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- しまくとぅば単語帳:マ
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マー
どこ。
- 用例
- マーカイル ゥンジャラー、カメーティン ヲゥランレー(何処に行ったのか、探してもいないよ)。
マーンケー アガ、ウヌ ハカー(どこにあるのか、その墓は)。
ヤー カイブサシガ、マーガラ イー トゥクロー ネーンガヤー(家を借りたいが、何処か良い処はないかね)。
イャーヤ ンチャルウビガ アシガ、マーヌガヤー(君は見覚えがあるが、どこのかね)。
マーアンダ
菜種油。植物油。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー ウヮーヌアンダガル ウーサル、マーアンダ ディシェー アンスカ ネーンタン(私が小さい頃までは豚の油が多かったんであって、植物油はそんなになかった)。
マーイ
まり。毬。
- 用例
- ソーグヮチネー、アバーガ マーイ コーティ トゥラスサ(正月には、姉さんがまりを買ってあげるさ)。
マーイ
①回り。周り。②~回。回数を数える数詞。
- 用例
- ヤーヌ マーイヌ クサ ハラレー(家の周りの草を取り払いなさい)。
- メモ
- チュマーイ(1回り)、タマーイ(2回り)、ミマーイ(3回り)と数える。
マーイウッチェー
毬つき遊び。
- 用例
- マーイウッチェーヤ フカヲゥティル スンドー(毬つきは外でやるんだよ)。
マーイサー
力石。真石。力比べ用の石。黒色の堅い石。
- 用例
- チャヌアタイヌ マーイサー ヤレー、ムッチー スガヤー(どのくらいの力石なら、持てるのかね)。
マーイサー ヤチ(固い石を焼いて)。
- メモ
- 音1:マーイシ。類:チチイシ・カタミイシ・サシイシ。
青年たちが夕食後に担ぎ勝負をした。
マーイシ
力石。真石。力比べ用の石。黒色の堅い石。
- メモ
- 音2:マーイサー・チチイシ・カタミイシ・サシイシ。
マーイナギエー
まり投げ。
- 用例
- アブナサグトゥ マーイナギエーヤ フカヲゥティ ッシクヮー(危ないから、まり投げは外でやってきなさい)。
マーイニー
料理名。豚の腸に米を入れて炊いたもの。
- メモ
- 前夜から水につけておいた糯米を豚の腸に入れて炊いた。あまりたくさん入れるとはち切れるので、トーカチで加減しながら餅米、水と塩を入れて炊く。
マーイン
回る。
- 用例
- ワンネー ヒジャインカイ マーイン(私は左に回る)。
否:マーラン(回らない)希:マーイブサン(回りたい)過:マータン(回った)継:マートーン(回っている)。
- メモ
- 類:ミグイシ。
マーウ
猫〔ネコ〕。
- メモ
- 幼児語。餌をやるときなどにマーウ マーウと呼んだ。
マーウー
幼児語。猫。
- 用例
- マーウー サーイネー カチャマリンドー(猫を触ると引っかかれるよ)。
マーオーハー
植物名。ハルノノゲシ。
- メモ
- 音1:マーオーファー。類:フクリラー。
マーオーファー
植物名。ハルノノゲシ。
- メモ
- →マーオーハー。
マーギン
黍〔キビ〕。
- 用例
- マチヤヲゥティ マーギン コーティ クーワ(店で黍を買って来なさい)。
- メモ
- 音1:マージン。
黄色く色づいた頃に収穫した黍穂を、足で踏んでもみ落として脱穀した。米に混ぜて黍飯にしたり、黍餅を作って食べた。
マーギンウケーメー
黍のお粥。
- 用例
- ハルシクチガ イチュナハイネー、アシーヤ マーギンウケーメー カムル バーン アタン(畑仕事が忙しい時には、3時のおやつは黍のお粥を食べることもあった)。
マーギンゥンバン
黍ご飯。
- 用例
- クミヌ イキラハイネー、マーギンゥンバン ニータン(米が少ない時には、黍御飯を炊いていた)。
- メモ
- 祝い事にも米が少ない時はマーギンゥンバンを炊いた。
マーグ
嫁入り道具のひとつ。女性の下着入れ。
- 用例
- ヰナゴー ヤータッチイチーネー、マーグン ムッチ イチュタン(女は嫁に行く時には、下着入れも持って行った)。
マーグーヒーグー
しわくちゃ。
- 用例
- アンスカ、マーグーヒーグー シ トゥラチェーサヤー(そこまで、しわくちゃにしてくれたな)。
- メモ
- 類:マージュー・ワージャー・ワージュー・ワージューマージュー。
マーサカジャ
美味しそうな匂い。
- 用例
- マーサカジャ スシガ、ヌー ニチョーガ?(美味しそうな匂いがするが、何を炊いているのか?)。
マーサマーサ
美味しそうに。
- 用例
- ムノー、チャー マーサマーサ スガラットーン(食事は、いつも美味しそうに準備されている)。
マーサムン
美味しいもの。うまいもの。
- 用例
- マーサムンビカーン カミーネー、アトゥシンカヌ ムノー ネーンル ナイサイ(美味しいものばかり食べると、後から来る人の分はなくなるでしょう)。
- メモ
- 対:ニージャムン(不味い物)。
マーサムンジョーグー
美味しいのだけ食べる人。美味いもの上戸(好き)。
- 用例
- マーサムンジョーグー ナテー ナランドー(美味いもの上戸になってはいけないよ)。
マーサン
美味しい。おいしい。
- 用例
- チャー ヲゥガリティル ヲゥグトゥ、ヌー ヤティン マーサタン(いつもお腹を空かせているんだから、何でも美味しかった)。
アヌ ゥンモー アンシ マーサタルヤー(あの芋はとても美味しかったね)。
- メモ
- 音1:マーハン。対:ニーサン(不味い)。
マージェー
昆虫名。バッタ。
- 用例
- ワランチャーガ、マージェートゥバシェー シ アシドーン(子どもたちが、バッタを跳ばせて遊んでいる)。
マーシガター
亡くなりそうなこと。
- 用例
- インガ ムヌン カマン ナティ、マーシガター ナトーン(犬が餌を食べなくなって、死にそうになっている)。
マーシミジ
死に水。湯灌に使用する水。
- メモ
- 類:シニミジ。
マージム
真心。
- 用例
- イクチ ナティン、チョー マージムル テーヒチ ヤル(幾つになっても、人間は真心が大切だ)。
- メモ
- 音1:マジム。対:ヤナジム(悪い心)。
マージュー
しわ。しわくちゃ。しわだらけ。
- 用例
- アンスカ マージュー ナチ(あんなにしわだらけにして)。
- メモ
- 類:マーグヒーグ・ワージャー・ワージュー・ワージューマージュー。
マージン
黍〔キビ〕。
- 用例
- マージンヌ ユカティ、ウホーク トゥイネー ムルカイ ワキーサ(黍も豊作で、たくさん収穫したら皆に分けるさ)。
- メモ
- 類:マーギン。
マージンガーミ
黍甕。収穫した黍を保存する甕。
マース
塩。
- 用例
- ウミカラ ウス クリ ッチ、マース チュクイン(海から潮水を汲んで来て、塩を焚く)。
マース フチョン(塩が吹いている。汗が乾いて塩分が白く残っている)。
マースウブシー
塩味のウブシー料理。
- 用例
- イユ マースニー シ カムン(魚を塩煮にして食べる)。
マースウヤー
塩売り。
- 用例
- マースウヤーヤ アーシカラ チュータン(塩売りは泡瀬から来ていた)。
マースクェー
アオカナヘビ。
- メモ
- アヤヤジュートゥイグヮー・カキヌミパーパーグヮー参照。
マースクェー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マースダーラ
塩俵。
- 用例
- マースダーラヌ ウヮービンカイ ウカットーン(塩俵が上に置かれている)。
マースヂキ
塩漬け。
- 用例
- シシェー マースヂキ シ ウッチュサ(肉は塩漬けしておくさ)。
マースデー
塩代。出産祝いにあげる御祝儀。
- 用例
- スージカイ イチュシガ、マースデーヤ シコーテーミ(お祝いに行くが、マースデーは準備してあるねぇ)。
マースデーグヮー ヰーラセー(出産のお祝いをあげなさい)。
- メモ
- 以前はお金をあげることができずに、縁起の良い塩を芭蕉の葉等に包んであげたことから「マースデー(塩代)」といわれている。
マースミジ
塩水。
- 用例
- ムンヌキムントゥシ、マースミジ ヤシチヌ マンマールカイ ハンチュン(魔除けとして、塩水を屋敷の周囲に撒く)。
マースヤー
製塩業。塩屋。
- 用例
- マース チュクトーテーグトゥ ヤーンナーヤ マースヤーディ イータン(塩を作っていたから、屋号はマースヤーといっていた)。
マースユー
塩湯。にがり。
- 用例
- マースユーシ、トーフォー シーマスタン(塩汁で、豆腐は固めさせた)。
- メモ
- 海の遠い親志ではマースユーと呼ばれるにがりを使って豆腐を作った。
マースン
回す。
- 用例
- サーターグルマ ウシンカイ ヒカチ マースン(砂糖車を牛に引かせて回す)。
否:マーサン(回さない)希:マーシーブサン(回したい)過:マーチャン(回した)継:マーチョーン(回している)。
マースン
死ぬ。亡くなる。
- 用例
- イチュクガ マーヒチャイ ヒチ(いとこが亡くなったりして)。イャーヤ ウンナ ワジャ シ、マースンディチル ヤリー?(お前はそんなことをして、死ぬつもりか)。
チュー アサ ヘーク、タンメーヤ マーヒチャン(今朝早く、おじいさんは亡くなった)。
否:マーサン(死なない)希:マーシーブサン(死にたい)過:マーチャン・マーヒチョーン(死んだ)継:マーソーン・マーヒチョーン(死んでいる)。
- メモ
- →ケーマースン。
マーソーガー
しょうが。生姜。
- 用例
- マーソーガー イリージューサヌ、カマラン ナトーン(しょうがを入れすぎて、食べられなくなっている)。
マーター
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マーターガーター
肩車。
- メモ
- 音1:マータガータ。→ウマドードー。
マータガーター
肩車。
- メモ
- 音1:マータガータ。→ウマドードー。
マータク
竹の一種。真竹。タイサンチク。孟宗竹。
- 用例
- ヤマカイ イチーネー、チャッサ ヤティン マータクヌ ミートータン(山に行けば、いくらでも孟宗竹が生えていた)。
- メモ
- 高さ10メートル近くにもなり、竹の子は食用、幹は竿・建築用材などにする。
マータク
は虫類。キノボリトカゲ。茶色のキノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マータクヤー
は虫類。キノボリトカゲ。
- 用例
- ワンネー マータクヤーヤ サーイ サンタン(私はキノボリトカゲは触れなかった)。
- メモ
- →アータ。
マータクヤーオーラセー
キノボリトカゲの喧嘩。
- 用例
- マータク トゥッカチミティッチ マータクヤーオーラセー スタン(キノボリトカゲを捕まえてきて、喧嘩をさせた)。
マータクラー
は虫類。キノボリトカゲ。
- メモ
- →アータ。
マーチ
松〔マツ〕。
- 用例
- マーチ トゥティ ッチ タムン スン(松を取って来て薪にする)。
マーチカスー
松ぼっくり。
- 用例
- クシヌ ヤマンカイ マーチカスー トゥイガル ンジャンレー(後の山に、松ぼっくりを取りに行ったんだよ)。
マーチガマーバル
{松蒲原}。古堅の小字。
マーチバー
松の葉。松葉。
- 用例
- マーチバー ホーチュシェー、ワランチャー シクチ ヤタン(松の葉を掃くのは、子どもの仕事だった)。
マーチブニ
松船。松材の刳船。
- 用例
- マーチブニ シ ニムチ ハクブン(松船で荷物を運ぶ)。
- メモ
- 漁業で用いるサバニのひとつ。運搬用としても使っていた。
マーチムム
植物名。ヤマモモ。
- メモ
- 音2:ムム・マーチムム。
マーチュー
松林。
- メモ
- 音1:マーチョ。
マーチュー
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音1:マチュー。類:マチ・マチャー。
マーチユカ
松材の床。
マーチョー
松林。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー、マーチョーヤ イー アシビドゥクル ヤタン(私たちが幼い頃は、松林は良い遊び場だった)。
- メモ
- 音1:マーチュー。
マーチンニーバル
{松根原}。座喜味の小字。
マーニ
クロツグ。
- 用例
- マーニシ チュクタル チナヤ、ヨーイネー クタンドー(クロツグで作った縄は、容易には腐れないよ)。
マーニンクィーニン
どこもかもに。あっちにもこっちにも。
- 用例
- グミヤ マーニンクィーニン ヒティランキヨー(ゴミはあちこちに捨てるなよ)。
- メモ
- →アマニンクマニン。
マーハン
美味しい。
- 用例
- トーフチャンプルーヤ イッペー マーハン(豆腐チャンプルーはとても美味しい)。
- メモ
- 音1:マーサン。対:ニーサン(不味い)。
マーヒラキー
尻をつけて座り込むこと。
- 用例
- マーヒラキー シ チベー ドゥルブッター ソーン(尻をつけて座り込んだら、尻は泥だらけになっている)。
- メモ
- 音2:マンビラカー。
マーマー
何処何処。
- 用例
- マーマー イチュガ(どこどこに行くか)。マーマーンカイ ウッチュガ(どこどこに置くの)。
マーマートゥ
まんまと。見事に。
- 用例
- ドゥシンカイ マーマートゥ サッティネーン(友達にまんまとやられてしまった)。
マーマカスン
きちんと取っておく。確保しておく。
- 用例
- チカイ ウワイネー、リッパ マーマカシヨー(使い終わったら、ちゃんと取っておきなさいよ)。
否:マーマカサン(取っておかない)希:マーマカシーブサン(取っておきたい)過:マーマカチャン(取っておいた)継:マーマカチョーン(取っておいてある)。
マーマチ
魚介名。オオヒメ。クロマツ。
- 用例
- マーマチ ヤティカラ、ジコーヌ マーサ イユ ヤサ(オオヒメだったら、とても美味しい魚だよ)。
マーマリン
何処までも。
- 用例
- ウヌ ワラビヤ、マーマリン ウーティ チューンドー(その子どもは、何処までも追って来るよ)。
マーマングラ
どの辺り。
- 用例
- アッピーヤ マーマングラ ゥンジョーガヤー(兄さんはどの辺りまで行っているのかな)。
- メモ
- 音2:マーリカー。
マーミ
豆。
- 用例
- バーキヌミー マーミ トゥッティ ッチ、カー ハジュンディ デージ ヤサ(ザルのいっぱい豆を取って来て、皮を剥くのに大変だ)。
マーミーサートゥー
昆虫名。カマキリ。
- メモ
- 音1:マーミサートゥー。音2:マーミヌハートゥー・マーミナサートゥー・マーミナトゥー。→イサトゥー。
マーミガーミ
豆甕。収穫した豆を保存する甕。
- 用例
- クチャカラ マーミガーミ ゥンジャシェー(裏座から豆甕を出しなさい)。
マーミグー
豆粉。
マーミグサーグヮー
植物名。カラスノエンドウ。
- 用例
- マーミグサーグヮーヌ ハナヤ、チュラムンヤン(カラスノエンドウの花は、きれいなもんだよ)。
マーミグヮーギー
植物名。ギンネム。
- 用例
- マーミグヮーギーヤ ワラビヌ アシビンカイ ユー チカイタン(ギンネムは子どもの遊びによく使った)。
マーミサートゥー
昆虫名。カマキリ。
- 用例
- キーンカイ マーミサートゥーヌ シガトーン(木にかまきりが止まっている)。
- メモ
- 音1:マーミーサートゥー。→イサトゥー。
マーミタタチャー
民具のひとつ。豆を叩く棒。
- メモ
- 類:クルマボー。
マーミタッチドゥフン
豆の叩きどころ。
マーミナー
もやし。
- 用例
- マーミナーヤ ヤーヲゥティン チュクラリンドー(もやしは家でも栽培できるよ)。
マーミナクー
きな粉。
マーミナサートゥー
昆虫名。カマキリ。
- メモ
- →イサトゥー。
マーミナトゥー
昆虫名。カマキリ。
- メモ
- →イサトゥー。
マーミヌカー
豆の皮。
- 用例
- マーミヌカーヤ メーヌ アタインカイ ホートーケー(豆の皮は前の畑に撒きなさい)。
マーミヌハートゥー
昆虫名。カマキリ。
- 用例
- キーンカイ マーミヌハートゥーヌ シガトーン(木にかまきりが止まっている)。
- メモ
- →イサトゥー。カマキリにイボを食べさせると治るといわれた。
マーミヌハートゥーオーラセー
カマキリの喧嘩。
- 用例
- マーミヌハートゥー ターチ トゥティッチ、マーミヌハートゥーオーラシェー スタンヤー(カマキリを2匹取って来て、マーミヌハートゥーオーラシェーしたね)。
マームスビ
真結び。玉結び。
- 用例
- アンスカナー マームスビ シェーグトゥハンリグリサン(そんなにきつく玉結びにしてあるから、外しにくい)。
マームティー
どこら辺。
- 用例
- マームティーンカイガ ウチェーラー カメーイサンレー(どこら辺に置いてあるのか探せないよ)。
マーヤークィーヤー
何処もかしこも。
- 用例
- マーヤークィーヤー ゥンジリワル、シキヌン ワカインドー(何処もかも行ってみて、世の中のことが分かるんだよ)。
マーユーイ
髪の結い方の一種。丸結い。成人前の男子の髪型。
- 用例
- ワカムンヤ、マーユーイビカーン シン チュラサル アル(若者は、髪を丸く結っただけでもきれいだよ)。
マーラン
馬艦。馬艦船。
- 用例
- マーランヌ ミー(馬艦船にいっぱい)。
- メモ
- マーランセン(馬艦船)。国頭から木材や薪を運搬していた。
マーリカー
どの辺り。
- 用例
- マーリカー ゥンジョーガヤー、ウーティ ゥンジンディ(どの辺りまで行っているか、追って行ってごらん)。
- メモ
- →
マール
前(に)。~ならないうち(に)。~する前(に)。
- 用例
- ティーダヌ ウティラン マール(太陽が落ちないうちに)。
カミーウワラン マール、ウビジ ヒンギティ ハイタン(食べ終わらないうちに、すぐに逃げて行った)。
- メモ
- 音1:マル。
マール(~マール)
回数を表す数詞。
- 用例
- ①ミジクミーガー、タマールヤ イキワル ナインテー(水汲みには、2回は行かなくちゃいけないよ)。
- メモ
- チュマール(1回)、タマール(2回)、ミマール(3回)と数える。
マールー
丸。円形。
- 用例
- マールー ウブヌンカイ イッティ ムッチ クーワ(丸いお盆に入れて持って来なさい)。
マールー
輪番。輪番制。持ち回り。
- 用例
- マールーシ スシェー マシドー(持ち回りでやったほうがいいよ)。
マールーヰー
円座。車座。
- 用例
- マールーヰー シ ハナシー ソーン(円座になって話をしている)。
マーワタ
真綿。
マーンクイ
どこでも。どこもかしこも。
- 用例
- マーンクイ アッチ(どこもかも歩いて)。
マーンクィン
どこもかしこも。そこら中。
- 用例
- マーンクィン クーイミチティ 、チサー ネーンナー(何処もかも閉め切って、暑くないねえ)。
マイコーマイコー
ひらひらと舞う様。
- 用例
- マイコーマイコー シ(蝶のようにひらひら舞って)。
マイホーイン
所構わず放りちらかす。(糞を)撒き散らかす。
マイン
(糞を)する。
- 用例
- クス マイン(糞をする)。クス マテーン(糞してある)。クス マティ(糞をして)。
マガ
マカイ
椀。お椀。碗。碗数を数える数詞。
- メモ
- 音1:マッカイ。数詞(~マカイ)はチュマカイ(2碗)タマカイ(2碗)、ミマカイ(3碗)と数える。
マガイ
関節。
- メモ
- →グーイ。
マガイ
曲がっていること。曲がっているところ。
- 用例
- イヒヌ マガイヤ、ヌバチ チカーリーサ(少しだけ曲がっているなら、伸ばして使えるよ)。
マカイアラヤーウーキグヮー
お椀を洗う桶。大きめの桶。
マカイダナ
食器棚。
- 用例
- アライ ウワタラー マカイダナカイ カタヂキレーワ(洗い終わったら、食器棚に片づけなさい)。
マガイヒガイ
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- ウヌ ボーヤ、マガイヒガイシ チカーランサ(その棒は、曲がりくねっていて使えないよ)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マガイン
曲がる。
- 用例
- ナー イフィ イチーネー ニジリンカイ マガイン(もう少し行くと右に曲がる)。
否:マガラン(曲がらない)希:マガイブサン(曲がりたい)過:マガタン(曲がった)継:マガトーン(曲がっている)。
マカターマージェー
トノサマバッタ。
- 用例
- マカターマージェーヤ ゥンブラーサタン(トノサマバッタは威厳があった)。
マカチ(~マカチ)
~と。
- 用例
- バンマカチ トーリタン(バンと倒れた)。
- メモ
- 擬声語・擬態語につき、~という音を立てるという意味。
マカネー
賄い。
- 用例
- チューヌ シェーク マカネーヤ イクタイブンガ?(今日の大工賄いは何人分ねぇ?)。
マカネーヤー
食堂。
- 用例
- マカネーヤーヌ ネーサントゥ、イーナカ ナトーンディサ(食堂の姉さんと、良い仲になっているらしいよ)。
マガハン
大きい。
マカヤ
植物名。チガヤ。
- 用例
- ドゥシンチャートゥ マジョーン マカヤ カイガ イチュン(友達と一緒にチガヤを刈りに行く)。
- メモ
- 音1:マカヤー・マッカヤー。
家畜の飼料や鍋蓋の材料として使われた。
マカヤー
植物名。チガヤ。
- 用例
- カマンタ チュクイシ、マカヤードーヤ(大鍋の蓋を作るのは、チガヤだよね)。
- メモ
- 音1:マカヤ・マッカヤー。
マガヤーマガヤー
くねくね。あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- ルク マガヤーマガヤー ッシ、ノーサリン ナランサ(あまりいも曲がりすぎて、直すこともできないさ)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マガラ
間柄。
- 用例
- イェーカン マンディ、ジャヌフージナ マガラル ヤラー ワカランサ(親戚も多く、どういった間柄なのか分からないさ)。
マカラー
賢い人。
- 用例
- サンナン マカラー(三男は賢い)。
マガルーヒガルー
あちこち曲がりくねっている様。
- 用例
- イャームノー アンシ マガルーヒガルー ソール(お前のはとても曲がりくねっているね)。
- メモ
- →アママガイクママガイ。
マキ
面。回りを強化するための面。
マギ
容器のひとつ。木製の深みのある大きな丸い容器。
- 用例
- スージネー マギカイ クヮッチー ムイタン(祝いにはマギに御馳走を盛った)。
マギアケージュー
トンボの一種。ヤンマ。
- メモ
- →ミンタマー。
マギアビー
大声。
- 用例
- マギアビー シーネー、ニントール ワラビガ ウキーシガ(大声を出すと、寝ている子が起きるよ)。
- メモ
- 類:ウフアビー。
マギー
①大きいもの。②位の高い者。
- 用例
- ①ヌーヤティン マギーカラ トゥティ クーワ(何でも大きいのから取ってきなさい)。
- メモ
- 対:グナー・グマー(小さい)類:マガハン・マギサン・マギハン。
マギイービ
親指。
- メモ
- 類:ウフユビ・ウフイービ・ウヤイビ。
マキイクサ
負け戦。
- 用例
- ハジミカラ ワカトール マキイクサヤ、サンシェー マシヤタン(最初から分かっている負け戦は、しない方が良かった)。
- メモ
- 対:カチイクサ(勝ち戦)。
マキーン
負ける。
- 用例
- クンドゥヌ ヤマゥンムヤ ディキラン、ヤマゥンムスーブヤ マキーンレー(今年の山芋は不出来で、山芋勝負は負けるね)。
否:マキラン(負けない)希:マキーブサン(負けたい)過:マキタン(負けた)継:マキトーン(負けている)。
- メモ
- 対:カッチュン(勝つ)。
マギーン
曲げる。
- 用例
- クルマンカイ イラングトゥ、ターチンカイ マギーン(車に入らないから、2つに曲げる)。
否:マギラン(曲げない)希:マギーブサン(曲げたい)過:マギタン(曲げた)継:マギトーン(曲げている)。
- メモ
- 対:ヌバスン(伸ばす)。
マギサン
大きい。
- 用例
- ワッター ワラビヌル フロー マギサンデー(私の子の方が背は高いよ)。
- メモ
- 類:マギハン。対:グナサン・グナハン(小さい)。
マギスージ
{おおしゅうぎ(大祝儀)}。大きな祝い。
- 用例
- マギスージン シーアーチ ウミナーク ナタン(大きなお祝いもやり終えてほっとした)。
- メモ
- →ウースージ。
マギッチュ
大柄な人。大きな人。
- 用例
- イャー シージャヤ、アンシ マギッチュ ヤテール(君の兄さんは、とても大きな人だったんだね)。
マキバカ
巻き墓。
- 用例
- マキバカヤ、フィンチャーバカンカイ ヤーヌイー マキ カキテータン(巻き墓は、掘り込み墓の屋根にマキをかけてあった)。
マギハン
大きい。
- 用例
- イャームンヤカ ワームノー ジョーイ マギハンテー(君のものより私のがずっと大きいよ)。
- メモ
- 類:マギサン。対:グナサン・グナハン(小さい)。
マキホーイン
撒き散らす。
- 用例
- ナーンカイ グミヌ マキホーラットーン(庭にゴミが巻き散らかされている)。
- メモ
- 音1:マチホーイン。
マギマギートゥ
大きく。
- 用例
- ヤー チュクイラー マギマギートゥ チュクレー(家を造るなら大きく造りなさい)。
マギマギートゥ スージ スン(大きくお祝いする)。
- メモ
- 音1:マギマギトゥ。
マギマギトゥ
大きく。
- メモ
- 音1:マギマギートゥ。
マギユージュ
大事に至る用事。
- 用例
- ヌーン チネー サンタシガ、マギユージュ ナティネーン(何も気にしてなかったが、大事に至ってしまった)。
- メモ
- 対:グマユージュ(ちょっとした事)。
マク
幕。
- 用例
- マク アキーシェー、ナマー マッチョーキヨー(幕を開けるのは、今は待っていてよ)。
マク
腕白。乱暴者。
- 用例
- アマヌ ワランチャーヤ、ムル マク ナティ(あそこの子どもたちは、みんな腕白ばかりだ)。
- メモ
- →アカマク。
マクアタイ
幕引き係。
マグイ
しわ。皺。
- 用例
- トゥシ トゥイネー チラヌ マグイヤ シカター ネーンサ(年を取ると顔のしわは仕方がないさ)。チラヌ マグイヨ(顔のしわよ)。
マクトゥ
誠。
- 用例
- チュニンジノー チャー マクトゥ ソーケー、アトー イー クトゥン アサ(人間はいつも誠であれば、後は良い事もあるさ)。
マクトゥナムン
誠な者。正直者。誠実な人。
- 用例
- ルク マクトゥナムン ナティ、ティーチン ユダノー サン(あまりにも正直者で、ちっとも気をゆるすことはない)。
- メモ
- 音1:マクトゥンチュ。
マクトゥンチュ
誠な人。正直者。誠実な人。
マクブ
魚介名。ベラ科。鯛に類する上等な魚。
- 用例
- マギスージ ヤティン、マクブヤ コーイ サンタン(大きな祝いでも、マクブは買えなかった)。
マグラー
分からず屋。
- メモ
- 音1:マグリムン。
マグリーン
紙、布、皮膚などがしわになる。
- 用例
- チンヌ マグリティ(着物がしわになって)。
マグリムン
義理や道理が分からない者。分からず屋。
- 用例
- アレー マグリムン ヤグトゥ、ナー ジノー カラサン(あいつは義理や道理が分からない者だから、もう金を貸さない)。
- メモ
- 音2:マグラー。
マクン
巻く。
- 用例
- チブルンカイ ティ-サージ マクン(頭に手拭いを巻く)。
- メモ
- 音1:マチュン。
マサイン
勝る。優る。
- 用例
- チュヌ バイ ハタラケーカラー、ウッサヌ ブノー シクチン マサイン(人の倍働いたら、その分は技術も優る)。
マサカイ
真っ盛り。
- 用例
- チチヌマサカイ ソーニ(満月のときに)。
- メモ
- 類:サラバンジ・バンジ。
マサグトゥ
案の定。
- 用例
- ンチャ、マサグトゥ ハナ フィッチャンディ(ほら、案の定くしゃみをしたそうだ)。
マササン
崇高な。崇高である。霊力高い。霊験あらたかである。
- 用例
- ウティントーヤ マササ ミシェーンドー(お天道は崇高なお方だよ)。
マササ アミシェーン(霊験あらたかであられる)。アササ アミソーチ(高)。
マササン
霊験あらたかな。崇高な。神様の見守る力や願いを叶えてくれる力などが強い。
- 用例
- ウティントーヤ マササミシェーンドー(お天道は崇高なお方だよ)。
マシ
好き。良い。まし。
- 用例
- マシ ヤラー ドゥークルル イールヨー、チュ タルガキテー ナラン(好きなら自分で言うんであって、人を当てにしていたら駄目だよ)。
ワンネー ヒージャージル、ヒージャーカジャ スシガ マシ ヤサ(私は山羊汁は、山羊の臭いがする方がいい)。マシ ヤンドー(良いよ・好きだよ)。
マジ
まず。
- 用例
- クトゥワラッティン シムグトゥ マジ タヌリンディ(断られてもいいから、まず頼んでごらん)。
ナティン ナランティン マジェー シンダナ(出来ても出来なくても、まずはやってみよう)。
マシシ
赤肉。脂身のない肉の部位。
- 用例
- ウヮーヌ シシヤ マシシビカーンヤカ、イフェー アンラジシン マンチョーシェー マシ(豚肉は赤肉だけより、少しは脂身のある肉も混ざっていた方が良い)。
マシドゥイ
枡取り。
- メモ
- 上納の穀物の量に不正がないように各字に役職があった。喜名ではグーフンニーに、そのマシドゥイを務めた人が祀られているという。正月三日に区民揃って「子孫繁盛、ィエーキ繁盛、健康繁盛させてください」という祈願をした。
マジナクトゥ
本当のこと。
- 用例
- チヌーヌ ハナシヤ マジナクトゥ ヤル フージデー(昨日の話は本当のことらしいよ)。
- メモ
- →ソークトゥ。
マジム
真心。
- 用例
- ワンネー チャー、マジムカラ イャークトゥ ウムトーンドー(私はいつも、真心からお前の事を想っているよ)。
- メモ
- 音:マージム。対:ヤナジム(悪い心)。
マジムン
魔物。もののけ。霊的なもの。
- 用例
- マジムンヌ ゥンジーンドー スグトゥ、ユックランマール ヘーク ケーラナ(魔物が出るというから、夜が暮れないうちに早く帰ろう)。
マジムンヌ タッチュンドー(魔物が立つ〔現れる〕よ)。
マジュン
一緒に。
- 用例
- スリーカイ ヤラー マジュン イチュシェー マシ(集まりになら一緒に行く方が良い)。
- メモ
- 音1:マジョーン・マジョーイ。
マジョーイ
一緒に。
- メモ
- 音1:マジュン・マジョーン。
マジョーン
一緒に。
- 用例
- ワンニン マジョーン イチュグトゥ、シコーイル エーダヤ マッチョーケー(私も一緒に行くから、準備するまで待っていて)。
ワンニン マジョーン イチュサ(私も一緒に行くさ)。
- メモ
- 音1:マジュン・マジョーイ。
マジョーンシンカ
一緒に何かをするグループ。
マジリ
間切。琉球王国時代の行政区分。
- メモ
- おおよそ現在の市町村域に相当する。
マジリムン
何か足りない時に補う物。
- 用例
- ヌーガラ イキラサンネー シ、アトゥ ティーチェー マジリムン イリレーワ(何か物足りないような気がして、あとひとつは何か補う物を入れなさい)。
マジワイ
交わり。交際。
- 用例
- ドゥシンチャー マジワイヤ、ジフィ シワル ナイル(友達との交際は、是非やらなくちゃいけない)。
- メモ
- 類:トゥイヒレー。
マジン
積み。ひと山。積み上げた物の数詞。
- 用例
- ウヌ イニヤ チュ マジンシ チャッサー アガヤー?(その稲は、ひと山でどのくらいあるかな?)。
- メモ
- 数詞(~マジン)はチュマシン(ひとやま)、タマジン(ふたやま)と数える。
マタ
股。ふたつにわかれているところ。
- 用例
- マタカイ ヌーガラ クヮーチョーシガ ヌー ヤガヤー(股に何か挟んでいるが何かな)。
- メモ
- 音2:マタバシ。
マタイチク
またいとこ。
- 用例
- アリトー マタイチクル ヤシガ、チョーデーヌグトゥ ヒラトーン(彼とはまた従兄弟なんだが、兄弟みたいに付き合っている)。
- メモ
- 音1:マタイチュク。
マタイチュク
またいとこ。
- メモ
- 音1:マタイチク。
マタガーバル
{又川原}。波平の小字。
マタガニー
がに股。
- メモ
- →ハッチャー。
マタグルシ
二度と起き上がれないほど懲らしめられる。
- 用例
- マタグルシ サリーン(叩きのめされ、二度と起き上がれないようにされる)。
- メモ
- 音2:マタジニ。
マタサン
まともな。上等な。
- 用例
- イクサユーネー、マタサル チン チチョーシェー チュイン ヲゥランタン(戦世には、まともな着物を着ているのは1人もいなかった)。
マタジニ
二度死ぬこと。叩きのめされ、二度と起き上がれないこと。
- 用例
- マタジニ サッティ(叩きのめされて)。
- メモ
- 音2:マタグルシ。
マタトゥ
二度と。
- 用例
- ヤナクトー マタトゥ サンキヨー(悪いことは二度とするなよ)。
マタバシ
股ぐら。股。
- 用例
- マタバシンカイ、ニーブターガ ゥンジティ フックトーン(股ぐらに、おできが出来て腫れている)。
- メモ
- 音2:マタ。
マタバシゴーヤク
内股膏薬〔うちまたこうやく〕。
- メモ
- 内股に貼った膏薬のように、あっちについたりこっちについたりして、せっそうのない人。
マタンカー
真向い。真正面。
- 用例
- マタンカーンカイ ヰッチョーシガ、ワッター ハーメー ヤサ(真正面に座っているのが、私のお婆さんだよ)。
- メモ
- 類:タンカー。
マタゥンマガ
ひ孫。曾孫。
- 用例
- クリヲゥティ マタゥンマガヤ イクタイ ナトーガ?(これで曾孫は何人ねぇ?)。
マチ
してやられた。欺く。騙す。
- 用例
- マチウタッタサヤー(してやられたなあ)。マチウタットータン(してやられていた)。マチウタッタルムン(してやられてたな)。
マチ
- 用例
- チュ マチウッチ(人を欺いて)。
マチ
市。
マチ
旋毛〔つむじ〕。
- 用例
- マチカイ ニーブターガ ゥンジトーン(つむじにおできができている)。
マチ ウッチュン
してやる。相手を仰向けにたたきつける。また、転じて相手を騙す。してやる。遣ってやる。思い通りにうまく片付ける。
- 用例
- チャー サットータルムン、チューネー マチ ウッチャンドー(いつもやられていたのに、今日こそはしてやったぞ)。
チュラーサ マチ ウタッタン(完全に騙された)。過:マチウッチャン(してやった)。
マチウキーン
待ち受ける。
- 用例
- ハナシヌ アグトゥ、シグトゥカラ ケーイニ チカク ヲゥティ マチウキーン(話があるから、仕事から帰る時に近くで待ち受ける)。
否:マチウキラン(待ち受けない)希:マチウキーブサン(待ち受けたい)過:マチウキタン(待ち受けた)継:マチウキトーン(待ち受けている)。
マチカーバル
{松川原}。喜名の小字。
マチガイン
間違える。
- 用例
- クラサヌ ムヌン ミーラン、ミチ マチガタン(暗くてものも見えずに、道を間違えた)。
否:マチガラン(間違えない)希:マチガイブサン(間違えたい)過:マチガタン(間違えた)継:マチガトーン(間違えている)。
- メモ
- →バッペーイン。
マチガタ
町。
- 用例
- コーイムン スラー マチガター マシ ヤサ(買い物するなら町の方が良いよ)。
マチカンティー
待ちかねること。
- 用例
- イャーガ ケーティ チューシ、チャッサ マチカンティー ソータグトゥ(あなたが帰ってくるのを、どんなに待ちかねていたことか)。
クヮーシヌ ハイキュー マチカンティー(お菓子の配給を待ちかねる)。
マチギ
まつ毛。まつげ。
- 用例
- マチギヌ ミーンカイ イッチ カシマサン(まつ毛が目に入って違和感がある)。
ケラマー ミーシガ、マチゲー ミーラン(慶良間島は見えるが、まつ毛はみえない。灯台もと暗し)。
- メモ
- 音1:マチゲ。
この場合のカシマサンは違和感があるという意味で使われる。
マチゲ
まつ毛。まつげ。
- 用例
- ターンカイガ ニチャラー マチゲヌ ナガサヨー(誰に似たのかまつ毛の長いこと)。
- メモ
- 音1:マチギ。
マチゲーイン
間違える。
- 用例
- マチゲーラングトゥ シ、ユー タシカミーガーチー シーヨー(間違えないように、良く確かめながらしなさいよ)。
- メモ
- 類:バッペー。
マチサージ
薄めのタオル。
- 用例
- チブルカイ マチサージ マチュン(頭に薄いタオルを巻く)。
- メモ
- 対:ブクトーサージ(厚めのタオル)。
マチジ
長浜の地名。
- メモ
- マテージミチを歩いてきたら、マチジという休憩所で荷を下ろし休憩し、ムラを眺めた。ここは馬車は通れないくらい細い道。
マチジ
真頂。頭上。真上。
- 用例
- マチジヤ ウッタンキヨー(頭のてっぺんは打つなよ)。
マチヂカサ
高志保の古い呼称。
- メモ
- 高志保は、マチヂカサ→ウチドゥマイ→タカムチ→タカシップと名称が変遷したとの伝承もある。
マチバーキ
小さなザル。
- 用例
- マチバーキカイ ゥンム イッティ ゥンジャスン(小さなザルに芋を入れて出す)。
マチバル
{牧原}。牧原の小字。地名(読谷村牧原)。
マチバル ミーゥンマ
字民性。牧原雌馬。牧原の人の字民性を現す言葉。
- メモ
- 牧原の人は雌馬のようにおとなしい。
マチバルハンクー
植物名。ノボタン。野牡丹。
- メモ
- 類:ヌブタン・ハンケークー。
実は完熟するとおいしかった。男子の鬼頭に似て、実の皮が剥〔は〕げ中身があらわれることからそう呼ばれたのだろう。
マチバルンチュ
牧原の人。
マチブイカーブイ
巻き付き絡みつく様。うるさくつきまとう様。
- 用例
- クサヌ マチブイカーブイ シ(草が絡まって)。
ワラビヌ マチブイカーブイ シ、ティーチン シクチェー メーネー アガカン(子どもがつきまとうから、ちっとも仕事が捗らない)。
マチブイン
絡まる。絡み付く。巻き付く。
- 用例
- ワラビガ ティーガンマリ シ、イーチューガ マチブトーン(子どもが悪戯をして、糸が絡まっている)。
マチブトークトゥ(まとわりついているので)。
否:マチブラン(絡まらない)過:マチブタン(絡まった)継:マチブトーン(絡まっている)。
マチボー
巻き棒。棒術の一種。
- メモ
- 薙刀と槍が先頭に立って、そこを中心にして巻いて行き、二手に分かれていく。
マチホーイン
撒き散らす。
- 用例
- ワランチャーンカイ クミ アラーシーネー、スバヒランカイ マチホーインドー(子どもたちに米を洗わせたら、周辺に撒き散らすよ)。
否:マチホーラン(撒き散らさない)希:マチホーイブサン(撒き散らせたい)過:マチホータン(撒き散らせた)継:マチホートーン(撒き散らせている)。
- メモ
- 音1:マチホーイン。
マチマーイ
練り歩き。
- メモ
- 波の上祭にはジュリ馬がマチマーイした(練り歩いた)。
マヂムン
積む。積み上げる。
- 用例
- タテマヂン サットータンリ(縦に積まれていたって)。
ジョーグチンカイ ゥンニ マジムン(門の入り口に稲を積む)。マヂマットータン(積まれていた)。
否:マヂマン(積まない)希:マヂミーブサン(積みたい)過:マヂダン(積んだ)継:マヂドーン(積んでいる)。
マチヤ
店。雑貨店。
- 用例
- アンマーヤ、ナゲーサ マチヤ ソータン(母は、長いこと店をやっていた)。
- メモ
- 音1:マチヤグヮー・マチヤー。
マチヤー
店。雑貨店。
- メモ
- 音1:マチヤ・マチヤグヮー。
マチャー
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音1:マーチュー・マチ・マチュー。
マチャーシクジーン
まわりをかき乱す。
- 用例
- ワランチャー ソーティ イチーネー、マチャーシクジーンドー(子どもたちを連れて行ったら、まわりをかき乱すよ)。
マチャースン
まとわりつく。立ち込める。
- 用例
- マーチバーヌ オーサル アタラー、キブシ マチャーチョーン(松の葉が青かったのか、煙が立ち込めている)。
クルキブシ マチャーチョータン(黒煙を巻き上げていた)。
継:マチャーチョーン(立ち込めている)。
マチヤグヮー
店。雑貨店。
- メモ
- 音1:マチヤ・マチヤー。
マチヤグヮーセー
お店ごっこ。
マチヤヌバーン
店番。
- 用例
- ユージュカイ イチブサシガ、ターガラ マチヤヌバーン タヌマランガヤー?(用事に行きたいんだが、誰か店番を頼めないかな?)。
マチュー
旋毛〔つむじ〕。
- メモ
- 音:マーチュー・マチ・マチャー。
マチュン
巻く。
- 用例
- イーチューガ マチブラングトゥ ヨンナー マチュン(糸が絡まらないようにゆっくり巻く)。
否:マカン(巻かない)希:マチブサン(巻きたい)過:マチャン(巻いた)継:マチョーン(巻いている)。
- メモ
- 音1:マクン。
マチュン
撒く。蒔く。
- 用例
- ハルカイ ヤシェーヌ サニ マチュン(畑に野菜の種を蒔く)。
ナーンカイ ミジ マチュン(庭に水をまく)。
否:マカン(まかない)希:マチブサン(まきたい)過:マチャン(まいた)継:マチョーン(まいている)。
マチュン
待つ。
- メモ
- 音1:マッチュン。
マッカーラ
真っ赤。
- 用例
- アカバナーヌ マッカーラ サチ チュラサシヨー(ハイビスカスが真っ赤に咲いて綺麗だこと)。
- メモ
- 音1:マッカーラー・アカマッカーラ。
マッカーラー
真っ赤。真っ赤なもの。
- 用例
- ティーヌ マッカーラー ナトーン(手が真っ赤になっている)。
- メモ
- 音1:マッカーラ。→アカマッカーラ。
マッカイ
茶碗。お碗。飯や汁を盛る椀。
- 用例
- アンスカ ヤーサーネーングトゥ、グナマッカインカイ イリレー(そんなにお腹はすいてないので、小さなお碗に入れなさい)。
マッカイジューネー
お碗を持ってお供えすること。
- メモ
- 儀間では、肉を入れたマッカイグヮー(碗)を持って、親や叔父や叔母の家へ年の暮れの挨拶に行った。それにマッカイジュネーと言った。
マッカヤー
植物名。チガヤ。
- メモ
- 音1:マカヤ・マカヤー。
マックール
真っ黒。
- 用例
- ヒーカイ ヤキティ マックール ナトーン(陽に焼けて真っ黒になっている)。
- メモ
- 音1:マックールー・
マックールー
真っ黒。
- 用例
- マックールー ソーシ ムッチ クーワ(真っ黒くしたものを持ってきなさい)。
マックラシン
真暗闇。
- 用例
- デンキン ネーランル アグトゥ、ユル ナイネー マックラシン ナイタン(電気もないんだから、夜になると真っ暗闇になった)。
- メモ
- →ウーグラシン。
マックヮ
枕。
- 用例
- ワンネー マックヮガ ネーンネー ニンララン(私は枕がないと寝れない)。
- メモ
- 枕は建築中の家からセンダンやガジマルの切れ端を貰って作った。他に袋に籾殻を入れたものや竹を編んで作った枕もあった。
マックヮバン
枕元。
- 用例
- マックヮバヌンカイ、ハサングヮー ウチョーチーネー、マジムノー クーンサ(枕元にハサミを置いてたら、魔物は来ないよ)。
マッコー
植物名。ハリツルマサキ。
- 用例
- マッコーヤ、ヤシチンカイ ユー イーラットータン(ハリツルマサキは、屋敷に良く植えられていた)。
マッサチ
真っ先。
- 用例
- ヌーガラ アイネー、マッサチニ ウヤカイル シラスルヨー(何かあったら、真っ先に親に知らせるんだよ)。
マッシーラ
真っ白。
- 用例
- アンシ ユグリトータルムン、アラタレー マッシーラ ナトーン(あんなに汚れていたのに、洗ったら真っ白くなった)。
マッシーラ ナティ(真っ白になって)。マッシーラグヮー ソール(真っ白になっている)。
- メモ
- 音1:マッシーラー・マッシールー。
マッシーラー
真っ白。
- 用例
- イルヌ ハキティ マッシーラー ソーン(色が抜けて真っ白くなっている)。
- メモ
- 音1:マッシーラ・マッシールー。
マッシールー
真っ白。
- 用例
- アンスカ マッシールーヤ アランタヌ ハジ ヤシガヤー(そんなに真っ白ではなかった筈だがなぁ)。
- メモ
- 音1:マッシーラ・マッシーラー。
マッスーグ
真っ直ぐ。まっすぐ。
- 用例
- マッスーグ タッチョーケー(真っ直ぐ立っていろ)。
マッスーグー
①真っすぐな物。②真っ直ぐな人。誠実な人。
- 用例
- ①ボーヤ マッスーグー ソーシカラ ムッチ クーワ(棒は真っ直ぐなのから持って来なさい)。
②アンシ マッスーグー ヤルヤー(とても誠実な人だね)。
マッタクー
凧。
- 用例
- アチャヤ マッタクートゥバシェー スンドー(明日は凧揚げ大会をするよ)。
マッタラー
ツバメ。
- 用例
- ウッサヌ マッタラーガ トゥリ チョールヤー(そんなにたくさんのツバメが飛んできているね)。
マッチール
真っ黄色。
- 用例
- アヌ マッチール ソーシェー ヌー ヤガ(あの真っ黄色しているのは何ねえ)。
マッチールー
真っ黄色。
- 用例
- シバインカイ チカイヌ ヌヌ マッチールーンカイ スミーン(芝居に使う布を真っ黄色に染める)。
マッチャグヮー
雑貨店。
- メモ
- 音2:マチヤ・マチヤー・マチヤグヮー。
マッチュン
待つ。
- 用例
- ウヤヌ ケーティ チーガーター ナイネー、フカカイ ゥンジティ マッチョーン(親が帰る頃になると、外に出て待っている)。
否:マッタン(待たない)希:マッチーブサン(待っている)過:マッチャン(待った)継:マッチョーン(待っている)。
- メモ
- 音1:マチュン。
マットーバ
真っすぐ。
- 用例
- マットーバ イチーネー、ワッターヤーンカイ チチアタイサ(真っすぐに行くと、私の家に突き当たるよ)。
マットーバ イチ(正直に言って)。マットーバ ナタン(成功した)。マットーバ イイネー(まともに言ったら)。マットーバ イレー(正直に言え)。
- メモ
- 音1:マットーバー。
マットーバー
正直者。誠実な人。
- 用例
- ヤーニンジョー ムル マットーバー ヤサ(家族は全員正直者だよ)。
マッパダカ
裸。真っ裸。
- 用例
- マッパダカ ナティ アマカイ ハイシェー ター ヤガ?(真っ裸になってあそこに行くのは誰ね?)。
- メモ
- →ハダカンボー。
マッピルマ
真昼間。
- 用例
- アチサン アレー、マッピルマナーリー アッチ イチュンナー(暑いのに、真昼間から歩いて行くの)。
- メモ
- →アカルヒル。
マディ(~マディ)
~まで。
- 用例
- ウヤガ ケーティチュールマディ マッチュン(親が帰って来るまで待つ)。
アマ マディ アッチ イチュン(あそこまで歩いて行く)。
- メモ
- 到達点(場所・時間など)を示す。
マディー(~マディー)
失って惑うこと。
- 用例
- ウヤマディー(親がどこにいるかと探し迷うこと)。ヤーマディー(迷子になること)。
- メモ
- ウヤ(親)やヤー(家)などの語の後ろについて、迷ってわからなくなった状態をあらわす。
マティグトゥ
待つこと。我慢すること。
- 用例
- トゥシ トゥイネー マチグトゥン チカン(年を取ると我慢することができない。
マテージビラ
地名。坂の名。長浜の地名で急な坂。
- メモ
- サーターヤーモー付近からマテージビラという。
マテージミチ
長浜の道の名称。
- メモ
- 馬車も通れないような細くて急な坂道で、マテージビラともいう。
マトゥ
的。
- 用例
- マトゥ ミガキティ ヤー ハンチュン(的をめがけて矢を射る)。
マトゥマイン
まとまる。
- 用例
- チューネー ハナシーン マトゥマイサ(今日には話もまとまるさ)。
否:マトゥマラン(まとまらない)過:マトゥマタン(まとまった)継:マトゥマトーン(まとまっている)。
マトゥミーン
まとめる。
- 用例
- チューヲゥティ ハナシー マトゥミーン(今日で話をまとめる)。
否:マトゥミラン(まとめない)希:マトゥミーブサン(まとめたい)過:マトゥミタン(まとめた)継:マトゥミトーン(まとめている)。
マヌジバル
{真之地原}。高志保の小字。
マヌチュン
招く。
- 用例
- サンサーニ マヌチ(ススキを結んで作った呪具で招いて)。
マブイ
魂。霊魂。生きている人の魂。
- 用例
- マブイル ウトゥチャラー、ウートゥルバイ ソーン(魂を落としたのか、気が抜けたようにぼんやりしている)。
マブイヤ トゥララン(魂は取れない)。マブイ トゥイン(魂を取る)。
スーガ ウビジ トーリティ、マブイ ヌギタン(お父さんが急に倒れたので、魂が抜け落ちたようだった)。
- メモ
- 音2:マブヤー。
マブイウシー
背守り。
- 用例
- アカングヮヌ チヌンカイ マブイウシー チキーン(赤子の着物に背守りをつける)。
- メモ
- 音2:マブヤーウー。
子どもの着物を仕立てる時は、魔除けとして背縫いの中央に赤布か赤糸で印を付けた。これをマブイウシーと称し、横長四角に縫い、中央を蝶型になるように縫い縮めた。
マブイグミ
魂込め。
- 用例
- カマデーヌ マブイグミ スグトゥ、マブヤーメー シコーリ(カマデーの魂込めをするので、汁とご飯を準備しなさい)。
- メモ
- 音2:マブヤーグミ・マブヤークミ。対:マブヤーウティ。
飯、水、塩、花米、酒の五品がマブイグミの際の供え物だった。
マブイワカシ
魂分かし。葬式のあった家で、漂っている死者の霊を現世から引き離す儀式。
- メモ
- 葬式3日後に近親者が集まり行う。儀間では餅・豆腐・水を供え、ススキ3本でサンを作り、これでヤナムンを払い、外に投げる。そして水を3回額につけるとアカリトーン(分かれる)といわれた。
マブイワカリ
魂別れ。
- 用例
- マブイワカリヤ、シジュークニチガ ウワティカラ ウヌユル スン(魂別れは、四十九日が終わった日の夜に行う)。
- メモ
- 人が亡くなって49日目に、あの世とこの世との別れを告げるためにマブイワカリを行う。
マフックヮ
夏の暑い真昼。真昼間。
- 用例
- マフックヮゲーイ、アシビーガ イチュンナー(真昼間なのに、遊びに行くの?)。
- メモ
- →ウーマフックヮ。
マブヤー
魂。霊魂。生きている人の魂。
- 用例
- マブヤーチキーン(魂を付ける)。ウヌ ワラベー マブヤール ウトゥチャガヤー(その子どもは魂を落としたのかな?)。
- メモ
- →マブイ。
マブヤー マブヤー ウーティクーヨー
魂よ魂よ、追ってきなさい。マブイ込めの呪文。
- 用例
- カマデー カマデー マブイ、ユーバン シコーテンドー イユン メーン ムッチ チェーンドー チューヌ ヒーネー カンナジ マブヤー チキーグトゥ、クヌ ユーバン カミヨー。マブヤー マブヤー ウーティクーヨー(カマデーの魂よ、夕飯を準備してあるよ。魚も米も持ってきているよ。今日のうちには必ず魂を付けるから、この夕飯を食べてよ。魂よ魂よ追ってきなさい)。
- メモ
- マブイを落とした人の名前を呼んで呪文を唱え、着物を持ってマブイを落とした場所へ行き、さらに呪文を唱えて、サンでマブイを着物に拾い上げるような仕草を3回行う。その着物をマブイを落とした人に着せてから夕飯をあげた。
マブヤーウティ
魂が抜け落ちること。
- 用例
- ルク ウドゥルカシーネー、マブヤーウティ スンドー(余り驚かすと、魂が抜け落ちるよ)。
マブヤーグミ
魂込め。
- 用例
- マブヤーグミネー ユレーユーバンシ バーケー ッシ カランドー(魂込めをした日の夕飯は、皆集まって奪うように食べたよ)。
マブヤーグミ シーネー、チノー サンニチガ エーカー ケーランタン(魂込めをしたら、着物は3日間は着替えなかった)。
- メモ
- 類:マブイグミ。
マブヤーウティしている人の魂を、祈願によって再び体に取り戻すこと。マブイを落とした場所に行って、イチチグン(5品)を供えて拝んだ。
マブヤーメー
魂飯。魂込めをした時に食べさせる飯や、汁、御馳走のこと。
- メモ
- 皆揃ってマブヤーメーを食べると、マブヤーは喜んで帰って行くという。
マブヤーヲゥー
背守り。
- メモ
- →マブイウシー。
ママ
①自由。思うとおり。②共。一緒。
- 用例
- ユヌナカネー、ママ ナラン クトゥガル ウーサル(世の中には、自由にならないことの方が多い)。
ワンネー、アンマートゥル ママ ナインドー(私は、お母さんと一緒になるんだよ)。
②アバートゥ ママ ナイン(姉さんと一緒にいる)。
ママ
まま。
- 用例
- キサカラ ヰー ママ ヌーン スンデーサン(さっきから座ったまま、何もやろうとしない)。タッチ ママ ヰジチンサン(立ったまま動きもしない)。
ママウヤ
継親。
- 用例
- ワンネー ママウヤカイ スダティラッタシガ、イッペー カナサ サッタン(私は継親に育てられたが、とても可愛がられた)。
ママチョーデー
義兄弟。義姉妹。
- 用例
- ワッターヤ ママチョーデー ヤシガ、イッペー ナカー ユタサンドー(私たちは義理の兄弟・姉妹だが、とても仲はいいよ)。
ママックヮ
継子。
- 用例
- ママックヮン ジチックヮン、ユヌグトゥ カナサ シ スダティーン(継子でも実子でも、同じように可愛がって育てる)。
マミク
植物名。クスノハカエデ。
- 用例
- マミクヤ、アンスカ ンチェー ンランサー(クスノハカエデは、そんなに見たことはないね)。
マミクヮースン
ごまかす。
- 用例
- チンスー ハカイヌ カージ、チュヌ ミー マミクヮースン(重量を測るたびに、人の目をごまかす)。
否:マミクヮーサン(ごまかさない)希:マミクヮーシーブサン(ごまかしたい)過:マミクヮーチャン(ごまかした)継:マミクヮーチョーン(ごまかしている)。
マムイン
守る。
- 用例
- ヰナグヌウヤ ヤレー、チャーシ ヤティン ドゥーヌ クヮ マムイン(女の親なら、どんなことをしても自分の子を守る)。
否:マムラン(守らない)希:マムイブサン(守りたい)過:マムタン(守った)継:マムトーン(守っている)。
- メモ
- 類:カクグ・カグサミーン。
マメー
真ん前。
- 用例
- マメーンカイ アシン カメーイサンナー(真ん前にあるのも探せないのか)。
マヤー
猫〔ネコ〕。
- 用例
- マヤーヤ ニン ヒーネー、アトー ヌーシヌ ヌチ トゥインディ スンディ(猫は年月が経つと、後は主の命を取ろうとするらしい)。
- メモ
- 死んだ猫を吊るす風習がある。
マヤーウスメー
着物に隠れて、人数と誰が入っているか言い当てる遊び。
- メモ
- →トービーラーグヮー。
マヤーグチャー
猫舌。
- 用例
- マヤーグチャー、ヤグトゥ シルヌ サマティカラ ヌムサ(猫舌だから、汁が冷めてから飲むよ)。
マヤーコートゥ
猫〔ネコ〕の爪先。
マヤージク
フクロウ。ふくろう。
- 用例
- マヤージクヤ ユル ナイネー ゥンジティ チューン(ふくろうは夜になると出てくる)。
- メモ
- 音1:マヤージクク。
マヤージクク
①フクロウ。ふくろう。②怒っているような仏頂面。フクロウのような無愛想で不気味な顔。
- 用例
- ①キーヌ イーンカイ マヤージククヌ ヰチョーンドー(木の上にフクロウがいるよ)。
②マヤージククン グトーサ(〔仏頂面をして〕フクロウのようだ)。
- メモ
- 音1:マヤージク。
マヤースン
惑わす。洗脳する。
- 用例
- ウヮーン ナガカレー シーネー、アトー チュ マヤースンディ(豚も長いこと飼うと、後は人を惑わすそうだ)。
アカマターヌ マヤーチヨー(アカマターが惑わしてね)。ミール マヤーサットーグトゥ(目を惑わされているんだから)。
マヤーヌジュークェー
子どもの遊び。鬼ごっこ。
- メモ
- →イヌジュークェー。
マユ
①眉。②墓の部分名称。雨垂にあたる部分。
- 用例
- ②ハカヌ マユヌ カキトーン(墓のマユが欠けている)。
- メモ
- 類:ミーマユ。
マユジバル
{真与地原}。波平の小字。
マユナカ
真夜中。
- 用例
- チヌーヤ、マユナカル ケーティ チャル(昨日は、真夜中に帰ってきたんだよ)。
- メモ
- 類:ユルユナカ。
マル
暇。時間。空いている時間や空間。
- 用例
- イャーガ マルヌ アイニ、カシー シーガ クーワ(お前が時間がある時に、加勢しに来てね)。
マルヌ ネーン サク(暇もないくらいに)。
アシブル マルヌ ネーン(遊ぶ時間が無い)。クマー マルヌ ネーン(ここは広さが足りない)。マルヌ アル トゥクル(空いている場所)。
マル
普段。平常。
- 用例
- イャー ヰナグヌ ウヤヤ ヤー マルネー ウガマラン(君の女親は普段は会えない)。
- メモ
- 類:マルヒジー。
マル~
①丸い。円形の。②丸ごと。すっかり。
- 用例
- ①マルヲゥーキ(丸い桶)。
②マルイユ(丸ごとの魚・尾頭付き)。
マル ゴーシシェーン(まるごと壊してある)。
マルイサー
黒く固い石。
マルウブン
丸いお盆。
- 用例
- ワッタヤ マルウブン ティーチル アタル(私たちは丸いお盆一つしかなかった)。
マルケーティ
まれ(に)。たま(に)。
- 用例
- イチュナサグトゥ マルケーティル ウヤヌヤーンカイン イチー スンデー(忙しいから、たまにしか実家にも行けないよ)。
マルジケー
普段づかい。
- 用例
- マルヂケーヤ サン(普段は使わない)。
マルチジン
まとまった金。大金。
マルチャ
まな板。
- 用例
- チカイ ヂューサヌ、マルチャン タッピラカー ナトーン(使いすぎて、まな板もぺしゃんこになっている)。
マルチャゲー
大晦日に戸主が大きく切った豚肉。大晦日に食する大きく切られた肉。
- メモ
- 音2:マルチャジシ。類:トゥシトゥイジシ。
大晦日にヤーヌヌーシ(戸主)が分厚く切った肉を二枚皿に入れて、家族それぞれに出し、家族が食べた後に仏壇に供えた。それで年越しをしたのでトゥシトゥイジシ(年越し肉)とも言った。
マルチャジシ
大晦日に戸主が大きく切った豚肉。大晦日に食する大きく切られた肉。
- 用例
- トゥシヌユールーネー、ティージカーンッシ マルチャジシ カムタン(大晦日には、手づかみでマルチャジシを食べた)。
- メモ
- →マルチャグェー。
マルッテン
丸っこく。
- 用例
- フルン グナサヌ、マルッテン シ クェートーン(背も小さくて、丸っこく太っている)。
マルヌムン
間食。食間のおやつ。
- 用例
- タンメーンカイ マルヌムン ウサギレー(お祖父さんに おやつを差し上げなさい)。
マルバイ
まる出し。陰部などを露出していること。
- 用例
- ワラビ ヤティン、マルバイ シーネー ハジカサンドー(子どもでも、陰部を出していたら恥ずかしいよ)。
マルヒージー
常平生。平常。普段。常日頃。
- 用例
- トゥナイヤ マルヒージーカラ、チャー マーサムン ビカーン カローン(隣は常平生から、いつも美味しい物ばかりを食べている)。
- メモ
- 音1:チニヒーギー・チニヒージー。
マルブシ
ハジチ文様の名称。
- メモ
- 丸い形をしていることからマルブシといわれた。
→アマングヮー。
マルマル
合間。
- 用例
- シクチヌ マルマルニル、ウンナ ワジャー スルヨー(仕事の合間に、そんなことはするんだよ)。
マルワシリ
ど忘れ。すっかり忘れてしまう。
- 用例
- マルワシリ ッシ イカンタン(すっかり忘れてしまって行かなかった)。
マルンリー
ずぶ濡れ。ずぶ濡れになっている様。
- 用例
- マルンリー シ、ヘーク チンケーレー(ずぶ濡れになって、早く着換えなさい)。
- メモ
- →シップートゥ。
マルゥンジャシ
丸出し。
- 用例
- イャーヤ ウチナーグチ マルゥンジャシ ヤンヤー(お前はウチナーグチ丸出しだね)。
マンカーヒンカー
まぜこぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- イルヌ マンカーヒンカー シ、ミーヌ イホーナー ナイン(色が混ざり合って、目が変になる)。
- メモ
- 音1:マンチャーヒンチャー。類:マンキーマンキー。
マンガタミー
しっかり荷物を肩に担ぐこと。
- 用例
- ニムチ ゥンブサギサ、マンガタミー シ ハイタン(荷物を重そうに、しっかりと肩に担いで行った)。
- メモ
- 仕事などを抱え込むことにもいう。
マンキーマンキー
混ぜ混ぜ。混ざり合っている様。
- メモ
- 類:マンカーヒンカー・マンチャーヒンチャー。
マンキーン
混ぜる。
- 用例
- ンチャンカイ シナ マンキーン(土に砂を混ぜる)。
否:マンキラン(混ぜない)希:マンキーブサン(混ぜたい)過:マンキタン(混ぜた)継:マンキトーン(混ぜている)。
マングーイ
丸かじり。切らずにそのまま食べること。
- 用例
- トマトー マングーイ ッシ カロータン(トマトを丸かじりして食べていた)。
- メモ
- 音2:マングーチャー。
マングースヤーマ
マングースをとる仕掛け。
マングーチャー
丸かじり。切らずにそのまま食べること。
- 用例
- マンゴー マングーチャー シ カムン(マンゴーを丸かじりして食べる)。
- メモ
- →マングーイ。
マングラ
頃。辺り。
- 用例
- ワッターガ ジューハチ マングラ アランタガヤー(私たちが18歳の頃じゃなかったかな)。
ウヌマングラヌ ムン(その頃のもの)。
アヒーヤ アサ ヘーク ゥンジティ ハイタシガ、マー マングラ ゥンジョーガヤー?(兄さんは朝早く出て行ったが、どこら辺りまで行っているのかな?)。ユーフルヤーヌ マングラ(銭湯の近辺)。
マンサージ
鉢巻きの一種。
- メモ
- かつては士族の被り物であったが、現在ではエイサーや棒術などを披露する際にマンサージを巻いている。
マンサン
{満産}。出産祝い。
- 用例
- チャクシボージャー マンサンネー、ンナ メンソーリヨー(長男坊の出産祝いには、みんないらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 音2:クヮナシマンサン・マンサンスージ・マンサンユーエー。類:クヮナシスーギ・クヮナシスージ。
母子の体調に合わせて1週間後に行うところが多かった。親戚や隣近所の人たちは金品を持ち寄って家族と一緒に祝った。儀礼の終了を意味する仏教用語の「満散(まんさん)」。
マンサン
{満産}。製糖作業の終了後の慰労会。
- 用例
- マンサングヮー サビーグトゥ、ユサンレー ワッターンカイ メンソーリヨー(製糖終了祝いをしますから、夕方は私たちの家にいらっしゃってくださいね)。
- メモ
- 音2:マンサングヮー・アザマンサン・ヲゥージマンサン・クミマンサングヮー。
製糖が終わると字で豚をつぶして盛大に慰労会をした。字で行われる全体の製糖終了後の慰労会。闘牛なども行われた。個人の場合はマンサングヮーといった。
マンサンスージ
出産祝い。
- メモ
- 音2:クヮナシマンサン・マンサン・スージ・マンサンユーエー・クヮナシスージ・クヮナシスーギ。
マンサンユーエー
出産祝い。
- メモ
- 音2:クヮナシマンサン・マンサン・マンサンスージ。類:クヮナシスーギ・クヮナシスージ。
マンジャーカーカー
物欲しそうにしている様。
- 用例
- ワランチャー マンジャーカーカー シミティ、ンナンカイ ワキティ トゥラサニ(子どもたちを物欲しそうにさせて、皆に分けてあげなさい)。
- メモ
- 類:ミミンジカカヤー。
マンジューヰ
植物名。パパイヤ。
マンジュン
一緒に。
- 用例
- ウヌ チュンカイ ソーカイ サレヤーニ、マンジュン グー ナトーン(その人に紹介されて、一緒に仲間になっている)。
- メモ
- 音2:マジュン・マジョーイ・マジョーン・マジョン・マンジョーン。
マンジュン
物欲しげ。羨む。
- 用例
- ヌーン ネーン、チャー チュヌムン マンジュン(何もなく、いつも人の物を羨む)。ムヌ マンティ(物欲しげに)。
クヮーシ カローシ、ワランチャーガ マントーン(お菓子を食べているのを、子どもたちが物欲しげにしている)。
継:マンドーン(羨んでいる)。
マンジョーン
一緒に。
- 用例
- ンナト マンジョーン、ベンキョー シ トゥラシミソーリ(みんなと一緒に、勉強させてください)。
- メモ
- 音2:→マンジュン。
マンズリー
勢ぞろい。
- 用例
- マンズリー シ メンソーチ ニフェーデービル(勢ぞろいしていただいて、ありがとうございます)。
マンダーチー
しっかりと抱くこと。抱きしめること。
- 用例
- クヮ マンダーチー シ ソーティ ハイタン(子どもを抱きかかえて連れて行った)。
- メモ
- 音1:マンラーキー。
マンタキ
全部。丸ごと。
- 用例
- ワキランヨークー マンタキ フーサン(分けずに丸ごと欲しい)。
マンチャー
まざっている様。
- 用例
- イルヌ マンチャー ッシ シカンサー(色が混ざっていて好きじゃないな)。
マンチャーヒンチャー
まぜこぜ。混ざり合っている様。
- 用例
- ヌーンクィ マンチャーヒンチャー シ、ヌーガ ヌー ヤラ ワカラン ナトーン(何もかも混ざり合って、何が何だか分からなくなっている)。
- メモ
- 音1:マンカーヒンカー。類:マンキーマンキー。
マンチュン
混ざる。
- 用例
- マッシールカイ アカーガ マンチュン(真っ白に赤が混ざる)。
マンチョーシェー(混ざっているさあ)。ヌーヤークィーヤー マンチョーンデー(色々混ざっているよ)。
継:マンチョーン(混ざっている)。
マントーヲゥイ
植物名。ハヤトウリ。
- 用例
- マントーヲゥイヤ イリチャー シ マーサタン(ハヤトウリは炒めて美味しかった)。
- メモ
- 類:チャヨテ。
マンドーン
たくさんある。たくさんいる。多い。
- 用例
- ヤマカイ イチーネー、キーヌナイン マンドーン(山に行ったら、木の実もたくさんある)。
シシン マンドーン(肉もたくさんある)。クヮヌ マンリ(子どもが多くて)。ジンブノー マンリ(知恵があって)。ジコー マンディル ヲゥイビン(非常にたくさんあるんです)。
マンニー
瓜ふたつ。そっくり。よく似ている。
- 用例
- ミッチャイチョーデー マンニー ソーン(3姉妹瓜ふたつだ)。
- メモ
- →チラティーチ。
マンヌムン
飲み込む。丸飲みする。
- 用例
- クスイヤ ンジャサグトゥ チュバチニ マンヌムン(薬は苦いので一度に飲み込む)。マンヌマラン(飲み込めない)。
否:マンヌマン(飲み込まない)希:マンヌミーブサン(飲み込みたい)過:マンヌダン(飲み込んだ)継:マンヌドーン(飲み込んでいる)。
マンハナチャー
仰向け。
- 用例
- マンハナチャー シ ニントーン(仰向けに寝ている)。
- メモ
- →マンハナチャー。
マンハラチャー
仰向け。
- 用例
- アカングヮヤ マンハラチャー シ ニンシリヨー(赤子は仰向けに寝かしなさいよ)。
- メモ
- 音1:マンハナチャー。対:ウッチントゥー(うつ伏せ)。
マンビカー
魚介名。シイラ。
マンビラカー
尻をつけて座り込む。
- 用例
- ヲゥタティル ヲゥラー、アマヲゥティ マンビラカー ソーン(疲れているのか、あそこで尻をつけて座り込んでいる)。
- メモ
- 音1:マーヒラキー。
マンビラキー
座り込んでいる様。
- 用例
- ジーカイ マンビラキー ソーン(地面に座り込んでいる)。
マンブリ
すっかり惚れること。
- 用例
- ワッター アッピーヤ、トゥナイヌ ネーサヌンカイ マンブリ ソーン(私の兄は、隣の姉さんにすっかり惚れこんでいる)。
- メモ
- →ウチフリーン。
マンボーヤー
腹這い。
- 用例
- アカングヮガ マンボーヤー ソーン(赤ん坊が腹這いになっている)。
マンマール
周囲。
- 用例
- ヤーヌ マンマール ユー カメーティ ンディ(家の周囲をよく探してごらん)。
マンマールー
まん丸。
- 用例
- アンリッパ マンマールー カチェール(あんなにきれいにまん丸を書いたね)。
マンラーキー
しっかりと抱く。抱きしめる。
- 用例
- クヮーシ マンラーキー ソーン(お菓子をしっかり抱きしめている)。
- メモ
- 音1:マンダーチー。
マンリグヮサグヮサ
物が有り余っている様子。
- 用例
- マンリグヮサグヮサ、ヌール トゥティ シムラー ワカラン(あり余るほどあるから、何を取っていいのか分からない)。
読込中...