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- しまくとぅば単語帳:ヌ
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ヌイ
洗濯糊。
- 用例
- バサージヌンカイ ヌイ イリーン(芭蕉衣に糊を入れる)。
ヌイジュラサ
馬の足並みなど乗馬技術の美しさ。
ヌイタックヮスン
塗り付ける。
ヌイムン
乗り物。
- 用例
- アマー トゥーサヌ、ヌイムンガ ネーンネー ヲゥタインレー(あそこは遠いから、乗り物がなかったら疲れるよ)。
ヌイン
塗る。
- 用例
- ヤーヌ ペンキ ヌイン(家のペンキを塗る)。
否:ヌラン(塗らない)希:ヌイブサン(塗りたい)過:ヌタン(塗った)継:ヌトーン(塗っている)。
ヌイゥンマヌヤー
乗馬をする人。
ヌー
なに。
- 用例
- ウマヲゥティ ヌー トゥメートーガ?(そこで何を探しているの?)。
ノージェー ヌーディ イミシェーガ(名前は何と言いますか?)。
ヌー
野原。
- 用例
- ンカシェー ヤーン イキラサグトゥ、アマクマンカイ ヌーン マンドータン(昔は家も少ないから、あちらこちらに野原も多かった)。
- メモ
- 類:モー。
ヌー(~ヌー)
~な人。~なもの。
- 用例
- クレー チカーランヌー(これは使えないもの)。
ヌーガ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌーガ イャーヤ アンソール(なんであなたはそうしているの)。
- メモ
- 音1:ヌーグヮ・ヌガ・ヌグヮ。音2:ヌーリチ・ヌーンチ。
ヌーガキーガヤラ
何がなんだか。
- 用例
- ヌーガキーガ ヤラ ワカラン(何がなんだか分からない)。
- メモ
- 慣用句。
ヌーガラ
何やら。何か。
- 用例
- ヌーガラ アマヲゥテイ サワジョーシガ、ヌー ヤガヤー?(何やらあそこで騒いでいるが、何だろうね?)。
ヌーカラクィーカラ
何やらかんやら。
- 用例
- ヌーカラクィーカラ ユージュヌ カサバティ、ヌール ナトーラー ワカラン(何やかんや用事が重なって、どうなっているのか分からない)。
ヌークイ
何もかも。何やかや。
ヌーグトゥ
何事。
- 用例
- アンシ サワジョーシガ ヌーグトゥ ヤガ?(とても騒がしいが何事か?)。
- メモ
- 類:ヌ・ヌー・ヌーリチ・ミーンチ。
ヌーグヮ
なぜ。どうして。
- メモ
- 音1:ヌーガ・ヌガ・ヌグヮ。→ヌーガ。
ヌーサルムン
なんたる者。どれだけの者。
- 用例
- ワンニンカイ クチカナイシガ、イャーヤ ヌーサルムンガ!(私に口答えするが、お前はどれだけの者か!)。
ヌーサワン
何をしても。どうやっても。
- 用例
- ヌーサワン シージャンカイヤ カッチー サン、チャー マキール ヤル(何をしても兄には勝てない、ずっと負けっぱなしだ)。
ヌーサワンクィーサワン
何をしようと。何にしても。
- 用例
- ヌーサワンクィーサワン シムグトゥ、フユーヤ サンキヨー(何をしようと構わないが、怠けるなよ)。
ヌーサンクィーサン
何やかや。あれこれ。
- 用例
- イャーガ チャッサ ヌーサンクィーサン イチャンテーン、ターン チカンサ(お前がどんなに何やかや言ったって、誰も聞かないさ)。
- メモ
- 音1:ヌーヤンクィーヤン。音2:ヌーヤークィーヤー。
ヌーシ
主。
- 用例
- ミチヲゥティ カメーテーシ ヤラー、ヘーク ヌーシンカイ ケースシェー マシ ヤサ(道で探した物だったら、早く主に返した方が良いよ)。
ヌージ
虹。
- メモ
- →アミクェームージ。
ヌージ
名前。
- メモ
- 類:ナー・ノージ。
ヌーディー
喉。
- メモ
- 類:ヌーリ・ヌーリー。
ヌーディーブットゥー
のどぼとけ。喉仏。
- メモ
- 音:ヌーリーブットゥー。
ヌーディーウヮーグヮー
のどちんこ。口蓋垂(こうがいすい)。
- メモ
- 類:ヌーリーワングヮー。
ヌーティックトー ネーン
どうってことはない。何てことはない。
- 用例
- ゥンジャレー ヌーティックトーネーンタン(行ってみたら何てことはなかった)。
- メモ
- 類:チャーンネービランサ。
ヌーディン
何とも。何も。
- 用例
- ヌーディン ウマーンバーイ(何とも思わないのか)。
アンマーヤ ヌーディン イランティナー(お母さんは何も言わなかったのか)。
ヌートゥ クィートゥ
何かということ。分別。
- 用例
- ワラビ ヤティン、ヌートゥクィートー ワカインドー(子どもでも、何かということは分かるよ)。
ヌートゥンガラーシ
何かの拍子に。
- 用例
- ヌートゥンガラーシ ノートーヌ バーガ アサ(何かの拍子に直っていることがある)。
ヌーニンクィーニン
何にでも。
- 用例
- ヌーニンクィーニン、ウヤビカーン タルガキテー ナランドー(何にでも、親ばかり頼ってはいけないよ)。
ヌーヌー
何々。何と何。
- 用例
- ワンネー ヌーヌー ムッチ イケー シムガヤ(私は何々持って行けばいいのかな)。
ヌーヌクィーヌ
何のかの。何やかの。
- 用例
- ヌーヌクィーヌディチン、ターガ チチ トゥラスガ(何のかのと言っても、誰が聞いてくれるのか)。
ヌーヤークィーヤー
何やかや。あれこれ。
- 用例
- ヌーヤークィーヤー ムッチ チェーシ、 マーカイ ウチュガ?(何やかや持って来てあるが、どこに置くの?)。
- メモ
- 音1:ヌーヤンクィーヤン・ヌーサンクィーサン。
ヌーヤティン
何でも。
- 用例
- ヌーヤティン シムグトゥ、ヘークナー ムッチ クーワ(何でもいいから、早く持って来なさい)。
ヌーヤティンクィーヤティン
どうであれ。ともあれ。
- 用例
- ヌーヤティンクィーヤティン、ワンネー イキワル ヤル(どうであれ、私は行かなくちゃいけない)。
ヌーヤンクィーヤン
何やかや。あれこれ。
- 用例
- ヌーヤンクィーヤン イチン、チャーンナランサ(何やかや言っても、どうしようもないよ)。
- メモ
- 音1:ヌーヤークィーヤー・ヌーヤークィーヤー。
ヌーリ
喉。
- メモ
- 類:ヌーディー・ヌーリー。
ヌーリ
青のり。苔。
- 用例
- カーヌハタヤ ヌーリ クートーグトゥ、シンリラングトゥ シーヨー(井戸の側は苔が生えているから、滑らないようにしなさいよ)。
ヌーリ
池。溜池。
- 用例
- ヌーリヲゥティ ゥンム アライネー、グナワランチャーヤ ユー キー チキリヨー(池で芋を洗う時には、小さな子は良く気をつけなさいよ)。
- メモ
- →イチンモー。
ヌーリ
天の一番上にある雲。
- メモ
- ヌーリのギザギザのところをじっと見て、それが真っ直ぐ上ったら、2、3日内には必ず雨が降るといわれた。
ヌーリー
喉。
- 用例
- シワ ッシ、ムヌン ヌーリーカラ ウティラン(心配で、食事も喉から落ちない〈喉を通らない〉)。
- メモ
- 類:ヌーディー・ヌーリ。
ヌーリーチーチー
喉が痞〔つか〕えること。
- 用例
- ミジヌ ネーン ヌーリーチーチー ソーン(水がなくて喉が痞えている)。
ヌーリーブットゥー
のどぼとけ。喉仏。
- 用例
- ヌーリーブットゥーガ ハリトーン(のどぼとけが腫れている)。
- メモ
- 類:ヌーディーブットゥー。
ヌーリーワングヮー
口蓋垂。喉ちんこ。
- 用例
- カジヒチ、ヌーリーワングヮーヌ ハリトーン(風邪をひいて、喉ちんこが腫れている)。
- メモ
- 類:ヌーディーウヮーグヮー。
ヌーリチ
なぜ。どうして。
- メモ
- 音1:ヌーンチ。→ヌーガ。
ヌーリヂン
死装束。
- メモ
- 民俗編下巻P228
ヌール
ノロ。祝女。
- 用例
- ジャチミヌール(座喜味ノロ)。
- メモ
- 村落の祭祀をつかさどる神女。
首里王府編さんの体系的地誌『琉球国由来記』(1713年)によれば、読谷山間切では字大湾、楚辺、喜名、座喜味、瀬名波にノロがいたとされ、それぞれ祭祀を司る村、拝所があったという。ノロの継承家はヌンドゥンチと呼ばれる。王府からの任命職であるノロは「公儀(クージ)ノロ」とされ、それ以前のノロは「シマノロ」と言われた。沖縄最古の歌謡集「おもろさうし」に古堅にノロがいたことを思わせる記述がみられるが、それが「シマノロ」を指しているのではなかろうか。楚辺でも公儀ノロ以前のシマノロがいたと伝承される。
ヌールガー
ノロの専用の井戸。
- メモ
- ノロが用いた井戸といわれ、大湾、高志保ではその跡地に石碑がある。
ヌールグムイ
ノロの溜池。
- メモ
- ノロが手足を洗う池。
ヌールジー
ノロ地。ノロの管理地。
ヌールバカ
ノロ墓。ノロの職にあった人を葬った墓。多くは字の清明祭で拝される。
ヌーロークィーロー
なんだかんだ。あれやこれや。
- 用例
- ヌーロークィーローリーネー、チョーデーガル カシーヤ スル(なんだかんだの時は、兄弟が加勢するんだよ)。
ヌーロークィーロー
何やかや。何かある時。
- 用例
- ヌーロークィーローディーネー ヲゥジャサール タヌマリンドー(何やかやある時には、伯父さんを頼むんだよ)。
ヌーン
何も。
- 用例
- ウッピグヮーンレー、ヌーン カンゲーランティン シムサ(それだけのことなら、何も考えなくてもいいさ)。
ヌーンアラン
何でもない。
- 用例
- ウッピグヮーンレー ヌーンアラングトゥ、シワー サンキヨー(それだけのことなら何でもないから、心配するなよ)。
ヌーンクィイ
何もかも。
- 用例
- ヌーンクイ マンチャーマンチャー、シーネー イミクジン ワカランナイサ(何もかもごちゃ混ぜにしたら、どうなっているか分からなくなるさ)。
- メモ
- 音:ヌーンクイ。
ヌーンチ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌーンチ カマンタガ(どうして食べなかったの?)。
- メモ
- 音1:ヌーリチ。→ヌーガ。
ヌーンチ
何で。どうして。
- 用例
- ヌーンチ カマンタガ(どうして食べなかったの?)。
ヌーンナランヌー
役立たず。何もできない者。
- メモ
- 悪口の一種。
ヌーンヌーン
何でもかんでも。
- 用例
- ヌーンヌーン カムナヨー(何でもかんでも食べるなよ)。
ヌーンヌーン ムッチチン チカーランサ(何でもかんでも持ってきても使えないさ)。
ヌガ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌガ、イャーヤ イカンタルバーイ(どうして、君は行かなかったのか)。
- メモ
- 音1:ヌーガ・ヌーグヮ・ヌグヮ。→ヌーガ。
ヌガーイン
免れる。
- 用例
- クンドー ヤクミ ヌガーイン(今年は役目を免れる)。
否:ヌガーラン(免れない)希:ヌガーイブサン(免れたい)過:ヌガータン(免れた)継:ヌガートーン(免れている)。
ヌガーラスン
見逃す。許す。
- 用例
- シカターネーングトゥ、チューヤ ヌガーラスサ(仕方がないから、今日は見逃すさ)。
ヌカバチャー
ハチの一種。小さな蜂。チビアシナガバチか。
- 用例
- ヌカバチャーガ マンドーグトゥ、キー チキリヨー(小さな蜂が多いから気をつけなさいよ)。
ヌキ
布を織る時の横糸。
- 用例
- ヌヌ ウイネー、ヌキン チカイン(布を織る時には、横糸も使う)。
- メモ
- 縦糸を張った織り機の踏み板を踏みながら、杼(ひ)で横糸を通して布を織った。
ヌキ
味噌造りに使う煮潰した米や大豆。
- 用例
- ンス チュクインディ、ヌキ シコーイン(味噌を作るのに、煮潰した米や大豆を準備する)。
- メモ
- 味噌を作る時には、麹と塩を混ぜたのを米や大豆を煮潰したヌキに混ぜて、それから1年近く熟成させる。
ヌギーン
抜ける。逃げる。
- 用例
- ダテーンヌ チュヌミーカラ ヌギーン(大勢の人の中から抜ける)。ヌギティ イチュン(逃げて行く)。
ヌキガー
柱の貫き穴に通す木材。
- 用例
- ヌキジヤー チュクイネー、ヌキガー チカイタン(貫木家を造る時には、ヌキガーを使った)。
- メモ
- 類:ヌチジヤー。
貫木家を造る時に、柱に細長の貫き穴(柄穴)を開けて、その穴に通す平たい木のことをヌキガーといった。
ヌキジヤー
貫木家。柱に貫き木を通した家。
- 用例
- アンシ チビラーシー ヌキジヤー ヤルヤー(とても立派な貫木屋だね)。
- メモ
- 貫木家は柱に細長の貫き穴(柄穴)を開けて、その穴にヌキガーを通して、柱と柱を結ぶ仕組みになっている。
ヌギバイ
抜け駆け。
- 用例
- ウマカラ ヌギバイ シ ハイタシェー、ター ヤタガ?(そこから抜け駆けて行ったのは、誰だったの?)。ヌギバイ シチョーン(入場料を払わず観覧している)。
- メモ
- 入場料を払わずに映画や闘牛などをみること。
ヌギファ
その場から魂を抜くこと。
- 用例
- ヌギファ シーネー、カッティー タヌリ リッパ シミリヨー(霊魂を抜く時には、手慣れた人を頼んでちゃんとさせなさいよ)。
- メモ
- 類:ヌジファ。
沖縄の信仰では霊魂は死んだ場所あるいは遺骨が納められた墓などに残るとされ、それをヌギファする儀礼がなされる。
ヌキムン
除け者。
- 用例
- ヌキムン サッティ、ティーチン ウムサー ネーランタン(除け者にされて、ちっとも面白くなかった)。
ヌクイ
残り。残り物。
- 用例
- ヌクイヤ ワンガ ムッチ イチュサ(残りは私が持って行くよ)。
- メモ
- 音2:ヌクイムン・ヌクサー・ヌクシ。
ヌクイムン
残り物。
- 用例
- メーナチ ヌクイムンビカーン カマサッティ、ニリトーン(毎日残り物ばかり食べさせられて、飽きている)。
- メモ
- →ヌクイ。
ヌクイン
残る。
- 用例
- ワンネー ナー イフェー ヌクイン(私はもう少し残る)。
ウッサヌ シブイヌ ヌクトール(そんなにたくさんの冬瓜が残っているね)
否:ヌクラン(残らない)希:ヌクイブサン(残りたい)過:ヌクタン(残った)継:ヌクトーン(残っている)。
ヌグイン
拭う。
- 用例
- アシ ハトーグトゥ、ティサージシ チラ ヌグイン(汗をかいているから、手拭で顔を拭く)。
否:ヌグラン(拭わない)希:ヌグイブサン(拭いたい)過:ヌグタン(拭った)継:ヌグトーン(拭っている)。
ヌクサー
残り物。
- 用例
- ワンネー チャー シージャヌ ヌクサービカーン(私はいつも兄の残り物だけだ)。
- メモ
- →ヌクイ。
ヌクサン
温かい。暖かい。
- 用例
- ヒーバチヌ メーカイ クーワ、ヌクサンドー(火鉢の前に来なさい、暖かいよ)。
ナマヤレー、ユーフルン ヌクサンドー(今なら、お風呂も温かいよ)。
- メモ
- 類:ヌクヮハン(温かい)。対:ヒジュルサン(冷たい)。
ヌクシ
残し。残り物。
- 用例
- クヮヌ ヌクシヤ ウヤガル カムル(子どもの残しは親が食べるんだよ)。
- メモ
- →ヌクイ。
ヌクジリ
ノコギリ。
- 用例
- ヌクジリ ムッチ ッチ チレーワ(ノコギリを持って来て切りなさい)。
ヌクジリバー
ノコギリのようにとがった歯。
ヌクスン
残す。
- 用例
- ウットゥヌ タマシ クヮーシ ヌクスン(弟の分のお菓子を残す)。
否:ヌクサン(残さない)希:ヌクシーブサン(残したい)過:ヌクチャン(残した)継:ヌクチョーン(残している)。
ヌクタマイン
温まる。
- 用例
- ヒーサイネー カマヌ メーヤ ヌクタマイン(寒い時には、竈の前は温まる)。
否:ヌクタマラン(温まらない)希:ヌクタマイブサン(温まりたい)過:ヌクタマタン(温まった)継:ヌクタマトーン(温まっている)。
- メモ
- 対:ヒジュイン(冷える)。
ヌクヌクートゥ
温々と。気持ち良い温かさ。
- 用例
- ワランチャーガ ヌクヌクートゥ ニントーン(子どもたちが温々と寝ている)。
ヌクバーイン
暖かくなる。
- 用例
- チカグロー、タッタ ヌクバーティ チョーンヤー(近頃は、だんだん暖かくなってきたね)。
ユカイ ヌクバートーンムナー(けっこう暖かくなったね)。
ヌクムン
暖まる。暖をとる。
ヌグヮ
なぜ。どうして。
- 用例
- ヌグヮ ヌーンチ イャーヤ アン イーガ?(なぜ、どうして君はそう言うの?)。
- メモ
- 音1:ヌーガ・ヌーグヮ・ヌガ。→ヌーガ。
ヌクヮハン
温かい。暖かい。
- 用例
- ワタイリー チーネー ヌクヮハン(綿入れを着ると暖かい)。
- メモ
- 類:ヌクサン。
ヌザトゥ
地名(嘉手納町野里)。
ヌザトゥンチュ
野里の人。
ヌサリムン
のさばっている人。放蕩者。
- 用例
- ヌサリムンヌ、ヘーク マーガラカイ イケー ヤンムンヌ(放蕩者は、早くどこかに行けばいいのに)。
ヌシ
熨斗。
- 用例
- スージカイ ムチ イチュグトゥ、ヌシ ハレーワ(祝いに持って行くから、熨斗を張りなさい)。
ヌシーン
乗せる。載せる。
- 用例
- クルマンカイ ウホークヌ チュ ヌシーン(車に多くの人を乗せる)。
否:ヌシラン(乗せない)希:ヌシーブサン(乗せたい)過:ヌシタン(乗せたい)継:ヌシトーン(乗せている)。
- メモ
- 類:ウーシーン・ウースン。
ヌシカイン
少し出る。少し顔を見せる。
- 用例
- ワランチャーガ チラ ヌシカティ ンチューン(子どもたちが顔を出して見ている)。
ヌシキーン
差し出す。ちょっと出す。のぞかせる。(槍などを)向ける。
- 用例
- トゥイヤッサヌグトゥシ ティー ヌシキーン(取りやすいように手を差し出す)。
クビ ヌシキーン(首をのぞかせる)。ヤイ ヌシキーン(槍を向ける)。
ヌジファ
その場から霊魂を抜くこと。
- 用例
- ヌジファ シーネー、カッティー タヌリ リッパ シミリヨー(ヌギファするときには、手慣れた人を頼んでちゃんとさせなさいよ)。
- メモ
- 類:ヌギファ。ヌギファ参照。
ヌジュミ
望み。
- 用例
- イャームン ヌジュミディシェー ヌーヤガ?(お前の望みというのは何か?)。
ヌジュミドゥーイ
望み通り。
- 用例
- ヌジュミドゥーイ カナワティ、イッペー イリキサンテー(望み通り叶って、とても嬉しいでしょう)。
ヌジュン
①抜く。②脱ぐ。③写す。撮る。
- 用例
- ①ハー ヌジュン(歯を抜く)。
②アシジャ ヌジュン(下駄を脱ぐ)。
③サシン ヌジャン(写真を撮った)。
否:ヌガン(抜かない)希:ヌジーブサン(抜きたい)過:ヌジャン(抜いた)継:ヌジョーン(抜いている)。
ヌスド
盗人。泥棒。
- メモ
- 音:ヌスドゥ。類:ヌスル・ヌスルー。
ヌスドゥ
盗人。泥棒。
- メモ
- 音:ヌスド。類:ヌスル・ヌスルー。
ヌスムン
盗む。
- 用例
- ヌーン カムシン ネーン、ハルカラ ヤシェー ヌスムン(何も食べるのがなく、畑から野菜を盗む)。
否:ヌスマン(盗まない)希:ヌスミーブサン(盗みたい)過:ヌスラン(盗んだ)継:ヌスローン(盗んでいる)。
ヌスル
盗人。泥棒。
- 用例
- ヌスルヤ カンナジ、ドゥーヌ ヒサアトゥ ヌクスンディ(盗人は必ず、自分の足跡を残すそうだ)。
- メモ
- 類:ヌスド・ヌスドゥ。
ヌスルヌバーン
盗人の番。盗人の見張り。寝ずの番。
- 用例
- ヒルニンジ シーヂューサイネー、ヌスルヌバーン サル ウチ ヤサ(昼寝をしすぎると、盗人の番をすることになるよ)。
- メモ
- 昼間寝すぎて夜眠れなくなり、盗人の見張りをするという意味の揶揄。
ヌスルングェー
つまみ食い。
- 用例
- ヌスルングェービカーン スグトゥ、ムノー イラン ナイサ(盗み食いばかりするから、ご飯は入らなくなるさ)。
- メモ
- →ガチングェー。
ヌチ
緯〔ぬき〕。緯糸〔ぬきいと〕。横糸。
- メモ
- 音1:ヌキ(布を織るときの横木)。
ヌチ
貫。
ヌチ
味噌を造る時に炊いた大豆など。
- 用例
- ンスヌ ヌチェー ウフチジャーグヮー ニーン(味噌のもとになるのは、大豆を煮る)。
ヌチ
命。
- 用例
- ヌチェー ヌーヤカ タカラヤサ(命は何よりも宝だよ)。
- メモ
- →イヌチ。
ヌチ コーイン
命を買う。命拾いする。
- 用例
- ヌチヤ コーヤーニ(命拾いして)。ヌチ コーティ(命が助かって)。
ヌチカジリ
命の限り。
- 用例
- ヌチカジリ ハマティン、チャーン ナランシェー シカター ネーンサ(命の限り頑張っても、どうにもならなければ仕方がないさ)。
ヌチガフー
命果報。命拾い。
- 用例
- マーン ヤマサンテーレー、ヌチガフー コーテーサ(どこも怪我がなければ、命拾いしているさ)。
ヌチグスイ
命の薬。長寿の薬。
ヌチシター
命知らず。
- 用例
- イャーグトーシーカイ、ヌチシターディサ(お前みたいな奴に、命知らずというんだよ)。
- メモ
- 類:マチシンター・ハティー。
ヌチジヤー
貫木家。柱に貫き木を通した家。
- メモ
- 類:マキジヤー。
ヌチシンター
命知らず。
- 用例
- ヌチシンターヤ チャーヌ ワジャン スサ(命知らずは、どんなことでもするよ)。
- メモ
- 類:マチシター・ハティー。
ヌチヂューサン
生命力が強い。生命力がある。
- メモ
- 類:マチヂューハン。
ヌチヂューハン
生命力がが強い。生命力がある。
- メモ
- 類:マチヂューサン。
ヌチトゥ カクグ
命と覚悟。命と引き替えにすること。
- 用例
- ヌチトゥカクグ ッシマディ、スル ワジャヤ アラン(命と引き換えにしてまで、やるものではない)。
ヌチドゥクル
急所。
- 用例
- ヌチドゥクル ヤマサンテーヌ、フーガル アンテー(急所を怪我せずに、運が良いんだよ)。
- メモ
- 類:ソードゥクル・チブドゥクル。
ヌチヌウヤ
命の親。命の恩人。
ヌチバナ
演目名。貫花。花を糸で貫いたもの。花飾り。
- 用例
- ハナガ アマトーグトゥ ヌチバナ チュクイン(花が余っているから花飾りを作る)。
ヌチブクターグヮー
作業用の防寒着。
- メモ
- 類:ノーロー。古くなった木綿の着物に、小さな布切れを何枚もつぎはぎして縫い合わせ冬用の野良着として着た。
ヌチャーシー
金品を出し合うこと。
- 用例
- ムルシ ヌチャーシー シ、ウヤギー ムッチ イチュン(皆で金を出し合って、差し入れを持って行く)。
ヌチャガイイェーキ
急に富を増やすこと。急に金持ちになること。
- 用例
- ワッタガ ワカラン マール チューチャン、ヌチャガイイェーキ ナティ(私たちが知らないうちに、急に金持ちになったね)。
ヌチャガイン
①抜け出る。②芽が出る。
- 用例
- ①ハマイネー、イチカー チュヤカ ヌチャガイサ(頑張れば、いつかは人より抜きん出るよ)。
②ワンガ イーテール シブイグヮー ヌチャガティ チャーギンレー(私が植えてあった冬瓜が、芽を出してきたよ)。
ヌチュン
①退く。立ち去る。②別れる。離縁する。
- 用例
- ①キジムナーヤ ヌチュンリ(キジムナーは退くんだって)。
②ヰナグヌ ウヤヤ ヌチャルバーイー(女の親は離婚したのか)。
ヌチュン
徴収する。
- 用例
- カクチネーカラ ジン ヌチュン(各家庭からお金を徴収する)。
否:ヌカン(徴収しない)希:ヌチーブサン(徴収したい)過:ヌチャン(徴収した)継:ヌチョーン(徴収している)。
ヌチュン
抜く。貫く。
- 用例
- ハーイヌミーカイ イーチュー ヌチュン(針の穴に糸を抜く)。
否:ヌカン(抜かない)希:ヌチブサン(抜きたい)過:ヌチャン(抜いた)継:ヌチョーン(抜いている)。
ヌヌ
布。
- 用例
- ヌヌ ヒルギティ チャー スヌ バーガ?(布を広げてどうするのか?)。
ヌヌウイジョージ
布織上手。
ヌヌブクル
布袋。
- 用例
- ヌヌブクルンカイ クミガ イッチョータン(布袋に米が入っていた)。
ヌバガイカーギ
顔を見せる。立ち寄る。
- 用例
- チカグロー ヌバガイカーギン ネーンレー(最近はちっとも顔を見せないよ)。
- メモ
- 音2:ミーカーギ。
ヌバガイン
ちょっとのぞく。ちょっと顔をだす。ちょっと立ち寄る。
- 用例
- ヲゥバマーターンカイ イッチュター ヌバガイン(伯母さんの家にちょっと立ち寄る)。
否:ヌバガラン(立ち寄らない)希:ヌバガイブサン(立ち寄りたい)過:ヌバガタン(立ち寄った)継:ヌバガトーン(立ち寄っている)。
- メモ
- 音1:ヌバガユン。→トゥンヌバガイン。
ヌバガユン
ちょっとのぞく。ちょっと顔をだす。ちょっと立ち寄る。
- 用例
- ハンタンカイ ヌバガユン(崖のふちに顔を出してのぞく)。アサユー ヌバガティ(朝夕顔を出して)。
- メモ
- 音1:ヌバガイン。→トゥンヌバガイン。
ヌバスン
伸ばす。
- 用例
- マガトーヌ キー チカーリヌ グトゥ ヌバスン(曲がっている木を使えるように伸ばす)。
否:ヌバサン(伸ばさない)希:ヌバシーブサン(伸ばしたい)過:ヌバチャン(伸ばした)継:ヌバチョーン(伸ばしている)。
- メモ
- 対:マギーン(曲げる)。
ヌバチリーン
くたばる。大変な思いをする。
- 用例
- シーヨーヌ ワカランネー、ヌバチリーンドー(やりかたが分からないとくたばるよ)。
ドゥーチュイシ スンディ、ヌバチリトーン(ひとりでやろうとして、くたばっている)。
ヌバチリムン
ぐうたら。ぐうたらな者。
- 用例
- ヌバチリムントー アシバンキヨー(ぐうたらな奴とは遊ぶなよ)。
ヌビ
おおらか。寛大さ。
ヌビーディー
寛大〔かんだい〕で辛抱〔しんぼう〕強いこと。
- 用例
- アヌ チョー ヌビーディーヌ マンリル、チュ マトゥミー スル(あの人は寛大さが大いにあって、人をまとめることができるんだよ)。
- メモ
- 類:チムヌヌビ。
ヌビーン
延ばす。遅らせる。
- 用例
- ハライヌ ジノー ネーングトゥ、イチュター ヌビーン(払う金がないから、少し支払いを遅らせる)。
ヌビーン
許す。
- 用例
- ワカランヨークー シェーヌ クトゥル ヤグトゥ ヌビーン(知らずにやったことだから許す)。
ヌビサシ
日延べ。
- 用例
- ヒッチー ヤティン ヌビサシェー ナランディ(1日でも日延べはできないそうだ)。
ヌファムラ
字楚辺にあったと言われる古集落名。
- メモ
- 昔は東がヌファ村、西がスビ村であったという。ヌファカミアサギグヮーと呼ばれている場所もあった。首里王府編さんの体系的地誌『琉球国由来記』(1713年)には楚辺の「嶽」として「禰覇ノ嶽」記載がみられる。
ヌブイジョー
料亭の名。
- メモ
- 比謝矼にあった料亭の名。比謝矼は戦前は嘉手納と繋がるマチ(市場)として大いに栄えた。
ヌブイン
登る。
- 用例
- ニーケーヌ タキマディ ヌブイン(2階の高さまで登る)。
否:ヌブラン(登らない)希:ヌブイブサン(登りたい)過:ヌブタン(登った)継:ヌブトーン(登っている)。
- メモ
- 対:ウリ―ン(降りる)。
ヌブシーン
①のぼせる。②有頂天になる。舞い上がる。
- 用例
- ①カラジ ンリトーヌ ママ ニンジーネー ヌブシーンドー(髪が濡れたまま寝るとのぼせるよ)。
②アレー フミレーカラ、マーマリン ヌブシーンドー(彼は褒めたら、どこまでも舞い上がるよ)。
否:ヌブシラン(のぼせない)過:ヌブシタン(のぼせた)継:ヌブシトーン(のぼせている)。
ヌブシヌタマ
宝珠の玉。
ヌブシヤー
のぼせる人。よく頭が熱くなったり、痛くなったりする人。
ヌブタン
ノボタン。野牡丹。
- 用例
- ヌブタンヌ ハナヤ ムラサキーシ チュラサン(野牡丹の花は紫色できれいだ)。
ヌミ
鑿〔のみ〕。
- 用例
- ワラビヌ ヌミ ムッチ アシビーネー アブナサヌ(子どもがノミを持って遊んだら危ない)。
ヌミグスイ
飲み薬。
- 用例
- ヌミグスイン ヰーティチェーラー ヌマンネー(飲み薬も貰って来たんなら飲まないと)。
ヌミトゥバスン
飲み尽くす。
ヌミミジ
飲み水。
- 用例
- ヌミミジヤ テーヒチニ ヌミヨー(飲み水は大切に飲みなさいよ)。
ヌミンクン
飲み込む。
- 用例
- ミジ ヌミンクン(水を飲み込む)。
- メモ
- 類:ヌミンチュン。
ヌミンチュン
飲み込む。
- 用例
- ミジシ クスイ ヌミンチュン(水で薬を飲み込む)。
否:ヌミンカン(飲み込まない)希:ヌミンチーブサン(飲み込みたい)過:ヌミンチャン(飲み込んだ)継:ヌミンチョーン(飲み込んでいる)。
- メモ
- 類:ヌミンクン。対:アギーン(食べ物を戻す)。
ヌムン
飲む。
- 用例
- ヌーリー カーラチ ミジ ヌムン(喉が渇いたので水を飲む)。
否:ヌマン(飲まない)希:ヌミーブサン(飲みたい)過:ヌラン(飲んだ)継:ヌローン(飲んでいる)。
ヌラーイン
叱る。怒る。
ヌラーリーン
叱られる。怒られる。
- 用例
- ヌラーッティ(怒られて)。
- メモ
- 音:ヌラーリン。
ヌラーリン
叱られる。怒られる。
- 用例
- ウンナ ワジャ シーネー、ヌラーリンテー(そんなことをしたら、叱られるよ)。
否:ヌラーランタン(叱られなかった)希:ヌラーリーブサン(叱られたい)過:ヌラーッタン(叱られた)継:ヌラートーン(叱られている)。
- メモ
- 音:ヌラーリーン。
ヌライクジラリーン
ひどく叱る。
- 用例
- チャー ヌライクジラッタグトゥ チューヤ チチヌ アガイガエーカ サビーグトゥ(いつもひどく叱られたので、今日は月が上がるまで働きますので)。
- メモ
- 勝連バーマーが仕事に遅刻し、役人に怒られたので「月が上がるまで働きます」と言うと、その日(二十日月)はいつもより早く上がったという話。「勝連バーマー」『高志保の民話』より。
ヌライグチー
よく怒る人。
- 用例
- ワッター スーヤ ルク ヌライグチー ナティ、フシガラン(私の父はあまりにも怒りっぽくて、たまったもんじゃない)。
ヌライクヮタイ
飲んだり食べたり。
- 用例
- ヌライクヮタイ、イャー カッティル ヤルイ(飲んだり食べたり、お前の勝手か)。
ヌライン
叱る。怒る。
- 用例
- ティガンマリワランチャー アチミティ ヌライン(悪戯っ子を集めて叱る)。ヌラティ(怒って)。ヌレーワ(叱りなさい)。
否:ヌララン(叱らない)希:ヌライブサン(叱りたい)過:ヌラタン(叱った)継:ヌラトーン(叱っている)。
- メモ
- 対:フミーン(褒める)。
ヌラハン
ぬるい。
- 用例
- ユーフル ミジェー イフェー ヌラハンレー(お風呂の水は少しぬるいよ)。
- メモ
- 類:ヌルサン。
ヌラヤー
よく叱る人。
- 用例
- イヒナーヤ ヌラヤーン ヲゥリワル ヤル(少しは叱る人もいないといけないよ)。
ヌルサン
ぬるい。
- 用例
- ウヌ チャーヤ アサ イッテーシ ヤグトゥ ヌルサン(そのお茶は、朝入れたものだからぬるい)。
- メモ
- 類:ヌルハン。
ヌルヌルー
ぬるぬるしている状態。
- 用例
- タク カチミタレー、ティーガ ヌルヌルー シ(タコをつかまえたので、手がぬるぬるしている)。
ヌルブックヮー
ぬるい物。
- 用例
- ウヌ チャーヤ ヌルブックヮー シ、ウチャクンカイヤ ゥンジャサランデー(そのお茶はぬるくて、お客さんには出せないよ)。
ヌルントゥルン
のろのろしていること。
- 用例
- イチグ ヌルントゥルン シ、ヌー シミティン バチン クヮーン(いつものろのろして、何をさせても役に立たない)。
ヌンドゥンチ
ノロ殿内。村落の祭祀を司るノロ神女の屋敷。
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