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- しまくとぅば単語帳:ニ
は、用例やメモ、音声などがあることを示しています
ニアーイン
似合う。
- 用例
- アヌ タイヤ タキフドゥ ウチャティ ニアーイン(あの二人は体格も良く、似合っている)。
否:ニアーラン(似合わない)継:ニアートン(似合っている)。
ニー
①根。根元。根っこ。根株。②元。そば近く。
- 用例
- ①マギキー ナティ ニー ハトーグトゥ トーシグリサン(大きな木になって、根が張っているので倒しにくい)。チミヌ ニー(爪の根元)。
②ウスガナシーメーヌ ニーンカイ(王様のもとへ)。
- メモ
- ②類:ニーグイ・ニーグヤー・ニームトゥ。
ニー
①荷。②荷物の数を数える数詞。
- 用例
- ①ムタラン ニー ムッチ、アマカラ アッチチューシェー ター ヤガヤー?(持てないほどの荷物を持って、あそこから歩いて来るのは誰かね?)。②チュニー ヤティン シムグトゥ、ムッチ トゥラシェー(荷物1つでもいいから、持ってくれ)。
- メモ
- ②チュニー(1荷)、タニー(2荷)、ミニー(3荷)と数える。
ニー
子(干支)。子の方角。
- 用例
- ジューニシェー ニーカラ ハジマイン(十二支は子から始まる)。
ニー
荷。荷物。
- 用例
- ニーヤ ガッサシル マシ ヤル(荷は軽い方が良いよ)。
- メモ
- 類:ニムチ。
ニーカ
①後。のち。②将来。
- 用例
- ①ニーカヤ チャクシンカイル ワンダリールヨー(後は長男に厄介になるんだよ)。
ニーグイ
根。根元。根っこ。根株。
- 用例
- グンボーヤ ニーグイカラ ヒチヌゲー(ゴボウは根っこから引き抜きなさい)。
- メモ
- 類:ニームトゥ・ニー・ニーグヤー。
ニークター
煮えすぎてくたくたになっている様。
- 用例
- ニークター ナティ カマリヌ サコー アラン(煮えすぎて、食べられたもんじゃない)。
ニーグヤー
根。根元。根っこ。根株。
- メモ
- 類:ニーグイ・ニー・ニームトゥ。
ニーグヤー
出産後火に温まるための薪。
- 用例
- クヮナシメーニ、ニーグヤー アチミーシェー ヲゥトゥヌ シクチ ヤタン(出産前に、産後温めるための木の根っこの薪を集めるのは夫の仕事だった)。
- メモ
- 類:クヮナシダムン・ヒーヌクミダムン。
産後、産婦が冷えないように地炉で根のついた大きな木(ニーグヤー)を燃やして温めた。
ニーグヤーダムン
松の根っこの薪。
ニーグリーン
煮詰まる。
- 用例
- アンダジシン ニーグリーネー マーク ナイン(脂身の肉も煮詰まると美味しくなる)。
- メモ
- 音2:ニーシジーン。
ニーグリサン
煮えにくい。炊きにくい。
- 用例
- ウヌ デークニヌ、ニーグリサヨー(その大根の、煮えにくいことよ)。
ニーグルサン
煮えにくい。炊きにくい。
ニーグルマグヮー
取っ手がひとつの荷車。
- メモ
- →ティーチトゥイティー。
ニーゲー
根所。根元になる所。発祥の家。
- メモ
- 類:ニードゥクル・ニーヤ。
ニーケーヤー
二階家。
ニーサン
まずい。おいしくない。
- 用例
- チヌーカラ チブルヤンシ、ヌーカリン ニーサン(昨日から頭痛がして、何を食べても美味しくない)。
- メモ
- 類:ニーハン(おいしくない・食が進まない)。対:マーサン(美味しい)。
ニーサン
遅い。
- 用例
- ワッター アンマーヤ、チャー シコーイシガ ニーサン(私のお母さんは、いつも支度するのが遅い)。
- メモ
- 音1:ニーハン。→ウスサン。
ニーサンマーサン
不味い美味しいに関わらず。好き嫌い。
- 用例
- ニーサンマーサン サンヨークー、ヌー ヤティン カミルスル(好き嫌いしないで、何でも食べるんだよ)。
ニーシ
子孫。根元。
- 用例
- ニーシ チリーン(子孫が絶える)。ニーシ コーリティネーン(子孫が絶えてしまった)。
- メモ
- 子孫が絶えることを、根元が絶えると表現する。
ニーシェー
二才。青年。
- 用例
- ニーシェーターヤー グテーンマンディ、サーラナイ カタジキーサ(青年たちは力があるから、さっさと片付けるよ)。
- メモ
- 音1:ニーセー。
ニーシェーガシラ
二才頭。青年頭。
- 用例
- クンドゥヌ ニーシェーガシラヤ ターガ アタタガヤー(今年の青年頭は、誰があたったのかな)。
- メモ
- 類:ニーセーガシラ。
青年組織の代表(部長・会長)となる人で、字の色々な会議などに参加する。
ニーシェーグヮーバーチー
姉さん女房。自分より若い男性を好む女性。
- 用例
- アヌヰナゴー、チャー ニーシェーグヮーバーチー シ(あの女は、いつも若い青年とばかりつき合っている)。
- メモ
- 類:ニオーグヮーバーチー。
ニーシジーン
煮詰まる。
- 用例
- ヘーク ヒー チャーサンネー、ニーシジーンドー(早く火を消さないと、煮詰まるよ)。継:ニーシジトーン(煮詰まっている)。
- メモ
- →ニーグリン。
ニージシバル
{二石原}。長浜の小字。
ニージャー
まずくて食えない芋〔イモ〕。虫が入って苦くなった芋。
- 用例
- ニージャーヤ サッコー クササンロー(虫が入った芋はとっても臭いよ)。
- メモ
- 類:ニージャーゥンム。
ニージャーカマジャー
不機嫌な様。
- 用例
- アサナーリーカラ ニージャーカマジャー ソーン(朝っぱらから不機嫌だ)。
ニージャーゥンム
まずくて食えない芋〔イモ〕。虫が入って苦くなった芋。
- 用例
- ニージャーゥンムヤ、クササヌ カマランドー(虫が入った芋は、臭くて食べられないよ)。
- メモ
- 類:ニージャー。
ニージャムン
まずい食べ物。おいしくないもの。
- 用例
- メーナチ ニージャムンビカーン カマサッティ、ニリトーッサー(毎日まずい物ばかり食べさせられて、飽きているなあ)。
- メモ
- 対:マーサムン(美味しいもの)。
ニージリ
子孫が絶える事。
- 用例
- ヰキガングヮガ ヲゥラン ニージリ ナトーン(男の子がいなくて、子孫が絶えている)。
ニーセー
二才。青年。
- メモ
- 音1:ニーシェー。
ニーセーガシラ
二才頭。青年頭。
- メモ
- 類:ニーシェーガシラ。
ニーセースーチチ
二才総聞。青年会計。
- メモ
- 字座喜味の役職名で、各組にそれぞれニーセーガシラ(二才頭、青年の代表者)がいたが、それを統べる重要な役職だった。組長を務めた者から選出されたという。
ニーセーは青年の意。高志保や大湾、比謝などでは字(ムラ)の会計職をスーチチ(総聞)と呼んだ。
ニーセースーデー
二才総代。青年総代。
- 用例
- ニーセースーデー アタイネー イチュナシムン ヤタン(ニーセースーデーになると忙しかった)。
- メモ
- ムラアシビ・村芝居に青年会の代表となる人。字の役員と一緒に集まり等に参加する。
ニーセーソーダイ
二才総代。青年総代。
- メモ
- 字楚辺の役職名で、夜遊びをしている者など字内規に触れる者を取り締まった。字事務所を境に東西に1人ずつ年配の人が当たった。
ニーダカサン
値が高い。
- 用例
- マチカイ イチーネー ヌーンクイ ニーダカサン(町に行くと何でも値が高い)。
ニータサ
恨むこと。
- メモ
- 類:ウラムン。
ニータサベーサー
嫉妬深い人。
- 用例
- アレー ニータサベーサー ヤグトゥ、ヌーン チカサンシェー マシ(彼は嫉妬深いから、何も耳に入れない方が良い)。
ニータサン
恨めしい。妬ましい。憎らしい。
- 用例
- シトゥカイ サッタヌ クトー イチマディ タッチン ニータサン(姑にやられたことは、何時まで経っても恨みに思う)。
フービ アタラン ニータサ ソーン(褒美がもらえなくて妬ましく思っている)。
- メモ
- 類:ニータハン。
ニータハン
恨めしい。妬ましい。憎らしい。
- 用例
- ワンガ クマトーネー ジヌン カラサン イッペー ニータハンデー(私が困っている時には金も貸さない、とても恨みに思うよ)。
- メモ
- 類:ニータサン。
ニーヂチュン
根付く。
- 用例
- クジュ イーテーヌ キーガ ニーヂチョーン(昨年植えた木が根付いている)。否:ニーヂカン(根付かない)希:ニーヂカシーブサン(根付かせたい)過:ニーヂチャン(根付いた)継:ニーヂチョーン(根付いている)。
ニーヂューサン
煮過ぎる。
- 用例
- ウヌ デークニヤ プットゥルーシ、ニーヂューサンデー(その大根はトロトロになって、煮過ぎだよ)。
ニーッチュ
根人。
- メモ
- 音:ニッチュ。
ムラ(字)の発祥の家や有力者の家を表す。伊良皆にはその名を冠した屋号がある。
ニーテー
五体。体格。
- 用例
- ニーテー マギサヌ、チカラスーブディネー アリカイ カナイシェー ヲゥランタン(五体が大きく、力勝負では彼に敵う者はいなかった)。
- メモ
- →グテー。
ニードゥクル
根所。根元になる所。発祥の家。
- 用例
- アジャヌ ニードゥクロー マー ナトーガ(字・集落の根所・発祥の家はどこか)。
- メモ
- 類:ニーデー・ニーヤ。その集落の発祥の家。
ニードゥシ
子年。
- 用例
- ワッター ヤーニンジョー ムル、ニードゥシウマリ ヤン(私の家族は全員、子年生まれだ)。
ニーニー
兄。兄さん。
ニーヌッチュ
子年生まれの人。
- 用例
- ニーヌッチュ アチマティ、ヲゥドゥイヌ チーク ソータン(子年生まれの人が集まって、踊りの稽古をしていた)。
ニーヌファ
子の方角。北。
- 用例
- ニーヌファカイ ンカティ イチュン(子の方角に向かって行く)。
ニーヌファブシ
子の方角の星。北極星。
- 用例
- ニーヌファブシ ミアティシ イケーワ(北極星を目当てに行きなさい)。
- メモ
- 類:ニヌファブシ・ニヌファ ヌ ミフシガナシ。
ニーヌファブシ(北)、ウマノハノブシ(南)を目印に船を動かしていた。
ニーハン
おいしくない。食が進まない。
- 用例
- ルク アチハヌ ムヌン ニーハン(余りにも暑いから食欲がない)。
- メモ
- 類:ニーサン。
ニーハン
遅い。
- 用例
- ワッター スーヤ、アッキ ニーハン(私の父は、歩くのが遅い)。
- メモ
- 音1:ニーサン。→ウスサン。
ニービ
土壌の種類。粒の細かい砂岩。
- 用例
- アマヌ ヤマー ニービヌ マンドーン(あそこの山はニービが多い)。
- メモ
- ジャーガル土になる前の、粘りがあって柔らかい土。
ニービキ
結婚。結婚祝い。
- 用例
- ニービキネー、ウジンムイディチ クヮッチーン ダテーン チュクイタン(結婚式には、御膳盛といってご馳走もたくさん作った)。
- メモ
- 音1:ニービチ。音2:ニービキスーギ・ニービチスージ。→ニービチ。
ニービキスーギ
結婚式。結婚祝い。
- 用例
- ニービキスーギヤ、マギマギートゥ スシェー マシ(結婚祝いは、盛大にやった方が良い)。
- メモ
- 音1:ニービチスージ。→ニービキ。
ニービキニンジュ
婚礼の行列に参加する人たちのこと。
- メモ
- 音1:ニービチニンジュ。
ニービキンチュ
嫁を迎える人たち。
- 用例
- ニービキンチュヤ、ヤガテー メンシェーンドー(ニービキンチュは、やがていらっしゃるよ)。
- メモ
- 類:ユミゾーイ・ユミソーヤー。
夕方の満潮時に、婿側から嫁を迎えに行く人たちのことを、ニービキンチュといった。
ニービチ
結婚。結婚式。結婚祝い。
- 用例
- アチャヌ ニービチヌ シタコー ナトーミ?(明日の結婚式の準備はできているね?)。
- メモ
- 音1:ニービキ。結婚する時に女が男を嫌って、山に逃げて木にしがみついたので、そのまま木の根ごと引き抜いてきたことからニービチ(根引)といわれるようになったという昔話がある。
ニービチシコーイ
婚礼の準備・支度。
- 用例
- ニービチシコーイヤ ユークル スビ ナトーンナー?(婚礼の準備はそろそろ終わっているねぇ?)。
ニービチスージ
結婚式。結婚祝い。
- 用例
- ニービチスージェー ワッタン アヤカーラシヨー(結婚式は私たちもあやからせてね)。
- メモ
- 音1:ニービキスーギ。→ニービキ。
ニービチヂン
結婚式の着物。
- 用例
- アバー ニービンヂンヌ チュラサヨー(お姉さんの結婚式の着物のきれいなことよ)。
- メモ
- 嫁入り道具として持参する衣類や当日着る着物のこと。
ニービチニンジュ
婚礼の行列に参加する人たちのこと。
- メモ
- 音1:ニービキニンジュ。
ニービチンチュ
ニービチ(結婚式)の行列に参加する者たち。
- メモ
- 類:ニービキンチュ。
ニービチ(結婚式)当日に婿側から花嫁を迎えるために出向く人たちと、嫁側から花嫁のお供をして行く人たちのこと。
ニービラー
植物名。ノビル。ネビル。
ニーブ
①ひしゃく。柄杓。②柄杓数を数える数詞。
- 用例
- ①ニーブヌ ヰーヌ コーリトーグトゥ ノーチョーキヨー(柄杓の柄が壊れているから、直していてね)。
トーダキーサーニ、ニーブ チュクテービタンヤー(トーダキ〔竹の一種〕で、柄杓をつくっていましたね)。②チュニーブシェー ジョーイ タラーンドー(柄杓1杯では絶対に足りないよ)。
- メモ
- チュニーブ(1柄杓)、タニーブ(2柄杓)、ミニーブ(3柄杓)と数える。
ニーブイ
居眠り。眠気。眠気がさすこと。
- 用例
- ムンカリアトー ニーブイシ フシガラン(ご飯を食べた後は眠くてしょうがない)。
ニーブイ イッチャル ジブン(寝入った時分)。
ニーブイアビー
眠そうな声で話すこと。
ニーブイカーブイ
しきりに眠気がさす様。
- 用例
- ンジュルカージ ニーブイカーブイ ソーン(見るたびに眠たそうにしている)。
ニーブイグサ
植物名。オジギソウ。
- 用例
- ワラビ ソーイネ、ニーブイグサ トゥッティ ユー アシブタン(子どもの頃は、オジギソウを取ってよく遊んだ)。
ニーブイクヮンソー
甘草。アキノワスレナグサ。
- メモ
- 類:クヮンソー。
ニーブイハブグヮー
ヘビの一種。ヒメハブ。
- メモ
- 類:クッパー・クファー・トゥルバイハブグヮー・トゥルバヤー・ニーブヤー。
ニーブガー
井戸の一種。柄杓〔ひしゃく〕で水を汲む井戸。
- 用例
- ニーブガーカラル ミジェー クムテーグトゥ、ジコー ナンジ ヤタン(ニーブガーから水を汲んでいたので、とても難儀だった)。
ニーブク(~ニーブク)
~するやいなや。同時に。直ぐに。
- 用例
- カミーニーブク ヒンギティ ハイタン(食べるやいなや逃げて行きよった)。ウキーニーブク シクチ イーチキーンナー(起きると同時に仕事を言いつけるのか)。トゥイニーブク(取ると直ぐに)。
ニーブター
出来物の一種。はれ物。根太〔ねぶと〕。おでき。
- 用例
- ニーブターヌ ニチ ムッチ、ヤリ ニンラランタン(おできが熱を持って、痛くて眠れなかった)。
ニーブターンデー、アンダマースグヮール チキティ ノーチャン(腫れ物なんかには、豚の脂と塩をつけて治した)。
ニーブターヌクチ
出来物の芯を出すところ。
- 用例
- ダ、ニーブターヌクチヤ マーンカイ アガ(どれ、腫れ物の芯を出す所はどこにあるか)。
ニーブヤー
ヘビの一種。ヒメハブ。
- 用例
- ゥンマカラ ニーブヤーガ ホーティ ハイタンドー(そこからヒメハブが這って行ったよ)。
- メモ
- 類:ニーブイハブグヮー参照。動作が鈍いのでそう呼んだ。
ニーブヤー
良く寝る人。寝坊助。
- 用例
- アレー ニーブヤー ナティ、アサー チャー ウキーカンティー ヤサ(彼は寝坊助で、朝はいつも起きかねている)。
ニーブル
植物名。ノビル。
- 用例
- スベー、ニーブルン ユー ミートータン(楚辺は、ノビルもよく生えていた)。
- メモ
- 類:ニービラー・ネビル・ネーブル。
ネギに似た小さな野草で食用となる。
ニーマーラー
ずんぐりむっくり。
- 用例
- イャーヤ ニーマーラーディチル ニサブトーンナー(あなたは、ずんぐりむっくりだから嫌っているの?)。
- メモ
- 背が低くて太っている人に言った。
ニームッチャー
角材のひとつ。屋根の重量を支える角材。
- 用例
- ニームッチャーシル、ヤーヤ ムッチュンドー(屋根を支える角材で、家は支えるんだよ)。
- メモ
- 類:ヒサンガーミ。
ニームトゥ
根元。根。
- 用例
- ヤナクサヤ ニームトゥカラ トゥランネーマタ ミーンドー(雑草は根元から取らないと、また生えてくるよ)。
- メモ
- 類:ニーグイ。
ニーヤ
根家。発祥と言われる家。
- メモ
- 類:ニーゲー・ニードゥクル。古村と呼ばれる集落にはほとんどニーヤが存在する。
ニーヤムツスク
ニーヤ(根家)としての務め。
ニーリンギー
幼児が睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動していること。
- メモ
- 類:ニーリングィー・ヤーミグイ。
ニーリングィー
幼児が睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動していること。
- メモ
- 類:ニーリンギー・ヤーミグイ。
ニーリングィーサー
睡眠中、隣に寝ている人を越えてあちこちに移動している幼児。
- 用例
- ウレー イッペー ニーリングィーサードー(この子はとても寝ながらよく隣で寝ている人を越えてあちこち転がる子だよ)。
ニーワンレー
荷崩れすること。
- 用例
- チュバチニ ウッサ チミーネー、ニーワンレー スンドー(一度にそんなにたくさん積むと、荷崩れするよ)。
ニーン
似る。似ている。
- 用例
- チョーデーヤ、ハナリトーティン ニーンヤー(姉妹は、離れていても似るもんだね)。
チョーデーディチ、アンシ ニチョーンヤー。ターチューヌ グトゥル アル(姉妹って、よく似ているね。双子みたいだ)。
ウヤックヮル ヤシガ、ティーチン ニラン(親子だが、ちっとも似ない)。
否:ニラン(似ない)継:ニチョーン(似ている)。
- メモ
- 類:ニチョーン。
ニーン
煮る。炊く。
- 用例
- シシヌシルン ヤガテー ニーンレー、カリカラ イケー(肉汁もやがて煮えるから、食べてから行きなさい)。
否:ニラン(煮ない)希:ニーブサン(煮たい)過:ニチャン(煮た)継:ニチョーン(煮ている)。
- メモ
- →タクン。
ニーゥンブハン
荷が重い。肩の荷が重い。
- 用例
- ウッサヌ シクチ イーチキネー ウレー ニーゥンブハンレー(そんなにたくさんの仕事を言いつけると、それは肩の荷が重いよ)。
ニーゥンム
ふかし芋。炊いた芋。
- 用例
- ニーゥンム ムッチ イケー(炊いた芋を持って行きなさい)。
ニオーグヮーバーチー
姉さん女房。自分より若い男性を好む女性。
- 用例
- ニオーグヮーバーチー カメーティ バチクヮイ ヤサ(姉さん女房をめとって良かったさ)。
- メモ
- 類:ニーシェーグヮーバーチー。
ニオーブトゥキ
<仁王仏。仏頂面。
- 用例
- イチ ンチン ニオーブトゥキル ヤル(いつ見ても仏頂面をしている)。
- メモ
- 無愛想な怖い顔をしていることのたとえ。
ニガイン
願う。
- 用例
- クヮヌチャー リッシン ニガイン(子供たちの立身を願う)。
ニカリーン
腐りかかる。
- 用例
- ウヌ イヨー イフェー ニカリトーンデー(その魚は、少し腐れかかっているよ)。
ニガン
根神。集落の元となる神。
- メモ
- 字座喜味では発祥に関わる家として屋号となっている。
ニガンジーバル
{根神地原}。宇座の小字。
ニガンヌール
神人の呼称。根神ノロ。
- メモ
- 集落発祥と伝わる旧家から出る神人の呼称。
ニギリ
右。
- 用例
- ニギリカイ マガティ イチーネー、スグ ワカイサ(右に曲がって行くと、すぐに分かるよ)。
- メモ
- 類:ニジリ。対:ヒジャイ(左)。
ニクジー
サトウキビの搾りかすの細かいもの。
- 用例
- ニクジーヤ チュトゥクマンカイ マジローケー(サトウキビの搾りかすは一か所に積んでおきなさい)。
- メモ
- 類:ヲゥージガラ・ヲゥーギンガラー・ヲウージガラー。
ニグトゥ
寝言。
- 用例
- ウリガ ニグトゥ シーネー、タマネー トゥンウキーサ(彼が寝言すると、たまには飛び起きるさ)。
ニクブク
藁縄で編んだ筵〔むしろ〕。粗筵〔あらむしろ〕。
- 用例
- アミフイネー ハルカイ イカラングトゥ、ヤーヲゥティ ニクブク アムタン(雨降りには畑に行けないから、家で藁縄の筵を編んでいた)。
タタンヌ ウィーンカイ ニクブク シチュンナー(畳の上に筵を敷くのか〈上質な物を食べたり飲んだりしたあとに、質の劣るものを出された時に言う〉)。
ニクブクヌチャー
粗筵〔あらむしろ〕編み機。ニクブク(藁縄筵)織機。
ニクン
にきび。
- 用例
- ニクングヮー ゥンジトーシェー(ニキビが出ているさ)。
ニゲー
願い。
- 用例
- イャー ニゲーヤ ヌー ヤガ、イチマーニ(君の願いは何ね、言ってごらん)。
ニゲーグトゥ
願い事。
- 用例
- マクトゥ ソーチーネー、アトー ニゲーグトゥン カナワイサ(誠していたら、後は願いごとも叶うさ)。
- メモ
- 音2:チムニゲー。
ニサブイカーブイ
選り好み。
- 用例
- アバーン イートゥシ ナトールムンヌ、ニサブイカーブイ シェー ナランデー(姉さんもいい年になっているんだから、選り好みばかりしてはいけないよ)。
ニサブイン
嫌がる。好まない。煙たがる。
- 用例
- カーギヌ ワッサグトゥル ヤラー、ヰナグヌル ニサブインデー(容姿が悪いからなのか、女が嫌がるんだよ)。
アッター タイヤ、タゲーニ ニサブトーン(あの2人は、お互いに煙たがっている)。イャー チャヌアタイヌムンヤクトゥ アマンレー ニサブイガ(お前は何様のつもりで、先方を嫌がるのか)。
- メモ
- 類:クシ スン。
ニシ
北。
- 用例
- ワランチャーヤ、ニシンカイ ンカティ ハイヌ グトータシガ(子どもたちは、北に向かって行くようだったが)。
ニジーカンティー
こらえかねること。耐えかねること。我慢できないこと。
- 用例
- ナー ワンネー、ニジーカンティール ソーシガ(もう私は、こらえかねているんだが)。
ニジーグネー
我慢強く辛抱している様。こらえている様。
- 用例
- ナママディ チャッサ、ニジーグネー ソーグトゥ!(今までどれだけ、我慢してきたことか!)。
- メモ
- ニジーは我慢・辛抱、クネーは堪えるの意味で、我慢強く辛抱している様子。
ニシーティ
気をつけて。
- 用例
- シクチ シーネー、ユー ニシーティ シーヨーヤー(仕事をする時には、よく気をつけてしなさいよ)。
- メモ
- 類:ニニーク・ユカーッチュ。
ニジーディー
耐える力。我慢する力。
- 用例
- ニジーディーヌ ネーンネー、マーンカイ ゥンジン チトゥマランサ(我慢することが出来なかったら、どこに行っても勤まらないさ)。
- メモ
- 類:ニジーレー。
ニジーレー
耐える力。我慢する力。
- 用例
- ニジーレーヌ ネーンネー、ナガヂトゥメー シーサンドー(我慢することが出来かったら、長くは務まらないよ)。
- メモ
- 類:ニジーディー。
ニシーン
似せる。
- 用例
- イャームントゥ ワームン ニシーン(君の物と私の物を似せる)
否:ニシラン(似せない)希:ニシーブサン(似せたい)過:ニシタン(似せた)継:ニシトーン(似せている)。
ニジーン
ねじる。
- 用例
- クンニジティ スンリ スシガ(ねじ伏せてやろうとするが)。
- メモ
- クンは接頭辞。
ニジーン
握る。
- 用例
- ハナリラングトゥシ、ティー チューク ニジーン(離れないように、手を強く握る)。
否:ニジラン(握らない)希:ニジーブサン(握りたい)過:ニジタン(握った)継:ニジトーン(握っている)。
ニジーン
我慢する。こらえる。
- 用例
- イャーガ ヲゥラン ナイネー サビサー アシガ、チャーガラ シ ニジーンテー(君がいなくなったら寂しいけど、どうにかして我慢するさ)。
アンマディ イラッテー、ワンヤティン ニジララン(そこまで言われたら、私でも我慢ができない)。
否:ニジララン(我慢できない)ニジラン(我慢しない)希:ニジーブサン(我慢したい)過:ニジタン(我慢した)継:ニジトーン(我慢している)。
ニシカジ
北風。
- 用例
- ニシカジヌ フチーネー ヒーク ナインドー(北風が吹くと寒くなるよ)。
- メモ
- 類:ニシブチ。
ニシヌウドゥン
首里城北殿。
ニシバーチ
木製の円形の鉢。行事など祝いの御馳走を盛るのに使用した。
- メモ
- 音1:ミシバーチ。音2:センセンバーチ。類:ケール。
ニシハマヤーバル
{北浜屋原}。宇座の小字。
ニシバラー
読谷村北部の人。
- 用例
- ニシバラーンチョー ウーマクガ マンドータン(読谷村北部の人は腕白者が多かった)。
ニシバルンチュ
西原の人。
ニシブチ
北風。
- 用例
- チューヤ ニシブチヌ フチ シラハン(今日は北風が吹いて涼しい)。
- メモ
- 類:ニシカジ。
ニシマックヮ
北枕。
ニシムン
偽物。
- 用例
- イャーガ ムッチ チェーシェ、 ソームノー アラン ニシムンル ヤル(お前が持って来たのは、本物ではなく偽物だ)。
ニジヤー
けち。握り屋。
ニジャシチ
寝座敷。
- 用例
- ニジャシチンカイ イチュン(寝室へ行く)。
ニジャマサ
寝ぼけること。
- 用例
- ニジャマサ サーニヨ、ニーリングィー スンドーリチ(寝ぼけてね、隣で寝ている人も越えてあちこち転がるよ)。
ニジューグカジャイ
25飾り。ウチカビ25組。
- 用例
- ニジューグニンチ ヤグトゥ、ウチカビ ニジューグカジャイ ウサギーン(二十五年忌だから、打ち紙を25組供える)。
ニジューグカン
25貫。50銭。
ニジューグニンキ
二十五年忌。
- 用例
- ヘームンヤー、ナー ニジューグニンキ ナトーサヤー(早いもんだね、もう二十五年忌になったね)。
- メモ
- 音:ニジューグニンチ。
ニジューグニンチ
二十五年忌。
- 用例
- アンマー ニジューグニンチヤ、ヤーニンジュシ ウサギラヤー(母の二十五年忌は、家族で供えようね)。
- メモ
- 音:ニジューグニンキ。
ニジューゴーヌスーギ
二十五歳祝。
- 用例
- ニジューゴーヌスーギヤ、ヤーニンジュスーギ サーヤー(二十五歳祝は、家族で祝おうね)。
- メモ
- 音:ニジューゴーヌスージ。
生まれ年の干支に当たった人の二十五歳祝だが、特に大きくすることはなく家族で祝った。
ニジューゴーヌスージ
二十五歳祝。
- 用例
- ニジューゴーヌスージヤ、ウグヮンビカーンル スタル(二十五歳祝は、御願だけをした)。
- メモ
- 音:ニジューゴーヌスーギ。
ニシユンタンジャ
北読谷山。読谷村の北部地域。
ニシラーチョーン
似合っている。
- 用例
- アヌ タイヤ、イッペー ニシラーチョーン(あの2人は、とても似合っている)。
- メモ
- 類:ウチャイン・ニアーイン。
ニジリ
右。
- 用例
- ニジリカイ マガティ イチーネー、スグ ワカイサ(右に曲がって行くと、すぐに分かるよ)。
ニシリー
嫌々ながら物事をすすめること。
- 用例
- ニシリー シ シクチ シーネー、ドゥースク ナインドー(嫌々ながら仕事すると、怪我するよ)。
ニジリヌティー
右手。
- 用例
- ウヌ ニムチェー、ニジリヌティーシ ムッチョーケー(その荷物は、右手で持っていなさい)。
ニジリヌヒサ
右足。
- 用例
- イャー ニジリヌヒサ アギティンディ(君の右足を上げてごらん)。
ニジリマチ
右巻き。
ニシンケー
北向き。
- 用例
- アマヌ ヤーヤ ニシンケー ソーン(あそこの家は北向きになっている)。
ニシンラバル
{西平原}。喜名の小字。
ニスダチー
鍋の大きさ。二升炊き用の鍋。
- 用例
- スージネー ニスダチーンカイ シル ワカスサ(お祝には2升炊きに汁を作るさ)。
ニスナバー
植物名。フダンソウ。
- メモ
- 音1:ンスナバー。音2:ミシナバー・ンシナバー。
ニタカマンタ
似たもの同士。
- 用例
- アヌ ミートゥンダヤ ニタカマンタ ナティ、ターガル マシ ヤラー ワカラン(あの夫婦は似た者同士で、誰が良いのか分からない)。ターチ ニタカマンタナティ ヌーガル マシヤラー ワカラン(二つとも同じような物で、何が良いのか分からない)。
- メモ
- 音2:ニタキター・ノータカマンタ。音2:ニタキター
カマンタ(大鍋の蓋)と大鍋がちょうどピッタリ収まるようなもの同志。
ニタキター
似たもの同士。
- 用例
- ミートゥンダ ニタキター ナティ ウカシームン ヤサ(夫婦似た者同士で滑稽だよ)。
- メモ
- →ニタカマンタ。
ニチ
熱。
- 用例
- ウヌ ワラベー チラアカー ナトーシガ、ニチヌル アンテー(その子は顔が赤くなっているが、熱があるんじゃないの)。
ニチサマシ
熱冷まし。薬だけでなく、解熱のための食べ物にもいう。
- 用例
- ニチヌ サガラン、ニチサマシル ヌマチョーンデー(熱が下がらなくて、熱さましを飲ませているんだよ)。
ニチパンパン
熱が上がっている様。
- 用例
- ニチパンパン シ クスイヤ ヌマチャシガ、ニチェー サガラン(熱が高くて薬は飲ませたが、熱が下がらない)。
ニチョーラー
似たもの。
- 用例
- ニチョーラーガ アチマティ チョーン(似た者が集まって来ている)。
- メモ
- 音1:ニチョールー。
ニチョールー
似たもの。
- 用例
- ワンニンカイ ニチョールー(私に似たもの)。
- メモ
- 音1:ニチョーラー。
ニチョーン
似る。
ニヂリ
握り(飯)。~握り。
- 用例
- ニヂリ ティーチ(握り飯ひとつ)。
- メモ
- 数詞(~ニヂリ)はチュニジリ(1握り)、タニジリ(2握り)。ミニジリ(3握り)と数える。
ニッカ
遅く。
- 用例
- シクチヌ ヨーイネー ウワラン、アンシル ニッカ ナトーンデー(仕事がなかなか終わらなくて、それで遅くなったんですよ)。
ニッカ ナイビタン(遅くなりました)。トゥチン ニッカ ナティ(時間も遅くなって)。
ニッター
あなた方。あなたたち。
- 用例
- ニッターンカイ、ワンガ マーティ イチャビーサ(貴方の所に、私が回って行きますよ)。
ニッターンカイ トゥミティキリ(お宅に泊めてくれ)。
- メモ
- 音1:ナッター。
→ウンジュナー。目上の人に対して使う。
ニッチュスー
村の宗家の主。根人主。
ニッチリケッチリ
のろのろしている様。
- 用例
- ニッチリケッチリ シ ヤクンタッタン(のろのろして役に立たない)。
- メモ
- 類:トゥルトゥル・ヌルントゥルン。
ニドゥ
二度。再度。
- 用例
- ウンナ クトー ニドゥトゥ スシェー アラン(そんなことは二度とするものではない)。
- メモ
- 類:タケーン。
ニニーク
気をつけて。
- 用例
- シクチェー アシガカンヨークー ニニーク シーヨー(仕事は焦らずに気を付けてしなさいよ)。
- メモ
- 類:ニシーティ・ユカーッチュ。
ニヌファヌミフシガナシ
北極星。子の方の御星加那志。
- メモ
- 類:ニヌファブシ・ニーヌファブシ。
ニヌファブシ
北極星。
- メモ
- 類:ニーヌファブシ・ニヌファ ヌ ミフシガナシ。北の空にひとつ輝く動かない星。
ニバンジャ
民家の間取りのひとつ。二番座。
ニバンドゥイ
二番鶏〔にばんどり〕。
- 用例
- ナー ニバンドゥイガ ウタイギネー、ナンジグレーディチヨ(〔時計がなくても〕もう二番鶏が鳴くと、何時頃だといって)。
ニフェー
ありがとう。
- 用例
- イッペー ニフェー ヤイビータン。イチマディン ウンジュガ ウンジェー ワシリヤビラン(大変ありがとうございました。いつまでも貴方の恩義は忘れません)。
ニフェードー(どうもありがとう)。
- メモ
- 類:カフーシ・シリガフー。
ニムチ
荷物。
- 用例
- アチャヤ ヤマトゥンカイ イチュンディシガ ニムチェー マトゥミテーミ?(明日は日本本土に行くらしいが、荷物はまとめてあるね?)。
- メモ
- →ニー。
ニムトゥ
根。根元。
- メモ
- 類:ニー・ニーグイ・ニーグヤー。
ニューバル
{入原}。座喜味の小字。
ニリ
米に混ざっている小石や砂。
- 用例
- ティーチナー ティーチナー ニリン、リッパ トゥリヨー(ひとつひとつ小石や砂も、ちゃんと取りなさいよ)。
ニリーン
飽きる。いやになる。
- 用例
- ヒッチー ユヌクトゥビカーン チカサリーネー、ター ヤティン ニリーン(いつも同じことばかり聞かされたら、誰だって飽きる)。
ニリラスン(嫌にさせる)。ナー ニリティテー(もう飽きてね)。
否:ニリラン(飽きない)過:ニリタン(飽きた)継:ニリトーン(飽きている)。
ニリクサリーン
呆れ果てる。ひどく嫌になること。
- 用例
- ナー、テーゲー ニリクサリトーンデー(もう、ほとほと呆れ返っているよ)。
- メモ
- →アチハティーン。
ニン
忍。念。熱心な気持ち。
- 用例
- アンスカナー ニンヌ ネーラン チュン ヲゥル(そこまで忍耐のない人もいるさ)。
ニンヌ ネーラングトゥ、ヌー シミティン トゥジュミーサン(熱心さがないから、何をさせてもやり遂げきれない)。
- メモ
- 類:カナミ。
ニン
年。
- 用例
- ニンヌ タッテーカラー、ヤナクトゥン ワシリーサ(年が経てば、嫌なことも忘れるさ)。
- メモ
- 類:トゥシ。
ニン(~ニン)
~年。~年数を表す数詞。
- 用例
- イチニンヌ タッチュシヌ ヘーサヨーヤー(1年の経つのが早いこと)。
- メモ
- サンニン(3年)、ユニン(4年)、グニン(5年)と数える。
ニンイリ
念入り。熱心に。
- 用例
- ニンイリニ ニス ヌイン(念入りにニスを塗る)。
- メモ
- 音2:ニンナーニンナー。
ニンガキーン
念頭におく。気にかける。心がける。
- 用例
- ウヤヌ クトー チャー ニンガキトーン(親の事はいつも気にかけている)。
ニンカラニンジュー
年がら年中。
- 用例
- ニンカラニンジュー シクチビケーン シ、イフェー アシディ クーナ(年がら年中仕事ばかりして、少しは遊んで来よう)。
ニンキジューコー
年忌焼香。年忌法要。一年忌~三十三年忌までの法事。
- 用例
- ニンキジューコーヤ、ワシランヨークー カチ ウッチョーケー(年忌法要は、忘れないように書いておきなさい)。
- メモ
- 音1:ニンチジューコー。
ニングル
懇ろ。愛人。男女が親密な仲になること。
- 用例
- ニングルグヮー(懇ろにしている者)。
アヌ タイヤ、イチヌミーヤラ ニングル ナトーン(あの二人は、いつの間にか親密な仲になっている)。
- メモ
- 類:ハタベー・ユーベー・ユーベーハタベー。
ニングヮチ
2月。
- 用例
- クネーダル ソーグヮチ ンケータシガ ウビジ ニングヮチ ナトーサ(この前正月を迎えたのに、そんなに早く2月になっているさ)。
ニングヮチウマチー
行事名。二月御祭。旧2月15日に行われる麦の初穂祭。
- メモ
- かつては大きな行事であったが現在では昔日〔せきじつ〕のおもかげはない。
→ウマチー。
ニングヮチカジマーイ
二月風廻り。旧2月に吹く強い風。
- メモ
- 旧暦2月の大時化の続く期間、毎日のように風向きが急変し、ときには突風を伴うので航海は危険だった。
ニングヮチダー
二月田。
- メモ
- ハル(立春)からムシ(啓蟄)の2月に稲を植えた。
ニングヮチハチカーグヮー
二月二十日。男性が女性をもてなす行事。
- 用例
- ニングヮチハチカーグヮーネー、ヰキガンチャーガ ヰナグンチャー ティレーイタン(ニングヮチハチカーグヮーには、男性が女性をもてなした)。
- メモ
- 旧2月15日にはニングヮチハチカーグヮーといって、男性が女性を招いて豆や山芋等の御馳走を作って歓待した。
ニングヮチヒガン
二月彼岸。
- メモ
- 音:ニングヮチヒンガン。
彼岸の節に、ひとつの重には餅、もうひとつの重は肉、豆腐、昆布、ターンム、天ぷらと5種を詰めたものを1組、打ち紙3枚を供える。
ニングヮチヒンガン
二月彼岸。
- 用例
- ヒーサシン ニングヮチヒンガン マディヤサ(寒さもニングヮチヒンガンまでだよ)。
- メモ
- 音:ニングヮチヒガン。ニングヮチヒガン参照。
ニンゴームイ
2合盛り。結納のこと。
- メモ
- 類:サキムイ・クファンムイ。
嫁乞いに行き、嫁方の了解が得られると、ニンゴームイをする。2合の酒を持って行くのでニンゴームイといわれた。ニンゴームイは男の親たちが、女方へ酒とご馳走を持って行くが本人は行かない。女の家では親族が出席して酒盛りをする。
ニンシーン
寝かせる。
- 用例
- ワラビガ ウキトーネー ヌーン ナラングトゥ、ヘーク ニンシーン(子どもが起きていると何もできないから、早く寝かせる)。
否:ニンシラン(寝かさない)希:ニンシーブサン(寝かせたい)過:ニンシタン(寝かせた)継:ニンシトーン(寝かせている)。
- メモ
- 対:ウクスン(起こす)。
ニンシェーガシラ
二才頭。青年頭。
- メモ
- 類:ニーセーガシラ、ニーシェーガシラ。
ニンシェーター
二才達。青年達。
ニンジガマン
子どもが眠くてぐずること。
- 用例
- ワラビヌ ニンジガマン ソーン(子どもが眠たいのを我慢している)。
- メモ
- ニーブイガマン
ニンジガマン
赤子や幼児が眠たくて機嫌が悪い様。
- 用例
- ウヌ ワラベー ニンジガマンル ヤル(その子は眠いんだよ)。
ニンジカンジュン
熟睡する。
- 用例
- ウール ウチカンティ ニンジカンジュン(布団を覆いかぶさって熟睡する)。
ニンジグーネー
皆で一緒になって寝ていること。
- 用例
- シクチン サン、アマ ヲゥティ ニンジグーネー ソーン(仕事もせずに、あそこで皆一緒に寝ている)。
ニンジグシ
寝グセ。
- 用例
- イャー カラジヨー、ニンジグシ チチョーンドー(お前の髪よ、寝癖がついているよ)。
ニンジクム
寝入る。
- 用例
- ナー ユークル ニンジクムンドー(もうそろそろ寝入るよ)。
継:ニンジクローン(寝入っている)。
ニンジケーイ
寝返り。
- 用例
- ウレ ルークルグヮー ナー、ニンジケーイングヮー サギーッサー(その子は、自分でもう寝返りをするようだよ)。
- メモ
- 類:クゲーイ。
ニンジケーサー
何度か寝なおすこと。
- 用例
- ニンジケーサー サレー チブルゥンブー ソーン(何度も寝なおしたので頭が重い)。
ニンジジャー
寝室。
- 用例
- アンマーヤ ニンジジャー カタヂキトーン(お母さんは寝室を片付けている)。
ニンジチゲー
寝違い。
- 用例
- ニンジチゲー シ、クビガ イジカン ナトーン(寝違いして、首が動かなくなっている)。
ニンジノースン
寝なおす。
- 用例
- ヘーク ウキーヂューサヌ ニンジノースン(早く起き過ぎたので寝なおす)。
ニンジハナ
寝入り端。寝てすぐ。
- 用例
- ニンジハナ シーバイ シーブサヌ、ミークヮティネーン(寝入り端に小便がしたくて、目がさえてしまった)。
ニンジブスク
寝不足。睡眠不足。
- 用例
- ワラビヌ ナチ ニンララン、ニンジブスク ソーン(子どもが泣いて寝れなくて、睡眠不足だ)。
ニンジフリーン
寝過ごす。
- 用例
- タケーンニンジ シーネー、ニンジフリーンドー(二度寝したら、寝過ごしてしまうよ)。
ニンジメー
年終い。年末。
- 用例
- ニンジメー ナイネー チャー ジンヌ シワ スタン(年末になるといつもお金の心配をした)。
ニンジャニユーフー
夜2時から3時、東の空に輝く明るい星。
- メモ
- 類:ユナカユーフー。
ニンジヤンジュン
寝損なう。寝そびれる。
- 用例
- ワランチャーガ ミンチャサヌ、ニンジヤンジュン(子どもたちがうるさくて、よく寝れなかった)。
ニンジュ
人数。グループの構成員。
ニンジュー
年中。一年中。
- 用例
- グナサイネー ニンジュー クヮムヤービカーン シミラッタン(小さい頃は年中子守ばかりさせられた)。
- メモ
- 類:ニンカラニンジュー。
ニンジュガシラ
グループの頭。
- 用例
- ニンジュガシラ ヤティカラ、チュヤカ ハマランネー(ニンジュカシラだったら、他の人以上に頑張らないと)。
ニンジュムスビー
製糖開始前の発会式。
- メモ
- 怪我をしないように頑張ろうと結束した。
ニンジュン
寝る。
- 用例
- イッチン マッチン ケーテー クーランムー、ナー ニンジュンドー(いつまで待っても帰って来ないから、もう寝るよ)。
否:ニンラン(寝ない)希:ニンジーブサン(寝たい)過:ニンタン(寝た)継:ニントーン(寝ている)。
- メモ
- 対:ウキーン(起きる)。
ニンジョー
人情。思いやり。
- 用例
- ニンジョービカーンシェー、ユヌナカー ワタテー イカラン(人情だけでは、世の中は渡れない)。
ニンジョームチ
人に優しい。思いやりのある人。
- 用例
- ミートゥンダ イッペー ニンジョームチ ヤン(夫婦ともとても思いやりがある)。
ニンジリ
年切り。年末に掛けを払うこと。
- 用例
- シワーシ ナイネー、ニンジリヌ シワ スタン(師走になると、借金を返す心配をした)。
ニンジン
人間。
- 用例
- アレー ニンジンヌ スヌ ワジャー アランシガ(あれは、人間がすることではないよ)。
- メモ
- 音:チュニンジン・ッチュニンジン。
ニンスー
年数。
- 用例
- ニンスーヌ タティワル ヌー ヤティン ジョージ ナイル(年数が経ってこそ、何でも上手になるんだよ)。
ニンスク
人足。人夫。
- 用例
- クンドゥヌ ニンスクヤ イッペー ハマヤー ヤン(今度の人夫はとても頑張り屋だ)。
ニンソー
人相。面相。顔つき。
- 用例
- ニンソーヌ ワッサヌ ターン チカユラン(人相が悪くて誰も近寄らない)。
- メモ
- 音1:ミンソー。音2:チラソー。
ニンタイウキタイ
寝たり起きたり。
- 用例
- ニンタイウキタイ シシクチン ヌンレーサン(寝たり起きたりで、仕事もやろうとしない)。
ニンタンフーナー
寝たふり。狸寝入り。
- 用例
- イクケーヌン アビタシガ、ニンタンフーナー シ ウキーン サンタン(何度も声をかけたが、寝たふりして起きる様子もなかった)。
ニンチジューコー
年忌焼香。年忌法要。一年忌~三十三年忌までの法事。
- 用例
- ニンチジューコーヤ、クヮゥンマガンチャーン アチマティ、ティー ウサーシヨーヤー(年忌焼香には、子や孫たちも集まって手を合わせなさいよ)。
- メモ
- 音1:ニンキジューコー。
ニントゥー
年頭。年始。正月の挨拶。
- 用例
- ヤーニンジュ スリティ、ウヤヌヤーンカイ ニントゥ シーガ イチュン(家族揃って、実家に正月の挨拶に行く)。
- メモ
- 音2:ソーグヮチニントー。→ソーグヮチディー。
ニントゥウガミ
年頭拝み。
- メモ
- ウサギムン(供え物)と線香を持って本家などに行った。
ニンナーニンナー
念入りに。
- 用例
- アレー、チャー ニンナーニンナー シクチ スグトゥ、ジョートー ヤサ(彼は、いつも念入りに仕事をするから、上等だよ)。
- メモ
- →ニンイリ。
ニンヌハイ
年月が経つこと。
ニンプ
人夫。借金のかたに働くこと。
- 用例
- ヤーガ ヒンスー ナティ、ニンプ サントー ナランタン(家が貧しくて、借金のかたに働かなければならなかった)。
- メモ
- 昔は借金をしても返す当てがないときに、子どもを借金のかたに働かせることがあった。
ニンブチ
念仏。
ニンブチー
念仏者。
ニンブチャー
念仏者。物乞い。乞食。
- 用例
- チチュガ マーシーネー ニンブチャー タヌリチュータン(人が亡くなると、念仏者を頼んできた)。
- メモ
- 死者の出た家に呼ばれ、その家の庭などで鉦を打ちながら念仏を唱え、弔うことを職業とした者。
かつて楚辺におり、楚辺の屋号花打(ハナウチ)から屋富祖マッチャーが引き継ぐ。ハシル(雨戸)で作った小屋で鉦を鳴らしていた。
ニンブチャーは念仏歌を歌いながら鉦を叩くのでカニウッチャーともいった。
ニンブチャーガニ
葬式用の鉦鼓。念仏者の鉦。
- 用例
- ニンブチャーガニヌ チカリーネー ソーガサタン(葬式用の鉦鼓の音が聞こえると怖かった)。
ニンブトゥカー
植物名。スベリヒユ。
- 用例
- アマカイ ミートーシガ、ニンブトゥカー ヤサ(あそこに生えているのが、スベリヒユだよ)。
- メモ
- お盆に和え物にして仏壇に供えた。
ニンブトゥカーズネー
スベリヒユの和え物。
- メモ
- 関:イェーイ・イェームン・カンダバーズーネー・スーネー。
ウンケーにヒカマモチ(昼間餅)と一緒に供えた。カンダバーズネー。
ニンマールー
年回り。行事などを年回りで行うこと。
- 用例
- ムンチューヌ ヤクメー、ニンマールー ヤタン(門中の役員は1年交代だった)。
読込中...