- ホーム
- しまくとぅば単語帳:マミムメモ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
マー
どこ。
- 用例
- マーカイル ゥンジャラー、カメーティン ヲゥランレー(何処に行ったのか、探してもいないよ)。
マーンケー アガ、ウヌ ハカー(どこにあるのか、その墓は)。
ヤー カイブサシガ、マーガラ イー トゥクロー ネーンガヤー(家を借りたいが、何処か良い処はないかね)。
イャーヤ ンチャルウビガ アシガ、マーヌガヤー(君は見覚えがあるが、どこのかね)。
マーアンダ
菜種油。植物油。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー ウヮーヌアンダガル ウーサル、マーアンダ ディシェー アンスカ ネーンタン(私が小さい頃までは豚の油が多かったんであって、植物油はそんなになかった)。
マーイ
まり。毬。
- 用例
- ソーグヮチネー、アバーガ マーイ コーティ トゥラスサ(正月には、姉さんがまりを買ってあげるさ)。
マーイ
①回り。周り。②~回。回数を数える数詞。
- 用例
- ヤーヌ マーイヌ クサ ハラレー(家の周りの草を取り払いなさい)。
- メモ
- チュマーイ(1回り)、タマーイ(2回り)、ミマーイ(3回り)と数える。
マーイウッチェー
毬つき遊び。
- 用例
- マーイウッチェーヤ フカヲゥティル スンドー(毬つきは外でやるんだよ)。
マーイサー
力石。真石。力比べ用の石。黒色の堅い石。
- 用例
- チャヌアタイヌ マーイサー ヤレー、ムッチー スガヤー(どのくらいの力石なら、持てるのかね)。
マーイサー ヤチ(固い石を焼いて)。
- メモ
- 音1:マーイシ。類:チチイシ・カタミイシ・サシイシ。
青年たちが夕食後に担ぎ勝負をした。
マーイシ
力石。真石。力比べ用の石。黒色の堅い石。
- メモ
- 音2:マーイサー・チチイシ・カタミイシ・サシイシ。
マーイナギエー
まり投げ。
- 用例
- アブナサグトゥ マーイナギエーヤ フカヲゥティ ッシクヮー(危ないから、まり投げは外でやってきなさい)。
マーイニー
料理名。豚の腸に米を入れて炊いたもの。
- メモ
- 前夜から水につけておいた糯米を豚の腸に入れて炊いた。あまりたくさん入れるとはち切れるので、トーカチで加減しながら餅米、水と塩を入れて炊く。
マーイン
回る。
- 用例
- ワンネー ヒジャインカイ マーイン(私は左に回る)。
否:マーラン(回らない)希:マーイブサン(回りたい)過:マータン(回った)継:マートーン(回っている)。
- メモ
- 類:ミグイシ。
マーウ
猫〔ネコ〕。
- メモ
- 幼児語。餌をやるときなどにマーウ マーウと呼んだ。
マーウー
幼児語。猫。
- 用例
- マーウー サーイネー カチャマリンドー(猫を触ると引っかかれるよ)。
マーオーハー
植物名。ハルノノゲシ。
- メモ
- 音1:マーオーファー。類:フクリラー。
マーオーファー
植物名。ハルノノゲシ。
- メモ
- →マーオーハー。
マーギン
黍〔キビ〕。
- 用例
- マチヤヲゥティ マーギン コーティ クーワ(店で黍を買って来なさい)。
- メモ
- 音1:マージン。
黄色く色づいた頃に収穫した黍穂を、足で踏んでもみ落として脱穀した。米に混ぜて黍飯にしたり、黍餅を作って食べた。
マーギンウケーメー
黍のお粥。
- 用例
- ハルシクチガ イチュナハイネー、アシーヤ マーギンウケーメー カムル バーン アタン(畑仕事が忙しい時には、3時のおやつは黍のお粥を食べることもあった)。
マーギンゥンバン
黍ご飯。
- 用例
- クミヌ イキラハイネー、マーギンゥンバン ニータン(米が少ない時には、黍御飯を炊いていた)。
- メモ
- 祝い事にも米が少ない時はマーギンゥンバンを炊いた。
マーグ
嫁入り道具のひとつ。女性の下着入れ。
- 用例
- ヰナゴー ヤータッチイチーネー、マーグン ムッチ イチュタン(女は嫁に行く時には、下着入れも持って行った)。
マーグーヒーグー
しわくちゃ。
- 用例
- アンスカ、マーグーヒーグー シ トゥラチェーサヤー(そこまで、しわくちゃにしてくれたな)。
- メモ
- 類:マージュー・ワージャー・ワージュー・ワージューマージュー。
マーサカジャ
美味しそうな匂い。
- 用例
- マーサカジャ スシガ、ヌー ニチョーガ?(美味しそうな匂いがするが、何を炊いているのか?)。
マーサマーサ
美味しそうに。
- 用例
- ムノー、チャー マーサマーサ スガラットーン(食事は、いつも美味しそうに準備されている)。
マーサムン
美味しいもの。うまいもの。
- 用例
- マーサムンビカーン カミーネー、アトゥシンカヌ ムノー ネーンル ナイサイ(美味しいものばかり食べると、後から来る人の分はなくなるでしょう)。
- メモ
- 対:ニージャムン(不味い物)。
マーサムンジョーグー
美味しいのだけ食べる人。美味いもの上戸(好き)。
- 用例
- マーサムンジョーグー ナテー ナランドー(美味いもの上戸になってはいけないよ)。
マーサン
美味しい。おいしい。
- 用例
- チャー ヲゥガリティル ヲゥグトゥ、ヌー ヤティン マーサタン(いつもお腹を空かせているんだから、何でも美味しかった)。
アヌ ゥンモー アンシ マーサタルヤー(あの芋はとても美味しかったね)。
- メモ
- 音1:マーハン。対:ニーサン(不味い)。
マージェー
昆虫名。バッタ。
- 用例
- ワランチャーガ、マージェートゥバシェー シ アシドーン(子どもたちが、バッタを跳ばせて遊んでいる)。
マーシガター
亡くなりそうなこと。
- 用例
- インガ ムヌン カマン ナティ、マーシガター ナトーン(犬が餌を食べなくなって、死にそうになっている)。
マーシミジ
死に水。湯灌に使用する水。
- メモ
- 類:シニミジ。
マージム
真心。
- 用例
- イクチ ナティン、チョー マージムル テーヒチ ヤル(幾つになっても、人間は真心が大切だ)。
- メモ
- 音1:マジム。対:ヤナジム(悪い心)。
マージュー
しわ。しわくちゃ。しわだらけ。
- 用例
- アンスカ マージュー ナチ(あんなにしわだらけにして)。
- メモ
- 類:マーグヒーグ・ワージャー・ワージュー・ワージューマージュー。
マージン
黍〔キビ〕。
- 用例
- マージンヌ ユカティ、ウホーク トゥイネー ムルカイ ワキーサ(黍も豊作で、たくさん収穫したら皆に分けるさ)。
- メモ
- 類:マーギン。
マージンガーミ
黍甕。収穫した黍を保存する甕。
マース
塩。
- 用例
- ウミカラ ウス クリ ッチ、マース チュクイン(海から潮水を汲んで来て、塩を焚く)。
マース フチョン(塩が吹いている。汗が乾いて塩分が白く残っている)。
マースウブシー
塩味のウブシー料理。
- 用例
- イユ マースニー シ カムン(魚を塩煮にして食べる)。
マースウヤー
塩売り。
- 用例
- マースウヤーヤ アーシカラ チュータン(塩売りは泡瀬から来ていた)。
マースクェー
アオカナヘビ。
- メモ
- アヤヤジュートゥイグヮー・カキヌミパーパーグヮー参照。
マースクェー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マースダーラ
塩俵。
- 用例
- マースダーラヌ ウヮービンカイ ウカットーン(塩俵が上に置かれている)。
マースヂキ
塩漬け。
- 用例
- シシェー マースヂキ シ ウッチュサ(肉は塩漬けしておくさ)。
マースデー
塩代。出産祝いにあげる御祝儀。
- 用例
- スージカイ イチュシガ、マースデーヤ シコーテーミ(お祝いに行くが、マースデーは準備してあるねぇ)。
マースデーグヮー ヰーラセー(出産のお祝いをあげなさい)。
- メモ
- 以前はお金をあげることができずに、縁起の良い塩を芭蕉の葉等に包んであげたことから「マースデー(塩代)」といわれている。
マースミジ
塩水。
- 用例
- ムンヌキムントゥシ、マースミジ ヤシチヌ マンマールカイ ハンチュン(魔除けとして、塩水を屋敷の周囲に撒く)。
マースヤー
製塩業。塩屋。
- 用例
- マース チュクトーテーグトゥ ヤーンナーヤ マースヤーディ イータン(塩を作っていたから、屋号はマースヤーといっていた)。
マースユー
塩湯。にがり。
- 用例
- マースユーシ、トーフォー シーマスタン(塩汁で、豆腐は固めさせた)。
- メモ
- 海の遠い親志ではマースユーと呼ばれるにがりを使って豆腐を作った。
マースン
回す。
- 用例
- サーターグルマ ウシンカイ ヒカチ マースン(砂糖車を牛に引かせて回す)。
否:マーサン(回さない)希:マーシーブサン(回したい)過:マーチャン(回した)継:マーチョーン(回している)。
マースン
死ぬ。亡くなる。
- 用例
- イチュクガ マーヒチャイ ヒチ(いとこが亡くなったりして)。イャーヤ ウンナ ワジャ シ、マースンディチル ヤリー?(お前はそんなことをして、死ぬつもりか)。
チュー アサ ヘーク、タンメーヤ マーヒチャン(今朝早く、おじいさんは亡くなった)。
否:マーサン(死なない)希:マーシーブサン(死にたい)過:マーチャン・マーヒチョーン(死んだ)継:マーソーン・マーヒチョーン(死んでいる)。
- メモ
- →ケーマースン。
マーソーガー
しょうが。生姜。
- 用例
- マーソーガー イリージューサヌ、カマラン ナトーン(しょうがを入れすぎて、食べられなくなっている)。
マーター
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マーターガーター
肩車。
- メモ
- 音1:マータガータ。→ウマドードー。
マータガーター
肩車。
- メモ
- 音1:マータガータ。→ウマドードー。
マータク
竹の一種。真竹。タイサンチク。孟宗竹。
- 用例
- ヤマカイ イチーネー、チャッサ ヤティン マータクヌ ミートータン(山に行けば、いくらでも孟宗竹が生えていた)。
- メモ
- 高さ10メートル近くにもなり、竹の子は食用、幹は竿・建築用材などにする。
マータク
は虫類。キノボリトカゲ。茶色のキノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マータクヤー
は虫類。キノボリトカゲ。
- 用例
- ワンネー マータクヤーヤ サーイ サンタン(私はキノボリトカゲは触れなかった)。
- メモ
- →アータ。
マータクヤーオーラセー
キノボリトカゲの喧嘩。
- 用例
- マータク トゥッカチミティッチ マータクヤーオーラセー スタン(キノボリトカゲを捕まえてきて、喧嘩をさせた)。
マータクラー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マーチ
松〔マツ〕。
- 用例
- マーチ トゥティ ッチ タムン スン(松を取って来て薪にする)。
マーチカスー
松ぼっくり。
- 用例
- クシヌ ヤマンカイ マーチカスー トゥイガル ンジャンレー(後の山に、松ぼっくりを取りに行ったんだよ)。
マーチガマーバル
{松蒲原}。古堅の小字。
マーチバー
松の葉。松葉。
- 用例
- マーチバー ホーチュシェー、ワランチャー シクチ ヤタン(松の葉を掃くのは、子どもの仕事だった)。
マーチブニ
松船。松材の刳船。
- 用例
- マーチブニ シ ニムチ ハクブン(松船で荷物を運ぶ)。
- メモ
- 漁業で用いるサバニのひとつ。運搬用としても使っていた。
マーチムム
植物名。ヤマモモ。
- メモ
- 音2:ムム・マーチムム。
マーチュー
松林。
- メモ
- 音1:マーチョ。
マーチュー
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音1:マチュー。類:マチ・マチャー。
マーチユカ
松材の床。
マーチョー
松林。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー、マーチョーヤ イー アシビドゥクル ヤタン(私たちが幼い頃は、松林は良い遊び場だった)。
- メモ
- 音1:マーチュー。
マーチンニーバル
{松根原}。座喜味の小字。
マーニ
クロツグ。
- 用例
- マーニシ チュクタル チナヤ、ヨーイネー クタンドー(クロツグで作った縄は、容易には腐れないよ)。
マーニンクィーニン
どこもかもに。あっちにもこっちにも。
- 用例
- グミヤ マーニンクィーニン ヒティランキヨー(ゴミはあちこちに捨てるなよ)。
- メモ
- →アマニンクマニン。
マーハン
美味しい。
- 用例
- トーフチャンプルーヤ イッペー マーハン(豆腐チャンプルーはとても美味しい)。
- メモ
- 音1:マーサン。対:ニーサン(不味い)。
マーヒラキー
尻をつけて座り込むこと。
- 用例
- マーヒラキー シ チベー ドゥルブッター ソーン(尻をつけて座り込んだら、尻は泥だらけになっている)。
- メモ
- 音2:マンビラカー。
マーマー
何処何処。
- 用例
- マーマー イチュガ(どこどこに行くか)。マーマーンカイ ウッチュガ(どこどこに置くの)。
マーマートゥ
まんまと。見事に。
- 用例
- ドゥシンカイ マーマートゥ サッティネーン(友達にまんまとやられてしまった)。
マーマカスン
きちんと取っておく。確保しておく。
- 用例
- チカイ ウワイネー、リッパ マーマカシヨー(使い終わったら、ちゃんと取っておきなさいよ)。
否:マーマカサン(取っておかない)希:マーマカシーブサン(取っておきたい)過:マーマカチャン(取っておいた)継:マーマカチョーン(取っておいてある)。
マーマチ
魚介名。オオヒメ。クロマツ。
- 用例
- マーマチ ヤティカラ、ジコーヌ マーサ イユ ヤサ(オオヒメだったら、とても美味しい魚だよ)。
マーマリン
何処までも。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ、マーマリン ウーティ チューンドー(その子どもは、何処までも追って来るよ)。
マーマングラ
どの辺り。
- 用例
- アッピーヤ マーマングラ ゥンジョーガヤー(兄さんはどの辺りまで行っているのかな)。
- メモ
- 音2:マーリカー。
マーミ
豆。
- 用例
- バーキヌミー マーミ トゥッティ ッチ、カー ハジュンディ デージ ヤサ(ザルのいっぱい豆を取って来て、皮を剥くのに大変だ)。
マーミーサートゥー
昆虫名。カマキリ。
- メモ
- 音1:マーミサートゥー。音2:マーミヌハートゥー・マーミナサートゥー・マーミナトゥー。→イサトゥー。
マーミガーミ
豆甕。収穫した豆を保存する甕。
- 用例
- クチャカラ マーミガーミ ゥンジャシェー(裏座から豆甕を出しなさい)。
マーミグー
豆粉。
マーミグサーグヮー
植物名。カラスノエンドウ。
- 用例
- マーミグサーグヮーヌ ハナヤ、チュラムンヤン(カラスノエンドウの花は、きれいなもんだよ)。
マーミグヮーギー
植物名。ギンネム。
- 用例
- マーミグヮーギーヤ ワラビヌ アシビンカイ ユー チカイタン(ギンネムは子どもの遊びによく使った)。
マーミサートゥー
昆虫名。カマキリ。
- 用例
- キーンカイ マーミサートゥーヌ シガトーン(木にかまきりが止まっている)。
- メモ
- 音1:マーミーサートゥー。→イサトゥー。
マーミタタチャー
民具のひとつ。豆を叩く棒。
- メモ
- 類:クルマボー。
マーミタッチドゥフン
豆の叩きどころ。
マーミナー
もやし。
- 用例
- マーミナーヤ ヤーヲゥティン チュクラリンドー(もやしは家でも栽培できるよ)。
マーミナクー
きな粉。
マーミナサートゥー
昆虫名。カマキリ。
- メモ
- →イサトゥー。
マーミナトゥー
昆虫名。カマキリ。
- メモ
- →イサトゥー。
マーミヌカー
豆の皮。
- 用例
- マーミヌカーヤ メーヌ アタインカイ ホートーケー(豆の皮は前の畑に撒きなさい)。
マーミヌハートゥー
昆虫名。カマキリ。
- 用例
- キーンカイ マーミヌハートゥーヌ シガトーン(木にかまきりが止まっている)。
- メモ
- →イサトゥー。カマキリにイボを食べさせると治るといわれた。
マーミヌハートゥーオーラセー
カマキリの喧嘩。
- 用例
- マーミヌハートゥー ターチ トゥティッチ、マーミヌハートゥーオーラシェー スタンヤー(カマキリを2匹取って来て、マーミヌハートゥーオーラシェーしたね)。
マームスビ
真結び。玉結び。
- 用例
- アンスカナー マームスビ シェーグトゥハンリグリサン(そんなにきつく玉結びにしてあるから、外しにくい)。
マームティー
どこら辺。
- 用例
- マームティーンカイガ ウチェーラー カメーイサンレー(どこら辺に置いてあるのか探せないよ)。
マーヤークィーヤー
何処もかしこも。
- 用例
- マーヤークィーヤー ゥンジリワル、シキヌン ワカインドー(何処もかも行ってみて、世の中のことが分かるんだよ)。
マーユーイ
髪の結い方の一種。丸結い。成人前の男子の髪型。
- 用例
- ワカムンヤ、マーユーイビカーン シン チュラサル アル(若者は、髪を丸く結っただけでもきれいだよ)。
マーラン
馬艦。馬艦船。
- 用例
- マーランヌ ミー(馬艦船にいっぱい)。
- メモ
- マーランセン(馬艦船)。国頭から木材や薪を運搬していた。
マーリカー
どの辺り。
- 用例
- マーリカー ゥンジョーガヤー、ウーティ ゥンジンディ(どの辺りまで行っているか、追って行ってごらん)。
- メモ
- →
マール
前(に)。~ならないうち(に)。~する前(に)。
- 用例
- ティーダヌ ウティラン マール(太陽が落ちないうちに)。
カミーウワラン マール、ウビジ ヒンギティ ハイタン(食べ終わらないうちに、すぐに逃げて行った)。
- メモ
- 音1:マル。
マール(~マール)
回数を表す数詞。
- 用例
- ①ミジクミーガー、タマールヤ イキワル ナインテー(水汲みには、2回は行かなくちゃいけないよ)。
- メモ
- チュマール(1回)、タマール(2回)、ミマール(3回)と数える。
マールー
丸。円形。
- 用例
- マールー ウブヌンカイ イッティ ムッチ クーワ(丸いお盆に入れて持って来なさい)。
マールー
輪番。輪番制。持ち回り。
- 用例
- マールーシ スシェー マシドー(持ち回りでやったほうがいいよ)。
マールーヰー
円座。車座。
- 用例
- マールーヰー シ ハナシー ソーン(円座になって話をしている)。
マーワタ
真綿。
マーンクイ
どこでも。どこもかしこも。
- 用例
- マーンクイ アッチ(どこもかも歩いて)。
マーンクィン
どこもかしこも。そこら中。
- 用例
- マーンクィン クーイミチティ 、チサー ネーンナー(何処もかも閉め切って、暑くないねえ)。
マイコーマイコー
ひらひらと舞う様。
- 用例
- マイコーマイコー シ(蝶のようにひらひら舞って)。
マイホーイン
所構わず放りちらかす。(糞を)撒き散らかす。
マイン
(糞を)する。
- 用例
- クス マイン(糞をする)。クス マテーン(糞してある)。クス マティ(糞をして)。
マガ
マカイ
椀。お椀。碗。碗数を数える数詞。
- メモ
- 音1:マッカイ。数詞(~マカイ)はチュマカイ(2碗)タマカイ(2碗)、ミマカイ(3碗)と数える。
マガイ
関節。
- メモ
- →グーイ。
マガイ
曲がっていること。曲がっているところ。
- 用例
- イヒヌ マガイヤ、ヌバチ チカーリーサ(少しだけ曲がっているなら、伸ばして使えるよ)。
マカイアラヤーウーキグヮー
お椀を洗う桶。大きめの桶。
マカイダナ
食器棚。
- 用例
- アライ ウワタラー マカイダナカイ カタヂキレーワ(洗い終わったら、食器棚に片づけなさい)。
マガイヒガイ
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- ウヌ ボーヤ、マガイヒガイシ チカーランサ(その棒は、曲がりくねっていて使えないよ)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マガイン
曲がる。
- 用例
- ナー イフィ イチーネー ニジリンカイ マガイン(もう少し行くと右に曲がる)。
否:マガラン(曲がらない)希:マガイブサン(曲がりたい)過:マガタン(曲がった)継:マガトーン(曲がっている)。
マカターマージェー
トノサマバッタ。
- 用例
- マカターマージェーヤ ゥンブラーサタン(トノサマバッタは威厳があった)。
マカチ(~マカチ)
~と。
- 用例
- バンマカチ トーリタン(バンと倒れた)。
- メモ
- 擬声語・擬態語につき、~という音を立てるという意味。
マカネー
賄い。
- 用例
- チューヌ シェーク マカネーヤ イクタイブンガ?(今日の大工賄いは何人分ねぇ?)。
マカネーヤー
食堂。
- 用例
- マカネーヤーヌ ネーサントゥ、イーナカ ナトーンディサ(食堂の姉さんと、良い仲になっているらしいよ)。
マガハン
大きい。
マカヤ
植物名。チガヤ。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョーン マカヤ カイガ イチュン(友達と一緒にチガヤを刈りに行く)。
- メモ
- 音1:マカヤー・マッカヤー。
家畜の飼料や鍋蓋の材料として使われた。
マカヤー
植物名。チガヤ。
- 用例
- カマンタ チュクイシ、マカヤードーヤ(大鍋の蓋を作るのは、チガヤだよね)。
- メモ
- 音1:マカヤ・マッカヤー。
マガヤーマガヤー
くねくね。あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- ルク マガヤーマガヤー ッシ、ノーサリン ナランサ(あまりいも曲がりすぎて、直すこともできないさ)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マガラ
間柄。
- 用例
- イェーカン マンディ、ジャヌフージナ マガラル ヤラー ワカランサ(親戚も多く、どういった間柄なのか分からないさ)。
マカラー
賢い人。
- 用例
- サンナン マカラー(三男は賢い)。
マガルーヒガルー
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- イャームノー アンシ マガルーヒガルー ソール(お前のはとても曲がりくねっているね)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マキ
面。回りを強化するための面。
マギ
容器のひとつ。木製の深みのある大きな丸い容器。
- 用例
- スージネー マギカイ クヮッチー ムイタン(祝いにはマギに御馳走を盛った)。
マギアケージュー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- →ミンタマー。
マギアビー
大声。
- 用例
- マギアビー シーネー、ニントール ワラビガ ウキーシガ(大声を出すと、寝ている子が起きるよ)。
- メモ
- 類:ウフアビー。
マギー
①大きいもの。②位の高い者。
- 用例
- ①ヌーヤティン マギーカラ トゥティ クーワ(何でも大きいのから取ってきなさい)。
- メモ
- 対:グナー・グマー(小さい)類:マガハン・マギサン・マギハン。
マギイービ
親指。
- メモ
- 類:ウフユビ・ウフイービ・ウヤイビ。
マキイクサ
負け戦。
- 用例
- ハジミカラ ワカトール マキイクサヤ、サンシェー マシヤタン(最初から分かっている負け戦は、しない方が良かった)。
- メモ
- 対:カチイクサ(勝ち戦)。
マキーン
負ける。
- 用例
- クンドゥヌ ヤマゥンムヤ ディキラン、ヤマゥンムスーブヤ マキーンレー(今年の山芋は不出来で、山芋勝負は負けるね)。
否:マキラン(負けない)希:マキーブサン(負けたい)過:マキタン(負けた)継:マキトーン(負けている)。
- メモ
- 対:カッチュン(勝つ)。
マギーン
曲げる。
- 用例
- クルマンカイ イラングトゥ、ターチンカイ マギーン(車に入らないから、2つに曲げる)。
否:マギラン(曲げない)希:マギーブサン(曲げたい)過:マギタン(曲げた)継:マギトーン(曲げている)。
- メモ
- 対:ヌバスン(伸ばす)。
マギサン
大きい。
- 用例
- ワッター ワラビヌル フロー マギサンデー(私の子の方が背は高いよ)。
- メモ
- 類:マギハン。対:グナサン・グナハン(小さい)。
マギスージ
{おおしゅうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- マギスージン シーアーチ ウミナーク ナタン(大きなお祝いもやり終えてほっとした)。
- メモ
- →ウースージ。
マギッチュ
大柄な人。大きな人。
- 用例
- イャー シージャヤ、アンシ マギッチュ ヤテール(君の兄さんは、とても大きな人だったんだね)。
マキバカ
巻き墓。
- 用例
- マキバカヤ、フィンチャーバカンカイ ヤーヌイー マキ カキテータン(巻き墓は、掘り込み墓の屋根にマキをかけてあった)。
マギハン
大きい。
- 用例
- イャームンヤカ ワームノー ジョーイ マギハンテー(君のものより私のがずっと大きいよ)。
- メモ
- 類:マギサン。対:グナサン・グナハン(小さい)。
マキホーイン
撒き散らす。
- 用例
- ナーンカイ グミヌ マキホーラットーン(庭にゴミが巻き散らかされている)。
- メモ
- 音1:マチホーイン。
マギマギートゥ
大きく。
- 用例
- ヤー チュクイラー マギマギートゥ チュクレー(家を造るなら大きく造りなさい)。
マギマギートゥ スージ スン(大きくお祝いする)。
- メモ
- 音1:マギマギトゥ。
マギマギトゥ
大きく。
- メモ
- 音1:マギマギートゥ。
マギユージュ
大事に至る用事。
- 用例
- ヌーン チネー サンタシガ、マギユージュ ナティネーン(何も気にしてなかったが、大事に至ってしまった)。
- メモ
- 対:グマユージュ(ちょっとした事)。
マク
幕。
- 用例
- マク アキーシェー、ナマー マッチョーキヨー(幕を開けるのは、今は待っていてよ)。
マク
腕白。乱暴者。
- 用例
- アマヌ ワランチャーヤ、ムル マク ナティ(あそこの子どもたちは、みんな腕白ばかりだ)。
- メモ
- →アカマク。
マクアタイ
幕引き係。
マグイ
しわ。皺。
- 用例
- トゥシ トゥイネー チラヌ マグイヤ シカター ネーンサ(年を取ると顔のしわは仕方がないさ)。チラヌ マグイヨ(顔のしわよ)。
マクトゥ
誠。
- 用例
- チュニンジノー チャー マクトゥ ソーケー、アトー イー クトゥン アサ(人間はいつも誠であれば、後は良い事もあるさ)。
マクトゥナムン
誠な者。正直者。誠実な人。
- 用例
- ルク マクトゥナムン ナティ、ティーチン ユダノー サン(あまりにも正直者で、ちっとも気をゆるすことはない)。
- メモ
- 音1:マクトゥンチュ。
マクトゥンチュ
誠な人。正直者。誠実な人。
マクブ
魚介名。ベラ科。鯛に類する上等な魚。
- 用例
- マギスージ ヤティン、マクブヤ コーイ サンタン(大きな祝いでも、マクブは買えなかった)。
マグラー
分からず屋。
- メモ
- 音1:マグリムン。
マグリーン
紙、布、皮膚などがしわになる。
- 用例
- チンヌ マグリティ(着物がしわになって)。
マグリムン
義理や道理が分からない者。分からず屋。
- 用例
- アレー マグリムン ヤグトゥ、ナー ジノー カラサン(あいつは義理や道理が分からない者だから、もう金を貸さない)。
- メモ
- 音2:マグラー。
マクン
巻く。
- 用例
- チブルンカイ ティ-サージ マクン(頭に手拭いを巻く)。
- メモ
- 音1:マチュン。
マサイン
勝る。優る。
- 用例
- チュヌ バイ ハタラケーカラー、ウッサヌ ブノー シクチン マサイン(人の倍働いたら、その分は技術も優る)。
マサカイ
真っ盛り。
- 用例
- チチヌマサカイ ソーニ(満月のときに)。
- メモ
- 類:サラバンジ・バンジ。
マサグトゥ
案の定。
- 用例
- ンチャ、マサグトゥ ハナ フィッチャンディ(ほら、案の定くしゃみをしたそうだ)。
マササン
崇高な。崇高である。霊力高い。霊験あらたかである。
- 用例
- ウティントーヤ マササ ミシェーンドー(お天道は崇高なお方だよ)。
マササ アミシェーン(霊験あらたかであられる)。アササ アミソーチ(高)。
マササン
霊験あらたかな。崇高な。神様の見守る力や願いを叶えてくれる力などが強い。
- 用例
- ウティントーヤ マササミシェーンドー(お天道は崇高なお方だよ)。
マシ
好き。良い。まし。
- 用例
- マシ ヤラー ドゥークルル イールヨー、チュ タルガキテー ナラン(好きなら自分で言うんであって、人を当てにしていたら駄目だよ)。
ワンネー ヒージャージル、ヒージャーカジャ スシガ マシ ヤサ(私は山羊汁は、山羊の臭いがする方がいい)。マシ ヤンドー(良いよ・好きだよ)。
マジ
まず。
- 用例
- クトゥワラッティン シムグトゥ マジ タヌリンディ(断られてもいいから、まず頼んでごらん)。
ナティン ナランティン マジェー シンダナ(出来ても出来なくても、まずはやってみよう)。
マシシ
赤肉。脂身のない肉の部位。
- 用例
- ウヮーヌ シシヤ マシシビカーンヤカ、イフェー アンラジシン マンチョーシェー マシ(豚肉は赤肉だけより、少しは脂身のある肉も混ざっていた方が良い)。
マシドゥイ
枡取り。
- メモ
- 上納の穀物の量に不正がないように各字に役職があった。喜名ではグーフンニーに、そのマシドゥイを務めた人が祀られているという。正月三日に区民揃って「子孫繁盛、ィエーキ繁盛、健康繁盛させてください」という祈願をした。
マジナクトゥ
本当のこと。
- 用例
- チヌーヌ ハナシヤ マジナクトゥ ヤル フージデー(昨日の話は本当のことらしいよ)。
- メモ
- →ソークトゥ。
マジム
真心。
- 用例
- ワンネー チャー、マジムカラ イャークトゥ ウムトーンドー(私はいつも、真心からお前の事を想っているよ)。
- メモ
- 音:マージム。対:ヤナジム(悪い心)。
マジムン
魔物。もののけ。霊的なもの。
- 用例
- マジムンヌ ゥンジーンドー スグトゥ、ユックランマール ヘーク ケーラナ(魔物が出るというから、夜が暮れないうちに早く帰ろう)。
マジムンヌ タッチュンドー(魔物が立つ〔現れる〕よ)。
マジュン
一緒に。
- 用例
- スリーカイ ヤラー マジュン イチュシェー マシ(集まりになら一緒に行く方が良い)。
- メモ
- 音1:マジョーン・マジョーイ。
マジョーイ
一緒に。
- メモ
- 音1:マジュン・マジョーン。
マジョーン
一緒に。
- 用例
- ワンニン マジョーン イチュグトゥ、シコーイル エーダヤ マッチョーケー(私も一緒に行くから、準備するまで待っていて)。
ワンニン マジョーン イチュサ(私も一緒に行くさ)。
- メモ
- 音1:マジュン・マジョーイ。
マジョーンシンカ
一緒に何かをするグループ。
マジリ
間切。琉球王国時代の行政区分。
- メモ
- おおよそ現在の市町村域に相当する。
マジリムン
何か足りない時に補う物。
- 用例
- ヌーガラ イキラサンネー シ、アトゥ ティーチェー マジリムン イリレーワ(何か物足りないような気がして、あとひとつは何か補う物を入れなさい)。
マジワイ
交わり。交際。
- 用例
- ドゥシンチャー マジワイヤ、ジフィ シワル ナイル(友達との交際は、是非やらなくちゃいけない)。
- メモ
- 類:トゥイヒレー。
マジン
積み。ひと山。積み上げた物の数詞。
- 用例
- ウヌ イニヤ チュ マジンシ チャッサー アガヤー?(その稲は、ひと山でどのくらいあるかな?)。
- メモ
- 数詞(~マジン)はチュマシン(ひとやま)、タマジン(ふたやま)と数える。
マタ
股。ふたつにわかれているところ。
- 用例
- マタカイ ヌーガラ クヮーチョーシガ ヌー ヤガヤー(股に何か挟んでいるが何かな)。
- メモ
- 音2:マタバシ。
マタイチク
またいとこ。
- 用例
- アリトー マタイチクル ヤシガ、チョーデーヌグトゥ ヒラトーン(彼とはまた従兄弟なんだが、兄弟みたいに付き合っている)。
- メモ
- 音1:マタイチュク。
マタイチュク
またいとこ。
- メモ
- 音1:マタイチク。
マタガーバル
{又川原}。波平の小字。
マタガニー
がに股。
- メモ
- →ハッチャー。
マタグルシ
二度と起き上がれないほど懲らしめられる。
- 用例
- マタグルシ サリーン(叩きのめされ、二度と起き上がれないようにされる)。
- メモ
- 音2:マタジニ。
マタサン
まともな。上等な。
- 用例
- イクサユーネー、マタサル チン チチョーシェー チュイン ヲゥランタン(戦世には、まともな着物を着ているのは1人もいなかった)。
マタジニ
二度死ぬこと。叩きのめされ、二度と起き上がれないこと。
- 用例
- マタジニ サッティ(叩きのめされて)。
- メモ
- 音2:マタグルシ。
マタトゥ
二度と。
- 用例
- ヤナクトー マタトゥ サンキヨー(悪いことは二度とするなよ)。
マタバシ
股ぐら。股。
- 用例
- マタバシンカイ、ニーブターガ ゥンジティ フックトーン(股ぐらに、おできが出来て腫れている)。
- メモ
- 音2:マタ。
マタバシゴーヤク
内股膏薬〔うちまたこうやく〕。
- メモ
- 内股に貼った膏薬のように、あっちについたりこっちについたりして、せっそうのない人。
マタンカー
真向い。真正面。
- 用例
- マタンカーンカイ ヰッチョーシガ、ワッター ハーメー ヤサ(真正面に座っているのが、私のお婆さんだよ)。
- メモ
- 類:タンカー。
マタゥンマガ
ひ孫。曾孫。
- 用例
- クリヲゥティ マタゥンマガヤ イクタイ ナトーガ?(これで曾孫は何人ねぇ?)。
マチ
してやられた。欺く。騙す。
- 用例
- マチウタッタサヤー(してやられたなあ)。マチウタットータン(してやられていた)。マチウタッタルムン(してやられてたな)。
マチ
- 用例
- チュ マチウッチ(人を欺いて)。
マチ
市。
マチ
旋毛〔つむじ〕。
- 用例
- マチカイ ニーブターガ ゥンジトーン(つむじにおできができている)。
マチ ウッチュン
してやる。相手を仰向けにたたきつける。また、転じて相手を騙す。してやる。遣ってやる。思い通りにうまく片付ける。
- 用例
- チャー サットータルムン、チューネー マチ ウッチャンドー(いつもやられていたのに、今日こそはしてやったぞ)。
チュラーサ マチ ウタッタン(完全に騙された)。過:マチウッチャン(してやった)。
マチウキーン
待ち受ける。
- 用例
- ハナシヌ アグトゥ、シグトゥカラ ケーイニ チカク ヲゥティ マチウキーン(話があるから、仕事から帰る時に近くで待ち受ける)。
否:マチウキラン(待ち受けない)希:マチウキーブサン(待ち受けたい)過:マチウキタン(待ち受けた)継:マチウキトーン(待ち受けている)。
マチカーバル
{松川原}。喜名の小字。
マチガイン
間違える。
- 用例
- クラサヌ ムヌン ミーラン、ミチ マチガタン(暗くてものも見えずに、道を間違えた)。
否:マチガラン(間違えない)希:マチガイブサン(間違えたい)過:マチガタン(間違えた)継:マチガトーン(間違えている)。
- メモ
- →バッペーイン。
マチガタ
町。
- 用例
- コーイムン スラー マチガター マシ ヤサ(買い物するなら町の方が良いよ)。
マチカンティー
待ちかねること。
- 用例
- イャーガ ケーティ チューシ、チャッサ マチカンティー ソータグトゥ(あなたが帰ってくるのを、どんなに待ちかねていたことか)。
クヮーシヌ ハイキュー マチカンティー(お菓子の配給を待ちかねる)。
マチギ
まつ毛。まつげ。
- 用例
- マチギヌ ミーンカイ イッチ カシマサン(まつ毛が目に入って違和感がある)。
ケラマー ミーシガ、マチゲー ミーラン(慶良間島は見えるが、まつ毛はみえない。灯台もと暗し)。
- メモ
- 音1:マチゲ。
この場合のカシマサンは違和感があるという意味で使われる。
マチゲ
まつ毛。まつげ。
- 用例
- ターンカイガ ニチャラー マチゲヌ ナガサヨー(誰に似たのかまつ毛の長いこと)。
- メモ
- 音1:マチギ。
マチゲーイン
間違える。
- 用例
- マチゲーラングトゥ シ、ユー タシカミーガーチー シーヨー(間違えないように、良く確かめながらしなさいよ)。
- メモ
- 類:バッペー。
マチサージ
薄めのタオル。
- 用例
- チブルカイ マチサージ マチュン(頭に薄いタオルを巻く)。
- メモ
- 対:ブクトーサージ(厚めのタオル)。
マチジ
長浜の地名。
- メモ
- マテージミチを歩いてきたら、マチジという休憩所で荷を下ろし休憩し、ムラを眺めた。ここは馬車は通れないくらい細い道。
マチジ
真頂。頭上。真上。
- 用例
- マチジヤ ウッタンキヨー(頭のてっぺんは打つなよ)。
マチヂカサ
高志保の古い呼称。
- メモ
- 高志保は、マチヂカサ→ウチドゥマイ→タカムチ→タカシップと名称が変遷したとの伝承もある。
マチバーキ
小さなザル。
- 用例
- マチバーキカイ ゥンム イッティ ゥンジャスン(小さなザルに芋を入れて出す)。
マチバル
{牧原}。牧原の小字。地名(読谷村牧原)。
マチバル ミーゥンマ
字民性。牧原雌馬。牧原の人の字民性を現す言葉。
- メモ
- 牧原の人は雌馬のようにおとなしい。
マチバルハンクー
植物名。ノボタン。野牡丹。
- メモ
- 類:ヌブタン・ハンケークー。
実は完熟するとおいしかった。男子の鬼頭に似て、実の皮が剥〔は〕げ中身があらわれることからそう呼ばれたのだろう。
マチバルンチュ
牧原の人。
マチブイカーブイ
巻き付き絡みつく様。うるさくつきまとう様。
- 用例
- クサヌ マチブイカーブイ シ(草が絡まって)。
ワラビヌ マチブイカーブイ シ、ティーチン シクチェー メーネー アガカン(子どもがつきまとうから、ちっとも仕事が捗らない)。
マチブイン
絡まる。絡み付く。巻き付く。
- 用例
- ワラビガ ティーガンマリ シ、イーチューガ マチブトーン(子どもが悪戯をして、糸が絡まっている)。
マチブトークトゥ(まとわりついているので)。
否:マチブラン(絡まらない)過:マチブタン(絡まった)継:マチブトーン(絡まっている)。
マチボー
巻き棒。棒術の一種。
- メモ
- 薙刀と槍が先頭に立って、そこを中心にして巻いて行き、二手に分かれていく。
マチホーイン
撒き散らす。
- 用例
- ワランチャーンカイ クミ アラーシーネー、スバヒランカイ マチホーインドー(子どもたちに米を洗わせたら、周辺に撒き散らすよ)。
否:マチホーラン(撒き散らさない)希:マチホーイブサン(撒き散らせたい)過:マチホータン(撒き散らせた)継:マチホートーン(撒き散らせている)。
- メモ
- 音1:マチホーイン。
マチマーイ
練り歩き。
- メモ
- 波の上祭にはジュリ馬がマチマーイした(練り歩いた)。
マヂムン
積む。積み上げる。
- 用例
- タテマヂン サットータンリ(縦に積まれていたって)。
ジョーグチンカイ ゥンニ マジムン(門の入り口に稲を積む)。マヂマットータン(積まれていた)。
否:マヂマン(積まない)希:マヂミーブサン(積みたい)過:マヂダン(積んだ)継:マヂドーン(積んでいる)。
マチヤ
店。雑貨店。
- 用例
- アンマーヤ、ナゲーサ マチヤ ソータン(母は、長いこと店をやっていた)。
- メモ
- 音1:マチヤグヮー・マチヤー。
マチヤー
店。雑貨店。
- メモ
- 音1:マチヤ・マチヤグヮー。
マチャー
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音1:マーチュー・マチ・マチュー。
マチャーシクジーン
まわりをかき乱す。
- 用例
- ワランチャー ソーティ イチーネー、マチャーシクジーンドー(子どもたちを連れて行ったら、まわりをかき乱すよ)。
マチャースン
まとわりつく。立ち込める。
- 用例
- マーチバーヌ オーサル アタラー、キブシ マチャーチョーン(松の葉が青かったのか、煙が立ち込めている)。
クルキブシ マチャーチョータン(黒煙を巻き上げていた)。
継:マチャーチョーン(立ち込めている)。
マチヤグヮー
店。雑貨店。
- メモ
- 音1:マチヤ・マチヤー。
マチヤグヮーセー
お店ごっこ。
マチヤヌバーン
店番。
- 用例
- ユージュカイ イチブサシガ、ターガラ マチヤヌバーン タヌマランガヤー?(用事に行きたいんだが、誰か店番を頼めないかな?)。
マチュー
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音:マーチュー・マチ・マチャー。
マチュン
巻く。
- 用例
- イーチューガ マチブラングトゥ ヨンナー マチュン(糸が絡まらないようにゆっくり巻く)。
否:マカン(巻かない)希:マチブサン(巻きたい)過:マチャン(巻いた)継:マチョーン(巻いている)。
- メモ
- 音1:マクン。
マチュン
撒く。蒔く。
- 用例
- ハルカイ ヤシェーヌ サニ マチュン(畑に野菜の種を蒔く)。
ナーンカイ ミジ マチュン(庭に水をまく)。
否:マカン(まかない)希:マチブサン(まきたい)過:マチャン(まいた)継:マチョーン(まいている)。
マチュン
待つ。
- メモ
- 音1:マッチュン。
マッカーラ
真っ赤。
- 用例
- アカバナーヌ マッカーラ サチ チュラサシヨー(ハイビスカスが真っ赤に咲いて綺麗だこと)。
- メモ
- 音1:マッカーラー・アカマッカーラ。
マッカーラー
真っ赤。真っ赤なもの。
- 用例
- ティーヌ マッカーラー ナトーン(手が真っ赤になっている)。
- メモ
- 音1:マッカーラ。→アカマッカーラ。
マッカイ
茶碗。お碗。飯や汁を盛る椀。
- 用例
- アンスカ ヤーサーネーングトゥ、グナマッカインカイ イリレー(そんなにお腹はすいてないので、小さなお碗に入れなさい)。
マッカイジューネー
お碗を持ってお供えすること。
- メモ
- 儀間では、肉を入れたマッカイグヮー(碗)を持って、親や叔父や叔母の家へ年の暮れの挨拶に行った。それにマッカイジュネーと言った。
マッカヤー
植物名。チガヤ。
- メモ
- 音1:マカヤ・マカヤー。
マックール
真っ黒。
- 用例
- ヒーカイ ヤキティ マックール ナトーン(陽に焼けて真っ黒になっている)。
- メモ
- 音1:マックールー・
マックールー
真っ黒。
- 用例
- マックールー ソーシ ムッチ クーワ(真っ黒くしたものを持ってきなさい)。
マックラシン
真暗闇。
- 用例
- デンキン ネーランル アグトゥ、ユル ナイネー マックラシン ナイタン(電気もないんだから、夜になると真っ暗闇になった)。
- メモ
- →ウーグラシン。
マックヮ
枕。
- 用例
- ワンネー マックヮガ ネーンネー ニンララン(私は枕がないと寝れない)。
- メモ
- 枕は建築中の家からセンダンやガジマルの切れ端を貰って作った。他に袋に籾殻を入れたものや竹を編んで作った枕もあった。
マックヮバン
枕元。
- 用例
- マックヮバヌンカイ、ハサングヮー ウチョーチーネー、マジムノー クーンサ(枕元にハサミを置いてたら、魔物は来ないよ)。
マッコー
植物名。ハリツルマサキ。
- 用例
- マッコーヤ、ヤシチンカイ ユー イーラットータン(ハリツルマサキは、屋敷に良く植えられていた)。
マッサチ
真っ先。
- 用例
- ヌーガラ アイネー、マッサチニ ウヤカイル シラスルヨー(何かあったら、真っ先に親に知らせるんだよ)。
マッシーラ
真っ白。
- 用例
- アンシ ユグリトータルムン、アラタレー マッシーラ ナトーン(あんなに汚れていたのに、洗ったら真っ白くなった)。
マッシーラ ナティ(真っ白になって)。マッシーラグヮー ソール(真っ白になっている)。
- メモ
- 音1:マッシーラー・マッシールー。
マッシーラー
真っ白。
- 用例
- イルヌ ハキティ マッシーラー ソーン(色が抜けて真っ白くなっている)。
- メモ
- 音1:マッシーラ・マッシールー。
マッシールー
真っ白。
- 用例
- アンスカ マッシールーヤ アランタヌ ハジ ヤシガヤー(そんなに真っ白ではなかった筈だがなぁ)。
- メモ
- 音1:マッシーラ・マッシーラー。
マッスーグ
真っ直ぐ。まっすぐ。
- 用例
- マッスーグ タッチョーケー(真っ直ぐ立っていろ)。
マッスーグー
①真っすぐな物。②真っ直ぐな人。誠実な人。
- 用例
- ①ボーヤ マッスーグー ソーシカラ ムッチ クーワ(棒は真っ直ぐなのから持って来なさい)。
②アンシ マッスーグー ヤルヤー(とても誠実な人だね)。
マッタクー
凧。
- 用例
- アチャヤ マッタクートゥバシェー スンドー(明日は凧揚げ大会をするよ)。
マッタラー
ツバメ。
- 用例
- ウッサヌ マッタラーガ トゥリ チョールヤー(そんなにたくさんのツバメが飛んできているね)。
マッチール
真っ黄色。
- 用例
- アヌ マッチール ソーシェー ヌー ヤガ(あの真っ黄色しているのは何ねえ)。
マッチールー
真っ黄色。
- 用例
- シバインカイ チカイヌ ヌヌ マッチールーンカイ スミーン(芝居に使う布を真っ黄色に染める)。
マッチャグヮー
雑貨店。
- メモ
- 音2:マチヤ・マチヤー・マチヤグヮー。
マッチュン
待つ。
- 用例
- ウヤヌ ケーティ チーガーター ナイネー、フカカイ ゥンジティ マッチョーン(親が帰る頃になると、外に出て待っている)。
否:マッタン(待たない)希:マッチーブサン(待っている)過:マッチャン(待った)継:マッチョーン(待っている)。
- メモ
- 音1:マチュン。
マットーバ
真っすぐ。
- 用例
- マットーバ イチーネー、ワッターヤーンカイ チチアタイサ(真っすぐに行くと、私の家に突き当たるよ)。
マットーバ イチ(正直に言って)。マットーバ ナタン(成功した)。マットーバ イイネー(まともに言ったら)。マットーバ イレー(正直に言え)。
- メモ
- 音1:マットーバー。
マットーバー
正直者。誠実な人。
- 用例
- ヤーニンジョー ムル マットーバー ヤサ(家族は全員正直者だよ)。
マッパダカ
裸。真っ裸。
- 用例
- マッパダカ ナティ アマカイ ハイシェー ター ヤガ?(真っ裸になってあそこに行くのは誰ね?)。
- メモ
- →ハダカンボー。
マッピルマ
真昼間。
- 用例
- アチサン アレー、マッピルマナーリー アッチ イチュンナー(暑いのに、真昼間から歩いて行くの)。
- メモ
- →アカルヒル。
マディ(~マディ)
~まで。
- 用例
- ウヤガ ケーティチュールマディ マッチュン(親が帰って来るまで待つ)。
アマ マディ アッチ イチュン(あそこまで歩いて行く)。
- メモ
- 到達点(場所・時間など)を示す。
マディー(~マディー)
失って惑うこと。
- 用例
- ウヤマディー(親がどこにいるかと探し迷うこと)。ヤーマディー(迷子になること)。
- メモ
- ウヤ(親)やヤー(家)などの語の後ろについて、迷ってわからなくなった状態をあらわす。
マティグトゥ
待つこと。我慢すること。
- 用例
- トゥシ トゥイネー マチグトゥン チカン(年を取ると我慢することができない。
マテージビラ
地名。坂の名。長浜の地名で急な坂。
- メモ
- サーターヤーモー付近からマテージビラという。
マテージミチ
長浜の道の名称。
- メモ
- 馬車も通れないような細くて急な坂道で、マテージビラともいう。
マトゥ
的。
- 用例
- マトゥ ミガキティ ヤー ハンチュン(的をめがけて矢を射る)。
マトゥマイン
まとまる。
- 用例
- チューネー ハナシーン マトゥマイサ(今日には話もまとまるさ)。
否:マトゥマラン(まとまらない)過:マトゥマタン(まとまった)継:マトゥマトーン(まとまっている)。
マトゥミーン
まとめる。
- 用例
- チューヲゥティ ハナシー マトゥミーン(今日で話をまとめる)。
否:マトゥミラン(まとめない)希:マトゥミーブサン(まとめたい)過:マトゥミタン(まとめた)継:マトゥミトーン(まとめている)。
マヌジバル
{真之地原}。高志保の小字。
マヌチュン
招く。
- 用例
- サンサーニ マヌチ(ススキを結んで作った呪具で招いて)。
マブイ
魂。霊魂。生きている人の魂。
- 用例
- マブイル ウトゥチャラー、ウートゥルバイ ソーン(魂を落としたのか、気が抜けたようにぼんやりしている)。
マブイヤ トゥララン(魂は取れない)。マブイ トゥイン(魂を取る)。
スーガ ウビジ トーリティ、マブイ ヌギタン(お父さんが急に倒れたので、魂が抜け落ちたようだった)。
- メモ
- 音2:マブヤー。
マブイウシー
背守り。
- 用例
- アカングヮヌ チヌンカイ マブイウシー チキーン(赤子の着物に背守りをつける)。
- メモ
- 音2:マブヤーウー。
子どもの着物を仕立てる時は、魔除けとして背縫いの中央に赤布か赤糸で印を付けた。これをマブイウシーと称し、横長四角に縫い、中央を蝶型になるように縫い縮めた。
マブイグミ
魂込め。
- 用例
- カマデーヌ マブイグミ スグトゥ、マブヤーメー シコーリ(カマデーの魂込めをするので、汁とご飯を準備しなさい)。
- メモ
- 音2:マブヤーグミ・マブヤークミ。対:マブヤーウティ。
飯、水、塩、花米、酒の五品がマブイグミの際の供え物だった。
マブイワカシ
魂分かし。葬式のあった家で、漂っている死者の霊を現世から引き離す儀式。
- メモ
- 葬式3日後に近親者が集まり行う。儀間では餅・豆腐・水を供え、ススキ3本でサンを作り、これでヤナムンを払い、外に投げる。そして水を3回額につけるとアカリトーン(分かれる)といわれた。
マブイワカリ
魂別れ。
- 用例
- マブイワカリヤ、シジュークニチガ ウワティカラ ウヌユル スン(魂別れは、四十九日が終わった日の夜に行う)。
- メモ
- 人が亡くなって49日目に、あの世とこの世との別れを告げるためにマブイワカリを行う。
マフックヮ
夏の暑い真昼。真昼間。
- 用例
- マフックヮゲーイ、アシビーガ イチュンナー(真昼間なのに、遊びに行くの?)。
- メモ
- →ウーマフックヮ。
マブヤー
魂。霊魂。生きている人の魂。
- 用例
- マブヤーチキーン(魂を付ける)。ウヌ ワラベー マブヤール ウトゥチャガヤー(その子どもは魂を落としたのかな?)。
- メモ
- →マブイ。
マブヤー マブヤー ウーティクーヨー
魂よ魂よ、追ってきなさい。マブイ込めの呪文。
- 用例
- カマデー カマデー マブイ、ユーバン シコーテンドー イユン メーン ムッチ チェーンドー チューヌ ヒーネー カンナジ マブヤー チキーグトゥ、クヌ ユーバン カミヨー。マブヤー マブヤー ウーティクーヨー(カマデーの魂よ、夕飯を準備してあるよ。魚も米も持ってきているよ。今日のうちには必ず魂を付けるから、この夕飯を食べてよ。魂よ魂よ追ってきなさい)。
- メモ
- マブイを落とした人の名前を呼んで呪文を唱え、着物を持ってマブイを落とした場所へ行き、さらに呪文を唱えて、サンでマブイを着物に拾い上げるような仕草を3回行う。その着物をマブイを落とした人に着せてから夕飯をあげた。
マブヤーウティ
魂が抜け落ちること。
- 用例
- ルク ウドゥルカシーネー、マブヤーウティ スンドー(余り驚かすと、魂が抜け落ちるよ)。
マブヤーグミ
魂込め。
- 用例
- マブヤーグミネー ユレーユーバンシ バーケー ッシ カランドー(魂込めをした日の夕飯は、皆集まって奪うように食べたよ)。
マブヤーグミ シーネー、チノー サンニチガ エーカー ケーランタン(魂込めをしたら、着物は3日間は着替えなかった)。
- メモ
- 類:マブイグミ。
マブヤーウティしている人の魂を、祈願によって再び体に取り戻すこと。マブイを落とした場所に行って、イチチグン(5品)を供えて拝んだ。
マブヤーメー
魂飯。魂込めをした時に食べさせる飯や、汁、御馳走のこと。
- メモ
- 皆揃ってマブヤーメーを食べると、マブヤーは喜んで帰って行くという。
マブヤーヲゥー
背守り。
- メモ
- →マブイウシー。
ママ
①自由。思うとおり。②共。一緒。
- 用例
- ユヌナカネー、ママ ナラン クトゥガル ウーサル(世の中には、自由にならないことの方が多い)。
ワンネー、アンマートゥル ママ ナインドー(私は、お母さんと一緒になるんだよ)。
②アバートゥ ママ ナイン(姉さんと一緒にいる)。
ママ
まま。
- 用例
- キサカラ ヰー ママ ヌーン スンデーサン(さっきから座ったまま、何もやろうとしない)。タッチ ママ ヰジチンサン(立ったまま動きもしない)。
ママウヤ
継親。
- 用例
- ワンネー ママウヤカイ スダティラッタシガ、イッペー カナサ サッタン(私は継親に育てられたが、とても可愛がられた)。
ママチョーデー
義兄弟。義姉妹。
- 用例
- ワッターヤ ママチョーデー ヤシガ、イッペー ナカー ユタサンドー(私たちは義理の兄弟・姉妹だが、とても仲はいいよ)。
ママックヮ
継子。
- 用例
- ママックヮン ジチックヮン、ユヌグトゥ カナサ シ スダティーン(継子でも実子でも、同じように可愛がって育てる)。
マミク
植物名。クスノハカエデ。
- 用例
- マミクヤ、アンスカ ンチェー ンランサー(クスノハカエデは、そんなに見たことはないね)。
マミクヮースン
ごまかす。
- 用例
- チンスー ハカイヌ カージ、チュヌ ミー マミクヮースン(重量を測るたびに、人の目をごまかす)。
否:マミクヮーサン(ごまかさない)希:マミクヮーシーブサン(ごまかしたい)過:マミクヮーチャン(ごまかした)継:マミクヮーチョーン(ごまかしている)。
マムイン
守る。
- 用例
- ヰナグヌウヤ ヤレー、チャーシ ヤティン ドゥーヌ クヮ マムイン(女の親なら、どんなことをしても自分の子を守る)。
否:マムラン(守らない)希:マムイブサン(守りたい)過:マムタン(守った)継:マムトーン(守っている)。
- メモ
- 類:カクグ・カグサミーン。
マメー
真ん前。
- 用例
- マメーンカイ アシン カメーイサンナー(真ん前にあるのも探せないのか)。
マヤー
猫〔ネコ〕。
- 用例
- マヤーヤ ニン ヒーネー、アトー ヌーシヌ ヌチ トゥインディ スンディ(猫は年月が経つと、後は主の命を取ろうとするらしい)。
- メモ
- 死んだ猫を吊るす風習がある。
マヤーウスメー
着物に隠れて、人数と誰が入っているか言い当てる遊び。
- メモ
- →トービーラーグヮー。
マヤーグチャー
猫舌。
- 用例
- マヤーグチャー、ヤグトゥ シルヌ サマティカラ ヌムサ(猫舌だから、汁が冷めてから飲むよ)。
マヤーコートゥ
猫〔ネコ〕の爪先。
マヤージク
フクロウ。ふくろう。
- 用例
- マヤージクヤ ユル ナイネー ゥンジティ チューン(ふくろうは夜になると出てくる)。
- メモ
- 音1:マヤージクク。
マヤージクク
①フクロウ。ふくろう。②怒っているような仏頂面。フクロウのような無愛想で不気味な顔。
- 用例
- ①キーヌ イーンカイ マヤージククヌ ヰチョーンドー(木の上にフクロウがいるよ)。
②マヤージククン グトーサ(〔仏頂面をして〕フクロウのようだ)。
- メモ
- 音1:マヤージク。
マヤースン
惑わす。洗脳する。
- 用例
- ウヮーン ナガカレー シーネー、アトー チュ マヤースンディ(豚も長いこと飼うと、後は人を惑わすそうだ)。
アカマターヌ マヤーチヨー(アカマターが惑わしてね)。ミール マヤーサットーグトゥ(目を惑わされているんだから)。
マヤーヌジュークェー
子どもの遊び。鬼ごっこ。
- メモ
- →イヌジュークェー。
マユ
①眉。②墓の部分名称。雨垂にあたる部分。
- 用例
- ②ハカヌ マユヌ カキトーン(墓のマユが欠けている)。
- メモ
- 類:ミーマユ。
マユジバル
{真与地原}。波平の小字。
マユナカ
真夜中。
- 用例
- チヌーヤ、マユナカル ケーティ チャル(昨日は、真夜中に帰ってきたんだよ)。
- メモ
- 類:ユルユナカ。
マル
暇。時間。空いている時間や空間。
- 用例
- イャーガ マルヌ アイニ、カシー シーガ クーワ(お前が時間がある時に、加勢しに来てね)。
マルヌ ネーン サク(暇もないくらいに)。
アシブル マルヌ ネーン(遊ぶ時間が無い)。クマー マルヌ ネーン(ここは広さが足りない)。マルヌ アル トゥクル(空いている場所)。
マル
普段。平常。
- 用例
- イャー ヰナグヌ ウヤヤ ヤー マルネー ウガマラン(君の女親は普段は会えない)。
- メモ
- 類:マルヒジー。
マル~
①丸い。円形の。②丸ごと。すっかり。
- 用例
- ①マルヲゥーキ(丸い桶)。
②マルイユ(丸ごとの魚・尾頭付き)。
マル ゴーシシェーン(まるごと壊してある)。
マルイサー
黒く固い石。
マルウブン
丸いお盆。
- 用例
- ワッタヤ マルウブン ティーチル アタル(私たちは丸いお盆一つしかなかった)。
マルケーティ
まれ(に)。たま(に)。
- 用例
- イチュナサグトゥ マルケーティル ウヤヌヤーンカイン イチー スンデー(忙しいから、たまにしか実家にも行けないよ)。
マルジケー
普段づかい。
- 用例
- マルヂケーヤ サン(普段は使わない)。
マルチジン
まとまった金。大金。
マルチャ
まな板。
- 用例
- チカイ ヂューサヌ、マルチャン タッピラカー ナトーン(使いすぎて、まな板もぺしゃんこになっている)。
マルチャゲー
大晦日に戸主が大きく切った豚肉。大晦日に食する大きく切られた肉。
- メモ
- 音2:マルチャジシ。類:トゥシトゥイジシ。
大晦日にヤーヌヌーシ(戸主)が分厚く切った肉を二枚皿に入れて、家族それぞれに出し、家族が食べた後に仏壇に供えた。それで年越しをしたのでトゥシトゥイジシ(年越し肉)とも言った。
マルチャジシ
大晦日に戸主が大きく切った豚肉。大晦日に食する大きく切られた肉。
- 用例
- トゥシヌユールーネー、ティージカーンッシ マルチャジシ カムタン(大晦日には、手づかみでマルチャジシを食べた)。
- メモ
- →マルチャグェー。
マルッテン
丸っこく。
- 用例
- フルン グナサヌ、マルッテン シ クェートーン(背も小さくて、丸っこく太っている)。
マルヌムン
間食。食間のおやつ。
- 用例
- タンメーンカイ マルヌムン ウサギレー(お祖父さんに おやつを差し上げなさい)。
マルバイ
まる出し。陰部などを露出していること。
- 用例
- ワラビ ヤティン、マルバイ シーネー ハジカサンドー(子どもでも、陰部を出していたら恥ずかしいよ)。
マルヒージー
常平生。平常。普段。常日頃。
- 用例
- トゥナイヤ マルヒージーカラ、チャー マーサムン ビカーン カローン(隣は常平生から、いつも美味しい物ばかりを食べている)。
- メモ
- 音1:チニヒーギー・チニヒージー。
マルブシ
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 丸い形をしていることからマルブシといわれた。
→アマングヮー。
マルマル
合間。
- 用例
- シクチヌ マルマルニル、ウンナ ワジャー スルヨー(仕事の合間に、そんなことはするんだよ)。
マルワシリ
ど忘れ。すっかり忘れてしまう。
- 用例
- マルワシリ ッシ イカンタン(すっかり忘れてしまって行かなかった)。
マルンリー
ずぶ濡れ。ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- マルンリー シ、ヘーク チンケーレー(ずぶ濡れになって、早く着換えなさい)。
- メモ
- →シップートゥ。
マルゥンジャシ
丸出し。
- 用例
- イャーヤ ウチナーグチ マルゥンジャシ ヤンヤー(お前はウチナーグチ丸出しだね)。
マンカーヒンカー
まぜこぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- イルヌ マンカーヒンカー シ、ミーヌ イホーナー ナイン(色が混ざり合って、目が変になる)。
- メモ
- 音1:マンチャーヒンチャー。類:マンキーマンキー。
マンガタミー
しっかり荷物を肩に担ぐこと。
- 用例
- ニムチ ゥンブサギサ、マンガタミー シ ハイタン(荷物を重そうに、しっかりと肩に担いで行った)。
- メモ
- 仕事などを抱え込むことにもいう。
マンキーマンキー
混ぜ混ぜ。混ざり合っている様。
- メモ
- 類:マンカーヒンカー・マンチャーヒンチャー。
マンキーン
混ぜる。
- 用例
- ンチャンカイ シナ マンキーン(土に砂を混ぜる)。
否:マンキラン(混ぜない)希:マンキーブサン(混ぜたい)過:マンキタン(混ぜた)継:マンキトーン(混ぜている)。
マングーイ
丸かじり。切らずにそのまま食べること。
- 用例
- トマトー マングーイ ッシ カロータン(トマトを丸かじりして食べていた)。
- メモ
- 音2:マングーチャー。
マングースヤーマ
マングースをとる仕掛け。
マングーチャー
丸かじり。切らずにそのまま食べること。
- 用例
- マンゴー マングーチャー シ カムン(マンゴーを丸かじりして食べる)。
- メモ
- →マングーイ。
マングラ
頃。辺り。
- 用例
- ワッターガ ジューハチ マングラ アランタガヤー(私たちが18歳の頃じゃなかったかな)。
ウヌマングラヌ ムン(その頃のもの)。
アヒーヤ アサ ヘーク ゥンジティ ハイタシガ、マー マングラ ゥンジョーガヤー?(兄さんは朝早く出て行ったが、どこら辺りまで行っているのかな?)。ユーフルヤーヌ マングラ(銭湯の近辺)。
マンサージ
鉢巻きの一種。
- メモ
- かつては士族の被り物であったが、現在ではエイサーや棒術などを披露する際にマンサージを巻いている。
マンサン
{満産}。出産祝い。
- 用例
- チャクシボージャー マンサンネー、ンナ メンソーリヨー(長男坊の出産祝いには、みんないらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 音2:クヮナシマンサン・マンサンスージ・マンサンユーエー。類:クヮナシスーギ・クヮナシスージ。
母子の体調に合わせて1週間後に行うところが多かった。親戚や隣近所の人たちは金品を持ち寄って家族と一緒に祝った。儀礼の終了を意味する仏教用語の「満散(まんさん)」。
マンサン
{満産}。製糖作業の終了後の慰労会。
- 用例
- マンサングヮー サビーグトゥ、ユサンレー ワッターンカイ メンソーリヨー(製糖終了祝いをしますから、夕方は私たちの家にいらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 音2:マンサングヮー・アザマンサン・ヲゥージマンサン・クミマンサングヮー。
製糖が終わると字で豚をつぶして盛大に慰労会をした。字で行われる全体の製糖終了後の慰労会。闘牛なども行われた。個人の場合はマンサングヮーといった。
マンサンスージ
出産祝い。
- メモ
- 音2:クヮナシマンサン・マンサン・スージ・マンサンユーエー・クヮナシスージ・クヮナシスーギ。
マンサンユーエー
出産祝い。
- メモ
- 音2:クヮナシマンサン・マンサン・マンサンスージ。類:クヮナシスーギ・クヮナシスージ。
マンジャーカーカー
物欲しそうにしている様。
- 用例
- ワランチャー マンジャーカーカー シミティ、ンナンカイ ワキティ トゥラサニ(子どもたちを物欲しそうにさせて、皆に分けてあげなさい)。
- メモ
- 類:ミミンジカカヤー。
マンジューヰ
植物名。パパイヤ。
マンジュン
一緒に。
- 用例
- ウヌ チュンカイ ソーカイ サレヤーニ、マンジュン グー ナトーン(その人に紹介されて、一緒に仲間になっている)。
- メモ
- 音2:マジュン・マジョーイ・マジョーン・マジョン・マンジョーン。
マンジュン
物欲しげ。羨む。
- 用例
- ヌーン ネーン、チャー チュヌムン マンジュン(何もなく、いつも人の物を羨む)。ムヌ マンティ(物欲しげに)。
クヮーシ カローシ、ワランチャーガ マントーン(お菓子を食べているのを、子どもたちが物欲しげにしている)。
継:マンドーン(羨んでいる)。
マンジョーン
一緒に。
- 用例
- ンナト マンジョーン、ベンキョー シ トゥラシミソーリ(みんなと一緒に、勉強させてください)。
- メモ
- 音2:→マンジュン。
マンズリー
勢ぞろい。
- 用例
- マンズリー シ メンソーチ ニフェーデービル(勢ぞろいしていただいて、ありがとうございます)。
マンダーチー
しっかりと抱くこと。抱きしめること。
- 用例
- クヮ マンダーチー シ ソーティ ハイタン(子どもを抱きかかえて連れて行った)。
- メモ
- 音1:マンラーキー。
マンタキ
全部。丸ごと。
- 用例
- ワキランヨークー マンタキ フーサン(分けずに丸ごと欲しい)。
マンチャー
まざっている様。
- 用例
- イルヌ マンチャー ッシ シカンサー(色が混ざっていて好きじゃないな)。
マンチャーヒンチャー
まぜこぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- ヌーンクィ マンチャーヒンチャー シ、ヌーガ ヌー ヤラ ワカラン ナトーン(何もかも混ざり合って、何が何だか分からなくなっている)。
- メモ
- 音1:マンカーヒンカー。類:マンキーマンキー。
マンチュン
混ざる。
- 用例
- マッシールカイ アカーガ マンチュン(真っ白に赤が混ざる)。
マンチョーシェー(混ざっているさあ)。ヌーヤークィーヤー マンチョーンデー(色々混ざっているよ)。
継:マンチョーン(混ざっている)。
マントーヲゥイ
植物名。ハヤトウリ。
- 用例
- マントーヲゥイヤ イリチャー シ マーサタン(ハヤトウリは炒めて美味しかった)。
- メモ
- 類:チャヨテ。
マンドーン
たくさんある。たくさんいる。多い。
- 用例
- ヤマカイ イチーネー、キーヌナイン マンドーン(山に行ったら、木の実もたくさんある)。
シシン マンドーン(肉もたくさんある)。クヮヌ マンリ(子どもが多くて)。ジンブノー マンリ(知恵があって)。ジコー マンディル ヲゥイビン(非常にたくさんあるんです)。
マンニー
瓜ふたつ。そっくり。よく似ている。
- 用例
- ミッチャイチョーデー マンニー ソーン(3姉妹瓜ふたつだ)。
- メモ
- →チラティーチ。
マンヌムン
飲み込む。丸飲みする。
- 用例
- クスイヤ ンジャサグトゥ チュバチニ マンヌムン(薬は苦いので一度に飲み込む)。マンヌマラン(飲み込めない)。
否:マンヌマン(飲み込まない)希:マンヌミーブサン(飲み込みたい)過:マンヌダン(飲み込んだ)継:マンヌドーン(飲み込んでいる)。
マンハナチャー
仰向け。
- 用例
- マンハナチャー シ ニントーン(仰向けに寝ている)。
- メモ
- →マンハナチャー。
マンハラチャー
仰向け。
- 用例
- アカングヮヤ マンハラチャー シ ニンシリヨー(赤子は仰向けに寝かしなさいよ)。
- メモ
- 音1:マンハナチャー。対:ウッチントゥー(うつ伏せ)。
マンビカー
魚介名。シイラ。
マンビラカー
尻をつけて座り込む。
- 用例
- ヲゥタティル ヲゥラー、アマヲゥティ マンビラカー ソーン(疲れているのか、あそこで尻をつけて座り込んでいる)。
- メモ
- 音1:マーヒラキー。
マンビラキー
座り込んでいる様。
- 用例
- ジーカイ マンビラキー ソーン(地面に座り込んでいる)。
マンブリ
すっかり惚れること。
- 用例
- ワッター アッピーヤ、トゥナイヌ ネーサヌンカイ マンブリ ソーン(私の兄は、隣の姉さんにすっかり惚れこんでいる)。
- メモ
- →ウチフリーン。
マンボーヤー
腹這い。
- 用例
- アカングヮガ マンボーヤー ソーン(赤ん坊が腹這いになっている)。
マンマール
周囲。
- 用例
- ヤーヌ マンマール ユー カメーティ ンディ(家の周囲をよく探してごらん)。
マンマールー
まん丸。
- 用例
- アンリッパ マンマールー カチェール(あんなにきれいにまん丸を書いたね)。
マンラーキー
しっかりと抱く。抱きしめる。
- 用例
- クヮーシ マンラーキー ソーン(お菓子をしっかり抱きしめている)。
- メモ
- 音1:マンダーチー。
マンリグヮサグヮサ
物が有り余っている様子。
- 用例
- マンリグヮサグヮサ、ヌール トゥティ シムラー ワカラン(あり余るほどあるから、何を取っていいのか分からない)。
ミ
弟子使い役目。
ミアーイン
(傷が)治る。
- 用例
- クスイ ナシテーグトゥ タデーマ ミアーインドー(薬を塗ってあるから直ぐに治るよ)。
ウッピナーヌ キジ ヤタルムン、チャンリッパ ミアートーン(あんなに大きな傷だったのに、きれいに治っている)。
クスイヤ ナシトーシガ ナーマ ミアーランル アンデー(薬は塗っているんだが、まだ治らないんだよ)。
ミアティ
目当て。
- 用例
- ニフンマーチ ミアティニ ケーティ チューン(二本松を目当てに帰って来る)。
ミアティシ(目印にして)。
- メモ
- →アティ。
ミー
いっぱい。
- 用例
- バーキヌ ミー ゥンムガ イッチョーン(カゴのいっぱい、芋が入っている)。
ナービヌ ミー(鍋のいっぱい)。ウリガ ミー(それのいっぱい)。トーシンヌ ミー(唐船のいっぱい)。
- メモ
- 類:ミッチャキ。
ミー
めっ。だめ。
- 用例
- ミー サリンドー(だめと叱られるよ)。
- メモ
- 幼児をにらむようにして注意する時にいう。
ミー
間。中。
- 用例
- イララン ミーンケー イッチャルムン(〔人間関係で〕抜き差しならない間に入ってしまったものだ)。キーヌ ミー(木の間)。
ダテーンヌ チュヌ ミーカイ イッチ イチュン(大勢の人の中に入っていく)。
ミー
欠損。
- 用例
- ミー クヮースン(補填する)。
ミー
穴。
- 用例
- ハーイヌ ミーンカイ イーチュー ヌチュンディ スシガ、ナランル アンレー(針の穴に糸を貫こうとするが、できないんだよ)。
ミーフガー(穴の開いているさま)。
ミー
実。果実。中身。
- 用例
- ミーヤ ウチュカリ ンナシル ナトーン(実は食べてしまって、汁だけになっている)。
- メモ
- 汁の中に入れる具にもいう。
ミー
所。方。
- 用例
- アーシヌ ミーンカイ スリ(泡瀬の方に住み)。
ミー
身。(皮、骨に対して)動物の肉の部分。
- 用例
- イユヤ チュブルル マシリ イヤビタシガ、ワッターヤ ミール マシ ヤンデー(魚は頭が美味しいといわれたが、私たちは身の方が好きだよ)。
ミー
巳。十二支のひとつ。
- 用例
- タチヌ ツゲー ミー ナトーサ(辰の次は巳だよ)。
- メモ
- 十二支の第6番目に数えられるヘビ年のこと。
ミー
目。
- 用例
- ミーカイ グミガ イッチ ヤムン(目にごみが入って痛い)。
ミー
3。3つ。
- メモ
- 音2:ミーチ。
ミー~
新しい~。
ミー クーイン
①目を瞑る。②亡くなる。
- 用例
- ①ウッサヌ クトゥヤ ミー クーイサ(それだけのことは目をつぶるよ)。
②チュー アカトゥンチル、ミー クーインソーチャンレー(今日の明け方、亡くなられたんだよ)。
過:ミークータン(亡くなった)。
ミークーティ ニンタンフーナー ソーン(目を閉じて、寝たふりをしている)。
- メモ
- →ケーマースン。
ミー ナイン
実になる。成功する。
- 用例
- ウッサ ハマテールムン、クンドー ミー ナイサ(そこまで頑張ったから、今度は成功するよ)。
ミー ナスン
実・結果を得る。
- 用例
- ウッサヌ ジン カキテールムン、ミー ナシワル ナインデー(多額のお金をかけてあるから、結果を出さなくちゃいけないよ)。
ミー ナスン
実にする。成功させる。
- 用例
- クリトーテー カンナジ ミー ナスン(今度こそは必ず成功させる)。
ミー ハイン
目を張る。
- 用例
- ミー ハトータンリ(目を丸くしていたって)。
ミー ハッパイン
目を見張る。目を開いて怒る。
- 用例
- ガンマリシーネー、ウスメーンカイ ミー ハッパラリンドー(悪戯をしたら、お爺さんに怒られるよ)。
ミーアギーン
見上げる。
- 用例
- ミーアギラッタンディ(認められたそうだ)。
ミーアティーン
見つける。見破る。
- 用例
- マチヲゥティ チュラヂン ミーアティーン(町できれいな着物を見つける)。ミーアティラッティ(見つけられて)。
ミーウクイ
見送り。
- 用例
- ワラビガ ヤマトゥカイ イチュグトゥ ミーウクイ シーガ イチュン(子どもが大和に行くので、見送りに行く)。
ミーウシ
雌牛。
- 用例
- ミーウシ ターチ カラトーン(雌牛を2頭飼っている)。
- メモ
- 類:ウナメ(雌牛)。対:クティー・クティウシ(雄牛)。
ミーウチー
目移り。
- 用例
- ミーウチー ッシ コーイサンタン(目移りして買えなかった)。
ミーウティー
目落ち。臨終。亡くなる。
- 用例
- ナー ミーウティー シンソーチェーサヤー(もう亡くなられたんですね)。
- メモ
- →ケーマースン。
ミーウトゥイ
臨終。
- 用例
- ミーウトゥインカイ マニアーチャン(臨終に間に合わせた)。
- メモ
- 音2:ミーウティー。
ミーウトゥスン
見落とす。
- 用例
- ユー ンランネー ミーウトゥスンドー(よく見ないと見落とすよ)。
否:ミーウトゥサン(見落とさない)過:ミーウトゥチャン(見落とした)継:ミーウトゥチョーン(見落としている)。
ミーウビー
見覚え。
- 用例
- ウヌ ウービンカイ ミーウビーヤ ネーラニ?(その帯に見覚えはないねぇ?)。
- メモ
- 音2:ンチャルウビ。
ミーウルスン
見下ろす。
- 用例
- チャッサ モーキラワン チュ ミーウルスンディヌ クトー サンキヨー(どんなに儲けても、人を見下ろすというようなことはするなよ)。
否:ミーウルサン(見下ろさない)希:ミーウルシーブサン(見下ろしたい)過:ミーウルチャン(見下ろした)継:ミーウルチョーン(見下ろしている)。
ミーガー
新しい井戸。井泉の名称。
- メモ
- 新しい井戸の意で村内各所にある。波平のミーガーは、1904(明治37)年に7か月の日照りがあった後に造った波平では一番新しい共同井戸。前島に位置。座喜味のミーガーも波平と同様、明治37年の旱ばつ時に造成されたという。
ミーガー
瞼〔まぶた〕。
- 用例
- ミーガーガ フックトーシガ チャー サガ?(まぶたが膨れているがどうしたの?)。
ミーガー
茗荷〔ミョウガ〕。
ミーガー ウクリーン
元気を取り戻す。元気が出る。
- 用例
- ヒージャーグスイ シ、ミーガー ウクリタン(山羊汁を食べて、元気が出た)。
チューヤ クヮッチー カリ、ミーガー ウクリタッサー。(今日はご馳走を食べて、瞼が盛り上がるほど元気が出たなあ。元気のでるような嬉しいことがあったときの表現)。
過:ミーガーウクリタン(元気が出た)継:ミーガーウクリトーン(元気が出ている)。
- メモ
- 疲れてまぶたがへこんでいたのが、栄養がつくものを食べて元気になること。
ミーカーギ
顔を見せる。立ち寄る。
- 用例
- イャーヤ ミーカーギン ネーン アンスカ イチュナサル アンナー?(お前は顔も見せない、そんなに忙しいの?)。
- メモ
- →ヌバガイカーギ。
ミーカークーカー
ソテツの実。
- 用例
- ミーカークーカー ナギティ アシブタン(ソテツの実を投げて遊んだ)。
ミーガークーガー
植物名。サルナシ。ナシカズラ。
- メモ
- 類:ミーガーコーガー・ミーカンコー。
小さな卵(クーガ)の形の実がたくさんなった。お盆にみょうが(ミーガー)とともに仏壇に供えた。盆の飾り物に用いた。
ミーガーコーガー
植物名。サルナシ。ナシカズラ。
- メモ
- 類:ミーガークーガー。
ミーガーラ
雌瓦。
- 用例
- カーラナカイン ミーガーラトゥ ヲゥーガーラガ アンドー(瓦にも雌瓦と雄瓦があるよ)。
- メモ
- 対:ヲゥーガーラ(雄瓦)。
瓦には雄と雌があって、雄瓦の下に置く平らな瓦。
ミーカガン
潜水用の水中眼鏡。
- メモ
- 類:ウミガンチョー。
ミーガシマサン
目に違和感がある。
- 用例
- ヌーヌル イッチョーラー ミーガシマサン(何が入っているのか目に違和感がある)。
- メモ
- 音1:ミーガシマハン。
ミーガシマハン
目に違和感がある。
- 用例
- ミーカイ グミヌル イッチョーラー ミーガシマハン(目にゴミが入っているのか、目に違和感がある)。
- メモ
- 音1:ミーガシマサン。
ミーカバ
新しい匂い。
- 用例
- ウヌ キーヤ ミーカバ スン(その木は新しい匂いがする)。
ミーカンゲー
世話。
- 用例
- ミーカンゲー シ クィミソーチ ニフェーデービータン(お世話になりありがとうございました)。
ミーカンゲー
世話。
- 用例
- ミーカンゲー シ クィミソーチ ニフェーデービータン(お世話になりありがとうございました)。
グナ ワランチャー アチミティ ミーカンゲースン(小さな子たちを集めて世話する)。
ミーカンコー
植物名。サルナシ。ナシカズラ。
- メモ
- 類:ミーガークーガー。
ミーガンチョー
眼鏡。
- 用例
- ワームン ミーガンチョーヤ、マーンカイガ ウチャラー ワカラン ナトーン(私の眼鏡は、何処に置いたのか分からなくなっている)。
- メモ
- 音2:ガンチョー。
ミーガンチョーグヮーシ
菓子名。眼鏡菓子。はなぼうろ。穴あき菓子。
- 用例
- スーコーヌ ムイグヮーシカイ、ミーガンチョーグヮーシン シキータン(法事の盛り菓子に、はなぼうろも供えた)。
- メモ
- 類:ミンタマーガーシー・ミーフガーガーシ。法事などに仏壇に飾る焼き菓子。眼鏡のような大きな2つの穴があるのでミーガンチョーグヮーシ(眼鏡菓子)、ミーフガーガーシ(穴あき菓子)、ミンタマーガーシー(目玉菓子)などといい、小麦粉、砂糖、卵黄で作る。
ミーカンティー
見えにくい。
- 用例
- トゥーサカラー ミーカンティー スン(遠い所からは見えにくい)。
ミーキラリーン
見限る。
- 用例
- ナー クリウテー ミーキラリーンテー(もう今度こそ見限られるさ)。
ミークェーハークェー
実食い葉食い。全て食べられること。
- 用例
- ウレー ミークェーハークェー ムル カマリルムンナー(それは実や葉も全部食べられるね)。
ミークゲーン
目が離せない。
- 用例
- ヌール スラー ワカラングトゥ、ミークゲーンナラン(何をするか分からないから、目が離せない)。
ミークサー
常に目やにが出ている人。目くそやろう。悪口の一種。
- 用例
- ワッター パーパーヤ ミーヌ ワッサヌ ミークサー ナトーン(私のおばさんは目が悪くて、目やにだらけになっている)。
ミークス
目糞。目やに。
- 用例
- ミーンカイ ミークスヌ タックヮトーン(目に目やにがついている)。
ミーグスイ
①目薬。②目の保養。
- 用例
- ①ミーガ アカローグトゥ ミーグスイ イリーン(目が赤くなっているから目薬を入れる)。
②チューヌ シバイヤ アンシ ミーグスイ ヤタルヤー(今日の芝居はとても目の保養になったね)。
- メモ
- 目の保養に美しいものを見ること。良い物を見て目の保養になること。
ミークスヌ ウッピグヮー
ほんの少し。わずかな量。
- 用例
- ヨーイ ミークスヌ ウッピグヮー マース イリレー(本当にほんの少しだけ塩を入れなさい)。
- メモ
- →ウムヨーグヮー。
ミークスワラバー
目やにがついている子ども。悪口の一種。
ミーグソー
新後生。新たに亡くなった人、または新しく墓に入ることになった人のこと。
- 用例
- シチグヮチネー ミーグソーヤ チュヌ ヤーカイ イカンドー(お盆にはミーグソーは他所へ行かないよ)。
- メモ
- 1年内に死者の出た家。
ミーグチ
新口。朝一番のお客。一日の初めての客。商売の口開け。
- 用例
- ミーグチ デームン シーティ トゥラサヤー(朝一番の客だからおまけしようね)。
ミーグチ アキーン(初めの客を迎える・開店する)。
ミークハヤー
おめざ。朝のめざめの食べ物。
- 用例
- アネ、アチャーヌ ミークハヤー コーティ ウチョーカンネー(ほら、明日のおめざを買っておかないと)。
- メモ
- 音1:ミークファヤー。→アカチキミークファヤー。
ミーグファイ
目がさえて眠れないこと。
- 用例
- チヌー ユルヤ ヌーヌ クトゥル ウムタラー、ミーグファイ シ ティーチン ニンラランタン(昨夜は何を考えていたのか、目がさえてちっとも眠れなかった)。
ミークファヤー
おめざ。朝の目覚めの食べ物。
- 用例
- ヌクイヌ クヮーシヤ、アチャヌ ミークファヤー ウチョーチュシェー マシテー(残りのお菓子は、明日のおめざにとっておいたほうがいいね)。
- メモ
- 音1:ミークハヤー。→アカチキミークファヤー。
ミークブマー
奥目。
- 用例
- イャー ワカランナー? アヌ ミークブマー ニーシェーテー(お前は分からないの?あの奥目の青年さ)。
ミーグミ
新米。その年にとれた新しい米。
ミークラガン
めまい。
- 用例
- ムヌン カマンヨークー チャー ハタラチサレー、ミークラガン スン(ご飯も食べずにずっと働いたので、目まいがする)。
ミークラビーン
見比べる。
- 用例
- ワーウヤヤ、チャー チュトゥ ミークラビーン(私の親は、いつも人と見比べる)。
否:ミークラビラン(見比べない)希:ミークラビーブサン(見比べたい)過:ミークラビタン(見比べた)継:ミークラビトーン(見比べている)。
ミーグリサン
①見苦しい。②見え難い。見えにくい。
- 用例
- ①ナー ミーグルサル アタイ ゥンマ スグテー ギサンテー(もう、見苦しいくらい馬を叩いたようだ)。②ゥンマカラー ミーグリサンデー(そこからは見えにくいよ)。
- メモ
- 「渡嘉敷ぺーくー」『古堅の民話』より。
ミーグルグル
目をキョロキョロさせ、何かを探したり選んだりする様。
- 用例
- アマヲゥティ ミーグルグル シ、ウヤ カメートーン(あそこで目をキョロキョロさせて、親を探している)。
ミーグルグル ソーッサー(目をキョロキョロさせている)。
- メモ
- 音1:ミーグルグルー。
ミーグルグルー
目をキョロキョロさせ、何かを探したり選んだりする様。
- メモ
- 音1:ミーグルグル。
ミークヮースン
間に合わせる。取り繕う。
- 用例
- ネーンナチェーラー ビチヌムン シ ミークヮーシェー(なくしたなら、別のもので取り繕いなさい)。
否:ミークヮーサン(取り繕わない)希:ミークヮーシーブサン(取り繕いたい)過:ミークヮーチョン(取り繕った)継:ミークヮーチョーン(取り繕っている)。
ミーグヮーバカ
穴墓。幼児墓。
- 用例
- トゥーサバルヌ アモーチヌ ハタカイン、ミーグヮーバカヤ マンドータン(遠い所にある畑の畦の側に、穴墓は多かった)。
- メモ
- →イシヌミーバカ。3歳未満で亡くなった幼児は、本墓には入れずに岩や畦道に小さな穴(ミーグヮーバカ)を掘って埋葬した。
ミーグヮーワレー
目を細めて笑うこと。
- 用例
- チュガ ヌーガラ イチン イレーラン、ミーグヮーワレー シ(人が何か言っても返事はしないで、目を細めて笑っている)。
ミーグヮッチー
目の前にご馳走があるのに見ているだけのこと。
- 用例
- シンカヌ マンリ ワッターヤ ミーグヮッチー ヤサ(人が多くて私たちは、ご馳走を見ているだけだ)。
ミーケーイン
生え変わる。
- 用例
- ワラバー メーバガ ミーケーイン(子どもの前歯が生え変わる)。
否:ミーケーラン(生え替わらない)過:ミーケータン(生え替わった)継:ミーケートーン(生え替わっている)。
ミーケースン
見返す。
- 用例
- ンチョーキヨー、ヤガティ ミーケーチ トゥラスグトゥヤー(見ておれよ、やがて見返してやるからな)。
ミーコーガー
疲れた時に目がくぼむこと。
- 用例
- ユル ニッカマリ シクチ サレー、ミーコーガー ソーン(夜遅くまで仕事をしたら、疲れて目がくぼんでいる)。
ムル ニンティネーンサヤ、ミーコーガー ッシ(全然寝てないんだな、目がくぼんで)。イャー ミーコーガー ナトーンドー(お前目がくぼんでいるよ)。
ミーサ
新仏。前年に死者の出た家。旧1月16日に行われる法事。
- 用例
- アマー ミーサ ヤグトゥ イカントー ナラン(あそこはミーサだから、行かなくてはならない)。
- メモ
- 対:フルサ(古仏)。→アラジュールクニチ。
旧1月16日は後生の正月で、過去1年間(高志保では3年内)に亡くなった人の家に、親戚や知人が焼香に訪れる。戦前からミーサは墓参もしたが、そうでない家は重箱を作って供えた。
ミーサギーン
見下げる。見下す。
- 用例
- チュ ミーサギーンディシェー マシェー アラン(人を見下すというのは良くない)。
否:ミーサギラン(見下さない)希:ミーサギーブサン(見下したい)過:ミーサギタン(見下した)継:ミーサギトーン(見下している)。
- メモ
- 対:アガミーン(崇める)。
ミーサン
新しい。
- 用例
- ワームンヤカ イャームノー ミーサン(私の物よりおまえの物は新しい)。
- メモ
- 対:フルサン(古い)。
ミージーナー
頭をぶつけて目がチカチカすること。
- 用例
- ミージーナーガ ゥンジトーサー(目がチカチカしているよ)。
- メモ
- 音1:ミージナー。ジーナーは蛍のこと。
ミーシーン
見分ける。知り合いになる。見透かす。お見知りおきを。
- 用例
- ワー ゥンマガ ナトービーグトゥ ミーシッチョーティ クィミソーリ(私の孫なので、お見知りおきをください)。
ミーシララン ナティ、ミチヲゥティ イチャティン ワカランサ(見違えてしまって、道で会っても分からないさ)。
ウンナクトゥビカーン シーネー、ミーシラリーンドー(そんなことばかりしていたら、見透かされるよ)。
ミーヒッチョーン(見知っている)。
ミージガーミー
水甕〔みずがめ〕。
- メモ
- 音1:ミジガーミ・ミジガーミー。音2:ミジガーミーグヮー・ミジガーミグヮー。類:ハジ・ハンドゥー・ハンドゥーガーミ。
ミーシキハナシキ
風邪。
- 用例
- ミーシキハナシキン カカラングトゥシ、チャー カラタニングヮン スン(風邪や病気に罹らないように、いつも健康願いする)。
- メモ
- 音1:ミーヒチハナヒチ。
ミージクージ
根掘り葉掘り。
- 用例
- イーブシコー ネーンル アグトゥ、アンスカ ミージクージ チカンケー(言いたくないんだから、そんなに根掘り葉掘り聞くな)。
- メモ
- →イミークジー。
ミージナー
頭をぶつけて目がチカチカすること。
- メモ
- 音1:ミージーナー。ジナーは蛍のこと。
ミージナイ
目分量。
- 用例
- ミージナイシ シムグトゥ、ヘーク ンナンカイ ワキレー(目分量でいいから、早く皆に分けなさい)。
- メモ
- 音2:ミージョーロー。
ミージュールクニチ
新十六日。
- 用例
- ミージュールクニチヤ イクトゥクマン イカントー ナラン(新十六日は、何か所も行かないといけない)。
- メモ
- →アラジュールクニチ。
前年に亡くなった者に対する旧1月16日に行われる法事で、後生の正月といわれている。
ミージョー
メジロの雌。
- メモ
- 対:ヲゥージョー(メジロの雄)。
ミージョーキ
箕〔み〕。平たい大きなザル。
- メモ
- 音1:ミージョーキー。
米麦などの穀類を収穫後、殻〔から〕や塵〔ちり〕を選り分けたり、干したりするのにつかった。竹で編まれ浅い円形。
ミージョーキー
箕〔み〕。平たい大きなザル。
- 用例
- デークニ チッチェーシェー ミージョーキーンカイ ヒルギティ フースン(大根を切ったのは、ミージョーキーに広げて干す)。
- メモ
- 音1:ミージョーキ。
ミージョーロー
目測。目分量。
- 用例
- タムノー テーゲー ミージョーローシ タバティ シムサ(薪は、大よその目測で括っていいよ)。
- メモ
- 音2:ミージナイ。
ミーシリシリ
目をすりすりこする様。
- 用例
- ワラビヌ ミーシリシリ シ、ニーブイル ヤル(子どもが目をすりすりこすっているが、眠いんだよ)。
ミージル
サンシン(三線)の高い音の弦〔げん〕。
- メモ
- 低い音の弦はヲゥージル(雄弦)、真中の弦はナカジルという。
ミージンジン
頭をぶつけて目がチカチカする様。
- メモ
- 類:ミージーナー・ミージナー。ジンジンは蛍のこと。
ミースマスン
見抜く。
- 用例
- ヌーン イランティン、キッサ ミースマスン(何も言わなくても、既に見抜く)。
継:ミースマチョーン(見抜いている)。
ミーソーマー
物を探すことが苦手な人。斜視の人。
- 用例
- ミーソーマーヤ、ドゥーヌ ミーヌメーンカイ アシン ミーランナー(ミーソーマーは、自分の目の前にあるのも見えないのか)。
アンシ ミーソーマー ヤル ムン(あんなに、目の前の物も見つけられない者だもの)。
ミーソーロー
新精霊。新しく亡くなった死者の霊。
- メモ
- 音1:ミーゾーロー。
ミーゾーロー
新精霊。新しく亡くなった死者の霊。
- 用例
- ミーゾーローヤ ヤーニンジュシ ウクティン シムサ(新精霊は家族で送ってもいいよ)。
- メモ
- 音1:ミーソーロー。音2:アラゾーロー。
ミーダーマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- →ミンタマー。
ミーダイ
目が垂れ下がっているもの。
- メモ
- 音2:ミーダヤー。
ミーダッチュン
目立つ。
- 用例
- マッカーラー チン チチ イチーネー ミーダッチュンドー(真っ赤な着物を着て行くと目立つよ)。
ミーダマー
トンボの一種。
ミーダマゲンジュー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- →ケンターマー。
ミーダヤー
目が垂れ下がっているもの。
- メモ
- 音2:ミーダイ。
ミーチ
3。みっつ。3歳。
- 用例
- ミーチ ナヤー ワラバートー ユヌムン イーシン チカン(3歳になる子どもみたいに言うことも聞かない)。
ミーチ ナヤー ワラバー ヌ グトゥル ヤルムンナー(3歳児のようだね)。
- メモ
- 音2:ミー。
ミーチカチカ
目がチカチカする様。
- 用例
- アカガイ ヂューサヌ ミーチカチカスン(明るすぎて目がチカチカする)。
- メモ
- 類:ミーチラチラ。
ミーチキーン
じっと見る。見つめる。
- 用例
- フーサヌ フシガラン、ミーチキーン(欲しくてたまらず、じっと見つめる)。
ルク ヒルマサヌ チャー ミーチキー ソータン(余りにも珍しくて、ずっと見つめていた)。
否:ミーチキラン(見つめない)希:ミーチキーブサン(見つめたい)過:ミーチキタン(見つめた)継:ミーチキトーン(見つめている)。
ミーチチカスン
横目で合図すること。
- 用例
- ミーチチカ シーネー、ウヌトゥチェー ゥンジティ イカヤー(目で合図するから、その時には出て行こうね)。
ミーチブサー
三つ星。
- メモ
- 音1:ミーチブシ。類:クガニミツブシ。
冬の日没後から夜中、または、夏の日の出前の東の空に三つの星が同じ間隔に並んでのぼる星。群れ星のあとに三つ星がのぼってくる。
ミーチブシ
三つ星。
- 用例
- クガニミーチブシヤ ワン イーンカイ ティーン(三つ星は私の上に照る)。
- メモ
- 音1:ミーチブサー。類:クガニミツブシ。
ミーチボージャー
2月彼岸に行う3歳児の整髪儀式。
- 用例
- ンカシル ミーチボージャー ディチン アタル、ナマー ナー スシェー ヲゥラン(昔は3歳の初散髪式というのもあったが、今はもうやる人はいない)。
- メモ
- 子どもが3歳になると2月彼岸初散髪式という儀式があった。彼岸入り4日目に行う。→サラタティー。
ミーチマター
農具名。三つ叉鍬〔みつまたぐわ〕。
- 用例
- ターチル マター アルムンヌ、ミーチマターリ インバー(2つだけ叉はあるのに、三つ叉というのか)。
- メモ
- 音2:ミーマターハーグェー・ミマターグェー。
先が三本に分かれた畑を耕す農具。
ミーチマチャー
旋毛〔つむじ〕が3つあること。
- メモ
- 類:ターチマチャー・ターチマチュー。
ミーチャカチャカ
しきりに瞬きをしている様。
- 用例
- ミーチャカチャカ スシェー、ティーチヌ クシル ヤンドー(しきりに瞬きするのは、ひとつの癖だよ)。
ミーチャクチャク
目をパチパチさせている様。
- 用例
- ヌー ミーチャクチャク ソーガ?(何を目をパチパチさせているの?)。
ミーチュー
三つ子。
- 用例
- ミーチュー スダティーンディ、ヰナグヌウヤヤ ユクイヌ マルン ネーラン(三つ子を育てるのに、母親は休む暇もない)。
ミーチュー ナチ(三つ子を産んで)。
ミーチラー
まぶたに傷や傷跡がある人。
- 用例
- ミーチラーワラビガ ヲゥタシェー、イャー ウベーネーニ?(まぶたに傷跡のある子がいたのを、あなたは覚えてないねぇ?)。
- メモ
- 類:ミーチリ・ミーハッパイ。
ミーンデー(ものもらい)が化膿〔かのう〕してつぶれた傷跡がある者にも言った。
ミーチラサン
眩しい。まぶしい。
- 用例
- チューヌ ティーダヤ イチヤカ ミーチラサン(今日の太陽はいつもより眩しい)。
- メモ
- 音1:ミーチラハン。
ミーチラチラ
目がチカチカする様。
- 用例
- アッタニ アカサンミーカイ ゥンジタレー、ミーチラチラ スン(急に明るい所に出たら、目がチカチカする)。
- メモ
- 音1:ミーチカチカ。
ミーチラハン
眩しい。まぶしい。
- 用例
- アッタニ フカンカイ、ゥンジタレー ミーチラハン(急に外に出たら眩しいよ)。
- メモ
- 音1:ミーチラサン。
ミーチリ
目尻に傷や傷跡がある人。
- メモ
- 類:ミーチラー・ミーハッパチ。
ミーチングヮ
3歳児。
- 用例
- ミーチングヮトー ヰヌムン(3歳児と同じ)。
ミーックヮ
甥姪。きょうだいの子ども。
- 用例
- ミーックヮンチャーン ムル、ガンジュー ソーミ?(甥姪たちも皆、元気にしているねぇ)。
ミートゥ
夫婦。
- 用例
- タイヤ ミートゥ ナイシェー マシテー(2人は夫婦になったほうが良いよ)。
- メモ
- 音2:ミートゥンダ。
同じものが二つならんだ光景にもミートゥ~と表現する。
ミードゥイ
雌のニワトリ。雌鶏〔めんどり〕。
- 用例
- ミードゥイ ナチネー ヤク イッチョーン(雌鶏が鳴くと厄が入っている)。
- メモ
- 音1:ミードゥヤー。
ミードゥーサン
久しく会ってないこと。
- 用例
- ミードゥーサンヤー、イャーヤ マーガラカイ ゥンジル ヲゥティー?(久しぶりだね、あなたはどこかに行っていたの?)。
ミードゥーサン
ご無沙汰。久しぶり。
- 用例
- ヌーヌル イチュナサラー ミードゥーサンヤー(何が忙しいのか、久しぶりだね)。
- メモ
- 音1:ミールーハン。
ミートゥーシ
見通し。洞察。千里眼。
- 用例
- イー ミートゥーシガ ヲゥンディグトゥ、マジェー ゥンジンダナ(良い見通しがいるというから、まずは行ってみよう)。
ミードゥシ
新年。
- 用例
- ミードゥシ アキティ、ハマイヤッササ(新年も明けて、頑張りがいがあるさ)。
- メモ
- →アキマドゥシ。
ミードゥシ
巳年。
- 用例
- ヤー チュクイケーチャシェー ミードゥシル ヤタル(家を葺き替えたのは巳年だったんだよ)。
ミードゥヤー
雌のニワトリ。雌鶏〔めんどり〕。
- 用例
- ミードゥヤートゥ ウードゥヤートゥ ジロー ウーク カラトーガ?(雌鶏と雄鶏では、どちらを多く飼っているの?)。
- メモ
- 音2:ミードゥイ。
雌鶏が鳴くことや鶏が昼間に鳴くと厄。雌鶏が鳴くと厄なので、首を切って投げて、残りを食べた。
ミートゥルバイ
瞬きもせずにぼんやりしている様。
- 用例
- ヰナグンカイ フラッティ ミートゥルバイ シ、シクチン サン ナトーン(女に振られてぼんやりして、仕事もしなくなっている)。
ミートゥン ネーン
みっともない。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ アビヤーアビヤー シ、ミートゥン ネーン(人前で言い合いをして、みっともない)。
- メモ
- 音1:ミートーネーン。類:フージンネーン。
ミートゥン ネーン
見っともない。
- 用例
- アンソール ムヌイーヨー シ ミートゥン ネーン(そのような物言いようをして身っともな)。
ミートゥンダ
夫婦。
- 用例
- ミートゥンダ ナカヌ ユタサヌ チャー マジーン ヤン(夫婦仲がよくていつも一緒だ)。
- メモ
- 音2:ミートゥ。
ミートゥンダオーエー。
夫婦喧嘩。
- 用例
- ンジュル カージ ミートゥンダオーエー ソーン(見るたびに夫婦喧嘩をしている)。
ミートゥンダグファイ
夫婦仲が悪いこと。
- 用例
- ヰキガヌ シクチン サン ヰナグアシビ スグトゥ、ミートゥンダグファイ ソーン(男が仕事もせずに女遊びするから、夫婦仲が悪くなっている)。
ミートゥンダバナシ
夫婦の会話。
- 用例
- チカグロー ミートゥンダバナシン ネーン(近頃は夫婦の会話もない)。
ミートゥンダビジュル
夫婦ビジュル(霊石・拝所)。喜名の拝所名。
- メモ
- 二つ並んだ霊石のことか。
ミートー ネーン
みっともない。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ オーイネー、ミートー ネーンドー(人前で喧嘩したら、みっともないよ)。
- メモ
- 音1:ミートゥンネーン。類:フージンネーン。
ミードーフ
取り立ての大豆で作った豆腐。
ミーナダ
涙。
- 用例
- イャー ハナシ チチーネー ミーナダヌル ウティール(貴方の話を聞いたら、涙が落ちる)。
- メモ
- 音1:ミーナラ。類:ナラ。
ミーナラ
涙。
- 用例
- ミーナラ ポンナイ ウティティ(涙がポンポンこぼれ)。
- メモ
- 音1:ミーナダ。類:ナダ。
ミーナリキキナリ
見慣れ、聞き慣れ。見たり聞いたりすること。目で見て耳で聞いて、何かを学ぶこと。
- 用例
- シクチヤ ミーナリキキナリ シ ウビーンドー(仕事は目で見て耳で聞いて覚えるんだよ)。
- メモ
- 類:ミーナリチチナリ。
ミーナリチチナリ
見慣れ、聞き慣れ。見たり聞いたりすること。目で見て耳で聞いて、何かを学ぶこと。
- 用例
- ミーナリチチナリ シーネー ナンクル ウビティハイサ(目で見て耳で聞いていたら、自然に覚えて行くよ)。
- メモ
- 類:ミーナリキキナリ。
ミーナレー
見て習うこと。
- 用例
- パーパーガ スシ ミーナレー スン(お祖母さんがやるのを見て習う)。
ミーニシ
北風。
- 用例
- ミーニシヌ フチュルムン ヒーク ナインドー(北風が吹くから寒くなるよ)。
- メモ
- 音2:ニシカジ・ニシブチ。
ミーヌカージン
穴の開いた銭。一厘銭。
- 用例
- ミーヌカージンディシェー アナグヮーガ アチョーシ ヤサ(一厘銭というのは穴の開いたものさ)。
- メモ
- 音1:ミーヌチャージン。音2:ミーヌチャー・ミーフガージン。
ミーヌガスン
見逃す。見てないふりをして許してやる。
- 用例
- イッチュタ ニントーイニ、ヌスル ミーヌガチネーン(ちょっと寝ている時に、泥棒を見逃してしまった)。
否:ミーヌガサン(見逃さない)希:ミーヌガシーブサン(見逃したい)過:ミーヌガチャン(見逃した)継:ミーヌガチョーン(見逃している)。
ミーヌシン
瞳孔。瞳。
- 用例
- ミーヌシヌンカイ キジガ イッチョーン(瞳に傷が入っている)。
ミーヌチビ
目尻。
ミーヌチャージン
穴あき銭。
- 用例
- ミーヌチャージンヌンカイ ヰールー トゥーシェー(穴あき銭に紐を通しなさい)。
- メモ
- 音1:ミーヌカージン。類:ミーフガージン。
昔のお年玉はもっぱらミーヌチャージンであった。正月の仏壇の飾り物として赤、黄、白の紙を重ね、縁起物のミーヌチャージンを載せて両側に飾った。
ミーヌチュ
巳年生まれの人。
- 用例
- ワッタヤ ウヤックヮ、ミーヌチュ ヤサ(私達は親子、巳年生まれだよ)。
ミーヌメー
目の前。
- 用例
- ミーヌメーンカイ アルムンヌ ミーランル アリー(目の前にあるのに見えないのか)。
ミーバーラ
箕〔み〕。竹で編んだ浅い円形の笊。
- 用例
- ミーバーランカイ フシカブ フーチョーン(ミーバーラーに切り干し大根を干してある)。
- メモ
- 波平・長浜・高志保・渡慶次ではミージョーキのことをミーバーラともいった。米麦などの穀類を収穫後、殻〔から〕や塵〔ちり〕を選り分けたり、干したりするのに使った。
ミーバーラー
目籠〔めかご〕。目の粗い籠。
- メモ
- 音1:ミーバーラ。類:トゥイバーキ。
鶏〔ニワトリ〕にかぶせて檻〔おり〕のようにして使う。
ミーバーラヂチ
満月。
ミーバイ
魚介名。ハタ科スズキ亜目の魚類。
- 用例
- チューヌ ウミヤ ディキティ、ミーバイン トゥッティチャンドー(今日は大漁で、ハタも取って来たよ)。
ミーハイヌスル
目の前で泥棒すること。泥棒を見逃してやること。またそのような泥棒。
- 用例
- ミーハイヌスルル ヤグトゥ ヌガーラチョーケー(生活に困ってのことだから、見逃しておきなさい)。
- メモ
- 生活に困って少量の物を盗んでいく泥棒を見逃す時などにも使う。
ミーハイムシ
昆虫名。ハスモンヨトウ(斜紋夜盗)。
- 用例
- ハルカイ ミーハイムシヌ ゥンジティ、トゥッティン アワサン(畑にハスモンヨトウが出て、取っても追いつかない)。
- メモ
- 農業害虫として知られる。
ミーハガー
ただれ目。ただれ目の人。
- 用例
- ①ミーヤー ゥンジャレー、ミーハガービケーン アチマトータン(眼科に行ったら、ただれ目の人ばかり集まっていた)。
ミーハガー
色あせていること。
- 用例
- イャームン チノー ミーハガー ナトーン(君の着物は色あせている)。
- メモ
- 類:シラカー。
ミーハギ
ただれ目。
- 用例
- ミジヌル ワッサラー ムル ミーハギ ナトーン(水が悪いのか、皆ただれ目になっている)。
ミーハギ ウスメーグヮー(目のはげた爺)。
ミーハギハナハギ
目がただれ鼻が禿げている人。
- 用例
- クーサイネー ミーハギハナハギ ヤティン、フルイーネー イーカーギ ナイサ(小さい頃はミーハギハナハギでも、成長したら美男美女になるよ)。
- メモ
- ミーハギはただれ目、ハナハギは鼻がただれているということで、悪口の一種。
ミーハギマチカンティー
目が悪くなるくらい待ちかねること。待ちくたびれること。
- 用例
- チトゥ ムッチ チューシ、ワランチャーガ ミーハギマチカンティー ソーン(苞を持ってくるのを、子どもたちが待ちくたびれている)。
ミーパチパチ
目をパチパチさせている様。チック。
- 用例
- ミーヌ ヲゥタティルヲゥラー、ミーパチパチ ソーン(目が疲れているのか、目をパチパチさせている)。
- メモ
- 音1:ミーパチパチー。
ミーパチパチー
目をパチパチさせている様。
- メモ
- 音1:ミーパチパチ。
ミーハッパイ
まぶたに傷跡のある者。そのせいで目が引きつっていること。
ミーハッパヤー
怒りんぼ。
- 用例
- トゥナイヌ ハーメーヤ、ミッハパヤー ナティ ウトゥルサン(隣のお婆さんは、怒りんぼで恐い)。
ミーバッペー
見間違い。
- メモ
- 類:ミーマチゲー。
ミーハッポー
目を見開くこと。
- 用例
- ミーハッポー シ ウキトーティ(目を見開いて起きていて)。
- メモ
- 音2:ミーハッパユン。
ミーハン
新しい。
- 用例
- ミーハシカラ イラベー(新しいのから選びなさい)。
- メモ
- 音1:ミーサン。→ミーサン。
ミーハンスン
見放す。
- 用例
- イーシン チカン ナイネー、ムルガ ミーハンスンドー(言うことを聞かなければ、皆が見放すよ)。
否:ミーハンサン(見放さない)希:ミーハンシーブサン(見放したい)過:ミーハンチャン(見放した)継:ミーハンチョーン(見放している)。
ミーハンスン
機会を失う。見逃す。
- 用例
- シバヤ ミーハンチャン(芝居を見逃した)。
否:ミーハンサン(見逃さない)過:ミーハンチャン(見逃した)継:ミーハンチョーン(見逃している)。
ミーハンダー
期待外れ。当てはずれ。もらい損ね。
- 用例
- アサニシ ヌーン ヌクトーネーン ミーハンダー ソーサ(朝寝したら何も残ってなく、当てが外れたさ)。
ミーハンチヌギーン
目を剥いて激しい形相になる。
- 用例
- ミーハンチヌギティ クサミチョータン(目をひん剥いて怒っていた)。
ミーヒチハナヒチ
風邪。
- 用例
- ミーヒチハナヒチン カカラングトゥ シ チャー カラタニングヮン スン(風邪や病気に罹らないようにいつも健康願いをする)。
- メモ
- 音1:ミーシキハナシキ。
ミーヒチャラサン
まぶしい。
- メモ
- 音2:ミーチラサン・ミーチラハン。
ミーフガー
穴の開いているもの。
- 用例
- アンシ ミーフガー ナチ(そんなに穴だらけにして)。
ミーフガーガーシ
菓子名。はなぼうろ。穴あき菓子。
- メモ
- →ミーガンチョーグヮーシ。
ミーフガージン
穴あき銭。
- メモ
- 類:ミーヌチャー・ミーヌチャージン。
ミーブサー
瞼〔まぶた〕がはれること。
- 用例
- ナチヂューサヌ ミーブサー ナトーン(泣きすぎて目が腫れている)。
- メモ
- 類:ミーブシフックヮー。
ミーブサン
見たい。
- 用例
- ウヤ ミーブサン(親に会いたい)。
ミーブシ
瞼〔まぶた〕。
- 用例
- ミーブシ アガトーン(瞼があがる。元気のでるような嬉しいことがあったときの表現)。
- メモ
- 類:ミーガー。
ミーブシフックヮー
瞼〔まぶた〕がはれること。
- 用例
- トービーラーカイル ナミラッタラー ミーブシフックヮー ソーン(ゴキブリになめられたのか目が腫れている)。
- メモ
- 類:ミーブサー。
マブタが腫れると「ゴキブリになめられた」という表現をすることがあった。
ミーフックヮー
植物名。キョウチクトウ。
- 用例
- ミーフックヮーヌ シルガ ミーカイ イーネー、ミー ミーラン ナインドー(キョウチクトウの汁が目に入ると、目が見えなく<盲目に>なるよ)。
ミーフックヮー
目がはれること。
ミーブリー
見惚れること。
- 用例
- シバヤンカイ ゥンジトータル サムレーヌ チュラサヨー、ミーブリー サン(芝居に出ていた侍の綺麗なことよ、見惚れたさ)。
ミーマーイン
目が回る。
- 用例
- ユヌ トゥクマビケーン マーヤーマーヤー シーネー ミーマーインドー(同じ所だけ廻っていたら目が回るよ)。
否:ミーマーラン(目が回らない)過:ミーマータン(目が回った)継:ミーマートーン(目が回っている)。
ミーマーギン
新黍。
- 用例
- ミーマーギンヤ ルクグヮチニ トゥラリーン(新黍は6月頃に収穫する)。
- メモ
- 類:マーギン・マージン。
ミーマターハヤーグェー
三又になった鍬。
- 用例
- ハル カジーラー ミーマターハヤーグェー ムッチ イケー(畑を耕すなら、三又の鍬を持って行きなさい)。
- メモ
- 音2:ミマターグェー。
ミーマチゲー
見間違い。
- 用例
- ウレー イャームン ミーマチゲール ヤル(それは君の見間違いだよ)。
- メモ
- →ミーバッペー。
ミーマッテン
目が点になる。目を丸くしてびっくりすること。
- 用例
- ワンガ ゥンジャレー ウドゥルチ ミーマッテン ソータン(私が行くと、驚いて目を丸くしていた)。
ミーマユ
眉。目と眉。顔立ち。
- 用例
- ワラビヌ ゥンジトーティ、イーナナー ミーマユ ステーサ(子どものくせに、そんなに早く眉を剃ってあるさ)。
ミーマユ クルグルートゥ(目眉黒々と、顔立ちが美しい様)。
ミーマンジュン
見守る。
- 用例
- グナワランチャーヤ チュケートゥナイ ムルッシ ミーマンジュン(幼子は隣近所皆で見守る)。
イチマディン ミーマンジュン(いつまでも見守る)。
継:ミーマントーン(見守っている)。
ミーミ
耳。
ミーミー
穴。
- 用例
- イービ チックリ ミーミー フガスン(指を突っ込んで穴を開ける)。
- メモ
- 音2:ミー。
ミーミークージ
根掘り葉掘り。
- 用例
- チュヌクトゥ アンシ ミーミークージ チカンケー(人のことをそんなに根掘り葉掘り聞くな)。
- メモ
- →イミークジー。
ミーミートゥ
満々と。具だくさん。
- 用例
- ウチャクンカイ ゥンジャスシェー ミーミートゥ イリリヨー(お客さんに出すのは具を多めに入れてよ)。
- メモ
- 対:ウチウチートゥ(軽めに)。
ミーミーハイター
穴だらけ。
- 用例
- ミーミーハイター ナティ チカーラン(穴だらけで使えない)。
- メモ
- 音2:ミーミーフガー。
ミーミーフガー
穴だらけ。
- 用例
- ヤナガンマリ シ ミーミーフガー ナチェーサ ヤー(悪戯をして、穴だらけにしてくれたな)。
- メモ
- 音2:ミーミーハイター。
ミームーク
新婿。
- 用例
- ミームーク ティレーイン(新婿を接待する)。
- メモ
- 対:ミーユミ(新嫁)。
ミームナー
雌。
- 用例
- ウンジュガ カラトール インヤ ミームナール ヤイビーティー(貴方が飼っている犬は雌ですか)。
- メモ
- 対:ヲゥームン(雄)。
ミームナーヲゥームナー
雌雄。
- メモ
- 類:ミームンヲゥームン。
ミームラー
植物名。クマンギ。
- 用例
- ミームラーヤ ヒルガイヤッサン(クマンギは広がりやすい)。
- メモ
- ハーブのひとつで、料理によく使われる。日本名、ヒメボウキ。
ミームン
見世物。見ていておもしろいもの。
- 用例
- チューヤ マチカイ ミームン ンジーガ イチュン(今日は町に見世物を見に行く)。
ミームン
雌。
- メモ
- 音2:ミームナー。対:ヲゥームナー。
ミームン
新しいもの。
- 用例
- ワンガ チヌン ミームン コーティ トゥラスサ(私が、着物も新しいものを買ってあげるね)。
- メモ
- 対:フルムン(古い物)。
ミームンジョーグ
見世物好き。
- 用例
- トゥナイヌ タンメーヤ イッペーヌ ミームンジョーグ ヤン(隣の爺さんは、大変な見世物好きだ)。
ミームンヲゥームン
雌雄。
- メモ
- 類:ミームナーヲゥームナー。
ミーメー
見舞い。
- 用例
- ウヤヌ ミーメー シーガ イチュン(親の見舞いに行く)。
ミーメー
新米。
- 用例
- ミーメー トゥイネー、クヮヌチャーヤーンカイン カタミティ ムッチ イチュタン(新米を収穫すると、子どもたちの家にも担いで持って行った)。
- メモ
- 類:シチマ・ミーグミ・ミーンバン。
ミーヤー
眼科。
- 用例
- ミーヤーカイ ゥンジクーヒー(眼科に行ってくるね)。
ミーヤー
新しい家。
- 用例
- ミーヤー チュクティ ハマイヤッサンテー(新しい家を造って、頑張りがいがあるね)。
- メモ
- 対:フルヤー(古い家)。
ミーヤーマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:ミーラーマー・ユーラーマー。→ミンタマー。
ミーユミ
新嫁。花嫁。新婦。
- 用例
- ヤガティ ミーユミ ウンチケー ッシ チューンドー(やがて花嫁をお連れしてくるよ)。
- メモ
- 対:ミームーク(新婿)。
ミーラーマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音1:ミーヤーマー・ユーラーマー。→ミンタマー。
ミーランヌー
見えない者。
ミールーハン
ご無沙汰。久しぶり。
- 用例
- ミールーハンヤー イチュナサル アティー(久しぶりだね忙しかったの?)。
- メモ
- 音1:ミールーサン。
ミーワカスン
見分ける。区別する。
- 用例
- アンスカ ミーワカサンケー(そこまで区別するな)。
- メモ
- 音2:ミーワキーン。
ミーワキーン
見分ける。区別する。
- 用例
- ドゥーヌムントゥ チュヌムン ミーワキーン(自分の物と人の物を見分ける)。
- メモ
- →ミーワカスン。
ミーワク
迷惑。
- 用例
- ジノー モーキランティン、チュンカイ ミーワク カキランレー シムサ(金は儲けなくても、人に迷惑をかけなければいいさ)。
ミーウヮー
雌豚。
- 用例
- ウンジョー、ミーウヮー イクチェー カラトーミシェーガ?(貴方は、雌豚を何頭飼っていらっしゃいますか?)。
ミーウヮータ
雌のトカゲ。
- メモ
- 対:ヲゥーウヮータ(雄のトカゲ)。
ミーン
見える。
- 用例
- ワンネー トゥーサマディ ユー ミーン(私は遠くまで良く見える)。
否:ミーラン(見えない)希:ンジーブサン・ミーブサン(見たい)過:ミータン(見えた)継:ンチョーン(見ている)。
ミーン
生える。
- 用例
- ハル ウッチャンナギーネー、クサガル ミーンドー(畑をほっといたら、草が生えるんだよ)。
ウーシバーガ ミートーン(奥歯が生えている)
否:ミーラン(生えない)過:ミータン(生えた)継:ミートーン(生えている)。
- メモ
- 草、爪、角などがはえることにも言う。
ミーンデー
ものもらい。
- メモ
- 音1:ミンデー。
ミーゥンジーグヮー
新入生。
- メモ
- 音1:ミーゥンジュグヮー・ミーゥンジュグヮー。
ミーゥンジグヮー
新人。
- 用例
- ムラアシビヌ ミーンジグヮーヤ イクタイガ?(村芝居の新人は、何人ねぇ?)。
- メモ
- 音1:ミーゥンジーグヮー・ミーゥンジュグヮー。
ミーゥンジュグヮー
新入生。
- メモ
- 音1:ミーゥンジーグヮー・ミーゥンジグヮー。
ミーゥンバン
新米。
- メモ
- 類:シチマ・ミーグミ・ミーメー。
ウユミに収穫したばかりの新米を供えた。
ミーゥンバングヮー
新黍ご飯。6月頃に初収穫した黍で炊いたご飯。
- 用例
- ミーゥンバングヮーヌン ウホーク ニチェーグトゥ、チュハーラ カミヨー(新黍御飯もたくさん炊いてあるから、腹いっぱい食べなさいよ)。
ミーゥンマ
雌馬。
ミーゥンマ
仔馬。
ミーゥンマガ
初孫。
ミーゥンム
収穫後の畑で自然に生える甘藷。
- メモ
- 音1:ミーゥンムグヮー。
ミウトゥシ
見落とし。
- 用例
- ミウトュシェー ネーンガヤー ナー チュケーン サンミン シーノーシェー(見落としがないかもう一回計算 しなおしなさい)。
ミカキイー
三切れの豚肉。
- 用例
- マースジキ サットール ミカキイーヤ ジコーヌ クヮッチーヤタン(塩漬けにされた三切れの豚肉はとても御馳走だった)。
- メモ
- 正月を迎えて最初の製糖の時に、ミカキイーといって塩漬けにした豚肉を3切れ出した。
ミカスン(~ミカスン)
~と音を立てる。
- 用例
- パッタイミカチ ウティティ(パタッと落ちて)。パンミカチ(パンと)。ポンミカチ(ポンと)。
- メモ
- ~には擬音が入ることが多い。
ミカチ(~ミカチ)
~と。
- 用例
- ハーミカチ(ハーッと)。
ミガチ
銘書。
- メモ
- 墓誌やジーシーガーミ(厨子甕)に故人の屋号、名、没年などの銘書きにミガチという。
ミカヂチ
三日月。
- 用例
- イチンカイ ミカヂチヌ ウチトーン(池に三日月が映っている)。
ミガチュン
磨〔みが〕く。
- 用例
- ハー ミガチュン(歯を磨く)。
- メモ
- 類:シダスン・シラギーン。
ミカラジ
頭。
- 用例
- クチャラビヌ フキバ ミカラジン ヤムサ(東風が吹けば頭が痛い)。
- メモ
- 「歌い骸骨」『高志保の民話』より。
ミガワイ
身代わり。代わり。
- 用例
- アレー イャー ミガワイシル ハタラチーガ ゥンジョールヨー(彼は君の代わりに働きに行っているんだよ)。
ミグイアッチュン
巡視する。
ミグイドゥールー
巡り灯籠。回り灯籠。
- メモ
- 16日にはミグイドゥールー(回り灯籠)を下げた。
ミグイバシル
戸。
- 用例
- ワッターヤ ハシリンカイヤ ミグイバシルディ イタン(私達は戸にはミグイバシルと言っていた)。
- メモ
- 類:ハシリ・ハシル。(雨戸・くり戸)
ミグイマール
夜回り。
- 用例
- ミグイマール シンカー、ヘーク アチマリヨー(夜回りに行く人たちは、早く集まりなさいよ)。
- メモ
- 夜遊びを防ぐためにミグイマール(夜回り)があり、各班の青年の代表が年頃の娘がいる家を回って歩いた。
ミグイン
回る。廻る。巡る。
- 用例
- カクチネー ミグイン(各家庭を回る)。
ガラマーヌ ミグトーン(滑車が回っている)。
否:ミグラン(まわらない)希:ミグイブサン(まわりたい)過:ミグタン(まわった)継:ミグトーン(まわっている)。
- メモ
- 類:マーイン。
ミクチ
お口(敬語)。
ミグトゥ
見事。
- 用例
- ワランチャー ウドゥイヤ ミグトゥ ヤタンヤー(子どもたちの踊りは見事だったね)。
ミクミ
見込み。
- 用例
- ヌー ヤティン ミクミヌ ネーンシカイヤ タヌマンサ(何でも見込みのない人には頼まないさ)。
ミクミチゲー
見込み違い。誤診。
- 用例
- クンドゥヌ クトー ワームン ミクミチゲー ヤタン(今度のことは私の見込み違いだった)。
ミグヤー
巡る人。頻繁に家畜を見回る人。
ミグラセー
回し飲み。
- 用例
- サキ ヌマンヌーヤ、ミグラセーガ ハジマイネー ヒンギティ ハイタン(酒が飲めない人は、回し飲みが始まると逃げて行った)。
ミグルー
まりをつきながら、体をぐるっと一回転させる遊び。
ミサイソーロー
新しい年が来るよ。
- メモ
- 瀬名波で、旧12月1日に男子のみで行われるヨージントー(火の用心)行事の中で呼びかける文言の一節。
ミサチバル
{岬原}。宇座の小字。
ミザマシ
目覚め。
- 用例
- ワランチャーヤ ミザマシヌ ワッサイネー、ナゲー ナチュンドー(子どもたちは目覚めが悪いと、長い間泣くよ)。
ミサライハーメー
結婚式を執り行うおばあさん。結婚祝いに嫁ぎ先で花嫁を迎える役目で、縁起が良いおばあさんの意味。
- 用例
- ニービチネー ミサライハーメーガ ミーユミ ンケーイタン(結婚式にはミサライハーメーが花嫁を迎えていた)。
- メモ
- 類:カリユシパーパー。
花嫁を迎えた後に行う儀式も執り行う。ミサライとは「禊・罪や穢れを落とし自らを清らかにする、不浄を取り除く」等の意味があることから、禊に所以していると思われる。
ミザワイ
目障り。
- 用例
- イャーガ ヲゥイネー ミザワイ ヤッサー(君がいると目障りだよ)。
ミジ
水。
- 用例
- ミジン ジンル ヤル、クメーキティ チカリヨー(水もお金だよ、節約して使いなさいよ)。
ミジアシビ
水遊び。
- 用例
- ウンナゲー ミジアシビ シーネー カジ ヒチュンドー(そんなに長いこと水遊びしたら風邪ひくよ)。
ミジアレー
水洗い。
- 用例
- ウヌ ヤシェーヤ ミジアレー シ、スグ カマリーサ(その野菜は水洗いして、直ぐに食べられるよ)。
ミシーン
見せる。
- 用例
- ウヤンカイ クヮヌチャー ウドゥイ ミシーン(親に子どもたちの踊りを見せる)。
否:ミシラン(見せない)希:ミシーブサン(見せたい)過:ミシタン(見せた)継:ミシトーン(見せている)。
ミシェーン
①~している。~なさる。②召し上がる。
- 用例
- ①サビサ ソーミ シェーグトゥ(寂しくしていらっしゃるから)
②ナマ、アサバン ミシェーンナー?(今、昼ご飯を召し上がりますか?)。
比:ミソーラン(召し上がらない)過:ミソーチャン(召し上がった)継:ミソーチョーン(召し上がっている)。
- メモ
- 音1:ミセーン。→ウサガイン。
ミジガーミ
水甕〔みずがめ〕。
- 用例
- ミジェー ヤーヌ メーヌ ミジガーミンカイ イットーケー(水は家の前の水甕に入れておきなさい)。
- メモ
- 音1:ミセーン。類:ウサガイン・ウサガユン。
ミジガーミグヮー
水甕〔みずがめ〕。お茶用の水を入れて室内に置いた小さな水甕。
- メモ
- 音1:ミジガーミ。
ミジカキエー
子どもの遊び。水合戦。
ミジガサー
水疱瘡〔みずぼうそう〕。水痘〔すいとう〕。
- 用例
- ワランチャー ミジガサーヤ ウティーヤッサンドー(子どもたちの水疱瘡は伝染しやすいよ)。
- メモ
- 水疱瘡の時はウブガーの水で水撫でした。
ミシガシ
全く。
- 用例
- ウンナ クトー ミシガシ チチェーンランサー(そんなことは全く聞いたことがないね)。
- メモ
- 類:ムサットゥ・ムットゥ。
ミジガマンチュ
水釜の人。
ミシクーガ
見せ卵。産卵場所を示したり、産卵をうながすために、鶏の巣にあらかじめ入れておく卵。
- 用例
- ワッター アバーヤ ミシクーガ シ アトゥカラ カサギトータン(私の姉は、見せ卵をした後に妊娠していた)。
ミシクーガグヮー ウチョーケー(見せ卵をおいておけ)。
- メモ
- 子どもがほしい夫婦が、妊娠をうながすために兄弟や親戚の子をあずかることにもいう。
ミジグェー
水肥〔みずごえ〕。液肥〔えきひ〕。
- 用例
- ミジグェー カタミティ、イクケーン ハル イチムドゥヤー サラー ワカラン(水肥えを担いで、何回畑を行き来したのか分からない)。
ミジグェーヲゥーキ
水肥桶。
ミジグクチ
癲癇〔てんかん〕の一種。水を見ると引き起こされる癲癇。
ミジグサリ
水に浸かった物が腐ること。水腐れ。水のかけ過ぎで草木が腐れること。
- 用例
- アミ フイヂューダヌ ヤシェーガ ミジグサリ ソーン(雨が降りすぎて野菜が水腐れしている)。
ミジクチュビ
イボ。
- 用例
- ミジクチュビヤ ヤーチュー シーネー スグ ノーイン(イボは灸をすると直ぐに治るよ)。
- メモ
- 類:クチュビ。
ミジクブサー
手水鉢。女性が用を足した後に、下を洗うのに使った。また、手を洗うのにも使った。
- 用例
- ミジクブサーンカイ ミジェー イッテーグトゥ ウリシ ティー アラレー(手水鉢に水を入れてあるから、それで手を洗いなさい)。
- メモ
- 類:ゴールー。
儀間や楚辺では産湯の時にもミジクブサーを使うこともあった。
ミジクマー
湧き水などを汲んで運ぶ人。
ミジグルマー
水車。
- 用例
- ミジグルマーヤ ウホーコー ネーンタン(水車は多くはなかった)。
- メモ
- 牧原、長田にあった村内唯一の水車。長田川の水流を利用し精米、製茶がなされた。
ミジグルマジッチャクグヮーヌカー
屋号水車勢理客の後ろの方にある井泉。
ミジグヮッタイ
水溜りが多くできている所。
- 用例
- ヤナワラベー、ワザトゥ ミジグヮッタイカラ アッチュサ(嫌な子は、わざと水溜りの中から歩くさ)。
- メモ
- 類:ミジタマイ。
ミシゲー
しゃもじ。
- 用例
- ミシゲーヤ マーンカイガ ウッチャラー、ネーン ナトーン(杓子は何処に置いたのか、なくなっている)。
- メモ
- 親志では、ウムニーを作る時に煮た甘藷を潰す大きなしゃもじのような道具にいった。→イビラ。
ミシジ
三粒。
ミシジ
3粒。3粒ほどのたった少しの意味。
- 用例
- ムル カマンレーサン、ミシジグヮー ヌクチェーン(全部食べようとはせず、たった少しだけ残してある)。
ミジシップー
植物名。ヒメクマヤナギ。
- 用例
- ミジシップー ヤマトゥナーヤ ヒメクマヤナギディ イタン(ミジシップーの和名はヒメクマヤナギといっていた)。
ミジジャカジャカ
水だらけ。水が滴り落ちている様。
- 用例
- チヌン アラレーカラー チューク シブイル スル、ミジジャカジャカ ソーンドー(着物も洗ったなら強く絞るんであって、水が滴り落ちている)。
- メモ
- 類:ミジブッター。
ミジターグ
水汲み桶。水汲みに使う桶。
- 用例
- ミジン ネーングトゥ、ミジターグ ムッチ ウス クミーガ イチュン(水もないので、水汲み桶を持って潮水を汲みに行く)。
- メモ
- 音2:ミジヲゥーキ。
ミジタマイ
水溜まり。
- 用例
- ミジタマイヌ マンドーグトゥ、ウマカラー トゥンクィティ アッキヨー(水溜りが多いから、そこらは飛び越えて歩きなさいよ)。
ミジタミー
水たまり。野菜を洗った水などをためた水溜め。
ミジタリティ
みずみずしい様。清々しい様。
- 用例
- アヌ ワラベー ミジタリティ チュラサッサー(あの子はみずみずしくて美しいなあ)。
- メモ
- 類:サージャートゥ・サーザートゥ・サッパツ・サッパトゥ。
ミジタンク
水タンク。
- 用例
- ヤーヌ イーンカイ ミジタンク ヰシテーン(家の上に水タンクを据えてある)。
- メモ
- 新語
ミシナーク
よくまあ。みすみす。むざむざと。
- 用例
- アレー ミシナーク ワー タヌミ クトゥワイタン(彼はむざむざと私の頼みを断った)。
ミジナディー
水撫で。
- 用例
- ミジナディーネー ムンチューガシラガ クラガーンカイ アチマティ ウガムタン(水撫でには門中頭がクラガーに集まって拝んだ)。
- メモ
- 音1:ミジナリー。→カーウビー。
旧9月15日に門中頭が楚辺クラガーに集まって、線香を灯し、豆腐やおにぎりを供えて拝む。神聖な水を中指で額に3回つける作法で、若返りの水を浴びた効果があるといわれた。健康祈願の意味がある。ウビナディーともいう。
ミシナバー
植物名。フダンソウ。
- メモ
- 音1:ンシナバー。音2:ニスナバー・ンスナバー。
ミジナリー
水撫で。
- メモ
- 音1:ミジナディー。→カーウビー。
健康を祈願しウブガーで新生児の額に水をつけたり、正月などに若水をくんで額に水をつけたりすることをそう呼ぶ。
ミジニーブ
水びしゃく。
- メモ
- 音2:ニーブ。
ミシバーチ
木製の円形の鉢。
- 用例
- サキムイニン、ミシバーチンカイ クヮッチー イッティ ムッチ イチュタン(結納にも、ミシバーチに御馳走を入れて持って行った)。
- メモ
- 類:センセンバーチ・ケール。行事等に御馳走を盛るのに使った。鳥が家に入ると厄といい、親戚がミシバーチに食べ物を入れて持って来た。
ミジハナダイ
鼻水。
- 用例
- ミジハナダイ タラチ カジヒチルヤンテー(鼻水を垂らして風邪じゃないの)。
- メモ
- →ハナミジ。
ミジブクラー
水ぶくれ。
- 用例
- ティーヌ ミジブクラーガ イェーリトーン(手の水ぶくれが潰れている)。
ミジブッター
水だらけ。
- 用例
- ミジブッター シ ヘーク チン ケーレー(水だらけになって、早く服を着替えなさい)。
- メモ
- 類:ミジジャカジャカ。
ミジボーミ
軟体動物名。なめくじ。
- 用例
- アミフイネー ミジボーミヌ マンドーン(雨降りには、なめくじが多い)。
- メモ
- 類:ユダイムン。
ミジマチ
水撒き。水祭り。
- メモ
- 音1:ミジマチー。類:ナーチャミー。
親戚近所の人たちと茶と水、酒、香、花を持って墓へ参る。
大正頃まではハチナンカ(初七日)まで毎日朝1回墓に参った。
ミジマチー
水撒き。水祭り。人が亡くなった翌日の墓参り。
- メモ
- 音1:ミジマチ。→ナーチャミー。
ミジムイ
見積もり。
- 用例
- ヤー チュクイラー ミジムイ シミレー(家を造るなら、見積もりさせなさい)。
ミジムイニービチ
水盛り結婚式。盛大な結婚式のこと。
- メモ
- →ウーニービチ。
ミジメンナー
植物名。ハコベ。ウシハコベ。
- 用例
- ミジメンナーヤ シルハナグヮー サチュタン(ウシハコベは白い花が咲いた)。
- メモ
- 音2:ミンナ・メンナ。
搗いて小鳥の餌にした。
ミジャミジャ
水気の多い様。水っぽい。
- 用例
- ウヌ ゥンモー ミジャミジャー シ マーサーネーン(その芋は水っぽくて不味い)。
ミジュン
魚介名。イワシ。
ミジュンギリ
イワシ漁。網をしかけてイワシを捕る漁法。
- 用例
- アチャヤ ミジュンギリンカイ ゥンジーンドー(明日はイワシ漁に出るよ)。
ミジラサン
珍しい。
- 用例
- イャーガンチョー ナランディシェー ミジラサン(お前でもできないというのは珍しい)。
ウレビケージェー ミジラサン(そればかりは珍しい)。
ウリ ミジラーッサー(それは珍しいなあ)。
- メモ
- 音1:ミジラハン。類:ヒルマサン・ヒルマハン。
ミジラハン
珍しい。
- 用例
- イーナナー ハナ サチュシェー ミジラハン(そんなに早く花が咲くのは珍しい)。
- メモ
- 音1:ミジラサン。類:ヒルマサン・ヒルマハン。
ミジワター
水分の多い物を取り過ぎて冷えた腹。
- メモ
- 水分の多い物を取り過ぎて下痢になること。
ミシワン
ご飯碗。
- 用例
- ミシワン ムッチ クーワ(ご飯碗を持って来なさい)。
ミジヲゥーキ
水を運ぶ桶。
- 用例
- ミジヲゥーキ カタミティ ミジ クミーガ イチュタン(水桶を担いで水を汲みに行った)。
- メモ
- →ミジターグ。
ミス
味噌〔ミソ〕。
- メモ
- 音1:ンス。類:ヰンス・ンース。
ミセーン
召し上がる。
- 用例
- チュハーラ ミソーレー(お腹いっぱい召し上がれ)。
- メモ
- 音1:ミシェーン。→ウサガイン。
ミソーラスン
差し上げる。
- 用例
- スージネー、ウチャクカラ クヮッチー ミソーラスン(お祝いには、お客から御馳走を差し上げる)。
否:ミソーラサン(差し上げない)希:ミソーラシーブサン(差し上げたい)過:ミソーラチャン(差し上げた)継:ミソーラチョーン(差し上げている)。
ミタスン
満たす。
- 用例
- タンクヌ ミジ チューヲゥティ ミタスン(タンクの水は今日のうちに満たす)。
ミチ
①道。②人道。道理。
- 用例
- ①ミチヌ ワカランル アンレー(道が分からないんだよ)。
②ミチカラヤ バンリランキヨー(人の道からは外れるなよ)。
ミチアガリ
道の東。
ミチイリ
道の西。
ミチーン
閉める。閉じる。
- 用例
- ジョーヤ クジネー ミチーンドー(門は9時には閉めるよ)。
ハシル ミチーン(戸を閉める)。ミチャイン(閉まる)。
否:ミチラン(閉めない)希:ミチーブサン(閉めたい)過:ミチタン(閉めた)継:ミチトーン(閉めている)。
- メモ
- →クーイン。
ミチーン
満たす。
- 用例
- タンクヌ ミジヤ アサヲゥティ ミチーン(タンクの水は朝で満たす)。
否:ミチラン(満たさない)希:ミチーブサン(満たしたい)過:ミチタン(満たした)継:ミチトーン(満たせている)。
ミチカイディマ
道借り手間。馬手間。
- 用例
- ミチカイディマヤ ニーセーター サキデー ヤサ(ミチカイディマは青年たちの酒代だよ)。
- メモ
- 類:ゥンマディマ・ゥンマザキ。
昔は部落内婚が主で、他部落へ嫁ぐのを嫌う風習が強く、他部落へ嫁ぐ場合には当時のお金で5~20円のミチカイディマが課せられた。それは青年会の費用に充てられた。
ミチキ
3か月。
ミチキギヤー
昆虫の一種。ハンミョウ。
- 用例
- ミチキギヤーン ハゴーリー ムシ ヤサ(ハンミョウも嫌な虫だよ)。
- メモ
- 類:カーラヤーヌタンメーグヮー・カンジャーベー。
川や池などの水辺環境に近い開けた場所で見つかることが多い。鋭い大顎を持ち、他の昆虫を捕らえて食べる。
ミチクーイン
閉め切る。
- 用例
- アミヌ フイグトゥ ハシル ミチクーイン(雨が降るから戸を閉め切る)。
否:ミチクーラン(閉め切らない)希:ミチクーイブサン(閉め切りたい)過:ミチクータン(閉め切った)継:ミチクートーン(閉め切っている)。
- メモ
- →クーイミチーン。
ミチグェー
道草。
- 用例
- ガッコーゲーイ ミチグェー ソーン(学校帰りに道草を食っている)。
ミチジュネー
行列。太鼓を叩き、三線を弾きながら、集落内を練り歩くこと。祭り等の行列。
- 用例
- アマカラ エイサーヌ ミチジュネーガ チューン(あそこからエイサーの行列が来る)。
ミチジュネー シ(練り歩いて)。
- メモ
- エイサーやアシビ、またはカジマヤー祝いなどに行われる。
ミチス
満潮。
- 用例
- ヤー ウチーネー、ミチスン アティリヨー(家の引っ越しは、満潮に合わせなさいよ)。
ミチチ
3か月。
ミチチャーグヮー
芋〔イモ〕の一種。3か月で収穫できる芋。
ミチナカ
道中。
- 用例
- イャーヤ ナマン ミチナカル ヤンナー?(お前はまだ道中なの?)。
ミチバッペー
道間違い。道を間違えること。
- 用例
- ミチバッペーティ ニッカナトーサ(道を間違えて遅くなったさ)。
ミチブシン
道普請。道路工事。
- 用例
- ナー ユークル ミチブシヌン ウワインテー(もうそろそろ道路工事も終わるでしょう)。
ミチマー
子どもの遊び。碁打ち。
- メモ
- →グーウッチェー。
ミチャーイン
満つる。
- 用例
- ミチャーティヨ(いっぱいになってね)。
ミチュ
3年。
- メモ
- 類:サンニン・ミトゥ。
ミックヮー
目が見えないこと。またはその者。盲目。
ミックヮイングヮー
生まれたばかりの小犬。まだ目が開いていない子犬。
- 用例
- ミックヮイングヮー ヰーティチッ カライン(生まれたばかりの小犬をもらってきて飼う)。
ミックヮサン
憎い。憎らしい。
- 用例
- ナマチキティ イッペー ミックヮサン(未だにとても憎らしい)。
ママックヮヤ ミックヮサグトゥ(継子は憎いから)。ミックヮサ サッティ(憎まれて)。ミックヮサ シ(憎くて)。
ミックヮシムン
憎い者。憎まれ者。
- 用例
- チュヌ モーキ タユイシェー ミックヮシムンヤサ(人の儲けを頼るのは憎たらしいものだ)。
ミックヮハン
憎い。憎らしい。
ミッタ
ほんとに。
- 用例
- イャーヤ ミッタ ティーガンマラーワラビ ヤル(おまえはほんとに悪戯っ子だね)。
ミッチアマヤー
悪知恵にたけた者。小利口者。
- 用例
- アレー ミッチアマヤー ヤサ(あれは悪知恵にたけた者だ)。
ミッチキ
いっぱい。満ちている様。
- 用例
- ヤーン ミッチキ シミティ(家をいっぱいにして)。
ミッチャイ
3人。
ミッチャイヒッチャイ
潮が満ちたり引いたりする様。
ミッチャカー
いっぱい。満ちている様。
- 用例
- ミッチャカー ミチティ(いっぱい詰めて)。
- メモ
- 音1:ミッチャキ。
ミッチャカイン
いっぱになる。満ちる。
- 用例
- ヤガティ ヲゥーキヌ ミジン ミッチャカインドー(やがて桶の水もいっぱいになるよ)。
- メモ
- 音2:ミッチュン。
ミッチャキ
いっぱい。満ちている様。
- 用例
- タークーヌ ミッチャキ イッティ チャン(桶のいっぱい入れてきた)。
- メモ
- 音2:ミッチャカー。
ミッチャソージ
三日祝儀。結婚後の実家への挨拶。嫁入りして3日目に実家に里帰りすること。
- 用例
- ミッチャソージネー ウヤヌヤーカイ イチュタン(ミッチャソージには実家に行った)。
- メモ
- 音1:ミッチャヌスージ。→ウヤウガミ。
ミッチャニービチ
結婚後の実家への挨拶。
- メモ
- →ウヤウガミ。
ミッチャヌシーク
三日節句。正月三日の行事。
- 用例
- ミッチャヌシークネー ブチダンヌ ウサギムン ウサンデーシ ジューシーシ カムタン(三日節句には、仏壇の供え物を下げて雑炊にして食べた)。
- メモ
- 音1:ミッチャヌスージ。類:ウヤウガミ。
長浜、渡慶次、古堅、牧原、座喜味、高志保では雑炊を作り、楚辺では豚の舌料理、波平では粥を作って仏壇に供えた。
ミッチャミー
葬式の後の3日間墓参りに行くこと。
- メモ
- 音2:ナーチャミー。類:アサミジ・ミジマチー。
葬式の翌日に親族などが行う墓参(ナーチャミー)は、ところによってミッチャミー(3日目)まで行なった。
ミッチュン
満ちる。
- 用例
- クェーヲゥーキ ミッタンガヤラリ ウムイカ(肥桶いっぱいになるのではと思うほど)。
- メモ
- 類:ミッチャカイン。
ミトゥ
3年。
- 用例
- ヘームン ヤサ ナー ミトゥ ナトーサヤー(早いものだ、もう3年も経っているね)。
- メモ
- 類:サンニン・ミチュ。
ミドゥクル
見所。
- 用例
- シバイヌ ミドゥクルヤ シカットゥ ウビトーキヨー(芝居の見所はしっかり覚えておきなさいよ)。
ミトゥドゥキーン
見届ける。
- 用例
- マーンカイガ イチュラー ミトゥドゥキーン(どこに行くのか見届ける)。
否:ミトゥドゥキラン(見届けない)希:ミトゥドゥキーブサン(見届けたい)過:ミトゥドゥキタン(見届けた)継:ミトゥドゥキトーン(見届けている)。
ミナグーバル
{皆呉原}。古堅の小字。
ミナラ
涙。
- メモ
- 音1:ミーナラ・ミーナダ。音2:ナダ・ナラ・ナラー。
ミナンカ
三七日。死後21日目の法事。
- 用例
- トゥナイヌ ミナンカヤ イキワル ナインドー(隣のミナンカは行かなくちゃいけないよ)。
ミハナグミ
御花米。
- メモ
- 音1:ハナグミ。
ミマター
農具名。三つ叉鍬〔みつまたぐわ〕。先が三本に分かれた畑を耕す農具。
ミマターグェー
農具名。三つ叉鍬〔みつまたぐわ〕。先が三本に分かれた畑を耕す農具。
- 用例
- ハーガ ミーチンカイ ワカリトーシガ ミマターグェーヤサ(刃が3つに別れているのが三又鍬さ)。
- メモ
- 音2:ミマター・ミーチマター。類:ミーマターハヤーグェー。
ミミ
耳。端。淵。縁。
- 用例
- ミミヌ クシカイ ムシガ シガトーン(耳の後に虫がついている)。
タタンヌ ミミヌ ハンリトーン(畳のヘリが外れている)。
ミミ トゥジャ ナスン
聞き耳を立てる。耳をトゥジャ(銛)のように鋭くする。
- 用例
- ワラビヌ ミミ トゥジャ ナチ ウフッチュヌ ハナシー チチョーン(子どもが聞き耳を立てて、大人の話を聞いている)。
ミミガー
耳の皮。豚の耳料理。
- 用例
- ミミガーヤ イェームン シーネー マーサン(豚の耳は和え物にすると美味しい)。
ミミガーユール
行事名。耳皮夜。正月七日の節句に、豚の耳皮を調理して夜に供えた。
ミミガーイェーイ
豚の耳の和え物。
- 用例
- ミミガーイェーイ ッシ サキヌ オカズ スン(豚の耳の和え物を酒のツマミにする)。
ミミガサ
耳の中にできるおでき。
- 用例
- ミミガサ ゥンジトーン(耳の中におできができた)。
ミミガシマサン
耳障り。うるさい。
- 用例
- ユヌクトゥビカーン イーゲーサー スグトゥ、ミミガシマサル アンレー(同じことばかり言い返すから、耳障りなんだよ)。
- メモ
- 類:ミンクジラサン・ミンチャサン・ミンチャハン。
ミミガニ
耳飾り。ピアス。
- 用例
- ミミガニ ハキトーシェー(耳飾りを付けているさ)。
ワラビヌ ミミガニ イクチン ハチョーン(子どもが耳飾りを何個もつけている)。
ミミグイ
キクラゲ。
- 用例
- ミミグイヤ ナーンカイ ユー ミートータン(キクラゲは庭によく生えていた)。
ミミクジラー
耳の聞こえが悪い者。
- メモ
- 音2:ミンクジラー。類:ミンクジー・ミンカー。
ミミクジリダク
赤く染めたタコ。
- 用例
- ニービチネー ミミクジリダク シコーイタン(結婚式には赤く染めたタコを準備した)。
- メモ
- 結婚式に新嫁と婿に、お盆に七種類の食べ物をのせて食べさせる儀式があるが、その時に欠かせない赤く染めたタコのこと。
ミミクス
耳垢。耳あか。
- 用例
- ヒサマックヮ シミヤーニ ワラバー ミミクス トゥイン(膝枕をさせて、子どもの耳垢を取る)。
ミミグスイ
耳薬。有意義な話。ためになるよい話などを聞くこと。
- 用例
- チュヌ ハナシーヤ イッペー ミミグスイ ナタン(今日の話はとてもためになった)。
ミミジ
ミミズ。
- メモ
- 音1:ミミジャー。
ミミジャー
ミミズ。
- 用例
- ンチャヌ ミーカラ ダテーンヌ ミミジャーガ ゥンジティチョーン(土の中からたくさんのミミズが出て来ている)。
- メモ
- 音1:ミミジ。
ミミジュン
揉む。押し揉む。こらしめる。
- 用例
- ワランチャー ワタヤ ミミガンキヨー(子どもたちのお腹は揉まないでよ)。
ワンガ ミミジ トゥラチャン(私がこらしめてやった)。
ワタ ミミジャーナカイ(腹を揉んで)。
否:ミミガン(揉まない)希:ミミジーブサン(揉みたい)過:ミミジャン(揉んだ)継:ミミジョーン(揉んでいる)。
ミミチャンバ
こめかみ。
- 用例
- クチカナイネー、ミミチャンバ スグラリーサヤー(口答えすると、こかめみを殴られるよ)。
- メモ
- 音1:ミンチャンバ。類:クミカン。
ミミチリボージ
子守歌。耳切坊主。
- メモ
- 「ヘイヨーヘイ 耳切みみちり坊主ぼーじぬ立たっちょーんど 泣なくなよ 泣なくなよ・・・」の歌がある。
ミミヌウーリグヮー
耳輪(じりん)。耳の上の方の折れ曲がったところ。
ミミバーキ
耳のついた竹籠。
- メモ
- 音1:ミンバーキ。
ミミンジカカヤー
物欲しそうにしている様。
- 用例
- ミミンジカカヤー シ イフェー ワキティ カマシェー(物欲しそうにしているから、少しは分けて食べさせなさい)。
- メモ
- 類:マンジャーカーカー。
ミムチ
身持ち。
- 用例
- ユミ カメーイラー、ミムチヌ ユタサシカラル カメーインドー(嫁を探すなら、身持ちの良いのから探すんだよ)。
- メモ
- 音2:ドゥームチ。類:ソーガラ。
ミャークゥンマ
馬〔ウマ〕の一種。宮古馬。
ミヤラビ
娘。若い女性。
- 用例
- ミヤラビンチャー ウドゥイヌ チュラサヨー(娘たちの踊りの美しいことよ)。
- メモ
- 音2:ナーラビ・ナーラビグヮー。
ミリキンマーチ
植物名。モクマオウ。木麻黄。
- 用例
- ミリキンマーチヤ ナマ ヤティン アマクマカイ ミートーン(モクマオウは今でもあちこちに生えている)。
- メモ
- 類:モクマオー。
ミルリ
芽。新芽。
- 用例
- ミルリヌ ゥンジーン(芽が出る)。
ヌクバーティ ナーヌ キーン ミルリ ゥンジトーン(暖かくなって庭の木も新芽が出ている)。
ミンカー
耳の聞こえが悪い人。
- 用例
- イクケーン ユヌクトゥ アビラスガ、ミンカーヤ!(何回同じことを言わすのか、ミンカーは!)。
ウシェー ミングヮチネー、ミンカー ナインドー(臼は回すと、耳が悪くなるよ〈子どもが臼で遊ばないように言った〉)。
- メモ
- 音2:ミンクジラー・ミミクジラー。
ミンカーアビー
聞こえが悪い人に話すように大声で話すこと。
- 用例
- ウッピナー ミンカーアビー シ、イャーガ アビーシェー マーマディン チカリーン(そんなに大声出して、お前が話すのは何処までも聞こえる)。
- メモ
- 音2:ミンクジラーアビー・ミンチリアビー。
ミンガーミ
耳のついた甕。
- 用例
- ミンガーミヤ クチャカイ ウッチェータン(耳付き甕は裏座に置いてあった)。
ミングイン
濁る。
- 用例
- イチヌ ミジ カチャーシーネ ミングインドー(池の水をかき混ぜると濁るよ)。
否:ミングラン(濁らない)継:ミングトーン(濁っている)。
- メモ
- 対:シームン(澄む)。
ミングートゥールー
ぐるぐる回ること。
- 用例
- ミングートゥールー サレー ミーマートーン(ぐるぐる回っていたら目がまわった)。
ミンクジラー
耳の聞こえが悪い人。
- 用例
- ミンクジラーンカイ、チャッサ アビティン チカランルアグトゥ シカター ネーンサ(耳が遠い人に、どんなに言っても聞こえないんだから仕方がないさ)。
- メモ
- 音2:ミミクジラー。類:ミンカー。
ミンクジラーアビー
耳の聞こえが悪い人に話すように大声で話すこと。
- メモ
- 類:ミンカーアビー・ミンチリーアビー。
ミンクジラサン
やかましい。うるさい。耳障り。
- 用例
- ウッピナー ウタイグトゥ ミンクジラサン(そんなに大きな声で歌うから耳障りだ)。
- メモ
- →ミミガシマサン。
ミングラサー
遊び。箍(たが)を転がす遊び。
- メモ
- 竹の棒の先に針金で作った釣り針のようなものを付けて作った。→ガラマーミングラサイ。
ミングヮサーミングヮサー
回し回し。めぐらしめぐらし。
ミングヮスン
回す。めぐらす。
- メモ
- 類:マースン。
ミンサーウービ
ミンサー帯。綿織の幅の狭い帯。
- 用例
- イャーンカイン ミンサーウービ チュクティ トゥラサヤー(お前にもミンサー帯を作ってあげようね)。
ミンザイ
耳だれ。
- メモ
- 音1:ミンジャイ。類:ミンジャカー。
ミンジャイ
耳だれ。
- メモ
- 音1:ミンザイ。類:ミンジャカー。
ミンジャカー
耳だれのある人の意味。
- メモ
- 音2:ミンジャヤー。
悪口にもなった。
ミンジャカーイユ
魚介名。闘魚〔トウギョ〕。
ミンジャク
耳だれ。
- 用例
- ミンジャクヤ ウスマサ ヤナカジャ スタン(耳だれはとても嫌な臭いがした)。
- メモ
- 音2:ミンザイ・ミンジャイ。
ミンジャヤー
耳だれのある人の意味。
- メモ
- 音2:ミンジャカー。
悪口にもなった。
ミンソー
面相。顔つき。
- メモ
- 音2:チラソー・ニンソー。
ミンタナ
建物と建物の間に取り付けた屋根。
- 用例
- ミンタナヤ イー ユックイドゥクルヤタン(ミンタナは良い休憩場だった)。
- メモ
- 母屋と離れの間や、ヤガマーと畜舎の間等に取り付けた屋根のこと。甕や薪、またはキビの枯れ葉や家畜小屋から出された堆肥を保管した。
ミンタナー
台所の排水をためる所。台所の一角にある洗い場。
- メモ
- 音1:ミンダナー。
ミンダナー
台所の排水をためる所。台所の一角にある洗い場。
- メモ
- →ミンタナー。
ミンタマ
目。目玉。
- 用例
- ミンタマカイ グミヌ イッチョーグトゥ ンチトゥラシェー(目にゴミが入ったから、見てくれ)。
ミンタマー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- 音2:キンタマー・ミーダーマー。類:キーラーマートンボ・キンターマー・キンダーマー・ギンダーマー・ギンダーマー・ケンダーマー・ソーマーアーケージュー・ターマー・ターマーアッケージュー・タマホーバー・マギアケージュー・ミーダマゲンジュー・ミーヤーマー・ミーラーマー・ユーラーマー。
ミンタマー
目の大きな人。
- 用例
- ヰナグワラビヌ ミンタマー ヤシヨー(女の子の目が大きいことよ)。
ミンタマーガーシー
菓子名。はなぼうろ。穴あき菓子。
- メモ
- →ミーガンチョーグヮーシ。
ミンタマヤーウグヮン
雨乞い祈願。喜名の拝所名。
- メモ
- 喜名のアガリマーチョーにあった。「雨タボーリ中城アマグリ ヒチユシティ タボリ。十日越しヌ夜雨ウタビミソーリ」と唱え、中城城跡にある雨乞い御嶽の神を引き寄せて10日ごとの夜の雨をお願いしますと、中城に向けて祈願した。毎年旧暦4月に行われた。
ミンタリーガサ
深網笠。
- 用例
- ミンタリーガサ カンティ ヌギティ ハイタン(深綱笠をかぶって逃れて行った)。
- メモ
- 顔が隠れるように深く作った編み笠で、芝居などでよく使われる。
ミンチェーガー
古堅の湧泉の名称。
- メモ
- 現在の比謝川大橋の下方に位置。戦後は養鰻場としても利用された。渡具知がカーウガンに拝している。
ミンチムナー
目に入ったゴミ。
- 用例
- ミンチムナー トゥティトゥラシェー(目のゴミを取ってくれ)。
ミンチャ-ブイ
蔓性のしだ植物。カニクサ(蟹草)。別名シャミセンヅル。
- メモ
- 音1:ミンチャーブヤー。
フニ(茎)が黒く、針金のようでガンシナと一緒にノロが被り物として頭に巻いた。
ミンチャーブヤー
蔓性のしだ植物。カニクサ(蟹草)。別名シャミセンヅル。
- メモ
- 音1:ミンチャーブイ。
ミンチャサン
やかましい。うるさい。
- 用例
- ウッピナー アビーネー ミンチャサンドー(そんなに大声で話すとやかましいよ)。
- メモ
- 音1:ミンチャハン。→ミミガシマサン。
ミンチャハン
やかましい。うるさい。
- メモ
- 音1:ミンチャサン。→ミミガシマサン。
ミンチャンバ
こめかみ。頬。横面。
- 用例
- ミンチャンバ ホーカッティ、ヤガティ ブチクン ナイタン(こめかみを殴られて、やがて気を失うところだった)。
ミンチャンバ スグラリンドー(頬をぶたれるぞ)。
- メモ
- 音1:ミミチャンバ。類:クミカン。
ミンチリアビー
耳の聞こえの悪い人に対するように大声で話すこと。
- メモ
- 音2:ミンカーアビー・ミンクジラーアビー。
ミンティラ
前の寺。渡慶次の拝所名。
- メモ
- 前ヌ寺は喜名観音堂と同性格のものとされ、健康祈願や家内安全を祈願する。ミンティラマーチューと呼ばれた松並木があったが、沖縄戦で焼失した。西部連道土地改良事業により、現在の場所へ移設された。
ミンデー
ものもらい。
- 用例
- ターチヌミー ミンデーガ ゥンジトーサ(両目にものもらいができているさ)。
- メモ
- 類:ミーンデー。
ミンナ
植物名。ルリハコベ、ヤエムグラ、ハコベなど。
- メモ
- 音1:メンナ。→クマミンナー。
ミンヌク
お盆に餓鬼に与える物。
- 用例
- ウークイ ウワタラー ミンヌクヤ ジョーカラ フカンカイ ゥンジャシェー(盆のお送りが終わったなら、ミンヌクは門の外に出しなさい)。
- メモ
- 音1:ミンヌクー。
お盆に、身寄りのない餓鬼が寄って来るので、その餓鬼に与える物としてミンヌクを供えた。直訳すれば水の子。戦前は米が少ないから粟やマージン(黍)など穀類を混ぜて作った。
ミンヌクー
お盆に餓鬼に与える物。
- メモ
- 音1:ミンヌク。
お盆に、身寄りのない餓鬼が寄って来るので、その餓鬼に与える物として仏壇の片隅にミンヌクを供える。戦前は米が少なく、粟やマージン(黍)など穀類を混ぜて作った。
ミンパー
ヤエムグラ。
- 用例
- ミンパーガ チヌンカイ タックヮトーン(ヤエムグラが着物にくっついている)。
- メモ
- →クマミンナー。
ミンバーキ
耳のついた竹籠。
- 用例
- ミンバーキヤ ミミヌ チチョーグトゥ ムチヤッサタン(ミンバーキは耳がついているので持ちやすかった)。
- メモ
- 音1:ミミバーキ。
ミンパーマーイ
オールーミンパーという苔で作ったまり。
ムイ
丘。山。盛り上がった所。
- 用例
- ンナシ アヌ ムイマディ ハーエースーブ サー(皆であそこの丘まで徒競走をしよう)。
ムイグヮーシ
盛り菓子。丸いお盆にお菓子を盛って入れること。
- 用例
- スージカイ ムイグヮーシ ムッチ イチュン(お祝いに盛り菓子を持って行く)。
ムイスー
商談で売買が成立すること。
- 用例
- ムイスー ナイネー、タゲーニ ティレーイタン(商談が成立すると、お互いで御馳走しあった)。
- メモ
- 家畜の売買が成立すると、それを祝って売り手と買い手がソーミンイリチャーなどを会食した。その経費は買い手が負担したが、売り手買い手両者で負担することもあった。
ムイタティー
盛ること。大盛り。
- 用例
- ワームノー ムイタティー イッティ トゥラシェー(私のは大盛り入れてちょうだい)。
ムイチリー
祝いなどで1人分の御馳走をいれたもの。
- メモ
- 小さなお膳にターンム、チンヌク、豆腐、肉、天ぷらなどが入っていた。
ムイヌカー
瀬名波の湧泉の名称。
- メモ
- シナハウガンの北側の断崖下にあるカーである。昔、ここの水によって、漂流した人が命拾いした、あるいは戦乱の世に逃れてきた按司が命拾いしたともいわれる。それを由来として、ウムイヌカー(思いのカー)とも呼ばれる。海岸側からは大潮の干潮時にしか行くことはできないので、現在は遙拝されることが多い。大御願に拝される。旧暦1月4日のミジナリーで遙拝する門中、家庭もある。
ムイバル
{森原}。渡慶次の小字。
ムイマシ
盛り升。升に少し多めに盛る。
- 用例
- ナー イフェー ムイマシ シ トゥラシネー タシカイシガヤー(もう少し多めに盛ってくれたら助かるんだよねぇ)。
ムイン
もぐ。果実などをもぐ。
- 用例
- ヤシチヌ ナンデンサー ムイン(屋敷内にある桑の実をもぐ)。ギーマ ムンガ(ギーマの実をもぎに)。
否:ムラン(もがない)希:ムイブサン(もぎたい)過:ムタン(もいだ)継:ムトーン(もいでいる)。
ムイン
盛る。
- 用例
- ミージョーキーンカイ クミ ムイン(ザルに米を盛る)。
否:ムラン(盛らない)希:ムイブサン(盛りたい)。
ムイン
漏る。
- 用例
- タークーカラ ミジガ ムイン(桶から水が漏れる)。
否:ムラン(漏らない)継:ムトーン(漏っている)。
ムイングヮ
守子。
- 用例
- ムイングヮヤ ムヤーナー ウンジェー イチマディン ワシランサ(守子は守り姉の恩はいつまでも忘れないさ)。
- メモ
- 対:ムヤーナー(守姉)。
農作業で人手が足りない場合、赤子を子守りする女の子を頼むことが多かった。その赤子、子守りをされる子どものことをムイングヮといい、守り姉のことをムヤーナーといった。
ムー
藻。
- メモ
- 類:モー・モークサ・モークサー。
ムー
6。6つ。
- メモ
- 音2:ムーチ。
ムーク
婿。
- 用例
- ハルヌ イチュナサイネー、ムーク タヌディ ティガネー シミーン(農作業が忙しい時には、婿を頼んで手伝わせる)。
ムークイ
仕返し。報い。
- 用例
- ヤナクトゥ シーネー、アトゥシ カンナジ ムークイ チューンドー(悪い事をしたら、後で必ず仕返しがあるよ)。
ムークチョーデー
婿兄弟。妻同士が姉妹の義兄弟。
- 用例
- アリトー ムークチョーデー ナトーサ(彼とは婿兄弟だよ)。
ムークマカネー
婿をもてなすこと。婿賄い。
- 用例
- ヰナグングヮ ウーサヌ ムークマカネー スンディ デージ ヤサ(娘が多く婿をもてなすのに大変だ)。
ムージ
虹。
- メモ
- →アミクェームージ。
ムーチ
6。6つ。6歳。
- 用例
- ナー ムーチ ナトーンナー?(もう6歳になったねぇ?)。
ムーチー
行事名。鬼餅。
- 用例
- ムーチーヤ イッペー マチカンティー ヤタン(鬼餅はとても待ち遠しかった)。
- メモ
- →ウナームーチー。
ムーチーウユミ
行事名。鬼餅。
- メモ
- →ウナームーチー。
ムーチーガーサ
月桃の葉などの餅を包む葉。
ムーチーカガン
大中小の餅を3個重ねたもの。
- メモ
- 師走24日のウガンブトゥチには、ウミチムン(火の神)にムーチーカガンを3組、ウチャヌクとして供える。→ウチャナク。
ムーチービーサ
旧暦12月7、8日に行なわれる鬼餅行事の頃の寒さ。
- 用例
- ムーチービーサ ナティル アンシ ヒーササヤー(ムーチービーサでとても寒いんだね)。
ムーチーワカシ
鬼餅行事のあとの行事名。
- メモ
- 長浜や宇座では、ムーチー行事翌日の8日に、子どもたちがムーチーを持ち寄ったり、各家庭を回って餅をもらったりして皆で分けあって食べた。
ムーティー
元結い。髪のもとどりを結って束ねるもの。
ムートゥトゥエー
子どもの遊び。おはじき。
- メモ
- →イシグヮームートゥトゥエー。
ムートゥドゥクル
元所。門中の本家や集落発祥の家。
ムートゥバーヤ
大黒柱。
ムートゥヤー
本家。
- 用例
- アチャヤ ムートゥヤーンカイ アチマイン(明日は本家に集まる)。
ムートー
遊びの名前。10歳~13歳ぐらいの男子が柔道のように1対1で相手を抑え込む遊び。
- 用例
- ムートーヤ ヰキガヌ アシビ ナティ レスリングフージー ヤサ(ムートーは男の遊びでレスリング のようなものさ〔みたいなものだ〕)。
- メモ
- 相手が降参したら終り。
ムーム
股〔もも〕。
- メモ
- 音1:ムム。類:マタ・マタバシ。
ムーヤーバーイ
母屋柱。屋根材の下地になる部材のこと。
- 用例
- ヤー チュクイネー ムーヤーバーイヤ テーヒチドー(家を造る時には母屋柱は大切だよ)。
- メモ
- 音2:ムーヤバーヤ。
ムーヤバーヤ
母屋柱。
- メモ
- →ムーヤバーイ。
ムーリーヒーリー
捻っている状態。
- 用例
- アンチュカ ムーリーヒーリー ソーシェー ヌーンカイン チカーランドー(こんなに捻っているのは何にも使えないよ)。
ムエー
模合。寄り合い。
- 用例
- ナマヌ ムエーヤ ンカシトー カワトーンドー(今の模合は昔のやり方とは変わっているよ)。
- メモ
- 昔は年1回で2、30人が参加するような模合が普通で、終わるまでに30年かかることもあった。
ムエーシンカ
模合の構成員。模合仲間。
- 用例
- ムエーシンカヤ イクタイ アチマトーガ(模合をする人は何名集まっているね)。
- メモ
- 音2:ムエーニンジュ。
ムエーニンジュ
模合の構成員。模合仲間。
- メモ
- →ムエーシンカ。
ムエーヌムートゥ
模合の座元。
ムギ
麦。
- 用例
- ムギ マンキティ ニチン マーササ(麦を混ぜて炊いても美味しいよ)。
- メモ
- 音1:ムジ。
ムキジ
無傷。
- 用例
- イクサカラ ムキジシ ケーティチョーン(戦争から無傷で帰ってきている)。
ムクヨーシ
入り婿。婿養子。
- 用例
- アトゥサーガ ヲゥラングトゥ ムクヨーシ トゥイン(跡継ぎが いないから婿養子を取る)。
- メモ
- →イリムーク。
ムゲーイン
①沸騰する。煮え立つ。②煮えくり返る。非常に怒る。
- 用例
- ①チャーナービヌ ユーガ ムゲーイン(やかんの湯が沸騰する)。
②ワタ ムゲーティ ナラン(腹が立ってしょうがない)。
継:ムゲートーン(沸騰している)。
ムゲーゥスン
沸騰させる。煮え立たせる。滾〔たぎ〕らす。
- 用例
- ミジ ムゲーラチ(水を滾らせて)。
チヌーヌ シル ムゲーラスン(昨日の汁を滾らせる)。
継:ムゲーラチョーン(滾らせている)。
- メモ
- 音1:ムゲーラスン。→タギラスン。
ムゲーラスン
沸騰させる。煮え立たせる。滾〔たぎ〕らす。
- 用例
- チヌーヌ シル ムゲーラスン(昨日のお汁を沸騰させる)。否:ムゲーラサン(沸騰させない)希:ムゲーラシブサン(沸騰させたい)過:ムゲーラチャン(沸騰させた)継:ムゲーラチョーン(沸騰させている)。
- メモ
- 音1:ムゲーゥスン。→タギラスン。
ムゲーラスン
沸騰させる。煮え立たせる。滾〔たぎ〕らす。
- 用例
- チヌーヌ シル ムゲーラスン(昨日のお汁を沸騰させる)。否:ムゲーラサン(沸騰させない)希:ムゲーラシブサン(沸騰させたい)過:ムゲーラチャン(沸騰させた)継:ムゲーラチョーン(沸騰させている)。
- メモ
- 音1:ムゲーゥスン。→タギラスン。
ムサ
海に魚がいっぱいいる様。
- 用例
- ムサ ナルカ スクガラスヌ ユトータン(海いっぱいにアイゴの稚魚が寄っていた)。
ムサゲーイン
ざわめく。騒ぐ。
- 用例
- チュガ アチマティチーネー、ムサゲーインドー(人が集まって来たら、騒ぐよ)。
ムサットゥ
全く。
- 用例
- アリガ ナラースシェー ムサットゥ イミクジン ワカラン(彼が教えるのは全く意味が分からない)。
- メモ
- 音2:ムットゥ。
ムシ
虫。腹の虫。
- 用例
- ハルヌ ヤシェーヤ ムシカイ クヮーッティ ヌーン ナラン(畑の野菜は虫に喰われて収穫できない)。
ムシ(~ムシ)
~に夢中になること。~好き。~に熱中する人。
- 用例
- シバイムシ ナティ、チュガ アビティン イレーイン サン(芝居に夢中になって、人が呼んでも返事もしない)。
- メモ
- あまりにも夢中、好きになりすぎる時に使う。
ムシ ウクスン
回虫症にかかる。
- 用例
- チヌーカラ サギトゥバチ、ムシ ウクチョーン(昨日から下げっぱなしで、回虫症にかかっている)。
ムジ
麦。
- 用例
- ムジヌ フーガ サチフクイネー、クガニヌ グトゥル アル(麦の穂が咲き誇ったら、黄金のようだ)。
- メモ
- 音1:ムギ。
ムシーン
むしる。つかんで引き抜く。
ムシウトゥルー
虫を怖がる人。虫が苦手な人。
- 用例
- ムシウトゥルー ナティ、ハルシクチン シーサン(虫が苦手で、畑仕事もできない)。
ムシウルルク
二十四節気のひとつ。啓蟄〔けいちつ〕。
- メモ
- 陽暦の3月5日前後から春分の前日までの約15日間。
ムシカ
もしか。
- 用例
- ムシカンレー アチャ アミヌ フイネー、アシビーガ イカランレー(もしか明日雨が降ったら、遊びに行けないよ)。
ムシクーヤーゥンム
虫食い芋。
- 用例
- ムシクーヤーゥンムヤ カマリヌ サコー アラン(虫食い芋は食べられたものじゃない)。
ムシクェーバー
虫歯。
ムシグスイ
回虫下しの薬。
- 用例
- ンカシェー ガッコーヲゥティ ムシグスイ ヌマスタン(昔は学校で回虫下しの薬を飲ませていた)。
ムシクヮイン
虫食いになる。虫歯になる。
- 用例
- ハーヌ ムシクヮトーン(歯が虫歯になっている)。
ムシチ
疳の虫。乳児が理由もなくぐずったり夜泣きなどを起こすこと。
- 用例
- ワラビヌ ムシチ ウクチョーン(子どもが疳の虫を起こしている)。
ムジナクー
小麦粉。メリケン粉。
- 用例
- ムジナクーン ネーンレー、イスジ コーティ クーワ(小麦粉もないなら、急いで買って来なさい)。
ムジヌシル
田芋の茎と豆腐、肉を入れた汁。
- 用例
- ムジヌシルヤ クヮナシハンジョーディチ カリーナムン ヤタン(ムジヌシルは子孫繁栄で縁起の良いものだった)。
- メモ
- 田芋は繁殖が良いので子孫が繁栄するということで大変喜ばれた。
ムシバーエー
取っ組み合いの喧嘩。
- 用例
- チヌール ムシバーエー ソータルムン、チューヤ マタ ワライカンティ アシドーン(昨日取っ組み合いの喧嘩をしていたのに、今日はまた笑って遊んでいる)。
ムシバレー
虫払い。旧4、5月の田畑に害虫が異常発生する時に行われる虫払いの行事。
- 用例
- ムシバレーネー ササヌファーンカイ ムシ イッティ、ウミカイ ナゲーラスタン(虫払いには笹の葉に虫をのせて、海に流した)。
- メモ
- →フェンサーアシビ。→アブシバレー。
ムシバレーアシビ
虫払い遊び。旧4、5月の田畑に害虫が異常発生する時に行われる虫払いの行事。
- 用例
- ムシバレーアシビヤ、ティーチヌ クシユックイン ヤタサ(虫払い遊びは、ひとつの腰憩・骨休めでもあった)。
- メモ
- →フェンサーアシビ。
ムシル
筵〔むしろ〕。
- メモ
- 音1:ムスル。
ムシルチクヤー
筵職人。
ムズクイ
農作。農業に従事すること。
ムズクイン
(木の芽などが)出かかる。(腫れ物などが)できかかる。
- 用例
- ムックーヌ ムズクトーン(蕾ができかかっている)。
ムスビー
ムラアシビの発会式。結び。約束。
- 用例
- ムスビーヤ サンジャーグヮーヌ ナーチャ、マーチングヮーバルヲゥティ ウヮー クルチ スタン(結びはサンジャーグヮーの翌日、マーチングヮーバルで豚を潰して行った)。
- メモ
- 豚一頭を潰して会食し、二才頭やアシビ頭が出し物や配役を発表する。
ムスル
筵〔むしろ〕。
- 用例
- カラユカナカイ ヰラヤカ ムスルヌ ウヮービェー マシ ヤイビンドー(床に座るより筵の上がいいですよ)。
- メモ
- 音1:ムシル。
ムタブン
もてあそぶ。いじくり遊ぶ。
- 用例
- ヒッチーナーン ヰーリムン ムタブン(1日中でもおもちゃをいじくって遊ぶ)。
ムタブシ ンージャーニ(弄んでいるのを見て)。ムタバリーン(もてあそばれる)。
否:ムタバン(もて遊ばない)希:ムタビーブサン(もて遊びたい)過:ムタダン(もて遊んだ)継:ムタドーン(もて遊んでいる)。
ムタランムチ
持ちきれないものを無理に持つこと。
- 用例
- ムタランムチ スルカ カタミティ チェーサ(持てないくらいの物を、無理に担いで来てあるさ)。
ムタリーン
取り憑〔つ〕かれる。
- 用例
- ウレー マジムヌンカイ ムッタッテーサ(それは魔物に取り憑かれたんだよ)。
否:ムタラン(取り憑かれない)過:ムタッタン(取り憑かれた)継:ムタットーン(取り憑かれている)。
ムチ
①餅。②漆喰〔しっくい〕。
- 用例
- ヤーヌ イーヌ カーラーンカイ ムチ ヌイン(屋根の上の瓦に漆喰を塗る)。
ムチアギーン
持ち上げる。
- 用例
- ハク タナヌ イーカイ ムチアギーン(箱を棚の上に持ち上げる)。
否:ムチアギラン(持ち上げない)希:ムチアギーブサン(持ち上げたい)過:ムチアギタン(持ち上げた)継:ムチアギトーン(持ち上げている)。
ムチカサギ
身ごもること。妊娠。
- 用例
- ムチカサギヒチ(身ごもって)。
トゥナイヌ ヰナグングヮヤ ムチカサギ ソーヌ フージデー(隣の娘は妊娠しているらしいよ)。
ムチカサン
難しい。
- 用例
- ウレー チャッサ カンゲーティン ムチカサンデー(それはどんなに考えても難しいよ)。
ムチカシームン
難しいもの、こと。気難しい者。
- 用例
- タッタタッタ ムチカシームン ナトーン(次第次第に難しいことになっている)。
アレー ミッタ マチカシームン ヤッサー(彼はほんとうに気難しい物だ)。
- メモ
- 類:カマラー・カマラシムン。
ムチキ
6か月。
ムチグミ
餅米。
- 用例
- ムチ チュクイグトゥ ムチグミ コーティ クーワ(餅を作るから餅米を買って来なさい)。
ムチクヮーリン
引き回される。夢中になる。
- 用例
- ドゥシンカイ チュラーク ムチクヮーリン(友達にすっかり振り回される)。
ムチジェーク
左官。
- 用例
- チカグロー、ムチジェークヤ イッペー イチュナサンディサ(近頃では、左官はとても忙しいらしいよ)。
ムチタキー
妊娠したまま。持ったまま。
- 用例
- ニンシン ソール チュヌ ムチタキー マーヒチェールバーテー(妊娠した人が、持ったまま亡くなったんだよ)。
- メモ
- 「子育て幽霊」『高志保の民話』より。
ムチチ
6か月。
ムチツクヤー
漆喰屋〔しっくいや〕。漆喰職人。
- メモ
- 音2:ムチヌヤー。
ムチヌヤー
漆喰屋〔しっくいや〕。漆喰職人。
- 用例
- ムチヌヤー オジーガ メンセータシガヨー(漆喰職人のおじいがいらっしゃったんだが)。
- メモ
- 音2:ムチツクヤー。
石灰を買ってきて藁を切って積んで、それを臼で搗いてムチを塗っていた。
ムチノースン
持ち直す。
- 用例
- ナガヤンメー ソータシガ、ムチノースン(長患いしていたが、持ち直す)。
否:ムチノーサン(持ち直さない)希:ムチノーシーブサン(持ち直したい)過:ムチノーチャン(持ち直した)継:ムチノーチョーン(持ち直している)。
ムチバンメー
持ち飯。手弁当。
- 用例
- ハルマディ ムチバンメー ヒチ イクタン(畑まで食事を持って行った)。
ムチブン
持ち分。やるべきこと。
- 用例
- ドゥーヌ ムチブンヤ ワカリヨー(自分の持ち分は理解しなさいよ)。
- メモ
- →スクブン。
ムチマサン
睦まじい。
- 用例
- ミートゥンダ ジコーヌ ムヂマシク(夫婦とても仲睦まじく)。
ムチミ
粘り気。もっちりとした食感。
- 用例
- ナーガ ワキティ トゥラチェール ターゥンモー、ムチミヌ アティ イッペー マーサイビータン(あなたが分けてくれた田芋は、粘り気があってとても美味しかったです)。
ムチムドゥヤー
出戻り。
- 用例
- ヰナグングヮ タイタルムン ムチムドゥヤー ナティ(娘2人とも出戻りになって)。
- メモ
- 音1:タチムドゥヤー。
ムチムン
持ち物。
- 用例
- チューヤ ガッコーヲゥティ ムチムンシラビヌ アン(今日は学校で持ち物調べがある)。
ムチメー
持ち分。やるべきこと。
- メモ
- →スクブン。
持ち分から転じて、持つべきもの、祀るべきグヮンス(元祖、位牌)という意味で用いる。
ムチメンナー
植物名。ヤエムグラ。
- メモ
- 音:ムチャミンナ。
ムチャサン
粘っこい。粘り気がある。
- 用例
- ウヌ クルザーターヤ ジコー ムチャサン(その黒糖はとても粘りがある)。
ムチャミンナ
植物名。ヤエムグラ。
ムチャムチャ
ねばねば。粘りつく様。
- 用例
- ウヌ ムチヤ ムチャムチャシ タックヮティ カミーグリサン(その餅は粘々くっついているから食べにくい)。
- メモ
- 類:ムッチャイクヮッタイ・ムッチャイクヮッチャイ・ムッチャカヒッチャカ。
ムチュン
持つ。
- 用例
- チネーヤ ムタン(家庭は保たない)。
ムチリーン
もつれる。
- 用例
- ヰキガトゥ ヰナグガ ムチリレーカラー、チャーン ナランサ(男と女がもつれたら、どうしようもないさ)。
ムチリナイ
恋愛結婚。
- 用例
- ムチリナイ ヤイビーシガ、トゥジュマイガ サビラ(恋愛結婚だけど、まとまりますかね)。
- メモ
- 昔の恋愛結婚は数えるぐらいだった。
ムチゥンブサー
竹で編んだザルの一種。餅を蒸す平たく大きなザル。
- 用例
- ムチゥンブサーヤ、ワンガ ムチ チューサ(餅を蒸すザルは、私が持って来るさ)。
- メモ
- 類:ムチゥンブサーハージャー。
ムックー
①丸く盛り上がったもの。①つぼみ。小さい実。草木の実。
- 用例
- ムックー ナトーサー(丸く盛り上がっているよ)。
- メモ
- 音1:ムックルー。
ムックルー
丸く盛り上がったもの。
- 用例
- ムックルー ソーン(丸く盛り上がっている)。
- メモ
- 音1:ムックー。
ムックルゲームックルゲー
転げ回る様。のたうち回る様。
- 用例
- ハブガ ムックルゲームックルゲー シ(ハブが転げのたうち回って)。
- メモ
- →キリキリミングヮー。
ムッコー
額。おでこが広いこと。でこっぱち。
- メモ
- 類:メーバチャー。
ムッサイクヮッサイ
落着きがない様。動きっぱなし。
- 用例
- ムッサイクヮッサイ シ アンシ ウティチチン ネーンル(動きっぱなしでこうも落着きがないね)。
ムッサイムッサイ
ぐずぐずしている様。
- 用例
- イャーガ ウマヲゥティ ムッサイムッサイ ソール エーカネー ウワティネーンシェー(君がそこでぐずぐずしている間に終わっているさ)。
ムッチー
行事名。鬼餅。
- メモ
- →ウナームーチー。
ムッチャイクヮッタイ
ねばねば。べとべと。粘りつく様。
- 用例
- ティーンカイ ヌーヌル タックヮトーラー ムッチャイクヮッタイ ソーン(手に何がくっついているのか粘々している)。
- メモ
- 音1:ムッチャイクヮッチャイ。音2:ムッチャイヒッチャイ。類:ムッチャカヒッチャカ。
ムッチャイクヮッチャイ
ねばねば。べとべと。粘りつく様。
- メモ
- 音1:ムッチャイクヮッタイ。音2:ムッチャイヒッチャイ。
ムッチャイヒッチャイ
あれこれ持っていること。
- 用例
- ムッチャイヒッチャイ、ヘーク ドゥーヌムン ムッチ アマンカイ イケー(ムチャイヒッチャイ、早く自分の物を持ってあそこへ行け)。
ムッチャカー
粘りがあること。
ムッチャカイン
粘りつく。
- 用例
- ヌイヌ チューサヌ ムッチャカイン(糊が強くて粘りつく)。
アラーンヨークー ウッチェータレー、ムッチャカトーン(洗わずに置いていたら、粘りついている)。
継:ムッチャカトーン(粘り着いている)。
ムッチャカヒッチャカ
ねばねばくっつく様。
- 用例
- ムチヌ ルク ヤファラサヌ ムッチャカヒッチャカ シ カマリヌムノーアラン(餅が余りにも柔らかくて、粘々くっついて食べられたもんじゃない)。
- メモ
- 類:ムッチャイクヮッタイ。
ムッチャラワンレー
四苦八苦している様。
- 用例
- ウッサキーヌ ニー カタミティ ムッチャラワンレー ソーサ(たくさんの荷物を担いで四苦八苦しているさ)。
ムッチュン
①持つ。②妊娠する。
- 用例
- ①ゥンブサグトゥ、ウヌ ニムチェー ワンガ ムッチュン(重いから、その荷物は私が持つ)。チネーヤ ムッタン(家庭はもたない)。
②ワッター ヰナグンヮヤ タイミー ムッチョーン(私の娘は2人目を妊娠している)。
否:ムッタン(持たない)希:ムッチーブサン(持ちたい)過:ムッチャン(持った) 継:ムッチョーン(持っている)。
- メモ
- ②→カサギーン。
ムッチョーン
ムットゥ
全然。全く。少しも。すべて。
- 用例
- ザキミクトゥバ シーネー、ムットゥガ ワカランヤ(座喜味言葉で話すと、少しもわからないね)。
- メモ
- 音2:ムサットゥ。
ムットゥン
最も。
- 用例
- ウレー ナー、ムットゥン ヤルハジディ ウムトーン(それはもう、最もの事だと思う)。
ムティ
方向。側。辺り。
- 用例
- アンマーヤ アマムティンカイ ヲゥルハジ ドー(お母さんはあそこら辺に居るはずだよ)。
- メモ
- 方向や側を表す言葉で、東側(アガリムティ)、前の方(メームティ)などと使う。
ムティアマスン
手を焼く。持て余す。
- 用例
- ウーマク ワランチャー シカスンディ ムティアマスン(腕白な子どもたちをなだめるのに持て余す)。
ウッサヌ ハル チュイシ カジーンディ ムティアマチョーン(たくさんの畑を1人で耕そうと持て余している)。
- メモ
- 音2:アマスン。
ムディーカジ
戻り風。
ムティナシ
持て成し。
- 用例
- トゥシカタ ムティナシ スンディ イチュナサン(先輩を持て成すのに忙しい)。
ムトゥ
元。枝。本。本数などを数える数詞。
- 用例
- ウヌ キーヤ チュ ムトゥカラ ダテーン ヒルガイサ(その木は1本からいっぱい広がるよ)。
- メモ
- 数詞(~ムトゥ)はチュムトゥ(1本)、タムトゥ(2本)、ミムトゥ(3本)と数える。
ムトゥ
元。元のところ。
- 用例
- チカイウワタシェー ムトゥカイ ケースン(使い終わったのは元に戻す)。
ムトゥ
6年。
ムトゥシン
元銭。元手。元手になるお金。
- 用例
- ムトゥシンヌ アチマリワル ヌー ヤティン シカキラリンドー(元手になる金が集まってこそ何でも始めることができるんだよ)。
ムトゥシン タティティ(元手にして)。
ムトゥチナー
小地名。元喜名。
ムトゥドゥクルウーエー
元所追い。
- メモ
- 綱引きの際、実家と婚家が相対する組になった場合、実家の属する組で綱を引くことをいう。
類:イチムンウーエー・グヮンスーウーエー。
ムトゥビレー
元の交際相手。元カレ。元カノ。
- 用例
- トゥジトゥ マンジョーン アッチョーニ、ムトゥビレー イチャティ アワティトーサ(妻と一緒に歩いている時に、元の交際相手に会って慌てたさ)。
ムトゥブサールー
空手の達人、本部朝基の人名。あだ名。本部猿。
ムトゥマイン
完成する。長続きする。続く。
- 用例
- チャー ムトゥマイ シ(ずっと長続きして)。イェーキヌ ムトゥマトーン(栄え続けている)。
ムトゥヰシ
役員会のひとつ。
- 用例
- ムトゥヰシヲゥティル ヤクミソーナムヌン キミータル(役員会で役員なども決めた)。
- メモ
- 楚辺では毎年5月になるとムトゥヰシという役員会が開かれ、字の役員の報酬や負担額の賦課率を定めた。
ムナンカ
六七日。死後42日目の法事。
- 用例
- ムナンカネー ウチカビヤ ムカジャイ シキーン(ムナンカには打ち紙は6セット供える)。
ムヌ
①物。者。②食べ物。食事。③魔物。もののけ。霊的なもの。④ことば。話。⑤物事。道理。
- 用例
- ③ムヌンカイ ムタッタン(霊に取り憑かれた)。
④ヰナグガ アチマレーカラ、チュヌ ムヌ ユムン(女が集まったら、人の噂話をする)。
⑤ムノー ウマーン(ものを思わない。思慮がない)。ムヌ ウムトール チュ(物思っている人、いい年頃の人)。ムヌ シラスン(道理を教える)。ムヌ ウムティ(物心ついて)。
- メモ
- 音1:ムン。
ムヌアカシェー
なぞなぞ。
- 用例
- ムヌアカシェー スグトゥ、ユー カンゲーティ アティリヨー(なぞなぞをするから、良く考えて当てなさいよ)。
ムヌアティー
見境。物の当て。あと先で行動すること。
- 用例
- イャーヤ ムヌアテー ネーン、ウッサヌ ジン カインディチンアンナー(お前は見境もなく、そんな大金を借りるってこともあるか)。
ムヌイーカンティー
物が言いづらいこと。声をかけにくいこと。
- 用例
- ルク チムグリサヌ、ムヌイーカンティー シ(あまりにもかわいそうで、話しかけにくくて)。
- メモ
- 音1:ムンイーカンティー。
ムヌイージマン
自慢。
- 用例
- アレー ムヌイージマンビカーン スグトゥ、ハナシン チチブコー ネーン(彼奴は自慢ばかりするから、話も聞きたくない)。
ムヌイーマーサン
物言いが良い。
- 用例
- ムヌイーマーサンテー(話し方が良かったんでしょうね)。
ムヌイミー
物を要求する。ねだる。
- 用例
- トゥーチ ウヤンカイ ムヌイミー シェー ナランデー(いつも親にねだってばかりではいけないよ)。
ムヌイランヌー
ものを言わない者。しゃべらない者。
ムヌイランヌー
あまり話をしない人。無口な人。
- メモ
- 音1;ムヌイャンヌー。
ムヌイリ
物入り。
- 用例
- ムヌイリヤラー、ワッターンカイ カイガ クーワ(物入りなら、私の所に借りに来なさい)。
ムヌウトゥ
物音。
- 用例
- ムヌウトゥン チカランシガ、ニンティル ヲゥガヤー(物音も聞こえないが、寝ているのかな)。
ムヌウミー
物思い。
- 用例
- ムヌウミー チューサヌ ヨーガリティネーン(物思いし過ぎて痩せてしまった)。
ムヌガタイ
物語。話。
- 用例
- ンカシヌ ムヌガタイヤ チチグトゥ ヤン(昔の話は聞いてためになる)。
- メモ
- 音1:ムンガタイ。
ムヌカミジュク
食べて行く術。生活力。
- メモ
- →カミズク。
ムヌガレー
芋の皮を水で煮た家畜の餌。
- 用例
- ウヮーンカイヤ ムヌガレール クィータル(豚には芋の皮を水で煮たのをあげていた)。
ムヌカンゲー
物考え。考え事。
- 用例
- ユーベー ムヌカンゲー シ、ティーチン ニンラランタン(昨夜は考え事をして、ちっとも寝れなかった)。
ムヌカンゲー ソーン(考え込んでいる)。
ムヌクイ
物乞い。
ムヌクーヤー
物乞い。乞食。
- メモ
- →ギンジャー。
ムヌクェーアラガー
食べ物の賭け。
- 用例
- ムヌクェーアラガー スシェー アラン(食べ物の賭けはするものではない)。
ムヌクェージク
食べていく術。生活力。
- 用例
- ムヌクェージクン ナランソーティ ウフムニー スナケー(生活力もないのに大きな口を叩くな)。
- メモ
- →カミズク。
ムヌクェービーラー
物食う病弱。よく食べるが体が弱いこと。
- 用例
- ムノー ユー カムシガ、ムヌクェービーラー ナティ(ご飯はよく食べるが、物食う病弱なんだよ)。
ムヌクェームーク
ご馳走になってばかりの婿。
- 用例
- ムヌクェームークディ イララングトゥ ティーガネーン サンネ(物食い婿と言われないように手伝いもしないと)。
ムヌグクル
物心。判断。見極めること。
- 用例
- ユー ムヌグクル シーヨー(よく見極めなさいよ)。
ムヌグシ
好き嫌い。
- 用例
- カムシン ネーンル アグトゥ、ムングシ スルチョー ヲゥランタン(食べ物もないんだから、好き嫌いする人はいなかった)。
- メモ
- 音1:ムングシ。
ムヌグトゥ
物事。
- 用例
- ムヌグトゥヤ ウティティチ カンゲーティカラル ティカカインドー(物事は落ち着いて考えてから始めるんだよ)。
ムヌクヤーバカ
物乞いの墓。漂流人の墓。
ムヌシラシ
物知らせ。事前に予兆があること。不吉なことの前兆。
- 用例
- ガラサーガ ナカギーシガ、ヌーガラ ムヌシラシンデー アランガヤー(カラスが鳴いているが、何か不吉なことでもあるのかな)。
- メモ
- ランプがひとりでに点いたり、仏壇や墓に餅状のカビがつく場合には死者が出るといわれている。爪にシルブシグヮーが出来たり。臼で米を搗く音、夜中に線香や藁松明の焼ける臭いがするのも厄。
ムヌシリ
物知り。易者などの占い師。ユタ。
- 用例
- ワッター アンマーヤ、トゥーチ ムヌシリ カユティ アッチュサ(私たちのお母さんは、いつもユタの所に通っている)。
- メモ
- 音1:ムンシリ。
ムヌハカハカー
吐き気を催している様。
- 用例
- ミングートゥールー サレー ムヌハカハカー スン(ぐるぐる回っていたら、吐き気がしてきた)。
- メモ
- 音1:ムンハカハカー。→イーバキカーカー。
ムヌマユイ
物迷い。
- 用例
- アンシ ムチカシー チラ シ、ヌー ムヌマユイ ソーガ(そんなに難しい顔をして、何を物迷いしているのか)。
- メモ
- 音:ムンヌマユイ。
ムヌミー
物見台。
- メモ
- 音1:ムンヌミー。
ムヌミジラハン
物珍しい。
- 用例
- ヌーガラ ムヌミジラハンネーシ、ンジブクル ナインレー(妙に物珍しいようなので、見たくなるんだよ)。
- メモ
- 音:ムンミジラサン。
ムヌメー
年中行事。旧9月15日の物詣で。物参。
- 用例
- ムヌメーネー トゥヤーヌ イリディラ ウガムタン(ムヌメーには都屋のイリディラを拝んだ)。
- メモ
- 旧9月15日に、家の繁栄や児童の徳望を祈願するため、子ども連れで参詣した。伊良皆ではイシンミのティラ、徳武佐、観音堂を拝んだ。長浜、上地、喜名は観音堂拝み、都屋はティラ拝み、楚辺は徳武佐、観音堂を参詣し、渡航者のいる家では普天間宮もお参りし、平穏無事を祈った。古堅では徳武佐拝みをするが、供物を入れていく籠の名称をとってティールグヮームヌメーと称した。渡具知では9月吉日に徳武佐拝みをした。古堅、渡具知では徳武佐拝みをするとき、男子は箒、女子は布きれを奉納した。
ムヌイャンヌー
あまり話をしない人。無口な人。
- メモ
- 音1;ムヌイランヌー。
ムヌワレー
物笑い。
- 用例
- ムヌワレール スンドーヤ(物笑いにされるんだよ)。
- メモ
- 音1:ムンワレー。
ムフン
謀反。
- 用例
- ムフン タクリ(謀反を企んで)。
ムミ
籾〔もみ〕。
ムミガラ
籾殻。
- 用例
- ムミガラヤ アチミティ バーキンカイ イットーケー(籾殻は集めてカゴに入れておきなさい)。
ムミグトゥ
もめ事。争い事。
- 用例
- ムミグトゥンカイヤ クチヤ イリンナヨー(もめ事には口を入れるなよ)。
ムミン
木綿(布)。
- 用例
- ムミンヌ アマトーシガ、ヌーガラ ノーラランガヤー(木綿が余っているが、何か縫えないかな)。
ムミンガチャ
木綿の蚊帳。
ムミンギン
木綿の着物。
- 用例
- ムミンギンヤ ヒージーキヤー ソータン(木綿の着物は普段着にしている)。
- メモ
- 音1:ムミンジン。
ムミンクン
揉み込む。
- 用例
- シシカイ マース ムミンクン(肉に塩を揉み込む)。
- メモ
- 音1:ムミンチュン。
ムミンジン
木綿の着物。
- 用例
- ンカシェー、ヒージーヤ ムミンジンル チータル(昔は、平生は木綿の着物を着ていたんだよ)。
- メモ
- 音1:ムミンギン。
ムミンチュン
揉み込む。
- 用例
- デークニ マースジキ シーネー、マース チューク ムミンチュン(大根を塩漬けする時には、塩を強く揉み込む)。
否:ムミンカン(揉み込まない)希:ムミンチーブサン(揉み込みたい)過:ムミンチャン(揉み込んだ)継:ムミンチョーン(揉み込んでいる)。
- メモ
- 音1:ムミンクン。
ムミンバル
{木綿原}。渡具知の小字。
ムム
植物名。ヤマモモ。
- 用例
- ムムヌ マッカーラ ソーシヨ(ヤマモモの真っ赤なことよ)。
- メモ
- →マーチムム。
ムム
股〔もも〕。腿〔もも〕。
- 用例
- ワラビヌ ワームン ムムカイ マックヮ シ イジカランル アンレー(子どもが私の腿に枕をして、動けないんだよ)。
ムモー アイビランタッサ(腿の部分ではなかった)。
- メモ
- 音:ムーム。
ムムウイアングヮー
桃売り娘。
- メモ
- おもに読谷の南部地域を巡って行商していた。
ムムグファヤー
筋肉痛で腿が硬くなった状態。
- 用例
- ムムグファヤー ナトーン(股が疲労して硬くなっている)。
ムムジシ
もも肉。豚肉の部位で、腿の上の方の肉。
- 用例
- シシヤティカラ、ムムジシヤラワン ヌーヤラワン マーサルアルヨー(肉だったら、腿肉でも何でも美味しいんだよ)。
ムムスックヮー
筋肉痛で腿が硬くなった状態。
- 用例
- アッチ ヂューサヌ ムムスックヮー ソーン(歩きすぎて太腿の筋肉が痛い)。
- メモ
- 音:クンダアガヤー・クンダアガイ。
ムムナカラ
豚肉一頭分の八分の一。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー ムムナカラディネー、イキラサーネーンガヤー(私の家族は豚肉一頭分の八分の一だったら、少ないんじゃないかな)。
ムヤー
子守。
- メモ
- 類:クヮムヤー・ムヤーナー。対:ムイングヮ。
ムヤーギ
大盛り。山盛り。
- 用例
- マカイヌ ムヤーギ(碗の山盛り)。
- メモ
- 類:ムイタティー。
ムヤーナー
守り姉。子守。
- 用例
- ムヤーナーヤ ンジュルカージ、クヮ ウファ ソータン(ムヤーナーは見るたびに子どもを負ぶっていた)。
ワッター ジブンマデ ムヤーナーディ イーネーヨ、チョーレーイジョー ヤタンロー(私たちの頃まではムヤーナーといえば、きょうだい以上〔の関係〕だったよ)。
- メモ
- 類:ムヤー・クヮムヤー。対:ムイングヮ(守子)
仕事が忙しくて、子どもの面倒を見ることができない人は、親戚などから守り姉を頼むことが多かった。ムヤーとムイングヮは生涯きょうだいのような深い付き合いをした。
ムヤーマーイ
子守をしてくれた人の家をたずねること。
ムユーシムン
催し物。
- 用例
- チューヌ ムユーシムンヤ イッペー ディキトータンヤー(今日の催し物はとても良かったね)。
ムラアシビ
村芝居。
- 用例
- センゼンヌ ムラアシビディネー、ジコーヌ タヌシミ ヤタン(戦前のムラアシビといえば、すごく楽しみだった)。
カクリトーティル ムラアシビグヮーン ナラタン(隠れて村芝居も習った)。
- メモ
- 旧暦の7月から9月の農閑期に数回行われた。青年たちが中心となり、踊りや狂言、組踊などを演じ、集落の人が総出で楽しんだ。楚辺では7月サンジャーグヮー、八月十五夜、9月20日の3回村芝居をした。
ムラウチ
集落内。
- 用例
- ジムス チュクイラー ムラウチカイル チュクインドー(集会所を造るなら集落内に造るんだよ)。
ムラガー
村井戸。
- 用例
- ワッタン カーヤ ネーランテーグトゥ、ムラガーカラル ミジェー クリ チュータル(私たちも井戸はなかったから、村井戸から水は汲んで来たんだよ)。
- メモ
- 水事情が発達してなかった時代、各家にも井戸がなく、字で共同の井戸を所有していた。それを村井戸という。
ムラガシラ
村頭。字の中心的な役目。現在の区長に相当。
- 用例
- ムラガシラヌ ヤクミヤ チュームン ヤシガ、イャーガ チトゥミー スンナー?(ムラガシラの役はとても重要だが、お前に務めることができるのか?)。
ムラガッコー
村学校。
- メモ
- 公学校ではなく、ムラにあった学校。座喜味では明治期に公学校ができる以前、教育を行う場所(ガッコウジー)があった。
ムラグトゥ
村事。村の取り決め事。
- 用例
- ムラグトゥヤ、マムラントー ナランドー(村の取り決め事は、守らないといけないよ)。
ムラサーケー
村と村との境界。
- 用例
- ムラサーケーヲゥティ タシマシンカトゥ モーアシビ スン(村境界で他部落の人たちとモーアシビをした)。
ムラシーミー
行事名。字清明。字が主体となって行う清明祭。
- メモ
- →アザシーミー。
ムラハジサ
村外れ。
- 用例
- ワッター ジーヤ ムラハジサカイ アン(私たちの土地は村外れにある)。
ムラヤー
村屋。現在の字公民館。
- メモ
- 廃藩置県以後、間切から村制へと変わるなか、間切は「村」へ、かつての「村」(ムラ)は「字」へと変わった。そのため村屋はジムス(事務所)などと呼ばれるようになった。
ムランチュ
村の人。集落の人。
ムリカラン
無理からぬ。道理にかなっていて否定できない。
- 用例
- トゥシーンチャーガ イーシェー、ムリカランドー(年寄りが言うことは、否定できないよ)。
- メモ
- 音:ムルカラン。
ムリクイン
ひねる。ねじる。
- 用例
- ヒサ ハンラカチャレー ムリクティネーン(足を滑らしたら捻ってしまった)。
- メモ
- 類:ヒニーン・チゲーラスン。
ムリクチ
圧搾機で砂糖キビが絞られ戻ってくる所。
- 用例
- ムリクチンカイ ティーンデー クヮーシネー イチデージドー(ムリクチに手でも挟んだら大変だよ)。
ムリハク
味りん。味醂。
- 用例
- サーターガ ネーンレー ムリハク イリレー(砂糖がないなら味りんを入れなさい)。
ムリブサー
群星。スバル。
- 用例
- ティンヌ ブシブシ(天の群星)。
- メモ
- 類:ブリブシ・ブルブシ。5つか6つか7つの星が小さくかたまって群れている。
ムリムチ
片手で握って俵型に作った餅。豆をつけたものもある。
- メモ
- 長浜では「フシヤ アマクマニ チチヤ マンナカニ ムチトゥ マーミトゥ チチェールグトール(星はあちこちに、月は真ん中に、餅と豆と付けたよう)」と言って、餅に星のように豆をつけて作った。波平では、ニービチには銭100貫とクファン(籠飯)にムリムチと豆腐5箱などを盛った。
ムル
皆。全部。
- 用例
- アルッサ ムル、ムッチ イケー(ありったけ全部、持って行きなさい)。
ムル チヤーマ(全部着けて)。ヲィキガ ムル(男全員)。ムル ワカラン(全然分からない)。
ムルイゾーロー
戻り精霊。
- 用例
- ナー ユークル、ムルイゾーローン ウサギテー シマンガヤーヤ(もうそろそろ、戻り精霊を供えてもいいんじゃないのかね)。
- メモ
- 旧盆のウークイ日の夜10時、11時頃の遅い時間、祖霊が墓に着いた頃にムルイゾーローといって仏壇にお茶を供えた。
ムルイティーダ
戻り太陽。旧8月頃の太陽。残暑。
- 用例
- ムルイティーダガル ユクン アチサル(8月頃の太陽の方がもっと暑いんだよ)。
- メモ
- 暑さが落ち着いた頃に、再び暑さが増すことにいう。戻って来る暑さ。
ムルイン
戻る。帰る。
- 用例
- チュートーティ シクチヤ ウワラチ ヤーカイ ムルイン(今日で仕事を終わらせて家に帰る)。
ムルガキ
疾走〔しっそう〕。疾駆〔しっく〕。
ムルカキバイ
競馬の走法。前後の足を一時宙に浮かせる走法。
ムルカラン
無理からぬ。道理にかなっていて否定できない。
- 用例
- クチェー ムルカラン(言ったことは否定できない)。
ンカシンチュヌ ハナシヤ ユー イラットーグトゥ、ムルカランサ(昔の人の話は良く言われているから、否定できないよ)。
- メモ
- 音:ムリカラン。
ムルクシバル
{諸後原}。儀間の小字。
ムルサー
塊〔かたまり〕。固まり。
- 用例
- クルザーターヌ ムルサー ナトーシェー カチワティ カムサ(黒糖が固まりになっているのは割って食べるさ)。
ムルシ
塊〔かたまり〕。固まり。
ムルシ(~ムルシ)
ひと戻り。往復。往復した回数。
- 用例
- イッタガ ユックトール エーダニ、ナー チュムルシェー ゥンジ チューサ(お前たちが休んでいる間に、もう1回は行ってくるさ)。
- メモ
- チュムルシ(1往復)、タムルシ(2往復)、ミムルシ(3往復)と数える。
ムルスン
戻す。返す。
- 用例
- チカテーシェー ムトゥンカイ ムルスン(使ったのは元に戻す)。
ムルチ
漏池。川の深くなった箇所。
ムルチャー
人の意に逆らうことばかりする人。あまのじゃく。
- 用例
- アマガクーヤ ムルチャー セタンディ(雨蛙はあまのじゃくだったそうだ)。
ムルトゥム
諸共。
- 用例
- イクサンジ ケーマーシーネー ウヤックヮ ムルトゥム マジョーン ヤサ(戦争で死ぬなら、親子諸共一緒だよ)。
ムルン
醪〔もろみ〕。
- 用例
- ムルンカラル ソーユーン サキン チュクイルヨー(もろみから醤油も酒も作るんだよ)。
- メモ
- もろみ(醪・諸味)は、醤油や酒などを作るために醸造した液体の中に入っている原料が発酵した柔らかい固形物のこと。
ムルンガーミ
醪〔もろみ〕を入れる甕〔かめ〕。
ムルンカジャ
酒を発酵させるときの醪〔もろみ〕の匂い。
- 用例
- ムルンカジャ シ(醪の臭いして)。
- メモ
- 二日酔いの人に酒臭いと嫌みをいう時に言った。
ムン
①物。者。②食べ物。食事。③魔物。もののけ。霊的なもの。
- 用例
- ②ムンジカン ヤグトゥ ヤーカイ ケーラナ(食事時だから家に帰ろう)。③ムンニ ムタッティ マールヤラー ワカランナトータン(物に取りつかれて、どこなのか分からなくなっていた)。
ムン
門。
- メモ
- →ジョー。
ムン ユムン
噂話をする。
- 用例
- ヰナグンチャー ミッチャイ アチマイネー ムン ユムンドー(女が3人集まると、噂話が始まるよ)。
- メモ
- 音1:ムヌユムン。
ムンアタラサー
物を大切にする人。
- 用例
- ワッター スーヤ イッペーヌ ムンアタラサー ナティ ヌーグヮーン ヒティランサ(私の父はとても物を大切にする人で、どんなものでも捨てないさ)。
ムンアンマサン
気分がすぐれない。
- 用例
- ムンアンマサ スン(気分がすぐれない)。
- メモ
- 類:アンマサン・チムアンマサン。
ムンイーカンティー
物が言いづらいこと。声をかけにくいこと。
- 用例
- ワラビ ウシナトール ウヤンカイ ムンイーカンティー シヤー(子を失った親に声がかけにくいね)。
- メモ
- 音1:ムヌイーカンティー。
ムンイージマサン
口数の少ない。
ムンイージャマ
物の言い様。口が悪い様。
- 用例
- アンシ ムンイージャマン ネーン チュン ヲゥル(そんなにも口が悪い人もいるね)。
- メモ
- 音2:ムンイーハンティ。
ムンイーハンティ
物の言い方。口が悪いこと。
- 用例
- クチヌ ワッサヌ ムンイーハンティン ネーン(口が悪くて物の言い方がなっていない)。
- メモ
- 類:ムンイージャマ。
ムンイライラー
何か言いたげな様。
- 用例
- ヌーガラ ムンイライラー ソーンデー(何か言いたげだよ)。
ムンウーイ
物追い。魔物追い。
- メモ
- 葬式を終えた後、龕を担いだ4人が「アネ、アネ、アネ」「コネ、コネ、コネ」と言いながら、棒で喪家の玄関に置かれている臼を転がし、川原から取ってきた石を投げつけて、墓の入り口までヤナムンを追い払った。
ムンウビー
物覚え。
- 用例
- アリガ ムンウビー ヤティカラ ターニン マキランサ(彼の物覚えの良さは、誰にも負けないよ)。
ムンガタイ
物語。話。
- 用例
- ンカシヌ ムンガタイヤ チチグトゥ ヤン(昔の物語は聞いてためになる)。
- メモ
- 音:ムヌガタイ。
ムンカマカマー
何か食べたそうな様。
- 用例
- トゥーチ ムンカマカマー ソーッサ(いつも何か食べたそうにしているさ)。
ムンクーヤー
物乞い。
- 用例
- ンカシェー、ガマカイ ムンクーヤーガ ダテーン シマトータン(昔は、洞窟に物乞いが大勢住んでいた)。
- メモ
- →ギンジャー。
ムングシ
好き嫌い。
- 用例
- ムングシヌ ウーサイネー、フカヲゥテー ムヌン カマランドー(好き嫌いが多かったら、他所では食事もできないよ)。
- メモ
- 音1:ムヌグシ。
ムンクヮークヮー
食べ物を欲しそうにしている様。
- 用例
- マタン、チュヌ ヤーヌ メーンジ ムンクヮークヮー シ タッチョーサ(またも、人の家の前で食べ物を欲しそうにして立っているさ)。
ムンゲー
面懸〔おもがい〕。羈〔おもがい〕。轡〔くつわ〕を固定するために馬の頭にかける緒。馬具のひとつ。
ムンジチ
物好き。
- 用例
- アヌチョー ムンジチ ナティ、ヌー ヤティン アチミーン(あの人は物好きで、何でも集める)。
ムンジチン
豚の胃袋。ホルモン。
- 用例
- ムンジチンヤ イリチャーンカイ イッティン マーサン(豚の胃袋は炒め物に入れても美味しい)。
ムンジマサムン
言葉遣いが丁寧な人。
- 用例
- アレー ジコー ムンジマサムンドーヤー(彼女はとても言葉遣いが丁寧だよ)。
ムンジマサン
言葉遣いが丁寧な。
ムンジュルガサ
麦藁で作った笠。
- 用例
- ンカシェー ボーシディチン ネーングトゥ、ハルカイ イチーネー ムンジュルガサル カンジュタル(昔は帽子もないから、畑に行く時にはムンジュル笠を被ったんだよ)。
ムンシラシ
物知らせ。予兆。不吉なことが起きる場合に何らかの知らせがあること。
- 用例
- ユル、インガ タチナチ スタシガ、ヌーガラ ムンシラシル ヤガヤー(夜、犬が遠吠えしていたが、何か物知らせなのかな?)。
ムンシリ
物知り。易者などの占い師。ユタ。
- 用例
- ワッター アンマーヤ、トゥーチ ムンシリ カユティ アッチュサ(私たちのお母さんは、いつもユタの所に通っているさ)。
- メモ
- 音1:ムヌシリ。
ムンシリドーグ
不要な厄介事。余計なこと。
- 用例
- イャーガ スヌ ワジャヤ ムンシリドーグル ヤル(お前がすることは余計なことだよ)。
ムンスガヤー
食事の世話をする人。
- 用例
- シージャヌ ヤーガ イチュナサグトゥ、ムンスガヤー シーガ イチュン(姉の家が忙しいから、食事の世話をしに行く)。
- メモ
- 音2:ハンメースガヤー。
ムンダクミ
悪巧み。
- 用例
- ムンダクミビカーン シ チュ ダマシーネー ユーイカンドー(悪巧みばかりして人を騙すと、良くないよ)。
- メモ
- 音1:ムンダクン。
ムンダクン
悪巧み。
- 用例
- ムンダクン シ(悪巧みして)。
- メモ
- 音1:ムンダクミ。
ムンダニ
釣りの餌。
- 用例
- チーカイ ムンダニ カキーン(釣針に餌をつける)。
- メモ
- ヤドカリなどを餌にすることもあった。
ムンチキーン
ひねり潰す。揉み漬ける。
- 用例
- ムンチキティ トゥラサ(ひねり潰してやろう)。
デークニ マースシ ムンチキーン(大根を塩で揉み漬ける)。
ムンチャニ
種物。種子類。
- 用例
- クジュヌ ムンチャニヤ ジルカイ イッテータガ?(昨年の種はどれに入れてあったね?)。
- メモ
- 類:サニムン。
ムンチャニガーミ
種物甕。種子を入れる甕〔かめ〕。
- 用例
- ムンチャニガーミ ヰジカスンディ タッチワティネーン(ムンチャニガーミを動かそうとして、割ってしまった)。
- メモ
- →サニムンガーミ。
用途によって幾種類もの甕があった。
ムンチュー
門中。一族。一門。始祖を同じくする父系の血縁集団のこと。
- 用例
- ムンチュー シンカ アチマティ ハナシー スン(門中の人たちが集まって話をする)。
- メモ
- 活動形態や組織結合の度合いは、地域によって大きく異なる。
ムンチューシーミー
門中清明。行事名。門中単位で行う清明祭。
- 用例
- ムンチューシーミーガ ウワティ アトゥカラ ナーメーメー シーミーヤ ウサギラヤー(門中清明が終わった後に、それぞれの清明祭を行おうね)。
- メモ
- 音2:アジウシーミー・イチムンシーミー。
ムンチューバカ
父系一門の墓。門中墓。
- 用例
- ハカヌ ネーンヌーヤ、ムンチューバカンカイ イリータン(墓を持たない人たちは、門中墓に納めた)。
- メモ
- →イチムンバカ。
ムンチン
木戸銭。芝居等の入場料。
ムンドー
諍い。言い争い。
- 用例
- ムンドービカーン ウクチ、ヤガティ、ムラカラ イーゥンジャサリンテー(諍いばかり起こして、やがて村から追い出されるよ)。
ムンナクヒンナク
もみくちゃ。
- 用例
- ワランチャー ムンナクヒンナク サッティ ヲゥタトーサ(子どもたちにもみくちゃにされて疲れたよ)。
ムンナラーシ
躾け。
- 用例
- ムンナラーシ スン(躾ける)。タンメーカイ ムンナラーシ サッタン(おじいさんに躾けられた)。
- メモ
- →イーナラワシ。
ムンナレー
物習い。習うこと。
- 用例
- シージャンチャーカラ ムンナレー シーガーチール、ワジャー スンドー(年上の人たちから習いながら、仕事はするんだよ)。
ムンニ ムタッティ
霊に取り憑かれる。
- 用例
- ムンニ ムタッティ、マーガクィーガヤラ ワカラン ナトータン(霊に取り憑かれて、どこがどこなのか分からなくなっていた)。
ムンニヤーガマ
食べ物を炊く竈。
ムンヌウヤギ
物を援助すること。
- 用例
- マンドーラー、ネーンヌーンカイ ムンヌウヤギ スシェー マシ ヤサ(たくさんあるなら、無い人に援助する方が良いよ)。
ムンヌキ
魔物除け。
ムンヌキムン
魔除けの物。魔除けに使う物。
- 用例
- ワラビヌ ユル ナチーネー、ハサミ ソーナムン ムンヌキムン トゥシ マックヮバヌンカイ ウッチュン(子どもが夜泣きしたら、ハサミなどを魔除けとして枕元に置いておく)。
ムンヌヒーキ
分け隔て。ひいき。
- 用例
- ワランチャーヤ ムンヌヒーキ シェー ナランドー(子どもたちは分け隔てしてはいけないよ)。
ムンヌマユイ
物迷い。
- 用例
- アンシ ムチカシー チラ シ ヌー ムンヌマユイ ソーガ(そんなに難しい顔をして、何を迷っているのか)。
- メモ
- 音1:ムンマユイ。
ムンヌミー
物見台。
- 用例
- ムンヌミーンカイ ゥンヂ(物見台に行き)。
- メモ
- 音1:ムヌミー。
ムンヌウヮーリ
たくさんの物。多くの物。
- 用例
- ムンヌウヮーリ チミアギティ、ウサーッティネーラン(多くの物を積み上げすぎて、押しつぶされてしまった)。
- メモ
- 類:ウホーク・チャッサキーン・チャッサン・マンディ・ンジャーリ。
ムンハカハカー
吐き気を催している様。
- 用例
- クルマヰー シ、アマヲゥティ ムンハカハカー ソーン(車酔いして、あそこで吐気をもよおしている)。
- メモ
- 音1:ムヌハカハカー。→イーバキカーカー。
ムンピラカスン
揉み砕く。
- 用例
- ムンピラカチル サビータンテン(揉み砕いてやったんですよ)。
ムンミジラサー
物珍しがり屋。何でも珍しがる人。
- 用例
- ルク ムンミジラサー ナティ、ヒジュー アマミークマミー ソーン(余りにも物珍しがり屋で、ずっとあちこちよそ見ばかりしている)。
ムンミジラサン
物珍しい。
- 用例
- ヌーガラ ヒージートー カワトーグトゥ ムンミジラサン バーテー(何か普段とは変わっているから物珍しいんだよ)。
- メモ
- 音1:ムヌミジラハン。
ムンユマー
噂話ばかりしている人。おしゃべりな人。
- 用例
- アヌチョー ムンユマー ヤグトゥ ヌーン ハナシーヤ ナラン(あの人はおしゃべりだから、何も話せない)。
ムンワシリ
物忘れ。
- 用例
- トゥシ トゥレーカラー ムンワシリン ウーク ナティ ジャーフェー ヤサ(年を取ると物忘れが多くなって、厄介だ)。
ムンワレー
物笑い。
- 用例
- ウンナ ハナシー シーネー、ムルヌ ムンワレール ナインドー(そんな話をしたら、皆の物笑いになるんだよ)。
- メモ
- 音1:ムヌワレー。
メー
枚。紙や着物などを数える数詞。
- 用例
- ヌヌヤ イチメーナー イチメーナー リッパ タクビヨー(布は1枚ずつちゃんとたたみなさいよ)。
- メモ
- イチメー(1枚)、ニンメー(枚)、サンメー(3枚)と数える。
メー
米。ご飯。稲。
- 用例
- クーシームノー シチグヮチソーグヮチニル メーン カマリータル(貧乏人は盆と正月しか、ご飯は食べれなかった)。
- メモ
- →クミ。平生はほとんど芋を食べていた。
メー
前。
- 用例
- ワンネー ハナシー チチブサグトゥ メーンカイ ヰーン(私は話を聞きたいから、前に座る)。
メー ナスン
前にする。側に置く。番をする。見守る。
- 用例
- ヲィナグングヮ タイ メー ナチョーン(娘二人を前にしている)。
クヮッチー メーナチョーン(御馳走を前にしている)。
トゥララングトゥッシ メーナチョーキヨー(取られないように番をしていてよ)。
メーアガイ
有頂天。いい気になること。注意しても良くはならず悪くなる時に使う。
- 用例
- ウレー イーシンデー メーアガイ スンドー(彼は言えば言うほどいい気になるよ)。
メーアサ
毎朝。
- 用例
- メーアサ、ミジ クリ ッチカラ ガッコーンカイ イチュタン(毎朝、水を汲んで来てから学校に行った)。
メーイハティーン
燃え尽きる。
- 用例
- ヨーイヨーイ メーイハティーサ(ゆっくりゆっくり燃え尽きるよ)。
メーイン
燃える。
- 用例
- カジヌ チューサヌ、ヌーガラヌグトゥ バーナイ メートーン(風が強くて、何かのように激しく燃えている)。
否:メーラン(燃えない)過:メータン(燃えた)継:メートーン(燃えている)。
メーガー
上地の湧泉の名称。前井戸。
- メモ
- 上地集落の南方(前)に位置し、集落で一番古い井戸で、ウブガー(産井戸)でもある。旧暦6月のカーウガン(井戸御願)、カーサレー(井戸浚渫)で拝される。この井戸は水浴に用いられることが多かった。戦時中、北(読谷)飛行場で用いる水は上地の井戸で賄われ、馬車で大量の水を汲みにきていたという。前井戸は現在も水量豊富で、農業用水として利用されている。
メーガイ
前上がり。目立つこと。
メーガイサー
目立ちたがり屋。
メーカクジー
前顎。獅子頭部分。
メーガタレー
前語らい。事前に話し合いをすること。
- 用例
- メーガタレーネー サキン ゥンジャスタン(メーガタレーには酒も出しよった)。
- メモ
- アシビや芝居をやる場合、本番何日か前にメーガタレーといって話し合いが行われた。
メーカチ
前掻き。馬が前足で地面を掻くこと。
- メモ
- 動物が何かを訴えているときに見られる。
メーガニクンチュ
恩納村前兼久の人。
メーカニティ
前もって。
- 用例
- ニービチデームン メーカニティ イキワルナイル(結婚式だから前もって行かないといけない)。
メーカラモーヤー
行列の先頭で踊る人。
- 用例
- メーカラモーヤーパーパーターヤ、ヒヤーナイ モーイタサ(メーカラモーヤーのおばあさんたちは、威勢よく踊っていたよ)。
- メモ
- 綱引きの場合にメーカラモーヤーといって50、60代の女性が数人、旗頭に続いて太鼓や鐘の音に合わせて踊った。
メーガンター
男性の髪型の一種。短髪で前髪を伸ばした髪型。
- 用例
- ハギチブラー スシヤカ、メーガンタール マシ ヤル(丸坊主にするより、メーガンターにした方が良い)。
- メモ
- 音1:メーガントゥー。
メーガントゥー
男性の髪型の一種。短髪で前髪を伸ばした髪型。
- 用例
- メーガントゥー ナーヒン ウシクヮーセー(前髪が長いから、もっと短くしなさい)。
- メモ
- 音1:メーガンター。
メークサー
前と後ろ。
メーグササー
農具名。
メーグミ
前組。行政組織・地区の名称。
- メモ
- →アガリグミ。
メークンジャ
馬具のひとつ。鞅〔むながい〕。胸懸。
- メモ
- 馬の胸から鞍へかけわたす組みひも。
メーゴーサー
げんこつ。
- 用例
- メーゴーサー クヮーサリンドー(げんこつくらわされるぞ)。
ウヤヌ イーシン チカンラー メーゴーサー スンドー(親の言うことも聞かないならゲンコツするぞ)。
- メモ
- 類:コーサー・ティッコー。
メーシ
お世辞。おべっか。
- 用例
- メーシビカーン チカティ、アンシン ワジャー ナイミ?(お世辞ばかり使って、それでも仕事ができるのか?)。
- メモ
- 類:アンダグチ・アンラグチ。
メーシ
お箸。
- 用例
- メーシヌ ティーチェー タラーングトゥ トゥティ トゥラシェー(お箸がひとつ足りないから取ってくれ)。
- メモ
- →ウメーシ。
メーシー
昼飯。昼食。
- 用例
- ナー チュマーロー カタミティ ッチカラ、メーシーヤ カマナ(もう一回は担いで来てから、昼飯は食べよう)。
- メモ
- →アサバン。
メージケーグヮー
小間使い。
- メモ
- クジケー(小使い・用務員)
メーシジャー
脱穀機。
- メモ
- メーシジャーともいう。
メージマ
波平の地名、地区名。前島。
- メモ
- 波平の地区名で明治期以後にヤータッチャー(分家)してできた地域。メージマは幅員は小さいが、昔から道は整備され区画整理されていた。戦後は楚辺通信所(通称象のオリ、ハンジャタワー)として接収され2006年に返還、現在集落として復興しつつある。
メースン
燃やす。
- 用例
- チカーンヌーヤ ナーヲゥティ メースン(使わないのは庭で燃やす)。ヒー メーサーニ、ユー ワカチ(火を燃やして、湯を沸かし)。
否:メーサン(燃やさない)希:メーシーブサン(燃やしたい)過:メーチャン(燃やした)継:メーチョーン(燃やしている)。
- メモ
- 類:ヤチメースン・ヤキメースン。
メーダーチー
前に抱くこと。
- 用例
- アカングヮ メーダーチー ソーン(赤子を前に抱いている)。
- メモ
- 音1:メーラーキー。
メータバル
{前田原}。儀間の小字。
メーダバル
{前田原}。座喜味の小字。
メーヂチ
毎月。
- 用例
- メーヂチ、アンマーンカイ クジケー ヰーラチョーン(毎月、お母さんに小遣いをあげている)。
- メモ
- →チチヌカージ。
メーチャー
女性の下着。女性用のふんどし。月経帯。
- 用例
- メーチャーヤ、チュヌ ミーラントゥクルンカイル フースンドー(下着は、人の見えない所に干すんだよ)。
- メモ
- →カカン。
メーチャーアラヤー
汚物洗いの鉢。
メーチルガイ
前方が塞がること。
- 用例
- メーチルガイ シ マーニン イカラン ナトーン(前方を塞がれてどこにも行けなくなった)。
メーチンシ
楚辺の拝所名。ナナウタキ(七御嶽)のひとつ。
- メモ
- 楚辺村世立ての女神の墓。旧1月初御願に拝む。現在は米軍基地、黙認耕作地内在。
メーデー
前代。以前。
- 用例
- メーデー アンスカ ムンワシリン サンタルムンヌ(以前はそんなに物忘れもしなかったのに)。
- メモ
- 音1:メーレー。
メーナーリー
前の方から。
- 用例
- メーナーリー イチーネー ミーダッチュンドー(前の方から行くと目立つよ)。
メーナイナイ
前に出て行くこと。でしゃばること。
- 用例
- メーナイナイ シーネー、アトー ムル ドゥーンカイ ウチカンジュンドー(でしゃばると、後は全部自分の身に降りかかるよ)。
- メモ
- 対:アトゥナイナイ(後に退くこと)。
メーナチ
毎日。
- 用例
- メーナチ、ユル ナイネー ゥンジティ イチュン(毎日、夜になると出て行く)。
- メモ
- 音1:メーニチ。
メーナラナラ
前に出たがる様。出しゃばるこ様。
- 用例
- ワラビヤ メーナラナラ サンケー(子どもは出しゃばるな)。
メーニギリ
お握り。握り飯。
- 用例
- アチャヤ カーサンカイ メーニギリ チチディ ムタシヨー(明日はサンニンの葉にお握りを包んで持たせてね)。
- メモ
- 音1:メーニジリ。
メーニジリ
お握り。握り飯。
- 用例
- アンダンスー イッティ メーニジリ チュクイン(油味噌を入れてお握りを作る)。
- メモ
- 音1:メーニギリ。
メーニチ
毎日。
- 用例
- チューン アチャン メーニチ、ゥンムトゥ ンナシルービカーンナー?(今日も明日も毎日、芋と具のない汁だけねぇ?)。
- メモ
- →メーナチ。
メーニン
毎年。
- 用例
- ウヤヌヤーカイ メーニン ケートーン(実家に毎年帰っている)。
メーヌカー
前の井戸。伊良皆、高志保、大湾にある井戸の名称。
- メモ
- 伊良皆のメーヌカーは、戦争で埋まったのを字で発掘し再造成した。高志保のメーヌカーは降泉(ウリカー)になっていて、アガリヌカー(東之泉)、ナカヌカー(中之泉)、イリヌカー(西の西之泉)3か所の泉があった。今はないので水の恩に感謝し、高志保児童公園内に社を設け祀っている。大湾のメーヌカーはノロが沐浴する井泉で、上方にあるメーヌウガンで髪を乾かしたという。ウチュジガーともいう。
メーヌクサー
民家の間取りのひとつ。裏座。
- メモ
- 類:ウラジャ・クチャ・クチャジャー・スラッカ・スルカ・スルカ。→ウラジャ。
メーヌバガイ
前もって顔を出すこと。
- 用例
- スージンデー アイネー、メーヌバガイ スタン(お祝いなどがあったら、前もって顔を出した)。
メーヌヤー
家の前庭にある離れ。
- 用例
- ドゥシンチャー アチマティ メーヌヤーヲゥティ アシブン(友達が集まって離れで遊ぶ)。
- メモ
- →アサギ。
メーバ
前歯。
- 用例
- ウックルバーニ メーバ タッチヲゥーティネーラン(転んで前歯を折ってしまった)。
メーバー
出っ歯。
- 用例
- メーバーン ンジーヨーニユッテー ウジラーサルアル(出っ歯も見方によっては可愛いもんだよ)。
メーバチャイ
額。おでこ。
- 用例
- メーバチェー マドー ネーランディ ウムリヨー(おでこはないと覚悟しなさいよ)。
- メモ
- かかあ天下の家庭で、結婚前に夫が妻の弟に、「おでこに隙間がないくらい、拳骨をくらうことになるよ」と言われたという話。
メーバル
{前原}。喜名、座喜味、伊良皆、波平、高志保、宇座、長浜、楚辺、渡具知、大湾、古堅の小字。
メーバン
毎晩。毎夜。
- 用例
- キジムナーガ メーバン、ウクシーガ ッチ ヤッケー ヤッサー(キジムナーが毎晩、起こしに来て厄介だ)。
- メモ
- 類:メーユル。
メービサ
前足。4つ足動物の前足。
- 用例
- ウヮーヌ メービサ コーティ チェーグトゥ、デークニトゥ シル ワカスン(豚の前足を買ってきたから、大根と汁にする)。
メービチェー
額。おでこ。
- メモ
- 音1:メービチャイ。類:ヒッチェイ・ムッコー。
メービチャイ
額。おでこ。
- 用例
- ウヌ ワラビヌ メービチャイヌ ウジラーサシヨ(その子の額の愛らしいことよ)。
- メモ
- 音1:メービチェー。→ヒッチェイ。
メーフサガイ
前方が塞がること。
- 用例
- メーフサガイ シ、マーニン イカラン ナトーン(前方を塞がれて、どこにも行けなくなった)。
- メモ
- →メーチルガイ。
メームティ
前の方。
- 用例
- ユー ミーヌグトゥ シ メームティンカイ ヰーン(よく見えるように前の方に座る)。
メーユカ
二番座。
- 用例
- ウスメーヤ メーユカヲゥティ ユックティ メーン(おじいさんは二番座で休んでいらっしゃる)。
- メモ
- 類:ナカメー・ニバンジャ。
メーユル
毎夜。毎晩。
- 用例
- ヰキガンチャーヤ メーユル、モーアシビーカイ イチュタン(男性は毎夜、モーアシビに行った)。
- メモ
- 類:メーバン。
メーラーキー
前に抱くこと。
- 用例
- アカングヮ メーラーキーソーン(赤子を前に抱いている)。
- メモ
- 音1:メーダーチー。
メーラリー
よだれかけ。
- メモ
- →クブシー。
メーレー
前代。以前。
- メモ
- 音1:メーデー。
メーン
いらっしゃる。来られる。いる、行く、来るの敬語。
- 用例
- ウスガナシーメーヌ シマティ メーン トゥクル(王様が住んでいらっしゃる所)。
過:メータン(いらっしゃった)。
- メモ
- 類:イメンシェーン・メンシェーン・メンセーン。
メーンケー
前向き。
- 用例
- メーンケール スル、クシェー トゥンケーンナヨー(前を向くんであって、後ろは振り返るなよ)。
メーンダカリ
前村渠。ムラの地域区分のひとつ。
- メモ
- →アガリンダカリ。
メーゥンブー
前が重いこと。腹が出た人。
- 用例
- メーゥンブー タンメー(腹が出たおじいさん)。
- メモ
- 硬貨を入れた財布を懐に入れた人を表現するのにも使われた。
メクラサンヨー
かごめかごめと同じ遊び。
- メモ
- メクラサンヨーの歌を歌いながら、鬼のまわりをまわって、鬼の後ろに誰がいるか言い当てる遊び。
メンシェーン
いらっしゃる。「居る」「行く」「来る」の丁寧語。
- 用例
- ヤガティ ウチャコー メンシェーンドー(やがてお客さんはいらっしゃるよ)。
アマンカイ メンソーレー(あちらに行ってください)。
ウチンカイ メンソーレー(中に入ってください)。
- メモ
- 類:イメンシェーン・メーン・メンセーン。
メンジキ
植物名。カタバミ。
- 用例
- メンジキヤ チャッサ トゥッティン ミーティ クーン(カタバミは、どんなに取っても生えてくる)。
- メモ
- 音1:メンジチャー。
メンジチャー
植物名。カタバミ。
- メモ
- 音1:メンジキ。
メンジャナサ
植物名。ルリハコベ。
- 用例
- メンジャナサヤ イユ トゥイニ チカイン(ルリハコベは魚を取る時に使う)。
- メモ
- →アラミンナー。
メンセーン
いらっしゃる。「居る」「行く」「来る」の丁寧語。
- 用例
- パーパーヤ ヤーンカイ メンセーンドー(おばあさんは家にいらっしゃるよ)。
ウスメーヤ マーンカイ メンセータガヤー(おじいさんはどこに行かれたのかな)。
マーカラ メンセービーガ(どちらからおいでになりますか・来られますか)。
イチカー ワッターンカイ メンソーリヨー(いつか私の家にいらっしゃってくださいね)。
否:メンソーラン(いらっしゃらない)過:メンソーチャン(いらっしゃった)継:メンソーチョーン(いらっしゃっている)。
- メモ
- →イメンシェーン。
メーンよりも丁寧な言い方。
メンナ
植物名。ルリハコベ。
- 用例
- ハルカイ フシガランサク メンナヌ ミートーン(畑に防ぎようがないくらいルリハコベが生えている)。
- メモ
- →アラミンナー。
モー
芝。野原。
- メモ
- 類:ヌー。
モー
藻。
- メモ
- 類:ムー・モークサ・モークサー。
モーアシビ
毛遊び。夜、若い男女が集落外れの野原で集まり歌や踊りなどをして遊ぶこと。
- 用例
- ンカシヤ モーアシビヲゥティ マジョーン ナイシン マンドータン(昔はモーアシビをして一緒になることも多かった)。
- メモ
- 音1:モーアシビー。
モーアシビー
毛遊び。夜、若い男女が集落外れの野原で集まり歌や踊りなどをして遊ぶこと。
- メモ
- 音1:モーアシビ。
モーアシビーングヮー
婚外子。私生児。
- メモ
- →アシビングヮ。
モーイ
踊り。
- 用例
- モーイ ナラティカラ ニジューニンアマイ ナイン(踊りを習ってから20年余りになる)。
モーイン ジョージ(踊りも上手)。
モーイクヮンクヮン
ボサボサ。頭髪が乱れている様。
- 用例
- カラジギーン モーイクヮンクヮン シ(髪の毛もボサボサで)。
- メモ
- 類:モーサー。
モーイハニ
賑やかに踊ること。
- 用例
- チューヌ ボージャースージヤ、モーイハニ ディキラシヨー(今日の出産祝いは、賑やかに踊って盛り上げてね)。
モーイワタ
胃。豚などの胃の食品としての名。
- メモ
- 類:ウフゲー・ムンジチン・ンヌワタ。
モーイン
舞う。踊る。
- 用例
- ンナシ カチャーシー モーイン(皆でカチャーシーを踊る)。
否:モーラン(踊らない)希:モーイブサン(踊りたい)過:モータン(踊った)継:モートーン(踊っている)。
モーイン
いらっしゃる。行く、来るの敬語。
- 用例
- カミサマヌ モーチ(神様がいらっしゃって)。
モーウイ
植物名。マクワウリ。
- メモ
- 音1:モーヲゥイ。
モーウイ
植物名。マクワウリ・赤毛瓜。
- 用例
- モーウイヤ イェームンシン マーサン(赤瓜は和え物にしても美味しい)。
- メモ
- 音1:モーウイ。
赤毛瓜はウリ科のきゅうりと同じ仲間で、沖縄では古くから栽培されてきた伝統野菜のひとつ。
モーガー
座喜味にある湧泉の名。
- メモ
- 座喜味公園の西側にあり、藻が多いことからそう呼ばれたという。同公園はかつてはターブックヮ(田んぼ)であった。また、かつて旧暦5月のウマチーのとき、ウンサク(神酒)を作り、屋号コーチハンジャ(幸地波平)の椀に注いだが、使用後に椀をモーガーで洗ったことから、ウマチーガーとも呼ばれた。
モーガーラ
雑草の屋根。
- メモ
- 庶民が亀甲墓を造ってはならない時代、墓を雑草で覆い隠していた。カーラは屋根瓦のことだが、ここでは単に屋根の意味で使われている。
モーキ
儲け。利益。
- 用例
- モーキラヤカ アガネーリ(利益をあげることばかりに必死にならず、倹約せよ)。
チューヌ モーキヤ チャッサー アタガ?(今日の儲けは幾らあったねぇ?)。
モーキーン
儲〔もう〕ける。
- 用例
- ハマティ ジン モーキーン(頑張ってお金を儲ける)。
モーキーネー、ヌチジヤー チュクイサ(儲けたら、貫木のある家を建てるよ)。
否:モーキラン(儲けない)希:モーキーブサン(儲けたい)過:モーキタン(儲けた)継:モーキトーン(儲けている)。
モーキサンヌー
儲〔もう〕けの少ない人。
- メモ
- 類:モーキランヌー。対:モーキヤー。
モーキシーミー
儲け清明。
- メモ
- 日を選ばずいつでも供えることができる。
モーキジク
儲〔もう〕けずく。儲けるためのこと。
- 用例
- モーキジク ヤルムンヌ ハジャキテー ナランサ(儲け仕事なんだから当たり損ねてはいけないよ)。
- メモ
- 音1:モーキジュク。
儲けることで仕事という意味もある。
モーキジュク
儲〔もう〕けずく。儲けるためのこと。
- メモ
- 音1:モーキジク。
モーキヂューサン
儲〔もう〕けが多い。よく稼〔かせ〕ぐようす。
モーキヤー
儲〔もう〕けの多い人。荒稼ぎをしている人。
- 用例
- アマヌ チョーデーヤ タイ モーキヤー ソーン(あそこの兄弟は2人荒稼ぎをしている)。
- メモ
- 対:モーキサンヌー。
水商売のことにもいう。
モーキラランヌー
儲〔もう〕けの少ない人。
- メモ
- 類:モーキサンヌー。対:モーキヤー。
モーキリクチ
儲ける術。
- 用例
- モーキリクチン マンリ、チャッサル モーキトーラー ワカラン(儲けるコツがあって、どれだけ儲けているのか分からない)。
モーキワジャ
儲け仕事。
- 用例
- モーキワジャディシガ チケー ネーラニ?(儲け仕事だというが大丈夫ねぇ?)。
モーキングヮ
婚外子。隠し子。私生児。
- 用例
- モーキングヮ ナティル ターニン ニランテーサヤー(隠し子だから誰にも似てなかったんだね)。
- メモ
- →アシビングヮ。
モークサ
藻。
- メモ
- 音1:モークサー。類:ムー・モー。
モークサー
藻。
- メモ
- 音1:モークサ。類:ムー・モー。
モークンドー
一悶着。
- 用例
- モークンドー シェーン(一悶着あった)。
モーサー
ぼさぼさ頭。髪の毛が乱れていること。
- メモ
- 類:モーイクヮンクヮン。
モージーラー
草むら。
- メモ
- →クサヌミー。
モージューサー
鳥名。イソヒヨドリ。
- メモ
- →イシジューサー。
オジー(祖父)たちがよく言っていた。虫を喰うためによくモー(原っぱ)にきていたからそういったのでしょう。コオロギが好物だった。
モートゥイ
①鳥名。ヒヨドリ。②鳥名。ツグミ。
- 用例
- ナーンカイ モートゥイガ トゥリチョーン(庭にヒヨドリが飛んできている)。
- メモ
- 類:スーサー・スーシ・スーシスーサー。
ヒヨドリは秋に南西方向に移動する群れが見られ、目の下後方は茶色で、興奮すると頭の羽毛を逆立てる。
モートゥイヤーマ
ツグミをとる仕掛け。
- メモ
- モートゥイ(鳥の一種、ツグミ)をとる仕掛け。地面に籠〔かご〕をひもの付いた棒で立てかけ、米粒をまき、鳥が籠の下に入るとひもを引き捕まえた。
モーモー
魚介名。宝貝。
- 用例
- ウミカラ モーモー トゥティ チャーマ クビカジャイ チュクイン(海から宝貝を取って来て首飾りを作る)。
- メモ
- 類:カタシビー。
モーモーウシグヮー
子牛。
- メモ
- 類:ウシングヮ。
モーヤー
踊る人。踊りが上手な人。
- 用例
- アマヌ チョーデーヤ ユーモーヤー ヤタン(あそこの姉妹は踊りが上手だった)。
モーヤーティーヤー
踊りまくる様。
- 用例
- モーヤーティーヤー、ウンナゲー ドゥーチュイシ モートール(踊りまくって、こんなに長いこと自分1人で踊っているね)。
- メモ
- 音1:モーヤーティーヤー。
モーヤキ
野焼き。
モーヤバーヤ
母屋柱。
- 用例
- マーガラカイ ゥンジ モーラン()。
- メモ
- →ムーヤバーヤ。柱を逆さに立てると家主は短命になるとの伝承がある。
モーラン
いない。
- 用例
- マヤーナティモーラン(猫になっていなくなった)。モーラン ナタン(いなくなった)。
モーラン ナイン
亡くなる。
- 用例
- ナガビヨーチ シンソーチ モーラン ナタン(長患いでお亡くなりになった)。過:モーラン ナタン(お亡くなりになった)。
- メモ
- →ケーマースン。
高齢者に対して使う。
モクネバル
{木根原}。喜名の小字。
モクマオー
植物名。モクマオウ。木麻黄。
モモグヮー
男児の髪形のひとつ。
- 用例
- チューヤ パーパーガ モモグヮー チュクティトゥラサヤー(今日はお婆さんがモモグヮーつくってあげようね)。
- メモ
- 旧2月彼岸の4日目に、ニングヮチヒンガンボージャーということで、3歳児の髪を切る儀式があった。男児は頭のてっぺん部分を3本の指で隠せるぐらいの四角い形に残し、周囲の髪の毛はきれいに刈り上げた。その形が桃に似ていることからモモグヮーといわれていた。
読込中...