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- しまくとぅば単語帳:ク
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クィー
杭。
- 用例
- ジーヌ サーケーカイ クィー ウチクムン(土地の境界に杭を打ち込む)。
- メモ
- 類:ブイ。
クィー
声。消息。
- 用例
- アレー チャー ソーガヤー、クィー チチ トゥラシヨー(あいつはどうしているかな、消息をきいてくださいね)。
アビージューサヌ クィーヌ カリトーン(喋りすぎて声がかすれている)。
クィーヌ マギサヌ マーマリン チカリーサ(声が大きくてどこまでも聞こえるよ)。
クィー
税金。
- 用例
- チチジメーネー クィー ウサミティクーヨー(月末には税を納めてきなさいよ)。
クィージキーン
物を腰に掛ける。
- 用例
- ティール ガマクンカイ クィージキティ ムッチュン(ザルを腰に掛けて持つ)。
クィーシラビ
声調べ。
- メモ
- 青年を集めて声調べを行ないムラアシビの配役が決められた。
クィーダカー
声高の人。
- 用例
- クィーダカーヌ ミンチャハン(声高の人がうるさい)。
クィーチーン
噛み切る。
- 用例
- クファサグトゥ クィーチーン(固いので噛み切る)。
否:クィーチラン(噛み切らない)希:クィーチーブサン(噛み切りたい)過:クィーチッチャン(噛み切った)継:クィーチツチョーン(噛み切っている)。
クィーチキーン
食いつく。噛みつく。
- 用例
- ワラビンカイ ティー クィーチキラッタン(子どもに手を噛みつかれた)。
クィーチリザキ
納棺の際に棺へ入れる酒。
クィーニン
物乞い。
- メモ
- 類:クーヤー。
クィーユン
越える。
- 用例
- アヌ ヤマ クィーユン(あの山を越える)。
否:クィーラン(越えない)希:クィーブサン(越えたい)過:クィータン(越えた)継:クィートーン(超えている)。
クィーン
やる。与える。
- 用例
- ワランチャーンカイ クヮーシ クィーン(子どもたちにお菓子をあげる)。
否:クィラン(あげない)希:クィーブサン(あげたい)過:クィタン(あげた)継:クィトーン(あげている)。
グイス
祝詞。
クー
鳥カゴ。
- 用例
- クーンカイ トゥイ イリーン(カゴに鳥を入れる)。
クー
粉。
- 用例
- クーヌ ヒットゥバングトゥ シ ヨンナー ハクビヨー(粉が吹き飛ばないようにゆっくり運びなさいよ)。
クー(~クー)
蜜柑の房の数え方。
- 用例
- ①キンブグヮー タクー カムン(ミカンを2房食べる)。②クーガ ミクー コーティ チャン(卵を3個買ってきた)。
クー(~クー)
房。ミカンの房を数える数詞。
- メモ
- チュクー(1房)、タクー(2房)、ミクー(3房)と数える。
グー
一緒。仲間。対のもの。
- 用例
- イャーン ワッタートゥ グー ナレーワ(貴方も私たちと一緒なりなさい)。
グー ナヤーナカイ(仲良くなって)。タイ グー ナサナ(二人一緒にしよう)。イー グー ヤタンリ(良い間柄だったって)。
グー
囲碁。
- 用例
- タイヌ ウスメーガ、グー ウッチメーン(二人のお爺さんが、囲碁を打っていらっしゃる) 。
グー
囲碁。
- 用例
- タイヌ ウスメー、ガ グー ウッチメーン(二人のお爺さんが、囲碁を打っていらっしゃる)。
クーアーラカ
魚介名。鰯。ミジュンが20㎝前後の成魚になった時の呼称。
クーアチサ
二十四節気の小暑。
グーイ
関節。
- メモ
- 類:チゲー・フシ・フシクビ・フシブシ・マガイ。
グーイ(~グーイ)
~ともに。一緒に。
- 用例
- ワッター ミッチャイグーイ ヰヌトゥシ(我々3人とも同年生)。
- メモ
- 類:~グーリー。
クーイービ
小指。
- 用例
- イシ ドゥキナスンディチ クーイービ ヤマチャン(石を退けようとして小指をケガした)。
- メモ
- 音2:イービグヮー・ックヮイービ。
クーイグヮー
隙間。
- 用例
- クーイグヮーンカイ ヌーンクイ ウシンカッティ(隙間に何もかも押し込めて)。
クーイミチーン
閉め切る。
- 用例
- ウーブイ シーギサー ヤグトゥ ハシル クーイミチーン(大降りになりそうなので戸を閉め切る)。
否:クーイミチラン(閉め切らない)希:クーイミチーブサン(閉め切りたい)過:クーイミチタン(閉め切った)継:クーイミチトーン(閉め切っている)。
- メモ
- 音2:ミチクーイン。対:アキヒルギーン・アキフィラキーン・ワイアキーン(開け広げる)。
クーイムーク
乞い婿。女性側から男性の人柄を見込んで婿に乞うこと。
- メモ
- 音2:ティグイムーク。
一般に女性側が器量や資産が格上であり、慣習としては一般の人々にはあまり受け入れられなかったようである。
クーイユ
魚介名。鯉〔コイ〕。
- 用例
- ウスメーヤ ジン ムッチ クーイユ コーイガ イチュタン(お爺さんはお金を持って鯉を買いに行った)。
- メモ
- 発熱時、煎〔せん〕じて熱冷ましとして飲ませた。
クーイン
閉める。閉じる。
- 用例
- ヒーサグトゥ ハシル クーイン(寒いので戸を閉める)。
クササンディガチーナー ハナー クートーティ クチェー バクバクスタン(臭いと言いながらも、鼻は閉じて、バクバク食べたていた)。
否:クーラン(閉めない)希:クーイブサン(閉めたい)現:クートーン(閉めている)過:クータン(閉めた)。
- メモ
- 類:シミーン・ミチーン。対:アキーン(開ける)。
クーイン
かみつく。くわえる。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ チムガチ シーネー チュ クーイン(その子は苛立つと人を噛む)。
クーイン
貰いに行く。嫁乞いに行く。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ サキ ヒサギティ クーイガ イチュタン(友達と酒を持って嫁乞いに行った)。
グーウッチェー
子どもの遊び。碁打ち。
- メモ
- 音1:ゴーウッチェー。類:シシミエー・ミチマー。
地面に1尺5寸ほどの正方形を描いて小石やおはじきで遊ぶ。
クーエームン
困った者。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーヤ クーエームン ナティ ジャーフェーレー(隣の青年は困った者で厄介だよ)。
- メモ
- 類:ハティー・ヤッケームン。
クーガ
卵。
- 用例
- ワンガ カラトール トゥイヤ メーナチ ティーチナー クーガ ナスン(私が飼っている鶏は毎日1個ずつ卵を産む)。
クーガ
睾丸〔こうがん〕。
クーガーヤマン
卵のようにまるい山芋の呼称。
クーガクサ
フィラリア症の後遺症で陰のうが肥大した状態。象皮病。
- メモ
- 類:カタヤックヮン・ヤックヮングサ。
クーガクビチン
卵を持ち運ぶための藁筒。
クーガコーヤク
卵膏薬。
- 用例
- クーガコーヤクヤ ウチミソーナムヌンカイ ユー キクタン(卵膏薬は打ち身などに効用があった)。
- メモ
- 卵の黄身を練って作ったのがクーガコーヤクといわれ、腫れや捻挫に塗った。
クーガザキ
卵酒。
- 用例
- クーガザキ ヌマチ クンチ チキーン(卵酒を飲ませて栄養をつける)。
- メモ
- 酒に卵を混ぜたもので、栄養をつける時などに飲む。風邪を引くと大人は卵酒を飲んだ。
クーガトゥエー
子どもの遊び。卵取り合いっこ。
- メモ
- 実際には瓦の欠片で代用して遊んだ。
クーガワリー
卵の殻。
- 用例
- クーガワリーヤ イークェー ナイグトゥ ヒティランヨークー ナーンカイ ホートーケー(卵の殻は良い肥料になるから捨てずに庭に撒いておきなさい)。
クーギ
陰毛。
- メモ
- 字長浜では綱引きに使う綱の輪の周囲に付けた細い藁綱のことにもいった。
クークーウーファ
帯を使わずに着物で覆っておぶうこと。
- 用例
- ヒーハイニ クヮ ウファ シーネー クークーウーファ スタン(寒い時に子どもをおぶう時には着物で覆っておぶった)。
クーグートゥ
小さく。
- 用例
- クーグートゥ チーシェー マシ(小さく切った方が良い)。
- メモ
- 対:マギマギトゥ・マギマギートゥ。
クークェーヤーバル
{粉貝屋原}。儀間の小字。
クーケー
後悔。
- 用例
- シーゥンジャチェーシヤ クーケーシン ハジマランサ(仕出かしたことは後悔しても始まらないさ)。
- メモ
- 類:チムヤミー。
クーサガナサ
幼い子ほど可愛いこと。
- 用例
- クーサガナサディチ、 ウットゥーグヮーヤ カナサル アル(幼いほど可愛いといって、一番下の子は可愛いものだ)。
クーサマギサ
大小。
- 用例
- ウレー ナー クーサマギサヤ シカターネーンサ(それはもう大きいのもあれば小さいのもあるのは仕方のないことさ)。
クーサムン
優れ者。秀才。
- 用例
- アレー シタタカヌ クーサムンドー(彼はとても優れた者だよ)。
- メモ
- 音2:スグリムン。類:スグリヤー・チブルチリヤー・
クーサン
小さい。幼い。
- 用例
- イャームン チノー ワームンヤカ ジョーイ クーサン(お前の着物は私のよりずっと小さい)。
- メモ
- 音:クーハン。類:グナサン・グナハン・グマサン・グマハン。対:マガハン・マギサン・マギハン。
グーサン
杖。
- 用例
- トゥナイヌ ウスメーヤ ヒサヌ ワッサヌ グーサン チチメーン(隣のお爺さんは足が悪くて杖をついていらっしゃる)。
- メモ
- 音:グサン。
グーサンヲゥーギ
旧盆に仏壇に供えるサトウキビの杖。
- 用例
- ウークイ ッシ アトゥ ウヤファーフジヤ グーサンヲゥーギカイ クヮッチー カタミティ イチュンディサ(ウークイを終わった後、祖先はグーサンヲゥーギで御馳走を担いで行くそうだ)。
- メモ
- 音:グーサンヲゥージ。お盆に祖霊が使う杖、あるいは担ぎ棒としてサトウキビを仏壇飾りに供えた。
グーサンヲゥージ
旧盆に仏壇に供えるサトウキビの杖。
- 用例
- ブチダヌンカイ シキーヌ グーサンヲゥージヤ トゥッティチェーミ?(仏壇に供えるグーサンヲゥージは取ってきたね?)。
- メモ
- 音:グーサンヲゥーギ。
クージ
公儀。王府。
- 用例
- クージグトゥ(役所の仕事)。
- メモ
- 公儀(こうぎ)とは公的な事柄。
グーシ
串。細い竹や棒。
- 用例
- グーシ ダテーン アチミティ ヌーンカイ チカイガ?(細い竹をたくさん集めて何に使うの?)。
クーシーカーシー
継ぎ接ぎだらけ。
- 用例
- ンカシンチュヌ ハルカイアッチャーヤ ムル クーシーカーシー ヤタサ(昔の人の野良着は皆継ぎ接ぎだらけだったよ)。
- メモ
- 音:クーシーハーシー。
クーシーハーシー
継ぎ接ぎだらけ。
- 用例
- イクチ ナティン クーシーハーシーギン キチ フージンネーン(幾つになっても継ぎ接ぎだらけの着物を着てみっともない)。
- メモ
- 音:クーシーカーシー。
クーシームン
困窮している者。貧乏者。
- 用例
- イカナ クーシームン ヤティン イチカー モーキーガ スラー ワカランドー(どんなに貧乏者でもいつかは儲けるかもしれないよ)。
イッペー クーシームン ナティ(とても貧しく)。
- メモ
- 音2:ヒンスームン・フィンスームン・フェンスーナムン・ヘンスームン。対:イェーキンチュ・ヲェーキンチュ・ジンムチ(金持ちの人)。
クージカンジャー
公儀鍛冶屋。
- 用例
- ウーザンカイ クージカンジャーンチ アンヨー(宇座に公的な鍛冶屋があったよ)。
- メモ
- 琉球王府時代、各間切に配置された鍛冶屋のこと。公儀鍛冶屋は任期が終われば首里に戻る者もいたが、字宇座に来た鍛冶屋はそのまま宇座に留まり、鍋の修繕も行なった。それで、ナービナクーとも呼ばれ、その墓と屋敷跡が拝所になっている。
クージュン
漕ぐ。
- 用例
- ワカムンガ フニ クージュン(若者が船を漕ぐ)。
否:クーガン(漕がない)希:クージーブサン(漕ぎたい)過:クージャン(漕いだ)継:クージョーン(漕いでいる)。
グーシゥンマ
馬に見立てた棒。
- 用例
- ミームーク グーシゥンマカイ ヌシーシェー ミームン ヤタン(婿をグーシゥンマに乗せるのは見て楽しいものだった)。
- メモ
- 類:ドードーンマ。結婚式に婿に悪ふざけをする風習があり、棒にみたてた馬に乗せて引きずり回した。
クース
古酒。
- 用例
- イャームン クースヤ ナンニン ナトーガ?(お前の古酒は何年物ね?)。
クースー
唐辛子〔トウガラシ〕。
クースークェー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
クースークェー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパーグヮー。カキヌミーパーパーグヮー参照。
クースン
穴をふさぐこと。あてがう。
- 用例
- ナービ クースン(鍋の穴をふさぐ)。
チンヌ アナ クースン(着物の穴をふさぐ)。
クーソーラーサン
小柄で可愛い。
- 用例
- アマヌ ヰナグングヮヤ ムル クーソーラーサンヤー(あそこの娘たちは皆小柄で可愛いね)。
クーテー
小さいもの。
- 用例
- クーテー ウヮーグヮー(ちび豚)。ワンネー クーテーカラ チカイン(私は小さいのから使う)。
- メモ
- 類:グナー・グマー。対:マギー。
クーテン
少し。僅か。
- 用例
- マースヌ チリトーグトゥ クーテン ワキティトゥラサンナー(塩が切れているので少し分けてちょうだい)。
- メモ
- →イヒ
クーテンナー
少しずつ。
- 用例
- サケー クーテンナール ヌムンドー(酒は少しずつ飲むんだよ)。
- メモ
- 音2:イヒグヮーナー。
グートゥミートゥ
対の物。揃いの物。相性。
- 用例
- カマデー トゥ マカテーヤ グートゥミートゥ ヤン(カマデとマカテは相性が良い)。
スーチカートゥ ターゥンムヤ グートゥミートゥ ヤン(塩漬け肉と田芋は食べ合わせが良い)。
グーナー
足が不自由で歩行のつり合いがとれない人。
- 用例
- トゥシ トゥイネー ヒサカラ ヨーイグトゥ グーナー スシン マンドーン(年を取ると足から弱るから足を引きずって歩く人も多い)。
- メモ
- 類:グーニ。
グーニ
座骨。
- 用例
- ゥンブムン ムチヂューサヌ グーニヌ ヤリ フシガラン(重いのを持ちすぎて座骨が痛くてたまらない)。
グーニ
跛行(はこう)。足が不自由で歩行のつり合いがとれないこと。
- 用例
- ヒサ ヲゥーティ グーニ ソーン(足を骨折してびっこを引いている)。
- メモ
- 類:グーナー。
クーバー
蜘蛛〔クモ〕。
- 用例
- クーバー トゥティ アシブン(蜘蛛を取って遊ぶ)。
- メモ
- 天井や仏壇に蜘蛛が巣を作ると厄。
クーバーヌシー
蜘蛛の巣。
- 用例
- クヮーギヌ キーンカイ ダテーン クーバーヌシー チュクテーン(桑の木にたくさんの蜘蛛の巣を作ってある)。
- メモ
- 類:クーブガシー。
クーバーバタ
蜘蛛旗。字長浜の旗頭の呼称。
- メモ
- 字長浜の旗頭に蜘蛛が描かれている。
クーバカイ
小秤。
- メモ
- 肉や魚など15斤位まで計れる小さい秤。
クーバタ
小旗。字波平の大小ある旗のひとつ。
- メモ
- 「和衷協力」と書かれた旗。
クーハン
小さい。
- 用例
- マギハンディチル トゥッタシガ ヤーカイ ムッチ チャレー クーハンヤー(大きいと思って取ったんだが家に持って来たら小さいなあ)。
- メモ
- 類:クーサン。
グーハンラー
規格外れ。
- 用例
- ウヌ シナムノー グーハンラー ナティル ヤッサテーサ(その品物は規格外れで安かったんだよ)。
クービ
植物名。グミ。
- 用例
- クービ バーキヌミー トゥティチャン(グミをザルのいっぱい取ってきた)。
クービーサ
二十四節気の小寒。
クーブ
昆布。
- 用例
- ンカシカラ ウチナーヤ クーブ ユー チカイタン(昔から沖縄は昆布をよく使っていた)。
ソーミントゥ クーブ コーティクーワ(ソーメンと昆布を買ってきなさい)。
グーフ
岩礁。
- 用例
- ウミヲゥティ ナガサッティ グーフンカイ アガタン(海に流されて岩に上がった)。
グーフ
瘤〔こぶ〕。瘤のように盛り上がったところ。
- 用例
- グーフー ウガマスン(瘤をつくってやるぞ〔脅し文句〕)。
- メモ
- 類:グファー。
グーファー
瘤〔こぶ〕たんこぶ。
- メモ
- 類:グーフ。
クーブイリチャー
昆布炒め。
- 用例
- クーブイリチャーン マーサマーサ シコーテーサ(昆布炒めも美味しそうに作ってあるね)。
グーブーグヮー
蜂の巣。墓に蜂が巣を作ると厄といわれた。
- メモ
- 類:ハチャーヌシー。
クーブガシー
蜘蛛の巣。
- 用例
- チブルカイ クーブガシーガ タックヮトーン(頭に蜘蛛の巣がくっついている)。
- メモ
- 類:クーバーヌシー。
グーフグヮー
くるぶし。
- 用例
- タンシヌ カドゥカイ グーフグヮー ウッチネーン ヤリ フシガランサ(箪笥の角にくるぶしを打ってしまい痛くてたまらない)。
クーフチカジャ
虫食い芋の臭い。
- 用例
- ウヌ ゥンモー クーフチカジャ スン(その芋は虫食いの臭いがする)。
グーフムイ
土地が盛り上がって木が生えているところ。
グーフンニー
字喜名の拝所。
- メモ
- 現在は軍用地内になっている旧集落地にある拝所で、村屋(事務所)跡。女人禁制とされ男性によって拝された。
クーベー
カビ。
- 用例
- ウヌ ムチェー クーベー クートーンドー(その餅はカビが生えているよ)。
クーベー
勾配。
- 用例
- クーベー チキティ ミジ ナガサナ(勾配をつけて水を流そう)。
クームーチー
粉をまぶした餅。
- メモ
- 彼岸に準備する粉餅は白い粉ではなくきな粉をまぶす。
クームシ
キクイムシ。木を食べる幼虫。
- メモ
- 家の柱などにつき、夜にキーチキーチと鳴く。虫が食べた柱の穴からは木の粉が落ちた。
クーヤー
噛みつくもの。人の話に難癖をつける人。
- 用例
- ウホーク アチマイネー カンナジ チュイヤ クーヤーガ ヲゥサ(大勢集まると必ず一人は難癖をつける人がいるよ)。
クーヤーイン(かみつき犬。よく人にかみつく犬)。
クーヤー
物乞い。
- 用例
- クーヤー グトゥ ナトータン(乞食のようになっていた)。
- メモ
- →ギンジャー。
グーヤー
魚介名。高瀬貝。
クーヤーギンザヤー
物乞い。乞食。
- メモ
- →ギンジャー。
グーヤーヌギ
豚の腕にあたる部分の赤身肉。
- 用例
- グーヤーヌギヤ デーヤッサシガ マーハンドー(豚の腕肉は値段は安いが美味しいよ)。
- メモ
- 類:グーヤーヌジ。
グーヤーヌジ
豚の腕にあたる部分の赤身肉。
- 用例
- グーヤーヌジガ アグトゥ シブイトゥ シル ワカシェー(豚の腕肉があるから冬瓜と汁にしなさい)。
- メモ
- 類:グーヤーヌギ。
グーヤーマチ
棒術の演武名。高瀬貝巻き。
- メモ
- 旗頭を中心にして演舞者が高瀬貝のように左巻きに円をかいて回る。
クーヤーヤンジャー
物乞い。乞食。
- 用例
- クーヤーヤンジャーヌ スガイシ(乞食の身なりをして)。
- メモ
- →ギンジャー。
クーラ
竹で作った和バサミのようなもの。
- メモ
- 縦に割った竹を二つに折り、折った部分をくくった和バサミのようなもの。稲や麦、芭蕉糸をしごくのに使った。
クーラ
苧環。
- 用例
- クーラヤ ヲゥーバーランカイ イットーキヨー(苧環は苧カゴに入れておきなさいよ)。
- メモ
- 音:クーダ。
クーラグー
竹管。
- メモ
- 音:クーダグー。
手綱で馬の背がこすれるのを防ぐための竹製の管輪。また細い竹管はストローとしても使われた。
クーラグーシ
苧環を巻く竹串。
- 用例
- クーラグーシェー マーンカイ カジミタガヤー?(竹串はどこに収めたのかな?)。
- メモ
- 音:クーダグシ・クラグシ・クダグシ。
クーラリーン
咬まれる。
- 用例
- ガジャンカイ クーラリーン(蚊に刺される)。
クーリ
氷砂糖。
- 用例
- ウチャクンカイ クーリ ゥンジャスシェー マシテー(お客さんに氷砂糖を出した方が良いね)。
グーリー(~グーリー)
~ともに。一緒に。
- 用例
- ミートゥンダグーリー(夫婦2人とも)。タイグーリー ソーダンシ(2人で相談して)。
- メモ
- 類:~グーイ。
クールー
玩具名。独楽〔こま〕。
- 用例
- ソーグヮチメーネー クールー コーティ トゥラスサ(正月前にはコマを買ってあげるよ)。
クールーオーラセー
子どもの遊び。独楽(こま)。コマのぶつけ合い。
クールーダキ
独楽岳。読谷山岳。読谷村域にかかる山の名称。カキバルにある天倉岳。
- 用例
- クールダキグヮー シチャカラ ヒナン シ アッチャン(クールー岳の下の方避難して歩いた)。
- メモ
- 独楽〔こま〕の形をしているからクールーダキという。ヤグラダケ、ユンタンジャダキ、ゥンマヌクラダキ、クールダキ、クールーヤマグヮーとも言う。現在の読谷山岳のこと。
クールーミングヮセー
子どもの遊び。独楽(こま)回し。
- 用例
- アマヲゥティ クールーミングヮセー シ アシドーン(あそこで独楽回しをして遊んでいる)。
- メモ
- ガジマルや松の木の枝を、適当な大きさに切って、石垣の隙間に独楽を差し込んで削りながら形を作った。それを、約30センチに切った布切れを細長い竹に括りつけもので叩いて回した。
クーン
来る。
- 用例
- チュー ワッター ヤーンカイ クーンナー(今日、私の家に来るね)。
- メモ
- 音1:チューン・ツーン。→チューン。
クーゥンムニー
粉芋煮。芋を水煮し、汁を捨て練ったゥンムニーに小麦粉やきなこなどを加えたもの。
クェー
農具名。鍬〔くわ〕。
- 用例
- スーヤ クェー カタミティ ハル カジーガ ハイタン(父は鍬を担いで畑を耕しに行った)。
クェー
肥〔こえ〕。肥やし。肥料。
- 用例
- ハルカイ クェー イリーガ イチュン(畑に肥やしを入れに行く)。
ヒージャーヌ クェー(肥料にする山羊の糞尿)。ウヮーヤーヌ クェー カタミティ チャレー ナガムンヌ マチウキトータン(豚小屋から肥やしをかついできたら、ハブが待ちうけていた)。
クェー
~鍬。鍬数を数える数詞。
- メモ
- チュクェー(1鍬)、タクェー(2鍬)、ミクェー(3鍬)と数える。
クェーイヂューサン
太り過ぎ。
- 用例
- ワカサヌムンヌ ルク クェーイヂューサヌ(若いのに余りにも太り過ぎだ)。
- メモ
- 対:ヨーガリヂューサン(痩せ過ぎ)。
クェーイン
太る。肥える。
- 用例
- ドゥク アバラガミ シーネー チューチャンナカイ クェーインドー(余りにも大食いするとあっという間に太るよ)。
クィティン クェーランヌー(食べさせても太らない人)。
否:クェーラン(太らない)希:クェーイブサン(太りたい)継:クェートーン(太っている)。
- メモ
- 音:クェーユン。
クェーガヤ
肥やしにするための茅。
クェーカンティー
食べ物に困ること。生活に困ること。
- 用例
- クェーカンティー シ(生活に困って)。クェーカンティ スル アタイヌ チネー(食べ物にも困るほどの家庭)。
- メモ
- 類:カミーカンティー。
クェークェー
放蕩。道楽。またはその人。
- 用例
- チャクシヌ クェークェー ナトーン(嫡子が放蕩者になっている)。
グェーグェー
ぬかるんでいる状態。
- 用例
- ウーアミアトゥヤ ミチン グェーグェー ッシ アッチン ナラン(大雨の後は道もぬかるんで歩くこともできない)。
クェースーブー
肥〔こえ〕勝負。堆肥の品評会。
- メモ
- 音:クェースーブ。
堆肥の出来の善し悪しを勝負する。農作物の出来を勝負するハルヤマスーブ(原山勝負)と同様農事奨励の意味合い。
クェーテー
懐胎。
- 用例
- クェーテー ウキーン(懐妊している)。
クェートゥルバイ
食べすぎてぼんやりすること。
- 用例
- ワラビガ クェートゥルバイ ソーン(子どもが食べすぎてぼんやりしている)。
クェーニーブ
肥料用柄杓。木製の柄杓で水肥用として使っていた。
- 用例
- クェーニーブヌ ヰーヌ ヲゥーリトーンドー(肥料用柄杓の柄が折れているよ)。
クェーヌメー
桑江の前。桑江本字に対しての呼称。
クェーブー
食果報。食べ物にありつく幸運。
- 用例
- チュヌ クェーブーヤ ウマリーニカラ キミラットーンディ(人間の食果報は生まれる時から決められているそうだ)。
ウッサヌ クェーブー ヤミセーテーサ(それだけの食果報でいらしたのでしょう。〔お悔やみの言葉〕)。
クェーブーアジャ
口の側のほくろ。クェーブー(食べ物にありつける幸運)がある印だといわれた。
クェーブッター
太った人。
- 用例
- チョーデー タイ クェーブッター ナトーン(兄弟2人とも太っている)。
- メモ
- 類:クェーヤー。対:エースガー・ヨーガラー・ヨーガリムン(痩せた人)。
クェームン
食べ物。
- 用例
- チャッサ イチュナサラワン ドゥーヌ クェームンヤ カクグ シーヨーヤー(どんなに忙しくても自分の食べ物は保管しておきなさいよ)。
- メモ
- →カミムン。
クェームンヤー
食べ物屋。
- 用例
- ヤーサヌ リッカ クェームンヤーンカイ(腹減った、さあ食べ物屋に行こう)。
クェーヤー
太った人。
- 用例
- ワッター ワラベー アヌ クェーヤー ヤサ(私の子どもはあの太っている子だよ)。
- メモ
- 類:クェーブッター。対:エースガー・ヨーガラー・ヨーガリムン(痩せた人)。
クェーヤー
堆肥小屋。
クェーラサーウシ
肥育牛。
- メモ
- 字長浜を中心とする北部地域は肥育牛飼養が盛んだった。
クェーラスン
太らせる。
- 用例
- アマムン カマチャーマ、ナーヒン クェーラスン(甘い物を食べさせて、もっと太らせる)。否:クェーラサン(太らせない)希:クェーラシーブサン(太らせたい)過:クェーラチャン(太らせた)継:クェーラチョーン(太らせている)。
クェーヲゥーキ
肥桶〔こえおけ〕。
- 用例
- クェーヲゥーキ カタミティ ハルカイ イチュン(肥桶を担いで畑に行く)。
- メモ
- 音:クェーヲゥーキー・クェーヲゥキー。
クェーヲゥーキー
肥桶〔こえおけ〕。
- メモ
- 音:クェーヲゥーキ。
クガシー
水につけた米をすりつぶして水でといたもの。
- メモ
- ウマチーにはクガシーを作り、神アサギでノロにさしあげる。
クガタ
こちら側。
- 用例
- クガタナーリー マーティ イケー(こちら側から廻って行きなさい)。
クガトゥー
こんな遠い所。こんなに遠く。
- 用例
- イッター ヤーヤ クガトゥール ヤティナー?(貴方たちの家はこんなに遠かったの?)。
- メモ
- 対:ウガチカサ・ウガチチャサ(そんなに近く)。
クガナーグヮー
赤子。赤ん坊。
- 用例
- クガナーグヮーヤ イチ ンチン カナサンヤー(赤ん坊はいつ見ても愛しいね)。
- メモ
- →アカングヮ。
クガニ
黄金。
- 用例
- ンカシェー クガニヌ ハナヌ サチュンディヌ ハナシン アタンドー(昔は黄金の花が咲くという話もあったよ)。
- メモ
- 字喜名では元日早朝に若水を汲みに行くことに、「クガニ カタミティチューン(黄金を担いで来る)」といった。
クガニー
ミカンの一種。九年母。シークヮーサーが黄金色に色づいたもの。
- 用例
- マチヤンカイ クガニーヌ マジマットータンレー(店に九年母が積まれていたよ)。
- メモ
- 音:クガニ。
クガニギーファー
金のかんざし。
- 用例
- ウヌ クガニギーファーヤ ウヤカラヌ ユズイ ヤグトゥ テーヒチニ チカイン(この金のかんざしは親からもらい受けたものだから大切に使う)。
クガニザーシ
墓口の上方に挟む小石の呼称。
クガニバーイ
黄金針。針の美称。
- メモ
- ヤブー(民間医療の施術師)が持っている針をそう呼んだ。
クガニマース
黄金塩。塩の美称。
- 用例
- クガニマースヤ カリーナムン ヤンディ(黄金塩は縁起物なんだって)。
- メモ
- 元日の朝御願にはナンジャマース(銀の塩)とクガニマース(黄金の塩)を皿に盛った。酒、御馳走を供え、家長と家族が杯を交わした後に、家長からその塩をいただく。
クガニミツブシ
三つ星。
- メモ
- 類:ミーチブシ・ミーチブサー。冬の日没後から夜中、または、夏の日の出前の東の空に、同じ間隔に三つ並んでのぼる星。
クガニムイ
黄金森。字喜名の聖地。
- 用例
- ハチウガンネー クガニムイヲゥティ クガニ フイウクチャン(初御願には黄金森で黄金を掘り起こした)。
- メモ
- 旧1月3日の初御願には黄金森から黄金に見立てた小石3個を取ってグーフンニーに供え、字の繁栄と加護を祈願した。
クガニムルシ
金塊。
クガラスン
焦がす。
- 用例
- ヘーク ヒー チャーサンネー クガラスンドー(早く火を消さないと焦がすよ)。否:クガラサン(焦がさない)希:クガラシーブサン(焦がせたい)過:クガラチャン(焦がした)継:クガラチョーン(焦がしている)。
クガラスン
焦がす。
- 用例
- ヘーク ヒー チャーサンネー クガラスンドー(早く火を消さないと焦がすよ)。否:クガラサン(焦がさない)希:クガラシーブサン(焦がしたい)過:クガラチャン(焦がした)。継:クガラチョーン(焦がしている)。
クガリーン
焦げる。思い焦がれる。
- 用例
- トゥナイヌ ニーシェーンカイ ウムイ クガリトーン(隣の青年に思い焦がれている)。
ヒー チャースシ ケーワシティ ナービヌ クガリトーン(火を消すのを忘れてしまって鍋が焦げている)。
クガリヤンメー
恋煩い。恋の病。
- 用例
- クガリヤンメー カカティ ニントーンディシガ チャー ソーガヤー?(恋の病にかかって床に臥せているそうだがどうしているんでしょうね?)。
クカル
アカショウビン。
- 用例
- クカルガ トゥリアッチュン(アカショウビンが飛んでいる)。
クカルヌ ヤーンカイ イーネー ヤク ヤンドー(アカショウビンが家に入ると悪いことが起きるよ)。
- メモ
- クカルなど野鳥が家に入ると厄だといわれた。
クク
仲が悪いこと。
- 用例
- アヌ タイヤ ンカシカラ ククドー(あの二人は昔から仲が悪いよ)。
クグイ
片隅。
- 用例
- ゥンマカイ ウッチョーキーネー ジャマ ナイグトゥ クグインカイ カタジキレー(そこに置いておくと邪魔になるから片隅に片付けなさい)。
ククー
二十四節気のひとつ。穀雨。
ククードゥン
二十四節気の穀雨の頃を表した言い方。
- メモ
- 穀雨からは気温が上がり、稲の生育がよくなるといった。
グククヌゥンバン
五穀のご飯。
ククチ
癲癇〔てんかん〕。
- 用例
- ククチ ウクスン(てんかんを引き起こす)。
マタ ククチ ソーッサー(また癲癇の発作が起きているよ)。
ククチ
心地。気分。
- 用例
- ルク ウトゥルサヌ イチチョール ククチン サンタン(余りにも怖くて生きている心地がしなかった)。
ククトゥニングヮー
めまい。目が回る。
- 用例
- ククトゥニングヮー スン ヒャー(めまいがするよ)。
ククトゥニングヮー
めまい。目が回る。
- 用例
- ククトゥニングヮー スン ヒャー(めまいがするよ)。
ククトゥミングイ
めまい。
ククヌチ
9。9つ。9歳。
- 用例
- イッター ゥンマガヤ ナー ククヌチェー ナトーミ?(貴方の孫はもう9歳になったねぇ?)。
ククヌチ
9か月。
ククヌチブ
9坪。
- メモ
- 百姓の住居はククヌチブ(3間×3間)のガヤ葺きに制限されていた。
ククヌトゥ
9年。
ククヌトゥグンジュー
四十九歳祝。
- 用例
- イーナナー ククヌトゥグンジュー ンケーイル トゥシナティ(そんなに早く49歳祝を迎える年になって)。
- メモ
- 男女を問わず大厄の年で厄払いの御願をした。厄払いをするために、近所の人たちを招いて祝ったところもあるが、御願だけ行ったというのが一般的であった。
クグビー
砕けて細かくなった米。
- メモ
- 類:ゥンナビー。
クグミ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
- 用例
- クグミンカイ ヒサ カキレー(踏み石に足をかけなさい)。
- メモ
- 類:カンジェーイシ・クラミイシ。
ククムン
口に含む。
- 用例
- クチヤーサヌ アップリ ククムン(口寂しくて飴を口に含む)。
ククミ イリーン(含み入れる)。
否:ククマン(含まない)希:ククミーブサン(含みたい)過:ククラン(含んだ)継:ククローン(含んでいる)。
ククラキ
胸焼け。
- 用例
- トゥシ トゥッタレール ヤラー チカグロー ユー ククラキ ッシ ニンララン(年を取ったせいか近頃はよく胸焼けがして眠れない)。
ククラキヌゥンバン
結婚式の儀式で夫婦が食べた後のご飯を小さなお握りにしたもの。
- 用例
- ククラキヌゥンバンヤ アヤカーイトゥシ ワンニン カリンチャン(結婚式に夫婦が食べるお握りは肖りとして私も食べたことがある)。
- メモ
- 嫁の付き添いで来た女性たちに肖りとしてあげた。
類:グフクヌゥンバン。
グクラク
極楽。
- 用例
- イクサユーカラ イチヌクティ、ワッタヤ グクラク ヤサ(戦世から生き残って、私たちは極楽だよ<幸せだよ>)。
グクラク
極楽。安楽。幸せのたとえ。
- 用例
- イクサユーカラ イチヌクティ、ワッタヤ グクラク ヤサ(戦世から生き残って、私たちは極楽だよ<幸せだよ>)。
ククリ
心得。
- 用例
- ククリ ラシワル ヤル(用心させねばならない)。
ククリーン
心得る。気をつける。用心する。
- 用例
- カンジンナ クトゥヤ カチトゥミトーティ ククリーン(肝心なことは書き留めておいて心得る)。
シージャンチャーガ イーシェー ユー ククリトーキヨーヤー(先輩達が言うのはよく心得ておきなさいよ)。
ドゥーチュイ イチュラー ウヌグトゥ ククリリヨー(一人で行くならそのように心得なさいよ)。
ククル
心。
- 用例
- ヰナグングヮヌ ククルヌ ディキトーシヨー(娘の心が良いことよ)。
- メモ
- 類:チムグクル。
ククル アースン
心をひとつにする。
- 用例
- チョーデーンチャー ンナシ ククル アースン(兄弟皆で心をひとつにする)。
- メモ
- 類:チムティーチ。
ククル ユルスン
心を許す。ほっとする。
- 用例
- スージン シーウワティ ククル ユルスン(お祝も無事に終わってほっとする)。
- メモ
- 類:チム ユルスン。
ククルアティ
心当たり。
- 用例
- イャー ヌーガラ ククルアティヤ ネーラニ?(君は何か思いあたるふしはないか?)。
ククルガキーン
心がける。
- 用例
- チャー ワシラングトゥニ ククルガキーン(いつも忘れないように心がける)。
継:ククルガキトーン(心がけている)。
ククルガワイ
心変わり。
- 用例
- ンナシ キミティカラー ククルガワイヤ サンキヨー(皆で決めたからには心変わりはするなよ)。
- メモ
- 類:チムガワイ。
ククルザシ
志。
- 用例
- ククルザシン リッパ ムッチ リッシン シーヨー(志をちゃんと持って立身しなさいよ)。
- メモ
- 類:イッシー。
ククルダミシ
心試し。
- 用例
- ククルダミシニ マジェー ウチアキティンディ(心試しにまずは打ち明けてごらん)。
- メモ
- 類:チムミレー。
ククルミ
試み。
- 用例
- クンドゥヤ ククルミトゥシ ハジミティンダナ(今度は試みとして始めてみよう)。
ククルミーユー
心を見ること。本心を確かめること。
- メモ
- 音1:ククルミレー。類:ククルミレー・ククルミーユー。
ククルミレー
心を見ること。本心を確かめること。
- 用例
- ウレー ククルミシレール ヤンドー(それは心を見るためだよ)。
- メモ
- 音1:ククルミーユー。音2:チムミレー。類:チム ンージュン。
ククルムチ
心持ち。
- 用例
- アマヌ ヰナグングヮヤ カーギン チュラサレー ククルムチン ユタサン(あそこの娘は美人だが心も良い)。
ククルムトゥナサン
心もとない。
- 用例
- ドゥーチュイシ カンゲーイネー ククルムトゥナサン(ひとりで考えると心もとない)。
クゲー
社交。多人数相手の交際。公界。
- 用例
- メーユル クゲースンディ ヲゥタトーン(毎晩多人数を相手に付き合うのに疲れている)。アンシ クゲーヌ マンディ(とても付き合いが多くて)。
クゲーイ
寝返り。
- 用例
- アチサヌ フシガラン ユル ニントーティ ヒッチー クゲーイ ウッチョータン(暑くてたまらず夜寝ていてずっと寝返りばかりうっていた)。
クゲーイギン
外出着。余所行きの着物。
- 用例
- ンカシヤ クゲーイギンディチン ティーチナール ムッチョータル(昔は余所行きの着物と言っても一枚ずつしか持ってなかった)。
- メモ
- 音:クゲーギングヮー。
絣模様の入った芭蕉や紺地の着物。
クサ
後ろ。後ろ盾。後見人。
- メモ
- 類:クサティ。
クサ
草。
- 用例
- ハルヌ クサン ミーティ アチャヤ ンナシ クサ ハララナ(畑の草も生えているから明日は皆で草を刈ろう)。
クサー
後ろ。背後。
- 用例
- クサーカラ スシェー マシ ヤサ(後ろの方からやった方が良いよ)。
- メモ
- →アトゥ。
クサーナーリー
後ろの方から。
- 用例
- クサーナーリー ヒンギティ ハイタン(後ろの方から逃げて行った)。
- メモ
- 音1:クシナーリー。対:メーナーリー(前の方から)。
クサームティ
後ろの方。
- 用例
- ジムスヌ クサームティ(事務所の後ろの方)。
- メモ
- 音1:クシムティ。
クサーンケー
後ろ向き。
- 用例
- クサーンケー シ ワンガ アビタンテーン トゥンケーインサン(後ろを向いて私が声をかけても振り返りもしない)。
- メモ
- →アトゥンジンケー。
グサイ(~グサイ)
~と一連のもの。~と。
- 用例
- イェーガーヤ グシクグサイヌ カー(イェーガーは座喜味城内の湧泉)。
バンジュグサイ ヒヌカン(番所内の火の神)。
クサカイ
草刈り。
- 用例
- アッピーヤ ウシヌ クサカイガ イチュタン(兄は牛の草を刈りに行った)。
クサカチャー
熊手。
- メモ
- 草+掻き。
クサガネー
小作料。
- 用例
- ウカジンカイ クサガネー ハラティ クサ カタン(宇加地へ小作料を払って草を刈った)。
クサカヤー
草を刈る人。
- 用例
- ガッコーカラ ケーイネー メーナチ クサカヤー シミラッタン(学校から帰ると毎日草刈りをさせられた)。
- メモ
- 類:クサチリー。
クサギナ
植物名。クサギ。
- メモ
- フィラリアにはクサギナを煎じて飲んだという。
クサクサ
ぐずぐず。子どもがぐずっている様。
- 用例
- ニンジガマンル ヤラー キッサカラ クサクサ ソーン(眠いのか、さっきからぐずっている)。
クサクサー
いらいら。
- 用例
- アリガシーヨー ンジーネー ティーハゴーサヌ クサクサー スン(彼のやりかたを見ているとはがゆくていらいらする)。
クササン
臭い。
- 用例
- ゥンマカイ イユヌ ワタムン ウッチェーグトゥ クササン(そこに魚のはらわたを置いてあるから臭い)。
- メモ
- 類:クサハン。
クサチリー
草を刈る人。
- 用例
- サンラーヤ ワッター クサチリー ヤタン(三良はうちの草刈り人だった)。
- メモ
- 類:クサカヤー。
クサティ
後ろ盾。腰当て。楽に座るための腰当てにもいう。また人物や集落を加護するものにもいう。
- 用例
- クサティグヮー カメーティ アマンジ ヰレー(背をあずけられる所をみつけて、あそこに座りなさい)。
クシヌ ヤリ クサティヌ アリワル ヰラリンレー(腰が痛くて腰当がないと座れない)。
ワン クサテー ワッター シージャル ヤンドー(私が頼りにしているのはうちの兄だよ)。
- メモ
- 音1:クシアティ。
クサティムイ
集落後方にある丘。
クサデー
臭い物。
クサヌミー
草むら。
- 用例
- クサヌミーヲゥティ ウトゥチェーティカラ ナー カメーイサンサ(草の中に落としたんだったらもう探せないよ)。クサヌミーナーリー アッチーネー ムシンカイ クヮーリーンドー(草むらから歩いたら虫にかまれるるよ)。
- メモ
- 類:モージーラー。
クサバー
魚介名。ミツボシキュウセン(ホンベラ属)。ベラ科。
クサハマー
魚介名。アイゴの稚魚が少し成長し、海藻を食べ始めたもの。
クサハン
魚介名。カンランハギ(クロハギ属)。
- 用例
- チューヤ ダテーン クサハン トゥティチェーンドー(今日はたくさんのカンランハギを取って来たよ)。
クサハン
臭い。
- 用例
- ヌーガラ クサリティルヲゥラー クサハンデー(何か腐れているのか臭いよ)。
- メモ
- 音:クササン(臭い)。
クサビ
楔。
- 用例
- ユルサル トゥクロー クサビ イットーケー(緩い所は楔を入れておきなさい)。
クサファングヮー
魚介名。アイゴの稚魚が少し成長し、海藻を食べ始めたもの。
- 用例
- シチ ナイネー ダテーンヌ クサファングヮーガ ユティクータン(時節になるとたくさんのクサファングヮーが寄って来た)。
クサブックィムヌイー
ませた物言い方。
- メモ
- 類:クサムニー。
クサブックイン
威張った様子で膨れっ面な様。物知り顔な様。
- 用例
- アリガクトゥ イーネー クサブックインドー(彼のことを言うと不機嫌になるよ)。ワラビヌ クサブックィティディチ イミソーンナ(子どもが生意気だと、言わないでください)。
- メモ
- 音:クサブックィーン。
クサブックヮー
威張った様子で膨れっ面をしている者。物知り顔にふるまう者。不愛想。
- 用例
- ワカサヌ ヰナグガ クサブックヮー ナイネー トゥジサーヤ ヲゥランドー(若い娘が不愛想だと嫁にする人はいないよ)。
クサフリー
フィラリア症。また、フィラリア症患者。
- 用例
- クサフリーガ ヘーティ チャッサヌ チュガ カカタラー ワカラン アタイ ヤタン(フィラリアが流行ってどれくらいの人が罹ったのか分からないぐらいだった)。
- メモ
- 音:クサフリー。
クサボーボー
草がぼうぼうしている様。
- 用例
- ヌーヌル イチュナサラー、ハルン クサボーボー シミティ(何が忙しいのか、畑も草ぼうぼうだ)。
クサボーボー
草茫々。雑草が生い茂っている様。
- 用例
- ヌーヌル イチュナサラー、ハルン クサボーボー ソーン(何が忙しいのか、畑も草ぼうぼうだ)。
クサミクン
憤慨〔ふんがい〕する。怒る。
- 用例
- アンソール シーヨー シーネー スーヤ クサミクンドー(そんなやり方をしたら親父は怒るよ)。
- メモ
- 音:クサミチュン。
クサミチュン
怒る。憤慨〔ふんがい〕する。
- 用例
- ヤーガ チラカトーネー アンマーヤ イッペー クサミチュン(家が散らかっているとお母さんはとても怒る)。
クサミチェー ヲゥシガ(腹立たしくはあるが)。
否:クサミカン(怒らない)過:クサミチャン(怒った)継:クサミチョーン(怒っている)。
- メモ
- 音:クサミクン。
クサムニー
ませた物の言い方。強がった物の言い方。
- 用例
- ワラビヌ クサムニービカーンシ アマンカイ イカニ(子どものくせにませた口をきいてあそこに行きなさい)。
クサムニー スン(知ったふうな口をきく)。
- メモ
- 類:クサブクッィムヌイー。
クザラ
小皿。
- 用例
- ウサンデーヤ クザランカイ ワキティ ンナ ウサガミソーレー(お下げしたのは小皿に取り分けて皆召し上がってください)。
クサラー
魚介名。ニジョウサバ(ニジョウサバ属))。
- メモ
- 類:イケガチュー
クサラー
嫌な奴。性格が悪い人。
- 用例
- ヤナクサラーヤ イャートー アビーブコー ネーラン(嫌な奴めお前とは話もしたくない)。
クサリーン
腐れる。
- 用例
- ティーラミーカイ ウヌママ ムン ウチョーチーネー クサリーンドー(太陽の当たる場所にそのまま食べ物を置いておくと腐れるよ)。
チヌー コーテール トーフガ クサリトーン(昨日買った豆腐が腐れている)。
クサリカジャ
腐れた臭い。
- 用例
- ヤナ クサリカジャ スン(嫌な腐れた臭いがする)。
クサリカジャ
腐れた臭い。
- 用例
- ヤナ クサリカジャ スン(嫌な腐れた臭いがする)。
クサリベンサー
コガネ虫の一種。
- 用例
- キーンカイ クサリベンサーガ ダテーン シガトーン(木にコガネ虫がたくさんついている)。
クサリムン
腐れた物。
- 用例
- クサリムンヤ ゥンマンカイ ウカンヨークー ヒティトーケー(腐れた物はそこに置かずに捨てなさい)。
グサン
杖。
- メモ
- 音:グーサン。
クシ
忌避。嫌って避けること。難癖。
- 用例
- ヌーヌル アタラー、アンスカ チュヌ イーシンカイ クシ スン ディチン アンナー(何があったのか、そこまで嫌うってこともあるか)。
クシ
①後ろ。背後。②背にする。無視する。
- 用例
- ①ナー イフェー クシカイ サガティ ンレー(もう少しは後に下がって見なさい)。②イャーヤ シトゥ クシナスンナー(君は姑を無視するのか)。
- メモ
- ①→アトゥ。
クシ
腰。
- 用例
- ゥンブムン ムッチャレー クシヌル ヤムンデー(重いのを持ったから腰が痛いんだよ)。
クシ
難癖。
- 用例
- ヒッチー チュガ イーシカイ クシビカーン シ(いつも人が言うのに難癖ばかりつけて)。
- メモ
- 類:ヒーグシ。
クシ
癖。難点。
- 用例
- クシ ワッサン(癖が悪い)。ヌスルグシヌ アン(盗み癖がある)。
クシ スン
嫌がること。煙たがること。
- 用例
- チュガ アチマイシ クシ スン(人が集まるのを煙たがる)。
クシ ナスン
背にする。無視する。
- 用例
- イャーヤ シトゥ クシ ナスンナー(君は姑を無視するのか)。
クシ ヌチュン
腰を抜く。出産時に産婦の腰を押して出産の手助けをすること。
- 用例
- ハライグリサイネー、ヰキガガ クヮナサー クシ ヌチュタン(難産になると、男性が産婦の腰に膝をあてて力ませ、出産の手助けをした)。
- メモ
- 難産になると、産婦に産座の姿勢をとらせ、手慣れた男性が後から産婦の両腕を抱き抱えるようにして、両膝を産婦の腰にあてて手助けをした。
クシ ヤンジュン
腰を痛める。話の腰を折る。
- 用例
- アンシ ゥンブサシ ムッチーネー クシ ヤンジュンドー(あんなに重い物を持ったら、腰を痛めるよ)。
キマトーシル ヤルムンヌ マタ クシ ヤンジュンナー(決まっているのにまた話の腰を折るのか)。
クジ
くじ。
- 用例
- クジ ヒチーガ イチュン(くじを引きに行く)。
クジ
釘(くぎ)。
- 用例
- クジ ウッチ イジカングトゥ スシェー マシテー(釘を打って動かないようにした方が良いよ)。
- メモ
- 音1:グジ。→カナクジ。
グジ
とげ。
- 用例
- イービカイ クジヌ タッチョーン(指にとげが刺さっている)。
グジ
釘。
- メモ
- 音1:ジ。→カナクジ。
クシアティ
腰当て。
- メモ
- 音1:クサティ。
クシーン
着せる。
- 用例
- イャーガ ユミカイ イチーネー チュラヂン クシーンドー(貴方が嫁に行く時にはきれいな着物を着せるよ)。
否:クシラン(着せない)希:クシーブサン(着せたい)過:クシタン(着せた)継:クシトーン(着せている)。
クジーン
くじる。ほじくる。皮肉を言う。
- 用例
- チュガ ハナシー スル カージ クジーン(人が話をするたびに皮肉を言う)。
クジーシガ ジョージナ ウシンカイ クジヤーディ イタン(えぐり技が上手な牛にはクジヤーといっていた)。
クシキー
甑(こしき)。蒸し器。
- 用例
- クシキーシ ムーチー ゥンブスン(蒸し器で餅を蒸す)。
- メモ
- 音:クシチー。
グシク
城。城壁。
- 用例
- ザチミグシクン チュラク ナティ ミーシララン ナトーン(座喜味城もきれいになって元の面影はない)。
グシクヌメーバル
{城之前原}。宇座の小字。
クシクビ
後ろ首。
クジグファサン
くじ運が弱い。
- 用例
- ワン ウットゥヤ クジグファサン(私の弟・妹はくじに弱い)。
- メモ
- 対:クジヤファラサン(クジ運が強い)。
クシグミ
後組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- →アガリグミ。
グシクヰナグ
城女。側近で仕える女性。
- メモ
- 田舎の美女は王府や権力者の側女として連れて行かれた。
クジケー
小遣い。
- 用例
- クジケーン ネーンラー ワンガ ムタスサ(小遣いがないなら私が持たすよ)。
クジケー
用務員。小使い。
- 用例
- クジケーヌ ワジャヤ アリクリ イチュナサンドー(小使いの仕事はあれこれ忙しいよ)。
クシジュン
こそぐ。
- 用例
- ウフムジ クシジュン(大麦をこそぐ)。カンシ クシジャグトゥ(このようにこそいだら)。
クシチ
戸籍。
- 用例
- アチャ チャクシヌ クシチ ヌシーガ イチュン(明日長男の戸籍を登録しに行く)。
グシチ
植物名。ススキ。
- 用例
- ハルカラ グシチ カティ チャーニ サン ユーレー(畑からススキを刈ってきてサンを結いなさい)。
グシチシ ゲーン チュクイン(ススキで、お祓いの呪具を作る)。
- メモ
- 音:グシチグヮー。
クシチー
甑〔こしき〕。蒸し器。
- メモ
- 類:クシキー。
クシチーガマ
製糖小屋で使われた丸底鍋。
- メモ
- 甘蔗汁が沸騰しても溢れないように2尺くらいの縁がついていたので、甑(こしき)としても使えた。
クシチーメー
甑米。こしきで蒸した米。
- メモ
- 荒天で五月ウマチーに来られないノロに、字伊良皆では卵やクシチーメーなど御馳走を届けた。カシチーメー(強飯)とは別物。
クジドゥミ
釘留め。
- メモ
- 南洋ハギ(杉船)はクジドゥミである。
クシナーリー
後ろの方から。
- 用例
- クシナーリー ヨンナー ケーティ イチュン(後ろの方からゆっくり帰って行く)。
- メモ
- 類:クサーナーリー。対:メーナーリー(前の方から)。
クシヌチャー
出産時に産婦の腰を押して出産の手助けをする人。
- 用例
- クシヌチャーヤ、カッティ アラントー ナランタン(出産の手助けをする男性は、手慣れた人でないとできなかった)。
- メモ
- 難産になると、産婦に産座の姿勢をとらせ、手慣れた男性が後から産婦の両腕を抱き抱えるようにして、両膝を産婦の腰にあてて手助けをした。
クシヌマーチョーウタキ
後の松御嶽。座喜味の拝所名。
- メモ
- 字座喜味集落発祥の地といわれ、集落後方に森をなしている。かつて、この辺りはムラアシビ(村芝居)の練習を行う場所でもあった。別称も多くザチミマーチョーグヮー、シマヌルヌウタキ、ニーヌファヌウタキとも呼ばれる。「ニーヌファ」は干支の子の方向、北を指す。ハチウグヮン(初御願)、ウマチーなどに拝される。
クシバル
{後原}。座喜味、上地、波平、宇座、長浜、楚辺、渡具知、比謝の小字。
クシヒチ
面汚し。不名誉。
- 用例
- ウヤグヮンスマディン クシヒチ(一族の面汚しになって)。
クシブニ
背骨。腰骨。
- 用例
- クシブニガ ヤリ チューヤ シクチェー ユクティルヲゥンデー(背骨が痛くて今日は仕事を休んでいるんだよ)。
クジマ
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 左手人差し指から小指までの4本第一関節部の文様の名称。
クシマバル
{後間原}。喜名の小字。
クシムティ
後ろの方。後方。
- 用例
- ウヤヌヤーヌ クシムティカイ ヤー チュクテーン(実家の後の方に家を造ってある)。
- メモ
- 類:クサームティ。
クジヤー
闘牛用の牛の名前。
- 用例
- クジーシガ ジョージナ ウシンカイ クジヤーディ イタン(えぐり技が上手な牛にクジヤートイッテイタ)。
クジヤファラサン
くじ運が強い。
- 用例
- ワン ウットゥヤ クジヤファラサン(私の弟・妹はクジに強い)。
- メモ
- 対:クジグファサン(クジ運が弱い)。
クシヤミー
腰痛。
- メモ
- 音:クシヤミともいう。
クジュ
去年。昨年。
- 用例
- ヰナグヌウヤヌ ヲゥランナタシェー クジュ ナトーシガ、チヌーヲゥッティーヌ グトゥル アルヤー(母親が亡くなったのは 昨年のことだが 昨日一昨日のことのようだ)。
グジューゥンーメー
四十九歳祝のお爺さん。
- メモ
- 字長浜では旧10月壬(みずのえ)の日のヒーマーチ御願は、グジューゥンーメーたちが壬の日に火の用心に御願をして、字中の各家庭を廻った。
クシユックイ
行事名。腰休め。骨休め。製糖終了後や田植え後などに腰休めをすること。
- 用例
- ンカシヤ クシユックィガ イッペー マチカンティー ヤタン(昔はクシユックィがとても待ち遠しかった)。
- メモ
- 類:クシユックヮーシ。
字中みんな仕事をせず、青年たちは相撲を取ったりして遊んだ。アシビの日には肥料を使うことや針仕事はハブが出るといわれ禁じられた。
クシユックヮーシ
行事名。腰休め。骨休め。製糖終了後や田植え後などに腰休めをすること。
- 用例
- ナチヌ ハルシクチヤ アチサヌ フシガラン。クシユックヮーシ シーガーチール ナイル(夏の畑仕事は暑くてたまらない。腰休めしながらしかできない)。
- メモ
- 類:クシユックイ。
グジラ
鯨〔クジラ〕。
- 用例
- グジラヤ ナグヌ ウミカイ ユティ チュータン(クジラは名護の海に寄ってきていた)。
クジリーン
崩れる。
- 用例
- イシガチガ クジリーン(石垣が崩れる)。
否:クジリラン(崩れない)過:クジリタン(崩れた)継:クジリトーン(崩れている)。
クジリゴーシ
崩れ格子。格子模様の輪郭がかすれて見える布。主に女性の着物に使われた。
クシレーイン
こしらえる。さばく。
- 用例
- イユ コーティ ドゥークル ヤーヲゥティ クシレーイン(魚を買って、自分で家でこしらえる)。
否:クシレーラン(こしらえない)希:クシレーイブサン(こしらえたい)過:クシレータン(こしらえた)継:クシレートーン(さばいた)。
クジン
小銭。
- 用例
- クジングヮー ヤレー チャッサン アンドー(小銭ならたくさんあるよ)。
クジン
小銭。
- 用例
- クジングヮーヤレー チャッサン アンドー(小銭ならたくさんあるよ)。
クシンダカリ
後村渠。地域の区分名称。
- メモ
- →アガリンダカリ。
グジンフー
御前風。舞踊の名称。
クジゥンム
葛芋。クズウコン科。アロールート。
- メモ
- 澱粉を取るために植えていた。
クス
糞〔クソ〕。
- 用例
- クス マイブサヌ ヤマンミーヲゥティ マタサ(糞をしたくてたまらず 山の中で 用を足したさ)。
クス クェー
糞食らえ。まじない言葉。
- 用例
- ターヤティン ハナフィーネー クス クェーディチ ケーシヨー(誰がでもくしゃみをしたらクスクェーといって返しなさいよ)。クス ケー、モーキティ メー クェーヒャー(糞喰らえ、儲けて米を喰え)。
- メモ
- 音:クスケー。類:クス タックェー。くしゃみをした時の返し言葉、唱える呪文。
子どもにくしゃみをさせて命を取ろうとする魔物に対して、この言葉を唱えて退散させたという民話がある。
クス タックェー
糞食らえ。まじない言葉。
- 用例
- ハナ フィーネー クス タックェーディチ イリヨー(くしゃみをしたらクスタックェーと言って返しなさいよ)。
- メモ
- 類:クス クェー。
クス ヒーン
下痢する。
- 用例
- ヒージャーンカイ アラメンナー クヮーシーネー クスヒーンドー(山羊にルリハコベを喰わせたら下痢するよ)。
- メモ
- 類:クス ヒーン。
クスイ
薬。
- 用例
- クスイビカーン ヌムシヤカ、イヒナーヤ フカンカイ ゥンジティ ドゥーン イジカスシェー マシ(薬だけ飲むよりは少しは 外に出て体も動かす方が良い)。
ハッサッ!カチューユーヤ ヌーヤカ クスイ ナインネー スン(あれまあ!カチューユーは何よりも薬になるようだ)。
クスイデー
薬代。
クスイムン
薬のような体によい食品。
- 用例
- ヒージャージルヤ クスイムンドー(山羊汁は強壮食品だよ)。
クスイヤー
薬売り。薬局。
- 用例
- ハナヒチ カカトーグトゥ クスイヤーヲゥティ クスイ コーティチューン(風邪をひいているから薬局で薬を買って来る)。
グスーヨー
皆さま。呼びかけの言葉。
クスカー
魚介名。ニザダイ科。
- 用例
- クスカーヤ ヒラターヌ クルー ソーヌ イユ ヤサ(サンノジは平たくて黒い魚だよ)。
- メモ
- 音:クスケー。
クスカーイジュン
漁具名。銛の一種。返しのない銛。
クスグェー
下肥。人糞尿の肥料。
- 用例
- ワカサイネー クスグェー カタミティ イクケーヌン イチムルヤー サンドー(若い時には下肥を担いで何回も往復したよ)。
グスクガー
城川。座喜味の井泉の名。
- メモ
- 座喜味城跡の東に位置することでグスクガーとも呼ばれている。→イェーガー。
グスクバル
{城原}。座喜味の小字。
クスケー
魚介名。サンノジ・ニサダイ科の魚。
- メモ
- 音:クスカー。
クスタリー
下痢。
- 用例
- キヌーヌ ユーバノー クサリティル ヲゥタラー クスタリー ヒチョーン(昨日の夕飯は腐れていたのか下痢をしている)。
- メモ
- 音1:クスヒリー。音2:クスパーラー・クスマヤー・パーラークスマヤー。類:パーラー。
クスニリー
糞飽き。うんざりすること。
- 用例
- ハーナー!クスニリー ッシ、フシガラン(ああもううんざりして、たまったもんじゃない)。
クスニリー
糞飽き。飽き飽きすること。うんざりすること。
- 用例
- ハーナー!クス二リー ッシ フシガラン(ああもう!うんざりしてたまったもんじゃない)。
クスヌチ
植物名。クスノキ。
- 用例
- クスヌチ アン リッパ イーテールヤー(楠木をきれいに植えてあるね)。
クスパーラー
下痢。
- メモ
- 音2:クスタリー・クスヒリー・クスマヤー・パーラー・パーラークスマヤー。
クスヒリー
下痢。
- 用例
- ヌーガラ アタイル サラー クスヒリー ソーン(何かに当たったのか下痢をしている)。
- メモ
- 音1:クスタリー。音2:クスパーラー・クスマヤー・パーラークスマヤー。→クスタリー。
クスブクル
直腸。
クスベンサー
甲虫名。コガネムシの一種。
- 用例
- クスベンサー サータレー クササヌ フシガラン(クスベンサーを触ったら臭くてたまらない)。
クスマヤー
下痢。くそったれ。
- 用例
- クサリムン カリ クスマヤーソーン(腐れたものを食べて下痢をしている)。
- メモ
- 音2:クスタリー・クスパーラー・クスヒリー。→クスタリー。
グスミチ
軟骨。
- 用例
- ウヮーヌ グスミチヤ ジコー ニークミーネー ヤファラチ マーサン(豚の軟骨はうんと煮込むと柔らかくなって美味しい)。
グソー
後生。あの世。
- 用例
- スーン アンマーン リッパ グソーカイ ウクラヤー(お父さんもお母さんもちゃんと後生に送ろうね)。
ナー グソー チチャサン(もうあの世が近い)。
グソーカイ ゥンジャン
後生へ行った。亡くなった。
- 用例
- ハーメーン ウスメーン グソーカイ ゥンジャンドー(お婆さんもお爺さんも亡くなったよ)。
グソーンカイ イカラン(成仏できない)。
グソーギン
死者に着せる着物。
- 用例
- グソーギンヤ ヰナグヌル シコーイテーハニ?(死に装束は女が 準備したんでしょう?)。
- メモ
- 音:グソーヂン。類:シルダナシ・シルイショー。
ユンヂチに作るものとされ、嫁入り道具のひとつだった。
グソースガイ
後生装束。死装束をさせること。
- 用例
- ンカシヤ ムル ドゥーナークルル ステーグトゥ、 グソースガイ シミーニン デージ ヤタン(昔は全て自分たちでやったから死に装束をさせるのも大変だった)。
- メモ
- 死者は七枚の着物(下着も含む)を重ねて着せ、一番上には嫁入りに持って来たシルイショーを着せた。着物は通常の反対でヒジャイウチャーシー(左を下)にする。
グソーヂン
死者に着せる着物。
- 用例
- グソーヂンヤ ヲゥトゥヌ ムンマディ ニンメー シコーティ ハイタンドー(死に装束は夫の分まで2枚持って行ったよ)。
- メモ
- 音:グソーギン。類:シルダナシ・シルイショー。
結婚して行く花嫁が是非準備しないといけないのが死に装束であった。夫の分と二枚準備して持って行った。
グソーニービチ
冥婚。
- メモ
- 現世で結ばれなかった二人が死後、冥婚の儀式で合葬されること。
グソーヌソーグヮチ
後生の正月。旧1月16日に行う行事。
- メモ
- →ジュールクニチー。
グソーヌナーギムン
死者への副装品。
グソーヌイェームン
後生へのことづかりもの。後生への土産物。
- メモ
- 死者への副葬品の他に、先に亡くなった死者の分として手拭いなどを託する。
グソーヌワタクシ
後生のへそくり。彼岸の俗称。
- メモ
- 音2:ワタクシヒンガン。旧2月、8月の彼岸は、私事祭ということでワタクシといった。
グソーバナ
仏葬華。ハイビスカス。
- 用例
- ナマヌ ワカーンチャーヤ グソーバナディチン ワカラン ハジデー(今の若者はグソーバナといっても分からないはずだよ)。
- メモ
- →アカバナー。仏壇に供えるのでグソーバナ(後生花)ともいう。
グソーミチ
後生道。葬列が通る道。
グソームドゥイ
後生戻り。生き返り人。
クダカマンジュースー
久高万寿主。エイサー歌のひとつ。
グタグタ
寝入っている様。熟睡している様。
- 用例
- ヰーンヲゥティ グタグタ ニントーン(縁側で熟睡している)。
クタスン
くたす。腐らせる。
クタチキ
先月。
- 用例
- ワッタガ ナーファカイ コーイムンシーガ ゥンジャシェー クタチキル ヤタル(私たちが那覇に買い物に行ったのは先月だよ)。
- メモ
- 音:クタチチ。
クタチチ
先月。
- 用例
- ウヌデークニヤ クタチチル チキテール(その大根は先月漬けたんだよ)。
- メモ
- 音:クタチキ。
グタナイ
ぐったり。
- 用例
- ハルカラ ケーイジャマ グタナイ シ ニントーン(畑から帰って来るなり、ぐったりして寝ている)。
クダナバル
{小棚原}。波平の小字。
クダムン
踏む。
- 用例
- シラハマ クダミーシェー(白浜を踏むでしょう)。
- メモ
- 音:クラムン。類:クラミーン・クンピーン・クンピユン。
クタンディ
くたびれ。疲れ。疲労。
- 用例
- クタンディン ネーミソーラニ(お疲れではないですか)。クタンディティ メーンソーラニ(疲れてはいらっしゃいませんか)。ウクタンディン ネーミシェービラニ(お疲れはございませんか?)。
- メモ
- 音:クタンリ。
クタンリ
くたびれ。疲れ。疲労。
- 用例
- アサカラ チャーパタナイ シーネー クタンリ ゥンジャスンドー(朝からずっと働き通しだと疲れるよ)。
- メモ
- 音:クタンディ。
クタンリーン
疲れる。
- 用例
- シクチヌ チューサヌ クタンリーン(仕事がきつくて疲れる)。
ユクイル マルン ネーラン クタンリトーン(休む間もなくて 疲れている)。
否:クタンリラン(疲れない)過:クタンリタン(疲れた)継:クタンリトーン(疲れている)。
クチ
遺骨。
- 用例
- カソー ウワティ クチ ヒルイガ イチュン(火葬が終わって 遺骨を拾いに行く)。
クチ ウンチケーセー(遺骨をお連れしなさい)。
- メモ
- 類:フニシン。
クチ
口。言葉。文句。
- 用例
- チュケーンニ ウッサキー クチンカイ イリール(一度にそんなにたくさん、口に入れるのか)。
- メモ
- 口に入れる食べ物の数詞にも使われ、チュクチ(1口)、タクチ(2口)、ミクチ(3口)と数える。
クチ(~クチ)
~の言葉。
- 用例
- ウチナーグチ(沖縄の言葉)。ヤマトゥグチ(日本本土、大和の言葉)。ヤナクチ(悪口)。
クチ イーン
約束する。
- 用例
- リッパ クチ イッティ(ちゃんと約束して)。
クチ ウーイン
口を追う。
- 用例
- ヤナクチ シーネー クチ ウーインドー(悪い言葉を使うと、その通りになるよ)。
クチ ウーイン
口をおおう。
クチ クェーイン
口が肥える。舌が肥える。
- 用例
- マーサムンビカーンカリ クチクェーイン(美味しいのだけ食べて口が肥える)。
- メモ
- 音1:クチ クェーユン。
クチ クェーユン
口が肥える。舌が肥える。
- メモ
- 音1:クチ クェーイン。
クチ ヤンジュン
それまで食べたことのないようなおいしい物や新しい味覚の物を食べて、口が変になる。もう少し食べたくなる。口を汚す程度では満足しないこと。
- 用例
- ウリ カミネー ワラビンチャー クチ ヤンジュンドー(それを食べると、子どもたちが他のものを食べなくなるよ)。チュクチ カミーネー クチヤンジュンドー(一口食べたら もう少し食べたくなるよ)。
クチ ユシジュン
口をゆすぐ。うがいする。
クチイチャーシ
口寄せ。話を交わすこと。
- 用例
- アチャヤ パーパーン ソーティ クチイチャーシーガ イチュン(明日はお婆さんも一緒に口寄せに行く)。
- メモ
- 類:クチャーイ。人が亡くなってから3日目頃に、ユタなど物知りの所へ死者の口寄せを聞きに行くこと。
クチウスイ
口をおおうこと。
- 用例
- クチウスイ ッシ クィリ(口外しないでくれ)。
クチウンチケー
遺骨お迎え。遺骨ご案内。
- 用例
- クチウンチケーヤ ヒーン トゥティカラル スンドー(遺骨お迎えは日取りもしてからやるんだよ)。
- メモ
- 他所に葬っていた遺骨を、何らかの事情で他の墓へ移す、案内すること。
クチガーブラチュン
口を大きく開ける。
- 用例
- クチ ガーブラチ ニントーン(口を大きく開けて寝ている)。イチ ンチン クチガーブラチョーン(いつ見ても口を大きく開けている)。
クチカジ
口数。
- 用例
- クチカジヌ イキラサヌ、 ヌール カンゲートーラー ワカラン(口数が少なくて、何を考えているのか分からない)。
クチカジ
東風。
- 用例
- チューヌ クチカジヤ ヒジュルサヌ イーヤンベー ヤン(今日の東風は冷たくて気持ち良い)。
クチガッサン
口が軽いこと。
- 用例
- アレー クチガッサヌ ヌーン アビララン(彼は口が軽いから何も言えない)。
- メモ
- 対:クチゥンブサン(口が重いこと)。
クチカナヤー
口が達者な者。口答えする者。
- 用例
- ウヤンカイ ンカティ アンシ ムヌ インナー ヤナクチカナヤー!(親に向かってそんな口をきくか、口答えばかりして!)。
クチガマラサン
口やかましい。
- メモ
- 音:クチガマラハン。
クチガマラハン
口やかましい。
- メモ
- 音:クチガマラサン。
クチガンスイ
口達者。口巧者。口剃刀。
- 用例
- ワラビヌ ゥンジトーティ アンシ クチガンスイ ヤル(子どものくせに なんて口達者なんだ)。
クチギレー
洗骨。
- 用例
- チュヌ ケーマーチ シグニン アトゥッシ クチギレーヤ スタン(人が亡くなって4、5か年後に洗骨は行った)。
- メモ
- 類:シンクジ・シンクチ。
クチグシ
口癖。
- 用例
- ドゥージマン スシガ クチグシ ヤタンヤー(自分の自慢をするのが口癖だったね)。
クチグトゥ
口論。争い。
- メモ
- ビーチャーがピチピチピチと鳴けば、クチグトゥ(争い)があるといわれた。
クチグファー
口が悪い者。言葉が荒々しい者。毒舌家。
クチグファサン
口が悪い。言葉が荒々しい。
- 用例
- ルク クチグファサヌ ムヌン イーブサーネーン(あまりにも 口が悪くて話もしたくない)。
- メモ
- 対:クチヤファラサン(言葉が柔らかい)。
クチグルマ
口車。口先だけの巧みな言い方。
- 用例
- クンドゥン クチグルマンカイ ヌシラリーネー デージドー(今度も口車に乗せられたら大変だよ)。
- メモ
- 口先だけの達者な言い回し。
クチゲー
口答え。反抗。
- メモ
- 音2:クチゲーイ・クチンケー・ゲー。類:ヒンケー・フィンケー。
クチゲーイ
口答え。反抗。
- 用例
- イャーヤ シージャンカイ クチゲーイ スンナー?(お前は兄さんに口答えするのか?)。
- メモ
- →クチゲー。
クチサ
苦しさ。
- 用例
- クチサ シミーン(苦しめる)。
クチサ
苦しさ。
クチサチ
口先。
- 用例
- アリガ イーシェー チャー クチサチビカーン ヤサ(彼が言うのはいつも口先だけだよ)。
クチザチ
くちばし。
クチサビサン
口寂しい。
- 用例
- ワター ミッチョーシガ ヌーガラ クチサビサンヤー(お腹は いっぱいだが何か口にしたいね)。
チャワキン ネーラン クチサビサヌヤー(お茶請けもなくて、口寂しいね)。
- メモ
- お腹がすいているわけでもないのに、何か口にしたい、食べたいこと。
クチサン
苦しい。
- 用例
- イーブサシン イラランリシェー クチサンヤー(言いたいことも 言えないということは 苦しいね)。
- メモ
- 音:クチハン。
クチサンシン
口三線・。声で三線の音を唱えること。
- メモ
- 音:クチザンシン。
クチシバ
唇。
- 用例
- クチシバ カンチチ ムノー イーカンティー ソーンレー(唇をかんで何か言いにくそうにしているよ)。
クチシバ
評判。うわさ。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー クチシバ カカインドー(悪い事をすると評判が悪くなるよ)。
- メモ
- 悪い意味で使われ、世間からよく思われてないこと。
クチジャチ
くちばし。
クチジル
よだれ。唾液〔だえき〕。唾〔つば〕。
- 用例
- ンジュル ウッサシ クチジル タイサ(見ているだけでよだれが出るさ)。
クチタクタク
口をパクパクしている様。
- 用例
- クチタクタク ッシ、ヌー カローガ(口をパクパクさせて、何を食べているのか)。
クチタクタク
口をパクパクしている様。
- 用例
- クチタクタク ッシ ヌー カローガ(口をパクパクさせて、何を食べているのか)。
クチタマ
骨魂。遺骨。
- 用例
- ウグヮンスヤ クチタマ ナティン アガミリヨー(先祖は遺骨になっても崇めなさいよ)。ユシヤチルーヤ クチタマナティマディ ウタ ユムンタンディ(吉やチルーは骨になってまで、歌を詠んだそうだ)。
クチヂューサン
口が強い。口達者。
- 用例
- アレー クチヂューサン(彼は口が達者だ)。
クチヂュームン
口が強い者。口達な者。
- 用例
- アマヌ ユメー シタタカヌ クチヂュームン ナティ シトゥノー チャーン ナランディ(あそこの嫁は強かに口が強くて、姑がはどうすることもできないそうだ)。
- メモ
- 類:クチヂューサン。
クチトゥ トーカチ
食べるのに精一杯な暮らしのこと。
- 用例
- ワッターヤ ワラビンチャー マンディ クチトゥ トーカチル ヤルムヌ(うちは子どもたちが多くて、食べるのに精一杯だもの)。
クチトゥガヤー
口を尖らせている様。生意気な子どものことにもいう。
- 用例
- イーシン チカン クチトゥガヤー ワラベー!(言うことも聞かない生意気な子だ!)。
クチドゥミ
口止め。
- 用例
- ターニン イラングトゥニ クチドゥミ シェーン(誰にも言わないように口止めした)。
クチドゥミ ソーカンネー アトゥンジ ジャーフェー コーンドー(口止めしておかないと、後でやっかいなことをこうむるよ)。
クチトー アタラン
言動不一致。口ほどでもない。
- 用例
- イャーヤ クチトー アタラン バチン クヮーン(お前は口で言うほど役に立たない)。
- メモ
- 類:クチトー ナーメーメー。
クチトー ナーメーメー
言動不一致。口ほどでもない。
- 用例
- クチトー ナーメーメー ヌー スル チムエーガ?(口ほどでもないのに何をするつもりか?)。
- メモ
- 類:クチトー アタラン。
クチナー
蛇の一種。
- 用例
- チヌー ゥンマカラ クチナーガ トゥーティ ハイタンディグトゥ キー チキティ アッキヨー(昨日 そこから クチナーが 通って行ったというから 気を付けて 歩きなさいよ)。
- メモ
- 朽ちた縄に似ていることから、そう呼ばれた。
クチナジ
魚介名。イソフエフキ。
クチニーサン
食欲がない。
- 用例
- ムヌウミー シ クチニーサヌ ムヌン カマラン(物思いして 食欲がなく食事も取れない)。
クチヌソーン ネーン
急いで口にすること。味覚音痴である。
- 用例
- クチヌソーン ネーン アチムン カリ シバ ヤチュンドー(急いで口にして 熱いのを食べて 舌を焼くよ)。
ヌー カマチン クチヌソーン ネーン(何を食べさせても、味もわからないね)。
クチヌメー
食べていけるだけの生活力。
- 用例
- クチヌメーン シーサンムンヌ ウヤンカイ ゲー スンナー(食べていけるだけの力もないくせに親に反抗するのか!)。クチヌメー ハンスン(自分が食べる分の働きを果たす)。
- メモ
- 自分ひとりがやっと食べられるだけの働き。
クチノーシ
口直し。
- 用例
- ンジャサレー サータッシ クチノーシ シンソーリ(苦いなら黒糖で口直ししてください)。
クチバ
轡〔くつわ〕。馬具のひとつ。
- メモ
- 馬の口につける金具。
クチハガー
乾燥して唇周りが荒れている者。
- メモ
- 音:キチハギー。
クチハギー
乾燥して唇周りが荒れている者。
- メモ
- 音:クチハギ・クチハガー。
クチハゴーサン
口汚い。
- 用例
- ヰキガ ヤティン クチハゴーサイネー シカン サリーンドー(男でも口汚いと嫌われるよ)。
クチハン
苦しい。
- 用例
- クヮ ウシナティ イッペー クチハン(子どもを 亡くして とても 苦しい)。
- メモ
- 音:クチサン。
クチビカーン
口先だけ。
- 用例
- アリガ ムノー クチビカーンル ヤル ヌーン シースンナー(彼奴は口ばっかりで何もできっこないよ)。
クチビケー
口先だけ。
- 用例
- クチビケーシ ワジャン ナインナ(口先だけで、仕事ができるか)。
クチビケー
クチビタ
口べた。
- 用例
- アレー クチビタ ヤル ムンヌ、ヌガーラチョーケー(あいつは口下手だもの、見逃しておきなさい)。
クチビラシ
口減らし。
- 用例
- カムシンカイ クマティ、シージャヤ イチマンウイ シ クチビラシ スン(食うにも困って、上の子は糸満売りして口減らしする)。
- メモ
- 生活が貧しく家計の負担を軽くするために、子どもを奉公に出したり、家族の人数を減らすこと。
クチヒントー
口頭での返事。
クチブーサー
ほら吹き。
- メモ
- 類:クチブーチャー。
クチブーチ
ほらを吹くこと。
クチブーチャー
ほら吹き。
- メモ
- 音:クチブチャー。類:クチブーサー。
クチブシ
口武士。大言壮語する者。
- 用例
- バチェー クヮーンシガ クチブシ ヤンドー(役には立たないが口は達者だよ)。
- メモ
- 実力に不相応な大きなことを言う。
クチマーラシ
言い回し。
クチミチャー
魚介名。ヒラアジの稚魚。
- メモ
- 比謝橋の所でクチミチャーが取れた。
クチャ
島尻層群泥岩。土の壌名。
- 用例
- ウヌ ンチャヤ クチャル ヤンムナー(その土はジャーガル土なんだね)。
ンカシヤ クチャシル カラジ アライタンドー(昔は土で髪を洗いよったよ)。
- メモ
- 沖縄県中南部、久米島、宮古島、波照間島、鹿児島県喜界島に分布。風化するとジャーガル土壌になる。ジャーガル土の固い土。第三紀層泥灰岩。独楽回しはクチャなどの硬い土の上でやった。
クチャ
民家の間取りのひとつ。裏座。
- 用例
- ンスガーミヤ クチャヌ イッチャカイカイ ウッチェーサ(味噌甕は裏座の入り口に置いてある)。
- メモ
- 類:スルカ・ウラジャ・クチャジャー・スラッカ・スルカ・メーヌクサー。
ウラジャ参照。
クチャーイ
口寄せ。
- 用例
- アチャヌ クチャーイヤ アサ ヘーク イカントー ナラン(明日の口寄せは朝早く行かなくちゃいけない<>)。
- メモ
- 類:クチイチャーシ。
クチヤガマサン
口やかましい。口うるさい。
- 用例
- シトゥガ クチヤガマサン(姑が口うるさい)。
クチャジャー
裏座。民家の間取りの一つ。
- 用例
- チャクシミートゥンダヤ クチャジャーンカイ ニンジジャー ソータン(長男夫婦は裏座を寝床としていた)。
- メモ
- 類:スルカ・ウラジャ・クチャ・スラッカ・スルカ・メーヌクサー。
ウラジャ参照。
グチャファ
皮膚病。タムシ。
グチャファグサ
植物名。ハイニシキソウ(トウダイグサ科)。
- 用例
- グチャファグサヤ ホーティ ヒルガイヤッサン(ハイニシキソウは這って広がりやすい)。
クチヤファラサン
言葉が柔らかい。言葉が優しい。
- 用例
- ワッター シンシーヤ イッペー クチヤファラサン(私の先生はとても言葉が柔らかい)。
- メモ
- 対:クチグファサン(クチが悪い)。
クチヤミー
口内炎。
- 用例
- クチヤミグヮー ソーン(口内炎になっている)。
- メモ
- 音:クチヤミ。
クチヤンジュン
もう少し食べたくなる。飲食物が少量のために口を汚す程度では満腹しないこと。
- 用例
- チュクチ カミーネー クチヤンジュンドー(一口食べたら もう少し食べたくなるよ)。
クチュクイン
くすぐる。
- 用例
- ナチョーヌ ワラビ ワラースンディ クチュクイン(泣いている子を笑わそうとくすぐる)。
否:クチュクラン(くすぐらない)希:クチュクイブサン(くすぐりたい)過:クチュクタン(くすぐった)継:クチュクトーン(くすぐっている)。
クチユグサー
食べると口を汚すもの。
- 用例
- ウェンチュヌミーミーヤ クチユグサー ヤン(テンニンカ〔天人花〕の実は食べると口を汚すよ)。
クチュクチュ
こちょこちょ。くすぐること。
- 用例
- ナチョール ワラバー クチュクチュ スン(泣いている子をくすぐる)。
クチュビ
イボ。皮膚病。
- 用例
- クチュビヌ ゥンジトーラー ヤーチュー スシェー マシ ヤサ(イボができているならお灸をした方がいいよ)。
クチワッサン
口が悪い。
- 用例
- ウスメー シタタカ クチワッサン(おじいさんはとても口が悪い)。
クチンカイ クヮーリーン
口に喰われる。口は災いのもと。
- 用例
- チュサチ ムヌイーネー クチンカイ クヮーリーン(人より先に物を言うと口に喰われる)。ハートー! ウンナクトゥ イーネー クチンカイ クヮーリーンドー(ああもう!そんなことを言うと口に喰われるよ)。
- メモ
- 音:クチンケー・クヮーリーン。
クチンケー
口答え。反抗。
- 用例
- トゥーチ ウヤンカイ クチンケービカーンソーン(いつも親に口答えばかりしている)。
- メモ
- →クチゲー。
クチンラ
地名(東風平)。
クチゥンブー
話下手。口が思い人。口数が少ない人。
- 用例
- クチゥンブー ナティ ハナシーン サン(口下手で話もしない)。
クチゥンブサン
話下手な人。口が重いこと。口数が少ない。
- 用例
- アバヤー クチゥンブサンヤー(姉さんは口数が少ないね)。
- メモ
- 対:クチガッサン(口が軽いこと)。
クッター
これたち。彼ら。此奴等。
- 用例
- クッター クチヌ ワッサヨ(彼らの口が悪いこと)。
クッター
彼ら。
- 用例
- クッター クチヌ ワッサヨ(彼らの口が悪いこと)。
クッチェークッチェー
人をからかう時に使う。
- 用例
- クッチェークッチェー イャー ヌー ソーガ?(クッチェークッチェー、お前は何をしているか?)。
クッチュン
朽ちる。腐される。
- 用例
- ウヌ イヨー クササヌ キサ クッチョーンヨー(その魚は臭くてすでに腐れているよ)。
クッパー
ヘビの一種。ヒメハブ。
クッピ
これだけ。
- 用例
- クッピル ムチョーン(これぽっちしか持ってない)。
- メモ
- 音:クッピグヮー。
クッピルー
この大きさのもの。これだけの量のもの。
クツミチャー
魚介名。ヒイラギ。
- 用例
- クツミチャーヤ ヌルヌル シ クシレーインディチ ジカン カカイン(ひいらぎはぬるぬるして下ごしらえをするのに時間がかかる)。
- メモ
- 類:クチミチャー。
クツルチュン
移動する。
- 用例
- イバハル アタラー ゥンマカラ クツルチョーン(私が見てないうちに狭かったのかそこから移動している)。
クティー
牡牛〔おうし〕。大きな牡牛。特牛。ことい牛。強健で重荷を負うことができる牡牛。
- 用例
- クティー コーティ クーワ(牡牛を買って来なさい)。
- メモ
- 類:クティウシ。
クティウシ
牡牛〔おうし〕。大きな牡牛。特牛。ことい牛。強健で重荷を負うことができる牡牛。
- メモ
- 類:クティー。
クティブシ
特牛節。楽曲あるいは舞踊の名称。
クディングヮ
門中の祖先神に仕える神人。
- メモ
- →ウクディングヮ。
グテー
五体。体格。体力。
- 用例
- アリガ グテーヤティカラ、 チャッサヌ ニムチン チュカタミナカイ ムッチュサ(彼の体格だったら、 幾つもの荷物もひと担ぎで持つよ)。
グテーヌ カナーン ナタグトゥ(体力がなくなったから)。
- メモ
- 音2:ドゥーテー・ニーテー。
クテーイン
堪える。身心に負担がくること。
- 用例
- ウッサヌ シンカ チカインディシェー クテーインドー(大勢の人を使うってことは 体に堪えるよ)。
グテーチューラサー
体力をつけるためのもの。
- 用例
- チチイシヤ グテーチューラサー ヤタン(力石は体力をつけるものだった)。
グテーマギー
体格の大きな人。力持ちの人。
クトゥ
こと。問題。
- 用例
- ヌーガラ クトゥヌル アタガヤー?(何か問題があったのかな?)。
ガラサーヌ ナチーネー クトゥ ヤンドー(烏が鳴いたらことだよ)。
- メモ
- 事柄や問題など広い意味で使われる。
クトゥ
琴。
- 用例
- ワッター アバーヤ クトゥ ナラトーン(私の姉は琴を習っている)。
クトゥ(~クトゥ)
~言。言葉数を数える数詞。
- 用例
- タクトゥ イチン ワカランバーイ(二言言っても分からないのか)。
- メモ
- チュクトゥ(1言)、タクトゥ(2言)、ミクトゥ(3言)と数える。
グトゥ(~グトゥ)
~のごとく。~のように。
クトゥカチュン
事欠く。不自由する。
- 用例
- イャーガ ヤマトゥカイ モーキーガ イチーネー ワー ティガネーサーン ヲゥラン クトゥカチュンレー(お前が大和に儲けに行ったら、私を手伝う人もいない、事欠くよ)。
継:クトゥカチョーン(事欠いている)。
クトゥシ
今年。
- 用例
- クトゥシヌ エイサーヤ ンナシ ディキラサヤー(今年のエイサーは皆で盛り上げようね)。
クトゥバ
言葉。言葉。~言葉。
- 用例
- クトゥバ イーゥンジャシェーカラー ヌンクマランドー(言葉は 言い出したら 飲み込めないよ)。クトゥバヌ ワッサヌ(言葉が悪い)。ナハクトゥバ(那覇言葉)。スビクトゥバ(楚辺言葉)。
クトゥバジケー
言葉使い。
- 用例
- アマヌ ワランチャーヌ クトゥバジケーヌ チュラサヨ(あそこの子どもたちの言葉遣いのきれいなことよ)。
クトゥバヌ アヤ
言葉の綾。勝手な言い分、裏腹な言葉。
- 用例
- ウレー クトゥバヌ アヤル ヤル、ソーチムカラー アランサ(それは言葉の綾であって、本心ではないよ)。
クトゥバヤファラサン
言葉が柔らかい。
- 用例
- ワッター シトゥウヤヤ ジコー クトゥバヤファラサン(私の姑はとても言葉が柔らかい)。
- メモ
- 音:クトゥバヤファラハン。類:クチヤファラサン・クトゥバヤファラサン。対:クチグファサン(口が悪い)。
クトゥバヤファラハン
- 用例
- ヰナグンチャーヤ ヰキガヤカ クトゥバヤファラハン(女性は 男性よりも 言葉が柔らかい)。
- メモ
- 類:クチヤファラサン・クトゥバヤファラサン。
クトゥヤンドー
事だよ。
- メモ
- 烏が鳴くとクトゥヤンドー。
何か悪いことが起きるという予兆。
クトゥワイン
断る。
- 用例
- イチュナサヌ クンドゥヌ ヤクミヤ クトゥワイン(忙しくて、今年の役職は断る)。
否:クトゥワラン(断らない)希:クトゥワイブサン(断りたい)過:クトゥワタン(断った)継:クトゥワトーン(断っている)。
グトール(~グトール)
~のような。
グナー
小さいもの。
- 用例
- ターヤカ ニッカ チューグトゥ グナーガル ヌクトール(誰よりも遅く来るから、小さいのしか残ってない)。
- メモ
- 対:マギー(大きいもの)。
クナースン
踏み荒らす。
- 用例
- ヒンギゥンマガ ハル クナースン(逃げた馬が畑を踏み荒らす)。
否:クナーサン(踏み荒らさない)希:クナーシーブサン(踏み荒らしたい)過:クナーチャン(踏み荒らした)継:クナーチョーン(踏み荒らしている)。
- メモ
- 以前は個人で運搬用の馬を飼っている家庭も多く、その馬が逃げることがあった。
クナイン
組になる。
- 用例
- ニーセーターガ クナーティ チューン(青年達が徒党を組んでやって来る)。
クナギ
このぐらいの長さ。
- 用例
- クナギ ソール ボー ムッチ クーワ(このぐらいの長さの棒を持ってきなさい)。
クナギナー
こんなに長い。
- 用例
- クナギナーヌ ボー ムッチチェーシガ ヌー スヌ チムエーガヤー(こんなに長い棒を持って来てあるが、何をするつもりなんだろうね)。
グナサン
小さい。
- 用例
- イャーヤ ワッター ウットゥヤカ ジョーイ グナサン(お前は私の弟よりずっと小さい)。
- メモ
- 類:グナハン。対:マギサン・マギハン(大きい)。
グナッチュ
小さい人。
- 用例
- ゥンマカラ ンジーネー、グナッチュ ナティ ミーンヤー(そこから見ると、小さい人に見えるね)。
グナナーヒッター
色々小さい物。
- 用例
- グナナーヒッター ヌー ヤティン シムグトゥ アルッサ ムッチ クーワ(色々な小さい物何でもいいから、ありったけ持って来なさい)。
クナバユン
並ぶ。優劣がない。
- 用例
- ヰヌカタ クナバユン(肩を並べる)。
イッタートゥ ユヌ クナバグヮー ナタン(君たちと同等になった)。
グナハン
小さい。
- 用例
- イャーガ ムッチョーシェー ワームンヤカ グナハン(お前が持っているのは、私の物より小さい)。
- メモ
- 類:グナサン。対:マギサン・マギハン(大きい)。
グナヤー
小さな家。
- 用例
- ワッター ヤーヤ グナヤール ヤンドー(私の家は小さな家だよ)。
- メモ
- 対:マギヤー(大きな家)
クニシヤードゥイ
国吉屋取。
- メモ
- 高志保にあった屋取集落。
現在のむら咲きむら辺り。
クニシヤマ
国吉山。
- メモ
- マチバルクニシ(牧原の屋号国吉)の大きな山で、長田ではクニシヤマと呼んでいた。クーニーヤマとも呼ばれる。
クニチ
9日。
グニチ
5日。
クニブ
植物名。ミカンの一種。九年母。
- メモ
- 類:クヌブ・クヌブンギー。
クヌ
この。
- 用例
- クヌ ゥンムヌ マギサヨー(この芋の大きいこと)。
クヌウチ
近いうち。このうち。
- 用例
- クヌウチ アシビーガ イチュサ(近いうちに遊びに行くよ)。
クヌグル
この頃。最近。
- 用例
- クヌグルシル モーキーガ ゥンジャル ハジデー(つい最近儲けに行ったはずだよ)。
クヌッチュ
この人。
- 用例
- クヌッチュヌル ワカイグトゥ ナライシェー マシ ヤサ(この人が分かるんだから、習った方が良いよ)。
クヌトゥシ
この年。
- 用例
- クヌトゥシ ナティマディ アンシ アワリ スンレー ウマーンタン(この年になるまで、こんなに苦労するとは思ってもみなかった)。
クヌヒャー
こいつ。
- 用例
- クヌヒャーヤ! チュガ モーキテーシビカーン チカランリ ッシ(こいつは!人が儲けたのばかりを使おうとして)。
クヌヒン
この辺。
- 用例
- ヒンギゥンマガ クヌヒンカラ トゥーティ ハイタン(逃げた馬がこの辺から通って行った)。
クヌブ
植物名。ミカンの一種。九年母。
- メモ
- 類:クニブ・クヌブンギー。
クヌフージー
このような。
- 用例
- クヌフージー チンガ アイネー カメートーキヨー(こんな感じの着物があったら探していてね)。
クヌブンギー
植物名,ミカンの一種。九年母。
クヌメー
この前。先日。
- 用例
- クヌメーヤ イッペー クヮッチー サンドー(この前はとてもご馳走になりました)。
- メモ
- 類:クネーダ。
クヌユー
この世。現世。
- 用例
- ハーメーガ クヌユー ウシナティカラ ハチニン ナイン(お婆さんがこの世を去ってから8年になる)。
- メモ
- 対:アヌユー・グソー(後生)。
クネーイン
許す。こらえる。
- 用例
- ワランチャーガ シーヤンテーシル ヤル クネーインテー(子どもたちがやり損ねたことだ、許すさ)。
クネーティクィリ(許してくれ)。
- メモ
- 音:クネーユン。
クネーダ
この間。この前。先日。
- 用例
- クネーダル ジン トゥラチェールムン ウヌヘーサナー チカインディチンアンナー(この前お金をあげたのに、そんなに早く使うってことがあるか)。
クネーダヌ クトゥ(先日のこと)。
- メモ
- 類:クヌメー。
クネーユン
許す。こらえる。
- メモ
- 音:クネーイン。
クバ
植物名。シュロ。ヤシ科。
- 用例
- クバヌファーシ カサ チュクイン(びろうの葉で笠を作る)。
- メモ
- 聖木。拝所に多く自生している。
クバイ
配り。割り当て。
- メモ
- 類:ワイメーワップー。
クバイン
配る。
- 用例
- カクチネーンカイ サーター クバイン(各家庭に砂糖を配る)。
過:クバタン(配った)。否:クバラン(配らない)希:クバイブサン(配りたい)継:クバトーン(配っている)。
- メモ
- →イェースン。
クバオーギ
シュロの葉で作った扇。
- 用例
- クバヌファーシ クバオーギ チュクティ ンナンカイ クバラナ(クバの葉でクバ扇を作って皆に配ろう)。
- メモ
- 類:クバオージ。
クバオージ
シュロの葉で作った扇。
- 用例
- ンカシヤ クバヌファー カーラカチ クバオージ チュクイタン(昔はクバの葉を乾燥させてクバ扇を作っていた)。
- メモ
- 類:クバオーギ。
クバガサ
シュロの葉で作った笠。
- 用例
- アミフイギサヌ クバガサ ムッチョーカナ(雨が降りそうだから、クバ笠を持っておこう)。
クハサン
かたい。
- メモ
- 類:クファサン。
グバヌー
碁盤目。
- 用例
- ワンネー グバヌーアヤ イラブン(私は碁盤目模様を選んだ)。
グバヌー
碁盤目。格子柄。チェック柄。
- 用例
- ワンネー グバヌー イラブン(私は格子柄を選んだ)。
クバメースン
節約する。
- メモ
- →アガネーイン。
クバラリームン
兄弟の中から特別に出来の悪い人。
- 用例
- ウッサヌ シンカカラー、クバラリームヌン ゥンジーサ(それだけの人の中からは、出来の悪い人も出るでしょう)。
クバンチン
供物に使う白紙。
- メモ
- 屋敷の御願の供え物は酒、クバンチン3枚、線香、花米。ウチカビと同様、あの世でのお金といわれる。
クビ
首。
- 用例
- ンナシ クビ トゥッカチミーン(皆で首を掴まえる)。
クビ
壁。
- 用例
- ンチャシ クビ チュクイン(土で壁を造る)。ヤーヌ クビ(家の壁)。
- メモ
- 牛の血をギキチャー(月橘)につけ、家のクビに差した。
クビ クンジュン
首を括る。
- 用例
- ジンビカーン カイネー アトー クビ クンジュンドー(お金ばかり借りていたら、後は首を括るよ)。
クビ シミーン
首を絞める。墓穴を掘る。
クビ シミーン
首を絞める。墓穴を掘る。
クビ マギーン
頭を下げる。
- 用例
- イャーンカイ クビ マギーサ マキタサ(君には頭を下げるよ、負けたよ)。
- メモ
- 直訳は、首を曲げる。
クビガー
うなじ。えり首。首すじ。
- 用例
- ニンジチゲー シ クビガーガ ヤムン(寝違いで首筋が痛い)。
クビキリ
瓦作製道具のひとつ。
- メモ
- 粘土で成型した雄瓦を二等分するのに使う。
クビジリー
豚の首肉。
- 用例
- クビジリーヤティン イラビーネー カマリヌ トゥクルン アンドー(豚の首肉でも、選んだら食べられるところもあるよ)。
- メモ
- 類:カジガーシシ。
豚を屠る日12月27日は、クビジリと大根を一緒に煮たのを夕飯として仏壇に供えた。
クビダキ
首までの高さ。
- 用例
- フロー グナサヌ ワームン クビダキンチョー ネーン(背が小さくて、私の首までの高さもない)。
クビチリドゥシ
刎頸の友。とても仲の良い友達。
- 用例
- アッター タイヤ クビチリドゥシヤン(あの二人はとても仲の良い友達だ)。
- メモ
- 音2:チビヌミードゥシ。
クビチリドゥシ
親友。刎頸(ふんけい)の友。
- 用例
- アッター タイヤ クビチリドゥシ ヤン(あの2人は親友だ)。
クビチリドゥシ
刎頸の友。
クビヂル
首筋。
- 用例
- クビヂル ネーリティ(首筋をひねってしまって)。
クビブニ
首の骨。
グヒャーク
五百。金の単位。1銭と同じ。
クヒン
小瓶。
- 用例
- ゥンマナカイ アル クヒングヮーンカイ アンダ イッテーサ(そこにある小さなビンに、油を入れてあるよ)。
- メモ
- 音:クフィン。
クファー
毒ヘビの一種。ヒメハブ。
- 用例
- ゥンマカラ クファーガ ホーティ ハイタン(そこからヒメハブが這って行った)。
クファーブックイ
ヒメハブに噛まれて膨れていること。
- 用例
- クファーンカイ クヮーッティ クファーブックイ ソーン(ヒメハブに咬まれて腫れている)。
クファアミ
霰〔あられ〕。
クファイン
①固まる。②仲が悪くなる。
- 用例
- ①ナー ヤガティ シーネー トーホー クファインテー(もうしばらくしたら豆腐は固まるでしょう)。
②チョーデーオーエーシーネー クファインドー(兄弟喧嘩をすると仲が悪くなるよ)。
継:クファトーン(固まっている)。
- メモ
- 類:カタマイン。
クファカッパー
乾燥して固くなっていること。
- メモ
- 音2:クヮーパッチャー。
クファグチ
乱暴な言葉使い。乱暴な物言い。
- 用例
- クファグチ シーネー ワランチャーンカイ ウトゥルサ サリーンドー(乱暴な言葉遣いだと、子どもたちに恐がられるよ)。
- メモ
- 音2:クファムニー。対:ヤファラムヌイー(柔らかい口調)。
クファグチャー
乱暴な言葉使いの人。乱暴な物言いの人。
- 用例
- ヤナチョー アランシガ クファグチャール ヤンデー(悪い人ではないが、乱暴な言葉使いをするんだよ)。
- メモ
- 類:クファムニーサー。
クファサン
①固い。②仲が悪い。
- 用例
- ①シシヤ ニーヨーサル アタラー クファサン(肉は煮足りなかったのか固い)。
クトゥバグファサヌ(言葉が固いよ)。
チョーデータルムン、アンシ クファサル(兄弟なのに、なんて仲が悪いんでしょう)。
- メモ
- 対:ヤファラサン。
クファジューシー
沖縄風炊き込みご飯。
- 用例
- ウンケーネー クファジューシー ウサギーン(盆のお迎えには、クファジューシーを供える)。
- メモ
- トゥンジージューシー(冬至雑炊)の頃はヤマンム(山芋)の収穫時期なので、必ずヤマンムを入れてクファジューシーを作った。
クファチブラー
頑固者。石頭。
- 用例
- ターリーヤ クファチブラー ナティ ヌーディチン チカン(お父さんは頑固者で、何を言っても聞かない)。
- メモ
- →ガンクー。
クファムニー
乱暴な言葉使い。乱暴な物言い。
- 用例
- クファムニー シーネー イャーガ イーシヤ ターン チチュンナー(乱暴な物言いをしたら、お前が言うのは誰も聞かないよ)。
- メモ
- 音2:クファグチ。
クファムニーサー
乱暴な言葉使いの人。乱暴な物言いの人。
- 用例
- ワッター スーヤ ガンクーナティ クファムニーサー ヤン(私の父は頑固者で、乱暴な物言いをする人だ)。
- メモ
- 類:クファグチャー。
クファラスン
固くする。
- 用例
- ヤファラサグトゥ ナー イヘー クファラスン(柔らかいのでもうっ少し固くする)。
クファン
籠飯(こはん)。祭事にふるまう料理一式。
- メモ
- 類:クヮン。
結納や結婚式の御馳走が入った器、あるいは御馳走そのものの呼称。
クファンカミヤー
籠飯を頭上にのせて運ぶ者。
- メモ
- 類:クヮンカミヤー。
籠飯を持つ女性。結婚式の御馳走を入れて、頑丈な女性が頭上に載せて運んだ。
クファンムイ
結納。
- 用例
- アンシ イー クファンムイ ヤタルヤー(何て良い結納だったんだろうね)。
- メモ
- 類:サキムイ。
クファンムイ
籠飯(こはん)盛り。婚礼の際に聟(婿)方から持って行く御馳走。
- メモ
- 類:クヮンムイ。
結納や結婚式の御馳走が入った器、あるいは御馳走そのものの呼称。餅や豆腐などを大きな鉢に盛った。近年では大きな長四角の膳に御馳走を重ねて入れ、周囲は菜箸のような長い箸を立て昆布で巻いている。
クファンムイニービキ
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- メモ
- 音2:サキムイチンムー・サキムイニービチ・クファンムイニービチ。
当時の結婚は結納と婚礼を同時に行うのが主流だった。
クファンムイニービキグヮー
固めの盃だけで済ませる結婚式。
クファンムイニービチ
結納と結婚式を一緒に行うこと。
- メモ
- →クファンムイニービキ。
クフィナー
こんな大きな。
- 用例
- クフィナーヌ ムン ムッチ チーネー チカーランシガ(こんな大きなのを持って来たら使えないよ)。
クフィン
小瓶。
- 用例
- ウヌ クフィングヮーヤ チュラサヌ、カラ(その小瓶はきれいだから、貸して)。
- メモ
- 類:クヒン。
クブー
窪〔くぼ〕み。
- メモ
- →アブン。
グフクヌゥンバン
結婚式の儀式で夫婦が食べた後のご飯をお握りにしたもの。
- 用例
- グフクヌゥンバン カムシ ンジュンディ ワランチャーン アチマティ チュータン(結婚式の儀式で夫婦がおにぎりを食べるのを見るために、子どもたちも集まってきた)。
- メモ
- 類:ククラキヌゥンバン。
クブシ
腹掛け。
クブシー
よだれかけ。
- メモ
- 類:メーラリー。
クブシミ
魚介名。イカの一種。コブシメ。
- 用例
- クブシミヤ イチ カリン マーサン(甲イカはいつ食べても美味しい)。
グブリー サビラ
失礼します。
- 用例
- ワンネー ウリッシ グブリー サビラ(私はこれで失礼します)。
クブン
窪〔くぼ〕み。
- 用例
- クラサヌ ムヌン ミーラン クブンカイ ヒサ チックディネーラン(暗くてものも見えないので、窪みに足を突っ込んでしまった)。
- メモ
- →音1:アブン。
クブンジ
窪地。
クブンヒブン
あちこち窪んでいる状態。
- 用例
- ワッター ヤーヌ メーヌ ミチヤ クブンヒブン ッシ アッチーグリサン(私の家の前の道はあちこち窪んでいて、歩きにくい)。
クベーイン
①くべる。②注ぐ。
- 用例
- ①ヒーヌ チャーリーギサー ヤグトゥ タムン クベーイン(火が消えそうだから薪をくべる)。②チャー ナーティーチ クベーイン(お茶をもう一杯注ぐ)。
クベーイン
注ぎ足す。
- 用例
- チャー クベーイン(お茶を注ぎ足す)。
- メモ
- 水などの足りない分を注ぎ足す。
グヘーロー
御拝領。
- メモ
- 首里王府から宝物や墓などを賜ること。字楚辺の旧家には御拝領の鉢や絹糸があったという。
クボークラシチ
久保倉敷(現沖縄市)。
クマ
ここ。こちら。
- 用例
- クマカラ アママディ ハカティンディ(此処からあそこまで測ってごらん)。
グマー
小さいもの。
- 用例
- グマーヤティン シムグトゥ ターチビカーノー チカーシェー(小さいのでもいいから、ふたつほど使わせてくれ)。
グマイ
倹約家。
- 用例
- ワッター アンマーヤ ルク グマイヂューサヌ ヌー ティーチン コーテー トゥラサン(私の母はあまりにも倹約家で何ひとつ買ってくれない)。
グマイスギ
小走りで急いで歩くこと。
- 用例
- ヌーガル アタラー グマイスギ ヒチ ゥンジティ ハイタン(何があったのか小急ぎで出て行った)。
クマイブシ
隠れ武士。隠れた才能の持ち主。
- 用例
- タンメーヤ ムノー インソーランタシガ グテーヂューサヌ クマイブシ ヤタン(おじいさんは口数は少ないが、力が強く隠れ武士だった)。
クマイン
こもる。引きこもる。
- 用例
- アミフイヤ ハルシクチン ナラングトゥ ヤーナカイ クマイン(雨降りは畑仕事もできないから家にこもる)。
継:クマドン(こもっている)。
クマキー
砕けた欠片。細かい欠片。
- 用例
- ゥンマンカイ ホーテール クマキー ナトーシン トゥリヨー(そこに散らかっている砕けた欠片も取りなさいよ)。
クマグマ
細々。
- 用例
- クマグマ カメーイネー アイル スラー ワカランサ(細々探したらあるかもしれないよ)。
クマサン
細かい。
- 用例
- ティーヌ クマサンチュヤ ヌー シミティン ジョージ ヤン(手が細やかな人は何をさせても上手だ)。
- メモ
- 類:グマハン。対:アラハン・アラサン(荒い・雑)。
グマサン
小さい。
- 用例
- チューヌ シナムノー チヌーヌ ムンヤカ グマサン(今日の品物は昨日のより小さい)。
- メモ
- 音:グマハン。類:クーサン・クーハン。
クマシームン
倹約家。
- 用例
- トゥジヌ クマシームン ヤリバ ジンヌ タマイン(妻が倹約家だったら、お金が貯まる)。
クマジェーク
指物師。細かい細工をする人。
- 用例
- クマジェーク シミテー アリカイヤ カナーンサ(細かい細工をさせては彼にはかなわないよ)。
クマタイ
役員名のひとつ。組の使丁。
- 用例
- クマタイディシェー アザヌ ヤクミヌ ティーチテー(クマタイというのは字の役員のひとつさ)。
- メモ
- 類:クミアタイ・クミサジ。
字楚辺には5組あり、クマタイ5人がそれぞれの組の各戸に連絡事項などを知らせて廻った。
クマバーキ
目の細かいざるや籠〔かご〕。
クマバチャー
ハチの一種。
グマハン
細やかである。
- 用例
- ワッターヤー ティガキトール シェークヤ イッペー ティーグマハン(私の家を手掛けている大工はとても手が細やかだ)。
- メモ
- 類:クマサン。対:アラハン・アラサン(荒い・雑)。
グマハン
小さい。
- メモ
- 音:グマサン・グナハン。類:クーサン・クーハン。
クマボーシクマー
目の細かい帽子を組む者。
クマミンナー
ヤエムグラ。
クマムティー
こちら側。
- 用例
- イャーヤ クマムティーカイ ヰレーワ(お前はこちら側に座りなさい)。
- メモ
- 類:クガタ。
グマムン
小さなもの。
- 用例
- ムッチイチュラー グマムンカラ ムッチイケー(持って行くなら小さいものから持って行きなさい)。
クマヰチョーン
安定している様。落ち着いている様。
- 用例
- アヌ チュヤ ウスマサ クマヰチョーグトゥ、ウフォークヌ ワカムンヌチャー マトゥミー スン(あの人はとても落ち着いているから、大勢の若者達をまとめることができる)。
クマユイ
目の細かいふるい。
- メモ
- 豆腐を作るときや、割った大豆の実と殻を選り分けるのに使った。
グマユージュ
ちょっとした用事。
- 用例
- ハジメー グマユージュル ヤタシガ タッタイ マギユージュ ナティネーン(初めはちょっとしたことだったのに次第に大事に至ってしまった)。
- メモ
- 対:マギユージュ(大事に至る用事)。
クマユーチ
石工〔いしく〕道具名。石斧。主に細かい石を切るのに使う。
クマリカー
この辺。
- 用例
- ニムチェー クマリカーンカイ カタジキレー(荷物はこの辺に片づけなさい)。
クマンデー
こちら辺。
- 用例
- クマンデーンカイ ウッチョーケー(こちら辺に置いておきなさい)。
クミ
米。
- 用例
- チューヌ ユーバノー クミ ナンゴー シキレー シムガ(今日の夕飯は米何合といでおいたらいいねぇ?)。
- メモ
- 音2:クミメー。類:メー。
クミアタイ
字の役員名。組の使丁。
- メモ
- 類:クマタイ・クミサジ。
クミアレーミジ
米のとぎ汁。
- 用例
- クミ アレーミジン タミティ ウッチョーキヨー(米のとぎ汁もためて置きなさいよ)。
クミー
久米島。久米島産の馬。
クミーン
入れる。込める。収監する。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー クミーンドー(悪いことをしたら刑務所に入れるよ)。グナサイニ ヤナクトゥシーネー、オイシンカイ クミラリータン(小さい時に悪いことをしたら、美味しれに入れられた)。
- メモ
- 否:クミラン(込めない)希:クミーブサン(込めたい)過:クミタン(込めた)。
クミウドゥイ
組踊。
クミウドゥイシンカ
ムラアシビの際、組踊に携わる人たち。
クミガシラ
組頭。
- メモ
- 部落の各組・角の長で行政に携わる役職。
クミカン
こめかみ。
- 用例
- クミカン ハンチーネー チャッサ ヤムグトゥ(こめかみを弾くとどんなに痛いことか)。
クミカンカンパチ
こめかみにある傷跡。
クミグジー
クミンドーに祭られている女神の名前。
- メモ
- クミンドー・クミンドーウグヮン参照。
クミグラ
米倉。
- 用例
- イェーキンチョー イクチン クミグラ ムッチョータン(金持ちは幾つも米倉を持っていた)。
クミサジ
組佐事。組の使丁。
- メモ
- 類:クマタイ・クミアタイ。
クミサニ
米の種。稲種。種籾。
- メモ
- 稲の発芽の元で籾の状態の種。 一般に種籾あるいは稲種と呼ぶ。
クミシジ
米粒。
クミシジ
米粒。
クミジュリ
組の集会。
クミシリ
木で作った二段重ねの臼。
- メモ
- 人力で上の臼を摺り合わせて精製した。
クミダーラ
米俵。
- 用例
- ワッターヤ クミダーラ イクチ ムッチ イケー シムガ?(私たちは米俵を何俵持って行けばいいの?)。
クミタティーン
組み立てる。
- 用例
- ドゥークルシ トゥイヌヤー クミタティーン(自分で鶏小屋を組み立てる)。
否:クミタティラン(組み立てない)希:クミタティーブサン(組み立てたい)過:クミタティタン(組み立てた)継:クミタティトーン(組み立てている)。
クミチジ
米粒。
- 用例
- クミチジ ティーチ ヤティン ヌクサンヨークー カミヨーヤー(米粒ひと粒も残さずに食事はしなさいよ)。
- メモ
- 類:クミチブ。
クミチブ
米粒。
- 用例
- クミチブヤ ムル ヒルリヨー(米粒は全部拾いなさいよ)。
- メモ
- 類:クミチジ。
クミディマ
米手間。日雇い仕事の報酬としての米。
- メモ
- 長田では田圃のない家は2、3軒で、そういう家は田圃のある家に日雇い仕事をして米を手間賃として貰っていた。
クミトゥイン
汲み取る。気持ちを汲み取る。気持ちに寄り添い理解する。
- 用例
- ウヤヌ ウムイ クミトゥイン(親の思いを汲み取る)。
- メモ
- 気持ちを汲み取る。気持ちに寄り添い理解する。
クミドゥヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミドゥルイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミマンサングヮー
各組の製糖を終了する祝い。組満産小。
- 用例
- クミマンサングヮーネー カンナジ ゥンジランネー(クミマンサングヮーには必ず出なさいよ)。
クミムドゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミムドゥヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クミメー
ご飯。米のご飯。
- 用例
- ゥンムビカーン カマサッティ、クミメーン フーサンヤー(芋ばかり食べさせられて、米のご飯も欲しいね〈食べたいね〉)。
- メモ
- →クミ。
クミメー
米。ご飯。
- 用例
- ゥンムビカーン カマサッティ、クミメーン フーサンヤー(芋ばかり食べさせられて、ご飯も欲しいね〈食べたいね〉)。
- メモ
- →クミ。
クミラー
バン。クイナ(水鶏)科の水鳥。
クミルー
アオカナヘビ。
- メモ
- 類:カキヌミーパーパー参照。
クミンサク
米で作った神酒。
- メモ
- 6月15日のウマチーに作る。5月は甘藷で作ったが、6月は米を収穫する時期になっているので米で作ったという。
クミンチュン
汲み入れる。
- 用例
- ンマンカイ ニーブサーニ クミンチュタンリ(ここに柄杓で汲み入れたって)。ミジ クミンチュン(水を汲み入れる)。
クミンチュン
押し込む。踏み込む。
- 用例
- イランギサー ヤグトゥ ヒサシ クミンチュン(入りそうもないので足で押し込む)。
アル クミンキヨー(踵を押し込みなさいよ)。
否:クミンカン(押し入れない)希:クミンチーブサン(押し込みたい)過:クミンチャン(押し入れた)継:クミンチョーン(押し入れている)。
- メモ
- 類:クミンキーン。
クミンドー
楚辺の七御嶽のひとつ。
クミンドーウグヮン
クミンドー御願。
- メモ
- クミンドーとメーチンシ(何れも楚辺の七御嶽)は夫婦であったというが、一緒になれないので、旧2月から始まるクミンドー御願には、どんな好天気であっても、雨粒が少し落ちたという。字大湾・喜名・座喜味などあちこちからも拝みに来る。旧2月クミンドー御願にはクミンドーとメーチンシはヒジャイナーで囲う。クミンドーの向いの方の海で薪を積んだ山原船が一夜明かそうとすると必ず風が起こり船が沈没したという。また周辺の農耕地では大声で牛馬を使おうとしたらかえって言うことを聞かないので静かに農耕したという。旧の3月にやっている御願には、どんなに晴れた日でも必ず一時雨が降る。
クム
雲。
- 用例
- ウヮーチチヌ ユタサヌ チューヌ クムヌ チュラサヨ(天気が良くて今日の雲のきれいなことよ)。
クムイ
池。沼。溜池。
- 用例
- クムイヲゥティ ヤシェー アライン(溜池で野菜を洗う)。
- メモ
- →イチンモー。
クムイン
曇る。
- 用例
- アチャヤ ウヮーチチ ワッサンディグトゥ アサカラ クムインヤー(明日は天気が悪いらしいから朝から曇るね)。
継:クムトーン(曇っている)。
クムーン
保証人。
- 用例
- イカナシン チュヌ クムーン イッチェー ナラン(どんなことがあっても人の保証人になってはいけない)。
グムギー
植物名。インドゴムノキ。クワ科。
グムチ
御物。資金。徴収金。
- 用例
- グムチンリチ ジョーノーテー イーネー(グムチと言って税金さ、言わば)。
グムットゥム
ごもっとも。
- 用例
- ウンジュガ イミシェーシェー、グムットゥム ヤイビン(貴方がおっしゃるのは、ごもっともです)。
グムットゥム
ごもっとも。
- 用例
- ウンジュガ イミシェーシェー、グムットゥム ヤイビン(貴方がおっしゃるのは、ごもっともです)。
グムマーイ
ゴム毬。
- 用例
- グムマーイナギエーシ アシドータン(ゴムまり投げをして遊んでいた)。
クムン
汲む。
- 用例
- アサ ヘークカラ ミジ クムン(朝早くから水を汲む)。カーラヌ ミジル クディ アミシーン(川の水を汲んで沐浴させる)。
否:クマン(汲まない)希:クミーブサン(汲みたい)過:クラン(汲んだ)継:クローン(汲んでいる)。
クムン
組む。編む。
- 用例
- ボーシグヮー クディ(帽子を編んで)。ミッチャイナー グー クムン(3名ずつグループを組む)。
クムン
履く。
- 用例
- サバ クリ アッチュン(草履を履いて歩く)。
チューカラ ミーサバ クムン(今日から新しい草履を履く)。
- メモ
- 類:クムン。
クメーキーン
慎ましくする。倹約する。細やかにする。
- 用例
- イチナンドゥチ ヌーガ アラー ワカラングトゥ クメーキーン(何時何があるか分からないから倹約する)。
ワカサイニカラ ジコー クメーキトーン(若い時からとても倹約している)。
シクチヤ チャー クメーキティ シーヨー(仕事はいつも細やかにするんだよ)。
否:クメーキラン(倹約しない)希:クメーキーブサン(倹約したい)過:クメーキタン(倹約した)継:クメーキドン(倹約している)。
クメーキヂューサン
倹約しすぎ。節約しすぎ。
- 用例
- ワン トゥジヤ ルク クメーキヂューサン(私の妻はあまりにも倹約しすぎる)。
- メモ
- 節約し過ぎることで、場合によってはケチの意味にもとられる。
クメーキヤー
倹約家〔けんやくか〕。細やかな人。
- 用例
- ワン ウヤヤ クメーキヤー ナティ イチデーシ アッサヌ ゼーサン モーキテーン(私の親は倹約家で、一代であれだけの財産を築き上げた)。
グヤーマチ
棒術の名称。スーマチ(総巻き)、旗頭を中心として演武者が円をかいて回る演武。
クヤクドーフ
字行事の際に各戸が持ち回りで提供した豆腐。
- メモ
- 提供するのは1年に何回かある字行事のいつでも良く、出したところは記帳し、1年の最後の行事になると、まだ豆腐を出していない世帯が一斉に提供したのでたくさん集まったという。
グヤバル
{呉屋原}。伊良皆の小字。
グヤフィチ
位牌・香炉継承の禁忌のひとつ。
- メモ
- ヲィナググヮンスを初代として位牌・香炉の継承を重ねること。
クヤミ
悔やみ。
- 用例
- ウクヤミ ウンヌキヤビラ(お悔やみ申し上げます)。
- メモ
- 通夜や葬儀に参加することをクヤミに行くという。
クヤムン
悔やむ。
- 用例
- シーブサイニ ソーカンネー アトゥシ クヤムンドー(やりたいときにやっておかないと後悔する)。
否:クヤマン(悔やまない)過:クヤラン(悔やんだ)継:クヤローン(悔やんでいる)。
クユイ
今宵。今晩。
- 用例
- クユイヤ ユーアキドゥーシー カタラナ(今晩は夜通し語り合おう)。
クユミ
暦。
- 用例
- チューカラ ミークユミ チカラヤー(今日から新しい暦を使おうね)。
クヨー
供養。
- 用例
- ウヤヌ クヨーヤ リッパニ スン(親の供養はちゃんとする)。
クヨー
苦労。心労。
- 用例
- イカナ クヨー ヤティン サントー ナラン(どんな苦労でもやらないといけない)。
クラ
馬具名。鞍〔くら〕。
- メモ
- 競馬用の馬の鞍は、荷役運搬用の鞍とは別物で、モッコクやイヌマキで作られた漆塗りであった。那覇辺りで6円50銭からは上等が買えたという。
クラー
雀。
- 用例
- クラーヤ ヤシチナーリー ムン カリアッチュン(雀は屋敷内で餌を食べ歩いている)。
- メモ
- 音:クラーグヮー。類:クミドゥヤー・クミドゥルイ・クミムドゥイ・クミムドゥヤー・クラモー・クラモードゥイ・クラユムドゥイ・クラユムドゥヤー。
クラガー
暗川。楚辺にある井泉の名。
- メモ
- 字楚辺に古くからある井泉。楚辺の七御嶽のひとつで、旱魃が続いた時に屋嘉の赤犬が見つけたとの伝承がある。
クラガーマーチ
松の呼称。暗川松。
- メモ
- 類:ウスメーマーチ。老木で名木として知られ村内外からも見学者が訪れた。松が倒れた時、その松木は旧家に分けられた。
クラガーゥンム
甘藷の品種。
- メモ
- 字比謝矼県道の夜市で楚辺の人がクラガーゥンムを売っていた。後には、アマカービラを上った、嘉手納警察署の近くにできたゥンムマチ(甘藷市)で売っていた。
クラガイ
暗がり。暗闇。
- 用例
- クラガイカラー キー チキリヨー(暗闇では気をつけなさいよ)。
- メモ
- →ウーグラシン。
クラガイミー
暗い所。
- 用例
- クラガイミーヲゥティン ムンヌ ミーンナー?(暗い所でも物が見えるか?)。
- メモ
- 類:クラシンミー。対:アカガイミー(明るい所)。
グラグラ
揺れ動く様。
- 用例
- ハーヤヌ グラグラ ソーン(柱がぐらぐらしている)。
グラグラ
揺れ動く様。
- 用例
- ハーヤヌ グラグラ スン(柱がぐらぐらしている)。
クラサン
暗い。
- 用例
- ランプシ アカガラサンネー ユカイ クラサン(ランプで明るくしないとかなり暗い)。ルク ニッカナイネー クラクナインドー(余り遅くなると暗くなるよ)。
- メモ
- 類:クラハン。対:アカサン(明るい)。
クラシガタ
暮らし方。生活。
- 用例
- ドゥーチュイシ ヤー カティ、クラシガタヤ チャーシソーガヤー?(一人で家を借りているが、生活はどのようにしているのかね?)。
クラシカンティー
暮らしにくい。
- 用例
- ルク アチサヌ クラシカンティー ヒチョーン(あまりにも暑くてすごしにくい)。
ジンヌ ネーン クラシカンティー ソーン(金がなく、生活に困っている)。
クラシグリサン
暮らしにくい。生活しにくい。
- 用例
- マチガター ヌーンクイ タカサヌ クラシグリサン(町は何もかも高くて暮らしにくい)。
- メモ
- 対:クラシヤッサン(暮らしやすい)。
クラシチモー
倉敷モー。伊良皆の地名。
- メモ
- 平田子の米倉があったと伝わる場所。
クラシチモーは草を刈る人たちの相撲をする場所になっていた。
クラシヤッサン
暮らしやすい・生活しやすい。
- 用例
- ワランチャーン リッシン シ クラシヤッサン(子どもたちも独立して暮らしが楽になった)。
- メモ
- 対:クラシグリサン(暮らしにくい)。
クラシン
暗がり。暗闇。
- 用例
- ヌール カメートーラー ワカランシガ、クラシンヲゥティン カメーラリーミ?(何を探しているか分からないが、暗闇でも探せるか?)。
- メモ
- →ウーグラシン。
クラシンミー
暗い所。
- 用例
- クラシンミーカイ クヮックトーシガ、ヌーガラ ヤナクトゥル シー?(暗い所に隠れているが、何か悪い事でもしたの?)。
- メモ
- 類:クラガイミー。対:アカガイミー(明るい所)。
クラスン
暮らす。
- 用例
- シグトゥバヌ トゥーサグトゥ ヤー カティ クラスン(職場が遠いから家を借りて暮らす)。
否:クラサン(暮らさない)希:クラシーブサン(暮らしたい)過:クラチャン(暮らした)継:クラチョーン(暮らしている)。
クラチュン
砕く。
- 用例
- マギサグトゥ グナクグヮー クラチュン(大きいから小さく砕く)。
否:クラカン(砕かない)希:クラチーブサン(砕きたい)過:クラチャン(砕いた)継:クラチョーン(砕いている)。
クラチン クラサラン
暮らしもままならない。
クラハン
暗い。
- 用例
- クラハン トゥクルヲゥティ ヌー ソーガ(暗い所で何しているの)。
- メモ
- 類:クラサン。対:アカサン(明るい)。
クラビーン
比べる。
- 用例
- イャームントゥ ワームン クラビーン(お前の物と私のを比べる)。
否:クラビラン(比べない)希:クラビーブサン(比べたい)過:クラビタン(比べた)継:クラビトーン(比べている)。
クラミイシ
礎〔いしずえ〕。踏み石。
- メモ
- 類:カンゼーイシ。
縁側に上がる時の踏石のことで、海岸から切り取ってきた石でできている。
クラミーン
踏む。
- 用例
- カラビサー ナティ ンチャ クラミーン(裸足になって土を踏む)。
否:クラミラン(踏まない)希:クラミーブサン(踏みたい)過:クラミタン(踏んだ)継:クラミトーン(踏んでいる)。
- メモ
- 類:クラムン・クダムン・クンビーン・クンピユン。
クラムドゥヤー
雀。
- 用例
- クラムドゥヤーガ イッチョータン ヌーンリ イーネー(雀が入っていたなどというと)。
- メモ
- 類はクラー参照。クンピーン。クラムン。
クラムン
踏む。
- 用例
- シナ クラムン(砂を踏む)。シナ クラミウーサン(砂を踏めない)。
- メモ
- 音:クダムン。類:クラミーン・クンピーン・クンピユン。
クラモー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クラモードゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クラユムドゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クラユムドゥヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クリ
これ。
- 用例
- ワンネー クリ コーイン(私はこれを買う)。
グリ
汁などのかす。澱〔おり〕。
- 用例
- ヌクトール グリヤ トゥティ ヒティリヨー(残ったかすは取って捨てなさいよ)。
チャーヌ グリ(飲んだ後の茶の澱)。
グリー
お辞儀。
- 用例
- ミーランナル エーカ グリー ソータン(見えなくなるまでお辞儀をしていた)。
グリーハイ シ ケーイタン(何度もお辞儀をして帰って行った)。
グリー
リンパ節の腫れ。
- 用例
- グリー ゥンジトーン(リンパ節が腫れている)。
- メモ
- 音:#グリーグヮー。類:グルイ。
グリーコンマー
しきりに頭を下げること。
- 用例
- グリーコンマーヌ マガリ ソータン(しきりに頭を下げていた)。
チャッサ グリーコンマー シン ヌガーラサン(どんなに頭を下げても許さない)。
グリージ
お礼。
- 用例
- グリージ ウンヌキーン(お礼を申し上げる)。
グリージン
仏壇。御位牌。
- 用例
- グリージノー アンバー(仏壇はあるわけ)。
グリーマーイ
御礼廻り。回札。年始回り。
- 用例
- ウットゥンチャー ソーティ グリーマーイ シーガイチュン(弟たちを連れて年始回りに行く)。
- メモ
- ニントゥー(年頭)ともいい、正月に親戚宅を年始の挨拶に行くこと。
クリーン
発情する。さかりがつくこと。
- 用例
- マヤーガ クリーン(猫が発情する)。
継:クリトーン(発情している)。
- メモ
- 類:クルイン。
クリカー
こちら辺。
- 用例
- クリカーカラル トゥーティ ハイタシガヤー(こちら辺から通って行ったんだがね)。
クリカラ
これから。
- 用例
- クリカラ ワーガ イーシ ユー チキヨー(これから私が言うのをよく聞きなさいよ)。
クリケーシゲーシ
繰り返し返し。
- 用例
- ヌーヌル ウムサラー ユヌクトゥ クリケーシゲーシ ソーサ(何が面白いのか、同じことを何度も繰り返しているさ)。
クリケースン
繰り返す。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン クリケースン(同じことばっかりを繰り返す)。
否:クリケーサン(繰り返さない)希:クリケーシブサン(繰り返したい)過:クリケーチャン(繰り返した)継:クリケーチョーン(繰り返している)。
グリサン(~グリサン)
~しにくい。~しがたい。
- 用例
- ワカイグリク ナトーン(分かりにくくなっている)。オーティ ヤーカラ ゥンジティ チェーグトゥ ケーイグリサン(喧嘩をして家から出て来たので帰りにくい)。
- メモ
- 音:~グルサン。
クリジシ
豚肉の塊。
クリトーテー
今度こそは。
- 用例
- イャーヤ クリトーテー ヤクミカイ イラバリーンテー(君は今度こそは役目に選ばれるね)。
クル
頃。
- 用例
- ワッタガ ワカサヌ クルヤ ウヤヌ ティガネーン ユー スタンドー(私たちが若い頃は親の手伝いもよくやったよ)。
クル(~クル)
~自身で。
- 用例
- ドゥークル(自分自身で)。ドゥークル イチャシェー マムイン(自分で言ったことは守る)。
クルアイコー
蟻の一種。クロアリ。
- メモ
- 色は黒く、大きさは1センチほど。刺されると非常に痛かった。最近は見られなくなった。
グルイ
リンパ節膨張。リンパ節の腫れ。
- メモ
- 類:グリー。
クルイサー
黒石。
クルイサーミジ
黒石でろ過した水。
クルイン
発情する。さかりがつくこと。
- 用例
- イキムシガ クルイン(動物が発情する)。
- メモ
- 類:クリーン。
クルー
黒い。黒。
- 用例
- シミ ガンマリ シ ティーン クルー ナトーン(墨をいたずらして手が黒くなっている)。
クルウスマー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- メモ
- 音2:クルギナー・クルヂナー・クルバサー。糸芭蕉の葉柄の固くて粗い部分から取った繊維で織った物を藍で染色した着物の呼称。夏の仕事着として村内全域で広く愛用された。クルヂナーを作るのは女性の仕事で、隣近所や気のあった者同士が共同で糸芭蕉を倒し苧を紡いだ。
クルギナー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- 用例
- ハルカイ イキーネー クルギナー キチ イクタン(畑に行く時には野良着を着て行った)。
- メモ
- 音1:クルヂナー。→クルウスマー。
クルキブシ
黒煙。
クルギンジュー
トンボの一種。
グルクマー
魚介名。サバ類。サバ科の魚。
- 用例
- グルクマーヤ サバカイ ニチ マーハン(グルクマーはサバに似て美味しい)。
クルグルートゥ
黒々と。
- 用例
- カラジン クルグルートゥ アンシ チュラサルヤー(髪の毛も黒々ととてもきれいだね)。
グルクン
魚介名。タカサゴの一種。
- 用例
- グルクン アギティ カムン(タカサゴを揚げて食べる)。
グルサ
速く。
- 用例
- グルサ サキグヮー ムッチ クーワ(急いで酒を持ってきなさい)。グルサ シコーレー(速く準備しなさい)。
クルザーター
黒糖。
- 用例
- クルザーターヤ ナービヌ スクカイ タックヮトーシェー ユクン マーサン(黒糖は鍋の底にくっついているのがよけいに美味しい)。
クルサン
黒い。
- 用例
- アレー ワンヤカ イロー クルサン(彼は私より色が黒い)。
- メモ
- 類:クルハン。
グルサン
速い。素速い。
- 用例
- イェンチュヤカ マヤーガル グルサンテー(ネズミより猫の方がすばしこいさ)。
- メモ
- 類:グルハン。
クルシビヨーガリー
顔色悪く痩せている様。
- 用例
- クルシビヨーガリー ソーン(顔色悪く痩せている)。
クルスン
殺す。屠る。つぶす。
- 用例
- ソーグヮチウヮーヤ アチャ クルスン(正月用の豚は明日潰す)。
バッペーティ トゥイグヮー クルチネーン(間違えて小鳥を殺してしまった)。
否:クルサン(殺さない)希:クルシーブサン(殺したい)過:クルチャン(殺した)継:クルチョーン(殺している)。
クルダックイ
色黒の血筋。
クルチ
植物名。クロキ。琉球黒檀。
- 用例
- クジュ イーテーヌ クルチルヤシガ ニーヂチョーン(昨年植えたクロキだが根付いている)。
クルチナ
黒綱。腐食に強い綱。
- 用例
- ヲィナグヌワター クルチナン クタスン(女の執念は腐食に強い黒綱をも腐らせるほど強い)。
- メモ
- クロツグで綯った縄は腐りにくい。
クルヂナー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- 用例
- イェーズミサーニ クルヂナーナスタン(藍で染めて野良着にした)。
- メモ
- 音1:クルギナー。→クルウスマー。
クルバサー
荒い芭蕉糸で織った着物で、藍で濃く染めたもの。黒い着物。
- メモ
- →クルウスマー。
クルバシ
農具名。犂(すき)。
- 用例
- クルバシヌ アイネー ハロー カジーヤッササ(犂があれば畑は耕しやすいさ)。
- メモ
- →イーザイ。
クルバシェー
売り手と買い手が交渉して、家畜の値段を決めること。
- 用例
- バクヨーシンカヤ クルバシェー シ デー キミータン(博労は売り手と買い手で値段を決めていた)。
クルバシケーラシ
転がしながら移動させる様。
- 用例
- ハク クルバシケーラシ シ マーカイ ムッチ イチュガ(箱を転がしてどこに持って行くの?)。
クルバチャー
ハチの一種。
クルハン
黒い。
- メモ
- 類:クルサン。
グルハン
速い。すばやい。
- 用例
- グナワランチャーヤ ウフッチュヤカ ジョーイ グルハンテー(小さい子は大人よりずっとすばやいさ)。
- メモ
- 類:グルサン。
クルビチャイ
黒光り。
- 用例
- アンダ ナシタレー カラジヌ クルビチャイ ソーシヨー(油をつけたら髪が黒光りしていることよ)。
クルビンケーリン
転げ回る様。
- 用例
- ウッサ クルビンケーリン シ ヲゥタランル アラー(そんなに転げまわって疲れないのかな?)。
- メモ
- →キリキリミングヮー。
クルブシ
老斑。
- 用例
- クルブシ ゥンジトーン(老斑が出ている)。
クルブックイ
黒みがかること。
- 用例
- クムイヌ ミジェー ミングティ クルブックイ ソーン(池の水は濁って黒みがかっている)。
クルブン
転ぶ。
- 用例
- イシカイ キッチャキシ クルブン(石につまづいて転ぶ)。
否:クルバン(転ばない)希:クルビーブサン(転びたい)過:クルラン(転んだ)継:クルローン(転んでいる)。
- メモ
- →ウックルブン。
クルベー
黒カビ。
- 用例
- ムーチーガ クルベー クートーン(餅に黒カビが生えている)。
チンヌ クルベー クートーン(着物に黒カビが生えている)。
クルボー
植物名。リュウキュウガキ。カキノキ科。
クルマー
車。人力車。
クルマガー
滑車を使った釣瓶井戸。
クルマグヮー
車のついた運送具。手押し車。
クルマグヮーヒカシェー
子どもの遊び。亀に大根で作った車を引かせて遊ぶ。
クルマスンチャー
人力車夫。
- メモ
- 類:クルマフィチャー。
クルマナー
圧搾機のある製糖場の敷地。
クルマフィチャー
人力車夫。
- メモ
- 類:クルマスンチャー。
クルマボー
農具名。唐竿。
- 用例
- クルマボー チカトーネー アブナサグトゥ スバンカイ イカンキヨー(クルマボーを使っていたら、危ないから側には行くなよ)。
- メモ
- 類:クルマンボー。
豆や麦を叩いて脱穀する作業に使用する棒。
長い棒の先に、短い棒を取り付けた形をしており、ニクブク(藁筵)などに広げた豆等の雑穀を短い棒を回転させながら叩いて脱穀する。
クルマムッチャー
運転手。
- 用例
- チューヌ クルマムッチャーヤ ター ヤガ?(今日の運転手は誰ね?)。
クルマンボー
農具名。唐竿。
- メモ
- 類:クルマボー。
クルマンボー参照。
クルミー
瞳。
クルムドゥイ
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クルムヤー
雀。
- メモ
- 類はクラー参照。
クルムン
黒ずむ。
- 用例
- アンスカナー クルドールヤー(とても黒ずんでいるね)。
継:クルドーン(黒ずんでいる)。
クルン
衣装。
- 用例
- ボージヌ クルン キチメーシ ヤタン(坊主の衣装を着た方だった)。
- メモ
- →イソー。
クレー
仏壇の供台。
- 用例
- クヮッチーヤ クレーンカイ ウチキヤーニ シキレー(ご馳走は仏壇の供台に供えなさい)。
クレーヌウチ
仏壇の奥にある物入れ。
- 用例
- ウコートゥ ウチカビヤ クレーヌウチカイ イッテーン(線香と打ち紙は仏壇の奥の物入れに入れてある)。
クヮ
子。
- 用例
- ンカシカラ クヮー タカラディチ イクトゥバヌ アンドー(昔から子は宝だという言葉があるよ)。
- メモ
- 音1:ックヮ・ックヮー。
クヮ
子ども。
- 用例
- ゥンカシカラ クヮー タカラディチ ヌ イクトゥバガヌン(昔から子は宝だという言葉があるよ)。
グヮー(~グヮー)
小さいことや少量、また愛称をあらわす接尾辞。
クヮーエーグヮー
子どもの遊び。賭。賭けをして遊ぶこと。
クヮーギ
桑の木。シマグワ。
- 用例
- カンナイ ナイネー クヮーギヌ シチャンカイ クヮックイシェー マシディ(雷が鳴ると桑の木の下に隠れた方がいいそうだ)。
クヮーギヌ マーター
桑木の股。雷の時に唱える言葉。落雷を避ける呪文。
- 用例
- クヮーギヌ マーター、クヮーギヌ マーター(桑木の股、桑木の股)。
クヮーギヌミーバル
桑木が植えられている畑。
クヮーサン
かたい。
- 用例
- ウヤトゥ クヮーサン(親と相性が悪い)。
クヮーシ
菓子。
- 用例
- クヮーシ コーティ ンナンカイ ワキティトゥラサヤー(お菓子を買って皆に分けてあげようね)。
クヮーシイリー
お菓子入れ。
- 用例
- クヮーシイリーヌ フタガ ネーンナトーン(お菓子入れの蓋がなくなっている)。
- メモ
- 類:タラフ。
グヮーシェー(~グヮーシェー)
~ごっこ。~遊び。
- 用例
- ガッコーグヮーシェー シ アシブン(学校ごっこをして遊ぶ)。
クヮーシデー
お菓子代。
- 用例
- パーパーガ クヮーシデー ヰーラスサ(お婆さんがお菓子代をあげるね)。
- メモ
- 遠足や運動会、祭りなど、子どもたちにとって特別な日には身内からクヮーシデーとしてお小遣いをもらった。
クヮーシヤー
菓子屋。
- 用例
- クヮーシヤーヌ メーヲゥティ マッチョーン(お菓子屋の前で待っている)。
クヮースン
(家畜などに餌を)食わせる。
- 用例
- メーゴーサー クヮースン(げんこつを食らわす)。
ウヮーカイ ムン クヮースン(豚に餌をやる)。
否:クヮーサン(食わせない)希:クヮーシーブサン(食わせたい)過:クヮーチャン(食わせた)継:クヮーチョーン(食わせている)。
- メモ
- クチンカイ。
クヮースン
(魚を)釣る。
- 用例
- カーラヌ シッティヲゥティ イユ クヮースン(川の下辺で魚を釣る)。
否:クヮーサン(釣れない)希:クヮーシーブサン(釣りたい)過:クヮーチャン(釣った)継:クヮーチョーン(釣りをしている)。
否:クヮーサン(釣らない)希:クヮーシーブサン(釣りたい)過:クヮーチャン(釣った)継:クヮーチョーン(釣っている)。
クヮースン
充てがう。加える。かみ合わせる。挟む。
- 用例
- ミーチ クヮーサヤ(3つ加えようね)。
ウチュクイ ワチンカイ クヮースン(風呂敷を脇にはさむ)木。
サーターグルマンカイ ヲゥージ クヮースン(製糖車にサトウキビをはさむ)。
ジテンサヌ ハーガーンカイ ティー クヮーチャン(自転車の歯車に手を挟んだ)。否:クヮーサン(挟まない)過:クヮーチャン(挟んだ)継:クヮーチョーン(挟んでいる)。
クヮースン
切る。
- 用例
- カラジヌ ヌビトーグトゥ クヮーチチューン(髪が伸びているから切って来る)。
- メモ
- 髪の毛を切ることに「クヮースン」という言い方がある。
クヮースン
挟む。
- 用例
- ジテンサヌ ハーガーンカイ ティー クヮーチャン(自転車の歯車に手を挟んだ)。
- メモ
- 否:クヮーサン(挟まない)希:クヮーシーブサン(挟みたい)過:クヮーチャン(挟んだ)継:クヮーチョーン(挟んでいる)
クヮーパッチャー
固くなっていること。
- 用例
- ムチヌ クヮーパッチャーソーン(餅が固くなっている)。
- メモ
- →クファカッパー。
クヮーフスク
過不足を精算すること。
- 用例
- クヮーフスクディチ アマトーンリシェー マーガラヲゥティ フスクル ソーンドー(クヮーフスクといって余っているということはどこかで不足しているってことだよ)。
- メモ
- 類:カーフスクー。
年俸で字費などを精算することをいった。
クヮーラナイ
騒々しい様。音を立てている様。
- 用例
- カンナイヌ クヮーラナイ ソーン(雷がゴロゴロと鳴っている)。アマヲゥティ クヮーラナー ソーヌグトーシガ ヌー ソーガヤー(あそこでクヮーラナイ音を立てているようだが、何をしているのかな)。
クヮーランクェー
無理に食べること。
- 用例
- ワタ ミッチル ヲゥラー、クヮーランクェー ソーンドー(お腹がいっぱいなのか、無理に食べているよ)。
クヮーランクェー
無理に食べること。
- 用例
- ワタ ミッチルヲゥラー クヮーランクェー ソーンドー(お腹がいっぱいなのか、無理に食べているよ)。
- メモ
- →カマランカミ。
クヮーンクヮーン ナナマカヤー
食べない食べないと言いながら七回もお代わりする人。
- 用例
- クヮーンクヮーン ナナマカヤーヤ アンシッ カムル(食べない食べないと言いながらよく食べるね)。
- メモ
- 食べない食べないと言いながら七回もお代わりをするような人。
クヮイシキ
会席。脚の付いた四角い御膳。
- 用例
- スージニ チカイル クヮイシキ アラトーン(祝いに使う会式善を洗っている)。
- メモ
- →カイシキ。
クヮイシキ
会席御膳。会席料理を出す四角い御膳。
- 用例
- スージニ チカイル クヮイシキ アラトーン(祝いに使う会席膳を洗っている)。
クヮイシキウジン
会席御膳。脚の付いた四角い御膳。
- メモ
- →カイシキ。
クヮイタイ
懐胎。
- 用例
- クヮイタイ ウキトーン(妊娠している)。
- メモ
- 類:クェーテー。
クヮイン
喰う。
- 用例
- ウヮーガ ムン クヮイン(豚が餌を喰う)。ヤチン クヮーランヌー(焼いても食えないやつ)。
ハブンカイ クヮッータン(ハブにやられた)。
否:クヮラン(喰わない)希:クヮイブサン(喰いたい)過:クヮタン(喰った)継:クヮトーン(喰っている)。
クヮウムヤー
子を思う人。
- 用例
- ミートゥンダ ジコーヌ クヮウムヤー ヤン(夫婦ともとての子思いだよ)。
グヮサグヮサ
うようよ。うじゃうじゃ。小さい生き物が多数集まってうごめいているさま。
- 用例
- ウッサヌ イユヌ、グヮサグヮサ ユティ チョール(そんなにたくさんの魚が、うようよ寄ってきているね)。
グヮサナイ
混み合っている様。たくさんある様。
- 用例
- アイコーヌ グヮサナイ シガトータン(蟻がたくさんたかっていた)。
バサナイガ グヮサナイ ナトーン(バナナがたくさん生っていた)。
シワーシヌ マチヤ チュヌ グヮサナイ ソーン(師走の町は人が混み合っている)。
チュガ アチマティッチ グヮサナイ ソータン(人が集まってきて騒々しかった)。
クヮサン
かたい。
- 用例
- カーミヌシシェー クヮサヌ カマランドーヤ(亀の肉はかたくて食べられないよ)。
クヮジ
火事。火災。
- 用例
- クジュヤ ウークヮジ ゥンジティ デージ ヤタン(昨年は大火災があって大変だった)。
- メモ
- 類:クヮナ。
クヮダキ
親子ほどの年の差。
- 用例
- アマヌ ミートゥンダヤ クヮダキ トゥシガ ハナリトーン(あそこの夫婦は親子ほど年が離れている)。
クヮタクヮタ
ぐつぐつ。煮え立っている様。
- 用例
- ナーベー クヮタクヮタ ムゲートーシガ(鍋の中身はぐつぐつ煮え立っているよ)。
- メモ
- 音2:クヮタナイ。
グヮタグヮタ
水浸しになっている様。
- 用例
- ミジムターン シ ウマ イッペー ミジグヮタグヮタソータン(水遊びをしてそこらじゅう水浸しだった)。
クヮタナイ
ぐつぐつと。煮えたぎっている様。
- 用例
- ウヮーヌムンヌ クヮタナイ ムゲートーン(豚の餌がぐつぐつと煮えたぎっている)。
- メモ
- →クヮタクヮタ。
クヮッカスン
隠す。
クヮッキントールー
かくれんぼ。
- メモ
- 類:カックンゴーリー・トゥールクヮクェー・トーイガックイ・トールガックイ。
クヮックィーン
隠れる。
- メモ
- 類:カックィーン。
クヮックィブキ
隠れてタバコを吸うこと。
- 用例
- ワラビヌ クヮックィブキ ヒチョーン(子どもが隠れてタバコを吸っている)。
クヮッタイクヮッタイ
水があふれ出る様。
- 用例
- クヮッタイクヮッタイ ナマニン ミジヌ アンリギサー シ(水が湧き出んばかりに今にも水が溢れそうだ)。
グヮッタイミー
ぬかるみ。
- 用例
- ユックィティ ムヌン ミーラン グヮッタイミーンカイ ヒサ チックリネーン(日が暮れて物も見えずにぬかるみに足を突っ込んでしまった)。
クヮッチー
ご馳走。
- 用例
- チューヤ マルケーティル チョーグトゥ クヮッチー スガテーンドー(今日は久しぶりに来たんだからご馳走を準備してあるよ)。
クヮッチー サビタン
御馳走様でした。御馳走になりました。
- 用例
- ヌーンクィ マーサヌ チュハーラ クヮッチー サビタン(どれも美味しくてお腹いっぱいになりご馳走さまでした)。
クヮッチー サビラ
いただきます。御馳走になります。
- 用例
- アンシェー クヮッチー サビラ(じゃあいただきます)。
クヮッチーグヮーセー
子どもの遊び。ままごと。
- メモ
- クヮッチーグヮーは御馳走のこと。
クヮッチースガヤー
御馳走を作る人。
- 用例
- ウチャクヌ マンディ、チューヌ クヮッチースガヤーヌ イチュナサヨ(お客が多くて、今日のご馳走を作る人の忙しいことよ)。
クヮッチームッチャー
御馳走持ち。婿側から嫁側に御馳走を持って行く役目の人。
- 用例
- クヮッチームッチャーン、ヤーヌ ウチカイ イッチ ユックレー(御馳走持ちも、家の中に入って休みなさい)。
- メモ
- 結納の時、婿側から嫁側に御馳走を持って行く風習があった。
クワディーサー
植物名。モモタマナ(コバテイシ)。
- 用例
- メーデー クワディーサーヤ アマクマカイ マンドータンデー(以前はモモタマナはあちこちに多かったよ)。
クヮナ
火事。火難。
- メモ
- 類:クヮジ。
クヮナサー
産婦。
- 用例
- クヮナサーヤ ムヌン ダテーン カリ クンチ チキリヨー(産婦は御飯もたくさん食べて栄養をつけなさいよ)。
クヮナシカティムン
産婦への差し入れ。
- メモ
- 類:クヮナシキンジー。
親戚近隣の人たちが出産の朗報を聞きつけると、クヮナシカティムンと称して豆腐や自家野菜、などを作って持ってきた。
クヮナシキンジー
産婦への差し入れ。
- 用例
- クヮナシキンジーヤ トーフヌ ウーハタン(出産時の差し入れは豆腐が多かった)。
- メモ
- 類:クヮナシカティムン。
赤子を出産した場合に、栄養をつけるようにと、親戚などから卵や肉類等の食べ物を持ち寄った。
クヮナシスーギ
出産祝い。
- 用例
- ンカシヌ クヮナシスーギヤ マギー ヤタンドー(昔の出産祝いは盛大だったよ)。
- メモ
- 類:クヮナシスージ・ボージャースージ・クヮナシマンサン。
クヮナシスージ
出産祝い。
- 用例
- チャクシボージャー ゥンマリティ マギマギートゥ クヮナシスージ スン(長男が生まれたので盛大に出産祝いをする)。
- メモ
- 類:クヮナシスーギ・ボージャースージ・クヮナシマンサン。
出産祝いは母子の健康状態に合わせて、その日に行う家庭もあれば、1週間、または1か月後に行うところもあった。
クヮナシダムン
出産時に使う薪。
- 用例
- クヮナシダムンヤ ヲゥトゥガ ヤマカラ チッチチュータン(クヮナシダムンは夫が山から切ってきた)。
- メモ
- 戦前は地炉のある部屋を産室にしており、妊娠8か月頃になると、夫が山から薪を調達した。
クヮナシマンサン
出産祝い。
- メモ
- 音2:マンサン・マンサンスージ・マンサンユーエー・クヮナシスーギ・クヮナシスージ。ボージャースージ。
クヮナシミヤー
出産の手助けをする年配の手慣れた熟練者のこと。
- メモ
- 類:ワチサンバ・チュクイサンバ・クヮナシミヤーパーパー・フスチジャー・ジユーサンバ・フスチガー。
クヮナシヤー
子どもが生まれた家。
- 用例
- クヮナシヤーンカイ スージ シーガ イチュン(赤子が生まれた家にお祝いに行く)。
クヮハン
固い。
- 用例
- ウヌ クヮーシヤ クヮハン(このお菓子は固い)。
- メモ
- 類:クヮーサン・クワサン・クハサン・クファサン。
クヮビーチャー
自分の子どもを贔屓すること。
- 用例
- アリガ ウヤヤ クヮビーチャー ナティ イフィン ヌーガラアイネー デージドー(彼の親は子贔屓だから少しでも何かあると大変だよ)。
クヮヒチターゥンム
子引き田芋。
- メモ
- 親芋に子芋、子芋に孫芋がつくので子孫繁栄の印として喜ばれる。縁起物として祝い料理によく使われた。
クヮフー
果報。
- 用例
- チャー クヮフー ウタビミシェービリディチ ニゲーイン(いつも果報を与えてくださいと願う)。
クヮムイウタ
子守歌。
- メモ
- 類:クヮムヤーウタ。
クヮムチ
子持ち。
- 用例
- クヮムチヤ カタティー ウシナイン(子持ちは片手を失う)親。
クヮムチヤル エーマー トゥーサネー イカランサ(子持ちの間は遠くへは行けないよ)。
- メモ
- 子どもができると子どもに手がかかって、自由に動けない様子を表現した。
クヮムヤー
子守り。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー クヮムヤー シーガーチール ヌーン スタル(私たちが小さい頃は子守りをしながら何でもやったんだよ)。
クヮムヤーウタ
子守歌。
- 用例
- アバーガ クヮムヤーウタ ウタティ トゥラサヤー(姉々が子守歌を歌ってあげようね)。
クヮラクヮラ
照り輝く様。明るい様。
- 用例
- アヌ ヤーヌ クヮラクヮラ ソーシヨー(あの家が明るいことよ)。
- メモ
- 類:クヮンクヮン。
クヮン
籠飯〔こはん〕。祭事にふるまう料理一式。
- メモ
- 類:クファン。
クヮンにはミシバーチ(円形の木彫りの鉢)が使われたが、近年の結納ではチリデー(大きな長四角の盆)に御馳走を重ね、その周囲は菜箸のような長い箸を立て昆布で巻いている。
クワンアガヤーグヮー
大根の種類。浦添小湾から入ってきた小ぶりの大根。
- メモ
- →アガヤーグヮー。
クヮンカミヤー
籠飯を頭上にのせて運ぶ者。
- メモ
- 類:クファンカミヤー。
籠飯を持つ女性。ニービチの御馳走を入れた。
頑丈な女性が頭上に載せて運んだ。
グヮンクー
頑固者。
- メモ
- 音1:ガンクー。→ガンクー。
クヮンクヮン
照り輝く様。明るい様。
- 用例
- ティーラヌ クヮンクヮン ソーシヨー(太陽がカンカン照りつけていることよ)。
- メモ
- 類:クヮラクヮラ。
グヮンス
元祖。先祖神。位牌。
- 用例
- ワンネー ジナンルヤシガ グヮンス アジカトーン(私は次男だが位牌を預かっている)。
- メモ
- →イーヘー。
グヮンスウーエー
元祖追い。一門追い。
- メモ
- →イチムンウーエー。
グヮンスカサバイ
元祖重なり。別にすべき位牌を一緒に祀っていること。
- 用例
- グヮンスカサバイ ソーグトゥ、チャーガラ サンネー ナラン(別にすべき位牌が一緒に祀られているから、どうにかしないといけない)。
グヮンスカサバイ
別にすべき位牌を一緒に祀っていること。
- 用例
- グヮンスカサバイ ソーグトゥ、チャーガラ サンネー ナラン(別にすべき位牌が一緒に祀られているから、どうにかしないといけない)。
グヮンスムチ
仏壇・位牌を継承している者。
- メモ
- 音2:グヮンスムッチャー。
グヮンスムッチャー
祖先の位牌を守っている人。仏壇・位牌を継承している者。
- 用例
- グヮンスムッチャー ユミ ナティ デージ ソーン(仏壇のある家の嫁になって、大変なことになっている)。
- メモ
- →グヮンスムチ。
クヮンソー
甘草。アキノワスレグサ。クワンソウ。
- メモ
- しぼり汁が不眠症によく効く。豚肉と煎じて食することもあった。
グヮンタン
元旦。
- 用例
- グヮンタンニ ウヤヌヤーンカイ イチュン(元旦に実家へ行く)。
- メモ
- 類:チータチヌヒー。
クヮンチェーバク
棺〔ひつぎ〕。棺箱。
- 用例
- メーディヌ クヮンチェーバクヤ アンシ グナサテールヤー(昔の棺箱はあんなに小さかったんだね)。
- メモ
- 音1:クヮンチャーバク。→カンバク。
クヮンチェーバクチュクヤー
棺箱を造る人。
- 用例
- クヮンチェーバクチュクヤーディチ カッティーガ ヲゥタン(棺箱を造る人は手慣れた人がいた)。
- メモ
- 昔は各字の大工勝手な人が棺箱造りをしており、箱に釘を打つ音が聞こえると、人が亡くなったという知らせでもあった。
クヮンチャーバク
棺〔ひつぎ〕。棺箱。
- メモ
- 音1:クヮンチャーバク。→カンバク。
クヮンチャイバク
棺。棺箱。
- メモ
- →カンバク。
クヮンヌンドー
観音堂。
- メモ
- 類:カンヌンドー。
カンヌンドー参照。
クヮンヌンドーウガミ
観音堂拝み。
- メモ
- 類:カンヌンドーウガン。
カンヌンドーウガミ参照。
クヮンバク
棺箱。棺桶。
- 用例
- イクチン クヮンバクヌ ナラビラットータン(幾つもの棺桶が並べられていた)。
- メモ
- 音1:カンバク。→カンバク。
クヮンムイ
籠飯〔こはん〕盛り。
- メモ
- 類:クファンムイ。
クヮゥンマガ
子や孫。子孫。
- 用例
- クヮゥンマガガ ティーウサー シーガ チューン(子や孫が手を合わせに来る)。
- メモ
- 音1:ックヮゥンマガ・ヤチマガ・ゥンマガクヮ。 類:シスン。
クヮゥンマガ
子と孫。子孫。
- 用例
- クヮゥンマガガ ティー ウサーシーガ チューン(子や孫が手を合わせに来る)。
- メモ
- 音2:クヮゥンマガ・ックヮゥンマガ・ヤチマガ。→クヮゥンマガ。
クン~
強く~。うんと~。思いっきり~。
- 用例
- チューヂューク クンシミレーワ(思いっきり強く締め付けなさい)。
クンカキーン
浴びせかける。
- 用例
- ミジ クンカキーン(水を浴びせかける)。
否:クンカキラン(浴びせかけない)希:クンカキーブサン(浴びせかけたい)過:クンカキタン(浴びせかけた)継:クンカキトーン(浴びせかけている)。
- メモ
- 類:クンクヮースン。
クンガチクニチ
行事名。九月九日。旧9月9日に行う大工の健康祈願。菊酒のこと。
- メモ
- 音1:クングヮチクニチー。類:チクザキ。
大工に関する御願といわれ、酒に石菊を入れて飲む。長田ではイリグミ(西組)が土帝君、アガリグミ(東組)はカー(井泉)を拝んだ。その後各班で豚を潰し会食して親睦を図った。
クンクー
勲功。
クングトゥ
このように。
- 用例
- ヌーンチ ワンビカーン クングトゥ アワリサントー ナランガヤー(どうして私だけがこんなに苦労しなくちゃいけないのかな)。
クングトーシー
こんな物。
- 用例
- クングトーシー ヤティン イリユーヤラー ムッチ イケー(こんな物でも入用なら持って行きなさい)。
- メモ
- 類:クングトールー。
クングトール
このような。
- 用例
- クングトール ムンヤ ナー チューヤ ヤーカイ イリラン(こんな奴はもう今日は家に入れない)。
クングトールー
こんな物。
- 用例
- クングトールーシン ヤクンタッチュンナー(こんな物でも役に立つのか)。
- メモ
- 類:クングトーシー。
クンクナースン
踏み荒らす。
- 用例
- ワランチャーガ ハル クンクナースン(子どもたちが畑を踏み荒らす)。
否:クンクナーサン(踏み荒らさない)希:クンクナーシーブサン(踏み荒らしたい)過:クンクナーチャン(踏み荒らした)継:クンクナーチョーン(踏み荒らしている)。
クンクルバーシェー
押し合いへし合い。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ クンクルバーシェースカ オーティ フージン ネーン(人前で取っ組み合いの喧嘩をしてみっともない)。
- メモ
- →ウシクルバーシェー。
クンクヮースン
無理に食わせる。浴びせかける。
- 用例
- フーチバージル クンクヮーサッタン(蓬汁を無理矢理飲まされた)。
ウヤヌ イシン チカンラー ミジ クンクヮースンドー(親の言うことが聞けないなら水を浴びせかけるよ)。
否:クンクヮーサン(浴びせかけない)希:クンクヮーシーブサン(浴びせかけたい)過:クンクヮーチャン(浴びせかけた)継:クンクヮーチョーン(浴びせかけている)。
- メモ
- 類:クンカキーン。
クングヮチ
9月。
- 用例
- クングヮチ ナイネー イフェー シラクナイガヤー(9月になったら少しは涼しくなるかな)。
グングヮチ
5月。
- 用例
- ハチゥンマガ モーキタシェー クジュヌ グングヮチ ヤサ(初孫をもうけたのは昨年の5月だよ)。
グングヮチウマチー
行事名。五月御祭。旧5月15日に行われる稲の初穂祭。
- 用例
- グングヮチウマチーネー、ワッターン ハナグミ カミーン(5月御祭には、私たちも花米を押し頂く)。
- メモ
- カミアサギに稲穂を供え、豊作を祈願した。また、一門が宗家に集合し祖霊を拝み、一族の繁栄を祈願する。各家庭では麦ご飯を供えた。
→ウマチー。
クングヮチクニチー
行事名。九月九日。旧9月9日に行う大工の健康祈願。菊酒のこと。
- メモ
- →音1:クンガチクニチ
グングヮチグニチー
行事名。旧暦五月五日。菖蒲の節句。
- メモ
- 類:グングヮチャー。
旧5月5日は菖蒲を仏壇に飾り、帯や鉢巻にし、アマガシをも作った。
麦で作ったアマガシと切干大根のスーネーの上に豆腐を載せた椀をもって、分家筋から実家へ行った。菖蒲を仏壇に飾ることはないが、イシダニ(小さい砂利)を浜から持ってきて屋敷の周囲に撒いた。
グングヮチブー
五月賦役。
- メモ
- 波平では製糖期が終わると、青年会がグングヮチブー(五月賦)を組んで、サーターヤー毎に青年団が集まって各人の畑を耕した。
グングヮチャー
行事名。旧暦五月五日。菖蒲の節句。
- メモ
- 類:グングヮチグニチー。
長田では旧5日には御馳走を重箱に詰めて、イリグミ(西組)は土帝君、アガリグミ(東組)はどこにと集まって会食した。旧5月と旧9月の2回、グングヮチャーから9月までに赤子が生まれた家は9月9日に、9月から5月までに生まれたのはグングヮチャーに赤飯を炊いて皆に配った。4日の朝、豚を潰した。正月の豚肉が無くなっている頃なので、豚を潰し、それを分けてもらって御馳走を作る。またアマガシも作って、菖蒲の葉を浮かべたものを供えた。昼間は素麺のお吸い物を供えた。菖蒲湯に入り、菖蒲の鉢巻きと帯をする。
グングヮチャーグヮー
旧5月に行われた若者同士の交流。
- メモ
- 旧5月5日に行なった若者同士の交際。家でグングヮチャーを供えた後、男性が重箱を準備して交流した。
グンゴーマシ
5合枡。
- 用例
- ンナ ユヌグトゥ グンゴーマシシ ハカティ ワキレー(皆同じように5合枡で測って分けなさい)。
クンゴーミパナ
神に供えるための9合の花米。
- 用例
- ウガンネー アザカラ サキ ニンゴートゥ クンゴーミパナ ムッチ チュータン(御願には字から酒2合と9合の花米を持ってきた)。
- メモ
- 字から持ってきた酒と花米を小分けにして、御嶽を拝んで回った。
グンゴーメシ
5合飯。
- 用例
- ワンガ イチマンウイ サッタル トゥクマー グンゴーメシ カマリータン(私が糸満売りされた先は、好待遇であった)。
- メモ
- グンゴーメシ(5合の飯)が食べられるほどの好待遇の表現。
クンジー
紺地。紺地の着物。
- 用例
- スーヤ クンジー チチ ハイタシガ マーカイガヤー(父はクンジーを着て出かけて行ったが、どこにだろうね)。
クンシミーン
強く締める。
- 用例
- ウービガ ハンリラングトゥ クンシミーン(帯が外れないように強く締める)。
否:クンシミラン(強く締めない)希:クンシミーブサン(強く締めたい)過:クンシミタン(強く締めた)継:クンシミトーン(強く締めている)。
クンジャーヒンジャー
ちぐはぐに結んでいる様。
- 用例
- ナー イフェー リッパ クンレー ヤンムンヌ クンジャーヒンジャー シ フージン ネーン(もう少しはちゃんと結べばいいのに、ちぐはぐに結んでみっともない)。
クンジャン
国頭。
- メモ
- 沖縄本島国頭郡域。ヤンバル。
グンジュー
50。
- メモ
- 通貨の単位呼称。50文・1厘のことにもいった。
グンジューグマー
ケチ。ケチな人。
- 用例
- ワッター ウフヤーヌ ハーメーヤ シタタカヌ グンジューグマー ナティ ヌー ティーチン ワキテートゥラハンタン(私の実家のお婆さんはしたたかなけちんぼで何ひとつも分けてくれなかった)。
- メモ
- →イビラー。
クンジュン
くくる。くびる。縛る。
- 用例
- ヒージャーガ ヒンギラングトゥ チナ チューク クンジュン(ヤギが逃げないように綱を強く結ぶ)。
否:クンラン(結ばない)希:クンジーブサン(結びたい)過:クンチャン(結んだ)継:クンチョーン(結んでいる)。
クンジョー
根性。意地悪。悪い心。根性悪。
- 用例
- アレー クンジョー ワッサヌ マジョーノー シクチェー ナラン(彼は根性が悪いから一緒に仕事はできない)。
クンジョーゥンジティ(怒り出して)。
- メモ
- →ウシクンジョー。
クンジョーワルー
根性が悪い人。意地悪な人。
- 用例
- クンジョーワルートー ドゥシェー スナケー(根性が悪い人とは友達するな)。
- メモ
- →ウシクンジョー。
クンジン
金神。
- メモ
- 家の新築・移転、屋敷の門口の位置、墓の風水、結婚の際の嫁入りする方角の吉凶判断の基準とされた。丑寅の方向はクンジンといい、忌み嫌われた。
クンスー
にがりを入れて固まる前の汁。豆腐をしぼる前の汁。
- 用例
- トーフ チュクトーイネー トゥナイヌ パーパーガ クンスー ヰーガ マカイ ムッチ チュータン(豆腐を作るときには隣のおばあさんがクンスーをもらいにお碗を持ってきた)。
クンスグイン
ひったくる。奪い取る。
- 用例
- ティーカイ ムッチョーシ クンスグイン(手に持っているのをひったくる)。
- メモ
- 類:クントゥイン。
クンダ
ふくらはぎ。
- 用例
- クンダンカイ ニーブターガル イジトーラー マジェー ンチンディ(ふくらはぎにおできが出来ているのかまず見てごらん)。
クンダアガイ
筋肉痛でふくらはぎが硬くなった状態。
- メモ
- 音1:クンダアガヤー。
クンダアガヤー
筋肉痛でふくらはぎが硬くなった状態。
- 用例
- チヌー アッチヂューサル アタラー、ユル ニントーイニ、クンダアガヤー スタン(昨日歩きすぎたのか、夜寝ている時にふくらはぎが凝って痛かった)。
- メモ
- 類:クンダアガイ。
クンタキ
この高さ。
- 用例
- ウヌ チナ クンタキマディ アギティンディ(その綱をこの高さまであげてごらん)。
クンタバイン
強く縛る。
- 用例
- タムン ナーシ クンタバイン(薪を縄で強く縛る)。
- メモ
- 類:シカイン
クンダマギー
ふくらはぎが太い人。
クンダムルシ
ふくらはぎの筋肉の盛り上がった塊〔かたまり〕。
クンチ
根気。
- 用例
- クンチヌ タラーンルアラー スグ ヲゥタイル スンレー(根気が足りないのか直ぐに疲れるんだよ)。
ムヌ チュハーラカリ クンチ チキーン(ご飯をいっぱい食べて栄養をつける)。
クンチウジニー
根気補い。滋養食。
- 用例
- クンチウジニー カリ クンチ チキラナ(滋養食を食べて元気を出そう)。
- メモ
- →ウジニ。
クンチウジニーとして魚介類や肉類を食する。
クンチカイン
こき使う。
- 用例
- ンジャックヮ ウシ ゥンマヌ グトゥ クンチカイン(下男を牛や馬みたいに扱き使う)。
クンチカティン ヒナランヌー(こき使ってもこたえない人)。クンチカティン ヨーランヌー(こき使っても弱らない人)。
否:クンチカラン(扱き使わない)希:クンチカイブサン(扱き使いたい)過:クンチカタン(扱き使った)継:クンチカトーン(扱き使っている)。
クンチキ
今月。
- 用例
- クンチキヤ ナー ウワトーシトー ユヌムン ヤサ(今月はもう終わったのと同じだよ)。
- メモ
- 音:クンチチ。
クンチチ
今月。
- 用例
- チャクシヌ タンカーヤ クンチチドー(長男の1歳の誕生祝は今月だよ)。
- メモ
- 音:1クンチキ。
クンチブスク
根気不足。体力がない。
- 用例
- ムヌン カマングトゥ クンチブスクルヤル(ご飯も食べないから体力がないんだよ)。
クンチャー
ハンセン病罹患者。転じて乞食。
- 用例
- ンカシェー ガマンカイ クンチャー マンドータン(昔は洞窟に乞食が多かった)。
クンチャーシール
乞食集団の頭。
- メモ
- 芝居の中で使われていた。
クンチャマ
行事名。豚肉を調理し、健康祈願をした旧12月29日のこと。
- 用例
- クンチャマネー ウヮーヌ ウトゥガクル ニーンドー(クンチャマには豚の下顎を煮るんだよ)。
- メモ
- 正月に向けて屠った豚肉に野菜を加えて調理したものを仏壇に供えた後、家族揃って食した。その日に大きく切り分けた肉をクンチャママルチャジシといった。
クンチャママルチャジシ
旧12月29日のクンチャマに食する肉のこと。
クンチュー
困窮。貧乏。
- 用例
- チョー クンチュー ヤグトゥディチ ウシェーテー ナラン(人間は貧乏だからといって馬鹿にしてはいけない)。クンチューヌ チネー(貧しい家庭)。
- メモ
- 類:ヒンスー・フェンスー・ヘンスー。対:イェーキ・ヲゥエーキ(金持ち)。
クンチュームン
困窮者。
- 用例
- チャッサ ハタラチン チャー クンチュームン ナティヤー(どんなに働いてもいつまでも貧乏者だ)。
クンチリー
横切ること。
- 用例
- ゥンマカラ クンチリー シ イチーネー ヘーササ(そこから横切って行ったら早いよ)。
クンチリーバル
{今切原}。楚辺の小字。
クンチリミチ
近道。
- 用例
- ゥンマヌ クンチリミチカラ イチーネー ヘーク チチュサ(そこの近道から行くと早く着くよ)。
クンドゥ
今度。今年。
- 用例
- チューヤ ニッカナトールムン マタ クンドゥ アシバナ(今日は遅くなっているからまた今度遊ぼう)。
クンドゥン アシビ ディキラサヤー(今年も村芝居を盛り上げようね)。
クントゥイン
ひったくる。
- 用例
- ティーカイ ムッチョーシ クントゥイン(手に持っているのをひったくる)。
否:クントゥラン(ひったくらない)希:クントゥイブサン(ひったくりたい)過:クントゥッタン(ひったくった)継:クントゥットーン(ひったくっている)。
- メモ
- 類:クンスグイン。
クントーサイ
子どもの遊び。川で相撲をとること。
クントースン
思いっきり倒す。
- 用例
- アマンカイヤティン クントーシェー(あそこにでも突き倒せ)。
クンナ
こんな。
- 用例
- クンナ クトゥシ マキテー ナラン(こんなことで負けてはいけない)。
クンナゲー
こんなに長い間。今まで。以前。
- 用例
- クンナゲー シンジトービータシガ(以前は信じていましたが)。
クンナゲーマデー アネー アランタルムン(今までそんなことはなかったのに)。
クンノーイ
嘉手納町国直。
クンパイン
踏ん張る。
- 用例
- シーウワイルマレー チャーシ ヤティン クンパイン(やり遂げるまではどんなことをしても踏ん張る)。
否:クンパラン(踏ん張らない)希:クンパイブサン(踏ん張りたい)過:クンパタン(踏ん張った)継:クンパトーン(踏ん張っている)。
- メモ
- 音2:ヤッパイン。
クンハンスン
踏み外す。
- 用例
- タカドゥクマカイ ヌブティ ヒサ クンハンスン(高い所に登って足を踏み外す)。
否:クンハンサン(踏み外さない)過:クンハンチャン(踏み外した)継:クンハンチョーン(踏み外している)。
- メモ
- 類:クンハンラカスン。
クンハンラカスン
踏み外す。
- 用例
- キーカイ ヌブティ ヒサ クンハンラカスン(木に登って足を踏み外す)。
否:クンハンラカサン(踏み外さない)過:クンハンラカチャン(踏み外した)継:クンハンラカチョーン(踏み外している)。
- メモ
- 類:クンハンスン。
クンピーン
踏む。踏みつける。
- 用例
- クンピラシ(踏みつけさせて)。
カラヒサーシ ガチチャン クンピティネーン(裸足でウニを踏んでしまった)。
否:クンピラン(踏まない)希:クンピーブサー(踏みたい)過:クンピタン(踏んだ)継:クンピトーン(踏んでいる)。
- メモ
- 音:クンピユン。類:クラムン・クダムン・クラミーン。
クンピキヒンピキ
踏みつける様。
- 用例
- チュラーク クンピキヒンピキサッティ アマクマ キジ イッチョーサ(散々踏んづけられてあちこち傷だらけさ)。
クンピユン
踏む。
クンピラカスン
踏みつけつぶす。
- 用例
- カンカナー ヒサシ チューク クンピラカスン(空き缶を足で強く踏みつける)。
否:クンピラカサン(踏みつけない)希:クンピラカシーブサン(踏みつけたい)過:クンピラカチャン(踏みつけた)継:クンピラカチョーン(踏みつけている)。
クンペン
菓子名。薫餅。
- 用例
- ワンネー クンペンル カミーブサンデー(私はクンペンが食べたいんだよ)。
- メモ
- 清明祭や法事に供える、落花生と胡麻で作った餡を小麦粉の皮で包んだ焼き菓子。
グンボー
ごぼう。
- 用例
- ソーグヮチメー ヤグトゥ グンボーン コーティ クーヒー(正月前だからごぼうも買って来るね)。
グンボーン ウジングヮーンカイ イリリヨー(ごぼうも御膳に入れてね)。
クンマースン
回り道をする。避けて通る。
- 用例
- アリトー イチャイブサー ネーンクトゥ アマカラ クンマースン(彼奴とは会いたくないから、あそこから回り道をして行く)。
否:クンマーサン(回り道をしない)希:クンマーシーブサン(回り道をしたい)過:クンマーチャン(回り道をした)継:クンマーチョーン(回り道をしている)。
クンムン
組踊。
- 用例
- ンカシヤ シージャンチャーカラ クンムン ナラインディ デージナ ムン ヤタン(昔は先輩達から組踊を習うのも大変なことだった)。
グンメーナービ
鉄鋼製の大鍋。5枚鍋。
- 用例
- ゥンムン グンメーナービヌ ミー タチャン(芋もグンメーナービのいっぱい炊いた)。
- メモ
- グンメー以上の大鍋は豚の餌炊きや黒糖製造、或いは使用人のいる篤農家が甘藷を炊くのに使われることが多かった。→シンメーナービ。
読込中...