務所の後ろの方)。
- メモ
- 音1:クシムティ。
クサーンケー
後ろ向き。
- 用例
- クサーンケー シ ワンガ アビタンテーン トゥンケーインサン(後ろを向いて私が声をかけても振り返りもしない)。
- メモ
- →アトゥンジンケー。
グサイ(~グサイ)
~と一連のもの。~と。
- 用例
- イェーガーヤ グシクグサイヌ カー(イェーガーは座喜味城内の湧泉)。
バンジュグサイ ヒヌカン(番所内の火の神)。
クサカイ
草刈り。
- 用例
- アッピーヤ ウシヌ クサカイガ イチュタン(兄は牛の草を刈りに行った)。
クサカチャー
熊手。
- メモ
- 草+掻き。
クサガネー
小作料。
- 用例
- ウカジンカイ クサガネー ハラティ クサ カタン(宇加地へ小作料を払って草を刈った)。
クサカヤー
草を刈る人。
- 用例
- ガッコーカラ ケーイネー メーナチ クサカヤー シミラッタン(学校から帰ると毎日草刈りをさせられた)。
- メモ
- 類:クサチリー。
クサギナ
植物名。クサギ。
- メモ
- フィラリアにはクサギナを煎じて飲んだという。
クサクサ
ぐずぐず。子どもがぐずっている様。
- 用例
- ニンジガマンル ヤラー キッサカラ クサクサ ソーン(眠いのか、さっきからぐずっている)。
クサクサー
いらいら。
- 用例
- アリガシーヨー ンジーネー ティーハゴーサヌ クサクサー スン(彼のやりかたを見ているとはがゆくていらいらする)。
クササン
臭い。
- 用例
- ゥンマカイ イユヌ ワタムン ウッチェーグトゥ クササン(そこに魚のはらわたを置いてあるから臭い)。
- メモ
- 類:クサハン。
クサチリー
草を刈る人。
- 用例
- サンラーヤ ワッター クサチリー ヤタン(三良はうちの草刈り人だった)。
- メモ
- 類:クサカヤー。
クサティ
後ろ盾。腰当て。楽に座るための腰当てにもいう。また人物や集落を加護するものにもいう。
- 用例
- クサティグヮー カメーティ アマンジ ヰレー(背をあずけられる所をみつけて、あそこに座りなさい)。
クシヌ ヤリ クサティヌ アリワル ヰラリンレー(腰が痛くて腰当がないと座れない)。
ワン クサテー ワッター シージャル ヤンドー(私が頼りにしているのはうちの兄だよ)。
- メモ
- 音1:クシアティ。
クサティムイ
集落後方にある丘。
クサデー
臭い物。
クサヌミー
草むら。
- 用例
- クサヌミーヲゥティ ウトゥチェーティカラ ナー カメーイサンサ(草の中に落としたんだったらもう探せないよ)。クサヌミーナーリー アッチーネー ムシンカイ クヮーリーンドー(草むらから歩いたら虫にかまれるるよ)。
- メモ
- 類:モージーラー。
クサバー
魚介名。ミツボシキュウセン(ホンベラ属)。ベラ科。
クサハマー
魚介名。アイゴの稚魚が少し成長し、海藻を食べ始めたもの。
クサハン
魚介名。カンランハギ(クロハギ属)。
- 用例
- チューヤ ダテーン クサハン トゥティチェーンドー(今日はたくさんのカンランハギを取って来たよ)。
クサハン
臭い。
- 用例
- ヌーガラ クサリティルヲゥラー クサハンデー(何か腐れているのか臭いよ)。
- メモ
- 音:クササン(臭い)。
クサビ
楔。
- 用例
- ユルサル トゥクロー クサビ イットーケー(緩い所は楔を入れておきなさい)。
クサファングヮー
魚介名。アイゴの稚魚が少し成長し、海藻を食べ始めたもの。
- 用例
- シチ ナイネー ダテーンヌ クサファングヮーガ ユティクータン(時節になるとたくさんのクサファングヮーが寄って来た)。
クサブックィムヌイー
ませた物言い方。
- メモ
- 類:クサムニー。
クサブックイン
威張った様子で膨れっ面な様。物知り顔な様。
- 用例
- アリガクトゥ イーネー クサブックインドー(彼のことを言うと不機嫌になるよ)。ワラビヌ クサブックィティディチ イミソーンナ(子どもが生意気だと、言わないでください)。
- メモ
- 音:クサブックィーン。
クサブックヮー
威張った様子で膨れっ面をしている者。物知り顔にふるまう者。不愛想。
- 用例
- ワカサヌ ヰナグガ クサブックヮー ナイネー トゥジサーヤ ヲゥランドー(若い娘が不愛想だと嫁にする人はいないよ)。
クサフリー
フィラリア症。また、フィラリア症患者。
- 用例
- クサフリーガ ヘーティ チャッサヌ チュガ カカタラー ワカラン アタイ ヤタン(フィラリアが流行ってどれくらいの人が罹ったのか分からないぐらいだった)。
- メモ
- 音:クサフリー。
クサボーボー
草がぼうぼうしている様。
- 用例
- ヌーヌル イチュナサラー、ハルン クサボーボー シミティ(何が忙しいのか、畑も草ぼうぼうだ)。
クサボーボー
草茫々。雑草が生い茂っている様。
- 用例
- ヌーヌル イチュナサラー、ハルン クサボーボー ソーン(何が忙しいのか、畑も草ぼうぼうだ)。
クサミクン
憤慨〔ふんがい〕する。怒る。
- 用例
- アンソール シーヨー シーネー スーヤ クサミクンドー(そんなやり方をしたら親父は怒るよ)。
- メモ
- 音:クサミチュン。
クサミチュン
怒る。憤慨〔ふんがい〕する。
- 用例
- ヤーガ チラカトーネー アンマーヤ イッペー クサミチュン(家が散らかっているとお母さんはとても怒る)。
クサミチェー ヲゥシガ(腹立たしくはあるが)。
否:クサミカン(怒らない)過:クサミチャン(怒った)継:クサミチョーン(怒っている)。
- メモ
- 音:クサミクン。
クサムニー
ませた物の言い方。強がった物の言い方。
- 用例
- ワラビヌ クサムニービカーンシ アマンカイ イカニ(子どものくせにませた口をきいてあそこに行きなさい)。
クサムニー スン(知ったふうな口をきく)。
- メモ
- 類:クサブクッィムヌイー。
クザラ
小皿。
- 用例
- ウサンデーヤ クザランカイ ワキティ ンナ ウサガミソーレー(お下げしたのは小皿に取り分けて皆召し上がってください)。
クサラー
魚介名。ニジョウサバ(ニジョウサバ属))。
- メモ
- 類:イケガチュー
クサラー
嫌な奴。性格が悪い人。
- 用例
- ヤナクサラーヤ イャートー アビーブコー ネーラン(嫌な奴めお前とは話もしたくない)。
クサリーン
腐れる。
- 用例
- ティーラミーカイ ウヌママ ムン ウチョーチーネー クサリーンドー(太陽の当たる場所にそのまま食べ物を置いておくと腐れるよ)。
チヌー コーテール トーフガ クサリトーン(昨日買った豆腐が腐れている)。
クサリカジャ
腐れた臭い。
- 用例
- ヤナ クサリカジャ スン(嫌な腐れた臭いがする)。
クサリカジャ
腐れた臭い。
- 用例
- ヤナ クサリカジャ スン(嫌な腐れた臭いがする)。
クサリベンサー
コガネ虫の一種。
- 用例
- キーンカイ クサリベンサーガ ダテーン シガトーン(木にコガネ虫がたくさんついている)。
クサリムン
腐れた物。
- 用例
- クサリムンヤ ゥンマンカイ ウカンヨークー ヒティトーケー(腐れた物はそこに置かずに捨てなさい)。
グサン
杖。
- メモ
- 音:グーサン。
クシ
忌避。嫌って避けること。難癖。
- 用例
- ヌーヌル アタラー、アンスカ チュヌ イーシンカイ クシ スン ディチン アンナー(何があったのか、そこまで嫌うってこともあるか)。
クシ
①後ろ。背後。②背にする。無視する。
- 用例
- ①ナー イフェー クシカイ サガティ ンレー(もう少しは後に下がって見なさい)。②イャーヤ シトゥ クシナスンナー(君は姑を無視するのか)。
- メモ
- ①→アトゥ。
クシ
腰。
- 用例
- ゥンブムン ムッチャレー クシヌル ヤムンデー(重いのを持ったから腰が痛いんだよ)。
クシ
難癖。
- 用例
- ヒッチー チュガ イーシカイ クシビカーン シ(いつも人が言うのに難癖ばかりつけて)。
- メモ
- 類:ヒーグシ。
クシ
癖。難点。
- 用例
- クシ ワッサン(癖が悪い)。ヌスルグシヌ アン(盗み癖がある)。
クシ スン
嫌がること。煙たがること。
- 用例
- チュガ アチマイシ クシ スン(人が集まるのを煙たがる)。
クシ ナスン
背にする。無視する。
- 用例
- イャーヤ シトゥ クシ ナスンナー(君は姑を無視するのか)。
クシ ヌチュン
腰を抜く。出産時に産婦の腰を押して出産の手助けをすること。
- 用例
- ハライグリサイネー、ヰキガガ クヮナサー クシ ヌチュタン(難産になると、男性が産婦の腰に膝をあてて力ませ、出産の手助けをした)。
- メモ
- 難産になると、産婦に産座の姿勢をとらせ、手慣れた男性が後から産婦の両腕を抱き抱えるようにして、両膝を産婦の腰にあてて手助けをした。
クシ ヤンジュン
腰を痛める。話の腰を折る。
- 用例
- アンシ ゥンブサシ ムッチーネー クシ ヤンジュンドー(あんなに重い物を持ったら、腰を痛めるよ)。
キマトーシル ヤルムンヌ マタ クシ ヤンジュンナー(決まっているのにまた話の腰を折るのか)。
クジ
くじ。
- 用例
- クジ ヒチーガ イチュン(くじを引きに行く)。
クジ
釘(くぎ)。
- 用例
- クジ ウッチ イジカングトゥ スシェー マシテー(釘を打って動かないようにした方が良いよ)。
- メモ
- 音1:グジ。→カナクジ。
グジ
とげ。
- 用例
- イービカイ クジヌ タッチョーン(指にとげが刺さっている)。
グジ
釘。
- メモ
- 音1:ジ。→カナクジ。
クシアティ
腰当て。
- メモ
- 音1:クサティ。
クシーン
着せる。
- 用例
- イャーガ ユミカイ イチーネー チュラヂン クシーンドー(貴方が嫁に行く時にはきれいな着物を着せるよ)。
否:クシラン(着せない)希:クシーブサン(着せたい)過:クシタン(着せた)継:クシトーン(着せている)。
クジーン
くじる。ほじくる。皮肉を言う。
- 用例
- チュガ ハナシー スル カージ クジーン(人が話をするたびに皮肉を言う)。
クジーシガ ジョージナ ウシンカイ クジヤーディ イタン(えぐり技が上手な牛にはクジヤーといっていた)。
クシキー
甑(こしき)。蒸し器。
- 用例
- クシキーシ ムーチー ゥンブスン(蒸し器で餅を蒸す)。
- メモ
- 音:クシチー。
グシク
城。城壁。
- 用例
- ザチミグシクン チュラク ナティ ミーシララン ナトーン(座喜味城もきれいになって元の面影はない)。
グシクヌメーバル
{城之前原}。宇座の小字。
クシクビ
後ろ首。
クジグファサン
くじ運が弱い。
- 用例
- ワン ウットゥヤ クジグファサン(私の弟・妹はくじに弱い)。
- メモ
- 対:クジヤファラサン(クジ運が強い)。
クシグミ
後組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- →アガリグミ。
グシクヰナグ
城女。側近で仕える女性。
- メモ
- 田舎の美女は王府や権力者の側女として連れて行かれた。
クジケー
小遣い。
- 用例
- クジケーン ネーンラー ワンガ ムタスサ(小遣いがないなら私が持たすよ)。
クジケー
用務員。小使い。
- 用例
- クジケーヌ ワジャヤ アリクリ イチュナサンドー(小使いの仕事はあれこれ忙しいよ)。
クシジュン
こそぐ。
- 用例
- ウフムジ クシジュン(大麦をこそぐ)。カンシ クシジャグトゥ(このようにこそいだら)。
クシチ
戸籍。
- 用例
- アチャ チャクシヌ クシチ ヌシーガ イチュン(明日長男の戸籍を登録しに行く)。
グシチ
植物名。ススキ。
- 用例
- ハルカラ グシチ カティ チャーニ サン ユーレー(畑からススキを刈ってきてサンを結いなさい)。
グシチシ ゲーン チュクイン(ススキで、お祓いの呪具を作る)。
- メモ
- 音:グシチグヮー。
クシチー
甑〔こしき〕。蒸し器。
- メモ
- 類:クシキー。
クシチーガマ
製糖小屋で使われた丸底鍋。
- メモ
- 甘蔗汁が沸騰しても溢れないように2尺くらいの縁がついていたので、甑(こしき)としても使えた。
クシチーメー
甑米。こしきで蒸した米。
- メモ
- 荒天で五月ウマチーに来られないノロに、字伊良皆では卵やクシチーメーなど御馳走を届けた。カシチーメー(強飯)とは別物。
クジドゥミ
釘留め。
- メモ
- 南洋ハギ(杉船)はクジドゥミである。
クシナーリー
後ろの方から。
- 用例
- クシナーリー ヨンナー ケーティ イチュン(後ろの方からゆっくり帰って行く)。
- メモ
- 類:クサーナーリー。対:メーナーリー(前の方から)。
クシヌチャー
出産時に産婦の腰を押して出産の手助けをする人。
- 用例
- クシヌチャーヤ、カッティ アラントー ナランタン(出産の手助けをする男性は、手慣れた人でないとできなかった)。
- メモ
- 難産になると、産婦に産座の姿勢をとらせ、手慣れた男性が後から産婦の両腕を抱き抱えるようにして、両膝を産婦の腰にあてて手助けをした。
クシヌマーチョーウタキ
後の松御嶽。座喜味の拝所名。
- メモ
- 字座喜味集落発祥の地といわれ、集落後方に森をなしている。かつて、この辺りはムラアシビ(村芝居)の練習を行う場所でもあった。別称も多くザチミマーチョーグヮー、シマヌルヌウタキ、ニーヌファヌウタキとも呼ばれる。「ニーヌファ」は干支の子の方向、北を指す。ハチウグヮン(初御願)、ウマチーなどに拝される。
クシバル
{後原}。座喜味、上地、波平、宇座、長浜、楚辺、渡具知、比謝の小字。
クシヒチ
面汚し。不名誉。
- 用例
- ウヤグヮンスマディン クシヒチ(一族の面汚しになって)。
クシブニ
背骨。腰骨。
- 用例
- クシブニガ ヤリ チューヤ シクチェー ユクティルヲゥンデー(背骨が痛くて今日は仕事を休んでいるんだよ)。
クジマ
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 左手人差し指から小指までの4本第一関節部の文様の名称。
クシマバル
{後間原}。喜名の小字。
クシムティ
後ろの方。後方。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ クシムティカイ ヤー チュクテーン(実家の後の方に家を造ってある)。
- メモ
- 類:クサームティ。
クジヤー
闘牛用の牛の名前。
- 用例
- クジーシガ ジョージナ ウシンカイ クジヤーディ イタン(えぐり技が上手な牛にクジヤートイッテイタ)。
クジヤファラサン
くじ運が強い。
- 用例
- ワン ウットゥヤ クジヤファラサン(私の弟・妹はクジに強い)。
- メモ
- 対:クジグファサン(クジ運が弱い)。
クシヤミー
腰痛。
- メモ
- 音:クシヤミともいう。
クジュ
去年。昨年。
- 用例
- ヰナグヌウヤヌ ヲゥランナタシェー クジュ ナトーシガ、チヌーヲゥッティーヌ グトゥル アルヤー(母親が亡くなったのは 昨年のことだが 昨日一昨日のことのようだ)。
グジューゥンーメー
四十九歳祝のお爺さん。
- メモ
- 字長浜では旧10月壬(みずのえ)の日のヒーマーチ御願は、グジューゥンーメーたちが壬の日に火の用心に御願をして、字中の各家庭を廻った。
クシユックイ
行事名。腰休め。骨休め。製糖終了後や田植え後などに腰休めをすること。
- 用例
- ンカシヤ クシユックィガ イッペー マチカンティー ヤタン(昔はクシユックィがとても待ち遠しかった)。
- メモ
- 類:クシユックヮーシ。
字中みんな仕事をせず、青年たちは相撲を取ったりして遊んだ。アシビの日には肥料を使うことや針仕事はハブが出るといわれ禁じられた。
クシユックヮーシ
行事名。腰休め。骨休め。製糖終了後や田植え後などに腰休めをすること。
- 用例
- ナチヌ ハルシクチヤ アチサヌ フシガラン。クシユックヮーシ シーガーチール ナイル(夏の畑仕事は暑くてたまらない。腰休めしながらしかできない)。
- メモ
- 類:クシユックイ。
グジラ
鯨〔クジラ〕。
- 用例
- グジラヤ ナグヌ ウミカイ ユティ チュータン(クジラは名護の海に寄ってきていた)。
クジリーン
崩れる。
- 用例
- イシガチガ クジリーン(石垣が崩れる)。
否:クジリラン(崩れない)過:クジリタン(崩れた)継:クジリトーン(崩れている)。
クジリゴーシ
崩れ格子。格子模様の輪郭がかすれて見える布。主に女性の着物に使われた。
クシレーイン
こしらえる。さばく。
- 用例
- イユ コーティ ドゥークル ヤーヲゥティ クシレーイン(魚を買って、自分で家でこしらえる)。
否:クシレーラン(こしらえない)希:クシレーイブサン(こしらえたい)過:クシレータン(こしらえた)継:クシレートーン(さばいた)。
クジン
小銭。
- 用例
- クジングヮー ヤレー チャッサン アンドー(小銭ならたくさんあるよ)。
クジン
小銭。
- 用例
- クジングヮーヤレー チャッサン アンドー(小銭ならたくさんあるよ)。
クシンダカリ
後村渠。地域の区分名称。
- メモ
- →アガリンダカリ。
グジンフー
御前風。舞踊の名称。
クジゥンム
葛芋。クズウコン科。アロールート。
- メモ
- 澱粉を取るために植えていた。
クス
糞〔クソ〕。
- 用例
- クス マイブサヌ ヤマンミーヲゥティ マタサ(糞をしたくてたまらず 山の中で 用を足したさ)。
クス クェー
糞食らえ。まじない言葉。
- 用例
- ターヤティン ハナフィーネー クス クェーディチ ケーシヨー(誰がでもくしゃみをしたらクスクェーといって返しなさいよ)。クス ケー、モーキティ メー クェーヒャー(糞喰らえ、儲けて米を喰え)。
- メモ
- 音:クスケー。類:クス タックェー。くしゃみをした時の返し言葉、唱える呪文。
子どもにくしゃみをさせて命を取ろうとする魔物に対して、この言葉を唱えて退散させたという民話がある。
クス タックェー
糞食らえ。まじない言葉。
- 用例
- ハナ フィーネー クス タックェーディチ イリヨー(くしゃみをしたらクスタックェーと言って返しなさいよ)。
- メモ
- 類:クス クェー。
クス ヒーン
下痢する。
- 用例
- ヒージャーンカイ アラメンナー クヮーシーネー クスヒーンドー(山羊にルリハコベを喰わせたら下痢するよ)。
- メモ
- 類:クス ヒーン。
クスイ
薬。
- 用例
- クスイビカーン ヌムシヤカ、イヒナーヤ フカンカイ ゥンジティ ドゥーン イジカスシェー マシ(薬だけ飲むよりは少しは 外に出て体も動かす方が良い)。
ハッサッ!カチューユーヤ ヌーヤカ クスイ ナインネー スン(あれまあ!カチューユーは何よりも薬になるようだ)。
クスイデー
薬代。
クスイムン
薬のような体によい食品。
- 用例
- ヒージャージルヤ クスイムンドー(山羊汁は強壮食品だよ)。
クスイヤー
薬売り。薬局。
- 用例
- ハナヒチ カカトーグトゥ クスイヤーヲゥティ クスイ コーティチューン(風邪をひいているから薬局で薬を買って来る)。
グスーヨー
皆さま。呼びかけの言葉。
クスカー
魚介名。ニザダイ科。
- 用例
- クスカーヤ ヒラターヌ クルー ソーヌ イユ ヤサ(サンノジは平たくて黒い魚だよ)。
- メモ
- 音:クスケー。
クスカーイジュン
漁具名。銛の一種。返しのない銛。
クスグェー
下肥。人糞尿の肥料。
- 用例
- ワカサイネー クスグェー カタミティ イクケーヌン イチムルヤー サンドー(若い時には下肥を担いで何回も往復したよ)。
グスクガー
城川。座喜味の井泉の名。
- メモ
- 座喜味城跡の東に位置することでグスクガーとも呼ばれている。→イェーガー。
グスクバル
{城原}。座喜味の小字。
クスケー
魚介名。サンノジ・ニサダイ科の魚。
- メモ
- 音:クスカー。
クスタリー
下痢。
- 用例
- キヌーヌ ユーバノー クサリティル ヲゥタラー クスタリー ヒチョーン(昨日の夕飯は腐れていたのか下痢をしている)。
- メモ
- 音1:クスヒリー。音2:クスパーラー・クスマヤー・パーラークスマヤー。類:パーラー。
クスニリー
糞飽き。うんざりすること。
- 用例
- ハーナー!クスニリー ッシ、フシガラン(ああもううんざりして、たまったもんじゃない)。
クスニリー
糞飽き。飽き飽きすること。うんざりすること。
- 用例
- ハーナー!クス二リー ッシ フシガラン(ああもう!うんざりしてたまったもんじゃない)。
クスヌチ
植物名。クスノキ。
- 用例
- クスヌチ アン リッパ イーテールヤー(楠木をきれいに植えてあるね)。
クスパーラー
下痢。
- メモ
- 音2:クスタリー・クスヒリー・クスマヤー・パーラー・パーラークスマヤー。
クスヒリー
下痢。
- 用例
- ヌーガラ アタイル サラー クスヒリー ソーン(何かに当たったのか下痢をしている)。
- メモ
- 音1:クスタリー。音2:クスパーラー・クスマヤー・パーラークスマヤー。→クスタリー。
クスブクル
直腸。
クスベンサー
甲虫名。コガネムシの一種。
- 用例
- クスベンサー サータレー クササヌ フシガラン(クスベンサーを触ったら臭くてたまらない)。
クスマヤー
下痢。くそったれ。
- 用例
- クサリムン カリ クスマヤーソーン(腐れたものを食べて下痢をしている)。
- メモ
- 音2:クスタリー・クスパーラー・クスヒリー。→クスタリー。
グスミチ
軟骨。
- 用例
- ウヮーヌ グスミチヤ ジコー ニークミーネー ヤファラチ マーサン(豚の軟骨はうんと煮込むと柔らかくなって美味しい)。
グソー
後生。あの世。
- 用例
- スーン アンマーン リッパ グソーカイ ウクラヤー(お父さんもお母さんもちゃんと後生に送ろうね)。
ナー グソー チチャサン(もうあの世が近い)。
グソーカイ ゥンジャン
後生へ行った。亡くなった。
- 用例
- ハーメーン ウスメーン グソーカイ ゥンジャンドー(お婆さんもお爺さんも亡くなったよ)。
グソーンカイ イカラン(成仏できない)。
グソーギン
死者に着せる着物。
- 用例
- グソーギンヤ ヰナグヌル シコーイテーハニ?(死に装束は女が 準備したんでしょう?)。
- メモ
- 音:グソーヂン。類:シルダナシ・シルイショー。
ユンヂチに作るものとされ、嫁入り道具のひとつだった。
グソースガイ
後生装束。死装束をさせること。
- 用例
- ンカシヤ ムル ドゥーナークルル ステーグトゥ、 グソースガイ シミーニン デージ ヤタン(昔は全て自分たちでやったから死に装束をさせるのも大変だった)。
- メモ
- 死者は七枚の着物(下着も含む)を重ねて着せ、一番上には嫁入りに持って来たシルイショーを着せた。着物は通常の反対でヒジャイウチャーシー(左を下)にする。
グソーヂン
死者に着せる着物。
- 用例
- グソーヂンヤ ヲゥトゥヌ ムンマディ ニンメー シコーティ ハイタンドー(死に装束は夫の分まで2枚持って行ったよ)。
- メモ
- 音:グソーギン。類:シルダナシ・シルイショー。
結婚して行く花嫁が是非準備しないといけないのが死に装束であった。夫の分と二枚準備して持って行った。
グソーニービチ
冥婚。
- メモ
- 現世で結ばれなかった二人が死後、冥婚の儀式で合葬されること。
グソーヌソーグヮチ
後生の正月。旧1月16日に行う行事。
- メモ
- →ジュールクニチー。
グソーヌナーギムン
死者への副装品。
グソーヌイェームン
後生へのことづかりもの。後生への土産物。
- メモ
- 死者への副葬品の他に、先に亡くなった死者の分として手拭いなどを託する。
グソーヌワタクシ
後生のへそくり。彼岸の俗称。
- メモ
- 音2:ワタクシヒンガン。旧2月、8月の彼岸は、私事祭ということでワタクシといった。
グソーバナ
仏葬華。ハイビスカス。
- 用例
- ナマヌ ワカーンチャーヤ グソーバナディチン ワカラン ハジデー(今の若者はグソーバナといっても分からないはずだよ)。
- メモ
- →アカバナー。仏壇に供えるのでグソーバナ(後生花)ともいう。
グソーミチ
後生道。葬列が通る道。
グソームドゥイ
後生戻り。生き返り人。
クダカマンジュースー
久高万寿主。エイサー歌のひとつ。
グタグタ
寝入っている様。熟睡している様。
- 用例
- ヰーンヲゥティ グタグタ ニントーン(縁側で熟睡している)。
クタスン
くたす。腐らせる。
クタチキ
先月。
- 用例
- ワッタガ ナーファカイ コーイムンシーガ ゥンジャシェー クタチキル ヤタル(私たちが那覇に買い物に行ったのは先月だよ)。
- メモ
- 音:クタチチ。
クタチチ
先月。
- 用例
- ウヌデークニヤ クタチチル チキテール(その大根は先月漬けたんだよ)。
- メモ
- 音:クタチキ。
グタナイ
ぐったり。
- 用例
- ハルカラ ケーイジャマ グタナイ シ ニントーン(畑から帰って来るなり、ぐったりして寝ている)。
クダナバル
{小棚原}。波平の小字。
クダムン
踏む。
- 用例
- シラハマ クダミーシェー(白浜を踏むでしょう)。
- メモ
- 音:クラムン。類:クラミーン・クンピーン・クンピユン。
クタンディ
くたびれ。疲れ。疲労。
- 用例
- クタンディン ネーミソーラニ(お疲れではないですか)。クタンディティ メーンソーラニ(疲れてはいらっしゃいませんか)。ウクタンディン ネーミシェービラニ(お疲れはございませんか?)。
- メモ
- 音:クタンリ。
クタンリ
くたびれ。疲れ。疲労。
- 用例
- アサカラ チャーパタナイ シーネー クタンリ ゥンジャスンドー(朝からずっと働き通しだと疲れるよ)。
- メモ
- 音:クタンディ。
クタンリーン
疲れる。
- 用例
- シクチヌ チューサヌ クタンリーン(仕事がきつくて疲れる)。
ユクイル マルン ネーラン クタンリトーン(休む間もなくて 疲れている)。
否:クタンリラン(疲れない)過:クタンリタン(疲れた)継:クタンリトーン(疲れている)。
クチ
遺骨。
- 用例
- カソー ウワティ クチ ヒルイガ イチュン(火葬が終わって 遺骨を拾いに行く)。
クチ ウンチケーセー(遺骨をお連れしなさい)。
- メモ
- 類:フニシン。
クチ
口。言葉。文句。
- 用例
- チュケーンニ ウッサキー クチンカイ イリール(一度にそんなにたくさん、口に入れるのか)。
- メモ
- 口に入れる食べ物の数詞にも使われ、チュクチ(1口)、タクチ(2口)、ミクチ(3口)と数える。
クチ(~クチ)
~の言葉。
- 用例
- ウチナーグチ(沖縄の言葉)。ヤマトゥグチ(日本本土、大和の言葉)。ヤナクチ(悪口)。
クチ イーン
約束する。
- 用例
- リッパ クチ イッティ(ちゃんと約束して)。
クチ ウーイン
口を追う。
- 用例
- ヤナクチ シーネー クチ ウーインドー(悪い言葉を使うと、その通りになるよ)。
クチ ウーイン
口をおおう。
クチ クェーイン
口が肥える。舌が肥える。
- 用例
- マーサムンビカーンカリ クチクェーイン(美味しいのだけ食べて口が肥える)。
- メモ
- 音1:クチ クェーユン。
クチ クェーユン
口が肥える。舌が肥える。
- メモ
- 音1:クチ クェーイン。
クチ ヤンジュン
それまで食べたことのないようなおいしい物や新しい味覚の物を食べて、口が変になる。もう少し食べたくなる。口を汚す程度では満足しないこと。
- 用例
- ウリ カミネー ワラビンチャー クチ ヤンジュンドー(それを食べると、子どもたちが他のものを食べなくなるよ)。チュクチ カミーネー クチヤンジュンドー(一口食べたら もう少し食べたくなるよ)。
クチ ユシジュン
口をゆすぐ。うがいする。
クチイチャーシ
口寄せ。話を交わすこと。
- 用例
- アチャヤ パーパーン ソーティ クチイチャーシーガ イチュン(明日はお婆さんも一緒に口寄せに行く)。
- メモ
- 類:クチャーイ。人が亡くなってから3日目頃に、ユタなど物知りの所へ死者の口寄せを聞きに行くこと。
クチウスイ
口をおおうこと。
- 用例
- クチウスイ ッシ クィリ(口外しないでくれ)。
クチウンチケー
遺骨お迎え。遺骨ご案内。
- 用例
- クチウンチケーヤ ヒーン トゥティカラル スンドー(遺骨お迎えは日取りもしてからやるんだよ)。
- メモ
- 他所に葬っていた遺骨を、何らかの事情で他の墓へ移す、案内すること。
クチガーブラチュン
口を大きく開ける。
- 用例
- クチ ガーブラチ ニントーン(口を大きく開けて寝ている)。イチ ンチン クチガーブラチョーン(いつ見ても口を大きく開けている)。
クチカジ
口数。
- 用例
- クチカジヌ イキラサヌ、 ヌール カンゲートーラー ワカラン(口数が少なくて、何を考えているのか分からない)。
クチカジ
東風。
- 用例
- チューヌ クチカジヤ ヒジュルサヌ イーヤンベー ヤン(今日の東風は冷たくて気持ち良い)。
クチガッサン
口が軽いこと。
- 用例
- アレー クチガッサヌ ヌーン アビララン(彼は口が軽いから何も言えない)。
- メモ
- 対:クチゥンブサン(口が重いこと)。
クチカナヤー
口が達者な者。口答えする者。
- 用例
- ウヤンカイ ンカティ アンシ ムヌ インナー ヤナクチカナヤー!(親に向かってそんな口をきくか、口答えばかりして!)。
クチガマラサン
口やかましい。
- メモ
- 音:クチガマラハン。
クチガマラハン
口やかましい。
- メモ
- 音:クチガマラサン。
クチガンスイ
口達者。口巧者。口剃刀。
- 用例
- ワラビヌ ゥンジトーティ アンシ クチガンスイ ヤル(子どものくせに なんて口達者なんだ)。
クチギレー
洗骨。
- 用例
- チュヌ ケーマーチ シグニン アトゥッシ クチギレーヤ スタン(人が亡くなって4、5か年後に洗骨は行った)。
- メモ
- 類:シンクジ・シンクチ。
クチグシ
口癖。
- 用例
- ドゥージマン スシガ クチグシ ヤタンヤー(自分の自慢をするのが口癖だったね)。
クチグトゥ
口論。争い。
- メモ
- ビーチャーがピチピチピチと鳴けば、クチグトゥ(争い)があるといわれた。
クチグファー
口が悪い者。言葉が荒々しい者。毒舌家。
クチグファサン
口が悪い。言葉が荒々しい。
- 用例
- ルク クチグファサヌ ムヌン イーブサーネーン(あまりにも 口が悪くて話もしたくない)。
- メモ
- 対:クチヤファラサン(言葉が柔らかい)。
クチグルマ
口車。口先だけの巧みな言い方。
- 用例
- クンドゥン クチグルマンカイ ヌシラリーネー デージドー(今度も口車に乗せられたら大変だよ)。
- メモ
- 口先だけの達者な言い回し。
クチゲー
口答え。反抗。
- メモ
- 音2:クチゲーイ・クチンケー・ゲー。類:ヒンケー・フィンケー。
クチゲーイ
口答え。反抗。
- 用例
- イャーヤ シージャンカイ クチゲーイ スンナー?(お前は兄さんに口答えするのか?)。
- メモ
- →クチゲー。
クチサ
苦しさ。
- 用例
- クチサ シミーン(苦しめる)。
クチサ
苦しさ。
クチサチ
口先。
- 用例
- アリガ イーシェー チャー クチサチビカーン ヤサ(彼が言うのはいつも口先だけだよ)。
クチザチ
くちばし。
クチサビサン
口寂しい。
- 用例
- ワター ミッチョーシガ ヌーガラ クチサビサンヤー(お腹は いっぱいだが何か口にしたいね)。
チャワキン ネーラン クチサビサヌヤー(お茶請けもなくて、口寂しいね)。
- メモ
- お腹がすいているわけでもないのに、何か口にしたい、食べたいこと。
クチサン
苦しい。
- 用例
- イーブサシン イラランリシェー クチサンヤー(言いたいことも 言えないということは 苦しいね)。
- メモ
- 音:クチハン。
クチサンシン
口三線・。声で三線の音を唱えること。
- メモ
- 音:クチザンシン。
クチシバ
唇。
- 用例
- クチシバ カンチチ ムノー イーカンティー ソーンレー(唇をかんで何か言いにくそうにしているよ)。
クチシバ
評判。うわさ。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー クチシバ カカインドー(悪い事をすると評判が悪くなるよ)。
- メモ
- 悪い意味で使われ、世間からよく思われてないこと。
クチジャチ
くちばし。
クチジル
よだれ。唾液〔だえき〕。唾〔つば〕。
- 用例
- ンジュル ウッサシ クチジル タイサ(見ているだけでよだれが出るさ)。
クチタクタク
口をパクパクしている様。
- 用例
- クチタクタク ッシ、ヌー カローガ(口をパクパクさせて、何を食べているのか)。
クチタクタク
口をパクパクしている様。
- 用例
- クチタクタク ッシ ヌー カローガ(口をパクパクさせて、何を食べているのか)。
クチタマ
骨魂。遺骨。
- 用例
- ウグヮンスヤ クチタマ ナティン アガミリヨー(先祖は遺骨になっても崇めなさいよ)。ユシヤチルーヤ クチタマナティマディ ウタ ユムンタンディ(吉やチルーは骨になってまで、歌を詠んだそうだ)。
クチヂューサン
口が強い。口達者。
- 用例
- アレー クチヂューサン(彼は口が達者だ)。
クチヂュームン
口が強い者。口達な者。
- 用例
- アマヌ ユメー シタタカヌ クチヂュームン ナティ シトゥノー チャーン ナランディ(あそこの嫁は強かに口が強くて、姑がはどうすることもできないそうだ)。
- メモ
- 類:クチヂューサン。
クチトゥ トーカチ
食べるのに精一杯な暮らしのこと。
- 用例
- ワッターヤ ワラビンチャー マンディ クチトゥ トーカチル ヤルムヌ(うちは子どもたちが多くて、食べるのに精一杯だもの)。
クチトゥガヤー
口を尖らせている様。生意気な子どものことにもいう。
- 用例
- イーシン チカン クチトゥガヤー ワラベー!(言うことも聞かない生意気な子だ!)。
クチドゥミ
口止め。
- 用例
- ターニン イラングトゥニ クチドゥミ シェーン(誰にも言わないように口止めした)。
クチドゥミ ソーカンネー アトゥンジ ジャーフェー コーンドー(口止めしておかないと、後でやっかいなことをこうむるよ)。
クチトー アタラン
言動不一致。口ほどでもない。
- 用例
- イャーヤ クチトー アタラン バチン クヮーン(お前は口で言うほど役に立たない)。
- メモ
- 類:クチトー ナーメーメー。
クチトー ナーメーメー
言動不一致。口ほどでもない。
- 用例
- クチトー ナーメーメー ヌー スル チムエーガ?(口ほどでもないのに何をするつもりか?)。
- メモ
- 類:クチトー アタラン。
クチナー
蛇の一種。
- 用例
- チヌー ゥンマカラ クチナーガ トゥーティ ハイタンディグトゥ キー チキティ アッキヨー(昨日 そこから クチナーが 通って行ったというから 気を付けて 歩きなさいよ)。
- メモ
- 朽ちた縄に似ていることから、そう呼ばれた。
クチナジ
魚介名。イソフエフキ。
クチニーサン
食欲がない。
- 用例
- ムヌウミー シ クチニーサヌ ムヌン カマラン(物思いして 食欲がなく食事も取れない)。
クチヌソーン ネーン
急いで口にすること。味覚音痴である。
- 用例
- クチヌソーン ネーン アチムン カリ シバ ヤチュンドー(急いで口にして 熱いのを食べて 舌を焼くよ)。
ヌー カマチン クチヌソーン ネーン(何を食べさせても、味もわからないね)。
クチヌメー
食べていけるだけの生活力。
- 用例
- クチヌメーン シーサンムンヌ ウヤンカイ ゲー スンナー(食べていけるだけの力もないくせに親に反抗するのか!)。クチヌメー ハンスン(自分が食べる分の働きを果たす)。
- メモ
- 自分ひとりがやっと食べられるだけの働き。
クチノーシ
口直し。
- 用例
- ンジャサレー サータッシ クチノーシ シンソーリ(苦いなら黒糖で口直ししてください)。
クチバ
轡〔くつわ〕。馬具のひとつ。
- メモ
- 馬の口につける金具。
クチハガー
乾燥して唇周りが荒れている者。
- メモ
- 音:キチハギー。
クチハギー
乾燥して唇周りが荒れている者。
- メモ
- 音:クチハギ・クチハガー。
クチハゴーサン
口汚い。
- 用例
- ヰキガ ヤティン クチハゴーサイネー シカン サリーンドー(男でも口汚いと嫌われるよ)。
クチハン
苦しい。
- 用例
- クヮ ウシナティ イッペー クチハン(子どもを 亡くして とても 苦しい)。
- メモ
- 音:クチサン。
クチビカーン
口先だけ。
- 用例
- アリガ ムノー クチビカーンル ヤル ヌーン シースンナー(彼奴は口ばっかりで何もできっこないよ)。
クチビケー
口先だけ。
- 用例
- クチビケーシ ワジャン ナインナ(口先だけで、仕事ができるか)。
クチビケー
クチビタ
口べた。
- 用例
- アレー クチビタ ヤル ムンヌ、ヌガーラチョーケー(あいつは口下手だもの、見逃しておきなさい)。
クチビラシ
口減らし。
- 用例
- カムシンカイ クマティ、シージャヤ イチマンウイ シ クチビラシ スン(食うにも困って、上の子は糸満売りして口減らしする)。
- メモ
- 生活が貧しく家計の負担を軽くするために、子どもを奉公に出したり、家族の人数を減らすこと。
クチヒントー
口頭での返事。
クチブーサー
ほら吹き。
- メモ
- 類:クチブーチャー。
クチブーチ
ほらを吹くこと。
クチブーチャー
ほら吹き。
- メモ
- 音:クチブチャー。類:クチブーサー。
クチブシ
口武士。大言壮語する者。
- 用例
- バチェー クヮーンシガ クチブシ ヤンドー(役には立たないが口は達者だよ)。
- メモ
- 実力に不相応な大きなことを言う。
クチマーラシ
言い回し。
クチミチャー
魚介名。ヒラアジの稚魚。
- メモ
- 比謝橋の所でクチミチャーが取れた。
クチャ
島尻層群泥岩。土の壌名。
- 用例
- ウヌ ンチャヤ クチャル ヤンムナー(その土はジャーガル土なんだね)。
ンカシヤ クチャシル カラジ アライタンドー(昔は土で髪を洗いよったよ)。
- メモ
- 沖縄県中南部、久米島、宮古島、波照間島、鹿児島県喜界島に分布。風化するとジャーガル土壌になる。ジャーガル土の固い土。第三紀層泥灰岩。独楽回しはクチャなどの硬い土の上でやった。
クチャ
民家の間取りのひとつ。裏座。
- 用例
- ンスガーミヤ クチャヌ イッチャカイカイ ウッチェーサ(味噌甕は裏座の入り口に置いてある)。
- メモ
- 類:スルカ・ウラジャ・クチャジャー・スラッカ・スルカ・メーヌクサー。
ウラジャ参照。
クチャーイ
口寄せ。
- 用例
- アチャヌ クチャーイヤ アサ ヘーク イカントー ナラン(明日の口寄せは朝早く行かなくちゃいけない<>)。
- メモ
- 類:クチイチャーシ。
クチヤガマサン
口やかましい。口うるさい。
- 用例
- シトゥガ クチヤガマサン(姑が口うるさい)。
クチャジャー
裏座。民家の間取りの一つ。
- 用例
- チャクシミートゥンダヤ クチャジャーンカイ ニンジジャー ソータン(長男夫婦は裏座を寝床としていた)。
- メモ
- 類:スルカ・ウラジャ・クチャ・スラッカ・スルカ・メーヌクサー。
ウラジャ参照。
グチャファ
皮膚病。タムシ。
グチャファグサ
植物名。ハイニシキソウ(トウダイグサ科)。
- 用例
- グチャファグサヤ ホーティ ヒルガイヤッサン(ハイニシキソウは這って広がりやすい)。
クチヤファラサン
言葉が柔らかい。言葉が優しい。
- 用例
- ワッター シンシーヤ イッペー クチヤファラサン(私の先生はとても言葉が柔らかい)。
- メモ
- 対:クチグファサン(クチが悪い)。
クチヤミー
口内炎。
- 用例
- クチヤミグヮー ソーン(口内炎になっている)。
- メモ
- 音:クチヤミ。
クチヤンジュン
もう少し食べたくなる。飲食物が少量のために口を汚す程度では満腹しないこと。
- 用例
- チュクチ カミーネー クチヤンジュンドー(一口食べたら もう少し食べたくなるよ)。
クチュクイン
くすぐる。
- 用例
- ナチョーヌ ワラビ ワラースンディ クチュクイン(泣いている子を笑わそうとくすぐる)。
否:クチュクラン(くすぐらない)希:クチュクイブサン(くすぐりたい)過:クチュクタン(くすぐった)継:クチュクトーン(くすぐっている)。
クチユグサー
食べると口を汚すもの。
- 用例
- ウェンチュヌミーミーヤ クチユグサー ヤン(テンニンカ〔天人花〕の実は食べると口を汚すよ)。
クチュクチュ
こちょこちょ。くすぐること。
- 用例
- ナチョール ワラバー クチュクチュ スン(泣いている子をくすぐる)。
クチュビ
イボ。皮膚病。
- 用例
- クチュビヌ ゥンジトーラー ヤーチュー スシェー マシ ヤサ(イボができているならお灸をした方がいいよ)。
クチワッサン
口が悪い。
- 用例
- ウスメー シタタカ クチワッサン(おじいさんはとても口が悪い)。
クチンカイ クヮーリーン
口に喰われる。口は災いのもと。
- 用例
- チュサチ ムヌイーネー クチンカイ クヮーリーン(人より先に物を言うと口に喰われる)。ハートー! ウンナクトゥ イーネー クチンカイ クヮーリーンドー(ああもう!そんなことを言うと口に喰われるよ)。
- メモ
- 音:クチンケー・クヮーリーン。
クチンケー
口答え。反抗。
- 用例
- トゥーチ ウヤンカイ クチンケービカーンソーン(いつも親に口答えばかりしている)。
- メモ
- →クチゲー。
クチンラ
地名(東風平)。
クチゥンブー
話下手。口が思い人。口数が少ない人。
- 用例
- クチゥンブー ナティ ハナシーン サン(口下手で話もしない)。
クチゥンブサン
話下手な人。口が重いこと。口数が少ない。
- 用例
- アバヤー クチゥンブサンヤー(姉さんは口数が少ないね)。
- メモ
- 対:クチガッサン(口が軽いこと)。
クッター
これたち。彼ら。此奴等。
- 用例
- クッター クチヌ ワッサヨ(彼らの口が悪いこと)。
クッター
彼ら。
- 用例
- クッター クチヌ ワッサヨ(彼らの口が悪いこと)。
クッチェークッチェー
人をからかう時に使う。
- 用例
- クッチェークッチェー イャー ヌー ソーガ?(クッチェークッチェー、お前は何をしているか?)。
クッチュン
朽ちる。腐される。
- 用例
- ウヌ イヨー クササヌ キサ クッチョーンヨー(その魚は臭くてすでに腐れているよ)。
クッパー
ヘビの一種。ヒメハブ。
クッピ
これだけ。
- 用例
- クッピル ムチョーン(これぽっちしか持ってない)。
- メモ
- 音:クッピグヮー。
クッピルー
この大きさのもの。これだけの量のもの。
クツミチャー
魚介名。ヒイラギ。
- 用例
- クツミチャーヤ ヌルヌル シ クシレーインディチ ジカン カカイン(ひいらぎはぬるぬるして下ごしらえをするのに時間がかかる)。
- メモ
- 類:クチミチャー。
クツルチュン
移動する。
- 用例
- イバハル アタラー ゥンマカラ クツルチョーン(私が見てないうちに狭かったのかそこから移動している)。
クティー
牡牛〔おうし〕。大きな牡牛。特牛。ことい牛。強健で重荷を負うことができる牡牛。
- 用例
- クティー コーティ クーワ(牡牛を買って来なさい)。
- メモ
- 類:クティウシ。
クティウシ
牡牛〔おうし〕。大きな牡牛。特牛。ことい牛。強健で重荷を負うことができる牡牛。
- メモ
- 類:クティー。
クティブシ
特牛節。楽曲あるいは舞踊の名称。
クディングヮ
門中の祖先神に仕える神人。
- メモ
- →ウクディングヮ。
グテー
五体。体格。体力。
- 用例
- アリガ グテーヤティカラ、 チャッサヌ ニムチン チュカタミナカイ ムッチュサ(彼の体格だったら、 幾つもの荷物もひと担ぎで持つよ)。
グテーヌ カナーン ナタグトゥ(体力がなくなったから)。
- メモ
- 音2:ドゥーテー・ニーテー。
クテーイン
堪える。身心に負担がくること。
- 用例
- ウッサヌ シンカ チカインディシェー クテーインドー(大勢の人を使うってことは 体に堪えるよ)。
グテーチューラサー
体力をつけるためのもの。
- 用例
- チチイシヤ グテーチューラサー ヤタン(力石は体力をつけるものだった)。
グテーマギー
体格の大きな人。力持ちの人。
クトゥ
こと。問題。
- 用例
- ヌーガラ クトゥヌル アタガヤー?(何か問題があったのかな?)。
ガラサーヌ ナチーネー クトゥ ヤンドー(烏が鳴いたらことだよ)。
- メモ
- 事柄や問題など広い意味で使われる。
クトゥ
琴。
- 用例
- ワッター アバーヤ クトゥ ナラトーン(私の姉は琴を習っている)。
クトゥ(~クトゥ)
~言。言葉数を数える数詞。
- 用例
- タクトゥ イチン ワカランバーイ(二言言っても分からないのか)。
- メモ
- チュクトゥ(1言)、タクトゥ(2言)、ミクトゥ(3言)と数える。
グトゥ(~グトゥ)
~のごとく。~のように。
クトゥカチュン
事欠く。不自由する。
- 用例
- イャーガ ヤマトゥカイ モーキーガ イチーネー ワー ティガネーサーン ヲゥラン クトゥカチュンレー(お前が大和に儲けに行ったら、私を手伝う人もいない、事欠くよ)。
継:クトゥカチョーン(事欠いている)。
クトゥシ
今年。
- 用例
- クトゥシヌ エイサーヤ ンナシ ディキラサヤー(今年のエイサーは皆で盛り上げようね)。
クトゥバ
言葉。言葉。~言葉。
- 用例
- クトゥバ イーゥンジャシェーカラー ヌンクマランドー(言葉は 言い出したら 飲み込めないよ)。クトゥバヌ ワッサヌ(言葉が悪い)。ナハクトゥバ(那覇言葉)。スビクトゥバ(楚辺言葉)。
クトゥバジケー
言葉使い。
- 用例
- アマヌ ワランチャーヌ クトゥバジケーヌ チュラサヨ(あそこの子どもたちの言葉遣いのきれいなことよ)。
クトゥバヌ アヤ
言葉の綾。勝手な言い分、裏腹な言葉。
- 用例
- ウレー クトゥバヌ アヤル ヤル、ソーチムカラー アランサ(それは言葉の綾であって、本心ではないよ)。
クトゥバヤファラサン
言葉が柔らかい。
- 用例
- ワッター シトゥウヤヤ ジコー クトゥバヤファラサン(私の姑はとても言葉が柔らかい)。
- メモ
- 音:クトゥバヤファラハン。類:クチヤファラサン・クトゥバヤファラサン。対:クチグファサン(口が悪い)。
クトゥバヤファラハン
- 用例
- ヰナグンチャーヤ ヰキガヤカ クトゥバヤファラハン(女性は 男性よりも 言葉が柔らかい)。
- メモ
- 類:クチヤファラサン・クトゥバヤファラサン。
クトゥヤンドー
事だよ。
- メモ
- 烏が鳴くとクトゥヤンドー。
何か悪いことが起きるという予兆。
クトゥワイン
断る。
- 用例
- イチュナサヌ クンドゥヌ ヤクミヤ クトゥワイン(忙しくて、今年の役職は断る)。
否:クトゥワラン(断らない)希:クトゥワイブサン(断りたい)過:クトゥワタン(断った)継:クトゥワトーン(断っている)。
グトール(~グトール)
~のような。
グナー
小さいもの。
- 用例
- ターヤカ ニッカ チューグトゥ グナーガル ヌクトール(誰よりも遅く来るから、小さいのしか残ってない)。
- メモ
- 対:マギー(大きいもの)。
クナースン
踏み荒らす。
- 用例
- ヒンギゥンマガ ハル クナースン(逃げた馬が畑を踏み荒らす)。
否:クナーサン(踏み荒らさない)希:クナーシーブサン(踏み荒らしたい)過:クナーチャン(踏み荒らした)継:クナーチョーン(踏み荒らしている)。
- メモ
- 以前は個人で運搬用の馬を飼っている家庭も多く、その馬が逃げることがあった。
クナイン
組になる。
- 用例
- ニーセーターガ クナーティ チューン(青年達が徒党を組んでやって来る)。
クナギ
このぐらいの長さ。
- 用例
- クナギ ソール ボー ムッチ クーワ(このぐらいの長さの棒を持ってきなさい)。
クナギナー
こんなに長い。
- 用例
- クナギナーヌ ボー ムッチチェーシガ ヌー スヌ チムエーガヤー(こんなに長い棒を持って来てあるが、何をするつもりなんだろうね)。
グナサン
小さい。
- 用例
- イャーヤ ワッター ウットゥヤカ ジョーイ グナサン(お前は私の弟よりずっと小さい)。
- メモ
- 類:グナハン。対:マギサン・マギハン(大きい)。
グナッチュ
小さい人。
- 用例
- ゥンマカラ ンジーネー、グナッチュ ナティ ミーンヤー(そこから見ると、小さい人に見えるね)。
グナナーヒッター
色々小さい物。
- 用例
- グナナーヒッター ヌー ヤティン シムグトゥ アルッサ ムッチ クーワ(色々な小さい物何でもいいから、ありったけ持って来なさい)。
クナバユン
並ぶ。優劣がない。
- 用例
- ヰヌカタ クナバユン(肩を並べる)。
イッタートゥ ユヌ クナバグヮー ナタン(君たちと同等になった)。
グナハン
小さい。
- 用例
- イャーガ ムッチョーシェー ワームンヤカ グナハン(お前が持っているのは、私の物より小さい)。
- メモ
- 類:グナサン。対:マギサン・マギハン(大きい)。
グナヤー
小さな家。
- 用例
- ワッター ヤーヤ グナヤール ヤンドー(私の家は小さな家だよ)。
- メモ
- 対:マギヤー(大きな家)
クニシヤードゥイ
国吉屋取。
- メモ
- 高志保にあった屋取集落。
現在のむら咲きむら辺り。
クニシヤマ
国吉山。
- メモ
- マチバルクニシ(牧原の屋号国吉)の大きな山で、長田ではクニシヤマと呼んでいた。クーニーヤマとも呼ばれる。
クニチ
9日。
グニチ
5日。
クニブ
植物名。ミカンの一種。九年母。
- メモ
- 類:クヌブ・クヌブンギー。
クヌ
この。
- 用例
- クヌ ゥンムヌ マギサヨー(この芋の大きいこと)。
クヌウチ
近いうち。このうち。
- 用例
- クヌウチ アシビーガ イチュサ(近いうちに遊びに行くよ)。
クヌグル
この頃。最近。
- 用例
- クヌグルシル モーキーガ ゥンジャル ハジデー(つい最近儲けに行ったはずだよ)。
クヌッチュ
この人。
- 用例
- クヌッチュヌル ワカイグトゥ ナライシェー マシ ヤサ(この人が分かるんだから、習った方が良いよ)。
クヌトゥシ
この年。
- 用例
- クヌトゥシ ナティマディ アンシ アワリ スンレー ウマーンタン(この年になるまで、こんなに苦労するとは思ってもみなかった)。
クヌヒャー
こいつ。
- 用例
- クヌヒャーヤ! チュガ モーキテーシビカーン チカランリ ッシ(こいつは!人が儲けたのばかりを使おうとして)。
クヌヒン
この辺。
- 用例
- ヒンギゥンマガ クヌヒンカラ トゥーティ ハイタン(逃げた馬がこの辺から通って行った)。
クヌブ
植物名。ミカンの一種。九年母。
- メモ
- 類:クニブ・クヌブンギー。
クヌフージー
このような。
- 用例
- クヌフージー チンガ アイネー カメートーキヨー(こんな感じの着物があったら探していてね)。
クヌブンギー
植物名,ミカンの一種。九年母。
クヌメー
この前。先日。
- 用例
- クヌメーヤ イッペー クヮッチー サンドー(この前はとてもご馳走になりました)。
- メモ
- 類:クネーダ。
クヌユー
この世。現世。
- 用例
- ハーメーガ クヌユー ウシナティカラ ハチニン ナイン(お婆さんがこの世を去ってから8年になる)。
- メモ
- 対:アヌユー・グソー(後生)。
クネーイン
許す。こらえる。
- 用例
- ワランチャーガ シーヤンテーシル ヤル クネーインテー(子どもたちがやり損ねたことだ、許すさ)。
クネーティクィリ(許してくれ)。
- メモ
- 音:クネーユン。
クネーダ
この間。この前。先日。
- 用例
- クネーダル ジン トゥラチェールムン ウヌヘーサナー チカインディチンアンナー(この前お金をあげたのに、そんなに早く使うってことがあるか)。
クネーダヌ クトゥ(先日のこと)。
- メモ
- 類:クヌメー。
クネーユン
許す。こらえる。
- メモ
- 音:クネーイン。
クバ
植物名。シュロ。ヤシ科。
- 用例
- クバヌファーシ カサ チュクイン(びろうの葉で笠を作る)。
- メモ
- 聖木。拝所に多く自生している。
クバイ
配り。割り当て。
- メモ
- 類:ワイメーワップー。
クバイン
配る。
- 用例
- カクチネーンカイ サーター クバイン(各家庭に砂糖を配る)。
過:クバタン(配った)。否:クバラン(配らない)希:クバイブサン(配りたい)継:クバトーン(配っている)。
- メモ
- →イェースン。
クバオーギ
シュロの葉で作った扇。
- 用例
- クバヌファーシ クバオーギ チュクティ ンナンカイ クバラナ(クバの葉でクバ扇を作って皆に配ろう)。
- メモ
- 類:クバオージ。
クバオージ
シュロの葉で作った扇。
- 用例
- ンカシヤ クバヌファー カーラカチ クバオージ チュクイタン(昔はクバの葉を乾燥させてクバ扇を作っていた)。
- メモ
- 類:クバオーギ。
クバガサ
シュロの葉で作った笠。
- 用例
- アミフイギサヌ クバガサ ムッチョーカナ(雨が降りそうだから、クバ笠を持っておこう)。
クハサン
かたい。
- メモ
- 類:クファサン。
グバヌー
碁盤目。
- 用例
- ワンネー グバヌーアヤ イラブン(私は碁盤目模様を選んだ)。
グバヌー
碁盤目。格子柄。チェック柄。
- 用例
- ワンネー グバヌー イラブン(私は格子柄を選んだ)。
クバメースン
節約する。
- メモ
- →アガネーイン。
クバラリームン
兄弟の中から特別に出来の悪い人。
- 用例
- ウッサヌ シンカカラー、クバラリームヌン ゥンジーサ(それだけの人の中からは、出来の悪い人も出るでしょう)。
クバンチン
供物に使う白紙。
- メモ
- 屋敷の御願の供え物は酒、クバンチン3枚、線香、花米。ウチカビと同様、あの世でのお金といわれる。
クビ
首。
- 用例
- ンナシ クビ トゥッカチミーン(皆で首を掴まえる)。
クビ
壁。
- 用例
- ンチャシ クビ チュクイン(土で壁を造る)。ヤーヌ クビ(家の壁)。
- メモ
- 牛の血をギキチャー(月橘)につけ、家のクビに差した。
クビ クンジュン
首を括る。
- 用例
- ジンビカーン カイネー アトー クビ クンジュンドー(お金ばかり借りていたら、後は首を括るよ)。
クビ シミーン
首を絞める。墓穴を掘る。
クビ シミーン
首を絞める。墓穴を掘る。
クビ マギーン
頭を下げる。
- 用例
- イャーンカイ クビ マギーサ マキタサ(君には頭を下げるよ、負けたよ)。
- メモ
- 直訳は、首を曲げる。
クビガー
うなじ。えり首。首すじ。
- 用例
- ニンジチゲー シ クビガーガ ヤムン(寝違いで首筋が痛い)。
クビキリ
瓦作製道具のひとつ。
- メモ
- 粘土で成型した雄瓦を二等分するのに使う。
クビジリー
豚の首肉。
- 用例
- クビジリーヤティン イラビーネー カマリヌ トゥクルン アンドー(豚の首肉でも、選んだら食べられるところもあるよ)。
- メモ
- 類:カジガーシシ。
豚を屠る日12月27日は、クビジリと大根を一緒に煮たのを夕飯として仏壇に供えた。
クビダキ
首までの高さ。
- 用例
- フロー グナサヌ ワームン クビダキンチョー ネーン(背が小さくて、私の首までの高さもない)。
クビチリドゥシ
刎頸の友。とても仲の良い友達。
- 用例
- アッター タイヤ クビチリドゥシヤン(あの二人はとても仲の良い友達だ)。
- メモ
- 音2:チビヌミードゥシ。
クビチリドゥシ
親友。刎頸(ふんけい)の友。
- 用例
- アッター タイヤ クビチリドゥシ ヤン(あの2人は親友だ)。
クビチリドゥシ
刎頸の友。
クビヂル
首筋。
- 用例
- クビヂル ネーリティ(首筋をひねってしまって)。
クビブニ
首の骨。
グヒャーク
五百。金の単位。1銭と同じ。
クヒン
小瓶。
- 用例
- ゥンマナカイ アル クヒングヮーンカイ アンダ イッテーサ(そこにある小さなビンに、油を入れてあるよ)。
- メモ
- 音:クフィン。
クファー
毒ヘビの一種。ヒメハブ。
- 用例
- ゥンマカラ クファーガ ホーティ ハイタン(そこからヒメハブが這って行った)。
クファーブックイ
ヒメハブに噛まれて膨れていること。
- 用例
- クファーンカイ クヮーッティ クファーブックイ ソーン(ヒメハブに咬まれて腫れている)。
クファアミ
霰〔あられ〕。
クファイン
①固まる。②仲が悪くなる。
- 用例
- ①ナー ヤガティ シーネー トーホー クファインテー(もうしばらくしたら豆腐は固まるでしょう)。
②チョーデーオーエーシーネー クファインドー(兄弟喧嘩をすると仲が悪くなるよ)。
継:クファトーン(固まっている)。
- メモ
- 類:カタマイン。
クファカッパー
乾燥して固くなっていること。
- メモ
- 音2:クヮーパッチャー。
クファグチ
乱暴な言葉使い。乱暴な物言い。
- 用例
- クファグチ シーネー ワランチャーンカイ ウトゥルサ サリーンドー(乱暴な言葉遣いだと、子どもたちに恐がられるよ)。
- メモ
- 音2:クファムニー。対:ヤファラムヌイー(柔らかい口調)。
クファグチャー
乱暴な言葉使いの人。乱暴な物言いの人。
- 用例
- ヤナチョー アランシガ クファグチャール ヤンデー(悪い人ではないが、乱暴な言葉使いをするんだよ)。
- メモ
- 類:クファムニーサー。
クファサン
①固い。②仲が悪い。
- 用例
- ①シシヤ ニーヨーサル アタラー クファサン(肉は煮足りなかったのか固い)。
クトゥバグファサヌ(言葉が固いよ)。
チョーデータルムン、アンシ クファサル(兄弟なのに、なんて仲が悪いんでしょう)。
- メモ
- 対:ヤファラサン。
クファジューシー
沖縄風炊き込みご飯。
- 用例
- ウンケーネー クファジューシー ウサギーン(盆のお迎えには、クファジューシーを供える)。
- メモ
- トゥンジージューシー(冬至雑炊)の頃はヤマンム(山芋)の収穫時期なので、必ずヤマンムを入れてクファジューシーを作った。
クファチブラー
頑固者。石頭。
- 用例
- ターリーヤ クファチブラー ナティ ヌーディチン チカン(お父さんは頑固者で、何を言っても聞かない)。
- メモ
- →ガンクー。
クファムニー
乱暴な言葉使い。乱暴な物言い。
- 用例
- クファムニー シーネー イャーガ イーシヤ ターン チチュンナー(乱暴な物言いをしたら、お前が言うのは誰も聞かないよ)。
- メモ
- 音2:クファグチ。
クファムニーサー
乱暴な言葉使いの人。乱暴な物言いの人。
- 用例
- ワッター スーヤ ガンクーナティ クファムニーサー ヤン(私の父は頑固者で、乱暴な物言いをする人だ)。
- メモ
- 類:クファグチャー。
クファラスン
固くする。
- 用例
- ヤファラサグトゥ ナー イヘー クファラスン(柔らかいのでもうっ少し固くする)。
クファン
籠飯(こはん)。祭事にふるまう料理一式。
- メモ
- 類:クヮン。
結納や結婚式の御馳走が入った器、あるいは御馳走そのものの呼称。
クファンカミヤー
籠飯を頭上にのせて運ぶ者。
- メモ
- 類:クヮンカミヤー。
籠飯を持つ女性。結婚式の御馳走を入れて、頑丈な女性が頭上に載せて運んだ。
クファンムイ
結納。
- 用例
- アンシ イー クファンムイ ヤタルヤー(何て良い結納だったんだろうね)。
- メモ
- 類:サキムイ。
クファンムイ
籠飯(こはん)盛り。婚礼の際に聟(婿)方から持って行く御馳走。
- メモ
- 類:クヮンムイ。
結納や結婚式の御馳走が入った器、あるいは御馳走そのものの呼称。餅や豆腐などを大きな鉢に盛った。近年では大きな長四角の膳に御馳走を重ねて入れ、周囲は菜箸のような長い箸を立て昆布で巻いている。
クファンムイニービキ
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- メモ
- 音2:サキムイチンムー・サキムイニービチ・クファンムイニービチ。
当時の結婚は結納と婚礼を同時に行うのが主流だった。
クファンムイニービキグヮー
固めの盃だけで済ませる結婚式。
クファンムイニービチ
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- メモ
- →クファンムイニービキ。
クフィナー
こんな大きな。
- 用例
- クフィナーヌ ムン ムッチ チーネー チカーランシガ(こんな大きなのを持って来たら使えないよ)。
クフィン
小瓶。
- 用例
- ウヌ クフィングヮーヤ チュラサヌ、カラ(その小瓶はきれいだから、貸して)。
- メモ
- 類:クヒン。
クブー
窪〔くぼ〕み。
- メモ
- →アブン。
グフクヌゥンバン
結婚式の儀式で夫婦が食べた後のご飯をお握りにしたもの。
- 用例
- グフクヌゥンバン カムシ ンジュンディ ワランチャーン アチマティ チュータン(結婚式の儀式で夫婦がおにぎりを食べるのを見るために、子どもたちも集まってきた)。
- メモ
- 類:ククラキヌゥンバン。
クブシ
腹掛け。
クブシー
よだれかけ。
- メモ
- 類:メーラリー。
クブシミ
魚介名。イカの一種。コブシメ。
- 用例
- クブシミヤ イチ カリン マーサン(甲イカはいつ食べても美味しい)。
グブリー サビラ
失礼します。
- 用例
- ワンネー ウリッシ グブリー サビラ(私はこれで失礼します)。
クブン
窪〔くぼ〕み。
- 用例
- クラサヌ ムヌン ミーラン クブンカイ ヒサ チックディネーラン(暗くてものも見えないので、窪みに足を突っ込んでしまった)。
- メモ
- →音1:アブン。
クブンジ
窪地。
クブンヒブン
あちこち窪んでいる状態。
- 用例
- ワッター ヤーヌ メーヌ ミチヤ クブンヒブン ッシ アッチーグリサン(私の家の前の道はあちこち窪んでいて、歩きにくい)。
クベーイン
①くべる。②注ぐ。
- 用例
- ①ヒーヌ チャーリーギサー ヤグトゥ タムン クベーイン(火が消えそうだから薪をくべる)。②チャー ナーティーチ クベーイン(お茶をもう一杯注ぐ)。
クベーイン
注ぎ足す。
- 用例
- チャー クベーイン(お茶を注ぎ足す)。
- メモ
- 水などの足りない分を注ぎ足す。
グヘーロー
御拝領。
- メモ
- 首里王府から宝物や墓などを賜ること。字楚辺の旧家には御拝領の鉢や絹糸があったという。
クボークラシチ
久保倉敷(現沖縄市)。
クマ
ここ。こちら。
- 用例
- クマカラ アママディ ハカティンディ(此処からあそこまで測ってごらん)。
グマー
小さいもの。
- 用例
- グマーヤティン シムグトゥ ターチビカーノー チカーシェー(小さいのでもいいから、ふたつほど使わせてくれ)。
グマイ
倹約家。
- 用例
- ワッター アンマーヤ ルク グマイヂューサヌ ヌー ティーチン コーテー トゥラサン(私の母はあまりにも倹約家で何ひとつ買ってくれない)。
グマイスギ
小走りで急いで歩くこと。
- 用例
- ヌーガル アタラー グマイスギ ヒチ ゥンジティ ハイタン(何があったのか小急ぎで出て行った)。
クマイブシ
隠れ武士。隠れた才能の持ち主。
- 用例
- タンメーヤ ムノー インソーランタシガ グテーヂューサヌ クマイブシ ヤタン(おじいさんは口数は少ないが、力が強く隠れ武士だった)。
クマイン
こもる。引きこもる。
- 用例
- アミフイヤ ハルシクチン ナラングトゥ ヤーナカイ クマイン(雨降りは畑仕事もできないから家にこもる)。
継:クマドン(こもっている)。
クマキー
砕けた欠片。細かい欠片。
- 用例
- ゥンマンカイ ホーテール クマキー ナトーシン トゥリヨー(そこに散らかっている砕けた欠片も取りなさいよ)。
クマグマ
細々。
- 用例
- クマグマ カメーイネー アイル スラー ワカランサ(細々探したらあるかもしれないよ)。
クマサン
細かい。
- 用例
- ティーヌ クマサンチュヤ ヌー シミティン ジョージ ヤン(手が細やかな人は何をさせても上手だ)。
- メモ
- 類:グマハン。対:アラハン・アラサン(荒い・雑)。
グマサン
小さい。
- 用例
- チューヌ シナムノー チヌーヌ ムンヤカ グマサン(今日の品物は昨日のより小さい)。
- メモ
- 音:グマハン。類:クーサン・クーハン。
クマシームン
倹約家。
- 用例
- トゥジヌ クマシームン ヤリバ ジンヌ タマイン(妻が倹約家だったら、お金が貯まる)。
クマジェーク
指物師。細かい細工をする人。
- 用例
- クマジェーク シミテー アリカイヤ カナーンサ(細かい細工をさせては彼にはかなわないよ)。
クマタイ
役員名のひとつ。組の使丁。
- 用例
- クマタイディシェー アザヌ ヤクミヌ ティーチテー(クマタイというのは字の役員のひとつさ)。
- メモ
- 類:クミアタイ・クミサジ。
字楚辺には5組あり、クマタイ5人がそれぞれの組の各戸に連絡事項などを知らせて廻った。
クマバーキ
目の細かいざるや籠〔かご〕。
クマバチャー
ハチの一種。
グマハン
細やかである。
- 用例
- ワッターヤー ティガキトール シェークヤ イッペー ティーグマハン(私の家を手掛けている大工はとても手が細やかだ)。
- メモ
- 類:クマサン。対:アラハン・アラサン(荒い・雑)。
グマハン
小さい。
- メモ
- 音:グマサン・グナハン。類:クーサン・クーハン。
クマボーシクマー
目の細かい帽子を組む者。
クマミンナー
ヤエムグラ。
クマムティー
こちら側。
- 用例
- イャーヤ クマムティーカイ ヰレーワ(お前はこちら側に座りなさい)。
- メモ
- 類:クガタ。
グマムン
小さなもの。
- 用例
- ムッチイチュラー グマムンカラ ムッチイケー(持って行くなら小さいものから持って行きなさい)。
クマヰチョーン
安定している様。落ち着いている様。
- 用例
- アヌ チュヤ ウスマサ クマヰチョーグトゥ、ウフォークヌ ワカムンヌチャー マトゥミー スン(あの人はとても落ち着いているから、大勢の若者達をまとめることができる)。
クマユイ
目の細かいふるい。
- メモ
- 豆腐を作るときや、割った大豆の実と殻を選り分けるのに使った。
グマユージュ
ちょっとした用事。
- 用例
- ハジメー グマユージュル ヤタシガ タッタイ マギユージュ ナティネーン(初めはちょっとしたことだったのに次第に大事に至ってしまった)。
- メモ
- 対:マギユージュ(大事に至る用事)。
クマユーチ
石工〔いしく〕道具名。石斧。主に細かい石を切るのに使う。
クマリカー
この辺。
- 用例
- ニムチェー クマリカーンカイ カタジキレー(荷物はこの辺に片づけなさい)。
クマンデー
こちら辺。
- 用例
- クマンデーンカイ ウッチョーケー(こちら辺に置いておきなさい)。
クミ
米。
- 用例
- チューヌ ユーバノー クミ ナンゴー シキレー シムガ(今日の夕飯は米何合といでおいたらいいねぇ?)。
- メモ
- 音2:クミメー。類:メー。
クミアタイ
字の役員名。組の使丁。
- メモ
- 類:クマタイ・クミサジ。
クミアレーミジ
米のとぎ汁。
- 用例
- クミ アレーミジン タミティ ウッチョーキヨー(米のとぎ汁もためて置きなさいよ)。
クミー
久米島。久米島産の馬。
クミーン
入れる。込める。収監する。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー クミーンドー(悪いことをしたら刑務所に入れるよ)。グナサイニ ヤナクトゥシーネー、オイシンカイ クミラリータン(小さい時に悪いことをしたら、美味しれに入れられた)。
- メモ
- 否:クミラン(込めない)希:クミーブサン(込めたい)過:クミタン(込めた)。
クミウドゥイ
組踊。
クミウドゥイシンカ
ムラアシビの際、組踊に携わる人たち。
クミガシラ
組頭。
- メモ
- 部落の各組・角の長で行政に携わる役職。
クミカン
こめかみ。
- 用例
- クミカン ハンチーネー チャッサ ヤムグトゥ(こめかみを弾くとどんなに痛いことか)。
クミカンカンパチ
こめかみにある傷跡。
クミグジー
クミンドーに祭られている女神の名前。
- メモ
- クミンドー・クミンドーウグヮン参照。
クミグラ
米倉。
- 用例
- イェーキンチョー イクチン クミグラ ムッチョータン(金持ちは幾つも米倉を持っていた)。
クミサジ
組佐事。組の使丁。
- メモ
- 類:クマタイ・クミアタイ。
クミサニ
米の種。稲種。種籾。
- メモ
- 稲の発芽の元で籾の状態の種。 一般に種籾あるいは稲種と呼ぶ。
クミシジ
米粒。
クミシジ
米粒。
クミジュリ
組の集会。
クミシリ
木で作った二段重ねの臼。
- メモ
- 人力で上の臼を摺り合わせて精製した。
クミダーラ
米俵。
- 用例
- ワッターヤ クミダーラ イクチ ムッチ イケー シムガ?(私たちは米俵を何俵持って行けばいいの?)。
クミタティーン
組み立てる。
- 用例
- ドゥークルシ トゥイヌヤー クミタティーン(自分で鶏小屋を組み立てる)。
否:クミタティラン(組み立てない)希:クミタティーブサン(組み立てたい)過:クミタティタン(組み立てた)継:クミタティトーン(組み立てている)。
クミチジ
米粒。
- 用例
- クミチジ ティーチ ヤティン ヌクサンヨークー カミヨーヤー(米粒ひと粒も残さずに食事はしなさいよ)。
- メモ
- 類:クミチブ。
クミチブ
米粒。
- 用例
- クミチブヤ ムル ヒルリヨー(米粒は全部拾いなさいよ)。
- メモ
- 類:クミチジ。
クミディマ
米手間。日雇い仕事の報酬としての米。
- メモ
- 長田では田圃のない家は2、3軒で、そういう家は田圃のある家に日雇い仕事をして米を手間賃として貰っていた。
クミトゥイン
汲み取る。気持ちを汲み取る。気持ちに寄り添い理解する。
- 用例
- ウヤヌ ウムイ クミトゥイン(親の思いを汲み取る)。
- メモ
- 気持ちを汲み取る。気持ちに寄り添い理解する。
クミドゥヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミドゥルイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミマンサングヮー
各組の製糖を終了する祝い。組満産小。
- 用例
- クミマンサングヮーネー カンナジ ゥンジランネー(クミマンサングヮーには必ず出なさいよ)。
クミムドゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミムドゥヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミメー
ご飯。米のご飯。
- 用例
- ゥンムビカーン カマサッティ、クミメーン フーサンヤー(芋ばかり食べさせられて、米のご飯も欲しいね〈食べたいね〉)。
- メモ
- →クミ。
クミメー
米。ご飯。
- 用例
- ゥンムビカーン カマサッティ、クミメーン フーサンヤー(芋ばかり食べさせられて、ご飯も欲しいね〈食べたいね〉)。
- メモ
- →クミ。
クミラー
バン。クイナ(水鶏)科の水鳥。
クミルー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
クミンサク
米で作った神酒。
- メモ
- 6月15日のウマチーに作る。5月は甘藷で作ったが、6月は米を収穫する時期になっているので米で作ったという。
クミンチュン
汲み入れる。
- 用例
- ンマンカイ ニーブサーニ クミンチュタンリ(ここに柄杓で汲み入れたって)。ミジ クミンチュン(水を汲み入れる)。
クミンチュン
押し込む。踏み込む。
- 用例
- イランギサー ヤグトゥ ヒサシ クミンチュン(入りそうもないので足で押し込む)。
アル クミンキヨー(踵を押し込みなさいよ)。
否:クミンカン(押し入れない)希:クミンチーブサン(押し込みたい)過:クミンチャン(押し入れた)継:クミンチョーン(押し入れている)。
- メモ
- 類:クミンキーン。
クミンドー
楚辺の七御嶽のひとつ。
クミンドーウグヮン
クミンドー御願。
- メモ
- クミンドーとメーチンシ(何れも楚辺の七御嶽)は夫婦であったというが、一緒になれないので、旧2月から始まるクミンドー御願には、どんな好天気であっても、雨粒が少し落ちたという。字大湾・喜名・座喜味などあちこちからも拝みに来る。旧2月クミンドー御願にはクミンドーとメーチンシはヒジャイナーで囲う。クミンドーの向いの方の海で薪を積んだ山原船が一夜明かそうとすると必ず風が起こり船が沈没したという。また周辺の農耕地では大声で牛馬を使おうとしたらかえって言うことを聞かないので静かに農耕したという。旧の3月にやっている御願には、どんなに晴れた日でも必ず一時雨が降る。
クム
雲。
- 用例
- ウヮーチチヌ ユタサヌ チューヌ クムヌ チュラサヨ(天気が良くて今日の雲のきれいなことよ)。
クムイ
池。沼。溜池。
- 用例
- クムイヲゥティ ヤシェー アライン(溜池で野菜を洗う)。
- メモ
- →イチンモー。
クムイン
曇る。
- 用例
- アチャヤ ウヮーチチ ワッサンディグトゥ アサカラ クムインヤー(明日は天気が悪いらしいから朝から曇るね)。
継:クムトーン(曇っている)。
クムーン
保証人。
- 用例
- イカナシン チュヌ クムーン イッチェー ナラン(どんなことがあっても人の保証人になってはいけない)。
グムギー
植物名。インドゴムノキ。クワ科。
グムチ
御物。資金。徴収金。
- 用例
- グムチンリチ ジョーノーテー イーネー(グムチと言って税金さ、言わば)。
グムットゥム
ごもっとも。
- 用例
- ウンジュガ イミシェーシェー、グムットゥム ヤイビン(貴方がおっしゃるのは、ごもっともです)。
グムットゥム
ごもっとも。
- 用例
- ウンジュガ イミシェーシェー、グムットゥム ヤイビン(貴方がおっしゃるのは、ごもっともです)。
グムマーイ
ゴム毬。
- 用例
- グムマーイナギエーシ アシドータン(ゴムまり投げをして遊んでいた)。
クムン
汲む。
- 用例
- アサ ヘークカラ ミジ クムン(朝早くから水を汲む)。カーラヌ ミジル クディ アミシーン(川の水を汲んで沐浴させる)。
否:クマン(汲まない)希:クミーブサン(汲みたい)過:クラン(汲んだ)継:クローン(汲んでいる)。
クムン
組む。編む。
- 用例
- ボーシグヮー クディ(帽子を編んで)。ミッチャイナー グー クムン(3名ずつグループを組む)。
クムン
履く。
- 用例
- サバ クリ アッチュン(草履を履いて歩く)。
チューカラ ミーサバ クムン(今日から新しい草履を履く)。
- メモ
- 類:クムン。
クメーキーン
慎ましくする。倹約する。細やかにする。
- 用例
- イチナンドゥチ ヌーガ アラー ワカラングトゥ クメーキーン(何時何があるか分からないから倹約する)。
ワカサイニカラ ジコー クメーキトーン(若い時からとても倹約している)。
シクチヤ チャー クメーキティ シーヨー(仕事はいつも細やかにするんだよ)。
否:クメーキラン(倹約しない)希:クメーキーブサン(倹約したい)過:クメーキタン(倹約した)継:クメーキドン(倹約している)。
クメーキヂューサン
倹約しすぎ。節約しすぎ。
- 用例
- ワン トゥジヤ ルク クメーキヂューサン(私の妻はあまりにも倹約しすぎる)。
- メモ
- 節約し過ぎることで、場合によってはケチの意味にもとられる。
クメーキヤー
倹約家〔けんやくか〕。細やかな人。
- 用例
- ワン ウヤヤ クメーキヤー ナティ イチデーシ アッサヌ ゼーサン モーキテーン(私の親は倹約家で、一代であれだけの財産を築き上げた)。
グヤーマチ
棒術の名称。スーマチ(総巻き)、旗頭を中心として演武者が円をかいて回る演武。
クヤクドーフ
字行事の際に各戸が持ち回りで提供した豆腐。
- メモ
- 提供するのは1年に何回かある字行事のいつでも良く、出したところは記帳し、1年の最後の行事になると、まだ豆腐を出していない世帯が一斉に提供したのでたくさん集まったという。
グヤバル
{呉屋原}。伊良皆の小字。
グヤフィチ
位牌・香炉継承の禁忌のひとつ。
- メモ
- ヲィナググヮンスを初代として位牌・香炉の継承を重ねること。
クヤミ
悔やみ。
- 用例
- ウクヤミ ウンヌキヤビラ(お悔やみ申し上げます)。
- メモ
- 通夜や葬儀に参加することをクヤミに行くという。
クヤムン
悔やむ。
- 用例
- シーブサイニ ソーカンネー アトゥシ クヤムンドー(やりたいときにやっておかないと後悔する)。
否:クヤマン(悔やまない)過:クヤラン(悔やんだ)継:クヤローン(悔やんでいる)。
クユイ
今宵。今晩。
- 用例
- クユイヤ ユーアキドゥーシー カタラナ(今晩は夜通し語り合おう)。
クユミ
暦。
- 用例
- チューカラ ミークユミ チカラヤー(今日から新しい暦を使おうね)。
クヨー
供養。
- 用例
- ウヤヌ クヨーヤ リッパニ スン(親の供養はちゃんとする)。
クヨー
苦労。心労。
- 用例
- イカナ クヨー ヤティン サントー ナラン(どんな苦労でもやらないといけない)。
クラ
馬具名。鞍〔くら〕。
- メモ
- 競馬用の馬の鞍は、荷役運搬用の鞍とは別物で、モッコクやイヌマキで作られた漆塗りであった。那覇辺りで6円50銭からは上等が買えたという。
クラー
雀。
- 用例
- クラーヤ ヤシチナーリー ムン カリアッチュン(雀は屋敷内で餌を食べ歩いている)。
- メモ
- 音:クラーグヮー。類:クミドゥヤー・クミドゥルイ・クミムドゥイ・クミムドゥヤー・クラモー・クラモードゥイ・クラユムドゥイ・クラユムドゥヤー。
クラガー
暗川。楚辺にある井泉の名。
- メモ
- 字楚辺に古くからある井泉。楚辺の七御嶽のひとつで、旱魃が続いた時に屋嘉の赤犬が見つけたとの伝承がある。
クラガーマーチ
松の呼称。暗川松。
- メモ
- 類:ウスメーマーチ。老木で名木として知られ村内外からも見学者が訪れた。松が倒れた時、その松木は旧家に分けられた。
クラガーゥンム
甘藷の品種。
- メモ
- 字比謝矼県道の夜市で楚辺の人がクラガーゥンムを売っていた。後には、アマカービラを上った、嘉手納警察署の近くにできたゥンムマチ(甘藷市)で売っていた。
クラガイ
暗がり。暗闇。
- 用例
- クラガイカラー キー チキリヨー(暗闇では気をつけなさいよ)。
- メモ
- →ウーグラシン。
クラガイミー
暗い所。
- 用例
- クラガイミーヲゥティン ムンヌ ミーンナー?(暗い所でも物が見えるか?)。
- メモ
- 類:クラシンミー。対:アカガイミー(明るい所)。
グラグラ
揺れ動く様。
- 用例
- ハーヤヌ グラグラ ソーン(柱がぐらぐらしている)。
グラグラ
揺れ動く様。
- 用例
- ハーヤヌ グラグラ スン(柱がぐらぐらしている)。
クラサン
暗い。
- 用例
- ランプシ アカガラサンネー ユカイ クラサン(ランプで明るくしないとかなり暗い)。ルク ニッカナイネー クラクナインドー(余り遅くなると暗くなるよ)。
- メモ
- 類:クラハン。対:アカサン(明るい)。
クラシガタ
暮らし方。生活。
- 用例
- ドゥーチュイシ ヤー カティ、クラシガタヤ チャーシソーガヤー?(一人で家を借りているが、生活はどのようにしているのかね?)。
クラシカンティー
暮らしにくい。
- 用例
- ルク アチサヌ クラシカンティー ヒチョーン(あまりにも暑くてすごしにくい)。
ジンヌ ネーン クラシカンティー ソーン(金がなく、生活に困っている)。
クラシグリサン
暮らしにくい。生活しにくい。
- 用例
- マチガター ヌーンクイ タカサヌ クラシグリサン(町は何もかも高くて暮らしにくい)。
- メモ
- 対:クラシヤッサン(暮らしやすい)。
クラシチモー
倉敷モー。伊良皆の地名。
- メモ
- 平田子の米倉があったと伝わる場所。
クラシチモーは草を刈る人たちの相撲をする場所になっていた。
クラシヤッサン
暮らしやすい・生活しやすい。
- 用例
- ワランチャーン リッシン シ クラシヤッサン(子どもたちも独立して暮らしが楽になった)。
- メモ
- 対:クラシグリサン(暮らしにくい)。
クラシン
暗がり。暗闇。
- 用例
- ヌール カメートーラー ワカランシガ、クラシンヲゥティン カメーラリーミ?(何を探しているか分からないが、暗闇でも探せるか?)。
- メモ
- →ウーグラシン。
クラシンミー
暗い所。
- 用例
- クラシンミーカイ クヮックトーシガ、ヌーガラ ヤナクトゥル シー?(暗い所に隠れているが、何か悪い事でもしたの?)。
- メモ
- 類:クラガイミー。対:アカガイミー(明るい所)。
クラスン
暮らす。
- 用例
- シグトゥバヌ トゥーサグトゥ ヤー カティ クラスン(職場が遠いから家を借りて暮らす)。
否:クラサン(暮らさない)希:クラシーブサン(暮らしたい)過:クラチャン(暮らした)継:クラチョーン(暮らしている)。
クラチュン
砕く。
- 用例
- マギサグトゥ グナクグヮー クラチュン(大きいから小さく砕く)。
否:クラカン(砕かない)希:クラチーブサン(砕きたい)過:クラチャン(砕いた)継:クラチョーン(砕いている)。
クラチン クラサラン
暮らしもままならない。
クラハン
暗い。
- 用例
- クラハン トゥクルヲゥティ ヌー ソーガ(暗い所で何しているの)。
- メモ
- 類:クラサン。対:アカサン(明るい)。
クラビーン
比べる。
- 用例
- イャームントゥ ワームン クラビーン(お前の物と私のを比べる)。
否:クラビラン(比べない)希:クラビーブサン(比べたい)過:クラビタン(比べた)継:クラビトーン(比べている)。
クラミイシ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
- メモ
- 類:カンゼーイシ。
縁側に上がる時の踏石のことで、海岸から切り取ってきた石でできている。
クラミーン
踏む。
- 用例
- カラビサー ナティ ンチャ クラミーン(裸足になって土を踏む)。
否:クラミラン(踏まない)希:クラミーブサン(踏みたい)過:クラミタン(踏んだ)継:クラミトーン(踏んでいる)。
- メモ
- 類:クラムン・クダムン・クンビーン・クンピユン。
クラムドゥヤー
雀。
- 用例
- クラムドゥヤーガ イッチョータン ヌーンリ イーネー(雀が入っていたなどというと)。
- メモ
- 類はクラー参照。クンピーン。クラムン。
クラムン
踏む。
- 用例
- シナ クラムン(砂を踏む)。シナ クラミウーサン(砂を踏めない)。
- メモ
- 音:クダムン。類:クラミーン・クンピーン・クンピユン。
クラモー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クラモードゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クラユムドゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クラユムドゥヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クリ
これ。
- 用例
- ワンネー クリ コーイン(私はこれを買う)。
グリ
汁などのかす。澱〔おり〕。
- 用例
- ヌクトール グリヤ トゥティ ヒティリヨー(残ったかすは取って捨てなさいよ)。
チャーヌ グリ(飲んだ後の茶の澱)。
グリー
お辞儀。
- 用例
- ミーランナル エーカ グリー ソータン(見えなくなるまでお辞儀をしていた)。
グリーハイ シ ケーイタン(何度もお辞儀をして帰って行った)。
グリー
リンパ節の腫れ。
- 用例
- グリー ゥンジトーン(リンパ節が腫れている)。
- メモ
- 音:#グリーグヮー。類:グルイ。
グリーコンマー
しきりに頭を下げること。
- 用例
- グリーコンマーヌ マガリ ソータン(しきりに頭を下げていた)。
チャッサ グリーコンマー シン ヌガーラサン(どんなに頭を下げても許さない)。
グリージ
お礼。
- 用例
- グリージ ウンヌキーン(お礼を申し上げる)。
グリージン
仏壇。御位牌。
- 用例
- グリージノー アンバー(仏壇はあるわけ)。
グリーマーイ
御礼廻り。回札。年始回り。
- 用例
- ウットゥンチャー ソーティ グリーマーイ シーガイチュン(弟たちを連れて年始回りに行く)。
- メモ
- ニントゥー(年頭)ともいい、正月に親戚宅を年始の挨拶に行くこと。
クリーン
発情する。さかりがつくこと。
- 用例
- マヤーガ クリーン(猫が発情する)。
継:クリトーン(発情している)。
- メモ
- 類:クルイン。
クリカー
こちら辺。
- 用例
- クリカーカラル トゥーティ ハイタシガヤー(こちら辺から通って行ったんだがね)。
クリカラ
これから。
- 用例
- クリカラ ワーガ イーシ ユー チキヨー(これから私が言うのをよく聞きなさいよ)。
クリケーシゲーシ
繰り返し返し。
- 用例
- ヌーヌル ウムサラー ユヌクトゥ クリケーシゲーシ ソーサ(何が面白いのか、同じことを何度も繰り返しているさ)。
クリケースン
繰り返す。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン クリケースン(同じことばっかりを繰り返す)。
否:クリケーサン(繰り返さない)希:クリケーシブサン(繰り返したい)過:クリケーチャン(繰り返した)継:クリケーチョーン(繰り返している)。
グリサン(~グリサン)
~しにくい。~しがたい。
- 用例
- ワカイグリク ナトーン(分かりにくくなっている)。オーティ ヤーカラ ゥンジティ チェーグトゥ ケーイグリサン(喧嘩をして家から出て来たので帰りにくい)。
- メモ
- 音:~グルサン。
クリジシ
豚肉の塊。
クリトーテー
今度こそは。
- 用例
- イャーヤ クリトーテー ヤクミカイ イラバリーンテー(君は今度こそは役目に選ばれるね)。
クル
頃。
- 用例
- ワッタガ ワカサヌ クルヤ ウヤヌ ティガネーン ユー スタンドー(私たちが若い頃は親の手伝いもよくやったよ)。
クル(~クル)
~自身で。
- 用例
- ドゥークル(自分自身で)。ドゥークル イチャシェー マムイン(自分で言ったことは守る)。
クルアイコー
蟻の一種。クロアリ。
- メモ
- 色は黒く、大きさは1センチほど。刺されると非常に痛かった。最近は見られなくなった。
グルイ
リンパ節膨張。リンパ節の腫れ。
- メモ
- 類:グリー。
クルイサー
黒石。
クルイサーミジ
黒石でろ過した水。
クルイン
発情する。さかりがつくこと。
- 用例
- イキムシガ クルイン(動物が発情する)。
- メモ
- 類:クリーン。
クルー
黒い。黒。
- 用例
- シミ ガンマリ シ ティーン クルー ナトーン(墨をいたずらして手が黒くなっている)。
クルウスマー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- メモ
- 音2:クルギナー・クルヂナー・クルバサー。糸芭蕉の葉柄の固くて粗い部分から取った繊維で織った物を藍で染色した着物の呼称。夏の仕事着として村内全域で広く愛用された。クルヂナーを作るのは女性の仕事で、隣近所や気のあった者同士が共同で糸芭蕉を倒し苧を紡いだ。
クルギナー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- 用例
- ハルカイ イキーネー クルギナー キチ イクタン(畑に行く時には野良着を着て行った)。
- メモ
- 音1:クルヂナー。→クルウスマー。
クルキブシ
黒煙。
クルギンジュー
トンボの一種。
グルクマー
魚介名。サバ類。サバ科の魚。
- 用例
- グルクマーヤ サバカイ ニチ マーハン(グルクマーはサバに似て美味しい)。
クルグルートゥ
黒々と。
- 用例
- カラジン クルグルートゥ アンシ チュラサルヤー(髪の毛も黒々ととてもきれいだね)。
グルクン
魚介名。タカサゴの一種。
- 用例
- グルクン アギティ カムン(タカサゴを揚げて食べる)。
グルサ
速く。
- 用例
- グルサ サキグヮー ムッチ クーワ(急いで酒を持ってきなさい)。グルサ シコーレー(速く準備しなさい)。
クルザーター
黒糖。
- 用例
- クルザーターヤ ナービヌ スクカイ タックヮトーシェー ユクン マーサン(黒糖は鍋の底にくっついているのがよけいに美味しい)。
クルサン
黒い。
- 用例
- アレー ワンヤカ イロー クルサン(彼は私より色が黒い)。
- メモ
- 類:クルハン。
グルサン
速い。素速い。
- 用例
- イェンチュヤカ マヤーガル グルサンテー(ネズミより猫の方がすばしこいさ)。
- メモ
- 類:グルハン。
クルシビヨーガリー
顔色悪く痩せている様。
- 用例
- クルシビヨーガリー ソーン(顔色悪く痩せている)。
クルスン
殺す。屠る。つぶす。
- 用例
- ソーグヮチウヮーヤ アチャ クルスン(正月用の豚は明日潰す)。
バッペーティ トゥイグヮー クルチネーン(間違えて小鳥を殺してしまった)。
否:クルサン(殺さない)希:クルシーブサン(殺したい)過:クルチャン(殺した)継:クルチョーン(殺している)。
クルダックイ
色黒の血筋。
クルチ
植物名。クロキ。琉球黒檀。
- 用例
- クジュ イーテーヌ クルチルヤシガ ニーヂチョーン(昨年植えたクロキだが根付いている)。
クルチナ
黒綱。腐食に強い綱。
- 用例
- ヲィナグヌワター クルチナン クタスン(女の執念は腐食に強い黒綱をも腐らせるほど強い)。
- メモ
- クロツグで綯った縄は腐りにくい。
クルヂナー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- 用例
- イェーズミサーニ クルヂナーナスタン(藍で染めて野良着にした)。
- メモ
- 音1:クルギナー。→クルウスマー。
クルバサー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- メモ
- →クルウスマー。
クルバシ
農具名。犂(すき)。
- 用例
- クルバシヌ アイネー ハロー カジーヤッササ(犂があれば畑は耕しやすいさ)。
- メモ
- →イーザイ。
クルバシェー
売り手と買い手が交渉して、家畜の値段を決めること。
- 用例
- バクヨーシンカヤ クルバシェー シ デー キミータン(博労は売り手と買い手で値段を決めていた)。
クルバシケーラシ
転がしながら移動させる様。
- 用例
- ハク クルバシケーラシ シ マーカイ ムッチ イチュガ(箱を転がしてどこに持って行くの?)。
クルバチャー
ハチの一種。
クルハン
黒い。
- メモ
- 類:クルサン。
グルハン
速い。すばやい。
- 用例
- グナワランチャーヤ ウフッチュヤカ ジョーイ グルハンテー(小さい子は大人よりずっとすばやいさ)。
- メモ
- 類:グルサン。
クルビチャイ
黒光り。
- 用例
- アンダ ナシタレー カラジヌ クルビチャイ ソーシヨー(油をつけたら髪が黒光りしていることよ)。
クルビンケーリン
転げ回る様。
- 用例
- ウッサ クルビンケーリン シ ヲゥタランル アラー(そんなに転げまわって疲れないのかな?)。
- メモ
- →キリキリミングヮー。
クルブシ
老斑。
- 用例
- クルブシ ゥンジトーン(老斑が出ている)。
クルブックイ
黒みがかること。
- 用例
- クムイヌ ミジェー ミングティ クルブックイ ソーン(池の水は濁って黒みがかっている)。
クルブン
転ぶ。
- 用例
- イシカイ キッチャキシ クルブン(石につまづいて転ぶ)。
否:クルバン(転ばない)希:クルビーブサン(転びたい)過:クルラン(転んだ)継:クルローン(転んでいる)。
- メモ
- →ウックルブン。
クルベー
黒カビ。
- 用例
- ムーチーガ クルベー クートーン(餅に黒カビが生えている)。
チンヌ クルベー クートーン(着物に黒カビが生えている)。
クルボー
植物名。リュウキュウガキ。カキノキ科。
クルマー
車。人力車。
クルマガー
滑車を使った釣瓶井戸。
クルマグヮー
車のついた運送具。手押し車。
クルマグヮーヒカシェー
子どもの遊び。亀に大根で作った車を引かせて遊ぶ。
クルマスンチャー
人力車夫。
- メモ
- 類:クルマフィチャー。
クルマナー
圧搾機のある製糖場の敷地。
クルマフィチャー
人力車夫。
- メモ
- 類:クルマスンチャー。
クルマボー
農具名。唐竿。
- 用例
- クルマボー チカトーネー アブナサグトゥ スバンカイ イカンキヨー(クルマボーを使っていたら、危ないから側には行くなよ)。
- メモ
- 類:クルマンボー。
豆や麦を叩いて脱穀する作業に使用する棒。
長い棒の先に、短い棒を取り付けた形をしており、ニクブク(藁筵)などに広げた豆等の雑穀を短い棒を回転させながら叩いて脱穀する。
クルマムッチャー
運転手。
- 用例
- チューヌ クルマムッチャーヤ ター ヤガ?(今日の運転手は誰ね?)。
クルマンボー
農具名。唐竿。
- メモ
- 類:クルマボー。
クルマンボー参照。
クルミー
瞳。
クルムドゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クルムヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クルムン
黒ずむ。
- 用例
- アンスカナー クルドールヤー(とても黒ずんでいるね)。
継:クルドーン(黒ずんでいる)。
クルン
衣装。
- 用例
- ボージヌ クルン キチメーシ ヤタン(坊主の衣装を着た方だった)。
- メモ
- →イソー。
クレー
仏壇の供台。
- 用例
- クヮッチーヤ クレーンカイ ウチキヤーニ シキレー(ご馳走は仏壇の供台に供えなさい)。
クレーヌウチ
仏壇の奥にある物入れ。
- 用例
- ウコートゥ ウチカビヤ クレーヌウチカイ イッテーン(線香と打ち紙は仏壇の奥の物入れに入れてある)。
クヮ
子。
- 用例
- ンカシカラ クヮー タカラディチ イクトゥバヌ アンドー(昔から子は宝だという言葉があるよ)。
- メモ
- 音1:ックヮ・ックヮー。
クヮ
子ども。