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- しまくとぅば単語帳:ナニヌネノ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ナー
あなた。
- メモ
- 類:イャー・ウンジュ。
目上の人にいう敬語。
ナー
もう。
- 用例
- ナー ジカン ヤイビーシガ シコートービーミ?(もう時間ですが、準備はできていますか?)。ナー デージ(もう大変だ)。
ナー
庭。
- 用例
- ナーヲゥティ フシカブ フーチョーン(庭で切り干し大根を干している)。
ナー
①縄。②縄数を数える数詞。
- 用例
- ①アミフイグマイニ ナール ノートーンレー(雨降りで家に居るので、縄を綯っているんだよ)。②アトゥ ミナーヤ ノーリヨー(あと3縄は綯いなさいよ)。
- メモ
- チュナー(1縄)、タナー(2縄)、ミナー(3縄)と数える。
ナー
名。名前。
- 用例
- イャー ワラベー ヌー ナー ヤタガ?(君の子どもは何という名前だったねぇ?)。
イャーヤ ナーヤ ヌーンリ イガ(お前は名前は何というか)。
ナー
~ずつ。
- 用例
- クヮーシ ミーチナー ワキーン(お菓子を3個ずつ分ける)。
ナー
①いざ。②まもなく。やがて。③もう。④おしまい。終わり。
- 用例
- ①ナー ナイネー カンゲーイサ(いざとなったら考えるさ)。②ナー ハジマイル ハジドー(まもなく始まるはずだよ)。③ナー ヲゥタトーグトゥ ウワラナ(もう疲れたから終わろう)。④チューヲゥティ ナー ナイサ(今日で終わるよ)。
ナー イーイー
それぞれが勝手に物を言うこと。各人各様に言うこと。
- 用例
- ナー イーイー シーネー ハナシヤ ティーチン マトゥマランシガ(それぞれが勝手に話すと、話はちっともまとまらないよ)。
ナーイ
まだか。
ナーイリ
名前の知れた。
- 用例
- アレー ナーイリヌスル ヤタン(彼は名の知れた盗人だった)。
ナーイルー
名前の知れた悪い人。
- 用例
- ナーイルー ヤタシガ ナマネー マットーバ ナトーン(名の知れた悪人だったが、今ではまともになっている)。
ナーイルムン
名の知れた人。名の通った人。
- 用例
- ナーイルムン ヤテールバー(名の通った人だったわけ)。
ナーウグヮン
庭御願。
- メモ
- 地域によって日時に違いはあるが、長浜では旧9月9日に庭で料理を供え、子の方角(北)と月に向かって拝んだ。
ナーウミーウミー
それぞれの思い。
- 用例
- ナーウミーウミー ユー カンゲーティ チュクラットーン(それぞれの思いで良く考えて作られている)。
ナーカ
なか。あい中。
- 用例
- ワッターヤートゥ イッターヤートゥヌ ナーカカイ アタン(私の家と貴方の家のあい中にあった)。
- メモ
- 類:タバサ。
ナーカガー
井戸の名。
- メモ
- クラガーと同じぐらいの深さを掘って水が出てきた。
ナーカガタミ
桶半分の水。
- 用例
- アミチュージカイ チカイヌ ミジヤ ナーカガタミシ クリ チュータン(湯灌に使う水は桶の半分汲んで来た)。
- メモ
- 死者の湯灌に使う水は、ナーカガタミといって男性2人で桶に半分くらいの水を入れて来た。
ナーガティ
もうすぐ。もうやがて。
- 用例
- ナーガティ ニーシン マッチーサンナー(もうすぐ煮えるのも待てないのか)。
- メモ
- 類:ナーヤガティ。
ナーカメンジキ
植物名。コメツブウマゴヤシ。
- 用例
- ナーカメンジキヤ ウミバタンカイ ミートータン(コメツブウマゴヤシは、海岸に生えていた)。
ナーカンゲーカンゲー
それぞれの考え。各人の違う考え。
- 用例
- ウレーナー ナーカンゲーカンゲール ヤグトゥ シカターネーンサ(それはもうそれぞれの考えだから、仕方がないよ)。
ナーギー
鎌投げ遊び。草刈りに行って、刈った草を賭けて鎌投げをして遊ぶこと。
- メモ
- →イラナナギエー。
ナーギーガー
人の意見を聞かず自分のことだけを通す人。自分本位な人。
- 用例
- ナーギーガーシ ドゥーヌ ウミービカーン トゥースンディ スン(人の意見を聞かずに、自分の思いだけを通そうとする)。
ナーギムン
土産物。土産。
- 用例
- ナーギムン ムッチ ゥンジャレー トゥントゥルモーカースカ ウッサ ソータン(土産を持って行ったら、飛び上がるほど喜んでいた)。
ナーク
地名(宮古)。
ナーク
脈。
- 用例
- アンマサイネー ナークン トゥッテーヲゥイ シーヨー(気分が悪かったら、脈を取ったりしなさいよ)。
ナーク ウッチョーン(脈うっている)。ナーク サーティンリ(脈に触れてみて)。
ナークェーグェー
それぞれ、別々に働いて生活を維持すること。
- 用例
- ナマカラー、ナークェーグェー ッシ イキヨー(今からは、それぞれで生活していきなさいよ) 。
ナークェームン
理屈っぽい者。ずる賢い者。したたか者。
- 用例
- ワッター ワラベー ナークェームン ナティ ハナシーンナラン(私の子どもは理屈っぽくて、話にもならない)。
- メモ
- 音:ナルクェームン。類:ナルケームン・タクマクェームン・リクチクェームン・リクチナムン・リクチムン。
ナークトゥヤー
脈取り。脈をとって占いをする人。
- 用例
- ンカシェー ナークトゥヤーン メンシェータンヤー(昔は脈取りもいらっしゃったね)。
ナークゥンマ
馬〔ウマ〕の一種。宮古馬。
- メモ
- 音:ナークゥンマグヮー。
ナーサティ
翌々日。
- 用例
- ソーグヮチヤ ナーサティ ナトーンドー(正月は翌々日になっているよ)。
ナーシー(~ナーシー)
~沿いに。~辺りに。~近くで。
- 用例
- クラナーシー(倉近くで)。カーラナーシー(川近くで)。
- メモ
- 音:~ナーリー。
ナージチュー
植物名。ハイキビ。
ナーシビ
茄子。
- 用例
- ナーシビン ウッサ ディキトールヤー(ナスビもたくさん出来たね)。
- メモ
- 類:ナスビ。
ナーシル
苗代。
- 用例
- イニヤ ナーシルヲゥティ スダティティカラル イーユンドー(稲は苗代で育ててから植えるんだよ)。
- メモ
- 音:ナーシルー。
田んぼに植える苗を育てる場所として、田んぼの隅の方に苗代があった。
ナーシルー
苗代。
- メモ
- 音:ナーシル。
ナーシルバル
{苗代原}。高志保の小字。
ナーダ
まだ。未だ。
- 用例
- ウヌ ワラベー、ナーダ ケーテー クーンナー?(その子は、まだ帰って来ないの?)。
- メモ
- 音1:ナーマ・ナーラ。
ナータマシダマシ
各々の取り分。分け前。
- 用例
- ナータマシタマシ ドゥークル トゥレー(各々の分け前は自分で取りなさい)。
- メモ
- 類:ワキブン・ワキメー。
ナーヂキー
名付け。命名の儀式。
- 用例
- ナーヂキーネー ナーチキヤーガ ナーヂキカカン カンティ アカングヮダチ ナーチキータン(ナーヂキーには名をつける人がナーヂキカカンを被り赤子を抱いて名をつけた)。
- メモ
- 赤子が生まれたその日に、主に祖母が「ナーヂキー」とよばれる命名の儀礼を行った。その時の名前は仮の名のワラビナー(童名)で、戸籍に記載されることはない。名前が決まると、ヒヌカン(火の神)や仏壇に報告した。
ナーヂキカカン
名付け下裳。赤子の命名式で使う。白い未使用の腰巻き。
- 用例
- パーパー ナーヂキカカンヤ マーカイ ウチェーガヤー(お婆さんのナーヂキカカンはどこに置いてあるの)。
- メモ
- 赤子が生まれ童名が決まると年配の女性がナーヂキカカン(名付け下裳)といって、白い未使用の下着を被ってヒヌカン(火の神)に報告して拝んだ。
ナーチキヤー
赤子の命名を行う人。
- 用例
- ナーチキヤーヤ ファーフジ タヌデーサ(ナーチキヤーはお婆さんを頼んであるよ)。
ナーチャ
翌日。
- 用例
- ヤシェー ウヌママ ソーチーネー ナーチャマディネー ネーインドー(野菜をそのままにしておくと、翌日までには萎えるよ)。
ナーチャミー
人が亡くなった翌日の墓参り。
- 用例
- ナーチャミーヤ アサ ヘーク ゥンジクーワ(ナーチャミーは朝早く行って来なさい)。
- メモ
- 類:ミジマチー。
葬式の翌日、身内の人たちが墓参りに行くことをナーチャミー(ミジマチー)といった。死者が生き返ることもあるのでナーチャミーをするようになったという説もある。墓前に重箱・酒・茶・水・花などを供え、線香を焚いて手を合わせた。地域によって差はあるが、3日から約1週間通うところが多い。
ナーチリヂリ
それぞれが別れていく。散り散りになる。
- 用例
- ヤーニンジュン ナーチリヂリ マーカイガ ハチャラー ワカランタン(家族も皆散り散りになって、どこに行ったのか分からなかった)。
ナートゥメーイドゥメーイ
それぞれが勝手に探すこと。
- 用例
- ナートゥメーイドゥメーイ カメーティ ハインテー(それぞれが勝手に探していくさ)。
ナーナー
いい加減。適当。
- 用例
- ナーナー シェー ワジャー ナランシガ(いい加減では仕事はできないよ)。
ナーナーメー
それぞれに。
- メモ
- 類:ナーメーメー。
ナーバ
きのこ。
- 用例
- ナーバヤ カマランヌーン アグトゥ キー チキリヨー(キノコは食べられないのもあるから、気をつけなさい)。
- メモ
- 「ナーバ」は食用になるものと毒性のものがある。一般的に庭の湿った所にはよく「ミミグイ(きくらげ)」が生殖していた。
ナーバ
梅毒〔ばいどく〕。
- メモ
- 類:ナーバル・チュラガサ。
ナーハイバイ
それぞれが勝手に行動すること。
- 用例
- ウッタガ スル ワジャヤ チャー ナーハイバイ ヤサ(彼奴らがすることといったら、いつもナーハイバイしているさ)。
ナーバル
梅毒〔ばいどく〕。
- 用例
- ワンガ ナーバル カカトーンレー ターニン イランキヨー(私が梅毒に罹ったとは誰にも言わないでね)。
- メモ
- 類:チュラガサ・ナーバ。
ナービ
①鍋。②鍋の容量の単位。
- 用例
- ①チュ ウーサヌ チャー マギナービンカイ ニチョーン(人が多いから、いつも大きな鍋で炊いている)。
ナービー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- →ギチギチー。
ナービイシー
鍋敷き。
- 用例
- ヘーク ナービイシー ムッチ クーワ(早く、鍋敷きを持って来なさい)。
ナービカチカチ
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- →ギチギチー。
ナービカチカチー
セミの一種。アブラゼミ。
- 用例
- アサ ヘークカラ ナービカチカチース ナチ ミンチャサン(朝早くから油蝉が鳴いてやかましい)。
- メモ
- 音1:ナービカチカチ。→ギチギチー。
ナービカチャー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ナービカチュー。→ギチギチー。
ナービカチャカチャー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ナービカチュカチュー。→ギチギチー。
鳴き声が鍋を石や貝殻で磨く音に似ていたのでそう呼ばれた。
ナービカチュー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ナービカチャー。→ギチギチー。
ナービカチュカチュー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ナービカチャカチャー。→ギチギチー。
ナービカチュルー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- ギチギチー参照。
ナービカチルー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- →ギチギチー。
ナービカッチャイ
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ナービカッチュイ。→ギチギチー。
ナービカッチュイ
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- 音1:ナービカッチャイ。→ギチギチー。
ナービカッチュー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- →ギチギチー。
ナービギチギチー
セミの一種。アブラゼミ。
- メモ
- →ギチギチー。
ナービサグイ
鍋探り。鍋を探ってつまみ食いをすること。
- 用例
- ゥンマヲゥティ ナービサグイ ソーシェー ター ヤガ(そこでつまみ食いをしているのは誰ねぇ?)。
ナーヒチビチ
各々の縁故、ひいき筋。
- 用例
- ナーヒチビチ、ウレー シカター ネーンサ(それぞれのひいき筋は、それは仕方がないよ)。
ナービチュクヤー
鋳物屋〔いものや〕。鍋つくり屋。
ナービナクー
鍋之甲。鋳〔い〕掛け屋。鍋などの穴をふさぐ修繕屋。
- 用例
- ナービナクーンカイ フルナービ ノーシミーン(鍋の修繕屋に古い鍋を修繕させる)。
- メモ
- 音2:アチナービナクー・ヒグルナービナクー・ヒジュルナービナクー。
鋳物の修理を行う家、その屋号。宇座では旧家として字でその位牌、墓などを拝している。楚辺ではかつては、アシビ衣装を預かる家で、その家の側にシーシヤー屋もあり、獅子の管理もそこがやっていた。
ナービナクーサー
鋳〔い〕掛け屋。鍋などの穴をふさぐ修繕屋。
- メモ
- →ナービナクー。
ナービヌヒング
鍋底につく煤〔すす〕。
ナービヌフタ
鍋蓋。
- 用例
- ナービヌ フタヤ マーンカイガ ウチャラー カメーティン カメーララン(鍋の蓋は何処に置いたのか探しても見つからない)。
ナービラ(~ナービラ)
~し、~してみましょう。
- 用例
- ハナシー シ ナービラ(話をしてみましょう)。
チュクトゥバ ウンヌカティナービラ(一言、お話ししましょう)。
ナーヒン
もっと。
- 用例
- イャーヤ ナーヒン ヌーガラ フーサル アリー?(お前はもっと何か欲しいのか?)。ナーヒン ヲゥン(もっといる)矼。
- メモ
- 音:ナーフィン。
ナーヒングヮー
もう少し。
- メモ
- 音2:ナーイヒグヮー。
ナーヒントー
これ以上は。
- 用例
- ナーヒントー ムッチェー イチーサンレー(これ以上は持っていけないよ)。ナーヒントー カミーサンレー(これ以上は食べれないよ)。
ナーファクトゥバ
那覇言葉。
ナーフィン
もっと。
- メモ
- 音:ナーヒン。
ナーベーラー
ヘチマ。
- 用例
- ナーベーラーヤ アンダー イリランヨークー ウヌママル ニーンドー(へちまは油は入れずに、そのまま炒めるんだよ)。
- メモ
- ヘチマは皮をむき鍋で炒めるとルージル(水分)が出るので、油を入れずに炒める。
ナーベーラーヂー
ヘチマのように垂れ下がった老女の乳房。
ナーベーラーヌカジ
ヘチマを乾燥させて作ったたわし。
ナーボーチ
庭ぼうき。
- 用例
- チカインディ サレー ナーボーチヌ カメーララン(使おうとしたら、庭ぼうきが探せない)。
ナーマ
まだ。未だ。
- 用例
- ヤガテー ンケーヤー チューヌ ハジ ヤシガ ナーマイ?(やがて迎えが来るはずだが、まだね?)。ナーマ ヌーン シェーネーンル アンナー?(まだ何もしてないの?)。
- メモ
- 音1:ナーダ・ナーラ。
ナーマ
まだ。未だ。
- 用例
- ナーマ ヌーン シェーネーンル アンナー?(まだ何もしてないの?)。
- メモ
- 音1:ナーダ・ナーラ。
ナームティムティ
各々が専門としていること。銘々の好み。
- 用例
- ナームティムティヌ アグトゥ、チュヌ クトゥンカイヤ クチェー ハサマンシェー マシ(各々の専門があるから、人の事には口を挟まない方が良い)。
- メモ
- 音2:ナーンk-ンケー。
ナーメーメー
それぞれ。銘々。各々。
- 用例
- ナマカラー ナーメーメー カンゲーリヨー(今からは各々で考えなさいよ)。ナーメーメー ヤーンカイ(それぞれの家に)。
ナーメーメー
各々。
- 用例
- ナーメーメークルシ ドゥーヌムノー カメーリヨー(各々で自分の物は探しなさいよ)。
ナーヤ アラン
飽き足らず。満足しない。
- 用例
- アッサ クィティン ナーヤ アラン(あんなにあげても満足しない)。
クッサ カリン ナーヤ アラン(こんなに食べてもまだ足りない)。
- メモ
- 類:トーヤ アラン・ナー アラン・ナーンアラン。
ナーヤーン
再来年。
- 用例
- ナーヤーン ナイネー イッター ワラビン ガッコー アッチーサニ(再来年になると、貴方たちの子どもも学校に入学するでしょう)。
ナーヤガティ
もうやがて。
- 用例
- ナーヤガティ アンマーヤ ケーティ チューンドー(もうやがて、お母さんは帰って来るよ)。
- メモ
- 類:ナーガティ。
ナーラ
まだ。未だ。
- 用例
- キサカラ マッチョーシガ ナーライ?(さっきから待っているが、まだね?)。
- メモ
- 音1:ナーダ・ナーマ。
ナーラビ
若い娘。
- 用例
- ナーラビンチャー ウチスルイネー アンシ チュラムンヤル(若い娘たちが揃うと、とてもきれいだね)。
- メモ
- 類:ミヤラビ。
ナーラビグヮー
若い娘。
- メモ
- 類:ナーラビ・ミヤラビ。
ナーラビワカムン
若い娘と青年。若者。
- 用例
- ナーラビワカムンチャー アチマティ ウドゥイハニ ハネーチョーン(若者たちが集まって、踊って賑やかだ)。
ナーランクトゥ
いまだかつてないこと。
- 用例
- アリガ ワッタンカイ ヌーガラ ムッチ チューンディシェー ナーランクトゥ ヤン(彼が私の所に何か持ってくるということは、いまだかつてないことだ)。
ナーリー
~格好。
- 用例
- ヒンスー ナーリー シ(貧相な格好をして)。
ナーリー
~沿いに。~辺り。
- 用例
- アブシナーリー アッチュン(畦沿いに歩く)。カーラナーリー イチーネー ワカイサ(川沿いに行くと分かるさ)。
- メモ
- 類:ナーシー。
ナーンアラン
~では飽き足らず。
- 用例
- クルチン ナーン アラン(殺すだけでは飽き足らず)。
- メモ
- 音:ナーヤ アラン。類:トーヤ アラン・ナーヤアラン。
ナーンケーンケー
銘々の好み、向き不向き。
- メモ
- →ナームティムティ。
ナイ(~ナイ)
~と。
- 用例
- ビューナイ(ビュービューと)。
- メモ
- ビュービュー、バンバンなどの擬態語、擬音語の繰り返す部分に付き、その様を表す。
ナイガター
なりそう。
- 用例
- アヌ タイヤ ヤガテー マジョーン ナイガター ヤン(あの2人はやがて一緒になりそうだ)。
- メモ
- 類:ナイギサー。
ナイギサー
なりそう。できそう。
- 用例
- イャーヤ チューヲゥイティ ナイギサー ヤミ?(君は今日でできそうねぇ?)。
- メモ
- 類:ナイガター。
ナイグヮー
果実。実。
- メモ
- 類:ナイ・ミー。
ナイチナレー
内地の習慣。
ナイチャー
内地の人。日本本土の人。
ナイバハラー
なりたかったら。
ナイハンスン
なり損なう。
- 用例
- シバヤヌ ウフヤク ナイハンスン(芝居の大役を、なり損なう)。
過:ナイハンチャン(なり損なった)。
ナイムン
果物の総称。実。生り物。
- 用例
- ンカシヌ ナイムンディーネー キンブソーナムンガ ウーサタン(昔の果物といったらミカン類が多かった)。
ナイムン
鳴り物。太鼓や鉦、三線等の音の出る物にナイムンといった。
- 用例
- ナイムヌン ウトゥタカダカートゥ ハネーチョーサヤ(太鼓や三線も音高々とにぎやかだね)。
ナイン
①出来る。
②成る。
- 用例
- ①ウッサヤレー ドゥーチュイシ ナイン(それだけなら一人で出来る)。
②チャーガラ ナイン(どうにかなる)。
否:ナラン(出来ない)希:ナイブサン(出来たい)過:ナタン(出来た)継:ナトーン(出来ている)。
ナエーティ
要領よく。
- 用例
- シクチェー アシガカンヨークー、チャー ナエーティル スンドー(仕事は焦らずに、いつも要領よくやるんだよ)。
ナガー
①長いもの。
②ヘビの総称。
- 用例
- ②ナガーガ ヲゥンドー(ヘビがいるぞ)。
ナガアミ
長雨。
- 用例
- ナガアミヌ チヂチ ハルシクチン ナラン(長雨が続いて農作業もできない)。
ナカイーバル
{中上原}。楚辺の小字。
ナカイービ
中指。
- 用例
- クサカインディ ナカイービ ヤマチネーン(草を刈りていたら、中指を痛めてしまった)。
ナガイチチ
長生き。
- 用例
- タンメーン、パーパーン ナガイチチ シミソーリヨー(お祖父さんも、お祖母さんも長生きしてくださいね)。
- メモ
- 音2:ナガヌチ。
ナカイリ
仲介。
- メモ
- 他字など牛を購入する場合に仲介に立って見定めてくれる人。地人にナカイリを頼んだ時は2円ぐらいを謝礼としてあげる習慣が恩納村から以北、国頭にはあったが、村内ではお金をあげることはなかった。
ナカイリ
仲人。
- 用例
- ニービチ ウワティアトゥ、ナカイリカイ グリージ シーガ イチュン(結婚式が終わった後に、仲人の所にお礼しに行く)。
- メモ
- 類:ナカダチ。
ナカオーキバル
{中大木原}。大木の小字。
ナカガーバル
{中川原}。渡慶次の小字。
ナガガカイ
物事に長時間かかること。
- 用例
- イャーヤ ナガガカイ ソーシガ トゥジュマイヤ スミ(君は長いことかかっているが、やり遂げきれるねぇ?)。
ナカグー
芭蕉の幹の中の部分。
- 用例
- バサーヌ ナカグー サカチ、ウリカラル ヲゥー トゥイタン(芭蕉の幹の中の部分を裂いて、それから繊維を取った)。
ナカグミ
茶色の半襦袢。
- 用例
- ナカグミヤ カミンチュガ キチメータン(ナカグミは神人が身に着けていた)。
- メモ
- 神行事の際に神人が着る、茶色の半襦袢のことで、その上からカカンを来て、白の神衣装をまとった。
ナカグル
中頃。
- 用例
- ハチグヮチヌ ナカグル コーイムン シーガ イカヤー(8月の中頃、買い物に行こうね)。
ナガサクバル
{長佐久原}。比謝の小字。
ナガサン
長い。
- 用例
- ウヌ ウービヤ ワンニンカイヤ ナガサン(その帯は私には長い)。
- メモ
- 対:インチャサン(短い)。
ナガシ
時雨。夕立ち。にわか雨。
- 用例
- ウヌ アメー ナガシル ヤグトゥ イットゥチャネー ハリーサ(この雨はにわか雨だから、一時したら晴れるさ)。
- メモ
- 類:ナガシアミ・ナチグリ。
「ナガシ」夏の午後から夕方にかけてよく見られる天気。激しいにわか雨を伴う意味と、秋の末から冬の初めごろに降ったりやんだりする小雨のこともいう。
ナガシアミ
時雨。夕立ち。にわか雨。
- 用例
- ナガシアミル ヤグトゥ イットゥチャ クヮックトーカナ(にわか雨だから、一時は隠れていよう)。
- メモ
- 類:ナガシ・ナチグリ。
ナカジル
サンシン(三線)の真ん中の弦〔げん〕。
ナカジン
中央。
- 用例
- チカサヤカ ナカジンヲゥティ ヰチョーカナ(近い所より、中央の方に座っておこう)。
ナカズニガー
仲宗根ガー(井戸)。古堅の拝所の名称。
- メモ
- 類:ナカソネカー。
字古堅集落の発祥に関わる仲宗根家の屋敷跡にあるカー。井泉ではなく今帰仁に向かって遥拝するために造られた参り井戸だと言われている。
ナカセーラバル
{仲石良原}。波平の小字。
ナガタ
地名(読谷村長田)。
ナカタゲー
仲たがい。
- 用例
- シージャトゥ ナカタゲー シ イチカラン アーテーネーン(兄と仲たがいして長いこと会ってない)。
ナカダチ
仲人。
- 用例
- ナカダチヤ タヌリチー?(仲人は頼んで来たね?)。
- メモ
- 類:ナカイリ。
ナガタバル
{長田原}。牧原、長田の小字。
ナガタンチュ
長田の人。
ナガチヂチ
長続き。長引く。
- 用例
- ヌーシン ナガチヂチ サンヤー(何をやっても長続きしないね)。
ナカチネー
中流家庭。
ナカチバル
{中地原}。喜名の小字。
ナカチバル
{仲地原}。伊良皆の小字。
ナガチビ
長尻。長居。長座。
- 用例
- チュヌヤーカイヤ ナガチビェー サンキヨーヤー(他所の家には長居はするなよ)。
ナガチビサー
長尻の人。長居する人。
- 用例
- アレー ナガチビサー ヤグトゥ イチガ ケーイラー ワカランドー(彼は長居する人だから、何時帰るか分からないよ)。
ナカティー
中くらいの。
- 用例
- ワームノー ナカティーカラ ムッチ クーワ(私のは、中くらいのから持って来なさい)。
- メモ
- 類:ナカムイグヮー。
ナガデー
長らく。長い間。久しく。
- 用例
- ナガデー チラ ミシランタンヤー(久しく顔を見せなかったね)。
- メモ
- 類:ナゲー。
ナガドウバル
{長堂原}。宇座の小字。
ナガニ
背中。
- 用例
- カーミーヌ ナガニ(亀の背中)。
- メモ
- 音:ナガニ。類:ナガリ。
ナガニー
背中。
- メモ
- 音:ナガニ。類:ナガリ。
ナガニジシ
背肉。ロース肉。
ナガニブニ
背骨。
- メモ
- 音:ナガニブーニー・ナガニブニー。類:ナガリブニ。類:クシブニ。
ナガニン
長年。
- 用例
- ナガニン イチャテーンランタルムン アッタニ ハイイチャティネーン(長年会ってみなかったのに、急に出会ってしまった)。
ナカヌカー
高志保の湧泉の名。
- メモ
- 飲料水で、ウブガー(産水を汲む泉)でもあった。
ナガヌチ
長命。長生き。
- 用例
- ウンジョー ナガヌチ シンソーリヨー(貴方は長生きしてくださいよ)。
- メモ
- →ナガイチチ。
ナカノーイ
仲直り。
- 用例
- チヌール、ナカノーイ ソーンデー(昨日、仲直りしたんだよ)。
ナカバーヤ
家の中央にたつ柱。
ナカバシル
部屋と部屋を仕切った戸。
- 用例
- イクサユーネー チュヌ マーシーネー、ナカバシル ハンチ ウリンカイ ヌシティ ハカンカイ ソーティ イクタン(戦争中は人が亡くなると、戸板を外してそれに載せて墓に連れて行った)。
ナガバナシ
長話。
- 用例
- ウヌ ナガバナシヤ イチ ナイネー ウワイガ?(その長話はいつになったら終わるの?)。
ナガハマ
地名(読谷村長浜)。
ナガハマ クンジョー
字民性。長浜根性。長浜の人の字民性を表す言葉。
ナガハマ ゥンナビー
字民性。<長浜砕米。砕米を炊いて食べるほど倹約した長浜の字民性を表したことば。
ナガハマー
甘藷の品種。
ナガハマガー
長浜川。長浜の地名、川の名称。
- メモ
- 洗濯に利用した。長浜川一帯はかつて豊かな田園地帯だった。かつて海に注ぐ長浜川は、座喜味城跡の麓まで繋がり、座喜味城を築城した護佐丸は、この川を利用し物資を運んだと考えられている。現在は長浜ダムが建設されている。
ナガハマチュラー
長浜美人。
ナガハマンチュ
長浜の人。
ナカバル
{中原}。喜名、渡具知の小字。
ナガビチュン
長引く。
- 用例
- カジヒチヤ ヘーク ノーサンネー ナガビチュンドー(風邪は早く治さないと長引くよ)。
否:ナガビカン(長引かない)希:ナガビカシブサン(長引かせたい)過:ナガビチャン(長引いた)継:ナガビチョーン(長引いている)。
ナカプーカー
中が空洞になっていること。
- 用例
- ナカプーカー ッシ、ヌーン イッチョー ネーンタン(中が空洞になって何も入ってなかった)。
ナカブクバル
{仲袋原}。伊良皆、長浜の小字。
ナガボーヤー
寝そべる。横になること。
- 用例
- アマヲゥティ ナガボーヤー シ ニンジクローン(あそこで横になって寝入っている)。
ナカミ
内臓。豚などの食品としての内臓。
ナガミ
眺め。
- 用例
- ヤマンカイ ヌブイネー ナガミヌ チュラサン(山に登ると眺めがきれいだ)。
ナガミーン
眺める。
- 用例
- ヤマヌ ウヮービカラ ナガミーン(山の上から眺める)。
否:ナガミラン(眺めない)希:ナガミーブサン(眺めたい)過:ナガミタン(眺めた)継:ナガミトーン(眺めている)。
ナカミジル
中身汁。
- 用例
- アチコーコー ナカミジルヌ マーサヨ(熱々の中味汁の美味しいこと)。
- メモ
- 豚のモツ(大腸・小腸・胃等)と椎茸、豚肉、コンニャクを入れて醤油味に仕立て、好みでネギやすり下ろした生姜を入れて食する。沖縄の祝いには欠かせない食べ物である。
ナカミチ
中道。
- メモ
- 村内各字にみられる地名。その集落中央にあり主要道となる。綱引きの綱を引いた道。
ナカミチバル
{中道原}。渡具知の小字。
ナカムイグヮー
中くらいの。
- 用例
- ワンネー ナカムイグヮーカラ チカイサ(私は中ぐらいのを使うさ)。
- メモ
- 類:ナカティー。
ナガムチ
長持ち。
- 用例
- ウヌ クェーヤ ガンジューサヌ ナガムチ ソーサ(その鍬は頑丈で長持ちしているさ)。
ナガムン
ヘビの総称。
- 用例
- ナガムンヌ ゥンマカラ ホーティ ハイタンドー(ヘビがそこから這って行ったよ)。
ナカメー
二番座。居間。民家の間取りのひとつ。
- 用例
- タンメーヤ ナカメーヲゥティ ユクティメーン(お爺さんは二番座で休んでいらっしゃる)。
ナカメーバル
{中前原}。渡慶次の小字。
ナガヤマバル
{長山原}。長浜の小字。
ナガヤンメー
長患い。病気が長引いていること。
- 用例
- ナガヤンメー カカティ ヤーニンジュンカイ メンドー カキトーン(長い間病気で、家族の厄介になっている)。
ナガヰー
長居。
- 用例
- ナガヰー シ ユダリティネーンシェー(長居してゆっくりしてしまったさ)。
- メモ
- 類:ナガチビ。
ナカユーエー
中祝い。
- 用例
- サンジャーグヮー ウワイネー ナカユーエーヤ マチカンティーヤタン(サンジャーグヮーが終わるとナカユーエーが待ち遠しかった)。
- メモ
- サンジャーグヮー(旧7月20日)から旧9月20日の赤犬子祭りまでの間にナカユーエーということで、字負担で豚を潰し盛大に行った。その準備にあたった人たちは豚の解体が終わると、骨で出汁を取った汁を食べ、夜は豚肉料理を作って、アシビの関係者で食した。
ナカユクイ
中休み。休憩。
- 用例
- ナカユクイ ソーイニ アママデー ゥンジ チューサ(中休みしている間に、あそこまで行ってくるさ)。
ナカラ
半分。途中。
- 用例
- ナカラビカーン イッティ トゥラシェー(半分くらいまで入れてちょうだい)。
- メモ
- →ファーフ。
ナガリ
背中。
- 用例
- ナガリヌ コーサヌ カチトゥラシェー(背中が痒いからかいてくれ)。
- メモ
- 類:ナガニ・ナガニー。
ナガリーン
流れる。
- 用例
- ウヌ ミジヤ シチャヌ カーラマディ ナガリーン(その水は下の川まで流れる)。
否:ナガリラン(流れない)希:ナガリーブサン(流れたい)過:ナガリタン(流れた)継:ナガリトーン(流れている)。
ナガリジシ
豚肉の背中の部分。
- 用例
- ナガリジシ コーティ クーワ(ナガリジシを買って来なさい)。
ナガリブサー
流れ星。
- メモ
- 類:ナガリブシ。
ナガリブシ
流れ星。
- メモ
- 類:ナガリブサー。
ナガリブニ
背骨。
- 用例
- ナガリブニヌ ヤリ ニンジン ナランサ(背骨が痛くて眠れもしない)。
- メモ
- 類:ナガニブニ・クシブニ。
ナガワラビ
背がのびた子ども。
- 用例
- ウヌ ワラベー ユカイ ナガワラビ ナトールムンナー(その子はだいぶ背が伸びたね)。
ナカンダカリ
地名(読谷村座喜味の字における区分)。
ナギ
長さ。
- 用例
- アマンカイ アヌ ボーヤ チャナギ アイギサーガ?(あそこにある棒は、どのくらいの長さありそうか?)。
ナギヌ ナガサン(長さが長い)。
ナギーチラカスン
投げ散らかす。放っ散らかす。
- 用例
- ナギーチラカチ カタヂキランバーイ(放っ散らかして片づけないのか)。
否:ナギーチラカサン(投げ散らかさない)希:ナギーチラカシーブサン(投げ散らかしたい)過:ナギーチラカチャン(投げ散らかした)継:ナギーチラカチョーン(投げ散らかしている)。
ナギーン
投げる。捨てる。
- 用例
- アママディ マーイ ナギーン(あそこまで毬を投げる)。
トゥジンカイ ナギラッティ(妻に捨てられて)。
否:ナギラン(投げない)希:ナギーブサン(投げたい)過:ナギタン(投げた)継:ナギトーン(投げている)。
ナギエー
投げ合い。
- 用例
- イシナギエー シーネー アブナサヌ、チュンカイ アタイネー デージドー(石の投げ合いをしたら危ないよ、人にでも当たったら大変だよ)。
ナギクムン
投げ込む。
- 用例
- イチンカイ イシ ナギクムン(池に石を投げ込む)。
否:ナギクマン(投げ込まない)希:ナギクミーブサン(投げ込みたい)過:ナギクラン(投げ込んだ)継:ナギクローン(投げ込んでいる)。
ナキブサー
泣き虫。
- 用例
- イクサユーヤ ナキブサーワラビガ ヲゥイネー、イッペー デージ ヤタン(戦争中は泣き虫の子がいると、とても大変だった)。
- メモ
- 音1:ナチブサー。
ナグイ
人糞を豚に食わすこと。
- 用例
- ナマ ナイネー ンカシヌ ナグイディシェー カンゲーラランヤー(今になっては、昔の人糞を豚に食わすことは考えられないね)。
- メモ
- 豚の餌が乏しかった時代、人糞を餌として与えていた。
ナグサミ
慰め。
- 用例
- ナグサミーガディチ ゥンジャシガ ケーテー ナケーチネーン(慰めに行ったが、かえって泣かせてしまった)。
ナグサミーン
慰める。
- 用例
- ナチョールチュ ンナシ ナグサミーン(泣いている人を皆で慰める)。
否:ナグサミラン(慰めない)希:ナグサミーブサン(慰めたい)過:ナグサミタン(慰めた)継:ナグサミトーン(慰めている)。
ナグマガイ
名護曲がり。地名(名護の有名な曲がり道)。
ナグリガタナサン
名残り惜しい。
- 用例
- イチヌ ユー ナティン、チュヌ ワカリディシェー ナグリガタナサンヤー(何時の世になっても、人の別れというのは名残惜しいね)。
ナグリムン
流れ者。悪い者。
ナゲー
長らく。長い間。久しく。
- 用例
- イャーヤ ナゲー ミーランタシガ マーガラカイ ゥンジル ヲゥティー(君は長いこと見えなかったが、どこかに行っていたの?)。
- メモ
- →ナガデー。
ナゲーサ
長いこと。久しいこと。
- 用例
- ナゲーサ イチャテー ンランタン(長いこと会っていなかった)。
アイヤー ナゲーサヤー(あれまあ、久しぶりだね)。
- メモ
- 音1:ナゲーダ。→ウンナゲーン。
ナゲーダ
長いこと。久しいこと。
- 用例
- ワンネー ウヤトゥン ナゲーダ イチャテー ンランレー(私は親とも長いこと会ってないよ)。
- メモ
- 音1:ナゲーサ。→ウンナゲーン。
ナサーウヮー
母豚。繁殖用雌豚。
- メモ
- 音2:アヒャーウヮー。→アヒャー。
ナサガサー
他人の悪口ばかり言う人。
- 用例
- アレー カーギヤ チュラサシガ ナサガサー ナティ ナランシガ(あの人は美人だが、人の悪口ばかり言って駄目だよ)。
ナサガスン
他人の陰口を言ったり、ないがしろにする。
- 用例
- イャーヤ トゥーチ チュ ナサガスンヤー(お前はいつも人をないがしろにするね)。
ナサキ
情け。思いやる心。気持ち。
- 用例
- ウレー ワームン ナサキ ヤグトゥ トゥティ トゥラシェー(それは私の気持ちだから、受け取って頂戴ね)。
ウヤヌ ヤーカイ チラン ミシラン ナサキン ネーンル(実家に顔も見せない、情けないね)。
ナザシ
名指し。
- 用例
- ナザシ サッティ、イヒョーナー ヤタン(名指しされて、変な気持ちになった)。
ナサランヌー
できない者。生活できない貧乏な者にもいう。
ナサリーン
楽に暮らせる。
- 用例
- イッタヤ、ナマネー ナサリーンテー(あなたたちは、今はもう生活も楽でしょう)。
- メモ
- 金銭的に余裕があって、色々なことをするのが可能なこと。
ナシアガイン
産み終える。
- 用例
- ワンネー ミッチャイシ ナシアガインディチル ヤンデー(私は3人で産み終えるつもりだよ)。
ナシアンダグヮー
体につける油。
- メモ
- 体に塗るもので、今でいうクリームの類い。
ナシーン
つける。塗る。
- 用例
- ヤマチェール トゥクルカイ クスイ ナシーン(怪我をした所に薬を塗る)。
否:ナシラン(塗らない)希:ナシーブサン(塗りたい)過:ナシタン(塗った)継:ナシトーン(塗っている)。
ナシウヤ
<産し親。生みの親。
- 用例
- クヮヤ チャーシ ヤティン ナシウヤル カメーティ ハインドー(子どもはどんなことをしてでも、生みの親を探していくんだよ)。
ナジキーン
言い訳にする。口実にする。
- 用例
- イチュナサ ナジキティ クトゥワイサ(忙しいことを理由にして断るさ)。
- メモ
- 音:ナジャキ。
ナシグヮ
<産し子。生んだ子。
- 用例
- ドゥーヌ ナシグヮヤ チャー ソーティン カナサル アル(自分が生んだ子は、どんなしていても愛しいものだ)。
- メモ
- 類:ナシングヮ。
ナシヂチ
産み月。臨月。
- 用例
- ナシヂチ ナトールムン シクチェー ナエーティ シーヨー(臨月に入ったから、仕事は要領よくしなさいよ)。
ナジチュー
植物名。ハイキビ。
- 用例
- ナジチューガ ミーレーカラー トゥッティン マタ ミーティチューン(ハイキビが生えたら、取ってもまた生えてくる)。
- メモ
- 類:ナージチュー。
ナシハンジョー
産し繁盛。子孫繁栄。
- 用例
- アトゥドゥミアンマーガ ウッサ ナシハンジョー シミテーン(後妻がこんなにも子孫繁栄させてある)。
ナシヒルギ
子孫を増やすこと。子孫が増えること。
- 用例
- イッター アンマーヤ ウッサヌ ナシヒルギ シ ディカシ ヤサ(貴方たちのお母さんはこれだけの子孫を残して、たいしたもんだよ)。
ナシムンヌクヮ
生んだ子。子ども。
- 用例
- イッタヤ ナシムンヌクヮヤ イクタイガ?(あなたたちは子どもは何人いるの?)。
ナシメー
産す前。出産前。出産が近づく頃。
- 用例
- ナシメー ナトーシガ ボージャームノー シコーテーミ?(出産が近づいているが、赤子の物は準備してあるのね?)。
ナシングヮ
<産し子。産んだ子。
- 用例
- ナシングヮヤ イクタイガ?(産んだ子どもは何人ね?)。
- メモ
- 類:ナシグヮ。
ナスビ
茄子。
- 用例
- ナスベー イフェー ミジンカイ チキトーチーネー アコー ヌギーサ(茄子は、少し水に浸しておくとアクが抜けるよ)。
- メモ
- 類:ナーシビ。
ナスン
産む。
- 用例
- ヤーノー ヰナグングヮガ クヮ ナスンドー(来年は娘に子どもができるよ)。
クチャヲゥティ クヮ ナチョーン(裏座で子どもを産んでいる)。
否:ナサン(産まない)希:ナシーブサン(産みたい)過:ナチャン(産んだ)継:ナチョーン(産んでいる)。
ナスン
①成す。する。②寄せる。避ける。
- 用例
- ①ヰキガワラビ ヤキューセンシュ ナスン(男の子を野球選手にする)。②チカーンヌーヤ アマンカイ ナチョーケー(使わないのはあそこに寄せておきなさい)。
ナダ
涙。
- 用例
- イャー ハナシー チチーネー ナチカサヌ ナダヌル ウティール(貴方の話を聞いたら、悲しくて涙が落ちる)。
- メモ
- 音:ナラ・ナラー。
ナダグルグルー
涙ぐんでいる様。
- 用例
- ウドゥルカチャレー ナダグルグルー ソータン(驚かせたら涙ぐんでいた)。
ナダソーソー
涙が落ちる様。
- 用例
- ナダソーソー シ ナチャグトゥ ミーン マッカーラ ソーン(涙を流して泣いたら、目も真っ赤になっている)。
ナダヤッサン
穏やかなこと。
- 用例
- ムル、アンシ ナダヤッサル(皆、なんて穏やかなんでしょう)。
ナダヨーサン
涙もろい。
- 用例
- ルク ナダヨーサヌ チャーン ナラン(あまりにも涙もろくて、どうしようもない)。
ナチ
夏。
- 用例
- ナチン ウワティ ヤガティ ヒークル ナイル(夏も終わって、やがて寒くなるんだよ)。
ナチイーン
泣き入る。
- 用例
- ワラビ ナケーシヂューサイネー、ナチイーンドー(子どもを泣かし過ぎると、泣き入るよ)。
ナチカカイン
泣きつく。
- 用例
- ハジン ネーラン ジンヌ ネーン ナタレー ワンニンカイ ナチカカインナー(恥もなく、お金がなくなったら私に泣きつくのか)。
- メモ
- 類:ナチシガイン。
ナチカサン
悲しい。
- 用例
- イクサユーヌ クトゥ ウビゥンジャシーネー ナチカサンヤー(戦争のことを思い出すと悲しいね)。
- メモ
- 類:ナチカハン。対:ウッサン(嬉しい)。
ナチカハン
悲しい。
- 用例
- ヘーマーシ サル アンマークトゥ ウビゥンジャシーネー ナチカハン(早死にしたお母さんのことを思い出すと悲しい)。
- メモ
- 類:ナチカサン。
ナチグィー
泣き声。
- 用例
- アンシ ナチュタルムンヌ、ナチグィーン チカラン ナトーン(あんなに泣いていたのに、泣き声も聞こえなくなっている)。
ナチグェーグェー
泣きじゃくっている様。
- 用例
- チュヌメーヲゥティ ナチグェーグェー シ フージン ネーラン(人前で泣きじゃくってみっともない)。
ナチグリ
夏のにわか雨。夕立。
- 用例
- ナチグリヤ スグ ヤムサ(夏のにわか雨は直ぐに止むよ)。
ナチゲェー
大豆の種類。
- メモ
- ウフチジャー参照。
オーヒグもタカアンダーも小粒で、短い径は4ミリほど。オーヒグは青ヒグ。その名の通り、熟しても青い色が残る。
タカアンダーは、名前からアンダー=油分が多いという意か。
ナチシガイン
泣きすがる。泣きつく。
- 用例
- ウヌ ワラベー アンマーガ フカカイ イチュンディ シーネー スグ ナチシガインドー(その子どもは、母親が外出しようとすると直ぐに泣きすがるよ)。
- メモ
- 類:ナチカカイン。
ナチジンウガミ
今帰仁拝み。
ナチスーブ
鳴き勝負。
- メモ
- 競うようにあちこちで鳴き声が聞こえること。
ナチネービー
泣き真似。
- 用例
- ウヌ ワラベー ヌライネー ナチネービー スンドー(その子どもは叱ると泣き真似をするよ)。
ナチブサー
泣き虫。
- 用例
- ワラビヌ ナチブサー ナティ トゥーチ ウファシル シクチェー スタル(子どもが泣き虫で、いつもおぶって仕事をしていた)。
- メモ
- 類:ナキブサー。
ナチブサーアジャ
泣きぼくろ。
ナチマキ
夏負け。夏ばて。
- 用例
- ムヌン チュファーラ カマンネー ナチマキ スンドー(ご飯もたくさん食べないと夏ばてするよ)。
ナチムニー
泣くような甘え声。猫なで声。
- 用例
- トゥーチ ナチムニー シ フンデービカーン スサ(いつも猫なで声で甘えてばかりいる)。
ナチムン
夏物。
- 用例
- ナー ヒークル ナイグトゥ ナチムンヤ ウサミーン(もう寒くなるんだから、夏物は収める)。
- メモ
- 対:フユムン。
ナヂャキ
口実。言い訳。
- 用例
- ハルカイ イチナヂャキ シ アシビーガ ンジャン(畑へ行くと言い訳して、遊びに行った)。
- メモ
- 音:ナジキ。
ナチュン
泣く。鳴く。
- 用例
- ワランチャー ウドゥルカシーネー ナチュンドー(子どもたちを驚かせたら泣くよ)。
ヤールーヌ ナチョーン(ヤモリが鳴いている)。
否:ナカン(泣かない)希:ナチーブサン(泣きたい)過:ナチャン(泣いた)継:ナチョーン(泣いている)。
ナチョーラ
海藻名。海人草(カイニンソウ)。マクリ。
- 用例
- ナチョーラヤ シジティ ヌミーネー ムシグスイ ナイン(海人草は煎じて飲むと、虫下しの薬になる)。
- メモ
- 虫下しの薬になる。
ナチワレー
泣き笑い。
- 用例
- ナチワレー ッシ、ヌール カンゲートーラー ワカラン(泣き笑いして、何を考えているのか分からない)。
ナッコオーリバル
{仲折原}。波平の小字。
ナッコーガー
波平・高志保の川、井泉の名前。
- メモ
- 高志保・波平の字界にあった。読谷小学校辺りはかつて谷底状になっており、高志保の小字東原(アガリバル)に源流をもつ小川(ナコーガー〔ガーラ〕、波平ではシリガーラとも呼んだ)が流れていた。読谷小学校運動場拡張のため埋立てられ、後に小学校のプールも新設されその痕跡はなくなった。このナコーガーはノロが使用したヌールガーでもあり、現在プール南側に「祝女泉跡地」の石碑が建立され現在も高志保の年中行事で拝されている。
ナッコービラ
波平の坂道の名前。
- メモ
- 波平から読谷小学校に下りていく階段は、昔ナッコービラと呼ぶ坂道だった。
ナッター
あなた方。
- メモ
- 音1:ニッター。
→ウンジュナー。
目上の人に対していう。
ナットゥービサ
扁平足〔へんぺいそく〕。
ナディイタ
瓦造り道具のひとつ。形を整えるために使う道具で、掌の大きさより若干大きかった。
ナナイルイーチュー
7色糸。死者の左襟に刺した7つの色糸。
ナナウブン
七御盆。
- 用例
- ニービチネー ナナウブン ディチ ウブヌンカイ ナナチヌ カミムン ナラビータン(結婚式には七御盆ということで、御盆に7種類の食べ物を並べた)。
- メモ
- 類:ナナチヌウブン・ナナチレーヌウブン。
カフーナチュ(果報な人)が新夫婦にミジナディー(水撫で)して、タカウブン(高御盆)に載ったハナビーダク(蒸し蛸)とスンカンに盛ったアカメー(赤飯)を一箸ずつ夫婦の口に運んだ。
ナナカサビ
七重ね。
- 用例
- アヌユーカイ ウクイネー ナナカサビ クシティ ウクイタン(あの世に送る時には7枚の着物を重ねて着せて送った)。
ナナカジャイ
7飾り。ウチカビ7組。
- 用例
- シチニンチネー ウチカビン ナナカジャイ シキーン(七年忌には打ち紙も7組供える)。
ナナキブイ
七煙。字の発祥の7軒。
- メモ
- 音2:ナナチネー。
ナナクビー
7枚重ねの死装束。
ナナシカマ
70円の借金のかたに使役されること。
- 用例
- ナナシカマ カイネー チネードーリ(70円借りると家庭が崩壊する)。
- メモ
- 返済するときに、その返礼として元金や利子とは別に7日の労働を供さなければならなかった。貸した人は繁忙期に労働を請求するため、その間、借り主は自分の畑の手入れができなくなり家計が成り立たなくなる。
ナナチ
7。7つ。7歳。
- 用例
- ンカシェー ナナチ ヤティン ウヤヌ ティガネー スタンドー(昔は7歳でも親の手伝いをしていたよ)。
ナナチアガヤー
7つ上がり。数え7歳で小学校に入学すること。
- 用例
- ナナチアガヤー ヤティン、ナンクル ンナンカイ ウーティ ハイン(七つ上がりでも、自然に皆に追いついて行く)。
ナナチキ
7か月。
ナナチチ
7か月。
ナナチチヒャーイ
7か月の日照り。
ナナチチャー
妊娠7か月で生まれた子。
- 用例
- ワン チャクシヤ ナナチチャー ヤン(私の長男は七か月で生まれた)。
ナナチネー
七家庭。字の発祥の7軒。
- メモ
- →ナナキブイ。
ナナチビールー
栄養失調の子。
- 用例
- ナナチビールー ヤタシガ ユー フルイートーンヤー(ナナチビールーだったのに良く成長したね)。
- メモ
- 昔は栄養失調の子が多く、7歳になっても歩くことができない子のことをナナチビールーといっていた。
ナナチブサー
北斗七星。
- メモ
- 類:ブリブシ。
北の空に輝き、北極星のまわりをまわる(ひしゃくの絵)の形をした星。
ナナチレーヌウブン
七御盆。七品の盆。七品盛られたお盆。
- 用例
- ナマン ニービチネー ナナチレーヌウブンディチ アガヤー?(今も結婚式には七御盆ってあるかな?)。
- メモ
- 類:ナナウブン。
現在のケーキバイトのようなもの。ナナウブン参照。
ナナトゥ
七年忌。
- 用例
- アンマー ナナトゥン チカユトーンドー(お母さんの七年忌も近づいている)。
- メモ
- 類:シチニンチ。
ナナトゥ
7年。
ナナヌハシヌカビ
切れ込みの入った7枚の白紙を折って階段形にしたもの。三十三年忌に仏壇に供える。
ナナハシラ
集落の草分けといわれている七つの門中。
ナナヒログムイ
長田の地名。七尋グムイ。
- メモ
- クムイは池や水たまりの意。長田川沿いに位置し、7尋(約10m)もの水深があるとされ、こう呼ばれた。子どもたちの遊び場でもあった。ナナヒルグムイや単にナナヒロ、ナナヒルとも呼ばれた。
ナナマール
字伊良皆の行事名称。行事名。七廻り。
- メモ
- 類:ナナマールー。
伊良皆の行事名称。12月20日以降の吉日夜に行う、七煙に感謝する1年で最後の楽しい行事。ユナサモー(伊良皆の地名、拝所)に薪を7か所積み上げて一晩燃やし、集まった人々は焚き火に当たりながら各戸持ち寄りの豆腐を食べた。これに先立ち、役員と根屋、7人の少年2組はシマヌドゥンを拝する。このとき1組の少年らが「ウェーウェー」と言うので「ウェーウェーニンジュ」と呼ばれた。
ナナマールー
七廻り。
- メモ
- 類:ナナマール。
ナナマール参照。
ナナイェージャー
三枚肉。豚バラ。
- 用例
- ナナイェージャー マースジキ シェーン(豚バラを塩漬けにしてある)。
- メモ
- →サンマイニク。
ナヌカ
7日。
ナバクユン
からかう。冷やかす。
- 用例
- アリンカイ ナバクラッタン(彼にからかわれた)。アンスカ ナバクランケー(そんなに冷やかすな)。
- メモ
- 類:ワクイン。
ナバターイン
のけ反る。
- 用例
- ウヌ ワラベー イーシ チカンネー スグ ナバターインドー(その子どもは、いう事を聞かないと直ぐにのけ反るよ)。
ナビクン
なびく。
- 用例
- カジヌ チューサヌ ハタガ ナビクン(風が強くて旗がなびく)。
- メモ
- 類:ナビチュン。
ナビゲー
おたま。杓子。
- 用例
- ウマヲゥティ ナビゲー ムッチ タッチョーシヤカ ヘーク ホートゥヌ シル イッティ クーワ(そこで杓子を持って立っているより、早く鳩の汁を入れてきなさい)。
- メモ
- 類:サラゲー・ミシゲー。
ナビチュン
なびく。
- 用例
- イーカジグヮー フチ カラジン ナビチュン(心地よい風が吹いて、髪もなびく)。
継:ナビチョーン(なびいている)。
- メモ
- 類:ナビクン。
ナマ
今。現在。
- 用例
- ナマ、ガッコーカラ ケーティ チャン(今、学校から帰ってきた)。
ナマカラ コーイムンシーガ イチュグトゥ ケーイヤ ニッカ ナインドー(今から買い物に行くから、帰りは遅くなるよ)。
ナマアシ
あぶら汗。
- 用例
- ナマアシ ダラナイ シ マーガラ ヤメーサニ?(あぶら汗をかいて、どこか痛いの?)。
ナマキーン
怠ける。
- 用例
- マルケーテー シクチ ナマキーン(たまには仕事を怠ける)。
ナマグル
今頃。
- 用例
- ナマグルカラ ユビーガ チューンディチン アンナー?(今頃から呼びに来るってこともあるか?)。
- メモ
- 類:ナマジブン。
ナマサキ
今先。今しがた。
- 用例
- ナマサキル コーイムンカラ ケーティ チャル(今しがた買い物から帰って来たんだよ)。
- メモ
- 類:ナマサチ。
ナマサチ
今先。今しがた。
- 用例
- ナマサチル ユバッティ ハイタンデー(今先、呼ばれて行ったんだよ)。
- メモ
- 類:ナマサキ。
ナマシ
刺身。
- 用例
- ナマシン アルムンヌ チューヤ クッヮチー ヤサ(刺身もあるし、今日はご馳走だね)。
ナマジシ
生肉。
- 用例
- アマカラ インガ ナマジシ クーティ ハイタン(あそこから、犬が生肉を咥えて行った)。
ナマジブン
今時分。今頃。
- 用例
- ナマジブンカラ アシビーガ イチーネー ナンジニ ケーティ チューガ?(今時分から遊びに行ったら、何時に帰って来るの?)。
- メモ
- 類:ナマグル。
ナマジラー
いつも薄笑いしているような人。
- 用例
- ムノー イランソーティ ナマジラーヤ(物は言わないくせに、薄笑いばかりして)。
ナマジラワレー
薄笑い。にやにや笑うこと。
- 用例
- ワッター ンチ ナマジラワレー シ トゥーティ ハイタン(私たちを見て、にやにやして通って行った)。
ナマダマシ
生肉の配分。
- 用例
- カンカーネー ナーメーメー チネーンカイ ナマヌシシ ワキティ クィータンヨ。ウリンカイ ナマダマシンディ イタン(カンカーには、屠った牛や豚の生肉を各家に等分に分けてやったよ。それにナマダマシと言ったよ)。
ナマチ
ひょうきん。愉快な。
- 用例
- ナマチナ ムン(ひょうきんな者)。
ナマチキティ
未だに。今でも。今もって。
- 用例
- ナマチキティ シンコーソーンドー(今でも信仰しているよ)。
ナマチキティ ヌーヌ アティン ネーン(未だに何の連絡もない)。
ナマチブルヤン
頭痛の一種。軽い頭痛。
- 用例
- ナマチブルヤン スグトゥ チューヤ シクチ ユックイン(軽い頭痛がするから、今日は仕事を休む)。
ナマチャー
ひょうきん者。
- 用例
- アヌ ニーシェーヤ アンシ ナマチャー ヤテール(あの青年は、あんなにひょうきん者だったんだね)。
- メモ
- 類:スクチャー・スクチナムン。
ナマディー
今頃。未だに。こんなに遅く。
- 用例
- ナマディーナーカラ アシビーガ イチュンナー(今頃から遊びに行くのか)。
- メモ
- 音:ナマリー。
ナマトー
今のところ。
- 用例
- クヌ シクチヤ、ナマトー ウワイギサー アランド(この仕事は、今のところ終わりそうもないよ)。
ナマトー
今のところ。
- 用例
- クヌ シクチヤ、ナマトー ウワイギサー アランド(この仕事は、今のところ終わりそうもないよ)。
ナマナマー
急いで何かをする様。急に。
- 用例
- チャー ナマナマー シ タヌミーガ チューサ(いつも急に頼みに来るよ)。
ナマニー
生煮え。
- 用例
- ウヌ シシェー ナマニー ソーン(その肉は生煮えしている)。
ナマニン
今にも。
- 用例
- ナマニン アミ フイギサーソーン(今にも雨が降りそうだ)。
ナマミジ
生水。
- 用例
- ウヌ ミジェー ワカチェーネーン ナマミジル ヤンドー(その水は沸かしてはない、生水だよ)。
ナマムン
生物。生もの。
- 用例
- ナチヌ アチサイネー ナルビチ ナマムンヤ カマンシェー マシ(夏の暑い時は、なるべく生ものは食べない方が良い)。
ナマリー
今頃。未だに。こんなに遅く。
- 用例
- チューヤ ナマリー ナトール(今日はこんなに遅くなって)。
- メモ
- 音:ナマディー。
ナマリーン
鈍る。切れ味が悪くなる。
- 用例
- ホーチャー チカイヂューサイネー ナマリーンドー(包丁を使いすぎると、切れ味が悪くなるよ)。
ナマンシ
最近のこと。
- 用例
- アリガ ヤマトゥカイ ゥンジャシェー ナマンシル ヤル(あの人が大和に行ったのは最近のことだよ)。
ナマントー
今まで。
- 用例
- ナマントー ナティーネーラン(今までかかってしまった)。
ナマゥンム
生芋。
- 用例
- ウレー ナマゥンムル ヤンドー(それは生芋だよ)。
ナムジャー
甘藷の品種。
- メモ
- ナムジャーゥンム。
ナムジャー
馬鹿者。常識はずれの人。
- 用例
- ナムジャーガ ゥンジトーティ ヌー クサムニースガ(馬鹿者のくせに何を強がっているか)。
- メモ
- →ゲレン。
ナムジャーイー
たくさんなるが実入りがよくないこと。
ナムジャームニー
馬鹿な言い方。
- 用例
- ナムジャームニーシ アンソール ムヌイーヨーンアンナー(馬鹿な口をきいて、そんな物の言い方もあるか)。
ナムジャーゥンム
芋〔イモ〕の一種。
- メモ
- おいしくはないが、早くたくさん収穫できる。
ナラ
涙。
- メモ
- 音:ナダ・ナラー。
ナラー
涙。
- メモ
- 音:ナラ・ナダ。
ナラーシ
教育。躾け。習慣。
- 用例
- ワラベー ナラーシヨールヤンドー(子どもは躾けようだよ)。
- メモ
- →イーナラワシ。
ナラースン
教える。習わす。
- 用例
- ウットゥンカイ ティー ナラースン(弟に空手を教える)。
ナラーシミソーチ(教えてくれて)。ターガ ナラースタガ(誰が教えたか)。
否:ナラーサン(教えない)希:ナラーシーブサン(教えたい)過:ナラーチャン(教えた)継:ナラーチョーン(教えている)。
ナライン
教わる。習う。
- 用例
- シージャカラ ワジャ ナライン(兄から技を習う)。ウヤカラ ナラタン(親から教わった)。
否:ナラーン(習わない)希:ナライブサン(習いたい)過:ナラタン(習った)継:ナラトーン(習っている)。
ナラビ
並び。隣。
- 用例
- ワッター ヤーヌ ナラビ ヤタサ(私の家の隣だったよ)。
ナラビーン
並べる。
- 用例
- ビン リッパニ ナラビーン(瓶をきれいに並べる)。
否:ナラビラン(並ばない)希:ナラビーブサン(並びたい)過:ナラビタン(並べた)継:ナラビトーン(並べている)。
ナラブン
並ぶ。
- 用例
- ヘークナー ゥンジ イチバンメーンカイ ナラブン(早く行って一番前に並ぶ)。
否:ナラバン(並びたい)希:ナラビーブサン(並びたい)過:ナラダン(並んだ)継:ナラドーン(並んでいる)。
ナランヌー
できないもの。
- 用例
- ナランヌーンカイヤ ヌーン イーチキランサ(できない人には何も言いつけないよ)。
ナリ
慣れ。習慣。
- 用例
- ナー ウヌ ナリ ナトーサ(もうその習慣になっているよ)。
ナリーン
慣れる。
- 用例
- ハマティ シーネー ヘーク ナリーンテー(頑張ったら早く慣れるよ)。
否:ナリラン(慣れない)希:ナリーブサン(慣れたい)過:ナリタン(慣れた)継:ナリトーン(慣れている)。
ナリナムン
慣れること。
- 用例
- シクチェー ムル ナリナムンル ヤルヨー(仕事は全て慣れることだよ)。
ナリユチ
成り行き。
- 用例
- チャヌユーナ ナリユチヌ アティン チュンカイ ティー アギテー ナラン(どんな成り行きがあろうと、人に手を上げてはいけない)。
ナルカジリ
できる限り。
- 用例
- ナルカジリ ハマタシガ、チャーン ナランタン(出来る限り頑張ったが、どうしにもできなかった)。
ナルクェームン
ずる賢い者。理屈っぽい者。したたか者。
- 用例
- ナルクェームン ナティ ウヤヌ イーシェー ムル チカン(ずる賢い奴なので、親の言うことはまったく聞かない)。
- メモ
- 音:ナークェームン・ナルケームン。
ナルケームン
ずる賢い者。理屈っぽい者。したたか者。
- メモ
- 音:ナルクェームン・ナークェームン。
ナルッテン
滑りやすい様。
- 用例
- ナルッテン ソーグトゥ キー チキリヨー(滑りやすいから気をつけなさいよ)。
- メモ
- 類:ナンドゥルサン・ナンルラハン。
ナルビチ
なるべく。
- 用例
- チムヒガンラー ナルビチェー イカンシェー マシ(気がすすまないなら、なるべくは行かない方がいい)。
ナルフドゥ
なるほど。
- 用例
- ナルフドゥ ンチャ イャーガ イータシェー アタトーサ(なるほどそうさ、貴方が言ったのは合っているさ)。
ナレーガタ
習い方。
- 用例
- トーンカイ ナレーガタ シーガ ゥンジャン(唐へ習いに行った)。
- メモ
- 類:ムンナレー。
ナンカ
死後7日目ごとに49日まで行われる法事。
- 用例
- ナンカネー ハカカイン イチュン(ナンカには墓にも行く)。
- メモ
- 類:ナンカジューコー。
ナンカジューコー
死後7日目ごとに49日まで行われる法事。
- 用例
- ナンカジューコーネー ウチャコー メンシェーンドー(ナンカジューコーにはお客さんもいらっしゃるよ)。
- メモ
- 類:ナンカ。
ナンカヌシーク
正月七日の節供。
- 用例
- ナンカヌシークヤ トートーメンカイン ウサギーンドー(七日節句には仏壇にも供えるよ)。
ウヮークルシーネー、ナンカヌシークーヤ ミミガーヤ ウチョーキヨー(〔正月用に〕豚を屠殺したら、七日の節句用の耳皮は置いておきなさいよ)。
- メモ
- 音:ナンカノシーク。
正月7日に、正月用に潰した豚の霊を供養する意味でナンカヌシークを行う。師走27日に潰して、27日から正月三が日を外せば、7日が初七日に当たるので豚の初七日(死後7日目の法事)と言われた。
またミミガーユールー(耳皮夜)といって、塩漬けしたミミガー(耳皮)とチブルガー(頭皮)を調理し、豆腐や山芋等の茶請けと一緒に平バーチ(大皿)に盛り、夜、仏壇に供える。
仏壇の花米など供え物や若松などを片付けるので、その花米で雑炊を作る家庭もあった。
ナンカノシーク
正月七日の節供。
- メモ
- 音:ナンカヌシーク。
ナンギ
難儀。苦労。
- 用例
- ナンギディ イランヨークー ヘーク ティー イジカシェー(難儀と言わずに早く手を動かしなさい)。
- メモ
- 類:ナンジ。
ナンギタンギ
難儀や苦労を強調した言葉。
- 用例
- ナンギタンギ シ メーナチ シクチシン ティーチン クラシガタヤ ラコー ナラン(どんなに難儀をして毎日仕事をしても、ちっとも生活は楽にならない)。
- メモ
- 音:ナンジクンジ。
ナンクル
自然に。ひとりでに。
- 用例
- ワラビヤ ウヤー ヲゥランティン ナンクル フルイーティ イチュン(子どもは親はいなくても、ひとりでに成長していく)。
ナンクル ナイン
何とかなる。
- 用例
- ナンクル ナイサ(何とかなるさ)。
ナンクルミー
自生。
- 用例
- ゥンマンカイ ミートーシェー ムル ナンクルミール ヤル(そこに生えているのは全部自生だよ)。
ナンクヮー
カボチャ。南瓜。
- メモ
- 音1:ナンクヮン。音2:チンクヮー。
ナンクヮン
カボチャ。南瓜。
- メモ
- 音1:ナンクヮー。音2:チンクヮー。
ナンジ
難儀。苦労。
- 用例
- ナンジヤ コーティヤティン シーリヌ クトゥバン アン(難儀は買ってでもしなさいという言葉もある)。ヌーン ナンジン ネーン(何の苦労もない)。
- メモ
- 音1:ナンギ。
難儀するということは、仕事を多くする、修行をする意味でもあることからそういわれた。
ナンジクンジ
難儀や苦労を強調した言葉。
- 用例
- チャッサ ナンジクンジ シン、ティーチン ジノー タマラン(どんなに難儀をしても、ちっとも金は貯まらない)。
- メモ
- 類:ナンギタンギ。
ナンジサー
難儀ばかりしている人。
- 用例
- ナンジサーヤ、チャー ナンジサー ヤサ(難儀ばかりしている人は、いつも難儀ばかりしている)。
- メモ
- 対:ラクサー(楽ばかりしている人)。
ナンジディマ
難儀手間。手間賃。
- 用例
- ナンジディマヤ ハラリヨーヤー(難儀した分の手間賃は払いなさいよ)。
ナンジャ
銀。
- 用例
- ナンジャガーミ(銀〔塩〕の入った甕)。
ナンジャガーミ
銀(塩)の入った甕。
- メモ
- ナンジャ(銀)は塩の美称語
ナンジャギーファー
銀のかんざし。
- 用例
- ナンジャギーファーヤ ワッターガー コーイハンタン(銀のかんざしは、私たちには買えなかった)。
- メモ
- 類:ナンジャジーファー。
ナンジャジーファー
銀のかんざし。
- 用例
- ワンネー ダキジーファービカーンル アグトゥ ナンジャジーファーン フーサンレー(私は竹の簪しか持ってないから、銀のかんざしも欲しいよ)。
- メモ
- 類:ナンジャギーファー。
ナンジャマース
銀の塩。塩の美称語。
- メモ
- →クガニマース。
ナンジュ
たいして。それほど。あまり。
- 用例
- クンドゥヌ シバイヤ ナンジュ アランタン(今度の芝居はたいしたことなかった)。
ナンジュ ムヌン イラン(そんなに物も言わない)。ナンジョー アイビラン(それほどではありません)。ナンジュネーン(あまり無い)。
- メモ
- 音1:ナンズ。
ナンズ
たいして。それほど。あまり。
- 用例
- タカハヌ ワリネー、ナンズ マーサーネーンタン(高い割には、たいして美味しくなかった)。
- メモ
- 音1:ナンジュ。
ナンタラガーキー
何の関心もない人。どうでもいいような人。
- 用例
- ワッター ユメー ナンタラガーキー ナティ!(私の嫁は何の関心もない人で!)。
ナンチキ
こげ。焦げ付き。
- 用例
- ヒーヌ チューハヌ ナンチキ クガリトーシガ(火力が強くて焦げているよ)。
- メモ
- 音1:ナンチチ。
ナンチチ
こげ。焦げ付き。
- 用例
- ナンチチン カメーカラー クスイ ヤサ(こげも食べてしまえば良いもんだよ〈薬だよ〉)。
- メモ
- 類:ナンチキ(こげ)。
ご飯などが焦げ付いたもの。
ナンチチカジャ
こげ臭い。
- 用例
- ナンチチカジャ スシガ ヌー ニチョーガ?(焦げ臭いが、何を煮ているの?)。
ナンティン
ナンテン。南天。
- 用例
- ナンティンヤ ソーグヮチニ カジャイネー カリーナムンドー(南天は正月に飾ると縁起がいいよ)。
ナンデンサー
桑の実。
- 用例
- ワッタガ グナサイネー ナンデンサーン ユー カムタン(私たちが小さい頃は、桑の実も良く食べよった)。
- メモ
- 類:ナンジサー。
ナントゥ
何回。何度。どんなに。
- 用例
- ヤナワラバーヤ ナントゥ イチン チチクヮーン(嫌な子はどんなに言っても聞かない)。
ナントゥー
年頭餅。餅米に味噌や黒糖を混ぜて作る。
- 用例
- ソーグヮーチネー ナントゥーガ カマリーグトゥ タヌシミ ヤタン(正月にはナントゥーが食べられるので楽しみだった)。
- メモ
- 類:ナントゥーンス。
もち粉に味噌と黒糖と胡椒などを加えて、最後にゴマやピーナッツで飾って、月桃の葉の上に乗せて蒸して作る。
ナントゥーンス
年頭餅。餅米に味噌や黒糖を混ぜて作る。
- 用例
- アンマーガ チュクイル ナントゥーンスヤ ヌーヤカ マーサタン(母が作るナントゥーンスは何よりも美味しかった)。
- メモ
- 類:ナントゥー。ナントゥー参照。
ナンドゥチ
何時。
- 用例
- ウヤヌヤーカイヤ ナンドゥチ ハイガ?(実家には何時に行くの?)。
ナンドゥチヤティン
何時でも。
- 用例
- アチャヤ ヒマ ヤグトゥ ナンドゥチヤティン シムンドー(明日は暇だから、何時でもいいよ)。
ナンドゥルー
①すべっこいもの。②締まりのない人。けじめのない人。
- 用例
- ②ナンドゥルーナティ ヌー ティーチン シーアーシーサン(けじめがなくて、何ひとつ仕上げることができない)。
ナンドゥルサン
滑りやすい。つるつるしている。滑らかである。
- 用例
- ナンドゥルサン ミーカラヤ アッカンキヨー(滑りやい所からは歩くなよ)。
ナンドゥルクシ(滑りやすいようにして)。
- メモ
- →ナルッテン。
ナンバン
南蛮。南蛮焼きの甕〔かめ〕。
- メモ
- 類:ナンバンガーミ。
ナンバンガーミ
南蛮焼きの甕〔かめ〕。
- メモ
- 類:ナンバン。
ナンマーチ
並松。松並木。
- メモ
- 音:ナンマチ。松並木をそう呼び表し、各所にそうした場所があった。現在の国道58号は、首里王府時代の宿道と呼ばれた主要道で、戦前までは松並木があった。特に伊良皆から比謝に至る並松は見事だった。比謝矼に向かうと道沿いが集落となり並松はなかった。
ナンマチ
並松。松並木。
- メモ
- 音:ナンマーチ。ナンマーチ参照。
ナンルラハン
滑りやすい。
- 用例
- カーヌ ハタヤ ンリティ ナンルラハンドー(井戸の側は濡れて滑りやすいよ)。
- メモ
- →ナルッテン。
ニアーイン
似合う。
- 用例
- アヌ タイヤ タキフドゥ ウチャティ ニアーイン(あの二人は体格も良く、似合っている)。
否:ニアーラン(似合わない)継:ニアートン(似合っている)。
ニー
①根。根元。根っこ。根株。②元。そば近く。
- 用例
- ①マギキー ナティ ニー ハトーグトゥ トーシグリサン(大きな木になって、根が張っているので倒しにくい)。チミヌ ニー(爪の根元)。
②ウスガナシーメーヌ ニーンカイ(王様のもとへ)。
- メモ
- ②類:ニーグイ・ニーグヤー・ニームトゥ。
ニー
①荷。②荷物の数を数える数詞。
- 用例
- ①ムタラン ニー ムッチ、アマカラ アッチチューシェー ター ヤガヤー?(持てないほどの荷物を持って、あそこから歩いて来るのは誰かね?)。②チュニー ヤティン シムグトゥ、ムッチ トゥラシェー(荷物1つでもいいから、持ってくれ)。
- メモ
- ②チュニー(1荷)、タニー(2荷)、ミニー(3荷)と数える。
ニー
子(干支)。子の方角。
- 用例
- ジューニシェー ニーカラ ハジマイン(十二支は子から始まる)。
ニー
荷。荷物。
- 用例
- ニーヤ ガッサシル マシ ヤル(荷は軽い方が良いよ)。
- メモ
- 類:ニムチ。
ニーカ
①後。のち。②将来。
- 用例
- ①ニーカヤ チャクシンカイル ワンダリールヨー(後は長男に厄介になるんだよ)。
ニーグイ
根。根元。根っこ。根株。
- 用例
- グンボーヤ ニーグイカラ ヒチヌゲー(ゴボウは根っこから引き抜きなさい)。
- メモ
- 類:ニームトゥ・ニー・ニーグヤー。
ニークター
煮えすぎてくたくたになっている様。
- 用例
- ニークター ナティ カマリヌ サコー アラン(煮えすぎて、食べられたもんじゃない)。
ニーグヤー
根。根元。根っこ。根株。
- メモ
- 類:ニーグイ・ニー・ニームトゥ。
ニーグヤー
出産後火に温まるための薪。
- 用例
- クヮナシメーニ、ニーグヤー アチミーシェー ヲゥトゥヌ シクチ ヤタン(出産前に、産後温めるための木の根っこの薪を集めるのは夫の仕事だった)。
- メモ
- 類:クヮナシダムン・ヒーヌクミダムン。
産後、産婦が冷えないように地炉で根のついた大きな木(ニーグヤー)を燃やして温めた。
ニーグヤーダムン
松の根っこの薪。
ニーグリーン
煮詰まる。
- 用例
- アンダジシン ニーグリーネー マーク ナイン(脂身の肉も煮詰まると美味しくなる)。
- メモ
- 音2:ニーシジーン。
ニーグリサン
煮えにくい。炊きにくい。
- 用例
- ウヌ デークニヌ、ニーグリサヨー(その大根の、煮えにくいことよ)。
ニーグルサン
煮えにくい。炊きにくい。
ニーグルマグヮー
取っ手がひとつの荷車。
- メモ
- →ティーチトゥイティー。
ニーゲー
根所。根元になる所。発祥の家。
- メモ
- 類:ニードゥクル・ニーヤ。
ニーケーヤー
二階家。
ニーサン
まずい。おいしくない。
- 用例
- チヌーカラ チブルヤンシ、ヌーカリン ニーサン(昨日から頭痛がして、何を食べても美味しくない)。
- メモ
- 類:ニーハン(おいしくない・食が進まない)。対:マーサン(美味しい)。
ニーサン
遅い。
- 用例
- ワッター アンマーヤ、チャー シコーイシガ ニーサン(私のお母さんは、いつも支度するのが遅い)。
- メモ
- 音1:ニーハン。→ウスサン。
ニーサンマーサン
不味い美味しいに関わらず。好き嫌い。
- 用例
- ニーサンマーサン サンヨークー、ヌー ヤティン カミルスル(好き嫌いしないで、何でも食べるんだよ)。
ニーシ
子孫。根元。
- 用例
- ニーシ チリーン(子孫が絶える)。ニーシ コーリティネーン(子孫が絶えてしまった)。
- メモ
- 子孫が絶えることを、根元が絶えると表現する。
ニーシェー
二才。青年。
- 用例
- ニーシェーターヤー グテーンマンディ、サーラナイ カタジキーサ(青年たちは力があるから、さっさと片付けるよ)。
- メモ
- 音1:ニーセー。
ニーシェーガシラ
二才頭。青年頭。
- 用例
- クンドゥヌ ニーシェーガシラヤ ターガ アタタガヤー(今年の青年頭は、誰があたったのかな)。
- メモ
- 類:ニーセーガシラ。
青年組織の代表(部長・会長)となる人で、字の色々な会議などに参加する。
ニーシェーグヮーバーチー
姉さん女房。自分より若い男性を好む女性。
- 用例
- アヌヰナゴー、チャー ニーシェーグヮーバーチー シ(あの女は、いつも若い青年とばかりつき合っている)。
- メモ
- 類:ニオーグヮーバーチー。
ニーシジーン
煮詰まる。
- 用例
- ヘーク ヒー チャーサンネー、ニーシジーンドー(早く火を消さないと、煮詰まるよ)。継:ニーシジトーン(煮詰まっている)。
- メモ
- →ニーグリン。
ニージシバル
{二石原}。長浜の小字。
ニージャー
まずくて食えない芋〔イモ〕。虫が入って苦くなった芋。
- 用例
- ニージャーヤ サッコー クササンロー(虫が入った芋はとっても臭いよ)。
- メモ
- 類:ニージャーゥンム。
ニージャーカマジャー
不機嫌な様。
- 用例
- アサナーリーカラ ニージャーカマジャー ソーン(朝っぱらから不機嫌だ)。
ニージャーゥンム
まずくて食えない芋〔イモ〕。虫が入って苦くなった芋。
- 用例
- ニージャーゥンムヤ、クササヌ カマランドー(虫が入った芋は、臭くて食べられないよ)。
- メモ
- 類:ニージャー。
ニージャムン
まずい食べ物。おいしくないもの。
- 用例
- メーナチ ニージャムンビカーン カマサッティ、ニリトーッサー(毎日まずい物ばかり食べさせられて、飽きているなあ)。
- メモ
- 対:マーサムン(美味しいもの)。
ニージリ
子孫が絶える事。
- 用例
- ヰキガングヮガ ヲゥラン ニージリ ナトーン(男の子がいなくて、子孫が絶えている)。
ニーセー
二才。青年。
- メモ
- 音1:ニーシェー。
ニーセーガシラ
二才頭。青年頭。
- メモ
- 類:ニーシェーガシラ。
ニーセースーチチ
二才総聞。青年会計。
- メモ
- 字座喜味の役職名で、各組にそれぞれニーセーガシラ(二才頭、青年の代表者)がいたが、それを統べる重要な役職だった。組長を務めた者から選出されたという。
ニーセーは青年の意。高志保や大湾、比謝などでは字(ムラ)の会計職をスーチチ(総聞)と呼んだ。
ニーセースーデー
二才総代。青年総代。
- 用例
- ニーセースーデー アタイネー イチュナシムン ヤタン(ニーセースーデーになると忙しかった)。
- メモ
- ムラアシビ・村芝居に青年会の代表となる人。字の役員と一緒に集まり等に参加する。
ニーセーソーダイ
二才総代。青年総代。
- メモ
- 字楚辺の役職名で、夜遊びをしている者など字内規に触れる者を取り締まった。字事務所を境に東西に1人ずつ年配の人が当たった。
ニーダカサン
値が高い。
- 用例
- マチカイ イチーネー ヌーンクイ ニーダカサン(町に行くと何でも値が高い)。
ニータサ
恨むこと。
- メモ
- 類:ウラムン。
ニータサベーサー
嫉妬深い人。
- 用例
- アレー ニータサベーサー ヤグトゥ、ヌーン チカサンシェー マシ(彼は嫉妬深いから、何も耳に入れない方が良い)。
ニータサン
恨めしい。妬ましい。憎らしい。
- 用例
- シトゥカイ サッタヌ クトー イチマディ タッチン ニータサン(姑にやられたことは、何時まで経っても恨みに思う)。
フービ アタラン ニータサ ソーン(褒美がもらえなくて妬ましく思っている)。
- メモ
- 類:ニータハン。
ニータハン
恨めしい。妬ましい。憎らしい。
- 用例
- ワンガ クマトーネー ジヌン カラサン イッペー ニータハンデー(私が困っている時には金も貸さない、とても恨みに思うよ)。
- メモ
- 類:ニータサン。
ニーヂチュン
根付く。
- 用例
- クジュ イーテーヌ キーガ ニーヂチョーン(昨年植えた木が根付いている)。否:ニーヂカン(根付かない)希:ニーヂカシーブサン(根付かせたい)過:ニーヂチャン(根付いた)継:ニーヂチョーン(根付いている)。
ニーヂューサン
煮過ぎる。
- 用例
- ウヌ デークニヤ プットゥルーシ、ニーヂューサンデー(その大根はトロトロになって、煮過ぎだよ)。
ニーッチュ
根人。
- メモ
- 音:ニッチュ。
ムラ(字)の発祥の家や有力者の家を表す。伊良皆にはその名を冠した屋号がある。
ニーテー
五体。体格。
- 用例
- ニーテー マギサヌ、チカラスーブディネー アリカイ カナイシェー ヲゥランタン(五体が大きく、力勝負では彼に敵う者はいなかった)。
- メモ
- →グテー。
ニードゥクル
根所。根元になる所。発祥の家。
- 用例
- アジャヌ ニードゥクロー マー ナトーガ(字・集落の根所・発祥の家はどこか)。
- メモ
- 類:ニーデー・ニーヤ。その集落の発祥の家。
ニードゥシ
子年。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー ムル、ニードゥシウマリ ヤン(私の家族は全員、子年生まれだ)。
ニーニー
兄。兄さん。
ニーヌッチュ
子年生まれの人。
- 用例
- ニーヌッチュ アチマティ、ヲゥドゥイヌ チーク ソータン(子年生まれの人が集まって、踊りの稽古をしていた)。
ニーヌファ
子の方角。北。
- 用例
- ニーヌファカイ ンカティ イチュン(子の方角に向かって行く)。
ニーヌファブシ
子の方角の星。北極星。
- 用例
- ニーヌファブシ ミアティシ イケーワ(北極星を目当てに行きなさい)。
- メモ
- 類:ニヌファブシ・ニヌファ ヌ ミフシガナシ。
ニーヌファブシ(北)、ウマノハノブシ(南)を目印に船を動かしていた。
ニーハン
おいしくない。食が進まない。
- 用例
- ルク アチハヌ ムヌン ニーハン(余りにも暑いから食欲がない)。
- メモ
- 類:ニーサン。
ニーハン
遅い。
- 用例
- ワッター スーヤ、アッキ ニーハン(私の父は、歩くのが遅い)。
- メモ
- 音1:ニーサン。→ウスサン。
ニービ
土壌の種類。粒の細かい砂岩。
- 用例
- アマヌ ヤマー ニービヌ マンドーン(あそこの山はニービが多い)。
- メモ
- ジャーガル土になる前の、粘りがあって柔らかい土。
ニービキ
結婚。結婚祝い。
- 用例
- ニービキネー、ウジンムイディチ クヮッチーン ダテーン チュクイタン(結婚式には、御膳盛といってご馳走もたくさん作った)。
- メモ
- 音1:ニービチ。音2:ニービキスーギ・ニービチスージ。→ニービチ。
ニービキスーギ
結婚式。結婚祝い。
- 用例
- ニービキスーギヤ、マギマギートゥ スシェー マシ(結婚祝いは、盛大にやった方が良い)。
- メモ
- 音1:ニービチスージ。→ニービキ。
ニービキニンジュ
婚礼の行列に参加する人たちのこと。
- メモ
- 音1:ニービチニンジュ。
ニービキンチュ
嫁を迎える人たち。
- 用例
- ニービキンチュヤ、ヤガテー メンシェーンドー(ニービキンチュは、やがていらっしゃるよ)。
- メモ
- 類:ユミゾーイ・ユミソーヤー。
夕方の満潮時に、婿側から嫁を迎えに行く人たちのことを、ニービキンチュといった。
ニービチ
結婚。結婚式。結婚祝い。
- 用例
- アチャヌ ニービチヌ シタコー ナトーミ?(明日の結婚式の準備はできているね?)。
- メモ
- 音1:ニービキ。結婚する時に女が男を嫌って、山に逃げて木にしがみついたので、そのまま木の根ごと引き抜いてきたことからニービチ(根引)といわれるようになったという昔話がある。
ニービチシコーイ
婚礼の準備・支度。
- 用例
- ニービチシコーイヤ ユークル スビ ナトーンナー?(婚礼の準備はそろそろ終わっているねぇ?)。
ニービチスージ
結婚式。結婚祝い。
- 用例
- ニービチスージェー ワッタン アヤカーラシヨー(結婚式は私たちもあやからせてね)。
- メモ
- 音1:ニービキスーギ。→ニービキ。
ニービチヂン
結婚式の着物。
- 用例
- アバー ニービンヂンヌ チュラサヨー(お姉さんの結婚式の着物のきれいなことよ)。
- メモ
- 嫁入り道具として持参する衣類や当日着る着物のこと。
ニービチニンジュ
婚礼の行列に参加する人たちのこと。
- メモ
- 音1:ニービキニンジュ。
ニービチンチュ
ニービチ(結婚式)の行列に参加する者たち。
- メモ
- 類:ニービキンチュ。
ニービチ(結婚式)当日に婿側から花嫁を迎えるために出向く人たちと、嫁側から花嫁のお供をして行く人たちのこと。
ニービラー
植物名。ノビル。ネビル。
ニーブ
①ひしゃく。柄杓。②柄杓数を数える数詞。
- 用例
- ①ニーブヌ ヰーヌ コーリトーグトゥ ノーチョーキヨー(柄杓の柄が壊れているから、直していてね)。
トーダキーサーニ、ニーブ チュクテービタンヤー(トーダキ〔竹の一種〕で、柄杓をつくっていましたね)。②チュニーブシェー ジョーイ タラーンドー(柄杓1杯では絶対に足りないよ)。
- メモ
- チュニーブ(1柄杓)、タニーブ(2柄杓)、ミニーブ(3柄杓)と数える。
ニーブイ
居眠り。眠気。眠気がさすこと。
- 用例
- ムンカリアトー ニーブイシ フシガラン(ご飯を食べた後は眠くてしょうがない)。
ニーブイ イッチャル ジブン(寝入った時分)。
ニーブイアビー
眠そうな声で話すこと。
ニーブイカーブイ
しきりに眠気がさす様。
- 用例
- ンジュルカージ ニーブイカーブイ ソーン(見るたびに眠たそうにしている)。
ニーブイグサ
植物名。オジギソウ。
- 用例
- ワラビ ソーイネ、ニーブイグサ トゥッティ ユー アシブタン(子どもの頃は、オジギソウを取ってよく遊んだ)。
ニーブイクヮンソー
甘草。アキノワスレナグサ。
- メモ
- 類:クヮンソー。
ニーブイハブグヮー
ヘビの一種。ヒメハブ。
- メモ
- 類:クッパー・クファー・トゥルバイハブグヮー・トゥルバヤー・ニーブヤー。
ニーブガー
井戸の一種。柄杓〔ひしゃく〕で水を汲む井戸。
- 用例
- ニーブガーカラル ミジェー クムテーグトゥ、ジコー ナンジ ヤタン(ニーブガーから水を汲んでいたので、とても難儀だった)。
ニーブク(~ニーブク)
~するやいなや。同時に。直ぐに。
- 用例
- カミーニーブク ヒンギティ ハイタン(食べるやいなや逃げて行きよった)。ウキーニーブク シクチ イーチキーンナー(起きると同時に仕事を言いつけるのか)。トゥイニーブク(取ると直ぐに)。
ニーブター
出来物の一種。はれ物。根太〔ねぶと〕。おでき。
- 用例
- ニーブターヌ ニチ ムッチ、ヤリ ニンラランタン(おできが熱を持って、痛くて眠れなかった)。
ニーブターンデー、アンダマースグヮール チキティ ノーチャン(腫れ物なんかには、豚の脂と塩をつけて治した)。
ニーブターヌクチ
出来物の芯を出すところ。
- 用例
- ダ、ニーブターヌクチヤ マーンカイ アガ(どれ、腫れ物の芯を出す所はどこにあるか)。
ニーブヤー
ヘビの一種。ヒメハブ。
- 用例
- ゥンマカラ ニーブヤーガ ホーティ ハイタンドー(そこからヒメハブが這って行ったよ)。
- メモ
- 類:ニーブイハブグヮー参照。動作が鈍いのでそう呼んだ。
ニーブヤー
良く寝る人。寝坊助。
- 用例
- アレー ニーブヤー ナティ、アサー チャー ウキーカンティー ヤサ(彼は寝坊助で、朝はいつも起きかねている)。
ニーブル
植物名。ノビル。
- 用例
- スベー、ニーブルン ユー ミートータン(楚辺は、ノビルもよく生えていた)。
- メモ
- 類:ニービラー・ネビル・ネーブル。
ネギに似た小さな野草で食用となる。
ニーマーラー
ずんぐりむっくり。
- 用例
- イャーヤ ニーマーラーディチル ニサブトーンナー(あなたは、ずんぐりむっくりだから嫌っているの?)。
- メモ
- 背が低くて太っている人に言った。
ニームッチャー
角材のひとつ。屋根の重量を支える角材。
- 用例
- ニームッチャーシル、ヤーヤ ムッチュンドー(屋根を支える角材で、家は支えるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒサンガーミ。
ニームトゥ
根元。根。
- 用例
- ヤナクサヤ ニームトゥカラ トゥランネーマタ ミーンドー(雑草は根元から取らないと、また生えてくるよ)。
- メモ
- 類:ニーグイ。
ニーヤ
根家。発祥と言われる家。
- メモ
- 類:ニーゲー・ニードゥクル。古村と呼ばれる集落にはほとんどニーヤが存在する。
ニーヤムツスク
ニーヤ(根家)としての務め。
ニーリンギー
幼児が睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動していること。
- メモ
- 類:ニーリングィー・ヤーミグイ。
ニーリングィー
幼児が睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動していること。
- メモ
- 類:ニーリンギー・ヤーミグイ。
ニーリングィーサー
睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動している幼児。
- 用例
- ウレー イッペー ニーリングィーサードー(この子はとても寝ながらよく隣で寝ている人を越えてあちこち転がる子だよ)。
ニーワンレー
荷崩れすること。
- 用例
- チュバチニ ウッサ チミーネー、ニーワンレー スンドー(一度にそんなにたくさん積むと、荷崩れするよ)。
ニーン
似る。似ている。
- 用例
- チョーデーヤ、ハナリトーティン ニーンヤー(姉妹は、離れていても似るもんだね)。
チョーデーディチ、アンシ ニチョーンヤー。ターチューヌ グトゥル アル(姉妹って、よく似ているね。双子みたいだ)。
ウヤックヮル ヤシガ、ティーチン ニラン(親子だが、ちっとも似ない)。
否:ニラン(似ない)継:ニチョーン(似ている)。
- メモ
- 類:ニチョーン。
ニーン
煮る。炊く。
- 用例
- シシヌシルン ヤガテー ニーンレー、カリカラ イケー(肉汁もやがて煮えるから、食べてから行きなさい)。
否:ニラン(煮ない)希:ニーブサン(煮たい)過:ニチャン(煮た)継:ニチョーン(煮ている)。
- メモ
- →タクン。
ニーゥンブハン
荷が重い。肩の荷が重い。
- 用例
- ウッサヌ シクチ イーチキネー ウレー ニーゥンブハンレー(そんなにたくさんの仕事を言いつけると、それは肩の荷が重いよ)。
ニーゥンム
ふかし芋。炊いた芋。
- 用例
- ニーゥンム ムッチ イケー(炊いた芋を持って行きなさい)。
ニオーグヮーバーチー
姉さん女房。自分より若い男性を好む女性。
- 用例
- ニオーグヮーバーチー カメーティ バチクヮイ ヤサ(姉さん女房をめとって良かったさ)。
- メモ
- 類:ニーシェーグヮーバーチー。
ニオーブトゥキ
<仁王仏。仏頂面。
- 用例
- イチ ンチン ニオーブトゥキル ヤル(いつ見ても仏頂面をしている)。
- メモ
- 無愛想な怖い顔をしていることのたとえ。
ニガイン
願う。
- 用例
- クヮヌチャー リッシン ニガイン(子供たちの立身を願う)。
ニカリーン
腐りかかる。
- 用例
- ウヌ イヨー イフェー ニカリトーンデー(その魚は、少し腐れかかっているよ)。
ニガン
根神。集落の元となる神。
- メモ
- 字座喜味では発祥に関わる家として屋号となっている。
ニガンジーバル
{根神地原}。宇座の小字。
ニガンヌール
神人の呼称。根神ノロ。
- メモ
- 集落発祥と伝わる旧家から出る神人の呼称。
ニギリ
右。
- 用例
- ニギリカイ マガティ イチーネー、スグ ワカイサ(右に曲がって行くと、すぐに分かるよ)。
- メモ
- 類:ニジリ。対:ヒジャイ(左)。
ニクジー
サトウキビの搾りかすの細かいもの。
- 用例
- ニクジーヤ チュトゥクマンカイ マジローケー(サトウキビの搾りかすは一か所に積んでおきなさい)。
- メモ
- 類:ヲゥージガラ・ヲゥーギンガラー・ヲウージガラー。
ニグトゥ
寝言。
- 用例
- ウリガ ニグトゥ シーネー、タマネー トゥンウキーサ(彼が寝言すると、たまには飛び起きるさ)。
ニクブク
藁縄で編んだ筵〔むしろ〕。粗筵〔あらむしろ〕。
- 用例
- アミフイネー ハルカイ イカラングトゥ、ヤーヲゥティ ニクブク アムタン(雨降りには畑に行けないから、家で藁縄の筵を編んでいた)。
タタンヌ ウィーンカイ ニクブク シチュンナー(畳の上に筵を敷くのか〈上質な物を食べたり飲んだりしたあとに、質の劣るものを出された時に言う〉)。
ニクブクヌチャー
粗筵〔あらむしろ〕編み機。ニクブク(藁縄筵)織機。
ニクン
にきび。
- 用例
- ニクングヮー ゥンジトーシェー(ニキビが出ているさ)。
ニゲー
願い。
- 用例
- イャー ニゲーヤ ヌー ヤガ、イチマーニ(君の願いは何ね、言ってごらん)。
ニゲーグトゥ
願い事。
- 用例
- マクトゥ ソーチーネー、アトー ニゲーグトゥン カナワイサ(誠していたら、後は願いごとも叶うさ)。
- メモ
- 音2:チムニゲー。
ニサブイカーブイ
選り好み。
- 用例
- アバーン イートゥシ ナトールムンヌ、ニサブイカーブイ シェー ナランデー(姉さんもいい年になっているんだから、選り好みばかりしてはいけないよ)。
ニサブイン
嫌がる。好まない。煙たがる。
- 用例
- カーギヌ ワッサグトゥル ヤラー、ヰナグヌル ニサブインデー(容姿が悪いからなのか、女が嫌がるんだよ)。
アッター タイヤ、タゲーニ ニサブトーン(あの2人は、お互いに煙たがっている)。イャー チャヌアタイヌムンヤクトゥ アマンレー ニサブイガ(お前は何様のつもりで、先方を嫌がるのか)。
- メモ
- 類:クシ スン。
ニシ
北。
- 用例
- ワランチャーヤ、ニシンカイ ンカティ ハイヌ グトータシガ(子どもたちは、北に向かって行くようだったが)。
ニジーカンティー
こらえかねること。耐えかねること。我慢できないこと。
- 用例
- ナー ワンネー、ニジーカンティール ソーシガ(もう私は、こらえかねているんだが)。
ニジーグネー
我慢強く辛抱している様。こらえている様。
- 用例
- ナママディ チャッサ、ニジーグネー ソーグトゥ!(今までどれだけ、我慢してきたことか!)。
- メモ
- ニジーは我慢・辛抱、クネーは堪えるの意味で、我慢強く辛抱している様子。
ニシーティ
気をつけて。
- 用例
- シクチ シーネー、ユー ニシーティ シーヨーヤー(仕事をする時には、よく気をつけてしなさいよ)。
- メモ
- 類:ニニーク・ユカーッチュ。
ニジーディー
耐える力。我慢する力。
- 用例
- ニジーディーヌ ネーンネー、マーンカイ ゥンジン チトゥマランサ(我慢することが出来なかったら、どこに行っても勤まらないさ)。
- メモ
- 類:ニジーレー。
ニジーレー
耐える力。我慢する力。
- 用例
- ニジーレーヌ ネーンネー、ナガヂトゥメー シーサンドー(我慢することが出来かったら、長くは務まらないよ)。
- メモ
- 類:ニジーディー。
ニシーン
似せる。
- 用例
- イャームントゥ ワームン ニシーン(君の物と私の物を似せる)
否:ニシラン(似せない)希:ニシーブサン(似せたい)過:ニシタン(似せた)継:ニシトーン(似せている)。
ニジーン
ねじる。
- 用例
- クンニジティ スンリ スシガ(ねじ伏せてやろうとするが)。
- メモ
- クンは接頭辞。
ニジーン
握る。
- 用例
- ハナリラングトゥシ、ティー チューク ニジーン(離れないように、手を強く握る)。
否:ニジラン(握らない)希:ニジーブサン(握りたい)過:ニジタン(握った)継:ニジトーン(握っている)。
ニジーン
我慢する。こらえる。
- 用例
- イャーガ ヲゥラン ナイネー サビサー アシガ、チャーガラ シ ニジーンテー(君がいなくなったら寂しいけど、どうにかして我慢するさ)。
アンマディ イラッテー、ワンヤティン ニジララン(そこまで言われたら、私でも我慢ができない)。
否:ニジララン(我慢できない)ニジラン(我慢しない)希:ニジーブサン(我慢したい)過:ニジタン(我慢した)継:ニジトーン(我慢している)。
ニシカジ
北風。
- 用例
- ニシカジヌ フチーネー ヒーク ナインドー(北風が吹くと寒くなるよ)。
- メモ
- 類:ニシブチ。
ニシヌウドゥン
首里城北殿。
ニシバーチ
木製の円形の鉢。行事など祝いの御馳走を盛るのに使用した。
- メモ
- 音1:ミシバーチ。音2:センセンバーチ。類:ケール。
ニシハマヤーバル
{北浜屋原}。宇座の小字。
ニシバラー
読谷村北部の人。
- 用例
- ニシバラーンチョー ウーマクガ マンドータン(読谷村北部の人は腕白者が多かった)。
ニシバルンチュ
西原の人。
ニシブチ
北風。
- 用例
- チューヤ ニシブチヌ フチ シラハン(今日は北風が吹いて涼しい)。
- メモ
- 類:ニシカジ。
ニシマックヮ
北枕。
ニシムン
偽物。
- 用例
- イャーガ ムッチ チェーシェ、 ソームノー アラン ニシムンル ヤル(お前が持って来たのは、本物ではなく偽物だ)。
ニジヤー
けち。握り屋。
ニジャシチ
寝座敷。
- 用例
- ニジャシチンカイ イチュン(寝室へ行く)。
ニジャマサ
寝ぼけること。
- 用例
- ニジャマサ サーニヨ、ニーリングィー スンドーリチ(寝ぼけてね、隣で寝ている人も越えてあちこち転がるよ)。
ニジューグカジャイ
25飾り。ウチカビ25組。
- 用例
- ニジューグニンチ ヤグトゥ、ウチカビ ニジューグカジャイ ウサギーン(二十五年忌だから、打ち紙を25組供える)。
ニジューグカン
25貫。50銭。
ニジューグニンキ
二十五年忌。
- 用例
- ヘームンヤー、ナー ニジューグニンキ ナトーサヤー(早いもんだね、もう二十五年忌になったね)。
- メモ
- 音:ニジューグニンチ。
ニジューグニンチ
二十五年忌。
- 用例
- アンマー ニジューグニンチヤ、ヤーニンジュシ ウサギラヤー(母の二十五年忌は、家族で供えようね)。
- メモ
- 音:ニジューグニンキ。
ニジューゴーヌスーギ
二十五歳祝。
- 用例
- ニジューゴーヌスーギヤ、ヤーニンジュスーギ サーヤー(二十五歳祝は、家族で祝おうね)。
- メモ
- 音:ニジューゴーヌスージ。
生まれ年の干支に当たった人の二十五歳祝だが、特に大きくすることはなく家族で祝った。
ニジューゴーヌスージ
二十五歳祝。
- 用例
- ニジューゴーヌスージヤ、ウグヮンビカーンル スタル(二十五歳祝は、御願だけをした)。
- メモ
- 音:ニジューゴーヌスーギ。
ニシユンタンジャ
北読谷山。読谷村の北部地域。
ニシラーチョーン
似合っている。
- 用例
- アヌ タイヤ、イッペー ニシラーチョーン(あの2人は、とても似合っている)。
- メモ
- 類:ウチャイン・ニアーイン。
ニジリ
右。
- 用例
- ニジリカイ マガティ イチーネー、スグ ワカイサ(右に曲がって行くと、すぐに分かるよ)。
ニシリー
嫌々ながら物事をすすめること。
- 用例
- ニシリー シ シクチ シーネー、ドゥースク ナインドー(嫌々ながら仕事すると、怪我するよ)。
ニジリヌティー
右手。
- 用例
- ウヌ ニムチェー、ニジリヌティーシ ムッチョーケー(その荷物は、右手で持っていなさい)。
ニジリヌヒサ
右足。
- 用例
- イャー ニジリヌヒサ アギティンディ(君の右足を上げてごらん)。
ニジリマチ
右巻き。
ニシンケー
北向き。
- 用例
- アマヌ ヤーヤ ニシンケー ソーン(あそこの家は北向きになっている)。
ニシンラバル
{西平原}。喜名の小字。
ニスダチー
鍋の大きさ。二升炊き用の鍋。
- 用例
- スージネー ニスダチーンカイ シル ワカスサ(お祝には2升炊きに汁を作るさ)。
ニスナバー
植物名。フダンソウ。
- メモ
- 音1:ンスナバー。音2:ミシナバー・ンシナバー。
ニタカマンタ
似たもの同士。
- 用例
- アヌ ミートゥンダヤ ニタカマンタ ナティ、ターガル マシ ヤラー ワカラン(あの夫婦は似た者同士で、誰が良いのか分からない)。ターチ ニタカマンタナティ ヌーガル マシヤラー ワカラン(二つとも同じような物で、何が良いのか分からない)。
- メモ
- 音2:ニタキター・ノータカマンタ。音2:ニタキター
カマンタ(大鍋の蓋)と大鍋がちょうどピッタリ収まるようなもの同志。
ニタキター
似たもの同士。
- 用例
- ミートゥンダ ニタキター ナティ ウカシームン ヤサ(夫婦似た者同士で滑稽だよ)。
- メモ
- →ニタカマンタ。
ニチ
熱。
- 用例
- ウヌ ワラベー チラアカー ナトーシガ、ニチヌル アンテー(その子は顔が赤くなっているが、熱があるんじゃないの)。
ニチサマシ
熱冷まし。薬だけでなく、解熱のための食べ物にもいう。
- 用例
- ニチヌ サガラン、ニチサマシル ヌマチョーンデー(熱が下がらなくて、熱さましを飲ませているんだよ)。
ニチパンパン
熱が上がっている様。
- 用例
- ニチパンパン シ クスイヤ ヌマチャシガ、ニチェー サガラン(熱が高くて薬は飲ませたが、熱が下がらない)。
ニチョーラー
似たもの。
- 用例
- ニチョーラーガ アチマティ チョーン(似た者が集まって来ている)。
- メモ
- 音1:ニチョールー。
ニチョールー
似たもの。
- 用例
- ワンニンカイ ニチョールー(私に似たもの)。
- メモ
- 音1:ニチョーラー。
ニチョーン
似る。
ニヂリ
握り(飯)。~握り。
- 用例
- ニヂリ ティーチ(握り飯ひとつ)。
- メモ
- 数詞(~ニヂリ)はチュニジリ(1握り)、タニジリ(2握り)。ミニジリ(3握り)と数える。
ニッカ
遅く。
- 用例
- シクチヌ ヨーイネー ウワラン、アンシル ニッカ ナトーンデー(仕事がなかなか終わらなくて、それで遅くなったんですよ)。
ニッカ ナイビタン(遅くなりました)。トゥチン ニッカ ナティ(時間も遅くなって)。
ニッター
あなた方。あなたたち。
- 用例
- ニッターンカイ、ワンガ マーティ イチャビーサ(貴方の所に、私が回って行きますよ)。
ニッターンカイ トゥミティキリ(お宅に泊めてくれ)。
- メモ
- 音1:ナッター。
→ウンジュナー。目上の人に対して使う。
ニッチュスー
村の宗家の主。根人主。
ニッチリケッチリ
のろのろしている様。
- 用例
- ニッチリケッチリ シ ヤクンタッタン(のろのろして役に立たない)。
- メモ
- 類:トゥルトゥル・ヌルントゥルン。
ニドゥ
二度。再度。
- 用例
- ウンナ クトー ニドゥトゥ スシェー アラン(そんなことは二度とするものではない)。
- メモ
- 類:タケーン。
ニニーク
気をつけて。
- 用例
- シクチェー アシガカンヨークー ニニーク シーヨー(仕事は焦らずに気を付けてしなさいよ)。
- メモ
- 類:ニシーティ・ユカーッチュ。
ニヌファヌミフシガナシ
北極星。子の方の御星加那志。
- メモ
- 類:ニヌファブシ・ニーヌファブシ。
ニヌファブシ
北極星。
- メモ
- 類:ニーヌファブシ・ニヌファ ヌ ミフシガナシ。北の空にひとつ輝く動かない星。
ニバンジャ
民家の間取りのひとつ。二番座。
ニバンドゥイ
二番鶏〔にばんどり〕。
- 用例
- ナー ニバンドゥイガ ウタイギネー、ナンジグレーディチヨ(〔時計がなくても〕もう二番鶏が鳴くと、何時頃だといって)。
ニフェー
ありがとう。
- 用例
- イッペー ニフェー ヤイビータン。イチマディン ウンジュガ ウンジェー ワシリヤビラン(大変ありがとうございました。いつまでも貴方の恩義は忘れません)。
ニフェードー(どうもありがとう)。
- メモ
- 類:カフーシ・シリガフー。
ニムチ
荷物。
- 用例
- アチャヤ ヤマトゥンカイ イチュンディシガ ニムチェー マトゥミテーミ?(明日は日本本土に行くらしいが、荷物はまとめてあるね?)。
- メモ
- →ニー。
ニムトゥ
根。根元。
- メモ
- 類:ニー・ニーグイ・ニーグヤー。
ニューバル
{入原}。座喜味の小字。
ニリ
米に混ざっている小石や砂。
- 用例
- ティーチナー ティーチナー ニリン、リッパ トゥリヨー(ひとつひとつ小石や砂も、ちゃんと取りなさいよ)。
ニリーン
飽きる。いやになる。
- 用例
- ヒッチー ユヌクトゥビカーン チカサリーネー、ター ヤティン ニリーン(いつも同じことばかり聞かされたら、誰だって飽きる)。
ニリラスン(嫌にさせる)。ナー ニリティテー(もう飽きてね)。
否:ニリラン(飽きない)過:ニリタン(飽きた)継:ニリトーン(飽きている)。
ニリクサリーン
呆れ果てる。ひどく嫌になること。
- 用例
- ナー、テーゲー ニリクサリトーンデー(もう、ほとほと呆れ返っているよ)。
- メモ
- →アチハティーン。
ニン
忍。念。熱心な気持ち。
- 用例
- アンスカナー ニンヌ ネーラン チュン ヲゥル(そこまで忍耐のない人もいるさ)。
ニンヌ ネーラングトゥ、ヌー シミティン トゥジュミーサン(熱心さがないから、何をさせてもやり遂げきれない)。
- メモ
- 類:カナミ。
ニン
年。
- 用例
- ニンヌ タッテーカラー、ヤナクトゥン ワシリーサ(年が経てば、嫌なことも忘れるさ)。
- メモ
- 類:トゥシ。
ニン(~ニン)
~年。~年数を表す数詞。
- 用例
- イチニンヌ タッチュシヌ ヘーサヨーヤー(1年の経つのが早いこと)。
- メモ
- サンニン(3年)、ユニン(4年)、グニン(5年)と数える。
ニンイリ
念入り。熱心に。
- 用例
- ニンイリニ ニス ヌイン(念入りにニスを塗る)。
- メモ
- 音2:ニンナーニンナー。
ニンガキーン
念頭におく。気にかける。心がける。
- 用例
- ウヤヌ クトー チャー ニンガキトーン(親の事はいつも気にかけている)。
ニンカラニンジュー
年がら年中。
- 用例
- ニンカラニンジュー シクチビケーン シ、イフェー アシディ クーナ(年がら年中仕事ばかりして、少しは遊んで来よう)。
ニンキジューコー
年忌焼香。年忌法要。一年忌~三十三年忌までの法事。
- 用例
- ニンキジューコーヤ、ワシランヨークー カチ ウッチョーケー(年忌法要は、忘れないように書いておきなさい)。
- メモ
- 音1:ニンチジューコー。
ニングル
懇ろ。愛人。男女が親密な仲になること。
- 用例
- ニングルグヮー(懇ろにしている者)。
アヌ タイヤ、イチヌミーヤラ ニングル ナトーン(あの二人は、いつの間にか親密な仲になっている)。
- メモ
- 類:ハタベー・ユーベー・ユーベーハタベー。
ニングヮチ
2月。
- 用例
- クネーダル ソーグヮチ ンケータシガ ウビジ ニングヮチ ナトーサ(この前正月を迎えたのに、そんなに早く2月になっているさ)。
ニングヮチウマチー
行事名。二月御祭。旧2月15日に行われる麦の初穂祭。
- メモ
- かつては大きな行事であったが現在では昔日〔せきじつ〕のおもかげはない。
→ウマチー。
ニングヮチカジマーイ
二月風廻り。旧2月に吹く強い風。
- メモ
- 旧暦2月の大時化の続く期間、毎日のように風向きが急変し、ときには突風を伴うので航海は危険だった。
ニングヮチダー
二月田。
- メモ
- ハル(立春)からムシ(啓蟄)の2月に稲を植えた。
ニングヮチハチカーグヮー
二月二十日。男性が女性をもてなす行事。
- 用例
- ニングヮチハチカーグヮーネー、ヰキガンチャーガ ヰナグンチャー ティレーイタン(ニングヮチハチカーグヮーには、男性が女性をもてなした)。
- メモ
- 旧2月15日にはニングヮチハチカーグヮーといって、男性が女性を招いて豆や山芋等の御馳走を作って歓待した。
ニングヮチヒガン
二月彼岸。
- メモ
- 音:ニングヮチヒンガン。
彼岸の節に、ひとつの重には餅、もうひとつの重は肉、豆腐、昆布、ターンム、天ぷらと5種を詰めたものを1組、打ち紙3枚を供える。
ニングヮチヒンガン
二月彼岸。
- 用例
- ヒーサシン ニングヮチヒンガン マディヤサ(寒さもニングヮチヒンガンまでだよ)。
- メモ
- 音:ニングヮチヒガン。ニングヮチヒガン参照。
ニンゴームイ
2合盛り。結納のこと。
- メモ
- 類:サキムイ・クファンムイ。
嫁乞いに行き、嫁方の了解が得られると、ニンゴームイをする。2合の酒を持って行くのでニンゴームイといわれた。ニンゴームイは男の親たちが、女方へ酒とご馳走を持って行くが本人は行かない。女の家では親族が出席して酒盛りをする。
ニンシーン
寝かせる。
- 用例
- ワラビガ ウキトーネー ヌーン ナラングトゥ、ヘーク ニンシーン(子どもが起きていると何もできないから、早く寝かせる)。
否:ニンシラン(寝かさない)希:ニンシーブサン(寝かせたい)過:ニンシタン(寝かせた)継:ニンシトーン(寝かせている)。
- メモ
- 対:ウクスン(起こす)。
ニンシェーガシラ
二才頭。青年頭。
- メモ
- 類:ニーセーガシラ、ニーシェーガシラ。
ニンシェーター
二才達。青年達。
ニンジガマン
子どもが眠くてぐずること。
- 用例
- ワラビヌ ニンジガマン ソーン(子どもが眠たいのを我慢している)。
- メモ
- ニーブイガマン
ニンジガマン
赤子や幼児が眠たくて機嫌が悪い様。
- 用例
- ウヌ ワラベー ニンジガマンル ヤル(その子は眠いんだよ)。
ニンジカンジュン
熟睡する。
- 用例
- ウール ウチカンティ ニンジカンジュン(布団を覆いかぶさって熟睡する)。
ニンジグーネー
皆で一緒になって寝ていること。
- 用例
- シクチン サン、アマ ヲゥティ ニンジグーネー ソーン(仕事もせずに、あそこで皆一緒に寝ている)。
ニンジグシ
寝グセ。
- 用例
- イャー カラジヨー、ニンジグシ チチョーンドー(お前の髪よ、寝癖がついているよ)。
ニンジクム
寝入る。
- 用例
- ナー ユークル ニンジクムンドー(もうそろそろ寝入るよ)。
継:ニンジクローン(寝入っている)。
ニンジケーイ
寝返り。
- 用例
- ウレ ルークルグヮー ナー、ニンジケーイングヮー サギーッサー(その子は、自分でもう寝返りをするようだよ)。
- メモ
- 類:クゲーイ。
ニンジケーサー
何度か寝なおすこと。
- 用例
- ニンジケーサー サレー チブルゥンブー ソーン(何度も寝なおしたので頭が重い)。
ニンジジャー
寝室。
- 用例
- アンマーヤ ニンジジャー カタヂキトーン(お母さんは寝室を片付けている)。
ニンジチゲー
寝違い。
- 用例
- ニンジチゲー シ、クビガ イジカン ナトーン(寝違いして、首が動かなくなっている)。
ニンジノースン
寝なおす。
- 用例
- ヘーク ウキーヂューサヌ ニンジノースン(早く起き過ぎたので寝なおす)。
ニンジハナ
寝入り端。寝てすぐ。
- 用例
- ニンジハナ シーバイ シーブサヌ、ミークヮティネーン(寝入り端に小便がしたくて、目がさえてしまった)。
ニンジブスク
寝不足。睡眠不足。
- 用例
- ワラビヌ ナチ ニンララン、ニンジブスク ソーン(子どもが泣いて寝れなくて、睡眠不足だ)。
ニンジフリーン
寝過ごす。
- 用例
- タケーンニンジ シーネー、ニンジフリーンドー(二度寝したら、寝過ごしてしまうよ)。
ニンジメー
年終い。年末。
- 用例
- ニンジメー ナイネー チャー ジンヌ シワ スタン(年末になるといつもお金の心配をした)。
ニンジャニユーフー
夜2時から3時、東の空に輝く明るい星。
- メモ
- 類:ユナカユーフー。
ニンジヤンジュン
寝損なう。寝そびれる。
- 用例
- ワランチャーガ ミンチャサヌ、ニンジヤンジュン(子どもたちがうるさくて、よく寝れなかった)。
ニンジュ
人数。グループの構成員。
ニンジュー
年中。一年中。
- 用例
- グナサイネー ニンジュー クヮムヤービカーン シミラッタン(小さい頃は年中子守ばかりさせられた)。
- メモ
- 類:ニンカラニンジュー。
ニンジュガシラ
グループの頭。
- 用例
- ニンジュガシラ ヤティカラ、チュヤカ ハマランネー(ニンジュカシラだったら、他の人以上に頑張らないと)。
ニンジュムスビー
製糖開始前の発会式。
- メモ
- 怪我をしないように頑張ろうと結束した。
ニンジュン
寝る。
- 用例
- イッチン マッチン ケーテー クーランムー、ナー ニンジュンドー(いつまで待っても帰って来ないから、もう寝るよ)。
否:ニンラン(寝ない)希:ニンジーブサン(寝たい)過:ニンタン(寝た)継:ニントーン(寝ている)。
- メモ
- 対:ウキーン(起きる)。
ニンジョー
人情。思いやり。
- 用例
- ニンジョービカーンシェー、ユヌナカー ワタテー イカラン(人情だけでは、世の中は渡れない)。
ニンジョームチ
人に優しい。思いやりのある人。
- 用例
- ミートゥンダ イッペー ニンジョームチ ヤン(夫婦ともとても思いやりがある)。
ニンジリ
年切り。年末に掛けを払うこと。
- 用例
- シワーシ ナイネー、ニンジリヌ シワ スタン(師走になると、借金を返す心配をした)。
ニンジン
人間。
- 用例
- アレー ニンジンヌ スヌ ワジャー アランシガ(あれは、人間がすることではないよ)。
- メモ
- 音:チュニンジン・ッチュニンジン。
ニンスー
年数。
- 用例
- ニンスーヌ タティワル ヌー ヤティン ジョージ ナイル(年数が経ってこそ、何でも上手になるんだよ)。
ニンスク
人足。人夫。
- 用例
- クンドゥヌ ニンスクヤ イッペー ハマヤー ヤン(今度の人夫はとても頑張り屋だ)。
ニンソー
人相。面相。顔つき。
- 用例
- ニンソーヌ ワッサヌ ターン チカユラン(人相が悪くて誰も近寄らない)。
- メモ
- 音1:ミンソー。音2:チラソー。
ニンタイウキタイ
寝たり起きたり。
- 用例
- ニンタイウキタイ シシクチン ヌンレーサン(寝たり起きたりで、仕事もやろうとしない)。
ニンタンフーナー
寝たふり。狸寝入り。
- 用例
- イクケーヌン アビタシガ、ニンタンフーナー シ ウキーン サンタン(何度も声をかけたが、寝たふりして起きる様子もなかった)。
ニンチジューコー
年忌焼香。年忌法要。一年忌~三十三年忌までの法事。
- 用例
- ニンチジューコーヤ、クヮゥンマガンチャーン アチマティ、ティー ウサーシヨーヤー(年忌焼香には、子や孫たちも集まって手を合わせなさいよ)。
- メモ
- 音1:ニンキジューコー。
ニントゥー
年頭。年始。正月の挨拶。
- 用例
- ヤーニンジュ スリティ、ウヤヌヤーンカイ ニントゥ シーガ イチュン(家族揃って、実家に正月の挨拶に行く)。
- メモ
- 音2:ソーグヮチニントー。→ソーグヮチディー。
ニントゥウガミ
年頭拝み。
- メモ
- ウサギムン(供え物)と線香を持って本家などに行った。
ニンナーニンナー
念入りに。
- 用例
- アレー、チャー ニンナーニンナー シクチ スグトゥ、ジョートー ヤサ(彼は、いつも念入りに仕事をするから、上等だよ)。
- メモ
- →ニンイリ。
ニンヌハイ
年月が経つこと。
ニンプ
人夫。借金のかたに働くこと。
- 用例
- ヤーガ ヒンスー ナティ、ニンプ サントー ナランタン(家が貧しくて、借金のかたに働かなければならなかった)。
- メモ
- 昔は借金をしても返す当てがないときに、子どもを借金のかたに働かせることがあった。
ニンブチ
念仏。
ニンブチー
念仏者。
ニンブチャー
念仏者。物乞い。乞食。
- 用例
- チチュガ マーシーネー ニンブチャー タヌリチュータン(人が亡くなると、念仏者を頼んできた)。
- メモ
- 死者の出た家に呼ばれ、その家の庭などで鉦を打ちながら念仏を唱え、弔うことを職業とした者。
かつて楚辺におり、楚辺の屋号花打(ハナウチ)から屋富祖マッチャーが引き継ぐ。ハシル(雨戸)で作った小屋で鉦を鳴らしていた。
ニンブチャーは念仏歌を歌いながら鉦を叩くのでカニウッチャーともいった。
ニンブチャーガニ
葬式用の鉦鼓。念仏者の鉦。
- 用例
- ニンブチャーガニヌ チカリーネー ソーガサタン(葬式用の鉦鼓の音が聞こえると怖かった)。
ニンブトゥカー
植物名。スベリヒユ。
- 用例
- アマカイ ミートーシガ、ニンブトゥカー ヤサ(あそこに生えているのが、スベリヒユだよ)。
- メモ
- お盆に和え物にして仏壇に供えた。
ニンブトゥカーズネー
スベリヒユの和え物。
- メモ
- 関:イェーイ・イェームン・カンダバーズーネー・スーネー。
ウンケーにヒカマモチ(昼間餅)と一緒に供えた。カンダバーズネー。
ニンマールー
年回り。行事などを年回りで行うこと。
- 用例
- ムンチューヌ ヤクメー、ニンマールー ヤタン(門中の役員は1年交代だった)。
ヌイ
洗濯糊。
- 用例
- バサージヌンカイ ヌイ イリーン(芭蕉衣に糊を入れる)。
ヌイジュラサ
馬の足並みなど乗馬技術の美しさ。
ヌイタックヮスン
塗り付ける。
ヌイムン
乗り物。
- 用例
- アマー トゥーサヌ、ヌイムンガ ネーンネー ヲゥタインレー(あそこは遠いから、乗り物がなかったら疲れるよ)。
ヌイン
塗る。
- 用例
- ヤーヌ ペンキ ヌイン(家のペンキを塗る)。
否:ヌラン(塗らない)希:ヌイブサン(塗りたい)過:ヌタン(塗った)継:ヌトーン(塗っている)。
ヌイゥンマヌヤー
乗馬をする人。
ヌー
なに。
- 用例
- ウマヲゥティ ヌー トゥメートーガ?(そこで何を探しているの?)。
ノージェー ヌーディ イミシェーガ(名前は何と言いますか?)。
ヌー
野原。
- 用例
- ンカシェー ヤーン イキラサグトゥ、アマクマンカイ ヌーン マンドータン(昔は家も少ないから、あちらこちらに野原も多かった)。
- メモ
- 類:モー。
ヌー(~ヌー)
~な人。~なもの。
- 用例
- クレー チカーランヌー(これは使えないもの)。
ヌーガ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌーガ イャーヤ アンソール(なんであなたはそうしているの)。
- メモ
- 音1:ヌーグヮ・ヌガ・ヌグヮ。音2:ヌーリチ・ヌーンチ。
ヌーガキーガヤラ
何がなんだか。
- 用例
- ヌーガキーガ ヤラ ワカラン(何がなんだか分からない)。
- メモ
- 慣用句。
ヌーガラ
何やら。何か。
- 用例
- ヌーガラ アマヲゥテイ サワジョーシガ、ヌー ヤガヤー?(何やらあそこで騒いでいるが、何だろうね?)。
ヌーカラクィーカラ
何やらかんやら。
- 用例
- ヌーカラクィーカラ ユージュヌ カサバティ、ヌール ナトーラー ワカラン(何やかんや用事が重なって、どうなっているのか分からない)。
ヌークイ
何もかも。何やかや。
ヌーグトゥ
何事。
- 用例
- アンシ サワジョーシガ ヌーグトゥ ヤガ?(とても騒がしいが何事か?)。
- メモ
- 類:ヌ・ヌー・ヌーリチ・ミーンチ。
ヌーグヮ
なぜ。どうして。
- メモ
- 音1:ヌーガ・ヌガ・ヌグヮ。→ヌーガ。
ヌーサルムン
なんたる者。どれだけの者。
- 用例
- ワンニンカイ クチカナイシガ、イャーヤ ヌーサルムンガ!(私に口答えするが、お前はどれだけの者か!)。
ヌーサワン
何をしても。どうやっても。
- 用例
- ヌーサワン シージャンカイヤ カッチー サン、チャー マキール ヤル(何をしても兄には勝てない、ずっと負けっぱなしだ)。
ヌーサワンクィーサワン
何をしようと。何にしても。
- 用例
- ヌーサワンクィーサワン シムグトゥ、フユーヤ サンキヨー(何をしようと構わないが、怠けるなよ)。
ヌーサンクィーサン
何やかや。あれこれ。
- 用例
- イャーガ チャッサ ヌーサンクィーサン イチャンテーン、ターン チカンサ(お前がどんなに何やかや言ったって、誰も聞かないさ)。
- メモ
- 音1:ヌーヤンクィーヤン。音2:ヌーヤークィーヤー。
ヌーシ
主。
- 用例
- ミチヲゥティ カメーテーシ ヤラー、ヘーク ヌーシンカイ ケースシェー マシ ヤサ(道で探した物だったら、早く主に返した方が良いよ)。
ヌージ
虹。
- メモ
- →アミクェームージ。
ヌージ
名前。
- メモ
- 類:ナー・ノージ。
ヌーディー
喉。
- メモ
- 類:ヌーリ・ヌーリー。
ヌーディーブットゥー
のどぼとけ。喉仏。
- メモ
- 音:ヌーリーブットゥー。
ヌーディーウヮーグヮー
のどちんこ。口蓋垂(こうがいすい)。
- メモ
- 類:ヌーリーワングヮー。
ヌーティックトー ネーン
どうってことはない。何てことはない。
- 用例
- ゥンジャレー ヌーティックトーネーンタン(行ってみたら何てことはなかった)。
- メモ
- 類:チャーンネービランサ。
ヌーディン
何とも。何も。
- 用例
- ヌーディン ウマーンバーイ(何とも思わないのか)。
アンマーヤ ヌーディン イランティナー(お母さんは何も言わなかったのか)。
ヌートゥ クィートゥ
何かということ。分別。
- 用例
- ワラビ ヤティン、ヌートゥクィートー ワカインドー(子どもでも、何かということは分かるよ)。
ヌートゥンガラーシ
何かの拍子に。
- 用例
- ヌートゥンガラーシ ノートーヌ バーガ アサ(何かの拍子に直っていることがある)。
ヌーニンクィーニン
何にでも。
- 用例
- ヌーニンクィーニン、ウヤビカーン タルガキテー ナランドー(何にでも、親ばかり頼ってはいけないよ)。
ヌーヌー
何々。何と何。
- 用例
- ワンネー ヌーヌー ムッチ イケー シムガヤ(私は何々持って行けばいいのかな)。
ヌーヌクィーヌ
何のかの。何やかの。
- 用例
- ヌーヌクィーヌディチン、ターガ チチ トゥラスガ(何のかのと言っても、誰が聞いてくれるのか)。
ヌーヤークィーヤー
何やかや。あれこれ。
- 用例
- ヌーヤークィーヤー ムッチ チェーシ、 マーカイ ウチュガ?(何やかや持って来てあるが、どこに置くの?)。
- メモ
- 音1:ヌーヤンクィーヤン・ヌーサンクィーサン。
ヌーヤティン
何でも。
- 用例
- ヌーヤティン シムグトゥ、ヘークナー ムッチ クーワ(何でもいいから、早く持って来なさい)。
ヌーヤティンクィーヤティン
どうであれ。ともあれ。
- 用例
- ヌーヤティンクィーヤティン、ワンネー イキワル ヤル(どうであれ、私は行かなくちゃいけない)。
ヌーヤンクィーヤン
何やかや。あれこれ。
- 用例
- ヌーヤンクィーヤン イチン、チャーンナランサ(何やかや言っても、どうしようもないよ)。
- メモ
- 音1:ヌーヤークィーヤー・ヌーヤークィーヤー。
ヌーリ
喉。
- メモ
- 類:ヌーディー・ヌーリー。
ヌーリ
青のり。苔。
- 用例
- カーヌハタヤ ヌーリ クートーグトゥ、シンリラングトゥ シーヨー(井戸の側は苔が生えているから、滑らないようにしなさいよ)。
ヌーリ
池。溜池。
- 用例
- ヌーリヲゥティ ゥンム アライネー、グナワランチャーヤ ユー キー チキリヨー(池で芋を洗う時には、小さな子は良く気をつけなさいよ)。
- メモ
- →イチンモー。
ヌーリ
天の一番上にある雲。
- メモ
- ヌーリのギザギザのところをじっと見て、それが真っ直ぐ上ったら、2、3日内には必ず雨が降るといわれた。
ヌーリー
喉。
- 用例
- シワ ッシ、ムヌン ヌーリーカラ ウティラン(心配で、食事も喉から落ちない〈喉を通らない〉)。
- メモ
- 類:ヌーディー・ヌーリ。
ヌーリーチーチー
喉が痞〔つか〕えること。
- 用例
- ミジヌ ネーン ヌーリーチーチー ソーン(水がなくて喉が痞えている)。
ヌーリーブットゥー
のどぼとけ。喉仏。
- 用例
- ヌーリーブットゥーガ ハリトーン(のどぼとけが腫れている)。
- メモ
- 類:ヌーディーブットゥー。
ヌーリーワングヮー
口蓋垂。喉ちんこ。
- 用例
- カジヒチ、ヌーリーワングヮーヌ ハリトーン(風邪をひいて、喉ちんこが腫れている)。
- メモ
- 類:ヌーディーウヮーグヮー。
ヌーリチ
なぜ。どうして。
- メモ
- 音1:ヌーンチ。→ヌーガ。
ヌーリヂン
死装束。
- メモ
- 民俗編下巻P228
ヌール
ノロ。祝女。
- 用例
- ジャチミヌール(座喜味ノロ)。
- メモ
- 村落の祭祀をつかさどる神女。
首里王府編さんの体系的地誌『琉球国由来記』(1713年)によれば、読谷山間切では字大湾、楚辺、喜名、座喜味、瀬名波にノロがいたとされ、それぞれ祭祀を司る村、拝所があったという。ノロの継承家はヌンドゥンチと呼ばれる。王府からの任命職であるノロは「公儀(クージ)ノロ」とされ、それ以前のノロは「シマノロ」と言われた。沖縄最古の歌謡集「おもろさうし」に古堅にノロがいたことを思わせる記述がみられるが、それが「シマノロ」を指しているのではなかろうか。楚辺でも公儀ノロ以前のシマノロがいたと伝承される。
ヌールガー
ノロの専用の井戸。
- メモ
- ノロが用いた井戸といわれ、大湾、高志保ではその跡地に石碑がある。
ヌールグムイ
ノロの溜池。
- メモ
- ノロが手足を洗う池。
ヌールジー
ノロ地。ノロの管理地。
ヌールバカ
ノロ墓。ノロの職にあった人を葬った墓。多くは字の清明祭で拝される。
ヌーロークィーロー
なんだかんだ。あれやこれや。
- 用例
- ヌーロークィーローリーネー、チョーデーガル カシーヤ スル(なんだかんだの時は、兄弟が加勢するんだよ)。
ヌーロークィーロー
何やかや。何かある時。
- 用例
- ヌーロークィーローディーネー ヲゥジャサール タヌマリンドー(何やかやある時には、伯父さんを頼むんだよ)。
ヌーン
何も。
- 用例
- ウッピグヮーンレー、ヌーン カンゲーランティン シムサ(それだけのことなら、何も考えなくてもいいさ)。
ヌーンアラン
何でもない。
- 用例
- ウッピグヮーンレー ヌーンアラングトゥ、シワー サンキヨー(それだけのことなら何でもないから、心配するなよ)。
ヌーンクィイ
何もかも。
- 用例
- ヌーンクイ マンチャーマンチャー、シーネー イミクジン ワカランナイサ(何もかもごちゃ混ぜにしたら、どうなっているか分からなくなるさ)。
- メモ
- 音:ヌーンクイ。
ヌーンチ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌーンチ カマンタガ(どうして食べなかったの?)。
- メモ
- 音1:ヌーリチ。→ヌーガ。
ヌーンチ
何で。どうして。
- 用例
- ヌーンチ カマンタガ(どうして食べなかったの?)。
ヌーンナランヌー
役立たず。何もできない者。
- メモ
- 悪口の一種。
ヌーンヌーン
何でもかんでも。
- 用例
- ヌーンヌーン カムナヨー(何でもかんでも食べるなよ)。
ヌーンヌーン ムッチチン チカーランサ(何でもかんでも持ってきても使えないさ)。
ヌガ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌガ、イャーヤ イカンタルバーイ(どうして、君は行かなかったのか)。
- メモ
- 音1:ヌーガ・ヌーグヮ・ヌグヮ。→ヌーガ。
ヌガーイン
免れる。
- 用例
- クンドー ヤクミ ヌガーイン(今年は役目を免れる)。
否:ヌガーラン(免れない)希:ヌガーイブサン(免れたい)過:ヌガータン(免れた)継:ヌガートーン(免れている)。
ヌガーラスン
見逃す。許す。
- 用例
- シカターネーングトゥ、チューヤ ヌガーラスサ(仕方がないから、今日は見逃すさ)。
ヌカバチャー
ハチの一種。小さな蜂。チビアシナガバチか。
- 用例
- ヌカバチャーガ マンドーグトゥ、キー チキリヨー(小さな蜂が多いから気をつけなさいよ)。
ヌキ
布を織る時の横糸。
- 用例
- ヌヌ ウイネー、ヌキン チカイン(布を織る時には、横糸も使う)。
- メモ
- 縦糸を張った織り機の踏み板を踏みながら、杼(ひ)で横糸を通して布を織った。
ヌキ
味噌造りに使う煮潰した米や大豆。
- 用例
- ンス チュクインディ、ヌキ シコーイン(味噌を作るのに、煮潰した米や大豆を準備する)。
- メモ
- 味噌を作る時には、麹と塩を混ぜたのを米や大豆を煮潰したヌキに混ぜて、それから1年近く熟成させる。
ヌギーン
抜ける。逃げる。
- 用例
- ダテーンヌ チュヌミーカラ ヌギーン(大勢の人の中から抜ける)。ヌギティ イチュン(逃げて行く)。
ヌキガー
柱の貫き穴に通す木材。
- 用例
- ヌキジヤー チュクイネー、ヌキガー チカイタン(貫木家を造る時には、ヌキガーを使った)。
- メモ
- 類:ヌチジヤー。
貫木家を造る時に、柱に細長の貫き穴(柄穴)を開けて、その穴に通す平たい木のことをヌキガーといった。
ヌキジヤー
貫木家。柱に貫き木を通した家。
- 用例
- アンシ チビラーシー ヌキジヤー ヤルヤー(とても立派な貫木屋だね)。
- メモ
- 貫木家は柱に細長の貫き穴(柄穴)を開けて、その穴にヌキガーを通して、柱と柱を結ぶ仕組みになっている。
ヌギバイ
抜け駆け。
- 用例
- ウマカラ ヌギバイ シ ハイタシェー、ター ヤタガ?(そこから抜け駆けて行ったのは、誰だったの?)。ヌギバイ シチョーン(入場料を払わず観覧している)。
- メモ
- 入場料を払わずに映画や闘牛などをみること。
ヌギファ
その場から魂を抜くこと。
- 用例
- ヌギファ シーネー、カッティー タヌリ リッパ シミリヨー(霊魂を抜く時には、手慣れた人を頼んでちゃんとさせなさいよ)。
- メモ
- 類:ヌジファ。
沖縄の信仰では霊魂は死んだ場所あるいは遺骨が納められた墓などに残るとされ、それをヌギファする儀礼がなされる。
ヌキムン
除け者。
- 用例
- ヌキムン サッティ、ティーチン ウムサー ネーランタン(除け者にされて、ちっとも面白くなかった)。
ヌクイ
残り。残り物。
- 用例
- ヌクイヤ ワンガ ムッチ イチュサ(残りは私が持って行くよ)。
- メモ
- 音2:ヌクイムン・ヌクサー・ヌクシ。
ヌクイムン
残り物。
- 用例
- メーナチ ヌクイムンビカーン カマサッティ、ニリトーン(毎日残り物ばかり食べさせられて、飽きている)。
- メモ
- →ヌクイ。
ヌクイン
残る。
- 用例
- ワンネー ナー イフェー ヌクイン(私はもう少し残る)。
ウッサヌ シブイヌ ヌクトール(そんなにたくさんの冬瓜が残っているね)
否:ヌクラン(残らない)希:ヌクイブサン(残りたい)過:ヌクタン(残った)継:ヌクトーン(残っている)。
ヌグイン
拭う。
- 用例
- アシ ハトーグトゥ、ティサージシ チラ ヌグイン(汗をかいているから、手拭で顔を拭く)。
否:ヌグラン(拭わない)希:ヌグイブサン(拭いたい)過:ヌグタン(拭った)継:ヌグトーン(拭っている)。
ヌクサー
残り物。
- 用例
- ワンネー チャー シージャヌ ヌクサービカーン(私はいつも兄の残り物だけだ)。
- メモ
- →ヌクイ。
ヌクサン
温かい。暖かい。
- 用例
- ヒーバチヌ メーカイ クーワ、ヌクサンドー(火鉢の前に来なさい、暖かいよ)。
ナマヤレー、ユーフルン ヌクサンドー(今なら、お風呂も温かいよ)。
- メモ
- 類:ヌクヮハン(温かい)。対:ヒジュルサン(冷たい)。
ヌクシ
残し。残り物。
- 用例
- クヮヌ ヌクシヤ ウヤガル カムル(子どもの残しは親が食べるんだよ)。
- メモ
- →ヌクイ。
ヌクジリ
ノコギリ。
- 用例
- ヌクジリ ムッチ ッチ チレーワ(ノコギリを持って来て切りなさい)。
ヌクジリバー
ノコギリのようにとがった歯。
ヌクスン
残す。
- 用例
- ウットゥヌ タマシ クヮーシ ヌクスン(弟の分のお菓子を残す)。
否:ヌクサン(残さない)希:ヌクシーブサン(残したい)過:ヌクチャン(残した)継:ヌクチョーン(残している)。
ヌクタマイン
温まる。
- 用例
- ヒーサイネー カマヌ メーヤ ヌクタマイン(寒い時には、竈の前は温まる)。
否:ヌクタマラン(温まらない)希:ヌクタマイブサン(温まりたい)過:ヌクタマタン(温まった)継:ヌクタマトーン(温まっている)。
- メモ
- 対:ヒジュイン(冷える)。
ヌクヌクートゥ
温々と。気持ち良い温かさ。
- 用例
- ワランチャーガ ヌクヌクートゥ ニントーン(子どもたちが温々と寝ている)。
ヌクバーイン
暖かくなる。
- 用例
- チカグロー、タッタ ヌクバーティ チョーンヤー(近頃は、だんだん暖かくなってきたね)。
ユカイ ヌクバートーンムナー(けっこう暖かくなったね)。
ヌクムン
暖まる。暖をとる。
ヌグヮ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌグヮ ヌーンチ イャーヤ アン イーガ?(なぜ、どうして君はそう言うの?)。
- メモ
- 音1:ヌーガ・ヌーグヮ・ヌガ。→ヌーガ。
ヌクヮハン
温かい。暖かい。
- 用例
- ワタイリー チーネー ヌクヮハン(綿入れを着ると暖かい)。
- メモ
- 類:ヌクサン。
ヌザトゥ
地名(嘉手納町野里)。
ヌザトゥンチュ
野里の人。
ヌサリムン
のさばっている人。放蕩者。
- 用例
- ヌサリムンヌ、ヘーク マーガラカイ イケー ヤンムンヌ(放蕩者は、早くどこかに行けばいいのに)。
ヌシ
熨斗。
- 用例
- スージカイ ムチ イチュグトゥ、ヌシ ハレーワ(祝いに持って行くから、熨斗を張りなさい)。
ヌシーン
乗せる。載せる。
- 用例
- クルマンカイ ウホークヌ チュ ヌシーン(車に多くの人を乗せる)。
否:ヌシラン(乗せない)希:ヌシーブサン(乗せたい)過:ヌシタン(乗せたい)継:ヌシトーン(乗せている)。
- メモ
- 類:ウーシーン・ウースン。
ヌシカイン
少し出る。少し顔を見せる。
- 用例
- ワランチャーガ チラ ヌシカティ ンチューン(子どもたちが顔を出して見ている)。
ヌシキーン
差し出す。ちょっと出す。のぞかせる。(槍などを)向ける。
- 用例
- トゥイヤッサヌグトゥシ ティー ヌシキーン(取りやすいように手を差し出す)。
クビ ヌシキーン(首をのぞかせる)。ヤイ ヌシキーン(槍を向ける)。
ヌジファ
その場から霊魂を抜くこと。
- 用例
- ヌジファ シーネー、カッティー タヌリ リッパ シミリヨー(ヌギファするときには、手慣れた人を頼んでちゃんとさせなさいよ)。
- メモ
- 類:ヌギファ。ヌギファ参照。
ヌジュミ
望み。
- 用例
- イャームン ヌジュミディシェー ヌーヤガ?(お前の望みというのは何か?)。
ヌジュミドゥーイ
望み通り。
- 用例
- ヌジュミドゥーイ カナワティ、イッペー イリキサンテー(望み通り叶って、とても嬉しいでしょう)。
ヌジュン
①抜く。②脱ぐ。③写す。撮る。
- 用例
- ①ハー ヌジュン(歯を抜く)。
②アシジャ ヌジュン(下駄を脱ぐ)。
③サシン ヌジャン(写真を撮った)。
否:ヌガン(抜かない)希:ヌジーブサン(抜きたい)過:ヌジャン(抜いた)継:ヌジョーン(抜いている)。
ヌスド
盗人。泥棒。
- メモ
- 音:ヌスドゥ。類:ヌスル・ヌスルー。
ヌスドゥ
盗人。泥棒。
- メモ
- 音:ヌスド。類:ヌスル・ヌスルー。
ヌスムン
盗む。
- 用例
- ヌーン カムシン ネーン、ハルカラ ヤシェー ヌスムン(何も食べるのがなく、畑から野菜を盗む)。
否:ヌスマン(盗まない)希:ヌスミーブサン(盗みたい)過:ヌスラン(盗んだ)継:ヌスローン(盗んでいる)。
ヌスル
盗人。泥棒。
- 用例
- ヌスルヤ カンナジ、ドゥーヌ ヒサアトゥ ヌクスンディ(盗人は必ず、自分の足跡を残すそうだ)。
- メモ
- 類:ヌスド・ヌスドゥ。
ヌスルヌバーン
盗人の番。盗人の見張り。寝ずの番。
- 用例
- ヒルニンジ シーヂューサイネー、ヌスルヌバーン サル ウチ ヤサ(昼寝をしすぎると、盗人の番をすることになるよ)。
- メモ
- 昼間寝すぎて夜眠れなくなり、盗人の見張りをするという意味の揶揄。
ヌスルングェー
つまみ食い。
- 用例
- ヌスルングェービカーン スグトゥ、ムノー イラン ナイサ(盗み食いばかりするから、ご飯は入らなくなるさ)。
- メモ
- →ガチングェー。
ヌチ
緯〔ぬき〕。緯糸〔ぬきいと〕。横糸。
- メモ
- 音1:ヌキ(布を織るときの横木)。
ヌチ
貫。
ヌチ
味噌を造る時に炊いた大豆など。
- 用例
- ンスヌ ヌチェー ウフチジャーグヮー ニーン(味噌のもとになるのは、大豆を煮る)。
ヌチ
命。
- 用例
- ヌチェー ヌーヤカ タカラヤサ(命は何よりも宝だよ)。
- メモ
- →イヌチ。
ヌチ コーイン
命を買う。命拾いする。
- 用例
- ヌチヤ コーヤーニ(命拾いして)。ヌチ コーティ(命が助かって)。
ヌチカジリ
命の限り。
- 用例
- ヌチカジリ ハマティン、チャーン ナランシェー シカター ネーンサ(命の限り頑張っても、どうにもならなければ仕方がないさ)。
ヌチガフー
命果報。命拾い。
- 用例
- マーン ヤマサンテーレー、ヌチガフー コーテーサ(どこも怪我がなければ、命拾いしているさ)。
ヌチグスイ
命の薬。長寿の薬。
ヌチシター
命知らず。
- 用例
- イャーグトーシーカイ、ヌチシターディサ(お前みたいな奴に、命知らずというんだよ)。
- メモ
- 類:マチシンター・ハティー。
ヌチジヤー
貫木家。柱に貫き木を通した家。
- メモ
- 類:マキジヤー。
ヌチシンター
命知らず。
- 用例
- ヌチシンターヤ チャーヌ ワジャン スサ(命知らずは、どんなことでもするよ)。
- メモ
- 類:マチシター・ハティー。
ヌチヂューサン
生命力が強い。生命力がある。
- メモ
- 類:マチヂューハン。
ヌチヂューハン
生命力がが強い。生命力がある。
- メモ
- 類:マチヂューサン。
ヌチトゥ カクグ
命と覚悟。命と引き替えにすること。
- 用例
- ヌチトゥカクグ ッシマディ、スル ワジャヤ アラン(命と引き換えにしてまで、やるものではない)。
ヌチドゥクル
急所。
- 用例
- ヌチドゥクル ヤマサンテーヌ、フーガル アンテー(急所を怪我せずに、運が良いんだよ)。
- メモ
- 類:ソードゥクル・チブドゥクル。
ヌチヌウヤ
命の親。命の恩人。
ヌチバナ
演目名。貫花。花を糸で貫いたもの。花飾り。
- 用例
- ハナガ アマトーグトゥ ヌチバナ チュクイン(花が余っているから花飾りを作る)。
ヌチブクターグヮー
作業用の防寒着。
- メモ
- 類:ノーロー。古くなった木綿の着物に、小さな布切れを何枚もつぎはぎして縫い合わせ冬用の野良着として着た。
ヌチャーシー
金品を出し合うこと。
- 用例
- ムルシ ヌチャーシー シ、ウヤギー ムッチ イチュン(皆で金を出し合って、差し入れを持って行く)。
ヌチャガイイェーキ
急に富を増やすこと。急に金持ちになること。
- 用例
- ワッタガ ワカラン マール チューチャン、ヌチャガイイェーキ ナティ(私たちが知らないうちに、急に金持ちになったね)。
ヌチャガイン
①抜け出る。②芽が出る。
- 用例
- ①ハマイネー、イチカー チュヤカ ヌチャガイサ(頑張れば、いつかは人より抜きん出るよ)。
②ワンガ イーテール シブイグヮー ヌチャガティ チャーギンレー(私が植えてあった冬瓜が、芽を出してきたよ)。
ヌチュン
①退く。立ち去る。②別れる。離縁する。
- 用例
- ①キジムナーヤ ヌチュンリ(キジムナーは退くんだって)。
②ヰナグヌ ウヤヤ ヌチャルバーイー(女の親は離婚したのか)。
ヌチュン
徴収する。
- 用例
- カクチネーカラ ジン ヌチュン(各家庭からお金を徴収する)。
否:ヌカン(徴収しない)希:ヌチーブサン(徴収したい)過:ヌチャン(徴収した)継:ヌチョーン(徴収している)。
ヌチュン
抜く。貫く。
- 用例
- ハーイヌミーカイ イーチュー ヌチュン(針の穴に糸を抜く)。
否:ヌカン(抜かない)希:ヌチブサン(抜きたい)過:ヌチャン(抜いた)継:ヌチョーン(抜いている)。
ヌヌ
布。
- 用例
- ヌヌ ヒルギティ チャー スヌ バーガ?(布を広げてどうするのか?)。
ヌヌウイジョージ
布織上手。
ヌヌブクル
布袋。
- 用例
- ヌヌブクルンカイ クミガ イッチョータン(布袋に米が入っていた)。
ヌバガイカーギ
顔を見せる。立ち寄る。
- 用例
- チカグロー ヌバガイカーギン ネーンレー(最近はちっとも顔を見せないよ)。
- メモ
- 音2:ミーカーギ。
ヌバガイン
ちょっとのぞく。ちょっと顔をだす。ちょっと立ち寄る。
- 用例
- ヲゥバマーターンカイ イッチュター ヌバガイン(伯母さんの家にちょっと立ち寄る)。
否:ヌバガラン(立ち寄らない)希:ヌバガイブサン(立ち寄りたい)過:ヌバガタン(立ち寄った)継:ヌバガトーン(立ち寄っている)。
- メモ
- 音1:ヌバガユン。→トゥンヌバガイン。
ヌバガユン
ちょっとのぞく。ちょっと顔をだす。ちょっと立ち寄る。
- 用例
- ハンタンカイ ヌバガユン(崖のふちに顔を出してのぞく)。アサユー ヌバガティ(朝夕顔を出して)。
- メモ
- 音1:ヌバガイン。→トゥンヌバガイン。
ヌバスン
伸ばす。
- 用例
- マガトーヌ キー チカーリヌ グトゥ ヌバスン(曲がっている木を使えるように伸ばす)。
否:ヌバサン(伸ばさない)希:ヌバシーブサン(伸ばしたい)過:ヌバチャン(伸ばした)継:ヌバチョーン(伸ばしている)。
- メモ
- 対:マギーン(曲げる)。
ヌバチリーン
くたばる。大変な思いをする。
- 用例
- シーヨーヌ ワカランネー、ヌバチリーンドー(やりかたが分からないとくたばるよ)。
ドゥーチュイシ スンディ、ヌバチリトーン(ひとりでやろうとして、くたばっている)。
ヌバチリムン
ぐうたら。ぐうたらな者。
- 用例
- ヌバチリムントー アシバンキヨー(ぐうたらな奴とは遊ぶなよ)。
ヌビ
おおらか。寛大さ。
ヌビーディー
寛大〔かんだい〕で辛抱〔しんぼう〕強いこと。
- 用例
- アヌ チョー ヌビーディーヌ マンリル、チュ マトゥミー スル(あの人は寛大さが大いにあって、人をまとめることができるんだよ)。
- メモ
- 類:チムヌヌビ。
ヌビーン
延ばす。遅らせる。
- 用例
- ハライヌ ジノー ネーングトゥ、イチュター ヌビーン(払う金がないから、少し支払いを遅らせる)。
ヌビーン
許す。
- 用例
- ワカランヨークー シェーヌ クトゥル ヤグトゥ ヌビーン(知らずにやったことだから許す)。
ヌビサシ
日延べ。
- 用例
- ヒッチー ヤティン ヌビサシェー ナランディ(1日でも日延べはできないそうだ)。
ヌファムラ
字楚辺にあったと言われる古集落名。
- メモ
- 昔は東がヌファ村、西がスビ村であったという。ヌファカミアサギグヮーと呼ばれている場所もあった。首里王府編さんの体系的地誌『琉球国由来記』(1713年)には楚辺の「嶽」として「禰覇ノ嶽」記載がみられる。
ヌブイジョー
料亭の名。
- メモ
- 比謝矼にあった料亭の名。比謝矼は戦前は嘉手納と繋がるマチ(市場)として大いに栄えた。
ヌブイン
登る。
- 用例
- ニーケーヌ タキマディ ヌブイン(2階の高さまで登る)。
否:ヌブラン(登らない)希:ヌブイブサン(登りたい)過:ヌブタン(登った)継:ヌブトーン(登っている)。
- メモ
- 対:ウリ―ン(降りる)。
ヌブシーン
①のぼせる。②有頂天になる。舞い上がる。
- 用例
- ①カラジ ンリトーヌ ママ ニンジーネー ヌブシーンドー(髪が濡れたまま寝るとのぼせるよ)。
②アレー フミレーカラ、マーマリン ヌブシーンドー(彼は褒めたら、どこまでも舞い上がるよ)。
否:ヌブシラン(のぼせない)過:ヌブシタン(のぼせた)継:ヌブシトーン(のぼせている)。
ヌブシヌタマ
宝珠の玉。
ヌブシヤー
のぼせる人。よく頭が熱くなったり、痛くなったりする人。
ヌブタン
ノボタン。野牡丹。
- 用例
- ヌブタンヌ ハナヤ ムラサキーシ チュラサン(野牡丹の花は紫色できれいだ)。
ヌミ
鑿〔のみ〕。
- 用例
- ワラビヌ ヌミ ムッチ アシビーネー アブナサヌ(子どもがノミを持って遊んだら危ない)。
ヌミグスイ
飲み薬。
- 用例
- ヌミグスイン ヰーティチェーラー ヌマンネー(飲み薬も貰って来たんなら飲まないと)。
ヌミトゥバスン
飲み尽くす。
ヌミミジ
飲み水。
- 用例
- ヌミミジヤ テーヒチニ ヌミヨー(飲み水は大切に飲みなさいよ)。
ヌミンクン
飲み込む。
- 用例
- ミジ ヌミンクン(水を飲み込む)。
- メモ
- 類:ヌミンチュン。
ヌミンチュン
飲み込む。
- 用例
- ミジシ クスイ ヌミンチュン(水で薬を飲み込む)。
否:ヌミンカン(飲み込まない)希:ヌミンチーブサン(飲み込みたい)過:ヌミンチャン(飲み込んだ)継:ヌミンチョーン(飲み込んでいる)。
- メモ
- 類:ヌミンクン。対:アギーン(食べ物を戻す)。
ヌムン
飲む。
- 用例
- ヌーリー カーラチ ミジ ヌムン(喉が渇いたので水を飲む)。
否:ヌマン(飲まない)希:ヌミーブサン(飲みたい)過:ヌラン(飲んだ)継:ヌローン(飲んでいる)。
ヌラーイン
叱る。怒る。
ヌラーリーン
叱られる。怒られる。
- 用例
- ヌラーッティ(怒られて)。
- メモ
- 音:ヌラーリン。
ヌラーリン
叱られる。怒られる。
- 用例
- ウンナ ワジャ シーネー、ヌラーリンテー(そんなことをしたら、叱られるよ)。
否:ヌラーランタン(叱られなかった)希:ヌラーリーブサン(叱られたい)過:ヌラーッタン(叱られた)継:ヌラートーン(叱られている)。
- メモ
- 音:ヌラーリーン。
ヌライクジラリーン
ひどく叱る。
- 用例
- チャー ヌライクジラッタグトゥ チューヤ チチヌ アガイガエーカ サビーグトゥ(いつもひどく叱られたので、今日は月が上がるまで働きますので)。
- メモ
- 勝連バーマーが仕事に遅刻し、役人に怒られたので「月が上がるまで働きます」と言うと、その日(二十日月)はいつもより早く上がったという話。「勝連バーマー」『高志保の民話』より。
ヌライグチー
よく怒る人。
- 用例
- ワッター スーヤ ルク ヌライグチー ナティ、フシガラン(私の父はあまりにも怒りっぽくて、たまったもんじゃない)。
ヌライクヮタイ
飲んだり食べたり。
- 用例
- ヌライクヮタイ、イャー カッティル ヤルイ(飲んだり食べたり、お前の勝手か)。
ヌライン
叱る。怒る。
- 用例
- ティガンマリワランチャー アチミティ ヌライン(悪戯っ子を集めて叱る)。ヌラティ(怒って)。ヌレーワ(叱りなさい)。
否:ヌララン(叱らない)希:ヌライブサン(叱りたい)過:ヌラタン(叱った)継:ヌラトーン(叱っている)。
- メモ
- 対:フミーン(褒める)。
ヌラハン
ぬるい。
- 用例
- ユーフル ミジェー イフェー ヌラハンレー(お風呂の水は少しぬるいよ)。
- メモ
- 類:ヌルサン。
ヌラヤー
よく叱る人。
- 用例
- イヒナーヤ ヌラヤーン ヲゥリワル ヤル(少しは叱る人もいないといけないよ)。
ヌルサン
ぬるい。
- 用例
- ウヌ チャーヤ アサ イッテーシ ヤグトゥ ヌルサン(そのお茶は、朝入れたものだからぬるい)。
- メモ
- 類:ヌルハン。
ヌルヌルー
ぬるぬるしている状態。
- 用例
- タク カチミタレー、ティーガ ヌルヌルー シ(タコをつかまえたので、手がぬるぬるしている)。
ヌルブックヮー
ぬるい物。
- 用例
- ウヌ チャーヤ ヌルブックヮー シ、ウチャクンカイヤ ゥンジャサランデー(そのお茶はぬるくて、お客さんには出せないよ)。
ヌルントゥルン
のろのろしていること。
- 用例
- イチグ ヌルントゥルン シ、ヌー シミティン バチン クヮーン(いつものろのろして、何をさせても役に立たない)。
ヌンドゥンチ
ノロ殿内。村落の祭祀を司るノロ神女の屋敷。
ネー
地震。
- 用例
- チカグロー ネーヌ ウーサヌ ウトゥルサンヤー(近頃は地震が多くて、恐いね)。ネーガ ユイン(地震が起きる)。
- メモ
- 地震があるとキョーヂカ キョーヂカ クヮーギヌマーター(経塚,経塚、桑木の股)と唱えた。
ネー(~ネー)
(~する、した)ように。
- 用例
- ハナシヤ ウンジュガ インネー ッシヨ、バキーグトゥヨ(話はあなたが言うように、化けるからね)。
ネーイン
萎える。活力がなくなる。
- 用例
- ティーダヌ チューサヌ、ヤシェーン スグ ネーイン(太陽が強くて、野菜も直ぐに萎える)。
ティーダンミーカイ ヤシェー ウッチェータレー、キサ ネートーン(陽の当たる所に野菜を置いていたら、すでに萎えている)。
- メモ
- 類:ソーリ―ン・シピリーン。
ネーイン
古典音楽を始める時に、音合わせをして徐々に音を上げていくこと。
ネーイン
前に出す。差し出す。
- 用例
- ワランチャーガ クヮーシ カムンディ、ワンカラワンカラ ティー ネーイン(子どもたちがお菓子を食べようとして、我先に手を差し出す)。
タマグ ネーイン(卵を差し出す)。シバ ネータン(舌を出した)。
クビ ネーティ ヌバガイン(首を伸ばして覗く)。
トゥイヤッサヌグトゥシ、ティー ネーレー(取りやすいように手を差し出しなさい)。
ネーガー
足の動きが不自由な人。びっこ。
- メモ
- 音:ネーグー・類:ネージャー。
ネーキリ
着物の袖をまくりあげること。
- 用例
- ネーキリ シ、ウーハマイ ソーン(着物の袖をまくりあげて、とても頑張っている)。
ネーグー
足の動きが不自由な人。びっこ。
- 用例
- アレー クーサイニ ヒサ ヤマチル ネーグー ナトールヨー(彼は小さい頃に足を怪我して、びっこになっているんだよ)。
- メモ
- 音:ネーガー・類:ネージャー。
ネーグーネーグー
足が不自由で歩く時につり合いがとれない様。
ネージ
足が思うように動かず、不自然に歩くこと。
- 用例
- アヌ ッチュ、ネージ シル アッチビーッサー(あの人、足が悪そうに歩いていますね)。
- メモ
- 類:ネージュン。
ネージャー
足が思うように動かず、不自然に歩く人。
- メモ
- 類:ネーガー・ネーグー。
ネージュン
足が思うように動かず、不自然に歩く。
- 用例
- イフィグヮー ネージャーギンデー(少し歩き方が不自由な感じだよ)。
- メモ
- 類:ネージ。
ネートゥケートゥ
似たり寄ったり。どっちもどっち。よく似合っていること。
- 用例
- イッター タイヤ ネートゥケートゥ、ユー ニアトーサ(お前たち二人はお互い似たり寄ったりで、良く似合っているよ)。
ネートー
似合い。
- 用例
- ネートー アラン(つりあわない)。
ネーネー
姉さん。
- メモ
- 類:アバー・アバーグヮー・アワー・ゥンミー・ゥンミーグヮー。
ネービ
真似。ふり。
- 用例
- フリタ ネービ-(気が触れたふり)。チュヌ ネービビカーン ッ(シ人の真似ばかりして)。ネービ スナヨー(真似するなよ)。
ネービル
ノビル。ネビル。
- 用例
- メーヤ ヤシェーガ ネーラン ジキ、シューセントージンデー ハルカイ ムル ネービル トゥイガ ヤサ(前は野菜がない時期、終戦当時など畑にはノビルを採りに行ったんだよ)。
- メモ
- 音:ネーブル。類:ニービラー・ニーブル。
ネーブル
ノビル。ネビル。
- メモ
- 音:ネービル。類:ニービラー・ニーブル。
ネーラン
ない。~してしまった。
- 用例
- ターガル トゥッティ ゥンジャラー、ヌー ティーチン ネーランタン(誰が取って行ったのか、何ひとつなかった)。ジカヌンカイ ウクリティ ネーラン(時間に遅れてしまった)。
ヤーサヌ フシガラン ヌー ヤティン シムグトゥ カムシェー ネーラニ?(お腹がすいてたまらない、何でもいいから食べる物はないね?)。
- メモ
- 対:アン(ある)。
ネーラン ナイン
なくなる。
- 用例
- ゥンマンカイ ウッチェータルムン、ネーラン ナインディチン アンナー?(そこに置いてあったのに、なくなるってこともあるの?)。
- メモ
- 類:ネーン ナイン。
ネーランナラン
なくならない。
- 用例
- イャーガ チュールマディ ネーラン ナランサ(君が来るまで、なくならないよ)。
- メモ
- 類:ネーン ナラン。
ネーランムン
ないもの。
- 用例
- ウヌ ジノー ネーランムントゥシ タミトーチュサ(そのお金は、なかったものとして貯めておくさ)。
ネーン
ない。
- 用例
- マー カメーティン ネーンデー(どこを探してもないよ)。
- メモ
- 類:ネーラン。対:アン(ある)。
ネーン ナイン
なくなる。
- 用例
- チュバチニ ウホーク チカイネー アチャヌ ブンガ ネーン ナインドー(一度に多く使うと、明日の分がなくなるよ)。
ウッサヌムン マジレータシガ、ウビジ ネーラン ナトーン(たくさんの物を積んであったが、いつのまにか無くなっている)。
シワー サンティン イャーガ チューヌマリ ネーン ナランサ(心配しなくてもいいよ、君が来るまで無くならないさ)。
- メモ
- 類:ネーラン ナイン。
ネリ
オクラ。
ノーイムン
縫物。
- 用例
- ノーイムンガ マンリル イチュナサンレー(縫物が多くて忙しいんだよ)。
ノーイン
治る。
- 用例
- クスイ ヌレーティカラ、アチャーマディネー ノーインテー(薬を飲んだなら、明日までには治るさ)。
否:ノーラン(治らない)希:ノーイブサン(治りたい)過:ノータン(治った)継:ノートーン(治っている)。
ノーイン
①縫う。②綯う。
- 用例
- チンガ ヤリトーグトゥ ノーイン(着物が破れているので縫う)。
否:ノーラン(縫わない)希:ノーイブサン(縫いたい)過:ノータン(縫った)継:ノートーン(縫っている)。
- メモ
- 類:アムン。
ノーガ
誉。名誉。
- 用例
- フービ ヰーシェー ノーガナ クトゥヤサ(褒美をもらうことは名誉なことだ)。
ノージ
虹。
- メモ
- 音1:ノージャ。→アミクェームージ。
ノージ
名字。名前。
- 用例
- イャー ノージヤ ヌー ナー ヤガ?(貴方の名前は何という名だったねぇ?)。
ノージェー ヌーディ イミシェーガ(名前はなんと言いますか?)。
- メモ
- 類:ナー。
ノージャ
虹。
- メモ
- 音1:ノージ。→アミクェームージ。
ノースン
直す。治す。
- 用例
- チンヌ タキガ ナガサグトゥ ノースン(着物の丈が長いから直す)。
ウレー ノーシユースン(これは治すことができる)。
アンマー ビョーチェー、ワーガ チャーシヤティン ノースン(お母さんの病気は、私がどんなことをしても治す)。
否:ノーサン(直さない)希:ノーシーブサン(直したい)過:ノーチャン(直した)継:ノーチョーン(直している)。
ノータカマンタ
似たもの同士。
- 用例
- チョーデー タイ ノータカマンタ ナティ、ヌーン ナラン(兄弟2人似た者同士で、何もできない)。
- メモ
- →ニタカマンタ。
ノーノー
頭が悪い。馬鹿者。
- 用例
- ノーノーヤ、チャッサ ナラーチン ワカランル(馬鹿は、どんなに教えても分からないのか)。
- メモ
- →ゲレン。
ノーブ
屏風。
- 用例
- ゥンマンカイ ノーブ タティーシェー マシ(そこに屏風を立てた方が良い)。
ノーブタン
分相応。
- 用例
- チャー ノーブタン ソーレー シムサ(いつも分相応にしていたら良いさ)。
ノーロー
作業用の防寒着。
- メモ
- →ヌチブクターグヮー。
ノッソイノッソイ
のんびり。ゆったり。
- 用例
- アマカラ ハーメーガ、ノッソイノッソイ アッチ チューン(あそこからお婆さんが、ゆっくりゆっくりと歩いてくる)。
ノンカー
暢気〔のんき〕。のんびりしていること。苦労のないこと。心配のないこと。無頓着なこと。平気なこと。
- 用例
- ユミヌ ルク ノンカーナティ シワヤン(嫁があまりにものんきで心配だ)。
ノンノン
のろまな様。
- 用例
- チャクシガ ノンノンシ バチンクヮーン(長男がのろまで役に立たない)。
読込中...